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C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

2

4

  一般事項

5

4.1

  電力系統の開閉過渡現象 

5

4.2

  雷の過渡現象 

5

4.3

  過渡現象のシミュレーション

5

5

  試験レベル 

5

6

  試験装置

6

6.1

  1.2/50 

μコンビネーション波形発生器 

6

6.2

  10/700 

μコンビネーション波形発生器 

9

6.3

  CDN 

12

7

  試験セットアップ

24

7.1

  試験装置 

24

7.2

  EUT の電源ポートに印加する試験のための試験セットアップ 

24

7.3

  非シールド非対称的な相互接続線に印加する試験のための試験セットアップ 

24

7.4

  非シールド対称的な相互接続線(通信線)に適用する試験セットアップ

25

7.5

  高速通信線に適用する試験セットアップ 

25

7.6

  シールド線に適用する試験セットアップ 

25

7.7

  電位差を与える試験セットアップ 

28

7.8

  EUT の動作条件

28

8

  試験手順

28

8.1

  試験室の基準条件

28

8.2

  試験室内でのサージの印加 

29

9

  試験結果の評価 

30

10

  試験報告書 

30

附属書 A(参考)発生器及び試験レベルの選択

32

附属書 B(参考)補足説明

34

附属書 C(参考)低電圧電力系統へ接続される装置のイミュニティ達成への考察 

37


C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気学会

(IEEJ)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,

JIS C 61000-4-5:1999

は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS C 61000

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

61000-3-2

  第 3-2 部:限度値−高調波電流発生限度値(1 相当たりの入力電流が 20 A 以下の機

器)

JIS

C

61000-4-2

  第 4 部:試験及び測定技術−第 2 節:静電気放電イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-3

  第 4-3 部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-4

  第 4-4 部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バーストイミュニ

ティ試験

JIS

C

61000-4-5

  第 4-5 部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験

JIS

C

61000-4-6

  第 4-6 部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対する

イミュニティ

JIS

C

61000-4-7

  第 4-7 部:試験及び測定技術−電力供給システム及びこれに接続する機器のための

高調波及び次数間高調波の測定方法及び計装に関する指針

JIS

C

61000-4-8

  第 4 部:試験及び測定技術−第 8 節:電源周波数磁界イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-11

  第 4-11 部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイ

ミュニティ試験

JIS

C

61000-4-14

  第 4 部:試験及び測定技術−第 14 節:電圧変動イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-16

  第 4 部:試験及び測定技術−第 16 節:直流から 150 kHz までの伝導コモンモード

妨害に対するイミュニティ試験

JIS

C

61000-4-17

  第 4 部:試験及び測定技術−第 17 節:直流入力電源端子におけるリプルに対する

イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-20

  第 4-20 部:試験及び測定技術−TEM(横方向電磁界)導波管のエミッション及び

イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-34

  第 4-34 部:試験及び測定技術−1 相当たりの入力電流が 16 A を超える電気機器の

電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験

JIS

C

61000-6-1

  第 6-1 部:共通規格−住宅,商業及び軽工業環境におけるイミュニティ

JIS

C

61000-6-2

  第 6-2 部:共通規格−工業環境におけるイミュニティ


日本工業規格

JIS

 C

61000-4-5

:2009

(IEC 61000-4-5

:2005

)

電磁両立性−第 4-5 部:試験及び測定技術−

サージイミュニティ試験

Electromagnetic compatibility (EMC)-

Part 4-5: Testing and measurement techniques-Surge immunity test

序文 

この規格は,2005 年に第 2 版として発行された IEC 61000-4-5 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を編集上変更している事項である。

適用範囲 

この規格は,開閉(スイッチング)及び雷の過渡現象による過電圧によって発生する単極性(正又は負)

のサージに対する,イミュニティ要求事項,試験方法及び装置に対して推奨する試験レベルの範囲につい

て規定する。異なる環境及び設置状態に関係する,幾つかの試験レベルを規定する。これらの要求事項は,

電気・電子装置に対して作成され,かつ,適用される。

この規格の目的は,サージにさらされた場合の電気・電子装置のイミュニティを評価するための,共通

の基準を確立することにある。この規格に規定する試験方法は,定義した現象に対して,装置又はシステ

ムのイミュニティを評価するための一貫した方法を規定している。

注記 1  この規格は,IEC Guide 107 で記載しているように,製品規格を作成するときに用いる基本

EMC

規格である。また,製品規格委員会は,このイミュニティ試験規格を適用すべきかどう

かを決定する責任をもつ。そして,適用する場合,適切な試験レベル及び性能評価基準を決

める責任がある。EMC 規格作成委員会は,それらの製品に対する特定のイミュニティ試験値

の評価について,製品規格委員会と協力する用意がある。

この規格では,次について規定する。

−  試験レベルの範囲

−  試験装置

−  試験セットアップ

−  試験手順

規定する試験室試験の目的は,ある程度の脅威レベルの開閉及び雷の影響によって発生するサージ電圧

に対して,規定する動作条件での EUT の反応を見出すことである。

高電圧ストレスに対する EUT の絶縁性能を試験することは,意図していない。この規格では,雷電流の

直接注入,すなわち直撃雷は,考慮していない。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61000-4-5:2005

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-5: Testing and measurement


2

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

techniques

−Surge immunity test (IDT)

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,一致していることを

示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 60050-161

  EMC に関する IEV 用語

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60050-161 , International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161:

Electromagnetic compatibility (IDT)

IEC 60060-1

,High-voltage test techniques. Part 1: General definitions and test requirements

IEC 60469-1

,Pulse techniques and apparatus. Part 1: Pulse terms and definitions

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60050-161 によるほか,次による。

3.1 

アバランシェ素子 (avalanche device) 

規定した電圧でブレークダウン及び導通するように設計したダイオード,ガスアレスタ又はその他の部

品。

3.2 

校正 (calibration) 

規定する条件で基準に照らして,表示値と測定値との間の関連性を確立するための一連の作業。

注記 1  この用語は,“不確かさ”の手法に基づいている。

注記 2  表示値と測定値との間の関連性は,通常,校正ダイヤグラムで説明することができる。

3.3 

クランプ素子 (clamping device) 

指定値を超える印加電圧を制限するように設計したダイオード,バリスタ又はその他の部品。

3.4 

コンビネーション波形発生器  (combination wave generator) 

1.2/50

μs 又は 10/700 μs の開回路電圧波形,及び 8/20 μs 又は 5/320 μs の短絡電流波形をそれぞれ備える

発生器。

3.5 

結合回路網 (coupling network) 

一つの回路からほかの回路へエネルギーを伝達させる目的をもつ電気回路網。

3.6 

減結合回路網 (decoupling network) 

EUT

に印加するサージが,試験対象外の機器,装置又はシステムに影響することを防止するための電気

回路網。


3

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

3.7 

持続時間 (duration) 

指定した波形又は特徴が,存在又は連続する期間の絶対値。

3.8 

(サージ発生器の)実効出力インピーダンス  [effective output impedance (of a surge generator)] 

ピーク短絡電流に対するピーク開回路電圧の比。

3.9 

電気設備 (electrical installation) 

目的を満たすために整合した特性をもった関連する電気装置一式。

3.10 

EUT (equipment under test) 

供試装置。

3.11 

フロントタイム(波頭長)(front time) 

a) 

サージ電圧 (surge voltage) のフロントタイム T

1

インパルスがピーク値の 30  %と 90  %になるときとの時間間隔 の 1.67 倍として定義した仮想パラメ

ータ(

図 及び図 参照)。

b) 

サージ電流 (surge current) のフロントタイム T

1

インパルスがピーク値の 10  %と 90  %になるときとの時間間隔 の 1.25 倍として定義した仮想パラメ

ータ(

図 及び図 参照)。

3.12 

(基準)グラウンド [ground (reference)] 

あらゆる接地接続の影響も受けない,通常ゼロ電位で,かつ,導電性がある大地の一部。

3.13 

高速通信線  (high-speed communication lines) 

100 kHz

を超える伝送周波数で動作する入出力線。

3.14 

イミュニティ (immunity) 

電磁妨害が存在する環境で,機器,装置又はシステムが性能低下せずに動作することができる能力。

[JIS C 60050-161-01-20]

3.15 

相互接続線 (interconnection lines) 

I/O

線(入出力線)及び通信線。

3.16 

一次保護 (primary protection) 

強力なエネルギーの大半が,指定したインタフェースを超えて伝ぱ(播)することを防止する手段。

3.17 

立上り時間 (rise time) 

パルスの瞬時値が最初に規定した下限値に到達し,その後,規定した上限値に到達するまでの時間間隔。

[JIS C 60050-161-02-05]


4

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

注記  特に規定がない場合,下限値及び上限値は,パルス振幅の 10  %及び 90  %とする。

3.18 

二次保護 (secondary protection) 

一次保護を通過したエネルギーを抑制する手段。二次保護は,特別のデバイス又は EUT 固有の特性の場

合がある。

3.19 

サージ (surge) 

急激な上昇の後に緩やかに減少する特徴をもったライン又は回路を伝ぱ(播)する電流,電圧又は電力

の過渡的波形。

JIS C 60050-161-08-11,修正)

3.20 

対称線 (symmetrical lines) 

ディファレンシャルモードからコモンモードへの変換損失が 20 dB を超える,対称的に駆動される一対

の導体。

3.21 

システム (system) 

指定する機能を行うことによって,与えられた目的を達成するために構成する相互依存する要素のセッ

ト。

注記  システムは,環境及びほかの外部システムとの結合を分離する仮想の境界によって,環境及び

ほかの外部システムから切り離して考えている。これらの結合を通じて,システムは,環境に

よって影響を受けるか,外部システムによって影響されるか,又はシステム自身が環境若しく

は外部システムに影響を与える。

3.22 

半値時間(波尾長)(time to half-value)T

2

仮想原点 O

1

と電圧又は電流がピーク値の半分に減少した時点との時間間隔。

注記  サージの半値時間 T

2

は,仮想のパラメータである。

3.23 

過渡現象 (transient) 

対象とする時間スケールに比べて短い時間間隔で,二つの連続する定常状態の間を変化する現象若しく

は量に関係するもの,又はその呼称。

[JIS C 60050-161-02-01]

3.24 

検証 (verification) 

試験装置システム(例えば,発生器と相互接続しているケーブル)を確認し,この試験システムが箇条

6

に規定する仕様の範囲内で機能することを証明する一連の作業。

注記 1  検証の方法は,校正の方法と異なってもよい。

注記 2  6.1.2 及び 6.2.2 の手順は,意図する波形を EUT に印加するための試験配置を構成する,発生

器及びほかの構成機器の正しい動作を保証するための指針としての意味をもつ。

注記 3  この基本 EMC 規格でのこの定義は,IEV 311-01-13 で規定する定義と異なっている。


5

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

3.25 

仮想原点 (virtual origin)O

1

a) 

サージ電圧 (surge voltage) の仮想原点 (virtual Origin) O

1

30

%及び 90  %の振幅値を直線で引き,時間軸と交差する時点。

b) 

サージ電流 (surge current) の仮想原点 (virtual Origin) O

1

10

%及び 90  %の振幅値を直線で引き,時間軸と交差する時点。

一般事項 

4.1 

電力系統の開閉過渡現象 

電力系統の開閉過渡現象は,その関連する過渡現象によって次のように分類できる。

a)

コンデンサバンク開閉のような,主電源系の開閉妨害。

b)

電力配電系統における,小さな局所的開閉動作,又は負荷変動。

c)

サイリスタなどの半導体デバイスに起因する共振。

d)

設備の接地系統に対する短絡及び放電故障のような,各種のシステム故障。

4.2 

雷の過渡現象 

雷がサージ電圧を発生する主なメカニズムは,次による。

a)

外部(屋外)回路への直撃雷によって,接地抵抗又は外部回路のインピーダンスのどちらかに大電流

が流れることで電圧が誘起する。

b)

間接的な雷撃(雲と雲との間,雲の内部,又は近くの物体への雷撃)によって,建物の外側及び/又

は内側の導体に,電圧又は電流を誘起する(誘導雷)

c)

近くの大地へ直接放電する雷によって,大地電流が設備の接地系の共通接地経路に流れ込む。

雷保護デバイスが作動するときに発生する電圧及び電流の流れの急激な変化は,隣接した装置に電磁妨

害を誘起することがある。

4.3 

過渡現象のシミュレーション 

試験発生器は,できるだけ正確に 4.1 及び 4.2 で記載した現象をシミュレーションする。

妨害源が同一回路内,例えば,電源供給回路内にある場合(直接結合)

,発生器は,EUT のポートにお

いて低インピーダンス源をシミュレーションしている。

妨害源が雷を受ける装置と同じ回路内にない場合(間接結合)

,発生器は,高インピーダンス源をシミュ

レーションしている。

試験レベル 

推奨試験レベルは,

表 による。


6

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

表 1−試験レベル 

レベル

開回路試験電圧  ±10  %

kV

1 0.5

2 1.0

3 2.0

4 4.0

X

特殊

注記  X は任意のレベルで,ほかのレベルより高い若しくは低い,又は間とするこ

とができる。このレベルは,製品規格で規定できる。

試験レベルは,設置条件に従って選択する。その設置のクラスは,B.3 で示す。

下位の試験レベルのすべての電圧を,満足しなければならない(8.2 参照)

異なったインタフェースに対する試験レベルの選択については,

附属書 に示す。

試験装置 

2

種類のコンビネーション波形発生器を規定する。それぞれの発生器は,試験ポートの種類に応じて適

用する(箇条 参照)

。10/700

μs コンビネーション波形発生器は,対称通信線へ接続することを意図する

試験ポートに用いる。1.2/50

μs コンビネーション波形発生器は,ほかのすべての場合,特に電力線及び短

い距離の信号接続を意図する試験ポートに用いる。

6.1 1.2/50 

μコンビネーション波形発生器 

この発生器は,出力波形が EUT に印加される箇所で仕様を満たすことを意図している。波形は,開回路

電圧及び短絡電流として規定し,EUT を接続せずに測定する。EUT の交流又は直流電源線にサージを印加

する場合,電源線に印加する結合/減結合回路網(以下,CDN という。

)の出力は,

表 及び表 を満足

しなければならない。

発生器出力端子から直接サージを印加する場合,波形は,EUT を接続しないで

表 を満足しなければな

らない。この波形は,EUT だけに印加する場合であり,発生器出力及び CDN の出力を同時に満足するこ

とは意図していない。

発生器は,開回路電圧のフロントタイム 1.2

μs,開回路電圧の半値時間 50 μs,短絡電流のフロントタイ

ム 8

μs,及び短絡電流の半値時間 20 μs のサージを発生させることを意図している。

発生器の等価回路図を

図 に示す。各種の構成部品 R

s1

R

s2

R

m

L

r

及び C

c

の値は,発生器が 1.2/50

μs

開回路電圧サージ及び 8/20

μs 短絡電流サージを出力するように選択する。


7

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

R

c

C

c

 

R

m

L

r

R

s1

R

s2

 

S

U

:高電圧源

R

c

:充電抵抗

C

c

:エネルギー蓄積コンデンサ

R

s1

R

s2

:パルス幅形成抵抗

R

m

:インピーダンス整合抵抗

L

r

:立上り時間形成インダクタ

S

:放電スイッチ

図 1−コンビネーション波形発生器の等価回路図(1.2/50 

μ及び 8/20 μs 

便宜上,コンビネーション波形発生器のピーク開回路出力電圧とピーク短絡電流との比は,実効出力イ

ンピーダンスとみなす。この発生器では,実効出力インピーダンス 2

Ωとなる。

注記  電圧及び電流の波形は,EUT 入力インピーダンスの影響を受ける。サージを EUT に印加して

いる間,この入力インピーダンスは,次のような場合に変化することがある。

a)

  取り付けた保護デバイスが正常に動作した場合。

b)

  保護デバイスがない又は動作しない場合で次のいずれかが発生した場合。

−  フラッシオーバ

−  EUT の部品破壊

したがって,負荷によって決まる 1.2/50

μs 電圧波形及び 8/20  μs 電流波形は,一つの発生器

出力から得られなければならない。

6.1.1 

発生器の特性及び性能 

極性

正及び負

位相シフト EUT の交流電源ラインの位相角 0°∼360°の範囲。許容差は±10°

繰返し率

1

分間に 1 回以上

ピーク開回路出力電圧 0.5

kV

から要求試験レベルまで可変

サージ電圧波形

表 及び図 参照

出力電圧の許容差

±10  %

ピーク短絡出力電流

ピーク開回路出力電圧の設定によって決まる(

表 及び表 参照)

サージ電流波形

表 及び図 参照

短絡出力電流の許容差

±10  %

実効出力インピーダンス 2

Ω±10  %

注記  出力電圧及び短絡出力電流の許容差はそれぞれ±10  %であるが,出力電圧と短絡出力電流との

比である実効出力インピーダンス 2

Ωに対しても±10  %の許容差を満たさなければならない。


8

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

表 21.2/50 

μ及び 8/20 μの波形パラメータ 

IEC 60060-1

による規定

IEC 60469-1

による規定

定義

フロントタイム

半値時間

立上り時間(10  %∼90  %) 持続時間(50  %∼50  %)

開回路電圧 1.2

μs±30  % 50

μs±20  % 1

μs±30  % 50

μs±20  %

短絡電流 8

μs±20  % 20

μs±20  % 6.4

μs±20  % 16

μs±20  %

注記  現在の IEC 規格では,通常,1.2/50

μs 及び 8/20 μs の波形は,図 及び図 に示すように,IEC 60060-1 によ

って規定する。ほかの IEC の推奨波形は,この表に示すように IEC 60469-1 によって規定する。両方の規定

は,この規格において有効であり,一つの発生器を示す。

表 3−ピーク開回路出力電圧とピーク短絡出力電流との関係 

ピーク開回路出力電圧

kV

ピーク短絡出力電流

kA

0.5 0.25

1.0 0.5

2.0 1.0

4.0 2.0

ピーク短絡出力電流は,ピーク開回路出力電圧が規定のようである場合,

表 に示すようにしなければ

ならない。

発生器の出力端子は,非接地状態で出力する。

T

T

1

O

1

 

T

2

 

1.0

0.9

0.5

0.3

0.1

0.0

最大 30 %.

B

A





フロントタイム:T

1

=1.67×T=1.2

μs±30  %

半値時間:T

2

=50

μs±20  %

注記 CDN 出力の開回路電圧波形は,一般にこの図で示す曲線のように,無視できないアンダーシ

ュートがあってもよい。

図 2CDN を接続しない発生器出力での開回路電圧 (1.2/50 

μs)  の波形 

IEC 60060-1 による波形の規定) 

最大 30 %

時間


9

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

T

1

O

1

 

T

2

 

1.0

0.9

0.5

0.1 
0.0

30 % .

B

C


規化電流

フロントタイム:T

1

=1.25×T=8

μs±20  %

半値時間:T

2

=20

μs±20  %

注記 30 %のアンダーシュートの規定は,発生器出力にだけ適用する。CDN の出力には,アンダー

シュート又はオーバーシュートに制限はない。

図 3CDN を接続しない発生器出力での短絡電流 (8/20 

μs)  の波形 

IEC 60060-1 による波形の規定) 

6.1.2 

発生器の校正 

異なる発生器からの試験結果に差異が出ないように,発生器は,定期的に校正しなければならない。こ

の目的のために,発生器の最も本質的な特性を測定する次の手順を必要とする。

発生器の出力は,波形の特性を観測するために十分な帯域幅及び電圧の仕様をもつ測定系に接続する。

発生器の特性は,同じ充電電圧で,開回路(10 k

Ω以上の負荷)及び短絡(0.1 Ω以下の負荷)の状態で

測定する。

発生器の出力は,6.1.1 で規定したすべての波形の規定及びパラメータ性能を満足しなければならない。

注記 1  試験セットアップの要求事項に従って,2

Ωから例えば 42  Ωの実効インピーダンス源を増加

させるために発生器出力に内部又は外部に抵抗を追加する場合は,結合回路網の出力で試験

パルスのフロントタイム及び半値時間は,大きく変化する。

注記 2  この箇条の校正手順は,検証にも使用できる。

6.2 10/700 

μコンビネーション波形発生器 

この発生器は,開回路電圧のフロントタイム 10

μs,開回路電圧の半値時間 700 μs,短絡電流のフロント

タイム 5

μs,及び短絡電流の半値時間 320 μs のサージを発生させることを意図している。

発生器の等価回路図を

図 に示す。各種の構成部品 R

s

R

m1

R

m2i

C

c

及び C

s

の値は,発生器が 10/700

μs

開回路電圧サージ及び 5/320

μs 短絡電流サージを出力するように選択する。

最大 30 %  時間


10

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

R

c

C

c

 

R

m1

R

s

R

m2i

C

s

S

1

S

U

:高電圧源

R

c

:充電抵抗

C

c

:エネルギー蓄積コンデンサ

R

s

:パルス幅形成抵抗

R

m1

R

m2i

:インピーダンス整合抵抗

C

s

:立上り時間形成コンデンサ

S

1

:外部整合抵抗使用時に閉路するスイッチ

S

:放電スイッチ

図 4−コンビネーション波形発生器の等価回路図(10/700 

μ及び 5/320 μs 

ITU-T 勧告 シリーズによる) 

6.2.1 

発生器の特性及び性能 

極性

正及び負

繰返し率

1

分間に 1 回以上

ピーク開回路出力電圧 0.5

kV

から要求試験レベルまで可変

サージ電圧波形

表 及び図 参照

出力電圧の許容差

±10  %

ピーク短絡出力電流

ピーク電圧の設定によって決まる(

表 及び表 参照)

短絡出力電流の許容差

±10  %

実効出力インピーダンス 40

Ω±10  %(S

1

開路時)

注記 1  実効出力インピーダンスは,内部の 15

Ω (R

m1

)

及び 25

Ω (R

m2i

)

抵抗からなる。抵抗 R

m2i

は,

バイパス,並列回路付加又は短絡し,さらに,

図 14 の結合に用いる場合には外部整合抵抗に

置き換わる場合もある。

注記 2  出力電圧及び短絡出力電流の許容差はそれぞれ±10  %であるが,出力電圧と短絡出力電流と

の比である実効出力インピーダンス 40

Ωに対しても±10  %の許容差を満たさなければなら

ない。


11

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

T

T

1

 

O

1

 

Τ

2

1.0

0.9

0.5

0.3

0.1

0.0

時間

B

Α

化電圧

フロントタイム:T

1

=1.67×T=10

μs±30  %

半値時間:T

2

=700

μs±20  %

図 5−開回路電圧 (10/700 

μs)  の波形(IEC 60060-1 による波形の規定) 

T

1

 

O

1

 

T

2

1.0

0.9

0.5

0.1

0.0

時間

正規化電

フロントタイム:T

1

=1.25×T=5

μs±20  %

半値時間:T

2

=320

μs±20  %

注記

波形は,IEC 60060-で 5/320

μs と規定しているのに対し,IEC 60469-では 4/300 μs と規定している。

さらに,波形は,

図 のスイッチ S

1

を開いた状態で測定する。

図 6−短絡電流 (5/320 

μs)  の波形(IEC 60060-1 による波形の規定) 


12

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

表 410/700 

μ及び 5/320 μの波形パラメータ 

ITU-T

勧告 シリーズ及び

IEC 60060-1

による規定

IEC 60469-1

による規定

定義

フロントタイム

半値時間

立上り時間(10  %∼ 90 %)

持続時間(50  %∼50  %)

開回路電圧 10

μs±30  % 700

μs±20  %

6.5

μs±30  % 700

μs±20  %

短絡電流 5

μs±20  % 320

μs±20  %

4

μs±20  % 300

μs±20  %

注記  現在の IEC 規格及び ITU-T 勧告では,通常,10/700

μs 波形は,図 及び図 に示すように,IEC 60060-1 

よって規定する。ほかの IEC 推奨波形は,この表に示す IEC 60469-1 によって規定する。両方の規定は,こ
の規格において有効であり,一つの発生器を示す。

表 5−ピーク開回路出力電圧とピーク短絡出力電流との関係 

ピーク開回路出力電圧

kV

ピーク短絡出力電流

A

0.5 12.5

1.0 25

2.0 50

4.0 100

ピーク短絡出力電流は,ピーク開回路出力電圧が規定のようである場合,

表 に示すようにしなければ

ならない。ピーク短絡出力電流は,

図 のスイッチ S

1

を開いた状態で測定する。

6.2.2 

発生器の校正 

異なる発生器からの試験結果に差異が出ないように,発生器は,定期的に校正しなければならない。こ

の目的のために,発生器の最も本質的な特性を測定する次の手順を必要とする。

発生器の出力は,波形の特性を観測するために十分な帯域幅及び電圧の仕様をもつ測定系に接続する。

発生器の特性は,同じ充電電圧で,開回路(10 k

Ω以上の負荷)及び短絡(0.1 Ω以下の負荷)の状態で

測定する。

発生器の出力は,6.2.1 で規定したすべての波形の規定及びパラメータ性能を満足しなければならない。

注記  この箇条の校正手順は,検証にも使用できる。

6.3 CDN 

各々の CDN は,

図 から図 15 までの例に示すように減結合回路網及び結合素子で構成する。


13

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

コンビネーション

波形発生器

減結合回路網

交流(直流)

電源

L

N

PE

EUT

C

=18

μF

L

L

N

PE

接地線

図 7−交流又は直流電源線への容量結合の試験セットアップの例 

ライン−ライン間結合(7.2 による) 

コンビネーション

波形発生器

減結合回路網

交流(直流)

電源

L

N

PE

EUT

C

=9

μF

L

R

=10

Ω

L

N

PE

接地線

図 8−交流又は直流電源線への容量結合の試験セットアップの例 

ライン−グラウンド間結合(7.2 による) 


14

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

コンビネーション

波形発生器

減結合回路網

交流電源

L1

N

EUT

C

=18

μF

L

PE

L2

L3

S

1

S

2

1
2
3
4

1 2 3 4

L1

N

PE

L2

L3

接地線

1)

スイッチ S

1

−  帰路線の選択:位置 1∼4

2)

スイッチ S

2

−  印加線の選択:位置 1∼4。ただし,スイッチ S

1

と同じ位置ではない。

図 9−交流電源線(三相)への容量結合の試験セットアップの例 

L3

ライン−L1 ライン間結合(7.2 による) 


15

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

コンビネーション

波形発生器

減結合回路網

C

=9

μF

S

2

1 2 3 4

R

=10

Ω

交流電源

L1

N

EUT

L

PE

L2

L3

L1

N

PE

L2

L3

接地線

スイッチ S

2

−  印加線の選択:位置 1∼4

図 10−交流電源線(三相)への容量結合の試験セットアップの例 

L3

ライン−グラウンド間結合(7.2 による) 


16

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

コンビネーション

波形発生器

減結合回路網

EUT

C = 0.5

μF

R

L

S

1

S

2

1
2
3
4

1 2 3 4

R = 40

Ω

保護 
装置

補助 
装置

0

接地線

1)

スイッチ S

1

−  ライン−グラウンド間:位置 0

−  ライン−ライン間:位置 1∼4

2)

スイッチ S

2

−  印加相互接続線の選択:位置 1∼4。ただし,スイッチ S

1

と同じ位置ではない。

3)  L

=20 mH,R

L

は の抵抗成分を示す。

図 11−非シールド非対称的な相互接続線の試験セットアップ例 

ライン−ライン間及びライン−グラウンド間結合(7.3 による),コンデンサを介した結合 


17

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

コンビネーション

波形発生器

減結合回路網

EUT

R

L

接地線

S

1

S

2

1
2
3
4

1 2 3 4

R = 40

Ω

保護 
装置

補助 
装置

0

*

1)

スイッチ S

1

−  ライン−グラウンド間:位置 0

−  ライン−ライン間:位置 1∼4

2)

スイッチ S

2

−  印加相互接続線の選択:位置 1∼4。ただし,スイッチ S

1

と同じ位置ではない。

3)  L

=20 mH,R

L

は の抵抗成分を示す。

注*

C

の値は,アレスタの仕様による。

図 12−非シールド非対称的な相互接続線の試験セットアップ例 

ライン−ライン間及びライン−グラウンド間結合(7.3 による),アレスタを介した結合 


18

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

コンビネーション

波形発生器

減結合回路網

EUT

R

L

接地線

S

1

S

2

1
2
3
4

1 2 3 4

R

=40

Ω

保護 
装置

補助 
装置

0

1)

スイッチ S

1

−  ライン−グラウンド間:位置 0

−  ライン−ライン間:位置 1∼4

2)

スイッチ S

2

−  印加相互接続線の選択:位置 1∼4。ただし,スイッチ S

1

と同じ位置ではない。

3)  L

=20 mH,R

L

は,の抵抗成分を示す。

図 13−非シールド非対称的な相互接続線の試験セットアップ例 

ライン−ライン間及びライン−グラウンド間結合(7.3 による),クランプ回路を介した結合 


19

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

コンビネーション

波形発生器

減結合回路網

EUT

R

L

接地線

R

m2e

保護 
装置

補助 
装置

1.2/50

μs コンビネーション波形発生器を用いるときの R

m2e

の計算

n

=4 の場合の例

R

m2e

=4×40

Ω=160,最大 250 Ω

10/700

μs コンビネーション波形発生器を用いるときの R

m2e

の計算

内部整合抵抗 R

m2i

 (25

Ω)  は,導体当たりの外部抵抗 R

m2e

n×25

Ωに置き換えられる(が 2 以上の導体に

対して)

n

=4 の場合の例

R

m2e

=4×25

Ω=100 Ω,R

m2e

は,250

Ωを超えない。

L

=20 mH。コイルの電流補償は,4 ラインを 1 組にする場合と,2 ラインを 1 組にする場合とがある。

R

L

:無視できる過渡信号の減衰に依存する値。

ガスアレスタは,

図 13 に示すようなクランプ回路に置き換えることができる。

図 14−非シールド対称的な相互接続線(通信線)の試験セットアップ例 

ライン−グラウンド間結合(7.4 による),アレスタを介した結合 


20

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

結合部

減結合部

ap

bp

cp

dp

EUT

L

1A

L

1B

L

3A

L

3B

L

2

L

2

C

1A

C

1B

C

2A

C

2B

R

B

R

A

aA

bA

cA

dA

補助装置

R

C

R

D

サージ発生器

図中のソケットのような記号は,接続点を示す。

注記 1  L

2

は,

ダミー給電によって発生するコイルの飽和を避けるために 4 コイルの電流補償形のチョークを

用いる。加えて,L

2

は,低抵抗性インピーダンス(すなわち,1

Ωより非常に小さい。)であること

が必要である。L

2

と並列に抵抗を接続することで実現可能。

注記 2  R

A

及び R

B

は発振現象又はリンギング現象を防止できる範囲で可能な限り小さな値を用いることが望

ましい。

注記 3  R

C

及び R

D

は,ライン間のアイソレーションを行うための 80

Ωの抵抗である。

注記 4  この回路は,インダクタが飽和しやすいので,10/700

μs 波形に用いないほうがよい。

図 15−対称形高速通信回線に 1.2/50 

μサージを印加する場合の CDN の例 

交流又は直流電源供給ラインにおいて,減結合回路は,サージ波形に対して相対的に高いインピーダン

スとなると同時に,EUT には,交流又は直流の電流が流れる。このインピーダンスは,CDN の出力端に

規定の電圧波形を発生すると同時に,交流又は直流電源ラインへサージ電流が流入するのを防止する。波

形の持続時間全体にわたり EUT への結合ができる十分な性能をもった高圧コンデンサを用いる。交流又は

直流電源供給ラインへ接続する CDN は,開回路電圧波形及び短絡電流波形のそれぞれが,

表 及び表 7

に示す要求仕様の範囲を満足するように設計する。

相互接続線又は通信線では,減結合回路網の直列インピーダンスが,データ転送が可能な帯域幅を制限

する。CDN を用いて適切に試験できない場合に用いる手順を 6.3.4 に規定する。結合素子は,線路に容量

性負荷を付けてもよい場合にはコンデンサ(6.3.2.1 参照)を用い,それ以外の場合にはクランプ素子(6.3.2.2

参照)又はアバランシェ素子(6.3.2.3 参照)を用いる。相互接続線に用いる場合には,6.3.2 に規定する結

合メカニズムによって,波形がひずむ場合がある。

それぞれの CDN は,6.3.16.3.3 の要求事項を満たさなければならない。また,その使用方法及び選択

は,次のフローチャートによる。


21

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

6.3.1 

交流又は直流電源回路のための CDN 

フロントタイム及び半値時間は,EUT 出力ポートで開回路電圧及び短絡電流に対して検証する。30  %

のアンダーシュートの規定(

図 及び図 参照)は,発生器出力にだけ適用する。CDN の出力は,アンダ

ーシュート又はオーバーシュートの制限はしない。発生器出力又はその結合回路網は,開回路電圧波形を

観測するため,十分な帯域幅及び電圧性能がある測定系に接続する。

ライン−ライン間結合の場合,サージは,

図 及び図 に示すように,18

μF のコンデンサを接続して

印加する。

ライン−グラウンド間結合の場合,サージは,

図 及び図 10 に示すように,9

μF のコンデンサと 10 Ω

の抵抗とを直列接続して印加する。

減結合インダクタンス(

図 7∼図 14 の L)は,CDN を定格電流で用いたときの EUT コネクタでの交流

電源電圧降下が 10  %より小さくなるようにシミュレータの製造業者が選択する。ただし,1.5 mH を超え

ないのがよい。

CDN

での不要な電圧降下を防止するために,定格が 25 A を超える CDN の場合は,減結合部品の値は,

一般的に減らさなければならない。この場合に,開回路電圧波形の半値時間は,

表 及び表 に従った範

囲内で減ってもよい。

単相:

図 7

三相:

図 9

単相:

図 8

三相:

図 10

はい

いいえ

はい

いいえ

ライン−グラウンド間

ライン−ライン間

はい

いいえ

シールド線?

電源?

CDN

の選択

対称線?

結合?

両端接地:

図 16

片端接地:

図 17

複数の接地されたケーブル:

図 18

コンデンサ経由:

図 11

アレスタ経由:

図 12

クランプ回路経由:

図 13

アレスタ又はクランプ回路
経由:

図 14

コンデンサ経由:

図 15 又は

直接(CDN なし)


22

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

表 6CDN の EUT ポートでの電圧波形規定 

開回路状態でのサージ電圧パラメータ

結合インピーダンス

 18

μF 9

μF+10 Ω

フロントタイム 1.2

μs±30  % 1.2

μs±30  %

半値時間

定格電流が 25

A

未満

50

μs

10

10

+

μs 50

μs

10

25

+

μs

定格電流が 25 A 以上 60

A

未満

50

μs

10

15

+

μs 50

μs

10
30

+

μs

定格電流が 60 A 以上 100 A 以下

50

μs

10

20

+

μs 50

μs

10
35

+

μs

サージ電圧パラメータの測定は,CDN の電源入力ポートを開回路状態にして行わなければなら

ない。

表 7CDN の EUT ポートでの電流波形規定 

短絡状態でのサージ電流パラメータ

結合インピーダンス

 18

μF 9

μF+10 Ω

フロントタイム

8

μs±20  % 2.5

μs±30  %

半値時間 20

μs±20  % 25

μs±30  %

サージ電流パラメータの測定は,CDN の電源入力ポートを開回路状態にして行わなければなら

ない。

注記  定格入力電流が 100 A を超える EUT には,無通電状態の EUT へ,CDN を用いない直接サージ

結合を用いてもよい。箇条 にある性能評価基準は,通電された装置だけに適用する。ただし,

EUT

を無通電で試験する場合,EUT を通電した後に箇条 の d)  を適用することが望ましい。

交流電源電流が 100 A を超えるためにシステム全体の試験ができないときには,EUT の部分的

(例えば,制御ユニット単体)な試験を行ってもよい。

EUT

を切り離した場合の減結合回路網の電源入力での残留サージ電圧は,印加する試験電圧の 15  %又

は電源電圧のピーク値の 2 倍の高いほうを超えてはならない。

EUT

を切り離した場合,及び CDN の入力が開回路である場合,サージを印加していないライン上の残

留サージ電圧は,最大印加可能試験電圧の 15  %を超えてはならない。

この単相系(ライン,中性相及び保護接地)の特性は,三相系(三相線,中性相及び保護接地)に対し

ても有効である。

6.3.2 

相互接続線用 CDN 

結合方法は,回路の機能及び運転状況に従って選択する。結合方法は,製品仕様又は製品規格で規定す

る。

容量結合を用いた CDN を用いる試験は,アレスタ結合と同じ試験結果とならなくてもよい。特殊な結

合方法を選ぶ場合,製品規格で規定することが望ましい。使用する結合方法は,試験報告書に記録しなけ

ればならない。

信号線が対称である場合,電流補償インダクタ(コモンモードチョークコイル)は,減結合回路網に使

用できる。

6.3.2.1 

コンデンサを用いた CDN 

容量結合は,シールドのない非対称入出力回路に対して,ラインの正常動作を維持することができる推

奨方法である。結合回路網の例を,

図 11 に示す。

CDN

の推奨特性:


23

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

結合構成部分

R

=40

Ω,C=0.5 μF

減結合インダクタ

L

=20 mH

6.3.2.2 

クランプ素子を用いた CDN 

この方法は,EUT にコンデンサを取り付けることによって EUT の機能が満足できないために,容量結

合が不可能な場合に使用できる(

図 11 参照)。クランプ素子は,寄生容量が小さく,多くの種類の相互接

続線と接続が可能である。

クランプ素子で結合する場合,

図 11 に示すコンデンサは,図 13 に示すように一つのクランプ素子又は

回路に置き換える。

クランプ素子の電圧は,できるだけ低く設定しなければならないが,試験するラインの最大動作電圧よ

り高くしなければならない。

CDN

の推奨特性:

結合インピーダンス

R

=40+Z (

Ω)

ここに,

Z

選択したクランプ素子のインピーダンス

減結合インダクタ

L

=20 mH

クランプ素子の EUT 側におけるインパルス波形は,インパルス振幅及びクランプ素子自体の特性に依存

する。したがって,波形値及び許容差は,規定できない。

6.3.2.3 

アバランシェ素子を用いた CDN 

この方法は,EUT にコンデンサを取り付けることによって EUT の機能が満足できないために,容量結

合が不可能な場合に使用できる。シリコンアバランシェ素子又はガスアレスタは,寄生容量が小さく,多

くの種類の相互接続線と接続が可能である。ただし,ガスアレスタは,一般的に高い点火電圧をもち,結

合したサージの波形に強く影響を与える。

アレスタを用いた CDN の例を,

図 12 に示す。

アレスタの動作電圧は,できるだけ低く設定しなければならないが,試験するラインの最大動作電圧よ

り高くしなければならない。

CDN

の推奨特性:

結合インピーダンス

R

=40+Z (

Ω)

ここに,

Z

アレスタのインピーダンス(ガス封入又は半導体)

減結合インダクタンス  L=20 mH

アバランシェ素子の EUT 側におけるインパルス波形は,インパルス振幅及びアバランシェ素子自体の特

性に依存する。したがって,波形値及び許容差は,規定できない。

6.3.3 

対称線路へ結合するアレスタを用いた CDN 

アレスタを介した結合は,非シールド対称的な相互接続線(通信線)に対して望ましい結合方法である

図 14 参照)。

結合回路網は,サージ電流を多心ケーブル内の多数のペアに分割する機能ももつ。

したがって,結合回路網中の抵抗 R

m2e

は,本の導体に対して n×40

Ωとする(は 2 以上)。R

m2e

は,250

Ωを超えてはならない。

例 1 1.2/50

μs サージ:n=4,R

m2e

=4×40

Ω。発生器のインピーダンスを合わせると,全インピーダ

ンス値は,約 42

Ωとなる。

例 2 10/700

μs サージ:n=4,R

m2e

=4×25

Ω。発生器のインピーダンス R

m1

 (15

Ω)  を合わせると,

発生器の S

1

図 参照)を閉じたときの全インピーダンス値は,約 40

Ωとなる。


24

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

CDN

の推奨特性:

結合インピーダンス

R

R

m2e

+Z (

Ω)

ここに,

Z

アレスタのインピーダンス

減結合インダクタンス  L=20 mH

アレスタの EUT 側におけるインパルス波形は,インパルス振幅及びアレスタ自体の特性に依存する。し

たがって,波形値及び許容差は,規定できない。

6.3.4 

高速通信線の CDN 

ほとんどの CDN で扱う周波数は,物理的な制約のために約 100 kHz 以下となる。適切な CDN が入手困

難なときには,高速通信データポートにサージを直接印加する。

結合方法は,回路機能及び動作条件から決める。このことは,製品仕様で指定する。

図 15 に示すような高速ライン用の CDN が,通信に影響しない場合に使用できる。

試験セットアップ 

この箇条で規定する結合方法がいずれも機能的な理由で使用できない場合,製品規格委員会は(特別の場

合に適切な)代替方法を開発して,

それぞれの結果を製品規格又は製品群の規格に反映させなければならな

い。代替方法は,性能評価基準を指定するのに必要な場合もある。

7.1 

試験装置 

試験セットアップには,次の装置を用いる。

− EUT

−  補助装置(必要な場合)

−  ケーブル(指定の形式及び長さ)

− CDN

−  コンビネーション波形発生器

−  減結合回路網又は保護デバイス

−  高周波事象(すなわち,ガスアレスタによる結合)が起こりそうなとき,また,7.6.1 及び

図 17 に示

すような,シールド線への試験に対して,金属板の基準グラウンド面が必要である。基準グラウンド

面への接続は,通常,EUT がグラウンド接続をもっている場合だけ要求される。

7.2 EUT

の電源ポートに印加する試験のための試験セットアップ 

1.2

/50

μs のサージは,容量性結合回路網(図 7∼図 10 参照)を介して,EUT の電源供給端子に印加する。

同じラインで電源の供給を受けている試験を行わない装置への悪影響を避けるために,かつ,規定の波形

が試験を受けるラインに印加されるようにサージ波形への十分な減結合インピーダンスを与えるために,

減結合回路網が必要である。

特に規定がない場合には,EUT と CDN との間の電源コードの長さは,2 m を超えてはならない。

この規格では,電源ポートは,交流主電源又は配電された直流電源システムに直接接続されたポートだ

けとする。

保護接地 (PE) 又は外部接地をもたない,二重絶縁された製品には,接地している製品と同様の試験を,

付加的な外部グラウンド接続を加えないで行う。ほかの接地への可能な接続がない場合は,ライン−グラ

ウンド間の試験は,除外する。

7.3 

非シールド非対称的な相互接続線に印加する試験のための試験セットアップ 

一般に,サージは容量性結合を介して,

図 11 に従って線路に印加する。CDN は,試験を受ける回路の


25

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

特定の機能的条件に影響を及ぼしてはならない。

より高い信号伝送レートをもつ回路に対して,

図 12 及び図 13 に代替試験セットアップを示す。伝送周

波数を考慮して,容量性負荷に応じて選択を行う。この代替セットアップは,EUT の容量性負荷を減少さ

せ,高周波回路にはより適切である。

特に規定がない場合には,EUT と CDN との間の相互接続線の長さは,2 m を超えてはならない。

7.4 

非シールド対称的な相互接続線(通信線)に適用する試験セットアップ 

非シールド対称的な相互接続線(通信線)

図 14 参照)には,通常,容量性結合方式は,使用できない。

この場合,ガスアレスタを用いた結合を行う。結合アレスタの放電電圧より低い試験レベル(90 V ガスア

レスタの場合,約 300 V)は,指定できない。

注記  次の二つの試験構成が考えられる。

a)

二次保護だけをもった EUT に対する装置レベルの低い試験レベルでのイミュニティ試験。

例えば 0.5 kV 又は 1 kV。

b)

一次保護を追加したシステムレベルの高い試験レベルでのイミュニティ試験。例えば 2 kV

又は 4 kV。

特に規定がない場合には,EUT と CDN との間の相互接続線の長さは,2 m を超えてはならない。

7.5 

高速通信線に適用する試験セットアップ 

この試験セットアップは,データが高速か,又は伝送周波数が高く,例えば

図 15 に示す CDN が使用で

きないときに適用する。

試験を行う前に,ポートの正常動作を検証する。外部接続を外し,CDN を用いずにポートに直接サージ

を印加する。サージを印加した後に,通信ポートが正常動作することを検証する。

EUT

のサージ試験中は,ポートを外して機能させることが望ましい。ただし,幾つかの EUT は,デー

タ又は通信線を外した場合,そのポートが停止又は内部的に切り離されることに注意する。可能な場合,

試験中のデータ又は通信ポートを動作状態に保つ手段をとることが望ましい。

注記 CDN は,サージの高周波数成分を阻止するが,低い周波数の信号及び電力を通過させるように

設計した低域通過フィルタを含む。信号周波数が約 100 kHz 又はデータ速度が 100 kbit/s を超え

るときは,フィルタ部品は,所望の信号を大きく低下させる。

7.6 

シールド線に適用する試験セットアップ 

シールド線の場合,CDN が使用できない。この場合,7.6.1 又は 7.6.2 のセットアップを使用する。

7.6.1 

直接印加 

EUT

をグラウンド接続しないで,サージをその金属きょう(筐)体に印加する。試験するポートの終端

(又は補助装置)は,グラウンド接続する。この試験は,単一又は複数のシールドケーブルの装置に適用

する(

図 16 及び図 17 参照)。

注記  図 16 又は図 17 に示す基準グラウンドは,低インピーダンスであり,専用ケーブル又はグラウ

ンド面によって実現することが望ましい。

試験中の,ポートを除くすべての EUT への接続は,安全絶縁変圧器(保護接地をもつ絶縁トランス)

適切な CDN などの適切な方法でグラウンドから絶縁する。EUT と補助装置との間のケーブルの長さ(

16

及び

図 17 の L)は,EUT の仕様書で許容された最大値又は 20 m のいずれか短いほうにする。長さが 1

m

を超える場合は,非誘導的にケーブルを束ねる。

シールド線へサージ電圧を印加する方法は,次による。


26

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

a) 

両端接地したシールド線 

シールド線へのサージの注入は,

図 16 に従って行う。

安全絶縁変圧器 
又は CDN

安全絶縁変圧器 
又は CDN

L

N

PE

補助 
装置

EUT

ケーブル長 L:EUT の仕様
書で許容された最大値又は
20 m

のいずれか短いほう

L

N

PE

発生器

基準グラウンド面

注記 1 EUT 及び/又は補助装置への電源供給は,図に示すような安全絶縁変圧器を介するより,図 に示すように

減結合回路網を介したほうがよい。この場合,EUT の保護接地接続は,開放のままが望ましい。

注記 2  このセットアップ例は,サージの印加部分に関しては,直流駆動の EUT にも適用する。 
注記 3  図中の網掛け部分は,絶縁支持台を示す。

図 16−両端接地したシールド線へ印加する試験(7.6 による)及び 

電位差を与える試験(7.7 による)のセットアップ例 

b) 

片端接地したシールド線 

試験は,

図 17 に従って行う。設置状態でシールドが補助装置にだけ接続されている場合でも,発生器

は,

図 17 に示すように EUT 側に接続したままの状態で試験する。ケーブルの長さに余裕がある場合,

ケーブルは,グラウンド面又はケーブルトレイから高さ 0.1 m の絶縁支持台上に置く。

試験レベルのサージは,2

Ωの発生器インピーダンスを用いてシールドに印加する。

きょう(筐)体が金属ではない EUT に対しては,サージは,シールド線に直接印加する。


27

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

安全絶縁変圧器 
又は CDN

安全絶縁変圧器 
又は CDN

L

N

PE

補助 
装置

EUT

ケーブル長 L:EUT の仕様書
で許容された最大値又は 20 m
のいずれか短いほう

L

N

PE

発生器

基準グラウンド面

注記 1 EUT 及び/又は補助装置への電源供給は,図に示すような安全絶縁変圧器を介するより,図 に示すように

減結合回路網を介したほうがよい。この場合,EUT の保護接地接続は,開放のままが望ましい。

注記 2  このセットアップ例は,サージの印加部分に関しては,直流駆動の EUT にも適用する。 
注記 3  図中の網掛け部分は,絶縁支持台を示す。

図 17−片端接地したシールド線へ印加する試験(7.6 による)及び 

電位差を与える試験(7.7 による)のセットアップ例 

7.6.2 

複数シールドケーブル構成の場合の一つのケーブル試験に対する代替結合方法 

サージは,

図 18 に従って注入線で被試験相互接続ケーブルの近くに印加する。この結合方法は,特定の

ケーブル又はケーブルの束に対してサージを印加する場合に,二つ以上の EUT 構成(又は一つの EUT 及

び補助装置)の間で複数グラウンド接続をもつ複数のシールドケーブル配線に対して,有効である。個々

のケーブルが設置状態で通常束ねられている場合,一つの束として試験することが望ましい。

EUT

と補助装置との間のケーブルの長さは,EUT の仕様書で許容された最大値又は 20 m のいずれか短

いほうにする。長さが 1 m を超える場合,ケーブルの 1 m を超える部分は,長さが 30 cm∼40 cm の束にな

るように,ケーブルのほぼ中央で束ねる。ケーブルの大きさ又は硬さによって,又は試験を使用者の設置

状態で行うために,この方法で束ねることが実用的ではない場合,1 m を超えたケーブルの配置は,正確

に試験報告書に記載する。


28

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

補助 
装置

EUT

発生器

基準グラウンド面

LN

I

LN

 << I

LT

I

LT

≈ I

IW

I

LT

:試験対象の信号線

LN

:試験対象としていない信号線

IW

:注入線

注記 1  このセットアップ例は,直流駆動の EUT にも適用する。

試験セットアップの特性は,次による。

補助装置は,グラウンドに接続する。 
発生器は,EUT の近くに配置する。 
発生器のコモン出力(帰路線)は,EUT のきょう(筐)体に接続する。

発生器のインパルス出力は,EUT と補助装置との間のインタフェースケーブルに特に近付けた絶

縁された注入線を介して補助装置に印加する。

I

LT

≈ I,かつ,I

LN

<< I

のとき,一括注入電流は,試験するケーブルのシールドを流れる(近接効果)。

ケーブルの長さは最大 20 m で,設置に従って選択する。 
試験するケーブルは,グラウンド面,又はシールドルームの壁から 1 m 以上離すことが望ましい。
電流がほかの帰路を通ることを避けるために,試験しないケーブルは,試験するケーブル,グラ

ウンド面及びシールドルームの壁から 0.4 m 以上離すことが望ましい。

注記 2  図中の網掛け部分は,絶縁支持台を示す。

図 18−複数シールドケーブル配線がある構成で,シールドケーブルに適用する試験及び 

電位差を与える試験の,結合方法及び試験セットアップ 

7.7 

電位差を与える試験セットアップ 

システムレベルでの試験では,例えば漏れ電流,故障又は雷撃によって,システム内にある露出導体部

分又はシャーシ間に発生する電圧をシミュレートする電位差を与える試験が必要な場合がある。両端接地

のシールドケーブルをもつシステムは,

図 16 に従って試験してもよい。シールドのないケーブル又は片

端接地のケーブルをもつシステムは,

図 17 に従って試験してもよい。

7.8 EUT

の動作条件 

EUT

の動作条件及び設置条件は,次の事項を含む製品仕様による。

−  試験構成(ハードウェア)

−  試験手順(ソフトウェア)

試験手順 

8.1 

試験室の基準条件 

周囲環境のパラメータが試験結果に与える影響を最小限にするために,試験は,8.1.1 及び 8.1.2 で規定


29

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

する気象条件及び電磁環境条件で行う。

8.1.1 

気象条件 

共通規格,製品規格群又は製品規格で規定がない限り,試験室の気象条件は,すべて,EUT 及び試験装

置の動作に関してそれぞれの製造業者が指定する限度内でなければならない。

EUT

又は試験装置に結露が生じるほど相対湿度が高い場合には,試験を行ってはならない。

8.1.2 

電磁環境条件 

試験室の電磁環境条件は,試験結果に影響を与えないように,EUT の正常動作を保証するものでなけれ

ばならない。

8.2 

試験室内でのサージの印加 

試験に先立って,発生器及び CDN の検証を行う。この性能検査では,通常,サージパルス並びにその

電圧及び/又は電流が発生していることだけを確認すればよい。

発生器の特性及び性能は,6.1.1 及び 6.2.1 で規定する。発生器の校正は,6.1.2 及び 6.2.2 に従って,定期

的に行う(通常,1 年に 1 度)

試験は,次を含む試験セットアップを規定した試験計画書に従って行う。

−  試験レベル(電圧)

附属書 参照)

−  サージの回数

関連の製品規格で別途規定がない場合のサージ回数

−  直流電源ポート及び相互接続線  5 回の正極性及び 5 回の負極性サージ

−  交流電源ポート  0°,90°,180°及び 270°の位相角でそれぞれ 5 回の正極性及び 5 回の負

極性サージ

−  連続するサージパルスの時間間隔:1 分以下

− EUT の代表的な動作条件

−  サージを印加する場所

交流又は直流電源ポートは,入力ポートの場合も,出力ポートの場合もある。

注記 1 EUT の出力ポートを経由してサージが侵入することがある場合には,出力ポートへのサージ

印加を推奨する(例えば,大きい消費電力をもつ負荷の切換え)

二次側回路(すなわち,交流電源から分離された)が過渡過電圧にさらされることがない場合(すなわ

ち,確実にグラウンド接続され,容量性フィルタをもつピーク  トゥ  ピークのリプルが直流成分の 10  %

以下の直流二次側回路)

,60 V 以下の直流入出力ポートには,サージを印加しない。

複数の同じ回路がある場合,選択した回路で代表して試験を行えば十分な場合がある。

1

分間で 1 回よりも短い間隔で行った試験で不具合が発生し,

1

分間で 1 回で行った試験で不具合が発生

しない場合は,1 分間で 1 回で行った試験が優先する。

注記 2  製品規格では,製品にとって適切な場合,異なる位相を選択してもよいし,相当たりのサー

ジ数を増減してもよい。

注記 3  通常,多くの保安器は,ピーク電力又はピークエネルギーの取扱いでは大電流を処理できる

が,平均電力容量は小さい。したがって,二つのサージの時間間隔は,EUT の内蔵保護デバ

イスに依存する。

試験の適用についての詳細を,B.2 に示す。

ラインとグラウンドとの間を試験する場合,ほかに規定がないときには,1 ラインずつ順番に試験する。

試験手順では,EUT の非線形の電流−電圧特性も考慮しなければならない。したがって,試験電圧は,


30

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

製品規格で規定したレベルの範囲内で,又はそのレベルを超えない試験計画で指定するレベルまで,段階

的に増加しなければならない。選択した試験レベルを含む,すべてのより低いレベルを満たさなければな

らない。

二次保護の試験については,発生器の出力電圧を,一次保護の破壊電圧レベルの最低値まで下げる。

実際の動作信号源を使用できない場合は,擬似信号源を用いてもよい。

受入試験については,事前にサージストレスを受けたことのない機器を用いるか,又は試験ごとに保護

デバイスを交換しなければならない。

試験結果の評価 

試験結果は,EUT の機能損失又は性能低下の観点から,その装置の製造業者,試験の依頼者又は製品の

製造業者と購入者との間の協定によって指定した性能レベルと比較して分類する。推奨する分類を,次に

示す。

a)

製造業者,試験の依頼者又は使用者によって指定する仕様限度内の正常な性能。

b)

妨害がなくなった後に消滅する一時的な機能損失又は性能低下。操作者が介在することなく EUT が正

常な性能に自己復帰する。

c)

操作者が介在する調整が必要な,一時的な機能損失又は性能低下。

d)

ハードウェア又はソフトウェアの破壊による修復不可能な機能損失若しくは性能低下,又はデータの

損失。

EUT

への影響のうち,重要ではないとみなして,許容できる影響を,製造業者の仕様書に指定してもよ

い。

この分類は,共通規格,製品規格及び製品群の規格の原案作成委員会で性能基準を規定するときの指針

として,又は適切な共通規格,製品規格及び製品群の規格が存在しない場合の製造業者と購入者との間で

性能基準に対する合意を行うための枠組みとして用いてもよい。

10 

試験報告書 

試験報告書は,試験を再現するために必要なすべての情報を含む。特に,次の事項を記載する。

−  箇条 で要求する試験計画書で規定する項目。

− EUT 及び関連装置の識別。例えば,商標,製品形式,製造番号。

−  試験装置の識別。例えば,商標,製品形式,製造番号。

−  試験を行った特別な環境条件。例えば,シールドルーム。

−  試験を行うために必要とする具体的な条件。

−  製造業者,依頼者又は購入者の指定する性能レベル。

−  共通規格,製品規格又は製品群の規格で規定する性能基準。

−  妨害の印加中又は印加後に観測した EUT へのすべての影響,及びこれらの影響が持続した期間。

−  合否判定の根拠(共通規格,製品規格若しくは製品群の規格で規定する,又は製造業者と購入者との

間で合意した性能基準に基づく。

−  適合性を達成するために必要な具体的な使用条件。例えば,ケーブルの長さ,ケーブルの形式,遮へ

い,接地又は EUT の動作条件。

−  試験構成(ハードウェア)

−  試験構成(ソフトウェア)


31

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

装置は,この規格で規定する試験を適用した結果として,危険な状態,又は安全を欠いた状態になって

はならない。


32

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

附属書 A

(参考)

発生器及び試験レベルの選択

試験レベルの選択は,設置条件に基づくことが望ましい。製品及び製品群の規格に規定がない限り,

A.1

を,B.3 に示す情報とともに用いるのが望ましい。

クラス 0 :十分に保護された電気的環境で,通常は専用の室内

クラス 1 :部分的に保護された電気的環境

クラス 2 :短い配線のケーブルでも十分に分離された電気的環境

クラス 3 :ケーブルが平行に配線された電気的環境

クラス 4 :相互接続線が電源ケーブルに沿って屋外ケーブルとして配線され,ケーブルが電子及び電気回

路の両方に用いられる電気的環境

クラス 5 :非人口密集地域の通信線及び架空電力線に接続された電子装置に対する電気的環境

クラス x :製品仕様で指定する特別な条件

追加情報を,

附属書 に示す。

システムレベルのイミュニティを実証するために,実際の設置条件,例えば一次保護に関する追加試験

を行うことが望ましい。

表 A.1−試験レベルの選択(設置条件に依存する) 

試験レベル

kV

電源系統へ直接
接続する,交流

電源及び交流入

出力

電源系統へ直接
接続しない,交

流電源及び交流

入出力

直流電源系統及
びそれに直接接

続する直流入出

非対称動作する
回路又はライン

d) f)

対称動作する回

路又はライン

d) f) 

シールド付き入
出力及び通信線

f)

結合モード

結合モード

結合モード

結合モード

結合モード

結合モード

設置

クラス

線間

対地間

線間

対地間

線間

対地間

線間

対地間

線間

対地間

線間

対地間

0

1

2

3

4

5

− 

0.5

1.0

2.0

a) 

0.5

1.0

2.0

4.0

b)

a) 

− 
− 

1.0

e)

2.0

e)

2.0

− 
− 

2.0

b) e)

4.0

b) e)

4.0

b)

− 
− 

1.0

e)

2.0

e)

2.0

− 
− 

2.0

b) e)

4.0

b) e)

4.0

b)

− 

0.5

1.0

c)

2.0

c)

2.0

0.5

1.0

2.0

b) c)

4.0

b) c)

4.0

b)

− 
− 

− 
− 

0.5

1.0

2.0

b) c)

2.0

b) c)

4.0

b)

− 
− 

− 
− 

− 

0.5

2.0

c)

4.0

c)

4.0

c)

a)

用いる電源系統のクラスによる。

b)

通常,一次保護を用いて試験する。

c)

ケーブル長が 10 m 以下の場合,試験レベルは,レベルを一つ下げてもよい。

d)

 10

m

未満のデータ接続ケーブルについては,試験を推奨しない。

e)

 EUT

外部で保護が施される場合,その機器の試験レベルは,保護が施されていないときの保護レベルに対応し

たものがよい。

f)

高速通信線は,非対称,対称,シールド付き入出力及び/又は通信線に含まれる。

それぞれのクラスに対するサージ(及び発生器)は,次のとおりである。

クラス 1∼4 :1.2/50

μs (8/20 μs)。

クラス 5

:電源ライン及び短距離信号回路又はラインのポートに対して,1.2/50

μs (8/20 μs)


33

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

クラス 1∼5 :対称通信線に対して,10/700

μs (5/320 μs)

電源インピーダンスは,対応する試験セットアップの図に示すとおりとする。


34

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

附属書 B

(参考) 
補足説明

B.1

  種々の電源インピーダンス 

発生器の電源インピーダンスの選択は,次に依存する。

−  ケーブル,導体又はラインの種類(交流電源,直流電源,相互接続線など)

−  ケーブル又はラインの長さ

−  屋外又は屋内の条件

−  試験電圧の適用(線間又は対地間)

2

Ωのインピーダンスは,低電圧電源系統の電源インピーダンスを表す。2 Ωの実効出力インピーダンス

をもつ発生器を用いる。

12

Ω (10 Ω+2 Ω)  のインピーダンスは,低電圧電源系統と接地との間の電源インピーダンスを表す。直

列に 10

Ωの追加抵抗をもつ発生器を用いる。

42

Ω (40 Ω+2 Ω)  の実効インピーダンスは,ほかのすべてのラインと接地との間の電源インピーダンス

を表す。直列に 40

Ωの追加抵抗をもつ発生器を用いる。

幾つかの国(例えば,米国)では,交流線路に対する IEC 規格ではないほかの規格で,2

Ωのインピー

ダンスを用いる

図 及び図 10 による試験を要求する場合がある。これは,更に厳しい試験である。

B.2

  試験の適用 

試験には,装置レベル及びシステムレベルの 2 種類がある。

B.2.1

  装置レベルのイミュニティ 

試験室内で 1 台の EUT に試験を行う。このように試験した EUT のイミュニティは,装置レベルのイミ

ュニティと呼ぶ。

試験電圧は,高電圧に対する EUT の絶縁耐圧を超えてはならない。

B.2.2

  システムレベルのイミュニティ 

表 A.1 に優先される試験レベルの範囲を示す。これらの値は,一例として記載しており,推奨又は要求

するものではない。これらの値は,説明のために示しており,要求する試験として推奨するものではない。

試験室での試験は,EUT に対するものであるが,EUT のイミュニティは,その EUT を含むシステム全

体のイミュニティを保証するものではない。システムのイミュニティレベルを確保するために,システム

レベルの試験は,実際の設置状態を模擬することを推奨する。それらがシステム運用マニュアル又は指定

するシステム若しくはネットワークのオペレータによって要求されている場合,模擬した設置は,個々の

EUT

によって構成し,かつ,保護デバイス(サージ保護デバイス,以下,SPD という。

)も含めなければ

ならない。相互接続線は,実際に用いる長さ及び種類とし,それらすべてがシステム全体の保護レベルに

影響する。

内部の SPD と協調が取られていない外部 SPD の単純な追加は,効果がなくシステム全体の保護効果を

減少させることも,改善することもある。

IEC 61643

及び IEC 62305 規格群(雷による電磁界インパルスに対する保護)に SPD の付加情報を示す。

この試験は,EUT が意図する機能にできるだけ近い状態に設置して模擬することを目的とする。


35

C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

実際の設置では,より高い電圧レベルが印加されることがあるが,サージエネルギーは,実装した SPD

の電流制限特性に従って制限される。

システムレベルの試験は,SPD による二次効果(波形,モード,電圧又は電流の振幅の変化)が EUT

に影響を及ぼさないことの確認も意図している。EUT が指定した試験電圧範囲内で損傷がないことを確認

するには,段階的に試験電圧を要求電圧まで上昇させることが必要である。この指定試験電圧は,EUT の

保護部品又は保護デバイスの動作点に依存する(IEC 61643-21 の 6.2.1.8  Blind spot test 参照)

B.3

  設置分類 

クラス 0  十分に保護された電気的環境で,通常は専用の室内。

すべての外部との接続ケーブルは,過電圧(一次及び二次)保護を備える。電子装置のユニ

ットは,電力設備又は雷によって重大な影響を受けないように,適切に設計されたグラウンド

システムに相互接続している。

電子装置は,専用の電源から供給を受ける(

表 A.1 参照)。

サージ電圧は,25 V を超えない。

クラス 1  部分的に保護された電気的環境。

部屋に入ってくるすべてのケーブルは,過電圧(一次)保護を備える。

装置のユニットは,電力設備又は雷によって重大な影響を受けないように,グラウンド接続

網に確実に相互接続されている。

その電子装置の電源供給は,ほかの装置から完全に分離している。

部屋の中で開閉操作による妨害電圧が発生することがある。

サージ電圧は,500 V を超えない。

クラス 2  短い配線のケーブルでも十分に分離された電気的環境。

装置は,装置自身又は雷によって発生する妨害電圧にさらされる可能性がある電力設備の接

地システムへ分離された接続線を経由して接地される。電子装置の電源は,通常,専用の変圧

器を用いてほかの回路と分離されている。

装置に保護回路がないものは,十分に分離し,数を制限する。

サージ電圧は,1 kV を超えない。

クラス 3  電力ケーブルと信号ケーブルが平行に配線された電気的環境。

装置は,装置自身又は雷によって発生する妨害電圧にさらされる可能性がある電力設備の共

通接地系へ接地されている。

電力設備の地絡,開閉動作及び雷に起因する電流は,接地系に比較的高い振幅の妨害電圧を

発生させる可能性がある。保護回路をもつ電子装置及び影響を受けにくい電気装置は,同じ電

源系統に接続する。相互接続ケーブルは,部分的に屋外ケーブルでもよいが,グラウンド網に

近付ける。

抑制できない誘導負荷が設備に存在し,かつ,通常,ケーブルは,異なる系統ごとに分離さ

れてない。

サージ電圧は,2 kV を超えない。

クラス 4  相互接続線が電源ケーブルに沿って屋外ケーブルとして配線され,ケーブルが電子及び電気回

路の両方に用いられる電気的環境。

装置は,装置自身又は雷によって発生する妨害電圧にさらされる可能性がある電力設備の接


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C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

地系へ接続されている。

電力設備の地絡,開閉動作及び雷に起因するキロアンペア (kA) オーダの電流は,接地系に

比較的高い振幅の妨害電圧を発生させる可能性がある。電源系統は,電子装置及びほかの電気

機器のものと同じであってもよい。相互接続ケーブルは,高電圧装置への接続の場合も,屋外

ケーブルとして配線されている。

この環境の特別な状態として,電子装置が人口密集地域の通信ネットワークに接続している

場合がある。系統的に構成された接地回路網が電子装置の周辺になく,接地系は,パイプ,ケ

ーブルなどから構成される。

サージ電圧は,4 kV を超えない。

クラス 5  非人口密集地域内の通信線又は架空電力線に接続された電子装置に対する電気的環境。

これらすべてのケーブル及び配線は,過電圧(一次)保護を備えている。電子装置の周辺に,

広範な接地系(露出した設備)がない。地絡(10 kA 以下)及び雷(100 kA 以下)による妨害

電圧は,非常に高い可能性がある。

このクラスの要求は,試験レベル 4 を満足している(

附属書 参照)。

クラス x  製品仕様で指定する特別な条件。

B.4

  電源系統に接続するポートの最小イミュニティレベル 

公共の電源系統への接続に対する最小イミュニティレベルは,次による。

−  ライン−ライン間結合:0.5 kV(試験セットアップは,

図 及び図 参照)

−  ライン−グラウンド間結合:1 kV(試験セットアップは,

図 及び図 10 参照)

B.5

  相互接続線に接続するポートの装置レベルのイミュニティ 

相互接続線回路でのサージ試験は,外部接続[きょう(筐)体又は住宅の外]に対してだけ要求される。

システムレベル(相互接続ケーブルを接続した EUT)での試験が可能な場合,特に相互接続ケーブルの

シールドが保護手段のときには,装置レベルでの試験は必要としない。装置の製造業者以外の人がプラン

トの設置を行う場合,EUT の入出力(特にプロセスのインタフェース)に対して許容できる電圧を指定す

ることが望ましい。

製造業者は,装置レベルのイミュニティを確認するために,例えば,二次保護を備えた EUT のポートで

0.5 kV

のレベルのように,指定する試験レベルに基づいて装置を試験することが望ましい。プラントの使

用者又は設置に対する責任者は,例えば雷撃などによって発生する妨害電圧が,選択したイミュニティレ

ベルを超えないことを確実にするために必要な対策(

例  シールド,ボンディング,接地保護)を施すこ

とが望ましい。


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C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

附属書 C 
(参考)

低電圧電力系統へ接続される装置のイミュニティ達成への考察

この規格は,電子装置及びシステムの,電圧及び電流サージイミュニティを決定する試験について規定

する。試験される装置及びシステムはブラックボックスとして扱われ,試験の結果は次の判断基準によっ

て判断される。

a)

通常動作

b)

操作者の介在を必要としない一時的な機能損失又は性能低下

c)

操作者の介在を必要とする一時的な機能損失又は性能低下

d)

装置への永久的な損傷による機能損失(試験不合格を意味する)

この規格の試験は,電子装置及びシステムに対する永久的な損傷及び破壊を含む,電子装置及びシステ

ムへの比較的低い電流サージによる最大範囲の発生しうる影響を調査する。一方,一時的な機能損失につ

いては関与せず,実際に発生する装置の損傷及び破壊に関するほかの試験規格がある。

IEC 60664-1

は,低電圧配電システムの装置の絶縁協調に関係する。また,JIS C 5381-1 は,低電圧配電

システムに接続される SPD の試験規格である。これら二つの規格は,いずれも装置への一時的な過電圧印

加の影響に関係する。この規格,及び JIS C 61000 又は IEC 61000 規格群における,この規格以外の規格

では,装置又はシステムに対する一時的な過電圧状態の影響は,考慮しない。

永久的な損傷は,システム故障時間,及び修理又は交換費用の理由から,ほとんど許容されない。この

種の機能停止は,通常,サージ保護が不適切又は全くないことによって生じる。これによって,高電圧及

び過度のサージ電流が装置の回路へ侵入し,結果として,動作の中断,部品故障,永久的な絶縁破壊,火

災事故,発煙及び感電を発生する。また,装置又はシステムが非常に重要で,サージ発生中であっても運

転を継続しなければならない場合,いかなる機能損失及び性能低下も望ましくない。

この規格で規定する試験では,印加される電圧試験レベル(設置クラス)の大きさ及びその結果流れた

サージ電流は,装置の応答に直接影響する。簡単にいえば,装置が適切なサージイミュニティをもつよう

に設計されていない場合,サージの電圧レベルが高くなればなるほど,機能の損失又は低下の発生頻度は

高い。

低電圧電力システムで用いる SPD を試験するために,JIS C 5381-1 の試験クラス 3 では,8/20

μs の短絡

電流波形及び 1.2/50

μs の開回路電圧波形を発生する実効出力インピーダンス 2 Ωのコンビネーション波形

発生器を規定している。この規格では,通電された装置及びシステムのサージイミュニティ試験に,同一

のコンビネーション波形発生器を用いるが,異なる結合素子及びときには追加の直列接続インピーダンス

を使用する。この規格の電圧試験レベル(設置クラス)と JIS C 5381-1 で規定する開回路ピーク電圧 U

oc

とは,同一である。この電圧は,発生器の端子におけるピークの短絡電流値を決定する。試験方法の違い

によって,試験結果は,直接比較することはできない場合がある。

装置又はシステムのサージイミュニティは,内蔵の SPD,又は外付けの SPD によって実現する。SPD

の最も重要な選択基準は,JIS C 5381-1 で定義及び規定する保護電圧 U

p

である。この値は,IEC 60664-1

で規定する装置の耐電圧 U

w

と,特定の条件における試験期間中に SPD の端子間に発生され得る最大電圧

で協調することが望ましい。保護電圧 U

p

は,装置の耐電圧 U

w

との協調目的で,JIS C 5381-12 だけで用い


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C 61000-4-5

:2009 (IEC 61000-4-5:2005)

る。保護デバイスの電圧保護レベルは,ほぼ同等のストレスが印加されるこの規格の試験のイミュニティ

電圧レベル未満であることが望ましいが,特に二つの規格間の波形は,常に比較可能ではないため,現在

のところこれは取り扱わない。

一般的に,この規格による装置のサージイミュニティレベルは,IEC 60664-1 で規定する絶縁耐圧レベ

ルより低い。ただし,JIS C 60364-4-44 で規定する極端に低い保護電圧レベルをもつ SPD(又は内蔵の SPD)

の短時間過電圧の影響に注意が必要となる。サージ印加中に装置を故障から保護し,動作を継続し,かつ,

たいていの一時的な過電圧状態に耐える SPD を選択することは,容易である。

参考文献 

JIS C 5381-1

  低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法

注記  対応国際規格:IEC 61643-1,Low-voltage surge protective devices−Part 1: Surge protective devices

connected to low-voltage power distribution systems

−Requirements and tests (IDT)

JIS C 5381-12

  低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準

注記  対応国際規格:IEC 61643-12,Low-voltage surge protective devices−Part 12: Surge  protective

devices connected to low-voltage power distribution systems

−Selection and application principles

(IDT)

JIS C 5381

(すべての部)  低圧配電システムに接続するサージ防護デバイス

注記  対応国際規格:IEC 61643 (all parts),Low-voltage surge protective devices (IDT)

JIS C 60364-4-44

  建築電気設備−第 4-44 部:安全保護−妨害電圧及び電磁妨害に対する保護

注記  対応国際規格:IEC 60364-4-44,Low-voltage electrical installations−Part 4-44: Protection for safety

−Protection against voltage disturbances and electromagnetic disturbances (IDT)

JIS C 60364

(すべての部)  建築電気設備

注記  対応国際規格:IEC 60364 (all parts),Low-voltage electrical installations (IDT)

IEC 60050  (311)

,International Electrotechnical Vocabulary−Electrical and electronic measurements and

measuring instruments

−Part 311: General terms relating to measurements−Part 312: General terms relating to

electrical measurements

−Part 313: Types of electrical measuring instruments−Part 314: Specific terms

according to the type of instrument

IEC 60664-1

,Insulation coordination for equipment within low-voltage systems−Part 1: Principles, requirements

and tests

IEC 60664 (all parts)

,Insulation coordination for equipment within low-voltage systems