>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

2

3  用語,定義及び略語  

2

3.1  用語及び定義  

2

3.2  略語  

4

4  一般 

4

5  試験レベル  

5

6  試験装置  

5

6.1  概要  

5

6.2  EFT/B 発生器  

5

6.3  AC/DC 電源ポート用 CDN  

9

6.4  容量性結合クランプ  

11

7  試験セットアップ  

13

7.1  一般  

13

7.2  試験装置  

13

7.3  試験室で行う形式試験セットアップ  

15

7.4  現地試験のための試験セットアップ  

18

8  試験手順  

20

8.1  一般  

20

8.2  試験室の基準条件  

20

8.3  試験の実施  

20

9  試験結果の評価  

21

10  試験報告書  

21

附属書 A(参考)電気的ファストトランジェントに関する情報  

23

附属書 B(参考)試験レベルの選択  

25

附属書 C(参考)測定不確かさ(MU)の考察  

27


C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人電気

学会(IEEJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 61000-4-4:2007 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61000-4 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 61000-4-2  第 4-2 部:試験及び測定技術−静電気放電イミュニティ試験

JIS C 61000-4-3  第 4-3 部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験 
JIS C 61000-4-4  第 4-4 部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バーストイミュニ

ティ試験

JIS C 61000-4-5  第 4-5 部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験 
JIS C 61000-4-6  第 4-6 部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対する

イミュニティ

JIS C 61000-4-7  第 4-7 部:試験及び測定技術−電力供給システム及びこれに接続する機器のための

高調波及び次数間高調波の測定方法及び計装に関する指針

JIS C 61000-4-8  第 4 部:試験及び測定技術−第 8 節:電源周波数磁界イミュニティ試験

JIS C 61000-4-11  第 4-11 部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対する

イミュニティ試験

JIS C 61000-4-14  第 4 部:試験及び測定技術−第 14 節:電圧変動イミュニティ試験

JIS C 61000-4-16  第 4 部:試験及び測定技術−第 16 節:直流から 150 kHz までの伝導コモンモード

妨害に対するイミュニティ試験

JIS C 61000-4-17  第 4 部:試験及び測定技術−第 17 節:直流入力電源端子におけるリプルに対する

イミュニティ試験

JIS C 61000-4-20  第 4-20 部:試験及び測定技術−TEM(横方向電磁界)導波管のエミッション及び

イミュニティ試験

JIS C 61000-4-22  第 4-22 部:試験及び測定技術−全電波無響室(FAR)における放射エミッション

及びイミュニティ試験

JIS C 61000-4-34  第 4-34 部:試験及び測定技術−1 相当たりの入力電流が 16 A を超える電気機器の

電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験


日本工業規格

JIS

 C

61000-4-4

:2015

(IEC 61000-4-4

:2012

)

電磁両立性−第 4-4 部:試験及び測定技術

−電気的ファストトランジェント/バースト

イミュニティ試験

Electromagnetic compatibility (EMC) -Part 4-4: Testing and measurement

techniques-Electrical fast transient/burst immunity test

序文 

この規格は,2012 年に第 3 版として発行された IEC 61000-4-4 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,繰返し電気的ファストトランジェント(高速の過渡現象)

附属書 参照)に対する電気・

電子装置のイミュニティに関連する。この規格は,電気的ファストトランジェント/バースト(EFT/B)

に関連したイミュニティ要求事項及び試験手順について規定する。さらに,試験レベルの範囲について規

定し,試験手順を確立する。

この規格の目的は,電源,信号,制御及び接地ポートのいずれかが EFT/B にさらされた場合の電気・電

子装置のイミュニティについて,共通的,かつ,再現性がある基準を確立することにある。この規格に規

定する試験方法は,定義した現象に対して,装置又はシステムのイミュニティを評価するための一貫した

方法について規定している。

注記 1  この規格は,IEC Guide 107 で記載しているように,製品規格を作成するときに用いる基本

EMC 規格である。また,製品規格原案作成委員会は,このイミュニティ試験規格を適用する

かどうかを決定する責任をもつ。そして,適用する場合,適切な試験レベル及び性能評価基

準を決める責任がある。EMC 規格原案作成委員会は,それらの製品に対する特定のイミュニ

ティ試験値の評価について,製品規格原案作成委員会と協力する用意がある。

この規格では,次について規定する。

−  試験電圧波形

−  試験レベルの範囲

−  試験装置

−  試験装置の校正及び検証手順

−  試験セットアップ

−  試験手順

この規格は,試験室及び現地試験の仕様について規定する。


2

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61000-4-4:2012,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-4: Testing and measurement

techniques−Electrical fast transient/burst immunity test(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS C 60050-161:1997  EMC に関する IEV 用語

注記  対応国際規格:IEC 60050-161:1990,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161:

Electromagnetic compatibility(IDT)

用語,定義及び略語 

3.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60050-161 によるほか,次による。

注記  JIS C 60050-161 で規定する特に関連性がある幾つかの用語及び定義は,この規格で規定する定

義に含まれている。

3.1.1 

補助装置,AE(auxiliary equipment)

供試装置(EUT)が正常な動作を行うために必要な信号を供給し,かつ,EUT の動作を検証するために

必要な装置。

3.1.2 

バースト(burst)

ある限られた個数の個別のパルスから成るパルス列又は限られた時間の間,継続する振動。

JIS C 60050-161:1997-161-02-07,一部変更)

3.1.3 

校正(calibration)

規定する条件で基準に照らして,

表示値と測定値との間に存在する関連性を証明するための一連の作業。

注記 1  この用語は,“不確かさ(附属書 参照)”の手法に基づいている。

注記 2  表示値と測定値との間の関連性は,通常,校正ダイアグラムで説明することができる。

IEC 60050-300:2001-311-01-09)

3.1.4 

結合(coupling)

一つの回路から他の回路へエネルギーを伝達する,回路間の相互作用。

3.1.5 

コモンモード(結合)[common mode(coupling)]

基準グラウンド面(RGP)に対する,ラインへの結合。

3.1.6 

結合クランプ(coupling clamp)


3

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

直接通電結合せずに,被試験回路への妨害信号をコモンモード結合するための,決められた寸法及び特

性をもつデバイス。

3.1.7 

結合回路網(coupling network)

一つの回路から他の回路へエネルギーを伝達させる目的をもつ電気回路網。

3.1.8 

減結合回路網(decoupling network)

EUT に印加する電気的ファストトランジェント(EFT)電圧が,試験状態にない機器,装置又はシステ

ムに影響することを防止するための電気回路網。

3.1.9 

低下(性能の)[degradation(of performance)]

機器,装置又はシステムの動作性能が,意図する性能から望ましくない方に外れる状態。

注記  “低下”は,一時的又は永久的な不具合にも用いることができる。

JIS C 60050-161:1997-161-01-19)

3.1.10 

EFT/B(electrical fast transient/burst)

高速の過渡応答を含んだ信号が,連続したバーストを構成する電気信号。

3.1.11 

電磁両立性(EMC)(electromagnetic compatibility)

装置又はシステムが存在する環境において,許容できないような電磁妨害をいかなるものに対しても与

えず,かつ,その電磁環境において満足に機能するための装置又はシステムの能力。

JIS C 60050-161:1997-161-01-07)

3.1.12 

EUT(equipment under test)

供試装置。

3.1.13 

基準グラウンド面,RGP(reference ground plane)

平たん(坦)な導電性の面で,その電位が共通の基準として用いられるもの。

JIS C 60050-161:1997-161-04-36  一部変更)

3.1.14 

イミュニティ(妨害に対する)[immunity(to a disturbance)]

電磁妨害が存在する環境で,機器,装置又はシステムが性能低下せずに動作することができる能力。

JIS C 60050-161:1997-161-01-20)

3.1.15 

ポート(port)

EUT の,外部の電磁環境との特定のインタフェース。

3.1.16 

パルス幅(pulse width)

パルスの瞬時値が,最初にピーク値の 50 %に達してから,次にピーク値の 50 %に達するまでの時間間

隔。


4

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

3.1.17 

立上がり時間(rise time)

パルスの瞬時値が,最初にピーク値の 10 %に達してから,90 %に到達するまでの時間間隔。

JIS C 60050-161:1997-161-02-05  変更)

3.1.18 

トランジェント(transient)

対象とする時間スケールに比べて短い時間間隔で,二つの連続する定常状態の間を変化する現象又は量

に関係するもの,又はその呼称。

JIS C 60050-161:1997-161-02-01)

3.1.19 

単線印加モード(結合)[unsymmetric mode  (coupling)]

RGP に対する,一つのラインのコモンモード結合。

注記  用語“単線印加モード”と“unsymmetric mode”とは,用語として対応しないが,対応国際規

格の用語を引用し,全線印加モードに対応する用語とした。

3.1.19A 

全線印加モード(結合)[symmetric mode(coupling)]

RGP に対する,全てのラインのコモンモード結合。

3.1.20 

検証(verification)

試験装置システム(例えば,試験発生器と相互接続しているケーブル)を確認し,この試験システムが

箇条 に規定する仕様の範囲内で機能していることを確認する一連の作業。

注記 1  検証の方法は,校正の方法と異なってもよい。

注記 2  この規格でのこの定義は,IEC 60050-300:2001-311-01-13 で規定する定義と異なっている。

3.2 

略語 

AE

補助装置(Auxiliary Equipment)

CDN

結合/減結合回路網(Coupling/Decoupling Network)

EFT/B  電気的ファストトランジェント/バースト(Electrical Fast Transient/Burst) 
EMC

電磁両立性(ElectroMagnetic Compatibility)

EUT

供試装置(Equipment Under Test)

MU

測定不確かさ(Measurement Uncertainty)

PE

保護接地(Protective Earth)

一般 

EFT/B 試験は,電気・電子装置の電源,制御,信号及び接地ポートに結合した多くのファストトランジ

ェントからなるバーストによる試験である。この EFT は,高振幅,短い立上がり時間,高繰返し率及び低

エネルギーの過渡現象を特徴とする。

試験は,スイッチングトランジェント(誘導負荷の遮断,リレー接点のチャタリングなど)から生じる

ような様々なトランジェント妨害にさらされた場合の電気・電子装置のイミュニティを実証することを意

図する。


5

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

試験レベル 

装置の電源,

制御,

信号及び接地ポートに適用する電気的ファストトランジェントの推奨試験レベルは,

表 による。

表 1−試験レベル 

レベル

開回路出力試験電圧及びパルスの繰返し周波数

電源ポート・接地ポート(PE)

信号・制御ポート

ピーク電圧

kV

繰返し周波数

kHz

ピーク電圧

kV

繰返し周波数

kHz

1 0.5

5 又は 100 0.25 5 又は 100

2 1

5 又は 100 0.5 5 又は 100

3 2

5 又は 100 1  5 又は 100

4 4

5 又は 100 2  5 又は 100

X

a)

特殊

特殊

特殊

特殊

注記 1  従来から繰返し周波数は 5 kHz を用いているが,100 kHz の方がより現実に近い。製品規格原案作成委員会

は,特定の製品又は製品のタイプに,いずれの繰返し周波数が適切かを判断することが望ましい。

注記 2  ある製品に対して電源ポートと信号ポートとの間に明確な区別がない場合は,製品規格原案作成委員会に

その判断を委ねる。

a)

  “X”は,任意のレベルで,ほかのレベルより高い若しくは低い,又は間とすることができる。レベルは,個

別装置の仕様書に明記しなければならない。

レベルの選択については,

附属書 を参照。

試験装置 

6.1 

概要 

意図した波形が EUT に伝達されるように,EFT/B 発生器,CDN 及び試験セットアップを構成するその

他のものの正しい動作は,6.2.36.3.2 及び 6.4.2 の校正手順によって確認する。

6.2 EFT/B 発生器 
6.2.1 

一般 

EFT/B 発生器の簡略化した回路図を図 に示す。回路素子 C

C

R

S

R

m

及び C

d

は,開回路条件及び 50 Ω

の抵抗終端において,発生器がファストトランジェントを発生するように選択する。発生器の実効出力イ

ンピーダンスは,50 Ω とする。


6

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

U  高電圧源 
R

c

  充電抵抗

C

c

  エネルギー蓄積コンデンサ

R

s

  パルス幅形成抵抗

R

m

  インピーダンス整合抵抗

C

d

  直流阻止コンデンサ

S  高電圧スイッチ 
注記  要求する波形の立上がり時間は,高電圧スイッチの特性及び構造上の配置による寄生要素(誘導性及び容量性)

によって形成される。

図 1EFT/B 発生器の主要素子を示した簡易回路図 

6.2.2 EFT/B 発生器の特性 

EFT/B 発生器の特性は,次による。

− 1

000

Ω 終端時は,0.24 kV∼3.8 kV の範囲の電圧を出力する。

− 50

Ω 終端時は,0.125 kV∼2 kV の範囲の電圧を出力する。

発生器は,短絡の状態でも損傷することなく動作しなければならない。

特性:

−  極性

正及び負

−  出力

同軸(特性インピーダンス 50 Ω)

−  直流阻止コンデンサ

: (10±2) nF

−  繰返し周波数

表 に示した値)±20 %

−  電源周波数との関連

非同期

−  バースト時間(

図 参照): 5

kHz の場合 (15±3) ms

 100

kHz の場合 (0.75±0.15) ms

−  バースト周期(

図 参照): (300±60) ms

−  パルス波形

・ 50

Ω 終端時

立上がり時間 t

r

 (5±1.5) ns

パルス幅 t

w

 (50±15) ns

ピーク電圧

表 に示す値)±10 %

(50 Ω 終端時の波形は,

図 参照)

・ 1

000

Ω 終端時

立上がり時間 t

r

 (5±1.5) ns

パルス幅 t

w

100

15

50

+

 ns

ピーク電圧

表 に示す値±

20 %

表 の注記 を参照)


7

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

図 2EFT/B の標準波形 

図 350 Ω 終端での公称パラメータ  t

r

5 ns 及び t

w

50 ns の単一パルスの理想的な波形 

図 の理想波形

 EFT (

t

)

の計算式は,式

(1)

による。


8

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)





+





=

2

EFT

EFT

1

1

EFT

1

v

EFT

1

)

(

τ

τ

τ

t

n

n

e

t

t

k

v

k

t

v

  (1)

ここに,

EFT

1

1

2

EFT

2

1

EFT

n

n

e

k





=

τ

τ

τ

τ

k

v

は,開放電圧のピーク値(

k

v

 = 1

は,正規化電圧を表す。

v

1

 = 0.92

τ

1

 = 3.5 ns

τ

2

 = 51 ns

n

EFT

 = 1.8

注記

この式は,JIS Z 9290-1

:2014

附属書 の式

(B.1)

を基にしている。 

6.2.3 EFT/B 発生器の特性の校正 

EFT/B

発生器は,この規格の要求性能を満足していることを証明するために校正しなければならない。

校正は,次の手順で行う。

EFT/B

発生器の出力は,

50 Ω

及び

1 000 Ω

の同軸終端にそれぞれ接続し,電圧を,オシロスコープで観

測する。オシロスコープの周波数特性の−

3 dB

帯域幅は,

400 MHz

以上とする。

1 000 Ω

の終端インピー

ダンスは,複雑なネットワークになることがある。一つのバーストの中でのバースト時間及びバースト周

期,パルスの立上がり時間,パルス幅及び繰返し率を観測する。終端インピーダンス性能は,次による。

なお,抵抗値は,直流で測定する。

 (50

±

1) Ω

 (1

000

±

20) Ω

抵抗の挿入損失の許容差は,次による。

 100

MHz

以下の場合,±

1 dB

 100

MHz

を超え

400 MHz

以下の場合,±

3 dB

次の要素を測定する。

ピーク電圧

表 に示す各々の設定電圧において,

50 Ω

終端を接続した状態で出力電圧[

V

p

50 Ω

を測定する。測定電圧の許容範囲は,±

10 %

とする。

同じ発生器の設定状態,設定電圧において,

1 000 Ω

終端を接続した状態で出力電圧[

V

p

1 000 Ω

を測定する。測定電圧の許容範囲は,±

20 %

とする。

全ての設定電圧における立上がり時間

全ての設定電圧におけるパルス幅

いずれか一つの設定電圧における

1

バースト内のパルスの繰返し周波数

いずれか一つの設定電圧におけるバースト時間

いずれか一つの設定電圧におけるバースト周期


9

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

表 2−出力ピーク電圧値及び繰返し周波数 

設定電圧

kV

V

p

(開回路)

kV

V

p

(1 000 Ω)

kV

V

p

(50 Ω)

kV

繰返し周波数

kHz

0.25 0.25 0.24 0.125

5 又は 100

0.5 0.5 0.48 0.25

5 又は 100

1 1 0.95

0.5

5 又は 100

2 2 1.9

1

5 又は 100

4 4 3.8

2

5 又は 100

測定は,寄生容量を最小にして実施することが望ましい。 
注記 1 1

000

Ω の終端抵抗を用いる場合,電圧読取値は,列 V

p

(1 000 Ω)に示すように,結果として自動的に設

定電圧より 5 %低くなる。1 000 Ω での読取値 V

p

は,V

p

(開回路)に 1 000/1 050(1 000 Ω に 50 Ω を加えた

全回路インピーダンスに対する終端インピーダンスの比)を乗じた値となる。

注記 2 50

Ω 終端を用いた場合,測定した出力電圧は,この表に示す無負荷電圧[V

p

(開回路)

]の値の 0.5 倍とな

る。

6.3 AC/DC 電源ポート用 CDN 
6.3.1 CDN 
の特性 

CDN

は,

AC/DC

電源ポートの試験に用いる。

その回路図(三相電源の例)を

図 に示す。

注記

ビル及び住宅の電源系へのグラウンドの配線方法については,欧米では配電用変圧器のグラウ

ンド電位及び同等のグラウンド(

PE

)をコンセントまで配線する方式を用いているが,我が国

では

PE

をコンセントに配線していない

TT

系統が一般的である(JIS C 60364-1 参照)

。このた

め,イミュニティ試験を実施する場合には,

PE

の接続方法などを我が国のグラウンド形態及び

EUT

のグラウンドのとり方に適合する必要がある。また,

EUT

のグラウンドについても次の

3

種類の形態がある。

a)

電源コードのプラグに

PE

用の端子がある場合

b)

電源コードには

PE

用の端子がないが,きょう体にグラウンド端子(フレームグラウン

ド)がある場合

c)

電源コードにもきょう体にもグラウンド端子がない場合

上記の場合については,

表 2A の方法で接続することが望ましい。

表 2A−グラウンドの接続方法 

EUT のグラウンド形態 EUT のグラウンドの接続

a)

電源コードの PE 線を電源ポート

用 CDN の PE 出力に接続する。

b) EUT の設置仕様書に FG を電源の

PE ラインに接続する指定がある
場合は,電源ポート用 CDN の PE
出力に接続する。

特別な接地接続が指定されてい

る場合は,RGP に接続する。

c)

追加のグラウンド接続はしない。

CDN

の典型的な特性を,次に示す。

フェライトを含む減結合インダクタ:

 100

μH

を超える。


10

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

結合コンデンサ:

 33

nF

L

1

,L

2

,L

3

各相

N

中性線

PE

保護接地

C

c

結合コンデンサ

L

d

減結合インダクタ

図 4AC/DC 電源ポート及び端子のための CDN 

6.3.2 CDN の校正 

6.2.3 で規定する校正に用いた測定装置を,

CDN

の校正にも使用する。

CDN

の校正には,6.2.3 の要求事項に適合した

EFT/B

発生器を使用する。

EFT/B

信号を全ての出力に同時に結合した状態で,コモンモード結合の波形を校正する。波形は,

50 Ω

で基準グラウンドに終端した

CDN

のそれぞれの出力端で(

L

1

L

2

L

3

N

及び

PE

)個々に順次校正する。

図 は,基準グラウンドに対する

L

1

相(五つの相のうちの一つ)での測定を示す。

注記 1

個々の相の出力端の検証を行うことによって,それぞれの相が適切に機能し,かつ,校正さ

れたことが確認できる。

CDN

の出力の接続には,同軸アダプタを使用することが望ましい。

CDN

の出力端と同軸アダプタとの接続は,可能な限り短く,

0.1 m

を超えないことが望ましい。

校正は,

EFT/B

発生器を

4 kV

に設定した出力で行う。

EFT/B

発生器を

CDN

の入力に接続する。

CDN

出力は,校正対象の出力端を

50 Ω

で終端し,その他の出力端は開放にする。個々の相の出力端を順次校正

する。両極性におけるピーク電圧及び波形を記録する。

パルスの立上がり時間は,

(5.5

±

1.5) ns

とする。

パルス幅は,

(45

±

15) ns

とする。

ピーク電圧は,

表 に従って,

(2

±

0.2) kV

とする。


11

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

注記 2

上記の値は,

CDN

の校正方法の結果である。

EUT

及び電源回路網を取り外した状態で,

CDN

の入力端における試験パルスの電圧は,次の条件で

400

V

を超えてはならない。

 CDN

の結合は全線印加モード結合にする。

 EFT/B

発生器の設定電圧を

4 kV

にする。

減結合回路網の入力端(

L

1

L

2

L

3

N

及び

PE

)は,個々に

50 Ω

終端して順次測定する。

図 5CDN の出力端での波形校正 

6.4 

容量性結合クランプ 

6.4.1 

一般 

容量性結合クランプは,

EUT

のポートの端子,ケーブルのシールド又はその他の部分に直接電流を流す

ような接続をすることなく,

EFT/B

を供試回路に対し結合することができる。

クランプの結合容量は,ケーブルの直径,材質及びシールド(ある場合)に依存する。

容量性結合クランプは,供試回路のケーブル(平形又は丸形)を収めるためのクランプ部(例えば,亜

鉛めっき鉄板,黄銅,銅又はアルミニウム製)を含み,

RGP

上に設置する。

RGP

は,全ての側面でクラン

プより

0.1 m

以上大きくなければならない。

容量性結合クランプは,両端に

EFT/B

発生器に接続するための高電圧用同軸コネクタをもつ。

EFT/B

生器は,

EUT

に近い側の容量性結合クランプのコネクタに接続する。

高電圧用同軸コネクタが

1

個だけの容量性結合クランプも使用できるが,その場合は,高電圧同軸コネ

クタを

EUT

側に配置することが望ましい。

容量性結合クランプは,ケーブルとクランプ部との間の結合容量が最大になるように,できる限り密着

させて閉じる。

容量性結合クランプの構造例を

図 に示す。その寸法を次に示す。


12

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

下部結合板の

RGP

からの高さ:

 (100

±

5) mm

部結合板の幅

 (140

±

7) mm

下部結合板の長さ

 (1

000

±

50) mm

容量性結合クランプによる結合方法は,信号ポート及び制御ポートを接続する線路の試験に用いる。6.3

に規定する

CDN

を用いることができない場合だけ,電源ポートに対して用いてもよい(7.3.2.2 参照)

単位  mm

許容差  ±5 %

図 6−容量性結合クランプの例 

6.4.2 

容量性結合クランプの校正 

容量性結合クランプの特性の校正にも,6.2.3 で規定する校正に適合した測定装置を使用する。

校正用結合板(

図 参照)は,容量性結合クランプに挟む。

RGP

に低インピーダンスで接続している接

続アダプタを,校正用結合板と

50 Ω

同軸減衰器との間に接続する。

図 に校正のセットアップを示す。

単位  mm

図 7−容量性結合クランプ校正のための校正用結合板 

校正用結合板は,

120 mm

×

1 050 mm

で厚さ

0.5 mm

以下の金属板で構成し,

0.5 mm

の誘電体シートによ

って上下で絶縁する。校正用結合板及びクランプ部が電気的に接触することを避けるために,全ての面に

おいて

2.5 kV

以上の絶縁を保証しなければならない。一端は,長さ

30 mm

以下の低インピーダンス状態

で接続アダプタに接続する。接続部分の端が下部結合板の端に合うように,校正用結合板は容量性結合ク

ランプに挟む。接続アダプタは,

50 Ω

同軸減衰器のグラウンド接続を確実にするために,

RGP

に対し低イ

ンピーダンスを維持する。校正用結合板と測定用

50 Ω

同軸減衰器との間の距離は,

0.1 m

以下とする。


13

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

注記

結合板と校正用結合板との隙間は重要ではない。

出力波形は,

50 Ω

終端状態で校正する。

容量性結合クランプは,6.2.2 及び 6.2.3 に適合する

EFT/B

発生器で校正する。

校正は,

EFT/B

発生器の設定電圧を

2 kV

にして行う。

図 8−校正用結合板を用いた容量性結合クランプの校正セットアップ 

EFT/B

発生器は,容量性結合クランプの一方のコネクタに接続する。

次に示す波形特性は,容量性結合クランプの他方のコネクタ側の校正用結合板の出力端で記録する(

参照)。

波形特性は,次の要求事項を満たさなければならない。

立上がり時間

 (5

±

1.5) ns

パルス幅

 (50

±

15) ns

ピーク電圧

 (1

000

±

200) V

試験セットアップ 

7.1 

一般 

試験環境によって,次の試験形態がある。

試験室で行う形式(適合)試験

最終設置状態で装置に行う現地試験

試験室で行う形式試験が望ましい。

製造業者の設置指示がある場合は,それに従って

EUT

を設置する。

7.2 

試験装置 

7.2.1 

一般 

試験セットアップには,次のものを含む(

図 参照)。

 RGP

結合デバイス(結合回路網又は容量性結合クランプ)

減結合回路網(必要な場合)

 EFT/B

発生器


14

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

図 9EFT/B イミュニティ試験の概念図 

7.2.2 

試験装置の検証 

検証の目的は,

EFT/B

試験のセットアップが,正常に動作していることを保証することにある。

EFT/B

試験は,次の事項を含む。

 EFT/B

発生器

 CDN

容量性結合クランプ

内部接続ケーブル

システムが正常に機能していることを検証するため,次の信号を確認することが望ましい。

 CDN

の出力端子の

EFT/B

信号

容量性結合クランプの

EFT/B

信号

システムに接続している

EUT

がない状態であれば,適切な測定装置(例えば,オシロスコープ)を用い

て,

EFT/B

図 参照)を任意のレベルで検証できる。

試験機関は,この検証手順に従った内部管理文書を定めてもよい。

容量性結合クランプの検証手順例を

図 10 に示す。

図 10−容量性結合クランプの検証セットアップの例 


15

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

7.3 

試験室で行う形式試験セットアップ 

7.3.1 

試験条件 

8.1 に規定する環境の基準条件において試験室で行う試験は,次の要求事項を適用する。

床置形及び装置に取り付けるように設計した

EUT

は,特に規定のない限り

RGP

上に配置する。厚さ

0.1

m

±

0.05 m

の非導電性のキャスタを含む絶縁支持台によって絶縁する(

図 11 参照)。

(A):電源線試験の場合 
(B):信号線試験の場合

図 11−試験室における形式試験の試験セットアップ例 

卓上形装置及び通常,

埋込形装置と同じように天井又は壁に設置する

EUT

は,

卓上の

RGP

から,

厚さ

 (0.1

±

0.01) m

の絶縁支持台上に設置して試験する。

大形の卓上形装置又は複数システムに対する試験は,床の

RGP

から,厚さ

 (0.1

±

0.01) m

の絶縁支持台

上に設置して試験してもよい。

EFT/B

発生器及び

CDN

は,

RGP

に接続する。

RGP

は,

厚さ

0.25 mm

以上の銅又はアルミニウムの金属板とする。

その他の金属材料を用いてもよいが,

その場合の板厚は,

0.65 mm

以上とする。

RGP

の寸法は,

0.8 m

×

1.0 m

以上とし,実際の寸法は,

EUT

の大きさに従う。

RGP

は,

EUT

の投影した寸法より各辺

0.1 m

以上大きくする。

安全上の理由から

RGP

は,

PE

に接続する。

EUT

は,その装置の設置仕様に従い,機能要求事項を満たす配置及び接続を行う。

EUT

とその他の全ての導電性の構造物(発生器,

AE

及びシールドルームの壁を含む。

)との距離は,

RGP


16

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

を除いて

0.5 m

以上とする。

EUT

に接続する全てのケーブルは,

RGP

から厚さ

0.1 m

の絶縁支持台上に配置する。

EFT/B

試験を行わ

ないケーブルは,試験するケーブルとの結合が最小となるように,ケーブルからできるだけ遠くに配置す

る。

EUT

は,その製造業者の設置仕様に従って接地システムへの接続を行う。追加の接地接続を行ってはな

らない。

CDN

RGP

に接続する接地ケーブル及び全ての接続は,低インピーダンスとなるように行う。

試験電圧の印加には,

CDN

又は容量性結合クランプのいずれかを用いる。相互接続線の長さが足りない

ために試験できない場合を除いて,試験電圧は,試験する

EUT

2

台の装置ユニット間のポートを含む全

ての

EUT

ポートに順次印加する(

図 12 参照)。

ケーブルが提供されない EUT は,操作若しくは設置説明書に従うか,又は最悪条件を想定して試験するこ

とが望ましい。 
注記  試験時のケーブル長さを製品規格で規定する場合は,それに従う。

図 12台の床置形装置を用いた試験セットアップ例 

上部にケーブル入力をもつ

EUT

のセットアップ例を,

図 13 に示す。

容量性結合クランプを用いた相互接続線の試験では,減結合回路網又はコモンモード吸収クランプを,

AE

及び公衆回路網の保護に使用する。

CDN

又は容量性結合クランプの結合回路網を用いるとき,結合回路網,容量性結合クランプ及び

EUT

の下の

RGP

を除いて,容量性結合クランプの結合板とその他の発生器を含む全ての導電物面との距離は,

0.5 m

以上とする。

製品規格で規定する場合を除いて,結合装置と

EUT

との間の距離は,卓上形装置のときは

0.5

0

1

.

0

  m


17

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

床置形装置のときは

 (1.0

±

0.1) m

とする。

EUT

の物理的寸法の制約によってこの距離が困難な場合は,ほ

かの距離を用いてもよい。この場合,試験報告書に,その距離を記録する。

EUT

と結合装置との間のケーブルが取外し可能な場合,この箇条の要求事項に適合する範囲で,できる

だけ短くする。製造業者が提供するケーブルが結合回路と

EUT

のケーブル入力との間の距離より長い場合,

その長さを超える部分を折り畳み,

RGP

から

0.1 m

の位置に配置する。結合回路に容量性結合クランプを

用いる場合,折り畳むケーブルは,

AE

の側に配置する。

試験対象としない

3 m

未満の接続ケーブルをもつ

EUT

システムは,絶縁支持台の上に置く。その試験し

ない

EUT

の部分と,この

EUT

との距離は

0.5 m

にする。余剰のケーブルは折り畳む。

試験室で行う形式試験セットアップの例を

図 11∼図 14 に示す。

図 13−上部にケーブル入力をもつ EUT のセットアップ例 

7.3.2 EUT への試験電圧印加方法 
7.3.2.1  
一般 

EUT

への試験電圧の印加方法を,7.3.2.2.7.3.2.4 に示す。印加方法は,

EUT

ポートの種類に依存する。

7.3.2.2  電源ポート 

CDN

を介して,

EFT/B

の妨害電圧を直接印加するための試験セットアップの例を,

図 14 に示す。これ

は,電源ポートへ印加する場合の推奨方法となる。

接地端子がない電源ポートをもつ

EUT

の場合,試験電圧は,

L

相及び

N

相にだけ印加する。


18

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

PE  保護接地 
N  中性線 
L L 相 
Z

1

  減結合インダクタ

C

c

  結合コンデンサ

図 14−試験室における AC/DC 電源ポートへの試験電圧を直接結合するための試験セットアップ例 

適切な

CDN

がない場合,例えば,

AC

電源の電流が

100 A

を超える

EUT

の試験では,次のような代替

方法を用いることができる。

 (33

±

6.6) nF

のコンデンサを用いた全線印加モード及び単線印加モードの直接印加を推奨する。

印加が現できない場合は,容量性結合クランプを使用する。

7.3.2.3  信号及び制御ポート 

信号及び制御ポートへ妨害試験電圧を印加する場合の容量性結合クランプの使用方法の例を

図 11 及び

図 12 に示す。ケーブルは容量性結合クランプの中心に配置する。試験対象としない装置又は

AE

は適切に

減結合してもよい。

7.3.2.4  接地端子 

金属きょう体の装置で接地端子付きの電源ポートの試験ポイントは,

PE

端子とする。

CDN

が使用できない場合,

(33

±

6.6) nF

のコンデンサを通して,

PE

端子に妨害試験電圧を印加する。

7.4 

現地試験のための試験セットアップ 

7.4.1 

概要 

現地試験は,使用者と製造業者との間で合意した場合にだけ実施してよい。その場合,試験によって

EUT

が損傷する可能性があり,また,併置されたほかの装置が損傷又は悪影響を受ける可能性があることを考

慮する。

装置又はシステムは,最終設置条件で試験を行う。現地試験は,可能な限り実際の電磁環境を模擬する

ために,

CDN

を用いないで行う。

EUT

以外の装置又はシステムが,試験中に過度の影響を受ける場合,使用者と製造業者との間の合意に


19

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

よって,減結合回路網を用いる。

7.4.2 

電源ポート及び接地ポートの試験 

妨害試験電圧は,

RGP

AC

又は

DC

各電源端子,及び

EUT

のきょう体の

PE

又は機能接地ポートとの

間に同時に印加する(

図 15 参照)。

PE

保護接地

N

中性線

L

1

,L

2

,L

3

各相

図 15−据置形,床置形 EUT の AC/DC 電源ポート及び PE 端子への現地試験の例 

7.3.1 で規定する

RGP

EUT

の近くに設置し,

EFT/B

発生器の

AC

電源の

PE

導体に接続する。

EFT/B

発生器は,

RGP

上に置き,同軸ケーブルで結合コンデンサに接続する。同軸ケーブルの外部導体

は,コンデンサ側には接続しない。結合コンデンサから

EUT

のポートまでの長さは,できるだけ短くする。

同軸ケーブルの外部導体は,

EUT

には接続せず,絶縁を保たなければならない。結合コンデンサの容量は

(33

±

6.6) nF

とする。

EUT

のその他全ての接続は,機能上の要求事項を満たすことが望ましい。

7.4.3 

信号及び制御ポートの試験 

容量性結合クランプは,信号及び制御ポートに試験電圧を結合させるために最適な方法である。ケーブ

ルは,クランプ部の中心に配置する。ケーブルが物理的な理由(例えば,サイズ,ケーブルの引き回しな

ど)で容量性結合クランプを使用できない場合,ケーブルを包む導電性のテープ又ははく(箔)を用いる。

このほかの代替法として,個別の

 (100

±

20) pF

のコンデンサ[容量性結合クランプの分布容量,又はは

く(箔)若しくはテープ配置の分布容量の代わりに用いる。

]を通じて,各線路の端子に直接

EFT/B

発生

器を結合してもよい。

容量性結合クランプを用いない場合,

EFT/B

発生器の同軸ケーブルの接地は,

結合点の近くに接続する。

同軸又はシールド付き通信線の内部導体に妨害試験電圧を印加してはならない。

妨害試験電圧は,

装置に用いるケーブルのシールド性能を劣化させない状態で印加することが望ましい。

試験構成の例を

図 16 に示す。


20

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

図 16−容量性結合クランプが使用できない信号及び制御ポートへの設置後試験の例 

コンデンサ直接結合のセットアップで得られた試験結果は,容量性結合クランプ又は導電性のテープ若

しくははく(箔)結合で得られた結果と異なることがある。したがって,箇条 で規定する試験レベルは,

設置条件の影響を考慮に入れ,製品規格で修正してもよい。

現地試験では,製造業者と使用者との間で合意できる場合,容量性結合クランプ又は導電性のテープ若

しくははく(箔)に外部の全てのケーブルを同時に通して試験する。

試験手順 

8.1 

一般 

試験手順には,次の事項を含む。

7.2.2 で規定する試験装置の検証

試験室の基準条件の検証

 EUT

の正常動作の検証

試験の実施

試験結果の評価(箇条 参照)

8.2 

試験室の基準条件 

8.2.1 

気象条件 

共通規格又は製品規格で規定がない限り,試験室の気象条件は,

EUT

及び試験装置の動作に関してそれ

ぞれの製造業者が指定する限度内でなければならない。

EUT

又は試験装置に結露が生じるほど相対湿度が高い場合には,試験を行ってはならない。

8.2.2 

電磁環境条件 

試験室の電磁環境条件は,試験結果に影響を与えないように,

EUT

の正常動作を保証するものでなけれ

ばならない。

8.3 

試験の実施 

試験は,

EUT

の技術仕様で規定する

EUT

の性能の検証を含む試験計画に基づいて行う。


21

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

EUT

は,通常動作条件とする。

試験計画には,次の事項を含む。

試験形態(試験室又は現地試験)

試験レベル

結合モード(全線印加モード,又は現地試験若しくは

CDN

が使用できない場合に行う単線印加モー

ド)

試験電圧の極性(両方の極性で行う。

ポートごとの試験の時間。この時間は,印加した妨害に対して

EUT

が反応するのに必要な時間以下に

してはならない。ただし,いかなる場合も

1

分以上とする。製品規格でその他の試験時間を選択して

もよい。

繰返し周波数

試験する

EUT

のポート

 EUT

の代表的な動作条件

 EUT

のポートに対する試験電圧の印加順序

 AE

試験結果の評価 

試験結果は,

EUT

の機能損失又は性能低下の観点から,その製品の製造業者,試験の依頼者又は製品の

製造業者と使用者との間の合意によって指定した性能レベルと比較して分類する。推奨する分類を,次に

示す。

a)

製造業者,試験の依頼者又は使用者が指定する仕様限度内の正常な性能

b)

妨害がなくなった後に消滅する一時的な機能損失又は性能低下。操作者が介在することなく

EUT

が正

常な性能に自己復帰する。

c)

操作者の介在が必要な,一時的な機能損失又は性能低下

d)

ハードウェア又はソフトウェアの破壊による修復不可能な機能損失若しくは性能低下,又はデータの

損失

製造業者は,

EUT

への影響のうち,重要ではないとみなして許容できる影響を,仕様書に指定してもよ

い。

この分類は,共通規格,製品規格及び製品群規格の原案作成委員会で性能基準を規定するときの指針と

して,又は適切な共通規格,製品規格及び製品群規格が存在しない場合に製造業者と使用者との間で,性

能基準に対する合意を行うための枠組みとして用いてもよい。

10  試験報告書 

試験報告書は,試験を再現するために必要な全ての情報を含む。特に次の事項を記載する。

箇条 で要求する試験計画の中で規定している項目

 EUT

及び関連装置の識別表示(例えば,商標,製品形式,製造番号)

試験装置の識別表示(例えば,商標,製品形式,製造番号)

試験を行った特別な環境条件(例えば,シールドルーム)

試験を行うために必要とする具体的な条件

試験セットアップ及び

EUT

の配置の図面及び/又は写真


22

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

製造業者と依頼者又は使用者との間で指定する性能レベル

共通規格,製品規格又は製品群規格で規定する性能基準

妨害の印加中又は印加後に観測した

EUT

への全ての影響,及びこれらの影響が持続した期間

全てのケーブルの形式及び長さ,並びにケーブルを接続した

EUT

のポート

合否判定の根拠(共通規格,製品規格若しくは製品群規格で規定する性能基準,又は製造業者と使用

者との間で合意した性能基準に基づく。

適合性を達成するために必要な装置の取扱いにおける具体的な条件(例えば,ケーブルの長さ,ケー

ブルの形式,遮蔽,接地及び

EUT

の動作条件)


23

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

附属書 A

(参考)

電気的ファストトランジェントに関する情報

A.1  一般 

EFT/B

は,誘導性負荷の開閉によって生じる。この開閉時に生じるトランジェントは,一般的にファス

トトランジェントといわれ,次の用語で記述されることがある。

バースト時間(主に開閉前のインダクタンスに蓄積したエネルギーによって決まる。

個々のトランジェントの繰返し周波数

主に開閉接点の構造的及び電気的特性(開放時の接点作動速度,及び開放状態における接点の耐電圧

性能)によって決まる,バーストを構成するトランジェントの振幅変化

A.2  パルスの振幅 

あるラインで測定したパルスの振幅は,そのラインの開閉接点の電気接続によって生じたパルスの振幅

と同じ場合がある。電源及び幾つかの制御回路の場合,接点の近傍(

1 m

程度の距離)では,同一ライン

だけでなく,他のラインでも同様な現象となる。その場合,妨害は,結合(例えば,容量性)によって伝

達し,パルスの振幅は,接点で測定したレベルより小さくなる。

A.3  立上がり時間 

発生源から距離が離れるに従って,伝搬損失及び拡散によって,並びに接続する負荷に起因するひずみ

による反射によって,その波形が変形するということに留意することが望ましい。

EFT/B

発生器の仕様の

ために推定された

5 ns

の立上がり時間は,パルスの伝搬における高周波成分の減衰の影響を考慮した一つ

の折衷案である。

立上がり時間は,主に

EFT/B

発生源と接続している装置との距離に依存し,その距離が近い場合は,よ

り短い立上がり時間となり,例えば

1 ns

は,より厳しい結果となる。

注記

 500

V

4 kV

又はそれ以上の電圧範囲に対して,発生源での

EFT

の立上がり時間は,放電メカ

ニズムが似ている静電気放電(気中)の立上がり時間に非常に近い。

A.4  パルス幅 

実際のフィールドにおけるパルス幅は,この規格で規定するパルス幅とは,かなり異なっている。ただ

し,この規格で規定するパルス幅は,パルスの低周波成分の影響がより少ないため,被害を受ける回路中

に誘導して観測されるパルス幅と整合している。

A.5  パルス繰返し周波数 

繰返し周波数は,多くのパラメータに依存する。例を次に示す。

充電回路の時定数(開閉される誘導負荷の抵抗,インダクタンス及び分布容量)

開閉される誘導負荷を開閉接点に接続しているラインのインピーダンスを含む切換回路の時定数

開放動作での接点の動作速度

開閉接点の耐電圧


24

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

したがって,繰返し周波数は,変動し,一桁以上の変化範囲となることが一般的である。

注記

 EFT/B

の最も重要なパラメータ範囲を一つの試験に含む必要があるため,実際には繰返し周波

数の折衷案として試験用に

5 kHz

及び

100 kHz

の繰返し周波数が選択できる。

A.6  バースト及びバースト時間ごとのパルス数 

バースト及びバースト時間ごとのパルス数は,開閉接点の耐電圧と同様に開閉によって誘導負荷に蓄積

されたエネルギーに依存する。

パルス又はバーストの回数は,パルスの繰返し周波数率及びバースト時間に直接関係する。測定結果か

ら,ほとんどのバースト時間は,約

2 ms

である。ただし,その他の種類ほど一般的に用いていない水銀湿

式リレーは考慮していない。

注記

 100

kHz

で試験する場合の基準時間として,バースト時間

0.75 ms

を選んだ。したがって,バー

ストごとのパルス数は,

75

となる。

5 kHz

で試験する場合のバースト時間は,

15 ms

となる。


25

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

附属書 B

(参考)

試験レベルの選択

試験レベルは,

最も現実に即した設置及び環境条件に基づいて選定することが望ましい。

試験レベルは,

箇条 で規定する。

イミュニティ試験には,当該装置が動作する環境における性能と試験レベルとの間に相関関係がある。

信号及び制御ポートを試験する場合,試験電圧値は,電源ポートに適用する電圧の半分の値である。

入出力,制御,信号及びデータ

EUT

ポートに対しては,電源ポートに用いる試験電圧の半分の値を用い

る。

通常の設置方法に基づいた,電磁環境の要求事項に従った

EFT/B

試験で推奨する試験レベルの選択を,

次に示す。

a)  レベル 1:十分によく保護された環境  レベル

1

の設置環境は,次によって特徴付ける。

スイッチング電源及び制御回路における全ての

EFT/B

の抑制

より高い厳しさレベルに属するその他の環境からの制御及び測定回路と,電源線(

AC

及び

DC

)との

間の分離

設置場所の基準グラウンドに両端を接地したシールド電源ケーブル及びフィルタによる電源保護。コ

ンピュータ室は,この環境の代表例である。

試験する装置に対してこのレベルを適用する場合には,形式試験では電源回路に限定し,また,現

地試験では,特に接地回路及び装置のきょう体に限定する。

b)  レベル 2:保護された環境  レベル

2

の設置環境は,次によって特徴付ける。

電磁接触器ではないリレーだけで切り換わる制御回路及び電源における

EFT/B

の部分的抑制

より高い厳しさレベルの環境に関連したその他の回路からの,工業環境で動作する回路の不十分な分

非シールド電源及び制御ケーブルの,信号及び通信ケーブルからの物理的分離

工業及び電力プラントの制御室又は端末室が,この環境の代表例である。

c)  レベル 3:典型的な工業環境  レベル

3

の設置環境は,次によって特徴付ける。

電磁接触器ではないリレーだけで切り換わる制御回路及び電源回路における

EFT/B

の抑制なし

より高い厳しさレベルの環境に属する回路からの,工業用回路の不十分な分離

電源,制御,信号及び通信の専用ケーブル

電源,制御,信号及び通信のそれぞれのケーブル間の不十分な分離

 PE

システムに接続したケーブルトレー内の導電性パイプ及び接地導体,並びにメッシュ接地に代表さ

れる接地システムの使用

工業用プロセス装置の設置区域が,この環境の代表例である。

d)  レベル 4:厳しい工業環境  レベル

4

の設置環境は,次によって特徴付ける。

リレー及び電磁接触器によって切り換わる,電源,制御回路及び電源回路における

EFT/B

の抑制なし

より高い厳しさレベルの環境に属するその他の回路からの工業用回路の非分離

電源,制御,信号及び通信のそれぞれのケーブル間の非分離

制御及び信号線に共用した多心ケーブルの使用


26

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

特別な設置方法が適用されていない工業プロセス装置の屋外地区,発電所,屋外の高電圧変電所の

継電器室及び標準的な設置方法をもつ

500 kV

以下のガス絶縁変電所が,この環境の代表例である。

e)  レベル X:分析を要する特殊な状況  装置の回路,ケーブル,線路などの妨害源からの電磁的な分離

の良否及び設置の質によって,a)d)のレベルより高い又は低い環境レベルの適用が必要な場合があ

る。高い環境レベルの装置の配線が,より低い厳しさの環境に入り込む可能性があることに注意する

ことが望ましい。


27

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

附属書 C 
(参考)

測定不確かさ(MU)の考察

C.1  一般 

EMC

試験の再現性は,試験結果に作用する多くの要因に依存するか,又は影響を受ける。これらの影響

は,ランダム又は系統的な効果に分類することができる。現実の妨害量とこの規格で定義する妨害量との

整合性は,通常,一連の測定によって確認できる(例えば,減衰器を使用したオシロスコープでのパルス

の立上がり時間の測定)

。各測定の結果は,測定器の不完全性と同様に測定の再現性の悪さによる

MU

含んでいる。

MU

を評価するために必要なことを次に示す。

a)

測定器と測定量との両方に関して,不確かさの原因を確認する。

b)

影響(入力)量と測定(出力)量との機能的関係(測定モデル)を確認する。

c)

入力量に対する標準不確かさ及び推定値を得る。

d)

高い水準の信頼性をもつ測定量に対する真値を含む値の幅の推定値を得る。

イミュニティ試験においては,推定値及び不確かさは妨害量に対する値(例えば,立上がり時間,ピー

ク及びパルス幅)によって評価する。そのため,これらは,この規格に定める適切な妨害量の一致度につ

いて記載している。

特定の妨害量から得られた推定値及び不確かさは,この規格に定める擬似電磁気現象,及び試験所外に

おける実際の電磁気現象との間の一致度については記載しない。

EUT

における妨害量のパラメータの影響は,先験的に未知であり,ほとんどの場合,

EUT

は非線形な挙

動を示すことから,単一の推定値及び不確かさの数値は,妨害量を定義できない。したがって,それぞれ

の妨害量パラメータは,対応する推定値及び不確かさが付随する。これによって,一つ以上の不確かさの

バジェットが生じる。

この附属書は,校正機関及び自ら校正を行う試験所における校正の不確かさを記載する。

C.2 EFT/B における不確かさの寄与成分 

不確かさは,妨害量のパラメータで規定できる。したがって,それらは,この規格で規定する仕様と指

定する測定機器との一致の度合いを記載する。

測定器及び試験セットアップの影響評価に用いる不確かさの寄与を,次に示す。

ピーク値の読み値

 10

%

レベルの読み値

 90

%

レベルの読み値

 50

%

レベルの読み値

減衰比

オシロスコープの接続のミスマッチ

終端−減衰器−ケーブルの接続

オシロスコープの水平軸測定の寄与成分

オシロスコープの垂直軸測定の寄与成分


28

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

測定システムの再現性(タイプ

A

試験セットアップのばらつき(タイプ

A

オシロスコープ,減衰器の校正

校正に適用する寄与成分と試験に適用する寄与成分とが異なる場合がある。これによって校正手順と試

験手順との不確かさのバジェットが異なる。

注記

タイプ

A

などの用語は,IEC/TR 61000-1-6 を参照。

C.3  校正における不確かさ 
C.3.1  
一般 

V

p

t

r

t

w

それぞれの校正項目に対して,個別の不確かさのバジェットを作成する必要がある。

EFT/B

験における,

EUT

に印加する

EFT/B

発生器からの妨害量は,パルスのエネルギー及びスペクトラムである。

C.1 に記載したように,個別の不確かさのバジェットは,それぞれのパラメータごとに計算するのが望ま

しい。

パルスに関する一般的な測定の不確かさの手順を,次に示す。これらのパラメータに関する不確かさの

バジェットの計算例を,

表 C.1∼表 C.3 に示す。この表には,これらの例に対して最も重要と考えられる

不確かさのバジェットの寄与成分,各寄与成分の詳細(数値,分布タイプなど)及びそれぞれの不確かさ

のバジェットを決定するために必要な計算結果を含んでいる。

不確かさバジェットの記号に関する説明を次に示す。

u

x

i

標準不確かさ

c

i

感度係数

y

有意な系統的影響のために修正した測定量の推定

u

i

y

  y

の標準測定不確かさ

u

c

y

合成標準不確かさ

U

y

拡張不確かさ

C.3.2 EFT/B 電圧の立上がり時間 

50 Ω

終端での

EFT/B

電圧の立上がり時間

t

r

を式

(C.1)

を用いて算出する。

(

)

2

MS

2

%

10

%

90

r

T

R

T

T

t

δ

+

=

  (C.1)

ここに,

T

10 %

ピーク電圧の

10 %

に至るまでの時間(

ns

T

90 %

ピーク電圧の

90 %

に至るまでの時間(

ns

δR

非再現性のための補正値

T

MS

計測システムのステップ応答の

10 %

90 %

の間の立上

がり時間(

ns

B

T

α

=

MS

B

計測システムの−

3 dB

周波数帯域(

MHz

α

計測システムの周波数帯域幅を立上がり時間に関する
係数

360

±

40


29

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

表 C.1EFT/B の電圧立上がり時間(t

r

)の不確かさバジェットの例 

記号

推定値

単位

誤差限界

単位 PDF

a)

除数

ux

i

c

i

 

単位

u

i

y

単位

T

10 %

 0.85

ns  0.10  ns  三角 2.45

0.041

−1.02 1 0.041 ns

T

90 %

 6.1 ns  0.10  ns  三角 2.45

0.041

1.02

1

0.041

ns

δR 0  ns 0.15  ns

正規

k=1)

1.00

0.150

1.02 1 0.152 ns

α 

360 ns·MHz

40

ns·MHz

一様

(方形)

1.73

23.09

−44·10

−5

1/MHz 0.010

ns

400 MHz

30

MHz

一様

(方形)

1.73

17.32

39·10

−5

ns/MHz 6.78·10

−3

ns

a)

  確率密度関数(Probability Density Function)

u

c

y)=√Σu

i

y

2

 0.16 ns

Uy)=2 u

c

y) 0.33 ns

表 C.1 の例を用いて,次の手順で各寄与成分の標準不確かさ

u

x

)を計算する。

合成標準不確かさ

u

c

y

,包含係数

k

,及び拡張不確かさ[

U

c

u

c

y

)×

k

]を計算する。

T

10 %

及び

T

90 %

は,それぞれピーク電圧の

10 %

及び

90 %

の時間の読み値である。誤差限界は,毎秒

5

ガサンプリングでトレース補間機能をもつオシロスコープの不確かさの確率密度関数を三角分布と仮定し

て算出した値である。それ以外の場合は,一様の確率密度関数と仮定することが望ましい。

サンプリングレートによる

MU

への寄与成分だけをここでは考慮する。追加の寄与成分は C.3.5 を参照

する。読み値は

T

10 %

0.85 ns

及び

T

90 %

6.1 ns

と仮定した。

TMS

は,測定システムのステップ応答の計算による立上がり時間である。係数は,測定システムのパル

ス応答の形状に依存し,その

360

に対する誤差限界±

40

は,様々な測定システムの代表値で,各々異なる

パルス応答の形状をもつ。測定システムの周波数帯域

B

は,測定システムの各要素の周波数帯域

B

i

(基本

的には電圧プローブ,ケーブル及びオシロスコープ)から実験的(周波数帯域の直接測定)に得られるか,

又は式

(C.2)

を用いて計算できる。

...

1

1

1

2

2

2

1

+





+





=

B

B

B

  (C.2)

B

は,一様確率密度関数

30 MHz

の誤差範囲をもつ

400 MHz

の推定値と仮定する。

R

は,

10 %

から

90 %

までの立上がり時間の非再現性の補正で,測定機器,測定セットアップの配置及び

EFT/B

発生器自身による

T

10 %

T

90 %

の測定の再現性の欠如を定量化したものである。それは,実験によっ

て決定する。これは

n

回繰り返した測定サンプル

q

j

の実験的標準偏差

s

q

k

)の公式に基づいたタイプ

A

評価で,式

(C.3)

による。

( )

( )

=

=

n

j

k

q

q

n

q

s

1

2

j

1

1

  (C.3)

ここで,

q

q

j

の算術的平均値で,誤差限界[

s

q

k

)=

150 ps

(正規確率密度分布の

]をもつ

0 ns

の推定値を仮定している。

この

表 C.1 で算出した拡張不確かさのバジェッド

0.33 ns

に対して,

実測した値

5.33 ns

は,

6.2 %

となる。

1 kΩ

終端での電圧に対しては,バジェットは同様に得られる。その場合は,

50 Ω

インピーダンス変換器

を使用する代わりに,

1 kΩ

インピーダンス変換器を使用した測定システムの周波数帯域が使用される。


30

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

C.3.3 EFT/B のピーク電圧 

測定量

V

p

は,

50 Ω

終端での測定した

EFT/B

のピーク電圧の読み値を元に,式

(C.4)

を用いて計算する。

(

)

A

B

V

R

V

V

2

PR

P

1

1

δ

+

δ

+

=

β

  (C.4)

ここに,

V

PR

ピーク電圧の読み値

A

電圧プローブの

DC

での減衰量

δR

非再現性のための補正値

δV

オシロスコープの

DC

垂直軸エラー

B

測定システムの−

3 dB

周波数帯域

β

帯域に関する係数

 (7.0

±

0.8) MHz

表 C.2EFT/B のピーク電圧(V

P

)の不確かさバジェットの例 

記号

推定値

単位

誤差限界

単位

PDF

a)

除数

ux

i

c

i

 

単位

u

i

y

単位

V

PR

 3.75

V 0.007

3

V 三角

2.45

0.003 0 1 000

1

2.99

V

1 000

1

50

1

一様(方形) 1.73

28.9 3.75

V

108 V

δR 0 1 0.03  1

正規

k=1)

1.00

0.030 3

751

V  112.5

V

δV 0 1 0.02  1

一様(方形) 1.73

0.012 3

751

V  43.3

V

β 

7.0 MHz  0.8

MHz

一様(方形) 1.73

0.462 0.328

V/MHz

0.152

V

400 MHz

30

MHz

一様(方形) 1.73

17.32

−0.005 8

V/MHz

0.099 5

V

a)

  確率密度関数

u

c

y)=√Σu

i

y

2

 0.162

kV

Uy)=2 u

c

y) 0.32

kV

V

PR

は,ピーク電圧の読み値である。誤差限界は,

8

ビット垂直分解能のオシロスコープ及びその内挿補

間機能の不確かさの確率密度関数を三角分布と仮定して算出した値である。

A

は,電圧プローブの

DC

減衰量である。この誤差限界は,不確かさの確率密度関数を一様分布と仮定

して算出した値である。ここでは,

DC

減衰量を

1 000

と仮定した。

R

は,測定セットアップ,配置及び測定の非再現性を定量化したものである。これは,ピーク電圧(

n

回)の測定サンプルの実験によって得た標準偏差によるタイプ

A

評価である。それは相対値で表わされ,

0 %

の推定値及び誤差限界

3 %

1

標準偏差(

]と仮定する。

V

は,オシロスコープの

DC

電圧測定の不正確さを定量化するものである。確率密度関数が一様分布の

2 %

の誤差限界は,

0

の推定値と仮定する。

β

は,測定システムのパルス応答波形及びピーク付近の標準的なパルス波形の両方に依存する係数であ

る。

 (7.0

±

0.8) MHz

の許容差は,各々異なるパルス応答波形をもつ多くのシステムを含む。

B

は,一様確率密度関数

30 MHz

の範囲をもつ

400 MHz

の推定値と仮定する。

1 kΩ

終端での電圧に対してのバジェットは,同様に得られる。その場合は,

50 Ω

インピーダンス変換器

を使用する代わりに,

1 kΩ

インピーダンス変換器を使用した測定システムの周波数帯域を使用する。

C.3.4 EFT/B 電圧のパルス幅 

測定量は,

50 Ω

終端での測定した

EFT/B

のパルス幅時間の読み値を元に,式

(C.5)

を用いて計算する。

(

)

δ

+

=

2

R

%,

50

F

%,

50

w

1

B

R

T

T

t

β

  (C.5)


31

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

ここに,

T

50 %, R

EFT/B 波形の立上がり部分でのピーク電圧の 50 %にな
る時間軸の読み値

T

50 %, F

EFT/B 波形の立下がり部分でのピーク電圧の 50 %にな
る時間軸の読み値

δR: 非再現性のための補正値

B: 測定システムの−3 dB 周波数帯域

β: 帯域に関する係数 (7.0±0.8) MHz

表 C.3EFT/B の電圧パルス幅(t

w

)の不確かさバジェトの例 

記号

推定値

単位  誤差限界  単位 PDF

a)

除数

ux

i

c

i

単位

u

i

y

単位

T

50 %, R

 3.5  ns  0.10  ns  三角 2.45

0.041  −1.00 ns

0.040

8

ns

T

50 %, F

 54.5  ns  0.10  ns  三角 2.45

0.041  1.00

ns  0.040

8  ns

δR 0  ns 1.5  ns

正規

k=1)

1.00

1.50 1.00  ns

1.50 ns

β 

7.0 MHz 0.8  MHz

一様

(方形)

1.73

0.462

−0.004 5

ns/MHz

0.002 1

ns

400 MHz

30  MHz

一様

(方形)

1.73

17.32 8.0·10

−5

 ns/MHz  0.001

4  ns

a)

  確率密度関数

u

c

y)=√Σu

i

y

2

 1.502

ns

Uy)=2 u

c

y) 3.00

ns

T

50 %, R

及び T

50 %, F

は,EFT/B 電圧波形の立上がり及び立下がりにおいて,ピーク電圧の 50 %になったと

きの時間軸の読み値である。誤差限界は,毎秒 5 ギガサンプリングのトレース補間機能をもつオシロスコ

ープの不確かさの確率密度関数を三角分布と仮定して算出した値である。それ以外の場合には,一様確率

密度関数と仮定することが望ましい。ここでは,サンプリングレートによる MU への寄与成分だけをここ

では考慮する。追加の寄与成分に関しては,C.3.5 参照。ここで,T

50 %, R

=3.5 ns,T

50 %, F

=54.5 ns と仮定す

る。

δは,測定装置,測定セットアップの配置及び EFT/B 発生器の違いによる T

50 %, F

T

50 %, R

時間測定の非

再現性を定量化した数値である。これは実験環境によって決定される。これは,多くの測定サンプルの標

準偏差から示されたタイプ A 評価である。

この誤差限界は,

(q

k

)=1.5 ns[確率密度関数の 1 標準偏差 (1σ)],

推定値は,0 ns と仮定する。

β は,C.3.3 参照。推定値及び誤差限界に対して同じ意味及び同じ値をもつ。 
は,C.3.2 参照。推定値及び誤差限界に対して同じ意味及び同じ値をもつ。 
1 kΩ 終端の両端の電圧のバジェットも同様に得ることができる。この場合,50 Ω 変換器を接続した測定

システムの帯域幅の代わりに 1 kΩ 変換器を接続した測定システムの帯域幅を使用する。

C.3.5  時間測定の MU の更なる寄与 

時間測定の MU に対する測定器の潜在的な寄与成分を次に示す。

−  サンプリング周波数:通常,不確かさの値は,オシロスコープの時間分解能であるサンプリング周波

数の逆数の 1/2 となる。仕様で決めてある見かけ上の振幅及び時間を得るための補間を行う場合は,

確率分布を三角分布(k=2.45)と仮定してもよい(オシロスコープの説明書を参照)

。これ以外の場

合には,k=1.73  の一様分布と仮定する。

−  時間軸エラー及びジッタ:オシロスコープの仕様は,一様分布での不確かさとしてもよい。通常,こ

れらの影響は,無視できる。


32

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

−  垂直分解能:垂直分解能の MU に対する寄与は,垂直振幅分解能 Δ及び波形の傾き dA/dに依存す

る。不確かさは,分解能幅の 1/2 の値を元に算出し,

(ΔA/2)/(dA/dt)で表す。補間が行なわれる場

合(オシロスコープの説明書を参照)

,三角分布を使用し,補間をしない場合は,一様分布を使用する。

この影響は,多くの場合,無視できる。

C.3.6  測定システムの帯域幅制限による立上がり時間のひずみ 

対応国際規格の内容は,この規格においては不要なため削除した。

C.3.7  測定システムの帯域幅制限によるパルスピーク及びパルス幅ひずみ 

測定システムの出力におけるひずんだパルス波形 v

out

t)は,式(C.6)の畳み込み積分によって求める。

( )

( ) ( )

=

t

t

h

v

t

v

0

in

out

d

τ

τ

τ

  (C.6)

ここに,

v

out

t

):

入力パルス波形

h

t

):

測定システムのパルス応答

A

h

t

)=

h

0

t

)であることに注意する。ここに,

A

は測定システムの

DC

減衰である。入力がそのピ

ーク電圧

V

p

に達する場合は,時定数

t

p

に関するテイラー級数展開によって入力波形を近似させることがで

きる。

( )

( )( ) ( )( )

...

6

2

3

p

p

in

2

p

p

in

p

in

+

′′′

+

′′

+

=

t

t

t

v

t

t

t

v

V

t

v

  (C.7)

v’

t

p

)=

0

であるため,一次項は,式

(C.7)

ではない。さらに,凹みは下方(最大)を指すため

v'''

in

t

p

< 0

であり,また,ここで対象の標準波形のため,立上がり時間は,立下がり時間よりも小さいので,

v'''

in

t

p

)>

0

である。式

(C.7)

を式

(C.6)

に代入し,また,測定システムの帯域幅が入力信号の帯域幅に関して

大きい(したがって,階級が

2

よりも大きいべき級数は,無視することができる。

)場合に有効な単純化の

後,式

(C.8)

を得ることができる。

=

2

p

pd

1

B

A

V

V

β

   (C.8)

ここに,

V

pd

出力パルスピーク電圧

A

測定システムの

DC

減衰

( )

p

p

in

V

t

v

π

′′

=

α

β

   (C.9)

パラメータ

β

は,標準入力波形の二次導関数及び C.3.6 に記載し,得られたパラメータ

α

に依存する。

標準

EFT/B

波形の数学的表現は,6.2.2 に示しているため,

β

の値は数値的に計算することができ,その値

 (7.0

±

0.8) MHz

である。

入力パルス幅

t

w

のひずみの推定値は,出力パルスの面積が

DC

減衰

A

で除した入力パルスの面積である

ことを考慮して,式

(C.10)

を用いて容易に求めることができる。

wd

pd

w

p

t

AV

t

V

=

  (C.10)

ここで,t

wd

は,出力パルス幅で,式

(C.10)

から式

(C.11)

が求められる。


33

C 61000-4-4

:2015 (IEC 61000-4-4:2012)

w

2

w

pd

p

wd

1

1

t

B

t

AV

V

t

=

=

β

  (C.11)

C.4  結合装置の校正 

対応国際規格の内容は,この規格においては不要なため削除した。

C.5 EFT/B 発生器の適合基準における不確かさの適用 

一般的に発生器の校正結果は,この規格で規定する範囲内であることが望ましい。この規格で規定する

許容差の範囲は,MU によって影響されることはない。

参考文献  JIS C 61000-4-2:2012  電磁両立性−第 4-2 部:試験及び測定技術−静電気放電イミュニティ試

 

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-2:2008,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-2:

Testing and measurement techniques−Electrostatic discharge immunity test(IDT)

JIS C 61000-4-5:2009  電磁両立性−第 4-5 部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-5:2005,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-5:

Testing and measurement techniques−Surge immunity test(IDT)

JIS Z 9290-1  雷保護−第 1 部:一般原則

注記  対応国際規格:IEC 62305-1:2010,Protection against lightning−Part 1: General principles

(IDT)

IEC 60050-300:2001 , International Electrotechnical Vocabulary − Electrical and electronic

measurements and measuring instruments−Part 311: General terms relating to measurements

IEC 60050-702:1992,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 702: Oscillations, signals and

related devices

IEC/TR 61000-1-6:2012,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 1-6: General−Guide to the

assessment of measurement uncertainty

IEC Guide 107,Electromagnetic compatibility−Guide to the drafting of electromagnetic compatibility

publications