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C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

2

4

  一般事項

5

5

  試験レベル 

5

5.0A

  試験レベルの選択

5

5.1

  汎用無線システムからの放射を模擬した試験周波数 

6

5.2

  デジタル無線電話及びその他の意図的 RF 放射機器からの放射を模擬した試験周波数 

6

6

  試験装置

7

6.1

  試験設備 

7

6.2

  電界校正 

7

7

  試験セットアップ

12

7.1

  卓上形装置の配置

12

7.2

  床置形装置の配置

12

7.3

  配線の処理 

12

7.4

  人体装着形装置の配置 

13

8

  試験手順

13

8.1

  試験室の基準条件

13

8.2

  試験の実施 

13

9

  試験結果の評価 

14

10

  試験報告書 

15

附属書 A(参考)デジタル無線電話からの RF 放射を模擬するために,イミュニティ試験に正弦波による

振幅変調方式を選択した根拠 

22

附属書 B(参考)電磁界発生アンテナ

26

附属書 C(参考)電波無響室 

27

附属書 D(参考)電力増幅器のノンリニアリティ及び 6.2 に従った校正手順例

29

附属書 E(参考)製品規格作成委員会に対する試験レベル選択上の指針 

34

附属書 F(参考)試験方法の選択 

37

附属書 G(参考)無線通信方式の説明 

38

附属書 H(規定)1 GHz を超える周波数での代替照射法(独立ウィンドウ法) 

41

附属書 I(参考)電界プローブの校正方法

44

附属書 J(参考)試験装置による測定不確かさ

58


C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気学会

(IEEJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 61000-4-3:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61000-4

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

61000-4-2

  第 4 部:試験及び測定技術−第 2 節:静電気放電イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-3

  第 4-3 部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-4

  第 4-4 部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バーストイミュニ

ティ試験

JIS

C

61000-4-5

  第 4-5 部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験

JIS

C

61000-4-6

  第 4-6 部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対する

イミュニティ

JIS

C

61000-4-7

  第 4-7 部:試験及び測定技術−電力供給システム及びこれに接続する機器のための

高調波及び次数間高調波の測定方法及び計装に関する指針

JIS

C

61000-4-8

  第 4 部:試験及び測定技術−第 8 節:電源周波数磁界イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-11

  第 4-11 部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイ

ミュニティ試験

JIS

C

61000-4-14

  第 4 部:試験及び測定技術−第 14 節:電圧変動イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-16

  第 4 部:試験及び測定技術−第 16 節:直流から 150 kHz までの伝導コモンモード

妨害に対するイミュニティ試験

JIS

C

61000-4-17

  第 4 部:試験及び測定技術−第 17 節:直流入力電源端子におけるリプルに対する

イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-20

  第 4-20 部:試験及び測定技術−TEM(横方向電磁界)導波管のエミッション及び

イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-34

  第 4-34 部:試験及び測定技術−1 相当たりの入力電流が 16 A を超える電気機器の

電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験


日本工業規格

JIS

 C

61000-4-3

:2012

(IEC 61000-4-3

:2010

)

電磁両立性−第 4-3 部:試験及び測定技術−

放射無線周波電磁界イミュニティ試験

Electromagnetic compatibility (EMC)-Part 4-3: Testing and measurement

techniques-Radiated, radio-frequency, electromagnetic field immunity test

序文 

この規格は,2010 年に第 3.2 版として発行された IEC 61000-4-3 を基に,技術的内容及び構成を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,電気・電子装置の放射エネルギーに対するイミュニティ試験要求事項,試験レベル及び必

要な試験の手順について規定する。

この規格は,無線周波(RF)電磁界における電気・電子装置の性能評価のための基本となる基準を規定

することを目的とする。

この規格に示す試験方法は,特定の現象に対して,電気・電子装置又はシステムのイミュニティを評価

するための一貫した方法について規定する。

注記 1  この規格は,IEC Guide 107 で記載しているように,製品規格を作成するときに用いる基本

EMC 規格である。また,製品規格委員会は,このイミュニティ試験規格を適用すべきかどう

かを決定する責任をもつ。そして,適用する場合,適切な試験レベル及び性能評価基準を決

める責任がある。

この規格は,あらゆる発生源からの RF 電磁界の防護に関連するイミュニティ試験を取り扱う。

デジタル無線電話及びその他の RF 発生機器からの無線周波放射に対する防護には,特別な配慮がなさ

れている。

注記 2  この規格は,電磁放射による当該装置への影響を評価するための試験方法を定義している。

電磁放射の模擬方法及び測定方法は,当該装置に対する影響について,定量的判定に用いる

には必ずしも正確ではない。規定する試験方法は,様々な試験施設での影響の定性的分析に

十分な再現性をもたせることを第一の目的としている。

この規格で規定する試験方法は,独立した試験方法であり,他の試験方法は,この規格への適合を証明

する代替試験方法として使用できない場合もある。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61000-4-3:2010

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-3: Testing and measurement

techniques−Radiated, radio-frequency,electromagnetic field immunity test(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”


2

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 60050-161

  EMC に関する IEV 用語

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60050-161 , International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161:

Electromagnetic compatibility(IDT)

JIS C 61000-4-6

  電磁両立性−第 4-6 部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導

妨害に対するイミュニティ

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-6,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-6: Testing and

measurement techniques−Immunity to conducted disturbances,  induced by radio-frequency fields

(MOD)

JIS C 61000-4-20

  電磁両立性−第 4-20 部:試験及び測定技術−TEM(横方向電磁界)導波管のエミ

ッション及びイミュニティ試験

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-20,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-20: Testing and

measurement techniques−Emission and immunity testing in transverse electromagnetic (TEM)

waveguides(MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60050-161 によるほか,次による。

3.1 

振幅変調(amplitude modulation)

搬送波の振幅を,定められた法則に従って変化させる方法。

3.2 

電波無響室(anechoic chamber)

電波の反射を低減するために,内面に電波吸収体を張り付けたシールドルーム。

3.2.1 

全電波無響室(fully anechoic chamber)

内部の全面に電波吸収体を張り付けたシールドルーム。

3.2.2 

半電波無響室(semi-anechoic chamber) 

反射性の床(グラウンド面)を除く,全ての内面に電波吸収体を張り付けたシールドルーム。

3.2.3 

改良半電波無響室(modified semi-anechoic chamber)

グラウンド面に追加の電波吸収体を設置した半電波無響室。

3.3 

アンテナ(antenna)

信号源から空間に RF 電力を放射するか又は到来する電磁界を捕らえて,それを電気信号に変換する変

換器。


3

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

3.4 

バラン(balun)

不平衡電圧を平衡電圧に,又はその逆に変換するデバイス(JIS C 60050-161 の 04-34 参照)

3.5 

連続波,CW(continuous waves)

定常状態では,振幅一定で継続的な振動であり,情報を伝達するために断続又は変調を行うことができ

る電磁波。

3.6 

電磁波(electromagnetic wave)

電界及び磁界の振動によって特徴付けられる,電荷の振動で生じる放射エネルギー。

3.7 

遠方界(far field)

アンテナからの電力密度が距離の 2 乗にほぼ反比例する範囲。ダイポールの場合,遠方界は,λ/2 π より

大きい距離に相当する。ここで,λ は放射波の波長である。

3.8 

電磁界強度(field strength)

電磁界の強さ。

“電磁界強度”という用語は,遠方界で行われる測定だけに適用する。測定値は,電磁界

の電界成分又は磁界成分のいずれでもよく,その値はボルト/メートル(V/m)

,アンペア/メートル(A/m),

又はワット/平方メートル(W/m

2

)で表現してよい。これらのいずれか一つを他の成分に変換してもよい。

注記  近傍界で行う測定に対しては,合成電界又は磁界のいずれを測定するかによって,“電界強度”

又は“磁界強度”という用語を用いる。近傍界では,電界又は磁界強度と距離との関係は複雑

で予測が困難であり,それは関係する固有の配置に依存している。複雑な電磁界の様々な成分

における時間と空間位相との関係を決定することは一般には不可能であるので,電磁界の電力

密度は,同様に決定できない。

3.9 

周波数帯(frequency band)

二つの境界の間で連続する周波数の範囲。

3.10 

校正電界強度,E

c

均一領域(UFA)の校正に適用する電磁界強度。

3.11 

試験電界強度,E

t

試験に適用する CW 電磁界強度。

3.12 

全面照射(full illumination)

EUT の試験面が,UFA 内に完全に収まる場合の試験方法。この試験方法は,全ての試験周波数に適用で

きる。

3.13 

人体装着形装置(human body-mounted equipment)

人体に装着するか,又は近くに保持して使用することを意図した装置。この定義には,電子補助装置及


4

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

び人体埋込み装置と同様に,人が持ち運び操作する手持ち形装置(例えば,携帯機器)も含む。

3.14 

独立ウィンドウ法(independent window method)

EUT の試験面が UFA 内に完全に収まらない場合の試験方法(0.5 m×0.5 m の固定 UFA 寸法を使用する。)。

この試験方法は,1 GHz を超える周波数に適用してもよい。

3.15 

誘導界(induction field)

λ/2  π 未満の距離 で支配的な電界及び/又は磁界。ここで,λ は放射波の波長であり,波源の物理的な

大きさは距離 より十分小さい。

3.16 

意図的 RF 放射機器(intentional RF emitting device)

意図的に電磁波を放射(送信)する機器。例えば,デジタル携帯電話及び他の無線機器。

3.17 

等方性(isotropic)

全ての方向において等価な特性をもつこと。

3.18 

最大 RMS 値(maximum RMS value)

変調された RF 信号において,変調の一周期で観測される短期間の RMS 値(実効値)の最大値。短期間

の RMS 値は,搬送波の一周期で求める。

3.19 

非定包絡線変調(non-constant envelope modulation)

搬送波自身の周期と比較して,振幅がゆっくり変わる RF 変調方式。例えば,通常の振幅変調及び TDMA。

3.20 

校正進行波電力,P

c

UFA 校正時の電磁界強度を得るために必要な進行波電力。

3.21 

部分照射(partial illumination)

EUT の試験面が UFA 内に完全に収まらない場合の試験方法(使用できる最小 UFA 寸法は,1.5 m×1.5 m。)。

この試験方法は,全ての試験周波数に適用できる。

3.22 

偏波(polarization)

放射電磁界の電界ベクトルの方向。

3.23 

シールドエンクロージャ(shielded enclosure)

外部の電磁環境から内部を隔離するために特別に設計した,遮蔽きょう体又は金属きょう体。この目的

は,性能劣化を引き起こすような外部からの電磁界を遮断し,かつ,外部装置に対して電磁障害を引き起

こす放射を防ぐことである。

注記  エンクロージャが部屋の場合,シールドルームという。

3.24 

掃引(sweep)


5

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

周波数を,連続的又は段階的に変化させる動作。

3.25 

時分割多元接続,TDMA(time division multiple access)

割り当てられた周波数の搬送波上に,幾つかの通信チャネルを割り当てる時分割多重変調方式。各チャ

ネルに一つのタイムスロットを割り当て,それを用いる場合,RF 信号のパルスとして情報を送信する。チ

ャネルを用いない場合,パルスは送信しない。したがって,搬送波の包絡線は一定ではない。パルス送信

中は振幅は一定であり,RF 搬送波は周波数変調又は位相変調される。

3.26 

トランシーバ(transceiver)

無線の送信機及び受信機を組み合わせ,一つのきょう体に収めた装置。

3.27 

均一領域,UFA(uniform field area)

電界の変化が許容可能なほど小さい,電界校正のための仮想垂直面。電界校正の目的は,試験結果の妥

当性を保証することである(6.2 参照)

一般事項 

多くの電子装置は,何らかの形で電磁放射の影響を受ける。電磁放射は,作業者,保守者及び警備員が

用いる小形の携帯用トランシーバなどの一般無線,ラジオ及びテレビの固定放送局,車載無線機及び種々

の電磁波を生じる産業用装置から頻繁に発生している。

近年,0.8 GHz∼6 GHz の周波数帯を用いる無線電話及びその他の無線周波発生機器の顕著な増加が見受

けられる。これらの多くが,非定包絡線変調技術(例えば,TDMA)を用いている(5.2 参照)

意図して発生させる電磁エネルギーのほかに,溶接機,サイリスタ,蛍光灯,誘導負荷の開閉などによ

る放射がある。その干渉は大部分において伝導性の電気的な干渉として現れ,それ自体は,JIS C 61000-4

規格群及び/又は IEC 61000 規格群で規定している。電磁界からの影響を防止する方法とは,これらの発

生源からの影響を低減することであるといってもよい。

電磁環境は,電磁界の強度で表現する。周囲の構造物又は近くにある装置によって,電磁波が反射する

及び/又はひずむことがあるため,電界強度は高性能な測定器なしでは測定が容易ではなく,また,古典

的な公式を用いて算出することも,容易ではない。

試験レベル 

5.0A 

試験レベルの選択 

試験レベルは,

表 による。


6

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

表 1−試験レベル 

レベル

試験電界強度

V/m

1 1 
2 3 
3 10 
4 30

X

a)

特殊

a)

  X は,任意の試験レベルであって,試験電界強度はどのような値でもよ

い。このレベルは,製品規格で規定してもよい。

この規格は,全周波数帯で一つの試験レベルを適用することを意図していない。試験する周波数範囲,

及び各々の周波数範囲における適切な試験レベルは,製品規格に規定する(

附属書 参照)。

試験電界強度の欄は,無変調搬送波信号の電界強度を示す。試験装置が試験に用いる搬送波信号は,実

際の妨害を模擬するため,1 kHz の正弦波による 80 %振幅変調とする(

図 参照)。試験方法の詳細は,箇

条 に示す。

注記 1  ここでいう無変調搬送波信号は,CW を意味する。

注記 2  製品規格は,代替の変調方法を選んでもよい。デジタル無線電話からの RF 放射に対するイ

ミュニティ試験に正弦波変調を使用する背景を,

附属書 に示す。

注記 3  試験レベルの選択に関する指針を,附属書 に示す。

5.1 

汎用無線システムからの放射を模擬した試験周波数 

試験は,80 MHz∼1 000 MHz の周波数範囲で切れ目なく実施する。

注記  JIS C 61000-4-6 でも,放射する電磁エネルギーに対する EUT のイミュニティを確立するための

試験方法を規定している。JIS C 61000-4-6 は,80 MHz 以下の周波数を範囲としている。製品

規格は,この規格と JIS C 61000-4-6 との切換周波数を,80 MHz より低い又はより高い周波数

に選定してもよい(

附属書 参照)。

5.2 

デジタル無線電話及びその他の意図的 RF 放射機器からの放射を模擬した試験周波数 

試験は,通常 800 MHz∼960 MHz 及び 1.4 GHz∼6.0 GHz の周波数範囲で実施する。

試験のために選択する周波数及び周波数帯は,実際に使用しているデジタル無線電話,及びその他の意

図的 RF 放射機器によって,限定できる。1.4 GHz∼6.0 GHz までの周波数範囲全体にわたって,連続して

試験を行うことを意図していない。デジタル無線電話及びその他の意図的 RF 放射機器が使用している周

波数帯に合わせて,特定の試験レベルを適用してもよい。

さらに,

製品が我が国の要求にだけ適合するように作られている場合,

1.4 GHz∼6.0 GHz の試験範囲を,

我が国のデジタル携帯電話,及びその他の意図的 RF 放射機器に割り当てられている特定の周波数帯に合

わせて,狭めてもよい。この場合,狭い周波数範囲で試験したことを試験報告書に記載しなければならな

い。

注記 1  周波数範囲 1.4 GHz∼6 GHz は,一般にデジタル無線電話に割り当てられている周波数帯であ

る(特定のデジタル無線電話に割り当てられている周波数の一例を,

附属書 に示す。)。

注記 2 800

MHz を超える周波数での主な妨害は,デジタル無線電話と同等の電力レベルをもった無

線電話システム,及び他の意図的 RF 放射機器からの妨害である。この周波数範囲で動作す

るほかのシステム(例えば,2.4 GHz 以上の周波数で動作している無線 LAN)は,一般に非

常に低電力(一般的には 100 mW 以下)である。したがって,重大な問題を引き起こす可能


7

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

性は極めて低い。

試験装置 

推奨する試験装置を次に示す。

電波無響室  EUT に対し,十分広い電界均一性が得られる大きさとする。電波吸収体が全面に内張り

していない無響室においては,反射を抑制するために吸収体を追加してもよい。

−  EMI

フィルタ  接続するフィルタラインに余分な共振現象が発生してはならない。

−  RF

信号発生器  対象の周波数帯の信号を発生でき,1 kHz の正弦波による変調度 80 %の振幅変調が

できる。信号発生器は,例えば,周波数,振幅,変調度を手動又は RF シンセサイザで制御する。RF

シンセサイザを用いる場合,周波数に依存するステップサイズ及び滞在時間(Dwell time)をプログラ

ムで設定できなければならない。高調波によって生じる問題を避けるために,低域又は帯域フィルタ

の使用が必要となる場合がある。

電力増幅器  信号(無変調信号及び変調信号)を増幅し,必要な電磁界強度となるようにアンテナに

電力を供給する。電力増幅器によって発生した高調波は,UFA 内での高調波周波数の電界強度が,基

本周波数の 6 dB 以下でなければならない(

附属書 参照)。

電磁界発生アンテナ(附属書 参照)  バイコニカル,ログペリオディック,ホーン又は周波数要求

事項を満たすことができるその他の直線偏波アンテナ。

等方性電界プローブ  測定する電界強度に対して,十分なイミュニティをもつ前置増幅器及び光−電

気変換器をもつものであって,室外の表示器に光ファイバで接続する。適切にフィルタ処理した信号

リンクを用いてもよい。参考として,

附属書 に,電界プローブの校正方法を示す。

電力レベルを記録及び制御する関連装置  要求する電磁界強度を得るために必要な電力レベルを記録

する。試験のときに記録した電力レベルの発生を制御する。関連装置は,十分なイミュニティを確保

できるように注意しなければならない。

6.1 

試験設備 

試験は,発生する電磁界強度が大きいので,

無線通信への干渉を禁止する国内及び国際法に従うために,

シールドルームで実施しなければならない。さらに,データを収集するための試験設備は,イミュニティ

試験中に発生する電磁界に敏感に反応するため,シールドルームは,EUT と試験設備との間の必要な“隔

壁”となる。シールドルームを貫通する相互接続配線は,伝導及び放射雑音を十分に減衰し,かつ,EUT

の信号及び電力応答の正当性が維持されていることを確認しなければならない。

試験設備は,一般的に EUT を設置したときに電磁界強度の制御が十分に行える広さの電波吸収体を内張

りしたシールドルームをもつ。これは,電波無響室又は改良半電波無響室を含む。この例を

図 に示す。

シールドルームの前室には,電磁界発生装置,モニタ装置及び EUT を動作させる装置を配置することが望

ましい。

電波無響室は,低い周波数では電波吸収損失効果が低くなる場合があるので,発生する電磁界の均一性

を確保するために特別な注意が必要である。詳細な指針を,参考として,

附属書 に示す。

6.2 

電界校正 

電界校正の目的は,EUT の周囲の電界均一性が,試験結果の妥当性を得るのに十分であるかどうかを確

認することにある。この規格では,

“均一領域(UFA)

”という概念(

図 参照)を用いる。UFA は,電界

の仮想垂直面であり,この面内の電界の変化は,許容可能な程度に小さくなければならない。電界校正の

共通の手順の中で,このような電界を生成するための試験設備及び試験装置の性能を示す。同時に,イミ


8

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

ュニティ試験に必要な電界強度を設定するためのデータベースが得られる。電界校正は,ケーブルを含む

全ての面を UFA で完全に包含できる EUT に有効である。

電界校正は,

図 に示すように EUT のない状態で実行する。この手順の中で,UFA 内の電界強度及び

アンテナに供給する進行波電力の関係を決定する。試験中,要求する進行波電力は,この関係及び目標電

界強度から計算する。校正結果は,試験セットアップを変更なく用いる限り有効である。このため,校正

セットアップ(アンテナ,追加した電波吸収体,ケーブルなど)は,記録する。電磁界発生アンテナ及び

ケーブルの配置を正確に記録することが重要である。小さな場所のずれは,電界に大きな影響を与えるた

め,イミュニティ試験でも同じ位置としなければならない。

全領域の校正は,1 年ごとに,かつ,室内構成を変更(吸収体の交換,領域の移動,装置の交換など)

したときに実施することが望ましい。各試験(箇条 参照)の前に,電界校正の有効性を確認しなければ

ならない。

送信アンテナは,UFA が送信電界のビームの内側に入るように十分な距離を離して配置しなければなら

ない。電界プローブは,送信アンテナから 1 m 以上離さなければならない。送信アンテナと UFA との距離

は,3 m を推奨する(

図 参照)。この寸法は,バイコニカルアンテナの中心,又はログペリオディックア

ンテナ,複合アンテナ,ホーンアンテナ若しくはダブルリッジドウェーブガイドアンテナの先端から測定

する。校正記録及び試験結果は,試験に用いたこの距離情報を示さなければならない。

UFA の大きさは,1.5 m×1.5 m 以上とし,UFA の下端は床面から 0.8 m の高さとする。ただし,この大

きさより小さい面でも EUT 及びこれに附属する配線が十分に照射される場合は,この値より小さくてよい

が,0.5 m×0.5 m より小さくしてはならない。

イミュニティ試験のときは,EUT の照射面が UFA 面と一致するように設置する(

図 及び図 参照)。

金属大地面の近くで試験する EUT 及びケーブルに対する厳しさを確立するために,0.4 m の高さにおいて

も電界強度を記録する。得られたデータは校正記録で報告するが,試験設備の適合性評価とは無関係であ

り,校正データベースには用いない。

半電波無響室では,床面の反射があるので,金属大地面の近傍に UFA を作ることが難しい。その場合は,

金属大地面に吸収体を追加すれば,この問題を解決できる(

図 参照)。

UFA は,0.5 m 間隔の格子に分割する(1.5 m×1.5 m の UFA の例は,図 参照)。各周波数において,全

ての格子点(測定点)の 75 %以上の点において,電界強度が公称値の 0 dB∼+6 dB の範囲内にある場合,

電界は均一とみなす(例えば,16 測定点中 12 点以上が許容値の範囲内にある)

。0.5 m×0.5 m の最小 UFA

では,格子の 4 点全てが公称値の 0 dB∼+6 dB の範囲内でなければならない。

注記 1  周波数が異なる場合は,許容値の範囲内に入る測定点は異なってもよい。

許容偏差 6 dB は,実際の試験設備で最低限達成できるものとみなす。

1 GHz までの周波数範囲において,次の全ての条件を満足する場合は,0 dB∼+6 dB の許容範囲を逸脱

してもよい。

−  試験周波数全てにおいて,許容値 0 dB を下回らない。

−  試験周波数測定個数の総数のうち,逸脱する個数が 3 %以下である。

−  許容偏差は,+6 dB を超えて+10 dB 未満である。

−  実際の許容範囲を試験報告書に明記する。

疑義がある場合は,0 dB∼+6 dB の偏差値を優先する。

実際の EUT の面の占める領域が 1.5 m×1.5 m より大きい場合,かつ,全面照射のための十分な寸法の

UFA が実現できない場合,EUT の占める領域を連続した複数の部分照射で試験してもよい(表 参照)。


9

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

部分照射は,次のいずれかで行う。

−  校正は,EUT の面が占める全領域を覆うように,放射アンテナの位置を変更した複数の UFA を用い

て行う。試験は,校正したそれぞれのアンテナ位置で行う。

− EUT の全ての面が,1 回以上は UFA に入るように EUT を移動して試験する。

全面照射及び部分照射の概念を

表 に示す。

1 GHz を超える周波数で,アンテナのビーム幅が狭いため EUT に全面照射できないときは,第二の代替

試験方法として

附属書 に示す独立ウィンドウ法が利用できる場合がある。

表 2−全面照射,部分照射及び独立ウィンドウ法の適用に関する UFA 要求事項 

要求事項

周波数範囲

EUT が UFA 内に完全に収まる場合の UFA の
寸法及び校正の要求事項 
(標準的な方法である全面照射)

EUT が UFA 内に完全に収まらない場合の
UFA の寸法及び校正の要求事項 
(代替法である部分照射及び独立ウィンドウ

法)

1 GHz 以下

最小 UFA 寸法:0.5 m×0.5 m 
UFA 寸法は,0.5 m 格子ステップ(例えば,0.5 
m×0.5 m,0.5 m×1.0 m,1.0 m×1.0 m など)。
電界校正:0.5 m×0.5 m 格子ステップ 
UFA が 0.5 m×0.5 m を超える場合,全校正点
の 75 %が 0 dB∼+6 dB の範囲内。 
UFA が 0.5 m×0.5 m の場合,全ての校正点(4
点)が 0 dB∼+6 dB の範囲内。

部分照射 
最小 UFA 寸法:1.5 m×1.5 m 
UFA 寸法は,0.5 m 格子ステップ(例えば,1.5 
m×1.5 m,1.5 m×2.0 m,2.0 m×2.0 m など)。
電界校正:0.5 m×0.5 m 格子ステップ

全校正点の 75 %が 0 dB∼+6 dB の範囲内。

独立ウィンドウ法 
ウィンドウ寸法:0.5 m×0.5 m(

附属書 

照) 
電界校正:UFA 0.5 m×0.5 m の全ての校正点
(4 点)が 0 dB∼+6 dB の範囲内。

1 GHz 超

最小 UFA 寸法:0.5 m×0.5 m 
UFA 寸法は,0.5 m 格子ステップ(例えば,0.5 
m×0.5 m,0.5 m×1.0 m,1.0 m×1.0 m など)。
電界校正:0.5 m×0.5 m 格子ステップ 
UFA が 0.5 m×0.5 m を超える場合,全校正点
の 75 %が 0 dB∼+6 dB の範囲内。 
UFA が 0.5 m×0.5 m の場合,全ての校正点(4
点)が 0 dB∼+6 dB の範囲内。

部分照射 
1.5 m×1.5 m 及びその寸法から 0.5 m 単位で大
きくした UFA(例えば,1.5 m×2.0 m,2.0 m
×2.0 m など)

電界校正:0.5 m×0.5 m 格子ステップ 
UFA が 0.5 m×0.5 m を超える場合,全校正点
の 75 %が 0 dB∼+6 dB の範囲内。 
UFA が 0.5 m×0.5 m の場合,全ての校正点(4
点)が 0 dB∼+6 dB の範囲内。

一般的に,電界校正は,

図 に示す測定系の構成によって,電波無響室で行う。校正は,常に水平及び

垂直の両偏波に対して無変調で次の手順で行う。校正は,電力増幅器が変調信号を飽和しないで増幅可能

なように,EUT に印加する最大電界強度の 1.8 倍の電界強度に相当する電力を供給して行う。この校正電

界強度を E

c

とする。E

c

は,電界校正時だけに適用する値である。試験に使用する電界強度 E

t

は,E

c

/1.8 を

超えてはならない。

注記 2  “試験に使用する電界強度 E

t

は,E

c

/1.8 を超えてはならない”は,例えば,E

c

=18 V/m の校

正を実施した場合,E

t

 10 V/m 以下の試験が行えるが,E

t

 30 V/m の試験は実施できないこと

を意図している。


10

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

例として,1.5 m×1.5 m の UFA(16 格子点)を用いた二つの異なる校正方法を 6.2.1 及び 6.2.2 に示す。

これらの方法を適用した場合,同一の電界均一性が得られるとみなす。

6.2.1 

電界一定校正法 

電界一定校正法を用いる均一電界の測定は,16 点に電界プローブを順次設置し,箇条 のような周波数

ステップで進行波電力を調節して行う(

図 参照)。

選択した電界強度を得るために必要な進行波電力は,

図 に従って測定しなければならない。また,16

点での測定値を単位デシベルミリワット[dB(mW)]で記録する。

水平偏波及び垂直偏波について,次の手順で行う。

a)

電界プローブを,16 個の格子点(

図 参照)の一つに設置する。信号発生器の周波数を,試験する周

波数の最低値にする(

例  80 MHz)。

b)

測定した電界強度が選択した校正電界強度 E

c

と等しくなるように電磁界発生アンテナへの進行波電

力を調節し,この進行波電力値を記録する。

c)

周波数を現周波数の 1 %分増やす。

d)  b) 

及び c)  を繰り返し,周波数が試験周波数範囲を超えた時点でステップを終了する。最終的に,最

高周波数(

例  1 GHz)において,b)  によって測定する。

e)

a)

d)  を格子の各点で繰り返す。各周波数において,次の手順によって均一かどうかの判定を行う。

f) 16

個の進行波電力の数値を,小さい方から昇順に並べ替える。

g) 16

番目の値を基準として,11 個以上の数値が−6 dB∼0 dB の許容範囲内かどうかを検証する。

h)

−6 dB∼0 dB の許容範囲内に入っていない場合,次に大きい読取値を基準として検証を繰り返す。各

周波数において,この手順を 5 回まで繰り返してもよい。

i) 6

dB 以内の数値が 12 個以上になった時点でこの手順を停止し,数値列から最大の進行波電力を記録

する。

j)

上記の一連の作業が終了したのち,試験システム(例えば,電力増幅器)が飽和していないことを確

認する。E

c

を E

t

の 1.8 倍とし,各校正周波数で次の手順を行う。

1)

上記の手順の中で決定した進行波電力 P

c

を得るために必要なレベルから 5.1 dB,信号発生器の出力

を減じる(−5.1 dB は,E

c

/1.8 と同じとなる。)。

2)

アンテナに供給する新しい進行波電力を記録する。

3)  P

c

から手順 j) 2)  で測定した進行波電力を減算する。その値(差)が 3.1 dB∼5.1 dB の場合,増幅器

は飽和しておらず,試験に十分な試験システムである。その値が 3.1 dB より少ない場合,増幅器の

飽和を示しており,試験に使用できない。ただし,一部の電力増幅器では,飽和とは異なる現象で

5.1 dB を超える場合がある。このような増幅器では,5.1 dB を超えてもよい。

注記 1  ある周波数における,E

c

と E

t

との比を R

(dB)  とし,R=20 log

(E

c

/E

t

)  とする。この結果,試

験電力は,P

t

P

c

R

(dB)  となる。E

c

及び P

c

は校正時,E

t

及び P

t

は試験時を表す。電界は,

箇条 に従って変調する。

校正例の詳細を,参考として D.4.1 に記載する。

注記 2  各周波数で,電力増幅器が飽和しないことを確認する。これは,増幅器の 1 dB 圧縮点を確認

することで可能である。試験に使用するアンテナのインピーダンスが 50 Ω ではない場合,増

幅器の 1 dB 圧縮点を 50 Ω 終端することによって検証する。試験システムの飽和は,上記手

順 j)  に記載の 2 dB 圧縮点を確認することによって,保証する(詳細は,

附属書 を参照)。


11

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

6.2.2 

電力一定校正法 

電力一定校正法を用いる均一電界強度の測定は,16 点に電界プローブを順次設置し,箇条 のような周

波数ステップで進行波電力を調節して行う(

図 参照)。

最初の位置での電界強度を得るために必要な進行波電力は,

図 に従って測定及び記録する。同じ進行

波電力を全 16 点の測定に用いる。この進行波電力によって得られる電界を全 16 点で記録する。

水平偏波及び垂直偏波について,次の手順で行う。

a)

電界プローブを,16 個の格子点(

図 参照)の一つに設置する。信号発生器の周波数を試験する周波

数の最低値にする(

例  80 MHz)。

b)

得られる電界強度が E

c

(試験電界は変調されることを考慮)と等しくなるように電磁界発生アンテナ

への進行波電力を供給する。この進行波電力値及び電界強度の読取値を記録する。

c)

周波数を現周波数の 1 %分増やす。

d)  b)

及び c)  を繰り返し,周波数が試験周波数範囲を超えた時点でステップを終了する。最終的に,最

高周波数(

例  1 GHz)において,b)  によって測定する。

e)

電界プローブをほかの格子位置に移動する。a)d)  について,各周波数において,その周波数の b)  で

記録した進行波電力を供給して,電界強度の読取値を記録する。

f)

e)

を格子の各点で繰り返す。

各周波数において,次の手順を用いて均一性の判定を行う。

g) 16

個の電界強度の数値を小さい方から昇順に並べ替える。

h)

一つの電界強度を基準として選択し,ほかの全ての点について,この基準からの偏差をデシベル(dB)

で計算する。

i)

1 番目の値を基準として,11 個以上の数値が 0 dB∼6 dB の許容範囲内かどうかを検証する。

j) 0

dB∼6 dB の許容範囲内に入っていない場合,次に小さい読取値を基準として検証を繰り返す。各周

波数において,この手順を 5 回まで繰り返してもよい。

k) 6

dB 以内の数値が 12 個以上になった時点でこの手順を停止し,最小電界強度を得た位置を基準位置

とする。

l)

基準位置で所定の電界強度を生成するために必要な進行波電力を計算する。

m)

上記の一連の作業が終了したのち,試験システム(例えば,電力増幅器)が飽和していないことを確

認する。E

c

を E

t

の 1.8 倍とし,各校正周波数で次の手順を行う。

1)

上記の手順の中で決定する進行波電力 P

c

を設定するために必要とするレベルから 5.1 dB,信号発生

器の出力を減じる(−5.1 dB は,E

c

/1.8 と同じとなる。)。

2)

アンテナに供給する新しい進行波電力を記録する。

3)  P

c

から m) 2)  で測定した進行波電力を減算する。その値(差)が 3.1 dB∼5.1 dB の場合,増幅器は

飽和しておらず,試験に十分な試験システムとなる。その値が 3.1 dB より少ない場合,増幅器の飽

和を示しており,試験に使用できない。ただし,一部の電力増幅器では,飽和とは異なる現象で 5.1

dB を超える場合がある。このような増幅器では,5.1 dB を超えてもよい。

注記 1  ある周波数における,E

c

と E

t

との比を R

(dB)  とし,R=20 log

(E

c

/E

t

)  とする。この結果,試

験電力は,P

t

P

c

R

(dB)  となる。P

c

は校正時,P

t

は試験時を表す。電界は,箇条 に従っ

て変調する。

校正例の詳細を,参考として D.4.2 に記載する。


12

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

注記 2  各周波数で,電力増幅器が飽和しないことを確認する。これは,増幅器の 1 dB 圧縮点を確認

することで可能である。試験に使用するアンテナのインピーダンスが 50 Ω ではない場合,増

幅器の 1 dB 圧縮点を 50 Ω 終端することによって検証する。試験システムの飽和は,上記手

順 m)  で規定の 2 dB 圧縮点を確認することによって保証する(詳細は,

附属書 を参照)。

試験セットアップ 

EUT は,実際の設置にできるだけ近い状態に配置して,試験を行う。製造業者の推奨する手順に従って

配線し,特に指定がない場合,装置は,全てのカバー及びアクセスパネルを取り付けた状態できょう体に

入れる。

パネル,ラック又はキャビネットに EUT を取り付けるように設計している場合は,その配置で試験を行

う。

金属のグラウンド面は,必要としない。EUT に支持体が必要な場合,支持体は,非金属で非導電性の材

料で構成する。硬質ポリスチレンなどの低い誘電率をもつ材料を推奨する。

なお,EUT のきょう体及びケースの接地は,製造業者が推奨する接地方法に従う。

床置形装置及び卓上形装置で構成した EUT の場合は,相互の正しい位置関係を維持する。

代表的な EUT のセットアップを,

図 及び図 に示す。

注記 1  非導電性の支持体を用いることによって,偶発的な EUT の接地及び電磁界の乱れを防止でき

る。電磁界の乱れを確実に防止するためには,絶縁塗装した金属構造物の支持体ではなく,

材質全てが非導電性であることが望ましい。

注記 2  より高い周波数(1 GHz を超える)において,木又はガラス繊維強化プラスチックでは反射

が発生することがある。したがって,電磁界の乱れを防止し,電磁界の均一性低下を防止す

るために,硬質ポリスチレンなどの低い誘電率をもつ材料を使用することが望ましい。

7.1 

卓上形装置の配置 

EUT は,試験室内の高さ 0.8 m の非導電性のテーブル上に設置する。

EUT は,関連する設置説明書に従って,電源線及び信号線に接続する。

7.2 

床置形装置の配置 

EUT は,高さ 0.05 m∼0.15 m の非導電性支持体上に設置することが望ましい。偶発的な EUT の接地及

び電磁界の乱れを防止するために,非導電性の支持体を用いる。電磁界の乱れを確実に防止するために,

絶縁塗装した金属構造物の支持体ではなく,材質全てが非導電性の支持体とする。例えば,EUT があまり

大きくも重くもなく,かつ,テーブル上に設置しても安全性からみて問題がない床置形装置の場合は,高

さ 0.8 m の非導電性のテーブル上に設置して試験してもよい。ただし,標準的な試験方法からの変更点に

ついては,試験報告書に記載する。

注記 0.05

m∼0.15 m の支持体として非導電性キャスタを使用してもよい。

EUT は,関連する設置説明書に従って,電源線及び信号線を接続する。

7.3 

配線の処理 

ケーブルは,EUT 製造業者の設置説明書に従って EUT に接続し,試験室に配置し,できる限り典型的

な設置及び使用状態を模擬する。

製造業者が指定する接続線及びコネクタを用いる。EUT の接続線を指定していない場合は,非シールド

平行線を用いる。

製造業者が配線長を 3 m 以下に指定している場合は,指定の配線長を用いる。指定の配線長が 3 m を超


13

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

えるか,又は指定していない場合は,使用する配線長は,代表的な設置方法を参照して選択する。可能な

場合,配線のうち 1 m 以上を電磁界にさらす。EUT のユニットを相互接続するケーブルの余分な長さは,

インダクタンスが小さくなるように,ケーブルの中間位置付近で,30 cm∼40 cm の長さにして束ねる。

製品規格で余分な長さのケーブルに減結合方法が必要と規定する場合(例えば,試験領域に放置したケ

ーブル)は,EUT の動作を損なわないような減結合方法を用いる。

7.4 

人体装着形装置の配置 

人体装着形装置(3.13 参照)は,卓上形装置と同じ方法で試験してもよい。ただし,この方法では人体

の特性を考慮していないため,過大評価又は過小評価となる場合もある。したがって,製品規格で,適切

な誘電特性をもつ人体模擬装置の使用を規定することを推奨する。

試験手順 

試験手順には,次の項目を含まなければならない。

a)

試験室の基準条件の立証

b) EUT

の正しい操作の予備立証

c)

試験の実施

d)

試験結果の評価

8.1 

試験室の基準条件 

周囲環境のパラメータが試験結果に与える影響を最小限にするために,試験は,8.1.1 及び 8.1.2 で規定

する気象条件及び電磁環境条件で行う。

8.1.1 

気象条件 

共通規格,製品群規格又は製品規格で規定がない限り,試験室の気象条件は,全て,EUT 及び試験装置

の動作に関して,それぞれの製造業者が指定する限度内でなければならない。

EUT 又は試験装置に結露が生じるほど相対湿度が高い場合には,試験を行ってはならない。

8.1.2 

電磁環境条件 

試験室の電磁環境条件は,試験結果に影響を与えないように EUT の正確な動作を保証しなければならな

い。

8.2 

試験の実施 

試験は,技術仕様書に指定した EUT の動作の立証を含む試験計画に基づいて実施する。

EUT の試験は,通常の動作状態で行う。

試験計画には,次を明記する。

a) EUT

の寸法

b) EUT

の代表的な動作条件

c) EUT

が卓上形,床置形又はこれらの組合せのいずれか

d) EUT

が床置形装置の場合,支持体の高さ

e)

用いる試験設備の種類及び放射アンテナの位置

f)

用いるアンテナの種類

g)

周波数範囲,滞在時間及び周波数ステップ

h) UFA

の寸法及び形状

i)

部分照射の使用の有無

j)

適用する試験レベル


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C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

k)

用いる相互接続線及びそれを接続する(EUT の)インタフェースポートの種類及び数

l)

許容できる性能基準

m) EUT

が動作する方式の説明

この箇条で規定する試験手順は,箇条 で規定したように,電界を発生させるアンテナを用いる試験法

である。

試験設備が正常に動作しているかどうかを確認するために,試験の前に立証試験を実施することが望ま

しい。

校正後,校正で得た値を用いて試験電界を発生する(6.2 参照)

最初に,EUT のある面を校正面に一致させて設置する。部分照射を利用しない限り,EUT 面は UFA に

一致させなければならない。部分照射の使用及び電界校正に関しては,6.2 を参照する。

対象とする周波数範囲にわたって,5.1 及び 5.2 に従って変調した信号を掃引する。RF 信号レベルを調

節する場合,又は必要に応じて発振器及びアンテナを切り替える場合には,掃引を中断する。周波数を増

加して掃引する場合,周波数ステップの大きさは,前の周波数の 1 %以下とする。

各周波数での振幅変調搬送波の滞在時間は,EUT が動作し,反応するのに必要な時間以上とする。ただ

し,いかなる場合も 0.5 秒間以上とする。製品規格が,影響を受けやすい周波数(

例  クロック周波数)

についての試験を個別に要求している場合,その要求事項に従って試験する。

試験は,EUT のそれぞれの面に対して,電磁界発生アンテナを用いて行う。機器を異なる向き(例えば,

垂直又は水平)で用いる場合,全ての面を照射して試験を行う。技術的に正当化される場合は,より少な

い面を電磁界発生アンテナで照射して試験してもよい。その一方では,例えば,EUT の種類及び寸法,又

は試験周波数によって,5 方向以上照射することが必要な場合がある。

注記 1  実際の EUT の電磁波放射パターンは,きょう体の大きさ及び形状とは異なる“電気的サイズ”

に依存する。この電気的サイズが変化すると,EUT の電磁波放射パターンも複雑になる。こ

の電磁波放射パターンの複雑さが,イミュニティ試験における試験面の数を決定するための

試験計画に影響してくる。

注記 2  複数の装置で構成した EUT の場合,別の方向から電磁波を照射する度に,個々の EUT の位

置を変更する必要はない。

電磁界発生アンテナから垂直偏波及び水平偏波の電界を発生するために,各面に対してアンテナを垂直

及び水平に設置して試験を行う必要がある。

イミュニティ試験に対して影響の大きい動作モードを事前に選択し,試験中には,その全てを試みなけ

ればならない。特別な動作試験プログラムの使用を推奨する。

試験結果の評価 

試験結果は,EUT の機能損失又は性能低下の観点から,その装置の製造業者若しくは試験の依頼者が定

義した,又は製品の製造業者と購入者との間の協定で合意した性能レベルと比較して分類する。推奨する

分類を,次に示す。

a)

製造業者,試験の依頼者又は購入者が指定する仕様限度内の正常な性能。

b)

妨害がなくなった後に消滅する一時的な機能損失又は性能低下。操作者が介在することなく EUT が正

常な性能に自己復帰する。

c)

操作者の介在が必要な,一時的な機能損失又は性能低下。

d)

ハードウェア又はソフトウェアの破壊による修復不可能な機能損失若しくは性能低下,又はデータの


15

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

損失。

EUT への影響のうち,重要ではないとみなされ,かつ,許容できる影響を,製造業者の仕様書に指定し

てもよい。

この分類は,共通規格,製品規格及び製品群規格の原案作成委員会で性能基準を規定するときの指針と

して,又は適切な共通規格,製品規格及び製品群規格が存在しない場合に製造業者と購入者との間で,性

能基準に対する合意を行うための枠組みとして用いてもよい。

10 

試験報告書 

試験報告書は,試験を再現するために必要な全ての情報を含む。特に次の事項を記載する。

−  箇条 で要求する試験計画によって規定する項目

− EUT 及び関連装置の識別表示。例えば,商標,製品形式,製造番号

−  試験装置の識別表示。例えば,商標,製品形式,製造番号

−  試験を行った特別な環境条件

−  試験を行うために必要な特別な条件

−  製造業者と試験の依頼者又は購入者との間で指定する性能レベル

−  共通規格,製品規格又は製品群規格で規定する性能基準

−  妨害の印加中又は印加後に観測した EUT への全ての影響,及びこれらの影響が持続した期間

−  合否判定の根拠(共通規格,製品規格若しくは製品群規格で規定する性能基準,又は製造業者と購入

者との間で合意した性能基準に基づく。

−  装置の取扱いにおける特定の条件。例えば,適合性を達成するために必要なケーブルの長さ,形式,

遮蔽若しくは接地,又は EUT の動作条件。

−  ケーブル配置及び機器の位置及び向きの完全な記述を,試験報告書の中に含めなければならない。場

合によって,写真で十分な場合もある。


16

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

3

2

1

0

–1

–2

–3

3

2

1

0

–1

–2

–3

V

p-p

V

rms

V

rms

V

maximum

 

rms

V

p-p

a)

無変調無線周波(RF)信号

          V

p-p

 = 2.8 V

         V

rms

 = 1.0 V

b) 80

%

振幅変調無線周波(RF)信号

V

p-p

 = 5.1 V

V

rms

 = 1.15 V

V

maximum rms

 = 1.8 V



図 1−試験レベル における信号発生器出力波形の例 


17

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

電磁界発生アンテナ

入力電源フィルタ

高さ 0.8 m の非
導電性支持体

UFA

半電波無響室の場合に,床か
らの反射を減少させるために
追加する吸収体

3 m

シールドルーム貫通ケーブル

電磁界発生装置

EUT

動作用

対向装置

a)

相互接続フィ
ルタ

0.8 m

EUT

注記  壁面及び天井の吸収体は,分かりやすくするために省略している。 

a)

  図中の“EUT 動作用対向装置”とは, EUT の機能を正常に動作させるために必要な,試験対象外の装置であ

る。例えば,相互通信のために必要な装置であり,通常,これらの装置は遮蔽した試験室の外に設置する。

図 2−適切な試験設備の例 


18

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

電磁界発生アンテナ

半電波無響室の場合に床からの
電波の反射を減少させるために
追加する吸収体

電界プローブ

UFA

電波無響室の壁

0.8 m

3 m

光ファイバ又はフィルタを
経由した信号線

図 3UFA の校正 


19

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

電界プローブの位置
(

等間隔)

0.5 m

1.5 m

0.5 m

0.8 m

1.5 m

床面

UFA

図 4UFA の寸法 


20

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

UFA

非導電性テーブル

0.8 m

電源ケーブル

電波無響室の壁を通過するとき
の遮蔽信号ケーブル接続

電波無響室の壁

遮蔽した信号ケ
ーブル

非導電性支持体

半電波無響室の場合に床からの
電波の反射を減少させるために
追加する吸収体

0.05 m
∼ 
0.15 m

EUT

EUT

注記  壁及び天井の吸収体は,分かりやすくするために省略している。

図 5−床置形装置の試験セットアップ例 


21

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

UFA

非導電性テーブル

3 m

未満のケーブル配線は, 1 m にな

るように無誘導的に束ねる

3 m

を超える配線又は特に

指定しない場合は,1 m 以
上は電磁界にさらす。 
1 m

未満の配線は,そのま

まにする。

半電波無響室の場合に床からの電
波の反射を減少させるために追加
する吸収体

電磁界発生 
アンテナ

0.8 m

EUT

EUT

図 6−卓上形装置の試験セットアップ例 

電波無響室

電磁界 発生アンテナ

電界プローブ

信 号発生器

制御装置

( 例えばパーソナルコン
ピ ュータ)

電 界強度計

光ファイバ

電力増幅器

方向性結合器

電力計

注記  電力増幅器と電磁界発生アンテナとの間に挿入する方向性結合器及び電力計は,進行波電力計又は進行波モニ

タに置き換えてもよい。

図 7−測定系の構成 


22

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 A

(参考)

デジタル無線電話からの RF 放射を模擬するために,イミュニティ試験に

正弦波による振幅変調方式を選択した根拠

A.1

  検討した変調方式の概要 

800 MHz を超える周波数における主な RF 放射の発生源は,非定包絡線変調のデジタル無線電話である。

この規格の作成に当たっては,その電磁界を模擬するものとして,次の変調方式を検討した。

a) 1

kHz の正弦波による 80 %振幅変調。

b)

繰返し周波数 200 Hz のデューティサイクル 1:2,方形波による 100 %振幅変調。

c)

個々のシステムの特性を近似的に模擬したパルス変調した RF 信号。例えば GSM に対しては,繰返し

周波数 200 Hz,デューティサイクル 1:8 の方形波,DECT 端末に対しては,繰返し周波数 100 Hz の

デューティサイクル 1:24 など(GSM 及び DECT の定義は,

附属書 を参照。)。

d)

個々のシステムの特性を正確に模擬し,パルス変調した RF 信号。例えば GSM に対しては,繰返し周

波数 200 Hz の 1:8 デューティサイクルに,不連続送信モード(2 Hz の変調周波数)

,多重フレーム

効果(8 Hz の周波数成分)などの副次的な変調を加えた変調方式。

個々のシステムの特長を,

表 A.1 に示す。

表 A.1−変調方式の比較 

変調方式

利点

問題点,欠点

正弦波

振幅変調

−  実験では,最大 RMS レベルが同じ場合,様々

なタイプの非定包絡線変調方式と妨害との影響
が良好な関係を示す場合がある。

− TDMA パルスの立上り時間を規定(及び測定)

する必要がない。

−  この規格及び JIS C 61000-4-6 で規定している。
−  電界発生器及びモニタ装置の入手が容易であ

る。

−  アナログ音声装置では,EUT の復調による狭帯

域レベルメータで測定できる可聴周波応答が発

生する。その結果,バックグラウンドノイズの
発生を低減できる。

−  低い周波数で,(例えば,FM,位相変調,パル

ス変調などの)他のタイプの変調方式の影響の
模擬が有効であることが,既に示されている。

− TDMA を模擬しない。

−  装置によっては,少し過剰な試験とな

る。

−  故障メカニズムを見逃すことがある。

方形波

振幅変調

− TDMA を模擬する。

−  一般に適用できる。 
−  (RF 包絡線の大きな変化速度に敏感な)未知の

機能障害の仕組みが,明らかになる可能性があ

る。

− TDMA を正確に模擬しない。

−  標準的でない発生信号器の装置が必要。
− EUT での復調によって広帯域の可聴周

波応答が発生する。この可聴周波応答

は,広帯域のレベルメータで測定しなけ
ればならないため,バックグラウンドノ
イズが増大する。

−  立上り時間の規定が必要。


23

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

表 A.1−変調方式の比較(続き) 

変調方式

利点

問題点,欠点

パルス RF

− TDMA を良好に模擬する。

−  (RF 包絡線の大きな変化速度に敏感な)未知の

機能障害の仕組みが,明らかになる可能性があ
る。

−  規格で要求しない信号発生装置が必要。

−  様々なシステム(例えば,GSM,DECT

など)に適合するために,変調の細部を
変更する必要がある。

− EUT での復調によって,広帯域の可聴周

波応答が発生する。この可聴周波応答
は,広帯域のレベルメータで測定しなけ

ればならないため,バックグラウンドノ
イズが増大する。

−  立上り時間の規定が必要。

A.2

  実験結果 

妨害信号として用いる変調方式,及びそれによって生じる干渉との間の相関性を評価するに当たり,一

連の実験を行った。

調査対象とした変調方式は,次のとおりである。

a) 1

kHz の正弦波による 80 %の振幅変調

b) GSM

を模擬したパルス変調,繰返し周波数 200 Hz でデューティサイクル 1:8

c) DECT

を模擬するパルス変調,繰返し周波数 100 Hz でデューティサイクル 1:2(基地局)

d) DECT

を模擬するパルス変調,繰返し周波数 100 Hz でデューティサイクル 1:24(端末)

それぞれの場合について,DECT を模擬する変調だけを用いる。

表 A.2 及び表 A.3 に,結果を示す。 

表 A.2−相対妨害レベル

a)

変調方式

b)

1 kHz の正弦波による

80 %の振幅変調

GSM を模擬するパル

ス変調,200 Hz でデュ

ーティサイクル 1:8

DECT を模擬するパル

ス変調,100 Hz でデュ

ーティサイクル 1:24

装置

可聴周波数応答

dB dB dB

補聴器

c)

重みなし 
21 Hz∼21 kHz

0

d)

 0 −3

 A-特性 0

−4

−7

アナログ式電話

e)

重みなし 0

d)

−3

−7

 A-特性

−1

−6

−8

無線装置

f)

重みなし 0

d)

+1

−2

 A-特性

−1

−3

−7

a)

  妨害波への可聴周波数応答は,妨害レベルである。低い妨害レベルは,高いイミュニティレベルを示す。

b)

  妨害信号(ばく露)の最大 RMS 値(箇条 参照)が全ての変調を通して同じになるように,搬送波の振幅を

調整することが重要である。

c)

 900

MHz の入射する電磁界を対象とする。DECT を模擬する変調のデューティサイクルは 1:24 ではなく,1:

2 である。可聴周波数応答は,0.5 m 長の PVC(ビニル)線チューブを経由して接続した人工耳で測定する可
聴音声周波数出力である。

d)

  この状態を可聴周波数応答の基準,すなわち,0 dB とする。

e)

  電話線に重畳する 900 MHz の RF 電流を対象とする。可聴応答は,電話線上で測定する可聴周波数電圧であ

る。

f)

  電源線に重畳する 900 MHz の RF 電流を対象とする。可聴応答は,マイクロフォンで測定するスピーカから

の可聴出力である。


24

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

表 A.3−相対的なイミュニティレベル

a)

変調方式

b)

装置

応答

1 kHz の正弦波

による

80 %の振幅変調

dB

GSM を模擬する

パルス変調,

200 Hz でデューティ

サイクル 1:8

dB

DECT を模擬する

パルス変調,

100 Hz でデューティ

サイクル 1:24

dB

確認可能な妨害 0

d)

−2

−2

強い妨害

+4

+1

+2

テレビ受像機

c)

画面の消失

∼+19

+18

+19

映像画面への干渉縞 0

d)

 0  −

RS232 インタフェ
ースをもつデータ
端末

e)

データエラー

>+16

>+16

データエラー 
(電話インタフェース
に重畳時)

0

d)

 0  0

RS232 モデム

f)

データエラー 
(RS232 インタフェー

スに重畳時)

>+9

>+9

>+9

実験室用定電圧電
流源

g)

DC 出力電流で 2 %エ
ラー

0

d)

+3

+7

SDH クロスコネ
クト

h)

ビットエラーのしきい

0

d)

 0  −

a)

  表中の数値は,各変調方式で同じ障害を起こすのに必要な(ばく露)妨害信号の最大 RMS 値(箇条 

照)の相対測定値である。高いデシベル(dB)値は,高いイミュニティを示す。

b)

  妨害信号は,各変調方式で同じ反応(障害)を起こすように調整してある。

c)

  900 MHz の RF 電流を電源ケーブルに重畳し,画面に現れる妨害の程度で判定を行う。干渉パターンは状

況によって異なるため,評価はどちらかといえば主観的である。

d)

  この状態をイミュニティレベルの基準,すなわち,0 dB とする。

e)

 RS232 ケーブルに重畳する 900 MHz の RF 電流を対象とする。

f)

  通信ケーブル又は RS232 ケーブルに重畳する 900 MHz の RF 電流を対象とする。

g)

  DC 出力ケーブルに重畳する 900 MHz の RF 電流を対象とする。

h)

  SDH=synchronous digital hierarchy(同期デジタル階層)

。935 MHz の電磁界を入射する。

次のデジタル装置に対して,正弦波振幅変調及びパルス変調(デューティサイクル 1:2)で電磁界強度

最大 30 V/m までの試験を行う。

−  マイクロプロセッサ制御のハンドドライヤ

− 75

Ω 同軸ケーブルを接続している 2 Mb(メガビット)モデム

− 120

Ω ツイストペアケーブルが接続されている 2 Mb(メガビット)モデム

−  マイクロプロセッサ,ビデオディスプレイ及び RS485 インタフェースをもつ工業用コントローラ

−  マイクロプロセッサをもつ列車表示システム

−  モデム出力をもつクレジットカード端末

−  デジタルマルチプレクサ 2/34 Mb(メガビット)

−  イーサネットリピータ[10 Mb/s(メガビット/秒)

全ての機能障害は,装置のアナログ機能に起因する。


25

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

A.3

  副次的変調の影響 

デジタル無線電話システムの中で用いる変調を正確に模擬しようとする場合,主変調を模擬するだけで

なく,現れることのある副次的変調の影響を考慮することが重要である。

例えば,GSM 及び DCS 1800 は,120 ms ごとのバーストの抑止によって引き起こされる多重フレームの

影響がある(これによって,約 8 Hz の周波数成分が発生する。

。さらに,オプションの断続送信(DTX)

モードによる,2 Hz の変調が追加されることがある。

A.4

  結論 

実験結果では,試験した項目においては,用いる変調方式とは無関係に妨害に応答していることが見ら

れる。異なる変調の影響を比較する場合,用いる妨害信号は,最大 RMS レベルを同じにすることが重要

である。

様々な種類の変調の影響に関して,著しい相違が存在する場合,正弦波振幅変調(AM)は,常に,最

も厳しい。

正弦波変調と TDMA とで異なる応答を観察する場合でも,製品規格の判定基準を適切に調整することに

よって,製品に特有な相違は修正される可能性はある。

まとめとして,正弦波変調は,次の長所をもつ。

−  アナログシステムでの狭帯域検出応答が,バックグラウンドノイズ問題を軽減する。

−  汎用的に適用可能。すなわち,妨害源の振る舞いを模擬しないため。

−  全ての周波数において同じ変調。

−  常に,パルス変調と同等以上に厳しい。

上記の理由によって,この規格では 80 %の正弦波振幅変調を標準変調方式とする。ほかの種類の変調を

要求する特別な理由がある場合にだけ,製品委員会は,変調方式を変更してもよい。


26

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 B

(参考)

電磁界発生アンテナ

B.1

  バイコニカルアンテナ 

このアンテナは,同軸バラン及び三次元の素子で構成され,送受信の両方に使用可能な広い周波数範囲

を備えている。アンテナ係数曲線は,一般に周波数とともに上昇する十分に滑らかな線を描く。

そのコンパクトな大きさによって近接効果が最小になるため,これらのアンテナは,無響室のような限

定された領域での使用に理想的なものとなっている。

B.2

  ログペリオディックアンテナ 

ログペリオディックアンテナは,伝送線に接続した異なる長さのダイポール素子を配列したアンテナで

ある。

ログぺリオディックアンテナは,広帯域アンテナとしては,比較的高い利得及び低い電圧定在波比

(VSWR)をもつ。

電磁界の発生のためにアンテナを選択する場合,アンテナに利用しているバランが,必要な電力を扱う

ことができるかを,確認することが望ましい。

B.3

  ホーンアンテナ及びダブルリッジウェーブガイドアンテナ 

ホーンアンテナ及びダブルリッジウェーブガイドアンテナは,直線偏波の電磁界を作る。これらは,一

般的に 1 000 MHz を超える周波数で用いる。


27

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 C 
(参考)

電波無響室

C.1

  電波無響室に関する一般的な情報 

半電波無響室は,電波吸収体を壁及び天井に張り付けたシールドルームである。全電波無響室は,床に

も電波吸収体を張り付ける。

この電波吸収体の目的は,RF エネルギーを吸収し,無響室内への反射を防ぐことである。この反射波が

直接波と複雑に干渉して,生成された電界の強度に山と谷を生じさせる。

電波吸収体の反射損失は,一般に入射波の周波数及び垂直面に対する入射角度に依存する。その損失(吸

収)は,通常,垂直入射で最大となり,入射角度が増すとともに減少する。

反射を防ぎ,吸収を高めるために,吸収体の形状は,くさび形又は円すい形をよく用いる。

半電波無響室では,全周波数領域において必要な電界均一性を得るために,電波吸収体を床に追加する

部分的な改造が役立つ。これら追加する吸収体の最適な材質及び位置は,実験によって求める。

追加する吸収体は,アンテナから EUT への直接波の照射経路に設置せずに,電界強度を校正したときと

同じ場所に同じ向きで配置する。

反射波が全て非対称になるように,電磁界発生アンテナを電波無響室の軸からずらして設置することに

よっても,電界均一性が向上する。

電波無響室は,30 MHz より低い周波数では,あまり効果がないことがある。また,フェライトだけを

張りつめた部屋では,1 GHz を超える周波数では,あまり効果的ではないことがある。最低周波数及び最

高周波数で生成される電磁界の均一性を保証するためには注意を払う必要があり,それを可能とするため

に無響室の改良が必要な場合がある。

C.2

  1 GHz 以下の周波数で用いるように設計されたフェライトを張った電波無響室を 1 GHz を超える周

波数での使用に適用させるための方法 

吸収体としてフェライトだけを用いた既存の小形電波無響室は,大部分が 1 GHz 以下の周波数で用いる

ように設計している。1 GHz を超える周波数では,そのような無響室は,6.2 の電界均一性の要求事項を満

たすことは困難か,又は不可能な場合がある。

この附属書では,そのような無響室を,

附属書 に規定した方法を用いて 1 GHz を超える周波数での試

験に適用させる手順に関する情報を提供する。

C.2.1

  フェライトを張った電波無響室を 1 GHz を超える周波数で放射電磁界イミュニティ試験に用いる

ことによって生じる問題点 

例えば,フェライトを張った小形電波無響室,又はカーボンを含浸した吸収体及びフェライトを組み合

わせた吸収体を張った小形の電波無響室(代表例:奥行 7 m×幅 3 m×高さ 3 m)では,次のような問題が

起こることがある。

1 GHz を超える周波数では,フェライト板は,通常,吸収体としてよりも,むしろ反射体として働く。

無響室の内壁からの多重反射のため,1 GHz を超える周波数で 1.5 m×1.5 m の領域全体で均一な電界を得

るのは,極めて困難である(

図 C.1 参照)。


28

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

図 C.1−既存の小形電波無響室内の多重反射 

携帯電話帯域の周波数では,波長が短い(例えば,1.5 GHz の場合は 0.2 m)

。このことは,試験結果が

電磁界発生アンテナ及び電界プローブ,又は EUT の位置決めに対して非常に敏感であることを意味する。

C.2.2

  可能な解決方法 

このような問題を解決するために,次のような手順を推奨する。

a)

後方への電磁界放射を減少させるために,ホーンアンテナ又はダブルリッジウェーブガイドアンテナ

を用いる。同様に,これらのアンテナはビーム幅が狭いため,無響室の側壁からの反射も減少する。

b)

側壁からの反射を最小限にするように,送信アンテナと EUT との距離を短くする(送信アンテナと

EUT との距離は,1 m まで小さくできる。)。EUT が均一な電界にさらされていることを保証するため

に,0.5 m×0.5 m の独立ウィンドウ法(

附属書 H)を用いる。

c)

直接反射を取り除くために,EUT に面している後面の壁に中濃度のカーボン電波吸収体を張り付け

る。こうすることによって,EUT とアンテナとの配置によって試験結果が左右されることも少なくな

る。また,1 GHz 未満の周波数における電界均一性も改善されることがある。

注記  高濃度のカーボン電波吸収体を用いた場合は,1 GHz 未満の周波数での UFA の要求事項を満

たすことが困難になることがある。

これらの手順に従った場合,反射波の大部分が抑制される(

図 C.2 参照)。

UFA 1

UFA 2

UFA 3

UFA 1

に対応したアンテナ位置

UFA 2

に対応したアンテナ位置

UFA 3

に対応したアンテナ位置

図 C.2−反射波抑制の例 


29

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 D 
(参考)

電力増幅器のノンリニアリティ及び 6.2 に従った校正手順例

D.1

  電力増幅器のひずみを制限する目的 

電界強度の値の不確かさに影響を与えないように,電力増幅器のノンリニアリティを十分に低レベルに

保持することを目的とする。この附属書は,試験所に対して,電力増幅器の飽和の影響を理解するための

指針である。

D.2

  高調波及び飽和が原因として考えられる問題点 

電力増幅器の過負荷は,次のような結果が生じることがある。

a)

高調波は,電界強度に大きく影響する。

1)

高調波が校正中に生じた場合,広帯域の電界プローブは,基本波及び高調波の両方を測定してしま

うため,意図した周波数の電界強度が不正確に測定される。例えば,第 3 次高調波が基本波に対し

て 15 dB 下回っていて,その他の高調波が無視できると仮定し,更に,第 3 次高調波の周波数での

実質的なアンテナ係数が,基本波の周波数より 5 dB 低いと仮定する。この場合,基本波の周波数の

電界強度は,第 3 次高調波の周波数の電界強度に比べて,僅か 10 dB だけ大きいことになる。電界

強度の合計が 10 V/m と測定された場合,基本波の周波数では,9.5 V/m の寄与となる。これは,電

界プローブの振幅の不確かさに比べて小さいため,許容できる誤差とみなせる。

2)

試験中に著しく高調波が発生している場合,EUT に誤動作が生じても,その誤動作は,目的の周波

数ではなく,高調波で強い耐性をもたないことが原因のときがある。

b)

特別な状態で高調波が非常によく抑えられている場合でも,高調波が測定結果に影響を及ぼすことが

ある。例えば,900 MHz の受信機を試験する場合,300 MHz の信号の高調波が十分微弱に抑えられて

いても,受信機の入力で過負荷になるときがある。似たような現象は,信号発生器が高調波に無関係

な信号(スプリアス)を出力している場合にも起こることがある。

c)

測定できる高調波がない場合にも,飽和が内在することがある。これは,高調波を抑えるためのロー

パスフィルタをもつ電力増幅器で発生する。このような場合にも,誤った結果を導くことがある。

1)  6.2

に規定するアルゴリズムでは,電力増幅器がリニアリティをもつことを前提としているため,こ

れが校正中に生じた場合,誤った校正データが得られてしまう。

2)

試験中では,この種の飽和によって誤った変調指数及び変調周波数(通常 1 kHz)の高調波が生じ

ることがある。

これらの事例から分かるように,ひずみの影響は,試験する EUT の種類に大きく依存するため,電力増

幅器のひずみに対して,数値的な制限が与えられないことは明らかである。

D.3

  電力増幅器ノンリニアリティ制御法 

D.3.1

  電界の高調波成分の制限 

電界の高調波は,電力増幅器の出力端子において,調整可能形,トラッキング形又は同調形ローパスフ

ィルタを用いて制限できる。


30

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

電力増幅器の出力端子に生じた高調波は,D.2 b)  における状況を除き,全ての周波数に対して,電界の

基本波と高調波との差が 6 dB 以上あれば十分である。

これによって,電界強度誤差が 10 %に制限される。例えば,広帯域で測定した 10 V/m は,基本波 9 V/m

及び高調波 4.5 V/m から生じる結果である。これは,校正の不確かさの許容範囲にある。

出力端子に固定ローパスフィルタをもつ電力増幅器では,高い方の基本波周波数は,電力増幅器の仕様

上の最高周波数の約 1/3 となる。

D.3.2

  電界の高調波成分の測定 

電界の高調波成分は,選択形電界プローブ(周波数選択性電界プローブ)による直接的測定,又は次の

間接的な方法によって得られる。

a)

実効的アンテナ係数(既知の電波無響室及びアンテナ位置における入力電力と電界強度との比)の決

定による測定

b)

方向性結合器によって観測した高調波成分の進行波電力に,アンテナ製造業者が提供するアンテナ係

数を用いて高調波成分の電界強度を求める方法

飽和した電力増幅器の高調波をローパスフィルタで抑制している場合,どのような状況(例えば,変調

時の最悪周波数,最大電界強度)でも電力増幅器の 2 dB 圧縮点を超えないことが望ましい。2 dB 圧縮点

で,電圧振幅は 20 %低くなる。これは,80 %変調指数が 64 %に低くなること,言い換えると,EUT で検

波した電圧の 20 %低減となる。

D.4

  二つの校正方法の同等性を示した例 

図 D.1 に電界均一性を測定する 16 点を示す。16 点のそれぞれの間隔は,0.5 m に固定する。

13

14

15

16

9

10

1

2

5

6

7

8

1

2

3

4

0,5 m

0,5 m

図 D.1UFA の測定位置 


31

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

D.4.1

  電界一定校正法(6.2.1)を用いた校正手順の例 

表 D.1 は,E

c

=6 V/m の一定の電磁界強度を発生させるため,

図 の測定配置に従って特定の周波数で

評価したときの進行波電力を示した例である。

表 D.1−電界一定校正法によって測定した進行波電力 

位置

進行波電力

dBm

1 27 
2 22 
3 37 
4 33 
5 31 
6 29 
7 23 
8 27 
9 28

10 30 
11 30 
12 31 
13 40 
14 30 
15 31 
16 31

表 D.2−昇順に並べた進行波電力及び測定結果の評価 

位置

進行波電力

dBm

2 22 
7 23 
1 27 
8 27 
9 28 
6 29

10 30 
11 30 
14 30

5 31

12 31 
15 31 
16 31

4 33 
3 37

13 40


32

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

表 D.2−昇順に並べた進行波電力及び測定結果の評価(続き) 

注記  位置 13 を基準値とした場合,40−6=34,34 dBm∼40 dBm に

ある 2 か所だけ,電力均一範囲内にある。

位置 3 を基準値とした場合,37−6=31,31 dBm∼37 dBm

にある 6 か所だけ,電力均一範囲内にある。

位置 4 を基準値とした場合,33−6=27,27 dBm∼33 dBm

にある 12 か所が,電力均一範囲内にある。

この例では,測定位置 2,3,7 及び 13 は 0 dB∼6 dB 基準範囲外にあるが,この例では少なくとも 16 点

のうちの 12 点は基準内にある。したがって,この周波数では,基準を満足している。この場合,適用する

進行波電力は 33 dBm である。これによって,12 点において,電界強度 E

c

は最小 6 V/m(位置 4)

,最大

12 V/m(位置 1 及び 8)が保証される。

D.4.2

  電力一定校正法(6.2.2)を用いた校正手順の例 

最初の校正位置として位置 1 を選択し,ここに目標電界強度 E

c

(6 V/m)を発生させる。このときの進

行波電力を用いて,位置 1 に続く位置 2 から位置 16 における電界強度を,同一の周波数において

表 D.3

に示すように記録する。測定時のセットアップは,

図 を用いる。

表 D.3−電力一定校正法によって測定した進行波電力及び電界強度 

位置

進行波電力

dBm

電界強度

V/m

電界強度

位置 1 の値で 
正規化した値

1 27 6.0

0

2 27 10.7  5 
3 27 1.9  −10 
4 27 3.0  −6 
5 27 3.8  −4 
6 27 4.8  −2 
7 27 9.5

4

8 27 6.0

0

9 27 5.3  −1

10 27 4.2  −1 
11 27 4.2  −3 
12 27 3.8  −4 
13 27 1.3  −13 
14 27 4.2  −3 
15 27 3.8  −4 
16 27 3.8  −4


33

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

表 D.4−昇順に並べた電界強度及び測定結果の評価 

位置

進行波電力

dBm

電界強度

V/m

電界強度

位置 1 の値で 
正規化した値

13 27  1.3 −13

3 27  1.9

−10

4 27  3.0 −6 
5 27  3.8 −4

12 27  3.8 −4 
15 27  3.8 −4 
16 27  3.8 −4 
10 27  4.2 −3 
11 27  4.2 −3 
14 27  4.2 −3

6 27  4.8 −2 
9 27  5.3 −1 
1 27  6.0  0 
8 27  6.0  0 
7 27  9.5  4 
2 27 10.7 5

注記  位置 13 を基準値とした場合,−13+6=−7,−13 dB∼−7 dB にあ

る 2 か所だけ,電界均一範囲内にある。

位置 3 を基準値とした場合,−10+6=−4,−10 dB∼−4 dB に

ある 6 か所だけ,電界均一範囲内にある。

位置 4 を基準値とした場合,−6+6=0,−6 dB∼0 dB にある 12

か所が,電界均一範囲内にある。

この例では,測定位置 13,3,7 及び 2 が 0 dB∼+6 dB の基準範囲外にあるが,16 点のうちの 12 点以

上が基準内である。したがって,この周波数では,基準を満足している。この場合には,電界強度 E

c

=6 V/m

を得るために印加すべき進行波電力は,27 dBm+20 log

(6 V/m/3 V/m)=33 dBm である。これによって,

12 点において,電界強度 E

c

は,最小 6 V/m(位置 4)及び最大 12 V/m(位置 1 及び 8)が保証される。


34

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 E

(参考)

製品規格作成委員会に対する試験レベル選択上の指針

E.1

  序文 

無線送信機の送信電力は,半波長ダイポールを基準とした実効放射電力(ERP)で規定することが多い。

したがって,遠方界で発生する電界強度は,次のダイポールの式(E.1)によって直接得られる。

d

P

k

E

=

 (E.1)

ここに,

E: 電界強度(RMS 値)(V/m)

k: 遠方界での自由空間伝搬定数。ここでは 7

P: ERP(W)

d: アンテナからの距離(m)

すぐ近くの反射体及び吸収体は,電界強度を変化させる。

送信機の ERP が分からない場合,アンテナへの電力を式(E.1)に代入してもよい。その場合,移動無線送

信機については,通常,k=3 の値を適用する。

E.2

  一般的な試験レベル 

試験レベル及び周波数帯は,EUT を最終設置するときにさらされる電磁放射環境に従って選択する。適

用する試験レベルを選択するとき,誤動作となった結果を考慮することが望ましい。誤動作となった結果

が重要な場合,より高いレベルを検討することが望ましい。

わずか数箇所の場所(顧客)だけに設置するような EUT の場合は,その地域の無線周波数の発生源を調

査することで,発生し得る電界強度を算出することができる。発生源の出力が分からない場合,当該場所

で実際の電界強度を測定してもよい。

様々な場所で操作する装置に適用する試験レベルを選択する場合には,次の指針を用いてもよい。

箇条 に規定するレベルに関連し,対応するレベルを選択するに当たって,一般的と考えられる指針を

次に示す。

−  クラス 1:低レベル電磁放射環境。1 km 以上離れている地方ラジオ及びテレビ局によって,又は低出

力送受信機によって代表されるレベルである。

−  クラス 2:中位の電磁放射環境。低出力携帯形トランシーバ(通常,定格 1 W 以下)を使用する場合で

あるが,装置の近傍での使用には制限がある。典型的な商用環境である。

−  クラス 3:厳しい電磁放射環境。携帯形トランシーバ(定格 2 W 以上)を,1 m 以上離れて,装置の比

較的近くで使用する場合である。装置に近接して高出力の放送用送信機があり,かつ,ISM

装置が近くにあることもある。典型的な工業環境である。

−  クラス 4:携帯形トランシーバを EUT の 1 m 未満で使用する場合である。又は 1 m 未満の距離で使用

する場合に EUT に重大な障害を与える他の無線発生源も該当する。

−  クラス X:X はオープンレベルで,協議の上,製品規格又は装置仕様に規定する。

E.3

  デジタル無線電話からの RF 電磁界放射に対する保護に関係する試験レベル 

試験レベルは,無線電話機の出力及び放射アンテナと EUT との間の距離などを考え,予想される電磁界


35

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

に従って選択することが望ましい。通常,移動局は,基地局より潜在的に感受性の高い装置に近い場所に

置かれる傾向にあるため,基地局より厳しい要求になる。

適用する試験レベルを選択するときには,要求されるイミュニティ及び誤動作の結果を確かめるための

コストに留意する必要がある。より高いレベルは,誤動作による影響が大きい場合にだけ選択することが

望ましい。

確率は低いが,選択した試験レベルよりも高いレベルの電磁界にさらされることもある。そのような場

合に許容できない誤動作を避けるために,より高いレベルでの二次試験を実施し,性能低下の見極めが必

要な場合がある(そのときの性能低下は,容認する。

表 E.1 は,試験レベル,性能評価基準,関連する保護距離の例を示している。保護距離とは,規定した

試験レベルで試験を行うとき,許容できるデジタル無線電話との最小距離である。この距離は,式(E.1)で,

k=7 を使用し,試験が正弦波による 80 %の AM 変調で行われると仮定して,計算できる。

表 E.1−試験レベル,それに関係する保護距離及び示唆される性能評価基準の例 

保護距離

性能評価基準

a)

試験

レベル

電界強度

V/m

最大電界強度

(RMS 値)

V/m

2 W GSM

m

8 W GSM

m

1/4 W

DECT

m

例 1

b)

例 2

c)

1 1  1.8 5.5

11 1.9 −

2 3  5.4 1.8

3.7 0.6

箇条 9 a)

参照

3 10

18  0.6

1.1

∼0.2

d)

箇条 9 b)

参照

箇条 9 a)

参照

4 30

54

∼0.2

d)

 0.4  ∼0.1

d)

箇条 9 b)

参照

a)

  箇条 に従う。

b)

  誤動作の結果が問題にならない装置。

c)

  誤動作の結果が問題になる装置。

d)

  これ以下の距離では,式(E.1)に示す遠方界の方程式は正確ではない。

表 E.1 をまとめるときには,次の項目を考慮した。

− GSM においては,今日市場に出ているほとんどの端末はクラス 4 である(最大 ERP は,2W)

。実際

に動作中の携帯端末の大多数は,クラス 3 及びクラス 2(最大 ERP は,それぞれ 5W 及び 8W)であ

る。GSM 端末の ERP は,難受信地域を除いて,多くの場合,最大値より低い。

−  屋内での受信可能範囲は,屋外よりも悪い。すなわち,屋内での ERP は,しばしばクラスの最大値を

超える場合がある。このことは,被害を受けるほとんどの装置が屋内に集中するので,EMC の観点か

ら見ると最悪の場合である。

附属書 に記載しているように,装置の個々のイミュニティレベルは,変調波の最大 RMS 値と良い

相関がある。この理由によって,保護距離を計算するために,式(E.1)では,搬送波電界の代わりに最

大 RMS 値の電界を用いている。

−  安全動作のために見積る最小距離(保護距離ともいう。

)は,式(E.1)を用いて k=7 として計算してお

り,壁,床及び天井からの反射による±6 dB 程度の電界強度の統計的な変動を考慮していない。

−  式(E.1)に関連する保護距離は,デジタル無線電話の実効放射電力に依存し,それの動作周波数には依

存しない。


36

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

E.4

  固定送信機に対する特別な措置 

この附属書の情報によって得られる試験レベルは,定義された設置場所の一般的な値を示したものであ

り,通常の環境では,これを超えることは極めて少ない。例えば,レーダ施設,高出力送信機又は同一建

物内にある ISM 装置の近傍では,試験レベルを超える場合がある。このような場合,全ての装置について

そのようなレベルに耐力をもたせるよりも,部屋又は建物を遮蔽し,装置に接続する信号線及び電源線に

フィルタを入れることが望ましい。


37

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 F

(参考)

試験方法の選択

この規格及び JIS C 61000-4-6 は,放射電磁エネルギーに対する電気装置及び電子装置のイミュニティに

ついて二つの試験方法を規定している。

一般に,低い周波数においては伝導試験が有効であり,高い周波数については放射試験が有効である。

いずれの規格の試験方法でも,有効な周波数範囲がある。JIS C 61000-4-6 で規定する試験方法は,最高

230 MHz まで用いることができる。この規格で規定する試験方法は,最低 26 MHz まで用いることができ

る。この附属書の目的は,製品規格作成委員会及び製造業者に,EUT の設計及び形式に基づいて,再現性

を確立するための,最も適切な試験方法を選定するときの指針を提供することにある。

次について考慮することが望ましい。

− EUT の機械的寸法に相当する放射電磁界の波長。

− EUT のきょう体及び配線の相対的な寸法。

− EUT を構成する配線及びきょう体の数。


38

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 G 
(参考)

無線通信方式の説明

EMC に関連する無線システムのパラメータ一覧を,表 G.1,表 G.2 及び表 G.3 に示す。

これらの表に用いる略語及び定義を次に示す。

− CDMA(Code Division Multiple Access,符号分割多元接続)  送信は,擬似ランダム符号を用いて信

号をエンコードし,受信は,その擬似ランダム符号を用いて受信した信号をデコードすることによっ

て多重化する方式。異なる通信チャネルには,それぞれ異なるランダム符号を対応させる。

− CT-2(Cordless Telephone,second generation,第二世代コードレス電話)  欧州の数か国で普及してい

るコードレス電話方式。

− DCS

1800(Digital Cellular System 1800,デジタルセルラシステム 1800)  全世界で使用しているセル

ラ移動通信方式。

− DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications,デジタル拡張コードレス通信)  コードレスの

セルラ通信システム,欧州で広く使用。

− DTX(Discontinuous Transmission,断続的な送信)  省電力にするために,送信情報がないときバース

ト繰返し周波数は極端に低くなる。

− ERP(Effective Radiated Power,実効放射電力)  半波長ダイポールを基準とする実効放射電力。

− FDD(Frequency Division Duplex,周波数分割複信)  送信及び受信チャネルに,異なる周波数を割り

当てる多重化方式。

− FDMA(Frequency Division Multiple Access,周波数分割多元接続)  それぞれのチャネルに,別個の

周波数帯域を割り当てる多重化方式。

− FHSS(Frequency Hopping Spread Spectrum)  短時間で周波数を切り替えて通信を行うスペクトラム拡

散方式。

− GSM(Global System for Mobile Communications)  全世界で使用しているセルラ移動通信方式。

− HIPERLAN(High performance radio local area network)  高性能無線ローカルエリアネットワーク

(LAN)

− IMT-2000(International Mobile Telecommunication 2000)  送信データ量及び速度に応じて,使用者が,

高画質のカラービデオイメージを受信可能な第 3 世代のセルラ電話技術。

− NADC(North American Digital Cellular)  北米で広く使われているデジタルのセルラ移動通信方式。

D-AMPS としても知られている。

− PDC(Personal Digital Cellular System)  日本で広く用いられているセルラ移動通信方式。

− PHS(Personal Handy Phone System)  日本で広く用いられているコードレスの電話方式。

− RFID(Radio Frequency Identification)  無線機能を利用した識別方式。自動製品識別,追跡,アラー

ムシステム,社員識別,アクセスコントロール,近接センサなどに利用される。

− RTTT(Road Traffic & Transport Telematics,道路交通及び輸送通信)  道路通行料金徴収システム。

− TDMA(Time Division Multiple Access,時分割多元接続)  3.25 参照。

− TDD(Time Division Duplex,時分割複信)  送信及び受信チャネルに,別々のタイムスロットを割り

当てる多重化方式。


39

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

表 G.1−移動及び携帯端末のパラメータ一覧 

システム名

パラ

メータ

GSM DCS

1800

DECT CT-2  PDC  PHS NADC

IMT-2000

TDD

IMT-2000

FDD

送信

周波数

MHz

890∼915 1

710∼

1 784

1 880∼

1 960

864∼868

940∼956

及び

1 429∼

1 453

1 895∼

1 918

825∼845 1

900∼

1 920

1 920∼

1 980

多元

接続法

TDMA TDMA TDMA

TDD

FDMA

TDD

TDMA TDMA

TDD

TDMA CDMA

TDMA

TDD

CDMA

FDMA

FDD

バースト

繰返し

周波数

217 Hz

217 Hz

100 Hz

500 Hz

50 Hz

200 Hz

50 Hz

連続

連続

デューティ

サイクル

1:8 1:8

1:12,

1:24

又は 1:48

1:12 1:3 1:8 1:3 連続

連続

最大 ERP 0.8

W,

2 W, 
5 W,

8 W 又は

20 W

0.25 W,

1 W

又は 4 W

0.25 W

10 mW

未満

0.8 W

又は 2 W

10 mW

6 W 未満

0.25 W

0.25 W

副次的な

変調

2 Hz

(DTX)

及び

0.16 Hz

∼8.3 Hz

(多重フ
レーム)

2 Hz

(DTX)

及び

0.16 Hz

∼8.3 Hz

(多重フ
レーム)

なし

なし

なし

なし

なし

なし

なし

主な使用

地域

全世界

全世界

欧州

欧州

日本

日本

米国

欧州

欧州

及び日本


40

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

表 G.2−無線基地局のパラメータ一覧 

システム名

パラ

メータ

GSM DCS

1800

DECT CT-2  PDC  PHS NADC

IMT-2000

TDD

IMT-2000

FDD

送信

周波数

MHz

935∼960 1

805∼

1 880

1 880∼

1 960

864∼868

810∼826

及び

1 477∼

1 501

1 895∼

1 918

870∼890 1

900∼

1 920

2 110∼

2 170

多元

接続法

TDMA TDMA TDMA

TDD

FDMA

TDD

TDMA TDMA

TDD

TDMA CDMA

TDMA

TDD

CDMA

FDMA

FDD

バースト

繰返し

周波数

217 Hz

217 Hz

100 Hz

500 Hz

50 Hz

200 Hz

50 Hz

連続

連続

デューティ

サイクル

1:8∼8:8 1:8∼8:8 1:2

1:2 1:3∼3:3

1:8 1:3∼3:3

連続

連続

最大 ERP 2.5

W∼

320 W

0.25 W∼

200 W

0.25 W

0.25 W

1 W∼

96 W

10 mW∼

500 mW

500 W

20 W

20 W

副次的な

変調

2 Hz

(DTX)

及び

0.16 Hz

∼8.3 Hz

(多重フ
レーム)

2 Hz

(DTX)

及び

0.16 Hz

∼8.3 Hz

(多重フ
レーム)

なし

なし

なし

なし

なし

なし

なし

主な使用

地域

全世界

全世界

欧州

欧州

日本

日本

米国

欧州

欧州

及び日本

表 G.3−他の RF デバイスのパラメータ一覧 

システム名

パラメータ

RFID RTTT

広帯域データ送信システム及び HIPERLAN

非特定短距離

通信装置

送信周波数

MHz

2 446∼2 454

5 795∼5 815

2 400∼2 483.5

5 150∼5 350

5 470∼5 725

2 400∼2 483.5

5 725∼5 875

変調方法 500

mW 以上

の場合は

FHSS

a)

なし FHSS なし

なし

なし

最大 ERP 500

mW 又は

4 W

2 W 又は 8 W

100 mW,か

つ,スペクト
ル電力密度制

限による。

200 mW

1 W

10 mW 又は 25

mW

デューティ

サイクル

最大 ERP が

4 W のとき

200 ms 周期内

の 15 %未満。

制限なし

制限なし

制限なし

制限なし

制限なし

チャネル間隔

なし 5

MHz 又は

10 MHz

なし

なし

なし

なし

主な使用地域

全世界

全世界

全世界

全世界

全世界

全世界

a)

  FHSS (Frequency Hopping Spread Spectrum)  :短時間で周波数を切り替えて通信を行うスペクトラム拡散方式


41

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 H 
(規定)

1 GHz

を超える周波数での代替照射法(独立ウィンドウ法)

H.1

  序文 

周波数 1 GHz を超える周波数帯域で独立ウィンドウ法を用いる試験(例えば,携帯電話周波数帯)の場

合は,試験距離 1 m を適用する。この場合,電界均一性の確認も 1 m の距離で評価する。

注記 1  試験距離を 3 m とし,ビーム幅の狭いアンテナ又はフェライトを張った電波無響室を用いて

周波数 1 GHz 以上の試験を行う場合,1.5 m×1.5 m の UFA 領域全体を満足することは難しい

ことがある。

1 GHz を超える周波数における代替照射法では,校正領域を適切な 0.5 m×0.5 m のウィンドウに分割す

る。これによって,EUT の面を含む全ての領域を網羅することができる[

図 H.1 a)  及び図 H.1 b)  参照]。

電界均一性は,それぞれのウィンドウ(

図 H.2 参照)について,次に示す手順で個別に確認する。電磁界

発生アンテナは,校正領域から 1 m 離して設置する。

注記 2  ケーブルの長さ及びその配置は,このような高い周波数(1 GHz 以上)ではあまり影響がな

いので,EUT の面を含む領域が,校正領域の大きさを決定する要素となる。

H.2

  電界の校正 

それぞれのウィンドウに対し,次の手順を行う。

a)

電界プローブを,ウィンドウの四つの測定点の一つに設置する。

b)

得られる電界強度が 3 V/m∼10 V/m の範囲内となるように,全周波数範囲にわたって,測定開始周波

数(次ステップ以降は,前の周波数)の 1 %の周波数ステップで進行波電力を電磁界発生アンテナに

印加し,両方の値(電力及び電界強度)を記録する。

c)

同じ進行波電力で,残りの三つの測定点の電界強度を測定し,記録する。四つの全ての測定点の電界

強度は,0 dB∼6 dB の範囲内になければならない。

d)

基準として,最小電界強度の場所を求める(これは,0 dB∼+6 dB の要求への適合を保証する。

e)

進行波電力及び電界強度が分かった場合,求める試験電界強度を得るのに必要な進行波電力が計算で

きる(例えば,ある測定点で 80 W が 9 V/m を与えるとき,3 V/m を得るには 8.9 W が必要である。

これを記録する。

f)

a)

から e)  の手順を,水平及び垂直偏波について繰り返す。

試験を行うときには,電界均一性の確認に用いたアンテナ及びケーブルを用いる。したがって,ケーブ

ル損失及び電磁界発生アンテナのアンテナ係数は,考慮する必要はない。

電磁界発生アンテナ及びケーブルの位置は,可能な限り正確に記録する。ごく僅かな位置のずれが電界

に大きく影響するので,同一の位置で試験を行う。

試験中は,どの周波数においても,e)  で決定した進行波電力を,電磁界発生アンテナに印加する。規定

するウィンドウに電磁波を順番に照射するため,電磁界発生アンテナの位置を変えて,試験を繰り返す(

H.1

及び

図 H.2 参照)。


42

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

0, 5 m

0, 5 m

0,5 m

0,8 m

電波無響室の床

ウィンドウ 7

0,5 m

0,5 m

0,5 m

ウィンドウ 1

ウィンドウ 3

ウィンドウ 4 ウィンドウ 5 ウィンドウ 6

ウィンドウ 8 ウィンドウ 9

ウィン ドウ 2

ウィンドウの概念

1.  校正領域を,0.5 m×0.5 m のウィンドウに分割する。 
2.  校正は,実際の EUT 及びケーブルを含む全てのウィンドウについて行う必要がある。 

(この例では,ウィンドウ 1∼3 及び 5 を校正及び試験に用いる。

a)

  卓上形装置の場合 

EUT

0,5 m

0,5 m

0,5 m

0,5 m

0,5 m

0,5 m

0,8 m

電波無響室の床

ウィンドウ 7

ウィンドウ 1

ウィンドウ 3

ウィンドウ 4  ウィンドウ 5 ウィンドウ 6

ウィンドウ 8 ウィンドウ 9

ウィンドウ 2

ウィンドウの概念

1.  校正領域を,0.5 m×0.5 m のウィンドウに分割する。 
2.  校正は,実際の EUT 及びケーブルを含む全てのウィンドウについて行う必要がある。 

(この例では,ウィンドウ 1∼9 全てを校正及び試験に用いる。

b)

  床置形装置の場合 

図 H.1−校正領域を 0.5 m×0.5 m ウィンドウに分割した例 


43

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

1.05 m

1.0 m

0.8 m

0.8 m

1.0 m

1.05 m

図 H.2−連続するウィンドウへの照射例 


44

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 I

(参考)

電界プローブの校正方法

I.1

  概要 

この規格では,広帯域周波数領域及び大きいダイナミックレスポンスをもつ電界プローブを,UFA 校正

の手順に用いる。一方,電界プローブ校正方法の品質は,放射イミュニティ試験の不確かさに直接影響を

与える。

通常,この規格で規定する UFA 校正を実施するときには,電界プローブは比較的低い電界強度(例えば

1 V/m∼30 V/m)で使用する。したがって,この規格で用いる電界プローブの校正では,対象とした周波

数及びダイナミックレンジを考慮しなければならない。

一般に,電界プローブを異なる校正機関で校正する場合,校正結果は違いを示すことがある。したがっ

て,電界プローブ校正のための環境及び方法を規定する必要がある。この附属書は,電界プローブの校正

に関する情報を提供する。

数百メガヘルツから数ギガヘルツまでの周波数においては,電界プローブの校正を実施するために最も

標準的に利用される手法として,電波無響室内において標準ゲインホーンアンテナを使用した標準電界を

作る方法がある。しかし,電界プローブ校正に利用する電波無響室の試験環境を確認する方法は整備され

ていないため,

報告された測定不確かさが実際の値を超えたり,

校正機関における違いが出たりしている。

通常,TEM 導波管を用いて行う 80 MHz から数百メガヘルツまでの電界プローブ校正は,一般的に再現

性が良いことが確認されている。

この附属書は,電波無響室内における標準ゲインホーンアンテナを用いた包括的な電界プローブ校正に

関する改善手順を示す。

I.2

  電界プローブ校正要求事項 

I.2.1

  一般 

UFA 校正手順に用いることを意図した電界プローブの校正は,I.2.3I.2.4 の必要事項を満たす。

I.2.2

  校正周波数レンジ 

周波数帯域は通常 80 MHz∼6 GHz を包含しなければならないが,試験に使用する周波数帯域が限定され

ている場合,その周波数帯域に制限してもよい。

I.2.3

  周波数ステップ 

異なる校正機関の間で試験結果を比較することができるよう,校正のために固定した周波数を使う必要

がある。

80 MHz∼1 GHz の場合,電界プローブの校正は,次の周波数で実施する。(80 MHz を除き,50 MHz の

ステップ幅)

80,100,150,200,…,950,1 000 MHz

1 GHz∼6 GHz の場合,電界プローブの校正は,次の周波数で実施する。(200 MHz のステップ幅)

1 000,1 200,1 400,…,5 800,6 000 MHz

注記 1

GHz において 2 回校正することを意図していない。

I.2.4

  電界強度 


45

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

電界プローブ校正に使用する電界強度は,イミュニティ試験で利用する電界強度に基づくことが望まし

い。電界均一校正には,EUT に適用する電界強度の少なくとも 1.8 倍の強度を適用するため,電界プロー

ブ校正は試験電界強度の 2 倍で実行することを推奨する(

表 I.1 参照)。電界プローブを異なる電界レベル

で使う場合,電界プローブのリニアリティに従って,複数の電界レベルで校正しなければならない。少な

くとも最小及び最大の電界レベルで校正する(I.3.2 参照)

校正は,変調なしの CW 信号を使用して実行する。

注記  複数の電界レベルでの校正によって,電力増幅器の 1 dB 圧縮要求事項も満足する。

表 I.1−校正電界強度レベル 

校正レベル

校正電界強度

V/m

1 2 
2 6 
3 20 
4 60

Y

特殊

注記  Y はオープン校正レベルであり,レベル 1∼4 以外の

高い又は低いレベルを使用することがある。このレ
ベルは,電界プローブの仕様書又は試験機関が指定

する場合がある。

I.3

  校正測定器の要求事項 

I.3.1

  高調波及びスプリアス信号 

電力増幅器からのいかなる高調波又はスプリアス信号も,搬送周波数の 20 dB 未満とする。これは,校

正及びリニアリティ確認の間の全ての電界強度レベルに要求する。電力増幅器の高調波成分は,通常より

高い電力レベルで悪化するので,高調波測定は最も高い電界強度校正だけで実施してもよい。高調波測定

は減衰器を経由した電力増幅器出力,又は方向性結合器を経由して,校正したスペクトラムアナライザを

使用して実施できる。

注記 1  アンテナは高調波成分に更なる影響を与える可能性があり,別に確認が必要な場合がある。

校正機関は,増幅器からの高調波及び/又はスプリアス信号が全ての測定セットアップの必要条件を満

たすことを確認するために,測定を実施する。これは,スペクトラムアナライザを方向性結合器のポート

3 に接続する(パワーメータをスペクトラムアナライザ入力と交換する。図 I.2 参照)ことによって実施で

きることがある。

注記 2  電力レベルがスペクトラムアナライザの最大許容入力電力を上回らないことを保証すること

が望ましい。そのために,減衰器を利用することがある。

周波数範囲は,少なくとも意図した周波数の第 3 次高調波を包含しなければならない。妥当性検査測定

は,最も高い意図された電界強度を生成する電力レベルで実行する。

高調波抑制フィルタは,電力増幅器のスペクトル純度を改善するために用いることがある(

附属書 

照)

I.3.2

  電界プローブのリニアリティ確認 

I.4.2.4

によって無響室検証手順のために使う電界プローブのリニアリティは,要求するダイナミックレ

ンジの,理想的な線形応答から±0.5 dB 以内とする(

図 I.1 参照)。電界プローブに,複数の範囲又は利得


46

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

設定があるならば,リニアリティは全ての意図された設定範囲で確かめる。

一般に電界プローブのリニアリティは,周波数によって著しく変化しない。リニアリティの確認は,実

際に使用する周波数範囲の中心付近のスポット周波数で,かつ,電界プローブ応答対周波数が比較的平ら

であるところで実行できる。選択されたスポット周波数は,校正証明書に記載する。

電界プローブのリニアリティを測定する電界強度は,無響室の検証の間,十分に小さいステップ幅(例

えば 1 dB)で±6 dB の電界強度の範囲を測定することが望ましい。

表 I.2 は,20 V/m における電界強度確認の例である。

表 I.2−電界強度レベル 20 V/m の適用例 

信号レベル

校正電界強度

dB V/m

−6.0 13.2

−5.0 14.4

−4.0 14.8

−3.0 15.2

−2.0 16.3

−1.0 18.0

0 20.0

1.0 22.2 
2.0 24.7 
3.0 27.4 
4.0 30.5 
5.0 34.0 
6.0 38.0

1,0

10,0

100,0

–6,0

–4,0

–2,0

0,0

2,0

4,0 6,0

信号レベル(dB)

校正電磁

界強

 (

V/

m

ノンリニアリティカーブ

図 I.1−電界プローブのリニアリティの例 


47

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

I.3.3

  標準ゲインホーンアンテナの利得の決定 

標準ゲインホーンアンテナの遠方界利得は,極めて正確に測定できる(I.6 の[1]では,不確かさ 0.1 dB

未満が報告されている。

。遠方界利得は,一般的に,8  D

2

/

λ より大きな距離に有効である(がホーンの

口径の面積よりも大きく,かつ,λ が波長の場合)

。このような距離での電界プローブの校正は,大きな電

波無響室及び大電力増幅器が必要であるため,実用的ではない場合がある。電界プローブは,一般的に,

送信アンテナの近傍界領域で校正する。標準ゲインホーンアンテナの標準的な利得の近傍界の利得は,I.6

の[2]に示すような式を用いて決定する。利得は,標準的なピラミッド形ホーンの物理的寸法に基づき,か

つ,ホーン開口で位相分布を仮定することによって計算する。この方法で決定する利得は,無響室の VSWR

試験及びその後の電界プローブ校正に用いるのは適さない。

方程式(I.6 の[2]に示すような)は,開口調整を用いて,フィールドの事象が開口間の二次位相分布を

もつが,TE10 モードのホーンの開口では反射が発生しないと仮定することによって導出された。統合時に

近い形の結果を得るために,近似を用いる場合がある。ホーンの端からの多重反射などのその他の影響,

及び開口での高次モードは,考慮していない。周波数及びホーンの設計によって,誤差は一般的に±0.5 dB

程度となるが,より大きくなることもある。

よりよい精度のために,全波積分を用いた数値計算法を使用できる。例えば,数値計算法で計算した利

得での不確かさは,5 %未満に低減できる(I.6 の[3]参照)

標準ゲインホーンアンテナの利得は,実験的に決定することもできる。例えば,利得は,I.6 の[4]で説

明しているような外挿法による距離を減少した 3 アンテナ法,又はこれから派生した幾つかの方法で決定

できる。

校正中の標準ゲインホーンアンテナと供試電界プローブとの間の距離は,0.5  D

2

/

λ 以上とすることが望

ましい。利得を決定するときの大きな不確かさは,より近い距離に起因することがある。アンテナと電界

プローブとの間の定在波も,より近い距離で大きくなることがある。それは,再び校正において大きな測

定不確かさとなる。

I.4

  電波無響室での電界プローブ校正 

I.4.1

  校正環境 

電界プローブ校正は,全電波無響室,又は I.4.2 の事項を満足する基準グラウンド面上に吸収体をもつ半

電波無響室で行うことが望ましい。

全電波無響室を用いる場合,電界プローブ校正を行うための最小の全電波無響室内部の作業空間は,奥

行 5 m,幅 3 m,高さ 3 m が望ましい。

注記 1  数百メガヘルツを超える周波数の場合,電波無響室内部の標準電界を作るための標準ゲイン

ホーンアンテナの使用は,この規格での電界プローブ校正のために最も広く用いる方法の一

つである。80 MHz から数百メガヘルツのようにより低い周波数では,電波無響室の使用は,

実用的ではない場合がある。そのため,電界プローブは,電界に対するイミュニティ試験に

も用いるほかの施設で校正する場合がある。そのため,この附属書では,これらのより低い

周波数に対して,代替校正環境として TEM 導波管などを含む。

電界プローブ校正に用いるシステム及び環境は,

I.4.2.1

I.4.2.7 の要求事項を満足しなければならない。

注記 2  代わりに,電界は,トランスファプローブを用いて作ることができる(I.5.4 参照)。

I.4.2

  電界プローブ校正のための電波無響室の検証 

電界プローブ校正の測定は,自由空間環境と仮定する。試験電界プローブを用いる無響室の VSWR 試験


48

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

は,引き続いて実施する電界プローブ又はセンサ校正が許容できるかどうかを決定するために行う。この

検証方法によって,無響室及び吸収体の性能が明らかになる。

それぞれの電界プローブは,例えば蓄電池ケース及び/又は回路基板のように,一定の体積及び物理的

寸法をもつ。ほかの校正手順では,球状のクワイエットゾーンは,校正容積で保証する。この附属書の特

定の記載事項は,アンテナビーム軸にある試験点に対する VSWR 試験に適用する。

試験のための固定ジグ及びその影響(電磁界を放射して校正を妨害する可能性がある電界プローブを保

持するための固定ジグなど)は,完全には評価できない。固定ジグの影響を評価するためには,個別の試

験が必要である。

I.4.2.1

  方向性結合器を用いた送信装置の正味電力測定 

送信装置に供給した正味電力は,4 ポートの双方向性結合器,又は背面に接続された二つの 3 ポートの

単一方向性結合器(いわゆる二重方向性結合器)で測定できる。送信機器への正味電力を測定するために,

双方向性結合器を用いる共通セットアップを,

図 I.2 に示す。

ポート 3

ポート 4

ポート 1

ポート 2

パワーメータ

PM1

PM2

アンテナ

信号源

進行波

入力

出力

反射波

図 I.2−送信機器への正味電力を測定するための双方向性結合器 

整合した負荷及び整合した信号源を,各ポートに接続した場合,順結合 C

fwd

,逆結合 C

rev

及び伝送結合

C

trans

は,次の式によって表す。

1

3

fwd

P

P

C

=

2

4

rev

P

P

C

=

1

2

trans

P

P

C

=

ここに,  P

1

P

2

P

3

P

4

: 方向性結合器の各々のポートの電力。

送信機器に供給する正味電力 P

net

は,次の式で表す。

rev

2

PM

1

PM

fwd

trans

net

C

P

P

C

C

P

=

ここに,

P

PM1

P

PM2

リニアスケールでの電力計の読み値。


49

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

アンテナの VSWR が既知の場合,単一の 3 ポート結合器を使用できる。例えば,アンテナが 1.5 の VSWR

をもつ場合,電圧反射係数 0.2 と等価となる。

精度は,結合器の方向性の影響を受ける。方向性は,順信号と逆信号とを分離する結合器の能力の指標

である。よく整合した送信機器の場合,逆電力は,順電力よりもかなり大きくなる。このため,方向性の

影響は,反射率の適用よりも重要性が低い。例えば,送信アンテナが 1.5 の VSWR をもち,かつ,結合器

が 20 dB の方向性をもつ場合,有限の方向性による正味電力の絶対最大不確かさは,U 字分布によって 0.22

dB から 0.18 dB を減じて 0.04 dB となる(0.22 dB は,1.5 の VSWR による明確な入射電力の損失である。)。

送信装置に供給する正味電力は,次の式で表す。

)

1

(

2

RC

1

PM

fwd

net

V

P

C

P

=

ここに,

V

RC

ポート

2

に接続しているアンテナの電圧係数

I.4.2.2

  標準ゲインホーンアンテナを用いた標準電界の生成 

標準ゲインホーンアンテナの利得は,I.3.3 に記載する方法によって決定する。軸上の電界

E

(単位:

V/m

は,次の式で決定する。

d

g

P

η

E

1

π

4

net

0

×

=

ここに,

η

0

377 Ω(自由空間)

P

net

I.4.2.1

に記載する方法によって決定する正味電力(W)

g: I.3.3 によって決定するアンテナの絶対利得

d: アンテナ開口部からの距離(m)

I.4.2.3

  無響室検証試験の周波数範囲及び周波数ステップ 

無響室の VSWR 試験は,想定する電界プローブの校正周波数範囲に適用し,かつ,I.2.3 に示すのと同

じ周波数ステップを用いる。

VSWR 試験は,それぞれのアンテナの動作周波数の下限及び上限の無響室で行う。例えば,フェライト

のような狭帯域吸収体を用いる場合,より多くの周波数点を測定する必要が生じるときがある。そのよう

な無響室は,VSWR 判定に適合する周波数範囲だけ電界プローブ校正に用いることが望ましい。

I.4.2.4

  無響室検証手順 

電界プローブ校正に用いる無響室は,次の手順で検証する。ただし,無響室の物理的条件で使用するこ

とができない場合を除く。このような場合,I.4.2.7 の代替方法を適用できる。

電界プローブは,

図 I.3 及び図 I.4 に従って,低い誘電率をもつ支持材料(例えば,発泡スチロール)を

用いて測定位置に配置する。

電界プローブは,校正に用いる場所に配置する。標準ゲインホーンアンテナの照準に沿った電界プロー

ブの偏波及び位置は,無響室の VSWR を決定するために変える。送信アンテナは,無響室の VSWR 試験

及び電界プローブ校正の両方について同じ物を用いる。

標準ゲインホーンアンテナ及び無響室内の電界プローブの配置を

図 I.3 に示す。電界プローブ及び標準

ゲインホーンアンテナは,アンテナ正面の表面から電界プローブ中心までの離隔距離 をもつ同じ水平軸

に設定する。

いずれの場合も,電界プローブは,標準ゲインホーンアンテナの正面中心軸上に配置する。


50

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

= 1 m

± 0.005 m

電界プローブ

発泡スチロール

h

>0.

8 m

送信アンテナ

(標準ゲインホーンアンテナ)

  L 

–10 cm

 L

0 cm

  L

+ 20  cm

図 I.3−無響室検証試験セットアップ 

ΔL

–10 cm

L

0 cm

L

+20 cm

図 I.4−測定位置の詳細 

図 I.3 及び図 I.4 に示すセットアップの L

10 cm

L

20 cm

は,標準ゲインホーンアンテナの開口面から電界

プローブの中央の測定した電界プローブ校正の位置である。L

0 cm

は,基準位置 0 を示している。

その位置は,L

10 cm

L

8 cm

L

6 cm

,…,L

0

L

2 cm

L

4 cm

,…,L

20 cm

,となり,測定間隔

Δ

L=2 cm

である。

電界プローブを標準ゲインホーンアンテナの近傍(距離<2D

2

/λは標準ゲインホーンアンテナの開口

面の長辺寸法,λ は自由空間での波長)に設置した場合は,標準ゲインホーンアンテナの利得は一定では

ないことがあるため,それぞれの位置で利得の決定が必要な場合がある。

1 m の距離で特定の電界強度(例えば,20 V/m)を生成するための一定の電力は,全ての電界プローブ

位置に適用する。最初に,標準ゲインホーンアンテナ及び電界プローブをいずれも垂直偏波として,全て

の周波数の全ての位置の電界プローブの読み値を記録する。次に,標準ゲインホーンアンテナ及び電界プ

ローブを水平偏波として測定を繰り返す。

全ての測定値は,I.4.2.5 の事項を満足しなければならない。

I.4.2.5

  VSWR 許容基準 

VSWR 測定結果は,次の手順に従って比較する。電界強度の計算方法は,I.4.2.2 を参照する。

a) 

電界強度の計算  離隔距離 90 cm∼120 cm(L

10 cm

L

20 cm

)の間での空間領域の電界強度は,それぞ

れの周波数で 2 cm 間隔(

Δ

L)で計算する。

この計算は,検証に用いる離隔距離 1 m の位置 L

0 cm

の電界強度を基準としている。


51

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

b) 

データ補正  VSWR 測定に用いる電界プローブは校正済みとは限らず,測定値と計算した電界強度と

が同じにならないことがあるため,測定値を次の手順で補正する。

−  離隔距離 1 m における電界プローブの電界強度の測定値を,

離隔距離 1 m での計算値に置き換える。

電界プローブの測定値と計算値との偏差を補正値 として,90 cm∼120 cm の全てのデータに適用

する。

例えば,離隔距離 1 m での測定値 V

mv

(例えば,21 V/m)及び計算値 V

cv

(例えば,20 V/m)の比

較では,補正値 は,V

cv

V

mv

=−1 V/m となる。

−  補正値 を,90 cm∼120 cm のそれぞれの測定値に加える。

−  全ての周波数の全ての測定値に対し,同様の計算を適用する。上記の例の場合 k=−1 V/m を全ての

電界プローブ測定値に加算する。

測定値の補正例を

図 I.5 に示す。

図 I.5−測定値の補正例 

c) 

測定値と計算値との比較  全ての測定値に対する計算値との差が,1 点でも±0.5 dB の範囲を超えた

場合は,その無響室は,電界プローブ校正に使用してはならない。

注記 0.5

dB の許容基準は,測定不確かさバジェットに従って決定した。この値は,国家校正機関

を含む,電界プローブの校正に適切な,既存の複数の電波無響室で検証された結果である。

これは,不確かさの一つの要因である。

電界プローブは,バッテリ又は回路基板を収納した金属箱又は支柱をもっていることがある。これらの

プローブは,特定の距離及び周波数において,反射による誤差を生じることがある。これらの電界プロー

ブを使う場合は,例えば,電界プローブを回転させるか,方向を変えることで反射の影響を最小にする。

I.4.2.6

  電界プローブ固定ジグの検証 

電界プローブ固定ジグは,電界プローブ校正時に電磁界の反射の原因となることがある。したがって,

校正結果に与える固定ジグの影響を事前に確認する。

次に記載する手順は,使用する全ての新しい電界プローブ固定ジグに対して行う。

a)

比誘電率 1.2 未満かつ誘電正接 0.005 未満の材質でできた基準台に,電界プローブを設置する。電界プ

ローブの位置は,校正の設定と同一とする。基準固定ジグは可能な限り小さいほうが望ましい。その

他のいかなる支持構造体も,電磁波に対してできるだけ影響を与えず,かつ,影響を受けない物質と

し,電界プローブから 50 cm 以上離す。支持構造体を電界プローブの前(アンテナと電界プローブと

の間)又は背後に置かないことが望ましい。

b)

校正位置において,電界プローブのダイナミックレンジの範囲内にある基準電界を発生させる。


52

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

c)

全ての校正周波数点に対する電界プローブ指示値を記録する。全ての校正配置に対して,必要に応じ

て電界プローブの回転又は再配置を行い,手順 a)  及び b)  を繰り返す。3 軸等方性電界プローブでは,

各軸を別々に配置して,測定することが必要な場合がある。各方向における電界プローブ指示値を記

録する。

d)

基準固定ジグを取り除き,同じ位置に検証する校正用固定ジグに置き換える。手順 b)  及び c)  を繰り

返す。

e)

手順 c)  及び d)  による結果を比較する。同一の電界プローブ配置及び向きに対する二つの固定ジグの

測定値の差は,±0.5 dB 未満とする。

I.4.2.7

  電波無響室における代替検証手順 

この代替検証手順は,I.4.2.4 の検証手順が適用できない場合に使用する。

検証用の電界プローブは,実際の電界プローブ校正に使用する位置に設置する。電波無響室の VSWR を

決定するために,標準ゲインホーンアンテナの軸上に沿った位置及び偏波を変化させる。標準ゲインホー

ンアンテナは,無響室の VSWR 試験及び電界プローブ校正の双方で同一でなければならない。

1 m

電界プローブ

発泡スチ

ロール

送信ホーンアンテナ

(標準ゲインホーンアンテナ)

任意の

位置

図 I.6−アンテナ及び電界プローブの試験配置の例 

1 m (L

0 cm

)

電界プローブ

標準ゲイン

ホーンアンテナ

Δ

L

 

1 m (

–30 cm

)

–30 cm

L

0 cm

L

+30 cm

図 I.7−電波無響室における検証試験配置 

配置を

図 I.6 及び図 I.7 に示す。電界プローブ校正における距離,すなわち標準ゲインホーンアンテナの

開口面から電界プローブの中心までの離隔距離は,固定距離 1 m を保たなければならない。

測定に対する影響を避けるために,

電界プローブ固定ジグに低誘電率の材料を使用することが望ましい。

電界プローブ校正に使用するための固定ジグは,別々に評価しなければならない(I.4.2.6 参照)

電界プローブの位置は,L

30 cm

L

25 cm

L

20 cm

,…,L

0

L

5 cm

L

10 cm

,…,L

30 cm

で,測定間隔

Δ

L


53

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

は 5 cm とする。

一定の電界強度,例えば 20 V/m を全ての位置で発生させる。発生させた電界強度は電界プローブのダ

イナミックレンジの範囲内とする。最初に,標準ゲインホーンアンテナ及び電界プローブ双方を垂直偏波

として,全ての周波数において電界プローブ指示値を記録する。次に,標準ゲインホーンアンテナ及び電

界プローブを水平偏波にして,試験を繰り返す。

各周波数で,26 個の独立した電界プローブ指示値(13 位置×2 偏波)が存在する。各周波数で,測定値

の最大偏差は±0.5 dB 未満とする。

電波無響室の代替検証結果の例を

図 I.8 に示す。

+ 0,5 dB

0 dB

– 0,5 dB

1

1,5

2

2,5

3

3,5

4

4,5

5

5,5

周波数 (GHz)

–30 cm

から L

+30 cm

までの

位置データ

図 I.8−電波無響室の代替検証結果の例 

I.4.3

  電界プローブ校正手順 

最新の電界プローブの多くは,リニア応答になるように,内部に校正係数をもっている。校正機関は,

電界プローブの応答特性が理想的な値から±0.5 dB となるように,校正中に電界プローブ係数を調整する

ことがある。このような調整を行う場合,校正機関は,調整前及び調整後の双方の応答特性を記録するこ

とが望ましい。

リニアリティの確認過程を被校正電界プローブに適用することが望ましい。校正システムのリニアリテ

ィの影響については,I.3.2 を参照。

注記  電界プローブを調整できない場合には,電界均一性校正を実行するとき,いかなるノンリニア

リティも使用者が補償することが望ましい。

電界プローブ校正を行うときは,I.4 の要求事項を満足する測定システム及び環境を用いる。

I.4.3.1

  校正のためのセットアップ 

I.4.2.6

に従って完全に検証していない固定ジグは,大きい測定不確かさを生じる可能性がある。したが

って,I.4.2.6 によって検証した電界プローブ固定ジグを使用する。

電界プローブの校正は,電界プローブの配置・方向に関する使用者の仕様又は電界プローブ製造業者の

仕様に従うことが望ましい。この配置・方向は,等方性による影響を最小限とするために試験機関でも使

用する。電界プローブの配置・方向をデータシートに明記していない場合,電界プローブの“通常使用”

と考えられる配置・方向,又は電界プローブを使用する試験機関が推奨した配置・方向に従って校正を行

うことが望ましい。いずれの場合も,校正報告書に校正を行った電界プローブの配置・方向を記載する。

までの


54

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

校正セットアップの例を,

図 I.9 及び図 I.10 に示す。

1 m

± 0,005 m

標準ゲインホー

ンアンテナ

電界プローブ

検証試験

配置と同じ

図 I.9−電界プローブ校正配置(側面図) 

1 m

± 0,005 m

標準ゲインホーン

アンテナ

電界プローブ

図 I.10−電界プローブ校正配置(平面図) 

I.4.3.2

  校正報告書 

I.4.3.1

を考慮して取得した測定結果は,校正報告書として報告する。

この校正報告書には,少なくとも次の事項を記載する。

a)

校正環境

b)

電界プローブ製造業者

c)

形式名称

d)

製造番号

e)

校正日

f)

温度及び湿度

g)

校正データの詳細

−  周波数

−  適用した電界強度(V/m)

−  電界プローブの読み値(測定値)

(V/m)

−  電界プローブの配置・方向

h)

測定不確かさ

注記  I.6 の[2]には,電界プローブ校正測定不確かさのためのガイダンスの記載がある。


55

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

I.5

  電界プローブの代替校正環境及び方法 

この箇条は,代替校正試験場所の環境要求事項,例えば,低周波数領域における校正に必要な条件を示

す。

校正は,この規格で規定する試験環境とは異なる環境で実施される。イミュニティを試験する装置と対

照的に,電界プローブは概して小さく,通常,導電線を備えていない。

I.5.1

  TEM セルを用いた電界プローブ校正 

方形の TEM セルは,電界プローブ校正のための標準電磁界を作るために使う。TEM セルを利用できる

上限周波数は,JIS C 61000-4-20 で規定した方法で決定できる。TEM セルの上限周波数は,通常は数百

MHz  である。TEM セルにおける隔壁(セプタム)と上部板との間,又は隔壁(セプタム)と下部板との

間の中心の電界強度は,次の式で計算する。

h

P

E

net

0

Z

=

ここに,

E: 電界強度(V/m)

Z

0

TEM セルの特性インピーダンス(通常,50 Ω)

P

net

I.4.2.1

に従って決定する正味電力(W)

h: 隔壁(セプタム)と上部板,又は隔壁(セプタム)と下部板

との間隔(m)

TEM セルの VSWR は,測定不確かさを最小にするために,例えば,1.3 以下にすることが望ましい。

P

net

測定の代替方法として,低い VSWR 値をもつ校正された減衰器,及びパワーメータを,TEM セルの

出力端子に接続して測定してもよい。

I.5.2

  導波管室(waveguide chamber)を用いた電界プローブ校正 

E

b

a

図 I.11−導波管室の断面図 

校正機関は,導波管室が支配的な TE10 モードで機能することを確実としなければならない。より高い

次数モードを発生させる周波数を避けなければならない。導波管製造業者は,通常支配的なモードだけが

存在することができる周波数範囲を指定する。これはまた,導波管の寸法から決定することができる。一

般的な寸法の電界プローブを導波管室で校正する場合は,約 300 MHz∼1 000 MHz に限定される。

a

 (m)×b (m)(ab)の内部寸法をもった導波管室の支配的な TE10 モードのカットオフ周波数を,次の

式で示す。

( )

με

a

f

2

1

10

c

=


56

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

ここに,

(f

c

)

10

TE10 モードのカットオフ周波数(MHz)

μ: 導波管中間の透磁率

空気充塡導波管では,μμ

0

=400 π nH/m

ε: 導波管中間の誘電率

空気充塡導波管では,εε

0

=8.854 pF/m

空気充塡導波管のカットオフ周波数を,次の式で示す。

( )

a

f

150

10

c

=

導波管中央の電界

RMS

値を,次の式で示す。

( )

[

]

2

10

c

net

0

/

1

2

f

f

ab

P

η

E

=

ここに,

f

操作周波数(

MHz

η

0

空気充塡導波管の場合,

377 Ω

P

net

導波管に伝送された正味電力(

W

I.4.2.1

で示した方法によって決定する。

導波管室の内側の電磁場が

TEM

波でない点に注意する。電磁場は導波管(側壁でゼロに先細りになる

正弦波の分布によって)の中心で最も大きい。電界プローブは,電磁界分布が他の場所より均一で比較的

変化が少ない導波管中心で校正することを推奨する。

他のモードに関するカットオフ周波数の計算方法を含む導波管に関する更に多くの情報は,I.6 

[5]

参照する。

I.5.3

  切放し導波管を用いた電界プローブ校正 

切放し導波管の近傍界利得の理論的及び経験的解が I.6 

[6]

に示されている。切放し導波管の近傍界利

得の単純な理論的解決策はないため,切放し導波管の近傍界利得は,全波数値法か,又は I.6 

[4]

に記載

されている測定法によって求めることが望ましい。

切放し導波管の近傍界利得が決定できたとき,校正は,I.4.3 に記載した手順に従う。

I.5.4

  利得伝搬法による電界プローブの校正 

トランスファプローブを使用して,電界発生デバイスの中の標準電界を生成することができる。トラン

スファプローブの応答は,理論計算(ダイポールなどのプローブの場合)で求めるか,又は I.5.1 若しくは

I.5.2

に示す方法で校正して求めることができる。

GHz TEM

セルなどの実用標準デバイスの変換係数は,

トランスファプローブから求めることができる。実用標準デバイスの中の電界分布は,トランスファプロ

ーブで実測することが望ましい。すなわち,電界分布は,試験容積内の電界均一性を評価するために必要

な数の点を測定しなければならない。実用標準デバイスの変換係数が分かり,実用標準デバイスがリニア

リティを示す性能をもっている場合,電界プローブ校正を他の電力レベルで実施することができる。校正

する電界プローブは,トランスファプローブと同じ場所に置く。

次の条件を満たす場合,トランスファ法は正確である。

セットアップが,トランスファ手順と校正手順で変わらない。

測定中の電界プローブ位置を再現できる。

伝送電力が,同じ状態を維持する。


57

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

試験対象の電界プローブが,構造(サイズ及び要素設計)においてトランスファプローブに類似して

いる。

電界プローブと読出し装置などとを接続するケーブルが電界を乱さず,かつ,誘導しない。

実用標準デバイスは,大部分が無響である。

この方法の詳細については,I.6 

[7]

及び

[8]

を参照。

I.6

  参考文献 

[1] STUBENRAUCH

 C.

 NEWELL

 C. A. C.

 REPJAR

 A. C. A.

 MacREYNOLDS

 K.

 TAMURA

D. T.

 LARSON

 F. H.

 LEMANCZYK

 J.

 BEHE

 R.

 PORTIER

 G.

 ZEHREN

 J. C.

HOLLMANN

 H.

 HUNTER

 J. D.

 GENTLE

 D. G.

 and De VREEDE

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 October 1996

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No. 10.

[2] IEEE

1309

  Calibration of Electromagnetic Field Sensors and Probes

 Excluding Antennas

  from 9 kHz to

40 GHz.

[3] KANDA

  M. and KAWALKO

  S.    Near-zone gain of 500 MHz to 2.6 GHz rectangular standard pyramidal

horns. IEEE Trans. On EMC

 1999

 Vol. 41

 No. 2.

[4] NEWELL

 Allen C.

 BAIRD

  Ramon C. and Wacker

  Paul F.    Accurate measurement of antenna gain and

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 July

1973

 Vol. AP-21

 No. 4.

[5] BALANIS

  C. A.. Advanced Engineering Electromagnetics. John Wiley & Sons

 Inc.

 1989

 pp 363-375.

[6] WU

  Doris I. and KANDA

  Motohisa.    Comparison of theoretical and experimental data for the near field of

an open-ended rectangular waveguide. IEEE Trans. On Electromagnetic Compatibility

 November 1989

 Vol.

31

 No. 4.

[7] GLIMM

 J.

 MÜNTER

 K.

 PAPE

 R.

 SCHRADER

  T. and SPITZER

  M. The New National

Standard of EM Field Strength; Realisation and Dissemination. 12th Int. Symposium on EMC

 Zurich

Switzerland

 February 18-20

 1997

 ISBN 3-9521199-1-1

 pp. 611-613.

[8] GARN

 H.

 BUCHMAYR

 M.

 and MULLNER

  W.    Precise calibration of electric field sensors for

radiated-susceptibility testing. Frequenz 53 (1999) 9-10

 Page 190-194.


58

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

附属書 J

(参考)

試験装置による測定不確かさ

J.1

  一般 

この附属書は,本体に規定する試験方法の特定の必要性に従って,試験レベル設定の測定不確かさ(

MU

に関する情報を与える。更なる情報は J.4 

[1]

及び

[2]

を参照。

この附属書は,レベル設定を基にして,不確かさのバジェットをどのようにして作るかの例を示す。変

調周波数・変調度・増幅器によって作られる高調波のような,妨害量の他の要因は,試験所によっては,

適切な方法で考慮が必要な場合がある。この附属書に示す方法は,妨害量の全ての要因に適用可能である

とみなす。

電磁界の均一性に対する不確かさを含む試験所の影響については,現在検討中である。

J.2

  レベル設定のための不確かさのバジェット 

J.2.1

  測定量の定義 

測定量は,6.2.1 及び 6.2.2 に従って選択した

UFA

の測定点における,

EUT

を設置しない場合の仮想試験

電界強度である。

J.2.2

  測定量の MU への寄与 

図 J.1 の要因図は,レベル設定への影響の例である。この要因図は,校正及び試験手順の両方に適用す

るが,全ての要因を網羅していないと理解するのがよい。要因図からの最も重要な寄与を,不確かさのバ

ジェット例として

表 J.1 及び表 J.2 に示す。異なる試験場所又は試験所の比較可能なバジェットを得るた

めに,少なくとも

表 J.1 及び表 J.2 に記載した寄与成分を不確かさの計算に用いる。

MU

の計算において,

試験所によっては,特定の環境の下で追加の寄与成分を追加してもよいことに注意する。

電界プローブ

の校正

ソフトウェア
設定許容範囲

アンテナ位置

及び吸収体配置

電力増幅器の電力圧縮

試験中のアンテナから

EUT への距離

周波数  
補間エラー

動く対象によって生ずる

電磁界の妨害 
(例:カメラ)

リニア
リティ

異方性

パワーメータ

電力増幅器の 
長・短時間安定性  

信号発生器の 
安定性及びドリフト

アンテナと電力増幅器 
との不整合

レベル設定の 
不確かさ

パワーメータと方向性
結合器との不整合

図 J.1−レベル設定への影響の例 

J.2.3

  拡張不確かさのための計算例 

校正での寄与成分と試験での寄与成分とは,異なることがある。この結果,各々の手順に対して,異な


59

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

る不確かさのバジェットが必要になる。

この規格では,試験室内の電界は,

EUT

に対する試験の前に校正する。試験のセットアップによっては,

幾つかの寄与成分が

MU

を計算するときの要因とならないことがある。例えば,電力増幅器の出力電力が

レベル制御によって補償される場合,校正と試験との間でセットアップが変化しない(例えば,アンテナ

と電力増幅器との間の不整合)場合などがある。

電界プローブ及び電力モニタは,校正時に利用するが,実際の試験では利用しない場合があるため,電

力増幅器の出力電力のレベル制御には含まれない。したがって,測定精度又はリニアリティよりも,むし

ろ繰返し再現性が重要である。これらの寄与成分は,

MU

を評価するときに考慮する。

レベル設定のための不確かさバジェットの例を,

表 J.1 及び表 J.2 に示す。不確かさのバジェットは,校

正の不確かさ及び試験の不確かさの二つの部分から成る。

表 J.1−校正手順における不確かさバジェットの例 

記号

不確かさの要因 Xi

U(x

i

)  単位

分布

除数

u(x

i

)

単位

c

i

 

u

i

(y)

単位

u

i

(y)

2

F

P

  電界プローブの校正 1.7 dB  正規 k=2  2  0.85

dB  1 0.85 dB 0.72

P

Mc

  校正時のパワーメータ 0.3  dB  一様(方形) 1.73

0.17

dB  1 0.17 dB 0.03

P

Ac

校正時の電力増幅器の
短時間利得変動

0.2 dB 一様(方形) 1.73

0.12

dB  1 0.12 dB 0.01

S

Wc

校正時のソフトウェア
設定許容範囲

0.6 dB 一様(方形) 1.73

0.35

dB  1 0.35 dB 0.12

( )

2

y

u

i

0.88

( )

2

y

u

i

0.94

拡張不確かさ  U(y) (CAL) k=2

1.88

dB

表 J.2−レベル設定における不確かさバジェットの例 

記号

不確かさの要因 Xi

U(x

i

)  単位

分布

除数

u(x

i

)

単位

c

i

 

u

i

(y)

単位

u

i

(y)

2

C

AL

  校正(表 J.1) 1.88

dB

正規  k=2 2.00

0.94

dB  1 0.94 dB 0.89

A

L

アンテナの位置及び

吸収体の配置の変動

0.38 dB

k=1

1  0.38

dB  1 0.38 dB 0.14

P

Mt

a)

  試験時のパワーメータ 0.3  dB  一様(方形) 1.73

0.17

dB  1 0.17 dB 0.03

P

At

電力増幅器の 
短時間利得変動

0.2 dB 一様(方形) 1.73

0.12

dB  1 0.12 dB 0.01

S

Wt

校正時のソフトウェア
設定許容範囲

0.6 dB 一様(方形) 1.73

0.35

dB  1 0.35 dB 0.12

S

G

  信号発生器の安定性 0.13 dB 一様(方形) 1.73

0.08

dB  1 0.08 dB 0.01

( )

2

y

u

i

1.20

( )

2

y

u

i

1.10

拡張不確かさ  U(y) (CAL) k=2

2.19

dB

a)

  パワーメータを基に信号発生器の出力レベル調整を行わない場合は,表の要素から P

Mt

を削除する。

この場合は,電力増幅器及び信号発生器の安定性及びドリフトを考慮しなければならないが,この例

では,電力増幅器は,電力増幅器出力調整の一部分であることから,不確かさのバジェットの要因と
していない。したがって,この場合は,パワーメータの寄与成分を考慮することで十分である。


60

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

J.2.4

  記号に関する説明 

X

i

:影響量

x

i

X

i

の見積もり量

u(x

i

)

x

i

の標準不確かさ

c

i

:感度係数

y

:有意な系統的影響のために修正した測定量の見積もり

u

i

(y)

y

の標準測定不確かさ

U(y)

:拡張測定不確かさ

F

P

:校正の不確かさ,電界プローブの不平衡(異方性)

,電界プローブの周波数特性及び温度感受性の組

合せ。通常,この値は電界プローブの校正証明書から得られる。

P

Mc

:センサを含むパワーメータの不確かさ。製造業者の仕様(一様分布)又は校正証明書(正規分布)

から得られる。校正及び試験で同じパワーメータを使う場合は,パワーメータの再現性及びリニ

アリティに要因を限定できる。

表 J.1 及び表 J.2 は,この条件の例を適用している。

P

Ac

:校正時の電力増幅器が安定状態に達した後の,利得の短時間変化による不確かさ。

S

Wc

:校正過程時にレベルを設定する信号発生器及びソフトウェアの調整許容範囲の離散的な刻み幅(分

解能)に起因する不確かさ。通常,試験所は,ソフトウェアの調整許容範囲を調整できる。

C

AL

:校正手順(

表 J.1)に関する拡張不確かさ。

A

L

:アンテナ及び電波吸収体の除去及び置換えに起因する不確かさ。ISO/IEC Guide 98-3 では,アンテ

ナ位置変化及び電波吸収体の配置は,タイプ

A

として分類され,それらの不確かさは一連の測定の

統計分析によって評価できる。通常,タイプ

A

は測定装置の不確かさの要因ではない。ただし,こ

れらの要因は,測定装置に対して重要性が高く関係が深いため考慮している。

P

Mt

:センサを含むパワーメータの不確かさ。製造業者の仕様(一様分布)又は校正証明書(正規分布)

から得られる。校正及び試験で同じパワーメータを使う場合は,パワーメータの再現性及びリニア

リティに要因を限定することができる。

表 J.1 及び表 J.2 は,この条件の例を適用している。

試験中にパワーメータを用いた電力増幅器出力の調節をしない測定セットアップを使う場合は,

この要因は省略できる。この場合,信号発生器及び電力増幅器の不確かさを見直す必要がある。

P

At

:試験時の電力増幅器が安定状態に達した後の,利得の短時間変化による不確かさ。

S

Wt

:試験中にレベルを設定する信号発生器及びソフトウェアの調整許容範囲の離散的な刻み幅(分解能)

に起因する不確かさ。通常,試験所は,ソフトウェアの調整許容範囲を調整できる。

S

G

:信号発生器の信号発生中のドリフト。

J.3

  応用 

計算による拡張不確かさは,例えば,製品規格の要求事項,又は試験所認定のために利用することがあ

る。この計算結果は,試験実施中に

EUT

に適用する試験レベルを調節するために使うことを意図していな

い。

J.4

  参考文献 

[1]  IEC TC77 document 77/349/INF

  General information on measurement uncertainty of test instrumentation for

conducted and radiated r.f. immunity tests

[2] UKAS

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  The Expression of Uncertainty and Confidence in Measurement

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61

C 61000-4-3

:2012 (IEC 61000-4-3:2010)

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[3]

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Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM:1995)