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C 61000-3-2

:2011

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  一般事項

6

5

  機器の分類 

6

6

  一般要求事項 

7

6.1

  制御方法 

7

6.2

  高調波電流測定

7

6.3

  ラック又はケース収納機器 

9

6.3A

  表示

9

7

  高調波電流限度値

9

7.1

  クラス の機器に対する限度値

10

7.2

  クラス の機器に対する限度値 

11

7.3

  クラス の機器に対する限度値

11

7.4

  クラス の機器に対する限度値

12

附属書 A(規定)測定回路及び測定用電源 

15

附属書 B(規定)測定器の要求仕様 

19

附属書 C(規定)形式試験の条件 

20

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

27


C 61000-3-2

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気学会

(IEEJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 61000-3-2:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61000

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

61000-3-2

  第 3-2 部:限度値−高調波電流発生限度値(1 相当たりの入力電流が 20 A 以下の機

器)

JIS

C

61000-4-2

  第 4 部:試験及び測定技術−第 2 節:静電気放電イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-3

  第 4-3 部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-4

  第 4-4 部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バーストイミュニテ

ィ試験

JIS

C

61000-4-5

  第 4-5 部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験

JIS

C

61000-4-6

  第 4-6 部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイ

ミュニティ

JIS

C

61000-4-7

  第 4-7 部:試験及び測定技術−電力供給システム及びこれに接続する機器のための高

調波及び次数間高調波の測定方法及び計装に関する指針

JIS

C

61000-4-8

  第 4 部:試験及び測定技術−第 8 節:電源周波数磁界イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-11

  第 4-11 部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイ

ミュニティ試験

JIS

C

61000-4-14

  第 4 部:試験及び測定技術−第 14 節:電圧変動イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-16

  第 4 部:試験及び測定技術−第 16 節:直流から 150 kHz までの伝導コモンモード

妨害に対するイミュニティ試験

JIS

C

61000-4-17

  第 4 部:試験及び測定技術−第 17 節:直流入力電源端子におけるリプルに対する

イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-20

  第 4-20 部:試験及び測定技術−TEM(横方向電磁界)導波管のエミッション及び

イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-34

  第 4-34 部:試験及び測定技術−1 相当たりの入力電流が 16 A を超える電気機器の

電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験

JIS

C

61000-6-1

  第 6-1 部:共通規格−住宅,商業及び軽工業環境におけるイミュニティ

JIS

C

61000-6-2

  第 6-2 部:共通規格−工業環境におけるイミュニティ


日本工業規格

JIS

 C

61000-3-2

:2011

電磁両立性−第 3-2 部:限度値−

高調波電流発生限度値

(1 相当たりの入力電流が 20 A 以下の機器)

Electromagnetic compatibility

(EMC)-Part 3-2: Limits-

Limits for harmonic current emissions

(equipment input current  ≦ 20 A per phase)

序文 

この規格は,2005 年に第 3 版として発行された IEC 61000-3-2,Amendment 1(2008)及び Amendment 2

(2009)を基とし,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補(amendment)に

ついては,編集し,一体とした。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,商用電源系統に流入する高調波電流の制限について規定する。この規格は,規定の試験条

件で,供試機器が発生する入力電流に含まれる高調波成分の限度値を規定する。高調波成分の測定は,

属書 及び附属書 に基づいて行う。この規格に基づいた試験は,形式試験とする。特定の個別機器に対

する試験条件は,

附属書 に規定する。

この規格は,電圧 300 V 以下の商用電源系統に接続して用いる定格電流 20 A/相以下の電気・電子機器

(家電・汎用品)

(以下,機器という。

)に適用する。ただし,この範囲外であっても,これを準用するこ

とを妨げない。

専門家用機器ではないアーク溶接装置は,この規格の適用範囲に含む。

JIS C 9300-1

で規定する専門家用のアーク溶接装置は,この規格の適用範囲外とする。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61000-3-2:2005

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 3-2: Limits−Limits for harmonic

current emissions (equipment input current ≤ 16 A per phase), Amendment 1: 2008 及び

Amendment 2: 2009(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの


2

C 61000-3-2

:2011

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 6101-1

  テレビジョン受信機試験方法    第 1 部:一般的事項−高周波テレビジョン信号及び映像

周波数における電気的測定

注記  対応国際規格:IEC 60107-1,Methods of measurement on receivers for television broadcast

transmissions− Part 1: General considerations− Measurements at radio and video frequencies

(MOD)

JIS C 7603

  蛍光ランプ用グロースタータ

注記 1

対応国際規格:IEC 60155,Glow-starters for fluorescent lamps(MOD)

注記 2

IEC 60155

に対応する JIS は,JIS C 7619(蛍光ランプ用グロースタータ−一般及び安全性

要求事項)及び JIS C 7622(蛍光ランプ用グロースタータ−性能規定)の 2 点に分割して

制定されているが,この 2 点を統合した製品規格として,JIS C 7603 がある。

JIS C 8105-3

  照明器具−第 3 部:性能要求事項通則

JIS C 8112

  蛍光灯卓上スタンド(勉学・読書用)

JIS C 9300-1

  アーク溶接装置−第 1 部:アーク溶接電源

注記  対応国際規格:IEC 60974-1,Arc welding equipment−Part 1: Welding power sources(MOD)

JIS C 9335-2-2

  家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第 2-2 部:真空掃除機及び吸水式掃除機

の個別要求事項

JIS C 9335-2-14

  家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第 2-14 部:ちゅう房機器の個別要求事

注記  対応国際規格:IEC 60335-2-14,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-14:

Particular requirements for kitchen machines(MOD)

JIS C 60050-161

  EMC に関する IEV 用語

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60050-161 , International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161:

Electromagnetic compatibility  (IDT)

JIS C 61000-4-7

  電磁両立性−第 4-7 部:試験及び測定技術−電力供給システム及びこれに接続する

機器のための高調波及び次数間高調波の測定方法及び計装に関する指針

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-7,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-7: Testing and

measurement techniques − General guide on harmonics and interharmonics measurements and

instrumentation, for power supply systems and equipment connected thereto(IDT)

JIS X 6933

  情報技術−事務機械−テストチャートによるカラー複写機の画像再現性能評価方法

IEC 60268-1:1985

  Sound system equipment. Part 1: General

IEC 60268-3

  Sound system equipment−Part 3: Amplifiers

ITU-R BT.471-1

  Nomenclature and description of colour bar signals

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60050-161 によるほか,次による。

3.1 

手持ち形電動工具(portable tool)

通常は手持ちで用い,短時間(数分)だけ用いる電動工具。


3

C 61000-3-2

:2011

3.2 

ランプ(lamp) 

光を生じる源。

3.3 

安定器内蔵形ランプ(self-ballasted lamp)

口金をもち,光源並びに光源を始動及び安定に点灯するための付加的な要素を内蔵した,破壊しなけれ

ば分解することができないユニット。電球形蛍光ランプ及び安定器内蔵 HID ランプが相当する。

3.3A 

電球形 LED ランプ 

口金をもち,LED 光源並びに光源を安定に点灯するための付加的な要素を内蔵した,破壊しなければ分

解することができないユニット。

3.4 

照明器具(luminaire)

一つ又は複数のランプからの光を分配,透過又は伝達する装置(ランプを除く。

。ランプ,並びに必要

な場合,補助回路及びそれらを電源に接続するための機構を支持,固定及び保護するために必要な全ての

部品を含む。

3.5 

  (規定なし) 

3.6 

安定器(ballast)

電源と,一つ又は複数の放電ランプとの間に挿入し,ランプの電流を指定した値に制限することを主機

能とする装置。電源電圧の変圧及び/又は周波数変換,力率改善,並びに安定器自体又は始動装置との組

合せのいずれかによるランプ始動のために必要な条件を得る機構を含んでもよい。

3.7 

照明機器用電子トランス(step-down converter for lighting equipment)

電源と,一つ又は複数のハロゲン電球又は白熱電球との間に挿入し,一般的には高周波の定格電圧を電

球に供給するユニット。ユニットは,一つ以上の分離した部品で構成してもよい。調光機能,力率改善機

構及び妨害波抑制機能を含んでもよい。

3.8 

  (規定なし) 

3.9 

試験用ランプ(reference lamp)

安定器を試験するために選ばれたランプ。試験用安定器と組み合わせたとき,該当するランプ規格に指

定した公称値に近い電気特性をもつ。

3.10 

試験用安定器(reference ballast)

供試用安定器との比較の基準及び試験用ランプの選択のために設計した特別な誘導形安定器。電流,温

度及び磁気環境の変動に対し,比較的影響を受けない安定した電圧−電流特性をもつ。

3.11 

入力電流(input current)

機器又は機器の一部に供給する電流。


4

C 61000-3-2

:2011

3.12 

回路力率(circuit power factor)

測定した有効入力電力の,電源電圧(実効値)と入力電流(実効値)との積に対する比。

3.13 

有効電力(active power)

瞬時電力の 1 周期における平均値。

注記  有効入力電力は,供試機器の電源入力端子で測定した有効電力である。

3.14 

平衡三相機器(balanced three-phase equipment) 

各相の定格電流の差が 20 %以下の機器。

3.15 

専門家用機器(professional equipment)

一般に広く用いることを意図していない商業用,専門家用又は産業用機器。この選定は,製造業者が指

定する。

3.16  

総合高調波 

3.16.1 

総合高調波電流,THC(total harmonic current) 

第 2 次から第 40 次の高調波電流成分の総実効値。

THC

=

40

2

2

n

n

I

3.16.2 

総合高調波ひずみ率,THD(total harmonic distortion) 

各次高調波成分(第 2 次から第 40 次の高調波電流成分)の基本波成分に対する実効値の比の合成値。

THD

=

⎟⎟

⎜⎜

40

2

2

1

n

n

I

I

3.17 

器具内用調光器(built-in dimmer)

使用者が操作する部分を含めて,全てを照明機器の外郭に内蔵した調光器。

3.18 

部分奇数次高調波電流(partial odd harmonic current) 

第 21 次から第 39 次のうち,奇数次の高調波電流成分の総実効値。

部分奇数次高調波電流:

=

39

23

,

21

2

n

n

I

3.19 

照明機器(lighting equipment)

基本機能が,白熱電球,放電ランプ又は LED による放射光を発生,調整及び/又は分配する機器。

次の機器を含む。


5

C 61000-3-2

:2011

・  ランプ及び照明器具

・  基本機能の一つが照明である多機能機器の照明部分

・  放電ランプ用独立形安定器及び独立形白熱電球用変圧器

・  紫外線及び赤外線応用機器

・  広告用の電飾サイン

・  白熱電球用以外の調光器

次の機器は,含まない。

・  複写機,オーバヘッド投射機若しくはスライド投射機のようにほかの基本機能をもつ機器に内蔵する

か,又は目盛用若しくは表示目的の照明

・  白熱電球用調光器

3.20 

待機モード(stand-by mode)

ある一定期間持続する,動作しない低電力消費のモード(通常は何らかの方法で機器に示してある。

3.20A 

商用電源系統 

電気事業者が所有する電力系統,及びそれと電気的に接続してある需要家配線(コンセントを含む。

3.20B 

家庭用照明器具 

主として住宅に使用し,差込プラグ,引掛シーリングローゼットなどによって電源との接続が容易にで

きる照明器具。ただし,JIS C 8105-3 の 1.(適用範囲)の

備考 2.によるもの,防水形照明器具及び移動灯

器具は除く(移動灯器具のうち,フロアスタンド及び JIS C 8112 による蛍光灯卓上スタンドは,家庭用照

明器具に含む。

3.20C 

ステップ調整式掃除機 

段階的に点弧角を変化させて消費電力を調整する方式の掃除機。

3.21 

繰返し性(repeatability of results of measurements)

同一の供試機器を用いて,同一の試験システム,試験場所及び試験条件で行う高調波電流測定結果の近

似性(IEV 394-40-38 を修正)

3.22 

再現性(reproducibility of results of measurements)

同一の供試機器を用いて,毎回同一になるように設定した測定条件で,異なる試験システムで行う高調

波電流測定結果の近似性(IEV 394-40-39 を修正)

注記  試験システム及び試験条件は,規格における標準的な要求事項を満たしているとみなす。

3.23 

変化性(variability of results of measurements)

同じ形式の異なる供試機器(故意に違いが出る機器は用いない。

)を用いて,毎回同一になるように設定

した測定条件で,異なる試験システムで行う高調波電流測定結果の近似性。

注記 1  試験システム及び試験条件は,規格における標準的な要求事項を満たしているとみなす。

注記 2  この規格におけるこれらの用語の具体的な意味は,次のとおりである。


6

C 61000-3-2

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用語

意味

繰返し性

同一の供試機器,同一の試験システム,同一の試験条件,試験の反復

再現性

同一の供試機器,異なる標準的な試験システム,異なる標準的な試験条件

変化性

同じ形式の異なる供試機器(故意に違いの出る機器は用いない。

,異なる

標準的な試験システム,異なる標準的な試験条件

一般事項 

この規格の目的は,適用範囲に含まれる機器の高調波エミッションに限度値を設定することである。こ

れによって,ほかの機器からのエミッションに対して適切な裕度をもたせ,また,限度値に準拠させるこ

とによって,高調波ひずみレベルが高調波環境目標レベルを超えないことを確実にする。

注記  商用電力系統の高調波環境目標レベルとしては,総合電圧ひずみ率において,6.6 kV 配電系 5 %

及び特高系 3 %が妥当であるとされている[通商産業省(現経済産業省)資源エネルギー庁長

官の私的懇談会“電力利用基盤強化懇談会”の報告書(1987 年 6 月)による。

機器の分類 

高調波電流限度に対して,機器は,次のように分類する。

クラス A 

・  平衡三相機器

・  家庭用電気機器(クラス D に分類される機器を除く。

・  電動工具(手持ち形を除く。

・  白熱電球用調光器

・  音響機器

ほかのクラスに属さない機器は,クラス A に分類する。

注記 1  商用電源系統に重大な影響をもつことが明らかな機器は,この規格の今後の改正で再分類す

ることがある。

考慮する要因には,次が挙げられる。

・  使用中の機器台数

・  使用期間

・  同時使用性

・  電力消費量

・  高調波の周波数範囲(位相を含む。

クラス B 

・  手持ち形電動工具

・  専門家用でないアーク溶接装置

クラス C 

・  照明機器

クラス D6.2.2 で規定する有効入力電力が 600 W 以下である次の機器。

・  パーソナルコンピュータ及びパーソナルコンピュータ用のモニタ

・  テレビジョン受信機

・  インバータで制御する圧縮機を搭載する冷蔵庫


7

C 61000-3-2

:2011

注記 2  クラス D の限度値は,将来,クラス A の注記 に記載した要因によって,商用電源系統に明

白な影響を与えることが明らかな機器に対しても適用できる。

一般要求事項 

完全な適合試験は,6.26.3 及び箇条 による。完全な適合試験において,高調波電流が限度値の 60 %

以下であり,供給電流の

THD

が 15 %未満であることを示した機器を,マイナーチェンジ又はアップデー

トする場合には,簡易試験法を使用できる。簡易試験法は,マイナーチェンジ又はアップデートした機器

が完全な適合試験を行った製品の±20 %以内の入力電力をもつこと,及び供給電流の

THD

が 15 %未満で

あることを検証することからなる。これらの要求事項を満足した製品は,限度値に適合しているとみなす。

ただし,簡易試験法で疑義がある場合は,この簡易試験法ではなく,6.26.3 及び箇条 に従った完全な

適合試験の結果を優先する。

6.1 

制御方法 

(対応国際規格の規定を不採用とした。

6.2 

高調波電流測定 

6.2.1 

試験構成 

一部のタイプの機器に関連する高調波電流を測定するための特定試験条件は,

附属書 に規定する。

附属書 に規定していない機器については,通常の動作条件で,最大の

THC

を発生すると想定できる

モードに設定した手動操作設定又は自動プログラムで,エミッション試験を行う。この試験条件は,試験

中の機器のセットアップを規定しており,

THC

を測定したり,又は最悪の状況の発生量を調査したりする

ための要求事項を規定していない。

箇条 で規定する高調波電流の限度値は,線電流に適用し,中性線の電流には適用しない。

機器は,製造業者が提供するとおりに,かつ,製造業者が提供する情報に従って試験する。通常の使用

に対応した試験結果が得られるように,製造業者は,試験を行う前にあらかじめ電動機を駆動してもよい。

6.2.2 

測定方法 

試験は,6.2.3 に規定する一般要求事項に従って行う。試験期間は,6.2.4 による。

高調波電流の測定は,次による。

・  各次高調波について,

附属書 で規定するように,離散形フーリエ変換(DFT)の各タイムウィンド

ウで時定数 1.5 秒の一次ローパスフィルタで平滑した実効値(以下,1.5 秒平滑実効値という。

)高調

波電流を測定する。

・  6.2.4 に規定する観測期間全体にわたって,DFT タイムウィンドウからの測定値の算術平均を求める。

限度値の算出に用いる入力電力値は,次の手順によって決定する。

・  各 DFT タイムウィンドウの時定数 1.5 秒の一次ローパスフィルタで平滑した有効入力電力を測定す

る。

・  試験の全期間にわたる DFT タイムウィンドウからの電力測定値の最大値を求める。

注記  附属書 で規定するように,測定器の平滑部に供給する有効入力電力は,各 DFT タイムウィン

ドウの有効入力電力とする。

高調波電流及び有効入力電力は同じ試験条件で測定するが,同時に測定する必要はない。

限度値の決定において疑義を生じる,限度値の急な変化点となる電力値を用いないために,製造業者は,

実測値の±10 %以内の値を指定してもよく,かつ,この値を用いて製造業者の適合性評価試験の限度値を

決めてもよい。この箇条で規定する電力測定値及び指定値を試験報告に記録する。


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C 61000-3-2

:2011

この箇条で規定する要求事項に従って測定し,製造業者の適合性評価試験以外のエミッション試験中の

測定によって判明した電力値が,製造業者が試験報告(6.2.3.5 参照)に記録した電力値の 90 %∼110 %の

場合には,指定した電力値を用いて限度値を確定する。測定値がこの許容幅を外れる場合には,測定した

電力値を用いて限度値を確定する。

クラス C の機器については,製造業者が指定する基本波電流及び力率を用いて,限度値を算出する(3.12

参照)

。電流の基本波成分及び力率は,クラス D の限度値を算出する場合における電力の測定及び規定と

同じ方法で製造業者が測定し,指定する。力率を得るために用いる値は,電流の基本波成分の値と同じ DFT

タイムウィンドウから得られる。

6.2.3 

一般要求事項 

6.2.3.1 

繰返し性 

繰返し性(3.21 参照)は,次の条件を満たす場合,観測期間全体を通して高調波電流の平均値が限度値

の±5 %の範囲内でなければならない。

・  同一の供試機器(同形式の別の機器は不可)

・  同一の試験条件

・  同一の試験システム

・  気候条件が関係する場合は,同一の気候条件

注記  この繰返し性の要求事項の目的は,必要な試験観測期間(6.2.4 参照)を規定することであり,

規格の要求事項に対する適合性評価のための合否基準を規定することではない。

6.2.3.2 

再現性 

異なる試験システムで同一の供試機器を用いた場合の測定の再現性(3.22 参照)を,全ての供試機器,

高調波測定器及び試験器類の全ての組合せに対して算出することはできないが,±(1 %+10 mA)の範囲

内かどうかを評価することはできる。ただし,ここでいう 1 %とは,全試験観測期間を通して測定した入

力電流実効値の平均値の 1 %を意味する。したがって,この値よりも小さい結果の違いは無視できるが,

この値よりも大きくなることもある。

このような試験結果の疑義をなくすために,異なる場所又は状況で得られた全ての関連する限度値を満

足する試験結果は,上記で示した繰返し性及び再現性の値よりも大きい場合でも,適合しているとみなす。

注記  同じ形式の異なる供試機器(故意に違いの出る機器は用いない。)を用いた場合の変化性(3.23

参照)は,実際の構成要素の許容差及びその他の影響,例えば,供試機器の特性と測定器又は

供給電源との相互作用によって増大することもある。これらによる影響については,規格で定

量化することはできない。同様の理由で,再現性についても同じである。この細分箇条の 2 段

落目の規定は,変化性についても適用する。

変化性の許容値に関して規定することを推奨するが,この規格の範囲外である。

6.2.3.3 

始動及び停止 

機器の一部を始動又は停止させる場合は,手動のときも自動のときも,その開閉事象に続く最初の 10

秒間は,高調波電流及び電力は考慮しない。

供試機器は,その観測期間の 10 %を超えて待機モード(3.20 参照)にあってはならない。

6.2.3.4 

限度値の適用 

全試験観測期間にわたって得た個々の高調波電流の平均値は,適用限度値以下でなければならない。

さらに,各次高調波に対して,6.2.2 で規定する全ての 1.5 秒平滑実効値高調波電流は,限度値の 150 %

以下でなければならない。


9

C 61000-3-2

:2011

試験条件で測定した入力電流値の 0.6 %と 5 mA とを比較し,

大きい方の値未満の高調波電流は無視する。

なお,次の a)又は b)の条件を満たす場合は,これらの限度値を適用できる。

a)

次の条件を全て満たす場合は,1.5 秒平滑実効値高調波電流は,限度値の 200 %以下を適用する。

1)

供試機器がクラス A に属する。

2)

適用限度値の 150 %を超える持続期間が,試験観測期間の 10 %,又は合計で 10 分(試験観測期間

以内)のいずれか短い期間未満である。

3)

全試験観測期間にわたって得た高調波電流の平均値が,適用限度値の 90 %未満である。

b)

次の条件を全て満たす場合,第 21 次以上の奇数次高調波に対して,6.2.2 に従って 1.5 秒平滑実効値高

調波電流から算出する,全観測期間にわたった奇数次高調波ごとに得られる平均値は,限度値の 150 %

を適用する。

1)

測定した部分奇数次高調波電流は,限度値から算出できる部分奇数次高調波電流以下である。

2)

全ての 1.5 秒平滑実効値高調波電流が,適用限度値の 150 %以下である。

注記  a)と b)とは,相互に排他的で,同時に使用できない。

6.2.3.5 

試験報告 

試験報告は,試験機関が製造業者から提供された情報に基づいて作成するか,又は製造業者自身の試験

の詳細を記録した文書としてもよい。試験報告には,試験条件,試験観測期間についてあらゆる関連情報

を含まなければならない。また,限度値を確定するために適用可能な場合には,有効電力値,又は基本波

電流及び力率を含まなければならない。

6.2.4 

試験観測期間 

機器の動作タイプを四つに分類する。それらに対応した試験観測期間(

T

obs

表 参照)を考慮する。

6.3 

ラック又はケース収納機器 

必要物を全て備えた独立した品目の機器をラック又はケースに設置する場合,それらは独立して電源に

接続しているとみなしてもよい。ラック又はケースとともに,その全体を試験する必要はない。この場合,

異なるクラスの機器を収納するときは,機器が電源プラグ(商用電源系統に接続する形状のプラグ)をも

たない場合でも,個々の機器について別々に測定し,各クラスの限度値を適用してもよい。

6.3A 

表示 

この規格に適合していることを表示する場合には,

JIS C 61000-3-2 適合品”と取扱説明書などに表示

する。

なお,この規格の適用範囲外の機器にこの規格の限度値を適用した場合は,

JIS C 61000-3-2 準用品”

と表示する。

高調波電流限度値 

限度値の適用及び結果の評価手順を

図 に示す。

次の機器については,この規格では限度値を規定しない。

注記 1  これらの限度値は,将来の規格の改正版で規定することがある。

・  照明機器を除く,有効入力電力が 75 W 以下の機器。

・  全定格電力が 1 kW を超える専門家用機器。

・  定格電力が 200 W 以下の,対称制御した加熱素子。

・  定格電力が 1.7 kW 以下の白熱電球用の独立形調光器。

注記 2  C.5.3 も参照。


10

C 61000-3-2

:2011

表 1,表 1A,表 1B,表 1C 及び表 

V

nom

は,機器の定格電圧を示す。機器の定格電圧を電圧範囲で示

す場合は,用いることが可能な商用電源系統の全ての公称電圧を

V

nom

として各限度値を計算する。

P

は,

6.2.2

で規定する有効入力電力値をワット(W)で表した値とする。

図 1−適合性を決定するための流れ図 

7.1 

クラス の機器に対する限度値 

クラス A の機器の入力電流の高調波は,

表 に示す最大許容高調波電流以下とする。ただし,三相機器

については,

表 1B とする。

 
 
 

JIS C 61000-3-2

適合している。

 
 
 
 

始め: 
クラスの決定(箇条 5

 
 
 

JIS C 61000-3-2

適合している。

 
 
 
 
 

JIS C 61000-3-2

適合していない。

6.2.1

の“共通”試験

条件を適用する。

それらの試験条件を

適用する。

はい

いいえ

いいえ

はい

はい

いいえ

箇条 又は

附属書 におけ

る除外規定に該当するか。

試験条件は C.2 及びそれ
以降で規定しているか。

 
 
 

関連する限度値に
適合しているか。


11

C 61000-3-2

:2011

有効入力電力 600 W を超えるエアコンディショナについては,

表 1A の限度値を適用する。ただし,三

相機器については,

表 1C とする。

7.2 

クラス の機器に対する限度値 

クラス B の機器の入力電流の高調波は,

表 に示す最大許容高調波電流の 1.5 倍の値以下とする。ただ

し,三相機器については,

表 1B に示す最大許容高調波電流の 1.5 倍の値以下とする。

7.3 

クラス の機器に対する限度値 

クラス C の機器に対する限度値は,次による。

a)

有効入力電力が 25 W を超える場合  有効入力電力が 25 W を超える照明機器に対しては,高調波電流

は,

表 で規定する相対的限度値以下とする。

ただし,器具内用調光器又は外郭内に調光器を組み込んで構成する白熱電球照明機器には,

表 

規定する限度値を適用する。

器具内用調光器をもつか,又は独立形調光器若しくは外郭内に組み込んだ調光器によって構成する

白熱電球用以外の照明機器に対しては,次の条件を適用する。ただし,位相制御式の機器(白熱電球

用以外の調光器を含む。

)には,限度値は適用しない。

・  最大負荷条件において,

表 で規定する百分率で表した限度値から導いた高調波電流以下とする。

・  いかなる調光位置においても,高調波電流は,最大負荷条件に許容された電流値以下とする。

・  機器は,C.5 で規定する条件で試験する(C.5.3 の最後の段落参照)

b)

有効入力電力が 25 W 以下の場合  有効入力電力が 25 W 以下の放電灯照明機器は,次のいずれかの要

求事項に適合しなければならない。

・  高調波電流は,

表 の第 2 列に示す電力比例限度値以下とする。

・  基本波入力電流に対する百分率で示す第 3 次及び第 5 次高調波は,それぞれ 86 %及び 61 %以下と

する。また,入力電流の波形は,基本波入力電圧の 0 点を起点とし,60°又はそれより前で電流し

きい値に到達し,65°又はそれより前にそのピーク値をもち,かつ,90°より後ろで電流しきい値

以下にならなければならない。電流しきい値は,測定画面に現れる最大ピーク値の絶対値の 5 %と

する。位相角の測定は,この最大ピーク値を含む周期で行う。

図 参照。

放電灯照明機器が器具内用調光器を備えている場合,全負荷状態だけで測定する。

なお,家庭用照明器具に対しては,この細分箇条における有効入力電力値 25 W を 35 W に置き換えて適

用する。

一つの照明機器に種々のランプ制御装置を組み込み,適用限度値の表が複数にわたる場合は,一般的に

は個々のランプ制御装置ごとに測定し,各々の限度値を適用する。


12

C 61000-3-2

:2011

400

300

200

100

0

–100

–200

–300

–400

V

0.4

0.3

0.2

0.1

0

–0.1

–0.2

–0.3

–0.4

A

≧90°

≦60°

≦65°

≧90°

≦60°

≤65°

+0.05I

p(abs)

–0.05I

p(abs)

I

p+

I

p–

V

A

注記  I

p(abs)

は,I

p

及び I

p

のより大きいほうの絶対値である。

図 27.3 b)の規定に関係する位相角及び電流パラメータの説明図 

7.4 

クラス の機器に対する限度値 

クラス D の機器については,高調波電流及び電力は,6.2.2 で規定するように測定する。入力電流の各次

高調波は,6.2.3 及び 6.2.4 に規定する要求事項において,

表 の値以下とする。

表 1−クラス の機器(単相機器)の限度値 

高調波次数 n

最大許容高調波電流

a)

A

奇数高調波 3

2.30×(230/V

nom

)

 5

1.14×(230/V

nom

)

 7

0.77×(230/V

nom

)

 9

0.40×(230/V

nom

)

 11

0.33×(230/V

nom

)

 13

0.21×(230/V

nom

)

 15≦n≦39 0.15×(15/n)×(230/V

nom

)

偶数高調波 2

1.08×(230/V

nom

)

 4

0.43×(230/V

nom

)

 6

0.30×(230/V

nom

)

8≦n≦40 0.23×(8/n)×(230/V

nom

)

a)

 220

V,230 V 又は 240 V の商用電源系統の場合は,V

nom

=230 V で一定とする。

基本波入力電圧

入力電流


13

C 61000-3-2

:2011

表 1A−有効入力電力 600 W を超えるエアコンディショナ(単相機器)に適用する限度値 

高調波次数 n

最大許容高調波電流

a)

A

奇数高調波 3

[2.30+0.002 83(P−600)]×(230/V

nom

)

 5  [1.14+0.000 70(P−600)]×(230/V

nom

)

 7  [0.77+0.000 83(P−600)]×(230/V

nom

)

 9  [0.40+0.000 33(P−600)]×(230/V

nom

)

 11  [0.33+0.000 25(P−600)]×(230/V

nom

)

 13  [0.21+0.000 22(P−600)]×(230/V

nom

)

 15≦n≦39 [0.15+0.000 20(P−600)]×(15/n)×(230/V

nom

)

偶数高調波 2

[1.08+0.000 33(P−600)]×(230/V

nom

)

 4  [0.43+0.000 17(P−600)]×(230/V

nom

)

 6  [0.30+0.000 12(P−600)]×(230/V

nom

)

8≦n≦40 [0.23+0.000 09(P−600)]×(8/n)×(230/V

nom

)

a)

 220

V,230 V 又は 240 V の商用電源系統の場合は,V

nom

=230 V で一定とする。

表 1B−クラス の機器(三相機器)の限度値 

高調波次数 n

最大許容高調波電流

a)

A

奇数高調波 3

2.30×(400/V

nom

)

 5

1.14×(400/V

nom

)

 7

0.77×(400/V

nom

)

 9

0.40×(400/V

nom

)

 11

0.33×(400/V

nom

)

 13

0.21×(400/V

nom

)

 15≦n≦39 0.15×(15/n)×(400/V

nom

)

偶数高調波 2

1.08×(400/V

nom

)

 4

0.43×(400/V

nom

)

 6

0.30×(400/V

nom

)

8≦n≦40 0.23×(8/n)×(400/V

nom

)

a)

 380

V,400 V 又は 415 V の商用電源系統の場合は,V

nom

=400 V で一定とする。

表 1C−有効入力電力 600 W を超えるエアコンディショナ(三相機器)に適用する限度値 

高調波次数 n

最大許容高調波電流

a)

A

奇数高調波 3

[2.30+0.002 83(P−600)]×(400/V

nom

)

 5  [1.14+0.000 70(P−600)]×(400/V

nom

)

 7  [0.77+0.000 83(P−600)]×(400/V

nom

)

 9  [0.40+0.000 33(P−600)]×(400/V

nom

)

 11  [0.33+0.000 25(P−600)]×(400/V

nom

)

 13  [0.21+0.000 22(P−600)]×(400/V

nom

)

 15≦n≦39 [0.15+0.000 20(P−600)]×(15/n)×(400/V

nom

)

偶数高調波 2

[1.08+0.000 33(P−600)]×(400/V

nom

)

 4  [0.43+0.000 17(P−600)]×(400/V

nom

)

 6  [0.30+0.000 12(P−600)]×(400/V

nom

)

8≦n≦40 [0.23+0.000 09(P−600)]×(8/n)×(400/V

nom

)

a)

 380

V,400 V 又は 415 V の商用電源系統の場合は,V

nom

=400 V で一定とする。


14

C 61000-3-2

:2011

表 2−クラス の機器の相対的限度値 

高調波次数 n

照明機器の基本波入力電流の百分率として表される最大許容高調波電流

%

偶数高調波 2

2

奇数高調波 3

30×

λ

a)

 5

10

 7

7

 9

5

 11≦n≦39 3

a)

λ

は,回路力率。

表 3−クラス の機器の限度値 

高調波次数 n

電力比例限度値

a)

mA/W

最大許容高調波電流

a)

A

3 3.4×(230/V

nom

) 2.30×(230/V

nom

)

5 1.9×(230/V

nom

) 1.14×(230/V

nom

)

7 1.0×(230/V

nom

) 0.77×(230/V

nom

)

9 0.5×(230/V

nom

) 0.40×(230/V

nom

)

11 0.35×(230/V

nom

) 0.33×(230/V

nom

)

13≦n≦39

(奇数次高調波だけ)

(3.85/n)×(230/V

nom

)

表 による

a)

 220

V,230 V 又は 240 V の商用電源系統の場合は,V

nom

=230 V で一定とする。

表 4−試験観測期間 

機器動作のタイプ

試験観測期間(T

obs

準静止

T

obs

は,6.2.3.1 における繰返し性の要求を満たすのに十分な継続期間がある。

短周期的(T

cycle

≦2.5 分) T

obs

は,10 周期以上(基準とする方法)

,又は 6.2.3.1 における繰返し性の要求を満

たすのに十分な継続期間がある,若しくは同期化

a)

している。

ランダム

T

obs

は,6.2.3.1 における繰返し性の要求を満たすのに十分な継続期間がある。

長周期的(T

cycle

>2.5 分) T

obs

は,機器のプログラムサイクル全体(基準とする方法)

,又は製造業者が最大の

THC

を発生する運転期間であるとみなす代表的な 2.5 分間。

a)

  同期化とは,6.2.3.1 における繰返し性の要求を満たすために,全試験観測期間が機器周期の整数倍に十

分近くなることをいう。


15

C 61000-3-2

:2011

附属書 A

(規定)

測定回路及び測定用電源

A.1 

測定回路 

測定した高調波電流の値を箇条 に規定する限度値と比較する。供試機器の高調波電流を,次の図に示

す回路に基づいて測定する。

・  単相 2 線機器については

図 A.1

・  単相 3 線機器については

図 A.1B

・  三相機器については

図 A.2

ただし,測定結果にばらつきが生じるおそれがあるときは,次の図に示す回路に基づいて測定してもよ

い。このとき,A.2 c)及び d)の要求事項は,無負荷時及び供試機器の定格消費電力に相当する抵抗負荷に

電力を供給するときに要求する。

・  単相 2 線機器については

図 A.1A

・  単相 3 線機器については

図 A.1C

・  三相機器については

図 A.2A

附属書 に従った測定器を用いる。供試機器に対する試験条件は,附属書 で規定する。

A.2 

測定用電源 

測定用電源は,供試機器の受電端子(

U

U

1

U

2

U

3

の測定点)において測定中,次の条件に適合しな

ければならない。

a)

測定用の電圧及び周波数は,機器の定格電圧及び定格周波数とする。機器が複数の定格電圧及び定格

周波数をもつ場合は,それらの電圧及び周波数を供給して,それぞれ測定する。また,機器の定格電

圧を電圧範囲で示す場合は,用いることが可能な商用電源系統全ての公称電圧において,それぞれ測

定する。電圧の変動は±2.0 %以内に維持し,かつ,周波数は公称値の±0.5 %以内に維持する。ただ

し,

図 A.1A,図 A.1C 及び図 A.2A の測定回路を用いる場合の電圧の変動は,無負荷時で±2.0 %に維

持する。

b)

相間の基本波電圧の位相差は,三相電源では 120±1.5°,単相 3 線電源では 180±1.5°とする。

c)

測定用電源に含まれる高調波の基本波に対する電圧比は,通常動作において供試機器に電力を供給し

ているとき,次の値以下とする。

・  第 3 次高調波:0.9 %

・  第 5 次高調波:0.4 %

・  第 7 次高調波:0.3 %

・  第 9 次高調波:0.2 %

・  第 2 次から第 10 次までの偶数高調波:0.2 %

・  第 11 次から第 40 次までの高調波:0.1 %

d) 

測定用電圧のピーク値は,その実効値の 1.40 倍と 1.42 倍との間とする。

なお,そのピーク値は,0 点を通過してから 87°と 93°との間に到達しなければならない。

e)

電源の内部インダクタンスと供試機器のキャパシタンスとの間で共振が起こらないように留意する。


16

C 61000-3-2

:2011

S

:測定用電源

M

:測定器

EUT :供試機器 
U

:測定用電圧

Z

M

  :測定器の入力インピーダンス

Z

S

  :測定用電源の内部インピーダンス

I

n

:線電流の 次の高調波成分

G

:測定用電源の開放電圧

Z

S

及び Z

M

については規定しないが,A.2 の要求事項を満たす十分に小さな値とする。これは,供試機器への供給電

圧の特性を測定することによって判断できる。より詳細な情報は,JIS C 61000-4-7 による。 
注記  制御回路のない単相整流器のように,高調波振幅が供給電圧によって大きく異なる機器もある。変化性を最小

とするために,高調波電流測定と同様に 200 ms のウィンドウ幅で評価することによって,供試機器への供給電

圧を公称電圧±1 V に保つことを推奨する。

図 A.1−単相 線機器の測定回路 

S

:測定用電源

M

:測定器

EUT :供試機器 
U

:測定用電圧(測定中における供試機器の受電端子電圧)

Z

M

  :測定器の入力インピーダンス

Z

S

  :測定用電源の内部インピーダンス

Z

A

  :測定用インピーダンス

I

n

:線電流の 次の高調波成分

G

:測定用電源の開放電圧

Z

S

Z

M

Z

A

の値は,次のとおりとする。

a)

供試機器が 100 V 機器の場合:

(直流抵抗分  0.4±0.032 Ω)+(インダクタンス分  0.37±0.029 6 mH)

b)

供試機器が 200 V 機器の場合:

(直流抵抗分  0.38±0.030 4 Ω)+(インダクタンス分  0.46±0.036 8 mH)

図 A.1A−単相 線機器の測定回路(測定結果にばらつきが生じる場合)

M

I

n

Z

M

EUT

Z

S

U

S

G

Z

A

M

I

n

Z

M

EUT

Z

S

U

S

G


17

C 61000-3-2

:2011

S

:測定用電源

M

:測定器

EUT

:供試機器

G

:測定用電源の開放電圧

U

1

U

2

 :測定用電圧

Z

M

:測定器の入力インピーダンス

Z

S

Z

SN

 :測定用電源の内部インピーダンス

I

n

:線電流の 次の高調波成分

図 A.1B−単相 線機器の測定回路 

S

:測定用電源

M

:測定器

EUT

:供試機器

G

:測定用電源の開放電圧

U

1

U

2

  :測定用電圧(測定中における供試機器の受電端子電圧)

Z

M

:測定器の入力インピーダンス

Z

S

Z

SN

 :測定用電源の内部インピーダンス

Z

A

Z

AN

 :測定用インピーダンス

I

n

:線電流の 次の高調波成分

インピーダンスの値は,次のとおりとする。

a)  Z

S

Z

M

Z

A

の値:

(直流抵抗分  0.19±0.015 2 Ω)+(インダクタンス分  0.23±0.018 4 mH)

b)  Z

SN

Z

M

Z

AN

の値:

(直流抵抗分  0.21±0.016 8 Ω)+(インダクタンス分  0.14±0.011 2 mH)

図 A.1C−単相 線機器の測定回路(測定結果にばらつきが生じる場合) 

G

EUT

G

エラ

M

I

n

U

1

U

2

Z

S

Z

SN

Z

S

S

I

n

Z

M

Z

M

Z

M

Z

A

Z

A

Z

AN

G

EUT

G

M

I

n

U

1

U

2

Z

S

Z

SN

Z

S

S

I

n

Z

M

Z

M

Z

M


18

C 61000-3-2

:2011

S

:測定用電源

M

:測定器

EUT

:供試機器

G

:測定用電源の開放電圧

Z

M

:測定器の入力インピーダンス

Z

S

:測定用電源の内部インピーダンス

I

n

:線電流の 次の高調波成分

U

1

U

2

U

3

  :測定用電圧

Z

S

及び Z

M

については規定しないが,A.2 の要求事項を満たす十分に小さな値とする。これは,供試機器の供給電圧

の特性を測定することによって判断できる。より詳細な情報は,JIS C 61000-4-7 による。 
注記  制御回路のない単相整流器のように,高調波振幅が供給電圧によって大きく異なる機器もある。変化性を最小

とするために,高調波電流測定と同様に 200 ms のウィンドウ幅で評価することによって,供試機器への供給電

圧を公称電圧の±1 V に保つことを推奨する。

図 A.2−三相機器の測定回路 

S

:測定用電源

M

:測定器

EUT

:供試機器

G

:測定用電源の開放電圧

U

1

U

2

U

3

  :測定用電圧(測定中における供試機器の受電端子電圧)

Z

M

:測定器の入力インピーダンス

Z

S

:測定用電源の内部インピーダンス

Z

A

:測定用インピーダンス

I

n

:線電流の 次の高調波成分

インピーダンスの値は,次のとおりとする。

Z

S

Z

M

Z

A

の値:

(直流抵抗分  0.19±0.015 2 Ω)+(インダクタンス分  0.23±0.018 4 mH)

図 A.2A−三相機器の測定回路(測定結果にばらつきが生じる場合) 

I

n

Z

M

Z

M

G

EUT

G

G

M

L

1

U

1

U

3

U

2

L

2

Z

S

L

3

Z

S

Z

S

S

I

n

I

n

Z

M

Z

A

Z

A

Z

A

G

EUT

G

G

M

I

n

L

1

U

1

U

3

U

2

L

2

Z

S

L

3

Z

S

Z

S

S

I

n

I

n

Z

M

Z

M

Z

M


19

C 61000-3-2

:2011

附属書 B

(規定)

測定器の要求仕様

測定器の要求仕様は,JIS C 61000-4-7 による。


20

C 61000-3-2

:2011

附属書 C 
(規定)

形式試験の条件

C.1 

一般事項 

特定の個別機器の高調波電流の測定条件は,次による。

C.2 

テレビジョン受信機の測定条件 

C.2.1 

一般条件 

受信機に含まれる附属回路及び補助回路の負荷を含めて測定する。ただし,受信機から電力を供給する

周辺機器の負荷は除く。

C.2.2 

測定条件 

C.2.2.1

に従って変調した無線周波信号を試験信号発生器から供給し,かつ,受信機を C.2.2.2 に従って

輝度,コントラスト及び音声レベルを正しく設定した映像を表示するように調節する。

C.2.2.1 

テレビジョン受信機には,75 Ω 終端で 70 dB(µV)の無線周波テレビジョン入力信号を次のよう

に変調して供給する。

a)

カラーテレビジョン受信機  無線周波信号は,映像クロミナンス及び音声キャリアで変調した十分な

テレビジョン信号とし,次による。

・  音声変調:1 kHz において 54 %

・  映像信号:ITU-R BT.471-1 による次のカラーバー試験パターン

・ 100

%基準白レベルバー

・ 0

%基準黒レベルバー

・ 75

%振幅(白レベルを基準として)

・ 100

%飽和

b)

モノクロテレビジョン受信機  無線周波信号は,映像及び音声キャリアで変調した十分なテレビジョ

ン信号とし,次による。

・  音声変調:a)参照

・  映像信号:a)に従った黒レベル及び白レベルのモノクロ試験パターンであり,平均の全体画像は白

レベルの 50 %を満足する。

C.2.2.2 

受信機は,JIS C 6101-1 に従って調整する。 

輝度レベルは,白は 150 cd/m

2

,黒は 2 cd/m

2

以下,マゼンダは 30 cd/m

2

にする。規定の輝度が得られな

いときは,調節器を工場出荷状態の標準位置とする。さらに,液晶テレビジョン受信機については,バッ

クライトの明るさを最大となるように調整する。

音声レベルをスピーカ端子で測定して,1 kHz の出力が定格音声出力の 1/8 になるように調節する。ステ

レオ機器の場合,この出力が両方の出力に生じるようにする。

注記  ベースバンド信号でだけ動作する機器については,相応の映像及び音声入力信号を用い,同様

に輝度,コントラスト及び音量調整を設定することが望ましい。


21

C 61000-3-2

:2011

C.3 

オーディオアンプの測定条件 

C.3.1 

条件 

無信号入力と定格信号入力(IEC 60268-3 による。

)との間で,供給電流の変動が最大電流の 15 %未満の

オーディオアンプは,無信号入力で試験する。

その他のオーディオアンプは,次の条件で試験する。

・  定格供給電圧

・  標準位置。特に周波数応答は,可能な限りフラットな特性に設定する。

・  C.3.2 で規定する入力信号及び負荷。

C.3.2 

入力信号及び負荷 

次の試験手順を適用する。

a)

定格負荷インピーダンスと等しい適切な抵抗器を,アンプのスピーカ出力端子に接続する。アンプ付

きスピーカのオーディオアンプの出力電圧波形を観測するために,オーディオアナライザ又はオシロ

スコープを,アンプの出力が現れるポイントに接続する。

注記 1  オーディオアンプ内蔵スピーカの場合,負荷は,スピーカ及び関連するクロスオーバ回路

である。

b) 1

kHz の正弦波信号を適切な入力端子に加える。サラウンド音声チャンネルアンプが,二つ目のセッ

トの左右チャンネルアンプの代わりとして使えないマルチチャンネルアンプについては,左右のチャ

ンネルに適用した信号より 3 dB 低いレベルの信号をサラウンド音声チャンネルアンプに供給するよ

うに,制御部を設定する。

注記 2 1

kHz の信号を再生させることを意図しない製品においては,アンプの再生帯域幅中の幾

何学的な中心周波数を適用する。

c)

左右のチャンネルの出力信号が同時に 1 %の

THD

になるように,入力信号及び/又はアンプ利得制御

を調整する。1 %の

THD

を得ることができない場合,信号電圧及び/又は利得制御を調整して,同時

に各出力が最も高い達成可能な出力になるようにする。サラウンド音声チャンネルアンプの出力信号

が,左右のチャンネルの出力信号より 3 dB 低いことを確認する。

d)

全てのチャンネルの出力電圧を測定する。次に,それらの電圧が c)の最終段落で得られた電圧の

( )

8

1

354

.

0

×

倍となるよう,入力信号電圧及び/又は制御部を再調整する。

e)

外部スピーカ接続端子があるアンプの場合,6.2 の規定に従った測定に進む。

f)

内蔵スピーカだけで,外部スピーカ接続端子がないアンプは,それぞれのアンプの出力で正弦波信号

の実効値出力電圧に注意する。IEC 60268-1 の 6.1 で規定するピンクノイズ信号及び帯域幅制限で正弦

波信号を置き換える。それぞれのアンプの出力に現れるピンクノイズ信号出力の実効値の値が,d)

設定したチャンネルでの正弦波の実効値の値と同じであることを確認した後,6.2 の規定に従った測定

に進む。

C.4 

ビデオ機器の測定条件 

C.4.1 

ビデオテープレコーダ 

ビデオテープレコーダの測定条件は,次による。

a)

映像信号及び音声信号は,テレビジョン受信機と同等の信号を記録したテープを標準テープスピード

による再生状態で,測定する。

b)

テープは,テープの巻始め付近で測定する。


22

C 61000-3-2

:2011

C.4.2 

ビデオディスクプレーヤ及びレコーダ 

標準スピード再生動作状態において,最大負荷条件となる状態で測定する。

C.5 

照明機器の測定条件 

C.5.1 

一般状態 

測定は,通気のない雰囲気で 25±5  ℃の周囲温度で実施する。測定中,温度は 1 K を超えて変動しては

ならない。

C.5.2 

ランプ 

放電ランプは,定格電圧で 100 時間以上エージングする。放電ランプは,一連の測定を行う前に,15 分

間以上,点灯しておく。15 分間以上の安定時間を必要とするランプもある。関連する JIS ランプ性能規格

の情報を確認する。

エージング中,安定中及び測定中,ランプは,通常使用状態で取り付ける。安定器内蔵形蛍光ランプは,

口金を上にして点灯する。

C.5.3 

照明器具 

照明器具は,製造されたままの状態で測定する。試験は,試験用ランプ又はその公称値に近い電気特性

をもつランプを用いて行う。疑義が生じる場合には,試験用ランプで測定を行う。ランプを 2 本以上組み

込む照明器具の場合は,全てのランプを接続し,試験中点灯する。照明器具が 2 種類以上のランプを用い

るようになっている場合,その全ての種類のランプで測定を行い,その照明器具は,それぞれの試験に合

格しなければならない。照明器具がグロースタータを備えている場合,JIS C 7603 に規定するスタータを

用いる。

電子トランス又は調光器を組み込まない白熱電球用照明器具,並びにこの規格に適合する安定器内蔵形

ランプ及び電球形 LED ランプを用いる照明器具は,要求事項に適合しているとみなし,測定を行う必要は

ない。

試験用ランプによる別に行う試験によって要求事項に適合している蛍光ランプ用安定器若しくは他の放

電ランプ用安定器,又はハロゲン電球用電子トランス若しくは他の白熱電球用電子トランスを用いる照明

器具は,要求事項を満足しているとみなし,測定を行う必要はない。これらの部品の適合性が判明してい

ない場合,又は適合していない場合は,照明器具それ自身を測定し,適合しなければならない。

照明器具が器具内用調光器をもつか,又は独立形調光器若しくは外郭内に組み込まれた調光器によって

構成される照明器具の場合,高調波電流は,製造業者によって指定した最大負荷のランプで測定する。調

光器の設定は,包括的な結果を得るため,最大電力と最小電力との間を 5 等分したステップで変化させる。

C.5.4 

安定器及び電子トランス 

蛍光ランプ用安定器若しくは他の放電ランプ用安定器,又はハロゲン電球用安定器若しくは他の白熱電

球用電子トランスは,試験用ランプ又は公称値に近い電気特性をもつランプを用いて試験する。疑義があ

る場合,試験用ランプを用いて測定する。高周波点灯専用形蛍光ランプに対しては,抵抗形試験用安定器

を用いる。

安定器又は電子トランスが複数のタイプのランプを対象に設計している場合,製造業者は,安定器が高

調波の要求事項を満たすためのランプ形式をカタログに記載し,安定器又は電子トランスは,それに従っ

て試験する。


23

C 61000-3-2

:2011

C.6 

独立形及び器具内用白熱電球用調光器に対する測定条件 

調光器は,その調光器の許容最大電力の白熱電球を用いて試験する。調整は,90±5°の点弧角に設定す

る。段調光の場合は,90°に最も近い点弧角に設定する。

C.7 

電気掃除機の測定条件 

JIS C 9335-2-2

に規定する通常動作に従い,電気掃除機の吸入口を調整する。

試験時の観測時間は,6 分以上とする。電子制御式掃除機は,次の 3 種類の運転モードに調節して同一

時間で試験する。

・  最大入力電力

・  電力調整機能をもつ場合,点弧角 90±5°。ただし,ステップ調整式掃除機の場合は 90°に最も近い

ステップ。

・  最小入力電力

注記  それぞれ 2 分以上の同一時間で,上記の 3 種類の運転モードで試験してもよい。これらの三

つの試験を連続させる必要はない。また,試験時間外の高調波電流を考慮しなくてもよく,

試験は,連続しているとして限度値を適用する。

電気掃除機が,自動的に低出力モードに復帰する一時的な高出力(ブースタ)モードでの運転を選択す

る機能をもつ場合,この高出力モードは平均値の計算から除外し,1.5 秒平滑実効値高調波電流だけを評価

する(6.2.3.4 参照)

C.8 

電気洗濯機の測定条件 

電気洗濯機は,あらかじめ洗濯した木綿布を定格負荷となるように洗濯漕に入れて通常の洗濯サイクル

となるプログラムで測定する。木綿布は,寸法約 70 cm×70 cm,乾燥状態での質量が 140 g/m

2

∼175 g/m

2

かつ,縁を 1 回折り返して縫っておく。

洗濯漕に満たす水の温度は,次のとおりとする。

・  電熱素子を備えないが温水を供給する配管に接続するようになっている電気洗濯機では,65±5  ℃。

・  その他の電気洗濯機では,10  ℃∼25  ℃。

プログラム機能がある電気洗濯機では,可能な場合,予備洗濯なしの 60  ℃木綿布コースを用いる。不

可能な場合は,予備洗濯なしの通常洗濯コースを用いる。プログラム機能をもつが,そのプログラム機能

が電熱素子を制御しない場合は,最初の洗濯開始までに水温を 65±5  ℃に加熱する。

プログラム機能をもたない電気洗濯機で電熱素子をもつ場合,最初の洗濯開始までに水温を 90±5  ℃に

加熱する。水温が安定している場合,それ以下でもよい。

洗濯機の測定方法選定のためのフローチャートを,

図 C.0A に示す。


24

C 61000-3-2

:2011

図 C.0A−洗濯機の測定方法選定のためのフローチャート 

C.9 

電子レンジの測定条件 

電子レンジは,定格出力運転時に測定する。円筒状の硝けい(珪)酸ガラス製の容器に 1 000±50 g の水

を負荷として入れて行う。容器は,ガラスの最大厚さ 3 mm,外径が約 190 mm とする。負荷は,棚の中央

に置く。

C.10 

情報技術機器(ITE)の測定条件 

C.10.1 

一般条件 

製造業者が装着するオプション品,及び拡張スロット機能がない ITE(パーソナルコンピュータを含む。

は,出荷状態で試験する。パーソナルコンピュータ以外で,製造業者が装着するオプション品,又は拡張

スロットをもつ ITE は,製造業者が明示するオプション品を用いて到達できる最大消費電力となるように,

各々の拡張スロットに負荷を追加して試験する。

拡張スロットが 3 スロットまでのパーソナルコンピュータの試験においては,各々の拡張スロットに対

し,最大許容電力に設定した負荷カードを全拡張スロットに付加する。3 個を超える拡張スロットをもつ

パーソナルコンピュータの試験においては,3 個の負荷カードを付け,更に追加の拡張スロット 3 個を一

つのグループとし,グループ当たり 1 個以上の割合で負荷カードを取り付ける(例えば,4∼6 個の拡張ス

ロットがある場合は,合計 4 個以上の負荷カードを付加する。7∼9 個の拡張スロットがある場合は,合計

5 個以上の負荷カードを付加する。)。

ハードドライブアレイ及びネットワークサーバのようなモジュール式の機器は,最大機器構成で試験す

る。

全ての機器構成において,付加する負荷カードの使用によって,利用できる合計直流出力電力を超えて

はならない。

注記 1  上記の内容は,複数のハードドライブのような,同じタイプの多数のオプション品に適用す

ることを意図していない。ただし,その機器構成が,使用者の機器構成の典型例である場合,

又はそのように構成することが異常ではない(RAID のような)タイプの製品である場合を

除く。

プログラム

機能あり

60  ℃木綿布

コース可

電熱素子がプロ
グラム機能で制

御できる

60  ℃木綿布コース

(予備洗濯なし)

水を先に 65  ℃に温

めてから通常洗濯 
(予備洗濯なし)

通常洗濯

(予備洗濯なし)

水を 90  ℃又は安定温度

に温めてから通常洗濯

(予備洗濯なし)

いいえ

はい

電熱素子

あり

電熱素子

あり

はい

はい

はい

いいえ

いいえ

いいえ

いいえ

はい


25

C 61000-3-2

:2011

注記 2 PCI 又は PCI-2 のような拡張スロット用の共通負荷カードは,30 W であるが,数値は変更さ

れることもある。

エミッション試験は,通常の動作条件で最大

THC

を発生するモードに設定した,使用者の動作状態又は

自動プログラムで行う。

装置全体,又は装置の一部が,試験中に自動的にスイッチオフとなることによって,大きな電力変動の

原因となる電力セーブモードを用いてはならない。

ITE が,製造業者が供給する電源装置,例えば,変圧器,無停電電源装置(UPS),電圧安定器などを用

いるように設計されている場合は,この規格の限度値は,商用電源系統からの入力で達成しなければなら

ない。

C.10.2 

外部電源又は外部バッテリ充電器を用いる ITE のエミッション測定に対する選択条件 

外部電源又は外部バッテリ充電器を用いる ITE に対しては,

製造業者は,

次のいずれかを選択してよい。

・  C.10.1 に従って機器全体を試験する。

・  外部電源又は外部バッテリ充電器の直流出力側に抵抗負荷を付加した状態で,6.2.2 に従って,交流入

力電力及び高調波エミッションを測定することによって機器を試験する。ただし,抵抗負荷を付加し

たとき,負荷両端のリプル電圧(peak-to-peak 値)は,直流出力電圧値の 5 %以下とする。

抵抗負荷は,有効消費電力が外部電源又は外部バッテリ充電器の定格直流出力電力に等しくなるような

抵抗値でなければならない。定格出力電力値が入手できない場合には,有効消費電力が外部電源又は外部

バッテリ充電器に表示されている定格直流出力電圧に定格直流出力電流を乗じた値に等しくなるような抵

抗値でなければならない。

上記の負荷条件で,6.2.2 に従って測定した外部電源又は外部バッテリ充電器の交流入力電力が,75 W

以下の場合には,箇条 で規定するように,これ以上の試験なしで,規格に適合しているとみなす。

C.10.2A 

複写機及び類似の機器の測定条件 

複写機及び類似の機器については,次のとおり測定する。

・  連続複写状態において有効電力が最大となる状態で測定する。連続複写状態では,同時に動作できる

機器を全て動作させる。

・  原稿は,JIS X 6933 に規定する A4 サイズのカラーテストチャートを用いる。

C.11 

電磁調理器の測定条件 

電磁調理器は,鍋容量に対して約半分の室温の水を入れ,各加熱調理領域の中央に配置した,ほうろう

引きの鉄鍋で順次動作させる。温度制御は,最高に設定するように調整する。

鍋底の直径は,加熱調理領域の直径以上とする。この要求を満たす最小の鍋を用いる。鍋底の凹面は,

鍋底の平たん(坦)な部分の直径を

D

としたとき,最大 3×

/1 000 とする。鍋底は,凸面であってはな

らない。

凹面は,室温で空の鍋を用いて確認する。

C.12 

エアコンディショナの測定条件 

エアコンディショナの入力電力を電子装置で制御して,適切な空気温度を得るためにファン又はコンプ

レッサ電動機の回転速度を変化させる場合,高調波電流は,次の条件で動作が定常状態になった後,測定

する。

・  温度制御は,冷房モードでは最低値に,暖房モードでは最高値に設定する。


26

C 61000-3-2

:2011

・  試験時の周囲温度は,冷房モードでは 30±2  ℃,暖房モードでは 15±2  ℃とする。暖房モードにおい

て,より高い温度で定格電力に達する場合,エアコンディショナは,その周囲温度で試験する。ただ

し,18  ℃以下の温度で行う。周囲温度は,機器の室内ユニット及び屋外ユニットの吸気の温度として

定義する。

熱が周囲の空気とではなく,例えば,水などのその他の媒体と交換される場合,全ての設定及び温度は,

その機器が定格入力電力で動作するように設定する。

エアコンディショナのコンプレッサの可変速駆動にパワーエレクトロニクス素子(例えば,ダイオード,

位相制御器,サイリスタなど)を含まない場合は,高調波電流の限度値に対して試験を行う必要はない。

C.13  JIS C 9335-2-14

で定義するちゅう房機器の測定条件 

JIS C 9335-2-14

の適用範囲に記載したちゅう房機器は,それ以上の試験を行わなくても,この規格の高

調波限度値に適合するとみなす。

C.14 

専門家用以外のアーク溶接装置の測定条件 

アーク溶接装置は,

表 C.1 に従って調整した通常の負荷に接続し,製造業者が指定した定格電極の最大

寸法で得られる負荷電流で試験する。

表 C.1−アーク溶接装置の試験のための通常の負荷 

定格電極の直径

mm

負荷電流

a)

A

負荷電圧

V

1.6 40

19.6

2 55

20.2

2.5 80

21.2

3.15 115 22.6 
4 160

24.4

a)

  補間してもよい。

C.14A 

電動工具の測定条件 

電動工具の測定条件は,次による。

a)

電子式速度制御を用いない機器  定格電圧で定格負荷となる入力で測定する。

b)

電子式速度制御を用いる機器  定格電圧で 90±5°の点弧角となるように設定し,負荷電流は,無負

荷電流と定格電流との中央値に設定し,測定する。

C.14B 

インバータ冷蔵庫の測定条件 

インバータ冷蔵庫は,周囲温度を 30±2  ℃とし,温度センサの短絡などによって圧縮機が連続運転とな

るようなモードで測定する。ただし,

“急冷凍”モードなどによって連続運転が可能な場合は,その状態で

測定してもよい。庫内は,無負荷で扉を開閉せずに,庫内の温度が安定した後に測定する。自動製氷機能

などの付加機能がある場合は,付加機能を停止しておく。


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 61000-3-2:2011

  電磁両立性−第 3-2 部:限度値−高調波電

流発生限度値(1 相当たりの入力電流が 20 A 以下の機器)

IEC 61000-3-2:2005

  Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 3-2: Limits−Limits for harmonic

current emissions (equipment input current ≤ 16 A per phase),Amendment 1:2008 及び Amendment 2:2009

(I)JIS の規定 (III)国際規格の規

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国 際 規
格番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

1  適用範

1  適用範囲

1

JIS

とほぼ

同じ

変更

JIS

では,300 V 以下の商用電源系統に接続する

20 A/相以下の電気・電子機器に適用。IEC 規格
では,16 A/相以下の機器が対象で,220 V 未満
の電源系統の限度値は規定なし。

IEC

規格では,我が国で採用していない電源系統

を対象とした IEC 規格類の記載。

IEC

では,220 V 未満の電源系統に接

続 す る 機 器の 限 度値 も 検討さ れ た
が,作業が中止された。IEC で検討
が再開された時点で提案する。

3  用語及
び定義

3.3A  電球形 LED ランプ 
3.20A  商用電源系統 
3.20B  家庭用照明器具 
3.20C  ス テ ッ プ 調 整 式
掃除機

追加

IEC

規格にない定義を追加。

我が国の事情を考慮。製品動向を注

視し,必要性が生じれば,IEC に提
案する。

4  一般事

4  一般事項

4

JIS

とほぼ

同じ

変更・削

JIS

では,高調波環境目標レベルを指標にしてい

るが,IEC 規格では,両立性レベルを指標として
いる。

IEC

規格では,電気事業者に接続許可を求める要

求事項が使用説明書に含まれている場合,規格に
適合していない専門家用機器の低圧電源への接
続を許可する趣旨の記載がある。

我が国では,両立性レベルが規定さ

れていないことから,環境目標レベ
ルを指標とした。 
機器の商用電源系統への接続を電気

事業者が個別に確認することが極め
て非現実的であることから,削除し
た。

5  機器の
分類

5  機器の分類

5

JIS

とほぼ

同じ

追加

JIS

では,有効入力電力が 600 W 以下のインバー

タ冷蔵庫はクラス D に分類されるが,

IEC

規格で

はクラス A に分類される。

我が国では普及が進み,高調波電圧
ひ ず み が 悪化 す るお そ れがあ る た
め。海外での普及動向を見て,必要

に応じて IEC に提案する。

27

C

 61000-3-2


201

1


(I)JIS の規定 (III)国際規格の規

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国 際 規
格番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

6  一般要
求事項

6  一般要求事項

6

JIS

とほぼ

同じ

削除

IEC

規格では,電源電圧が 220 V/380 V,230 V/

400 V 及び 240 V/415 V 系統に接続する機器だけ
を対象としている。

適用範囲を変更したため。

 6.1

制御方法

6.1

制御方法

削除

JIS

では,制御方法に関する要求事項はない。 220∼240 V を標準電圧とする電力基

盤の欧州などと比較して,低圧負荷
機器構成及び標準電圧が異なる我が
国の電力基盤の高調波問題に与える

影響が十分解明されていないため,
採用するには時期尚早である。

 6.3

ラ ッ ク 又 は ケ ー ス

収納機器

 6.3

JIS

とほぼ

同じ

追加

JIS

では,機器が電源プラグをもたない場合も規

定。

IEC

に提案する。

 6.3A

表示

追加

JIS

では,適合品であることを示す表示について

規定。

積極的性能向上,電磁環境への配慮

を示すため。

7  高調波
電流限度

7  高調波電流限度値

JIS とほぼ

同じ

変更

白熱電球用の独立形調光器について,IEC 規格で

は,1 kW 以下,JIS では,1.7 kW 以下を除外。

我が国での調査結果を反映。

追加

IEC

規格では,400/230 V 系統を想定した限度値。

JIS

では,400/230 V 系統以外の電圧に配慮。

配電系統の相違による,我が国固有
の内容。

 7.1

クラス A の機器に

対する限度値 
7.2  クラス B の機器に対
する限度値 
7.3  クラス C の機器に対
する限度値

 7.1

 
7.2 
 
7.3

JIS

とほぼ

同じ

追加

我が国の電源系統に対する限度値を追加。

JIS

では,エアコンディショナについては有効入

力電力比例の限度値を適用。

適用範囲を変更したため。IEC で検
討が再開された時点で提案する。

対象機器からの大幅な高調波発生量
の増加が見られないため。海外での
普及動向を見て,必要に応じて IEC

に提案する。

附属書 A 
(規定)

A.1  測定回路

A.1

JIS

とほぼ

同じ

追加

JIS

では,我が国の電源系統の測定回路,及び測

定のばらつきが生じるおそれがあるときに用い

る測定回路を追加。

IEC

に提案したが受け入れられなか

った。再度提案することを検討する。

 A.2

測定用電源

A.2

JIS

とほぼ

同じ

変更

JIS

では,追加した測定回路を用いる場合の電圧

の変動は,無負荷時で±2.0 %に維持することを
規定。

測定回路のインピーダンスを規定し

た場合,電圧の変動を±2.0 %以内に
維持することが原理的にできないこ
とがあるため。

28

C

 61000-3-2


201

1


(I)JIS の規定 (III)国際規格の規

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国 際 規
格番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

附属書 C

(規定)

C.2  テ レ ビ ジ ョ ン 受 信
機の測定条件

 C.2

JIS

とほぼ

同じ

追加

JIS

では,輝度の条件を追加。

IEC

に提案する。

 C.4

ビ デ オ 機 器 の 測 定

条件

 C.4

JIS

とほぼ

同じ

追加

JIS

では,ビデオテープレコーダの条件を詳細に

規定。また,ビデオディスクプレーヤ及びレコー

ダの測定条件を追加。

IEC

に提案する。

 C.5

照 明 機 器 の 測 定 条

 C.5

JIS

とほぼ

同じ

変更

JIS

では,周囲温度条件を変更。また,提要が不

明瞭な照明機器の説明を追加。

我が国での事情による。

IEC

に提案する。

 C.7

電 気 掃 除 機 の 測 定

条件

 C.7

JIS

とほぼ

同じ

変更

通常動作の要求事項に,製品規格の JIS の規定を
引用。

我が国の電気掃除機の制御方式を考
慮。海外での普及動向を見て,必要

に応じて IEC に提案する。

 C.8

電 気 洗 濯 機 の 測 定

条件

 C.8

JIS

とほぼ

同じ

追加

測定方法選定のためのフローチャートを追加。

IEC

規格では,我が国では一般的で

ない方式の電気洗濯機を中心に規定
しており,我が国で適用する要求事
項が分かりづらいため追加した。

 C.10.2A

複 写 機 及 び 類

似の機器の測定条件

追加

JIS

では,複写機及び類似の機器の測定条件を追

加。

IEC

に提案する。

 C.14A

電 動 工 具 の 測 定

条件

追加

JIS

では,電動工具の測定条件を追加。

IEC

に提案する。

 C.14B

イ ン バ ー タ 冷 蔵

庫の測定条件

追加

JIS

では,インバータ冷蔵庫の測定条件を追加。

IEC

に提案する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61000-3-2:2005,Amendment 1:2008 及び Amendment 2:2009,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

29

C

 61000-3-2


201

1