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C 61340-4-5:2007 (IEC 61340-4-5:2004) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 原理······························································································································· 2 

5 前処理及び試験の環境条件 ································································································· 2 

6 人体と組み合わせた履物及び床システムの試験方法 ································································ 2 

6.1 実験室試験用の,床仕上げ材のサンプリング及び試験片の準備 ··············································· 2 

6.2 実験室試験及び施工された床仕上げ材の試験のための履物のクリーニング ································ 3 

6.3 電気抵抗の測定 ············································································································· 3 

6.4 帯電性の測定 ················································································································ 6 

7 試験報告書 ······················································································································ 8 

附属書A(規定)人体電位測定システムの校正方法····································································· 9 

C 61340-4-5:2007 (IEC 61340-4-5:2004) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本電子部品信頼性センター(RCJ)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 61340-4-5:2007 

(IEC 61340-4-5:2004) 

静電気−特定応用のための標準的試験方法− 

人体と組み合わせた履物及び床システムの 

静電気防止性能の評価方法 

Electrostatics−Part 4-5: Standard test methods for specific applications− 

Methods for characterizing the electrostatic protection of footwear and 

flooring in combination with a person 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたIEC 61340-4-5を基に,技術的内容及び対応国際規格の

構成を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,人体と組み合わせた履物及び床システム(帯電防止性能をもつ履物を履いた人体から床ま

での系)の静電気防止性能を評価するための試験方法について規定する。 

この試験方法は,個別の材料又はシステムのクラス分けを意図したものではない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61340-4-5:2004,Electrostatics−Part 4-5: Standard test methods for specific applications−

Methods for characterizing the electrostatic protection of footwear and flooring in combination with a 

person (IDT) 

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS L 1021-1 繊維製床敷物試験方法−第1部:物理試験のための試験片の採取方法 

注記 対応国際規格:ISO 1957,Machine-made textile floor coverings−Selection and cutting of specimens 

for physical tests (IDT) 

IEC 60093,Methods of test for volume resistivity and surface resistivity of solid electrical insulating materials 

IEC 61340-4-1,Electrostatics−Part 4-1: Standard test methods for specific applications−Electrical resistance 

of floor coverings and installed floors 

C 61340-4-5:2007 (IEC 61340-4-5:2004) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

注記 対応国際規格では,IEC 61340-1-2によると規定されているが,IEC 61340-1-2は,2006年7月

現在,IECにおいてCD文書として審議中であるため,対応国際規格の規定を不採用とした。 

原理 

人体と組み合わせた履物及び床システムの評価は,そのシステムの電気抵抗及び帯電性を測定すること

によって達成する。帯電性は歩行試験によって決定する。 

警告 この規格に規定した試験手順は,人体を電気的な危険状態にさらす可能性がある。試験実施に

当たっては,適切な危険軽減措置を講じる。また,試験時には使用する装置を適切に接地する

ことが望ましい。 

前処理及び試験の環境条件 

次の要求事項は,この規格で引用した文書に指定されている前処理及び試験の環境条件に関する仕様よ

りも優先する。 

別途合意がない場合には,実験室試験における前処理及び試験の環境条件は,温度23 ℃±2 ℃,相対

湿度(12±3)%とする。試験前の前処理時間は,少なくとも48時間とする。織物の床仕上げ材は,前処

理及び試験の前に,温度20 ℃±2 ℃,相対湿度(65±3)%で,少なくとも24時間の予備的前処理を行

うことが望ましい。 

予備的前処理及び前処理の間,試験片を周りの空気が自由に循環できるようなラック又は他の適切な支

持物の上に置く。 

施工された床の試験のように,管理された環境でない条件で試験した場合は,必ず測定時の周囲温度及

び相対湿度を記録する。 

人体と組み合わせた履物及び床システムの試験方法 

6.1 

実験室試験用の,床仕上げ材のサンプリング及び試験片の準備 

実験室試験用の試験片のサンプリング及び選択は,JIS L 1021-1に規定された原則に従って実施する。

この規格の目的に従い,JIS L 1021-1の一般原則をすべてのタイプの床仕上げ材に適用する。各試料から,

2 m±0.1 m×1 m±0.1 mの大きさの試験片を選択する。又は,タイルの場合は,試験片の寸法が2 m±0.1 m

×1 m±0.1 mとなるように,十分なタイル数又はタイルの一部を選択する。 

床仕上げ材の試験で,特定の接地接続を行って据え付ける場合には,製造業者の指示書又は当事者間で

合意された方法に従い,実際に使用する接地方法をシミュレートするやり方で,各試験片に接地接続点を

取り付ける。特定の接地接続をしないで据え付ける場合の床仕上げ材の帯電性の試験では,接地接続点を

試験片に取り付けない。 

特定の接地接続をしないで据え付ける床仕上げ材については,高感度な電気抵抗測定を実験室で行うこ

とはできない。人体と組み合わせた履物及び床システムの電気抵抗測定は,据え付けた後の床仕上げ材に

ついてだけ行う。 

試験片は,製造業者の指示書又は当事者間で合意された方法に従い,公称6.3 mm厚のテンパードハー

ドボード又はスタンダードハードボードの上に据え付けるか,又はそのまま置く。ハードボード(支持材)

の上に据え付けるか又はそのまま置く場合,試験片の各端とハードボードの端との間は,10 mm以上あけ

る。 

C 61340-4-5:2007 (IEC 61340-4-5:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ハードボードは,清潔で平たん(坦)であり,箇条5で規定した環境条件において,IEC 61340-4-1に規

定した方法に従って試験した場合,点間抵抗値が1×1011 Ωより大きくなければならない。 

表面処理剤は,それを使用する床仕上げ材の代表的なタイプに塗布して試験する。床仕上げ材は,上記

の段落に規定した方法で準備して据え付ける。次いで,製造業者の指示書又は当事者間で合意された方法

に従い,試験する表面処理剤を床仕上げ材に塗布する。製造業者が,床仕上げ材に追加の接地接続点の使

用を推奨した場合は,表面処理剤の使用前に,製造業者の指示書,又は当事者間で合意された方法に従っ

て,これらを取り付ける。 

注記 一般的には,床仕上げ材の試験は,納入されたままの状態で行う。必要に応じ,表面処理及び

その他の特別な処理を行い試験する。表面処理剤及び特別処理の持続性を評価する場合には,

実験室試験でも又は施工された床仕上げ材の評価でも,試験前に試験片をクリーニングプロセ

ス又は実際の使用条件にさら(曝)してもよい。 

試験結果は,床仕上げ材表面の汚れ又はその他の汚染物質の存在に大きく影響を受ける。 前処理の前に,

製造業者の指示書に従い,床仕上げ材に行うすべてのクリーニングを実施する。 

6.2 

実験室試験及び施工された床仕上げ材の試験のための履物のクリーニング 

履物の靴底の汚れ又はその他の汚染物質の存在は,試験結果に大きく影響する。試験前及び試験中に履

物に実施するクリーニングは,次のように行う。履物に対して“納入されたままの状態”又は“使用した

ままの状態”での試験が要求される場合には,クリーニングを試験手順から除く。 

6.2.1 

クリーニング用材料 

6.2.1.1 

サンドペーパー サンドペーパーは,研磨材の粒度P280を用いる。 

6.2.1.2 

洗浄した綿布 布地には,表面処理剤及び洗剤を使ってはならない。 

6.2.1.3 

エタノール エタノールは,純度95 %以上を用いる。 

6.2.2 

クリーニング手順 

靴底表面からすべての化学物質を除くために,各履物の靴底を,エタノール(6.2.1.3)を浸した洗浄し

た綿布片(6.2.1.2)を用いて磨く。靴底が乾燥後,細かいサンドペーパー(6.2.1.1)でこす(擦)り,次

に,乾いた洗浄した綿布片を用いてほこりを除去する。最後に,再び,各履物の靴底を,エタノールに浸

した新しい洗浄した綿布片を用いて磨く。この最後の手順だけは,各測定間で繰り返す。測定する前に,

靴底が乾燥していることを確認する。 

6.3 

電気抵抗の測定 

6.3.1 

装置 

6.3.1.1 

抵抗測定装置 

抵抗測定装置は,電圧源内蔵形の直流抵抗計(オームメータ),又は抵抗測定用に直流電圧源と電流計と

を適切に組み合わせて構成し,±10 %の精度で,次の要求事項を満たさなければならない。 

注記 安全上の理由で,測定回路の最大電流は,5 mAを確実に超えないことが望ましい。 

6.3.1.1.1 

実験室試験 

抵抗測定装置は,1.0×106 Ω未満の抵抗値を測定する場合には,負荷状態において10 V±0.5 Vの出力

電圧を,1.0×106 Ω以上の抵抗値を測定する場合には,負荷状態において100 V±5 Vの出力電圧をもたな

ければならない。この装置の測定範囲は,測定しようとする抵抗値の予測範囲より両側に少なくとも一け

た(桁)広い範囲とする。抵抗測定装置は,意図しない接地経路が測定に影響しないような方法で使用し

なければならない。 

6.3.1.1.2 

受入試験 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

抵抗測定装置は,1.0×106 Ω未満の抵抗値を測定する場合には,開放回路状態で10 V±0.5 Vの出力電

圧を,1.0×106 Ω以上の抵抗値を測定する場合には,開放回路状態で100 V±5 Vの出力電圧をもたなけれ

ばならない。この装置の測定範囲は,測定しようとする抵抗値の予測範囲より両側に少なくとも一けた広

い範囲とする。抵抗測定装置は,意図しない接地経路が測定に影響しないような方法で使用しなければな

らない。 

6.3.1.1.1で規定した実験室試験用抵抗測定装置を,受入試験にも用いてもよい。試験結果に疑問がある

場合には,実験室試験用抵抗測定装置だけを用いる。 

6.3.1.2 

手持ち電極(人体電位測定用電極) 

手持ち電極は,直径約25 mm,長さ約75 mmのステンレス製の丸棒又はチューブで,一方の端にバナナ

プラグ用ジャック又はねじ止め端子が付いているものを用いる。 

6.3.2 

試験手順 

試験開始に先立って,少なくとも10分間は,両足に試験用履物を履く。 

抵抗測定装置(6.3.1.1)の負極性側のリード線を,試験する床仕上げ材の接地接続点に接続する(実験

室試験の場合)か,又は,接地する(施工された床仕上げ材の試験の場合)。他のリード線を手持ち電極

(6.3.1.2)に接続する。試験する床仕上げ材の上に両足で立ち,手持ち電極をしっかりとつかむ(図1参

照)。 

最初に試験電圧を10 Vに設定し,試験電圧を印加して15秒±2秒経過後の抵抗値を読み取る。値が1.0

×106 Ωを超える場合には,試験電圧を100 Vに設定して再測定する。読取値が,6.3.1.1に規定した電圧

及び抵抗範囲に入っていれば,その値を記録する。100 Vで測定した抵抗値が1.0×106 Ωより小さければ,

その読取値を記録する。 

試験する床仕上げ材に左足だけを接触させ,右足は床仕上げ材より約150 mm上に停止して測定手順を

繰り返す。 

試験する床仕上げ材に右足だけを接触させ,左足は床仕上げ材より約150 mm上に停止して測定手順を

繰り返す。 

実験室試験では,試験片全体に均等に割り当てた5か所の異なる位置で測定する。 

施工された床仕上げ材の試験では,床仕上げ材の材料ごとに少なくとも5回測定する。大きな床面積の

場合には,床仕上げ材の材料ごとに500 m2当たり,少なくとも5回測定する。摩耗,化学薬品若しくは水

のこぼれ,又は目に見える汚れのこん(痕)跡がある場合には,その影響を受けた領域について少なくと

も3回測定する。 

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C 61340-4-5:2007 (IEC 61340-4-5:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 
記号 
1:手持ち電極(6.3.1.2) 
2:抵抗測定装置(6.3.1.1) 
3:接地接続点(6.1) 
4:試験用床仕上げ材 
5:支持材(6.1) 
6:施工された床 
7:接地 

図1−人体と組み合わせた履物及び床システムの電気抵抗を測定するセットアップ 

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6.4 

帯電性の測定 

6.4.1 

装置 

6.4.1.1 

人体電位測定システム 

人体電位測定システムは,静電電位計,手持ち電極(6.3.1.2)及び記録計で構成され,次の要求事項を

満たさなければならない。 

なお,附属書Aに人体電位測定システムの校正方法を規定する。 

a) 静電電位計の入力抵抗:1.0×1014 Ω以上。 

b) (静電電位計,手持ち電極,及び接続線を含む)測定システムの入力容量:30 pF以下。 

c) 測定システムの応答時間(記録計の最大振れに達するまでの時間):0.25秒以内。 

d) 測定システムの分解能:少なくとも測定電圧レベルの1/10。例えば,人の快適さ(不快な電撃防止)

のためには,数キロボルトの人体電位を考慮し,測定システムの分解能は,0.1 kVでなければならな

い。エレクトロニクス産業の製造現場では,100 Vの人体電位を考慮し,測定システムの分解能は,

10 Vでなければならない。 

e) 測定システムの精度:±10 %以内。 

6.4.1.2 

イオナイザ 

イオナイザは,履物及び床仕上げ材の試験片の表面から静電気電荷を除去することができるものでなけ

ればならない。 

注記 関連する安全対策及び規制を遵守する。 

6.4.2 

試験手順 

特定の接地接続をして据え付ける床仕上げ材の実験室試験では,測定は,適切な接地接続点(6.1参照。)

を備え,接地に接続した試験片について行う。特定の接地接続なしで据え付ける床仕上げ材の実験室試験

を行うときは,接地接続点は試験片に取り付けてはならず,試験片は測定中,接地から絶縁された状態と

する。 

実験室試験では,6.4.2.1〜6.4.2.4に規定する手順を,試験する履物と床仕上げ材との組合せごとに3回

行う。 

施工された床の試験では,6.4.2.1〜6.4.2.4に規定する手順を,試験する履物と床仕上げ材との組合せご

とに少なくとも5回行う。大きな床領域では,6.4.2.1〜6.4.2.4に規定する手順を,床仕上げ材の材料ごと

に500 m2当たり少なくとも5回行う。摩耗,化学物質若しくは水のこぼれ,又は目に見える汚れのこん(痕)

跡がある場合には,その影響を受けた領域について少なくとも3回測定する。 

6.4.2.1 

試験品の放電 

履物及び床仕上げ材上の残留静電気電荷は,イオナイザ(6.4.1.2)を用いて除去する。実験室試験のた

めの置敷き試験片は,両面を除電し,支持材(6.1)の上を滑らせないように注意して,再度置敷きする。 

6.4.2.2 

履物の着用 

被試験者は,近くのい(椅)子に座って履物を着用する。被試験者を接地し,履物の底はイオナイザ

(6.4.1.2)を用いて除電する。次に,被試験者は滑らないように注意して床仕上げ材の上に立つ。 

履物は,通常使用と同じように,しっかりと足に固定する。 

6.4.2.3 

システムのゼロ調整 

被試験者は,人体電位測定システム(6.4.1.1)に接続した手持ち電極を持ち,接地接続点に少しの間触

れてシステムのゼロ調整をする。 

6.4.2.4 

歩行 

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C 61340-4-5:2007 (IEC 61340-4-5:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

被試験者は,試験の間,体が同じ方向を向くように保って,1秒間に2歩の速さで床仕上げ材の上を歩

行する。被試験者は,す(擦)り足又は旋回することなく,前進及び後進することによって試験領域をで

きるだけ多く歩行する。試験領域は,実験室試験では,床仕上げ材の試験片の全領域とし,施工された床

の場合はそれと同等な大きさの領域とする。歩行動作は,履物を50〜80 mmの間に持ち上げる間は,常に

履物の底が床仕上げ材の試験片と平行になるように維持する。実験室試験では,被試験者は,壁又は室内

の物体に対して0.5 m以内に近づいてはならない。また,ピーク電圧の上昇が止まるか,又は試験時間が

60秒経過するまで,歩行を続ける。 

歩行後は,被試験者は履物を脱ぎ,必要に応じて底をクリーニング(6.2)する。 

6.4.3 

計算及び結果の表記 

歩行測定ごとに,絶対値が大きい順に読み取った5個の谷の算術平均,及び同様に読み取った5個のピ

ークの算術平均をそれぞれ計算する(図2参照)。結果の表記は,関係する電圧及び測定システムの分解能

によって変える。例えば,人の快適さ(不快な電撃防止)では,結果は0.1 kV単位のkV表示,エレクト

ロニクス産業では,10 V単位のV表示とする。 

  
記号 
P1からP5:絶対値が大きい順の5個のピーク 
T1からT5:絶対値が大きい順の5個の谷 
 

図2−平均値の計算に使用する点を示す代表的な人体電位の記録 

C 61340-4-5:2007 (IEC 61340-4-5:2004) 

  

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試験報告書 

試験報告書は,少なくとも次の情報を含める。  

a) 規格番号 

b) 試験試料の完全な識別に必要なすべての情報 

c) 使用装置の識別 

d) 試験実施日 

e) 次の予備的前処理,前処理及び試験の環境 

− 実験室試験の場合:予備的前処理(適用した場合),前処理及び試験の温度並びに相対湿度,更に

予備的前処理及び前処理の時間 

− 施工された床の試験の場合:試験の温度及び相対湿度 

f) 

履物及び床仕上げ材の両方に関する,クリーニング又は表面処理手順の詳細 

g) 試験片を支持材へ固定するのに用いた手順及び材料の詳細 

h) 試験片に接地接続点を固定するのに用いた手順及び材料の詳細 

i) 

測定の種類:電気抵抗又は帯電性 

j) 

各試験片における測定の種類ごとの,すべての個別の測定結果 

k) 各試料の測定の,種類ごとの,すべての測定結果の平均値 

l) 

結果に影響を与えた可能性がある,この規格若しくは引用規格の規定外の操作,又は任意の操作 

C 61340-4-5:2007 (IEC 61340-4-5:2004) 

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附属書A 

(規定) 

人体電位測定システムの校正方法 

序文 

この附属書は,人体電位測定システムの校正方法について規定する。 

A.1 静的校正 

人体電位測定システムのゼロ電位点は,手持ち電極を接地接続点に接続することによってチェックする。

接地接続点から切り離した後に,手持ち電極を直流安定化電源の出力端子に接続し,システムをチェック

する。正負の両極性ともに,少なくとも三つの電圧レベル,例えば,1 kV,2 kV及び5 kV,又は100 V,

200 V及び500 Vで確認する。 

A.2 動的校正 

人体電位測定システムは,次の信号発生器又はマニュアルスイッチング手順のいずれかの動的方法で校

正する。 

A.2.1 信号発生器による方法 

手持ち電極を,例えば,1 kV±0.1 kV又は100 V±10 Vのような,測定しようとする人体電位に適した

出力振幅をもつ信号発生器の出力に接続する。信号発生器の出力は,立上がり及び立下がり時間が2 ms

以下で,周波数は2 Hzとする。正及び負の両極性で手順を実施する。電圧記録計の記録において,いかな

るオーバーシュート,又はアンダーシュートも,印加電圧振幅の10 %を超えてはならない。 

A.2.2 マニュアルスイッチングによる方法 

この手順のための電源は,適切な過電流保護回路をもっていなければならない。被試験者のための付加

的保護は,電源の出力に直列に1〜10 MΩの高電圧用の抵抗を挿入することによって得られる。 

被試験者は,片手に手持ち電極を握り,IEC 60093に従って測定した体積抵抗率が1×1014 Ωm以上の

絶縁性台の上に乗る。もう一方の手で,直流安定化電源の出力端子と接地接続点とに交互に触れる。電源

の出力は,例えば,1 kV±0.1 kV又は100 V±10 Vのような,測定しようとする人体電位に適した値に設

定する。被試験者は,1秒間に2サイクルの速さで,充電と放電とを行う。スイッチングのサイクルを指

示するために,メトロノームを使う。この手順は,正及び負の両極性で行う。電圧記録計の記録において,

いかなるオーバーシュート,又はアンダーシュートも,印加電圧の10 %を超えてはならない。 

参考文献 TR C 0018:2000,静電気放電(ESD)に関する用語 

IEC 61340-1-2,Electrostatics−Part 1-2: Definitions of all parts of the IEC 61340 series1) 

注1) IECで審議中