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C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 試験装置 3 

4.1 一般事項  3 

4.2 基準受信器の仕様  3 

4.3 時間領域光検出システム  4 

4.4 総合的なシステム応答  6 

4.5 オシロスコープ同期システム  7 

4.6 パターン発生器  9 

4.7 光パワーメータ  9 

4.8 光減衰器  9 

4.9 試験コード  9 

5 被試験信号  9 

6 機器の設定及び被試験物の設定  9 

7 測定手順 10 

7.1 概要  10 

7.2 消光比測定  10 

7.3 アイ振幅  12 

7.4 方形波を使用した光変調振幅(OMA)測定  12 

7.5 コントラスト比(RZ信号用)  13 

7.6 ジッタ測定  13 

7.7 アイ幅  14 

7.8 デューティサイクルひずみ  14 

7.9 交点パーセント表示  15 

7.10 アイ高さ  16 

7.11 Q値/信号対雑音比  16 

7.12 上昇時間  16 

7.13 下降時間  17 

8 アイマスクを使用したアイパターン分析  17 

8.1 マスクヒットを許容しないアイマスク試験  17 

8.2 ヒット率を使用したアイマスク試験手法 18 

9 試験結果 20 

9.1 必要な情報  20 


 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 目次 

(2) 

ページ 

9.2 有益な情報  20 

9.3 具体的な情報  20 

 

 


 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

(3) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。 

これによって,JIS C 61280-2-2:2010は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 61280の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 61280-1-3 第1-3部:中心波長及びスペクトル幅測定 

JIS C 61280-2-1 受信感度及びオーバロード測定 

JIS C 61280-2-2 第2-2部:光アイパターン,光波形及び消光比測定 

JIS C 61280-2-3 第2-3部:ジッタ及びワンダ測定 

JIS C 61280-2-8 Q値測定を用いた低ビット誤り率の決定法 

JIS C 61280-2-9 高密度波長分割多重システムの光信号対雑音比測定 

JIS C 61280-2-10 第2-10部:レーザ送信器の時間分解チャープ及びアルファファクタ測定 

JIS C 61280-2-11 光信号品質評価のための強度ヒストグラム評価を用いた平均化Q値測定 

JIS C 61280-4-4 第4-4部:ケーブル設備及びリンク−既設リンクの偏波モード分散測定 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

C 61280-2-2:2017 

 

(IEC 61280-2-2:2012,Cor.1:2015) 

光ファイバ通信サブシステム試験方法− 

第2-2部:光アイパターン,光波形及び消光比測定 

Fiber optic communication subsystem test procedures- 

Part 2-2: Optical eye pattern, waveform and extinction ratio measurement 

 

序文 

この規格は,2012年に第4版として発行されたIEC 61280-2-2及びCorrigendum 1:2015を基に,技術的

内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

 

適用範囲 

この規格は,あらかじめ定められた波形マスクの整合性を確認するための試験手順,並びに光アイパタ

ーン,光波形のパラメータ[例えば,上昇時間(慣用的には“立ち上がり時間”ともいう。),下降時間(慣

用的には“立ち下がり時間”ともいう。),変調振幅]及び消光比を測定するための試験手順について規定

する。 

注記1 他の方法として,規定の光波形マスクに準拠して光波形を試験する場合もある。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61280-2-2:2012,Fibre optic communication subsystem test procedures−Part 2-2: Digital 

systems−Optical eye pattern, waveform and extinction ratio measurement及びCorrigendum 

1:2015(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 61280-2-3 光ファイバ通信サブシステム試験方法−第2-3部:ジッタ及びワンダ測定 

注記 対応国際規格:IEC 61280-2-3,Fibre optic communication subsystem test procedures−Part 2-3: 

Digital systems−Jitter and wander measurements 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

振幅ヒストグラム(amplitude histogram) 


C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

波形の電力又は電圧の母集団分布を表示する図示手段。 

3.2 

コントラスト比(contrast ratio) 

RZ(ゼロ復帰)信号のときの,最大振幅と最小振幅(二つの隣接する論理1の中間でみられる,ゼロに

復帰した状態)との比。 

3.3 

デューティサイクルひずみ,DCD(duty cycle distortion) 

論理0ビットの時間幅と論理1ビットの時間幅とのバランスの尺度。アイパターンの平均又は50 %のレ

ベルにおける上昇エッジと下降エッジとの間の時間で示す。 

3.4 

消光比(extinction ratio) 

アイパターンの論理0レベルと論理1レベルとの比。 

3.5 

アイパターン(eye diagram) 

全ての標本を1単位間隔の幅の共通時間軸に重ね描きすることによってデジタル信号の主要な性能を示

す波形表示の形。 

3.6 

アイ高さ(eye height) 

1レベル(アイパターンの論理1レベルよりも3標準偏差下のレベル)と0レベル(アイパターンの論

理0レベルよりも3標準偏差上のレベル)との間の差。 

3.7 

アイマスク(eye mask) 

アイパターンが存在してはならない領域を定める多角形の配置。それによって伝送波形の許容形を事実

上定める。 

3.8 

アイ幅(eye width) 

アイパターンの二つのクロスポイントの広がりの間の時間差。ここで,クロスポイントの平均位置から

アイの中心方向へ3標準偏差分を広がりとする。 

3.9 

ジッタ(jitter) 

デジタル信号の理想的な時間位置からの論理遷移の偏差。クロスポイントの時間幅又は広がりとしてア

イパターン上に現れる。 

3.10 

観測ジッタ伝達関数,OJTF(observed jitter transfer function) 

実際のジッタと比較して表示又は測定されたジッタの比率。試験装置が測定信号に由来するクロックと

同期するとき,ジッタ周波数に対する関数になる。 

3.11 

基準受信器(reference receiver) 

試験装置の周波数及び位相特性を表示する基準器。概して,4次ベッセル・トムソン形低域通過フィル

タであり,試験装置が期待どおりの特性のときはいつでも一貫した結果を得る目的で,送信波形を分析す


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るのに使用する。 

3.12 

信号対雑音比,SNR(signal-to-noise ratio) 

Q値に類似し,アイパターンの1レベル及び0レベルの標準偏差の総和に対する,アイパターンの論理

1と0レベルとの差の比。 

3.13 

単位間隔,UI(unit interval) 

NRZ(非ゼロ復帰)信号の場合の,一つのビット周期又は信号伝送速度の逆数。 

 

試験装置 

4.1 

一般事項 

図1に示すように,光アイパターン,光波形及び消光比試験装置の主な構成要素は,光/電気変換器,

低域通過フィルタ,オシロスコープ及び光パワーメータによる。多くの伝送特性は,伝送時間領域波形の

分析に由来する。伝送波形特性は,試験装置の周波数応答と帯域幅とに従い変化する。一貫した結果を得

るために,基準受信器の概念を使用する。基準受信器は,光/電気変換器,低域通過フィルタ及びオシロ

スコープの周波数と位相特性との組合せで定義する。基準受信器の周波数応答は,一般的に低域通過フィ

ルタ設計で,詳細は4.2に規定する。高い信号伝送速度での,基準受信器周波数応答は,個々の部品を使

って構成するとき,達成するのが困難となる。基準受信器仕様を達成するためにオシロスコープ・システ

ムの内部に基準受信器を集積することが,一般的である。基準受信器仕様を単独で達成する低域フィルタ

の使用は,必要な周波数応答を達成する試験装置にならないことが多い。 

4.2 

基準受信器の仕様 

基準受信器は,通常4次ベッセル低域通過特性をもつ。4次ベッセル低域通過特性は,仕様に従う全て

の試験装置全体に,一貫した結果を与える。低域通過応答性は,試験装置の雑音を減らすとともに,送信

器が実際の通信システムでの対向受信器の帯域幅に近づけることができる。アイマスクの障害になるオー

バシュート,リンギングのような過渡信号は,一般的にシステムの受信側の帯域を狭めることによって抑

えられるので,送信側のテストシステムに,同じような帯域を使うことは適切である。ベッセル位相特性

は,通過帯域でほぼ恒常的な群遅延を与える。そして,それは時間領域光学波形の最小の位相ひずみに帰

着する。周波数応答の帯域幅は,一般的に信号伝送速度の0.75倍(75 %)に設定する。例えば,10.0 GBd

信号の基準受信器は,7.5 GHzの−3 dB帯域幅をもつ。NRZ信号の場合,この応答は,垂直又は水平方向

で閉眼(符号間干渉)にならない最小帯域幅をもつ。全試験装置が信号伝送速度の75 %の帯域幅で4次ベ

ッセル低域通過特性を達成するとき,これはベッセル・トムソン基準受信器と呼ぶ。RZ(ゼロ復帰)信号

形式は,より広帯域幅な基準受信器を必要とするが,いずれの規格も規定していない。 

 


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図1−光アイパターン,光波形及び消光比試験装置構成 

 

4.3 

時間領域光検出システム 

4.3.1 

概説 

時間領域光検出システムは,光波形の強度を時間の関数として表示する。時間領域光検出システムは,

主として線形光/電気(O/E)変換器,線形位相低域通過フィルタ及びオシロスコープで構成する。線形

光/電気変換器の出力電流は,入力光強度に正比例していなければならない。三つの要素を接続するとき,

時間の関数として,電圧よりもむしろ光強度を表示する光オシロスコープとなって,校正することができ

る。機器の詳細を,4.3.2〜4.3.4に規定する。 

4.3.2 

光/電気(O/E)変換器 

光/電気変換器は,通常,高速フォトダイオードを使用する。光/電気変換器は,光インタフェース規

定点と直接的又は間接的に接続できる光コネクタをもつ。低い光入力信号を測定する場合,光/電気変換

器の後に電気増幅器を接続してもよい。増幅器の周波数応答は,それが試験装置の全体的な周波数応答に

影響を与える可能性があるため,考慮しなければならない。 

種々の手段があるが,光/電気変換器の仕様に対する一般的なガイドラインを,次に示す。 

a) 適用領域を十分カバーできる許容入力波長範囲をもつ。 

b) 被試験光送信器への過度の反射を避けるために,十分に低い入力光反射率をもつ。 

c) オシロスコープに正確に測定して表示するのに適した,受光感度及び低雑音性をもつ。光/電気変換

器の受光感度は,表示される信号の大きさに影響する。光/電気変換器及びオシロスコープの電子回

路は,雑音を発生する。試験装置の雑音は,観察信号と比較して小さくなければならない。雑音を検

出した光波形と比較して重大である場合,アイマスクマージンのような幾らかの測定は低下すること

になる。光/電気変換器が試験装置のオシロスコープの中に集積されるとき,雑音特性はRMS光強

度レベル(例えば,5 mW)として直接指定する。光/電気変換器の受光感度は,オシロスコープの縦

軸の校正に使用する。雑音の影響に関する更なる議論は,6.1に記載する。 

d) 0 Hzまで伸びた低域遮断(−3 dB)周波数をもつ。 

e) 次の二つの理由によって,直流(DC)結合で行う必要がある。 

1) DC結合でない場合,消光比が十分正確に測定できない。 

2) 交流(AC)結合では,測定信号の低周波スペクトル成分(光/電気変換器の低域遮断周波数よりも

低い成分)が,検出した波形に重要なひずみを引き起こす可能性がある。 

f) 

基準受信器に要求されている特性を達成するため要求された帯域よりも広い上限カットオフ周波数を

クロック(トリガ)(任意) 

光パワー 

メータ 

データ 

光ファイバ 

コード 

光ファイバ 

コード 

時間領域光検出システムに 

基づいた基準受信器 

光/電気 

変換器 

低域通過 
フィルタ 

オシロ 

スコープ 

光送信器 

(被試験物) 

 

光減衰器 
(任意) 

パルスパターン 

発生器 


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もつ。オシロスコープで観測できるのは−3 dBが電圧レベルフィルタ通過帯域でレベルの0.707を意

味することに注意する。 

g) 過渡応答特性,オーバシュート,アンダーシュート及び他の波形ひずみが測定に影響を与えない。 

h) 光/電気変換器に接続した低域通過フィルタからの反射が,0 Hzから低域通過フィルタの帯域幅より

も広い周波数まで十分抑圧できる出力反射減衰量をもつ。 

4.3.3 

線形位相低域通過フィルタ 

基準受信器は,一般的にオシロスコープ・サンプリング電子回路の前の信号経路に周知の特性の低域通

過フィルタを置くことによって構成する。光/電気変換器及びオシロスコープを含む全ての信号経路の応

答が基準受信器仕様に満足するように,帯域幅及び低域通過フィルタの伝送機能特性を設計する。 

光波形のパラメータの測定は,帯域制限なしで測定するのが最もよい。上昇時間,下降時間,オーバシ

ュートなどの測定は,低域通過フィルタ(4.3.4及び7.11参照)の除去で改善できることがある。これは,

電子開閉器で達成できる場合がある。この例の測定装置の−3 dB帯域幅は,最小限の上昇及び下降時間(例

えば,3分の1の単位間隔)の検証を許すのに十分高いが,重要でない高周波波形の詳細を除くのに十分

低くなければならない。NRZ信号の場合,信号伝送速度の300 %の帯域幅が妥協値である。RZ信号の場

合,信号伝送速度の500 %の帯域幅が妥協値である。 

4.3.4 

オシロスコープ 

光アイパターンを表示するオシロスコープは,測定システムの帯域幅を制限しないように,低域通過フ

ィルタの帯域幅よりも広い帯域幅をもたなければならない。信号伝送速度が非常に高速になる場合,オシ

ロスコープの帯域幅は,全体的な基準受信器応答へのより重要な一因になることがある。オシロスコープ

のトリガには,光アイパターンに同期するローカルクロック信号又は光波形そのものから得られる同期信

号を使用する(4.5参照)。図2は,光アイパターン測定で一般的に使用するオシロスコープ帯域幅を示す。

図2 a)は,測定装置のフィルタが外部で変更が可能で,そして,帯域幅が20 GHzを超える10 GBd波形を

表示する。図2 b)は同じ信号を,適所に10 GBd基準受信器(〜7.5 GHzの帯域幅)を配置したとき,測定

した波形を表す。上昇及び下降時間並びにアイの形状がどのように測定装置の帯域幅に依存しているかに

ついて注意する。 

 

 

 

 


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a) フィルタを使用しないときの10 GBd信号の測定 

 

 

b) 10 GBd基準受信器での10 GBd信号の測定 

図2−アイパターン測定で一般的に使用するオシロスコープ帯域幅 

 

4.4 

総合的なシステム応答 

アイパターン測定のタイプにかかわらず,システムは,フィルタの−3 dB帯域幅を超える周波数で線形

的な位相応答をもつことが望ましい。大きく減衰する周波数まで位相応答が線形的(すなわち,群遅延が

一定)である場合,フィルタ帯域幅の僅かな変化が,波形測定に著しい影響を与えないようにすることが

望ましい。表1は,0.75/T反応のための基準受信器仕様の例を示す。ここで,Tは一つの単位間隔(正確

な仕様は,10 GBd試験装置に対する典型的減衰の許容誤差を示して,伝送性能を定めている通信規格標準

の範囲内で,典型的に見つかる)の時間である。RZ信号用の基準受信器の次の帯域幅及び設計は,詳細

を検討中である。 

− −3 dB帯域幅:0.75/T(Hz) 

− フィルタ応答形式:4次ベッセル・トムソン形フィルタ 

 


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表1−周波数応答特性 

ビットレートによる 

周波数分割 

公称減衰量 

dB 

減衰量公差 

dB 

最大群遅延ひずみ 

0.15 

0.1 

0.85 

− 

0.30 

0.4 

0.85 

− 

0.45 

1.0 

0.85 

− 

0.60 

1.9 

0.85 

0.002T 

0.75 

3.0 

0.85 

0.008T 

0.90 

4.5 

1.68 

0.025T 

1.00 

5.7 

2.16 

0.044T 

1.05 

6.4 

2.38 

0.055T 

1.20 

8.5 

2.99 

0.100T 

1.35 

10.9 

3.52 

0.140T 

1.50 

13.4 

4.00 

0.190T 

2.00 

21.5 

5.70 

0.300T 

 

−3 dB周波数を超える中間の減衰値は,対数的周波数軸上で線形に解釈することが望ましい。 

直流で低域通過フィルタ応答の0 dBの振幅を定めることは,一般的である。ただし,直流の光受信器の

周波数応答測定は,非実用的である。このように,0 dBのレベルは,信号伝送速度の3 %のような超低周

波で,反応と関連付けることができる。他の全ての減衰量公差は,それから0.03/Tで応答と比較してある。

基準受信器の周波数応答が正確に知られている場合,理想からの偏差は,ポート処理技術を使って補償で

きる。 

4.5 

オシロスコープ同期システム 

4.5.1 

一般事項 

光送信機の測定は,一般にサンプリング・オシロスコープと呼ばれる等間隔デジタルオシロスコープを

使用する。このオシロスコープは,観察されている信号に合わせて同位相であるトリガ信号を必要とする。

波形から誘導される全ての時間情報は,このトリガ信号と比較できるようにしている。 

4.5.2 

純粋なクロックによるトリガ 

最も一般的なトリガ信号はシステム・クロックであり,管理標準によって許可される場合,使用するこ

とができる。理想的には,これは,観察するデータストリームを生成するのに使用するのと同じクロック

である(図1参照)。同期したサブレートクロックは,繰り返しパターンを試験する場合を除き,データ・

パターン長とクロック分割比率との比が1以外の整数であるとき有効である。データ・パターン長とクロ

ック分割比率との比が整数の場合,試験パターンの特定のビットが系統的に観察されない不完全なアイパ

ターンに帰着する。例えば,パターン長が128ビットである場合,分割比率4,8,32などを避けることが

望ましい。ただし,パターン長が127ビットである場合,これらの分割比率は適切である。 

4.5.3 

再生クロックを使用したトリガ 

管理基準がクロック再生器によって被試験信号から再生した同期クロック信号を要求することは,一般

的である。クロック再生システムは,一般的には送信信号に同期する位相同期回路(PLL)で達成する。

観察信号から抽出したクロックでオシロスコープを同期させることは,重要な測定問題を生じる。送信信

号が,重大なタイミング不安定性(ジッタ)を引き起こす場合,ジッタを観察することは重要である。た

だし,オシロスコープのためのタイミング基準(トリガ)が送信信号に由来した場合,それは同じジッタ

特性の幾つかを含む。ジッタは,観測するトリガ及び信号に共通であるため,表示したジッタを激減する

ことができる。 


C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

再生したクロックトリガに存在するジッタの量は,クロック再生システムのPLLのループ帯域幅に依存

する。ループ帯域幅が狭い場合,超低周波ジッタだけがオシロスコープのトリガとして使用する再生クロ

ックへ伝達する。ループ帯域幅が広い場合,低周波及び高周波ジッタ両方ともに再生クロックトリガへ伝

達する。これは,被試験信号のジッタと再生したクロックのジッタとの比であるジッタ伝達関数(JTF)

で記載する。JTFは,ジッタ周波数の関数であると一般的にみなされ,低域通過フィルタ応答に従う(図

3参照)。 

トリガ及び試験信号に共通のジッタは,オシロスコープの上で表示されない。クロック再生ループ帯域

幅が狭い場合,低周波ジッタは示されたアイパターンから抑えられ,高周波ジッタを表示する。ループ帯

域幅が広い場合,低周波及び高周波ジッタ両方とも抑えられる。これは観測ジッタ伝達関数(OJTF)の概

念に至る。OJTFは,数学的に,クロック再生JTFを補うものである(図3参照)。実質的に,再生したク

ロックによるトリガは,表示したジッタの高域フィルタリングに帰着する。フィルタ帯域幅は,PLLの帯

域幅に近づく。実際のOJTF反応は周波数の複素関数で,PLL設計及び試験装置の任意のサンプリングす

るトリガ遅延の両方に依存する。 

 

 

 

周波数(kHz) 

図3−PLLジッタ伝達関数及び結果として生じる観測ジッタ伝達関数 

 

OJTF現象は,戦略的な使い方ができる。通信システムでは,送信器は,時間判定するためのクロック

再生システムをもつ受信器と対になる。そのような受信器は,そのループ帯域幅内のジッタに追随し,ジ

ッタを許容するため,ループ帯域幅内のジッタが入力信号上に存在する場合がある。このような低周波ジ

ッタが信号に存在しても通信システムレベルを低下させない。このジッタが試験中の観測信号に残る場合,

それはアイパターンを閉鎖させ,実行可能な送信器が使用不能に見える。通信システム受信器に類似した

ループ帯域幅があるクロック再生プロセスを使用する試験装置は,不要な低周波ジッタの表示を抑える。

通信基準は,一般的にアイ及び波形測定並びに使用中の受信器のための観測ジッタ・トランスファー帯域

幅を定義する。受信可能な信号は,関連する通信基準によって定義され,許容する送信器ジッタを規定す

る場合,JTF及びOJTF概念の両方を考慮することが望ましい。 

4.5.4 

直接データからのトリガ 

サンプリング・オシロスコープは,光/電気変換器の後に試験信号を分割し,かつ,トリガ入力に信号

を送ることによってトリガすることができる。データ・トリガは不確実な方法である。任意の2ビットの

OJTF 

ループ応答 


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シーケンスについては,可能な四つの組合せのうちの一つだけが,有効なトリガとなるエッジを生成する。

したがって,代表的な試験パターンのおおよそ75 %は,ただの一つのアイパターン上でも系統的に観察で

きない。上記のように,ジッタは,データ及びトリガの両方に共通である。観測ジッタは,送信器のクロ

ック・ジッタの除去によって縮小する。送信器のクロック・ジッタのOJTF上に制御はなく,その多くが

信号の高周波ジッタによって増加する。この方法は,OMA測定を除いて推奨しない(7.4参照)。 

任意のオシロスコープは,データを得て,後処理“ソフトウェア”クロック再生によって有効なトリガ

を引き出す。アルゴリズムは,ハードウェアトリガ及びクロック再生で存在する同じ問題を考慮しなけれ

ばならない。 

4.6 

パターン発生器 

パターン発生器は,送信機器の電気インタフェースのシステム入力部に必要な信号形式(パルス形状,

振幅など)にあったシステムに対し,通信標準によって定義されたビットシーケンス及びプログラマブル

ワードパターンの供給能力がなければならない。 

4.7 

光パワーメータ 

光パワーメータは,被試験機器の動作波長に対して校正し,0.1 dB以上の分解能をもつものを使用しな

ければならない。光パワーメータは,光/電気変換器の出力電流のDC成分を監視することで,光基準受

信器内に統合することもできる。 

4.8 

光減衰器 

減衰器は,光/電気変換器の許容範囲に合わせて入力レベルを調整することができることが望ましく,

0.1 dB以下のステップで減衰できなければならない。 

減衰器は,被試験信号のモード構造を変えないようにすることが望ましい。総減衰量は,絶対振幅情報

が必要な測定を考慮する。送信器への後方反射を避けるように注意することが望ましい。 

4.9 

試験コード 

特に指定がない限り,試験コードは,機器を運用する予定のケーブル設備と同等の物理的及び光学的特

性をもつものとする。試験コードは,長さ2 m〜5 mとする。適切なコネクタを使用しなければならない。

シングルモード用の試験コードは,直径90 mmのループを2か所もたなければならない。機器がマルチモ

ード動作を対象とし,かつ,使用予定のケーブル設備が不明である場合は,光ファイバのサイズはコア径

62.5 

クラッド径125 

ァイバでなければならない。 

 

被試験信号 

試験サンプルは,指定のファイバ光送信器でなければならない。システムの入力及び出力は,通常,シ

ステムのユーザによって確認できるものでなければならない。図1に示すように,試験送信器を,測定構

成内に設置しなければならない。 

 

機器の設定及び被試験物の設定 

6.1 

特に指定がない限り,標準動作条件を適用する。周囲温度又は基準点の温度及び湿度を記録しなけ

ればならない。特記がない限り,4.2に記載した基準受信器のフィルタ特性を使用する。試験機器のために

十分な暖機運転時間をとる。製造業者が推奨するあらゆる機器の校正を行う。特に,アイパターンの消光

比試験は,暗レベル校正が重要である。入力に光信号がないときにオシロスコープ内に存在する残留信号

が,暗レベルとして知られている。暗レベルbdarkを測定して取り除くことは,消光比測定の精度を高める。

暗レベルは,オシロスコープの入力に全く信号が存在しないときに,オシロスコープで観測する垂直ヒス


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C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

トグラムで決まる。bdarkは,ヒストグラムの平均である。最高の精度を得るには,消光比測定を行うとき

の,オシロスコープの垂直スケール及びオフセット設定において,暗レベル校正を行うことが望ましい。

したがって,暗レベル校正は,送信信号レベルを観測した後に,繰り返す必要がある場合がある。被試験

装置に適した入力電圧及び電力を加える。適切な動作条件に従う。被試験端末又は送信器の温度及び性能

が安定するまで,十分な時間をおく。 

6.2 

標準動作条件として,全ての送信器の入力には,最高の信号速度で,実際の動作スペクトル成分の

代わりとなるパターンを加える。条件を満足する信号は,関連する通信規格が定義している。それ以外の

場合は,擬似ランダムデータ(典型として231−1)を使用する。試験パターンは,231−1擬似ランダムデ

ータシーケンスよりもはるかに短く,実際の通信信号に相当するように構成できる。これは,非常に長い

試験パターンがオシロスコープの構造上問題となる試験シナリオに適している。 

6.3 

適切な光ファイバケーブルを使用する。必要に応じて,光/電気変換器の入力を,試験する光イン

タフェース点に接続する。 

6.4 

安定した波形表示を実現するために,オシロスコープのトリガ設定及びレベルを調整する。 

6.5 

試験対象の光信号の速度を決める。信号速度及び制御仕様に対応する周波数応答をもつ基準受信器

を選択する。 

6.6 

図1に示すように,試験機器を接続する。波形形状が,平均化によって又はオシロスコープへの過

大電力によって劣化しないことを確認する。必要に応じて,製造業者が指定する入力電力レベル範囲内に

なるように,基準受信器への入力電力を光減衰器で調整する。 

6.7 

一つの完全なアイを含む1〜2又はそれ以上の単位間隔が表示できるように,オシロスコープの時間

軸を設定する。試験システムが一つの単位間隔の外のデータを使用することができない場合,僅かに1単

位間隔(又は一つのアイパターン)が大抵の自動測定システムで分析されるので,多数のアイパターン表

示は,非効率的なデータ収集になる。 

6.8 

波形全体がスクリーン上で観察されるように,オシロスコープの垂直軸を設定する。一般的に,垂

直軸の大部分を使用する場合,測定精度は向上する(例えば,垂直軸が8分割の場合に,波形を6又は7

分割の間に表示する。)。自動サンプリング・オシロスコープは,一般的に“オートスケール”機能(可能

な範囲で,縦軸一杯にアイパターンを表示することが望ましい。)によって最適な水平・垂直のスケーリン

グができる。 

 

測定手順 

7.1 

概要 

定義及び測定手順を含めて,幾つかのアイパターンのパラメータを提供する(一部の例における,複雑

な測定アルゴリズムは,この規格の適用範囲外とする。)。 

7.2 

消光比測定 

7.2.1 

試験装置の構成 

箇条6で規定するとおりに試験機器を設定する。特に指定がない限り,標準動作条件を適用する。周囲

温度又は基準点の温度及び湿度を記録しなければならない。 

7.2.2 

測定手順 

7.2.2.1 

概要 

最新のサンプリング・オシロスコープは,消光比測定を自動的に行い,7.2.2.2〜7.2.2.4の測定手続に従

うことが望ましい。 


11 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

7.2.2.2 

振幅ヒストグラム(方法1)の作成 

アイパターン単位間隔の中央20 %以内の論理1レベル上に存在する全てのサンプルを含めて,振幅ヒス

トグラムを作成する。b1は,ヒストグラムの平均値(図4参照)である。 

アイの中心は,クロスポイントの中間として定義する。正確な定義は,管理基準で指定してもよい。別

な方法として,クロスポイントの平均から0.5 UIが適切である。次の理由で,ピーク値ではなくヒストグ

ラム手段を使用することが重要である。 

消光比は,論理1レベル及び論理0レベルの総計として測定するのが望ましい。アイパターンのパター

ン依存性は,非対称で,及び/又は複数のモードが含まれる結果になる。また,二つ以上のモードが支配

的で大きさが接近している場合,データを収集する間にピーク値がモード間で切り替わる可能性があるた

め,消光比測定が不安定になる。 

7.2.2.3 

振幅ヒストグラム(方法2)の作成 

7.2.2.2と同様にアイパターン単位間隔の中央20 %以内の論理0レベルに存在する全てのサンプルを含め

て,振幅ヒストグラムを作成する。b0は,ヒストグラムの平均値(図4参照)である。 

7.2.2.4 

振幅ヒストグラムの作成 

RZ(ゼロ復帰)信号の場合は,7.2.2.2及び7.2.2.3の手順を使用するが,ヒストグラムは,RZアイの中

央5 %に作られる。アイの中心は,アイのピークの時間位置として定義する。 

 

 

図4−アイパターン中央20 %領域から収集した論理1及び論理0の 

平均b1及びb0を決めるために使用するヒストグラム 

 

7.2.3 

消光比の計算 

消光比の定義は,論理1の中央の平均光エネルギーと論理0の中央の平均光エネルギーとの比である。 

非ゼロ復帰(NRZ)及びゼロ復帰(RZ)の光ライン符号の場合,消光比は次の比で決めてもよい。 

消光比(線形):     

dark

0

dark

1

b

b

b

b

 

消光比(デジベル):   

dark

0

dark

1

10

log

10

b

b

b

b

 


12 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

消光比(パーセント表示):

dark

1

dark

0

100

b

b

b

b

 

消光比をパーセントで表す場合,オン・オフ比率が高くなるほど,消光比のパーセント表示が小さくな

ることに,注意する。 

消光比は,理想的な周波数応答からの偏差特性をもつ基準受信器によって悪影響を受ける。規則正しい

測定誤差は,特に低い周波数で,理想的な周波数応答からはずれた特性によって起きる。この誤差は,消

光比補正率(ERCF)として定量化することができ,消光比測定結果の改善に使用できる。ERCF値は,試

験装置に,消光比が既知の信号を供給することによって決まる。 

ERCFは,既知の消光比と測定した消光比(両方ともパーセントとして表示)との差で表す。真実の消

光比が1 %で,測定値が1.5 %の場合,ERCFは−0.5 %となる。後の消光比測定は,測定値にERCFを加え

ることによって改善される。一般に,ERCF値は,特定の光基準受信器を基にした試験装置に特有の値で

ある。試験装置が,複数のデータレートの基準受信器で構成できる場合は,ERCF特性は構成ごとに必要

となる。測定した消光比を補正した後は,次の式を使用して線形又はデシベルで表現できる。 

補正済み消光比(パーセント表示):

ERCF

b

b

b

b

dark

1

dark

0

100

 

補正済み消光比(線形):     

100

1

dark

1

dark

0

ERCF

b

b

b

b

 

消光比(デシベル):       

100

log

10

dark

1

dark

0

10

ERCF

b

b

b

b

 

7.3 

アイ振幅 

7.3.1 

アイ振幅は,OMAに似ている(7.4参照)。 

7.3.2 

アイ振幅は,7.2で規定するb1とb0との値の差である。 

7.4 

方形波を使用した光変調振幅(OMA)測定 

7.4.1 

一般事項 

幾つかの通信システム規格は,符号間干渉によって影響されないOMA値を要求している。 

論理1の振幅b1は,論理1の連続したシーケンス内で取得し,論理0の振幅b0は,論理0の連続したシ

ーケンス内で得る。最も一般的な方式は,送信器が五つの論理1に続けて,五つの論理0を繰り返すシー

ケンスによって生成する。八つの論理1及び八つの論理0も使用する。 

7.4.2 

オシロスコープのトリガ 

オシロスコープのトリガは,方形波シーケンスのN回の繰り返し当たり1回発生する信号端を使用する。 

これは,分周クロック信号(パターン長のN倍で割った信号レート)を使う,又は被試験信号を直接ト

リガにして実現できる。例えば,信号が五つの論理1の後に五つの論理0が続く場合,10,20,30などで

割った信号レート周波数をもつクロック信号が有効である。一般的に,被試験信号で直接トリガすること

は推奨しないが,データの上昇端又は下降端のいずれかでトリガしたOMA測定では,正しい波形表示を

得る。 

7.4.3 

振幅ヒストグラム,ステップ1 

振幅ヒストグラムは,論理1のシーケンスの中央ビット(又は通信規格で指定する領域)の十分なビッ

ト間隔の間で構成する。b1は,このヒストグラムの平均値である。 

7.4.4 

振幅ヒストグラム,ステップ2 

振幅ヒストグラムは,論理0のシーケンスの中央ビット(又は通信規格で指定する領域)の十分なビッ


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C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

ト間隔の間で構成する。b0は,このヒストグラムの平均値である。 

7.4.5 

OMAの計算 

図5参照。OMAは,b1とb0との差である。 

 

 

図5−方形波法を使用したOMA測定 

 

7.5 

コントラスト比(RZ信号用) 

コントラスト比(RZ信号)は,オン状態の論理1の信号振幅と,オフ状態の論理1の信号振幅との比

と定義し,次の式になる。オフ状態とは,論理1から別の論理1へと遷移する前にゼロに復帰した状態の

ことである。 

dark

1

dark

1

b

b

b

b

off

on

 

通常の論理1のオフ振幅は,前後が論理0である論理1データを含んでいる。論理1のオフ振幅を測定

するとき,論理0信号の影響を減らすように注意することが望ましい。 

7.6 

ジッタ測定 

7.6.1 

3.9で定義したとおり,ジッタは,クロスポイントの時間幅又は広がりとして,アイパターンの理

想的な時間位置からのデジタル信号の論理遷移の偏差である。NRZアイパターンのジッタ測定は,アイパ

ターンの上昇端と下降端とが交差するクロスポイントで測定することができる。これは,論理0と論理1

との遷移時に発生する信号の全ジッタ評価,及びそのジッタ起因によるアイ閉鎖の評価に有用である。 

7.6.2 

この測定は,アイパターンのクロスポイントの位置に,垂直方向に薄い範囲でヒストグラムを作成

することによって行う。ピーク間の広がり,標準偏差などのヒストグラム統計は,ジッタ(それぞれジッ

タp-p,ジッタRMS)を定量化するのに使用できる。アイパターンのクロスポイントで測定するジッタに

は,ジッタの要素とみなすデューティサイクルひずみ(DCD)は含まれないことに注意する。DCDは,7.8

に個別パラメータとして定義し,測定手法を記している。幾つかの通信規格では,アイの平均振幅でジッ

タを評価しているが,DCDが存在するときにはクロスポイントと同じ高さにならない。この場合,ヒスト

グラム統計には,DCDが含まれる 


14 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

7.6.3 

ヒストグラムの最大幅からピーク間ジッタの値を測定できるが,より多くのデータサンプルを取得

することによって,ヒストグラム幅及びジッタの値は増加する。したがって,これはジッタの粗い評価で

あり,ビット誤り率を推定するために使う全ジッタの正確な推定値は提供できない(JIS C 61280-2-3参照)。 

7.6.4 

ヒストグラムの標準偏差は,ジッタの二乗平均平方根の推定に使用できるが,ヒストグラムは,ラ

ンダムジッタと確定ジッタとの両方の要素から成るので,ランダムジッタを正確に測定できない。 

7.6.5 

RZアイは,上昇端と下降端とが有用なタイミング情報を提供する位置で交差しない。ジッタ測定

は,通常は振幅50 %の高さで,上昇端又は下降端のいずれかで行う。上昇端及び下降端の両方のヒストグ

ラムを使用したジッタ測定結果を組み合わせることによって,総合の測定ができる。ジッタは,水平方向

(時間方向)のアイの閉鎖を評価しているので,上昇端のジッタヒストグラムの右半分と下降端のジッタ

ヒストグラムの左半分とを結合することで,NRZアイのクロスポイントのジッタ測定と同程度になる。 

7.7 

アイ幅 

7.7.1 

ジッタの補完的な測定が,アイ幅である。7.6で記載したとおり,ジッタは時間軸でアイを閉鎖す

る。理想的なジッタのないNRZのアイ幅は,1単位間隔になる。現実の信号に対しては,アイ幅は,ジッ

タを考慮に入れた後の残留アイ開口の大きさであり,数学的には単位間隔と被測定ジッタとの間の時間差

であり,7.7.2の式の関係になる。 

7.7.2 

アイ幅=1単位間隔−6×Jitterrms。これは,ジッタ分布が各々のクロスポイントで同一で,理想的

なクロスポイントを中心に対称性があることを前提としている。さらに,幾つかの規格では,7×Jitterrms

を使用してアイ閉口を定義している。 

7.7.3 

アイ幅を単位時間のパーセントで表す場合,アイ幅(%)=100 (1単位間隔−6×Jitterrms)/1単位間

隔の関係式になる。 

7.8 

デューティサイクルひずみ 

7.8.1 

論理1のパルス幅が論理0のパルス幅と異なるときに,DCDが発生する。これは,アイパターン

のクロスポイントが,論理1レベル(b1)と論理0レベル(b0)との中間値にならないことで分かる。DCD

は,下降端の平均位置と上昇端の平均位置との時間間隔として測定できる。 

7.8.2 

b1及びb0のレベルの平均において時間軸ヒストグラムを作成する。そのとき,アイパターンのク

ロスポイントの上昇端及び下降端の双方を含むように配置する。 

7.8.3 

下降端の平均時間位置をtfと定める。 

7.8.4 

上昇端の平均時間位置をtrと定める。 

7.8.5 

DCDは,次の式になる。DCD=

簀琀替

tr

図6参照) 

 


15 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

 

図6−デューティサイクルひずみの測定 

 

7.8.6 

別の方法として,DCDは,単位間隔のパーセント表示として表すことができ,7.8.7の関係になる。 

7.8.7 

DCD (%)=100×(DCD/単位間隔) 

7.9 

交点パーセント表示 

7.9.1 

交点パーセント表示は,アイパターンの下降端が上昇端と交差する相対振幅位置を測定するために

使用する。 

7.9.2 

下降端の平均が,上昇端の平均と交差する時間位置を特定するヒストグラムを作成する。 

7.9.3 

平均交点での振幅bxを決めるためにヒストグラムを作成する。 

7.9.4 

交点パーセント表示は,次の式の関係になる。交点パーセント表示=100(bx−b0)/(b1−b0)(図7参

照)。 

 

 

図7−交点パーセント表示測定 

 


16 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

7.10 アイ高さ 

7.10.1 アイ高さは,アイパターンの垂直方向の開きを表し,理想的な振幅位置からの信号の偏差を考慮し

たものである。 

7.10.2 7.2.2.2及び7.2.2.3で説明したのと同じ方法でヒストグラムを作成する。 

7.10.3 b1 及びb0を決定するのに加えて,各々のヒストグラムの標準偏差(s1 及びs0)も計算する。 

7.10.4 アイ高さは,次のように計算する。 

(アイ高さ)=(b1−3s1)−(b0+3s0) 

7.11 Q値/信号対雑音比 

7.11.1 SNRは,送信信号の振幅を論理1レベル及び論理0レベルの両方の合成雑音と比較したものである。

この過程で測定した雑音は,理想値からのランダム及び決定的なあらゆる振幅偏差を含んでいることに注

意する。一般的に,雑音はランダム機構だけに従うはずである。したがって,これは,ビット誤り率を測

定するのに使用できる真の信号対雑音比を決定するための正確な方法ではない。この測定の定義は,Q値

測定に使用するものと同等であることに注意する。同様に,Q値の解析は,理想振幅からの信号偏差がラ

ンダム機構に支配されていると仮定している。 

7.11.2 SNRは,アイ高さと同じパラメータを使って計算し,7.11.3の式の関係になる。 

7.11.3 SNR=(b1−b0)/(s1+s0) 

7.12 上昇時間 

上昇時間とは,光パルスが,20 %から80 %へ,又はb0+0.2(b1−b0)からb0+0.8(b1−b0)へ上昇するのに

必要な時間のことである。 

光波形は,最初の動き始めの領域及び安定状態に到達するところでひずむことがあるため,電気の測定

でエッジ速度を表すのに時々使われる10 %及び90 %のレベルを十分な精度で分析することは難しい。よ

って,20 %から80 %への上昇時間が好ましい。図8を参照。上昇時間は,通常,低域通過ベッセル・トム

ソン形フィルタを使用せずに測定する。フィルタを使用する場合,測定する上昇時間は,フィルタなしで

測定した上昇時間よりも遅くなることがある。二乗和平方根の手法によって,観測した上昇時間を,適用

する標準基準で規定する帯域における上昇時間に相関付けてもよい。 

 

 

図8−基準受信フィルタなしでの上昇時間の測定例 

 


17 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

7.13 下降時間 

下降時間とは,光パルスが,80 %から20 %へ,又はb0+0.8(b1−b0)からb0+0.2(b1−b0)へ下降するのに

必要な時間のことである。 

明快にするため,RZ波形に対する測定の定義及び構成を図9に示す。 

 

 

図9−RZアイパターンパラメータの説明図 

 

アイマスクを使用したアイパターン分析 

8.1 

マスクヒットを許容しないアイマスク試験 

多くの通信規格は,アイマスクによって送信器出力波形の許容形状を定義する。アイマスクは一般的に

アイパターンの上,下及び内部に配置する3個の多角形で構成する(図10参照)。マスクの形状は,一般

的に個別の通信規格によって定義する。アイパターンへのアイマスクの位置合わせを,次に示す。 

アイマスクの形状は,アイパターンの左側及び右側の交点が,それぞれ時間軸上の0及び1に対応する

一般的な座標系を使用して定義するが,一部の規格ではアイの時間軸位置を調整することを許可している。

振幅軸上の0は,アイパターンの論理0レベルによって定義する。振幅軸上の1は,アイパターンの論理

1レベルによって定義する。通信規格で異なる定義をしない限り,1及び0の振幅レベルは,7.2.2.2及び

7.2.2.3のb1及びb0による。 

 

上昇 
時間 

下降 
時間 

単位間隔 

パル 

 

b1及びb0はビット間隔の5 %と等しい幅

の期間で測定し,ピークのところを中心
とする。 

ス幅 


18 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

 

図10−基本的なアイマスク及び座標系 

 

アイマスク試験は,一般的にデジタルオシロスコープを使用して行う。デジタル化した波形は,一定の

サンプル数で構成する。歴史的に,マスク多角形上に一つ以上のサンプルが当たる送信器は,非準拠とみ

なす。したがって,結果は,サンプリングしたデータ母集団の大きさに依存する。アイマスク試験をする

ときには,波形の数よりも,十分なアイパターン評価をするのに必要なサンプル数を考慮することが望ま

しい。異なるオシロスコープを使用すると波形を形成するサンプル数は変化するが,サンプル数を指定す

ることによって,同等の結果をもたらす。典型的なサンプル数は,50 000〜1 000 000である。サンプル数

を増加することによって,信号並びに測定機器の雑音及びジッタのようなランダムな要素によって,アイ

マスク試験に適合しない可能性が増加するということに注目することは重要である。試験結果の一貫性の

ために,適切な母集団として必要なサンプル数は,通信規格に規定することが望ましい。一般的に,サン

プル母集団を大きくする利点は,被る試験時間損失と比べて弱い。したがって,100 000〜200 000のサン

プル母集団を推奨する。 

マスクマージンを使用することによって,アイマスク試験にどれくらいの余裕度があるかを定量化でき

る。正のマスクマージンは公称マスクの拡張であり,負のマージンは公称マスクの縮小による。マスクマ

ージンは,通常,一般座標系内で多角形のアイマスクを等比的に拡張したものによる。0 %の拡張は,公

称マスク形状のことであり,100 %のマスク拡張は,一般的な座標系で,0及び1のレベルまで拡張したマ

スクのことである。一般的なアイマスク形状を使用して典型的な基準受信器で測定するとき,マスクマー

ジン100 %の波形は,実現できないということに注意する。たとえ送信器にひずみ,雑音及びジッタが全

くない場合であっても,基準受信器を通過できる上昇時間及び下降時間には限界があるので,依然として

100 %のマスクマージンは不可能である。規格は,システムレベルの通信特性に必要な基準性能を定義す

るので,マスクマージンは,一般的に通信規格の一部にならない。マスクマージンは,一般的に製造工程

管理のために,及び送信器設計のための性能指数として使用する。 

8.2 

ヒット率を使用したアイマスク試験手法 

一般的に,マスクヒットを許容しないアイマスク試験は,一貫性の乏しい結果になりがちである。8.1

で規定するように,結果は,一般的に母集団の大きさに依存する。マスクマージンを適用するとき,これ

は特に当てはまる。大きなサンプルサイズであっても,規格試験に対して送信器は,容易に合格すること

がある。マスク範囲をマージン試験まで拡張するとき,マスクに合格する範囲は,試験ごとに又は母集団


19 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

数が変わるたびに変動する可能性がある。全母集団の中でめったに現れない異常値である一つのサンプル

が,ある試験におけるマスクマージンを著しく縮小するが,新しいサンプル母集団では現れないというこ

とがある。 

全サンプル数と比較して小さい割合のサンプルがマスクを破ることを許可する場合,マスク試験の結果

は,極端な異常値が存在する又はサンプル母集団サイズに変化があっても,かなり変動しにくくなる。例

えば,10 000分の1のサンプルがマスクを破ることを許可する場合,サンプル数100 000,1 000 000又は

10 000 000に対して,マスクマージンは概して同じになる。図11を参照。一貫した結果を得るために,サ

ンプル数とヒット率との積は,5よりも大きくすることが望ましい。 

 

 

a) 100 000サンプル及びヒット率1:10 000で試験したマスクマージン(75 %) 

図11−異なるサンプル母集団サイズでのマスクマージン 

 


20 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

 

b) 1 000 000サンプル以上及びヒット率1:10 000で試験したマスクマージン(76 %) 

図11−異なるサンプル母集団サイズでのマスクマージン(続き) 

 

通信規格に対してヒット率手法を使用するためには,マスク範囲及び許容するヒット率は,リンク・バ

ジェットと矛盾しないように同時に設計する。5×105のヒット率が一般的で,リンク性能に対する適切な

相関データが得られる。 

 

試験結果 

9.1 

必要な情報 

試験報告書には,次の項目を記載しなければならない。 

− 日付,試験の表題及び試験手順番号 

− サンプルの識別情報(端末機器及び送信器の識別情報) 

− 温度及び湿度の基準点 

− 試験の結果 

9.2 

有益な情報 

試験報告書には,次の項目を記載することが望ましい。 

− 使用した試験機器の識別情報,測定精度の見積り及び試験機器の最新の校正日 

− 試験者の名前 

9.3 

具体的な情報 

個別の製品規格には,次の項目を記載しなければならない。 

− 試験手順 

− 合否の判断基準 

− 必要がある場合,他の要求事項 

 

 


21 

C 61280-2-2:2017 (IEC 61280-2-2:2012, Cor.1:2015) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 

JIS C 6802 レーザ製品の安全基準 

注記 対応国際規格:IEC 60825-1,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and 

requirements 

JIS C 61281-1 光ファイバ通信サブシステム通則 

注記 対応国際規格:IEC 61281-1,Fibre optic communication subsystems−Part 1: Generic specification 

IEEE Std. 802.3,IEEE Standard for Information Technology−Telecommunications and Information exchange 

between systems−Local and Metropolitan Area Networks−Specific Requirements−Part 3: Carrier Sense 

Multiple Access with Collision Detection (CSMA/CD) Access Method and Physical Layer Specifications 

IEEE 802.3,LAN/MAN−IEEE Standard for Information Technology−Specific Requirements−Part 3: Carrier 

Sense Multiple Access with Collision Detection (CSMA/CD) Access Method and Physical Layer 

Specifications 

ITU-T Recommendation G.691,Optical interfaces for single-channel STM-64 and other SDH systems with 

optical amplifiers 

ITU-T Recommendation G.957,Optical interfaces for equipments and systems relating to the synchronous 

digital hierarchy 

TIA-526-4,OFSTP-4 Optical eye pattern measurement procedure 

TIA-559,Single-mode fiber optic system transmission design 

ANSI INCITS 479,Information Technology−Fibre Channel−Physical Interface-5 (FC-PI-5) 

ANDERSSON, Per O. and AKERMARK, Kurt, “Accurate Optical Extinction Ratio Measurements”, IEEE 

Photonics Technology Letters, Vol. 6, No. 11, November 1994