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C 61000-3-2:2019  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 一般事項························································································································· 5 

5 機器の分類 ······················································································································ 6 

5.1 一般 ···························································································································· 6 

5.2 照明機器の説明 ············································································································· 6 

6 一般要求事項 ··················································································································· 7 

6.1 一般 ···························································································································· 7 

6.2 制御方法 ······················································································································ 7 

6.3 高調波電流測定 ············································································································· 8 

6.4 ラック又はケース収納機器 ····························································································· 10 

6.4A 表示 ························································································································· 10 

7 高調波電流限度値 ············································································································ 10 

7.1 一般 ··························································································································· 10 

7.2 クラスAの機器に対する限度値 ······················································································· 12 

7.3 クラスBの機器に対する限度値 ······················································································· 12 

7.4 クラスCの機器に対する限度値 ······················································································· 12 

7.5 クラスDの機器に対する限度値 ······················································································· 14 

附属書A(規定)測定回路及び測定用電源 ··············································································· 17 

附属書B(規定)形式試験の条件 ··························································································· 22 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 31 

C 61000-3-2:2019  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電気

学会(IEEJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS C 61000-3-2:2011は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 61000の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 61000-3-2 第3-2部:限度値−高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20 A以下の機

器) 

JIS C 61000-4-2 第4-2部:試験及び測定技術−静電気放電イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-3 第4-3部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-4 第4-4部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バーストイミュニ

ティ試験 

JIS C 61000-4-5 第4-5部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-6 第4-6部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対する

イミュニティ 

JIS C 61000-4-7 第4-7部:試験及び測定技術−電力供給システム及びこれに接続する機器のための

高調波及び次数間高調波の測定方法及び計装に関する指針 

JIS C 61000-4-8 第4-8部:試験及び測定技術−電源周波数磁界イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-11 第4-11部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対する

イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-16 第4-16部:試験及び測定技術−直流から150 kHzまでの伝導コモンモード妨害に

対するイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-20 第4-20部:試験及び測定技術−TEM(横方向電磁界)導波管のエミッション及び

イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-22 第4-22部:試験及び測定技術−全電波無響室(FAR)における放射エミッション

及びイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-34 第4-34部:試験及び測定技術−1相当たりの入力電流が16 Aを超える電気機器の

電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験 

JIS C 61000-6-1 第6-1部:共通規格−住宅,商業及び軽工業環境におけるイミュニティ規格 

JIS C 61000-6-2 第6-2部:共通規格−工業環境におけるイミュニティ規格 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 61000-3-2:2019 

電磁両立性−第3-2部:限度値− 

高調波電流発生限度値 

(1相当たりの入力電流が20 A以下の機器) 

Electromagnetic compatibility (EMC)-Part 3-2: Limits- 

Limits for harmonic current emissions  

(equipment input current ≦ 20 A per phase) 

序文 

この規格は,2018年に第5版として発行されたIEC 61000-3-2を基とし,電力系統の違いなどを考慮し,

技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,商用電源系統に流入する高調波電流の制限について規定する。 

この規格は,規定の試験条件で,供試機器が発生する入力電流に含まれる高調波成分の限度値を規定す

る。 

この規格は,電圧300 V以下の商用電源系統に接続して用いる1相当たりの定格入力電流が20 A以下の

電気・電子機器(家電・汎用品)(以下,機器という。)に適用する。ただし,この範囲外であっても,こ

れを準用することを妨げない。 

専門家用機器ではない,1相当たりの定格入力電流が20 A以下のアーク溶接装置は,この規格の適用範

囲に含む。JIS C 9300-1で規定する専門家用のアーク溶接装置は,この規格の適用範囲外とする。 

この規格で規定する試験は,形式試験とする。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61000-3-2:2018,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 3-2: Limits−Limits for harmonic 

current emissions (equipment input current ≤ 16 A per phase)(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 7603 蛍光ランプ用グロースタータ 

注記1 対応国際規格:IEC 60155,Glow-starters for fluorescent lamps 

注記2 IEC 60155に対応するJISは,JIS C 7619(蛍光ランプ用グロースタータ−一般及び安全性

要求事項)及びJIS C 7622(蛍光ランプ用グロースタータ−性能規定)の2点に分割して

制定されているが,この2点を統合した製品規格として,JIS C 7603がある。 

JIS C 9335-2-24:2017 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-24部:冷却用機器,アイスク

リーム機器及び製氷機の個別要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60335-2-24:2010,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 

2-24: Particular requirements for refrigerating appliances, ice-cream appliances and ice makers 

JIS C 60050-161 EMCに関するIEV用語 

注記 対応国際規格:IEC 60050-161,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161: 

Electromagnetic compatibility 

IEC 60268-3,Sound system equipment−Part 3: Amplifiers 

IEC 61000-4-7:2002,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-7: Testing and measurement techniques−

General guide on harmonics and interharmonics measurements and instrumentation, for power supply 

systems and equipment connected thereto 

IEC 61000-4-7:2002/Amendment 1:2008 

注記 JIS C 61000-4-7:2007はIEC 61000-4-7:2002に対応しているが,Amendment 1:2008は含まれて

いない。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60050-161によるほか,次による。 

3.1 

手持ち形電動工具(portable tool) 

通常は手持ちで用い,短時間(数分)だけ用いる電動工具。 

注記 手持ちとは,通常動作中に,電源コード以外の部分が床に置かれていないことをいう。 

3.2 

ランプ(lamp) 

通常は,可視光放射用の光源。 

注記 この規格においては,ランプは更なる要素(例えば,光学的,電気的,機械的及び/又は電子

的な要素)を含む固体照明モジュールとしてもよい。 

3.3 

制御装置内蔵形ランプ(self-ballasted lamp) 

口金をもち,光源及び光源を点灯するための照明制御装置を内蔵した,破壊しなければ分解することが

できないユニット。 

3.4 

照明器具(luminaire) 

一つ以上のランプからの光を分配,透過又は伝達する装置(ランプを除く。)。ランプ,並びに必要な場

合,補助回路及びそれらを電源に接続するための機構を支持,固定及び保護するために必要な全ての部品

を含む。 

C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.5 

入力電流(input current) 

機器又は機器の一部に商用電源系統から供給される電流。 

3.6 

回路力率(circuit power factor) 

測定した有効入力電力の,供給電圧(実効値)と供給電流(実効値)との積に対する比。 

3.7 

有効電力(active power) 

50 Hz系統の場合は10周期,又は60 Hz系統の場合は12周期において,IEC 61000-4-7に従って測定し

た瞬時電力の平均値。 

注記 有効入力電力は,供試機器の電源入力端子で測定した有効電力である。 

3.8 

平衡三相機器(balanced three-phase equipment) 

定格電流に対する各相の電流の差が20 %以下の機器。 

3.9 

専門家用機器(professional equipment) 

一般消費者に販売することを意図していないと製造業者が指定した,商業用,専門家用又は産業用機器。 

3.10 

総合高調波電流,THC(total harmonic current) 

第2次〜第40次の高調波電流成分の実効値の総和。 

=

=

40

2

2

n

nI

THC

3.11 

総合高調波ひずみ率,THD(total harmonic distortion) 

各次高調波成分(第2次〜第40次の高調波電流成分)の基本波成分に対する実効値の比の総和。 

=

=

40

2

2

1

n

n

I

I

THD

3.12 

部分奇数次高調波電流,POHC(partial odd harmonic current) 

第21次〜第39次のうち,奇数次の高調波電流成分の実効値の総和。 

=

=

39

23

,

21

2

n

nI

POHC

3.13 

照明機器(lighting equipment) 

基本機能が放射光を発生,調整及び/又は分配する機器。 

注記 5.2も参照。 

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C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.14 

待機モード(stand-by mode) 

ある一定期間持続する,動作しない低電力消費のモード(通常は何らかの方法で機器に示してある。)。 

3.15 

繰返し性(repeatability) 

同一の供試機器を用いて,同一の試験システム,試験場所及び試験条件で行う高調波電流測定結果の近

似性。 

3.16 

再現性(reproducibility) 

同一の供試機器を用いて,毎回同一になるように設定した試験条件で,異なる試験システムで行う高調

波電流測定結果の近似性。 

注記 試験システム及び試験条件は,規格で規定された要求事項を満たしているとみなす。 

3.17 

変化性(variability) 

同じ形式の異なる供試機器(故意に違いが出る機器は用いない。)を用いて,毎回同一になるように設定

した試験条件で,異なる試験システムで行う高調波電流測定結果の近似性。 

注記1 試験システム及び試験条件は,規格で規定された要求事項を満たしているとみなす。 

注記2 この規格におけるこれらの用語の具体的な意味は,次のとおりである。 

用語 

意味 

繰返し性 

同一の供試機器,同一の試験システム,同一の試験条件,試験の反復 

再現性 

同一の供試機器,規定された異なる試験システム,規定された試験条件 

変化性 

同じ形式の異なる供試機器(故意に違いが出る機器は用いない。),規定
された異なる試験システム,規定された試験条件 

3.18 

インバータ(variable speed drive) 

速度及び/又はトルクを連続的に制御できる,パワーエレクトロニクスによる装置。 

3.19 

照明制御装置(lighting control gear) 

電源と一つ以上のランプとの間に接続し,意図したようにランプが動作することを有効にする装置。 

注記1 照明制御装置は,一つ以上の別々の構成要素から成る。照明制御装置には,調光のための手

段,力率の改善及び無線障害の抑制,並びに他の制御機能を含む。 

注記2 照明制御装置は,制御装置内蔵形ランプの場合のように,部分的又は全体的にランプと一体

化することができる。照明制御装置への参照は,そのような内蔵形ランプを含む。 

注記3 照明制御装置の例として,放電ランプ用安定器又は電子制御装置,白熱電球用電子トランス,

固体照明モジュール用ドライバがある。 

注記4 この規格では,独立形位相制御調光器は,照明制御装置とはみなさない。 

注記5 この規格では,機械式スイッチ及びリレー,並びに入り切りだけを行うその他の単純なデバ

イスは,ひずみ電流を発生しないため,照明制御装置とはみなさない。 

3.20 

DLT制御装置(digital load side transmission lighting control device,DLT control device) 

C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

IEC 62756-1に従って負荷側電力線を介したデータ伝送を使用し,照明機器の光出力及び光色の照明パ

ラメータを制御する装置。 

注記 DLT制御装置は,従来の調光器のように配線するが,接続した専用の照明機器へ供給する電力

を直接変化させない。専用照明機器への電力線にデジタル信号を伝送するもので,調光,色変

化などの手段だけでなく,制御信号の受信及び読取りの手段を含む。 

3.21 

調光器(dimmer) 

照明機器の光出力レベルを制御する機器。 

3.22 

器具内用調光器(built-in dimmer) 

照明機器の外郭に内蔵するか,又は電源ケーブルに取り付ける調光器。 

3.23 

独立形調光器(independent dimmer) 

器具内用調光器以外の調光器。 

3.24 

位相制御調光器(phase control dimmer) 

リーディングエッジ(正位相)又はトレーリングエッジ(逆位相)の交流波形を生成する電子スイッチ。 

注記 この交流波形は,一つ以上の負荷に供給され,導通角を調整できる。 

3.24A 

独立形位相制御調光器(independent phase control dimmer) 

器具内用調光器以外の位相制御調光器。 

注記 独立形位相制御調光器と組み合わせて使用する機器増設用のブースタは,その機能が調光器と

同じであり,この定義に含まれる。 

3.25 

ユニバーサル位相制御調光器(universal phase control dimmer) 

リーディングエッジ又はトレーリングエッジの交流波形を自動又は手動で切替えが可能な位相制御調光

器。 

3.26 

舞台照明及びスタジオ用の専門家用照明器具(professional luminaire for stage lighting and studios) 

IEC 60598-2-17の範囲内にある舞台照明向け,テレビジョン放送向け,又は映画若しくは写真スタジオ

向け,かつ,専門家用機器である照明器具(屋外用又は屋内用)。 

3.26A 

商用電源系統 

電気事業者が所有する電力系統,及びそれと電気的に接続してある需要家配線(コンセントを含む。)。 

一般事項 

この規格の目的は,適用範囲に含まれる機器の高調波エミッションに限度値を設定することである。こ

れによって,他の機器からのエミッションに対して適切な裕度をもたせ,また,限度値に準拠させること

によって,高調波ひずみレベルが高調波環境目標レベルを超えないことを確実にする。 

注記 商用電源系統の高調波環境目標レベルとしては,総合電圧ひずみ率において,6.6 kV配電系5 %

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

及び特高系3 %が妥当であるとされている[通商産業省(現経済産業省)資源エネルギー庁長

官の私的懇談会“電力利用基盤強化懇談会”の報告書(1987年6月)による。]。 

機器の分類 

5.1 一般 

高調波電流限度に対して,機器は,次のように分類する。 

クラスA: 

クラスB,クラスC又はクラスDに分類されない機器は,クラスAとみなす。 

クラスA機器の例を,次に示す。 

・ 平衡三相機器 

・ クラスB,クラスC又はクラスDに分類されない家庭用電気機器 

・ 真空掃除機 

・ 高圧洗浄機 

・ 手持ち形電動工具以外の電動工具 

・ 独立形位相制御調光器 

・ オーディオ機器 

・ 舞台照明及びスタジオ用の専門家用照明器具 

注記1 商用電源系統に重大な影響をもつことが明らかな機器は,この規格の今後の改正で再分類す

ることがある。 

考慮する要因には,次が挙げられる。 

・ 使用中の機器台数 

・ 使用期間 

・ 同時使用性 

・ 電力消費量 

・ 位相を含めた,高調波の分布 

クラスB: 

・ 手持ち形電動工具 

・ 専門家用でないアーク溶接装置 

クラスC: 

・ 照明機器 

クラスD:6.3.2で規定する有効入力電力が600 W以下の次の機器。 

・ パーソナルコンピュータ及びパーソナルコンピュータ用のモニタ 

・ テレビジョン受信機 

・ インバータで制御する圧縮機を搭載する冷蔵庫及び冷凍庫 

注記2 クラスDの限度値は,将来,注記1に記載した要因によって,商用電源系統に明白な影響を

与えることが明らかな機器に対しても適用する可能性がある。 

5.2 

照明機器の説明 

この規格において,3.13で定義する照明機器に含むものを次に示す。 

・ ランプ及び照明器具 

・ 基本機能の一つが照明である多機能機器の照明部分 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

・ 独立形照明制御装置 

・ 紫外線及び赤外線応用機器 

・ 広告用の電飾サイン 

・ 位相制御式以外の照明機器用独立形調光器 

・ DLT制御装置 

この規格において,3.13で定義する照明機器に含まないものを次に示す。 

・ 複写機,オーバヘッド投射機若しくはスライド投射機のようにほかの基本機能をもつ機器に内蔵する

か,又は目盛用若しくは表示目的の照明デバイス 

・ 主機能が放射光を発生及び/又は調整及び/又は分配する目的ではないが,一つ以上のランプを含み,

セパレートスイッチを含むか又は含まない家庭用電気器具(例 光源組込みレンジフード) 

・ 独立形位相制御調光器 

・ 舞台照明及びスタジオ用の専門家用照明器具 

・ 非常時にだけ点灯する非常用照明器具 

一般要求事項 

6.1 

一般 

この箇条では,7.1で規定する高調波電流限度値を適用しない機器であっても,6.2の規定を適用する。 

この箇条で規定する要求事項及び限度値は,50 Hz又は60 Hzで動作する商用電源系統に接続する機器

の電力入力端子に適用できる。 

マイナーチェンジ又はアップデートする機器に対しては,以前の完全適合試験において,電流エミッシ

ョンが限度値の60 %未満であり,供給電流のTHDが15 %未満であることを示した場合は,簡易的な試験

方法を行ってもよい。簡易的な試験方法は,マイナーチェンジ又はアップデートした機器の入力電力がマ

イナーチェンジ又はアップデート前の機器の入力電力に対して±20 %であり,かつ,供給電流のTHDが

15 %未満であることを証明しなければならない。これらの要求事項を満たした製品は,限度値を満足した

とみなすが,簡易的な試験方法の結果に疑義がある場合は,6.2〜6.4及び箇条7で規定する完全適合試験

を行う。 

6.2 

制御方法 

JIS C 60050-161の161-07-12で規定する非対称制御及び半波整流は,次のいずれかの条件において使用

できる。 

a) 安全でない状態を検出する機能を備えた,唯一,実用的な解決策である。 

b) 制御後の有効入力電力が100 W以下である。 

c) 対象となる電気製品は,2芯の電線を備えた手持ち形機器であり,かつ,数分間程度の短時間の使用

を意図している機器である。 

a)〜c)の三つの条件の一つを満足した場合,半波整流は,いかなる目的のためにも使用できるが,非対

称制御は,モータ制御のためだけに使用できる。 

注記1 このような制御を行う機器には,例えば,ヘヤドライヤ,調理家電,手持ち形電動工具など

がある。 

入力電流における40次以下の高調波を生じやすい対称制御方法は,入力電力が200 W以下又は表3の

限度値を超えない製品について,加熱素子の電力制御のために使用できる。 

C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

対称制御方法は,次のいずれかの場合に専門家用機器にも適用できる。 

a) 上記a),b)又はc)のいずれかの条件を満たす場合。 

b) 電力入力端子で測定した値が,箇条7のエミッション限度値を超えず,かつ,次の二つの条件を満た

す場合。 

1) 加熱器の熱時定数が2秒間未満であり,温度を正確に制御する。 

2) 対称制御方法以外に経済的な実現方法がない。 

加熱を主目的としない専門家用機器は,関連する箇条7の限度値で試験する。 

注記2 主目的が加熱ではない製品例として,複写機がある。調理家電は,主目的が加熱とみなされ

る。 

ヘヤドライヤのような短時間だけ対称制御を利用する家庭用機器は,クラスAの分類で試験する。 

非対称制御及び半波整流は,最初のa),b)又はc)の条件で使用できるが,機器は,この規格における高

調波電流の要求事項を満足しなければならない。 

注記3 最初のa),b)又はc)の条件において,非対称制御及び半波整流を使用している場合に地絡が

発生したときには,供給電流の直流成分は地絡電流にも存在し,かつ,特定の種類の保護装

置の動作を妨げることがある。IEC/TR 60755参照。 

6.3 

高調波電流測定 

6.3.1 

試験構成 

高調波成分の測定は,測定回路及び測定用電源に関しては,附属書Aに基づいて行う。 

一部のタイプの機器に関連する高調波電流を測定するための特定試験条件は,附属書Bに規定する。 

附属書Bに規定していない機器については,通常の動作条件で,最大のTHCを発生すると想定できる

モードに設定した手動操作設定又は自動プログラムで,エミッション試験を行う。この試験条件は,試験

中の機器のセットアップを規定しており,THCを測定したり,又は最悪の状況の発生量を調査したりする

ための要求事項は規定していない。 

箇条7で規定する高調波電流の限度値は,線電流に適用し,中性線の電流には適用しない。 

機器は,製造業者が提供するとおりに,かつ,製造業者が提供する情報に従って試験する。通常の使用

に対応した試験結果が得られるように,製造業者は,試験を行う前にあらかじめ電動機を駆動できる。 

6.3.2 

測定手順 

試験は,6.3.3に規定する一般要求事項に従って行う。試験期間は,6.3.4による。 

高調波電流の測定は,次による。 

・ 各次高調波について,IEC 61000-4-7で規定するように,離散形フーリエ変換(DFT)の各タイムウィ

ンドウで時定数1.5秒の一次ローパスフィルタで平滑した実効値(以下,1.5秒平滑実効値という。)

高調波電流を測定する。 

・ 6.3.4に規定する観測期間全体にわたって,DFTタイムウィンドウからの測定値の算術平均を求める。 

限度値の算出に用いる入力電力値は,次の手順によって決定する。 

・ 各DFTタイムウィンドウの時定数1.5秒の一次ローパスフィルタで平滑した有効入力電力を測定す 

る。 

・ 試験の全期間にわたるDFTタイムウィンドウからの電力測定値の最大値を求める。 

注記 IEC 61000-4-7で規定するように,測定器の平滑部に供給する有効入力電力は,各DFTタイム

ウィンドウの有効入力電力とする。 

C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

高調波電流及び有効入力電力は同じ試験条件で測定するが,同時に測定する必要はない。 

製造業者は,実測値の±10 %の値を指定してもよく,かつ,この値を用いて製造業者の適合性評価試験

の限度値を決めてもよい。この箇条で規定する電力測定値及び指定値を試験報告書に記録する。 

この箇条で規定する要求事項に従って測定し,製造業者の適合性評価試験以外のエミッション試験中の

測定によって判明した電力値が,製造業者が試験報告書(6.3.3.5参照)に記録した電力値の90 %〜110 %

の場合には,指定した電力値を用いて限度値を確定する。測定値がこの許容幅を外れる場合には,測定し

た電力値を用いて限度値を確定する。 

クラスCの機器については,製造業者が指定する基本波電流及び力率を用いて,限度値を算出する(3.6

参照)。電流の基本波成分及び力率は,クラスDの限度値を算出する場合における電力の測定及び規定と

同じ方法で製造業者が測定し,指定する。力率を得るために用いる値は,電流の基本波成分の値と同じDFT

タイムウィンドウから得られる。 

6.3.3 

一般要求事項 

6.3.3.1 

繰返し性 

繰返し性(3.15参照)は,次の条件を満たす場合,観測期間全体を通して高調波電流の平均値が限度値

の±5 %の範囲内でなければならない。 

・ 同一の供試機器(同形式の別の機器は不可) 

・ 同一の試験システム 

・ 同一の試験場所 

・ 同等の試験条件 

・ 気候条件が関係する場合は,同等の気候条件 

この繰返し性の要求事項の目的は,必要な試験観測期間(6.3.4参照)を規定することであり,この規格

の要求事項に対する適合性評価のための合否基準を規定することではない。 

6.3.3.2 

再現性 

異なる試験システムで同一の供試機器を用いた場合の測定の再現性(3.16参照)を,全ての供試機器,

高調波測定器及び試験器類の全ての組合せに対して算出することはできないが,±(1 %+10 mA)の範囲内

かどうかを評価することはできる。ただし,ここでいう1 %とは,全試験観測期間を通して測定した入力

電流実効値の平均値の1 %を意味する。したがって,この値よりも小さい結果の違いは無視できるが,こ

の値よりも大きくなることもある。 

このような試験結果の疑義をなくすために,異なる場所又は状況で得られた全ての関連する限度値を満

足する試験結果は,繰返し性及び再現性の値よりも大きい場合でも,適合しているとみなす。 

注記 同じ形式の異なる供試機器(故意に違いが出る機器は用いない。)を用いた場合の変化性(3.17

参照)は,実際の構成要素の許容差及びその他の影響,例えば,供試機器の特性と測定器又は

供給電源との相互作用によって増大することもある。これらによる影響については,規格で定

量化することはできない。同様の理由で,再現性についても同じである。この細分箇条の2段

落目の規定は,変化性についても適用されている。 

変化性の限度値に関して規定することは,この規格の範囲外である。 

6.3.3.3 

始動及び停止 

機器の一部を始動又は停止させる場合は,手動のときも自動のときも,その開閉事象に続く最初の10

秒間は,高調波電流及び電力は考慮しない。 

供試機器は,その観測期間の10 %を超えて待機モード(3.14参照)にあってはならない。 

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C 61000-3-2:2019  

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6.3.3.4 

限度値の適用 

全試験観測期間にわたって得た個々の高調波電流の平均値は,適用限度値以下でなければならない。 

さらに,各次高調波に対して,6.3.2で規定する全ての1.5秒平滑実効値高調波電流は,限度値の150 %

以下でなければならない。 

試験条件で測定した入力電流値の0.6 %と5 mAとを比較し,大きい方の値未満の高調波電流は無視する。 

なお,次のa)又はb)の条件を満たす場合は,これらの限度値を適用できる。 

a) 次の条件を全て満たす場合は,1.5秒平滑実効値高調波電流は,限度値の200 %以下を適用する。 

1) 供試機器がクラスAに属する。 

2) 適用限度値の150 %を超える持続期間が,試験観測期間の10 %,又は合計で10分(試験観測期間

以内)のいずれか短い期間未満である。 

3) 全試験観測期間にわたって得た高調波電流の平均値が,適用限度値の90 %未満である。 

b) 次の条件を全て満たす場合,第21次以上の奇数次高調波に対して,6.3.2に従って1.5秒平滑実効値高

調波電流から算出する,全観測期間にわたった奇数次高調波ごとに得られる平均値は,限度値の150 %

以下を適用する。 

1) 測定した部分奇数次高調波電流は,限度値から算出できる部分奇数次高調波電流以下である。 

2) 全ての1.5秒平滑実効値高調波電流が,適用限度値の150 %以下である。 

a)とb)とは,相互に排他的で,同時に使用できない。 

6.3.3.5 

試験報告書 

試験報告書は,試験機関が製造業者から提供された情報に基づいて作成するか,又は製造業者自身の試

験の詳細を記録した文書としてもよい。試験報告書には,試験条件,試験観測期間についてあらゆる関連

情報を記載する。また,限度値を確定するために適用可能な場合には,有効電力値,又は基本波電流及び

力率を記載する。 

6.3.4 

試験観測期間 

機器の動作タイプを四つに分類する。それらに対応した試験観測期間(Tobs:表4参照)を考慮する。 

6.4 

ラック又はケース収納機器 

必要物を全て備えた独立した品目の機器をラック又はケースに設置する場合,それらは独立して電源に

接続しているとみなしてもよい。ラック又はケースとともに,その全体を試験する必要はない。この場合,

異なるクラスの機器を収納するときは,機器が電源プラグ(商用電源系統に接続する形状のプラグ)をも

たない場合でも,個々の機器について別々に測定し,各クラスの限度値を適用してもよい。 

6.4A 表示 

この規格に適合していることを表示する場合には,“JIS C 61000-3-2適合品”と取扱説明書などに表示

する。 

なお,この規格の適用範囲外の機器にこの規格の限度値を適用した場合は,“JIS C 61000-3-2準用品”

と表示できる。 

高調波電流限度値 

7.1 

一般 

限度値の適用及び結果の評価手順を図1に示す。 

次の機器については,この規格では限度値を規定しない。 

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C 61000-3-2:2019  

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注記1 これらの限度値は,将来の規格の改正版で規定することがある。 

・ 定格電力が5 W未満の照明機器 

・ 照明機器を除く,有効入力電力が75 W以下の機器 

注記2 この値は,将来75 Wから50 Wに低減される可能性がある。 

・ 全定格電力が1 kWを超える専門家用機器 

・ 定格電力が200 W以下の,対称制御した加熱素子 

・ 独立形位相制御調光器 

− 白熱電球を点灯したときの定格電力が1.7 kW以下のもの。 

− 白熱電球以外のランプを点灯したとき,トレーリングエッジ調光器,及びトレーリングエッジに初

期設定されたユニバーサル調光器の電力が200 W以下のもの。 

− 白熱電球以外のランプを点灯したとき,リーディングエッジ調光器,及びトレーリングエッジに初

期設定されないユニバーサル調光器の電力が100 W以下のもの。 

分類:白熱電球及び他の照明機器に使用すると表示した100 W又は200 W(位相制御調光器の種類に

よる)を超え,1.7 kW以下の定格電力の独立形位相制御調光器の限度値は,白熱電球以外の照明機器

を点灯したときの値を適用する。 

注記3 リーディングエッジ調光器の高次高調波は,白熱灯以外の照明器具の負荷がかかると著しく

高くなるため,リーディングエッジ調光器及びデフォルトモードをトレーリングエッジに設

定しないユニバーサル位相制御調光器のしきい値は,トレーリングエッジ調光器のしきい値

よりも低く設定している。 

表1,表1A,表1B,表1C及び表3のVnomは,機器の定格電圧を示す。機器の定格電圧を電圧範囲で

示す場合は,用いることが可能な商用電源系統の全ての公称電圧をVnomとして各限度値を計算する。Pは,

6.3.2で規定する有効入力電力値をワット(W)で表した値とする。 

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12 

C 61000-3-2:2019  

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図1−適合性を決定するための流れ図 

7.2 

クラスAの機器に対する限度値 

クラスAの機器の入力電流の高調波は,表1に規定する最大許容高調波電流以下とする。ただし,三相

機器については,表1Bとする。 

入力電力が600 Wを超える,単相電源を用いるエアコンディショナについては表1Aの限度値,三相電

源を用いるエアコンディショナについては表1Cの限度値を適用する。 

オーディオアンプは,B.3に従って試験する。照明機器用独立形位相制御調光器は,B.6に従って試験す

る。 

7.3 

クラスBの機器に対する限度値 

クラスBの機器の入力電流の高調波は,表1に規定する最大許容高調波電流の1.5倍の値以下とする。 

7.4 

クラスCの機器に対する限度値 

7.4.1 

一般 

照明機器は,B.5の規定に従って試験する。 

いいえ 

はい 

始め: 
クラスの決定 

(箇条5) 

6.2で許容されない
技術を使用してい
るか。 

7.1又は附属書Bに
おける除外規定に
該当するか。 

JIS C 61000-3-2に
適合していない。 

はい 

JIS C 61000-3-2に
適合している。 

いいえ 

試験条件はB.2及び
それ以降で規定し
ているか。 

はい 

いいえ 

6.3.1の“共通”
試験条件を適用
する。 

それらの試験条
件を適用する。 

関連する限度値に
適合しているか。 

はい 

JIS C 61000-3-2に
適合している。 

いいえ 

JIS C 61000-3-2に
適合していない。 

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有効入力電力が2 W以下の単一制御モジュールの高調波電流によって7.4.2又は7.4.3の要求事項を満足

できない照明機器は,制御モジュールとそれ以外の部分の入力電流とを別々に測定可能で,制御モジュー

ルを除いた照明機器で通常動作条件下のエミッション試験時の入力電流が変わらないことを条件に,制御

モジュールの寄与を無視することができる。 

7.4.2 

定格入力電力が25 Wを超える場合 

定格入力電力が25 Wを超える白熱電球を器具内用位相制御調光器で制御する照明器具に対する高調波

電流は,表1で規定する限度値を適用する。 

定格入力電力が25 Wを超えるその他の照明機器に対する高調波電流は,表2で規定する相対的限度値

以下とする。制御手段(例えば,調光,色)をもつそれらの照明機器は,次の設定条件で試験したとき,

最大有効入力電力(Pmax)において表2で規定する百分率で示す高調波電流値以下とする。ただし,位相

制御式の照明機器(白熱電球用以外の調光器を含む。)には,限度値は適用しない。 

・ Pmaxとなる制御設定。 

・ 最大有効入力電力(Pmax)と次に示す有効入力電力(Pmin)との間でTHCが最大となる制御設定。 

− Pmax≦50 Wの場合,Pminは5 Wとする。 

− 50 W<Pmax≦250 Wの場合,PminはPmaxの10 %の値とする。 

− Pmax>250 Wの場合,Pminは25 Wとする。 

7.4.3 

定格入力電力が5 W〜25 Wの場合 

定格入力電力が5 W〜25 Wの照明機器は,次の要求事項のいずれか一つに適合しなければならない。 

・ 高調波電流は,表3の第2列で規定する電力比例限度値以下とする。 

・ 基本波入力電流に対する百分率で示す第3次高調波及び第5次高調波は,それぞれ86 %及び61 %以

下とする。また,入力電流の波形は,基本波入力電圧のゼロクロスを起点とし,60°又はそれより前

で電流しきい値に到達し,65°又はそれより前にそのピーク値をもち,かつ,90°より後ろで電流し

きい値以下にならなければならない。電流しきい値は,測定画面に現れる最大ピーク値の絶対値の5 %

とする。位相角の測定は,この最大ピーク値を含む周期で行う(図2参照)。9 kHz以上の周波数成分

はこの評価に影響を与えてはならない(例えば,IEC 61000-4-7:2002及びAmendment 1:2008の5.3に

規定するようなフィルタ回路を適用するなど。)。 

・ THDは,70 %以下とする。基本波電流の割合として表す第3次高調波は35 %以下,第5次高調波は

25 %以下,第7次高調波は30 %以下,第9次及び第11次高調波は20 %以下,第2次高調波は5 %以

下とする。 

調色,調光などの制御手段をもつ,又は複数の適合負荷をもつ照明器具の場合,高調波電流の測定は,

有効入力電力が最大になる制御及び負荷の条件でだけ行う。 

注記 上記測定条件は,位相制御以外の制御方式を使用した照明機器の場合は,入力電力が低下する

とTHCも減少するという前提に基づく。 

一つの照明機器に適用クラスの異なるランプ制御装置を組み込み,適用限度値の表が複数にわたる場合

は,一般的には個々のランプ制御装置ごとに測定し,各々の限度値を適用する。 

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14 

C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 Ip(abs)は,Ip+及びIp−のより大きいほうの絶対値である。 

図2−7.4.3の規定に関係する位相角及び電流パラメータの説明図 

7.5 

クラスDの機器に対する限度値 

クラスDの機器については,高調波電流及び電力は,6.3.2で規定するように測定する。入力電流の各次

高調波は,6.3.3及び6.3.4に規定する要求事項において,表3の値以下とする。 

表1−クラスAの機器(単相機器)の限度値 

高調波次数h 

最大許容高調波電流a) 

奇数次高調波 

2.30×(230/Vnom) 

1.14×(230/Vnom) 

0.77×(230/Vnom) 

0.40×(230/Vnom) 

11 

0.33×(230/Vnom) 

13 

0.21×(230/Vnom) 

15≦h≦39 

0.15×(15/h)×(230/Vnom) 

偶数次高調波 

1.08×(230/Vnom) 

0.43×(230/Vnom) 

0.30×(230/Vnom) 

8≦h≦40 

0.23×(8/h)×(230/Vnom) 

注a) 220 V,230 V又は240 Vの商用電源系統の場合は,Vnom=230 Vで一定とする。 

400 

300 

200 

100 

‒100 

‒200 

‒300 

‒400 

0.4 

0.3 

0.2 

0.1 

‒0.1 

‒0.2 

‒0.3 

‒0.4 

≧90°

≦60° 

≦65° 

≧90°

≦60°

≤65° 

+0.05Ip(abs) 

‒0.05Ip(abs) 

Ip+ 

Ip‒ 

基本波入力電圧 

入力電流 

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C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1A−有効入力電力600 Wを超えるエアコンディショナ(単相機器)に適用する限度値 

高調波次数h 

最大許容高調波電流a) 

奇数次高調波 

[2.30+0.002 83(P−600)]×(230/Vnom) 

[1.14+0.000 70(P−600)]×(230/Vnom) 

[0.77+0.000 83(P−600)]×(230/Vnom) 

[0.40+0.000 33(P−600)]×(230/Vnom) 

11 

[0.33+0.000 25(P−600)]×(230/Vnom) 

13 

[0.21+0.000 22(P−600)]×(230/Vnom) 

15≦h≦39 

[0.15+0.000 20(P−600)]×(15/h)×(230/Vnom) 

偶数次高調波 

[1.08+0.000 33(P−600)]×(230/Vnom) 

[0.43+0.000 17(P−600)]×(230/Vnom) 

[0.30+0.000 12(P−600)]×(230/Vnom) 

8≦h≦40 

[0.23+0.000 09(P−600)]×(8/h)×(230/Vnom) 

注a) 220 V,230 V又は240 Vの商用電源系統の場合は,Vnom=230 Vで一定とする。 

表1B−クラスAの機器(三相機器)の限度値 

高調波次数h 

最大許容高調波電流a) 

奇数次高調波 

2.30×(400/Vnom) 

1.14×(400/Vnom) 

0.77×(400/Vnom) 

0.40×(400/Vnom) 

11 

0.33×(400/Vnom) 

13 

0.21×(400/Vnom) 

15≦h≦39 

0.15×(15/h)×(400/Vnom) 

偶数次高調波 

1.08×(400/Vnom) 

0.43×(400/Vnom) 

0.30×(400/Vnom) 

8≦h≦40 

0.23×(8/h)×(400/Vnom) 

注a) 380 V,400 V又は415 Vの商用電源系統の場合は,Vnom=400 Vで一定とする。 

表1C−有効入力電力600 Wを超えるエアコンディショナ(三相機器)に適用する限度値 

高調波次数h 

最大許容高調波電流a) 

奇数次高調波 

[2.30+0.002 83(P−600)]×(400/Vnom) 

[1.14+0.000 70(P−600)]×(400/Vnom) 

[0.77+0.000 83(P−600)]×(400/Vnom) 

[0.40+0.000 33(P−600)]×(400/Vnom) 

11 

[0.33+0.000 25(P−600)]×(400/Vnom) 

13 

[0.21+0.000 22(P−600)]×(400/Vnom) 

15≦h≦39 

[0.15+0.000 20(P−600)]×(15/h)×(400/Vnom) 

偶数次高調波 

[1.08+0.000 33(P−600)]×(400/Vnom) 

[0.43+0.000 17(P−600)]×(400/Vnom) 

[0.30+0.000 12(P−600)]×(400/Vnom) 

8≦h≦40 

[0.23+0.000 09(P−600)]×(8/h)×(400/Vnom) 

注a) 380 V,400 V又は415 Vの商用電源系統の場合は,Vnom=400 Vで一定とする。 

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16 

C 61000-3-2:2019  

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表2−クラスCの機器の相対的限度値a) 

高調波次数h 

照明機器の基本波入力電流の百分率として表される 

最大許容高調波電流 

偶数次高調波 

奇数次高調波 

30×λ b) 

10 

11≦h≦39 

注a) ほかの限度値を適用するクラスCの機器もある(7.4参照)。 

b) λは,回路力率。 

表3−クラスDの機器の限度値 

高調波次数h 

電力比例限度値a) 

mA/W 

最大許容高調波電流a) 

3.4×(230/Vnom) 

2.30×(230/Vnom) 

1.9×(230/Vnom) 

1.14×(230/Vnom) 

1.0×(230/Vnom) 

0.77×(230/Vnom) 

0.5×(230/Vnom) 

0.40×(230/Vnom) 

11 

0.35×(230/Vnom) 

0.33×(230/Vnom) 

13≦h≦39 

(奇数次高調波だけ) 

(3.85/h)×(230/Vnom) 

表1による。 

注a) 220 V,230 V又は240 Vの商用電源系統の場合は,Vnom=230 Vで一定とする。 

表4−試験観測期間 

機器動作のタイプ 

試験観測期間(Tobs) 

準静止 

Tobsは,6.3.3.1における繰返し性の要求を満たすのに十分な継続期間がある。 

短周期的(Tcycle≦2.5分) Tobsは,10周期以上(基準とする方法),又は6.3.3.1における繰返し性の要求

を満たすのに十分な継続期間がある,若しくは同期化a)している。 

ランダム 

Tobsは,6.3.3.1における繰返し性の要求を満たすのに十分な継続期間がある。 

長周期的(Tcycle>2.5分) Tobsは,機器のプログラムサイクル全体(基準とする方法),又は製造業者が

最大のTHCを発生する運転期間であるとみなす代表的な2.5分間。 

注a) 同期化とは,6.3.3.1における繰返し性の要求を満たすために,全試験観測期間が機器周期の整数倍

に十分近くなることをいう。 

17 

C 61000-3-2:2019  

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附属書A 

(規定) 

測定回路及び測定用電源 

A.1 測定回路 

測定した高調波電流の値を箇条7に規定する限度値と比較する。供試機器の高調波電流を,次の図に規

定する回路に基づいて測定する。 

・ 単相2線機器については図A.1。 

・ 単相3線機器については図A.1B。 

・ 三相機器については図A.2。 

ただし,測定結果にばらつきが生じるおそれがあるときは,次の図に規定する回路に基づいて測定して

もよい。このとき,A.2 c)及びd)の要求事項は,無負荷時及び供試機器の定格消費電力に相当する抵抗負

荷に電力を供給するときに要求する。 

・ 単相2線機器については図A.1A。 

・ 単相3線機器については図A.1C。 

・ 三相機器については図A.2A。 

IEC 61000-4-7:2002及びAmendment 1:2008による測定器を用いる。供試機器に対する試験条件は,附属

書Bで規定する。 

A.2 測定用電源 

測定用電源は,供試機器の受電端子(U,U1,U2及びU3の測定点)において測定中,次の条件に適合し

なければならない。 

a) 測定用の電圧及び周波数は,機器の定格電圧及び定格周波数とする。機器が複数の定格電圧及び定格

周波数をもつ場合は,それらの電圧及び周波数を供給して,それぞれ測定する。また,機器の定格電

圧を電圧範囲で示す場合は,用いることが可能な商用電源系統全ての公称電圧において,それぞれ測

定する。電圧の変動は±2.0 %に維持し,かつ,周波数は公称値の±0.5 %に維持する。ただし,図A.1A,

図A.1C及び図A.2Aの測定回路を用いる場合の電圧の変動は,無負荷時で±2.0 %に維持する。 

b) 相間の基本波電圧の位相差は,三相電源では120°±1.5°,単相3線電源では180°±1.5°とする。 

c) 測定用電源に含まれる高調波の基本波に対する電圧比は,通常動作において供試機器に電力を供給し

ているとき,次の値以下とする。 

・ 第3次高調波:0.9 % 

・ 第5次高調波:0.4 % 

・ 第7次高調波:0.3 % 

・ 第9次高調波:0.2 % 

・ 第2次から第10次までの偶数次高調波:0.2 % 

・ 第11次から第40次までの高調波:0.1 % 

d) 測定用電圧のピーク値は,その実効値の1.40倍と1.42倍との間とする。 

なお,そのピーク値は,0点を通過してから87°と93°との間に到達しなければならない。 

この要求事項は,クラスA及びクラスBの機器を試験するときには,適用しない。 

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18 

C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図A.1,図A.1A,図A.1B,図A.1C,図A.2及び図A.2AのZS及びZMについては規定しないが,

A.2の要求事項を満たす十分に小さな値とする。これは,供試機器の供給電圧の特性を測定すること

によって判断できる。より詳細な情報は,IEC 61000-4-7:2002及びAmendment 1:2008による。 

電源の内部インダクタンスと供試機器のキャパシタンスとの間で共振が起こらないように留意する。 

制御回路のない単相整流器のように,高調波振幅が供給電圧によって大きく異なる機器もある。変

化性を最小とするために,高調波電流測定と同様に200 msのウィンドウ幅で評価することによって,

供試機器への供給電圧を公称電圧の±1 Vに保つことが望ましい。 

:測定用電源 

:測定器 

EUT :供試機器 

:測定用電圧 

ZM 

:測定器の入力インピーダンス 

ZS 

:測定用電源の内部インピーダンス 

Ih 

:線電流のh次の高調波成分 

:測定用電源の開放電圧 

図A.1−単相2線機器の測定回路 

Ih 

ZM 

EUT 

ZS 

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19 

C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

:測定用電源 

:測定器 

EUT :供試機器 

:測定用電圧(測定中における供試機器の受電端子電圧) 

ZM 

:測定器の入力インピーダンス 

ZS 

:測定用電源の内部インピーダンス 

ZA 

:測定用インピーダンス 

Ih 

:線電流のh次の高調波成分 

:測定用電源の開放電圧 

ZS+ZM+ZAの値は,次のとおりとする。 

a) 供試機器が100 V機器の場合:(直流抵抗分 0.4 Ω±0.032 Ω)+(インダクタンス分 0.37 mH±0.029 6 mH) 
b) 供試機器が200 V機器の場合:(直流抵抗分 0.38 Ω±0.030 4 Ω)+(インダクタンス分 0.46 mH±0.036 8 mH) 

図A.1A−単相2線機器の測定回路(測定結果にばらつきが生じる場合) 

:測定用電源 

:測定器 

EUT 

:供試機器 

:測定用電源の開放電圧 

U1,U2 :測定用電圧 
ZM 

:測定器の入力インピーダンス 

ZS,ZSN :測定用電源の内部インピーダンス 
Ih 

:線電流のh次の高調波成分 

図A.1B−単相3線機器の測定回路 

EUT 

Ih 

U1 

U2 

ZS 

ZSN 

ZS 

Ih 

ZM 

ZM 

ZM 

Ih 

ZM 

EUT 

ZS 

ZA 

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

:測定用電源 

:測定器 

EUT 

:供試機器 

:測定用電源の開放電圧 

U1,U2 :測定用電圧(測定中における供試機器の受電端子電圧) 
ZM 

:測定器の入力インピーダンス 

ZS,ZSN :測定用電源の内部インピーダンス 
ZA,ZAN :測定用インピーダンス 
Ih 

:線電流のh次の高調波成分 

インピーダンスの値は,次のとおりとする。 
a) ZS+ZM+ZAの値:(直流抵抗分 0.19 Ω±0.015 2 Ω)+(インダクタンス分 0.23 mH±0.018 4 mH) 
b) ZSN+ZM+ZANの値:(直流抵抗分 0.21 Ω±0.016 8 Ω)+(インダクタンス分 0.14 mH±0.011 2 mH) 

図A.1C−単相3線機器の測定回路(測定結果にばらつきが生じる場合) 

:測定用電源 

:測定器 

EUT :供試機器 

:測定用電源の開放電圧 

ZM 

:測定器の入力インピーダンス 

ZS 

:測定用電源の内部インピーダンス 

Ih 

:線電流のh次の高調波成分 

U1,U2,U3:測定用電圧 

図A.2−三相機器の測定回路 

EUT 

Ih 

L1 

U1 

U3 

U2 

L2 

ZS 

L3 

ZS 

ZS 

Ih 

Ih 

ZM 

ZM 

ZM 

EUT 

Ih 

U1 

U2 

ZS 

ZSN 

ZS 

Ih 

ZM 

ZM 

ZM 

ZA 

ZA 

ZAN 

background image

21 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

:測定用電源 

:測定器 

EUT :供試機器 

:測定用電源の開放電圧 

U1,U2,U3:測定用電圧(測定中における供試機器の受電端子電圧) 
ZM 

:測定器の入力インピーダンス 

ZS 

:測定用電源の内部インピーダンス 

ZA 

:測定用インピーダンス 

Ih 

:線電流のh次の高調波成分 

インピーダンスの値は,次のとおりとする。 

ZS+ZM+ZAの値:(直流抵抗分 0.19 Ω±0.015 2 Ω)+(インダクタンス分 0.23 mH±0.018 4 mH) 

図A.2A−三相機器の測定回路(測定結果にばらつきが生じる場合) 

Ih 

ZM 

ZM 

 
 

EUT 

L1 

U1 

U3 

U2 

L2 

ZS 

L3 

ZS 

ZS 

Ih 

Ih 

ZM 

ZA 

ZA 

ZA 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

形式試験の条件 

B.1 

一般事項 

特定の個別機器の高調波電流の試験条件は,B.2〜B.16による。 

B.2 

テレビジョン受信機の試験条件 

B.2.1 一般要求事項 

テレビジョン受信機に含まれる附属回路及び補助回路の負荷を含めて測定する。ただし,テレビジョン

受信機から電力を供給する周辺機器の負荷は除く。 

テレビジョン受信機の設定は,B.2.2.1に従った入力信号を受信し,イメージレベル調整,音声レベル調

整及び省エネルギー機能は,B.2.2.2〜B.2.2.4によって調整する。 

特定の必要条件についてB.2.2で規定がない場合には,家庭用途として出荷する初期条件に設定する。 

B.2.2 測定条件 

B.2.2.1 入力信号 

入力として,無線周波信号及びベースバンド信号を使用できる。信号レベルは,フルスクリーン表示イ

メージに,雑音及びビットエラーを含まないよう,十分に高く設定する。 

映像信号は,JIS C 6101-1の3.2.1.2(カラーバー信号)で規定するようなカラーバー信号とする。 

音声信号は,1 kHzの正弦波の信号とする。 

B.2.2.2 イメージレベル調整 

テレビジョン受信機のコントラスト,明るさ及びバックライト(ある場合。)は,そのテレビジョン受信

機が家庭用途として出荷する状態に設定する。 

B.2.2.3 音声レベル調整 

ボリューム制御は,スクリーン上の音声表示の8 %〜12 %の設定に合わせる。他の全ての音声機能は,

家庭用途として出荷する状態に設定する。 

B.2.2.4 省エネルギー機能 

周囲の照明調節,ダイナミックなバックライト制御及び他の類似した機能は,スイッチをオフとする。

それらの機能を不作動とすることができない場合,試験の間,照度が300 lx以上の照明機器を用いて光セ

ンサに照射し,試験報告書に明記する。テレビジョン受信機に含むあらゆる照明機能は,テレビジョン受

信機の照明動作環境が作動しなければならない。 

B.2.3 試験報告書 

試験報告書には,テレビジョン受信機に入力した信号及び設定を明記する。 

B.3 

オーディオアンプの試験条件 

B.3.1 条件 

無信号入力と定格信号入力(IEC 60268-3による。)との間で,供給電流の変動が最大電流の15 %未満の

オーディオアンプは,無信号入力で試験する。 

その他のオーディオアンプは,次の条件で試験する。 

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・ 定格供給電圧 

・ 標準位置。特に周波数応答は,可能な限りフラットな特性に設定する。 

・ B.3.2で規定する入力信号及び負荷。 

B.3.2 入力信号及び負荷 

次の試験手順を適用する。 

a) 定格負荷インピーダンスと等しい適切な抵抗器を,アンプのスピーカ出力端子に接続する。アンプ付

きスピーカのオーディオアンプの出力電圧波形を観測するために,オーディオアナライザ又はオシロ

スコープを,アンプの出力が現れるポイントに接続する。 

注記1 オーディオアンプ内蔵スピーカの場合,負荷は,スピーカ及び関連するクロスオーバ回路

である。 

b) 1 kHzの正弦波信号を適切な入力端子に加える。サラウンド音声チャンネルアンプが,二つ目のセッ

トの左右チャンネルアンプの代わりとして使えないマルチチャンネルアンプについては,左右のチャ

ンネルに適用した信号より3 dB低いレベルの信号をサラウンド音声チャンネルアンプに供給するよ

うに,制御部を設定する。 

注記2 1 kHzの信号を再生させることを意図しない製品においては,アンプの再生帯域幅中の幾

何学的な中心周波数を適用する。 

c) 左右のチャンネルの出力信号が同時に1 %のTHDになるように,入力信号及び/又はアンプ利得制御

を調整する。1 %のTHDを得ることができない場合,信号電圧及び/又は利得制御を調整して,同時

に各出力が最も高い達成可能な出力になるようにする。サラウンド音声チャンネルアンプの出力信号

が,左右のチャンネルの出力信号よりも3 dB低いことを確認する。 

d) 全てのチャンネルの出力電圧を測定する。次に,それらの電圧がc)の最終段落で得られた電圧の

(

)

8

1

354

.0

×

倍となるよう,入力信号電圧及び/又は制御部を再調整する。 

e) 外部スピーカ接続端子があるアンプの場合,6.3の規定に従った測定に進む。 

f) 

内蔵スピーカだけで,外部スピーカ接続端子がないアンプは,それぞれのアンプの出力で正弦波信号

の実効値出力電圧に注意する。IEC 60268-1:1985の6.1で規定するようなピンクノイズ信号及び帯域

幅制限で正弦波信号を置き換える。それぞれのアンプの出力に現れるピンクノイズ信号出力の実効値

の値が,d)で調整した設定チャンネルでの正弦波の実効値の値と同じであることを確認した後,6.3の

規定に従った測定に進む。 

B.4 

ビデオ機器の試験条件 

標準テープスピードによる再生状態で測定する。 

B.5 

照明機器の試験条件 

B.5.1 一般状態 

測定は,通気のない雰囲気で25 ℃±5 ℃の周囲温度で実施する。測定中,温度は1 Kを超えて変動し

てはならない。 

B.5.2 ランプ 

放電ランプは,定格電圧で100時間以上エージングする。放電ランプは,一連の測定を行う前に,15分

間以上,点灯しておく。15分間以上の安定時間を必要とするランプもある。関連するJIS及びIECランプ

性能規格の情報を確認する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

エージング中,安定中及び測定中,ランプは,通常使用状態で取り付ける。制御装置内蔵形ランプは,

口金を上にして点灯する。 

B.5.3 照明器具 

照明器具は,製造されたままの状態で測定する。 

照明器具の仕様において決めた実際のランプの値に近い電気特性をもち,照明器具で使用することを想

定したランプ形式の代表となるランプ,又は擬似負荷を用いて試験を行う。ランプを2本以上組み込む照

明器具の場合は,全てのランプを接続し,試験中点灯する。照明器具が2種類以上のランプを用いるよう

になっている場合,その全ての種類のランプで測定を行い,その照明器具は,それぞれの試験に合格しな

ければならない。照明器具がグロースタータを備えている場合,JIS C 7603に規定するスタータを用いる。 

機械的スイッチ以外の照明制御装置及び制御装置を全く組み込んでいない白熱電球用照明器具,並びに

この規格に適合する制御装置内蔵形ランプを用いる照明器具は,要求事項に適合しているとみなし,測定

を行う必要はない。 

照明器具で使用することを想定した各種類のランプ−照明器具の仕様において決めた実際のランプの値

に近い電気特性をもち,使用することを想定したランプ形式の代表となるランプ,又は疑似負荷の個別試

験で,照明器具に組み込む照明制御装置が要求事項を満たすということを証明した場合,照明器具は,こ

れらの要求事項を満足しているとみなし,測定を行う必要はない。そうでない場合は,照明器具を測定し,

適合しなければならない。 

B.5.4 照明制御装置 

照明制御装置の仕様において決めた実際のランプの値に近い電気特性をもち,照明制御装置で使用する

ことを想定したランプ形式の代表となるランプ,又は擬似負荷を用いて試験を行う。 

照明制御装置が複数の種類のランプを対象に設計している場合,製造業者は,照明制御装置が高調波の

要求事項を満たすための回路方式及びランプ形式をカタログに記載し,照明制御装置は,回路方式及びラ

ンプ形式のそれぞれに対応する種類ごとに試験する。 

B.5.5 DLT制御機器 

DLT制御機器は,DLT制御装置の許容最大電力となる抵抗負荷又は照明負荷で試験する。 

B.6 

照明機器用独立形位相制御調光器の試験条件 

位相制御調光器は,一つ以上の種類の照明機器での使用を指定している場合,各種類の照明機器の代表

サンプルで試験し,全ての場合で適合しなければならない。各々の場合,測定は,調光器の最大許容電力

の照明負荷で行う。調光器の設定は,THCが最大になると想定する位置に設定する。 

調光器は,他の類似の照明機器を代表種類の公称定格以下で使用する場合,適合しているとみなす。 

位相制御調光器は,白熱ランプ負荷で試験する場合,制御は,90°±5°の点弧角に設定するか,又はス

テップで制御する場合,その90°に最も近いステップに設定する。 

B.7 

電気掃除機の試験条件 

JIS C 9335-2-2に規定するような通常動作に従い,電気掃除機の吸入口を調整する。 

電力調整式掃除機は,次の3種類の運転モード(少なくとも2分間の同一時間の間隔の各々)に調節し

て試験する。 

・ 最大入力電力 

・ 最大入力電力の50 %±5 %,又はそれが可能でない場合(例えば,ステップでコントロールされる場

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合。),50 %に最も近いステップ。 

・ 最小入力電力 

最小入力電力における有効入力電力が最大有効入力電力の50 %を超える場合,上記の要求事項は,掃除

機を同一の3回間隔(最大入力電力制御調節による1回間隔,及び最小入力電力制御調節による2回間隔)

で検査することを意味する。 

これらの3種類の試験を連続させる必要はない。ただし,6.3.3.4に従って適用する限度値は,3種類の

試験が連続しているように適用する。その場合,これらの3回間隔以外の高調波電流値を考慮することな

く,全ての試験観測期間は,同一の3回間隔から成り立つ。 

電気掃除機が,自動的に低出力モードに復帰する一時的な高出力モードでの運転を選択する機能をもつ

場合,この高出力モードは平均値の計算から除外し,1.5秒平滑実効値高調波電流だけを評価する(6.3.3.4

参照)。 

B.8 

電気洗濯機の試験条件 

電気洗濯機は,あらかじめ洗濯した木綿布を定格負荷となるように洗濯槽に入れて通常の洗濯サイクル

となるプログラムで測定する。木綿布は,寸法が約70 cm×70 cm,乾燥状態での質量が140 g/m2〜175 g/m2,

かつ,縁を1回折り返して縫っておく。布は,質量が極端に不均衡にならないように,洗濯機に詰める。 

注記 1枚ずつ布を載せることが,これを達成する一つの方法である。 

洗濯槽に満たす水の温度は,次のとおりとする。 

・ 電熱素子を備えないが温水を供給する配管に接続するようになっている電気洗濯機では,65 ℃±

5 ℃。 

・ その他の電気洗濯機では,10 ℃〜25 ℃。 

プログラム機能がある電気洗濯機では,可能な場合,予備洗濯なしの60 ℃木綿布コースを用いる。不

可能な場合は,予備洗濯なしの通常洗濯コースを用いる。プログラム機能をもつが,そのプログラム機能

が電熱素子を制御しない場合は,最初の洗濯開始までに水温を65 ℃±5 ℃に加熱する。 

プログラム機能をもたない電気洗濯機で電熱素子をもつ場合,最初の洗濯開始までに水温を90 ℃±

5 ℃に加熱する。水温が安定している場合,それ以下でもよい。 

B.9 

電子レンジの試験条件 

電子レンジは,定格出力運転時に測定する。円筒状の硝けい(珪)酸ガラス製の容器に1 000 g±50 gの

水を負荷として入れて行う。容器は,ガラスの最大厚さが3 mm,外径が約190 mmとする。負荷は,受皿

の中央に置く。 

B.10 情報技術機器(ITE)の試験条件 

B.10.1 一般条件 

製造業者が装着するオプション品,及び拡張スロット機能がないITE(パーソナルコンピュータを含む。)

は,出荷状態で試験する。パーソナルコンピュータ以外で,製造業者が装着するオプション品,又は拡張

スロットをもつITEは,製造業者が明示するオプション品を用いて到達できる最大消費電力となるように,

各々の拡張スロットに負荷を追加して試験する。 

拡張スロットが3スロットまでのパーソナルコンピュータの試験においては,各々の拡張スロットに対

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し,最大許容電力に設定した負荷カードを全拡張スロットに付加する。3個を超える拡張スロットをもつ

パーソナルコンピュータの試験においては,3個の負荷カードを付け,更に追加の拡張スロット3個を一

つのグループとし,グループ当たり1個以上の割合で負荷カードを取り付ける(例えば,4個〜6個の拡張

スロットがある場合は,合計4個以上の負荷カードを付加する。7個〜9個の拡張スロットがある場合は,

合計5個以上の負荷カードを付加する。)。 

全ての機器構成において,付加する負荷カードの使用によって,利用できる合計直流出力電力を超えて

はならない。 

注記 PCI又はPCI-2のような拡張スロット用の共通負荷カードは,30 Wであるが,数値は変更され

ることもある。 

ハードドライブアレイ及びネットワークサーバのようなモジュール式の機器は,最大機器構成で試験す

る。この内容は,複数のハードドライブのような,同じタイプの多数のオプション品に適用することを意

図していない。ただし,その機器構成が,使用者の機器構成の典型例である場合,又はそのように構成す

ることが異常ではない(RAIDのような)タイプの製品である場合を除く。 

エミッション試験は,通常の動作条件で最大THCを発生するモードに設定した,使用者の動作状態又は

自動プログラムで行う。 

装置全体,又は装置の一部が,試験中に自動的にスイッチオフとなることによって,大きな電力変動の

原因となる電力セーブモードを用いてはならない。 

ITEが,製造業者が供給する電源装置,例えば,変圧器,無停電電源装置(UPS),電圧安定器などを用

いるように設計されている場合は,この規格の限度値は,商用電源系統からの入力で達成しなければなら

ない。 

B.10.2 外部電源又は外部バッテリ充電器を用いるITEのエミッション測定に対する選択条件 

外部電源又は外部バッテリ充電器を用いるITEに対しては,製造業者は,次のいずれかを選択してもよ

い。 

・ B.10.1に従って機器全体を試験する。 

・ 外部電源又は外部バッテリ充電器の直流出力側に抵抗負荷を付加した状態で,6.3.2に従って,交流入

力電力及び高調波エミッションを測定することによって機器を試験する。ただし,抵抗負荷を付加し

たとき,負荷両端のリプル電圧(peak-to-peak値)は,直流出力電圧値の5 %以下とする。 

抵抗負荷は,有効消費電力が外部電源又は外部バッテリ充電器の定格直流出力電力に等しくなるような

抵抗値でなければならない。定格出力電力値が入手できない場合には,有効消費電力が外部電源又は外部

バッテリ充電器に表示されている定格直流出力電圧に定格直流出力電流を乗じた値に等しくなるような抵

抗値でなければならない。 

上記の負荷条件で,6.3.2に従って測定した外部電源又は外部バッテリ充電器の交流入力電力が,75 W

以下の場合には,箇条7で規定するように,これ以上の試験なしで,規格に適合しているとみなす。 

B.11 調理機器の試験条件 

B.11.1 電磁誘導加熱式のホブ及びホットプレート 

電磁誘導加熱式のホブ及びホットプレートは,室温で水を最大容量の約半分を入れ,かつ,各々の加熱

調理領域の中心にスチール鍋を置いて稼動する。各々の加熱調理領域は,次の二つの手順で別々に試験す

る。 

a) 数秒間,あらかじめ様々な制御モード(過給モードを含む。)で予備運転する。出力を段階的に調整し

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て,最も高いTHCが得られる状態を決定する。出力を段階的に調整できない場合は,制御レンジをお

よそ10等分して,最も高いTHCが得られる状態を決定する。 

b) 高調波エミッション限度値との比較は,a)で求めた制御モードで行う。試験観測期間は,表4による。

測定手順は,6.3.2による。 

鍋の底面の直径は,加熱調理領域の直径以上とする。この要求事項を満たしている最も小形で標準的な

調理用容器を使用する。 

標準的な調理用容器の接触面の直径は,110 mm,145 mm,180 mm,210 mm及び300 mmである。 

容器底部は,凹面で,かつ,周囲温度(20±5)℃における直径の0.6 %より多く,平たん(坦)さから

逸脱してはならない。 

曲がった底(例えば,中華鍋の底)をもつ容器の用途がある加熱調理領域は,ホブとともに提供する容

器,又は製造業者が推奨する容器で測定する。 

結合して一緒に制御可能な並んでいる加熱調理領域は,別々に測定する。 

加熱調理領域を自動的に形成する多くの小さなコイルの加熱調理領域は,300 mmの直径の容器で試験

する。容器は,中央の加熱調理領域に置く。 

B.11.2 電磁誘導加熱式以外のホブ及びホットプレート 

複数の加熱調理領域を備えている機器のため,6.3.2で規定する測定は,個々の加熱調理領域で別々に実

施する。 

加熱調理領域は,最大のTHCの発生を予想した制御設定で操作する。水で満たした適切なパン又はポッ

トを,加熱ヒータ部に置く。 

B.12 エアコンディショナの試験条件 

エアコンディショナの入力電力を電子装置で制御して,適切な空気温度を得るためにファン又はコンプ

レッサ電動機の回転速度を変化させる場合,高調波電流は,次の条件で動作が定常状態になった後,測定

する。 

・ 温度制御は,冷房モードでは最低値に,暖房モードでは最高値に設定する。 

・ 試験時の周囲温度は,冷房モードでは30 ℃±2 ℃,暖房モードでは15 ℃±2 ℃とする。暖房モード

において,より高い温度で定格電力に達する場合,エアコンディショナは,その周囲温度で試験する。

ただし,18 ℃以下の温度で行う。周囲温度は,機器の室内ユニット及び屋外ユニットの吸気の温度と

して定義する。 

熱が周囲の空気とではなく,例えば,水などのその他の媒体と交換される場合,全ての設定及び温度は,

その機器が定格入力電力で動作するように設定する。 

エアコンディショナのコンプレッサの可変速駆動にパワーエレクトロニクス素子(例えば,ダイオード,

位相制御器,サイリスタなど)を含まない場合は,高調波電流の限度値に対して試験を行う必要はない。 

B.13 JIS C 9335-2-14に規定するちゅう房機器の試験条件 

JIS C 9335-2-14に規定するようなちゅう房機器は,それ以上の試験を行わなくても,この規格の高調波

限度値に適合するとみなす。 

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C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.14 専門家用でないアーク溶接装置の試験条件 

試験は,周囲温度20 ℃〜30 ℃で行う。試験は,周囲温度のアーク溶接電源を用いて開始する。アーク

溶接電源は,標準負荷に接続する。定格最大電流I2max及び表B.1による標準負荷電圧で動作する。最初の

熱サイクルは2.5分間以下である短いサイクルの装置の場合,10回の熱サイクル,又は最初の熱サイクル

が2.5分間を超える長いサイクルの装置の場合,一つの全熱サイクルとする。多重プロセスのアーク溶接

電源は,最も高い入力電流になるプロセスを用いて試験を行う。標準負荷,I2max,I2及びU2の定義は,JIS 

C 9300-1による。 

表B.1−アーク溶接装置の試験のための標準負荷 

溶接プロセス 

負荷電圧 

被覆電極による手棒アーク溶接 

U2=(18+0.04 I2) 

ティグ溶接 

U2=(10+0.04 I2) 

ミグ,マグ及びフラックス入りワイヤアーク溶接 U2=(14+0.05 I2) 

プラズマ切断 

U2=(80+0.4 I2) 

B.14A 電動工具の試験条件 

電動工具の測定条件は,次による。 

a) 電子式速度制御を用いない機器及び変速機能をもたない電子式速度制御を用いる機器 定格電圧で

定格負荷となる入力で測定する。 

b) 変速機能をもつ電子式速度制御を用いる機器 定格電圧で90°±5°の点弧角となるように設定し,

負荷電流は,点弧角90°±5°での無負荷電流と定格電流との中央値に設定し,測定する。 

B.15 専門家用機器でない高圧洗浄機の試験条件 

電子制御式を除いたJIS C 9335-2-79に規定するような高圧洗浄機は,通常動作に従って調整する。 

出力調整可能な高圧洗浄機は,次の3種類の運転モード(2分間以上の同一時間の間隔の各々)に調節

して試験する。 

・ 最大入力電力 

・ 最大入力電力の50 %±5 %,又はそれが可能でない場合(例えば,ステップでコントロールされる場

合。),50 %に最も近いステップ。 

・ 最小入力電力 

注記 最小入力電力における有効入力電力が最大有効入力電力の50 %を超える場合,上記の要求事項

は,高圧洗浄機を同一の3回間隔(最大入力電力制御調節による1回間隔,及び最小入力電力

制御調節による2回間隔)で検査することを意味する。 

これらの3種類の試験を連続させる必要はない。ただし,6.3.3.4に従って適用する限度値は,間隔が連

続的のように実施する。また,試験時間外の高調波電流を考慮しなくてもよく,試験は,連続していると

みなして限度値を適用する。それぞれ2分間以上の同一時間で,上記の3種類の運転モードで試験しても

よい。 

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B.16 冷蔵庫及び冷凍庫の試験条件 

B.16.1 一般 

冷蔵庫及び冷凍庫は,庫内を空にして試験する。温度は,常用(急速冷却機能は考慮しない。)を目的と

する最低温度に設定する。庫内温度が安定してから測定を開始する。 

注記 温度の安定は,入力電力が低電力モードに入るところからも推定することができる。 

測定を開始するときの周囲温度は,20 ℃〜30 ℃とする。試験中,周囲温度は,±2 ℃に保つ。 

B.16.2 インバータ式の冷蔵庫及び冷凍庫 

観測期間は,1時間とする。測定開始の数秒後,全てのドア及び庫内の貯蔵室を60秒間完全に開け,そ

の後,再び閉じ,観測期間終了まで閉じたままにしておく。 

注記1 ±6秒間のタイミング精度は,目標とした測定再現性の繰返し性に十分とみなせる。注記3

参照。 

6.3.2に対して,限度値の計算に用いる入力電力値は,次の式に従って決定する。 

Pi=0.78×Im×Ur 

ここに, 

Pi: 有効入力電力(W)。クラスDの限度値の計算に用いる(表3

参照)。 

Im: JIS C 9335-2-24:2017の10.2に従って測定する機器の電流値

(A) 

Ur: 機器の定格電圧(V)。機器の定格電圧に範囲がある場合,Ur

は,Imを測定したときの電圧とする。 

注記2 限度値の計算において,有効入力電力の測定値の代わりに用いるPiは,インバータ以外の他

の負荷(例えば,照明装置又は霜取り用の加熱素子)の影響を除く。これによって,測定の

繰返し性も高くなる。 

注記3 6.3.3.1で規定する5 %の繰返し性は,大気条件を制御し,かつ,各試験で供試機器の制御サ

イクルが同じ点で開始する場合にだけ可能となる。この条件を満足しない場合は,全試験観

測期間にわたる高調波電流の平均値の繰返し性は,適用する限度値の10 %程度となることが

ある。 

B.16.3 インバータ式でない冷蔵庫及び冷凍庫 

圧縮機モータの制御にインバータを用いない冷蔵庫及び冷凍庫は,表4の長周期的観測の機器に関する

項目に基づいて,代表的な2.5分間の観察期間において,クラスAの限度値に従って試験する。 

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参考文献 

JIS C 6101-1 テレビジョン受信機試験方法 第1部:一般的事項−高周波テレビジョン信号及び映像周

波数における電気的測定 

注記 対応国際規格:IEC 60107-1,Methods of measurement on receivers for television broadcast 

transmissions−Part 1: General considerations−Measurements at radio and video frequencies 

JIS C 9300-1 アーク溶接装置−第1部:アーク溶接電源 

注記 対応国際規格:IEC 60974-1,Arc welding equipment−Part 1: Welding power sources 

JIS C 9335-2-2 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-2部:真空掃除機及び吸水式掃除機の

個別要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60335-2-2,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-2: 

Particular requirements for vacuum cleaners and water-suction cleaning appliances 

JIS C 9335-2-14 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-14部:ちゅう房機器の個別要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60335-2-14,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-14: 

Particular requirements for kitchen machines 

JIS C 9335-2-79 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第2-79部:高圧洗浄機及びスチーム洗浄

機の個別要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60335-2-79,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-79: 

Particular requirements for high pressure cleaners and steam cleaners 

IEC 60268-1:1985 Sound system equipment. Part 1: General 

IEC 60268-1:1985/AMD1: 1988 

IEC 60268-1:1985/AMD2: 1988 

IEC 60598-2-17,Luminaires−Part 2-17: Particular requirements−Luminaires for stage lighting, television, and 

film studios (outdoor and indoor) 

IEC/TR 60755,General requirements for residual current operated protective devices 

IEC 60974-6,Arc welding equipment−Part 6: Limited duty equipment 

IEC 62756-1,Digital load side transmission lighting control (DLT)−Part 1: Basic requirements 

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C 61000-3-2:2019  

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 61000-3-2:2019 電磁両立性−第3-2部:限度値−高調波電
流発生限度値(1相当たりの入力電流が20 A以下の機器) 

IEC 61000-3-2:2018,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 3-2: Limits−Limits for harmonic 
current emissions (equipment input current ≤ 16 A per phase) 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲  

JISとほぼ同じ 

変更 

JISでは,300 V以下の商用電源系統に接続
する1相当たり20 A以下の電気・電子機器
に適用。IEC規格では,1相当たり16 A以
下の機器が対象で,220 V未満の電源系統
の限度値は規定なし。 

IECで,220 V未満の電源系統に接続
する機器の限度値の検討が開始され
た。IECへは,プロジェクトの中で適
宜提案する。 

3 用語及び
定義 

3.24A 独立形位相制
御調光器 
3.26A 商用電源系統 

− 

− 

追加 

IEC規格にない定義を追加。 

用語の定義を明確化。必要に応じて,
IECへの提案を検討する。 

4 一般事項 4 一般事項 

JISとほぼ同じ 

変更 
 
 
削除 

JISでは,高調波環境目標レベルを指標に
しているが,IEC規格では,両立性レベル
を指標としている。 
IEC規格では,電気事業者に接続許可を求
める要求事項が使用説明書に含まれてい
る場合,規格に適合していない専門家用機
器の低圧電源への接続を許可する趣旨の
記載がある。 

我が国では,両立性レベルが規定され
ていないことから,環境目標レベルを
指標とした。 
機器の商用電源系統への接続を電気
事業者が個別に確認することが極め
て非現実的であることから,削除し
た。 

6 一般要求
事項 

6 一般要求事項 

JISとほぼ同じ 

削除 

IEC規格では,電源電圧が220 V/380 V,230 
V/400 V及び240 V/415 V系統に接続する
機器だけを対象としている。 

適用範囲を変更したため。 

6.4 ラック又はケー
ス収納機器 

6.4 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,機器が電源プラグをもたない場
合も規定。 

IECに提案する。 

6.4A 表示 

− 

− 

追加 

JISでは,適合品であることを示す表示に
ついて規定。 

積極的性能向上,電磁環境への配慮を
示すため。 

1

5

C

 6

1

0

0

0

-3

-2

2

0

1

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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C 61000-3-2:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7 高調波電
流限度値 

7 高調波電流限度
値 

JISとほぼ同じ 

変更 

限度値を規定しない照明機器以外の機器
として,JISでは“有効入力電力が75 W以
下”を規定。IEC規格では,“定格電力が
75 W以下”を規定。 

他の箇所と合わせる。IECに提案す
る。 

変更 

白熱電球用の独立形調光器について,IEC
規格では,1 kW以下,JISでは,1.7 kW以
下を除外。 

我が国での調査結果を反映。 

追加 

IEC規格では,400/230 V系統を想定した
限度値。JISでは,400/230 V系統以外の電
圧に配慮。 

配電系統の相違による,我が国固有の
内容。 

7.2 クラスAの機器
に対する限度値 
7.4 クラスCの機器
に対する限度値 
7.5 クラスDの機器
に対する限度値 

7.2 
 
7.4 
 
7.5 

JISとほぼ同じ 

追加 

我が国の電源系統に対する限度値を追加。 
JISでは,エアコンディショナについては
有効入力電力比例の限度値を適用。 
JISでは,定格入力電力が5 W以上25 W以
下の照明機器で,適用クラスの異なるラン
プ制御装置を組み込んでいる場合,個々の
ランプ制御装置ごとに測定することを規
定。 

適用範囲を変更したため。 
エアコンディショナについて,国内で
は,電気用品安全法によって漏れ電流
が厳しく規制されており,容量が大き
い機器では,対応国際規格の限度値を
満足できない。 
照明機器については,IECに提案す
る。 

附属書A 
(規定) 

A.1 測定回路 

A.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,我が国の電源系統の測定回路,
及び測定結果にばらつきが生じるおそれ
があるときに用いる測定回路を追加。 

IECに提案したが受け入れられなか
った。再度提案することを検討する。 

A.2 測定用電源 

A.2 

JISとほぼ同じ 

変更 

JISでは,追加した測定回路を用いる場合
の電圧の変動は,無負荷時で±2.0 %に維持
することを規定。 

測定回路のインピーダンスを規定し
た場合,電圧の変動を±2.0 %に維持
することが原理的にできないことが
あるため。 

1

5

C

 6

1

0

0

0

-3

-2

2

0

1

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書B 
(規定) 

B.5 照明機器の試験
条件 

B.5 

JISとほぼ同じ 

変更 

JISでは,周囲温度条件を変更。 

我が国での事情による。 

B.7 電気掃除機の試
験条件 

B.7 

JISとほぼ同じ 

変更 

通常動作の要求事項に,製品規格のJISの
規定を引用。 

掃除機の用途の考え方がIECと異な
る我が国の電気掃除機の制御方式を
考慮。 

B.14A 電動工具の
試験条件 

− 

− 

追加 

JISでは,電動工具の試験条件を追加。 

IECに提案する。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61000-3-2:2018,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

1

5

C

 6

1

0

0

0

-3

-2

2

0

1

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。