>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本電子

部品信頼性センター  (RCJ)  及び財団法人日本規格協会  (JSA)  から工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきと申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。

これによって JIS C 0063 : 1993 は改正され,この規格に置き換えられる。

JIS C 0063

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)  フローチャート


C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

(1) 

目次

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  火災危険評価

2

5.

  火災危険の試験

5

附属書 A(参考)  フローチャート 10


日本工業規格

JIS

 C

0063

: 2000

 (IEC

60695-1-1

: 1995

)

環境試験方法−

電気・電子−耐火性試験

電気製品の火災

危険評価指針−一般指針

Fire hazard testing

Part 1 : Guidance for assessing fire hazard of electrotechnical products

Section 1 : General guidance

序文  この規格は,1995 年第 2 版として発行された IEC 60695-1-1,Fire hazard testing−Part 1 : Guidance for

assessing fire hazard of electrotechnical products

−Section 1 : General guidance を翻訳し,技術的内容及び規格票

の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある事項は,原国際規格にはない事項である。また,IEC 規格番号

は,1997 年 1 月 1 日から実施の IEC 規格新番号体系によるものであり,これより前に発行された規格に

ついても,規格番号に 60000 を加えた番号に切り替えた。これは,番号だけの切換えであり,内容は同一

である。

1.

適用範囲  この規格は,人間,動物又は財産に対する危害に直接関係するものとして,電気製品の火

災危険を評価するため(4.参照)

,及びその結果として火災危険試験を開発するため(5.参照)の指針を示

す。この規格で定義する製品とは,材料,部品又は使用される製品をいう。

この規格は,電気製品の火災危険評価に関する規格を検討する際の指針を意図したものであり,それら

の規格を作成する個々の場合に用いられるべきである。IEC ガイド 104 の原則,及び安全性パイロット機

能と安全性グループ機能に関する委員会の役割に注意を払うこと。

2.

引用規格  次に掲げる文書は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追

補には適用しない。

IEC Guide 104 : 1997

  The preparation of safety publications and the use of basic safety preparations and

group safety preparations

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

火災危険 (fire hazard)   火災によって及ぼされる可能性のある人の傷害,又は財産に与える損害の

程度。


2

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

3.2

火災リスク (fire risk)    火災で予想される損失。予想される損失は確率のいい方で,次の二つの因

子の積として規定される。

−  通常の使用状態で予想される好ましくない事態の発生頻度

−  その事態の発生に伴って予想される損傷の大きさ(すなわち,危険)

4.

火災危険評価

4.1

一般  “火災危険”と“火災リスク”の差異を理解し区別することが大切である。火災危険評価の

主目的は,電気製品内での電気発火によって生じる火災リスクを最小にすることであり,発火した場合に

は,火災の広がりを抑えることである。周囲での火災の発生など外側での出来事も 2 次的な事象として,

より狭い範囲で検討しなければならないが,電気製品の故意の誤用については,一般的に無視する。

燃えている製品からの,熱の放出,煙による不透過度と毒性と腐食性,及び火災状態においても機能し

なければならない必要な能力について考慮しなければならない。これらの危険性はすべて着火と火災の発

達に関係する。ガスの発生は,ある環境条件の下では爆発のリスクにつながる。

大きな外郭,被覆電線,電線管のような電気製品は,建築物の表面及び化粧材の大きな部分を覆ったり,

耐火壁を貫通していることもある。そのような状況では,電気製品が外側からの火災にさらされる場合に

は,その電気製品がなければそこにあるはずの建築材料又は構造と比較することによって,火災危険への

寄与の観点から評価しなければならない。

ある火災シナリオに関連するすべての危険を詳細に検討してから,作成している製品の規格に,そこで

特定された危険に対応するための適切な一連の試験,又は単一の試験を含める。

4.2

火災危険評価の作成

4.2.1

火災危険の要素の検討  電気製品の火災危険は,その製品が関係する火災にさらされる人の数,年

齢,状態など,及び財産の価値や損傷しやすさも含む使用状態,製品の特性,並びに運転条件に依存する。

したがって,特定の製品のための火災危険評価では,製品そのもの,運転条件及び使用環境を記述する。

4.2.2

基本ステップ  火災危険評価の作成でたどる基本ステップは,次による。

a)

適用範囲(例えば,考えている電気製品の種類)及び使用状況(例えば,どこでどのようにして製品

が使われるか)の特定(4.2.2.1 参照)

b)

関係するシナリオの特定(4.2.2.2 参照)

c)

使用する判定基準の選択(4.2.2.3 参照)

d)

結果の解釈(4.2.2.4 参照)

4.2.2.1

適用範囲及び使用状況の明確化  最初のステップは,火災危険評価を行う電気製品の種類を明確

にすることと,その製品の種類の中で製品ごとに変化する部分,及び普遍的な部分,並びに火災危険評価

の手順でのパラメータを決めるかもしれないそれらの使われ方を調べることからなる。これは,次の質問

に答えることで達成できる。

a)

電気製品の種類  考えるべき製品の定義は何か。その製品の記述は,製品が考えている種類の範囲に

入るものかを決めるのに十分であるか。それは,適用できる JIS によって記述されているか。その記

述は,考えている製品に代わる可能性のあるすべての製品を含ませるのに十分なほど広いか。その適

用範囲は,ある与えられた製品が考えている範囲に入るか決めることができるかを考慮する。

b)

使用状況  その電気製品の使用条件は何か:連続使用か又は断続使用か。その製品は使用中に人が付

くか付かないか。周囲温度は調節されるか。

周囲にある他の物との相互作用の結果,その製品が火災源,又は火災を広げるものとなる役割を,


3

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

その電気製品の配置が示しているか。

その製品は常に,閉囲された空間にあるか,又は開放した空間にあるか。

関係する人は何人か,その人の能力はどうか。

火災にさらされる人,又は重要な機器が火にどのくらい近いか。

c)

特定された適用範囲及び使用状況の検討  上の質問への回答を用いて,その製品とその使用環境の説

明案を作成する。そして,

附属書 のフローチャート 1 の手順を使用して,この適用範囲と使用状況

に入る候補になる可能性のある製品群について,この説明案を試してみる。

4.2.2.2

関係するシナリオの特定  火災シナリオとは,実際の火災での着火以前から燃焼終了までの一つ,

若しくは複数の段階の状態,又は実大規模のシミュレーションの状態の詳細な説明である。電気製品が関

係する火災シナリオはしばしば複数あり,その電気製品はそれぞれのシナリオにおいて異なった形で火災

に寄与すると予想される。したがって,特定された個々の重要なシナリオに対して,それぞれ別の火災危

険評価が要求される。

評価の対象が単一の製品かシステムかにかかわらず,一般的に最も重要なシナリオの特性は,その製品

が火災に巻き込まれる原因となる火災条件を規定するか,又はその製品の寄与が最大の火災危険結果を引

き起こす火災の時期を示す。

a)

火災での電気製品のかかわり合い  電気製品の場合,発火源についての知識は最も重要である。電気

製品が発火源となる場合,電気的な挙動の点から発火が起こる条件を詳細に解析する必要がある(

表 参照)。それは短絡(まれにしか起こらない)か,ホットスポット(ホットスポットの原因)か,

又は一般的な過熱か。発火に至るまでに電気的誤動作がどのくらい続いたか。各シナリオは,閉囲し

た空間内にガスが蓄積することも含み,火災の発生を支配する詳細な条件についての正確な説明を与

えていること。

電気製品がそれ自身発火源でない場合には,それがいつどのように火災に巻き込まれるかを説明す

ること。

−  その製品が最初に着火するものとなる可能性があるか。

−  その製品が最初に着火するものではなくとも,それが重要な燃料源となり得るか。

−  その製品が火災の広がりの要因となり得るか。

最重要問題として以上のうちの一つが挙げられる場合には,例えば,重大な危険を急速に引き起

こす能力,使用される製品の量,又は消火活動の最中や終了後も危険性を持続する能力など,一つ

の火災性能特性が最も重要であることを意味している可能性がある。このような決定によって,火

災のその段階における火災危険へのその製品の寄与を測定する試験方法や,計算手順を決める。

b)

適切な火災挙動要素  電気製品と,その周囲にあって火災の発生,成長と発達に寄与すると思われる

他の物品の双方についてこの検討を適用する。

示された質問に回答することの目的は,次に列挙した火災危険の要素を特徴づけることである(

属書 のフロチャート 2,2A から 2F を参照のこと。)。

−  発火源となる可能性

−  着火性

−  火炎の伝播速度

−  赤熱,くすぶり,溶融

−  最大発熱率,火災発達率,総発熱量

−  燃焼による質量減少,又は,火災放出物の放出率


4

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

−  発生する煙による不透過度

−  生成される火災放出物の腐食性

−  生成される毒性物質[刺激性物質及び窒息性物質(特にガス)

:発生率及び総毒性強度

−  火災状況下での機能の維持(例えば,構造保全性,サービスの継続及び機械的な応答)

−  占有の大きさと形態とに関連づけられた使用中の製品の数量

c)

主要パラメータを決めるためのシナリオの使用  試験方法や計算手順には,多くの仕様や入力値が必

要である。例えば,燃焼する製品の発熱率の試験には,着火の仕方の仕様(例えば,パイロット炎に

よる着火)

,入射熱流束のレベル及び燃焼の周囲での酸素若しくは湿度のレベルの制御に関する要件が

必要である。製品が最初の着火物ではない場合には,その製品がさらされる熱的な条件を決めるため

には,製品の近くにあって,火災に関与する可燃物が重要である。

試験方法や計算手順に必要な仕様や入力値は,選択されたシナリオの特性で決めるべきである。こ

のことは,関係する火災に関する統計や専門家によって文書で示された判断を使用する必要があろう。

これらのステップを遂行するためには,火災危険評価の作成者は,火災危険を表現することができる

適切な測定と計算手順を定める必要があろう。シナリオの詳細な検討は,このような試験方法と計算

手順のパラメータの仕様を提供する。

4.2.2.3

使用する判定基準の選択  このステップの意図は,製品の火災危険への寄与を見積もり決めるた

めに十分で有効な技術的情報を提供するであろう危険の測定方法を選択することである。人や財産への実

際の損害は,火災危険評価ではいつも関心事であるが,より簡単な方法で同じ結果が得られる場合には,

損害の直接査定は必要としない。

a)

生命及び財産の直接的喪失  製品の火災危険への寄与が生命と財産の直接的喪失として表現できる場

合には,そうすべきである。しかし,シナリオの帰結が定量的に予測できるほどに十分な確度をもっ

て,居住者や器具や財産の耐力が分かることはまれなので,このような表現ができることはまれであ

る。

b)

火災危険の非直接的表現方法  測定されたか,又は計算された製品の特性を,シナリオにおける火災

危険の幾つかの局面の構成に関連づけることがしばしば可能である。例えば,製品の発熱速度が区画

の温度を支配することもあり,その結果,機器の稼働や人が引き続きそこに居られるかに影響するこ

ともある。製品からの発煙速度は,その区画に居る人の避難時間に影響することもある。このような

取組み方によって,危険と製品の特性の量的関係が特定され,危険のレベルの変化が製品の特性の変

化から求められる。

c)

比較方法  上述のような関連を量的に表現できない場合でも,試験された製品の性能をレファレン

ス・レベルに関連付けることは可能であることがある。例えば,発熱量が分かっている電線は,その

(特性と火災危険との)詳細な関連が不明であっても,許容できるほどのゆっくりした温度上昇をも

たらすことができる。すなわち,相対的な危険の一つの評定方法は,製品の発熱速度をレファレンス・

レベルと比較することである。

4.2.2.4

結果の解釈  ここまでで,どのような危険の尺度を用いるべきか,また,どのようにそれを計算

するかについて危険評価手法を特定してきた。しかし,その結果の解釈については,依然として技術的な

疑問を投げかけている。

a)

危険の評価では,製品間の比較,又は基準との比較において,総合的な火災危険の計算に用いる手順

を示す必要がある。この手順は,幾つかの危険の尺度から総合的な危険の尺度を計算する式である場

合もある。この場合は,科学的な根拠がその式に示されているであろう。その手法は,一連の判断規


5

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

定であることもある。

例えば,

すべての危険の尺度において一つの製品が他よりも優れているときに,

その製品が優れていると判断する方法がある。

しかし,二つの製品を比較する場合,この手法は,総合的危険に対しては確かな比較を必ずしも提

供しない。

b)

二つ以上のシナリオが用いられる場合は,総合的な火災危険の計算で使用すべき手順を示す必要があ

る。この手法は,式又は一連の規定であろう。例えば,そのシナリオがふり分けられた関連の発生確

率であり得る場合には,この値が幾つかのシナリオから総合的な火災危険を計算するための基礎とな

る。

c)

危険が死亡,傷害又は金銭的損失によって直接的に示されない場合には,間接的な方法での関係の指

針が与えられる必要がある。

d)

この評価は,意味のある安全いき(閾)値を定めるために必要なすべての手順を示すべきである。又

は,合否判定基準がこれによって定められる。

e)

以上の点は,総合的火災危険評価及び電気製品が評価のなかで関与している部分に関連している。

5.

火災危険の試験

5.1

一般  ほとんどの建物の中で,いかなる形であれ,エネルギーの伝達,分配,蓄積及び使用は,火

災へ寄与する可能性がある。

一番よく起こる着火の原因は,加熱又はアークである。着火の頻度は,システムの構造に使用されてい

る材料の種類に依存する。

使用中の電気機器は,熱の放出や,ときとしてアークやスパークを伴う。このような潜在的リスクは,

当初の設計の段階及びその後の設置と保守で考慮されていれば,危険な状況に陥ることはない。

電気製品の使用では起こらない危険状況が,電気製品を巻き込む。このような現象は,総合的危険評価

で取り扱われる。

多くの電気火災は,短絡が原因であるという一般的に抱かれている考えとは逆に,電気火災は,電気で

はない外部からの火災源を含む一つの,又は,組合せの状況から発生するかもしれない(

付表 参照)。

このような状況には,不適切な設置,使用又は保守(例えば,一時的な又は引き続く過負荷状態での運

転,製造業者又は施工請負業者が提供しない状況での運転,不適切な熱発散,換気システムの目詰まりな

ど)が含まれる。

5.2

危険評価  火災危険評価に使用する利用可能なデータには,次の種類がある。

a)

小規模試験方法又は大規模試験手順を適用した試験応答結果

b)

火災事例の特性の統計又は測定結果

c)

専門家の文書による判定

これらのデータは,直接危険の尺度として用いられるか,又は,最終的な危険評価を得るための計算手

順に入力データとして使用することができる。

5.3

火災危険の試験の種類  可能ならば,一般的に実使用製品に関する試験は,通常は実際に起こった

ことを正確に再現するので,最も信頼できる試験である。火災と電気製品に関する要件及び試験仕様を作

成する作業に携わる場合には,次に与える種類の試験を認識する必要がある。


6

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

5.3.1

火災シミュレーション試験  この試験は,電気製品の火災に対する反応性を調べるもので,製品の

実際の使用をできるだけ代表することを目的としている。製品の実際の使用条件(予測できる異常な使い

方,機能不全又は故障を含む。

)をできるだけ忠実に再現し,また,設定された試験手順は実際のリスクに

関係するので,このような試験は,その製品の使用に関係する火災危険の適切な様相を算定する。そのよ

うな試験での知見は製品のデザインが変わったとき,又は使用状況が試験で再現したものと異なるときに

は有効でない。

5.3.2

耐火試験  この試験は,定められた火災条件の下で規定の時間にわたり,その製品又は部品の多種

にわたる使用特性の保持能力を調べることを目的としている。

この試験は,特定の熱暴露条件の下での製品又は,最終組み立て品の特性と挙動のデータを提供するこ

とを目的としている。

最近の研究によれば,これらの試験の結果を実際の火災状況における性能に関係づけるためには,試験

条件と実際の火災状況との比較及び,製品が置かれる環境などの制御できない変数の起こり得る影響につ

いて,大変慎重な考察が必要であることが分かっている。

5.3.3

火災反応性試験  この試験は,標準化された試験品の規定された条件の下での火災反応性を調べる

ものであり,多くの場合,燃焼性,着火性,火炎伝播速度,煙濃度,燃焼生成物,発熱速度などの比較評

価のため,及び燃焼挙動に関係する特性のデータを得るために使用する。

このような燃焼特性試験で得られたデータは,試験品がさらされるかもしれない他の火災条件での結果

を通常は代表しない。燃焼特性試験は,製品全体を試験するときにその材料や部品が遭遇する状況をでき

るだけ再現しようとする場合に極めて有用である。しかしながら,周囲環境が異なるために,試験品の火

災反応性は実製品の火災反応性とは大きく異なる。

5.3.4

基本性能試験  この試験は,材料の基本的な物理化学的特性を測定することで,少なくともおおむ

ね試験方法には依存しない技術的に定義された情報を確実に得ることのために設定される。真発熱量(又

は,燃焼熱)

,熱伝導度,溶融温度,蒸発熱,さらに引火点,燃焼点及び自然発火温度がこれに相当する。

実際の火災では,熱と質量の伝達理論によって,これらの特性値が総合的に火災の挙動を支配する。し

たがって,一つの特性値の測定は,あるシステムの火災リスク又は危険の一つの側面を示すに過ぎない。

しかし,火災技術がより確たる技術的な基礎を築くときには,そのような試験の結果は,広い火災安全状

況の評価に使用できる。

5.4

要求事項及び試験仕様の作成  電気製品の火災危険試験に関する要件と仕様を立案するときには,

次の手順に従うよう示唆される。

火災試験方法が定められておらず,かつ,ある特定の目的のために火災試験方法を作成又は修正する必

要がある場合には,耐火性試験に関する規格との密接な連携の下に,その作業を行うべきである。

参考  IEC 規格では,“火災試験方法が定められておらず,かつ,ある IEC 技術委員会の特定の目的

のために火災試験方法を作成又は修正する必要がある場合には,IEC/TC 89(耐火性試験委員

会)との密接な連携の下に,その作業を行うべきである。

”との記述がされている。

手順 

a)

同様の用途のために作成された既存の推奨される試験方法を調べ,その適用可能性と制限を検討する。

b)

試験が関係するかもしれない火災状況について,できるだけ多くの背景情報を集め,既存の試験方法

の適用と意味を考慮する。

c)

既存の試験方法が適当であると思われる場合には,次の特性に対するその試験方法の対応を調べる。

−  環境条件:実際,簡略化は必要であるが,最終的に採用する環境条件は,シミュレートされ,又


7

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

は再現されようとしている環境にできるだけ緊密に関係していること。

−  現実的な検査:試験データの妥当性は,製品の使用と設置の仕方及びその製品と他の製品の組合

せに関係する。

−  識別:検討している試験方法の特性と試験結果は,その感度,試験室間再現性,及び併行再現性

に関して調べる。

−  試験結果の表し方:試験結果は,十分な目的の説明を付して,容易に理解できる用語,パラメー

タ及び単位で与えられるべきである。不明確,主観的及び,思い付きの用語は避けること。

d)

新しい試験方法を作成する場合には,以上に掲げた基本的な特質を量的に把握する。さらに重要なこ

とは,試験の目的,試験の制限事項,試験が提供する情報の使い方及び試験実行の容易さである。

e)

試験されるものの着火及び火災の広がりに対する抗力に関して,適切な許容基準値を設ける。

f)

提案されている試験方法について調査し,目的に対するその能力を調べる。

g)

試験方法の規格を,その適用範囲,制限事項と限定条件及び得られる試験結果の使い方を含め,立案

する。その規格の中に,可能な限り推奨される試験方法を引用する。


8

C

 0063 :

 20
00 (IEC

 6

069

5-1-1

: 1995

)

表 1  電気製品における普通の発火現象

現象(1)

原因(2)

結果

異常温度上昇

備考  ある種の製品は,普通の使

用中において熱を発生す
る。

a)

導体中の過電流

b)

不完全な接触(不良接続)

c)

漏れ電流(絶縁不足及び加熱)

d)

部品,内部部分又は関連システム(例:換気)の故障

e)

電気的接触又は絶縁システムを変える機械的ひずみ

f)

早すぎる温度エージング

a)

開始時には保護装置 3)は,働かない(特別な保護の場合を
除く)

。それらは,種々の時間長の後働くかもしれない。

b)

温度上昇はゆっくりであり,ときには非常に遅い。それゆ
え,製品の重大な熱蓄積と近傍の発生物が,発火が開始す
るや否や火を支持するに十分となるかもしれない。

c)

空気中の可燃性ガスの蓄積と拡散は,発火又は爆発,特に
内部を気密的にシールした装置だが,爆発を生じるかもし
れない。

短絡回路

a)

異極充電部の直接接触(端子の緩み,導体の外れ,導電
性異物の進入など)

b)

絶縁インピーダンス変化を生じながらの部品の緩やかな
劣化

c)

部品又は内部部品の突然の故障後

a)

保護装置 3)は働く

b)

温度上昇は,短時間後重大になり,全く局部的である。

c)

光,煙,可燃性ガスの発生があり得る。

d)

赤熱材料又は物質の放出

事故的なスパーク及びアーク

備考  製品によっては,通常の使

用中にスパーク及びアー
クを生じる。

a)

装置に対する外部原因(システム・ネットワークの過電
圧,充電部を露出させたり接触させたりする事故的な機
械的動作など。

b)

内部原因(部品の緩やかな劣化と湿気の進入を伴うオン
−オフ開閉)

c)

部品又は内部部分の突然の故障後

a)

保護装置 3)は,必ずしも働かない。

b)

可視光,煙,可燃性ガス及び炎の発生があり得る。潜在的
な爆発雰囲気においては,重大な発火の危険

c)

周囲の部品やガスにおいて局部的には発火が起こるかも
しれない。

1)

この三つの現象のうちの一つによって生じる機械的なひずみや構造的変化は,他の二つの発生になるかもしれない。

2)

これは最も頻繁に遭遇するケースを含む。示された結果は,発生の大きさ又は頻度に関係するものではない。

3)

保護装置は,温度的,機械的,電気的又は電子的タイプを含む。


9

C

 0063 :

 20
00 (IEC

 6

069

5-1-1

: 1995

)

表 2  この規格で使用する電気製品に固有の用語

基本用語

定義

同等の用語

ある状態から他の状態への変遷モード

備考

物質

通常その物では使用できない
天然又は合成原の基本的な物

原材料

二酸化けい素

× 
×

材料・素材

一般の使用目的の観点から適
切な形状にした物質(又は複

数の物質のグループ,混合又
は組合せ)

半製品

金属又はプラスチックはく
(箔),電線,ガラス布,銅

張りエポキシガラス積層板

化学的,熱的,機械的変化によって形
状,状態又は性質に影響を及ぼす変化

× 
×

パーツ

機械的な形状にした材料

予備パーツ

絶縁プッシング

スイッチの操作レバー

Field Pole

(フィルドポール)

印刷回路板

×

×

組合せ又は手動若しくは自動運転によ
る位置の変化

コンポーネント

特定の使用をなすためのパー
ツのグループ

構成要素

マイクロ回路 
ガラス誘電体コンデンサ

磁石

× 
×

×

極端な場合には,コンポー
ネントは,1 パーツだけで

もよい。

器具

複雑な使用をなすためのコン
ポーネントの組立て

アクセサリー

スイッチ 
無線電話

開閉器

× 
×

×

器具はコンポーネントか
らなる半組立て品でもよ

い。

装置

器具の相互接続及び器具の相

互作用によって,与えられた
使用目的に対して要求される
すべての機能を確実にする器

具の組合せ

設備

ビル内の電気配線系

レーダー

×

×

備考  用語,スペシメン,試験片,サンプルは,試験の記述のために厳密に保留している。それは,何が試験を受けるのかについての決められた型又は物理的条件

を意味していない。


10

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

附属書 A(参考)  フローチャート

この附属書(参考)は,本体に規定した事柄を補足するものであって,規定の一部ではない。

フローチャート 1  電気製品範囲と使用環境の説明文(4.2.2.1)


11

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

フローチャート 2  燃焼シナリオの記述(4.2.2.2) 


12

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

フローチャート 2A  着火性/有炎燃焼性


13

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

フローチャート 2B  炎/燃焼の伝播又は発熱率


14

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

フローチャート 2C  燃焼の原因 


15

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

フローチャート 2D  煙及び火災放出物評価


16

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

フローチャート 2F  機能的性能


17

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

フローチャート 2E  可燃物としての他の非電気物(選択)


18

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

JIS

原案作成本委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

池  田  弘  明

株式会社精工技研

(幹事)

高  久      清

通商産業省工業技術院電子技術総合研究所

(委員)

窪  田      明

通商産業省機械情報産業局

中  村  国  臣

通商産業省工業技術院電子技術総合研究所

橋  爪  邦  隆

通商産業省工業技術院標準部

寺  岡  憲  吾

防衛庁装備局

吉  田  裕  道

東京都立産業技術研究所

橋  本      進

財団法人日本規格協会

赤  嶺  淳  一

社団法人日本電機工業会

菅  野  久  勝

日本試験機工業会

工  藤  真一郎

社団法人関西電子工業振興センター

栗  原  正  英

社団法人日本プリント回路工業会

酒  井  善  治 IMV 株式会社

佐々木  喜  七

財団法人日本電子部品信頼性センター

芹  川  寛  治

日本電気計器検定所

鈴  木  俊  雄

財団法人電気安全環境研究所

塚  田  潤  二

社団法人日本電子機械工業会

坪  田  芳  実

株式会社日立製作所

東  條  喜  義

社団法人日本電子工業振興協会

福  西  寛  隆

日本電気株式会社

津  崎  靖  憲

財団法人日本品質保証機構

藤  田  隆  史

東京大学生産技術研究所 2 部

酒  井  昌  利

日本プラスチック工業連盟

三  上  裕  久

資源エネルギー庁公益事業部電力技術課

吉  田  公  一

社団法人日本船舶品質管理協会船舶艤装品研究所

柴  田  和  男

社団法人日本電機工業会

(事務局)

喜多川      忍

財団法人日本電子部品信頼センター


19

C 0063 : 2000 (IEC 60695-1-1: 1995)

耐火性試験 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

鈴  木  俊  雄

財団法人電気安全環境研究所

(幹事)

乾      泰  夫

帝人化成株式会社

三  宅      彰

住友化学工業株式会社

松  木      明

財団法人日本電子部品信頼性センター

(委員)

伊  藤  安  行

製品評価技術センター北関東支所

橋  爪  邦  隆

通商産業省工業技術院標準部

三  上  裕  久

資源エネルギー庁公益事業部

橋  本      進

財団法人日本規格協会

井  上  正  人

住友電気工業株式会社

高  橋  公  平

スガ試験機株式会社

柿  本  光  敏

元シャープ株式会社

日  部      恒

元株式会社日立製作所

近  藤  雅  昭

社団法人電線総合技術センター

斉  藤  武  雄

株式会社エヌティティアフティ

酒  井  昌  利

日本プラスチック工業連盟

柴  田  和  男

社団法人日本電機工業会

関  谷  洋  紀

株式会社東芝府中工場

高  杉  和  徳

株式会社東芝

中  島  久  男

日本コロンビア株式会社

中  村  典  生

財団法人電気安全環境研究所

八  田  敏  正

日立電線株式会社

久  恒  豊  一

古河電気工業株式会社

舟  山      保

財団法人日本品質保証機構安全試験検査センター

古  川  清  志

菱星電装株式会社

松  永  充  史

株式会社ジャパンエナジー

吉  田  公  一

社団法人日本船舶品質管理協会船舶艤装品研究所

(事務局)

喜多川      忍

財団法人日本電子部品信頼センター

(文責  鈴木  俊雄)