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C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

43

  過電流保護 

1

430.1

  適用範囲 

1

430.2

  引用規格 

1

430.3

  一般要求事項

2

431

  回路の種類による要求事項

3

431.1

  線導体の保護

3

431.2

  中性線の保護

3

431.3

  多相系統の中性線の遮断及び再閉路 

3

432

  保護器の種類 

4

432.1

  過負荷電流及び短絡電流の両方に対して保護する器具

4

432.2

  過負荷だけを保護できる器具

4

432.3

  短絡だけを保護できる器具

4

432.4

  保護器の特性

4

433

  過負荷保護 

4

433.1

  電線と過負荷保護器との協調

4

433.2

  過負荷保護器の設置位置 

5

433.3

  過負荷保護器の省略 

5

433.4

  並列使用導体の過負荷保護

6

434

  短絡電流保護 

7

434.1

  推定短絡電流の決定 

7

434.2

  短絡保護器の設置位置 

7

434.3

  短絡保護器の省略

7

434.4

  並列使用導体の短絡保護 

7

434.5

  短絡保護器の特性

8

435

  過負荷保護と短絡保護との協調

9

435.1

  一つの器具による保護 

9

435.2

  個別の器具による保護 

9

436

  電流の特性による過電流の制限

9

附属書 A(参考)並列使用導体の過電流保護 

10

附属書 B(参考)433.1 の条件 及び条件 

15

附属書 C(参考)過負荷保護器の設置位置及び省略

16

附属書 D(参考)短絡保護器の設置位置又は省略

19

附属書 E(参考)サムカントリーノートの表 

22


C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気設備

学会(IEIEJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ

によって,JIS C 60364-4-43:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 0364

及び JIS C 60364 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 60364-1

  第 1 部:基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義

JIS C 60364-4-41

  第 4-41 部:安全保護−感電保護

JIS C 60364-4-42

  第 4-42 部:安全保護−熱の影響に対する保護

JIS C 60364-4-43

  第 4-43 部:安全保護−過電流保護

JIS C 60364-4-44

  第 4-44 部:安全保護−妨害電圧及び電磁妨害に対する保護

JIS C 60364-5-51

  第 5-51 部:電気機器の選定及び施工−一般事項

JIS C 60364-5-52

  第 5-52 部:電気機器の選定及び施工−配線設備

JIS C 60364-5-53

  第 5-53 部:電気機器の選定及び施工−断路,開閉及び制御

JIS C 60364-5-54

  第 5-54 部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及び保護ボンディング

導体

JIS C 60364-5-55

  第 5-55 部:電気機器の選定及び施工−その他の機器

JIS C 60364-6

  第 6 部:検証

JIS C 0364-7-701

  第 7-701 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−バス又はシャワーのある場

JIS C 0364-7-702

  第 7 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項  第 702 節:水泳プール及びその

他の水槽

JIS C 0364-7-703

  第 7-703 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−サウナヒータのある部屋及

び小屋

JIS C 0364-7-704

  第 7-704 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−建設現場及び解体現場にお

ける設備

JIS C 0364-7-705

  第 7-705 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−農業用及び園芸用施設

JIS C 0364-7-706

  第 7-706 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−動きを制約された導電性場

JIS C 0364-7-708

  第 7 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項  第 708 節:キャラバンパーク及

びキャラバンの電気設備

JIS C 0364-7-709

  第 7 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項  第 709 節:マリーナ及びレジャ

ー用舟艇


C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

(3)

JIS C 0364-7-711

  第 7 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項  第 711 節:展示会,ショー及び

スタンド

JIS C 0364-7-712

  第 7-712 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−太陽光発電システム

JIS C 0364-7-713

  第 7 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項  第 713 節:家具

JIS C 0364-7-714

  第 7 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項  第 714 節:屋外照明設備

JIS C 0364-7-715

  第 7-715 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−特別低電圧照明設備

JIS C 0364-7-717

  第 7-717 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−移動形又は運搬可能形ユニ

ット

JIS C 0364-7-740

  第 7-740 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−催し物会場,遊園地及び広

場の建造物,娯楽装置及びブースの仮設電気設備

JIS C 0364-7-753

  第 7-753 部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項−床暖房及び天井暖房設備


日本工業規格

JIS

 C

60364-4-43

:2011

(IEC 60364-4-43

:2008

)

低圧電気設備−第 4-43 部:安全保護−過電流保護

Low-voltage electrical installations-

Part 4-43: Protection for safety-Protection against overcurrent

序文 

この規格は,2008 年に第 3 版として発行された IEC 60364-4-43 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

43 

過電流保護 

430.1 

適用範囲 

この規格は,過電流から充電用導体を保護するための要求事項について規定する。

この規格は,過負荷(箇条 433)及び短絡(箇条 434)の場合に,一つ以上の電源の自動遮断用装置によ

って充電用導体を保護する方法を規定する。ただし,過電流が箇条 436 によって制限される場合又は,433.3

又は 434.3 に規定する条件に適合する場合を除く。過負荷保護と短絡保護との協調(箇条 435)についても

規定する。

注記 1  充電用導体を箇条 433 によって過負荷保護している場合,過負荷電流と同程度の過電流を発

生しそうな故障に対しても保護しているとみなす。

注記 2  この規格の要求事項は,外的影響を考慮していない。

注記 3  この規格による導体の保護は,必ずしも導体に接続した機器を保護するとは限らない。

注記 4  プラグとコンセントとで固定設備に機器を接続している可とうケーブルは,この規格の適用

範囲の一部ではない。そのため,必ずしも過電流に対して保護しているわけではない。

注記 5  この規格では,遮断とは断路を意味しない。

注記 6  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60364-4-43:2008

,Low-voltage electrical installations−Part 4-43: Protection for safety−

Protection against overcurrent(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

430.2 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 8201-2-1

  低圧開閉装置及び制御装置−第 2-1 部:回路遮断器(配線用遮断器及びその他の遮断

器)

注記  対応国際規格:IEC 60947-2,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 2: Circuit-breakers


2

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

(MOD)

JIS C 8201-3

  低圧開閉装置及び制御装置−第 3 部:開閉器,断路器,断路用開閉器及びヒューズ組み

ユニット

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60947-3 , Low-voltage switchgear and controlgear − Part 3: Switches,

disconnectors, switch-disconnectors and fuse-combination units(MOD)

JIS C 8201-4-1

  低圧開閉装置及び制御装置−第 4-1 部:接触器及びモータスタータ:電気機械式接触

器及びモータスタータ

注記  対応国際規格:IEC 60947-4-1,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 4-1: Contactors and

motor-starters−Electromechanical contactors and motor-starters(MOD)

JIS C 8211

  住宅及び類似設備用配線用遮断器

注記  対応国際規格:IEC 60898 (all parts),Electrical accessories−Circuit-breakers for overcurrent

protection for household and similar installations(MOD)

JIS C 8222

  住宅及び類似設備用漏電遮断器−過電流保護装置付き(RCBOs)

注記  対応国際規格:IEC 61009 (all parts),Residual current operated circuit-breakers with integral

overcurrent protection for household and similar uses (RCBOs)(MOD)

JIS C 8269-2

  低電圧ヒューズ−第 2 部:専門家用ヒューズの追加要求事項(主として工業用のヒュー

ズ)

注記  対応国際規格:IEC 60269-2,Low-voltage fuses−Part 2: Supplementary requirements for fuses for

use by authorized persons (fuses mainly for industrial applications)−Examples of standardized

systems of fuses A to I(IDT)

JIS C 60364-4-41

  低圧電気設備−第 4-41 部:安全保護−感電保護

注記  対応国際規格:IEC 60364-4-41,Low-voltage electrical installations−Part 4-41: Protection for

safety−Protection against electric shock(IDT)

JIS C 60364-5-52

  建築電気設備−第 5-52 部:電気機器の選定及び施工−配線設備

注記  対応国際規格:IEC 60364-5-52:2001,Electrical installations of buildings−Part 5-52: Selection and

erection of electrical equipment−Wiring systems(IDT)

IEC 60269-3

,Low-voltage fuses−Part 3: Supplementary requirements for fuses for use by unskilled persons

(fuses mainly for household and similar applications)−Examples of standardized systems of fuses A to F

IEC 60269-4

,Low-voltage fuses−Part 4: Supplementary requirements for fuse-links for the protection of

semiconductor devices

IEC 60439-2

,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 2: Particular requirements for busbar

trunking systems (busways)

IEC 60947-6-2

,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 6-2: Multiple function equipment−Control and

protective switching devices (or equipment) (CPS)

IEC 61534 (all parts)

,Powertrack systems

430.3 

一般要求事項 

保護器は,絶縁,接続,端末又は導体周辺の材料に対して有害である熱的影響又は機械的影響による危

険を引き起こす前に,回路導体中のいかなる過電流も遮断するように設置しなければならない。


3

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

431 

回路の種類による要求事項 

431.1 

線導体の保護 

431.1.1

過電流の検出は,431.1.2 を適用する場合を除き,全ての線導体で行わなければならない。それに

よって過電流を検出した導体は遮断しなければならないが,必ずしもその他の充電用導体を遮断する必要

はない。

例えば,三相電動機の場合のように,一相の遮断が危険を生じる可能性がある場合は,適切な予防策を

用いなければならない。

431.1.2 TT

系統又は TN 系統において,中性線がなく,線導体間で給電する回路では,次の条件を同時に

満足する場合は,線導体の 1 本では過電流を検出しなくてもよい。

a)

同一回路又は電源側に,不平衡負荷を検出し,全ての線導体を遮断するための保護器を備えている。

b)  a)

で規定する保護器の負荷側に施設した回路の人為的に設けた中性点からは中性線を配線しない。

431.2 

中性線の保護 

431.2.1 TT

系統又は TN 系統 

中性線の断面積が線導体と同じ太さ以上であり,また,中性線の電流が線導体の電流を超えないことが

予測される場合は,中性線に過電流検出器又は遮断器を設ける必要はない。

中性線の断面積が線導体より小さい場合,中性線にはその断面積に応じた過電流検出器を設ける必要が

ある。この過電流検出によって線導体を遮断しなければならないが,中性線までも遮断する必要はない。

上記二つの場合,中性線を短絡電流に対して保護しなければならない。

注記  この保護は,線導体における過電流保護器によって行うことができる。この場合,中性線に対

する過電流保護又は中性線に対する遮断装置を設ける必要はない。

中性線電流が線導体の電流値を超えることが予測される場合は,431.2.3 による。

中性線に関する要求事項は,遮断に関するもの以外は PEN 導体に適用する。

431.2.2 IT

系統 

中性線を配線する場合は,各回路の中性線に過電流検出器を備える必要がある。過電流検出によって,

中性線を含め当該回路の全充電用導体を遮断しなければならない。ただし,この対策は,次の場合には必

要としない。

−  設備の源点など電源側に設置した保護器によって,その中性線を有効に過電流保護する場合。

−  定格感度電流が中性線の許容電流の 0.2 倍を超えない漏電遮断器によってその回路を保護する場合。

この遮断器は,中性線を含めその回路の全充電用導体を遮断する。その遮断器は,全ての極に対して十

分な遮断容量をもたなければならない。

注記 IT 系統においては,中性線を配線しないことが望ましい。

431.2.3 

高調波電流 

中性線電流が,その導体の許容電流を超えることが予測されるような,線電流の高周波含有量である場

合は,多相回路の中性線に過負荷検出装置を設けなければならない。過負荷検出は,中性線を流れる電流

の特性に適合しなければならず,また,線導体を遮断しなければならないが,必ず中性線までも遮断する

必要はない。中性線を遮断する場合には,431.3 の要求事項を適用する。

注記  上記以上の中性線の保護に関する要求事項は,JIS C 60364-5-52 に規定している。

431.3 

多相系統の中性線の遮断及び再閉路 

中性線を遮断する必要がある場合,遮断及び再閉路は,中性線を線導体より先に遮断してはならない。

また,中性線が線導体と同時又はそれ以前に再閉路するように設定しなければならない。


4

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

432 

保護器の種類 

保護器は,432.1432.3 に規定する種類のもので,その特性は 432.4 によらなければならない。

432.1 

過負荷電流及び短絡電流の両方に対して保護する器具 

434.5.1

に規定するものを除き,過負荷電流及び短絡電流の両方を保護する器具は,その保護器の設置点

における推定短絡電流以下の全ての過電流を遮断でき,かつ,配線用遮断器として投入できるものでなけ

ればならない。

その保護器は,次のいずれかである。

−  過負荷及び短絡引外し機能を組み込んだ配線用遮断器

−  ヒューズと組み合わせた配線用遮断器

− gG 特性のヒューズリンクをもつヒューズ

注記 1  ヒューズは,完全な保護器を構成する全ての部品から成り立っている。

注記 2  433.1 及び 434.5 の要求事項を満足する場合は,この細分箇条は,その他の保護器の使用を除

外するものではない。

432.2 

過負荷だけを保護できる器具 

これらの保護器は,箇条 433 の要求事項を満足しなければならない。ただし,遮断容量は,その保護器

を設けた点での推定短絡電流の値未満であってもよい。

注記 1  これらの保護器は,一般に反限時形保護器である。

注記 2 aM 形ヒューズは,過負荷の保護はできない。

432.3 

短絡だけを保護できる器具 

過負荷保護がその他の手段で達成できる場合か,又は箇条 433 が過負荷保護の省略を許容している場合

は,短絡電流だけを保護する器具を設けなければならない。このような保護器は,推定短絡電流以下の短

絡電流を遮断することができ,かつ,配線用遮断器として投入できなければならない。このような保護器

は,箇条 434 の要求事項を満足しなければならない。

この保護器には,次のものがある。

−  短絡電流引外しだけの配線用遮断器

− gM 特性で,aM 形ヒューズリンクをもつヒューズ

432.4 

保護器の特性 

過電流保護器の動作特性は,例えば,JIS C 8201-2-1JIS C 8201-3JIS C 8211JIS C 8222JIS C 8269-2

IEC 60269-3

IEC 60269-4 又は IEC 60947-6-2 に規定する動作特性に従わなければならない。

注記  その他の保護器の遮断時間と電流に関する特性が,この箇条に規定するものと同等の保護レベ

ルを備えている場合は,それらの保護器の使用を除外するものではない。

433 

過負荷保護 

433.1 

電線と過負荷保護器との協調 

過負荷に対して電線を保護する器具の動作特性は,次の条件 1[式(1)]及び条件 2[式(2)]に適合しな

ければならない。

I

B

I

n

I

Z

 (1)

I

2

≦1.45×I

Z

 (2)

ここに,

I

B

回路の設計電流

I

Z

電線の連続許容電流(JIS C 60364-5-52 の箇条 523 参照)


5

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

I

n

保護器の定格電流

I

2

保護器が規約時間内に有効に動作することを保証する電流

注記 1  調整できる保護器の場合,定格電流 I

n

は選定した設定電流に読み替える。

保護器の有効な動作を保証する電流 I

2

は,製造業者から提供されるか,又は製品規格で示さなければな

らない。

例えば,I

2

未満の過電流の発生が継続するような場合には,この箇条に従った保護は不確実となる可能

性がある。このような場合,より大きい断面積のケーブルの選定を考慮することが望ましい。

注記 2  I

B

は,線導体を流れる設計電流か,又は第 3 調波が高いレベルの場合に中性線を流れる恒久

的な電流である。

注記 3  保護器の規約時間内に有効な動作を保証する電流は,製品規格による I

t

又は I

f

でもよい。I

t

及び I

f

とも,I

n

の倍数であるので,値及び目盛の正確な表示に注意することが望ましい。

注記 4  433.1 の条件式(1)及び式(2)の説明に関しては,附属書 参照。

注記 5  回路の設計電流 I

B

は,補正率を適用した後の実際の電流 I

a

として考えることができる(JIS C 

60364-1

の箇条 311 参照)

433.2 

過負荷保護器の設置位置 

433.2.1

電線の断面積,種類,施設方法又は構成の変更によってその許容電流が低減する箇所には,過負

荷保護を保証する器具を設置しなければならない。ただし,433.2.2 及び 433.3 を適用する場合を除く。

433.2.2

電線の過負荷保護器は,変更(断面積,種類,施設方法又は構成)がある点と保護器の設置点と

の間の配線部分に分岐する回路及びコンセントを接続せず,更に,次の二つの条件の少なくとも一つに適

合する場合は,変更のある電線に設置できる。

a)

箇条 434 の規定に従って短絡保護がなされている。

b)

その全長が 3 m を超えず,短絡の起きる危険性が最小となるように施設し,また,火災の危険性又は

人への危険性を最小にするような方法で施設する(434.2.1 も参照)

注記  a)  に従った取付けについては,図 C.1 参照。b)  に従った取付けについては,図 C.2 参照。

433.3 

過負荷保護器の省略 

この細分箇条の各規定は,火災の危険性又は爆発の危険性が存在する場所における設備,又は特殊設備

及び特殊場所の要求事項が別の条件を規定している場所における設備には適用してはならない。

433.3.1 

一般事項 

次の過負荷保護器の設置は,必要ない。

a)

断面積,種類,施設方法又は構成の変更点の電源側に設置した保護器によって有効に過負荷保護を行

っている変更点負荷側の電線用の過負荷保護器

b)

箇条 434 の規定によって短絡保護を行い,かつ,分岐する回路もコンセントもないという条件で,過

負荷電流が発生するおそれがない電線用の過負荷保護器

c)

電力会社が過負荷保護器を供給し,かつ,その保護器が設備の源点と主配電点との間の部分に対する

保護も担当し,この主配電点から先の過負荷保護が行われている場合の設備の源点における過負荷保

護器

d)

通信回路用,制御回路用,信号回路用及びこれらに類似の回路用過負荷保護器

注記  a)b)及び d)に従った設備に関しては,図 C.3 を参照。

433.3.2 IT

系統における過負荷保護器の設置位置又は省略 

433.3.2.1

過負荷保護器の取付け位置の緩和措置又は省略について規定する 433.2.2 及び 433.3.1 は,IT 系


6

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

統には適用できない。ただし,過負荷保護しない各回路を次の方法の一つで保護する場合は,この限りで

ない。

a)  JIS C 60364-4-41

の箇条 412 に規定する保護手段の使用

b)

第 2 故障によって即時に動作する漏電遮断器による各回路の保護

c)

次のいずれかの絶縁監視装置だけを使用する恒久的な監理システム

−  第 1 故障によって回路を遮断する。

−  故障の存在を示す信号を出す。故障は,運用上の要求事項に従い,かつ,第 2 故障発生による危険

性を確認して修復しなければならない。

注記  IEC 61557-9 に従った絶縁故障場所検出装置を備えることが望ましい。このような装置を適用

することによって,電源を遮断せずに絶縁故障を発見し,かつ,その場所を突き止めることが

できる。

433.3.2.2

中性線のない IT 系統において,各回路に漏電遮断器を設置している場合は,1 本の線導体の過

負荷保護器を省略することができる。

433.3.3 

安全上の理由から過負荷保護器の省略を考慮しなければならない場合 

予期しない回路の遮断が危険又は損傷を生じるような電気使用機器への供給回路には,過負荷保護器を

省略することができる。

これには,次のような回路がある。

−  回転機の励磁回路

−  揚重電磁石の電源回路

−  変流器の二次回路

−  消火器具に電力供給する回路

−  安全設備(盗難警報器,ガス警報器など)に電力を供給する回路

注記  上記の場合は,過負荷警報を設備することが望ましい。

433.4 

並列使用導体の過負荷保護 

1 個の保護器で幾つかの並列使用導体を保護する場合は,並列導体に分岐する回路又は断路装置若しく

は開閉器を設けてはならない(

附属書 参照)。

この箇条は,リング分岐回路の使用を除外するものではない。

433.4.1 

並列導体間の均等な電流配分 

1 個の保護器が,均等に配分された電流が流れている並列使用導体を保護する場合には,433.1 で用いる

I

Z

の値は,各々の導体の許容電流の合計である。

JIS C 60364-5-52

の 523.7 a)  の最初のインデント“並列使用導体が多心ケーブル又は単心よ(撚)りケ

ーブル若しくはよ(撚)り絶縁電線”の要求事項を満たしている場合は,均等な電流配分とみなす。

433.4.2 

並列導体間の不均等な電流配分 

相ごとに 1 条の導体を使用することが非実用的であり,かつ,並列導体における電流が不均等である場

合には,設計電流及び各導体の過負荷保護に対する要求事項は,個々に検討しなければならない。

注記  導体ごとの電流の差が設計電流に対して 10 %を超える場合は,並列導体の電流は不均等である

とみなす。A.2 にその指針を示す。


7

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

434 

短絡電流保護 

この規格では,同じ回路に属する導体間の短絡の場合だけを考慮する。

434.1 

推定短絡電流の決定 

保護器の各々の設置点における推定短絡電流を決定しなければならない。決定値は,計算又は測定のい

ずれでもよい。

注記  電力供給点での推定短絡電流は,電力会社から入手してもよい。

434.2 

短絡保護器の設置位置 

導体断面積の低減又はその他の変更によって電線の許容電流の変更がある場合には,短絡保護器を設置

しなければならない。ただし,434.2.1434.2.2 又は 434.3 を適用する場合を除く。

434.2.1

次の細分箇条に規定する幾つかの事例は,火災の危険性又は爆発の危険性がある場所及び特別な

規則が別の条件を規定している場所に設置した設備に対して適用してはならない。短絡保護器は,次の条

件で 434.2 に規定する以外の場所に配置してもよい。

断面積の低減又はその他の変更点と保護器の場所との間の電線の部分には,分岐する回路又はコンセン

トがあってはならず,その間の電線は,次による。

a)

長さは 3 m 以下

b)

短絡の起きる危険性が最小となるように施設する。

注記 1  この条件は,例えば,外的影響に対し,配線の保護を強化することによって満たしてもよ

い。

注記 2  図 D.1 参照。

c)

可燃性物質に近接して設置しない。

434.2.2

保護器が,変更点より負荷側の配線を 434.5.2 に従って短絡保護できる動作特性をもつものであ

る場合,その保護器は導体断面積の低減又はその他の変更点から電源側に設置してもよい。

434.2.2

の要求事項は,

附属書 の方法によってもよい。

434.3 

短絡保護器の省略 

次の二つの条件を同時に満足する場合は,a)d)の場所に短絡保護器を設置する必要はない。

−  配線は,短絡の危険性を最小に減じるような方法[434.2.1 の b)参照]で施設する。

−  配線は,可燃性物質に近接して設置しない。

a)

発電機,変圧器,整流器及び/又は蓄電池と,保護器が盤内に設置してある附属の制御盤との間を接

続する電線

b)  433.3.3

で引用したような,その設備の運転にとって電源の遮断が危険を及ぼす回路

c)

ある種の測定回路

d)

電力会社が一つ以上の短絡保護器を設置し,かつ,この保護器が設備の源点と主配電点との間の部分

に対する保護も担当し,この主配電点から先の短絡保護が行われている場合の設備の源点

注記  設備の源点とは,自家用電気設備の変圧器の二次側端子などを指す。

434.4 

並列使用導体の短絡保護 

1 個の保護器の動作特性が,一つの並列使用導体中の最も動作しにくい位置で起こる故障に対して効果

的な動作を保証する場合には,その保護器は短絡の影響に対して並列導体を保護できる。この場合,並列

導体間の短絡電流の配分を考慮しなければならない。短絡電流は,並列導体の両端から供給される可能性

がある。

1 個の保護器の動作が効果的でない場合は,次の手段のうち一つ以上を行わなければならない。


8

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

a)

配線は,いずれの並列導体においても短絡の危険性を,例えば,機械的な損傷に対する保護によって,

最小にするような方法で行い,かつ,導体を火災又は人への被害の危険性を最小にするような方法で

施設しなければならない。

b)  2

本の並列使用導体の場合,短絡保護器は各並列導体の電源側に設置しなければならない。

c)

3 本以上の並列使用導体の場合,短絡保護器は各並列導体の電源側及び負荷側に設置しなければなら

ない。A.3 にその指針を示す。

434.5 

短絡保護器の特性 

各短絡保護器は,434.5.1 の要求事項に適合しなければならない。

434.5.1

定格遮断容量は,その設置点における最大推定短絡電流より小さくてはならない。ただし,次の

事項を適用する場合は,この限りではない。

電源側に設置したもう一つの保護器が必要な遮断容量をもっている場合は,定格短絡電流より小さい遮

断容量でもよい。この場合,二つの保護器を通過するエネルギーが負荷側の保護器及びそれらによって保

護される電線が損傷を受けずに耐えられるエネルギーを超えないように,両保護器の特性を協調させなけ

ればならない。

注記  場合によっては,負荷側の保護器について動的ストレス及びアークエネルギーのようなその他

の特性を考慮する必要がある。協調に必要な特性の詳細は,当該保護器の製造業者から求める

のがよい。

434.5.2

ケーブル及び絶縁電線に関して,回路のあらゆる点で発生する全ての短絡電流は,その導体の絶

縁が許容制限温度を超えない時間内に遮断しなければならない。

電流の非対称分が重要になる保護器の動作時間(<0.1s)及び限流遮断器の場合 k

2

S

2

は,保護器の製造

業者によって規定している通過エネルギー(I

2

t

)の値よりも大きくなければならない[記号は,式(3)参照]

表 43A−導体に対する係数 の値 

導体絶縁の種類

無機材

塩化ビニル

熱可塑性

塩化ビニル

熱可塑性

90  ℃

エチレンプロピ

レンゴム

架橋ポリエチレン

熱硬化性

ゴム

60  ℃

熱硬化性

塩化ビニル

被覆付き

被覆なし

導体断面積  mm

2

≦300

>300

≦300

>300

初期温度  ℃ 70 90  90

60

70

105

最終温度  ℃

160 140 160 140

250

200

160

250

銅 115

103

100

86

143

141

115

135-115

a)

アルミニウム  76 68 66 57

94

93

導体材料

は ん だ 接 続 の
銅導体

115

注記 1  次の材料の係数 の値は,検討中である。

−  細い導体(特に断面積 10 mm

2

未満)

−  その他の種類の導体接続

−  裸導体

注記 2  短絡保護器の定格電流は,電線の許容電流より大きくしてもよい。 
注記 3  この表の係数は,IEC 60724 に基づいている。 
注記 4  係数 の算出法は,JIS C 60364-5-54 の附属書 A543.1.2 の係数 の算出法)を参照。 

a)

  人が触れるおそれのある裸電線に対しては,この値を用いなければならない。


9

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

継続時間 が 5 秒間以下の短絡の場合,通常の使用条件における最高許容温度から,短絡電流によって

導体の絶縁が制限温度に達するまでの時間 は,式(3)  によって概算できる。

t

=(k×S/I)

2

 (3)

ここに,

t

継続時間(s)

S

断面積(mm

2

I

短絡電流[A(r.m.s.)]

k

導体材料の抵抗率,温度係数及び熱容量並びに当該初期温度
及び最終温度を考慮した係数。一般的な導体絶縁物について,
線導体に対する の値は

表 43A に規定する。

434.5.3  IEC 60439-2

に適合したバスダクトシステム及び IEC 61534 規格群に適合した配線ダクトに関し

ては,次の要求事項の一つを適用しなければならない。

−  バスダクトシステム又は配線ダクトの定格短時間耐電流(I

CW

)及び定格ピーク耐電流は,それぞれの

推定短絡電流実効値及び推定短絡ピーク電流値以上でなければならない。I

CW

がバスダクトシステム

又は配線ダクトに対して限定する最大時間は,保護器の最大動作時間以上でなければならない。

−  特定の保護器を備えたバスダクト又は配線ダクトシステムの定格条件付き短絡電流は,推定短絡電流

以上でなければならない。

435 

過負荷保護と短絡保護との協調 

435.1 

一つの器具による保護 

過負荷電流及び短絡電流に対して保護を行う保護器は,箇条 433 及び箇条 434 の適用可能な要求事項を

満足しなければならない。

435.2 

個別の器具による保護 

箇条 433 及び箇条 434 の要求事項を,過負荷保護器及び短絡保護器に適用する。

短絡保護器の通過エネルギーが,過負荷保護器が損傷を受けずに耐えられる値を超えないように,両保

護器の特性を協調させなければならない。

この規定は,JIS C 8201-4-1 に規定する協調の種類も適用する。

436 

電流の特性による過電流の制限 

電線の許容電流を超える電流を供給できない電源から供給される場合,その電線は過負荷及び短絡に対

して保護されているとみなす(例えば,ベル用変圧器,溶接用変圧器及び熱電発生装置のある種のもの)


10

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

附属書 A

(参考)

並列使用導体の過電流保護

A.1 

序文 

並列に接続された導体の過電流保護は,全ての並列導体に適切に行うことが望ましい。実質上,等しい

電流が流れるように措置した断面積,導体材料の長さ及び配置方式が同一の 2 本の導体では,過電流保護

の要求事項は簡単である。さらに,複雑な導体配置の場合には,導体と多数の故障電流経路との間の不均

等な電流配分について詳細な検討をすることが望ましい。この附属書は,その必要な検討についての指針

を示している。

注記  並列導体間の電流を計算するためのより詳細な方法は,IEC 60287-1-3 に規定している。

A.2 

並列使用導体の過負荷保護 

多心ケーブルの並列導体を含む回路で過負荷が発生した場合には,各導体の電流は同一の割合で増加す

る。その電流が並列導体間で均等に配分される場合,1 個の保護器を全ての導体の保護に用いることがで

きる。並列導体の許容電流(I

Z

)は,適切なグループ分け及びその他の要素を適用することによって,各

導体の許容電流の合計となる。

並列電線間の電流配分は,電線のインピーダンスの関数となっている。断面積が大きい単心電線では,

インピーダンスのリアクタンス分は抵抗分より大きく,

電流配分上重要な影響をもつ。

リアクタンス分は,

各電線の相対的な物理的位置に影響される。例えば,同一の長さ,構造及び断面積をもつ 1 相当たり 2 本

の大きな断面積の電線で構成した回路で,並列だが相対的に不都合な位置関係に置いた場合(すなわち,

同相の電線を互いに束ねる。

)は,電流配分は 50 %/50 %より 70 %/30 %になることもある。

並列導体間のインピーダンスの違いが不均等な電流配分の原因となる場合には,例えば,その差が 10 %

超過のときは,各導体の設計電流及び過負荷保護の要求事項を個々に検討しなければならない。

各導体の設計電流は,全負荷と各導体のインピーダンスとから求めることができる。

m

本の並列使用導体の連続許容電流の合計を求めるために,導体 k の設計電流 I

Bk

は,式(A.1)による。

⎟⎟

⎜⎜

+

+

+

+

+

+

+

+

m

k

1

k

k

k

k

1

k

k

2

k

1

k

B

Bk

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

I

I

(A.1)

ここに,

I

B

回路の設計電流

I

Bk

導体

k

の設計電流

Z

k

導体

k

のインピーダンス

Z

1

Z

m

導体

1

∼導体

m

の各インピーダンス

120 mm

2

以下の並列導体の場合,導体

k

に対する設計電流 I

Bk

は,式

(A.2)

による。

m

2

1

k

B

Bk

S

S

S

S

I

I

+

+

+

(A.2)

ここに,

S

k

導体 k の断面積

S

1

S

m

各導体の断面積

単心電線の場合,インピーダンスは,例えば,がい装又は非がい装といった電線の仕様だけでなく,電

線の相対的位置の関数になっている。インピーダンスの計算方法を,

IEC 60287-1-3

に規定する。並列電線


11

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

間の電流配分は測定によって確かめることが望ましい。

設計電流 I

Bk

は,式(A.3)に示すように

433.1

の条件 1 の I

B

の代わりに用いる。

I

Bk

I

n

I

Zk

(A.3)

433.1

の条件 1 及び条件 2 で I

Z

として用いるその値は,次のいずれかである。

過負荷保護器を各導体に設けている場合(

図 A.1

参照)

,各導体の連続許容電流 I

Zk

は,式(A.4)による。

I

Bk

I

nk

I

Zk

(A.4)

1 個の過負荷保護器を並列使用導体に設けている場合(

図 A.2

参照)

,全ての導体の許容電流の合計 ΣI

Zk

は,式(A.5)による。

I

B

I

n

≦ΣI

Zk

(A.5)

ここに,

I

nk

導体 k の保護器の定格電流

I

Zk

導体 k の連続許容電流

I

n

保護器の定格電流

ΣI

Zk

m

本の並列使用導体の連続許容電流の合計

注記

  ブスバー方式に関する情報は,製造業者又は

IEC 60439-2

から得ることが望ましい。

I

n1

I

n2

I

n3

I

nk

I

nm

負荷側

I

Bk

I

nk

I

Zk

I

Z1

1

I

Z2

2

I

Z3

3

I

Zk

k

I

Zm

m

電源側

図 A.1

m

本の並列使用導体に対してそれぞれに過負荷保護器を設置した回路 


12

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

I

n

負荷側

I

Z1

1

I

Z2

2

I

Z3

3

I

Zk

k

I

Zm

m

電源側

図 A.2

m

本の並列使用導体に対して 個の過負荷保護器を設置した回路 

A.3 

並列使用導体の短絡保護 

導体を並列に接続している場合には,保護器の配置に関して並列区間内での短絡の影響を考慮すること

が望ましい。

並列配置における個々の導体は,一つの保護器を使用している場合は効果的に保護できない可能性があ

るので,その他の保護方法を考慮することが望ましい。その他の保護方法とは,各導体に対して個々の保

護器を設置する場合,並列導体の電源側及び負荷側に保護器を設置する場合,電源側に連動保護器を設置

する場合などである。その場合の保護器の設置方法の決定は,故障状況の発生見込みに依存する。

導体を並列に接続した場合,故障点の片側で充電が継続する結果として,多数の故障電流経路が生じる

可能性がある。このことは,各並列導体の電源側(s)及び負荷側(l)の両方に短絡保護を施すことによ

って対処できる。この状況を

図 A.3

及び

図 A.4

に示す。

I

B

I

n

≦ΣI

Zk

 
ΣI

Zk

I

Z1

I

Z2

+…+I

Zm


13

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

x

電源側

負荷側

as

bs

cs

al

bl

cl

a b

c

x

電源側

負荷側

as

bs

cs

al

bl

cl

a b c

図 A.3

故障発生時の電流の流れ 

図 A.4

保護器 cs 動作後の電流の流れ 

図 A.3

は,並列に接続している導体 3 の x 点で故障が発生した場合に,故障電流は,導体 1,導体 2 及

び導体 3 に流れることを示す。

保護器 cs 及び cl を通じて流れる故障電流の大きさ及び故障電流の割合は,

故障点の位置による。この例では,故障電流のほとんどが保護器 cs を通じて流れると仮定している。

A.4

は,一度 cs が動作した場合,電流は,導体 1 及び導体 2 を経由して故障点 x に継続して流れることを

示す。なぜなら,導体 1 及び導体 2 は並列に接続されているので,保護器 as 及び bs を通る電流は,これ

らの保護器を必要時間以内に動作させるには十分ではないからである。このような場合には,保護器 cl が

必要である。cl を通じて流れる電流は,cs を動作させる電流より小さいことに注意したほうがよい。故障

点が cl に十分近い場合は,cl が最初に動作する場合がある。導体 1 又は導体 2 で故障が発生した場合も同

じ状況が発生するので,保護器 al 及び bl が必要である。

両端に保護器を施設する方法は,

電源側だけに保護器を施設する方法に比較して二つの不利な点がある。

第一に,x 点の故障が cs 及び/又は cl の動作によって取り除かれた場合,回路は,導体 1 及び導体 2 に

よって負荷に供給を継続する。

したがって,

故障及びその結果として起こる導体 1 及び導体 2 の過負荷は,

故障インピーダンスによっては検出できないことがある。第二に,x 点の故障は,故障点の片側が存続し,

かつ,検出されないままであるため,cl 側の開回路を焼損する可能性がある。

6 個の保護器に代わる連動保護器を電源寄りに取り付けることが望ましい(

図 A.5

参照)

これによって,

故障状態における回路の継続運転を防止できる。


14

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

注記              は,連動を意味する。

図 A.5

連動保護器の図解 

電源側

負荷側

as

bs

cs


15

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

附属書 B

(参考)

433.1

の条件 1 及び条件 2

図 B.1

433.1

の条件 1 及び条件 2 の図解を示す。

I

B

I

n

I

Z

 条件 1

I

2

≦1.45×I

Z

 条件 2

設計電流 I

B

許容電流 I

Z

1.45×I

Z

配線に対する
参考値

保護器の特性

定格電流又は 
設定電流 I

n

規約動作電流 I

2

I (A)

図 B.1

433.1

の条件 及び条件 の図解 


16

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

附属書 C 
(参考)

過負荷保護器の設置位置及び省略

C.1 

一般事項 

過負荷保護器及び短絡保護器は,各回路に施設しなければならない。これらの保護器は,一般に各回路

の分岐点に設置することが必要である。

適用によっては,一方の保護が有効な状態である場合は,過負荷保護器又は短絡保護器の一つは,この

一般的要求事項に従わなくてもよい。

C.2 

過負荷保護を分岐する回路の分岐点で行わなくてもよい場合 

a)

433.2.2 a)

  及び

図 C.1

に関して,この分岐する回路の保護器 P

2

の電源側にその他の接続又はコンセン

トがなく,かつ,

433.2.2 a)

  の要求事項に従って,分岐する回路のこの部分に関する短絡保護が行わ

れている場合は,過負荷保護器 P

2

を,分岐する回路(B)の分岐点(O)から移動してもよい。

A

B

O

S

1

S

2

P

1

P

2

図 C.1

分岐する回路(B)の分岐点に設置しない過負荷保護器(P

2

)[433.2.2 の a)参照] 

過負荷保護器は,配線設備を保護するためのものである。電気使用機器だけが,過負荷を引き起こ

すことがある。そのため,分岐する回路の短絡保護が有効である場合は,分岐する回路の経路に沿っ

たいかなる場所へ過負荷保護器を移動してもよい。

b)

433.2.2 b)

  及び

図 C.2

に関して,この分岐する回路の延長上にその他の接続又はコンセントがなく,

かつ,

433.2.2 b)

  に従ってその長さが 3 m 以下で,更に,短絡,火災及び人への損傷の危険性をこの

長さに対して最小にまで減じている場合は,過負荷保護器 P

2

を分岐する回路(B)の分岐点(O)か

ら 3 m 以内に移動してもよい。

A

B

O

S

1

S

2

P

1

P

2

<3m

図 C.2

分岐する回路(B)の分岐点の 3 m 以下に過負荷保護器(P

2

)を設置した場合[433.2.2 の b)参照] 

≦3 m


17

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

長さ 3 m の分岐する回路の短絡保護は,行わなくてよい。ただし,安全を確保するための予防手段は講

じなければならない[

433.2.2

b)

  参照]。さらに,電源回路の短絡保護が,P

2

の設置点までの分岐する回

路に対する短絡保護も行うことはできる(

附属書 D

参照)

C.3 

過負荷保護を省略できる場合 

a)

433.3.1

及び

図 C.3

に関して,この分岐する回路の保護器の電源側にその他の接続又はコンセントがな

く,かつ,次のいずれか一つを適用する場合は過負荷保護を省略してもよい。

−  分岐する回路 S

2

が,P

1

によって過負荷保護されている場合[

433.3.1

a)

  参照]。

−  分岐する回路 S

3

が,過負荷状態になるおそれがない場合[

433.3.1

b)

  参照]。

−  分岐する回路 S

4

は,通信,制御,信号及びこれらに類似の回路の場合[

433.3.1

d)

  参照]。

A

S

1

S

3

P

1

P

3

0

2

S

2

P

2

S

4

P

4

0

3

0

4

B

2

B

3

B

4

注記  P

2

,P

3

及び P

4

は,それぞれの分岐する回路 S

2

,S

3

及び S

4

対する短絡保護器である。

図 C.3

過負荷保護を省略できる場合の図解[433.3.1 の a)

b) 

及び d)  参照] 

b)

433.3.2.1

及び

図 C.4

に関して,IT 系統への適用にだけ,

 C.2

及び

C.3 a)

  の追加要求事項が,

433.3.2.1

によって必要となる。この分岐する回路の保護器 P

2

の電源側にその他の接続又はコンセントがない場

合で,かつ,次の一つを適用する場合は,過負荷保護を省略することができる。

−  分岐する回路 S

2

JIS C 60364-4-41

の箇条

412

(保護手段:二重絶縁又は強化絶縁)に規定する保

護手段を用い,かつ,クラス II 機器で構成している場合

−  分岐する回路 S

3

を第 2 故障によってじかに動作する漏電遮断器で保護している場合

−  分岐する回路 S

4

に第 1 故障によって,その回路を遮断するか又は故障の存在を表示する警報信号を

出す絶縁監視装置を設置している場合


18

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

A

S

1

S

3

P

1

P

3

0

2

S

2

P

2

S

4

P

4

0

3

0

4

B

2

B

3

B

4

注記  P

2

,P

3

及び P

4

は,それぞれの分岐する回路 S

2

,S

3

及び S

4

対する短絡保護器である。

図 C.4

IT

系統で過負荷保護を省略できる場合の図解 

IT 系統において,異なる回路に影響する二つの別々の絶縁故障が発生する可能性について考慮する必要

がある。ほとんどの場合,二つの別々の絶縁故障は結果として短絡状態になる。ただし,関係する両方の

回路の故障インピーダンス,長さ及び断面積が不明の可能性もある。この場合,別の 2 か所で絶縁故障が

生じる可能性があることは,一つ以上の保護器に過負荷状態を生じるかもしれない。


19

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

附属書 D 
(参考)

短絡保護器の設置位置又は省略

D.1 

一般事項 

過負荷保護器及び短絡保護器は,各回路に施設しなければならない。これらの保護器は,一般的に各回

路の分岐点に設置する必要がある。

適用によっては,一方の保護が有効な状態である場合は,過負荷保護器又は短絡保護器の一つは,この

一般的要求事項に従わなくてもよい。

D.2 

短絡保護を分岐する回路の分岐点で行わなくてもよい場合 

a)

434.2.1

及び

図 D.1

に関して,

この分岐する回路の延長上にその他の接続又はコンセントがなく,

かつ,

434.2.1

に従って,短絡,火災及び人への損傷の危険性がこの長さに対して最小にまで減じられている

場合は,短絡保護器 P

2

を分岐する回路(S

2

)の分岐点(O)から 3 m 以内に移動してもよい。

注記  は導体の断面積を示す。

添え字 1 は点 A から点 O の回路,添え字 2 は点 O から

点 B の回路を示す。

図 D.1

分岐する回路上の短絡保護器(P

2

)の設置位置変更の制限(434.2.1 を引用) 

分岐する回路中の長さ 3 m の導体は,短絡保護が行われていないが,電源回路に設置した短絡保護

器は,P

2

を設置した点までの分岐する回路に対して短絡保護ができる。

b)

434.2.2

及び

図 D.2

に関して,

434.2.2

に従って,分岐する回路の分岐点とこの分岐する回路の短絡保護

器との間の最大長が“トライアングル法則”によって提案された仕様書に従っている場合,短絡保護

器 P

2

を分岐する回路(B)の分岐点(O)の電源側の場所に設置してもよい。

≦3 m

S

2

S

1

P

2

P

1

S

2

S

1

A

O

B


20

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

AB は,A に設置した保護器 P

1

によって短絡保護される断面積 S

1

の導体の最大長さ L

1

AM は,A に設置した保護器 P

1

によって短絡保護される断面積 S

2

の導体の最大長さ L

2

図 D.2

分岐する回路の分岐点の電源側の場所に設置した短絡保護器 P

1

434.2.2 を引用) 

A に施設した保護器 P

1

によって短絡保護される断面積 S

2

の O で分岐した導体の長さは,三角形 BON の

長さ ON として求められる。

この箇条は,短絡保護だけ行われている場合に使用できる。過負荷保護は,この例では考慮しない(

C.3

参照)

これらの最大長さは,保護器 P

1

を動作させることができる最小短絡電流に対応する。長さが AB 以内の

分岐する回路 S

1

を保護する保護器は,分岐する回路 S

2

をも保護する。P

1

によって保護されている分岐す

る回路 S

2

の最大長さは,分岐する回路 S

2

が S

1

に接続されている場所に依存する。

分岐する回路 S

2

の長さは,三角形によって決まる値を超えない。この場合,保護器 P

2

は,点 N まで分

岐する回路 S

2

に沿って移動できる。

注記 1

  この方法は,異なった断面積の 3 本の連続した導体がある場合にも適用できる。

注記 2

  辺 S

2

に関して,配線の長さが絶縁の種類によって異なる場合,この方法は,次の長さを用い

ることによって適用できる。

AB=L

2

×S

1

/S

2

辺 S

2

に関して,配線の長さが絶縁の種類によらず同じ場合,この方法は,次の長さを用い

ることによって適用できる。

AB=L

1

D.3 

短絡保護を省略できる場合 

434.3

及び

図 D.3

に関して,

434.3

の要求事項によって,短絡,火災及び人への被害の危険性を最小に低

減できる変圧器又は測定用回路のような場合の適用に対しては短絡保護器を省略できる。

L

1

L

2

S

2

S

2

S

2

S

2

S

1

S

1

P

1

P

2

P

2

P

2

M

M

A

A

O

O

N

N

B

B


21

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

A

O

S

1

S

2

P

1

図 D.3

適用によっては短絡保護器を省略できる場合(434.3 を引用) 

変流器を用いる測定回路は,過電圧となるので開路してはならないことに留意する。

マグネティッククレーンのような適用に関しては,短絡保護を省略してもよい(

434.3

を引用)


22

C 60364-4-43

:2011 (IEC 60364-4-43:2008)

附属書 E

(参考)

サムカントリーノートの表

(対応国際規格の記載は,

JIS

では不要のため,不採用とした。

参考文献

JIS C 60364-1

  低圧電気設備−第 1 部:基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義

注記

  対応国際規格:

IEC 60364-1

,Low-voltage electrical installation−Part 1: Fundamental Principles,

assessment of general characteristics, definitions(IDT)

JIS C 60364-5-54

  建築電気設備−第 5-54 部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及び保護

ボンディング導体

注記

  対応国際規格:

IEC 60364-5-54

:2002,Electrical installations of buildings−Part 5-54: Selection

and erection of electrical equipment−Earthing arrangements, protective conductors and protective

bonding conductors(IDT)

IEC 60269-1

,Low-voltage fuses−Part 1: General requirements

IEC 60287-1-3

,Electric cables−Calculation of the current rating−Part 1-3: Current rating equations (100 % load

factor) and calculation of losses−Current sharing between parallel single-core cables and calculation of 
circulating current losses

IEC 60439-2

,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 2: Particular requirements for busbar

trunking systems (busways)

IEC 60724

,Short-circuit temperature limits of electric cables with rated voltages of 1 kV (Um = 1,2 kV) and 3 kV

(Um = 3,6 kV)

IEC 60947-1

,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 1: General rules

IEC 61557-9

,Electrical safety in low voltage distribution systems up to 1000 V a.c. and 1500 V d.c.−Equipment

for testing, measuring or monitoring of protective measures−Part 9: Equipment for insulation fault location

in IT systems