>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

(1) 

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

3

4

  一般

8

4.1

  一般的要件

8

4.2

  文書

9

4.3

  機器の適合性保証

10

5

  電気機器(ケーブル及び電線管を除く)の選定

10

5.1

  特定の情報

10

5.2

  危険度区域による選定

10

5.3

  ガス又は蒸気の着火温度による選定

11

5.4

  機器グループによる選定

12

5.5

  外部の影響

12

5.6

  構成材料としての軽金属

13

5.7

  移動形機器及び試験機器

13

6

  着火能力のあるスパークに対する保護

13

6.1

  充電部による危険

13

6.2

  外部につながる露出導電部による危険

13

6.3

  等電位化

14

6.4

  静電気

15

6.5

  避雷

15

6.6

  電磁放射

15

6.7

  電気防食した金属部

15

7

  電気的保護

15

8

  緊急遮断及び電気的断路

16

8.1

  緊急遮断

16

8.2

  電気的断路

16

9

  配線方式

16

9.1

  一般

16

9.2

  ゾーン でのケーブル方式

18

9.3

  ゾーン 及びゾーン でのケーブル方式

18

9.4

  電線管方式

19

10

  耐圧防爆に対する追加要件

19

10.1

  一般

19


C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)  目次

(2) 

ページ

10.2

  固形障害物

19

10.3

  接合面の保護

20

10.4

  ケーブル引込方式

20

10.5

  可変周波数及び可変電圧駆動電動機

22

10.6

  電線管方式

22

11

  安全増防爆に対する追加要件

23

11.1

  容器の保護等級(IEC 60034-5 及び JIS C 0920

23

11.2

  かご形誘導電動機−運転中の熱的保護

23

11.3

  配線方式

24

11.4

  抵抗加熱装置

25

11.5

  かご形回転子及び高圧回転機

25

12

  本質安全防爆に対する追加要件

26

12.1

  注意点

26

12.2

  ゾーン 及びゾーン 用設備

26

12.3

  ゾーン 用の設備

32

12.4

  特殊な適用例

33

13

  内圧防爆に対する追加要件

33

13.1

  ダクト設備

34

13.2

  内圧喪失時の対策

35

13.3

  安全装置を共有する複数の内圧容器

36

13.4

  掃気

36

13.5

  加圧室及び分析計建屋

37

14

  ゾーン だけに使用する機器への追加要件

37

14.1

  容器の保護等級(IEC 60034-5 及び JIS C 0920

37

14.2

  エネルギー制限機器及び回路

37

14.3

  配線方式

37

14.4

  可変周波数及び可変電圧駆動電動機

38

15

  個人用の電気機器

38

附属書 A(規定)線形電流−電圧特性の複数の本安関連機器をもつ本安回路の検証

39

附属書 B(参考)線形電流−電圧特性の複数の本安関連機器をもつ本安回路内の最大システム電圧

及び電流を決定する方法(附属書 の要求による)

40

附属書 C(参考)ケーブルパラメータの決定

42


C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

(3) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電機工業会 (JEMA) から工業

標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労

働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認に

ついて,責任はもたない。

JIS C 60079

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 60079-0

  第 0 部:一般要件

JIS C 60079-1

  第 1 部:耐圧防爆構造 “d”

JIS C 60079-2

  第 2 部:内圧防爆構造 “p”(予定)

JIS C 60079-6

  第 6 部:油入防爆構造 “o”

JIS C 60079-7

  第 7 部:安全増防爆構造 “e”

JIS C 60079-10

  第 10 部:危険区域の分類

JIS C 60079-11

  第 11 部:本質安全防爆構造 “i”

JIS C 60079-14

  第 14 部:危険区域内の電気設備(鉱山以外)

JIS C 60079-25

  第 25 部:本質安全システム


C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)  目次

(4) 

白      紙


   

日本工業規格

JIS

 C

60079-14

:2008

(IEC 60079-14

:2002

)

爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−

第 14 部:危険区域内の電気設備(鉱山以外)

Electrical apparatus for explosive gas atmospheres

Part 14 : Electrical installations in hazardous areas (other than mines)

序文

この規格は,2002 年に第 3 版として発行された IEC 60079-14 を基に,技術的内容及び対応国際規格の

構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,ガス状の爆発性雰囲気内の電気設備の設計,選定及び施工のための特有の要件について規

定する。

これらの要件は,非危険区域内の設備の要件を補足するものである。

この規格は,恒久設備,仮設設備,移動形,可搬形又は携帯形のいずれであるかにかかわらず,危険区

域内のすべての電気機械器具(以下,電気機器という。

)及び設備に適用する。

この規格は,あらゆる電圧の設備に適用する。

この規格は,次の設備には適用しない。

−  爆発性坑内ガス(メタンガス)にさらされる鉱山の電気設備

注記  この規格は,爆発性坑内ガス(メタンガス)以外によってガス状の爆発性雰囲気が形成するお

それがある鉱山の電気設備及び鉱山の地表における電気設備に適用する場合がある。

−  可燃性粉じん(塵)又は繊維に起因する危険区域内の電気設備

−  爆発物の製造及び加工を行うなどの本質的に爆発の危険がある場所

−  医療目的の部屋

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60079-14 : 2002

,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 14 : Electrical

installations in hazardous areas (other than mines) (IDT)

なお,対応の程度を表す記号 (IDT) は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示

す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。

これらの引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追

補を含む。

)には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。


2

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

JIS B 0209-1

  一般用メートルねじ−公差−第 1 部:原則及び基礎データ

注記  対応国際規格:ISO 965-1,ISO general-purpose metric screw threads−Tolerances−Part 1 :

Principles and basic data (IDT)

JIS C 0920 : 2003

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

注記  対応国際規格:IEC 60529 : 2001,Degrees of protection provided by enclosures (lP code) (IDT)

JIS C 0932 : 1993

  電気機器の内圧防爆構造

注記  対応国際規格:IEC 60079-2 : 1983,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 2 :

Electrical apparatus,type of protection “p” (MOD)

JIS C 3665-1

(規格群)  電気ケーブル及び光ファイバケーブルの燃焼試験

注記  対応国際規格:IEC 60332-1 (all parts),Tests on electric and optical fibre cables under fire

conditions (IDT)

JIS C 60079-0 : 2004

  爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第 0 部:一般要件

注記  対応国際規格:IEC 60079-0 : 1998,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 0 :

General requirements 及び Amendment1 : 2000 (IDT)

JIS C 60079-1 : 2008

  爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第 1 部:耐圧防爆構造 “d”

注記  IEC 60079-1 : 2001,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 1 : Flameproof

enclosures “d” (IDT)

JIS C 60079-6 : 2004

  爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第 6 部:油入防爆構造 “o”

注記  対応国際規格:IEC 60079-6 : 1995,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 6 :

Oil-immersion “o” (IDT)

JIS C 60079-7 : 2008

  爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第 7 部:安全増防爆構造 “e”

注記  対応国際規格:IEC 60079-7 : 2001,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 7 :

Increased safety “e” (IDT)

JIS C 60079-10 : 2008

  爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第 10 部:危険区域の分類

注記  対応国際規格:IEC 60079-10 : 2002,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 10 :

Classification of hazardous areas (IDT)

JIS C 60079-11 : 2004

  爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第 11 部:本質安全防爆構造 “i”

注記  対応国際規格:IEC 60079-11 : 1999,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 11 :

Intrinsic safety “i” (IDT)

JIS C 60364-4-41 : 2006

  建築電気設備−第 4-41 部:安全保護−感電保護

注記  対応国際規格:IEC 60364-4-41 : 2001,Electrical installations of buildings−Part 4-41 : Protection

for safety−Protection against electric shock (IDT)

IEC 60034-5 : 2000

,Rotating electrical machines−Part 5 : Degrees of protection provided by the integral

design of rotating electrical machines (lP code)−Classification

注記  この規格の 1991 年版は,JIS C 4034-5 : 1999 年版と一致している。

IEC 60050-426 : 1990

,International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 426 : Electrical apparatus for

explosive atmospheres

IEC 60060-1 : 1989

,High-voltage test techniques−Part 1 : General definitions and test requirements

IEC 60079-5 : 1997

,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 5 : Powder filling “q”

IEC 60079-13 : 1982

,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 13 : Construction and use of


3

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

rooms or buildings protected by pressurization

IEC 60079-15 : 2001

,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 15 : Type of protection “n”

IEC 60079-16 : 1990

,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 16 : Artificial ventilation for

the protection of analyser (s) houses

IEC 60079-17 : 1996

, Electrical apparatus for explosive gas atmospheres − Part 17 : Inspection and

maintenance of electrical installations in hazardous areas (other than mines)

IEC 60079-18 : 1992

,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 18 : Encapsulation “m”

IEC 60079-26

,Explosive atmospheres−Part 26 : Equipment with equipment protection level (EPL) Ga

IEC 61285 : 1994

,Industrial-process control−Safety of analyser houses

IEC 61558 (all parts)

,Safety of power transformers, power supplies, reactors and similar products

ISO 10807 : 1994

,Pipework−Corrugated flexible metallic hose assemblies for the protection of electrical

cables in explosive atmospheres

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60079(規格群)及び IEC 60050-426 によるほか,次によ

る。

3.1

危険区域  (Hazardous areas)

3.1.1

爆発性雰囲気  (explosive atmosphere)

大気の条件の下でガス,蒸気,ミスト又は粉じん(塵)状の可燃性物質と空気とが混合し,いったん着

火するとその周辺全体に火炎が逸走する雰囲気。

3.1.2

ガス状の爆発性雰囲気  (explosive gas atmosphere)

大気の条件の下でガス又は蒸気状の可燃性物質と空気とが混合し,いったん着火するとその周辺全体に

火炎が逸走する雰囲気。

3.1.3

危険区域  (hazardous area)

機械器具(以下,機器という。

)の組立て,設置及び使用のために特別な予防策を必要とするような量の

ガス状の爆発性雰囲気が存在する又は存在する可能性がある区域。

注記  この規格では,区域は三次元の空間を意味する。

3.1.4

非危険区域  (non-hazardous area)

機器の組立て,設置及び使用のために特別な予防策を必要とするような量のガス状の爆発性雰囲気が存

在しないと予測できる区域。

3.1.5

通常運転  (normal operation)

設計仕様書に電気的,機械的に従い,製造業者が指定する限界内で使用する機器の運転。

注記  製造業者が指定する限界には,回転子の拘束,ランプ切れ,過負荷のような,継続的な運転状

況を含む場合がある。


4

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

3.1.6

適格団体  (Competent body)

安全の観点での必要なアセスメントを行う適切な技術的知識及び関連する技能を実証することが可能で

ある個人又は組織。

3.1.7

爆発性雰囲気で使用する電気機器の)グループ

使用場所の爆発性雰囲気に関連付けて電気機器を分類したもの。

注記  ガス状の爆発性雰囲気で使用する電気機器は,次の二つのグループに分類する。

−  グループ I  :  爆発性坑内ガス(メタンガス)にさらされる鉱山用電気機器

−  グループ II :  (さらに細分類することも可能)爆発性坑内ガス(メタンガス)にさらさ

れる鉱山以外の,ガス状の爆発性雰囲気の区域で使用する電気機器(5.4

参照)

3.1.8

最高表面温度  (maximum surface temperature)

仕様の範囲内の最も過酷な条件の下で(だたし,認められた許容差内で)

,電気機器を使用中にその一部

又は表面が到達する最高温度で,周囲の爆発性雰囲気に着火するおそれのある温度。

注記 1  最も過酷な運転条件には,一般に認められた過負荷及び当該の防爆方式に固有の規格におい

て認められた故障条件を含む。

注記 2  ここでの表面温度には,当該の防爆方式によって容器の内面,外面又はその両者を指す場合

がある。

3.1.9

シーリングリング  (sealing ring)

ケーブル又は電線管の引込部で,ケーブル又は電線管との間の密閉性を確実にするために使用するリン

グ。

3.1.10

防爆方式  (type of protection)

周囲の爆発性雰囲気への着火を回避するために,電気機器に適用する特定の手法。

3.2

耐圧防爆  (Flameproof enclosure)

3.2.1

耐圧防爆構造  d (flameproof enclosure d”)

爆発性雰囲気への着火能力のある部品を容器内に収納する防爆方式で,その容器は内部の爆発性混合ガ

スの爆発によって生じる圧力に耐えるとともに,容器の周囲の爆発性雰囲気の爆発を誘起することのない

もの。

3.2.2

圧力重積  (pressure-piling)

容器内のある分室で起こった爆発で予圧された別の分室内の混合ガスが,二次的に爆発することによっ

て,圧力がより高くなる現象。

注記  圧力重積によって,そのようなことが起こらない場合に生じると予測できる最高圧力よりも,

更に高い圧力を生じる場合がある。


5

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

3.3

安全増防爆  (Increased safety)

3.3.1

安全増防爆構造  e (increased safety e”)

正常な使用状態又は正常とは異なる指定された条件において,過度の温度上昇が生じないように,さら

に,アーク及び火花が発生しないように安全度を高めるための追加的処置がなされた電気機器に適用され

る防爆構造。

3.3.2

拘束電流 I

(initial starting current I

A

)

停止中

(拘束中を含む。

の電動機に定格電圧及び定格周波数を印加したときに流れる電流の最大実効値。

注記  “initial starting current”  の訳としては“始動電流”であるが,この規格では,我が国で慣用的に

使用している“拘束電流”とした。また,拘束電流は,一般的に “rocked rotor current” と表現

している。

3.3.3

拘束電流比 I

A

/I

N

 (starting current ratio I

A

/I

N

)

拘束電流 I

A

と定格電流 I

N

との比。

3.3.4

許容拘束時間  t

E

 (time t

E

)

交流電動機に拘束電流 I

A

が流れたときに,回転子又は固定子の巻線が最高周囲温度において定格運転中

の温度から上限温度に到達するまでの時間。

3.4

本質安全防爆  (Intrinsic safety - general)

3.4.1

本質安全防爆構造  i (intrinsic safety i”)

容器内及び爆発性雰囲気に露出した相互接続用配線の電気エネルギーを,火花又は温度上昇によって着

火を引き起こすレベル以下に抑える防爆方式。

注記  本質安全を達成するためには,爆発性雰囲気内の電気機器だけでなく,接続される他の電気機

器も適切に組み立てることが必要である。

3.4.2

本安機器  (intrinsically safe apparatus)

機器内部の回路が正常状態及び特定の故障状態において,発生する火花又は熱が対象の爆発性ガス雰囲

気に点火をしない回路である電気機器。

JIS C60079-11 参照)

注記  本安機器は,JIS C 60079-11 による区分 “ia” 又は区分 “ib” を満足する必要がある。

3.4.3

電気的分離  (galvanic isolation)

入力信号と出力信号とを電気的に直接接続することなく伝達するような,本安機器内の構成。

注記  電気的分離には,一般的に磁気結合デバイス(変成器又はリレー)又は光結合素子を使用して

いる。

3.4.4

本安関連機器  (associated apparatus)

本安回路及び非本安回路の両方を含む機器で,非本安回路が本安回路に影響を及ぼすおそれがないよう

にした電気機器。


6

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

注記  通常,本安関連機器は,本安回路と非本安回路との間のインタフェースであり,一般に非危険

区域に配置する。本安関連機器は,例えばシャントダイオード形安全保持器,電気的分離器な

どである。

3.4.5

単純機器  (simple apparatus)

明確な電気的パラメータをもつ単純な構造の電気部品又は電気部品の組合せで,それらが用いられる回

路の本安性を損なうことがないもの。

注記  次に,単純機器の例を示す。

a)

スイッチ,接続箱,抵抗,単純な半導体デバイスなどの受動的コンポーネント

b)

パラメータがシステム全体の安全性を決定するようなコンデンサ,インダクタなど検証さ

れた値をもつ蓄積エネルギー源

c)

熱電対及びフォトセルで,1.5 V,100 mA,25 mW を超えるエネルギーを発生しないもの

など,検証されたパラメータのエネルギー発生源。ただし,その中にインダクタンス又は

キャパシタンスがある場合は,上記 b)  を用いることが望ましい。

3.4.6

本安回路  (intrinsically safe circuit)

回路内のすべてが本安機器又は単純機器のいずれかである回路。

注記  回路には本安関連機器を含む場合もある。

3.4.7

本安電気システム  (intrinsically safe electrical system)

爆発性雰囲気で使用することを前提にした回路又は回路内の部品が本質安全であることをシステム文書

に記載した電気機器を相互接続した集合体。

3.4.8

本安分岐回路  (intrinsically safe sub-circuit)

本安回路の一部で,同一の本安回路の他の部分と電気的に分離したところ。

3.5

本安パラメータ  (Intrinsic safety parameters)

3.5.1

最大外部キャパシタンス  (C

O

) [maximum external capacitance (C

O

)]

本質安全性を損なうことなく,本安回路内の機器の接続端子部に接続できる本安回路のキャパシタンス

の最大値。

3.5.2

最大外部インダクタンス  (LO) [maximum external inductance (LO)]

本質安全性を損なうことなく,本安回路内の機器の接続端子部に接続できる本安回路内のインダクタン

スの最大値。

3.5.3

外部インダクタンスと抵抗との比  (L

O

/R

O

)  の最大値  [maximum external inductance to resistance ratio 

(L

O

/R

O

)]

本質安全性を損なうことなく,電気機器の接続端子部に接続できる外部回路のインダクタンス  (L

O

)  と

抵抗  (R

O

)  との比の最大値。


7

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

3.5.4

最大入力電流  (I

i

) [maximum input current (I

i

)]

本質安全性を損なうことなく,

本安回路の接続端子部に印加できる最大電流

(AC 又は DC のピーク値)

3.5.5

最大入力電力  (P

i

) [maximum input power (P

i

)]

外部電源に接続しているとき,本質安全性を損なうことなく機器内で消費できる本安回路での最大入力

電力。

3.5.6

最大入力電圧  (U

i

) [maximum input voltage (U

i

)]

本質安全性を損なうことなく本安回路の接続端子部に印加できる最大電圧(AC 又は DC のピーク値)

3.5.7

最大内部キャパシタンス  (C

i

) [(maximum internal capacitance (C

i

)]

機器の接続端子部に現れるとみなす機器の合計した等価内部キャパシタンス。

3.5.8

最大内部インダクタンス  (L

i

) [maximum internal inductance (L

i

)]

機器の接続端子部に現れるとみなす機器の合計した等価内部インダクタンス。

3.5.9

内部インダクタンスと抵抗との比  (L

i

/R

i

)  の最大値  [maximum internal inductance to resistance ratio 

(L

i

/R

i

)]

電気機器の外部接続端子部に現われるとみなすインダクタンス  (L

i

)  と抵抗  (R

i

)  との比の最大値。

3.5.10

最大出力電流  (I

O

) [maximum output current (I

O

)]

機器の接続端子部から得られる本安回路の最大電流(AC 又は DC のピーク値)

3.5.11

最大出力電力  (P

O

) [maximum output power (P

O

)]

機器から得られる本安回路内の最大電力。

3.5.12

最大出力電圧  (U

O

) [maximum output voltage (U

O

)] 

開回路の条件の下で,U

m

及び U

i

を含む最大電圧以下の任意の入力電圧を加えたときに,機器の接続端

子部に現われ得る,本安回路内の最大出力電圧(AC 又は DC のピーク値)

注記 1  複数の入力電圧がある場合,最高出力電圧はその中で最も厳しい入力電圧の組合せで発生す

る出力電圧。

注記 2  シャントダイオード形安全保持器の出力動作電圧を表すときには,U

z

を使用する場合がある。

3.5.13

最大電圧(AC 実効値又は DC)(U

m

) [maximum r.m.s. a.c. or d.c. voltage (U

m

)]

本質安全性を損なうことなく,本安関連機器の非本質安全接続部に印加することができる最大の電圧。

3.6

内圧防爆  (Pressurization)

3.6.1

内圧防爆構造  p (pressurization p”)

保護ガスを外気圧よりも高い圧力で容器内に保持することによって,外気が容器内に侵入しないように


8

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

保護する防爆方式。

3.6.2

連続希釈  [continuous dilution (flow)]

掃気後,加圧容器の内部の可燃性物質の濃度を,着火源となり得るあらゆるところで爆発限界外(すな

わち,希釈領域外)に維持できるような割合での,保護ガスの連続供給。

注記  希釈領域とは内部漏えい(洩)源の周囲の領域のことで,可燃性物質の濃度が安全な程度まで

薄められていない領域のことである。

3.6.3

漏えい補てん(漏洩補填)(leakage compensation)

加圧容器及びそのダクトからの漏えい(洩)分を補うのに十分な保護ガスの供給。

3.6.4

加圧密封  (static pressurization)

危険区域中で保護ガスを追加することなく,加圧容器内の十分な圧力状態を保持すること。

3.7

危険度 区域(ゾーン 2)用防爆方式  (Zone 2 protection)

注記  以下,危険度 2 区域をゾーン 2 という。

3.7.1

タイプ 防爆  n (type of protection n”)

通常運転及び特定の異常状態のもとで,周囲の爆発性雰囲気に着火することがないようにした電気機器

の防爆方式。

注記 1  この防爆方式に対する要件では,着火能力がある故障がほとんど起きないようにすることを

意図している。

注記 2  特定の異常状態の例には,ランプ切れの照明器具がある。

3.8

電気供給システム  (Electrical supply systems)

3.8.1

PELV (protective extra-low voltage)

大地から電気的に分離していないが,SELV の要件を満たす特別低電圧システム。

注記  中性点接地した 50 V システムは,PELV である。

3.8.2

SELV (safety extra-low voltage)

単一の故障では電撃を起こすことがないように,大地及びその他のシステムから電気的に分離した特別

低電圧システム(通常は,AC 50 V 又はリップルフリーDC 120 V 以下)

注記  非接地の 50 V システムは,SELV である。

4

一般  

4.1

一般的要件

危険区域の電気設備は,非危険区域の設備の要件にも従わなければならない。しかし,非危険区域への

要件だけでは危険区域の設備に対しては不十分な場合がある。

注記 1  電気機器及び材料は,電力,電圧,電流,周波数,責務(使用形式),及び不適合が設備の安

全を損なうおそれがあるその他の特性にかかわる電気的定格内で設置して使用する必要があ

る。特に,その電圧及び周波数が間違いなくその機器に対して適切なものであり,温度等級


9

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

はその電圧,周波数等のもとで決定したものであることを注意して確認する。

適切な電気機器の選定及びそれに適合した電気設備の設計を容易にするため,危険区域は JIS C 

60079-10

に従って危険度 0 区域(以下,ゾーン 0 という。

,危険度 1 区域(以下,ゾーン 1 という。

)及

びゾーン 2 に分類する。

電気機器は,できるだけ非危険区域に配置する。不可能な場合には,可能な範囲で最も危険度の少ない

区域に配置する。

危険区域内のすべての電気機器及び配線は,箇条 5∼箇条 及び防爆方式(箇条 10∼箇条 14)に対応し

た追加要件に従って選定し,据え付ける。

機器は,設計文書に従って施工しなければならない。ランプのような交換可能品は,適合する形式及び

定格のものを使用するよう注意する。施工完了時には,機器及び施工に対する初期検査を IEC 60079-17 

従って行わなければならない。

注記 2  蛍光灯を使用する場合,ランプを交換したりその区域を通過して搬送したりする前に,グル

ープ IIC のガス又は蒸気がないことを確認する。ただし,ランプが破損することのないよう

適切な措置を講じた場合は,その限りでない。低圧ナトリウムランプは,破損したランプか

ら流出したナトリウムへの着火の危険があるため,いかなる危険区域においても使用しては

ならない。

検査及び保守(lEC 60079-17 参照)のために容易に近づくことができるように設備を設計し,機器及び

材料を据え付けることが望ましい。

例えば,研究,開発,パイロットプラント及び他の新規の計画のような特別な場合に限って使用する機

器及びシステムは,その設備が限られた期間だけ使用し,特別な教育を受けた要員の監視のもとにあり,

かつ,必要に応じて次の一つ以上に適合する場合には,箇条 5∼箇条 の要件を満足しなくてもよい。

−  確実にガス状の爆発性雰囲気が生じないような対策を講じる。

−  ガス状の爆発性雰囲気が生成した場合には,その機器への電源を確実に断路するための対策を講じる。

なお,この場合には,例えば,断路後に加熱部品による着火を防ぐなどの対策も合わせて講じる必

要がある。

−  実験用プラント内での火災又は爆発があっても要員及び周囲の環境が危険にさらされないように対策

を講じる。

さらに,次の要件を満たす要員が取るべき対策を文書で明確に示す。

−  このための要件及び,危険区域用の電気機器及びシステムの使用に関するその他の関連規格並びに要

領に精通している。

−  評価を行うのに必要なすべての情報を閲覧できる。

4.2

文書

適切な施工又は既存設備の拡張を行うためには,非危険区域に対する情報に加え,状況に応じて,次の

情報が必要となる。

−  危険区域分類文書(JIS C 60079-10 参照)

−  据付け及び接続指示書

− “X” 又はその他の接尾辞付きの認証番号をもつ電気機器など,特殊条件を明示した電気機器の文書

−  本質安全システムのシステム文書(12.2.5 参照)

−  製造業者又は有資格者の宣言書

注記  製造業者又は有資格者の宣言書は,(本安回路内の単純機器以外の)非認証の機器を使用す


10

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

る場合に適用する。

−  その作業の実施責任者に対し,機器を確実に正しい方法で据え付けるために必要な,適切な様式で提

供される情報

−  機器のリスト及び取付場所,予備品,技術情報(IEC 60079-17 参照)検査に必要な情報

−  計器又は分析計室の換気率など,関連する計算の詳細

−  修理を使用者又は修理業者が行う場合は,電気機器の修理に必要な情報(IEC 60079-17 参照)

4.3

機器の適合性保証

4.3.1

認証された機器の使用

認証された機器を使用することは,その機器が該当する規格の要件を満足していることを意味する。

4.3.2

非認証の機器の使用

非認証の機器は,通常,次のものに限って使用する。

−  本安回路内に使用する単純機器

−  5.2.3 の b),c)  又は d)  に従った機器

上記以外では,非認証の機器を使用する場合は,研究,開発,パイロットプラント及び他の新規計画な

ど,適切な認証済み機器が入手可能ではない特別な場合に限定する。その場合,機器の使用者は,代わり

に適合宣言書を入手することが望ましい。

注記  適合宣言書は,機器が検査され,また,必要に応じて適格団体(使用者でもよい)によって試

験され,また特定の防爆方式のための適切な基準の要件に適合することを確認済みであること

を示すものである。

5

電気機器(ケーブル及び電線管を除く)の選定

5.1

特定の情報

危険区域用の適切な電気機器を選定するためには,次の情報を必要とする。

−  危険区域の分類

−  5.3 に従った温度等級又はガス若しくは蒸気の着火温度

−  適用可能な場合には,5.4 に従った電気機器グループに関連したガス又は蒸気の区分

注記  JIS C 60079-0 に規定する防爆方式のうち,機器グループ II を更に細分類した IIA,IIB 及

び IIC は防爆方式 “d”(耐圧防爆構造)及び “i”(本質安全防爆構造)だけに対して必要で

ある。防爆方式 “n”(タイプ n 防爆)又は “o”(油入防爆構造)の一部の機器についても,

これらの細分類した機器グループが必要である(5.4 を参照)

−  外部の影響及び周囲温度

5.2

危険度区域による選定  

5.2.1

ゾーン 用機器

JIS C 60079-11

(区分 “ia” の本質安全)及び 12.35.2.4 も参照)の要件に従った場合,その電気機器及

び回路は,ゾーン 0 で使用することができる。

IEC 60079-26

に従った機器もゾーン 0 内で使用することができる。

5.2.2

ゾーン 用機器

ゾーン 0 の要件に従った電気機器又は次の防爆方式の一つ以上に適合する電気機器は,ゾーン 1 で使用

することができる。

耐圧防爆構造 “d”

JIS C 60079-1

による。


11

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

内圧防爆構造 “p”

JIS C 0932

による。

粉体充てん防爆構造 “q”

IEC 60079-5

による。

油入防爆構造 “o”

JIS C 60079-6

による。

安全増防爆構造 “e”

JIS C 60079-7

による。

本質安全防爆構造 “i”  JIS C 60079-11 による。

樹脂充てん防爆構造 “m”  IEC 60079-18 による。

5.2.3

ゾーン 用機器

次の電気機器は,ゾーン 2 に設置することができる。

a)

ゾーン 0 又はゾーン 1 用電気機器

b)

特別にゾーン 2 用に設計した電気機器(例えば,IEC 60079-15 に適合するタイプ n 防爆 “n”)

c)

通常運転中にその表面が着火を誘発するような高温になることのない産業用電気機器のための関連規

格の要件に従った電気機器で,かつ,次のいずれかを満足するもの。

1)

通常運転中にアーク又はスパークを発生しない。

2)

通常運転中にアーク又はスパークを発生するが,回路(ケーブルを含む。

)内の電気的パラメータ(U

I

及び C)の値が 1.0 の安全率付きで JIS C 60079-11 に規定する値を超過しない。ただし,その

評価は,IEC 60079-15 に規定するエネルギー抑制形電気機器及び回路に対する要件に従う。

表面温度が関連するガス状の爆発性雰囲気の着火温度を超過すると予測できる場合には,安全性

を試験によって実証しない限り,その表面は着火能力があると考える。

これら電気機器は,少なくとも同様の環境下の非危険区域に適した保護等級及び機械的強度を備

えた容器に収納しなければならない。特別な記号を付ける必要はないが,機器又は文書中に次に記

載するような適格者によって評価されたことを明確に表示しなければならない。

−  あらゆる関連規格及び要領書の要件及びそれらの最新の解釈に精通している。

−  評価を行うのに必要なあらゆる情報を入手することができる。

−  必要に応じ,国家機関が使用するものと同等の試験機器及び試験手順を利用できる。

d)  5.2.4

に従った機器

上記の b),c)  又は d)  に従った回転電気機械の場合には,確実にガス状の爆発性雰囲気が存在しないよ

うにするための措置を講じない限り,始動中に着火能力のあるスパークを発生してはならない。

5.2.4

JIS

又は IEC 規格に規定していない機器の選定

この種の機器[例えば,JIS C 60079-0 に従って “s” が表示され,使用可能なゾーン(危険度区域)が

明示された機器]を適切に選定し施工をするため,その考え方について規定した関連規格又は要領書を参

照する。

5.3

ガス又は蒸気の着火温度による選定

電気機器は,その最高表面温度がその周囲に存在する可能性があるガス又は蒸気の着火温度に達するこ

とがないように選定しなければならない。

電気機器上に表示することが可能な温度等級,表面温度及び着火温度の関係を

表 に示す。


12

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

表 1−温度等級,表面温度及び着火温度の関係

電気機器の

温度等級

電気機器の

最高表面温度

ガス又は蒸気の

着火温度

T1

450

450 超過

T2

300

300 超過

T3

200

200 超過

T4

135

135 超過

T5

100

100 超過

T6

85

85 超過

電気機器に周囲温度の表示がない場合,その機器は−20  ℃∼+40  ℃で使用する。

電気機器に周囲温度の表示がある場合,機器はその範囲内だけで使用する。

本安回路内で使用する単純機器は,P

O

が 1.3 W 以下の場合には,温度等級 T4 とみなすことができる。

しかし,本安回路内の接続箱及びスイッチは,本質的に熱放散コンポーネントを内蔵していないため,温

度等級 T6 とみなすことができる。

5.4

機器グループによる選定

防爆方式 “e”,“m”,“p”  及び “q” の電気機器は,機器グループ II でなければならない。

注記  これらの防爆方式は,通常は機器グループ II であるが,更に細分類したグループ IIA 又は IIB

に割り当てることができる場合(コンデンサの残留エネルギー又は静電気の放電との関係があ

る場合など)がある。

“d”  及び “i” の防爆方式をもつ電気機器は,機器グループ IIA,IIB 又は IIC とし,表 に従って選定し

なければならない。

タイプ n 防爆 “n” の電気機器は,一般に機器グループ II とする。しかし,それが密封された接点,無

着火コンポーネント,エネルギー制限機器又は回路を含む場合は,その機器はグループ IIA,IIB 又は IIC

とし,

表 に従って選定しなければならない。

油入防爆構造 “o” の電気機器は,特定のものについては機器グループ IIA,IIB 又は IIC とし,

表 に従

って選定する。

表 2−ガス又は蒸気の区分と機器グループとの関係

ガス又は蒸気の区分

機器グループ

IIA

IIA,IIB 又は IIC

IIB

IIB 又は IIC

IIC

IIC

5.5

外部の影響

電気機器は,防爆性に悪影響を与える可能性がある外部の影響(例えば,化学,機械,振動,熱,電気,

湿度)を受けないように選定し,据え付ける。

異物が,立形回転電気機械の通気口に落下しないように予防措置を講じる。

前提条件を外れる温度又は圧力の下で運転すれば,その電気機器の品質が影響を受ける可能性がある。

そのような環境下では,専門家による更なる検討を必要とする(5.3 参照)

注記  例えば,圧力スイッチ又はキャンドモータ駆動ポンプのように,プロセス流体が機器に流入す


13

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

る場合に生じ得る危険性に注意を要する。隔膜又は封体の損傷のような欠陥が生じた場合,そ

の流体は相当な圧力で機器の内部に流入する可能性があり,次のいずれか,又はすべてを引き

起こすおそれがある。

a)

機器容器の破裂

b)

即時着火の危険

c)

ケーブル内部を経由した流体の非危険区域への流入

その種の機器は,プロセス流体が電気機器から隔離された容器に収まるように設計することが望ましい。

それが可能でない場合には,排出口を設けた容器でもよい。さらに,特殊なシーリング継手の使用,MI

ケーブル又はエポキシ継手をケーブル配線の途中に挿入することが望ましい。

5.6

構成材料としての軽金属

軽金属は,摩擦のある接触状態では着火能力のあるスパークを引き起こすことが実証されているので,

その外部構造に軽金属を含む機器を配置する場合には,特別な考慮を払う。

5.7

移動形機器及び試験機器

移動形機器は,それを使用する以外に合理的な方法がない場合を除き,危険区域で使用しないようにす

る。

移動形機器は,それを使用する場所の危険度区域(ゾーン)に対応した防爆方式のものを選定する。使

用中に機器を移動する場合には,それがより高い危険度区域(ゾーン)に適したものでない限り,異なる

危険度区域(ゾーン)の間を移動してはならない。しかし,実際は,そのような制約の順守を徹底するこ

とは困難であるので,すべての移動形機器を危険度区域(ゾーン)のレベルの高い方の要件を満たしたも

のとする。同様に,機器グループ及び温度等級は,機器を使用する可能性がある危険度区域(ゾーン)の

すべてのガス及び蒸気に対して適切なものとする。

可燃性のガス又は蒸気が使用中には確実に存在しない(ガスがない)と評価した場合を除き,危険区域

では非防爆の移動形機器を使用しない。危険区域にプラグ及びコンセントがある場合,それらはその特定

の危険度区域(ゾーン)での使用に適したものとし,かつ,プラグの挿入又は引外し中に着火源を生じな

いよう機械的及び/又は電気的インターロックを備える。代案として,ガスがない状態でだけ通電するの

も一つの方法である。

危険区域用電気機器の設備に対し導通試験のような電気的試験を実施する場合,その試験操作が当該の

危険区域において安全なものであることを注意深く確認する。これは,危険区域用として認証された試験

機器を適切に使用するなどの,様々な方法によって達成できる。ガスが存在しない状態で試験を実施する

のも一つの方法である。

注記  移動形電気機器を危険区域で使用する場合は,常に,不要な危険性を回避するために特に注意

する。移動形電気機器の認証で具体的に認められている場合,又は他の適切な予防措置が講じ

られている場合を除き,予備のバッテリーを危険区域内へ持ち込んではならない。

6

着火能力のあるスパークに対する保護

6.1

充電部による危険

ガス状の爆発性雰囲気への着火要因となるスパークの発生を避けるために,本安回路構成部分以外の裸

充電部との不用意な接触を防止しなければならない。

6.2

外部につながる露出導電部による危険

安全にかかわる基本的な原理は,きょう(筐)体又は容器を流れる地絡電流(大きさ及び/又は持続時


14

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

間)の制限,及び等電位ボンディング用導体の電位上昇を抑制することである。

注記  (対応国際規格の注記を削除した。)

考えられるすべてのシステムを網羅することは困難であるが,本安回路を除くゾーン 1 及びゾーン 2 に

おける AC1 000 V(実効値)以下又は DC1 500 V 以下の電気系統に対しては,次の各条項を適用する。

6.2.1

TN

系統[中性線  (N)  及び保護導体  (PE)  をもつ系統]

TN 系統を用いる場合,危険区域内では TN-S[独立した中性線 (N) 及び保護導体 (PE) をもつ系統]と

する。危険区域内では中性線と保護導体とを互いに接続したり,1 本の導体で共用してはならない。TN-C

から TN-S へ移行した地点で,保護導体は,非危険区域の等電位ボンディングシステムへ接続しなければ

ならない。

注記  危険区域の中性線と PE 導体との間の漏えい(洩)電流の監視を考慮する。

6.2.2

TT

系統(電力系統及び露出導電部を独立して接地する系統)

ゾーン 1 で TT 系統を用いる場合,地絡電流保護装置を設けなければならない。

注記  土壌抵抗が高いところでは,TT 系統としてはならない。

6.2.3

IT

系統(中性点を大地から絶縁,又はインピーダンスを介して接地する系統)

IT 系統を用いる場合,最初の地絡を検知できる絶縁監視装置を設けなければならない。

注記  補助等電位ボンディングとしての局部的な接地が必要な場合がある(JIS C 60364-4-41 を参照)。

6.2.4

SELV

及び PELV

SELV は,JIS C 60364-4-41 の 411.1.1411.1.4[非接地回路 (SELV) の要求事項]に適合しなければなら

ない。SELV 回路の充電部は大地,他の回路を構成する充電部又は保護導体に接続してはならない。

PELV は,回路の接地状態にかかわらず,JIS C 60364-4-41 の 411.1.1411.1.3(回路の構成)及び 411.1.5

[接地回路 (PELV) の要求事項]に適合しなければならない。回路を接地する場合,接地回路及び露出導

体部は,共通の等電位接地系に接続しなければならない。回路を接地しない場合,露出導電部は接地しな

いか又は(例えば,電磁両立性のために)接地してもよい。SELV 及び PELV の安全絶縁変圧器は,IEC 61558

規格群に準拠しなければならない。

6.2.5

電気的分離

電気的分離は,一つの装置に供給する場合,JIS C 60364-4-41 の 413.5(電気的分離)に適合しなければ

ならない。

6.3

等電位化

危険区域内の設備では,等電位化を必要とする。TN 系統,TT 系統及び IT 系統においては,すべての外

部につながる露出導電部を等電位ボンディングシステムに接続しなければならない。ボンディングシステ

ムは保護導体,金属電線管,ケーブルの金属シース,金属がい(鎧)装及び構造物の金属部を含んでもよ

いが,中性線を含んではならない。接続部は,自然に緩むことがないように強固に締め付けなければなら

ない。

露出導電部が,等電位ボンディングシステムに接続した構造物又は配管に堅固に固定され,金属接触し

ているときは,露出導電部を個々に等電位ボンディングシステムに接続する必要はない。例えば,ドア又

は窓のフレームのように電位差が生じないものの場合,構造物又は電気設備の一部でない導電性部材は等

電位ボンディングシステムに接続する必要はない。

さらなる情報は,JIS C 60364-4-41 の箇条 413(間接接触保護)を参照。

機器の文書で要求しない場合,又は静電気の蓄積を防ぐ必要がない場合には,本安機器の金属容器を等

電位ボンディングシステムに接続しなくてもよい。


15

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

等電位接地系が電気防食した設備と接続することを前提として特別に設計しない限り,電気防食した設

備を等電位ボンディングシステムに接続してはならない。

注記  例えば,出荷設備の配管の接続に絶縁フランジを用いる場合などでは,車両と固定設備との間

の等電位化には特別の手段が必要となる。

6.4

静電気

電気設備を設計する上で,静電気の影響を安全なレベルに低減する処置をとらなければならない。

注記  (対応国際規格の注記を削除した。)

6.5

避雷

電気設備を設計する上で,雷の影響を安全なレベルに低減する処置をとらなければならない。

12.3

に,ゾーン 0 に設置される Ex “ia”  の機器に対する避雷の要件を規定している。

6.6

電磁放射

電気設備を設計する上で,電磁放射の影響を安全なレベルに低減する処置をとらなければならない。

注記  (対応国際規格の注記を削除した。)

6.7

電気防食した金属部

危険区域内の電気防食した金属部は,負の低電位ではあるが,潜在的な危険を認識しなければならない

(特に外部電源方式の場合)

。電気防食を適用するために特殊な設計が施されていない場合には,ゾーン 0

における金属部に対して電気防食してはならない。

電気防食に必要な絶縁部,例えば,配管及び軌道内の絶縁部は,できるだけ危険区域外に配置すること

が望ましい。危険区域外に配置できない場合は,その他の規格などに準拠することが望ましい。

7

電気的保護

この箇条の要件は,本安回路には適用しない。

配線は,過負荷,短絡及び地絡に対して保護しなければならない。

すべての電気機器は,短絡及び地絡に対して保護しなければならない。

回転電気機械が,許容限度を超えて温度上昇することなく,定格電圧・定格周波数での拘束電流に連続

的に耐えることができないか,又は発電機が短絡電流に連続的に耐えることができない場合,短絡及び地

絡に加えて過負荷に対する保護装置を設けなければならない。過負荷保護装置は,次のいずれかによる。

a)

設定値は,機器の定格電流以下として,設定電流の 1.2 倍で 2 時間以内に動作し,かつ,設定電流の

1.05 倍で 2 時間以内では動作しない三相を監視する電流−時間限時特性で動作する保護装置

b)

埋込式温度検出器によって直接温度で動作する装置

c)

その他の同等な装置

変圧器は,次の場合を除き,付加的な過負荷保護をしなければならない。変圧器が 1 次側に定格電圧を

印加した状態で,2 次側回路を短絡した場合に流れる電流に対して,許容限度を超えて温度上昇すること

なく連続的に耐える場合。さらに,負荷を接続して過負荷状態を予測できない場合。

短絡及び地絡保護装置は,故障状態で自動再閉路してはならない。

一相又は複数相での欠相が過熱の原因になる場合には,多相の電気機器(例えば,三相電動機)の運転

を停止するように警報を出さなければならない。電気機器を自動遮断することで安全性が損なわれ,着火

だけによる危険性よりも高い危険性が生じる場合には,自動遮断する代わりに敏速な緊急動作が取れるよ

うに警報装置の動作が直ちに確認できる警報装置を採用してもよい。


16

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

8

緊急遮断及び電気的断路

8.1

緊急遮断

緊急用として,危険区域外の適切な地点に,危険区域への電源供給を遮断する一つ又は複数の手段を設

けなければならない。

二次的な危険を防ぐために運転を継続しなければならない電気機器は,緊急遮断回路ではなく,別の回

路に接続しなければならない。

8.2

電気的断路

安全に作業をするために,中性点を含めすべての導体を含む個別の回路又は回路群に適切な断路手段

(例

えば,断路器,ヒューズ,リンク)を設けなければならない。

断路する回路又は回路群を素早く識別できるように断路手段の近傍にラベルを張らなければならない。

注記  無保護の露出充電部によるガス状の爆発性雰囲気に対する危険性が継続している間は,機器へ

の電源再投入が行われないための有効な手段又は手順を講ずる。

9

配線方式

ケーブル及び電線管方式では,

この箇条に規定するすべての関連要件に従う。

ただし,

本安設備は,

9.1.3

9.1.12

9.3.19.3.2 及び 9.3.3 に適合する必要はない。

9.1

一般

9.1.1

アルミニウム導体

アルミニウム導体を使用する場合は,アルミニウムに適した接続材を使用し,16 mm

2

以上の断面積をも

つものでなければならない。ただし,本安設備の場合は,この限りではない。

9.1.2

損傷の防止

ケーブル及び附属品は,機械的な損傷,腐食又は化学的影響(溶剤など)及び熱の影響を受けないよう

な場所に施設することが望ましい(本安回路は,12.2.2.5 による。

)。そのような環境に施設することが避

けられない場合には,電線管内に布設するなどの保護手段を講じるか,適切なケーブルを選定する(例え

ば,機械的な損傷のおそれを最小にするために,金属がい装,金属編組,シームレスアルミニウムシース,

MI 又はセミリジットシースケーブルを使用することができる)。

ケーブル又は電線管方式で振動を受けるところでは,振動による損傷を受けない設計にしなければなら

ない。

注記  シース又は絶縁材に PVC を使用したケーブルは,周囲温度が−5  ℃未満の環境での布設時は,

損傷を防ぐよう予防措置をとることが望ましい。

9.1.3

絶縁電線

絶縁電線は,配電盤,容器又は電線管の中に布設する場合を除き,充電導体として使用してはならない。

9.1.4

接続

電気機器へのケーブル及び電線管の接続は,適切な防爆方式の要件による。

注記 1  ケーブルの中には電気機器の防爆性能に有害な影響を及ぼすおそれのある“コールドフロー”

特性を示す材料を用いているものがある。そのようなケーブルを使用する場合には,例えば

“コールドフロー”特性をもつケーブルの一部に作用するパッキン方式ではない,適切なケ

ーブル引込装置を採用するのが望ましい。

“低煙”及び/又は“難燃”ケーブルは一般には“コ

ールドフロー”の特性を示す。

注記 2  “コールドフロー”とは,熱可塑性材料が周囲温度で圧力がかかるときに,連続的に応力を


17

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

受けることによって連続的塑性変形を起こすことである。

注記 3  ケーブル引込装置がケーブルを適切に固定できない構造の場合は,外部でケーブルを適切に

固定しなければならない。そのようなケーブル引込装置には,“X”  記号を表示する。

9.1.5

未使用の開口部

電気機器へのケーブル又は電線管の引込みのために設けられた開口部で,未使用の開口部は対象となる

防爆方式の要件を満たす方法で,閉鎖用部品によって閉鎖しなければならない。本安機器での未使用開口

部を除き,閉鎖用部品は工具を使ったときだけ取り外せなければならない。

9.1.6

可燃性物質の通過及び集積

トランキング,ダクト,配管又はトレンチを用いてケーブルを布設する場合,可燃性ガス,可燃性蒸気

又は可燃性液体が,当該区域から他の区域に流入しないように,そして可燃性ガス,蒸気又は可燃性液体

がトレンチ内にたまらないように,措置しなければならない。

そのための予防措置には,トランキング,ダクト,又は配管をシールする方法などがある。トレンチの

場合には,適切な換気又は砂の充てん(填)が有効である。可燃性液体又はガスが通過しないよう,電線

管及び特別な場合(例えば,圧力差がある場合)にはケーブルを,必要に応じてシールしなければならな

い。

9.1.7

危険区域を横断する回路

電気回路が非危険区域から危険区域を通過して他の非危険区域へ至る場合には,危険区域での配線方式

は通過するゾーンの要件に適合したものでなければならない。

9.1.8

不測の接触

ヒートトレース用のケーブルを除き,ケーブルの金属がい装又はシースと,可燃性のガス,蒸気,液体

を含む配管又は機器との間の不測の接触を防止しなければならない。一般にケーブルの非金属シースは,

この接触を避けるのに十分な絶縁性がある。

9.1.9

壁面における開口部

危険区域と非危険区域との間の壁面に設けられたケーブル及び電線管貫通用の開口部は,例えば,砂,

モルタルなどの適切な方法でシールし,危険区域分類に影響を及ぼさないようにしなければならない。

9.1.10

接続方法

危険区域内のケーブルは,中間接続なしで布設することが望ましい。接続延長が避けられない場合は,

機械的,電気的,及び布設する周囲環境条件を考慮し,次のいずれかによらなければならない。

−  接続を,計画するゾーンに対応した防爆方式の容器の中で行う。

−  接続部分が機械的ストレスを受けない場合には,

製造業者の作業指示に従い,

“エポキシ”充てん,

“コ

ンパウンド”充てん,又は熱収縮形スリーブ若しくは非熱収縮形スリーブで接続部を覆う。

耐圧防爆電線管方式又は本安回路での接続を除いて,導体接続は圧縮又は圧着結線,ボルト,溶接又は

ろう付け仕上げのいずれかを行わなければならない。はんだ付けは,接続した導体を適切な機械的手段に

よって固定した上ではんだ付けを行う場合に限り認められる。

9.1.11

より(撚)線の端末保護

より線導体,特にきわめて細いより線導体を使う場合には,導体端部でより線の束が分離しないよう,

はんだ付けによるだけではなく,ケーブルラグ,線心用スリーブ又は端子を用いて保護しなければならな

い。

導体に端子を接続する方法によって,電気機器の防爆方式に規定する沿面距離及び空間距離よりも小さ

くなってはならない。


18

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

9.1.12

未使用の心線

多心ケーブルの危険区域側末端における未使用の心線は,接地端子に接続するか又は適切な端末処理に

よって絶縁する。テープだけによる絶縁は望ましくない。

9.1.13

架空電線路

危険区域内にある電気機器への電力又は通信用の裸導体の架空電線路は,

非危険区域で端末処理を行い,

危険区域へ延長する場合は,ケーブル又は電線管を用いて布設する。

9.1.14

ケーブル表面温度

ケーブルの表面温度は,その設備の温度等級を超えてはならない。

注記  高温対応のケーブルを除き,ケーブルを製造業者の推奨に従って選定し布設した場合,ケーブ

ルの表面温度は,通常,温度等級 T4 を超えることはない。また,一般的に温度等級 T6 を超え

ない。

9.2

ゾーン でのケーブル方式

“ia”  防爆方式のためのケーブル施工要件を箇条 12 に規定する。ゾーン 0(5.2.1 参照)に用いる “ia” 以

外の電気機器へのケーブルの要件は,検討中である。

9.3

ゾーン 及びゾーン でのケーブル方式

9.3.1

固定電気機器へのケーブル

固定配線には,MI ケーブル,熱可塑性,熱硬化性又は弾性シースケーブルを使用することができる。

9.3.2

移動及び可搬形電気機器用ケーブル

移動形及び可搬形電気機器用ケーブルは,3 種若しくは 4 種クロロプレンゴムキャブタイヤケーブル,3

種若しくは 4 種合成ゴムキャブタイヤケーブル,又は同程度に堅ろう(牢)な構造のケーブルを使わなけ

ればならない。導体の断面積は,1.0 mm

2

以上とする。PE 導体が必要な場合は,他の導体と同様な方法で

絶縁し,ケーブルシース内にまとめることが望ましい。

対地間定格電圧が 250 V 以下,定格電流が 6 A 以下の移動形電気機器へのケーブルは,次のいずれでも

よい。

−  3 種クロロプレンゴムキャブタイヤケーブル又は同等の合成ゴムキャブタイヤケーブル

−  3 種天然ゴムキャブタイヤケーブル

−  上記と同等に堅ろう(牢)な強度をもつ構造のケーブル

これらのケーブルは,ハンドランプ,フットスイッチ,バレルポンプなど露出され,強度な機械的スト

レスを受ける移動用電気機器には使用してはならない。

移動形又は可搬形電気機器への配線に,金属可とうシース又は金属遮へいを備えたケーブルを用いる場

合,その金属を唯一の接地用として使用してはならない。ケーブルには,回路の適切な保護導体を備える。

例えば,地絡検知を必要とする場合は,必要な数の導体を含めることが望ましい。電気機器を接地する必

要がある場合,ケーブルは PE 導体に加え接地した金属遮へい層を備えてもよい。

9.3.3

可とうケーブル

危険区域で使用する可とうケーブルは,次から選択する。

注記  次に示すケーブルは,JIS C 3327 を参照(対応国際規格の注記を変更した。)。

−  3 種天然ゴムキャブタイヤケーブル

−  3 種クロロプレンゴムキャブタイヤケーブル

−  4 種天然ゴムキャブタイヤケーブル

−  4 種クロロプレンゴムキャブタイヤケーブル


19

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

−  4 種のキャブタイヤケーブルと同程度に堅ろう(牢)な構造のプラスチック製絶縁ケーブル

9.3.4

延焼

固定配線用のケーブルは,JIS C 3665-1 に規定する試験に適合する延焼防止特性を備えなければならな

い。ただし,地中若しくは砂を充てんしたトレンチ/ダクト内に布設する場合,又は他の方法で延焼防止

対策を施す場合は,この限りではない。

9.4

電線管方式

この箇条では,他の規格で規定する電線管方式への一般要件に加えて,危険区域での電線管方式に対す

る追加要件を規定する。

注記  (対応国際規格の注記を削除した。)

電線管には,危険区域への入口,出口及び容器の近くに,容器の保護等級(例えば,IP54)に適合した

シーリングフィッティングを設置しなければならない。

電線管は,ねじ接続で強固に固定しなければならない。

電線管を接地用保護導体として用いる場合は,電線管のねじ接続部分は,ヒューズ又は配線用遮断器で

適切に保護している回路に流れる事故電流を流し得るようにしなければならない。

電線管を腐食性の区域に設置する場合は,電線管の材料を耐食性のものか,又は電線管に適切な腐食対

策を施さなければならない。電食を起こす可能性がある異種金属の組合せは避けなければならない。

電線を電線管内に布設した後,

シーリングフィッティングには製造業者の作業手順書に従い,収縮せず,

不浸透性であり,設置場所の危険区域環境における化学製品の影響を受けないコンパウンドを充てんしな

ければならない。

電線管内では絶縁電線を用いてもよい。ただし,3 本以上の電線を布設する場合は,電線の総断面積は,

電線管の断面積の 40 %以下でなければならない。

電線管路が長い場合は,結露水を確実に排出させるための排水装置を設けなければならない。さらに,

電線の絶縁材には適切な耐水性がなければならない。

容器の保護等級に関する要件を満たすために,シーリングフィッティングに加え,電線管と容器との間

にシールが必要な場合がある(例えば,シーリングワッシャ,非硬化性グリースによる。

注記  電線管を唯一の接地導体として使用する場合,このシーリングは,地絡電流経路の有効性を阻

害しないようにする。

10

耐圧防爆に対する追加要件

10.1

一般

コンポーネントとして認証済みの耐圧防爆構造の空の容器は,組立て完了後の電気機器としての認証書

が,その内部に収納する機器を指定しているときにだけ使用することができる。

収納部品の取付位置を含めて認証を受けている機器では,想定外の圧力重積を引き起こす可能性がある

ので,再評価なしで収納部品の配置を変更してはならない。

注記  JIS C 60079-1 に従って認証を受けた電気機器は,電気機器のグループ IIA,IIB,IIB + H2,又

は IIC と刻印する。“IIB + H2” と刻印された電気機器は,“IIC”  電気機器と同等の基準で設置

することが望ましい。

10.2

固形障害物

電気機器を設置するとき,耐圧防爆構造フランジ接合面が,鋼製構造物,壁,耐候用ガード,取付架台,

配管又は他の電気機器などの当該器具の一部ではない個体障害物に対して,

表 に規定する離隔距離以下


20

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

に接近しないように注意する。ただし,当該機器が

表 に規定する離隔距離以下で試験する場合を除く。

表 3−危険区域のガス又は蒸気グループのフランジ接合面から障害物までの最小離隔距離

ガス又は蒸気グループ

最小離隔距離

mm

ⅡA 10

ⅡB 30

ⅡC 40

10.3

接合面の保護

接合面は,腐食から保護する。接合面のすき間は,水が浸入しないように保護する。電気機器の認証に

使われた文書で指定しているときだけ,ガスケットを使用してもよい。接合面を使用中に硬化する物質で

処理してはならない。

注記 1  接合面の適切な保護方法としてグリースの塗布又はさび止め剤の塗布がある。シリコンを基

本材料としたグリースは,この目的に適していることが多いが,ガス検知器に用いる場合に

は注意する。硬化しない特性を確実に維持し,接合面の分離ができる材料を選定して使用す

ることを,最優先に検討する。

注記 2  グリースを塗布した布テープは,機器がグループ IIA に分類するガスに対して用いる場合に

限って,平面フランジ接合面の外部に使用してもよい。テープは,フランジ接合面のすべて

の部分を覆うように,わずかに重ね合わせながら一層とすることが望ましい。既存のテープ

が劣化した場合,新しいテープに取り替えることが望ましい。

注記 3  グリースを塗布したテープは,グループ IIB 対応の機器のフランジ接合面に用いてもよい。

しかし,グループ IIC に分類するガスに対して用いるグループ IIC(又は IIB +H2)対応の容

器では用いない方がよい。テープをグループ IIB 対応の機器に使う場合,その接合面のすき

間は,フランジ幅にかかわらず,0.1 mm 以下とする。

注記 4  フランジ面は,組み立てる前に塗装してはならない。完全に組み立てた後に容器を塗装する。

10.4

ケーブル引込方式

10.4.1

一般

ケーブル引込方式はそれぞれの機器の規格で規定するすべての要件に適合したものであり,ケーブル引

込装置は使用するケーブルの種類に適したもので,該当する保護方式を維持し,箇条 の要件に従ったも

のであることが重要である。

ケーブルがブッシングを介して,耐圧防爆構造電気機器の一部である容器の壁を通って耐圧防爆構造の

容器に引き込む箇所(間接引込み)では,耐圧防爆構造の容器の外側にあるブッシングの部分は,JIS C 

60079-0

に規定している防爆構造のいずれかに適合した端子区画で保護する。一般的には,ブッシングの

外側部分は,耐圧防爆構造又は安全増防爆構造の端子箱で保護する。端子箱が耐圧防爆構造の場合,ケー

ブル方式は 10.4.2 の要件による。端子箱が安全増防爆構造の場合,ケーブル方式は,11.3 の要件による。

ケーブルを耐圧防爆構造電気機器へ直接引き込む場合,ケーブル方式は 10.4.2 の要件による。

注記  アーク発生までに至る電気的事故が,フランジ接合面の近くで生じるおそれがある状況では,

更なる検証結果が出るまで,耐圧防爆構造容器内にアルミニウム導体を使用しないほうがよい。

ただし,導体及び端子の絶縁,いんろう接合又はねじ接合を使用した容器によって,事故の発


21

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

生を防ぐ適切な保護をすれば使用してもよい。

取り付けた後でもねじによる十分な締付けが可能であれば,耐圧防爆構造の容器とケーブル引込装置と

の間にシーリングワッシャを使用してもよい。平行ねじの場合は,ねじのかん合は通常完全ねじ山が 5 山

以上,又は 8 mm 以上の,いずれか大きい値とする。

10.4.2

選択

ケーブル引込方式は,次のいずれかによる。

a)  JIS C 60079-1

に適合したケーブル引込装置で,指定されたケーブルを使った試験を行い電気機器の一

部として認証されたもの。

b)

押出製法によって作られた緩衝材及び非吸湿性介在物をもつ,円形に成形した熱可塑性,熱硬化性又

はゴム絶縁ケーブルは,

図 で選定するパッキンを組み込んだ耐圧防爆のケーブル引込みを行ってよ

い。

注記 1  JIS C 60079-1 によるケーブル引込装置に,特定の種類のケーブルにパッキンを使用し,容

器内の可燃性ガスに繰り返し着火しても外側のケーブル損傷(炎浸食に起因する)まで至

らない場合は,

図 による必要はない。

a)

  内部着火源とは,スパーク又は通常運転状態で着火の要因となりうる温度となる部品を含む。接続端子だけを

内蔵する接続箱,又は間接引込方式の端子箱(10.4.1 参照)は,内部着火源を構成するとは見なさない。

b)

  “内容積”の定義は,JIS C 60079-1 参照

図 110.4.2 b)  に規定する耐圧防爆構造の容器へのケーブル引込装置選定フロー

c)

プラスチック被覆の有無にかかわらず,MI ケーブルを,適切な耐圧防爆のケーブル引込装置と一緒に

用いる。

適切な耐圧

防爆のケー

ブル引込装

置とパッキ

ンを使用す

る。

開始

容器の内部に着火源があ

るか。

a)

周囲に存在するガ

スは,グループ IIC

対応の機器を必要

とするか。

はい

いいえ

いいえ

設置場所は

ゾーン 1 か。

いいえ

はい

いいえ

容器内容積

b)

は,

20 cm

3

以上か。

はい

10.4.2

の d)

又は e)  を

適用する。

はい


22

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

d)

耐圧防爆方式のシール材(例えば,シーリングフィティング又はシーリングを目的とした容器)のよ

うに,部品として既に認定済みで,使用するケーブルに適合した引込装置を使用したもの。

シーリングフィッティング又はシーリングを目的とした容器の密封装置は,心線導体の周りで延焼

を止めることができるコンパウンド又は適切なシール材を用いる。密封装置はケーブルを電気機器に

引き込む場所に固定する。

e)

個々の心線の周囲にコンパウンドを充てんするか,又は同等のシールを施した耐圧防爆のケーブル引

込装置

f)

耐圧防爆性能をもつその他の方法

注記 2  製作済みのモールド形端末の場合,器具との接続を妨げることがあるので,ケーブルを交

換しないほうがよい。

10.5

可変周波数及び可変電圧駆動電動機

可変周波数及び可変電圧駆動電動機は,次のいずれかによる。

a)

電動機の文書で規定する温度センサーを埋め込むことによって直接的に温度制御する手段(若しくは

機器)

,又は電動機外郭の表面温度を制限する有効な手段を備える。保護装置の動作によって,電動機

への電源を遮断しなければならない。この場合には,電動機と変換器とを組み合わせて同時に試験す

る必要はない。

b)  JIS C 60079-0

に規定する電動機の文書で指定する変換器,及び附属する保護装置とともに形式試験を

受けているもの。

注記 1  最高表面温度が,電動機の軸に発生する場合がある。

注記 2  安全増防爆構造の端子箱をもつ電動機で,出力に高周波パルスを発生する変換器で運転す

る場合は,端子箱の中で発生する可能性のある過電圧スパイク及び過熱を考慮することが

望ましい。

注記 3  電流−時間限時特性で動作する保護装置[箇条 の a)  に準拠したもの]は,“その他の有

効な手段”とはならない。

10.6

電線管方式

電線管は,次のものから選ばなければならない。

a)

引抜き又は電縫製造したねじ付き厚鋼電線管

b)  ISO 10807

に準拠した機械的強度分類が高力又は超高力である,金属又は複合材料(例えば,プラス

チック又は弾性材料の被覆をもつ金属電線管)の可とう電線管

注記 1  IEC 60614-2-1 又は IEC 60614-2-5 に準拠した電線管は,耐圧防爆構造の容器に接続する絶

縁電線の保護には適さない。

注記 2  ねじ付き厚鋼電線管は,JIS C 8305 によって,IEC 規格に整合した電線管を使用する場合

は,JIS C 8463 によることが望ましい。

電線管と耐圧防爆方式の容器との間又は電線管とカップリングとの間のかん合のねじ山が 5 山以上とな

るように,電線管には 5 山以上のねじを設けなければならない。電線管のねじ山の公差は,JIS B 0209-1

による公差域クラス “6 g” とする。

シーリングフィッティングは,着火源を含む容器からの圧力重積を抑制し,電線管へ高温のガスが入る

のを防ぐため,容器内若しくは容器壁又は耐圧防構造容器の壁から 50 mm 以内の箇所に設けなければなら

ない。

電線管配線用に設計されている容器にケーブルを接続する必要がある場合は,容器の電線管引込部にで


23

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

きるだけ短い電線管(50 mm 以下)でブッシング及び端子箱を備えた耐圧防爆構造のアダプタを取り付け

る。接続するケーブルは,端子箱の保護構造(例えば,耐圧防爆又は安全増防爆)に適した方法で接続す

る。

耐圧防爆の閉鎖用部品は,容器の電線管引込部に直接ねじ込むことが望ましい。

11

安全増防爆に対する追加要件

11.1

容器の保護等級(IEC 60034-5 及び JIS C 0920

裸の充電部を含む容器の保護等級は IP54 以上,絶縁された部品だけを収納している容器の保護等級は

IP44 以上とする。清潔な環境に設置され,訓練された人員によって定期的に管理する回転機(端子箱及び

裸の導電部を除く。

)は,保護等級 IP20 とすることができる。適用に制約がある場合は回転機器に表示す

る。

11.2

かご形誘導電動機−運転中の熱的保護

11.2.1

過負荷保護

箇条 の a)  の要件を満たすための限時形過負荷保護装置は,

電動機の負荷電流を監視するだけでなく,

電動機が拘束を起こしたときの電流を監視し,銘板に示す許容拘束時間 t

E

以内で電動機を系統から開放し

なければならない。使用者は,過負荷リレーの遅れ時間又は引外し時間を始動電流の定格電流に対する比

の関数として表示する電流時間特性カーブを保持していなければならない。

電流時間特性カーブは,

周囲温度 20  ℃で拘束電流比  (I

A

/I

N

)  が 3∼8 以上の動作遅延時間を示している。

保護装置の引外し時間は,保護協調特性曲線から得られる動作時間の±20 %の範囲に納まらなければなら

ない。

欠相を起こしたデルタ結線の電動機の特性には特別の注意を払う。スター結線の電動機の場合とは異な

り,運転中に欠相が起こったとしても,見つからない場合がある。欠相の影響は,電動機回路での負荷電

流の不均衡となって現われ,電動機の温度上昇の原因となる。始動トルクが低い負荷の場合,デルタ結線

の電動機は巻線に故障があっても始動可能であり,その結果,長期間これを発見できず問題となる場合が

ある。したがって,デルタ結線の電動機の場合,相電流不平衡保護装置を設け,上限温度を超える前に,

電流不平衡を検知しなければならない。

一般的に,頻繁な始動を行わない連続運転の仕様の電動機は,顕著な温度上昇を発生しないので,限時

過負荷保護で十分とする。厳しい始動条件を考慮し設計した電動機,又は頻繁な始動を行う電動機は,上

限温度を超えないように適切な保護装置を設ける。

上記に従って,正しく選定された限時形特性の過負荷保護装置によって,電動機が定格回転数に達する

前に遮断される場合は,厳しい始動条件が存在すると考えられる。一般に始動時間が t

E

の 1.7 倍 (1.7t

E

)  を

超えるときにこのような現象が起こる。

注記 1  運転

電動機の使用形式が S1(一定負荷での連続運転)ではない場合,使用者は,運転の実態に

見合った適切なパラメータを設定することが望ましい。

注記 2  始動

始動中に動作(トリップ)しないよう,全電圧始動方式での始動時間は許容拘束時間 t

E

満であることが望ましい。始動時間が t

E

の 80 %を超える場合,認証された運転条件を維持し

ながら始動を行うための制約は,電動機製造業者に確認する。

全電圧始動時の電圧降下によって始動電流は減少し,始動時間は増加する。これらの影響


24

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

は,電圧降下が小さく相殺されることがあるが,始動時の電圧が U

N

の 85 %未満の場合には,

電動機製造業者は始動時の制約条件を明示する。

電動機の運転温度条件からの始動回数は,製造業者が制限してもよい。

注記 3  保護リレー

安全増防爆の電動機用保護リレーは,箇条 の要件に加えて次による。

a)

各相の電流を監視する。

b)

電動機の過負荷保護は,全負荷条件に近接して設定する。

c)

電動機の許容誤差,偏差及び熱的条件に対する裕度をもつ。遮断時間の許容誤差は,

±20 %以内とする。

始動頻度の少ない使用形式 S1 の電動機は,限時形過負荷保護リレーでよい。重負荷始動又

は高頻度の始動が必要な場合,保護装置は,確実に温度を制限するように電動機固有の運転

上のパラメータを超えないよう選定する。始動時間が 1.7t

E

を超える場合,限時形過負荷保護

リレーは電動機の始動中にトリップする可能性がある。

ある条件下では,例えば,S1 以外の使用形式において,電動機は温度検出による保護が必

要となる場合がある。この場合は,t

E

時間を表示する必要はない(11.2.2 の追加情報参照)

11.2.2

巻線温度検出器

箇条 の b)  の要件を満たすため,保護装置に関連する巻線温度検出器は,電動機が拘束しているとき

でも熱的に十分保護するものとする。電動機の上限温度に制御するための埋込式温度検出器の使用は,電

動機の文書で指定しているときにだけ許容される。内蔵式温度検出器及び関連保護装置の種類は,電動機

に表示する。

11.2.3

ソフトスタート

電気的,機械的又は熱的ストレスを抑制する特別な手順を用いて始動する電動機の過負荷保護は,11.2.1

に適合できない場合,その条件に対する評価を使用者が個々に行う必要がある。

11.2.4

可変周波数及び可変電圧

変換器を使用して可変周波数及び可変電圧で運転する電動機は,JIS C 60079-0 に従った文書で指定する

変換器及び保護装置とともに,組み合わせて使用するユニットとして形式試験を受けるか,JIS C 60079-7

に規定する評価をしなければならない。

注記  変換器で駆動する電動機の適用に関する追加情報は,IEC 60034-17 による。主な注意事項には,

過熱,高周波及び過電圧の影響,並びに軸電流がある。

11.3

配線方式

11.3.1

一般

ケーブル及び電線管は箇条 9,並びに次のケーブル引込装置及び導体の端末処理に関する追加要件に従

って設置する。

11.3.2

ケーブル引込装置

ケーブルの安全増防爆機器への接続は,使用するケーブルの種類に適した引込装置によって行う。この

場合の引込装置は安全増防爆性能を保持し,端末容器の保護等級(IP54 以上)を満足するための適切なシ

ール用部品を内蔵し,JIS C 60079-0 に規定する機械的な衝撃強度の要件に適合しなければならない。

注記 1  保護等級による要件に適合するため,ケーブル引込装置と容器との間を密封することが必要

となる場合がある(例えば,シーリングワッシャ又はねじシールを使用する。

注記 2  必要最小限の要件である IP54 を満たすために,ねじ穴を開けた厚さ 6 mm 以上のケーブル引


25

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

込プレート又は容器にねじ込み式ケーブル引込装置を取り付けるとき,ケーブル引込装置の

軸がケーブル引込プレート又は容器の外面に対して直角である場合には,ケーブル引込装置

と引込プレート又は容器との間に追加のシールを施す必要はない。

MI ケーブルを用いる場所では,適切な密封装置を用いて沿面距離の要件を満足しなければならない。

11.3.3

導体の端末処理

スロットタイプなど,端子には 2 本以上の電線を差し込むことができるものがある。2 本以上の電線を

同じ端子に接続する場合には,それぞれの電線が十分に締め付けられていることを確認する。機器の文書

で許可する場合を除き,断面積の異なる 2 本の電線を 1 個の端子に接続してはならない。ただし,最初に

2 本の電線を 1 個の圧着形フェルールに固定する場合はこの限りではない。

端子台内で,隣り合う電線同士の短絡を防止するため,各電線の絶縁材は,端子の金属部まで保持する。

注記  1 本のねじで,固定するサドル形電線支持金物に 1 本の電線を固定する場合には,電線はあら

かじめ雌ねじの周りに U 字形に巻き付けておく。ただし,機器の文書で U 字形にせず,電線を

締め付けることが許されている場合を除く。

11.3.4

接続箱及び端子箱のための端子と導体との組合せに対する一般要件

容器内に放散する熱によって容器内の温度が,機器に要求する温度等級を超えないように注意する。こ

れは,次の方法によって実施する。

a)

許容する端子数,電線サイズ及び最大電流に関する製造業者の指示に従う。

b)

製造業者が指定するパラメータを用いて,放散電力の計算値が許容最大電力以下であることを確認す

る。

11.4

抵抗加熱装置

抵抗加熱装置の最高表面温度を制限するため,加熱装置及び必要な保護装置は,製造業者及び文書の要

件に従って設置する。

温度保護装置は,必要な場合,抵抗加熱装置の電源を直接又は間接的に切断するものとする。温度保護

装置は,手動でリセットしなければならない種類のものとする。

過電流保護に加えて,異常な接地事故及び地絡電流による発熱による影響を防止するため,次の保護装

置を設置する。

a) TT

系統又は TN 系統では,定格動作電流が 300 mA 以下の漏電遮断装置 (RCD) を用いる。定格動作

電流が 30 mA の漏電遮断装置の選定が望ましい。この装置は,最大遮断時間が定格動作電流では 5 秒

以下,定格動作電流の 5 倍では,0.15 秒以下とする。

注記 1  漏電遮断装置についての追加情報は,IEC 60755 による。

b) IT

系統では,絶縁抵抗が定格電圧 1 V 当たり 50  Ω 以下のときに電源供給を切断するため,絶縁監視

装置を使用する。

注記 2  抵抗加熱装置(例えば,電動機内のスペースヒータ)を電気機器内に設置して保護する場

合には,上記の追加保護は不要である。

11.5

かご形回転子及び高圧回転機

かご形回転子又は高圧巻線を備えた機器の設置及び/又は運転中の特別な処置は,JIS C 60079-7 による。

そのような装置は,特別な使用者要件があることを示すために,“X”  記号で表示する。


26

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

12

本質安全防爆に対する追加要件

12.1

注意点

本安回路の設備は,根本的に異なる思想に基づくものであることを認識しなければならない。他のすべ

ての防爆方式では,システム内の電気エネルギーに着目して周囲の爆発性雰囲気に着火することがないよ

うに設備するのに対し,本安回路の設備では,断路,短絡,又は地絡が発生した場合でも,他の電源から

のエネルギー流入を許容レベル以下に制限することによって,当該回路の防爆性能を確保する。

したがって,本安回路では他の回路からの分離を保持することが重要である。

12.2

ゾーン 及びゾーン 用設備

12.2.1

電気機器

ゾーン 1 又はゾーン 2 用本安回路の設備において本安機器及び本安関連機器は,JIS C 60079-11 の区分

“ib”  に適合しなければならない。

単純機器は,表示する必要はないが,本質安全性がその機器に影響される場合には JIS C 60079-0 及び

JIS C 60079-11

の要件に適合しなければならない。

本安関連機器は,なるべく危険区域外に配置することが望ましいが,

危険区域の中に配置する場合には,

本安関連機器は 5.2 に適合した他の防爆方式でなければならない。

本安関連機器の非本安端子に接続される電気機器には,本安関連機器のラベル上に表示された電圧 U

m

よりも高い電圧を供給してはならない。電源の規約短絡電流は,1 500 A 以下でなければならない。

本安機器及び本安関連機器(例えば,安全保持器)のコンポーネント並びに機器内配線は,予測外の接

触及び損傷から保護するために通常 IP20 以上の容器内に収納する。接触及び損傷に対して類似の保護性能

が維持される場合,容器に収納しなくてもよい(例えば,通常施錠されている電気室内のラックに収納す

る場合などがある。

本質安全システムを構成しているすべての機器は,本質安全システムの一部であることを確認できるよ

うにする。この要件は,12.2.2.6 に適合することによって満足される。

12.2.2

ケーブル

12.2.2.1

一般

本安回路では,導体と大地との間,導体と遮へいとの間及び遮へいと大地との間の耐電圧が,AC 500 V

以上又は DC 750 V 以上である絶縁ケーブルだけを使用しなければならない。

危険区域で使用する個々の導体の直径は,0.1 mm 未満であってはならない。これは細かいより線導体の

個々の素線にも適用する。

12.2.2.2

ケーブルの電気パラメータ

使用するすべてのケーブル(12.2.5 参照)用電気パラメータ  (C

c

L

c

)  又は  (C

c

L

c

/R

c

)  は,次の a),b)  

は c)によって決定する。

a)

ケーブル製造業者が提供する最も厳しい電気パラメータ

b)

サンプルの測定によって得られる電気パラメータ

注記  附属書 は適切なパラメータを求める方法を示す。

c) 200

pF/m 及び 1 µH/m 又は 30 µH/Ω のいずれか。ただし,2 心又は 3 心から成る(遮へいの有無にか

かわらず)一般的な方法で製作されたケーブルを接続する場合とする。

12.2.2.3

導体遮へい接地

次の a)  c)  を除き,遮へいが必要な場合,遮へいは,通常,回路の非危険区域の終端で 1 か所だけ電

気的に接地する。この要件は,回路の両端に対地電位差が生じる場合に,遮へいを介して,着火能力をも


27

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

つ可能性のあるレベルの循環電流を流さないためのものである。

本安回路が遮へい付きケーブル内にある場合,その回路の遮へいは保護している本安回路と同じ点で接

地する。

非接地の本安回路又は非本安回路がそれぞれ遮へい付きケーブルを使用している場合,遮へいは 1 か所

で等電位ボンディングシステムに接続する。

特別な場合は,次のいずれかによる。

a)

その全長にわたり電気的に複数接続されている遮へいに関し,特別な理由がある場合,

(例えば,遮へ

い体が高抵抗である,又は誘導による干渉に対して遮へいすることが追加として必要な場合など)

2

を次の条件の下で使用してもよい。

−  接地用絶縁電線が頑丈な構造である(通常 4 mm

2

以上,ただしクランプ式接続の場合は 16 mm

2

とする。

−  遮へいに加えて接地用絶縁電線は,他のすべての導体とケーブルがい装との間で 500  V絶縁試験

に耐えるように絶縁した構造である。

−  接地用絶縁電線及び遮へいは,同一点でだけ接地する。通常は,非危険区域のケーブルの終端で

ある 1 か所に接地する。

−  9.1.2 に適合する接地用絶縁電線

−  接地用絶縁電線とともに布設するケーブルのインダクタンス及び抵抗の比率  (L/R)  が確立され,

12.2.5

の要件に適合している。

b)

設備が回路の両端間(例えば,危険区域と非危険区域との間)の等電位を確実に達成し維持する場合,

必要に応じ,ケーブルの遮へいは両端で接地してもよい。また,必要であれば,中間点で接地しても

よい。

c)

合計のキャパシタンスが 10 nF 以下の場合,小さいコンデンサ(例えば,1 nF,1 500 V セラミック)

を介して多点接地してもよい。

図 2−遮へい導体の接地

危険区域

非危険区域

制御盤

ケーブルシース

遮へい

信号

接地システム

絶縁した

接続部

接地用絶縁

電線

追加の遮へい

接地(必要な場合)

12.2.2.3 参照)

機器


28

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

12.2.2.4

ケーブルがい装のボンディング

がい装は,通常ケーブル引込装置又は同等の物を介して,ケーブルの両端で等電位ボンディングシステ

ムに接続する。中間に接続箱又は他の機器がある所では,通常がい装を,これらの点で同様に等電位ボン

ディングに接続する。がい装を中間点で等電位ボンディングシステムに接続する必要がない場合,がい装

の電気的接続がケーブル全長にわたって確実に保持されるよう注意する。

がい装のボンディングが引込装置部で行えない場合,又は設計要件がこれを許容しない場合,がい装と

等電位ボンディングシステムとの間にスパークを発生させる電位差を生じないようにする。がい装には,1

か所以上の等電位ボンディングシステムへのボンディング接続を設けなければならない。がい装を大地か

ら絶縁するケーブル引込装置は,非危険区域又はゾーン 2 に設置しなければならない。

12.2.2.5

ケーブルの施工

本安回路を含む設備は,近くの架空送電線又は大電流が流れる単心ケーブルからの外部電界又は磁界に

よって悪影響を受けないような方法で施工しなければならない。これは,例えば,遮へい及び/又はより

線を使用することによって,又は電界若しくは磁界の発生源から適切な距離を保つことによって達成する

ことができる。

9.1.2

のケーブルへの要件に加えて,危険区域及び非危険区域のどちらにおいても,ケーブルは次の要件

の一つを満たさなければならない。

a)

本安回路のケーブルをすべての非本安回路のケーブルから分離する。

b)

本安回路のケーブルを機械的損傷の危険から保護するように配置する。

c)

本安又は非本安回路ケーブルを,がい装,金属シース,又は遮へい付きとする。

本安回路及び非本安回路の導体は同一ケーブル内に混在してはならない(12.4 参照)

絶縁物による介在層又は接地金属隔壁によって分離されていない限り,本安回路及び非本安回路の導体

を一つに束ねたり,又はダクト内に混在させてはならない。金属シース又は遮へいを,本安又は非本安回

路用に使う場合,分離する必要はない。

多心ケーブル内の未使用心線は,次のいずれかを施す。

1)

適切な端末処理材によって,両端で,対地間及び線心間に適切な絶縁を施す。

2)

多心の内の他の回路が(例えば,本安関連機器を経由して)接地している場合,未使用心線は,同

一ケーブル内の本安回路を接地するために用いる接地箇所に接続し,接地する。ただし,未使用心

線の他端は,適切な端末処理材を使用して,大地及び他端の心線から適切に絶縁する。

12.2.2.6

ケーブルの表示

本安回路を含むケーブルは,本安回路の一部であることを識別するために(次の事項を除外して)表示

を行わなわなければならない。シース又は外被を色によって表示する場合,使用する色は明青色とする。

本安回路を明青色ケーブルを使用して識別する場合,混乱又は本安回路の識別の有効性を損ねるような方

法又は場所では,その後は明青色ケーブルを他の目的のために使用してはならない。

すべての本安,又は非本安ケーブルが,がい装,金属層又は遮へい付きの場合,本安ケーブルの表示は

必要ない。

青色の中性線があることで,本安及び非本安回路のケーブル間の識別が困難な場合,計測・制御盤,開

閉器盤,配電機器などの内部で,代わりとなる表示方法を施さなければならない。対策には,次を含む。

−  共通の明青色の帯で心線を結束する。

−  ラベルを張る。

−  明確な配列及び離れた場所に分離する。


29

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

12.2.2.7

複数の本安回路を含む多心ケーブル

この箇条の要件は,12.2.2.1 から 12.2.2.6 までの要件に追加するものである。

多心ケーブルに複数の本安回路を含む可能性がある場合,本安回路及び非本安回路を同じ多心ケーブル

内に収めてはならない(12.4 参照)

絶縁層の厚さは,導体直径及び絶縁材質に適した厚さでなければならない。絶縁層の最小厚さは 0.2 mm

とする。

絶縁層は,本安回路の公称電圧の 2 倍,ただし,最低 500 V の試験電圧に耐えなければならない。

多心ケーブルは,少なくとも次の電圧試験に耐えなければならない。

−  AC 500 V 又は DC 750 V を,相互接続したがい装及び/又は遮へいと相互接続したすべての心線との

間に印加する。

−  AC 1 000 V 又は DC 1 500 V を,ケーブル心線の 2 分の 1 を相互接続した束と残りの半分の心線を相互

接続した束との間に印加する。この試験は,個別回路用導体遮へい付きの多心ケーブルには適用しな

い。

電圧試験は,ケーブル規格で規定する方法で行わなければならない。この方法が適用できない場合,試

験は JIS C 60079-11 の 10.6(耐電圧試験)に従って行わなければならない。

12.2.2.8

多心ケーブルにおける故障への考慮

本安システムで使用する多心ケーブルで考慮しなければならない故障は,使用するケーブルのタイプに

依存する。

タイプ A

12.2.2.7

の要件に適合し,更に,回路が互いに接触することを防ぐために,本安回路の個別保護を施

す導電遮へい付きのケーブルは,遮へいの保護範囲を 60 %以上の表面積としなければならない。回路

間の故障は考慮しない。

タイプ B

固定配線で,損傷から有効に保護され,12.2.2.7 の要件に適合し,更に,最大使用電圧 U

o

が 60 V を

超える回路をケーブル内に含んでいないもの。回路間の故障は考慮しない。

その他

12.2.2.7

の要件に適合しているが,タイプ A 又はタイプ B の追加要件を満足しないケーブルの場合

は,導体に 2 か所までの短絡,及び同時に 4 か所までの導体断線を考慮する必要がある。同一回路の

場合,ケーブル内の各回路が区分 “ia” 又は “ib” に要求される 4 倍の安全率をもつ場合,故障は考慮

しない。

注記  上記のタイプをタイプ C ということがある。

12.2.2.7

の要件に適合しないケーブルについては,導体間の短絡箇所,及び同時に考慮する導体の断

線箇所について数の制限はない。

12.2.3

本安回路の端末処理

本安回路を含む電気設備では,計測・制御盤内などの端子は確実に非本安回路から離さなければならな

い(例えば,分割している盤,又は 50 mm 以上の離隔など)

。本安回路の端子は,本安回路であることを

表示しなければならない。

本安回路用の端子は,非本安回路用の端子から次の a)  又は b)  のいずれかの方法で隔離しなければなら

ない。

a)

隔離を距離によって行う場合,端子間の空間距離は 50 mm 以上とする。電線を移動した場合,回路間


30

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

の接触が起こらないように使用する端子の配列及び配線方法に注意しなければならない。

b)

隔離を絶縁隔壁又は接地金属隔壁の使用によって行う場合,使用する隔壁は容器の壁面との間隔が 1.5

mm 以下となるところまで延長する。又は隔壁の周囲のあらゆる方向で測定した端子間の空間距離が

50 mm 以上となるようにする。

端子に接続する外部導体の露出導電部分と接地金属又は他の接地導電部分との間の空間距離は,3 mm

以上とする。

隔離している本安回路の露出導電部分の端子間の空間距離は,接続した外部導体の露出導電部分との間

が 6 mm 以上としなければならない。

外部本安回路の接続のために使用するプラグ及びコンセントは,非本安回路から隔離し,非本安回路と

互換性があってはならない。機器に二つ以上のプラグ及びコンセントを外部接続用に取り付け,差し替え

ることによって防爆性能に悪影響を与える場合,プラグ及びコンセントにはかぎを掛けるか,又は形状を

変えるなどして,差替えができないようにする。さらに,表示又は色別を施さなければならない(12.4 

照)

注記  コネクタが接地回路に使用され,防爆方式が接地に依存する場合,コネクタは接地導体,接続

及び端子について JIS C 60079-11 の要件に適合した構造としなければならない。

端子が離隔距離だけで回路の隔離を行う場合,電線が切り離されても回路間が接触しないように,端子

の配置及び使用する配線方法に注意しなければならない。

12.2.4

本安回路の接地

本安回路は,次のいずれかによる。

a)

大地から絶縁する。

b)

等電位ボンディングシステムが本安回路を施工した区域全体に存在する場合,1 か所で等電位ボンデ

ィングシステムと接続する。

施工方法は,回路の機能的要件に注意して選択し,製造業者の取扱説明書に従ったものでなければなら

ない。

一つの回路が,電気的に分離した分岐回路に分割していて,そのそれぞれが 1 点接地されている場合,

回路全体として複数の接地点があってもよい。

対地絶縁している本安回路では,静電気蓄積の危険性に注意しなければならない。例えば,帯電した静

電気の放出のために設置した 0.2 MΩ∼1 MΩ の抵抗を介した対地接続は,接地とはみなさない。

安全保持器をもつ回路で電気的に分離されていない本安回路のように,安全上必要な場合には,その回

路を接地しなければならない。接地形熱電対をもつ本安回路のように,機能上必要な場合には,その回路

を接地してもよい。本安機器が JIS C 60079-11 に従った対地電圧 AC 500 V(実効値)以上の電圧試験に耐

えない場合は,機器の接地を考慮しなければならない。

本安機器が(取付部などによって)接地され,ボンディング導体が本安機器と本安関連機器の接地接続

箇所との間に使われる場合,a)  又は b)  に適合する必要はない。このような状況は適格技術者による慎重

な検討が必要であり,どのような場合にもゾーン 0 に入る電気的分離のない回路にはこのような方法を適

用してはならない。ボンディング導体を採用する場合,4 mm

2

以上の銅導体とし,プラグ及びコンセント

を使用することなく確実に接続でき,十分に機械的保護しなければならない。さらに,安全増防爆の要件

に適合する端子を取り付けなければならない。ただし,保護等級はこの限りではない。

本安回路においては,電気的に分離していない安全保持器(例えば,ツェナー形保持器)の接地端子は

次のいずれかの方法による。


31

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

1)

最短ルートで等電位ボンディングシステムに接続する。

2) TN-S

系統の場合,接続点から主電力システムの接地点までのインピーダンスが確実に 1 Ω 以下にな

るように接続する。電気室の接地母線への接続,又は独立接地極を使用するかのいずれの方法でも

よい。使用導体は,接触の可能性のある(例えば,制御盤の枠組み)金属部分へ流れる故障電流の

侵入を防止するように絶縁しなければならない。損傷の危険が高い場所には,機械的保護を施さな

ければならない。

接地線の断面積は,次による。

−  最大連続電流を流せる 2 本以上の個別導体で,最小断面積が 1.5 mm

2

の銅導体

−  1 本以上の導体で,最小断面積が 4 mm

2

の銅導体

注記  試験を容易にするためには,接地導体を 2 本使用することを考慮する。

安全保持器の入力端子に接続した電源システムの規約短絡電流が,

接地線の許容電流を超える場合には,

導体の断面積を増大するか,又は本数を追加しなければならない。

接地接続を接続箱で行う場合は,確実に接続の連続性を保持するよう特別な注意を払わなければならな

い。

12.2.5

本安回路の検証

完全な本安回路としてのパラメータを定義するシステム認証が得られない限り,この箇条のすべての要

件に適合しなければならない。

ケーブルを含めて,本安回路を施工する場合,インダクタンス,キャパシタンス又は L/比,及び表面

温度は最大許容値を超過してはならない。許容値は,本安関連機器を構成する機器の文書又は表示板から

取得する。

12.2.5.1

単一の本安関連機器をもつ本安回路

本安機器それぞれの最大有効内部キャパシタンス C

i

とケーブルキャパシタンス(一般に 2 本の隣接する

導体間の最大キャパシタンスと等しい集中キャパシタンス)との合計は,本安関連機器上に表示された最

大値 C

o

以下でなければならない。

本安機器それぞれの最大有効内部インダクタンス L

i

とケーブルインダクタンス(一般に最大離隔距離を

もつケーブルで 2 導体間の最大インダクタンスと等しい集中インダクタンス)との合計は,機器上に表示

された最大値 L

o

以下でなければならない。

本安機器が有効インダクタンスを含まず,本安関連機器にインダクタンスを抵抗で除した L/値が表示

されている場合は,最大離隔距離をもつケーブル内の 2 導体間でケーブルの L/値を測り,この数値未満

の場合,L

o

の要件を満たす必要はない。

本安機器が許容する入力電圧 U

i

,入力電流 I

i

及び入力電力 P

i

の値は,本安関連機器の U

o

I

o

及び P

o

れぞれと同等又はそれ以上でなければならない。

単純機器については,温度等級を決めるための最大温度は本安関連機器の P

o

値から求められる。温度等

級は,次のいずれかによって決定する。

a)

表 による。

b)

次の式によって求める。

T

=  P

o

 R

th

  +  T

amb

ここに,  T   

表面温度

P

o

本安関連機器上に表示された電力

R

th

熱抵抗 (K/W)(設置条件に適用する製造業者の


32

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

指定する値)

T

amb

周囲温度(通常 40  ℃)及び

表 を参照

さらに,リード線を除いて表面積が 10 cm

2

未満のコンポーネントは,表面温度が 150  ℃以下の場合には,

T5 に分類してもよい。

本安回路の機器グループは,その回路を構成する機器の最も適用場所が限定されるグループで決められ

る。例えば,IIB  及び IIC の電気機器が混在する回路は,IIB の回路とする。

表 4−コンポーネントの表面積及び周囲温度による温度等級 T4 の評価

全体表面積

(リード線を除く。

 

温度等級 T4 の要件

(周囲温度 40  ℃を基底とする。

 

<20 mm²

表面温度  ≦ 275 °C

≧20 mm²    ≦10 cm²

表面温度  ≦ 200 °C

≧20 mm²

1.3 W *以下の電力

注*

周囲温度 60  ℃で 1.2 W,又は周囲温度 80  ℃で 1.0 W に減じる。

12.2.5.2

複数の本安関連機器をもつ本安回路

二つ以上の本安回路を相互に接続する場合,システム全体の本質安全性を理論計算又は JIS C 60079-11

の 10.1(火花点火試験)に従って,火花点火試験で確認する。機器グループ,温度等級及び機器区分を決

定する。

相互接続している別の回路から本安関連機器への逆電圧及び逆電流の危険性について注意を払う。他の

本安関連機器の U

o

と I

o

との適切な組合せによって,それぞれの本安関連機器の電圧制限素子・電流制限

素子の定格以下となるようにしなければならない。

注記 1  電流−電圧の線形特性をもつ本安関連機器について,計算基礎を附属書 に示す。電流−電

圧の非線形特性をもつ本安関連機器については,専門家の指導を求める。

システム設計者は,システム文書を作成し,相互接続の配線を含めて,電気機器の構成及びシステムの

電気パラメータを明記しなければならない。

注記 2  安全性を確保するために必要なシステム文書の詳細な様式は規定しないが,それらは図面,

表,保守点検要領書などの数多くの文書で構成される。これらの文書は,目的とする設備の

関連情報に容易にたどり着けるように作成・整備され,保持しなければならない。

12.2.6

ケーブル引込装置

安全増防爆構造 “e” 又はタイプ n 防爆 “n” の接続箱に使用する,ケーブル引込装置が本安回路だけを

収納する場合には,認証を受ける必要はなく,“e”  又は “n” の容器の要件を維持する必要もない。保護等

級は,IP20 以上とする(5.5 参照)

12.3

ゾーン 用の設備

次の特別な要件によって変更する場合を除き,12.2 に従って本安回路を施工する。

ゾーン 0 用本安回路の設備においては,本安機器及び本安関連機器は JIS C 60079-11 の区分 “ia” に適

合しなければならない。本安回路と非本安回路との間には,電気的に分離した本安関連機器を使用するこ

とが望ましい。等電位ボンディングシステムの一つの故障が,場合によっては着火を引き起こす危険があ

るので,接地方式が 12.2.4 の 2)  に適合し,安全区域の端子に接続する主電源機器が二巻線変圧器で絶縁

され,一次巻線が十分な遮断容量をもつヒューズによって適切に保護されている場合にだけ,電気的に分


33

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

離してない本安関連機器を使用してもよい。すべての単純機器及びコンポーネント,本安機器,本安関連

機器,相互接続ケーブルの最大許容電気パラメータを含む本安回路は区分 “ia” でなければならない。

注記 1  本安回路が分岐回路に分割される場合,電気的に分離している部品を含んでいる 0 の分岐回

路は,区分 “ia” とする。ただし,ゾーン 0 以外の分岐回路は区分 “ib” でもよい。

注記 2  電気的分離は,ゾーン 1 又はゾーン 2 内において本安関連機器を介して行うか,又は本安回

路内の電気的に分離した機器を介して行うかのいずれの方法でもよい。

ゾーン 0 以外のところに取り付ける単純機器は,システム文書の中で指定し,JIS C 60079-11 の区分 “ia”

の要件に適合しなければならない。

機能的な理由で本安回路の接地が必要である場合は,接地接続をゾーン 0 以外のところで行わなければ

ならない。ただし,ゾーン 0 の機器に可能な限り近づけなければならない。

注記 3  接地形熱伝対又は導電率検出プローブのように,回路接地を動作上内在している場合,多点

接地で故障を起こさないことを証明できない限り,1 点接地接続とする。

本安機器及び本安関連機器がゾーン 0 内で危険な電位差をもつような,例えば,大気中の帯電粒子が存

在するところで,ゾーン 0 に本安回路の一部を取り付ける場合,ゾーン 0 の入口に可能な限りの近く(で

きれば 1 m 以内)で,サージ保護装置をケーブルの接地ボンディングされていない心線と,現場構造物と

の間に取り付けなければならない。このような場所の例は,石油化学工場内の可燃性液体の貯蔵タンク,

廃水処理場及び蒸留塔である。一般的に,分散したプラント及び/又は露出した機器の場所との関係によ

っては電位差による危険性が高くなり,ケーブル又はタンク設備を単に地下に設置するだけでは,その危

険性は容易には緩和されない。

サージ保護装置は,10 kA(8/20 µs インパルス,IEC 60060-1,10 回動作)の最小ピーク放電耐量をもた

なければならない。保護装置と現場構造物との間は 4 mm

2

銅導体又はこれと同等の導体面積のもので接続

する。

サージ保護装置の直流放電開始電圧は,特定の設備に対しその使用者及び専門家が決定する。

注記 4  AC 500 V 以下,50 Hz の直流放電開始電圧をもつサージ保護装置の使用は,本安回路の接地

を必要とする場合がある。

ゾーン 0 内の本安機器とサージ保護装置との間のケーブルは,雷から保護するように設置しなければな

らない。

12.4

特殊な適用例

電力ケーブルを監視するような特殊な適用例の場合,本質安全方式の原理を利用している回路が,動力

回路と同じケーブル内に入れられる。このような設備では,関連する危険性の分析が必要である。

特殊な適用例として,電気設備が適切に設計されており,他の回路が充電されているときに本質安全性

を必要としない場合には,本安回路及び非本安回路に同じプラグ及びコンセントを使用してもよい。

13

内圧防爆に対する追加要件

装置全体として評価を行っていない場合は,構成機器を組込み終了後,機器関連文書及びこの規格の要

件への適合性を専門家によって確認しなければならない。

内圧防爆構造の規格に適合している機器の認証書には,必ず “Ex p” を含む表示がある。表示は他の文

字と “p” の組合せでもよく,例えば,認証済みの内圧制御システムを収納した耐圧防爆構造の容器を “Ex

d [p]”  として表示する場合がある(JIS C 0932 による。)。

注記 1 [p]

は,次のいずれかの意味を示す。


34

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

a)

耐圧防爆構造の容器が,  “U”  の文字で終わる認証番号をもつ認証済みの内圧制御シス

テムコンポーネントを内蔵している。

b)

耐圧防爆構造の容器が,特定の内圧容器とともに使用する認証済みの内圧制御システム

を内蔵している。このとき,そのシステムを異なる内圧容器とともに使用する場合には,

改めて評価又は認証を実施する必要がある。

注記 2  認証済みの内圧制御システムを未認証内圧容器に組込む場合,その内圧容器又は収納品は,

認証したことにはならない。

注記 3  空の内圧容器は,個別のコンポーネント認証を受けなくてもよい。認証済みの空の内圧容器

に組込む電気機器は,実際の内部収納品の組合せごとに適合性評価の認証がなければ,完全

に認証を受けたことにはならない。

注記 4  この箇条は JIS C 0932 に規定する要件と整合しているが,px,py 及び pz の概念は導入して

いない。

13.1

ダクト設備

すべてのダクト及びその接続部品は,次のいずれかの圧力に耐えなければならない。ただし,いずれの

場合でも最低圧力は,200 Pa (2 mbar)  とする。

−  通常の操作において,内圧防爆構造機器の製造業者が指定する最大圧力の 1.5 倍

−  内圧容器の製造業者が指定する場所で出口をすべて閉めたとき,圧力源(例えば,ファン)によって

達する可能性のある最大圧力

ダクト及び接続部品に使用される材質は,指定する保護ガス及びそれらを使用する場所の可燃性ガス又

は蒸気のいずれからも悪い影響を受けてはならない。

保護ガスを供給ダクトに入れる地点は,保護ガスがボンベによって供給される場合を除き,非危険区域

に位置していなければならない。

ダクトは,可能な限り非危険区域に配置する。ダクトが危険区域を通過し,その保護ガスの圧力が大気

圧よりも低い場合,ダクトに漏れがあってはならない。

保護ガスを排出するためのダクトの排気口は,

非危険区域内に設けることが望ましい。

それ以外の場合,

スパーク及び粒子用バリア(すなわち,着火能力があるスパーク,又は粒子の放出に対する防護装置)を,

表 に示すように設置することを考慮する。

注記  掃気中は,危険区域がダクトの排気口の近傍に一部存在する可能性がある。

表 5−スパーク及び粒子用のバリアの使用

機器

排気用ダクト排出口の

ゾーン

A B

ゾーン 2

必要

不要

ゾーン 1

必要*

必要*

A

通常運転中に着火能力のあるスパーク又は粒子を生成するおそれのあ

る機器。

B

通常運転中に着火能力のあるスパーク又は粒子を生成しない機器。

注*

内圧喪失時に収納した機器が危険な温度となる場合には,適切な装
置を取り付けて内圧容器内に周囲の外気がすぐに侵入しないように
しなければならない。


35

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

保護ガス供給に用いる吸気ファン,コンプレッサなどの加圧用機器は,非危険区域に据え付ける。駆動

用電動機及び/又はその制御機器が供給ダクト内にある場合,又は危険区域内に据え付けることが避けら

れない場合,加圧用機器を適切に保護しなければならない。

13.2

内圧喪失時の対策

内圧制御システムには,内圧容器を,例えば,容器のドアを開けた後の内圧がない状態で,通電したま

まとするための保全用バイパススイッチを設けることがある。

その場所に可燃性ガス又は蒸気が使用中に存在しないと評価した場合にだけ,そのような保全用バイパ

ススイッチを,危険区域内で使用する。この状態で運転中に可燃性ガスを検出した場合,その容器への通

電を直ちに停止し,運転を再開する前に改めて掃気を行う。

注記  保全用バイパススイッチの使用中にその区域で可燃性ガスを検出した場合には,圧力が再確立

した後に再度容器を掃気することだけが必要である。

13.2.1

内部に放出源をもたない機器

内部に放出源をもたない電気機器で構成している装置は,保護ガス圧力が低下した場合,

表 による。

注記  加圧密封による内圧容器の圧力が喪失した場合には,非危険区域に移動して再充てんする。

圧力が喪失した場合には圧力監視装置がロックアウトし,再加圧して圧力が確立した後にだけ解除でき

る。

表 6−内部に放出源をもたない電気機器のための保護用ガスの圧力が低下した場合

危険区域分類

必要な内圧がない状態ではゾーン 2 に適合

しない機器を内蔵した容器。

必要な内圧がない状態でもゾーン 2 に適合

した機器を内蔵した容器。

ゾーン 2

警報

a)

対応不要

ゾーン 1

警報及び電源断

b)

警報

a)

注記  内圧の回復は,速やかに行う。

なお,いかなる場合においても 24 時間以内に完了させなければならない。 
正常に加圧することができない間は,容器内に可燃性物質が侵入しないような対策をとる。内圧喪失時に内

圧機器の電源が自動的に切れる場合には,ゾーン 1 であっても,更に警報を設ける必要は必ずしもない。例え

ば,ゾーン 2 において,電源を自動的に切らない場合には,警報が最小の措置であり,直ちにオペレータによ
って内圧を復元するか,又は機器の電源を切ることが望ましい。

容器内の機器が外周のゾーンに適合する場合は,圧力低下時でも電源を切る必要はない。

a)

警報作動時には,例えば,システムを完全な状態に復旧するなど,即時に対応する。

b)

  自動的に電源を切ることによって,更に危険な状態を招くような場合には,保護ガス供給の二重化のような他

の予防手段を講じる。

13.2.2

内部に放出源をもつ機器

内部に放出源をもつ機器は,製造業者の指示に従って据え付けなければならない。

特に,安全上必要であるが,実際は機器に取り付けないで供給される封入システム用の安全装置は,使

用者が取り付けを行う。このような例には,サンプル流量リミッタ,圧力調節器,フレームアレスタなど

がある。

プロセス流体又はガスを導入する封入システムが内圧容器の中にある場合,加圧用ガス(例えば,空気)

がその封入システム内に漏えいする可能性とその影響を考慮する。例えば,封入システム内の低圧プロセ

スガスの圧力が加圧用空気の圧力よりも低い場合,封入システムへの漏えい路があると空気がプロセス側

へ流入し,有害な又は危険な影響をプロセス側に及ぼす。

保護ガスの喪失時には,警報を発してシステムの安全性を維持するために適切な対応を取らなければな


36

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

らない。

圧力又は流量の喪失時に取るべき対応は,少なくとも次のことを考慮して,使用者が決定する。

−  製造業者の推奨

−  封入システムからの放出の特性(例えば,無放出,限定放出又は無制限放出)

−  内部放出ガスの成分。例えば,液体か又は気体か,及びそれらの着火限界

−  圧力,流量喪失時,可燃性物質供給が自動的に停止されるか否か

−  例えば,着火能力のような,ゾーン 1 用又はゾーン 2 用としての容器内の機器の特性,及び放出源に

接近しているかなど

−  周辺のゾーン,例えば,ゾーン 1 であるか,ゾーン 2 であるか

−  使用する保護ガスの種類,例えば,空気又は不活性ガス。後者の場合圧力が喪失した後には不活性ガ

スを,適切な保護に必要な高濃度の状態(低濃度の酸素)に回復するために容器を再掃気する。

−  機器の警告なし自動遮断を行った場合の影響

サンプルガスの爆発上限界 (UEL) が高い(例えば,80 %を超える)場合,又はそのサンプルガスが,

空気がなくても発熱反応する可能性がある場合(例えば,エチレン酸化物)

“漏えい補てん”技術を用い

て不活性ガスで容器を保護することはできない。空気又は不活性ガスを用いる“連続的な通気”技術は,

放出ガスを爆発下限界 (LEL) の 25 %未満,又は分解が生じないレベルの濃度に希釈するのに十分な流量

があるならば,適している。

13.3

安全装置を共有する複数の内圧容器

複数の内圧容器で共通に使用する安全装置の使用要件は,JIS C 0932 に規定する。

13.4

掃気

内圧容器単体に対して,製造業者が指定する最小の掃気時間に,製造業者が指定するダクトの単位容量

掃気時間にダクトの容量を乗じた最小追加掃気時間を加えたものを,内圧容器の最小掃気としなければな

らない。

ゾーン 2 では,容器及びダクト内(の雰囲気)を確実に爆発下限界未満(一例として 25 %LEL)に保つ

ことができる場合には,掃気を省略してもよい。加えてガス検知器で内圧容器内のガスが可燃性かどうか

を調べてもよい。

掃気,加圧及び連続的な希釈に用いられる保護ガスは,不燃性で非毒性でなければならない。保護ガス

は,機器の満足な運転に対して危険,悪影響を与える湿気,油,ほこり,繊維,化学製品,可燃物及び不

純物を含んではならない。保護ガスには不活性ガスも用いられるが,通常は空気を使用する。保護ガスは

空気中の酸素よりも多くの酸素を含んではならない。

空気を保護ガスとして使用する場合,その空気取入口は,非危険区域内で,かつ,汚染の可能性の低い

場所に設置しなければならない。空気の流れに対する回りの構造物の影響,風向及び風速の変化する影響

を考慮しなければならない。

保護ガスの温度は,容器の入り口で常時 40  ℃以下であることが望ましい(40  ℃を超える温度が許容さ

れる場合,又は 40  ℃未満に温度に抑えなければならないような特別な場合には,その温度を内圧容器に

表示しなければならない。

必要に応じて,拡散による可燃性ガス,蒸気の侵入又は保護ガスの漏えいを防ぐため,配線システムを

シールしなければならない。

注記  上記の要件は,ケーブルダクト又は電線管を機器とともに掃気することを妨げるものではない。

内圧容器へのケーブル引込装置は,機器の文書に従ったものでなければならない。


37

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

警告  不活性ガスを使用する場合,特に大きな容器では,窒息しないように十分な配慮をする。

13.5

加圧室及び分析計建屋

13.5.1

加圧室

加圧した室内での電気設備に関する要件は,IEC 60079-13 に従う。

13.5.2

分析計建屋

分析計建屋内の電気設備に関する要件は,IEC 60079-16 及び IEC 61285 に従う。

14

ゾーン だけに使用する機器への追加要件

次の追加要件は,5.2.3 の b)  及び c)  に従った機器だけに適用する。

注記  タイプ n 防爆 “n” は,次に示す五つに小分類する。

nA  :無火花方式

nR  :通気抑制方式

nL  :エネルギー制限方式

nZ  :簡易内圧方式

nC  :通気抑制方式,エネルギー制限方式及び簡易内圧方式以外の,接点が適切に保護した

火花を発生する方式

14.1

容器の保護等級(IEC 60034-5 及び JIS C 0920

露出充電部分をもつ容器の保護等級は,IP54 以上とし,充電部がすべて絶縁している容器は,IP44 以上

とする。

固形の異物の侵入,又は安全性を損なうおそれがある液体の浸入に対して保護している場所(例えば,

屋内)で使用する場合,露出充電部分をもつ容器の保護等級は IP4X とし,充電部分が絶縁されている容

器の保護等級は IP2X とする。

固形の異物又は液体の接触によって(安全性を)損なうことがないと考えられる機器(例えば,ひずみ

計,抵抗温度計,熱電対,エネルギー制限付き機器,その他)は,上記要件に適合する必要はない。

14.2

エネルギー制限機器及び回路

各々の機器の最大内部キャパシタンスとケーブルキャパシタンス(ケーブルのキャパシタンスは,2 本

の隣接する導体間の最大キャパシタンスと等しい集中キャパシタンスと考える。

)との合計,及び各々の機

器の最大インダクタンスとケーブルインダクタンス(ケーブルのインダクタンスは,最大離隔距離をもつ

二つの導体間の最大インダクタンスと等しい集中インダクタンスと考える。

)との合計は,それぞれ最大許

容キャパシタンス及び最大許容インダクタンスの値以下でなければならない。これらの値は,タイプ n 防

爆 “n” の機器に表示するか,又は文書に記述する。

14.3

配線方式

14.3.1

一般

ケーブル及び電線管は,ケーブル引込並びに導体接続方法に関する次の追加要件とともに箇条 に従っ

て施工しなければならない。

14.3.2

ケーブル引込装置

ケーブルの接続は,

使用ケーブルの種類に適するケーブル引込装置を使用して施工しなければならない。

接続用容器の保護等級の要件に適合するため,ケーブル引込装置とケーブルとの間を密封するのに適し

たシール材を組入れたケーブル引込装置を使うことが必要である。シールは,ケーブル引込装置と容器と

の間にも同様に必要な場合がある

(例えば,

シーリングワッシャによる方法,

又はねじシールによる方法)


38

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

注記 1  ねじ穴を開けた厚さ 6 mm 以上のケーブル引込みプレート又は容器にねじ込み式ケーブル引

込装置を取り付けるとき,ケーブル引込装置の軸がケーブル引込みプレート又は容器の外面

に対して直角である場合には,ケーブル引込装置と引込みプレート又は容器との間に追加シ

ールを施す必要はない。

通気抑制形容器のシールは,容器の通気抑制特性を維持できるものでなければならない。

注記 2  上記の要件は,例えば,ケーブル引込装置と容器との間への適切なシーリングワッシャ(ケ

ーブル引込方式に関係なし)

,また,射出成形内部シース付きケーブル及び内部シール付きの

ケーブル引込装置を使用することで満たすことができる。電線管又はテーパねじ部にはねじ

シール材(9.4 参照)を用いる。

未使用のケーブル引込口は,端末容器の保護等級を維持するプラグによって閉止しなければならない。

14.3.3

導体の接続

スロットタイプなど,端子には 2 本以上の導体を差し込むことができるものがある。2 本以上の導体を

同じ端子に接続する場合には,それぞれの導体が十分に締め付けられていることを確認する。機器の文書

で許可されている場合を除き,断面積の異なる 2 本の導体を 1 個の端子に接続してはならない。ただし,

最初に 2 本の導体を 1 個の圧着形フェルールに固定する場合はこの限りではない。

端子台において隣接する導体間で短絡のおそれがある場合,各導体の絶縁物は端子台の金属部まで保持

するようにする。

注記  1 本のねじで,固定するサドル形導体支持金物に 1 本の導体を固定する場合には,導体はねじ

の回りに U 字形に巻き付ける。ただし,機器の文書で U 字形にせずに導体を締め付けることを

許容している場合を除く。

14.4

可変周波数及び可変電圧駆動電動機

注記  出力側に高周波パルスを含む変換器を使用するときは,電動機又は端子箱に発生するおそれが

ある過電圧スパイク及び高調波による付加的な温度上昇を考慮する必要がある。

15

個人用の電気機器

電池又は太陽光発電によって動作する個人用の機器(例えば,電子腕時計,補聴器,リモコンキー,キ

ーホルダ付きのライト,電卓,その他)は,個人が携帯し,不用意に危険区域内に持ち込まれることがあ

る。

電子腕時計による危険は小さいので一般的に危険区域での使用は許容する。

その他の電池又は太陽光発電によって作動する個人用の機器(計算機付きの電子式腕時計も含む)は,

危険区域での使用の可否を事前に評価するか,その区域(危険区域)に可燃ガスがないことの認証書が発

行された後で,危険区域内に持ち込むことが望ましい。

注記  個人用電子機器に電源として使用されるリチウム電池は,危険度が高いので,それらを使用す

るにはこの箇条で述べたような評価を行う。


39

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

附属書 A

規定)

線形電流−電圧特性の複数の本安関連機器をもつ本安回路の検証

序文

この附属書は,線形電流−電圧特性の複数の本安関連機器をもつ本安回路の検証について規定する。

本安回路システムのキャパシタンス及びインダクタンスのパラメータは,システムの各点における故障

時の U

o

及び I

o

のシステム数値を使用して JIS C 60079-11 の着火曲線から決定しなければならない。JIS C 

60079-11

に規定する故障は,個別の機器に対してではなく,電気システム全体に対して適用する。

次の計算手順を適用することによって,上記の要件を満足することができる。

この場合,すべての本安関連機器が区分 “ia” であっても,区分は “ib” とみなさなければならない。

注記  このような区分変更は,試験を行わないで計算だけで評価が行われることを考慮したものであ

る。

a)

本安関連機器上で述べた U

o

及び I

o

の数値を使用してシステム内の最大電圧及び最大電流を決定する

附属書 参照)。

b)

安全率 1.5 を乗じた最大システム電流  (I

o

)  が,最大システム電圧  (U

o

)  として JIS C 60079-11 の機器

グループに適する抵抗回路用着火曲線から得られる電流を超えないことを確認する。

c)

最大許容インダクタンス  (L

o

)  は,安全率 1.5 を乗じた最大システム電流  (I

o

)  を使用して,JIS C 

60079-11

の機器グループに適する誘導性回路用着火曲線から得る。

d)

最大許容キャパシタンス  (C

o

)  は,安全率 1.5 を乗じた最大システム電圧  (U

o

)  を使用して,JIS C 

60079-11

の機器グループに適する容量性回路用着火曲線から得る。

e)

C

o

及び L

o

の最大許容数値が,12.2.5.1 の要件を満足することを確認する。

f)

U

o

I

o

,及び P

o

P

o

I

o

U

o

/4 の場合)は,12.2.5.1 の要件に適合していることを確認する。

g)

機器に使用される着火曲線を考慮して 12.2.5.1 に従ったシステムの機器グループを決定する。

h)

(最大有効電力:P

o

I

o

U

o

/4 の場合)12.2.5.1 に従ったシステムの温度等級を決定する。


40

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

附属書 B

参考)

線形電流−電圧特性の複数の本安関連機器をもつ本安回路内の最大

システム電圧及び電流を決定する方法(附属書 A の要求による)

序文

この附属書は,線形電流−電圧特性の複数の本安関連機器をもつ本安回路内の最大システム電圧及び電

流を決定する方法(

附属書 の要求による。)について記載するものであって,規定の一部ではない。

本安回路内に複数の本安関連機器がある場合(12.2.5.2 参照)

,個々の本安関連機器の文書又は表示板か

ら得られる U

o

I

o

の数値を使用して,本安回路内の故障状態における新たな最大システム電圧及び電流を

決定するために,次の方法を使用することが望ましい。

U

o

及び I

o

の数値は,本安関連機器の本安回路の端子の相互接続の状態によって,正常状態及び故障状態

の両方について,次のいずれかを考慮して決定する。

−  電圧だけの合計

−  電流だけの合計

−  電圧の合計と電流との合計

本安回路と非本安回路との間に絶縁を施した本安関連機器の直列接続の場合(

図 B.1 参照),回路の極性

にかかわらず電圧を合計する。

電源両極に並列接続の場合(

図 B.2 参照),電流を合計する。

電源両極のいかなる相互接続も可能である場合(

図 B.3 参照),想定される故障状態によって,直列接続

又は並列接続の両方を考慮しなければならない。この状態で,電圧の合計及び電流の合計を別々に検討す

る。

 
新たな最大システム数値:

U

o

=ΣU

oi

U

o1

U

o2

I

o

=max. (I

oi

)

図 B.1−直列接続−電圧の合計

I

1

Ο

U

1

Ο

I

2

Ο

Ex ib

本安関連機器

本安機器

U

2

Ο

(ゾーン 1)


41

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

 
新たな最大システム数値:

U

o

=max. (U

oi

)

I

o

=ΣI

oi

I

o1

I

o2

図 B.2−並列接続−電流の合計

 
新たな最大システム数値:

U

o

=ΣU

oi

U

o1

U

o2

U

o

=max. (U

oi

)

I

o

=max. (I

oi

)   I

o

=ΣI

oi

I

o1

I

o2

図 B.3−直列及び並列接続−電圧の合計及び電流の合計

I

1

Ο

U

1

Ο

I

2

Ο

U

2

Ο

Ex ib

本安関連機器

本安機器

(ゾーン 1)

I

1

Ο

U

1

Ο

I

2

Ο

U

2

Ο

Ex ib

本安機器

(ゾーン 1)

本安関連機器


42

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

   

附属書 C 

参考)

ケーブルパラメータの決定

序文

この附属書は,ケーブルパラメータの決定について記載するものであって,規定の一部ではない。

C.1

測定

ケーブルのインダクタンス及びキャパシタンスは,周波数が 1 kHz±0.1 kHz,精度が±1 %の測定器を使

用する。ケーブルの抵抗は,精度±1 %の直流測定器を使用する。測定に使用するケーブルの長さは 10  m

以上とする。測定は,周囲温度 20  ℃∼30  ℃で実施する。

注記  インダクタンス測定用の機器は,抵抗に対してインダクタンスが小さい場合でも,満足に測定

可能なものでなければならない。

ケーブルの終端で,開路又は短絡を引き起こすおそれがあるすべての心線の組合せに対して測定する。

キャパシタンス,インダクタンス,L/比率の最大測定値をケーブルパラメータとして使用する。多数の

心線がある場合,最も大きな数値のインダクタンス及びキャパシタンスとなる心線の代表値を使用するこ

とで測定する。

ケーブルの最大キャパシタンスは,ケーブルの遠隔端を開路し,最大値が得られる心線と遮へいとの間

のキャパシタンスを測定して決定する。例えば,一対の遮へい付きケーブルを測定する場合,一つの心線

と遮へいに接続した他の心線との間で最高値を測定できることがある。これがキャパシタンスの最高値で

あることを心線と遮へいとを接続した他の組合せで測定して確認する。

最大インダクタンスは,最も離れた二つの心線の遠隔端を一緒に接続して測定する。この経路の直流抵

抗は,ケーブルの L/比率の計算に使用する抵抗である。

ケーブルの心線が緩やかに束ねて製造されている場合でも,ケーブルの最低 10 回の曲げ,ねじれはケー

ブルパラメータに 2 %以上の変化があってはならない。

これらの測定の目的のために,個別の導体を直列に接続し,実際上のケーブル長を増やして故障の組合

せを考慮する必要はない。キャパシタンスを測定する場合,遮へい又は未使用心線を一緒につなぎ,測定

する回路の一端に接続する。

C.2

多心ケーブル

特定の本安回路で使用している導体が多心ケーブル内で容易に識別できる場合,これらの導体に関する

ケーブルパラメータだけを検討する。

C.2.1

タイプA−多心ケーブル

一つの回路で使用するすべての導体が一つの遮へい内にある場合,その遮へい内の導体と遮へいとの相

互接続だけを対象とする。それらの導体が複数の遮へい内にある場合,関連する遮へい内の関連するすべ

ての導体を使用して測定する。

C.2.2

タイプ B−多心ケーブル

特定の回路に使用する導体の識別ができる場合,測定はそれらの導体だけで行う。明確な識別ができな

い場合,特定の本安回路に使用する導体すべての組合せについて考慮する。


43

C 60079-14

:2008 (IEC 60079-14:2002)

C.2.3

タイプ C−多心ケーブル

想定内の 2 か所の短絡故障を生じるおそれがある本安システムに関係するすべての導体と遮へいとの間

で測定を行う。

関係する導体を明確に識別できない場合,試験は任意の 2 線を加えて,三つの相互に接続される回路の

心線と遮へいとの総数の可能な組合せまで拡げて行う。

参考文献  JIS C 3327  600 V ゴムキャブタイヤケーブル

JIS C 8305

  鋼製電線管

JIS C 8463

  電気設備用電線管の外径及びねじ

IEC 60034-17 : 2002, Rotating electrical machines

−Part 17 : Cage induction motors when fed from

converters−Application guide

IEC 60614-2-1 : 1982, Specification for conduits for electrical installations

−Part 2 : Particular

specifications for conduits−Section One: Metal conduits

IEC 60614-2-5 : 1992, Specification for conduits for electrical installations

−Part 2 : Particular

specifications for conduits−Section 5 : Flexible conduits

IEC 60755

  General requirements for residual current operated protective devices