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C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60068-3-8:2003,Environmental

testing

−Part 3-8: Supporting documentation and guidance−Selecting amongst vibration tests を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS C 60068-3

の規格群には、次に示す部編成がある。

JIS C 60068-3-1

  環境試験方法−電気・電子−低温試験及び高温試験を理解するための必す(須)情報

JIS C 60068-3-2

  環境試験方法−電気・電子−第3−2部:温度/減圧複合試験を理解するための必す(須)

  情報

JIS C 60068-3-3

  環境試験方法−電気・電子−機器の耐震試験方法の指針

JIS C 60068-3-4

  環境試験方法−電気・電子−第3−4部:高温高湿試験の指針

JIS C 60068-3-5

  環境試験方法−電気・電子−第3−5部:温度試験槽の性能確認の指針

JIS C 60068-3-6

  環境試験方法−電気・電子−第3−6部:温度/湿度室の性能の確認(予定)

JIS C 60068-3-7

  環境試験方法−電気・電子−第3−7部:試験 A 及び B(荷重有り)の温度室の測定値(予

  定)

JIS C 60068-3-8

  環境試験方法−電気・電子−第3−8部:振動試験方法の選択の指針


C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  各振動試験方法 

3

4.1

  一般

3

4.2

  試験方法 

3

4.3

  加速試験 

4

5.

  供試品の振動環境

5

5.1

  一般

5

5.2

  情報収集 

5

5.3

  動的条件の決定

5

6.

  供試品の実際の環境の動的条件の推定 

5

6.1

  一般

5

6.2

  動的条件の測定

6

6.3

  データの分析 

6

7.

  試験方法の選択 

9

7.1

  一般

9

7.2

  正弦波振動試験

10

7.3

  ランダム振動試験

10

7.4

  混合モード振動試験

11

8.

  供試品の振動応答検査 

11

8.1

  一般

11

8.2

  目的

11

8.3

  正弦波加振 

12

8.4

  ランダム波加振

12

8.5

  問題の調査(トラブルシューティング) 

12

8.6

  残存の合否判定基準

13

8.7

  製品規格に規定する情報 

13

 


日本工業規格(案)

JIS

 C

60068-3-8

:2006

(IEC 60068-3-8

:2003

)

環境試験方法−電気・電子−

第 3-8 部:振動試験方法の選択の指針

Environmental testing

Part 3-8: Supporting documentation and

guidance

Selecting amongst vibration tests

序文  この規格は,2003 年に第 1 版として発行された IEC 60068-3-8,Environmental testing−Part 3-8:

Supporting documentation and guidance

−Selecting amongst vibration tests を翻訳し,技術的内容及び規格票の

様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

部品,機器及びその他の製品(以下,

“供試品”という。

)は,製造中,輸送中又は使用中に,異なる種

類の振動にさらされることがある。JIS C 60721-3 規格群では,これらの異なる振動環境を,定常振動条件

及び過渡振動条件の特徴ごとに分類して示している。JIS C 60068-2 規格群では,定常振動又は過渡振動に

よる試験方法について規定している。JIS C 60068-2 規格群には,定常振動を用いた環境試験方法を規定す

る次の三つの規格がある。

JIS C 60068-2-6

  環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法

JIS C 60068-2-64

  環境試験方法−電気・電子−広帯域ランダム振動試験方法及び指針

IEC 60068-2-80

  Environmental Testing−Part 2-80: Tests−Test Fi: Vibration−Mixed Mode

1. 

適用範囲  この規格は,JIS C 60068-2-6JIS C 60068-2-64 及び IEC 60068-2-80 から試験方法を選択

するのための指針について規定する。各試験方法及びその目的は,4.に規定する。ただし,過渡的振動の

試験方法は含まない。

振動試験を行う場合,供試品の実際の環境条件,特に,動的条件に関する情報があるとよい。この規格

は,環境条件に関する情報収集(5.),動的条件の推定若しくは測定の指針(6.),及び適切な振動環境試験方

法を決めるための参考となる例を示す。まず,環境条件を調べて,適切な試験を選択する方法を記載する。

実際の環境の振動は,特別な場合を除いてランダム的な性質をもつので,一般にはランダム振動試験を

用いることが望ましい(7. 

表 参照)。

さらにこの規格では,振動試験の前,試験中及び試験後に,供試品の振動応答を検査する方法について

規定する。その加振方法の選択は,8.及び

表 に規定する。

この規格によって,製品仕様の作成者は,振動試験方法に関する情報及びその選択に関する指針を得る

ことができる。個別の試験方法のパラメータ又は厳しさは,引用規格によることが望ましい。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。


2

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

IEC 60068-3-8:2003

,Environmental testing−Part 3-8: Supporting documentation and guidance−

Selecting amongst vibration tests (IDT)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年又は発行年を付記していない引用規

格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0153

  機械振動・衝撃用語

備考 ISO 

2041

  Vibration and shock−Vocabulary からの引用事項は,この規格の該当事項と同等で

ある。

JIS C 60068-1

  環境試験方法−電気・電子−通則

備考 IEC 60068-1  Environmental Testing−Part 1: General and guidance が,この規格と一致している。

JIS C 60068-2-6

  環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法

備考 IEC 

60068-2-6

  Environmental Testing−Part 2-6: Tests−Test Fc: Vibration (sinusoidal)が,この規

格と一致している。

JIS C 60068-2-64

  環境試験方法−電気・電子−広帯域ランダム振動試験方法及び指針

備考 IEC 60068-2-64   Environmental Testing − Part 2-64: Test methods − Test Fh: Vibration ,

broad-band random (digital control) and guidance

が,この規格と一致している。

JIS C 60721-3

  規格群  環境条件の分類  環境パラメータとその厳しさのグループ別分類

備考 IEC 

60721-3

  (all parts) Classification of environmental conditions−Part 3: Classification of

groups of environmental parameters and their severities

が,この規格と一致している。

IEC 60068-2-80

  Environmental Testing−Part 2-80: Tests−Test Fi:Vibraraton−Mixed mode

IEC 60721-4

  (all parts) Classification of environmental conditions−Part 4: Guidance for the correlation and

transformation of environmental condition classes of IEC 60721-3 to the environmental tests of IEC

60068-2

IEC Guide 104:1997

  The preparation of safety publications and the use of basic safety publications and

group safety publications

ISO 5348

  Mechanical vibration and shock−Mechanical mounting of accelerometers

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0153JIS C 60068-1 の 4.(用語の定義),JIS C 

60068-2-6

の 3.(定義)及び JIS C 60068-2-64 の 3.(定義)によるほか,次による。

この規格の利用者のため,用語の定義が,これらの出典の定義から派生したり,修正されたものである

場合は,そのことも示す。

3.1 

動的条件(dynamic conditions)  供試品に対する振動環境を記述するすべてのパラメータ。

3.2 

定常振動(stationary vibration)  振動にかかわるすべてのパラメータ(統計的及びスペクトル)が,長

時間にわたって一定な振動の種類。

3.3 

振動数掃引(frequency sweep)  正弦波振動試験中の加振振動数の変化。

備考  正弦波振動試験の詳細な定義については,JIS C 60068-2-6 を参照。

3.4 

リニアスペクトル(linear spectrum)  周期信号に使用するスペクトルの種類。通常は,高速フーリエ

変換(FFT)アルゴリズムを用いて計算し,単位は,例えば,m/s

2

又は g

n

である(IES-RP-DTE 012.1 参照)。


3

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

3.5 

加速度スペクトル密度(ASD)(acceleration spectral density)  定常ランダム信号で使用するスペクトル

の種類。通常,二乗離散フーリエ変換(DFT)を用いて計算する。すなわち,ある中心振動数の狭帯域フィ

ルタを通過した加速度信号のその部分の 2 乗平均値で,

単位帯域幅当たりで表し,

帯域幅をゼロに近づけ,

かつ,平均化時間を無限大に近づけたときの極限値で,オートスペクトルとも呼ばれ,単位は,例えば,

(m/s

2

)

2

/Hz

又は gn

2

/Hz

である(ISO 2041 修正)

3.6 

自己相関(autocorrelation)  信号の一部分が,同じ信号の(ある時間離れた)他の部分と関連する度合

いの統計値。

備考  自己相関関数をフーリエ変換するとオートスペクトル又は ASD が得られる。自己相関関数は,

−1 から+1 の値をとる。

3.7 

統計的自由度(DOF)(statistical degrees of freedom)  時間平均によってランダムデータの加速度スペク

トル密度を推定する場合,統計的自由度は,振動数分解能及び有効平均化時間から求める(JIS C 60068-2-64

の 4.3.5JIS B 0153,修正)

3.8 

臨界振動数(critical frequency)  臨界振動数は,次による。

−  振動によって供試品の機能不良及び/若しくは性能劣化が現れる振動数,

並びに/又は

−  機械共振及び/若しくは例えば,チャタリングなどのその他の応答の影響が起きる振動数。

4. 

各振動試験方法

4.1 

一般  環境試験は,実際の振動環境の影響を実験室内で模擬するために適用する。振動試験では,

例えば,振動台上で供試品を加振するために,様々な入力信号を使用する。試験方法は,これらの入力信

号によって特徴付けられる。

4.2 

試験方法  正弦波振動及びランダム振動は,異なる物理的プロセスであり,供試品に対する影響も

異なる。製品仕様の作成者は,プロセスが物理的に異なるために,正弦波振動試験とランダム振動試験と

が厳密には等価にならないことを理解することが望ましい。

正弦波振動試験の厳しさをランダム振動試験に,又はランダム振動試験の厳しさを正弦波振動試験に,

変換しないように強く推奨する。

各振動試験方法を,次に概説する。

4.2.1 

正弦波振動試験  正弦波振動試験  (JIS C 60068-2-6)  では,振動数及び振幅が一定又は可変の正弦

波信号を使用する。任意の時点で適用する振動数は一つだけである。試験条件には,振動数範囲(帯域)

又は固定振動数,振動振幅及び試験時間を含む。

実際の環境では,正弦波振動が単一振動数だけの振動として発生することはまれである。このことは,

回転機械で直接加速度を測定する場合にもいえることである。例えば,歯車及び軸受けにおける,実際的

な公差及びすき間は,一般に,振動数に小さな変化をもたらす。回転機械の不規則な特性も,何らかの形

のランダム振動を誘発する。

正弦波振動は,決定論的に表すことができる。この振動は,ある決まったパターンをとるので,指定さ

れた将来のある時点における振動値を,過去の履歴から完全に予測することができる。

この種の試験が有利な側面は,振動数掃引中の故障発生の時刻に関するものであり,特定の振動数に関

連付けることができる場合がある。一方,ランダム振動試験ではこれらの関連付けが簡単にできないこと

がある。しかしながら,ランダム振動と比べて,この試験は,掃引中,ほんのわずかな時間しか共振を発

生させないので,故障を発生させるまでにかなりの時間を要する傾向がある。


4

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

同時には一つの振動数しか与えることができないが,掃引速度が十分に遅ければ供試品の特定の共振を

十分大きくすることは可能である。また,特に設計・開発段階の試験において,損傷が生じる可能性のあ

る共振状態を作り出すために使うこともできる。さらに,正弦波振動試験の用途として,次の“振動数耐

久試験”がある。

a)

既知の強制振動数

b)

供試品の共振振動数

4.2.2 

ランダム振動試験  ランダム振動試験  (JIS C 60068-2-64)  では,どの時点でも規定の振動数範囲

(帯域幅)内のすべての振動数を含む確率論的な不規則(ランダム)入力信号を使用する。瞬時値は,正

規(ガウス)分布となる。振動数範囲全体にわたる分布は,加速度スペクトル密度 (ASD) 曲線によって

規定される。

ランダム振動は,実際の環境で最もよくみられる振動である。将来の瞬時値は過去の履歴から予測する

ことができず,そのため,確率的にしか予測できない。事実,この特性は,ランダム振動にかかわるほと

んどの計算,例えば,疲労,繰返し応力などに適用できる。

正弦波試験とは対照的に,ランダム振動は試験時間全体を通じて継続して共振を引き起こすが,その応

答は大きくはない。ほとんどのランダム振動試験の信号は,3 シグマのレベルを含んでいる。このことは,

試験振動数範囲の振動の瞬時値が,ゼロと信号の全 rms 値の 3 倍との間にあることを意味する。さらに,

ランダム加振では,応力がゼロ点を通過して,次にまたゼロ点を通過するまでの正又は負の区間内で,何

回かの繰返し応力が発生することも考慮する必要がある。これらの特徴は,疲労損傷の蓄積及び故障まで

の推定寿命に影響を与える。

4.2.3 

混合モード振動試験  混合モード振動試験  (IEC 60068-2-80)  は,正弦波信号とランダム波信号と

を組み合わせたものであり,振動源が複数の環境を模擬できる。組み合わせた振動源の種類に応じて,試

験を次のようにいう。

−  サイン・オン・ランダム (SoR)

−  ランダム・オン・ランダム (RoR)

−  サイン・オン・ランダム・オン・ランダム (SoRoR)

備考  ショック・オン・ランダム(発砲試験のようなランダム振動及び過渡振動の組合せ)は,この

規格に含めない。

混合モード振動試験は,正弦波試験とランダム試験との長所を組み合わせたもので,実際の環境に,よ

り近い試験が実現できる。この試験方法では,より程度の高い試験テーラリングが可能になり,不足試験

又は過剰試験の程度を最小限にすることが可能である。不足試験又は過剰試験は,最悪の結果をもたらす

ので,このことは重要である。大きな短所としては,試験の理解,規定,管理及び検証の複雑さが増すと

いう点が挙げられる。

参考  試験テーラリングとは,実際の環境に合わせて試験条件を仕立て上げることをいう。

4.3 

加速試験  例えば,試験時間を短縮するために,試験の厳しさを実際の動的条件以上に引き上げる

ことがある。振動レベルを引き上げることで,供試品の機械的応力が増して,疲労損傷までの寿命が短縮

する。一般に,加速試験は,前記のすべての試験方法で可能である。

加速試験については,加速倍率の選択に当たって高度な技術的判断が必要である。加速倍率と時間短縮

との関係は,様々な故障モードにおいて非常に異なっており,また,供試品自体の構造(例えば,緩みに

よるがたつき,非線形性)

,材質(切欠き効果,溶接部,熱処理)

,荷重及びその他の環境条件に左右され


5

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

る。高い加速倍率を使用すると,供試品の故障モード若しくは損傷部位が非現実的なものとなる(JIS C 

60068-1)

か,又は重要な故障モードが除かれることがある。例えば,非現実的な高い試験レベルにすると,

部品間の緩みによるフレッチングが発生しないことがある。

次に,軟鋼の場合の加速倍率の例について示す。

軟鋼の疲労故障モードについては,加速倍率が 2 を超えないことを推奨する。試験加速度レベル a

test

は,

実際の環境のレベル a

real life

よりも大きく,2 倍以内とすることが望ましい。正弦波試験の場合,このこと

は,試験振幅 a

peak

が,実際の環境の振幅 a

peak

real life

の 2 倍未満となることを意味する。加速ランダム振動

試験の試験励振の rms 値 a

rms

は,実際の環境の rms 値 a

rms

real life

の 2 倍に限定することが望ましい。

正弦波:

life

real

peak,

peak

a

a

×

ランダム波:

life

real

rms,

rms

a

a

×

備考

軟鋼の疲労故障の場合,加速倍率を

2

にすると,試験時間は,

1/8

1/32

になる。

供試品,故障モード,損傷部位,その部位における応力,材料及びその疲労特性(

SN-

曲線)が既知の

場合は,高めの加速倍率を用いてもよい。当該材料の該当する応力サイクル対故障の曲線を使用し,実際

の環境に対するサイクル数の減少の度合い及び対応する応力の増加の度合いを考慮して,加速倍率を選択

することができる。加速疲労試験については,固定振動数又は共振振動数における正弦波振動を使用する

ことを推奨する。

5. 

供試品の振動環境

5.1 

一般  環境試験は,実際の振動環境の影響を実験室内で模擬するために適用する。次に,この振動

環境を推定するための指針を示す。

5.2 

情報収集  IEC 60721-4 規格群で分類されているような,供試品のライフサイクルを決定する。

ライフサイクルの各段階における,動的条件を記載する。

使用中に遭遇する振動を特定して,記載する。

外部影響を推定する。

内部影響(機械の振動及びその共振による振動,すき間及びがたつき)を推定する。

回転の影響を推定する。

参考

IEC 60721-4

規格群は,製品をとりまく環境(例えば,保存,輸送,屋内固定,屋外固定など)

を分類して IEC 60068-2 規格群の試験の厳しさと対応付けした規格である。

5.3 

動的条件の決定  5.2 で収集した情報を用いて,表 に示す動的条件の一つを選択してもよい。表 1

のどれにも該当しない場合は,環境条件の種類を推定する必要がある(6.参照)

6. 

供試品の実際の環境の動的条件の推定

6.1 

一般  実際の環境が,5.3 及び表 のいずれにも該当しない場合は,振動環境の種類を他の何らかの

方法によって決定する必要がある。動的条件について情報を得るためには幾つかの方法がある。

実際の環境の測定。

経験及び技術的判断の利用。

JIS C 60721-3

規格群のような適切な規格の使用。

どの試験が,実際の条件を最もよく代表するかを決定する必要がある。例えば,ヘリコプタによる包装

貨物の輸送の場合,適用する試験は,

RoR

でよく,必ずしも

SoR

である必要はない。


6

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

以前の又は類似のプロジェクトからの推定。

この規格の主目的は振動試験の選択であり,この項では,振動環境(正弦波,ランダム波又はこれら両

者の振動をもつ)の種類を決定する方法だけを扱い,厳しさは扱わない。ここで推奨する方法は,実際の

環境の測定及び測定データの解析から環境の種類を決定することに関するものである。したがって,利用

できるデータがない場合は,測定できることを前提としている。

備考

ここで推奨する方法は,非常に高価につく方法であるため,測定データを厳しさの決定のため

にも用いると費用対効果がよい。

6.2 

動的条件の測定  振動データを測定して分析するために必要な主な活動を,次に概説する。

備考

詳細は,IES-RP-DTE 012.1 及び DIN 30787 参照。

6.2.1 

計画  最良のデータを確実に得るためには,慎重に計画を立てることが最も重要である。この計画

の段階を,次に示す。

測定箇所(及び方向)の選択,供試品の固定点にできるだけ近いことが望ましい。

センサの種類及び数の選択

  (

ISO 5348

)

データ取得システムの選択。

 AD

変換器のダイナミックレンジ及び振動数範囲の選択。

測定器の使用条件及び測定時間の決定。

データの不正確さ及び考えられる誤差の要因に関する考察及び推定。

6.2.2 

校正  測定する前に,一連の測定系を校正する必要がある。また,過大計器ノイズ,間欠ノイズ又

は電源ラインからの誘導ノイズのような,誤差要因を点検することも必要である。さらに,すべての測定

器は,校正された状態でなければならない。

6.2.3 

データ取得  実際の環境データは,気象パラメータ,その他のパラメータなど,適切な使用条件下

で測定することが望ましい。

これらのパラメータは,

取得した情報にある程度の影響を与えることがあり,

例外的な結果を説明するのに役に立つことがある。

6.2.4 

再校正  6.2.3 の完了後,測定器が使用可能状態のままであること及び校正の範囲内であることを

確認するために,再校正,又は少なくとも,システムチェックを実施することが望ましい。

6.3 

データの分析

6.3.1 

一般  スペクトル分析,確率密度及び自己相関は,実際の環境で測定した信号の支配的特性,すな

わち,ランダムな特性,決定論的な特性,又は両者が混合した特性を見極める有効な道具である。

備考  動的信号の測定値は定常的であると想定している。そうでない場合は,分析中に信号を特定及

び分離して,正しい手法を適用できるように特別な工夫を行うことが望ましい。

詳細分析を実施する前に,時間領域及び振動数領域において,信号の目視検査をすることを推奨する。

これは次のような,発生しうる誤差要因を特定する上で有効である。

信号クリップ

見せかけの傾き(平均値の増加又は減少)

信号の欠落

過大デジタルノイズ(選択したダイナミックレンジが広すぎた結果,生じる。

ワイルドポイント(デジタル部の動作不良による大きな乱れ)

 AD

変換器の不具合

スペクトルデータの目視検査中,物理的原因と関連付けられる明りょうなピークが現れることがある。

このようなピークは,回転機械などの周期的な発生源によること,又はそのピークは周期的より狭帯域


7

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

ランダム信号であり,その原因が低減衰構造物の共振であることがある。上で説明したように,これら

2

種類の信号を区別できる基本的手順が三つある。

1

の手順は,スペクトル分析を用いた直接的な手順で,

2

の手順は,確率密度分析を含む手順であり,また,第

3

の手順は,自己相関に関するものである。

6.3.2 

スペクトル分析  周期信号及びランダム信号は,分析帯域幅によってそれぞれ異なる特性を示す。

周期信号のスペクトルのピークは,理論的には帯域幅をもたないので,ピーク部の幅は分析帯域幅と同

じになる。すなわち,ピーク部の幅は,振動数分解能に依存する。

狭帯域ランダム成分の特性は,分析帯域幅が狭帯域成分の帯域幅を大幅に下回っている場合,分析帯域

幅に依存しない。

狭帯域スペクトル分析の場合,リニアスペクトル及び

ASD

2

種類のスペクトルが有効である。リニア

スペクトルを使用する場合,分析帯域幅が減少すると,狭帯域ランダム成分のスペクトルのピークの大き

さが減少し,周期成分のピークは減少しない。

ASD

の場合,振動数分解能を低下させるか,又は帯域幅を

大きくすると,周期成分は増加し,ランダム成分はほぼ同じままである。

6.3.3 

確率密度分析  確率密度は,ある値

x

をもつ信号の瞬時値に対する確率

P(x)

を表すものである。ラ

ンダム信号では,通常,これが正規分布(すなわち,ガウス分布)になっていると仮定している。

擬似周期信号を取り扱う場合,例えば,広帯域ランダム信号に混入した周期成分の振動数が,例えば,

回転数が変動する回転機械又は周期信号の振幅がランダムに変調されたように一定でない場合,帯域を制

限した確率密度分析が非常に有効である

  (

IES-RP-DTE 012.1

参照

)

スペクトルのピークが,狭帯域ランダム信号に由来する場合,バンドパスフィルタを通した信号の確率

密度関数は,ガウス分布に非常に近くなる。

単一振動数の正弦波信号の確率密度関数を,

図 に示す。信号が,周期信号とランダム波信号とが混在

したものである場合,形状は,

図 のようになる。

確率密度関数の形状は,信号の種類及び各種成分の比に関する重要な情報を与えてくれる。このことか

ら,7.に規定する適切な試験方法を得ることができる。


8

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

正弦波の確率密度関数

確 
率 
密 

P(x)

-1.5

-1.0

-0.5

0

0.5

1.0

1.5

瞬時値

備考  曲線は,信号処理器のノイズのために乱れている。

  1  単一振動数の正弦波信号の確率密度関数

サイン・オン・ランダム確率密度関数

-1.5

-1.0

-0.5

0

0.5

1.0

1.5

瞬時値

確 
率 
密 

P(x)

  2  サイン・オン・ランダムの確率密度関数

6.3.4 

自己相関  自己相関関数は,オートスペクトル(この規格では,

ASD

という。

)の逆フーリエ変換

であり,正弦波信号又はランダム信号の存在を検出するとき有効である。

正弦波の時刻歴信号の自己相関関数は,常に

図 3 a)に示すように正弦波となる。

遮断振動数が

B/2

の(理想的な)低域通過フィルタによって帯域を制限されたランダム信号の自己相関

関数は,

1/B

の倍数でゼロとなる

(sin  x)/x

関数である[

図 3 b)参照]。ランダム信号が,中心振動数

f

0

の帯

域通過フィルタを通った信号(狭帯域ランダム)の自己相関関数は,

図 3 a)及び図 3 b)の自己相関関数の


9

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

積によって与えられる。したがって,これは,

図 3 c)に示すように

(sin x)/x

関数のエンベロープをもつ振幅

変調された余弦波である。

a)

  正弦波,振動数 f

0

b)

  帯域を制限したランダム波,遮断振動数 B/2

c)

  狭帯域ランダム波,帯域幅 B,中心振動数 f

0

(

1

)

 Randall

他による。参考文献を参照。

  3  様々な信号の自己相関関数(

1

)

7. 

試験方法の選択

7.1 

一般  適切な試験方法を決定するためには,次の情報が必要となる。

振動環境の記述(5.参照)

環境の種類の決定(5.3 参照)

動的条件の推定(6.参照)

この情報を評価した後,供試品が振動構造物に組み込まれるのか,これに固定されるのか又は固定され

ないのか(例,輸送)を決定する必要がある。この決定をすれば,次の試験方法の中から選択することが

できる(

表 参照)。

供試品の動的条件を 6.に従って推定した場合は,

表 の最後の行を参照。

備考

データ処理の詳細及び試験仕様の作成は,DIN 30787-5 参照。

オートスペクトル

自己相関


10

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

  1  振動環境及び推奨試験方法の例

推奨試験方法

混合モード

IEC 60068-2-80 

ランダム

JIS C 60068-2-64 

正弦波

JIS C 60068-2-6

試験のための振動信号のタイプ

ランダム波+正弦波

ランダム波

正弦波

保存

×

可搬使用

×

供試品の振動
環境

輸送

×

建物・据置使用

×

建物,回転機械及びその一部の上又はその
近く

×

鉄道及び路上走行車

×

エンジンの上又はその近くに固定した供
試品

×

ジェット機

×

×

ヘリコプタ,プロペラ航空機

×

宇宙船システム,擬似静荷重のシミュレー
ション*

×

宇宙船構成部品

×

船,プロペラ駆動

×

供試品の取付
位置

船,推進機駆動

×

ランダム波+正弦波

×

ランダム波

×

動的条件の推

定,信号のタ 
イプ

正弦波

×

備考  動的条件の分類の説明については,JIS C 60721-3-0 を参照。 
注*

直線加速度(宇宙船の打ち上げ)は,供試品の 1 次固有振動数を十分に下回る振動数における正弦波で数サ
イクルだけ加振する。

7.2 

正弦波振動試験  正弦波振動試験方法は,最も古くからある動的試験方法であり,JIS C 60068-2-6

に規定されている。

7.2.1 

長所  正弦波振動試験は,簡単で,それほど高価でない試験設備及び機器を使用して実施すること

ができ,特に設計・開発段階の振動試験では製品の診断目的にも適用される。

この試験は,理解しやすく,振動応答も簡単に視覚化できる。このため,正弦波振動試験は供試品の応

答の調査にも使用され,振幅の視覚化のためストロボスコープ照明を利用することがある。

正弦波試験は,短時問で一定振幅疲労試験をするために利用できる(4.3 参照)

。供試品の共振振動数を

使うと,振動発生機の加振力を有効に使うことができる。

7.2.2 

短所  正弦波振動試験中に,共振作用によって非現実的な応答振幅が発生することがあり,結果と

して生じた試験故障モード及び部位が,非現実的なものとなることがある。

経験から明らかなように供試品の正弦波振動試験結果(試験故障)と使用寿命(使用中故障)との間の相関

が不十分になることがある。このため,正弦波振動試験結果の評価についてはより多くの経験が必要であ

り,評価プロセスを実行する必要がある。

7.3 

ランダム振動試験  ランダム振動試験は一般に使用される方法であり,JIS C 60068-2-64 に規定され

ている。

7.3.1 

長所  ほとんどの輸送環境は,本質的にランダム振動である。


11

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

振動環境に関する有効な情報が,正弦波の存在を示さない場合,混合モード振動試験の代わりにランダ

ム振動試験を行うとよい。

多くの共振が同時に励振されるが,共振応答は,正弦波試験ほど大きくない。このため,共振応答によ

る非現実的な疲労損傷が起こることはない。

備考

ASTM D4728

参照

7.3.2 

短所  この試験に要する機器は,より高価で複雑になり,また,試験者にはより多くの経験が必要

である。

7.4 

混合モード振動試験  最新のほとんどのデジタル式振動制御システムでは,混合モード制御ソフト

ウェアが使える。混合モード振動試験に関する新しい規格

  (

IEC 60068-2-80

)

が IEC において発行されて

いる。

7.4.1 

長所  この試験方法では,それぞれ重みを付けた各種の振動環境を組み合わせることができ,次の

ように,ランダム波及び正弦波を含む。

サイン・オン・ランダム

 (SoR)

ランダム・オン・ランダム

 (RoR)

サイン・オン・ランダム・オン・ランダム

 (SoRoR)

混合モード振動試験方法は最新の技術であり,試験では,使用中の条件に近い振動応答を発生させる。

このため,損傷メカニズム及び故障部位は,他の試験方法よりも現実に近くなっている。

7.4.2 

短所  実際の環境の測定及び試験方法は,振動信号のランダム波成分及び正弦波成分に関する正確

な記述を必要とする。測定及びデータ分析は,ランダム振動試験又は正弦波試験の場合よりもはるかに複

雑である。

混合モード振動試験では,大きなピーク加振力が必要となり,正弦波試験又はランダム試験に比べて,

大きな試験装置が必要となる。

8. 

供試品の振動応答検査

8.1 

一般  製品規格に規定がある場合,例えば,疲労又は摩耗のような何らかの機械的劣化によって供

試品の動的応答が変化したかどうかを知るために,供試品の振動応答を耐久試験の前後に測定する必要が

ある。

JIS C 60068-2-64

ランダム振動試験の方法の 2.

の規定を適用する場合,制御に必要な振動数分解能を決

定するために,耐久試験の前に振動応答検査を実施して供試品の共振の鋭さを測定しておく必要がある。

供試品に関する有効な情報は,例えば,供試品の異なる測定点からの応答のような,供試品の全体又は

その一部の振動特性の測定から得られる。

振動試験装置自体に問題が発生した場合は,供試品を除いた試験装置の応答特性を測定することによっ

て,問題を解決する有効な情報が得られる。

この規格は,振動応答検査のための適切な加振方法を選択する場合にも役立つ。振動応答検査は,正弦

波又はランダム波によって行うが,

選択した環境試験方法とは独立して選択することが望ましい。例えば,

環境試験がランダム波の場合に,正弦波加振を用いて振動応答検査をしてもよく,またその逆でもよい。

表 に,振動応答検査に適した方法を示す。

8.2 

目的  製品規格に規定がある場合,供試品の振動応答を検査する必要がある。振動応答検査の目的

は,次のとおりである。

a)

耐久試験条件を選択するため,臨界振動数及び/又は減衰比を決定する。


12

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

b)

  耐久試験中に発生した可能性がある疲労損傷又は故障を評価するため,耐久試験の前後に臨界振動数

の変化を調査する(8.6 参照)

c)

正弦波振動による動的特性を調査するため,ストロボスコープによって供試品の振舞いを観察する。

d)

動的特性を調査するため,供試品の各点間の伝達率又は伝達関数を測定する。

e)

供試品の動的特性を調査するため,共振振動数における減衰比を測定する。

f)

すき間,がたつき,ボルトの緩み,ばねの硬化又は軟化を調査するため,供試品の応答の非線形性を

測定する。

g)

試験品質のためには供試品を用いて,試験設備の品質のためには供試品を用いずに,試験条件におけ

るひずみ(シグナルトレランス)を測定する。

h)

緩んだ部品又は増幅器の動作(性能)を調査するため,試験設備の非直線性を測定する。

加振方法は,製品規格に規定することが望ましい。耐久試験前後の臨界振動数を比較する場合,試験前

後の加振方法,手順及び振動レベル,取付具並びに取付点が同じであることが望ましい。

8.3 

正弦波加振  次の場合,正弦波加振を推奨する。

a)

信号の劣化(非線形によるひずみ)を容易に検出するために,オシロスコープを使用して時刻歴波形

を観察する場合。

b)

ストロボスコープを使用して,供試品の振舞いを観察する場合。

c)

供試品の応答が非線形と予想される場合。

d)

供試品内部にがたつき又はチャタリングを発生させる臨界振動数を検出する場合。

なお,正弦波加振は,過大な共振耐久時間及び過大な応力を発生させることがあるので注意が必要であ

る。

8.4 

ランダム波加振  ランダム波加振は,非線形構造をもつ供試品に線形化作用を与える。このため,

供試品が,実際の試験レベルと同様の応答検査レベルにおいて線形的に挙動すると考えられる場合は,共

振振動数,減衰比,伝達率及び/又は伝達関数の検出又は測定にランダム加振を利用してもよい。

しかし,非線形特性をもつと考えられるシステムの振動数応答関数を推定する場合は,任意の試験信号

でなく,

実際の環境における信号又は実際の環境を忠実に模擬した信号を使用することが望ましい。

実際,

この場合の結果は,規定の入力条件における振動数応答関数に関する最小二乗という意味で,考え得る最

もよい線形近似となる。

予想される正弦波加振が,過大な共振耐久時間及び過大な応力を発生させる可能性がある場合は,ラン

ダム波加振を採用することを推奨する。

通常,統計的自由度

 (DOF)

120

200

のランダム波加振の試験時間は,正弦波掃引方法の場合より短

くなる。

ASD

の測定には,

120

200

自由度で十分と考えられる。伝達率又は伝達関数を測定するため,

120

を下回る自由度を採用してもよいが,統計的精度は段階的に低下する。

JIS C 60068-2-64

に従って,振動数領域で連続的分布をもつ真のランダム波信号を使用することが望ま

しい。場合によっては,加振時間を短縮するために,周期的又は擬似ランダム波信号を使用することもあ

る。このような信号は,振動数領域で連続的分布をもたないので,振動数領域内の狭い又は急しゅん(峻)

な特性を検出できないことがある。

8.5 

問題の調査(トラブルシューティング)  例えば,過大ノイズ,又はがたつきなどの振動試験中の

問題は,取付具のゆるみ又は共振から生じることがある。この種の問題の発生源を検出するために,正弦

波加振を使用すること,及び加振信号の時刻歴波形を試験中に観察することを推奨する。正弦波形からの

逸脱は,がたつき及びすき間によることが多い。


13

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

試験装置(電力増幅器及び振動発生機)に関する問題は,ランダム波加振を使用して検出してもよい。

伝達率(振動台上応答/駆動信号)を,システムの据付け試運転試験又は保守後に取得した以前の測定値

と比較することが望ましい。

8.6 

残存の合否判定基準  耐久試験前後の臨界振動数の変化は,8.2 b)に示すように,合否判定のために

使用することができる。

この場合,製品規格に,適用する振動モード又は共振の次数(例えば,最低共振振動数)

,対応する測定

点,加振軸及び供試品の取付けを規定しなければならない。

加振方法(正弦波振動又はランダム波振動)の決定に当たっては,これら二つの加振方法が,特に非線

形共振の場合,異なる結果をもたらし得ることを考慮しなければならない。一般には,ランダム波加振を

推奨するが,正確な調査のためには,正弦波加振を推奨する(

表 参照)。

加振の厳しさ(振動数範囲,振動レベル及び試験時問)についても,規定しなければならない。

合否判定のために,次の最大許容変化率(振動数減少)の一つを,製品規格に規定しなければならない。

臨界振動数の変化

(CCF)

2

%,

5

%,

10

%,

20

参考

 CCF

は,

Change in Critical Frequency

の略である。

これに対応する剛性の変化率(減少)は,

4

%,

10

%,

19

%,

36

%となる。

振動数のわずかな変化を検出しなければならない場合は,振動数測定で十分な精度を採用することが重

要である。ランダム波加振を使用すると,アナライザの振動数分解能を引き上げることで,十分な精度が

得られる。振動数分解能を引き上げると,分析時問が長くなる。

振動数の不正確さは,次の値を推奨する。

振動数の不正確さ(最大値)

0.1

%,

0.2

%,

0.5

%,

1

%(前記の各

CCF

に対応)

実際の振動数変化は,測定の不正確さについて補正した測定値を使用して計算してもよい。

f

1

及び

f

2

が,試験前後の測定振動数であり(

f

2

<f

1

と仮定)

,測定の不正確さが

f

である場合,臨界振動数

の実際の変化率は,次の範囲になる

:

(

) (

)

[

]

1

2

1

  f

f

f

f

f

+

最小

(

) (

)

[

]

1

2

1

  f

f

f

f

f

+

最大

上記に推奨する最大の不正確さの場合,各 CCF は,次の範囲内となる。

1.8

∼2.2  %(CCF=2  %)

4.6

∼5.4  %(CCF=5  %)

9.0

∼11.0  %(CCF=10  %)

18

∼22  %(CCF=20  %)

8.7 

製品規格に規定する情報  臨界振動数の変化に基づく合否判定基準を製品規格に含める場合は,振

動数測定に関する次の詳細を規定しなければならない。

a)

供試品の取付け

b)

振動モード又は共振の次数

c)

測定点

d)

加振軸

e)

加振方法(正弦波又はランダム波)

f)

加振の厳しさ

g)

臨界振動数の最大許容変化


14

C 60068-3-8

:2006 (IEC 60068-3-8:2003)

h)

振動数の測定の最大許容不正確さ

  2  推奨振動応答検査方法

推奨する方法

特性

正確な調査

短時間調査

供試品の振動特性

  伝達関数(伝達率)

正弦波

ランダム波

  共振振動数

正弦波

ランダム波

  減衰比

正弦波

ランダム波

  供試品の非直線性;

    すき間,がたつき,ひずみ,ばねの硬化又は軟化の調査

正弦波(時刻歴波形をチェック)

  ストロボスコープを使用する振動モード調査

正弦波

  残存の合否,一般的な場合

ランダム波

試験装置の問題調査

  供試品を使用する又は使用しないトラブルシューティング

正弦波(波形をチェック)

ランダム波[H(f)の比較]

参考文献  JIS C 60721-3-0:1955  環境条件の分類  環境パラメータとその厳しさのグループ別分類  通

    備考  IEC 60721-3-0:1984 Classification of environmental conditions−Part 3-0: Classification

          of groups of environmental parameters and their severities−Introduction が,この規格と

          一致している。

DIN 30787-2

:1998

,Transportation loads; Measurement and analysis of dynamic-mechanical loads−

Part 2: Data acquisition and general requirements for measuring equipment

DIN 30787-3

:1998

,Transportation loads; Measurement and analysis of dynamic-mechanical loads−

Part 3: Data validity check and data editing for evaluation

DIN 30787-4

:1999

,Transportation loads; Measurement and analysis of dynamic-mechanical loads−

Part 4: Data analysis

DIN 30787-5

:1999

,Transportation loads; Measurement and analysis of dynamic-mechanical loads−

Part 5: Derivation of test specification

ASTM D4728

:1995

,ATSM Standard D4728-95: Standard test method for random vibration testing of

shipping containers

IES-RP-DTE 012.1

,Institute of Environmental Sciences and Technologies,IES Recommended Practice

012.1

−Handbook for dynamic data acquisition and analysis

Randall

,R.B.,and,Tech.B.,Frequency analysis,3rd Edition,Bruel and Kjaer,September 1979