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C 60068-3-4

:2004 (IEC 60068-3-4:2001)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60068-3-4:2001,Environmental

testing−Part 3-4: Supporting documentation and guidance−Damp heat tests を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS C 60068-3-4

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)湿度の影響のダイアグラム


C 60068-3-4

:2004 (IEC 60068-3-4:2001)

(2) 

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  定義

2

2.1

  結露

2

2.2

  水蒸気吸着 

2

2.3

  水分吸収 

2

2.4

  水分拡散 

2

2.5

  呼吸作用 

2

3.

  加湿及び制御手順

2

3.1

  一般

2

3.2

  水の注入(噴霧)

2

3.3

  水蒸気の注入 

2

3.4

  飽和型

2

3.5

  表面からの蒸発

2

3.6

  水溶液

2

3.7

  除湿

2

3.8

  湿度制御 

3

4.

  湿度の影響の物理現象 

3

4.1

  結露

3

4.2

  水蒸気吸着 

3

4.3

  水分吸収 

3

4.4

  水分拡散 

3

5.

  加速性

3

5.1

  一般

3

5.2

  加速係数 

4

6.

  定常試験及びサイクル試験の比較

4

6.1

  試験 C:高温高湿(定常)試験

4

6.2

  試験 Db:高温高湿(サイクル)試験 

4

6.3

  一連試験及び組合せ試験 

4

7.

  供試品に対する試験環境の影響

5

7.1

  物理的特性の変化

5

7.2

  電気的特性の変化

5

7.3

  腐食

5

附属書 A(参考)湿度の影響のダイアグラム 

6


     

日本工業規格

JIS

 C

60068-3-4

:2004

(IEC 60068-3-4

:2001

)

環境試験方法−電気・電子−

第3-4部:

高温高湿試験の指針

Environmental testing

Part 3-4: Supporting documentation and

guidance

Damp heat tests

序文  この規格は,2001 年に第 1 版として発行された IEC 60068-3-4:2001,Environmental testing−Part 3-4:

Supporting documentation and guidance−Damp heat tests を翻わけし,技術的内容及び規格票の様式を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。

大気の温度及び相対湿度(RH)の種々の組合せは,保管中,輸送中,並びに動作中の製品に影響を与える

気象要因である。

長年にわたり蓄えられた気候測定によれば,自由空間状態においては,極端な気候の地域を除いて温度

が 30℃を超え,かつ,相対湿度が 95  %を超える状態は長期間生じない。居住空間及び職場においては,

温度が 30℃を超える可能性があるが,ほとんどの場合,屋外に比べて相対湿度は低い状態となる。

特別な状態としては,湿った部屋,例えば,化学工場,冶金プラント,鉱山,めっき工場及び洗濯場の

中では温度が 45℃に達し,併せて長時間相対湿度が飽和する可能性がある場合がある。

特別の条件下に置かれた装置では,より高温で,かつ,95  %を超える相対湿度条件にさらされるかもし

れない。この条件は,乗り物,テント,航空機のコックピットのようなエンクロージャ内に設置された機

器に起きることがある。この理由は,日射による極度の温度上昇があり得る一方で,不適切な換気のため

に,発生した湿度が内部に蓄積されるためである。

複数の熱源がある部屋においては,温度及び相対湿度は室内でも場所で異なる可能性がある。

大気の汚染は,製品に対する湿潤気候の影響を強める可能性がある。汚染物質は,高温高湿試験用の大

気には含まれていないが,その重要性には十分に注意する。汚染物質,例えば,腐食及びかびの成長の影

響を調べる必要がある場合,JIS C 60068-2 シリーズの適切な試験方法を適用するのが望ましい。

1. 

適用範囲  この規格は,製品規格,例えば,部品又は装置の規格を作成する際に,当該製品の適用範

囲に対する適切な試験及び試験の厳しさを選択する際の指針について規定する。

耐湿試験の目的は,結露(凝縮)の有無にかかわらず,電気製品・電子製品の電気的及び機械的特性が,

高い相対湿度の気象条件に耐える能力を判定することである。また,湿度試験は,ある種の腐食作用に対

する供試品の耐食性を点検するのに適用してもよい。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。


2

C 60068-3-4

:2004 (IEC 60068-3-4:2001)

     

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 60068-3-4:2001

,Environmental testing−Part 3-4: Supporting documentation and guidance−

Damp heat tests (IDT)

2. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

2.1 

結露  表面温度が周囲の空気の露点温度より低い場合に,表面に水蒸気が析出し,水蒸気から液体

の状態に変わり水となる現象。

2.2 

水蒸気吸着  表面温度が露点温度より高くなったとき,表面に水蒸気分子が付着する現象。

2.3 

水分吸収  材料の内部に水が蓄積する現象。

2.4 

水分拡散  局所的な分圧差によって生じる材料中の水分子の移動。

備考  拡散は局所的な圧力を平衡させ,一方流れ(例えば,漏れによる流れであり,漏れの大きさが

粘性流又は層流をなすのに十分な場合。

)は全体の圧力を最終的に平衡させる。

2.5 

呼吸作用  温度変化によって生じる中空の領域と周囲との間の空気の交換。

3. 

加湿及び制御手順

3.1 

一般  様々な加湿方法及び湿度制御方法を備えた数多くの湿度試験槽が入手可能である。

加湿には蒸留水又はイオン交換水を使用することが望ましい。その pH は,6.0∼7.2 とし,抵抗率は 0.05

MΩcm 以上とする。また,槽の内部に使用する部品は,すべてクリーンな状態に保つことが望ましい。次

の各項では主な加湿方法の原理だけについて規定する。

3.2 

水の注入(噴霧)  水は,霧状の非常に細かな粒子又は小さい水滴にする。

この方法によって発生させた水滴で湿らせた空気を有効空間内に流し込む。このとき水滴のかなりの部

分が途中で蒸発する。この空気の流れの中には小さな水滴が残っていることもある。

有効空間内に直接水を噴射するのは避けなくてはならない。この方法は,システムが簡単なため,加湿

速度が速いばかりでなく,保守にもほとんど手がかからない。

3.3 

水蒸気の注入  蒸発した水(水蒸気)を試験槽の有効空間内に送り込む。

この方法は,加湿速度が速いばかりでなく,保守も容易である(蒸気弁)

。ただし,熱も空気といっしょ

に送り込まれてしまうため,除湿機能付きの冷却が必要になることもある。

3.4 

飽和形  水を含んだ容器の中に空気を流すことによって,水蒸気で飽和状態となる。

定常的な空気流の場合,水温を変えることによって湿度を制御する。水温を上げて湿度を上昇させる場

合には,水の熱容量が大きいため,応答に時間がかかって,それが槽内の温度を上昇させる可能性がある。

水の沸騰が起こると,泡の破裂によって少量の噴霧が発生することがある。

3.5 

表面からの蒸発  広い水面上に空気を流すと湿気を含む。様々な方法,例えば,水を噴射させてお

いて,それと逆方向に空気を繰り返し流すことによって,水流の表面に空気を触れさせるという方法など

が用いられている。

このシステムの場合,水滴の量を最小限に抑えることができる。湿度の制御は,水温を変えることによ

って行う。水の熱容量は大きいため,応答に時間がかかる場合もある。

3.6 

水溶液  温度を一定に保った小さな密閉式の試験槽の中に化学塩の標準水溶液を置いて,ある相対

湿度を得る方法がある。このシステムは,

発熱供試品又は大量に水分を吸収する供試品には適切ではない。

試験中の供試品の表面に塩の粒子が析出することもある。例えば,アンモニア塩の場合には,この粒子

が健康にとって有害であるし,また,材料によっては応力腐食を起こすこともある。


3

C 60068-3-4

:2004 (IEC 60068-3-4:2001)

     

3.7 

除湿  湿度を制御するために,表面の冷却,乾燥した空気の注入,乾燥剤など様々な除湿方法が用

いられる。

3.8 

湿度制御  試験槽の大きさ,加湿器及び温湿度センサの応答時間によって湿度制御システムの不確

かさは大きく変化する。試験槽の性能が低下することを考慮すれば,湿度制御システムの不確かさは,保

守が適切か否かに影響される。

4. 

湿度の影響の物理現象

4.1 

結露  露点温度は,空気中の水蒸気含有量に依存する。露点,絶対湿度及び水蒸気圧の間には直接

的な相関関係がある。

試験槽中に供試品を入れるときに,その表面温度が試験槽中の空気の露点温度より低い場合,結露が発

生する可能性がある。結露を防止しなければならない場合は,供試品を前もって熱しておく必要がある。

試験中に供試品に結露させる場合は,空気の露点温度を供試品の表面温度より高くするために,温度及

び空気中の水分含有量を高くする必要がある。

供試品の熱時定数が小さい場合,結露は空気中の露点温度が非常に早く上昇するとき,又は相対湿度が

100  %に近いときにだけ発生する。試験 Db に規定した温度上昇速度では,非常に小さい供試品では結露

は発生しない可能性がある。

周囲温度の低下によって,結露がきょう体の内面において発生する可能性がある。

一般的に,結露は,通常目視観察によって検出される。しかし,必ず検出可能なわけではなく,特に表

面が粗い小さな対象物上では,検出できない場合がある。

4.2 

水蒸気吸着  表面に付着する水蒸気量は,材料の種類,表面構造,水蒸気圧及び温度に依存する。

通常の吸収の影響がより顕著に現れるために,吸着の影響を分離して評価することは困難である。

4.3 

水分吸収  吸収される水分の量は,材料,水蒸気圧,温度及び周囲空気中の水分含有量に依存する。

吸収過程は,平衡状態になるまで連続的に進行する。水分子の浸透速度は,温度とともに増加する。

4.4 

水分拡散  拡散の一例として,電子部品においてよく見られる,有機材料でできた封止材への水蒸

気の浸透がある。例えば,コンデンサ又は半導体デバイスへの浸透,若しくはシール材料を通してのきょ

う体内への浸透である。

5. 

加速性

5.1 

一般  加速試験の目的は,通常の使用環境における現象にできる限り類似した機能上の変化を,よ

り短時間に得ることである。通常の使用条件に比べ,より過酷な条件下においては,通常とは異なった故

障メカニズムを生じることがある。

試験の厳しさを選ぶに当たっては,実施用及び製品組立て中の保管における限定条件を考慮することが

望ましい。

結露及び水蒸気吸着に要する時間は,通常比較的短いが,平衡状態に達するまでの水分の吸収及び拡散

には,より長い時間(数千時間に及ぶ)を必要とすることがある。

水分の浸透速度及び温度との関係が分かっているときは,より高い温度を適用することで高温高湿試験

の加速を達成できることがある。

バイアス電圧(試験 Cx 及び Cy 参照)を印加することによって,ある種の付加的加速性が得られること

がある。

試験 Db に適用されるような温度サイクルは,一般には水分吸収及び拡散作用への加速性に影響を与え


4

C 60068-3-4

:2004 (IEC 60068-3-4:2001)

     

ない。水蒸気の浸透速度が温度の上昇とともに速くなると,二つの温度レベルの実効平均値が試験 C にお

ける試験温度より低い場合,試験 Db では水分吸収は,より遅く進行することになる。

5.2 

加速係数  高温高湿試験に対して,一般的に妥当性のある加速係数を与えることは不可能である。

もし,加速係数を知ろうとしても,個々の特定製品ごとに経験から決定できるにすぎない。

比較試験の場合,個々の製品に対する故障メカニズムが変わらなければ,加速性を強めることは有効で

あり,容認できる。

6. 

定常試験及びサイクル試験の比較

6.1 

試験 C:高温高湿(定常)試験  この定常試験は,主要部に対して水蒸気吸着,水分吸収又は水分

拡散が作用するところで使用することが望ましい。呼吸作用の伴わない水分拡散のときは,定常試験又は

サイクル試験のいずれによるか,供試品及びその適用の形式によって決めるのがよい。

多くの場合,試験 Cab は,誘電体の要求される電気的特性が,湿気のある雰囲気の中で維持されるか,

又は絶縁密封が十分に保護保証できるか決定するために適用する。

供試品によっては,定常試験によって生じるストレスとサイクル試験によって生じるストレスが同程度

のものとなるものがある。このような場合には,試験時間の制約によって適切な試験を選択すればよい。

6.2 

試験 Db:高温高湿(サイクル)試験  高温高湿(サイクル)試験が適切である場合は,試験 Db は

あらゆるタイプの供試品に用いることができる。サイクル試験は,結露の影響又は呼吸作用による水蒸気

の浸入及び蓄積の影響が重要であるすべての場合に適用することが望ましい。

方法 1 は,呼吸作用による水蒸気の水分吸収の影響又は浸透及び蓄積の効果が重要である場合に適して

いる。

方法 2 は,複雑な試験装置が必要でなく,これらの影響効果があまり重要でない場合に使用する。

試験 Q:封止試験は,呼吸作用によって漏れ箇所を速やかに検出することができるが,湿度サイクル試

験の影響を再現することはできない。

6.3 

一連試験及び組合せ試験  一連試験又は組合せ試験の必要な例としては,1 回又はそれ以上の温度サ

イクル試験と湿度を組み合わせた試験は通常必要としない。

試験 N:温度変化試験が,試験 C 又は試験 Db に従って,適切に使用される場合,要求される結果は厳

正に求められる。耐湿性試験が,試験:A 低温(耐寒性)試験に続き直ちに行われるならば,その効果は

より高められる。試験 N の大きな温度差は,温度変化の割合がやや遅い試験 Db よりも非常に大きいスト

レスを発生させる。

幾つかの高温高湿サイクル及び冷却サイクルからなる組合せ試験は,供試品が異なる材料及び結合部を

もつもので構成され,

特にガラス結合部をもつ場合の試験として推奨される。

このような試験は,

試験 Z/AD

に規定され,一定の時間内のより多くの湿度変動,より高い上限温度,及び 0℃以下の温度への数々の逸

脱条件の追加からもたらされた効果があるという点で,他の高温高湿サイクル試験と異なる。加速した呼

吸作用及び割れ目又は裂け目に閉じ込められた水の氷結の効果は,組合せ試験の本質的な効果である。

湿度サイクルの間に冷却サイクルを導入することは,何らかの欠陥部に残留している可能性のある水を

氷結させ,氷結による膨張でその欠陥部を通常の寿命の間に起こるより早く故障に至らしめることを意図

したものである。

しかし,氷結の効果は,裂け目の大きさが凝集した水の固まりの浸透が十分に考えられる場合にだけ生

じるのであり,通常はシール及び金属組立て又はシール及びワイヤ配線電極の間の裂け目のような場合に

限られることを強調しておく。


5

C 60068-3-4

:2004 (IEC 60068-3-4:2001)

     

例えば,プラスチック封止における小さい細線上の割れ目又は多孔性材料に対しては吸収効果が優勢と

なる。定常の高温高湿試験は,これらの影響を調査するのに適している。

7. 

供試品に対する試験環境の影響

7.1 

物理的特性の変化  材料の機械的及び光学的特性は,湿った大気中で変化する可能性がある。例え

ば,素材の膨張,摩擦係数のような表面特性の変化,強度の変化などである。

そのような特性の変化を確立することは,それは適用する試験によって変わる。つまり,定常試験又は

サイクル試験のどちらが適正か,そして結露が必要であるかどうかに依存する。

7.2 

電気的特性の変化

7.2.1 

表面湿気の場合  絶縁材料の表面が,結露又はある程度の湿気吸収によって影響を受けた場合,表

面抵抗値の減少,交流におけるキャパシタンス/インダクタンスの場合は損失角の増加のような,幾つか

の電気的特性が変化する可能性がある。

一般に,試験 Db はそのような場合に適用する。もし,結露を考慮しない場合は,試験 Cab をその代わ

りに使うことができる。

ある場合には,供試品はスイッチオンさせること,実負荷の状態となること,又は試験中の測定が要求

される。

一般に,表面の湿気による電気的特性の劣化は,数分後に現れる。

7.2.2 

浸透した湿気による場合  絶縁材料に吸収された湿気は,電気的耐性の減少,絶縁抵抗の減少,損

失角の増加,静電容量の増加のような電気的特性の変化を引き起こす。

水分吸収及び水分拡散のプロセスは,長期間にわたって発生し,均衡状態の到達には数百又は数千時間

もかかるので,それに応じて長期の試験時間を選択するのが望ましい。

時間依存性が分かっている場合に限って,試験結果の推定が可能である。

一例を挙げれば,試験 Cab による 56 日間の暴露試験後,十分であるように見えるプラスチック封止で

も,水分吸収/高湿気による水分拡散のため,長い期間にわたって劣化する可能性がある。

例えば,半導体のパッシベーション膜,乾燥剤の同封等によって,封止体内の機能部分が湿度に対して

更に保護されているとき,浸透した湿気による影響の評価が問題となるかもしれない。

7.3 

腐食  十分な量の湿気があるときに腐食が起こる。温度又は湿度の増加に伴って腐食の影響は加速

され,頻繁な結露と再蒸発が存在するとき,腐食による著しい劣化が起こる。

高温高湿試験は,腐食の影響の決定には使わないほうがよい。異質の物質,例えば,フラックスの残余,

製造プロセスにおける他の残余,汚れ,指紋などが金属の表面にたい積したとき,それらは湿気の存在下

で,腐食を引き起こすか,又は促進する可能性がある。

異種の金属間,又は金属及び非金属材料間の結合部分は,結露又は高相対湿度状態が存在すると腐食の

発生源となる。

これは,バイアス電圧の印加によって,促進できる(試験 Cx 及び試験 Cy 参照)


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C 60068-3-4

:2004 (IEC 60068-3-4:2001)

     

附属書 A(参考)湿度の影響のダイアグラム

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1 

概要  次の図 A.1 は,湿度試験にかかわる物理的プロセス,及びその過程間の関連,材料又は試験片

の構造的特徴,附属書並びに試験の効果を示すものである。

次に挙げた種々の試験パラメータに対応する記号は,図の種々の“四角の枠”に挿入されている。

時間(全試験期間)

t

温度

θ

温度差

∆θ

温度変化率

dθ/dt

相対湿度

RH

相対湿度の差

(RH)

絶対湿度

AH

試験雰囲気中に存在する不純物質の割合

Pu

A.2 

解説

A.2.1 

水の浸入  材料中への浸透のメカニズム及びエンクロージャにおける漏れを通して発生するメカニ

ズムの違いを,次に示す:

a)

材料においては,浸透は“バルク拡散”

,すなわち固体中に存在する分子欠陥を通じた単一水分子の移

動が原因となって起こる。このメカニズムが“吸収”という現象をもたらす。バルク拡散は,水分子

を保護材料(例えば,プラスチック製の封止体に埋め込まれたフィルム形抵抗器の抵抗性フィルム)

によって覆われた装置の感応しやすい部分に到達させてしまう。同じ過程によって,水分子はエンク

ロージャの内部の空洞部に到達できる。

b)

リーク部の浸透は,通気孔,エンクロージャの中,又はそれに沿って生じる,若しくは封止物を通過

して生じる,水の浸入又は水蒸気の移動に起因する。三つの主要なメカニズムは,次のとおりである。

拡散:水分子の移動は,巨視的な空気の流れと関係ない,リーク部中の濃度こう配に起因する。

流れ:水分子は,空気流を伴うリーク部を通して導かれる。

呼吸作用:この規格では,呼吸作用は,水蒸気がリーク部に沿った全圧力又は分圧の圧力差の揺動

(例えば,温度の揺らぎに起因する。

)によってリーク部に沿って流れるときのことであると考えられ

る。

備考  リーク部を通しての浸透のメカニズム間の区分は,幾分独断的である。事実,拡散及び流れの

間に連続的な移行があり,流れは,呼吸作用の結果でもある。

A.2.2 

物理的プロセス  5.参照

A.2.3 

影響  7.参照

A.2.4 

影響の例  次に示すダイアグラムリストの最終行は,これらの影響の代表的な例を挙げたものであ

る。これらの引用例は,必ずしも物理的プロセスに起因するものだけとは限らない。


7

C 60068-3-4

:2004 (IEC 60068-3-4:2001)

     

この最終段の“四角の枠”は,種々の影響間の相互作用が起こる可能性があるので,完全に別個のもの

と考えないほうがよい。

このことは,左から 4 番目の枠に示されている。すなわち,諸材料及び水分間の化学反応が体積抵抗率

の変化,損失角などを変化させる可能性を示している。また,これはより明確な相互作用の一つではある

が,その他にも多くの相互作用が存在する。


     

封入された材料へのたい積

及び/又は浸透

環境

水移動の作用

水浸透の結果

湿度

吸着

θ,RH,

t

結露

θ

,d

θ

/d

t

,RH

暴露面上の水移

動の作用

材料内を通した

バルク拡散

θ

∆(RH),

t

小さな漏れ部

を通じる拡散

θ

∆(RH),

t

主な漏れ部を

通じる流れ

気流

呼吸作用

気流,

θ

材料内への

吸収

θ

,AH,

t

水蓄積の可能性がある空洞に

おける湿度のミクロ環境

A.1  湿度試験に含まれる物理的プロセス 


   

影響

寸法の影響

θ,AH,

A1  湿度試験に含まれる物理的プロセス(続き) 

供試品の機械的特

性の変化

供試品の非機械的

特性の変化

供試品の非機械的

特性の変化

寸法に係わらない

物質的な影響

θ,AH,t

電気的影響

θ,AH,t

非電気的影響

θ,AH,t

電気的影響

dθ/dt,RH,t,Pu

非電気的影響

dθ/dt,RH,t,Pu

物体内部

θ,AH,

界面

θ,AH,

単一材料

dθ/dt,RH,t,Pu

復合材料

dθ/dt,RH,t,Pu

影響例

摩擦

気密性の喪

ひび割れ

硬度の変化

体積抵抗

損失角

誘電体定数

電圧破壊

材料と湿気との化学反

応の結果生じ得ること

腐食

密着性の喪失

表面抵抗

絶縁破壊

化学腐食

(接点、磁気コア、はん

だタグ)

表面仕上げ

印刷゙(ラベル)

光透過率

電食(異種金属材)

マイグレーション