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C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60068-2-75:1997,Environmental

testing

−Part 2: Tests−Test Eh: Hammer tests を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS C 60068-2-75

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)打撃部分形状

附属書 B(規定)スプリングハンマ校正方法

附属書 C(参考)指針

附属書 D(参考)振り子ハンマ試験装置の例

附属書 E(参考)スプリングハンマ試験装置の例


C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

(2) 

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  共通事項

2

3.1

  定義

2

3.2

  厳しさ

2

3.3

  試験装置 

2

3.4

  前処理

4

3.5

  初期測定 

4

3.6

  試験

4

3.7

  後処理

4

3.8

  最終測定 

4

3.9

  製品規格に規定する事項 

4

4.

  試験  Eha:振り子ハンマ 

4

4.1

  定義

4

4.2

  試験装置 

5

4.3

  落下高さ 

5

4.4

  試験

6

5.

  試験  Ehb:スプリングハンマ

6

5.1

  試験装置 

6

5.2

  重力の影響 

7

5.3

  校正

7

6.

  試験  Ehc:垂直ハンマ

7

6.1

  定義

7

6.2

  試験装置 

7

6.3

  落下高さ 

7

附属書 A(規定)打撃部分形状 

8

附属書 B(規定)スプリングハンマ校正方法 

12

附属書 C(参考)指針

19

附属書 D(参考)振り子ハンマ試験装置の例 

21

附属書 E(参考)スプリングハンマ試験装置の例 

25

 


     

日本工業規格

JIS

 C

60068-2-75

:2004

(IEC 60068-2-75

:1997

)

環境試験方法−電気・電子−第2−75部:

ハンマ試験

Environmental testing

−Part 2-75: Tests−Test Eh: Hammer tests

序文  この規格は,1997年に第1版として発行されたIEC 60068-2-75:1997,Environmental testing−Part 2:

Tests

−Test Eh: Hammer testsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業

規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

この規格は,使用中の電気・電子製品に加わる可能性のある機械的衝突を各種ハンマで発生させて,試

験する方法である。これらの標準化のためには,試験の結果が試験装置の種類に依存せず,この規格に規

定する各種の試験用ハンマの性能は,同一の厳しさレベルにできる限り近いことを意図したものである。

この規格の要求事項を満たすためには,箇条3.及び4.5.又は6.から選択した試験方法の双方を組み合わ

せる必要がある。

一般的に,厳しさレベルはJIS C 60721-1を採用している。

1.

適用範囲  この規格は,規定の厳しさの衝突に耐える供試品の能力を決定するための振り子ハンマ,

スプリングハンマ,垂直ハンマの 3 種類の試験方法について規定する。この規格は,製品の安全性を評価

する場合,特に受入れ可能な頑丈さのレベルを表すのに用い,主に電気・電子製品の試験を目的としてい

る。試験では,供試品に,衝突エネルギーで定義する衝突を規定方向に規定回数加える。

この規格のエネルギー範囲を,0.14 Jから50 Jとする。

この試験を行うために3種類の試験装置を用いる。

なお,

附属書C(参考)にその指針を示す。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 60068-2-75:1997

,Environmental testing−Part 2: Tests−Test Eh: Hammer tests (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS C 60068-1:1993

  環境試験方法−電気・電子−通則

備考 IEC 

60068-1:1988

  Environmental Testing−Part1: General and gidance が,この規格と一致して

いる。


2

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

JIS C 60721-1:1995

  環境条件の分類  環境パラメータとその厳しさの分類

備考 IEC 

60721-1:1990

  Classification of environmental conditions−Part 1: Environmental parameters

and their severities

及び Amendment 1:1992 が,この規格と一致している。

JIS K 7202-2:2001

  プラスチック−硬さの求め方−第 2 部:ロックウェル硬さ

備考 ISO 

2039-2:1987

  Plastics−Determination of hardness−Part 2: Rockwell hardness が,この規格

と一致している。

JIS B 0405:1991

  普通公差−第 1 部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差

備考 ISO 

2768-1:1989

  General tolerances−Part 1: Tolerances for linear and angular dimensions without

individual tolerance indications

が,この規格と一致している。

ISO 1052:1982

  Steels for general engineering purposes

ISO 2041:1990

  Vibration and shock−Vocabulary

ISO 6508:1986

  Metallic materials−Hardness test−Rockwell test (scales A-B-C-D-E-F-G-H-K)

参考 ISO/DIS 

6508-1:1997

  が JIS Z 2245:1998  ロックウェル硬さ試験−試験方法として制定さ

れている。

3.

共通事項

3.1

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 60068-1 の 4.(定義)及び ISO 2041 によるほか,

次による。

この規格で用いる用語は,一般にISO 2041又はJIS C 60068-1に定義されている。次の共通の定義もこの

規格の目的のために適用できる。4.及び6.の試験に特有な定義は,その中に示す。

3.1.1

固定点  供試品が通常使用中に固定されている点で,取付具に接している供試品の部分。

3.1.2

等価質量  その速度と組み合わせて衝突エネルギーを提供する試験装置の打撃要素及び関連部分

の質量。

備考  振り子ハンマ試験装置についての特殊な適用に対しては,4.1.3 参照。

3.2

厳しさ

3.2.1

一般事項  厳しさは,3.2.2 から選択した衝突エネルギー値及び 3.2.3 による衝突数によって規定す

る。

3.2.2

衝突エネルギー値  衝突エネルギー値は次の値から選択した値で,製品規格に規定された値とする。

0.14

,0.2,0.35,0.5,0.7,1,2,5,10,20,50 J

3.2.3

衝突数  製品規格に規定がなければ,衝突数は 1 か所について 3 回とする。

3.3

試験装置

3.3.1

一般  3 種類の試験装置がこの試験を行うのに利用できる。

−  振り子ハンマ

−  スプリングハンマ

−  垂直ハンマ

試験装置の種類は,試験Eha,Ehb及びEhcに対応する4.5.及び6.に規定する。

1に概略図を示す打撃要

素の整合特性は,通常,3種類すべて同様で,

1に示す。

寸法は,ミリメートル単位である。許容差は,他に規定がなければISO 2768-1のクラスmとする。


3

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

  1  打撃部分の整合特性

エネルギー値

J

≦1

±10 %

2

±5 %

5

±5 %

10

±5 %

20

±5 %

50

±5 %

等価質量

±2 %  kg

0.25 0.5 1.7  5  5  10

材料

ポリアミド(

1

)

鋼(

2

)

R mm

10

25

25

50

50

50

D mm

18.5

35

60

80

100

125

f mm

6.2

7

10

20

20

25

r mm

− 6 − 10 17

l mm

等価質量に合致するよう調整する,

附属書A参照。

(

1

)  85

≦HRR≦100,JIS K 7202-2 によるロックウェル硬度

(

2

) ISO 

1052

による Fe 490-2:  ロックウェル硬度:ISO 6508 による HRE80...85

  1  打撃要素の概略図

打撃面は,試験の結果に悪影響を及ぼす損傷がないことを確認するため,各衝突の前に目視検査を実施

する。

3.3.2

取付け  供試品は,製品規格の規定に従って,次のいずれかの方法で取り付ける。

a) 

剛性の高い平面支持装置に正規の方法で取り付ける,又は

b) 

剛性の高い平面支持装置に当てて置く。

供試品を確実に支持するには,試験の際,例えば,確実に固着されたポリアミドのシートで覆ったれん

が(煉瓦)又はコンクリート製の壁又は床などの硬い平面の支持装置に,供試品を置くことが必要なことも

ある。

シートと支持装置の間に目に見える空間がないように注意する。シートは,JIS K 7202-2に従って85≦

HRR

≦100のロックウェル硬度,約8 mmの厚さ及び不十分な支持面積のために機械的な過大応力を受ける

供試品の部分がないような表面積をもたなければならない。

供試品に対するのと同じエネルギーレベルの衝突が直接加えられた場合,平面支持装置の衝突面の変位

が0.1 mmを超えなければ,取付け配置は十分な剛性があると考えられる。

備考1.  1 J 以下の衝突エネルギーを受ける供試品の取付具及び支持装置の幾つかの例を附属書 図 3

附属書 図 及び附属書 図 に示す。

2. 

取付具の質量が供試品の質量の最低 20 倍である場合,取付けの剛性は十分であると考えられ

る。


4

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

3.4

前処理  製品規格に前処理を規定してもよい。その場合,条件を規定する。

3.5

初期測定  製品規格の規定に従って,供試品の目視検査及び寸法検査を実施する。

3.6

試験  二次衝突,すなわち,リバウンドは避ける。

3.6.1

姿勢及び衝突位置  製品規格には,実際に最も供試品の損傷を起こしやすい位置に衝突が加わるよ

うに,供試品の姿勢及び位置を規定する。製品規格に規定がなければ,打撃は試験される面に垂直に加え

る。

3.6.2

供試品の準備  製品規格には,供試品が打撃を受ける前に供試品の底面,カバー及び類似品の固定

に対する要求事項を規定する。

備考  機能検査に対する要求事項について考慮する必要がある場合がある[3.6.3b)参照]。

3.6.3

動作及び機能検査  製品規格には,次の事項を規定する。

a) 

供試品は,衝突中に動作させる必要があるかどうか。

b) 

供試品は,衝突中に機能検査する必要があるかどうか。

いずれの場合も,製品規格には,供試品の合否判定基準を規定する。

備考  供試品が破損した場合,内部部品が危険になるおそれに対する注意を払う。

3.7

後処理  製品規格で後処理を要求する場合,その条件を規定する。

3.8

最終測定  製品規格の規定に従って,供試品の目視検査,寸法検査及び機能検査を実施する。

製品規格には,供試品の合否判定基準を規定する。

3.9

製品規格に規定する事項  この規格の試験の一つが製品規格に含まれている場合,適用可能な限り,

次の事項を規定する。

なお,特にアスタリスク(*)付の事項は常に必要である。

a) 

衝突エネルギー

3.2.2

b)  1

箇所について 3 回以外の場合は,衝突数

3.2.3

c) 

使用する試験装置の種類

3.3.1

d) 

取付け方法

3.3.2

e) 

前処理

3.4

f) 

初期測定

3.5

g) 

姿勢及び衝突位置

3.6.1

h) 

底面,カバー及び類似品の固定

3.6.2

i) 

動作及び機能検査

3.6.3

j) 

合否判定基準

3.6.3

及び 3.8

k) 

後処理条件

3.7

l) 

最終測定

3.8

4.

試験  Eha:振り子ハンマ

4.1

定義  次の追加用語及び定義をこの試験方法に適用する。

4.1.1

測定点  振り子の腕の軸と打撃要素の軸との交点を通り,両軸を通る平面に直角な線が表面と交差

する打撃要素表面にマークされた点(

図 参照)。

備考1.  規格の中に振り子ハンマ試験を規定した幾つかの IEC 規格(

1

)において,用語“チェッキン

グ点”が用いられてきたが,IEC 60068-2 のこの規格以外の規格(

2

)における“チェック点”


5

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

との混乱を避けるために“チェッキング点”はここでは用いない。

2. 

論理的には打撃部分の重心を測定点にすることが望ましいが,実際には,重心を決定又は得

るのが困難で難しい。したがって,計測点は,上記のように定義する。

参考1.  (

1

)

 IEC 60238(JIS C 8280)等の製品規格

2. 

(

2

)

 JIS C の環境試験方法規格,例えば,JIS C 60068-2-6

3. 

JIS C 60068-2-6

の測定点とは異なるので注意すべきである。

4.1.2

落下高さ  振り子が解放されるときの測定点の位置と衝突の瞬間における測定点の位置との間の

垂直距離(

附属書 図 参照)。

4.1.3

等価質量  振り子の腕を水平位置に保つために打撃要素の軸に加えられた垂直力(ニュートン)の

測定値を重力加速度で除して計算した振り子ハンマの質量。

備考  腕の質量が均等に分布する場合,等価質量は打撃要素の結合質量と腕の質量の半分との合計に

等しい。

4.1.4

打撃要素の結合質量  打撃要素及びその取付け部の質量の合計。

4.2

試験装置  試験装置は,基本的に,上端を回転の中心とし,垂直面内で回転する振り子で成り立つ。

回転軸は,測定点の上方 1 000 mm にある。振り子は,基本的に剛体軸及び

表 に規定する要求事項に適

合する打撃要素で構成される。

重い,大きい又は取扱いが困難な供試品の試験に対しては,携帯式の振り子を用いてもよい。この場合,

上記の規定に適合しなければならないが,

その回転軸は直接供試品又は可動式の構造物に固定してもよい。

この場合,試験前に振り子の回転軸が水平であり,それが確実に固定され,そして衝突点が打撃要素の軸

を通る垂直面にあることを確認しなければならない。

すべての場合,振り子が解放されるときに重力の影響だけで落下できなければならない。

4.2.1

1 J

以下の厳しさ用試験装置  打撃要素は,半球面をもつポリアミドのインサートの付いた鋼体か

ら成り立つ。打撃要素の結合質量は,その等価質量が

表 に適合する 250 g とする。附属書 に試験装置

の例を示す。

4.2.2

2 J

以上の厳しさ用試験装置  打撃要素の結合質量に対する腕の質量の比は,0.2 以下でなければな

らず,打撃要素の重心は,可能な限り腕の軸に接近していなければならない。

備考  特殊な適用として,振り子の腕にはひも(紐)が用いられ,打撃要素には鋼球が用いられる。こ

れは,この規格に規定した打撃要素の形状に適合しないので推奨しない。

4.3

落下高さ  必要な厳しさの衝突を発生させるために,打撃要素は,表 の振り子の等価質量に見合

った高さから解放する。

  2  落下高さ

エネルギー

J

0.14 0.2  0.35  0.5

 0.7  1

2

5  10  20  50

等価質量

kg

0.25 0.25 0.25 0.25

0.25 0.25  0.5  1.7  5

5

10

落下高さ

mm

±1 %

56  80  140 200

280 400 400 300 200 400 500

備考1. 3.2.2 の備考参照。

2. 

この規格は,エネルギー(単位 J)は,最も近い整数,すなわち 10 m/s

2

に丸めた重力による標準加速

度(gn)を使って計算する。


6

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

4.4

試験  二次衝突,すなわち,リバウンドを避けるために,最初の衝突後に,腕が変形しないように,

腕を避けて,打撃要素をつかんでハンマを保持する。

  2  測定点の求め方

5.

試験  Ehb:スプリングハンマ

5.1

試験装置  スプリングハンマは,三つの主要部分,本体,打撃要素及びスプリングで保持したリリ

ースコーンで構成する。

本体は,容器,打撃要素のガイド,リリース機構及びそれらに堅固に取り付けた他の部分から構成され

る。

打撃要素は,ハンマヘッド,ハンマシャフト及びコッキングノブで構成される。打撃要素の質量は1 J以

下の打撃強さ(エネルギー値)に対しては250 g,2 Jに対しては500 gである(許容差については

1参照)。

打撃要素を解放する力は,10 Nを超えてはならない。

ハンマシャフト,ハンマヘッド及びハンマスプリングの調整手段は,ハンマヘッドの先端が衝突面に到

達する前およそ1 mmでハンマスプリングの貯蔵エネルギーがすべて解放するように配置されている。衝突

直前の最終行程1 mmの間は,摩擦は別として,打撃要素は運動エネルギーだけで貯蔵エネルギーをもたな

いで自由に運動する質量として作用するようになる。さらに,打撃要素は,ハンマヘッドの先端が衝突面

を通過した後8 mmから12 mmの間で,妨害なく自由に動くようになる。

附属書Eに試験装置の例を示す。

1に適合させるために,2 Jに対するリリースヘッドの形状は,直径35 mm,長さ23 mmの円筒形とする

(

3参照)。

測定点

打撃要素の軸

測定点


7

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

  3  2 J 用リリースヘッド形状

5.2

重力の影響  スプリングハンマを水平でない位置で用いる場合,実際に伝達されるエネルギー(単位

J)

は,

で修正する。この変分は打撃が下向きに加えられるときは正で,上向きに加えられるときは負

である。

α

sin

10

×

×

×

=

d

m

∆E

 (1)

ここに,

Δ

E: 修正エネルギー(J)

m: 打撃要素の質量(kg)

d: スプリングハンマ内の打撃要素の行程(m)

α:

水平位置に対する打撃要素の軸の角度(°)

この変分は,伝達される実際のエネルギーを設定する場合,考慮しなければならない。

5.3

校正  スプリングハンマは,校正しなければならない。附属書 に標準化した推奨手順を示す(特に

2 J

については B.2 参照)。同等な精度が得られるという証明が入手可能であることを条件に,他の校正法

を用いることができる。

6.

試験  Ehc:垂直ハンマ

6.1

定義  4.1.2 に規定の“落下高さ”に関する定義を適用する。

6.2

試験装置  ハンマは,基本的に静止位置から,表 から選択した垂直高さを経て水平面に保たれた

供試品面に自由落下する打撃要素で成り立つ。

打撃要素の特性は,

1に適合しなければならない。打撃要素は,チューブのような減速しないガイドウ

ェイに沿って落下させる。このガイドウェイを供試品に載せてはならないし,供試品を打撃する際に打撃

要素の落下を妨げてはならない。摩擦を低減するために,打撃要素の長さlはその直径D以上で,打撃要素

とガイドウェイの間に小さなすき間(例えば1 mm)を設ける。

6.3

落下高さ  落下高さは,表 に示す値とし,打撃要素の実際の質量は同じく表 に示す等価質量に

等しくする。

23

35


8

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

附属書 A(規定)打撃部分形状

1に規定した特性を,次の図に示す。長さlは,振り子ハンマの腕の質量が無視できる場合,又は垂直

ハンマについて計算したものであることに注意することが重要である。腕の質量が無視できない場合,等

価質量が

1の要求事項に合致するようにlを短くする(4.1.3参照)。表1の他のパラメータに適合させるため

に,20 J及び50 Jの場合には打撃面の反対端部をへこます必要がある。

すべての角は滑らかでなければならない。

他に規定がなければ,許容誤差はJIS B 0405のクラスmとする。

単位  mm

附属書A  1  1 J以下用打撃要素の例

単位  mm

附属書A  2  2 J用打撃要素の例

φ35

φ18.5


9

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書A  3  5 J用打撃要素の例

単位  mm

附属書A  4  10 J用打撃要素の例

φ60

φ80


10

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書A  5  20 J用打撃要素の例

φ100


11

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書A  6  50 J用打撃要素の例

φ125


12

C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

附属書 B(規定)スプリングハンマ校正方法

B.1

校正の原理  この校正手順の原理は,直接測定するのが困難なスプリングハンマによって供給される

エネルギーを,振り子の質量と落下高さから計算した振り子のエネルギーと比較することである。

B.2

校正装置の構造  組み立てた校正装置を附属書B1に示す。フレームを除いた主要部品は,ベアリン

グ“a”

,ドラグポインタ“b”

,振り子“c”

,解放台“d”及び解放装置“e”である。

校正装置の主な部分は,

附属書B2に示す振り子“c”である。この振り子の下端に詳細を附属書B3

に示すような鋼製スプリングが固定されている。

スプリングは特別な処理を要しないばね鋼でできており,

振り子“c”に確実に固定されている。

附属書B4に幾つかの部品を拡大して示す。

このスプリングは,1 J以下のエネルギー値に対して

1に規定する特性をもつスプリングハンマを校正

するために設計されていることに注意することが望ましい。2 Jに対して規定した特性をもつスプリングハ

ンマを校正するためには,この校正装置の振り子のスプリング設計を変える必要がある。

ポインタの適切な摩擦特性を得るために,小さな力が布に作用するような方法で一片の厚い織布がベア

リングの金属表面と曲げたピアノ線との間に挿入されている。

解放装置は,校正装置を目盛付けしている間,取り外すので,解放台にねじで固定される。

B.3

校正装置の目盛付け方法  校正装置の目盛付けは,附属書B5に示すようにスプリングハンマから外

した校正用打撃要素“g”を用いる。目盛付け前に,解放装置を校正装置から取り外す。

校正用打撃要素は,その静止位置にあるとき,振り子と校正用打撃要素との接触する点(衝突点)の上2 000

mm

の水平面にあるつり下げ点から,4本の亜麻糸“h”でつり下げる。校正用打撃要素は振り子に対して

振り当てることができ,動的状態にある衝突点“k”は静止位置にある衝突点より1 mmを超えて下方にあ

ってはならない。1 mmを超える場合,つり下げ点を両接触点間の差に等しいだけ持ち上げる。

つり下げ系を調整する場合,校正用打撃要素“g”の軸は振り子“c”の衝突面に対して直角でなければ

ならず,また,校正用打撃要素は衝突の瞬間水平でなければならない。

校正用打撃要素がその静止位置にある場合,校正装置は,点“k”が正確に校正用打撃要素のヘッドに位

置するように置く。

信頼できる結果を得るために,校正装置は建物の構造体のような重い支持部に確実に固定する。

落下高さは,フレキシブルホースで相互に接続された二つのガラスチューブ“j”を含む液体レベル装置

を用いて,校正用打撃要素の重心位置で,測定できる。ガラスチューブの一つは固定されて,目盛“l”が

付いている。

校正用打撃要素は,切ったときに校正用打撃要素が自由になる細い糸“m”でその上方位置に保持して

よい。

校正装置を目盛付けするために,目盛盤上に,振り子の軸心を中心とし,ドラグポインタの指針に達す

る半径の円を描く。静止位置にある振り子にドラグポインタが接するときに,ドラグポインタの指針が指

す点を

附属書B6に示す0 J点とする。

目盛付けは,408 mm±1 mmの落下高さ及び250 gの校正用打撃要素で達成する1 Jの衝突エネルギーで実


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C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

施する。

1 J

に相当する目盛盤上の点は,つり下げられた校正用打撃装置を振り子のスプリング上の点“k”に対

して振り下ろすことによって得られる。振り子を打った後,校正用打撃要素は動いてはならない。操作は

少なくとも10回繰り返し,1 J点はドラグポインタの指示の平均値とする。

さらに,目盛の他の点は,次のように決定する。

a) 

円の中心と 0 J 点を通る直線を引く。

b) 

1 J

点のこの直線への直交投影点を点 P とする。

c) 

点 0 J と点 P との間の距離を 10 等分する。

d) 

各分割点を通り線 0J-P に直角な線を引く。

e) 

これらの線と円との交点はそれぞれ 0.1 J,0.2 J・・・0.9 J の衝突エネルギー値に対応する。

同じ原理を,1 J点を超える目盛に拡張して用いることができる。目盛盤“f”の分割目盛を

附属書B6

に示す。

B.4 

校正装置の使用  校正されるスプリングハンマを解放台に入れ,解放装置で 3 回操作する,手動で解

放してはならない。

校正されるスプリングハンマの打撃要素を,一動作ごとに異なる位置に回転させる。校正装置の読取値3

個の平均値を,供試品の衝突エネルギーの実際の値として採用する。

a:

  ベアリング

b:

  ドラグポインタ

c:

  振り子

d:

  解放台

e:

  解放装置

f:

目盛盤

k:

  打撃を加える点(衝突点)


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C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

附属書   1  校正装置

単位  mm

635±

2.5

附属書B  2  振り子“c”

詳細

鋼材

スプリング

φ20


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:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書B  3  振り子“c”の鋼製スプリング

φ6


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:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書B  4  校正装置の詳細

φ0.7 のピアノ線

ベアリング

解放台

ドラグポインタ


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:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

c:

附属書B1の振り子

g:

校正用打撃要素

h:

亜麻糸

j:

ガラスチューブ

k:

衝突点

l:

目盛

m:

細い糸

−  明りょうにするため,この図では校正装置の振り子“c”だけを示す。

附属書   5  校正装置の目盛付け配置


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:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

附属書   6  目盛盤“f”の目盛


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C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

附属書 C(参考)指針

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

C.1 

試験は,どんな場合に適切か?  衝突試験は,立入制限のない区域及び衝突が起こりやすい場所で用い

られる機器に対して適切である。立入りが制限された区域向けの装置に対して,衝突試験は適しているか

もしれないが,その厳しさは低くなると思われる。

ぜい(脆)弱な機器の場合には,衝突試験は特に適切である。

C.2 

試験装置の選択  この規格は,できる限り同じ結果を得ることができる 3 種類の試験方法を規定して

いる。再現性のある結果を得ることに関しては,この試験は JIS の他の環境試験方法よりも,試験装置

の細部に左右される。

試験装置の選択は,試験される表面の向き及びエネルギーレベルに左右される。すべての方法がいずれ

の場合にも用いられるものではない。振り子ハンマがオーバーハングのない垂直表面についてだけ用いる

ことが可能なのは自明である。同様に垂直ハンマは通常接近可能な水平表面についてだけ用いることがで

きる。どのような理由であれ供試品が移動又は回転できない場合,選択には限界がある。スプリングハン

マの利点は,それを正しく適用するのに十分な空間があり,規定の衝突エネルギーが2 J以下であることを

条件として,いかなる場所でも用いることができる。高いエネルギーレベルに対しては,スプリングハン

マは非常に扱い難くオペレータに対して危険なこともある。

C.3 

エネルギーレベルの選択  衝突エネルギーは,打撃要素の等価質量と落下によって生じるその速度に

左右される。次の

附属書 表 は,この規格に規定した値に近い理論エネルギーレベルを示す。

附属書C  1  エネルギーレベル

単位  J

打撃要素の等価質量

kg

落下高さ

m

速度

m/s

0.1 0.2 0.5  1  2  5

0.1 1.4 0.1 0.2 0.5  1  2  5

0.2 2 0.2 0.4 1  2  4  10

0.5 3.1 0.5  1  2.5  5  10  25

1 4.4 1  2  5  10 20 50

附属書 表 の値は,供試品の表面に垂直な打撃に対応している。

非常に高いエネルギーは,破壊行為や自動車事故のような特殊な状況で遭遇することがある。これらの

場合,バリア又は壁のような保護装置を追加して用いることが望ましい。

C.4 

試験に関する情報  供試品の温度は試験結果に影響するおそれがあり,製品規格では,適用可能な場

合このことを考慮することが望ましい。


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:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

衝突試験は,他の試験に引き続いて指定できるが,幾つかの標準化された試験では,ハンマ試験にかけ

ない新しい供試品について行うことを要求しているので注意する。

主な性能基準は,供試品の動作及び残存特性が機械的衝突によって影響される度合いから導くことが望

ましい。

その他の重要な側面は,安全性がある状況では最も考慮を要する側面である。


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C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

附属書 D(参考)振り子ハンマ試験装置の例

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

附属書D1に,1 J以下のエネルギーに対する振り子ハンマ試験装置の例を示す。打撃要素は本体4.2.1

及び

附属書D2に適合することとする。腕は9 mmの外径(公称)及び0.5 mmの肉厚(公称)をもつ鋼管である。

供試品は,

附属書D3に例示するように,その頂部及び底部で取付具の一部である堅固なブラケットに

固定されている厚さ8 mmで一辺175 mmの正方形の合板に取付ける(ISO 1098

に従うのが望ましい。)。取

付具は,10 kg±1 kgの質量をもち,ピボットで堅固なフレームに取り付けられる。フレームはそれ自身堅

い壁に固定される。

取付具は次のように設計するとよい。

a) 

供試品は,衝突点が振り子の回転軸を通る垂直な平面にあるように置かれる。

b) 

供試品は,水平に移動でき,合板の表面に直角な軸の周りに回転できる。

c) 

合板は,垂直な軸の周りに回転できる。

供試品は,通常の使用時と同じように合板に取り付ける。供試品を直接合板に取り付けることができな

い場合,製品規格に適切なアダプタを規定する必要がある。フラッシュタイプスイッチ用のアダプタの例

附属書D4に,ランプホルダ用のアダプタの例を附属書D5に示す。

                                                   

  ISO 1098:1975

,Veneer plywood for general use−General requirements


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C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書D  1  試験装置の例

単位  mm

本体

表1参照

附属書D  2  1 J以下のエネルギーに対する振り子ハンマの打撃要素

供試品

取付具

落下の高さ

フレーム

振 り 子 の 回 転 軸


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:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書D  3  取付具

単位  mm

附属書D  4  フラッシュタイプスイッチ用アダプタ

合板

ホーンビームのブロック

ピポット

合板

ピポット


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:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書D  5  ランプホルダ用アダプタ


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:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

附属書 E(参考)スプリングハンマ試験装置の例

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

附属書E1に,1 J以下のエネルギー用で本体5.に適合するスプリングハンマ試験装置の例を示す。本体

アセンブリの質量は,1 250±10 gである。打撃要素が解放点にある場合,その先端から衝突平面(円すいの

底面)までの距離がおおよそ

附属書E1に示したスプリング圧縮量となるように,ハンマヘッドをハンマ

シャフトに固定する。

附属書E  1  打撃部分の運動エネルギー

衝突直前の

運動エネルギー(E)

J

2.75

× 10

3

 N/mm

のばね定数をもつ

スプリングのおおよその圧縮量

m

0.14

±0.014 10

0.20

±0.02 13

0.35

±0.03 17

0.50

±0.04 20

0.70

±0.05 24

1.00

±0.05 28

備考  衝突直前の運動エネルギー(J)のおおよその値は,次の式から計算することができる:

3

10

5

.

0

×

=

FC

E

ここに,

E  :衝突直前の運動エネルギー(J)

F  :完全に圧縮された場合ハンマスプリングに作用する力(N)

C  :ハンマスプリングの圧縮量(mm)

上記のエネルギーは,水平位置で達成される。

コーンは約60 gの質量をもち,コーンスプリングは,リリースジョウが打撃要素を解放する点にあると

き,おおよそ5 Nの力を作用させるものである。リリース機構のスプリングは,リリースジョウをかみ合わ

せ位置に保つために十分な圧力を及ぼすよう調整されている。

リリースジョウがハンマシャフトの溝にかみ合うまでコッキングノブを引き戻して装置を準備状態にす

る。供試品上の規定の位置で,その表面に直角に試験装置のリリースコーンを押さえる。コーンが装置本

体に対して後方に動くように,コーンがリリースバーに接触するまで,圧力を緩やかに増加させると,リ

リースバーが動き,リリース機構が作動し,ハンマが供試品を打撃することができる。


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C 60068-2-75

:2004 (IEC 60068-2-75:1997)

     

単位  mm

附属書E  1  スプリングハンマ試験装置

リリースバー

ハンマヘッド

ハンマスプリング

ハ ン マ シ
ャフト

コッキングノブ

リリースジョウ

リリース機構スプリング

コーンスプリング

リリースコーン