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日本工業規格

JIS

 C

0045

-1993

(IEC 68-2-7

: 1983

)

環境試験方法−電気・電子−

加速度(定常)試験方法

Basic environmental testing procedures Part 2 :

Tests

−Test Ga and guidance : Acceleration, steady state

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1983 年第 2 版として発行された IEC68-2-7(Basic environmental testing procedures Part2 : Tests

−Test Ga and guidance : Acceleration, steady state 及び 1986 年 Amendment No.1)を翻訳し,技術的内容及び

規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲

この規格は,部品,機器,又はその他の電気製品が,移動体,特に飛行体,回転体又は発射体が動いてい

るときに生じる重力以外の定常的な加速度環境から力を受けたときに,構造適正であり,かつ,十分な性

能があることを調べる試験方法,又はある種の部品について構造の完全性を調べる試験方法について規定

する。

2.

試験の概要

移動体に取り付ける部品,機器,又はその他の電気製品は,定加速度による力を受けるであろう。一般に,

このような環境は,飛行体又は回転機械でよく知られているが,車両でもある条件では加速度が相当に大

きいことがある。

一般に,使用中に受ける加速度は,移動体の主軸方向でその値が異なり,その上,各軸の反対方向で値

が異なるものである。

供試品が移動体に固定されていない場合は,移動体の各軸での最大加速度を考慮して,供試品の各主軸

及びその方向に加えてもよい一つのレベルを,製品規格に規定することが望ましい。

この規格は,JIS C 0010(環境試験方法−電気・電子−通則)−1993 と共に用いる。

参考  JIS C 0010-1993 は,IEC 68-1 : 1988 (Basic Environmental Testing Procedures, Part 1 : General and

Guidance)

と一致している。

3.

試験条件

3.1

試験装置の特性

3.1.1

概説

加速状態は,加速度が回転系の中心に向かう遠心加速機で加えられる。ただし,供試品が回転によって発


2

C 0045-1993 (IEC 68-2-7 : 1983)

生するジャイロスコピックな合成力 (gyroscopic couples) に敏感な場合,直線的に加速度を加えることがで

きる機械(線形加速機)を用いてだけ試験することができる。この場合には,製品規格にこの要求事項を

規定する。

3.1.2

接線方向の加速度

遠心加速機の回転速度を,ゼロから規定された加速度に達するまで増加させる場合及びゼロまで戻す場合

には,供試品に加わる接線方向の加速度が,規定する加速度の 10%より大きくならないように制御する。

3.1.3

加速度の分布のこう配

遠心加速機は,供試品のすべての部分(宙に浮いたリード線を除く。)に対し,3.1.4 に規定する許容差を

外れる加速度が加わらないような寸法とする。

3.1.4

加速度の許容差

供試品の直線寸法が 10cm 未満の場合は,供試品のすべての部分(宙に浮いたりード線を除く。)の加速

度の許容差を,規定の定常加速度の±10%以内とする。

その他の場合には,すべての部分(宙に浮いたリード線を除く。

)の加速度の許容差を,規定する定常加

速度の−10%∼+30%とする。

3.2

取付け

供試品は,JIS C 0040[環境試験方法(電気・電子)正弦波振動試験方法]−1987 の

附属書 D(動的試

験における供試品の取付方法及びその指針)の要求事項に従って,

試験装置に取り付けなければならない。

参考  JIS C 0040-1987 の附属書 は,IEC 68-2-47 : 1982 (Basic Environmental Testing Procedures. Part2 :

Tests

−Mounting of Component, Equipment and Other Articles for Dynamic Test Including Shock (Ea) ,

Bump (Eb) , Vibration (Fc and Fd) and Steady-state Acceleration (Ga) and Guidance)

と同等である。

備考  安全のために,たとえ取付け用附属品が破壊しても試験中の供試品が投げ出されないような考

慮が払われることが望ましい。ただし,使用するいかなる安全デバイスも試験中に付加的な制

約を持ち込むことがないことが望ましい。

4.

厳しさ

製品規格に規定する加速度は,下表の値の中から選択する。必要な場合,供試品の軸と加える加速度の

方向の角度を規定する(

附属書 の A.1 及び A.2 並びに附属書 の B.2 参照)。


3

C 0045-1993 (IEC 68-2-7 : 1983)

加速度

m/s

2

30

50

100

200

500

1 000

2 000

5 000

10 000

20 000

50 000

100 000

200 000

300 000

500 000

備考  加速度の規定に際し,供試品の構造の完全性を検査するためか,又は移動体若しくは回転機械

で生じる力に耐えられる供試品の能力を評価するためなのか試験の目的を明確にする。

5.

初期測定

製品規格の規定によって,供試品の外観を目視によって調べ,電気的測定及び機械的点検を行う。

6.

遠心加速機を用いた試験方法

6.1

製品規格に加速度の規定がない場合,加速度は互いに垂直な三つの主軸の各軸の各向きに順次加え

る。

6.2

遠心加速機を,規定のレベルが発生するのに必要な速度で回転させる。

6.3

必要な回転速度を少なくとも 10s 又は製品規格に規定する時間,保持する。

6.4

製品規格には,試験中・試験後の機能及び状態 (survival) について,次の中の満足しなければなら

ない条件及びそれに対応する加速度のレベルを規定する(

附属書 の A.2 参照)。

1)

試験中及び試験後も製品規格に規定する性能限界内で動作する。

2)

試験中の動作は性能限界内にある必要はなく,試験後は性能限界内で動作する。

3)

試験中は動作する必要はないが,試験後は性能限界内で動作する。

4)

試験後は動作しなくてもよいが,供試品は破損しない。

6.5

製品規格には,6.4 から選択したレベルであることの確認を規定する(

附属書 の A.2 参照)。

7.

最終測定

製品規格の規定によって,供試品の外観を目視によって調べ,電気的測定及び機械的点検を行う。

8.

製品規格に規定する事項

a)

試験装置の形式

3.1

参照

b

c)

部品取付方法

3.2

参照


4

C 0045-1993 (IEC 68-2-7 : 1983)

d)

加速度のレベル(

附属書 の A.2 及び附属書 の B.2 参照)

4.

参照

e)

加速度の軸と向き(

附属書 の A.1 参照)

4.

参照

f)

初期測定

5.

参照

g)

試験の時間

6.3

参照

h)

試験中・試験後の機能及び状態(

附属書 の B.1 参照)

6.4

参照

j)

試験レベルの確認

6.5

参照

k)

最終測定

7.

参照


5

C 0045-1993 (IEC 68-2-7 : 1983)

附属書 A  指針 

A.1

試験での供試品の向き

多くの用途,特に航空機では,加速度を引き起こす移動体にかかる力は常に複雑であるが,どの瞬間でも,

移動体の三つの主軸との角度位置で方向を表せる単一の力であると考えられる。設計の目的に対しては,

移動体の特殊な運動は最大加速度レベルに分解され,移動体の各主軸について規定されている。

供試品が,与えられた移動体に関して既知の固定姿勢であって,更に同時に三つの加速度成分をシミュ

レートする必要があるときには,これらの成分を合成することができる。供試品には,大きさ及び方向が

三つの成分レベルの合成力に等しい単一の加速度を加えることができる。このような方法には,加速度が

合成力の方向に沿うように,供試品を試験機に対して置くために,むしろ複雑なジグ(治具)が必要であ

る。合成加速度と供試品間との角度の関係を保つことが重要でなければ,供試品の三つの規定されたレベ

ルのうちもっとも高い値をもつ主軸に沿って,合成加速度を加えるのが,より簡単であり通常はこれで十

分である。そして,残りの軸には適切な成分加速度レベルを加える。

車両に関する供試品の姿勢がわかっていないときには,特殊な移動体に対する最大合成レベルで供試品

の三つの主軸の各々の方向に順次加えるとよい。

A.2

加速度試験のレベル

本体の 4.に規定した加速度値のいくつかは実際の環境を表すものであり,そのほか特に高いレベルでは,

ある種の電子部品の構造完全性の試験に用いる人工的環境を表すものもある。回転機械で発生するかもし

れない高加速度の数値に留意すると,ある目的のための実際のレベルは  ほかの目的のための人工的レベル

と重複しているかもしれない。

航空機用機器の設計認定では,機器に対し,加速度のレベルを変えて試験中・試験後の機能及び状態を

順次試験することが必要である。この試験中・試験後の動作及び状態の要求事項は,定義される要因に関

係していて,その要因は航空機用機器の設計要求事項に示されている。通常,満足すべき次の四つの状態

がある。

1)

保証又は動作レベル−普通,供試品がこのレベルで動作し,規定限界を超えるような性能劣化がない

ことが要求される。

2)

より高い追加レベルが規定され,供試品に対し,必ずしも規定の限界内には  ない動作を認める。

3)

構造上,又は究極レベル−構造上の破損に対する耐性を確認するためのより高い加速度レベル。

4)

さらにその上,人体への危害,例えば,直接に及ぼす危害又は緊急脱出口などの障害によっておこる

危害を引き起こしやすいような緊急状態で,供試品がその取付具にしっかりと取り付けられたままで

いて,ばらばらにならない能力を確認する手段として加速度試験を要求することができる。

製品規格には,どの状態に適合し,どの加速度レベルが適用され,また,どの動作状態を満足しなけれ

ばならないかを規定する(本体の 6.4 及び 6.5 を参照)

用途によって,製品規格は,常に上記の 1)から 4)までに相当する個々のレベルを必ずしも分けて規定し

なくてもよく,関連の移動体について測定又は計算された最大加速度に対し,合意された安全係数によっ

て関係づけられた一つのレベルだけを代わりに示しておいてもよい。このような試験が要請されるときに

は,製品規格で要求される機能の種類を規定しなければならない(本体の 6.4 及び 6.5 を参照)

適用する加速度の厳しさを選択する場合に,製品規格では,与えられた方向によって最大加速度が移動


6

C 0045-1993 (IEC 68-2-7 : 1983)

体の場所によって相当異なるという事実を考慮しなければならない。ある種の部品,とりわけ半導体部品

では,非常に高い加速度を加えることによって構造完全性(完全な機械的組立て)を確認する。そのよう

なレベルは,現実の使用状態と相関関係はないけれども,大きなストレスを加えて,構造上の欠陥を示す

簡単な方法としてこの試験が用いられている。

部品又は回転部品を含む機器,例えば,ジャイロスコープを試験する場合,遠心加速機を用いると,部

品の回転と遠心加速機の回転間との結合に起因して,何らかの問題が生じる。そのような場合,製品規格

に適切な試験方法を規定し,適切な機能状態及び試験中の供試品の機能に対する許容範囲が受入可能なも

のとして変更することの必要性を示すことが望ましい。


7

C 0045-1993 (IEC 68-2-7 : 1983)

附属書 B  指針(補追)

B.1

試験の目的

加速度試験の目的は,回転体,発射体,移動体及び特に宇宙飛行体におかれたときに生じる加速度効果と

同様な状態を,部品又は機器に与えることにある。

また,この試験は,構造の完全性に関して,部品の設計及び製造が問題ないことを確認する方法として

も適用できる。

供試品について,試験中動作させるか,又は単なる加速状態にするかは製品規格に明記しなければなら

ない。製品規格には,本体の 6.4 で記述しているように,供試品が正常か異常かという機能上の許容範囲

又は許容変化量について明記することが望ましい。

B.2

試験の厳しさの選択[本体の 4.及び本体の 8.(d)(g)参照]

加速試験のレベルについては,

附属書 の A.2 を参照。

この試験を製品規格に規定する場合には,製品規格にすべての内容が含まれるように,本体の 8.を参照

しなければならない。

供試品に加わる試験のレベルは,

できる限り輸送中又は動作中に加わる状態にする。

想定できる状態を考慮する場合,適切な厳しさとして,本体の 4.に示す値から選択する。環境の厳しさが

規定できない場合には,最適な厳しさとして,種々の用途を考えて示した

附属書 表 から選び,製品規

格に規定しなければならない。

備考  IEC 721 : Classification of Environmental Conditions を参照するとよい。

IEC 721

では,実環境と同等の効果を与えるような試験の値を標準化しているのに対し,こ

の規格  (JIS C 0045)  は,実際に起こる定加速度の値を示している。

表 I  種々の用途での代表的な試験の厳しさの例

この表は,強制的なものではないが,代表値をリストしたものである。 
したがって,実際の厳しさと表の値とが異なることがある。

加速度

用途

m/s

2

30

a≦100

供試品を航空機に搭載したときのレベル

50

a≦200

航空機に搭載された供試品及び取付方法の破壊安全性に耐

える構造的又は究極的レベル

100

a≦1 000

宇宙飛行物体での一般試験

5 000

a

半導体部品,集積回路などでの構造の完全性試験

B.3

要求許容差(本体の 3.1.2 及び本体の 3.1.4 参照)

この試験方法は,直線的な長さが短い供試品,例えば,10cm 以下の場合,再現性が高い。大きな供試品

では再現性が低く,供試品と遠心加速機との相対的寸法(位置)に依存する。


8

C 0045-1993 (IEC 68-2-7 : 1983)

環境試験方法 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

森  川  貞  重

財団法人日本電子部品信頼性センター

(幹事)

高  久      清

工業技術院電子技術総合研究所

青  園  隆  司

タバイエスペック株式会社

池  田  順  一

財団法人日本規格協会

石  川  安  男

防衛庁

石  田  定  男

日本電気計器検定所

伊  藤      昭

伊藤精機株式会社

磯  野  昌  雄

岩  田      武

日本特殊印刷工業株式会社

柿  本  光  敏

シャープ株式会社

加  藤  敏  男

横河電機株式会社

児  島  幸次郎

財団法人日本写真機光学機器検査協会

後  藤  恒  人

財団法人機械電子検査協会

佐  藤      博

日本電信電話株式会社

清  水  英  範

社団法人日本電機工業会

鈴  木  俊  雄

財団法人日本電気用品試験所

武  田  克  巳

株式会社三菱電機サービスセンター

立  川      明

社団法人日本電子機械工業会

辻  本      治

財団法人機械電子検査検定協会

中  村  英  夫

財団法人鉄道総合技術研究所

西  山  和  夫

日本開閉器工業株式会社

畠  中  正  人

工業技術院電気規格課

羽  田  善  英

株式会社村田製作所

福  島      彰

財団法人日本船舶標準協会

三  上  和  正

東京都立工業技術センター

矢  部  邦  敏

株式会社東芝

山  本  圭  一

進工業株式会社

(事務局)

鳴  神  長  昭

財団法人日本電子部品信頼性センター

備考  *印は小委員会委員を兼任