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C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

(1) 

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  試験方法の概要

2

5

  試験装置の概要

2

6

  前処理

3

6.1

  供試品の準備

3

6.2

  エージング

3

7

  材料

3

7.1

  はんだ

3

7.2

  フラックス

4

8

  試験手順

5

8.1

  試験温度

5

8.2

  はんだ槽平衡法

5

8.3

  はんだ小球平衡法

7

9

  結果の表示

10

9.1

  記録の形

10

9.2

  試験要求事項

10

10

  製品規格に規定する事項

11

附属書 A(規定)試験装置の仕様

12

附属書 B(参考)SMD のはんだ付け性試験への平衡法の使用手引

14


C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電子情報技術産業協会 (JEITA) か

ら,

工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


   

日本工業規格

JIS

 C

60068-2-69

:2009

(IEC 60068-2-69

:2007

)

環境試験方法−電気・電子−

第 2-69 部:試験−試験 Te:

表面実装部品 (SMD) のはんだ付け性試験方法

平衡法)

Environmental testing-Part 2-69 : Tests-Test Te : Solderability testing of

electronic components for surface mounting devices (SMD) by the wetting

balance method

序文

この規格は,2007 年に第 2 版として発行された IEC 60068-2-69 を基に,技術的内容及び対応国際規格の

構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項又は変更した事項で

ある。

1

適用範囲

この規格は,表面実装部品 (SMD) に適用する試験 Te“はんだ槽平衡法及びはんだ小球平衡法”につい

て規定する。これらの試験方法は,表面実装用部品端子のはんだ付け性を定量的に評価する。JIS C 

60068-2-54

も表面実装部品を評価できるため,適用できるかどうかを確認する。

この規格は,はんだ槽平衡法及びはんだ小球平衡法の手順を規定する。いずれの方法も,金属端子又は

金属化電極部品に適用する。

この規格は,鉛入りはんだ合金及び鉛フリーはんだ合金を用いた標準手順を規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60068-2-69 : 2007

,Environmental testing−Part 2-69 : Tests−Test Te : Solderability testing of

electronic components for surface mounting devices (SMD) by the wetting balance method (IDT)

なお,対応の程度を表す記号 (IDT) は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,一致していることを

示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 60068-1

  環境試験方法−電気・電子−通則


2

C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

   

注記  対応国際規格:IEC 60068-1 : 1988,Environmental testing−Part 1 : General and guidance 及び

Amendment 1 : 1992 (IDT)

JIS C 60068-2-20 : 1996

  環境試験方法−電気・電子−はんだ付け試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-20 : 1979,Environmental testing−Part 2-20 : Tests−Test T : Soldering

Amendment 1 : 1986

及び Amendment 2 : 1987 (IDT)

JIS C 60068-2-54 : 2009

  環境試験方法−電気・電子−はんだ付け性試験方法(平衡法)

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-54 : 2006,Environmental testing−Part 2-54 : Tests−Test Ta :

Solderability testing of electronic components by the wetting balance method (MOD)

JIS Z 3282 : 2006

  はんだ−化学成分及び形状

注記 1

対応国際規格:ISO 9453 : 2006,Soft solder alloys−Chemical compositions and forms (MOD)

注記 2

この規格の対応国際規格で引用する IEC 61190-1-3 : 2007,Attachment materials for electronic

assembly : Part 1-3 : Requirements for electronic grade solder alloys and fluxed and non-fluxed

solid solders for electronic soldering applications

は,対応 JIS が制定されていない。この規格

での引用事項は,JIS Z 3282 の規定事項と同等である。

ISO 683 (all parts)

,Heat-treatable steels, alloy steels and free-cutting steels

ISO 6362 (all parts)

,Wrought aluminium and aluminium alloy extruded rods/bars, tubes and profiles

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60068-1 及び JIS C 60068-2-20 による。

4

試験方法の概要

部品の端子部に液体フラックスを塗布し,部品を適切な保持具に取り付けた後に,供試品を高感度力セ

ンサにつるす。供試品の端子部を清浄にしたはんだ槽の表面又ははんだ小球の頂点と接触させ,規定の深

さに浸せきする。

供試品の端子部をはんだに浸せきしたときに発生する浮力と表面張力との合成力を,変換器によって検

出及び電気的信号に変換して,時間の関数として連続的に高速記録計で記録するか又はコンピュータシス

テムのスクリーンに表示する。

ぬれの速さ及びぬれの広がりは,力の時間変化曲線(以下,力対時間曲線という。

)から求める。

5

試験装置の概要

図 に,この試験に適した装置の構成例を示す。供試品を高感度力センサにつるし,はんだを上昇させ

て供試品と接触させるか又は供試品を下降させてはんだの中に浸す機構とする。

条件設定の後,変換器からの電気信号を記録計(チャートレコーダ)又はコンピュータシステムに送信

して力の時間変化を表示又は解析してもよい。


3

C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

平衡システム

変換器

信号処理

コンピュータ又は

  記録計

制御装置

昇降装置

試料

小球ブロック

又は  はんだ槽

図 1−試験装置の構成例

試験装置は,供試品に作用する鉛直方向の力を測定することができ,A.1 に規定する特性をもち,さら

に,はんだ槽及びはんだ小球支持ブロックが,それぞれ A.2 及び A.3 の要求事項を満足するものであれば,

その他のどのような試験装置を用いてもよい。

6

前処理

6.1

供試品の準備

供試品は,製品規格に規定がない場合には,受入れ状態のままで試験する。指又はその他のものに触れ

て試験領域が汚れないように注意する。

製品規格に規定がある場合は,供試品を室温で中性有機溶剤に浸せきして洗浄してもよい。供試品は,

試験前に大気中で乾燥することが望ましい。ただし,その他の洗浄方法を用いてはならない。

6.2

エージング

製品規格に規定がある場合は,加速エージングを行ってもよい。加速エージングは,次に示す条件のい

ずれか一つを適用する。

−  JIS C 60068-2-20 のエージング 1a (4.5.1)

−  JIS C 60068-2-20 のエージング 1b (4.5.1)

−  JIS C 60068-2-20 のエージング 3 (4.5.3)

−  JIS C 60068-2-20 のエージング 1  ただし,8 時間

7

材料

7.1

はんだ

7.1.1

一般

はんだ槽法及びはんだ小球法の試験に用いるはんだは,7.1.2 及び 7.1.3 による。

7.1.2

鉛入りはんだ合金

はんだ合金組成は,Sn60Pb40,Sn63Pb37 又は Sn62Pb36Ag2 とする。はんだ合金の名称は,JIS Z 3282

の記号 1 による。


4

C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

   

注記  銀入りはんだは,部品の銀を含む金属化電極の食われが減少するため,製品規格の要求がある

場合は,適用することが望ましい。

7.1.3

鉛フリーはんだ合金

推奨するはんだ合金組成は, Sn96.5Ag3Cu0.5(質量分率で銀 3.0 %, 銅 0.5 %, すず 96.5 %) 又は

Sn99.3Cu0.7

(銅 0.7 %,すず 99.3 %)とする。はんだ合金の名称は,JIS Z 3282 の記号 1 による。

注記 Sn96.5Ag3Cu0.5 の代わりに,質量分率で銀 3.0 %∼1 %,銅 0.5 %∼1.0 %,残りが  すず  のはん

だ合金を用いてもよい。Sn99.3Cu0.7 の代わりに,質量分率で銅 0.45 %∼0.9 %,残りが  すず  の

はんだ合金を用いてもよい。

7.1.4

はんだ小球平衡法でのはんだ質量

はんだ小球平衡法の場合には,はんだの形状はペレット状又は線材を切断したものを用いる。はんだ小

球の質量は,直径 4 mm の小球保持ピンの場合,200 mg±10 mg とし,直径 3.2 mm の小球保持ピンの場合,

100 mg

±10 mg とし,直径 2 mm の小球保持ピンの場合,25 mg±2.5 mg とする。

7.2

フラックス

7.2.1

一般

試験に用いるフラックスは,ロジン系又は有機酸系のいずれかとする。有機酸系は,水溶液又はアルコ

ール溶液とする。

用いるフラックスは,製品規格に規定する。

7.2.2

ロジン系フラックス

a)

非活性:組成は,質量分率でコロホニー(ロジン)25 %を質量分率で 75 %の 2-プロパノール(イソプ

ロパノール)又はエチルアルコールに溶解したもの(JIS C 60068-2-20 

附属書 参照)。

注記  コロホニーは,一般的でないため,同義語のロジンを括弧内に記載した。

b)

活性:上記のフラックスに,分析試薬級の塩化ジエチルアンモニウムをコロホニーの質量に対する遊

離塩素の質量分率として,0.2 %又は 0.5 %を加えたもの。

7.2.3

有機酸系フラックス

a)

水溶液:組成は,次の質量分率とする。

イオン交換水 90.1 %,ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1.6 %,アジピン酸 1.6 %,コ

ハク(琥珀)酸 1.6 %,グルタル酸 1.0 % 及び  界面活性剤[ポリ(オキシエチレン)=アルキルエ

ーテル (C=12-16)]0.1 %

注記 1  対応国際規格では,慣用名“グリコールエーテル (CAS No. 34590-94-8)”で記述している

が,この規格では化学名ジプロピレングリコールモノメチルエーテルで記述する。

注記 2  対応国際規格では,慣用名“alcohol ethoxylate surfactant (CAS No. 68131-39-5)”で記述して

いるが,この規格では化学名[ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル (C=12-16)]

で記述する。

b)

アルコール溶液:組成は,次の質量分率とする。

2-

プロパノール(イソプロパノール)94 %,アジピン酸 1.5 %,コハク(琥珀)酸 1.5 %,グルタ

ル酸 1.5 % 及びロジン 1.5 %

注記  このフラックスは,最新のフラックス組成を反映したもので,ロジン系の試験フラックスと

同等の判別能力がある。


5

C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

8

試験手順

8.1

試験温度

8.1.1

鉛入りはんだ合金

試験前及び試験中のはんだ温度は,235  ℃±3  ℃とする。

8.1.2

鉛フリーはんだ合金

製品規格にその他の規定がない場合は,試験前のはんだ温度は,Sn96.5Ag3Cu0.5 のはんだでは,245  ℃

±3  ℃及び Sn99.3Cu0.7 のはんだでは,250  ℃±3  ℃とする。

8.2

はんだ槽平衡法

供試品の電極部が希望する浸せき角度となるように適切な保持具に取り付け,はんだ槽の中央上方に配

置する。推奨する浸せき角度は,

表 による。

試験前のはんだの温度は,8.1 による。

試験を行う前に,試験する供試品の端子部へカクテルスティック,綿棒などの塗布具で適切なフラック

スを一様に塗布する。過剰なフラックスのしずく(滴)は,吸収性のある紙を当てて取り除く。フラック

スが供試品の保持具に入り込んでいないか又は部品表面に残っていないことが重要である。過剰なフラッ

クスは,フラックスの溶剤が溶融したはんだに触れて,爆発的な沸騰が起こることがある。

試験する直前に,はんだにぬれない材質のへらを用いて,はんだ表面の酸化物を取り除く。必要がある

場合は,装置の懸垂装置及び記録計をゼロ位置に調整する。

供試品を,予備加熱の期間中,供試品の下端が,はんだの表面から 20 mm±5 mm の位置となるように

装置につり下げる。はんだに浸せきする前に,供試品の予備加熱及び乾燥ができるように,30 秒±15 秒間

保持する。この期間は,フラックスの溶剤を試験前に取り除き,はんだ,供試品及びフラックスが接触し

たときに,爆発的な沸騰が起こらないようにするために必要とする。

予備加熱の後に,供試品は,はんだと 1 mm/s∼5 mm/s の速度で接触させる。推奨する浸せき深さは,

1

による。


6

C 60068-2-69

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表 1−はんだ槽平衡法の推奨試験条件

部品の種類

外形寸法記号
又は形状記号

浸せき角度

a)

参照図

浸せき深さ

mm

磁器コンデンサ

b)

1608

2012

3216

4532

水平,垂直 
又は 20°∼45°

1A

,1B,1C

抵抗器

b)

1608

2012

3216

水平,垂直 
又は 20°∼45°

1A

,1B,1C,

1G

d)

,1H

d)

端子付き SMD

SOT 23

SOT 89

SOT 223

SOIC 16

c)

SOIC 28

c)

VSO 40

c)

QFP 48

c)

QFP 160

c)

PLCC 44

c)

PLCC 84

c)

垂直又は 20°∼45°

1D

,1E,1F

円筒形 SMD

水平,垂直 
又は 20°∼45°

1A

,1B,1C

− SOD

80

垂直又は 20°∼45°

1B

,1C

0.04

∼0.10

外形寸法記号が 1608 より小さい場合には,はんだ小球平衡法(8.3 参照)で行うことが望ましい。

推奨する浸せき時間は,5 秒間とする。ただし,SOT 89 及び SOT 223 の推奨する浸せき時間は,10 秒間とする。
すべての部品の推奨する浸せき速度は,1 mm/s∼5 mm/s とする。

a)

供試品の姿勢は,端子部又は端子のはんだ面に対する方向である。

b)

対応国際規格のインチでの外形寸法記号の記述及び

注は,採用しない。

c)

これらの端子は,切断して個々に試験してもよいが,切断するときに変形しないように注意する必要がある。

この操作は,エージングを行う場合は,エージングの後に行うことが望ましい。

d)

 1G

及び 1H の姿勢は,1B の姿勢では,はんだに面した電極がない部品に適用する。

はんだと供試品とを,この位置に 5 秒間以上保持する。供試品がはんだから離れ始めた後の力の曲線は

解析しないため,引抜き速度は規定しない。

試験の時間シーケンスを,

表 に示す。試験の時間シーケンスは,再現性を確保するために最短時間で

行うことが望ましい。


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表 2−試験の時間シーケンス(はんだ槽)

単位  s

手順

開始時刻

所要時間

1)

供試品へのフラックス塗布

0

約 5

2)

供試品のつり下げ

∼ 15

3)

はんだ表面の酸化物の除去

∼ 20

4)

予熱

∼ 30

30

±15

5)

試験装置の始動

∼ 75

3

∼25

6)

はんだへの浸せき

∼100

約 5

供試品に働く鉛直方向の力は,はんだと供試品とが接触している間記録する。引抜き時の力は,引き抜

くときの力対時間曲線は解析しないため,記録しなくてもよい。

供試品が十分冷えた後,供試品からフラックスの残さ(渣)を,中性の有機溶剤を用いて取り除く。供

試品を,倍率 10 倍の拡大鏡で目視検査する。はんだはじきは,供試品をはんだから引き抜くまで起こらな

いことが多いため,特に注意することが望ましい。

供試品をはんだから引き抜くときに,つらら状のはんだが端子部分にある場合には,はんだはじきを覆

い隠すことがあることに注意する。

8.3

はんだ小球平衡法

供試品に,適切なはんだ小球ブロックを選定する。

表 に,推奨するはんだ小球保持ブロックピンの寸

法を示す。

設定するはんだの温度は,8.1 による。鉄製のピンをはんだで覆わないで加熱すると,酸化してぬれにく

くなるので,はんだで覆わない状態で,鉄製のピンを加熱しないように注意する。

供試品の電極部が希望する浸せき角度となるように適切な保持具に取り付け,はんだ小球の中央上方に

配置する。代表的な部品の推奨する浸せき角度は,

表 による。

試験を行う前に,供試品の試験する端子部へカクテルスティック,綿棒などの塗布具で適切なフラック

スを一様に塗布する。過剰なフラックスのしずく(滴)は,吸収性のある紙を当てて取り除く。フラック

スが供試品の保持具に入り込まない又は部品表面に残っていないことが重要である。

過剰なフラックスは,

フラックスの溶剤が溶融したはんだに触れて,爆発的な沸騰が起こることがある。

試験する直前に,前の試験で用いたはんだを,はんだ小球ブロックを綿棒でふ(拭)いて取り除いて,

供試品に適切な質量の新しいペレットに置き換える。活性のロジン系フラックス(7.2 に規定の遊離塩素の

質量分率 0.5 %)をはんだ小球に十分塗布する。これによって,試験期間中のはんだ小球の表面を清浄に

して,かつ,鉄製のピンがはんだに全部ぬれること及び標準的な半球形状となることを確実にする。必要

がある場合,装置の懸垂装置及び記録計をゼロ位置に調整する。

供試品を,予備加熱の期間中,供試品の下端が,はんだ表面から 20 mm±5 mm の位置となるように装

置につり下げる。はんだに浸せきする前に,供試品の予備加熱及び乾燥ができるように,30  秒間±15  秒

間保持する。この期間は,フラックスの溶剤を試験前に取り除き,はんだ,供試品及びフラックスが接触

したときに,爆発的な沸騰が起こらないようにするために必要とする。

予備加熱の後に,供試品は,はんだと 1 mm/s∼5 mm/s の速度で接触させる。代表的な部品の推奨する浸

せき深さは,

表 による。


8

C 60068-2-69

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表 3−はんだ小球平衡法の推奨試験条件

部品の

種類

外形寸法記号
又は形状記号

浸せき角度

b)

参照図

浸せき深さ

mm

ピン径

mm

小球質量

mg

適用範囲及び

注意事項

1005

1608

水平又は垂直

2A

又は

2B

2 25

2012 3.2

又は 4

100

又は 200

磁 器 コ ン デ
ンサ

a)

3216

水平 2A

0.10

4 200

1005

垂直 2B

1608 2A

又は

2 25

2012 3.2

又は 4

100

又は 200

抵抗器

a)

3216

水平又は垂直  2H

c)

0.10

4 200

タ ン タ ル 電

解 コ ン デ ン
サ,LED

a)

3216

d)

,3528

6032

,7343

垂直 2H

c)

 0.10

4

200

SOT 23

,25,

26

,323,343,

353

,363

2D 0.10

2

25

SOT 89

, 0.20

SOT 223

,523

一 番 外 側 の ピ ン
だけ

ガルウイング
ダイオード

2F

0.25

SOIC

,VSO,

QFP

又は SOP

20

°∼ 45°

2D 0.20

端子付き

SMD

e)

PLCC

,SOJ

水平 2E

0.10

4 200

端 子 間 の は ん だ
ブ リ ッ ジ を 避 け
るために,十分な

端子を取り除く。

− QFN

水平 2H

c)

 0.10

2

25

は ん だ ブ リ ッ ジ

に注意。

円筒形 SMD

水平又は垂直 2A 又は

2B

0.25 4  200

− SOD

80

垂直 2B

0.20

4 200

− BGA,CSP 又

は LGA

f)

水平 2G

0.10

2 25

試験できるのは,
周 辺 の は ん だ ボ
ールだけ及び 10

mm

ピッチまで。

磁器コンデンサの外形寸法記号 3216 は,はんだ槽平衡法(8.2 参照)で行うことが望ましい。

推奨する浸せき時間は,5 秒間とする。ただし,SOT 89 及び SOT 223 の推奨する浸せき時間は,10 秒間とする。

2B

では,供試品を右側へずらしてもよい。右側へのずれは,はんだ小球の頂点からはんだ小球直径の 0 %∼15 %とし,

左側へのずれは認めない。

注記  タンタル電解コンデンサ及び LED の外形寸法記号は,対応国際規格では A,B,C 及び D(IEC 60384-3-101 

外形寸法記号)で記載している。IEC 60384-3-101 は対応 JIS が制定されていないため,この規格では,外形寸

法の標記方法を磁器コンデンサ及び抵抗器の標記方法に合わせた。

a)

対応国際規格のインチでの外形寸法記号の記述及び

注は,採用しない。

b)

供試品の姿勢は,端子部又は端子のはんだ面に対する方向である。

c)

 2H

の姿勢は,2B の姿勢では,はんだに面した電極がない部品に適用する。

d)

この試験が可能な装置は,限定されている。

e)

これらの端子は,切断して個々に試験してもよいが,切断するときに変形しないようにする必要がある。この

作業は,エージングを行う場合は,エージングの後に行うことが望ましい。

f)

この試験は,はんだボール又はバンプがリフローはんだ工程中で溶融しないように設計されていて,試験温度
で溶融しない場合だけに推奨する。


9

C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

表 3−はんだ小球平衡法の推奨試験条件(続き)

はんだと供試品とを,この位置に 5 秒間以上保持する。供試品がはんだから離れ始めた後の力対時間曲

線は解析しないため,引抜き速度は規定しない。

試験の時間シーケンスを,

表 に示す。試験の時間シーケンスは,再現性を確保するために最短時間で

行うことが望ましい。

表 4−試験の時間シーケンス(はんだ小球)

単位  s

手順

開始時刻

所要時間

1)

供試品へのフラックス塗布   0

約 5

2)

供試品のつり下げ

∼ 15

3)

はんだ表面の酸化物の除去

∼ 20

4)

はんだ小球へのフラックス塗布

∼ 30

5)

予熱

∼ 40

30

±15

6)

試験装置の始動

∼ 85

3

∼25

7)

はんだへの浸せき

∼110

約 5

供試品に働く鉛直方向の力は,はんだと供試品とが接触している間記録する。引抜き時の力は,引き抜

くときの力対時間曲線は解析しないため,記録しなくてもよい。

供試品が十分冷えた後,供試品からフラックスの残さ(渣)を,中性の有機溶剤を用いて取り除く。供

試品を,倍率 10 倍の拡大鏡で目視検査する。はんだはじきは,供試品をはんだから引き抜くまで起こらな

いことが多いため,特に注意することが望ましい。

供試品をはんだから引き抜くときに,つらら状のはんだが端子部分にある場合には,はんだはじきを覆

い隠すことがあることに注意する。


10

C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

   

9

結果の表示

9.1

記録の形

この規格では,上向きの力(ぬれなし)を負方向,下向きの力(ぬれ)を正方向として表示する。

代表的なぬれ曲線を,

図 に示す。

注記  浮力線は,理論上の浮力である。

図 2−代表的なぬれ曲線

時刻 t

0

は,はんだ表面と試供品とが最初に接触する時刻で,曲線がゼロラインからわずかに下方向にな

ることで示される。

A

点では,溶融したはんだ表面が供試品の端子を昇り始める。通常,ぬれ力の急激な上昇を示す。

B

点では,接触角が 90°になる。代表的なぬれ曲線を,

図 に示す。測定される力は,部品の浮力によ

る。

C

点では,ぬれ力が測定される最大値の 2/3 になる。C 点でのぬれ力は,規定の時間内で規定の値以上

とする。

D

点では,規定の浸せき時間中に到達するぬれ力が最大になる。

E

点は,規定の浸せき時間の終わりを示す。

E

点から後の供試品を引き抜くときの記録は,評価の対象としない。

注記  容易にぬれる部品では,ゼロラインからの下方向の力が現れないことがある。これは,ぬれが

よいことを表している。

9.2

試験要求事項

部品のはんだ付け性に対する要求は,次のパラメータの一つ以上で表す。

a)

ぬれの初期段階に対しては,時刻 t

0

から B 点までの時間の最大値。

b)

ぬれの進行段階では,時刻 t

0

から C 点までの時間の最大値。

c)

ぬれの安定性は,

での力

での力

D

E

の最小値。


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C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

10

製品規格に規定する事項

平衡法での試験を規定する場合には,製品規格に次の事項を規定する。

規定事項

細分箇条番号

a)

試験前の洗浄のありなし

6.1

b)

加速エージングのありなし(ある場合は,その方法)

6.2

c)

フラックスの種類

7.2

d)

はんだ合金の組成

7.1

e)

はんだ小球の寸法

8.3

f)

規定と異なる試験温度

8.1

g)

表 又は表 に記載がない供試品の試験する部分

8.2

又は 8.3

h)

表 又は表 に記載がない供試品の浸せき角度

8.2

又は 8.3

i)

表 又は表 に記載がない供試品の浸せき深さ

8.2

又は 8.3

j) 5

秒間と異なる試験時間

8.2

又は 8.3

k)

ぬれの開始段階及びぬれの進行段階の許容時間

9.2

l)

ぬれとはんだはじきとを評価する部位

8.2

又は 8.3


12

C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

   

附属書 A

規定)

試験装置の仕様

序文

この附属書は,箇条 に規定する試験装置の仕様について規定する。

A.1

試験装置の特性

この規格で用いる記録計又はコンピュータシステムを含む試験装置一式は,次の特性が必要である。

A.1.1

    記録装置の応答時間は,最大負荷から中心のゼロ点への戻りが 0.3 秒間以内に完了し,かつ,行き

過ぎ量 (overshoot) は,最大の読みの 1 %以下とする。

A.1.2

    測定系は,複数の感度設定ができることが望ましい。最大感度の設定では,0.02 mN よりも小さい

力の分解能がある。

A.1.3

    記録計の振れは,負荷の力に正比例するものとし,かつ,最大振れに対して±5 %よりもよい正確

さとする。

A.1.4

    記録装置の電気的及び機械的雑音は,最大感度で信号レベルの 10 %以下とする。

A.1.5

    機械的な平衡をとるばね系の硬さは,10 mN の負荷を供試品保持具につるしたときの鉛直方向の

変位が 0.1 mm を超えてはならない。

A.1.6

    記録計を用いる場合の記録紙の速度は,10 mm/s 以上とする。

A.1.7

    浸せき及び引抜きの速度は,1 mm/s∼5 mm/s とする。

A.1.8

    浸せき深さは,±0.01 mm  の精度で調整できる。

A.1.9

    はんだの温度は,8.1 に規定する温度を維持する。設定温度は,200  ℃∼260  ℃の範囲で調整でき

る。

A.1.10

    最大浸せき位置で保持する時間は,0 秒間∼10 秒間の間で調整できる。

A.2

はんだ槽

A.2.1

    はんだ槽は,試験温度を要求の正確さで維持するために,十分な熱容量が必要である。ぬれ力が

はんだ槽の縁でのはんだ表面の曲がりの影響を受けないように,供試品のどの部分もはんだ槽の縁から 15

mm

以上離れていなければならない。はんだ槽の深さは,15 mm 以上とする。

A.3

はんだ小球支持ブロック

A.3.1

    はんだ小球支持ブロック本体は,引張強度が 170 N/mm

2

以上の,次に示す質量分率の組成の非熱

処理 (non-heat-treatable) アルミニウム棒製とする。

マグネシウム 1.7

%

∼2.8 %

銅 0.1

%

以下

けい素 0.6

%

以下

鉄 0.5

%

以下

マンガン 0.5

%

以下

クロム 0.25

%

以下


13

C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

亜鉛 0.2

%

以下

チタン及びその他粒界浄化成分 0.15

%

以下

アルミニウム

残り

ISO 6362

参照

A.3.2

    直径 2 mm,3.2 mm  及び 4 mm の鉄製のピンは,純鉄又は次の質量分率の組成の低炭素鋼で作る。

炭素 0.05

%

以下

酸素 0.02

%

以下

窒素 0.02

%

以下

その他の不純物 1.5×10

6

 %

以下

残り

ISO 683

参照

A.3.3

    軟鋼のピンは,アルミニウム製の本体にリーマであけた穴に熱ばめ(熱収縮)で固定する。

A.3.4

    アルミニウム製の本体は,電気ヒータで加熱し,何らかの方法で,8.1 に規定する温度の±3  ℃に

制御する。

A.3.5

    温度の測定は,鉄製のピンにあけた穴に熱電対,サーミスタ,白金抵抗線などの適切なプローブ

を挿入して行う。

A.3.6

    鉄製のピンの表面は,すずでめっきする。測定の終了後,鉄製のピンが酸化して,はんだはじき

を防ぐために,はんだ小球を載せたまま冷却する。

A.3.7

    供試品とはんだ小球との位置関係を,水平軸 2 方向で調整できなければならない。


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C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

   

附属書 B

参考)

SMD

のはんだ付け性試験への平衡法の使用手引

序文

この附属書は,SMD のはんだ付け性試験への平衡法の使用手引を記載するもので,規定の一部ではない。

B.1

ぬれ性測定の定義

平衡法は,供試品を溶融したはんだ槽中又は溶融したはんだ小球中に浸せきしたときに,供試品への鉛

直方向の力を時間の関数として測定できるようにする。供試品のぬれ性を,あるぬれ度合いに到達する時

間又はある時間内に到達するぬれ度合いの測定結果から推定する。

表面実装部品の構造は,一般的に,接触角がゼロとなるまで溶融はんだ面が上昇することがないため,

測定したぬれ力と JIS C 60068-2-54 に示す理論上のぬれ力とを比較することができない。

はんだ付け性の規格には,力対時間曲線の数点について特定の値を要求してもよい。この附属書は,用

いてもよい測定点及び数値を提案する。

試験装置は,再現性及び数値的結果が得られるように,幾つかの要求事項に適合するよう考慮する。こ

れらの要求事項及び検証方法も,この附属書に含む。

試験方法の選定方法は,試験する部品の種類及び試験から得ようとする情報のレベルによって異なる。

関連する部品規格には,推奨する試験方法を記載する。

B.2

はんだ小球質量及び鉄製のピンの直径

はんだ小球平衡法では,アルミニウムブロックに挿入した鉄製のピンの直径が 4 mm,3.2 mm 及び 2 mm

の 3 種類を,また,これに対応する 3 種類のはんだペレットの質量,200 mg,100 mg 及び 25 mg を標準と

して用いる。

一般に,25 mg のはんだ小球は,小さい供試品の測定感度をよくするため,また,QFP,BGA などのフ

ァインピッチ部品の個別端子に対する測定を容易にするために用いる。200 mg のはんだ小球は,大きい

SMD

及び多端子のように 25 mg のはんだ小球では熱容量が不十分となる供試品に対して用いる。100 mg

のはんだ小球は,200 mg のはんだ小球より大きなぬれ力が得られ,また,25 mg のはんだ小球より大きな

熱容量がある。例えば,0402 のようなより小さな SMD の出現への対応として,より小さなピン寸法,ピ

ンの直径が 1 mm でペレットの質量が 5 mg が必要になる。

表 に,推奨するピンの直径及びはんだ小球の質量を示す。

はんだ小球平衡法は,供給できる熱量が限定されているため,部品が必要とする熱量で分類するのがよ

い。極端な例では,SOT89,SOT223 などの中央端子は,他の二つの外部端子より数倍の熱容量をもって

いる。

B.3

供試品の方向及び浸せき深さ

一般的に表面実装部品は端子部が短いため,はんだ面より上の部分の面積をできるだけ大きくしてぬれ

力を最大限大きく得られるように,浅い浸せき深さとするのがよい。この状態では,ぬれ力に対する浮力

が相対的に小さくなる。


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C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

ただし,浅い浸せき深さは,供試品が必要とする熱量とは相反する。浸せき深さが浅すぎると,熱伝達

の不足及び不安定が起こり,ぬれが始まる時間が大きく変動する。浸せき深さを深くしすぎると,ぬれ力

の読みとりが困難になる。

表 にはんだ槽平衡法及び表 にはんだ小球平衡法での一般的な部品に対して

推奨する浸せき深さの一覧を示す。

一般的な指針として,端子は,一番よい結果が得られるとされる鉛直方向にまっすぐな力が得られる方

向とする。ただし,最終的に行われるプリント配線板へのはんだ付けと同じように,はんだが端子表面を

ぬれていくことが必要である。はんだとの接触は,露出した端子切断面を含むはんだ付けのできない部分

を避け,はんだ付けができるめっき部分で行う。浸せき角度は,供試品に対して適切な熱供給が可能なよ

うに,十分な熱伝達ができるように考慮する。

これらの要求から,部品によって,浸せき姿勢及び浸せき深さが異なる。

B.3.1

抵抗器及びコンデンサ

大きなコンデンサでは端子を水平に浸せきすることができるが,抵抗器では,一般的に一つの端子を垂

直又は 20°∼45°に傾けた状態に保持して浸せきするほうがよい結果が得られる。より小さなペレット寸

法が,1005 サイズ及び 1608 サイズの測定に適している。これらの部品では,

表 の 2B のように,一つの

端子をはんだ小球に浸せきするのがよい。

B.3.2

小形の端子部品

SOT89

,SOT23 及び SOT223 は,端子の端部を製造工程で切り落として,一般にはんだにぬれない金属

が露出しているため,45°の角度で浸せきして計測してもよい。浸せき角度を 45°に傾けることで,溶融

したはんだと端子のぬれる部分とが接触でき,接触角がゼロとなる前にはんだが端子を進むことができる

ようになる。

これらの部品は,試験中に隣接する端子のめっきが再溶融するほど加熱されるため,一つの端子だけを

試験してもよい。一般に,このような部品を試験する場合は,小さなはんだ小球を用いることで大きな検

出感度が得られる。

B.3.3

多端子部品

整列した端子をもつ多端子部品は,はんだ槽平衡法で試験ができる。よりよい識別力を得るには,端子

を一つおき又は二つおきで取り除いて,端子間に生じる毛管現象を減少させる方法又は個々の端子を注意

深く部品から切断する方法を用いてもよい。

はんだ小球平衡法は,多端子部品の個々の端子に適用することができる。ただし,はんだ小球が二つの

端子に同時に接触したり,以前に試験した端子のはんだとの接触をしないように端子を取り除くことが必

要になることがある。

整列した多端子部品は,はんだ小球平衡法を用いて試験ができる。ただし,高い熱容量をもつ部品は予

熱の回数及び温度が異なるため,ぬれが始まる時間が安定しないことがある。

SOIC

,VSO 及び QFP は,通常の試験用フラックスではぬれない金属がむき出しになっている端子の切

断面があるため,はんだ面に対し 45°の角度での浸せきを要求してもよい。浸せき角度を斜めにする方法

だけが溶融したはんだを端子のぬれる部分に接触させることができる。この問題は,ほとんどの部品に共

通する。

PLCC

は,本体を水平にしてはんだへ浸せきしてもよい。前の試験で端子に残ったはんだのつのが接触

しないように,端子を一つおきに取り除く。

BGA

は,本体を水平にしてはんだへ浸せきしてもよい。この状態で,外側の列のソルダボールを試験で

きる。隣のソルダボールからはんだ及びフラックスの残さ(渣)を拾わないように,一つおきのソルダボ


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C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

   

ールを試験する。

B.4

試験フラックス

8.2

のはんだ槽平衡法では,フラックスは,部品の端子部だけに塗布する。7.2 のフラックスのいずれを

規定してもよい。

はんだ小球平衡法では,部品の端子部及びはんだ小球の両方に塗布する。部品の端子部には,7.2 のフラ

ックスのいずれでも用いることができる。7.2 の非活性ロジン系フラックスは,はんだ表面を長時間清浄に

する能力がない。部品の端子部に用いるフラックスと異なっていても,差はわずかしかない。

B.5

試験温度

B.5.1

鉛入りはんだ

試験温度の 235  ℃は,既存の規格との一貫性を考慮して選定した。より高い識別力が必要な場合には,

225

℃としてもよい。製品規格の要求がある場合は,これ以外の温度を規定してもよい。

試験温度の例を,次に示す。

 235

℃±3  ℃

 225

℃±3  ℃

 245

℃±3  ℃

ある種のめっき,例えば,光沢のあるすずめっき(有機)又は金めっきでは,235  ℃∼245  ℃の間で,

すず 60 %・鉛 40 %のはんだへの溶解速度が大きく変化する。このような場合には,245  ℃のはんだ槽温

度を試験に用いてもよいかを製品規格に記述するのがよい。

B.5.2

鉛フリーはんだ

次の試験温度が検討されている。

235

℃,245  ℃及び 250  ℃の提案がある。

B.6

試験装置の特性

B.6.1

記録装置

B.6.1.1

ゼロ設定

試験中,供試品に作用する力の方向は,ぬれていない状態からぬれた状態になると反転する。SMD を試

験する場合は,浸せき深さが非常に小さいため,浮力は無視できる。一般的に,力対時間曲線は,小さな

ぬれなしの力と比較的大きなぬれ力とが現れる。

記録装置は,

記録紙又は画面に曲線全体が現れるように,

レベルを調整するのがよい。

B.6.1.2

応答時間(A.1.1 参照)

記録装置の応答速度は,特に,ぬれ初期での力の変化の早さを正確に再現できるような短さが必要であ

る。理論的には,無限に小さいことが望ましいが,実用的には最大応答時間が 0.3 秒間あれば十分である。

したがって,力対時間曲線の信号をデジタル化して,コンピュータで解析することがより一般的である

が,記録計も記録装置として用いることができる。

記録装置の応答時間及び機器のゼロ安定性の情報が入手できない場合には,次の手順で検証してもよい。

既知のおもり(記録装置の中央ゼロ点からフルスケールまでの振れに,十分な質量であるのがよい。

)及び

おもりを保持する適切な供試品保持具を用いる。

−  供試品保持具を取り付けて,記録計をゼロに調整する。


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C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

−  最大速度で記録紙を送り始める。

−  おもりを供試品保持具に載せる。

−    3 秒後に,記録計を作動させたまま,おもりを取り除く。

−    3 秒後に,再びおもりを供試品保持具に載せる。

−  この操作を 5 回以上繰り返した後に,記録計を停止する。

力対時間曲線から,機器のある設定での感度及び応答時間並びにゼロ安定度が分かる。

複数の感度レンジを用意することで,異なる寸法の供試品の試験を可能とする。一般的に,大きなレン

ジでは,小さなレンジに比べて分解能が劣る。SMD では,フルスケールの振れが 2 mN 以下が到達可能と

するのがよい。

B.6.1.3

記録計の速度(A.1.6 参照)

記録計を用いる場合は,力対時間曲線の重要な点を識別するためには,記録紙の速度は,10 mm/s 以上

とするのがよい。

B.6.2

平衡システム

B.6.2.1

ばねの硬さ(A.1.5 参照)

平衡システムは,供試品に加わる力によって起こるばねアセンブリ(一般的な例)の変位を測定する。

この変位は,供試品のはんだに浸せきしている深さの変化を起こし,結果として,浮力の変化となる。し

たがって,ばねシステムは,試験中のばねシステムのたわみとそれによる浮力の変化とが,測定している

その他の力に比べて無視できる程度になるために十分硬いのがよい。

SMD

の試験では,一般的に浸せき深さが浅いため,大きな問題とはならないが,平衡法でより大きな浮

力がある大きな供試品を試験する場合には,より重要な問題となる。

B.6.2.2

雑音レベル(A.1.4 参照)

平衡システム及び増幅システムの電気的及び機械的雑音のレベルは,最大感度での信号レベルの 10 %を

超えないのがよい。

B.6.3

昇降機構及び制御

B.6.3.1

浸せき深さ(A.1.8 参照)

供試品を溶融はんだに,浸せきする深さ(規定する事項)は,次の条件を満足するように考慮する。

a)

加工端子では,ぬれの過程での試験する領域へのはんだの動きが重要であるため,これが起こるよう

な,正しい浸せき角度の選択が必要である。

b)

浸せき深さは,端子部の大部分がはんだ面より上にあるように,十分小さくする。

c)

浸せき深さは,端子部へ適切な熱伝達ができるのに十分であることが望ましい。

d)

浸せき深さは,再現性のある結果を得るために,0.01 mm 以内又は最悪でも 10 %以内で再現できる。

注記  浸せき深さが深くなれば,浮力が大きくなって,記録計の中心から力がゼロへのずれが大き

くなり,また,はんだが動く端子部分が少なくなる。

浸せき深さが深くなれば,はんだから供試品への熱伝達の面積が大きくなって,熱伝導に

起因するぬれ過程の遅れは少なくなる。

B.6.3.2

浸せき速度(A.1.7 参照)

SMD

のはんだ付け試験では,非常に浅い浸せき深さを用いるため,遅い速度しか必要としない。多くの

場合,

遅い浸せき速度は,浸せき深さの精度を高くすることができる。

大多数の供試品では,

1 mm/s

∼5 mm/s

の浸せき速度で,ぬれが始まる前に浸せきが終わる。

B.6.3.3

浸せき時間(A.1.10 参照)


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C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

   

小さな SMD の供試品では,5 秒間の浸せき時間で十分である。大きな供試品及び熱容量が特に大きい供

試品では,10 秒間の浸せき時間が必要となる。

B.6.3.4

はんだ小球の X/Y 位置(A.1.10 参照)

はんだ小球平衡法では,はんだ小球を部品の端子部の真下に,正確に配置することが必要である。これ

は,一般的に,X(左右)及び Y(前後)方向の位置決めができる機械式テーブルで行う。特に,はんだ

小球が部品に沿って移動すると位置誤差が合成される多端子部品の連続する端子を試験する場合には,

±0.05 mm の精度をもっているのがよい。

B.6.4

力対時間曲線の測定項目

B.6.4.1

試験項目の選定

この試験方法の一つの長所は,ぬれのすべての過程を検査することにある。試験する項目を選定する場

合は,9.2 に規定の項目の一つ以上を選定する。

B.6.4.2

ぬれ始めの時間

A

点(

図 参照)では,ぬれの過程がぬれなしの状態からはんだの溶融面が端子部を上昇し始める。A

点と t

0

との間の時間が,ぬれ始めの時間となり,フラックス及び供試品の熱特性によって影響を受ける。

B.6.4.3

ぬれの進行

ある時間で測定された力又はある力に到達する時間は,規定の要求を満たすのがよい。

要求する力は B.6.5 に記述する方法で決めてもよいし,測定した値を統計的な工程管理体制の一部とし

て用いてもよい。

B.6.4.4

ぬれの安定性

力が最大値(D 点)に到達した後には,溶融したはんだ表面は定常的な状態となって力の値も変化しな

い。ただし,この安定性は,供試品とはんだとの反応が原因で供試品表面がはんだによって溶解されるか

又は界面に反応生成物層が形成されることによって乱される。さらに,フラックスの残りかすは,蒸発若

しくは分解又は溶融はんだの表面全体に移行するかもしれない。浸せきした部品のすずはんだ層は,溶融

したはんだ表面より上部も溶融するかもしれない。これらの影響は,試験時間の終わりの E 点での値を D

点での値より低くさせる原因となるかもしれない。このような不安定性は好ましくない。

試験時間が 5  秒間∼10  秒間の場合,次に示す式で算出する D 点での力と E 点での力との比は,0.8 以

上になるのがよい。

での力

での力

D

E

B.6.5

基準となるぬれの力

SMD

の端子部の高さが,溶融はんだ面が完全に上昇できるのに十分でない場合は,接触角がゼロとはな

らない。このことは,JIS C 60068-2-54 の 9.3 での理論的な最大ぬれ力の数学的な算出方法が適用できない

ことを示している。

注記  対応国際規格が参照している細分箇条  (10.4)  は,明らかな誤記である。

評価する供試品から 5 個の試料を採り,ISO 9454-1 の等級 2.2.2A の液体フラックスを用いて試験する。

この非常に活性の強い有機フラックスは,部品の最良のぬれをもたらす。5 個の部品から得られるそれぞ

れの最大力を記録してその平均値を算出したものを,基準となるぬれ力とする。

この力のある割合を,試験する部品に要求する値とする場合,この値を製品規格に規定するのがよい。

試料は,目視で検査したときに,完全にぬれていて,また,ぬれている端子部に損傷がないことを,確

認するのがよい。


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C 60068-2-69

:2009 (IEC 60068-2-69:2007)

この方法で得られた結果は,統計的な工程管理体制の一部として,その部品に対する管理表を作成する

のに用いてもよい。

B.6.6

装置の設置場所

装置は,振動及び通風の影響がない頑丈な作業机の上に設置するのがよい。例えば,排気装置などの追

加設備は,平衡システム及び測定の信号レベルに影響がないように考慮する。

参考文献  ISO 9454-1 : 1990,Soft soldering fluxes−Classification and requirements−Part 1 : Classification,

labelling and packaging

IEC 60068-2-44 : 1995

,Environmental testing−Part 2 : Tests−Guidance on test T : Soldering

IEC 61190-1-1 : 2002

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soldering fluxes for high-quality interconnections in electronics assembly

IEC 61190-1-3 : 2007

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,Fixed capacitors for use in electronic equipment−Part 3-101 : Detail

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porous anode, style I. Assessment level E