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C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS C 0048

には,次に示す附属書及び付録がある。

附属書 A(規定)  腐食性モニタ用銅試験片

附属書 B(参考)  試験装置の説明

附属書 C(参考)  試験方法及び試験期間の選択のための指針


C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  概要

1

1.1

  適用範囲

1

1.2

  引用規格

1

2.

  試験装置

2

3.

  厳しさ

2

4.

  前処理

3

5.

  初期測定

3

6.

  試験

3

6.1

  供試品

3

6.2

  腐食性モニタ材料

3

6.3

  試験手順

4

7.

  後処理

5

8.

  最終測定

5

9.

  製品規格に規定する事項

5

10.

  試験報告書に記載する事項

6

附属書 A(規定)  腐食性モニタ用銅試験片

7

附属書 B(参考)  試験装置の説明

8

附属書 C(参考)  試験方法及び試験期間の選択のための指針

15


日本工業規格

JIS

 C

0048

: 1999

(IEC 60068-2-60

: 1995

)

環境試験方法−電気・電子−

混合ガス流腐食試験

Environmental testing

−Part 2 : Tests−

Test Ke : Flowing mixed gas corrosion test

序文  この規格は,1995 年に第 2 版として発行された IEC 60068-2-60 (Environmental testing−Part 2 : Tests

−Test Ke : Flowimg mixed gas corrosion test)  を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作

成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある事項は,原国際規格にはない事項である。

この規格に記載した IEC 規格番号は,1997 年 1 月 1 日から実施の IEC 規格番号体系によるものである。

これより前に発行された規格については,規格票に記載された規格番号に 60000 を加えた番号に切り替え

る。これは,番号だけの切り替えであって内容は同一である。

1.

概要

1.1

適用範囲

この規格は,電気製品の部品,装置及び材料,特に接触部及び接続部(それぞれ個々のもの,半製品に

組み込まれたもの又は完成された機器に組み込まれたもの)を,屋内環境で作動及び保管するときの腐食

の影響を決めるためのものである。

この試験は,比較情報を得るための試験方法を提供し,また耐腐食性を踏まえた,材料の選定,製造工

程及び部品設計の選択を助けるものである。

附属書 A(規定)は,腐食性モニタ用銅試験片の種類,大きさ及び試験開始前に行う洗浄方法を規定し

た附属書である。

なお,

附属書 B(参考)の試験装置の説明及び附属書(C)参考の試験方法及び試験期間の選択のための指

針は,本体に関連する事項を補足したものであり,規定の一部ではない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

IEC 60068-2-60 : 1955

  Environmental testing−Part 2 : Tests−Part Ke : Flowing mixed gas corrosion

test

1.2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成する。

なお,すべての規格は改正されるので,この規格の関係者は,次の規格の最新版を調査し,適用するよ

う推奨する。

引用規格 


2

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

JIS C 5441-1994

  電子機器用スイッチの試験方法

備考  IEC 60512-2 : 1985   Electromechanical components for electronic equipment ; basic testing

procedures and measuring methods

Part2 : General examination, electrical continuity and contact resistance tests, insulation tests and

voltage stress tests

に整合している。

JIS H 2123-1990

  形銅

備考  ISO 431 : 1981  Copper refinery shapes に対応している。

JIS K 8102-1994

  エタノール(95)(試薬)

備考  ISO 6353-2 : 1983  Reagents for Chemical analysis−Part 2 ; Specifications に対応している。

JIS K 8576-1994

  水酸化ナトリウム(試薬)

備考  ISO 6353-2 : 1983  Reagents for Chemical analysis−Part 2 : Specifications に対応している。

JIS K 8839-1995

  2−プロパノール(試薬)

備考  ISO 6353-3 : 1987  Reagents for Chemical analysis−Part 3 : Specifications に対応している。

JIS K 8951-1995

  硫酸(試薬)

備考  ISO 6353-2 : 1983  Reagents for Chemical analysis−Part 2 : Specifications に対応している。

2.

試験装置

試験装置は,空気調節システム,試験槽,ガス供給システム及びガス濃度測定機器から構成する。設計

及び構成の詳細は任意であるが,各試験方法に規定した条件が有効空間を満たし,次の要求事項に応じる

ものでなければならない。

−  水滴及び霧が試験槽内にもち込まれてはならない。

−  使用する空気及び水は,試験性能に影響しないようにするため,清浄でなければならない。

−  試験雰囲気は,有効空間内において,一様な試験条件を設定できる方法で槽内へ流入させる。

−  ガス分析のための採取位置は,試験槽内の有効空間内でなければならない。

−  排気ガスは,関連する規制規則に従って処理しなければならない。

有効空間は,それぞれ異なる場所での個々の腐食性[銅試験片の質量増加は

附属書 に従い,mg/

(dm

2

×日)で表示]と有効空間内の全試験片の腐食の平均との差が最大 15%以内である空間とす

る。

3.

厳しさ

試験方法の厳しさは,製品規格によるが,次の中から選択する。

表 から選択する試験方法及び

−  試験期間

推奨する期間は,4 日間,7 日間,10 日間,14 日間及び 21 日間である。

表 に試験方法 から試験方法 の四つの試験方法を規定している。各試験方法のそれぞれのパラメー

タを,

表 に示す。各試験方法を適用するための指針は,附属書 の C.3 に示す。


3

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

表 1  試験方法

パラメータ

試験方法 1

試験方法 2

試験方法 3

試験方法 4

H

2

S (10

9

vol/vol)

1)

 100

±20 10±5 100±20 10±5

NO

2

 (10

9

vol/vol)

2)

− 200±50 200±50 200±20

Cl

2

 (10

9

vol/vol)

3)

− 10±5 20±5 10±5

SO

2

 (10

9

vol/vol)

4)

 500

±100

− 200±20

温度  ℃ 25±1 30±1 30±1 25±1 
相対湿度  %RH 75±3 70±3 75±3 75±3

換気回数/h 3∼10 3∼10 3∼10 3∼10 
銅試験片の質量増加

附属書 

よる          [mg/(dm

2

×日)

1.0

∼2.0 0.3∼1.0 1.2∼2.2 1.2∼2.4

1)  H

2

S : 1

µg/m

3

=0.71mm

3

/m

3

2) NO

2

 : 1

µg/m

3

=0.53mm

3

/m

3

3) Cl

2

 : 1

µg/m

3

=0.34mm

3

/m

3

4) SO

2

 : 1

µg/m

3

=0.38mm

3

/m

3

 (10

9

vol/vol)

と単位  (

µg/m

3

)

の換算である。これは 1)4)

の全体に関係する。

備考  腐食作用の性質は,試験方法 から試験方法 で異なる。したがって,試験方法番号及び

銅試験片の質量増加は,試験の厳しさを反映するものではない。

4.

前処理

製品規格には,供試品の前処理,例えば,洗浄又は機械的処理を要求してもよい。

5.

初期測定

初期測定は,製品規格の規定に従って行わなければならない。一般的なこれらの測定を,次に示す。

−  電気製品に対する接触抵抗の測定  JIS C 5441 7.1(接触抵抗)

−  絶縁抵抗の測定  JIS C 5441 7.2(絶縁抵抗)

6.

試験

次の両方を同時に試験しなければならない。

−  評価するための供試品

−  腐食性モニタ材料

6.1

供試品

製品規格には,例えば,コネクタが接続状態又は非接続状態,スイッチが開又は閉,動作状態又は電気

的に負荷状態のように試験期間中の供試品の状態を規定しなければならない。

発熱供試品が動作状態又は負荷状態の間は,有効空間内の温度及び相対湿度を規定の範囲内にしなけれ

ばならない。

供試品を試験槽に入れるときの供試品及び試験槽の状態は,供試品表面に結露を生じさせないような状

態でなければならない。

6.2

腐食性モニタ材料

試験性能を検証するために,銅試験片を供試品とともに暴露しなければならない。

附属書 に従って準

備した最低 5 枚の銅試験片を供試品とともに同じ期間暴露しなければならない。

適切な感度で測定した試験後の質量増加は,腐食性の尺度の一つ,試験の再現性及び反復性のモニタを

するために用いられなければならない。

他の手段,例えば,金めっき試験片又は他の供試品(

附属書 B.6.3 参照)を銅試験片に加えて用いるこ


4

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

とができる。

6.3

試験手順

次の試験手順の中の一つを用いなければならない。

試験手順 

試験雰囲気が塩素を含まない場合(

試験方法 1)又は塩素濃度を測定するための方法が,試験雰囲気中

に存在する他のガスからの妨害を受けない場合は,次の手順を採用しなければならない。

−  湿潤空気を流し始め,温度及び湿度を調節して安定させる。

−  湿潤空気流中にガスを流し始め,安定させる。

−  ガス濃度を測定し,調節して安定させる。塩素濃度を測定することが必要な場合,試験雰囲気に存

在する全塩素[塩素ガス (Cl

2

)

だけでなく]を,塩素濃度の測定値としてとらえる。

試験雰囲気中に加えられる塩素の形態は,塩素ガス (Cl

2

)

だけでなければならない。

−  6.2 で規定した供試品及び腐食性モニタ材料を入れる。銅試験片は試験期間中,供試品とともに暴露

しなければならない。供試品及び腐食性モニタ材料は,有効空間内に一様に配置しなければならな

い。

供試品は互いに接触したり,試験雰囲気を遮へいしたりしないようにしなければならない。

供試品は,製品規格の規定の状態(例えば,接続状態又は非接続状態,電気的負荷状態又は動作

状態)としなければならない。

−  試験条件を安定させるには,かなりの時間を必要とする。もし,必要ならば温度,湿度及びガス濃

度を測定し,調節する。これらの調節の間,ガス濃度の超過は避けなければならない。

測定値に調節し,安定させる期間は,24 時間以内とする。

−  試験期間中,温度,湿度及びガス濃度は,規定した範囲内に保たなければならない。槽は,試験期

間中に開けることが許される。開放する頻度は制限されなければならない。

4

日間より短い試験期間では,開放は許されない。

4

日間から 10 日間の試験期間では,1 回の開放が許される。

10

日間を超える試験期間では,1 週間に 1 回の開放が許される。

これらの開放時間は,供試品の出し入れに必要な時間に制限しなければならない。

−  試験期間の終了後,供試品及び腐食性モニタ材料を取り出す。

試験手順 

塩素が試験雰囲気中に存在したり(

試験方法 から試験方法 4),塩素の測定方法が試験雰囲気中の他の

ガスから妨害を受ける場合は,次の手順を採用しなければならない。

−  湿潤空気を流し始め,温度及び湿度を調節し,安定させる。

−  湿潤空気中に塩素を流し始め,安定させる。

−  塩素濃度を測定し,調節し,安定させる。

−  6.2 で規定する供試品及び腐食性モニタ材料を入れる。銅試験片は試験期間中,供試品とともに暴露

しなければならない。供試品及び腐食性モニタ材料は,有効空間内に一様に配置しなければならな

い。

供試品は互いに接触したり,試験雰囲気を遮へいしたりしないようにしなければならない。供試

品は,製品規格に規定の状態(例えば,接続状態又は非接続状態,電気的負荷状態又は動作状態)

としなければならない。

−  温度,湿度及び塩素濃度を安定させるには,かなりの時間を必要とする。これは初期に表面での塩


5

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

素の反応速度又は吸着速度が高いことによる。もし必要ならば塩素濃度を測定し,調節する。この

調節の間は,ガス濃度の超過は避けなければならない。塩素濃度は,最低 2 時間は安定していなけ

ればならない。

塩素濃度を規定値に調節し,安定させる期間は,24 時間以内とする。

−  残りのガスを流し,安定させる。もし必要ならば,温度,湿度及び塩素以外のガス濃度を測定し,

調節する。これらの調節の間,ガス濃度の超過は避けなければならない。規定値に調節し,安定さ

せる期間は,24 時間以内とする。試験期間は,すべてのガスが試験雰囲気中に存在するときからと

する。

−  試験期間中,温度,湿度及びガス濃度は規定した範囲内に保たなければならない。しかし,塩素濃

度は,試験期間中コントロールできない。規定範囲内の濃度が確保されていることを確かめるため

には,試験終了後に塩素濃度の測定を行う。槽は試験期間中,開けることが許される。

開放する頻度は制限されなければならない。

4

日間より短い試験期間では,開放は許されない。

4

日間から 10 日間の試験期間では,1 回の開放が許される。

10

日間を超える試験期間では,1 週間に 1 回の開放が許される。

これらの開放時間は,供試品の出し入れに必要な時間に制限しなければならない。

−  試験期間終了後,塩素以外のガスを止め,塩素は流し続けなければならない。塩素分析の妨害を防

ぐため,十分な時間をかけて他のガスを槽から除く。

−  試験を妥当なものとするためには,測定した塩素濃度が規定値以内でなければならない。

−  供試品及び腐食性モニタ材料を取り出す。

7.

後処理

試験槽から供試品を取り出した後,最終測定までは製品規格に従って保存しなければならない。

8.

最終測定

最終測定は,製品規格に従って,行わなければならない。また,試験後の外観検査を要求してもよい。

製品規格には,供試品の良否の判定基準を規定する。もし,必要とする測定が規定時間内に行えない場

合は,後処理条件での保存期間を最大 1 週間延長してもよい。このような延長は,試験報告書に記載しな

ければならない。

9.

製品規格に規定する事項

この試験が製品規格に規定される場合には,次の詳細事項をできる限り適用しなければならない。製品

規格は,次に記載した項目で規定した事項を提供しなければならない。

*印の付された項目は,常に要求されるので,特に注意を払わなければならない。

箇条

a)

試験方法*

3.

b)

試験期間*

3.

c)

供試品の前処理

4.

d)

初期測定*

5.

e)

試験期間中の供試品の状態*

6.


6

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

f)

試験期間中の動作及び負荷

6.

g)

後処理及び期間*

7.

h)

最終測定及び外観検査*

8.

i)

良否の判定基準*

8.

10.

試験報告書に記載する事項

a)

試験方法

b)

試験期間

c)

前処理

d)

初期測定の方法及び結果

e)

試験条件及び試験期間

f)

試験期間中の動作及び負荷

g)

後処理及び期間

h)

最終測定及び外観検査

i)

銅試験片個々の質量増加  mg/(dm

2

×日)

j)

標準からの逸脱


7

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

附属書 A(規定)  腐食性モニタ用銅試験片

この規格で規定した質量増加と試験での質量増加との一致性を検証するために,銅試験片を供試品とと

もに暴露する。銅試験片の質量増加は,試験の厳しさを調節するために用いられる。

A.1

種類及び大きさ

これらの銅試験片は,JIS H 2123 に規定する無酸素形銅 2 種 C 1020 ケーク又はその相当品の最大厚さ

0.5mm

,表面積 0.1dm

2

∼0.2dm

2

の半硬質無酸素銅版で作られていなければならない。

A.2

洗浄方法

試験開始前に,銅試験片は次に規定するように洗浄し,適切な感度の天びんではかり,最大 120 時間ま

で腐食性のない乾燥剤を用いたデシケータに保存することができる。

銅試験片の洗浄方法は,次による。

−  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム又はその相当品を用いて調製した 1mol/水酸化ナトリウム

溶液中において,15 秒間∼30 秒間,電解電圧 5V∼10V でステンレス鋼又は白金を陽極として陰極

脱脂する。

−  水道水で洗浄する。

−  脱イオン水で洗浄する。

− 20 秒間∼30 秒間,JIS K 8951 に規定する硫酸又はその相当品を用いて調製した 10%希硫酸溶液に

浸し,活性化する。

−  水道水で洗浄する。

−  脱イオン水で洗浄する。

−  JIS K 8102 に規定するエタノール (95) 若しくはその相当品又は,JIS K 8839 に規定する 2−プロパ

ノール若しくはその相当品を用いて洗浄する。

−  温風(約 50℃)で乾燥する。

すべての溶液は,少なくとも空気調節システムで用いるのと同質の脱イオン水を用いて準備しな

ければならない。


8

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附属書 B(参考)  試験装置の説明

この

附属書 B(参考)は,本体に関連する事項を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1

概要

試験装置は,空気調節システム,試験槽,ガス供給システム及びガス分析装置から構成される。試験装

置の例を

図 B.1,図 B.2 及び図 B.3 に示す。

図 B.1  試験装置の例


9

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

備考  正圧で用いる試験装置は,注意深く取り扱わなければならない。漏れがあると,試験室の空気は,試験装置

から漏れた空気で汚染される。

湿潤空気の存在する外槽, 
湿潤空気及び腐食性ガスとの事前混合 
試験槽内正圧

図 B.2  試験装置の例 


10

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

備考  正圧で用いる試験装置は,注意深く取り扱わなければならない。漏れがあると,試験室の空気は,試験装置か

ら漏れた空気で汚染される。

外装なし(加熱壁)

パーミエーションチューブを用いたガス供給, 
湿潤空気及び腐食性ガスとの事前混合 
試験槽内負圧

図 B.3  試験装置の例 

B.2

空気調節システム

空気調節システムは,試験槽に湿潤空気を提供するものである。一般的な方法は,必要とされる湿潤空

気の露点を超える温度に保持された水槽に圧縮空気を吹き込むものである。温度を設定する場合は,試験

雰囲気へ乾燥空気を送る場合を考慮することが望ましい。

試験槽内の相対湿度を周期的に確認し,その結果に従い水槽の温度を調節することが望ましい。

圧縮空気は,オイル及び汚染物を除去したものであることが望ましい。一つ又は幾つかのオイルトラッ

プ,オイルフィルタ,及び活性炭とモレキュラシーブの組合せのようなケミカルフィルタを用い,定期的

に再生することが望ましい。この代わりに,合成空気を用いることができる。水は,蒸留水又はイオン交

換水が望ましい。

湿潤空気は,

図 B.1 に示す方法で試験槽に導入する。この場合,試験槽からの空気は吸引して排出され

る。これによって外槽内よりも試験槽内の方が低い圧力になる。

外槽からの湿潤空気は,通気孔から試験槽へ吸い込まれる。この通気孔の大きさは,圧力差に影響を与

える。試験槽外の空気の流速は,規定された 1 時間当たりの交換容積の範囲内に調節する。周囲と比較し


11

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

て試験槽内の圧力が低いと,ガス分析装置の使用が困難になることがある。

図 B.2 において湿潤空気は,ポンプで外槽へ送られ,壁の通気孔を経由して内槽を通過する。周囲と比

較して内槽の圧力が高いこの方法は,ガス採取をより容易にし,外気環境からの影響のおそれを軽減でき

る。

それでもまだ,内槽は外槽より低い圧力である。

図 B.2 でガスを湿潤空気と混合する方法を示している。

大量の空気を使用するこの方法は,より低濃度の混合ガスを使用する場合に用いる。

安定した湿度の要求を達成するためには,±0.5℃以内の安定した温度が必要である。安定した温度を達

成するためには,試験槽周辺に水又は空気による保温層が必要な場合がある。

空気による保温層は,

図 B.1 及び図 B.2 で用いるのに対し,空気による保温層,水による保温層又は電

気的に壁を加熱する方法は,

図 B.3 に相当する装置に用いる。

B.3

試験槽

試験雰囲気中の成分は化学的に活性なので吸着しやすく,試験槽及び配管の構成材料に吸着又は反応す

る。

試験槽の材料として推奨されるのは,ガラス,ポリメタクリル酸メチル (PMMA) ,ポリテトラフルオ

ロエチレン (PTFE),ポリビニリデンフルオライド (PVDF) 及びこの適用に対して不可欠な,塩素化合物

に対する耐食性を増加させるために,モリブデン,チタン,ニオブ又は他の耐食性材料を加えた 18%クロ

ム,10%ニッケルタイプのオーステナイト系ステンレス鋼がある。

有効空間内で規定した濃度を得るためには,規定より高濃度のガスを,特に塩素については,供給する

ことがある。用いるステンレス鋼の種類によっては,槽の腐食が起こる。新しい槽は,ガスの吸着速度が

非常に高いために空運転する必要がある。

試験槽の最小容積は,0.1m

3

を推奨する。

試験槽は,いかなる形でもよい。一般的に円筒形は,より均一の気流が得られ,立方形と比較して,槽

の容積に対してより大きな有効空間が得られる。

試験槽は,供試品を日光又は他の光源に必要なときだけさらすことができるようなものにすることを推

奨する。

槽の設計は,槽内の壁及び他の部品を簡単に,かつ,十分に洗浄できるようにすることが望ましい。結

露を防ぐために,規定した温度又はわずかに高い温度に壁を加熱してもよい。通常,空気による保温層(お

そらく外層となる)又は水による保温層を用いる。

槽には,電気的測定,電気的操作及び機械的操作を試験期間中に行うための適切なガス気密シールを取

り付けなければならない。

試験雰囲気は,なるべく槽の底の開口部から流入し,反対側の壁の開口部(槽の上部)から排出する。

開口部の前のじゃま板は,気流の均一性を高めるために用いることができる。

表 に示した要求事項を満たしていれば,有効空間の均一性を高めるための空気の強制循環が認められ

る。

空気の循環は,ファンを用いるか又は回転装置を用いて雰囲気中の試験対象物をゆっくり動かすことに

よって行う。一般にファンは乱気流を作り,腐食速度を増加させる。回転装置を用いる場合の一定の流速

は直径が変わらないときに得られる。ファン又は回転装置を用いる場合は,これらの装置による発熱を考

慮することが望ましい。

一般にファンによる熱放散が試験結果に影響しないようにするためには,ファンは試験対象物から離れ


12

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

た所に設置するのがよい。回転装置のモータは,試験槽内への熱放散を避けるために,通常槽の外側に配

置する。使用する前に,ファン又は回転装置の影響を調べる(B.7 参照)

B.4

ガス給気システム

ガス給気システム,配管,バルブなどは,試験の遂行に影響を与えるほど,ガスを吸着したり又は吸収

したりしないほうがよい。PTFE は,一般に配管材料として使用する。

バルブその他は,一般にガスとの接触面をできるだけ PTFE で被覆した耐酸性の鋼で作る。特に,塩素

は,湿気があると耐酸性の鋼を腐食させる。

使用するガスは,清浄化した空気,合成空気又は窒素をキャリアガスとし,パーミエーションチューブ

から供給することができる。この代わりに,希釈ガス(通常,窒素ベース)ボンベを使用する方法もある。

使用するガスは,試験の遂行を妨げないように十分な純度をもっているものが望ましい。要求される純

度すなわち,規定されているガス以外の活性ガス濃度は,規定されているガス濃度の最大 0.1%である。二

酸化窒素中の一酸化窒素のようなガスは,

規定されているガスの最大 10%,

又は高めの濃度が許容される。

ガス流量を調節するために,注入ポンプ,オリフィス流量計又はマスフローメータを使用できる。希釈

した腐食性ガスを調節するためには,マスフローメータを推奨する。

試験槽内に腐食性ガスを導入する前に,混合槽を使用することを推奨する。他の腐食性ガスと混合する

場合は,個々の腐食性ガス間の不必要な反応を避けることが望ましい。

B.5

分析システム

B.5.1

温度及び湿度

温度及び湿度の測定については,腐食性ガスを含んでも影響しない方法を用いることができる。温度及

び湿度は,希釈した腐食性ガスを混合する前に調整するのがよい。

図 B.1 及び図 B.2 による試験装置では,

外槽で制御する。この場合の設定は,希釈した腐食性ガスと混合した状態で調節する。有効空間内の真の

温湿度と通常測定する外槽内の温湿度との相関関係は,周期的にチェックすることが望ましい(通常,1

年に 2 回)

。試験槽内の腐食環境に測定装置を暴露する回数又は期間には,制限を設けることが望ましい。

B.5.2

ガス

試料採取管に用いる管の結露を防ぐために,管を加熱することができる。管内の相対湿度は最大 80%か

できるだけそれ以下とすることが望ましい。

ガス分析装置の機能上許容される試験槽と槽外との間の圧力差の影響を,十分に確認しなければならな

い多くの分析装置は,常圧のガス試料を要求する。

試験槽内が負圧の場合,分析装置によっては,槽から空気を吸うことが困難となり,その結果低い値を

示す場合がある。正圧の場合,容易に常圧まで下げることができるので操作しやすい。

二酸化硫黄に対して用いる装置の分析手法の例としては,蛍光紫外線分析法,電導度法及び比色法があ

る硫化水素に対しては,蛍光紫外線分析法,フレーム光度検出器を備えたガスクロマトグラフ法,金フィ

ルムセンサーへの吸着(二酸化窒素による妨害がある。

,電導度法又は比色法を用いてもよい。二酸化窒

素に対しては,化学発光法又は比色法を用いてもよい。

塩素ガス (Cl

2

)

は,電気化学的方法又は比色法を用いて測定することができる。いずれの方法も試験雰

囲気中で使用する他の腐食性ガスによって影響される。したがって,塩素の分析は,他のガスが存在しな

い状態でだけ行うことができる。

すべてのガスを混合した後の全塩素は,イオンクロマトグラフ法を用いて分析してもよい。この方法を


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C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

用いた塩素の含有量を,Cl

2

濃度の尺度とする。

使用した装置は,取扱説明書に従って校正することが望ましい。さらに,すべての装置は,キャリブレ

ーションガスを使用して定期的に校正することが望ましい。

蛍光紫外線分析型の装置を使用する場合,窒素を使用するときと空気を使用するときとで異なる表示と

なるため,キャリブレーションガスのキャリアとして空気を使用することが望ましい。

多くの装置(例えば,二酸化硫黄用蛍光紫外線分析装置)は,相対湿度の影響に注意することが重要で

ある。キャリブレーションユニットからでたキャリアガスの相対湿度を試料採取管中のガスの相対湿度と

一致させるのは難しい。この場合,清浄な空気を使用して,同じ温度,湿度及び流速にして,かつ,ガス

サンプリングするときのように試料採取管に用いる管を加熱しながら,槽での測定を実施し,この値をキ

ャリブレーションユニットでの純粋なキャリアガスの値と比較する。

槽からの腐食性ガスを分析する場合,

表示を上記の結果に従って調整する。

B.6

他の腐食性モニタ方法

B.6.1

質量増加

銅の質量変化については,0.01mg の感度の天びんを使用するのが望ましい。

長い期間(10 日間以上)暴露する場合,0.1mg の感度の天びんを使用することができる。

腐食性モニタ用銅試験片の質量を測定する前に,天びんを校正することが望ましい。

銅又は銀の質量増加を測定して腐食性を監視するために,水晶振動子マイクロ天びんを使用することが

できる。

銅を被覆した水晶振動子は,

附属書 に規定した方法では洗浄できないので,水晶振動子に規定された

方法で洗浄し,一般の化学天びんで質量を測定した銅試験片の質量増加と比較して修正することが望まし

い。

B.6.2

モニタ用試験片の表面分析

この規格に規定する四つの試験方法のいずれかで試験した試験片の表面に生成した腐食皮膜の調査によ

って,腐食生成物の性質,化学組成,皮膜構造及び厚さについての情報を得ることができる。

還元電量法,サイクリックボルタンメトリー,X 線分析法[SEM,エネルギー分散 X 線分光法 (EDS),

波長分散 X 線分光法 (WDS) 又はマイクロプローブ]

,オージェ電子分光法 (AES),二次イオン質量分析

法 (SIMS),化学分析のための電子分光法 (ESCA) のような適切な方法が,これからの調査のために利用

可能な分析技法である。

B.6.3

外観検査

主要な腐食のメカニズムを調べるためには,金めっきした試験片又は他の供試品を腐食性モニタ材料と

して追加することを推奨する。

試験方法 1,試験方法 及び試験方法 でみられる主な腐食のメカニズムは孔食であり,試験方法 

場合はクリープ腐食である。

B.7

試験槽の校正

新しい槽の有効空間は,幾何学的形状又は空気の流れを変えた場合と同様に,銅試験片を使用して決定

することが望ましい。

銅試験片(

附属書 によって洗浄したもの)は槽内の異なった位置に置き,それぞれの位置に最低 3 個

置く。


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C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

槽の最大負荷量も同様に,銅試験片を使用して決定してもよい。最大負荷量での腐食性は,

表 に示し

た範囲内にあるのが望ましい。有機材料は,金属材料と同じか又はそれ以上の腐食性ガスを吸収する可能

性があることに注意することが望ましい。


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C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

附属書 C(参考)  試験方法及び試験期間の選択のための指針

この

附属書 C(参考)は,本体に関連する事項を補足するもので,規定の一部ではない。

C.1

序文

屋内で,保存又は動作している電気製品の腐食は,温度,相対湿度,風速及び温湿度の変化率のような気

候要因に影響される。

さらに,ガス状汚染物質は,それぞれに対応した異なる腐食メカニズムの発生ばかりでなく腐食の度合い

にも深刻に影響する。

ほこり,油及びプラスチック材料から発生する化合物のような表面の汚染物質は,腐食の度合い及び腐食

メカニズムに影響するかもしれない。

試験雰囲気中で使用するすべてのガスは,自然環境に存在しているものである。しかし,異なる環境にお

いては,それらのガスとは異なるガス状汚染物質がより支配的である。

−  化石燃料の燃焼及び交通環境から生じる二酸化硫黄並びに窒素酸化物

−  石油化学工場及び製鉄所の近辺,有機物の分解,よどんだ水,動物小屋から生じる硫化水素

−  パルプ及び製紙工場の付近での硫化水素及び塩素化合物

この規格における試験方法は,特定の環境に対応するように考慮したものではない。試験方法は,電気製

品に通常用いられる材料に対して,実環境で観察される腐食生成物を再現するために決めたものである。

C.2

試験に用いられる腐食性ガスの作用

硫化水素は,多くの金属,特に銀及び銅に強い腐食作用をもっている。

試験方法 では,二酸化硫黄と硫化水素の相乗効果がある。これは硫化水素を用いた槽及び配管が,単

一の二酸化硫黄腐食試験に用いることができないことを意味する。

試験方法 では,鉄及び亜鉛と同様ニッケルに対しても腐食効果があることから,二酸化硫黄が加えら

れている。

窒素酸化物は,主として,

試験方法 から試験方法 では酸化剤として用いられる。

塩素は,実環境における主要な汚染物質としてはめったに観察されない。

試験方法 から試験方法 

用いる塩素は,一つには酸化剤として,もう一つには塩素化合物として用いられ,還元されて生成した塩

化物は金属表面の酸化保護皮膜に浸透する能力をもつ。これら二つの効果をもつ塩素は,特に硫化水素と

組み合わされたときに強い相乗効果を示す。強い相乗効果及びいわゆる“残留効果”

(槽,配管などから塩

素化合物を完全に取り除くことは非常に難しい。

)のために,塩素を含有する試験に一度用いられた槽及び

配管は,塩素の存在を規定していない試験には用いることはできない。

C.3

異なる試験の使用

銅は,優れたモニタ材料と考えられるが,試験における質量増加は,他の金属試料の腐食とは通常関連

しない。

試験方法 は,金めっきの孔食試験として用いることができる。金めっき表面を直接暴露する試験期間

は 10 日間が適している。

また,

試験方法 は,金めっき板表面の接点及び厳しくない環境(例えば,清浄な環境の通信センター)


16

C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

で用いられる接点の試験に用いることができる。この場合,10 日間から 21 日間の試験期間が適している。

試験方法 及び試験方法 は,通常の腐食環境で使用される電気製品に適している。このような環境は,

通信センター,多くの事務所環境及び産業用機器室で見られる。これらの環境では,金めっきの顕著な腐

食メカニズムは孔食である。

試験方法 は,より腐食しやすい環境に適している。これらの環境では,産業用機器室及び工場地域で

見られる。これらの環境での金めっきは,孔食及び腐食生成物のクリープを生じる傾向がある。

試験方法 から試験方法 で,めっき系の外観評価を行う場合の試験期間は,4 日間又は 7 日間が有効

である。その外観は,用いた材料に影響される。

短寿命製品に対する試験期間は,4 日間から 10 日間が適しており,信頼性が高く,かつ,寿命が長いこ

とが要求をされる製品に対する試験期間は,7 日間から 21 日間が適している。


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C 0048 : 1999 (IEC 60068-2-60 : 1995)

原案作成本委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

池  田  弘  明

静岡大学

(幹事)

高  久      清

工業技術院電子技術総合研究所

(委員)

永  松  荘  一

通商産業省機械情報産業局

中  村  国  臣

工業技術院電子技術総合研究所

橋  爪  邦  隆

工業技術院標準部

寺  岡  憲  吾

防衛庁装備局

吉  田  裕  道

東京都立産業技術研究所

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

赤  嶺  淳  一

社団法人日本電機工業会

菅  野  久  勝

日本試験機工業会

工  藤  真一郎

社団法人関西電子工業振興センター

栗  原  正  英

社団法人日本プリント回路工業会

酒  井  善  治 IMV 株式会社

佐々木  喜  七

財団法人日本電子部品信頼性センター

芹  川  寛  治

日本電気計器検定所

千  葉  宣  臣

財団法人電気安全環境研究所

塚  田  潤  二

社団法人日本電子機械工業会

坪  田  芳  実

株式会社日立製作所

東  條  喜  義

社団法人日本電子工業振興協会

福  西  寛  隆

日本電気株式会社

堀  越  保  博

財団法人日本品質保証機構

(事務局)

喜多川      忍

財団法人日本電子部品信頼センター

環境試験及び分類 JIS 原案作成 B 小委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

中  村  国  臣

工業技術院電子技術総合研究所

(幹事)

小山内      聡

財団法人日本電子部品信頼性センター

(委員)

沖  田  真  一

工業技術院標準部

三  上  和  正

東京都立産業技術研究所

阿  部  昭  裕

株式会社日立製作所

今  井  泰  男

岩崎情報機器株式会社

熊  倉  久  雄

住友スリーエム株式会社

小  林  吉  一

楠本化成株式会社

鈴  木  正  三

双信電機株式会社

津  崎  靖  憲

ミツミ電機株式会社

梁  池  忠  夫

沖エンジニアリング株式会社

山  市      隆

株式会社平山製作所

山  崎  次  朗

株式会社大西熱学

山  本  圭  一

進工業株式会社

山  本  敏  男

タバイエスペック株式会社

横  井  康  夫

株式会社山崎精機研究所

渡  辺      博

株式会社東芝重電技術研究所

(事務局)

喜多川      忍

財団法人日本電子部品信頼センター