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C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 2 

2 引用規格 2 

3 用語及び定義  3 

4 試験要求事項及び関連するパラメータ  10 

4.1 一般要求事項  10 

4.2 試験要求事項  10 

4.3 振動応答検査  10 

4.4 時刻歴振動試験  12 

4.5 サインビート振動試験  13 

4.6 取付け  14 

5 厳しさ 14 

5.1 一般事項  14 

5.2 時刻歴  14 

5.3 試験振動数範囲  14 

5.4 要求応答スペクトル  15 

5.5 時刻歴の回数及び持続時間  15 

5.6 サインビート振動試験レベル  16 

6 前処理 24 

7 初期測定 24 

8 試験 24 

8.1 概要  24 

8.2 振動応答検査  24 

8.3 時刻歴振動試験  24 

8.4 サインビート振動試験  25 

8.5 多軸試験  25 

9 中間測定 25 

10 後処理  25 

11 最終測定  25 

12 製品規格に規定する事項  26 

13 試験報告書に記載する事項  26 

附属書A(参考)時刻歴振動試験方法及びサインビート振動試験方法の指針  28 

 

 


 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本

規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

この規格は,平成14年に制定された,JIS C 60068-2-57“環境試験方法−電気・電子−時刻歴振動試験

方法”,及び平成13年に制定された,JIS C 60068-2-59“環境試験方法−電気・電子−サインビート振動試

験方法”を合体し,技術的な変更はせず,若干の字句修正を行って改正したものである。 

これによって,JIS C 60068-2-57:2002は改正されこの規格に置き換えられ,また,JIS C 60068-2-59:2001

は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 60068の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 60068-1 第1部:通則及び指針 

JIS C 60068-2-1 第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A) 

JIS C 60068-2-2 第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B) 

JIS C 60068-2-6 第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc) 

JIS C 60068-2-7 加速度(定常)試験方法 

JIS C 60068-2-11 塩水噴霧試験方法 

JIS C 60068-2-13 減圧試験方法 

JIS C 60068-2-14 第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N) 

JIS C 60068-2-17 封止(気密性)試験方法 

JIS C 60068-2-18 第2-18部:耐水性試験及び指針 

JIS C 60068-2-20 第2-20部:試験−試験T−端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法 

JIS C 60068-2-21 第2-21部:試験−試験U:端子強度試験方法 

JIS C 60068-2-27 第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea) 

JIS C 60068-2-30 第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db) 

JIS C 60068-2-31 第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec) 

JIS C 60068-2-38 第2-38部:温湿度組合せ(サイクル)試験方法(試験記号:Z/AD) 

JIS C 60068-2-39 第2-39部:低温,減圧及び高温高湿一連複合試験 

JIS C 60068-2-40 低温・減圧複合試験方法 

JIS C 60068-2-41 高温・減圧複合試験方法 

JIS C 60068-2-42 接点及び接続部の二酸化硫黄試験方法 

JIS C 60068-2-43 接点及び接続部の硫化水素試験方法 

JIS C 60068-2-45 耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法 

JIS C 60068-2-46 接点及び接続部の硫化水素試験−指針 


 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

(3) 

JIS C 60068-2-47 第2-47部:動的試験での供試品の取付方法 

JIS C 60068-2-49 接点及び接続部の二酸化硫黄試験−指針 

JIS C 60068-2-52 塩水噴霧(サイクル)試験方法(塩化ナトリウム水溶液) 

JIS C 60068-2-53 第2-53部:耐候性(温度・湿度)と動的(振動・衝撃)との複合試験及び指針 

JIS C 60068-2-54 はんだ付け性試験方法(平衡法) 

JIS C 60068-2-55 第2-55部:ルーズカーゴに対するバウンス試験及び指針(試験記号:Ee) 

JIS C 60068-2-57 第2-57部:時刻歴及びサインビート振動試験方法(試験記号:Ff) 

JIS C 60068-2-58 第2-58部:表面実装部品(SMD)のはんだ付け性,電極の耐はんだ食われ性及びは

んだ耐熱性試験方法 

JIS C 60068-2-60 混合ガス流腐食試験 

JIS C 60068-2-61 一連耐候性試験 

JIS C 60068-2-64 第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh) 

JIS C 60068-2-65 第2-65部:音響振動 

JIS C 60068-2-66 高温高湿,定常(不飽和加圧水蒸気) 

JIS C 60068-2-67 基本的に構成部品を対象とした高温高湿,定常状態の促進試験 

JIS C 60068-2-68 砂じん(塵)試験 

JIS C 60068-2-69 第2-69部:試験−試験Te:表面実装部品(SMD)のはんだ付け性試験方法(平衡

法) 

JIS C 60068-2-70 第2-70部:指及び手の擦れによる印字の摩滅試験 

JIS C 60068-2-75 第2-75部:ハンマ試験 

JIS C 60068-2-77 表面実装部品(SMD)の本体強度及び耐衝撃性試験方法 

JIS C 60068-2-78 第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab) 

JIS C 60068-2-80 第2-80部:混合モード振動試験方法(試験記号:Fi) 

JIS C 60068-2-81 第2-81部:衝撃応答スペクトル合成による衝撃試験方法 

JIS C 60068-2-82 第2-82部:試験−試験XW1:電気・電子部品のウィスカ試験方法 

JIS C 60068-2-83 第2-83部:試験Tf−ソルダペーストを用いた平衡法による表面実装部品(SMD)

のはんだ付け性試験方法 

JIS C 60068-3-1 第3-1部:低温(耐寒性)試験及び高温(耐熱性)試験の支援文書及び指針 

JIS C 60068-3-2 第3-2部:温度/減圧複合試験を理解するための必す(須)情報 

JIS C 60068-3-3 機器の耐震試験方法の指針 

JIS C 60068-3-4 第3-4部:高温高湿試験の指針 

JIS C 60068-3-5 第3-5部:温度試験槽の性能確認の指針 

JIS C 60068-3-6 第3-6部:支援文書及び指針−温湿度試験槽の性能確認の指針 

JIS C 60068-3-7 第3-7部:支援文書及び指針−負荷がある場合の低温試験(試験A)及び高温試験(試

験B)の試験槽の温度測定のための指針 

JIS C 60068-3-8 第3-8部:振動試験方法の選択の指針 

JIS C 60068-3-13 第3-13部:支援文書及び指針−はんだ付け 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

C 60068-2-57:2018 

 

(IEC 60068-2-57:2013) 

環境試験方法−電気・電子− 

第2-57部:時刻歴及びサインビート振動試験方法 

(試験記号:Ff) 

Environmental testing-Part 2-57: Tests-Test Ff: Vibration- 

Time-history and sine-beat method 

 

序文 

この規格は,2013年に第3版として発行されたIEC 60068-2-57を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

この対応国際規格は,1999年に第2版として発行されたIEC 60068-2-57“Environmental testing−Part 2-57: 

Tests−Test Ff: Vibration−Time-history method”及び1990年に第1版として発行されたIEC 60068-2-59 

“Environmental testing. Part 2: Tests. Test Fe: Vibration−Sine-beat method”を合体し,技術的な変更はせず,

規格名称を“Test Ff: Vibration−Time-history and sine-beat method”に変更したものである。 

この規格は,短時間のランダム状の動的な力にさらされる可能性のある部品,機器及びその他の電気・

電子製品(以下,供試品という。)の試験方法を規定するものである。短時間のランダム状の動的な力の代

表的な例として,地震,爆発及び種々の移動手段によって誘発される応力がある。 

これらの力は,短時間の現象のため,供試品の振動応答は定常状態に達しないことがある。 

試験は,正弦波又はランダム波による初期振動応答検査の後に,動的な力の影響をシミュレートする特

性をもつ応答スペクトルで規定する時刻歴振動(加速度,速度又は変位)を供試品に加えることによって

行う。 

時刻歴は,次のものから作成することができる。 

− 自然事象(実測時刻歴) 

− ランダム標本(人工的な時刻歴) 

− 合成信号(人工的な時刻歴) 

通常,要求された試験の厳しさに合わせるために,これら時刻歴の修正が必要となる。 

時刻歴を使う場合,一つの試験波形が広帯域応答スペクトルを包絡するようにできる。 

時刻歴では,供試品の単一又は複数の加振軸方向の全てのモードを同時に励振することができるので,

一般的に連成モードの影響を考慮する。 

注記 連成モードとは,JIS B 0153:2001で“一方の振動モードから他の振動モードヘエネルギーが移

動できるような,互いに独立でなく影響し合う振動モード”と定義されている。 

この試験では,固定振動数のあらかじめ規定する回数のサインビート波で供試品を加振する。1回5サ

イクルのサインビートを5回繰り返す場合の例を図1に示す。 


C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

固定振動数は,規定振動数と正弦波振動試験(JIS C 60068-2-6参照)によって明らかにした臨界振動数

との両方がある。供試品の応答運動が重ならないようにするために,個々のサインビートの間には,休止

を設ける。 

製品規格に規定するために考慮する事項を箇条12に,時刻歴及びサインビート振動試験方法の指針を附

属書Aに示す。 

 

 

図1−5サイクル,5回のサインビートの例 

 

適用範囲 

この規格は,特定の厳しさの過渡振動に耐える供試品の能力を,時刻歴振動試験方法及びサインビート

振動試験方法によって判定するための標準的手順について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60068-2-57:2013,Environmental testing−Part 2-57: Tests−Test Ff: Vibration−Time-history and 

sine-beat method(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 60068-2-6:2010 環境試験方法−電気・電子−第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-6:2007,Environmental testing−Part 2-6: Tests−Test Fc: Vibration 

(sinusoidal)(IDT) 

JIS C 60068-2-47:2008 環境試験方法−電気・電子−第2-47部:動的試験での供試品の取付方法 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-47:2005,Environmental testing−Part 2-47: Test−Mounting of 

specimens for vibration, impact and similar dynamic tests(IDT) 

JIS C 60068-2-64:2011 環境試験方法−電気・電子−第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指

針(試験記号:Fh) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-64:2008,Environmental testing−Part 2-64: Tests−Test Fh: Vibration, 

broadband random and guidance(IDT) 

JIS C 60068-3-3:2000 環境試験方法−電気・電子−機器の耐震試験方法の指針 


C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

注記 対応国際規格:IEC 60068-3-3:1991,Environmental testing−Part 3: Guidance−Seismic test 

methods for equipment(IDT) 

JIS C 60068-3-8 環境試験方法−電気・電子−第3-8部:振動試験方法の選択の指針 

注記 対応国際規格:IEC 60068-3-8,Environmental testing−Part 3-8: Supporting documentation and 

guidance−Selecting amongst vibration tests(IDT) 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

注記 用語の幾つかは,JIS C 60068-1,JIS C 60068-2-6又はISO 2041にも規定されているが,この

規格の利用者の利便性を考慮して,規定した。 

3.1 

臨界振動数(critical frequency) 

次のような現象が起きる振動数。 

− 振動による供試品の機能不良又は性能劣化。 

− 機械共振及び/又はその他の応答の影響(例えば,チャタリングなど。) 

(JIS C 60068-2-6,3.9参照) 

3.2 

折れ点振動数(crossover frequency) 

振動の特性が一つの関係から次の関係に変化する振動数。 

注記 例えば,試験の振動が,一定変位から,一定加速度に変わる振動数。 

(ISO 2041:2009,2.118参照) 

3.3 

減衰(damping) 

系内部の種々のエネルギー損失のメカニズムに起因する振動振幅の継続的減衰。 

注記1 減衰は,実際には,構造系,振動モード,ひずみ,外力,速度,材料,接合部の滑りなどの

多くのパラメータに影響される。 

注記2 JIS C 60068-2-6:2010の3.8では,“系内部の種々のエネルギー損失のメカニズムに起因する

一般的用語”と定義しているが,同じ意味であることに注意する。 

3.4 

粘性減衰(viscous damping) 

振動系の一要素又はある部分が,速度に比例し,動きの反対方向の抵抗力を受ける場合の減衰。 

3.5 

臨界減衰,Cc(critical damping) 

変位した系が振動することなく最短時間で元の位置に戻ることができる最小の粘性減衰。 

3.6 

減衰比(damping ratio) 

粘性減衰系における臨界減衰に対する実際の減衰の比。 

注記1 減衰比(DR)は,式DR=C/Ccから求めることができる。ここで,Cは実際の粘性減衰値で,

Ccは臨界減衰である。 

注記2 減衰比は,通常パーセント値。 


C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

3.7 

シグナルトレランス(signal tolerance) 

次の式から求められる値。 

100

1

F

NF

T

(%) 

ここに, 

T: シグナルトレランス 

 

NF: フィルタを通さない信号の実効値 

 

F: フィルタを通した信号の実効値 

注記 この値は,試験の制御に使用する信号,例えば,加速度,速度又は変位に適用する。 

(JIS C 60068-2-6:2010,A.2.2参照) 

3.8 

固定点(fixing point) 

供試品を運用中に固定している点で,取付具又は振動台に接している供試品の部分。 

注記 実際の取付構造物の一部を取付具として使用する場合は,固定点は,供試品上の点ではなく,

取付構造物上の点とする。 

(JIS C 60068-2-6,3.1参照。ただし,注記2を除く。) 

3.9 

重力加速度(standard acceleration) 

gn 

地球の重力による標準加速度。地球上の重力加速度は,高度及び緯度によって変化する。 

注記 この規格では,gnの値は10 m/s2に丸めている。 

3.10 

高応力サイクル(high stress cycles) 

供試品に高い応力による疲労を発生させる応答のサイクル。 

注記 供試品中の応力は,通常は測定又は制御しない。ここで使用する高い応力は,高い励起の外挿

値である(A.1.4参照)。 

3.11 

計測点(measuring points) 

試験を実施するときにデータを収集する特定の点。 

注記1 これらの点には,次に定義する二つの種類がある。 

注記2 供試品の挙動を調べるために,供試品の内部の点の測定を行うことがあるが,それらの点は,

この規格でいう計測点ではない。 

(JIS C 60068-2-6,3.2参照) 

3.11.1 

監視点(check point) 

取付具,振動台又は供試品上の点で,固定点の一つに可能な限り近く,取付具,振動台又は供試品と強

固に結合している点。 

注記1 試験要求事項を満たすために,複数の監視点を使用する場合がある。 

注記2 固定点が4点以下の場合,それぞれの点の近傍を監視点として使用するのがよい。固定点が

4点を超える場合は,製品規格で代表的な4点を監視点として規定するのがよい。 


C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

注記3 供試品が大きいか又は複雑なため,固定点に近接した点を監視点とすることができないよう

な特別の場合は,製品規格で監視点を規定するのがよい。 

注記4 多数の小形の供試品を1個の取付具に取り付ける場合,又は幾つかの固定点がある小さな供

試品の場合は,制御信号を取り出すために,監視点を1点としてもよい(すなわち,基準点

となる。)。したがって,この信号は,供試品の固定点よりも,むしろ取付具に関係している

ことになる。この方法は,供試品を取り付けた状態の取付具の最低共振振動数が,試験の上

限振動数よりも十分に高いときに限り使用できる。 

3.11.2 

基準点(reference point) 

監視点から選んだ点。基準点の信号を,この規格の要求事項を満たすように,試験の制御に使用する。 

(JIS C 60068-2-6,3.2.2参照) 

3.12 

変調振動数(modulating frequency) 

試験振動数を変調する振動数。 

注記 A.2.2及び図1参照。 

3.13 

実測時刻歴(natural time history) 

ある事象によって発生する加速度,速度,変位などの時間の関数としての記録。 

3.14 

振動系(oscillator) 

機械振動を発生し又は持続することを目的とする1自由度系。 

3.15 

休止(pause) 

引き続く二つの時刻歴又はサインビートの間の間隔。 

サインビートは,次の式で計算できる。 

c

100

1

C

f

T

 

ここに, 

T: 休止時間(s) 

 

f: サインビート振動試験振動数(Hz) 

 

Cc: 試験振動数における臨界減衰(%) 

注記 供試品の応答運動ができるだけ重ならないように休止時間を設定するのがよい。 

3.16 

推奨試験軸(preferred testing axes) 

供試品の最も弱い軸を含む直交する3軸。 

3.17 

要求応答スペクトル(required response spectrum) 

製品規格で規定する応答スペクトル。 

3.18 

応答スペクトル(response spectrum) 

規定する入力運動に対する特定の減衰比の一連の1自由度系の最大応答をその固有振動数の関数として


C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

プロットしたもの。 

3.19 

サインビート(sine beat) 

低振動数の正弦波で変調する単一振動数の連続正弦波。 

注記1 一つのサインビートの時間は,変調振動数の半周期に等しい(図2参照)。 

注記2 サインビート信号の数学的表現は,A.2.2.1参照。 

3.20 

時刻歴の強い部位(strong part of the time history) 

瞬時値が最大値の25 %に達した時点から最後に25 %に下がった時点までの時刻歴の部分(図3参照)。 

3.21 

掃引サイクル(sweep cycle) 

振動数の規定振動数範囲での1回の往復移動。例えば,1 Hz→35 Hz→1 Hz。 

(JIS C 60068-2-6,3.4参照。ただし,振動数“10 Hz〜150 Hz〜10 Hz”を変更した。) 

3.22 

合成時刻歴(synthesized time history) 

応答スペクトルが要求応答スペクトルを包絡するように,人工的に作った時刻歴。 

3.23 

試験振動数(test frequency) 

試験中に供試品を加振する振動数。 

注記 試験振動数は,次に規定する2種類のいずれかである。 

3.23.1 

規定振動数(predetermined test frequency) 

製品規格に規定する振動数。 

3.23.2 

検査による試験振動数(investigated test frequency) 

振動応答検査で決定する振動数。 

3.24 

試験レベル(test level) 

試験波形中の最大ピーク値。 

注記1 この定義は,時刻歴振動試験には適用しない。 

注記2 サインビート振動試験では,この値は,変調半波のピーク値に等しいか又はその近傍である。 

3.25 

試験応答スペクトル(test response spectrum) 

振動台の実際の運動から解析又は応答スペクトル解析装置を用いて求めた応答スペクトル。 

3.26 

時刻歴(time history) 

加速度,速度又は変位の時間の関数としての記録。 

注記 “時刻歴”の数学的定義は,ISO 2041において,“ある量の時間の関数としての表現”と定義

されている。 


C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

3.27 

ゼロ周期加速度(zero period acceleration) 

加速度応答スペクトルの高い振動数での漸近値。 

注記 ゼロ周期加速度は,例えば,時刻歴の加速度の最大ピーク値を表すので,実用上重要である。

これを応答スペクトルのピーク加速度と混同してはならない。例を図4に示す。 

 


C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

 

図2−サインビート当たりのサイクル数 

 


C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

 

図3−典型的な時刻歴 

 

 

 

図4−要求応答スペクトル,試験応答スペクトル及び許容範囲の典型的な対数プロット 

 


10 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

試験要求事項及び関連するパラメータ 

4.1 

一般要求事項 

この試験は,供試品の機械的な弱点及び/又は特定の性能の劣化を判定すること,並びにその試験結果

及び製品規格によって,供試品の受入れ可否を判定することを目的とする。この試験は,供試品の機械的

堅ろう性の実証及び/又は動特性の調査に使用することもできる。 

製品規格には,振動中に供試品を動作させるのか,又は単に振動に耐えるだけでよいのかを規定する。 

この規格では,試験の実施方法及び指定する点での振動の測定方法を規定する。振動の挙動及びその厳

しさ(振動数範囲,必要な応答スペクトル,時刻歴の高負荷サイクル数,サインビートサイクル数及び回

数を含む。)の選択に関する要求事項も規定する。 

振動試験では,常にある程度の技術的判断が要求されるが,受渡当事者間で,このことに十分注意する

必要がある。製品規格を作成する場合は,供試品及びその使用条件に適した試験手順の選択,並びに試験

の厳しさの値を選択することが望ましい。 

この試験では,供試品は実際の取付方法によって又は固定具を用いて振動台に直接固定する。 

この規格の利便性を考慮し,本体では附属書Aの関連する箇条を引用し,附属書Aでは本体の関連する

箇条を引用した。また,附属書Aにはサインビートの変位,速度及び加速度の相互関係を示す。 

4.2 

試験要求事項 

振動応答検査に関する要求事項を4.3に,時刻歴振動試験に関する要求事項を4.4に,サインビート振動

試験に関する要求事項を4.5に,取付けに関しては4.6に示す。振動応答検査,サインビート振動試験及

び時刻歴振動試験に適用する許容差の比較を,表1に示す。 

 

表1−許容差の比較 

パラメータ 

許容差 

振動応答検査 

サインビート振動試験及び時刻歴振動試験 

シグナルトレランス 

正弦波の5 %(4.3.5.3参照) 

適用しない 

基準点の振動 

正弦波の±15 %[4.3.6 a)参照] 

監視点の振動 

500 Hz以下で,規定加速度の±25 %[4.3.6 b)参照] 

500 Hzを超えて,規定加速度の±50 %[4.3.6 b)参照] 

横運動 

50 %又は25 % 

(特別の場合は4.3.3参照) 

25 %(4.4.2参照) 

試験振動数 

(代替値は4.3.7参照) 
0.5 Hz以下で,±0.05 Hz 
0.5 Hzを超えて5 Hz以下,±10 % 
5 Hzを超えて100 Hz以下,±0.5 Hz 
100 Hzを超えて,±0.5 % 

a) 規定振動数(4.5.3.2参照) 

0.5 Hz以下で,±0.05 Hz 
0.5 Hzを超えて5 Hz以下,±10 % 
5 Hzを超えて100 Hz以下,±0.5 Hz 
100 Hzを超えて,±0.5 % 

b) 検査による振動数 

(4.5.3.3参照):±2 % 

注記 振動応答検査の試験振動数の値は,JIS C 60068-2-6の4.1.5.3による。 

 

4.3 

振動応答検査 

4.3.1 

一般要求事項 

製品規格に振動応答検査の規定がある場合,検査は,臨界振動数及び減衰比を決定するために,4.3.2〜

4.3.9を考慮して,JIS C 60068-2-6を基に実施する(8.2参照)。 

振動応答検査として適切と考えられる場合又は製品規格に規定がある場合には,振動応答検査として,

JIS C 60068-2-64に基づいてランダム振動試験を適用してもよい。 


11 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

4.3.2 

基本運動 

基本運動は,時間に関する正弦関数とし,製品規格に規定する振動台上の供試品の固定点(複数)の運

動は,4.3.3,4.3.4及び4.3.6に規定する制限に従った,実質上同位相で平行な直線運動とする。 

4.3.3 

横運動 

規定軸に直交する軸方向の監視点の振動の最大値は,基本運動の50 %以下とする。例えば,小形の供試

品のような場合,製品規格に規定がある場合,横運動のピーク値の許容値を25 %に制限してもよい。 

ある振動数又は大形若しくは大質量の供試品の場合,これらの値を実現することが困難な場合がある

(A.1.1参照)。そのような場合,製品規格には,次のいずれを適用するかを規定する。 

a) 上記の規定を超える横運動を試験報告書に記載する。 

b) 横運動を監視する必要はない。 

4.3.4 

回転運動 

振動台の不必要な回転運動が問題となりそうな場合,試験報告書に記録すべき許容値を,製品規格に規

定してもよい。 

4.3.5 

計測点 

4.3.5.1 

基準点 

製品規格には,1点制御又は多点制御のいずれを使うかを規定する。製品規格に多点制御を規定する場

合,監視点の信号の平均値を規定値に制御するのか,又は選択した点の値を制御するのかを規定する。 

4.3.5.2 

監視点 

ある振動数,又は大形若しくは大質量の供試品の場合,4.3.6 b)に規定する許容差を実現するのが困難な

場合がある(A.1.1参照)。そのような場合,製品規格によって広い許容差を規定するか,又は使用した別

の評価方法を試験報告書に記録する。 

4.3.5.3 

シグナルトレランス 

シグナルトレランス測定は,基準点の試験振動数の5倍まで行う。 

シグナルトレランスは,基本運動の5 %を超えてはならない。 

注記 この値を実現できないことがあるが,その場合は,例えば,トラッキングフィルタを使用する

ことによって,基本振動数での制御信号の試験振幅を規定値に修正すれば,シグナルトレラン

スが5 %を超えてもよい。 

大形又は複雑な供試品の場合,振動数範囲のある部分でシグナルトレランスの値を満足できず,トラッ

キングフィルタの使用が実際的でないとき,加速度振幅を修正する必要はないが,シグナルトレランスの

値を試験報告書に記載しなければならない(A.1.1参照)。 

製品規格には,トラッキングフィルタを使用したか否かにかかわらず,シグナルトレランスをその問題

となった振動数範囲とともに試験報告書に記載することを規定してもよい(箇条13参照)。 

4.3.6 

振動振幅の許容差 

監視点及び基準点の規定軸方向の基本運動は,次の許容差内で規定値に等しくする。この許容差には,

器差を含める。 

a) 基準点 基準点の制御信号の許容差は,基本運動の±15 %とする。 

b) 監視点 各監視点(4.3.5.2参照)の許容差は,次による。 

− ≦500 Hz :±25 % 

− >500 Hz :±50 % 

4.3.7 

振動数の許容差 


12 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

次の許容差を適用する。 

− ≦0.25 Hz 

:±0.05 Hz 

− 0.25 Hz<,≦5 Hz :±20 % 

− 5 Hz<,≦50 Hz 

:±1 Hz 

− 50 Hz< 

:±2 % 

 

試験の前後の臨界振動数(8.2参照)を比較する場合は,次の許容差を適用する。 

− ≦0.5 Hz 

:±0.05 Hz 

− 0.5 Hz<,≦5 Hz 

:±10 % 

− 5 Hz<,≦100 Hz :±0.5 Hz 

− 100 Hz< 

:±0.5 % 

4.3.8 

掃引 

振動数を,時間に対して指数関数的に,毎分1オクターブを超えない速度で,連続的に変化させて掃引

する(3.20参照)。 

注記 デジタル制御システムでは,掃引は厳密には“連続的”ではないが,この違いは実用上重要で

はない。 

4.3.9 

減衰比 

減衰比は,通常,振動応答検査によって決定する。この結果は,使用する試験装置に依存し,技術的判

断が必要である。試験報告書で正当であることが理由付けできる場合,別の方法を採用してもよい。 

4.4 

時刻歴振動試験 

4.4.1 

基本運動 

使用する時刻歴は,次のいずれかによる。 

a) 実測時刻歴 

b) 規定振動数範囲内の振動数成分で構成する合成時刻歴 

この場合,次の該当する分解能で生成する。 

− 供試品の減衰比が2 %以下の場合,1/12オクターブ帯域幅以下。 

− 供試品の減衰比が2 %を超えて10 %未満の場合,1/6オクターブ帯域幅以下(一般的な場合)。 

− 供試品の減衰比が10 %以上の場合,1/3オクターブ帯域幅以下。 

減衰比の値(3.6参照)は,製品規格に規定するか,又は例えば,振動応答検査(4.3.9参照)で求

めてもよい。通常は,5 %を使用する。 

4.4.2 

横運動 

規定軸に直交する軸方向の監視点の加速度又は変位の最大ピーク値は,製品規格に規定がない場合,時

刻歴の規定ピーク値の25 %以下とする。測定振動数範囲は,規定振動数範囲内であればよい。 

大形若しくは大質量の供試品又はある振動数において,これらの値を実現することが困難な場合がある

(A.1.1参照)。その場合,製品規格には,次のいずれを適用するかを規定する。 

a) 上記の規定を超える横運動を試験報告書に記載する。 

b) 横運動を監視する必要はない。 

4.4.3 

回転運動 

4.3.4による。 

4.4.4 

要求応答スペクトルの許容範囲 


13 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

要求応答スペクトルに対する許容範囲は,0 %〜+50 %の範囲とする(図4参照)。 

試験応答スペクトルの一部の点がこの範囲から外れている場合,試験を有効としてもよい。範囲から外

れた点は,試験報告書に記載するのがよい(箇条13及びA.1参照)。 

f2/3(図A.1)以上の範囲では,許容範囲は50 %を超えてもよい。 

試験応答スペクトルは,少なくとも次の分解能で測定する。 

− 供試品の減衰比が2 %以下の場合,1/12オクターブ帯域幅以下。 

− 供試品の減衰比が2 %を超えて10 %未満の場合,1/6オクターブ帯域幅以下(一般的な場合)。 

− 供試品の減衰比が10 %以上の場合,1/3オクターブ帯域幅以下。 

要求応答スペクトルが,あまりに人工的な形状となっていて又は広がっていて,試験応答スペクトルを

許容範囲内で生成できない場合がある。このような場合には,試験仕様書の許容範囲を見直しをする必要

がある。 

4.4.5 

振動数範囲 

基準点の信号には,試験装置及び供試品によって発生する振動数を除いて,試験振動数範囲を超える振

動数が含まれてはならない。基準点において,供試品を除いた試験装置が発生する試験振動数範囲以外の

信号の最大値は,試験振動数範囲内の信号の最大値の20 %以下とする。この値を上回る場合は,その値を

試験報告書に記載する。 

試験応答スペクトルの評価には,規定振動数範囲外の振動数を含めてはならない。 

4.5 

サインビート振動試験 

4.5.1 

概要 

基本運動は,サインビートの時間関数とし,製品規格に規定される振動台上の供試品の固定点(複数)

の運動は,4.3.1,4.3.2,4.3.3及び4.3.5に規定する制限に従った,実質上同位相で平行な直線運動とする。

サインビート振動試験は,単軸の励振にだけ使用する(JIS C 60068-3-3,表1参照)。 

4.5.2 

振動振幅の許容差 

4.5.2.1 

基準動作 

監視点及び基準点の規定軸方向の基本運動は,次の許容差内で規定値に等しくする。この許容差には,

器差を含める。 

4.5.2.2 

基準点 

4.3.6 a)による。 

4.5.2.3 

監視点 

4.3.6 b)による。 

4.5.3 

試験振動数の許容差 

4.5.3.1 

一般要求事項 

試験振動数の許容差は,4.5.3.2及び4.5.3.3に示すとおりとする。 

4.5.3.2 

規定試験振動数 

− ≦0.5 Hz 

:±0.05 Hz 

− 0.5 Hz<,≦5 Hz 

:±10 % 

− 5 Hz<,≦100 Hz :±0.5 Hz 

− 100 Hz< 

:±0.5 % 

4.5.3.3 

検査による試験振動数 

振動応答検査で得た臨界振動数と試験振動数との偏差は,±2 %とする。 


14 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

4.5.4 

横運動 

4.4.2参照。 

4.6 

取付け 

供試品は,JIS C 60068-2-47を参照にして,JIS C 60068-2-6の4.3に従って取り付ける。 

通常,防振装置に取り付けて使用する供試品を,防振装置なしで試験する必要がある場合,そのことを

考慮して,規定する加振レベルを修正する。 

加振レベルは実際の取付けなしで規定しているが,供試品の試験は実際の取付状態で行う必要がある場

合には,規定する加振レベルを,取付状態を考慮して修正する(JIS C 60068-2-47:2008のA.2参照)。 

供試品を取り付けるときは,接続,ケーブル,配管などの影響を考慮する。 

通常,使用する取付構造物を含めて試験することが望ましい。 

実際の取付構造物の加振に使用する応答スペクトル及び時刻歴は,取付具又は供試品の加振に用いる応

答スペクトル及び時刻歴と異なることが望ましい。 

製品規格では,試験中の供試品の姿勢及び取付条件を規定し,試験した条件だけが,規定を満たす唯一

の条件である。ただし,試験しない条件に拡張することの正当な理由(例えば,重力の影響が供試品の動

作に影響を与えないことを示すなど)がある場合を除く。 

 

厳しさ 

5.1 

一般事項 

時刻歴振動試験の厳しさは,次のパラメータの組合せによって決定する。 

− 試験振動数範囲 

− 要求応答スペクトル 

− 時刻歴の回数及び持続時間 

− 高応力サイクル数(適用可能な場合) 

 

製品規格では,5.2〜5.5に示す推奨値に基づいて各パラメータを規定する。 

サインビート振動試験の厳しさは,次のパラメータの組合せによって決定する。 

− 試験振動数範囲 

− 試験レベル 

− サインビート内のサイクル数 

− サインビート回数 

製品規格では,5.6に基づいて各パラメータの値を規定する。 

5.2 

時刻歴 

試験振動数及び試験振動数範囲を5.3に示す。 

5.3 

試験振動数範囲 

試験振動数範囲は,下限振動数を0.1 Hz,1 Hz,5 Hz,10 Hz,55 Hz又は100 Hzから,上限振動数を10 

Hz,20 Hz,35 Hz,55 Hz,100 Hz,150 Hz,300 Hz,500 Hz又は2 000 Hzから選択して,製品規格に規定

する。推奨振動数範囲を表2に示す。 

 


15 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

表2−推奨試験振動数範囲 

f1 

Hz 

〜 

f2 

Hz 

0.1 

〜 

10* 

〜 

35 

〜 

100 

〜 

35* 

10 

〜 

100* 

10 

〜 

500 

10 

〜 

2000 

55 

〜 

2000 

注記 *を付けた範囲は,JIS C 60068-2-6

の推奨範囲とは異なる。 

 

5.4 

要求応答スペクトル 

製品規格では,試験に使用する要求応答スペクトルのレベル及び形状を,ゼロ周期加速度の値とともに

規定する。さらに,応答スペクトルが3軸全てに対して同一でない場合は,各応答スペクトルに対する供

試品の軸を規定する。 

環境条件が十分には分かっていない場合の要求応答スペクトル開発の指針をA.1.3に示す。 

5.5 

時刻歴の回数及び持続時間 

5.5.1 

時刻歴の回数 

製品規格には,供試品に加える時刻歴の回数及び試験軸を規定する。 

特に製品規格に規定がない場合,各試験軸及び各レベルの時刻歴に関して適用する時刻歴の回数は,次

の値から選択する。 

1,2,5,10,20,50(回) 

二つ以上のレベルの時刻歴を使用する場合は,最低のレベルから始め,順に高いレベルで実施する。各

時刻歴の間には休止を設ける。 

5.5.2 

時刻歴の持続時間 

製品規格には,各時刻歴の持続時間を規定する。持続時間の推奨値は,次の値から選択する。 

1,2,5,10,20,50(秒) 

試験サンプル周期が既知又は計算できる場合,各時刻歴の持続時間は,周期の3〜5倍以上とする。 

製品規格で規定されている場合,3秒を用いてもよい。 

注記 一般的な地震の持続時間は30秒である。 

5.5.3 

時刻歴の強い部位の持続時間 

場合によっては,製品規格で,全持続時間に対する百分率で表す時刻歴の強い部位を規定してもよい。

特に製品規格に規定がない場合,5.6の要求事項によってこの要求事項が除外される場合を除いて,時刻歴

の強い部位の持続時間の値は,全持続時間に対する次の百分率から選択する。 

25,50,75(%) 

選択した値は,試験報告書に記載する。 

5.5.4 

高応力サイクル数 

製品規格では,特定のしきい値を超える高応力サイクル数を規定してもよい(A.1.4参照)。 

製品規格で規定している場合を除いて,高応力サイクル数は,次の値から選択する。 


16 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

4,8,16,32 

正及び負のサイクルは,図5に示すようにほぼ均等に配分する。 

高応力サイクルの加速度値は,要求応答スペクトルの強い部分にある特定の臨界振動数における要求応

答スペクトル値のピーク値の百分率で示してもよい。 

加速度の規定値は,次の値から選択する。 

[要求応答スペクトルの百分率としての規定値50 %,70 %(推奨値),90 %。] 

 

 

図5−試験中に特定の時刻歴で励振された振動系の典型的な応答例 

 

5.6 

サインビート振動試験レベル 

5.6.1 

一般事項 

製品規格では,各軸の試験レベル(変位,速度若しくは加速度又はそれらの全て)を規定する(A.2.1

参照)。 

全てのピーク値は,折れ点振動数未満では一定変位で規定し,これ以上の振動数では一定加速度で規定

する。 

選択した折れ点振動数に関する試験レベルの推奨値を表3〜表5及び図6〜図8に示す。 

 

表3−折れ点振動数が0.8 Hzの場合の推奨試験レベル(図6参照) 

折れ点振動数未満の変位振幅 

mm 

折れ点振動数以上の加速度振幅 

m/s2 

40 

80 

120 

200 

注記1 表の全てのレベルは,サインビートのピーク値である。 
注記2 加速度の表現に“gn”を用いる場合は,この規格では,10 m/s2

を“gn”とする(3.9参照)。 

 


17 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

m

/s

2

 

102

8
6

4
3

2

101

8
6

4
3

2

100

8
6

4
3

2

10‒1

8
6

4
3

2

10‒2

8
6

4
3

2

10‒3

8
6

4
3

2

10‒4

10‒1

100

101

102

103

200 mm 

120 mm 

80 mm 

40 mm 

 

振動数(Hz) 

図6−折れ点振動数0.8 Hzの推奨試験レベル 

 


18 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

表4−折れ点振動数が1.6 Hzの場合の推奨試験レベル(図7参照) 

折れ点振動数未満の変位振幅 

mm 

折れ点振動数以上の加速度振幅 

m/s2 

10 

20 

30 

50 

100 

10 

200 

20 

注記1 表の全てのレベルは,サインビートのピーク値である。 
注記2 加速度の表現に“gn”を用いる場合は,この規格では,10 m/s2

を“gn”とする(3.9参照)。 

 


19 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

m

/s

2

 

102

8
6

4
3

2

101

8
6

4
3

2

100

8
6

4
3

2

10‒1

8
6

4
3

2

10‒2

8
6

4
3

2

10‒3

8
6

4
3

2

10‒4

10‒1

100

101

102

103

200 mm 

100 mm 

50 mm 

30 mm 

20 mm 

10 mm 

 

振動数(Hz) 

図7−折れ点振動数1.6 Hzの推奨試験レベル 

 


20 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

表5−折れ点振動数が8 Hzの場合の推奨試験レベル(図8参照) 

折れ点振動数未満の変位振幅 

mm 

折れ点振動数以上の加速度振幅 

m/s2 

0.4 

0.8 

1.2 

2.0 

4.0 

10 

8.0 

20 

12.0 

30 

20.0 

50 

注記1 表の全てのレベルは,サインビートのピーク値である。 
注記2 加速度の表現に“gn”を用いる場合は,この規格では,10 m/s2

を“gn”とする(3.9参照)。 

 


21 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

m

/s

2

 

102

8
6

4
3

2

101

8
6

4
3

2

100

8
6

4
3

2

10‒1

8
6

4
3

2

10‒2

8
6

4
3

2

10‒3

8
6

4
3

2

10‒4

10‒1

100

101

102

103

20 mm 

12 mm 

8 mm 

4 mm 

2 mm 

1,2 mm 

0,8 mm 

0,4 mm 

 

振動数(Hz) 

図8−折れ点振動数8 Hzの推奨試験レベル 

 

ここに規定する折れ点振動数を採用することが適切ではない場合,製品規格に別の折れ点振動数を採用

して,変位と加速度との一組のピーク値を規定してもよい。特別の場合は,複数の折れ点振動数を規定し

てもよい。 


22 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

5.6.2 

試験振動数の決定 

使用する試験振動数は,振動応答検査で決定する臨界振動数若しくは規定振動数又はそれらの両方とす

る。 

振動応答検査では臨界振動数が決定できず,かつ,製品規格に試験振動数を選択する方法を規定してい

ない場合には,試験は,5.3に示す値から選択した試験振動数範囲を,1/2オクターブ以下のステップの振

動数で実施する。 

5.6.3 

サインビート試験波 

サインビート振動試験における試験波形は,5.6.5及び5.6.6に従って,試験振動数及びサインビート内

のサイクル数(図2参照)によって決定する。 

5.6.4 

サインビート内のサイクル数 

サインビート内のサイクル数は,次の値から選択して,製品規格に規定する(図2参照)。 

3,5,10,20 

注記 臨界振動数の不確かさを吸収する広帯域振動と高い応答値の要望との妥協及び経験による裏付

けによって,サイクル数は,5サイクルが望ましい(図9参照)。 

 


23 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

 

40

20

30

10

0

10 

15 

 Twenty cycle sine beat 

 Continuous sine 

 Ten cycle sine beat 

 Five cycle sine beat 

 Three cycle sine beat 

 Typical time-history (natural) 

 

減衰比(%) 

図9−各種のサインビート,連続サイン及び一般的な自然時刻歴の増幅係数 

 

5.6.5 

変調振動数 

変調振動数は,試験振動数及びサインビート内のサイクル数から求める(A.2.2.1参照)。 

5.6.6 

サインビート回数 

サインビート回数は,次の値から選択して,製品規格に規定する(図1参照)。 

1,2,5,10,20,50 

典型的な自然時刻歴 

3サイクルサインビート 

5サイクルサインビート 

10サイクルサインビート 

20サイクルサインビート 

連続サイン 


24 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

5.6.7 

高応力低サイクル疲労効果 

製品規格では,規定の応力値を超える高応力サイクル数を規定してもよい(A.2.4参照)。 

 

前処理 

製品規格で前処理の規定がある場合に実施する。 

例えば,供試品を規定する温度及び/又は湿度条件にさらすことを指定してもよい。 

 

初期測定 

製品規格の規定に従って,供試品の目視,寸法及び機能点検を実施する。 

 

試験 

8.1 

概要 

製品規格に規定がない場合,8.2,8.3及び8.4に規定する三つの推奨試験軸の各軸方向に供試品を加振す

る。これらの軸の試験順序は,製品規格に規定がない場合,重要ではない。 

製品規格に,振動台を駆動する加振力の最大制限値を設定して,規定試験レベルの制御を補正する規定

がある場合,これを実施する。この場合,加振力の制限方法は,製品規格に規定する。 

8.2 

振動応答検査 

製品規格に規定がある場合,振動中の供試品の振る舞いを調査するために試験振動数範囲の振動応答検

査を実施する。 

振動応答検査は,製品規格に規定する試験振動数範囲の正弦波及び検査レベルで実施する。 

振動応答検査は,通常,毎分1オクターブ以下の速度の対数掃引で実施するが,より正確な応答特性の

決定が可能である場合,掃引速度を下げてもよい。過度に長引かせることは避けることが望ましい。 

加振のピーク値は,供試品の応答が時刻暦又はサインビート振動試験中よりも小さくなるような値で,

臨界振動数を検出できる十分高いレベルを選択することが望ましい。 

代替の検査として,JIS C 60068-2-64:2011の8.2で規定するランダム振動試験によって,実施可能であ

る。 

サインビート振動試験の規定がある場合には,供試品の共振振動数に近いサインビート振動数を使うこ

とが非常に重要である。供試品が非線形な振る舞い,例えば,ゴムパッドで結合した磁器のサージアレス

ターのような構造をもっている場合,高レベルの正弦波振動で振動応答検査を実施することが望ましい。

ただし,振動応答検査を供試品の動的特性評価だけに使用する場合には,ランダム振動を使用することが

適切である。 

製品規格に,振動応答検査中に供試品を動作させる規定がある場合,これを実施する。供試品を動作さ

せているので,機械振動特性を評価できない場合は,供試品を動作させない振動応答検査を別に実施する。

この段階で,供試品の臨界振動数を決定し,試験報告書に記載する。 

時刻歴振動試験の前後の臨界振動数を比較する必要がある場合は,製品規格で時刻歴又はサインビート

振動試験完了後の振動応答検査を追加してもよい。また,臨界振動数に変化があった場合にとる処置を製

品規格に規定する。二つの振動応答検査は,同じ方法及び同じレベルで実施しなければならない。 

振動応答検査,臨界振動数の変化及び臨界振動数に基づく合否判定基準は,JIS C 60068-3-8による。 

8.3 

時刻歴振動試験 

時刻歴振動試験の厳しさの値は,箇条5に基づいて,製品規格に規定する。供試品の応答運動が重なら


25 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

ないように,引き続く時刻歴の間に休止を設けなければならない。製品規格には,単軸,2軸又は3軸の

いずれを要求するのかを規定する。 

8.4 

サインビート振動試験 

サインビート振動試験の厳しさの値は,箇条5に基づいて,製品規格に規定する。供試品の応答運動に

重要な重なりが起きないように,引き続くサインビートの間に休止を設けなければならない。基準点の実

際の制御信号の記録は,使用したフィルタの効果を含めて試験報告書に記載する。製品規格には,単軸試

験又は2軸試験のいずれを要求するかを規定する。 

8.5 

多軸試験 

8.5.1 

一般 

次の事項は,時刻歴振動試験及びサインビート振動試験の両方に適用する。 

8.5.2 

単軸試験 

特に製品規格に規定がない場合,各推奨試験軸について順番に実施する単軸試験を推奨する。製品規格

に規定がない場合,これらの軸の試験順序は重要ではない。 

8.5.3 

2軸試験 

一連の各試験では,供試品の二つの推奨試験軸に沿って,二つの時刻歴又はサインビートを同時に加え

る。二つの時刻歴が独立したものでない場合,最初に相対位相0°で,次に相対位相180°で,各試験を実

施する。 

2軸試験では,サインビート振動試験は推奨しない。 

注記1 2軸試験を製品規格に規定している場合,傾斜した単軸で試験が可能であるが,この場合,

二つの軸方向の各運動は,常に独立していない。該当の軸の要求応答スペクトルを包絡する

ように,各軸の試験応答スペクトルを調整するとよい。 

注記2 試験応答スペクトルの調整とは,試験レベルだけの調整が可能であり,スペクトルの形状な

どの変更はできない。 

8.5.4 

3軸試験 

一連の各試験では,三つの推奨試験軸の全てに,同時に時刻歴を加える。 

この試験方法は,単軸又は2軸への適用は適切ではない。 

サインビート振動試験では,3軸試験は適切ではない。 

 

中間測定 

中間測定を製品規格に規定している場合,供試品を製品規格に規定する回数の時刻歴又はサインビート

の間動作させ,その機能を点検する。 

 

10 後処理 

後処理の規定が製品規格にある場合,試験後の最終測定の前に,供試品の,例えば,温度などの条件を,

初期測定のときと同じ状態にするために一定の時間を設ける必要がある。 

 

11 最終測定 

製品規格の規定に従って,供試品の目視,寸法及び機能点検を実施する。 

製品規格に供試品の合否判定基準を規定する。 

 


26 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

12 製品規格に規定する事項 

この試験のいずれかの事項が製品規格に含まれている場合,アスタリスク(*)付きの事項は常に必要な

ので特別の注意を払いながら,可能な限り次の事項の詳細を製品規格に規定する。 

 

関連箇条番号 

a) 固定点 

4.3.2及び4.5.1 

b) 横運動 

4.3.3及び4.4.2 

c) 回転運動 

4.3.4及び4.4.3 

d) 計測点 

4.3.5 

e) シグナルトレランス 

4.3.5.3 

f) 

振動振幅の許容差 

4.3.6及び4.5.2 

g) 減衰比 

4.3.9 

h) 供試品の取付け* 

4.6 

i) 

要求応答スペクトル*(A.1.3参照) 

5.4 

j) 

時刻歴の回数* 

5.5.1 

k) 時刻歴の持続時間* 

5.5.2 

l) 

時刻歴の強い部位の持続時間 

5.5.3 

m) 高応力サイクル数 

5.5.4 

n) 試験レベル*(A.2.3参照) 

5.6 

o) サインビート内のサイクル数* 

5.6.4 

p) 変調振動数 

5.6.5 

q) サインビート回数* 

5.6.6 

r) 前処理 

箇条6 

s) 

初期測定 

箇条7 

t) 

推奨試験軸 

8.1 

u) 加振力の制限 

8.1 

v) 振動応答検査 

8.2 

w) 性能及び機能点検 

箇条7,箇条9及び箇条11 

x) 単軸,2軸又は3軸試験* 

8.5 

y) 中間測定 

箇条9 

z) 後処理 

箇条10 

aa) 最終測定* 

箇条11 

 

13 試験報告書に記載する事項 

試験報告書には,少なくとも,次の事項を記載する。 

a) 顧客 

(名称及び所在地) 

b) 試験所 

(名称及び所在地) 

c) 試験報告書の識別 

(発行日及び識別番号) 

d) 試験日 

e) 試験の目的 

(開発試験,認証試験) 

f) 

試験規格,発行年 

(関連試験手順) 


27 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

g) 供試品の詳細 

(最初の状態など,識別番号,数量,写真,図面) 

h) 供試品の取付け 

(取付具の識別,図面,写真など) 

i) 

試験装置の性能 

(横運動など) 

j) 

測定系及びセンサの位置 

(概要,図面,写真など) 

k) 測定系の不確かさ 

(全体的な不確かさ,校正データ,必要な場合の関連する仕様

の最終校正日及び次回校正日) 

l) 

初期,中間又は最終測定 

m) 要求する厳しさ 

(試験仕様書に規定する。) 

n) 実施した試験の厳しさ 

(試験周波数範囲,要求応答スペクトル,時刻歴の回数及び時

刻暦の持続期間,高圧力レスポンスサイクル数,試験レベル,

サインビート内のサイクル数並びにサインビート回数) 

o) 試験結果 

(供試品の最終状態) 

p) 試験中の観察事項及び行った処置 

q) 試験の要約 

r) 試験管理者 

(氏名及び署名) 

s) 

送付先 

(報告書の受領者リスト) 

t) 

試験軸 

(単軸,2軸,3軸) 

 

試験を文書に記載する場合(例えば,試験パラメータを併記した試験実施リスト,試験中の観察事項及

び実施処置並びに測定のデータシート)は,試験について試験実施記録を作成するのがよい。この試験実

施記録を,試験報告書に添付してもよい。 

注記 JIS Q 17025参照。 

 


28 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

附属書A 

(参考) 

時刻歴振動試験方法及びサインビート振動試験方法の指針 

 

A.1 序文 

A.1.1 一般 

供試品が種々の振動力に耐えることを実証するための多くの認められた試験方法がある。それらの試験

方法には,単純な連続正弦波から複雑な高度に特化された時刻歴振動試験方法及びサインビート振動試験

方法までがあり,各試験方法は,特定の要求事項若しくは状況に又は特定の振動環境に最も適したもので

ある。この規格は,実際に遭遇すると予測されるのと同等の効果を試験室内で再現する方法を規定するの

ものであって,実際の環境を再現することを意図したものではない。 

この規格では,異なる場所で試験を実施した場合に同じ結果が得られるように,パラメータを標準化し,

適切な許容差を選択した。値の標準化によって,機器を振動の厳しさに耐える能力に基づいて分類するこ

とが可能となる。 

振動試験における通常のアプローチでは,要求振動数範囲内の供試品の臨界振動数を調べるために,振

動応答検査を実施する。これは,しばしば,供試品をこれらの各臨界振動数で規定する時間振動させる耐

久試験の形で引き継がれる。 

振動応答検査は,通常,要求振動数範囲にわたる1回の掃引サイクルによる単軸正弦波加振で行う。振

動応答検査の振動振幅は,耐久試験と同等な効果を生むほど大きくなく,臨界振動数を決定するために十

分低い掃引速度とすることが望ましい。 

耐久試験の前後の振動応答検査は,共振又は他の応答が発生する振動数が変化する周波数を明らかにす

るために,用いることができる。振動数の変化によって疲労が発生し,そのため,供試品がその動作環境

に不適合であることを示す場合がある(JIS C 60068-3-8参照)。 

大形若しくは大質量の供試品の場合,又はその重心が供試品の中心から大きく離れている場合は,注意

することが望ましい。そのような供試品は振動台の横運動又は回転運動を発生させる傾向がある。このよ

うな場合には,監視点で要求される許容差を達成するのが困難である。 

A.1.2 時刻歴振動試験方法 

時刻歴振動試験方法は,次の場合に重要となる。 

a) 振動環境をできるだけ再現する必要がある場合。 

b) 供試品に関してよく分かっていない場合,又は供試品に関する臨界的な側面,例えば,臨界振動数な

どを決定するのが難しい場合。 

時刻歴振動試験では,他の試験方法に比べて過剰試験の傾向が避けられる。その理由は,時刻歴振動試

験は,実際の環境を再現し又はより忠実に代表するので,従来の試験方法と比べて過剰応力又は過剰疲労

の可能性が低いからである。 

実際の環境を再現するに当たっては,製品規格の作成者が応答スペクトルを決定する。通常,供試品の

減衰を代表する減衰比も同時に指定する。決定したこの応答スペクトルを要求応答スペクトルといい,こ

れは試験仕様の一部であり,満たさなければならない試験基準である。 

試験では,その環境を発生させて,試験応答スペクトルを得る。この試験応答スペクトルは,加振中の

振動台の運動を監視しながら生成する。 


29 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

試験基準が満たされているかどうかを判定するために,試験応答スペクトルを要求応答スペクトルと比

較する。試験基準を満たすためには,試験応答スペクトルは要求応答スペクトルを包絡する必要がある。

満足できる試験応答スペクトルを得るために,供試品を等しい質量のおもりに換えて,試し又は予備加振

を行う。このようにして,供試品に不必要な疲労及び過剰応力を与えないで,各試験レベルを調節するこ

とができる。 

要求応答スペクトルに適用する許容範囲は製品規格で規定するが,少数のデータ点が許容範囲に入らな

くても試験は有効である(図4参照)。大形又は大質量の供試品の場合,ある振動数で要求許容範囲を満

たせないことがある。このような場合,製品規格で,より広い許容範囲を適用するようにしてもよい。ま

た,必要な場合,別の試験方法を選択してもよい(4.4.4参照)。 

時刻歴振動試験では,制御及び解析用のデジタルコンピュータに要求されるのと同様に,洗練された正

確な測定器が必要である。 

A.1.3 要求応答スペクトルを決定するための推奨事項 

供試品の用途又は環境がよく分かっていない場合の要求応答スペクトルの決定に関する推奨事項を,次

に示す(図A.1参照)。 

a) 試験振動数範囲は,表2から選択する。 

b) ゼロ周期加速度の値(単位gn:3.9参照)は,通常,次の値から選択する。 

1,2,5,10,20 

c) f1〜2 f1の加速度は12 dB/octの傾斜で規定する。 

d) 2f1〜1/3f2の加速度の最大値は次の値とする。 

− 減衰比10 %の場合,ゼロ周期加速度の2.24倍。 

− 減衰比5 %の場合,ゼロ周期加速度の3倍。 

− 減衰比2 %の場合,ゼロ周期加速度の5倍。 

このスペクトルは,三つの並進自由度に対してそれぞれに規定することが望ましい,又は一つ以上のス

ペクトルを励起の水平方向に,かつ,一つのスペクトルを励起の垂直方向に与えることが望ましい。 

供試品の代表的な減衰比が2 %を超えて10 %未満の場合,減衰比5 %の要求応答スペクトルを推奨する。

供試品の代表的な減衰比が2 %以下の場合だけ,減衰比2 %の要求応答スペクトルを推奨し,減衰比が10 %

以上の場合は,減衰比10 %の要求応答スペクトルを推奨する。 

注記 振動数f1が0.8 Hz未満である場合,1.6 Hz以下の加速度は12 dB/octの勾配で定義される。 

 


30 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

 

図A.1−要求応答スペクトルの推奨形状 

 

A.1.4 高応力サイクル数 

振動によって発生する高応力低サイクル疲労効果(例えば,地震,爆発などで生じる)を再現するには,

特定の環境を可能な限り正確にシミュレートすることが必要である。環境が十分に分からない場合又はシ

ミュレートすることが困難な場合,不確かさを許すために適切な試験条件の厳しさ及び許容差を含める必

要がある。したがって,試験レベルのピーク値及びサインビート回数は,最悪な場合を適切に考慮してい

るものであることが望ましい。 

このアプローチは,高レベルの繰り返し加振の効果が完全には考慮されていないので,しばしば,十分

でないことがある。 

この高レベルの加振は,供試品の共振振動数で加振した場合に,供試品に有害となる非弾性ひずみを発

生させるとき,極めて重要となる。このような場合,考慮している事象をシミュレートする信号解析は,

試験の妥当性を確認するのに役立つ。 

第一の基準は,振動応答スペクトルが要求応答スペクトルを包絡することを確実にすることである。こ

の包絡によって,各振動系の応答が最大要求レベルに達することが保証される。 

第二の基準は,時刻暦の強い部位の接続時間が,対象とした現象の時間以上であることを確実にするこ

とである。 

上記の二つの基準だけでは,高いレベルの繰り返し加振の効果が完全には考慮されていないので,不十

分なことがある。この高いレベルの加振は,供試品の固有振動数で加振した場合に,供試品に有害となる

非弾性ひずみを発生させるとき極めて重要となる。 

必要に応じて,対象とする現象をシミュレートする信号及び供試品の特性の両方を解析することによっ

て,この高い応答ピークを考慮することができる。 


31 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

実際には,特定の振動数を中心とする各発信器の規定された振動レベルを超える高応力サイクルを数え

ることで実施する。 

疲労損傷は,振幅の低下に従って急速に減少するので,規定最大値[例えば,要求する振動応答スペク

トル(図5参照)]を超えるピークを考慮するだけで十分である。 

この規定値は,材質の疲労特性及び故障箇所に強く依存する。 

 

A.2 サインビート振動試験方法 

A.2.1 一般 

サインビート振動試験方法は,使用中に,正確には定義できない短時間のパルス的な力又は周期的な力

に遭遇する機器の試験に適している。この試験は,使用状態でランダム又は多重振動数の励振に遭遇する

構造物に取り付ける機器の試験に特に適している。これらの構造物は,その共振振動数で応答し,対象と

なる機器の入力となるサインビート運動を発生する。したがって,サインビート振動試験波は,そのよう

に取り付けた機器に,実際に見られる運動に近い励振を与える。さらに,サインビートは,連続正弦波で

得るよりも広帯域で損傷が少ない応答を発生させる。 

サインビート振動試験は,振動応答検査で決定した振動数か,若しくはあらかじめ他の方法で決めた振

動数で又はそれらの両方で実施する。振動数を決定又は規定しない場合,通常,規定振動数範囲の全域に

わたって,1/2オクターブのステップで試験を実施する。臨界振動数の数が増えるに従って,疲労が累積

するので,サインビート方法は適切ではなくなる。このような場合は,別の試験方法を考慮することが望

ましい。 

A.2.2 変位,速度及び加速度のサインビートの関係 

A.2.2.1 サインビート関数(3.19参照) 

サインビートは,一般に,次の式で表す。 

ρ

ft

ft

a

t

a

π

2

sin

π

2

sin

)

(

0

 

ここに, 

f

ρ

t

2

0

  

 

a0: 試験レベル 

 

f: 試験振動数 

 

 一般に,試験振動数と変調振動数との比 

変位,速度及び加速度は互いに関係があるので,基本関数としてこれらの一つだけを選択することがで

き,それらの間にはある関係がある。 

規準信号として加速度を選択する場合,各ビートの終わりで,残留変位が発生する。 

この影響を避けるために,規準信号として速度を基準とした公式をA.2.2.2に示す。 

A.2.2.2 各サインビートの関係 

速度を基準関数とする加速度,速度及び変位のサインビートの関係を次に示す。 

速度のサインビート 

m

ft

ft

f

a

t

v

π

2

sin

π

2

sin

π

2

)(

0

 

上記と同等 

ft

m

ft

m

f

a

t

v

1

1

π

2

cos

1

1

π

2

cos

2

1

π

2

)

(

0

 


32 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

対応する加速度 

ft

m

m

ft

m

m

a

t

a

1

1

π

2

sin

1

1

1

1

π

2

sin

1

1

2

1

)

(

0

 

対応する変位 

ft

m

m

ft

m

m

f

a

t

d

1

1

π

2

sin

1

1

1

1

1

π

2

sin

1

1

1

2

1

)

π

2(

)

(

2

0

 

ここに, 

f

m

t

2

0

:  

 

m: 加速度の変調振動数に対する試験振動数の比で,nをサ

インビートの加速度内のサイクル数とすると,2 nに等
しい。 

注記1 一つのサインビートは,数学的に,二つのコサイン波の和として表現することができる。こ

の定義に基づいた5サイクルサインビートの信号を図A.2に示す。 

注記2 サインビートを時間に関して微分又は積分して得られた全ての信号は,A.2.2.1に定義したよ

うに,この規格ではサインビートである。 

注記3 これは厳密な数学的証明を意図したものではなく,全てのサインビートの終点の値をゼロに

するために

爰鉜

し修正してmとした(A.2.3参照)。 

 

 

図A.2−加速度,速度及び変位のサインビートを一致させて標準化した表現 

(加速度のサインビート内は5サイクル) 

 


33 

C 60068-2-57:2018 (IEC 60068-2-57:2013) 

 

A.2.3 試験レベル 

変位,速度及び加速度の試験レベルの値は,十分正確に,固定振動数の正弦波振動の場合と同じ方法で,

主に加速度のサインビート振動試験レベルa0を基準として,求めることができる。速度のピーク値v0及び

変位のピーク値d0は,次の式で得られる。 

f

a

v

π

2

0

0

 

2

2

0

0

π

4

f

a

d

 

A.2.4 高応力低サイクル疲労 

A.1.4による。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 

JIS B 0153:2001 機械振動・衝撃用語 

JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−第1部:通則及び指針 

注記 対応国際規格:IEC 60068-1,Environmental testing−Part 1: General and guidance(IDT) 

JIS C 60068-2-59:2001 環境試験方法−電気・電子−サインビート振動試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-59:1990,Environmental testing. Part 2: Tests. Test Fe: Vibration−

Sine-beat method 

JIS C 60068-2-81:2007 環境試験方法−電気・電子−第2-81部:衝撃応答スペクトル合成による衝撃試

験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-81:2003,Environmental testing−Part 2-81: Tests−Test Ei: Shock−

Shock response spectrum synthesis 

JIS Q 17025:2005 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項 

注記 対応国際規格:ISO/IEC 17025:2005,General requirements for the competence of testing and 

calibration laboratories 

ISO 2041,Mechanical vibration, shock and condition monitoring−Vocabulary