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日本工業規格

JIS

 C

0057

:2002

(IEC 60068-2-57

:1999

環境試験方法―電気・電子―

時刻歴振動試験方法

Environmental testing

―Electrotechnical products―

Time

-history vibration test method

序文  この規格は,1999 年に第 2 版として発行された IEC 60068-2-57,Environmental testing―Part 2-57:

Tests

―Test Ff:Vibration―Time-history method を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく

作成した日本工業規格である。

  なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

  この規格は,短時間のランダム状の動的な力にさらされる可能性のある部品,機器及びその他の電気・

電子製品(以下,供試品という。)の試験方法を規定するものである。短時間のランダム状の動的な力の代

表的な例として,地震,爆発及び種々の移動手段によって誘発される応力がある。

  これらの力は,短時間の現象のため,供試品の振動応答は定常状態に達しないことがある。

  試験は,正弦波又はランダム波による初期振動応答検査の後に,動的な力の影響をシミュレートする特

性をもつ応答スペクトルで規定した時刻歴振動を供試品に加えることによって行う。

  時刻歴は,次のものから作成することができる。

  ―  自然事象(実測時刻歴)

  ―  ランダム標本(人工的な時刻歴)

  ―  合成信号(人工的な時刻歴)

  通常,要求された試験の厳しさに合わせるために,これらの修正が必要となる。

  時刻歴を使えば,一つの試験波形が広帯域応答スペクトルを包絡するようにできる。

  時刻歴では,

供試品の単一又は複数の加振軸方向のすべてのモードを同時に励振することができるので,

一般的に連成モードの影響が考慮される。

参考  連成モードとは,JIS B 0153:1985 に“一方の振動モードから他の振動モードへエネルギーが移

動できるような,互いに独立でなく影響し合う振動モード”と定義されている。

  この規格では,試験の実施手順及び与えられた点の振動測定手順を規定する。与える振動及び厳しさの

選択に関する要求事項,すなわち,振動数範囲,要求応答スペクトル,応答の高いピーク数及び時刻歴の

持続時間と回数についても詳細に規定する。

  製品規格にこの試験を規定するときに考慮すべき事項を 13.に,

附属書 には指針(参考)を,附属書 B

には推奨試験振動数範囲(参考)を示す。

  振動試験では,常にある程度の技術的判断が要求されるが,供給者と購入者双方はこのことに十分に注

意する必要がある。製品規格を作成する場合は,供試品とその使用に適した試験手順と厳しさの値を選択

すべきである。


2

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

1.    

適用範囲及び目的  特定の厳しさの過渡振動に耐える供試品の能力を,時刻歴振動試験方法によって

判定するための標準的手順を規定することを目的とする。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

  なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。

IEC 60068

-2-57:1999

Enviromental testing

―Part 2-57:Tests―Test Ff:Vibration―Time-history method

(IDT)

2.    

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS C 0010

:1993  環境試験方法―電気・電子―通則

備考  IEC 60068-1:1988,Environmental testing―Part 1:General and guidance が,この規格と一致し

ている。

JIS C 0036

:1997

  環境試験方法―電気・電子―広帯域ランダム振動試験方法及び指針

備考  IEC 60068-2-64:1993,Environmental testing―Part 2:Test methods―Test Fh:Vibration, broad-band

random

(digital control) and guidance が,この規格と一致している。

JIS C 0040

:1999

  環境試験方法―電気・電子―正弦波振動試験方法

備考  IEC 60068-2-6:1995,Environmental testing―Part 2:Tests―Test Fc: Vibration (sinusoidal)が,こ

の規格と一致している。

JIS C 0041

:1995

  環境試験方法―電気・電子―衝撃試験方法

備考  IEC 60068-2-27:1972,Environmental testing―Part 2:Tests―Test Ea and guidance:Shock が,

この規格と一致している。

JIS C 0047

:1995  環境試験方法―電気・電子―動的試験での供試品の取付方法及び指針 

備考  IEC 60068-2-47:1982,Basic environmental testing procedures―Part 2:Tests Mounting of

components, equipment and other articles for dynamic tests including shock

(Ea), bump(Eb), vibration

(Fc and Fd) and steady-state acceleration(Ga) and guidance が,この規格と一致している。

JIS C 0055

:2000

  環境試験方法―電気・電子―機器の耐震試験方法の指針

備考  IEC 60068-3-3:1991,Environmental testing―Part 3:Guidance. Seismic test methods for

equipments

が,この規格と一致している。

ISO 266

:1997  Acoustics―Preferred frequencies

ISO 2041

:1990  Vibration and shock―Vocabulary

備考  この規格は,ISO 2041:1985 の改訂版である。JIS B 0153-1985 は ISO 2041:1985 などを基に

制定された規格であるが,その後この ISO 2041:1985 に対して加筆,修正が行われ,この改訂

版が発行された。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 0010JIS C 0036JIS C 0040 及び ISO 2041 によ

るほか,次による。

3.1

  臨界振動数(critical frequency)

  ―  振動によって供試品の機能不良及び/又は性能劣化が現れる振動数,


3

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

  及び/又は

  ―  機械共振及び/又は例えばチャタリングなどのその他の応答の影響が現れる振動数。

3.2

  減衰(damping)  系内部の種々のエネルギー損失のメカニズムに起因する一般的用語。減衰は,実際

には,構造系,振動モード,ひずみ,外力,速度,材料,接合部の滑りなどのような多くのパラメータに

影響される。

3.3

  臨界減衰(critical damping)  変位した系が振動することなく最短時間で元の位置に戻ることができ

る最小の粘性減衰。

3.4

  減衰比(damping ratio)  粘性減衰系における臨界減衰に対する実際の減衰の比。

3.5

  シグナルトレランス(signal tolerance)  シグナルトレランスは,次の式で表す。

100

1

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

F

NF

T

ここに,T  :シグナルトレランス

 NF 

:フィルタを通さない信号の

rms

  F 

:フィルタを通した信号の

rms

3.6

  固定点(fixing point)  使用状態で供試品が通常固定される点で,取付具又は振動台に接している供試

品上の点。 

備考  実際の取付構造物の一部を取付具として使う場合は,供試品側ではなく,取付構造物側の点を

固定点とする。 

3.7

  g

n

  地球の重力による標準加速度。重力による加速度は高度及び緯度によって変化する。

備考  この規格では g

n

の値は

10 m

/

s

2

に丸める。

参考  我が国は,

SI

単位系を採用しており,計量法ではこの単位は用いていないが,ここでは翻訳し

てそのまま記載した。

3.8

応答の高いピーク(high peaks of the response)  時刻歴で励振した

1

自由度系(振動系)の応答の,規定

のしきい値を超えるピーク。計算によって求める(

付図 参照)。

備考 1.  この試験で用いる時刻歴は過渡的(持続時間が短い)であるから,

1

自由度系は定常的な応答

に達しないので,応答の高いピークは,実際の時刻歴から計算する必要がある。

2.

  ピーク値は,連続する二つのゼロクロス点の間の正又は負の最大値とする(

付図 参照)。

3.9

計測点(measuring point)  試験を実施するためにデータを収集する特定の点。これらの点には,次に

定義する二つの種類がある。

備考  供試品のふるまいを調べるために,供試品の内部の点の測定を行うことがあるが,これらの点

は,この規格でいう計測点ではない。

3.9.1

監視点(check point)  固定点の一つにできるだけ近い,取付具,振動台又は供試品上の点で,どの

場合も固定点に強固に結合している点。

備考 1.  試験要求事項が満たされていることを確実にする手段として,複数の監視点を使用する。

2. 

固定点が

4

点以下の場合,各固定点を監視点として使用する。固定点が

4

点を超える場合,

代表的な

4

点を監視点として使用することを製品規格に規定できる。

3. 

例えば,大形又は複雑な供試品のような特別の場合,固定点から離れた点を監視点として製

品規格に規定できる。

4. 

多くの小さな供試品を一つの取付具に取り付ける場合,又は幾つかの固定点がある小さな供

試品の場合,制御信号を取り出すために,

1

個の監視点(すなわち,基準点)を選択してもよ


4

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

い。したがって,この信号は,供試品の取付点よりは,取付具を代表している。この方法は,

負荷状態の取付具の最低共振振動数が試験の上限振動数より十分に高いときだけ許される。

3.9.2 

基準点(reference point)  この規格の要求事項を満たすように試験を制御する信号を取り出す点。監

視点から選択する。

3.10

固有振動数(natural frequency)  構造物自身の物理的特性(質量,剛性及び減衰)だけに起因する自由

振動の振動数。

3.11

実測時刻歴(natural time-history)  ある事象によって発生する加速度,速度又は変位等の時間の関数

としての記録。

3.12

振動系(oscillator)  機械振動を発生し又は持続させることを目的とする

1

自由度系。

3.13

休止(pause)  引き続く二つの時刻歴の間の間隔。

備考

供試品の応答運動ができるだけ重ならないように休止時間を設定する。休止時間は次式で計算

する。

d

f

T

100

1

ここに,T  :休止時間  (s)

f  

:試験振動数  (Hz)

:最低固有振動数における減衰比  (%)

3.14

推奨試験軸(preferred testing axis)  供試品の最も弱い軸を含む直交する 3 軸。

3.15

ランダム振動の標本(random motion sample)  要求応答スペクトルを発生するように振動数範囲及

び振幅を修正したランダム運動の標本。

3.16

要求応答スペクトル(required response spectrum)  製品規格で規定された応答スペクトル。

3.17

応答スペクトル(response spectrum)  規定の入力運動に対する特定の減衰比の一連の 1 自由度系の

最大応答をその固有振動数の関数としてプロットしたもの。

3.18

サンプリング周波数(sampling frequency)  時刻歴をディジタル形式で記録又は表現するための離

散的な値の 1 秒当たりの数。

3.19

要求応答スペクトルの強い部位(strong part of the required response spectrum)  要求応答スペクト

ルの−3 dB より高い応答スペクトルの部分(

付図 参照)。

備考  一般に,地震の場合は,応答スペクトルの強い部位は振動数帯域の低い方の 1/3 の部分に入っ

ている。

3.20  

時刻歴の強い部位(strong part of the time-history)  瞬時値が最大値の 25  %に達した時点から最後

に 25  %に下がった時点までの時刻歴の部分(

付図 5  参照)。

3.21  

掃引サイクル(sweep cycle)  振動数の規定振動数範囲での 1 回の往復移動。例えば,1 Hz→35 Hz→1

Hz

3.22  

合成時刻歴(synthesized time-history)  応答スペクトルが要求応答スペクトルを包絡するように,人

工的に作った時刻歴。

3.23  

試験レベル(test level)  試験波中の最大ピーク値。

3.24  

試験応答スペクトル(test response spectrum)  振動台の実際の運動から解析又は応答スペクトル解

析装置を用いて求めた応答スペクトル。

3.25  

時刻歴(time-history)  加速度,速度又は変位の時間の関数としての記録。

備考  “時刻歴”の数学的定義は,ISO 2041 に,ある量の時間の関数としての強度と規定されている。


5

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

3.26  

ゼロ周期加速度(zero period acceleration)  加速度応答スペクトルの高い振動数での漸近値(例とし

付図 参照)。

備考  ゼロ周期加速度は,例えば,時刻歴の加速度の最大ピーク値を表すので,実用上重要である。

これを応答スペクトルのピーク加速度と混同してはならない。

4.

  一般要求事項  この試験は,供試品の機械的弱点及び/又は特定の性能の劣化を判定すること,及び製

品規格とともにその判定情報を用いて供試品の合否を判定することを目的とする。この試験は,供試品の

機械的堅ろう性の実証及び/又は動特性の調査に使用することもできる。

  製品規格には,振動中に供試品を動作させるのか,又は単に振動に耐えるだけでよいのかを規定する。

  この試験では,供試品は常に振動台に固定する。

この規格を利用するのに便利なように,

付図 のフローチャート及び附属書 に規格本体の関連する項

番号を付記した。

5.

試験要求事項  試験の要求事項を振動応答検査については 5.1,時刻歴振動試験については 5.2 に,供

品の取付けについては 5.3 に示す。

5.1  

振動応答検査  製品規格に振動応答検査の規定がある場合,臨界振動数及び減衰比(要求がある場合)

を決定するために,以下の 5.1.15.1.9 を考慮して,JIS C 0040 を参照して,これを実施できる。

  これに替わる振動応答検査として,ランダム振動試験を使うこともできる(JIS C 0036 の 4.3 及び

附属書

A.3

参照)。

5.1.1  

基本運動  基本運動は,時間に関する正弦関数とし,製品規格に規定する振動台上の供試品固定点

(複数)の運動は,以下の 5.1.2 及び 5.1.3 の規定に従う実質上同位相の並進運動とする。

5.1.2

  スプリアス運動

5.1.2.1  

横運動  規定軸に直交する軸方向の監視点の振動振幅の最大値は,500 Hz 以下では規定振幅の

50

 %以下,500 Hz を超える振動数では 100  %以下とする。規定振動数範囲内で測定すればよい。小型の

供試品のような特別の場合,製品規格に規定があれば,横運動の許容差を 25 %に制限してもよい。

  大形の若しくは質量の大きな供試品又はある振動数において,これらの値を実現することが困難な場合

がある。そのような場合,製品規格には,次のどれを適用するかを規定する。

a

) 前記の規定を超えるいかなる横運動も試験報告書に記載する。

b

) 供試品に害を与えないことが分かっている横運動は監視する必要がない。

5.1.2.2  

回転運動  供試品が大形又は質量が大きいため,振動台に不必要な回転運動が発生しそうな場合,

製品規格にその許容差を規定する。実際の値を試験報告書に記載する。

5.1.3

  シグナルトレランス  製品規格に特別の規定がなければ,加速度信号のシグナルトレランス測定を

実施する。その測定系の振動数範囲は,基準点の加速度について 5 000 Hz 又は駆動振動数の 5 倍の値のう

ち低い振動数までとする。製品規格に規定があれば測定系の振動数範囲を掃引の上限振動数又はそれ以上

に拡大してもよい。

  製品規格に特別の規定がなければ,シグナルトレランスは 5  %を超えてはならない。この値を実現でき

ない場合がある,その場合はシグナルトレランスが 5  %を超えてもよい。製品規格にトラッキングフィル

タの使用が規定されていれば,これを用いて制御信号の駆動振動数成分の振幅を規定の値に修正する。

  大形又は複雑な供試品の場合,振動数範囲のある部分でシグナルトレランスの値を満足できず,トラッ

キングフィルタの使用が実際的でないとき,加速度振幅を修正する必要がないが,シグナルトレランスの


6

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

値を試験報告書に記載しなければならない。

備考  トラッキングフィルタを使わない場合にシグナルトレランスが 5  %を超えるとき,ディジタル

制御装置を使うか,アナログ制御装置を使うかによってシグナルトレランスの測定値が極端に

違うことがある。

  製品規格には,トラッキングフィルタの使用いかんにかかわらず,上に規定したように,シグナルトレ

ランスをその問題となった振動数範囲とともに試験報告書に記載することを規定してもよい。

5.1.4

  振動振幅の許容差  監視点及び基準点の規定軸方向の基本運動は,次の許容差内で規定値に等しく

する。この許容差には,計器誤差を含める。製品規格に,測定の不確かさの評価に用いた信頼水準を試験

報告書に記載することを規定してもよい。

  低振動数で又は,

大形又は質量の大きい供試品の場合,

要求許容差を実現することが困難なことがある。

その場合,より広い許容差又は別の評価の方法を採用し,試験報告書に記載することを製品規格に規定す

るとよい。

5.1.4.1

  基準点  基準点の制御信号の許容差は,基本運動の±15  %とする。

5.1.4.2

  監視点  各監視点の許容差は,次による。

  ― 500 Hz まで                             :±25  %

  ― 500 Hz を超えて                     :±50  %

5.1.5

  振動数の許容差  次の許容差を適用する。

  ― 0.25 Hz まで                            :±0.05 Hz

  ― 0.25 Hz を超えて 5 Hz まで   :±20  %

  ― 5 Hz を超えて 50 Hz まで      :±1 Hz

  ― 50 Hz を超えて                       :±2  %

  試験の前後の臨界振動数(9.2 参照)を比較する場合は,次の許容差を適用する。

  ― 0.5 Hz まで                               :±0.05 Hz

  ― 0.5 Hz を超えて 5 Hz まで     :±10  %

  ― 5 Hz を超えて 100 Hz まで    :±0.5 Hz

  ― 100 Hz を超えて                     :±0.5  %

5.1.6

  掃引  振動数を,時間に対して指数関数的に,毎分 1 オクターブを超えない速度で,連続的に変化

させて掃引する。

備考  ディジタル制御システムでは,掃引は厳密には“連続的”ではないが,この違いは実用上重要

ではない。

5.1.7

  減衰比  減衰比は,通常,振動応答検査によって決定する。この決定は,使用する試験装置に依存

し,技術的判断が要求される。試験報告書で正当化できれば,別の方法を採用してもよい。

5.2

  時刻歴振動試験  時刻歴振動試験では,次の事項を考慮する。

5.2.1

  基本運動  使用する時刻歴は,次のいずれかによる。

a

)  実測時刻歴

b

)  規定振動数範囲内の振動数成分で構成される合成時刻歴

この場合,次の該当する分解能で生成する。

―  供試品の減衰比が 2  %以下の場合,1/12 オクターブ帯域幅以下。

―  供試品の減衰比が 2  %を超え 10  %未満の場合,1/6 オクターブ帯域幅以下(一般的)。

―  供試品の減衰比が 10  %以上の場合,1/3 オクターブ帯域幅以下。

  減衰比の値(3.4 参照)は,製品規格に規定するか,又は,例えば,振動応答検査(5.1 参照)で求めてもよ


7

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

い。通常は,5  %を用いる。

5.2.2

  横運動  規定軸に直交する軸方向の監視点の加速度又は変位の最大ピーク値は,製品規格に規定が

なければ,時刻歴の規定ピーク値の 25  %以下とする。測定振動数範囲は,規定振動数範囲であればよい。

  ある振動数で,又は大形の若しくは質量の大きな供試品の場合,これらの値を実現することが困難なこ

とがある(

附属書 A.1 参照)。その場合,製品規格には,次のどれを適用するかを規定する。

a

)

  前記の規定を超える横運動を試験報告書に記載する。

b

)

  横運動を監視する必要はない。

5.2.3

  回転運動  振動台の不必要な回転運動が問題となりそうな場合,製品規格で許容差及びその値を試

験報告書に記載することを規定する。

5.2.4

  要求応答スペクトルの許容範囲  要求応答スペクトルに対する許容範囲は,0  %∼+50  %の範囲と

する(

付図 参照)。

  試験応答スペクトルの一部の点がこの範囲から外れている場合,その点が供試品の共振振動数に一致し

ていなければ,試験を有効としてよい。この条件を満足しない場合は,共振振動数の実際の試験レベルを

試験報告書に記載する(

附属書 A.1 参照)。

  試験応答スペクトルは,最低次の分解能で測定する。

  ―  供試品の減衰比が 2  %以下の場合,1/12 オクターブ帯域幅以下。

  ―  供試品の減衰比が 2  %を超え 10  %未満の場合,1/6 オクターブ帯域幅以下(一般的)。

  ―  供試品の減衰比が 10  %以上の場合,1/3 オクターブ帯域幅以下。

5.2.5

  振動数範囲  基準点の信号には,試験装置及び供試品によって発生する振動数を除いて,試験振動

数範囲を超える振動数が含まれていてはならない。供試品を除いた試験装置が発生する試験振動数範囲以

外の信号の最大値は,試験振動数範囲内の信号の最大値の 20  %以下とする。この値を上回る場合は,そ

の値を試験報告書に記載する。

  試験応答スペクトルの評価には,規定振動数範囲外の振動数を含めてはならない。

5.2.6

  試験応答スペクトルの計算  試験応答スペクトルの計算誤差を最小にするために,被評価時刻歴の

サンプリング及びフィルタリングに対して特別の考慮をする必要がある。

  時刻歴のサンプリング周波数を,応答計算の上限振動数 f

2

の 10 倍以上にすることを推奨する。

備考  この場合,最高振動数 f

2

の振動系の応答時刻歴は,5  %未満の振幅誤差で計算される。一般の

振動数分析では普通の f

2

の 2.56 倍のサンプリング周波数では,最高振動数 f

2

の振動系の最大応

答は,60  %を超える誤差となる。

  エイリアシング誤差を避けるために,被評価時刻歴をディジタル化する前に,常に,低域通過フィルタ

を使用する。エイリアシング防止フィルタの−3 dB 遮断周波数を f

2

の 1.5 倍にすることを推奨する。遮断

特性は少なくとも−60 dB/oct とする。これらの推奨値を使用すれば,最高振動数 f

2

の振動系の十分な応答

が保証される。エイリアシング防止フィルタの位相変化による最高振動数の振動系の誤差もまた抑えられ

る。

  被評価時刻歴又は振動系の応答時刻歴が計算の時間枠内で減衰しきらない場合には,切出し誤差が発生

することがある。これは,低い減衰の振動系について計算する場合に,特に問題となる。切出し誤差は,

長い時間枠を適用することによって,避けなければならない。

備考  この問題の理論的説明は,“初期”及び“残留”応答スペクトルの定義を規定した JIS C 0041

附属書 に示されている。試験応答スペクトルの評価では,振動系の応答の絶対最大応答の

強い部位を考慮して“絶対最大”応答スペクトルを計算する。


8

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

5.3

  取付け  供試品は,JIS C 0047 に従って取り付ける。

  通常,防振装置に取り付けられる供試品を防振装置なしで試験する必要がある場合,そのことを考慮し

て,規定の加振レベルを修正する。

  供試品を取り付けるとき,接続,ケーブル,配管などの影響を考慮する。

備考  可能な場合,通常使用する取付け構造物は,試験に含める。

  製品規格には,試験中の供試品の姿勢及び取付け条件を規定するものとし,試験した条件だけが,この

規格の要求事項に適合する唯一の条件である。ただし,試験しない条件に拡張することの正当な理由(例え

ば,重力の影響が供試品のふるまいに影響を与えないことを示すなど)がある場合を除く。

6.

  厳しさ  試験の厳しさは,次のパラメータの組合せによって決定する。

  ―  試験振動数範囲

  ―  要求応答スペクトル

  ―  時刻歴の回数及び持続時間

  ―  応答の高いピーク数(附属書 A.3 参照)

  製品規格では,6.16.4 に示す推奨値に基づいて各パラメータを規定する。

6.1

  試験振動数範囲  試験振動数範囲は,表 から下限振動数を,表 から上限振動数を選択して,製品

規格に規定する。推奨振動数範囲を

表 に示す。種々の適用に関して通常使用する振動数範囲の例を附属

書 B(参考)に示す。

表 1  下限振動数

f

1

 

Hz

   0.1

    1

    5

 10

 55

100

表 2    上限振動数

f

2

 

Hz

    10

    20

    35

 100

 150

 300

 500

2 000


9

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

表 3    推奨振動数範囲

f

1

Hz

f

2

Hz

    0.1

      10

 1

    35

 1

 100

 5

      35

10

    100

10

 150

10

 500

10

2 000

55

2 000

アスタリスクを付けた範囲は,JIS C 0040 の推奨範囲とは異なる。

6.2

  要求応答スペクトル  製品規格では,試験に使用する要求応答スペクトルのレベル及び形状を,ゼロ

周期加速度の値とともに規定する。さらに,応答スペクトルが 3 軸すべてに対して同一でない場合は,各

応答スペクトルに対する供試品の軸を規定する。

  環境条件が十分には分かっていない場合の要求応答スペクトル開発の指針を

附属書 A.2 に示す。

6.3

  時刻歴の回数及び持続時間

6.3.1

  時刻歴の回数  製品規格には,供試品に加える時刻歴の回数及びその軸を規定する。

  規定がない場合,各試験軸及び各レベルの時刻歴に関して適用する時刻歴の回数は,次のシリーズから

選択する。

1

,2,5,10,20,50,…

  二つ以上のレベルの時刻歴を使用する場合は,最低のレベルから始め,順に高いレベルで実施する。各

時刻歴の間には休止を設ける。

6.3.2

  時刻歴の持続時間  製品規格には,各時刻歴の持続時間を規定する。持続時間の推奨値は,次のシ

リーズとする。

1

,2,3,5,10,20,30,50,…

  (秒)

6.3.3

  時刻歴の強い部位の持続時間  場合によっては,製品規格で,全持続時間に対する百分率で表す時

刻歴の強い部位を規定してもよい。規定がない場合は,6.4 の要求事項によってこの要求事項が除外される

場合を除いて,時刻歴の強い部位の持続時間の値は全持続時間に対する次の百分率から選択する。

25

,50,75

  (%)

  選択した値は,試験報告書に記載する。

6.4  

応答の高いピーク数  製品規格で,特定のしきい値を超える応答の高いピーク数を規定してもよい

(

附属書 A.3  参照)。

  応答の高いピークは,要求応答スペクトルの強い部位内に供試品の固有振動数がある場合に,むしろ追

加すべき厳しさである。

  応答の高いピークは,特定の固有振動数における要求応答スペクトルに対する百分率で表すとよい。

  応答の高いピーク数は,製品規格に規定がない場合,減衰比 2  %∼10  %,しきい値 70  %の場合には,

3

∼20 の範囲とする。正及び負のピークは,

付図 に示すようにほぼ等しく分布させる。

7.

  前処理  製品規格で前処理及びその条件を規定する。


10

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

8.

  初期測定  製品規格の規定に従って,供試品の目視,寸法及び機能点検を実施する。

9.

  試験

9.1  

概要  製品規格に規定がない場合,三つの推奨試験軸の各軸方向に供試品を加振する。これらの軸の

試験順序は,製品規格に規定がなければ,重要ではない。

  製品規格に,振動台を駆動する加振力の最大制限値を設定して,規定試験レベルの制御を補正する規定

がある場合,これを実施する。この場合,加振力の制限方法は,製品規格に規定する。

9.2  

振動応答検査  製品規格に,供試品の規定振動数範囲の動特性を検査する規定がある場合,これを実

施する。

  振動応答検査は,試験振動数範囲の正弦波又はランダム波で,製品規格に規定された試験レベルで実施

する。

  振動応答検査は,供試品の応答が時刻歴振動試験の場合より低くなるような試験レベルで,かつ,臨界

振動数を検出できる十分に高いレベルを選択して実施する。

  正弦波加振による振動応答検査の場合は,1 oct/min を超えない掃引速度で実施するものとするが,より

正確な供試品の応答特性の決定が可能であれば,掃引速度を下げることを要求してもよい。過度の耐久は

避ける。

  ランダム波加振による振動応答検査の場合は,応答の統計的変動を少なくするために必要な加振時間を

確保するようにしなければならない。応答のピーク(最も狭い 3 dB 帯域幅)を的確に決定するために,周波

数分解能を十分に高くする必要があり,最も狭い 3 dB 帯域幅に最低 5 本のスペクトルラインが入るように

することを推奨する。

  製品規格に振動応答検査中に供試品を動作させる規定があれば,これを実施する。供試品を動作させて

いるので,機械振動特性を評価できない場合は,供試品を動作させない振動応答検査を別に実施する。こ

の段階で,供試品の臨界振動数を決定し,試験報告者に記載する。

  時刻歴振動試験の前後の臨界振動数を比較する必要がある場合は,製品規格で時刻歴振動試験完了後の

振動応答検査を追加してもよい。

  製品規格では,臨界振動数に変化があった場合にとるべき処置を規定しなければならない。二つの振動

応答検査は同じ方法で同じレベルで実施しなければならない。

9.3

  時刻歴振動試験  時刻歴振動試験の厳しさは,6.に基づいて,製品規格に規定されている。

  試験応答スペクトルは,5.2.4 の許容範囲内で,要求応答スペクトルを包絡しなければならない。

  供試品の応答運動が重ならないように,引き続く時刻歴の間に休止を設けなければならない。製品規格

には,単軸,2 軸,3 軸のどれを要求するのかを規定しなければならない。

備考  通常,耐震試験では,2 軸及び 3 軸試験方法が使われる(附属書 A.2.1  カテゴリー1 参照)。JIS C 

0055

参照。

9.3.1

  単軸試験  試験は,各推奨試験軸に対して順次実施する。

9.3.2

  軸試験  一連の各試験では,供試品の二つの推奨試験軸に沿って,二つの時刻歴を同時に加える。

二つの時刻歴が独立したものでない場合,最初に相対位相 0°で,次に 180°で各試験を実施する。

備考  2 軸試験が規定されている場合,傾斜した単軸で試験をしてもよいが,この場合,二つの軸方

向の各運動は,常に独立していない。該当の軸の要求応答スペクトルを包絡するように,各軸

の試験応答スペクトルを調整するとよい。

参考  試験応答スペクトルの調整とは,試験レベルだけの調整が可能であり,スペクトルの形状など


11

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

の変更はできない。

9.3.3

  軸試験  一連の各試験では,三つの推奨試験軸のすべてに,同時に時刻歴を加える。

  この試験方法には,単軸又は 2 軸の取付けは適切ではない。

10.

  中間測定  製品規格に中間測定が規定されている場合,供試品を規定の回数の時刻歴の間動作させ,

その機能を点検する。

11.

  後処理  製品規格に後処理の規定がある場合,試験後の最終測定の前に,供試品の,例えば温度など

の条件を,初期測定のときと同じ状態にするために一定の時間を準備する必要がある。

12.

  最終測定  製品規格の規定に従って,供試品の目視,寸法及び機能点検を実施する。

  製品規格に供試品の合否判定基準を規定する。

13.

  製品規格に規定する事項  この試験が製品規格に含まれている場合,可能な限り次の事項の詳細を,

アステリスク(

)付きの事項は常に必要なので特別の注意を払って,製品規格に規定する。

a

)

基本運動

5.1.1

及び 5.2.1 

b

)

横運動

5.1.2.1

及び 5.2.2 

c

)

回転運動

5.1.2.2

及び 5.2.3 

d

)

シグナルトレランス

5.1.3 

e

)

振動振幅の許容差

5.1.4 

f

)

減衰比

5.1.7 

g

)

供試品の取付け

5.3 

h

)

試験振動数範囲

6.1 

i

)

要求応答スペクトル

6.2

及び A.2 

j

)

時刻歴の回数

6.3.1 

k

)

時刻歴の持続時間

6.3.2 

l

)

時刻歴の強い部位の持続時間

6.3.3 

m

)  応答の高いピーク及びしきい値

6.4

及び A.3 

n

)

前処理

7. 

o

)

初期測定

8. 

p

)

推奨試験軸

9.1 

q

)

加振力の制限

9.1 

r

)

振動応答検査

9.2 

s

)

性能及び機能点検

9.2 

t

)

単軸,2 軸又は 3 軸試験

9.3 

u

)

中間測定

10. 

v

)

後処理

11. 

w

)   最終測定

12. 


12

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

付図 1  時刻歴振動試験のフローチャート

前処理(7.)

初期測定(8.)

試験(9.) 

振動応答検査(9.2)

正弦波加振

ランダム波加振(代替方法として)

試験の厳しさの選択(6.)

試験振動数範囲(6.1)

要求応答スペクトル(6.2)

時刻歴の回数(6.3.1)

持続時間(6.3.2)

時刻歴の強い部位(6.3.3)

応答の高いピーク数(6.4)必要な場合

人工時刻歴の合成(

附属書 A)

時刻歴の振動数成分の確認(フーリエ変換)

応答の高いピーク数の確認(

附属書 A.3)必要な場合

満足?

中間測定(10.)

後処理(11.)

最終測定(12.)

試験(9.) 

時刻歴振動試験(9.3)

NO

YES


13

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

付図 2  特定の時刻歴で励振された振動系の典型的な応答例

(規定のしきい値 70  %)

付図 3  規定のしきい値(70  %)を超える応答のピークの数え方の例


14

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

付図 4  典型的な応答スペクトル


15

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

付図 5  典型的な時刻歴


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C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

付図 6  典型的な要求応答スペクトルのプロット

付図 7  カテゴリー1:要求応答スペクトルの推奨形状


17

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

付図 8  カテゴリー2:要求応答スペクトルの推奨形状


18

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

附属書 A(参考)  人工時刻歴の合成:指針

A.1  

序文  供試品が種々の振動力に耐えることを実証するための多くの試験方法が確立している。それら

の試験方法には,単純な連続正弦波から高度に特化された複雑な時刻歴までがあり,各試験方法は,特定

の要求事項若しくは状況に,又は特定の振動環境に最も適している。

  時刻歴振動試験方法は次の場合,重要となる。

a

)  振動環境をできるだけ再現する必要がある場合。

b

)  供試品に関してよく分かっていない場合,又は供試品に関する臨界的な側面,例えば,臨界振動数な

どを決定するのが難しい場合。

  時刻歴振動試験では,他の試験方法に比べて過剰試験の傾向が避けられる。その理由は,時刻歴振動試

験は,実際の環境を再現し又はより忠実に代表するので,従来の試験方法と比べて過剰応力又は過剰疲労

の可能性が低いからである。

  実際の環境を再現するに当たって,製品規格作成者が応答スペクトルを決定する。通常,供試品の減衰

を代表する減衰比も同時に指定する。決定したこの応答スペクトルを要求応答スペクトルといい,これは

試験仕様の一部であり,満たさねばならない試験基準である。試験では,その環境を発生させて,試験応

答スペクトルを得る。この試験応答スペクトルは,加振中の振動台の運動の記録を演算処理することによ

って得られる(

本体 5.2.6 参照)。試験応答スペクトルの計算では,本体 5.2.6 に規定する推奨事項を考慮し

て,入力波形(振動台の運動)を記録することが重要である。

  試験基準が満たされているかどうかを判定するために,試験応答スペクトルを要求応答スペクトルと比

較する。試験基準を満たすためには,試験応答スペクトルは要求応答スペクトルを包絡する必要がある。

満足できる試験応答スペクトルを得るために,供試品を等しい質量のおもりに換えて,試し又は予備加振

を行う。このおもりは,供試品の動特性を代表するものであることが重要である。このようにして,供試

品に不必要な疲労及び過剰応力を与えないで,各試験レベルを調節することができる。

  要求応答スペクトルに適用する許容範囲は製品規格で規定されるが,少数のデータ点が許容範囲に入ら

なくても試験は有効である。質量の大きな又は大形の供試品の場合,ある振動数で要求許容範囲を満たせ

ないことがある。このような場合,製品規格で,より広い許容範囲を適用するようにしてもよい(

本体 5.2.4

参照)。

  時刻歴振動試験では,制御及び解析用のデジタルコンピュータに要求されるのと同様に,洗練された正

確な測定器が必要である。この規格では,試験が異なる場所で行われても同じ結果が得られるようにする

ために,パラメータを標準化し,適切な許容差を設定した。値を標準化したので,供試品をある与えられ

た振動に耐える能力に応じて分類することも可能である。

A.2

  要求応答スペクトルを決定するための推奨事項(本体 6.2 参照)  供試品の用途又は環境がよく分かっ

ていない場合の要求応答スペクトルの決定に関する推奨事項を次に述べる。地震,航空宇宙,輸送,その

他の多くの適用があるので,二つのカテゴリーに分けて推奨事項を述べる。

A.2.1

カテゴリー1  次の場合カテゴリー1 を適用する。

  ― 地震。

  ― 広帯域に広がる多くの振動数を含む時刻歴をもつ場合。


19

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

  ― 異なる振動数をもつ時刻歴の集合を包絡する必要がある場合。

  ― 適用に関係なく機器を広帯域で加振する必要がある場合。

  カテゴリー1 の要求応答スペクトルを次の事項に従って本体付図 に示す。

a

)  試験振動数範囲(f

1

f

2

)は,

本体表 から選択する。一般的に使用する値の例を附属書 に示す。

b

)  ゼロ周期加速度の値(単位 g

n

)は,通常,次のシリーズから選択する。

…,0.2,0.5,1,2,5,10,20

,…

参考  我が国は,SI 単位系を採用しており,計量法ではこの単位は用いていないが,ここでは翻訳し

てそのまま記載した。

c

)  f

1

∼2 f

1

の加速度は 12 dB/oct の傾斜で規定する。

備考  0.8 Hz 未満の f

1

を選択した場合は,振動数 2

f

1

を 1.6 Hz に固定し,1.6 Hz 未満の傾斜を 12 dB/

oct

とする。

d

)  2f

1

∼1/3f

2

の加速度の最大値は次の値とする。

  ― 減衰比 10  %の場合,ゼロ周期加速度の 2.24 倍。

  ― 減衰比 5  %の場合,ゼロ周期加速度の 3 倍。

  ― 減衰比 2  %の場合,ゼロ周期加速度の 5 倍。

e

)  1/3f

2

∼2/3f

2

の加速度は,両対数グラフ上で直線則に従って,ゼロ周期加速度に到達させる。

備考  供試品の代表的な減衰比が 2  %を超え 10  %未満の場合,減衰比 5  %の要求応答スペクトルを

推奨する。供試品の代表的な減衰比が 2  %以下の場合だけ,減衰比 2  %の要求応答スペクトル

を推奨し,減衰比が 10  %以上の場合は,減衰比 10  %の要求応答スペクトルを推奨する。

A.2.2

  カテゴリー2  比較的狭い振動数帯域内に,一つ,二つ又は三つの卓越振動数があることが分かっ

ている時刻歴の場合に,カテゴリー2 を適用する。

カテゴリー2 の要求応答スペクトルを次の事項に従って

本体付図 に示す。

a

)  用途又は環境の卓越振動数に関する最善の知識に基づいて,振動数 f

o

を選択する。f

o

 の推奨値は,ISO 

266

に従って,次のシリーズ(間隔は 1/3 オクターブ)とする(単位 Hz)。

…,16,20,25,31.5,40,50,63,80,100,125,160

,…

b

)  f

o

f

a

及び f

b

の関係は次のように一般化する。

f

a

 = f

o

 /2

f

b

 = 2 f

o

備考  用途によっては,応答スペクトルの強い部位をより狭くする必要がある。そのような場合,2/3

オクターブ帯域に制限することを推奨する(すなわち,f

a

 =  f

o

/

3

2 = 0.794

f

o

から f

b

 =

f

o

3

2 =

1.26

f

o

まで)。

c

)  振動数範囲 f

a

 /2∼3 f

b

は,前記 b)によらず

本体 6.1 又は附属書 に示す値に合わせてもよい。

d

)

  ゼロ周期加速度の値(単位 g

n

)は,通常,次のシリーズから選択する。

…,1,2,5,10,20

,…

参考  我が国は,SI 単位系を採用しており,計量法ではこの単位は用いていないが,ここでは翻訳し

てそのまま記載した。

e

)

  f

a

/2∼f

a

及び

 f

b

∼2

 f

b

 の加速度は,本体付図 に示すように,両対数グラフ上で直線則に従って,ゼロ

周期加速度に到達させる。f

1

f

a

/2 の傾斜は 12 dB/oct とし,2

 f

b

f

2

の加速度はゼロ周期加速度に等

しくする。

f

)  f

a

f

b

の加速度の最大値は次の値とする。


20

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

  ― 減衰比 10  %の場合,ゼロ周期加速度の 3 倍。

  ― 減衰比 5  %の場合,ゼロ周期加速度の 4.5 倍。

  ― 減衰比 2  %の場合,ゼロ周期加速度の 6.5 倍。

備考  供試品の代表的な減衰比が 2  %を超え 10  %未満の場合,減衰比 5  %の要求応答スペクトルを

推奨する。供試品の代表的な減衰比が 2  %以下の場合だけ,減衰比 2  %の要求応答スペクトル

を推奨し,減衰比が 10  %以上の場合は,減衰比 10  %の要求応答スペクトルを推奨する。

A.3  

応答の高いピーク数  振動(例えば,地震,爆発など)による影響を再現するためには,特定の環境を,

安全率を見込んでできるだけ正確にシミュレートする必要がある。環境が十分に分かっていない場合又は

シミュレートするのが困難な場合は,安全率には最悪の場合を考慮に入れる必要がある。

  そのための第 1 の基準は,試験応答スペクトルが要求応答スペクトルを包絡することを確実にすること

である。この包絡によって,各振動系の応答が最大要求レベルに到達することが保証される。

  第 2 の基準は,時刻歴の強い部位の時間が対象とした現象の時間以上とすることを確実にすることであ

る。

  前記の二つの基準だけでは,高いレベルの繰り返し加振の効果が完全には考慮されていないので,不十

分なことがある。この高いレベルの加振は,供試品の固有振動数で加振した場合に,供試品に有害となる

塑性ひずみを発生させるとき,極めて重要となる。

  対象とする現象をシミュレートする信号を解析することによって,この応答の高いピークを考慮するこ

とができる。具体的には,人工時刻歴を合成するときに,次のようにする(

本体付図 参照)。

a

)  供試品をその固有振動数で加振することを確実にするために,合成時刻歴の振動数成分をチェックす

る(フーリエ変換)。

b

)  要求応答スペクトルの強い部位の振動数範囲をカバーする振動系(複数)の応答が特定のレベルを超え

る回数を数える。

  時刻歴の損傷能力は,それに含まれるエネルギーに直接比例し,時刻歴によって伝達されるエネルギー

は,振動系内に発生する高いピーク数に直接関係する。したがって,異なる二つの時刻歴が同じ振動系に,

同じ数の高いピークの応答を発生させる場合は,

それらは同じ損傷能力をもっていることになる。

しかし,

供試品に発生する損傷の合計は,応答の高いピーク数だけに関係するのではなく,それらのレベルにも関

係することに注意する必要があり,したがって,応答の高いピーク数は,しきい値に関係付けて選択する

ことを推奨する。

  疲労損傷は,振幅の低下に従って,急速に減少するので,要求応答スペクトルの強い部位の振動数範囲

をカバーする振動系(複数)の応答がしきい値を超えるピーク数を考慮するだけで十分である(

本体 6.4,本

体付図 及び本体付図 参照)。

  各種の適用(地震,爆発など)に関して,供試品が取り付けられている位置のしきい値とピーク数との間

には関係がある。したがって,しきい値とそれに基づくピーク数は,疲労効果を代表する最善の方法で選

択することが望ましい。地震のような繰り返し数の少ない現象の場合は,50  %より低いピークの影響はほ

とんどない。90  %を超えるしきい値では,二,三のピークしか現れないので疲労効果を代表しない。これ

らの理由から,しきい値を 70  %として,各適用の代表的なピーク数を使用することを推奨する。経験に

よれば,地震の場合は,しきい値 70  %で最低 5 個のピークを考慮するとよい。どの場合も,応答の高い

ピーク数を選択するには,技術的判断が必要である。

  人工時刻歴を合成する場合に,十分な数の応答の高いピークを得るために,特別の注意を払うことが望


21

C 0057

:2002(IEC 60068-2-57:1999)

ましい。経験によると,次の三つの条件を適用すれば,要求された応答の高いピーク数が得られることが

確実である。

  ― 供試品の固有振動数が応答スペクトルの強い部位内にある。

  ― 供試品のふるまいは直線性の範囲内である。

  ― 試験応答スペクトルが要求応答スペクトルを包絡する。


22

C 0057

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附属書 B(参考)  試験振動数範囲

一般に使用される試験振動数範囲の例を適用別に示す。

地震への適用

(地表又は床へ設置する機器)

1 Hz

∼        35 Hz

備考  固有振動数が 1 Hz 未満の機器では,0.1 Hz∼35 Hz の振動数範囲を推奨する。

輸送への適用

 1 Hz

∼   100 Hz

10 Hz

∼   100 Hz

10 Hz

∼   150 Hz

10 Hz

∼   500 Hz

航空機への適用

10 Hz

500 Hz

10 Hz

∼ 2 000 Hz