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C 6950-1:2016

1)

目  次

ページ

序文  

1

0  安全性の原則  

1

0.1  安全性の一般原則  

1

0.2  危険  

2

0.3  材料及びコンポーネント  

5

1  総則 

5

1.1  適用範囲  

5

1.1A  引用規格  

7

1.2  用語及び定義  

7

1.3  一般要求事項  

23

1.4  試験に関する一般条件  

24

1.5  コンポーネント  

28

1.6  電源インタフェース  

34

1.7  表示及び指示  

35

2  危険からの保護  

43

2.1  感電及びエネルギーによる危険に対する保護  

43

2.2  SELV 回路  

51

2.3  TNV 回路  

53

2.4  制限電流回路  

56

2.5  有限電源  

57

2.6  接地及びボンディングの規定  

59

2.7  一次回路における過電流及び地絡に対する保護  

65

2.8  安全インタロック  

67

2.9  電気絶縁  

70

2.10  空間距離,沿面距離及び絶縁物を通しての距離  

74

3  配線,接続及び電源の供給  

96

3.1  一般要求事項  

96

3.2  主電源への接続  

99

3.3  外部導体接続用の配線端子  

105

3.4  主電源からの遮断  

107

3.5  機器の相互接続  

109

4  物理的要求事項  

110

4.1  安定性  

110

4.2  機械的強度  

111

4.3  設計及び構造  

115


C 6950-1:2016  目次

2)

ページ

4.4  危険な可動部に対する保護  

122

4.5  温度に関する要求事項  

124

4.6  エンクロージャの開口  

127

4.7  耐火性  

133

5  電気的要求事項及び異常状態の模擬  

140

5.1  タッチカレント及び保護導体電流 

140

5.2  耐電圧  

147

5.3  異常動作及び故障状態  

151

6  ネットワーク線への接続  

154

6.1  機器内に生じる危険からの,ネットワーク線サービス従事者及び 

    ネットワーク線に接続する他の機器の使用者の保護  

155

6.2  ネットワーク線からの過電圧に対する機器使用者の保護  

156

6.3  ネットワーク配線システムの過熱保護  

159

7  ケーブル分配システムとの接続  

159

7.1  一般要求事項  

159

7.2  機器内に生じる危険電圧からの,ケーブル分配システムのサービス従事者及び 

    このシステムに接続する他の機器の使用者の保護  

160

7.3  ケーブル分配システムからの過電圧に対する機器使用者の保護  

160

7.4  一次回路とケーブル分配システムとの絶縁  

161

附属書 A(規定)耐熱性試験及び耐火性試験  

163

附属書 B(規定)異常状態でのモータに対する試験  

166

附属書 C(規定)変圧器  

171

附属書 D(規定)タッチカレント試験の測定器  

174

附属書 E(規定)巻線の温度上昇  

176

附属書 F(規定)空間距離及び沿面距離の測定  

177

附属書 G(規定)最小空間距離を決める代替手段  

185

附属書 H(規定)電離放射線  

191

附属書 J(規定)電気化学による電位表  

192

附属書 K(規定)温度調節器  

193

附属書 L(規定)事務用電気機器の通常負荷状態  

195

附属書 M(規定)呼出シグナルに関する判断基準  

197

附属書 N(規定)インパルス発生器  

201

附属書 P(規定)引用規格  

203

附属書 Q(規定)電圧依存抵抗器(バリスタ:VDR  

209

附属書 R(参考)品質管理プログラムのための要求事項の例  

210

附属書 S(参考)インパルス試験手順  

213

附属書 T(参考)水の浸入防止の指針 

215

附属書 U(規定)介在絶縁物なしで用いる絶縁巻線  

216

附属書 V(規定)交流電力系統  

219


C 6950-1:2016  目次

3)

ページ

附属書 W(参考)タッチカレントの総量  

225

附属書 X(参考)変圧器試験の最大温度影響  

228

附属書 Y(規定)紫外線処理試験  

230

附属書 Z(参考)過電圧カテゴリ  

231

附属書 AA(規定)マンドレル試験  

232

附属書 BB(参考)第 2.2 版の変更点  

235

附属書 CC(規定)集積回路(IC)電流制限器の評価  

236

附属書 DD(規定)ラックマウント形機器の搭載手段に関する要求事項  

239

附属書 EE(規定)家庭用及び家庭・オフィス兼用の文書・メディアシュレッダ  

241

附属書 JA(規定)シュレッダに対する要求事項  

242

附属書 JB(参考)過電圧及び過電流に関する設置環境の現状及び対処方法  

245

参考文献  

248

附属書 JC(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

251


C 6950-1:2016  目次

4)

まえがき

この規格は,工業標準化法第

14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人ビジ

ネス機械・情報システム産業協会(

JBMIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案

を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が

改正した日本工業規格である。これによって,JIS C 6950-1:2014 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

6950-1

2016

情報技術機器-安全性-第 1 部:一般要求事項

Information technology equipment-Safety-Part 1: General requirements

序文 

この規格は,

2005 年に第 2 版として発行された IEC 60950-1,Amendment 1(2009)及び Amendment 2

2013)を基とし,国内の電源事情などを考慮し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

ただし,追補(

amendment)については,編集し,一体とした。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書 JC に示す。また,附属書 JA 及び附属書 JB は対応国際規格にはない事

項である。

安全性の原則 

次の原則は,この規格の対応国際規格を作成する過程で IEC(国際電気標準会議)の TC108 委員会が採

用したものである。

これらの原則には,機器の性能及び機能上の特性は含まれていない。

0.1 

安全性の一般原則 

安全な製品を作るためには,設計者が安全性要求事項の基盤となる原則を理解することが不可欠である。

これらの原則は,この規格の個々の要求事項の代替とならないが,それらの要求事項のよりどころとな

っている原則について,正しい理解を設計者にもってもらうようにすることにある。機器が,ここでは触

れていない技術,コンポーネント,材料又は構造手法を用いている場合,機器の設計は,ここに記載する

安全性の原則と同等以上の安全レベルを備えることが望ましい。

注記

  新しい状況に対処するために詳細な要求事項の追加が必要になった場合は,IEC の関連する委

員会に速やかに申し出ることが望ましい。

設計者は,機器の通常動作状態だけでなく,起こる可能性がある故障状態,更に引き続き生じる故障,

予見可能な誤使用,並びに温度,高度,汚損,湿気,及び主電源,ネットワーク線又はケーブル分配シス

テムにおける過電圧のような外部からの影響を考慮しなければならない。絶縁距離を設定する場合は,製

造ばらつきによって起こる減少,又は製造,輸送及び通常使用中に起こる取扱い,衝撃及び振動によって

起こる変形の可能性を考慮することが望ましい。

どの設計手段を採用するかの決定は,次の順序で行うことが望ましい。

  可能な場合は,危険を除去し,危険を減少させ,又は危険から保護する設計基準を明らかにする。

  機器の機能が妨げられるため上記の事項が実際的でない場合,機器に依存しない別の保護手段[例  個

人用防具(この規格では触れてはいない。)の使用]を明らかにする。

  上記のいずれの手段も実際的でない場合,又はそれらの手段に加えて,残留リスクに対して表示及び

/又は指示の内容を明らかにする。


2

C 6950-1:2016

安全を考慮しなければならない人々のタイプには,“使用者”(又は“操作者”

)及び“サービス従事者”

2 種類がある。

“使用者”という用語は,

“サービス従事者”以外の全ての人々に適用する用語である。保護に関する要

求事項は,使用者が危険を判断できる訓練を受けていないが,故意に危険な状態を発生させるようなこと

はしないとの前提に基づくことが望ましい。したがって,要求事項には,特定の使用者だけではなく,清

掃人及び偶然の訪問者に対しても保護を定めている。一般的に使用者には,危険な部分にアクセスさせな

いことが望ましい。このために,そのような部分は,サービス従事者アクセスエリア内だけに限るか,ア

クセス制限場所に置かれる装置内に限るのがよい。

使用者がそのようなアクセス制限場所に入ることが認められるには,適切な指示を受けなければならな

い。

“サービス従事者”は,機器のサービス従事者アクセスエリア内又はアクセス制限場所に置かれた機器

に存在する明らかな危険に対して,サービス従事者自身及び他の人を傷害から避けるために,サービス従

事者が受けた訓練及び技能を活用することが期待されている。しかし,サービス従事者であっても,予期

できない危険から保護することが望ましい。これは,例えば,保守のためアクセスが必要な部品は,電気

的又は機械的危険から遠ざけた位置に配置したり,危険な部分に誤って触れることを防ぐために遮蔽を設

けたり,残留リスクをサービス従事者に警告するために,ラベル又は指示書を備えたりすることによって

行うことができる。

潜在的危険の情報は,傷害がどれだけ起きやすくどれほど重大かによって,機器に直接記載するか,機

器とともに提供するか,又はサービス従事者が利用できるようになっていればよい。一般に使用者は,傷

害の原因となるような危険にさらされてはならない。また,使用者に対する情報は,間違った電源に接続

したり,違ったタイプのヒューズに取り替えたりするような誤用及び危険をもたらすような状況を避ける

ことを第一の目的とすることが望ましい。

可動形機器は,電源コードに余分な力が加わって接地導体の破断をもたらすおそれがあるので,感電の

リスクを少し増大させるとみなされている。手持形機器は,コードの疲労が起こりやすく,このリスクが

増し,かつ,ユニットが落下した場合は,更に危険が発生する。可搬形機器は,いろいろな状態で運ばれ

用いられるので,小さな金属片がエンクロージャの開口から侵入した場合,金属片が危険を生じるように

機器の内部で動き回ることができるので,より危険要因が増える。

0.2 

危険 

安全規格の適用は,次に示す危険要因による傷害又は損傷のリスクを減少させることを意図している。

  感電

  エネルギーによる危険

  火災

  熱的危険

  機械的危険

  放射

  化学的危険

0.2.1 

感電 

感電は,人体を流れる電流によるものである。感電による生理的影響は,電流値及び時間,並びに体を

流れる経路によって変わる。電流値は,印加電圧,電源インピーダンス及び人体のインピーダンスによっ

て決まる。人体のインピーダンスは,接触面積及び接触箇所の湿り気並びに印加電圧及びその周波数に影


3

C 6950-1:2016

響される。およそ

0.5 mA の電流は,健康な人に反射動作を起こさせ,不随意反射に起因する間接的な傷害

を招く場合もある。より大きな電流は,やけど(火傷),離脱不能状態になる筋強縮誘発,心室細動などの

ような直接的な影響が発生する可能性がある。

定常状態でピーク

42.4 V 又は直流 60 V 以下の電圧は,片手と同等の接触面積について,乾燥状態の下

では,一般的に危険がないとみなされている。人が直接触れたり,操作したりする必要がある裸の導電部

は,接地するか,又は適切な絶縁を施すのがよい。

機器には,電話線などの外部ネットワーク線に接続するものがある。また,ネットワーク線においては,

定常の直流電圧に音声シグナル,呼出シグナルなどを重畳させる場合がある。その重畳された合計の値は,

定常状態として与えられている上記の電圧値を超える場合がある。電話会社のサービス従事者が,素手で

そのような回路の部分を扱うことは,日常行われている。旋律呼出シグナルを用いることによって,また,

サービス従事者が通常取り扱う裸の導電部に触れることができる範囲が制限されているため,今までは,

このことによる重大な傷害は生じていない。しかし,使用者がアクセス可能な部分の接触面積,及びその

部分が触れられる可能性は,(例えば,

そのような部分の形状及び配置によって,

更に制限するのがよい。

感電を防止するために,使用者に対して,

2 段階の保護を設けることが一般的である。したがって,通

常動作状態の下,並びに単一故障が生じた後及びその結果として発生する幾つかの故障の後,機器の動作

が感電を発生させないことが望ましい。ただし,保護接地,付加絶縁などの追加の保護手段を設けてある

からといって,適切に設計した基礎絶縁の代わりにはならないし,基礎絶縁を行わなくてもよいことには

ならない。

感電に関する危険発生要因及びこのようなリスクを減じる対策例を,次に示す。

危険発生要因 

リスクを減じる対策例 

通常,危険電圧が加わっている裸の導電部への接触

固定又はロックしたカバー,安全インタロックなどによ
って,危険電圧が加わっている部分への使用者のアクセ
スを防止する。危険電圧が加わっていてアクセス可能な
コンデンサの放電を行う。

通常,危険電圧が加わっている部分とアクセス可能な導
電部との間の絶縁破壊

基礎絶縁を施し,かつ,アクセス可能な導電部及び回路
を接地する。これによって,規定の時間内に過電流保護
デバイスが低インピーダンス故障を生じた部分を切り離
すので,発生する可能性がある電圧の露出を制限する。
その部分間に保護接地した金属蔽物を設ける。

アクセス可能部分への絶縁破壊を生じるおそれがないよ
うに二重絶縁又は強化絶縁を施す。

ピーク

42.4 V 又は直流 60 V を超えるネットワーク線に

接続した回路との接触

そのような回路へのアクセスのしやすさ及び接触面積を
制限し,アクセスが制限されていない非接地部分からこ
れらの回路を分離する。

使用者がアクセス可能な絶縁の破壊

使用者がアクセス可能な絶縁は,危険電圧との接触の可
能性を減じるために適切な機械的強度及び耐電圧性能を
備えていることが望ましい。

危険電圧が加わる部分からアクセス可能な部分へのタッ
チカレント(漏えい電流)

,又は保護接地接続の不良。タ

ッチカレントには,一次回路とアクセス可能な部分との
間に接続した

EMC フィルタコンポーネントによる電流

も含む。

タッチカレントを規定値に抑えるか,又は十分かつ完全
な保護接地接続を行う。

0.2.2 

エネルギーによる危険 

大電流源又は高容量の回路の隣接極相互間の短絡によって,次のようなことを起こし,傷害又は火災が


4

C 6950-1:2016

生じることがある。

  やけど(火傷)

  アークの発生

  溶融金属の飛散

触れても安全な電圧の回路であっても,エネルギーによる危険があるかもしれない。

このようなリスクを減じる対策例には,次のようなものがある。

  分離

  遮蔽

  安全インタロックの装備

0.2.3 

火災 

通常動作状態の下で,又は過負荷,コンポーネントの故障,絶縁破壊若しくは不完全な接続によって過

度の温度上昇が発生し,火災のリスクが生じることがある。機器内で発生した火が発火源近傍を越えて広

がらず,機器の周囲に損傷を与えないことが望ましい。

このようなリスクを減じる対策例には,次のようなものがある。

  過電流に対する保護

  目的に合った適切な燃焼特性をもつ構造材の使用

  発火を引き起こすような高温を避ける,部品,コンポーネント及び消耗材の選択

  用いる可燃物の数量の制限

  発火源となりそうなものからの可燃物の遮蔽又は分離

  火災の広がりを機器内に制限するためのエンクロージャ又はバリアの使用

  機器の外側に火災が広がる可能性を減らすためのエンクロージャへの適切な材料の使用

0.2.4 

熱的危険 

通常動作状態の下で,高温によって,次のような傷害が生じることがある。

  アクセス可能な高温部に触れることによるやけど(火傷)

  絶縁の劣化及び安全のための重要なコンポーネントの劣化

  可燃性の高い液体の着火

このようなリスクを減じる対策例には,次のようなものがある。

  アクセス可能部分が高温になるのを避けるための手順を踏む。

  液体の着火点を超える温度になるのを避ける。

  高温部分へのアクセスが避けられない箇所には,使用者に警告するための表示を行う。

0.2.5 

機械的危険 

傷害は,次のようなものから生じる。

  鋭利な縁及び角

  傷害を起こさせる潜在性がある可動部分

  機器の不安定さ

  ブラウン管の爆縮及び高圧ランプの爆発によって飛来する破片

このようなリスクを減じる対策例には,次のようなものがある。

  縁及び角に丸みを付ける。

  ガードを施す。

  安全インタロックを設ける。


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  自立機器に十分な安定性をもたせる。

  ブラウン管及び高圧ランプについては,それぞれ爆縮及び爆発に対して十分に強度があるものを選ぶ。

  アクセスが避けられない箇所は,使用者に警告するための表示を行う。

0.2.6 

放射 

機器から生じるある種の放射が,使用者及びサービス従事者に傷害をもたらす場合がある。その例には,

音波,無線周波,赤外線,紫外線,電離性放射線,高輝度可視光線及びコヒーレント光(レーザ)がある。

このようなリスクを減じる対策例には,次のようなものがある。

  潜在的な放射発生源のエネルギーレベルを制限する。

  放射発生源を遮る。

  安全インタロックを設ける。

  放射の危険にさらされることが避けられないような場合は,使用者に警告するための表示を施す。

0.2.7 

化学的危険 

ある種の化学物質に触れたり,又はその蒸気及び煙霧を吸入したりすることによって,傷害が生じる場

合がある。

このようなリスクを減じる対策例には,次のようなものがある。

  意図した用途で通常使用中に触れたり,吸入したりすることによって傷害を引き起こすような構造材

及び消耗材の使用を避ける。

  漏れ,気化などを引き起こすような状況を避ける。

  危険に関して使用者に警告するための表示を施す。

0.3 

材料及びコンポーネント 

機器の構成に用いる材料及びコンポーネントは,危険を発生させることなく信頼のおける方法で機器の

予定寿命の間,機能することが期待でき,かつ,火災の拡大を助長しないように選択し,配置するのがよ

い。コンポーネントは,通常動作状態の下で製造業者が指定する定格以内であるように,かつ,故障状態

で危険を発生させないように選択することが望ましい。

総則 

1.1 

適用範囲 

1.1.1 

この規格の対象機器 

この規格は,電気的な事務機器及び関連機器を含み,主電源又は電池で動作する,定格電圧が

600 V 以

下の情報技術機器の安全性について規定する。

この規格は,次のような情報技術機器にも適用できる。

  電力の供給源に関係なく,ネットワーク線末端機器及びネットワーク線基盤機器として用いるように

設計したもの

  電力の供給源に関係なく,ケーブル分配システムの基盤機器として用いるか,又は直接接続するよう

に意図し,設計したもの

  ネットワーク線伝達手段として,交流主電源を用いるように設計したもの(箇条 の注記 及び 7.1

の注記 参照)

この規格は,次にも適用する。

  この規格の対象機器に組み込むことを意図したコンポーネント及び部分組立品。ただし,コンポーネ

ント及び部分組立品を組み込んだ完成品がこの規格に適合する場合,これらのコンポーネント及び部


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C 6950-1:2016

分組立品はこの規格のあらゆる要求事項に適合する必要はない。

  この規格の対象機器に電力供給することを意図した外部電源供給ユニット

  この規格の対象機器に用いることを意図したアクセサリ

注記 1  組み込んでいない状態でのコンポーネント,部分組立品及びアクセサリが適合しなくてよ

い状況の例には,電源定格の表示,危険部分へのアクセスなどがある。

注記 2  大形空調システム,火災感知システム,消火システムのように,この規格の適用範囲とな

らない機器であっても,その機器の電子部品にこの規格を適用してもよい。その場合は,

異なる要求事項が必要になることがある。

この規格は,火災のリスク,機器に触れることができる操作者及び部外者,並びに特に規定している場

合のサービス従事者に対する感電又は傷害のリスクを減らすための要求事項を規定する。

この規格は,設置した機器を相互接続したユニットのシステムで構成しているか,又は独立のユニット

で構成しているかにかかわらず,製造業者が指定した方法で機器の設置,操作及び保守を行うという条件

で,その設置機器に関するリスクを減らすことを意図している。

この規格の適用範囲となる機器の例を,次に示す。

一般的製品種別 

一般種別における具体例 

銀行用機器

自動金銭出納(キャッシュディスペンス)装置(

ATM)を含む金銭処理機

データ及び文章処理機並びにそ
の関連機器

データ作成装置,データ処理装置,データ保存装置,パーソナルコンピュータ,
プロッタ,プリンタ,スキャナ,ワードプロセッサ,ディスプレイユニット

データ用ネットワーク線機器

ブリッジ,データ用ネットワーク線末端機器,データ末端機器,ルータ

電気的及び電子的小売店用機器

キャッシュレジスタ,連携電子はかりを含む

POS 端末

電気的及び電子的事務用機器

計算機,複写機,口述録音機,シュレッダ,謄写機,電動消しゴム,マイクロ写
真用事務機,電動ファイルシステム,紙仕上げ機(パンチャ,切断機,分離機)

紙そろ(揃)え機,鉛筆削り,ステープラ,タイプライタ

その他の情報技術機器

写真印刷機,公共情報端末,マルチメディア機器

郵便用機器

郵便物処理機械,郵便料金計器

ネットワーク線基盤機器

課金装置,マルチプレクサ,ネットワーク線電源供給装置,ネットワーク線末端
装置,無線基地装置,中継装置,送信機,ネットワーク線スイッチング機器

ネットワーク線末端機器

ファクシミリ,キーテレホンシステム,モデム,

PABX,ポケットベル,電話応

答装置,電話機(有線及び無線)

注記 3  マルチメディア機器の安全性要求を満足させるために,JIS C 6065 の要求事項も用いること

ができる。IEC Guide 112(マルチメディア機器の安全のガイド)を参照する。

上記の表には,適用範囲の全ての機器が含まれているということではない。リストアップしていない機

器は,適用範囲から除外されるとは限らない。

この規格の関連要求事項に適合する機器は,プロセス制御装置,自動試験装置及び類似のシステムで,

情報処理機能を必要とするものとともに用いるのに適しているとみなす。ただし,この規格は,機器の性

能又は機能特性についての要求事項は含んでいない。

注記 4  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60950-1:2005,Information technology equipment-Safety-Part 1: General requirements,

Amendment 1:2009 及び Amendment 2:2013(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“

MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,“修正している”

ことを示す。


7

C 6950-1:2016

1.1.2 

追加要求事項 

次の場合は,この規格に規定する要求事項のほかに,追加の要求事項が必要となる場合がある。

  特別な環境(例  極端な温度,過度なじんあい,湿度又は振動,可燃性ガス,腐食性の雰囲気,爆発

性の雰囲気)で動作することを意図した機器

  患者の体に接続するような電気医療に用いる機器

  車両,船舶若しくは航空機に搭載する機器,又は熱帯地域の国々及び海抜 2 000  m を超える場所で用

いる機器

  水が浸入する可能性がある場所で用いる機器。そのような場合の要求事項及び関連試験に関する指針

については,附属書 を参照する。

注記

  規制当局が更なる要求事項を課す場合があるので注意する。

1.1.3 

適用除外 

次のものには,この規格を適用しない。

  電動発電機セット,バッテリバックアップシステム,配電用変圧器のような電力供給システムであっ

て,機器の構成部分ではないもの

  建造物の設備配線

  電力を必要としない装置

1.1A  引用規格 

引用規格は,附属書 による。

1.2 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

なお,用語として“電圧”及び“電流”を用いる場合,特に規定のない限り,実効値とする。

定義する用語(アルファベット順)

操作者アクセスエリア(

area, operator access)

1.2.7.1

サービス従事者アクセスエリア(

area, service access)

1.2.7.2

器体(

body)

1.2.7.5

相互接続ケーブル(

cable, interconnecting)

1.2.11.6

ケーブル分配システム(

cable distribution system)

1.2.13.14

チーズクロス(

cheesecloth)

1.2.13.15

ELV 回路(circuit, ELV)

1.2.8.7

制限電流回路(

circuit, limited current)

1.2.8.9

一次回路(

circuit, primary)

1.2.8.4

二次回路(

circuit, secondary)

1.2.8.5

SELV 回路(circuit, SELV)

1.2.8.8

TNV 回路(circuit, TNV)

1.2.8.11

TNV-1 回路(circuit, TNV-1)

1.2.8.12

TNV-2 回路(circuit, TNV-2)

1.2.8.13

TNV-3 回路(circuit, TNV-3)

1.2.8.14

空間距離(

clearance)

1.2.10.1

保護ボンディング導体(

conductor, protective bonding)

1.2.13.11

保護接地導体(

conductor, protective earthing)

1.2.13.10


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C 6950-1:2016

着脱式電源コード(

cord, detachable power supply)

1.2.5.5

非着脱式電源コード(

cord, non-detachable power supply)

1.2.5.6

沿面距離(

creepage distance)

1.2.10.2

保護導体電流(

current, protective conductor)

1.2.13.13

定格電流(

current, rated)

1.2.1.3

タッチカレント(

current, touch)

1.2.13.12

温度過昇防止器(

cut-out, thermal)

1.2.11.3

自動復帰形温度過昇防止器(

cut-out, thermal automatic reset)

1.2.11.4

手動復帰形温度過昇防止器(

cut-out, thermal manual reset)

1.2.11.5

機能接地(

earthing, functional)

1.2.13.9

エンクロージャ(

enclosure)

1.2.6.1

電気的エンクロージャ(

enclosure, electrical)

1.2.6.4

防火用エンクロージャ(

enclosure, fire)

1.2.6.2

機械的エンクロージャ(

enclosure, mechanical)

1.2.6.3

危険エネルギーレベル(

energy level, hazardous)

1.2.8.10

クラス 機器(equipment, class I)

1.2.4.1

クラス II 機器(equipment, class II)

1.2.4.2

クラス III 機器(equipment, class III)

1.2.4.3

クラス 0I 機器(equipment, class 0I)

1.2.4.3A

ダイレクトプラグイン機器(

equipment, direct plug-in)

1.2.3.6

組込形機器(

equipment, for building-in)

1.2.3.5

手持形機器(

equipment, hand-held)

1.2.3.2

可動形機器(

equipment, movable)

1.2.3.1

恒久接続形機器(

equipment, permanently connected)

1.2.5.4

プラグ接続形機器(

equipment, pluggable)

1.2.5.3

タイプ プラグ接続形機器(equipment, pluggable type A)

1.2.5.1

タイプ プラグ接続形機器(equipment, pluggable type B)

1.2.5.2

据置形機器(

equipment, stationary)

1.2.3.4

可搬形機器(

equipment, transportable)

1.2.3.3

定格周波数(

frequency, rated)

1.2.1.4

基礎絶縁(

insulation, basic)

1.2.9.2

二重絶縁(

insulation, double)

1.2.9.4

機能絶縁(

insulation, functional)

1.2.9.1

強化絶縁(

insulation, reinforced)

1.2.9.5

固体絶縁(

insulation, solid)

1.2.10.4

付加絶縁(

insulation, supplementary)

1.2.9.3

安全インタロック(

interlock, safety)

1.2.7.6

爆発限界濃度(

limit, explosion)

1.2.12.15

温度制限器(

limiter, temperature)

1.2.11.2

通常負荷(

load, normal)

1.2.2.1


9

C 6950-1:2016

アクセス制限場所(

location, restricted access)

1.2.7.3

材料の燃焼性区分(

material, flammability classification)

1.2.12.1

5VA 材(material, 5VA class)

1.2.12.5

5VB 材(material, 5VB class)

1.2.12.6

HB40 材(material, HB40 class)

1.2.12.10

HB75 材(material, HB75 class)

1.2.12.11

HBF 発泡材(material, HBF class foamed)

1.2.12.9

HF-1 発泡材(material, HF-1 class foamed)

1.2.12.7

HF-2 発泡材(material, HF-2 class foamed)

1.2.12.8

V-0 材(material, V-0 class)

1.2.12.2

V-1 材(material, V-1 class)

1.2.12.3

V-2 材(material, V-2 class)

1.2.12.4

VTM-0 材(material, VTM-0 class)

1.2.12.12

VTM-1 材(material, VTM-1 class)

1.2.12.13

VTM-2 材(material, VTM-2 class)

1.2.12.14

ネットワーク線(

network, telecommunication)

1.2.13.8

操作者(

operator)

1.2.13.7

装飾部分(

part, decorative)

1.2.6.5

サービス従事者(

person, service)

1.2.13.5

定格周波数範囲(

range, rated frequency)

1.2.1.5

定格電圧範囲(

range, rated voltage)

1.2.1.2

保護電流定格(

rating, protective current)

1.2.13.17

家庭用及び家庭・オフィス兼用の文書・メディアシュレッダ[

shredder (document/media,

household and home/office)]

1.2.13.18

交流主電源(

supply, a.c. mains)

1.2.8.1

直流主電源(

supply, d.c. mains)

1.2.8.2

主電源(

supply, mains)

1.2.8.3

境界表面(

surface, bounding)

1.2.10.3

ルーチン試験(

test, routine)

1.2.13.3

抜取試験(

test, sampling)

1.2.13.2

形式試験(

test, type)

1.2.13.1

サーモスタット(

thermostat)

1.2.11.1

定格動作時間(

time, rated operating)

1.2.2.2

定格休止時間(

time, rated resting)

1.2.2.3

包装用ティシュ(

tissue, wrapping)

1.2.13.16

工具(

tool)

1.2.7.4

使用者(

user)

1.2.13.6

直流電圧(

voltage, d.c.)

1.2.13.4

危険電圧(

voltage, hazardous)

1.2.8.6

主電源過渡電圧(

voltage, mains transient)

1.2.9.10


10

C 6950-1:2016

ピーク動作電圧(

voltage, peak working)

1.2.9.8

定格電圧(

voltage, rated)

1.2.1.1

要求耐電圧(

voltage, required withstand)

1.2.9.9

実効値動作電圧(

voltage, RMS working)

1.2.9.7

ネットワーク線過渡電圧(

voltage, telecommunication network transient)

1.2.9.11

動作電圧(

voltage, working)

1.2.9.6

1.2.1 

機器の電気的定格 

1.2.1.1

定格電圧(

rated voltage)

製造業者が宣言した,機器を動作させるための供給電圧。

1.2.1.2

定格電圧範囲(

rated voltage range)

下限及び上限定格電圧によって表す,製造業者が宣言した供給電源の電圧範囲。

1.2.1.3

定格電流(

rated current)

製造業者が宣言した機器の入力電流。

1.2.1.4

定格周波数(

rated frequency)

製造業者が宣言した供給電源の周波数。

1.2.1.5

定格周波数範囲(

rated frequency range)

下限及び上限定格周波数によって表す,製造業者が宣言した供給電源の周波数範囲。

1.2.2 

動作条件 

1.2.2.1

通常負荷(

normal load)

合理的に予測することができる通常使用状態で最も過酷な条件にできるだけ近似させた,試験のために

用いる代表的な動作モード。

定格動作時間及び定格休止時間を含め,実際使用時の条件が製造業者が推奨する最大負荷条件よりも過

酷となることが合理的に予測することができる場合は,より過酷な条件を代表する動作モードを用いる。

注記

  一部の機器の通常負荷状態については,附属書 に規定がある。

1.2.2.2

定格動作時間(

rated operating time)

製造業者が機器に対して指定した最大動作時間。

1.2.2.3

定格休止時間(

rated resting time)

機器をスイッチオフした期間,又は定格動作時間と定格動作時間との間の機器を用いていない期間で,

製造業者が指定する最小時間。

1.2.3 

機器の移動性 

1.2.3.1

可動形機器(

movable equipment)


11

C 6950-1:2016

次のいずれかの機器。

  質量が 18 kg 以下であって固定しないもの

  意図した用途に用いるために操作者が移動することを容易にする車輪,キャスタ又はこれらに類する

手段をもった機器

1.2.3.2

手持形機器(

hand-held equipment)

通常使用中に手で保持することを意図した可動形機器又は機器の一部。

1.2.3.3

可搬形機器(

transportable equipment)

通常,使用者が日常的に持ち運ぶことを意図した可動形機器。

注記

  ラップトップコンピュータ,ペン入力タブレット形コンピュータ及びこれらの携帯形アクセサ

リとしてのプリンタ,

CD-ROM ドライブなどがある。

1.2.3.4

据置形機器(

stationary equipment)

可動形機器でない機器。

1.2.3.5

組込形機器(

equipment for building-in)

壁の中のようなあらかじめ準備された凹部又はこれに類する場所に設置することを意図した機器。

注記

  一般に組込形機器は,設置後に各面のうちの幾つかの面が保護されるので,全部の面にエンク

ロージャをもつとは限らない。

1.2.3.6

ダイレクトプラグイン機器(

direct plug-in equipment)

機器を用いるとき,電源コードを用いず,電源プラグが機器のエンクロージャの一部を構成している機

器。このため,コンセントに機器の重さが加わる。

1.2.4 

機器のクラス-感電保護 

注記

  情報技術機器の中には,次のクラスの一つとして分類することが困難なものが存在する。

1.2.4.1

クラス 機器(class I equipment)

感電に対する保護を,次によって達成している機器。

  基礎絶縁を用いる。

  基礎絶縁が不良となった場合に,危険電圧になると考えられる導電性部分を建造物配線中の保護接地

導体に接続する手段を備える。

注記 1  クラス I 機器には,二重絶縁又は強化絶縁をもつ部分があってもよい。

注記 2  保護接地用口出し線がある 2 ピン変換プラグ(クラス I 機器用プラグを接地極なしの 2 ピン

プラグに変換するアダプタ)若しくは保護接地用口出し線がある

2 ピンプラグをもつコード

セットを附属品として同こん(梱)する,又はその使用を使用者に推奨する場合,1.2.4.3A

を参照する。

1.2.4.2

クラス II 機器(class II equipment)

感電保護が基礎絶縁だけに頼っているのではなく,二重絶縁,強化絶縁などの追加の安全手段を設けた


12

C 6950-1:2016

機器であって,保護接地に依存していないもの。

1.2.4.3

クラス III 機器(class III equipment)

感電に対しての保護が

SELV 回路からの電源供給に基づいており,危険電圧を発生しない機器。

注記

  クラス III 機器には感電に対する保護の要求事項はないが,この規格の他の全ての要求事項を適

用する。

1.2.4.3A

クラス 0I 機器(class 0I equipment)

感電に対する保護を次によって達成している機器であって,接地刃がない電源プラグを備えたもの。

  基礎絶縁を用いる。

  基礎絶縁が不良となった場合に,危険電圧になると考えられる導電性部分を保護接地導体に接続する

手段として,次のいずれかを備えている。

a)  保護接地用口出し線付電源プラグ。附属品として,2 ピン変換プラグを機器に同こん(梱)する,

又はその使用を推奨する場合も含む。

b)  2 芯(接地導体を含まない)電源コードを用いる機器の場合は,独立した保護接地用端子(2.6.5.8A

参照)

注記

  クラス 0I 機器には,二重絶縁又は強化絶縁をもつ部分があってもよい。

1.2.5 

電源接続 

1.2.5.1

タイプ プラグ接続形機器(pluggable equipment type A)

次のいずれか又はその両方を介して主電源に接続することを意図した機器。

  非工業用プラグ及びコンセント

  非工業用機器用カプラ

1.2.5.2

タイプ プラグ接続形機器(pluggable equipment type B)

次のいずれか又はその両方を介して主電源に接続することを意図した機器。

  JIS C 8285 又は IEC 60309 の規格群に適合する工業用プラグ及びコンセント

  JIS C 8285 又は IEC 60309 の規格群に適合する工業用機器用カプラ

1.2.5.3

プラグ接続形機器(

pluggable equipment)

タイプ

A プラグ接続形機器又はタイプ B プラグ接続形機器のいずれかの機器。

1.2.5.4

恒久接続形機器(

permanently connected equipment)

ねじ端子又は他の確実な方法によって,建造物の設備配線に接続することを意図した機器。

1.2.5.5

着脱式電源コード(

detachable power supply cord)

適切な機器用カプラを用いて機器に接続することを意図した電源供給用の可とうコード。

1.2.5.6

非着脱式電源コード(

non-detachable power supply cord)

機器に固定された又は組み込まれた,電源供給用の可とうコード。


13

C 6950-1:2016

この種のコードは,次のいずれであってもよい。

  一般用  コードに特別な準備をすることなく,又は特別な工具を用いずに容易に交換可能な可とうコ

ード

  特殊用  特別に準備されたか,交換には特別に設計された工具の使用を必要とするか,又は機器を壊

さないと交換できないような可とうコード

“特別に準備された”という用語は,例えば一体となったコードガードの装備,ケーブルラグの使用,

はとめの形成などを含むが,端子に導入する前の導体の形直し,又は端部をまとめるためのより線導体の

より合わせは含まない。

1.2.6 

エンクロージャ 

1.2.6.1

エンクロージャ(

enclosure)

1.2.6.21.2.6.3 又は 1.2.6.4 に定義する機能の一つ又は複数を備える機器の一部分。

注記

  ある目的のためのエンクロージャは,他のものの内側にあってもよい(例  防火用エンクロー

ジャの内側の電気的エンクロージャ,又は電気的エンクロージャ内の防火用エンクロージャ)。

また,一つのエンクロージャが二つ以上の機能をもっていてもよい(例  電気的及び防火用の

両方の機能をもったエンクロージャ)。

1.2.6.2

防火用エンクロージャ(

fire enclosure)

内部からの火又は炎の広がりを最小にすることを目的とする機器の一部分。

1.2.6.3

機械的エンクロージャ(

mechanical enclosure)

機械的危険などの物理的な危険による傷害のリスクを減少させることを目的とする機器の一部分。

1.2.6.4

電気的エンクロージャ(

electrical enclosure)

危険電圧若しくは危険エネルギーレベルにある部分又は

TNV 回路へのアクセスを,制限することを目

的とする機器の一部分。

1.2.6.5

装飾部分(

decorative part)

エンクロージャの外側部分で,安全機能をもたない機器の一部分。

1.2.7 

アクセス可能性 

1.2.7.1

操作者アクセスエリア(

operator access area)

通常動作状態の下で,次のいずれかに該当する機器の一部分。

  工具を用いないでアクセス可能である。

  アクセスの手段を操作者に対して意図的に設けている。

  アクセスするための工具の要否にかかわらず,操作者が立ち入るように指示されている。

“アクセス”及び“アクセス可能”という用語は,修飾語が付いていない場合,ここに定義する操作者

アクセスエリアに関するものである。

1.2.7.2

サービス従事者アクセスエリア(

service access area)


14

C 6950-1:2016

機器が通電状態であってもサービス従事者がアクセスする必要のある,操作者アクセスエリア以外の機

器の一部分。

1.2.7.3

アクセス制限場所(

restricted access location)

次の全てに該当する機器のための場所。

  サービス従事者,又はその場所がアクセス制限場所である理由及び取らなければならない事前措置に

ついて説明を受けた使用者だけが,そこにアクセスすることができる場所

  工具,錠前,鍵などの保安手段を用いてアクセス可能になり,かつ,その場所の責任者がそこへのア

クセスを管理している場所

注記

  アクセス制限場所に設置することを意図した機器に関する要求事項は,1.7.142.1.34.5.44.6.2

及び 5.1.7 を除いて操作者アクセスエリアの要求事項と同じである。

1.2.7.4

工具(

tool)

ドライバ又はこれに類するもので,ねじを締める,ラッチをかける又は同類の固定手段を操作するため

に用いるもの。

1.2.7.5

器体(

body)

全てのアクセス可能な導電性部分,ハンドルのシャフト,ノブ,グリップ及び同類のもの,並びに全て

のアクセス可能な絶縁表面上に押し当てた金属はくを含む部分。

1.2.7.6

安全インタロック(

safety interlock)

危険が除去されるまで危険領域へのアクセスを阻止する手段,又はアクセスすると危険な状態を自動的

に除去する手段。

1.2.8 

回路及び回路特性 

1.2.8.1

交流主電源(

a.c. mains supply)

交流で動作する機器に電力を供給する外部の交流電力系統。

それらの電源は,公共用又は自家用配電,及びこの規格(例  1.4.5)に規定していない限り,電動発電

機,無停電電源装置のような同等の電源を含む。

注記

  交流電力系統の代表例は,附属書 を参照する。

1.2.8.2

直流主電源(

d.c. mains supply)

直流で動作する機器に電力を供給する外部の直流電力系統。電池の有無は問わない。ただし,次のもの

は,除く。

  ネットワーク線を介して遠隔機器に電力供給する直流電源

  開放電圧が直流 42.4 V 以下である有限電源(2.5 参照)

  開放電圧が直流 42.4 V を超え,かつ,60 V 以下であって,出力可能な電力が 240 VA 未満の直流電源

直流主電源に接続する回路は,この規格では二次回路(例

SELV 回路,TNV 回路,危険電圧二次回路)

とみなす。

注記

  ネットワーク線用建造物内のボンディング構成及び接地については,ITU-T Recommendation 


15

C 6950-1:2016

K.27 を参照する。

1.2.8.3

主電源(

mains supply)

交流主電源又は直流主電源のいずれかの電力系統。

1.2.8.4

一次回路(

primary circuit)

交流主電源に直接接続される回路。一次回路には例えば,主電源への接続手段,変圧器の一次巻線,電

動機などの負荷デバイスがある。

注記

  相互接続ケーブルの導電部は,1.2.11.6 に定義するように,一次回路の一部分であってもよい。

1.2.8.5

二次回路(

secondary circuit)

一次回路に直接接続されず,変圧器,コンバータ若しくはこれらと同等な分離デバイス又は電池から電

力を得る回路。

注記

  相互接続ケーブルの導電部は,1.2.11.6 に定義するように,二次回路の一部分であってもよい。

1.2.8.6

危険電圧(

hazardous voltage)

制限電流回路又は

TNV 回路のいずれの要求事項も満足しない回路内に存在する,ピーク 42.4 V 又は直

60 V を超える電圧。

1.2.8.7

ELV 回路(ELV circuit)

通常動作状態の下であらゆる二つの導体間及びその一つの導体と大地(1.4.9 参照)との間の電圧がピー

42.4 V 又は直流 60 V 以下の二次回路であって,基礎絶縁によって危険電圧から分離されているが,SELV

回路又は制限電流回路に対する要求事項のどちらも満たしていないもの。

1.2.8.8

SELV 回路(SELV circuit)

通常動作状態及び単一故障状態の下で,電圧が安全な値を超えないように設計し,保護した二次回路。

注記 1  通常動作状態及び単一故障状態(1.4.14 参照)の下での電圧の限度値は,2.2 に規定がある。

表 1A も参照する。

注記 2  この“SELV 回路”の定義は,JIS C 0365 の中で用いている用語“SELV システム”とは別の

ものである。

1.2.8.9

制限電流回路(

limited current circuit)

通常動作状態及び単一故障状態の下で,流れる電流が危険を生じないように設計し,保護した回路。

注記

  通常動作状態及び単一故障状態(1.4.14 参照)の下での限度値は,2.4 に規定がある。

1.2.8.10

危険エネルギーレベル(

hazardous energy level)

60 秒以上継続して 240 VA 以上が取り出せる電力レベル,又は電位差 2 V 以上の部分における(例えば,

1 個以上のコンデンサからの)20 J 以上の蓄積エネルギーレベル。

1.2.8.11

TNV 回路(TNV circuit)


16

C 6950-1:2016

アクセス可能な接触エリアを制限し,通常動作状態及び単一故障状態(1.4.14 参照)の下での電圧が規

定する限度値を超えないように設計し,保護した機器内の回路。

TNV 回路は,この規格では二次回路とみなす。

注記 1  通常動作状態及び単一故障状態(1.4.14 参照)の下での電圧の限度値は,2.3.1 に規定がある。

TNV 回路へのアクセス可能性に関する要求事項は,2.1.1.1 に規定がある。

注記 2  相互接続ケーブルの導電部は,1.2.11.6 に定義するように TNV 回路の一部分であってもよい。

TNV 回路は,1.2.8.121.2.8.13 及び 1.2.8.14 に定義する,TNV-1,TNV-2 及び TNV-3 に分類する。

注記 3  “SELV 回路”と“TNV 回路”との電圧の関係を,表 1A に示す。

表 1ASELV 回路及び TNV 回路の電圧範囲 

ネットワーク線からの

過電圧の可能性

ケーブル分配システム

からの過電圧の可能性

通常動作電圧

SELV 回路の限度内 SELV 回路の限度を超え

るが

TNV 回路の限度内

あり

あり

 TNV-1 回路 TNV-3 回路

なし

適用外

 SELV 回路 TNV-2 回路

1.2.8.12

TNV-1 回路(TNV-1 circuit)

次の全てに該当する

TNV 回路。

  通常動作電圧が通常動作状態の下で SELV 回路の限度値を超えない回路

  ネットワーク線又はケーブル分配システムからの過電圧を受ける可能性がある回路

1.2.8.13

TNV-2 回路(TNV-2 circuit)

次の全てに該当する

TNV 回路。

  通常動作電圧が通常動作状態の下で SELV 回路の限度値を超える回路

  ネットワーク線からの過電圧を受けない回路

1.2.8.14

TNV-3 回路(TNV-3 circuit)

次の全てに該当する

TNV 回路。

  通常動作電圧が通常動作状態の下で SELV 回路の限度値を超える回路

  ネットワーク線又はケーブル分配システムからの過電圧を受ける可能性がある回路

1.2.9 

絶縁 

1.2.9.1

機能絶縁(

functional insulation)

機器本来の動作のためだけに必要な絶縁。

注記

  機能絶縁は,定義上,感電を保護するものではないが,発火及び火災の発生を減少できる。

1.2.9.2

基礎絶縁(

basic insulation)

感電に対して基礎的な保護となる絶縁。

1.2.9.3

付加絶縁(

supplementary insulation)


17

C 6950-1:2016

基礎絶縁が不良になった場合に感電のリスクを減少するために,基礎絶縁に追加して用いる独立した絶

縁。

1.2.9.4

二重絶縁(

double insulation)

基礎絶縁と付加絶縁との両方からなる絶縁。

1.2.9.5

強化絶縁(

reinforced insulation)

この規格に規定する条件の下で,感電からの危険に対し二重絶縁と同等な保護を与える単一の絶縁シス

テム。

注記

  “絶縁システム”という用語は,絶縁が一つの均一な部分でなければならないことを示してい

るものではない。絶縁システムは,付加絶縁又は基礎絶縁として単一の試験が行えない複数の

層によって構成してもよい。

1.2.9.6

動作電圧(

working voltage)

通常使用状態の下で機器を用いたときに,絶縁部分又は対象となるコンポーネントが受ける,又は受け

る可能性がある最大電圧。

機器外部からの過電圧は含まない。

1.2.9.7

実効値動作電圧(

RMS working voltage)

あらゆる直流成分を含む動作電圧の実効値。

注記

  実効値動作電圧を求めるためには,2.10.2.2 を,かつ,該当する場合は 1.4.8 を適用する。

1.2.9.8

ピーク動作電圧(

peak working voltage)

動作電圧の最大値。機器内の全ての直流成分及び機器内で繰り返し発生するピークインパルスを含む。

ピーク対ピーク間のリップルが平均値の

10 %を超える場合は,ピーク電圧又は交流電圧に関する要求事

項を適用する。

注記

  ピーク動作電圧を求めるためには,2.10.2.3 を,かつ,該当する場合は 1.4.8 を適用する。

1.2.9.9

要求耐電圧(

required withstand voltage)

当該絶縁が耐えることを要求されるピーク電圧。

1.2.9.10

主電源過渡電圧(

mains transient voltage)

外部からの過渡的な現象によって主電源上に生じる電圧であって,機器の電源入力部に予想される最大

ピーク電圧。

1.2.9.11

ネットワーク線過渡電圧(

telecommunication network transient voltage)

外部からの過渡的な現象によってネットワーク線上に生じる電圧であって,機器との接続点に予想され

る最大ピーク電圧。

注記

  この規格では,ケーブル分配システムからの過渡電圧の影響は考慮しない。


18

C 6950-1:2016

1.2.10  絶縁特性 

1.2.10.1

空間距離(

clearance)

異なる二つの導電部相互間又は導電部と機器の境界表面との間を,空間で測定した場合の最短距離。

1.2.10.2

沿面距離(

creepage distance)

異なる二つの導電部相互間又は導電部と機器の境界表面との間を,絶縁物の表面に沿って測定した場合

の最短距離。

1.2.10.3

境界表面(

bounding surface)

アクセス可能な絶縁物表面に,金属はくが押し付けられているものとみなした,電気的エンクロージャ

の外側表面。

1.2.10.4

固体絶縁(

solid insulation)

外周に沿わないで二つの相対する導体表面の間に備える電気絶縁体。

注記

  固体絶縁に必要な性能は,次のいずれかで示される。

  絶縁物を通しての実際の最小距離(2.10.5.2 参照)

  最小距離の代わりとして,この規格に規定する他の要求事項及び試験

1.2.11  コンポーネント 

1.2.11.1

サーモスタット(

thermostat)

温度を繰り返し検知する制御器であって,通常動作状態の下で,温度を特定の二つの温度の範囲内に保

つことを意図したもの。使用者が温度設定できるようになっていてもよい。

1.2.11.2

温度制限器(

temperature limiter)

通常動作状態において,温度を特定の値よりも下又は上に保つことを目的とした温度を検知する制御器。

使用者が温度設定できるようになっていてもよい。

注記

  温度制限器は,自動復帰形でも手動復帰形でもよい。

1.2.11.3

温度過昇防止器(

thermal cut-out)

異常動作状態の下で作動することを目的とした温度を検知する制御器。使用者が温度設定を変えること

はできない。

注記

  温度過昇防止器は,自動復帰形でも手動復帰形でもよい。

1.2.11.4

自動復帰形温度過昇防止器(

thermal cut-out,automatic reset)

機器の該当部が十分に冷えた後,電流を自動的に復帰させる温度過昇防止器。

1.2.11.5

手動復帰形温度過昇防止器(

thermal cut-out,manual reset)

電流を復帰させるために,手動復帰又は部品交換を必要とする温度過昇防止器。


19

C 6950-1:2016

1.2.11.6

相互接続ケーブル(

interconnecting cable)

次のいずれかの用途に用いるケーブル。

  情報技術機器のユニットとアクセサリとを電気的に接続する。

  システム内のユニットを相互接続する。

  ネットワーク線又はケーブル分配システムに各ユニットを接続する。

相互接続ケーブルは,一つのユニットから他のユニットに対して,どのような回路を伝達してもよい。

注記

  主電源に接続する電源コードは,相互接続ケーブルではない。

1.2.12  燃焼性 

1.2.12.1

材料の燃焼性区分(

flammability classification of materials)

材料の燃焼特性及び着火した場合の消火能力として認める性質。

JIS C 60695-11-10JIS C 60695-11-20JIS K 7241 若しくは ISO 9772,又は JIS K 7341 に基づいて試験

したとき,材料は,1.2.12.21.2.12.14 に示す区分に分類される。

注記 1  この規格の要求事項を適用する場合は,HF-1 発泡材は HF-2 発泡材よりも,HF-2 発泡材は

HBF 発泡材よりも,難燃性が優れているものと考える。

注記 2  同様に,5VA 材は 5VB 材よりも,5VB 材は V-0 材よりも,V-0 材は V-1 材よりも,V-1 材は

V-2 材よりも,V-2 材は HB40 材よりも,HB40 材は HB75 材よりも,難燃性が優れているも

のと考える。

注記 3  同様に,VTM-0 材は VTM-1 材よりも,VTM-1 材は VTM-2 材よりも,難燃性が優れている

ものと考える。

注記 4  燃焼性区分 VTM-0 材,VTM-1 材及び VTM-2 材は,燃焼特性だけに関して,それぞれ,燃焼

性区分

V-0 材,V-1 材及び V-2 材に等価であると考える。ただし,これらの電気的及び機械

的な特性は,必ずしも等価ではない。

注記 5  一部の燃焼性区分は,この規格の古い版(JIS C 6950:2006)において用いていた区分と置き

換えられている。古い区分と新しい区分との同等性を,表 1B に示す。

表 1B-燃焼性区分の同等性 

旧区分

新区分

同等性

 5VA

1.2.12.5

5VA は,この規格では要求していない。

5V 5VB

1.2.12.6

この規格の古い版(JIS C 6950:2006)の A.9 に規定する 5V の試験に合格する材料は,5VB
と同等以上である。

HB HB40

1.2.12.10

この規格の古い版(JIS C 6950:2006)の A.8 に規定する試験に合格する厚さ 3 mm の材料
のサンプル(試験中の最大燃焼性速度

40 mm/min)は,HB40 と同等である。

HB75

1.2.12.11

この規格の古い版(JIS C 6950:2006)の A.8 に規定する試験に合格する厚さ 3 mm 未満の
材料のサンプル(試験中の最大燃焼性速度

75 mm/min)は,HB75 と同等である。

1.2.12.2

V-0 材(V-0 class material)

JIS C 60695-11-10 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,V-0 に区分される材料。


20

C 6950-1:2016

1.2.12.3

V-1 材(V-1 class material)

JIS C 60695-11-10 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,V-1 に区分される材料。

1.2.12.4

V-2 材(V-2 class material)

JIS C 60695-11-10 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,V-2 に区分される材料。

1.2.12.5

5VA 材(5VA class material)

JIS C 60695-11-20 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,5VA に区分される材料。

1.2.12.6

5VB 材(5VB class material)

JIS C 60695-11-20 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,5VB に区分される材料。

1.2.12.7

HF-1 発泡材(HF-1 class foamed material)

JIS K 7241 又は ISO 9772 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,HF-1 に区分される発

泡材料。

1.2.12.8

HF-2 発泡材(HF-2 class foamed material)

JIS K 7241 又は ISO 9772 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,HF-2 に区分される発

泡材料。

1.2.12.9

HBF 発泡材(HBF class foamed material)

JIS K 7241 又は ISO 9772 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,HBF に区分される発

泡材料。

1.2.12.10

HB40 材(HB40 class material)

JIS C 60695-11-10 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,HB40 に区分される材料。

1.2.12.11

HB75 材(HB75 class material)

JIS C 60695-11-10 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,HB75 に区分される材料。

1.2.12.12

VTM-0 材(VTM-0 class material)

JIS K 7341 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,VTM-0 に区分される材料。

1.2.12.13

VTM-1 材(VTM-1 class material)

JIS K 7341 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,VTM-1 に区分される材料。

1.2.12.14

VTM-2 材(VTM-2 class material)

JIS K 7341 に基づき,主要な部分の最も薄い厚さで試験したとき,VTM-2 に区分される材料。


21

C 6950-1:2016

1.2.12.15

爆発限界濃度(

explosion limit)

気体,蒸気,霧又は粉末のいずれかを含んだ可燃混合物の濃度であって,着火源を取り去った後,炎の

伝搬が起こる最低の濃度。

1.2.13  その他 

1.2.13.1

形式試験(

type test)

設計どおりに製造された機器が,この規格の要求事項を満足することができるかどうかを判定するため

に,機器の代表サンプルについて行う試験。

1.2.13.2

抜取試験(

sampling test)

一群の中から幾つかのサンプルを無作為に抽出して行う試験。

1.2.13.3

ルーチン試験(

routine test)

ある基準に適合するかを確認するために,製造中又は製造後に,個々の機器に対して行う試験。

1.2.13.4

直流電圧(

d.c. voltage)

平均値の

10 %を超えないピーク対ピークのリップルをもつ電圧の平均値。

注記

  ピーク対ピークのリップルが平均値の 10 %を超える場合は,ピーク電圧に関連する要求事項を

適用する。

1.2.13.5

サービス従事者(

service person)

作業中にさらされる危険,及び自身又は第三者に加わるリスクを最小限にする方法を知るために必要な,

適切な技術訓練及び経験を積んでいる者。

1.2.13.6

使用者(

user)

サービス従事者以外の者。この使用者という用語は,この規格では操作者と同じで,この二つの用語は,

置き換えて用いることができる。

1.2.13.7

操作者(

operator)

使用者(1.2.13.6 参照)と同じ。

1.2.13.8

ネットワーク線(

telecommunication network)

別々の建造物に設置された機器相互間の通信を意図して終端される金属性伝達媒体。ただし,次のもの

を除く。

  給電,送電及び配電のための主電力系統をネットワーク線伝達媒体として用いるもの

  ケーブル分配システム

  情報技術機器のユニット間を接続する SELV 回路

注記 1  ネットワーク線という用語は,その電気的特性ではなく,その機能によって定義付けする。

ネットワーク線は,

SELV 回路又は TNV 回路のいずれかとして,それ自身を定義付けしない。


22

C 6950-1:2016

SELV 回路又は TNV 回路は,機器の中だけで分類される。

注記 2  ネットワーク線には,次の可能性がある。

  公共のもの又は私設のもの

  大気中放電及び電力系統の故障による過渡的過電圧を受ける。

  近傍の電力線又は電車架線から誘導された縦(コモンモード)電圧を受ける。

注記 3  ネットワーク線の例を,次に示す。

  公共電話用電線

  公共データ用電線

 ISDN 用電線

  上記に類する電気的インタフェースをもつ私設用電線

1.2.13.9

機能接地(

functional earthing)

機器又はシステムにおける,安全以外の目的で必要なある点の接地。

1.2.13.10

保護接地導体(

protective earthing conductor)

機器の主保護接地端子と建造物の設備接地点とを結ぶための,建造物の設備配線又は電源コードの導体。

注記

  ある国では,接地導体(grounding conductor)という用語は保護接地導体の代わりに用いられる。

1.2.13.11

保護ボンディング導体(

protective bonding conductor)

安全のために接地が必要な機器の一部と主保護接地端子とをつなぐ機器内部の導体又は導電部品の組合

せ。

1.2.13.12

タッチカレント(

touch current)

一つ又は複数のアクセス可能な部分に接触したときに,人体に流れる電流。

注記

  タッチカレントは,以前は“漏えい電流”に包含されていた。

1.2.13.13

保護導体電流(

protective conductor current)

通常動作状態の下で保護接地導体を流れる電流。

注記

  保護導体電流は,以前は“漏えい電流”に包含されていた。

1.2.13.14

ケーブル分配システム(

cable distribution system)

主として,離れた建造物間又は屋外アンテナと建造物との間の映像及び/又は音声シグナルの伝達を意

図し,同軸ケーブルを用いて終端される金属性伝達媒体。ただし,次のものを除く。

  給電,送電及び配電のための主電力系統をネットワーク線伝達媒体として用いるもの

  ネットワーク線

  情報技術機器のユニット間を接続する SELV 回路

注記 1  ケーブル分配システムの例を,次に示す。

  映像及び音声シグナルを配信するローカルエリアケーブルネットワーク線,有線テレビ

システム及びマスタアンテナテレビシステム

  衛星アンテナ,受信アンテナ及びこれらに類する装置を含む屋外アンテナ


23

C 6950-1:2016

注記 2  ケーブル分配システムは,ネットワーク線よりも大きい過渡現象にさらされるかもしれない

7.4.1 参照)。

1.2.13.15

チーズクロス(

cheesecloth)

40 g/m

2

の漂白した綿布。

1.2.13.16

包装用ティシュ(

wrapping tissue)

主に壊れやすい物を保護する包装及び贈答用の包装に用い,一般に,坪量が

12~30 g/m

2

の柔らかくて

強度のある軽量包装紙(JIS P 0001 の番号 6228 参照)。

1.2.13.17

保護電流定格(

protective current rating)

回路の保護のために入っていることが分かっているか,又はそのように想定される過電流保護デバイス

の定格。

注記

  保護電流定格値を決める規則は,2.6.3.3 に規定がある。

1.2.13.18

家庭用及び家庭・オフィス兼用の文書・メディアシュレッダ[

shredder (document/media, household and

home/office)]

紙又は製造業者が指示する他の形式のメディアを,細断するように設計したタイプ

A プラグ接続形機器

又は電池駆動機器。

注記 1  他の形式のメディアとしては,DVD,CD,フラッシュメモリ,磁気カード,磁気ディスクな

どがある。ただし,これらに限定するものではない。

注記 2  家庭用及び家庭・オフィス兼用の文書・メディアシュレッダは,通常ストレートカット方式

又はクロスカット方式に識別される。ストレートカット方式の文書・メディアシュレッダは,

モータを用いた細断機構によって,紙を細長く切断する。クロスカット方式の文書・メディ

アシュレッダは,通常よりも強力なモータ及びより複雑な細断機構によって,紙を複数の方

向から小さな紙片となるように細断する。

注記 3  タイプ B プラグ接続形機器又は恒久接続形機器の文書・メディアシュレッダは,家庭用でも,

家庭・オフィス兼用でもないとみなされている。

1.3 

一般要求事項 

1.3.1 

要求事項の適用 

この規格における詳細な要求事項は,安全性に関わる場合に限り適用する。

安全性に関係があるか否かを決めるためには,故障した結果がどのようになるかを勘案して,回路及び

構造を注意深く調べなければならない。

1.3.2 

機器の設計及び構造 

機器は,いかなる通常使用状態においても,及び起こる可能性がある異常使用又は単一故障状態(1.4.14

参照)においても,感電などの危険によって人体が傷害にさらされるリスクを減少し,機器内から発生す

る火災の拡大を防止するように設計し,組み立てなければならない。

注記 1  可搬形機器又はこれに類する機器であって,頻繁に移動して用いる機器は,クラス I 及びク

ラス

0I 機器としないことが望ましい。ただし,サービス従事者又は設置作業者が設置するこ

とを意図した機器は除く。


24

C 6950-1:2016

注記 2  設置時に明らかに接地接続が困難な状況で用いられる機器は,我が国の配電事情を考慮し,

クラス

I 又はクラス 0I 機器を避けることが望ましい。ただし,サービス従事者又は設置作業

者が設置することを意図した機器は除く。

適否は,目視検査及び関連する試験によって判定する。

1.3.3 

電源電圧 

機器は,接続を意図したいかなる電源電圧においても安全であるように設計しなければならない。

適否は,目視検査及びこの規格の関連した試験を該当する箇条に規定する電源電圧で行うことによって

判定する。該当する箇条で明確に,又は 1.4.5 を参照しても電源電圧を規定していない場合は,定格電圧

の値又は定格電圧範囲内の値を用いる。

1.3.4 

明確に規定していない構造 

機器が,この規格で明確に規定していない技術,材料又は構造手法を含んでいる場合は,この規格によ

って一般的にもたらされる安全水準及びこの規格に含まれる安全原則以上の高い安全水準を備えなければ

ならない。

注記

  新しい状況に対処するために詳細な要求事項の追加が必要になった場合は,IEC の関連する委

員会に速やかに申し出ることが望ましい。

1.3.5 

等価な材料 

この規格が特定の等級の絶縁を要求する場合は,より高い等級の絶縁材料を用いてもよい。同様に,こ

の規格が特定の燃焼性区分の材料を要求する場合は,より高い燃焼性区分の材料を用いてもよい。

1.3.6 

輸送時及び使用時の置き方 

機器の置き方によって,要求事項の適用又は試験結果に重大な影響が起こる可能性があることが明白な

場合は,設置指示書又は取扱説明書で認めているあらゆる置き方を考慮しなければならない。可搬形機器

は,移動時及び使用中の置き方も考慮しなければならない。

注記

  この規定は,4.14.24.3.84.54.6 及び 5.3 で適用する場合がある。

1.3.7 

基準の選択 

この規格が,複数の適否判定に対する基準,又は複数の試験方法若しくは試験条件を許容する場合は,

製造業者が選択できる。

1.3.8 

規格における例 

この規格で,機器,部品,組立方法,設計技術及び故障に関する事例を,

“例えば”又は“のような”と

いう表現を用いる場合は,それ以外の例,状況及び解決策を除外しない。

1.3.9 

導電性をもつ液体 

この規格の電気的な要求事項について,導電性をもつ液体は,導電部品として扱う。

1.4 

試験に関する一般条件 

1.4.1 

試験の適用 

この規格に規定する試験は,安全性に関係がある場合に限り適用する。

機器の設計上及び構造上,適用できないことが明らかな試験項目は,その試験を行わない。

特に規定がない限り,試験終了後の機器は,使用可能な状態でなくてもよい。

1.4.2 

形式試験 

特に規定する場合を除き,この規格に規定する試験は,形式試験とする。

1.4.3 

試験サンプル 

特に規定がない限り,試験用サンプルは,使用者の手に渡る機器を代表するものであるか又は使用者向


25

C 6950-1:2016

け出荷状態にある実機器を用いる。

機器に組み込まない状態での回路,コンポーネント又は部分組立品に対しての個別試験が,完成品に対

する試験の代表となることを機器及び回路の構成の検査によって示すことができる場合,完成品について

試験を行う代わりに,そのような個別試験を行ってもよい。そのような試験が,完成品で不適合になる可

能性を示す場合は,完成品を用いて再度試験を行う。

この規格に規定する試験が破壊を伴う試験の場合は,その状態を代表できる模擬品を評価用として用い

ることができる。

注記 1  試験は,次の順序で行うのがよい。

  コンポーネント又は材料の事前評価

  コンポーネント又は部分組立品のベンチテスト

  機器に通電しない状態での試験

  通電状態での試験

  通常動作状態

  異常動作状態

  破壊を伴う試験

注記 2  試験に伴う資源という観点から,できるだけ無駄遣いをなくすために,試験に携わる関係者

全てが一体となって,試験計画,試験サンプル及び試験順序を検討することが望ましい。

1.4.4 

試験のための動作条件 

この規格に具体的な試験条件の規定がある場合,及び試験結果に大きな影響を及ぼすことが明らかな場

合を除き,次のパラメータについて,製造業者の動作仕様の範囲内で最も不利となる条件を組み合わせた

試験を行う。

  電源電圧(1.4.5 参照)

  電源周波数(1.4.6 参照)

  動作温度(1.4.12 参照)

  機器の据付場所及び可動部の位置

  動作モード

  次に該当する,操作者アクセスエリアにあるサーモスタット,調整器又はこれらに類するものの調整

  工具を用いないで調整できるもの

  操作者用として提供される鍵,工具のような手段を用いて調整できるもの

1.4.5 

試験のための電源電圧 

供試機器(

EUT)に通電するに当たり,最も不利となる電源電圧を決める場合は,次の変数を考慮する。

  多重定格電圧

  定格電圧範囲の両端の電圧

  定格電圧の許容差

定格電圧の許容差は,機器を交流主電源に直接接続する場合,次のいずれかの場合を除き,+

6 %及び

10 %とする。

  定格電圧が単相 230 V 又は三相 400 V である場合は,+10 %及び-10 %とする。

  より広い許容差を製造業者が宣言している場合は,宣言した値を採用する。

機器を電動発電機又は無停電電源装置のような交流主電源と等価な電源(1.2.8.1 参照)だけに接続する

場合,又は主電源以外に接続する場合,製造業者が定格電圧の許容差を宣言する。


26

C 6950-1:2016

直流主電源への接続を意図した機器の場合は,製造業者によって別途指定があるときを除き,定格電圧

の許容差は,+

20 %及び-15 %とする。

直流専用機器を試験する場合は,極性による影響についても考慮する。

1.4.6 

試験のための電源周波数 

供試機器に通電するに当たり,最も不利となる電源周波数を決める場合は,定格周波数範囲内の何種類

かの定格周波数(例

50 Hz 及び 60 Hz)を考慮する。この場合,定格周波数の許容差[例  (50±0.5)Hz]

は,通常考える必要はない。

1.4.7 

電気計測器 

電気計測器は,測定パラメータの全ての構成要素(直流,交流主電源周波数,高周波及び高調波成分)

を考慮して,正確に計測できる十分な帯域幅をもつものを用いる。実効値を測定する場合は,計測器が正

弦波同様,非正弦波についても真の実効値が得られるように考慮する。

1.4.8 

通常動作電圧 

動作電圧(1.2.9.6 参照)の決定,及び機器内の ELV 回路,SELV 回路,TNV-1 回路,TNV-2 回路,TNV-3

回路又は危険電圧回路の分類のために,次の電圧を考慮する。

  スイッチング電源に関連するような反復的なピーク電圧を含む機器内部で発生する通常動作電圧

  ネットワーク線から受ける呼出シグナルを含む,機器外部で発生する通常動作電圧

これらの目的のため,電力系統の開閉及び雷サージによって引き起こされる非反復性の過渡電圧(例  主

電源過渡電圧及びネットワーク線過渡電圧)であって,外部で発生する不必要なものは,次の場合,考慮

しない。

  動作電圧を決定する場合。上記のような過渡現象は,既に最小空間距離を決定する手順で考慮してい

る(2.10.3 及び附属書 参照)。

  機器内の回路を分類する場合。ただし,SELV 回路と TNV-1 回路とを区別する場合及び TNV-2 回路と

TNV-3 回路とを区別する場合は除く(1.2.8.11 の表 1A 参照)。

注記 1  機器外部で発生する不必要な定常的な電圧(例  電気鉄道システムによってネットワーク線

に誘導される電圧及び接地電位差)による影響は,設置方法又は機器の適切な分離方法で制

御される。このような処置は,用途に依存するため,この規格では扱わない。

注記 2  カナダ及びアメリカ合衆国では,過電圧保護に対する追加要求事項を適用している(箇条 6

の注記 参照)。

1.4.9 

対地電圧測定 

この規格が導電部分と大地との間の電圧を規定している場合は,次の全ての接地部分を考慮する。

  主保護接地端子(該当する場合)

  保護接地への接続を要求しているその他の導電部分(例  2.6.1 参照)

  機能的理由から機器内で接地する導電部

機器使用時に他の機器への接続によって接地されるが,試験のときにはその機器内で接地しない部分は,

最も高い電圧が得られる部分に接地接続する。機器使用時に接地しない回路中の導体と大地との間の電圧

を測定する場合は,

5 000 Ω±10 %の非誘導抵抗器を電圧測定器に接続する。

電源コードの保護接地導体又は外部配線の接地導体における電圧降下は,測定に含めない。

1.4.10  供試機器の負荷構成 

入力電流(1.6.2 参照)を測定する場合及びそれ以外の試験結果が影響を受けるおそれがある場合は,次

の変動要因を考慮し,試験結果が最も不利となるように負荷の値を調整する。


27

C 6950-1:2016

  供試機器に組み込み,又はともに用いる目的で製造業者が提示又は提供するオプションによる負荷

  製造業者が供試機器から電力を取り出すことを意図する他の機器による負荷

  機器の操作者アクセスエリア内にある,標準電源供給用コンセントに接続できる負荷。この場合,1.7.5

の表示値内の負荷を用いる。

試験には,模擬負荷を用いることができる。

1.4.11  ネットワーク線からの電力 

この規格では,ネットワーク線から得られる電力は,

15 VA 以内に制限されているとみなす。

1.4.12  温度測定条件 

1.4.12.1  一般要求事項 

供試機器の温度は,1.4.12.2 又は 1.4.12.3 のいずれかによって,測定する。全ての温度値は,摂氏温度(℃)

で示す。

温度に関し,この規格で用いる記号の説明は,次による。

T

:規定する試験条件の下で測定した該当部分の温度

T

max

  :その試験の適否判定の基準として規定する最高温度

T

amb

  :試験中の周囲温度

T

ma

:製造業者が指定する最高周囲温度又は

25  ℃のいずれか高い方の温度

1.4.12.2  温度に依存する機器 

加熱又は冷却の度合いが温度に依存するように設計した機器(例  高い温度ではより高速で回転するフ

ァンを内蔵する機器)では,温度測定は,製造業者が指定する動作範囲の中で最も不利な周囲温度で行う。

この場合,は,T

max

を超えてはならない。

注記 1  それぞれのコンポーネントの の最高値を見つけるために,異なる T

amb

の値での幾つかの試

験を行うことが必要となる場合がある。

注記 2  最も不利な周囲温度値 T

amb

は,コンポーネントによって異なる場合がある。

1.4.12.3  温度に依存しない機器 

加熱又は冷却の度合いを周囲温度に依存するように設計していない機器に対して,1.4.12.2 の方法を用い

てもよい。別の方法としては,製造業者が指定する動作範囲の中で T

amb

を適切に選んで試験を行う。この

場合,は,(T

max

T

amb

T

ma

)を超えてはならない。

試験中は,関係者間で特に取決めがない限り,T

amb

は T

ma

を超えないことが望ましい。

1.4.13  温度測定方法 

測定方法について特に規定がない限り,巻線の温度は,熱電対法又は抵抗法(附属書 参照)によって

測定する。巻線以外の部分は,熱電対法によって温度を測定する。温度平衡に大きな影響を与えることな

く,かつ,適否を判定する上で支障がない精度が得られる場合,他の適切な温度測定法を用いて温度を測

定してもよい。温度センサは,試験箇所の温度への影響が最小となるように選定及び取付けを行う。

1.4.14  擬似故障及び異常状態 

機器を模擬故障状態又は異常動作状態にする必要がある場合は,順を追って一つずつ故障状態又は異常

動作状態にする。擬似故障又は異常動作状態の直接的結果として発生した故障は,その擬似故障又は異常

動作状態の一部であるとみなす。

擬似故障又は異常動作状態にするときに,部品,サプライ品,消耗材,媒体及び記録材が試験結果に影

響を及ぼす可能性がある場合は,これらを取り付ける。

単一故障の規定がある場合,その単一故障は,何らかの絶縁(二重絶縁又は強化絶縁を除く。

)の単一欠


28

C 6950-1:2016

陥又は何らかのコンポーネント(二重絶縁又は強化絶縁をもつコンポーネントを除く。)の単一欠陥を指す。

機能絶縁の欠陥は,5.3.4 c)で要求する場合だけ,模擬する。

起こることが合理的に予期されるような故障状態を突きとめるために,機器,回路図及びコンポーネン

トの仕様を検討する。例えば,次を含む。

  半導体デバイス及びコンデンサの短絡及び開放

  間欠的な通電を意図して設計した抵抗器において連続的通電を引き起こす故障

  過剰電力消費の原因となる集積回路の内部的故障

  一次回路の通電部分と次の部分との間の基礎絶縁の欠陥

  アクセス可能な導電部

  接地した導電性遮蔽物(C.2 参照)

 SELV 回路の部分

  制限電流回路の部分

1.4.15  関連データの検討による適否判定 

材料,コンポーネント又は部分組立品がこの規格に適合するかを目視検査又は特性の試験によって判定

する場合は,規定した形式試験を行う代わりに,既にある関連データ又は過去の試験結果を検査すること

によって適否を決定してもよい。

1.5 

コンポーネント 

1.5.1 

一般要求事項 

コンポーネントが安全性に関係がある場合,そのコンポーネントは,この規格の要求事項に適合するか,

又は要求事項の箇条に規定がある場合には,関連するコンポーネントに関する JIS 若しくは IEC 規格の安

全性に関わる要求事項に適合するか,又はこれらと同等以上の性能をもたなければならない。

注記 1  電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(20130605  商局第 3 号)(以下,技術基準の解

釈という。)に適合するコンポーネントは,同等以上の性能をもつとみなされている。

注記 2  コンポーネントに関する JISIEC 規格など(以下,コンポーネント規格という。)によって

適合するとみなされるのは,当該コンポーネントが明らかにその規格の適用範囲内にある場

合に限られる。

IEC 62368-1 に適合するコンポーネント及び部分組立品は,追加評価なく,この規格が対象範囲とする

機器の一部として認める。ただし,最終製品内において適切に用いることを考慮する。

JIS C 8283-1 又は IEC 60320-1 に規定する機器用インレットにかん(嵌)合するコネクタは,JIS C 8283-1

又は IEC 60320-1 の該当するコネクタの寸法に合致しなければならない。JIS C 8286 に適合するコードセ

ットは,この要求事項を満足するとみなす。

注記 3  JIS C 8283-1 又は IEC 60320-1 に規定する機器用インレットにかん(嵌)合する電源コード

セットは,JIS C 8286 適合品を用いることが望ましい。

1.5.2 

コンポーネントの評価及び試験 

コンポーネント規格の使用を 1.5.1 で認める場合,コンポーネントの評価及び試験は,次による。

  コンポーネントを定格に従って正しく適用し,用いているかを確認する。

  この規格の要求事項に規定するコンポーネント規格に適合することが証明されたコンポーネントは,

機器の一部としてこの規格の該当する試験を行う。ただし,その試験が要求事項に規定するコンポー

ネント規格に含まれる場合は除く。

  コンポーネント規格に適合することが証明されていないコンポーネントは,機器の一部としてこの規


29

C 6950-1:2016

格の該当する試験,及び機器内で生じる状態の下で,コンポーネント規格の該当する試験を行う。

注記 1  コンポーネント規格への適否を調べるための試験は,通常,コンポーネント単体について

行う。

  コンポーネントをその定格に従わずに回路に用いる場合は,機器内で生じる状態下でそのコンポーネ

ントを試験する。試験に必要なサンプルの数は,通常,同等のコンポーネント規格で必要とする数と

同じにする。

注記 2  定格電圧が 125 V 以下で定格電流が 10 A を超える機器に JIS C 8283-1 のスタンダードシー

C14 の機器用インレット(定格電流 10 A)を用いる場合は,1.7.5A も参照する。

適否は,目視検査,及び関連するデータの評価,又は試験によって判定する。

1.5.3 

温度調節器 

温度調節器は,附属書 に従って試験しなければならない。

1.5.4 

変圧器 

変圧器は,附属書 の該当部分を含むこの規格の関連する要求事項に適合しなければならない。

1.5.5 

相互接続ケーブル 

機器の一部として備わっている相互接続ケーブルは,この規格の関連する要求事項に適合しなければな

らず,かつ,着脱又は非着脱の方式にかかわらず,この規格でいう危険があってはならない。

単独で供給する相互接続ケーブル(例  プリンタケーブル)の場合は,製造業者の選択肢として,この

細分箇条の要求事項を適用することができる。

機器のエンクロージャの中のケーブル又はケーブルの一部は,相互接続ケーブルとして扱っても,内部

配線として扱ってもよい。

注記

  JIS C 8283-2-2 に適合する主電源機器用相互接続カプラを備える相互接続コードセットは,JIS 

C 8286 に適合することが望ましい。

1.5.6 

絶縁を橋絡するコンデンサ 

一次回路の二相導体間,一つの相導体と中性線との間,又は一次回路と保護接地との間に接続したコン

デンサは,JIS C 5101-14 に規定するサブクラスの一つに適合し,かつ,定格に従って用いなければならな

い。この要求事項は,機器の他の部分にある二重絶縁又は強化絶縁を橋絡するコンデンサにも適用する。

JIS C 5101-14 の 4.12[高温高湿(定常)

]に規定する定常状態での高温高湿試験は,次のとおりでなけれ

ばならない。

  温度:  (40±2)℃

  湿度:  相対湿度(93±3)%

  試験期間:  21 日間

注記 1 21 日間を超えて試験したコンデンサは,試験期間の基準を満たしたものと考える。

危険電圧をもつ二次回路と保護接地との間に接続し,基礎絶縁だけが必要となるコンデンサには,上記

の要求事項は適用しない。

注記 2  上記の場合でも,5.2.2 に規定する試験は,危険電圧をもつ二次回路と保護接地との間に適用

する。

適切なコンデンサのサブクラスは,表 1C の中から,表の適用規則に基づいて選ばなければならない。


30

C 6950-1:2016

表 1CJIS C 5101-14 に基づくコンデンサの定格 

JIS C 5101-14 に基づく

コンデンサのサブクラス

コンデンサの定格電圧

(実効値)

V

コンデンサの形式試験のイン
パルス試験電圧(ピーク値)

kV

コンデンサの形式試験

電圧(実効値)

kV

Y1 500 以下 8

4

Y2 150 を超え 300 以下 5

1.5

Y4 150 以下 2.5  0.9 
X1 760 以下 4

a)

適用しない

X2 760 以下 2.5

a)

適用しない

この表の適用規則

1

基礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁を橋絡して用いるコンデンサは,クラス

Y でなければならない。ただし,二

次回路の基礎絶縁は,クラス

X コンデンサで橋絡してもよい。

2

機能絶縁,基礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁を橋絡する単一コンデンサにおいて,単一コンデンサの電圧定格
は,2.10.2.2 に従って決定される橋絡する絶縁にかかる実効値動作電圧以上でなければならない。

3

機能絶縁,基礎絶縁又は付加絶縁を橋絡する単一コンデンサの試験電圧は,次による。

  単一コンデンサの形式試験のインパルス試験電圧は,表 5B の基礎絶縁に対する試験電圧のピーク値(実効値

電圧ではない),又は表 5C の基礎絶縁に対する試験電圧のピーク値のいずれかの完成品の試験で適用する表
の値以上とする。

  単一コンデンサの形式試験の実効値の電圧は,表 5B の基礎絶縁に対する規定の実効値の試験電圧,又は表

5C の基礎絶縁に対する等価な実効値の試験電圧(ピーク電圧ではない)のいずれかの完成品の試験で適用す
る表の値以上とする。

4

二重絶縁又は強化絶縁を橋絡する単一コンデンサの試験電圧は,次による。

  単一コンデンサの形式試験のインパルス試験電圧は,表 5B の強化絶縁に対する試験電圧のピーク値(実効値

電圧ではない),又は表 5C の強化絶縁に対する試験電圧のピーク値のいずれかの完成品の試験で適用する表
の値以上とする。

  単一コンデンサの形式試験の実効値の電圧は,表 5B の強化絶縁に対する規定の実効値の試験電圧,又は表

5C の強化絶縁に対する等価な実効値の試験電圧(ピーク電圧ではない)のいずれかの完成品の試験で適用す
る表の値以上とする。

5

次のように,規定するコンデンサよりも高いサブクラスのコンデンサを用いてもよい。

  サブクラス Y2 を規定している場合は,サブクラス Y1

  サブクラス Y4 を規定している場合は,サブクラス Y1 又は Y2

  サブクラス X1 を規定している場合は,サブクラス Y1 又は Y2

  サブクラス X2 を規定している場合は,サブクラス X1,Y1 又は Y2

6

次のように,規定する一つのコンデンサの代わりに二つ以上のコンデンサを直列に用いてもよい。

  サブクラス Y1 を規定している場合は,サブクラス Y1 又は Y2

  サブクラス Y2 を規定している場合は,サブクラス Y2 又は Y4

  サブクラス X1 を規定している場合は,サブクラス X1 又は X2

7

二つ以上のコンデンサを直列に用いる場合,上記の

1 から 6 に加え,次の全てを適用する。

  単一故障状態の下で,残った個々のいずれのコンデンサの電圧も,関連した個々のコンデンサの定格電圧を

超えてはならない。

  基礎絶縁又は付加絶縁において,全てのコンデンサの形式試験のインパルス試験電圧のピーク値の合計は,

表 5B の試験電圧のピーク値(実効値電圧ではない),又は表 5C の試験電圧のピーク値のいずれかの完成品
の試験で適用する表の値以上とする。

  基礎絶縁又は付加絶縁において,全てのコンデンサの形式試験の試験電圧の実効値の合計は,表 5B に規定す

る実効値の試験電圧,又は表 5C の等価な実効値の試験電圧(ピーク電圧ではない)のいずれかの完成品の試
験で適用する表の値以上とする。

  強化絶縁において,全てのコンデンサの形式試験のインパルス試験電圧のピーク値の合計は,表 5B の試験電

圧のピーク値(実効値電圧ではない)

,又は表 5C の試験電圧のピーク値のいずれかの完成品の試験で適用す

る表の値以上とする。


31

C 6950-1:2016

表 1CJIS C 5101-14 に基づくコンデンサの定格(続き) 

  強化絶縁において,全てのコンデンサの形式試験の試験電圧の実効値の合計は,表 5B に規定する実効値の試

験電圧,又は表 5C の等価な実効値の試験電圧(ピーク電圧ではない)のいずれかの完成品の試験で適用する
表の値以上とする。

a)

 1 µF を超える容量値に対して,この試験電圧は, で除した値とする。ただし,はマイクロファラッド

µF)で表した容量値である。

表 1D は,表 1C に基づいて選択したコンデンサの幾つかの適用参考例である。他の例もある。

表 1D-コンデンサの適用参考例 

交流主電源電圧

(次の値以下)

V(実効値)

過電圧

カテゴリ

主電源過渡電圧

kV

橋絡する

絶縁

コンデンサ

タイプ

コンデンサの数

表 5B 使用

表 5C 使用

150 II  1.5

B 又は S Y2

1

1

II 1.5

D 又は R Y2

2

2

II 1.5

D 又は R Y1

1

1

II 1.5 F

X2

1

1

III 2.5  F

X2

 1

III 2.5

B 又は S Y2

 2

III 2.5

D 又は R Y1

 1

IV 4.0  F

X1

 1

IV 4.0

B 又は S Y1

 1

IV 4.0

B 又は S Y2

 2

IV 4.0

D 又は R Y1

 2

250 II  2.5  F

X2

1 1

III 4.0  F

X1

 1

300 II  2.5

B 又は S Y2

1

2

II 2.5

D 又は R Y1

1

1

II 2.5

D 又は R Y2

2

3

III 4.0

B 又は S Y1

 1

III 4.0

B 又は S Y2

 2

III 4.0

D 又は R Y1

 2

III 4.0

D 又は R Y2

 4

IV 6.0  F

X1

 2

IV 6.0

B 又は S Y1

 2

IV 6.0

D 又は R Y1

 3

500 II  4.0  F

X1

1 1

II 4.0

B 又は S Y1

1

1

II 4.0

D 又は R Y1

1

2

III 6.0  F

X1

 2

III 6.0

B 又は S Y1

 2

III 6.0

D 又は R Y1

 3

IV 8.0  F

X1

 2

IV 8.0

B 又は S Y1

 2

IV 8.0

D 又は R Y1

 3

この表の値は,機能絶縁(

F),基礎絶縁(B),付加絶縁(S),二重絶縁(D)及び強化絶縁(R)に適用する。

注記

  表 5B は,過電圧カテゴリ I 及び II に対してだけ用いる。

アクセス可能な導電部又は回路を,一つ又は複数のコンデンサで橋絡した二重絶縁又は強化絶縁で他の


32

C 6950-1:2016

部分から分離する場合,アクセス可能な部分又は回路は,2.4 の制限電流回路の要求事項に適合しなければ

ならない。この要求事項は,橋絡した一つ又は複数のコンデンサを取り付けたままで絶縁部分に対する耐

電圧試験を行った後に適用する。

注記 3  橋絡したコンポーネントに流れる電流が 2.4 に適合し,かつ,2.4 の他の要求事項を満足する

場合,その回路は制限電流回路である。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

1.5.7 

絶縁を橋絡する抵抗器 

1.5.7.1 

機能絶縁,基礎絶縁又は付加絶縁を橋絡する抵抗器 

機能絶縁,基礎絶縁又は付加絶縁を橋絡する抵抗器に対する特別な要求事項はないが,2.10.3(又は附属

書 G),2.10.4 及び場合によっては 2.4 の関連する要求事項を適用する。

注記

  フィンランド,ノルウェー及びスウェーデンでは,クラス I のタイプ A プラグ接続形機器の基

礎絶縁を橋絡する抵抗器は,この細分箇条の要求事項を適合することを要求している。さらに,

単一の抵抗器を用いる場合,抵抗器は 1.5.7.2 の抵抗器試験に適合することを要求している。

1.5.7.2 

交流主電源と他の回路との間の二重絶縁又は強化絶縁を橋絡する抵抗器 

次の条件において,単一の抵抗器又は二つ以上の直列の一群の抵抗器で二重絶縁又は強化絶縁を橋絡し

てもよい。アンテナ又は同軸ケーブルに接続する回路に適用する条件は,1.5.7.3 による。

単一の抵抗器又は一群の抵抗器は,その両端の合計の動作電圧に応じた強化絶縁に対する,2.10.3 又は

附属書 の最小空間距離及び 2.10.4 の最小沿面距離に適合しなければならない。一群の抵抗器は,図 F.13

も参照する。

単一の抵抗器を用いる場合は,次の抵抗器試験に適合しなければならない。

一群の抵抗器を用いる場合は,次の抵抗器試験に適合しない限り,それぞれの抵抗器を順に短絡したと

仮定して,空間距離及び沿面距離を評価する。

アクセス可能な導電部分又は回路が単一又は一群の抵抗器で橋絡している二重絶縁又は強化絶縁で他の

回路と分離する場合,アクセス可能な部分又は回路は,アクセス可能な導電部分又は回路と大地との間で,

2.4 の制限電流回路の要求事項に適合しなければならない。一群の抵抗器を用いる場合は,次の抵抗器試験

に適合しない限り,それぞれの抵抗器を順に短絡し,2.4.2 の電流測定を行う。制限電流回路を測定する場

合,電流計を,

橋絡部品の負荷側と接地部を含むあらゆる使用者のアクセス可能な部分との間に接続する。

適否は,目視検査,測定及び上記に規定する場合は,

10 個のサンプルを用いて行う次の抵抗器試験によ

って判定する。サンプルは,単独で橋絡する場合は単一の抵抗器とし,複数の抵抗器で直列に橋絡する場

合は一群の抵抗器とする。

抵抗器試験

試験前に,

10 個のサンプルの全ての抵抗値を測定する。

サンプルは,次の詳細条件で JIS C 60068-2-78 に基づいて,高温高湿(定常)試験を行う。

  温度:  (40±2)℃

  湿度:  相対湿度(93±3)%

  試験期間:  21 日間

注記

 21 日間を超えて試験した抵抗器は,試験期間の基準を満たしたものと考える。

その後,表 N.1 の参照 2 のインパルス発生器を用いて,それぞれのサンプルに,各極性を交互に 10 回の

インパルスを印加する。連続的なインパルスの間隔は

60 秒間とし,U

c

は印加する要求耐電圧に等しい。


33

C 6950-1:2016

試験後,それぞれのサンプルの抵抗値は,

10 %を超える変化があってはならない。10 個のうち一つでも

不合格があってはならない。

1.5.7.3 

交流主電源とアンテナ又は同軸ケーブルに接続する回路との間の二重絶縁又は強化絶縁を橋絡

する抵抗器 

1.5.7.2 の要求事項及び試験に,次の変更を加えて適用する。

  回路をアンテナに接続する場合は,表 N.1 の参照 3 のインパルス発生器を用いる。

  回路を同軸ケーブルに接続する場合は,表 N.1 の参照 1 のインパルス発生器を用いる。

試験後,それぞれのサンプルの抵抗値は

20 %を超える変化があってはならない。10 個のうち一つでも

不合格があってはならない。

注記

  単一又は一群の抵抗器を一次回路とケーブル分配システムとの間に接続する場合は,7.4 も適用

する。

1.5.8 IT 電力系統に関係する機器内コンポーネント 

IT 電力系統に接続する機器では,相導体と大地との間に接続したコンポーネントは,相導体間電圧によ

って生じる電圧に耐えなければならない。ただし,当該の相導体と中性線との間の電圧に適した定格をも

つコンデンサは,それが JIS C 5101-14 のサブクラス Y1,Y2 又は Y4 に適合する場合に限って,使用でき

る。

注記 1  上記のコンデンサは,その定格電圧の 170 %の電圧で耐久性試験をしている。

注記 2  ノルウェーでは,IT 電力系統を用いているため,コンデンサには用いる相導体間電圧(230 V)

に適した定格電圧を要求している(図 V.7 参照)。

適否は,目視検査によって判定する。

1.5.9 

サージ抑制器 

1.5.9.1 

一般要求事項 

二次回路には

VDR(電圧依存抵抗器)を含む,いかなるサージ抑制器を用いてもよい。

一次回路にサージ抑制器を用いる場合は,附属書 に適合する VDR でなければならない。

注記 1 VDR は,バリスタ又は金属酸化物バリスタ(MOV)とも呼ばれる。この規格では,GDT(ガ

ス入り放電管),炭素ブロック,非線形の電圧-電流特性をもつ半導体デバイスなどのデバイ

スは,

VDR とみなされない。VDR は,GDT と直列に接続して用いてもよい。

注記 2  二次回路に用いるサージ抑制器に対し,特定のコンポーネントに関する規格への適合をこの

規格では要求しない。ただし,特に,次に示す JIS C 5381 の規格群に留意する。

  JIS C 5381-21  [低圧サージ防護デバイス-第 21 部:通信及び信号回線に接続するサー

ジ防護デバイス(

SPD)の要求性能及び試験方法]

  JIS C 5381-311  [低圧サージ防護デバイス用部品-第 311 部:ガス入り放電管(GDT)

の要求事項及び試験回路]

  JIS C 5381-321  [低圧サージ防護デバイス用アバランシブレークダウンダイオード

ABD)の試験方法]

  JIS C 5381-331  [低圧サージ防護デバイス用金属酸化物バリスタ(MOV)の試験方法]

適否は,目視検査及び該当する場合は附属書 を適用することによって判定する。

1.5.9.2 VDR の保護 

次に対する保護のために,適切な遮断容量をもつ遮断手段を

VDR と直列に接続しなければならない。

  最大の連続電圧を超える短時間過電圧


34

C 6950-1:2016

 VDR の内部漏えい電流による熱的過負荷

 VDR の短絡故障による燃焼及び破裂

この要求事項は,制限電流回路内の

VDR には適用しない。

注記 1  交流主電源からの短時間過電圧については,JIS C 60664-1 を参照する。

注記 2 VDR の耐用年数の間,VDR の開閉回数とともに漏えい電流は増加する。この漏えい電流が

熱応力の恒久的及び継続的な増加を招き,

VDR の燃焼又は破裂の原因になる可能性がある。

適否は,目視検査,並びに回路が制限電流回路であるかを判定する必要がある場合は,測定及び試験に

よって判定する。

1.5.9.3 VDR による機能絶縁の橋絡 

VDR によって機能絶縁を橋絡してもよい。

適否は,目視検査によって判定する。

1.5.9.4 VDR による基礎絶縁の橋絡 

2.6.1 a)に従って回路の片側を接地している場合,GDT を直列に接続するか否かにかかわらず,附属書 Q

の要求事項に適合する

VDR によって基礎絶縁を橋絡してもよい。

基礎絶縁を

VDR で橋絡する機器は,次のいずれかでなければならない。

  タイプ B プラグ接続形機器

  恒久接続形機器

  保護接地導体に恒久的に接続するための備えがあり,その導体に設置するための説明書を備える機器

注記

  フィンランド,ノルウェー及びスウェーデンでは,三番目のダッシュは,6.1.2.2 の注記に定

義されている機器だけに適用できる。

その他の全ての機器に対して,次の全てを満足する場合,

GDT と直列に接続した VDR で基礎絶縁を橋

絡してもよい。

 VDR が附属書 の要求事項に適合する。

 GDT は,次の全てによる。

  基礎絶縁に対する耐電圧試験に適合する。

  外面の空間距離及び沿面距離は,基礎絶縁に対する要求事項に適合する。

適否は,目視検査,並びに必要な場合は測定及び試験によって判定する。

1.5.9.5 VDR による付加絶縁,二重絶縁又は強化絶縁の橋絡 

VDR によって,付加絶縁,二重絶縁又は強化絶縁を橋絡してはならない。

適否は,目視検査によって判定する。

1.6 

電源インタフェース 

1.6.1 

交流電力系統 

交流電力系統は,

TN-C,TN-C-S,TN-S,TT,又は IT に分類する(附属書 参照)。

1.6.2 

入力電流 

定常状態における機器の入力電流は,通常負荷をかけた状態で,定格電流の

110 %以下でなければなら

ない。

注記

  1.4.10 も参照する。

適否は,次の条件の下で通常負荷における機器の入力電流を測定して判定する。

  機器が複数の定格電圧値をもつ場合,入力電流はそれぞれの定格電圧で測定する。

  機器が一つ又はそれ以上の定格電圧範囲をもつ場合,入力電流はそれぞれの定格電圧範囲の上限及び


35

C 6950-1:2016

下限で測定する。単一の定格電流値を表示する場合(1.7.1 参照)には,定格電圧範囲の上限及び下限

で測定した入力電流のうち,高い方の値と比較する。二つの定格電流値をハイフンによって区分け表

示する場合,定格電圧範囲の上限及び下限で測定した二つの値と比較する。

それぞれの場合において,値の読取りは,入力電流が定常状態のときに行う。通常動作の周期の間に電

流値が変化する場合は,定常電流値は,代表的な動作の周期中に実効値電流記録計によって測定した平均

値を採用する。

1.6.3 

手持形機器の電圧限度 

手持形機器の定格電圧は,

250 V 以下でなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

1.6.4 

中性線 

中性線がある場合,それは相導体とみなし,大地及び機器の器体から絶縁しなければならない。中性線

と大地との間に接続したコンポーネントは,相導体と中性線との間の電圧に適した定格をもたなければな

らない(ただし,1.5.8 も参照)。

適否は,目視検査によって判定する。

1.7 

表示及び指示 

注記

  表示及び指示に対する追加要求事項は,次の細分箇条に含まれる。

2.1.1.2

電池収納部

2.3.2.3

接地による保護

2.6.1

接地していない部分

2.6.2

機能接地

2.6.3.4 c)

ボンディング導体

2.6.5.1

ボンディング導体

2.7.1

外部にある保護デバイス

2.7.6

中性線のヒューズ

2.10.3.2

過電圧カテゴリ

3.2.1.2

直流主電源

3.3.7

配線端子のグループ化

3.4.3

遮断デバイス

3.4.6

両極遮断デバイス

3.4.7

4 極遮断デバイス

3.4.9

遮断デバイスとしてのプラグ

3.4.10

相互接続形機器

3.4.11

複数の電源

4.1

機器の安定性

4.2.5

衝撃試験

4.3.3

調整可能なコントロール

4.3.5

プラグ及び接続器

4.3.13.4

紫外線放射

4.3.13.5

レーザ

4.4.2

危険な可動部分


36

C 6950-1:2016

4.4.5.2

ファンからの使用者の保護

4.4.5.3

ファンからのサービス従事者の保護

4.5.4  表 4C

高温部分の表示

4.5.4

接触温度

4.6.2

非可燃性の床に置く機器

4.6.3

取外しできる扉及びカバー

5.1.7.1 3.5

mA を超えるタッチカレント

5.1.8.2

タッチカレントの合計

6.1.1 及び 6.1.2.2  ネットワーク線での接地

7.2 及び 7.4.1

ケーブル分配システムでの接地

G.2.1

過電圧カテゴリ

III 及び IV の機器

DD.2

棚への最大負荷

JA.1

シュレッダへの警告

JA.3

シュレッダの電源遮断

1.7 の各細分箇条に対する適否は,他に規定がない場合は目視検査によって判定する(1.7.11 参照)

1.7.1 

電源定格及び識別表示 

1.7.1.1 

電源定格表示 

機器には,正しい電圧及び周波数並びに適切な電流容量をもつ電源を指定するために,電源定格を表示

しなければならない。

機器が主電源に直接接続する手段を備えていない場合,定格電圧,定格電流,定格周波数など,いずれ

の電気的定格も表示する必要はない。

機器又はシステムに複数の主電源接続がある場合,個々の電気的定格が同一でない限り,各主電源に対

する電気的定格をそれぞれに表示しなければならない。ただし,機器又はシステム全体の電気的定格を表

示する必要はない。複数の同一の主電源接続がある場合,例えば,次のように表示してもよい。

“主電源の電気的定格×

N”(N は,同一主電源への接続の数を表す。)

操作者が設置することを意図した機器の場合,規定する電源定格表示は,操作者アクセスエリアで容易

に見えなければならない。手動電圧切換器が操作者のアクセス可能な場所にない場合,電源定格表示に,

機器の製造段階で設定した定格電圧を示さなければならない。ただし,設定した定格電圧を示す目的のた

めのマーカは,一時的なものであってもよい。機器への電源定格表示は,外側のどの面に対して行っても

よいが,質量が

18 kg を超える機器の底面部は除く。

据置形機器の場合,通常使用時のように設置した後に電源定格表示が見えなければならない。

サービス従事者が設置することを意図した機器であって,サービス従事者アクセスエリアに電源定格を

表示する場合,恒久的な表示の位置を設置指示書に記載するか,又は容易に確認できるマーカによって機

器に示さなければならない。この設定した定格電圧を示す目的のためのマーカは,一時的なものであって

もよい。

電源定格表示には,次の事項を含まなければならない。

  定格電圧又は定格電圧範囲  ボルト(V)で表示する。表示方法は,次による。

  電圧範囲  最小定格電圧及び最大定格電圧をハイフン(-)で結ぶ。多重定格電圧又は多重定格電

圧範囲を示す場合,斜線(

/)を用いて区分する。

注記 1  定格電圧表示の例を,次に示す。


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C 6950-1:2016

  定格電圧範囲:220 V-240 V。機器が 220 V から 240 V までの間の任意の電圧の交

流主電源に接続するような設計であることを意味する。

  多重定格電圧:120/230/240 V。機器が(通常,電圧切替設定後),電圧 120 V,230 V

又は

240 V のいずれかの交流主電源に接続するような設計であることを意味する。

  単相 線式電力系統の両方の相導体及び中性線に接続する機器の場合  相導体と中性線との間の電

圧及び両相導体間の電圧を斜線(

/)で区分して電源定格表示するとともに,これに追加して“3 線

プラス保護接地”,“

3 W+PE”又はこれらと同等の表示を行う。

注記 2  上記電源系統の定格電圧表示の例を,次に示す。

120/240 V:  3 線+PE

120/240 V: 3 W+    [IEC 60417-5019(2006-08)]

100/200 V: 2 W+N+PE

100-120/200-240 V:2 W+N+PE

  電源の種類を表す記号  直流の場合に限り,表示する。

  定格周波数又は定格周波数範囲  ヘルツ(Hz)で表示する。ただし,直流専用機器を除く。

  定格電流  ミリアンペア(mA)又はアンペア(A)で表示する。表示方法は,次による。

  多重定格電圧をもつ機器の場合  各定格電圧に対応する定格電流を表示する。この場合,電流の定

格ごとに斜線(

/)で区分して,定格電圧とそれに対応する定格電流との関係が明瞭に分かるように

する。

  定格電圧範囲をもつ機器の場合  最大定格電流又は電流範囲のいずれかによって表示する。

  一つの電源接続しかもたないユニット群の定格電流  主電源に直接接続するユニット上に電源定格

表示をする。その親機器に表示する定格電流は,接続して同時に動作することができる最大電流値

の合計とし,親機器を通して同時に電源を供給することができ,かつ,同時に動作できるユニット

群全てに流れる合計電流値を含める。

注記 3  定格電流表示の例を,次に示す。

  多重定格電圧をもつ機器。

120/240 V:2.4/1.2 A

100-120/200-240 V:2.4/1.2 A

  定格電圧範囲をもつ機器。

100-240 V:2.8 A

100-240 V:2.8-1.4 A

100-120 V:2.8 A

200-240 V:1.4 A

誤解を生じないことが明確な場合,追加の表示を行ってもよい。

図記号を用いるときは,ISO 7000 又は IEC 60417 に該当する図記号がある場合,これらの規格に従わな

ければならない。

1.7.1.2 

識別表示 

機器には,次の識別表示をしなければならない。

  製造業者又は責任をもつ事業者の名称,商標又は識別表示

  製造業者又は責任をもつ事業者が定めたモデル識別名又は形式

  クラス II 機器を識別する場合に限り,図記号    [IEC 60417-5172(2003-02)]。ただし,2.6.2 で禁


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C 6950-1:2016

止する場合を除く。

誤解を生じないことが明確な場合,追加の識別表示を行ってもよい。

これらの識別表示は,操作者アクセスエリアで容易に見えなければならない。さらに,質量が

18 kg を

超える機器の場合,識別表示は底面部にあってはならない。据置形機器の場合,通常使用時のように設置

した後に識別表示が見えなければならない。

1.7.1.3 

図記号の使用 

機器に表示する図記号であって安全性に関するものは,この規格の要求の有無にかかわらず,JIS S 0101

IEC 60417ISO 3864-2 又は ISO 7000 に図記号が規定されている場合,それに従わなければならない。適

切な図記号がない場合は,製造業者が適切な図記号を定めてもよい。

機器に表示した図記号は取扱説明書に説明しなければならない。

1.7.2 

安全性に関する指示及び表示 

1.7.2.1 

一般要求事項 

製造業者が定めたように用いるとき,この規格の意図する範囲において機器に危険がないことを確実に

するために,必要な全ての条件に関して,十分な情報を使用者に提供しなければならない。

機器を動作,設置,保守,輸送又は保管する場合に危険が生じないようにするために特別な予防措置を

講じる必要がある場合は,必要な指示を行わなければならない。

安全性に関する指示及び機器の表示には,この規格で特に許容する場合を除き,日本語を用いなければ

ならない。

注記 1  例えば,機器を電源に接続する場合及び各ユニットを組み合わせて接続する場合は,特別な

予防措置が必要になることがある。

注記 2  必要に応じて,設置指示書に国の配線規定についての記載を行うことが望ましい。

注記 3  サービス指示書は,通常,サービス従事者だけが入手できるため,英語だけであってもよい。

注記 4  ドイツでは,安全関係の情報は,サービス従事者用のものであっても,ドイツ語であること

を要求している。

注記 5  カナダでは指示及び表示は,英語及びフランス語であることが望ましい。

注記 6  フィンランド,ノルウェー及びスウェーデンにおいては,他の機器又はネットワーク線に接

続することを意図したクラス

I タイプ A プラグ接続形機器に対して,安全性確保を保護接地

への接続に頼る場合,又はネットワーク線端子とアクセス可能な部分との間にサージ抑制器

を接続している場合は,機器を接地された電源コンセントに接続しなければならない旨の表

示が必要になる。

取扱説明書,及び使用者が設置することを意図したプラグ接続形機器の場合は,更に設置指示書を,使

用者が入手できなければならない。

1.7.2.2 

遮断デバイス 

遮断デバイスを組み込んでいない機器(3.4.3 参照),又は電源コードのプラグを抜くことによって電源

を切り離すことを意図した機器の場合は,設置指示書に次のことを記載しなければならない。

  恒久接続形機器の場合は,容易にアクセス可能な遮断デバイスを機器の外部に設置しなければならな

い。

  プラグ接続形機器の場合は,機器の近傍にコンセントがあり,かつ,そのコンセントには,容易にア

クセス可能でなければならない。


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C 6950-1:2016

1.7.2.3 

過電流保護デバイス 

タイプ

B プラグ接続形機器又は恒久接続形機器においては,機器内に適切な過電流保護デバイスをもた

ない限り,機器の外部に設置する過電流保護デバイスの最大定格値を設置指示書に記載する[2.6.3.3 b)

照]。

注記

  設置指示書に記載する最大定格と,機器設置のときに入手可能な保護デバイスの定格分類とが

一致しない場合がある。遮断デバイスの使用に当たっては,機器の定格,及び必要な許容突入

電流を考慮しながら,より定格値の小さいデバイスを選択できるようにすることが望ましい。

1.7.2.4 IT 電力系統 

IT 電力系統に接続するように設計した機器,又は必要に応じて IT 電力系統への接続に変更可能な機器

の場合は,機器の設置指示書にその旨を記載しなければならない。

1.7.2.5 

工具の使用による操作者のアクセス 

操作者アクセスエリアにアクセスするために工具の使用を必要とする場合は,そのエリア内にある,危

険が内在する他の全ての区画内に,操作者が同じ工具を用いてアクセス可能にならないか,又はその区画

部分に操作者がアクセスしないように注意表示をしなければならない。

感電のおそれがあることに対する注意喚起表示として図記号    (JIS S 0101 の 6.2.4)を用いることが

できる。

1.7.2.6 

オゾン 

オゾンを発生するおそれがある機器の場合は,設置指示書及び取扱説明書に,オゾン濃度が安全な値を

超えないようにするための予防措置を講じる必要がある旨の注意書きがなければならない。

注記

  8 時間の時間加重平均濃度で計算した長時間浴びることができる現時点でのオゾン推奨許容量

は,

0.1×10

6

0.2 mg/m

3

)である。オゾンは,空気よりも重いことに注意することが望ましい。

1.7.3 

短時間繰返し動作 

構造的に動作時間を制限しない限り,連続動作を意図しない機器には,定格動作時間及び定格休止時間

を表示しなければならない。

定格動作時間の表示は,通常使用に相当するものでなければならない。

定格動作時間の表示は,定格休止時間(ある場合には)よりも先にし,それぞれを斜線(

/)で分けて表

示する。

1.7.4 

電源電圧調整 

複数の定格電圧,又は複数の定格周波数の電源に接続することを意図した機器の場合は,サービス指示

書又は設置指示書に,調整方法を全て記載しなければならない。

電源定格表示の近傍にある調節器で容易に調節できるようになっていない場合,又は調節器の設定位置

が見ただけでは明確でない場合は,電源定格表示の中又は近傍に,次の指示又はこれと同等の指示がなけ

ればならない。

“電源に接続する前に,設置指示書を読んで下さい。

1.7.5 

機器の電源供給用コンセント 

機器に取り付けた標準形の電源供給用コンセントであって,操作者がアクセス可能な場合は,そのコン

セントの近傍に,コンセントに接続することができる最大負荷を表示しなければならない。

標準形の電源供給用コンセントの例としては,JIS C 8282-1 に適合するコンセントがある。


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C 6950-1:2016

1.7.5A  電源コードセット 

定格電圧が

125 V 以下で,定格電流が 10 A を超える機器に JIS C 8283-1 の C14 の機器用インレット(定

格電流

10 A)を用いる場合は,“この機器に同こん(梱)した指定の電源コードセットだけを用いる。”又

はこれと同等の内容を取扱説明書に記載しなければならない。

機器用インレットを備えた機器であって,電源コードセットを同こん(梱)しない場合は,適切なコー

ドセットに関する情報を取扱説明書に記載しなければならない。

注記

  接地極のある機器用インレットを備え,かつ,独立した保護接地用端子を備えた,クラス 0I 機

器と

2 芯(接地導体を含まない)電源コードセットとの組合せについては,この電源コードセ

ットが特殊なものであることから,電源コードセットを機器に同こん(梱)し,これは当該機

器専用のものであり,別の機器への使用を禁止するとの注意文を取扱説明書に記載することが

望ましい。

1.7.6 

ヒューズの識別 

ヒューズ若しくはヒューズホルダの近傍又はヒューズホルダ表面にヒューズの定格電流を示す表示がな

ければならない。ただし,ヒューズと表示との関係が明らかな場合は,他の場所に表示があってもよい。

また,異なる定格電圧のヒューズが取り付けられるおそれがある場合は,ヒューズの定格電圧も表示しな

ければならない。

遅延,遮断容量など,特殊な溶断特性をもつヒューズを用いる必要がある場合は,その種類も表示しな

ければならない。

操作者アクセスエリア以外に取り付けたヒューズ,及び操作者アクセスエリアではんだ付けによって取

り付けたヒューズの場合は,関連する指示を記載するサービス指示書の中で,明確な相互参照記号(例

F1,

F2 など)を用いてもよい。

注記

  サービス従事者に対するその他の警告については,2.7.6 を参照する。

1.7.7 

配線用端子 

1.7.7.1 

保護接地用及びボンディング用の端子 

保護接地導体を接続するための配線端子には,図記号    [IEC 60417-5019(2006-08)]を表示しなけ

ればならない。この図記号は,5.1.7.1 に規定する独立した保護接地端子の識別用として認める場合を除き,

他の接地用端子に用いてはならない。

機器内の保護用ボンディング導体を接続するための端子に図記号を表示するのは要求事項ではないが,

そのような端子に表示をするときには,図記号    [IEC 60417-5017(2006-08)]を用いなければならな

い。

次の場合は,上記要求事項から除外する。

  電源接続用端子が,コンポーネント(例  端子ブロック)上,又は部分組立品(例  電源ユニット)

の上に備わっている場合,図記号    を

  の代わりに保護接地用端子に用いてもよい。

  部分組立品又はコンポーネントには,混同を起こさない限り図記号      を    の代わりに用いてよい。

ねじ部などの,導体を接続する場合に取り外すおそれがある部分には,上記の表示を行ってはならない。

保護接地導体を,電源コードの中に一体化して配線している場合又は電源電線と一緒に配線している場

合であっても,保護接地用導体を接続する端子には,これらの要求事項を適用する。

1.7.7.2 

交流主電源導体用端子 

恒久接続形機器及び一般用非着脱式電源コード付きの機器の場合は,次による。


41

C 6950-1:2016

  交流主電源の中性線の接続だけに用いる端子がある場合は,大文字 N を表示しなければならない。

  三相機器であって,相導体の接続を間違うことによって,過熱などの危険が生じるおそれがある場合

は,交流主電源の相導体接続用の端子には,設置指示書と関連付けて,各相の順序が明瞭に分かるよ

うな方法で表示しなければならない。

ねじ部などの,導体を接続する場合に取り外すおそれがある部分には,上記の表示を行ってはならない。

1.7.7.3 

直流主電源導体用端子 

恒久接続形機器及び一般用非着脱式電源コード付きの機器の場合は,直流主電源の接続だけに用いる端

子に極性を表示しなければならない。

機器の主保護接地端子及び直流主電源の一方の極の接続を一つの端子で兼ねる場合は,極性表示に追加

して,1.7.7.1 に規定するように表示しなければならない。

ねじ部などの,導体を接続する場合に取り外すおそれがある部分には,上記の表示を行ってはならない。

1.7.8 

コントロール及びインジケータ 

1.7.8.1 

識別,配置及び表示 

明らかに不要である場合を除き,安全性に影響を及ぼすインジケータ,スイッチなどのコントロールは,

どの機能を制御するのかが明確に分かるように識別するか,又はそのような場所に位置しなければならな

い。

スイッチなどのコントロールに用いる表示及び指示は,次のいずれかの位置になければならない。

  スイッチ若しくはコントロールそのもの,又はその隣接位置

  その表示がどのスイッチ又はコントロールに対応するかが明らかとなる場所にある場合は,どこでも

よい。

この場合の表示は,可能な限り,言語,国家規格などが分からなくても理解できるものでなければなら

ない。

1.7.8.2 

 

安全性に関係がある場合は,コントロール及びインジケータの色は,JIS C 0448 又は IEC 60073 の規定

に適合しなければならない。機能用のコントロール及びインジケータを色によって表示する場合,安全性

に関係ないことが明確であるときは,赤を含む任意の色を用いることができる。

1.7.8.3 

図記号 

スイッチ,押しボタンなどのコントロールそのもの,又はその近傍に図記号を用いて“オン(入)”,及

び“オフ(切)”の状態を表示する場合は,オンを表すには線の図記号“|”

IEC 60417-5007(2002-10)]

を,また,オフを表すには円の図記号“○”

IEC 60417-5008(2002-10)]を用いなければならない。プッ

シュ-プッシュ式のスイッチの場合は,図記号    [IEC 60417-5010(2002-10)]を用いなければならな

い。

オフ及びオンの状態を表すために,断路用スイッチを含むあらゆる一次電源スイッチ又は二次電源スイ

ッチに“○”及び“|”による表示を行ってもよい。

待機状態を表す場合は,図記号    [IEC 60417-5009(2002-10)]を用いなければならない。

1.7.8.4 

数字使用の表示 

コントロールの制御位置を数字で示す場合は,オフ位置を

0(ゼロ)で表示し,出力,入力などが大き

くなるに従って数字が大きくなるように表示しなければならない。

1.7.9 

複数電源の分離 

危険電圧又は危険エネルギーレベルを機器に供給する接続部が複数ある場合は,サービス従事者が危険


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C 6950-1:2016

な部分にアクセスするときの入口近傍によく目立つように,どの電源遮断装置が機器全体を完全に分離し,

また,どの電源遮断装置が機器の各部を分離できるのかを示す表示を行わなければならない。

1.7.10  サーモスタット,その他の調節装置 

サーモスタット又はこれに類する調節装置であって,設置のとき又は通常使用時に調整するものは,そ

の調整対象の特性値を増大又は減少させるための調整方向を表示しなければならない。記号“+”及び“-”

によって表示してもよい。

1.7.11  耐久性 

この規格で要求する表示は,耐久性があり,かつ,容易に判読できなければならない。表示の耐久性に

関しては,通常使用による影響を考慮しなければならない。

適否は,目視検査,及び表示を手で水を浸した布を用いて

15 秒間こすり,次に,石油を浸した布を用い

15 秒間こすることによって判定する。この試験を行った後,表示が容易に判読できなければならない。

また,表示銘板は,容易に取り外すことができず,かつ,反りが生じてはならない。

この試験に用いる石油は,脂肪溶剤ヘキサンであって,芳香族成分の最大体積含有率が

0.1 %,カウリ

ブタノール値が

29,初期沸点約 65  ℃,乾点約 69  ℃,比重約 0.7 kg/L のものとする。

代替として,

n-ヘキサンを 85 %以上含む試薬レベルのヘキサンを用いてもよい。

注記

 n-ヘキサンとは,

“ノルマルヘキサン”又は直鎖炭化水素を表す化学用語である。この石油生成

物は,更に,

ACS(American Chemical Society:米国化学会)認定の試薬等級のヘキサン

CAS#110-54-3)と定義されることもある。

1.7.12  取り外すことができる部分 

この規格で要求する表示は,取り替えることによって表示が誤解される可能性が生じる場合は,取外し

可能な部品の表面に行ってはならない。

1.7.13  交換可能な電池 

交換することができる電池を用いる機器で,かつ,間違った種類の電池に交換すると爆発が生じる可能

性がある場合(例  ある種のリチウム電池を用いる場合)は,次を適用する。

  操作者アクセスエリアに電池を収納する場合は,電池の近傍に表示をするか,又は取扱説明書及びサ

ービス指示書の両方に記載しなければならない。

  その他の区域に電池を収納する場合は,電池の近傍に表示をするか,又はサービス指示書に記載しな

ければならない。

この表示又は記載には,次の文章又はこれと同等の文章を含めなければならない。

注意

間違った種類の電池と交換すると爆発のリスクがあります。

使用済の電池は,説明書に従って処分して下さい。

1.7.14  アクセス制限場所に設置する機器 

アクセス制限場所だけに設置することを意図した機器の設置指示書には,その意図を記載しなければな

らない。

1.7.14A 

クラス 0I 機器の接地接続に関する表示 

クラス

0I 機器には,次の内容又はこれと同等の内容の表示をしなければならない。

  電源プラグ又は本体の見やすい箇所への表示

必ず接地接続を行って下さい。


43

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  本体の見やすい箇所又は取扱説明書への表示

接地接続は必ず,電源プラグを電源につなぐ前に行って下さい。

また,接地接続を外す場合は,必ず電源プラグを電源から切り離してから行って下さい。

1.7.14B 

クラス 0I 機器に用いる保護接地接続線 

主保護接地端子として独立した端子を備えたクラス

0I 機器であって,保護接地接続線を機器に同こん

(梱)しない場合は,適切な保護接地接続線についての情報を取扱説明書に記載しなければならない

2.6.3.2 参照)。

危険からの保護 

2.1 

感電及びエネルギーによる危険に対する保護 

2.1.1 

操作者アクセスエリアにおける保護 

この細分箇条は,次の部分に操作者がアクセスすることを前提として,充電部分からの感電に対する保

護のための要求事項について規定する。

 SELV 回路の裸の部分

  制限電流回路の裸の部分

  2.1.1.1 に規定する条件下における TNV 回路

その他の充電部分,及びそれらの絶縁物へのアクセスへの制限は,2.1.1.1 に規定する。

エネルギーによる危険に対する保護のための追加要求事項は,2.1.1.5 及び 2.1.1.8 に規定する。

2.1.1.1 

充電部分へのアクセス 

機器は,操作者アクセスエリアにおいて,次の部分への接触に対して十分な保護をもつ構造でなければ

ならない。

 ELV 回路の裸の部分

  危険電圧が加わる裸の部分

 ELV 回路にある部分又は配線の,機能絶縁又は基礎絶縁として用いている固体絶縁。ただし,2.1.1.3

に適合するものを除く。

  危険電圧が加わる部分又は配線の,機能絶縁又は基礎絶縁として用いている固体絶縁

注記 1  機能絶縁には,ラッカー,溶剤ベースのエナメル,一般用の紙,木綿,酸化膜などの絶縁

物,又はビーズ[豆がい(碍)管],自己硬化性樹脂以外の封止コンパウンドなどの位置が

変わる可能性がある絶縁物を含む。ただし,これらに限定するわけではない。

 ELV 回路又は危険電圧が加わる部分からは機能絶縁又は基礎絶縁だけで分離されているが,接地され

ていない導電性部分

 TNV 回路の裸の部分。ただし,次のような部分へアクセスしてもよい。

  テストプローブ(図 2C 参照)で触れることができないコネクタの接点

  2.1.1.2 に適合する電池収納部内部の裸の導電部分

  2.6.1 d)に従って保護接地端子に接続した箇所がある TNV-1 回路の裸の導電部分

  機器のアクセス可能な接地していない導電部分から 6.2.1 に従って分離した,TNV-1 回路のコネク

タの裸の導電部分

注記 2  代表的な適用例は,同軸コネクタの外殻である。

注記 3  その他の回路を経由して TNV-1 回路及び TNV-3 回路にアクセスすることも,6.2.1 によ


44

C 6950-1:2016

って制限を受ける場合がある。

制限電流回路に対しては,アクセスの制限はない。

これらの要求事項は,通常使用状態において機器を接続し動作したときの,機器のあらゆる位置に対し

て適用する。

保護は,絶縁物,防護物又はインタロックを用いて達成しなければならない。

適否は,次の全てによって判定する。

a)

目視検査

b)  図 2A のテストフィンガ(試験指ともいう。

)を用いた試験。エンクロージャの開口に対してこのテス

トフィンガを当てたとき,上記部分にテストフィンガが接触してはならない。この試験中,ヒューズ

ホルダを含む,操作者が着脱できる部分は取り外し,及び/又は操作者がアクセスする扉及びカバー

は開ける。ランプは,所定の位置に取り付けたままでもよい。操作者が取り外せるコネクタが,JIS C 

8303JIS C 8285 又は IEC 60309 の規格群,JIS C 8283 の規格群又は IEC 60320 の規格群のいずれに

も適合しない場合,試験中,コネクタを取り外した状態で再試験する。ただし,これらの規格に適合

していないコネクタであっても,適合するコネクタと同等の性能をもつ場合は,コネクタを外した状

態での再試験は行わない。

注記 4  適合するコネクタと同等の性能をもつものとして,技術基準の解釈の別表第四に適合する

コネクタがある。

c)

図 2B のテストピンを用いた試験。外部の電気的エンクロージャの開口部に対してテストピンを当て

たとき,危険電圧が加わる裸の導電部にテストピンが接触してはならない。この試験中,ヒューズホ

ルダ及びランプを含む操作者が着脱できる部分は所定の位置に取り付けておき,操作者がアクセスす

る扉及びカバーも閉じておく。

d)  適切な場合は,テストプローブ(図 2C 参照)を用いた試験。

テストフィンガ,テストピン及びテストプローブをあらゆる箇所に特別な力を加えずに当てる。この場

合,床置形機器であって,質量が

40 kg を超えるものは,機器を傾けずに試験を行う。

組込形機器,ラック取付形機器又は大きな機器の中に取り付ける機器は,設置指示書に記載した取付方

法に従った範囲内の方法で機器にアクセスして試験を行う。

上記の試験 b)のテストフィンガが入らない開口部については,更に,まっすぐな関節がないテストフィ

ンガに

30 N の力を加えて試験を行う。この関節がないテストフィンガが入った場合は,30 N 以下の必要

な力を加えて試験 b)を繰り返す。

注記 5  接触するか否かを調べるために,電気式接触指示計を用いる場合は,試験を行うことによっ

て,電子回路コンポーネントを損傷させないように注意する。

上記の試験で,交流

1 000 V 又は直流 1 500 V 以下の電圧に対しては,最小の空隙の要求事項はないが,

試験器具と対象部位との間の接触は許容しない。より高い電圧に対しては,最も不利な位置に当てたテス

トフィンガ(図 2A 参照),又はテストピン(図 2B 参照)と危険電圧の加わる部分との間に,空隙がなけ

ればならない。この空隙(図 2D 参照)は,次のいずれかでなければならない。

  2.10.3(又は附属書 G)に規定する基礎絶縁に対する最小空間距離以上である。

  5.2.2 の関連する耐電圧試験に耐える。

例えば,ベルトの張り具合を変えるための構成部品のように,動かすことができる構成部品の場合は,

この構成部品を調整可能な範囲内の最も不利となる位置にしてテストフィンガによる試験を行うが,この

試験では,必要な場合はベルトを取り外して試験を行う。


45

C 6950-1:2016

単位

mm

許容差の明示がない場合の寸法許容差は,次による。

  角度 14°及び 37°に対して:±15′

  半径の場合:±0.1 mm

  長さの場合

15 mm 以下:

0

0.1

 mm

15 mm を超え 25 mm 以下:±0.1 mm 
25 mm を超えるもの:±0.3 mm 
テストフィンガの材料:例  焼入れ鋼

テストフィンガの両関節部は同じ方向だけに曲がり,その最大角度は

90

10

0

°で,一方向だけ曲げること

ができるもの。

注記 1  ピン及び溝を組み合わせる方法は,曲げ角度を 90°に制限するための一つの方法にすぎない。その

ため上記図面には,その部分の寸法及び許容差の指定がない。実際の設計では,

90°の角度に対し

0~+10°の許容差で曲がるようにする。

注記 2  括弧内の寸法は参考用。 
注記 3  このテストフィンガは,JIS C 0922 の図 2(検査プローブ B)から採用した。幾つかの箇所は許容

差が異なる。

図 2A-テストフィンガ 


46

C 6950-1:2016

単位

mm

ハンドル寸法(φ

10,及び 20)は,それほど正確でなくてもよい。

注記

  このテストピン寸法は,JIS C 0922 の図 9(検査プローブ 13)に示され

ているものである。幾つかの箇所は,許容差が異なる。

図 2B-テストピン 

単位

mm

図 2C-テストプローブ 


47

C 6950-1:2016

交流

1 000 V 又は直流 1 500 V 以下の内部導電部とテストフィンガ又はテストピン

との間に,最小の空隙の要求事項はない。

図 2D-内部導電部へのアクセス可能性 

2.1.1.2 

電池収納部 

次の全ての条件を満たす場合は,機器内部の電池収納部内にある

TNV 回路の裸の導電部に操作者がア

クセスできてもよい。

  電池収納部には,例えば,工具の使用,ラッチ装置の使用など,開けるためには意図的な手法を用い

る必要がある扉が取り付けてある。

  扉を閉めた状態では,TNV 回路にアクセスできない。

  扉を開けたとき,使用者を保護するための指示を含む表示を,扉の近傍,又は扉が機器に固定されて

いる場合は,扉の表面に行う。

“扉を開く前に電話コードの接続を外す”という情報は,適切な指示の例となる。

適否は,目視検査によって判定する。

2.1.1.3 ELV 配線へのアクセス 

次の a)又は b)の条件に適合する場合は,ELV 回路の内部配線の絶縁物に操作者がアクセスできてもよい。

a)

絶縁物は,3.1.4 に規定する付加絶縁の要求事項を満足する。

b)  次の全ての条件に適合する。

  操作者が配線を取り扱う必要がなく,かつ,操作者が配線を偶発的に引っ張らないような位置に設

置するか又は接続点に負担がかからないように取り付ける。

  接地していないアクセス可能な導電部に触れないように配線し,固定する。

  絶縁物は,付加絶縁についての 5.2.2 の耐電圧試験に合格する。

  絶縁物を通しての距離は,表 2A に規定する値以上とする。


48

C 6950-1:2016

表 2A-内部配線の絶縁物を通しての距離 

動作電圧(基礎絶縁が破壊した場合)

絶縁物を通しての

最小距離

mm

ピーク又は直流

V

実効値(正弦波)

V

71 を超え 350 以下 50 を超え 250 以下

0.17

350 を超え 250 を超え 0.31

適否は,目視検査,測定及び 5.2.2 の試験によって判定する。

2.1.1.4 

危険電圧回路の配線へのアクセス 

危険電圧が加わる内部配線の絶縁物に操作者がアクセス可能な場合,又は接地されていないアクセス可

能な導電部にこの絶縁物が接触しないように配置及び固定していない場合は,この絶縁物は二重絶縁又は

強化絶縁に関する 3.1.4 の要求事項を満足しなければならない。

適否は,目視検査,測定,及び必要な場合は試験によって判定する。

2.1.1.5 

エネルギーによる危険 

操作者アクセスエリアでは,エネルギーによる危険に起因する傷害のリスクがあってはならない。

適否は,次に従って,目視検査,測定,及び必要な場合は試験によって判定する。

a)

危険エネルギーレベルが存在する二つ以上の裸の部分(そのうちの一つは接地されていてもよい。)の

間を金属片が橋絡するおそれがある場合,エネルギーによる危険に起因する傷害のリスクがある。

b)  問題の部分の橋絡の起こりやすさは,図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)をまっすぐな形にして,

判定する。特別な力を加えることなく,このテストフィンガでその部分を橋絡することが可能であっ

てはならない。

c)

危険エネルギーレベルの存在は,次によって決定する。

1)  機器を通常動作状態の下で動作させ,問題の部分に可変抵抗器を接続し,240 VA が取り出せるよう

に調整する。

240 VA を 60 秒間維持するように,必要なときは更に調整する。上記の試験中に過電

流保護デバイスが作動したり,その他の理由で出力電力が

240 VA を 60 秒間維持できなかったりし

た場合を除き,このときの電圧が

2 V 以上であるとき,その出力電力は危険エネルギーレベルにあ

る。

2)  コンデンサにかかる電圧 が 2 V 以上で,かつ,次式によって算出したコンデンサの蓄積エネルギ

が 20 J 以上の場合は,その蓄積エネルギーは,危険エネルギーレベルにある。

6

2

10

5

.

0

×

=

CU

E

ここに,

E

コンデンサの蓄積エネルギー(

J)

C

コンデンサの静電容量(

μF)

U

コンデンサの測定電圧(

V)

2.1.1.6 

手動操作部分 

操作者アクセスエリア内の操作用ノブ,ハンドル,レバー及び同様のものの導電性の軸は,危険電圧部

分,

ELV 回路又は TNV 回路に接続してはならない。

さらに,通常使用において手で動かすことができ,かつ,回転軸又は軸受けだけで接地されている導電

性の操作用ノブ,ハンドル,レバー及び同様のものについては,次のいずれかの条件を満足しなければな

らない。

  二重絶縁又は強化絶縁によって,危険電圧部分から分離する。

  アクセス可能な部分を,危険電圧部分の場合は付加絶縁で覆い,TNV 回路の場合は基礎絶縁で覆う。


49

C 6950-1:2016

適否は,目視検査,測定及び 5.2.2 の該当する耐電圧試験によって判定する。

2.1.1.7 

機器内のコンデンサの放電 

主電源を切り離す機器外部の箇所が操作者によってアクセス可能な場合には,機器内に接続したコンデ

ンサに蓄積された電荷による感電のリスクが減少するように設計しなければならない。主電源の公称電圧

がピーク

42.4 V 又は直流 60 V を超えない限り,感電の危険に関する試験は要求しない。

適否は,スイッチの位置がオン又はオフのいずれの位置においても電源を切り離す可能性があることを

考慮して,機器の目視検査及び関連する回路図の評価によって判定する。

0.1  μF を超える表示容量又は公称容量をもち,主電源に接続する回路にあるコンデンサのいずれもが,

次の値以下の時定数となる放電手段をもつ場合,機器は適合するとみなす。

  タイプ A プラグ接続形機器については 1 秒

  タイプ B プラグ接続形機器については 10 秒

時定数は,実効容量[マイクロファラッド(

μF)]と実効放電抵抗値[メガオーム(MΩ)]との積とす

る。実効容量及び実効抵抗の値を決定することが困難な場合は,外部の切り離す箇所において電圧減衰測

定を行ってもよい。電圧減衰測定を行う場合,(

100±5)MΩ の抵抗及び並列静電容量 25 pF 以下の入力イ

ンピーダンスをもつ計測器を用いる。

注記

  時定数に等しい時間で,電圧はその初期値の 37 %に減衰する。

2.1.1.8 

エネルギーによる危険-直流主電源の場合 

直流主電源を切り離す機器外部の箇所が操作者によってアクセス可能な場合には,機器外部の箇所は次

のいずれかの設計でなければならない。

  危険エネルギーレベルでない(例  機器内のコンデンサ又は電池の蓄積電荷,バックアップ用の予備

直流主電源によるエネルギー)。

  切り離してから 2 秒以内に危険エネルギーレベルが取り除かれる。

切り離す機器外部の箇所は,プラグ接続形機器のプラグ及び機器外部の断路用スイッチを含む。

適否は,スイッチの位置がオン又はオフのいずれの位置においても電源を切り離す可能性があることを

考慮して,機器の目視検査及び関連する回路図の評価によって判定する。

必要な場合,危険エネルギーレベルの存在は次によって決定する。

a)

直流主電源に接続したコンデンサ  試験は,通常動作状態で実施する。直流主電源を切り離してから

2 秒後にコンデンサ両端の電圧(U)を測定する。

蓄積エネルギーは,次式によって算出する。

6

2

10

5

.

0

×

=

CU

E

ここに,

E

コンデンサの蓄積エネルギー(

J)

C

コンデンサの蓄積静電容量(

μF)

U

コンデンサの測定電圧(

V)

電圧 が 2 V 以上,かつ,蓄積エネルギーが 20 J 以上の場合は,危険エネルギーレベルが存在す

る。

b)  直流主電源に接続する内部電池  直流主電源を切り離し,かつ,直流主電源が通常接続される入力端

子に可変抵抗器を接続して試験を行う。供試機器は,内部電池によって動作する。可変抵抗器は,

240

VA が取り出せるように調整する。240 VA を 60 秒間維持するように,必要なときは更に調整する。

上記の試験中に過電流保護デバイスが作動したり,何らかの理由で出力電力が

240 VA を 60 秒間維

持できなかったりした場合を除き,電圧 が 2 V 以上であるときは,出力電力は危険エネルギーレベ


50

C 6950-1:2016

ルにある。

出力電力が危険エネルギーレベルにある場合は,可変抵抗器を切り離して供試機器を直流主電源に

よって動作させ,更に試験を行う。

電源を切断し,その切断から

2 秒後の入力端子のエネルギーレベルは,危険エネルギーレベルであ

ってはならない。

注記

  機器の外側で主電源を切り離す部分間は偶発的に橋絡する可能性があると考える。これらの部

分間が橋絡する可能性を決定するための試験はない。

2.1.1.9 

情報技術機器内の音響増幅器 

音響増幅器のアクセス可能な回路,端子及び部分並びにこれらに関連する回路は,次のいずれかに適合

しなければならない。

  この規格の 2.1.1.1

  JIS C 6065 の 9.1.1(一般事項)

適否は,目視検査及び必要な場合は JIS C 6065 の 9.1.1 の試験によって判定する。この間,音響増幅器

は,JIS C 6065 の 4.2.5 に従って動作させる。

2.1.2 

サービス従事者アクセスエリアにおける保護 

サービス従事者アクセスエリアには,次の要求事項を適用する。

2.1.1.7 の要求事項を全てのタイプの機器に適用する。ただし,恒久接続形機器の場合,時定数の限度値

10 秒とする。さらに,2.1.1.8 の要求事項も適用する。

危険電圧が加わる裸の部分は,機器の他の部分を含めたサービス作業中に,この部分に偶発的に接触を

するおそれがないように配置するか,又は防護しなければならない。

危険電圧が加わる裸の部分は,例えば,サービス従事者が用いる工具,テストプローブなどによって,

SELV 回路又は TNV 回路へ偶発的に短絡するおそれがないように配置するか,又は防護しなければならな

い。

ELV 回路又は TNV 回路へのアクセスに関する要求事項は規定しない。ただし,危険エネルギーレベル

が存在する裸の部分は,機器の他の部分を含めたサービス作業中に,導電性物質によって偶発的に橋絡し

ないように配置するか,又は防護しなければならない。

この細分箇条に適合させるための防護物は,サービス作業を行うために取外しを必要とする場合には,

容易に取り外すことができ,かつ,元に戻すことができなければならない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。裸の部分への偶発的な接触の可能性は,サービス従事者

が他の部分を修理するために,その裸の部分を越えて,又はその裸の部分に近づいて修理部分にアクセス

しなければならない場合を考慮する。危険エネルギーレベルの判定方法は,2.1.1.5 c)による。

2.1.3 

アクセス制限場所における保護 

アクセス制限場所に設置する機器については,次の四つの段落で許容する事項を除き,操作者アクセス

エリアに対する要求事項を適用する。

一般的には,2.1.1.7 及び 2.1.1.8 の要求事項を適用するが,恒久接続形機器には適用しない。ただし,恒

久接続形機器に危険エネルギーレベルが存在する場合は,エネルギーによる危険に対する保護のために適

切な表示及び指示がなければならない。

危険電圧が加わる二次回路が 2.3.1 b)に適合する呼出シグナル発生器に電源を供給するための回路であ

る場合は,その回路の裸の部分に図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)が接触してもよい。ただし,当

該部分は,偶発的な接触が生じるおそれがないように配置するか,又は防護しなければならない。


51

C 6950-1:2016

危険エネルギーレベルが存在する裸の部分は,そこに存在する可能性がある導電性物質によって当該部

分を偶発的に橋絡しないように配置するか,又は防護しなければならない。

TNV-1 回路,TNV-2 回路及び TNV-3 回路の裸の部分への接触に関しては,特に規定しない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。裸の部分への偶発的な接触の可能性は,サービス従事者

が他の部分を修理するために,その裸の部分を越えて,又はその裸の部分に近づいて修理部分にアクセス

しなければならない場合を考慮する。危険エネルギーレベルの判定方法は,2.1.1.5 c)による。

2.2 SELV 回路 

2.2.1 

一般要求事項 

SELV 回路は,通常動作状態の下及び単一故障(1.4.14 参照)が生じた後のいずれの場合であっても,接

触しても安全な電圧でなければならない。

SELV 回路に外部負荷が接続されない状態(開放電圧)におい

ても,2.2.2 及び 2.2.3 に規定する電圧の限度値を超えてはならない。

2.2.12.2.4 の適否は,目視検査及び該当する試験によって判定する。

2.2.2 

通常動作状態での電圧の限度値 

単独の

SELV 回路又は相互に接続した SELV 回路の場合,単独の SELV 回路内のいずれか二つの導体間

の電圧,相互に接続した

SELV 回路のいずれか二つの導体間の電圧,及び SELV 回路のいずれかの導体と

大地(1.4.9 参照)との間の電圧は,通常動作状態の下ではピーク 42.4 V 又は直流 60 V を超えてはならな

い。

注記 1  上記の要求事項に適合する回路で,ネットワーク線又はケーブル分配システムからの過電圧

を受ける回路は,

TNV-1 回路である。

注記 2  通常動作状態での SELV 回路の電圧の限度値は,ELV 回路の限度値と同じである。故障状態

の下では,

SELV 回路は追加の保護を備えた ELV 回路とみなしてもよい。

2.2.3 

故障状態での電圧の限度値 

2.3.2.1 b)で許容するものを除き,単一故障時(1.4.14 参照)において,単独の SELV 回路内のいずれか

二つの導体間の電圧,相互に接続した

SELV 回路間のいずれか二つの導体間の電圧,及び SELV 回路のい

ずれかの導体と大地(1.4.9 参照)との間の電圧は,ピーク 42.4 V 又は直流 60 V を超えてはならない(図

2E.1 及び図 2E.2 の V

1

)。ただし,

200 ms 以下の場合,次に示す条件でピーク 120 V 又はピーク 71 V まで

上昇してもよい(図 2E.1 及び図 2E.2 の V

2

)。

t

1

の間,一度だけパルスが V

1

を超える場合,ピーク

120 V の限度値を適用する。図 2E.1 に例を示す。

t

1

の間,複数回パルスが V

1

を超える場合,ピーク

71 V の限度値を適用する。図 2E.2 に例を示す。

注記

  カナダ及びアメリカ合衆国では,2.3.2.1 b)の例外は許容しない。

図 2E.1-単一故障状態の下で,一度だけ V

1

を超えるパルスに対する SELV 回路の電圧 


52

C 6950-1:2016

図 2E.2-単一故障状態の下で,複数回 V

1

を超えるパルスに対する SELV 回路の電圧 

故障後に繰返し性のパルスをもつ場合(例  電源の“間欠発振”モード),V

1

を超える(ただし,V

2

超えない)繰返し性のパルスは,次の条件で許容する。

  t

1

20 ms 以下の場合,t

2

は,

1 秒間を超える。

  t

1

20 ms を超える場合,t

2

は,

3 秒間を超える。

  t

1

は,

200 ms を超えない。

2.2.4 で許容するものを除き,SELV 回路は,2.9.4 に規定する構造の一つ又は複数によって危険電圧の部

分から分離しなければならない。

回路(例  変圧器及び整流器からなる回路)のある部分が

SELV 回路の全ての要求事項に適合する場合

は,操作者がアクセスできてもよいが,同じ回路の別の部分が

SELV 回路の全ての要求事項に適合しない

場合は,操作者がアクセスできてはならない。

2.2.4 SELV 回路とその他の回路との接続 

SELV 回路は,他の回路に接続してもよい。ただし,次の条件を全て満足しなければならない。

  1.5.7 及び 2.4.3 で許容する場合を除き,SELV 回路は,機器内のいずれの一次回路(中性線を含む。)

からも基礎絶縁で分離する。

 SELV 回路は,通常動作状態の下で 2.2.2 の限度値を満足する。

  2.3.2.1 b)に規定するものを除き,SELV 回路の(絶縁の)単一故障時(1.4.14 参照),又は SELV 回路

を接続している二次回路の(絶縁の)単一故障時においても,

SELV 回路は 2.2.3 の限度値を満足する。

SELV 回路を一つ以上の回路と接続する場合,2.2.2 及び 2.2.3 の要求事項を満足する部分が SELV 回路と

なる。

SELV 回路が次のいずれかによって危険電圧回路から分離した二次回路から導電的に電源供給を受ける

場合,その

SELV 回路は同じ方法によって危険電圧回路から分離しているとみなす。

  二重絶縁又は強化絶縁

  基礎絶縁によって危険電圧回路から分離し接地した導電性遮蔽物の使用

注記

  ノルウェーにおける要求事項については,1.7.2.1 の注記 66.1.2.1 の注記 及び 6.1.2.2 の注記

を参照。

SELV 回路が危険電圧二次回路から作られており,その危険電圧二次回路を一次回路から二重絶縁又は

強化絶縁で分離している場合,その

SELV 回路は,単一故障状態(1.4.14 参照)において 2.2.3 に規定する

限度値内でなければならない。このような場合は,変圧器内部の絶縁が 5.2.2 に規定する,基礎絶縁に対

する耐電圧試験に合格する場合に限り,単一故障状態を適用する目的において,危険電圧二次回路と

SELV

回路との間の分離を行う変圧器内部の絶縁の短絡を,単一故障とみなす。


53

C 6950-1:2016

2.3 TNV 回路 

2.3.1 

限度値 

単独の

TNV 回路又は相互に接続した TNV 回路の場合,単独の TNV 回路内のいずれか二つの導体間の

電圧,相互に接続した

TNV 回路のいずれか二つの導体間の電圧,及び TNV 回路のいずれかの導体と大地

1.4.9 参照)との間の電圧は,次に適合しなければならない。

a)  TNV-1 回路  電圧は,次の値を超えない。

  通常動作状態の下での SELV 回路に対する 2.2.2 に規定する限度値

  機器内の単一故障時(1.4.14 参照)に,5 000 Ω±2 %の抵抗器の両端で測定した値に対する図 2F 

限度値

注記 1  単一の絶縁故障又はコンポーネント故障の状態での 200 ms を経過した後の限度値は,b)

の通常動作状態における

TNV-2 回路又は TNV-3 回路に対する限度値である。

図 2F-単一故障が生じた後に許容される最大電圧 

b)  TNV-2 回路及び TNV-3 回路  電圧は,2.2.2 に規定する SELV 回路に対する限度値を超えるが,次の

値を超えない。

  電話の呼出シグナルが存在する場合は,シグナルが M.2 又は M.3 のいずれかの基準に満足するとき

の電圧

  電話の呼出シグナルが存在しない場合は,次の両方の条件を満足する電圧

  通常動作状態の下で,交流電圧と直流電圧とを合成した値が次式を満たす。

1

120

71

dc

ac

U

U

ここに,

  U

ac

: 交流電圧のピーク値(

V)

U

dc

: 直流電圧値(

V)

注記 2  U

dc

がゼロの場合,U

ac

は,ピーク

71 V 以下となる。

注記 3  U

ac

がゼロの場合,U

dc

は,直流

120 V 以下となる。

  機器内の単一故障時(1.4.14 参照)に,5 000 Ω±2 %の抵抗器の両端で測定した場合,図 2F の限

度値を超えない。


54

C 6950-1:2016

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

注記 4  電信用及びテレタイプ用のシグナルは,現行のネットワーク線に存在している可能性がある

が,このようなシグナルは,旧式と考え,これらの特性はこの規格では考慮していない。

2.3.2 

その他の回路及びアクセス可能部分からの TNV 回路の分離 

注記

  フィンランド,ノルウェー及びスウェーデンでは,絶縁に関する追加要求事項がある。6.1.2.1

の注記 及び 6.1.2.2 の注記も参照する。

2.3.2.1 

一般要求事項 

注記 1  6.1.26.2 及び 7.3 も参照する。

SELV 回路,TNV-1 回路及びアクセス可能な導電部は,単一故障時(1.4.14 参照)に次の両方の条件を満

足するように,

TNV-2 回路及び TNV-3 回路から分離しなければならない。

a) TNV-1 回路の電圧は,図 2F の限度値を超えない。

b) SELV 回路及びアクセス可能な導電部の電圧が,2.3.1 b)に規定する通常動作状態の下での TNV-2 回路

及び

TNV-3 回路の限度値を超えない。

注記 2  カナダ及びアメリカ合衆国においては,上記の単一故障時には 2.2.3 の限度値が SELV 回路及

びアクセス可能な導電部に適用される。

注記 3  通常動作状態の下では,2.2.2 の限度値を SELV 回路及びアクセス可能な導電部の各々に常時

適用する。

注記 4  2.3.1 の限度値は,常時,各々の TNV 回路に適用する。

製造業者の選択において,

TNV-1 回路又は TNV-2 回路を,TNV-3 回路として扱ってもよい。この場合,

TNV-1 回路又は TNV-2 回路は,TNV-3 回路に関する全ての分離に関する要求事項に適合しなければならな

い。

2.3.2.22.3.2.32.3.2.4 及び 2.10.5.13 に規定するいずれかの方法を用いなければならない。

適否は,2.3.2.22.3.2.32.3.2.4 又は 2.10.5.13 の規定によって判定する。

2.3.2.2 

基礎絶縁による保護 

ある部分を基礎絶縁によって分離する場合は,2.3.2.1 の要求事項に適合する。

適否は,基礎絶縁の耐電圧試験,目視検査,測定,並びに必要な場合はコンポーネント及び基礎絶縁の

故障を模擬することによって判定する(1.4.14 参照)。ただし,2.3.1 b)の規定限度値を超えないことが回路

図を検討した結果明らかな場合,コンポーネント及び基礎絶縁の故障を模擬する必要はない。

注記 1  2.3.5 の試験は要求しない。

注記 2  基礎絶縁があり,かつ,6.2.1 もこの絶縁に適用される場合,6.2.2 に規定する試験電圧はほと

んどの場合において基礎絶縁に対する試験電圧よりも高くなる。

2.3.2.3 

接地による保護 

SELV 回路,TNV-1 回路又はアクセス可能な導電部を,2.6.1 の c)又は d)に従って主保護接地端子に接続

し,かつ,次の a)d)のいずれかを適用する場合は,2.3.2.1 の要求事項に適合するとみなす。

a)

プラグ接続形機器については,主保護接地端子がある場合(2.6.4.1 参照),これに加えて独立した保護

接地端子を取り付ける。設置指示書には,この独立した保護接地端子を恒久的に接地接続しなければ

ならないことを記載する。

b)  ネットワーク線又はケーブル分配システムにプラグ接続できるタイプ B プラグ接続形機器については,

機器上への表示及び設置指示書への記載を行う。これらは,使用者が電源コードを抜く前に,全ての

ネットワーク線及びケーブル分配システムのコネクタを外すことを明記する。


55

C 6950-1:2016

c)

タイプ

A プラグ接続形機器については,上記 b)に加え,設置指示書にはサービス従事者によって設置

され,保護接地コンタクトのあるコンセントに接続するように明記する。

d)  恒久接続形機器については,追加の要求事項はない。

注記

  a)b)c)又は d)に従わない接地がある場合は,2.3.2.4 を参照する。

適否は,目視検査,試験,並びに必要な場合は機器内において発生する可能性があるコンポーネント及

び絶縁の故障を模擬することによって判定する(1.4.14 参照)。2.3.2.1 に規定する電圧限度値を満足しなけ

ればならない。

さらに,

TNV-2 回路又は TNV-3 回路が,通常動作状態において外部で発生した信号又は電力を受けるこ

とを意図する場合(例  ネットワーク線において)は,2.3.5 の試験を行う。2.3.5 の試験中は,単一故障

は模擬しない。

上記試験の前に,基礎絶縁の要求事項を満足しない絶縁は短絡する。ただし,故障の模擬が絶縁を短絡

しないで実施した方がより厳しい場合には,試験は短絡しないで行う。

2.3.2.4 

他の構造による保護 

2.3.2.1 に規定する電圧の限度値に適合することが確実なときは,基礎絶縁若しくは接地,又は 2.10.5.13

に規定するような分離に頼らない,他の構造であってもよい。

適否は,機器内において発生する可能性があるコンポーネント及び絶縁の故障を模擬することによって

判定する(1.4.14 参照)。

2.3.2.3 の a)b)c)又は d)に従わない接地がある場合,供試機器を大地に接続しないで試験を行う。2.3.2.1

に規定する電圧限度値に適合しなければならない。

さらに,

TNV-2 回路又は TNV-3 回路が,通常動作状態において外部で発生した信号又は電力を受けるこ

とを意図する場合(例  ネットワーク線において)は,2.3.5 の試験を行う。2.3.5 の試験中は,単一故障

は模擬しない。

上記試験の前に,基礎絶縁の要求事項を満足しない絶縁は短絡する。ただし,故障の模擬が絶縁を短絡

しないで実施した方がより厳しい場合には,試験は短絡しないで行う。

2.3.3 

危険電圧からの分離 

2.3.4 の適用を受ける場合を除き,TNV 回路は,2.9.4 に規定する構造の一つ以上の方法によって,危険

電圧回路から分離しなければならない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

2.3.4 TNV 回路の他の回路への接続 

1.5.7 で許容する場合以外にも,TNV 回路を機器内の一次回路(中性線を含む。

)から基礎絶縁によって

分離することを条件に,これを他の回路に接続してもよい。

注記 1  2.3.1 の限度値は,常に TNV 回路に適用する。

TNV 回路を一つ以上の他の回路に接続している場合,2.3.1 に適合する部分が TNV 回路となる。

TNV 回路が次のいずれかの方法によって危険電圧回路から分離した二次回路から導電的に電源を得る

場合は,当該

TNV 回路は,同じ方法でその危険電圧回路から分離されているとみなす。

  二重絶縁又は強化絶縁

  基礎絶縁によって危険電圧回路から分離されている接地された導電性遮蔽物の使用

TNV 回路が危険電圧二次回路から作られており,その危険電圧二次回路が,一次回路から二重絶縁又は

強化絶縁で分離されている場合,その

TNV 回路は,単一故障状態(1.4.14 参照)においても 2.3.1 に示す

限度値を満足しなければならない。このような場合は,その危険電圧二次回路と

TNV 回路との間の分離


56

C 6950-1:2016

を行う変圧器内部の絶縁が,5.2.2 に規定する基礎絶縁に対する耐電圧試験に合格する場合に限り,単一故

障状態を適用する目的において,その変圧器の内部の絶縁の短絡を単一故障とみなす。

適否は,目視検査及び機器内において発生する可能性がある単一故障(1.4.14 参照)を模擬することに

よって判定する。そのような故障の模擬において,

TNV 回路の 2 導体間又は TNV 回路の導体と大地との

間に接続した

5 000 Ω±2 %の抵抗器の両端の電圧が図 2F2.3.1 参照)の格子部分の外に出てはならない。

定常状態が

5 秒間以上継続するまで監視する。

注記 2  ノルウェーでの要求事項については,1.7.2.1 の注記 66.1.2.1 の注記 及び 6.1.2.2 の注記を

参照する。

2.3.5 

外部要因によって発生する動作電圧の試験 

この試験は,2.3.2.3 又は 2.3.2.4 に規定する場合に限定して行う。

製造業者が指定する試験電圧発生器を用いる。ただし,それは外部から受けるであろう通常動作電圧の

予想最高電圧を発生する必要がある。そのような指定がない場合,

50 Hz 又は 60 Hz で 120±2 V を発生し,

かつ,

1 200 Ω±2 %の内部インピーダンスを備えた試験電圧発生器を用いる。

注記

  試験電圧発生器は,ネットワーク線における実際の電圧を発生することを意図するものではな

く,反復性がある方法で供試機器の回路にストレスを与えることを目的としている。

試験電圧発生器は,機器のネットワーク線端子間に接続する。試験電圧発生器の一極は,機器の接地端

子にも接続する(図 2G 参照)。試験電圧は,最長 30 分間印加する。更なる劣化が生じないことが明らか

な場合は,試験を途中で終了してもよい。

試験中,

SELV 回路,TNV-1 回路又はアクセス可能な導電部は,引き続いて 2.2.2 に適合しなければなら

ない。

機器のネットワーク線端子への接続を反転して,試験を繰り返す。

図 2G-試験電圧発生器 

2.4 

制限電流回路 

2.4.1 

一般要求事項 

制限電流回路は,通常動作状態の下,及び機器内の単一の故障において,2.4.2 に規定する限度値を超え

ないように設計しなければならない(1.4.14 及び 1.5.7 参照)。

2.4.3 で許容する場合を除き,制限電流回路のアクセス可能な部分を他の回路から分離する場合は,SELV

回路に関して 2.2 に規定する条件に従わなければならない。

2.4.12.4.3 についての適否は,目視検査,測定,及び必要な場合は試験によって判定する。

注記 1  アクセス可能な導電部又は他の部分から二重絶縁又は強化絶縁によって分離した回路で,一


57

C 6950-1:2016

つの抵抗器又は一群の抵抗器によって橋絡する場合は,制限電流回路として扱う(1.5.7 参照)。

注記 2  制限電流回路は,一次回路又は二次回路のいずれから電源供給を受けてもよい。

2.4.2 

限度値 

1 kHz 以下の周波数に関しては,制限電流回路の中の 2 点間又はその中の 1 点と接地端子(1.4.9 参照)

との間に接続した無誘導性の

2 000 Ω±10 %の抵抗器を通して流れる定常電流値は,ピーク 0.7 mA 又は直

2 mA を超えてはならない。

1 kHz を超える周波数に関しては,キロヘルツ(kHz)で表した周波数の値に 0.7 mA を乗じた値,又は

ピーク

70 mA のいずれか小さい方の値を超えてはならない。

代替法として,上記の

2 000 Ω±10 %の無誘導性抵抗器の代わりに附属書 に規定する測定器を用いて

もよい。

図 D.1 の測定器を用いる場合は,電圧 U

2

を測定し,測定した電圧 U

2

500 で除して電流を求める。計

算値は,ピーク

0.7 mA を超えてはならない。

注記 1  制限電流回路の片側を保護接地に導電的に接続している場合,図 D.1 の測定器の測定端子 B

は接地側に接続することが望ましい。

図 D.2 の測定器を用いる場合は,電流の測定値は,ピーク 0.7 mA を超えてはならない。

ピーク又は直流

450 V 以下の部分に関しては,回路静電容量は,0.1 µF を超えてはならない。

電圧 がピーク又は直流 450 V を超えるが,ピーク又は直流 15 kV 以下の部分については,回路静電容

量は

45/U nF を超えてはならない。ここで は,キロボルト(kV)で表す。

注記 2 45/の限度値は,有効蓄積電荷 45 µC に相当する。

電圧 がピーク又は直流 15 kV を超える部分については,回路静電容量は 700/U

2

 nF 以下でなければな

らない。ここで は,キロボルト(kV)で表す。

注記 3 700/U

2

の限度値は,有効エネルギー

350 mJ に相当する。

2.4.3 

制限電流回路から他の回路への接続 

制限電流回路は,次の両条件を満足すれば他の回路から電源の供給を受け,又は他の回路に接続しても

よい。

  制限電流回路が通常動作状態の下で,2.4.2 の限度値を満足する。

  制限電流回路内のいかなるコンポーネントの単一故障若しくは絶縁の単一故障においても,又は制限

電流回路が接続される回路のコンポーネントの単一故障若しくは絶縁の単一故障においても,制限電

流回路が 2.4.2 の限度値を満足し続ける。

制限電流回路を一つ又はそれ以上の回路に接続する場合は,2.4.1 の要求事項に適合する部分が制限電流

回路となる。

2.5 

有限電源 

有限電源は,次の a)d)のいずれかに適合しなければならない。

a)

電源固有の特性によって,出力を表 2B に適合するように制限する。

b)  線形又は非線形インピーダンスによって表 2B に適合するように出力を制限する。正の温度係数をも

つデバイス(

PTC デバイス)を用いる場合,次のいずれかでなければならない。

  JIS C 9730-1 の箇条 15,箇条 17J.15 及び J.17 に規定する試験に合格する。

  JIS C 9730-1 のタイプ 2.AL 作動のデバイスの要求事項に適合する。

c)

レギュレーティング回路内又は集積回路(

IC)電流制限器内で単一故障(1.4.14 参照)(回路の開放又

は短絡)の発生を模擬した場合,及び模擬しない場合においても,レギュレーティング回路又は

IC


58

C 6950-1:2016

電流制限器が表 2B に適合するように出力を制限する。IC 電流制限器が附属書 CC に規定する適切な

試験プログラムに適合する場合,入力と出力との間の単一故障は適用しない。

d)  過電流保護デバイスを用い,かつ,出力を表 2C に適合する値に制限する。

過電流保護デバイスを用いる場合,その保護デバイスは,ヒューズであるか又は調節不可能で自動復帰

しない電気機械式デバイスでなければならない。

交流主電源によって動作する有限電源,又は負荷に供給しながら交流主電源によって充電を行う電池駆

動の有限電源は,絶縁変圧器を組み込まなければならない。

適否は,目視検査,測定及び適切な場合は電池製造業者のデータの評価によって判定する。表 2B 及び

表 2C に従って,出力電圧 U

oc

及び出力電流 I

sc

の測定をする場合,電池は十分に充電する。

表 2B 及び表 2C の非容量性負荷は,I

sc

又は皮相電力 が最大測定値になるように調整する。

上記の I

sc

又は の最大測定値のもとで,上記 c)に従って要求されるレギュレーティング回路内で模擬し

た故障を適用する。

表 2B-過電流保護デバイスを備えていない電源の限度値 

出力電圧(U

oc

a)

V

出力電流(I

sc

b)d)

A

皮相電力(S

c)d)

VA

交流

直流

30 以下 30 以下 8.0 以下 100 以下

30 を超え 60 以下 150/U

oc

以下

 100 以下

a)

  U

oc

:負荷回路全てを切り離した状態で 1.4.5 に従って測定した出力電圧。電圧は,実質上正弦波といえる

交流及びリップルなしの直流である。非正弦波の交流及びリップルのピーク値が

10 %よりも大きい直流の

場合,ピーク電圧は

42.4 V を超えてはならない。

b)

  I

sc

:短絡を含むあらゆる非容量性負荷を用いて測定した最大出力電流。

c)

  S:あらゆる非容量性負荷を用いて測定した最大出力。

d)

  電子回路によって保護している場合,I

sc

及び は負荷を接続してから 5 秒後に測定する。正の温度係数を

もつデバイス(

PTC デバイス)で保護する場合又はその他の手段で保護する場合は 60 秒後に測定する。

表 2C-過電流保護デバイスを備えた電源の限度値 

出力電圧(U

oc

a)

V

出力電流

I

sc

b)d)

A

皮相電力

S

c)d)

VA

過電流保護デバイスの

定格電流

e)

A

交流

直流

20 以下 20 以下 1

000/U

oc

以下

 250 以下 5.0 以下

 20 を超え 30 以下

20 を超え 30 以下 100/U

oc

以下

30 を超え 60 以下 100/U

oc

以下

a)

  U

oc

:負荷回路全てを切り離した状態で 1.4.5 に従って測定した出力電圧。電圧は,実質上正弦波といえる

交流及びリップルなしの直流である。非正弦波の交流及びリップルのピーク値が

10 %よりも大きい直流の

場合,ピーク電圧は

42.4 V を超えてはならない。

b)

  I

sc

:短絡を含むあらゆる非容量性負荷を用い,負荷を接続してから

60 秒後に測定した最大出力電流。

c)

  S:あらゆる非容量性負荷を用い,負荷を接続してから 60 秒後に測定した最大出力。

d)

  測定中の回路において,電流制限インピーダンスはそのまま残置するが,過電流保護デバイスはバイパス

する。

注記

  過電流保護デバイスをバイパスした状態で測定を行う理由は,過電流保護デバイスが動作してい

る時間中に過熱の原因となる可能性があるエネルギーの総量を測定するためである。

e)

  過電流保護デバイスの定格電流は,表に記載した定格電流値の 210 %に等しい電流によって 120 秒以内に

回路を遮断するヒューズ及びサーキットブレーカに基づいて決める。


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C 6950-1:2016

2.6 

接地及びボンディングの規定 

注記

  ネットワーク線に接続する機器の接地についての追加要求事項は,2.3.2.32.3.2.42.3.32.3.4

6.1.1 及び 6.1.2 を参照する。ケーブル分配システムについては,7.2 及び 7.4.1 を参照する。

2.6.1 

保護接地 

機器の次の部分は,機器の主保護接地端子に確実に接続しなければならない。

a)  単一故障時(1.4.14 参照)に,危険電圧が生じると想定されるアクセス可能な導電部。

b)  2.9.4 の d)又は e)によって要求するように,接地する部分。

c)

ネットワーク線又はケーブル分配システムを電源としない場合は,2.3.2.3 又は 2.3.2.4 によって接地す

ることが要求される

SELV 回路,TNV 回路及びアクセス可能な導電部。

d)  ネットワーク線又はケーブル分配システムを電源とする場合は,2.3.2.3 によって接地することが要求

される

SELV 回路,TNV 回路及びアクセス可能な導電部。

e)

単一故障時(1.4.14 参照)には危険電圧とはみなせないが,絶縁物(例  6.2.1 及び 7.4.1 参照)に影響

を与える可能性がある過渡電圧を減衰させるために接地が要求される回路,変圧器の遮蔽物及びコン

ポーネント(例  サージ抑制器)。

f)

ネットワーク線又はケーブル分配システムに流れるタッチカレント(5.1.8.1 参照)を減衰させるか又

は除去するために接地することが要求される

SELV 回路及び TNV 回路。

注記

  a)b)及び c)は,過電流保護デバイスを動作させるような故障電流が流れる可能性がある部分。

d)e)及び f)は,他の電流が流れる部分。

サービス従事者アクセスエリアにおいては,単一故障時(1.4.14 参照)に危険電圧が発生すると想定さ

れるモータケース,電子シャーシなどのような導電部は,主保護接地端子に接続するか,又はこれが不可

能若しくは実際的でない場合は,サービス従事者に対し,この部分は接地されていないので,手を触れる

前に危険電圧の有無を確認することが望ましい旨,適切に表示しなければならない。

適否は,目視検査,及び該当する場合,2.6.3 に規定する試験によって判定する。

2.6.2 

機能接地 

アクセス可能な導電部の機能接地が必要な場合は,次の全てを機能接地回路に適用する。

  機能接地回路は,次のいずれかによって機器の危険電圧部分から分離しなければならない。

  二重絶縁又は強化絶縁

  少なくとも基礎絶縁によって危険電圧部分から分離した保護接地した遮蔽物,又は他の保護接地し

た導電部

  機能接地回路を,保護接地端子又は保護ボンディング導体に接続してもよい。

  機能接地だけに用いる配線端子には,図記号    [IEC 60417-5017(2006-08)]又は図記号    [IEC 

60417-5019(2006-08)

]を表示してはならない。ただし,その配線端子がコンポーネント(例  端子

ブロック)又は部分組立品に備わっている場合は,図記号    を用いてもよい。

注記

  適切な場合は,    [IEC 60417-5018(2011-07)],    [IEC 60417-5020(2002-10)]などの

他の図記号表示でもよい。

  内部機能接地導体については,多目的な事前組立てコンポーネント(例  複数導体接続ケーブル又は

EMC フィルタ)を除いて緑と黄とを組み合わせた絶縁被覆を用いてはならない。

電源コードをもつ機器であって,緑と黄とを組み合わせた絶縁被覆の導体を機能接地の接続だけに用い

る場合は,次による。

  機器には,図記号      [IEC 60417-5172(2003-02)]を表示してはならない。


60

C 6950-1:2016

  機器には,図記号      [IEC 60417-6092(2011-10)]を表示してもよい。

この機能接地を表す図記号は,クラス

I 機器に用いてはならない。

この機能接地導体の機器側での終端に関して,3.1.9 以外の要求事項はない。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.3 

保護接地及び保護ボンディング導体 

2.6.3.1 

一般要求事項 

保護接地導体及び保護ボンディング導体は,十分な電流容量をもたなければならない。

2.6.3.22.6.3.3 及び 2.6.3.4 の要求事項は,2.6.1 の a)b)及び c)に適合するための保護接地導体及び保護

ボンディング導体に適用する。

2.6.1 d)に適合するために備えられた保護接地導体及び保護ボンディング導体には,2.6.3.4 e)の試験及び

要求事項を適用する。

2.6.1 の e)及び f)に適合するために備えられた保護接地導体及び保護ボンディング導体並びに機能接地導

体において,電流容量は,3.1.1 に従い通常動作状態の下で流れる実際の電流に対して適切でなければなら

ない。すなわち,その導体に故障電流を流すことは要求しない。

2.6.3.2 

保護接地導体の寸法 

機器とともに提供される電源コードの保護接地導体は,表 3B3.2.5 参照)の最小導体寸法に適合しな

ければならない。ただし,クラス

0I 機器の保護接地用口出線導体及び保護接地接続線であって,単芯の場

合は,次のいずれかでなければならない。

  直径が 1.6 mm の軟銅線又はこれと同等以上の強さ及び太さをもち,容易に腐食しない金属線

  断面積が 1.25 mm

2

以上の単芯コード又は単芯キャブタイヤケーブル

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

2.6.3.3 

保護ボンディング導体の寸法 

保護ボンディング導体は,次の中の一つに適合しなければならない。

  表 3B3.2.5 参照)の最小導体寸法

  2.6.3.4 の要求事項,及びその回路の保護電流定格が 16 A を超える場合は,表 2D の最小導体寸法

  コンポーネントだけの場合は,そのコンポーネントへの電源供給用導体以上のもの

その回路の保護電流定格(表 2D 及び 2.6.3.4 の試験に用いる。)は,過電流保護デバイスの使用及び位置

に依存する。保護電流定格は,次の a)b)又は c)の適用可能な一番小さいものを採用しなければならない。

a)

タイプ

A プラグ接続形機器の場合,その保護電流定格は,機器を保護するために外部(例  建造物内

の配線,主電源のプラグ又は機器のラック)に備えられた最小

16 A の過電流保護デバイスの定格とす

る。

注記 1  ほとんどの国では,16 A は回路の保護電流定格として適切であるとみなされている。

注記 2  カナダ及びアメリカ合衆国では,回路の保護電流定格は,20 A としている。

注記 3  英国では,回路の電流定格は,16 A ではなく,13 A としている。

b)  タイプ B プラグ接続形機器及び恒久接続形機器(2.7.1 参照)の場合,その保護電流定格は,機器の外

部に備えるために機器設置指示書に記載する過電流保護デバイスの最大定格(1.7.2.3 参照)。

c)

a)又は b)の場合も,過電流保護デバイスが機器の中又は一部として備えられているときは,その保護

電流定格は,接地が要求される回路又は部分を保護する過電流保護デバイスの定格とする。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。


61

C 6950-1:2016

表 2D-保護ボンディング導体の最小寸法 

当該回路の保護電流定格

次の値以下

A

最小導体寸法

断面積

mm

2

AWG 又は kcmil(参考)

(括弧内は

mm

2

で示した断面積)

20

サイズ規定なし

サイズ規定なし

25 1.5  14 (2) 
32 2.5  12 (3) 
40 4.0  10 (5) 
63 6.0  8 (8) 
80 10

6 (13)

100 16

4 (21)

125 25

2 (33)

160 35

1 (42)

190 50

0 (53)

230 70  000 (85) 
260 95  0000 (107) 
300 120

250

kcmil (126)

340 150

300

kcmil (152)

400 185

400

kcmil (202)

460 240

500

kcmil (253)

注記

 AWG 及び kcmil の寸法は,参考情報としてだけ取り扱う。括弧内の関連する断面積

は,有効値を示した概数である。

AWG は American Wire Gage を指し,cmil は circular

mils を指す。ここで,1 cmil は,直径 1 mil(1 000 分の 1 インチ)の円の面積である。
これらの用語は,一般的に北米において電線寸法表示に用いる。

2.6.3.4 

接地導体及びその接続箇所の抵抗値 

接地導体及びその接続箇所は,過大な抵抗値をもってはならない。

保護接地導体は,試験することなく適合するとみなす。

表 3B3.2.5 参照)の最小導体寸法を全長にわたって満足し,かつ,それらの端子の全てが表 3E3.3.5

参照)の最小寸法に適合する保護ボンディング導体は,試験することなく適合するとみなす。

適否は,目視検査,測定,及び表 3B3.2.5 参照)の中の最小導体寸法に全長にわたって一部でも適合

しない保護ボンディング導体又は表 3E3.3.5 参照)の最小寸法に適合しない保護ボンディング導体の端

子が一つでもある場合は次の試験によって判定する。

保護ボンディング導体の電圧降下は,次に規定する時間の試験電流導通後に測定する。試験電流は,交

流でも直流でもよく,試験電圧は,

12 V 以下とする。測定は,主保護接地端子と 2.6.1 によって接地を要

求された機器の中の

1 点との間で行う。保護接地導体の抵抗値は,この測定には含まない。ただし,保護

接地導体が機器とともに提供される場合は,その導体を試験回路に含めてよいが,電圧降下の測定は,主

保護接地端子と接地が要求される部分との間でだけ行う。

部分組立品又は別個のユニットに対する保護接地接続をその部分組立品又はユニットに電源を供給する

多芯ケーブルの

1 本の芯線で行っている機器では,そのケーブルの中の保護ボンディング導体の抵抗値は

測定には含まない。ただし,このオプションは,ケーブルが導体の寸法を考慮した適切な定格の保護デバ

イスによって保護されている場合だけに適用する。

保護回路自体が 2.9.4 e)に基づく接地によって SELV 回路又は TNV 回路を保護する場合は,抵抗及び電

圧降下の限度値を,保護回路の接地側と主保護接地端子との間に適用する。


62

C 6950-1:2016

回路が接地された変圧器の巻線による保護回路で保護されている場合は,抵抗及び電圧降下の限度値を,

巻線の接地されていない側と主保護接地端子との間に適用する。一次巻線と二次巻線との間の基礎絶縁は,

5.3.7 及び 1.4.14 で要求される単一故障試験の対象とはしない。

測定プローブの先端と被試験導体部との間の接触抵抗値が試験結果に影響を与えないように注意しなけ

ればならない。

試験電流,試験時間及び試験結果は,次による。

a)

主電源から電力を受ける機器で,供試回路の保護電流定格が

16 A 以下の場合(2.6.3.3 参照)には,保

護電流定格の

200 %の試験電流を 120 秒間流す。

電圧降下から算出した保護ボンディング導体の抵抗値は,

0.1 Ω を超えてはならない。試験後,保護

ボンディング導体に損傷があってはならない。

b)  交流主電源から電力を受ける機器で,供試回路の保護電流定格が 16 A を超える場合には,試験電流は

保護電流定格の

200 %とし,試験時間は表 2E による。

表 2E-交流主電源から電力を受ける機器の試験時間 

回路の保護電流定格(I

pc

A

試験時間

min

30 以下 2

 30 を超え 60 以下 4 
 60 を超え 100 以下 6 
 100 を超え 200 以下 8

200 を超え 10

保護ボンディング導体の電圧降下は,

2.5 V を超えてはならない。試験後,保護ボンディング導体に

損傷があってはならない。

c)

b)の代替として,試験は,保護ボンディング導体の故障電流を制限する過電流保護デバイスの時間-

電流特性に基づいてもよい。このデバイスは,供試機器に備えられたもの,又は設置指示書に明示し

た機器の外部に備えられたもののいずれかとする。試験は,保護電流定格の

200 %とし,時間-電流

特性の

200 %に相当する時間で実施する。200 %の時間-電流特性が与えられていない場合は,その時

間-電流特性に最も近い点を用いる。

保護ボンディング導体の電圧降下は,

2.5 V を超えてはならない。試験後,保護ボンディング導体に

損傷があってはならない。

d)  直流主電源から電力を受ける機器で,供試回路の保護電流定格が 16 A を超える場合には,試験電流及

び時間は製造業者が明示した値とする。

保護ボンディング導体の電圧降下は,

2.5 V を超えてはならない。試験後,保護ボンディング導体に

損傷があってはならない。

e)

2.6.1 d)に適合するために備えられた保護ボンディング導体の場合,ネットワーク線又はケーブル分配

システムの通常動作状態の下で得られる最大電流(既知の場合)の

150 %,ただし 2 A 以上の試験電

流を

120 秒間流す。保護ボンディング導体の電圧降下は,2.5 V を超えてはならない。

2.6.3.5 

絶縁物の色 

機器とともに提供される電源コードの保護接地導体の絶縁物は,緑と黄との組合せでなければならない。

ただし,この要求事項は,プラグ及びコネクタとともに一体成形した電源コード(コードセット)のシー

スで覆われた内部の導体には適用しない。


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保護ボンディング導体が絶縁されている場合,その絶縁物は,次の場合を除き,緑と黄との組合せでな

ければならない。

  接地編組線において,絶縁物は,緑と黄との組合せ又は透明でなければならない。

  組立品の保護ボンディング導体,例えば,リボンケーブル,バスバー,プリント配線などにおいては,

導体の使用に誤解が生じなければどのような色でもよい。

2.6.2 で許容するものを除き,緑と黄との組合せは,保護接地導体及び保護ボンディング導体の識別だけ

に用いる。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.4 

端子 

2.6.4.1 

一般要求事項 

2.6.4.2 及び 2.6.4.3 の要求事項は,

2.6.1 の a)

b)及び c)に適合するために設けた保護接地端子に適用する。

注記

  端子に関連した追加要求事項については,3.3 を参照する。

3.3 に適合する端子は,2.6.1 の d)e)及び f)に適合する保護接地用として十分である。

2.6.4.2 

保護接地及びボンディング端子 

保護接地をもつことを要求する機器は,主保護接地端子をもたなければならない。着脱式電源コードを

もつ機器の場合は,機器用インレットの接地端子を主保護接地端子とみなす。クラス

0I 機器で別に保護接

地端子を備えている場合は,この保護接地端子を主保護接地端子としてもよい。

機器が複数の電源供給接続をもつ場合(例  異なる電圧若しくは周波数,又はバックアップ電源として)

は,それぞれの電源供給接続に関連する主保護接地端子をもってもよい。そのような場合,端子は関連す

る電源供給入力の定格に従って寸法を決めなければならない。

端子は,導体の偶然による緩みに対処するように設計しなければならない。ピラー端子の中には例外は

あるが,通常,一般的に通電用端子として用いるものは,この要求事項に適合する弾性を十分もっている

ものとみなす。他の方法を用いる場合は,不用意に外れるおそれがないように,十分な弾性をもつ部品を

用いるなどの特別な方法を備えなければならない。

次の場合を除き,全てのピラー形,スタッド形又はねじ式の保護接地端子及び保護ボンディング端子は,

表 3E3.3.5 参照)の最小要求寸法に適合しなければならない。

表 3E3.3.5 参照)に従わない保護ボンディング導体用端子は,その端子を用いた保護ボンディング導

体の経路に対し,2.6.3.4 の試験を適用する。

恒久接続形機器の主保護接地端子は,次による。

  電源接続時に容易にアクセス可能な位置になければならない。

 7

mm

2

(直径

3 mm)よりも太い保護接地導体が要求される場合は,ピラー形,スタッド形,ねじ式,

ボルト式又はこれらに類する端子を必要な固定手段とともに,工場出荷時に備えなければならない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

2.6.4.3 

保護ボンディング導体からの保護接地導体の分離 

同一のバスバーにあってもよいが,分離した配線用端子を備えなければならない。保護接地導体のため

1 個又は複数の端子がある場合,1 個は保護接地導体用で,残りは保護ボンディング導体用でなければ

ならない。

なお,非着脱式電源コードをもつ恒久接続形機器及び特殊用非着脱式電源コードをもつプラグ接続形機

器で,保護接地導体用の配線端子を保護ボンディング導体の配線端子からナットによって分離する場合は,

ねじ式又はスタッド形の単一配線端子を許容する。保護接地導体及び保護ボンディング導体の配線端子の


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重ねる順序は,規定しない。

機器用インレットがある機器も,単一の配線用端子を許容する。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.5 

保護接地の完全性 

2.6.5.1 

機器の相互接続 

相互接続された機器のシステムにおいては,システム内における機器の配置に関係なく,保護接地接続

が必要な全ての機器での保護接地接続を確保しなければならない。

システム内の他の機器に対する保護接地回路の継続性を保持するため,保護ボンディング導体を含む機

器には,図記号    [IEC 60417-5172(2003-02)]を表示してはならない。

そのような機器は,システム内の他の機器に電源も供給しなければならない(2.6.5.3 参照)。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.5.2 

保護接地導体及び保護ボンディング導体内のコンポーネント 

保護接地導体及び保護ボンディング導体は,スイッチ又は過電流保護デバイスを含んではならない。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.5.3 

保護接地の切離し 

ユニット又はシステム内の一点で保護接地を切り離した場合,関連する危険が切離しと同時に除去でき

ないときは,保護接地接続の切離しによって他の部品又はシステム内のユニットの保護接地接続を切り離

してはならない。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.5.4 

操作者が取り外せる部品 

クラス

I 機器の保護接地接続は,次のいずれの場合にも,接続を行うときには電源よりも先に接続し,

また,外すときには電源接続が外れた後で接続が外れなければならない。

  操作者が取り外せる部品のコネクタ

  電源コードのプラグ

  機器用カプラ

適否は,目視検査によって判定する。

注記

  クラス 0I 機器では,この要求事項の代わりに注意表示を要求している。(1.7.14A 参照)

2.6.5.5 

サービス中に取り外される部品 

保護接地接続を外すことなく修理点検などのサービスができなければならない。ただし,それを外すと

同時に関連する危険も取り除くように保護している部分を除く。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.5.6 

耐腐食性 

保護接地用端子及び保護ボンディング用端子並びに接続部に接触している導電部は,機器とともに提供

される説明書に明示した動作,保管又は輸送時の環境条件において,電気化学反応による腐食が生じては

ならない。附属書 の分割線から上側の組合せを避けなければならない。適切なめっき又は塗装加工によ

って,耐腐食性を達成してもよい。

適否は,目視検査,及び電気化学による電位表(附属書 J)を参照することによって判定する。

2.6.5.7 

保護ボンディング用のねじ 

注記

  次の要求事項は,3.1.6 に追加されるものである。

セルフタッピング(スレッドカッティング及びスレッドフォーミング)及びスペーススレッド(シート


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メタル)タイプのねじは,保護ボンディング用として用いてもよい。ただし,その接続部分をサービス中

に外す必要があってはならない。

どのような場合でも,ねじを通す場所の金属部分の厚さは,ねじ山のピッチの

2 倍以上でなければなら

ない。金属部分を部分的に突き出して実効厚を増やしてもよい。

それぞれの接続のために,

2 個以上のねじを用いなければならない。ただし,ねじを通す部分の金属部

の厚さが,スレッドフォーミングタイプの場合は

0.9 mm 以上,スレッドカッティングタイプの場合は 1.6

mm 以上ある場合,セルフタッピングねじを 1 個用いるだけでもよい。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.5.8 

ネットワーク線又はケーブル分配システムへの依存 

保護接地は,ネットワーク線又はケーブル分配システムに依存してはならない。

適否は,目視検査によって判定する。

2.6.5.8A  クラス 0I 機器の接地 

保護接地用口出線付きプラグは,プラグの定格電圧が

150 V 以上の機器に用いてはならない。

保護接地用口出線付きプラグの保護接地用口出線は,クリップによって接地してはならない。

クラス

0I 機器は,保護接地端子又は保護接地用口出線を外部の見やすい位置に配置しなければならない。

2.7 

一次回路における過電流及び地絡に対する保護 

2.7.1 

基本要求事項 

過電流,短絡及び地絡に対する一次回路の保護を,機器の一部又は建造物の設備の一部を用いて備えな

ければならない。

タイプ

B プラグ接続形機器又は恒久接続形機器を機器の外部にある保護デバイスで保護する場合は,機

器の設置指示書にそのことを記載し,かつ,短絡保護若しくは過電流保護,又は必要な場合は両方の保護

に対する要求事項を明記しなければならない。

注記

 CENELEC 加盟国及び中国では,特別な場合を除いて,機器の部分として 5.3 の要求事項に適合

させるために必要な保護デバイスを備えている必要がある。

適否は,目視検査によって判定する。

2.7.2 5.3.7 で模擬されない故障 

5.3.7 で模擬されない故障(例  一次回路の配線の保護接地への短絡)に対する保護は,機器の一部とし

て機器に備える必要はない。

適否は,目視検査によって判定する。

2.7.3 

短絡に対するバックアップ保護 

短絡に対する適切なバックアップ保護ができていない場合は,保護デバイスは流れる可能性がある最大

故障電流(短絡電流を含む。)を遮断するのに十分な遮断容量をもたなければならない。

恒久接続形機器又はタイプ

B プラグ接続形機器の場合は,建造物の設備の中にバックアップ短絡保護を

設けることができる。

タイプ

A プラグ接続形機器の場合は,建造物の設備にバックアップ短絡保護が設けてあるものとみなす。

注記

  一次回路に IEC 60127 の規格群に適合するヒューズが用いられる場合であって,予測される短

絡電流が

35 A 又はそのヒューズの電流定格の 10 倍のいずれか高い方を超える場合は,そのヒ

ューズは高遮断容量(

1 500 A)をもつことが望ましい。

適否は,目視検査及び 5.3 の試験によって判定する。


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2.7.4 

保護デバイスの数及び取付場所 

一次回路の保護システム又は保護デバイスは,故障電流が流れる通路(例  相導体間,相導体と中性線

との間,相導体と保護接地導体との間,又は相導体と保護ボンディング導体との間)に過電流が流れた場

合に,それを検知し,その過電流を遮断するのに必要な数だけ,必要な場所に取り付けなければならない。

機器が次のいずれかに該当する場合は,機器内の地絡故障に対する保護は要求しない。

  大地への接続がない場合

  一次回路と大地に接続した全ての部分との間に二重絶縁又は強化絶縁がある場合

注記 1  二重絶縁又は強化絶縁を備えている場合は,大地への短絡は二つの故障と考える。

2 本以上の相導体で負荷に電力を供給する場合であって,保護デバイスによって中性線を遮断する場合

は,その他の全ての電源導体も同時に遮断しなければならない。したがって,この場合,単極保護デバイ

スは用いてはならない。

適否は,目視検査及び必要な場合は単一故障状態を模擬することによって判定する(1.4.14 参照)。

注記 2  保護デバイスが機器の一部として備わっている場合,通常の電力系統において故障電流を遮

断するのに必要なヒューズ又はサーキットブレーカの極数及びその取付場所に関する事例と

しては,単相機器又は部分組立品については表 2F が,また,三相機器については表 2G があ

る。それらの事例は,機器の外部にある保護デバイスには必ずしも当てはまらない。

表 2F-単相機器又は部分組立品の保護デバイスの事例 

機器への電源接続

保護の対象

ヒューズの最小個数又はサー
キットブレーカの極の最小極

取付場所

事例

A:

次の事例

C を除き,接地した中性線が確実

に識別できる電力系統に接続する機器。

地絡

 1

相導体

過電流

 1

二つの導体のいずれか

事例

B:

次の事例

C を除き,IT 電力系統及び無極性

プラグをもつ電源を含むあらゆる電源に
接続する機器。

地絡

 2

両方の導体

過電流

 1

二つの導体のいずれか

事例

C:

接地した中性線が確実に識別できる

3 線式

の電力系統に接続する機器。

地絡

 2

各々の相導体

過電流

 2

各々の相導体

表 2G-三相機器の保護デバイスの事例 

電力系統

電源電
線の数

保護の対象

ヒューズの最小個数又はサー
キットブレーカの極の最小極

取付場所

中性線がない三相

 3

地絡

 3

三つの導体全て

過電流

 2

任意の二つの導体

中性線を接地したもの

TN 又は TT)

4

地絡

 3

各々の相導体

過電流

 3

各々の相導体

中性線を接地していないもの

 4  地絡 4

四つの導体全て

過電流

 3

各々の相導体

2.7.5 

複数のデバイスによる保護 

保護デバイスを電源の複数の極に用いる場合,その保護デバイスは同じ場所に取り付けなければならな

い。

2 個以上の保護デバイスを 1 個の部品として組み合わせてもよい。


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適否は,目視検査によって判定する。

2.7.6 

サービス従事者に対する警告 

次の両方に該当する場合は,サービス従事者に起こる可能性がある危険を警告するために適切な表示を

機器に備えるか,又はサービス指示書の中にその内容を記載しなければならない。

  恒久接続又は有極性プラグ付きの単相機器の中性線にヒューズを用いている。

  ヒューズの動作後にもエネルギーが残っている機器の部分が,サービス中の危険を生じさせる可能性

がある。

次の用語又はこれと同等の用語は,適切とみなす。

注意

両極/中性線にヒューズあり

この表示の代わりに,次に示す JIS S 0101 の 6.2.4 の感電注意の図記号と,IEC 60417-5016(2002-10)

のヒューズの図記号及びヒューズが中性線

N に挿入されている表示とを組み合わせたものを表示してもよ

い。ただし,この場合,その説明は,サービス指示書にも記載しなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

2.8 

安全インタロック 

2.8.1 

一般原則 

操作者アクセスエリアにこの規格でいう危険が通常存在する場合は,安全インタロックを備えなければ

ならない。

適否は,目視によって検査する。

2.8.2 

保護要求事項 

安全インタロックは,図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)が危険部分に触れることができるところ

までカバー,扉などが開かないうちに危険を除去する設計でなければならない。

感電,放射(4.3.13 参照)及びエネルギーによる危険に対する保護のためには,カバー,扉などを取り

外したり,開けたり,引き出したりするには,次のいずれかでなければならない。

  そのような部分への電力供給の事前停止を必要とする。

  そのような部分への電源供給を自動的に遮断し始め,2 秒以内に電圧がピーク 42.4 V 又は直流 60 V 以

下であって,かつ,エネルギーレベルが

20 J 未満になる。

惰性で動き続ける可動部であって,機械的危険が引き続き存在する場合(例  回転する印刷ドラム)に

は,カバー,扉などを取り外したり,開けたり,引き出したりするには,次のいずれかでなければならな

い。

  安全とみなせる水準に達するまで,事前に動きを減少する必要がある。

  安全とみなせる水準に達するまで,自動的にその動きが減少し始める。

適否は,目視検査,測定,及び図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)による試験によって判定する。

2.8.3 

不慮の危険の再発生 

安全インタロックは,カバー,防護物,扉などが閉位置以外の状態で,何かの拍子に危険が再び発生し

ないように設計しなければならない。

図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)によって操作することができるアクセス可能な安全インタロッ

クは,何かの拍子に危険を再び発生するおそれがあるものとみなす。


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安全インタロックスイッチは,何かの拍子に不安全な状態を発生しないように,通常動作で生じる機械

的衝撃力及び振動を考慮して選択しなければならない。

適否は,目視検査及び必要な場合は図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)による試験によって判定す

る。

2.8.4 

故障時の安全動作 

安全インタロックシステムは,次のいずれかに適合するように設計及び構成しなければならない。

  機器の通常の寿命期間中に,安全インタロックシステムは故障せず,たとえ故障した場合でも,極度

の危険が生じてはならない。

  機器の通常の寿命期間中に,安全インタロックシステムが故障する可能性がある場合,予想される故

障モードは保護を必要とする危険を生じてはならない。

極度の危険に対する保護については,二つの安全インタロックシステムを用いた冗長システムにするか,

又は単一の安全インタロックシステム回路内の固定した分離距離(例  プリント配線板に関連したもの)

が強化絶縁に関する要求事項に適合しなければならない。

注記

  安全インタロックシステムは,危険な部分を直接遮断できるコンポーネント(例  リレーコイ

ルを含むリレーの接点,スイッチ)及び駆動回路の部分を構成するその他の部分(例  プリン

ト配線板上に取り付けたもの)から構成しているものと考える。

適否は,安全インタロックシステムの目視検査,回路図及び利用できるデータの評価,並びに必要な場

合は単一故障(1.4.14 参照)を模擬すること(例  半導体デバイス又は電子機械コンポーネントの故障)

によって判定する。機械的及び電子機械的システムの中にある可動機械部品は,2.8.5 及び 2.8.7 に適合す

る場合,単一故障の模擬を適用しない。極度の危険に対する保護ではない安全インタロックシステム回路

における固定した分離距離(例  プリント配線板に関連したもの)は,この分離距離が 2.8.7.1 に適合して

いる場合,単一故障の模擬を適用しない。

試験には,模擬安全インタロックシステムを用いてもよい。

2.8.5 

可動部品 

機械的及び電子機械的安全インタロックシステムの中にある可動機械部品は適切な耐久力をもたなけれ

ばならない。

適否は,安全インタロックシステムの目視検査,利用できるデータの評価,及び必要な場合は安全イン

タロックシステムに

10 000 回のサイクル試験を行ったとき,安全モード以外の故障を起こさないかどうか

を確認することによって判定する。

注記

  上記の試験は,安全インタロックスイッチ及びリレーの可動部を除いたインタロックシステム

の可動部の耐久力を検査するために行う。安全インタロックスイッチ及びリレーに対しては

2.8.7 に準じる。上記の試験に追加して 2.8.7.3 の試験が要求される場合は,それらの試験は組み

合わせて行うのがよい。

2.8.6 

解除 

サービス従事者が安全インタロックを解除する必要がある場合,解除システムは次の全てに適合しなけ

ればならない。

  作動させるために意図的な作業が必要となる。

  保守作業が完了したときに通常動作に自動的に復帰するか,又はサービス従事者が安全インタロック

を復帰しない限り通常動作にならない。

  操作者アクセスエリアにあるときは作動させるのに工具を必要とし,図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1


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参照)で作動できない。

  極度の危険がある場合,安全インタロックをバイパスしたときに他の信頼できる安全保護手段が機能

しない限り,安全インタロックをバイパスしない。機器は,他の保護手段が完全に置き換わって機能

するまでは,安全インタロックをバイパスすることができないような設計になっている。

適否は,目視検査によって判定する。

2.8.7 

スイッチ,リレー及び関連回路 

安全インタロックシステム内のスイッチは,次のいずれかに適合しなければならない。

  JIS C 4526-1 に従った 10 000 回の動作サイクルの評価に合格する。

  2.8.7.1 に適合し,かつ,2.8.7.3 及び 2.8.7.4 の試験に合格する。

  2.8.7.22.8.7.3 及び 2.8.7.4 の試験に合格する。

安全インタロックシステム内のリレーは,次のいずれかに適合しなければならない。

  2.8.7.1 に適合し,2.8.7.3 及び 2.8.7.4 の試験に合格する。

  2.8.7.22.8.7.3 及び 2.8.7.4 の試験に合格する。

適否は,目視検査及び 2.8.7.12.8.7.4 の関連する試験によって判定する。

2.8.7.1 

接点及び関連回路の分離距離 

接点及び関連回路が一次回路にある場合,これらの分離距離は,遮断デバイス(3.4.2 参照)の接点分離

距離以上でなければならない。接点及び関連回路が一次回路以外にある場合の分離距離は,二次回路内の

基礎絶縁に対して 2.10.3(又は附属書 G)に規定する関連の最小空間距離以上でなければならない。

適否は,利用可能なデータの評価及び必要な場合は測定によって判定する。

2.8.7.2 

過負荷試験 

安全インタロックシステム内のスイッチ又はリレーの接点は,使用状態の

150 %の電流を流して,開閉

1 分間に 6~10 サイクルの割合で 50 サイクル動作させる過負荷試験を行う。

ただし,接点がモータ負荷を開閉している場合,モータの回転子を拘束状態にして試験を行う。試験後,

スイッチ又はリレーを含む安全インタロックシステムは機能しなければならない。

2.8.7.3 

耐久試験 

安全インタロックシステム内のスイッチ又はリレーの接点は,使用状態の

100 %の電流を流して,開閉

1 分間に 6~10 サイクルの割合で動作させる耐久試験に耐えなければならない。製造業者の要求がある

場合,より高いサイクル数をかけてもよい。

ELV 回路,SELV 回路及び TNV-1 回路にある安全インタロッ

クシステム内のリードスイッチの試験は,

100 000 サイクルの動作を行う。その他の安全インタロックシス

テム内のスイッチ及びリレーの試験は,

10 000 サイクルの動作を行う。試験後,スイッチ又はリレーを含

む安全インタロックシステムは,機能しなければならない。

2.8.7.4 

耐電圧試験 

2.8.7.2 及び/又は 2.8.7.3 の試験後,ELV 回路,SELV 回路及び TNV-1 回路に用いているリードスイッチ

を除き,5.2.2 に規定する耐電圧試験をスイッチ及びリレーの接点間に行う。接点が一次回路にある場合,

試験電圧は強化絶縁に対して規定する値とする。接点が一次回路以外にある場合,試験電圧は一次回路に

ある基礎絶縁に対して規定する値とする。

2.8.8 

機械的連動部 

機械的安全インタロックシステム内の連動部分が安全に関与している場合は,それが過度のストレスを

受けないことを確保するための予防措置を施さなければならない。コンポーネント設計でこの要求事項を

満足できない場合,連動部の動作範囲を超えた動きは,例えば,取付け若しくは配置,又は調節によって


70

C 6950-1:2016

最大値の

50 %以内に制限しなければならない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

2.9 

電気絶縁 

2.9.1 

絶縁材料の特性 

絶縁材料の選択及び使用に当たっては,電気的,熱的及び機械的強度,動作電圧の周波数並びに動作環

境(温度,気圧,湿度及び汚損度)を考慮しなければならない。

天然ゴム,吸湿性材料及び石綿(アスベスト)を含む材料は,絶縁物として用いてはならない。

ドライブベルト及び連結器は,それらが不適切に交換されるリスクがないように特別に設計していない

限り,電気絶縁を確保するものとはみなさない。

適否は,目視検査及び必要な場合はその材料のデータの評価によって判定する。

その材料の非吸湿性をデータで確認できない場合の材料の吸湿性は,必要に応じて,当該の絶縁材料を

用いるコンポーネント又は部分組立品に 2.9.2 の湿度処理を施すことによって決定する。その後,その材

料は,規定の温度に設定した恒湿槽又は室内に入れた状態で 5.2.2 の耐電圧試験を行う。

2.9.2 

湿度処理 

2.9.12.10.8.32.10.10 又は 2.10.11 で要求する場合,湿度処理は,相対湿度(93±3)%の空気を含んだ

恒温槽又は室内で継続して

48 時間行う。サンプルを置くいかなる場所でも空気の温度は,結露が生じない

20~30  ℃の任意の値 とし,変動を±2  ℃以内に保つ。この処理の間は,コンポーネント又は部分組立品

には通電しない。

熱帯条件で用いる機器の湿度処理は,を 40 とし,(40±2)℃の温度及び(93±3)%の相対湿度で,継

続して

120 時間行う。

製造業者の同意があるときは,湿度処理の継続時間を長くしてもよい。

湿度処理の前に,サンプルは t  ℃と(t+4)℃との間の温度にしておく。

2.9.3 

絶縁の等級 

絶縁の用途として,機能絶縁,基礎絶縁,付加絶縁,強化絶縁又は二重絶縁があることを考慮しなけれ

ばならない。

多くの一般的状況下での絶縁の適用例については,表 2H に説明及び図 2H に図示しているが,他の状

況及び解決策も可能とする。これらは参考例であり,絶縁の必要なレベルはより高いか,又は低い場合も

ある。異なったグレードのものが必要な場合,又はエネルギーをもった部品のある特定の組合せが参考例

の中に記載されていない場合は,絶縁に必要な等級は単一故障による影響を考慮して決めることが望まし

い(1.4.14 参照)。これによって,感電に対する保護要求事項に合致することになる。

ある状態においては,安全レベルが維持される場合,絶縁は導電通路(例  1.5.61.5.72.2.42.3.4 

は 2.4.3 を適用する場所)で短絡してもよい。

二重絶縁は,基礎絶縁と付加絶縁とを置き換えてもよい。二重絶縁を用いる場合,絶縁の全体的なレベ

ルが維持されるときは基礎絶縁と付加絶縁との間に

ELV 回路又は接地していない導電部が存在してもよ

い。

次のいずれかの部分である場合,境界表面は非接地の

SELV 回路として取り扱う。

  非接地の導電性エンクロージャ

  非導電性エンクロージャ

適否は,目視検査によって判定する。


71

C 6950-1:2016

表 2H-絶縁の適用例 

絶縁の等級

絶縁の場所(

A~B 間)

図 2H 

記号

A B

機能絶縁

a)

  接地していない SELV 回路,又は

二重絶縁した導電部

  接地した導電部

  二重絶縁した導電部

  接地していない SELV 回路

  接地した SELV 回路

  接地した TNV-1 回路

F1 
F2 
F2 
F1 
F10

f)

接地した

SELV 回路

  接地した SELV 回路

  接地した導電部

  接地していない TNV-1 回路

  接地した TNV-1 回路

F11 
F11 
F12

f)

F13

f)

ELV 回路又は基礎絶縁した導電部 -  接地した導電部

  接地した SELV 回路

  基礎絶縁した導電部

 ELV 回路

F3 
F3 
F4 
F4

接地した危険電圧二次回路

  接地した危険電圧二次回路 F5

TNV-1 回路

 TNV-1 回路 F7

TNV-2 回路

 TNV-2 回路 F8

TNV-3 回路

 TNV-3 回路 F9

変圧器巻線の直列-並列部分間

 F6

基礎絶縁

一次回路

  接地した,又は接地していない危険電圧

二次回路

  接地した導電部

  接地した SELV 回路

  基礎絶縁した導電部

 ELV 回路

B1 
 
B2 
B2 
B3 
B3

接地した,又は接地していない危
険電圧二次回路

  接地していない危険電圧二次回路

  接地した導電部

  接地した SELV 回路

  基礎絶縁した導電部

 ELV 回路

B4 
B5 
B5 
B6 
B6

接地していない

SELV 回路,又は

二重絶縁した導電部

  接地していない TNV-1 回路

 TNV-2 回路

 TNV-3 回路

B7

f)

B8

d)

B9

d)e)

接地した

SELV 回路

 TNV-2 回路

 TNV-3 回路

B10

d)

B11

d)e)

TNV-2 回路

  接地していない TNV-1 回路

  接地した TNV-1 回路

 TNV-3 回路

B12

d)e)

B13

d)f)

B14

f)

TNV-3 回路

  接地していない TNV-1 回路

  接地した TNV-1 回路

B12 
B13

d)

付加絶縁

 ELV 回路又は基礎絶縁した導電部 -  二重絶縁した導電部

  接地していない SELV 回路

S1

b)

S1

b)

TNV 回路

  基礎絶縁した導電部

 ELV 回路

S2 
S2

付加絶縁又
は強化絶縁

接地していない危険電圧二次回路

  二重絶縁した導電部

  接地していない SELV 回路

 TNV 回路

S/R1

c)

S/R1

c)

S/R2

c)


72

C 6950-1:2016

表 2H-絶縁の適用例(続き) 

絶縁の等級

絶縁の場所(

A~B 間)

図 2H 

記号

A B

強化絶縁

一次回路

  二重絶縁した導電部

  接地していない SELV 回路

 TNV 回路

R1 
R1 
R2

接地した危険電圧二次回路

  二重絶縁した導電部

  接地していない SELV 回路

 TNV 回路

R3 
R3 
R4

“導電部”という用語は,次を満たす導電性部分を意味する。

  通常,通電されていない部分

  次のいかなる部分にも接続されていない部分

  危険電圧回路

 ELV 回路

 TNV 回路

 SELV 回路

  制限電流回路

このような導電部の例としては,機器の器体,変圧器の鉄芯,及び場合によっては,変圧器内部の導電性

遮蔽物がこれに該当する。

上記の導電部は危険電圧部分からの保護レベルによって,次のように定義する。

  二重絶縁又は強化絶縁によって保護する場合,“二重絶縁した導電部”という。

  基礎絶縁及び保護接地によって保護する場合,“接地した導電部”という。

  基礎絶縁によって保護しているが導電部を接地していない,すなわち,二段目のレベルの保護がない場

合,

“基礎絶縁した導電部”という。

2.6 の要求事項を満足するように(必ずしも接地電位である必要はない。

,保護接地端子又は保護接地接

点に接続している場合,その回路又は導電部は“接地した”という。そのように接続していない場合,その
回路又は導電部は“接地しない”という。

a)

  機能絶縁の要求事項は,5.3.4 による。

b)

 ELV 回路,又は基礎絶縁した導電部と接地しないアクセス可能な導電部との間の付加絶縁の動作電圧

は,この基礎絶縁にとって最も厳しい動作電圧に等しい。最も厳しい動作電圧は,一次回路に限らず
二次回路に起因する場合もあり,絶縁は該当する最も厳しい動作電圧に応じて規定されている。

c)

  接地しない危険電圧二次回路と接地しないアクセス可能な導電部又は回路との間の絶縁(図 2H 

S/R,S/R1 又は S/R2 参照)は,次のうち最も厳しい要求事項を満足しなければならない。 

  動作電圧が該当する危険電圧に等しい強化絶縁

  動作電圧が該当する危険電圧二次回路と次のいずれかの回路との間の電圧に等しい付加絶縁

  他の危険電圧二次回路

  一次回路

これらの例は,次の両方の場合に適用する。

  二次回路と一次側回路との間に基礎絶縁だけがある。

  二次回路と大地との間に基礎絶縁だけがある。

d)

  基礎絶縁は,要求されない場合がある(2.3.2.1 及び 2.10.5.13 参照)。

e)

  2.10 の要求事項を適用する。6.2.1 も参照する。

f)

  2.10 の要求事項は適用しないが,6.2.1 を参照する。


73

C 6950-1:2016

F  :機能絶縁 
S  :付加絶縁 
R  :強化絶縁

B  :基礎絶縁 
S/R  :表 2H の注

c)

参照(付加絶縁又は強化絶縁)

注記

  注

b)

~注

f)

については,表 2H の対応する注を参照する。

図 2H-絶縁の適用例 

2.9.4 

危険電圧からの分離 

SELV 回路,TNV 回路及びそれらに関連した巻線を含むアクセス可能な導電部分を危険電圧部分から分

離する場合,次の a)f)の構造であってもよい。絶縁(二重絶縁の場合,各々の絶縁)は,その部分間の


74

C 6950-1:2016

動作電圧又は該当する場合,要求耐電圧に適した定格でなければならない。

分離の方法は,方法

1~方法 3 の三つのグループに大別でき,次のいずれかによる。

a)  (方法 1)バリア,引き回し又は固定によって恒久的な分離を確保した二重絶縁又は強化絶縁

b)  (方法 1)分離する部分上又は分離する部分間に施した二重絶縁又は強化絶縁

c)

(方法

1)分離する部分の一方に施した基礎絶縁,及び他方に施した付加絶縁からなる二重絶縁

d)  (方法 2)危険電圧部分に基礎絶縁を施して,2.6.1  b)に従って主保護接地端子に接続した保護遮蔽を

伴ったもの

e)

(方法

3)危険電圧部分に基礎絶縁を施し,他方を 2.6.1 b)に従って主保護接地端子に接続することに

よって,関連する回路インピーダンス又は保護デバイスの動作によって,アクセス可能な部分の電圧

が限度値内に維持されるようにしたもの

f)

同等な分離を備えたあらゆる他の構造

注記 1  同等な分離を備えた他の構造の例は,表 2H 及び図 2H を参照する。

e)において,保護する回路自身以外の部分,例えば,保護する回路に給電する変圧器の二次側巻線を接

地することによって回路を保護してもよい。

注記 2  例えば,他の機器への接続によって回路が別の箇所で接地される可能性がある場合,その結

果を考慮することが望ましい。

適否は,目視検査によって判定する。

2.10  空間距離,沿面距離及び絶縁物を通しての距離 

2.10.1  一般事項 

一般に,2.10.1 の適否は,目視検査及び必要な場合は測定によって判定する。

2.10.1.1  周波数 

2.10 に規定する絶縁要求事項は,30 kHz 以下の周波数に適用する。この要求事項を追加データが入手で

きるまで

30 kHz を超える周波数で動作する絶縁に対して適用してもよい。

注記

  周波数に関連した絶縁特性の情報については,JIS C 60664-1 及び JIS C 60664-4 を参照する。

2.10.1.2  汚損度 

汚損度は,次のように分類する。

  汚損度 1 は,汚損がない,又は乾燥した非導電性の汚損だけに適用する。汚損による影響はない。通

常,汚損度

1 は,じんあい及び湿気が入らないようにコンポーネント及び部分組立品を包み込む又は

密封することによって適切に囲うことで達成される(2.10.12 参照)。

  汚損度 2 は,非導電性の汚損であって時折の結露によって一時的に導電性になる可能性がある場合に

限り適用する。一般に,この規格の適用範囲内の機器に当てはまる。

  汚損度 3 は,機器内部で局所的に導電性の汚損にさらされる場合,又は予期される結露によって導電

性となるおそれのある乾燥した非導電性の汚損にさらされる場合に適用する。

2.10.1.3  機能絶縁に対する緩和値 

5.3.4 a)を適用する場合を除き,機能絶縁に対する空間距離及び沿面距離のいずれも最小値の要求はない。

注記

  機能絶縁の空間距離及び沿面距離が 2.10.32.10.4 及び附属書 に規定する値よりも小さい場

合,5.3.4 の b)又は c)の要求事項を適用する。

2.10.1.4  接続されていない導電部の介在 

コネクタの未使用接点などのような接続されていない(フローティング)導電部の介在によって,空間

距離及び沿面距離を分割してもよい。この場合,分割した各距離を合計した値は,規定する最小値を満足


75

C 6950-1:2016

しなければならない。表 F.1 及び図 F.13 を参照する。

2.10.1.5  規定値が一様でない絶縁 

巻線の長さに沿って変化する動作電圧をもつ変圧器の絶縁においては,空間距離,沿面距離及び絶縁物

を通しての距離は動作電圧に伴って変えてもよい。

注記

  このような構造の例として,直列に接続した複数のボビンからなる 30 kV の巻線で,一端を接

地したものがある。

2.10.1.6  特殊分離要求事項 

基礎絶縁を用いる場合を除いて,2.3.2 に適合するための分離,又は 6.1.2 若しくは 6.2.1 に適合するため

の分離には,2.10 及び附属書 の要求事項を適用しない。

注記

  表 2H の注

f)

も参照する。

2.10.1.7  起動パルス発生回路の絶縁 

放電ランプを点火するための起動パルスを発生する回路については,回路が 2.4 に適合する制限電流回

路の場合,機能絶縁の要求事項をその回路と他の導電部との間に適用する(5.3.4 参照)。

回路が制限電流回路でない場合は,基礎絶縁,付加絶縁及び強化絶縁の要求事項を沿面距離及び絶縁物

を通しての距離に適用する。空間距離は,2.10.3.5 による。

注記

  上記の場合の動作電圧については,2.10.2.1 i)を参照する。

2.10.2  動作電圧の決定方法 

一般に,この細分箇条の適否は,目視検査及び必要な場合は測定によって判定する。

2.10.2.1  一般要求事項 

動作電圧の決定においては,次の全ての条件及び要求事項を適用しなければならない(1.4.8 も参照)。

a)

接地していないアクセス可能な導電部は,接地されているものとみなす。

b)  変圧器巻線などの部分がフローティング(すなわち,対地電位をもつ回路に接続されていない)の場

合は,最大動作電圧が得られる点で接地されているものとみなす。

c)

2.10.1.5 で許容するものを除き,二つの変圧器巻線間の絶縁については,巻線に接続される外部電圧を

考慮して二つの巻線内の

2 点間の最大電圧を用いる。

d)  2.10.1.5 で許容するものを除き,変圧器の巻線と他の部分との間の絶縁については,巻線上の点と他の

部分との間の最大動作電圧を用いる。

e)

二重絶縁を用いている場合は,付加絶縁が短絡したと仮定して基礎絶縁両端の動作電圧を決定する。

同様に,基礎絶縁を短絡したと仮定して付加絶縁両端の動作電圧を決定する。変圧器巻線相互間の二

重絶縁に関して,この短絡は一方の絶縁に最大動作電圧を生じる点で発生するものとみなす。

f)

動作電圧を測定によって決定する場合,供試機器への入力電力は,定格電圧又は最大の測定値が得ら

れるような定格電圧範囲内の電圧で供給する。定格電圧又は定格電圧範囲の許容差は考慮しない。

注記

  対応国際規格の注記にある許容差の記載を規定文とした。

g)

一次回路のある部分と大地との間,及び一次回路のある部分と二次回路との間の動作電圧は,次の電

圧のいずれか高い方の値とみなす。

  定格電圧又は定格電圧範囲の上限電圧

  測定した電圧

h)  ネットワーク線に接続する TNV 回路の動作電圧を決定するときは,通常動作時の電圧を考慮する。

通常動作時の電圧が不明の場合は,次の値であるものとみなす。

 TNV-1 回路の場合は直流 60 V


76

C 6950-1:2016

 TNV-2 及び TNV-3 回路の場合は直流 120 V

電話の呼出シグナルは,動作電圧を決定するときには考慮しない。

i)

放電ランプを点灯させるために起動パルスを用いる場合,ピーク動作電圧は,ランプ接続状態で,ラ

ンプ点灯前のパルスのピーク値とする。最小沿面距離を決めるための実効値動作電圧は,ランプ点灯

後の測定電圧とする。

2.10.2.2  実効値動作電圧 

最小沿面距離は,実効値動作電圧による。

実効値動作電圧の決定は,次による。

  全ての波形に対し,測定した実効値を用いる。

  短時間の状態(例  TNV 回路の旋律呼出シグナル)は考慮しない。

  繰返し性のない過渡電圧(例  大気じょう乱)は考慮しない。

注記

  交流実効値電圧 及び直流オフセット電圧 をもつ波形の合成実効値 V

rms

は,次式で得られる。

(

)

2

2

rms

B

A

V

+

=

2.10.2.3  ピーク動作電圧 

最小空間距離及び耐電圧試験電圧は,ピーク動作電圧による。

ピーク動作電圧の決定は,次による。

  全ての波形に対し,測定したピーク値を用いる。直流電圧のあらゆるリップル(10 %以下)のピーク

値を含める。

  繰返し性のない過渡電圧(例  大気じょう乱)は考慮しない。

  一次回路と二次回路との間のピーク動作電圧を決定するときは,あらゆる ELV 回路,SELV 回路又は

TNV 回路(電話の呼出シグナルを含む。)の電圧は,全てゼロとみなす。

2.10.3  空間距離 

2.10.3.1  一般要求事項 

空間距離は,機器に流入する過渡電圧を含む過電圧,及び機器内で発生するピーク電圧によって空間距

離が絶縁破壊しないような寸法でなければならない。

特定のコンポーネント若しくは部分組立品又は機器全体に対して,ピーク動作電圧を用いる場合は,過

電圧カテゴリ

I 若しくは過電圧カテゴリ II に対する 2.10.3 の要求事項,又は要求耐電圧を用いる場合は,

過電圧カテゴリ

I,過電圧カテゴリ II,過電圧カテゴリ III 若しくは過電圧カテゴリ IV に対する附属書 G

の要求事項のいずれかを用いてもよい。

これらの要求事項は,海抜

2 000  m 以下で動作する機器に適用する。海抜 2 000  m を超える場所で動作

する機器の場合,最小空間距離は,JIS C 60664-1 の表 A.2 の値を乗じる。JIS C 60664-1 の表 A.2 の最も近

2 点間で線形内挿法を用いてもよい。この値を乗じて算出した最小空間距離の値は 0.1 mm 単位で切り

上げる。

注記 1  より高い過渡電圧には,関連した空間距離を適用するよりも,固体絶縁物で設計することが

実用的である。

注記 2  中国には 2 000 m を超える海抜で補正係数を選択する際の特別な要求がある。

最小空間距離は,次に規定する値以上でなければならない。

  床置形機器のエンクロージャ又は卓上形機器の垂直でない上面のアクセス可能な導電部と,危険電圧

が加わる部分との間の強化絶縁となる空隙に対しては,

10 mm


77

C 6950-1:2016

  タイプ A プラグ接続形機器のエンクロージャであって,アクセス可能な接地した導電部と危険電圧が

加わる部分との間の基礎絶縁となる空隙に対しては,

2 mm

注記 3  上記の二つの最小空間距離は,危険電圧が加わる部分と非導電性エンクロージャの境界表面

との間には適用しない。

2.8.7.1 によって要求される場合を除き,サーモスタット,温度過昇防止器,過負荷保護デバイス,マイ

クロギャップ構造のスイッチ,又はこれらに類するコンポーネントで,その接点間距離が変化する空隙に

は,規定の最小空間距離は適用しない。

注記 4  インタロックスイッチの接点間の空隙は,2.8.7.1 を参照する。遮断スイッチの接点間の空隙

は,3.4.2 を参照する。

コネクタの境界表面とそのコネクタ内の危険電圧に接続される導電部との間の空間距離は,強化絶縁の

要求事項に適合しなければならない。ただし,次の全てを満たすコネクタの場合は,これらの空間距離に

は,基礎絶縁の要求事項に適合すればよい。

  機器に固定する。

  機器の外部エンクロージャの内側に配置する。

  使用者が交換可能な部分組立品で,通常動作時には正しい位置にあることが必要なものを外した後に

限ってアクセス可能である。

注記 5  危険部品へのアクセスについての 2.1.1.1 の試験は,部分組立品を取り外した後のコネクタ

に適用する。

機器に固定しないコネクタを含め,コネクタ内の全ての他の空間距離については,2.10.3.3 又は 2.10.3.4

に規定する最小値を適用する。

上記の最小空間距離は,次のいずれのコネクタにも適用しない。1.5.2 も参照する。

  JIS C 8285 若しくは IEC 60309 の規格群,JIS C 8283 の規格群若しくは IEC 60320 の規格群,又は JIS 

C 8303 に適合するコネクタ

  上記の規格には適合しないが,同等以上の性能をもつコネクタであって,JIS C 8283 の規格群,JIS C 

8303 又は IEC 60309-2 の寸法規定に合致するもの

注記 6  技術基準の解釈の別表第四に適合するコネクタは,同等以上の性能をもつとみなされてい

る。

2.10.3.3 及び 2.10.3.4 の適否は,附属書 を考慮した測定によって判定する。この場合,次の条件を適用

する。

  可動部は最も不利な位置に置く。

  一般用非着脱式電源コードを用いる機器については,空間距離は 3.3.4 に規定する最大断面積の電源導

体を接続して測定する。さらに,導体を接続しない状態でも測定する。

注記 7  4.2.24.2.3 及び 4.2.4 に規定する,力を加える試験を適用する。

  エンクロージャのスロット若しくは開口部を通して,又はアクセス可能なコネクタの開口部を通して,

絶縁材のエンクロージャの境界表面からの空間距離を測定する場合,アクセス可能な表面であって,

それほどの力を加えることなしに図 2A に示すテストフィンガ(2.1.1.1 参照)で触れることができる

箇所は全て,金属はくによって覆われているかのように導電性とみなす(図 F.12 の接触点 X 参照)。

表 2M の注

c)

及び 5.3.4 b)で要求する場合を除き,空間距離の検証のための耐電圧試験は,行わない。

2.10.3.2  主電源過渡電圧 

主電源過渡電圧は,次による。


78

C 6950-1:2016

a)

交流主電源  交流主電源から電力を受ける機器の場合,主電源過渡電圧の値は過電圧カテゴリ及び交

流主電源電圧に依存する。一般に,交流主電源に接続することを意図する機器の空間距離は,過電圧

カテゴリ

II として設計しなければならない。

注記 1  過電圧カテゴリの決定のための更なる指針は,附属書 を参照する。

設置時に,その設計過電圧カテゴリを超える過渡過電圧にさらされるおそれがある機器は,機器の

外部に追加の保護を備えなければならない。この場合,設置指示書にはそのような外部保護の必要性

を記載しなければならない。

適用する主電源過渡電圧の値は,表 2J を用いて,過電圧カテゴリ及び交流主電源電圧から決定しな

ければならない。

表 2J-交流主電源過渡電圧 

単位

V

交流主電源電圧

a)

(次の値以下)

(実効値)

主電源過渡電圧

b)

(ピーク)

過電圧カテゴリ

I II

50 330

500

100 500

800

150

c)

 800

1 500

300

d)

 1 500

2 500

600

e)

 2 500

4 000

我が国では,公称交流主電源電圧

100 V に対する主電源過渡電圧の値は,交流主電源電圧 150

V の行を適用して決定する。 

a)

  中性線がない三相 3 線式に接続するように設計した機器の場合は,交流主電源電圧は相

導体間電圧である。中性線がある,他の全ての場合は,相導体-中性線間電圧である。

b)

  主電源過渡電圧は常に表内の値の一つである。補間してはならない。

c)

 120/208

V 及び 120/240 V を含む。

d)

 230/400

V 及び 277/480 V を含む。

e)

 400/690

V を含む。

注記 2  対応国際規格の注記は,我が国の規定であるため,表 2J に移動した。

b)  接地した直流主電源  直流主電源を保護接地に接続し,かつ,完全に単独の建造物内にある場合,主

電源過渡電圧は,ピーク

71 V とみなす。この接続が供試機器の中である場合,この接続は,2.6.1  e)

に従わなければならない。

注記 3  保護接地接続は,直流主電源の供給元若しくは機器の設置場所,又はその両方であっても

よい(ITU-T Recommendation K.27 参照)。

c)

接地しない直流主電源  直流主電源が保護接地に接続されず,かつ,上記 b)のような場所にある場合,

主電源過渡電圧は,その直流主電源を作るために用いる交流主電源の主電源過渡電圧に等しいとみな

す。

d)  電池駆動  外部主電源から充電する手段をもたない専用電池から電力を受ける機器の場合は,主電源

過渡電圧は,ピーク

71 V とみなす。

2.10.3.3  一次回路の空間距離 

一次回路内,一次回路と大地との間,及び一次回路と二次回路との間の絶縁に対しては,次の規定を適

用する。


79

C 6950-1:2016

実効値

300 V(ピーク 420 V)を超えない交流主電源の場合,次の a)又は b)による。

a)

ピーク動作電圧が交流主電源電圧のピーク値を超えない場合,最小空間距離は表 2K による。

b)  ピーク動作電圧が交流主電源電圧のピーク値を超える場合,最小空間距離は,次に規定する二つの値

の和とする。

  表 2K に基づく最小空間距離

  表 2L に基づく加算空間距離

注記

  表 2L を用いて得られる最小空間距離の値は,平等電界及び不平等電界に対して要求され

る値の間にある。その結果,本質的に不平等電界の場合は,該当する耐電圧試験に合格し

ない場合がある。

実効値

300 V(ピーク 420 V)を超える交流主電源については,最小空間距離は表 2K による。

表 2K-一次回路内,及び一次回路と二次回路との間の絶縁に対する最小空間距離 

空間距離の単位

mm

ピーク動作

電圧

(次の値以下)

V

主電源過渡電圧

1 500 V

c)

 2

V

c)

 4

000

V

c)

汚損度

1

b)

及び

2 3 1

b)

及び

2 3

1

b)

2 及び 3

F B,S

R

F

B,S

R

F

B,S

R

F  B,S R  F B,S

R

71

a)

 0.4 1.0

(0.5)

2.0

(1.0)

0.8 1.3

(0.8)

2.6

(1.6)

1.0

2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

1.3

2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

2.0 3.2

(3.0)

6.4

(6.0)

210

a)

 0.5 1.0

(0.5)

2.0

(1.0)

0.8 1.3

(0.8)

2.6

(1.6)

1.4

2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

1.5

2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

2.0 3.2

(3.0)

6.4

(6.0)

420

a)

F:1.5  B,S:2.0 (1.5)  R:4.0 (3.0)

2.5

3.2

(3.0)

6.4

(6.0)

840 F:3.0  B,S:3.2 (3.0)  R:6.4 (6.0)

1 400 F,B,S:4.2  R:6.4 
2 800 F,B,S,R:8.4 
7 000 F,B,S,R:17.5 
9 800 F,B,S,R:25

14 000 F,B,S,R:37 
28 000 F,B,S,R:80 
42 000 F,B,S,R:130

この表中の値は,基礎絶縁(

B),付加絶縁(S),強化絶縁(R),及び 5.3.4 a)で要求する場合(2.10.1.3 参照)は

機能絶縁(

F)に適用する。

括弧内の値は,R.2 に示す例と同じ保証レベル以上の品質管理プログラムに従って製造している場合に限り,基

礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁に適用する。二重絶縁及び強化絶縁に対しては,耐電圧のルーチン試験を行い,合
格しなければならない。

ピーク動作電圧が交流主電源のピーク電圧値を超える場合,最も近い

2 点間で線形内挿法を用いてもよい。この

場合,算出した最小空間距離の値は

0.1 mm 単位で切り上げる。

a)

  ピーク動作電圧が交流主電源のピーク電圧値を超える場合,交流主電源のピーク電圧値は,この表の値を適

用し,加算空間距離は,2.10.3.3 b)に従って表 2L を適用する。

b)

  汚損度 1 に対しては,2.10.10 の試験に合格することを要求しない。

c)

  主電源過渡電圧と交流主電源電圧との関係は,表 2J による。


80

C 6950-1:2016

表 2L-一次回路の加算空間距離 

空間距離の単位

mm

主電源過渡電圧

1 500 V

c)

 2

V

c)

汚損度

1

b)

及び

2

汚損度

3

機能絶縁

a)

基礎絶縁

又は

付加絶縁

強化絶縁

汚損度

1

b)

2 及び 3 機能絶縁

a)

基礎絶縁

又は

付加絶縁

強化絶縁

ピーク動作電圧

(次の値以下)

V)

ピーク動作電圧

(次の値以下)

V)

 210 (210)  210 (210)

0.0

0.0    420 (420)

0.0

0.0

 298 (288)  294 (293)

0.1

0.2    493 (497)

0.1

0.2

 386 (366)  379 (376)

0.2

0.4    567 (575)

0.2

0.4

 474 (444)  463 (459)

0.3

0.6    640 (652)

0.3

0.6

 562 (522)  547 (541)

0.4

0.8    713 (729)

0.4

0.8

 650 (600)  632 (624)

0.5

1.0    787 (807)

0.5

1.0

 738 (678)  715 (707)

0.6

1.2    860 (884)

0.6

1.2

 826 (756)  800 (790)

0.7

1.4    933 (961)

0.7

1.4

 914 (839)  885 (873)

0.8

1.6   1 006

(1 039)

0.8

1.6

1 002 (912)  970 (956)

0.9

1.8   1 080

(1 116)

0.9

1.8

 1 090  (990)   1 055 (1 039)

1.0

2.0

  1 153 (1 193)

1.0

2.0

 1 178 (1 068)   1 140 (1 122)

1.1

2.2

  1 226 (1 271)

1.1

2.2

 1 266 (1 146)   1 225 (1 205)

1.2

2.4

  1 300 (1 348)

1.2

2.4

 1 354 (1 224)   1 310 (1 288)

1.3

2.6

  1 374 (1 425)

1.3

2.6

2.10.3.3 b)によって要求される場合に,表 2K の空間距離にこの表の空間距離を加算して適用する。 
括弧内の値は,次の場合に用いる。

  表 2K の括弧内の値を用いる場合

  5.3.4 a)によって要求される場合の機能絶縁の場合

この表に示すピーク動作電圧範囲を超える電圧値については,線形外挿法を用いてもよい。

この表に示すピーク動作電圧範囲内の電圧値については,最も近い

2 点間で線形内挿法を用いてもよい。この場

合,算出した追加の最小空間距離の値は

0.1 mm 単位で切り上げる。

a)

  5.3.4 a)によって要求されない限り,機能絶縁に対する最小空間距離はない。2.10.1.3 を参照する。

b)

  汚損度 1 に対しては,2.10.10 の試験に合格することを要求しない。

c)

  主電源過渡電圧と交流主電源電圧との関係は,表 2J による。

2.10.3.4  二次回路の空間距離 

二次回路の最小空間距離は,表 2M によって決定する。

表 2M で用いるピーク動作電圧は,次のいずれかの値とする。

  正弦波電圧のピーク値

  非正弦波電圧の測定したピーク値

表 2M で用いる最大過渡過電圧は,次のいずれか高い方の値とする。

  2.10.3.6 又は 2.10.3.7 に従って決定した,主電源からの最大過渡電圧

  2.10.3.8 に従って決定した,ネットワーク線からの最大過渡電圧


81

C 6950-1:2016

表 2M-二次回路の最小空間距離 

空間距離の単位

mm

ピーク動作

電圧

(次の値以下)

V

二次回路の最大過渡過電圧(ピーク)

V)

71 以下 71 を超え,

800 以下

800 以下 800 を超え,1 500 以下 1

500 を超え,

2 500

a)

以下

汚損度

1

b)

及び

2 3

1

b)

及び

2 3

1

b)

2 及び 3

F B,S R  F B,S R  F

B,S

R

F

B,S

R

F

B,S R  F B,S

R

71 0.2

0.4

(0.2)

0.8

(0.4)

0.2 0.7

(0.2)

1.4

(0.4)

0.8

1.3

(0.8)

2.6

(1.6)

0.5

1.0

(0.5)

2.0

(1.0)

0.8

1.3

(0.8)

2.6

(1.6)

1.5 2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

140 0.2

0.7

(0.2)

1.4

(0.4)

0.2 0.7

(0.2)

1.4

(0.4)

0.8

1.3

(0.8)

2.6

(1.6)

0.5

1.0

(0.5)

2.0

(1.0)

0.8

1.3

(0.8)

2.6

(1.6)

1.5 2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

210 0.2

0.7

(0.2)

1.4

(0.4)

0.2 0.9

(0.2)

1.8

(0.4)

0.8

1.3

(0.8)

2.6

(1.6)

0.5

1.0

(0.5)

2.0

(1.0)

0.8

1.3

(0.8)

2.6

(1.6)

1.5 2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

280 0.2

1.1

(0.2)

2.2

(0.4)

F: 0.8  B,S: 1.4 (0.8)  R: 2.8 (1.6)

1.5  2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

420 0.2

1.4

(0.2)

2.8

(0.4)

F: 1.0  B,S: 1.9 (1.0)  R: 3.8 (2.0)

1.5  2.0

(1.5)

4.0

(3.0)

700 F,B,S: 2.5  R: 5.0 
840 F,B,S: 3.2  R: 5.0

1 400 F,B,S: 4.2  R: 5.0 
2 800 F,B,S,R:8.4

c)

7 000 F,B,S,R:17.5

c)

9 800 F,B,S,R:25

c)

14 000 F,B,S,R:37

c)

28 000 F,B,S,R:80

c)

42 000 F,B,S,R:130

c)

この表中の値は,基礎絶縁(

B),付加絶縁(S),強化絶縁(R),及び 5.3.4 a)によって要求される場合(2.10.1.3 

照)は機能絶縁(

F)に適用する。

最も近い

2 点間で線形内挿法を用いてもよい。この場合,算出した最小空間距離の値は 0.1 mm 単位で切り上げる。

空間距離の経路の一部が材料グループ

I 以外の物質の表面に沿っている場合は,試験電圧[注

c)

参照]は空隙及び材

料グループ

I をまたがる部分だけに適用する。他の絶縁材の表面に沿った経路の部分はバイパスする。

括弧内の値は,R.2 に示す例と同じ保証レベル以上の品質管理プログラムに従って製造している場合に限り,基礎絶

縁,付加絶縁又は強化絶縁に適用する。二重絶縁及び強化絶縁に対しては,耐電圧のルーチン試験を行い,合格しな
ければならない。

a)

  ピーク 2 500 V を超える過渡過電圧については,表 2K 又は附属書 を用いて最小空間距離を決定しなければな

らない。

b)

  汚損度 1 の場合,2.10.10 の試験は必要ない。

c)

  次のいずれかの試験電圧を用いた 5.2.2 に規定する耐電圧試験に合格する場合は,二次回路において,1 400  V

を超えるピーク動作電圧に対する最小空間距離は,

5 mm とする。

  実効値がピーク動作電圧の 106 %となる交流試験電圧(ピーク動作電圧の 150 %となる試験電圧ピーク値)

  ピーク動作電圧の 150 %に等しい直流試験電圧

2.10.3.5  起動パルスをもつ回路の空間距離 

放電ランプを点火させるための起動パルスを発生する回路であって,回路が 2.4 に適合する制限電流回

路でない場合(2.10.1.7 参照),空間距離は,次のいずれかの方法で決定する。

a)

附属書 に従って最小空間距離を決定する。

b)  次の手順のいずれかを用いて耐電圧試験を行う。試験中,ランプの端子は互いに短絡する。


82

C 6950-1:2016

  ピーク動作電圧の 150 %に等しい交流ピーク又は直流の試験電圧を用いた 5.2.2 に規定する試験を行

う。

  外部のパルス発生器からピーク動作電圧の 150 %に等しい波高値のパルスを 30 回印加する。そのパ

ルス幅は,内部で発生する起動パルスの幅以上でなければならない。

注記

  動作電圧は,2.10.2.1 i)を参照する。

2.10.3.6  交流主電源からの過渡電圧 

次によって許容する場合を除き,交流主電源の過渡電圧に起因する二次回路の最大過渡電圧は,2.10.3.9 

a)に基づいて測定した値とする。

代替法として,ある二次回路については,最大過渡電圧は次のいずれかであるとみなしてもよい。

  2.10.3.9 a)に従って測定した値

  次にリストした値であって,表 2J に基づく一次回路の主電源過渡電圧よりも一段低い値

ピーク

330 V,500 V,800 V,1 500 V,2 500 V 及び 4 000 V

これは,次のいずれかの場合に適用できる。

  交流主電源から電源供給を受け,2.6.1 に従って主保護接地端子に接続した二次回路

  交流主電源から電源供給を受け,2.6.1 に従って主保護接地端子に接続した金属遮蔽物によって一次回

路から分離した二次回路

2.10.3.7  直流主電源からの過渡電圧 

注記 1  直流主電源に接続する回路は,二次回路とみなされている(1.2.8.2 参照)。

直流主電源の過渡電圧に起因する二次回路の最大過渡電圧は,次のいずれかとする。

  二次回路が直流主電源に直接接続されている場合は,主電源過渡電圧

  その他の場合は,2.10.3.2 の b)及び c)に示すような場合を除き,2.10.3.9 a)に従って測定した値

注記 2  上記の選択肢はどちらも主電源過渡電圧の値によるものである。幾つかの場合,この値はピ

ーク

71 V と考える[2.10.3.2 の b)又は d)参照]。表 2K の適切な欄を適用し,測定は不要であ

る。

2.10.3.8  ネットワーク線及びケーブル分配システムからの過渡電圧 

対象とするネットワーク線過渡電圧が既知の場合は,2.10.3.4 においてはその値を適用してもよい。

ネットワーク線過渡電圧が不明の場合,次の値を適用しなければならない。

  ネットワーク線に接続する回路が TNV-1 回路又は TNV-3 回路の場合,ピーク 1 500 V

  ネットワーク線に接続する回路が SELV 回路又は TNV-2 回路の場合,ピーク 800 V

侵入してくる過渡電圧が機器内部で減衰する場合,2.10.3.9 b)に従って測定した値を適用してもよい。

電話の呼出シグナルの過渡電圧の影響は考慮しない。

ケーブル分配システムからの過渡電圧の影響は考慮しない(ただし,7.4.1 を参照)。

2.10.3.9  過渡電圧の測定 

次の試験は,ある回路において空間距離間の過渡電圧が,例えば,機器内のフィルタ効果によって,通

常よりも低くなるかどうかを決定する場合に限って実施する。空間距離にかかる過渡電圧は,次の試験手

順を用いて測定する。

試験中,機器は別の電源ユニットがある場合はそれに接続するが,主電源及びネットワーク線には接続

せず,かつ,一次回路のサージ抑制器は全て取り外す。

電圧測定装置は,対象とする空間距離の間に接続する。

a)  主電源からの過渡電圧  主電源の過渡電圧によって空間距離間に発生する過渡電圧を測定するために,


83

C 6950-1:2016

表 N.1 の参照 2 のインパルス発生器を用いて 1.2/50  μs のインパルスを発生させる。U

c

は,表 2J に示

す主電源過渡電圧に等しい値とする。

極性を交互に変えて

3~6 回のインパルスを,1 秒間以上のインパルス間隔で,次のうち当てはまる

箇所に印加する。

交流主電源の場合

  相導体間

  互いに接続した全ての相導体と中性線との間

  互いに接続した全ての相導体と保護接地との間

  中性線と保護接地との間

直流主電源の場合

  電源接続箇所の正極と負極との間

  互いに接続した全ての電源接続箇所と保護接地との間

b)  ネットワーク線からの過渡電圧  ネットワーク線過渡電圧によって空間距離の間に発生する過渡電圧

を測定するために,表 N.1 の参照 1 のインパルス発生器を用いて 10/700 μs のインパルスを発生させる。

U

c

は,2.10.3.8 で決定したネットワーク線過渡電圧に等しい値とする。

極性を交互に変えて

3~6 回のインパルスを 1 秒間以上のインパルス間隔で,次のそれぞれのインタ

フェースタイプのネットワーク線の接続箇所のそれぞれの間に印加する。

  インタフェースの各々の対となる端子間(例  A と B との間,チップとリングとの間)

  単一のインタフェースの全ての端子を一つに結合した箇所と大地との間

同一の回路が幾つかある場合は,一つの回路だけを試験する。

2.10.4  沿面距離 

2.10.4.1  一般要求事項 

沿面距離は,実効値動作電圧及び汚損度に応じて,フラッシュオーバ又は絶縁破壊(例  トラッキング

によるもの)を生じないような寸法にしなければならない。

2.10.4.2  材料グループ及び比較トラッキング指数 

材料グループは,比較トラッキング指数(

CTI)によって,次のように分類する。

  材料グループ I: 600 以上

  材料グループ II: 400 以上 600 未満

  材料グループ IIIa: 175 以上 400 未満

  材料グループ IIIb: 100 以上 175 未満

材料グループは,

50 滴の溶液 A を用いた JIS C 2134 に従った材料の試験データを評価することによっ

て確認する。

材料グループが不明の場合,材料グループ

IIIb とみなす。

175 以上の CTI が必要な場合で,データがないときは,材料グループは,JIS C 2134 に規定する保証ト

ラッキング指数(

PTI)の試験で確定できる。それらの試験で確定した PTI が,グループの CTI 規定値の

低い方の値以上の場合は,材料はそのグループに該当するものとみなす。

2.10.4.3  最小沿面距離 

沿面距離は,表 2N に規定する該当する最小値以上でなければならない。

表 2N から得られた最小沿面距離が,適用する最小空間距離よりも小さい場合は,その適用する最小空

間距離の値を最小沿面距離の値として適用しなければならない。


84

C 6950-1:2016

ガラス,マイカ,上薬を塗ったセラミック又はこれらに類する無機材料に対しては,最小沿面距離が,

適用する最小空間距離よりも大きい場合でも,該当する最小空間距離の値を最小沿面距離として適用して

もよい。

コネクタの境界表面とそのコネクタ内の危険電圧に接続する導電部との間の沿面距離は,強化絶縁の要

求事項に適合しなければならない。ただし,次の全てを満たすコネクタの場合は,その沿面距離は,基礎

絶縁の要求事項に適合すればよい。

  機器に固定する。

  機器の外部エンクロージャの内側に配置する。

  使用者が交換可能な部分組立品で通常動作時には正しい位置にあることが要求されるものを外した後

に限ってアクセス可能である。

注記 1  危険部分へのアクセスについての 2.1.1.1 の試験は,部分組立品を取り外した後,この細分

箇条の要求事項を満足するコネクタに適用する。

機器に固定していないコネクタを含み,コネクタ内の全ての他の沿面距離については,表 2N に規定す

る最小値を適用する。

上記の最小沿面距離は,次のいずれのコネクタにも適用しない。1.5.2 も参照する。

  JIS C 8285 若しくは IEC 60309 の規格群,JIS C 8283 の規格群若しくは IEC 60320 の規格群,又は JIS 

C 8303 に適合するコネクタ

  上記の規格には適合しないが,同等以上の性能をもつコネクタであって,JIS C 8283 の規格群,JIS C 

8303 又は IEC 60309-2 の寸法規定に合致するもの

注記 2  技術基準の解釈の別表第四に適合するコネクタは,同等以上の性能をもつとみなされてい

る。

適否は,附属書 F(図 F.1~図 F.18 を含む。)を考慮した測定によって判定する。次の条件を適用する。

  可動部は最も不利な位置に置く。

  一般用非着脱式電源コードを用いている機器の場合,沿面距離は,対象となる端子に対して 3.3.4 に規

定する最大断面積の電源導体を接続して測定する。さらに,端子に導体を接続しない状態でも測定す

る。

  エンクロージャのスロット若しくは開口部を通して,又はアクセス可能なコネクタの開口部を通して,

絶縁材のエンクロージャの境界表面から沿面距離を測定する場合,アクセス可能な表面であって,そ

れほどの力を加えることなしに図 2A に示すテストフィンガ(2.1.1.1 参照)で触れることができる箇

所は全て,金属はくによって覆われているかのように導電性とみなす(図 F.12 の接触点 X 参照)。


85

C 6950-1:2016

表 2N-最小沿面距離 

沿面距離の単位

mm

実効値動作

電圧

(次の値以下)

V

汚損度

1

a)

 2

3

材料グループ

I,II,IIIa,IIIb I

II  IIIa,IIIb I  II IIIa,IIIb

(注記参照)

10

0.08  0.4 0.4 0.4 1.0 1.0 1.0

12.5 0.09

0.42

0.42

0.42 1.05 1.05 1.05

16 0.1

0.45

0.45

0.45

1.1

1.1

1.1

20 0.11

0.48

0.48

0.48

1.2

1.2

1.2

25 0.125

0.5

0.5

0.5

1.25

1.25

1.25

32 0.14

0.53

0.53

0.53

1.3

1.3

1.3

40

0.16  0.56

0.8 1.1 1.4 1.6 1.8

50 0.18

0.6

0.85

1.2

1.5

1.7

1.9

63

0.2  0.63

0.9 1.25 1.6 1.8 2.0

80

0.22  0.67

0.9 1.3 1.7 1.9 2.1

100

0.25  0.71

1.0 1.4 1.8 2.0 2.2

125 0.28

0.75

1.05

1.5

1.9

2.1

2.4

160

0.32  0.8 1.1 1.6 2.0 2.2 2.5

200

0.42  1.0 1.4 2.0 2.5 2.8 3.2

250

0.56  1.25

1.8 2.5 3.2 3.6 4.0

320

0.75  1.6 2.2 3.2 4.0 4.5 5.0

400

1.0  2.0 2.8 4.0 5.0 5.6 6.3

500

1.3  2.5 3.6 5.0 6.3 7.1 8.0

630 1.8

3.2

4.5

6.3

8.0

9.0

10

800 2.4

4.0

5.6

8.0

10

11

12.5

1 000 3.2

5.0

7.1

10

12.5

14

16

1 250 4.2

6.3

9.0

12.5

16

18

20

1 600

5.6  8.0

11 16 20 22 25

2 000

7.5 10 14 20 25 28 32

2 500

10  12.5

18 25 32 36 40

3 200

12.5 16 22 32 40 45 50

4 000

16  20 28 40 50 56 63

5 000

20  25 36 50 63 71 80

6 300 25 32

45

63

80

90

100

8 000 32 40

56

80

100

110

125

10 000

40

50 71 100 125 140 160

12 500 50 63

90

125

16 000 63 80

110

160

20 000 80

100

140

200

25 000 100 125

180

250

32 000 125 160

220

320

40 000 160 200

280

400

50 000 200 250

360

500

63 000 250 320

450

600

この表中の値は,基礎絶縁,付加絶縁及び 5.3.4 a)によって要求される場合(2.10.1.3 参照),機能絶縁に適用する。

強化絶縁に対しては,表中の値の

2 倍とする。


86

C 6950-1:2016

表 2N-最小沿面距離(続き) 

最も近い

2 点間で線形内挿法を用いてもよい。この場合,最小沿面距離の算出値は,次に規定する単位で切り上

げる。

  値が 0.5 mm 以下の場合,0.01 mm

 0.5

mm を超える場合,0.1 mm

ただし,表の一つ下の値が算出値よりも小さい場合は,小さい値とする。

強化絶縁に対しては,算出した基礎絶縁の値を丸める前に

2 倍する。

注記

  材料グループ IIIb を実効値動作電圧 630 V を超える汚損度 3 の箇所に適用することは,望ましくない。

a)

  一つの試料が 2.10.10 の試験に合格する場合,汚損度 1 の値を用いてもよい。

2.10.5  固体絶縁 

2.10.5.1  一般要求事項 

2.10.5 において,固体絶縁(薄いシート状材料のものを除く。

)及び絶縁コンパウンドに対する要求事項

は,絶縁のために用いるゲル状の材料にも適用する。

固体絶縁は,次でなければならない。

  機器に侵入する過渡電圧を含む過電圧及び機器内で発生する可能性があるピーク電圧が固体絶縁を破

壊しないような寸法とする。

  絶縁物の薄い層にピンホールがあることによって生じる破壊の可能性を制限するような配置とする。

溶剤ベースのエナメルは,2.10.5.13 に規定する巻線に限って用いてもよい。

プリント配線板を除き,固体絶縁は次のいずれかでなければならない。

  2.10.5.2 に従った絶縁物を通しての最小距離を満足する。

  2.10.5.32.10.5.13 で適用される要求事項を満足し,試験に合格する。

注記 1  プリント配線板については,2.10.6 を参照する。

注記 2  内部配線の固体絶縁については,3.1.4 を参照する。

固体絶縁の適切さに対する 2.10.5.22.10.5.14 の要求事項の適否は,附属書 を考慮した目視検査及び

測定,5.2 の耐電圧試験,並びに 2.10.5.42.10.5.14 で要求されるあらゆる追加の試験によって判定する。

2.10.5.2  絶縁物を通しての距離 

設計が絶縁物を通しての距離に基づいている場合,これらの距離は,絶縁の適用(2.9 参照)に従って,

次のように決定しなければならない(図 F.14 参照)。

  ピーク動作電圧が 71 V 以下の場合は,絶縁物を通しての距離に関する要求事項はない。

  ピーク動作電圧が 71 V を超える場合は,次による。

  機能絶縁及び基礎絶縁については,絶縁物を通しての最小距離に関する要求事項はない。

  付加絶縁又は強化絶縁は,単層の場合 0.4 mm 以上の絶縁物を通しての距離をもたなければならな

い。

適否の基準は,2.10.5.1 による。

2.10.5.3  固体絶縁としての絶縁コンパウンド 

注記 1  プリント配線板については,2.10.6 を参照し,巻線コンポーネントについては,2.10.5.11

2.10.5.122.10.5.13 及び 2.10.5.14 を参照する。

コンポーネント又は部分組立品の中のそれぞれの絶縁物を通しての距離が 2.10.5.2 を満足し,単一のサ

ンプルが 2.10.10 の試験に合格するように,コンポーネント又は部分組立品の外郭を絶縁コンパウンドに

よって完全に充塡している場合は,最小の内部空間距離及び沿面距離の要求事項はない。

注記 2  そのような処理として,ポッティング,封入,真空含浸など様々なものが知られている。


87

C 6950-1:2016

注記 3  そのような構造には,接合部を含んでもよいが,この場合 2.10.5.5 も適用する。

適否の基準は,2.10.5.1 による。

2.10.5.4  半導体デバイス 

次の a)又は b)のうちの一つを満足する場合,半導体コンポーネント(例  オプトカプラ,図 F.17 参照)

のケースを完全に充塡している絶縁コンパウンドで構成された付加絶縁及び強化絶縁に対する絶縁物を通

しての最小距離の要求事項はない。

a)  半導体コンポーネントは,次の全てに適合する。

  2.10.11 の形式試験及び目視検査の基準に合格する。

  5.2.2 の適切な値の試験電圧で,製造過程の耐電圧試験に対するルーチン試験に合格する。

b)  オプトカプラに限っては,IEC 60747-5-5 の要求事項を満足する。ただし,IEC 60747-5-5 の 5.2.7(初

期試験電圧)に規定する次の試験電圧は,この規格の 5.2.2 の試験電圧の適切な値でなければならない。

  形式試験用の電圧 V

ini,a

  ルーチン試験用の電圧 V

ini,b

注記

  上記の構造には,接合部を含んでもよいが,この場合 2.10.5.5 も適用する。

a)及び b)の代替として,適用可能な場合は,半導体を 2.10.5.3 に従って処理してもよい。

適否の基準は,2.10.5.1 による。

2.10.5.5  接合部 

導電部分間の経路が絶縁コンパウンドで充塡され,その絶縁コンパウンドが二つの非導電部分間(図 F.18

参照),又は非導電部分とそのもの自身との間(図 F.16 及び図 F.17 参照)で接合部を形成している場合に

は,次の a)b)又は c)を適用する。

a)

二つの導電部分間の経路に沿った距離は,汚損度

2 に対する最小空間距離及び最小沿面距離以上でな

ければならない。2.10.5.2 の絶縁物を通しての距離に対する要求事項は,その接合部に沿っては適用し

ない。

b)  二つの導電部分間の経路に沿った距離は,汚損度 1 に対する最小空間距離及び最小沿面距離以上でな

ければならない。さらに,

1 個のサンプルが 2.10.10 の試験に合格しなければならない。2.10.5.2 の絶

縁物を通しての距離に対する要求事項は,その接合部に沿っては適用しない。

c)

2.10.5.2 の絶縁物を通しての距離に対する要求事項を接合部に沿った導電部分間に適用する。さらに,

3 個のサンプルが 2.10.11 の試験に合格しなければならない。

a)及び b)に対し,含まれる絶縁材料が異なる材料グループである場合は,比較トラッキング指数が最も

小さい材料グループとする。材料グループが分からない場合は,材料グループ

IIIb であると仮定する。

b)及び c)に対し,4.5.2 の試験中に測定したプリント配線板の温度が,プリント配線板材料のあらゆる箇

所において

90  ℃を超えない場合,プリプレグを用いて作られたプリント配線板には,2.10.10 及び 2.10.11

の試験を適用しない。

注記 1  例えば,エージングによる接合部の分離がない限り,実際には沿面距離又は空間距離は存在

しない。この可能性を担保するため,a)又は b)に従った最小沿面距離及び最小空間距離に適

合しない場合は,c)の要求事項及び試験を適用する。

注記 2  接合部の幾つかの例を次に示す。

  互いに接合されている二つの非導電部分間。例えば,多層プリント配線板の 2 層(図 F.16 参照)又は

仕切りを接着剤によって固定した変圧器の分割したボビン(図 F.18 参照)。

  接着剤によって密封した巻線上のら(螺)旋状に巻き付けた絶縁物層の間


88

C 6950-1:2016

  オプトカプラの非導電性の外郭とその外郭に充塡した絶縁コンパウンドとの間(図 F.17 参照)

適否の基準は,2.10.5.1 による。

2.10.5.6  薄いシート状材料-一般要求事項 

機能絶縁及び基礎絶縁として用いる薄いシート状材料内の絶縁に対する寸法及び構造に関する要求事項

はない。

付加絶縁及び強化絶縁として認められる薄いシート材料内の絶縁(図 F.15 参照)には,絶縁物を通した

距離に関係なく,次の全てを適用する。

  二つ以上の層を用いる。

  絶縁が機器のエンクロージャ内にある。

  操作者が保守している間に,その絶縁物を取り扱ったりこすったりしない。

  2.10.5.7(分離可能層)又は 2.10.5.8(分離不可能層)の要求事項及び試験に適合する。

上記の“二つ以上の層”には,同一の導電部分に固定することを要求しない。その“二つ以上の層”は,

次のようにできる。

  分離が要求される導電部分のうちの一つに固定する。

  二つの導電部分間に共有する。

  いずれの導電部にも固定しない。

2.10.5.7  分離可能な薄いシート状材料 

分離可能な薄いシート層の絶縁には,2.10.5.6 の要求事項に追加して次を適用しなければならない。

  付加絶縁は,各々が付加絶縁の耐電圧試験に合格する 2 層以上の材料で構成する。

  付加絶縁は,あらゆる 2 層の組合せが付加絶縁の耐電圧試験に合格する 3 層の材料で構成する。

  強化絶縁は,各々が強化絶縁の耐電圧試験に合格する 2 層以上の材料で構成する。

  強化絶縁は,あらゆる 2 層の組合せが強化絶縁の耐電圧試験に合格する 3 層の材料で構成する。

異なる絶縁層は,異なる材料若しくは異なる厚さ又はその両方によってもよい。

適否は,目視検査及び 2.10.5.9 又は 2.10.5.10 の耐電圧試験によって判定する。

2.10.5.8  分離不可能な薄いシート状材料 

分離不可能な薄いシート状材料で構成されている絶縁には,2.10.5.6 の要求事項に追加して,表 2P の試

験手順を適用する。

異なる絶縁層は,異なる材料若しくは異なる厚さ又はその両方によってもよい。

適否は,目視検査及び表 2P に規定する試験によって判定する。

表 2P-分離不可能な層の絶縁に対する試験 

層数

試験手順

付加絶縁

2 層以上

 
2.10.5.9 の試験手順を適用する。

a)

強化絶縁

2 層 
3 層以上

 
2.10.5.9 の試験手順を適用する。

a)

2.10.5.9 の試験手順及び附属書 AA を適用する。

a)

a)

  2.10.5.10 の代替試験手順は,分離不可能な層には適用できない。

注記

  附属書 AA の試験の目的は,絶縁の内層に隠れた損傷を防止するために材料

が適切な強度をもつことを確認することにある。したがって,試験は

2 層の

絶縁には適用しない。附属書 AA の試験は付加絶縁には適用しない。


89

C 6950-1:2016

2.10.5.9  薄いシート状材料-標準試験手順 

分離可能又は分離不可能な層には,全ての層を一緒にして 5.2.2 に規定する耐電圧試験を適用する。試験

電圧は,次による。

  2 層の場合は,U

test

200 %

  3 層以上の場合は,U

test

150 %

U

test

は,付加絶縁又は強化絶縁に対して 5.2.2 に規定する適切な試験電圧の値とする。

注記

  全ての層が同一材料及び同一厚さでない限り,試験電圧が層間に不均等に加わり,別々に試験

したら合格するであろう一つの層の絶縁破壊を引き起こす可能性がある。

2.10.5.10 

薄いシート状材料-代替試験手順 

複数層が各々の試験のために分離可能な場合,2.10.5.9 の標準試験手順に対して次の代替を適用してもよ

い。

耐電圧試験を,5.2.2 に従って適用する。このとき,5.2.2 に規定する付加絶縁及び強化絶縁に対する適切

な試験電圧の値に等しい試験電圧を用いる。

2 層の場合,各層はその試験に合格しなければならない。

3 層以上の場合,2 層の各々の組合せがその試験に合格しなければならない。

3 層以上の場合,試験のためにそれらの層を二つ又は三つのグループに分離してもよい。上記の耐電圧

試験において,

2 層又は 3 層の代わりに二つ又は三つのグループを試験する。

単層又は層のグループに関する試験は,全く同一な層又はグループには繰り返さない。

2.10.5.11 

巻線コンポーネント内の絶縁 

プレーナ変圧器は,巻線コンポーネントとはみなさない。

注記 1  プレーナ変圧器は,プリント配線板の構造に適用する要求事項に従う。2.10.6 を参照する。

巻線コンポーネント内の機能絶縁に対する寸法又は構造の要求事項はない。

巻線コンポーネント内の基礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁は,次によって備えてもよい。

  巻線又は他の線の絶縁(2.10.5.12 又は 2.10.5.13 参照)

  他の絶縁(2.10.5.14 参照)

  それら二つの組合せ

注記 2  巻線コンポーネントには,接合部を含んでもよいが,この場合 2.10.5.5 も適用する。

巻線導体とその他の導電部分との間の二重絶縁に対しては,基礎絶縁として巻線のうちの一つを

2.10.5.12 を満たす絶縁によって備え,付加絶縁を 2.10.5.14 を満たす追加の絶縁によって備えること,又は

基礎絶縁と付加絶縁とを逆に備えることを認める。

適否の基準は,2.10.5.1 による。

さらに,仕上げられた巻線コンポーネント内の基礎絶縁,付加絶縁及び強化絶縁は,5.2.2 に規定する耐

電圧試験に対するルーチン試験に合格しなければならない。

2.10.5.12 

巻線コンポーネント内の線 

基礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁の絶縁が要求される巻線及び他の線には,次の要求事項を適用する。

溶剤ベースのエナメルは,基礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁になるとはみなさない。溶剤ベースのエナ

メルは,2.10.5.13 に規定するような巻線絶縁として用いる場合に限って用いてもよい。

注記 1  巻線上の絶縁に追加する絶縁については,2.10.5.14 を参照する。

ピーク動作電圧が

71 V 以下の場合は,寸法及び構造に関する要求事項はない。

ピーク動作電圧が

71 V を超える場合は,次の a)b)又は c)を適用する。


90

C 6950-1:2016

a)

応力(例  巻き張力)が加わっていない基礎絶縁には,寸法及び構造に関する要求事項はない。その

ような応力が加わった基礎絶縁には,b)又は c)を適用する。

注記 2  a)の例外は,付加絶縁又は強化絶縁には適用しない。

b)  基礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁に対し,巻線上の絶縁は,次のいずれかによる。

  単層で 0.4 mm 以上の厚さをもつ。

  2.10.5.6 及び附属書 に適合する。

c)

巻線は,附属書 に適合しなければならない。さらに,ら旋状に巻き付けたテープの重ね合わせ(オ

ーバーラップ)層又は絶縁物が押出被覆した絶縁物の層の最小数は,次による。

  基礎絶縁に対しては,単層

  付加絶縁に対しては,2 層

  強化絶縁に対しては,3 層

二つの隣り合う巻線間の絶縁については,各導体上の一つの層を付加絶縁であるとみなす。

重ね合わせが

50 %以下のら旋状に巻き付けたテープは,単層とみなす。

重ね合わせが

50 %を超えるら旋状に巻き付けたテープは,2 層とみなす。

ら旋状に巻き付けたテープは密封し,2.10.5.5 の a)b)又は c)の試験に合格しなければならない。

注記 3  押出プロセスによって絶縁されるワイヤについては,密封は,そのプロセスに起因するもの

である。

2 本の巻線,又は 1 本の巻線及びもう 1 本の線が,巻線コンポーネント内で接触し,45~90°の角度で

交差し,巻線張力を受けている場合は,機械的応力に対する保護を備えなければならない。この保護は,

例えば絶縁スリーブ若しくはシート材料の形で物理的分離を設けることによって,又は規定層数の

2 倍の

絶縁層を用いることによって達成できる。

適否の基準は,2.10.5.1 による。附属書 の試験を要求する場合,材料データシートで適否の確認が可

能なときは,試験を繰り返さない。

2.10.5.13 

巻線コンポーネント内の溶剤ベースのエナメル線 

2.3.2.1 の要求事項に適合するとみなす電気的分離をするために,巻線に溶剤ベースのエナメルを用いて

もよい。

注記 1  溶剤ベースのエナメルは,基礎絶縁,付加絶縁又は強化絶縁とはみなさない。2.10.5.12 を参

照する。

全ての導体上の絶縁は,5.2.2 で要求する値以上の試験電圧で実施した形式試験によって,JIS C 3215 

規格群又は IEC 60317 の規格群のうちの一つに適合したグレード 2 の巻線の要求事項に適合するエナメル

でなければならない。

適否は,目視検査及び次の試験によって判定する。

完成コンポーネントには,5.2.2 に規定する耐電圧(巻線間及び巻線とコアとの間:C.2 参照)に対する

形式試験を行う。

完成コンポーネントには,

1 000  V の試験電圧を用い,5.2.2 に規定する電気分離の耐電圧に対するルー

チン試験も行う。

2.10 及び附属書 の寸法及び構造に関する要求事項は,2.10.5.13 の適否には適用しない。

注記 2  場合によっては,6.1.2.1 も適用する。

注記 3  フィンランド,ノルウェー及びスウェーデンでは,絶縁に対する追加の要求事項がある。

6.1.2.1 の注記 及び 6.1.2.2 の注記を参照する。


91

C 6950-1:2016

2.10.5.14 

巻線コンポーネント内の追加の絶縁 

次の要求事項は,巻線又は他の線の絶縁に追加して備えた巻線コンポーネント内の絶縁に適用する。こ

の絶縁には,例えば,次を含む。

  巻線間の絶縁

  巻線又は他の線と巻線コンポーネント内の他の導電部分との間の絶縁

注記

  巻線自身の絶縁は,2.10.5.12 を参照する。

ピーク動作電圧が

71 V 以下の場合は,寸法及び構造に関する要求事項はない。

ピーク動作電圧が

71 V を超える場合は,次による。

  機械的応力を受けない基礎絶縁については,寸法及び構造に関する要求事項はない。

  付加絶縁又は強化絶縁は,次のいずれかでなければならない。

  単層で厚さが 0.4 mm 以上とする。

  2.10.5.6 に適合する。

2.10.6  プリント配線板の構造 

注記

  この細分箇条は,プレーナ変圧器及びセラミック変圧器の巻線にも適用する。

2.10.6.1  コーティングを施さないプリント配線板 

コーティングを施さないプリント配線板の外部表面上の導体間の絶縁は,2.10.3(又は附属書 G)の最

小空間距離の要求事項及び 2.10.4 の最小沿面距離の要求事項に適合しなければならない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

2.10.6.2  コーティングを施したプリント配線板 

適正なコーティング材で外部表面にコーティングを施したプリント配線板に対しては,コーティングを

施す前の導体部分に,次の要求事項を適用する。

  表 2Q の最小分離距離に適合しなければならない。

  製造過程は,R.1 に示す例と同じ保証レベル以上の品質管理プログラムに従わなければならない。二

重絶縁及び強化絶縁は,耐電圧に対するルーチン試験に合格しなければならない。

片方又は両方の導体部,及び導体部相互間の表面にわたる距離の

80 %以上の部分にコーティングを施さ

なければならない。

コーティング工程,コーティング材及び基材は,均一な品質を確保し,かつ,検討中の分離距離を効果

的に保護するようにしなければならない。

次については,2.10.3(又は附属書 G)の最小空間距離及び 2.10.4 の最小沿面距離を適用する。

  上記の条件に適合しない場合

  あらゆる二つのコーティングを施していない部分間

  コーティングの外側

適否は,目視検査,図 F.11 を考慮に入れた測定及び 2.10.8 の試験によって判定する。


92

C 6950-1:2016

表 2Q-コーティングを施したプリント配線板の最小分離距離 

ピーク動作電圧

(次の値以下)

V

基礎絶縁又は付加絶縁

mm

強化絶縁

mm

71

a)

 0.025  0.05

89

a)

 0.04  0.08

113

a)

 0.063  0.125

141

a)

 0.1

0.2

177

a)

 0.16  0.32

227

a)

 0.25  0.5

283

a)

 0.4

0.8

354

a)

 0.56  1.12

455

a)

 0.75  1.5

570 1.0  2.0 
710 1.3  2.6 
895 1.8  3.6

1 135 2.4  3.8

1 450 2.8  4.0 
1 770 3.4  4.2 
2 260 4.1  4.6 
2 830 5.0  5.0 
3 540 6.3  6.3 
4 520 8.2  8.2 
5 660 10.0  10.0 
7 070 13.0  13.0 
8 910 16.0  16.0

11 310 20.0  20.0

14 140 26.0  26.0 
17 700 33.0  33.0 
22 600 43.0  43.0 
28 300 55.0  55.0 
35 400 70.0  70.0 
45 200 86.0  86.0

最も近い

2 点間で線形内挿法を用いてもよい。この場合,最小沿面距離の算出

値は次に規定する単位で切り上げる。

  値が 0.5 mm 以下の場合,0.01 mm

 0.5

mm を超える場合,0.1 mm

ただし,表の一つ下の値が算出値よりも小さい場合は,小さい値とする。

a)

  2.10.8 の試験は,要求しない。

2.10.6.3  プリント配線板の同一内部表面上の導体間の絶縁 

多層プリント配線板の内部表面(図 F.16 参照)上のあらゆる二つの導体間の経路は,2.10.5.5 の接合部

の要求事項に適合しなければならない。

2.10.6.4  プリント配線板の異なる表面上の導体間の絶縁 

両面単層プリント配線板,多層プリント配線板及びメタルコアプリント配線板内の異なる表面上の導電

部分間の付加絶縁又は強化絶縁は,次のいずれかでなければならない。

 0.4 mm 以上の厚さをもつ。


93

C 6950-1:2016

  表 2R の仕様のうちの一つに適合し,関連した試験に合格する。

機能絶縁及び基礎絶縁に対応する要求事項はない。

適否は,目視検査,測定,及び要求される場合は試験によって判定する。

表 2R-プリント配線板における絶縁 

絶縁の仕様

形式試験

a)

耐電圧用の

ルーチン試験

c)

プリプレグを含む

2 層のシート状材料

b)

適用しない

適用

プリプレグを含む

3 層以上のシート状材料

b)

適用しない

適用しない

金属基板上にセラミックコーティングし,

500  ℃以上

で硬化処理した絶縁システム

適用しない

適用

金属基板上にセラミック以外で

2 層以上コーティング

し,

500  ℃未満で硬化処理した絶縁システム

適用

適用

注記 1  プリプレグは,ガラスクロスを部分的に樹脂で硬化処理した層を指す用語である。 
注記 2  セラミックの定義は,IEV 212-05-24 を参照する。 

a)

  2.10.8.2 の熱処理に続く,5.2.2 の耐電圧試験。

b)

  層は硬化処理の前に数える。

c)

  耐電圧試験は,完成したプリント配線板に対して行う。

2.10.7  コンポーネントの外部接続部 

実効沿面距離及び空間距離を大きくするために,コンポーネントの外部接続端子上に,コーティングを

施してもよい(図 F.10 参照)。コーティングを施す前のコンポーネントには,表 2Q の最小分離距離を適

用し,コーティングは品質管理条項を含めて 2.10.6.2 の要求事項を満足しなければならない。

端子部の機械的配置及び剛性は,機器の組立て,その後の使用及び通常の取扱いのときにコーティング

にひび割れを生じず,かつ,導電部相互間の分離距離が表 2Q2.10.6.2 参照)の値を下回るような変形を

受けないものでなければならない。

適否は,図 F.10 を考慮した検査,並びに 2.10.8.12.10.8.2,及び 2.10.8.3 に規定する手順を適用するこ

とによって判定する。これらの試験は,コンポーネントを含めた完成組立部品に対して行う。

また,2.10.8.1 に規定するように特別に製作したプリント配線板サンプル No.3 を用いて,2.10.8.4 の耐剝

離性試験を行う。この場合のプリント配線板は,導電部相互間の間隔が組立品の中に用いている最小の分

離距離及び最大の電位勾配を代表するものでなければならない。

2.10.8  コーティングを施したプリント配線板及びコーティングを施したコンポーネントの試験 

2.10.8.1  サンプルの準備及び予備検査 

No.1,No.2 及び No.3 として識別したプリント配線板 3 枚(又は 2.10.7 のコーティングを施したコンポ

ーネントの場合は,コンポーネント

2 個及びプリント配線板 1 枚)が必要となる。実際用いているプリン

ト配線板,又はコーティング及び分離距離の最も小さい部分を代表できるように特別に製作したサンプル

のいずれを用いてもよい。各サンプルは,実使用時における最小分離距離を代表できるものであり,かつ,

コーティングが施されたものでなければならない。はんだ付け及び清掃を含む通常機器を組み立てる際に

行う製造工程の全部をサンプルに対して行う。

目視検査を行った結果,これらのサンプルには,そのコーティングにピンホール及び泡の痕跡がなく,

隅の部分で導電はくの突出があってはならない。

2.10.8.2  熱処理 

サンプル

No.1(2.10.8.1 参照)は,2.10.9 の一連の熱サイクル処理を行う。


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サンプル

No.2 は,コーティングを施したプリント配線板の最大動作温度に対応する図 2J の温度インデ

ックスラインを用いて選択した持続時間及び温度で,全換気オーブン内でエージングする。オーブンの温

度は,規定する温度に対し±

2  ℃に維持しなければならない。温度インデックスラインの決定に用いる温

度は,そのプリント配線板の安全性が関連する部分の最高温度とする。

図 2J を用いる場合,隣接した二つの温度インデックスライン間で内挿法が認められる。

図 2J-熱エージング時間 

2.10.8.3  耐電圧試験 

次に,サンプル

No.1 及び No.2(2.10.8.1 参照)は,2.9.2 の湿度処理を行う。その後,導体部相互間は,

5.2.2 の関連する耐電圧試験に耐えなければならない。

2.10.8.4  耐剝離性試験 

サンプル

No.3(2.10.8.1 参照)に対して,次の試験を行う。

5 組の対の導体部の間に介在する分離部に対し,試験中に最大電位勾配がかかる箇所で,それらの導体

部と分離部分とを横断して引っかききずをつける。

焼入れした鋼製のピンを用いて引っかきを行う。ピンの先端は,角度が

40°の円すい(錐)形であって,

半径を(

0.25±0.02)mm に丸め,角がないように研磨しておく。

図 2K に示すように,導体のエッジに垂直な面に沿って,20±5 mm/s の速度でピンを引くことによって,

引っかきを行う。ピンには,その軸方向に

10±0.5 N の力が加わるように負荷を加える。引っかききずは 5

mm 以上の間隔を設け,また,サンプルの端から 5 mm 以上離さなければならない。

上記試験を行った結果,コーティングは浮いたり,貫通したりしてはならない。さらに,導体部相互間

は,5.2.2 に規定する耐電圧試験に耐えなければならない。メタルコアプリント配線板の場合,基材は導体


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の一つとみなす。

注記

  ピンは,供試試料と直角になる面 ABCD に合わせる。

図 2K-コーティングに対する耐剝離性試験 

2.10.9  熱サイクル 

次の一連の熱サイクルは,2.10.8.22.10.10 又は 2.10.11 で要求される場合に適用する。

コンポーネント又は部分組立品のサンプル

1 個を,次の手順で試験する。変圧器,磁気カプラ及びこれ

らに類するデバイスで,絶縁が安全性に関係する場合,

50 Hz 又は 60 Hz の周波数で実効値 500 V の電圧

を次の熱サイクル処理の間,巻線相互間及び巻線と他の導電部との間に加える。

サンプルに対して,次の順序の熱サイクルを

10 回行う。

T

1

±

2  ℃で,68 時間

25±2  ℃で,1 時間

0±2  ℃で,2 時間

25±2  ℃で,1 時間以上

T

1

は,1.4.12,及び該当する場合は 1.4.13 に基づいて測定した値から計算式 T

1

T

2

T

ma

T

amb

10 K を

用いて算出した値,又は

85  ℃のいずれか高い方の温度とする。ただし,埋め込んだ熱電対,又は抵抗法

で測定した場合は

10 K を加えない値とする。

T

2

は,4.5.2 の試験の間に測定したその部分の温度である。

T

ma

及び T

amb

の意味は,1.4.12.1 による。

ある温度から別の温度へ移行するまでの時間は規定していないが,徐々に移行してもよい。

この状態で絶縁破壊が生じてはならない。

2.10.10 

汚損度 環境及び絶縁コンパウンドについての試験 

この試験は,汚損度

1 環境[2.10.5.5 b),表 2N 又は表 G.2 を用いるとき]の確認が要求された場合,又

は 2.10.5.3 若しくは 2.10.12 で要求された場合に行う。

注記

  汚損度 1 の要求事項が汚損度 2 の要求事項と同じである場合は,表 2K,表 2L 及び表 2M に関

連してこの試験に合格する必要はない。

1 個のサンプルに,2.10.9 の一連の熱サイクル処理を行う。そのサンプルは,室温に戻した後,2.9.2 


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湿度処理を行い,その後直ちに 5.2.2 の耐電圧試験を行う。

適否は,プリント基板以外に関しては,断面の目視検査によって判定する。絶縁材料に目に見える空隙,

割れ目及び亀裂があってはならない。

プリント基板の同じ内層表面の導体間の絶縁及び多層基板の異なる表面の導体間の絶縁の場合,適否は

外観検査によって判定する。汚損度に影響する層間剝離があってはならない。

2.10.11 

半導体デバイス及び接合部についての試験 

2.10.5.4 又は 2.10.5.5 c)で要求がある場合,3 個のサンプルに 2.10.9 の一連の熱サイクル処理を行う。接

合部の試験に先立ち,コンポーネント内で用いた溶剤ベースのエナメル巻線は,接合部に近接した金属は

く,又は裸の線を数回巻き付けたものに置き換える。

その

3 個のサンプルに次の試験を行う。

  サンプル 1 個については,熱サイクル処理中で T

1

の最後の期間が終了した直後に 5.2.2 の関連する耐

電圧試験を行う。ただし,試験電圧の値は

1.6 倍にする。

  残りの 2 個のサンプルについては,2.9.2 の湿度処理を行った後,5.2.2 の関連する耐電圧試験を行う。

ただし,試験電圧の値は,

1.6 倍にする。

適否は,プリント基板の同じ内層表面の接合部を除いて,断面の目視検査によって判定する。絶縁材料

に目に見える空隙,割れ目及び亀裂があってはならない。

プリント基板の同じ内層表面の導体間の絶縁及び多層基板の異なる表面の導体間の絶縁の場合,適否は

外観検査によって判定する。層間剝離があってはならない。

2.10.12 

囲いを施した部分及び密封した部分 

じんあい及び湿気が入らないように封入又は密閉によって適切に囲いを施したコンポーネント又は部分

組立品内部の空間距離及び沿面距離に対しては,汚損度

1 に対する値を適用する。

注記

  この種の構造事例としては,接着剤などを用いて密封した箱の内部,及びディップコーティン

グで囲んだ部分がある。

適否は,外部からの目視検査,測定,及び必要な場合は試験によって判定する。サンプルが 2.10.10 の試

験に合格する場合,コンポーネント又は部分組立品は,十分に囲いが施されているものとみなす。

配線,接続及び電源の供給 

3.1 

一般要求事項 

3.1.1 

電流定格及び過電流保護 

内部配線及び相互接続ケーブルは,通常負荷で機器を運転したときに流れる電流によって,導体の絶縁

物がその最大許容温度を超えないように十分な大きさの断面積をもたなければならない。

一次回路の配電に用いる全ての内部配線(バスバーを含む。)及び相互接続ケーブルを,適切な定格をも

つ保護デバイスによって,過電流及び短絡に対して保護しなければならない。

危険が発生するおそれがないことが明らかな場合,配電路に直接関係していない配線(例  表示回路)

には保護を必要としない。

注記 1  コンポーネントの過負荷保護デバイスによって,関係する配線の保護を行ってもよい。

注記 2  主電源に接続する内部回路については,導体の太さ及び長さの減少に応じて,個々に保護が

必要になる場合もある。

適否は,目視検査,及び必要な場合は 4.5.2 及び 4.5.3 の試験によって判定する。


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3.1.2 

機械的損傷に対する保護 

配線経路は滑らかで,かつ,とがった縁があってはならない。導体の絶縁物を損傷するおそれのある,

ばり,冷却フィン,動く部分などに接触しないように配線を保護しなければならない。金属に開けた絶縁

電線を通す開口部は,十分に面取り処理を施すか,又はブッシングを付けなければならない。

配線の絶縁破壊によって危険が発生しないか,又は用いる絶縁システムによって十分な機械的保護があ

る場合には,電線はラッピング接続用端子又はこれに類するものに密着させて配線してもよい。

適否は,目視検査によって判定する。

3.1.3 

内部配線の固定 

内部配線は,次の可能性を減少させるように引き回し,保持,締付け又は固定を行わなければならない。

  電線及び端子接続部への過剰な張力

  端子接続部の緩み

  導体絶縁部の損傷

適否は,目視検査によって判定する。

3.1.4 

導体の絶縁 

2.1.1.3 b)に規定するものを除き,内部配線の各導体の絶縁被覆は,2.10.5 の要求事項を満たし,かつ,

5.2.2 に規定する耐電圧試験に耐えなければならない。

絶縁特性が 3.2.5 に適合する電源コードを外部電源コードの延長又は独立のケーブルとして機器内部で

用いる場合,その電源コードのシースは,3.1.4 の目的に対し,適切な付加絶縁とみなす。

注記

  絶縁物の色に関する要求事項は,2.6.3.5 に規定がある。

適否は,目視検査及びその絶縁が適切な試験電圧に耐えることを示す試験データの評価によって判定す

る。

適切な試験データが入手できない場合は,長さ約

1 m のサンプルを用いて,次のように該当する試験電

圧を加えて耐電圧試験を行い,適否を判定する。

  導体の絶縁の場合,JIS C 3661-1 の 3.(耐電圧試験)に基づく試験方法によって試験を行う。この場

合,該当する絶縁種別に関して,5.2.2 の該当する試験電圧の値を用いる。

  付加絶縁(例  導体群を覆うスリーブ)の場合,スリーブの中に挿入した導体と,100 mm 以上の長

さにわたってスリーブの周りに固く巻き付けた金属はくとの間に試験電圧を加える。

3.1.5 

ビーズ及びセラミック絶縁物 

導体上のビーズ及びこれに類するセラミック絶縁物は,次のようにしなければならない。

  これらの絶縁物は,危険が生じるような場所に移動しないように固定又は保持する。

  これらの絶縁物は,とがった縁又はとがった角に接触させない。

ビーズが金属製の可とう電線管の中にある場合は,通常使用時の動きによって危険が生じないように電

線管を取り付けるか又は固定するかしない限り,ビーズは絶縁スリーブの中に収めなければならない。

適否は,目視検査及び必要な場合は次の試験によって判定する。

これらの絶縁物又は電線管に

10 N の力を加える。これらの絶縁物が動いた場合は,この規格でいう危険

が生じてはならない。

3.1.6 

電気的に接触圧が必要なねじ 

電気的に接触圧が必要な場合,ねじは金属板,金属ナット又は金属インサートにねじ山を完全に

2 山以

上かみ合わせなければならない。

保護接地を含み,電気的接続を行う場合,又は金属ねじと交換したときに,付加絶縁若しくは強化絶縁


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に悪影響を及ぼすおそれがある場合には,絶縁物製のねじを用いてはならない。

絶縁物製のねじが他の安全面に関与している場合は,ねじ山を完全に

2 山以上かみ合わせなければなら

ない。

注記

  保護接地連続性のために用いるねじに対しては,2.6.5.7 も参照する。

適否は,目視検査によって判定する。

3.1.7 

電気接続部の絶縁材料 

保護接地機能のための接続(2.6 参照)を含めて,電気的接続部は,絶縁物を通して接触圧が伝わらない

ように設計しなければならない。ただし,金属部に十分な弾性をもたせて,絶縁物の収縮又はひずみを補

っている場合を除く。

適否は,目視検査によって判定する。

3.1.8 

セルフタッピングねじ及びスペーススレッドねじ 

スペーススレッド(シートメタル)ねじは,通電部分の接続に用いてはならない。ただし,通電部分双

方を直接接触させて締め付け,かつ,適切な緩み止めを施した場合を除く。

セルフタッピング(スレッドカッティング又はスレッドフォーミング)ねじは,通電部分の電気的接続

に用いてはならない。ただし,完全な標準機械ねじ山を形成する場合を除く。さらに,使用者又は設置者

が動かすねじには,この種のねじを用いてはならない。ただし,塑性変形(スエージング)によってねじ

山を形成する場合を除く。

注記

  保護接地連続性のために用いるねじに対しては,2.6.5.7 も参照する。

適否は,目視検査によって判定する。

3.1.9 

導体の接続箇所 

導体及びその端子(例  環形端子及び平形速結端子)は,通常使用時に沿面距離又は空間距離が 2.10(又

は附属書 G)に規定する値を下回るような移動ができない手段(例  バリア又は固定)を備えるか,又は

そのように終端しなければならない。

導体の接続には,はんだ付け,溶接,圧着,押込み(ねじなし)及びこれらに類する接続方法を用いて

もよい。はんだ付け端子接続の場合は,導体を所定の位置に保持するために,はんだ付けだけに依存しな

いように導体を配置又は固定しなければならない。

マルチウェイプラグ及びソケット,並びにその他短絡が発生するような箇所では,端子の緩み又は接続

部での電線の離脱によって,

SELV 回路又は TNV 回路の部分と危険電圧の部分とが接触しないような手段

を備えなければならない。

適否は,目視検査,測定,及び必要な場合は次の試験によって判定する。

その接続点近傍の導体に

10 N の力を加える。導体は,離脱又はその端子を軸にした回転によって,沿面

距離又は空間距離が 2.10(又は附属書 G)に規定する値を下回ってはならない。

適否を評価するために,次のことを前提とする。

  二つの独立した固定は,同時に緩むことはない。

  セルフロックワッシャを備えたねじ若しくはナットによって,又は他のロック手段によって固定され

た部分は緩むことはない。

注記

  スプリングワッシャ又はこれと同等の物によって,適切に固定することができる。

要求事項に適しているとみなす例には,次のものを含む。

  電線及びその終端接続部に用いる密着したチューブ(例  熱収縮スリーブ又はゴムスリーブ)

  はんだ付けで接続し,かつ,はんだ付け接続とは別個に終端接続部の近くの位置に固定した導体


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  はんだ付けで接続し,かつ,導体の通る孔が過度に大きくなく,はんだ付け前にフックインしている

導体

  端子の近傍で追加の固定をしているねじ端子に接続した導体。より線の場合は,その追加の固定は導

体だけでなく絶縁部も締め付けている。

  ねじ端子に接続した導体であって,かつ,ねじが緩んでも外れないような端子(例  導体に圧着した

環形ラグ端子)を設けているもの。そのような端子は軸回転を考慮する。

  端子のねじが緩んでも,その位置でとどまる短くて硬い導体

3.1.10  電線のスリーブ 

内部配線に付加絶縁としてスリーブを用いる場合は,確実な手段によって適切な場所に保持しなければ

ならない。

適否は,目視検査によって判定する。

この要求事項の意図に適しているとみなす構造の例には,次のものを含む。

  電線又はスリーブのいずれかを,破損又は切断だけでしか取り除くことができないスリーブ

  両端で留めているスリーブ

  電線の絶縁部に密着した熱収縮スリーブ

  滑って移動しないような長さのスリーブ

3.2 

主電源への接続 

3.2.1 

接続の方法 

3.2.1.1 

交流主電源への接続 

交流主電源への安全で信頼のおける接続を行うために,機器は次のいずれかを備えなければならない。

  電源に恒久接続するための端子

  電源に恒久接続するための,又はプラグによって電源接続するための非着脱式電源コード

注記

  多くの国では,その国の配線規則に適合するプラグを備えることを法律で要求している。

  着脱式電源コードを接続するための機器用インレット(1.7.5A 参照)

  ダイレクトプラグイン機器の一部となっている電源プラグ

適否は,目視検査によって判定する。

3.2.1.2 

直流主電源への接続 

直流主電源への安全で信頼のおける接続を行うために,機器は次のいずれかを備えなければならない。

  電源に恒久接続するための端子

  電源に恒久接続するための,又はプラグによって電源接続するための非着脱式電源コード

  着脱式電源コードを接続するための機器用インレット

プラグ及び機器用インレットは,交流主電源用のタイプを用いることによって危険な状態が起こる可能

性がある場合は,交流主電源用のタイプを用いてはならない。プラグ及び機器用インレットは,逆極性接

続によって危険な状態が起こる可能性がある場合は,逆極性接続を防止する設計にしなければならない。

直流主電源の一つの極を機器の主入力端子と機器の主保護接地端子との両方に接続してもよい。ただし,

その場合は,機器の設置指示書にシステムの適切な接地方法を記載しなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.2.2 

複数電源接続 

複数の電源(例  異なる電圧若しくは周波数,又はバックアップ電源)に接続できる機器の場合は,次

の全ての条件を満たすような設計でなければならない。


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  異なる回路に対して別個の接続手段をもつ。

  差込みを間違うと危険を生じるおそれがある場合,電源プラグは互換性がない。

  一つ,又はそれ以上の接続器が外れた場合には,ELV 回路の露出部分,又はプラグ接点のような危険

電圧が加わる部分に操作者がアクセスできない。

適否は,目視検査,及び必要な場合はアクセス可能性について図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)

を用いた試験を行うことによって判定する。

3.2.3 

恒久接続形機器 

恒久接続形機器は,次のいずれかを備えなければならない。

  3.3 に規定する一組の端子

  非着脱式電源コード

恒久接続形機器で一組の端子を備えるものは,次による。

  機器を支持物に固定した後で電源電線が接続できなければならない。

  適切なタイプのケーブル又は電線管を接続できるように,ケーブル引込口,電線管引込口,ノックア

ウト(配線用の孔)又はグランド(パッキング押さえ)を備えなければならない。

定格電流が

16 A 以下の機器では,引込口は,表 3A に示す外径をもつケーブル及び電線管に対して適切

なものでなければならない。

表 3A は,JIS C 3662 の規格群又は JIS C 3663 の規格群に適合するケーブルを用いるときに適用する。

その他のケーブルを用いる場合は,そのケーブルに適した電線管を引き入れることができるように設計し

なければならない。

電源接続用の電線管の引込口,ケーブルの引込口及びノックアウトは,感電に対する保護に影響を与え

ないように,又は空間距離及び沿面距離が 2.10(又は附属書 G)に規定する値を下回らないように,電線

管及びケーブルを引き入れることができる設計又は配置にしなければならない。

適否は,目視検査,実際の取付試験及び測定によって判定する。

表 3A-定格電流が 16 A 以下の機器のケーブル及び電線管の寸法 

導体の数

(保護接地導体がある場合,それを含める。

外径寸法

mm

ケーブル

電線管

2 13.0

(22.2)

3 14.0

(22.2)

4 14.5

(27.8)

5 15.5

(27.8)

注記

  括弧内の値は,カナダ及びアメリカ合衆国において,公称寸法値が 1/2 インチ及び 3/4

インチの寸法の電線管の端末処理を行うために必要な電線管開口部の値である。

3.2.4 

機器用インレット 

機器用インレットは,次の全てを満足しなければならない。

  コネクタの抜差しを行うとき,危険電圧が加わる部分に人がアクセスできないように配置するか,又

はそのように囲う(JIS C 8285 若しくは IEC 60309 の規格群,又は JIS C 8283 の規格群若しくは IEC 

60320 の規格群に適合する機器用インレットは,この要求事項に適合している。

  容易にコネクタが挿入できるように配置する。

  コネクタ挿入後に,平面上での通常のいかなる使用位置においても,機器をコネクタによって支持し


101

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ないように配置する。

  コネクタを抜き差しするとき,機器用インレットの端子はんだ付け部に機械的応力が加わらない構造

でなければならない。ただし,はんだ付けだけに依存しないように機器用インレットそのものを固定

する場合を除く。

適否は,目視検査,及びアクセス可能性については,図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)を用いる

ことによって判定する。

注記

  スイスでは,3.2.1.1 の注記参照。

3.2.5 

電源コード 

3.2.5.1 

交流電源コード 

交流主電源に接続する電源コードは,シース付きのもので,かつ,次の該当する要求事項に適合しなけ

ればならない。

  ゴムシースの場合は,合成ゴムのもので,かつ,JIS C 3663-1 に基づくオーディナリーゴムシース付

きコード(タイプ

60245 IEC 53)よりも軽くないものを用いる。

 PVC シースの場合は,次による。

  非着脱式電源コードを備え,かつ,質量が 3 kg を超えない機器の場合は,JIS C 3662-1 に基づくラ

イトビニルシースコード(タイプ

60227 IEC 52)よりも軽くないものを用いる。

  非着脱式電源コードを備え,かつ,質量が 3 kg を超える機器の場合は,JIS C 3662-1 に基づくオー

ディナリービニルシースコード(タイプ

60227 IEC 53)よりも軽くないものを用いる。

注記 1  機器が着脱式電源コードを用いるように意図する場合は,機器の質量に制限はない。

  着脱式電源コードを備える機器の場合は,JIS C 3662-1 に基づくライトビニルシースコード(タイ

60227 IEC 52)よりも軽くないものを用いる。

  可搬形機器のシールドを施したコードには,JIS C 3662-2 の 3.1(可とう性試験)の試験を適用する。

注記 2  シールドを施したコードは,JIS C 3662-2 の適用範囲には含まれていないが,JIS C 

3662-2 の可とう性試験を適用する。

  上記と同等以上の電気機械的安全性能及び防火性能をもつ場合には,上記以外のコードを用いること

ができる。

注記 3  国又は地域の規格・規制が存在する場合,その規格・規制は上記段落への適合を示すため

に用いることができる。

注記 4  我が国では,上記と同等以上の電気機械的安全性能及び防火性能をもち,更に技術基準の

解釈の別表第一に適合する電源コードは,用いることができるとみなされている。

電源コード以外に保護接地導体を備えるクラス

0I 機器を除き,保護接地を要求する機器に対しては,電

源コードに保護接地導体を含まなければならない。

電源コードは,表 3B に規定する値以上の断面積の導体をもたなければならない。

注記 5  注記 において同等以上の性能をもつとみなされている技術基準の解釈の別表第一に適合す

る電源コードの導体断面積は,関連する配線規定に適合させてもよい。

適否は,目視検査によって判定する。シールドを施したコードについては,シールドに対する損傷は,

次の全てに適合する場合,許容する。

  可とう性試験中,シールドはどの導体とも接触しない。

  可とう性試験の後,サンプルはシールドと全ての他の導体との間で耐電圧試験を行ったとき,これに

耐える。


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C 6950-1:2016

表 3B-導体の寸法 

機器の定格電流

 

A

最小導体寸法

公称断面積

mm

2

AWG 又は kcmil(参考)

(  )内は

mm

2

で表した断面積

注記 参照

6 以下 0.75

a)

   18

0.8)

6 を超え 10 以下

0.75)

b)

 1.00

16  (1.3)

 10 を超え 13 以下

1.0)

c)

 1.25

16  (1.3)

 13 を超え 16 以下

1.0)

c)

 1.5

14  (2)

 16 を超え 25 以下 2.5

12

3)

 25 を超え 32 以下 4

10

5)

 32 を超え 40 以下 6

8

8)

 40 を超え 63 以下 10

6

13)

 63 を超え 80 以下 16

4

21)

 80 を超え 100 以下 25

2

33)

 100 を超え 125 以下 35

1

42)

 125 を超え 160 以下 50

0

53)

 160 を超え 190 以下 70

000

85)

 190 を超え 230 以下 95

0000

107)

 230 を超え 260 以下 120

kcmil

126)

 260 を超え 300 以下 150

kcmil

152)

 300 を超え 340 以下 185

kcmil

202)

 340 を超え 400 以下 240

kcmil

253)

 400 を超え 460 以下 300

kcmil

304)

注記 1  JIS C 8283 の規格群又は IEC 60320 の規格群には,機器用カプラ及び可とうコードの使用可能な組

合せを規定しており,その中には注

a),  b)

及び

c)

を盛り込んだ組合せも含まれている。ただし,我が

国以外では表 3B に規定する値,特に注

a)b)

及び

c)

に基づく値を適用しない国が幾つかある。

注記 2 AWG 及び kcmil の寸法は,情報としてだけ扱う。括弧内の関連する断面積は,有効値を示した概数

である。

AWG は American Wire Gage を指し,cmil は circular mils を指す。ここで,1 circular mil は,

直径

1 mil(1 000 分の 1 インチ)の円の面積である。これらの用語は,一般的に北米において電線

寸法表示に用いる。

a)

 3

A までの定格電流では,電源コードの長さが 2 m 以下の場合は,公称断面積が 0.5 mm

2

のものも一

部の国では認めている。

b)

  括弧内の数値は,コードの長さが 2 m 以下の場合に限り,JIS C 8283 の規格群又は IEC 60320 の規格

群に基づく定格

10 A のコネクタ(タイプ C13,C15,C15A 及び C17)を取り付けた着脱式電源コー

ドに対して適用する。

c)

  括弧内の数値は,コードの長さが 2 m 以下の場合に限り,JIS C 8283 の規格群又は IEC 60320 の規格

群に基づく定格

16 A のコネクタ(タイプ C19,C21 及び C23)を取り付けた着脱式電源コードに対し

て適用する。

3.2.5.2 

直流電源コード 

直流主電源に接続する電源コードは,受ける可能性がある電圧,電流及び乱暴な取扱いに適切なもので

なければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.2.5A  交流主電源プラグ 

タイプ

A プラグ接続形機器の主電源プラグは,JIS C 8282-1 に適合するか,又はこれと同等以上の性能

をもたなければならない。JIS C 8286 に適合する電源コードセットは,この要求事項を満足するとみなす。

タイプ

A プラグ接続形機器にヒューズ付きの主電源プラグを備える場合は,JIS C 8282-2-1 に適合する


103

C 6950-1:2016

か,又はこれと同等以上の性能をもたなければならない。

注記

  技術基準の解釈の別表第四に適合する主電源プラグは,同等以上の性能をもつとみなされてい

る。

3.2.6 

コード留め及びストレインリリーフ 

非着脱式電源コードをもつ機器は,次のようにコード留めを施さなければならない。

  コードの導体接続点に張力が加わらない。

  コードの外側被覆が磨耗しないように保護している。

コード,その導体若しくは両方が損傷するほど,又は機器の内部部分が移動してしまうほど,コードを

機器の中に押し込むことができてはならない。

保護接地導体を含む非脱着式電源コードは,コード留めの中で電源コードが滑り,電源コードに張力が

加わった場合でも,保護接地導体に最後に張力が加わる構造でなければならない。

コード留めは,絶縁物で作るか又は付加絶縁の要求事項に適合する絶縁物のライニング(裏打ち)がな

ければならない。ただし,コード留めがシールドを施した電源コードのシールドへの電気的接続を兼ねた

ブッシングの場合,この要求事項は適用しない。コード留めの構造は,次のようにしなければならない。

  コードを交換しても機器の安全性を損なわない。

  通常のコードの交換において,張力が加わらないようにする方法が明らかになっている。

  ねじを含め,コード留めを絶縁物で作り,そのねじが固定するコードの直径に匹敵する寸法でない限

り,コードの上から直接押さえつけるねじによってコードを固定しない。

  コードに結び目を付ける,又はコードをひもで縛りつける方法はとらない。

  電気的接続部に機械的張力が加わる程度まで,機器本体に対してコードが回転しない。

適否は,目視検査及び機器に取り付ける電源コードと同じ形のコードを用い,次の試験を行うことによ

って判定する。

コードには,表 3C に規定する値の一定の引張力を最も不利な方向に加える。試験は 25 回行い,各回 1

秒間力を加える。

この試験中,電源コードには損傷が生じてはならない。これは目視検査及び電源コードの導体とアクセ

ス可能な導電部との間で耐電圧試験を行い,確認する。この試験電圧は,強化絶縁に対し適切な電圧とす

る。

試験後,長さ方向に

2 mm を超える電源コードの変位がなく,また,接続部に張力が加わってはならな

い。また,空間距離及び沿面距離は,2.10(又は附属書 G)に規定する値を下回ってはならない。

表 3C-電源コードに対する物理的試験 

機器質量(

M)

kg

引張力

N

1 以下 30

  1 を超え  4 以下 60

4 を超え 100

3.2.7 

機械的損傷に対する保護 

電源コードは,機器の内部若しくは機器表面,又はコード引込口の開口部若しくは引込口ブッシングに

ある,鋭利な部分又は縁に接触しないようにしなければならない。

非着脱式電源コードのシースは,引込口ブッシング又はコードガードを通って機器の中に入っており,


104

C 6950-1:2016

更にコード留めの固定点を超えてコード直径の

1/2 以上入っていなければならない。

引込口ブッシングを用いる場合,引込口ブッシングは次による。

  確実に固定しなければならない。

  工具を用いずに取り外すことができてはならない。

金属製引込口ブッシングは,非金属エンクロージャに用いてはならない。

保護接地しない導電部に取り付ける引込口ブッシング又はコードガードは,付加絶縁に関する要求事項

を満足しなければならない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

3.2.8 

コードガード 

非着脱式電源コードをもち,かつ,手持形機器又は動作中に動かすことを意図した機器の電源コードの

引込口開口部には,コードガードを備えなければならない。別の方法として,引込口又はブッシングには,

接続できる最大断面積をもつコードの最大外径の

150 %以上の曲率半径をもつ滑らかに角をとったつ(吊)

り鐘状の開口部を備えなければならない。

コードガードは,次の全てを満足しなければならない。

  機器に入る部分でのコードの過度な曲げを防止する構造である。

  絶縁物で作られている。

  信頼のおける方法で固定されている。

  引込口開口部の外側に向けて,機器のコードの最大外径,平形コードの場合は,長径方向の最大外径

寸法の

5 倍以上,機器の外側に突き出ている。

適否は,目視検査,測定,及び必要な場合は機器とともに供給されるコードを用いて次の試験を行うこ

とによって判定する。

コードに外力が加わらないようにしたとき,コードが機器の外に出る部分でコードガードの軸が

45°の

角度で突き出るように機器を据え付ける。次に

10×D

2

 g の質量に等しいおもりをコードの自由端に取り付

ける。ここで,はコードの外径寸法を,平形コードの場合は,短径方向の外径寸法を,ミリメートル(mm)

で表す。

コードガードが温度に影響されやすい材料で作られている場合には,試験は

23±2  ℃で行う。

平形コードは,抵抗の最も少ない面で曲げる。

おもりを取り付けた直後に,コードの曲率半径は,いずれの部分でも

1.5よりも小さくなってはならな

い。

3.2.9 

電源配線用スペース 

恒久接続用,又は一般用非着脱式電源コードの接続用に,機器の内側,又は機器の一部として設けた電

源配線用スペースは,次のように設計しなければならない。

  導体を容易に引き込むことができ,かつ,容易に接続することができる。

  導体の絶縁されていない端がその端子から抜け出すおそれがない,又は抜け出すことがあっても,次

のいずれかの部分とは接触しない。

  保護接地されていないアクセス可能な導電部

  手持形機器のアクセス可能な導電部

  カバーがある場合は,カバーを取り付ける前に,導体が正しく接続され定位置にあることを判定でき

る。

  カバーがある場合は,カバーを電源導体又はその絶縁を損傷させるリスクなく取り付けることができ


105

C 6950-1:2016

る。

  端子にアクセスするために外すカバーがある場合は,カバーは汎用工具で取り外すことができる。

適否は,目視検査及び 3.3.4 に規定する当該範囲の最大断面積をもつコードを取り付ける試験によって判

定する。

3.3 

外部導体接続用の配線端子 

3.3.1 

配線端子 

恒久接続形機器及び一般用非着脱式電源コードを備える機器は,ねじ,ナット又はこれらと同等の効果

がある装置を用いて接続を行う端子をもたなければならない(2.6.4 も参照)。

適否は,目視検査によって判定する。

3.3.2 

非着脱式電源コードの接続 

特殊用非着脱式電源コードをもつ機器では,個々の導体を機器の内部配線に接続するとき,機器が通常

負荷で動作している間に許容温度限度を超えないような信頼のおける電気的及び機械的手段によって接続

しなければならない(3.1.9 も参照)。

適否は,目視検査及び接続部の温度が表 4B の値を超えるかどうかを測定することによって判定する。

3.3.3 

ねじ端子 

外部主電源導体を締め付けるねじ及びナットは,JIS B 0205-2 若しくは JIS B 0205-3 に適合するねじ山,

又はピッチ及び機械的強度がそれに相当するねじ山(例  ユニファイねじのねじ山)をもたなければなら

ない。このねじ及びナットは,他のコンポーネントの固定に兼用してはならない。ただし,電源導体を取

り付ける場合に内部導体が外れるおそれがないように配置する場合は,このねじ及びナットで内部導体を

同時に固定してもよい。保護接地端子及び保護ボンディング端子については,2.6.4.2 も参照する。

機器内に組み込むコンポーネント(例  スイッチ)の端子は,3.3 の要求事項に適合する場合,外部主電

源導体用端子として用いてもよい。

適否は,目視検査によって判定する。

3.3.4 

端子に接続する導体寸法 

端子は,表 3D に示す公称断面積をもつ導体を接続できなければならない。

これよりも太いゲージの導体を用いる場合は,端子もそれに応じた寸法のものでなければならない。

適否は,目視検査,測定及び表 3D に示す該当範囲の最小断面積及び最大断面積をもつコードを取り付

けることによって判定する。


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表 3D-端子に接続できる導体寸法の範囲 

機器の定格電流

A

公称断面積

mm

2

可とうコード

その他のコード

3 以下   0.5

 0.75

1  ~ 2.5

3 を超え  6 以下   0.75

 1

1  ~ 2.5

6 を超え 10 以下   1

 1.5

1  ~ 2.5

 10 を超え 13 以下   1.25

 1.5

1.5 ~ 4

 13 を超え 16 以下   1.5

 2.5

1.5 ~ 4

 16 を超え 25 以下   2.5

 4

2.5 ~ 6

 25 を超え 32 以下   4

 6

4  ~ 10

 32 を超え 40 以下   6

 10

6  ~ 16

 40 を超え 63 以下  10

 16

10  ~ 25

JIS C 3662 の規格群又は JIS C 3663 の規格群に適合する電線以外を用いるときは,それに適

した寸法の電線を接続できる端子とする。

3.3.5 

配線端子の寸法 

ピラー形,スタッド形又はねじ式の端子は,表 3E に示す最小寸法以上のものでなければならない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

表 3E-主電源供給導体及び保護接地導体用の端子の寸法

a)

定格電流

(次の値以下)

A

導体の寸法

 

mm

2

最小の公称ねじ径

mm

断面積

mm

2

ピラー形又は

スタッド形

ねじ式

b)

ピラー形又は

スタッド形

ねじ式

b)

10 1 3.0

3.5 7 9.6

16 1.5

3.5

4.0 9.6

12.6

25 2.5

4.0

5.0

12.6

19.6

32 4 4.0

5.0

12.6

19.6

40 6 5.0

5.0

19.6

19.6

63 10

c)

 6.0 6.0 28  28

80 16

c)

 7.9 7.9 49  49

a)

  この表は,2.6.4.2 に規定する場合,保護ボンディング導体用の端子の寸法としても用いる。

b)

  “ねじ式”とは,座金(ワッシャ)の有無にかかわらず,ねじの頭部で導体を固定する端子を示す。

c)

  この表の要求事項の代替として,保護接地導体を,特殊コネクタ,又は機器の金属きょう(筐)体にねじ及

びナット機構によって固定する適切な締付手段(例  上向スペード又は閉ループ圧着端子形,締付ユニット
形,サドル締付ユニット形,マントル締付ユニット形など)に取り付けてもよい。ねじ及びナットの断面積
の合計は,表 2D 又は表 3B の該当する導体の寸法の 3 倍以上の断面積でなければならない。端子は,JIS C 

2814-1 に適合し,かつ,IEC 60999-1 又は IEC 60999-2 に適合しなければならない。

3.3.6 

配線端子の設計 

配線端子は,十分な接触圧をもち,かつ,導体に損傷を与えないようにして金属表面間で導体を固定す

るような構造でなければならない。

端子は,固定用ねじ又はナットを締め付けたときに,導体が滑り出さないような構造とするか又は滑り

出さないように配置しなければならない。

端子は,導体の固定に適した金具を備えなければならない(例  ナット,座金)

端子は,導体の固定手段を締め付けるか又は緩めたときに,次の全てが満足できるように固定する。


107

C 6950-1:2016

  端子自身が緩まない。

  内部配線にストレスを与えない。

  2.10(又は附属書 G)に規定する値未満になるまで空間距離及び沿面距離が小さくならない。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

3.3.7 

配線端子のグループ化 

一般用非着脱式電源コード及び恒久接続形機器の場合は,関連する全ての交流主電源用端子は互いに,

かつ,主保護接地端子がある場合は同様に,近くになければならない。ただし,クラス

0I 機器の外部接地

端子を除く。

一般用非脱着式電源コード及び恒久接続形機器の場合は,全ての関連する直流主電源用端子は,互いに

近くになければならない。主保護接地端子がある場合,直流主電源用端子は,システムへの適切な接地方

法を示す設置指示書があるときに限り,主保護接地端子の近くになくてもよい。

適否は,目視検査によって判定する。

3.3.8 

より線 

より線の導体に接触圧が加わる場所では,より線の終端を溶融はんだで固めてはならない。ただし,締

付方法をはんだのコールドフロー(低温流れ)による接触不良が生じないように設計している場合を除く。

コールドフローを補うばね端子は,この要求事項を満足するとみなす。

締めねじが回転しないように対策しても,適切とはみなさない。

端子は,可とう電線を固定するときに素線の

1 本が抜け出しても,その素線と次に示すものとの間に偶

然の接触が生じないように配置するか,保護するか又は絶縁しなければならない。

  アクセス可能な導電部

  付加絶縁だけによってアクセス可能な導電部から分離した接地していない導電部

適否は,目視検査,及びより線の素線の抜出しを防止するような特殊コードを準備していない場合は次

の試験によって判定する。

適切な公称断面積をもつ可とう導体の端から,絶縁被覆を長さ約

8 mm 取り除く。より線導体の素線 1

本を離し,他の素線を端子に完全に挿入して締め付ける。

これ以上絶縁被覆を破らずに,固定していない素線を可能な全ての方向に曲げる。ただし,ガードの回

りに鋭く曲げない。

危険電圧が加わる導体の場合は,固定していない素線は,あらゆるアクセス可能な導電部若しくはアク

セス可能な導電部に接続した導電部,又は二重絶縁機器の場合は,付加絶縁だけによってアクセス可能な

導電部から分離したあらゆる導電部に接触してはならない。

導体を接地端子に接続する場合,固定していない素線は危険電圧部分に接触してはならない。

3.4 

主電源からの遮断 

3.4.1 

一般要求事項 

サービス時に機器を主電源から遮断するために,遮断デバイスを設けなければならない。

注記

  指示書で,遮断デバイスを開放するか又は開放しないかのいずれかの状態で,機器の保守を認

めてもよい。

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.2 

遮断デバイス 

過電圧カテゴリ

I,過電圧カテゴリ II 若しくは過電圧カテゴリ III の交流主電源又は危険電圧の直流主電

源から供給するように意図した機器の遮断デバイスは,

3 mm 以上の接点間隔をもたなければならない。


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C 6950-1:2016

過電圧カテゴリ

IV の交流主電源に対しては,JIS C 8201-1 を参照する。

危険電圧でない直流主電源から供給するように意図した機器の遮断デバイスは,基礎絶縁の最小距離以

上の接点間隔をもたなければならない。

注記

  直流主電源では,回路によって遮断デバイス内のアークを防ぐために,追加処置が必要な場合

がある。

遮断デバイスを機器に組み込む場合は,できるだけ入力電源の近くに接続しなければならない。

遮断デバイスに関する全ての要求事項に適合する機能スイッチを,遮断デバイスとして用いてもよい。

ただし,他の遮断方法をもつ場合は,遮断デバイスに関する要求事項を機能スイッチに適用しない。

次に示す種類の遮断デバイスを用いてもよい。

  電源コードに取り付けた主電源プラグ

  ダイレクトプラグイン機器の主電源プラグ

  機器用カプラ

  断路用スイッチ

  サーキットブレーカ

  危険電圧でない直流主電源に対しては交換可能なヒューズ。ただし,サービス従事者だけがアクセス

可能な場合に限る。

  上記と同等のその他のデバイス

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.3 

恒久接続形機器 

恒久接続形機器の場合は,機器内に遮断デバイスを組み込まなければならない。ただし,1.7.2.1 に基づ

く設置指示書を添付する機器であって,設置指示書に機器の外部に適切な遮断デバイスを取り付けなけれ

ばならない旨の記載がある場合を除く。

注記

  外部遮断デバイスは,機器と一緒に供給する必要はない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.4 

充電部分が残存する部分 

機器の内部に設けた遮断デバイスであって,そのスイッチを切っても通電状態のままになっている電源

側の部分は,サービス従事者が偶然に接触する可能性を少なくするように防護しなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.5 

可とう電源コードにあるスイッチ 

断路用スイッチは,可とうコードに取り付けてはならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.6 

遮断デバイスの極数-交流単相機器及び直流機器 

遮断デバイスが機器内にあるか又は機器の一部である場合は,両極を同時に遮断しなければならない。

ただし,次を除く。

  直流主電源の接地導体,又は交流主電源の接地中性線が明確に識別できる場合は,非接地(相)導体

を遮断する片切り遮断デバイスを用いてもよい。

  直流主電源の接地導体,又は交流主電源の接地中性線が明確に識別できず,かつ,両切り遮断デバイ

スを機器に備えていない場合は,両切り遮断デバイスを機器の外側に備えるように設置指示書に明示

する。

注記

  両切り遮断デバイスが必要な(主電源の接地導体が明確に識別できない理由によって)場合


109

C 6950-1:2016

の例としては,次のものがある。

 IT 電力系統から電源供給を受ける機器の場合

  無極性機器用カプラ又は無極性プラグ(機器用カプラ又はプラグ自体を遮断デバイスと

して用いない場合)を通して電源供給を受けるプラグ接続形機器の場合

  極性が分からない,又は極性をもたないコンセントから電源供給を受ける機器の場合

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.7 

遮断デバイスの極数-三相機器 

三相機器の場合の遮断デバイスは,交流主電源の相導体全てを同時に遮断しなければならない。

IT 電力系統に中性点接続を要求する機器に対しては,遮断デバイスは 4 極デバイスであり,全ての相導

体及び中性線を遮断しなければならない。この

4 極デバイスを機器に備えていない場合は,設置指示書に,

機器の外部に

4 極デバイスの必要性を記載しなければならない。

遮断デバイスによって中性線を遮断する場合は,全ての相導体も同時に遮断しなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.8 

遮断デバイスとしてのスイッチ 

遮断デバイスとして機器内に組み込まれたスイッチを用いる場合は,1.7.8 に基づいてオン(入)位置及

びオフ(切)位置を表示しなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.9 

遮断デバイスとしてのプラグ 

電源コードに取り付けたプラグを遮断デバイスとして用いる場合,設置指示書は 1.7.2.2 に適合しなけれ

ばならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.10  相互接続形機器 

個々に電源接続できるユニットの一群が,危険電圧又は危険エネルギーレベルをユニット間で伝達でき

るような方法で相互接続する場合は,危険電圧を防護し,かつ,適切な警告ラベルを表示しないときは,

当該ユニットの保守中に接触するような危険な部分を遮断するための遮断デバイスを設けなければならな

い。さらに,ユニットごとに,そのユニットから全ての電力を取り除くために必要な事項を適切に指示し

た,容易に人目に付くラベルを備えなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.4.11  複数の電源 

複数の電源(例  異なる電圧若しくは周波数,又はバックアップ電源)から電力を受けるユニットの場

合は,遮断デバイスごとに,そのユニットから全ての電源を取り除くために必要な事項を適切に指示した

容易に人目に付く表示をしなければならない。

遮断デバイスが機器内に存在しない場合は,この表示は,機器上の主電源入力端子の近傍になければな

らない(1.7.9 参照)。

適否は,目視検査によって判定する。

3.5 

機器の相互接続 

3.5.1 

一般要求事項 

他の機器,アクセサリ又はネットワーク線と電気的接続を行うことを意図した機器の場合,これらと接

続した後も,相互接続回路は,

SELV 回路については 2.2 の要求事項,TNV 回路については 2.3 の要求事項

に対する適合性を維持しなければならない。


110

C 6950-1:2016

注記 1  通常,SELV 回路を SELV 回路に接続し,TNV 回路を TNV 回路に接続することによって,上

記の要求事項に適合させることができる。

さらに,他の機器又はアクセサリへ接続するデータポートの

SELV 回路は,3.5.4 に規定する接続される

側の機器の火災のリスクを制限しなければならない。

注記 2  この規格で要求するように回路を分離している場合,相互接続ケーブルには 2 種類以上の回

路(例

SELV 回路,制限電流回路,TNV 回路,ELV 回路又は危険電圧回路)が存在してい

てもよい。

適否は,目視検査によって判定する。

3.5.2 

相互接続回路のタイプ 

それぞれの相互接続回路は,次のいずれかでなければならない。

 SELV 回路又は制限電流回路

 TNV-1 回路,TNV-2 回路又は TNV-3 回路

  危険電圧回路

3.5.3 で許容する場合を除き,相互接続回路は ELV 回路であってはならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.5.3 

相互接続回路としての ELV 回路 

例えば,複写機にコレータといったその機器特有の補足機能をもたせるために付加装置を親機器に接続

する場合は,

ELV 回路を機器間で相互接続してもよい。この場合,機器を相互接続したときに,この規格

の要求事項への適合性を維持しなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

3.5.4 

追加機器用のデータポート 

追加機器又はアクセサリ(例  スキャナ,マウス,キーボード,

DVD ドライブ,CD-ROM ドライブ又

はジョイスティック)の火災のリスクを制限するために,追加機器又はアクセサリを接続するデータポー

トの

SELV 回路は,2.5 に規定する有限電源から供給しなければならない。追加機器が 4.7 を満足すること

が明らかである場合,この要求は適用しない。

注記

  アクセサリ及び相互接続ケーブルの製造業者は,表 2B に適合する有限電源から供給される最

大値

100 VA で 8 A 以下の故障電流に対して保護することが望ましい。

適否は,目視検査及び必要な場合は試験によって判定する。

物理的要求事項 

4.1 

安定性 

機器及びユニットは,通常使用状態の下で操作者及びサービス従事者に危害を及ぼすおそれがあるよう

な不安定な状態となってはならない。

使用現場で組み合わせて固定するようになっており,かつ,個々に単独で用いない組合せユニットの場

合,個々のユニットの安定性については,この細分箇条の要求事項を適用しない。

設置指示書によって,操作する前に建造物に取り付けることを指定する機器には,この細分箇条の要求

事項を適用しない。

操作者の使用状態において,引出し,扉などを開けたときに安定化手段が必要になる場合は,安定化手

段は自動的に作動しなければならない。

サービス従事者が操作している間,安定化手段が必要になる場合は,安定化手段は自動的に作動するか,


111

C 6950-1:2016

又は安定化手段の設置をサービス従事者に指示する表示を備えなければならない。

適否は,関連する場合は,次の試験によって判定する。各々の試験は別々に実施する。試験の実施時,

容器は定格容量内の最も不安定な状態となる量の物質を入れる。全てのキャスタ及びジャッキは,通常動

作中に用いられる場合,車輪などをロック又はブロックして最も不利な状態にしておく。ただし,キャス

タをユニットの輸送だけに用い,かつ,設置指示書によって取り付けた後にジャッキを下げることを要求

する場合,ジャッキ(キャスタでなく)をこの試験に用いる。ジャッキは,ユニットを適切なレベルに合

わせた状態で,最も不利な位置に置く。

  質量が 7 kg 以上のユニットは,正常な位置から 10°傾けたとき,転倒してはならない。扉,引出しな

どは,試験実施時には閉じておく。様々な状態で使用可能なユニットは,構造上許容される最も不利

な状態で試験する。

代替として,ユニットを水平に対し

10°傾けた面の上に意図した使用状態で置き,更に傾斜面に対

して垂直な軸を中心にゆっくり

360°回転する。

注記

  この代替試験では,面そのものを回転させてもよいし,固定面で機器を回転させてもよい。

  質量が 25 kg 以上の床置形のユニットは,そのユニットの質量の 20 %に等しい力(ただし,最大で 250

N)を床から 2 m 以内の高さにおいて,上方向を除くあらゆる方向に加えたとき,転倒してはならな

い。この場合,操作者又はサービス従事者によって使用時に動かされる可能性がある扉,引出しなど

は,設置指示書の指示の範囲で最も不利な位置に配置する。

  床置形のユニットは,床から 1 m 以内の高さにある 12.5 cm×20 cm 以上のあらゆる水平面に対して最

大モーメントとなる箇所に

800 N の下向きの一定の力を加えたとき,転倒してはならない。扉,引出

しなどは,この試験の実施時には閉じておく。この

800 N の力は,約 12.5 cm×20 cm の平面をもつ適

切な試験用工具で加える。下向きの力は,試験用工具の平面の全面を供試機器に接触させるように加

えるが,試験用工具は,機器の平らではない表面(例  波形又は曲線の表面)全部に接する必要はな

い。

4.2 

機械的強度 

4.2.1 

一般要求事項 

機器は,十分な機械的強度をもち,かつ,予期される取扱いにおいて,この規格で意図する危険を引き

起こさない構造でなければならない。ラックマウント形機器の追加要求事項については,附属書 DD によ

る。

エンクロージャが機械的な保護の役目を果たしている場合は,4.6.2 の要求事項に適合させるために用い

る内部のバリア,遮蔽物又はこれらに類するものは,機械的強度試験に適合する必要はない。

機械的エンクロージャは,故障などの理由で動いている部分から緩んだり,分離したり,若しくは投げ

出されたりするかもしれない部品を完全に閉じこめるか,又はその運動進路をそらせるのに十分なもので

なければならない。

適否は,構造の目視検査及び入手可能なデータの評価,並びに必要な場合は 4.2.24.2.7 に規定する関連

する試験によって判定する。

ハンドル,レバー,ノブ又はカバーを取り外したときに,図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)で危

険電圧が加わる部分にアクセス可能となる場合を除き,ハンドル,レバー,ノブ,ブラウン管表面(4.2.8

参照),又は表示デバイス若しくは計測デバイスの透明若しくは半透明のカバーには,この試験を行わない。

4.2.24.2.3 及び 4.2.4 の試験中,接地又は非接地導電エンクロージャは,危険エネルギーレベルが存在

する部分を短絡してはならず,かつ,危険電圧の裸の部分に触れてはならない。交流

1 000 V 又は直流 1 500


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V を超える電圧については,触れてはならず,かつ,危険電圧の部分とエンクロージャとの間に空隙がな

ければならない。この場合の空隙は,2.10.3(又は附属書 G)に規定する基礎絶縁の最小空間距離と同等

以上であるか,又は 5.2.2 に規定する関連の耐電圧試験に耐えなければならない。

4.2.24.2.7 の試験後,サンプルは 2.1.12.6.12.103.2.6 及び 4.4.1 の要求事項に適合し続けなければ

ならない。さらに,温度過昇防止器,過電流保護デバイス,インタロックなどの安全性に関する装置の動

作に障害が発生してはならない。疑わしい場合は,付加絶縁又は強化絶縁に対して,5.2.2 に規定する耐電

圧試験を行う。

安全性に影響を及ぼさないような仕上げ面の損傷,亀裂,へこみ及び欠けは無視する。

注記

  分離したエンクロージャ又はエンクロージャの一部にこの試験を適用する場合,その部分を再

度機器に組み込んで適否を判定する必要があるかもしれない。

4.2.2 10 

の外力試験 

エンクロージャの役目を果たしている(4.2.3 及び 4.2.4 参照)以外の部分,又はコンポーネントには,(10

±

1)N の静的な力を加える。

適否の基準は,4.2.1 による。

4.2.3 30 

の外力試験 

操作者アクセスエリアにあって,4.2.4 の要求事項に適合するカバー又は扉によって保護するエンクロー

ジャの部分には,(

30±3)N の静的な外力を 5 秒間加える。この試験は,図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1

参照)の関節がないまっすぐな種類のものを用いて,機器の外部又は内部の部分に外力を加えて行う。

適否の基準は,4.2.1 による。

4.2.4 250 

の外力試験 

外部エンクロージャには,

250±10)N の静的な力を 5 秒間加える。この試験は,直径 30 mm の円状の

平面を接触させることができる試験用工具を用いて,機器に取り付けたエンクロージャの上面,底面及び

側面に順次力を加えることによって行う。この試験は,質量

18 kg を超える機器のエンクロージャの底面

には適用しない。

適否の基準は,4.2.1 による。

4.2.5 

衝撃試験 

4.2.6 に規定する機器を除き,破損した場合に危険な部分に人がアクセスするおそれがあるエンクロージ

ャの外面には,次の試験を行う。

完全なエンクロージャのサンプル,又は補強を施していない最も大きな範囲を代表するエンクロージャ

の一部を,通常の位置に支持する。直径が約

50 mm で,質量が(500±25)g の固くて表面が滑らかな鋼

球を,垂直距離(H)1.3 m(図 4A 参照)の高さから試験サンプルの上に自然落下させる(垂直面には,

この試験を行わない。)

さらに,水平方向の衝撃を加えるために,上記鋼球をコードでつるして,それを垂直距離(H)1.3 m の

高さから試験サンプルに振子状に落下させる(図 4A 参照)(水平面には,この試験を行わない。)。代替と

して,試験サンプルを各々の水平軸に対して

90°回転させ,上記の垂直衝撃試験と同様にして行ってもよ

い。

取扱説明書でエンクロージャの底面がエンクロージャの上面又は側面となる置き方を許容する場合は,

エンクロージャの底面も同様に試験する。

衝撃試験は,次に対して行わない。

  ブラウン管の表示面(4.2.8 参照)


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  機器(例  複写機)のプラテンガラス

  組込形機器を含む据置形機器のエンクロージャの表面で,設置後保護されており,かつ,アクセスで

きないもの

  フラットパネルディスプレイで,次のいずれかに該当するもの

  ガラス表面積が 0.1 m

2

を超えないもの又は主要寸法が

450 mm を超えないもの

  ラミネートガラスでできているもの

注記

  ラミネートガラスには,ガラス片面にプラスチックフィルムを貼り付けたものなどの構造

も含まれる。

  JIS C 6065 の 19.6(ガラスの機械的強度)で評価され,適合しているもの

適否の基準は,4.2.1 による。

図 4A-鋼球を用いた衝撃試験 

4.2.6 

落下試験 

次の機器には,落下試験を行う。

  手持形機器

  ダイレクトプラグイン機器

  可搬形機器

  次のいずれかと一緒に用いることを意図した,質量が 5 kg 以下の卓上機器

  コード接続式電話ハンドセット

  その他の音響機能をもつコード接続式の手持形アクセサリ

  ヘッドセット

  使用方法の一部として使用者が持ち上げたり手に取ったりすることが必要となる可動形機器

注記

  このような機器の例としては,くず容器の上に載せるペーパーシュレッダで,くず容器を空

にするために本体を取り外すことが必要なものがある。

適否を決定するために完全な機器のサンプル

1 個を最も不利な結果となるような位置にして,水平面上

3 回落下させる。

落下させる高さは,次による。

  上記の卓上形機器については,750±10 mm

  上記の可動形機器については,750±10 mm


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  手持形機器,ダイレクトプラグイン機器及び可搬形機器については,1 000±10 mm

上記の水平面としては,厚さが

13 mm 以上の堅木を,各厚さが 18±2 mm の合板 2 枚を重ね合わせたも

のの上に取り付け,それをコンクリート又はこれと同等の弾力性がない床の上に固定する。

適否の基準は,4.2.1 による。

4.2.7 

応力緩み試験 

熱可塑性樹脂材料で成型又は成形したエンクロージャは,成型又は成形時の内部応力の解放によってそ

の材料に収縮又はひずみが生じても,危険な部分が露出せず,かつ,2.10(又は附属書 G)に規定する値

の沿面距離及び空間距離を下回らない構造でなければならない。

適否は,JIS C 60695-10-3 の成形応力解放変形試験,次の試験手順,又は構造の目視検査及び利用でき

る適切なデータの評価によって判定する。

機器全体又は支持のための構造物を備えたエンクロージャ全体からなる

1 個のサンプルを,4.5.2 の試験

の間に記録したエンクロージャの最大温度よりも

10 K 高い温度又は 70  ℃のいずれか高い方の温度の空気

循環形恒温槽に

7 時間放置した後,室温に戻す。

製造業者の同意があるときは,上記の時間を増加してもよい。

大きな機器であるためにエンクロージャ全体を恒温処理することが実際的でない場合は,機械的支持構

造体を含めて,厚さ及び形状に関し組立品全体を代表できるようなエンクロージャの部分を用いてもよい。

注記

  この試験の間,相対湿度を特定の値に維持する必要はない。

上記の試験を行った場合は,4.2.1 の適否の基準を適用する。

4.2.8 

ブラウン管 

160 mm を超える最大表示面寸法をもつブラウン管を機器に含む場合,ブラウン管,又はブラウン管を

正しく取り付けたエンクロージャのいずれかは,JIS C 6065 の箇条 18(映像管の機械的強度及び爆縮に対

する保護)に規定する機械的強度に関する要求事項に適合しなければならない。

注記

  JIS C 6065 の箇条 18 では,防爆形ブラウン管は,JIS C 6965 への適合を要求している。JIS C 6965

の適用範囲外である非防爆形ブラウン管は,引き続き JIS C 6065 の 18.2(非防爆形映像管)の

試験を適用している。

適否は,目視検査,測定,及び必要な場合は JIS C 6065 の箇条 18 の試験及び関連する要求事項によっ

て判定する。

4.2.9 

高圧ランプ 

高圧ランプの機械的エンクロージャは,通常使用時,又は操作者によるサービス時に操作者又は機器の

近くにいる者に危険を及ぼさないように,ランプが爆発した場合,それを封じ込めるだけの十分な強度を

もたなければならない。

この規格では,

“高圧ランプ”は,通電しないときの圧力が

0.2 MPa を超えるか,又は通電中 0.4 MPa を

超えるランプをいう。

適否は,目視検査によって判定する。

注記

  2.10.3.5 を適用することもある。

4.2.10  壁又は天井に取り付ける機器 

壁又は天井に取り付ける機器の取付手段は,適切なものでなければならない。

適否は,構造の目視検査,入手可能なデータの評価,及び必要な場合は次の試験によって判定する。

機器は,設置説明書に基づき取り付ける。機器の質量に追加して,外力を機器の重心に対して下向きに

1 分間加える。追加する力は,機器の質量の 3 倍又は 50 N のいずれか大きい方の力とする。機器及び機器


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に関連する取付手段は,試験中保持したままとする。試験後,関連するあらゆる取付板を含み,機器に損

傷があってはならない。

4.3 

設計及び構造 

4.3.1 

縁(エッジ)及び角(コーナー) 

機器の縁又は角が,それらの機器の中での位置又は役割を考慮して,操作者に危険が生じるおそれがあ

る場合は,丸め又は面取りの処理を施さなければならない。

この要求事項は,機器の適切な機能を果たす上で必要となる縁又は角には適用しない。

適否は,目視検査によって判定する。

4.3.2 

ハンドル及び手動操作 

ハンドル,ノブ,グリップ,レバー及びこれらに類するものが緩むことによって,危険が生じるおそれ

がある場合は,通常使用時に緩まないような方法で確実に固定しなければならない。自己硬化性樹脂以外

の封止コンパウンド及びこれらに類するものは,緩み止めとして用いてはならない。

スイッチ又はこれに類するコンポーネントの位置を表示するために,ハンドル,ノブ及びこれらに類す

るものを用いる場合は,危険を招くような誤った位置にそれを取り付けることができてはならない。

適否は,目視検査,手による試験及びハンドル,ノブ,グリップ又はレバーを取り外すように軸方向の

力を,次のように

1 分間加えることによって判定する。

通常使用時に軸方向の引張力が加わらないような形状の部品には,その力は次による。

  電気コンポーネント操作用の場合は,15 N

  その他の場合は,20 N

軸方向の引張力が加わるような形状の部品には,その力は次による。

  電気コンポーネント操作用の場合は,30 N

  その他の場合は,50 N

4.3.3 

調整可能なコントロール 

異なる交流主電源の電圧を選択するためのデバイスのようなコントロールデバイスを手で調整して,間

違った設定又は不注意な調整となり,危険が生じるおそれがある場合,機器は,その調整に工具の使用を

必要とする構造でなければならない。

注記

  供給電圧調整のための表示に関する要求事項は,1.7.4 に規定がある。

適否は,手による試験によって判定する。

4.3.4 

部品の固定 

ねじ,ナット,座金,ばね又はこれらに類するの部品が緩むことによって,危険が生じるおそれがある

場合,又は付加絶縁若しくは強化絶縁を介しての空間距離若しくは沿面距離が減少して 2.10(又は附属書

G)に規定する値を下回るおそれがある場合,このような部品は通常使用時に発生する機械的ストレスに

耐えるように確実に固定しなければならない。

さらに,クラス

0I 機器については,緩むことによって基礎絶縁の沿面距離又は空間距離の値が減少して

2.10 に規定する値を下回るおそれがある場合,これらの部品は通常使用時における機械的ストレスに耐え

るように確実に固定しなければならない。

注記 1  導体の固定方法に関する要求事項は,3.1.9 に規定がある。

適否は,目視検査,測定及び手による試験によって判定する。

適否を判定する場合は,次を適用する。

  二つの独立した固定方法は,それが同時に緩むとはみなさない。


116

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  セルフロック座金又はこれに類する緩み止め機構を用いたねじ又はナットで固定されている部分は,

緩むおそれがないものとみなす。

注記 2  ばね座金及びこれに類するものは,十分な緩み止めを備えている。

4.3.5 

プラグ及び接続器による接続 

製造業者のユニット又はシステムにおいて,操作者又はサービス従事者が用いる可能性があるプラグ及

び接続器は,差し間違いによって危険が生じるような方法で用いてはならない。特に,JIS C 8283 の規格

群,IEC 60320 の規格群,JIS C 8303 又は JIS C 8358 に適合するコネクタは,SELV 回路又は TNV 回路に

用いてはならない。誤挿入防止機構(キー)を付けること,配置を考慮すること,又はサービス従事者だ

けがアクセス可能であるコネクタの場合には,明確な表示をすることで,この要求事項に適合するものと

みなす。

適否は,目視検査によって判定する。

4.3.6 

ダイレクトプラグイン機器 

ダイレクトプラグイン機器は,コンセントに過度の力が加わってはならない。電源プラグ部は,該当す

る電源プラグに関する規格(3.2.5A 参照)に適合しなければならない。

適否は,目視検査及び必要な場合は次の試験によって判定する。

機器を,通常使用時のように,製造業者の意図に合った形状の固定コンセントに差し込む。コンセント

は,コンセントのかん(嵌)合面から

8 mm 内部に入った位置で接触端子の(複数の)中心線と交差する

水平軸で旋回するようにする。この状態で,かん合面を垂直に保つためにコンセントに加えるトルクは,

0.25 N・m を超えてはならない。

注記 1  オーストラリア及びニュージーランドでは,適否は AS/NZS 3112 によって判定する。

注記 2  イギリスでは,このトルク試験は BS 1363 に適合するコンセントを用いて実施し,ダイレク

トプラグイン機器のプラグ部については,BS 1363 の関連項目に対し評価する。

4.3.7 

接地した機器の電熱素子 

安全のために接地した機器の中に電熱素子をもつ場合は,地絡故障状態の下でも過熱による火災の危険

がないように電熱素子を保護しなければならない。このような機器において,温度検知デバイスを備える

場合は,電熱素子に電源を供給する全ての相導体に対して配置しなければならない。

次のそれぞれの場合,温度検知デバイスは,中性線導体も遮断しなければならない。

a) IT 電力系統から電源供給を受ける機器

b)  無極性機器用カプラ又は無極性プラグを通して電源供給を受けるプラグ接続形機器

c)

極性をもたないコンセントから電源供給を受ける機器

上記の b)及び c)の場合は,一方の導体にサーモスタットを接続し,もう一方の導体に温度過昇防止器を

接続する方法であっても,この要求事項に適合するものとみなす。

導体を同時に遮断することは要求していない。

適否は,目視検査によって判定する。

4.3.8 

電池 

注記 1  表示又は説明書に関する要求事項は,1.7.13 に規定がある。

注記 2  過電流保護に関する要求事項は,3.1.1 及び 5.3.1 に規定がある。

注記 3  据置形の電池(固定設備又は機器の外部に設置された大規模な二次電池のようなもの)に関

する要求事項は,JIS C 8704-2-1JIS C 8704-2-2 及び EN 50272-2 に規定がある。

アルカリ又はその他の非酸電解質を含む密閉型小型二次電池(ボタン形を除く)は,JIS C 8712 又は IEC 


117

C 6950-1:2016

62133 に適合しなければならない。

電池を内蔵する機器は,通常動作状態の下及び機器の中における単一故障(1.4.14 参照)が生じた後に

おいて,火災,爆発,及び化学物質の漏液のリスクを低減するように設計しなければならない。使用者が

交換できる電池は,電池の極性を逆に取り付けると危険な状態になる可能性がある場合は,そのような可

能性を低減する設計でなければならない。

電池回路は,次のように設計しなければならない。

  電池充電回路の出力特性は,その充電式電池に適合する。

  非充電式電池は,電池製造業者の推奨する放電レートを超える放電,及び意図しない充電が防止され

ている。

  充電式電池は,電池製造業者の推奨する充電及び放電レートを超える充放電及び逆充電が防止されて

いる。

  使用者が交換できる電池は,次のいずれかとする。

  図 2A のテストフィンガで短絡できない接点をもつ。

  この規格が意図する危険を回避するように本質的に保護されている。

注記 4  充電式電池への逆充電は,充電回路の極性が逆になっているときに起こり,電池の放電を助

長する。

電池が液体又はゲル状の電解液を含む場合は,電池の内部圧力の増加の結果として漏えいするかもしれ

ない液体をた(溜)めておくのに有効な電池トレイを備えなければならない。液漏れを起こすおそれがな

い構造の電池については,この電池トレイの要求事項は適用しない(1.3.6 参照)。

注記 5  電解液の液漏れを起こすおそれがない構造の電池の例としては,制御弁式蓄電池がある。

電池トレイが要求される場合,電池トレイの容量は電池全ての電解液の容量以上,又は複数のセルから

の同時液漏れを起こすおそれがない設計の電池については,単一セルの容量以上でなければならない。

注記 6  複数のセルが単一のケースに納められている(例  12 V の酸化鉛電池内の 6 個のセル)場合,

その破損によって単一セルよりも多い液漏れが発生する可能性がある。

適否は,目視検査並びに機器の製造業者及び電池の製造業者が提供するデータの評価によって判定する。

適切なデータが入手できない場合,適否は試験によって判定する。ただし,一定の条件下において本質

的に安全である電池については,そのような条件下での試験は行わない。一般消費者向けの非充電式のマ

ンガン乾電池又はアルカリ電池は,回路が短絡しても安全とみなし,放電試験又は保存状態での液漏れに

ついての試験は行わない。

次の試験には,その機器に用いることを製造業者が推奨する,又はその機器に附属する,完全に充電さ

れた充電式電池又は新品の非充電式電池を用いる。

  充電式電池への過充電  試験時間を最小にするために,充電回路で起こる可能性があり,かつ,結果

として過充電状態となるようなあらゆる単一故障状態を一時的に模擬しながら電池を充電し,最悪の

過充電状態となる故障モードを選択する。その後,選択した模擬故障モードで電池を

7 時間充電する。

  非充電式電池への意図しない充電  試験時間を最小にするために,充電回路で起こる可能性があり,

かつ,結果として意図しない充電状態となるようなあらゆるコンポーネントの単一故障を一時的に模

擬しながら電池を充電し,充電電流が最大になる故障モードを選択する。その後,選択した模擬故障

モードで電池を

7 時間充電する。

  充電式電池への逆充電  試験時間を最小にするために,充電回路で起こる可能性があり,かつ,結果

として逆充電の状態となるようなあらゆるコンポーネントの単一故障を一時的に模擬しながら電池を


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C 6950-1:2016

逆充電し,逆充電電流が最大になる故障モードを選択する。その後,選択した模擬故障モードで電池

7 時間逆充電する。

  あらゆる電池についての過放電  試験対象の電池の負荷回路内にあるあらゆる電流制限又は電圧制限

のためのコンポーネントを,一度に一つずつ順次開放又は短絡の状態にして,電池を急速に放電させ

る。

注記 7  ここに規定するうちのある種の試験は,それを実施する人に対して危険である。化学的な又

は爆発による危険に対して,試験者を保護する適切な手段を講じることが望ましい。

上記の試験を行った結果,次のいずれの状態も生じてはならない。

  電池の被覆の亀裂,破損又は破裂によって,要求される絶縁に悪影響を与えるような化学物質の漏え

  電池の圧力調整弁からの液体の漏えい。ただし,機器内で漏えい物をた(溜)めることによって絶縁

の損傷又は使用者に危害を与えるリスクがない場合を除く。

  使用者を傷付けるような電池の爆発

  機器のエンクロージャの外部への炎の放出又は溶融金属の流出

この試験の終了後,機器に 5.3.9.2 の耐電圧試験を行う。

4.3.9 

油及びグリース 

内部配線,巻線,整流子,スリップリング及びこれらに類するもの並びに絶縁物全般が,油,グリース

又はこれらに類する物質にさらされている場合,絶縁は,これらの条件の下で劣化しないような適切な特

性をもたなければならない。

適否は,目視検査及び絶縁材料のデータの評価によって判定する。

4.3.10  じんあい,粉末,液体及び気体 

じんあい(例  紙粉)を生じる機器,又は粉末,液体若しくは気体を用いる機器は,通常の動作,貯蔵,

充塡又は空になっている間に,濃縮,蒸発,漏れ,こぼれ又は腐食によって,これらの物質が危険な濃度

に達しにくく,かつ,この規格でいう危険が起こりにくい構造でなければならない。沿面距離及び空間距

離は,2.10(又は附属書 G)に規定する値を下回ってはならない。

適否は,目視検査,測定,補充中に液体がこぼれることによって電気的絶縁を害するおそれがある場合

は次の試験,及び可燃性液体の場合は 4.3.12 の試験によって判定する。

機器は,その設置指示書に基づいて用いることができる状態にする。ただし,通電はしないでおく。

機器の液体容器に,製造業者の指定する液体を一杯に入れ,更に容器の容量の

15 %に等しい量を,ゆっ

くりと

1 分間かけて注入する。250 mL を超えない容量の液体容器の場合,及び排出部分が備わっていない

容器であって液体が一杯になったか否かが外から分からない場合は,引き続き容器の容量に等しい量の液

体をゆっくりと

1 分間かけて注入する。

この処理を行った後,直ちに,液体がこぼれる可能性がある部分の全ての絶縁に対して 5.2.2 に規定する

耐電圧試験を行ったとき,機器はこれに合格しなければならない。さらに,目視検査の結果,液体によっ

てこの規格でいう危険が生じてはならない。

引き続き電気的試験を行う前に,機器は,通常の試験室の雰囲気中に

24 時間放置しておくことができる。

4.3.11  液体又は気体の容器 

通常使用時に液体又は気体を収納している機器は,過度の圧力を生じる危険に対して適切な安全確保手

段を組み込まなければならない。

適否は,目視検査及び必要な場合は適切な試験によって判定する。


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4.3.12  可燃性液体 

可燃性液体を機器で用いる場合,その液体は密閉形の容器に保管しなければならない。ただし,機器の

動作に必要な量の液体については,この限りではない。機器に蓄えられる可燃性液体の最大量は,通常

5 L

以下でなければならない。ただし,液体の消費が

8 時間の動作に対し 5 L を超える場合,蓄える量は 8 時

間の動作に必要な値まで増やしてもよい。

潤滑又は油圧システムで用いる油又はこれと同等の液体は,引火点が

149  ℃以上であって,かつ,その

液体の容器は,密封構造でなければならない。潤滑又は油圧システムは,液体の膨張を可能にする仕組み

をもち,かつ,放圧のための手段を組み込まなければならない。摩擦点に用いる潤滑油は,火災に寄与す

る点で無視できるため,この要求事項を適用しない。

次に示す条件の場合を除いて,印刷インクなどの補充可能な液体は,引火点が

60  ℃以上でなければな

らず,かつ,噴霧化を引き起こすだけの圧力の下に置いてはならない。

液体の噴霧又は可燃性蒸気と空気との混合の可能性によって,爆発又は火災を引き起こすおそれがない

ことを目視検査で確認できる場合は,引火点が

60  ℃未満の補充可能な可燃性液体,又は噴霧化を引き起

こすだけの圧力の下に置く補充可能な可燃性液体を用いてもよい。可燃性液体を用いる機器は,通常動作

状態の下で,混合が発火源の近傍で起こる場合には,爆発限界濃度の

1/4 を超える濃度に,又は混合が発

火源の近傍で起こらない場合には,爆発限界濃度の

1/2 を超える濃度になってはならない。検査に当たっ

ては,更に液体取扱いシステムの完全性を考慮する。液体取扱いシステムは,4.2.5 に規定する試験条件下

であっても,火災又は爆発のリスクが減少するように,適切に格納するか,又は適切な構造でなければな

らない。

適否は,目視検査,及び必要な場合は次の試験によって判定する。

4.5.2 に従って温度が安定するまで機器を動作させる。この状態で,取扱説明書に従って,通常の方法で

機器を動作させる。電気的コンポーネントの近傍及び機器の周囲において雰囲気のサンプルを採取して,

存在する可燃性蒸気の濃度を測定する。

雰囲気のサンプルは,

4 分間隔で採取する。4 回分のサンプルは通常の動作の間に採取し,この後,7 回

分のサンプルを機器が停止した後で採取する。

機器が停止した後で可燃性蒸気の濃度が高くなるときは,濃度が低くなっていくことが分かるまで

4 分

間隔でサンプルを採取し続ける。

機器のファンのうちのいずれかが回転しないなどの機器の異常な動作が起きる可能性がある場合は,こ

の要求事項への適否の試験を行うときに,その状態を模擬して試験する。

4.3.13  放射 

4.3.13.1  一般要求事項 

機器は,放射による人体への有害な影響,及び安全性に関係ある材料の損傷のリスクを軽減するように

設計しなければならない。

適否は,目視検査並びに該当する場合は 4.3.13.24.3.13.34.3.13.44.3.13.5 及び 4.3.13.6 に詳細に規定

する方法によって判定する。

4.3.13.2  電離放射 

電離放射線を発生する機器についての適否は,附属書 の試験によって判定する。

4.3.13.3  材料への紫外線(UV)の影響 

次の要求事項は,ランプの製造業者の指定に基づき,多量の紫外線を放射し,かつ,主に

180~400 nm

のスペクトラム帯域を放射するランプを装備する機器だけに適用する。


120

C 6950-1:2016

注記

  普通のガラス管に納められた一般用の白熱球及び蛍光灯は,多量の紫外線を放射するとはみな

されていない。ランプ製造業者の仕様として,主な照射が

180~400 nm の帯域の紫外線のラン

プであって,放射照度が

0.001 W/m

2

を超えるものは,多量の紫外線を放射するものとみなされ

ている。

機器内でランプから放射される紫外線にさらされる非金属部品(例  非金属エンクロージャ,配線及び

ケーブル絶縁部を含む内部素材)は,安全性に影響を受けない範囲で劣化に十分に耐えなければならない。

表 4A-紫外線暴露後の最小特性保持限界 

試験対象となる部品

特性

試験方法の規格

試験後の最小保持率

機械的保持のための部品

  引張強度

a)

又は

曲げ強度

a)b)

JIS K 7127JIS K 7161-1JIS K 

7161-2

JIS K 7164

及び JIS K 7165

又は ISO 527-5

70 %

JIS K 7171 又は ISO 178

70 %

衝撃を防護する部品

シャルピー衝撃

c)

アイゾッド衝撃

c)

,又は

引張衝撃

c)

JIS K 7111(規格群)又は ISO 179
(規格群)

70 %

JIS K 7110 又は ISO 180

70 %

JIS K 7160 又は ISO 8256

70 %

全部品

燃焼性区分

1.2.12 及び附属書 を参照

d) 

a)

  引張強度試験及び曲げ強度試験は,実際の厚さを超えない厚さの試料で実施する。

b)

  紫外線にさらされるサンプルの側面は,3 地点搭載法を用いる場合は 2 地点に接触させる。

c)

  アイゾッド衝撃試験及び引張衝撃試験においては 3.0 mm 厚,シャルピー衝撃試験においては 4.0 mm 厚の試

料で実施する試験は,

0.8 mm 以上の任意の厚さの試験を代表するとみなす。

d)

  燃焼性区分は,箇条 に規定する区分を下回らない限り,変わってもよい。

適否は,構造の評価及び機器内で紫外線放射にさらされる部分の紫外線耐力特性に関する入手可能なデ

ータの評価によって判定する。データが入手できない場合は,表 4A の試験を該当部分に実施する。

該当部分から採取した,又は同一素材からなるサンプルを,実施する試験の規格に従って準備する。次

に,サンプルを附属書 に従って処理する。処理後,サンプルはひび割れ,亀裂などの著しい劣化症状が

生じてはならない。サンプルを室温で

16~96 時間保管した後,適切な規格に基づいて試験する。

試験後の特性保持率の評価をするために,附属書 に従って処理しなかったサンプルを,附属書 に従

って処理したサンプルと同時に試験する。保持率は,表 4A の最小保持率を満足しなければならない。

4.3.13.4  人体の紫外線(UV)への暴露 

次の要求事項は,ランプの製造業者の指定に基づき,多量の紫外線を放射し,かつ,主に

180~400 nm

のスペクトラム帯域を放射するランプを装備する機器だけに適用する。

注記 1  普通のガラス管に納められた一般用の白熱球及び蛍光灯は,多量の紫外線を放射するとはみ

なされていない。ランプ製造業者の仕様として,主な照射が

180~400 nm の帯域の紫外線の

ランプであって,放射照度が

0.001 W/m

2

を超えるものは,多量の紫外線を放射するものとみ

なされている。

400 nm 以下の紫外線が 90 %以上減衰するガラスの焦点レンズを通してだけ放射する可視光及び紫外線

の組合せを発生する機器は,可視光を放出する開口が他にない場合に限り,適用を除外する。

注記 2  厚さが 2 mm 以上のガラスは,通常この条件に適合するとみなされている。

機器は,過度の紫外線を放射してはならない。

紫外線放射は,次のいずれかでなければならない。


121

C 6950-1:2016

  紫外線ランプのエンクロージャ,又は機器のエンクロージャによって適切に収納している。

  IEC/TR 60825-9 に記載する適切な限界値を超えない。

通常動作中,

8 時間暴露として適切な限界値でなければならない。

保守及び清掃作業の間,紫外線ランプを点灯させる必要がある場合,その限られた時間については,よ

り高い限界値であってもよい。適切な限界値は,これらの作業のために予測される時間で設定し,取扱説

明書及びサービス指示書に記載しなければならない。

使用者がアクセスする全ての扉又はカバーを開けたときに,上記の限度値よりも高い値の放射へのアク

セスが可能な場合は,次のいずれかを表示しなければならない(1.7.12 も参照)。

  “警告:開ける前に紫外線ランプを消す”又はこれと同等のもの

  図記号      又はこれと同等のもの

上記の表示は,扉若しくはカバーのそば,又は扉が機器から取り外せない場合は扉に表示してもよい。

上記の表示は,扉若しくはカバーが開かれたときに紫外線ランプの電源を遮断する安全インタロックス

イッチ(2.8 参照),又はその他の紫外線放射防止機構をもつ扉若しくはカバーには必要としない。

紫外線放射の図記号を機器に用いた場合は,その図記号及び上記又はこれと同等の警告文を一緒に,取

扱説明書及びサービス指示書に記載しなければならない。

サービス従事者アクセスエリアで,上記の限度値よりも高い値の放射へのアクセスが可能で,かつ,サ

ービス中通電していることが必要となる機器の場合は,次のいずれかを機器に表示しなければならない。

  “警告:サービス中は,紫外線対策用の目・皮膚保護具を着用する。”又はこれと同等のもの

  図記号      又はこれと同等のもの

表示は,サービス作業中容易に見える場所になければならない(1.7.12 も参照)。

紫外線放射の図記号を機器に用いた場合は,その図記号及び上記又はこれと同等の警告文を一緒に,サ

ービス指示書に記載しなければならない。

適否は,目視検査及び必要な場合は測定によって判定する。

紫外線放射は,走査形スペクトログラフ又は紫外線領域の相対スペクトル効果と同等のスペクトル反応

をもつ特定の検知器を用いて測定する。

通常動作中の紫外線暴露及び有効放射照度は,

8 時間暴露として IEC/TR 60825-9 の限界値を超えてはな

らない。

保守及びクリーニング作業中の紫外線暴露及び有効放射照度は,関連する指示書に記載するこれらの作

業のための暴露時間に対応した IEC/TR 60825-9 の限界値を超えてはならない。最大許容放射量は,30 分

間暴露に対応する値となる。

注記 3  暴露時間が減るに従い,許容放射量は増加する。

使用者がアクセスする全ての扉及びカバー,並びにレンズ,フィルタ又はこれらに類する部品は,これ

らを開放又は取り外したとき紫外線放射が増加する場合は,測定中はこれらを開放又は取り外さなければ

ならない。ただし,紫外線ランプの電源を遮断する安全インタロックスイッチ,その他の紫外線放射防止

機構をもつ場合を除く。

注記 4  測定技術に関する手引については,CIE Publication 63 を参照する。

4.3.13.5  レーザ(レーザダイオードを含む)及び LED(発光ダイオード) 

4.3.13.5.1  レーザ(レーザダイオードを含む) 

次に許容するものを除き,機器は JIS C 6802JIS C 6803 及び JIS C 6804 に従って分類し,ラベルを貼

らなければならない。


122

C 6950-1:2016

本質的にクラス

1 のレーザ機器,すなわち,より高いクラス番号のレーザ又はレーザダイオードを含ま

ない機器には,レーザ警告ラベル及びその他のレーザの説明を必要としない。

上記の除外を適用するために,レーザ又はレーザダイオードのデータは,JIS C 6802 に従って測定した

ときのクラス

1 の被ばく放出限界に適合しなければならない。データは,コンポーネント製造業者から取

得でき(1.4.15 参照),コンポーネント単独又は機器の中で意図したとおりに組み込んだコンポーネントに

対して適用できる。これらのレーザ又はレーザダイオードは,

180 nm~1 mm の波長範囲だけを放射する

ものでなければならない。

適否は,目視検査,製造業者が提供したデータの評価,及び必要な場合は JIS C 6802 に基づいた試験に

よって判定する。

4.3.13.5.2 LED(発光ダイオード) 

ランプ製造業者の仕様で

200~3 000 nm の波長範囲の光学的放射が JIS C 7550 及び IEC 62471 に規定す

る限度値を超える

LED を含む機器は,JIS C 7550 及び IEC 62471 に規定する限度値を超える光学的放射が

操作者アクセスエリアに現れる可能性を減らすための手段(例  インタロック,バリア,ガード又はこれ

らと同等のもの)を備えなければならない。

LED を低電力で用いる場合,JIS C 7550 又は IEC 62471 に適

合する必要はない。

注記 1  通常,次の LED の低電力での使用例は,適合するとみなされている。

  表示灯

  家庭用娯楽デバイスに用いるような赤外線デバイス

  コンピュータとコンピュータ周辺機器などとの間のデータ転送用の赤外線デバイス

  オプトカプラ

  その他これらに類する低電力デバイス

適否は,入手可能なデータシートの評価,目視検査,及び必要な場合は測定によって判定する。

注記 2  測定技術に関する手引については,JIS C 7550 又は IEC 62471 を参照する。

注記 3  光の放射が広帯域可視及び近赤外線放射であって光源の輝度が 10

4

 cd/m

2

を超えない場合,

IEC 62471 の 4.3 に規定する露光限界を超えないと考えられる(IEC 62471 の 4.1 参照)

4.3.13.6  その他の種類 

その他の種類の放射についての適否は,目視検査によって判定する。

4.4 

危険な可動部に対する保護 

4.4.1 

一般要求事項 

回転中のファンブレードを除き,傷害を与える可能性がある機器の危険な可動部は,人体への傷害のリ

スクを低減するように配置するか,囲うか,又は保護しなければならない。回転中のファンブレードは,

4.4.5 に従って評価する。

不意の復帰によって危険が発生するおそれがある場合は,自動復帰形温度過昇防止器,過電流保護デバ

イス,自動タイマ起動装置などを組み込んではならない。

適否は,目視検査,並びに 4.4.24.4.3 及び 4.4.4 に詳細に規定する方法によって判定する。

4.4.2 

操作者アクセスエリアにおける保護 

操作者アクセスエリアにおいては,危険な可動部分へのアクセスが生じにくいような適切な構造を備え

るか,又はアクセスしたときに危険を取り除くような機械的若しくは電気的な安全インタロックを備えた

エンクロージャの中に可動部分を配置することによって,保護しなければならない。家庭用及び家庭・オ

フィス兼用の文書・メディアシュレッダは,附属書 JA にも適合しなければならない。


123

C 6950-1:2016

上記の要求事項を満たすことによって,機器が意図する機能を果たすことが不可能な場合は,次を条件

にアクセスできてもよい。

  該当する危険な可動部分は,その作業に直接携わる部分となる(例  ペーパカッタの可動部分)。

  該当する可動部に関わる危険が,操作者に明確に分かる。

  追加的な手段として,次を備える。

  警告文を取扱説明書に記載し,かつ,表示を機器に付ける。その両方には,次の文章又はこれと同

等の適切な文章を含める。

警告

危険な可動部

指及び体を近づけない

  指,装身具,衣服などが可動部分に引き込まれるおそれがある場合は,操作者が,その可動部分を

停止できるような手段を備える。

上記の警告文,及び該当する場合,可動部分を停止するための手段は,目に付く場所に置き,容易に見

ることができ,かつ,傷害によるリスクが最も大きい箇所からアクセス可能な位置に設置しなければなら

ない。

適否は,目視検査及び必要な場合は操作者が取外し可能な部品は取り外し,かつ,操作者アクセス用の

扉及びカバーは開けた後に,図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)による試験を行うことによって判定

する。

可能性がある全ての場所に,ほとんど力を加えずにテストフィンガを当てたとき,危険な可動部分に接

触できてはならない。ただし,上記の追加的な手段を規定するとおりに備える場合を除く。

図 2A のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)が入らないような開口部に対しては,更にまっすぐで関節がな

いテストフィンガを用いて,

30 N の力で押す試験を行う。関節がないテストフィンガが入る場合は,図 2A

のテストフィンガ(2.1.1.1 参照)を用いて再度試験を行う。ただし,今度は,30 N 以下の必要な力でテス

トフィンガを押して試験する。

4.4.3 

アクセス制限場所における保護 

アクセス制限場所に設置する機器については,4.4.2 に規定する操作者アクセスエリアのための要求事項

及び適否の基準を適用する。

4.4.4 

サービス従事者アクセスエリアにおける保護 

サービス従事者アクセスエリアにおいては,機器の他の部分への修理点検などの保守作業中,危険な可

動部に偶然に接触するおそれがないような保護手段を備えなければならない。

適否は,目視検査によって判定する。

4.4.5 

回転中のファンブレードからの保護 

4.4.5.1 

一般要求事項 

機器は,回転中のファンブレードによる傷害の可能性を最小とするような構造でなければならない。

回転中のファンブレードによる傷害の可能性は,各ファンブレードの ファクタを計算し決定する。

ファクタは,次の式で得ることができる。

)

(

10

6

2

2

7

N

mr

K

×

=

ここに,

m

ファンを構成する回転部品(ブレード,シャフト及びロータ)
の質量(

kg)

r

モータ(シャフト)の中心軸から接触が想定される先端まで


124

C 6950-1:2016

のファンブレードの半径(

mm)

N

ファンブレードの回転速度(

min

1

回転中のファンブレードが傷害を引き起こす能力を,次のように分類する。

a)  次の式を満たす場合,回転中のファンブレードは痛み及び傷害を引き起こさないとみなす。

1

400

2

000

15

K

N

+

b)  a)を満たさないが,次の式を満たす場合,回転中のファンブレードは痛みを引き起こす可能性がある

が,傷害は引き起こさないとみなす。

1

600

3

000

22

K

N

+

c)

a)にも b)にも適合しない回転中のファンブレードは,傷害を引き起こす可能性があるとみなす。

4.4.5.2 

使用者の保護 

4.4.5.1 a)に分類するファンブレードは,操作者アクセスエリアにあってもよい。このファンブレードは,

単一故障状態において,4.4.5.1 b)に分類するファンブレードの制限値内でなければならない。

4.4.5.1 b)に分類するファンブレードは,通常動作状態において操作者アクセスエリアにあってはならな

い。このファンブレードは,単一故障状態においても,4.4.5.1 b)に分類するファンブレードの制限値内で

なければならない。このファンブレードへの接触が,使用者のサービス中だけに起きる可能性がある場合

は,次のいずれかの警告を表示しなければならない。

  図記号

  上記に類する図記号と ISO 3864-2 に規定する三角形の警告表示との組合せ

  次の警告文又はこれと同等の文章

警告

危険な回転部分

ファンブレードから離れること

4.4.5.1 c)に分類するファンブレードは,使用者のサービス中にファンの回転部分にも接触するおそれが

ないように,配置するか,設置するか,囲うか又は保護し,更に上記に規定する警告を表示しなければな

らない。

使用者のサービス中,4.4.5.1 の b)又は c)に分類するファンブレードとの接触に対する機器の保護手段を

無効化するか又はバイパスしなければならない場合,機器の保護手段を無効化するか又はバイパスするよ

りも先に機器を電源から切り離し,更に電源を復旧するよりも先に保護手段を復旧するように指示しなけ

ればならない。

4.4.5.3 

サービス従事者の保護 

サービス従事者のための回転中のファンブレードに対する保護機構は,機器側には要求しない。

4.4.5.1 c)に分類するファンブレードとの意図しない接触が起こる可能性がある区域で保守する間,サー

ビス従事者が回転中のファンブレードとの接触を避けるために,ファンブレードの位置が識別できるよう

に 4.4.5.2 に従った表示及び必要なあらゆる指示を行わなければならない。

4.5 

温度に関する要求事項 

4.5.1 

一般要求事項 

4.5 では,次のことを防止するための要求事項について規定する。


125

C 6950-1:2016

  接触可能な部分が一定温度を超える。

  機器の期待寿命の間の通常使用状態において,コンポーネント,部分,絶縁材及びプラスチック材料

が,電気的,機械的などの特性を劣化させるような温度を超える。

長い期間には,ある種の絶縁材料(2.9.1 参照)では電気的及び機械的特性が劣化してくることがある(例

材料の通常の軟化温度を下回る温度でも,軟化剤が蒸発する。)という事実を考慮しなければならない。

4.5.2 の試験中,音声増幅器は JIS C 6065 の 4.2.5 に基づいて動作させる。

4.5.2 

温度試験 

コンポーネントの中及び機器の構造の中で用いる材料は,通常負荷の使用条件下で,温度がこの規格で

いう安全な値を超えないように,選定しなければならない。

高温で動作するコンポーネントは,近接する材料又は他のコンポーネントを過熱させないように,効果

的に遮蔽又は分離しなければならない。

適否は,材料のデータシートの評価,並びに温度を測定及び記録することによって判定する。温度が安

定するまで,機器又は機器の部品を 1.4.5 に基づいて通常負荷で動作させる。温度限度については,4.5.3

及び 4.5.4 を参照する。

注記

  1.4.41.4.101.4.12 及び 1.4.13 も参照する。

機器に適用する試験条件が保たれる場合は,コンポーネント及びその他の部分を独立して試験してもよ

い。

組込形機器,ラック取付形機器又は大きな機器の中に組み込むことを意図した機器は,設置指示書で許

される範囲で最も不利になるような条件を実際に行うこと,又はその条件を模擬することによって試験す

る。

絶縁不良によって危険を招くおそれがある電気的絶縁部の温度(巻線の温度を除き,1.4.13 を参照)は,

絶縁部の表面上で熱源に近い点で測定する[表 4B の注

a)

を参照]

。試験中の条件は,次による。

  温度過昇防止器及び過電流保護デバイスが,作動してはならない。

  機器の通常動作を停止させないように組み込まれたサーモスタットは,作動してもよい。

  温度制限器は,作動してもよい。

  封止用コンパウンドがある場合は,流出してはならない。

4.5.3 

材料の温度限度 

材料及びコンポーネントの温度は,表 4B に規定する値を超えてはならない。


126

C 6950-1:2016

表 4B-材料及びコンポーネントの温度限度 

部分

最高温度(T

max

絶縁(巻線絶縁を含む。

  耐熱クラス 105 の材料(A) 100

a)b)c)

  耐熱クラス 120 の材料(E) 115

a)b)c)

  耐熱クラス 130 の材料(B) 120

a)b)c)

  耐熱クラス 155 の材料(F) 140

a)b)c)

  耐熱クラス 180 の材料(H) 165

a)b)c)

  耐熱クラス 200 の材料(N) 180

a)b)c)

  耐熱クラス 220 の材料(R) 200

a)b)c)

  耐熱クラス 250 の材料 225

a)b)

内部配線及び電源コードを含む外部配線のゴム絶縁又は

PVC 絶縁

  温度表示がないもの 75

d)

  温度表示付きのもの

温度表示の値

その他の熱可塑性絶縁

e)

参照

端子(据置形機器の外部接地導体のための接地用端子を含む。ただし,
非着脱式電源コードを備えた機器は除く。)

85

可燃性の液体に接する部分

4.3.12 参照

コンポーネント

1.5.1 参照

a)

  巻線の温度を熱電対で測定する場合は,表の数値から 10  ℃を減じた値を適用する。ただし,次の

場合を除く。

  モータ

  熱電対埋込みの巻線

b)

  適正な最高温度を決定するためには,材料ごとに,その材料のデータを考慮しなければならない。

注記

  材料のデータがない場合,技術基準の解釈の別表第四 1(1)ロ(ハ)は,該当する材料の最高

温度を決定するものとみなされている。

c)

  耐熱クラス 105 から 220 に対して JIS C 4003 で割り付けられている指定文字,A から R を括弧書き

で示す。

d)

  電線に表示がない場合は,電線リールの表示,又は電線製造業者の指示する温度定格を許容する。

e)

  種類が非常に多様なため,熱可塑性材の許容温度を規定することはできない。それらの材料は,4.5.5

に規定する試験に合格しなければならない。

4.5.4 

接触温度限度 

操作者アクセスエリアにあるアクセス可能な部分の温度は,表 4C に規定する値を超えてはならない。


127

C 6950-1:2016

表 4C-接触温度限度 

操作者アクセスエリアにある部分

最高温度(T

max

金属

ガラス,磁器及

びガラス質材

プラスチック

及びゴム

b)

短時間だけ保持又は接触するハンドル,ノブ,グリップなど

 60

70

85

通常使用時に連続的に保持するハンドル,ノブ,グリップなど

55 65 75

接触することができる機器の外部表面

a)

 70

80

95

接触することができる機器の内部部品

c)

 70

80

95

a)

  次の部分においては,100  ℃までの温度を許容する。

  機器の外部表面上のどの寸法も 50 mm 以下の区域で,かつ,通常使用時に人が触れるおそれのない区域

  意図する機能のために熱が必要な機器(例  文書ラミネート加工機)の一部であって,この状態が使用

者にとって明白である場合。機器上の高温部近傍の目立つ位置に警告表示を行わなければならない。

警告表示は,次のいずれかでなければならない。

  図記号      [IEC 60417-5041(2002-10)]:

  次の文言又はこれと同等の文言

警告

高温面

触らないこと

b)

  適正な最高温度を決定するためには,材料ごとに,その材料のデータを考慮しなければならない。

c)

  次の条件を満たす場合,限度値を超える温度になってもよい。

  当該部分に不用意に接触するおそれがない。

  当該部分に,この部分は高温であることの表示がしてある。この警告として,次の図記号(IEC 

60417-5041)を用いてもよい。

アクセス制限場所への設置を意図する機器の場合,表 4C の温度を適用する。ただし,明らかにヒート

シンクとして設計された外部金属部品,又は目視できる警告をもつ外部金属部品は,

90  ℃の温度を許容す

る。

4.5.5 

異常発生熱に対する耐性 

熱可塑性樹脂部品に危険電圧部分を直接取り付ける場合,その樹脂部品は異常発生熱に耐えなければな

らない。

適否は,その樹脂部品に JIS C 60695-10-2 のボールプレッシャー試験を行うことによって判定する。材

料の物理的特性を調べた結果,この試験の要求事項に合格することが明らかである場合は試験を行わない。

この試験は恒温槽の中で行い,その温度は[

(TT

amb

T

ma

15)±2]℃とする。

ただし,一次回路の中の危険電圧部分を支持する熱可塑性部品は,

125  ℃以上の温度で試験する。

TT

ma

及び T

amb

の意味は 1.4.12.1 に示す。

4.6 

エンクロージャの開口 

注記 1  4.6.1 及び 4.6.2 は可搬形機器には適用しない。4.6.4 は可搬形機器だけに適用する。

注記 2  エンクロージャの開口に対する追加の要求事項は,2.1.1 に規定がある。

4.6.1 

上面及び側面開口 

複数の設置方向で用いることを意図する機器の場合(1.3.6 参照),この細分箇条の要求事項は,それぞ

れの適切な設置方向に適用する。

可搬形機器(4.6.4 参照)のエンクロージャを除き,エンクロージャの上面及び側面の開口は,異物が開


128

C 6950-1:2016

口を通して侵入し,裸の導電部分に接触し危険を生じないような位置にするか又は構造にしなければなら

ない。

注記 1  危険には,エネルギーによる危険,及び絶縁の橋絡又は操作者の危険電圧部分へのアクセス

によって発生する危険(例  金属製装身具などを介して)を含む。

操作者が開ける又は外すことができる扉,パネル,カバーなどの背後の開口は,この要求事項に適合し

なくてもよい。ただし,カバーを閉じた状態又は所定の位置にした状態で,機器の開口部は,この要求事

項に適合しなければならない。

図 4E の 5°の投影部分に該当する防火用エンクロージャの側面部には,防火用エンクロージャ底面開口

の寸法に関する 4.6.2 の規定も適用する。

適否は,目視検査及び測定によって判定する。4.6.2 を適用する防火用エンクロージャの側面部分(上記

段落参照)を除き,次のいずれであっても,要求事項に適合するものとみなす(これらの構造に限定する

ものではない。)。

  あらゆる寸法が 5 mm 以下の開口

  長さに関係なく,幅が 1 mm 以下の開口

  垂直方向の異物の混入を防止してある上面開口(例  図 4B 参照)

  垂直方向から落下した外部の異物を外側にそらすような形のルーバを備えた側面開口(例  図 4C 

照)

  図 4D に示す上面又は側面の開口で垂直部分,又は開口の大きさ までで,次のような裸の導電部の

上になく,

5°の範囲で仕切られた範囲の体積 の中にない開口

  危険電圧箇所

  2.1.1.5 に規定する,エネルギーによる危険を生じる箇所

注記 2  図 4B,図 4C,図 4D 及び図 4E は,技術図面として用いることを意図したものでなく,これ

らの要求事項の意図をイラスト化したものである。

図 4B-真上からアクセスできないようにする開口の断面の例 

図 4C-ルーバの例 


129

C 6950-1:2016

A: エンクロージャの開口 
B: 開口の外測の端の垂直投影 
C: 開口の端から 5°の角度で B から E の距離までの投影傾斜 
D: エンクロージャの側面壁と同じ面で垂直に投影した線 
E: 開口の外側の端(B)及び傾斜線(C)の投影(寸法 L を超えない。) 
L: エンクロージャの側面開口の最大寸法 

V :

危険電圧が加わる裸の部分,又はエネルギーによる危険(4.6.1 参照)が存在しないエリア

図 4D-エンクロージャの開口 

4.6.2 

防火用エンクロージャの底面 

複数の設置方向で用いることを意図する機器の場合(1.3.6 参照),この細分箇条の要求事項は,それぞ

れの適切な設置方向に適用する。

防火用エンクロージャ(可搬形機器の防火用エンクロージャを除く。)の底面又は底面に位置する個別の

バリアは,故障状態において支持台の表面を着火させるおそれがある材料を放出する可能性がある,部分

的に囲ったコンポーネント又は部分組立品を含む,全ての内部部分の下側を保護しなければならない。

注記

  防火用エンクロージャが不要な部分については,4.7.2.2 を参照する。

これらの底面又はバリアは,図 4E のような位置にあり,この図に示す寸法以上の面積をもち,かつ,

水平にするか,縁取りするか,又はこれらと同等の保護を備える形状でなければならない。

底面にある開口は,溶融金属及び燃焼物が防火用エンクロージャの外側に落ちないように,バッフル,

スクリーン又はこれらに類するもので保護しなければならない。


130

C 6950-1:2016

A: その下に防火用エンクロージャを必要とするコンポーネントの部分,例えば,そこから燃焼小片が落下するおそ

れがあるコンポーネント又は部分組立品の開口の下の部分。コンポーネント又は部分組立品自体に防火用エンク
ロージャがない場合は,保護を必要とする面積は,コンポーネント又は部分組立品が占める全面積となる。

B: 防火用エンクロージャの最も下にある点の水平面上に垂直に投影した A の輪郭。 
C: B と同一面上に輪郭 D を描いた傾斜線。輪郭 B の外周をたどっていくと,この線は,A の開口の外周のあらゆる

点で,垂直に対して

5°で投影した線となり,水平面上で描いた面積が最大になるような位置関係になっている。

D: 防火用エンクロージャの底面の最小輪郭。5°の角度で描いた線で囲まれた防火用エンクロージャの側面の部分も

また,防火用エンクロージャの底面の部分とみなす。

図 4E-部分的に囲ったコンポーネント又は部分組立品の防火用エンクロージャの底面 

この細分箇条の要求事項は,アクセス制限場所だけで用いることを意図し,かつ,コンクリート床又は

他の非可燃性表面に据え付けることを意図した据置形機器には適用しない。このような機器には,次の表

示を行わなければならない。

コンクリート又は他の非可燃性表面だけへの据付けに適している。

適否は,目視検査及び必要な場合は A.3 の試験によって判定する。

次の構造の場合は,試験を行うことなく,この要求事項に適合するものとみなす。

  底面に開口がない防火用エンクロージャ

  防火用エンクロージャに関する要求事項に適合する内部のバリア,スクリーン,又はこれらに類する

ものの下にある,あらゆる大きさの底面の開口(4.2.1 も参照)

 V-1 材若しくは HF-1 発泡材に関する要求事項に適合する部品及びコンポーネントの下にあるか,又は

30 秒間炎を当てる JIS C 60695-11-5 のニードルフレーム試験に適合する小さなコンポーネントの下に

ある底面で,各々の寸法が

40 mm

2

以下の開口

  図 4F のようなバッフル構造

  表 4D の各行の寸法限度値を備えた防火用エンクロージャの金属底面

  編目の中心線間隔が 2 mm 以下の公称開口であって,かつ,線径 0.45 mm 以上のメッシュをもつ金属

製底面スクリーン


131

C 6950-1:2016

図 4F-バッフル構造 

表 4D-防火用エンクロージャの金属底面開口の寸法及び間隔 

金属底面の最小厚

 

mm

丸形開口

他の形の開口

開口の最大直径

mm

中心から中心まで
の開口の最小間隔

mm

最大面積

mm

2

開口の境界間

最小距離

mm

0.66 1.1  1.7  1.1  0.56 
0.66 1.2  2.3  1.2  1.1 
0.76 1.1  1.7  1.1  0.55 
0.76 1.2  2.3  1.2  1.1 
0.81 1.9  3.1  2.9  1.1 
0.89 1.9  3.1  2.9  1.2 
0.91 1.6  2.7  2.1  1.1 
0.91 2.0  3.1  3.1  1.2 
1.0 1.6  2.7  2.1  1.1 
1.0 2.0  3.0  3.2  1.0

4.6.3 

防火用エンクロージャの扉又はカバー 

防火用エンクロージャの一部に,操作者アクセスエリアの開閉を行う扉又はカバーがある場合は,次の

いずれかの要求事項に適合しなければならない。

  扉又はカバーには,2.8 の要求事項に適合するインタロックを備えなければならない。

  操作者が日常的に開けることを意図した扉又はカバーは,次の両方の条件に適合しなければならない。

  操作者が防火用エンクロージャの他の部分から扉又はカバーを取り外すことができない。

  通常動作中には,扉又はカバーが閉じたままになるような方法を備えている。

  アクセサリの取付けなどのために操作者がまれに用いることを意図した扉又はカバーは,機器の取扱

説明書に,扉又はカバーの正しい取外方法及び元どおりにするための正しい取付方法の記載がある場

合は,取り外すことができてもよい。

適否は,目視検査によって判定する。

4.6.4 

可搬形機器の開口 

ペーパクリップ又はステープラの針などの小さな金属性物質が移動中に可搬形機器内部で動き回ること

による発火のリスクは,このような金属性物質が機器内部に入り,火災の危険になるような裸の導電部を

橋絡する可能性を最小限にする方法によって減じなければならない。4.6.4.3 で要求する場合を除いて,2.5

に従って電力を制限している裸の導電部間には,そのような方法を備えることは要求しない。

注記

  上記要求事項は,裸の導電部だけに適用される。コンフォーマル,又は他のコーティングで覆

った導電部は,裸の導電部とはみなされない。

適否は,該当する場合,4.6.4.14.6.4.2 及び 4.6.4.3 に従って判定する。この目視検査及び試験中は,全


132

C 6950-1:2016

ての扉又はカバーは,閉じるか又は所定の位置にし,かつ,ディスクドライブ,電池などの周辺機器又は

部分組立品は意図したとおりに取り付けたままとする。

4.6.4.1 

構造設計上で対応する方法 

構造設計上で対応する方法として認められる例には,次のものがある。

  長さに関係なく幅が 1 mm 以下の開口

  各開口の中心線間隔が 2 mm 以下の公称開口をもち,かつ,線径 0.45 mm 以上の糸又は針金製メッシ

ュ状のスクリーン

  内部バリア

  その他の同等な構造的な手段

注記

  小さな物質が入ることを制限するために備えたスクリーンが,エンクロージャの一部を構成し,

防火用エンクロージャの 4.7 の要求事項に適合していてもよい。この場合,1.3.6 も参照する。

適否は,目視検査,測定,及び必要な場合は裸の導電部を橋絡する可能性がある物体が入ることを模擬

することによって判定する。

4.6.4.2 

大きな開口部の評価手法 

4.6.4.1 に規定するよりも大きな開口部がある場合は,4.6.4.1 の適否の基準に適合しない機器内の全ての

領域において,お互いから

13 mm 以内に位置する裸の導電部(メタライズされた部分については,4.6.4.3

参照)間で,直線的経路に沿った橋絡を模擬する故障試験を行う(2.1.1.1 も参照)。

適否は,目視検査,測定及び故障試験を模擬することによって判定する。直径が

1 mm で,長さが 13 mm

以下のまっすぐな金属物を特別な力を加えることなく適用し,同時に接触する可能性がある裸の導電部間

の橋絡を考慮する。この故障試験の間,非金属材料が発火したり,溶融金属の放出があったりしてはなら

ない。

4.6.4.3 

メタライズした部分の使用 

プラスチックバリア又はエンクロージャのメタライズした部分が,

15 VA を超える電力が取り出せる回

路から

13 mm 以内にある場合,次の a)b)又は c)の要求事項のいずれか一つを適用する。

a)

取り出せる電力が 2.5 の限度値に適合する場合でも,外部からの金属性物質は,4.6.4.1 に従って侵入

しないように制限しなければならない。

b)  裸の導電部とメタライズしたバリア又はエンクロージャとの間にバリアを設けなければならない。

c)

裸の導電部から

13 mm 以内にあるエンクロージャ又はバリアの最も近いメタライズした部分とその

裸の導電部との間の直接の橋絡を模擬するための故障試験を行う。

注記

  メタライズしたプラスチックバリア又はエンクロージャの例には,導電性混合材料で作られた

もの又は電解めっき,真空蒸着,ペイントめっき若しくはホイルを裏打ちしたものがある。

適否は,目視検査及び測定,並びに適切な場合,試験によって判定する。模擬するための故障試験を行

ったとき,メタライズしたバリア又はエンクロージャが発火してはならない。

4.6.5 

構造目的の接着剤 

4.6.14.6.2 又は 4.6.4 に適合させるために施したバリア又はスクリーンを,接着剤を用いてエンクロー

ジャの内側,又はエンクロージャ内部のその他の部分に固定する場合,当該接着剤は,製品寿命を通じて

十分な接着特性をもたなければならない。

適否は,構造の目視検査及び入手可能なデータの評価によって判定する。このようなデータが入手でき

ない場合の適否は,次の試験によって判定する。

機器のサンプル又はバリア若しくはスクリーンを取り付けたエンクロージャ部分のサンプルを,次のよ


133

C 6950-1:2016

うに処理する。処理中,サンプルはバリア又はスクリーンが下を向くように置く。

サンプルを,次に規定するいずれかの温度及び時間,恒温槽に入れ温度処理する。

 100±2  ℃で 1 週間

 90±2  ℃で 3 週間

 82±2  ℃で 8 週間

温度処理に引き続き,当該サンプルには次を順番に適用する。

  恒温槽から取り出し,20~30  ℃の任意の温度に 1 時間放置

  -40±2  ℃の冷凍庫に 4 時間放置

  冷凍庫から取り出し,20~30  ℃の任意の温度に 8 時間放置

  相対湿度が 91~95 %の恒湿槽中に 72 時間放置

  恒湿槽から取り出し,20~30  ℃の任意の温度に 1 時間放置

  温度処理で用いた温度の恒温槽の中に 4 時間放置

  恒温槽から取り出し,20~30  ℃の任意の温度に 8 時間放置

上記処理後直ちに,サンプルに対して 4.2 の試験を行う。一連の試験によって,バリア又はスクリーン

が剝がれ落ちたり,部分的に剝がれたりしてはならない。

製造業者の同意があるときは,上記のあらゆる試験時間を延長してもよい。

4.7 

耐火性 

この細分箇条は,機器内部及び外部への着火及び炎の拡散のリスクを,適切な材料及びコンポーネント

の使用,並びに適した構造にすることによって減らすことを意図した要求事項について規定する。

注記 1  着火のリスクは,通常動作状態の下及び単一故障が生じた後(1.4.14 参照)でのコンポーネ

ントの最高温度を制限すること,又は回路中で得られる電力を制限することによって減らす

ことができる。

注記 2  発火時の炎の拡散のリスクは,難燃性の材料及び絶縁材の使用,又は適切に分離することに

よって減らすことができる。

注記 3  材料の燃焼性区分は,1.2.12.1 の注記を参照する。

注記 4  オーストラリア及びニュージーランドでは,代替の燃焼試験も認められる。

金属,セラミック材料及びガラスは,試験なしに適合するものとみなす。

4.7.1 

着火及び炎の拡散のリスクの減少 

機器又は機器の一部分に対し,材料,電線,巻線コンポーネント及び集積回路,トランジスタ,サイリ

スタ,ダイオード,抵抗器,コンデンサなどの電子コンポーネントに影響を及ぼすおそれがある着火及び

炎の拡散が生じないように,次のいずれかの方法によって保護しなければならない。

  方法 1  着火及び炎の拡散の可能性を小さくするコンポーネント,電線及び材料の選択及び使用,並

びに必要な場合は防火用エンクロージャを用いる。適切な要求事項を 4.7.2 及び 4.7.3 に規定する。加

えて,この方法を採用する場合,5.3.7 c)を除き,5.3.7 の故障状態の模擬を適用する。

注記 1  方法 は,多くのコンポーネントを実装する機器,又はその機器の一部に適している。

  方法 2  5.3.7 の全ての模擬故障試験を適用する。方法 だけを用いる機器,又はその機器の一部に対

しては,防火用エンクロージャは不要である。特に 5.3.7 c)を適用する場合,一次回路及び二次回路の

全ての関連コンポーネントの試験を含む。

注記 2  方法 は,電子コンポーネント数の少ない機器,又はその機器の一部に適している。


134

C 6950-1:2016

4.7.2 

防火用エンクロージャの条件 

故障状態の下で,ある部分の温度が発火するほどになる場合,防火用エンクロージャを必要とする。

4.7.2.1 

防火用エンクロージャが必要な部分 

4.7.1 の方法 を用いる場合又は 4.7.2.2 で許容するものを除き,

次については着火のリスクがあるとみな

す。したがって,防火用エンクロージャを必要とする。

  一次回路のコンポーネント

  2.5 の限度を超える電源から電力を受ける二次回路のコンポーネント

  2.5 に規定する有限電源から電力を受けるが,V-1 材の上に搭載しない二次回路のコンポーネント

  電源の内部コンポーネント又は 2.5 に規定する有限電源の出力をもつ部分組立品で,過電流保護デバ

イス,インピーダンス制限,レギュレーティング回路及び配線を含む有限電源の出力規定に適合する

点までのもの

  危険電圧又は危険エネルギーレベルの回路にある,開放形のスイッチ及びリレーの接点,整流子など

のアークを発生する部分に囲いを施していないコンポーネント

  絶縁電線

4.7.2.2 

防火用エンクロージャが不要な部分 

次の部分は,防火用エンクロージャは不要とする。

  モータ

  変圧器

  5.3.5 を満足する電気機械的コンポーネント

 PVC,TFE,PTFE,FEP,ポリクロロプレン又はポリイミドで絶縁したケーブル及び配線

  電源コード又は相互接続ケーブルの一部を構成するプラグ及びコネクタ

  防火用エンクロージャの開口を埋める 4.7.3.2 の要求事項に適合するコネクタを含むコンポーネント

  通常動作状態の下及び機器内の単一故障が生じた後(1.4.14 参照)に,15 VA 以下に制限された電源

1.4.11 参照)から電力を受ける二次回路のコネクタ

  2.5 に規定する有限電源から電力を受ける二次回路のコネクタ

  次に示す二次回路のその他のコンポーネント

  2.5 に規定する有限電源から電力を受け,かつ,V-1 材の上に搭載するもの

  通常動作状態の下及び機器内での単一故障が生じた後(1.4.14 参照)に,15 VA 以下に制限した内

部電源又は外部電源(1.4.11 参照)から電力を受け,かつ,材料の主要な部分の最も薄い厚さが 3 mm

未満の場合は

HB75 材,又は材料の主要な部分の最も薄い厚さが 3 mm 以上の場合は HB40 材の上

に搭載するもの

注記

  カナダ及びアメリカ合衆国では,追加の要求事項があり,箇条 の注記 を参照する。

  4.7.1 の方法 を満足するもの

  使用者が動作させ続ける必要があり,かつ,手を放すことによって全電力が機器又は機器の一部から

取り除かれるモメンタリースイッチをもつ機器又は機器の一部

4.7.2.1 及び 4.7.2.2 への適否は,目視検査及び製造業者が用意するデータの評価によって判定する。デー

タが用意されない場合,適否は試験によって判定する。

4.7.3 

材料 

4.7.3.1 

一般要求事項 

エンクロージャ,コンポーネント及び他の部分は,炎の拡散が極力生じないような構造とするか,又は


135

C 6950-1:2016

材料を用いなければならない。

VTM-0 材,VTM-1 材及び VTM-2 材は,それぞれ V-0 材,V-1 材及び V-2 材と同等の燃焼性とみなす。

ここで,電気的特性及び機械的特性は,同等である必要はない。

HB40 材,HB75 材又は HBF 発泡材が要求される箇所では,JIS C 60695-2-11 に従った 550  ℃でのグロー

ワイヤ試験に合格した材料でもよい。

故障状態での過熱からコンポーネントを保護することが困難な場合は,このコンポーネントは,

V-1 材

の材料に取り付けなければならない。さらに,このコンポーネントは,

V-1 材(1.2.12.1 の注記 参照)よ

りも燃焼性区分の劣る材料から

13 mm 以上の空間距離を設けるか,又は V-1 材の固体バリアによって分離

しなければならない。

注記 1  4.7.3.5 も参照する。

注記 2  カナダ及びアメリカ合衆国では,一辺の長さが 1.8 m を超える,又は露出面で 0.9 m

2

を超え

る外部表面をもつエンクロージャ及び装飾部分に対し,4.7.3.2 及び 4.7.3.3 に追加の要求事項

がある。

注記 3  炎の拡散を抑える方法を考慮し,

“小さな部品”が何かを評価する場合は,小さな部品同士が

近接している場合の蓄積効果に加えて,ある部品から次の部品へと炎が広がる可能性も考慮

することが望ましい。

注記 4  4.7.3 の燃焼性の要求事項は,表 4E にまとめてある。

適否は,目視検査及び製造業者が用意した関連データの評価によって判定する。

4.7.3.2 

防火用エンクロージャの材料 

次の要求事項を適宜適用する。

機器を互いに十分に近接して用いる(例  一つが他の上に載せられる。)場合でも,各々の機器に対して

質量

18 kg の規定を適用する。ただし,防火用エンクロージャの一部がそのような状況下(同じ例で,上

の機器の底面カバー)で取り外される場合は,双方の機器の合計質量を適用する。機器の合計質量の決定

においては,機器とともに用いるサプライ品,消耗材,メディア及び記録用材料は考慮に入れない。

総質量が

18 kg 以下の可動形機器の場合は,防火用エンクロージャとして用いる材料のうち,厚さが最

も薄い主要な部分が

V-1 材であるか,又は A.2 の試験に合格しなければならない。

総質量が

18 kg を超える可動形機器及び全ての据置形機器の場合は,防火用エンクロージャとして用い

ている材料のうち,厚さが最も薄い主要な部分が

5VB 材であるか,又は A.1 の試験に合格しなければなら

ない。

防火用エンクロージャの開口を覆うコンポーネントの材料及びこの開口の上に搭載することを意図した

コンポーネントの材料は,次のいずれかでなければならない。

 V-1 材で作られている。

  A.2 の燃焼性試験に合格する。

  関連するコンポーネントに関する JIS 又は IEC 規格の燃焼性要求に適合する。

注記

  このようなコンポーネントの例として,ヒューズホルダ,スイッチ,パイロットライト,コ

ネクタ及び機器用インレットがある。

防火用エンクロージャのプラスチック材料は,囲いを施していない整流子,囲いを施していないスイッ

チの接点などのアークを発生する部分から

13 mm 以上の空間距離で分離しなければならない。

通常動作又は異常動作のいかなる状態において,材料を着火させるのに十分な温度に到達するおそれが

ある部分で,かつ,それらがアークが発生しない部分から

13 mm 未満にある防火用エンクロージャのプラ


136

C 6950-1:2016

スチック材料は,JIS C 60695-2-20 の試験に合格する能力がなければならない。試験において,サンプル

が着火するまでの平均時間は

15 秒間以上でなければならない。サンプルが最後まで着火しないで溶融した

場合は,溶融が発生した時間を着火までの時間とはみなさない。

適否は,機器の目視検査,材料のデータシートの評価,及び必要な場合は附属書 の単一若しくは複数

の適切な試験又は JIS C 60695-2-20 の試験によって判定する。

4.7.3.3 

防火用エンクロージャの外側のコンポーネント,その他の部分の材料 

この細分箇条で別途規定する場合を除いて,防火用エンクロージャの外側に配置するコンポーネント,

その他の部分(機械的エンクロージャ,電気的エンクロージャ及び装飾部分を含む。)の材料は,次のいず

れかでなければならない。

  材料の主要な部分の最も薄い厚さが 3 mm 未満の場合は,HB75 材

  材料の主要な部分の最も薄い厚さが 3 mm 以上の場合は,HB40 材

 HBF 発泡材

注記

  機械的エンクロージャ又は電気的エンクロージャが防火用エンクロージャとしても機能する場

合は,防火用エンクロージャの要求事項が適用になる。

空気フィルタ組立品内部の材料に対する要求事項は 4.7.3.5 にあり,高電圧コンポーネントの材料に対す

る要求事項は 4.7.3.6 にある。

コネクタは,次のいずれかに適合しなければならない。

 V-2 材で作られている。

  A.2 の燃焼性試験に合格する。

  関連するコンポーネントに関する JIS 又は IEC 規格の燃焼性要求事項に適合する。

 V-1 材に取り付けられており,サイズが小さい。

  通常動作状態の下及び機器内での単一故障が生じた後(1.4.14 参照)において,15 VA 以下に制限し

た電源(1.4.11 参照)から供給を受ける二次回路に配置されている。

次に該当する場合,コンポーネント,その他の部分に対する

HB75 材,HB40 材又は HBF 発泡材の要求

事項は,適用しない。

  5.3.7 に従って試験したとき,異常動作状態で火災の危険がない電気コンポーネント

  通気口をもたず容積が 0.06 m

3

以下で全体が金属性のエンクロージャ内,又は不活性ガスが入った密閉

ユニット内にある材料及びコンポーネント

  計器のケース(他の方法で危険電圧が加わる部分への取付けが適切と判定された場合),計器の表面及

び表示灯,並びに該当する場合これらのレンズ

  該当する場合,関連するコンポーネントに関する JIS 又は IEC 規格の燃焼性要求事項に適合するコン

ポーネント

  集積回路ユニット,オプトカプラユニット,コンデンサのような小さな電子コンポーネントで,それ

らが,次のいずれかの場合

 V-1 材に取り付けてある場合

  通常動作状態の下,又は機器内の単一故障が生じた後(1.4.14 参照)において,15 VA 以下の電源

1.4.11 参照)から供給を受けており,かつ,材料の主要な部分で最も薄い厚さが 3 mm 未満の場合

HB75 材,又は材料の主要な部分で最も薄い厚さが 3 mm 以上の場合は HB40 材に取り付けてあ

る場合

 PVC,TFE,PTFE,FEP,ポリクロロプレン又はポリイミドで絶縁した電線,ケーブル及びコネクタ


137

C 6950-1:2016

  束線と一緒に用いる個々のクランプ[ただし,ら(螺)旋状に巻いたものなど,連続した形状のもの

は含めない。

,束線用テープ,より糸及びケーブル用の束線ひも

  装飾部分,ラベル,取付脚,キーキャップ,ノブのようなものを含む,歯車,カム,ベルト,ベアリ

ングなどの火災に寄与する燃料としてほとんど無視できる小さな部品

  サプライ品,消耗材,メディア及び記録用材料

  用紙のピックアップ及び搬送用のゴムローラ,インクチューブのような,意図する機能を果たすため

の特性をもつことが必要な部品

適否は,機器の目視検査,材料のデータシートの評価,及び確認が必要な場合は適切な試験又は附属書

の試験によって判定する。

4.7.3.4 

防火用エンクロージャの内側のコンポーネント,その他の部分の材料 

空気フィルタ組立品内部の材料に対する要求事項は 4.7.3.5 にあり,高電圧コンポーネントの材料に対す

る要求事項は 4.7.3.6 にある。VDR に対する要求事項は,附属書 による。

防火用エンクロージャの内側のコンポーネント,その他の部分の材料(防火用エンクロージャの内側に

位置する機械的エンクロージャ及び電気的エンクロージャを含む。

)は,次のいずれかに適合しなければな

らない。

 V-2 材又は HF-2 発泡材で作られている。

  A.2 の燃焼性試験に合格する。

  該当する場合,関連するコンポーネントに関する JIS 又は IEC 規格の燃焼性要求事項に適合する。

次の該当するものは,上記の要求事項を適用しない。

  5.3.7 に従って試験したとき,異常動作状態で火災の危険がない電気コンポーネント

  通気孔をもたず容積が 0.06 m

3

以下で全体が金属性のエンクロージャ内,又は不活性ガスが入った密閉

ユニット内にある材料及びコンポーネント

  通電部表面を含む防火用エンクロージャ内部表面に直接用いる,粘着テープのような単層又は多層の

薄い絶縁物であって,薄い絶縁物と該当表面とを一体にしたものが,

V-2 材又は HF-2 発泡材の要求事

項に適合する場合。

注記

  上記で適用除外となる薄い絶縁物が防火用エンクロージャの内面自体である場合,4.6.2 の要

求事項は,引き続きその防火用エンクロージャに適用される。

  計器のケース(他の方法で危険電圧が加わる部分への取付けが適切と判定した場合),計器の表面及び

表示灯,並びに該当する場合はこれらのレンズ

  集積回路ユニット,オプトカプラユニット,コンデンサのような小さな部品で,V-1 材に取り付けた

電子コンポーネント

 PVC,TFE,PTFE,FEP,ポリクロロプレン又はポリイミドで絶縁した電線,ケーブル及びコネクタ

  束線と一緒に用いる個々のクランプ[ただし,ら(螺)旋状に巻いたものなど,連続した形状のもの

は含めない。

,束線用テープ,より糸及びケーブル用束線ひも

  故障状態の下で発火温度に達するおそれがある電気的部分(絶縁電線及びケーブルを除く。)から,13

mm 以上の空間距離,又は V-1 材の固体バリアによって分離した次の部品

  ラベル,取付脚,キーキャップ,ノブのようなものを含む,歯車,カム,ベルト,ベアリングなど

の火災に寄与する燃料としてほとんど無視できる小さな部品

  サプライ品,消耗材,メディア及び記録用材料

  用紙のピックアップ及び搬送用のゴムローラ,インクチューブのような,意図する機能を果たすた


138

C 6950-1:2016

めの特性をもつことが必要な部品

  エアシステム又は液体システムの配管,粉体又は液体用の容器,及び発泡プラスチック部分であっ

て,これらの材料の主要な部分で最も薄い厚さが

3 mm 未満の場合は HB75 材,材料の主要な部分

で最も薄い厚さが

3 mm 以上の場合は HB40 材,又は HBF 発泡材のもの

適否は,機器の目視検査,材料のデータシートの評価,及び確認が必要な場合は適切な試験又は附属書

の試験によって判定する。

4.7.3.5 

空気フィルタ組立品の材料 

空気フィルタ組立品は,

V-2 材又は HF-2 発泡材を用いなければならない。

次に示す構造に対しては,この要求事項を適用しない。

  気密性の有無にかかわらず,防火用エンクロージャの外側への排気を意図しない空気循環系に用いる

空気フィルタ組立品

  防火用エンクロージャの内部又は外部に配置する空気フィルタ組立品で,そのフィルタの材料を着火

のおそれがある部分から金属スクリーンによって分離したもの。この金属スクリーンに穴が開いてい

てもよいが,防火用エンクロージャの底面に関する 4.6.2 の要求事項に適合しなければならない。

  次のいずれかで構成する空気フィルタ組立品で,故障状態の下で発火温度に達するおそれがある電気

的部分(絶縁電線及びケーブルを除く。

)から

13 mm 以上の空間距離,又は V-1 材の固体材料のバリ

アによって分離したもの

  材料の主要な部分の最も薄い厚さが 3 mm 未満の場合は,HB75 材

  材料の主要な部分の最も薄い厚さが 3 mm 以上の場合は,HB40 材

 HBF 発泡材

適否は,機器の目視検査材料のデータシートの評価,及び確認が必要な場合は適切な試験によって判定

する。

4.7.3.6 

高電圧コンポーネントに用いられる材料 

4 kV を超えるピーク対ピーク電圧が加わる高電圧コンポーネントは,V-2 材,HF-2 発泡材若しくは JIS C 

6065 の 14.5(高電圧部品及び組立品)に適合するか,又は JIS C 60695-11-5 に従ったニードルフレーム試

験に合格しなければならない。

適否は,機器の目視検査,材料のデータシートの評価,及び確認が必要な場合は次のいずれかの試験に

よって判定する。

 V-2 材又は HF-2 発泡材の試験

  JIS C 6065 の 14.5 に規定する試験

  JIS C 60695-11-5 に従ったニードルフレーム試験

JIS C 60695-11-5 に従った試験によって判定する場合,次の詳細規定を適用する。

7.

試験の厳しさ

試験炎を

10 秒間当てる。(試験炎を取り去った後,)自己燃焼による炎が 30 秒間を超えて続かな

い場合は,同じ箇所又は異なる箇所に再び

1 分間試験炎を当てる。再び,自己燃焼による炎が 30

秒間を超えて続かない場合は,更に同じ箇所又は異なる箇所に試験炎を

2 分間当てる。

8.

前処理条件

高電圧変圧器及び高圧マルチプライヤを除き,サンプルは

100±2  ℃のオーブンに 2 時間入れて

おく。

高電圧変圧器に対しては,最初に高圧巻線に

10 W(直流又は主電源周波数の交流)の電力を加え


139

C 6950-1:2016

る。この電力を

2 分間加えておき,更に 2 分間隔で 10 W ずつ 40 W まで電力を増していく。

この処理を

8 分間続ける。ただし,巻線が切れるか又は保護カバーが目に見えるほど裂けてきた

場合は,その時点でこの処理を中止する。

注記 1  この前処理ができない設計の変圧器もある。その場合はオーブンを用いた前処理を適

用する。

高圧マルチプライヤの場合は,その出力回路を短絡しておき,適切な高電圧変圧器から取り出し

た電圧を個々のサンプルに加える。

短絡電流が最初に

25±5 mA になるように入力電圧を調整する。30 分間この状態にしておく。た

だし,回路が切れるか又は保護カバーが目に見えるほど裂けてきた場合は,その時点で処理を終了

する。

注記 2 25

mA の短絡電流を流すことができない設計の高圧マルチプライヤの場合は,前処理

電流を用いる。この場合,高圧マルチプライヤの構造上又は特定の機器内での使用状

況のいずれかによって,流すことができる最大電流を流す。

11.  試験結果の評価基準

試験炎を最初に当てた後,試験サンプルは完全には燃え尽きてはならない。

いずれの接炎後においても,自己燃焼による炎は

30 秒間以内に消滅しなければならない。包装用

ティシュは燃焼せず,かつ,板は焦げてはならない。

表 4E-材料の燃焼性要求事項の概要 

部分

要求事項

防火用エンクロージャ

4.7.3.2 参照

18 kg を超える可動形機
器,及び据置形機器

 5VB

  A.1 の試験

  JIS C 60695-2-20 のホットワイヤ試験(着火させる可能性

がある高温部分からの空間距離が

13 mm 未満の場合)

18 kg 以下の可動形機器

 V-1

  A.2 の試験

  JIS C 60695-2-20 のホットワイヤ試験(着火させる可能性

がある高温部分からの空間距離が

13 mm 未満の場合)

開口部を塞ぐ部分

 V-1

  A.2 の試験

  コンポーネントに関する規格

防火用エンクロージャの外側の,電気的エンクロ
ージャ及び機械的エンクロージャを含むコンポー
ネント及び部分

4.7.3.1 及び 4.7.3.3 参照

  厚さが 3 mm 以上の場合は,HB40

  厚さが 3 mm 未満の場合は,HB75

 HBF

  JIS C 60695-2-11 のグローワイヤ試験 550  ℃

コネクタ及び例外事項は,4.7.3.3 参照

防火用エンクロージャの内側の電気的エンクロー
ジャ及び機械的エンクロージャを含むコンポーネ
ント及び部分

4.7.3.4 参照

 V-2

 HF-2

  A.2 の試験

  コンポーネントに関する規格

例外事項は,4.7.3.4 参照

空気フィルタ組立品

4.7.3.5 参照

 V-2

 HF-2

例外事項は,4.7.3.5 参照


140

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表 4E-材料の燃焼性要求事項の概要(続き) 

部分

要求事項

高電圧(

4 kV 超)のコンポーネント

4.7.3.6 参照

 V-2

 HF-2

  JIS C 6065 の 14.5 による試験

  JIS C 60695-11-5 のニードルフレーム試験

電気的要求事項及び異常状態の模擬 

5.1 

タッチカレント及び保護導体電流 

この細分箇条では,人体インピーダンスを模擬した回路網を通して流れる電流の測定を,タッチカレン

トの測定として採用する。

5.1.8.2 を除き,直流主電源だけから電源供給を受けることを意図した機器には,これらの要求事項を適

用しない。

5.1.1 

一般要求事項 

機器は,タッチカレント又は保護導体電流のいずれからも感電の危険が生じるおそれのない設計及び構

造でなければならない。

適否は,5.1.25.1.7 及び関連する場合は,5.1.81.4.4 も参照)に従った試験によって判定する。

ただし,保護接地導体をもつ恒久接続形据置形機器又は据置形タイプ

B プラグ接続形機器の回路図を検

討した結果,タッチカレントが

3.5 mA(実効値)を超えるが,保護導体電流が入力電流の 5 %以内の値と

なることが明らかな場合,5.1.55.1.6 及び 5.1.7.1 a)の試験は行わない。

注記

  上記の場合,5.1.7.1 b)の要求事項は引き続き適用する。

5.1.2 

供試機器の構成 

5.1.2.1 

交流主電源への単一接続 

個々に交流主電源への接続をもつ相互接続形機器のシステムは,それぞれの機器について単独に試験を

行う。全体として

1 か所で交流主電源への接続をもつ相互接続形機器のシステムは,全体を一つの機器と

みなして試験を行う。オプション品を含む場合は 1.4.10 も参照する。

注記

  相互接続形機器のシステムは,IEC 60990 の附属書 A(機器)に更に詳しい規定がある。

5.1.2.2 

交流主電源への冗長複数接続 

交流主電源への接続を複数備えた機器であって,一度にそのうちの一つの接続だけを必要とするものは,

一つの接続だけで試験を行う。

5.1.2.3 

交流主電源への同時複数接続 

複数の交流主電源からの電力を同時に必要とする機器は,全ての交流主電源を接続して試験を行う。

相互に接続し,かつ,大地に接続する全ての保護接地導体の中を流れるタッチカレントの総量を測定す

る。

機器内で他の接地部分に接続しない保護接地導体は,上記試験には含めない。交流電源にそのような保

護接地導体がある場合は,5.1.2.1 に従って個別に試験する(5.1.7.2 も参照)。

5.1.3 

試験回路 

機器は,図 5A(スター結線 TN,又は TT 電力系統だけに接続される単相機器の場合)若しくは図 5B(ス

ター結線

TN,又は TT 電力系統だけに接続される三相機器の場合),又は適切な場合は,IEC 60990 の図 7

図 9,図 10,図 12,図 13 若しくは図 14 の試験回路を用いて試験する。


141

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注記

  我が国の三相電力系統はデルタ結線が多いことに注意し,その場合は,IEC 60990 の図 13 の試

験回路(中性点非接地のデルタ結線)を用いて試験を行う。

試験用絶縁変圧器を用いることは任意である。最大限の保護を確保する場合は,試験用絶縁変圧器(図

5A 及び図 5B 中の T)を用いて,供試機器の主保護接地端子を接地する。この場合,変圧器内のあらゆる

容量性漏えいを考慮する。供試機器を接地する代わりに,試験用変圧器の二次側及び供試機器を接地しな

い(フローティング状態とする)ことで,変圧器内の容量性漏えいを考慮する必要がなくなる。

変圧器

T を用いない場合は,供試機器及び試験回路は接地しない。供試機器を絶縁台の上に取り付け,

機器の器体が危険電圧になる可能性を考慮した適切な安全措置を講じる。

IT 電力系統に接続する機器は,IT 電力系統への接続を考慮して試験する(IEC 60990 の図 9,図 10 及び

図 12 参照)。このような機器は,追加の試験を行うことなく,TN 又は TT 電力系統に接続してもよい。

2 本の相導体間に接続して動作する単相機器は,図 5B のような三相試験回路の 2 本の相導体を用いて試

験を行う。

最も不利となる電源電圧(1.4.5 参照)で機器の試験を行うことが困難な場合は,定格電圧範囲内,又は

定格電圧の許容範囲内の任意の電圧で試験し,その結果を基に計算で求めてもよい。

注記

  この図は,IEC 60990 の図 から引用した。

図 5A-スター結線 TN,又は TT 電力系統に接続される単相機器のタッチカレント試験回路 


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注記

  この図は,IEC 60990 の図 11 から引用した。

図 5B-スター結線 TN,又は TT 電力系統に接続する三相機器のタッチカレント試験回路 

5.1.4 

測定器の接続 

試験は,附属書 に規定する測定器のうちの一つ又はこれと同じ測定結果が得られるその他の回路を用

いて行う。

測定器の測定端子

B は,電源の接地導体(中性線)に接続する(図 5A 又は図 5B 参照)。

測定器の測定端子

A は,5.1.5 に規定するとおりに接続する。

アクセス可能な非導電部については,非導電部に寸法

10 cm×20 cm の金属はくを接触させて試験を行う。

金属はくの面積が被試験面よりも小さい場合,被試験面の全ての部分を試験できるように,金属はくを移

動させる。接着性金属はくを用いる場合は,その接着剤は導電性のものとする。金属はくが機器の熱放散

に影響を与えないように注意する。

注記 1  この金属はく試験は,手による接触を模擬している。

他の部分と偶然に接触するおそれがあるアクセス可能な導電部分は,互いを接続した状態及び切り離し

た状態で試験する。

注記 2  偶然に接触するおそれがある部分については,IEC 60990 の附属書 に更に詳細な規定があ

る。

5.1.5 

試験手順 

保護接地接続又は機能接地接続をもつ機器については,試験回路の接地導体スイッチ“

e”を開とし,測

定器の測定端子

A を,測定スイッチ“s”を閉にして供試機器の主保護接地端子に接続して試験する。

また,全ての機器に対して,接地導体スイッチ“

e”を閉とし,回路網の測定端子 A を測定スイッチ“s”

を閉にしてアクセス可能な非接地又は非導電性の部分,及びアクセス可能な非接地回路に順番に接続して

試験する。

さらに,次を適用する。

  単相機器については,逆の極性(スイッチ“p1”)でも同様に試験する。

  三相機器については,機器が相の順序に対して影響がない場合は,逆の極性(スイッチ“p1”)でも同

様に試験する。


143

C 6950-1:2016

三相機器の試験の場合は,

EMC 用に相導体と接地との間に接続した全てのコンポーネントを,一度に一

つずつ切り離す。この場合,一つの接続点で並列に接続したコンポーネントのグループは,単一のコンポ

ーネントとして取り扱う。一つの相導体と接地線との間のコンポーネントを切り離すごとに,一連のスイ

ッチ操作を繰り返して試験する。

注記

  フィルタは通常密封されていることが多いが,この試験用として密封されていないものを準備

するか,又はフィルタ回路網を模擬する必要がある場合もある。

測定器のそれぞれの設定状態において,一次回路及び通常使用中に操作される可能性がある全てのスイ

ッチは,開及び閉の全ての可能な状態を組み合わせて試験を行う。

それぞれの条件で試験を行った後,機器は,故障又は重大な損傷がない元の状態に戻す。

5.1.6 

試験測定 

図 D.1 の測定器を用いて,電圧 U

2

の実効値を測定する。図 D.2 の測定器を用いる場合は,電流の実効値

を測定する。

波形が正弦波でなく,かつ,基本周波数が

100 Hz を超える場合は,図 D.1 の測定器は,図 D.2 の測定器

よりも正確な測定が行うことができる。

他の方法として,図 D.1 の測定器を用いて,電圧 U

2

のピーク値を測定する。

図 D.1 の測定器を用いて電圧 U

2

を測定した場合,タッチカレント(I)は,次の式によって算出する。

IU

2

/500(A)

注記

  タッチカレントは伝統的に実効値が測定されてきたが,非正弦波に対する人体の反応について

は,ピーク値の方がよりよい相関関係を示す。

2.41.5.6 及び 1.5.7 も参照)及び 5.1.7 で認める場合を除き,5.1.6 によって測定した値は,表 5A に規定

する限度値以下でなければならない。

表 5A-最大電流 

機器の種類

測定器の測定端子

A の接続先

最大タッチカレント

mA(実効値)

a)

最大保護

導体電流

全ての機器

アクセス可能部分及び保護接地
に接続しない回路

b)

0.25

適用しない

手持形

クラス

I 機器の主保護接地端子 0.75 適用しない

クラス

0I 機器の主保護接地端子

0.5

適用しない

可動形(手持形以外で可搬形機器を
含む。

クラス

I 機器の主保護接地端子 3.5  適用しない

クラス

0I 機器の主保護接地端子

1.0

適用しない

据置形タイプ

A プラグ接続形機器

クラス

I 機器の主保護接地端子 3.5  適用しない

クラス

0I 機器の主保護接地端子

1.0

適用しない

上記以外の据置形機器

5.1.7 の条件について,適用しな
い場合は上の値,適用する場合は下
の値)

クラス

I 機器の主保護接地端子 3.5

適用しない

適用しない

入力電流の

5 %

クラス

0I 機器の主保護接地端子

1.0

適用しない

適用しない

適用しない

a)

  タッチカレントのピーク値を測定する場合,最大タッチカレントはこの表の実効値に 1.414 を乗じて求める。

b)

  一部の非接地のアクセス可能な部分は 1.5.61.5.7 及び 2.4 の要求事項を適用する。これらは 5.1.6 の要求事項

と異なることがある。

5.1.7 

タッチカレントが 3.5 mA を超える機器 

5.1.7.1 

一般要求事項 

クラス

I 機器であって,主保護接地端子を備える次の機器については,タッチカレントが 3.5 mA(実効


144

C 6950-1:2016

値)を超えてもよい。

  据置形恒久接続形機器

  据置形タイプ B プラグ接続形機器

  据置形タイプ A プラグ接続形機器で,交流主電源へ単一接続し,主保護接地端子に加えて,独立した

保護接地端子を備えるもの(2.6.4.1 参照)。設置指示書には,この独立した保護接地端子を恒久的に接

地接続することを記載しなければならない。

注記 1  上記の機器を,アクセス制限場所に設置する必要はない。しかし,潜在的な危険がより大

きいため,据置形機器とするための要求事項は,2.3.2.3 a)における類似の要求事項よりも

厳しくなる。

  アクセス制限場所での使用を意図した可動形又は据置形のタイプ A プラグ接続形機器で,交流主電源

へ単一接続し,主保護接地端子に加えて,独立した保護接地端子を備えるもの(2.6.4.1 参照)。設置指

示書には,この独立した保護接地端子を恒久的に接地接続することを記載しなければならない。

注記 2  潜在的な危険がより大きいため,アクセス制限場所での使用と限定することは,2.3.2.3 a)

における類似の要求事項よりも厳しくなる。

  据置形のタイプ A プラグ接続形機器で,交流主電源への同時複数接続を備え,等電位ボンディングを

備える場所(電気通信センタ,専用コンピュータ室,アクセス制限場所など)における使用を意図し

たもの。機器には独立した追加の保護接地端子を設けなければならない。設置指示書には,次の全て

を記載しなければならない。

  建造物の設備は,保護接地接続の手段をもたなければならない。

  機器は,保護接地接続の手段に接続しなければならない。

  サービス従事者は,機器に給電するコンセントが建造物の保護接地に接続されているか否かを確認

しなければならない。接続されていない場合,サービス従事者は,独立した保護接地端子から建造

物内の保護接地線に保護接地導体を接続するための手配をしなければならない。

注記 3  フィンランド,ノルウェー及びスウェーデンでは,次の機器についてだけタッチカレント測

定結果が

3.5 mA(実効値)を超えてもよい。

  据置形タイプ A プラグ接続形機器であって,次に示すもの

  電気通信センタのように等電位ボンディングされているアクセス制限場所での使用を

意図したもの

  保護接地導体に恒久的に接続するための備えがあるもの

  サービス従事者がその導体に設置するための説明書が提供されているもの

  据置形タイプ B プラグ接続形機器

  据置形恒久接続形機器

注記 4  デンマークでは,恒久接続形機器及びタイプ B プラグ接続形機器についてだけタッチカレン

ト測定結果が

3.5 mA(実効値)を超えてもよい。

上記の機器におけるタッチカレント測定結果が

3.5 mA(実効値)を超える場合,次の両方の要求事項,

及び該当する場合は 5.1.7.2 の要求事項を適用する。

a)

保護導体電流の実効値は,通常動作状態の下で,一相当たりの入力電流の

5 %以下でなければならな

い。負荷が平衡でない場合は,三相のうちの最大電流を基に計算する。保護導体電流の測定には,タ

ッチカレントの測定手順を用いることができるが,測定器はインピーダンスが無視できる電流計に置

き換える。


145

C 6950-1:2016

b)  次のいずれか,又はこれらと同等の文章を記載したラベルを,交流主電源の接続部の近くに貼らなけ

ればならない。

警告

漏えい電流大

電源へ接続する前に

接地接続が必要 

警告

タッチカレント大

電源へ接続する前に

接地接続が必要 

適否は,目視検査及び測定によって判定する。

5.1.7.2 

電源への同時複数接続 

5.1.2.3 に従って試験した供試機器には,次を適用する。タッチカレントの総量が 3.5 mA(実効値)を超

える場合,それぞれの交流主電源及び保護接地導体を一度に一つだけ接続し,保護接地導体を含む他の交

流主電源を切断して試験を繰り返す。ただし,例えば,モータ及びその制御回路への接続のように,交流

主電源への二つの接続が分離できない場合,分離できない接続をもつ部分は両方とも通電して,この繰返

し試験を行う。

注記

  この試験中に,供試機器が正常に動作しなくてもよい。

この繰返し試験のいずれかのタッチカレント測定結果が

3.5 mA(実効値)を超える場合,交流主電源へ

のその接続に対して,5.1.7.1 a)の要求事項を適用する。一相当たりの入力電流の 5 %を計算するためには,

この繰返し試験中に測定した交流主電源からの入力電流を用いる。

5.1.8 

ネットワーク線及びケーブル分配システムへのタッチカレント並びにネットワーク線からのタッ

チカレント 

注記

  この細分箇条では,“ネットワーク線との接続ポート(又は,ネットワーク線ポート)”は,ネ

ットワーク線を取り付ける接続点を含むことを意図している。ただし,シリアル,パラレル,

キーボード,ゲーム,ジョイスティックなどとして一般的に識別される他のデータポートを含

むことは意図していない。

5.1.8.1 

ネットワーク線及びケーブル分配システムへのタッチカレントの制限 

交流主電源から電力を受ける機器から,ネットワーク線又はケーブル分配システムへのタッチカレント

は,制限しなければならない。

適否は,5.1.3 に示す試験回路を用いて判定する。

ネットワーク線又はケーブル分配システムを接続する回路を機器内で保護接地端子に接続する場合は,

この試験を適用しない。供試機器からネットワーク線又はケーブル分配システムへのタッチカレントはゼ

ロとみなす。

ネットワーク線又はケーブル分配システムを接続する回路を複数もつ機器の場合は,該当する回路タイ

プごとに,代表する一つの回路についてだけ試験を行う。

主保護接地端子をもたない機器の場合,接地導体スイッチ“

e”を供試機器の機能接地端子に接続すると

きは,接地導体スイッチは開とする。その他の場合は,閉とする。

測定器の測定端子

B は,電源の接地導体(中性線)に接続する。測定端子 A は,測定スイッチ“s”及

び極性スイッチ“

p2”を介して,ネットワーク線又はケーブル分配システムへの接続ポートに接続する。

単相機器の場合,試験は,極性スイッチ“

p1”と“p2”との全ての組合せで行う。

三相機器の場合,試験は,極性スイッチ“

p2”の両方の位置で行う。

それぞれの試験条件を適用した後,機器は元の動作状態に戻す。


146

C 6950-1:2016

測定は,5.1.6 に規定するように,附属書 に規定する測定器のうちの一つを用いて行う。

この細分箇条に従って測定したいずれの値も,

0.25 mA(実効値)を超えてはならない。

5.1.8.2 

ネットワーク線からのタッチカレントの総量 

注記

  附属書 に,5.1.8.2 の背景の説明がある。

他のネットワーク線機器と接続するために複数のネットワーク線接続ポートをもつ供試機器は,タッチ

カレントが合算されることによって,使用者及びネットワーク線のサービス従事者に対する危険を生じて

はならない。

これらの要求事項で用いる略号は,次の意味を表す。

  I

1

:供試機器のいずれかのネットワーク線ポートにおける,ネットワーク線を介して他の機器から受

けるタッチカレント

  ΣI

1

:供試機器の全てのネットワーク線ポートにおける,他の機器から受けるタッチカレントの総量

  I

2

:供試機器の交流主電源によるタッチカレント

他の機器から流れる実際の電流が

0.25 mA 未満であることが分かっている場合を除き,それぞれのネッ

トワーク線ポートは,その他の機器から I

1

0.25 mA の電流を受けると想定する。

次の a)又は b)のいずれか当てはまる方の要求事項に適合しなければならない。

a)

ネットワーク線ポートを接地する供試機器  それぞれのネットワーク線ポートを供試機器の保護接

地端子に接続する供試機器の場合,次による。

1)  ΣI

1

I

2

を含まない。)が

3.5 mA を超える場合は,次の全てを満足しなければならない。

  機器