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C 6840

:2006(IEC TR 62349:2005)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC TR 62349:2005,Guidance for

polarization crosstalk measurement of optical fibre

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触するような可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準

調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願にかかわる確認について責任をもたない。

 
 
 
 
 


C 6840

:2006 (IEC TR 62349:2005)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲  

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  試験条件

2

5.

  偏波測定方法 

2

5.1

  方法 A(パワー比法) 

2

5.2

  方法 B(ポラリメトリック法によるインライン偏波面保存光ファイバのクロストーク測定法) 

3


日本工業規格

JIS

 C

6840

:2006

(IEC TR 62349

:2005

)

光ファイバ偏波クロストーク試験方法

Polarization crosstalk measurement of optical fiber

序文  この規格は,2005 年に第 1 版として発行された IEC TR 62349:Guidance for polarization crosstalk

measurement of optical fibre

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業

規格である。

1. 

適用範囲  この規格は,偏波面保存光ファイバにおいて,二つの偏波の独立性が不完全な場合に生じ

る偏波クロストークの測定法について規定する。測定方法は二種類あり,一つは,ある波長における出力

パワーの最大及び最小値を比較するパワー比法であり,もう一つは,ポラリメトリック法によるインライ

ン偏波面保存光ファイバのクロストーク測定法である。

方法 A(パワー比法)は,光ファイバ,片端又は両端にコネクタのついた光ファイバ及びそれらの構成

要素が二つ以上接続された光ファイバの測定に適用可能である。

方法 B(ポラリメトリック法によるインライン偏波面保存光ファイバのクロストーク測定法)は,単体

又は接続された偏波面保存光ファイバ及び光部品につながった偏波面保存光ファイバの測定に適用可能で

ある。さらに,偏波面保存光ファイバピグテールが接続されていない偏波保存部品の測定にも適用可能で

ある。そのような偏波保存部品の測定の際には,その部品の出力に偏波面保存光ファイバのジャンパを接

続する必要がある。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC TR 62349:2005

,Guidance for polarization crosstalk measurement of optical fibre (IDT)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 60068-1:

  環境試験方法−電気・電子−通則

備考  IEC 60068-1:1988, Enviromental testing−Part 1: General and guidance がこの規格と一致している。

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

  偏波面保存光ファイバ  シングルモード光ファイバの伝搬モード(      )の二つの偏波成分(直線

偏波成分        及び      ,又は円偏波成分    及び      )のうち,一つだけ伝搬できる特殊な複屈折

率光ファイバ,又は二つの偏波モード間の結合を極力小さくして実用十分な距離にわたって単一偏波を維

持できるようにした光ファイバ。

3.2

  偏波クロストーク  偏波面保存光ファイバにおける,直交する二つのモード間での結合度合い。さら

に,入力端で一方のモードに励振された光パワー及び出力端で,他方のモードに漏れ出している光パワー

11

HE

X

HE

11

Y

HE

11

+

11

HE

11

HE


2

C 6840

:2006(IEC TR 62349:2005)

との比で示される。

4. 

試験条件  特に指定のない限り,この測定は JIS C 60068-1 に規定される条件の下で行う。また,この

規格による試験条件下での試験が困難な場合には,試験結果に疑いをもたらさない状況下で試験を行う。

5. 

偏波測定方法  偏波面保存光ファイバのクロストーク測定は次の二つの方法とし,方法 A は,ある波

長における出力パワーの最大,最小値を比較するパワー比法であり,方法 B は,ポラリメトリック法によ

るインライン偏波面保存光ファイバのクロストーク測定法である。

各方法の詳細については,5.1 及び 5.2 でそれぞれ示す。

方法 A 及び方法 B で定義するクロストークは,異なった定義による。

方法 A によって測定するクロストークは,測定波長帯における“平均値”として定義する。一方,方法

B

により得られるクロストークは,

“最悪”クロストークを示す。

5.1 

方法 A(パワー比法)  方法 A は,光ファイバ,片端又は両端にコネクタのついた光ファイバ及び

それらの構成要素が二つ以上接続された光ファイバの測定に適用可能である。測定される光のパワーが最

小となるように偏光子と検光子を調整し,P

min

とする。その状態から,検光子を 90 度回転させた時に測定

される光のパワーを P

max

とする。ただし,実際の測定においては,90 度付近で最大となるパワーを P

max

とすることができる。

測定を 2 回行い,その平均値を偏波クロストークとして用いる。

5.1.1

対象  この偏波測定方法は,指定された波長において,出力端における光パワーの最大値及び最小

値を用いた偏波クロストーク測定に適用可能である。

5.1.2

測定系  パワー比法の測定系の例を図 に示す。

  1  偏波クロストーク測定系の一例

5.1.2.1

光源  光源は指定された波長を発光し,かつ,広い波長帯域[FWHM(Full Width at Half Maximum)

において 20 nm かそれ以上]をもつ。LED(Light Emitting Diode)又は SLD(Super-Luminescent Diode)が,この

測定方法の光源に適している。光源の出力は,非線形現象を引き起こさないレベル(標準的な上限値は 10

mW

)以下に抑制する。また,LED を用いる場合には,出力が弱いので高感度な光パワー検出器が必要と

なる。

5.1.2.2

光パワー検出器  検出器は,被試験光ファイバの端末から出力される光パワーが,もれなく受信

できるものとする。光検出器及び電気処理プロセスをもつ光パワー検出器を用いることもできる。検出器

の感度(ロックインアンプ等を用いる場合はそれも含めて)は,測定できる最小値及び最大値の間で 5  %

以内の誤差で線形でなければならない。

5.1.2.3

無偏波化素子  光源が偏波をもつ場合には,偏光子を回転させても,一定の電力が光ファイバに

入力されるように,無偏波化素子を用いる必要がある。

5.1.2.4

偏光子及び検光子  偏光子は,偏波化した光を入力した場合に,任意の一定方向の電磁界成分を

光源

無偏波化素子

偏光子

検光子

光パワー検出器

被測定ファイバ


3

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もつ線形の偏波光を出力できるものでなければならない。また,被測定対象の光ファイバがもつ偏波クロ

ストークよりも十分に高い消光比をもつ。さらに,回転角度が確認できる構造であることが望ましい。

5.1.3

測定手順  測定手順を次に示す。

5.1.3.1

準備  被測定ファイバを偏光子及び検光子に接続するために,V 溝又はベアファイバアダプタを

用意する。長さが既知である被測定光ファイバの両端末の被覆をはぎ,ファイバの軸と直角な方向に断面

が鏡面となるように光ファイバを切断する。V 溝等を用いて,被測定光ファイバの一端及び偏光子を接続

する。さらに,入力された光パワーがすべて受け取れるように,もう一方の端を検光子に接続し,検光子

及び光パワー検出器を接続する。

被測定ファイバを V 溝等にセットする場合には,光ファイバ及び特にクラッド部にひずみが加わらない

ように注意する(柔らかい布,例えばガーゼ等を介して被測定ファイバをV溝にセットすれば,クラッド

保持部がクラッドに直接ひずみを加えることを防ぐことができる。同様に,ベアファイバアダプタを用い

る場合には,光ファイバのクラッド部分に直接ひずみが加わらない種類のものを用いる。

5.1.3.2

測定及び計算  出力される光パワーが最小となるように,偏光子及び検光子を回転させる。測定

する光パワーを最小値 P

min1

として記録する。この状態から検光子だけを 90 度回転させたときの光パワー

を P

max1

として記録する。次に偏光子だけを 90 度回転させ,測定する光パワーを P

min2

として記録する。そ

して,検光子だけを更に 90 度回転させたときの光パワーを P

max2

として記録する。以上の測定によって,

クロストークの値として以下の二つを得ることができる。ただし,実際の測定においては,90 度付近で最

大及び最小となるパワーを P

max

P

min

とすることができる。

(

)

1

min

1

max

1

/

log

10

P

P

CT

=

(1)

(

)

2

min

2

max

2

/

log

10

P

P

CT

=

(2)

方法 A による偏波クロストーク CT

A

は,以下の式のように CT

1

CT

2

の平均値として定義される。

(

)

2

/

2

1

A

CT

CT

CT

+

=

(3)

5.2 

方法 B(ポラリメトリック法によるインライン偏波面保存光ファイバのクロストーク測定法)  方

法 B は,単体又は接続された偏波面保存光ファイバ及び光部品につながった偏波面保存光ファイバの測定

に適用可能である。また,偏波面保存光ファイバピグテールが接続されていない偏波保存部品の測定にも

適用可能である。そのような偏波保存部品の測定のときには,その部品の出力に偏波面保存光ファイバの

ジャンパを接続する必要がある。X 偏波及び Y 偏波がなす位相ずれの軌跡の一部を観測するために,この

測定法では 0.1 m から 0.3 m の偏波面保存光ファイバを,

ゆっくりと伸縮させる又は加熱する必要がある。

5.2.1

制限事項  スペクトル幅の狭い光源,例えば DFB レーザ,可変波長レーザ光源などを用いる必要が

ある。

偏波面保存光ファイバ又は部品の特定の部分のクロストークは,その部分よりも上流側(光源側の部位)

のすべての領域に,温度又は機械的なストレスを与えることにより測定することができる。したがって,

“最悪”クロストークを測定するには,上流側に十分なじょう(擾)乱を与える必要がある。このような

方法は,構成要素が少ないときは容易であるが,非常に多くの偏波面保存光ファイバ又は部品がある系を

測定するときには,より多くの手間を要する。


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5.2.2

測定方法  被測定光ファイバのクロストークを測定したい箇所で緩やかに伸縮させたり加熱した

りする。この刺激により,

図 に示すように単位半径ポアンカレ球上に円弧が生じる。

a)

  測定データとそれを近似した円の正面図

b)

  90 度回転させた方向からの断面図

備考   A 点,B 点は光ファイバの偏波モード(固有モード)を示す。

  2  ポアンカレ球の説明

円弧を円で近似し,その辺の半径 r を求める。方法 B によるクロストーク値 CT

B

は以下の式により計算

される。

2

2

B

r

1

1

r

1

1

log

10

+

=

CT

4

5.2.3

計算方法  ここでは,図 で示したポアンカレ球について説明している。出射主偏光状態のパワー

比は,次の式で表す。

θ

θ

cos

1

cos

1

A

B

+

=

P

P

5

円の半径及び角度

θ

は,次の式で関連付ける。

( )

r

sin

1

=

θ

6

したがって,次の式を得る。

2

r

1

cos

=

θ

7

ポアンカレ球

測定データの

軌跡

近似円


5

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このとき,方法

B

によるクロストークは,次の式による。

2

2

B

r

1

1

r

1

1

log

10

+

=

CT

8

又は,

θ

を用いて次の式による。

θ

θ

cos

1

cos

1

log

10

B

+

=

CT

(9)