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C 6828:2004 (IEC 61745

:1998)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61745:1998,End-face image analysis

procedure for the calibration of optical fibre geometry test sets

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS C 6828

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)校正係数の算出

附属書 B(参考)校正係数の決定の実施例

附属書 C(規定)不確かさの計算

附属書 D(参考)不確かさの決定の実施例

附属書 E(参考)実用標準の作成

附属書 F(参考)コア/クラッド偏心量測定における不確かさの評価

附属書 G(参考)非円率測定における不確かさの評価


C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

(2) 

目  次

ページ

序文 

1

第 章  一般 

1

1.1

  適用範囲及び目的

1

1.2

  定義

1

1.3

  光ファイバの構造パラメータ

3

1.4

  構造試験装置の説明

4

1.5

  校正基準に関する要求事項 

4

第 章  校正 

6

2.1

  まえがき 

6

2.3

  校正の手順 

7

2.4

  校正確認の手順

9

2.5

  空間的線形性 

9

2.7

  非円率測定結果の校正 

9

第 章  不確かさの評価

10

3.1

  まえがき 

10

3.2

  試験装置の校正における不確かさの評価 

10

3.3

  光ファイバ測定における不確かさの評価 

11

3.4

  クロムマスク測定における不確かさの評価

12

3.5

  まとめ

12

第 章  文書化 

13

4.1

  記録

13

4.2

  校正証明書 

13

4.3

  校正証明書の例

13

附属書 A(参考)校正係数の算出 

15

附属書 B(参考)校正係数の決定の実施例

18

附属書 C(規定)不確かさの計算 

19

附属書 D(参考)不確かさの決定の実施例 

22

附属書 E(参考)実用標準の作成 

24

附属書 F(参考)コア/クラッド偏心量測定における不確かさの評価

25

附属書 G(参考)非円率測定における不確かさの評価 

28


     

日本工業規格

JIS

 C

6828

:2004

(IEC 61745

:1998

)

光ファイバ構造パラメータ測定器校正方法

End-face image analysis procedure for the calibration of optical fiber

geometry test sets

序文  この規格は,1998 年に第 1 版として発行された IEC 61745:1998,End-face image analysis procedure for

the calibration of optical fibre geometry test sets

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく

作成した日本工業規格である。

第 章  一般 

1.1

適用範囲及び目的  研究及び生産の環境には,光ファイバの構造特性を決定するためのさまざまな試

験方法が存在する。さらに,各々の試験方法は,光ファイバの構造特性を完全に決定するために必要な数

多くのパラメータのうち,一つ又はそれ以上のパラメータを決定することができるであろう。

この規格は,

ニヤーフィールド法又はグレースケール法としても知られている端面画像解析を行う試験装置の校正につ

いて規定する。しかし,その原理は,異なる種類の試験装置にも適用することができる。

  この規格は,シングルモード光ファイバに関する測定の校正だけを取り扱う。この種の試験装置は,マ

ルチモード光ファイバのコアの構造パラメータを測定するためにも用いることができるが,しかし,これ

らの測定に付随する不確かさの評価は,この規格の適用範囲には含まれない。

  この規格で概説する手順は,構造試験装置を校正する目的及び校正済み試験装置を用いた測定における

不確かさを評価する目的で,校正機関及び校正試験装置の製造業者又は使用者が実行することができる。

この規格では,光ファイバ被覆又はケーブル測定用試験装置の校正については扱わない。この規格の目的

は,光ファイバのガラス構造を測定するための試験装置を校正する標準的な手順を規定するものである。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61745:1998

,End-face image analysis procedure for the calibration of optical fibre geometry test

sets (IDT)

1.2

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

1.2.1 

認定された校正機関 (accredited calibration laboratory)  適切な国立標準機関によって権限を与え

られた校正機関。認定された校正機関は,規定された不確かさを併記し,国家標準までのトレーサビリテ

ィを証明する校正証明書を発行する。

1.2.2 

校正ジグ (artefact)  構造試験装置を用いて測定される物体又は構造試験装置を校正するために用

いる物体。例えば,校正ジグは,光ファイバの場合もあればガラス上のクロムマスクの場合もある。


2

C 6828

:2004 (IEC 61745:1998)

     

1.2.3 

校正 (calibration)  校正中の構造試験装置によって示す値と,校正標準の既知の値との間の関係が

確立するプロセス。校正の目的は,すべての構造試験装置を国立標準機関と実質的に一致させることであ

る。この作業は,構造試験装置の調整又は校正証明書への校正係数の記載のいずれかによって行うことが

できる。通常,付随する校正時の環境及び測定器の状態も記録する。校正には,すべての不確かさの評価

も含む。

1.2.4 

校正連鎖 (calibration chain)  国家標準から仲介又は実用標準を経て構造試験装置に至る値付けの

連鎖(

図 参照)。

1.2.5 

校正の点検 (calibration checking)  校正の有効期限が経過した校正済みの構造試験装置が,まだ規

定の不確かさの限界内に入っていることの確認。構造試験装置がこの限界から逸脱している場合には,再

校正が必要になる。また,構造試験装置がこの限界内に入っている場合には,明記された期間について再

校正期間を延長することができる。試験装置は,実用標準を用いて校正してもよい。

1.2.6 

校正標準 (calibration standard)  参照標準に基づいて校正し,試験装置の校正に用いる校正ジグ。

校正ジグは,光ファイバの場合もあればガラス上のクロムマスクの場合もある。校正標準を正しく使用す

ることによってトレーサビリティが保証される。校正標準という用語には,計測学的な不確かさの小さい

順に,参照標準,仲介標準,実用標準が含まれる。

1.2.7 

合成標準不確かさ  (combined standard uncertainty)  複数の個別標準不確かさを合成したもの。こ

の文脈においては,

“accuracy”という用語の使用は,避けるべきである。校正報告書及び技術データシー

トでは,構造試験装置の測定における合成標準不確かさは,適切な信頼水準(例えば,95.5 %又は 99.7 %)

をもった総合拡張不確かさとして報告する。

1.2.8 

信頼水準 (confidence level)  測定されたパラメータの真の値が,所定の範囲内にある確率の推定

(拡張不確かさ)

1.2.9 

補正オフセット (correction offset)  既知の物理的効果に対して補正するため,試験装置の測定結

果に加える値又は測定結果から差し引かれる値。

1.2.10 

包含係数,k (coverage factor)  標準不確かさから拡張不確かさ を計算するために用いる係数。

1.2.11 

拡張不確かさ,U (expanded uncertainty)  測定されたパラメータの真の値が,決められた信頼水準

で存在すると期待できる値の範囲。信頼区間とも呼ばれ,標準不確かさ に包含係数 をかけた値に等し

い。  Uku  構造試験装置の測定の不確かさは,拡張不確かさの形で規定すべきである。

備考  不確かさの分布が正規分布に従い,多数の測定が行われると仮定するときには,信頼水準 68.3 %,

95.5 %

及び 99.7 %は,それぞれ包含係数 k=1,2 及び 3 に対応する(

附属書 C.3 参照)。

1.2.12 

構造試験装置  (geometry test set)  光ファイバの構造パラメータを測定するために用いる装置。測

定されるパラメータは,構造試験装置の種類によって異なる。

1.2.13 

子の光ファイバ (infant fiber)  校正済みの構造試験装置によって構造が測定される光ファイバ。

1.2.14 

測定器の状態 (instrument state)  校正及び測定中の構造試験装置の測定状態の記述。例えば,使

用する近似モデル,使用するデータフィルタリング方法,並びに測定器のウォームアップ時間及び校正実

施日などの試験装置に関するその他の重要な情報。

1.2.15 

国家基準 (national standard)  光の波長のように,その測定結果の,基本量に対するトレーサビリ

ティが確保されており,ある国において他の関連するすべての量の標準値を決定するための基礎として用

いられる標準。

1.2.16 

国立標準機関  (national standards laboratory)  国家標準を維持,運用する団体又は機関。


3

C 6828

:2004 (IEC 61745:1998)

1.2.17 

動作範囲 (operating range)  構造試験装置が,決められた拡張不確かさの範囲内で機能するように

設計される条件の範囲。例えば,測定される光ファイバの直径,温度などのような環境条件。

1.2.18 

参照標準 (reference standard)  校正機関で測定される校正ジグで,測定結果の国家標準に対する

トレーサビリティが確保されているもの。

1.2.19 

比例係数 (scaling factor)  補正オフセットを適用しない場合の,構造試験装置によって示された値

と校正標準の既知の標準値との比率。

1.2.20 

標準不確かさ (standard uncertainty)  標準不確かさは,タイプ A 評価と呼ばれる統計的方法又は

タイプ B 評価と呼ばれる別の方法のいずれかによって評価することができる(詳細については

附属書 

照)

  不確かさのタイプ A 評価は,一連の測定結果の統計的解析,例えば,測定についての何らかのランダム

な影響の評価などからなる。

  不確かさのタイプ B 評価は,統計的解析が適切でないときに用いる。これは,例えば,測定についての

何らかの系統的な影響を評価するときなど,不確かさの起こりうる要因の推定からなる。

備考  種々の要因から標準不確かさを合成するには,それらがすべて同じ信頼水準で示すことが重要

である。これは,包含係数 を用いることによって達成する。包含係数は,個々の不確かさの

構成要素に対してスチューデントの 分布を参照して決定する。

1.2.21 

トレーサビリティ (traceability)  測定結果又は構造試験装置について,校正連鎖が国家標準から始

まっていることを証明できること。この規格に規定する手順で校正された構造試験装置は,トレーサビリ

ティが確保される。測定結果は,国立標準機関又は認定された校正機関につながる直接的なトレーサビリ

ティをもつことを証明する必要がある。このようなトレーサビリティには,校正連鎖に含まれるすべての

校正ジグの校正スケジュール及び校正連鎖におけるすべての(累積)値付けの不確かさの詳細な計算が含

まれる。実用標準だけを用いて構造試験装置の校正を比較又は監視する場合には,トレーサビリティを立

証又は再証明することはできないが,変化が認められなければ,トレーサビリティの認証期間を延長する

ことだけはできる。

1.2.22 

仲介標準 (transfer standard)  参照標準に照らして校正し,構造試験装置の校正に用いる標準。

1.2.23 

値付けの不確かさ (transfer uncertainty)  値付けのプロセスで生じる不確かさによって引き起こ

す測定の不確かさの特性値を,与えられた信頼水準で評価すること(例えば,環境条件の変化など)

。これ

らの不確かさは,用いた校正標準及び構造試験装置によって生じることがある。

1.2.24 

実用標準 (working standard)  通常,仲介標準又は参照標準に照らして校正され,構造試験装置を

校正するために日常的に用いられる標準。

1.3 

光ファイバの構造パラメータ  十分な機械的及び光学的性能を保証するために,光ファイバの構造

の特性値を決定する必要がある。試験装置によって測定される構造パラメータは,次による。

a) 

クラッド(又は基準面)の直径

b) 

クラッドの非円率

c) 

コア/クラッドの偏心量

備考  一般に,シングルモード光ファイバの構造測定は,光ファイバのシングルモード動作波長とは

異なる波長で実施される。しかし,シングルモード光ファイバのモードフィールド偏心量の値

は,コア/クラッド偏心量と等しいと仮定するのが一般的である。ただし,これはこの規格の

適用範囲に含まれない。


4

C 6828

:2004 (IEC 61745:1998)

     

1.4 

構造試験装置の説明  一般に,端面画像又はグレースケール試験装置は,光学顕微鏡,照明用の光

源,カメラなどの電子画像記録装置及びディジタルコンピュータで処理する目的で画像データを保存する

手段によって構成する。通常,光ファイバのもう一方の端面から光を入射するために,もう一つ別の光源

を用いる。これによって,光ファイバのコアの位置測定も可能になる。典型的な測定手順は次による。カ

ットされた光ファイバの端面を測定装置の測定台にセットし,光ファイバの端面画像をカメラ上に映し出

す。光ファイバの像に焦点を合わせ(通常は,コンピュータの自動制御下で行われる。

,光ファイバの像

をディジタル化した後,コンピュータにデータを送って光ファイバの構造パラメータを決定する。

  この方法では,光ファイバの端面の状態が極めて重要であり,欠けやエッジの粗さのようなカット面の

損傷が,測定結果に重大な影響を及ぼすことがある。したがって,カット面の損傷に対する測定結果の感

度を下げるために,データフィルタリング法を用いるのが普通である。

1.5 

校正基準に関する要求事項  この規格に詳述する校正手順では,トレーサビリティの確立した校正

ジグを用いる必要がある。これらの校正ジグは,校正済みの光ファイバ端面及びガラス上のクロムマスク

からなる。それらの公称寸法については,2.3.3 及び 2.5 に規定する。


  国家標準                    不確かさ

参照標準の不確かさ

値付けの不確かさ

            参照標準                                            仲介標準の不確かさ

                                        値付けの不確かさ                              実用標準の不確かさ

    仲介標準

                                                              値付けの不確かさ                              試験装置の不確かさ

    実用標準

値付けの不確かさ                              試験装置の

合成不確かさ

    構造試験装置

                                                                                                            操作の不確かさ

    動作条件

図 1  校正連鎖及び不確かさの累積の例

5

C

 6828:

200

4

(IEC

 61
745

19
98
)


6

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

第 章  校正   

2.1 

まえがき  校正手順は,次の二つの操作で構成される。

a) 

画像システムの倍率又は比例係数を校正する。これは,光学顕微鏡に対する従来の校正方法と似てい

るが,この場合 2 次元の校正が必要である点が異なる。

b) 

補正オフセットを決定する。このオフセットは,光ファイバ端面での回折,校正ジグの校正方法及び

試験装置での測定方法の違い,カメラのサンプリングによる光ファイバ端面の像のひずみなどの系統

的影響を補正するために必要である。

校正係数の決定に関する実施例を,

附属書 に示す。

備考1.  校正は,次の方法で測定を行うときだけ有効となる。

比例係数は,データ近似モデルを使用して被測定光ファイバのクラッド径を計算する前に,

カメラからの生データに乗じる。

補正オフセットは,被測定光ファイバのクラッド径の計算値に加える。

2.

クラッド端部の位置を決定する光ファイバ端面の位置決め基準の選択は重要である。校正は,

校正時と同じ基準を用いて行われた測定結果だけに適用する。

3. 

ある種の環境では,光ファイバ標準又はガラス上のクロムマスク標準を用いて比例係数を校

正するだけで十分であることが分かっている。しかし,この方法は,用いる校正標準と直径

が著しく異なる光ファイバを測定するときには,不確かさの増大を招く可能性がある。

2.2 

構造試験装置の構成の理論的根拠  クラッド径の測定は,ほとんどの種類の構造試験装置で共通し

て行われる。このため,このパラメータの校正は,異なる種類の試験装置を比較するときに非常に重要であ

る。しかし,この規格では,端面画像解析を行う試験装置の校正だけ規定する。基本的に,校正は,試験装

置を独立した構造校正標準と対比することによって達成される。校正連鎖を形成し,それによって値付けの

不確かさに寄与するのは,これらの標準である。手順は,2.3 に規定する。完全な校正連鎖を

図 に示す。

コア/クラッドの偏心量及びクラッド非円率の測定についての校正は,この規格の作成時点では適切な標準

物質(standard reference materials : SRM)が入手できていないため,ここでは説明しない。しかし,これらのパ

ラメータの測定で得られた不確かさの評価を可能にする手順については,それぞれ 2.6 及び 2.7 に示す。

2.2.1 

校正状態の確認  日常的な確認作業は,使用中の構造試験装置について頻繁に実施される可能性が

ある。こうした日常的な確認については,実用標準を用いて構造試験装置の校正の状態をチェックする(た

だし,再設定はしない)ことで十分に対応できる。実用標準は,光ファイバの場合もあれば,ガラス上の

クロムマスクの場合もある。実用標準の作成手順を,

附属書 に示す。校正の状態の確認と校正そのもの

とを,明確に区別しなければならない。実用標準を用いて構造試験装置の安定性を確立することは十分に

できても,これは完全な校正の代わりにはならない。実用標準を用いることによって,国家標準への連続

的なトレーサビリティを主張することができるが,これは,既存の測定装置の状態,補正係数などが,規

定された不確かさの範囲内で変動することなく,構造測定結果を提供するのに十分なものであることを申

し分なく確立できることが条件である。このことは,構造試験装置が,最後に校正されてからずっと安定

を保っていることを意味する。実用標準の測定値が不確かさの範囲内で校正値と一致する場合には,校正

済みの試験装置について,連続的なトレーサビリティを主張することができる。校正は,構造試験装置の

稼働に不可欠である。一方,実用標準は,日常的な校正の確認に用いられる。校正の確認手順は,2.4 に示

す。


7

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

2.3 

校正の手順

2.3.1 

一般的助言及び体制  環境条件が,製造業者の規定どおりの作業環境に見合ったものであることを

確認する。いかなる場合にも,適正な計測方法を用いる。校正に用いるすべての校正標準が,国立標準機

関又は認定された校正機関までのトレーサビリティをもつ文書化されたプログラムに従って校正すること

を確認する。標準の性能を同じ水準での比較によって確認できるように,可能ならば,校正連鎖の各階層

レベルで複数の標準を維持する。実行する校正の種類ごとに,文書化された測定手順を作成する。操作方

法及び使用装置を,ステップバイステップ方式で記述する。見積結果シート,不確かさの予測及び校正証

明書を用いる(

第 章参照)。測定の範囲に適した品質システムを運用する。測定結果についての独立した

精密な調査が行われ,中間の計算及び校正証明書が必ず用意されるようにする。

2.3.2 

試験に関する要求事項

a) 

すべての試験を,試験装置に対して製造業者が定める仕様内の温度及び相対湿度で行う。

b) 

構造試験装置及び試験機器が,試験装置及び校正標準に対して製造業者が推奨する環境及び熱平衡に

達するように,十分な時間が経過してから校正手順を開始する。

c) 

構造試験装置は,製造業者の推奨事項に従って,校正手順に適した設定に合わせて組み立てる。

d) 

可能な場合には,アクセス可能なすべての光学的表面及び校正標準が,測定前に清潔な状態にあるこ

とを確認する。

2.3.3 

校正標準に関する要求事項  国立標準機関までのトレーサビリティをもつ校正標準を用いなけれ

ばならない。校正手順では,次のものを用いなければならない。

a) 

クラッド径を校正済みの光ファイバ端面。この光ファイバは,試験装置によって測定される光ファイ

バと類似した材質のもので,クラッド径が公称クラッド径の 5.0 µm 以内,非円率が 0.5 %未満である

ことが望ましい。

備考1.  校正済みの光ファイバ端面は,再カットしてはならない。これは,光ファイバの長さ方向で

直径に変動があるためである。

2. 

光ファイバの端面が損傷した場合,又は十分きれいにすることができない場合には,その光

ファイバは,校正に用いない。

b) 

校正済みの測定スケール。これは,一般的に点,線,円又は環状のパターンをもつガラス上のクロム

マスクである。校正の確認(2.4 参照)に用いる標準は,トレーサビリティのある構造特性値をもった

光ファイバ又はガラス上のクロムパターンのいずれかである。

2.3.4 

校正係数の決定  校正係数の決定  使用する校正係数の算出を,附属書 に示す。

2.3.4.1 

比例係数  比例係数の校正には,ガラス上のクロムマスクを用いる。これは,点又は線の並び若

しくは環状構造からなる。校正の原理は,目盛間の距離を測定することである。

備考  画像システムの視野全体にわたる比例係数の均一性(空間的線形性として知られる)は,光フ

ァイバの測定結果及びコア/クラッド偏心量の測定結果に伝達される可能性のある不確かさに

影響を及ぼす。空間的線形性の評価方法については,2.5 を参照する。

  カメラの 軸及び 軸の比例係数は,それぞれ次の式によって算出する。

m

c

Dx

Dx

Sx

=

 (1)

m

c

Dy

Dy

Sy

=

 (2)

ここに,

Dx

m

x

軸に沿った目盛間隔の測定値


8

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

Dy

m

y

軸に沿った目盛間隔の測定値

Dx

c

x

軸に沿った校正済みの目盛間隔

Dy

c

y

軸に沿った校正済みの目盛間隔

  目盛間の距離を測定する手順は,次に示すように,用いるクロムマスクの種類によって異なる。

a)

点又は線の規則的な配列  試験装置の通常の操作と同じ方法で,配列の画像を作る。カメラの走査軸

にそれぞれ平行な直交する二つの方向について,目盛間の距離を測定する。

備考1.  校正を実施する距離は,試験装置によって測定される光ファイバの公称径の 5 µm 以内でな

ければならない。

2. 

カメラの軸と平行になるように,配列の軸を調整することが望ましい。しかし,配列の軸が

そのように調整できない場合には,角度のずれに関する補正を適用する必要がある。

b) 

環  試験装置の通常の操作と同じ方法で,環の画像を作る。環の内側及び外側の縁にだ円近似を適用

する。

  次の式によって,軸及び 軸に沿った直径 Dx

m

及び Dy

m

の測定値を求める。

2

outer

inner

m

Dx

Dx

Dx

+

=

 (3)

及び,

2

outer

inner

m

Dy

Dy

Dy

+

=

 (4)

ここに,

Dx

inner

x

軸方向の環の内径の測定値

Dy

inner

y

軸方向の環の内径の測定値

Dx

outer

x

軸方向の環の外径の測定値

Dy

outer

y

軸方向の環の外径の測定値

備考1.  環の直径は,試験装置によって測定される光ファイバの公称径の

5 µm

以内でなければなら

ない。

2. 

使用上便利なように,

Dx

m

及び

Dy

m

の値が等しいと仮定する場合には,環の真円からのずれ

は,光ファイバの非円率を測定するときの不確かさの決定に影響を与える。2.7 参照。

第 3

章によって,比例係数を決定するときの不確かさを算出する。

2.3.4.2 

補正オフセット  補正オフセットを校正するには,校正済みの光ファイバが必要である。試験装

置の通常の操作と同じ方法で,

光ファイバ端面の画像を作成し,光ファイバ端面に近似計算法を適用する。

次の式によって,補正オフセット

O

を求める。

S

D

D

O

F

P

F

P

=

,

,

'

 (5)

ここに,

D

P,F

光ファイバの校正後の直径

D'

P,F

光ファイバの直径の測定値(比例係数は,
適用しない。

  添字の

P

は親を意味し,

F

は光ファイバを表す。また,

2

Sy

Sx

S

+

=

(平均比例係数)である。

  したがって,

S

D

F

P

,

は,光ファイバ直径の測定値(単位:

µm

)に等しい。

第 章によって,補正オフ

セットを決定するときの不確かさを算出する。


9

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

2.4 

校正確認の手順  この手順は,構造試験装置の校正を確認するために用いる。この手順は,校正係

数を決定するためには用いないが,最後に校正が行われてからの試験装置の安定性を確認するためには用

いることができる。構造試験装置の校正が既に終了していて,その結果,実用標準の測定結果が,許容さ

れる総合不確かさよりも大きな構造不確かさを示さない場合には,トレーサビリティの証明期間を延長し

てもよい。

a) 2.3.2

に規定する試験に関する要求事項が満たされていることを確認する。

b) 

実用標準を用いて,検討中の構造試験装置を測定する。

c) 

実用標準が,

    −  光ファイバの場合には,平均クラッド径を測定する。

    −  ガラス上のクロムマスクの場合には,目盛間の距離を測定する。

  測定結果と基準値とを比較し,両者に差があれば,それを記録する。測定された平均値に含まれる不確

かさを統計的に小さくするためには,測定を数回繰り返すことが必要である。

2.5 

空間的線形性  校正に用いる光ファイバに比べて,直径が

5 µm

以上異なる光ファイバを測定すると

きの不確かさは,次の二つのいずれかの方法を用いて評価することができる。

a) 

視野内のさまざまな位置で,ガラス上のクロムマスク(校正ジグ)を測定する。

b) 

視野全体について,線又は点配列の目盛間の距離を測定する。

備考  いずれの場合も,校正ジグ又は目盛間隔の直線寸法は,用いる校正用光ファイバ直径の

4

分の

1

未満でなければならない。方法 a)を用いる場合には,校正ジグの形式的な校正(

nominal

calibration

)だけが必要である。また,方法 b)を用いる場合には,個々の間隔が校正済みの校正

ジグを用いる必要がある。

  視野全体の比例係数の変動は,試験装置の比例係数を校正するときの不確かさの発生源を示す。この不

確かさのもつ重要性は,校正済みの試験装置によって測定しようとする光ファイバの直径の範囲に依存す

る。不確かさの大きさを推定し,3.2.1 で算出する総合比例係数不確かさ u

S

に加える。

2.6 

コア/クラッド偏心量測定結果の校正  コア/クラッドの偏心量は,光ファイバのコア中心とクラ

ッド中心との間の距離として定義する。この規格を作成している時点では,このパラメータを直接校正す

るための標準物質(

SRM)

を標準機関から入手することはできない。偏心量測定によって得られる不確かさ

の評価方法手順を,

附属書 に示す。

2.7 

非円率測定結果の校正  非円率は,近似中心から最も遠い端点と最も近い端点との半径方向の距離

の差を,近似半径で除した値として定義する。だ円近似の場合には,非円率は,長軸と短軸との長さの差

を両者の平均値で除した値である。この規格を作成している時点では,このパラメータを直接校正するた

めの標準物質

(SRM)

を標準機関から入手することはできない。非円率測定によって得られる不確かさの評

価方法手順を,

附属書 に示す。


10

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

第 章  不確かさの評価   

3.1 

まえがき  この章では,試験装置の校正における不確かさ及びその後の測定における不確かさの報

告について規定する。分析は,

附属書 に示す統計数学に基づいて行われる。不確かさを計算するための

信頼水準選びは,各計算において適切な包含係数の値を用いることが重要である(1.2.11 の定義及び C.3

参照)

。試験装置の校正における不確かさについては,3.2 に規定する。光ファイバの測定における不確か

さについては,3.3 に規定する。また,クロムマスク測定における不確かさについては,3.4 に規定する。

不確かさの決定の実施例を

附属書 に示す。

3.2 

試験装置の校正における不確かさの評価  校正手順(2.3.4 参照)は,二つの作業からなる。まず,

比例係数を決定し,次に補正オフセットを決定する。試験装置の校正の不確かさを評価するには,これら

のパラメータにおける不確かさの要因を評価しなければならない。

3.2.1 

比例係数の不確かさ  次の記号を用いる。

              S  =  比例係数

P,C

=  親のクロム標準の目盛間隔の校正値

P,C

=  親のクロム標準の校正における不確かさ

D'

P,C

=  親のクロム標準の目盛間隔における測定値(生データ)

u'

P,C

=  親のクロム標準の測定における統計的不確かさ(生データ)

Tr,P,C

=  親のクロム標準の値付けの不確かさ

C

=  測定回数

  ここに,

P

は親(

parent

C

はクロム(

chromium

)を意味する。比例係数の決定については,2.3.4.1 

よる。また,比例係数は,二つのカメラ軸それぞれ一つずつの二つの比例係数に関して与えられる。比例

係数の不確かさを評価するため,この二つの比例係数を組み合わせることによって,次の式を得る。

C

P,

C

P,

'

D

D

S

=

 (6)

  比例係数の不確かさ 

S

は,親のクロム標準の校正における不確かさ 

P,C

校正における親のクロム標準

に起因する変化 

Tr,P,C

,及び試験装置に基づく親のクロム標準の測定における統計的不確かさ u'

P,C

で構成

する。

  比例係数の相対不確かさ 

S

は,次の式によって算出する。

2

C

P,

2

c

C

P,

2

C

P,

C

P,

Tr,

D

n

S

u

u

u

u

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

+

+

=

'

2

s

 (7)

3.2.1.

1  

P,C

の決定  親の標準の校正における不確かさ

P,C

は,親の校正証明書又はデータシートから求

めてもよい。また,親の拡張不確かさ

P,C

を用いて,次の式から

P,C

を算出する。

k

U

u

c

p,

c

p,

=

 (8)

  ここに,

k

は包含係数である。

k

の値は親の校正証明書から求める。

3.2.1.2

  

Tr,P,C

の決定  値付けの不確かさは,例えば,エージング,温度変化及び清浄度のように,親のク

ロム標準の校正に影響する要因による可能性がある。値付けの不確かさは式

(C.2)

を用いて評価する。


11

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

3.2.1.3

  u'

P,C

の決定  式

(C.1)

を用いて,親のクロム標準の測定における統計的不確かさ

u'

P,C

を求める。

3.2.2 

補正オフセットの不確かさ  次の記号を用いる。

              S    

=  比例係数

            

P,F

=  親の光ファイバ標準の直径の校正値

            

P,F

=  親の光ファイバ標準の校正における不確かさ

            u' 

P,F

=  親の光ファイバ標準の測定における統計的不確かさ(生データ)

          

Tr,P,F

=  親の光ファイバ標準の値付けの不確かさ

            

F

=  測定回数

  ここに,添字

P

は親(

parent

F

は光ファイバ(

fibre

)を意味する。

  補正オフセットの決定については,2.3.4.2 による。オフセット

0

は次の式によって算出する。

S

D

D

O

=

F

P,

F

P,

'

 (9)

  補正オフセットの不確かさ

u

o

は,親の光ファイバ標準の校正における不確かさ

P,F

,校正における親の

光ファイバ標準に起因する変化

Tr,P,F

,及び試験装置に基づく親の光ファイバ標準の測定における統計的

不確かさ

u'

P,F

で構成される。

  オフセットの不確かさ

u

o

は,次の式によって算出する。

2

F

F

P,

2

F

P,

Tr,

2

F

P,

o

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

+

+

=

n

S

u

u

u

u

'

 (10)

備考

(10)

を算出する過程には,比例係数における不確かさ u

S

は含まれない。これは,比例係数に

含まれる誤差が,式

(9)

に従って補正オフセットを決定するときに補償されるためである。しか

し,測定しようとする光ファイバの直径と,補正オフセットの決定に用いる校正用光ファイバ

の直径とが異なるときには,u

S

は光ファイバ径を測定するときに不確かさの要因となる(3.3

参照)

3.2.2.1

  

P,F

の決定  親の不確かさ 

P,F

は,親の校正証明書又はデータシートに引用された拡張不確かさ

 

P,F

から求めてもよい。次の式によって,これを標準不確かさ 

P,F

として表す。

k

U

u

F

P,

F

P,

=

(11)

  ここに,

k

は包含係数である。

k

は親の校正証明書から求める。

3.2.2.2

  

Tr,P,F

の決定  値付けの不確かさは,例えば,エージング,温度変化及び清浄度のように,親の光

ファイバ標準の校正に影響する要因による可能性がある。値付けの不確かさは式(

C.2

)を用いて評価する。

3.2.2.3

  u'

P,F

の決定  式(

C.1

)を用いて親の光ファイバ標準の測定における統計的不確かさを求める。

3.3 

光ファイバ測定における不確かさの評価  次の記号を用いる。

            

P,F

=  オフセットの決定に用いた親の光ファイバ標準の直径の校正値

            

I,F

=  子の光ファイバの直径

  [

(12)

で決定する

]

            D'

I,F

=  子の光ファイバの直径の測定値(生データ)

            u'

I,F

=  子の光ファイバの測定における統計的不確かさ(生データ)

          

Op,I,F

=  子の光ファイバの動作不確かさ

              

F

=  測定回数

  ここに,添字

I

は子(

infant

F

は光ファイバ(

fibre

)を意味する。


12

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

  校正後の子の光ファイバの直径測定値は,次の式によって算出する。

O

S

'

D

D

F

I,

+

=

F

I,

 (12)

  測定における不確かさ

I,F

は,比例係数の不確かさ

S

,補正オフセットの不確かさ

O

及び試験装置に

基づく子の光ファイバの測定における統計的不確かさ

u'

I,F

からなる。さらに,測定が校正後に起こった動

作条件の変化の影響を受ける場合には,これらの変化を動作不確かさ

Op,I,F

として考慮しなければならな

い。試験中の光ファイバ径が補正オフセットの決定に用いた校正用光ファイバの直径と異なる場合には,

比例係数の決定における不確かさが光ファイバ径を決定するときの不確かさの要因となる(3.2.2 参照)

この影響は,次の式の最後の項に表す。

  子の光ファイバの直径の測定における不確かさ

I,F

は,次の式によって算出する。

2

s

2

F

P,

F

I,

2

F

F

I,

2

F

I,

Op,

2

O

F

I,

u

D

S

D

n

S

u

u

u

u

+

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

+

+

=

)

(

'

'

 (13)

3.3.1 

u 

Op,I,F

の決定  動作不確かさ

Op,I,F

は,校正時とは異なる動作条件に起因する。例えば,カットの

品質,清浄度,動作温度などである。動作不確かさは式(

C.2

)を用いて評価する。

3.3.2 

u'

I,F

の決定  子の光ファイバの測定における統計的不確かさは,式(

C.1

)を用いて決定する。

3.4 

クロムマスク測定における不確かさの評価  次の記号を用いる。

I,C

=  子のクロムマスクの目盛間隔

  [

(14)

から決定される

]

 D'

I,C

=  子のクロムマスクの目盛間隔の測定値(生データ)

 u'

I,C

=  子のクロムマスクの測定における統計的不確かさ(生データ)

 u 

Op,I,C

=  子のクロムマスクの動作不確かさ

 n 

C

=  測定回数

  ここに,添字

I

は子(

infant

C

はクロム(

chromium

)を意味する。

  校正後における子のクロムマスクの直径の測定値は,次の式によって算出する。

S

D

D

c

l

c

l

,

,

'

 (14)

  直径の測定値の不確かさ

I,C

は,

比例係数の相対不確かさ

S

及び試験装置に基づく子のクロムマスクの

測定の統計的不確かさ

u'

I,C

からなる。さらに,測定が校正後の作業条件の変化に依存する場合には,これ

らの変化を作業不確かさ

Op,I,C

として考慮しなければならない。

  子のクロムマスクの直径の測定における不確かさ

I,C

は,次の式によって算出する。

2

S

C

I,

2

C

C

I,

2

C

I,

Op,

C

I,

)

(

u

D

n

S

u

u

u

+

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

+

=

'

'

 (15)

3.4.1 

u 

Op,I,C

の決定  動作不確かさは,校正時とは異なる動作条件に起因する。例えば,カットの品質,

清浄度,動作温度などである。動作不確かさは式(

C.2

)を用いて推定する。

3.4.2 

u'

I,C

の決定  子のクロムマスクの測定における統計的不確かさは,式(

C.1

)を用いて決定する。


13

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

3.5 

まとめ  試験装置の校正における不確かさは,比例係数の不確かさ 3.2.1 及び補正オフセットの不確

かさ 3.2.2 によって評価された。光ファイバ及びクロムマスクの測定における不確かさは,それぞれ 3.3 

び 3.4 で評価される。光ファイバ又はクロムマスクに基づく測定における不確かさの記述には,試験装置

の校正に用いた校正標準に関する不確かさ,統計的測定に関する不確かさ及びその他の測定に関する不確

かさが含まれる。

第 章  文書化   

4.1 

記録  この手順に従って構造試験装置を校正するときには,適切な記録を保存しなければならない。

この記録には,次の情報が含まれていなければならない。

a) 

試験装置の説明及び試験装置に固有の識別情報(シリアルナンバ)

b) 

校正実施日

c) 

校正手順から得られた結果(

第 章参照)

d) 

校正周期

e) 

使用した校正手順を識別する情報

f) 

使用したすべての校正標準を個別に識別する情報,及びトレーサビリティを証明する証明書

g) 

校正を実施した人員を識別する情報

h) 

試験装置の校正に伴う不確かさと比例係数及び補正オフセットの不確かさに対する蓄積効果に関す

る記述(

第 章参照)

i) 

計測機器の状態,例えば,エッジ位置の選択のしきい値レベル,リジェクション位置の基準,適用し

た形状適合の種類など

4.2 

校正証明書  試験装置を校正した後,校正証明書を作成しなければならない。証明書の例を 4.3 に示

す。証明書には,次の情報が含まれていなければならない。

a) 

校正を行った試験所の名称及び所在地

b) 

計測機器の設置場所名

c) 

使用した試験装置及びすべての校正標準を識別する情報

d) 

使用した校正手順を識別する情報

e) 

証明書に固有の識別情報(シリアルナンバ)

f) 

校正実施日

g) 

証明書発行日

h) 

校正を実施した人員を特定する情報及び署名

i) 

次の記述:

“使用した校正方法の詳細及びトレーサビリティに関する情報は,請求すれば入手すること

ができる”

  校正証明書には,上記のほかに,次の情報を適宜記載してもよい。

使用した校正標準器の証明された値及び不確かさ

校正試験結果(

第 章)

比例係数及び補正オフセット(

第 章)

比例係数及び補正オフセットにおける不確かさの推定値(

第 章)

使用したコンピュータアルゴリズムの詳細,しきい値,校正環境に適したその他の情報


14

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

校正に影響を及ぼす校正時の環境条件

校正周期

4.3 

校正証明書の例

証明書番号:C3982

計測機器校正証明書

顧客名:

ファー・イースタン・テレコム・プロダクツ

場所:

部屋:

ケーブル試験所

現場:

ケーブル工場

住所:

フォトンウェイ

ファイバービル

メトロランド

計測機器名:

GEOM X-23

シリアルナンバ:

497-272-A1

校正実施日:

1994

11

15

校正手順参照番号:

IEC CAL PROCX

シリアルナンバ:

B12134

(クロム)

FB1120C

(光ファイバ)

校正ジグの認証値:

125.61 µm

124.69 µm

不確かさ:

±

0.15 µm

(信頼水準

95

%)

±

0.12 µm

(信頼水準

95

%)

校正後の測定値:

125.64 µm

124.70 µm

繰り返し精度(σ

n-1

0.03 µm

n=5

0.04 µm

n=5

再校正実施期限:

1995

11

14

備考1.

計測機器はオペレータマニュアルに指定された動作条件に従って使用しなければならない。

2.

常用標準器を用いて校正状態を定期的に確認することを推奨する。

上記のシリアルナンバをもつ計測機器は,指定のオプションについて,インストルメント・カンパニー・

リミテッドの校正手順に従って校正された。使用した校正方法の詳細及びトレーサビリティに関する情報

は,請求すれば入手することができる。

担当技術者:

マイク・サービス

発行日:

  1994

11

17

インストルメント・カンパニー・リ

ミテッドを代表して署名:

M E Service


15

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

附属書 A(参考)校正係数の算出

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

A.1

  比例係数の算出  2.3.4.1 を参照する。

  使用記号:

x

c

マスクの

x

軸方向における目盛間隔の校正値

 D 

y

c

マスクの

y

軸方向における目盛間隔の校正値

 D 

x

m

マスクの

x

軸方向における目盛間隔の測定値

 D 

y

m

マスクの

y

軸方向における目盛間隔の測定値

 D 

x

inner

環の内径の

x

軸方向における測定値

 D 

y

inner

環の内径の

y

軸方向における測定値

 D 

x

outer

環の外径の

x

軸方向における測定値

 D 

y

outer

環の外径の

y

軸方向における測定値

  ここに,

x

軸及び

y

軸は,カメラの走査軸として定義される。

図 A.1 は,格子状に配列された線で構成されたマスクにおいて,目盛間隔の測定値

x

m

及び

y

m

がど

のように定義されるかを表したものである。

  環の

x

軸方向及び

y

軸方向の内径及び外径は,環の内側及び外側の縁にだ円形近似することによって求

められる。

図 A.2 は,環の直径の測定値がどのように定義されるかを表したものである。環の目盛間隔は

次の式によって算出する。

2

x

x

x

outer

inner

m

D

D

D

+

=

(A.1)

2

y

y

y

outer

inner

m

D

D

D

+

=

(A.2)

  カメラ走査軸の比例係数

S

x

及び

S

y

は両方のマスク配置について次の式によって算出する。

m

C

x

x

x

D

D

S

=

(A.3)

m

C

y

y

y

D

D

S

=

(A.4)

A.2

  補正オフセットの算出  2.3.4.2 を参照する。

  補正オフセットは,光ファイバ端部での回折のような系統的な影響を補正するために必要である。補正

オフセットは,光ファイバの直径

cal

における校正値と,オフセットしない比例係数適用後の測定値

meas

との差であると定義される。補正オフセットは次の式によって算出する。

meas

cal

D

D

Offset

(A.5)


16

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

  直径の校正値と測定値との関係を

図 A.3 に示す。

   

図 A.1  格子型校正用マスクの図

   

図 A.2  環型校正用マスクの図

Dym

Dxm

IEC 1 207/98

Dyinner

Dyouter

Dxinner

Dxouter

IEC 1 208/98


17

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

   

図 A.3  オフセット補正因子の誘導

Dcal

IEC 1 208/98

Dmeas

Offset/2

Offset/2


18

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

附属書 B(参考)校正係数の決定の実施例

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

B.1

  比例係数の決定例  2.3.4.1 を参照する。

  各パラメータの値が,次のとおりであるとする。

x

c

 125.60 µm

(マスクの 軸方向における目盛間隔の校正値)

 D 

y

c

 125.60 µm

(マスクの 軸方向における目盛間隔の校正値)

 D 

x

m

 125.46

(マスクの 軸方向における目盛間隔の測定値,生データ)

 D 

y

m

 124.84

(マスクの 軸方向における目盛間隔の測定値,生データ)

  式

(1)

及び式

(2)

から,比例係数

S

x

S

y

は,それぞれ

0011

.

1

Sx

      

0061

.

1

Sy

である。

B.2

  補正オフセットの決定例  2.3.4.2 を参照する。

  各パラメータの値が,次のとおりであるとする。

 D 

P,F

 125.64 µm

(光ファイバ直径の校正値)

D'

P,F

 124.77

(光ファイバ直径の測定値,生データ)

=(

1.001 1

1.006 1

)/

2

1.003 6

B.1 参照)

  式(

5

)から,補正オフセット 

 O 

 0.42 µm

である。


19

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

附属書 C(規定)不確かさの計算

一般的に,測定結果に含まれる不確かさは複数の要素からなっている。これらの要素は,不確かさを評価

する方法によって,

2

種類に大別することができる。すなわち,

タイプ

A

の不確かさ:統計的な手法によって評価される不確かさ

タイプ

B

の不確かさ:その他の方法によって評価される不確かさ

この附属書では,これらの不確かさの評価方法について説明する。

C.1

  タイプ の標準不確かさ評価  タイプ

A

の不確かさの評価は,有効な統計学的データ処理方法に基

づくことになる。この規格では,標準不確かさ は,一連の測定結果の標準偏差に等しいと定義する。

(

)

( )

1

2

mean

i

-

n

Y

Y

u

i

å

=

(C.1)

ここに,

Y

i

一連の測定値の一つ

Y

mean

一連の測定値の平均値

n

実施した測定回数

C.2

  タイプ の標準不確かさ評価  一般に,タイプ

B

の不確かさの評価は,利用可能なすべての関連情

報を利用した科学的判断に基づく。利用可能な情報としては,以前の測定データ,試験装置の動作に関す

る経験,製造業者の仕様,校正証明書に記載された不確かさなどが含まれる。この規格では,例えば,環

境条件,試料のエージング及び清浄度に起因する不確かさを記述するために,動作不確かさという用語を

用いる。また,例えば,エージングに起因する校正標準の不確かさを記述するためには,値付けの不確か

さという用語を用いる。被測定パラメータについて,パラメータの上限

a

と下限

a

を推定して測定値が

これら上限と下限との間に存在する確率が

100

%になるようにする。タイプ

B

の不確かさとタイプ

A

不確かさとの合成を容易にするため,次の式を用いて,等価な正規分布に対応する標準不確かさ

u

を決定

する。

3

a

=

u

(C.2)

ここに,

2

+

+

=

a

a

a

は,パラメータの最良推定値である。

C.2.1

  タイプ の不確かさの評価例 

例 A:  影響量(例えば,温度の変化)によって不確かさが生じ,かつ,同じ量を複数回にわたって測定

している間,不確かさが一定又は予想される変動を示す場合には,次の方法に従って不確かさを算出する

ことができる。影響量の変化の大きさを求める。パラメータの測定値に,その量に対する計測器の依存性

によって生じる影響量の変化を乗じ,不確かさの上限及び下限を求める。式

(C.2)

を用いて標準不確かさを

算出する。

例 B:  影響量の効果を定量化することが困難な場合には,経験と判断を利用しなければならない。例え


20

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

ば,測定しようとする光ファイバ端面の汚れの影響は容易に決定することができないが,そうした測定の

経験があれば,実際に起こりそうな不確かさを算出することができる。

例 C

校正標準に関連する不確かさは,その標準の校正証明書に記載される。不確かさが上限値及び下

限値として記載されている場合には,式

(C.2)

を用いて標準不確かさを求めることができる。また,不確か

さが特定の信頼水準で指定されている場合には,例えば,信頼水準

68.3

%での標準不確かさは,記載され

た不確かさの値を適切な包含係数で除した値に等しい。

C.3

  不確かさの要因の合成  幾つかの標準不確かさの要因は,統計学的に独立性を仮定すると,次の式で

示すように一つの不確かさに合成される。

å

=

i

2

i

com

u

u

(C.3)

ここに,

i

は標準不確かさであり,

n

個の不確かさ発生源の一つとなる。

備考1.

複数の標準不確かさを合成するときには,不確かさの各要素が同じ信頼水準で指定されてい

ることが不可欠である。

2.

それぞれの不確かさについて用いられたものとは異なる信頼水準で,拡張不確かさ

com

を指

定するには,まず,不確かさの各要素

i

に,その不確かさを決定するために用いた標本数に

対応する適切な包含係数

i

を乗じ,次の式によって合成する。

å

=

i

2

i

2

i

com

u

k

U

(C.4)

  不確かさの各要素のサンプル数がすべて大きい場合には,式

(C.3)

によって得られる個々の不確かさの合

成値に一つの包含係数を乗じることによって,拡張不確かさが得られることに注意する。サンプル数が小

さい場合の包含係数

k

は,

k

の値を特定の数の測定についてスチューデントの

t

分布から得られる

t

係数と

等しくて求める。

C.3.1

  複数の不確かさ要因の合成例  不確かさの三つの構成要素として次の値を考える。

 u 

1

 0.052 µm

1

 8

 u 

2

 0.069 µm

2

12

 u 

3

 0.034 µm

3

 9

  C.4 

t

値についての表から,信頼水準

95.5

%における対応する

k

の値は次のようになる。

 k 

1

 2.43

 k 

2

 2.25

 k 

3

 2.37

  式

(C.4)

を用いて,信頼水準

95.5

%における拡張総合不確かさは,

 

 

com

 0.22 µm

となる。


21

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

C.4

  スチューデントの 分布  次の表は,指定された信頼水準における

t

の値を,測定回数

n

の関数とし

て表したものである。

測定回数

信頼水準

68.3

% 95.5

% 99.7

2 1.84

14.0  -

3 1.32

4.53  -

4  1.20 3.31 9.22

5  1.14 2.87 6.62

6 1.11

2.65

5.51

7  1.09 2.52 4.90

8  1.08 2.43 4.53

9  1.07 2.37 4.28

10  1.06 2.32 4.09

11  1.05 2.28 3.96

12  1.05 2.25 3.85

13  1.04 2.23 3.76

14  1.04 2.21 3.69

15  1.04 2.20 3.64

16  1.03 2.18 3.59

17  1.03 2.17 3.54

18  1.03 2.16 3.51

19  1.03 2.15 3.48

20  1.03 2.14 3.45

1 2 3

特定の測定回数及び要求される信頼水準に対する包含係数

k

は,次の式によって表す。

k

t(C.5)


22

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

附属書 D(参考)不確かさの決定の実施例

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

  この附属書では,比例係数,補正オフセット,光ファイバ測定及びクロムマスク測定における不確かさ

の決定に関する実施例を示す。全体を通じて信頼水準は

68.3

%であると仮定する。

D.1

  比例係数の不確かさの決定例  3.2.1 及び附属書 を参照する。

  各パラメータの値が次のとおりであるとする。

P,C

 125.60 µm

(親標準の校正済みの値)

 u 

P,C

 0.07 µm

(親標準の校正の不確かさ)

 D'

P,C

 125.15

(親標準の測定値,生データ)

 u'

P,C

 0.05

(測定値の統計的不確かさ,生データ)

 n 

C

 10

(測定回数)

附属書 から,

t

1.06

  補正後の不確かさ:

u'

P,C

0.05

×

1.06

0.053

  この例において,温度変化を

10

℃,親標準の温度依存性を

0.001 µm/

℃とすると,

  式(

C.2

)から,

µm

0.006

3

0.001

10

C

P,

Tr,

=

×

=

u

また,式(6)から,

6

1.003

125.15

125.60 =

=

S

したがって,式(7)から,比例係数の不確かさは

S

=5.8×10

-4

である。

D.2

  補正オフセットの不確かさの決定例  3.2.2 及び附属書 を参照する。

  各パラメータの値が次のとおりであるとする。

 u 

P,F

= 0.05 µm(親光ファイバ標準の校正の不確かさ)

 u'

P,F

= 0.05(測定値の統計的不確かさ,生データ)

 n 

F

= 10(測定回数)

 

S

=比例係数  = 1.003 6(D.1 から)

附属書 から,

 t 

=1.06

  補正後の不確かさ

u'

P,C

=0.05×1.06=0.053

  この例において,校正用光ファイバの清浄度が測定結果に及ぼす影響を 0.02 µm と評価すると,

 u 

Tr,P,F

=0.02 µm。

  したがって,式(10)から,オフセット係数の不確かさは

O

=0.06 µm となる。


23

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

D.3

  光ファイバ測定の不確かさの決定例  3.3 及び附属書 を参照する。

  各パラメータの値が次のとおりであるとする。

D'

I,F

= 124.50(子の光ファイバの直径の測定値,生データ)

 D'

P,F

= 125.64(オフセットの校正に用いた光ファイバの直径,

附属書 参照)

 u'

I,F

= 0.05(測定における統計的不確かさ,生データ)

 n 

F

= 10(測定回数)

 

S

=  比例係数=1.003 6(D.1 から)

 u 

S

=  比例係数の不確かさ=5.8×10

-4

(D.1 から)

 u 

O

=  オフセット因子の不確かさ=0.06 µm(D.2から)

附属書 から,

=1.06

  補正後の不確かさ:

u'

I,F

=0.05×1.06=0.053

  この例において,清浄度及びカットのきずの種類が測定結果に及ぼす影響を 0.02 µm と評価すると,

Op,I,F

=0.02 µm

  したがって,式(13)から,光ファイバ測定結果の不確かさは

I,F

=0.07 µm となる。

D.4

  クロムマスク測定の不確かさの決定例  3.4 及び附属書 を参照する。

  各パラメータの値が次のとおりであるとする。

D'

I,C

= 125.40(子のクロムマスクの測定値,生データ)

 u'

I,C

= 0.05(測定における統計的不確かさ,生データ)

 n 

C

= 10(測定回数)

 

S

=  比例係数=1.003 6(D.1 から)

 u 

S

=  比例係数の不確かさ=5.8×10

-4

(D.1 から)

附属書 から,

t  

=1.06

  補正後の不確かさ:

u'

I,C

=0.05×1.06=0.053

  この例において,清浄度が測定結果に及ぼす影響を 0.007 µm と評価すると,

 u 

Op,I,C

=0.007 µm

  したがって,式(15)から,マスク測定結果における不確かさは

I,C

=0.08 µm となる。


24

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

附属書 E(参考)実用標準の作成

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

E.1

  実用標準の作成  校正を確認するための実用標準は,光ファイバ又はガラス上のクロムマスクである。

実用標準は,校正済みの試験装置に基づいて校正ジグを測定することによって得られる。

E.1.1

  測定条件  新しい実用標準を作るときには,不確かさを最小にするため,試験装置の校正時とでき

る限り同じ測定条件を用いる。次の事項は,そうした測定条件の詳細である。

a) 

光ファイバの場合には,同じ種類の光ファイバを用いなければならない。ガラス上のクロムマスクの

場合には,同様の形状であることが必すである(例えば,点又は線の配列,円又は環)

b) 

近似のアルゴリズムは,同じでなければならない。

c) 

近似にカメラから利用可能なデータをすべて用いるわけではないとき,例えばノイズフィルタを用い

るときには,同じデータ選択プロセスを用いる。

d) 

焦点合わせのアルゴリズムは,同じでなければならない。

e) 

照明条件は,同じでなければならない。

f) 

同じ端面設定基準を用いなければならない。

E.2

  実用標準の作成手順

E.2.1

  子の校正ジグが光ファイバの場合

a) 

校正済みの試験装置を基準にして,校正済みの比例係数を用いて子の校正ジグの構造パラメータを測

定する(2.3.4.1 参照)

。測定結果に補正オフセット(2.3.4.2 参照)を適用する。統計的不確かさを小さ

くするため,必要な限り頻繁に測定を繰り返す。

b) 

以下の測定条件及び測定パラメータを報告する。

1)

平均径及び非円率

2)

使用した近似アルゴリズム

3)

測定における不確かさ(不確かさの評価の説明については 3.3 参照)

E.2.2

  子の校正ジグがガラス上のクロムマスクの場合

a) 

校正済みの試験装置を基準にして,校正済みの比例係数を用いて子の校正ジグの構造パラメータを測

定する(2.3.4.1 参照)

。測定結果に補正オフセット(2.3.4.2 参照)を適用してはならない。統計的不確

かさを小さくするため,必要な限り頻繁に測定を繰り返す。

b) 

次の測定条件及び測定パラメータを報告する。

1

x

軸及び

y

軸方向の目盛間隔

2

使用した近似アルゴリズム

3

測定における不確かさ(不確かさの評価の説明については 3.4 参照)


25

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

附属書 F(参考)コア/クラッド偏心量測定における不確かさの評価

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

F.1

  偏心量の測定における不確かさの評価方法  偏心量測定における不確かさは,例えば,次の要因の影

響を受ける。

a) 

試験装置の空間的均一性

b) 

コア及びクラッドの中心を決定するときの不確かさ。これは,使用した曲線近似の方法,入手できた

データポイント数,並びに光ファイバ端面の清浄度及びカットの品質によって異なる。

c) 

光学式撮像又は照明システムのひずみに起因する偏心バイアスの存在及び偏心量測定における不確か

さを評価するには,次の記号を用いる。

C

= 測定された偏心量

u

= 測定の統計的不確かさ

n

= 行った測定の回数

CB

= 偏心バイアス

CB

 = 偏心バイアスの不確かさ

Op

 = 光ファイバ効果による不確かさ

  偏心量の不確かさ

C

は,次の式によって算出する。

(

)

CB

u

n

u

u

u

+

+

+

=

2

CB

2

2

Op

C

/

(F.1)

F.1.1

  の決定  式

(C.1)

を用いて,測定における統計的不確かさを求める。

F.1.2

  

Op

の決定  動作不確かさはコア中心及びクラッド中心を決定するときの不確かさである。例えば,

コアの光分布の中心は光ファイバに対する外乱によって影響を受ける場合がある。動作不確かさは式

(C.2)

を用いて評価することができる。

F.1.3

  CB の決定  偏心バイアスは,コア中心とクラッド中心との間の直線距離のひずみとして定義する。

偏心バイアスが測定値に及ぼす影響は,光ファイバ端面の方向性によって左右する。ここでは,偏心バイ

アスの決定方法について説明する。校正済みの試験装置によって測定される光ファイバと,クラッド径が

ほぼ等しい光ファイバとが必要である。例えば,同様の種類のマルチモードグレーデッドインデックス形

光ファイバ,マルチモードステップインデックス形光ファイバ又はシングルモード光ファイバであること

が望ましい。試験では三つの異なる回転位置で光ファイバの偏心量を測定する。測定値のばらつきは,試

験装置に偏心があることを示している。偏心バイアスを評価する手順は次による。

a) 

計測機器の所定の位置に光ファイバを置き,偏心量を測定する。偏心の大きさ及び方向を測定しなけ

ればならない。観察モニタ上に映し出された光ファイバの像の角位置を記録する。このとき,カット

時の損傷箇所のような光ファイバ端面を基準にして校正ジグの位置を決めるとよい。この位置決めマ

ークは,光ファイバの角度をきちんと管理しながら回転させることができなければならない。

b) 

ステップ a)で定めた位置決めマークを用いて,光ファイバを軸の回りで約

120

°回転させる。光ファ


26

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

イバの端面が視野の端から端まで移動しないように注意する。偏心量を測定する。

c) 

次の回転位置について,ステップ b)を繰り返す。

d) 

次の式を用いて,

3

か所の測定位置

i

について,クラッド中心に対するコア中心の座標(

x

i

y

i

)を算出

する。

x

i

  C

i

cos(

θ

i

) (F.2)

y

i

  C

i

sin(

θ

i

)(F.3)

ここに,

  C

i

は,測定位置

i

における偏心量,

θ

i

は,基準軸に対する

i

番目の測定位置の偏心量の角度

e) 

偏心バイアス

CB

は,点(

x

i

y

i

)を通って外接する円の中心(

X

O

Y

O

)とクラッド中心との距離に等し

い。次の式を用いて

CB

を算出する。

2

1

3

1

2

1

3

1

2

2

1

2

3

1

2

2

1

2

2

1

3

o

))

(

)

(

)

(

)

((

)

(

)

(

)

(

)

(

x

x

y

y

y

y

x

x

C

C

y

y

C

C

y

y

X

=

(F.4)

(

)

(

)

1

3

2

1

1

3

o

2

3

o

2

2

y

y

C

x

x

X

C

Y

=

(F.5)

(

)

2

o

2

o

Y

X

CB

+

=

(F.6)

F.1.3.1

  CB の決定の例  三つの角位置についての測定値が次のとおりであるとする。

角位置

偏心の測定値

大きさ

角度

0

°

0

,198

µ

m

326

°

120

°

0

,238

µ

m

239

°

240

°

0

,172

µ

m

122

°

  式(F.2),(F.3),(F.4)及び(F.5)を用いて,バイアスは次のように求められる。

X

o

=−0.018 µm,

Y

o

=−0.037 µm

  式(F.6)を用いて算出されたバイアスの大きさは,

CB

=0.041 µm

である。

F.1.4

  

CB

の決定  偏心バイアスの不確かさは,次の式を用いて求められる。

3

2

i

CB

u

u

å

=

(F.7)

  ここに,

u

 

i

は角回転位置

i

で測定された偏心の統計的不確かさである。

F.2

  偏心バイアスの修正  いったん偏心バイアスが決定されれば,その後の測定については,次の方法で

バイアスを修正することができる。

a) 

測定された偏心量の

x

i

成分及び

y

i

成分を式(F.3)及び式(F.4)を用いて計算する。

b) 

測定された偏心量の

x

i

成分及び

y

i

成分から,バイアスの成分

X

o

及び

Y

o

をそれぞれ差し引く。

c) 

次の式によって,補正後の偏心値

C

_cor

を算出する。


27

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

(

) (

)

2

o

i

2

o

i

cor

Y

y

X

x

C

+

=

(F.8)

  偏心量測定によって生じる不確かさは,式(F.2)を用いて計算することができる。この場合には,結果か

ら CB を差し引く。


28

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

     

附属書 G(参考)非円率測定における不確かさの評価

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

G.1

  非円率の測定における不確かさの評価方法  非円率の測定における不確かさは,系の比例係数の校正

による影響を受けない。これは,非円率は比の形で表されるためである(2.6 参照)

。不確かさに影響を与

える要因としては,次のようなものがある。

a) 

コア中心又はクラッド中心の決定は,どれを測定しようとしているかによって,使用する曲線の近似

方法,利用可能なデータポイントの数,並びに,光ファイバ端面の清浄度及びカット品質に左右され

る。

b) 

光ファイバコアを測定するとき,コアの像の非円率は光ファイバの配置の影響を受けやすい。

c) 

光学的撮像又は照明システムのひずみに起因する非円率バイアスが存在する場合がある。

 

u

=  測定の統計的不確かさ

 

n

=  実施した測定回数

  非円率の測定における不確かさを評価するには,次の記号を用いる。

 NCB

=  非円率バイアス

 u 

NCB

=  非円率バイアスの不確かさ

 u 

Op

=  カットの効果に起因する不確かさ

  非円率の不確かさ 

NC

は,次の式によって算出する。

(

)

NCB

u

n

u

u

u

+

+

+

=

2

NCB

2

2

Op

NC

/

 (G.1)

G.1.1

  の決定  式(C.1)を用いて,測定の統計的不確かさを求める。

G.1.2

  

Op

の決定  動作不確かさは,非円率を測定するときの,カットのきずの影響に起因する不確かさ

を構成する。動作不確かさは式(C.2)を用いて評価することができる。

G.1.3

  NCB の決定  非円率のバイアスは,撮像システムによる光ファイバ構造のひずみと定義する。非円

率バイアスが測定値に与える影響は,光ファイバ端面の方向性に依存する。非円率を評価する 2 種類の方

法を次に示す。

G.1.3.1

  法:未校正の校正ジグ  光ファイバ若しくはガラス上のクロムの環又は円が必要である。それ

らの直径と,校正済みの試験装置を用いて測定される光ファイバ径との差は 5 µm 以下であることが望ま

しい。試験では,幾つかの回転位置で校正ジグの非円率を測定する。代表的な角度間隔は 60°である。測

定値のばらつきは試験装置にバイアスが存在することを示している。

非円率バイアスは,

次の式によって,

測定された非円率の値の範囲の 2 分の 1 で近似する。


29

C 6828:2004(IEC 61745

:1998)

(

)

2

min

max

NC

NC

NCB

=

 (G.2)

  ここに,NC

max

NC

min

はそれぞれ非円率の最大値及び最小値である。

G.1.3.2

  法:校正済みの校正ジグ  使用する校正ジグの非円率が,校正済みの値 u

cal

よりも小さいと規

定される場合には,非円率のバイアスを直接測定することができる。任意の方向について,校正ジグの非

円率 NC を測定する。非円率のバイアスは次の式によって表す。

cal

u

NC

NCB

+

 (G.3)

備考  B 法を用いて決定される NCB の値は,試験装置のバイアスの最大値であり,A 法を用いて得ら

れる値よりもわずかに大きい場合がある。

G.1.4

  

NCB

の決定  

a)

  G.1.3.1 の A 法を用いる場合には,非円率バイアスの不確かさは次の式によって算出する。

2

NCB

u

u

=

 (G.4)

ここに,は非円率の測定における統計的不確かさである。

b)

  G.1.3.2 の B 法を用いる場合には,非円率バイアスの不確かさは次の式によって算出する。

cal

NCB

u

u

u

+

=

 (G.5)