>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

C 6827

:2015

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語,記号及び定義

1

4

  測定方法の分類

1

5

  試験状態

2

6

  方法の概要

2

6.0A

  波長分散

2

6.1

  方法 A“位相法”

2

6.2

  方法 B“パルス法”

2

6.3

  方法 C“微分位相法”

3

7

  基準測定方法

3

7.1

  SGIPGI-200/490PGI-120/490 及び PGI-62.5/245

3

7.2

  SSMASSMATSSMAUSSMBSSMDSSME 及び SSMFA

3

8

  試験装置

3

8.1

  一般事項

3

8.2

  励振光学系

3

8.3

  高次モードフィルタ(シングルモード)

3

8.4

  入力部固定ジグ

3

8.5

  出力部固定ジグ

4

8.6

  計算処理装置

4

9

  サンプリング及び被測定光ファイバ

4

9.1

  被測定光ファイバの長さ

4

9.2

  被測定光ファイバの端面

4

9.3

  リファレンス光ファイバ

4

10

  手順

4

11

  計算

4

11.1

  一般事項

4

11.2

  SGIPGI-200/490PGI-120/490PGI-62.5/245SSMASSMA及び SSMFA

5

11.3

  SSMAT

5

11.4

  SSMB

5

11.5

  SSMD 及び SSME

5

12

  結果

6

12.1

  各測定について記録しなければならない情報

6

12.2

  要望が出された場合に提示しなければならない情報

6


C 6827

:2015  目次

(2)

ページ

13

  仕様情報

6

附属書 A(規定)方法 A“位相法”に関する要求事項

7

附属書 B(規定)方法 B“パルス法”に関する要求事項

12

附属書 C(規定)方法 C“微分位相法”に関する要求事項

15

附属書 D(規定)波長分散近似

19

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

21


C 6827

:2015

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。

これによって,JIS C 6827:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

6827

:2015

光ファイバ波長分散試験方法

Test methods for chromatic dispersion of optical fibers

序文

この規格は,2013 年に第 3 版として発行された IEC 60793-1-42 を基に,対応する部分については対応国

際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定

されていない規定項目を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更の

一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,石英系シングルモード光ファイバ,石英系マルチモードグレーデッドインデックス形光フ

ァイバ及び全プラスチックマルチモードグレーデッドインデックス形光ファイバ(以下,総称する場合,

光ファイバという。

)の波長分散の試験方法について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60793-1-42:2013

, Optical fibres − Part 1-42: Measurement methods and test procedures −

Chromatic dispersion(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 6820

  光ファイバ通則

JIS C 6824

  マルチモード光ファイバ帯域試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60793-1-41,Optical fibres−Part 1-41: Measurement methods and test

procedures−Bandwidth(MOD)

JIS C 60068-1

  環境試験方法−電気・電子−通則

3

用語,記号及び定義

この規格で用いる主な用語,記号及び定義は,JIS C 6820 による。

4

測定方法の分類

測定方法は,位相法(方法 A)

,パルス法(方法 B)及び微分位相法(方法 C)とする。方法 A,方法 B


2

C 6827

:2015

及び方法 C は,指定波長範囲にわたる次の光ファイバの波長分散の測定に適用する。

−  石英系マルチモードグレーデッドインデックス形光ファイバ(SGI)

− PGI-500/750 を 除 く 全 プ ラ ス チ ッ ク マ ル チ モ ー ド グ レ ー デ ッ ド イ ン デ ッ ク ス 形 光 フ ァ イ バ

(PGI-200/490,PGI-120/490 及び PGI-62.5/245)

−  石英系シングルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファイバ(SSMA)

,石英系シングルモード 1 550 nm カ

ットオフシフト形光ファイバ(SSMA・T)

,石英系シングルモード 1 310 nm ゼロ分散・低 OH 形光ファ

イバ(SSMA・U)

,石英系シングルモード 1 550 nm 分散シフト形光ファイバ(SSMB)

,石英系シング

ルモードノンゼロ分散シフト形光ファイバ(SSMD)

,石英系シングルモード広波長域ノンゼロ分散シ

フト形光ファイバ(SSME)

,及び石英系シングルモード低 OH・曲げ損失低減形光ファイバ(SSMF・A)

方法 A,方法 B 及び方法 C は,1 km を超える光ファイバ又はケーブル長さに適している。それより短

い長さに対しても適用してよいが,正確さ及び再現性が低下する可能性がある。

5

試験状態

試験状態は,JIS C 60068-1 の 5.3[測定及び試験のための標準大気条件(標準状態)

]の規定に従い,温

度 15  ℃∼35  ℃,相対湿度 25 %∼75 %,かつ,気圧 86 kPa∼106 kPa とする。ただし,標準大気条件で試

験することが困難な場合は,判定に疑義が生じない場合,標準大気条件以外で試験を行ってもよい。その

場合は,試験状態を記録する。

6

方法の概要

6.0A

波長分散

波長分散は波長によって変化する。波長の関数として群遅延を測定する方法があり,測定データを波長

で微分して,波長分散と分散スロープとを求める。通常,数学モデルに近似して微分値を得る。各波長に

おける波長分散を直接測定する方法もある。

ある光ファイバの種類においては,指定されたモデルのパラメータによって,波長分散特性を規定する。

この場合,関連する勧告又は規格は,規定パラメータの決定に適切なモデルを定義する。また,一つ以上

の指定波長区間において,所定範囲内の波長分散を規定する光ファイバの種類もある。後者の場合,波長

境界で直接測定を行うか,群遅延測定手法による近似モデルを利用するか,又は直接測定しない特定波長

の分散値を補間計算するために少ない数のパラメータを使うか,の方法を用いる。

附属書 に,波長分散近似の概要,及び任意の測定法又は光ファイバの種類に適用できる,幾つかの近

似式を示す。

6.1

方法 A“位相法”

この方法は,異なる波長の正弦波変調光源間の相対位相シフトを用い,指定された波長範囲における,

光ファイバの波長分散を求める手順である。通常,光源にはレーザダイオード,フィルタ付き発光ダイオ

ード,又はフィルタ付きの増幅された自然放出光(ASE)光源を用いる。相対位相シフトは,相対時間遅

延に変換し,その結果得た群遅延データを,各光ファイバの種類について定義する式に近似する。

6.2

方法 B“パルス法”

時間領域法とも呼ぶこの方法は,光ファイバラマンレーザ光源,又はゼロ分散波長と等しくない波長で

動作する複数のレーザダイオードを用い,光ファイバの波長分散を求める手順である。

この方法では,長さが既知の光ファイバを通る光パルス遅延の時間差を,幾つかの波長において測定す

る。また,短いリファレンス光ファイバを用いて基準とする一連の測定を行い,被測定光ファイバの測定


3

C 6827

:2015

データから差し引いて,単位長さ当たりの群遅延を算出する。その結果得た群遅延データを,各光ファイ

バの種類について定義する式に近似する。

6.3

方法 C“微分位相法”

この方法は,特定の波長における分散係数を,近接した二つの波長間の群遅延差から,光ファイバの波

長分散を求める手順である。

この方法では,変調光源を被測定光ファイバに結合し,1 回目の波長での出射光の位相を 2 回目の波長

での出射光の位相と比較する。二つの波長の間隔における平均波長分散は,微分位相シフト,波長間隔及

び光ファイバ長さから求める。

二つの試験波長の平均波長における波長分散係数は,二つの波長間隔における平均波長分散に等しいも

のとみなす。したがって,その結果得る波長分散データは,各光ファイバの種類について定義する式に近

似する。

7

基準測定方法

7.1

SGI

PGI-200/490PGI-120/490

及び PGI-62.5/245

SGI,PGI-200/490,PGI-120/490 及び PGI-62.5/245 の場合,方法 B“パルス法”を基準測定方法として用

いる。

7.2

SSMA

SSMATSSMAUSSMBSSMDSSME

及び SSMFA

SSMA,SSMA・T,SSMA・U,SSMB,SSMD,SSME 及び SSMF・A の場合,方法 A“位相法”を基準測

定方法として用いる。方法 A を用いない場合,方法 C“微分位相法”を代替測定方法として用いる。

8

試験装置

8.1

一般事項

次に示す機器は,全ての測定方法に共通である。

附属書 A,附属書 及び附属書 に各測定方法の装置

の構成,及び各測定方法を用いる場合の要求事項を規定する。

8.2

励振光学系

信号源からの出力を被測定光ファイバ又はリファレンス光ファイバに結合して,各信号源の物理的光路

長が試験中は一定となるようにする(この要求事項によって信号源の相対位相が光路長変化のために変わ

らないことを保証する。

。適切な装置に多チャネルシングルモード光スイッチ,又は脱着可能な光コネク

タを組み込んでもよい。

この方法を SGI,PGI-200/490,PGI-120/490 及び PGI-62.5/245 に対して用いる場合,その励振条件は,JIS 

C 6824

の“パルス法”に規定する“インパルス応答”に適合しなければならない。

8.3

高次モードフィルタ(シングルモード)

この方法を SSMA,SSMA・T,SSMA・U,SSMB,SSMD,SSME 及び SSMF・A に用いるときは,対象と

する波長範囲における高次モードを除去する。このような高次モードフィルタの一例としては,単一ルー

プの半径を十分に小さくして,基本モード以外のモードが伝播する最小波長を対象とする波長範囲より短

くさせたものがある。

8.4

入力部固定ジグ

光源に被測定光ファイバの入力部を接続する。例としては,x-y-z のマイクロポジションステージの使用,

光コネクタなどメカニカルな接続方法がある。光ファイバの位置は,試験をしている間は安定していなけ

ればならない。


4

C 6827

:2015

8.5

出力部固定ジグ

被測定光ファイバの出力端を,光パワーがシステム検出器に結合するように位置決めする。そのような

結合としては,レンズの使用,又は検出器のピグテールとのメカニカルな接続でもよい。

8.6

計算処理装置

装置制御,データ収集及びデータの数値評価のためにコンピュータを用いてもよい。

9

サンプリング及び被測定光ファイバ

9.1

被測定光ファイバの長さ

方法 A,方法 B 及び方法 C では,適切な位相測定精度を得るために十分な長さの被測定光ファイバ,又

はケーブルを必要とする。典型的な最小長さは 1 km とする。PGI-200/490,PGI-120/490 及び PGI-62.5/245

は,SGI よりも損失が大きいため,PGI-200/490,PGI-120/490 及び PGI-62.5/245 において,最小長さは 100

m としてもよい。

短い光ファイバ長は再現性に影響する。概して,光ファイバ長が長いほうが再現性が良い。

9.2

被測定光ファイバの端面

各被測定光ファイバの入力端及び出力端を,光ファイバ軸に垂直で平らな端面に整える。

9.3

リファレンス光ファイバ

光源及びその他の装置の構成機器の分散遅延を補正するために,分散特性が既知であるシングルモード

光ファイバを用いなければならない。この光ファイバの長さは,被測定光ファイバ長さの 0.2 %以下でな

ければならない。

PGI-200/490,PGI-120/490 及び PGI-62.5/245 の場合,リファレンス光ファイバの長さが 2 m 以下でなけ

ればならない。この長さが被測定光ファイバ長さの 0.2 %より長い場合,被測定光ファイバ長さでの測定

結果から,リファレンス光ファイバの波長分散値を考慮して差し引かなければならない。

また,温度変化によって特性が変化するので,被測定光ファイバの温度は,測定中 0.1  ℃∼1  ℃の間で

安定していなければならない。

10

手順

方法 A∼方法 C の手順は,

附属書 A∼附属書 による。

リファレンス光ファイバの測定は,全ての方法で必要とする。リファレンス光ファイバのデータは,被

測定光ファイバの測定用として保存しておくことができる。リファレンス光ファイバの測定手順は,信号

源光学系若しくは受信光学系,又は電子回路系に関する状態が変わったとき,再び実施することが望まし

い。

11

計算

11.1

一般事項

方法 A∼方法 C のための適切な相対的遅延の計算を,

附属書 A∼附属書 にそれぞれ示す。

この箇条では,全ての方法において,長さによって算出した波長群遅延データ τ(λ)に適用できる次の数

値近似について規定する(

附属書 参照)。

λ: 波長

[nm]

  τ(λ): 算出された波長群遅延データ近似式 [ps/km] 
 D(λ): 波長分散係数=dτ/dλ [ps/(nm・km)]


5

C 6827

:2015

  λ

0

: ゼロ分散波長

[nm]

 τ(λ

0

): ゼロ分散波長 λ

0

における相対遅延最小値 [ps/km]

  S(λ): 分散スロープ [ps/(nm

2

・km)]

  S

0

: ゼロ分散波長における分散スロープ [ps/(nm

2

・km)]

注記 1  τ(λ)及び D(λ)は,直接測定したもの,又は直接測定した値を指定の関数で近似した結果のいず

れでもよい。

注記 2  例えば,データ近似関数が指定されている場合,等式の右辺にある式のパラメータは,直接

測定値の誤差の平方和ができるだけ小さくなるように決める。それらのパラメータが決まれ

ば,この式はその他の様々なパラメータの値を決めるために用いられる。

注記 3  これらの近似パラメータは,変数 ABC又は として記述する(附属書 参照)。

11.2  SGI

PGI-200/490PGI-120/490PGI-62.5/245SSMASSMAU

及び SSMFA

次の内容は,SGI,PGI-200/490,PGI-120/490,PGI-62.5/245,SSMA,SSMA・U 及び SSMF・A に適用す

る。

遅延又は分散データを,3 項セルマイヤ近似式に近似する(

附属書 参照)。波長分散係数 D(λ),ゼロ分

散波長 λ

0

及びゼロ分散波長における分散スロープ S

0

の計算を,

附属書 に示す。

1 550 nm の波長領域だけにおいて,波長分散は波長に対する線形関数(遅延データの 2 次近似式)に近

似できる(

附属書 参照)。

11.3  SSMA

T

次の内容は,SSMA・T に適用する。

精度要件によっては,1 550 nm の波長領域における最大 35 nm までの波長区間において,2 次近似式を

用いてもよい。近似を行った波長範囲外の波長における波長分散の予測には,この近似式を用いないほう

がよい。

より広い波長区間を予測する場合は,5 項セルマイヤ近似式又は 4 次多項近似式を用いるのがよいが,

その近似式は 1 310 nm の波長領域には用いない。

波長分散係数 D(λ)及び分散スロープ S(λ)の計算を,

附属書 に示す。

11.4  SSMB

次の内容は,SSMB に適用する。

精度要件によっては,1 550 nm の波長領域における最大 35 nm までの波長区間において,2 次近似式を

用いてもよい。近似を行った波長範囲外の波長における波長分散の予測には,この近似式を用いないほう

がよい。

より広い波長区間を予測する場合は,5 項セルマイヤ近似式又は 4 次多項近似式を用いるのがよいが,

その近似式は 1 310 nm の波長領域には用いない。

波長分散係数 D(λ),ゼロ分散波長 λ

0

及びゼロ分散波長における分散スロープ S

0

の計算を,

附属書 

示す。

11.5  SSMD

及び SSME

次の内容は SSMD 及び SSME に適用する。

通常,35 nm を超える広い波長範囲における場合,5 項セルマイヤ近似式又は 4 次多項近似式を用いるの

がよい。近似を行った波長範囲外の波長における波長分散の予測には,この近似式を用いないほうがよい。

SSMD については,35 nm 以下の狭い波長区間の場合に,2 次近似式を用いることができる。近似を行っ

た波長範囲外の波長における波長分散の予測に,この近似式を用いないほうがよい。


6

C 6827

:2015

波長分散係数 D(λ)及び分散スロープ S(λ)の計算を,

附属書 に示す。

12

結果

12.1

各測定について記録しなければならない情報

各測定について,次の情報を記録しなければならない。

−  測定の日付及び測定方法

−  結果の計算に用いた式

−  被測定光ファイバの識別表示

−  長さの算出のために用いた被測定光ファイバの長さ

−  詳細仕様書によって要求される測定結果

注記  詳細仕様書によって要求される可能性がある情報の例は,次による。

a)

指定された波長において測定された分散係数値

b)

指定された範囲の波長にわたる分散の最大値(又は複数の最大値)

c)

この波長におけるゼロ分散波長及び分散スロープ

12.2

要望が出された場合に提示しなければならない情報

要望が出された場合に,次の情報を提示しなければならない。

−  用いた測定方法:方法 A,方法 B 又は方法 C

−  用いた光源及び測定波長の説明

−  変調周波数(該当する場合)

−  信号検出器,信号検出電子装置及び遅延装置の説明

−  用いた計算手法の説明

−  測定装置の最新校正日

13

仕様情報

詳細仕様書では,次の情報を明示しなければならない。

−  合否判定基準

−  報告しなければならない情報

−  適用する手順との差異

−  測定する光ファイバの種類


7

C 6827

:2015

附属書 A

規定)

方法 A“位相法”に関する要求事項

A.1

装置

A.1.1

光源

光源は,測定手順を完了するのに十分な時間にわたって,位置,強度及び波長が安定していなければな

らない。複数のレーザダイオード(例えば,

図 A.1 参照),波長可変レーザダイオード,発光ダイオード(例

えば,

図 A.3 参照)又は広帯域光源(例えば,ラマンファイバ付き Nd:YAG レーザ又は ASE 光源)を,測

定の波長範囲に応じて用いることができる。

被測定光ファイバ内に励振された光の波長は,光スイッチ,モノクロメータ,分散装置,光フィルタ,

及び光カプラからなる系か,又は光源のタイプ及び測定装置構成に応じて調整されたレーザを選択するこ

とができる。波長選択器は,被測定光ファイバの入力部又は出力部のどちらにおいて用いてもよい。

光源波長としてゼロ分散波長 λ

0

が含まれる 3 波長系で石英系シングルモード光ファイバを測定する場合

図 A.2 参照),中央波長の許容差又は不安定性 δλ によって,λ

0

の測定において最大 3δλ の誤差が生じる。

分散スロープ S

0

の最大誤差は,δλλ(ここで,Δλ=光源波長間隔)に正比例し,δλλ=1 nm/30 nm に対

し,約 0.012 ps/(nm

2

・km)となる。

被測定ファイバで期待される λ

0

に近い平均波長をもつ光源を用いるか,3 波長より多くの波長を用いる

か,又はその両方を用いることで,誤差を上記の最大誤差より小さくすることができる。

一般的には,出力パワー安定化機能(例えば,PIN フォトダイオードフィードバック)を備えた,温度

管理されたシングル縦モードレーザダイオードで十分である。現場測定装置セット用光ファイバ基準リン

クのためには追加のレーザが要求されることもある(A.1.5 参照)

A.1.2

スペクトル幅

光源のスペクトル幅は,被測定光ファイバで測定され,半値全幅(FWHM)において 10 nm 以下でなけ

ればならない。

図 A.1−波長分散測定装置セット  多重レーザ系(典型例)


8

C 6827

:2015

図 A.2−典型的な遅延曲線及び分散曲線

A.1.3

変調器

変調器は,単一の主要フーリエ成分をもつ変調周波数を生成するために,光源を振幅変調するものでな

ければならない。例えば,正弦波,台形波,方形波変調を用いることができる。周波数安定性は,10

6

分の

1 以上でなければならない。位相法の測定においては,360 度(ここで,は整数である。)の曖昧さを防

止することが不可欠となる。これは,360 度の位相変化を追跡するなどの手段によって,又は相対位相シ

フトを 360 度未満に制限する十分低い変調周波数を選択することによって達成できる。石英系シングルモ

ード光ファイバについては,360 度シフトの最大周波数を式(A.1)のように決める。

1

2

2

0

2

2

0

0

6

max

10

8









×

×

=

j

j

i

i

λ

λ

λ

λ

λ

λ

L

S

f

  (A.1)

ここに,

f

max

360 度シフトの最大周波数(MHz)

L: 最大期待被測定光ファイバ長さ(km)

λ

0

期待される典型的なゼロ分散波長(nm)

S

0

λ

0

において期待される典型的分散スロープ[ps/(nm

2

・km)]

λ

i

及び λ

j

: 測定波長の中で f

max

を最小とする測定波長(nm)の組合せ

変調器の周波数は,測定精度を保証するのに十分高いものでなければならない。

精度が測定系パラメータに依存する例を次に示す。石英系シングルモード光ファイバの場合で,光源波

長の幅が

Δ

λである 3 波長系の場合,最小変調器周波数 f

min

(MHz)が式(A.2)で表される値である場合,最

大誤差は S

0

については 0.001 2 ps/(nm

2

・km),λ

0

については 0.4 nm となる。


9

C 6827

:2015

( )

2

7

min

10

Δ

Δλ

L

f

×

×

= φ

  (A.2)

ここに,

f

min

最小変調器周波数(MHz)

Δφ: 総測定装置位相不安定度(度)

L: 最小期待被測定光ファイバ長さ(km)

Δλ: 隣接光源間の平均波長間隔(nm)

したがって,Δφ=0.1 度,L=10 km,かつ,Δλ=32 nm の場合,約 100 MHz の最小周波数が要求される。

注記 1  式(A.2)は,波長間隔及び位相不安定度の様々な値を用い,時間遅延方程式の λ

0

及び S

0

につい

て繰り返し解くことによって得られる。

注記 2  被測定光ファイバで期待される λ

0

に近い平均波長をもつ光源を用いるか,3 波長より多くの

波長を用いるか,又はその両方を用いることで,誤差を上記の最大誤差より小さくすること

ができる。

各光源における変調周波数は,測定装置セットの校正を容易にするために調整できるようにしてもよい。

A.1.4

信号検出器及び信号検出電子装置

測定する波長の範囲にわたって十分な感度を示す光検出器を,位相計と組み合わせて用いる。検出シス

テムの感度を上げるために増幅器を用いてもよい。典型的な系は,PIN フォトダイオード,電界効果トラ

ンジスタ(FET)増幅器及びベクトル電圧計からなる。

検出器−増幅器−位相計で構成される系は,変調信号の基本フーリエ成分にだけ反応するものであり,

測定する受光パワーの範囲において一定の信号位相シフトを導入するものでなければならない。受光パワ

ーの範囲は,可変光減衰器によって制御してもよい。

A.1.5

基準信号

基本フーリエ成分が変調信号と同じである基準信号は,信号源の位相を測定する位相計に送る。基準信

号は変調信号に対して位相が固定されることが望ましく,通常は,変調信号から引き出される。

基準信号構成の例を次に示す[この例の a),b)及び c)の構成については,

図 A.1 及び図 A.3 参照]。

a)

実験室試験,リファレンス光ファイバを測定するときなどのように,信号源と検出器とが並置されて

いる場合,信号発生器と位相計の基準ポートとの間に電気的接続を用いることができる。

b)

光スプリッタを被測定光ファイバの前に挿入し,更に検出器も並置された装置として用いてもよい。

c)

光ケーブルの現場試験(光源と検出器とは並置ではない。

)のためには光リンクを用いることができ,

典型的なものとしては,被測定光ファイバ用として用いられるものと類似した,変調された光源,光

ファイバ及び検出器で構成する。

d)

現場試験用の基準信号も,波長分割多重化機能を用い,被測定光ファイバに送信することができる。


10

C 6827

:2015

図 A.3−波長分散測定装置セット  LED システム(典型例)

A.2

手順

A.2.1

リファレンス光ファイバの測定

リファレンス光ファイバ(9.3)を測定器の入出力ポートに挿入し,基準信号(A.1.5)を構成する。各高

周波信号源について,位相φ

in

(λ

i

)を測定し,記録する。

上記の代わりに,位相調整が可能な高周波信号源である場合,リファレンス光ファイバを所定の位置に

設置し,全ての高周波信号源の位相を等しくしなければならない。その後,A.2.2 に規定する被測定光ファ

イバの測定を実施する。この場合,A.3.1 の計算のために,φ

in

(λ

i

)=0 とする。

A.2.2

被測定光ファイバの測定

被測定光ファイバを測定器の入出力ポートに挿入し,基準信号(A.1.5)を構成する。各高周波信号源に

ついて,位相φ

out

(λ

i

)を測定し,記録する。

検出器及び検出器電子装置のレベル依存位相シフトをできるだけ小さくする範囲に調整された検出器に

おいては,被測定光ファイバの測定の前に,全てのリファレンス光ファイバの測定又は測定波長全ての高

周波信号源の位相を等しくする等化の測定を実施する。

A.3

計算

A.3.1

各波長において測定された入力位相を,その波長における出力位相から差し引く。全ての λ

i

におけ

る相対群遅延は,式(A.3)のようになる。

( )

( )

( )

[

]

L

f

λ

λ

λ

τ

i

i

i

×

×

=

360

10

6

in

out

φ

φ

  (A.3)

ここに,

τ(λ

i

): 相対群遅延(ps/km)

φ

out

(λ

i

): A.2.2 で測定された値(度)

φ

in

(λ

i

): A.2.1 で測定された値(度)

f: 変調波長の周波数(MHz)

L: 被測定光ファイバ長さからリファレンス光ファイバ長さを

引いた値(km)

A.3.2

A.3.1

の遅延データを用いて,

附属書 の遅延方程式の一つから最良の近似値を算出する。

A.3.3

附属書 に規定する適切な係数の最良近似値を用い,分散 D(λ)又は詳細仕様書によって要求され


11

C 6827

:2015

るその他のパラメータを算出する。遅延データ τ(λ)及び算出した分散 D(λ)の例を

図 A.2 に示す。

A.3.4

分散を,ゼロ分散波長 λ

0

及び分散スロープ S

0

で,若しくは一つ以上の波長における分散係数で,

又はその両方で規定する。ゼロ分散波長から大きく離れた波長における分散係数を算出するときに,ゼロ

分散波長及び分散スロープを用いる場合がある。

ゼロ分散波長を規定する場合,測定する波長は,ゼロ分散波長,又は,ゼロ分散波長から 100 nm 以内の

一つの点を含むことが望ましい。ゼロ分散波長から大きく離れた波長における分散係数を算出するために,

ゼロ分散波長及び分散スロープを用いる場合は,測定波長範囲が計算する波長を含まなければならない。

分散係数を規定する場合は,測定波長範囲は規定する波長を含まなければならない。測定波長範囲及び適

した近似法については,

附属書 に示す。


12

C 6827

:2015

附属書 B

規定)

方法 B“パルス法”に関する要求事項

B.1

装置

B.1.1

光源

B.1.1.1

光ファイバラマンレーザ

光ファイバラマンレーザ系では,適切な長さ(約 200 m)のシングルモード光ファイバに Q スイッチモ

ードロック Nd:YAG レーザを照射することで発生させたラマン散乱光を,分光器を用いて各波長ごとに短

時間[400 ps 未満の半値全幅(FWHM)

]の光パルスとする。そのパルス光は測定を行うために十分な強度

及び空間的,かつ,時間的安定性を備えたものでなければならない(

図 B.1 参照)。

B.1.1.2

多重レーザダイオード

幾つかの波長における多重

(3 以上)

注入レーザダイオードは,パルス時間が短く

(400 ps 未満の FWHM)

強度が安定し,測定時間中,安定して発光することができる場合は,この測定目的に十分適しているとみ

なせる(

図 B.2 参照)。

B.1.1.3

波長可変レーザダイオード

一つ又は複数の波長可変レーザダイオード(例えば,外部キャビティレーザ)は,それらが短時間(400

ps 未満の FWHM)のパルスを生成するものであり,強度が安定し,測定時間中安定した波長を維持するこ

とができ,かつ,安定して発光することができる場合は,用いてもよい。

B.1.1.4

スペクトル幅

光源のスペクトル幅は,被測定光ファイバで測定し,半値全幅(FWHM)において 10 nm 以下でなけれ

ばならない。

図 B.1−光ファイバラマンレーザ系の構成図


13

C 6827

:2015

B.1.2

信号検出器

使用波長範囲において十分な感度をもつ,例えば,ゲルマニウム・アバランシェフォトダイオードのよう

な高速光検出器を用いる。この検出器は,測定する強度範囲にわたって 10 %以内の線形でなければならな

い。線形性に制限を加える主たる理由は,パルスの時間的位置に影響を及ぼさないよう,パルスのピーク

がつぶれないようにすることである。速度及び線形性仕様が使用中も満たされるなら,広帯域増幅器を用

いて検出系感度を高めてもよい。信号増幅度を一定に維持するために,光減衰器を用いてもよい。

B.1.3

信号検出電子装置

校正されたタイムスケールで光パルスの相対到着時間を表示することができる測定及び/又は表示装置

を用いる。典型的なものとしては高周波サンプリングオシロスコープなどがある。

図 B.2−多重レーザダイオード系の構成図

B.1.4

遅延装置

光源を作動したり,又は光源によって作動され,信号検出電子装置に遅延トリガ信号を提供できるデジ

タル遅延発生器などの装置を設けて,被測定光ファイバとリファレンス光ファイバとの間の伝搬遅延の差

を補正する。この装置は,測定中のジッタ及びドリフトが 50 ps 二乗平均平方根(実効値)未満の安定し

た遅延時間を与える。

B.2

手順

B.2.1

基準サンプリング測定

リファレンス光ファイバを測定器の入出力ポートに挿入し,光源の波長を測定用の最初の波長に合わせ

る。オシロスコープの既知の校正済み時間スケールで,入力パルスの表示が得られるように遅延発生器を

調節する。

パルス位置はそのピーク又は重心によって与えられる。この最初の基準波長について校正済み掃引の起

点マーク(例えば表示グリッド線)に対する,このパルスの時間位置を記録する。


14

C 6827

:2015

光源を次の波長に合わせ,遅延発生器は変更することなく,このパルスの位置と基準波長の位置との間

の時間差 τ

in

(λ

i

)を記録する。要求される全ての波長でこの手順を繰り返し,それらの結果を基準波長に対す

るパルス位置変化として表す。

この方法による場合,遅延装置の遅延正確さは重要ではない。異なる波長におけるパルスの時間差が大

きいためにこれらの測定を実施することができない場合,正確さが既知の遅延発生器又はその類似計器を

用い,所望の結果を得るために各波長において計器の遅延時間及びオシロスコープ上のパルス位置を記録

することが必要になる。

B.2.2

被測定光ファイバ測定

被測定光ファイバを測定器の入出力ポートに挿入し,最初の波長を選択し,オシロスコープの既知の校

正済み時間スケールで出力パルスの表示が得られるように遅延発生器を調節する。

このパルス位置の時間位置を記録する。

光源を次の波長に合わせ,遅延発生器は再調整することなく,このパルスの位置と上記で判明した基準

波長パルスの位置との間の時間差 τ

out

(λ

i

)を記録する。要求される全ての波長でこの手順を繰り返し,それ

らの結果を基準波長パルス位置に対する出力パルス位置時間シフトとして表す。この方法で測定を実施す

ることができない場合は,B.2.1 と同様に,正確さが既知の遅延発生器又はその類似計器を用いて,所望の

結果を得る。

各波長において測定された入力パルス時間シフトを同じ波長における出力パルスシフトから差し引く。

B.3

計算

B.3.1

単位長さ当たりの群遅延 τ(λ)は,式(B.1)のようになる。

( )

( )

( )

[

]

L

λ

τ

λ

τ

λ

τ

i

i

i

in

out

=

  (B.1)

ここに,

τ

(

λ

i

): 単位長さ当たりの群遅延

τ

in

(

λ

i

): B.2.1 で測定した値

τ

out

(

λ

i

): B.2.2 で測定した値

L

被測定光ファイバ長さからリファレンス光ファイバ長さを引
いた値(km)

B.3.2

B.3.1

のデータを用い,

附属書 に規定する遅延方程式の一つから最良の近似値を算出する。

B.3.3

附属書 に規定する適切な係数の最良近似値を用い,分散

D

(

λ

)又は詳細仕様書によって要求され

るその他のパラメータを算出する。近似された遅延データ

τ

(

λ

)及び算出された分散

D

(

λ

)の例を図 A.2 に示

す。

B.3.4

分散を,ゼロ分散波長

λ

0

及び分散スロープ

S

0

で,若しくは一つ以上の波長における分散係数で,

又はその両方で規定する。ゼロ分散波長から大きく離れた波長における分散係数を算出するときに,ゼロ

分散波長及び分散スロープを用いる場合がある。

ゼロ分散波長を規定する場合,測定する波長は,ゼロ分散波長,又は,ゼロ分散波長から 100 nm 以内の

一つの点を含むことが望ましい。ゼロ分散波長から大きく離れた波長における分散係数を算出するために,

ゼロ分散波長及び分散スロープを用いる場合は,測定波長範囲が計算する波長を含まなければならない。

分散係数を規定する場合は,測定波長範囲は規定する波長を含まなければならない。測定波長範囲及び適

した近似法については,

附属書 に示す。


15

C 6827

:2015

附属書 C 

規定)

方法 C“微分位相法”に関する要求事項

C.1

装置

C.1.1

光源

C.1.1.1

多重レーザダイオード

レーザダイオードを用いる場合は,波長分散の各測定に二つのレーザ波長が必要となる(

図 C.1 参照)。

各光源の中心波長及び変調出力位相は,バイアス電流,変調周波数及びダイオード温度について測定期間

中安定していなければならない。

温度制御され出力パワーが安定している(光検出器のフィードバックなどで)単一縦モード又は複数の

縦モードレーザダイオードを用いることができる。現場測定装置セット用基準リンクには,レーザの増設

が必要になることがある(C.1.4 参照)

C.1.1.2

フィルタ付き発光ダイオード

一つ又は複数の発光ダイオードを用いる(

図 C.2 参照)。そのスペクトルは,モノクロメータなどによっ

て波長分布の半値全幅(FWHM)が 10 nm 以下となるように分光しなければならない。

C.1.2

変調器

変調器は光源を振幅変調して単一の主要フーリエ成分で波形を生成する。例えば,正弦,台形又は方形

波変調が採用できる。通常,周波数安定性は,10

6

分の 1 でよい。

微分位相法においては,360

n

度(

n

は,整数)の曖昧さを防止することが不可欠となる。これは,変調

周波数を小さくする次のような手段によって達成できる。変調周波数を小さくすることは,被測定光ファ

イバ長を長くすることによって実現できる。例えば,変調周波数はそれぞれの波長対において位相シフト

差を 360 度未満に制限するために十分な低さを選択することができ,SSMA,SSMA・U 及び SSMA・T につ

いては,最大周波数を式(C.1)のように決めることができる。

(

)

λ

L

S

λ

λ

λ

f

i

i

Δ

10

4

0

1

4

0

4

3

12

max

×

×

×

×

×

=

   (C.1)

ここに,

  f

max

最大周波数(

Hz

λ

i

f

max

をできるだけ小さくする光源波長(

nm

λ

0

期待される典型的ゼロ分散波長(

nm

S

0

λ

0

において期待される典型的分散スロープ[

ps/(nm

2

km)

L

被測定光ファイバ長さ(

km

Δλ

微分位相差測定点間の波長間隔(

nm

変調器の周波数は,適切な測定精度を確保するのに十分高いものでなければならない。

微分位相差測定点間の波長間隔

Δλ

は,典型的な値としては

2 nm

20 nm

の範囲内にある。

C.1.3

信号検出器及び信号検出電子装置

測定する波長の範囲にわたって検出可能な光検出器を,位相計と組み合わせて用いる。検出システムの

感度を上げるために増幅器を用いてもよい。典型的なシステムには,

PIN

フォトダイオード,

FET

増幅器

及び位相検出器を含む。

検出器−増幅器−位相計で構成される系は,変調信号の基本フーリエ成分にだけ反応するものであり,

測定する受信光パワーの範囲で一定の信号位相シフトを導入するものでなければならない。


16

C 6827

:2015

信号処理装置は,試験波長対によって生成される位相計からの差出力を記録し,二つの波長間の微分位

相差を表す出力をコンピュータ/データ収集系に出力する。波長の選択及び二つの波長における相対位相

の測定は,結果が被測定光ファイバの長さドリフトによって悪影響を受けることがないように,十分な迅

速さで行う。信号処理ブロックは,幾つかの方法で実行することができ,その例を三通り次に示す。

図 C.1 及び図 C.2 に示す最初の例では,信号処理ブロックは,一つの試験波長における位相を記録し,

次に他方の波長における位相を記録する。平均波長における波長分散は,微分位相差及び光ファイバ長さ

から求められる。

図 C.2 における“信号処理”ブロックは,コンピュータに含められてもよい。

2

番目の

例を

図 C.3 に示す。位相計用の基準信号は,それ自体が光ファイバ中に伝搬される二つの試験波長の一つ

となる。

図 C.1−波長微分位相分散測定装置セット(多重レーザ系)

図 C.2−波長微分位相分散測定装置セット(LED 系)


17

C 6827

:2015

図 C.3−波長分散測定装置セット(波長法による位相差)

図 C.4−波長分散測定装置セット(重復調による位相差)

3

番目の例を

図 C.4 に示す。光は数百ヘルツの周波数で二つの波長間で交互に切り替えられ,これによ

って,位相計を用いて微分位相差出力を検出することができる。位相計は,二つの試験波長間の位相差に

比例した振幅をもち,波長変調に同期した交流信号を出す。その後,この信号はロックイン増幅器によっ

て復調され,微分位相差を表す直流信号を生成する。平均波長における波長分散を,微分位相差及び光フ

ァイバ長さから求める。

可変光減衰器などの光学的手段を設けて受信光パワーを制御してもよい。

C.1.4

基準信号

基本フーリエ成分が変調信号と同じである基準信号を,信号源の微分位相測定用位相計に与える。この

基準信号は変調信号と同期したものでなければならず,通常は変調信号から引き出される。

基準信号の例を次に示す(

図 C.1 参照)。

a

)

実験室測定,校正時などのように信号源と検出器とが並置されている場合,信号発生器と位相計との


18

C 6827

:2015

基準ポート間に電気的接続を用いることができる。

b

)

光スプリッタを被測定光ファイバの前に挿入し,更に検出器も並置装置として用いてもよい。

c

)

光ケーブルの現場試験(光源と検出器とが並置されていない)には,通常,試験試料に用いるものと

類似している変調光源,光ファイバ及び検出器から構成されている光リンクを用いることができる。

C.2

手順

C.2.1

被測定光ファイバの測定

被測定光ファイバを測定器の入出力ポートに挿入し,基準信号を構成する。

波長差が小さい波長対

λ'

i

及び

λ"

i

の位相差

Δ

φ

(λ

i

)

を平均波長

λ

i

とともに測定し記録する。

C.2.2

リファレンス光ファイバの測定

リファレンス光ファイバを測定機の入出力ポートに挿入し,基準信号を構成する。

波長対

λ'

i

及び

λ"

i

の位相差

Δ

φ

' (λ

i

)

を平均波長

λ

i

とともに測定し記録する。

検出器側の入力光パワーレベルを,検出器と電子回路内とのレベル依存位相をできるだけ小さくする範

囲に調整して,全ての被測定光ファイバ及びリファレンス光ファイバの測定を実施する。

C.3

計算

分散を計算するためには,各波長対におけるリファレンス光ファイバの位相差を対応する被測定光ファ

イバの位相差から差し引く。計算は,次による。

a

)

各波長

λ

i

における波長分散係数

D(λ

i

)

は式

(C.2)

から得られる。

( )

( )

( )

12

'

10

360

×

Δ

×

×

×

Δ

Δ

=

λ

λ

φ

λ

φ

λ

L

f

D

i

i

i

   (C.2)

ここに,

D(λ

i

)

波長分散係数[

ps/(nm

km)

λ

i

二つの波長

λ'

i

λ"

i

との平均値(

nm

Δ

φ

(λ

i

)

C.2.1

で測定した値(度)

Δ

φ

'(λ

i

)

C.2.2

で測定した値(度)

f

変調波長の周波数(

Hz

L

被測定光ファイバ長さからリファレンス光ファイバ長さを
引いた値(

km

Δλ

二つの波長

λ'

i

λ"

i

との差(

nm

b

)

波長分散係数は,それ自体,被測定光ファイバを特徴付けるために用いることもできる。用いる測定

波長における分散係数の測定には,その他のデータ処理又は計算は一切必要ない。

c

)

分散を,ゼロ分散波長

λ

0

及び分散スロープ

S

0

で,若しくは一つ以上の波長における分散係数で,又は

その両方で規定する。ゼロ分散波長から大きく離れた波長における分散係数を算出するときに,ゼロ

分散波長及び分散スロープを用いる場合がある。

ゼロ分散波長を規定する場合,測定する波長は,ゼロ分散波長,又は,ゼロ分散波長から

100 nm

以内の

一つの点を含むことが望ましい。ゼロ分散波長から大きく離れた波長における分散係数を算出するために,

ゼロ分散波長及び分散スロープを用いる場合は,測定波長範囲が計算する波長を含まなければならない。

分散係数を規定する場合は,測定波長範囲は規定する波長を含まなければならない。測定波長範囲及び適

した近似法については,

附属書 に示す。


19

C 6827

:2015

附属書 D 

規定)

波長分散近似

D.1

一般事項

波長分散測定によって,波長分散値,又は群遅延値のデータを,波長の関数として直接取得する。波長

分散値及び分散スロープ値は,測定データを微分して得る。通常は,測定データを数学モデル又は近似式

に近似した後に,微分を行う。

この附属書では一般的な波長分散近似について示し,複数の標準的な近似式の概要を述べる。

分散スロープが規定となる要求事項ではない場合でも,通常は分散調整を容易にするために製造業者が

典型値を提供する。

D.2

近似式及び係数の定義

近似に用いる数学モデルの一般的な表記を

表 D.1 に示す。多項式が一般的であり,近似が安定な限り,

同様の規則でさらに高次の多項式に拡張できる(下記参照)

対応する分散スロープの近似式を

表 D.2 に示す。

3

項セルマイヤ及び

2

次多項モデルにおける,ゼロ分散波長及びゼロ分散波長での分散スロープ(ゼロ

分散スロープ)の式を

表 D.3 に示す。

表 D.1−近似式及び近似係数の定義;群遅延及び分散係数の数式

近似式

群遅延−τ(λ)

分散係数−D(λ)

3 項セルマイヤ

AB×λ

2

C×λ

2

B×λ−2×C×λ

3

5 項セルマイヤ

AB×λ

2

C×λ

2

D×λ

4

E×λ

4

B×λ−2×C×λ

3

+4×D×λ

3

−4×E×λ

5

2 次多項式

AB×λC×λ

2

B+2×C×λ

3 次多項式

AB×λC×λ

2

D×λ

3

B+2×C×λ+3×D×λ

2

4 次多項式

AB×λC×λ

2

D×λ

3

E×λ

4

B+2×C×λ+3×D×λ

2

+4×E×λ

3

表 D.2−分散スロープの数式

近似式

分散スロープ係数−S(λ)

3 項セルマイヤ

B+6×C×λ

4

5 項セルマイヤ

B+6×C×λ

4

+12×D×λ

2

+20×E×λ

6

2 次多項式

C

3 次多項式

C+6×D×λ

4 次多項式

C+6×D×λ+12×E×λ

2

表 D.3−ゼロ分散波長及び分散スロープの数式

近似式

ゼロ分散波長−λ

0

ゼロ分散スロープ−S

0

3 項セルマイヤ

(C/B)

1/4

8B

2 次多項式

B/(2C) 2C

3

項セルマイヤ近似において,波長分散係数の近似式は式

(D.1)

によって置き換え可能である。


20

C 6827

:2015

( )



×

×

=

4

4

0

0

1

4

λ

λ

λ

λ

S

D

  (D.1)

2

次多項近似において,波長分散係数の近似式は式

(D.2)

によって置き換え可能である。

( )

(

)

0

0

λ

λ

λ

×

S

D

  (D.2)

D.3

近似の手順

確実に数値近似を行うため,最小二乗法による回帰計算を行う前に,横軸(波長)を狭い範囲の値に座

標変換することが望ましい。回帰計算の後,近似式の係数を元の波長スケールに逆変換する。

近似問題を解くために,適切な最小二乗法の回帰計算法を選ぶことが望ましい。その方法は,群遅延若

しくは分散データの測定時に発生する雑音又はその他の誤差に対して安定であることが望ましい

[1]

1)

。入

力データによって,群遅延又はその微分である分散の近似式を用いる。

1)

角括弧内の数字は,参照する参考文献の番号を示す。

近似に用いるデータ数は十分多くすることが望ましい。近似の次数とデータ数とが同程度のときには,

正確な近似結果が得られない。

群遅延データを近似する場合,波長分散データは,近似によって得られる係数を使って,

表 D.1 の分散

係数の数式から算出できる。近似を行った範囲外への外挿は,範囲外の点で非物理的な振る舞いをする可

能性があるので,注意深く行うことが望ましい。

分散スロープは,近似によって得られる係数を使って,

表 D.2 の数式から算出できる。

参考文献

[1]  PRESS, William H., TEUKOLSKY, Saul A., VETTERLING, William T., FLANNERY, Brian P., Numerical 

Recipes

The Art of Scientific Computing, Cambridge University Press, 2

nd

 edition (1993).


21

C 6827

:2015

附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 6827:2015

  光ファイバ波長分散試験方法

IEC 60793-1-42:2013

, Optical fibres − Part 1-42: Measurement methods and test

procedures−Chromatic dispersion

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

1 の第 1 段落

変更

IEC

規格の第 1 段落だけを採用

従来の JIS 様式に合わせた。

2  引用規格

3  用語,記号及び定義

追加

形名については JIS 体系に従う。 JIS で普及した形名を用いた。

4  測定方法の分類

1 の第 5,6 及び 8 段落 JIS とほぼ同じ

変更

形名については JIS 体系に従う。 JIS で普及した形名を用いた。

5  試験状態

1 の第 7 段落

変更

JIS C 60068-1

を引用し,標準大

気条件を規定

JIS

では現場測定を考慮。実質

的な差異はない。

6  方法の概要∼ 
13  仕様情報

6.0A  波 長
分散

1 の第 2∼4 段落

追加

箇条題名だけを追加

内容から判断し,箇条 1 から箇
条 6 への移動が妥当と判断し

た。技術的な差異はない。

6.1∼13   3∼10

変更

箇条番号だけを変更

JIS

の箇条 1∼箇条 5 の変更に伴

い,IEC 規格の箇条番号を繰り
下げた。技術的な差異はない。

附属書 A∼附属書 D

(規定)

Annex

A∼Annex D

一致

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60793-1-42:2013,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  一致  技術的差異がない。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。

21

C

 682

7


2

015