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C 6825

:2009

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  光ファイバの種類

2

4

  試験状態

2

5

  開口数  (NA)  の試験方法

2

5.1

  試験方法の概要

2

5.2

  基準試験方法

3

5.3

  FFP 

3

5.4

  反射法

4

5.5

  仕様情報

6

6

  カットオフ波長の試験方法

6

6.1

  カットオフ波長の種類

6

6.2

  試験方法の概要

7

6.3

  マッピングファンクション

7

6.4

  基準試験方法

7

6.5

  装置

7

6.6

  サンプリング方法及び試料

8

6.7

  装置内の試料配置

9

6.8

  手順及び計算方法

9

6.9

  結果

9

6.10

  仕様事項

9

7

  モードフィールド径  (MFD)  の試験方法

10

7.1

  基準試験方法

10

7.2

  装置

10

7.3

  サンプリング方法及び試料

11

7.4

  手順

11

7.5

  MFD の算出

12

7.6

  結果

14

7.7

  仕様事項

14

附属書 A(規定)FFP 法による開口数試験装置における要求事項

15

附属書 B(規定)反射法による開口数試験装置における要求事項

19

附属書 C(規定)カットオフ波長試験方法 A−光ファイバ素線を用いたケーブルカットオフ波長

                (

λ

 

cc

)−における要求事項

20


C 6825

:2009  目次

(2)

ページ

附属書 D(規定)カットオフ波長試験方法 B−光ファイバケーブルを用いたケーブルカットオフ波長

                (

λ

 

cc

)−における要求事項

21

附属書 E(規定)カットオフ波長試験方法 C−光ファイバケーブルカットオフ波長  (

λ

 

c

)−における

                要求事項

22

附属書 F(規定)カットオフ波長試験方法 C−ジャンパケーブルカットオフ波長(

λ

 

cj

−における

                要求事項

24

附属書 G(規定)曲げ法によるカットオフ波長測定及び計算手順

25

附属書 H(規定)マルチモード励振法によるカットオフ波長測定及び計算手順

27

附属書 I(規定)精度向上のための曲線近似法

29

附属書 J(規定)モードフィールド径試験方法 A−ファーフィールド走査法−における要求事項

32

附属書 K(規定)モードフィールド径試験方法 B−バリアブルアパーチャ法−における要求事項

34

附属書 L(規定)モードフィールド径試験方法 C−ニアフィールド走査法−における要求事項

37

附属書 M(規定)モードフィールド径試験方法 DOTDR による双方向後方散乱法−における

                要求事項

41

附属書 N(規定)サンプルデータセット及び計算値

45

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

47

 


C 6825

:2009

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技

術振興協会 (OITDA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 6825 : 1995 は改正され,この規格に置き換えられ,また,JIS C 6862 : 1991 は廃止

され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


C 6825

:2009  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 C

6825

:2009

光ファイバ構造パラメータ試験方法−光学的特性

Test methods for structural parameters of optical fibers-

Optical characteristics

序文

この規格は,2002 年に第 2 版として発行された IEC 60793-1-1,2001 年に第 1 版として発行された IEC 

60793-1-43

IEC 60793-1-44 及び IEC 60793-1-45 を基に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,

技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定

項目(光ファイバの種類,標準大気条件及び全プラスチックマルチモード光ファイバに対する試験方法)

を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,シングルモード光ファイバ,石英系マルチモード光ファイバ,多成分系マルチモード光フ

ァイバ,プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ及び全プラスチックマルチモード光ファイバの素

線又は心線(以下,総称する場合光ファイバという。

)の光学的特性にかかわる構造パラメータの試験方法

について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60793-1-1 : 2002

,Optical fibres−Part 1-1 : Measurement methods and test procedures−General

and guidance (MOD)

IEC 60793-1-43 : 2001

,Optical fibres−Part 1-43 : Measurement methods and test procedures−

Numerical aperture (MOD)

IEC 60793-1-44 : 2001

,Optical fibres−Part 1-44 : Measurement methods and test procedures−Cut-off

wavelength (MOD)

IEC 60793-1-45 : 2001

,Optical fibres−Part 1-45 : Measurement methods and test procedures−Mode

field diameter (MOD)

なお,対応の程度を表す記号 (MOD) は,ISO/IEC Guide 21-に基づき,修正していること

を示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。

これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 6820

  光ファイバ通則


2

C 6825

:2009

注記  対応国際規格:IEC 60793-1-1 : 2002,Optical fibres−Part 1-1 : Measurement methods and test

procedures−General and guidance 及び IEC 60793-2 : 2003,Optical fibres−Part 2 : Product

specifications−General(全体評価:MOD)

JIS C 6823

  光ファイバ損失試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60793-1-40 : 2001,Optical fibres−Part 1-40 : Measurement methods and test

procedures−Attenuation (MOD)

JIS C 60068-1

  環境試験方法−電気・電子−通則

注記  対応国際規格:IEC 60068-1 : 1988,Environmental testing.  Part 1 : General and guidance (IDT)

3

光ファイバの種類

この規格を適用する光ファイバは,JIS C 6820 によって,

表 のように分類する。

表 1−光ファイバの種類

光ファイバの種類

JIS

記号

対応国際規格 IEC 記号

石英系マルチモード光ファイバ SGI

A1

多成分系マルチモード光ファイバ CSI

プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ RSI

A3

全プラスチックマルチモード光ファイバ PSI,PGI A4

シングルモード 1 310 nm ゼロ分散形光ファイバ SMA

B1.1

シングルモード 1 550 nm カットオフシフト形光ファイバ SMA-T

B1.2

シングルモード 1 310 nm ゼロ分散・低 OH 形光ファイバ SMA-U

B1.3

シングルモード 1 550 nm 分散シフト形光ファイバ SMB  B2

シングルモード分散フラット形光ファイバ SMC

シングルモードノンゼロ分散シフト形光ファイバ SMD  B4

4

試験状態

試験場所の状態は,JIS C 60068-1 の 5.3[測定及び試験のための標準大気条件(標準状態)

]に規定の標

準状態(温度 15∼35  ℃,相対湿度 25∼75 %,気圧 86∼106 kPa)とする。ただし,標準状態で試験する

ことが困難な場合は,判定に疑義が生じない限り,標準状態以外で試験を行ってもよい。その場合は,試

験状態を記録する。

5

開口数  (NA) の試験方法

マルチモード光ファイバの開口数  (NA)  は,光ファイバの集光能力を表すのに重要なパラメータであり,

出射効率,融着における接続損失及びマイクロ/マクロベンド特性を予測するために用いる。

5.1

試験方法の概要

マルチモード光ファイバの最大理論開口数 NA

th

は,次の式によって定義する。

m

th

sin

θ

=

NA

 (1)

ここに,  NA

th

最大理論開口数

θ

m

光ファイバから放射される最大子午線角(ラジアン)

光ファイバ屈折率プロファイルで表すと,

2

2

2

1

th

n

n

NA

=

 (2)


3

C 6825

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ここに,

n

1

:  コア最大屈折率

n

2

:  クラッド屈折率

又は,

Δ

n

NA

2

1

th

=

 (3)

ここに,

Δ

<<1 であれば,

(

)

1

2

1

/

n

n

n

Δ

=

 (4)

開口数  (

NA

)  の試験方法としては,光ファイバからの放射光強度の角度分布の測定結果から算出する

FFP 法と光ファイバ端面の反射光強度の測定によって得られた屈折率分布から算出する反射法とがある。

5.2

基準試験方法

FFP 法を基準試験法とする。

全プラスチックマルチモード光ファイバの理論開口数測定には,反射法を用いてもよい。

5.3

FFP

5.3.1

試験方法の概要

開口数

NA

ff

は,ファーフィールド法を用いて得られた光ファイバの強度パターン I (

θ

)  の最大値の 5 %

になる角度の半分の角度の正弦 (sine) として定義される。

NA

ff

は,短尺の光ファイバのファーフィールド

出射パターン又は光ファイバの屈折率分布の測定によって決定する。

5.3.2

試験装置

入射システム,出射システム及び検出系の構成は,

附属書 による。

5.3.3

サンプリング方法及び試料

5.3.3.1

試料の長さ

試料の長さは,2.0 m±0.2 m とする。

5.3.3.2

試料の端面

試料の入射端及び出射端は,光ファイバの軸に直角で平たん(坦)な端面とする。端面が垂直でない場

合には,測定精度に影響を生じる。端面の傾きは,2 度未満が望ましい。

5.3.4

手順

5.3.4.1

  試料の端末を支持装置に置く。入射側端面を光源から放射される光の焦点像のほぼ中心に設置す

る。

5.3.4.2

  光源を,要求される波長及びスペクトル幅に設定する。

5.3.4.3

  直径に沿ってファーフィールド放射パターンを走査し,角度位置に対する強度を記録する。

5.3.5

計算

5.3.5.1

ファーフィールドと最大理論値との関係

ファーフィールド開口数と最大理論開口数との関係は,ファーフィールドとプロファイルとの測定波長

に依存する。ほとんどのファーフィールド測定は,850 nm で行われるが,プロファイル測定は,通常 540

nm 又は 633 nm で行われる。これらの波長では,

NA

ff

NA

th

との関係は,式 (5)  によって決まる。

th

ff

kNA

NA

=

 (5)

ここに,

NA

ff

ファーフィールド開口数

プロファイル測定が 540 nm で行われたときは

k

=0.95,633 nm で

行われたときは

k

=0.96 とする。

NA

th

: 最大理論開口数


4

C 6825

:2009

850 nm における

NA

ff

を光ファイバの開口数とする。この値は,直接 850 nm におけるファーフィールド

測定又はプロファイル測定から式 (5)  を用いて求める。

なお,

表 に記載の全プラスチックマルチモード光ファイバのファーフィールド及びプロファイルの測

定波長は,通常 633 nm 又は 650 nm とする。

表 2−通常波長 633 nm 又は 650 nm で測定する光ファイバの種類

PSI-485/500

PSI-735/750

PSI-980/1 000-A

PSI-980/1 000-B

PGI-500/750

5.3.5.2

5 %

強度角

θ

5

走査されたパターンをピーク強度で規格化する。強度が最大値の 5 %となるパターン上のポイントを記

録する。これらのポイント間の角度の半分の値を

θ

5

として記録する。

5.3.5.3

開口数 NA

ff

ファーフィールド開口数は,次の式によって算出する。

5

ff

sin

θ

=

NA

 (6)

ここに,

NA

ff

: ファーフィールド開口数

θ

5

5 %強度角(度)

5.3.6

結果

5.3.6.1

測定ごとに提供される情報

測定ごとに次の情報を報告する。

−  測定実施期日及び題目

−  試料の識別

− 850

nm 以外の光源を使用した場合は,その波長

−  5.3.5 から得た測定結果

5.3.6.2

要求に応じて提供される情報

要求があれば,次の情報を提供しなければならない。

−  使用した場合は,干渉フィルタの中心波長とスペクトル幅

−  使用した検出手法(

附属書 に記載された方法)

−  検出系の校正及び角度分解能

−  出射スポットの大きさと開口数

−  クラッドモード除去の方法

5.4

反射法

5.4.1

適用

この方法は,全プラスチックマルチモード光ファイバの端面の反射光強度分布から,光ファイバの

NA

を測定する方法である。

5.4.2

試験装置

試験装置の構成は,

附属書 による。

5.4.3

サンプリング方法及び試料

5.4.3.1

試料の長さ

試料の長さは,特に規定しない。

5.4.3.2

試料の端面

試料の入射端及び出射端は,光ファイバの軸に直角で平たん(坦)な端面とする。端面が垂直でない場

合には,測定精度に影響を生じる。端面の傾きは,2 度未満が望ましい。


5

C 6825

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5.4.4

手順

5.4.4.1

準備

あらかじめ,既知の屈折率

n

0

をもつ平滑な面の反射光強度

V

0

を測定する。樹脂剤に埋め込み端面を平

滑に研磨した被測定光ファイバを,XY ステージ上にセットする。

5.4.4.2

測定

XY ステージを動かし,座標 (

x

y

) での反射光強度

(

x

y

) を測定する。

5.4.5

計算

5.4.5.1

屈折率 (xy)

式 (7) によって算出する。

( )

( )

1

,

1

2

,

2

1

0

=

R

V

y

x

V

y

x

n

 (7)

ここに,

2

0

0

1

1

⎟⎟

⎜⎜

+

=

n

n

R

…………………………………………………………(8)

5.4.5.2

コア/クラッド境界

図 で示す屈折率分布から,最大比屈折率差を

Δ

としたとき,クラッドから 0.05

Δ

となる境界をコア/

クラッド境界とする。

図 1−屈折率分布

5.4.5.3

NA

NA

は,式 (2)  によって算出する。

5.4.6

結果

5.4.6.1

測定ごとに提供される情報

測定ごとに次の情報を報告する。

−  測定実施期日及び題目


6

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−  試料の識別

−  光源波長

−  5.4.5 から得た測定結果

5.4.6.2

要求に応じて提供される情報

次の情報は要求があれば,提供しなければならない。

−  光ファイバの端面上のビームスポット径

−  コア及びクラッドの屈折率の測定点数

−  コア及びクラッドの屈折率の測定値

−  検出系の校正及び分解能

5.5

仕様情報

詳細は,次の仕様を明示する。

−  測定した光ファイバの種類

−  合否判定基準

−  報告される情報

−  適用する手順との差異

6

カットオフ波長の試験方法

光ファイバケーブル,光ファイバ及びジャンパケーブルのカットオフ波長の試験方法について規定する。

6.1

カットオフ波長の種類

理論的なカットオフ波長は,シングルモード光ファイバ中を基本モードだけが伝搬できる最も短い波長

であり,光ファイバの屈折率分布から計算される。光ファイバでは,マルチモード伝搬状態からシングル

モード伝搬状態への変化は,ある一点の波長で起こるのではなく,ある波長領域にわたって緩やかに起こ

る。通信ネットワークにおける光ファイバの性能を決定する場合には,理論的なカットオフ波長よりも光

ファイバを実際に配置して測定された値の方が実用的である。測定されたカットオフ波長(実効カットオ

フ波長)は,光ファイバに入射する高次モードを含む全パワーと基本モード (LP

01

)  のパワーの比が 0.1dB

となる波長として定義される。この定義に従うと第一次高次モード (LP

11

)  は,基本モード (LP

01

)  に比べ

19.3 dB 大きい損失を生じる。実効カットオフ波長は長さと光ファイバの曲げに依存するため,得られるカ

ットオフ波長の値は,測定した光ファイバの設置状態及び長さ並びにケーブル化状態であるか否かで異な

る。そのため,カットオフ波長は,全部で三つの種類に分類される。

a)

ケーブルカットオフ波長 (

λ

cc

):光ファイバ素線(方法 A)又は光ファイバケーブル(方法 B)で測定

する。

b)

光ファイバカットオフ波長 (

λ

c

):光ファイバ素線で測定する。

c)

ジャンパケーブルカットオフ波長 (

λ

cj

):短い長さのケーブル(例えば,光ファイバコードなど)を一

周のループに配置して測定する。

特性を規定する上ではケーブルカットオフ波長が好ましい。

光ファイバカットオフ波長  (

λ

c

)  はこの規格で定められた規定の長さ及び曲げ状態で測定され,一般的に

λ

cc

より大きな値となる。通常の敷設されたケーブル区間に対しては,測定された

λ

c

の値は,システムでの

伝送波長よりも長い場合もある。したがって,ケーブルカットオフ波長の方が,システム性能・能力を表

すより有効な定義となる。この方法で定められたよりもピグテールが短いか又は曲げ半径の方が大きいよ

うなファイバケーブルに対しては,

λ

cc

よりも長い波長でマルチモードになる可能性がある。ケーブル長が,


7

C 6825

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光ファイバカットオフ波長評価方法で定められた長さより更に短い場合には,

λ

c

よりも長い波長でマルチ

モードとなる。

ジャンパケーブルカットオフ波長は,一般的にケーブルカットオフ波長と光ファイバカットオフ波長と

の間の値になる。その値は,ジャンパケーブル構造に影響され,その度合いは,通常の伝送ケーブルより

も大きい。また,曲げ半径にも影響される。曲げ半径は,フィールドでの敷設状態と同等に規定しなけれ

ばならない。ジャンパケーブルカットオフ波長は,特別な構造や規定された測定条長から 20 m の間の長

さのアプリケーション,及び規定された測定曲げ半径よりも大きな曲げ半径でのアプリケーションに対し

て規定することができる。

6.2

試験方法の概要

三種類のカットオフ波長の試験方法を規定する。この方法は,すべてのシングルモード光ファイバに適

用する。

ケーブルカットオフ波長  (

λ

cc

)  を測定する方法として,次の二つがある。

方法 A:光ファイバ素線を用いる方法

方法 B:光ファイバケーブルを用いる方法

光ファイバカットオフ波長  (

λ

c

)  及びジャンパケーブル光ファイバカットオフ波長  (

λ

cj

)  を測定する方法

は,それぞれただ一つとする。

すべての方法において透過パワー測定を使用し,基準透過パワーの波長走査と比較して被測定光ファイ

バの透過パワーの波長依存性を測定する。基準走査法は次の二種類があり,そのいずれか又は両方がすべ

ての種類のカットオフ波長の測定に利用される。基準走査を行うことによって,測定機器の波長による変

動が校正され,それによって試料中の LP

11

モードの損失を正しく評価し,カットオフ波長を正確に決定す

ることができる。

−  曲げ法(小さな半径の曲げが加えられた被測定光ファイバを使用)

−  マルチモード励振法(別途用意したマルチモード光ファイバを使用)

この手順によって,光ファイバケーブル又は光ファイバ素線のいずれの被測定光ファイバに対してもカ

ットオフ波長を決定することができる。それぞれの方法に対して独自の基本構成が定められている。

6.3

マッピングファンクション

マッピングファンクションは,一種類のカットオフ波長の測定結果から他の種類のカットオフ波長を予

測する場合に使用する。経験的なマッピングファンクションは,特定の種類及び構造の光ファイバに特有

なものである。特定の光ファイバ種を代表する光ファイバ試料を選び,二つの測定方法によって得られた

測定値を使用して,マッピングファンクションを作る。多くの場合,マッピングファンクションは,各測

定値の線形回帰分析によって得られる。光ファイバ選択基準を定める場合には,回帰分析における残留誤

差を考慮する。使用者及び製造業者は,定められた各マッピングファンクションの信頼性に同意しなけれ

ばならない。

6.4

基準試験方法

光ファイバ素線を用いたケーブルカットオフ波長の試験方法 A を,基準試験法とする。

6.5

装置

すべての試験方法において,次に示す装置を使用する。

6.5.1

光源

白色光を分光器に通し,スペクトル線幅を 10 nm 以下に設定する。光源は,位置・強度の点で安定し,

1 000 nm∼1 600 nm の波長領域で動作可能なものとする。


8

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6.5.2

変調器

周囲の雑音の影響を防ぎ,信号検出を向上させるため,光源を変調する。参照信号出力を伴った機械式

チョッパはその目的に適している。

6.5.3

励振光学系

被測定光ファイバに対して,測定波長全域で全モード励振するように,レンズ系又はマルチモード光フ

ァイバを用いた励振光学系を準備する。この励振光学系は,被測定光ファイバの入射端面の位置には比較

的影響されず,被測定光ファイバ中に基本モード及びすべての高次モードを励振する。光ファイバ同士を

突き合せて接続をする場合には,干渉効果を抑える手段を使用する。励振にマルチモード光ファイバを用

いる場合,基準光ファイバを全モード励振するとスペクトル中に望ましくないリプル効果が発生してしま

う。そのためリプル効果を十分に除去するように励振を制限しなければならない。励振制限の一つの例は

JIS C 6823

で規定されている。その他の励振制限の例としては十分な挿入損失(約 4 dB)をもったマンド

レル巻きによるモード除去器がある。

6.5.4

支持及び位置決め装置

測定中にわたって,光ファイバの入射端及び出射端を安定的に支持する手段を設ける。例えば真空チャ

ック,磁気チャック又はコネクタなどが用いられる。光ファイバ両端が入射部及び出射部で再現性のある

配置となるように支持する。方法 B によってケーブルカットオフ波長  (

λ

cc

)  を測定する場合,ケーブル端

を安定的に支持する手段を設ける。

6.5.5

クラッドモード除去器

試料からのクラッドモードパワーを除去する手段を設ける。光ファイバの被覆がこの機能を果たす場合

がある。そうではない場合には,試料の入射端及び出射端にクラッドモードパワーを取り除く手段又は装

置を設ける。

6.5.6

マンドレルの配置

測定時間中,試料の入射端及び出射端を安定的に保持する手段を設ける。試料にマイクロベンドが発生

せず,光ファイバ端が入射部及び出射部で,再現性があり安定的な配置となるように保持する。試料の配

置及び長さは,保持する器具とともに測定法の重要な要素であり,それらによってカットオフ波長の種類

が分別される。各測定方法に対するマンドレルの配置の詳細は,

附属書 C,附属書 D,附属書 及び附属

書 に示す。それらによって得られた結果が,標準の配置を用いて得られた結果と経験的に等価であるか,

またその差が 10 nm 以内であるということが明らかな場合に,又は標準の構成で得られた結果よりも大き

い場合に,代替的配置を使用してもよい。

6.5.7

検出光学系

被測定光ファイバから送出される全パワーを検出器の動作領域に結合する手段を設ける。例えば,光学

レンズ系,

マルチモード光ファイバピグテールへの突き合わせ接続又は検出器への直接結合が使用できる。

6.5.8

信号検出器

測定する出射光の波長範囲にわたって感度をもつ光検出器を使用する。典型的なシステムは,光起電モ

ードで動作するゲルマニウム又は GaInAs ホトディテクタ,電流入力増幅器及び同期検出に使用するロッ

クイン増幅器からなる。通常,データを解析するためにコンピュータを必要とする。

6.6

サンプリング方法及び試料

6.6.1

試料の長さ

試料の長さは,測定されるパラメータに従って決定する。ケーブルカットオフ波長を評価する場合は,

それに適した方法を使用する。ケーブルカットオフ波長に関しては,

附属書 又は附属書 を,また光フ


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C 6825

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ァイバカットオフ波長に関しては,

附属書 を参照する。

6.6.2

試料の端面

被測定光ファイバの入射端及び出射端を,光ファイバ軸に垂直で滑らかな鏡面に切断する。

6.7

装置内の試料配置

6.7.1

すべての方法に関する一般要求事項

試料の入射端及び出射端を,入射光学系及び検出光学系に配置する。測定中は入射及び検出状態を変え

てはならない。特に規定がない限り,装置に試料を設置するとき,クラッドモード除去器を用いる場合は,

個別な規格で定められた曲げより小さい別の曲げを与えないように注意しなければならない。

6.7.2

それぞれの方法における配置要求事項

6.5

並びに

附属書 C,附属書 D,附属書 及び附属書 の情報を用いて試料を配置する。

−  ケーブルカットオフ波長,方法 A(

附属書 参照)

−  ケーブルカットオフ波長,方法 B(

附属書 参照)

−  光ファイバケーブルカットオフ波長(

附属書 参照)

−  ジャンパケーブルカットオフ波長(

附属書 参照)

6.8

手順及び計算方法

附属書 及び附属書 に記載した手順によって,すべての方法及び種類のカットオフ波長を決定する。

−  曲げ法(

附属書 参照)

−  マルチモード励振法(

附属書 参照)

6.9

結果

6.9.1

測定ごとに提供される情報

測定ごとに次の情報を報告する。

−  測定実施期日及び題目

−  試料の識別

−  光源波長

−  測定結果

6.9.2

要求に応じて提供される情報

要求があれば,次の情報を提供しなければならない。

−  ケーブルカットオフ波長を測定する場合,用いた方法(A 又は B)

−  試料の長さ

−  使用した方法(曲げ法又はマルチモード励振法)

−  使用したマルチモード光ファイバの種類(マルチモード励振法を用いた場合)

−  使用した主要な装置の仕様(光源,励振光学系,クラッドモード除去器,試料支持構成及び検出光学

系)

−  モノクロメータの仕様(スペクトル走査範囲,スペクトル幅及び波長間隔)

−  検出及び記録手法の仕様

−  使用した配置構成の仕様

−  スペクトル曲線 A

b

(

λ

)  又は A

m

(

λ

)  のプロット例

−  測定装置の最新の校正日時

6.10

仕様事項

詳細な仕様は,次の情報を明示する。


10

C 6825

:2009

−  測定した光ファイバ又はケーブルの種類

−  合否判定基準

−  報告される情報

−  適用する手順との差異

7

モードフィールド径  (MFD)  の試験方法

MFD は光ファイバ断面積でのモード電界強度の横方向の広がりを表し,ファーフィールド分布からピー

ターマンⅡの定義として知られる積分比で定義される[式 (9) を参照]

。MFD の定義は測定系構成に厳密

に関連している。これらの定義の数学的な等価関係(

図 2)は,異なる測定法による測定結果の換算から

導かれる。

図 2MFD 測定結果の換算関係

MFD の試験方法として四つの方法がある。

−  方法 A:ファーフィールド走査法

−  方法 B:ファーフィールドにおけるバリアブルアパーチャ法

−  方法 C:ニアフィールド走査法

−  方法 D:OTDR を用いた双方向後方散乱法

四つの方法は,JIS C 6820 に記載されている 1 310 nm 又は 1 550 nm 帯で使用されるすべてのシングルモ

ード光ファイバに適応する。方法 D は種類や構造が分からない光ファイバの測定には適切ではない。四つ

のすべての方法に関して共通する情報は 7.17.7 に記載し,

各測定法に関係する情報はそれぞれ

附属書 J

附属書 K,附属書 及び附属書 に示している。

7.1

基準試験方法

基準試験方法は,方法 A(ファーフィールド走査法)とする。

7.2

装置

次の装置は,すべての試験方法に共通である。

附属書 J,附属書 K,附属書 及び附属書 には,それ

ぞれ四つの方法における構成図及び必要となる機器を規定している。

7.2.1

光源

方法 A,方法 B 及び方法 C には,安定した半導体レーザ又はフィルタを通した白色光源のような十分な

パワーをもつコヒーレント又は非コヒーレントな光源を用いる。光源は,測定波長で十分なパワーの光を


11

C 6825

:2009

発生し,測定時間中安定でなければならない。波長選択の必要に応じて,モノクロメータ又は干渉形フィ

ルタを用いてもよい。ほかに規定されない限り,光源のスペクトル幅の半値全幅は 10 nm 以下でなければ

ならない。方法 D は,

附属書 に示す。

7.2.2

入射光学系

方法 A,方法 B 及び方法 C には,光学レンズ系又は光ファイバピグテールを試料への入射のために使用

することができる。試料に結合するパワーは,入射光ファイバ端面の位置に対して比較的影響のないこと

が望ましい。これは,入射端面の全面に広がった光を入射させることで可能となる。突き合わせ接続を用

いる場合には,干渉効果を抑えるために光ファイバピグテールと試料との間に屈折率整合する物質を用い

る。この結合は,測定時間にわたって安定していなければならない。方法 D は,

附属書 に示す。

7.2.3

入射位置決め装置

試料の入射端を光源に位置合わせする装置を備える。例として,x-y-z 軸微動ステージ又はコネクタ,真

空結合,3-ロッド結合などの機械的な接続方法がある。光ファイバの位置は,測定時間にわたって安定的

に固定していなければならない。

7.2.4

クラッドモード除去器

クラッドモードを取り除く装置を用いる。場合によっては,光ファイバ被覆がこの機能を果たす。

7.2.5

高次モードフィルタ

高次モードフィルタは,試料のファイバカットオフ波長以下の波長領域で,高次モードを取り除く装置

として使用する。一般的に,光ファイバによる半径 30 mm の 1 周回の曲げが適切である。

7.2.6

出射位置決め装置

測定波長において,走査パターンが走査検出器の面に焦点が合うように,光ファイバ出射端面の位置を

調整する適切な装置を用意する。そのような結合は,レンズ系又は検出器のピグテールへの機械的コネク

タでもよい。光ファイバを,アパーチャ又は検出器から一定の距離に位置するために,十字線を備えた側

面顕微鏡又はカメラを用いる。光ファイバが真空チャックなどの装置で側面が抑えられている場合には,

縦方向の位置調整を行うだけで十分である。

7.2.7

出射光学系

対応する

附属書 J,附属書 K,附属書 及び附属書 を参照する。

7.2.8

検出器

対応する

附属書 J,附属書 K,附属書 及び附属書 を参照する。

7.2.9

コンピュータ

装置を制御したり,強度測定を行ったり,最終的な結果のデータ処理を行うためにコンピュータを用い

る。それぞれの方法の詳細については,対応する

附属書 J,附属書 K,附属書 及び附属書 を参照する。

7.3

サンプリング方法及び試料

7.3.1

試料の長さ

方法 A,方法 B 及び方法 C における試料の長さは,あらかじめ測定しておかなければならず,標準的に

は 2±0.2 m のシングルモード光ファイバを使用する。

注記 OTDR を用いる方法 D における試料は,OTDR のデッドゾーン以上の十分な長さ(又はダミー

光ファイバが必要)でなければならず,

試料の両端に接続することが可能でなければならない。

7.3.2

試料の端面

各試料の入射及び出射端において,光ファイバ軸に垂直で滑らかな鏡面に切断する。

7.4

手順


12

C 6825

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方法 A,方法 B,方法 C 及び方法 D について,それぞれ

附属書 J,附属書 K,附属書 及び附属書 M

に示す。

7.5

MFD

の算出

方法 A,方法 B 及び方法 C を用いた MFD を計算する基本式を 7.5.17.5.3 に示す。その他に使用する計

算については,

附属書 J,附属書 K,附属書 及び附属書 に示す。測定 A,測定 B 及び測定 C に対す

る測定データを,

附属書 に規定する。

7.5.1

方法 A−ファーフィールド走査法

方法 A に対する MFD は,光ファイバ端面から放射される次の電磁場の式で定義されている。ファーフ

ィールド分布を走査し,ピーターマンⅡ積分をすることによって MFD を求める。MFD は,ファーフィー

ルド分布から定義される。

( ) ( ) ( )

( ) ( ) ( )

2

1

2

/

0

3

F

2

/

0

F

0

cos

sin

cos

sin

2

2

=

π

π

θ

θ

θ

θ

θ

θ

θ

θ

π

λ

d

P

d

P

W

 (9)

ここに,

2W

0

MFD (μm)

P

F

(θ): ファーフィールド強度分布

λ: 測定波長 (μm)

θ: 出射角度(ラジアン)

注記  積分範囲は,0 から π/2 と示されている。しかし被積分関数は,変数が大きくなるとゼロに近づ

くことが知られている。そのため実際には,積分は,円すい形で行うことができる。

シングルモード光ファイバの MFD を求めるためのファーフィールド法は,二つの段階の手順で行う。

最初に,光ファイバのファーフィールド分布を測定する。次に,式 (9)  のピーターマンⅡのファーフィー

ルド定義に基づいた数学的手法を用いて,ファーフィールド分布データから MFD を求める。

附属書 

は,ピーターマンⅡ積分を確認できるように,サンプルデータ及び MFD の計算値を示している。サンプ

ルデータは,角度 θ の関数である P

F

(θ)  の形式で示している。

7.5.2

方法 B−バリアブルアパーチャ法

方法 B に対する MFD は,光ファイバ端面から放射される次の電磁場の式で定義されている。MFD は,

次の式によって算出する。

( )

(

)

2

1

0

2

2

2

0

2

+

=

D

x

x

x

a

D

W

π

λ

 (10)

ここに,

  2W

0

MFD (μm)

λ

測定波長

(μm)

D

アパーチャと光ファイバとの距離

(mm)

a(x)

アパーチャ伝達関数

a(x)

は,式

 (11)

によって算出する。

( )

( )

(

)

max

1

P

x

P

x

a

=

(11)

ここに,

P(x)

アパーチャ半径

x

に対するパワー

P(max)

無限大のアパーチャを想定した際の最大パワー

x

アパーチャ半径


13

C 6825

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x

は,式

 (12)

によって算出する。

( )

θ

tan

D

x

=

 (12)

ここに,

  D

アパーチャと光ファイバの距離

(mm)

(9)

及び式

(10)

は,角度θが小さい場合に近似的に等価である。この近似のもとで,式

(10)

は,式

(9)

の積分によって導出される。式

(10)

と等価な式が式

(13)

で示される。

( )

2

1

0

0

2

sin

2

2

⎥⎦

⎢⎣

=

θ

θ

θ

π

λ

d

a

W

 (13)

ここに,

  2W

0

MFD (μm)

a(θ)

アパーチャ伝達関数

a(θ)

は,式

 (14)

によって算出する。

( )

( )

(

)

max

1

P

P

a

θ

θ

=

 (14)

ここに,

P(θ)

出射角度θに対するパワー

P(max)

無限大のアパーチャを想定した際の最大パワー

シングルモード光ファイバの

MFD

を求めるためのバリアブルアパーチャ法は二つの段階の手順で行う。

最初に,様々なサイズのアパーチャを透過した透過強度として二次元ファーフィールド分布を測定する。

次に,数学的手順を用いてファーフィールド分布データから

MFD

を計算する。

MFD

の計算の数学的根拠

は式

(9)

によるピーターマンⅡのファーフィールド定義に基づいている。式

(9)

及び式

(10)

は,角度θ

が小さい場合に近似的に等価である。式

(10)

は,式

(9)

の積分によって導出される。また,式

 (10)

と等

価な式が式

 (13)

で示される。

7.5.3

方法 C−ニアフィールド走査法

方法

C

に対する

MFD

は,光ファイバ端面から放射される次の電磁場の式で定義されている。

( )

( )

2

1

0

2

0

2

0

2

2

2





⎥⎦

⎢⎣

=

dr

dr

r

df

dr

r

rf

W

 (15)

ここに,

2W

0

MFD (μm)

r: 半径座標 (μm)

( )

r

f

2

ニアフィールド強度分布

注記  積分の上限は,無限大と示されている。しかし,被積分関数は,変数が大きくなるとゼロに近

づくことが知られている。そのため実際には,積分は,有限区間で行うことができる。微分の

計算に対して,スムージングアルゴリズムを用いることができる。

シングルモード光ファイバの MFD を求めるためのニアフィールド走査法は,

二つの段階の手順で行う。

最初に,ニアフィールド分布を測定する。次に,数学的手法を用いてニアフィールド分布データから MFD

を計算する。MFD の計算の数学的根拠は,式 (9)  によるピーターマンⅡのファーフィールド定義に基づ

いている。式 (9)  及び式 (15)  は,角度 θ が小さい場合に近似的に等価である。この近似のもとで,ニア

フィールド f(r)  及びファーフィールド F(θ)  は,ハンケル変換の関係にある。ハンケル関数を用いて式 (9)

から式 (15)  への変換及びその逆変換が可能となる。


14

C 6825

:2009

7.6

結果

7.6.1

測定ごとに提供される情報

測定ごとに次の情報を報告する。

−  測定実施期日及び題目

−  試料の識別

−  光源波長

−  MFD (μm)

7.6.2

要求に応じて提供される情報

要求があれば,次の情報を提供しなければならない。

−  使用測定法:A,B,C 又は D

−  使用した光源の種類と光源スペクトル幅(半値全幅)

−  装置に関する説明

−  計算手法の詳細

−  測定装置の最新の校正日時

7.7

仕様事項

詳細な仕様は,次の情報を明示する。

−  測定した光ファイバの種類

−  合否判定基準

−  報告される情報

−  適用する手順との差異


15

C 6825

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附属書 A

規定)

FFP

法による開口数試験装置における要求事項

序文

この附属書は,FFP 法による開口数試験装置における要求事項について規定する。

A.1

入射システム

A.1.1

光源

試料の端面にほぼ一定の放射領域(端面での変動が強度の 10 %未満)を与えるインコヒーレント光源を

使用する。強度及び位置は,測定時間中,安定でなければならない。

A.1.2

入射光学系

単色(半値全幅:100 nm 未満)で,直径が試料の端面よりも大きく,試料よりも大きい開口数をもつ一

定な放射光を発生する光学部品系を使用する。特に指定されていなければ,中心波長は 850 nm±25 nm と

する。端面の配列を確認する手段を設ける。光源のスペクトル幅を制限するために,光学フィルタを使用

してもよい。

A.1.3

光ファイバ入射端の支持及び整列

光ファイバに変形を与えず,安定して再現性のある配置ができる試料入射端の支持手段を設ける。励振

光に対し,入射端面を整列させる手段を設ける。

A.1.4

クラッドモード除去器

試料からのクラッド光を除去する手段を設ける。場合によっては光ファイバの被覆が十分にこの機能を

果たす。そうでない場合には,試料の両端近傍にクラッドモード除去器を用いる必要がある。

A.2

出射システム及び検出系

試料からのファーフィールド分布を検出するために,同等な三つの手法が用いられる。手法 1 及び手法

2 は,ファーフィールドパターンの角度走査とし,手法 3 は角度強度パターンの空間変換走査とする。手

法 3 では,走査領域の小さい検出器でも大きい検出器でも使用できる。次に,これら三つの方法で使用す

る装置の詳細を示す。

A.2.1

手法 1−試料を固定させた角度走査法(図 A.1 参照)

A.2.1.1

光ファイバ出射端の支持及び整列

試料の出射端が,光学検出器の回転軸及び回転面と一致するように支持し,整列させる手段を設ける。

例えば,

顕微鏡固定治工具付きの XYZ マイクロ調軸機に取り付けられている真空チャックが用いられる。

この場合には,ゴニオメータ又はステッパモータによる回転ステージを含んでいる。

A.2.1.2

検出システムの機械系

検出器が,試料から放射される光の全領域を走査できる回転手段を設ける(校正されたゴニオメータな

どを使用する。

。検出器を備えた可動アームの回転軸は,試料の端面を通り,試料の中心軸に垂直でなけ

ればならず,また回転面は試料の軸と一致していなければならない。試料光ファイバの中心軸に対して,

検出器の相対的な角度を記録するための手段を設ける。


16

C 6825

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図 A.1−手法 1−試料を固定させた角度走査法

A.2.2

手法 2−検出器を固定させた角度走査法(図 A.2 参照)

試料の出射端面が,可動アームの回転軸に対して垂直でかつ一致するように支持手段を設ける。この装

置は,回転面における全放射光が固定検出器を通過するように,十分に回転できなければならない(ゴニ

オメータ,精密回転ステージなどを使用する。

。そのため回転角度は,試料の出射最大角度よりも大きく

なければならない。検出器と試料の端面間のラインと試料の中心軸の間の角度を記録する手段を設ける。

図 A.2−手法 2−検出器を固定させた角度走査法

A.2.3

手法 3−空間フィールドパターンの走査法(図 A.3 参照)

A.2.3.1

光ファイバ出射端の支持装置

試料の出射端が,安定でかつ再現性のある位置決めができる支持及び整列手段を設ける。

A.2.3.2

ファーフィールド変換

適切な手段によって,試料のファーフィールド分布を測定する。例えば,光ファイバの出射ニアフィー

ルドパターンのフーリエ変換を得るために,顕微鏡の対物レンズ,又は他の十分に補正されているレンズ

を使用する。ファーフィールド強度が記録できるように,ピンホールアパーチャを使用してこのパターン

又はその像を走査する。ピンホールアパーチャの大きさは,システムの回折限界の半分以下とする。

D

f

M

d

2

/

22

.

1

λ

(A.1)

ここに,

d:  ピンホールの直径  (μm)

M:  変換レンズの後方の焦点面から走査平面までの倍率


17

C 6825

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λ:  光ファイバから出射される波長 (nm)

f:  変換レンズの焦点距離 (mm)

D:  光ファイバのコア径  (μm)

レンズ L

1

の開口数は,試料ファイバの開口数を制限しないように十分に大きくなければならない。ファ

ーフィールドパターンが,レンズによって表されるところでは,特にアパーチャで周辺が暗くならないよ

うに,中継レンズ L

2

の直径を十分大きくするように注意する。

φ

tan

2

12

f

(A.2)

ここに,

D

12

中継レンズの直径 (mm)

f: 変換レンズの焦点距離 (mm)

φ

NA(開口数)=sin

φ

の関係を満たす角度

図 A.3−手法 3−空間フィールドパターンの走査法

A.2.3.3

走査システム

ピンホールアパーチャ及び検出器に対して,ファーフィールドパターンを走査する手段を設ける。

A.2.3.4

システムの校正

ファーフィールド変換レンズの後方の焦点面の中で走査された実際の距離と走査システムの移動距離と

の関係を表す変換係数を,測定するために校正を行う。この場合,後方の焦点面に配置した既知の寸法 L

1

のパターンを用いることができる。さらに,フィールドパターン変換平面(

図 A.3 中の L

1

の後方の焦点面)

での走査位置と試料中心軸に対する放射角度

θ

との関係を,式 (A.3) から求める。

θ

sin

f

y

=

(A.3)

ここに,

y:  試料中心軸から空間的なフィールドパターンまでの距離 (mm)

f:  変換レンズ L

1

の焦点距離 (mm)

θ:  試料中心軸に対する角度(度)

A.2.3.5

記録システム

走査位置 の関数として,

検出強度 E(y) を記録する手段を設け,

式 (A.4) によって検出強度を補正する。

( ) ( )

θ

θ

cos

y

E

I

=

(A.4)

ここに,

I(θ): 角度走査レンズによって検出された角度強度分布

E(y): 試料中心軸から距離 における強度

y: 試料中心軸から空間的なフィールドパターンまでの距離

(mm)

θ: 試料中心軸に対する角度(度)


18

C 6825

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A.2.4

光学検出器

使用する強度の範囲において,5 %以内の直線性をもった検出器を使用する。分解能を向上させるため

に,検出器の有効サイズを制限するピンホールアパーチャを使用してもよい。検出器又はアパーチャの大

きさは,式 (A.5) のように,装置に要求される角度分解能で決まる。

06

.

0

/

R

D

θ

=

(A.5)

ここに,

D: 検出器のアパーチャ直径 (μm)

θ: 要求される角度分解能(度)

R: サンプルの出射端から検出器又はアパーチャまでの距離

(mm)

通常,±0.5 度の分解能が用いられる。

は,更に,ファーフィールドの要求も満足しなければならない。

λ

/

2

d

(A.6)

ここに,

R:  サンプルの出射端から検出器又はアパーチャまでの距離

(mm)

d:  試料の放射領域の直径 (μm)

λ:  光源の中心波長 (nm)

式 (A.1) によって,手法 3 に用いる適切な検出器又はアパーチャの大きさが決まる。


19

C 6825

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附属書 B

規定)

反射法による開口数試験装置における要求事項

序文

この附属書は,反射法による開口数試験装置における要求事項について規定する。

B.1

試験装置

試験装置は,光源,入射装置,検出装置,光学系などで構成する。構成例を

図 B.1 に示す。

B.1.1

光源

光源は,He-Ne レーザなどのビームスポットが小さくなければならない。

B.1.2

入射装置

入射装置は,光ファイバの端面上のビームスポットが高分解能となるように小さくできるものとする。

B.1.3

検出装置

検出装置は,

検出器及び信号処理装置で構成され,

検出光の強度に比例する電気出力を出すものとする。

B.1.4

光学系

対物レンズ,接眼レンズなどで構成する。

図 B.1−反射法の測定系


20

C 6825

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附属書 C 

規定)

カットオフ波長試験方法 A−光ファイバ素線を用いた

ケーブルカットオフ波長(λ

cc

)−

における要求事項

序文

この附属書は,カットオフ波長試験方法 A における要求事項について規定する。

C.1

試料の長さ

全長 22 m の光ファイバ素線を用いる。

C.2

手順−マンドレル配慮における試料の位置

図 C.1 のように,光ファイバ試料中心の 20 m でケーブル効果を含むように,直径 280 mm 以上のループ

を作る。接続部分の効果を含めるために,ファイバ両端から 1 m の位置で直径 80 mm の一周のループを形

成する。ケーブル化又は敷設による影響が生じた場合,ケーブルカットオフ波長  (λ

cc

)  は小さくなる。し

かし λ

cc

は最大の値として定義されるため,ここで定めた配置構成で試験することで,試料の特性を十分に

確かめることができる。

図 C.1−ケーブルカットオフ波長用配置構成−方法 A


21

C 6825

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附属書 D 

規定)

カットオフ波長試験方法 B−光ファイバケーブルを用いた

ケーブルカットオフ波長(λ

cc

)−

における要求事項

序文

この附属書は,カットオフ波長試験方法 B における要求事項について規定する。

D.1

試料の長さ

両端から 1 m のケーブル構造を取り去った全長 22 m の光ファイバケーブルを用いる。

D.2

手順−マンドレル配置における試料の位置

図 D.1 に示すように,両端から 1 m のケーブル構造を取り除く。測定結果に重要な影響がないように被

覆されたケーブルの中央 20 m を十分にまっすぐに伸ばす。接続部分の影響を含めるため,ケーブル構造

を取り去った両端 1 m の部分に直径 80 mm のループを形成する。

図 D.1−ケーブルカットオフ波長用配置構成−方法 B


22

C 6825

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附属書 E

規定)

カットオフ波長試験方法 C−光ファイバ

ケーブルカットオフ波長(λ

c

)−

における要求事項

序文

この附属書は,カットオフ波長試験方法 C における要求事項について規定する。

E.1

試料の長さ

全長 2±0.2 m の光ファイバ素線を用いる。

E.2

手順−マンドレル配置における試料の位置

図 E.1 のように試料を半径 140 mm のループに 1 周,緩く巻き付ける。光ファイバを巻くループは,接

線で接続している半径 140 mm のそれぞれ角度 180°の二つの弧で構成されたマンドレル(

図 E.2)又は半

径 140 mm で 360°の周回を分割したマンドレル(

図 E.3)でもよい。図 E.2 に示された代替的な構成では,

半円マンドレルは光学系を動かす必要なく,また被測定光ファイバの他の部分に重要な張力を与えること

なく,緩んだ光ファイバを取り出すために動かすことが可能である。ループ巻き部分以外の光ファイバは

外部のストレスがかかってはならない。より大きな半径の曲げを用いる場合は,それらが測定結果に重要

な影響を与えてはならない。

図 E.1−光ファイバケーブルカットオフ波長用の基本配置構成−円形マンドレル


23

C 6825

:2009

図 E.2−光ファイバカットオフ波長用の代替的な配置構成(その 1

図 E.3−光ファイバカットオフ波長用の代替的な配置構成(その 2


24

C 6825

:2009

附属書 F

規定)

カットオフ波長試験方法 C−ジャンパ

ケーブルカットオフ波長(λ

cj

)−

における要求事項

序文

この附属書は,カットオフ波長試験方法 C における要求事項について規定する。

F.1

試料の長さ

全長 2±0.2 m のケーブル(例えば,光ファイバコードなど)を用いる。

F.2

手順−マンドレル配置における試料の位置

試料を半径 (mm)  のループに 1 周,緩く巻き付ける。光ファイバを巻くループは,半径 (mm)  の 360°

の円周を複数に分割したマンドレルでもよい。配置構成は,

附属書 E(方法 C)に示されたもの(図 E.1

図 E.2 及び図 E.3)と同様とする。図 E.2 を用いた構成では,半円マンドレルは光学系を動かす必要なく,

かつ,被測定ジャンパケーブルの他の部分に重要な張力を与えることなく緩んだジャンパケーブルを取り

出すために,動かすことが可能である。ループ巻き部分以外のジャンパケーブルは外部のストレスがかか

ってはならない。より大きな半径の曲げを用いる場合は,それらが測定結果に重要な影響を与えてはなら

ない。

注記  幾つかの機関では,を 76 mm に規定している。


25

C 6825

:2009

附属書 G 

規定)

曲げ法によるカットオフ波長測定及び計算手順

序文

この附属書は,曲げ法によるカットオフ波長測定及び計算手順について規定する。

G.1

出射パワーの測定

波長範囲に対して 10 nm 又はそれ以下ごとに,出射パワー  [P

s

(λ)]  を記録する。波長範囲は予想される

カットオフ波長が入るように十分広げなければならない。

G.2

基準走査パワーの測定

入射及び出射条件を変えずに,入射端と出射端との間に小さな直径の曲げを挿入する。小さな直径の正

確な値は,事前の試験で決定される。この値は,第一次高次モード(LP

11

モード)を減衰するが基本モー

ド(LP

01

モード)は減衰しない値とし,典型的な値は,30 mm とする。試料に対する測定条件と同じ波長

範囲,同じスペクトル間隔で基準走査パワー  [P

b

(λ)]  を記録する。

G.3

カットオフ波長の算出

基準走査パワー(小さい半径の曲げを挿入した場合の試料の透過パワー)に対する試料のスペクトル透

過率を,式 (G.1) によって算出する。

( )

( )

( )

λ

λ

λ

b

s

10

b

log

10

P

P

A

=

 (G.1)

ここに,

A

b

(λ): 基準走査パワーに対する試料のスペクトル透過率 (dB)

P

s

(λ): 出射パワー

P

b

(λ): 基準走査パワー(小さい半径曲げを挿入したときの試料

出射パワー)

図 G.1 に結果の概要を示す。短波長側の立上り及び長波長側の立下りは,それぞれ試料に小さい半径の

曲げを入れた場合及び入れない場合で決定される。

図 G.1 から A

b

(λ)=0.1 dB を満たす最大波長を求める。

ここで A

b

(λ)  の最大値を ΔA

b

と定める。ΔA

b

が 2 dB 以上であれば,求めた最大波長がカットオフ波長であ

る。ΔA

b

が 2 dB 未満である場合,又は観測できない場合は,波長走査範囲を広げシングルモード伝搬波長

領域を拡大するか,小曲げ半径を小さくする。この調整及び測定手順を ΔA

b

が 2 dB 以上になるまで繰り返

す。


26

C 6825

:2009

図 G.1−曲げ法を用いたカットオフ波長


27

C 6825

:2009

附属書 H 

規定)

マルチモード励振法によるカットオフ波長測定及び計算手順

序文

この附属書は,マルチモード励振法によるカットオフ波長測定及び計算手順について規定する。

H.1

出射パワーの測定

波長範囲に対して 10 nm 又はそれ以下ごとに出射パワー  [P

s

(λ)]  を記録する。波長範囲は予想されるカ

ットオフ波長が入るように十分広げなければならない。

H.2

基準走査パワーの測定

被測定光ファイバを短尺(10 m 未満)のマルチモード光ファイバに取り替える。被測定光ファイバに対

する測定条件と同じ波長範囲,同じスペクトル間隔で基準走査パワー  [P

m

(λ)]  を記録する。

注記  マルチモード励振法を行う場合の基準走査パワー  [P

m

(λ)]  の情報は,異なる試料を測定する場

合に繰り返し使用するため,コンピュータに保存してもよい。

H.3

カットオフ波長の算出

基準走査パワー(マルチモード光ファイバの透過パワー)に対する試料のスペクトル透過率を,式 (H.1)

によって算出する。

( )

( )

( )

λ

λ

λ

m

s

10

m

log

10

P

P

A

=

(H.1)

ここに,  A

m

(λ): 基準走査パワーに対する試料のスペクトル透過率 (dB)

P

s

(λ): 出射パワー

P

m

(λ): 基準走査パワー(マルチモード光ファイバの透過パワー)

図 H.1 に結果の概要を示す。

A

m

(λ)  の長波長部分に合わせて直線を引き,図 H.1 の破線で示されるようにその直線を 0.1 dB だけ上に

上げる。この直線と A

m

(λ)  との交点の波長を求める。ここで A

m

(λ)  の最大値と交点での A

m

(λ)  の値との差

Δ

A

m

(λ)  と定める。

Δ

A

m

が 2 dB 以上であれば,求めた交点での波長をカットオフ波長とする。交点が測

定点の間になる場合は,線形補間を使用して A

m

(λ)  を決定する。

Δ

A

m

が 2 dB 未満である場合,又は観測

できない場合は,波長走査範囲を広げシングルモード伝搬波長領域を拡大する。この調整及び測定手順を

Δ

A

m

が 2 dB 以上になり,長波長領域で十分に直線で近似できる長さとなるまで繰り返す。

注記  マルチモード励振法を使用して高カットオフ波長の光ファイバを測定する場合は,基準光ファ

イバとして高い OH 損失をもつ光ファイバを用いると,カットオフ波長に誤差が生じることが

報告されている。


28

C 6825

:2009

P

s

(λ)< P

m

(λ)  なので,A

m

(λ)  の値は常に負になる。そのため,図の横軸を上方に示している。

図 H.1−マルチモード励振法を用いたカットオフ波長


29

C 6825

:2009

附属書 I

規定)

精度向上のための曲線近似法

序文

この附属書は,精度向上のための曲線近似法について規定する。

I.1

曲線近似法の概要

基本モードが伝搬する長波長領域に,こぶや過大な雑音がないときには,曲線近似を使用せずに正確な

カットオフ波長を決定することができる。精度向上のため曲線近似を行う必要がある場合には,次に示す

六つの手順で行う。最初の二つの手順では,基本モードが伝搬するシングルモード伝搬領域を決定する。

次の二つの手順では,高次モードの損失が増加し始めるシングルモード移行領域を決定する。5 番目の手

順では理論モデルに従って,この領域の特性を決定する。最後の手順では,特性を示すパラメータからカ

ットオフ波長を計算する。この解析法は,曲げ法又はマルチモード励振法のいずれかを使用して測定され

たすべての λ

c

及び λ

cc

に適用する。Α(λ)  は,A

b

(λ)  又は A

m

(λ)  のいずれかを示している。

I.2

手順 1:シングルモード伝播領域の決定

I.2.1

曲げ法の場合

曲線 α(λ)  の傾きが最大となる波長を探す。その波長とは,一次微分 α(λ)−α(λ+10 nm)  が最も大きくな

る波長である。シングルモード伝搬領域の下限波長を,最大傾斜波長より長波長の領域で損失が最小とな

る波長と定める。

I.2.2

マルチモード励振法の場合

曲線 α(λ)  が最大値をとる波長を探す。シングルモード伝搬領域の下限波長を,その波長より長波長の領

域で,式 α(λ)−8+8λ(λ:μm)  において,最小となる波長に定める。

シングルモード伝搬領域での上限波長は,下限波長の値に 150 nm を加算した値とする。

I.3

手順 2:損失曲線特性の決定

シングルモード伝搬領域での波長 λ に対する損失曲線 α(λ)  の線形関係を式 (I.1) で表す。

( )

λ

λ

α

u

u

B

A

+

=

 (I.1)

ここに,

α(λ): 損失曲線 (dB)

A

u

及び B

u

損失値のメジアン

λ: 波長 (μm)

損失とシングルモード伝搬領域に近似した直線との差を表す関数 a(λ)  を定義する。

( ) ( )

λ

λ

α

λ

u

u

B

A

a

=

 (I.2)

ここに,

a(λ): 損失と直線近似との差を表す関数 (dB)

A

u

及び B

u

式 (I.1)  で定義された値

λ: 波長 (μm)

I.3.1

曲げ法の場合


30

C 6825

:2009

B

u

をゼロとし A

u

をシングルモード伝搬領域での損失値のメジアンとする。

I.3.2

マルチモード励振法の場合

こぶの影響を取り除く特別な方法を用いて損失値を近似する。

1)

誤差の絶対値の合計が最小となり,すべての誤差が負にならないように一次回帰分析を使用して A

u

と B

u

を探す。

2)

誤差のメジアンを求め,その値を A

u

に加える。

式 (I.2) を用いて,

シングルモード伝搬領域に対する損失と近似直線との差を表す関数 a(λ)  を決定する。

I.4

手順 3:シングルモード移行領域の上限波長の決定

手順 1 によって決定したシングルモード伝搬領域の上限波長より小さい波長領域で,a(λ)  が 0.1 dB より

大きい値をとる波長の最大値に 10 nm 加えた値を,シングルモード移行領域の上限波長と定める。

I.5

手順 4:シングルモード移行領域の下限波長の決定

シングルモード移行領域の下限波長を決定するのに,幾つかの方法がある。二つの例を I.5.1 及び I.5.2

に示す。

I.5.1

手順 3 によって決定したシングルモード移行領域の上限波長より小さい波長領域で,

a(λ)  が極大をとり,

この極大値とこの値よりも長波長側の次の極小値との差が最大になる波長を下限波長と定める。

I.5.2

シングルモード移行領域の上限波長以下で a(λ)  が 2 dB より大きく,かつ,a(λ)  に対し極大値をもつか

又は a(λ)−a(λ+10 nm)  に対し極大値を持つ波長の最大値を下限波長と定める。

I.6

手順 5:理論モデルを用いたシングルモード移行領域特性の決定

モデルは変換式の線形回帰である。

( )

( )

=

ρ

λ

λ

1

10

log

10

log

10

10

10

10

a

C

Y

 (I.3)

ここに,

  Y(λ)

変換式の線形回帰

a(λ)

(I.2)

による値

=

)

1

10

(

log

10

01

.

0

10

ρ

C

 (I.4)

他に規定されていない限り

ρ

2

である。

変換式

Y(λ)

を,シングルモード移行領域のデータを使用して次の直線モデルで近似する。

( )

λ

λ

Y

B

A

=

+

t

t

 (I.5)

こぶの影響を抑えるために,回帰分析は,損失曲線での負の誤差がシングルモード伝搬領域での負の誤

差を超えないように,誤差を制約して行う。この近似手法は,単体法を用いてもよい。ここでシングルモ

ード伝搬領域における

a(λ)

の最小値を

E

とする。シングルモード移行領域に対し,式

(I.5)

から,

A

t

及び


31

C 6825

:2009

B

t

を,次に示す

w(λ)

及び

z(λ)

から導かれる

v(λ)

に対する誤差の絶対値の合計が最小となり,−

v(λ)

より

小さな誤差がないように決定する。

( )

( )

10

10

E

a

w

=

λ

λ

 (I.6)

( )

( )

⎟⎟

⎜⎜

=

ρ

λ

λ

1

log

10

log

10

10

10

w

C

z

 (I.7)

v(λ)

w(λ)

及び

z(λ)

は,全体の表現を簡潔にするために用いられる計算式である。

v(λ)

は,式

 (I.8)

表す。

( ) ( ) ( )

λ

λ

λ

ν

z

Y

=

 (I.8)

I.7

手順 6:カットオフ波長

λ

c

の算出

シングルモード移行領域での傾きを計算し,カットオフ波長を算出する。

B

t

が小さな負の値(例えば−

1

から−

0.1

)よりも大きい場合には,シングルモード伝搬領域の上限波長を

10 nm

ずつ減らして手順

5

を繰

り返す。

λ

c

は式

(I.9)

で定められる。

t

t

c

B

A

=

λ

 (I.9)

ここに,

λ

c

光ファイバカットオフ波長

(μm)

A

t

及び

B

t

(I.5)

によって定められる値

注記

ケーブルカットオフ波長

λ

cc

は,手順

6

のファイバカットオフ波長

λ

c

と同様の手順で計算され

る。式

 (I.9)

において単純に

λ

c

λ

cc

に適宜置き換えればよい。


32

C 6825

:2009

附属書 J

規定)

モードフィールド径試験方法 A

ファーフィールド走査法−における要求事項

序文

この附属書は,モードフィールド径試験方法

A

における要求事項について規定する。

J.1

装置

この附属書は,7.2 で規定された必要品に付加する装置を記している。

図 J.1 は,ファーフィールド走査

法における典型的な測定構成を示している。

図 J.1−ファーフィールド走査法測定系構成

J.1.1

走査検出器構成−信号検出器

ファーフィールド分布を走査する機器を使用する。

0.5

°又はそれより精密な角度間隔で検出器を回転で

きる装置を用いる。検出器の回転盤に対して光ファイバ軸を調整し,回転中心に光ファイバ端面を設定す

る。典型的な測定系では,光電モードで動作する

PIN

ホトダイオードが用いられ,信号は,電流入力増幅

器で増幅され,ロックインアンプで同期検出される。検出器は,光ファイバ端面から

10 mm

以上離すこと

が望ましい。検出器の動作面が,ファーフィールド分布の中で大きな角度を占めないほうがよい。このた

めには,検出器を光ファイバ端面から

2wb/λ

以上離して設置する。ここで

λ

は測定波長,

2w

MFD

b

は検出器の有効直径である。精度の高い測定を行う場合には,測定のダイナミックレンジは,

50 dB

以上

であることが望ましい。これは,

SMA

(シングルモード

1 310 nm

ゼロ分散形)光ファイバに対して最大回

転角が±

20

°以上,

SMB

(シングルモード

1 550 nm

分散シフト形)光ファイバに対しては±

25

°以上に相

当する。ダイナミックレンジ(又は最大回転角)が低下すると,誤差を生じる可能性がある。例えば,こ

れらの値を

SMA

光ファイバに対し

30 dB

及び±

12.5

°に,

SMB

光ファイバに対しては

40 dB

及び±

20

°

に制限すると,

MFD

の決定において相対的な誤差が

1 %

以上になる可能性がある。

J.1.2

コンピュータ

典型的な測定系では,ファーフィールド強度分布データを処理することのできるコンピュータを備えて

いる。


33

C 6825

:2009

J.2

手順

7.2

に規定した測定系を準備し,

検出装置で最大パワーが得られるように光ファイバ出射端の位置を調整

する。

0.5

°の角度間隔で検出器を回転し,検出パワーを記録する。記録したデータからピーターマンⅡの

値を計算する。そして,その結果を使用して式

(9)

及び J.3 で定められた光ファイバの

MFD

を計算する。

J.3

計算

J.3.1

ファーフィールド強度曲線の決定

0

θ

i

θ

max

に対するファーフィールド強度曲線は,式

(J.1)

となる。

( ) ( ) ( )

2

i

i

i

F

+

=

θ

θ

θ

P

P

P

(J.1)

ここに,

  P

F

(θ

i

)

: ファーフィールド強度曲線

P(θ

i

)

出射角度

θ

i

(ラジアン)

(指数

i

)に対して測定された

パワー

J.3.2

  (

9

)

の分子の積分

  (

T

)

と分母の積分

  (

B

)

の計算

最適な数値積分技術を用いて,式

(9)

の積分を計算する。次に直交法を用いた例を示す。

( ) ( ) ( )

=

n

d

P

T

0

i

i

i

F

cos

sin

θ

θ

θ

θ

(J.2)

( ) ( ) ( )

=

n

d

P

B

0

i

i

3

i

F

cos

sin

θ

θ

θ

θ

(J.3)

ここに,

  P

F

(θ

i

)

ファーフィールド強度曲線

θ

i

指数

i

での出射角度(ラジアン)

ここで,

θ

1

θ

0

である。

J.3.3

算出の完了

B

T

W



=

=

π

λ

2

2

MFD

0

(J.4)

ここに,

  2W

0

MFD (μm)

T

(J.2)

で得られた値

B

(J.3)

で得られた値

J.4

サンプルデータ

J.3

によって計算された

表 N.1 のサンプルデータを参照。


34

C 6825

:2009

附属書 K

規定)

モードフィールド径試験方法 B

バリアブルアパーチャ法−における要求事項

序文

この附属書は,モードフィールド径試験方法

B

における要求事項について規定する。

K.1

装置

この附属書は,7.2 で規定された必要品に付加する装置を記している。

図 K.1 は,ファーフィールドで

のバリアブルアパーチャ法における典型的な測定構成を示している。

図 K.1−ファーフィールドによるバリアブルアパーチャ法の構成図

K.1.1

バリアブルアパーチャ出射部装置

円形で光が透過する何種類かの大きさのアパーチャを備えた装置(例えば,アパーチャホイール)を,

試料から

100 W

0

2

/λ

以上離して設置する。その装置は,透過するパワーを変化させるために用いる。標準的

には,アパーチャは,光ファイバ端から,

20 mm

から

50 mm

離して設置する。光ファイバ端面の角度変化

に対する影響を少なくするために,アパーチャは,ファーフィールドパターンに対して中心に設置する。

別のアパーチャを用いた場合でも,測定結果が過度に影響されないように十分な数及び大きさのアパーチ

ャを用いる。さらに最も大きなアパーチャが,集光されたパターンを遮断しない十分な大きさであること

に注意する。

注記 1

光学配置は,重要である。

注記 2

アパーチャの数及び大きさは,この方法の精度に対して重要である。最適条件は,測定する

光ファイバの種類に従って変更される。各種光ファイバに対する特定の条件の確認は,方法

A

との比較によって行う。


35

C 6825

:2009

K.1.1.1

SMA

光ファイバの測定に必要となる装置

この手順によって与えられる

MFD

測定の精度は,測定器の最大開口数に依存する。

SMA

光ファイバに

対しては,誤差は,最大開口数

0.25

の測定器を用いた場合,標準で

1 %

以下である。さらに,誤差を小さ

くする必要のある場合又は光ファイバの

MFD

8.2 μm

以下である場合は,次の二つの方法を使用する。

1

)

最大開口数が

0.35

以上の測定系を用いる。

2

) SMA

光ファイバの測定に対して,開口数が制限された系での測定と開口数が

0.35

以上の系での測定

との間の換算式を定める。

K.1.1.2

SMB

SMC(シングルモード分散フラット形)及び SMD(シングルモードノンゼロ分散シフト

形)光ファイバの測定に必要となる装置

MFD

が,

6 μm

以上の光ファイバに対しては,測定器の最大開口数は,

0.40

以上でなければならない。

K.1.2

出射光学系

アパーチャを透過した光を集光し検出器に結合させるために,レンズ対ミラー又はその他の適した組合

せの光学系を用いる。

K.1.3

信号検出器

測定される出射放射光の波長全域に感度を持ち,受光される強度全域に対して線形性をもつ検出器を用

いる。典型的な測定系では,光電モードで動作するゲルマニウム又は

GaInAs

ホトディテクタ及び電流入

力増幅器を使用し,ロックインアンプを用いて同期検出する。一般的にデータを解析するために,コンピ

ュータを使用する。

K.2

手順

K.2.1

7.2

に記載された測定系を準備し,光ファイバを入射及び出射部のホルダーに設置し,バリアブルアパー

チャに対して正確な距離となるように調整をする。

K.2.2

バリアブルアパーチャを小さい径に設定する。そして受光パワーが最大となるように,ファーフィール

ドを調整する。

K.2.3

各アパーチャに対して透過光パワーを測定する。

K.2.4

規定された各測定波長に対して K.2.3 を繰り返す。

K.2.5

(10)

及び K.3 を用いて

MFD

を求める。

K.3

算出

K.3.1

アパーチャ関数の決定

1

から

n

までの各アパーチャに対してアパーチャ関数を定める。

( )

( )

( )

n

i

i

1

θ

θ

θ

P

P

a

=

(K.1)

ここに,

  a(θ

i

)

指数

i

1

から

n

)における各アパーチャに対する関数


36

C 6825

:2009

P(θ

i

)

: 出射角度

θ

i

(ラジアン)

(指数

i

)に対して測定されたパ

ワー

K.3.2

積分の完了

最適な数値積分技術を用いて,式

(13)

の積分を計算する。次に例を示す。

( ) ( )(

)

=

n

1

1

i

i

i

i

2

sin

θ

θ

θ

θ

a

T

(K.2)

ここに,

T

(13)

内の積分

a(θ

i

)

(K.1)

から求められるアパーチャ関数

注記

  θ

0

=0

K.3.3

算出の完了

T

W

2

2

MFD

0

=

=

π

λ

(K.3)

ここに,

  2W

0

MFD (μm)

T

(K.2)

から求められる値

K.4

サンプルデータセット

K.3

によって計算された

表 N.2 のサンプルデータを参照。


37

C 6825

:2009

附属書 L

規定)

モードフィールド径試験方法 C

ニアフィールド走査法−における要求事項

序文

この附属書は,モードフィールド径試験方法

C

における要求事項について規定する。

L.1

装置

この附属書は,7.2 で規定された必要品に付加する装置を記している。

図 L.1 は,ニアフィールド走査法

における標準的な測定構成を示している。

L.1.1

拡大出射光学系

光ファイバ端面からの出射光を拡大し,走査検出器の面に結像できる適切な光学系(例えば,顕微鏡の

対物レンズ)を使用する。これらの光学系は,写された像の開口数を制限してはならず,光ファイバ出射

の最大開口数以上で

SMB

及び

SMC

光ファイバに対しては

0.45

以上,

SMA

光ファイバに対しては

0.35

上の開口数でなければならない。

L.1.2

走査検出器

透過ニアフィールドパターンの各測定点でのパワーを測定するために適切な検出器を使用する。検出器

は光強度に対して線形でなければならない。適切なニアフィールドパターンの分解能(標準的にニアフィ

ールドパターンに沿って

100

点以上で,光ファイバの公称の

MFD

の約

3

倍の値)をもつ走査装置(機械

式又は電気式)を用いる。例えば,次に示す方法を用いることができる。

a

)

固定ホトディテクタ。ニアフィールドは,ピグテール光ファイバによって走査する。

b

)

ビジコン,電荷結合素子

 (CCD)

又は他のパターン若しくは強度検出装置

それらの装置は,正確な位置に設置する。


38

C 6825

:2009

a

)

  機械的走査

b

)

  電気的走査

図 L.1−ニアフィールド走査法測定系構成

L.1.3

検出電気回路

信号レベルを増幅するために適切な電気回路が使用される。使用する方法に従って電気回路の帯域を選

択する。機械的又は光学的に光ファイバを走査するとき,光源を変調するのが通例である。そのような手

順を使用する場合,増幅器(例えば,ロックインアンプ)を光源変調周波数に同期させる。電気的に走査

する場合には,適切なビデオ解析装置及びニアフィールドパターンを自動的に走査しデータ収集・処理を

行う装置を用いる。

L.2

手順

L.2.1

7.2

に記載された測定系を準備し,光ファイバを入出力のホルダーに設置し,走査検出器の面に結像する

ように拡大光学系に対して正確な距離に調整をする。ニアフィールドパターンのコントラストを最大にす

ることによって,正しい焦点に合わせることができる。

L.2.2

走査が機械的であるか又は電気的であるかによって,それぞれ,走査光ファイバを動かし位置に対する

検出強度を記録し拡大されたニアフィールドパターンを走査するか,又はビデオ解析装置によるニアフィ

ールドパターンの解析を行う。

光源

入射光学系

高次モード

フィルタ

クラッドモード

除去器

被測定光ファイバ

ファイバ

位置調整器

拡大光学系

ビジコン

又は CCD

モニタ又は

ビデオ解析器

コンピュータ

光源

入射光学系

高次モード

フィルタ

クラッドモード

除去器

被測定光ファイバ

ファイバ

位置調整器

拡大光学系

検出器平面

ピグテール

ファイバ

検出器

ロックイン

アンプ

コンピュータ

データ


39

C 6825

:2009

L.2.3

拡大率及び L.3 による正確な半径座標

r

を考慮して求められた光ファイバ出射端面でのニアフィールド

パターン

( )

r

f

2

から

MFD

の値を計算する。

L.2.4

定期的に走査装置に接続した拡大光学系の拡大率を測定する。適切に校正された回折格子を用いて初期

校正を行い,定期的に適切な精度で寸法の分かっている光ファイバ端面のニアフィールドパターンを走査

することによって点検を行う。

L.3

計算

L.3.1

重心の計算

測定で得られた最も拡大されたニアフィールドパターンの断面積から,次のように重心を計算する。

( )

( )

=

i

2

i

2

i

c

r

f

r

f

r

r

 (L.1)

ここに,

r

c

重心位置

r

i

距離

( )

i

2

r

f

強度値

L.3.2

強度分布

(L.1)

で求められた重心の周りに,位置及び強度データを指標付けし直し,重心より大きい位置は,

プラス,小さい位置は,マイナスとする。指標の最大値は,

n

とする。重心で折り返された強度分布は,

次のようになる。

( )

( )

( )

+

=

2

i

2

i

2

i

2

f

r

f

r

f

r

f

 (L.2)

ここに,

f

f

2

(r

i

)

折り返された強度値

)

(

i

2

r

f

強度値

L.3.3

積分の計算

最適な数値積分技術を用いて,式

(15)

の積分を計算する。次に例を示す。式

(15)

の分子及び分母の積

分を次のように計算する。

( )

=

n

dr

r

f

r

T

0

i

2

f

i

 (L.3)

ここに,

T

(15)

の分子の積分

r

i

距離

f

f

2

(r

i

)

折り返された強度値


40

C 6825

:2009

( )

⎥⎦

⎢⎣

=

n

dr

dr

r

df

r

B

0

i

f

i

 (L.4)

ここに,

  B

(15)

の分母の積分

  i>0

に対して

df

f

(r

i

)=f

f

(r

i

)

f

f

(r

i

1)

  i

0

に対して

df

f

(r

i

)=0

  dr

(r

1

r

0

)

注記

データは,微分を計算するために曲線に近似してもよい。

L.3.4

算出の完了

B

T

W

2

2

2

MFD

0

=

=

 (L.5)

ここに,

  2W

0

MFD (μm)

T

(L.3)

から得られる値

B

(L.4)

から得られる値


41

C 6825

:2009

附属書 M

規定)

モードフィールド径試験方法 D

−OTDR

による双方向後方散乱法−における要求事項

序文

この附属書は,モードフィールド径試験方法

D

における要求事項について規定する。

この方法は,光ファイバ両端面から

OTDR

による双方向後方散乱光測定結果を用いた

MFD

の計算方法

である。この測定は,光ファイバ端の

MFD

が既知の基準光ファイバと比較する方法である。このとき基

準光ファイバは,クラッドが整合した

SMA

光ファイバのような被測定光ファイバと同様のシングルモー

ド構造でなければならない。異なる構造の基準光ファイバを用いて任意の光ファイバの特性を求めるとき

には,経験的な換算がよく使用される。この換算は,ファイバ構造の組合せに特有のものである。

OTDR

の測定では,基準光ファイバ及び被測定光ファイバの接続点で波形の直線性のひずみがあるため,接続点

での

MFD

値の精度が制限される。この特性は多くの場合,測定器製造業者によって規定されている。典

型的な

OTDR

の強度分解能は,損失係数測定に対しては十分であるが,光ファイバ全長にわたって正確な

MFD

特性を満足するほど厳密ではない。

MFD

を特徴付けるためには,双方向の後方散乱波形が必要であ

る。この方法は光ファイバ製造過程で最もよく使用され,そのような状況では光ファイバ構造は既知であ

る。

M.1

装置

M.1.1

OTDR

装置は,JIS C 6823 に記載されている。

OTDR

の実際の中心波長を,

2 nm

以内で報告するのが望ましい。

波長帯

1 310 nm

及び

1 550 nm

では

2.5 nm

の中心波長の誤差が

MFD

の誤差として

0.025 μm

となる。

M.1.2

附属のスイッチ

この測定をより効率的にするために,様々な光学スイッチ構成を使用することができる。

図 M.1 は,双

方向後方散乱測定を行うために,二波長のレーザを持つ

OTDR

が使用されている例を示している。二つの

基準光ファイバは被測定光ファイバの両端での特性値を定めている。

図 M.1−光学スイッチ構成

注記

図 M.1 には,突き合わせ接続を示している。結合は,測定時間にわたって安定でなければなら

ない。

1310nm/1550nm

OTDR

光学スイッチ

基準光ファイバA

基準光ファイバB

接続部A

接続部B

被測定

光ファイバ


42

C 6825

:2009

M.1.3

附属のコンピュータ

接続部の損失を見積もるためコンピュータの使用が望ましい。

M.1.4

試験試料

試料はシングルモード光ファイバで,リールに巻かれている光ファイバ素線又は光ファイバケーブルで

あり,

OTDR

のデッドゾーン以上の十分な長さ(又はダミー光ファイバが必要)で,試料の両端に接続す

ることが可能でなければならない。JIS C 6823 

OTDR

による後方散乱試験法が記載されている。

M.1.5

基準試料

一種類以上の波長で

MFD

が測定されたシングルモード光ファイバを用いる。被測定光ファイバの両端

に二つの基準光ファイバを接続して用いる。基準光ファイバは,被測定光ファイバと概して同じ構造で

OTDR

のデッドゾーンを避けることのできる長さである。基準光ファイバが被測定光ファイバと異なる構

造であるときは,この方法で得られた値の換算値並びに,

附属書 J,附属書 及び附属書 に示した方法

(方法

A

,方法

B

又は方法

C

)で得られた値は一致しなければならない。

M.2

手順

M.2.1

方向及び表記

この方法は,

図 M.1 の位置

A

の特性を規定している。これは,位置

B

の特性に対しては反転する。位

A

における後方散乱損失は,一種類以上の波長の入力光を基準光ファイバ

A

及び基準光ファイバ

B

入射して測定する。この手順に対して,次の表記を使用する。

λ

j

:測定波長

RFA

:基準光ファイバ

A

RFB

:基準光ファイバ

B

L

A

(λ

j

)

:基準光ファイバ

A

から

λ

j

の光を入射したときの接続点

A

での損失

L

B

(λ

j

)

:基準光ファイバ

B

から

λ

j

の光を入射したときの接続点

A

での損失

W

A

(λ

j

)

:基準光ファイバ

A

の末端での波長

λ

j

での

MFD

W

S

(λ

j

)

:この方法で測定された試料の波長

λ

j

での

MFD

図 M.2 及び図 M.3 は,二つの後方散乱波形においてこれらの損失値を示している。

図 M.2−基準光ファイバ からの測定


43

C 6825

:2009

図 M.3−基準光ファイバ からの測定

M.2.2

接続点

A

での損失は,JIS C 6823 を使用して

RFA

から波長

λ

1

の光を入力して測定する。結果は,

L

A

(λ

1

)

として記録する。

RFB

から波長

λ

1

の光を入力した場合の接続点

A

での損失も同様にして測定する。結果

は,

L

B

(λ

1

)

として記録する。

M.3

計算

M.3.1

基準光ファイバの MFD

基準光ファイバ

A

MFD

は,必要とされる各波長で測定する。

M.3.2

被測定光ファイバの MFD の計算

必要とされる各波長

λ

j

に対して,

RFA

及び

RFB

から測定した損失の差を次の式で計算する。

( ) ( ) ( )

j

B

j

A

j

λ

λ

λ

L

L

ΔL

=

(M.1)

λ

j

における光ファイバの

MFD

は,次の式で計算される。

( )

( )

( )

[

]

20

/

j

j

j

j

A

j

S

10

f

L

g

W

W

+

=

λ

Δ

λ

λ

(M.2)

パラメータ g

j

及び f

j

を用いることで結果が補正される。任意のファイバ構造に対して,値を最適化する

g

j

及び f

j

は,実験的に定める。補正が必要でない場合には,g

j

及び f

j

は,それぞれ 1 と 0 に定める。

M.3.3

確認

図 M.4 は,確認のためのプロットを示している。方法 B(バリアブルアパーチャ法)及びこの方法によ

って,様々な構造の複数の光ファイバ試料を測定している。試料は広い MFD 及びカットオフ波長の領域

をカバーしなければならない。この方法での測定値が,方法 B での測定値に対してプロットしてあり,本

質的に線形な関係があることを示している。直線の傾きは 1 に近く,切片はゼロに近くなる。傾きが 1 で

ない場合にその状態を調べる最もよい方法は,各試料の二つの測定法での測定値の差とその差の全試料で

の平均値との相関を調べることである。もし相関が大きくないなら,傾きは 1 から有意な差はない。

この測定方法並びに

附属書 J,附属書 及び附属書 に示した方法(方法 A,方法 B 又は方法 C)との

間の測定値の差 d

i

は,各試料に対して計算される。指数 i は 1 から N をとる。これらの測定法での差から


44

C 6825

:2009

ヒストグラムが作られ,これらの値の平均値 及び標準偏差 σ

d

が計算される。経験的な精度は,次のよう

になる。

N

d

B

d

2

σ

+

=

(M.3)

図 M.4 における二つの測定法での測定値の差 は,図中に示している。

注記  が大きい,すなわちこの規格で定めた他の二つの方法で測定した場合に予想される測定値の

差よりも大きいならば,計算又は手順の再考を勧める。典型的な の最大値は 0.1 μm である。

図 M.4−確認例−測定法比較

OTDR

による

MFD

 (

μm)

7

7

7.5

7.5

8.5

8.5

9.5

9.5

10

10

9

9

8

8

B=0.019

N=145

σ

d

/

N=0.007

平均値 d=−0.005

標準偏差 σ

d

=0.086

平均値d

=−0.005

バリアブルアパーチャ法による MFD (μm)

007

.

0

/

d

=

N

σ


45

C 6825

:2009

附属書 N 

規定)

サンプルデータセット及び計算値

序文

この附属書は,サンプルデータセット及び計算値について規定する。

次の表に,サンプルデータ及び

附属書 J,附属書 及び附属書 で計算された結果を示す。

N.1

方法 A−ファーフィールド走査法による MFD

表 N.1−サンプルデータ方法 A(ファーフィールド走査法)による MFD

角度(°)

強度

角度(°)

強度

0.000 
0.495 
0.990 
1.485 
1.980

2.475 
2.970 
3.465 
3.960 
4.455

4.950 
5.445 
5.940 
6.435 
6.930

7.425 
7.920 
8.415 
8.910

1.000 00 
0.986 26 
0.944 69 
0.881 28 
0.802 91

0.713 44 
0.621 16 
0.533 03 
0.452 02 
0.378 06

0.313 73 
0.258 48 
0.211 16 
0.171 70 
0.139 50

0.113 30 
0.091 99 
0.074 47 
0.060 09

 9.405 
 9.900 
10.395 
10.890 
11.385

11.880 
12.375 
12.870 
13.365 
13.860

14.355 
14.850 
15.345 
15.840 
16.335

16.830 
17.325 
17.820 
18.315

0.048 47 
0.039 11 
0.031 55 
0.025 58 
0.020 59

0.016 59 
0.013 35 
0.010 77 
0.008 65 
0.006 97

0.005 59 
0.004 47 
0.003 56 
0.002 83 
0.002 24

0.001 79 
0.001 45 
0.001 13 
0.000 87


46

C 6825

:2009

N.2

方法 B−バリアブルアパーチャ法による MFD

計算方法の詳細によって,計算値で 0.01 μm のオーダーの差を生じる。

表 N.2−サンプルデータ方法 B(バリアブルアパーチャ法)による MFD

θ

i

(°)

強度

θ

i

(°)

強度

1.273 
2.201 
2.930 
3.820

4.631 
5.403 
6.271 
7.107

7.776 
8.663 
9.558

0.085 72 
0.208 64 
0.312 50 
0.423 22

0.509 08 
0.567 77 
0.613 60 
0.646 90

0.667 85 
0.686 43 
0.699 63

10.367 
11.172 
11.944 
13.216

14.879 
16.671 
18.275 
20.042

21.788 
23.478

0.708 23 
0.714 50 
0.719 71 
0.725 10

0.729 71 
0.733 06 
0.734 74 
0.735 82

0.735 84 
0.736 16

注記  波長:1 300 nm

MFD 計算値:8.163 μm

N.3

方法 C−ニアフィールド走査法による MFD

サンプルデータセット及び計算された MFD 値を

表 N.3 に示す。

表 N.3−方法 C(ニアフィールド走査法)による MFD

(μm)

2

(r)/I(0)

(μm)

2

(r)/I(0)

0.000 
1.082 
2.163 
3.245 
4.327

5.409 
6.490 
7.572 
8.654 
9.736

1.000 00 
0.890 27 
0.635 61 
0.350 31 
0.166 87

0.078 26 
0.037 35 
0.017 52 
0.008 72 
0.004 33

10.817 
11.899 
12.981 
14.063 
15.144

16.226 
17.308 
18.389 
19.471 
20.553

0.001 97 
0.000 88 
0.000 36 
0.000 15 
0.000 06

0.000 02 
0.000 00 
0.000 00 
0.000 00 
0.000 00

注記  波長:1 300 nm

MFD 計算値:10.76 μm


47

C 6825

:2009

附属書 JA

参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS C 6825 : 2009

  光ファイバ構造パラメータ試験方法−光学的特性

IEC 60793-1-1 : 2002

,Optical fibres−Part 1-1 : Measurement methods and test

procedures−General and guidance

IEC 60793-1-43 : 2001

,Optical fibres−Part 1-43 : Measurement methods and test

procedures−Numerical aperture

IEC 60793-1-44 : 2001

,Optical fibres−Part 1-44 : Measurement methods and test

procedures−Cut-off wavelength

IEC 60793-1-45 : 2001

,Optical fibres−Part 1-45 : Measurement methods and test

procedures−Mode field diameter

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ) 国際規格の規定

(Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇条番号及び

名称

内容

(Ⅱ)

国際規格 
番号

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ) JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

3  光 フ ァ イ バ
の種類

IEC 

60793-1-1 

8

JIS

にほぼ同じ

追加

JIS

体系に従った形名を使用

している。

JIS

では従来からの整合性を整

えるため,

日本において普及した

名称を使用している。

4  試験状態

IEC 

60793-1-1 

5

JIS

にほぼ同じ

追加

標準大気条件を規定

現場測定の条件を考慮している。

5  開 口 数   (NA)
の試験方法

IEC 

60793-1-43

3 , 4 , 6
∼10

JIS

にほぼ同じ

追加

全プラスチックマルチモード

光ファイバに対する試験方法
を追加

JIS

では日本において従来から

採用されている試験方法を考慮
している。

附属書 A, B (規
定)

開口数試験装
置について規

IEC 

60793-1-43

5

JIS

にほぼ同じ

追加

全プラスチックマルチモード
光ファイバに対する試験方法
を追加

JIS

では日本において従来から

採用されている試験方法を考慮
している。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60793-1-1 : 2002,IEC 60793-1-43 : 2001,IEC 60793-1-44 : 2001,IEC 60793-1-45 : 2001,MOD

47

C

 682

5


2

009

47

C

 682

5


20
0

9


48

C 6825

:2009

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

48

C

 682

5


2

009

48

C

 682

5


20
0

9