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C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

2

3  用語及び定義  

2

4  製造上の要求条件  

5

4.1  一般的条件  

5

4.2  OFCS の保護きょう体  

6

4.3  光ファイバケーブル  

6

4.4  光ケーブルコネクタ  

6

4.5  自動パワー減衰及び再始動パルス 

7

4.6  ラベリング又はマーキング  

8

4.7  組織に対する要求条件  

12

4.8  ハザードレベルの評価  

14

4.9  区域の種別によるハザードレベルの要求条件  

15

附属書 A(参考)理論的根拠  

16

附属書 B(参考)光ファイバ通信システム(OFCS)内の区域別要求条件の要約  

18

附属書 C(参考)危険及び安全性分析の方法  

19

附属書 D(参考)OFCS の安全使用に関する適用指針  

20

附属書 E(参考)サービス及び保守のための手引  

44

附属書 F(参考)“ハザードレベル”の意味の明確化  

46


C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。これによって,JIS C 6803:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

6803

:2013

(IEC 60825-2

:2010

)

レーザ製品の安全−光ファイバ通信システムの安全

Safety of laser products-Safety of optical fiber communication systems

序文 

この規格は,2010 年に第 3.2 版として発行された IEC 60825-2 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,光ファイバ通信システム(以下,OFCS という。

)の安全な運転及び保守のための要求事項

及び具体的な指針について規定する。このシステムにおいては,送信装置の囲いの外で,又は光源から遠

いところで,光パワーに被ばくする可能性がある。

この規格は,JIS C 6802 に規定するクラス分けに代わるものとして,被ばくする可能性がある場所での

ハザードレベルの評価を規定している。この規格は,光放射を発生又は増幅するコンポーネント及びサブ

アセンブリを含めて,完全に据え付けられたエンドツーエンド OFCS に適用する。最終的なエンドツーエ

ンド OFCS が,この規格の適用を受けるため,OFCS に組み込まれ,かつ,OEM 業者だけに販売されてい

る個々のコンポーネント及びサブアセンブリについては,この規格は適用しない。

注記 1  この記述は,コンポーネント又はサブアセンブリの製造業者がこの規格の適用を希望する場

合,又は契約でこの規格の適用を要求する場合,この規格の適用を妨げることを意図するも

のではない。

この規格は,主に材料加工用又は医療用として光パワーを送るために設計した光ファイバシステムには

適用しない。

OFCS は,レーザ放射によって生じる危険があるほか,その他の危険(例えば,火災)を起こすことが

ある。

この規格は,爆発性環境に配置された OFCS による爆発又は火災に関する安全問題は取り扱わない。こ

の規格では,用語“レーザ”には,発光ダイオード(LED)及び光増幅器も含める。

注記 2  光ファイバから放射される光によるハザードは,放射される光の波長,パワー及び光ファイ

バの光学的な特性によって定まる(

附属書 参照)。

この規格の目的は,次のとおりである。

− OFCS から生じる光放射から人々を保護する。

−  適切な予防措置を講じることができるように,手順を確立し,情報を提供するために,製造業者,設

置業者,サービス組織及び運用組織に対する要求事項を規定する。

− OFCS に付随した潜在的危険に関して,標識,ラベル及び指示書を用いて,個人に対して適切な警告

を行う。


2

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

この規格に関する,より詳細な理論的根拠を,

附属書 に示す。

OFCS の安全は,そのシステムを構成する装置の特性に大きく依存する。装置の特性によっては,安全

関連の情報を製品に表示するか又は指示書に含めてもよい。

潜在的な危険性のレベルに応じて,設置業者,エンドユーザ・運用組織,又はこの両者は,これらのシ

ステムの安全な配置及び使用に対し責任を負う。この規格は,据付け及びサービス業務に関しては設置業

者及び運用組織に,また,運転及び保守業務に関してはエンドユーザ又は運用組織に,それぞれ安全指示

を遵守するように責任を課す。この規格の使用者は,上記の製造業者,設置業者,エンドユーザ,又は運

用組織の一つ以上のカテゴリに分類できる。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60825-2:2010,Safety of laser products−Part 2: Safety of optical fibre communication systems

(OFCS)(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 6802  レーザ製品の安全基準

注記  対応国際規格:IEC 60825-1:2007,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and

requirements(IDT)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 6802 によるほか,次による。

3.1

被ばくする可能性がある区域(accessible location)

OFCS 内において,合理的に予見可能な事象の下で,人体が,工具を用いず,レーザ放射に被ばくする

危険性のある場所又は区域。

3.2

自動パワー減衰,APR(automatic power reduction)

光ファイバケーブルの切断など,人体がレーザ放射にさらされる可能性のある事象が発生するたびに働

き,特定時間内に,特定レベルまで,被ばくする可能性があるパワーを減少させる OFCS の一つの機能。

注記  この規格で使用する“自動パワー減衰(APR)”という用語には,国際電気通信連合(International

Telecommunication Union: ITU)の勧告で使用する,次の定義を含む。

−  オートマチックレーザシャットダウン[automatic laser shut-down (ALS)]

−  オートマチックパワーリダクション[automatic power reduction (APR)]

−  オートマチックパワーシャットダウン[automatic power shut-down (APSD)]

3.3

エンドユーザ(end-user)

OFCS を本来の使用方法によって使用する個人又は団体。

注記 1  エンドユーザは,システム内で発生する又は伝送されるパワーを必ずしも制御できるとは限


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C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

らない。

注記 2  製造業者が意図する以外の方法で,人又は組織が,通信用途のために OFCS を使用する場合,

その人又は組織は,製造業者又は設置業者としての責任を負う。

3.4

ハザードレベル(hazard level)

OFCS 内の全ての被ばくする可能性がある区域における潜在的な危険性のレベル。これは,例えば,光

ファイバケーブル切断時のように合理的に予見可能な事象の下で,被ばくする可能性がある光放射レベル

に基づく。これは,JIS C 6802 のレーザのクラス分け手順に密接に関連する。

3.5

ハザードレベル 1(hazard level 1)

合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス 1 の被ばく放出限界

(以下,AEL という。

)を超えるレーザ放射に人体がさらされることのない,OFCS 内の任意の被ばくする

可能性がある区域に設定されるレベル。放射レベルは,クラス 1 レーザ機器のための測定条件(JIS C 6802

参照)を用いて測定する。ただし,条件 2 については,4.8.1 に規定する測定条件を用いる。

3.6

ハザードレベル 1M(hazard level 1M)

合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス 1 の AEL を超えるレ

ーザ放射に人体がさらされることのない,OFCS 内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定されるレ

ベル。放射レベルは,クラス 1M レーザ機器のための測定条件(JIS C 6802 参照)を用いて測定する。た

だし,条件 2 については,4.8.1 に規定する測定条件を用いる。

注記  ハザードレベル 1M の適用限界が 2 又は 3R の限界より大きく,かつ,3B の限界よりも小さい

場合は,ハザードレベル 1M を採用する。

3.7

ハザードレベル 2(hazard level 2)

合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス 2 の AEL を超えるレ

ーザ放射に人体がさらされることのない,OFCS 内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定されるレ

ベル。放射レベルは,クラス 2 レーザ機器のための測定条件(JIS C 6802 参照)を用いて測定する。ただ

し,条件 2 については,4.8.1 に規定する測定条件を用いる。

注記  ハザードレベル 1M の適用限界が 2 の限界より大きく,かつ,3B の限界より小さい場合は,ハ

ザードレベル 1M を採用する。

3.8

ハザードレベル 2M(hazard level 2M)

合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス 2 の AEL を超えるレ

ーザ放射に人体がさらされることのない,OFCS 内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定されるレ

ベル。放射レベルは,クラス 2M レーザ機器のための測定条件(JIS C 6802 参照)を用いて測定する。た

だし,条件 2 については,4.8.1 に規定する測定条件を用いる。

注記  ハザードレベル 2M の適用限界が 3R の限界より大きく,かつ,3B の限界より小さい場合は,

ハザードレベル 2M を採用する。

3.9

ハザードレベル 3R(hazard level 3R)


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:2013 (IEC 60825-2:2010)

合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス 3R の AEL を超える

レーザ放射に人体がさらされることのない,OFCS 内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定される

レベル。放射レベルは,クラス 3R レーザ機器のための測定条件(JIS C 6802 参照)を用いて測定する。

ただし,条件 2 については,4.8.1 に規定する測定条件を用いる。

注記  ハザードレベル 1M 又は 2M の適用限界が 3R の限界より大きく,かつ,3B の限界より小さい

場合は,ハザードレベル 1M 又は 2M を採用する。

3.10

ハザードレベル 3B(hazard level 3B)

合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス 3B の AEL を超える

レーザ放射に人体がさらされることのない,OFCS 内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定される

レベル。放射レベルは,クラス 3B レーザ機器のための測定条件(JIS C 6802 参照)を用いて測定する。

ただし,条件 2 については,4.8.1 に規定する測定条件を用いる。

3.11

ハザードレベル 4(hazard level 4)

合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス 3B の AEL を超える

レーザ放射に人体がさらされる可能性のある,OFCS 内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定され

るレベル。放射レベルは,クラス 3B レーザ機器のための測定条件(JIS C 6802 参照)を用いて測定する。

ただし,条件 2 については,4.8.1 に規定する測定条件を用いる。

注記  この規格は,OFCS の運転及び保守に適用される。光伝送路に触れるおそれのある人に対して

適切な安全レベルを達成するために,この規格ではハザードレベル 4 は認めていない。通常の

運転条件下(例えば,光ファイバ線路に障害がない条件下)で伝送されるパワーが,特定の場

所ごとに許容された値を超える場合には,要求されるハザードレベルを達成するために,自動

パワー減衰のような保護システムの使用が認められる。例えば,通常の運転条件下で光ファイ

バを伝送するパワーがクラス 4 であっても,OFCS の被ばくする可能性がある場所におけるハ

ザードレベルをハザードレベル 1 とすることが可能である。

3.12

設置業者(installation organization)

OFCS の設置に責任がある組織又は個人。

3.13

接近が管理された区域,管理区域(location with controlled access, controlled location)

適切なレーザ安全訓練を受けた認定要員以外は接近できないように,技術的又は管理的手段が施された

区域。

注記  例えば,D.2.1 a)を参照。

3.14

接近が制限された区域,制限区域(location with restricted access, restricted location)

技術的又は管理的手段によって一般大衆は通常接近できないが,レーザ安全訓練を受けていないが特別

に許可された人は接近可能な区域。

注記  例えば,D.2.1 b)を参照。

3.15

接近が制限されない区域,非制限区域(location with unrestricted access, unrestricted location)


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一般大衆による接近を制限する手段が存在しない区域。

注記  例えば,D.2.1 c)を参照。

3.16

製造業者(manufacturer)

OFCS を構築又は改造するため,光デバイス及びその他の部品を組み立てる組織又は個人。

3.17

運用組織(operating organization)

OFCS の運用に責任をもつ組織又は個人。

3.18

光ファイバ通信システム,OFCS(optical fiber communication system)

光ファイバを用いて通信及び/又は制御を目的とした伝達を行うものであって,レーザ,LED 又は光増

幅器による光放射を発生,伝達及び受信するためのエンドツーエンドの技術的な集合体。

3.19

合理的に予見可能な事象(reasonably foreseeable event)

事象の発生が,与えられた環境下でかなりの程度で正確に予測でき,その発生確率又は頻度が,低くな

い又は大幅には低くない事象。

注記  合理的に予見可能な事象の例には,光ファイバケーブルの切断,光コネクタの外れ,運用者の

安全操作に対する過誤又は不注意がある。

無謀な使用及び完全に不適正な目的への使用は,合理的に予見可能な事象とはみなさない。

3.20

サービス組織(service organization)

OFCS のサービスについて責任をもつ組織又は個人。

3.21

サブアセンブリ(subassembly)

光送信器又は光増幅器を内蔵する OFCS の個別ユニット,サブシステム,ネットワークエレメント,又

はモジュール。

製造上の要求条件 

4.1 

一般的条件 

この箇条では,合理的に予見可能な事象の結果として被ばくする可能性がある光放射から生じるハザー

ドに従って,

OFCS 及びこれらのシステムが動作する区域の種別に対する規制を規定する。OFCS に関して,

一つ以上の変更をする場合,その変更に責任がある組織は,それぞれの変更がハザードレベルに影響する

かどうかを決定しなければならない。ハザードレベルが変わる場合,その変更に責任のある組織は,この

規格への適合を引続き保証するために,被ばくする可能性がある区域のラべリングを見直さなくてはなら

ない。

OFCS 内の被ばくする可能性がある区域は,その区域でのハザードレベルを決定するために,個々に評

価する。一つの区域に複数の通信システムがある場合には,その区域のハザードレベルは,それらのシス

テムから生じる最大のハザードレベルでなければならない。この規格への適合を保証するため,決定した

ハザードレベルに基づいて,適切な措置を取らなければならない。これらの措置には,例えば,その区域

への接近の制限,安全措置の実施,ハザードレベルを下げるための光通信システムの再設計などを含む。


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まだ OFCS に組み込まれていない能動コンポーネント及びサブアセンブリ単体の供給業者は,箇条 

該当する部分だけ適用すればよい。

電力も伝達する OFCS は,適用する全ての電気規格に加えて,この規格の要求条件も満足しなければな

らない。

注記  ハザードレベルを決定するときには,次の二つの指標を考慮するのがよい。

1) OFCS からの放射に人体が被ばくすることが合理的に予見可能な区域において露光量を決

定する場合,自動パワー減衰があるときはそれが動作するのに要する時間も含めて,最大

許容露光量(以下,MPE という。

)を評価する。OFCS が自動パワー減衰を組み込んでいな

い場合,この 1)に適合していれば,追加調査又は試験なしで,次の 2)に自動的に適合して

いるものとみなす。要求事項は,4.8.2 に規定している。

2)  合理的に予見可能な事象(例えば,光ファイバ切断)によってレーザ放射の被ばくの可能

性が生じた後では,OFCS が動作できる最大許容光パワーを評価する。自動パワー減衰の

結果,この値は正常動作時の光ファイバ内の光パワーより低くすることができる。要求事

項は,4.8.1 に規定している。

4.2 OFCS の保護きょう体 

各 OFCS は,設置したときに,通常の運用条件下で,ハザードレベル 1 の限界を超えるレーザ放射の人

体への被ばくを防止する保護きょう体をもたなければならない。

4.3 

光ファイバケーブル 

OFCS 内の被ばくする可能性がある区域での潜在的な危険性が,ハザードレベル 1M,2M,3R 又は 3B

である場合,光ファイバケーブルは,その実際の場所に適した機械的特性をもたなければならない。いろ

いろな場所に適したケーブルは,IEC 60794 規格群に規定されている。必要な場合,ケーブルが損傷を受

けやすい場所には,追加の保護(例えば,ダクト,導管又は配線管)も要請されることがある。

4.4 

光ケーブルコネクタ 

光ケーブルコネクタに関する 4.4.14.4.3 の要求事項は,光コネクタの機械的設計,光コネクタの位置決

め,又はその他の適切な手段によって満たすことができる。いかなる手段を選択する場合であっても,対

応する区域における光コネクタからの許容値を超えるレーザ放射が,人体へ被ばくすることを防止しなけ

ればならない。

注記  光コネクタを外すときに工具を必要とすることは,機械的な解決策の一例である。

4.4.1 

非制限区域 

非制限区域において,被ばくする可能性がある放射レベルが次のいずれかのハザードレベルを超える場

合は,適切な手段で光コネクタからのレーザ放射による被ばくを制限しなければならない。

−  波長が 400 nm∼700 nm の場合,ハザードレベル 2

−  その他の場合,ハザードレベル 1

注記  非制限区域における,許容される最も高いハザードレベルは,波長が 400 nm∼700 nm の場合

ハザードレベル 2M で,その他の場合ハザードレベル 1M である(4.9.1 参照)

4.4.2 

制限区域 

制限区域において,被ばくする可能性がある放射レベルが次のいずれかのハザードレベルを超える場合

は,適切な手段で光コネクタからのレーザ放射による被ばくを制限しなければならない。

−  波長が 400 nm∼700 nm の場合,ハザードレベル 2M

−  その他の場合,ハザードレベル 1M


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注記  制限区域における,許容される最も高いハザードレベルは,1M,2M 又は 3R のいずれか高い

ほうである(4.9.2 参照)

4.4.3 

管理区域 

管理区域において,被ばくする可能性がある放射レベルが次のいずれかのハザードレベルを超える場合

は,適切な手段で光コネクタからのレーザ放射による被ばくを制限しなければならない。

−  波長が 400 nm∼700 nm の場合,ハザードレベル 2M

−  その他の場合,ハザードレベル 1M

注記  管理区域における,許容される最も高いハザードレベルは,3B である(4.9.3 参照)。

4.5 

自動パワー減衰及び再始動パルス 

装置が,

適用されるハザードレベルを下げるために自動パワー減衰システムを使用する場合,

4.5.14.5.3

の条件にある制約の下で再始動しなければならない。さらに,自動パワー減衰は適切な信頼度をもつよう

に設計しなければならない(

注記 参照)。

注記 1  自動パワー減衰の信頼度計算の例は,D.5 に記載している。

注記 2  4.5.14.5.3 に規定している再始動までの間隔は,JIS C 6802 に規定するように波長に依存し

ている。

4.5.1 

自動再始動 

再始動を自動的に開始する場合,再始動プロセスのタイミング及びパワーが,システムの各々の被ばく

する可能性がある区域に割り当てられたハザードレベルを超えないように,制限しなければならない。

4.5.2 

導通が保証されている手動再始動 

再始動が手動によって開始され,通信路の導通が運用上の管理又はその他の手段によって保証されてい

る場合は,再始動プロセスのタイミング及びパワーは制限しない。

注記  この場合は,再始動プロセスのタイミング及びパワーは制限しないので,新しいハザード(例え

ば,火災)のリスクが増すことを考慮に入れて運用上の管理(又はその他の手段)を決定する

必要がある。これらの追加的な管理は,適切なサービス指示書に明文化することが重要である。

この再始動手順の期間中,被ばくする可能性がある区域での放射レベルが,あらかじめ設定したハザー

ドレベルを超える場合があるという事実を考慮して,運用上の管理(又はその他の手段)を決定する必要

があることを,製造業者は指示書に明記しなければならない。

4.5.3 

導通が保証されていない手動再始動 

再始動が手動によって開始され,通信路の導通が保証されていない場合は,再始動プロセスのタイミン

グ及びパワーが,システムの各々の被ばくする可能性がある区域に割り当てられたハザードレベルを超え

ないように,制限しなければならない。

4.5.4 

自動パワー減衰の無効化 

システムの手動再開による再始動が一時的に自動パワー減衰を無効にする場合,そのシステムは,運用

組織が適切な予防措置を取れるように,再始動の期間中,自動パワー減衰が作動不能になることを示さな

ければならない。次の条件を満足しない場合,ハザードレベルは,自動パワー減衰なしの伝送パワーを使

って判定しなければならない。

自動パワー減衰の無効化は,a)j)の条件を全て満足する場合に限り,クラス 3B 及び 4 の伝送パワーに

対して許可する。

a)  自動パワー減衰の無効化が,頻繁には行わないシステムの設置及びサービスに対してだけ必要とされ

ている。


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b)  自動パワー減衰の無効化が,ソフトウェアの命令又は手動のロックアウトキーシステムを介してだけ

行われる。

c)  自動パワー減衰の無効化がソフトウェアの命令によって行われる場合には,そのようなソフトウェア

には,不注意にシステムが無効化されないように,安全対策が組み込まれている。

d)  上記 c)のようなソフトウェアには,手順が継続される場合,自動パワー減衰が無効化されることを警

告する表示装置が組み込まれている。

e)  自動パワー減衰を無効にした状態での OFCS の連続運転が,適切な技術的手段によって防止されてい

る。

f)  自動パワー減衰を無効にした状態での装置の安全な使用に関する適切な指示が,文書に記載されてい

る。

g)  自動パワー減衰は,無効にした状態を恒久的に保持することができない。すなわち,自動パワー減衰

は自動的に再起動する(

注記 参照)。

h)  自動パワー減衰の無効化は,伝送装置だけで可能である(すなわち,通常,遠隔での自動パワー減衰

の無効化は許されない。

。ただし,自動パワー減衰を無効にする前に比べて,より高レベルの放射に

露光しそうな(遠隔地にいると思われる)者へ直接連絡する場合はその限りではない。

注記 1  ラマンシステムにおいては,受信端末からも高パワーが放射されることを考慮するのがよ

い。

i)

自動パワー減衰が無効になっている間は,明瞭な警告を継続的に表示する。

j)  無効になった自動パワー減衰をもつ高パワーシステムは,手動で起動又は再起動する。

高強度の光パワーを用いるシステムでは,遠隔地への信号の接続性を保証するために,必ず高パワーを

使用することが認識されている。

したがって,

訓練された者が規定した条件の下で実行する場合に限って,

システムの最初の起動時には高パワー(クラス 4)を使用することが許可される。

システムの接続性を保証するために[すなわち,システムの両端からの光パルス試験器(以下,OTDR

という。

)による接続性の試験を行うために]

,及び人体がクラス 3B 又はクラス 4 の放射に被ばくしない

ようにするために,あらゆる努力をしなければならない。これは厳格な運用上の管理によっても可能とな

る。

注記 2  特別に明白な記載がない限り,システム内の被ばくする可能性がある区域がハザードレベル

4 である場合には,エンドツーエンドの OFCS の運転を認めない。トランスミッタ,増幅器

などの伝送パワーがクラス 4 であり,自動パワー減衰が無効になった場合,その結果は,被

ばくする可能性がある区域におけるハザードレベル 4 での運転となる。それにもかかわらず,

ある条件では自動パワー減衰を無効にする必要性があり得るが,そのときは,これらの条件

は,クラス 4 のレーザ放射にさらされる確率が非常に低くなるように,十分に管理し,かつ,

時間を制限する必要がある。

注記 3  上記の条件 e)に関して,“適切な技術的手段”の一つの具体例は,自動パワー減衰の無効化を

必要とした最初の作業を完遂するのに十分な時間の経過後,速やかに自動パワー減衰を自動

的に再有効化する制御システムである。

注記 4  自動パワー減衰が再起動するのに適した時間として,1 時間が推奨されている。

4.6 

ラベリング又はマーキング 

4.6.1 

一般的要求事項 


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C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

開放時にハザードレベル 1 を超える光を放射する光コネクタ,スプライスボックス又はその他の部品に

は,その旨を(例えば,ラベル,スリーブ,タグ,テープなどで)マーキングしなければならない。その

情報は,

表 1,表 又は表 に規定する情報を含まなければならない。

光コネクタの着脱位置での被ばくする可能性がある放射がハザードレベル 1 又は 1M の場合,機器にマ

ーキングする代わりに,上記の情報を使用者への情報に含めてもよい。

マーキングは,黄色地に黒とする。製造業者又は運用組織が提供する資料にラベルを模写する場合,白

地に黒としてもよい。

マーキングのサイズは,明瞭に読める場合は,小さくしてもよい。レーザ機器又は光増幅器を含むサブ

アセンブリのラベリングは,サブアセンブリの製造業者が提供する責任がある。その他の全てのラベリン

グの提供は運用組織の責任である。

開放時に光放射へのアクセスを意図した光コネクタ,スプライスボックス又はその他の部品には,

表 1

表 又は表 に従って,必要に応じて,その旨を(例えば,ラベル,スリーブ,タグ,テープなどで)マ

ーキングしなければならない。

この規格で規定するマーキングに加えて,あるサブアセンブリは単独使用のために,JIS C 6802 に基づ

いたマーキングが必要になる場合がある。そのような場合,JIS C 6802 に規定するマーキングを追加する

か,又はこの規格に規定するマーキングで代用するかは,OFCS の製造業者の判断による。

表 1−非制限区域のマーキング

ハザードレベル

必要なマーキング−非制限区域

1

マーキングは不要

1M

マーキングは不要

a)

2

2M

3R

許容しない

3B

許容しない

注記  不可視レーザビームのハザードに関しては,4.6.5 を参照。 

a)

  光コネクタからの放射による被ばくは,適切な手段によってハザードレベル 1 に制限することを 4.4.1 に規定

している。光ファイバケーブルの機械的設計は,IEC 60794 シリーズ中の関連する規格に適合しなければな

らない(4.3 参照)

。したがって,ハザードレベル 1M の場合,マーキングは不要である。

b)

  JIS C 6802 の図 1(警告ラベル−危険シンボル)に従った警告ラベル(危険シンボル)

c)

  光源が発光ダイオードの場合,用語“レーザ”は“LED”に置き換えなければならない。

d)

  波長範囲が 400 nm∼700 nm の場合,用語“放射”を“光”に置き換えてもよい。

e)

  JIS C 6802 の図 2(説明ラベル)に従った説明ラベル(表記)。この表記に JIS C 6802 の図 に従った危険シ

ンボルを包含してもよい。

b)

e)

注意 

ハザードレベル 2M レーザ

c)

 放射

d)

ビームをのぞき込まないこと,また,減衰機能を 

もたない光学器具で直接ビームを見ないこと 

b)

e)

注意 

ハザードレベル レーザ

c)

 放射

d)

ビームをのぞき込まないこと 


10

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

表 2−制限区域のマーキング

ハザードレベル

必要なマーキング−制限区域

1

マーキングは不要

1M

マーキングは,非制限区域での光ケーブルコネクタへの要求事項(4.4.1 参照)が満たされない場

合にだけ,必要である。ただし,

注記 も参照。

2

2M

3R

3B

許容しない

注記 1  光コネクタの着脱位置での被ばくする可能性がある放射がハザードレベル 1 又は 1M の場合,例えば,機

器,光ファイバ,又は光コネクタにマーキングする代わりに上記を使用者への情報に含めてもよい。

注記 2  不可視レーザビームのハザードに関しては,4.6.5 を参照。 

a)

  JIS C 6802 の図 に従った警告ラベル

b)

  光源が発光ダイオードの場合,用語“レーザ”は“LED”に置き換えなければならない。

c)

  波長範囲が 400 nm∼700 nm の場合,用語“放射”を“光”に置き換えてもよい。

d)

  JIS C 6802 の図 に従った説明ラベル(表記)。この表記に JIS C 6802 の図 に従った危険シンボルを包含し

てもよい。

a)

d)

注意 

ハザードレベル 3R レーザ

b)

 放射

c)

ビームの被ばくを避けること 

a)

d)

注意 

ハザードレベル レーザ

b)

 放射

c)

ビームをのぞき込まないこと 

a)

d)

注意 

ハザードレベル 2M レーザ

b)

 放射

c)

ビームをのぞき込まないこと,また,減衰機能を 

もたない光学器具で直接ビームを見ないこと 

a)

d)

注意 

ハザードレベル 1M レーザ

b)

 放射

c)

減衰機能をもたない光学器具で直接ビームを 

見ないこと 


11

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

表 3−管理区域のマーキング

ハザードレベル

必要なマーキング−管理区域

1

マーキングは不要

1M

マーキングは不要

e)

2

2M

3R

3B

注記  不可視レーザビームのハザードに関しては,4.6.5 を参照 

a)

  JIS C 6802 の図 に従った警告ラベル

b)

  光源が発光ダイオードの場合,用語“レーザ”は“LED”に置き換えなければならない。

c)

  波長範囲が 400 nm∼700 nm の場合,用語“放射”を“光”に置き換えてもよい。

d)

  JIS C 6802 の図 に従った説明ラベル(表記)。この表記に JIS C 6802 の図 に従った危険シンボルを包含し

てもよい。

e)

  JIS C 6802 の図 に従った警告ラベルを用いて,光を出力する光コネクタを識別することが望ましい。

4.6.2 

光トランスミッタ及び光増幅器の光コネクタのマーキング 

光トランスミッタの製造業者及び光増幅器の製造業者は,光ファイバに接続する各光ポート又は光ポー

ト群(4.6.3 参照)に関して 4.6.1 の要求事項に従わなければならない。このような光トランスミッタ及び

光増幅器の光コネクタに対して,4.6.1 の要求事項を次のように変更する。

4.6.1 に従ってマーキングを要求する場合は,表 1,表 及び表 に規定する情報に波長領域を追加しな

ければならない。波長領域として望ましい値は,次のとおりである。

a)

d)

注意 

ハザードレベル 2M レーザ

b)

 放射

c)

ビームをのぞき込まないこと,また,減衰機能を 

もたない光学器具で直接ビームを見ないこと 

a)

d)

注意 

ハザードレベル 3B レーザ

b)

 放射

c)

ビームの被ばくを避けること 

a)

d)

注意 

ハザードレベル 3R レーザ

b)

 放射

c)

ビームの被ばくを避けること 

a)

d)

注意 

ハザードレベル レーザ

b)

 放射

c)

ビームをのぞき込まないこと 


12

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

− 400

nm∼700 nm

− 700

nm∼1 150 nm

−  1 200 nm∼1 400 nm

−  1 400 nm∼1 600 nm

1 150 nm と 1 200 nm との間は,正確な波長をマーキングしなければならない。

注記 1  1 150 nm と 1 200 nm との間で,C

7

の値(JIS C 6802 参照)は大きく変化する。

注記 2  例えば,ラマン増幅器の入力ポートは危険なレベルの光を放射する場合があり,そのレベル

に応じてラベル処理を行うのがよい。

注記 3  上記は波長領域の一例である。マーキングの波長領域は,例えば,1 300 nm∼1 600 nm のよ

うに,動作する実際の波長領域を含む場合がある。

4.6.3 

光コネクタ群のマーキング 

パッチパネルのような光コネクタ群については,各光コネクタに個々にマーキングするのに代えて,明

瞭に見える一つのハザードレベルをマーキングすることによって,グループとしてマーキングすることが

できる。光コネクタの 1 グループが箱に入れられており,箱の中の光コネクタにアクセスすることによっ

て,ハザードレベル 1M より高い放射の被ばくが合理的に予見可能な場合は,箱が開かれる前及び後の両

方において明瞭に見えるようにマーキングしなければならない。したがって,二つ以上のマーキングが必

要となる場合もある。

表 1∼表 では,ハザードレベル 1M 及び 2M に関して,危険性の増大をもたらすおそれのある光学器

具類(例えば,

“双眼鏡又は望遠鏡”又は“拡大鏡”

)は,意図的に考慮していない[JIS C 6802 の箇条 5

(ラベル)参照]

4.6.4 

耐久性−安全マーキングの消失防止要求条件 

マーキングは全て耐久性があり,明瞭に判読できなければならない。マーキングの耐久性については,

通常の使用の影響を考慮しなければならない。

適合性は,目視検査,及び水に浸した布片を用いて 15 秒間マーキングを手でこすり,その後再び,軽油

に浸した布片で 15 秒間こすることによって試験する。この試験の後,マーキングは読取り可能であり,容

易には剝がれず,めくれることがあってはならない。

試験に使用する軽油は,体積分率 0.1 %の最大芳香族含有量,29 のカウリブタノール価,約 65  ℃の初

留点,約 69  ℃の乾点,及び約 0.7 kg/L の単位体積当たりの質量をもつ脂肪族溶剤ヘキサンとする。

注記  これらの要求事項及び試験は,IEC 60950-1[13]

1)

 の 1.7.13 に規定する内容と一致している。

1)

  角括弧内の数字は,参照する参考文献の番号を示す。

4.6.5 

不可視放射の警告 

レーザ出力の波長が可視の波長範囲 400 nm∼700 nm にない場合,

表 1,表 及び表 中のラベルにある

用語“

レーザ放射”は“不可視レーザ放射”と読み替え,又は,レーザ出力の波長がこの波長範囲の内側

及び外側の両方にある場合,

可視及び不可視レーザ放射”と読み替えなければならない。製品が可視レ

ーザ放射のレベルを基準にしてクラス分けされ,かつ,クラス 1 の AEL を超える不可視レーザ放射も出力

する場合,ラベルは用語“

レーザ放射”の代わりに“可視及び不可視レーザ放射”を用いなければならない。

4.7 

組織に対する要求条件 

4.7.1 

直ちに使用可能な OFCS,ターンキーシステム,又はサブアセンブリの製造業者 

OFCS,ターンキーエンドツーエンドシステム,又はサブアセンブリの製造業者は,次を実施しなければ

ならない。


13

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

a)  装置がこの規格の要求事項を満たすことを保証する。 
b)  次の情報を提供する。

1)  MPE レベルより高い放射の被ばく防止のため,製品に組み込まれる機械的設計上の特徴に関する適

切な記載

2)  MPE レベルより高い放射の被ばくの可能性を避けるため,予防上の明確な警告を含む,適切な組立

て,保守及び安全な使用についての適切な指示

3)  合理的に予見可能な事象の下での被ばく放射が箇条 の要求事項に適合するように製品を設置又は

整備できることを保証するため,設置業者及びサービス組織への適切な指示

4)  システム又はサブアセンブリ内の被ばくする可能性がある区域でのハザードレベル,及びこれらの

ハザードレベルの基礎となるパラメータ

5)  自動パワー減衰を備えたシステムの場合:

−  自動パワー減衰の反応時間及び動作パラメータ

−  設置又はサービスにおいて,自動パワー減衰を無効にする必要がある場合,自動パワー減衰を

無効にした状態での安全な作業慣行,及びそのようなシステムを復旧・試験するための安全な

作業手順を運用組織が遂行できるようにする情報

−  手動による再始動の開始が一時的に自動パワー減衰を無効にする場合,再始動のタイミングの

ユーザマニュアルへの明確な記載

−  自動パワー減衰が動作しない場合の全ての状況(例えば,コントローラ又はその他のエレメン

トの取外し又は故障)

,及びそのときに採る適切な注意措置

6) OFCS の安全な使用に関するその他の情報

7)  “注意:ここに規定した以外の手順による制御及び調整は,危険なレーザ放射の被ばくをもたらし

ます”という警告を含めて,装置は製造業者の指示に従って設置しなければならないという記載

4.7.2 

設置及びサービス組織 

OFCS の設置及びサービスに責任がある組織は,装置の設置に関して合理的に予見可能な事象の下での

被ばく放射が箇条 の要求事項に適合していることを保証するという,装置の設置に関する製造業者の指

示書に従わなければならない。

OFCS を稼動させる前に,設置業者又はサービス組織は,自動パワー減衰を使う場合には,適宜,それ

が 4.5 及び 4.8 に示す適切な動作状態にあることを保証しなければならない。

ハザードレベル 1 又は 2 以外の被ばくする可能性がある区域をもつシステムについては,設置業者及び

/又はサービス組織は次を実施しなければならない。

a)  設置及びサービス活動を実行する責任がある要員に,適切なレーザ安全訓練を行う。 
b)  管理区域及び制限区域では,適切なアクセス管理及び警告ラベルの適用を保証する。 
4.7.3 

運用組織 

運用組織は,エンドツーエンドのシステムの安全について最終的な責任をもつ。これには,特に次のこ

とを含む。

a) OFCS 全体に関して,被ばくする可能性がある全ての場所における区域の種別の特定。 
b)  合理的に予見可能な事象の下で,ハザードレベルがこれら区域種別に対応したハザードレベルを超え

ていないことの保証。

c)  設置及びサービスが,4.24.9 の要求事項を満たす能力のある組織だけによって行われていることの

保証。


14

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

d)  制限区域及び管理区域へのアクセスが,レーザの安全性に関して適切に処理されていることの保証。 
e)  システムの製造,設置,運転,サービス及び安全要求への継続的な適合の保証。

4.8 

ハザードレベルの評価 

4.8.1 

ハザードレベルの決定 

ハザードレベルは,運転及び保守中に,合理的に予見可能な事象(例えば,光ファイバの切断)の後に

被ばくする危険性のある光放射の測定によって決定する。特定の放射限界値への適合を判断する方法は,

JIS C 6802 に規定するクラス分けの方法と同じである。

1 400 nm を超える波長の場合,ハザードレベルを決める条件 2 の測定は,光ファイバ出力端から 28 mm

の距離に配置した直径 7 mm の開口で行わなければならない(これは 18 倍のルーペを想定している。

その他の波長の場合,ハザードレベルを決める条件 2 の測定は,光ファイバ出力端から 70 mm の距離に

配置した直径 7 mm の開口で行わなければならない(これは 7 倍のルーペを想定している。

上記に加えて,全ての波長において,ハザードレベル 3B システムに対する光ファイバからの全放射は,

クラス 3B の AEL を超えてはならない。

測定は,適切な条件(例えば,光ファイバケーブルの切断シミュレーション)の下で行う必要があり,

JIS C 6802 の該当する規定に基づいて行わなければならない。

自動パワー減衰付き及び自動パワー減衰なしのハザードレベルの評価は,次の時点で行う。

−  非制限区域の場合,それよりも後で測定したときに放射がより大きくならない限り,合理的に予見可

能な事象の 1 秒後。

−  制限区域及び管理区域の場合,それよりも後で測定したときに放射がより大きくならない限り,合理

的に予見可能な事象の 3 秒後。

直接測定を行うのが困難な場合,計算に基づいたハザードレベルの評価を行ってもよい。例えば,レー

ザ又は増幅器のパワー,及び光ファイバの減衰が分かっている場合,あらゆる区域におけるハザードレベ

ルの評価ができる。

自動パワー減衰付き光通信システムの場合,ハザードレベルは,上記の時間間隔(非制限区域では 1 秒,

制限区域及び管理区域では 3 秒)の後において,被ばくする可能性のある放射レベル(パルス又は連続波)

で決定する。さらに,4.8.2 の MPE に対する要求条件を満足しなければならない。

4.8.2 

自動パワー減衰機能の使用の効果 

OFCS が,自動パワー減衰をもたない場合に割り当てられるハザードレベルよりも低いハザードレベル

の限界値に制限するために自動パワー減衰を使用する場合,4.8.1 に規定する,そのハザードレベルに至る

までの最長時間(非制限区域では 1 秒,制限区域及び管理区域では 3 秒)内の,放射照度又は放射露光は,

それらの限界値(MPE)を超えてはならない。管理区域についての測定距離は,この箇条に限り 250 mm

とする。

4.8.3 

試験及び評価の条件 

試験及び評価は,合理的に予見可能な故障条件下で行わなければならない。

ある種の複合システム(例えば,光パワーが他のコンポーネント,回路設計及びソフトウェアの性能に

依存)の場合は,危険・安全評価のために認められているその他の方法を使用してもよい(

附属書 参照)。

ただし,ハザードレベルを超える放射をもたらす故障の中で,次のいずれの条件も満たす場合には,そ

の故障を考慮する必要はない。

−  故障が,発光持続時間の制限機能にだけ限定される場合。


15

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

−  故障製品の使用を止めるまで,レーザ放射の人体への被ばくの発生が合理的に予見できない場合。

注記  例えば,破断した光ファイバ端面又は壊れた光コネクタからのようなビーム出射に関連して 4.8

の適切な MPE 要求事項を適用する場合,次の二つが重要である。

a)  このビームに人間の目が被ばくすることが合理的に予見可能な事象であるか。 
b)  このビームに人間の皮膚が照射されることが合理的に予見可能な事象であるか。

何が合理的に予見可能な事象であるかを決める場合,ビーム出射点の物理的な位置,ビーム

出射点と目又は皮膚との距離,及び自動パワー減衰によって放射が 4.9 に規定するレベルまで

低減するのに要する時間を考慮する。裸眼又は皮膚への被ばくが合理的に予見可能な事象でな

い場合でも,火災の危険の可能性も考慮することが望ましい。

4.9 

区域の種別によるハザードレベルの要求条件 

必要なハザードレベルは,OFCS 内の各々の被ばくする可能性がある区域について決定しなければなら

ない。

注記 1  これには,切断される可能性のある光ファイバへの接近も含む。

注記 2  この規格は,OFCS の運転及び保守に適用する。使用者の安全のために,ハザードレベル 4

は規格の全体を通して認められない。システムが,通常時の伝送パワーレベルとして,特定

の区域種別に許されるハザードレベルを超える値を用いる場合には,自動パワー減衰のよう

な保護システムを用いて実際のハザードレベルを決定してもよい。

4.9.1 

非制限区域 

非制限区域では,ハザードレベルは 1,1M,2 又は 2M とする。

注記  ハザードレベル 1M の適用限界が 2 の限界より大きく,かつ,3B の限界より小さい場合,ハザ

ードレベル 1M が割り当てられる。

4.9.2 

制限区域 

制限区域では,ハザードレベルは 1,1M,2,2M 又は 3R とする。

注記 1  ハザードレベル 1M 又は 2M の適用限界が,3R の限界より大きく,かつ,3B の限界より小

さい場合,それぞれハザードレベル 1M 又は 2M が割り当てられる。

注記 2  ハザードレベル 1M の適用限界が 2 の限界より大きく,かつ,3B の限界より小さい場合,ハ

ザードレベル 1M が割り当てられる。

4.9.3 

管理区域 

管理区域では,ハザードレベルは 1,1M,2,2M,3R 又は 3B とする。


16

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

附属書 A

(参考)

理論的根拠

レーザ製品の安全,

機器のクラス分け,

要求事項及び使用者のガイドについては,

JIS C 6802 及び IEC/TR 

60825-14 [19]によって規定又は記載される。JIS C 6802 は,元来,局所的に良く管理された独立式の製品

を対象としている。OFCS は,本来の動作状態では光放射が全て閉じこめられているので,正常な運転条

件下では安全である。ただし,これらのシステムの拡散性(ある条件では,光放射が光源から数キロメー

トル離れても被ばくすることがある。

)から,危険を最少化する予防措置は,通常,ローカルオペレータが

管理するレーザ光源とは異なったものとなる(多くの OFCS は,JIS C 6802 の対象外である LED を含むこ

とに注意する。

OFCS の潜在的な危険性は,保護きょう体の侵害(例えば,光ファイバコネクタの取外し,又はケーブ

ルの切断)の可能性,及び二次的に被ばくするという光放射の性質による。この規格は,その危険性を最

小限にするための技術的要求条件及び使用者への予防措置を規定している。

OFCS 内での被ばくする可能性がある各々の区域には,システム運用組織又はその代行者が,光放射に

よる被ばくが生じた場合の潜在的な危険性を示すハザードレベルを割り当てる。これらのハザードレベル

は,JIS C 6802 に規定するクラス分け手順と同様な方法で分類し,ハザードレベル 1∼4 として示す。光フ

ァイバへの用途においては,ハザードレベル 1M 及び 2M の上限は,多くの場合,ハザードレベル 3R の上

限よりも高いが,ハザードレベル 3B の上限よりも低い。これらの用途では,ハザードレベル 3R を適用で

きない(3.63.8 及び 3.9 

注記参照)。

運用組織が OFCS の据付け,運転又は保守を下請に出す場合,レーザの安全性に関する責任は,運用組

織が明瞭に指定することが望ましい。

要約すれば,JIS C 6802 とこの規格との主な相違点は,次のとおりである。

− OFCS 全体は,JIS C 6802 に規定するクラスと同じようには分類しない。その理由は,本来の使用状

態では,光放射は全体として閉じ込められるため,JIS C 6802 の厳密な解釈では全ての OFCS をクラ

ス 1 に割り当てるおそれがあり,OFCS の潜在的な危険性を正確には反映しないためである。ただし,

光源を,単独に操作し得る場合には,JIS C 6802 に従って分類しなければならない。

−  光を閉じ込めて遠くに送る光伝送通信システムでは,被ばくする可能性がある各々の区域は,JIS C 

6802 のクラス分けと類似した手法によって,ハザードレベルが指定される。ただし,このレベルは,

実際に被ばくする放射に基づくものではなく,合理的に予見可能な状況下(例えば,光ファイバケー

ブル破断,光ファイバコネクタの取外しなど)で被ばくする可能性がある放射に基づくものである。

−  特定のハザードレベルに対して要求される安全予防措置は,区域の区分,すなわち,住居用家屋,立

入りが制限される工場地域,出入りが管理される交換機械室などによって決定される。例えば,家庭

では取り外された光ファイバコネクタは,クラス 1 又はクラス 2 に相当する発光を放射する程度であ

るが,一方,管理区域ではより高い放射になる場合がある。

JIS C 6803:2006 からの変更点は次のとおりである。

a)  JIS C 6802:2011 への改正において文書が再構成されたことに伴い,必要となった JIS C 6802:2011 へ

の参照の修正

b)  通信業界において時々行う,中・高倍率の拡大鏡又は顕微鏡を用いて光ファイバ端面を検査する場合


17

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

にも,安全を確実に保つための測定条件の変更


18

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

附属書 B

(参考)

光ファイバ通信システム(OFCS)内の区域別要求条件の要約

ハザード

レベル

区域区分

非制限区域

制限区域

管理区域

1

要求条件なし

要求条件なし

要求条件なし

1M

エンドユーザが開封する可能性
のある光コネクタからハザード

レベル 1

a)

ラベリング又はマーキングは不

b)

エンドユーザが開封する可能性

のある光コネクタがハザードレ

ベル 1 の場合は,ラベリング又
はマーキングは不要。

出力がハザードレベル 1M の場

合は,ラベリング又はマーキン
グが必要

b)

要求条件なし

2

ラベリング又はマーキング

b)

ラベリング又はマーキング

b)

ラベリング又はマーキング

b)

2M

ラベリング又はマーキング

b)

及び

光コネクタからハザードレベル
2

a)

ラベリング又はマーキング

b)

ラベリング又はマーキング

b)

3R

許容しない

c)d)

ラベリング又はマーキング

b)

及び

光コネクタからハザードレベル
1M 又は 2M

a)

ラベリング又はマーキング

b)

及び

光コネクタからハザードレベル
1M 又は 2M

a)

3B

許容しない

c)d)

許容しない

c)d)

ラベリング又はマーキング

b)

及び 
光コネクタからハザードレベル
1M 又は 2M

a)

4

許容しない

c)d)

許容しない

c)d)

許容しない

c)d)

注記  この附属書にある情報が箇条 に規定する要求条件と異なる場合,箇条 の要求条件を優先する。 

a)

  4.4 参照

b)

  4.6 参照

c)

  4.5 及び 4.8.2 参照。システムが,通常時の伝送パワーレベルとして,特定の区域区分に許されるハザードレ

ベルを超える値を用いる場合には,自動パワー減衰のような保護システムを用いて,実際のハザードレベル

を決定してもよい。

d)

  4.9 参照


19

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

附属書 C 
(参考)

危険及び安全性分析の方法

幾つかの危険及び安全性分析方法を,次に示す。

a)  回路解析を含む予備的な危険分析(PHA)。この方法は,単独で用いるものであるが,他の危険及び安

全性評価法を適用する場合の基本的な第 1 段階でもある。

b)  結果分析(IEC 61508 規格群[5]を参照)

c)  故障モード及び影響分析(FMEA) 
d)  故障モード及び影響及び臨界分析(FMECA)(IEC 60812 [1]を参照) 
e)  故障ツリー解析(FTA)

f)  事象ツリー解析 
g)  危険及び操作可能性調査(HAZOPS)

必要な場合,常に解析を補助するように,適切な試験を実施しなければならない。解析方法及びその解

析時の仮定は,製造業者が記載しなければならない。


20

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

附属書 D 
(参考)

OFCS

の安全使用に関する適用指針

D.1  概要 

この附属書は,この規格を具体的な実用的状況へ適用するための指針を提供する。この附属書は,使用

者が JIS C 6802 及びこの規格の要求事項を具体的な用途に適用する場合に,この規格の使用者を支援する

ための参考であり,要求事項は含んでいない。

この規格は,OFCS に適用する。当該システムでは,光パワーを光源から遠く離れた距離まで伝送する

ことができるが,通信路が故障した場合の潜在的な危険性を最小限にとどめるための対策を講じる必要が

ある。OFCS に存在する潜在的な危険性の程度を知るためには,被ばくする可能性がある区域にハザード

レベルを指定する必要がある。ハザードレベルの指定は,JIS C 6802 における装置のクラスの指定と同様

であり,それに代わるものである。

通信路の切断時には,伝送信号パワーを短時間内に自動的に安全な値まで低下させる閉ループ制御シス

テムとして動作するように,OFCS を構成することが可能である。同じハザードレベル(すなわち,同じ

程度の安全性)をもつシステムであっても,2 種類のシステム,すなわち,自動パワー減衰付きのシステ

ムと自動パワー減衰がないシステムとの 2 種類のシステムを構成することが可能である。自動パワー減衰

付きシステムの通常の運用条件下での信号レベルは,自動パワー減衰のないシステムの信号レベルよりは

るかに高くすることができる。自動パワー減衰は安全にとって極めて重要であるため,その機能の信頼性

は十分なレベルでなければならない。この附属書では自動パワー減衰の信頼性に関する推奨事項を示して

いる。

JIS C 6802 は個別のレーザ製品に適用するのに対して,この規格は完全なエンドツーエンドのシステム

に適用する。光を発生又は増幅するサブアセンブリは,OFCS の安全にとって極めて重要であり,また,

この規格の要求事項の一部を満たさなければならないので,これらの品目もこの規格の適用範囲に含まれ

ている。エンドツーエンドのシステムにまだ組み込まれていない個別の受動コンポーネント又は受動サブ

アセンブリの製造業者は,それらが組み込まれるシステムのハザードレベルを知ることができないので,

これらの品目はこの規格の適用範囲から除外している。

この規格は,

爆発性環境に配置される OFCS による,

爆発又は火災に関係する安全問題は取り扱わない。

D.2  適用範囲 
D.2.1  
典型的な OFCS の設置区域 

典型的な OFCS の設置区域は,次による。

a)  管理区域(3.13 参照)

1)  ケーブル管路 
2)  路上設置の配線箱

3)  ネットワーク運用光配線センタ内の専用かつ区切られた場所 
4)  ケーブル敷設船内の試験室

注記  サービスのためのケーブル管路及び路上設置の配線箱へのアクセスによって,一般の人々

がクラス 1 の被ばく放出限界を超える放射を受ける可能性がある場合,被ばくを避けるた


21

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

めの適切な臨時対応策(例えば,臨時の小屋設置など)を行うのがよい。

b)  制限区域(3.14 参照)

1)  公衆に開放されていない工業用敷地内の保護された場所 
2)  公衆に開放されていない事業及び商業用敷地内の保護された場所[例えば,自動式構内電話交換機

(PABX)室,コンピュータシステム室など]

3)  交換機センタ内の一般的な場所 
4)  列車,船舶,又はその他の車両内の公衆に開放されていない区切られた場所

c)  非制限区域(3.15 参照)

1)  家庭の敷地 
2)  一般公衆へ開放されたサービス産業の営業場所(例えば,店舗又はホテル) 
3)  列車,船舶,又はその他の車両内の公共の場所

4)  公園,街路などのような開放された公共の場所 
5)  ある種のオフィス環境のように,公衆の一部が接近可能なビジネス・工業・商業敷地内の保護され

ていない場所

OFCS は,ケーブル管路及び路上設置の配線箱のような管理された区域だけでなく,工業用敷地内の制

限された区域及び制限のない公共の区域(例えば,家庭内)を通ることがある。

ローカルエリアネットワーク(LAN)は,制限された事業用敷地内の全体に展開して配置することがあ

る。

光ファイバシステムは,ハイファイオーディオ装置間接続のように,個人の敷地内にあることもある。

赤外線(IR)無線 LAN 又は自由空間光システムに関する要求事項については,JIS C 6804 [16]の別の適

用規定を参照。

D.2.2  典型的なハードウェア構成部品 

典型的なハードウェア構成部品は,次による。

a)  光ファイバケーブル

1)  単心光ファイバ,多心光ファイバ,リボン構造 
2)  シングルモード,マルチモード

3)  全誘電体,複合構造 
4)  単一波長伝送,多波長伝送 
5)  片方向通信用,双方向通信用 
6)  通信用,電力供給用

b)  光源

1)  発光ダイオード(LED),VCSEL,ファブリーペロー又は DFB レーザ,励起用レーザ,光増幅器

2)  バルク形,分布帰還形 
3)  連続,低繰返し,高繰返し放射

c)  光コネクタ

1)  単心 
2)  2 心 
3)  多心

4)  ハイブリッド

d)  パワースプリッタ,光合分波器及び光減衰器


22

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

e)  保護囲い及び保護きょう体 
f)  光ファイバ分配架

D.2.3  典型的な操作機能 

典型的な操作機能は,次による。

a)  設置

b)  動作 
c)  保守 
d)  サービス

e)  障害探査 
f)  測定(OTDR も含む。)

D.3 OFCS のパワー制限 

OFCS で使用される最も重要な波長及び光ファイバの種類に対する各ハザードレベルの最大平均光パワ

ーを,

表 D.1 に示す(平均とは,個々の光パルスの光パワーではなく,対象となる全光パルス列の時間的

な平均パワーをいう。

。デューティサイクル(光パルスの時間占有比率)が 10 %∼100 %の最も典型的な

システムでは,デューティサイクルの減少に従って(個々の光パルスの)ピークパワーの増加が許容でき

る。デューティサイクルが 50 %以下の場合,この種のシステムでピークパワーの許容値を求めるには,JIS 

C 6802 に基づく更に複雑な解析を用いてもよいが,ピークパワーを平均パワーの制限値の 2 倍に制限する

ことが最も簡便である。これは,光化学的な眼障害領域の波長をもつ“可視光源”を使うときにはとりわ

け妥当な手法である。

注記 1  最も一般的なシングルモード及びマルチモード光ファイバの場合,光ファイバ端からの放射

は点光源からの放射であると考えられる。コア径 150  μm 以上の光ファイバ(例えば,プラ

スチック光ファイバ“POF”及びプラスチッククラッド石英系光ファイバ)の場合,中間的

な分散光源と考えられる。ただし,係数 C

6

の決定のために使用するアパーレント光源の寸法

は,実際の伝搬モードの励振の程度に依存する。

測定には,次の開口直径と測定距離とを用いる。

−  波長が 1 400 nm 以下の場合,7 mm(開口直径)と 70 mm(測定距離)との組合せ

−  波長が 1 400 nm を超える場合,7 mm(開口直径)と 28 mm(測定距離)との組合せ

注記 2 1

400

nm を超える波長に対する後者の条件は,多くの場合,光ファイバから放射される全パ

ワーを測定することになるため,いかなる倍率(の拡大鏡及び/又は顕微鏡を用いた光ファ

イバ端面観察の危険性評価)にも適用してもよい。

注記 3 1

400

nm を超える波長に対する後者の代替条件は,光ファイバからの全放出パワーを測定す

ることである。ただし,場合によっては,この代替条件では実際の危険性を過大評価するこ

とがある。

注記 4  ハザードレベル 3B のシステムの場合,光ファイバからの全放射パワーは,クラス 3B の AEL

以下に制限される[したがって,0.25 秒を超える被ばくに対しては 500 mW までに,及びよ

り短時間の被ばく(例えば,システムリスタートパルスなど)に対してはそれに相当する適

切なレベルまでに,それぞれ光ファイバ内の光パワーを事実上制限することになる。


23

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

表 D.1−モードフィールド径 11 μm のシングルモード(SM)光ファイバ及び開口数 0.18  

マルチモード(MM)光ファイバ(コア径 150 μm 未満)に対する OFCS のパワー限界値

波長及び光ファイバ

の種類

ハザードレベル

1 1M 2 2M  3R  3B

633 nm(MM) 1.95

mW

(3 dBm)

3.9 mW

(5.9 dBm)

4.99 mW

(7 dBm)

10 mW

(10 dBm)

24.9 mW

(14 dBm)

500 mW

(27 dBm)

780 nm(MM) 2.81

mW

(4.5 dBm)

5.6 mW

(7.5 dBm)

− 14.4

mW

(11.6 dBm)

500 mW

(27 dBm)

850 nm(MM) 3.88

mW

(5.9 dBm)

7.8 mW

(8.9 dBm)

− 19.9

mW

(13 dBm)

500 mW

(27 dBm)

980 nm(MM) 7.06

mW

(8.5 dBm)

14.1 mW

(11.5 dBm)

− 36.2

mW

(15.6 dBm)

500 mW

(27 dBm)

980 nm(SM) 1.8

mW

(2.6 dBm)

2.66 mW

(4.2 dBm)

− 9.21

mW

(9.6 dBm)

500 mW

(27 dBm)

1 310 nm 
(MM)

77.8 mW

(18.9 dBm)

156 mW

(21.9 dBm)

− 399

mW

(26 dBm)

500 mW

(27 dBm)

1 310 nm 
(SM)

25.8 mW

(14.1 dBm)

42.8 mW

(16.3 dBm)

− 129

mW

(21.1 dBm)

500 mW

(27 dBm)

1 400 nm∼1 600 nm 
(MM)

13.3 mW

(11.2 dBm)

384 mW

(25.8 dBm)

3.9 の注記参照 500

mW

(27 dBm)

1 420 nm 
(SM)

10.1 mW

(10 dBm)

115 mW

(20.6 dBm)

3.9 の注記参照 500

mW

(27 dBm)

1 550 nm 
(SM)

10.2 mW

(10.1 dBm)

136 mW

(21.3 dBm)

3.9 の注記参照 500

mW

(27 dBm)

注記 1  ハザードレベル 1M 及び 2M

モードフィールド径 11  μm 光ファイバの場合,表に示した最大パワーは,パワー密度によって制限され

る。したがって,正確な光ファイバ出力パワー限界は,予想される最小のビーム広がりによって求められ,

これは,言い換えると,シングルモード光ファイバのモードフィールド径(MFD)に依存する。光ファイ
バ出力パワー限界は,MFD 値が異なると変化し,MFD が変化するにつれてクラスの限界値が著しく変動

する。ある種の高パワー用光コネクタでは,モードフィールド径(MFD)をひろ(拡)げており,その結

果,遠視野のビーム広がりが小さくなっている。これらの光コネクタを用いると,より高いハザードレベ
ルになる可能性があり,使用に当たっては,その(より高い)ハザードレベルとすることを強く推奨する。

注記 2  1 310 nm の数値

1 310 nm の数値は,“1 310 nm”の通信用の波長域における最短波長である 1 270 nm を用いて計算してい

る。

注記 3  光ファイバパラメータ

使用した光ファイバパラメータは最も厳しい(安全側の)値である。シングルモードの数値は,11 μm の

モードフィールド径の光ファイバについて計算しており,マルチモードの数値は,開口数 0.18 をもつ光フ

ァイバについて計算している。980 nm 及び 1 550 nm で動作する多くのシステムは,より小さな MFD の光

ファイバを使用している。例えば,1 550 nm の波長の光が,9.1 μm の MFD の上限値をもつ分散シフト光フ
ァイバケーブルで伝送されるときのハザードレベル 1M の限界は,197 mW である。

注記 4  1 310 nm 未満に対するハザードレベル 1M の限界値

波長 900 nm 以下におけるシングルモード光ファイバのハザードレベル 1M の限界値は,ここに示してい

ないが,これはこれらの波長では広がり角が変動するためである。その理由は,標準的な 1 310 nm シング

ルモード光ファイバは,これらの波長(波長 900 nm 以下)では実際はマルチモード動作になり,正確な広

がり角が予測不能ともいうべきモード混合の度合いに依存するためである。このモード混合による変動性
は,マルチモード光ファイバでもこれらの波長で評価を行うときに問題となる可能性がある。これらの場

合の値を計算する必要があるときは,光ファイバがそのパワーの全てを基本モードで運ぶという仮定をし

てシングルモード用の式を使用することで,最も厳しい(安全側の)値が得られる。


24

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

表 D.1−モードフィールド径 11 μm のシングルモード(SM)光ファイバ及び開口数 0.18  

マルチモード(MM)光ファイバ(コア径 150 μm 未満)に対する OFCS のパワー限界値(続き)

注記 5  コア径が 150 μm より大きいマルチモード光ファイバ

これらの光ファイバは,中間的な分散光源として考えられる[例えば,200 μm コア径をもつ硬質クラッ

ド石英系(HCS)光ファイバ又は 1 000 μm コア径をもつプラスチック光ファイバ]

。適用光源サイズは,伝

搬モードの励振の程度に依存するので,限界値を計算する前に,詳細に決定するのがよい。

注記 6  多心光ファイバ及びリボン(テープ形)光ファイバケーブル

表の値は,単心光ファイバについてだけ計算したものである。多心光ファイバ又は単心光ファイバを近

接配置したリボン(テープ形)光ファイバを評価する場合には,個々の光ファイバ及び可能性のある光フ

ァイバグループの各々を評価しなければならない。

注記 7  1 420 nm の数値

1 420 nm の数値は,1 420 nm(励起)∼1 500 nm(増幅)のラマン増幅領域について計算したものである。

注記 8 52.5

μm∼150 μm のコア直径をもつマルチモード光ファイバ

この光ファイバは JIS C 6802 の 9.3.3(分散光源に対する評価条件)に規定する測定基準を用いても評価

できるが,その場合の許容出力限界はより高い値になる場合がある。

D.4  ハザードレベルの評価例 
D.4.1  
同一光ファイバ上の複数の波長 

波長分割多重システム(WDM)のように,単一光ファイバで複数の波長を使用する場合,ハザードレ

ベルは,それらのパワーレベルに加えて,それらの波長(の光による障害)が重畳的か否かが影響する。

OFCS で通常使用する波長による皮膚露光では,障害は常に重畳的になる。ほとんどの光ファイバシステ

ムでは,次のように 1 400 nm が相加条件の変化するポイントである。

a)  二つの波長がともに 1 400 nm より小さい場合,重畳的,すなわち,組合せによって危険性が高くなる。 
b)  二つの波長がともに 1 400 nm より大きい場合,重畳的,すなわち,組合せによって危険性が高くなる。 
c)  一方が 1 400 nm より大きく,他方が 1 400 nm より小さい場合,網膜に対する危険性は重畳的でなく,

組合せによって危険性は増加しない。

皮膚及び網膜に対するハザードは,個々に計算する必要がある。

多波長システムに対するハザードレベルを計算するには,各々の波長において,あるクラスの AEL に対

する比率(例えば,25 %,60 %など,100 %まで)を計算し,それらの比率の総和を求める必要がある。

比率の合計が 1(100 %)を超える場合は,ハザードレベルがそのクラスの AEL を超えていることを示す。

AEL 表の代わりに,MPE 表を使って自動パワー減衰の動作タイミングを決定するときにも,この手法を使

うのがよい。

D.4.1.1  多波長の例 

[問題]  コア直径 50 μm,開口数 0.2±0.02 のマルチモード光ファイバを使用している光伝送システム

が,840 nm,870 nm,1 290 nm,1 300 nm,1 310 nm,及び 1 320 nm の波長で 6 個の光信号を送信してい

る。これらの信号の各々は,最大で 0 dBm(1 mW)の時間平均パワーをもっている。光送信器側における

ハザードレベルを決定せよ。

[解答]  光コネクタを外したときの光送信器の放出持続時間が与えられていないので,自動パワー減

衰装置が作動しないと仮定して,伝送用コネクタにおけるパワーレベルに基づいたハザードレベルを決定

する(光コネクタの取外しは,合理的に予見可能な事象である。

意図しない目視に対する放出持続時間 t=100 秒[JIS C 6802 の 8.3 e)(時間基準)を参照]に基づいて


25

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

評価する。

JIS C 6802 の表 2(異なる波長領域の放射による目及び皮膚への作用の重畳性)は,全ての波長の影響

が累積的であることを示している。したがって,各々の波長で適用しようとするクラスの AEL に対する被

ばく放出レベルの比を基にして評価しなければならない[JIS C 6802 の 8.3 b)(複数波長の放射)参照]

1 200 nm∼1 400 nm の波長範囲では AEL が一定であることに着目すれば,1 300 nm 近傍の 4 波の信号は,

これらの信号の総和に相当するパワーレベルをもつ単一信号とみなしてよい。

最初にクラス 1 の AEL に相当する放出レベルを比較する。

対象となる光源のコア径が 50 μm と小さいため,光源の視角

αは 0.5 mrad<α

min

となる。JIS C 6802 

10AEL 及び MPE 評価に対する補正係数及び折点)に規定する T

2

に関しては,T

2

=10 秒であり T

2

t(100

秒,上記参照)である。

P

AEL

=3.9×10

4

C

4

C

7

 W

ここに,

C

4

10

0.002(λ

700)

(波長が 840 nm 及び 870 nm の場合)

C

4

5(波長が 1 050 nm を超える場合)

C

7

1(波長が 840 nm 及び 870 nm の場合)

C

7

8(波長が 1 050 nm を超える場合)

したがって,

AEL

840 nm

0.74 mW

AEL

870 nm

0.85 mW

AEL

1 300 nm

15.6 mW

JIS C 6802 の 9.3(測定光源系)に規定する測定方法によって,JIS C 6802 の表 11[既定(簡略化した)

評価法における測定開口の直径及び測定距離]に規定する最も厳しい条件を適用しなければならない。光

ファイバからの放射ビームに対しては,最も厳しい条件は条件 2 である。4.8.1 で修正されているように

JIS C 6802 の表 11 を用いると,熱的限界に対して測定開口は直径 7 mm,測定距離は 70 mm となる。

光ファイバの出射ビームの直径を求める式を用いると,最小の開口数をもつ光ファイバ(最悪ケース)

の場合,

(70 mm 離れた点でのビームの)63 %(1/e)値における直径は,次のようになる。

 

.

.

.

 

.

d

mm

8

14

7

1

18

0

mm

70

2

7

1

NA

2

63

=

×

×

=

=

したがって,この場合には,光ファイバ内パワーの

20 %

が直径

7 mm

の測定開口を通過するので,補正

する必要がある。

各波長での補正後のパワー(

P

)とそれに対応する

AEL

との比率を合計した結果は,次の式のようにな

る。

56

0

6

15

0

1

4

2

0

85

0

0

1

2

0

74

0

0

1

2

0

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

AEL

P

=

×

×

+

×

+

×

=





この比率の和は

1

より小さい。すなわち,被ばく放出レベルはクラス

1

の限度内にあり,したがって,

その区域ではハザードレベル

1

を適用する。

注記

対応国際規格では,4.8 において,測定開口(直径

7 mm

)の光ファイバ出力端からの距離(測

定距離)を

14 mm

から

70 mm

に変更した,新しい測定条件を導入した。しかし,この箇条に

おいては,測定条件の変更が反映されていなかったため,4.8 に適合するように修正した(点線

の下線部分)

D.4.2  双方向(全二重)伝送 

光ファイバが破断した場合,破断した光ファイバケーブルの各々の端部からの放射は,個別の危険性を


26

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

示し,個々に分離した伝送方向からの累積的な効果はない。ハザードレベルは,より高いパワーをもつ伝

送方向の側によって決定される。

D.4.3  自動パワー減衰 

エンドツーエンドの

OFCS

で自動パワー減衰を使用する場合,それを使用しない場合よりも低いハザー

ドレベルに分類できる可能性がある。あるシステムの光送信器/光増幅器のハザードレベルがそのシステ

ムを設置しようとする区域を制限するような場合,この方法は重要となる(

附属書 参照)。

自動パワー減衰は,適正な作業慣行並びに適切なサービス及び保守に取って代わることはできない。ま

た,ハザードレベルを評価するときには自動パワー減衰の信頼性も考慮するのがよい。

ハザードレベルの評価は,後刻の測定がより大きな被ばくをもたらさない限り(4.8.1 及び 4.8.2 参照)

人間の被ばくが合理的に予見可能な時刻(例えば,光ファイバの破断後)に実施するのがよい。

自動パワー減衰は,万能な保護手段であると考えることはできない。なぜならば,光ファイバ破断後は,

破断位置を検出するため光試験装置(通常は,光パルス試験機,

OTDR

)を一般的に使用するからである。

この試験装置は,被試験光ファイバ中にレーザパワーを送出する。したがって,本来の通信用送信器が停

止又は取り外された場合でも,その後でこの試験装置がレーザパワーを光ファイバに送出する可能性があ

る。

これらの

OTDR

は,通常はクラス

1

で動作するので,その光源には潜在的な危険は存在しない。ただし,

パワーがより高いシステムでは長距離の伝送範囲をもつので,広範囲の破断を検知するためにクラス

1M

クラス

3R

又はクラス

3B

OTDR

を必要とする場合がある。また,光増幅システムを通過する場合,

OTDR

の信号はより高いクラスへと増幅されることもある。

非制限区域で使用するために設計されたターンキー(初期設定不要の)システムは別として,レーザ安

全に関する専門家又は

OFCS

運用者は,そのスタッフ又はネットワークにアクセスする可能性のあるその

他の人たちに受けさせるレーザ訓練のレベルに応じて,各区域(又はネットワークの全範囲)に許容でき

るハザードレベルを決定することが重要である。作業者たちは,危険性を増大するような光学(コリメー

ト)機器を使用しないよう訓練されており,また,一般には近接して光ファイバを調べる必要もないので,

ハザードレベル

1M

又はハザードレベル

3R

がしばしば選択されることがある。適切なラベリング及び光

コネクタ条件を満たした管理区域では,ハザードレベル

3B

が許容されることもある。

この箇条では,次のような幾つかの状況の下での自動パワー減衰について考察する。

a)

光増幅器をもつシステムの場合。

b)

接続トレイ内の容易に被ばくする可能性がある光ファイバの場合。

c)

光ファイバコネクタの場合。

d)

水中又は埋設ケーブル内の容易には被ばくを受けない光ファイバの場合。

e)

制限及び非制限環境の場合。

f)

リボン(テープ形光ファイバ)ケーブルの場合。

典型的な波長でのパワー上限値については,D.3 及び

表 D.1 を参照。

D.4.3.1  光増幅器 

光増幅器は高いレベルの光パワーを発生する能力をもっており,

500 mW

を超える場合もある。このよ

うなとき,保護機構がない場合には,障害を引き起こす可能性がある。このため,修理及び保守のために

光増幅器にアクセスするときは,出力レベルを制限するための適切な対策を講じることが重要である。ハ

ザードレベルを下げるための自動パワー減衰,シャッタ機能付き光コネクタの使用など(ただし,これに

限らない。

)を含む適切な機械的設計の検討が必要である。


27

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

D.4.3.2  分布光増幅システム用の自動パワー減衰 

分布光増幅システム(例えば,ラマン)用の自動パワー減衰は,主信号光源ばかりでなく励起レーザに

も必要である。そのような分布光増幅システムでの自動パワー減衰の応答は,他の(より低パワーの)シ

ステムより短い遮断時間になる場合がある。それは,例えば,対象となるラマン増幅システムの実際の励

起パワーに依存する。

D.4.3.3  接続トレイ内の光ファイバ 

OFCS

内でのパワー増加に伴い,ハザードレベル

3B

となる可能性のある光ファイバの接続では,作業者

の安全性を考慮することが重要であり,完全に密閉された接続システムを採用することが望ましい。接続

が保護容器の中で行われない場合は,自動パワー減衰がハザードレベル,すなわち被ばく量を減らすため

の一つの選択肢となる。

D.4.3.4  光コネクタを装備したシステム 

光パワー伝搬中の光ファイバへのアクセスが合理的に予見可能なもう一つの事象は,運用中のシステム

1

本又は数本の光ファイバの光コネクタが外される場合である。

光コネクタを外すときに,より安全なハザードレベルを確保する幾つかの対策がある。例えば,考えら

れる一つの機構的な対策は,シャッタ付きの光コネクタを使用することである。これらの光コネクタは,

D.5 に記載する信頼性の特性に適合する場合,外された光コネクタからの露光を制御できる。これらのシ

ャッタは,非制限区域では

1

秒以内に,また,制限区域及び管理区域では

3

秒以内に作動するのがよい(シ

ャッタは,ハザードレベル

1M

2M

又は

3R

を超える光パワーレベルを抑制する場合は,非実用的か望ま

しくないかであろう。このような場合には,自動パワー減衰が唯一の対策となる可能性がある。

D.4.3.5  海底システムの水中・埋設ケーブル 

ある種の海底システムは,かなりの光パワーレベルを伝送する可能性をもっている。一般には,光ファ

イバケーブルの損傷は海底部分で発生し,埋設した地上部分では発生しない。光ファイバケーブルは海底

に敷設されているので,ケーブルを回収し修理するのには相応の船が必要であり,修理完了までには多く

の時間又は日数がかかる。これらのシステムでは,自動パワー減衰は不適切か非実際的であるため,手動

のレーザシャットダウン方法も含め,厳格に管理された制御装置の採用が必要となる場合がある。この採

用によって,この規格に規定するように,ハザードレベル

4

未満の適切な作業条件の維持が保証される。

海底ケーブルには危険なレベルの電力も供給しているため,修理・保守・サービス条件下では,多くの

作業者にとって,システムの手動シャットダウンが現行の作業慣行である。この電力は,ルートに沿った

海底中継器を給電するのに使用される。将来,中継器のないシステムが採用されれば,この電力供給はケ

ーブルの機能からなくなると思われる。ただし,光パワーが危険であるので,ケーブル引揚げに先立ち,

光ファイバ内の光パワーを低下させる作業慣行は引き続き維持することが望ましい。

D.4.3.6  制限及び非制限区域の自動パワー減衰 

OFCS

の設計者は,制限及び非制限区域に関して,4.9 の規定事項を知っておく必要がある。これらの区

域については,設計者は,クラス

3B

以上の光パワーに人をさらすおそれのあるシステムには自動パワー

減衰を組み込むことを考慮するのがよい。このパワー減衰システムを設計するときには,適切な断線障害

検出及び自動パワー減衰の信頼性に留意する必要がある。

D.4.3.7  リボンケーブル(テープ形光ファイバ)の自動パワー減衰 

リボンケーブル(テープ形光ファイバ)を用いると,

OFCS

を(単心の光ファイバの使用に比べて)よ

り制限された(危険な)ハザードレベルに引き上げる可能性がある。D.4.5 に記載するように,注意深い危

険度評価を行うのがよく,増加の可能性のあるハザードレベル及び

OFCS

の区域に対して,適切な自動パ


28

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

ワー減衰,シャッタ及び接続に関する対策を評価して実行することが望ましい。

D.4.4  複数の光ファイバ 

断線した光ファイバケーブル内の破断した[すなわち,非へき(劈)開の]光ファイバ束による危険性

は,そのケーブル内で最も危険度の高い光ファイバ

1

心による危険度を超えて増加することはない。これ

は,破断光ファイバ端面に関する多くの測定,光ファイバ端面における反射及び散乱,並びに光ファイバ

端面の不整列及びずれに関する考察によって明らかにされている。

これらの測定及び考察は,リボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)の破断への適用が明らかにされて

いるが,ユニットとしてへき開されたリボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)には適用されない(D.4.5

参照)

D.4.5  リボンケーブル(テープ形光ファイバケーブル) 

一つのユニットとしてへき開されたリボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)端は,単一光ファイバよ

りも高いハザードレベルを示す。例えば,一つのリボン(テープ)内に

8

本の光ファイバがあり,それぞ

れがちょうどハザードレベル

1M

レベルのパワーを運んでいるとする。それらは,単独の場合には比較的

安全な

1M

のハザードレベルであるが,分離されていないユニットとしてへき開されているのでハザード

レベルはクラス

3B

となる可能性もあり,眼部への危険性を示すことになる。これは,リボン光ファイバ

(テープ形光ファイバ)の中心間距離が典型的な値で

150  μm

250  μm

と小さいことから起こる。等間隔

に配置された複数の光ファイバの小さな分離角が,累積的な効果を招く。測定距離

100 mm

では,

1

本の

シングルモード光ファイバの

αは,

CW

放射に対して

α

min

未満である[

α

min

1.5 mrad

JIS C 6802 の 8.3 c)

(分散光源からの放射)参照]

リボン(テープ)の面内に対する視角は,光ファイバの数及びそれらの間隔に依存する[例えば,

200 μm

の間隔の光ファイバ

8

本のリボン(テープ)は,

100 mm

14 mrad

となる。

。この視角が

α

min

を超えれば,

リボン(テープ)は中間的な分散光源とみなされ,

AEL

は点光源の

AEL

に係数

C

6

を乗じることによって

増加する可能性がある。

α

max

α

max

100 mrad

)より大きいか,又は

α

min

1.5 mrad

)より小さい角度は,

平均値を求める前にそれぞれ

α

max

又は

α

min

の値に置き換えなければならない。

リボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)で許容される全パワーは,個々の光ファイバの最悪の組合せ

によって決まる(詳細については,JIS C 6802 の非円形光源及び複数光源のクラス分けの規則を参照)

D.4.5.1  リボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)の計算例 

[問題]  リボン(テープ)が

8

本の等間隔(

200 μm

)シングルモード光ファイバから成っている。波

長が,a)

 1 310 nm

又は b)

 1 550 nm

の場合,許容されるクラス

1

CW

出力パワーの最大値はいくらか。

解答は,次による。

a)

波長が 1 310 nm の場合の解答  単一光ファイバ又は光ファイバの組合せの全てについて,各々の端面

の発光部分の面積によって見込まれる角度

α(ただし,α

min

α≦α

max

)に対して,その端面の発光が

AEL

を超えないように評価することが望ましい。光ファイバの組合せの違いに対する

AEL

,及び組み

合わせた単一光ファイバ内で許容される最大出力を,

表 D.2 に示す。

2

本の光ファイバの組合せが,

最悪ケースを示している。したがって,テープ

1

本の光ファイバの最大出力は

9.3 mW

である。


29

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

表 D.2−テープ形光ファイバ内の光ファイバ数と最大許容出力との関係(例)

組合せ

(光ファイバ数)

1 2 3 4 5 6 7 8

C

6

1  1.2 1.9 2.5 3.2 3.9 4.5 5.2

T

2

 10

10.07

10.31

10.55

10.8

11.06

11.32

11.59

AEL(mW)  15.6 18.7 28.9 39  49  58.8 68.6 78.2

光ファイバ 1 心当

たりの限界(mW)

15.6 9.3 9.6 9.75

9.8 9.8 9.8 9.8

b)

波長が 1 550 nm の場合の解答  波長が

1 550 nm

では,角膜の危険性が主である。したがって,補正

係数

C

6

はない。光ファイバ

1

心当たりの最大パワーは単に,一つの光源に対する

AEL

値を光ファイ

バの数で除せばよい。すなわち,

10 mW/8

1.25 mW

となる。

D.4.5.2  リボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)の問題 

リボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)光源(端部)からの放射による危険性の累積的な性質は,あ

る区域のハザードレベルが用いるケーブル種類に依存することを意味する。例えば,実際のシステムが運

用中に保守するように設計されている場合,ある区域(例えば,リボン光ファイバを使った区域)のハザ

ードレベルが区域の区分に適合していないからといって,そのシステム自体を停止することは,実用的で

はない。リボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)をこの光ファイバネットワーク内で用いる場合,危険

度を減少させる方策が必要になる。

その方策は難しすぎないほうがよい。破断したリボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)は問題を起こ

さないため,考慮を要するのはリボン光ファイバのへき(劈)開作業及び接続作業だけである。

1

本ずつ

分離したリボン光ファイバは,通常の光ファイバと変わるところはないので,問題を引き起こすことはな

い。

ハザードレベルはアクセス可能な

AEL

に関係するから,分離されていないへき開光ファイバ端面からの

被ばくが確実に防止できれば,ハザードレベルの増加を防止することができる。ただし,いかなる方策も

合理的に予見可能な状況下でのアクセスを防がなければならない(すなわち,

“見るな!”という指示だけ

では不十分である。

。考えられる方法として,へき開工具の使用がある。この工具は,操作中の被ばくを

防止することが可能なリボン(テープ形光ファイバ)接続器に挿入するまで,へき開した光ファイバ端部

を保持したままの状態に保つものである。

一旦,リボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)がネットワーク内で使用されてしまうと,いかなる種

類のシステムに利用されるかを管理することは難しくなる。

D.4.6  パワースプリッタ及び光ファイバ損失に起因するパワー低下 

この出力低下は,例えば,分配形光ネットワークの顧客側で考慮されることであり,ある光ファイバ長

を伝搬した後のハザードレベルは分配点でのハザードレベルよりも低くなる。典型的な受動形光ネットワ

ーク(

PON

)のレイアウトを,

図 D.1 に示す。


30

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

図 D.1PON(受動形光ネットワーク)の基本システム

D.4.7  一般的考察及び例 

一般的考察及び例は,次による。

a)

ハザードレベルの評価では,ハードウェア構成部品の偶発故障及び系統的故障(例えば,自動パワー

減衰機能を制御するソフトウェアの故障)から起こる合理的に予見可能な故障条件を,常に考慮する

のがよい(4.8.3 参照)

。したがって,複数の故障条件を含めることが必要となり,そのような状態が

起こる発生確率は責任のある機関で判断することが望ましい。

注記

JIS C 6802 は単一故障条件に言及しているが,複数の故障が組み合わされて危険な状況を引

き起こすことは合理的に予見できる。

b)

サービス状況によっては,より高いハザードレベルを生じることがある(4.5.4 参照)

。責任のある機

関及び担当者は,これらについて考慮しなければならない。例としては,高いパワーの又は増幅した

光パルス試験器のパルスを,動作中の光ファイバネットワークに導くこと及び自動パワー減衰の故障

又は無効化がある[4.7.1

b)

5)参照]。

c)

構成部品,システムパラメータ又はネットワーク構造の変更は,ハザードレベルを変化させる場合が

ある。例えば,従来の光ファイバ束のリボンケーブル(テープ形光ファイバ)による置換え(これは

ネットワーク管理者の直接監督下にはない可能性がある。

,変調方式の変更,送信パッケージの光出

力又は波長の変更,光増幅器の追加又は変更などである。

D.5  故障解析−説明及び手引き 

光出力が種々の構成部品の完全性及び回路設計の性能に依存しているシステムにとって,故障解析は必

要である。製造業者又は運用組織が故障解析を行うことが望ましい。


31

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

D.5.1  定義 

D.5 では,次の定義を適用する。

FIT

数:

10

9

 h

(時間)当たりの故障数として定義された信頼性の尺度。

D.5.2  故障解析 

ハザードレベルは,合理的に予見可能な故障状態下で評価する。故障解析の目的は,割り当てられたハ

ザードレベルに重大な影響を引き起こす光制御回路の故障を見極めることにある。例えば,ハザードレベ

1M

の区域で使用されるレーザでも,適切な自動パワー減衰が設けられている場合は,通常の運転状態

で,ハザードレベル

1M

を超える光パワーを出力することが許される。光ファイバ切断の場合は,ハザー

ドレベル

1M

の限界以内となるように被ばく放出レベルが低下する。ただし,レーザ駆動回路又は自動パ

ワー減衰の構成部品の故障がハザードレベル

1M

の限界を超える放射をもたらす場合は,より高いハザー

ドレベルを適用する必要がある。

自動パワー減衰機能が,ハードウェア及びソフトウェアの両方で構成されている場合,自動パワー減衰

機能の信頼性を決定するときには,双方を考慮することが望ましい。

D.5.3  故障確率レベル 

故障が起こる確率は常にゼロにはならないから,いかなるシステムでも

100 %

フェイルセーフではあり

得ない。危険な放射を被ばくする危険性を定量化するため,承認された手法を用いた故障解析を

OFCS

対して実施するのがよい。

D.5.4  一般的に用いられる故障解析手法 

一般的に用いられる故障解析手法は,次による。

a)

合理的に予見可能な故障条件の下で考えられる故障のシミュレーション

b)

故障モードの影響及び危険性解析法(

FMECA

IEC 60812

 [1]

を参照)

c)

結果分析(IEC 61508 規格群

[5]

を参照)

D.5.5  故障モードの影響及び危険性解析法 

選択した故障解析方法が故障モードの影響及び危険性解析法である場合には,目標とするハザードレベ

ルの(合理的に予見可能な状況下での)

AEL

を超える確率は,

500 FIT

を超えないことが望ましい。製造

業者又は運用組織が故障解析を行うことを推奨する。

注記

 500

FIT

の数値とエンジニアが生涯通して現用光ファイバで作業する推定時間量とから,目の損

傷リスクの発生率は

5 HIT

より低い値となる(

HIT

数は

10

9

時間当たりの事故発生数である。

例えば,英国では,健康・安全部会が

5.43 HIT

より低い職業上の危険性を,ささいなレベルと

みなしている。

D.5.5.1  単純なレーザ駆動回路の FMECA 解析例 

この解析の目的は,光パワーがクラス

1M

AEL

を超える確率を定量化することである。推奨する一つ

の方法を,次の例で説明する。

図 D.2 のような単純な回路があるとする。図中の

LM1

R2

TR1

C1

,及び

R1

の説明を

表 D.3 に示す。


32

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

図 D.2−単純なレーザ駆動回路

D.5.5.1.1  ステップ 1:重要な構成部品の識別 

回路図及び構成部品リストからレーザモジュールに影響を与えそうな部品を全て識別する。

一般的には,

これらには平均パワー制御回路,データ変調器及びしきい値バイアス発生器が含まれる。自動パワー減衰

の機能によって意図したクラスが達成できる場合,又は自動パワー減衰構成部品の故障が被ばくする可能

性があるパワーを顕著に増加させる場合には,自動パワー減衰回路も解析に含める。

D.5.5.1.2  ステップ 2:構成部品の故障モードの識別 

表 D.3 に示すように,構成部品,それらの回路記号及びその最も故障しやすいモードを記載した表を作

る。

表 D.3−構成部品の故障モードの識別(例)

回路記号

構成部品

故障モード

ベータ

コメント

LM1

非冷却レーザ

出力の増加

出力の減少 
出力無し

TR1 BFR

96 ムラード

<500 mW NPN

ショート 
オープン

R1

47R 2 % 
0.25 W

ショート

オープン

パラメータドリフト

R2

3K9 2 % 
0.25 W

ショート

オープン 
パラメータドリフト

C1

0.47 µF 10 % 
50 V

ショート

オープン

パラメータドリフト


33

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

米国国防総省信頼性解析センタ(

RAC

)の刊行資料

[2]

は,発生しやすい故障モードリストを掲載してい

る。コメントの欄を設け,技術者に相談し,故障から予想される結果について説明を求める(ステップ

3

参照)

D.5.5.1.3  ステップ 3:ベータ(β)値の決定 

このステップでは各構成部品が回路内でどのように動作するかの知識を必要とするため,この問題の相

談先としては回路設計者又は修理技術者が最適である。ベータ値は,故障モードの危険性の程度に依存す

る。

表 D.4 に示した三つのカテゴリーを考察することによって,簡単な解析に基づいて確率の数字をベー

タ(

β

)値に割り当てる。

表 D.4β 値(例)

故障モードがクラス 1M の AEL 
超えるレーザパワーを生じるか

ベータ(β)値

はい 1

いいえ 0

可能性あり 0.5

相談された技術者は,ベータ(

β

)値をより適切な値に推定できる場合がある。

可能な場合は,いつでも故障状態をシミュレーションすることは適切な慣行である。

D.5.5.1.4  ステップ 4:故障率の導出 

次のステップは各構成部品の基本故障率を求め,故障モードに故障率を割り当てることである。この情

報は,例えば,次の情報源から得られる。

a)

稼動中のシステムの故障の解析から得られるデータ

b)

 BT

(ブリティシュテレコム)の信頼性データハンドブック,

HRD5 [3]

60 %

の上限信頼限界における

一般的な構成部品の固有の故障率が掲載)

c)

 RAC

刊行資料

[2]

(故障モードに対して故障率の割当て一覧)

d)

MIL-HDBK 217

 [17]

e)

 RAC

出版物

NPRD [14]

例えば,

HRD5

では,小信号のシリコンバイポーラトランジスタの基本故障率(

λ

base

)を

8 FIT

としてい

る。また,

RAC

刊行資料には,ショートが

73 %

,オープンが

27 %

の故障モード(

α)の割当てが掲載さ

れている。スプレッドシート内の適切な欄にこれらの値を記入する。

横方向に欄内の値を乗算し,次いで縦方向に加え合わせてシステムの故障率を求める。総合的な故障率

は,システムとして意図したクラスを超える確率を表す。これを,

表 D.5 で説明する。


34

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

表 D.5−故障率の決定(例)

回路記号

構成部品

故障モード

ベータ

λ

base

α

 

コメント

LM1

非冷却レーザ

出力の増加

出力の減少 
出力無し



0

500 
500 
500

0.05 
0.65 
0.30

25.0


0

おそらく光ファイバの軸

ずれを原因とする変動 
チップの故障

TR1 BFR

96 ムラード

<500 mW NPN

ショート

オープン


0


8

0.73 
0.27

5.84
0

I

laser

は R1 で制限される

(まだ安全であろう,R1

の行参照)

R1

47R 2 % 
0.25 W

ショート

オープン 
パラメータドリフト



0.5

0.2
0.2
0.2

0.05 
0.84 
0.11

0.01

0.01

R2

3K9 2 % 
0.25 W

ショート

オープン

パラメータドリフト



0.5

0.2
0.2
0.2

0.05 
0.84 
0.11

0.01

0.01

C1

0.47 µF 10 % 
50 V

ショート

オープン 
パラメータドリフト



0.5

0.3
0.3
0.3

0.49 
0.29 
0.22

0.15

0.03

総合故障率=31.06 FIT

この例(一律

5 V

の電源電圧)では,最大のレーザ電流は

R1

によって約

35 mA

に制限されている。こ

のことから,

1.5 μm

のレーザがクラス

1M

の限界値を超えるようなことは考えられない。ほかの場合では,

これがいつも適用できるとは限らない。レーザのデータシート及び個々の構成部品の値を参照することが

望ましい。

類似の例であっても,ある構成部品の故障が,同時に他の構成部品の故障を伴うときに限って深刻にな

る場合は,これらの構成部品の

FIT

数の単純な総和では適切でないことがある。

D.5.6  影響度分析 

IEC 61508 規格群“電気/電子/プログラマブル電子安全関連システムの機能的安全性”

[5]

は,自動パ

ワー減衰システムの信頼性を定量的に測定することが可能な,規格に基づくアプローチの例である。IEC 

61508-1 に規定する体系では,安全関連制御システムの要求事項は,四つの安全度水準(

SIL

)の一つに分

類される。

SIL

によって,異なった要求事項が適用される。IEC 61508-1 によれば,次のようにハードウェ

アの偶発故障及び系統的故障を考慮しなければならない。

ハードウェアの偶発故障は信頼性データを使って計算できる。

系統的故障は,設計故障,環境負荷又は影響度による故障,及び操作誤りの確率を考慮する。

注記 1

IEC 61508-1 において

SIL

は,電気/電子/プログラマブル電子安全関連システムへ割り当

てられる,安全機能の安全度水準要求事項を特定するための離散的水準(四つのレベルの一

つ)と定義されている。安全度水準

4

は最高の安全度水準であり,安全度水準

1

は最低であ

る。

注記 2

ハザードレベルを制御するためにプログラマブル電子装置を用いる場合,IEC 61508 規格群

の適用を推奨する。システムが純粋にハードウェアだけである場合,

FMECA

のようなよく

知られた手法を使って分析することができる。

IEC 61508 規格群は,

OFCS

のような“適用分野”における,特定の製品の危険性について,幾つかの

推奨される安全度水準の決定方法を提供している。D.5.6.1 に示すのは,

SIL

のレベルを決定するための,

仮定に基づく極めて控え目な(安全側の)アプローチの例である。これは,IEC 61508-5 

附属書 にあ


35

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

る“リスクグラフ(危険因子分類図)

”に基づいている。

D.5.6.1  影響度分析の例 

(安全関連システムが配置されていない場合の)リスクは,危険事象の頻度及びその事象の影響度の関

数であると考えられる。ここでは,

SIL

値を決定するためにリスクグラフ手法を使用する。IEC 61508 

格群

[5]

の一つから引用したリスクグラフを,

図 D.3 に示す。

  C:  影響リスクパラメータ 
  F:  頻度及び被ばく時間リスクパラメータ
  P:  危険リスク回避可能性パラメータ 
  W:  想定外事象発生の確率 
a,b,c … h:SRS(安全関連系)に対して要

求されるリスク削減の推定値

必要最低

リスク削減

安全度水準

安全要求事項なし

a

特別な安全要求事項なし

b,c 1

d 2

e,f 3

g 4 
h E/E/PE

SRS は十分でない

図 D.3IEC 61508-5 の D.5 からのリスクグラフの例

D.5.6.1.1  ステップ 1−影響度評価 

IEC 61508-5 

[5]

では,

表 D.6 に示すように,影響度レベルを四つに分類している。

OFCS

の場合,皮膚又

は目の障害であり,影響度リスクレベルは厳しく見積もっても数人の死亡事故とはならない

C

2

を割り当て

ればよいと考えられる(

表 D.6 の網掛け部分は割り当てたリスクレベルを表す。)。

表 D.6IEC 61508-5 の表 D.1 からの影響度分類

影響度リスクレベル

分類

C

1

軽度の負傷

C

2

1 人以上の人間の重大な永久障害。1 人の死亡

C

3

数人の死亡

C

4

非常に多くの人の死亡

D.5.6.1.2  ステップ 2−頻度評価 

IEC 61508 規格群

[5]

では,危険ゾーンにおける被ばくの頻度及び露光時間を評価しなければならない。

これについては,

表 D.7 に示す二つの値の一つを割り当てる。

OFCS

の例に対しては,極めて厳しい評価

として,より露光のリスクの高いリスクレベル

F

2

を割り当てる(

表 D.7 の網掛け部分は割り当てたリスク

レベルを表す。

a,b,c,d,e,f,g,h は,
必要最低リスク削減を表す。
表には,必要最低リスク削減

と,安全度水準との関係が示

されている。


36

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

表 D.7IEC 61508-5 の表 D.1 からの頻度分類

危険ゾーンにおける頻度及
び露光時間−リスクレベル

分類

F

1

危険ゾーンにおける“まれな露光”から“しばしばの露光”まで

F

2

危険ゾーンにおける“頻繁な露光”から“永久露光”まで

D.5.6.1.3  ステップ 3−危険を回避する可能性の評価 

IEC 61508-5 

[5]

では,危険事象を避け得る可能性として,

表 D.8 に示す二つの値の中から一つを割り当

てる。この例(

OFCS

)では,ある条件下で可能というリスクレベル

P

1

を割り当てる(

表 D.8 の網掛け部

分は割り当てたリスクレベルを表す。

表 D.8IEC 61508-5 の表 D.1 からの危険を回避する可能性の分類

危険事象を避ける確率−

リスクレベル

分類

P

1

ある条件下で可能

P

2

ほとんど不可能

D.5.6.1.4  ステップ 4−安全関連システムがない場合に危険事象の起こる確率 

最後に,安全関連システムがない(働かない)ために危険事象が起こる確率,すなわち,

(安全関連シス

テムでは)想定外の事象発生の確率である(

表 D.9 参照)。この例(

OFCS

)では,リスクレベルを,想定

外事象が頻繁に起こることを除いた

W

1

W

2

の範囲とする(

表 D.9 の網掛け部分は割り当てたリスクレベ

ルを表す。

表 D.9IEC 61508-5 の表 D.1 からの想定外の事象発生の確率の分類

想定外事象発生の確率−

リスクレベル

分類

W

1

想定外事象が起こる確率が非常に低く,想定外事象が起こる可能性はほんの

僅かしかない。

W

2

想定外事象が起こる確率が低く,想定外事象が多少起こり得る。

W

3

想定外事象が起こる確率が比較的高く,想定外事象が頻繁に起こり得る。

D.5.6.1.5  ステップ 5−グラフのマッピング 

これらのパラメータをリスクグラフ(

図 D.3)に適用する場合,最も厳しく見積もった条件の下でも,

皮膚又は目の危険に関しては,

SIL 1

の信頼性レベルが割り当てられる(IEC 61508 規格群

[5]

に規定する他

の方法によっても,同じ基準を使えば,

SIL 1

に集約される。

D.5.6.1.6  ステップ 6−自動パワー減衰システムの信頼性の決定 

次のステップでは,

SIL 1

についてだけ検討する。

SIL 1

以外の

SIL

レベルについては,IEC 61508 規格

[5]

を参照する。これらの

SIL

レベル(

SIL 1

以外)については,IEC 61508-2 に従って,ハードウェア偶

発故障,ハードウェアの耐故障性,及び安全故障比率を考慮するのがよい。

SIL

は二組の数値範囲として示される。すなわち,一つは安全装置に関して求められる高い要求モード

に対する組であり,もう一つは低い要求モードに対する組である。光ファイバシステムは,据え付けた後

に,偶発的な光路の切断又は開放というような支障を来すことはめったにない。したがって,自動パワー

減衰システムが光パワーをシャットダウン又は減少させる要求は極めてまれである。IEC 61508 規格群の

用語では,自動パワー減衰は,

“低い要求モード”

表 D.10 の用語の定義を参照)で動作する。


37

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

注記

例えば,光ファイバケーブルの平均故障間隔は,

2

年∼

160

年の範囲又はそれ以上と判断されて

きた。

Cochrane and Heatley [18]

による

表 及び表 を参照。

表 D.10−動作モード−IEC 61508-4 の 3.5.12 の定義

用語

定義

動作モード

安全関連システムに要求される要求頻度に関して,あらかじめ

意図された安全関連システムの使用方法であり,

“低い要求モー

ド”か,

“高い要求又は継続モード”かのいずれかである。

低い要求モード

安全関連システムに要求される動作要求頻度が,1 年に 1 回より

多くなく,かつ,動作保証試験頻度の 2 倍より多くない。

高い要求又は

継続モード

安全関連システムに要求される動作の要求頻度が 1 年に 1 回よ

り多い,又は動作保証試験頻度の 2 倍より多い。

注記  高い要求又は継続モードは,機能的安全性を維持するために継続的に制御す

る安全関連系を含む(例えば,圧力調整弁)

SIL

レベル

1

システムの場合,危険状況に対する目標故障率は

10

1

10

2

との間である。この目標故障

率は,幾つかの解決策で達成できる。例えば,自動パワー減衰,機械的な解決策,外的要因のリスクの削

減などがある。

この例では,自動パワー減衰が選択され,自動パワー減衰が出力を減衰することに失敗する確率は,

0.1

以下となる。

表 D.11 

SIL

レベルと目標故障率との関係を示しており,網掛け部分は選択された

SIL

値(レ

ベル

1

)に対する目標故障率を示す。

表 D.11IEC 61508-1 の 7.6.2.9 の SIL 

安全度水準

(SIL)

低い要求モード動作

(要求されたときに設計された機能の実行に失敗する平均確率)

4 10

5

以上 10

4

未満

3 10

4

以上 10

3

未満

2 10

3

以上 10

2

未満

1

10

2

以上 10

1

未満

ハードウェア偶発故障に関しては,

SIL

レベル又は自動パワー減衰システムの失敗の確率は,自動パワ

ー減衰の不稼動率である。自動パワー減衰が,自動パワー減衰の誤作動に対するアラームで連続的にモニ

タされているか,又は周期的に試験されている場合は,この不稼動率は,自動パワー減衰装置の信頼性と,

自動パワー減衰が故障した場合の作業者による修理時間[すなわち,平均修理時間(

MTTR

]との両方に

よって決定される。装置の信頼性はしばしば,式

(D.1)

で示す

FIT

数(

10

9

時間における故障)で表される。

9

e

10

MTTR

FIT

P

SIL

×

=

=

9

10

×

=

MTTR

SIL

FIT

  (D.1)

ここに,

SIL

要求回数に対する故障数を表す指標(

SIL

レベル)

P

e

自動パワー減衰システムの不稼動率

 

FIT

FIT

MTTR

平均修理時間

10

9

時間当たりの故障回数と

10

9

時間当たりの故障回数である

FIT

数との間の換算のための値


38

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

FIT

数と故障した安全システムの平均修理時間との関係を,

図 D.4 に示す。

SIL

レベル

1

安全システムの

範囲が網掛けで示されている。

図 D.4FIT 数と平均修理時間との関係

D.5.6.1.7  ステップ 7−系統的故障を原因とするリスクの削減 

SIL1

について,IEC 61508-2 及び IEC 61508-3 

[5]

は,系統的故障を削減するために次の方法を適用する

ことを強く推奨している。

a)

例えば,ウオッチドッグ監視,プログラムシーケンスの論理モニタ,オンライン検査を用いた逐次モ

ニタなどのプログラムシーケンスモニタ

b)

例えば,

JSD

MASCOT

SADT

Yourdon

などの構造化された手法を用いたソフトウェア設計

c)

電源故障,電圧変化,過電圧及び低電圧に対する対策

d)

情報伝送路及び給電ラインの分離

e)

電磁波干渉耐力の増加

f)

例えば,温度,湿度,水,振動,ごみ,腐食性物質などの物理的環境に対する対策

g)

例えば,温度センサ,ファン制御,サーマルヒューズ,温度アラーム,強制空冷,ステータス情報表

示などの温度上昇への対策

h)

二重化信号を搬送する複数の伝送路の空間的な分離

i)

例えば,信号の信ぴょう(憑)性の確認,自動スタートアップ試験による検出などの改造に対する防

上記方法に関する詳細情報については,IEC 61508 規格群

[5]

2

部及び第

3

部を参照。

D.5.6.1.8 FIT 数の決定 

自動パワー減衰システムの信頼性は,これらのシステムの責任ある運用及び保守に密接に結びついてい

る。非常に低い

FIT

数をもつ自動パワー減衰機能の場合,自動パワー減衰機能の規定寿命以内で使用を停

止する限り,自動パワー減衰機能の保守は不要である。そうでないシステムについては,自動パワー減衰

の不稼動率,すなわち,

FIT

数は,自動パワー減衰故障の検出確率,妥当な時間内に修理する体制にある

作業者,及び自動パワー減衰故障アラームに対する作業者の応答性に依存している。

機器の製造業者は,そのシステムの保守について管理することはできないので,

SIL

と平均修理時間と

の組合せ(

図 D.4)よりもむしろ,具体的な

FIT

数を提案するほうが有用となる場合がある。製造業者は,

1)

頻繁な若しくは継続した診断試験(動作保証試験)を行う自動パワー減衰システム,又は 2)

試験も監


39

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

視もされない自動パワー減衰システムのいずれかを供給するものと考えられる。継続的な診断試験,監視

及び警報を行う場合は,

OFCS

内の故障は

1

日以内で修理されると思われるので,平均修理時間は

24

時間

である。安全関連システムを試験しないシステムでは,長い期間無人で運転される場合もあるが,場合に

よっては,これらのシステムは,

2

3

年ごとに更新,修理,試験,又は取り替えられることもあり得る。

したがって,平均修理時間は

10

4

時間であるとも考えられ,これはおおよそ

1

年である(

表 D.12 参照)。

表 D.12−装置監視に関する分類の決定

分類記号

安全関連システムの診断試験及び監視

平均修理時間

MTTR

M

1

安全関連システムについて頻繁な又は継続的な診
断試験及び監視が行われる。

1 日(24 時間)

M

2

監視は行われないが,頻繁に診断試験は行われる。 1 年(10

4

時間)

M

3

監視も試験も行われないが,システムは,自動パ
ワー減衰の決められた寿命以内に使用をやめる。

20 年(2×10

5

時間)

この情報を用いると,

FIT

数を決めることができる。例として,

1 550 nm

で動作し通常の運転下(故障

検出なし)での光パワーが,クラス

1M

を超えるものの,クラス

3B

の上限値より小さい通信システムを

考える。この

OFCS

を非制限区域で動作させたい場合を想定する。これを実現するためには,合理的に予

見可能な故障条件下で,被ばくする危険性のあるレーザ放射をハザードレベル

1

に限定する必要があり,

レーザ出力のクラスを考えると,自動パワー減衰システムが必要である。最大許容

FIT

数は,

SIL1

レベル

の上限を割り当てることが望ましい。式

(D.1)

及び

図 D.4 から,最少の要求条件(すなわち,最大許容

FIT

数)は,平均修理時間が

24

時間となる,継続的診断のあるシステムの場合で

4

×

10

6

 FIT

であり,平均修

理時間が

1

年のシステムに対しては

10

4

 FIT

,また,継続的診断のないシステムに対しては

500 FIT

である

ことが分かる(

表 D.13 参照)。

FIT

数の仕様は,他の影響度リスクレベルに対しても同様に決定することができる(IEC 61508 規格群

[5]

参照)

表 D.13−上記の例からの FIT 

安全度

水準

影響度 FIT 数

M

1

(継続診断)

M

2

(頻繁な試験)

M

3

(監視なし)

SIL 1

1 人又はそれ以上の人に対する重大な永久障害,
1 人の死亡−例,網膜傷害,小規模火災(C

2

4×10

6

未満

10

4

未満 500 未満

D.6  推奨する作業慣行 

D.6.1D.6.4 の作業慣行は,適正慣行とみなすことができ,

OFCS

で作業するときも推奨する。異なる状

況では,異なる作業慣行を適用してもよい。

D.6.1  一般的作業慣行 

OFCS

での作業で適正と考えられる作業慣行を,次に示す。

光ファイバの観察

光ファイバ端面又は光コネクタ端面を,無防護の眼又は承認されていないコ

リメート装置で見つめない,又はそれらの端面を他人に向けてはならない。

観察用補助器具

認定されたフィルタ又は減衰器付の観察用補助器具を使用する。


40

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

光ファイバ端面

(単一又は複数)

単一若しくは複数の光ファイバ端面又は終端されていない(例えば,突合せ

をしていない,融着接続していないなど)と分かった端部の場合,作業中以

外は当該端部を波長及び/又は出力にあった材料で個々に又は一括して覆う

のがよい。容易に目視可能な状態にしないほうがよく,また,鋭い端部を露

出しないほうがよい。

適切な被覆方法には,接続部プロテクタ又はテープの使用を含む。接続され

ていない光コネクタの端部は,常にキャップをする。

リボン光ファイバ

(テープ形状光ファイ

バ)

許可がない限り,未分離のままのリボン光ファイバ(テープ形光ファイバ)

をへき開してはならない,又はリボン(テープ)接続器を使用してはならな

い。

試験コード

光試験コードを使用するときは,光パワー源は最後に接続し,最初に外すの

がよい。

光ファイバ切りくず

光ファイバの切りくずは全て収集し,承認された容器の中に片付ける。容器

自体は承認された方法で処理する。

保守

稼動対象のシステムの操作及び保守は,承認された説明書に従う。

清掃

光ファイバ及び光コネクタを清掃し準備するときは,承認された方法で行う。

改造

OFCS

又は関連装置には許可なく改造を加えてはならない。

試験用延長接続ボード

光送信盤カードに試験用延長接続ボードを使わないほうがよい。光源が光送

信ラックの外側にあるときは,光源を作動させてはならない。

ラベルの損傷

損傷又は紛失した光放射安全ラベルは,部門の管理者に報告する。

キーコントロール

キーコントロール付の装置では,キーは管理者の指名した者の管理下に置く

のが望ましい。指名された者は安全使用,保管及び総合管理を確実に行う。

予備のキーは任命された現場管理者による厳重な管理手続きの下で保管する

ことが望ましい。

試験装置

作業に必要で実際的な(光レベルが)最低クラスの試験装置を使用する。ハ

ザードレベルよりも高いクラスの試験装置を使用してはならない。

標識

ハザードレベル

1M

を超える区域には,区域警告標識が必要である。区域標

識は,より低いハザードレベルの区域にも表示してよい。

アラーム

システムアラーム,特に自動パワー減衰又はその他の安全系が動作しないこ

とを示すアラームは,決められた時間内に修理できるように,応答可能なも

のでなければならない。

D.6.2  ハザードレベル 11M22M 及び 3R のシステム運転中の作業慣行 

活線/運転中のシステムに対して作業するとき(例えば,

OFCS

の光ファイバ中に光信号が伝送されて

いるとき)には,D.6.1 に列挙された作業慣行の適用を推奨する。

D.6.3  ハザードレベル 3B の作業慣行 

ハザードレベル

3B

をもつ区域での運転中のシステムに対する作業(

“活線作業”ともいう。

)は望まし

くない。

管理者は,

OFCS

の安全及び訓練について責任のある適切な計画を確立し,維持するのがよい。

OFCS

の設置及びサービスに携わる者は,全ての規則を守り,潜在的に安全でない状態又は光放射に対する異常

な被ばくについて,管理者に報告しなければならない。


41

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

ハザードレベル

3B

の区域での運転中のシステムについての作業が(上記のように)許可されていない

場合は,次の作業慣行を用いるのがよい。

D.6.1 に明示した全ての一般的な慣行。

光パワーを発生している装置の動作を停止して,

OFCS

を非運転にする(D.6.4 に詳述)

システム内を伝送する最高の出力に耐えて故障せず,かつ,承認された光パワーメータを用いて,光

ファイバ内に光パワーが存在しないことを確認する。

作動していない全ての露出した光ファイバ端部を覆う。つながれていない光コネクタは常に,組み込

んだ光コネクタシャッタ機構又は光コネクタ端面キャップを使用して,適切に光パワーを減衰する。

間接的な観察用補助器具だけを使用する(例えば,テレビ受像又は陰影画像を使用した接続装置。

認可なしに,顕微鏡及び拡大鏡を使用してはならない。

試験用光コードを使用するときは,光源は最後に接続し,最初に外す。

D.6.4  ハザードレベル 3B のシステム及び区域に関する正式のパワー増減手順 

OFCS

を停止するとき(運転中のシステムに対する作業が許可されていない場合)は,次の手順を採用

するのがよい。

a)

光源の担当者に指名された者には,次の事項が望ましい。

スイッチのオンオフが必要となる装置について,適切なレベルまで訓練を受ける。

D.6.3 に関係する指示及び安全要求事項,並びに現場での付加的な指示及び現場の状況に精通してい

る。

安全に対して責任ある態度をもっていなければならない。

b)

指名された担当者は,部門の管理者が任命し,その選任について通知することが望ましい。

c)

各々の装置設置区域で指名された担当者のリストを記録し,目に付くように掲示するのがよい。

d)

作業を始める前に,その作業の実施を認可された者(起動者)は,次を行うのがよい。

当該光源の担当者に連絡し,当該光ファイバ(に接続された光源)の電源を切ることを要求する。

全二重システムの場合,当該光源の担当者はそれぞれの端部について連絡をする。

電源が切られたことを知らされたとき,起動者は必要な書式を作成し保存する。起動者と当該光源

の担当者とが同一人である場合は,これを実行する必要はない。

電源がオフであることを検証する(運転中・活線光ファイバ心線対照器又は光パワーメータを用い

て)

作業の完了時,当該光源の指名された担当者に知らせる。

e)

起動者から光源の切断要求を受け取ったとき,当該光源の担当者は,次を行うのがよい。

要求日時及び起動者に関する詳細情報を記録する。書式は光源が設置してある区域にあるファイル

に保存する。

(キーコントロールが装備されている場合は,それによって)該当する電源を切断する。

警告ラベルを作成し,光源を切り離す場所にある適切な機材,例えば,機器のラック又は分配架な

どに貼る。ラベルは各起動者ごとに貼ることが望ましい。

起動者に連絡して,ジョブ番号及び光源の電源が切られた時間を報告する。

作業が完了した旨の通知を受けたとき,詳細を適切に記録し,光源を再度通電する前に機器から警

告ラベルを取り除く。複数の起動者が同一の光源の電源を切ることを要求したときは,その光源の

電源は全ての作業が終了する前に再通電してはならない。


42

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

D.7  シャットダウン動作までの最大出力 

シングルモード光ファイバを使った

OFCS

において,シャットダウンが動作して光パワーが遮断される

までの時間(遮断時間)における最大出力パワー(

mW

)を,

表 D.14 に示す。この場合,シャットダウン

は非制限区域において

1

秒以内で,また,制限区域及び管理区域においては

3

秒以内で,より低いハザー

ドレベルの制限値まで光パワーを減少する(4.8.2 を参照)

附属書 に要約した技術的要求事項は,適宜,

より低いハザードレベルに適用することが望ましい。

表 D.14 を導くために用いた方程式を,次に示す。

×

=

t

MPE

d

P

P

d

NOHD

4

π

ln

1

2

2

π

2

0

λ

ω

この式を

P

について表すと,次のようになる。

×

=

2

0

2

π

125

.

0

exp

1

1

4

π

NOHD

d

t

MPE

d

P

λ

ω

ここに,

ω

0

モードフィールド直径(

1/e

2

のパワー密度)

m

P

光ファイバ内の全パワー(

W

d

限界開口直径(

m

MPE

最大許容露光量(

Jm

2

NOHD

公称眼障害距離(

m

t

遮断時間(秒)

λ

波長(

m


43

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

表 D.14−より低いハザードレベルに出力を減衰させる自動パワー減衰機能をもつ 

光ファイバ通信システムのパワー制限値の例

波長

nm

光ファイバモー

ドフィールド径

μm

遮断時間

測定距離

m

最大出力パワー

mW

非制限区域

最大出力パワー

mW

制限区域

最大出力パワー

mW

管理区域

980 7 1

0.1 9.4  9.4

適用しない

980 7 3

0.1

適用しない 7.2

適用しない

980 7 3

0.25

適用しない

適用しない 39

1 310 11  1

0.1 78

78

適用しない

1 310 11  3

0.1

適用しない 59 適用しない

1 310 11  3

0.25

適用しない

適用しない 314

1 400∼1 500

11

0.3

0.1

1 598

1 598

適用しない

1 400∼1 500

11

1

0.1

650

650

適用しない

1 400∼1 500

11

2

0.1

適用しない 389  適用しない

1 400∼1 500

11

3

0.1

適用しない 288  適用しない

1 400∼1 500

11

2

0.25

適用しない

適用しない 2 403

1 400∼1 500

11

3

0.25

適用しない

適用しない 1 774

1 550 11  0.5

0.1

2 539  2 539

適用しない

1 550 11  1

0.1

1 273  1 273

適用しない

1 550 11  2

0.1

適用しない 639  適用しない

1 550 11  3

0.1

適用しない 428  適用しない

1 550 11  3

0.25

適用しない

適用しない 2 640

注記 1  使用した光ファイバパラメータは,最も厳しい(安全側)の値である。λ=1 310 nm∼1 550 nm に対する

表中の数値は,モードフィールド径(MFD)が,11 μm の光ファイバについて計算したものであり,λ
980 nm に対する数値は,7 μm の MFD の光ファイバについて計算したものである。

1 480 nm 又は 980 nm レーザによって光励起されるエルビウム添加光ファイバ光増幅器(EDFA)を用

いて 1 550 nm で運用するシステムの多くは,小さな MFD をもつ伝送光ファイバを用いる。例えば,1 550 
nm の分散シフト光ファイバケーブルでは,MFD の上限値が 9.1 μm である。この場合,非制限区域及び
制限区域に対する 1 480 nm 及び 1 550 nm の最大光パワー出力は,

表 D.14 に示す値の 1.44 倍であり,管

理区域に対する 1 480 nm 及び 1 550 nm の最大光パワー出力は,

表 D.14 に示す値の 1.46 倍である。

注記 2  表中の遮断時間は,参考例である。遮断時間の最大値に比べて,短時間でのシャットダウンは許容され

る。その結果,より高い出力の使用が可能となる(遮断時間の最大値は,非制限区域では 1 秒,制限区

域及び管理区域では 3 秒である。


44

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

附属書 E

(参考)

サービス及び保守のための手引

E.1  試験及び測定 
E.1.1

ケーブルダクト及びスイッチングセンタでの試験,測定及び作業は,サービス又は保守作業と考え

る。いかなる場所においても,できる限り,診断試験はハザードレベルを上昇させないような方法で実施

する。時には,システムを動かす許可を含む運用上の管理を行う必要がある。試験装置を接続する場合,

システムで用いる実際のパワーレベルを明らかにして,

危険評価の観点から十分留意することが望ましい。

E.1.2

運用組織は,自動パワー減衰を無効にできる,明確に決められた条件を確立して維持するのがよい。

自動パワー減衰を無効にしたときには,運用組織はハザードレベルを再評価する。再評価したハザードレ

ベルに対し,4.5 及び関連する項に示す適切な安全予防措置をとることが望ましい。

E.1.3

照射が最大許容露光量(

MPE

)以下になるように,光ファイバ検査及び融着のための観測用光学器

具を選択し,その使用を運用組織が承認することが望ましい。

注記

運用組織が承認する観測用光学器具に,ラベルを表示してもよい。

E.1.4

合理的に実行できる場合,サービス,保守及び修理は,光ファイバ内にパワーを伝送しないで実施

するのがよい。これが合理的に実行できない場合,システムは,実用上で要求される最低のパワーで運用

することが望ましい。

E.1.5

運用組織は,該当

MPE

を超える被ばく量の照射を人が受けないように,作業慣行を確立すること

が望ましい。

E.2  安全上の予防措置 
E.2.1  
一般的な注意 
E.2.1.1

サービス又は保守中に,

MPE

レベルを超える光又はレーザ放射が起こり得る場所(例えば,スイ

ッチング中,管理された場所)では,適切に目を防護する。

E.2.1.2

光ファイバケーブル又はシステムで作業を行う前に,エンドユーザは,被ばくする可能性がある

区域でのハザードレベルを確認するのがよい。据え付けて作動しているシステムの場合,被ばくする可能

性がある区域では

警告ラベルを用いてハザードレベルを特定することが望ましい。作動していることが分

かっている又は作動の可能性があるシステムについては,ハザードレベルにあった注意を払うことが望ま

しい。据付中,ハザードレベルのラベルがまだ設けられていない場合又はラベルがない場合は,光ファイ

バに接続された光源を含んでいるトランスミッタ又は試験装置の分類に適合した注意を払うことが望まし

い。

E.2.1.3

光ファイバケーブル又はネットワークの据付け又は試験中は,この規格のハザードレベル

1

1M

2

若しくは

2M

,又は JIS C 6802 のクラス

1

1M

2

若しくは

2M

と指定された出力をもつ試験装置だけを

使用することが望ましい。

制限区域又は管理区域にある

OFCS

の場合,より高い光出力をもつ試験装置を使用することも可能であ

るが,その場合は,試験を行う前に,全ての場所で,被ばくする危険性のある光ファイバ端面及び光コネ

クタを固定し,適切なハザードレベルをラベル表示することが望ましい。

E.2.1.4

ハザードレベル

3B

をもつ管理された区域への入口には,次の手段を講じる。


45

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

JIS C 6802 の図 1(警告ラベル−危険シンボル)に従って警告ラベルを付けた標識,“ハザードレベル

3B

”と書いた JIS C 6802 

図 2(説明ラベル)の説明ラベルを設ける。

許可された人にだけ接近を制限し,潜在的危険の存在を説明した標識を設ける。

E.2.1.5

 OFCS

の運転,据付け又はサービスに携わる人は,次を行う。

 OFCS

の安全な運用のために確立された全ての規則,手順及び方法を遵守する。

身体傷害又は物的損害を起こす可能性のある状態又は慣行については,直ちに監督者に通知する。

光放射への異常露光が明らか又は疑わしい場合,直ちに監督者へ報告する。

E.2.2  ハザードレベル 1M2M3R 及び 3B の場所での予防措置 
E.2.2.1

露出した光ファイバ,光コネクタなどについて作業を行う前には,できる限り,光伝送又は試験

装置はシャットダウンするか,低い出力状態にするか又は切断するのがよい。その場合,リモートコント

ロールスイッチ又はその他の適切な方法によって,不用意にスイッチをオンにすることは防止する。ライ

ンの状態(パワー・オン又はオフ)は,明瞭に表示することが望ましい。

E.2.2.2

光信号が導通している光ファイバの端面又は光コネクタ端面へ接近する人には,そのようなポイ

ントを直視しないように指示することが望ましい。いかなる場合でも,適切な減衰レベルをもつ観察用補

助器具だけを使用することが望ましい。

E.2.2.3

ハザードレベル

3B

の場所にある

OFCS

についての作業は,光ファイバ安全訓練コースを受講し

たスタッフだけが許される。

E.2.2.4

ハザードレベル

3B

の場所にある

OFCS

及び関連試験装置の据付け,運転又は保守を行うスタッ

フは,訓練を受けていない要員を確実に保護することが望ましい。

E.2.2.5

非常に高いパワーレベル(数百

mW

∼数

W

)が光ファイバに挿入された場合,システム内の損失

が高い箇所は高温にさらされる可能性がある。

注記

そのようなシステムの例として,分布ラマン増幅技術を使用したシステムがある。

高温は,装置及びオフィスに危険な状況をもたらす可能性がある。したがって,通常,非常に高いパワ

ーを伝送するシステムにあっては,光コネクタを非常に注意深く清掃し,光コネクタ,融着及び屈曲によ

る損失をできるだけ減らすことが望ましい。

E.2.3  訓練プログラム 

OFCS

を据付け又は保守するスタッフの雇用者は,光ファイバハザードの管理のための適切なプログラ

ムを確立して維持することが望ましい。

ハザードレベル

3B

OFCS

について作業するスタッフのために,

安全・訓練プログラムを設けることが望ましい。そのようなプログラムは,レーザ及び

OFCS

の安全の分野

に精通した者が指導するのが望ましい。プログラムは,次の事柄を提供する。

 OFCS

に関する背景情報

レーザ分類システム及びハザードレベルに関する安全情報


46

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

附属書 F

(参考)

ハザードレベル”の意味の明確化

この附属書は,JIS C 6802 に規定する“レーザクラス”とこの規格に規定する“ハザードレベル”との

違いを,更に明確にする。

F.1 

クラス 

“クラス”という用語は,製品又は内蔵形の光送信部を放出レベルに基づき安全性の面からグループ化

する手段に対応する。それらの放出レベルは,JIS C 6802 の各クラスの

AEL

の表に規定されている。クラ

スは,合理的に予見可能な条件の下で安全であるクラス

1

から,最も危険となり得るクラス

4

まである。

JIS C 6802 では,製品のクラス分けは,単一故障状態を含む,合理的に予見可能な運転条件に基づいてい

る。

F.2 

ハザードレベル 

“ハザードレベル”は,この規格で規定する用語であり,この用語は,エンドユーザ間を結んだ

OFCS

において,保守作業中又は故障時又は光ファイバの取り外す場合,被ばくし得る任意の区域におけるレー

ザ放射による潜在的な危険性に対応する。ハザードレベルの評価には,JIS C 6802 に規定する各クラスの

被ばく放出限界表を用いる。ハザードレベルの評価は,4.8.1 に規定している。評価は,実際の測定であっ

てもよいし,放出パワーと既知の時定数とに基づく計算でもよい。

附属書 には,補足的な説明として,“

OFCS

全体は JIS C 6802 に規定するクラスと同様には分類しな

い。その理由は,本来の使用状況では,光放射は全体として閉じこめられるため,JIS C 6802 の厳密な解

釈では全ての

OFCS

をクラス

1

に割り当てるおそれがあり,

OFCS

の潜在的な危険性を正確には反映しな

いためである。

”と記載している。この記載から,完全な

OFCS

は,正常な条件の下では,放射は完全に閉

じこめられ(レーザプリンタのように)

,光は保護きょう体の外部に放出されることがないため,クラス

1

レーザ製品とみなすことができる。内蔵エミッタ及び増幅器が十分に高いパワーのものである場合,光フ

ァイバが破損したとき又は光コネクタが外れたときに初めて,誰かが潜在的に危険な光に被ばくすること

があり得る。したがって,各光出力ポートごとにハザードレベルを評価しなければならない。ハザードレ

ベル制限値は,JIS C 6802 が波長範囲によって異なる制限値を規定していることを考慮して,

“優勢な”波

長範囲によって決められる。詳細は JIS C 6802 から得られる。さらに,この規格では,自動パワー減衰が

使用できるので,光ファイバ内の通常パワー及び自動パワー減衰の速さに基づいた,より低い(危険性が

より少ない)ハザードレベルを得ることができる。

F.3 3.13.43.11 及び箇条 の理論的根拠 

OFCS

の多くの部分は,

“合理的に予見可能な条件の下で被ばくする可能性がない”と分類されることが

ある。

F.4 4.8.1 及び 4.8.2 の理論的根拠 

これらの箇条の見解は,JIS C 6802 で既に存在する仮定に基づいている。


47

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

この箇条では,破断又は取外しの瞬間においてポート又は破断面からの放射に人体が被ばくする場合,

MPE

を超えてはならないことを要求している。パワーは,遮断時間が終了するまで一定して最大値を保持

しているものと仮定する。

区域区分ごとに,次による。

a)

非制限区域  非制限区域に対する

1

秒の遮断時間は,

“…ハザードレベルの評価は合理的に予見可能

な事象の

1

秒後に実施する…”と規定する 4.8.1 と整合している。

100 mm

の距離は,JIS C 6802 

11[既定(簡略化した)評価法における測定開口の直径及び測定距離]と整合している。光ファイバ

を故意に切断したとしても,人が

1

秒以内に

100 mm

の距離に入り込み,光学系を運悪く被ばくする

ように位置させることは,まずあり得ないことである。また,光信号は光ファイバ内を伝搬するにつ

れて減衰するので,非制限区域における故障時の出力は,光送信器又は光増幅器における値よりずっ

と低くなり得る。

b)

制限区域  制限区域内のシステムの故障は事故によるものであり,遮断についての

3

秒は“合理的に

予見可能な事象後”の受入れ可能な時間であるということを仮定するならば,制限区域に対する

3

間の遮断時間も 4.8.1 と整合している。また,人が

3

秒以内に

100 mm

の距離に入り込み,光学系を運

悪く被ばくするように位置させることは,まずあり得ないことである。また,光信号は光ファイバ内

を伝搬するにつれて減衰するので,制限区域における故障時の出力は,光送信器又は光増幅器におけ

る値よりずっと低くなり得る。

c)

管理区域  管理区域内で作業を行う人は,システムが適切に非動作状態になっていない限り,破損し

た光ファイバを直視してはならないことも含め,レーザの安全性について十分な訓練を受けていなけ

ればならない。

F.5 D.5 の理論的根拠 

附属書 は,参考である。“推奨する”という言葉を使用する場合,別の解析方法の使用を禁じるかの

ように受け取られることがあり得る。故障解析の方法及び適切な安全レベルの採用は,使用者に任されて

いる。


48

C 6803

:2013 (IEC 60825-2:2010)

参考文献

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Procedure for failure mode and effects analysis

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Part 3-10: Outdoor cables

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[12]

IEC 60794-3-20

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Part 3-20: Outdoor cables

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[Prepared by Reliability Analysis Center, PO Box 4700, Rome NY]

[15]

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[16]

JIS C 6804  レーザ製品の安全−情報伝送のための光無線通信システムの安全

注記

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Safety of laser products

Part 12: Safety of free space optical

communication systems used for transmission of information

IDT

[17]

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[18] COCHRANE, P. and HEATLEY, DJT. Reliability Aspects of Optical Fibre Systems & Networks. BTTJ Special

Issue on Future Telecommunication Systems & Networks, No.2, April 1994, Vol 12, pp. 77-92,

[also found at: http://innovate.bt.com/people/heatledj/papers/reliability/reliability]

[19]

IEC/TR 60825-14

Safety of laser products

Part 14: A user’s guide