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C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲及び目的  

1

2

  引用規格  

3

3

  用語及び定義  

4

4

  クラス分けの原則  

18

4.1

  一般事項  

18

4.2

  クラス分けに対する責任  

18

4.3

  クラス分けの規則  

18

4.4

  従来形のランプとして機能するように設計されたレーザ製品  

23

5

  被ばく放出レベルの決定及びレーザ製品のクラス分け  

24

5.1

  試験  

24

5.2

  レーザ放射の測定  

25

5.3

  レーザ製品のクラスの決定  

26

5.4

  測定光学系  

34

6

  技術的仕様  

38

6.1

  一般注意事項及び改造  

38

6.2

  保護きょう体  

38

6.3

  アクセスパネル及びセーフティインタロック  

39

6.4

  リモートインタロックコネクタ  

40

6.5

  マニュアルリセット(手動再設定)  

40

6.6

  鍵による制御  

40

6.7

  レーザ放射の放出警告  

40

6.8

  ビーム終端器又は減衰器  

41

6.9

  制御部  

41

6.10

  観察用光学装置  

41

6.11

  走査に対する安全防御  

41

6.12

  クラス 1C 製品のための安全防御  

41

6.13

  “歩行”立入り  

42

6.14

  環境条件  

42

6.15

  その他の危険性に対する保護  

42

6.16

  出力制限回路  

43

7

  ラベル  

43

7.1

  一般事項  

43

7.2

  クラス 及びクラス 1M  

45

7.3

  クラス 1C  

46


C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)  目次

(2)

ページ

7.4

  クラス 及びクラス 2M  

46

7.5

  クラス 3R  

47

7.6

  クラス 3B  

48

7.7

  クラス 4  

48

7.8

  開口ラベル  

49

7.9

  放射出力及び規格情報  

49

7.10

  アクセスパネルに対するラベル  

49

7.11

  不可視レーザ放射に対する警告  

50

7.12

  可視レーザ放射に対する警告  

50

7.13

  皮膚及び前眼部への潜在的危険性に対する警告  

50

8

  その他の必要な情報  

51

8.1

  使用者に対する情報  

51

8.2

  購入及びサービスのための情報  

53

9

  特定のレーザ製品に対する付加的な要求事項  

53

9.1

  IEC 60825 規格群のその他の部及び関連 JIS  

53

9.2

  医用レーザ製品  

53

9.3

  レーザ加工機  

53

9.4

  電気玩具  

54

9.5

  消費者用電子製品  

54

附属書 A(参考)最大許容露光量  

55

附属書 B(参考)計算例  

64

附属書 C(参考)クラス及び付随する潜在的危険性に関する説明  

75

附属書 D(参考)生物物理学的検討  

81

附属書 E(参考)放射輝度で表した MPE 及び AEL  

89

附属書 F(参考)要約表  

92

附属書 G(参考)IEC 60825 規格群の各部の概要  

95

附属書 JA(参考)使用者への指針  

97


C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。

これによって,JIS C 6802:2011 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

6802

:2014

(IEC 60825-1

:2014

)

レーザ製品の安全基準

Safety of laser products

序文 

この規格は,2014 年に第 3 版として発行された IEC 60825-1 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項及び

附属書 JA は,対応国際規格にはない事項であ

る。

適用範囲及び目的 

この規格は,波長範囲 180 nm∼1 mm のレーザ放射を放出するレーザ製品の安全基準について規定する。

波長 180 nm 未満(真空紫外領域)を放射するレーザは,存在はするが,このレーザビームは,通常,

真空容器の中に閉じ込めなければならず,潜在的な光放射による危険が本質的に最小限である。したがっ

て,この規格の適用範囲外とする。

レーザ製品は,

電源を別にもつもの若しくは内蔵しているもの又は単一のレーザからなるものでもよい。

さらに,光学的,電気的又は機械的複合システムの中に一つ又は複数のレーザを組み込んでいてもよい。

一般に,レーザ製品は,物理的及び光学的現象の実演,材料の加工,データの読取り及び蓄積,情報の伝

達及び表示などに利用される。これらのシステムは,工業,商業,娯楽,研究,教育,医用,消費者向け

製品などの用途に用いられている。

最終製品は,それ自体この規格に従うことになるが,システムの一部として他の製造業者へ販売される

レーザ製品は,この規格の対象とならない。最終製品用の修理部品として使用するために,最終製品の製

造業者によって,又はその製造業者のために売られるレーザ製品も,この規格の適用範囲外である。ただ

し,レーザ製品内のレーザシステムが最終装置から取り外されても運転可能な場合,この取外し可能なレ

ーザシステムは,この規格の要求事項を適用する。

注記 1  運転可能な装置は,運転の準備のために工具を必要としない。

箇条 及び箇条 に従って製造業者が行ったクラス分けが,運転,保守,サービス及び故障の全ての条

件下で,放出レベルがクラス 1 の被ばく放出限界(AEL)を超えないことを示した場合,全てのレーザ製

品は,この規格の更なる要求事項から除外することができる。そのようなレーザ製品を除外レーザ製品と

呼んでもよい。

注記 2  この“除外”は,本質的に安全なレーザ製品は箇条 6∼箇条 の規定を適用する必要がない

ことを意図している。

あるレーザ機器では,レーザ放射の被ばくに起因する潜在的な悪影響に加えて,電気,化学薬品,高温

又は低温のようなその他の関連する危険性をもつことがある。レーザ光線は,目くらみ又はぎらつきのよ

うな一時的な視力障害を引き起こす場合がある。

そのような作用は,

仕事及び周囲の照明レベルに依存し,


2

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

この規格の適用範囲外である。この規格のクラス分け及びその他の要求事項は,目及び皮膚に対するレー

ザ放射の危険性だけを扱うことを意図している。

その他の危険性については,

この適用範囲には含めない。

この規格は必要最小限の要求事項について規定している。この規格に適合していても製品の安全性が要

求されたレベルを達成するために十分であることにはならない。レーザ製品は,他の適用可能な製品安全

基準の適用可能な製品性能及び試験要求事項を満たすことも要求される場合がある。

注記 3  他の規格は,追加的な要求事項を含んでいることがある。例えば,クラス 3B レーザ製品,

クラス 4 レーザ製品は,消費者向け製品としての使用には適さない。

レーザシステムが,

安全に関する他の JIS 及び IEC 規格に従っている機器の一部を形成している場合

[例

えば,IEC 60601-2-22(医用機器)

JIS C 6950-1(IT 機器)

JIS C 6065(オーディオ機器及びビデオ機器)

IEC 62368-1

(オーディオビデオ機器及び IT 機器)

IEC 60079 規格群(危険な環境に用いる機器)

,又は

IEC 62115

(電気玩具)

,この規格は,レーザ放射から生じる危険性に対する IEC Guide 104 の条項に従っ

て適用される。製品安全規格に適用可能なものがない場合には,JIS C 1010-1 を適用してもよい。

眼科用機器については,患者の安全性を保障するために,JIS T 15004-2 を考慮することが望ましい。ま

た,そこに提供される限界の原則は,レーザ光線に対して適用することが望ましい(

附属書 及び附属書

D

も参照)

2005 年版の JIS C 6802 では,発光ダイオード(LED)を適用範囲に含めていた。また,他の関連する

JIS

(例えば,JIS C 6803 など)に LED を含めている場合がある。しかし,ランプ安全基準の開発に伴い,

LED の放射安全基準は,通常,ランプ安全基準の方がより適切に取り扱うことができるため,適用範囲か

らは除外している。ただし,この規格の適用範囲からの LED の除外は,他の規格がレーザに言及している

場合はいつでも,その規格に LED を含めることを妨げるものではない。LED 単体又は 1 個以上の LED の

組込み製品に対する危険グループクラスを決定するために JIS C 7550 を適用してもよい。幾つかの他の製

品安全規格は,LED 製品に対し,この規格の測定,クラス分け,技術的仕様及びラベル付けの要求事項の

適用を要求することがある。

従来形のランプ光源として機能するように設計され,4.4 に規定する要求事項を満たし,かつ,4.4 に規

定する基準値内の被ばく放射輝度をもつレーザ製品は,この規格に替えて IEC 62471 規格群(ランプ及び

ランプシステムの光生物的安全性)の下で評価してもよい。そのような製品であっても,ランプ光源とし

ての光放射自体はクラス分けを考慮する必要がないということを除いて,この規格の適用範囲に含める。

附属書 に記載している MPE(最大許容露光量)値は,レーザ放射に対して開発されているため,副

次放射には適用しない。しかし,被ばくし得る副次放射の危険性を懸念する場合は,この潜在的な危険性

を安全側に評価するために,レーザの MPE 値を適用してもよく,JIS C 7550 の露光限界値を考慮してもよ

い。

附属書 の MPE 値は,医用又は美容整形的治療の目的で行われるレーザ放射の人体への意図的露光に

対しては適用しない。

注記 4  情報提供のための附属書 A∼附属書 及び附属書 JA は,一般的な指針の目的で,かつ,多

くの代表的事例を説明するために記載するものである。ただし,それらの附属書は,決定的

又は網羅的なものとはみなさない。

この規格の目的は,次のとおりである。

−  危険性の評価及びユーザの管理手段の決定を支援するため,光学的放射の危険性の程度に応じて,波

長範囲 180 nm∼1 mm のレーザ及びレーザ製品のクラス分けのシステムを導入する。

−  適切な予防措置がとれるような情報を提供するため,製造業者に対する要求事項を規定する。


3

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

−  レーザ製品からの被ばく放射に伴って生じる危険性について,ラベル及び取扱説明書によって,各人

に対する適切な警告を確実なものにする。

−  不必要な被ばく放射を最小限にすることによって傷害の可能性を低減し,保護手段によってレーザ放

射の安全管理を改善する。

注記 5  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60825-1:2014

,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and requirements

(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1010-1

  測定用,制御用及び試験室用電気機器の安全性−第 1 部:一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 61010-1,Safety requirements for electrical equipment for measurement, control,

and laboratory use−Part 1: General requirements(MOD)

JIS C 6065

  オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器−安全性要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60065,Audio, video and similar electronic apparatus−Safety requirements

(MOD)

JIS C 6803

  レーザ製品の安全−光ファイバ通信システムの安全

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60825-2 , Safety of laser products − Part 2: Safety of optical fibre

communication systems (OFCS)(IDT)

JIS C 6804

  レーザ製品の安全−情報伝送のための光無線通信システムの安全

注記  対応国際規格:IEC 60825-12,Safety of laser products−Part 12: Safety of free space optical

communication systems used for transmission of information(IDT)

JIS C 6950-1

  情報技術機器−安全性−第 1 部:一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60950 (all parts),Information technology equipment−Safety(MOD)

JIS C 7550

  ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性

JIS C 9335

規格群  家庭用及びこれに類する電気機器の安全性

注記  対応国際規格:IEC 60335 (all parts),Household and similar electrical appliances−Safety(MOD)

JIS T 0601

規格群  医用電気機器

注記  対応国際規格:IEC 60601 (all parts),Medical electrical equipment(MOD)

JIS T 15004-2

  眼光学機器−基本的要求事項及びその試験方法−第 2 部:光ハザードからの保護

注記  対応国際規格:ISO 15004-2:2007,Ophthalmic instruments−Fundamental requirements and test

methods−Part 2: Light hazard protection(IDT)

JIS Z 8113

  照明用語

注記  対応国際規格:IEC 60050 (all parts),International Electrotechnical Vocabulary(MOD)

ISO/IEC 11553 (all parts)

,Safety of machinery−Laser processing machines

IEC 60601-2-22

,Medical electrical equipment−Part 2-22: Particular requirements for basic safety and


4

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

essential performance of surgical, cosmetic, therapeutic and diagnostic laser equipment

IEC 60825-4

,Safety of laser products−Part 4: Laser guards

IEC 62115

,Electric toys−Safety

IEC 62471 (all parts)

,Photobiological safety of lamps and lamp systems

IEC Guide 104

,The preparation of safety publications and the use of basic safety publications and group safety

publications

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8113 によるほか,次による。

注記  便宜上,定義は英語のアルファベット順に配列されている。JIS Z 8113 の IEV 845 からの差異

は意図的で,かつ,その旨を指摘してある。このような場合,JIS Z 8113 の IEV 845 の定義に

対して,

“修正”と付して括弧書きで記載している。

3.1

アクセスパネル(access panel)

保護きょう体又は囲いの一部であって,取外し又は移動したときに,レーザ放射による被ばくを生じる

もの。

3.2

被ばく放出(量)(accessible emission)

箇条 に規定するように,規定の開口絞り[AEL をワット(W)又はジュール(J)の単位で与える場合]

を用いて,又は限界開口[AEL をワット毎平方メートル(W·m

2

)又はジュール毎平方メートル(J·m

2

の単位で与える場合]を用いて,ある位置において決定される放出レベル。

注記 1  3.40 で定義するように,被ばく放出(運転中に決定する)は人体の被ばく状態が考慮される

ところで決定する。被ばく放出はレーザ製品のクラスを決定するために被ばく放出限界(3.3

参照)と比較する。この規格の本体内では,用語“放出レベル”を用いる場合は,いつでも,

被ばく放出として理解する。

注記 2  ビーム直径が測定用の開口絞りより大きい場合は,ワット(W)又はジュール(J)の単位で

与える被ばく放出は,レーザ製品から放出される全パワー又は全エネルギーより小さい。ビ

ーム直径が限界開口の直径より小さい場合は,ワット毎平方メートル(W·m

2

)又はジュー

ル毎平方メートル(J·m

2

)の単位で与える被ばく放出,すなわち,限界開口全体で平均化し

た放射照度又は放射露光は,実際のビームの放射照度又は放射露光より小さくなる。開口絞

り(3.9)及び限界開口(3.55)を参照。

3.3

被ばく放出限界,AEL(accessible emission limit)

対応するクラスで許容される最大の被ばく放出。

注記  この規格において“AEL を超えない放出レベル”又は同様の言い回しの場合は,被ばく放出を

箇条 に規定した測定基準に従って決定することを意味する。

3.4

運用上の管理(administrative control)

鍵の管理,人間に対する安全訓練,警告通知,秒読み手法,安全区域管理などの,非技術的な安全手段。

注記  これらは製造業者が指定してもよい(箇条 参照)。


5

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

3.5

受入れ角,γ(angle of acceptance)

検出器が光放射に応答する範囲の平面角。

注記 1  この受入れ角は,検出器の前方にある開口又は光学素子で制御できる(図 及び図 参照)。

受入れ角は,視野と呼ぶこともある。

注記 2  国際単位系(以下“SI”という。):ラジアン(rad)。

注記 3  受入れ角は,光源の視角又はビーム広がりとは異なるものである。

3.6

視角,α(angular subtense)

その円弧の長さと半径との比で与えられる,円弧の張る平面角。

注記 1 SI:ラジアン(rad)。

注記 2  小さい角度では,与えられた距離での線分の視角は,その線分長を距離で除することによっ

て計算される。大きい角度では,弦(直線)と円弧との差異を考慮する必要がある。

3.7

アパーレント光源の視角,α(angular subtense of apparent source)

空間の 1 点から見る場合,

図 で示すように,アパーレント光源がその点に対して張る角度。

注記 1  アパーレント光源の像が,TEM

00

ビームの拡散反射のように,ガウシアン放射照度分布をも

つ場合は,α はビーム直径 d

63

の定義(3.13 参照)で決定される。不均一の放射照度分布又は

多数の光源については,4.3 d)によって決定する。

注記 2 SI:ラジアン(rad)。

注記 3  アパーレント光源の位置及び視角は,ビーム内の観察位置に依存する(3.10 参照)。

注記 4  アパーレント光源の視角は,この規格において波長範囲 400 nm∼1 400 nm の網膜障害領域だ

けに適用できる。

注記 5  光源の視角は,ビーム広がりとは異なるものである。

3.8

開口(aperture)

レーザ製品の保護きょう体に設けた開口部。ここを通してレーザ放射が放出され,人体への被ばくが生

じる。

注記  限界開口(3.55)も参照する。

3.9

開口絞り(aperture stop)

放射が測定される特定の領域を規定するための円形開口。

注記  限界開口(3.55)も参照する。

3.10

アパーレント光源(apparent source)

網膜障害に関しての所定の評価位置に対して,最も小さな網膜像を結ぶ実物体又は仮想的物体(人間の

目の調節可能範囲を考慮する。

注記 1  目の調節可能範囲は,100 mm から無限遠まで可変であると仮定される。ビーム内の所定の

観察位置に対するアパーレント光源の位置は,目が調整して最も危険な網膜放射照度条件を

生成する場所である。


6

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

注記 2  この定義は,所定の評価位置に対して,波長範囲 400 nm∼1 400 nm のレーザ放射の見かけの

起点の位置を決定するために用いる。発散角がゼロとみなせる限界において,すなわち,理

想的な平行ビームでは,アパーレント光源の位置は,無限遠になる。

注記 3  網膜上でガウシアン放射照度分布を示す分散光源の円形像に対しては,アパーレント光源の

視角を決定するために d

63

の定義を用いることができる。

3.11

ビーム(beam)

方向,広がり,直径又は走査仕様によって特性付けられるレーザ放射。

注記  非鏡面反射からの散乱放射は,ビームとはみなさない。

3.12

ビーム減衰器(beam attenuator)

レーザ放射を規定のレベル若しくはそれ以下に,又は規定の割合だけ減衰させるデバイス。

3.13

ビーム直径,ビーム幅,d

u

(beam diameter,beam width)

全レーザパワー(又はエネルギー)の u %を含んだ最小円の直径。

注記 1  この規格では,d

63

を用いる。

注記 2  ビームウエストは,ビーム直径が最小となるビームの中での位置である。

注記 3 SI:メートル(m)。

注記 4  ビーム直径のこの定義は,アパーレント光源の視角 α の決定には,定義が異なるので一般に

使用しないのが望ましい。しかし,アパーレント光源の像がガウシアン放射照度分布をもつ

場合は,アパーレント光源の視角の決定のために d

63

を適用することができる。アパーレン

ト光源の像が非ガウシアン放射照度分布をもつ場合については,4.3 d)に規定した方法が使用

される。

注記 5  ガウシアンビームの場合,d

63

は放射照度(放射露光)が,その中心ピーク値の 1/になる直

径に対応する。

注記 6  2 次モーメント直径(ISO 11146-1 の 3.8 参照)は,例えば,不安定共振器によって生成され

る,高い放射照度ピークを中心部にもち,かつ,低レベルの背景を伴う遠視野ビームのプロ

ファイルに用いるのは適当ではない。開口を通過するパワーは,2 次モーメント直径を用い

て,ガウスビーム分布の仮定を用いてパワーを計算すると,かなり低めに評価される。

3.14

ビーム広がり(角),発散角,φ(beam divergence)

ビーム直径で定められる円すいの遠視野平面角。

注記 1  距離 離れた 2 点のビーム直径(3.13 参照)がそれぞれ d

63

及び d

63

'である場合は,ビーム広

がり φ は,次の式によって求める。

=

r

d

'

d

2

arctan

2

63

63

ϕ

注記 2

 SI

:ラジアン(

rad

注記 3

  2

次モーメントビーム広がりの定義(ISO 11146-1 参照)は,例えば,不安定共振器によって

生成される,高い放射照度ピークを中心部にもち,かつ,低レベルの背景を伴う遠視野ビー

ムプロファイル,又は開口によって生じる回折パターンのビームプロファイルには用いない。


7

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

3.15

ビーム拡大器(

beam expander

レーザのビーム直径を拡大するための光学部品の組合せデバイス。

3.16

ビーム光路部品(

beam path component

規定ビーム光路上に位置する光学部品(例えば,ビーム操作ミラー,集束レンズ,拡散板)

3.17

ビーム終端器(

beam stop

レーザビーム光路を終端するデバイス。

3.18

クラス レーザ製品(

Class 1 laser product

運転中に,該当する波長及び放出持続時間[4.3 e)及び 5.3 参照]に対するクラス

1

AEL

を超えるレー

ザ放射を人体に被ばくさせること(被ばく放出,3.2 参照)のない全てのレーザ製品。

注記 1

C.3

(クラス分け体系の限界)も参照。

注記 2

製品のクラス分けの決定に必要な試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,又は製品が開

かれたか若しくは分解されたとき,その製品のクラスの

AEL

を超えたレーザ放射が,保守

6.2.1 参照)又はサービス中に,被ばく状態になり得る。

3.19

クラス 1C レーザ製品(

Class 1C laser product

皮膚又は眼部以外の組織に接触させて運転するように明確に設計されたもので,次のいずれも満たす全

てのレーザ製品。

運転中の目の危険を技術的手段によって防止している,すなわち,アプリケータ(

applicator

:レーザ

出射部)が皮膚又は眼部以外の組織との接触から解放されると,被ばく放出が停止するか,又はクラ

1

AEL

以下に減少する。

運転中,皮膚又は眼部以外の組織に接触しているときに限り,意図した治療法の要件に応じて,放射

照度又は放射露光レベルが皮膚の

MPE

を超える可能性がある。

適用可能な製品安全規格に準拠している。

注記 1

適用可能な製品安全規格の中で規定した要求事項の考察なしに,この規格だけでクラス

1C

として製品をクラス分けすることは不適切である。C.3(クラス分け体系の限界)も参照。

注記 2

放出されたレーザ放射が適用される皮膚の

MPE

を超える可能性があるので,クラス

1C

レー

ザの出力は,目標組織に対して潜在的に危険である。接触条件下での被ばく放射の適切な制

限の定義,例えば,起こり得るまぶた(瞼)との接触に対しては,この規格の適用範囲外で

あり,適用可能な製品安全規格で規定される。

注記 3

製品のクラス分けの決定に必要な試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,又は製品が開

かれたか若しくは分解されたとき,クラス

1

AEL

を超えた放射が,保守(6.2.1 参照)又は

サービス中に,被ばく状態になり得る。

3.20

クラス 1M レーザ製品(

Class 1M laser product


8

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

放射のレベルを 5.3 a)によって測定したものであって,運転中に,該当する波長及び放出持続時間[4.3 e)

参照]に対するクラス

1

AEL

を超えるレーザ照射を人体に被ばくさせること(被ばく放出,3.2 参照)

のない

400 nm

700 nm

の波長範囲にある全てのレーザ製品。

注記 1

C.3

(クラス分け体系の限界)も参照。

注記 2

クラス

1M

レーザ製品の出力は,望遠鏡,双眼鏡のような望遠光学系を用いて観察する場合

は,潜在的に危険である。

注記 3

製品のクラス分けの決定に必要な試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,又は製品が開

かれたか若しくは分解されたとき,その製品のクラスの

AEL

を超えたレーザ放射が,保守

6.2.1 参照)又はサービス中に,被ばく状態になり得る。

3.21

クラス レーザ製品(

Class 2 laser product

運転中に,該当する波長及び放出持続時間[5.3 c)参照]に対するクラス

2

AEL

を超えるレーザ放射

を人体に被ばくさせること(被ばく放出,3.2 参照)のない

400 nm

700 nm

の波長範囲にある全てのレー

ザ製品。

注記 1

C.3

(クラス分け体系の限界)も参照。

注記 2

製品のクラス分けの決定に必要な試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,又は製品が開

かれたか若しくは分解されたとき,その製品のクラスの

AEL

を超えた放射が,保守(6.2.1

参照)又はサービス中に,被ばく状態になり得る。

3.22

クラス 2M レーザ製品(

Class 2M laser product

放射のレベルを 5.3 c)によって測定したものであって,運転中に,該当する波長及び放出持続時間[4.3 e)

参照]に対するクラス

2

AEL

を超えるレーザ放射を人体に被ばくさせること(被ばく放出,3.2 参照)

のない

400 nm

700 nm

の波長範囲にある全てのレーザ製品。

注記 1

C.3

(クラス分け体系の限界)も参照。

注記 2

クラス

2M

レーザ製品の出力は,望遠鏡,双眼鏡のような望遠光学系を用いて観察する場合

は,潜在的に危険である。

注記 3

製品のクラス分けの決定に必要な試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,又は製品が開

かれたか若しくは分解されたとき,その製品のクラスの

AEL

を超えた放射が,保守(6.2.1

参照)又はサービス中に,被ばく状態になり得る。

3.23

クラス 3R 及びクラス 3B レーザ製品(

Class 3R and Class 3B laser products

運転中に,クラス

1

及びクラス

2

の被ばく放出限界を超えるレーザ放射を人体に被ばくさせ得る(被ば

く放出,3.2 参照)が,該当する放出持続時間及び波長に対し,それぞれクラス

3R

及びクラス

3B

AEL

を超えるレーザ放射を人体に被ばくさせることのない全てのレーザ製品[5.3

d)

及び 5.3 e)参照]

注記 1

C.3

(クラス分け体系の限界)も参照。

注記 2

クラス

1M

及びクラス

2M

レーザ製品は,それらの光学的特性に依存して,クラス

3R

AEL

を超える出力をもつことがある。


9

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

注記 3

製品のクラス分けの決定に必要な試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,又は製品が開

かれたか若しくは分解されたとき,その製品のクラスの

AEL

を超えた放射が,サービス中に

被ばく状態になり得る。

3.24

クラス レーザ製品(

Class 4 laser product

クラス

3B

AEL

を超えるレーザ放射を人体に被ばくさせ得る(被ばく放出,3.2 参照)全てのレーザ製

品[5.3 f)参照]

注記

C.3

(クラス分け体系の限界)も参照。

3.25

副次放射(

collateral radiation

レーザ運転の結果として,又はその物理的要件によって,レーザ製品から放出されるレーザ放射以外の

180 nm

1 mm

の波長範囲にある全ての電磁放射。

3.26

平行ビーム(

collimated beam

微小な発散角又は集束角をもった放射ビーム。

3.27

接触モード(

contact mode

ビーム出射部が意図した目標と密接に接触しているレーザ製品の使用法。

注記 1

ビーム出射部は“物理的な”接触をする必要はない。例えば,適切な技術的制御手段が施さ

れる場合,意図した目標への接近でもよい。

注記 2

この定義は,クラス

1C

に分類される製品に関連する。

3.28

連続波,CW

continuous wave

0.25

秒以上の持続時間の連続出力が得られるレーザ。

注記

この規格では,

0.25

秒以上の持続時間のレーザを

CW

レーザとみなす。

3.29

規定ビーム光路(

defined beam path

レーザ製品内での意図されたレーザビーム光路。

3.30

実演用レーザ製品(

demonstration laser product

ライトショー,催し物,広告,展示又は美術的構成を意図して,企画,設計及び製造した全てのレーザ

製品。

注記

用語“実演用レーザ製品”は,実演用に利用できるものであっても,他の用途を意図して設計

されたレーザ製品には用いない。

3.31

拡散反射(

diffuse reflection

表面又は媒質によって種々の方向に散乱されたビームの空間分布の変化。

注記

完全な拡散器は,入射方向と反射方向との間の相関を完全になくす。

JIS Z 8113 の IEV 845-04-47 を修正)


10

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

3.32

組込形レーザ製品(

embedded laser product

被ばく放出を制限するような技術的手段によって,組み込まれているレーザの本来の能力よりも低いク

ラスに割り当てられたレーザ製品。

注記

組込形レーザ製品に組み込まれているレーザ製品は,内蔵レーザ製品又は内蔵レーザシステム

と呼ぶ。

3.33

放出持続時間(

emission duration

レーザ製品の運転,保守又はサービスの結果として生じるレーザ放射を人体に被ばくさせ得るパルス,

パルス列又は連続放出の持続時間。

注記

単一のパルスの場合,放出持続時間は,パルスの立ち上がり半値点と立ち下がり半値点との間

の時間幅である。連続パルス列(又は主パルス列中のサブパルス群)の場合は,最初のパルス

の立ち上がり半値点と最後のパルスの立ち下がり半値点との間の時間幅である。

3.34

迷走レーザ放射(

errant laser radiation

規定ビーム光路から逸脱しているレーザ放射。

注記

このような放射には,ビーム光路部品からの不要な反射,及びミスアライメント又は損傷した

部品からの逸脱放射を含む。

3.35

露光時間(

exposure time

exposure duration

人体に照射されるレーザ放射のパルス,パルス列又は連続放出の持続時間。

注記

単一パルスの持続時間は,パルスの立ち上がり半値点とパルスの立ち下がり半値点との間の時

間幅である。パルス列(又はパルス列のサブパルス列部分)の持続時間は,最初のパルスの立

ち上がり半値点と最後のパルスの立ち下がり半値点との間の時間幅である。

3.36

分散光源観察(

extended source viewing

100 mm

又はそれ以上の距離で観察したとき,アパーレント光源が目に対して張る角が最小視角(

α

min

を超える観察条件。

注記 1

この規格では,網膜熱損傷の危険を考慮して,二つの分散光源観察条件を考えている。すな

わち,中光源及び大光源である。これらは,

α

min

α

max

との間の視角

α

をもったアパーレン

ト光源(中光源)と

α

max

よりも大きい視角

α

をもったアパーレント光源(大光源)とを区別

する場合に用いる(3.82 も参照)

注記 2

補正係数

C

6

4.3 c)及び

表 9]が

1

より大きくなる例としては,幾つかの拡散させたレーザ光

源,拡散反射及び幾つかのレーザダイオードアレイの観察がある。

3.37

アイセーフ(

eye safe

クラス

1

AEL

よりも小さい被ばく放出,又は与えられた露光時間に対する目への

MPE

よりも小さい

露光。

注記 1

この用語は,ある広告資料の中で,網膜障害領域と比較して,

1 400 nm

を超える波長範囲の

露光限界の方がより高いということに基づいて

1 400 nm

を超える波長範囲のレーザ放射に間


11

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

違って使用されている。用語“アイセーフレーザ”は,クラス

1

レーザ製品について記述す

るためだけに使用される。クラス

1

をアイセーフと呼ぶことができても,それが可視の放射

である場合,ビームを直視すれば,まばゆさの“せん(閃)光盲”のような短期の視覚障害

及び残像現象を生じる可能性がある。

注記 2

十分な出力パワーを備えたレーザは,波長によらず損傷を引き起こす可能性があるので,

1 400 nm

以上であるという出力波長だけに基づいて,レーザの記述に用語“アイセーフレー

ザ”を使用することはできない。

3.38

フェールセーフ(

fail safe

部品の故障が危険性を増加させないような設計上の考慮。

注記

故障モードでは,システムは動作不能となるか又は危険性がなくなる。

3.39

フェールセーフセーフティインタロック(

fail safe safety interlock

故障モードでも,インタロックの目的を無効にしないインタロック。

注記 1

フェールセーフセーフティインタロックとは,次に例示するようなインタロックである。

丁番の付いているカバーの場合,カバーを開くと直ちに強制駆動によってオフの位置とな

り,カバーを閉じるまでは強制的にオフの位置を保持するインタロック。

着脱可能なカバーの場合,カバーを取り外す前には強制駆動によってオフの位置となり,

分離しているカバーを閉じる位置にロックするまでは強制的にオフの位置を保持するイン

タロック。

注記 2

この規格の目的を達成するフェールセーフセーフティインタロックでは,インタロックがオ

フの位置にあるとき,ビームを終端するか,又は出力を要求されたレベルに減少させる。電

気的,電子的及び/又はプログラム可能なコンポーネントを使用する場合,JIS C 0508 規格

群又は ISO 13849 規格群をインタロックの信頼性評価に使用してもよい。

3.40

人体の被ばく状態(

human access

人体の被ばく状態は,次のいずれかによる。

a)

レーザ製品によって放出されるレーザ放射に人体が遭遇する可能性,すなわち,保護きょう体の外側

で放射が遮られ得る可能性。

b)

直径

100 mm

長さ

100 mm

の円筒形プローブがクラス

3B

及びそれ以下のレーザ放射レベルを遮る可能

性。

c)

人の手又は腕がクラス

3B

を超えた放射レベルを遮る可能性。

d)

保護きょう体内のクラス

3B

又はクラス

4

と等価なレーザ放射レベルに対して,製品の保護きょう体

のいずれかの開口を通して,単一の導入された平たんな表面によって,製品の内部から直接反射され

る危険なレーザ放射に,人体のいずれかの部分が被ばくする可能性。

注記

“歩行”立入りを提供するレーザ製品については,人体の被ばく状態の決定に対して保護き

ょう体の内部及び外部の両方の放射を考えることが必要である。保護きょう体の内部におけ

る人体の被ばく状態は,自動検知システムのような技術的制御によって防止することができ

る。


12

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

3.41

積分放射輝度,L

t

integrated radiance

与えられた露光時間にわたっての放射輝度積分量。放出の単位立体角当たりで放射面の単位面積当たり

の放射エネルギーとして表す。

注記 1

国際非電離放射線防護委員会(

International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection:

ICNIRP

)ガイドラインでは,この量は輝度線量(

radiance dose

)及び記号

D

としても引用さ

れる。

注記 2

 SI

:ジュール毎平方メートル毎ステラジアン(

J·m

2

·sr

1

3.42

ビーム内観察(

intrabeam viewing

目が,例えば,拡散反射の観察とは異なり,直接又は鏡面反射のレーザビームにさらされる場合の全て

の観察状態。

3.43

放射照度,E

irradiance

素面に入射する放射束

dΦ

を,その素面の面積

dA

で除した値。放射照度は,次の式によって求められる。

A

Φ

E

d

d

=

注記

 SI

:ワット毎平方メートル(

W·m

2

3.44

レーザ(

laser

主に誘導放出を制御することによって,

180 nm

1 mm

の波長範囲での電磁放射を発生又は増幅するこ

とができるデバイス。

JIS Z 8113 の IEV 845-04-39 を修正)

3.45

レーザ管理区域(

laser controlled area

放射の危険から保護する目的で,区域内への立入り及び区域内での活動が管理及び監督下におかれる領

域。

3.46

レーザエネルギー源(

laser energy source

電子,イオン又は分子の励起用エネルギーを供給するためにレーザと結合して用いることを意図したデ

バイス。

注記

商用電源,電池のような一般エネルギー源は,レーザエネルギー源には含めない。

3.47

レーザ危険区域(

laser hazard area

目及び/又は皮膚の露光がそれぞれの最大許容露光量(

MPE

)値を超過する区域。公称眼障害区域(3.64

参照。

注記

曖昧さを回避するために,危険区域が目又は皮膚のいずれの

MPE

に基づいているかの情報を

加えることが望ましい。

3.48

レーザ製品(

laser product


13

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

レーザ又はレーザシステムを構成するか,これらを組み込むか,又は組み込むように意図している,任

意の部品の組立品又は製品。

3.49

レーザ放射(

laser radiation

誘導放出によってレーザ製品から放出される波長範囲

180 nm

1 mm

の全ての電磁放射。

3.50

レーザ安全管理者(

laser safety officer

レーザの危険性の評価及び管理をするのに十分な知識をもち,かつ,レーザ危険性の管理及び監督に責

任をもつ者。

3.51

レーザシステム(

laser system

付加的な組込み部品のあるなしにかかわらず,レーザと適切なレーザエネルギー源とを組み合わせたも

の。

3.52

発光ダイオード,LED

light emitting diode

半導体内でのキャリアの発光再結合によって波長範囲

180 nm

1 mm

の電磁放射を発生するように設計

された半導体

p-n

接合デバイス。

注記

誘導放出も存在する可能性はあるが,光放射は,レーザ(3.44 参照)と異なり,主として,自

然放出によって発生する。

3.53

網膜の光化学的障害を評価するための限界受入れ角,γ

ph

limiting angle of acceptance for evaluating retinal

photochemical hazards

網膜の光化学的限界との比較に用いる被ばく放出量又は露光レベルを決定するため,測定放射量を限定

する受入れ角に対応する平面角。

注記 1

  γ

ph

は,目の動きと関連しており,光源の視角には依存しない。光源の視角が規定の

γ

ph

より

大きい場合には,

測定受入れ角

γ

γ

ph

に制限し,

光源の高輝度箇所について走査して調べる。

測定受入れ角

γ

が,規定の値に制限されていない場合には,危険性は過大評価され得る。

注記 2

アパーレント光源の視角が規定の

γ

ph

より小さい場合には,実際の測定機器の受入れ角は測定

値に影響を与えず,測定機器の受入れ角を制限する必要はない。すなわち,通常の受入れ角

の制限のない放射計を用いることができる。

注記 3

 SI

:ラジアン(

rad

3.54

熱的障害を評価するための限界受入れ角,γ

th

limiting angle of acceptance for evaluating thermal hazards

熱的網膜障害の評価に用いる最大視角。

注記 1

受入れ角

γ

の値は,

α

min

α

max

との間で変化する場合がある[4.3 d)及び 5.4.3 b) 1)参照]

注記 2

 SI

:ラジアン(

rad

3.55

限界開口(

limiting aperture

クラス分け評価のために用いる放射照度又は放射露光を平均化する円形領域。


14

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

3.56

保守(

maintenance

レーザ製品の製造業者が提供した使用者への情報に明記された調整及び作業手順を履行することで,使

用者が,製品の意図した性能を確保する目的で実行する行為。

注記

運転又はサービスは含まない。

3.57

最大視角,α

max

maximum angular subtense

それ以上の大きさでは

MPE

及び

AEL

が光源の大きさに依存しなくなるアパーレント光源の視角の値。

注記 1

  α

max

の値は,放出持続時間に依存して

5 mrad

から

100 mrad

まで変化する(

表 参照)。

注記 2

 SI

:ラジアン(

rad

3.58

最大出力(

maximum output

レーザ製品のクラスを決定するために用いる最大の被ばく放出量。

注記

被ばく放出量の決定には,その他の条件以外に単一故障条件を考慮するため(5.1 参照)

,最大

出力が,正常運転中の最高出力を超えることがある。

3.59

最大許容露光量,MPE

maximum permissible exposure

通常の環境下で,人体に照射しても有害な影響を与えることがないレーザ放射のレベル。

注記 1

  MPE

レベルは,目又は皮膚が被ばく直後又は長期にわたり結果的に損傷を受けずに被ばくで

きる最大のレベルであり,レーザ放射の波長,パルス持続時間又は露光時間,危険にさらさ

れる細胞組織,

400 nm

1 400 nm

の範囲の可視光線及び近赤外レーザ放射に対しては網膜上

の像の大きさなどに関係している。最大許容露光レベルは,現在の知識の範囲で

附属書 

示す。

注記 2

附属書 で示した

MPE

値は,

参考情報であり,

製造業者が

NOHD

を計算し危険分析を行い,

その製品の安全な使用方法に関してユーザに通知することができるように,提供する。作業

場の従業員及び一般大衆の目及び皮膚の露光限界は,多くの国々において各国の国内法で規

定している。法的拘束力のある各国の国内法における露光限界は,参考情報の

附属書 の中

で与えられた

MPE

と異なることがある。

3.60

医用レーザ製品(

medical laser product

生体診断,外科手術,美容又は治療のため,人体へのレーザ照射を意図して企画,設計及び製造した全

てのレーザ製品。

3.61

最小視角,α

min

minimum angular subtense

それ以上の大きさでは光源が分散光源と考えられるアパーレント光源の視角の値。

注記 1

  MPE

及び

AEL

は,

α

min

以下の視角に対しては,光源の大きさと無関係である。

注記 2

 SI

:ラジアン(

rad

注記 3

  α

min

1.5 mrad

3.62

モード同期(

mode-locking


15

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

非常に短い(例えば,サブナノ秒)パルスの列を生成するためのレーザ共振器内の機構又は現象。

注記

これは,意図的に生成されるが,

“自己モード同期”のように自発的にも起こり得る。結果とし

てのピークパワーは,平均パワーよりもかなり大きくなる。

3.63

最制限位置(

most restrictive position

被ばく放出を

AEL

で除した値が最大になるビーム上の位置。

注記

被ばく放出及び

AEL

の両方ともビームを評価する位置に依存する(5.4.3 参照)

3.64

公称眼障害区域,NOHA

nominal ocular hazard area

ビーム放射照度又は放射露光が角膜上の

MPE

を超えている範囲内の区域。これにはレーザビームの偶

発的な誤った方向への放射を含む。

注記

 NOHA

が光学的手段による観察の可能性を含む場合には,用語“拡張

NOHA

”を用いる。

3.65

公称眼障害距離,NOHD

nominal ocular hazard distance

ビーム放射照度又は放射露光が角膜上の

MPE

に等しいところまでの出力開口からの距離。

注記

  NOHD

が光学的手段による観察の可能性を含む場合には,用語“拡張

NOHD

ENOHD

”を用

いる。

3.66

運転(

operation

意図した機能の全範囲にわたるレーザ製品の動作。

注記

保守又はサービスは含まない。

3.67

光化学的障害限界(

photochemical hazard limit

有害な光化学的影響から人間を保護するために定められた

MPE

又は

AEL

注記

紫外線波長領域では,光化学的障害限界は角膜及び水晶体への有害な影響を防止する。一方,

400 nm

600 nm

の波長範囲で規定する網膜に対する光化学的障害限界は,放射被ばくによる光

網膜炎−光化学的網膜傷害を防止する。

3.68

保護きょう体(

protective housing

規定する

AEL

を超えるレーザ放射による人体への被ばくを防ぐために設計したレーザ製品(組込形レー

ザ製品を含む。

)の構成部分(通常,製造業者が取り付ける。

注記

人体の被ばく予防のための保護きょう体の適合性を評価するための試験要求事項に関する 5.1

を参照。

3.69

パルス持続時間(

pulse duration

パルスの立ち上がり半値点と立ち下がり半値点との間の時間幅。パルス幅ともいう。

3.70

パルスレーザ(

pulsed laser

エネルギーを単一のパルス又はパルス列の形で放出するレーザ。

注記

この規格では,パルス幅は

0.25

秒よりも短い。


16

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

3.71

放射輝度(

radiance

次の式で定義される量。

A

Φ

L

d

cos

d

d

=

θ

ここに,

L

放射輝度

dΦ

与えられた点を通過し,かつ,与えられた方向を含んだ立体

d

内に伝搬される素ビームの放射束

dA

与えられた点を含むビームの切断面の面積

θ

切断面の法線とビームの方向とがなす角

注記 1

この定義は,この規格の目的に十分な程度に JIS Z 8113 の IEV 845-01-34 を簡単化したもの

である。疑義がある場合は,JIS Z 8113 の定義に従うのがよい。

注記 2

 SI

:ワット毎平方メートル毎ステラジアン(

W·m

2

·sr

1

JIS Z 8113 の IEV 845-01-34 を修正)

3.72

放射エネルギー,Q

radiant energy

与えられた時間間隔

Δt

にわたっての放射束の時間積分値。放射エネルギーは,次の式によって求める。

=

t

t

Φ

Q

Δ

d

注記

 SI

:ジュール(

J

JIS Z 8113 の IEV 845-01-27 を修正。

3.73

放射露光,H

radiant exposure

面の一点において,素面に入射した放射エネルギーを,その素面の面積で除した値。放射露光は,次の

式によって求められる。

=

=

t

E

A

Q

H

d

d

d

注記

 SI

:ジュール毎平方メートル(

J·m

2

3.74

放射パワー,P,放射束,

Φ(

radiant power

radiant flux

放射の形態で放出,伝送又は受光するパワー。放射パワー及び放射束は,次の式によって求められる。

t

Q

Φ

d

d

=

注記

 SI

:ワット(

W

JIS Z 8113 の IEV 845-01-24

3.75

反射率,ρ

reflectance

与えられた条件において,入射した放射パワーに対する反射した放射パワーの比。

注記

 SI

:無次元数の比。

JIS Z 8113 の IEV 845-04-58 の放射束を放射パワーに修正。


17

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

3.76

リモートインタロックコネクタ(

remote interlock connector

レーザ製品の部品で,他の部品から離れて設置された外部制御器との接続を行うコネクタ。

注記

6.4

参照。

3.77

セーフティインタロック(

safety interlock

レーザ製品の保護きょう体の一部分を取り外し,開放し,又は移動したときに,クラス

3R

,クラス

3B

又はクラス

4

レーザ放射による人体への被ばくを防ぐため,保護きょう体の各部分に連結された自動連動

装置。

注記

6.3

参照。

3.78

走査レーザ放射(

scanning laser radiation

伝搬の方向,放射起点又は放射形状が基準静止系に対して時間的に変化するレーザ放射。

3.79

サービス(

service

製品の性能に影響を与え得るもので,製造業者のサービス指示書の中に記述されている作業手順又は調

整の実行。

注記

保守又は運転は含まない。

3.80

サービスパネル(

service panel

サービスのために,取外し又は位置の移動ができるように設計したアクセスパネル。

3.81

単一故障条件(

single fault condition

製品内に生じ得る全ての単一の故障であり,その故障によって直接引き起こされる必然的結果も含めた

条件。

3.82

小光源(

small source

視角

α

が,最小視角

α

min

以下である光源。

3.83

鏡面反射(

specular reflection

鏡面からの反射を含めて,反射光がビーム(3.11 参照)と考えることのできる表面からの反射。

注記

この定義は,例えば,放物面鏡のように,ある反射表面は入射ビームよりも危険性が増加する

ということを認識させる意図がある。

3.84

熱的障害限界(

thermal hazard limit

光化学損傷と対比して,有害な熱的影響から人体を保護するために定めた

MPE

又は

AEL

3.85

時間基準(

time base

レーザ製品のクラス分け評価のときに考慮する放出持続時間。

注記

4.3 e)

参照。


18

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

3.86

工具(

tool

ねじ又は同様な固定手段の着脱に用いるねじ回し,六角レンチなどの器具。

3.87

透過率,

τ(

transmittance

与えられた条件での入射放射束に対する透過放射束の比。

注記

 SI

:無次元数の比。

JIS Z 8113 の IEV 845-04-59 を修正)

3.88

透過濃度,光学濃度,D

transmittance density

optical density

透過率

τ

の逆数の常用対数値。透過濃度又は光学濃度は,次の式によって求める。

τ

D

10

log

=

JIS Z 8113 の IEV 845-04-66

3.89

可視放射,可視光(

visible radiation

light

視覚を直接引き起こすことができる光放射。

注記

この規格では,単色光成分の波長域が

400 nm

700 nm

の間にある電磁放射を意味する。

JIS Z 8113 の IEV 845-01-03 

備考を修正)

3.90

加工品(

workpiece

レーザ放射による被加工物。

クラス分けの原則 

4.1 

一般事項 

レーザ製品のクラス分けは,被ばく放出レベル(箇条 に規定した規則に従って決定する。

)を決定し,

その値を該当するクラスの被ばく放出限界(

AEL

)と比較して決める。クラス

1

,クラス

1M

,クラス

2

クラス

2M

及びクラス

3R

に対して,特別な警告が必要な場合(箇条 参照)

,クラス決定に追加測定が必

要となることがある。ある種の製品[例えば,クラス

1C

製品[5.3 b)参照]

,ある放射輝度をもつ分散光

源製品(4.4 参照)

]では特定のクラス分けを適用する。

レーザビームは,波長,エネルギー及びパルス特性に対して考え得る範囲が広いため,その使用によっ

て生じる潜在的な危険性は幅広く変化する。したがって,レーザを共通の安全限界が適用できる単一のグ

ループとしてみなすことはできない。

附属書 には,より詳細にクラスに付随する危険及びその限界(例

えば,光学補助器具観察によって起こり得る)に関連した危険性を参考として記載する。

4.2 

クラス分けに対する責任 

レーザ製品の正しいクラス分けを行うことは,製造業者の責任である(6.1 も参照)

4.3 

クラス分けの規則 

レーザ製品は,製造後のあらゆる時点で,動作能力の全範囲にわたって,被ばく放出(レーザ放射)の

出力パワーと波長との組合せに基づいて,クラス分けしなければならない。この手続によって,適切な最

大のクラスに割り当てることができる。評価は,運転中に起こり得る合理的に予見可能な単一故障条件を

考慮しなければならない(どの単一故障が合理的に予見可能かを決定するリスク分析の原則の適用につい


19

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

ては 5.1 を参照。

当該クラスに対するこの規格の全ての要求事項(例えば,技術的管理,ラベル表示,使用者への情報な

ど)を満たした場合にだけ,特定のクラスに割り当てる。

単一波長の

CW

レーザビームを放出する製品で,平行ビーム又は小光源からの放射とみなすことができ

るものについては,4.3 の b)f)の考慮は不要で,簡易的なクラス分けを用いることができる。

クラス分けの規則として,クラス

1

,クラス

1C

,クラス

1M

,クラス

2

,クラス

2M

,クラス

3R

,クラ

3B

及びクラス

4

のクラス順位(目への危険性の増大順)を用いる。

注記 1

クラス

1C

は目への危険性はない(クラス

1

と同様)と考えられる。ただし,不適切に使用

すると,皮膚の障害が生じることがある[5.3 b)も参照]

注記 2

クラス

1M

又はクラス

2M

レーザ製品のクラス分けにおいては,測定条件

3

表 10 参照)と

して規定した開口絞りを用いることで,大きな直径をもつビームから瞳に集められる放射量

を制限する。例えば,適用条件下で測定したとき,クラス

1M

及びクラス

2M

の製品が,ク

ラス

3R

AEL

よりも高いエネルギー又はパワーレベルをもつことがある。そのようなレー

ザ製品でも,クラス

1M

又はクラス

2M

のクラス分けが適切である。

クラス

1

及びクラス

1M

,クラス

2

及びクラス

2M

,クラス

3R

並びにクラス

3B

に対する被ばく放出限

界(

AEL

)を

表 3∼表 に規定する。用いる補正係数の値を,波長,放出持続時間,パルス数及び視角の

関数として

表 に規定する。

a)

単一波長の放射

AEL

が一定となる十分狭い放出スペクトル範囲をもつ単一波長のレーザ製品は,そ

のクラスに適合した条件下で測定した被ばくレーザ放射量が,それより低い全ての下位クラスの

AEL

を超えるが,割り当てられたクラスの

AEL

を超えない場合は,そのクラスに割り当てる。

b)

複数波長の放射

1)

表 に重畳的として規定する波長領域において,二つ以上の波長を放出するレーザ製品は,それぞ

れの波長における被ばくレーザ放射量(そのクラスに適合した条件下で測定する。

)の

AEL

に対す

る比率の合計が,全ての下位のクラスでは

1

よりも大きいが,割り当てられたクラスでは

1

を超え

ない場合は,そのクラスに割り当てる。この規則は,波長

400 nm

1 400 nm

のレーザ光と網膜上で

重畳する非レーザ放射,又はその他の波長領域のレーザ光と開口絞り上で重畳する非レーザ放射に

も当てはまる。したがって,この場合の非レーザ放射もこの規格のクラス分けに含めなければなら

ない。

2)

表 において,目に対して重畳的として規定していない二つ以上の波長を放出するレーザ製品は,

そのクラスに適合した条件下で測定した被ばくレーザ放射量が,一つ以上の波長に対しては,全て

の下位クラスの

AEL

を超えるが,いずれの波長においても割り当てられたクラスの

AEL

を超えな

い場合は,そのクラスに割り当てる。


20

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 1−異なる波長領域の放射による目及び皮膚への作用の重畳性

c)

波長領域

a)

 UV-C 及び UV-B

180 nm∼315 nm

UV-A

315 nm∼400 nm

可視及び IR-A

400 nm∼1 400 nm

IR-B 及び IR-C

1 400 nm∼10

6

 nm

UV-C 及び UV-B

180 nm∼315 nm

O

S

UV-A

315 nm∼400 nm

− O

S

S

O

S

可視及び IR-A

400 nm∼1 400 nm

S

O

b)

S

S

IR-B 及び IR-C

1 400 nm∼10

6

 nm

− O

S

S

O

S

O  目 
S  皮膚 

a)

  波長領域の定義は,表 D.1 参照。

b)

  AEL 及び目の MPE は,1 秒以上の時間基準又は露光時間に対して評価する場合には,重畳的な光化学的

影響(400 nm∼600 nm)及び重畳的な熱的影響(400 nm∼1 400 nm)は独立して評価し,最も厳しい値
を用いなければならない。

c)

  AEL の決定には,目に対する重畳性だけを適用する。

c)

分散光源からの放射

400 nm

1 400 nm

の波長範囲のレーザ光源による目に対する危険性は,アパー

レント光源の視角

α

に依存する。視角依存性は,適用する

AEL

値に対する補正係数

C

6

表 参照)

のほか,規定の受入れ角をもつ被ばく放出を決定する規則に表れている。

注記 3

光源の視角が

α

min

α

min

1.5 mrad

)よりも大きい場合,その光源は分散光源とみなす。ほ

とんどのレーザ光源は

α

min

より小さい視角

α

をもっており,ビーム内で観察する場合(ビ

ーム内観察)

,点状のアパーレント光源(小光源)として現れる。実際,円状レーザビーム

が分散光源である場合,そのレーザビームを

1.5 mrad

以下の発散角をもつ平行ビームにす

ることはできない。このため,ビーム発散角が

1.5 mrad

以下と規定したレーザは,分散光

源として取り扱うことはできない。小光源に対しては,

α

α

min

1.5 mrad

となり,かつ,

C

6

1

となる。

注記 4

網膜の熱的障害の評価(

400 nm

1 400 nm

)においては,分散光源の

AEL

は,直接,光源

の視角によって変化する。一方,網膜の光化学的障害の評価(

400 nm

600 nm

)において

は,

1

秒を超える露光に対して,

AEL

は光源の視角によって直接的には変化しない。ただ

し,光化学的障害の

AEL

の測定には放出持続時間[5.4.3 b)

1)

参照]に依存して

11 mrad

はそれ以上の

γ

ph

を用いるので,

γ

ph

とアパーレント光源の視角

α

との関係で

α

が測定値に

影響を与え得る。

注記 5

初期設定値である

C

6

1

に対して,クラス

1

及びクラス

1M

の簡略化した

AEL

表 に示

す。また,クラス

3R

の簡略化した

AEL

表 に示す。

α

min

以下の視角をもつ光源の場合,

AEL

及び

MPE

は,アパーレント光源の視角

α

に依存しない。測

定条件

1

表 10 参照)を適用するレーザ製品を最も厳しい位置条件(5.4.3 参照)でクラス分けする場

合は,アパーレント光源の視角

α

7

倍の値を,

C

6

の決定(すなわち,

C

6

7

×

α/α

min

)に適用しても

よい。表式(

7

×

α

)の値は,

C

6

の計算の前に最大で

α

max

に制限する。

表 

T

2

の決定には,

α

7

値を用いる。

注記 6

  α

1.5 mrad

であるが

7

×

α

1.5 mrad

となる場合,

表 及び表 

α

1.5 mrad

に対する限


21

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

界値を適用する。

d)

不均一,非円形又は複数アパーレント光源  熱的網膜限界値との比較に関して,波長範囲が

400 nm

1 400 nm

であり,かつ,

AEL

C

6

に依存し,更に,アパーレント光源の網膜像が均一な強度分布をも

たない

1)

か,又はアパーレント光源の網膜像分布が複数の点からなる場合,測定又は評価においては,

次の条件で,それぞれに対して行う。

全ての単一点

様々な点の集まり

部分的な領域

これは,上記の三つの条件によって決定される可能な全ての視角

α

に対して,

AEL

を上回らないと

いうことを保証するために必要である。点の集まり又は部分的な領域の評価に対して,それぞれの条

件に関連する部分的な被ばく放出を決定するために,受入れ角

γ

は,各次元について

α

min

α

max

との

間,すなわち,

α

min

γ

α

max

で変えなければならない。これらの部分的な被ばく放出レベルをそれぞ

れの

AEL

と比較するため,

α

はアパーレント光源の像の一部に対応した視角に等しくなるように設定

する。

1)

放射強度分布形状がガウス分布の場合(

TEM

00

ビームで生成される場合)

,視角は直径

d

63

(ビーム直径の定義と同様,3.13 参照)で決定するので,部分領域ごとの解析は不要である。

クラス分けは,当該領域の視角

α

の範囲にある部分的領域内の部分的被ばく放出と,それに対応す

AEL

との間の比率が最大となる場合に基づき行う。

方形又は線状光源の視角は,光源の縦及び横の二つの視角の算術平均で決定する。

α

max

より大きい

又は

α

min

より小さい角度は,平均値を算出する前に,それぞれを

α

max

又は

α

min

とおく。

表 10 の測定条件

1

で拡大した非円形光源の視角を決定するためには,算術平均をとる前に,各軸の

視角に対して独立に c)に規定のように

7

倍にした値を適用するのがよい。

光化学的限界(

400 nm

600 nm

)は,光源の視角に依存しない。光源は 5.4.3 b)に規定する限界受入

れ角で測定する。限界受入れ角より大きい光源に対する被ばく放出は,最大の放射値を与えるアパー

レント光源の対象となる部分によって決定しなければならない。

e)

時間基準  この規格では,次の時間基準をクラス分けに用いる。

1)

クラス

2

,クラス

2M

及び波長範囲

400 nm

700 nm

のクラス

3R

のレーザ放射に対しては,

0.25

秒。

2)

1)

及び 3)の場合を除くレーザ放射のうち,

400 nm

を超える波長に対しては,

100

秒。

3)

 400

nm

以下の波長のレーザ放射,及びレーザ製品の設計上又は機能上から長時間にわたる意図的な

観察が見込まれる

400 nm

を超える波長のレーザ放射に対しては,

30 000

秒。

製品のクラス分けを決定する場合には,時間基準内で取り得る全ての放出持続時間を考慮しなけれ

ばならない。例えば,単一パルスの放射量は,そのパルスの時間幅に適用可能な

AEL

と比較しなけれ

ばならない。クラス分けの時間基準に対応する継続時間内で放射量の平均をとるだけ,又はより短い

放出持続時間を考慮することなく,単に時間基準の値に対する評価を実行するだけでは十分ではない。

注記 7

同時に,かつ,空間的に重なって放射する,可視及び非可視の放射スペクトル成分をもつ

多波長放射レーザ製品に対して,放射成分を重畳的(

表 参照)と評価し,可視成分をク

ラス

2

,クラス

2M

又はクラス

3R

とクラス分けし,かつ,非可視成分をクラス

1

又はクラ

1M

とクラス分けする場合,重畳した放射を評価する時間基準は

0.25

秒でよい。

f)

繰返しパルスレーザ及び変調レーザ  繰返しパルス放射又は変調した放射を適用するレーザ製品のク


22

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

ラス分けの決定には,次の方法を用いなければならない。

一般的な要求事項として,いかなるパルスの集合(又はパルス列内のグループ)からの被ばく放出

も,与えられた時間条件内における全ての可能な放出持続時間において,対応する

AEL

を超えてはな

らない[4.3 e)参照]

全ての波長に対する要求事項として,次の 1)及び 2)を評価する。加えて,

400 nm

1 400 nm

の波長

に対して,要求事項 3)を熱的限界値の比較のために評価する。要求事項 3)は,光化学的限界の比較又

はクラス

3B

AEL

決定のために評価する必要はない。

クラス分け(

表 3∼表 参照)は,次の 1)2)及び状況に応じて 3)も含めた中で,最も厳しいもの

を用いて決定する。

1)

パルス列内のどの単一パルスからの露光も,単一パルスに対する

AEL

AEL

single

)を超えてはならな

い。分散光源からの被ばく放出量の決定のため,

α

max

及び受入れ角

γ

5.4.3 b)及び

表 参照]の決

定にパルス持続時間(パルス幅)を用いる。

2)

放出持続時間

T

のパルス列の平均パワーは,放出持続時間

T

に対する単一パルスの

AEL

に対応する

パワー(

AEL

T

)を超えてはならない。分散光源からの被ばく放出量の決定のため,

α

max

及び受入れ

γ

5.4.3 b)及び

表 参照]の決定に放出持続時間

T

を用いる。

変則的なパルスパターン(パルスエネルギーが変化する場合を含む。

)に関しては,

T

は,

T

i

2

参照)と時間基準との間を変化させなければならない。規則的なパルスパターンに関しては,時

間基準を用いて平均化することでよい(

T

は,時間基準として設定する。

注記 8

  AEL

T

AEL

single

又は

AEL

s. p. train

と比較して,

どの条件が最も制限的かを判定するために,

AEL

T

は,エネルギー又は放射露光で表現し,

N

で除し,

AEL

s. p. T

と表記する(

図 B.1 

注記 参照)。

3)

パルス当たりのエネルギーは,実効的なパルス数

N

に依存する補正係数

C

5

を乗じた単一パルスに

対する

AEL

を超えてはならない。ただし,

C

5

の補正は,個々のパルスの持続時間が

0.25

秒未満の

場合だけに適用する。

AEL

s. p. train

AEL

single

×

C

5

ここに,

  AEL

s. p. train

パルス列中の任意の単一パルスに対する

AEL

AEL

single

単一パルスに対する

AEL

表 3∼表 参照)

N

評価する放出持続時間内のパルス列が含む実効的なパ
ルス数[複数のパルスが

T

i

時間(

表 参照)内に現れる

とき,

N

は実際のパルス数より少なくなる。次を参照。

400 nm

1 400 nm

の波長に対する評価では,考慮の必要

な最大の放出持続時間は,

T

2

表 参照)又は適用する

時間基準のうち,いずれか短い方である。

C

5

パルス持続時間

t

T

i

の場合

 0.25

秒以下の放出持続時間に対しては,

C

5

1.0

 0.25

秒を超える放出持続時間に対しては,

C

5

1.0

N

600

C

5

5

×

N

0.25

N

600

,ただし,

C

5

0.4

を最小

値とする。

パルス持続時間

t

T

i

の場合


23

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

  α

5 mrad

に対しては,

C

5

1.0

 5 mrad

α

α

max

に対しては,

C

5

N

0.25

N

40

C

5

0.4

N

40

  α

α

max

に対しては,

C

5

N

0.25

N

625

C

5

0.2

N

625

ただし,

α

100 mrad

の場合は,

C

5

1.0

(全ての

N

複数のパルスが

T

i

時間(

表 参照)内に現れる場合,それらのパルス群を単一パルスとみなして

N

を決定する。また,個々のパルスのエネルギーは,加算して

T

i

AEL

と比較する。

場合によっては,

AEL

s. p. train

として算出した値は,同じピーク値,同じ時間基準をもつ連続波に該

当する

AEL

値を下回ることがある。その場合には,連続波の

AEL

を用いてもよい。

表 2−単一パルスとみなすパルス群の時間幅 T

i

波長

λ(nm)

T

i

(s)

400≦λ<1 050 5×10

6

1 050≦λ<1 400 13×10

6

1 400≦λ<1 500 10

3

1 500≦λ<1 800 10 
1 800≦λ<2 600 10

3

2 600≦λ≦10

6

 10

7

注記 9

附属書 に計算例を示す。

4.4 

従来形のランプとして機能するように設計されたレーザ製品 

子供用玩具を除き,従来形のランプとして機能するように設計し,距離

200 mm

5 mrad

以上の視角を

もつ分散光源から,開口部を通して可視光及び近赤外光(

400 nm

1 400 nm

)を放射し,正常運転下及び

予見可能な単一故障条件下において,

5 mrad

の受入れ角で平均化した全体(波長

400 nm

1 400 nm

)の重

み付けなしの,最大放射輝度が,次式の

L

T

を超えないレーザ装置である場合,その放射は,代替的に IEC 

62471

規格群で評価してもよい。

L

T

(1 MW·m

2

·sr

1

)/α

L

T

の計算に際しては,視角

α

はラジアン(

rad

)で表し,人が近づき得る最接近点から

200 mm

の距離に

て算出する。表式

L

T

中の

α

の値は,

0.005 rad

0.1 rad

に制限されるので,

0.005 rad

の光源では適用可能な

最大放射輝度が

200 MW·m

2

·sr

1

となり,

0.1 rad

を上回る光源では

10 MW·m

2

·sr

1

となる。

注記 1

上記の放射輝度は,露光限界でも放出限界でもなく,IEC 62471 規格群が適用可能かどうか

を示す判断基準値である。

注記 2

最大放射輝度が上記

L

T

を超えない放射光は,単色光であってもレーザクラス分けから除外す

ることができる。

注記 3

レーザ装置の最大放射輝度の測定又は算出は,表式

L

T

中の視角

α

と同様に,人が近づき得る

最接近点から

200 mm

の距離にて行う。


24

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

なお,表式

L

T

中の視角

α

の値は,4.4 に規定する判定以外の目的には用いない。

正常運転時及び予見可能な単一故障条件下での上記基準値内の光放射は,この規格によるクラス分けを

考慮する必要がない。すなわち,正常運転時の上記のランプ光源としての光放射は,被ばく可能なレーザ

放射とみなさない。ただし,この光放射以外に関しては,当該レーザ製品も,この規格に準拠させ,それ

に従ってクラス分けする必要がある。当該製品は,保守中又はサービス中に被ばく可能ないかなるレーザ

放射もこの規格の要求事項を満たさなければならない。

注記 4

運転中に IEC 62471 規格群で評価する上記の光放射以外に被ばく可能な光放射がない場合,

この製品はクラス

1

レーザ製品とみなすことができる。

当該製品を,IEC 62471 規格群のリスクグループの一つに割り当てなければならない。そして,レーザ

製品のクラス分け(適用可能なら,クラス

1

も含む。

)に加えてリスクグループを記載したラベル及び該当

する警告表記が必要である。

400 nm

未満又は

1 400 nm

を超える波長域の被ばく可能なレーザ放射は,この規格のクラス分けの対象

である。

被ばく放出レベルの決定及びレーザ製品のクラス分け 

5.1 

試験 

試験は,測定過程における全ての誤差及び統計学上の不確かさ,並びに経時的な放射光の増加及び放射

安全性の低下を考慮しなければならない。使用者の特別な要求によって,追加試験が必要となる場合があ

る。測定に関する追加の手引きは,IEC/TR 60825-13 を参照。

運転中の試験が製品のクラス分けを決定するために用いられなければならない。運転,保守及びサービ

ス中の試験もまた,セーフティインタロック,ラベル及び使用者への情報に関する要求事項を決定するた

めに適切に用いなければならない。上記の試験は,合理的に予見可能な個々の,かつ,全ての単一故障条

件で実施しなければならない。

ただし,

人体への被ばくが発生することが合理的に予見不可能な時間内に,

自動減衰によって

AEL

以下のレベルに放射が減衰する場合,このような故障は考慮する必要はない。例え

ば,安全度水準(

SIL

)を規定する JIS C 0508 規格群に規定されているように,放出レベルを与えられた

クラスに留める自動減衰が必要とする信頼性は,

リスク解析の原則によって評価することができる。

更に,

SIL

レベルを規定するには,自動減衰の設計のために故障に対する反応時間を明確にする必要がある。す

なわち,反応時間の目標値もまた,リスクに基づくことができる。JIS C 0508 規格群に基づく完全な分析

又はその適用は必要ない。

リスク解析は,合理的に予見可能な単一故障条件を決定するときの補助として用いることができる。単

一故障条件が合理的に予見可能又は不可能と思われるかを判断するために,傷害の危険度(傷害及び重篤

な障害を引き起こし得るレベルの被ばくの確率)及び故障の確率(頻度)の両方を考慮する。与えられた

故障による障害のリスクを下げるほど,その故障(与えられた放射レベルに帰着する)は,

“より頻繁”に

許容することができ,クラス分けのために考慮しなくてもよい。故障に関する確率及びリスクを解析する

受入れ可能な方法には

FMEA

(故障モード及び影響分析)があり,JIS C 0508 規格群に手順の規定がある。

注記 1

自動減衰は,部品又はシステムの故障による放射を安全な状態へ物理的に制限することを含

む。手動による放出の減衰又は遮断は含まない。

注記 2

例えば,走査に対する安全防御は,故障状態の間に,

AEL

を超える放射を抑制するほど十分

速く応答しない。ただし,これは,人への露光がありそうもない製品に対しては許容するこ

とができる。


25

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

注記 3

クラス分けは,運転中において決定する。保守時の制限事項は,当該製品のクラスに依存す

る。

注記 4

単一故障条件は,試験のために物理的に故障を発生させない方法によって評価してもよい。

クラス

4

と同等のエネルギーレベルへの人体の被ばく状態を防ぐ保護きょう体の適合性評価を行う場合,

合理的に予見可能な全てのビーム方向の変化に対する単一故障を考慮しなければならない。解析では,単

一故障が保護きょう体を劣化又は破壊するのに十分なエネルギーをもたらすかどうかを含まなければなら

ない。例えば,運転中又は単一故障条件下において,ロボット若しくはその他のビーム操作機構を導入す

る,又は光学部品若しくは加工品を用いることによって,エネルギーが保護きょう体の表面に向けられる

場合は,次のいずれか一つを実施しなければならない。

技術的手段によって単一故障を排除する。

保護きょう体には,危険なレーザエネルギーの露光に対し,劣化のない十分な防御特性をもち,レー

ザエネルギーに耐える材料を用いる。

保護きょう体の劣化が起こる前に故障を検知し,レーザ放射が透過することを防ぐ。

IEC 60825-4

に規定されている,

30 000

秒未満の保護きょう体の評価時間は,製品のクラス分けに対し

て適用しない。

注記 5

これは,クラス分けは人が介入しないという前提で考慮しなければならないためであり(6.2.1

参照)

,そのため,使用者による保護きょう体の検査は考慮しない。

注記 6

人による検査又は人の介入を考慮した保護きょう体の評価は,安全レベルを確立するため,

又は合理的に予見不可能な故障事象若しくは複数の故障事象から生じる保護きょう体の潜在

的な劣化の検知のため,製品のクラス分けとは独立して用いることができる。

光増幅器は,最大定格入力パワー又はエネルギーを含めた,被ばくし得る最大の全出力パワー又はエネ

ルギーを用いてクラス分けしなければならない。

出力パワー又はエネルギーの明確な限界がない場合には,光増幅器によって加えられる最大の増幅パワ

ー又は増幅エネルギーと,それを得るために必要な入力信号パワー又はエネルギーとの合計を用いるのが

よい。

箇条 に規定する試験及び手順と同等の試験及び手順は,受け入れられる。

5.2 

レーザ放射の測定 

5.1

に従ってレーザ製品をクラス分けするために,レーザ放射レベルの測定が必要となる場合がある。レ

ーザ光源の物理的な特性及び制限によって,レーザ製品又はレーザの搭載を明確に特定のクラスに指定す

る場合,測定は不要である。ただし,次の a)f)に規定した原則は考慮する必要がある。

測定は,次の条件及び手順で実施しなければならない。

a)

レーザ製品の始動時,安定放出時及び運転停止時を含めた,被ばく放出レベルを最大にする条件及び

手順で行う。

b)

運転,保守及びサービスの各指示書に記載の全ての制御及び設定を,最大の被ばく放出レベルとなる

組合せに調整した状態で行う。測定では,放射光の危険性を増大させるおそれのある附属品(例えば,

平行ビームを作る光学系)であって,製品とともに用いるために製造業者が供給又は提供したものも

用いなければならない。

注記

上記の a)及び b)は,工具の使用又はインタロックの解除を行わずに達成することが可能な製

品のあらゆる構成を含めており,運転説明書及び保守指示書が警告している構成及び設定も


26

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

含む。例えば,レーザビームの光路内の光学フィルタ,拡散板又はレンズのような光学部品

を,工具を用いないで取り外すことができる場合は,最大の危険レベルになる構成で製品の

試験を行う。光学部品を取り外さないようにという製造業者の指示は,より低いクラスへの

クラス分けを正当化できない。クラス分けは製品の工学的設計に基づいており,ユーザの適

切な行動に基づくものとすることはできない。

c)

エネルギー供給源をもっていないレーザ製品に対しては,レーザ製品の製造業者によって適合性があ

ると指定され,かつ,その製品から最大の被ばく放射量を発生するタイプのレーザエネルギー源にレ

ーザ製品を結合した状態で行う。

d)

被ばく放出レベルの測定は,運転中に人体への被ばくが予見可能な全ての位置で行う(例えば,運転

が,保護きょう体の一部の取外し及びセーフティインタロックの解除を要求する場合,測定はその製

品構成において被ばく可能な位置で実施しなければならない。

e)

測定装置の検出器は,その装置で最大のエネルギーが検出できるように,レーザ製品に対する位置決

め及び向きの調整をしなければならない。

f)

測定に与える副次放射の影響を防止又は取り除くように,適切な準備を行わなければならない。

5.3 

レーザ製品のクラスの決定 

C

6

1

の場合のクラス

1

及び

1M

に対する

AEL

表 3,分散光源の場合のクラス

1

及び

1M

に対する

AEL

表 4,クラス

2

及び

2M

に対する

AEL

表 5

C

6

1

の場合のクラス

3R

に対する

AEL

表 6,分散光源

の場合のクラス

3R

に対する

AEL

表 7,並びにクラス

3B

に対する

AEL

表 に示す。表 3∼表 で使用

する補正係数

C

1

C

7

並びに折点

T

1

及び

T

2

は,

表 に示す。

a)

クラス 及びクラス 1M  クラス

1

は,

180 nm

1 mm

の波長範囲に対して適用する。

クラス

1M

302.5

nm

4 000 nm

の波長範囲に対して適用する。測定条件

1

及び測定条件

3

の条件下で被ばく放出量を決

定するためには,

表 10 を参照する。

302.5 nm

未満及び

4 000 nm

を超える波長の場合,被ばく放出量が測定条件

3

においてクラス

1

AEL

以下のとき,当該レーザ製品はクラス

1

に割り当てる。

302.5 nm

4 000 nm

の波長の場合は,次による。

被ばく放出量が測定条件

1

及び測定条件

3

においてクラス

1

AEL

以下のとき,当該レーザ製品は

クラス

1

に割り当てる。

被ばく放出量が測定条件

1

においてクラス

1

AEL

より大きいがクラス

3B

AEL

より小さく,か

つ,測定条件

3

においてクラス

1

AEL

以下のとき,このレーザ製品はクラス

1M

に割り当てる。

注記 1

クラス

3B

AEL

を確認する理由は,クラス

1M

レーザ製品からのビームの被ばくに対し

て,光学器具を通過する最大パワーを制限するためである。

人体への被ばくが可能な最も近い点に直径

3.5 mm

の開口を置いて決定した被ばく放出量が,クラ

3B

AEL

を超える場合は,潜在的な皮膚及び/又は角膜・こう(虹)彩障害に関する追加の警告

を与える(7.13 参照)

注記 2

高発散性ビームをもつクラス

1

製品では,光源に近い位置又は光源との接点(例えば,光

ファイバの端面)において,皮膚障害又はこう(虹)彩障害を引き起こすおそれのある十

分高い放射照度レベルを発生する可能性がある。これらの条件下で

1 000 nm

を超える波長

では,角膜障害も引き起こすおそれがある。

b)

クラス 1C  レーザ放射が当該目標に接触させて用いるように意図し,クラス

1

AEL

を超えるレー

ザ放射の漏れを防ぐ保護手段をもつ場合,クラス

1C

の適用が可能になる。レーザ製品が適用可能な


27

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

JIS

又は IEC の製品安全規格に規定したクラス

1C

レーザ製品に対する全ての安全要求事項にも適合

する場合に限り,当該レーザ製品はクラス

1C

に割り当てることができる。

人体の皮膚又は眼部以外の人体組織に接触モードで用いることを意図したレーザ製品は,JIS C 

9335

規格群又は JIS T 0601 規格群を適用し,かつ,その規格が内容的にクラス

1C

に属する安全要求

事項を含む場合に限り,クラス

1C

の分類が可能になる。これらのクラス

1C

レーザ製品は,合理的に

予見可能な条件下でレーザ放射の目への被ばくが生じないことを保証するために,技術的な制御手段

を組み込まなければならない。クラス

1C

への分類は,周囲の空間又は目への照射を防ぐための技術

的制御手段を規定し,意図した標的組織への露光を意図した用途に適したレベルに制限する,適用可

能な JIS 又は IEC 規格が存在する場合に限り,許可される。

迷光又は漏えい(洩)放射の試験では,運転中の距離又は拡散用の白色表面に接して置いたアプリ

ケータによって,測定条件

3

の条件でクラス

1

AEL

を超えてはならない。

注記 3

典型的なクラス

1C

レーザ製品は,家庭用の製品を含み,脱毛,皮膚のしわとり及び/又

はにきびの縮小を意図した製品を含む。

c)

クラス 及びクラス 2M  クラス

2

及びクラス

2M

400 nm

700 nm

の波長範囲に対して適用する。

測定条件

1

及び測定条件

3

の条件下で被ばく放出量を決定するためには

表 10 を参照する。

被ばく放出量が,クラス

1

及びクラス

1M

に対して要求する限界値[a)参照]を超え,かつ,測定

条件

1

及び測定条件

3

においてクラス

2

AEL

以下のとき,

当該レーザ製品はクラス

2

に割り当てる。

被ばく放出量が,クラス

1

及びクラス

1M

に対して要求する限界値[a)参照]を超え,測定条件

1

においてクラス

2

AEL

より大きいがクラス

3B

AEL

より小さく,かつ,測定条件

3

においてクラ

2

AEL

以下のとき,当該レーザ製品はクラス

2M

に割り当てる。

注記 4

クラス

3B

AEL

を確認する理由は,クラス

2M

レーザ製品からのビームの被ばくに対し

て,光学器具を通過する最大パワーを制限するためである。

人体への被ばくが可能な最も近い点に直径

3.5 mm

の開口を置いて決定した被ばく放出量が,クラ

3B

AEL

を超える場合は,潜在的な皮膚障害及び/又は角膜・こう(虹)彩障害に関する追加の

警告を与える(7.13 参照)

注記 5

高発散性ビームをもつクラス

2

製品では,光源に近い位置又は光源との接点(例えば,光

ファイバの端面)において,皮膚障害又はこう(虹)彩障害を引き起こすおそれのある十

分高い放射照度レベルを発生する可能性がある。

400 nm

700 nm

以外の波長範囲において,クラス

2

レーザからのいかなる付随的な放射もクラス

1

AEL

を超えてはならない[時間基準は 4.3 e)を参照。

。更に,波長が目に対して重畳的(

表 参照)

である場合,被ばく可能な可視光線量のクラス

2

AEL

に対する比率と,被ばく可能な不可視光線量

のクラス

1

AEL

に対する比率との和は,

1

を超えてはならない。

d)

クラス 3R  測定条件

1

及び測定条件

3

の条件下において,5.4 に従って決定した被ばく放出量がクラ

3R

AEL

以下で,かつ,測定条件

3

の条件下において,クラス

1

及びクラス

2

AEL

より大きい

場合,当該レーザ製品はクラス

3R

に割り当てる。

人体への被ばくが可能な最も近い点に直径

3.5 mm

の開口を置いて決定した被ばく放出量が,クラ

3B

AEL

を超える場合は,潜在的な皮膚障害及び/又は角膜・こう(虹)彩障害に関する追加の

警告を与える(7.13 参照)

注記 6

高発散性ビームをもつクラス

3R

製品では,光源に近い位置又は光源との接点(例えば,

光ファイバの端面)において,皮膚障害又はこう(虹)彩障害を引き起こすおそれのある


28

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

十分高い放射照度レベルを発生する可能性がある。このような条件下で

1 000 nm

以上の波

長では,角膜障害も引き起こすおそれがある。

e)

クラス 3B  5.4 に従って決定した被ばく放出量が,測定条件

1

及び測定条件

3

の条件下においてクラ

3B

AEL

以下で,測定条件

1

又は測定条件

3

の条件下においてクラス

3R

AEL

より大きく,か

つ,測定条件

3

の条件下においてクラス

1

及びクラス

2

AEL

より大きい場合,当該レーザ製品はク

ラス

3B

に割り当てる。

f)

クラス 4  測定条件

1

又は測定条件

3

のいずれかの条件下において,5.4 に従って決定した被ばく放出

量がクラス

3B

に対する

AEL

より大きい場合,当該レーザ製品はクラス

4

に割り当てる。


29

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 3−クラス 及びクラス 1M レーザ製品に対する被ばく放出限界:C

6

の場合

a), b)

波長

λ(nm)

放出持続時間 t(s)

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

10

7

10

7

5×10

6

5×10

6

1.3×10

5

1.3×10

5

1×10

3

1×10

3

0.35

0.35∼

10

10∼

10

2

10

2

10

3

10

3

3×10

4

180∼302.5

3×10

10

 W·m

2

 30

J·m

2

302.5∼315

2.4×10

4

 W

光化学的障害

熱的障害 7.9×10

7

C

2

 J

tT

1

tT

1

7.9×10

7

C

1

 J

7.9×10

7

C

2

 J

315∼400 7.9×10

7

C

1

 J

7.9×10

3

 J

7.9×10

6

W

400∼450 3.8×10

8

 J

7.7×10

−8

 J

7×10

4

t

0.75

 J

3.9×10

3

 J

3.9×10

5

C

3

 W

450∼500

3.9×10

3

C

3

 J

及び

c)

3.9×10

4

 W

500∼700

3.9×10

4

 W

700∼1 050

3.8×10

8

 J

7.7×10

8

C

4

 J

7×10

4

t

0.75

 C

4

 J

3.9×10

4

C

4

C

7

 W

1 050∼1 400

d)

3.8×10

8

C

7

 J

7.7×10

7

 C

7

 J

3.5×10

3

t

0.75

 C

7

 J

1 400∼1 500

8×10

5

 W

8×10

4

 J

4.4×10

3

t

0.25

J

10

2

t J

1.0×10

2

 W

1 500∼1 800

8×10

6

 W

8×10

3

 J

1.8×10

2

t

0.75

 J

1 800∼2 600

8×10

5

 W

8×10

4

 J

4.4×10

3

t

0.25

J

10

2

t J

2 600∼4 000

8×10

4

 W

8×10

5

J

4 4×10

3

t

0.25

 J

4 000∼10

6

 10

11

 W·m

2

 100

J·m

2

5 600t

0.25

 J·m

2

 1 000

W·m

2

注記  測定条件 1(表 10 参照)を満たすことによってクラス 1 にクラス分けするための要求事項を満たすとされたレーザ製品であっても,7 倍より大きい倍率又は表

10

に規定する直径より大きい対物レンズ直径をもつ観察用光学器具を用いる場合,障害を引き起こす可能性がある。

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。

b)

 10

13

秒より短い放出持続時間の AEL は,10

13

秒での AEL のパワー又は放射照度の値と等しい。

c)

 450

nm∼500 nm の波長範囲において,2 種類の AEL を適用するが,製品の放射量は,割り当てられるクラスに適用するいずれの AEL も超えてはならない。

d)

  1 250 nm∼1 400 nm の波長範囲の場合,AEL の上限値はクラス 3B の AEL 値の制限も受ける。

29

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


30

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 4400 nm1 400 nm の波長範囲(網膜障害領域)にあるクラス 及びクラス 1M レーザ製品に対する被ばく放出限界:分散光源の場合

a), b)

波長

λ(nm)

放出持続時間  t(s)

10

13

∼10

11

 10

11

∼5×10

6

5×10

6

∼1.3×10

5

1.3×10

5

∼10

e)

 10∼10

2

 10

2

∼10

4

 10

4

∼3×10

4

400∼700 3.8×10

8

C

6

 J

7.7×10

8

C

6

 J

7×10

4

t

0.75

C

6

 J

400 nm∼600 nm−光化学的網膜障害

d)

e)

3.9×10

3

C

3

 J

γ

ph

=11 mrad を

使用

3.9×10

5

C

3

 W

γ

ph

=1.1t

0.5

 mrad を

使用

3.9×10

5

C

3

 W

γ

ph

=110 mrad を

使用

及び

c)

400 nm∼700 nm−熱的網膜障害

7×10

4

C

6

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

7×10

4

 t

0.75

C

6

 J

700∼1 050

3.8×10

8

C

6

 J

7.7×10

8

C

4

 C

6

 J

7×10

4

t

0.75

 C

4

C

6

 J

7×10

4

C

4

C

6

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

7×10

4

 t

0.75

C

4

C

6

 J

1 050∼1 400

f)

3.8×10

8

C

6

C

7

 J

7.7×10

7

C

6

 C

7

 J

3.5×10

3

t

0.75

 C

6

C

7

  J

3.5×10

3

C

6

C

7

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

3.5×10

3

 t

0.75

C

6

C

7

 J

注記  測定条件 1(表 10 参照)を満たすことによってクラス 1 にクラス分けするための要求事項を満たすとされたレーザ製品であっても,7 倍より大きい倍率又は表

10

に規定する直径より大きい対物レンズ直径をもつ観察用光学器具を用いる場合,障害を引き起こす可能性がある。

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。

b)

 10

13

秒より短い放出持続時間の AEL は,10

13

秒での AEL のパワー又は放射照度の値と等しい。

c)

 400

nm∼600 nm の波長範囲において,2 種類の AEL を適用するが,製品の放射量は,割り当てられるクラスに適用するいずれの AEL も超えてはならない。

d)

  γ

ph

は,測定装置の限界受入れ角である。

e)

  1 秒∼10 秒の放出持続時間にも適用する特例として,400 nm∼484 nm の波長範囲で,1.5 mrad∼82 mrad の大きさのアパーレント光源に対しては,2 種類の限界

のうちの光化学的障害限界 3.9×10

3

 C

3

 J を 1 秒まで短時間側に拡張する。

f)

  1 250 nm∼1 400 nm の波長範囲の場合,AEL の上限値はクラス 3B の AEL 値の制限も受ける。

30

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


31

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 5−クラス 及びクラス 2M レーザ製品に対する被ばく放出限界

波長  λ(nm)

放出持続時間  t(s)

クラス 2 の AEL

400∼700

t<0.25

クラス 1 の AEL と同じ

t≧0.25

C

6

×10

3

 W

a)

注記  測定条件 1(表 10 参照)を満たすことによってクラス 2 にクラス分けするための要求事項を満たす

とされたレーザ製品であっても,7 倍より大きい倍率又は

表 10 に規定する直径より大きい対物レン

ズ直径をもつ観察用光学器具を用いる場合,障害を引き起こす可能性がある(

附属書 も参照)。

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。

表 6−クラス 3R レーザ製品に対する被ばく放出限界:C

6

の場合

a), b)

波長

λ(nm)

放出持続時間  t(s)

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

10

7

10

7

5×10

6

5×10

6

1.3×10

5

1.3×10

5

1×10

3

1×10

3

0.35

0.35∼

10

10∼

10

3

10

3

3×10

4

180∼302.5 1.5×10

11

 W·m

2

 150

J·m

2

302.5∼315 1.2×10

5

 W

光化学的障害

熱的障害 4.0×10

6

C

2

 J

4×10

6

C

1

 J

tT

1

c)

tT

1

c)

4.0×10

6

C

2

 J

315∼400

4.0×10

6

C

1

 J

4.0×10

2

J

4.0×10

5

 W

400∼700 1.9×10

7

 J

3.8×10

7

 J

5.0×10

3

 W

t<0.25 s)

t≧0.25 s)

3.5×10

3

t

0.75

 J

5.0×10

3

 W

700∼1 050 1.9×10

7

 J

3.8×10

−7

C

4

 J

3.5×10

3

t

0.75

C

4

 J

2.0×10

3

C

4

C

7

 W

1 050∼1 400

d)

1.9×10

6

C

7

 J

3.8×10

6

C

7

 J

1.8×10

2

t

0.75

C

7

 J

1 400∼1 500 4×10

6

 W

4×10

3

 J

2.2×10

2

t

0.25

J

5×10

2

t J

5.0×10

2

 W

1 500∼1 800 4×10

7

 W

4×10

−2

 J

9×10

2

t

0.75

 J

1 800∼2 600 4×10

6

 W

4×10

−3

 J

2.2×10

2

t

0.25

J

5×10

2

t J

2 600∼4 000 4×10

5

 W

4×10

−4

 J

2.2×10

2

t

0.25

 J

4 000∼10

6

5×10

11

 W·m

2

 500

J·m

2

 2.8×10

4

t

0.25

 J·m

2

 5 000

W·m

2

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。

b)

 10

13

秒より短い放出持続時間の AEL は,10

13

秒での AEL のパワー又は放射照度の値と等しい。

c)

  繰返しパルス紫外レーザに対しては,いずれの限界値も超えないほうがよい。

d)

  1 250 nm∼1 400 nm の波長範囲の場合,AEL の上限値はクラス 3B の AEL 値の制限も受ける。

31

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


32

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 7400 nm1 400 nm の波長範囲(網膜障害領域)にあるクラス 3R レーザ製品に対する被ばく放出限界:分散光源

a), b)

波長

λ(nm)

放出持続時間  t(s)

10

13

∼10

11

 10

11

∼5×10

6

5×10

6

∼1.3×10

5

1.3×10

5

∼0.25 0.25∼10 10∼3×10

4

400∼700 1.9×10

7

C

6

 J

3.8×10

7

C

6

 J

5.0×10

3

C

6

 W

t<0.25 s)

t≧0.25 s)

3.5×10

3

t

0.75

C

6

 J

5.0×10

3

C

6

 W

700∼1 050

1.9×10

7

C

6

 J

3.8×10

7

C

4

 C

6

 J

3.5×10

3

t

0.75

C

4

C

6

 J

3.5×10

3

C

4

C

6

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

3.5×10

3

 t

0.75

C

4

C

6

 J

1 050∼1 400

c)

1.9×10

6

C

6

C

7

 J

3.8×10

6

C

6

C

7

 J

1.8×10

2

t

0.75

C

6

C

7

 J

1.75×10

2

 C

6

C

7

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

1.75×10

2

 t

0.75

C

6

C

7

 J

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。

b)

 10

13

秒より短い放出持続時間の AEL は,10

13

秒での AEL のパワー又は放射照度の値と等しい。

c)

  1 250 nm∼1 400 nm の波長範囲の場合,AEL の上限値はクラス 3B の AEL 値の制限も受ける。

32

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


33

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 8−クラス 3B レーザ製品に対する被ばく放出限界(AEL

a)

波長

λ(nm)

放出持続時間  t(s)

<10

9

 10

9

∼0.25 0.25∼3×10

4

180∼302.5 3.8×10

5

 W

3.8×10

4

 J

1.5×10

3

 W

302.5∼315 1.25×10

4

 C

2

 W

1.25×10

5

 C

2

 J

5×10

5

 C

2

 W

315∼400 1.25×10

8

 W

0.125 J

0.5 W

400∼700 3×10

7

 W

t<0.06 s に対して,0.03 J 
t≧0.06 s に対して,0.5 W

0.5 W

700∼1 050 3×10

7

 C

4

 W

t<0.06 C

4

 s に対して,0.03 C

4

 J

t≧0.06 C

4

 s に対して,0.5 W

0.5 W

1 050∼1 400 1.5×10

8

 W

0.15 J

0.5 W

1 400∼10

6

 1.25×10

8

 W

0.125 J

0.5 W

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。

表 3∼表 における補正係数

C

1

C

7

,並びに折点

T

1

及び

T

2

は,

表 中の式で定義する。

表 9AEL 及び MPE 評価に対する補正係数及び折点

パラメータ

波長範囲  (nm)

C

1

=5.6×10

3

 t

0.25

 180∼400

T

1

=10

0.8(λ

295)

×10

15

s 302.5∼315

C

2

=30 180∼302.5

C

2

=10

0.2(λ

295)

 302.5∼315

T

2

=10×

]

5

.

98

/

)

[(

min

10

α

α

  s(1.5 mrad<α≦100 mrad の場合)

400∼1 400

T

2

=10 s(α≦1.5 mrad の場合) 400∼1 400

T

2

=100 s(α>100 mrad の場合) 400∼1 400

C

3

=1.0 400∼450

C

3

=10

0.02(λ

450)

 450∼600

C

4

=10

0.002(λ

700)

 700∼1 050

C

4

=5 1 050∼1 400

C

5

=1

a)

 180∼400 及び

1 400∼10

6

C

5

N

1/4

a)

 400∼1400

C

6

=1 180∼400 及び

1 400∼10

6

C

6

=1(αα

min

の場合)

b)

 400∼1 400

C

6

α/α

min

α

min

αα

max

の場合)

b)

 400∼1 400

C

6

α

max

/α

min

αα

max

の場合)

b)c)

 400∼1 400

C

7

=1 700∼1 150

C

7

=10

0.018(λ

1 150)

 1 150∼1 200

C

7

=8+10

0.04(λ

1 250)

 1 200∼1 400

α

min

=1.5 mrad

α

max

=5 mrad

t<6.25×10

4

 s の場合)

α

max

=200 t

0.5

 mrad

(6.25×10

4

 s≦t≦0.25 s の場合)

α

max

=100 mrad

t>0.25 s の場合)

は,適用持続時間内に含まれるパルスの数である[4.3 f)及び A.3 参照]。 
注記 1 400

nm 未満の波長及び 1 400 nm を超える波長に対して,10

9

秒未満の露光の影響に関し

ては限られた証拠しかない。これらの放出持続時間及び波長の AEL は,400 nm 未満の波

長及び 1 400 nm を超える波長において 10

9

秒に適用した放射パワー又は放射露光に基づ

いて,それと等価的な放射パワー又は放射照度を計算することによって導出する。


34

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 9AEL 及び MPE 評価に対する補正係数及び折点(続き)

注記 2  開口絞りは表 10,限界開口は表 A.4 を参照。 
注記 3  表 3∼表 では,波長はナノメートル(nm),放出持続時間 は秒(s),α はミリラジアン

(mrad)で表している。

注記 4  表 3∼表 及び表 A.1∼表 A.5 の境界時間(例えば,10 s)にある放出持続時間の場合,

小さい AEL 及び MPE の限界値を用いる。波長範囲が指定されている場合,λ

1

λ

2

は,λ

1

λλ

2

を意味する。

a)

  C

5

は,0.25 秒より短いパルス持続時間だけに適用できる。

b)

  C

6

は,熱的網膜障害だけに適用する。

c)

  最大の γ

th

は,α

max

と等しくなければならない[4.3 c)を参照]

 

5.4 

測定光学系 

5.4.1 

一般事項 

二つの測定条件(

表 10 参照)を被ばく放出量を決定するために規定する。測定条件

1

は,望遠光学系を

用いて平行ビームを観察することによって,危険が増大する可能性のある波長に対して適用する。測定条

3

は裸眼に対して適用する。走査レーザ放射のパワー及びエネルギーの測定には,測定条件

3

だけを用

いなければならない。

主に室内での使用を意図し,双眼鏡のような望遠光学系を用いたビーム内観察が合理的に予見不可能な

レーザ製品のクラス分けに対しては,測定条件

1

の適用を要求しない。

注記 1

測定条件

3

の測定は,低倍率の拡大鏡を用いた観察に対する被ばく放射の評価も含んでいる。

光ファイバシステムで生じるような高倍率の拡大鏡を用いた観察は JIS C 6803 に規定されて

いる。C.3 には,クラス分け体系の限界に関する議論を記載しており,追加のリスク解析及

び警告が適切となる幾つかの事例を挙げている。測定条件

2

は拡大鏡の条件としてこの規格

の旧版で使われていた。

適用可能な最も厳しい測定条件を適用しなければならない。最も厳しい条件が明らかでない場合には,

両方の条件で評価しなければならない。クラス

1M

又はクラス

2M

に対しては,両方の条件は常に評価の

必要がある。

2

種類の評価方式を次に規定する。

a)

簡略化した(既定)評価法であり,通常容易に特定できる測定基準点(

表 11 参照)に対して,表 10

に規定する測定距離でクラス分けのための試験を行う。この簡略化した評価法では,アパーレント光

源の視角を決定する必要はなく,

C

6

表 参照)は

1

とする。

b)

 400

nm

1 400 nm

の網膜障害領域の波長をもつ放射に対して,分散光源のために

1

よりも大きな

C

6

の値によって

AEL

が大きくなる場合は,ビームの中の最も厳しい位置で製品のクラスを評価する(す

なわち,被ばく放出量を対応する

AEL

と比較する。

)ことが必要である。この方法は上記 a)の既定評

価法より複雑であるが,分散光源に対して,より大きい被ばく放出量を許容することができる。

注記 2

最も厳しい位置は多くの場合,基本的な評価に対して用いる測定基準点から

100 mm

の距

離ではなく,もっと遠くにある。測定基準点から

100 mm

の距離でアパーレント光源の視

角を決定すると,これらの場合,最も厳しい位置で決定した

AEL

より大きい

AEL

になる。

簡略化した(既定)評価法によって希望のクラス分けになる場合には,実際の光源が分散光源であり,

実際の補正係数

C

6

1

より大きく,最も厳しい位置が

表 10 に規定する位置とは違っていても,分散光源

に対する複雑な評価(5.4.3 参照)を行う必要はない。


35

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

注記 3

光源がむき出しのレーザダイオード又は十分平行なレーザビームである場合,通常,簡略化

した(既定)評価法は適切である。すなわち,5.4.3 に規定する分散光源方法と等価な結果と

なる。

5.4.2 

既定(簡略化した)評価法 

次のいずれかに該当する場合,

表 10 の簡略化した既定距離を適用する。

 400

nm

未満又は

1 400 nm

を超える波長をもつ光源の場合。

係数

C

6

1

とする場合。

測定受入れ角による制限がなく(すなわち,測定受入れ角がアパーレント光源の視角と同程度以上の

大きさでなければならない。

,かつ,

100

秒以上の時間基準値に対する光化学的網膜限界の場合。

光化学的網膜限界又は

C

6

に依存しない熱的網膜限界のいずれも該当しないその他の限界(例えば,ク

ラス

3B

AEL

相当。

)の場合。

表 10 に規定する距離は,表 11 に規定する測定基準点からの距離として定義する。

表 10−既定(簡略化した)評価法における測定開口の直径及び測定距離

波長

nm

測定条件 1

(望遠鏡,双眼鏡などによ
って危険性が増大するよ

うな平行ビームに適用)

a)

測定条件 2

(光ファイバ通信シス
テムに適用可能。JIS C 

6803

参照。

測定条件 3

(裸眼,低倍率の拡大鏡及び走査ビ
ームに対する放射量の決定に適用)

開口絞り

mm

距離

mm

開口絞り/限界開口

mm

距離

mm

 302.5 未満

− 1

0

302.5 以上 400 未満 7 2

000

− 1

100

 400 以上 1 400 未満 50  2

000

5.4.1

注記 参照 7 100

1 400 以上 4 000 未満

7×測定条件 3 2

000  5.4.1 の注記 参照

t≦0.35 s に対して,1 
0.35 s<t<10 s に対して,
1.5t

3/8

t≧10 s に対して,3.5 
は放出持続時間)

100

4 000 以上 10

5

未満

t≦0.35 s に対して,1 
0.35 s<t<10 s に対して,
1.5t

3/8

t≧10 s に対して,3.5 
は放出持続時間)

0

 10

5

以上 10

6

以下

− 11

0

“測定条件 1”

“測定条件 2”及び“測定条件 3”の下の括弧書きは,単なる情報として典型的な場合を記載して

いるだけであり,その他の例を除外するものではない。 

a)

  測定条件 1 は,双眼鏡のような望遠光学系によるビーム内観察が合理的に予見不可能な,屋内だけでの使用

を意図するレーザ製品のクラス分けに適用しない。


36

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 11−測定条件 のための測定基準点

製品のタイプ

測定基準点

半導体発光体(

例  半導体レーザ,スーパー

ルミネッセントダイオード)

発光体先端の物理的な位置

走査形出力光(走査形線状レーザを含む。

走査の頂点(走査ビームのピボット点)

線状レーザ

線状レーザの集光点(ファン角の頂点)

光ファイバ出力

光ファイバ先端

完全拡散光源

拡散板の表面

その他

ビームウエスト

a)

測定条件 3 の測定では,測定基準点が保護きょう体の内側(すなわち,測定基準点に近づ

けない所)にあって,最近接被ばく点が

表 10 で規定する測定距離より遠くにある場合,測定

は最近接被ばく点で行わなければならない。測定条件 1 の測定では,光源の位置に関係なく,

測定は,被ばく可能な最近接点から 2 m を最小距離として実施する。 

a)

  3.13 の注記 参照。

5.4.3 

分散光源に対する評価条件 

網膜障害範囲の波長(

400 nm

1 400 nm

)に対して,被ばく放出量及びクラス分けのための

AEL

は,次

のいずれかの場合,最も厳しい位置で決定しなければならない。

  1

より大きい

C

6

の値を

AEL

の決定に対して考慮する場合

光化学的網膜限界と比較するため,被ばく放出量の決定に限界受入れ角を考慮する場合

被ばく放出量及び

AEL

(すなわち,

C

6

による補正)は,ビーム内の任意の位置で同時に決まり(すなわ

ち,

ペアの値であり)

最も厳しい位置で得たそれらの値を製品のクラスを決定するために用いる。

これは,

AEL

と比較する被ばく放出量と

AEL

とがビーム内の同じ位置で決定するということ,すなわち,アパーレ

ント光源の視角

α

(よって

C

6

)を,被ばく放出量の決定に用いる開口絞りの位置で決定するということを

意味している。測定条件

3

表 10 参照)の場合,測定位置は,測定基準点からの距離を既定の測定距離よ

りも近づけてはならない。測定条件

1

表 10 参照)の場合,測定位置は,被ばく可能な最近接点から

2 m

よりも近づけてはならず,小光源の場合,測定基準点から

2 m

よりも近づけてはならない。

注記 1

光源が発散性,例えば,透過形拡散板に入射したレーザビームのような場合,その拡散板を

アパーレント光源の位置とみなし,拡散板での発光パターンをアパーレント光源の視角の決

定に用いることができる[不均一パターンの評価法に関しては 4.3 d)を参照。

注記 2

複数光源又は複数の焦点をもつ,より複雑な配置では,光線追跡のような,より複雑な手法

を用いる方が適切な場合がある。

注記 3

走査ビームを放出するレーザ製品については,アパーレント光源を結像する観察条件に依存

して,走査ビームは網膜を横切って走査するアパーレント光源の像となり,動的アパーレン

ト光源となる。動的アパーレント光源をクラス分けで評価する場合,製品のクラス分けは,

小光源が停止したとして簡略化した評価方法で評価するのとは対照的に,ここに記載した分

散光源としての評価方法を基にする。動的アパーレント光源は,各々の受入れ角によって決

定した被ばく放出量の繰返しパルスの性質を当然考慮して,4.3 d)に規定した方法で評価する。

a)

開口の直径  測定条件

1

及び測定条件

3

の場合,アパーレント光源の視角及び被ばく放出量(両者と

もビーム内の最も厳しい位置で決定する。

)に対して,

表 10 に規定する開口直径及び最小測定距離を

用いなければならない(

図 及び図 参照)。


37

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

図 1−アパーレント光源を視野絞り面上に結像させることによって受入れ角を 

限定するための測定配置

注記  アパーレント光源に接近できない場合,この配置は適さない。

図 2−アパーレント光源に近接して円形開口又は視野絞りとなるマスクを置くことによって 

受入れ角を限定するための測定配置

b)

受入れ角  受入れ角は,図 のレンズの中心点から見た視野絞りの直径の張る角度(小さい角度に対

して)

,又は

図 の視野絞りの直径と光源から測定器までの距離との比によって決定する。レンズによ

る損失は考慮する必要がある。

測定条件

3

に対して,被ばく放出量を決定するための受入れ角は,次の 1)及び 2)に規定する。測定

条件

1

に対して,受入れ角は,1)及び 2)で規定した値を係数

7

で除することで決定する。

1)

光化学的網膜限界  光化学的限界(

400 nm

600 nm

)を評価する光源の測定の場合には,

γ

ph

は,

12

による。

光源の視角

α

が規定する

γ

ph

よりも大きい場合には,測定系の受入れ角は,

γ

ph

によって規定する

値を超えないようにするのがよい。

規定する

γ

ph

よりも光源の視角

α

が小さい場合には,

受入れ角は,

対象となる光源全体を完全に包含するので,受入れ角を厳格に規定する必要はない(すなわち,受

入れ角を

γ

ph

に限定する必要はない。


38

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

注記 4

  α

γ

ph

である単一光源の測定の場合には,特定の明確な受入れ角で測定を行う必要はな

い。明確な受入れ角を得るために,光源を視野絞り上に結像させるか,又は光源の一部

を遮蔽することによって受入れ角を定めることができる(それぞれ

図 及び図 参照)。

表 12−限界受入れ角 γ

ph

放出持続時間

s

測定条件 1 に対する

γ

ph

mrad

測定条件 3 に対する

γ

ph

mrad

10<t≦100 1.6

11

100<t≦10

4

 0.16×t

0.5

 1.1×t

0.5

10

4

t≦3×10

4

 16

110

2)

その他の全ての網膜限界  光化学的限界以外の網膜限界と比較するために行う放射測定の場合,受

入れ角は対象となる光源全体を包含しなければならない。すなわち,受入れ角は光源の視角

α

以上

の大きさでなければならない。ただし,

α

α

max

の場合には,限界受入れ角は,

α

max

(最大

100 mrad

である。

400 nm

1 400 nm

の波長範囲において,その像が不均一な照度分布(光源像の輝度分布)

をもつアパーレント光源,例えば,複数の発光点によって構成するアパーレント光源を評価する場

合には,受入れ角を,

α

min

γ

α

max

の範囲で変化させなければならない[4.3 d)参照]

技術的仕様 

6.1 

一般注意事項及び改造 

レーザ製品は,製造業者によって割り当てられたクラスに従って,信頼できる安全上の特質を備えてい

ることが必要である。これらの要求事項は,6.26.13 に規定する。製造業者は,クラス分けの体系に規定

する全内容を理解していると認められるレベルまで訓練を受けて,レーザ製品及びシステムのクラス分け

に対して責任を負う人員を確保しなければならない。

先にクラス分けされたレーザ製品の改造が,この規格の適用範囲内での製品の基準又は意図した機能に

影響を及ぼす場合には,そのような改造を行った者又は組織は,当該レーザ製品の再クラス分け及び再ラ

ベリングを確実に行う責任がある。

注記

用語“改造”は,クラス分け又はこの規格の適用を変更するような改造だけを意味している。

6.2 

保護きょう体 

6.2.1 

一般事項 

各レーザ製品は,所定の位置に設置してある場合には,クラス

1

AEL

を超えるレーザ放射(迷走レー

ザ放射を含む。

に対する人体の被ばく状態を予防するための保護きょう体を,

備えていなければならない。

ただし,人体の被ばくが製品の機能の実施上必要である場合は除く。

レーザ製品のクラス分けがクラス

4

(例えば,レーザ加工装置用など)に相当するエネルギーレベルへ

の人体の被ばく防止を前提にする場合,保護きょう体は,合理的に予見可能な単一故障条件(5.1 参照)の

下での露光に対して,人間の介入なしで,耐えられるものでなければならない。保護きょう体が人間の立

ち入りが可能な大きさである場合は,6.13 を参照する。

クラス

1

,クラス

1C

,クラス

1M

,クラス

2

,クラス

2M

又はクラス

3R

のレーザ製品の保守では,クラ

3B

又はクラス

4

のレーザ放射のレベルに人体の被ばくを許容してはならない。クラス

3B

レーザ製品の

保守では,クラス

4

のレーザ放射のレベルに人体の被ばくを許容してはならない。


39

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

6.2.2 

サービス 

サービスのため取外し又は移動ができ,かつ,割り当てられた

AEL

を超えるレーザ放射の被ばくの可能

性があり,かつ,インタロックが施されていない(6.3 参照)レーザ製品(組込形レーザ製品を含む。

)の

保護きょう体のいかなる部分も,その部分の取外し及び移動には工具又は工具類を必要とするような方法

によって安全化を図らなければならない。

6.2.3 

取り外すことのできるレーザシステム 

レーザシステムが,その保護きょう体から取り外すことができ,かつ,単に電源コンセント又はバッテ

リに接続して運転することができる場合には,そのレーザ製品は,そのクラスに適切な箇条 及び箇条 7

の製造上の要求事項に適合しなければならない。

6.3 

アクセスパネル及びセーフティインタロック 

6.3.1

次の両方の条件を満たす場合には,保護きょう体のアクセスパネルは,セーフティインタロックを

備えていなければならない。

a)

アクセスパネルは保守中又は運転中に取外し又は移動することを意図している。

b)

パネルを取り外したとき又はパネルの位置を変更したときに,

表 13 の“×”に示すレベルのレーザ放

射に人体が被ばくするおそれがある。

セーフティインタロックの適用性を

表 13 に×印で示す。

表 13−セーフティインタロックに対する要件

製品クラス

インタロックがない又は解除した場合,アクセスパネルの取外し中又は

取外し後の被ばく可能な放射レベル

クラス 1 及び

クラス 1M

クラス 2 及び

クラス 2M

クラス 3R

クラス 3B

クラス 4

クラス 1,クラス 1M 及び

クラス 1C

×

×

×

クラス 2 及びクラス 2M

×

×

×

クラス 3R

×

×

クラス 3B

×

×

クラス 4

×

×

クラス

1

,クラス

1C

,クラス

1M

,クラス

2

又はクラス

2M

のレーザ製品のインタロックパネルを取り

外し又は開放したときには,パネル開放後にインタロックを解除していない限り,波長に従って適用する

クラス

1M

又はクラス

2M

に対する

AEL

を超える放出が開口部を通じてあってはならない。クラス

3R

,ク

ラス

3B

又はクラス

4

のレーザ製品のインタロックパネルを取り外し又は開放したときには,パネル開放

後にインタロックを解除していない限り,クラス

3R

AEL

を超える放出が開口部を通じてあってはなら

ない。より高いクラスのレーザパワー/エネルギーが,インタロックを解除したインタロックパネルから

は,放出され得る。

注記

運転中の,意図したクラスの

AEL

を超える放出は,製品のクラス分けを増加させる。保守中の,

意図したクラスの

AEL

を超える放出は,製品のクラス分けに影響を与えることがある(6.2.1

参照。

セーフティインタロックを要求する場合,そのインタロックはパネルを取り外したときに,

表 13 の“×”

が示す放射レベルへの被ばくを防止しなければならない。

インタロックの不注意な再設定によって,

表 13 の該当する

AEL

を超えた放出値に回復させてはならな


40

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

い。これらのインタロックは該当する IEC 製品安全基準(箇条 参照)の要求事項に適合しなければなら

ない。

合理的に予見可能な単一故障条件についての 5.1 に規定の要求事項は,セーフティインタロックにも適

用する。

6.3.2

セーフティインタロックに意図的な解除機構を備える場合には,製造業者は更にその安全な操作方

法に関する適切な指示書を提供しなければならない。アクセスパネルを正規の位置に戻すとき,解除機構

を働かせたまま再運転が可能であってはならない。サービス“解除”モードの選択が,自動的にレーザビ

ームを遮断し,機械の運転の自動再開を防ぐ場合は,この要求事項の例外を容認する。この例外では,更

に,ロックが可能なモードセレクタが必要であり,ビームを使用するための手動解除が必要である。

インタロック動作回路は,ロックリレー接点又は他の技術によって,解除モードにおいても,開放した

ドアを閉じた場合には,

通常のインタロック動作に自動的に戻るように設置するのが望ましい。

この結果,

パネル又はドアについての起こり得る“偽の安全”の前提を解消する。

インタロックは,7.10.2 に準拠したラベルを明確に関連付けなければならない。解除機構を操作する場

合,レーザが励起された状態か,又はコンデンサバンクがまだ十分に放電が完了していないときには,常

に,アクセスパネルの装着の有無にかかわらず,はっきりと識別できる警告灯,又はよく聞こえる警告音

によって警告しなければならない。可視光による警告は,被ばくレーザ放射の波長に対して特別に設計又

は規定した保護めがねを通して,明瞭に見えるものでなければならない。

6.4 

リモートインタロックコネクタ 

クラス

3B

及びクラス

4

の各レーザシステムは,リモートインタロックコネクタを備えなければならな

い。コネクタの端子を開放しているとき,被ばく放射は,クラス

1M

又はクラス

2M

(いずれか該当する

方)に対する

AEL

を超えてはならない。ただし,携帯形でバッテリー駆動のクラス

3B

レーザシステムを

除く。

注記

製造業者は,放射を開始するときに能動的な操作を要しない第

2

のインタロックコネクタを含

めることができる。ただし,一つの製品に二つのコネクタの具備を要求することはない。

6.5 

マニュアルリセット(手動再設定) 

クラス

4

のレーザシステムは,リモートインタロックコネクタを用いることによって生じたレーザ放射

の遮断の後,又は主電源の

5

秒より長い停電の後,被ばくの可能性のあるクラス

4

レーザ放射を再開でき

るように,マニュアルリセット(手動再設定)を組み込まなければならない。

6.6 

鍵による制御 

クラス

3B

及びクラス

4

のレーザシステムは,鍵操作による主制御を組み込まなければならない。鍵は

取り外すことができ,かつ,鍵を外しているときは,レーザ放射による被ばくのおそれがあってはならな

い。

注記

この規格では,用語“鍵”には,磁気カード,暗号組合せ,コンピュータパスワードのような

他の制御デバイスを含む。

6.7 

レーザ放射の放出警告 

6.7.1

波長が

400 nm

を下回るか,又は

700 nm

を超えるクラス

3R

のレーザシステム,並びにクラス

1C

クラス

3B

及びクラス

4

のレーザシステムは,6.7.26.7.4 に適合しなければならない。

6.7.2

レーザシステムのスイッチがオンになったとき,又はパルスレーザのコンデンサバンクが充電中か

若しくは放電が完了していないとき,警告装置は可聴音又は可視光の信号を発するようになっていなけれ

ばならない。警告装置は,フェールセーフ又は冗長性のある設計でなければならない。あらゆる可視光信


41

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

号による警告装置は,放出レーザ放射の波長に対して特別に設計した保護めがねを通して明らかに見える

ものでなければならない。可視光警告装置は,クラス

1M

及びクラス

2M

に対する

AEL

を超えるレーザ放

射を被ばくせずに観察できるような位置に設けなければならない。

6.7.3

運転制御部及びレーザ開口のいずれも,放射警告装置から

2 m

以上離すことができる場合には,そ

れぞれに放射警告装置を備えていなければならない。警告装置は,運転制御部又はレーザ開口の近くの人

に明瞭に見えるか,又は聞こえなければならない。

注記

開口と制御部とが近接した携帯形のレーザ製品では,当該製品が,通常オフと瞬時オンとを組

み合わせた,明瞭で触知できる放出表示を備えたスイッチを組み込む場合に,放出表示器の要

求事項を満たすことができる。

6.7.4

レーザ放出を,

2

個以上の出口開口を通して分岐する場合には,可視光警告装置は,レーザ光を放

出する出口開口又は開口群を,6.7.2 に従って明瞭に表示しなければならない。

6.7.5

クラス

3R

の携帯形装置では,連続的な押下げによって放射が可能となる瞬時スイッチを放出表示

器の代わりに使用してもよい。

6.8 

ビーム終端器又は減衰器 

クラス

3B

及びクラス

4

のレーザシステムは,一つ以上の永久的に取り付けられた減衰又は終端手段(例

えば,ビーム終端器,減衰器,電気的制御,スイッチ)を組み込まなければならない。ビーム終端器,ス

イッチ又は減衰器は,適用するクラス

1M

又はクラス

2M

に対する

AEL

を超えるレーザ放射に対して人体

の被ばくを防護することができなければならない。

6.9 

制御部 

レーザ製品は,調整及び運転するための制御部を,クラス

3R

,クラス

3B

又はクラス

4

に相当するレー

ザ放射の被ばくを受けない位置に設置しなければならない。

6.10 

観察用光学装置 

レーザ製品を組み込んだあらゆる観察用光学装置,観察用窓又はディスプレイスクリーンは,クラス

1M

に対する

AEL

を超えるレーザ放射に対して人体の被ばくを防ぐように十分な減衰ができなければならな

い。

観察用光学装置,

観察用窓又はディスプレイスクリーンを組み込むシャッタ又は可変減衰器に対して,

次の手段を講じなければならない。

a)

シャッタを開放したとき又は減衰量を変化させたときは,クラス

1M

に対する

AEL

を超えるレーザ放

射から人体の被ばくを防護する。

b)

人体がクラス

1M

に対する

AEL

を超えるレーザ放射を被ばくする可能性があるときには,シャッタの

開放又は減衰量の変更ができない。

6.11 

走査に対する安全防御 

走査する放射の放出を意図し,それを基準にクラス分けしたレーザ製品は,走査の故障,走査速度又は

走査振幅の変化の結果として,該当するクラスの

AEL

を超えるレーザ放射に人体が被ばくすることを許容

してはならない。ただし,故障発生時点から走査安全手段によって放射が製品のクラスに対応する

AEL

下に減少する時点までの間,

人体への露光が生じないことが合理的に予見可能な場合を除く

5.1 も参照)

6.12 

クラス 1C 製品のための安全防御 

標的組織への意図した露光を除いて,クラス

1C

製品は,アプリケータの接触時だけでなく接触解放後

に持続するレーザ放出量も含めて,次のいずれかに該当する場合,それらのレーザ放射は,人体への被ば

くを許容してはならない。

測定条件

3

表 10 参照)で測定した被ばく放出がクラス

1

AEL

を超える場合


42

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

横に移動するアプリケータから

5 mm

の距離に置かれた,

3.5 mm

の開口を通して測定した被ばく放出

がクラス

3B

AEL

を超える場合

保護手段の要求性能及び信頼性の指針としては,JIS C 0508 規格群を参照する。ただし,完全な解析は

必要ない。

6.13 

歩行”立入り 

保護きょう体に“歩行”立入りを可能とするアクセスパネルを取り付けているときは,次による。

a)

保護きょう体内にいる人間の誰もが,クラス

3B

又はクラス

4

に相当するレーザ放射の危険にさらさ

れないようにする手段が備えられていなければならない。

b)

警告装置は,波長範囲が

400 nm

を下回るか若しくは

700 nm

を超えるクラス

3R

に相当するレーザ放

射,又はクラス

3B

レーザ放射若しくはクラス

4

レーザ放射に相当するレーザ放射の放出に関する適

切な放射警告を,保護きょう体内にいる人間に与えるように配置していなければならない。

c)

運転中に“歩行”立入りを意図し,又は合理的に予見可能なところでは,クラス

1

,クラス

2

,又はク

ラス

3R

レーザ製品の囲いの内部に人間がいる間は,クラス

3B

又はクラス

4

に相当するレーザ放射の

放出は工学的手段によって防止しなければならない。

注記

人間が保護きょう体内にいるときに,人体への放射被ばくを防止する方法は,圧力に感度をも

つ床マット類,赤外線検出器などを含んでよい。

6.14 

環境条件 

レーザ製品は,製品の意図した用途に適合する全ての予期する運転条件の下において,この規格に規定

する安全性に対する要求事項に合致しなければならない。考慮しなければならない事項には,次を含む。

気候的な諸条件(例えば,温度,相対湿度)

振動及び衝撃

製品安全規格の中に条項がない場合は,JIS C 1010-1 の関連項目を参照してもよい。

注記

 EMS

(電磁感受性)に関する要求事項は,検討中である。

6.15 

その他の危険性に対する保護 

6.15.1 

非光学的危険性 

関連する製品安全規格の要求事項は,運転中及び単一故障の場合に次の各項目に対しても適合しなけれ

ばならない。

電気的危険性

過度の高温又は低温

機器からの炎の広がり

騒音及び超音波

有毒な物質

爆発

製品安全規格の中に条項がない場合は,JIS C 1010-1 の関連項目を参照してもよい。

注記

我が国にも,多くの国と同様に,有害物質の管理に関する法律がある。


43

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

6.15.2 

副次放射 

レーザ製品の保護きょう体は,通常,副次放射(例えば,紫外線,可視光,赤外線)の危険からも保護

する。ただし,危険となるレベルの副次放射による被ばくの懸念がある場合には,レーザ放射の

MPE

の危険性を安全サイドに評価するために適用できる。

6.16 

出力制限回路 

運転中に指定したクラスの

AEL

を超えないように,レーザ放射装置への電力を制限する出力制御回路を

使用する場合,装置の温度依存性を考慮して,合理的に予見可能な単一故障条件下で,レーザ放射を制限

しなければならない。

注記

これは典型的な半導体レーザに当てはまり,そこでは電流スパイクが

AEL

を超えた放射を引き

起こすことがある。半導体レーザで推奨する動作パラメータ(例えば,電流,温度)は,良好

なスペクトル特性を保証するため,通常は利得の飽和領域よりもかなり下にある。このため,

推奨の動作パラメータを超えると,レーザ放射の相当な増加を生じることがある。

ラベル 

7.1 

一般事項 

各レーザ製品は,この箇条の要求事項に従ったラベルを付けなければならない。ラベルは,耐久性があ

り,恒久的に固定され,明瞭で,かつ,運転,保守及びサービスの間,その目的に従ってはっきりと読め

なくてはならない。ラベルは,クラス

1

に対する

AEL

を超えるレーザ放射を人体が被ばくすることなく読

み取ることができる位置に設けられなければならない。語句の縁取り及びシンボルの色は,色の組合せを

用いる必要がない場合のクラス

1

を除いて,黄色地の上に黒でなければならない。

この箇条に規定するラベルの文言は,推奨であり,強制的ではない。この規格の以前の版の警告ラベル

を含む,同じ意味を伝えるその他の文言に置き換えてもよい。レーザのクラス分け,前提及び限界に関す

る追加情報を参考として

附属書 に記載する。

製品の大きさ又は設計上の観点からラベルを付けることが非現実的となる場合には,ラベルは,使用者

への情報(取扱説明書など)に記載するか,又は包装に表示しなければならない。

レーザ製品又はパネル上に同等のラベルを直接印刷又は刻印してもよい。


44

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

単位  mm

a g

1

g

2

r D

1

D

2

D

3

25  0.5 1.5 1.25

10.5 7  3.5 0.5

50 1 3 2.5

21 14 7 1

100

2 6 5 42 28

14 2

150 3 9 7.5

63 42

21 3

200 4 12 10  84 56 28  4 
400 8 24 20 168 112 56  8 
600

12 36 30 252 168 84 12

寸法 D

1

D

2

D

3

g

1

及び は推奨値である。

注記 1  ラベルが理解できる最大距離 とラベルの最小面積 との関係式を,次に示す。

AL

2

/2 000  ただし,及び は,それぞれ平方メートル(m

2

)及びメートル(m)の

単位で表す。この式は,50 m 未満の距離 に適用する。

注記 2  これらの寸法は,推奨値である。それぞれの寸法が表に示す値に比例している限りは,シ

ンボル及び縁は,レーザ製品の大きさに適合させて判読可能な大きさであってもよい。

図 3−警告ラベル−危険シンボル


45

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

単位  mm

a×b

g

1

g

2

g

3

文字の大きさ

26×52 1  4  4  2

文字は,判読できる大きさのものとする。

52×105 1.6  5  5

3.2

84×148 2

6  7.5  4

100×250 2.5  8  12.5  5 
140×200 2.5  10  10

5

140×250 2.5  10  12.5  5 
140×400 3  10  20

6

200×250 3  12  12.5  6 
200×400 3  12  20

6

250×400 4  15  25

8

寸法 g

1

は推奨値である。

注記 1  ラベルが理解できる最大距離 とラベルの最小面積 との関係式を,次に示す。

AL

2

/2 000  ただし,及び は,それぞれ平方メートル(m

2

)及びメートル(m)の単位で表

す。この式は,50 m 未満の に適用する。

注記 2  これらの寸法は,推奨値である。ラベルは,要求される文字及び縁を含めるために必要ないかなる

寸法でもよい。縁幅 g

2

及びマージン幅 g

3

の最小値は,ラベルの短い側の長さの 0.06 倍である。

図 4−説明ラベル

7.2 

クラス 及びクラス 1M 

箇条 で適用外としたレーザ製品を除いて,クラス

1

の各レーザ製品は,次の語句を記載した説明ラベ

ル(

図 参照)を付けなければならない。

クラス レーザ製品”

説明ラベル(

図 参照)の代わりに,図 の代替ラベルを製品に貼付してもよい。

図 5−代替のクラス ラベル

レーザ

クラス 1


46

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

クラス

1M

の各レーザ製品には,次の語句を記載した説明ラベル(

図 参照)を付けなければならない。

レーザ放射 

望遠光学系の使用者を露光しないこと 

クラス 1M レーザ製品”

説明ラベル(

図 参照)の代わりに,図 の代替ラベルを製品に貼付してもよい。

図 6−代替のクラス 1M ラベル

製品に貼付する上記のラベルの代わりに,製造業者の裁量で,同じ記述を使用者への情報の中に含めて

もよい。

7.3 

クラス 1C 

クラス

1C

の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 

照)を付けなければならない。

レーザ放射 

製品の取扱説明書に従うこと 

クラス 1C レーザ製品”

警告ラベル(

図 参照)及び説明ラベル(図 参照)の代わりに,図 の代替ラベルを製品に貼付して

もよい。

図 7−代替のクラス 1C ラベル

7.4 

クラス 及びクラス 2M 

クラス

2

の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 参照)

を付けなければならない。

レーザ放射 

ビームをのぞき込まないこと 

クラス レーザ製品”

警告ラベル(

図 参照)及び説明ラベル(図 参照)の代わりに,図 の代替ラベルを製品に貼付して

もよい。

レーザ

クラス 1C

注意

レーザ

クラス 1M

注意


47

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

図 8−代替のクラス ラベル

クラス

2M

の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 

照)を付けなければならない。

レーザ放射 

ビームをのぞき込まないこと,また,望遠光学系の使用者を露光しないこと 

クラス 2M レーザ製品”

警告ラベル(

図 参照)及び説明ラベル(図 参照)の代わりに,図 の代替ラベルを製品に貼付して

もよい。

図 9−代替のクラス 2M ラベル

注記

使用者は,上記ラベルによって,ビームをのぞき込まない,すなわち,頭を動かす又は目を閉

じることによる能動的な防御反応を行い,継続的に意図的なビーム内観察を避けるように指示

される(詳細は,

附属書 参照。)。

7.5 

クラス 3R 

クラス

3R

の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 

照)を付けなければならない。

レーザ放射 

目への直接被ばくを避けること 

クラス 3R レーザ製品”

注記

目への直接被ばくを避けること”の代わりに,

ビームの被ばくを避けること”を用いたラベ

ルも容認する。

警告ラベル(

図 参照)及び説明ラベル(図 参照)の代わりに,図 10 の代替ラベルを製品に貼付して

もよい。

レーザ

クラス 2M

注意

レーザ

クラス 2


48

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

図 10−代替のクラス 3R ラベル

7.6 

クラス 3B 

クラス

3B

の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 

照)を付けなければならない。

警告−レーザ放射 

ビームの被ばくを避けること 

クラス 3B レーザ製品”

警告ラベル(

図 参照)及び説明ラベル(図 参照)の代わりに,図 11 の代替ラベルを製品に貼付して

もよい。

図 11−代替のクラス 3B ラベル

7.7 

クラス 

クラス

4

の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 参照)

を付けなければならない。

危険−レーザ放射 

ビームや散乱光の目又は皮膚への被ばくを避けること 

クラス レーザ製品”

警告ラベル(

図 参照)及び説明ラベル(図 参照)の代わりに,図 12 の代替ラベルを製品に貼付して

もよい。

AVOID EYE OR SKIN EXPOSURE TO
DIRECT OR SCATTERED RADIATION

4

図 12−代替のクラス ラベル

ビームや散乱光の目又は皮膚への

被ばくを避けること

レーザ

クラス 4

危険

ビームの被ばくを避けること

レーザ

クラス 3B

警告

レーザ

クラス 3R

注意


49

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

7.8 

開口ラベル 

クラス

3R

,クラス

3B

及びクラス

4

の各レーザ製品には,クラス

1

又はクラス

2

に対する

AEL

を超すレ

ーザ放射を放出する各開口の近くに次の語句を記載したラベルを付けなければならない。

レーザ開口”

又は

レーザ放射の出口”

又は

被ばくを回避のこと−この開口からレーザ放射が出る”

語句を含むラベルの代わりに,

図 13 の代替ラベルを開口部の近くに貼付してもよい。

図 13−レーザ開口部に貼付する代替のラベル

7.9 

放射出力及び規格情報 

製品をクラス分けした規格の名称及び発行日付は,7.27.7 に示した製品の説明ラベル上の記載に含む

か,又はそのラベルに近接した製品上に記載しなければならない。クラス

1

のレーザ製品を除く各レーザ

製品は,説明ラベル(

図 参照)上,又は 7.27.7 に示したラベル上にレーザ放射の最大出力(3.58 参照),

パルス持続時間(該当する場合)及び放出する波長を記載しなければならない。クラス

1

及びクラス

1M

に対しては,これらの情報は,製品上のラベルの代わりに,使用者への情報に含めてもよい。

7.9

にある情報を 7.27.7 に掲載したラベルに記載する場合,レーザクラス表示パネルへの記載,又はレ

ーザクラス表示の下に設けた別パネル若しくはレーザクラス表示パネルの下の文言表記箇所への,適切な

寸法による記載でもよい。

7.10 

アクセスパネルに対するラベル 

7.10.1 

パネルに対するラベル 

各接続及び保護きょう体の各パネルは,取り外したり移動したりしたとき,クラス

1

に対する

AEL

を超

えるレーザ放射に人体が被ばくするおそれがある場合には,次の語句を記載したラベルを付けなければな

らない。ただし,クラス

1M

のレーザを組み込んだ組込形レーザ製品に対しての説明語句は,ラベルの代

わりに使用者への情報に含めてもよい。

a)

5.3 a)

及び 5.4 に従って放射レベルを測定するとき,被ばく放射がクラス

1M

AEL

を超えない場合に

は,次による。

注意−ここを開くとクラス 1M のレーザ放射が出る 

望遠光学系で直接ビームを見ないこと”

b)

5.3 c)

及び 5.4 に従って放射レベルを測定するとき,

被ばく放射がクラス

2

AEL

を超えない場合には,

次による。

注意−ここを開くとクラス のレーザ放射が出る 

ビームをのぞき込まないこと”


50

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

c)

5.3 c)

及び 5.4 に従って放射レベルを測定するとき,被ばく放射がクラス

2M

AEL

を超えない場合に

は,次による。

注意−ここを開くとクラス 2M のレーザ放射が出る 

ビームをのぞき込まないこと,また望遠光学系で直接ビームを見ないこと”

d)

被ばく放射が,クラス

3R

AEL

を超えない場合には,次による。

注意−ここを開くとクラス 3R のレーザ放射が出る 

目への直接被ばくを避けること”

目への直接被ばくを避けること”の代わりに“ビームの被ばくを避けること”を用いたラベルも

容認する。

e)

被ばく放射が,クラス

3B

AEL

を超えない場合には,次による。

警告−ここを開くとクラス 3B のレーザ放射が出る 

ビームの被ばくを避けること”

f)

被ばく放射が,クラス

3B

AEL

を超える場合には,次による。

危険−ここを開くとクラス のレーザ放射が出る 

ビームや散乱光の目又は皮膚への被ばくを避けること”

これらの情報は,複数の隣接するラベルで製品上に表示してもよい。

7.10.2 

セーフティインタロックパネルに対するラベル 

セーフティインタロックを容易に解除することができ,かつ,そのときクラス

1

AEL

を超えるレーザ

放射に人体が被ばくするおそれがある場合には,適切なラベルを各セーフティインタロックとはっきりと

関連付けておかなければならない。そのようなラベルは,インタロックを解除する前及び解除している間

は,見えていなければならず,かつ,保護きょう体の取外しによってできた開口部の極めて近いところに

なければならない。このラベルには,各クラスに応じて 7.10.1 の a)f)に規定する語句において,

ここを

開くと”の語句を,次に置き換えて,かつ,残りの語句を続けて表示しなければならない。

ここを開き,そしてインタロックを解除すると,”

7.11 

不可視レーザ放射に対する警告 

多くの場合,箇条 に示すラベルに規定する語句には,

レーザ放射”の語句を含む。レーザ出力が

400

nm

700 nm

の波長範囲から外れている場合には,この語句は“

不可視レーザ放射”と置き換え,また,

波長が,この範囲の内と外との両方にある場合には,

可視及び不可視レーザ放射”と置き換える。

可視レーザ放射のレベルに基づいてクラス分けした製品が,不可視の波長において,クラス

1

AEL

超えて放出する場合には,ラベルには“

レーザ放射”の代わりに“可視及び不可視レーザ放射”の語句を

含めなければならない。

図 5〜図 12 の代替ラベルを使用する場合,可視及び不可視の放射に対する警告文言を,当該ラベルの下

方又は横に位置した追加のパネルに含めなければならない。

7.12 

可視レーザ放射に対する警告 

レーザの出力が

400 nm

700 nm

の可視波長帯域内にあるときには,箇条 のラベル上の“

レーザ放射”

は“

レーザ光”と置き換えてもよい。

7.13 

皮膚及び前眼部への潜在的危険性に対する警告 

クラス

1

,クラス

1M

,クラス

2

,クラス

2M

又はクラス

3R

において,人体が被ばくし得る最近接点に

位置した

3.5 mm

の開口によって決定する被ばく放出が,クラス

3B

AEL

を超える場合,追加の警告を製


51

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

品ラベル及び使用者への情報の中に記載しなければならない[クラス

1

及びクラス

1M

は 5.3 a)参照,クラ

2

及びクラス

2M

は 5.3 c)参照,並びにクラス

3R

は 5.3 d)参照]

次の警告は,製品のきょう体及び使用者への情報に含めなければならない。クラス

1

も含め,警告の文

字の枠線及び記号の色は,黄色地に黒でなければならない。

レーザエネルギー:開口部近傍での露光は火傷を生じる可能性がある”

注記

皮膚傷害のリスクは,広がり角の大きいビームにおける開口部近傍での被ばくに対してだけ可

能性がある。

クラス

1

及びクラス

1M

の説明ラベルを,製品上に表示するか否かは自由裁量である(7.2 参照)が,上

記の警告文は自由裁量ではない。

その他の必要な情報 

8.1 

使用者に対する情報 

レーザ製品の製造業者は,全ての関連する安全情報を含めた取扱説明書又は操作説明書を提供するか,

又は提供の責任をもたなければならない。次に示す安全情報の提供,及びどの追加情報が関連し,提供し

なければならないかの決定は,製造業者側の責任とする。

注記 1

その情報が関連するか否かは,意図された応用などの製品自身に依存する。また,国の法律

に関連することもある。

次の情報を提供しなければならない。

a)

危険なレーザ放射を被ばくする可能性を避けるための注意事項に関する明確な警告,並びに当該のク

ラス分け法の限界に関する記述(クラス及び考えられる限界に関する記述は,

附属書 参照)を含む

適切な組立,保守及び安全な使用のための十分な指示。

b)

クラス

1M

及びクラス

2M

レーザ製品に対して,望遠光学系(例えば,望遠鏡,双眼鏡)を用いてレ

ーザ出力を観察すると,目に危険を及ぼす場合があるため,使用者はこの種の器具の使用が起こり得

る領域にビームを向けないという追加の警告。

c)

クラス

1

AEL

を超えるレーザ放射レベルに対し,運転及び保守の手順の実施中に保護きょう体から

放出するあらゆる放射パターンについての記述。適用できる場合は,次の適切な単位で表す量を含ま

なければならない。

波長

ビーム広がり角

パルス持続時間及び繰返し周波数(又は不規則パルスパターンの記載)

最大パワー又はエネルギー出力

その値は,適用できる場合,累積測定不確かさの大きさ及び製造後の時点での測定値に予測する増

加分を含まなければならない。意図せずに生じたモード同期に起因するパルス持続時間は,規定する

必要はない。ただし,意図しないモード同期,すなわち,受動モード同期が生じる製品についての出

力パルス列の条件は,規定しなければならない。超短パルスに対しては,放射光の帯域幅(すなわち,

放射光の波長範囲)は規定しなければならない。

d)

組込形レーザ製品及び他の内蔵されたレーザ製品に対して,内蔵されているレーザを記載する情報[c)

参照]

。また,その情報には,危険なレーザ放射による不慮の被ばくを避けるための,使用者に対する


52

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

適切な安全上の指示を含めなければならない。これは,クラス

1

,クラス

1M

,クラス

2

又はクラス

2M

として分類される組込形レーザ製品で,保守中に対応するクラスの

AEL

を超える被ばく放出レベ

ルのビーム内観察状態が生じ得るような製品が特に関係する。

この場合,製造業者はレーザ装置のビーム内観察状態を防止しなければならないという警告を含め

なければならない。

e)

適用可能かつ関連する場合,クラス

3B

及びクラス

4

レーザ製品に対して適用可能な

MPE

附属書 A

参照)及び

NOHD

NOHD

は,ビーム伝送システム及びビーム中に置かれる光学要素に大きく依存す

るので,これに関連すると考えられる場合は,異なる附属品又はビーム伝送システムに対する異なる

NOHD

値を提示することを推奨する。ビーム広がり角が可変の場合は,ある選択されたビーム広がり

角の値に対して

NOHD

を提示することができる。

MPE

及び

NOHD

値を記載する場合は,これらの値

の決定に仮定した露光持続時間も示さなければならない。平行ビームのクラス

1M

及びクラス

2M

ーザについては,適用可能かつ関連する場合は,拡張

NOHD

ENOHD

)も記載しなければならない。

注記 2

屋内で用いる平行ビームに対しては

ENOHD

の特別な情報は,通常,要求されない。この

場合,

MPE

を超え得る距離を表示するだけで十分である。

f)

適合可能な場合,目の保護具の選定情報。これは,必要な光学濃度及び波長範囲に加えて,目の保護

具の表面に入射する放射露光又は放射照度レベルも含まなければならない。その結果,耐力レベルが

決定できる。

注記 3

多くの国は,個人向け保護具に関する法規及び標準を規定している。

g)

レーザ製品に貼付又は添付する全ての要求されたラベル及び危険警告表示の明瞭なコピー(色は黒の

モノトーン又は箇条 に規定する色の適切な近似色)の提供。ラベルを製品に貼付する場合には,各

ラベルの適切な位置を明示しなければならない。ラベルを製品に貼付せず製品と一緒に供給する場合

には,このようなラベルを製品に貼付できないが製品とともに供給する旨の記述,並びにそれらをど

のような形式及び方法によって供給しているかの記述を提供しなければならない。

図 5∼図 13 に示す

イラスト化した代替ラベルを製品上に使用する場合,それらに対応する文言を,イラスト化ラベルの

コピーとともに,取扱説明書に明示しなければならない。

h)

クラス

1

AEL

を超えるレーザ放射を放出する全てのレーザ開口の位置の,

取扱説明書の中への明示。

i)

運転及び保守のための制御,調整及び手順についてのリスト。ただし,次の警告文又は替わりとなる

適切な同等の警告を含まなければならない。

注意−ここに規定した以外の手順による制御及び調整は, 

危険なレーザ放射の露光に結びつくことがある。”

j)

レーザ製品が,レーザ発生に必要なレーザエネルギー源を内蔵していない場合,安全を保証するレー

ザエネルギー源に適合する要求事項に関する記述。

k)

クラス

1

,クラス

1M

,クラス

2

,クラス

2M

及びクラス

3R

に対して要求することがある追加の警告

5.3 の a)c)及び d)参照]

。追加の警告は,例えば,使用者に皮膚又は角膜のやけどのリスクを確実

に認識させるために提供しなければならない。

l)

製品安全規格が規定する,クラス

1C

製品における使用者への情報に適用する要求事項。適用可能な

関連のある警告例は,次による。

“取扱説明書に従わない使用の場合,本デバイスのレーザ出力が危険を招くおそれがある”旨の警

告をする。


53

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

“まぶた(瞼)のような安全でない皮膚の部分には,本デバイスを使用しない”旨を使用者に警告

する。

繰返し使用がリスクをもたらす可能性がある場合,その頻度に関して使用者に警告する。

8.2 

購入及びサービスのための情報 

レーザ製品の製造業者は,次のものを提供するか,又は提供することを保証しなければならない。

a)

カタログ,仕様書及びパンフレットの全てに,レーザ製品のクラス分け及び該当する場合には,8.1

の b)及び k)で要求する全ての警告。

b)

サービス業者,小売業者及びその他の要求する者に対し,サービス調整に対する十分な指示,及び次

の事項を含めた各レーザ製品モデルに対するサービス手順。

クラス

1

を超えるレーザ放射及びその他の危険(ハザード)を回避するために実施する明瞭な警告

及び注意文。

製品の適合性を維持していくために必要な保守スケジュール。

製造業者又はその代理人以外の人によって用いることができる,放射の被ばく放出レベルを増加さ

せる制御方法及び手順のリスト。

表 3∼表 の被ばく放出限界を超える放射被ばくを生じ得る保護きょう体の取外し可能な部分の明

瞭な記載。

サービスを行う者を保護するための手順。

要求するラベル及び危険警告の明瞭なコピー(色は自由)

特定のレーザ製品に対する付加的な要求事項 

9.1 IEC 

60825

規格群のその他の部及び関連 JIS 

特別な用途に対しては,次の JIS 及び IEC 60825 規格群の一つ,又はその他の文書を適用してもよい(参

考文献も参照)

JIS C 6803

  光ファイバ通信システムの安全(適用指針及び例を提供)

IEC 60825-4

  レーザガード(レーザガードに対する設計及び構造,並びに特に高出力レーザを用いる

場合の材料情報を提供)

JIS C 6804

  情報伝送のための光無線通信システムの安全

更なる情報は,次の中から見い出すことができる。

IEC/TR 60825-3

IEC/TR 60825-5

(安全性の報告の用途に適合)

IEC/TR 60825-8

IEC/TR 60825-9

(広帯域光源)

IEC/TR 60825-13

IEC/TR 60825-14

JIS C 7550

9.2 

医用レーザ製品 

各医用レーザ製品は,そのクラスに適用する要求事項の全てに準拠しなければならない。加えて,クラ

3B

又はクラス

4

の医用及び美容用レーザ製品は,IEC 60601-2-22 を適用してもよい。

9.3 

レーザ加工機 

レーザ加工機は,それらのクラスのレーザ製品に対して適用する要求事項に準拠しなければならない。


54

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

加えて,レーザ加工機は ISO/IEC 11553 規格群を適用してもよい。

9.4 

電気玩具 

レーザ製品である電気玩具は,それらのクラスのレーザ製品に対して適用する要求事項に準拠しなけれ

ばならない。加えて,これらの製品は IEC 62115 を参照する。

9.5 

消費者用電子製品 

レーザ製品である消費者用電子製品は,それらのクラスのレーザ製品に対して適用する要求事項に準拠

しなければならない。加えて,これらの製品は JIS C 6950-1

IT

機器)又は JIS C 6065

AV

機器)を適用

してもよい。


55

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

附属書 A

(参考)

最大許容露光量

A.1 

一般的注意事項 

被ばく放出限界(

AEL

)は,一般に最大許容露光量(

MPE

)から導かれる。この参考情報の附属書では,

製品の意図的な使用に関連する安全性の評価(例えば,

NOHD

の決定)を行うときに手助けとなる追加情

報を製造業者に提供するために,

MPE

について記述する。

注記

簡略化した計算では,

NOHD

をかなり過小評価する可能性がある。例えば,レーザ開口が大き

なレイリー距離(コンフォーカル長)の範囲内にある場合,光源の外にビームウエストがある

場合,ガウスビーム分布を仮定すると開口を通るパワーが過小評価となるビーム分布である場

合,などである。このような場合,通常,測定によって

NOHD

を決定するほうがよい。

この規格の最大許容露光量値は,国際非電離放射線防護委員会(

International Commission on Non-Ionizing

Radiation Protection:

ICNIRP

)によって公表された露光限界値を採用する。

MPE

値は実験的研究から得ら

れた最良の情報に基づいた既知の危険レベル以下に設定されている。

MPE

値は,製品の安全設計及び使用

者への情報を提供するための基本として,露光量を管理するガイドとして用いるのがよく,安全なレベル

と危険なレベルとの間を明確に定義する分割線とみなさないほうがよい。いかなる場合にも,レーザ放射

に対する被ばくは,できるだけ低くすることが望ましい。

この附属書の

MPE

は参考情報であり,作業現場での従業員又は一般大衆への露光に対する法的拘束力

のある限界とみなさないほうがよい。作業現場での従業員及び一般大衆の目及び皮膚への露光限界は,多

くの国において国内法令によって規定している。これらの露光限界は,この附属書の

MPE

と異なる可能

性がある。

スペクトル領域が,

表 のマトリクスにおいて,目の露光については(

O

,皮膚の露光については(

S

のそれぞれ記号によって重畳的であることを示している場合,幾つかの波長からの露光は,

表 A.1∼表 A.5

MPE

に従ってスペクトル効果の比例計算による重畳的効果があると考えるのがよい。放射される波長

が重畳的であると示されていない場合には,危険は別々に評価するのがよい。


56

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 A.1−放射照度又は放射露光で表記した C

6

の場合の角膜における最大許容露光量(MPE

a), b)

波長

λ(nm)

露光時間  t(s)

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

10

7

10

7

5×10

6

5×10

6

13×10

6

13×10

6

1×10

3

1×10

3

10

10∼

10

2

10

2

10

3

10

3

3×10

4

180∼302.5

3×10

10

 W·m

2

 30

J·m

2

302.5∼315

光化学的障害

d)

熱的障害

d)

tT

1

tT

1

C

2

 J·m

2

C

1

 J·m

2

C

2

 J·m

2

315∼400

C

1

 J·m

2

 10

4

 J·m

2

 10

W·m

2

400∼450 1×10

3

 J·m

2

2×10

3

 J·m

2

 18t

0.75

 J·m

2

 100

J·m

2

C

3

 W·m

2

450∼500

100C

3

 J·m

2

及び

c)

10 W·m

2

500∼700

10 W·m

2

700∼1 050

1×10

3

 J·m

2

2×10

3

C

4

 J·m

2

 18t

0.75

C

4

 J·m

2

 10C

4

C

7

 W·m

2

1 050∼1 400

e)

1×10

3

C

7

 J·m

2

2×10

2

C

7

 J·m

2

 90t

0.75

C

7

 J·m

2

1 400∼1 500

10

12

 W·m

2

 10

3

 J·m

2

 5 600

t

0.25

J·m

2

1 000 W·m

2

1 500∼1 800

10

13

 W·m

2

 10

4

 J·m

2

1 800∼2 600

10

12

 W·m

2

 10

3

 J·m

2

 5 600

t

0.25

J·m

2

2 600∼10

6

 10

11

 W·m

2

 100

J·m

−2

 5 600

t

0.25

 J·m

2

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。MPE 値と比較する露光レベルは,適切な開口面積(表 A.6)で平均化する。

b)

  露光時間が 10

9

秒より短く,波長が 400 nm 未満又は 1 400 nm を超える場合の MPE は,10

−9

秒での放射露光限界と同等の放射照度として算出することによって

得られる。露光時間が 10

−13

秒より短い場合の MPE は,10

13

秒での MPE の放射照度値と等しく設定する。

c)

 450

nm∼500 nm の波長範囲の場合,2 種類の限界を適用するが,露光はいずれの適用限界も超えてはならない。

d)

  繰返しパルス紫外レーザの場合,どちらの限界も超えないほうがよい。

e)

 1

250

nm∼1 400 nm の波長範囲の場合,この表に与えた網膜損傷が生じない限界値は,前眼部[角膜及びこう(虹)彩]に対しては十分に安全が確保されるわ

けではなく,注意を払う必要がある。露光量が皮膚の MPE 値を超えていない場合は,前眼部に対する懸念はない。

56

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


57

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 A.2−放射照度又は放射露光で表記した 400 nm1 400 nm の波長範囲(網膜障害領域)をもつ 

分散光源に対する角膜における最大許容露光量(MPE

d)

波長

λ(nm)

露光時間  t(s)

10

13

∼10

11

 10

11

∼5.0×10

6

5.0×10

6

∼1.3×10

5

1.3×10

5

∼10 10∼10

2

 10

2

∼10

4

 10

4

∼3×10

4

400∼700 1×10

3

C

6

 J·m

2

2×10

3

C

6

 J·m

2

 18t

0.75

C

6

 J·m

2

 400

nm∼600 nm−光化学的網膜障害

a)

100C

3

 J·m

2

γ

ph

=11 mrad

を使用

1C

3

 W·m

2

γ

ph

=1.1t

0.5

 mrad

を使用

1C

3

 W·m

2

γ

ph

=110 mrad

を使用

及び

b)

400 nm∼700 nm−熱的網膜障害

 18C

6

T

2

0.25

 W·m

2

tT

2

tT

2

18 t

0.75

C

6

 J·m

2

700∼1 050 1×10

3

C

6

 J·m

2

2×10

3

C

4

C

6

 J·m

2

18t

0.75

C

4

C

6

 J·m

2

18C

4

C

6

T

2

0.25

 W·m

2

tT

2

tT

2

18 t

0.75

C

4

C

6

 J·m

2

1 050∼1 400

c)

1×10

3

C

6

C

7

 J·m

2

2×10

−2

C

6

C

7

 J·m

2

 90t

0.75

C

6

C

7

 J·m

2

90C

6

C

7

T

2

0.25

 W·m

2

tT

2

tT

2

90 t

0.75

C

6

C

7

 J·m

2

注記  幾つかの眼組織の露光限界は,眼科器具によって異なることがある(JIS T 15004-2 参照)。 

a)

  γ

ph

は,限界測定受入れ角である。

b)

 400

nm∼600 nm の波長範囲の場合,2 種類の限界を適用するが,露光はいずれの適用限界も超えてはならない。通常,光化学的障害限界は 10 秒を超える露光時

間だけに適用する。ただし,波長範囲が 400 nm∼484 nm で,アパーレント光源のサイズが 1.5 mrad∼82 mrad の場合,光化学的障害限界 100 C

3

 J·m

2

を 1 秒以

上の露光にも適用するのがよい。

c)

 1

250

nm∼1 400 nm の波長範囲の場合,この表に与えた網膜損傷が生じない限界値は,前眼部[角膜及びこう(虹)彩]に対しては十分に安全が確保されるわ

けではなく,注意を払う必要がある。露光量が皮膚の MPE 値を超えていない場合は,前眼部に対する懸念はない。

d)

  露光時間が 0.25 秒未満の場合,この表に与えた網膜損傷が生じない限界値は,前眼部[角膜及びこう(虹)彩]に対しては十分に安全が確保されるわけではな

く,注意を払う必要がある。露光量が皮膚の MPE 値を超えていない場合は,前眼部に対する懸念はない。

57

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


58

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 A.3−パワー又はエネルギーで表記した 400 nm1 400 nm の波長範囲における表 A.1C

6

1)の最大許容露光量(MPE

a), b)

波長

λ(nm)

露光時間  t(s)

10

13

∼10

11

 10

11

∼5×10

6

5×10

6

∼13×10

6

 13×10

6

∼10 10∼10

2

 10

2

∼3×10

4

400∼450 3.8×10

8

 J

7.7×10

8

 J

7×10

4

t

0.75

 J

3.9×10

3

J

3 9×10

5

C

3

 W

450∼500

3.9×10

3

C

3

 J

及び

c)

3.9×10

4

 W

500∼700

3.9×10

4

 W

700∼1 050

3.8×10

8

 J

7.7×10

8

C

4

 J

7×10

4

t

0.75

C

4

 J

3.9×10

4

C

4

C

7

 W

1 050∼1 400

d)

3.8×10

8

C

7

 J

7.7×10

7

C

7

 J

3.5×10

3

t

0.75

C

7

 J

注記  パワー又はエネルギーで表記した MPE と比較される露光レベルは,直径 7 mm の開口を通過するパワー又はエネルギーによって決定する(この表に記載した

MPE 値は,表 A.1 の値に直径 7 mm の開口面積を乗じることによって得られる。)。

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。

b)

  露光時間が 10

−13

秒より短い場合の MPE は,10

13

秒での MPE のパワー値と等しく設定する。

c)

 450

nm∼500 nm の波長範囲の場合,2 種類の限界を適用するが,露光はいずれの適用限界も超えてはならない。

d)

 1

250

nm∼1 400 nm の波長範囲の場合,この表に与えた網膜損傷が生じない限界値は,前眼部[角膜及びこう(虹)彩]に対しては十分に安全が確保されるわ

けではなく,注意を払う必要がある。露光量が皮膚の MPE 値を超えていない場合は,前眼部に対する懸念はない。

58

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


59

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 A.4−パワー又はエネルギーで表記した 400 nm1 400 nm の波長範囲における表 A.2(分散光源)の最大許容露光量(MPE

a), b), g)

波長

λ(nm)

露光時間  t(s)

10

13

∼10

11

 10

11

∼5.0×10

6

5.0×10

6

∼13×10

6

13×10

6

∼10 10∼10

2

 10

2

∼10

4

 10

4

∼3×10

4

400∼700 3.8×10

8

C

6

 J

7.7×10

8

C

6

 J

7×10

4

t

0.75

C

6

 J

400 nm∼600 nm−光化学的網膜障害

d)

e)

3.9×10

3

C

3

 J

γ

ph

=11 mrad

を使用

3.9×10

5

C

3

 W

γ

ph

=1.1t

0.5

 mrad

を使用

3.9×10

5

C

3

 W

γ

ph

=110 mrad

を使用

及び

c)

400 nm∼700 nm−熱的網膜障害

7×10

4

C

6

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

7×10

4

 t

0.75

C

6

 J

700∼1 050

3.8×10

8

C

6

 J

7.7×10

8

C

4

C

6

 J

7×10

4

t

0.75

C

4

C

6

 J

7×10

4

C

4

C

6

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

7×10

4

 t

0.75

C

4

C

6

 J

1 050∼1 400

f)

3.8×10

8

C

6

C

7

 J

7.7×10

−7

C

6

C

7

 J

3.5×10

3

t

0.75

C

6

C

7

J

3.5×10

3

C

6

C

7

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

3.5×10

3

 t

0.75

C

6

C

7

 J

注記 1  幾つかの眼組織の露光限界は,眼科器具によって異なることがある(JIS T 15004-2 参照)。 
注記 2  パワー又はエネルギーで表記した MPE と比較される露光レベルは,直径 7 mm の開口を通過するパワー又はエネルギーによって決定する(この表に記載した

MPE 値は,表 A.2 の値に直径 7 mm の開口面積を乗じることによって得られる。)。

a)

  補正係数及び単位については,表 を参照。

b)

  露光時間が 10

−13

秒より短い場合の MPE は,10

13

秒での MPE の放射照度値と等しく設定する。

c)

 450

nm∼600 nm の波長範囲の場合,2 種類の限界を適用するが,露光はいずれの適用限界も超えてはならない。

d)

  γ

ph

は,限界測定受入れ角である。

e)

  1 秒∼10 秒の露光時間にも適用する特例として,400 nm∼484 nm の波長範囲で,1.5 mrad∼82 mrad の大きさのアパーレント光源に対しては,2 種類の限界のう

ちの光化学的障害限界 3.9×10

3

C

3

 J を 1 秒まで短時間側に拡張する。

f)

 1

250

nm∼1 400 nm の波長範囲の場合,この表に与えた網膜損傷が生じない限界値は,前眼部[角膜及びこう(虹)彩]に対しては十分に安全が確保されるわ

けではなく,注意を払う必要がある。露光量が皮膚の MPE 値を超えていない場合は,前眼部に対する懸念はない。

g)

  露光時間が 0.25 秒未満の場合,この表に与えた網膜損傷が生じない限界値は,前眼部[角膜及びこう(虹)彩]に対しては十分に安全が確保されるわけではな

く,注意を払う必要がある。露光量が皮膚の MPE 値を超えていない場合は,前眼部に対する懸念はない。

59

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


60

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 A.5−レーザ放射に対する皮膚の最大許容露光量(MPE

a), b)

波長

λ(nm)

露光時間  t(s)

<10

9

 10

9

∼10

7

 10

7

∼10

3

 10

3

∼10 10∼10

3

 10

3

∼3×10

4

180∼302.5 3×10

10

 W·m

2

 30

J·m

2

302.5∼315

C

2

 J·m

2

tT

1

C

1

 J·m

2

tT

1

C

2

 J·m

2

315∼400

C

1

 J·m

2

 10

4

 J·m

2

 10

W·m

2

400∼700 2×10

11

 W·m

−2

 200

J·m

2

 1.1×10

4

 t

0.25

 J·m

2

 2

000

W·m

2

700∼1 400 2×10

11

 C

4

 W·m

−2

 200

C

4

 J·m

2

1.1×10

4

C

4

 t

0.25

 J·m

2

 2

000

C

4

 W·m

2

1 400∼1 500 10

12

 W·m

2

 10

3

 J·m

2

 5

600

t

0.25

 J·m

2

1 000 W·m

2

c)

1 500∼1 800 10

13

 W·m

2

 10

4

 J·m

2

1 800∼2 600 10

12

 W·m

2

 10

3

 J·m

2

 5

600

t

0.25

 J·m

2

2 600∼10

6

 10

11

 W·m

2

 100

J·m

2

 5

600

t

0.25

 J·m

2

a)

  補正係数及び単位については,表 参照。

b)

 10

9

秒未満の露光に対する影響については,限られた証拠しかない。これらの露光時間に対する MPE は,

10

9

秒の放射照度を適用する。

c)

 0.1

m

2

よりも大きい皮膚面積を露光する場合,MPE は 100 W·m

2

に減少する。0.01 m

2

∼0.1 m

2

の間では,MPE

は照射する皮膚面積に反比例する。

A.2 

限界開口 

露光量の全ての測定及び計算には,適切な開口を用いるのがよい。これが限界開口であり,放射照度又

は放射露光を平均化する円形領域の直径として定義する。限界開口の値を,

表 A.6 に示す。網膜障害領域

におけるパワー又はエネルギーによって表した

MPE

値を用いる場合(

表 A.3 又は表 A.4),露光量はパワ

ー又はエネルギーで表し,

7 mm

径の開口を通過するパワー及びエネルギーによって決定する。

1 400 nm

10

5

 nm

のスペクトル範囲の繰返しパルスレーザ露光に対して,個々のパルスでの危険性を評

価する場合には,

1 mm

の開口を用いる。

10

秒を超える露光に対して適用される

MPE

を評価する場合には,

3.5 mm

の開口を用いる。

400 nm

1400 nm

の波長範囲における目の露光量は,直径

7 mm

の開口(ひとみ径)で測定する。

MPE

の値は,より小さいひとみ径を考慮して調整してはならない。

表 A.6−レーザ放射照度及び放射露光量測定のための開口直径

スペクトル範囲

(nm)

開口直径

mm

皮膚

 180 以上 400 未満 1  3.5 
 400 以上 1 400 未満 7  3.5 
1 400 以上 10

5

未満

t≦0.35 s の場合 1 
0.35 s<t<10 s の場合 1.5t

3/8

t≧10 s の場合 3.5

3.5

 10

5

以上 10

6

以下 11  11

注記  複数パルスの露光の場合,A.3 を参照。

A.3 

繰返しパルスレーザ及び変調レーザ 

繰返しパルス放射の露光に対して適用する

MPE

を決定するためには,次の方法を用いることが望まし

い。


61

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

対象時間に照射した全てのパルス列グループ又はパルス列中のサブパルス列グループからの露光量は,

対象時間に対する

MPE

を超えないほうがよい。

皮膚への露光に対する

MPE

と同様に,

400 nm

未満及び

1 400 nm

を超える波長における目への露光に対

する

MPE

は,次の a)及び b)のうち,最も厳しい要求事項を用いて決定する。

400 nm

1 400 nm

の波長範囲における目への露光の

MPE

は,次の a)b)及び c)のうち最も厳しい要求

事項を用いて決定する。c)は,熱的網膜限界だけに適用し,光化学的網膜限界には適用しない。

a)

パルス列内のどの単一パルスからの露光も,単一パルスに対する

MPE

を超えてはならない。

b)

露光時間

T

のパルス列の平均露光は,露光時間

T

の単一パルスに対する

表 A.1∼表 A.3 に示す

MPE

超えてはならない。変則的なパルスパターン(パルスエネルギーが変化する場合も含む。

)の場合,

T

i

と想定する最大露光時間との間で

T

を変化させなければならない。規則的なパルスパターンの場合,

想定する最大露光時間にわたって平均化すればよい。

c)

パルス当たりの露光は,

実効的なパルス数

N

に依存する補正係数

C

5

を乗じた単一パルスに対する

MPE

を超えてはならない。ただし,

C

5

の補正は,個々のパルスの持続時間が

0.25

秒未満の場合だけに適用

する。

MPE

s. p. train

MPE

single

×

C

5

ここに,

MPE

single

単一パルスに対する

MPE

MPE

s. p. train

パルス列中の任意の単一パルスに対する

MPE

N

評価対象の露光時間内のパルス列が含む実効的なパル
スの数[複数のパルスが

T

i

時間(

表 参照)内にあると

き,

N

は実際のパルスより少なくなる。次を参照。

400

nm

1 400 nm

の波長に対して,評価のために考慮する必

要がある最大露光時間は

T

2

表 参照),又は想定露光

時間のいずれか短い時間である。

C

5

パルス持続時間

t

T

i

の場合

 0.25

秒以下の最大想定露光時間に対しては,

C

5

1.0

 0.25

秒を超える最大想定露光時間に対しては,

C

5

1.0

N

600

C

5

5

×

N

0.25

N

600

,ただし,

C

5

0.4

を最小

値とする。

パルス持続時間

t

T

i

の場合

  α

5 mrad

に対しては,

C

5

1.0

 5

mrad

α

α

max

に対しては,

C

5

N

0.25

N

40

C

5

0.4

N

40

  α

α

max

に対しては,

C

5

N

0.25

N

625

C

5

0.2

N

625

ただし,

α

100 mrad

の場合は,

C

5

1.0

(全ての

N

複数のパルスが

T

i

時間(

表 参照)内に現れる場合,それらのパルス群を単一パルスにみなして

N

を決定する。また,個々のパルスの放射露光量は,加算して

T

i

MPE

と比較する。


62

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

A.4 

測定条件 

A.4.1 

一般的注意事項 

実際の露光を評価するために,次の A.4.2 及び A.4.3 の測定条件を適用することが望ましい。

A.4.2 

限界開口 

MPE

と比較する放射露光又は放射照度の値は,

表 A.6 の限界開口に従った円形開口絞りの面内で平均化

する。

400 nm

1 400 nm

の波長範囲における目への露光の場合には,

100 mm

の最小測定距離を用いる。

A.4.3 

受入れ角 

a)

光化学的網膜限界  光化学的限界(

400 nm

600 nm

)を評価する光源の測定の場合には,

γ

ph

は,次に

よる。

 10

s

t

100 s

の場合,

γ

ph

11 mrad

 100

s

t

10

4

 s

の場合,

γ

ph

1.1t

0.5

 mrad

 10

4

 s

t

3

×

10

4

 s

の場合,

γ

ph

110 mrad

規定する

γ

ph

よりも光源の視角

α

が大きい場合には,測定系の受入れ角は,

γ

ph

によって規定する値

を超えないほうがよい。規定する

γ

ph

よりも光源の視角

α

が小さい場合には,受入れ角は対象となる光

源を完全に包含するので,受入れ角を厳格に規定する必要はない(すなわち,受入れ角は,

γ

ph

に限定

する必要はない。

注記

  α

γ

ph

である単一光源の測定の場合には,特定の明確な受入れ角で測定する必要はない。明

確な受入れ角を得るために,光源を視野絞り上に結像させるか,又は光源の一部を遮蔽する

ことによって,受入れ角を定めることができる(それぞれ

図 及び図 参照)。

b)

その他の全ての限界  光化学的網膜障害限界以外の限界と比較される放射測定の場合には,受入れ角

は対象となる光源全体を包含することが望ましい(すなわち,受入れ角は,光源の視角

α

以上の大き

さであることが望ましい。

。ただし,

302.5 nm

4 000 nm

の波長範囲において,

α

α

max

の場合には,

熱的障害限界についての限界受入れ角は,最大

α

max

とするのがよい。

400 nm

1 400 nm

の波長範囲に

おける熱的障害限界について,複数の発光点からなるアパーレント光源を評価する場合には,受入れ

角は

α

min

γ

α

max

の範囲にあることが望ましい[4.3 d)参照]

円形でない放射パターンの光源に対する

MPE

を決定する場合には,方形又は線形光源の視角の値

は,光源の二つの角度寸法の算術平均によって決定する。

α

max

より大きく,又は

α

min

より小さい角度

寸法は,平均値を算出する前に,それぞれ

α

max

又は

α

min

に限定するのがよい。光化学的網膜障害限界

は,光源の視角によって左右されることはなく,その光源は上に規定する受入れ角で測定する。

A.5 

分散光源レーザ 

小光源

MPE

に対する次の補正の適用は,ほとんどの場合,拡散反射の観察に限定する。また,場合に

よっては,レーザアレイ,線状レーザ,

0.2 mm

を超えるビームウエスト直径及び

2 mrad

を超える発散角

をもつレーザ,又は分散光源拡散レーザ製品にも適用することができる。

400 nm

1 400 nm

の波長における分散光源レーザ放射(例えば,拡散反射観察)の場合,目への熱的障

害を発生させる

MPE

値は,観察者の目で測った光源の視角が

α

min

α

min

1.5 mrad

に等しい。

)よりも大

きい場合,補正係数

C

6

の値だけ増加する。

補正率

C

6

は,次によって求める。

  α

α

min

に対し,

C

6

1

  α

min

α

α

max

に対し,

C

6

α/α

min


63

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

  α

α

max

に対し,

C

6

α

max

 /α

min

注記

補正係数

C

6

の最大値を決める

α

max

の値は,露光時間に依存して次のように変化する。

  α

max

5 mrad

t

6.25

×

10

4

 s

の場合)

  α

max

200 t

0.5

 mrad

6.25

×

10

4

 s

t

0.25 s

の場合)

  α

max

100 mrad

t

0.25 s

の場合)


64

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

附属書 B

(参考)

計算例

B.1 

この附属書の計算例に用いる記号 

この附属書の計算例に用いる記号を,次の

表 B.0A に示す。

表 B.0A−附属書の計算例に用いる記号及びその定義

記号

単位

定義

m

出射レーザビームの直径

AEL 

W,J,W·m

2

又は J·m

2

被ばく放出限界

α 

rad

空間中の一点に対し,アパーレント光源(拡散反射を含む。

)の張る角度

α

min

 rad 分散光源の取扱いが必要となる光源の張る最小視角(1.5 mrad)

α

max

 rad 分散光源に対する補正係数 C

6

が光源の大きさ(視角 α)に比例して変化する

光源の張る最大視角(5 mrad から 100 mrad まで変化する。

C

1

C

2

,…,C

7

補正係数(

表 参照)

PRF 

Hz

パルス繰返し周波数

J·m

2

アパーレント光源からの規定距離 における放射露光

W·m

2

アパーレント光源からの規定距離 における放射照度

H

o

 J·m

2

アパーレント光源からの距離ゼロにおける出射ビームの放射露光

E

o

 W·m

2

アパーレント光源からの距離ゼロにおける出射ビームの放射照度

λ 

nm

レーザ放射の波長

露光持続時間内に含まれるパルスの数

P

o

 W CW レーザの全放射パワー(又は放射束),又は繰返しパルスレーザの平均放

射パワー

P

p

 W パルスレーザの 1 パルス内の放射パワー

φ 

rad

出射レーザビームの発散角

π

定数 3.142

J

パルスレーザの全放射エネルギー

s

単一レーザパルスの持続時間

s

パルス列の全露光持続時間

T

1

T

2

 s

時間折点(

表 参照)

B.2 

レーザ製品のクラス分け−概論 

この附属書では,この規格に規定する測定条件に従って得られたパラメータ値を基にしたレーザ製品の

クラス分けのための計算手順を事例によって説明する。レーザ製品のクラス分けのための計算を完了させ

るのに必要と思われる基礎的なステップを説明するためのフローチャートをこの附属書の中に記載した。

ただし,このフローチャートは,必ずしも全てのレーザ製品を網羅しているわけではない。

4.2

及び 4.3 で規定するように,クラス分けの責任及び規則は,次による。

レーザ製品の正しいクラス分けを行う責任は,製造業者又はその代理業者にある。レーザ製品のクラ

ス分けは,製造後のあらゆる時点での動作において,製品の能力の全範囲にわたり,被ばくし得るレ

ーザ放射の出力パワーと波長との全ての組合せに対して行い,その結果得られた各組合せに対するク

ラスのうちで最も危険度の高いクラスに,このレーザ製品は割り当てる。クラス

1

,クラス

1C

及びク


65

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

ラス

1M

,クラス

2

及びクラス

2M

,クラス

3R

,並びにクラス

3B

(危険性の増大順)に対する被ばく

放出限界(

AEL

)は,それぞれ,

表 3∼表 に規定する。

用いる補正係数値は,波長,放出持続時間,パルス数及び視角の関数として

表 に規定する。

使用者がレーザ製品を改造して,被ばくし得るレーザ放射を変更した場合には,その製品を正しくクラ

ス分けしていることを保証することは使用者の責任となる。

レーザ製品のクラス分けを正しく行うには,

図 B.1 及び図 B.2 に示すように,正しいクラス分けを決定

するまでに,5.3 に規定するクラスのうちの複数のクラスの

AEL

の計算が必要になることがある。クラス

1

についての

AEL

の事例を,

図 B.3∼図 B.5 に示す。


66

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

図 B.1−与えられた出力パラメータに基づいてレーザ製品のクラス分けを行うためのガイドとしての 

フローチャート

いいえ

パルス

レーザ製品はパルス

又は CW のいず

れか

クラスを選択,

時間基準を選択

4.3 e)

AEL

single

を決定

4.3 f)

注記 参照

クラスを選択,

時間基準を選択

4.3 e)

クラスを選択,

時間基準には単一パ

ルス持続時間を使用

注記 を参照して
AEL

s. p. train

を決定

の最大許容値に留意して C

5

を決める[4.3 f)

選 択 し た ク ラ ス に 対 す る

AEL を決定

AEL

s. p. train

AEL

single

×C

5

を決定

上 位 の ク ラ ス を 選

択して再計算

下 位 の ク ラ ス を 選

択して再計算

完了

繰返し

単一

CW

いいえ

はい

いいえ

はい

いいえ

はい

はい

与えられた製品の

表 10 の条件に

よる出力パラメータ値を基に開始

パルスは単一又

は繰返しのいず

れか

波長 λ が 400 nm∼1 400 nm

の間にあって,かつ熱的障害限界が

適用されるか

AEL

s. p. T

を決定

4.3 f)

注記 参照

T

i

の時間内に

複数のパルスが存在するか

表 参照

製品が下位の

クラスの AEL を満たすか否か確かめる

必要があるか

測定した被ばく放出

レベルは選択したクラスに対する AEL

の計算値以下か

単一パルスの被ばく放出レベルとの

比較のために,AEL

s. p. T

及び AEL

single

の値のうち最小のものを選択

単一パルスの被ばく放出レベルとの比較

のために,

AEL

single

AEL

s. p. T

及び AEL

s. p. train

の値のうち最小のものを選択


67

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

注記 1  AEL

single

は,単一パルスの持続時間に基づいて決定する。

AEL

s. p. T

は,選択した時間基準に基づいて決定する AEL

T

から計算する。

ここに,

AEL

s. p. T

:  =AEL

T

/N

T

AEL

T

の単位が J 又は J·m

2

の場合)

AEL

T

/PRFAEL

T

の単位が W 又は W·m

2

の場合)

AEL

s. p. T

の単位は J 又は J·m

2

N

T

:  時間 内におけるパルスの数。

T:  選択した時間基準,単位は秒。

注記 2  時間 T

i

の間に複数のパルスが存在する場合には,単一パルス持続時間を T

i

に変え,AEL

single

の新たな値を計算

する。PRF を T

i

に応じて計算し直し,許容する最大の 値を決定する[4.3 f)

AEL

s. p. train

を求める式に AEL

single

の最終値を代入する前に,新たに計算した AEL

single

の値を時間 T

i

内に存在するパルスの数で除算する。

図 B.1−与えられた出力パラメータに基づいてレーザ製品のクラス分けを行うためのガイドとしての 

フローチャート(続き)


68

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

図 B.2−クラス 1M 及びクラス 2M レーザ製品のクラス分けを行うためのガイドとしてのフローチャート

開始

クラス 1,クラス 2,クラス
3R 又はクラス 3B のいずれ
か一つを選択

適用可能な時間基準を選択

4

.3 e)

参照]

選 択 し た ク ラ ス に 対 す る

AEL を決定

上位のクラスを選択して再

計算。ただし,選択したク

ラスが 3B の場合,レーザ

はクラス 4 である。

条件 1 によって測定した

レーザ出力は,選択したクラス

の AEL 以下か?

製品は下位のクラスの

AEL を満たすか否か調べる必要が

あるか?

下位のクラスを選択して再

計算

レーザ製品がクラス 1M

又はクラス 2M であるか調

べる必要があるか?

終了。レーザは,クラス 1M

又はクラス 2M のいずれか

である。

終了。レーザは,選択した

クラスである。

条件 1 に

基づいたレーザ出力の測定値が

クラス 1 又はクラス 2 の AEL より

大きく,かつ,

クラス 3B の AEL より

小さいか?

表 10 の条件 3 に

基づいたレーザ出力の

測定値はクラス 1 又はクラス 2

の AEL のいずれか以下

か?

レーザは,クラス 1M 及び

クラス 2M のいずれにも該

当しない。

いいえ

はい

はい

いいえ

いいえ

はい

いいえ

はい

はい

いいえ

条件 1 によってレーザ出力

を測定。

表 10 参照。


69

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

図 B.310

9

10

3

秒から選択した放出持続時間におけるクラス の紫外レーザ製品の AEL

図 B.4−選択した波長における 10

9

10

3

秒の放出持続時間に対するクラス の紫外レーザ製品の AEL


70

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

図 B.5−可視及び選択した赤外波長におけるクラス のレーザ製品の AELC

6

の場合)

B.3 

事例 

例 B.3.1

出力

50 mW

,ビーム直径

3 mm

及びビーム広がり

1 mrad

をもつ

CW He-Ne

レーザ(波長

λ

633 nm

)を

クラス分けしなさい。

解答

このレーザは,そのビーム特性から,

α

α

min

1.5 mrad

に該当する指向性のよい点光源であると推察で

きる。ビーム直径及びビーム広がりが小さいため,ビーム出力パワーの全体が直径

7 mm

の開口を通過す

る。したがって,測定条件

1

及び測定条件

3

の測定(

表 10 参照)は,いずれも同じ被ばく放出レベルを

与える。クラスを選択して,適切な時間基準を選択する[4.3 e)参照]

クラス

3B

及び時間基準

100 s

を選択する。レーザ出力は,可視域(波長

 400 nm

700 nm

)にあるが,

クラス

3B

に対して,

0.25 s

の時間基準を選択してはならない。また,意図的なのぞき込みも見込まれない。

クラス

3B

に対しては,

表 から,次の値が得られる。

AEL

0.5 W

レーザ出力は,僅か

50 mW

であり,クラス

3B

AEL

を超えていないので,クラス

3B

とクラス分けす

ることもできる。4.3 a)では,当該クラスより低い全ての下位クラスの

AEL

を超えると述べているが,よ

り下位のクラスに分類するのに必要な要求事項を満たしていないであろうということが,必ずしも明白で

はない。このため,疑義がある場合は,下位のクラスに対する要求事項を調べる必要がある。

クラス

3R

の場合,波長

400 nm

700 nm

の放射については,

0.25 s

の時間基準を適用してもよい。した

がって,

表 から,

AEL

として次の式が得られる。

AEL

5

×

10

3

 C

6

 W

指向性のよいビームを直接観察する場合,すなわち,

α

1.5 mrad

の場合,

表 から

C

6

1

を得るので,


71

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

これを上の式に代入すると,次の値を得ることができる。

AEL

5 mW

レーザ出力は

50 mW

であり,これはクラス

3R

に対する

AEL

を超えているが,クラス

3B

に対する

AEL

よりは小さく,測定条件

1

と測定条件

3

とが同じ測定値(被ばく放出値)を与えるので,クラス

1M

又は

クラス

2M

ではあり得ない。したがって,このレーザは,クラス

3B

としてクラス分けする。

例 B.3.2

コリメート用レンズ(発散ビームを平行ビームに変換するレンズ)をもたない

12 mW

CW

半導体レ

ーザ(波長

λ

900 nm

)が,

0.5 rad

のビーム広がりをもち,かつ,

表 10 に規定する測定条件に対して,次

のようなパラメータ値をもっているとする。

この場合,どのクラスにクラス分けするか。

なお,測定距離

100 mm

における光源の視角

α

は,

α

min

より小さいと仮定する。

測定条件

1

:レーザダイオードチップから

2 m

離した直径

50 mm

の開口絞りを通過した出力は

20 μW

満。

測定条件

3

:レーザダイオードチップから

100 mm

離した直径

7 mm

の開口絞りを通過した出力は

0.7 mW

解答

このような発散光源に対しては,測定条件

3

が測定条件

1

よりも明らかに厳しいであろう。

クラス

1

及び時間基準

100 s

を選択する[4.3 e)参照]

。したがって,

400 nm

1 400 nm

の波長範囲で,

α

1.5 mrad

のレーザに対して,

C

6

1

表 参照)であり,表 から,クラス

1

AEL

は次の式で与えら

れる。

AEL

3.9

×

10

4

 C

4

 C

7

 W

ここで,

表 から,

C

4

10

0.002(λ

700)

2.51

,及び

C

7

1

である。これらを上の式に代入すると,次の値を

得ることができる。

AEL

0.98 mW

より厳しい測定条件

3

の測定値と,ここで求めたクラス

1

AEL

値とを比較すると,この製品はクラス

1

の条件を満たしている。

使用者が,このダイオードレーザにコリメートレンズを装着する場合は,この製品は改めてクラス分け

する必要がある。

また,この光源は,固定された高倍率拡大鏡で観察すると危険になるということに注意を払うほうがよ

い。この規格ではクラス分けの適用範囲が倍率

7

倍までの手持ちの拡大鏡しか考慮していないからである

C.3 参照)

例 B.3.3

単一パルス動作の,周波数逓倍方式ネオジウムレーザであって,次の出力特性をもつものについてクラ

ス分けしなさい。ただし,二つの波長の光は,同時に出力するものとする。

波長

1 060 nm

における出力パルスエネルギー=

100 mJ

波長

530 nm

における出力パルスエネルギー=

25 mJ

パルス持続時間=

25 ns

出力開口の直径=

5 mm

各波長におけるビーム広がり<

1 mrad


72

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

解答

このレーザにとって最も厳しいのは,二つのビームが同一方向に伝搬している場合で,レーザをその前

提でクラス分けする場合である。ビームは,小さな直径及び小さな広がり角をもっているので,

表 10 

記載した測定条件による結果は,各波長の合計のエネルギーを示すことになることは明白である。レーザ

は,時間基準

100 s

の間にただ一つのパルスを出射するものとする。この場合,パルス持続時間を露光時

間として用いることができる。クラス

3B

レーザ製品を選択すると,

AEL

として,

表 から次のような値

を得る。

波長

 1 060 nm  AEL

1 060

0.03C

4

 J

0.15 J

150 mJ

波長

 530

nm AEL

530

0.03 J

30 mJ

t

0.06 s

として)

複数波長のクラス分けの規則は 4.3 b)に規定しており,

表 には,これら

2

波長の光による効果は目に

対して重畳性があることを示している。

それゆえ,4.3 b)に規定の方法は,次の条件式を満たすか否かを査定することでクラスを特定するのに使

用する。

1

530

530

060

1

060

1

AEL

Q

AEL

Q

+

左辺に単位 mJ で表した値を代入すると,次のようになる。

5

.

1

30

25

150

100

=

+

これは 1 より大きいので,レーザ製品は上位のクラスとなる。それゆえ,このレーザ製品はクラス 4 で

ある。

例 B.3.4

空間ビーム放射形監視システム用炭酸ガスレーザ(波長 10.6 μm)についてクラス分けしなさい。

なお,平均出力は 0.4 W,ビーム直径は 2 mm,及びビーム広がりは 1 mrad と仮定する。

解答

クラス 3R を選択し,意図的なビーム内観察は現実的ではないので,

4.3 e)

によって時間基準 100 s とす

る。

表 9

はこの波長に対して C

6

=1 を表すので,

表 6

を使って,T=100 s の場合のクラス 3R の AEL が 5 000

W·m

2

であることが分かる。

表 10

から,この波長に対しては測定条件 3 だけが適用可能で,AEL の単位

が W·m

2

であるので,測定条件 3 に対応するビームの放射照度を求めることが適切である。測定条件 3

の測定に要する測定基準点に関する

表 11

を参照して,ビームウエストがきょう体内にあると仮定すると,

表 11

の中の段落を参考にして,被ばく可能な最近接点で放射照度を決める(ただし,ビームウエストから

の距離が規定の測定距離以上の場合)

表 10

によれば,100 s の露光に対する限界開口は 3.5 mm であるが,ビーム直径は僅か 2 mm であること

に注意する。ビーム照度(E

0

P

0

/面積)を計算するには,実際のビーム直径又は限界開口のうち,大きい

方を用いるのがよい。それゆえ,次の式となる。

2

4

2

3

0

0

m

W

10

16

.

4

)

10

5

.

3

(

π

4

.

0

4

×

=

×

×

=

=

面積

P

E

この値はクラス 3R の AEL を超えているので,より高いクラスの評価が必要となる。

表 8

からクラス 3B

の AEL は 0.5 W である。この値は当該レーザの全出力パワーを超えているので,クラス 3B としてクラス


73

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

分けする。

例 B.3.5

パルス繰返し周波数(PRF)500 Hz,パルス幅 1 μs,波長 694 nm,ピーク出力 10 kW,ビーム直径 5 mm

及びビーム広がり 0.5 mrad の光を出射するレーザをクラス分けしなさい。

解答

題意から,ビーム内観察(αα

min

=1.5 mrad)である。

4.3 f)

は,繰返しパルスレーザに対する要求事項

の詳細を含んでいる。その概要を次に示す。

−  全ての波長に対する要求事項として

4.3 f)

1)

及び

2)

を評価する。加えて,波長範囲 400 nm∼1 400 nm

に対して,要求事項

4.3 f) 3)

を,熱的障害限界値との比較のために評価する。要求事項

4.3 f) 3)

は,光

化学的障害限界との比較のために評価する必要はない。

クラス 3B を選択する。意図的なビーム内観察は現実的でないので,

4.3 e)

によって,時間基準を 100 s

とする。

4.3 f)

3)

に示すように,複数のパルスが T

i

時間(

表 2

参照)内に現れる場合,それらのパルス群を単一パ

ルスとみなして を決定し,個々のパルスの放射露光は加算して T

i

に対する AEL と比較する。したがっ

て,複数のパルスが T

i

時間(

表 2

参照)内に現れるか否かを確認する必要がある。レーザのパルス間隔が

T

i

よりも小さい場合は,このことを考慮しなければならない。

表 2

に規定する時間幅 T

i

内に複数のパルスが存在できるか調べる。このレーザ波長に対しては,T

i

=5

×10

6

  s であり,実際のパルスの間隔は,1/PRF=2×10

3

  s である。このことから,T

i

時間内には複数の

パルスは存在しない。

4.3 f)

における手順に従うと,次のようになる。

a)

4.3 f)

1)

によって,単一パルスの露光を考察する。

表 8

から,t=10

6

 s に対して,次の値を得る。

AEL

single

=0.03 J(t<0.06 s の場合)

b)

4.3 f)

2)

によって,放出持続時間 のパルス列に対する平均パワーを考察する。

表 8

から,t=100 s に

対して次のような AEL を得る。

AEL

T

=0.5 W

題意から,このレーザは規則的なパルス列を出力するので,よりも短い放出持続時間で平均化す

る必要はない。比較の便宜上[

4.3 f)

2)

注記 8

参照]

AEL

T

を,単一パルスに対する相当値に変換す

る。この場合,AEL

T

の単位は W となるので,これを PRF で除すと,等価的な AEL が 1 パルス当たり

のエネルギー値として得られる。

J

10

1

500

5

.

0

3

p.

s.

×

=

=

=

PRF

AEL

AEL

T

T

c)

4.3 f)

3)

によって,単一パルスに C

5

を乗じたエネルギーを考察する。すなわち,次式である。

AEL

s. p. train

AEL

single

×C

5

4.3 f)

3)

によって,tT

i

,かつ,時間基準>0.25 s に対しては,次式となる。

C

5

=1(N≦600)

C

5

=5×N

0.25

N>600)

,ただし,C

5

=0.4 を最小値とする。

また,は,αα

min

の場合,時間 T

2

=10 s 内に存在するパルス数になる(

表 9

参照)

。したがって,

500 Hz の繰返しパルス列では,10 秒間で N=500×10=5 000 であり,これは 600 よりも大きいので,

C

5

=5×5 000

0.25

=0.59

それゆえ,


74

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

AEL

s. p. train

=0.03×0.59 J

AEL

s. p. train

=0.018 J

上記の三つの AEL 値は全て単一パルスに対するものであり,最も厳しい AEL を決めるために直接

比較できる。これによって,三つの値のうちで,最も厳しい値は,AEL

s. p. T

であり,クラス 3B に対す

る AEL は,1×10

3

 J となる。

このレーザは,小さなビーム直径及び小さな広がり角をもっているので,測定条件 1 及び測定条件

3(

表 10

参照)で測定される出力は同じであり,それは当該レーザの全出力エネルギーに等しい。AEL

(この場合,パルスエネルギーで表記)と放出レベル(ピークパワーで規定)とは同じ基準によらな

ければならない。それゆえ,放出ピークパワーはパルスエネルギーに変換しなければならない(逆も

また同じ)

レーザのパルス当たりのエネルギーは,次の式から求める。

Q=(ピーク出力)×(パルス持続時間)

Q=10

4

×10

6

=0.01 J

パルス当たりの被ばく放出エネルギーは,AEL

s. p. T

を超えているので,このレーザ製品は,クラス 3B の

AEL を超えており,クラス 4 となる。


75

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

附属書 C 
(参考)

クラス及び付随する潜在的危険性に関する説明

C.1 

一般事項 

この附属書では,クラス及び付随する潜在的危険性について説明する。

この附属書の意図は,製造業者に対して,製品に付随する危険性について記載するときの指針を示すこ

とである。この附属書は,クラス分け体系の限界,すなわち,クラスに一般的に付随する意味が適切でな

い場合についても言及する。

クラス分けは,使用者がレーザの危険性を評価し,必要な管理基準を定めることを支援する目的として

開発された。レーザのクラス分けは,被ばくし得るレーザ放射の皮膚又は目への障害に対する潜在的な危

険性と関係しており,電気的,機械的又は化学的なその他の危険性,及び二次的な光の放射による危険性

とは関係していない。クラス分けの意図は,基準となるクラス 1 の条件を超えて被ばくし得る出力が増大

するにつれて障害のリスクが増大することを認識させることにあり,レーザに近接した距離における潜在

的な露光の危険性を最も正確に説明している。一つのクラス内でも,危険な領域はレーザによって大きく

異なる可能性がある。この潜在的な危険性は,保護きょう体のような技術的な制御手段を付加することを

含め,使用者が種々の防護手段を付加することによって大幅に軽減することができる。

C.2 

クラスに関する説明 

C.2.1 

クラス 

クラス 1 レーザ製品は,直接ビーム内観察を長時間行っても,またそのとき,望遠光学系を用いても安

全であるレーザ製品である。クラス 1 は,用いるときに危険性のある放射を被ばくすることのないように

完全に囲われた高出力レーザ(組込形レーザ製品)も含む。可視の光エネルギーを放射するクラス 1 レー

ザ製品をビーム内観察すると,特に周辺が暗い環境では,目がくらむなどの視覚的な影響が依然として生

じ得る。

用語“アイセーフ”は,クラス 1 のレーザ製品だけに用いるほうがよい。用語“アイセーフレーザ”は,

レーザを,その出力波長が 1 400 nm よりも大きいというだけの理由で,そのように表現するのに用いるの

は望ましくない。いかなる波長のレーザも十分なパワーをもつと傷害を引き起こすことが可能である。

C.2.2 

クラス 1M 

クラス 1M レーザ製品は,裸眼(光学器具を用いない。

)で,直接ビーム内観察を長時間行っても安全で

あるレーザ製品である。測定条件 3 で規定する測定用の開口直径(

表 10

参照)よりも大きな直径をもつ

平行ビームに対しては,双眼鏡のような望遠光学系を用いた露光は,MPE を上回り,目の障害を引き起こ

す可能性がある。

クラス 1M レーザの波長領域は,302.5 nm∼4 000 nm の間に限っており,光学器具に用いるほとんどの

光学ガラス材料をよく透過するスペクトル領域と同じである。可視の光エネルギーを放射するクラス 1M

レーザ製品をビーム内観察すると,特に周辺が暗い環境下では,目がくらむなどの視覚的な影響が依然と

して生じ得る。

C.2.3 

クラス 1C 

クラス 1C レーザ製品は,医療,診断,手術,又は脱毛,しわ取り,にきび取りのような美容への用途


76

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

として,皮膚又は体内組織にレーザ光を直接照射することを意図したレーザ製品である。出力するレーザ

放射は,クラス 3R,クラス 3B 又はクラス 4 のレベルの場合もあるが,一つ以上の技術的手段によって目

への露光を防止するものである。皮膚に対する露光レベルは用途に依存するので,その特徴は製品安全規

格で包含する。これらの製品は近年,市場に出回っており,クラス 3R,クラス 3B 又はクラス 4 のレーザ

製品に適用する通常の安全防護対策ではこれらの製品には適さないという理由で,クラス 1C をこの規格

に盛り込んだ。このため,クラス 1C を扱う技術専門委員会(TC)は,それぞれの製品安全規格に安全に

関する要求事項を定める必要がある。

注記

  クラス 1C を扱う技術専門委員会(TC)として,

IEC/TC 76

(レーザ機器の安全性)及び

IEC/TC 

61

(家庭用電気機器の安全性)がある。

IEC/TC 76

は,

IEC 60601

規格群の中で医用のクラス

1C レーザ製品の製品安全規格を定め,

IEC/TC 61

は,

IEC 60335

規格群の中で家庭用のクラス

1C レーザ製品の製品安全規格を定める役割を担っている。

C.2.4 

クラス 

クラス 2 レーザ製品は,400 nm∼700 nm の波長範囲の可視光を放射するレーザ製品であって,瞬間的な

被ばくのときは安全であるが,意図的にビーム内を凝視すると危険なレーザ製品である。0.25 s の時間基

準は,クラスの定義に内在している。これは,多少長めであっても,瞬間的な被ばくによって障害が生じ

るリスクは非常に小さいという推定に基づいている。

次のような事項は,合理的に予見可能な条件下で障害の排除に寄与する。

−  安定させた頭部の瞳孔にビームを照準するとか,目の遠近調節が最悪ケースになっているなどの最悪

条件に,意図的でない露光が反映することはまれである。

−  AEL の根拠としている MPE には,本来固有の安全余裕度が存在している。

−  まぶ(眩)しい光の露光に対しては,人は自然に回避行動をする。

クラス 2 は,クラス 2M とは異なり,光学器具を用いても目に障害が生じるリスクは増加しない。

ただし,クラス 2 レーザ製品からのビームによって,特に周辺が暗い環境下では,げん(眩)惑,せん

(閃)光盲,残像などの視覚的な影響が生じ得る。これらは,一次的な視力障害又は驚いて反応すること

を通じて,一般の安全性と間接的に関わっている。このような視力への影響は,機械作業,高所作業,高

電圧作業,運転など,安全の確保が肝要となる行動中に発生したときに,特に注意を払う必要がある。

使用者には,ビームをのぞき込まないこと,すなわち,頭を動かしたり又は目を閉じたりすることで,

能動的に防御反応をすること,及び連続した意図的なビーム内観察を避けることを,ラベルによって指示

する。

C.2.5 

クラス 2M 

クラス 2M レーザ製品は,可視のレーザビームを出射するレーザ製品であって,光学器具を用いない裸

眼に対してだけ短時間の被ばくが安全なレーザ製品である。測定条件 3 で規定する測定用の開口直径(

10

参照)よりも大きな直径をもつ平行ビームに対しては,双眼鏡のような望遠光学を用いた露光は,MPE

を上回り,目の障害を引き起こす可能性がある。

ただし,クラス 2M レーザ製品からのビームによって,特に周辺が暗い環境下では,げん(眩)惑,せ

ん(閃)光盲,残像などの視覚的な影響が生じ得る。これらは,一次的な視力障害又は驚いて反応するこ

とを通じて,一般の安全性と間接的に関わっている。このような視力への影響は,機械作業,高所作業,

高電圧作業,運転など,安全の確保が肝要となる行動中に発生したときに,特に注意を払う必要がある。

使用者には,ビームをのぞき込まないこと,すなわち,頭を動かしたり又は目を閉じたりすることで,


77

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

能動的に防御反応をすること,及び連続した意図的なビーム内観察を避けることを,ラベルによって指示

する。更に,クラス 2M レーザ製品のラベルには,望遠光学系の使用者への露光を禁止することも指示す

る。

C.2.6 

クラス 3R 

クラス 3R レーザ製品は,

放射出力のレベルが,

直接のビーム内観察条件に対して MPE を超えるものの,

AEL がクラス 2 の AEL(可視レーザの場合)の 5 倍又はクラス 1 の AEL(不可視レーザの場合)の 5 倍で

あることから,障害が生じるリスクが比較的小さいレーザ製品である。リスクが比較的低いので,製造業

者への要求事項及び使用者のための各国の規則による管理基準を,クラス 3B よりも緩和している。クラ

ス 3R のレーザ製品は本質的に安全とはみなさないが,リスクは,次のような理由で軽減する。

−  大きな瞳孔にビームを照準しているとか,ビーム全体のエネルギーが目に入る観察状態などの最悪条

件に,意図的でない露光が反映することはまれである。

−  MPE には,本来固有の減少係数(安全余裕度)が存在する。

−  可視光の放射の場合は,まぶ(眩)しい光の露光に対して人は自然に回避行動をする。また,遠赤外

光の場合は,角膜の加熱に対する回避反応がある。

障害が生じるリスクは露光時間とともに増大し,最悪な条件下での目の露光及び意図的な直接的ビーム

内観察による露光は危険なことがある。

クラス 3R レーザに関連するリスクの様々な分類のため,特別な使用者制限の適用可能性(運用上の管

理及び目の個人的な保護を含む。

)が使用者への指針に明記することが望ましい。

注記

  クラス 1,クラス 1M,クラス 2,クラス 2M 及びクラス 3R の AEL 値と同様に,目の MPE 値は,

この規格では,旧版である

JIS C 6802

:2011 に比べて,幾つかの単一パルス点光源では減少した

が,ほとんどの繰返しパルス光源の場合は増加した。加えて,ほとんどのパルス分散光源でも

増加し,それに応じて,これらの値における減少係数(安全余裕度)は変化した。その結果,

JIS C 6802

:2011 でクラス 3R に分類された幾つかのパルス光源製品は,この規格ではクラス 2

にクラス分けされ,

JIS C 6802

:2011 でクラス 3B に分類された幾つかのパルス光源製品は,こ

の規格ではクラス 3R にクラス分けされる。後者の場合,光軸調整用レーザとして長年用いて

きた最大 5 mW の平行ビーム形 CW 光源に比べて,障害のリスクに関する実際的な経験が乏し

い。

クラス 2 レーザの場合と同様に,可視波長域のクラス 3R レーザ製品から得られるビームによって,特

に周辺が暗い環境下では,げん(眩)惑,せん(閃)光盲,残像などの視覚的な影響が生じ得る。これら

は,一次的な視力障害又は驚いて反応することを通じて,一般の安全性と間接的に関わっている。このよ

うな視力への影響は,機械作業,高所作業,高電圧作業,運転など,安全の確保が肝要となる行動中に発

生したときに,特に注意を払う必要がある。

クラス 3R レーザは,直接のビーム内観察がありそうにない場合に限り,用いるのがよい。

C.2.7 

クラス 3B 

クラス 3B レーザ製品は,目へのビーム内露光が生じると(すなわち,NOHD 内では)

,偶然による短時

間の露光でも,通常危険なレーザ製品である。拡散反射光の観察は通常安全である。クラス 3B の AEL 

傍のクラス 3B レーザは,軽度の皮膚障害又は可燃物の点火を引き起こす可能性がある。ただし,これは

ビームの直径が小さいか,又は集光したときだけに起こり得る。

注記

  拡散反射光の観察でも MPE を超えるような観察条件は,まれではあるが,理論的には存在す


78

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

る。例えば,AEL に近い出力をもつクラス 3B レーザでは,拡散反射面と角膜との距離を 13 cm

以下にした観察の場合で,可視放射の完全な拡散反射を 10 s 以上にわたって長時間観察した場

合には MPE を超える可能性がある。

C.2.8 

クラス 

クラス 4 レーザ製品は,ビーム内の観察及び皮膚への露光は危険であり,また拡散反射の観察も危険と

なる可能性があるレーザ製品である。これらのレーザは,場合によっては火災の危険性が伴う。

C.2.9 

用語体系に関する注記 

クラス 1C における“C”の由来は,アプリケータ(レーザ出射部)が皮膚又は体内組織に接触する(contact)

又は非常に近接する(close)場合にだけ,クラス 1 の AEL を超えるレーザ放射が出力できるという操作モ

ードである。

クラス 1M 及びクラス 2M における“M”の由来は,拡大用光学観察器具(magnifying optical viewing

instruments)である。クラス 3R における“R”の由来は,例えば,キースイッチ,ビーム終端器又は減衰

器,及びリモートインタロックコネクタを不要とするなど,製造業者及び使用者への要求事項の削減

(reduce)又は緩和(relax)である。クラス 3B における“B”は,この規格の旧版である

JIS C 6802

:1997

において,現在のクラス 1M 及びクラス 2M に類似する意味をもっていた,クラス 3A というものが存在し

ていたという歴史的な経緯に由来している。

これまでの記述において,

“危険性がある”と表現したり,又は障害が生じるリスクが高いことに言及し

た場合,これらの危険性及びリスクは,対応する MPE レベルを超える,レーザ周辺の領域においてだけ

存在することに留意する必要がある。裸眼に対する露光の場合は,この領域は NOHD による境界がある。

また,

平行性の優れたクラス 1M 又はクラス 2M レーザからの放射を双眼鏡又は望遠鏡で観察する場合は,

拡張 NOHDENOHD)による境界がある。特定のレーザ製品においては,クラス 3B 又はクラス 4 のいず

れであっても,その NOHD が極めて短く,装置の設置又は応用によっては,NOHD の外部にいる人に対し

ては目の保護を必要としない場合があり得る。このような設置の事例としては,製造現場の天井に走査形

レーザ又は線状レーザを備えて,下方の作業領域における加工品上に模様又は線を投影するものなどがあ

る。パワーレベル及び走査パターンは,作業領域における露光が平常作業の場合に安全となるように,MPE

以下に設定できるが,保守及びサービス作業の場合には,特別の配慮が必要である。例えば,使用者がは

しごに乗って出射窓を清掃する場合など,近接した場所での露光は危険となる可能性がある。また,走査

パターンは安全であっても,ビームが非走査モードに戻ると危険になるかもしれない。更に,クラス 4 レ

ーザ製品においては,拡散反射についてもそれらには NOHD(この NOHD の領域はかなり狭いが)が付随

する。

特定のレーザ及び応用に付随する危険の特性を評価することは,

リスクアセスメントの一部である。

クラス分けの試験は,幾分“最悪ケース”を考慮して設計しており,合理的に予見可能な最悪の状態に

おいても,

“下位のクラス”

(例えば,クラス 1)の製品が目又は皮膚への危険を生じないことを保証する

ように制限している。すなわち,試験条件は,様々な最悪状態を想定して設計している[

C.4

2)

の Sliney

らの文献を参照。

。その結果,危険になり得るのは最悪状態のときだけであるので,クラス 3B 又はクラ

ス 4 製品であっても,意図した使用及び通常の運転の場合は安全とみなせるように設計できる。例えば,

製品が,

IEC 60825-4

に準拠した保護きょう体を備えた実用上安全なものであっても,次のような理由で

クラス 1 の組込形レーザ製品にならない場合がある。

−  保護きょう体が,この規格に準拠した長時間の試験を満たしていない(一方,

IEC 60825-4

に準拠し

た機械としては,より短い評価時間を用いることができる。

−  製品が天蓋を装備していない(ただし,ガードの上側には人が存在しないという環境では安全とみな


79

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

せる。

−  “歩行”立入りの自動検出手段を備えていない(ただし,管理された環境では,保護きょう体の内部

に人が存在しているときのドアの閉鎖を防ぐために,個人別の錠を設けるという組織的安全対策によ

って代替することができる。これは,クラス分けを変えるものではないが,使用者に対して所望のレ

ベルの安全性を達成する手順を例示している。

クラス 3B 及びクラス 4 レーザ製品に付随する危険をきょう体内だけに制限している場合は,組織によ

る安全対策だけで十分であるかもしれない。同様に,天蓋のないレーザシステム又は長時間故障が持続す

るとガードが焼けて穴があいてしまうような状況においても,組織による安全対策だけで十分なことがあ

る。

クラス 3B 及びクラス 4 であっても,

付随する危険が特殊な状況下だけに生じるような別の事例がある。

例えば,低出力レベルのレーザ治療に用いる発散角の大きな光源に,コリメートレンズのような附属品を

適用することを前提としてクラス分けしている場合を想定する。附属品のレンズを装着した場合,レンズ

によって潜在的に危険な平行ビームが生じるため,この製品をクラス 3B とクラス分けすることがある。

ただし,附属品のレンズを取り外した状態では発散角の大きなビームとなり,安全となり得る(すなわち,

目への露光は MPE 以下となる。

。この場合,危険な領域は,レーザに附属品を装着した場合にだけ存在

する。

C.3 

クラス分け体系の限界 

クラス分けの試験は,多くの場合制限的であって最悪のケースを想定しているが,それでもなおクラス

分けには限界があり,まれではあるが,各クラスに付随する危険性を超えるような危険につながる場合が

存在する。クラス分けは,次の三つの“構成要素”からなる。

a)

  異なるクラスの AEL

b)

  発生し得る露光条件を反映させるための,測定距離,開口の直径,及び受入れ角で表す測定上の要求

事項。これらの測定上の要求事項は,与えられたレーザ製品について被ばく放出量を決定し,これと

AEL とを比較することによってクラスを決定する。

c)

  AEL 及び被ばく放出量を決定する基礎となる試験条件。これには,合理的に予見可能な単一故障条件

を考慮することを含む。また,運転,保守,及びサービスを区別する必要がある。工具を用いずに着

脱できる附属品の使用及び工具不要の製品構成の変更についても考慮する必要がある。

これら三つの構成要素はいずれも幾つかの暗黙の仮定を含んでおり,このため,まれではあるが,これ

らの仮定を満たさない場合,

当該クラスについての通常の理解を超えるような危険性が生じることがある。

例えば,クラス 1 及びクラス 1M に対する長時間の露光における AEL は,麻酔されていない目が眼球運動

することを前提としている。しかし,麻酔された目に対する医療処置の間に,目に長時間の露光が生じる

と,クラス 1 レーザによる放射でも潜在的に危険な露光につながる可能性がある。また,測定上の要求事

項は,ある種の光学器具による露光の起こりやすさについての前提及び評価に基づいている。例えば,大

形の望遠鏡を用いて,50 mm 以上の大きなビーム径の平行ビームを受光した場合には,クラス 1 製品とい

えども危険である可能性がある。しかし,望遠鏡の視野は狭いので,このようなことで目への露光が偶然

生じる確率は,通常,極めて低い。考慮が必要と思われる別の状況として,製品の置かれた条件が,クラ

ス分けのときに検討する必要がない条件であるにもかかわらず,そのときに生じる危険な放射に被ばくす


80

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

る可能性がある場合がある。例えば,製品の製造業者が附属品として提供していなくても,コリメートレ

ンズを製品に装着すると,クラス 1M 又はクラス 2M 製品からの発散ビームを,潜在的に大きな障害距離

をもつ平行ビームに変換することが可能となる。ただし,これは製品の変更とみなされるので,その変更

を行った者が改めて製品のクラス分けを実施するのがよい。

いずれにしても,製品の取扱説明書の中に警告を記載することができるよう,製造業者は上述したクラ

ス分け体系の限界を意識しておくほうがよい。このような潜在的な限界についての特定の事例を次に示す

(ただし,限界が当てはまるかどうかは製品の種類に依存するため,これらの限界は単に潜在的であるこ

とに留意する。

−  直径の大きな平行ビームのクラス 1,クラス 2,又はクラス 3R レーザ製品であって,大形の望遠鏡を

用いて観察するもの。

−  大きく発散するビームのクラス 1,クラス 2,又はクラス 3R レーザ製品であって,拡大鏡で観察する

もの(

5.4.1

注記 1

及び

JIS C 6803

を参照)

−  拡大率が 7 倍未満の双眼鏡又は望遠鏡。この場合,測定条件 1(

表 10

参照)については,適用する視

角 α の拡大[

4.3 c)

参照]

,又は受入れ角の縮小[

5.4.3 b)

参照]のいずれかは,実際の拡大率,すなわ

ち,7 倍未満と同じにするほうがよい。

−  走査ビームを望遠鏡で観察する場合。

−  クラス 1 レーザ製品から放射する UV-A レーザを間近でビーム内観察した場合,1 000 秒以上の露光で

目の MPE を超えることがある。

−  二重の故障条件が起きる可能性がある場合。すなわち,AEL を超えて被ばくし得る放射が生じること

は,

それぞれの故障が単独で生じる場合にはないが,

それらの故障が同時に生じる場合にはあり得る。

このような故障が高い確率で生じることが予見可能な場合,二重の故障が生じる可能性も十分に高い

ので,それについては製品設計時に考慮するのがよい。

−  レーザのクラスは,人体がレーザビームに露光する可能性のある場所での障害を表示しているとは限

らない。特に,レーザビームが大きく広がる場合は,NOHD の適用を考慮する必要がある。

C.4 

参考文献 

1)

  Henderson, R. and Schulmeister, K.: Laser Safety, Taylor and Francis Ltd., United Kingdom, 2004

2)

  Sliney D. H., Marshall W. J., Brumage E. C.: Rationale for laser classification measurement conditions. J

Laser Appl. 19(3):197-206, 2007

3)

ISO/IEC Guide 51

:1999, Safety aspects−Guidelines for their inclusion in standards


81

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

附属書 D 
(参考)

生物物理学的検討

D.1 

目の構造 

人間の目の解剖学的な詳細を

図 D.1

に示す。

図 D.1

目の構造

図 D.1 (A)

は,左目の外観図である。上下のまぶた(瞼)によって視界はアーモンド形になる。目の前面

の主要な部分の名称を示す。

図 D.1 (B)

は,左目の水平断面図である。目は二つの部分に分けられ,前部,すなわち,前眼部は,角膜,

こう(虹)彩,水晶体で囲まれており,後部,すなわち,後眼部は網膜に囲まれており,ゲル状の硝子体

で満たされている。

図 D.1 (C)

は,眼底カメラで見た正常な眼底像である。眼底カメラは瞳孔を通して,光を直接入れて目の

内部を照明し,眼底を観察するものである。得られた像は,眼底をよく見ることができる。眼底は赤みが

かっているが,

網膜血管の大部分をはっきりと見ることができる。

白みがかった視神経乳頭及び中心か

(窩)

(黄斑部)は,その他の部分と区別して見ることができる。中心か(窩)は網膜面より少し沈下しており,

周囲の網膜より更に色素が多く,最も鋭敏な視覚をもつ部位である。中心か(窩)は黄斑部の中央にあり,

黄斑部は視覚の大部分を占める。

図 D.1 (D)

は,

図 D.1 (B)

の断面に見られる網膜の構造で,実物の数百倍に拡大されている。網膜は,光


82

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

感受性のかん(杆)体及びすい(錐)体の上に重なった神経細胞の一連の層からできている。つまり,網

膜面への入射光は,光感受性細胞に到達するまでに,神経細胞の層を通らなければならない。かん(杆)

体及びすい(錐)体の下には,茶褐色のメラニンでできている色素上皮層がある。更に,その下に,毛細

血管の層,つまり脈絡毛細管がある。最後の光吸収層は脈絡膜であり,色素細胞及び血管の両者を含んで

いる。

図 D.1 (E)

は,数百倍に拡大した中心か(窩)の構造である。ここには,すい(錐)体だけがある。神経

細胞は,この最も鋭敏な視覚の部分を避けるように放射状に出ている。400 nm∼500 nm に強い吸収性をも

つ黄斑色素は,Henle(ヘンレ:ドイツの解剖学者の名前)の線維層に存在する。

網膜の細胞は再生力がなく,損傷を受けるとその部分は永久的に視覚の低下を起こす。

D.2 

生体組織に及ぼすレーザ光の影響 

D.2.1 

一般事項 

レーザ放射が障害を引き起こすメカニズムは,全ての生体組織に対してほぼ同じで,熱,熱弾性衝撃波

(急激な温度上昇による音響衝撃波)

,光化学的作用及び非線形効果によるものである。これらのメカニズ

ムのどれが障害の原因となるかの度合いは,放射源の物理的パラメータに関連している。それらの中で最

も重要なものは,波長,パルス幅,像の大きさ,放射照度及び放射露光である。

一般には,しきい値を超えた露光において,主な反応は,露光のパルス幅に強く影響される。例えば,

パルス幅による主たる効果を列挙すると,ナノ秒及びサブナノ秒の露光では,微小な空孔形成,衝撃波に

よる障害及び非線形効果,約 100 マイクロ秒∼数秒の範囲では熱的効果,そして約 10 秒以上では光化学的

効果となる。

レーザ放射は,その高輝度性及びビームの高指向性によって,他の知られている多くのタイプの放射と

は区別される。これは,本質的にもっている高いエネルギー量も加わって,生体組織に過剰なエネルギー

量を与えることになる。生体系に対するいかなるレーザ放射障害もその第一段階は,その生体系による光

放射の吸収である。光の吸収は,原子又は分子レベルで行われ,波長選択性がある。したがって,特定の

レーザがどの組織に障害を与えやすいかを決定するのは波長である。

熱による影響

  十分な放射エネルギーを,生体系が吸収すると,その構成分子は振動し,熱が発生する。

多くのレーザ障害は,吸収した組織の熱及びその周辺組織への熱によって生じる。この熱による障害は,

通常,レーザエネルギーを吸収した照射ビームの中心位置から周辺の限定した領域に広がる。この領域内

の細胞は,やけどを起こし,このときの組織障害は,主としてタンパク質の変性である。上で示したよう

に,レーザによる二次的障害の発生するメカニズムは,パルス幅(

図 D.2

参照)に直接関係した組織熱反

応の経過時間及びその組織の冷却期間に関係する。

熱化学反応は,加熱期間と冷却期間との双方に関係し,熱的障害のスポットサイズ依存性をもたらす。

CW 又は長いパルス幅のレーザを生体組織に照射すると,熱伝導によって,温度が上昇する生体組織の領

域は,次第に広がっていく。この熱の広がりは障害領域を更に広げ,細胞の熱許容度以上に温度上昇する。

また,ビームイメージサイズは非常に重要であり,熱伝導による周辺への広がりの度合いは,最初に加熱

された組織領域の温度の関数であるのはもちろん,サイズの関数でもある。このタイプの熱的障害は,通

常,CW 又は長いパルス幅のレーザを露光したときに見られるが,また,短いパルスにおいても発生する。

1 mm∼2 mm 又はそれ未満の程度の照射スポットサイズの場合には,放射状に広がる熱拡散によって熱的

傷害のスポットサイズ依存性が生じる。


83

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

A

B

C

D

説明

A

  レーザエネルギーを生体系が吸収する。

B

  吸収したエネルギーは周りの組織に伝達

する熱を作り出す。

C

  長いパルスレーザ又は CW レーザでは,

熱拡散が続くと,徐々に障害が広がって

いく。

D

  短いパルスレーザでは,高いパワー密度

が細胞の爆発的な破裂及び物理的な脱離

によって損傷を引き起こす。

図 D.2

レーザが引き起こす生体組織の損傷のダイヤグラム

光化学的な影響

  一方,光化学的な過程による直接的な結果としての損傷も起こり得る。この過程は,与

えられた光エネルギーの吸収によって引き起こされる。この場合には,吸収したエネルギーを放出するよ

りは,むしろその励起状態の分子が特異的な化学反応を起こすことによる。この光化学反応は,低い露光

レベルにおける障害の原因となるものと考えられる。このメカニズムによって,皮膚,目の水晶体,及び

特に網膜などの生体組織は,それほど強くはない UV 放射及び短い波長の光に長く露光されることによっ

て不可逆的な変化を引き起こす。このような光化学的に引き起こされた変化は,照射の持続時間が過度に

長かったり,また,短い時間の露光が長い間繰り返されたりすれば,生体系に障害を与える。レーザ露光

が引き起こす光化学反応のあるものは反応が異常なものとなり,又はあるものは正常な反応が強く発現す

るものとなる。光化学反応は,一般に,修復機構が損傷速度に打ち勝てない 1 時間∼3 時間程度以下の持

続時間に対してはブンゼン−ロスコーの法則に従っており,放射露光として表すしきい値は,露光持続時

間の広い範囲にわたって一定となる。光化学反応には,熱拡散のために熱的影響が生じた,スポットサイ

ズ依存性は存在しない。

非線形効果

  短パルスの高ピークパワーレーザ(例えば,Q スイッチ又はモード同期レーザ)は,誘発メ

カニズムの異なった組合せ(既に知られた反応機構の中でのこれまでと異なった組合せ)で組織障害を引

き起こすことがある。ごく短時間に生体に高エネルギーが加えられるので,高い放射照度が発生する。タ


84

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

ーゲット組織は,急速な温度上昇によって,細胞の液体成分が気化する。多くの場合,このような相変化

は急に起こるため,爆発的であり,細胞は破裂する。熱膨張に起因して圧力の過渡現象が生じることもあ

り,また,それとともに,大部分が物理的に脱離することによって,吸収層から遠く離れた組織にせん(剪)

断損傷を引き起こすことがある。サブナノ秒の露光では,目の透光体による光ビームの自己収束効果によ

って,平行ビームであるレーザエネルギーが更に集中し,約 10 ピコ秒∼1 ナノ秒の間のしきい値を更に下

げる。更に,サブナノ秒領域における網膜障害においては,他の非線形光学メカニズムがある役割を演じ

るようである。

以上のような障害のメカニズムは,全て網膜で作用することが明らかにされており,この規格に規定す

る安全露光レベルの折点又は傾きの変化に反映されている。

D.2.2 

目に対する危険性 

目の構造については

D.1

に簡単に記載している。目は,特に,光を受けて情報を伝達するようにできて

いる。過度の露光によって生じる病理学的影響を,

表 D.1

にまとめている。熱的な相互作用の機構を,

D.2

に示す。紫外及び遠赤外放射レーザ光は角膜の障害を引き起こし,一方,可視及び近赤外波長の放射

光は網膜まで達する。

表 D.1

光に対する過度の露光に伴う病理学的影響の要約

CIE 波長領域

a)

皮膚

紫外 C

(180 nm∼280 nm)

光化学的角膜炎

紅斑(日焼け)

皮膚老化プロセスの加速

色素の増加

紫外 B

(280 nm∼315 nm)

紫外 A

(315 nm∼400 nm)

光化学的白内障

色素の増強

光線過敏症 
皮膚のやけど

可視 
(400 nm∼780 nm)

光化学的及び熱的網膜損傷

赤外 A 
(780 nm∼1 400 nm)

白内障,網膜熱傷

皮膚のやけど

赤外 B

(1.4 μm∼3.0 μm)

前房フレア,白内障,角膜熱傷

赤外 C

(3.0 μm∼1 mm)

角膜熱傷だけ

a)

  CIE(国際照明委員会)によって定義される波長領域は,生物学的影響を記述

するときに役に立つ簡単明瞭な表記であり,MPE 

表 A.1∼表 A.3 にある波長

の切れ目と完全には一致していないことがある。

可視及び近赤外レーザは,目に対して特に危険である。なぜなら,目は固有の特性として,光の有効な

変換器であり,その特性によって,高密度の色素性組織は,高い放射露光を浴びることになるからである。

角膜から網膜への放射照度の増加は,

おおむね網膜像の面積に対する瞳孔の面積の比となる。

この増加は,

瞳孔に入った光が網膜上の“点”に集束されるために起こる。瞳孔は,可変開口であるが,その直径は青

年の目で最大に広がったとき 7 mm 位の大きさである。このような瞳孔に対応する網膜上の像は,直径 10

μm と 20  μm との間である。眼内散乱及び角膜収差を考慮した場合には,角膜と網膜との間の放射照度の

増加は,ほぼ 2×10

5

倍程度となる。

2×10

5

倍の増加を仮定すると,角膜上の 50 W·m

2

のビームが,網膜上で 1×10

7

W·m

2

になる。この規


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C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

格では,7 mm の瞳孔は,これが最悪の条件であり,青年の目に対して測定された瞳孔の直径にほぼ等し

いので,限界開口と考えられている。瞳孔径 7 mm の仮定が例外となるのは,10 秒以上にわたり明るい可

視光(400 nm∼700 nm)レーザの光源を観察するとき,光網膜炎から保護するための露光限界値を算出す

る場合であった。この場合,3 mm の瞳孔径が最悪の条件と思われた。しかし,瞳孔の生理学的な動きを

考慮すると,7 mm 開口で放射照度を平均化するのが,やはり適切とみなされた。したがって,10 秒を超

える持続時間に対する AEL についても,開口を 7 mm として導き出されている。

レーザの強いビームが網膜上に集束しても 5 %の光だけがかん(杆)体及びすい(錐)体の中の可視色

素によって吸収されるだけである。大部分の光は,色素上皮の中に含まれるメラニンという色素によって

吸収される(黄斑部では 400 nm∼500 nm 波長帯のエネルギーの一部が黄斑色素によって吸収される。

吸収されたエネルギーは,部分的加熱を引き起こし,色素上皮並びに隣接する光受容器であるかん(杆)

体及びすい(錐)体の両者をやけどさせる。このやけど又は損傷は,視力障害を引き起こす。光化学的障

害は,非熱的障害であるが,色素上皮の中でも発生する。

露光の強さの程度によって,

そのような視力障害が永久的なものとなるか否かが決まる。

視力の低下は,

通常,黄斑部の中心又はくぼ(凹)み[か(窩)

]の部分に露光されると,本人の感覚として感じられる。

黄斑部の中心にあるくぼ(凹)み[か(窩)

]である,この中心か(窩)は最も視感度のあるところで,網

膜の中で最も重要な部分である。

“何かを直視する”のは,網膜のこの部分である。中心か(窩)によって

範囲を定められる視野角は,月を見たときに定まるものとほぼ同じである。この部分が障害を受けると,

視野の中心に白いぼんやりとしたスポットが固有の視力障害として現れ,このスポットは 2 週間程度で黒

に変わる。最終的に被害者は,普通の状態ではこの暗点に気付かなくなる。しかし,真白な紙に何もない

ようなものを見るとすぐに気付く。周辺視野の機能障害も,網膜全体が障害を受けたときに露光した本人

の感覚として生じるが,小さい周囲の障害は,気付かずに済まされるので精密な目の検査をしないとよく

分からない。

400 nm∼1 400 nm の波長範囲で最も重大な障害は,網膜損傷である。角膜,前房,水晶体及び硝子体は,

これらの波長の放射を透過する。十分に平行なビームの場合には,網膜像は約 10  μm∼20  μm の直径の回

折限界スポットになると推測されるので,危険性は,放射源と目との距離に事実上無関係である。この場

合,熱平衡を仮定して,危険な網膜域は最小視角 α

min

によって決定される。この限界視角は,通常,直径

が約 25 μm の網膜スポットに対応する。

分散光源の場合,危険性は光源と目との観察距離に依存して変化する。その理由は,網膜上の瞬時の放

射照度は,光源の輝度及び目のレンズ特性だけに依存して観察距離には依存しないが,網膜におけるエネ

ルギーの熱拡散は,その網膜像が大きくなるほどますます効率的でなくなるからである。その結果,400 nm

∼600 nm の波長範囲だけで生成する光化学的障害の場合には網膜上のスポットサイズ依存性が存在しな

いのに対して,熱的障害の場合にはそれが存在する。更なる効果として,眼球運動は,CW レーザ露光に

対する吸収エネルギーを更に拡散させるので,異なる網膜像サイズに対して異なるリスク依存性を引き起

こす。

眼球運動を考慮した補正係数は,網膜障害領域における目への露光の限界値を算出するとき,10 秒を超

える観察持続時間の場合だけに適用された。衝動性運動として知られる生理学的眼球運動は,実際には 0.1

∼10 秒の時間内で最小網膜像(25 μm 以下)の吸収エネルギーを拡散させるので,眼球運動の補正なしの

限界値は,この観察時間に対して望ましい安全係数を見込むことになる。平均照射網膜スポットは,0.25

秒で約 50 μm であり,10 秒経過までに,照射網膜領域は約 75 μm に広がるので,最小像条件に対する安全

係数は,スポットサイズ依存性を考慮すると,安定固視した眼球の場合に比べて 1.7 倍になる。また,100


86

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

秒経過までに,135 μm 程度の小さな(50 %のポイントで測定した)照射領域に限定されることはまれであ

り,最小像条件に対して,2.3 倍以上の安全係数が見込まれる。

眼球運動の研究及び網膜熱損傷の研究のデータを組み合わせることで,眼球が動けない条件では網膜へ

の露光時間の増加によって理論上増大する熱損傷のリスクを眼球運動が補償できる,観察時間の折点 T

2

を導いた。目に入る放射パワーとして表す熱損傷しきい値は,露光持続時間 が増大するにしたがって,t

の−0.25 乗に比例して減少する(すなわち,持続時間が 10 倍増えるごとに 44 %しか減少しない。

)ので,

網膜の露光面積を適度に増大させることだけが,観察時間が長くなるほど増加するリスクを補償すること

になる。また,観察時間が増加すると大きな眼球運動のために網膜の露光領域が拡大するが,この場合は,

大きな拡散光源ほど熱拡散の効果が減少するので,熱拡散による補償効果が生じるのはより長い経過時間

を要することになる。したがって,視角 α の増大に対して,折点 T

2

は小光源の 10 秒から大光源の 100 秒

まで増大させている。100 秒を超えると,小サイズ及び中間サイズの像の場合には,熱損傷のリスクが更

に増えることはない。限界値及び測定条件の仕様は,リスクを控えめに見積もるために若干の単純化を加

えつつ,これらの光源の違いになるべく追随するようにしている。すなわち,網膜熱損傷しきい値は,眼

球運動がなく安定固視している場合,約 25 μm∼1 mm の範囲(視角 1.5 mrad∼59 mrad に相当)の網膜像

サイズに対して,逆向きに変わり,一方,1.7 mm(100 mrad を超える視角に相当)を超えると,スポット

サイズには依存しない,と控えめに見積もられている。T

2

値の振舞い並びに一定値である放射照度及び放

射パワーの障害限界は,限界値の時間依存性に関して,長時間露光での障害しきい値がより長い露光時間

ほど減少する一般的な依存性に加えて,眼球運動及び血流の影響を反映している。これは眼科用機器には

適用されない(

JIS T 15004-2

参照)

光化学的に引き起こされる網膜損傷の場合には,眼球運動がなく安定した像に関してはスポットサイズ

には依存しない。熱損傷メカニズムとは異なり,光化学的損傷のしきい値は波長に強く依存しており,か

つ,照射光量に依存している。すなわち,しきい値は,露光時間が長くなると逆に減少する。

1 mrad∼1.5 mrad の視角をもつ溶接アークによる光化学的網膜損傷についての研究から,185  μm∼200

μm(視角 11 mrad∼12 mrad に相当)程度の典型的な損傷サイズが明らかになり,固視中における眼球運動

の影響が明確になった。固視中の眼球運動の当該研究及び他の研究から,光化学的網膜損傷から保護する

ための MPE が導き出された。これらの研究では,更に,MPE 放射照度は 10 秒∼100 秒の露光時間に対し

て 11 mrad の視角にわたって平均化されるものと規定された。したがって,視角 α が 11 mrad より小さい

光源は“点タイプ”光源と同等に取り扱われ,α

min

の概念が CW レーザ観察に拡大適用された。このアプ

ローチは厳密には正しくない。なぜなら,11 mrad 光源の放射照度測定は,光源が方形の(ピークが一定

の)放射輝度分布をもっていない限り,視野(γ)11 mrad にわたって平均化した放射照度とは同等ではな

いからである。したがって,この規格では,光源の実際の視角と平均化した光化学 MPE の放射照度とを

区別する。約 30 秒∼60 秒を超える観察時間の場合,通常,固視中に付随する固視微動よりも目視作業に

伴うより大きな眼球運動が支配的になる。したがって,光源が 100 秒よりも長い持続時間で中心か(窩)

に結像されたままと仮定することは理にかなっていない。このため,γ

ph

は,露光時間 の平方根に比例し

て増大させる。熱的網膜障害の評価では,最小視角 α

min

は,用いる露光時間全てにおいて基準角 1.5 mrad

に固定する。しかし,光化学的網膜障害の評価の場合には,その概念は実際には異なっており,γ

ph

は放射

照度測定における線形の受入れ角なので,約 11 mrad よりも大きい分散光源だけに適用することが肝要で

ある。

観察距離

  “点タイプ”の発散ビーム光源の場合には,危険性はビームウエストと目との距離の減少とと


87

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

もに増加する。この理由は,目の調節能力によって網膜像の大きさが 100 mm の距離までのレーザ光源に

対する回折限界をほぼ維持できると仮定する限り,距離の減少とともに,集光パワーが増加するからであ

る。最大の危険性は,明視可能な最も短い距離で生じる。しかし,距離を更に短くした場合には,網膜像

が急速に広がり,放射照度がそれに応じて減少するので,たとえ大きなパワーが集められるとしても,裸

眼に対する危険性は減少する。平行ビームを双眼鏡,望遠鏡などの望遠光学系を用いて観察することの危

険性を模擬するために,明視のための最短距離という観点から,50 mm の開口で 2 m のアプローチを最短

距離とした。

この規格の目的として,人間の目の最も短い調節距離を,400 nm∼1 400 nm の全波長において,100 mm

に設定する。これは,少数の若者及び僅かの近眼の者を除く全ての者が,100 mm よりも短い距離で目を

調節できないことを考慮して選ばれた。この距離は,ビーム内観察状態の場合に放射照度の測定に用いて

よい(

表 10

参照)

400 nm 未満又は 1 400 nm を超える波長の場合には,最も大きな危険性は,水晶体又は角膜の損傷であ

る。波長に依存して,光放射は角膜又は水晶体でほとんど吸収される(

表 D.1

参照)

。これらの波長におけ

る発散ビーム光源(分散又は点タイプ)の場合には,光源と目との間を短い距離にすることは回避するこ

とが望ましい。

1 500 nm∼2 600 nm の波長範囲では,放射は硝子体内にまで深達する。したがって,加熱の影響は目の

多くの部分にわたって分散し,10 秒未満の露光の MPE は増大する。最も MPE が増加するのは,非常に短

いパルスの場合で,吸収する体積が最も大きくなる 1 500 nm∼1 800 nm の波長範囲の場合である。時間が

10 秒を超えると,熱伝導で熱エネルギーが広く拡散するため,深達長の効果はもはや著しいものでなくな

る。

D.2.3 

皮膚に対する危険性 

皮膚は,レーザビームエネルギーの強い露光に対して,一般に,目よりもよく耐えられる。可視(400 nm

∼700 nm)及び赤外(700 nm 以上)のスペクトル領域で動作するレーザによる皮膚への照射の生物学的効

果は,軽度の紅斑からひどい水ほう(疱)の形成までの多様性がある。極めて短パルスで高ピーク出力の

レーザの露光による皮膚表面での強い吸収によって,皮膚が灰のように炭化することがしばしばある。こ

の場合は,紅斑を伴わないことがある。

極めて強い照射に対して,皮膚には,色素の沈着,潰瘍の形成,皮下組織の損傷などが生じる。レーザ

放射による潜伏的又は蓄積的効果は,あまり見られない。ただし,一部の研究によれば,特別の状況のも

とでは,局所的な露光を繰り返すことによって,人の細胞組織の微小領域が敏感になり,反応する最小の

露光レベルが変化し,低いレベルの露光に対しても皮膚組織はより激しく反応する。

1 500 nm∼2 600 nm の波長範囲では,皮膚損傷の危険は目の危険と類似のパターンに従っていることが,

生物学的しきい値の研究から明らかになっている。10 秒までの露光の場合には,この波長範囲内で MPE

は増大する。

D.3 

MPE 及び放射照度の平均化 

この規格では,

ICNIRP

(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection:国際非電離放射線

防護委員会)の推奨する最大許容露光量(MPE)の値を採用する。放射照度の平均化に用いる開口(測定

開口)は,

ICNIRP

が推奨したものを採用したが,

IEC/TC 76

によって安全係数を追加適用した。AEL 

決定及び算出は,一般に MPE に基づいているが,リスク解析及び合理的に予見可能な露光条件の決定を

必要とした。測定開口の選択は,AEL の導出で重要な役割を担っており,生物物理学的要因及び生理学的


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C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

要因の双方を反映している。幾つかの場合には,リスク評価の検討及び表現の単純化が重要な役割を担っ

た。測定開口の選択で仮定した種々の要因の要約を

表 D.2

に示す。一般に,

ICNIRP

の勧告案に準拠して

いるが,安全係数を追加適用している。

表 D.2

目の MPE に適用する測定開口の説明

波長領域

λ(nm)

露光時間

t(s)

開口直径

(mm)

開口直径に関する注釈及び理論的根拠

180∼400

全ての t 1

角膜上皮及び角膜層での散乱の場合は 1 mm になる。

IEC

では連続露光条件の場合の被露光組織は一切動

かないという仮定を適用している。ただし,ICNIRP

では非常に長い露光の場合には,眼球運動による 3.5 
mm を推奨している。

400∼600

光化学的

t>10

MPE 導出の場合は
3,しかし測定には 7
を用いる。

直径 3 mm の瞳孔の空間的な横方向運動によって,光
化学的障害メカニズムに適用される CW 露光に対す

る平均化が 7 mm 開口に広がるため。

400∼1 400

熱的

全ての t 7

CW 露光時における拡大した瞳孔の直径及び横方向
運動のため。

1 400∼10

5

t<0.35 1

角膜層及び上皮組織における熱拡散。

0.35<t<10 1.5t

3/8

 0.35 秒後にビームに対する標的組織の熱拡散及び運

動が激しくなるため。

t>10 3.5

10

5

λ≦10

6

全ての t 11

正確な測定のためには,開口は回折限界よりも大き
くする(すなわち,約 10 倍)

D.4 

参考文献 

1)

  Henderson, R. and Schulmeister, K.: Laser Safety, Taylor and Francis Ltd., United Kingdom, 2004

2)

ICNIRP

 guidelines on limits of exposure to laser radiation of wavelengths between 180 nm and 1,000 μm.

Health Phys. 105(34): 271-295, 2013

3)

  Ness, J., Zwick, H. A., Stuck, B. A., Lund, D. J., Molchany, J. A. and Sliney, D. H.: Retinal image motion

during deliberate fixation: implications to laser safety for long duration viewing. Health Phys. 78(2): 131-142,

2000

4)

  Roach, W. P., Johnson, P. E. and Rockwell, B. A.: Proposed maximum permissible exposure limits for

ultrashort laser pulses, Health Phys. 76(4): 349-354, 1999

5)

  Schulmeister, K., STUCK, B. E., LUND, D. J. and Sliney D. H.: Review of thresholds and recommendations

for revised exposure limits for laser and optical radiation for thermally induced retinal injury. Health Phys.;

100(2):210-220, 2011

6)

  Sliney, D. H. and Wolbarsht, M. L.: Safety with Lasers and Other Optical Sources, New York, Plenum

Publishing Corp., 1980

7)

  Sliney, D., Aron-Rosa, D., Delori, F., et al.: Adjustment of guidance for exposure of the eye to optical

radiation from ocular instruments: statement of a task group of the International Commission on

Non-Ionizing Radiation Protection, Applied Optics 44(11): 2162-2176, 2005

8)

  United Nations Environment Programme (UNEP); World Health Organization (WHO); International

Radiation Protection Association (IRPA): Environmental Health Criteria No. 23:Lasers and Optical Radiation,

Geneva, WHO, 1982


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C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

附属書 E

(参考)

放射輝度で表した MPE 及び AEL

E.1 

背景 

大きな分散光源については,網膜に及ぼす潜在的な危険性を解析するのに,光源の放射輝度を用いたほ

うが簡単な場合がある。

この附属書は,

視角が α

max

より大きいアパーレント光源を観察する状況に対して,

400 nm∼1 400 nm の網膜に危険な波長領域におけるクラス 1 及びクラス 1M の AEL 並びにそれに関連する

MPE の値に基づいた最大許容放射輝度についての単一の表及びグラフを使用者に提供することを目的と

する。輝度不変の原理によって,

表 E.1

又は

図 E.1

に規定する放射輝度レベル以下で拡散して放射する分

散光源は,拡散光源の前にどのような光学系を置いても,全てクラス 1 の被ばく放出限界(AEL)を超え

ることはない。

E.2 

放射輝度の値 

表 E.1

における放射輝度の値は,

IEC/ICNIRP

による MPE レベルに基づいている。一般に MPE は,放

射露光(J·m

2

)又は放射照度(W·m

2

)という物理量を用いて表しているので,MPE の値を放射輝度

(W·m

2

·sr

1

)に変換する必要がある。次に,対応する放射輝度の値を波長の関数としてプロットする(

E.3

参照)

表 E.1

は,露光時間 100 s で視角が 100 mrad 以上の場合について,露光を許容する放射輝度の値を波長

の関数として示している。光化学的又は熱的な限界のうち,最も厳しいものを規定している。網膜の光化

学的障害限界は,数値を斜体で示す。

露光時間 100 s,視角 100 mrad の場合の放射輝度で表した MPE

図 E.1

放射輝度の波長依存性


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C 6802

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表 E.1

クラス であるための拡散光源の最大放射輝度

波長

nm

放射輝度

W·m

2

·sr

1

放射輝度

W·cm

2

·sr

1

430

10 000 

1.00 

450

10 000 

1.00 

460

15 848 

1.58 

465

19 952 

2.00 

470

25 119 

2.51 

480

39 811 

3.98 

505 48

316  4.83

520 48

316  4.83

555 48

316  4.83

565 48

316  4.83

595 48

316  4.83

610 48

316  4.83

625 48

316  4.83

645 48

316  4.83

660 48

316  4.83

660 48

316  4.83

700 48

316  4.83

750 60

826  6.08

800 76

576  7.66

850 96

403  9.64

900 121

365  12.14

950 152

789  15.28

1 000 192

350  19.24

1 050 241

580  24.16

1 100 241

580  24.16

1 150 241

580  24.16

数値が斜体のものは,網膜の光化学的障害限界を示す。

E.3 

理論的根拠 

放射輝度の値は,

IEC/ICNIRP

による MPE レベルを用いて算出する。一般に MPE は,放射露光(J·m

2

)又は放射照度(W·m

2

)によって表しているので,MPE の値を放射輝度(W·m

2

·sr

1

)に変換する必

要がある。

放射照度で表した MPE に対しては,放射輝度に変換するため,次に示す方法を用いた。

任意の参照面における放射輝度は,次の式(E.1)で定義する。

θ

cos

d

d

d

=

A

Φ

L

   (E.1)

ここで,dΦ は参照面の単位面積(dA)を通過する放射パワーであって,通過する放射光束の広がりが

単位立体角(d)内に入るパワーである。参照面の MPE は,次の式(E.2)で定義する放射照度でしばしば

表される。

A

Φ

E

d

d

=

   (E.2)

ここで,dΦ は参照面の単位面積(dA)を通過する放射パワーを表す。


91

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

式(E.2)から,単位立体角 dΩ 内に含まれる放射照度 dを用いて式(E.1)を変形すると,放射輝度が dΩ 

たりの放射照度の関数として得られる。

θ

cos

d

d

=

E

L

  (E.3)

次に観察する方位角(光源面の法線とビームとが成す角)θ を定めて,光源全体の寄与による立体角 

を求める必要がある。参照面を通過する光束の全広がり角に対応する全立体角 Ω は,参照面から光源を見

込む立体角と等しいので,Ω は次の式(E.4)で表される。

4

π

2

a

=

   (E.4)

全立体角

の寄与による放射照度は

E

であるので,観察する方位角として

θ

0

°という最悪のケース

(観察者が直接ビーム内を見ている)を仮定すると,式

(E.3)

からは次の式

(E.5)

が得られる。

2

π

4

a

E

L

=

(E.5)

この式によって,放射照度

E

で定義した

MPE

は,任意の参照面から見込む光源の視角

α

を用いて放射

輝度

L

と対応付けられる。

放射露光で表した

MPE

に対しては,やや異なる方法を用いる。放射露光

H

は次の式

(E.6)

で定義する。

A

Q

H

d

d

=

(E.6)

ここで,

dQ

は,参照面の単位面積(

dA

)を通過する放射エネルギー(単位:

J

)である。両辺を時間

dt

で除すと次の式

(E.7)

が得られる。

t

A

Q

t

H

d

d

d

d

=

  (E.7)

一方,全放射パワー

Φ

は,次の式

(E.8)

で表されるので,式

(E.8)

を用いて,式

(E.7)

を単位面積(

dA

)を通

過する放射パワー

dΦ

で表すと,式

(E.9)

が得られる。

t

Q

Φ

d

d

=

   (E.8)

A

Φ

t

H

d

d

d

=

   (E.9)

(E.1)

に戻り,式

(E.9)

を基に,単位立体角

d

内に含まれる放射露光

dH

を用いて式

(E.1)

を変形すると,

次の式

(E.10)

が得られる。

θ

cos

d

d

d

=

t

H

L

(E.10)

光源全体の寄与による放射露光

H

で表すため

再び全立体角

[式

(E.4)

]を用い,

θ

0

°という最悪ケ

ースを想定すると,次の式

(E.11)

が得られる。

t

πa

H

L

2

4

=

   (E.11)

(E.5)

及び式

(E.11)

L

は,参照面における放射輝度として導いたが,輝度不変の原理によって,その

まま光源の最大許容放射輝度を表す式と考えてよい。

この計算において,

100 s

の露光時間についての視角として

100 mrad

という最悪ケースを想定した。計

算結果を,

表 E.1

及び

図 E.1

に示す。


92

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

附属書 F

(参考)

要約表

表 F.1

は,この規格で用いる物理量並びに各々に用いる単位及び単位に対する記号の要約を示している。

SI

の定義は,

JIS Z 8000-1

から引用している。単位及び記号は

IEC 60027-1

から引用している。

表 F.2

に,

製造業者の要求事項の要約を示す。

表 F.1

この規格で用いる物理量の要約

単位の名称

単位記号

定義

長さ

メートル m

メートルは,1 秒の 1/229 792 458 の時間中に真空中の光
が伝わる光路の長さ

ミリメートル mm

10

3

 m

マイクロメートル

μm 10

6

 m

ナノメートル nm

10

9

 m

面積

平方メートル

m

2

 1

m

2

質量

キログラム kg

キログラムは,国際キログラム原器の質量

時間

秒 s

秒は,セシウム 133 原子の基底状態の二つの超微細準位

間の遷移に対応する放射の 9 192 631 770 の周期の継続時

間とする

周波数

ヘルツ Hz

ヘルツは,1 秒につき 1 サイクルに等しい周期現象の周
波数

平面角

ラジアン rad

円の半径に等しい長さの弧が円の中心に対して張る角度

ミリラジアン mrad

10

3

 rad

立体角

ステラジアン sr

球の半径の平方に等しい面積となる球面上の部分が球の

中心に対して張る立体角

ニュートン N

1

m·kg·s

2

エネルギー

ジュール J

N·m

放射露光

ジュール毎平方メートル J·m

2

 1

J·m

2

積分放射輝度  ジュール毎平方メートル

毎ステラジアン

J·m

2

·sr

1

 1

J·m

2

·sr

1

パワー

ワット W

1

J·s

1

ミリワット mW

10

3

 W

放射照度

ワット毎平方メートル W·m

2

 1

W·m

2

放射輝度

ワット毎平方メートル毎
ステラジアン

W·m

2

·sr

1

1 W·m

2

·sr

1

注記  便宜上,単位の倍数及び約数を適切なところに含めてある。


93

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 F.2−製造業者の要求事項(要約)

要求事項

細分箇条

クラス分け

クラス 1

クラス 1M

クラス 2

クラス 2M

クラス 3R

クラス 3B

クラス 4

危険度の説明

附属書 

合 理 的 に 予 見 可
能 な 条 件 下 で 安

全である。

使 用 者 が 光 学 器

具 を 用 い た 場 合

に 危 険 に な る こ
と が あ る と い う

点を除いて,クラ

ス 1 に同じ。

低パワー。通常,

ま ば た き な ど の

嫌 悪 反 応 に よ っ
て目は保護され,

安全である。

使 用 者 が 光 学 器

具 を 用 い た 場 合

に 危 険 に な る こ
と が あ る と い う

点を除いて,クラ

ス 2 に同じ。

直 接 ビ ー ム 内 観

察 は 危 険 に な る

ことがある。

直 接 ビ ー ム 内 観

察 は 通 常 に お い

て危険である。

高パワー。

拡 散 反 射 も 危 険

に な る こ と が あ
る。

保護きょう体

6.2 

組 込 形 レ ー ザ 製

品 に つ い て は 要
求される。

レーザ製品ごとに要求される。製品の機能遂行に不可避な被ばくを制限する。

アクセスパネル及びセー

フティインタロック

6.3 

被ばく放出値がクラス 3R の値を下回るまでパネルの取外しが行えないように

設計されている。

被ばく放出値がクラス 3B 又は製品によってはクラス 3R

の値を下回るまでパネルの取外しが行えないように設計

されている。

リモートインタロックコ

ネクタ

6.4

なし

レーザ据付け時に外部インタロック

が簡単に追加できるようにする。

マニュアルリセット

6.5 

なし

電 力 の 中 断 及 び

リ モ ー ト イ ン タ

ロ ッ ク が 作 動 し
たときには,手動

に よ っ て リ セ ッ

トが必要。

鍵による制御

6.6 

なし

鍵を抜いたときにレーザが動作でき

ない。

レーザ放射の放出警告

6.7 

なし

レーザのスイッチがオンになった場合又はパルスレーザ
のコンデンサバンクが充電中の場合,可聴又は可視警報を

出す。クラス 3R については不可視放射が放出された場合

だけに適用。

ビーム終端器又は減衰器

6.8 

なし

一時的にビームをブロックする手段

を提供する。

制御部

6.9 

なし

調整時にクラス 1 又はクラス 2 を超える AEL のレベルで
露光する危険がないように制御部を配置している。

93

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


94

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 F.2−製造業者の要求事項(要約)(続き)

要求事項

細分箇条

クラス分け

クラス 1

クラス 1M

クラス 2

クラス 2M

クラス 3R

クラス 3B

クラス 4

観察用光学装置

6.10 

なし

全ての観察システムからの放出は,クラス 1M の AEL を下回るものでなければならない。

走査に対する安全防御

6.11 

走査の失敗で,製品が該当クラスの範囲を超えてはならない。

クラスのラベル

7.2

7.7 

注意書きが必要

図 及び図 のラベル及び注意書きが必要

開口ラベル

7.8 

なし

規定の注意書きが必要

放射出力ラベル

7.9 

なし

注意書きが必要

規格情報ラベル

7.9 

製品又は使用者向けの情報の中に必

注意書きが必要

パネルに対するラベル

7.10.1 

なし

被ばく放射のクラスに応じて要求する。

セーフティインタロック

パネルに対するラベル

7.10.2 

用いるレーザのクラスに応じて一定の条件の下で要求する。

可視・不可視レーザ放射に

対する警告

7.11

及び 7.12 

一定の波長範囲に対して要求する。

火傷警告ラベル

7.13 

人体が被ばくし得る最近接点(3.5 mm 開口)での被ばく放出が,クラス 3B の AEL を超える場合,

追加の記載が必要。

適用しない。

使用者に対する情報

8.1 

取扱説明書には,安全に用いる上での注意書きを記載していなければならない。追加の要求事項は,クラス 1M 及びクラス 2M に適用する。

購入及びサービスのため

の情報

8.2 

販売促進パンフレットには,製品クラス分けを記載していなければならない。サービスマニュアルには,安全情報を記載していなければ

ならない。

医用レーザ製品

9.2 

なし

医用レーザ製品の安全性には,IEC 

60601-2-22

を適用してもよい。

注記  この表は,便宜上要求事項の要約を示したものである。要求事項の詳細については,この規格の本体を参照する。クラス 1C 製品の特定の概念によって,クラス

1C レーザ製品用の要求事項はこの表に含めない。この規格では,主に一般的な要求事項について規定する。製品タイプごとの特定の要求事項については製品安
全規格によって規定する。

94

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


95

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

附属書 G 
(参考)

IEC 60825

規格群の各部の概要

IEC 60825

規格群の各部は,基本規格

IEC 60825-1

とともに用いる目的で作成している。各部は,定義

済みの範囲を対象にしており,補足的な規定及び参考情報の指針を提供して,製造業者及び使用者が,使

用者又は操作者の使用並びに能力及び訓練の特定の条件を考慮することによって,安全な方法で製品を正

しくクラス分け及び使用できるようにする。示している情報には,理論的根拠,例,解明,方法,ラベリ

ング並びに他の補足的な限界及び要求事項を含む。

表 G.1

参照。


96

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

表 G.1IEC 60825 規格群の各部に関する補足情報の概要

No.

タイプ

説明

製品設計者

製品供給者

製品使用者

安全重要

部品供給者

試験方法

危険度評価

関連規格

1

規格

機器のクラス分け及び要求事項

関連

関連

関連

関連

関連

関連

JIS C 6802 

2

規格

光ファイバ通信システムの安全

(適用指針及び例を示す。

関連

関連

関連

関連

関連

関連

JIS C 6803 

3

技術情報

レーザディスプレイ及びレーザショーの

ための指針

関連

関連

4

規格

レーザ保護装置(保護材料を除去する高出
力レーザに関する解説も含む。

関連

関連

関連

関連

関連

関連

ISO 11553-1 

5

技術情報

製造業者の IEC 60825-1 チェックリスト
(安全報告で用いるのに適している。

関連

関連

関連

6

技術仕様

(廃止)

7

技術仕様

(廃止)

8

技術情報

医用レーザ機器の安全な使い方の指針

関連

IEC 

60601-2-22 

9

技術情報

(廃止)

10

技術情報
(廃止)

12

規格

情報伝送のための光無線通信システムの
安全

関連

関連

関連

関連

関連

関連

JIS C 6804 

13

技術情報

レーザ製品のクラス分けのための測定

関連

関連

関連

関連

関連

関連

14

技術情報

使用者への指針

関連

関連

関連

17

技術情報

高出力光を使った光ファイバ通信システ
ムにおける光受動部品及び光ケーブルの

使用上の安全指針

関連

関連

関連

関連

関連

注記  この表は,IEC 60825 規格群の各部の概要を示すために作成したものである。要求事項の詳細については,該当規格の本体を参照する。上に掲げたリストには,

現在作業部会で審議中のものがあり,正式に出版していないものもある。

96

C

 6802


2014 (IEC 60825

-1


2014)


97

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

附属書 JA

(参考)

使用者への指針

この附属書は,

2005

年版の

JIS C 6802

3

章に規定していた内容を,参考資料用に書き換えたものであ

る。この規格の対応国際規格の旧版である

2007

年に第

2

版として発行された

IEC 60825-1

から,

“使用者

への指針”の章は全て削除され,この部分は,将来的には

IEC/TR 60825-14

の改正版として発行される手

はずになっている。ただし,現時点では

IEC/TR 60825-14

の改正作業が済んでおらず,

IEC

規格には“使

用者への指針”に関する記述が抜け落ちた状態にある。この規格では,利用者の便宜を図るため,

2005

版の

JIS C 6802

の“使用者への指針”を現版との食い違いがないように修正して,

附属書 JA

として記載

することにした。

この附属書の指針としての性格上,この附属書の中では,クラス

3B

レーザとクラス

4

レーザとの間の

危険性の差異を区別することなく,レーザ製品の使用者がとる安全上の予防策及び管理基準に関して,

“す

ることが望ましい”という表現を用いて推奨している。これらの管理基準の実施に当たって,

“することが

望ましい”か,又は“しなければならない”かを決めるのは,使用者の判断に任されている。

JA.1 

安全予防策 

JA.1.1 

一般事項 

この附属書は,レーザ製品のクラス分けに従って,使用者が行わなければならない安全上の予防策及び

管理基準について規定する。使用者はレーザ装置のクラス分けに当たって大概の場合は製品に対する製造

業者のクラス分けを用いればよい。したがって,使用者はクラス分けのための全ての測定を行う必要はな

い。この章は,使用者に対する情報として提供する。この附属書には,製造業者に課す強制又は要求事項

とみなすものは何もない。

400 nm

700 nm

の波長範囲外のエネルギーを放出するクラス

3R

レーザ製品,又はクラス

3B

若しくは

クラス

4

レーザ製品を運転するような装置に対しては,レーザ安全管理者を任命することが望ましい。幾

つかの用途(

JA.3.6.2

参照)においては,クラス

1M

及びクラス

2M

に対してもレーザ安全管理者の任命を

推奨している。レーザ安全管理者は,次の予防策の調査及び適切な管理を実行するような指示を職責とす

ることが望ましい。実現できる場合は,クラス

3B

又はクラス

4

レーザについては,保護きょう体を用い

ることが望ましい。警告ラベルは,取外し又は接続を外すことによって危険をもたらすような,保護きょ

う体の取外し可能な部分,又はサービス用接続部に貼付することが望ましい。

安全予防策及び管理基準の目的は,レーザ放射の危険レベルの露光,及び他の付帯する危険の可能性を

軽減することである。したがって,示された管理基準の全部を履行する必要はない。すなわち,一つ以上

の管理基準の適用によって,被ばくし得る露光レベルを適用する

MPE

と同等又はそれ以下のレベルに軽

減できる場合には,更なる管理基準は適用する必要がない。

クラス分けされていたレーザ製品の使用者による改造が,この規格の適用範囲内で,製品の性能又は意

図された機能に何らかの影響を及ぼす場合には,そのような改造を行った者又は組織は,当該レーザ製品

について,再度クラス分け及びラベルの貼付を確実に行う責任がある。

JA.1.2 

リモートインタロックコネクタの使用 

クラス

3B

及びクラス

4

レーザのリモートインタロックコネクタは,

緊急用の主の切離しインタロック,


98

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

又は部屋,ドア若しくは固定のインタロックにつなげることが望ましい(

6.4

参照)

担当者は,入室の時点及び場所で光放射の危険がないことが明白な場合には,リモートインタロックコ

ネクタを一時解除して,他の認可された者の立入りを許可してもよい。

JA.1.3 

鍵による制御 

クラス

3B

及びクラス

4

レーザ製品を用いないときは,鍵操作による制御部から鍵を抜いて,無許可の

使用を防ぐことが望ましい(

6.6

参照)

JA.1.4 

ビーム終端器又は減衰器 

傍観者に対するクラス

3B

又はクラス

4

レーザ製品による不慮の被ばくは,一つ以上の永久的に取り付

けられた減衰又は終端手段(例えば,ビーム終端器,減衰器,電気的制御,スイッチ)を用いて予防する

ことが望ましい(

6.8

参照)

JA.1.5 

警告標識 

クラス

3B

及びクラス

4

レーザ製品を設置している場所の入口又は保護きょう体には,適切な警告標識

を掲示することが望ましい。

JA.1.6 

ビーム光路 

表 10

の測定条件

1

を満たさないクラス

1M

及びクラス

2M

の各レーザ製品,

400 nm

700 nm

の波長範

囲外でエネルギーを放出するクラス

3R

の各レーザ製品,並びにクラス

3B

又はクラス

4

の各レーザ製品に

よって放出されるビームは,その有効な光路の末端において,適切な反射率及び熱特性をもつ拡散反射体

又は吸収体で終端することが望ましい。

遮蔽のないレーザビームの光路は,目の位置より高く又は低く配置する(いずれか該当する方)ように

しておくことが望ましい。

400 nm

700 nm

の波長範囲外でエネルギーを放出するクラス

3R

レーザ製品,及びクラス

3B

又はクラ

4

レーザ製品のビーム光路は,できるだけ短く,最小折曲げ数で,歩行路及びその他の立入り路と交差

しないようにし,実行できる場合は囲うことが望ましい。ビーム囲い(例えば,チューブ)は,しっかり

と取り付けることが望ましいが,できるだけ光学系を形成する機器類に固定したり,又は支持したりしな

いほうがよい。

JA.1.7 

鏡面反射 

クラス

3R

,クラス

3B

又はクラス

4

レーザ製品からの放射は,予期しない鏡面反射が生じないように十

分注意を払うことが望ましい。ミラー,レンズ及びビームスプリッタは,しっかりと取り付けることが望

ましく,レーザを放出している間は,その動きが制御下にあることが望ましい。

クラス

1M

及びクラス

2M

レーザ製品からの放射は,ビームを収束するおそれのある表面で予期しない

鏡面反射が生じないように十分注意を払うことが望ましい。

拡散するように見える反射表面でも,特に赤外スペクトル範囲において,実際,照射ビームの相当な部

分を鏡面のように反射することがある。これは,完全な(ランベルト)拡散反射の場合に予期するよりも

長い距離にわたって危険になり得る。

クラス

3B

及びクラス

4

レーザでは,光学部品の選択及びそれらの表面の清浄維持に特別の注意を払う

必要がある。

レンズ,プリズム,窓材,ビームスプリッタなど,透過性光学部品の全ての表面は,潜在的に危険な鏡

面反射が生じ得る。また,ミラーのような反射形光学部品は,危険な放射が透過する可能性がある(例え

ば,可視光用の反射鏡を通過する赤外光)


99

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

JA.1.8 

目の保護 

特定のレーザ波長に対して十分な保護を備えるよう設計した目の保護具は,

400 nm

700 nm

の波長範囲

外でエネルギーを放出するクラス

3R

レーザ製品,及びクラス

3B

又はクラス

4

のレーザを用いる全ての危

険な場所で用いることが望ましい(

JA.3

参照)

これに対する例外を次に示す。

a)

技術的及び管理的処置によって,適用できる

MPE

を超える露光の可能性がなくなった場合。

b)

例外的な運転の要求事項のため,目の保護具を用いることが実用的でない場合。このような運転手順

は,レーザ安全管理者の許可の下でだけ行うことが望ましい。

適切な保護めがねを規定する場合には,次の内容を考慮することが望ましい。

a)

動作波長

b)

放射露光又は放射照度

c)

最大許容露光量(

MPE

d)

レーザ出力波長におけるめがねの光学濃度

e)

可視光透過に対する要求

f)

めがねの破損が起こる放射露光又は放射照度

g)

めがねレンズの処方に対する要求事項

h)

快適さ及び換気性

i)

吸収媒質の劣化又は変性(一時的又は過渡的なものを含む。

j)

材料の強度(衝撃耐性)

k)

周辺部の視界に対する要求

l)

全ての関連国内法規

JA.1.8.1 

めがねの識別 

全てのレーザ保護めがねは,個々のレーザに対してめがねを正しく選択するように,十分な情報をもっ

たはっきりしたラベルを付けなければならない。

JA.1.8.2 

必要な光学濃度 

レーザ保護めがねの光学濃度

D

λ

は,通常大きな波長依存性がある。保護めがねにある一つの放射帯域を

包含するよう要求する場合は,その帯域内で測定した

D

λ

の最小値を引用しなければならない。目の保護に

必要な

D

λ

の値は,次の式で算出できる。

MPE

H

D

0

10

log

=

λ

ここに,

H

0

予想する保護のない目への露光レベル

JA.1.8.3 

保護めがね 

保護めがねは,着用が容易で,できるだけ広い視野をもち,曇りが発生しないように十分な換気性を保

ちながら装着部にぴたりとなじむもので,かつ,十分な可視光透過を備えたものであることが望ましい。

危険な鏡面反射をもたらす平面反射面を用いることは,

できるだけ避けるよう注意を払うことが望ましい。

フレーム及びその他の付帯部品は,レンズの能力と同等の保護特性をもつことが望ましい。

クラス

4

レーザに対する保護めがねを選択する場合,レーザ放射に対する耐久性及び安定性に特別の注

意を払うようにしなければならない。

JA.1.9 

保護着衣 

皮膚に対する

MPE

を超えるレベルの放射に人体をさらすおそれのある場合には,適切な保護着衣を用


100

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

意することが望ましい。特にクラス

4

レーザは,潜在的に火災の危険性をもっており,着用する保護着衣

は,難燃性耐熱材料で作ることが望ましい。

クラス

4

レーザに対する保護着衣を選択する場合,レーザ放射に対する耐久性及び安定性に特別の注意

を払うようにしなければならない。

JA.1.10 

訓練 

表 10

の測定条件

1

を満たすことができないクラス

1M

及びクラス

2M

レーザ製品,並びにクラス

3R

クラス

3B

及びクラス

4

レーザシステムの運転は,使用者だけでなく,かなり離れた距離にいる他の人々

に対しても危険をもたらす。

この潜在的な危険性のため,このようなシステムの管理は,適切なレベルの訓練を受けた者だけが行う

ことが望ましい。システムの製造業者若しくは販売業者,レーザ安全管理者又は認可された外部組織が行

う訓練には,少なくとも,次の事項を含んでいることが望ましいが,これらに限定しない。

a)

システム運転手順の習熟

b)

危険防御手順,警告標識などの正しい使用

c)

人体保護の必要性

d)

事故報告手順

e)

目及び皮膚に対するレーザの生体効果

このほか,

JA.3

も参照。

JA.1.11 

医学的監視 

その他の規制がない場合には,次の事項を考慮することが望ましい。

なお,生物物理学的検討による医学上の考慮については,

附属書 D

を参照する。

a)

レーザ従事者の医学的監視の有用性については,専門医師によってもまだ解決されていない根本的な

検討課題である。眼科検査は,専門医が行うことが望ましく,クラス

3B

及びクラス

4

の使用者に限

定することが望ましい。

b)

目に対して明らかに有害な被ばくがあった場合又は疑義がある場合には,直ちに専門医の医学的検査

を受けることが望ましい。このような検査には,事故の発生した環境の十分な生物物理学的調査を付

け加えることが望ましい。

c)

クラス

3B

及びクラス

4

レーザの使用者に対する使用前,使用中及び使用後の眼科検診は,訴訟など

における医学的判断用としての有用性は認めるが,必ずしも行う必要はない。

JA.2 

レーザ運転に付随する危険性 

用いるレーザの種類によっては,次に示すようなレーザ運転に付随する危険性を含む。

JA.2.1 

大気汚染 

次に挙げる事項は,大気汚染を生じる危険性がある。

a)

レーザ切断,穴あけ及び溶接加工において蒸発した対象物質及び反応生成物。これらの物質には,ア

スベスト,一酸化炭素,二酸化炭素,オゾン,鉛,水銀,その他の金属及び生物学的物質を含む。

b)

臭素,塩素及びシアン化水素のようなガス循環形ガスレーザシステム又はレーザ反応による副産物か

らのガス。

c)

冷却器の冷媒からのガス又は蒸気。

d)

酸素のようなレーザ光と加工対象物との相互作用を助長するために用いるガス。


101

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

JA.2.2 

副次放射による危険性 

JA.2.2.1 

紫外線副次放射 

フラッシュランプ及び

CW

レーザ放電管で,特に紫外線を透過するチューブ又はミラー(例えば,石英)

を用いている場合は,付帯して発生する紫外線放射によって考慮しなければならない危険性が生じる。

JA.2.2.2 

可視及び赤外線副次放射 

フラッシュチューブ及び励起源から放出する可視及び近赤外放射,並びにターゲットからの再放射は,

潜在的危険性を引き起こすのに十分な放射輝度をもつことがある。

JA.2.3 

電気的危険性 

多くのレーザは,

1 kV

を超える高電圧を用いており,かつ,パルスレーザは,コンデンサバンクに蓄え

たエネルギーによって,特に危険である。

5 kV

以上の陽極電圧で動作する電子管のような回路部品は,適切なシールドを行わない場合,

X

線を放

出することがある。

JA.2.4 

冷却器の冷媒 

冷却液は,やけどを生じる可能性があり,取扱い上特別の注意が必要である。

JA.2.5 

材料加工 

材料加工用レーザ製品の仕様は,それらの意図した用途によって異なる可能性がある。製造業者が使用

者に勧告した以外の材料を加工することを望む場合には,危険度の違い及びその材料加工に付随する危険

性に注意することが望ましい。例えば,有毒煙霧,火災,爆発又は被加工物からのレーザ放射の反射など

を予防するため,特別の注意を払うことが望ましい。

JA.2.6 

その他の危険性 

ある種の高出力レーザシステムは,運転中,コンデンサバンク又は光ポンピングシステムの爆発が起こ

る可能性がある。レーザ切断,穴あけ及び溶接加工では,加工部分から飛散物が出る可能性がある。化学

レーザの試薬又は研究施設内で用いるその他のガスには,爆発的反応の可能性もある。

JA.3 

危険管理の手順 

JA.3.1 

一般事項 

レーザを用いる上で,起こり得る危険性の評価及び管理基準を適用する場合,次の

3

点を考慮する必要

がある。

a)

レーザ又はレーザシステムが人体に傷害を与える能力。これは,主開口又は補助開口に対して人体の

被ばくが起こり得るという考慮を含んでいる。

b)

レーザを用いる環境。

c)

レーザを運転する者又はその放射を被ばくする可能性のある者に対する訓練のレベル。

レーザ放射に伴う危険性の評価及び管理の実行手段は,レーザシステムをそれらの相対的危険性の度合

いによってクラス分けし,そして各々のクラスに対し適切な管理を規定することである。このクラス分け

システムは,ほとんどの場合,使用者による放射測定の必要性をなくすことになる。

クラス分けスキームは,特にレーザシステムからの被ばく放出及びその物理的特性に基づく潜在的な危

険性に関連する。ただし,必要とする管理基準の決定に,環境的及び人間的要素が関連しており,この規

格の規定で対象としていない状況に対し,判定・告知する責務を果たすために,レーザ安全管理者として

責任者を指名することが望ましい。


102

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

次の詳細事項は,当該場所におけるレーザ製品の安全な運転に関係する。

運用管理が安全運転に必要な唯一の妥当な方策となるような屋外及び工事環境

技術的管理が大きな役割を果たすような研究施設及び作業現場の環境

事前の計画,線引きによる区分け及び近接・立入りに対する管理が安全運転に必要な唯一の実用的な

方策となるようなディスプレイ及びレーザ実演環境

JA.3.2 

屋外で使用するレーザの危険評価 

表 10

の測定条件

1

を満たすことができないクラス

1M

及びクラス

2M

レーザ製品,

400 nm

700 nm

波長範囲外でエネルギーを放出するクラス

3R

レーザ,並びにクラス

3B

及びクラス

4

レーザによる危険の

可能性は,相当遠い距離まで及ぶ。放射照度又は放射露光が適応する

MPE

以下に低下するレーザからの

距離を公称眼障害距離(

NOHD

)という。ビームの放射照度又は放射露光が適応する

MPE

を超える区域内

を,公称眼障害区域(

NOHA

)という。この区域は,レーザシステムの横移動,縦移動及び位置出し精度

の限界によって境界を付け,かつ,

NOHA

の境界まで,又はターゲット若しくは遮光ついたて(衝立)の

位置まで広がっている。また,正確な

NOHA

は,ビーム光路内にある物体の特性,例えば,鏡面反射体の

特性にも依存する。

レーザ製品が

表 10

の測定条件

1

を満たすことができないためにクラス

1M

又はクラス

2M

としてクラス

分けされる場合,それらは直径の大きな観察用光学系,例えば,拡大鏡又は望遠鏡を用いるときに,危険

となることがある。

NOHD

は,レーザの出力特性,適応する

MPE

,用いる光学システムの形式,及びビーム伝搬の大気の影

響に依存する。

NOHD

の定式化及び計算例は

附属書 A

を参照。

JA.3.3 

人体の保護対策 

レーザ操作によって生じる危険性に対する人体の保護対策は,技術的設計,ビーム囲い及び運用管理に

よって,その必要性が最小限となるように維持することが望ましい。

人体が危険なレーザ放射(クラス

3B

及びクラス

4

)にさらされるおそれがある場合には,人体への保護

対策を十分行うことが望ましい。

JA.3.4 

レーザの実演

ディスプレイ及び展示 

管理されていない区域でのレーザの実演,ディスプレイ又はエンタテイメントでは,クラス

1

,クラス

2

又は可視クラス

3R

レーザ製品だけを用いることが望ましい。このような目的にその他のクラスのレーザ

を用いるのは,以下の場合だけに認めることが望ましい。

a)

事前に必要な保護管理手段を決めるためのリスク評価を完了させておく。

b)

経験を積み,よく訓練を受けた操作員の管理下にあり,また,観客が適用される

MPE

を超えたレベ

ルの被ばくから保護されている。

注記 1  IEC/TR 60825-3

にレーザディスプレイ及びレーザショーのための指針を記載しているが,多

くの国で独自のガイドラインを発行しているので確認するのがよい。

注記 2

開口からの投影光が

4.4

で規定した条件を満たす映像プロジェクタの投影光は,一般ランプ

と同じ

IEC 62471

規格群で取り扱い,評価する。この規格では,投影光以外のレーザ光成分

の放射量を評価する。例えば,それがクラス

1

AEL

以下の場合,機器としてクラス

1

であ

るとみなす。

JA.3.5 

研究施設及び作業現場のレーザ装置 

JA.3.5.1 

クラス 1M

クラス 2

クラス 2M 及びクラス 3R レーザ製品 

安全予防策は,直接ビームを見続けることを防ぐだけでよい。クラス

1M

,クラス

2

及びクラス

2M


103

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

場合,

400 nm

700 nm

の波長範囲の放射に対しては,偶発的に眺めることで生じる瞬間的な(

0.25

秒以内)

被ばくは,危険ではないと考えられる。ただし,レーザビームは,意図的に人体に向けないほうがよい。

クラス

1M

,クラス

2M

及びクラス

3R

のレーザ製品に対して光学的観察器具(例えば,双眼鏡)を用いる

ことは,目に対する危険性が増大するおそれがある。そのために,

JA.3.6.2

の記載による追加予防策が必

要である。

JA.3.5.2 

クラス 1C レーザ製品 

皮膚又は体くう(腔)内など眼部以外の人体組織にレーザ光を直接照射することを意図したレーザ製品

である。典型的なクラス

1C

レーザ製品は,家庭用の製品を含み,脱毛,皮膚のしわとり,及び/又はに

きびの縮小を意図した製品である。クラス

1C

レーザ製品の出力するレーザ放射は,クラス

3R

,クラス

3B

又はクラス

4

のレベルであるが,

これらの目への露光を防止する一つ以上の技術的手段をもつ必要がある。

クラス

1C

レーザ製品のアプリケータ(レーザ出射部)が皮膚又は体内組織に接触する(又は非常に近接

する)場合にだけ,クラス

1

AEL

を超えるレーザ放射が出力できるという操作モードで使用する。クラ

1C

は目への危険性はない(クラス

1

と同様)と考えられる。ただし,不適切に使用する場合,皮膚の

傷害が生じることがある。皮膚に対する露光レベルは用途に依存する。クラス

1C

レーザ製品には説明ラ

ベル“製品の取扱い説明書に従うこと”を貼付する(

7.3

参照)

。また,まぶた(瞼)のような安全でない

皮膚の部分には,クラス

1C

レーザ製品を使用しないよう使用者に警告する必要がある[

8.1 l)

参照]

注記

日本では,クラス

1C

レーザ製品を用いて,医師免許を有しない者が脱毛などを業として行え

ば,医師法第

17

条に違反する。

JA.3.5.3 

クラス 3B レーザ製品 

クラス

3B

レーザは,直接ビーム又は鏡面反射光を裸眼で観察したとき(ビーム内観察状態)

,極めて大

きな危険性がある。直接ビームの観察を避け,かつ,鏡面反射を管理するために,次の安全予防策を講じ

ることが望ましい。

a)

レーザは,管理区域内だけで運転することが望ましい。

b)

意図していない鏡面反射を防ぐため,注意を払うことが望ましい。

c)

レーザビームは,拡散性をもち,かつ,反射による危険性を最小に保ったままビーム位置合わせを行

うことが可能な色及び反射特性をもつ材料によって,その有効光路の末端の可能な場所で,終端する

ことが望ましい。

注記

クラス

3B

の可視光レーザにおける拡散反射の安全な観察条件は,拡散面と角膜との最短観

察距離が

13 cm

で,最大観察時間が

10

秒である。その他の観察条件の場合は,拡散反射露光

MPE

との比較が必要である。

d)

直接ビーム若しくは鏡面反射ビームを観察するか,又は

c)

の条件に合致しない拡散反射を観察する可

能性がある場合には,目の保護具が必要である。

e)

当該区域の入口には,適切なレーザ警告標識を掲示することが望ましい。

JA.3.5.4 

クラス レーザ製品 

クラス

4

レーザ製品は,直接ビーム又はその鏡面反射に加えて,拡散反射によっても傷害を引き起こす

能力がある。また,これらは,潜在的に火災の危険性がある。これらの危険性を最小にするため,

JA.3.5.3

に記載するものに加えて,次の管理を行うことが望ましい。

a)

ビーム光路は,できる限り囲うことが望ましい。レーザ運転中,レーザ周辺への立入りは,適切なレ

ーザ保護めがね及び保護着衣を着けた者に限定することが望ましい。

ビーム光路は,できるだけ作業区域を避けることが望ましい。また,長いビームチューブは,熱膨


104

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

張,振動及びチューブ内の他の可動源が光学系を形成する部品のアライメントに重大な影響がないよ

うに取り付けることが望ましい。

b)

クラス

4

レーザは,実行できる場合は遠隔制御によって運転することが望ましい。これによって,人

がレーザ環境に物理的に存在する必要性がなくなる。

c)

レーザ保護めがねを装着する場所では,良好な室内照明が大切である。明るい色彩をもつ拡散性の壁

面は,この条件を満たすのに有益である。

d)

火災,光学部品に熱的に誘発された光学ひずみ,又はレーザビームを阻止するように設計した固体タ

ーゲットの溶融若しくは蒸発は,クラス

4

レーザの放射によって引き起こされ,全て潜在的に危険で

ある。適切なビーム終端器は,十分冷却した金属,グラファイトターゲットなどの形態で備え付ける

ことが望ましい。非常に高いパワー密度に対しては,反射パワーが広い面積にわたって分散するよう

に入射光線に対して傾けた反射面によって多数回反射させて,放射光を散乱吸収することで処理する

ことができる。

e)

遠赤外レーザ放射に対しては,不可視波長域にある望ましくない反射を防止するために,特別の注意

が必要である。ビーム及びターゲットの設置区域は,レーザ波長に対して不透明な物質で覆うことが

望ましい

(光沢のない金属表面でも,

波長

10.6 μm

CO

2

レーザでは高い反射特性をもつ場合がある。

反射光の広がり範囲を軽減するため,実行できる場合は,局部的スクリーンを用いることが望まし

い。

f)

クラス

4

レーザでは,ビーム光路内の光学部品のアライメントは,初期及び定期的に点検することが

望ましい。

JA.3.6 

屋外及び工事用レーザ装置 

JA.3.6.1 

クラス レーザ製品 

実行上問題のない場合,ビームは,その有効光路の末端で終端することが望ましい。また,レーザを人

体に(頭の高さで)向けないほうがよい。

JA.3.6.2 

測量用

アライメント用及び水準用に用いるクラス 1M

クラス 2M 及びクラス 3R レーザ製品 

測量用,アライメント用及び水準用に用いるクラス

1M

,クラス

2M

及びクラス

3R

レーザ製品は,次の

管理を行うことが望ましい。

a)

レーザ安全管理者によって認定された資格をもち,かつ,訓練された者だけが,レーザ機器を据付け,

調整及び運転することが望ましい。

b)

これらのレーザを用いる区域には,適切なレーザ警告標識を掲示することが望ましい。

c)

実行できる場合は,レーザのアライメントの補助手段として,機械的又は電気的手段を用いることが

望ましい。

d)

人が直接ビームをのぞき込まないように確実な予防策を講じることが望ましい。長時間のビーム内観

察は,危険である。経緯儀など望遠光学系を通してビームを直接観察することも,また,特に,

表 10

の測定条件

1

を満たすことができないクラス

1M

及びクラス

2M

レーザの場合には危険であり,レー

ザ安全管理者が特別に認める場合以外は許可しないほうがよい。

e)

レーザビームは,その有効ビーム光路の末端で終端することが望ましい。危険となり得るビーム光路

NOHD

まで)が,管理区域を超えて広がるような場合には,どんな場合でも終端することが望まし

い。

f)

レーザビーム光路は,実行できる場合は,目のレベルよりも十分上方又は下方に位置するようにする

ことが望ましい。


105

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

g)

レーザビームを偶然にミラー状の表面(鏡面。最も重要なのは,平面又は凹面ミラー状の表面である。

に向けないように確実な予防策を講じることが望ましい。

h)

レーザ製品は,用いないときには,許可されていない者が出入りできない場所に保管することが望ま

しい。

JA.3.6.3 

クラス 3B 及びクラス レーザ製品 

屋外及び同様な環境におけるクラス

3B

及びクラス

4

レーザは,それらを用いる場合には,十分訓練し,

かつ,

レーザ安全管理者が認可した者だけで運転することが望ましい。

危険の可能性を最小限にするため,

JA.3.6.2

に記載するものに加えて,次の予防策を講じることが望ましい。

a)

適切な保護めがね及び保護着衣を身に付けない場合は,ビームの放射照度又は放射露光が

MPE

を超

えるような場所では,人をビーム光路から隔離することが望ましい。物理的障壁,ビームの横及び縦

移動を制限するインタロックなどの技術的制御手段は,できる限り,運用管理を強化するために用い

ることが望ましい。

代替の解決方法は,迷走ビームからの露光を保護し,周囲の見通しをよくするような局部囲いの中

に運転者を置くことである。

b)

非標的の車両又は航空機に対する意図的な追跡は,

NOHD

内では,禁止することが望ましい。

c)

ビーム光路は,実行できる場合は,潜在的危険性のある意図しない反射を生じるような全ての面から

離す,又は危険区域を適切に拡張することが望ましい。

d)

クラス

3B

レーザに対して,直接のビーム内観察は通常危険であるが,ビームは,次の条件下の拡散

反射体を介すれば,全ての場合に安全に観察できる。

拡散用スクリーンと角膜との間の最小観察距離

13 cm

最大観察時間

10 s

これらの条件のいずれか一方を満たさない場合には,危険性に関する注意深い評価が必要である。

JA.3.6.4 

測量用

アライメント用及び水準用レーザ 

測量用,アライメント用及び水準用としては,できる限りクラス

1

又はクラス

2

レーザを用いることが

望ましい。ただし,作業環境の光レベルが高い場合には,高出力レーザを用いる必要がある場合がある。

クラス

1M

クラス

2

及びクラス

3R

レーザを用いる場合には,

JA.3.6.2

の要求事項に従うことが望ましい。

例外的にクラス

3B

レーザが必要な場合には,

JA.3.6.3

の要求事項に従うことが望ましい。更に,

5

×

10

3

 W

を超える放射パワーをもった

400 nm

700 nm

の波長範囲のレーザ放射に

3.8

×

10

4

秒の放出持続時間を超

えて人体が被ばく状態になることを許さないほうがよい。また,他のいかなる放出持続時間と波長範囲と

の組合せでもクラス

1

AEL

を超えるレーザ放射に人体が被ばく状態になることを許さないほうがよい。


106

C 6802

:2014 (IEC 60825-1:2014)

参考文献

JIS B 9700:2013

  機械類の安全性−設計のための一般原則−リスクアセスメント及びリスク低減

注記

対応国際規格:

ISO 12100:2010

Safety of machinery

General principles for design

Risk assessment

and risk reduction

IDT

JIS C 0508

規格群  電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全

注記

対 応 国 際 規 格 :

IEC 61508 (all parts)

Functional safety of electrical/electronic/programmable

electronic safety-related systems

IDT

JIS Z 8000-1

  量及び単位−第

1

部:一般

注記

対応国際規格:

ISO 80000-1

Quantities and units

Part 1: General

MOD

ISO 11146-1

Lasers and laser-related equipment

Test methods for laser beam widths, divergence angles and

beam propagation ratios

Part 1: Stigmatic and simple astigmatic beams

ISO 11553-1

Safety of machinery

Laser processing machines

Part 1: General safety requirements

ISO 13694

Optics and optical instruments

Lasers and laser-related equipment

Test methods for laser beam

power (energy) density distribution

ISO 13849 (all parts)

Safety of machinery

Safety-related parts of control systems

IEC 60027-1

Letter symbols to be used in electrical technology

Part 1: General

IEC 60079 (all parts)

Explosive atmospheres

IEC 60079-0:2011

Explosive atmospheres

Part 0: Equipment

General requirements

IEC 60204-1

Safety of machinery

Electrical equipment of machines

Part 1: General requirements

IEC/TR 60825-3

Safety of laser products

Part 3:Guidance for laser displays and shows

IEC/TR 60825-5

Safety of laser products

Part 5: Manufacturer’s checklist for IEC 60825-1

IEC/TR 60825-8

Safety of laser products

Part 8: Guidelines for the safe use of laser beams on humans

IEC/TR 60825-13

Safety of laser products

Part 13: Measurements for classification of laser products

IEC/TR 60825-14

Safety of laser products

Part 14: A user’s guide

IEC 62368-1

Audio/video, information and communication technology equipment

Part 1: Safety requirements