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C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲及び目的

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

3

4

  技術的仕様 

14

4.1

  一般注意 

14

4.2

  保護きょう体 

15

4.3

  アクセスパネル及びセーフティインタロック

15

4.4

  リモートインタロックコネクタ

16

4.5

  マニュアルリセット(手動再設定) 

16

4.6

  鍵による制御 

16

4.7

  レーザ放射の放出警告 

16

4.8

  ビーム終端器又は減衰器 

17

4.9

  制御部

17

4.10

  観察用光学装置

17

4.11

  走査に対する安全防御 

17

4.12

  “歩行”立入り

17

4.13

  環境条件 

18

4.14

  その他の危険性に対する保護

18

5

  ラベル

18

5.1

  一般事項 

18

5.2

  クラス 及びクラス 1M 

20

5.3

  クラス 及びクラス 2M 

21

5.4

  クラス 3R 

21

5.5

  クラス 3B

22

5.6

  クラス 

22

5.7

  開口ラベル 

22

5.8

  放射出力及び規格情報 

22

5.9

  アクセスパネルに対するラベル

23

5.10

  不可視レーザ放射に対する警告

24

5.11

  可視レーザ放射に対する警告 

24

6

  その他の必要な情報

24

6.1

  使用者に対する情報

24

6.2

  購入及びサービスのための情報

26

7

  特定のレーザ製品に対する付加的な要件 

26


C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)  目次

(2)

ページ

7.1

  IEC 60825 規格群のその他の部

26

7.2

  医用レーザ製品

26

7.3

  レーザ加工機 

27

7.4

  電気玩具 

27

7.5

  消費者用電子製品

27

8

  クラス分け 

27

8.1

  序文

27

8.2

  クラス分けに対する責任 

27

8.3

  クラス分けの規則

27

9

  被ばく放出レベルの決定 

31

9.1

  試験

31

9.2

  レーザ放射の測定

32

9.3

  測定光学系 

41

附属書 A(参考)最大許容露光量 

47

附属書 B(参考)計算例

53

附属書 C(参考)クラス及び付随する潜在的危険性に関する解説

63

附属書 D(参考)生物物理学的検討

68

附属書 E(参考)放射輝度で表した MPE 及び AEL 

76

附属書 F(参考)要約表 

80

附属書 G(参考)IEC 60825 の各部の概要 

83

附属書 JA(参考)使用者への指針

85


C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技

術振興協会(OITDA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 6802:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

6802

:2011

(IEC 60825-1

:2007

)

レーザ製品の安全基準

Safety of laser products

序文 

この規格は,2007 年に第 2 版として発行された IEC 60825-1 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構

成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項及び

附属書 JA は,対応国際規格にはない事項であ

る。

適用範囲及び目的 

この規格は,波長範囲 180 nm∼1 mm のレーザ放射を放出するレーザ製品の安全について規定する。

レーザ製品は,電源を別にもつもの又は内蔵しているものであり,単一のレーザからなっていてもよい

し,また,光学的,電気的又は機械的複合システムの中に一つ又は複数のレーザを組み込んでいてもよい。

一般に,レーザ製品は,物理的及び光学的現象の実演,材料の加工,データの読取り及び蓄積,情報の伝

達,表示などに利用される。これらのシステムは,工業,商業,娯楽,研究,教育,医用,消費者向け製

品などに用途が見いだされている。

最終製品は,それ自体この規格に従うことになるが,システムの一部として他の製造業者へ販売される

レーザ製品は,

この規格の対象とならない。

レーザ製品内のレーザシステムが装置から取り外された場合,

運転可能なら,この規格の要求事項は取り外し可能なユニットに適用される。

注記 1  運転可能な装置は,運転の準備のために工具を必要としない。

箇条 3,箇条 8,及び箇条 に従って製造業者が行ったクラス分けが,運転,保守,サービス及び故障の

全ての条件下で,放出レベルがクラス 1 の AEL を超えないことを示した場合,全てのレーザ製品は,この

規格の更なる要求事項から除外される。

注記 2  上記の除外は,本質的に安全なレーザ製品は必ずしも規格に従う必要がないことを保障する

ものである。

レーザ機器は,レーザ放射による危険に加えて,火災及び感電のようなその他の危険を生じるおそれが

ある。

注記 3  ただし,この規格のクラス分け及びその他の要求事項は,目及び皮膚に対するレーザ放射の

危険性だけを扱うことを意図している。その他の危険性については,この適用範囲には含ま

れない。

この規格は最小の要求事項について記載している。この規格に準拠することは製品の安全性の要求され

たレベルを達成するために十分であることにはならない。レーザ製品は,適用可能な製品性能を満たし,

かつ,適用可能な製品安全基準の試験要求事項を満たさなければならない。

注記 4  他の規格は,追加的な要求事項を含んでいることがある。意図された適用及びユーザグルー


2

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

プに配慮することが望ましい。例えば,クラス 3B 又はクラス 4 レーザ製品は,消費者向け

製品としての使用には適さない。

レーザシステムが,安全に関する他の日本工業規格及び IEC 規格に従っている機器の一部を形成してい

る場合(例えば,医用機器 IEC 60601-2-22,IT 機器 IEC 60950,オーディオ及びビデオ機器 IEC 60065

危険な環境に用いる機器 IEC 60079,又は電気玩具 IEC 62115

,この規格は,レーザ放射から生じる危険

性に対する IEC Guide 104 の条項に従って適用される。製品安全規格に適用可能なものがない場合には,

IEC 61010-1

を適用する。

旧版の JIS C 6802:2005 では,LED を適用範囲に含めていた。そして今もなお,他の関連する JIS(例え

ば,JIS C 6803 など)に LED を含めている場合がある。しかし,ランプ安全基準の開発に伴い,LED の

放射安全基準は,通常,ランプ安全基準の方がより適切に取り扱うことができる。この規格の適用範囲か

らの LED の除外は,他の規格がレーザに言及している場合はいつでも,その規格に LED を含めることを

妨げるものではない。LED 単体又は 1 個以上の LED の組み込み製品に対する危険グループクラスを決定

するために IEC 62471 を適用してもよい。

この規格の MPE(最大許容露光量)値は,レーザ放射に対して開発されているため,副次放射には適用

しない。しかし,被ばくし得る副次放射の危険性が懸念される場合は,レーザの MPE 値をこの潜在的な

危険性を安全側に評価するために適用してもよい。

MPE 値は,医用又は美容整形的治療の目的でなされるレーザ放射の人体への意図的露光に対しては適用

しない。

注記 5  附属書 A∼附属書 JA は,一般的な指針の目的で,かつ,多くの代表的事例を説明するため

に記載されたものである。ただし,それらの附属書は,決定的,又は網羅的なものとみなせ

ず,常にこの規格に規定する適切な条項を参照することが望ましい。

この規格の目的は,次のとおりである。

−  危険性の評価及びユーザの管理手段の決定を支援するため,光学的放射の危険性の程度に応じて,レ

ーザ及びレーザ製品のクラス分けのシステムを導入する。

−  適切な予防措置が取れるような情報を提供するため,製造業者に対する要求事項を規定する。

−  レーザ製品からの被ばく放射に伴って生じる危険性について,ラベル及び取扱説明書によって,各人

に対する適切な警告を確実なものにする。

−  不必要な被ばく放射を最小限にすることによって傷害の可能性を低減し,保護手段によってレーザ放

射の安全管理を改善する。

注記 6  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60825-1:2007

,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and requirements

(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8113

  照明用語


3

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

注記  対応国際規格:IEC 60050-845:1987,International Electrotechnical Vocabulary(IEV)−Chapter 845:

Lighting(MOD)

IEC 60601-2-22

,Medical electrical equipment−Part 2-22: Particular requirements for basic safety and

essential performance of surgical, cosmetic, therapeutic and diagnostic laser equipment

IEC 61010-1

,Safety requirements for electrical equipment for measurement, control, and laboratory use−Part

1: General requirements

IEC 62471:2006 (CIE S009:2002)

,Photobiological safety of lamps and lamp systems

IEC Guide 104:1997

,The preparation of safety publications and the use of basic safety publications and group

safety publications

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8113 によるほか,次による。

注記  便宜上,定義は英語のアルファベット順に配列されている。JIS Z 8113IEV 845)からの差異

は意図的で,かつ,その旨指摘してある。このような場合,JIS Z 8113IEV 845)の定義に対

して,

“修正”と付して括弧の間に記している。

3.1 

アクセスパネル(access panel) 

保護きょう体又は囲いの一部であって,取外し又は移動したときに,レーザ放射による被ばくを生じる

もの。

3.2 

被ばく放出(量)(accessible emission) 

箇条 で記述されるように,規定の開口絞り[AEL をワット(W)又はジュール(J)の単位で与える場

合]を用いて,又は限界開口[AEL をワット毎平方メートル(W·m

2

)又はジュール毎平方メートル(J·m

2

の単位で与える場合]を用いて,ある位置において決定される放出レベル。

3.37

で定義するように,被ばく放出は人体の被ばく状態が考慮されるところで決定する。被ばく放出は

レーザ製品のクラスを決定するために被ばく放出限界(3.3 参照)と比較する。この規格の本体内では,用

語“放出レベル”を用いる場合は,いつでも,それは被ばく放出として理解する。

注記  ビーム直径が測定用の開口絞りより大きい場合は,ワット(W)又はジュール(J)の単位で与

える被ばく放出は,レーザ製品から放出される全パワー又は全エネルギーより小さい。ビーム

直径が限界開口の直径より小さい場合は,ワット毎平方メートル(W·m

2

)又はジュール毎平

方メートル(J·m

2

)の単位で与える被ばく放出,すなわち,限界開口全体で平均化した放射照

度又は放射露光は,実際のビームの放射照度又は放射露光より小さくなる。開口絞り(3.9)及

び限界開口(3.52)を参照。

3.3 

被ばく放出限界,AEL(accessible emission limit) 

対応するクラスで許容される最大の被ばく放出。

注記  この規格において“AEL を超えない放出レベル”又は同様の言い回しの場合は,被ばく放出を

箇条 に規定した測定基準に従って決定することを意味する。

3.4 

運用上の管理(administrative control) 


4

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

鍵の管理,人間に対する安全訓練,警告通知,秒読み手法,及び安全区域管理のような非技術的な安全

手段。

3.5 

アルファミニ,α

min

(alpha min.) 

最小視角(3.58 参照)

3.6 

受入れ角,γ(angle of acceptance) 

検出器が光放射に応答する範囲の平面角。通常,ラジアン(rad)を単位として測定される。この受入れ

角は,検出器の前方にある開口又は光学素子で制御できる(

図 及び図 参照)。受入れ角は,視野と呼

ぶこともある。

3.7 

アパーレント光源の視角,α(angular subtense of apparent source) 

空間の 1 点から見る場合,

図 で示すように,アパーレント光源がその点に対して張る角度。

注記 1  アパーレント光源の位置及び視角は,ビーム内の観察位置に依存する(3.11 参照)。

注記 2  アパーレント光源の視角は,この規格において波長範囲 400 nm∼1 400 nm の網膜障害領域だ

けに適用できる。

注記 3  光源の視角はビーム広がりと混同しないほうがよい。

3.8 

開口(aperture) 

レーザ製品の保護きょう体又は他の囲いに設けられた開口部。ここを通してレーザ放射が放出され,人

体への被ばくが生じる。

限界開口(3.52)も参照。

3.9 

開口絞り(aperture stop) 

放射が測定される特定の領域を規定するための円形開口。

3.10 

アパーレント光源(apparent source) 

網膜障害に関しての所定の評価位置に対して,最も小さな網膜像を結ぶ実物体又は仮想的物体(人間の

目の調節可能範囲を考慮する。

注記 1  目の調節可能範囲は 100 mm から無限遠まで可変であると仮定される。ビーム内の所定の観

察位置に対するアパーレント光源の位置は,目が調整して最も危険な網膜放射照度条件を生

成する場所である。

注記 2  この定義は,所定の評価位置に対して,波長範囲 400 nm∼1 400 nm のレーザ放射の見かけの

起点の位置を決定するために用いる。発散角がゼロとみなせる限界において,すなわち,理

想的な平行ビームでは,アパーレント光源の位置は,無限遠になる。

3.11 

ビーム(beam) 

方向,広がり,直径又は走査仕様によって特性づけられるレーザ放射。

非鏡面反射からの散乱放射は,ビームとはみなさない。


5

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

3.12 

ビーム減衰器(beam attenuator) 

レーザ放射を規定のレベル又はそれ以下に減衰させるデバイス。

3.13 

ビーム直径,ビーム幅(beam diameter,beam width) 

空間のある点でのビーム直径 d

u

は,全レーザパワー(又はエネルギー)の %を含んだ最小円の直径。

この規格では,d

63

を用いる。

注記 1  ガウシアンビームの場合,d

63

は放射照度(放射露光)が,その中心ピーク値の 1/になる直

径に対応する。

注記 2  2 次モーメント直径(ISO 11146-1 の 3.8 参照)は,例えば,不安定共振器によって生成され

る,高い放射照度ピークを中心部にもち,かつ,低レベルの背景を伴う遠視野ビームのプロ

ファイルには用いない。開口を通過するパワーは,2 次モーメント径を用いて,ガウスビー

ム分布の仮定を用いてパワーを計算すると,かなり低めに評価される。

3.14  

ビーム広がり(角),発散角,φ(beam divergence) 

ビーム直径で定められる円すいの遠視野平面角。

距離 離れた 2 点のビーム直径(3.13 参照)がそれぞれ d

63

及び d

63

'である場合は,ビーム広がり φ は,

ラジアン(rad)で表し,次の式によって求める。

=

r

d

'

d

2

arctan

2

63

63

ϕ

注記

  2

次モーメントビーム広がりの定義(ISO 11146-1)は,例えば,不安定共振器によって生成さ

れる,高い放射照度ピークを中心部にもち,かつ,低レベルの背景を伴う遠視野ビームプロフ

ァイル,又は開口によって生じる回折パターンのビームプロファイルには用いない。

3.15 

ビーム拡大器(

beam expander

 

レーザのビーム直径を拡大するための光学部品の組合せデバイス。

3.16 

ビーム光路部品(

beam path component

 

規定ビーム光路上に位置する光学部品(例えば,ビーム操作ミラー又は集束レンズ)

3.17 

ビーム終端器(

beam stop

 

レーザビーム光路を終端するデバイス。

3.18 

クラス レーザ製品(

Class 1 laser product

 

運転中に,該当する波長及び放出持続時間[8.3 e)参照]に対するクラス

1

の被ばく放出限界を超えるレ

ーザ放射を人体に被ばくさせることのない全てのレーザ製品。

注記 1

附属書 参照。

注記 2

製品のクラス分けの決定のための試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合は,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,クラス

1

AEL

を超えた放射が,保守中に被ばく状態になり得る。


6

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

3.19 

クラス 1M レーザ製品(

Class 1M laser product

 

放射のレベルを 9.2 g)に従って測定したものであって,運転中に,該当する波長及び放出持続時間[8.3 e)

参照]に対するクラス

1

の被ばく放出限界を超えるレーザ放射を人体に被ばくさせることのない

302.5 nm

4 000 nm

の波長範囲にある全てのレーザ製品。

注記 1

附属書 参照。

注記 2

評価はクラス

1

レーザ製品に対して用いる場合よりも,より小さな測定開口で,又はアパー

レント光源からより大きな距離で行うので,クラス

1M

レーザ製品の出力は,光学器具を用

いて観察したときには潜在的に危険である。

注記 3  製品のクラス分けの決定のための試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合は,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,クラス

1M

AEL

を超えた放射が,保守中に被ばく状態になり得る。

3.20 

クラス レーザ製品(

Class 2 laser product

 

運転中に,該当する波長及び放出持続時間[8.3 e)参照]に対するクラス

2

の被ばく放出限界を超えるレ

ーザ放射を人体に被ばくさせることのない

400 nm

700 nm

の波長範囲にある全てのレーザ製品。

注記 1

附属書 参照。

注記 2

製品のクラス分けの決定のための試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合は,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,クラス

2

AEL

を超えた放射が,保守中に被ばく状態になり得る。

3.21 

クラス 2M レーザ製品(

Class 2M laser product

 

放射のレベルを 9.2 h)に従って測定したものであって,運転中に,該当する波長及び放出持続時間[8.3 e)

参照]に対するクラス

2

の被ばく放出限界を超えるレーザ放射を人体に被ばくさせることのない

400 nm

700 nm

の波長範囲にある全てのレーザ製品。

注記 1

附属書 参照。

注記 2

評価はクラス

2

レーザ製品に対して用いる場合よりも,より小さな測定開口で,又はアパー

レント光源からより大きな距離で行うので,クラス

2M

レーザ製品の出力は,光学器具を用

いて観察したときには潜在的に危険である。

注記 3

製品のクラス分けの決定のための試験は,運転中の試験に限られるので,組込形レーザ製品

の場合は,製品によっては,アクセスパネルのインタロックが解除されたとき,クラス

2M

AEL

を超えた放射が,保守中に被ばく状態になり得る。

3.22 

クラス 3R 及びクラス 3B レーザ製品(

Class 3R and Class 3B laser products

 

運転中に,クラス

1

及びクラス

2

の被ばく放出限界を超えるレーザ放射を人体に被ばくさせ得るが,該

当する放出持続時間及び波長に対しクラス

3R

及び

3B

各々の被ばく放出限界を超えるレーザ放射を人体に

被ばくさせることのない全てのレーザ製品。

注記 1

附属書 参照。

注記 2

クラス

1M

及びクラス

2M

レーザ製品は,それらの光学的特性に依存して,クラス

3R

AEL

を超える出力をもつことがある。


7

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

3.23 

クラス レーザ製品(

Class 4 laser product

 

クラス

3B

の被ばく放出限界を超えるレーザ放射を人体に被ばくさせ得る全てのレーザ製品。

3.24 

副次放射(

collateral radiation

レーザ運転の結果として,又はその物理的要件によって,レーザ製品から放出されるレーザ放射以外の

180 nm

1 mm

の波長範囲にある全ての電磁放射。

3.25 

平行ビーム(

collimated beam

微小な発散角又は集束角をもった放射ビーム。

3.26 

連続波,CW

continuous wave

この規格では,

0.25

秒以上の持続時間の連続出力が得られるレーザは

CW

レーザとみなす。

3.27 

規定ビーム光路(

defined beam path

レーザ製品内での意図されたレーザビーム光路。

3.28 

実演用レーザ製品(

demonstration laser product

ライトショー,催し物,広告,展示又は美術的構成を目的として,企画,設計,製造した全てのレーザ

製品。

用語“実演用レーザ製品”は,実演用に利用できるものであっても,他の用途を意図して設計されたレ

ーザ製品には適用しない。

3.29 

拡散反射(

diffuse reflection

 

表面又は媒質によって種々の方向に散乱されたビームの空間分布の変化。

完全な拡散器は,入射方向と反射方向との間の相関を完全になくす。

IEV 845-04-47 を修正。

3.30 

組込形レーザ製品(

embedded laser product

 

この規格では,被ばく放出を制限するような技術的手段によって,組み込まれているレーザの本来の能

力よりも低いクラスに割り当てられたレーザ製品。

注記

組込形レーザ製品に組み込まれているレーザは,組込形レーザと呼ぶ。

3.31 

放出持続時間(

emission duration

 

レーザ製品の運転,保守又はサービスの結果として生じるレーザ放射を人体に被ばくさせ得るパルス,

パルス列又は連続放出の持続時間。

単一のパルスの場合は,放出持続時間は,パルスの立ち上がり半値点と立ち下がり半値点との間の時間

幅である。連続パルス列(又は主パルス列中のサブパルス群)の場合は,最初のパルスの立ち上がり半値

点と最後のパルスの立ち下がり半値点との間の時間幅である。

3.32 

迷走レーザ放射(

errant laser radiation

 


8

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

規定ビーム光路から逸脱しているレーザ放射。

このような放射には,ビーム光路部品からの不要な反射,及びミスアライメント又は損傷した部品から

の逸脱放射を含む。

3.33 

露光時間(

exposure time

exposure duration

 

人体に照射されるレーザ放射のパルス,パルス列又は連続放出の持続時間。

パルス列の持続時間は,最初のパルスの立ち上がり半値点と最後のパルスの立ち下がり半値点との間の

時間幅である。

3.34 

分散光源観察(

extended source viewing

 

100 mm

又はそれ以上の距離で観察したとき,アパーレント光源が目に対して張る角が最小視角(

α

min

以上となる観察条件。

この規格では,網膜熱損傷の危険を考慮して,二つの分散光源観察条件を考えている。すなわち,中光

源及び大光源である。これらは,

α

min

α

max

との間の視角

α

をもったアパーレント光源(中光源)と

α

max

よりも大きい視角

α

をもったアパーレント光源(大光源)とを区別する場合に用いる(3.80 も参照)

例えば,幾つかの拡散レーザ光源,拡散反射及び幾つかのレーザダイオードアレイの観察がある。

3.35 

フェールセーフ(

fail safe

 

部品の故障が危険性を増加させないような設計上の考慮。

故障モードでは,システムは動作不能となるか又は危険性がなくなる。

3.36 

フェールセーフセーフティインタロック(

fail safe safety interlock

 

故障モードでも,インタロックの目的を無効にしない,次に例示するようなインタロック。

ちょうつがいの付いているカバーの場合は,カバーを開くときには直ちに,積極的にオフ状態の位置

まで移動し,カバーを閉じるまでは確実にオフの位置に積極的に保持するインタロック。

着脱可能なカバーの場合は,カバーを取り外す前には確実にオフ状態になり,分離しているカバーが

閉じる位置にロックされるまでは確実にオフ状態を保持するインタロック。

3.37 

人体の被ばく状態(

human access

 

人体の被ばく状態は,次のいずれかによる。

a)

レーザ製品によって放出されるレーザ放射に人体が遭遇する可能性,すなわち,保護きょう体の外側

で放射が遮られ得る可能性。

b)

直径

100 mm

長さ

100 mm

の円筒形プローブがクラス

3B

,及びそれ以下のレーザ放射レベルを遮る可

能性。

c)

人の手又は腕がクラス

3B

を超えた放射レベルを遮る可能性。

d)

きょう体内のクラス

3B

又はクラス

4

と等価なレーザ放射レベルに対して,製品の保護きょう体のい

ずれかの開口を通して,単一の導入された平たんな表面によって,製品の内部から直接反射される危

険なレーザ放射に,人体のいずれかの部分が被ばくする可能性。

注記

“歩行”立入りを提供するレーザ製品については,人体の被ばく状態の決定に対して保護き

ょう体の内部及び外部の両方の放射を考えることが必要である。きょう体の内部における人


9

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

体の被ばく状態は,自動検知システムのような技術的制御によって防止することができる。

3.38 

積分放射輝度(

integrated radiance

 

与えられた露光時間にわたっての放射輝度積分量。放出の単位立体角当たりで放射面の単位面積当たり

の放射エネルギーとして表す(通常は

J·m

2

·sr

1

で表す。

3.39 

ビーム内観察(

intrabeam viewing

 

目が,例えば,拡散反射の観察とは異なり,直接又は鏡面反射のレーザビームにさらされる場合の全て

の観察状態。

3.40 

放射照度,E

irradiance

 

素面に入射する放射束

を,その素面の面積

dA

で除した値。放射照度は,ワット毎平方メートル

W·m

2

)で表し,次の式によって求める。

dA

E

=

3.41 

レーザ(

laser

 

主に誘導放出を制御することによって,

180 nm

1 mm

の波長範囲での電磁放射を発生又は増幅するこ

とができるデバイス。

IEV 845-04-39 を修正。

3.42 

レーザ管理区域(

laser controlled area

 

放射の危険から保護する目的で,区域内への立入り及び区域内での活動が管理及び監督下におかれる領

域。

3.43 

レーザエネルギー源(

laser energy source

 

電子,イオン又は分子の励起用エネルギーを供給するためにレーザと結合して用いることを意図したデ

バイス。

商用電源,電池のような一般エネルギー源は,レーザエネルギー源には含めない。

3.44 

レーザ危険区域(

laser hazard area

 

公称眼障害区域(3.61)参照。

3.45 

レーザ製品(

laser product

 

レーザ又はレーザシステムを構成するか,

これらを組み込むか,

若しくは組み込むように意図している,

任意の部品の組立品又は製品。

3.46  

レーザ放射(

laser radiation

 

誘導放出によってレーザ製品から放出される波長範囲

180 nm

1 mm

の全ての電磁放射。

3.47  

レーザ安全管理者(

laser safety officer

 


10

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

レーザの危険性の評価及び管理をするのに十分な知識をもち,かつ,レーザ危険性の管理及び監督に責

任をもつ者。

3.48 

レーザシステム(

laser system

 

付加的な組込み部品のあるなしにかかわらず,レーザと適切なレーザエネルギー源とを組み合わせたも

の。

3.49 

発光ダイオード,LED

light emitting diode

 

半導体内でのキャリアの発光再結合によって波長範囲

180 nm

1 mm

の電磁放射を発生するように設計

された半導体

p-n

接合デバイス。

光放射は,レーザ(3.41 参照)と異なり,主として,自然放出によって発生する。

3.50 

網膜の光化学的障害を評価するための限界受入れ角,γ

ph

limiting angle of acceptance for evaluating retinal

photochemical hazards

網膜の光化学的障害を評価するため規定する,限界測定受入れ角

γ

ph

。その角度

γ

ph

は,目の動きと関連

しており,光源の視角には依存しない。光源の視角が規定の限界受入れ角

γ

ph

より大きい場合には,測定受

入れ角

γ

γ

ph

に制限し,光源の高輝度箇所について走査して調べる。測定受入れ角

γ

が,規定の値に制限

されていない場合には,危険性は過大評価され得る。

注記  アパーレント光源の視角が規定の限界受入れ角より小さい場合には,実際の測定受入れ角は測

定に影響を与えず,測定受入れ角を制限する必要はない。すなわち,通常の開放受入れ角の放

射計を用いることができる。

3.51 

熱的障害を評価するための限界受入れ角,γ

th

limiting angle of acceptance for evaluating thermal hazards

熱的網膜障害の評価に用いる最大視角。

受入れ角

γ

の値は

α

min

α

max

との間で変化する[8.3 d)及び 9.3.3 b) 2)参照]

3.52 

限界開口(

limiting aperture

 

クラス分け評価のために用いる放射照度又は放射露光を平均化する円形領域。

3.53 

保守(

maintenance

 

レーザ製品の製造業者が提供した使用者への情報に明記された調整及び作業手順を履行することで,使

用者が,製品の意図した性能を確保する目的で実行する行為。

運転又はサービスは含まない。

3.54 

最大視角,α

max

maximum angular subtense

 

それ以上の大きさでは

MPE

及び

AEL

が光源の大きさに依存しなくなるアパーレント光源の視角の値。

注記 

α

max

100 mrad

3.55 

最大出力(

maximum output

 

運転能力の全範囲にわたって,レーザ製品からのレーザ放射によって,人体が被ばくし得る最大放射パ


11

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

ワー,又はパルス当たりの最大放射エネルギー。

注記  最大出力は,レーザ製品のクラスを決定するために用いる最大被ばく放射である。被ばく放射

の決定には,その他の条件以外に単一故障条件を考慮するため(9.2 参照)

,最大出力が,通常

の運転中の最高出力を超えることがある。

3.56 

最大許容露光量,MPE

maximum permissible exposure

 

通常の環境下で,人体に照射しても有害な影響を与えることがないレーザ放射のレベル。

MPE

レベルは,目若しくは皮膚が被ばく直後又は長期にわたり結果的に損傷を受けずに被ばくできる最

大のレベルであり,レーザ放射の波長,パルス持続時間又は露光時間,危険にさらされる細胞組織,

400 nm

1 400 nm

の範囲の可視光線及び近赤外レーザ放射に対しては網膜上の像の大きさなどに関係している。

最大許容露光レベルは,

(現在の知識の範囲で)

附属書 に明記してある。

3.57 

医用レーザ製品(

medical laser product

 

生体診断,外科手術又は治療のため,人体へのレーザ照射を目的として企画,設計,製造した全てのレ

ーザ製品。

3.58 

最小視角,α

min

minimum angular subtense

 

それ以上の大きさでは光源が分散光源と考えられるアパーレント光源の視角の値。

MPE

及び

AEL

は,

α

min

以下の視角に対しては,光源の大きさと無関係である。

注記 

α

min

1.5 mrad

3.59 

モード同期(

mode-locking

 

非常に短い(例えば,サブナノ秒)パルスの列を生成するためのレーザ共振器内の機構又は現象。

これは,意図的に生成されるが,

“自己モード同期”のように自発的にも起こり得る。結果としてのピー

クパワーは,平均パワーよりもかなり大きくなる。

3.60 

最制限位置(

most restrictive position

 

被ばく放出を

AEL

で除した値が最大になるビーム上の位置。

注記  被ばく放出と

AEL

の両方ともビームを評価する位置に依存する。

3.61 

公称眼障害区域,NOHA

nominal ocular hazard area

 

ビーム放射照度又は放射露光が角膜上の

MPE

を超えている範囲内の区域。これにはレーザビームの偶

発的な誤った方向への放射を含む。

NOHA

が光学的手段による観察の可能性を含む場合には,用語“拡張

NOHA

”を用いる。

3.62 

公称眼障害距離,NOHD

nominal ocular hazard distance

 

ビーム放射照度又は放射露光が角膜上の

MPE

に等しいところまでの出力開口からの距離。

NOHD

が光学的手段による観察の可能性を含む場合には,用語“拡張

NOHD

”を用いる。

3.63 

運転(

operation


12

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

意図した機能の全範囲にわたるレーザ製品の動作。

保守又はサービスは含まない。

3.64 

光化学的障害限界(

photochemical hazard limit

有害な光化学的影響から人間を保護するために定められた

MPE

又は

AEL

紫外線波長領域では,光化学的障害限界は角膜及び水晶体への有害な影響を防止する。一方,

400 nm

600 nm

の波長範囲で規定する網膜に対する光化学的障害限界は,放射被ばくによる光網膜炎−光化学的網

膜傷害を防止する。

3.65  

保護囲い(

protective enclosure

装置・設備の設置上必要とされる場合を除き,レーザ放射による人体への被ばくを予防するための物理

的手段。

3.66 

保護きょう体(

protective housing

 

規定する

AEL

を超えるレーザ放射による人体への被ばくを防ぐために設計したレーザ製品(組込形レー

ザ製品を含む。

)の構成部分(通常,製造業者が取り付ける。

3.67 

パルス持続時間(

pulse duration

 

パルスの立ち上がり半値点と立ち下がり半値点との間の時間幅。パルス幅ともいう。

3.68 

パルスレーザ(

pulsed laser

 

エネルギーを単一のパルス又はパルス列の形で放出するレーザ。

この規格では,パルス幅は

0.25

秒よりも短い。

3.69 

放射輝度(

radiance

 

次の式で定義される量(IEV 845-01-34 を修正。

dΩ

dA

L

=

θ

cos

ここに,

L: 放射輝度。単位:W·m

2

·sr

1

: 与えられた点を通過し,かつ,与えられた方向を含

んだ立体角 dΩ 内に伝搬される素ビームの放射束。

dA: 与えられた点を含むビームの切断面の面積。

θ: 切断面の法線とビームの方向とがなす角。

注記  この定義は,この規格の目的に十分な程度に IEV 845-01-34 を簡単化したものである。疑義が

ある場合は,IEV の定義に従うのがよい。

3.70 

放射エネルギー,Q(radiant energy) 

与えられた時間間隔 Δt にわたっての放射束の時間積分値(IEV 845-01-27

。放射エネルギーは,ジュー

ル(J)で表し,次の式によって求める。

=

Δt

dt

Φ

Q


13

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

3.71 

放射露光,H(radiant exposure) 

面の一点において,素面に入射した放射エネルギーを,その素面の面積で除した値。放射露光は,ジュ

ール毎平方メートル(J·m

2

)で表し,次の式によって求める。

=

=

Edt

dA

dQ

H

3.72 

放射パワー,P;放射束,

Φ

(radiant power; radiant flux) 

放射の形態で放出,伝送又は受光するパワー(IEV 845-01-24

。放射パワー及び放射束は,ワット(W)

で表し,次の式によって求める。

dt

dQ

Φ

=

3.73 

反射率,ρ(reflectance) 

与えられた条件において,入射した放射パワーに対する反射した放射パワーの比(IEV 845-04-58 を修

正。

。反射率は,無次元数である。

3.74 

リモートインタロックコネクタ(remote interlock connector) 

レーザ製品の部品で,他の部品から離れて設置された外部制御器との接続を行うコネクタ(4.4 参照)

3.75 

セーフティインタロック(safety interlock) 

レーザ製品のきょう体の一部分を取り外し,開放し,又は移動したときに,クラス 3R,クラス 3B 又は

クラス 4 レーザ放射による人体への被ばくを防ぐため,保護きょう体の各部分に連結された自動連動装置

4.3 参照)

3.76 

走査レーザ放射(scanning laser radiation) 

伝搬の方向,放射起点又は放射形状が基準静止系に対して時間的に変化するレーザ放射。

3.77 

サービス(service) 

製品の性能に影響を与え得るもので,製造業者のサービス指示書の中に記述されている作業手順又は調

整の実行。

保守又は運転は含まない。

3.78 

サービスパネル(service panel) 

サービスのために取り外せるように,又は位置を動かせるように設計したアクセスパネル。

3.79 

単一故障条件(single fault condition) 

製品内に生じ得る全ての単一の故障であり,その故障によって直接引き起こされる必然的結果も含めた

条件。


14

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

3.80 

小光源(small source) 

視角 α が,最小視角 α

min

以下である光源。

3.81

鏡面反射(specular reflection)

鏡面からの反射を含めて,反射光がビーム(3.11 参照)と考えることのできる表面からの反射。

注記  この定義は,例えば,放物面鏡のように,ある反射表面は入射ビームよりも危険性が増加する,

又は少なくとも変化しない,ということを認識させる意図がある。

3.82 

熱的障害限界(thermal hazard limit) 

光化学損傷と対比して,有害な熱的影響から人体を保護するために定めた MPE 又は AEL

3.83 

時間基準(time base) 

レーザ製品のクラス分け評価のときに考慮する放出持続時間[8.3 e)参照]

3.84 

工具(tool) 

ねじ又は同様な固定手段の着脱に用いるねじ回し,六角レンチなどのもの。

3.85 

透過率,

τ

(transmittance) 

与えられた条件での入射放射束に対する透過放射束の比(IEV 845-04-59 を修正。

。透過率は,無次元数

である。

3.86 

(透過)光学濃度,D[(transmittance)optical density] 

透過率 τ の逆数の常用対数値(IEV 845-04-66

(透過)光学濃度は,次の式によって求める。

τ

D

10

log

=

3.87 

可視放射,可視光(visible radiation,visible light) 

視覚を直接引き起こすことができる光放射(IEV 845-01-03

注記  この規格では,単色光成分の波長域が 400 nm∼700 nm の間にある電磁放射を意味する。

3.88 

加工品(workpiece)

レーザ放射による被加工物。

技術的仕様 

4.1 

一般注意 

4.1.1 

一般事項 

レーザ製品は,製造業者によって割り当てられたクラスに従って,信頼できる安全上の特質を備えてい

ることが必要である。これらの要求事項は,4.24.12 に規定する。製造業者は,クラス分けの体系に規定

する全内容を理解していると認められるレベルまで訓練を受けて,レーザ製品及びシステムのクラス分け

に対して責任を負う人員を確保しなければならない。


15

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

4.1.2 

改造 

先にクラス分けされたレーザ製品の改造が,この規格の適用範囲内での製品の基準又は意図した機能に

影響を及ぼす場合には,そのような改造を行った者又は組織は,当該レーザ製品の再クラス分け及び再ラ

ベリングを確実に行う責任がある。

4.2 

保護きょう体 

4.2.1 

一般事項 

各レーザ製品は,所定の位置に設置してある場合には,クラス 1 の AEL を超えるレーザ放射(迷走レー

ザ放射を含む。

に対する人体の被ばく状態を予防するための保護きょう体を,

備えていなければならない。

ただし,人体の被ばくが製品の機能の実施上必要である場合は除く。

レーザ製品のクラス分けがクラス 4(例えば,レーザ加工装置用など)に相当するエネルギーレベルへ

の人体の被ばく防止を前提にする場合は,保護きょう体は,合理的に予見できる単一故障条件(9.1 参照)

の下での露光に対し,人間の介入なしで,耐えられるものでなければならない。保護きょう体が人間の立

ち入りが可能な大きさである場合は,4.12 を参照する。

クラス 1,1M,2,2M,又は 3R のレーザ製品の保守では,クラス 3B 又はクラス 4 のレーザ放射のレベ

ルに人体の被ばくを許容してはならない。クラス 3B レーザ製品の保守ではクラス 4 のレーザ放射のレベ

ルに人体の被ばくを許容してはならない。

4.2.2 

サービス 

サービスのため取外し又は移動ができ,かつ,割り当てられた AEL を超えるレーザ放射の被ばくの可能

性があり,かつ,インタロックが施されていない(4.3 参照)レーザ製品(組込形レーザ製品を含む。

)の

保護きょう体又は保護囲いのいかなる部分も,その部分の取外し及び移動には工具又は工具類を必要とす

るような方法によって安全化を図らなければならない。

4.2.3 

取り外すことのできるレーザシステム 

レーザシステムが,その保護きょう体又は保護囲いから取り外すことができ,かつ,改造しないで運転

することができる場合には,そのレーザ製品はそのクラスに適切な箇条 及び箇条 の製造上の必要要件

に適合しなければならない。

4.3 

アクセスパネル及びセーフティインタロック 

4.3.1

次の両方の条件を満たす場合には,保護きょう体のアクセスパネルは,セーフティインタロックを

備えていなければならない。

a)

アクセスパネルが保守中又は運転中に取外し又は移動することが意図されている。

b)

パネルを取り外したときに,

表 の“×”に示すレベルのレーザ放射を人体が被ばくするおそれがあ

る。

表 に,セーフティインタロックの適用性を×印で示す。

表 1−セーフティインタロックに対する要件 

アクセスパネルの移動中又は移動後の被ばくレベル

製品クラス

1 及び 1M 2 及び 2M 3R

3B

4

1 及び 1M

×

×

×

2 及び 2M

×

×

×

3R

×

×

3B

×

×

4

×

×


16

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

パネルを取り外したときには,波長に従って適用されるクラス 1M 又はクラス 2M に対する AEL を超え

る放出が開口部を通じてなされてはならない。

セーフティインタロックが要求される場合,そのインタロックはパネルを取り外したときに,

表 中の

該当する AEL を超えた被ばく放出レベルへの被ばくを防止しなければならない。

不注意なインタロックの再設定は,それ自体で

表 中の該当する AEL を超えた放出値に回復させてはな

らない。これらのインタロックは該当する IEC 製品安全基準(箇条 参照)の要求事項に適合しなければ

ならない。

注記  9.1 の要件もインタロックに適用される。すなわち,インタロックにはフェールセーフ,又は冗

長性が必要である。

4.3.2

セーフティインタロックに意図的な解除機構が設備される場合には,製造業者は更にその安全な操

作方法に関する適切な指示書を提供しなければならない。アクセスパネルを正規の位置に戻すとき,解除

機構を働かせたまま再運転が可能であってはならない。インタロックは,5.9.2 に準拠したラベルに明確に

関連付けられていなければならない。解除機構を操作する場合は,レーザが励起されているか,又はコン

デンサバンクがまだ十分に放電が完了していないときには,アクセスパネルの装着の有無にかかわらず,

はっきりと識別できる警告灯,又はよく聞こえる警告音によって警告しなければならない。可視光による

警告は,被ばくレーザ放射の波長に対して特に設計又は規定した保護めがねを通して,明瞭に見えるもの

でなければならない。

4.4 

リモートインタロックコネクタ 

クラス 3B 及びクラス 4 のレーザシステムは,

リモートインタロックコネクタを備えなければならない。

コネクタの端子が開放されているとき,被ばく放射は,クラス 1M 又はクラス 2M(いずれか該当する方)

に対する AEL を超えてはならない。

4.5 

マニュアルリセット(手動再設定) 

クラス 4 のレーザシステムは,リモートインタロックコネクタを用いることによって生じたレーザ放射

の遮断の後,又は主電源の 5 秒より長い停電の後,被ばくの可能性のあるクラス 4 レーザ放射を再開でき

るように,マニュアルリセット(手動再設定)を組み込まなければならない。

注記  製造業者は,放射を開始するときに能動的な操作を要しない第 2 のインタロックコネクタを含

めることができる。ただし,製品には二つのコネクタの具備は要求されない。

4.6 

鍵による制御 

クラス 3B 及びクラス 4 のレーザシステムは,鍵操作による主制御を組み込まなければならない。鍵は

取り外すことができ,かつ,鍵が外されているときは,レーザ放射による被ばくのおそれがあってはなら

ない。

注記  この規格では,用語“鍵”には,磁気カード,暗号組合せ,コンピュータパスワードのような

他の制御デバイスを含む。

4.7 

レーザ放射の放出警告 

4.7.1

波長が 400 nm を下回るか,又は 700 nm を超えるクラス 3R のレーザシステム,並びにクラス 3B

及びクラス 4 のレーザシステムは,4.7.24.7.4 を満たさなければならない。

4.7.2

レーザシステムのスイッチがオンになったとき,又はパルスレーザのコンデンサバンクが充電中か

若しくは放電が完了していないとき,警告装置は可聴音又は可視光の信号を発するようになっていなけれ

ばならない。警告装置は,フェールセーフ又は冗長性のある設計でなければならない。あらゆる可視光信

号による警告装置は,放出レーザ放射の波長に対して特に設計された保護めがねを通して明らかに見える


17

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

ものでなければならない。可視光警告装置はクラス 1M 及びクラス 2M に対する AEL を超えるレーザ放射

を被ばくせずに観察できるような位置に設けなければならない。

4.7.3

運転制御部及びレーザ開口のいずれも,放射警告装置から 2 m 以上離すことができる場合には,そ

れぞれに放射警告装置を備えていなければならない。警告装置は,運転制御部又はレーザ開口の近くの人

に明瞭に見えるか,若しくは聞こえなければならない。

4.7.4

レーザ放出が,2 個以上の出口開口を通して分岐される場合には,可視光警告装置は,レーザ光が

放出される出口開口又は開口群を,4.7.2 に従って明瞭に表示しなければならない。

4.8 

ビーム終端器又は減衰器 

クラス 3B 及びクラス 4 のレーザシステムは,一つ以上の永久的に取り付けられた減衰手段(例えば,

ビーム終端器,減衰器,スイッチ)を組み込まなければならない。ビーム終端器又は減衰器は,適用する

クラス 1M 又はクラス 2M に対する AEL を超えるレーザ放射に対して人体の被ばくを防護できなければな

らない。

4.9 

制御部 

レーザ製品は,調整及び運転するための制御部を,クラス 3R,クラス 3B 又はクラス 4 に相当するレー

ザ放射の被ばくを受けない位置に設置しなければならない。

4.10 

観察用光学装置 

レーザ製品に組み込まれたあらゆる観察用光学装置,観察用窓又はディスプレイスクリーンは,クラス

1M に対する AEL を超えるレーザ放射に対して人体の被ばくを防ぐように十分な減衰ができなければなら

ない。観察用光学装置,観察用窓又はディスプレイスクリーンに組み込まれているシャッタ又は可変減衰

器に対して,次の手段が講じられていなければならない。

a)

シャッタを開放したとき又は減衰量を変化させたときは,クラス 1M に対する AEL を超えるレーザ放

射から人体の被ばくを防護する。

b)

人体がクラス 1M に対する AEL を超えるレーザ放射を被ばくする可能性があるときには,シャッタの

開放,又は減衰量の変更ができない。

4.11 

走査に対する安全防御 

走査された放射を放出することが意図され,そしてこれを基準にクラス分けされたレーザ製品は,走査

の故障,走査速度又は走査振幅の変化の結果として,該当するクラスの AEL を超えるレーザ放射に人体が

被ばくすることを許容してはならない。ただし,故障発生時点から走査安全手段によって放射が製品のク

ラスに対応する AEL 以下に減少する時点までの間,人体への露光が生じないことが合理的に予見できる場

合を除く(9.1 も参照)

4.12 

歩行”立入り 

保護きょう体に“歩行”立入りを可能とするアクセスパネルを取り付けているときは,次による。

a)

保護きょう体内にいる人間の誰もが,クラス 3B 又はクラス 4 に相当するレーザ放射の危険にさらさ

れないようにする手段が備えられていなければならない。

b)

警告装置は,波長範囲が 400 nm を下回るか若しくは 700 nm を超えるクラス 3R に相当するレーザ放

射,又はクラス 3B レーザ放射若しくはクラス 4 レーザ放射に相当するレーザ放射の放出に関する適

切な放射警告を,保護きょう体内にいる人間に与えるように配置されていなければならない。

c)

運転中に“歩行”立入りが意図され,又は合理的に予見できるところでは,クラス 1,クラス 2,又は

クラス 3R レーザ製品の囲いの内部に人間がいる間は,クラス 3B 又はクラス 4 に相当するレーザ放射

の放出は工学的手段によって防止しなければならない。


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C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

注記  人間が保護きょう体内にいるときに,人体への放射被ばくを防止する方法は,圧力に感度をも

つ床マット類,赤外線検出器などを含んでよい。

4.13 

環境条件 

レーザ製品は,製品の意図した用途に適合する全ての予期される運転条件の下において,この規格に規

定する安全性に対する要求事項に合致しなければならない。

考慮しなければならない事項には,

次を含む。

−  気候的な諸条件(例えば,温度,相対湿度)

−  振動及び衝撃

製品安全規格の中に条項がない場合は,IEC 61010-1 の関連項目を参照する。

注記 EMS(電磁感受性)に関する要求事項は,検討中である。

4.14 

その他の危険性に対する保護 

4.14.1 

非光学的危険性 

関連する製品安全規格の要求事項は,運転中及び単一故障の場合に次の各項目に対しても適合しなけれ

ばならない。

−  電気的危険性

−  過度の温度

−  機器からの炎の広がり

−  騒音及び超音波

−  有毒な物質

−  爆発

製品安全規格の中に条項がない場合は,IEC 61010-1 の関連項目を参照する。

注記  多くの国は,有害物質の管理に関する法律をもっている。これらの要件に対しては,当該国の

適切な機関へ問い合わせる。

4.14.2 

副次放射 

レーザ製品の保護きょう体は,通常,副次放射(例えば,紫外線,可視光,赤外線)の危険からも保護

する。ただし,危険となるレベルの副次放射による被ばくの懸念がある場合には,レーザ放射の MPE 

をこの危険性を安全サイドに評価するために適用できる。

ラベル 

5.1 

一般事項 

各レーザ製品は,次の各項目の要求事項に従ったラベルを付けなければならない。ラベルは,耐久性が

あり,恒久的に固定され,明瞭で,かつ,運転,保守及びサービスの間,その目的に従ってはっきりと読

めなくてはならない。ラベルは,クラス 1 に対する AEL を超えるレーザ放射を人体が被ばくすることなく

読み取ることができる位置に設けられなければならない。語句の縁取り及びシンボルは,色の組合せを用

いる必要がない場合のクラス 1 を除いて,黄色地の上に黒色でなければならない。

箇条 に規定するラベルの文言は,推奨されるが強制的ではない。同じ意味を伝えるその他の文言に置

き換えてもよい。

製品の大きさ又は設計のためにラベルを付けることが非現実的となる場合には,ラベルは,使用者への

情報(取扱説明書など)に記載するか,又は包装箱に表示しなければならない。

注記  レーザ製品又はパネル上に同等のラベルの直接印刷又は刻印でもよい。


19

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

単位  mm

a g

1

g

2

r

D

1

D

2

D

3

25  0.5 1.5 1.25

10.5 7  3.5 0.5

50 1 3 2.5

21 14 7 1

100 2 6 5 42 28

14 2

150 3 9 7.5

63 42

21 3

200 4 12 10  84 56 28  4 
400 8 24 20 168 112 56  8 
600 12 36 30 252 168 84 12

寸法 D

1

D

2

D

3

g

1

及び は推奨値である。

注記 1  ラベルが理解できる最大距離 とラベルの最小面積 との関係式を,次に示す。

AL

2

/2 000。ただし,及び はそれぞれ m

2

及び m の単位で表す。この式は,50 m 未満

の距離 に適用する。

注記 2  これらの寸法は推奨値である。それらが寸法値に比例している限りは,シンボル及び縁は,

レーザ製品の大きさに適合させて判読可能な大きさであってもよい。

図 1−警告ラベル−危険シンボル


20

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

単位  mm

a×b

g

1

g

2

g

3

文字の大きさ

26×52 1

4

4

2

 52×105 1.6

5

5

3.2

 84×148 2

6

7.5

4

100×250 2.5

8

12.5

5

140×200 2.5

10

10

5

140×250 2.5

10

12.5

5

140×400 3

10

20

6

200×250 3

12

12.5

6

200×400 3

12

20

6

250×400 4

15

25

8

文字は,判読できる大きさのものでな
ければならない。

寸法 g

1

は推奨値である。

注記 1  ラベルが理解できる最大距離 とラベルの最小面積 との関係式を,次に示す。

AL

2

/2 000。ただし,及び はそれぞれ m

2

及び m の単位で表す。この式は,50 m 未満

の距離 に適用する。

注記 2  これらの寸法は,推奨値である。ラベルは,要求される文字及び縁を含めるために必要ない

かなる寸法でもよい。縁幅 g

2

及びマージン幅 g

3

の最小値は,ラベルの短い側の長さの 0.06

倍である。

図 2−説明ラベル 

5.2 

クラス 及びクラス 1M 

箇条 で適用外とされたレーザ製品を除いて,クラス 1 の各レーザ製品は,次の語句を記載した説明ラ

ベル(

図 参照)を付けなければならない。

クラス レーザ製品 

クラス 1M の各レーザ製品には,次の語句を記載した説明ラベル(

図 参照)を付けなければならない。

レーザ放射 

光学器具で直接ビームを見ないこと 

クラス 1M レーザ製品 

上記のラベルの代わりに,製造業者の裁量で,同じ記述を使用者への情報の中に含めてもよい。


21

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

クラス 1M の説明ラベル上の“

器具”という語句の後には,危険を増大させるおそれのある光学器具の

タイプを括弧付きで追加表示してよい。追加する語句は,条件 1(箇条 参照)を満たすことができない

ためにクラス 1M と分類されるビームが平行で直径が大きいレーザ製品の場合には “

双眼鏡又は望遠鏡”,

条件 2(箇条 参照)を満たすことができないためにクラス 1M と分類される大きなビーム発散角をもつ

レーザ製品の場合には,

拡大鏡”とする。

クラス 1M の説明ラベルの 2 行目は“

双眼鏡又は望遠鏡の使用者に露光しないこと”と記載してもよい。

人体が被ばくし得る最近接点に位置した 3.5 mm の開口によって決定される被ばく放出が,クラス 3B の

AEL を超える場合,次の追加警告を製品ラベル及び使用者への情報の中に記載しなければならない。

開口近傍での皮膚露光は火傷を生じる可能性がある 

注記  これは AEL を決定するときに,条件 2 を用いる場合にだけ適用する。

5.3 

クラス 及びクラス 2M 

クラス 2 の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 参照)

を付けなければならない。

レーザ放射 

ビームをのぞき込まないこと 

クラス レーザ製品 

クラス 2M の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 

照)を付けなければならない。

レーザ放射 

ビームをのぞき込まないこと,また,光学器具で直接ビームを見ないこと 

クラス 2M レーザ製品 

器具”という語句の後には,危険を増大させるおそれのある光学器具のタイプを括弧付きで追加表示

してもよい。追加する語句は,条件 1(箇条 参照)を満たすことができないために,クラス 2M と分類

されるビームが平行で直径が大きいレーザ製品の場合には,

双眼鏡又は望遠鏡”とし,条件 2(箇条 

照)を満たすことができないためにクラス 2M と分類される大きなビーム発散角をもつレーザ製品の場合

には,

拡大鏡”とする。

クラス 2M の説明ラベルの 2 行目は“

双眼鏡又は望遠鏡の使用者に露光しないこと”と記載してもよい。

人体が被ばくし得る最近接点に位置した 3.5 mm の開口によって決定される被ばく放出が,クラス 3B の

AEL を超える場合,次の追加警告を製品ラベル及び使用者への情報の中に記載しなければならない。

開口近傍での皮膚露光は火傷を生じる可能性がある 

注記  これは AEL を決定するときに,条件 2 を用いる場合にだけ適用する。

5.4 

クラス 3R 

クラス 3R の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 


22

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

照)を付けなければならない。

レーザ放射 

目への直接被ばくを避けること 

クラス 3R レーザ製品 

注記  2 行目に“ビームの被ばくを避けること”を用いたラベルも容認される。

5.5 

クラス 3B 

クラス 3B の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 

照)を付けなければならない。

レーザ放射 

ビームの被ばくを避けること 

クラス 3B レーザ製品 

5.6 

クラス 

クラス 4 の各レーザ製品には,警告ラベル(

図 参照)及び次の語句を記載した説明ラベル(図 参照)

を付けなければならない。

レーザ放射 

ビームや散乱光の目又は皮膚への被ばくを避けること 

クラス レーザ製品 

5.7 

開口ラベル 

クラス 3R,クラス 3B 及びクラス 4 の各レーザ製品には,クラス 1 又はクラス 2 に対する AEL を超すレ

ーザ放射が放出される各開口の近くにラベルを付けなければならない。そのラベルには,次の語句を記載

しなければならない。

レーザ開口 

又は

レーザ放射の出口 

又は

被ばく回避のこと−この開口からレーザ放射が出る 

5.8 

放射出力及び規格情報 

製品をクラス分けした規格の名称及び発行日付は,製品の説明ラベル(

図 参照)上,又はそのラベル

に近接した製品上に含まれなければならない。クラス 1 のレーザ製品を除く各レーザ製品は,説明ラベル

図 参照)上にレーザ放射の最大出力(3.55 参照),パルス持続時間(該当する場合)及び放出される

波長を記述しなければならない。クラス 1 及びクラス 1M に対しては,これらの情報は,製品上のラベル

の代わりに,使用者への情報に含めてもよい。


23

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

5.9 

アクセスパネルに対するラベル 

5.9.1 

パネルに対するラベル 

各接続,保護きょう体の各パネル及び保護囲いの各アクセスパネルは,取り外したり移動したりしたと

きに,クラス 1 に対する AEL を超えるレーザ放射を人体が被ばくするおそれがある場合には,次の語句を

記載したラベルを付けなければならない(クラス 1M のレーザを組み込んだ組込形レーザ製品に対しては,

説明語句は,ラベルの代わりに使用者への情報に含めてもよい。

a)  9.2 g)

及び 9.3 に従って放射レベルを測定するとき,被ばく放射がクラス 1M の AEL を超えない場合に

注意−ここを開くとクラス 1M のレーザ放射が出る

光学器具で直接ビームを見ないこと 

b)  9.2 h)

及び 9.3 に従って放射レベルを測定するとき,被ばく放射がクラス 2 の AEL を超えない場合には

注意−ここを開くとクラス のレーザ放射が出る 

ビームをのぞき込まないこと 

c)

9.2 h)

及び 9.3 に従って放射レベルを測定するとき,被ばく放射がクラス 2M の AEL を超えない場合に

注意−ここを開くとクラス 2M のレーザ放射が出る 

ビームをのぞき込まないこと,また光学器具で直接ビームを見ないこと 

d)

被ばく放射が,クラス 3R の AEL を超えない場合には

注意−ここを開くとクラス 3R のレーザ放射が出る 

目への直接被ばくを避けること 

注記  2 行目に“ビームの被ばくを避けること”を用いたラベルも容認される。

e)

被ばく放射が,クラス 3B の AEL を超えない場合には

注意−ここを開くとクラス 3B のレーザ放射が出る 

ビームの被ばくを避けること

f)

被ばく放射が,クラス 3B の AEL を超える場合には

注意−ここを開くとクラス のレーザ放射が出る 

ビームや散乱光の目又は皮膚への被ばくを避けること

この情報は,複数の隣接するラベルで製品上に表示してもよい。


24

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

5.9.2 

セーフティインタロックパネルに対するラベル 

セーフティインタロックを容易に解除することができ,かつ,そのときクラス 1 の AEL を超えるレーザ

放射を人体が被ばくするおそれがある場合には,適切なラベルを各セーフティインタロックとはっきりと

関連付けておかなければならない。そのようなラベルは,インタロックを解除する前及び解除している間

は,見えていなければならないし,また,保護きょう体の取外しによってできた開口部の極めて近いとこ

ろになければならない。このラベルには,各クラスに応じて 5.9.1 の a)f)に規定する語句において,第 1

行目の“

ここを開くと”の語句を,

ここを開き,そしてインタロックを解除すると, 

と置き換えて,かつ,残りの語句を続けて表示しなければならない。

5.10 

不可視レーザ放射に対する警告 

多くの場合,箇条 で示すラベルに規定する語句には,

レーザ放射”の語句を含む。レーザ出力が 400

nm∼700 nm の波長範囲から外れている場合には,この語句は“不可視レーザ放射”と置き換え,また,

波長が,この範囲の内と外との両方にある場合には,

可視及び不可視レーザ放射”と置き換える。

製品が可視レーザ放射のレベルに基づいてクラス分けされ,かつ,不可視の波長において,クラス 1 の

AEL を超えて放出する場合には,ラベルには“レーザ放射”の代わりに“可視及び不可視レーザ放射”の

語句を含めなければならない。

5.11 

可視レーザ放射に対する警告 

レーザの出力が 400 nm∼700 nm の(可視)波長帯域にあるときには,箇条 のラベル上の“

レーザ放

射”は“レーザ光”と置き換えてもよい。

その他の必要な情報 

6.1 

使用者に対する情報 

レーザ製品の製造業者は,全ての関連する安全情報を含めた取扱説明書などを提供(又はその条項を開

示)しなければならない。次に示す安全情報を提供すること,及びどの追加情報が関連し,提供しなけれ

ばならないかを決定することは,製造業者側の責任に属する。

注記  その情報が関連するか否かは,意図された応用などの製品自身に依存する。また,国の法律に

関連することもある。

次の情報を提供しなければならない。

a)

危険なレーザ放射を被ばくする可能性を避けるための注意事項に関する明確な警告,及び当該のクラ

ス分け法の限界に関する記述(クラス及び考えられる限界に関する記述は

附属書 参照)を含む適切

な組立,保守,及び安全な使用のための十分な指示。

b)

クラス 1M 及びクラス 2M レーザ製品に対しての追加警告。発散性ビームに対しては,距離 100 mm

以内で,ある種の光学器具(例えば,ルーペ,拡大鏡及び顕微鏡)を用いてレーザ出力を観察すると,

目に危険を及ぼす場合があるという警告を記述しなければならない。平行ビームに対しては,離れて

用いるために設計されたある種の光学器具(例えば,望遠鏡及び双眼鏡)を用いてレーザ出力を観察

すると,目に危険を及ぼす場合があるという警告を記述しなければならない。

c)

クラス 1 の AEL を超えるレーザ放射レベルに対し,運転中及び保守手順の実施中に保護きょう体から

放出されるあらゆる放射パターンについての記述。適用できる場合は,これには,次の適切な単位で


25

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

表す量を含まなければならない。

−  波長

−  ビーム広がり角

−  パルス持続時間及び繰返し周波数(又は不規則パルスパターンの記載)

−  最大パワー又はエネルギー出力

その値は,適用できる場合は,累積測定不確かさの大きさ及び製造後の時点での測定値に予測され

る増加分を含まなければならない。意図せずに生じたモード同期に起因するパルス持続時間は,規定

する必要はない。ただし,意図しないモード同期,すなわち,受動モード同期が生じる製品について

の出力パルス列の条件は,規定しなければならない。超短パルスに対しては,放射光の帯域幅(すな

わち,放射光の波長範囲)は規定しなければならない。

d) 

組込形レーザ製品及び他の内蔵されたレーザ製品に対して,内蔵されているレーザを記述する情報[c)

参照]

。また,その情報には,危険なレーザ放射による不慮の被ばくを避けるための,使用者に対する

適切な安全上の指示を含めなければならない。これは,クラス 1,クラス 1M,クラス 2 又はクラス

2M として分類される組込形レーザ製品で,保守中に対応するクラスの AEL を超える被ばく放出レベ

ルのビーム内観察状態が生じ得るような製品が特に関係する。

この場合,製造業者はレーザ装置のビーム内観察状態を防止しなければならないという警告を含め

なければならない。

e)

適用可能かつ関連する場合,

クラス 3B 及びクラス 4 レーザ製品に対して適用可能な MPE 及び NOHD

NOHD はビーム伝送システム及びビーム中に置かれる光学要素に大きく依存するので,これに関連す

ると考えられる場合は,異なる附属品又はビーム伝送システムに対する異なる NOHD 値を提示するこ

とが推奨される。

ビーム広がり角が可変の場合は,

ある選択されたビーム広がり角の値に対して NOHD

を提示することができる。MPE

及び

NOHD 値を記述する場合は,これらの値の決定に仮定した露光

持続時間も示さなければならない。平行ビームのクラス 1M 及びクラス 2M レーザについては,適用

可能かつ関連する場合は,拡張 NOHDENOHD)も記述しなければならない。

注記  屋内で用いられる平行ビームに対しては NOHD の特別な情報は通常要求されない。この場

合,MPE を超え得る距離限界を表示するだけで十分である。

f)

適合可能な場合,目の保護具の選定情報。これは,必要とされる光学濃度に加えて,目の保護具の表

面に入射する放射露光又は放射照度レベルも含まなければならない。その結果,耐力レベルが決定で

きる。

注記  多くの国は個人向け保護具に関する法規及び標準をもっている。これらの要求事項に対して

は,管轄機関に連絡を取るとよい。

g)

レーザ製品に貼付するか,又はレーザ製品に添付する全ての要求されたラベル及び危険警告表示の明

瞭なコピー(色は自由)の提供。製品に付けられる各ラベルの適切な位置を明示しなければならない。

又はラベルが製品には付けられないで製品と一緒に供給される場合には,このようなラベルを製品に

付けることができないが製品とともに供給する旨の記述,並びにそれらがどのような形式及び方法に

よって供給されているかの記述を提供しなければならない。

h)

クラス 1 の AEL を超えるレーザ放射が放出される全てのレーザ開口の位置の取扱説明書中への明示。

i)

運転及び保守のための制御,調整及び手順についてのリスト。ただし,次の警告文(又は替わりに,

適切な同等の警告)を含まなければならない。


26

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

注意−ここに規定した以外の手順による制御及び調整は, 

危険なレーザ放射の露光に結びつくことがある。 

j)

レーザ製品が,レーザ発生に必要なレーザエネルギー源を内蔵していない場合,安全が保証されるレ

ーザエネルギー源に適合する要求事項に関する記述。

6.2 

購入及びサービスのための情報 

レーザ製品の製造業者は,

次のものを提供するか,

又は提供を受けるようにしておかなければならない。

a)

カタログ,仕様書及びパンフレットの全てに,レーザ製品のクラス分け,及び該当する場合には,6.1 

b)

で要求する全ての警告。

b)

サービス業者,小売業者及びその他の要求する者に対し,サービス調整に対する十分な指示,及び次

の事項を含めた各レーザ製品モデルに対するサービス手順。

−  クラス 1 を超えるレーザ放射及びその他の危険(ハザード)を回避するため実施する明瞭な警告及

び注意書き。

−  製品の適合性を維持していくために必要な保守スケジュール。

−  製造業者又はその代理人以外の人によって用いることができる,放射の被ばく放出レベルを増加さ

せる制御方法及び手順のリスト。

表 4∼表 中の被ばく放出限界を超える放射被ばくを生じ得る保護きょう体の取り外しの可能な部

分の明瞭な記載。

−  サービスを行う者を保護するための手順。

−  要求されるラベル及び危険警告の明瞭なコピー(色は自由)

特定のレーザ製品に対する付加的な要件 

7.1 IEC 

60825

規格群のその他の部 

特別な用途に対しては,次の IEC 60825 規格群の一つ又はその他が適用可能である(参考文献も参照)

−  JIS C 6803  光ファイバ通信システムの安全(適用指針及び例を提供)

−  IEC 60825-4,レーザガード(レーザガードに対する設計及び構造,並びに特に高出力レーザを用いる

場合の材料情報を提供)

−  JIS C 6804  情報伝送のための光無線通信システムの安全

更なる情報は,次の中から見いだすことができる。

−  IEC/TR 60825-3

−  IEC/TR 60825-5(安全性の報告の用途に適合)

−  IEC/TR 60825-8

−  IEC/TR 60825-9(広帯域光源)

−  IEC/TR 60825-10:2002

−  IEC/TR 60825-13

−  IEC/TR 60825-14

−  IEC/62471 (CIE S009) 

7.2 

医用レーザ製品 

各医用レーザ製品は,そのクラスに適用する要求事項の全てに準拠しなければならない。加えて,クラ

ス 3B 又はクラス 4 医用レーザ製品は,IEC 60601-2-22 も適用する。


27

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

7.3 

レーザ加工機 

レーザ加工機は,それらのクラスのレーザ製品に対して適用する要求事項に準拠しなければならない。

加えて,レーザ加工機は ISO 11553-1 を適用してもよい。

7.4 

電気玩具 

レーザ製品である電気玩具は,それらのクラスのレーザ製品に対して適用する要求事項に準拠しなけれ

ばならない。加えて,これらの製品は IEC 62115 を参照する。

7.5 

消費者用電子製品 

レーザ製品である消費者用電子製品は,それらのクラスのレーザ製品に対して適用する要求事項に準拠

しなければならない。加えて,これらの製品には,次のいずれかの規格を適用してもよい。

−  IEC 60950(IT 機器)

−  IEC 60065(AV 機器)

クラス分け 

8.1 

序文 

レーザビームは,波長,エネルギー及びパルス特性に対して考え得る範囲が広いため,その使用によっ

て生じる潜在的な危険性は幅広く変化する。したがって,レーザを共通の安全限界が適用できる単一のグ

ループとしてみなすことはできない。

附属書 に,より詳細にクラスに付随する危険及びその限界(例え

ば,光学補助器具観察によって起こり得る)に関連した危険性を記載する。

8.2 

クラス分けに対する責任 

レーザ製品の正しいクラス分けを行うことは,製造業者又はその代理業者の責任である(4.1 も参照)

レーザ製品は,製造後のあらゆる時点で,動作能力の全範囲にわたって,被ばくし得るレーザ放射の出

力パワーと波長との組合せに基づいて,クラス分けしなければならない。この手続きによって,適切な最

大のクラスに割り当てる。

当該クラスに対するこの規格の全ての要求事項(例えば,技術的管理,ラベル表示,使用者への情報な

ど)を満たした場合にだけ,特定のクラスが与えられる。

8.3 

クラス分けの規則 

クラス分けの規則として,クラス 1,クラス 1M,クラス 2,クラス 2M,クラス 3R,クラス 3B 及びク

ラス 4 のクラス順位(危険性の増大順)を用いる。

注記  クラス 1M 又はクラス 2M レーザ製品のクラス分けにおいては,条件 3(表 11 参照)として規

定した開口絞りを用いることで,大きな直径又は高発散性をもつビームから集められる放射量

を制限する。例えば,適用条件下で測定したとき,クラス 1M 及びクラス 2M の製品が,クラ

ス 3R よりも高い全測定エネルギー又はパワーをもつことがある。

そのようなレーザ製品でも,

1M 又は 2M のクラス分けが適切である。

クラス 1 及びクラス 1M,クラス 2 及びクラス 2M,クラス 3R 並びにクラス 3B に対する被ばく放出限

界(AEL)を

表 4∼表 に規定する。用いる補正係数の値を,波長,放出持続時間,パルス数及び視角の

関数として

表 10 に規定する。

a)

単一波長の放射  AEL が一定となる十分狭い放出スペクトル範囲をもつ単一波長のレーザ製品は,そ

のクラスに適合した条件下で測定した被ばくレーザ放射量が,それより低い全ての下位クラスの AEL

を超えるが,割り当てられたクラスの AEL を超えない場合は,そのクラスに割り当てる。


28

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

b)

複数波長の放射

1)

表 に重畳的として規定する波長領域において,二つ以上の波長を放出するレーザ製品は,それぞ

れの波長における被ばくレーザ放射量(そのクラスに適合した条件下で測定する。

)の AEL に対す

る比率の合計が,全ての下位のクラスでは 1 よりも大きいが,割り当てられたクラスでは 1 を超え

ない場合は,そのクラスに割り当てる。

2)

表 に重畳的として規定していない二つ以上の波長を放出するレーザ製品は,そのクラスに適合し

た条件下で測定した被ばくレーザ放射量が,少なくとも一つの波長に対しては,全ての下位クラス

の AEL を超えるが,いずれの波長においても割り当てられたクラスの AEL を超えない場合は,そ

のクラスに割り当てる。

表 2−異なる波長領域の放射による目及び皮膚への作用の重畳性

波長領域

a)

UV-C 及び UV-B

180 nm∼315 nm

UV-A

315 nm∼400 nm

可視及び IR-A

400 nm∼1 400 nm

IR-B 及び IR-C

1 400 nm∼10

6

 nm

UV-C 及び UV-B

180 nm∼315 nm

O

S

UV-A

315 nm∼400 nm

 O

S

S

O

S

可視及び IR-A

400 nm∼1 400 nm

S

  O

b)

S 

S

IR-B 及び IR-C

1 400 nm∼10

6

 nm

 O

S

S

O

S

O  目 
S  皮膚 

a)

  波長領域の定義は,表 D.1 参照。

b)

  AEL 及び目の MPE は 1 秒以上の時間基準又は露光時間に対して評価する場合は,重畳的な光化学的

影響(400 nm∼600 nm)及び重畳的な熱的影響(400 nm∼1 400 nm)は独立して評価し,最も厳しい
値を用いなければならない。

c)

分散光源からの放射  400 nm∼1 400 nm の波長範囲のレーザ光源による目に対する危険性は,アパー

レント光源の視角 α に依存する。

注記 1  光源の視角が α

min

α

min

=1.5 mrad)よりも大きい場合,その光源は分散光源とみなす。ほ

とんどのレーザ光源は α

min

より小さい視角 α をもっており,ビーム内で観察される場合(ビ

ーム内観察)

,点状のアパーレント光源(小光源)として現れる。実際,円状レーザビー

ムが分散光源である場合,そのレーザビームを 1.5 mrad 以下の発散角に平行ビーム化する

ことはできない。このため,ビーム発散角が 1.5 mrad 以下と規定したレーザは分散光源と

して取り扱うことはできない。

注記 2  網膜の熱的障害の評価(400 nm∼1 400 nm)においては,分散光源の AEL は,直接,光源

の視角によって変化する。網膜の光化学的障害の評価(400 nm∼600 nm)においては,1

秒を超える露光に対して,AEL は光源の視角によって直接的には変化しない。ただし,測

定には放出持続時間[9.3.3 b) 1)参照]に依存して 11 mrad かそれ以上の限界受入れ角 γ

ph

を用い,

限界受入れ角 γ

ph

とアパーレント光源の視角 α との関係は測定値に影響を与え得る。

注記 3  初期設定値である C

6

=1 に対して,簡略化したクラス 1 及びクラス 1M の AEL 

表 に示

している。


29

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

α

min

以下の視角をもつ光源の場合,AEL 及び MPE は,アパーレント光源の視角 α に依存しない。条

件 1(

表 11 参照)を適用するレーザ製品を最も厳しい位置条件(9.3.3 参照)でクラス分けする場合は,

アパーレント光源の視角 α の 7 倍の値を,C

6

の決定(すなわち,C

6

=7×α/α

min

)に適用してもよい。

表式(7×α)の値は,C

6

の計算の前に最大で α

max

に制限する。

表 10 の T

2

の決定には,α の 7 倍値を

用いる。

注記 4  α<1.5 mrad であるが 7×α>1.5 mrad となる場合,表 及び表 の α>1.5 mrad に対する限

界値を適用する。

d)

網膜像の不均一強度分布並びに非円形光源及び複数光源  熱的網膜限界値との比較に関して,波長範

囲が 400 nm∼1 400 nm であり,かつ,AEL が C

6

に依存し,さらに,網膜像が均一な強度分布をもた

ない

1)

か,又は網膜像分布が複数の点から構成される場合,測定又は評価においては次の考えられる

条件で,それぞれに対して行う。

−  全ての単一点

−  様々な点の集まり

−  部分的な領域

これは,上記のそれぞれの条件に対して決定される可能な全ての視角 α に対して,AEL を上回らな

いということを保証するために必要である。点の集まり又は部分的な領域の評価に対して,それぞれ

の条件に関連する部分的な被ばく放出を決定するために,受入れ角 γ は α

min

と α

max

との間,すなわち,

α

min

γα

max

で変えなければならない。これらの部分的な被ばく放出レベルをそれぞれの AEL と比較

するため,α は γ に等しくなるように設定する。

1)

  網膜上の放射強度分布形状がガウス分布の場合(例:TEM

00

ビームで生成される場合)

,視角

は d

63

直径の条件で決定されるので,部分領域ごとの解析は不要である。

クラス分けは,当該領域の視角 α の範囲にある部分的領域内の部分的被ばく放出と,それに対応す

る AEL との間の比率が最大となる場合に基づき,行う。

方形又は線状光源の視角は,光源の縦及び横の二つの視角の算術平均で決定する。α

max

より大きい

又は α

min

より小さい角度は,平均値を算出する前に,それぞれを α

max

又は α

min

とおく。光化学的限界

(400 nm∼600 nm)は,光源の視角に依存しない。光源は 9.3.3 b)に規定する限界受入れ角で測定する。

限界受入れ角より大きい光源に対する被ばく放出は,最大の放射値を与えるアパーレント光源の対象

となる部分によって決定しなければならない。

e)

時間基準  この規格では,次の時間基準をクラス分けに用いる。

1)

クラス 2,クラス 2M 及び波長範囲 400 nm∼700 nm のクラス 3R のレーザ放射に対しては,0.25 秒。

2)  1)

及び 3)の場合を除くレーザ放射のうち,400 nm を超える波長に対しては,100 秒。

3) 400

nm 以下の波長のレーザ放射,及びレーザ製品の設計上又は機能上から長時間にわたる意図的な

観察が見込まれる 400 nm を超える波長のレーザ放射に対しては,30 000 秒。

製品のクラス分けを決定する場合には,時間基準内で取り得る全ての放出持続時間を考慮しなけれ

ばならない。例えば,単一パルスの放射量は,そのパルスの時間幅に適用可能な AEL と比較しなけれ

ばならない。クラス分けの時間基準に対応する継続時間内で放射量の平均をとるだけ,又は,より短

い放出持続時間を考慮することなく,単に時間基準の値に対する評価を実行するだけでは十分ではな

い。

注記  放射が重畳的(表 参照)と評価され,それ自身の可視成分がクラス 2,クラス 2M 又はク

ラス 3R と分類され,かつ,非可視成分がクラス 1 又はクラス 1M と分類される場合,可視及


30

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

び非可視の放射スペクトル成分をもつ多波長放射レーザ製品に対して,重畳された放射を評

価する時間基準は非可視成分に対しても 0.25 秒でよい。

f)

繰返しパルスレーザ及び変調レーザ  繰返しパルス放射又は変調された放射に適用されるレーザ製品

のクラス分けを決定するために,次の方法を用いなければならない。

全ての波長に対する要求事項として,1)及び 2)を評価する。加えて,400 nm から 10

6

 nm の波長に

対して,要求事項 3)を熱的限界値の比較のために評価する。要求事項 3)は,光化学的限界の比較のた

めに評価する必要はない。

クラス分け(

表 4∼表 参照)は,1)2)及び状況に応じて 3)も含めた中で,最も厳しいものを用い

て決定する。

1)

パルス列内のどの単一パルスからの露光も,単一パルスに対する AEL を超えてはならない。

2)

放出持続時間 のパルス列の平均パワーAEL

T

は,放出持続時間 に対する単一パルスの AEL に対

応するパワーを超えてはならない。

注記  AEL

single

又は AEL

 s. p. train

との比較のために,AEL

T

は で除し,AEL

 s. p. T

と表記する(B.2 

注記 参照)。

3)

繰返しパルス及び変調パルスの熱的限界値の評価

3.1)

パルスエネルギー及びパルス持続時間が変化しない場合  パルス当たりのエネルギーは,補正係

数 C

5

を乗じた単一パルスに対する AEL を超えてはならない。ただし,C

5

の補正は,個々のパル

スの持続時間が 0.25 秒未満の場合だけに適用する。

AEL

s. p. train

AEL

single

×C

5

ここに,  AEL

s. p. train

パルス列中の任意の単一パルスに対する AEL

AEL

single

単一パルスに対する AEL

表 4∼表 参照)

C

5

N

0.25

N: 評価する放出持続時間内のパルス列に含まれる実

効的なパルス数である[複数のパルスが T

i

時間(

3

参照)内に現れるとき,は実際のパルス数より

少なくなる。次を参照。

。400 nm∼1 400 nm の波

長に対する評価では,考慮の必要な最大の放出持
続時間は,T

2

表 10 参照)又は適用する時間基準

のうち,いずれか短い方である。1 400 nm より大
きい波長に対して,考慮する最大持続時間は 10 秒
である。

複数のパルスが T

i

時間(

表 参照)内に現れる場合には,それらのパルス群を単一パルスとみ

なして を決定する。また,個々のパルスのエネルギーは,加算して T

i

の AEL と比較する。

所定の時間内に放出されたパルス列グループ(又はパルス列中のサブパルス列グループ)から

のエネルギーは,その時間に対する AEL を超えてはならない。


31

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

表 3−単一パルスとみなすパルス群の時間幅 T

i

波長

λ(nm) 

T

i

(s)

 400≦λ<1 050

18×10

6

1 050≦λ<1 400

50×10

6

1 400≦λ<1 500

10

3

1 500≦λ<1 800

10

1 800≦λ<2 600

10

3

2 600≦λ≦10

6

 10

7

3.2)

パルス持続時間又はパルス間隔が変化する場合  トータルオンタイムパルス(TOTP)方式を用い

る。AEL は,TOTP 持続時間によって決定する。ここで,TOTP 持続時間は,放出持続時間又は時

間 T

2

のいずれか小さい時間内の全てのパルス持続時間の合計である。T

i

よりも短いパルス持続時

間をもつパルスには,パルス持続時間 T

i

を割り当てる。二つ以上のパルスが持続時間 T

i

内で生じ

る場合,これらのパルス群にはパルス持続時間 T

i

を割り当てる。対応する持続時間に対する AEL

と比較するために,個々のパルスエネルギーの全てを加算する。

被ばく放出レベルの決定 

9.1 

試験 

試験は,測定過程における全ての誤差及び統計学上の不確かさ(IEC 61040 参照)

,並びに経時的な放射

光の増加及び放射安全性の低下を考慮しなければならない。使用者の特別な要求によって,追加試験が課

せられる場合がある。

運転中の試験が製品のクラス分けを決定するために用いられなければならない。運転,保守及びサービ

ス中の試験もまた,セーフティインタロック,ラベル及び使用者への情報に関する要求事項を決定するた

めに適切に用いなければならない。上記の試験は,合理的に予見できる個々のそして全ての単一故障条件

で実施しなければならない。ただし,人体への被ばくが発生することが合理的に予測できない時間内に,

自動減衰によって AEL 以下のレベルに放射が減衰する場合,このような故障は考慮する必要はない。

注記 1  自動減衰は,部品又はシステムの故障による放射を安全な状態へ物理的に制限することを含

む。手動による放出の減衰又は遮断は含まない。

注記 2  例えば,走査に対する安全防御は,故障状態の間に,AEL を超える放射を抑制するほど十分

速く応答しない。ただし,これは,人への露光がありそうもない製品に対しては許容するこ

とができる。

注記 3  故障に関する確率及びリスクを解析する受入れ可能な方法には FMEA(故障モード及び影響

分析)などがある(例えば,IEC 61508 を参照。

。確率の解析は“合理的に予見可能な単一

故障条件”を決定するときの補助として用いることができる。

注記 4  クラス分けは運転中において決定する。保守時の制限事項は当該製品のクラスに依存する。

クラス 4 と同等のエネルギーレベルへの人体の被ばく状態を防ぐ保護きょう体の適合性評価を行う場合,

合理的に予見可能な全てのビーム方向の変化に対する単一故障を考慮しなければならない。解析では,単

一故障が保護きょう体を劣化又は破壊するのに十分なエネルギーをもたらすかどうかを含まなければなら

ない。例えば,運転中又は単一故障条件下において,ロボット若しくはその他のビーム操作機構を導入す

ること,又は光学部品若しくは加工品を用いることによって,エネルギーが保護きょう体の表面に向けら


32

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

れる場合は,次のいずれか一つを実施しなければならない。

−  技術的手段によって単一故障を排除する。

−  保護きょう体には,危険なレーザエネルギーの露光に対し,劣化のない十分な防御特性をもち,レー

ザエネルギーに耐える材料を用いる。

−  保護きょう体の劣化が起こる前に故障を検知し,レーザ放射が透過することを防ぐ。

IEC 60825-4

に規定する,30 000 秒未満の保護きょう体の評価時間は,製品のクラス分けに対して適用

しない。

注記 5  これは,クラス分けは人が介入しないという前提で考慮しなければならないためであり(4.2.1

参照)

,そのため使用者による保護きょう体の検査は考慮していない。

注記 6  人による検査又は人の介入を考慮した保護きょう体の評価は,安全レベルを確立するため,

又は合理的に予見不可能な故障事象若しくは複数の故障事象から生じる保護きょう体の潜在

的な劣化の検知のため,製品のクラス分けとは独立して用いることができる。

この細分箇条に規定する試験又は手順と同等の試験又は手順は,受け入れられる。

光増幅器は,最大定格入力パワー又はエネルギーを含めた,被ばくし得る最大の全出力パワー又はエネ

ルギーを用いてクラス分けしなければならない。

注記 7  出力パワー又はエネルギーの明確な限界がない場合には,光増幅器によって加えられる最大

の増幅パワー又は増幅エネルギーと,それを得るために必要な入力信号パワー又はエネルギ

ーとの合計を用いるのがよい。

9.2 

レーザ放射の測定 

レーザ放射レベルの測定は,9.1 に従ってレーザ製品をクラス分けするために必要である。レーザ光源の

物理的な特性及び制限によって,レーザ製品又はレーザの搭載が明確に特定のクラスに指定される場合,

測定は不要である。測定は,次の条件及び手順で実施しなければならない。

a)

レーザ製品の始動時,安定放出時及び運転停止時を含めた,被ばく放出レベルを最大にする条件及び

手順で行う。

b)

運転,保守及びサービスの各指示書に記載された全ての制御及び設定が,最大の被ばく放出レベルと

なる組合せに調整されている状態で行う。測定では,放射光の危険性を増大させるおそれのある附属

品(例えば,平行ビームを作る光学系)であって,製品とともに用いるために製造業者によって供給

又は提供されたものも用いなければならない。

注記  以上は,工具の使用又はインタロックの解除を行わずに達成することが可能な製品のあらゆ

る構成を含めており,運転説明書及び保守指示書が警告している構成及び設定も含む。例え

ば,レーザビームの光路内の光学フィルタ,拡散板又はレンズのような光学部品を,工具を

用いないで取り外すことができる場合は,最大の危険レベルになる構成で製品の試験を行う。

光学部品を取り外さないようにという製造業者の指示は,より低いクラスへのクラス分けを

正当化できない。クラス分けは製品の工学的設計に基づいており,ユーザの適切な行動に基

づくものとすることはできない。

c)

エネルギー供給源をもっていないレーザ製品に対しては,レーザ製品の製造業者によって適合性があ

ると指定され,かつ,その製品から最大の被ばく放射量を発生するタイプのレーザエネルギー源にレ

ーザ製品を結合した状態で行う。

d)

被ばく放出レベルの測定は,運転中に人体への被ばくが予測できる全ての位置で行う(例えば,運転

が,保護きょう体の一部の取外し及びセーフティインタロックの解除を要求する場合,測定はその製


33

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

品構成において被ばく可能な位置で実施しなければならない。

e)

測定装置の検出器は,その装置で最大のエネルギーが検出できるように,レーザ製品に対する位置決

め及び向きの調整をしなければならない。

f)

測定に与える副次放射の影響を防止又は取り除くように,適切な準備を行わなければならない。

g)

クラス 1 及びクラス 1M

クラス 1 は,180 nm∼1 mm の波長範囲に対して適用される。クラス 1M は 302.5 nm∼4 000 nm の波

長範囲に対して適用する。条件 1,条件 2 及び条件 3 の条件下で被ばく放出量を決定するためには

11

を参照する。

302.5 nm 未満及び 4 000 nm を超える波長の場合,被ばく放出量が条件 3 においてクラス 1 の AEL

以下のとき,レーザ製品はクラス 1 に割り当てる。

302.5 nm∼4 000 nm の波長の場合は,次による。

−  被ばく放出量が条件 1,条件 2 及び条件 3 においてクラス 1 の AEL 以下のとき,レーザ製品はクラ

ス 1 に割り当てる。

−  被ばく放出量が条件 1 又は条件 2 に対してクラス 1 の AEL より大きく,条件 1 及び条件 2 に対して

クラス 3B の AEL より小さく,かつ,条件 3 に対してクラス 1 の AEL 以下のとき,このレーザ製品

はクラス 1M に割り当てる。

注記 1  通常,クラス 1M 製品の被ばく放出量は,条件 1 又は条件 2 のいずれか一方がクラス 1

の AEL を超える。ただし,被ばく放出量が条件 1 及び条件 2 の両方に対してクラス 1 の

AEL を超える場合でも,クラス 1M にクラス分けされることがある。

注記 2  クラス 3B の AEL を確認する理由は,光学器具を通過する最大パワーを制限するためで

ある。

人体への被ばくが可能な最も近い点に直径 3.5 mm の開口を置き,それを用いて決定された被ばく

放出量が,

表 に規定するクラス 3B の AEL を超える場合は,潜在的な皮膚障害に関する追加的な警

告を与える(5.2 参照)

注記 3  高発散性ビームをもつクラス 1M 製品では,光源に近い位置又は光源との接点(例えば,

光ファイバの端面)において,皮膚障害を引き起こすおそれのある十分高い放射照度レ

ベルを発生する可能性がある。

h)

クラス 2 及びクラス 2M

クラス 2 及びクラス 2M は 400 nm∼700 nm の波長範囲に対して適用する。条件 1,条件 2 及び条件

3 の条件下で被ばく放出量を決定するためには表 11 を参照する。

被ばく放出量が,クラス 1 及びクラス 1M に対して要求される限界値[g)参照]を超え,かつ,条

件 1,条件 2 及び条件 3 においてクラス 2 の AEL 以下のとき,レーザ製品はクラス 2 に割り当てる。

被ばく放出量が,クラス 1 及びクラス 1M に対して要求される限界値[g)参照]を超え,条件 1 又

は条件 2 においてクラス 2 の AEL より大きく,条件 1 及び条件 2 においてクラス 3B の AEL より小さ

く,かつ,条件 3 においてクラス 2 の AEL 以下のとき,レーザ製品はクラス 2M に割り当てる。

注記 1  クラス 3B の AEL を確認する理由は,光学器具を通過する最大パワーを制限するためで

あり,発散性光源に近い位置又は光源との接点において,皮膚障害を引き起こすおそれ

のある十分高い放射照度レベルをあらかじめ排除するためである。

注記 2  通常,クラス 2M 製品の被ばく放出量は,条件 1 又は条件 2 のいずれか一方がクラス 2

の AEL を超える。ただし,被ばく放出量が条件 1 及び条件 2 の両方に対してクラス 2 の


34

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

AEL を超える場合でも,クラス 2M にクラス分けされることがある。

人体への被ばくが可能な最も近い点に直径 3.5 mm の開口を置き,それを用いて決定された被ばく

放出量が,

表 に規定するクラス 3B の AEL を超える場合は,潜在的な皮膚障害に関する追加的な警

告を与える(5.5 参照)

注記 3  高発散性ビームをもつクラス 2M 製品では,光源に近い位置又は光源との接点(例えば,

光ファイバの端面)において,皮膚障害を引き起こすおそれのある十分高い放射照度レ

ベルを発生する可能性がある。

i)

クラス 3R 及びクラス 3B

条件 1,条件 2 及び条件 3 の条件下において,9.3 に従って決定された被ばく放出量がクラス 3R 又

はクラス 3B の AEL 以下の場合,レーザ製品はそれぞれ,クラス 3R 又はクラス 3B に割り当てる。8.3

の第 1 段落にある

注記も参照する。

j)

クラス 4

条件 1,条件 2 又は条件 3 のいずれかの条件下において,9.3 に従って決定された被ばく放出量がク

ラス 3B に対する AEL を超える場合,レーザ製品はクラス 4 に割り当てる。


表 4−クラス 及びクラス 1M レーザ製品に対する被ばく放出限界[C

6

1

a)

b)

の場合]

放出持続時間 t(s)

波長

λ(nm)

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

10

7

10

7

1.8×10

5

1.8×10

5

5×10

5

5×10

5

1×10

3

1×10

3

0.35

0.35

∼ 
10

10 

10

2

10

2

10

3

10

3

3×10

4

180∼302.5

3×10

10

 W·m

2

 30

J·m

2

302.5∼315

光化学的障害

7.9×10

7

C

2

 J

熱的障害

tT

1

tT

1

7.9×10

7

C

1

 J

7.9×10

7

C

2

 J

315∼400

2.4×10

4

 W

7.9×10

7

C

1

 J

7.9×10

3

 J

7.9×10

6

 W

400∼450

3.9×10

3

 J

450∼500

3.9×10

3

C

3

 J

及び

c)

3.9×10

4

 W

3.9×10

5

C

3

 W

500∼700

5.8×10

9

 J

1.0 

0.75

 J

2×10

−7

 J

7×10

4

0.75

 J

3.9×10

4

 W

700∼1 050

5.8×10

9

C

4

 J

1.0t

0.75

 C

4

J

2×10

7

C

4

 J

7×10

4

0.75

 C

4

 J

1 050∼1 400

5.8×10

8

C

7

 J  10.4t

0.75

C

7

J

2×10

6

 C

7

 J

3.5×10

3

0.75

 C

7

 J

3.9×10

4

C

4

C

7

 W

1 400∼1 500

8×10

5

 W

8×10

4

 J

4.4×10

3

0.25

J

10

2

J

1 500∼1 800

8×10

6

 W

8×10

3

 J

1.8×10

2

0.75

 J

1 800∼2 600

8×10

5

 W

8×10

4

 J

4.4×10

3

0.25

 J

2 600∼4 000

8×10

4

 W

8×10

5

 J

4.4×10

3

0.25

 J

10

2

J

1.0×10

2

 W

4 000∼10

6

 10

11

 W·m

2

 100

J·m

2

5 600t

0.25

 J·m

2

 1

000

W·m

2

注記  測定条件 1 及び測定条件 2 を満たすことによってクラス 1 にクラス分けするための要求条件を満たすとされたレーザ製品であっても,7 倍より大きい倍率又は表

11

に規定する直径より大きい対物レンズ直径をもつ観察用光学器具を用いる場合,障害を引き起こす可能性がある。

a)

  補正係数及び単位については,表 10 を参照。

b)

 10

13

秒より短い放出持続時間の AEL は,10

13

秒での AEL のパワー又は放射照度の値と等しい。

c)

 450

nm∼500 nm の波長範囲において,2 種類の AEL を適用するが,製品の放射量は,割り当てられるクラスに適用するいずれの AEL も超えてはならない。

35

C

 6802


0000 (IE

C

 60825-1


2007)

35

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825-1


2007)


表 5400 nm1 400 nm の波長範囲(網膜障害領域)にあるクラス 及びクラス 1M レーザ製品に対する被ばく放出限界:分散光源の場合

a)

b)

c)

d)

e) 

放出持続時間 t(s)

波長

λ(nm) 

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

1.8×10

5

1.8×10

5

5×10

5

5×10

5

∼ 
10

10 

10

2

10

2

10

4

10

4

3×10

4

400 nm∼600 nm−光化学的網膜障害

d)

3.9×10

3

C

3

 J

γ

ph

=11 mrad を

使用

3.9×10

5

C

3

 W

γ

ph

=1.1t

0.5

 mrad を

使用

3.9×10

5

C

3

 W

γ

ph

=110 mrad を

使用

及び

c)

400 nm∼700 nm−熱的網膜障害

400∼700 5.8×10

9

C

6

 J

1.0 

0.75

 C

6

 J

2×10

7

C

6

 J

7×10

4

0.75

C

6

 J

7×10

4

C

6

T

2

0.25

 W

tT

2

)                                         (tT

2

7×10

4

 t

0.75

C

6

 J

700∼1 050

5.8×10

9

C

4

C

6

 J

1.0t

0.75

 C

4

C

6

J

2×10

7

C

4

 C

6

J

7×10

4

0.75

 C

4

C

6

 J

1 050∼1 400

5.8×10

8

C

6

C

7

 J

10.4t

0.75

 C

6

C

7

J

2×10

6

C

6

 C

7

 J

3.5×10

3

0.75

 C

6

C

7

 J

7×10

4

C

4

C

6

C

7

T

2

0.25

 W

tT

2

)                                                        (tT

2

7×10

4

 t

0.75

C

4

C

6

C

7

 J

注記  測定条件 1 及び測定条件 2 を満たすことによってクラス 1 にクラス分けするための要求条件を満たすとされたレーザ製品であっても,7 倍より大きい倍率又は表

11

に規定する直径より大きい対物レンズ直径をもつ観察用光学器具を用いる場合,障害を引き起こす可能性がある。

a)

  補正係数及び単位については,表 10 を参照。

b)

 10

13

秒より短い放出持続時間の AEL は,10

13

秒での AEL のパワー又は放射照度の値と等しい。

c)

 400

nm∼600 nm の波長範囲において,2 種類の AEL を適用するが,製品の放射量は,割り当てられるクラスに適用するいずれの AEL も超えてはならない。

d)

  角度 γ

ph

は,測定装置の限界受入れ角である。

e)

  1 秒∼10 秒の露光時間を用いる場合,400 nm∼484 nm の波長範囲で,1.5 mrad∼82 mrad の大きさのアパーレント光源に対して,3.9×10

3

 C

3

 J の光化学的障害限

界が 1 秒まで短時間側に拡張される。

36

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825-1


2007)

36

C

 6802


0000 (IE

C

 60825-1


2007)


表 6−クラス 及びクラス 2M レーザ製品に対する被ばく放出限界

波長  λ(nm)

放出持続時間  t(s)

クラス 2 の AEL

400∼700

t<0.25 
t≧0.25

クラス 1 の AEL と同じ

C

6

×10

3

 W

 a)

注記  測定条件 1 及び測定条件 2 を満たすことによってクラス 2 にクラス分けするための要求条件

を満たすとされたレーザ製品であっても,7 倍より大きい倍率又は

表 11 に規定する直径より

大きい対物レンズ直径をもつ観察用光学器具を用いる場合,障害を引き起こす可能性がある。

a)

  補正係数及び単位については,表 10 を参照。

37

C

 6802


0000 (IE

C

 60825-1


2007)

37

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825-1


2007)


表 7−クラス 3R レーザ製品に対する被ばく放出限界[C

6

1

a)

b)

c)

の場合]

放出持続時間 t(s)

波長

λ(nm)

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

10

7

10

7

1.8×10

5

1.8×10

5

5×10

5

5×10

5

1×10

3

1×10

3

0.35

0.35

∼ 
10

10 

10

3

10

3

3×10

4

180∼302.5

1.5×10

11

 W·m

2

 150

J·m

2

302.5∼315

光化学的障害

4.0×10

6

C

2

 J

tT

1

c)

熱的障害 
4×10

6

C

1

 J

tT

1

c)

4.0×10

6

C

2

 J

315∼400

1.2×10

5

 W

4.0×10

6

C

1

 J

4.0×10

2

 J

4.0×10

5

 W

400∼700 2.9×10

8

 J

5.0t

0.75

 J

1×10

6

 J

5.0×10

3

W

t≧0.25 s)

t<0.25 s) 
3.5×10

3

0.75

 J

5.0×10

3

 W

700∼1 050

2.9×10

8

C

4

 J 5.0t

0.75

C

4

 J

1×10

−6

C

4

 J 3.5×10

3

t

0.75

C

4

 J

1 050∼1 400

2.9×10

7

C

7

 J 

52t

0.75

C

7

J

1×10

−5

C

7

 J 

1.8×10

2

t

0.75

C

7

 J

2.0×10

3

C

4

C

7

 W

1 400∼1 500

4×10

6

 W

4×10

−3

 J 

2.2×10

2

t

0.25

J

5×10

2

J

1 500∼1 800

4×10

7

 W

4×10

−2

 J 

9×10

2

t

0.75

 J

1 800∼2 600

4×10

6

 W

4×10

−3

 J

2.2×10

2

0.25

 J

2 600∼4 000

4×10

5

 W

4×10

−4

 J

2.2×10

2

0.25

 J

5×10

2

t

 

J

5.0×10

2

 W

4 000∼10

6

5×10

11

 W·m

2

 500

J·m

2

2.8×10

4

0.25

 J·m

2

 5

000

W·m

2

a)

  補正係数及び単位については,表 10 を参照。

b)

 10

13

秒より短い放出持続時間の AEL は,10

13

秒での AEL のパワー又は放射照度の値と等しい。

c)

  繰返しパルス紫外レーザに対してはいずれの限界値も超えないほうがよい。

38

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825-1


2007)

38

C

 6802


0000 (IE

C

 60825-1


2007)


表 8400 nm1 400 nm の波長範囲(網膜障害領域)にあるクラス 3R レーザ製品に対する被ばく放出限界:分散光源

 a)

b) 

放出持続時間 t(s)

波長

λ(nm)

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

10

7

10

7

1.8×10

5

1.8×10

5

5×10

5

5×10

5

1×10

3

1×10

3

0.35

0.35

∼ 
10

10 

10

3

10

3

3×10

4

400∼700 2.9×10

8

C

6

 J

5.0t

0.75

C

6

 J

1×10

6

C

6

 J

5.0×10

3

C

6

 W

t≧0.25 s)

t<0.25 s) 
3.5×10

3

0.75

C

6

 J

5.0×10

3

C

6

 W

700∼1 050

2.9×10

8

C

4

C

6

 J 5.0t

0.75

C

4

C

6

 J

1×10

6

C

4

 C

6

 J 3.5×10

3

t

0.75

C

4

C

6

 J 3.5×10

3

C

4

C

6

C

7

T

2

0.25

 W

tT

2

tT

2

3.5×10

3

 t

0.75

C

4

C

6

C

7

 J

1 050∼1 400

2.9×10

7

C

6

C

7

 J 

52t

0.75

C

6

C

7

 J

1×10

5

C

6

C

7

 J 

1.8×10

2

t

0.75

C

6

C

7

 J

5.0×10

2

 C

6

 W

a)

  補正係数及び単位については,表 10 を参照。

b)

 10

13

秒より短い放出持続時間の AEL は,10

13

秒での AEL のパワー又は放射照度の値と等しい。

39

C

 6802


0000 (IE

C

 60825-1


2007)

39

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825-1


2007)


40

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

表 9−クラス 3B レーザ製品に対する被ばく放出限界(AEL

放出持続時間  t(s)

波長

λ(nm)

<10

9

 10

9

∼0.25 0.25∼3×10

4

 180

∼ 302.5

3.8 ×10

5

 W

3.8×10

4

 J

1.5×10

3

 W

 302.5

∼ 315

1.25 ×10

4

C

2

 W

1.25×10

5

C

2

 J

5×10

5

C

2

 W

 315

∼ 400

1.25 ×10

8

 W

0.125 J

0.5 W

 400

∼ 700

3 ×10

7

 W

t<0.06 s に対して,0.03 J 
t≧0.06 s に対して,0.5 W

0.5 W

 700

∼ 1 050

3 ×10

7

C

4

 W

t<0.06 C

4

 s に対して,0.03C

4

 J

t≧0.06 C

4

 s に対して,0.5 W

0.5 W

 1

050

∼ 1 400

1.5 ×10

8

 W

0.15 J

0.5 W

 1

400

∼ 10

6

  1.25

×10

8

 W

0.125 J

0.5 W

補正係数及び単位については,

表 10 を参照。

表 4∼表 における補正係数 C

1

C

7

,並びに折点 T

1

及び T

2

は次の式で定義される(

表 10 参照)。


41

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

表 10AEL 及び MPE 評価に対する補正係数及び折点

パラメータ

波長範囲  (nm)

C

1

=5.6×10

3

0.25

 180∼400

T

1

=10

0.8(λ

295)

×10

15

s 302.5∼315

C

2

=30 

180∼302.5

C

2

=10

0.2(λ

295)

 302.5∼315

T

2

=10×10

[(α

α

min

)/98.5]

 s

400∼1 400

T

2

=10 s(α<1.5 mrad の場合) 

400∼1 400

T

2

=100 s(α>100 mrad の場合) 

400∼1 400

C

3

=1.0 400∼450

C

3

=10

0.02(λ

450)

 450∼600

C

4

=10

0.002(λ

700)

 700∼1 050

C

4

=5 1

050∼1 400

C

5

N

1/4 a)

 400∼10

6

C

6

=1 

180∼400 及び

1 400∼10

6

C

6

=1(αα

min

の場合)

b)

 400∼1 400

C

6

α/α

min

α

min

αα

max

の場合)

b)

 400∼1 400

C

6

α

max

/α

min

=66.7(αα

max

の場合)

b)

c)

 400∼1 400

C

7

=1 700∼1 150

C

7

=10

0.018(λ

1 150)

 1

150∼1 200

C

7

=8 1

200∼1 400

α

min

=1.5 mrad

α

max

=100 mrad

は,適用持続時間内に含まれるパルスの数である[8.3 f)及び A.3 参照]。 
注記 1 400

nm 未満の波長及び 1 400 nm を超える波長に対して,10

9

秒未満の

露光の影響に関しては限られた証拠しかない。これらの放出持続時間及

び波長の AEL は,400 nm 未満の波長及び 1 400 nm を超える波長におい
て 10

9

秒に適用された放射パワー又は放射露光に基づいて,それと等価

的な放射パワー又は放射照度を計算することによって導出されている。

注記 2  開口絞りは表 11,限界開口は表 A.4 を参照。 
注記 3  表 4∼表 10 では,波長は nm(ナノメートル),放出持続時間 は s(秒),

α は mrad(ミリラジアン)で表している。

注記 4  表 4∼表 の境界時間(例えば,10 s)にある放出持続時間の場合,小さ

い限界値を用いる。数学記号“<”はより小さい又は等しい場合とする。

a)

  C

5

は,0.25 秒より短いパルス持続時間だけに適用できる。

b)

  C

6

は,

パルスレーザ及び熱的網膜障害の場合の CW レーザだけに適用する。

c)

  最大の限界受入れ角 γ

th

は α

max

と等しくなければならない[8.3 d)を参照]

 

9.3 

測定光学系 

9.3.1 

一般事項 

三つの測定条件を被ばく放出量を決定するために規定する。条件 1 及び条件 2 は,光学器具を用いて観

察することによって,危険が増大する可能性のある波長に対して適用する。条件 1 は望遠鏡及び双眼鏡を

用いることによって危険が増大する可能性のある平行ビームに対して適用することを意図しており,条件

2 は顕微鏡,携帯用拡大鏡及びルーペを用いることによって危険が増大する可能性のある高発散性の出力

に対して適用することを意図している。条件 3 は裸眼に対して適用する。走査レーザ放射のパワー及びエ

ネルギーの測定には,条件 3 を用いなければならない。


42

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

適用可能な最も厳しい測定条件を適用しなければならない。最も厳しい条件が明らかでない場合には,

適用可能な全ての条件で評価しなければならない。

二つの評価方式を次に規定する。

a)

簡略化した(既定)評価法であり,通常容易に特定できる測定基準点に対して

表 11 に規定する測定距

離でクラス分けのための試験を行う。この簡略化した評価法では,アパーレント光源の視角を決定す

る必要はなく,C

6

表 10 参照)は 1 とする。

b) 400

nm∼1 400 nm の網膜障害領域の波長をもつ放射に対して,分散光源のために 1 よりも大きな C

6

の値によって AEL が大きくなる場合は,ビームの中の最も厳しい位置で製品のクラスを評価する(す

なわち,被ばく放出量を対応する AEL と比較する。

)ことが必要である。この 2 番目の方法は上記 a)

の既定評価法より複雑であるが,分散光源に対して,より大きい被ばく放出量を許容することができ

る。

注記 1  最も厳しい位置は多くの場合,基本的な評価に対して用いられる測定基準点から 100 mm

の距離ではなく,もっと遠くにある。測定基準点から 100 mm の距離でアパーレント光源

の視角を決定すると,これらの場合,最も厳しい位置で決定された AEL より大きい AEL

になる。

簡略化した(既定)評価法によって希望のクラス分けになる場合には,実際の光源が分散光源であり,

実際の補正係数 C

6

が 1 より大きく,最も厳しい位置が

表 11 に規定する位置とは違っていても,分散光源

に対する複雑な評価を行う必要はない(9.3.2 参照)

注記 2  光源がむき出しのレーザダイオード又は十分平行なレーザビームである場合,通常,簡略化

した(既定)評価法は適切である。すなわち,9.3.3 に規定する分散光源方法と等価な結果と

なる。

9.3.2 

既定(簡略化した)評価法 

次のいずれかの場合,

表 11 の,簡略化した既定距離を適用する。

− 400

nm 未満又は 1 400 nm を超える波長をもつ光源の場合。

−  係数 C

6

を 1 とする場合。

−  測定受入れ角で制限されることなく(すなわち,測定受入れ角が少なくともアパーレント光源の視角

と同程度の大きさでなければならない)

,かつ,100  秒以上の時間基準値に対する光化学的網膜限界の

場合。

−  光化学的網膜限界又は C

6

に依存しない熱的網膜限界のいずれも該当しないその他の限界(例えば,ク

ラス 3B の AEL が相当。

)の場合。

表 11 に既定する距離は,表 12 に既定する測定基準点からの距離として定義する。


43

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

表 11−既定(簡略化した)評価法における測定開口の直径及び測定距離

条件 1

(望遠鏡,双眼鏡などに
よって危険性が増大する

よ う な 平 行 ビ ー ム に 適
用)

条件 2

(拡大鏡,顕微鏡などに
よって危険性が増大す

るような発散性ビーム
に適用)

条件 3

(裸眼及び走査ビームに対する放
射量の決定に適用)

波長

nm

開口絞り

mm

距離

mm

開口絞り

mm

距離

mm

開口絞り/限界開口

mm

距離

mm

  302.5 未満

− 1  0

302.5 以上  400 未満 25

2

000

7

70

1

100

400 以上  1 400 未満 50

2

000

7

70

7

100

1 400 以上  4 000 未満

7×条件 3 2

000

7

70  t≦0.35 s に対して,1

0.35 s<t<10 s に対し
て,1.5

3/8

t≧10 s に対して,3.5 
は放出持続時間)

100

4 000 以上  10

5

未満

t≦0.35 s に対して,1 
0.35 s<t<10 s に対し
て,1.5

3/8

t≧10 s に対して,3.5 
は放出持続時間)

0

10

5

以上  10

6

以下

− 11  0

注記  “条件 1,条件 2 及び条件 3”の括弧内の記述は単なる情報として典型的な場合を述べているだけであり,

その他の例を除外するものではない。

表 12−測定基準点 

製品のタイプ

測定基準点

半導体発光体(LED,半導体レーザ,スーパールミネ
ッセントダイオード)

発光体先端の物理的な位置

走査形出力光(走査形線状レーザを含む。

走査の頂点(走査ビームのピボット点)

線状レーザ

線状レーザの集光点(ファン角の頂点)

ファイバ出力

ファイバ先端

完全拡散光源

拡散板の表面

その他

ビームウエスト

注記  測定基準点が保護きょう体の内側(すなわち,測定基準点に近づけない所)にあって,最近接被ばく点

表 11 で規定する測定距離より遠くにある場合,測定は最近接被ばく点で行わなければならない。

9.3.3

分散光源に対する評価条件 

網膜障害範囲の波長(400 nm∼1 400 nm)に対して,被ばく放出量及びクラス分けのための AEL は,次

のいずれかの場合,最も厳しい位置で決定しなければならない。

−  1 より大きい C

6

の値を AEL の決定に対して考慮する場合。

−  光化学的網膜限界と比較するため,被ばく放出量の決定に限界受入れ角を考慮する場合。

被ばく放出量及び AEL(すなわち,C

6

による補正)は,ビーム内の任意の位置で同時に決まり(すなわ

ち,

ペアの値であり)

最も厳しい位置で得たそれらの値を製品のクラスを決定するために用いる。

これは,

AEL と比較される)被ばく放出量と AEL とがビーム内の同じ位置で決定するということ,すなわち,ア

パーレント光源の視角 α(よって C

6

)を,被ばく放出量の決定に用いる開口絞りの位置で決定するという


44

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

ことを意味している。

注記 1  レーザビームの発散角が 1.5 mrad より小さい場合,アパーレント光源の視角 α は α

min

であり,

被ばく放出量は,9.3.1 に規定する条件で決定する。

注記 2  光源が発散性,例えば,透過形拡散板に入射したレーザビームのような場合,その拡散板が

アパーレント光源の位置とみなされ,拡散板での発光パターンをアパーレント光源の視角の

決定に用いることができる[不均一パターンの評価法に関しては 8.3 d)を参照。

注記 3  複数光源又は複数の焦点をもつ,より複雑な配置では,光線追跡のような,より複雑な手法

を用いる方が適切な場合がある。

a)

開口の直径  条件 1 及び条件 3 の場合,アパーレント光源の視角及び被ばく放出量(両者ともビーム

内の最も厳しい位置で決定する。

)に対して,

表 11 に規定する開口直径及び最小測定距離を用いなけ

ればならない(

図 及び図 参照)。

図 3−アパーレント光源を視野絞り面上に結像させることによって受入れ角を 

限定するための測定配置

注記  アパーレント光源に接近できない場合,この配置は適さない。

図 4−アパーレント光源に近接して円形開口又は(視野絞りとなる)マスクを置くことによって 

受入れ角を限定するための測定配置 


45

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

条件 2 の場合,アパーレント光源の視角の決定及び被ばく放出量の決定に対して,焦点距離 35 mm

の凸レンズ L1 及び直径 7 mm の開口を,

表 12 に規定する測定基準点から 35 mm の距離(図 参照)

に置かなければならない。アパーレント光源の視角の決定及び被ばく放出量の決定に用いる開口絞り

は,レンズ L1 から 100 mm の距離に置かなければならない。また,開口絞りの直径は 3.5 mm でなけ

ればならない。

注記  レンズ L1 は 7 倍の拡大率をもつ拡大鏡を表している。発散光源をレンズの焦点距離に置い

たとき,放射は平行ビームとなる。そのため,アパーレント光源の視角だけでなく,開口絞

りを用いて決定される被ばく放出量の両方に影響を及ぼす。全ての距離を決めているため,

条件 2 に対して最も厳しい位置を見いだす必要はない。

図 5−分散光源として考慮する(すなわち,既定の簡略化した評価法を用いることができない)場合,

条件 に対してアパーレント光源の被ばく放出量(上)及び視角(下)を決定するための実験配置 

b)

受入れ角  受入れ角は,視野絞りの直径とレンズから視野絞りまでの距離(結像距離)との比(図 3

参照)

,又は視野絞りの直径と光源から測定器までの距離との比(

図 参照)によって決定される。レ

ンズによる損失は考慮する必要がある。

条件 2 及び条件 3 に対して,

被ばく放出量を決定するための受入れ角は,

次の 1)及び 2)に規定する。

条件 1 に対して,受入れ角は 1)及び 2)で与えられた値を係数 7 で除することで決定される。

1)

光化学的網膜限界  光化学的限界(400 nm∼600 nm)を評価する光源の測定の場合には,限界受入

れ角 γ

ph

は,

表 13 に規定する。

光源の視角 α が規定する限界受入れ角 γ

ph

よりも大きい場合には,測定系の受入れ角は,γ

ph

によ

って規定する値を超えないようにするのがよい。規定する限界受入れ角 γ

ph

よりも光源の視角 α が小

さい場合には,受入れ角は,対象となる光源全体を完全に包含するので,受入れ角を厳格に規定す

る必要はない(すなわち,受入れ角を γ

ph

に限定する必要はない。

注記  αγ

ph

である単一光源の測定の場合には,特定の明確な受入れ角で測定を行う必要はない。

明確な受入れ角を得るために,光源を視野絞り上に結像させるか,又は光源の一部を遮蔽


46

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

することによって受入れ角を定めることができる(それぞれ

図 及び図 参照)。

表 13−限界受入れ角 γ

ph

放出持続時間

s

条件 1 に対する

γ

ph

mrad

条件 2 及び条件 3 に対する

γ

ph

mrad

10<t≦100 1.57

11

100<t≦10

4

 0.16×t

0.5

 1.1×t

0.5

10

4

t≦3×10

4

 16

110

2)

その他の全ての網膜限界  光化学的限界以外の網膜限界と比較するために行う放射測定の場合に

は,受入れ角は対象となる光源全体を包含しなければならない(すなわち,受入れ角は光源の視角

α 以上の大きさでなければならない。)。ただし,αα

max

の場合には,限界受入れ角は,α

max

(100 mrad)

である。400 nm∼1 400 nm の波長範囲において複数の発光点からなるアパーレント光源を評価する

場合には,受入れ角を,α

min

γα

max

の範囲で変化させなければならない[8.3 d)参照]


47

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

附属書 A

(参考)

最大許容露光量

A.1 

一般的注意事項 

被ばく放出限界(AEL)は一般に最大許容露光量(MPE)から導かれる。この附属書では,製品の意図

的な使用に関連する安全性の評価(例えば,NOHD の決定)を行うときに手助けとなる追加情報を製造業

者に提供するために,MPE について記述する。

注記  簡略化した計算では,NOHD をかなり過小評価する可能性がある。例えば,レーザ開口が大き

なレイリー距離(コンフォーカル長)の範囲内にあるとき,光源の外にビームウエストがある

とき,又はガウスビーム分布を仮定すると開口を通るパワーが過小評価となるビーム分布であ

るとき,などである。このような場合,通常,測定によって NOHD を決定するほうがよい。

この規格の最大許容露光量値は,ICNIRP(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection:

国際非電離放射線防護委員会)によって公表された露光限界値を採用している。MPE 値は実験的研究から

得られた最良の情報に基づいた既知の危険レベル以下に設定されている。MPE 値は,露光量を管理するガ

イドとして用いるのがよく,安全なレベルと危険なレベルとの間を明確に定義する分割線とみなさないほ

うがよい。いかなる場合にも,レーザ放射に対する被ばくは,できるだけ低くすることが望ましい。

スペクトル領域が,

表 2のマトリクスで,目の露光については(O),皮膚の露光については(S)のそ

れぞれ記号によって重畳的であることを示している場合,幾つかの波長からの露光は,

表 A.1,表 A.2 

表 A.3 の MPE に従ってスペクトル効果の比例計算による重畳的効果があると考えるのがよい。放射さ

れる波長が重畳的であると示されていない場合には,危険は別々に評価するのがよい。


表 A.1−レーザ放射の露光に対する C

6

の場合の角膜における最大許容露光量(MPE

a)

b)

露光時間  t(s)

波長

λ(nm)

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

10

7

10

7

1.8×10

5

1.8×10

5

5×10

5

5×10

5

1×10

3

1×10

3

∼ 
10

10 

10

2

10

2

10

3

10

3

3×10

4

180∼302.5

30 J·m

2

302.5∼315

光化学的障害

d)

tT

1

C

2

 J·m

2

熱的障害

d)

tT

1

C

1

 J·m

2

C

2

 J·m

2

315∼400

3×10

10

 W·m

2

C

1

 J·m

2

 10

4

 J·m

2

 10

W·m

2

400∼450

100 J·m

2

450∼500

100C

3

 J·m

2

及び

c) 

10W·m

2

C

3

 W·m

2

500∼700

1.5×10

4

 J·m

2

 2.7×10

4

t

0.75

 J·m

2

5×10

3

 J·m

2

 18

0.75

 J·m

2

10 W·m

2

700∼1 050

1.5×10

4

C

4

 J·m

2

 2.7×10

4

0.75

C

4

 J·m

2

5×10

3

C

4

 J·m

2

 18

0.75

C

4

 J·m

2

1 050∼1 400

1.5×10

3

C

7

 J·m

2

 2.7×10

5

t

0.75

C

7

 J·m

2

5×10

2

C

7

 J·m

2

 90

0.75

C

7

 J·m

2

10C

4

C

7

 W·m

2

1 400∼1 500

10

12

 W·m

2

 10

3

 J·m

2

 5

600

0.25

 J·m

2

1 500∼1 800

10

13

 W·m

2

 10

4

 J·m

2

1 800∼2 600

10

12

 W·m

2

 10

3

 J·m

2

 5

600

0.25

 J·m

2

2 600∼10

6

 10

11

W·m

2

 100

J·m

−2

5 600 

0.25

 J·m

2

1 000 W·m

2

a)

  補正係数及び単位については,表 10 を参照。

b)

  露光時間が 10

9

秒より短く,波長が 400 nm 未満又は 1 400 nm を超える場合の MPE は,10

−9

秒での放射露光限界と同等の放射照度として算出することによって

得られる。露光時間が 10

−13

秒より短い場合の MPE は,10

13

秒での MPE の放射照度値と等しく設定する。

c)

 450

nm∼500 nm の波長範囲の場合,2 種類の限界が適用されるが,露光はいずれの適用限界も超えてはならない。

d)

  繰返しパルス紫外レーザの場合,どちらの限界も超えないほうがよい。

48

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825

-1


2007)

48

C

 6802


0000 (IE

C

 60825-1


2007)


表 A.2400 nm1 400 nm の波長範囲(網膜障害領域)をもつ分散光源からのレーザ放射の露光に対する角膜における最大許容露光量(MPE

露光時間  t(s)

波長

λ(nm)

10

13

10

11

10

11

10

9

10

9

1.8×10

5

1.8×10

5

5×10

5

5×10

5

∼ 
10

10 

10

2

10

2

10

4

10

4

3×10

4

400 nm∼600 nm−光化学的網膜障害

a)

100C

3

 J·m

2

γ

ph

=11 mrad

を使用

1C

3

 W·m

2

γ

ph

=1.1t

0.5

 mrad

を使用

1C

3

 W·m

2

γ

ph

=110 mrad

を使用

及び

b)

400 nm∼700 nm−熱的網膜障害

400∼700 1.5×10

4

C

6

 J·m

2

 2.7×10

4

t

0.75

C

6

 J·m

2

5×10

3

C

6

 J·m

2

 18

0.75

C

6

 J·m

2

        18C

6

T

2

0.25

 W·m

2

tT

2

)                                             (tT

2

18 t

0.75

C

6

 J·m

2

700∼1 050

1.5×10

4

C

4

C

6

 J·m

2

 2.7×10

4

0.75

C

4

C

6

 J·m

2

5×10

3

C

4

C

6

 J·m

2

18

0.75

C

4

C

6

 J·m

2

1 050∼1 400

1.5×10

3

C

6

C

7

 J·m

2

 2.7×10

5

t

0.75

C

6

C

7

 J·m

2

5×10

−2

C

6

C

7

 J·m

2

 90

0.75

C

6

C

7

 J·m

2

18C

4

C

6

C

7

T

2

0.25

 W·m

2

tT

2

)                                                      (tT

2

18 t

0.75

C

4

C

6

C

7

 J·m

2

a)

  角度 γ

ph

は,限界測定受入れ角である。

b)

 400

nm∼600 nm の波長範囲の場合,2 種類の限界が適用されるが,露光はいずれの適用限界も超えてはならない。通常,光化学的障害限界は 10 秒を超える露光

時間だけに適用する。ただし,波長範囲が 400 nm∼484 nm で,アパーレント光源のサイズが 1.5 mrad∼82 mrad の場合,光化学的障害限界 100 C

3

 J·m

2

を 1 秒以

上の露光にも適用するのがよい。

49

C

 6802


0000 (IE

C

 60825-1


2007)

49

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825

-1


2007)


50

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

表 A.3−レーザ放射に対する皮膚の MPE 

a)

b)

露光時間  t(s)

波長

λ(nm)

<10

9

 10

9

∼10

7

10

7

∼10

3

10

3

∼10 10∼10

3

10

3

∼3×10

4

180∼302.5 30

J·m

2

302.5∼315

C

2

 J·m

2

tT

1

C

1

 J·m

2

tT

1

C

2

 J·m

2

315∼400

3×10

10

 W·m

2

C

1

 J·m

2

 10

4

 J·m

2

 10

W·m

2

400∼700 2×10

11

 W·m

−2

 200

J·m

2

 1.1×10

4

 t

0.25

 J·m

2

2 000 W·m

2

700∼1 400

2×10

11

C

4

 W·m

−2

 200

C

4

 J·m

2

1.1×10

4

C

4

 t

0.25

 J·m

2

 2

000

C

4

 W·m

2

1 400∼1 500

10

12

 W·m

2

 10

3

 J·m

2

 5

600

t

0.25

 J·m

2

1 500∼1 800

10

13

 W·m

2

 10

4

 J·m

2

1 800∼2 600

10

12

 W·m

2

 10

3

 J·m

2

 5

600

t

0.25

 J·m

2

2 600∼10

6

10

11

 W·m

2

 100

J·m

2

 5

600

t

0.25

 J·m

2

1 000 W·m

c)

a)

  補正係数及び単位については,表 10 参照。

b)

 10

9

秒未満の露光に対する影響については,限られた証拠しかない。これらの露光時間に対する MPE

は,10

9

秒の放射照度を適用する。

c)

 0.1

m

2

よりも大きい皮膚面積が露光される場合,MPE は 100 W·m

2

に減少する。0.01 m

2

∼0.1 m

2

の間

では,MPE は照射される皮膚面積に反比例する。

A.2 

限界開口 

露光量の全ての測定及び計算には,適切な開口を用いるのがよい。これが限界開口であり,放射照度又

は放射露光を平均化する円形領域の直径として定義される。限界開口の値を,

A.4 に示す。

1 400 nm∼10

5

 nm のスペクトル範囲の繰返しパルスレーザ露光に対して,個々のパルスでの危険性を評

価する場合には,

1 mm の開口を用いる。10 秒を超える露光に対して適用される MPE を評価する場合には,

3.5 mm の開口を用いる。

注記  400 nm∼1400 nm の波長範囲における目の露光量は,直径 7 mm の開口(ひとみ径)で測定す

る。MPE の値は,より小さいひとみ径を考慮して調整してはならない。

表 A.4−レーザ放射照度及び放射露光量測定のための開口直径

開口直径

mm

スペクトル範囲

(nm)

皮膚

180 以上   400 未満 1

3.5

400 以上  1 400 未満 7

3.5

1 400 以上    10

5

未満

t≦0.35 s の場合 1 
0.35 s<t<10 s の場合 1.5

3/8

t≧10 s の場合 3.5

3.5

10

5

以上    10

6

以下 11

11

注記  複数パルスの露光の場合,A.3 を参照。

A.3 

繰返しパルスレーザ及び変調レーザ 

繰返しパルス放射の露光に対して適用する MPE を決定するためには,次の方法を用いることが望まし

い。

対象時間に照射された全てのパルス列グループ(又はパルス列中のサブパルス列グループ)からの露光

量は,対象時間に対する MPE を超えないほうがよい。


51

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

400 nm∼10

6

 nm の波長範囲における目への露光の MPE は,要求事項 a)b)及び c)のうち最も厳しいも

のを用いて決定する。要求事項 c)は,熱的網膜限界だけに適用し,光化学的網膜限界には適用しない。

400 nm 未満の波長における目への露光に対する MPE

及び皮膚への露光に対する MPE は,要求事項 a)

及び b)のうち,最も厳しい方で制限される。

a)

パルス列内のどの単一パルスからの露光も,単一パルスに対する MPE を超えない。

b)

露光時間 のパルス列の平均露光は,露光時間 の単一パルスに対する

表 A.1,表 A.2 及び表 A.3 

示す MPE を超えない。

c)

繰返しパルス及び変調パルスの熱的限界値の評価 

1)

パルスエネルギー及びパルス持続時間が変化しない場合  パルス当たりの露光は,補正係数 C

5

を乗

じた単一パルスに対する MPE を超えない。ただし,C

5

の補正は,個々のパルスの持続時間が 0.25

秒未満の場合だけに適用する。

MPE

s. p. train

MPE

single

×C

5

ここに,

MPE

single

単一パルスに対する MPE

MPE

s. p. train

パルス列中の任意の単一パルスに対する MPE

C

5

N

1/4

N: 評価対象の露光時間内のパルス列に含まれる実効

的なパルスの数[複数のパルスが T

i

時間(

表 

照)内にあるとき,は実際のパルスより少なく
なる。次を参照。

。400 nm∼1 400 nm の波長に対

して,評価のために考慮する必要がある最大露光
時間は T

2

表 10 参照),又は適用可能な時間基準

のいずれか短い時間である。1 400 nm より長波長
に対して,考慮する最大持続時間は 10 秒である。

複数のパルスが T

i

時間(

表 参照)内に現れる場合,それらのパルス群を単一パルスにみなして

を決定する。また,個々のパルスの放射露光量は加算して T

i

の MPE と比較する。

2)

パルス持続時間又はパルス間隔が変化する場合  パルス持続時間又はパルス間隔が可変の場合,ト

ータルオンタイムパルス(TOTP)方式を用いる。この場合,MPE は,TOTP の持続時間によって決

まる。ここで,TOTP 持続時間は,露光持続時間又は T

2

のいずれか短い時間内の全てのパルス持続

時間の合計である。T

i

よりも短い持続時間をもつパルスには,T

i

のパルス持続時間を割り当てる。

二つ以上のパルスが T

i

の持続時間内で生じる場合には,これらのパルス群には,T

i

のパルス持続時

間が割り当てられる。対応する持続時間に対する MPE と比較するため,個々のパルス放射露光量

の全てを加算する。

A.4 

測定条件 

A.4.1 

一般的注意事項 

実際の露光を評価するために,次の測定条件を適用することが望ましい。

A.4.2 

限界開口 

MPE と比較する放射露光又は放射照度の値は,表 A.4 の限界開口に従った円形開口絞りの面内で平均化

する。400 nm∼1400 nm の波長範囲における目への露光の場合には,100 mm の最小測定距離を用いる。

A.4.3 

受入れ角 

a)

光化学的網膜限界  光化学的限界(400 nm∼600 nm)を評価する光源の測定の場合には,限界受入れ


52

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

角 γ

ph

は,次による。

− 10

s<t≦100 s の場合,γ

ph

=11 mrad

− 100

s<t≦10

4

 s の場合,γ

ph

=1.1t

0.5

 mrad

− 10

4

 s<t≦3×10

4

 s の場合,γ

ph

=110 mrad

規定する限界受入れ角 γ

ph

よりも光源の視角 α が大きい場合には,測定系の受入れ角は,γ

ph

によっ

て規定する値を超えないほうがよい。規定する限界受入れ角 γ

ph

よりも光源の視角 α が小さい場合には,

受入れ角は対象となる光源を完全に包含するので,

受入れ角を厳格に規定する必要はない

(すなわち,

受入れ角は,γ

ph

に限定する必要はない。

注記  αγ

ph

である単一光源の測定の場合には,特定の明確な受入れ角で測定する必要はない。明

確な受入れ角を得るために,光源を視野絞り上に結像させるか,又は光源の一部を遮蔽する

ことによって,受入れ角を定めることができる(それぞれ

図 及び図 参照)。

b)

その他の全ての限界  光化学的網膜障害限界以外の限界と比較される放射測定の場合には,受入れ角

は対象となる光源全体を包含することが望ましい(すなわち,受入れ角は光源の視角 α 以上の大きさ

であることが望ましい。

。ただし,302.5 nm∼4 000 nm の波長範囲において,αα

max

の場合には,熱

的障害限界についての限界受入れ角は最大 α

max

(0.1 rad)とするのがよい。400 nm∼1 400 nm の波長

範囲における熱的障害限界について,複数の発光点からなるアパーレント光源を評価する場合には,

受入れ角は α

min

γα

max

の範囲にあることが望ましい[8.3 d)参照]

円形でない放射パターンの光源に対する MPE を決定する場合には,方形又は線形光源の視角の値

は光源の二つの角度寸法の算術平均によって決定する。α

max

より大きく,又は α

min

より小さい角度寸

法は,平均値を算出する前に,それぞれ,α

max

又は α

min

に限定するのがよい。光化学的網膜障害限界

は光源の視角によって左右されることはなく,その光源は上に規定する受入れ角で測定する。

A.5 

分散光源レーザ 

小光源 MPE に対する次の補正は,ほとんどの場合,拡散反射の観察に限定される。また,場合によっ

ては,レーザアレイ,線状レーザ,0.2 mm を超えるビームウエスト直径及び 2 mrad を超える発散角をも

つレーザ,又は分散光源拡散レーザ製品にも適用する。

400 nm∼1 400 nm の波長における分散光源レーザ放射(例えば,拡散反射観察)の場合,目への熱的障

害を発生させる MPE 値は,

(観察者の目で測った)光源の視角が α

min

α

min

は 1.5 mrad に等しい)よりも

大きい場合,補正係数 C

6

の値だけ増加する。

補正率 C

6

は,次によって求める。

−  αα

min

に対し,C

6

=1

−  α

min

αα

max

に対し,C

6

α/α

min

−  αα

max

に対し,C

6

α

max

/α

min


53

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

附属書 B

(参考)

計算例

B.1 

この附属書の計算例に用いる記号 

記号

単位

定義

m

出射レーザビームの直径

AEL

W,J,W·m

2

又は J·m

2

被ばく放出限界

α 

rad

空間中の一点に対し,アパーレント光源(拡散反射を含む。

)の張る角度

α

min

 rad

分散光源基準を適用する光源の張る最小視角

C

1

C

2

,…,C

7

補正係数(

表 10 参照)

PRF Hz

パルス繰返し周波数

H J·m

2

アパーレント光源からの規定距離 における放射露光

E W·m

2

同上の放射照度

H

o

 J·m

2

アパーレント光源からの距離ゼロにおける出射ビームの放射露光

E

o

 W·m

2

同上の放射照度

λ 

nm

レーザ放射の波長

N

露光持続時間内に含まれるパルスの数

P

o

 W

CW レーザの全放射パワー(又は放射束),又は繰返しパルスレーザの平
均放射パワー

P

p

W

パルスレーザの 1 パルス内の放射パワー

φ 

rad

出射レーザビームの発散角

π

定数 3.142

J

パルスレーザの全放射エネルギー

t s

単一レーザパルスの持続時間

T s

パルス列の全露光持続時間

T

1

T

2

 

s

時間折点(

表 10 参照)

B.2 

レーザ製品のクラス分け−概論 

この附属書では,この規格に規定する測定条件に従って得られたパラメータ値を基にしたレーザ製品の

クラス分けのための計算手順を事例によって説明する。レーザ製品のクラス分けのための計算を完了させ

るのに必要と思われる基礎的なステップを説明するためのフローチャートをこの附属書の中に用意した。

ただし,このフローチャートは,必ずしも全てのレーザ製品を網羅しているわけではない。

8.2

及び 8.3 で規定するように,次による。

−  レーザ製品の正しいクラス分けを行うことは,製造業者又はその代理業者の責任である。レーザ製品

は,製造後のあらゆる時点での動作において,製品の能力の全範囲にわたり,被ばくし得るレーザ放

射の出力パワーと波長との全ての組合せに対してクラス分けされ,その結果得られた各組合せに対す

るクラスの内で最も危険度の高いクラスに,このレーザ製品は割り当てる。クラス 1 及び 1M,クラ

ス 2 及びクラス 2M,クラス 3R,並びにクラス 3B(危険性の増大順)に対する被ばく放出限界(AEL

は,それぞれ,

表 4∼表 に規定する。

−  用いる補正係数値は,波長,放出持続時間,パルス数及び視角の関数として

表 10 に規定する。


54

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

使用者がレーザ製品を改造して,被ばくし得るレーザ放射が変更された場合には,その製品が正しくク

ラス分けされていることを保証することは使用者の責任となる。

レーザ製品のクラス分けを正しく行うには,

図 B.1 及び図 B.2 に示すように,正しいクラス分けを決定

するまでに,8.3 に規定するクラスのうちの複数のクラスの AEL の計算が必要になることがある。クラス

1 についての AEL の事例を,図 B.3∼図 B.5 に示す。


55

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

図 B.1−与えられた出力パラメータに基づいてレーザ製品のクラス分けを行うためのガイドとしての 

フローチャート 

パルス

レーザ製品はパルス

又は CW のいずれ

か?

クラスを選択,

時間基準を選択

8.3 e)]

AEL

single

を決定

[(8.3 f)]

注記 参照

クラスを選択,

時間基準を選択

8.3 e)]

クラスを選択,

時間基準には単一パ

ルス持続時間を使用

注記 参照

の最大許容値をメモ

する[(8.3 f)

選 択し たク ラス に対 する

AEL を決定

AEL

s. p. train

AEL

single

×N

  −0.25

を決定

上 位 の ク ラ ス を 選

択して再計算

下 位 の ク ラ ス を 選

択して再計算

完了

繰返し

単一

CW

いいえ

はい

いいえ

はい

いいえ

いいえ

はい

はい

与えられた製品の出力パラ

メータ値を基に開始

パルスは単一又

は繰返しのいず

れか?

波長 λ が 400 nm∼10

6

 nm

の間にあって,かつ熱的障害限界が

適用されるか?

AEL

s. p. T

を決定

[(8.3 f)]

注記 参照

T

i

の時間内に

複数のパルスが存在するか?

表 参照

製品が下位の

クラスの AEL を満たすかどうか確かめる

必要があるか?

測定された被ばく放出

レベルは選択したクラスに対する AEL

の計算値より小さいか?

単一パルスの被ばく放出レベルとの

比較のために,AEL

s. p. T

及び AEL

single

の値のうち最小のものを選択

単一パルスの被ばく放出レベルとの比較

のために,AEL

single

AEL

s. p. T

及び AEL

s. p. train

の値のうち最小のものを選択


56

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

注記 1  AEL

single

は,単一パルスの持続時間に基づいて決定する。

AEL

s. p. T

は,選択した時間基準に基づいて決定する AEL

T

から計算する。

ここに,

AEL

s. p. T

AEL

T

/N

T

AEL

T

の単位が J 又は J·m

2

の場合)

AEL

T

/PRFAEL

T

の単位が W 又は W·m

2

の場合)

  (AEL

s. p. T

の単位は J 又は J·m

2

N

T

時間 内におけるパルスの数。

T: 選択した時間基準,単位は秒。

注記 2  時間 T

i

の間に複数のパルスが存在する場合には,単一パルス持続時間を T

i

に変え,AEL

single

の新たな値を計算する。PRF を T

i

に応じて計算し直し,許容される最大の 値を決定する

8.3 f)

AEL

s. p. train

を求める式に AEL

single

の最終値を代入する前に,新たに計算した AEL

single

の値を時間 T

i

内に存在しているパルスの数で除算する。


57

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

図 B.2−クラス 1M 及びクラス 2M レーザ製品のクラス分けを行うためのガイドとしてのフローチャート 

開始

クラス 1,クラス 2,クラス
3R 又はクラス 3B のいずれ
か一つを選択

適用可能な時間基準を選択

[(8.3 e)参照]

選 択 し た ク ラ ス に 対 す る

AEL を決定

上位のクラスを選択して再

計算。ただし,選択したク

ラスが 3B の場合,レーザ

はクラス 4 である。

レーザ出力は,条件 1

及び条件 2 のいずれの場合も選択

したクラスの AEL より

小さいか?

製品は下位のクラスの

AEL を満たすかどうか調べる必要

があるか?

下位のクラスを選択して再

計算

レーザ製品がクラス 1M

又はクラス 2M であるか調

べる必要があるか?

終了。レーザは,クラス 1M

又はクラス 2M のいずれか

である。

終了。レーザは,選択した

クラスである。

条件 1 又は条件 2 に

基づいたレーザ出力の測定値が

クラス 1 又はクラス 2 の AEL より大き

く,かつ,測定値のいずれも

クラス 3B の AEL より

小さいか?

表 11 の条件 3 に

基づいたレーザ出力の

測定値はクラス 1 又はクラス 2

の AEL のいずれかより

小さいか?

レーザは,クラス 1M 及び

クラス 2M のいずれにも該

当しない。

いいえ

はい

はい

いいえ

いいえ

はい

いいえ

はい

はい

いいえ

条件 1 及び条件 2 によって

レーザ出力を測定。

表 11 

照。


58

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

図 B.310

9

10

3

秒の選択した放出持続時間におけるクラス の紫外レーザ製品の AEL

図 B.4−選択した波長における 10

9

10

3

秒の放出持続時間に対するクラス の紫外レーザ製品の AEL 


59

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

図 B.5−可視及び選択した赤外波長におけるクラス のレーザ製品の AELC

6

の場合)

B.3 

事例 

例 B.3.1 

出力 50 mW,ビーム直径 3 mm,ビーム広がり 1 mrad をもつ CW He-Ne レーザ(波長 λ=633 nm)をク

ラス分けしなさい。

解答 

このレーザは,そのビーム特性から,αα

min

=1.5 mrad に該当する指向性のよい点光源であることが推

察される。ビーム直径及びビーム広がりが小さいため,ビーム出力パワーの全体が直径 7 mm の開口を通

過できる。したがって,条件 1,条件 2 及び条件 3 の測定はいずれも同じ被ばく放出レベルを与える。ク

ラスを選択して,適切な時間基準を選択する[8.3 e)参照]

クラス 3B 及び時間基準 100 s を選択する。レーザ出力は可視域(波長 400 nm∼700 nm)にあるが,ク

ラス 3B に対して,0.25 s の時間基準は許容されず,意図的なのぞき込みも見込まれない。クラス 3B に対

しては,

表 から,次の値が得られる。

AEL=0.5 W

レーザ出力は僅か 50 mW であり,クラス 3B の AEL を超えていないので,クラス 3B とクラス分けする

こともできる。ただし,より下位のクラスに分類するのに必要な要求事項を満たしていないであろうとい

うことが,必ずしも明白ではない。このため,疑義がある場合は,下位のクラスに対する要求事項を調べ

る必要がある。

クラス 3R の場合,波長 400 nm∼700 nm の放射については,0.25 s の時間基準を適用してもよい。それ

ゆえ,

表 から,AEL は次の値が得られる。

AEL=5×10

3

C

6

 W


60

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

指向性のよいビームを直接観察する場合,すなわち,α≦1.5 mrad の場合,

表 10 から C

6

=1 が得られる

ので,これを上の式に代入すると,次の値が得られる。

AEL=5 mW

レーザ出力は 50 mW であり,これはクラス 3R に対する AEL を超えているが,クラス 3B に対する AEL

よりは小さい。したがって,このレーザは,クラス 3B としてクラス分けされる。

例 B.3.2 

コリメート用レンズ(発散ビームを平行ビームに変換するレンズ)をもたない 12 mW の CW 半導体レ

ーザ(波長 λ=900 nm)が,0.5 rad のビーム広がりをもち,かつ,

表 11 に規定する測定条件に対して,次

のようなパラメータ値をもっているとする。

この場合,どのクラスにクラス分けされるか?  なお,測定距離 100 mm における光源の視角 α は,α

min

より小さいと仮定する。

条件 1:レーザダイオードチップから 2 m 離した直径 50 mm の開口絞りを通過した出力は 20 μW 未満。

条件 2:レーザダイオードチップから 70 mm 離した直径 7 mm の開口絞りを通過した出力は 1.4 mW。

条件 3:レーザダイオードチップから 100 mm 離した直径 7 mm の開口絞りを通過した出力は 0.7 mW。

解答 

このような発散光源に対しては,条件 2 が条件 1 よりも明らかに厳しいであろう。

クラス 1 及び時間基準 100 s を選択する[8.3 e)参照]

。したがって,α≦1.5 mrad のレーザについては

T

2

=10 s(

表 10 参照)なので,tT

2

であり,

表 から,AEL は次の式が得られる。

AEL=3.9×10

4

 C

4

 C

7

 W

ここで,

表 10 から,C

4

=10

0.002(λ

700)

=2.51,及び C

7

=1 である。これらを上式に代入すると,次の値が

得られる。

AEL=0.98 mW

この値は,レーザから 70 mm の距離における直径 7 mm の開口絞りを通過した出力よりも小さいので,

クラス 1 にクラス分けするための条件 2 による制限を超えている。しかし条件 3 について,クラス 1 レー

ザ製品の AEL と比較すると,この製品はクラス 1 に対する要求事項を満たしている。

この製品は,条件 1 及び条件 3 について,

クラス 1 にクラス分けするための要求事項を満たしているが,

条件 2 については満たしていない。しかし,クラス 3B に対する AEL を超えていないので,この製品はク

ラス 1M としてクラス分けされる。

使用者が,このダイオードレーザにコリメートレンズを装着する場合は,この製品は改めてクラス分け

する必要があろう。

例 B.3.3 

単一パルス動作の,周波数逓倍方式ネオジウムレーザであって,次の出力特性をもつものについてクラ

ス分けしなさい。ただし,二つの波長の光は同時に出力されるものとする。

−  波長 1 060 nm における出力パルスエネルギー=100 mJ

−  波長 530 nm における出力パルスエネルギー=25 mJ

−  パルス持続時間=25 ns


61

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

−  出力開口の直径=5 mm

−  各波長におけるビーム広がり<1 mrad

解答 

レーザは,時間基準 100 s の間にただ一つのパルスを出射するものとする。この場合,パルス持続時間

を露光時間として用いることができる。クラス 3B レーザ製品を選択すると,AEL は,

表 から次のよう

な値が得られる。

  波長 1 060 nm

AEL

1060

=0.15 J=150 mJ

  波長 530 nm

AEL

530

=0.03 J=30 mJ

これら 2 波長の光による効果は重畳性がある[8.3 b)及び複数波長の放射をもつレーザ製品のクラス分け

に関する

表 参照]。

それゆえ,次の式を満たすかどうかを判定する必要がある。

1

530

530

1060

1060

+

AEL

Q

AEL

Q

左辺に mJ 単位で表した値を代入すると,次のようになる。

5

.

1

30

25

150

110

=

+

これは 1 より大きいので,レーザ製品は上位のクラスとなる。それゆえ,このレーザ製品はクラス 4 で

ある。

例 B.3.4

空間ビーム放射型監視システム用炭酸ガスレーザ(波長 10.6 μm)についてクラス分けしなさい。

なお,平均出力は 0.4 W,ビーム直径は 2 mm,及びビーム広がりは 1 mrad と仮定する。

解答

クラス 3R 及び時間基準 100 s を選択する。意図的なビーム内観察は現実的でない。

表 から,クラス 3R の AEL として 5 000 W·m

2

が得られる。

表 11 によれば,100 s の露光に対する限

界開口は 3.5 mm であるが,ビーム直径は僅か 2 mm であることに注意する。ビーム照度(E

0

P

0

/面積)

を計算するには,実際のビーム直径又は限界開口のうち,大きい方を用いるほうがよい。それゆえ,次の

ようになる。

2

4

2

3

0

0

m

W

10

16

.

4

)

10

5

.

3

(

π

4

.

0

4

×

=

×

×

=

=

面積

P

E

この値はクラス 3R の AEL を超えている。また,

表 によればクラス 3B の AEL は 0.5 W である。この

レーザは,クラス 3R の AEL を超えてはいるが,クラス 3B の AEL を超えてはいないので,クラス 3B と

してクラス分けされる。

例 B.3.5 

パルス繰返し周波数 500 Hz,パルス幅 1 μs,波長 694 nm,ピーク出力 10 kW,ビーム直径 5 mm,ビー

ム広がり 0.5 mrad の光を出射するレーザをクラス分けしなさい。

解答 

8.3 f)

は,繰返しパルスレーザに対する要求事項の詳細を含んでいる。その概要を次に示す。

−  波長 400 nm∼10

6

nm までについての AEL は,次の a)b)及び c)の中で最も要求が厳しいものを用い


62

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

て決定する。その他の波長域では,a)及び b)のうち要求が最も厳しいものを用いて AEL を決定する。

要求事項 c)は,熱的障害限界についてだけ適用し,光化学的障害限界に対しては適用しない。

クラス 3B を選択し,時間基準を 100 s と仮定する。

表 に規定する時間幅 T

i

内に複数のパルスが存在で

きるか調べる。このレーザ波長に対しては,T

i

=18×10

6

  s であり,実際のパルスの間隔は,1/PRF=2×

10

3

 s である。このことから,T

i

時間内には複数のパルスは存在しない。8.3 f)における手順に従うと,次

のようになる。

a)

単一パルスの露光。

表 から,t=10

6

 s に対して,次の値が得られる。

AEL

single

=0.03 J

b)

表 から,t=100 s に対して次のような AEL が得られる。

AEL

T

=0.5 W

これを PRF で除すと,等価的な AEL がパルス当たりのエネルギー値として得られる。

J

10

1

500

5

.

0

3

p.

s.

×

=

=

=

PRF

AEL

AEL

T

T

c)

AEL

s. p. train

AEL

single

×C

5

AEL

single

×N

0.25

である。ここで は,αα

min

の場合,時間 T

2

=10 s 内に存

在するパルス数に限定される(

表 10 参照)。

それゆえ,

AEL

s. p. train

=0.03×(10×500)

0.25

 J

AEL

s. p. train

=3.57×10

3

 J

三つの値のうちで,最も厳しい値は,AEL

s. p. T

=1×10

3

 J である。

レーザのパルス当たりのエネルギーは,次の式から求められる。

Q=(ピーク出力)×(パルス持続時間)

Q=10

4

×10

6

=0.01 J

パルス当たりの被ばく放出エネルギーは,AEL

s. p. T

を超えているので,このレーザ製品は,クラス 3B の

AEL を超えており,クラス 4 となる。


63

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

附属書 C 
(参考)

クラス及び付随する潜在的危険性に関する解説

C.0 

一般事項 

この附属書では,クラス及び付随する潜在的危険性について解説する。

この附属書の意図は,製造業者に対して,製品に付随する危険性について記述するときの指針を示すこ

とである。この附属書は,クラス分け体系の限界,すなわち,クラスに一般的に付随する意味が適切でな

い場合についても指摘する。

C.1 

序文 

クラス分けは,使用者がレーザの危険性を評価し,必要な管理基準を定めることを援助する目的で開発

された。レーザのクラス分けは,被ばくし得るレーザ放射の皮膚又は目への障害に対する潜在的な危険性

と関係しており,電気的,機械的,又は化学的なその他の危険性,及び二次的な光の放射による危険性と

は関係していない。クラス分けの意図は,基準となるクラス 1 の条件を超えて被ばくし得る出力が増大す

るにつれて障害のリスクが増大することを認識させることにあり,レーザに近接した距離における潜在的

な露光の危険性を正確に説明している。一つのクラス内でも,危険な領域はレーザによって大きく異なる

可能性がある。この潜在的な危険性は,保護囲いのような技術的な制御手段を付加することを含め,使用

者が種々の防護手段を付加することによって大幅に削減できる。

C.2 

クラスに関する解説 

クラス 

直接ビーム内観察を長時間行っても,またそのとき,観察用光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いても

安全であるレーザ製品。クラス 1 には,用いるときに危険性のある放射を被ばくすることのないように完

全に囲われた高出力レーザ(組込形レーザ製品)も含まれる。可視の光エネルギーを放射するクラス 1 レ

ーザ製品をビーム内観察すると,特に周辺が暗い環境の下では,目がくらむなどの視覚的な影響が依然と

して生じ得る。

クラス 1M 

裸眼(光学器具を用いない)で,直接ビーム内観察を長時間行っても安全であるレーザ製品。光学器具

(ルーペ又は双眼鏡)を用いて観察すると,次の二つの条件のうちのいずれかで MPE を超え,露光によ

る目の障害が生じる可能性がある。

a)

発散ビームに対して,それを集光する(又は平行にする)ために,光源から 100 mm 以内の位置で光

学器具を用いる場合。

b)

条件 3 で規定する測定用の開口直径(

表 11 参照)より大きな直径をもつ平行ビームの場合。

クラス 1M レーザの波長領域は,光学器具に用いられるほとんどの光学ガラス材料をよく透過するスペ

クトル領域,302.5 nm∼4 000 nm の間に限られている。可視の光エネルギーを放射するクラス 1M レーザ

製品をビーム内観察すると,特に周辺が暗い環境の下では,目がくらむなどの視覚的な影響が依然として

生じ得る。


64

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

クラス 

400 nm∼700 nm の波長範囲の可視光を放出するレーザ製品であって,瞬間的な被ばくのときは安全であ

るが,意図的にビーム内を凝視すると危険なレーザ製品。0.25 s の時間基準は,クラスの定義に内在して

いる。これは,多少長めであっても,瞬間的な被ばくによって障害が生じるリスクは非常に小さいという

推定に基づいている。

次のような事項は,合理的に予見し得る条件下で障害の排除に寄与している。

−  安定させた頭部の瞳孔にビームがアライメントされるとか,目の遠近調節が最悪ケースになっている

などの最悪条件が,意図的でない露光に反映されることはまれである。

−  AEL の根拠としている MPE には,本来固有の安全余裕が存在している。

−  まぶ(眩)しい光の露光に対しては,人は自然に回避行動をする。

クラス 2 は,クラス 2M とは異なり,光学器具を用いても目に障害が生じるリスクは増加しない。

ただし,クラス 2 レーザ製品から得られるビームによって,特に周辺が暗い環境の下では,げん(眩)

惑,せん(閃)光盲,残像などの視覚的な影響が生じ得る。これらは,一次的な視力障害又は驚いて反応

することを通じて,一般の安全性と間接的に関わっている。このような視力への影響は,機械作業,高所

作業,高電圧作業,運転など,安全の確保が肝要となる行動中に発生したときに,注意を払う必要がある。

使用者に,ビームをのぞき込まないこと,すなわち,頭を動かしたり又は目を閉じたりすることで,能

動的に防御反応をすること,及び連続した意図的なビーム内観察を避けることを,ラベルによって指示す

る。

クラス 2M 

可視のレーザビームを出射するレーザ製品であって,

(光学器具を用いない)

裸眼に対してだけ短時間の

被ばくが安全なレーザ製品。光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いて観察すると,次の二つの条件のうち

のいずれかで,露光による目の障害が生じる可能性がある。

a)

発散ビームに対して,それを集光する(又は平行にする)ために,光源から 100 mm 以内の位置で光

学器具を用いる場合。

b)

条件 3 で規定する測定用の開口直径(

表 11 参照)より大きな直径をもつ平行ビームの場合。

ただし,クラス 2M レーザ製品から得られるビームによって,特に周辺が暗い環境の下では,げん(眩)

惑,せん(閃)光盲,残像などの視覚的な影響が生じ得る。これらは,一次的な視力障害又は驚いて反応

することを通じて,一般の安全性と間接的に関わっている。このような視力への影響は,機械作業,高所

作業,高電圧作業,運転など,安全の確保が肝要となる行動中に発生したときに,注意を払う必要がある。

使用者に,ビームをのぞき込まないこと,すなわち,頭を動かしたり又は目を閉じたりすることで,能

動的に防御反応をすること,及び連続した意図的なビーム内観察を避けることを,ラベルによって指示す

る。

クラス 3R 

放射出力のレベルが,直接のビーム内観察条件に対して MPE を超えるものの,AEL がクラス 2 の AEL

(可視レーザビームの場合)又はクラス 1 の AEL(不可視レーザビームの場合)の僅か 5 倍であることか

ら,

障害が生じるリスクが比較的小さいレーザ製品。

目に障害が生じるリスクは露光時間とともに増大し,

また意図的に目に露光することは危険である。クラス 3B と比べてリスクが低いので,製造業者への要求

事項,管理基準などが緩和されている。


65

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

リスクは,次のような理由で制限されている。

−  ビームが瞳孔にアライメントされているとか,目の遠近調節が最悪ケースになっているなどの最悪条

件が,意図的でない露光に反映されることはまれである。

−  MPE には,本来固有の安全余裕が存在している。

−  可視の放射の場合は,まぶ(眩)しい光の露光に対して人は自然に回避行動をする。また,遠赤外光

の場合は,角膜の加熱に対する反応がある。

ただし,可視波長域のクラス 3R レーザ製品から得られるビームによって,特に周辺が暗い環境の下で

は,げん(眩)惑,せん(閃)光盲,残像などの視覚的な影響が生じ得る。これらは,一次的な視力障害

又は驚いて反応することを通じて,一般の安全性と間接的に関わっている。このような視力への影響は,

機械作業,高所作業,高電圧作業,運転など,安全の確保が肝要となる行動中に発生したときに,注意を

払う必要がある。

クラス 3R レーザは,直接のビーム内観察がありそうにない場合についてだけ用いるのがよい。

クラス 3B 

目へのビーム内露光が生じると(NOHD 内において)

,偶然による短時間の露光でも,通常危険なレー

ザ製品。拡散反射光の観察は通常安全である。クラス 3B の AEL 近傍のクラス 3B レーザは,軽度の皮膚

障害又は可燃物の点火を引き起こす可能性がある。ただし,これはビームの直径が小さいか,又は集光し

たときだけに起こり得る。

注記  拡散反射光の観察でも MPE を超えるような観察条件は,まれではあるが,理論的には存在す

る。例えば,AEL に近い出力をもつクラス 3B レーザでは,拡散反射面と角膜との距離を 13 cm

以下にした観察の場合,可視放射の完全な拡散反射を 10 s 以上にわたって長時間観察した場合

には MPE を超える可能性がある。

クラス 

ビーム内の観察及び皮膚への露光は危険であり,また拡散反射の観察も危険となる可能性があるレーザ

製品。これらのレーザには,しばしば火災の危険性が伴う。

用語体系に関する注記 

クラス 1M 及びクラス 2M における

“M”

の由来は,

拡大用観察器具

(magnifying optical viewing instruments)

である。クラス 3R における“R”の由来は,例えば,キースイッチ,ビーム終端器又は減衰器,及びリモ

ートインタロックコネクタを不要とするなど,製造業者及び使用者への要求事項の削減(reduce)又は緩

和(relax)である。クラス 3B における“B”は,この規格の旧版である JIS C 6802:2005 が発行される以

前の JIS C 6802:1997 及び

追補 1:1998 において,現在のクラス 1M 及びクラス 2M に類似する意味をもっ

ていた,クラス 3A というものが存在していたという歴史的な経緯に由来している。

これまでの記述において,

“危険性がある”と表現したり,又は障害が生じるリスクが高いことに言及し

た場合,これらの危険性及びリスクは,対応する MPE レベルを超える,レーザ周辺の領域においてだけ

存在することに留意する必要がある。裸眼に対する露光の場合は,この領域は NOHD による境界がある。

また,

平行性の優れたクラス 1M 又はクラス 2M レーザからの放射を双眼鏡又は望遠鏡で観察する場合は,

拡張 NOHDENOHD)による境界がある。特定のレーザ製品(クラス 3B 及びクラス 4 であっても)にお

いては,その NOHD が極めて短く,装置の設置又は応用によっては,NOHD の外部にいる人に対しては目


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C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

の保護を必要としない場合があり得る。このような設置の事例としては,製造現場の天井に走査形レーザ

又は線状レーザを備えて,下方の作業領域における加工品上に模様又は線を投影するものなどがある。パ

ワーレベル及び走査パターンは,作業領域における露光が平常作業の場合に安全となるよう,MPE 以下に

設定できるが,保守及びサービス作業の場合には,特別の配慮が必要である。例えば,使用者がはしごに

乗って出射窓を清掃する場合など,近接した場所での露光は危険となる可能性がある。また,走査パター

ンは安全であっても,ビームが非走査モードに戻ると危険になるかもしれない。さらに,クラス 4 レーザ

製品においては,拡散反射についてもそれらには NOHD(この NOHD の領域はかなり狭いが)が付随する。

特定のレーザ及び応用に付随する危険の特性を評価することは,リスクアセスメントの一部である。

クラス分けの試験は,幾分“最悪ケース”を考慮して設計されており,合理的に予見し得る最悪の状態

においても,下位のクラスの製品(例えば,クラス 1)が目又は皮膚への危険を生じないことを保証する

ように制限している。その結果,危険になり得るのは最悪状態のときだけであるので,クラス 3B 又はク

ラス 4 製品であっても,

意図した使用及び通常の運転の場合は安全とみなせるように設計できる。

例えば,

製品が,保護きょう体(IEC 60825-4 に準拠したもの)を備えた実用上安全なものであっても,次のよう

な理由でクラス 1 の組込形レーザ製品にならない場合がある。

−  きょう体が,この規格に準拠した長時間の試験を満たしていない(一方,IEC 60825-4 に準拠した機

械としては,より短い評価時間を用いることができる。

−  製品には天蓋が装備されていない。ただし,ガードの上側には人が存在しないという環境では安全と

みなせる。

−  “歩行”立入りの自動検出手段を備えていない(ただし,管理された環境では,きょう体の内部に人

が存在しているときのドアの閉鎖を防ぐために,個人別の錠を設けるという組織的安全対策によって

代替することができる。これは,クラス分けを変えるものではないが,使用者に対して所望のレベル

の安全性を達成する手順を例示している。

クラス 3B 及びクラス 4 レーザ製品に付随する危険がきょう体内だけに制限されている場合は,組織に

よる安全対策だけで十分であるかもしれない。同様に,天蓋のないレーザシステム又は長時間故障が持続

するとガードが焼けて穴があいてしまうような状況においても,組織による安全対策だけで十分なことが

ある。

クラス 3B 及びクラス 4 であっても,

付随する危険が特殊な状況下だけに生じるような別の事例がある。

例えば,低出力レベルのレーザ治療に用いられる発散角の大きな光源に,コリメートレンズのような附属

品が適用されることを前提としてクラス分けされている場合を想定する。

附属品のレンズを装着した場合,

レンズによって潜在的に危険な平行ビームが生じるため,この製品はクラス 3B とクラス分けされること

がある。ただし,附属品のレンズを取り外した状態では発散角の大きなビームとなり,安全となり得る(す

なわち,目への露光は MPE 以下となる。

。この場合,危険な領域は,レーザに附属品が装着された場合

にだけ存在する。

C.3 

クラス分け体系の限界 

クラス分けの試験は,多くの場合制限的であって最悪のケースを想定しているが,それでもなおクラス

分けには限界があり,まれではあるが,各クラスに付随する危険性を超えるような危険につながる場合が

存在する。クラス分けは,次の三つの“構成要素”から構成されている。

a)

異なるクラスの AEL

b)

発生し得る露光条件を反映させるための,測定距離,開口の直径,及び受入れ角で表される測定の要


67

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件。これらの測定要件は,与えられたレーザ製品について被ばく放出量を決定し,これと AEL とを比

較することによってクラスを決定する。

c)

AEL 及び被ばく放出量を決定する基礎となる試験条件。これには,合理的に予見可能な単一故障条件

を考慮することが含まれる。また,運転,保守,及びサービスを区別する必要がある。工具を用いず

に着脱できる附属品の使用及び工具不要の製品構成の変更についても考慮する必要がある。

これら三つの構成要素はいずれも幾つかの暗黙の仮定を含んでおり,このため,まれではあるが,これ

らの仮定を満たさない場合,

当該クラスについての通常の理解を超えるような危険性が生じることがある。

例えば,クラス 1 及びクラス 1M に対する長時間の露光における AEL は,麻酔されていない目が眼球運動

することを前提としている。しかし,麻酔された目に対する医療処置の間に,目に長時間の露光が生じる

と,クラス 1 レーザによる放射でも潜在的に危険な露光につながる可能性がある。また,測定要件は,あ

る種の光学器具による露光の起こりやすさについての前提及び評価に基づいている。例えば,大形の望遠

鏡を用いて,大きなビーム径の平行ビームを受光した場合には,クラス 1 製品といえども危険である可能

性がある。しかし,望遠鏡の視野は狭いので,このようなことで目への露光が偶然生じる確率は通常極め

て低い。考慮が必要と思われる別の状況として,製品の置かれた条件が,クラス分けのときに検討する必

要がない条件であるにもかかわらず,

そのときに生じる危険な放射に被ばくする可能性がある場合がある。

例えば,

製品の製造業者から附属品として提供されていなくても,

コリメートレンズを製品に装着すると,

クラス 1M 又はクラス 2M 製品からの発散ビームを,潜在的に大きな障害距離をもつ平行ビームに変換す

ることが可能となる。ただし,これは製品の変更とみなされるので,その変更を行った者が改めて製品の

クラス分けを実施するのがよい。

いずれにしても,製品の取扱説明書の中に警告を記載することができるよう,製造業者は上述したクラ

ス分け体系の限界を意識しておくほうがよい。このような潜在的な限界についての特定の事例を次に示す

(限界が当てはまるかどうかは製品の種類に依存するため,これらの限界は単に潜在的であることに留意

する。

−  直径の大きな平行ビームのクラス 1,クラス 2,又はクラス 3R レーザ製品であって,大形の望遠鏡を

用いて観察されるもの。

−  大きく発散するビームのクラス 1,クラス 2,又はクラス 3R レーザ製品であって,大きな拡大率をも

つ拡大鏡で観察されるもの。

−  拡大率が×7 未満の双眼鏡又は望遠鏡。この場合,条件 1 については,適用される視角 α の拡大[8.3 

c)

参照]

,又は受入れ角の削減[9.3.3 b)参照]は,実際の拡大率,すなわち,×7 未満と同じにするほ

うがよい。

−  走査ビームを望遠鏡を用いて観察する場合。

−  二重の故障条件が起きる可能性がある場合。すなわち,AEL を超えて被ばくし得る放射が生じること

は,

それぞれの故障が単独で生じる場合にはないが,

それらの故障が同時に生じる場合にはあり得る。

このような故障が高い確率で生じることが予見される場合,二重の故障が生じる可能性も十分に高い

ので,それについては製品設計時に考慮するのがよい。


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附属書 D 
(参考)

生物物理学的検討

D.1 

目の構造 

人間の目の解剖学的な詳細を

図 D.1 に示す。

図 D.1−目の構造 

図 D.1A)は左目の外観図である。上下のまぶたによって視界はアーモンド形になる。目の前面の主要

な部分の名称を示す。

図 D.1B)は左目の水平断面図である。目は二つの部分に分けられ,前部,すなわち,前眼部は,角膜,

こう(虹)彩,水晶体で囲まれており,後部,すなわち,後眼部は網膜に囲まれており,ゲル状の硝子体

で満たされている。

図 D.1C)は眼底カメラで見た正常な眼底像である。眼底カメラは瞳孔を通して,光を直接入れて目の

内部を照明し,眼底を観察するものである。得られた像は,眼底をよく見ることができる。眼底は赤みが

かっているが,

網膜血管の大部分をはっきりと見ることができる。

白みがかった視神経乳頭及び中心か

(窩)

(黄斑部)はその他の部分と区別して見ることができる。中心か(窩)は網膜面より少し沈下しており,

周囲の網膜より更に色素が多く,最も鋭敏な視覚をもつ部位である。中心か(窩)は黄斑部の中央にあり,

黄斑部は視覚の大部分を占める。

図 D.1D)は図 D.1B)の断面に見られる網膜の構造で,実物の数百倍に拡大されている。網膜は,


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光感受性のかん(杆)体及びすい(錐)体の上に重なった神経細胞の一連の層からできている。つまり,

網膜面への入射光は,光感受性細胞に到達するまでに,神経細胞の層を通らなければならない。かん(杆)

体及びすい(錐)体の下には,茶褐色のメラニンでできている色素上皮層がある。さらに,その下に,毛

細血管の層,つまり脈絡毛細管がある。最後の光吸収層は脈絡膜であり,色素細胞及び血管の両者を含ん

でいる。

図 D.1E)は数百倍に拡大した中心か(窩)の構造である。ここには,すい(錐)体だけがある。神経

細胞は,この最も鋭敏な視覚の部分を避けるように放射状に出ている。400 nm∼500 nm に強い吸収性をも

つ黄斑色素は,Henle(ヘンレ:ドイツの解剖学者の名前)の線維層に存在する。

網膜の細胞は再生力がなく,損傷を受けるとその部分は永久的に視覚の低下を起こす。

D.2 

生体組織に及ぼすレーザ光の影響 

D.2.1 

一般事項 

レーザ放射が障害を引き起こすメカニズムは,全ての生体組織に対してほぼ同じで,熱,熱弾性衝撃波

(急激な温度上昇による音響衝撃波)

,光化学的作用及び非線形効果によるものである。これらのメカニズ

ムのどれが障害の原因となるかの度合いは,放射源の物理的パラメータに関連している。それらの中で最

も重要なものは,波長,パルス幅,像の大きさ,放射照度及び放射露光である。

一般には,しきい値を超えた露光において,主な反応は,露光のパルス幅に強く影響される。例えば,

パルス幅による主たる効果を列挙すると,ナノ秒及びサブナノ秒の露光では衝撃波による障害及び非線形

効果,1 ミリ秒から数秒の範囲では熱的効果,そして 10 秒以上では光化学的効果となる。

レーザ放射は,そのビームの平行度によって,他の知られている多くのタイプの放射とは区別される。

これは,本質的にもっている高いエネルギー量も加わって,生体組織に過剰なエネルギー量を与えること

になる。生体系に対するいかなるレーザ放射障害もその第一段階は,その生体系による光放射の吸収であ

る。  光の吸収は,原子又は分子レベルで行われ,波長選択性がある。したがって,特定のレーザがどの組

織に障害を与えやすいかを決定するのは波長である。

熱による影響  十分な放射エネルギーが,生体系に吸収されるとき,その構成分子は振動し,熱が発生す

る。多くのレーザ障害は,吸収した組織の熱及びその周辺組織への熱によって生じる。この熱による障害

は,通常,レーザエネルギーを吸収した照射ビームの中心位置から周辺の限定された領域に広がる。この

領域内の細胞は,やけどを起こし,このときの組織障害は,主としてタンパク質の変性である。上で示し

たように,レーザによる二次的障害の発生するメカニズムは,パルス幅(

図 D.2 参照)に直接関係した組

織熱反応の経過時間及びその組織の冷却期間に関係する。

熱化学反応は,加熱期間と冷却期間との双方に関係し,熱的障害のスポットサイズ依存性をもたらす。

CW 又は長いパルス幅のレーザが生体組織に照射されると,熱伝導によって,温度が上昇する生体組織の

領域は,次第に広がっていく。この熱の広がりは障害領域を更に広げ,細胞の熱許容度以上に温度上昇す

る。また,ビームイメージサイズは非常に重要であり,熱伝導による周辺への広がりの度合いは,最初に

加熱された組織領域の温度の関数であるのはもちろん,

サイズの関数でもある。

このタイプの熱的障害は,

通常,CW 又は長いパルス幅のレーザを露光したときに見られるが,また,短いパルスにおいても発生す

る。1 mm∼2 mm 以下程度の照射スポットサイズの場合には,放射状に広がる熱拡散によって熱的傷害の

スポットサイズ依存性が生じる。


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説明 
a)

レーザエネルギーが生体系によって吸

収される。

b)

吸収されたエネルギーは周りの組織に
伝達する熱を作り出す。

c)

長いパルスレーザ又は CW レーザで
は,熱拡散が続くと,徐々に障害が広
がっていく。

d)

短いパルスレーザでは,高いパワー密
度が細胞の爆発的な破裂及び物理的な
脱離によって損傷を引き起こす。

図 D.2−レーザによって引き起こされる生体組織の損傷のダイヤグラム

光化学的な影響  一方,光化学的な過程による直接的な結果としての損傷も起こり得る。この過程は,与

えられた光エネルギーの吸収によって引き起こされる。この場合には,吸収したエネルギーを放出するよ

りは,むしろその励起状態の分子が特異的な化学反応を起こすことによる。この光化学反応は,低い露光

レベルにおける障害の原因となるものと考えられる。このメカニズムによって,皮膚,目の水晶体,及び

特に網膜などの生体組織は,それほど強くはない UV 放射及び短い波長の光に長く露光されることによっ

て不可逆的な変化を引き起こす。このような光化学的に引き起こされた変化は,照射の持続時間が過度に

長かったり,また,短い時間の露光が長い間繰り返されれば,生体系に障害を与える。レーザ露光によっ

て引き起こされる光化学反応のあるものは反応が異常なものとなり,又はあるものは正常な反応が強く発

現するものとなる。光化学反応は,一般に,ブンゼン−ロスコーの法則に従っており,1 時間から 3 時間

以下程度の持続時間(修復機構が損傷速度に打ち勝てない場合)に対し,放射露光として表されるしきい

値は,露光持続時間の広い範囲にわたって一定となる。光化学反応には,熱拡散のために熱的影響が生じ

た,スポットサイズ依存性は存在しない。

非線形効果  短パルスの高ピークパワーレーザ(例えば,Q スイッチ又はモード同期レーザ)は,誘発メ

カニズムの異なった組合せ(既に知られた反応機構の中で,これまでと異なった組合せ)で組織障害を引


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き起こす。ごく短時間に生体に高エネルギーが加えられるので,高い放射照度が発生する。ターゲット組

織は,急速な温度上昇によって,細胞の液体成分が気化する。多くの場合,このような相変化は急に起こ

るため,爆発的であり,細胞は破裂する。熱膨張に起因して圧力の過渡現象が生じることもあり,また,

それとともに,大部分が物理的に脱離することによって,吸収層から遠く離れた組織にせん(剪)断損傷

を引き起こすことがある。サブナノ秒の露光では,目の透光体による光ビームの自己収束効果によって,

平行ビームであるレーザエネルギーを更に集中させ,

約 10 ピコ秒∼1 ナノ秒の間のしきい値を更に下げる。

さらに,サブナノ秒領域における網膜障害においては,他の非線形光学メカニズムがある役割を演じるよ

うである。

以上のような障害のメカニズムは,全て網膜で作用することが明らかにされており,この規格に規定す

る安全露光レベルの折点又は傾きの変化に反映されている。

D.2.2 

目に対する危険性 

目の構造については D.1 で簡単に述べている。目は,特に,光を受けて情報を伝達するようにできてい

る。過度の露光によって生じる病理学的影響を,

表 D.1 にまとめている。熱的な相互作用の機構を,図 D.2

に示す。紫外及び遠赤外放射レーザ光は角膜の障害を引き起こし,一方,可視及び近赤外波長の放射光は

網膜まで達する。

表 D.1−光に対する過度の露光に伴う病理学的影響の要約

CIE

波長領域

a)

皮膚

紫外 C

(180 nm∼280 nm)

紫外 B 
(280 nm∼315 nm)

光化学的角膜炎

紅しん(疹)

(日焼け)

皮膚老化プロセスの加速 
色素の増加

紫外 A 
(315 nm∼400 nm)

光化学的白内障

可視 
(400 nm∼780 nm)

光化学的及び熱的網膜損傷

色素の黒化 
光線過敏症

皮膚のやけど

赤外 A 
(780 nm∼1 400 nm)

白内障,網膜熱傷

赤外 B 
(1.4 μm∼3.0 μm)

前房フレア,白内障,角膜熱傷

赤外 C 
(3.0 μm∼1 mm)

角膜熱傷だけ

皮膚のやけど

a)

  CIE(国際照明委員会)によって定義される波長領域は,生物学的影響を記述するときに役に立

つ簡単明瞭な表記であり,MPE 

表 A.1∼表 A.3 にある波長の切れ目と完全には一致していな

いことがある。

可視及び近赤外レーザは,目に対して特に危険である。なぜなら,目にとって全く当然の特性が光の有

効な変換器であり,高い放射露光が高密度の色素性組織に与えられるからである。角膜から網膜への放射

照度の増加は,おおむね網膜像の面積に対する瞳孔の面積の比となる。この増加は,瞳孔に入った光が網

膜上の“点”に集束されるために起こる。瞳孔は,可変開口であるが,その直径は青年の目で最大に広が

ったとき 7 mm 位の大きさである。このような瞳孔に対応する網膜上の像は,直径 10 μm と 20 μm との間

である。眼内散乱及び角膜収差を考慮した場合には,角膜と網膜との間の放射照度の増加は,ほぼ 2×10

5

倍程度となる。


72

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:2011 (IEC 60825-1:2007)

2×10

5

倍の増加を仮定すると,角膜上の 50 W·m

2

のビームが,網膜上で 1×10

7

W·m

2

になる。この規

格では,7 mm の瞳孔は,これが最悪の条件であり,青年の目に対して測定された瞳孔の直径にほぼ等し

いので,限界開口と考えられている。瞳孔径 7 mm の仮定が例外となるのは,10 秒以上にわたり明るい可

視光(400 nm∼700 nm)レーザの光源を観察するとき,光網膜炎から保護するための露光限界値を算出す

る場合であった。この場合,3 mm の瞳孔径が最悪の条件と思われた。しかし,瞳孔の生理学的な動きを

考慮すると,7 mm 開口で放射照度を平均化するのが,やはり適切とみなされた。したがって,10 秒を超

える持続時間に対する AEL についても,開口を 7 mm として導き出されている。

レーザの強いビームが網膜上に集束しても 5 %の光だけがかん(杆)体及びすい(錐)体の中の可視色

素によって吸収されるだけである。大部分の光は,色素上皮の中に含まれたメラニンという色素によって

吸収される(黄斑部では 400 nm∼500 nm 波長帯のエネルギーの一部が黄斑色素によって吸収される。

吸収されたエネルギーは,部分的加熱を引き起こし,色素上皮並びに隣接する光受容器であるかん(杆)

体及びすい(錐)体の両者をやけどさせる。このやけど又は損傷は視力障害を引き起こす。光化学的障害

は,非熱的障害であるが,色素上皮の中でも発生する。

露光の強さの程度によって,

そのような視力障害が永久的なものとなるか否かが決まる。

視力の低下は,

通常,黄斑部の中心又は凹み[か(窩)

]の部分に露光されると,本人の感覚として感じられる。黄斑部の

中心にある凹み[か(窩)

]である,この中心か(窩)は最も視感度のあるところで,網膜の中で最も重要

な部分である。

“何かを直視する”のは網膜のこの部分である。中心か(窩)によって範囲を定められる視

野角は,ほぼ月を見たときに定まるものと同じである。この部分が障害を受けると,視野の中心に白いぼ

んやりとしたスポットが固有の視力障害として現れ,このスポットは 2 週間程度で黒に変わる。最終的に

被害者は普通の状態では,この暗点に気付かなくなる。しかし,真白な紙に何もないようなものを見ると

すぐ気付く。

周辺視野の機能障害も,

網膜全体が障害を受けたときに露光した本人の感覚として生じるが,

小さい周囲の障害は,気付かずに済まされるので精密な目の検査をしないとよく分からない。

400 nm∼1 400 nm の波長範囲で最も重大な障害は網膜損傷である。角膜,前房,水晶体及び硝子体は,

これらの波長の放射を透過する。十分に平行なビームの場合には,網膜像は約 10  μm∼20  μm の直径の回

折限界スポットになると推測されるので,

危険性は放射源と目との距離に事実上無関係である。

この場合,

熱平衡を仮定して,危険な網膜域は最小視角 α

min

によって決定される。この限界視角は通常,直径が約 25

μm の網膜スポットに対応する。

分散光源の場合,危険性は光源と目との観察距離に依存して変化する。その理由は,網膜上の瞬時の放

射照度は光源の輝度及び目のレンズ特性だけに依存して観察距離には依存しないが,網膜におけるエネル

ギーの熱拡散は,その網膜像が大きくなるほどますます効率的でなくなるからである。その結果,

(400 nm

∼600 nm の波長範囲だけで生成する)光化学的障害の場合には網膜上のスポットサイズ依存性が存在しな

いのに対して,熱的障害においてはそれが存在する。更なる効果として,眼球運動は,CW レーザ露光に

対する吸収エネルギーを更に拡散させるので,異なる網膜像サイズに対して異なるリスク依存性を引き起

こす。

眼球運動を考慮した補正係数は,網膜障害領域における目への露光の限界値を算出するとき,10 秒を超

える観察持続時間の場合だけに適用された。衝動性運動として知られる生理学的眼球運動は,実際には 0.1

∼10 秒の時間内で最小網膜像(25 μm 以下)の吸収エネルギーを拡散させるので,眼球運動の補正なしの

限界値は,この観察時間に対して望ましい安全係数を見込むことになる。平均照射網膜スポットは 0.25 秒

で約 50 μm であり,10 秒経過までに,照射網膜領域は約 75 μm に広がるので,最小像条件に対する安全係

数は,スポットサイズ依存性を考慮すると,安定固視した眼球の場合に比べて 1.7 倍になる。また,100


73

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

秒経過までに,135 μm 程度の小さな(50 %のポイントで測定した)照射領域に限定されることはまれであ

り,最小像条件に対して,2.3 倍以上の安全係数が見込まれる。

眼球運動の研究及び網膜熱損傷の研究のデータを組み合わせることで,眼球が動けない条件では網膜へ

の露光時間の増加によって理論上増大する熱損傷のリスクを眼球運動が補償できる,観察時間の折点 T

2

を導いた。目に入る放射パワーとして表される熱損傷しきい値は,露光持続時間 が増大するにしたがっ

て,の−0.25 乗に比例して減少する(すなわち,持続時間が 10 倍増えるごとに 44 %しか減少しない。

ので,網膜の露光面積を適度に増大させることだけが,観察時間が長くなるほど増加するリスクを補償す

ることになる。また,観察時間が増加すると大きな眼球運動のために網膜の露光領域が拡大するが,この

場合は,大きな拡散光源ほど熱拡散の効果が減少するので,熱拡散による補償効果が生じるのはより長い

経過時間を要することになる。したがって,視角 α の増大に対して,折点 T

2

は小光源の 10 秒から大光源

の 100 秒まで増大させている。100 秒を超えると,小サイズ及び中間サイズの像の場合には,熱損傷のリ

スクが更に増えることはない。限界値及び測定条件の仕様は,リスクを控えめに見積もるべく若干の単純

化を加えつつ,これらの光源の違いになるべく追随するようにしている。すなわち,網膜熱損傷しきい値

は,

(眼球運動がなく安定固視している場合)約 25 μm∼1 mm の範囲(視角 1.5 mrad∼59 mrad に相当)の

網膜像サイズに対して,逆向きに変わり,一方,1.7 mm(100 mrad を超える視角に相当)を超えると,ス

ポットサイズには依存しない,と控えめに見積もられている。

光化学的に引き起こされる網膜損傷の場合には,眼球運動がなく安定した像に関してはスポットサイズ

には依存しない。熱損傷メカニズムとは異なり,光化学的損傷のしきい値は波長に強く依存しており,か

つ,照射光量に依存している。すなわち,しきい値は,露光時間が長くなると逆に減少する。

1 mrad∼1.5 mrad の視角をもつ溶接アークによる光化学的網膜損傷についての研究から,185  μm∼200

μm(視角 11 mrad∼12 mrad に相当)程度の典型的な損傷サイズが明らかになり,固視中における眼球運動

の影響が明確になった。固視中の眼球運動の当該研究及び他の研究から,光化学的網膜損傷から保護する

ための MPE が導き出された。これらの研究では更に,MPE 放射照度は 10 秒∼100 秒の露光時間に対して

11 mrad の視角にわたって平均化されるものと規定された。したがって,視角 α が 11 mrad より小さい光源

は“点タイプ”光源と同等に取り扱われ,α

min

の概念が CW レーザ観察に拡大適用された。このアプロー

チは厳密には正しくない。なぜなら,11 mrad 光源の放射照度測定は,光源が方形の(ピークが一定の)

放射輝度分布をもっていない限り,視野(γ)11 mrad にわたって平均化された放射照度とは同等ではない

からである。したがって,この規格では,光源の実際の視角と平均化された光化学 MPE の放射照度とを

区別する。約 30 秒∼60 秒を超える観察時間の場合,通常,固視中に付随する固視微動よりも目視作業に

伴うより大きな眼球運動が支配的になる。したがって,光源が 100 秒よりも長い持続時間で中心か(窩)

に結像されたままと仮定することは理にかなっていない。このため,受入れ角 γ

ph

は,露光時間 の平方根

に比例して増大させる。熱的網膜障害の評価では,最小視角 α

min

は,用いる露光時間全てにおいて基準角

1.5 mrad に固定する。しかし,光化学的網膜障害の評価の場合には,その概念は実際には異なっており,

角度 γ

ph

は放射照度測定における線形の受入れ角であるので,約 11 mrad より大きい分散光源だけに適用す

ることが肝要である。

観察距離  “点タイプ”の発散ビーム光源の場合には,危険性はビームウエストと目との距離の減少とと

もに増加する。この理由は,網膜像の大きさが(目の調節能力のために)100 mm の距離までのレーザ光

源に対する回折限界をほぼ維持できると仮定される限り,距離の減少とともに,集光パワーが増加するか

らである。最大の危険性は,明視可能な最も短い距離で生じる。しかし,距離を更に短くした場合には,


74

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

網膜像が急速に広がり,放射照度がそれに応じて減少するので,たとえ大きなパワーが集められるとして

も,裸眼に対する危険性は減少する。平行ビームを双眼鏡,望遠鏡などの光学器具を用いて観察すること

の危険性を模擬するために,明視のための最短距離という観点から,50 mm の開口で 2 m のアプローチを

最短距離とした。

この規格の目的として,人間の目の最も短い調節距離を,400 nm∼1 400 nm の全波長において,100 mm

に設定する。これは,少数の若者及び僅かの近眼の者を除く全ての者が,100 mm より短い距離で目を調

節できないことを考慮して選ばれた。この距離は,ビーム内観察状態の場合に放射照度の測定に用いてよ

い(

表 11 参照)。

400 nm 未満又は 1 400 nm を超える波長の場合には,最も大きな危険性は,水晶体又は角膜の損傷であ

る。波長に依存して,光放射は角膜又は水晶体でほとんど吸収される(

表 D.1 参照)。これらの波長におけ

る発散ビーム光源(分散又は点タイプ)の場合には,光源と目との間を短い距離にすることは回避するこ

とが望ましい。

1 500 nm∼2 600 nm の波長範囲では,放射は硝子体内にまで深達する。したがって,加熱の影響は目の

多くの部分にわたって分散し,10 秒未満の露光の MPE は増大する。最も MPE が増加するのは,非常に短

いパルスの場合で,吸収する体積が最も大きくなる 1 500 nm∼1 800 nm の波長範囲の場合である。時間が

10 秒を超えると,熱伝導で熱エネルギーが広く拡散するため,深達長の効果はもはや著しいものでなくな

る。

D.2.3 

皮膚に対する危険性 

皮膚は,レーザビームエネルギーの強い露光に対して,一般に,目よりもよく耐えられる。可視(400 nm

∼700 nm)及び赤外(700 nm 以上)のスペクトル領域で動作するレーザによる皮膚への照射の生物学的効

果は,軽度の紅斑からひどい水ほう(疱)の形成までの多様性がある。極めて短パルスで高ピーク出力の

レーザの露光による皮膚表面での強い吸収によって,皮膚が灰のように炭化することがしばしばある。こ

の場合は,紅斑を伴わないことがある。

極めて強い照射に対して皮膚には,色素の沈着,潰瘍の形成,皮下組織の損傷などが生じる。レーザ放

射による潜伏的又は蓄積的効果は,あまり見られない。ただし,一部の研究によれば,特別の状況のもと

では,局所的な露光を繰り返すことによって,人の細胞組織の微小領域が敏感になり,反応する最小の露

光レベルが変化し,低いレベルの露光に対しても皮膚組織はより激しく反応する。

1 500 nm∼2 600 nm の波長範囲では,皮膚損傷の危険は目の危険と類似のパターンに従っていることが,

生物学的しきい値の研究から明らかになっている。10 秒までの露光の場合には,この波長範囲内で MPE

は増大する。

D.3 

MPE 及び放射照度の平均化 

この規格では,ICNIRP(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection:国際非電離放射線

防護委員会)の推奨する最大許容露光量(MPE)の値を採用している。放射照度の平均化に用いる開口(測

定開口)は,ICNIRP が推奨したものが採用されたが,IEC/TC 76 によって安全係数が追加適用された。

AEL の決定及び算出は,一般に MPE に基づいているが,リスク解析及び合理的に予測できる露光条件の

決定を必要とした。測定開口の選択は,AEL の導出で重要な役割を担っており,生物物理学的要因及び生

理学的要因の双方を反映している。ある場合には,リスク評価の検討及び表現の単純化が重要な役割を担

った。測定開口の選択で仮定された種々の要因の要約を

表 D.2 に示す。一般に,ICNIRP の勧告案に準拠

しているが,安全係数が追加適用されている。


75

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

表 D.2MPE に適用される測定開口の説明

波長領域

λ(nm) 

露光時間

t(s) 

開口直径

(mm)

開口直径に関する注釈及び理論的根拠

180 nm∼400 nm

t<3×10

4

 s

1 mm

角膜上皮及び角膜層での散乱の場合は 1 mm
になる。IEC では連続露光条件の場合の被露
光組織は一切動かないという仮定を適用して

いる。ただし,ICNIRP では非常に長い露光
の場合には,眼球運動による 3.5 mm を推奨し
ている。

400 nm∼600 nm

光化学的

t>10 s

MPE 導出の場

合は 3 mm,し

かし測定には 7 
mm を用いる。

直径 3 mm の瞳孔の空間的な横方向運動のた
め,光化学的障害メカニズムに適用される
CW 露光に対する平均化が 7 mm 開口に広が
るため。

400 nm∼1 400 nm

熱的

全ての t 7

mm

CW 露光時における拡大した瞳孔の直径及び
横方向運動のため。

t<0.35 s

1 mm

角膜層及び上皮組織における熱拡散。

0.35 s<t<10 s

1.5

3/8

mm

λ>1 400 nm

t>10 s

3.5 mm

0.35 秒後にビームに対する標的組織の熱拡散
及び運動が激しくなるため。

10

5

 nm≦λ≦10

6

nm

全ての t 11

mm

正確な測定のためには,開口は回折限界より
も大きくする(すなわち,約 10 倍)

D.4 

参考文献 

1)  Henderson, R. and Schulmeister, K.: Laser Safety, Institute of Physics Publishing, Bristol, 2003

2)  International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP): Guidelines on limits of exposure 

to laser radiation of wavelengths between 180 nm and 1, 000 μm. Health Phys. 71(5): 804-819, 1996

3)  International Commission on Non-lonizing Radiation Protection (ICNIRP): Revision of guidelines on limits 

of exposure to laser radiation of wavelengths between 400 nm and 1.4 μm. Health Phys. 79(4): 431-440, 2000

4)  Ness, J., Zwick, H. A., Stuck, B. A., Lund, D. J., Molchany, J. A. and Sliney, D. H.: Retinal image motion 

during deliberate fixation: implications to laser safety for long duration viewing. Health Phys. 78(2):

131-142

5)  Roach, W. P., Johnson, P. E. and Rockwell, B. A.: Proposed maximum permissible exposure limits for 

ultrashort laser pulses, Health Phys. 76(4): 349-354

6)  Sliney, D. H. and Wolbarsht, M. L.: Safety with Lasers and Other Optical Sources, New York, Plenum

Publishing Corp., 1980

7)  Sliney, D., Aron-Rosa, D., Delori, F., et al.: Adjustment of guidance for exposure of the eye to optical 

radiation from ocular instruments: statement of a task group of the International Commission on 

Non-Ionizing Radiation Protection, Applied Optics, 44 (11), 2162-2176, 2005

8)  United Nations Environment Programme (UNEP); World Health Organization (WHO); International

Radiation Protection Association (IRPA): Environmental Health Criteria No. 23:Lasers and Optical 

Radiation, Geneva, WHO, 1982


76

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

附属書 E

(参考)

放射輝度で表した MPE 及び AEL 

E.1 

背景 

大きな分散光源については,網膜に及ぼす潜在的な危険性を解析するのに,光源の放射輝度を用いたほ

うが簡単な場合がある。

この附属書は,

視角が α

max

より大きいアパーレント光源を観察する状況に対して,

400 nm∼1 400 nm の網膜に危険な波長領域におけるクラス 1 及びクラス 1M の AEL 並びにそれに関連する
MPE の値に基づいた最大許容放射輝度についての単一の表及びグラフを使用者に提供することを目的と

する。輝度不変の原理によって,

表 E.1 又は図 E.1 に規定する放射輝度レベル以下で拡散して放射する分

散光源は,拡散光源の前にどのような光学系を置いても,全てクラス 1 の被ばく放出限界(AEL)を超え

ることはない。

E.2 

放射輝度の値 

表 E.1 における放射輝度の値は,IEC/ICNIRP による MPE レベルに基づいている。一般に MPE は,放

射露光(J·m

2

)又は放射照度(W·m

2

)という物理量を用いて表されているので,MPE の値を放射輝度

(W·m

2

·sr

1

)に変換する必要がある。次に,対応する放射輝度の値を波長の関数としてプロットする(E.3

参照)

表 E.1 は,露光時間 100 s で視角が 100 mrad 以上の場合について,露光が許容される放射輝度の値を波

長の関数として示している。光化学的又は熱的な限界のうち,最も厳しいものを規定している。網膜の光

化学的障害限界は,数値をイタリックにて示す。

露光時間 100 s,視角 100 mrad の場合の放射輝度で表した MPE

図 E.1−放射輝度の波長依存性


77

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

表 E.1−クラス であるための拡散光源の最大放射輝度

波長

nm

放射輝度

W·m

2

·sr

1

放射輝度

W·cm

2

·sr

1

430

10 000 

1.00 

450

10 000 

1.00 

460

15 848 

1.58 

465

19 952 

2.00 

470

25 119 

2.51 

480

39 811 

3.98 

505 48

316  4.83

520 48

316  4.83

555 48

316  4.83

565 48

316  4.80

595 48

316  4.83

610 48

316  4.83

625 48

316  4.83

645 48

316  4.83

660 48

316  4.83

660 48

316  4.83

700 48

316  4.83

750 60

826  6.08

800 76

576  7.66

850 96

403  9.64

900 121 365  12.13 
950 152 789  15.28

1 000

192 350

19.24

1 050

241 580

24.16

1 100

241 580

24.16

1 150

241 580

24.16

数値がイタリックのものは,網膜の光化学的障害限界を示す。 

E.3 

理論的根拠 

放射輝度の値は,IEC/ICNIRP による MPE レベルを用いて算出する。一般に MPE は,放射露光(J·m

2

又は放射照度(W·m

2

)によって表されているので,MPE の値を放射輝度(W·m

2

·sr

1

)に変換する必要

がある。

放射照度で表された MPE に対しては,放射輝度に変換するため,次に示す方法を用いた。

任意の参照面における放射輝度は次の式(E.1)で定義される。

θ

cos

=

dA

dΩ

L

(E.1)

ここで,dΦ は参照面の単位面積(dA)を通過する放射パワーであって,通過する放射光束の広がりが

単位立体角(dΩ)内に入るパワーである。参照面の MPE は,次の式(E.2)で定義される放射照度でしばし

ば表される。

dA

E

=

(E.2)


78

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

ここで,dΦ は参照面の単位面積(dA)を通過する放射パワーを表す。

式(E.2)から,単位立体角 dΩ 内に含まれる放射照度 dE を用いて式(E.1)を変形すると,放射輝度が dΩ 

たりの放射照度の関数として得られる。

θ

cos

=

dΩ

dE

L

(E.3)

次に観察する方位角(光源面の法線とビームとがなす角)θ を定めて,光源全体の寄与による立体角 

を求める必要がある。参照面を通過する光束の全広がり角に対応する全立体角 Ω は,参照面から光源を見

込む立体角と等しいので,Ω は次の式(E.4)で表される。

4

π

2

a

=

(E.4)

全立体角 Ω の寄与による放射照度は であるので,観察する方位角として θ=0°という最悪のケース

(観察者が直接ビーム内を見ている)を仮定すると,式(E.3)からは次の式(E.5)が得られる。

2

π

4

a

E

L

=

(E.5)

この式によって,放射照度 で定義された MPE は,任意の参照面から見込む光源の視角 α を用いて放

射輝度 と対応づけられる。

放射露光で表された MPE に対しては,やや異なる方法を用いる。放射露光 は次の式(E.6)で定義され

る。

dA

dQ

H

=

(E.6)

ここで,dQ は参照面の単位面積(dA)を通過する放射エネルギー(単位:J)である。両辺を時間 dt 

除すと次の式(E.7)が得られる。

dt

dA

dQ

dt

H

=

(E.7)

一方,全放射パワーΦ は次の式(E.8)で表されるので,

dt

dQ

Φ

=

(E.8)

式(E.8)を用いて,式(E.7)を単位面積(dA)を通過する放射パワーdΦ で表すと次の式(E.9)が得られる。

dA

dt

=

(E.9)

式(E.1)に戻り,式(E.9)を基に,単位立体角 dΩ 内に含まれる放射露光 dH を用いて式(E.1)を変形すると,

次の式(E.10)が得られる。

θ

cos

=

dt

dΩ

dH

L

(E.10)

光源全体の寄与による放射露光 で表すため

再び全立体角 [式(E.4)]を用い,θ=0°という最悪ケ

ースを想定すると,次の式(E.11)が得られる。

t

a

H

L

2

π

4

=

 (E.11)

式(E.5)及び式(E.11)の は参照面における放射輝度として導かれたが,輝度不変の原理によって,その

まま光源の最大許容放射輝度を表す式と考えてよい。


79

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

この計算において,100 s の露光時間についての視角として 100 mrad という最悪ケースを想定した。計

算結果を,

表 E.1 及び図 E.1 に示す。


80

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

附属書 F

(参考)

要約表

表 F.1 は,この規格(第 1 部)で用いる物理量及び各々に用いる単位(及び単位に対する記号)の要約

を示している。SI 単位の定義は,ISO 1000 から引用している。単位及び記号は IEC 60027-1 から引用して

いる。

表 F.2 に,製造業者の要求事項の要約を示す。

表 F.1−この規格第 部で用いる物理量の要約

単位の名称

単位記号

定義

メートル m

メートルは,1 秒の 1/229 792 458 の時間中に真空中の光

が伝わる光路の長さ。

ミリメートル mm

10

3

 m

マイクロメートル

μm 10

6

 m

長さ

ナノメートル nm

10

9

 m

面積

平方メートル

m

2

 1

m

2

質量

キログラム kg

キログラムは,国際キログラム原器の質量。

時間

秒 s

秒は,セシウム 133 原子の基底状態の二つの超微細準位
間の遷移に対応する放射の 9 192 631 770 の周期の継続時

間とする。

周波数

ヘルツ Hz

ヘルツは 1 秒につき 1 サイクルに等しい周期現象の周波

数。

ラジアン rad

円の半径に等しい長さの弧が円の中心に対して張る角

度。

平面角

ミリラジアン mrad

10

3

 rad

立体角

ステラジアン sr

球の半径の平方に等しい面積となる球面上の部分が球の
中心に対して張る立体角。

ニュートン N

1

m·kg·s

2

エネルギー

ジュール J

1

N·m

放射露光

ジュール毎平方メートル J·m

2

 1

J·m

2

積分放射輝度  ジュール毎平方メートル

毎ステラジアン

J·m

2

·sr

1

 1

J·m

2

·sr

1

ワット W

1

J·s

1

パワー

ミリワット mW

10

3

 W

放射照度

ワット毎平方メートル W·m

2

 1

W·m

2

放射輝度

ワット毎平方メートル毎
ステラジアン

W·m

2

·sr

1

1 W·m

2

·sr

1

注記  便宜上,単位の倍数及び約数を適切なところに含めてある。 


表 F.2−製造業者の要求事項(要約)

クラス分け

要求事項

細分箇条

クラス 1

クラス 1M

クラス 2

クラス 2M

クラス 3R

クラス 3B

クラス 4

危険度の説明

附属書 

合理的に予見できる

条件下で安全である。

使用者が光学器具を

用いた場合に危険に
なることがあるとい
う点を除いて,クラ

ス 1 に同じ。

低パワー。通常,

ま ば た き な ど の
嫌 悪 反 応 に よ っ
て目は保護され,

安全である。

使用者が光学器具を

用いた場合により危
険になることがある
という点を除いて,

クラス 2 に同じ。

直接ビーム内観

察は危険になる
ことがある。

直接ビーム内観

察は通常におい
て危険である。

高パワー。

拡散反射も危険になる
ことがある。

保護きょう体

4.2 

組込形レーザ製品に

ついては要求される。

レーザ製品ごとに要求される。製品の機能遂行に不可避な被ばくを制限する。

アクセルパネル

及びセーフティ
インタロック

4.3 

被ばく放出値がクラス 3R の値を下回るまでパネルの取外しが行えないように設計され

ている。

被ばく放出値がクラス 3B 又は製品によっては 3R の値を下回

るまでパネルの取外しが行えないように設計されている。

リ モ ー ト イ ン
タ ロ ッ ク コ ネ

クタ  4.4 

不要

レーザ据付け時に外部インタロックが簡
単に追加できるようにする。

マ ニ ュ ア ル リ
セット

4.5 

不要

電力の中断及びリモー
トインタロックが作動

したときには,手動に
よるリセットが必要

鍵による制御

4.6 

不要

キーを抜いたときにレーザが動作できな
い。

レ ー ザ 放 射 の
放出警告

4.7 

不要

レーザのスイッチがオンになった場合又はパルスレーザのコ
ンデンサバンクが充電中の場合,可聴又は可視警報を出す。
クラス 3R については不可視放射が放出された場合だけに適

用。

ビ ー ム 終 端 器

又は減衰器

4.8 

不要

一時的にビームをブロックする手段を提

供する。

制御部

4.9 

不要

調整時にクラス 1 又はクラス 2 を超える AEL のレベルで露光

される危険がないように制御部が配置されている。

観察用光学装置

4.10 

不要

全ての観察システムからの放出は,クラス 1M AEL を下回るものでなければならない。

81

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825-1


2007)


表 F.2−製造業者の要求事項(要約)(続き)

クラス分け

要求事項

細分箇条

クラス 1

クラス 1M

クラス 2

クラス 2M

クラス 3R

クラス 3B

クラス 4

走査に対する安

全防御

4.11 

走査の失敗で,製品が該当クラスの範囲を超えてはならない。

クラスのラベル

5.1

5.6 

注意書きが必要

図 及び図 のラベル及び注意書きが必要

開口ラベル

5.7 

不要

規定の注意書きが必要

パネルに対する
ラベル

5.9.1 

不要

被ばく放射のクラスに応じて要求される。

セーフティイン
タロックパネル
に対するラベル

5.9.2 

用いるレーザのクラスに応じて一定の条件の下で要求される。

可視・不可視レ

ーザ放射に対す
る警告

5.10

及び 5.11 

一定の波長範囲に対して要求される。

使用者に対する
情報

6.1 

取扱説明書には,安全に用いる上での注意書きが記載されていなければならない。追加の要求事項は,クラス 1M 及びクラス 2M に適用される。

購入及びサービ

スのための情報

6.2 

販売促進パンフレットには,製品クラス分けが記載されていなければならない。サービスマニュアルには,安全情報が載っていなければならない。

医用レーザ製品

7.2 

不要

医 用 レ ー ザ 製 品 の 安 全 性 に は , IEC 

60601-2-22

が適用される。

注記  この表は,便宜上要求事項の要約を示したものである。完全な要求事項については,この規格の本体を参照。

82

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825-1


2007)


83

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

附属書 G 
(参考)

IEC 60825

の各部の概要

IEC 60825

の各部は,基本規格 IEC 60825-1 とともに用いる目的で作成されている。各部は,定義済み

の範囲を対象にしており,補足的な規定及び参考情報の指針を提供して,製造業者及び使用者が,操作員

/使用者の使用及び能力/訓練の特定の条件を考慮しながら,安全な方法で製品を正しくクラス分類及び

使用できるようにする。示されている情報には,理論的根拠,例,解明,方法,ラベリング並びに他の補

足的な限界及び要求事項が含まれている。

表 G.1 参照。


表 G.1IEC 60825 規格群の各部に関する補足情報の概要

No.

タイプ

説明

製品設計者

製品供給者

製品使用者

安全重要部

品供給者

試験方法

危険度評価

関連規格

1

規格

機器のクラス分け及び要求事項

関連

関連

関連

関連

関連

関連

JIS C 6802 

2

規格

光ファイバ通信システムの安全 
(適用指針及び例を示す。

関連

関連

関連

関連

関連

関連

JIS C 6803 

3

技術情報

レーザディスプレイ及びレーザショーの
ための指針

関連

関連

4

規格

レーザ保護装置(保護材料を除去する高出
力レーザに関する解説も含む。

関連

関連

関連

関連

関連

関連

ISO 11553-1 

5

技術情報

製造業者の IEC 60825-1 チェックリスト
(安全報告で用いるのに適している。

関連

関連

関連

6

技術仕様

(廃止)

7

技術仕様

(廃止)

8

技術情報

医用レーザ機器の安全な使い方の指針

関連

IEC 

60601-2-22 

9

技術情報

非コヒーレント光放射(広帯域光源)に対

する最大許容露光量に関する編集情報

関連

関連

関連

10

技術情報

レーザ安全適用指針及び注釈

関連

関連

関連

ISO 13694 

12

規格

情報伝送のための光無線通信システムの
安全

関連

関連

関連

関連

関連

関連

JIS C 6804 

14

技術情報

使用者への指針

関連

関連

関連

注記  この表は,IEC 60825 の各部の概要を示すために作成したものである。完全な要求事項については,該当規格の本体を参照。上に掲げたリストには,現在作業部

会で審議中のものがあり,正式に出版されていないものもある。

84

C

 6802


20
1

1

 (I

EC

 60825-1


2007)

84

C

 6802


0000 (IE

C

 60825-1


2007)


85

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

附属書 JA

(参考)

使用者への指針

注記 1  この附属書は,旧版(JIS C 6802:2005)の 3 章に記載されていた内容を,参考資料用に書き

換えたものである。

現版の対応国際規格である 2007 年に第 2 版として発行された IEC 60825-1

では,

“使用者への指針”の章は全て削除され,この部分は,将来的には IEC/TR 60825-14

の改正版として発行される手はずになっている。ただし,現時点では IEC/TR 60825-14 の改

正作業が済んでおらず,IEC 規格には“使用者への指針”に関する記述が抜け落ちた状態に

ある。この規格では,利用者の便宜を図るため,旧版の“使用者への指針”を現版との食い

違いがないように修正して,

附属書 JA として記載することにした。

注記 2  この附属書の指針としての性格上,この附属書の中では,クラス 3B とクラス 4 レーザとの

間の危険性の差異を区別することなく,レーザ製品の使用者がとる安全上の予防策及び管理

基準に関して,

“することが望ましい”という表現を用いて推奨している。これらの管理基準

の実施に当たって,

“することが望ましい”か,又は“しなければならない”かを決めるのは,

使用者の判断に任されている。

JA.1 

安全予防策 

JA.1.1 

一般事項 

この附属書は,レーザ製品のクラス分けに従って,使用者が行わなければならない安全上の予防策及び

管理基準について規定する。使用者はレーザ装置のクラス分けに当たって大概の場合は製品に対する製造

業者のクラス分けを用いればよい。したがって,使用者はクラス分けのための全ての測定を行う必要はな

い。この章は,使用者に対する情報として提供する。この附属書には,製造業者に課す強制又は要求事項

とみなすものは何もない。

400 nm∼700 nm の波長範囲外のエネルギーを放出するクラス 3R レーザ製品,又はクラス 3B 若しくは

クラス 4 レーザ製品を運転するような装置に対しては,レーザ安全管理者を任命することが望ましい。幾

つかの用途(JA.3.6.2 参照)においては,クラス 1M 及びクラス 2M に対してもレーザ安全管理者の任命を

推奨している。そしてまた,400 nm∼700 nm までの波長領域を放射するクラス 3R レーザ製品に対しても

推奨している。レーザ安全管理者は,次の予防策の調査,及び適切な管理が実行できるような指示を職責

とすることが望ましい。実現できる場合は,クラス 3B 又はクラス 4 レーザについては,保護囲いを用い

ることが望ましい。警告ラベルは,取外し又は接続を外すことによって危険がもたらされるような,保護

囲いの取外し可能な部分,又はサービス用接続部に貼付することが望ましい。

安全予防策及び管理基準の目的は,レーザ放射の危険レベルの露光,及び他の付帯する危険の可能性を

軽減することである。したがって,示された管理基準の全部を履行する必要はない。すなわち,一つ以上

の管理基準の適用によって,被ばくし得る露光レベルを適用する MPE と同等又はそれ以下のレベルに軽

減できる場合には,更なる管理基準は適用する必要がない。

クラス分けされていたレーザ製品の使用者による改造が,この規格の適用範囲内で,製品の性能又は意

図された機能に何らかの影響を及ぼす場合には,そのような改造を行った者又は組織は,当該レーザ製品

について,再度クラス分け及びラベルの貼付を確実に行う責任がある。


86

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

JA.1.2 

リモートインタロックコネクタの使用 

クラス 3B 及びクラス 4 レーザのリモートインタロックコネクタは,緊急用の主切離しインタロック,

又は部屋,ドア若しくは固定のインタロックにつなげることが望ましい(4.4 参照)

担当者は,入室の時点及び場所で光放射の危険がないことが明白な場合には,リモートインタロックコ

ネクタを一時解除して,他の認可された者の立入りを許可してもよい。

JA.1.3 

鍵による制御 

クラス 3B 及びクラス 4 レーザ製品は,用いないときは,鍵操作による制御部から鍵を抜いて,無許可

の使用を防ぐことが望ましい(4.6 参照)

JA.1.4 

ビーム終端器又は減衰器 

傍観者に対するクラス 3B 又はクラス 4 レーザ製品による不慮の被ばくは,ビーム終端器又は減衰器を

用いて予防することが望ましい(4.8 参照)

JA.1.5 

警告標識 

クラス 3B 及びクラス 4 レーザ製品を設置している場所の入口又は保護囲いには,適切な警告標識を掲

示することが望ましい。

JA.1.6 

ビーム光路 

表 11 の条件 1 を満たさないクラス 1M 及びクラス 2M の各レーザ製品,400 nm∼700 nm の波長範囲外

でエネルギーを放出するクラス 3R の各レーザ製品,及びクラス 3B 又はクラス 4 の各レーザ製品によって

放出されるビームは,その有効な光路の末端において,適切な反射率及び熱特性をもつ拡散反射体又は吸

収体で終端することが望ましい。

遮蔽のないレーザビームの光路は,目の位置より高く又は低く配置する(いずれか該当する方)ように

しておくことが望ましい。

400 nm∼700 nm の波長範囲外でエネルギーを放出するクラス 3R レーザ製品,及びクラス 3B 又はクラ

ス 4 レーザ製品のビーム光路は,できるだけ短く,最小折曲げ数で,歩行路及びその他の立入り路と交差

しないようにし,実行できる場合は囲うことが望ましい。ビーム囲い(例えば,チューブ)は,しっかり

と取り付けることが望ましいが,できるだけ光学系を形成する機器類に固定したり,又は支持したりしな

いほうがよい。

JA.1.7 

鏡面反射 

クラス 3R,クラス 3B 又はクラス 4 レーザ製品からの放射は,予期しない鏡面反射が生じないように十

分注意を払うことが望ましい。ミラー,レンズ及びビームスプリッタは,しっかりと取り付けることが望

ましく,レーザが放出されている間は,その動きが制御下にあることが望ましい。

クラス 1M 及びクラス 2M レーザ製品からの放射は,ビームを収束するおそれのある表面で予期しない

鏡面反射が生じないように十分注意を払うことが望ましい。

拡散するように見える反射表面でも,特に赤外スペクトル範囲において,実際,照射ビームの相当な部

分を鏡面のように反射することがある。これは,完全な(ランベルト)拡散反射の場合に予期されるより

も長い距離にわたって危険になり得る。

クラス 3B 及びクラス 4 レーザでは,光学部品の選択及びそれらの表面の清浄維持に特別の注意を払う

必要がある。

レンズ,プリズム,窓材,ビームスプリッタなど,透過性光学部品の全ての表面は,潜在的に危険な鏡

面反射が生じ得る。また,ミラーのような反射形光学部品は,危険な放射が透過する可能性がある(例え

ば,可視光用の反射鏡を通過する赤外光)


87

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

JA.1.8 

目の保護 

特定のレーザ波長に対して十分な保護を備えるよう設計した目の保護具は,400 nm∼700 nm の波長範囲

外でエネルギーを放出するクラス 3R レーザ製品,及び,クラス 3B 又はクラス 4 のレーザを用いる全ての

危険な場所で用いることが望ましい(JA.3 参照)

これに対する例外は,次のとおりとする。

a)

技術的及び管理的処置によって,適用される MPE を超える露光の可能性がなくなった場合。

b)

例外的な運転要件のため,目の保護具を用いることが実用的でない場合。このような運転手順は,レ

ーザ安全管理者の許可の下でだけ行うことが望ましい。

適切な保護めがねを規定する場合には,次の内容を考慮することが望ましい。

a)

動作波長

b)

放射露光又は放射照度

c)

最大許容露光量(MPE

d)

レーザ出力波長におけるめがねの光学濃度

e)

可視光透過に対する要求

f)

めがねの破損が起こる放射露光又は放射照度

g)

めがねレンズの処方に対する要件

h)

快適さ及び換気性

i)

吸収媒質の劣化又は変性(一時的又は過渡的なものを含む。

j)

材料の強度(衝撃耐性)

k)

周辺部の視界に対する要求

l)

全ての関連国内法規

JA.1.8.1 

めがねの識別 

全てのレーザ保護めがねは,個々のレーザに対してめがねを正しく選択できるよう,十分な情報をもっ

たはっきりしたラベルを付けなければならない。

JA.1.8.2 

必要な光学濃度 

レーザ保護めがねの光学濃度 D

λ

は,通常大きな波長依存性がある。保護めがねにある一つの放射帯域を

包含するよう要求する場合は,その帯域内で測定した D

λ

の最小値を引用しなければならない。目の保護に

必要な D

λ

の値は,次の式で算出できる。

MPE

H

D

0

10

log

=

λ

ここに,

H

0

予想される保護のない目への露光レベル

JA.1.8.3 

保護めがね 

保護めがねは,着用が容易で,できるだけ広い視野をもち,曇りが発生しないように十分な換気性を保

ちながら装着部にぴたりとなじむもので,かつ,十分な可視光透過を備えたものであることが望ましい。

危険な鏡面反射をもたらす平面反射面を用いることは,

できるだけ避けるよう注意を払うことが望ましい。

フレーム及びその他の付帯部品は,レンズの能力と同等の保護特性をもつことが望ましい。

クラス 4 レーザに対する保護めがねを選択する場合,レーザ放射に対する耐久性及び安定性に特別の注

意を払うようにしなければならない。

JA.1.9 

保護着衣 

皮膚に対する MPE を超えるレベルの放射に人体がさらされるおそれのある場合には,適切な保護着衣


88

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

を用意することが望ましい。特にクラス 4 レーザは,潜在的に火災の危険性をもっており,着用する保護

着衣は,難燃性耐熱材料で作ることが望ましい。

クラス 4 レーザに対する保護着衣を選択する場合,レーザ放射に対する耐久性及び安定性に特別の注意

を払うようにしなければならない。

JA.1.10 

訓練 

表 11 の条件 1 を満たすことができないクラス 1M 及びクラス 2M レーザ製品,並びにクラス 3R,クラ

ス 3B 及びクラス 4 レーザシステムの運転は,使用者だけでなく,かなり離れた距離にいる他の人々に対

しても危険をもたらす。

この潜在的な危険性のため,このようなシステムの管理は,適切なレベルの訓練を受けた者だけが行う

ことが望ましい。システムの製造業者若しくは販売業者,レーザ安全管理者,又は認可された外部組織が

行う訓練には,少なくとも,次の事項を含んでいることが望ましいが,これらに限定はされない。

a)

システム運転手順の習熟

b)

危険防御手順,警告標識などの正しい使用

c)

人体保護の必要性

d)

事故報告手順

e)

目及び皮膚に対するレーザの生体効果

このほか,JA.3 も参照。

JA.1.11 

医学的監視 

その他の規制がない場合には,次の事項を考慮することが望ましい。

なお,医学上の考慮については,

附属書 による。

a)

レーザ従事者の医学的監視の有用性については,専門医師によってもまだ解決されていない根本的な

検討課題である。眼科検査は,専門医によって行われることが望ましく,クラス 3B 及びクラス 4 の

使用者に限定することが望ましい。

b)

目に対して明らかに有害な被ばくがあった場合又は疑義がある場合には,直ちに専門医の医学的検査

を受けることが望ましい。このような検査には,事故の発生した環境の十分な生物物理学的調査を付

け加えることが望ましい。

c)

クラス 3B 及びクラス 4 レーザの使用者に対する使用前,使用中及び使用後の眼科検診は,法律問題

における医学的判断上の有用性は認めるが,必ずしも行う必要はない。

JA.2 

レーザ運転に付随する危険性 

用いるレーザの種類によっては,次に示すようなレーザ運転に付随する危険性を含む。

JA.2.1 

大気汚染 

a)

レーザ切断,穴あけ及び溶接加工において蒸発した対象物質及び反応生成物。これらの物質には,ア

スベスト,一酸化炭素,二酸化炭素,オゾン,鉛,水銀,その他の金属及び生物学的物質を含む。

b)

臭素,塩素及びシアン化水素のようなガス循環形ガスレーザシステム又はレーザ反応による副産物か

らのガス。

c)

冷却器の冷媒からのガス又は蒸気。

d)

酸素のようなレーザ光と加工対象物との相互作用を助長するために用いるガス。


89

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

JA.2.2 

副次放射による危険性 

JA.2.2.1 

紫外線副次放射 

フラッシュランプ及び CW レーザ放電管で,特に紫外線を透過するチューブ又はミラー(例えば,石英)

が用いている場合は,付帯して発生する紫外線放射によって少なからぬ危険性が生じる。

JA.2.2.2 

可視及び赤外線副次放射 

フラッシュチューブ及び励起源から放出される可視及び近赤外放射,

並びにターゲットからの再放射は,

潜在的危険性を引き起こすに十分な放射輝度をもつことがある。

JA.2.3 

電気的危険性 

多くのレーザは,高電圧(>1 kV)を用いており,かつ,パルスレーザは,コンデンサバンクに蓄えら

れたエネルギーによって,特に危険である。

5 kV 以上の陽極電圧で動作する電子管のような回路部品は,適切なシールドがなされなければ,X 線を

放出することがある。

JA.2.4 

冷却器の冷媒 

冷却液は,やけどの可能性があり,取扱い上特別の注意が必要である。

JA.2.5 

材料加工 

材料加工用レーザ製品の仕様は,それらの意図した用途によって異なっている。使用者が,製造業者に

よって勧告された以外の材料を加工することを望む場合には,危険度の違い及びその材料加工に付随する

危険性に注意することが望ましい。例えば,有毒煙霧,火災,爆発又は被加工物からのレーザ放射の反射

などを予防するため,特別の注意を払うことが望ましい。

JA.2.6 

その他の危険性 

ある種の高出力レーザシステムは,運転中,コンデンサバンク又は光ポンピングシステムの爆発が起こ

る可能性がある。レーザ切断,穴あけ及び溶接加工では,加工部分から飛散物が出る可能性がある。化学

レーザの試薬又は研究所内で用いるその他のガスには,爆発的反応の可能性もある。

JA.3 

危険管理の手順 

JA.3.1 

一般事項 

レーザを用いる上で,起こり得る危険性の評価及び管理基準を適用する場合,次の 3 点を考慮する必要

がある。

a)

レーザ又はレーザシステムが人体に傷害を与える能力。これは,主出口又は補助出口に対して人体の

被ばくが起こり得るという考慮を含んでいる。

b)

レーザを用いる環境。

c)

レーザを運転する者,又はその放射を被ばくする可能性のある者に対する訓練のレベル。

レーザ放射に伴う危険性の評価及び管理の実行手段は,レーザシステムをそれらの相対的危険性の度合

いによってクラス分けし,そして各々のクラスに対し適切な管理を規定することである。このクラス分け

システムは,ほとんどの場合,使用者による放射測定の必要性をなくすことになる。

クラス分けスキームは,特にレーザシステムからの被ばく放出及びその物理的特性に基づく潜在的な危

険性に関連する。ただし,環境的及び人間的要素が,必要とする管理基準の決定に関連しており,この規

格で特に包括されていない状況に対し,判定・告知する責務を果たすために,レーザ安全管理者として責

任者を指名することが望ましい。

次の詳細事項は,当該場所におけるレーザ製品の安全な運転に関係する。


90

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

−  運用管理が安全運転に必要な唯一の妥当な方策となるような屋外及び工事環境。

−  技術的管理が大きな役割を果たすような研究所及び作業現場の環境。

−  事前の計画,線引きによる区分け及び近接・立入りに対する管理が安全運転に必要な唯一の実用的な

方策となるようなディスプレイ及びレーザ実演環境。

JA.3.2 

屋外で使用するレーザの危険評価 

表 11 の条件 1 を満たすことができないクラス 1M 及びクラス 2M レーザ製品,400 nm∼700 nm の波長

範囲外でエネルギーを放出するクラス 3R レーザ,並びにクラス 3B 及びにクラス 4 レーザに対する危険の

可能性は,相当遠い距離まで及ぶ。放射照度又は放射露光が適応する MPE 以下に低下するレーザからの

距離を公称眼障害距離(NOHD)という。ビームの放射照度又は放射露光が適応する MPE を超える区域内

を,公称眼障害区域(NOHA)という。この区域は,レーザシステムの横移動,縦移動及び位置出し精度

の限界によって境界が付けられ,かつ,NOHA の境界まで,又はターゲット若しくは遮光ついたて(衝立)

の位置まで広がっている。また,正確な NOHA は,ビーム光路内にある物体の特性,例えば,鏡面反射体

の特性にも依存する。

レーザ製品が

表 11 の条件 1 を満たすことができないためにクラス 1M 又はクラス 2M としてクラス分け

される場合,それらは直径の大きな観察用光学系,例えば,拡大鏡又は望遠鏡を用いるときに,危険とな

ることがある。

NOHD は,レーザの出力特性,適応する MPE,用いる光学システムの形式,及びビーム伝搬の大気の影

響に依存する。

JA.3.3 

人体の保護対策 

レーザ操作によって生じる危険性に対する人体の保護対策は,技術的設計,ビーム囲い及び運用管理に

よって,その必要性が最小限となるように維持することが望ましい。

人体が危険なレーザ放射(クラス 3B 及びクラス 4)にさらされるおそれがある場合には,人体への保護

対策を十分行うことが望ましい。

JA.3.4 

レーザの実演,ディスプレイ及び展示 

管理されていない区域でのレーザの実演,ディスプレイ又はエンタテイメントでは,クラス 1 又はクラ

ス 2 レーザ製品だけを用いることが望ましい。このような目的にその他のクラスのレーザを用いるのは,

経験を積み,よく訓練を受けた操作員の管理下にあり,また,観客が適用される MPE を超えたレベルの

被ばくから保護されている場合だけ認めることが望ましい。

学校などで教育目的のために用いる実演用レーザ製品は,クラス 1 又はクラス 2 レーザ製品に規定する

全ての要件に合致していることが望ましい。実演用レーザ製品は,人体が,クラス 1 又はクラス 2 の被ば

く放出限界を超えるレーザ放射に被ばくされないようにしなければならない。

注記  さらに詳しい指針については,IEC/TR 60825-3:1995(レーザディスプレイ及びレーザショーの

ための指針)に記載されている。

JA.3.5 

研究所及び作業現場のレーザ装置 

JA.3.5.1 

クラス 1M,クラス 2,クラス 2M 及びクラス 3R レーザ製品 

安全予防策は,直接ビームを見続けることを防ぐだけでよい。クラス 1M,クラス 2 及びクラス 2M の

場合,400 nm∼700 nm の波長範囲の放射に対しては,偶発的に眺めることで生じる瞬間的な(0.25 秒)被

ばくは,危険ではないと考えられる。しかし,レーザビームは,意図的に人体に向けないほうがよい。ク

ラス 1M,クラス 2M 及びクラス 3R のレーザ製品に対して光学的観察器具(例えば,双眼鏡)を用いるこ

とは,目に対する危険性が増大するおそれがある。そのために,JA.3.6.2 の記載による追加予防策が必要


91

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

である。

JA.3.5.2 

クラス 3B レーザ製品 

クラス 3B レーザは,直接ビーム又は鏡面反射光を裸眼で観察したとき(ビーム内観察状態)

,極めて大

きな危険性がある。直接ビームの観察を避け,かつ,鏡面反射を管理するために,次の安全予防策を講じ

ることが望ましい。

a)

レーザは,管理区域内だけで運転することが望ましい。

b)

意図していない鏡面反射を防ぐため,注意を払うことが望ましい。

c)

レーザビームは,拡散性をもち,かつ,反射による危険性を最小に保ったままビーム位置合わせが行

えるような色及び反射特性をもつ材料によって,その有効光路の末端の可能な場所で,終端すること

が望ましい。

注記  クラス 3B の可視光レーザにおける拡散反射の安全な観察条件は,拡散面と角膜との最短観

察距離が 13 cm で,最大観察時間が 10 秒である。その他の観察条件の場合は,拡散反射露光

と MPE との比較が必要である。

d)

直接ビーム若しくは鏡面反射ビームを観察するか,又は c)の条件に合致しない拡散反射を観察する可

能性がある場合には,目の保護具が必要である。

e)

当該区域の入口には,適切なレーザ警告標識を掲示することが望ましい。

JA.3.5.3 

クラス レーザ製品 

クラス 4 レーザ製品は,直接ビーム又はその鏡面反射に加えて,拡散反射によっても傷害を引き起こす

力がある。また,これらは,潜在的に火災の危険性がある。これらの危険性を最小にするため,JA.3.5.2

に記載するものに加えて,次の管理を行うことが望ましい。

a)

ビーム光路は,できる限り囲うことが望ましい。レーザ運転中,レーザ周辺への立入りは,適切なレ

ーザ保護めがね及び保護着衣を着けた者に限定することが望ましい。

ビーム光路は,できるだけ作業区域を避けることが望ましい。また,長いビームチューブは,熱膨

張,振動,及びチューブ内の他の可動源が光学系を形成する部品のアライメントに重大な影響がない

ように取り付けることが望ましい。

b)

クラス 4 レーザは,実行できる場合は遠隔制御によって運転することが望ましい。これによって,人

がレーザ環境に物理的に存在する必要性がなくなる。

c)

レーザ保護めがねを装着する場所では,良好な室内照明が大切である。明るい色彩をもつ拡散性の壁

面は,この条件を満たすのに有益である。

d)

火災,光学部品に熱的に誘発された光学ひずみ,又はレーザビームを阻止するように設計された固体

ターゲットの溶融若しくは蒸発は,クラス 4 レーザの放射によって引き起こされ,全て潜在的に危険

である。適切なビーム終端器は,十分冷却された金属,グラファイトターゲットなどの形態で備え付

けることが望ましい。非常に高いパワー密度に対しては,反射パワーが広い面積にわたって分散する

ように入射光線に対して傾けた反射面によって多数回反射させて,放射光を散乱吸収することで処理

することができる。

e)

遠赤外レーザ放射に対しては,不可視波長域にある望ましくない反射を防止するために,特別の注意

が必要である。ビーム及びターゲットの設置区域は,レーザ波長に対して不透明な物質で覆うことが

望ましい

(光沢のない金属表面でも,

波長 10.6 μm の CO

2

レーザでは高い反射特性をもつ場合がある。

反射光の広がり範囲を軽減するため,

実行できる場合は,

局部的スクリーンを用いることが望ましい。

f)

クラス 4 レーザでは,ビーム光路内の光学部品のアライメントは,初期及び定期的に点検することが


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:2011 (IEC 60825-1:2007)

望ましい。

JA.3.6 

屋外及び工事用レーザ装置 

JA.3.6.1 

クラス レーザ製品 

実行上問題のない場合,ビームは,その有効光路の末端で終端することが望ましい。また,レーザを人

体に(頭の高さで)向けないほうがよい。

JA.3.6.2 

測量用,アライメント用及び水準用に用いるクラス 1M,クラス 2M 及びクラス 3R レーザ製品 

a)

レーザ安全管理者によって認定された資格をもち,かつ,訓練された者だけが,レーザ機器を据付け,

調整及び運転することが望ましい。

b)

これらのレーザを用いる区域には,適切なレーザ警告標識を掲示することが望ましい。

c)

実行できる場合は,レーザのアライメントの補助手段として,機械的又は電気的手段を用いることが

望ましい。

d)

人が直接ビームをのぞき込まないように確実な予防策を講じることが望ましい(長時間のビーム内観

察は,危険である。

。光学器具(経緯儀など)を通してビームを直接観察することも,また,特に,

表 11 の条件 1 を満たすことができないクラス 1M 及びクラス 2M レーザの場合には危険であり,レー

ザ安全管理者が特に認める場合以外は許可しないほうがよい。

e)

レーザビームは,その有効ビーム光路の末端で終端することが望ましい。危険となり得るビーム光路

NOHD まで)が,管理区域を超えて広がるような場合には,どんな場合でも終端することが望まし

い。

f)

レーザビーム光路は,実行できる場合は,目のレベルよりも十分上方又は下方に位置するようにする

ことが望ましい。

g)

レーザビームが偶然にミラー状の表面(鏡面)に向けられないように確実な予防策を講じることが望

ましい(最も重要なのは,平面又は凹面ミラー状の表面である。

h)

レーザ製品は,用いないときには,許可されていない者が出入りできない場所に保管することが望ま

しい。

JA.3.6.3 

クラス 3B 及びクラス レーザ製品 

屋外及び同様な環境におけるクラス 3B 及びクラス 4 レーザは,それらを用いる場合には,十分訓練さ

れ,かつ,レーザ安全管理者によって認可された者だけで運転することが望ましい。危険の可能性を最小

限にするため,JA.3.6.2 に記載するものに加えて,次の予防策を講じることが望ましい。

a)

適切な保護めがね及び保護着衣を身に付けない場合は,ビームの放射照度又は放射露光が MPE を超

えるような場所では,人をビーム光路から隔離することが望ましい。物理的障壁,ビームの横及び縦

移動を制限するインタロックなどの技術的制御手段は,できるだけ,運用管理を強化するために用い

ることが望ましい。

代替の解決方法は,迷走ビームからの露光を保護し,周囲の見通しをよくするような局部囲いの中

に運転者を置くことである。

b)

非標的の車両又は航空機に対する意図的な追跡は,NOHD 内では,禁止することが望ましい。

c)

ビーム光路は,実行できる場合は,潜在的危険性のある意図しない反射を生じるような全ての面から

離すことが望ましい。又は危険区域を適切に拡張することが望ましい。

d)

クラス 3B レーザに対して,直接のビーム内観察は通常危険であるが,ビームは,次の条件下の拡散

反射体を介すれば,全ての場合に安全に観察できる。

−  拡散用スクリーンと角膜との間の最小観察距離  13 cm


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−  最大観察時間  10 s

これらの条件のいずれか一方が満たされない場合には,危険性に関する注意深い評価が必要であ

る。

JA.3.6.4 

測量用,アライメント用及び水準用レーザ 

測量用,アライメント用及び水準用としては,できるだけクラス 1 又はクラス 2 レーザを用いることが

望ましい。ただし,作業環境の光レベルが高い場合には,高出力レーザを用いる必要がある場合がある。

クラス 1M,クラス 2 及びクラス 3R レーザを用いる場合には,JA.3.6.2 の要件に従うことが望ましい。例

外的にクラス 3B レーザが必要な場合には,JA.3.6.3 の要件に従うことが望ましい。さらに,5×10

3

 W を

超える放射パワーをもった 400 nm∼700 nm の波長範囲のレーザ放射に 3.8×10

4

秒の放出持続時間を超え

て人体が被ばく状態になることを許さないほうがよいし,また,他のいかなる放出持続時間と波長範囲と

の組合せでもクラス 1 の AEL を超えるレーザ放射に人体が被ばく状態になることを許さないほうがよい。


94

C 6802

:2011 (IEC 60825-1:2007)

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−Part 1: Basic terminology, methodology(IDT)

JIS B 9700-2:2004

  機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第 2 部:技術原則

注記  対応国際規格:ISO 12100-2:2003,Safety of machinery−Basic concepts, general principles for design

−Part 2: Technical principles(IDT)

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  レーザ製品の安全−光ファイバ通信システムの安全

注記  対応国際規格:IEC 60825-2,Safety of laser products−Part 2: Safety of optical fibre communication

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JIS C 6804

  レーザ製品の安全−情報伝送のための光無線通信システムの安全

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