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C 6790

:2016

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  測定用機器及び装置  

3

5

  測定方法  

3

5.1

  測定項目  

3

5.2

  測定場所の温度及び湿度  

3

5.3

  測定上の注意  

3

5.4

  無負荷時の振動子入力電力(W

en

)の測定  

4

5.5

  負荷時の振動子入力電力(W

el

)の測定  

4

6

  特性の算出  

5

6.1

  算出項目  

5

6.2

  制動損失  

5

6.3

  内部機械振動損失  

6

6.4

  音響出力  

6

6.5

  機械負荷抵抗  

6

6.6

  電気音響変換効率  

6

7

  試験結果  

6

8

  特性図  

7

8.1

  一般事項  

7

8.2

  音響出力−機械負荷抵抗の特性図 

7

8.3

  電気音響変換効率−機械負荷抵抗の特性図  

7

附属書 A(参考)多角形水槽  

9

附属書 B(参考)超音波放射体  

10


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:2016

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,超音波工業会

(USMAJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 6790:2010 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

6790

:2016

ボルト締めランジュバン型超音波振動子の

電力計法による負荷試験方法

Load test of a bolt-clamped Langevin vibrator using wattmeter method

序文 

この規格は,2010 年に制定され,今日に至っている。今回の改正は,曖昧な表現の見直し,用語の統一,

記号の修正などに対応するために作成した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

超音波用の振動子は,超音波洗浄,超音波溶着,超音波加工,超音波分散など,強力超音波応用装置に

広く利用されている。ただし,実用負荷及び実動振幅レベル(以下,負荷時という。

)で動作するときの諸

特性を算出するための標準化したものがないため,低負荷及び低振幅レベルで測定する動アドミタンス法

を代用していた。この規格では,負荷時の諸特性を電力計を用いて算出する。

適用範囲 

この規格では,振動子の中心軸方向に振動する超音波縦振動を利用した振動子で,共振周波数が 10 kHz

∼100 kHz のボルト締めランジュバン型超音波振動子(以下,振動子という。

)を電力計法によって負荷時

の特性を測定し,算出する方法について規定する。ただし,振動方向が中心軸以外の振動子の試験につい

ては,規定していない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1102-2

  直動式指示電気計器  第 2 部:電流計及び電圧計に対する要求事項

JIS Z 8106

  音響用語

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8106 によるほか,次による。

3.1 

電力計法 

電力計を用いて,無負荷時(振動子の振動面が空中にある状態)及び負荷時の振動子入力電力を測定す

ることによって,電気音響変換効率などを求める測定方法。

3.2 

ボルト締めランジュバン型超音波振動子 

圧電素子を金属ブロックで挟み,ボルトで締結した振動子。


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3.3 

多角形水槽 

水槽の壁及び水面を含めて,平行となる面がない構造の水槽。

3.4 

可変音響負荷 

長球状又は円板状の超音波放射体を液体に浸すことで,放射インピーダンスの変化を機械負荷インピー

ダンスの変化に変えることができる負荷。

3.5 

振動伝送体 

振動子の超音波振動を超音波放射体に伝えるための弾性振動体。

3.6 

振動変位振幅 

振動子の振動面における,片振幅の振動変位。

3.7 

振動速度 

振動子の振動面における変位速度。振動変位振幅と共振角周波数との積で表す。

3.8 

制動損失 

振動子を機械振動できないように拘束したときの圧電素子部の誘電体損失。

3.9 

振動子入力電力 

振動子に流入する高周波電力。

3.10 

内部機械振動損失 

振動子内部の機械抵抗による振動損失。

3.11 

力率補正コイル 

高周波電源と振動子との間に,直列又は並列に接続する共振回路用コイル。

3.12 

力率補正コンデンサ 

高周波電源と振動子との間に,並列に接続する共振回路用コンデンサ。

3.13 

音響出力 

振動子の振動面における音響パワー。音響パワーとは,振動子の振動面から放射される単位時間当たり

のエネルギーをいう。

3.14 

共振周波数 

振動子を定電圧駆動したとき,振動子の振動面の振動速度が最大となる周波数。

3.15 

機械負荷インピーダンス 


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振動子の振動面上に作用する力を振動面の振動速度で除した値。複素数で表す。

3.16 

機械負荷抵抗 

機械負荷インピーダンスの実数部。

3.17 

電気音響変換効率 

振動子入力電力に対する音響出力の比。百分率(%)で表す。

3.18 

超音波放射体 

超音波振動を液中又は空中に放射する共振体。

測定用機器及び装置 

4.1 

計測器 

計測器は,個別規格が規定しない限り,JIS C 1102-2 に規定する 0.5 級の確度と同等以上の確度をもつも

のとする。計測器の電気入力インピーダンスは,測定系への影響を無視できる値とする。

高周波電力計は,測定する周波数を含む測定周波数範囲をもち,かつ,測定する周波数において十分な

測定電力範囲をもつものとする。

振動変位計は,測定する周波数において十分な分解能及び測定変位量をもつものとする。

4.2 

高周波電源 

高周波電源は,測定する周波数において高調波成分が少なく,負荷時の測定に十分な出力をもつものと

する。電力増幅器,及び超音波発振器又は信号発生器(シグナルジェネレータ)で構成する。

4.3 

水槽 

水槽は,定在波が発生しにくい構造とする。十分な容積をもつ多角形水槽は,この要求事項を満たすも

のとみなす(

附属書 参照)。

4.4 

超音波放射体 

超音波放射体は,負荷時の振動子入力電力測定に用いる。超音波放射体は,測定する周波数において十

分な音響負荷となる長球状又は円板状の放射体とする(

附属書 参照)。

測定方法 

5.1 

測定項目 

無負荷時の振動子入力電力(W

en

)及び負荷時の振動子入力電力(W

el

)を測定する。

5.2 

測定場所の温度及び湿度 

測定場所の温度は,23±5  ℃,及び湿度は,

(65±20)%とする。

5.3 

測定上の注意 

測定上の注意事項を,次に示す。

−  振動子と高周波電源との間に,力率補正用のコイル及び力率補正コンデンサの共振回路を接続して力

率の改善を行う。

−  振動子に流れる電流が正弦波形であることをオシロスコープ等で確認する。

−  水槽内の水温は,5.2 に規定した測定場所の温度とすることが望ましい。

−  振動子の振動面の振動変位振幅を直接測定できない場合は,振動面及び振動面の対面の振幅を同時に


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測定し,比例関係となっていることを確認し,対面の振幅から振動面の振幅を算出してもよい。

5.4 

無負荷時の振動子入力電力(W

en

)の測定 

5.4.1 

一般事項 

無負荷時の振動変位振幅に対する振動子入力電力を測定する場合は,振動子の共振周波数が常に一定と

なるように注意する。

5.4.2 

測定回路 

測定回路の例を,

図 に示す。

図 1−無負荷時の振動子入力電力測定回路の例 

5.4.3 

測定方法 

測定方法は,次による。

a)

高周波電源の周波数は,共振周波数に設定する。

b)

高周波電源の出力は,振動子の振動変位振幅を指定した値になるように調整する。

c)

振動子端子電圧(実効値)及び振動子入力電力を測定する。

5.5 

負荷時の振動子入力電力(W

el

)の測定 

5.5.1 

一般事項 

負荷時の振動子端子電圧に対する振動子入力電力を測定する場合は,振動変位計などで振動変位振幅を

監視し,測定中一定に保つ。

5.5.2 

測定回路 

測定回路の例を,

図 に示す。


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図 2−負荷時の振動子入力電力測定回路の例 

5.5.3 

測定方法 

測定方法は,次による。

a)

放射温度計などを用いて,測定の開始時及び終了時に振動子の圧電素子中央付近の表面温度を測定す

る。

b)

水温は,棒状温度計などを用いて測定する。

c)

振動子に振動伝送体を介して超音波放射体を接続し,その先端を水槽に入れた水に浸し音響負荷を加

える。超音波放射体の水に浸す深さを変えて音響負荷の大きさを変化させる。

d)

高周波電源の周波数は,共振周波数に設定する。

e)

高周波電源の出力は,振動子の振動変位振幅を 5.4.3 b)  と同じ値になるように調整する。

f)

振動子端子電圧(実効値)及び振動子入力電力を測定する。

特性の算出 

6.1 

算出項目 

次の項目について,算出する。

−  制動損失(W

d

6.2 参照)

−  内部機械振動損失(W

m

6.3 参照)

−  音響出力(W

a

6.4 参照)

−  機械負荷抵抗(r

6.5 参照)

−  電気音響変換効率(η

ea

6.6 参照)

6.2 

制動損失 

振動子の制動損失(W

d

)は,式(1)によって求める。

W

d

ω×C×V

2

×tan δ=2πf ×C×V

2

×tan δ   (1)


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ここに,

ω: 角速度(rad/s)

tan δ

誘電正接

C: 静電容量(F)

V: 振動子端子電圧(V)

f: 周波数(Hz)

振動子端子電圧,周波数,誘電正接及び静電容量は,次の値を用いる。

a)

振動子端子電圧及び周波数は,5.4 によって測定した測定値

b)

誘電正接及び静電容量は,仕様書に記載している数値又はインピーダンスアナライザによる測定値。

仕様書に記載している数値を用いた場合は,仕様書に記載している測定時の振動子端子電圧及び周波

数を記録する。インピーダンスアナライザによる測定値を用いた場合は,測定時の振動子端子電圧及

び周波数を記録する。

6.3 

内部機械振動損失 

振動子の内部機械振動損失(W

m

)は,6.2 によって求めた制動損失(W

d

)及び 5.4 によって測定した無

負荷時の振動子入力電力(W

en

)から導き,式(2)によって求める。

W

m

W

en

W

d

   (2)

6.4 

音響出力 

振動子の音響出力(W

a

)は,5.5 によって測定した負荷時の振動子入力電力(W

el

6.2 によって求めた

制動損失(W

d

)及び 6.3 によって求めた内部機械振動損失(W

m

)から導き,式(3)によって求める。

W

a

W

el

W

m

W

d

   (3)

6.5 

機械負荷抵抗 

機械負荷抵抗(r)は,振動速度(v)及び 6.4 によって求めた音響出力(W

a

)から導き,式(4)によって

求める。

2

a

2





=

ν

W

r

  (4)

振動速度(

v

)は,5.4 によって測定した振動変位振幅(

ξ

)及び測定時に使用した周波数(

f

)から導き,

(5)

によって求める。

v

ξ

×

ω

ξ

×

2π

×

f   (5)

6.6 

電気音響変換効率 

電気音響変換効率(

η

ea

)は,6.4 によって求めた音響出力(

W

a

)及び 5.4 によって測定した無負荷時の振

動子入力電力(

W

en

)から導き,式

(6)

によって求める。

100

en

a

ea

×

=

W

W

η

  (6)

試験結果 

次の事項について,試験結果を記録する。

測定器の形式及び番号

試験開始時及び試験終了時の測定場所の温度,水温,及び振動子の表面温度

共振周波数,振動変位振幅,振動子端子電圧及び振動子入力電力


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制動損失,内部機械振動損失,音響出力,機械負荷抵抗及び電気音響変換効率

特性図 

8.1 

一般事項 

振動子の動作状態の変化を把握するために,音響出力−機械負荷抵抗及び電気音響変換効率−機械負荷

抵抗の特性図を作成することが望ましい。

8.2 

音響出力−機械負荷抵抗の特性図 

6.4

によって求めた音響出力(

W

a

)及び 6.5 によって求めた機械負荷抵抗(

r

)を用いて,特性図を作成

する(

図 参照)。

図 3−音響出力−機械負荷抵抗の特性図の例 

8.3 

電気音響変換効率−機械負荷抵抗の特性図 

6.5

によって求めた機械負荷抵抗(

r

)及び 6.6 によって求めた電気音響変換効率(

η

ea

)を用いて,特性

図を作成する(

図 参照)。


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図 4−電気音響変換効率−機械負荷抵抗の特性図の例 


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附属書 A

(参考)

多角形水槽

A.1 

概要 

多角形水槽は,水を入れて超音波放射体を浸すもので,負荷時の測定に用いる。

A.2 

形状及び寸法 

多角形水槽の形状及び寸法の例を

図 A.1 に示す。

単位  mm

図 A.1−多角形水槽の形状及び寸法の例 

材質  ステンレス鋼

板厚  2 mm 又は 3 mm


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附属書 B

(参考)

超音波放射体

B.1 

長球状超音波放射体 

長球状超音波放射体の寸法,材質及び材料定数の例を

図 B.1 に示す。

周波数 f

kHz

長さ L

mm

直線部 l

mm

半径 R

mm

10 454 168 143

20

228 84 72

30

152 56 48

40

114 42 36

50 91 33 29

60 76 28 24

70 64 24 20

80 57 21 18

90 50 18 16

100 46 16 15

材質

アルミニウム合金

ヤング率 71

GPa

ポアソン比 0.33

密度 2.77×10

3

 kg/m

3

図 B.1−長球状超音波放射体の寸法,材質及び材料定数の例 


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B.2 

円板状超音波放射体 

円板状超音波放射体の寸法,材質及び材料定数の例を

図 B.2 に示す。

周波数 f

kHz

厚さ t

mm

直径 A

mm

10 135 336

20 68

168

30 45

112

40 34 84

50 27 67

60 23 56

70 19 48

80 17 42

90 15 37

100 14 33

材質

アルミニウム合金

ヤング率 71

GPa

ポアソン比 0.33

密度 2.77×10

3

 kg/m

3

図 B.2−円板状超音波放射体の寸法,材質及び材料定数の例 

参考文献  JIS Z 8703  試験場所の標準状態 

EIAJ AE-4006A

:2001

  ボルト締めランジュバン型超音波振動子の振動特性の測定法(一般社団

法人電子情報技術産業協会)

EM-4501

:1993

(旧

EMAS-6100

)圧電セラミック振動子の電気的試験方法(一般社団法人電子

情報技術産業協会)

US81-37

1981

年  ボルト締めランジュバン型振動子のパワー特性の測定(電子情報通信学会,

日本音響学会)

US80-63

1981

年  厚い円板形超音波放射体  電子通信学会(日本音響学会)

プラスチック溶接用超音波振動体の有限要素シミュレーション

1987

6

月(電子情報通信学

会)