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C 6691:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 3 

4 一般要求事項 ··················································································································· 4 

5 試験についての留意事項 ···································································································· 5 

6 分類······························································································································· 6 

7 表示······························································································································· 7 

8 添付説明書 ······················································································································ 8 

9 構造要求事項 ··················································································································· 8 

10 電気的要求事項 ············································································································· 12 

11 温度試験 ······················································································································ 15 

12 耐さび性 ······················································································································ 17 

13 製造業者による妥当性確認 ······························································································ 17 

附属書A(規定)使用ガイドライン ························································································ 18 

附属書B(規定)電気アイロンに用いる保持温度Thが250 ℃を超える温度ヒューズの 

  代替エージング試験 ······································································································· 19 

附属書C(規定)伝導熱エージング試験 ·················································································· 20 

附属書D(参考)長期保持温度評価 ························································································ 24 

附属書E(規定)シールエージング試験··················································································· 25 

附属書F(規定)識別要求事項 ······························································································· 27 

附属書G(規定)表示の耐久性試験方法 ·················································································· 28 

附属書H(規定)温度ヒューズパッケージ組立品の要求事項 ······················································· 29 

附属書JA(規定)製造業者が動作温度の中心値を定格動作温度Tfとして指定する場合 ···················· 32 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 33 

C 6691:2019  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

産業規格である。これによって,JIS C 6691:2016は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

注記 工業標準化法に基づき行われた日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法等の一

部を改正する法律附則第9条により,日本産業標準調査会の審議等の手続を経たものとみなさ

れる。 

日本産業規格          JIS 

C 6691:2019 

温度ヒューズ−要求事項及び適用の指針 

Thermal-links-Requirements and application guide 

序文 

この規格は,2015年に第4版として発行されたIEC 60691及びAmendment 1:2019を基に,我が国にお

ける温度ヒューズの生産状況及び使用実態に適合させるため,技術的内容を変更して作成した日本産業規

格である。ただし,追補(amendment)については,編集し,一体とした。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,附属書JAは,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,通常屋内で用いる電気製品,電子機器及びその部品を異常状態での過度の温度から保護す

るために,これらの機器及びその部品に組み込まれる温度ヒューズについて規定する。また,その適用の

指針を附属書Aに示す。 

この規格は,定格電圧が690 V(交流又は直流)以下で,かつ,定格電流が63 A以下の温度ヒューズに

適用する。 

注記1 上記の電子機器は,熱を発生するように設計されていない。 

注記2 過度な温度上昇に対する保護能力は,理論的には,通電電流の大きさと同様に,温度ヒュー

ズの取付位置及び取付方法も影響する。 

この規格は,屋内以外の条件の下で用いる温度ヒューズについても,それら温度ヒューズの周辺におけ

る気候などの環境条件が,この規格と同等のものであれば適用する。 

この規格は,最も単純な(溶融片又は溶融線)形態の温度ヒューズにも適用する。ただし,これは,動

作中に放出された溶融物が,機器の安全に悪い影響を及ぼさないことが条件であって,特に手持形機器又

は可搬形機器の場合には,その機器の向き及び動きにかかわらず,安全に影響がないことが条件である。 

既にこの規格に適合している温度ヒューズが,金属製又は非金属製のケースにパッケージされ,かつ,

端子及び/又は配線リードをもつ温度ヒューズパッケージ組立品は,附属書Hによる。 

なお,製造業者が動作温度の中心値をTfとして指定する場合については,附属書JAによる。 

この規格の目的は,次のとおりである。 

a) 温度ヒューズの統一要求事項を確立する。 

b) 試験方法を明確に規定する。 

c) 機器に組み込む温度ヒューズの適用に関して有用な情報を提供する。 

この規格は,腐食性,爆発性の環境などの極端な条件の下で用いる温度ヒューズには適用しない。 

この規格は,45 Hz未満又は62 Hzを超える周波数の交流回路に用いることを目的とする温度ヒューズ

には適用しない。 

C 6691:2019  

電気アイロンに用いる保持温度Thが250 ℃を超える温度ヒューズの代替エージング試験は,附属書B

に示す。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60691:2015,Thermal-links−Requirements and application guide及びAmendment 1:2019

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS C 2134:2007 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法 

注記 対応国際規格:IEC 60112:2003,Method for the determination of the proof and the comparative 

tracking indices of solid insulating materials及びAmendment 1:2009 

JIS C 2143-5:2013 電気絶縁材料−熱的耐久性−第5部:相対熱的耐久性指数(RTE)の求め方 

注記 対応国際規格:IEC 60216-5:2008,Electrical insulating materials−Thermal endurance properties

−Part 5: Determination of relative thermal endurance index (RTE) of an insulating material 

JIS C 2809:2014 平形接続子 

注記 対応国際規格:IEC 61210:2010,Connecting devices−Flat quick-connect terminations for electrical 

copper conductors−Safety requirements 

JIS C 6065:2019 オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器−安全性要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60065:2014,Audio, video and similar electronic apparatus−Safety 

requirements 

JIS C 6575-2:2016 ミニチュアヒューズ−第2部:管形ヒューズリンク 

注記 対応国際規格:IEC 60127-2:2014,Miniature fuses−Part 2: Cartridge fuse-links 

JIS C 9730-1:2019 自動電気制御装置−第1部:一般要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60730-1:2013,Automatic electrical controls−Part 1: General requirements 

JIS C 60664-1:2009 低圧系統内機器の絶縁協調−第1部:基本原則,要求事項及び試験 

注記 対応国際規格:IEC 60664-1:2007,Insulation coordination for equipment within low-voltage 

systems−Part 1: Principles, requirements and tests 

JIS C 60695-2-12:2013 耐火性試験−電気・電子−第2-12部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法

−材料に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWFI) 

注記 対応国際規格:IEC 60695-2-12:2010,Fire hazard testing−Part 2-12: Glowing/hot-wire based test 

methods−Glow-wire flammability index (GWFI) test method for materials及びAmendment 1:2014 

JIS C 60695-2-13:2013 耐火性試験−電気・電子−第2-13部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法

−材料に対するグローワイヤ着火温度指数(GWIT) 

注記 対応国際規格:IEC 60695-2-13:2010,Fire hazard testing−Part 2-13: Glowing/hot-wire based test 

methods−Glow-wire ignition temperature (GWIT) test method for materials及びAmendment 

1:2014 

JIS C 60695-10-2:2018 耐火性試験−電気・電子−第10-2部:異常発生熱−ボールプレッシャー試験

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方法 

注記 対応国際規格:IEC 60695-10-2:2014,Fire hazard testing−Part 10-2: Abnormal heat−Ball pressure  

test method 

JIS C 60695-11-10:2015 耐火性試験−電気・電子−第11-10部:試験炎−50 W試験炎による水平及び

垂直燃焼試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60695-11-10:2013,Fire hazard testing−Part 11-10: Test flames−50 W 

horizontal and vertical flame test methods 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

空間距離(clearance) 

二つの導電部分間の空間の最短距離。 

3.2 

沿面距離(creepage distance) 

二つの導電部分間の絶縁材料表面の最短距離。 

3.3 

保持温度,Th(holding temperature,Th) 

定格電流を通電した状態で,ある一定時間その温度にさらされていても,温度ヒューズが動作しない温

度ヒューズの最高温度。 

注記 Thの最小許容値は,35 ℃。 

3.4 

同形シリーズ(homogeneous series) 

ある与えられた試験で,あるシリーズの一つ又は幾つかの特定の温度ヒューズをそのシリーズ全ての温

度ヒューズの代表として試験することができるよう,ある特性(定格を含む。)だけが互いに異なる共通の

全体構造及び外形寸法をもつ一連の温度ヒューズ。 

3.5 

遮断電流,Ib(interrupting current,Ib) 

定格電圧及び指定された回路の条件において,温度ヒューズが安全に遮断することのできる電流値。 

3.6 

最高温度限度,Tm(maximum temperature limit,Tm) 

動作した温度ヒューズが再び導通状態となることのない,製造業者によって指定された温度ヒューズの

温度。 

3.7 

パイロット負荷(pilot duty) 

ソレノイド,リレー及びコンタクタなどの他の電気機械装置のコイルを制御する温度ヒューズに割り当

てられた負荷。 

3.8 

可搬形機器(portable equipment) 

稼働中に移動可能である,又は電源に接続したままである場所から別の場所へ簡単に移動できる機器。 

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3.9 

定格電流,Ir(rated current,Ir) 

温度ヒューズを分類するための電流。 

3.10 

定格動作温度,Tf(rated functioning temperature,Tf) 

温度ヒューズの動作検出のため10 mA以下の電流を通電した状態で,温度ヒューズが動作する温度。 

3.11 

定格電圧,Ur(rated voltage,Ur) 

温度ヒューズを分類するための電圧。 

3.12 

熱素子(thermal element) 

温度ヒューズを構成する一部であって,校正されているある温度で,固相から液相へというように状態

を変化させて温度に応答する金属又は非金属可溶材料。 

3.13 

温度ヒューズ(thermal-link) 

熱素子を内蔵し,設計された温度より高い温度に十分な時間さらされたとき,1回だけ回路を開放する

非復帰形装置。 

3.14 

過渡過負荷電流,Ip(transient overload current,Ip) 

温度ヒューズの特性が劣化することなく,温度ヒューズが耐えられる直流連続パルス。 

3.15 

形式試験(type test) 

生産を代表する一つ又は複数の製品サンプルに基づく適合性試験。 

3.16 

長期保持温度,Th-100(extended holding temperature,Th-100) 

(対応国際規格では,長期保持温度を定義しているが,本文で引用していないため,この用語を定義し

ない。) 

3.17 

伝導熱エージング試験,CHAT(conductive heat ageing test,CHAT) 

機器で用いるための温度ヒューズを評価する試験。 

注記1 満足する結果が得られた場合,温度ヒューズには伝導熱エージング試験の負荷が割り当てら

れる。この負荷は,最終製品を評価するときに,最終製品の使用者を考慮したものである。 

注記2 伝導熱エージング試験は,附属書Cを参照。 

一般要求事項 

4.1 

過度な温度上昇から適切に機器を保護するためには,温度ヒューズの特性だけでなく,温度ヒュー

ズをどのように機器に取り付けるかも非常に重要である。したがって,良好な技術的方法に加えて,附属

書Aに規定する使用ガイドラインも考慮しなければならない。 

4.2 

温度ヒューズは,十分な電気的及び機械的強度をもち,温度ヒューズをこの規格の要求事項の範囲

内で用いる場合,取付け及び使用中に発生する全ての取付条件に耐えられるように構成されていなければ

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ならない。 

4.3 

温度ヒューズが動作した場合,アーク及び炎が持続してはならない。また,周囲に悪影響を与えた

り,又は感電若しくは火災を引き起こす物質の放出があってはならない。さらに,危険を及ぼす物質(気

体,液体,粉じん,噴霧,蒸気など)を放出してはならない。 

溶片又は可溶線を用いている温度ヒューズは,機器の絶縁システムが害される危険を避けるため,短絡

又は沿面距離及び空間距離の橋絡を防止するよう留意する。 

動作後の温度ヒューズは,最高温度限度以下の温度にさらされたとき,感電,絶縁破壊などによって機

器の安全性が損なわれることがあってはならない。温度ヒューズは,動作後には再導通してはならない。 

4.4 

温度ヒューズパッケージ組立品の要求事項は,附属書Hによる。 

試験についての留意事項 

5.1 

試験条件は,5.1.1〜5.1.3による。 

5.1.1 

特に規定がない限り,恒温恒湿槽及び/又は試験オーブンの中で行う必要のない試験は,次の周囲

条件の下で実施する。 

− 温度:15 ℃〜35 ℃ 

− 相対湿度:25 %〜75 % 

− 気圧:8.6×104 Pa〜1.06×105 Pa 

試験を実施するとき及び試験期間中,周囲条件を規定の範囲内で制御してもよい。規定する周囲条件は,

試験を実施しないときに試験室内で維持する必要はない。 

5.1.2 

5.1.1に規定する周囲条件の変化が,試験結果に影響する場合,試験中,これらの条件を実質的に

一定に維持する。 

5.1.3 

5.1.1に規定する周囲温度範囲が,試験結果に影響するとき,疑義がある場合は,これらの試験を

23 ℃±1 ℃の温度で繰り返す。 

5.2 

周囲温度は,全ての試験報告書に明記する。相対湿度又は気圧に関して5.1.1に規定する周囲条件が

試験中に満たされない場合,その影響に関する指摘を試験報告書に追加記載する。 

5.3 

サンプルの姿勢及び取付方法が,試験結果に影響する場合,関連する試験にとって最も不利な条件

を選択し,その旨を記録する。 

5.4 

温度ヒューズが,特殊な機器用に設計されており,また,独立して試験することができない場合,

その機器,又はその機器の該当部分若しくはその類似品とともに試験を行う。 

5.5 

同形シリーズの温度ヒューズを試験する場合,定格動作温度Tfの最低値及び最高値をもつ温度ヒュ

ーズに対して,全ての試験を行う。それらの中間の定格動作温度Tfの温度ヒューズに対しては,10.3及び

11.3〜11.5の試験だけ行う。 

5.6 

サンプル数は,5.6.1〜5.6.3による。 

5.6.1 

必要なサンプルの総数は,48個とする。48個のサンプルのうち15個は,再試験用スペアとして保

管する。残り33個は,A〜Kまでの英字を付けたグループに分割する。各グループは,3個のサンプルか

らなる。試験は,表1に記載するとおりに実施し,必要がある場合,表示に関する試験(箇条7参照)の

ように試験を繰り返す。表1に従って,追加のサンプルが必要になることがある。 

オプション試験では,該当する附属書に従って,追加サンプルが必要である。 

5.6.2 

関連する箇条に従って行われた試験において,一つの不適合が記録された場合は,不適合の原因を

特定して,是正処置を講じる。不適合分析報告及び是正処置に基づいて,是正した3個のサンプルを,最

background image

C 6691:2019  

低限,2倍の数で試験手順を繰り返さなければならず,再試験において新たな不適合は許容しない。 

是正措置が必要でない場合は,2倍のサンプル数で試験を繰り返してもよい。 

5.6.3 

温度ヒューズパッケージ組立品の要求事項は,附属書Hによる。 

5.7 

附属書Cによる伝導熱エージング試験は,製造業者が指定した場合に適用する。 

温度ヒューズに接点がない構造の場合,伝導熱エージング試験は省略できる。 

注記 米国では,伝導熱エージング試験を行う必要がある。 

表1−試験手順 

箇条 

試験 

サンプルグループ 

7 a) 

表示(摩擦試験) 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

7 a) 

表示(目視検査だけ) 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

9 構造要求事項 
9.2.2 a) 

張力 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

9.2.3 a) 

押込み力 

− 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

9.2.4 a) 

折曲げねじり力 

− 

− 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

9.6 a) 

耐トラッキング性 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

× 

9.7 a) 

沿面距離及び空間距離 

− 

− 

− 

− 

− 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

9.8 

温度湿度サイクル処理 

× 

× 

× 

− 

− 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

10 電気的要求事項 

10.1 

耐電圧(該当する場合) 

× 

× 

× 

− 

− 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

10.2 

絶縁抵抗(該当する場合) 

× 

× 

× 

− 

− 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

10.3 

遮断電流 

− 

− 

− 

− 

− 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

10.4 

過渡過負荷電流 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

× 

− 

− 

− 

11 温度試験 

11.2 

Thの確認 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

× 

11.3 

Tfの確認 

× 

− 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

11.4 

Tmの確認に続く耐電圧試験及び絶縁

抵抗試験 

− 

− 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

11.5 

エージング 

ステップ1(任意) 21日間 
ステップ2(必須) 21日間 
ステップ3(必須) 14日間 
ステップ4(必須) 7日間 
ステップ5(必須) 7日間 
ステップ6(必須) 24時間 

− 

× 

− 

− 

× 

− 

− 

× 

× 

× 

− 

10.1 

耐電圧 

× 

× 

− 

− 

× 

× 

× 

× 

× 

× 

− 

10.2 

絶縁抵抗 

× 

× 

− 

− 

× 

× 

× 

× 

× 

× 

− 

12 耐さび性 
12 a) 

耐さび性(鉄製部分だけ) 

× 

× 

× 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

10.3.2.4,10.3.2.6及び10.3.2.7の電圧,電力及び電流条件が一つの試験で網羅できない場合,各条件について,3

個以上のサンプルで試験する。 
注a) 温度ヒューズが同形シリーズの場合,中間の定格動作温度に関する試験を省略してもよい。 

分類 

6.1 

電気的条件 

電気的条件に関する分類は,次による。 

C 6691:2019  

a) 電圧 

1) 交流 

2) 直流 

b) 電流 

1) 抵抗負荷 

2) 誘導負荷 

c) モータ負荷 

d) パイロット負荷 

e) 放電ランプ負荷 

f) 

特殊負荷 

6.2 

熱条件 

熱条件に関する分類は,次の記号による。 

a) 定格動作温度:Tf 

b) 保持温度:Th 

c) 最高温度限度:Tm 

d) 伝導熱エージング試験:CHAT 

e) − 

6.3 

耐トラッキング性 

耐トラッキング性に関する分類は,次による。 

a) 保証トラッキング指数:175〜249 

b) 保証トラッキング指数:250以上 

注記 これらの分類は,JIS C 2134:2007で規定された表面トラッキングの試験方法に基づいている。 

表示 

7.1 

各温度ヒューズには,次の事項を表示しなければならない。 

a) タイプ名,カタログ番号又は参照番号 

b) 製造業者名又は商標 

c) 定格動作温度Tf及び摂氏温度。定格動作温度Tfと摂氏温度とは,続けて表示する。記号“Tf”は省略

してもよく,温度の単位は“℃”又は“C”を用いる。 

d) 製造日又は10年間以上は繰り返さない製造日を特定する日付コード及び製造工場の場所又は工場識

別コード 

工場が1か所しかない場合は,d)の製造工場の場所又は工場識別コードを省略してもよい。 

カタログ番号又は参照番号は,温度ヒューズの分類とともに,温度,電流,電圧などのパラメータを定

義しなければならない。 

7.2 

7.1 c)の定格動作温度Tfの表示は,定格動作温度ごとに異なるタイプ名又はカタログ番号が設定され

ている場合には省略してもよい。 

7.3 

表示は,耐久性があって,判読しやすいものでなければならない。 

表示の耐久性に対する適否は,図G.1に示す機器を用いて,附属書Gによる試験又は同等の手による試

験によって判定する。判読のしやすさは,目視検査によって判定する。さらに,11.5のエージング試験終

了後,適否は,目視検査によって判定する。 

C 6691:2019  

注記 “同等の手による試験”とは,例えば,水に浸した布片で15秒間表示を軽く摩擦する試験であ

る。 

7.4 

7.1のa)〜d)の表示内容は,この規格番号と一緒に,包装容器(こん包)にも表示しなければならな

い。 

7.5 

温度ヒューズの寸法が小さく,交換することがない場合,包装容器(こん包)に,7.1のb)〜d)及び

この規格番号を追加して表示すれば,温度ヒューズには表示しなくてもよい。 

適否は,目視検査によって判定する。 

添付説明書 

製造業者は,箇条7で規定する表示内容に加えて,技術文書,カタログ,取扱説明書などに,次の内容

を記載しなければならない。 

a) 箇条6に基づく分類 

b) 各分類には,次の内容 

1) 温度特性:定格動作温度Tf,保持温度Th及び最高温度限度Tm 

2) 電流特性:定格電流Ir,遮断電流Ib及び過渡過負荷電流(パルス電流)Ip 

3) 定格電圧Ur 

c) 樹脂への埋め込み,又は含浸液若しくは洗浄溶剤の使用についての適合性 

d) 温度ヒューズの機器への取付方法に関する説明 

e) 温度ヒューズは寸法が小さく,交換を意図しない場合は,その旨の記述 

安全のため,温度ヒューズは,修理できないものであって,交換に当たっては,同一製造業者の同一タ

イプ又はカタログ番号の同等な温度ヒューズを同一方法で取り付けることを文書に明記することが望まし

い。 

f) 

露出した熱素子をもつ温度ヒューズの場合,金属スクリーンが通電部から12.7 mm離れた距離に位置

する場合を除き,その位置 

構造要求事項 

9.1 

一般事項 

9.1.1 

温度ヒューズは,関連する最終機器の取扱い中,使用中及び故障時に生じる可能性のあるストレス

に耐えられるように,十分な機械的強度及び安定性をもっていなければならない。 

9.1.2 

タブ端子は,JIS C 2809:2014に従って製造され,タブ端子に用いる材料の最高許容温度は,JIS C 

2809:2014の表A.1に規定する値を超えてはならない。 

9.1.3 

温度ヒューズがさらされる温度領域で十分な寸法安定性があると考えられるセラミックスなどの

材料以外の非金属素材を使用した場合には,その素材を通して,接触圧が通電部分に伝わらないような方

法で通電部分を組み立てなければならない。ただし,非金属素材の収縮及びひずみを相殺する十分な弾力

性が金属部分にある場合を除く。 

通電部分は,必要な機械的強度をもち,定格電流Irを通電できなければならず,また,通電部分の材料

は,特定の用途に適した材料でなければならない。 

通電部分については,JIS C 9730-1:2019の表13に従って,最高温度限度を考慮しなければならない。 

9.1.4 

端子を含む絶縁していない通電部を支持面に固定する場合,この通電部が回転して,又は外れて,

9.7に規定する沿面距離及び空間距離を下回るほど間隔が小さくなる危険性があるときは,摩擦抵抗による

C 6691:2019  

固定は認めない。接点アセンブリは,接点のアライメントを維持するように固定しなければならない。 

9.1.5 

取付け及び通常の使用中に受けるストレスが温度ヒューズの動作を損なうことがないように,リー

ド及び端子部分を固定しなければならない。封止剤を用いた温度ヒューズを装置又は部品で用いるために

リードを折り曲げ,フォーミングする場合には,封止剤から3 mm未満の位置でリードを曲げてはならな

い。 

次の場合,リードは,シールから3 mm未満の位置で折り曲げてもよい。 

a) 温度ヒューズの製造業者の曲げジグ及び曲げ手順が,温度ヒューズの動作機構に影響を与えない。 

b) リードを曲げた試験サンプルで,9.2.4の折曲げねじり試験及び11.3の定格動作温度試験を実施する。 

9.1.6 

0.21 mm2未満のリードをもつ温度ヒューズには,温度ヒューズの温度応答を考慮した,機器への温

度ヒューズの取付方法を使用者に指示する取扱説明書を添付しなければならない。機器の動作及び振動が

温度ヒューズの端子,接続部及びその他取付部品に与える可能性のある影響についての手引きも指示に含

めなければならない。 

9.1.7 

はんだ付け接続用端子には,はんだとは関係なく導体を保持できるように,穴のようなものを備え

ていなければならない。 

9.1.8 該当する場合,温度ヒューズを所定の位置に確実に取り付けるための手段を講じなければならない。 

9.1.9 

巻線などに埋設する温度ヒューズの場合,取付けのための措置は必要ない。 

9.1.10 温度ヒューズを含む組立品を取り付けるために用いるボルト,ねじ又はその他の部材は,温度ヒュ

ーズをその組立品に固定するために使用するものと兼用してはならない。 

9.1.11 適否は,9.2で規定するリード固定試験によって判定する。附属書Aによる取付け及び安全確保に

関する指示を,温度ヒューズを用いる最終製品の製造業者に提供しなければならない。 

9.2 

リード固定試験 

9.2.1 

一般事項 

温度ヒューズのワイヤリードに印加した力が一つ又は複数の部分の破損を引き起こし,その結果,直接

的又は間接的に,動作メカニズムにストレスがかかるようになる場合,9.2.2〜9.2.4に規定する試験を実施

する。9.2.2及び9.2.3で規定する試験を実施した結果,温度ヒューズが再び閉路したり,又は沿面距離若

しくは空間距離を減ずるような部分変位が生じてはならない。9.2.4で規定する試験を実施した結果,ワイ

ヤリード以外で部分変位が生じてはならない。 

9.2.2 

引張試験 

温度ヒューズを,損傷しないように適切な方法で保持し,また,表2で規定する張力を各リードに1分

間印加する。 

9.2.3 

押込み試験 

温度ヒューズを,損傷しないように適切な方法で保持し,また,表2で規定する押込み力を,温度ヒュ

ーズから2 mmの距離をおいて,各リードに1分間印加する。 

9.2.4 

折曲げねじり試験 

温度ヒューズを,損傷しないように適切な方法で保持する。各リードを,温度ヒューズ本体から10 mm

の位置で90°折り曲げ,次に,図1の手順に従って180°ねじる。 

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10 

C 6691:2019  

図1−折曲げねじり試験 

表2−リード及び端子部の強度−引張試験及び押込み試験で加える力 

リードの公称断面積A 

mm2 

張力 

押込み力 

0.05 以下 

0.25 

 0.05 を超え 1.2 以下 

20×A 

5×A 

 1.2 を超え 

40 

注記 Aは,リードの公称断面積を平方ミリメートル(mm2)で表したものである。 

9.3 

温度ヒューズの通電路に用いる接点 

温度ヒューズの通電路に用いる接点は,回路の電源電圧によって定まる電圧ストレスに耐えなければな

らない。端子に加えて通電素子及び接点は,温度ヒューズの外郭金属部,取付ブラケットなどの金属部分

から,絶縁材料によって通常は絶縁されている。 

9.4 

取付ブラケット又は金属部分 

温度ヒューズの外郭金属部分又は取付ブラケットが,接触可能である場合,又は外部から使用者が接触

できる機器の金属外郭に低インピーダンスで接続されている場合,温度ヒューズの通電素子と導電性のあ

る外郭金属部との間の絶縁は,規定された周囲温度及び湿度の条件において適切なものでなければならな

い。 

9.5 

絶縁材料 

温度ヒューズパッケージ組立品の絶縁材料は,附属書Hによる。 

9.6 

耐トラッキング性 

9.6.1 

通電部,接点及び端子を保持するために用いる絶縁材料が,通常使用中に湿気又はほこりにさらさ

確実に保持した 
温度ヒューズ 

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11 

C 6691:2019  

れる場合,その絶縁材料は,耐トラッキング性をもっていなければならない。 

9.6.2 

セラミックス以外の材料に関しての適否は,サンプル又は同等絶縁材料の平板試験片について,JIS 

C 2134:2007に従ってトラッキング試験を行うことによって判定する。保証トラッキング指数PTIは,製造

業者が明示する。ただし,175以上でなければならない。 

9.7 

沿面距離及び空間距離 

9.7.1 

通電部間(端子を兼ねた接触部)及び通電部と通電部から絶縁された温度ヒューズの外郭金属部と

の間の沿面距離及び空間距離は,表3に規定する値以上でなければならない。数値は,製造許容差を含む

絶対最小値である。 

表3に規定する沿面距離及び空間距離は,特定の製品又は機器規格で要求される値よりも小さい値が認

められる場合がある。 

そのような場合には,沿面距離及び空間距離と,該当する製品又は機器規格で要求される値との間で調

整するために,機器に温度ヒューズを設置する場合の追加手段を提供することが望ましい。 

9.7.2 

これらの距離は,温度ヒューズの開放接点間には適用しない。 

適否は,該当距離を測定することによって判定する。 

表3−沿面距離及び空間距離(絶対最小値) 

定格電圧Ur 

空間距離 

mm 

沿面距離 

mm 

0〜 32 

0.2 

0.53 

33〜 50 

0.2 

1.2 

51〜 125 

0.5 

1.5 

126〜 250 

1.5 

2.5 

251〜 400 

3.0 

4.0 

401〜 690 

4.0 

6.9 

使用条件が注記2と異なる場合,必要に応じて,JIS C 60664-1:2009に従って

沿面距離及び空間距離を確認する。 
注記1 沿面距離及び空間距離は,JIS C 60664-1:2009によって規定したもので

ある。 

注記2 規定値は,温度ヒューズの一般的使用条件として次を想定したものであ

る。 
− 連続的な電圧負荷 
− 標高2 000 m以下 
− 基礎絶縁 
− 不均一電界 
− 過電圧カテゴリーⅡ 
− 汚損度2 
− 材料グループⅢ 

9.8 

温度湿度サイクル処理 

9.8.1 

温度ヒューズは,その使用を意図した周囲条件に含まれる湿度によって悪影響を受けてはならな

い。 

9.8.2 

温度湿度サイクル処理については,温度ヒューズサンプルを3回の完全な処理サイクルにかける。

各サイクルは,保持温度Thで24時間の後,15分以内に,温度が35 ℃±5 ℃及び湿度が(90±5) %の状態

で24時間以上,更に続けて0 ℃±2 ℃で8時間の条件で構成する。 

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12 

C 6691:2019  

9.8.3 

適否は,サンプルにこの規格の耐電圧試験(10.1参照)及び絶縁抵抗試験(10.2参照)を行うこと

によって判定する。 

非導電性の外郭をもつ温度ヒューズは,恒温恒湿槽からサンプルを取り出した後,耐電圧試験及び絶縁

抵抗試験を行う。 

導電性の外郭をもつ温度ヒューズは,恒温恒湿槽からサンプルを取り出した後,端子間で絶縁抵抗試験

を行う。 

注記1 (対応国際規格の注記は,規定であるため,本文に移した。) 

注記2 (対応国際規格の注記は,規定であるため,本文に移した。) 

9.9 

端子及び端子加工 

温度ヒューズパッケージ組立品の端子及び端子加工については,附属書Hによる。 

10 電気的要求事項 

10.1 耐電圧 

10.1.1 温度ヒューズの耐電圧は,その動作前後及び9.8に規定する温度湿度サイクル処理後においても十

分なものでなければならない。 

次のa)又はb)の該当する箇所で試験を行う。 

a) 通電部と外郭[該当する場合,金属はく(箔)で包む。]との間 

b) 通電部と絶縁された露出金属部との間 

10.1.2 適否は,9.8に規定する温度湿度サイクル処理直後及び該当する場合,箇条11の温度試験後に表4

に規定する印加箇所に適切な試験電圧を印加することによって判定する(表1参照)。 

表4−耐電圧の試験電圧 

印加箇所 

試験電圧 

通電部と外郭(該当する場合,金属はく
で包む。)との間 

定格電圧の2倍(2 Ur)+1 000 V 

通電部と絶縁された露出金属部との間 

定格電圧の2倍(2 Ur)+1 000 V 

断路部分(開放接点間) 

定格電圧の2倍(2 Ur) 

10.1.3 この試験には,出力100 VA以上の変圧器を用いる。 

10.1.4 耐電圧の試験電圧は,周波数が45 Hz〜62 Hzとなる実質正弦波とする。 

10.1.5 試験開始時には,規定電圧の半分以下の電圧を加え,その後,毎秒約500 Vの上昇率で規定電圧を

加える。 

10.1.6 9.8に規定する温度湿度サイクル処理直後に,試験電圧を印加したときに金属はくと通電路との間

でフラッシオーバ又は絶縁破壊が生じないように外郭を金属はくで包み,断路部分間,及び通電部と金属

はくとの間に試験電圧を1分間印加する。 

10.1.7 サンプルは,試験の結果,フラッシオーバ又は絶縁破壊が生じない場合,要求事項に適合している

とみなす。 

10.2 絶縁抵抗 

10.2.1 温度ヒューズの絶縁抵抗は,その動作前後及び9.8に規定する温度湿度サイクル処理後においても

十分なものでなければならない。 

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13 

C 6691:2019  

該当する場合は,次のa)又はb)のいずれかの試験を行う。 

a) 通電部と外郭(該当する場合,金属はくで包む。)との間 

b) 通電部と絶縁された露出金属部との間 

10.2.2 適否は,箇条11の温度試験前後及び9.8に規定する温度湿度サイクル処理後の温度ヒューズの絶

縁抵抗を測定することによって判定する。絶縁抵抗は,定格電圧Urの2倍の直流電圧で,通電部と外郭(該

当する場合,金属はくで包む。)との間,又は通電部と絶縁された露出金属部との間,及び断路部分間を測

定する。 

静電容量の影響を避けるため,直流電圧を用いる。 

注記 対応国際規格の注記は,規定であるため,本文に移した。 

10.2.3 通電部と外郭(該当する場合,金属はくで包む。)との間,又は通電部と絶縁された露出金属部と

の間で測定した絶縁抵抗が2 MΩ以上,断路部分間で測定した絶縁抵抗が0.2 MΩ以上でなければならな

い。 

10.3 遮断電流 

10.3.1 一般事項 

温度ヒューズは,10.3.2.1〜10.3.2.11で規定する条件において,定格電圧Urの1.1倍の電圧を印加し,表

5に規定する該当する試験電流で試験する。 

注記 この試験の主な目的は,特定の負荷を加えることで,温度ヒューズの機械的及び電気的適合性

を評価することである。 

10.3.2 具体的条件 

10.3.2.1 試験サンプルの表面に通電部から絶縁された金属部が露出している場合,この部分を,JIS C 

6575-2:2016のスタンダードシート1に規定する速動形で高遮断容量の定格電流が1 A又はそれと同等のヒ

ューズを通して接地する。 

注記 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(20130605 商局第3号)の別表第三に記載されて

いる定格電流1 A,定格遮断容量1 500 Aで,特殊な溶断特性を表示するもの以外の管形ヒュー

ズは,同等のヒューズとみなされている。 

表5−遮断試験の試験条件 

負荷分類 

定格 

試験電流 

力率 

抵抗負荷 

交流電流 

定格電流の1.5倍 

0.95〜1 

直流電流 

定格電流の1.5倍 

− 

誘導負荷 

交流電流 

定格電流の1.5倍 

0.6 

モータ負荷 

交流回転子拘束電流
(LRA) 

全負荷電流の6倍a) 

0.4〜0.5 

直流電流 

全負荷電流の10倍a) 

− 

パイロット負荷 

交流皮相電力 

b), c) 

0.35 

放電ランプ負荷 

交流電流 

定格電流の4倍 

0.4〜0.5 

特殊負荷 

c) 

c) 

c) 

注a) 全負荷電流が不明の場合は,製造業者の指定による。 

b) 10.3.2.8参照。 

c) 製造業者の指定による。 

14 

C 6691:2019  

10.3.2.2 露出した熱素子をもつ温度ヒューズの場合,金属スクリーンを通電部から12.7 mm離して取り付

ける。スクリーンは,10.3.2.1に規定するヒューズを通して,試験回路の反対極に接続する。この距離は,

スクリーンと動作状態の熱素子の最も近接した箇所との間で測定する。 

10.3.2.3 温度ヒューズを用いる意図に基づき,製造業者と最終使用者とが受け入れることができる場合は,

スクリーンを12.7 mm以外の距離の位置に取り付けてもよい。 

10.3.2.4 試験回路に電流が流れていないときの電源電圧は,試験サンプルの定格電圧Urの1.1〜1.155倍

の電圧とする。ただし,製造業者の同意がある場合,この値を超えてもよい。試験回路にサンプルの定格

電流Irに等しい電流を通電したとき,電源電圧は,サンプルの定格電圧Urの2.5 %を超えて変動してはな

らない。 

10.3.2.5 試験電流の許容差は,表5に規定する試験電流の±2.5 %でなければならない。 

10.3.2.6 温度ヒューズが複数の電圧において同一の定格電流をもつ場合,最高電圧における試験が,これ

より低い電圧での試験を代表するものと考える。 

10.3.2.7 温度ヒューズが規定の力率グループ内において複数の定格電圧Urをもつ場合,最高電圧,最高電

力及び最大電流を条件として試験を行う。一つの試験でこれらの条件のうちの二つをカバーしてもよい。 

10.3.2.8 パイロット負荷用の温度ヒューズの場合,試験負荷は,温度ヒューズが制御しようとする電磁コ

イル負荷を表す電磁石で構成する。試験電流は,温度ヒューズの電圧及び皮相電力定格から決まる通常電

流とする。交流の温度ヒューズの場合,力率は0.35以下とし,コイルの突入電流特性は通常電流の10倍

の電流とする。試験は,アーマチュア(armature)を閉じた状態で行うものとする。 

10.3.2.9 適否は,次の試験によって判定する。 

サンプルを試験オーブンに入れ,定格動作温度Tfより30 ℃低い温度,又は製造業者が指定する場合は

それ以下の温度で安定させる。試験オーブン内の温度ヒューズに通電し,オーブン温度を毎分(2±1)K

の上昇率で上昇させ,温度ヒューズが動作するか又はオーブンの温度が定格動作温度Tfを30 ℃超えるま

で試験を継続する。 

温度ヒューズは,定格動作温度Tf以下の温度で試験回路を遮断しなければならない。 

温度ヒューズが,通電した直後に動作する場合,毎分(2±1)Kの上昇率は必要でなく,試験を終了し

てもよい。 

10.3.2.10 オーブンの温度は,試験対象のサンプルの近くに取り付けた動作していない同一の温度ヒュー

ズ上の熱電対を用いて監視してもよい。 

10.3.2.11 交流モータ負荷用の温度ヒューズは,交流パイロット負荷用として遮断電流試験の力率が0.5

以下であって,パイロット負荷での突入電流が,同じ電圧での交流回転子拘束電流(LRA)の67 %以下で

ある場合は,更なる遮断電流試験を実施せずに交流パイロット負荷用としてもよい。 

10.3.2.12 温度ヒューズのリードに損傷を与えるものであってはならない。温度ヒューズから危険な物質

が放出してはならない。熱素子をカバーしている外郭は,元の状態のままでなければならない。10.3.2.1

及び10.3.2.2に規定するヒューズは,動作してはならない。露出した熱素子は,隣接する金属部分にアー

クを生じてはならず,周囲に害を及ぼす可能性のある物質を放出してはならない。 

10.3.2.13 これらの試験を行ったとき,絶縁抵抗は,10.2の要求事項に適合しなければならない。 

10.4 過渡過負荷電流 

10.4.1 温度ヒューズは,通常使用で正常とみなされる反復電流サージに耐えなければならない。 

10.4.2 適否は,箇条5で規定する通常条件(すなわち,室内周囲環境)で行う10.4.3及び10.4.4の試験に

よって判定する。 

15 

C 6691:2019  

10.4.3 振幅が定格電流の15倍,パルス幅が3 msの直流パルスを,10秒間隔で連続100サイクル,通電

路に印加する。 

10.4.4 試験後,通電路の遮断,又はこの規格の他の箇条の試験に適合しなくなるような損傷があってはな

らない。 

10.5 限定的短絡試験 

(対応国際規格では,規定する定格電流のヒューズと温度ヒューズとを直列に接続して行う遮断試験に

ついて規定しているが,この規格では規定しない。) 

11 温度試験 

11.1 一般事項 

11.1.1 温度ヒューズの温度特性は,製造業者が指定した数値及び許容差,並びにこの箇条の要求事項に適

合しなければならない。 

11.1.2 定格動作温度Tfは,熱的エージングによる影響を受けてはならない。 

11.1.3 適否は,サンプルに対し,この箇条の試験を表1の試験手順に従って行うことによって判定する。 

11.1.4 温度ヒューズの動作は,適切な方法で信号化する。例えば,信号電流を10 mA程度に制限できる

抵抗器を直列につないだ発光ダイオードを用いる。 

11.1.5 温度ヒューズの動作を,試験段階ごとに確認する。 

11.1.6 規定された温度設定の精度を確実なものにするため,表示された試験温度は,100 ℃までは公称温

度の±1 ℃の精度で,また,100 ℃を超える場合は公称温度の±1 %の範囲内の精度で計測する。 

11.1.7 さらに,オーブン内においてサンプルを試験する位置の温度差が,どの箇所においても次の温度を

超えないよう配慮する。 

− 200 ℃を超える場合,公称温度の±0.5 % 

− 200 ℃以下の場合,公称温度の±1 ℃ 

11.1.8 11.1.7の条件は,サンプルを厚手のアルミニウム製の箱に設置し,その箱をオーブンの内壁に接触

しないようにオーブン内に設置することで達成できる。 

11.2 保持温度(Th) 

11.2.1 表1のサンプルグループKのサンプル(三つ直列にする)は,温度ヒューズに定格電流Irを流す

ため,抵抗負荷回路に接続する。 

サンプルは,製造業者が指定した保持温度Thに相当する温度に維持する。 

回路には,24時間又は製造業者によって宣言された時間のいずれか長い時間,負荷する。 

11.2.2 適否は,試験終了後の温度ヒューズの導通を確認することによって判定する。温度ヒューズは,動

作してはならない。 

11.2.3 温度ヒューズパッケージ組立品の保持温度Thは,附属書Hによる。 

11.3 定格動作温度(Tf) 

11.3.1 定格動作温度Tfが250 ℃未満の場合,サンプルを,試験オーブン又は油槽内で,Tfから12 ℃減

じた温度,又は製造業者の指定する温度(最低許容動作温度から2 ℃を減じた温度以下)にさらす。温度

は,5分ごとの連続した二つの温度差が1 ℃以内となるよう安定させる。 

11.3.2 定格動作温度Tfが250 ℃以上の場合,サンプルを,Tfから22 ℃減じた温度,又は製造業者の指

定する温度(最低許容動作温度から2 ℃を減じた温度以下)にさらす。温度は,5分ごとの連続した二つ

の温度差が1 ℃以内となるよう安定させる。 

16 

C 6691:2019  

11.3.3 全サンプルが動作するまで,毎分0.5 ℃〜1 ℃の上昇率で温度を上昇させる。 

11.3.4 定格動作温度Tfが250 ℃未満の温度ヒューズの場合,個々の動作温度は,製造業者が指定する最

低許容動作温度,又は指定されていない場合は,Tfから10 ℃減じた温度を下回るものであってはならな

い。 

11.3.5 定格動作温度Tfが250 ℃以上の温度ヒューズの場合,動作温度は,製造業者が指定する最低許容

動作温度,又は指定されていない場合には,Tfから20 ℃減じた温度を下回るものであってはならない。 

11.3.6 定格動作温度Tfが250 ℃未満の温度ヒューズ及びTfが250 ℃以上の温度ヒューズの場合,動作温

度は,定格動作温度Tfを上回ってはならない。 

注記 11.3の試験に推奨される機器は,C.6に示されている。 

11.4 最高温度限度(Tm) 
11.4.1 サンプルは,10分間最高温度限度の50

−℃にさらす。 

11.4.2 最高温度限度の50

−℃に10分間維持したサンプルを用いて,10.1による耐電圧試験,及び10.2によ

る絶縁抵抗試験を行う。 

11.4.3 サンプル及び必要な配線の熱慣性の影響を消滅させる必要があるため,並びにサンプルを加熱槽に

設置することを容易にするために,可能な場合,サンプルを最高温度限度Tmに維持した砂箱に挿入するこ

とができる。 

11.4.4 定格動作温度(Tf)試験及び最高温度限度(Tm)試験は,別個の機器で行ってもよい。また,サン

プルは,定格動作温度(Tf)試験から最高温度限度(Tm)試験への移送中に冷却されてもよい。 

11.4.5 試験は,フラッシオーバ及び絶縁破壊が生じてはならない。また,サンプルは,再び閉路してはな

らない。この試験の終了後には,全てのサンプルが動作しなければならない。 

11.5 エージング 

11.5.1 高温におけるエージングが有害な影響を与えるかどうかを立証するため,温度ヒューズは,11.5.4

の一連の試験を実施する。 

11.5.2 温度は,±1 ℃で一定に維持する。 

11.5.3 各ステップの終了時に動作していないサンプルは,次のステップの試験を実施する。 

ステップ1の試験を実施した場合,ステップ2の試験終了時までに全てのサンプルが動作しても,適合

していると考える。 

11.5.4 試験ステップは,11.5.4.1及び11.5.4.2による。 

11.5.4.1 ステップ1 製造業者の要求がある場合,全サンプルは,Tf−15 ℃とTh ℃との間の設定された

温度に3週間さらす。試験終了までに50 %以上のサンプルが動作してはならない。 

11.5.4.2 11.5.4.2.1〜11.5.4.2.5の試験は,必須である。 

11.5.4.2.1 ステップ2 Tf−15 ℃で3週間。ステップ1の試験を実施していない場合,50 %を超えるサン

プルが動作してはならない。 

11.5.4.2.2 ステップ3 Tf−10 ℃で2週間 

11.5.4.2.3 ステップ4 Tf−5 ℃で1週間 

11.5.4.2.4 ステップ5 Tf−3 ℃で1週間 

11.5.4.2.5 ステップ6 Tf+3 ℃で24時間 

11.5.5 サンプルは,試験槽内でTf−35 ℃未満の温度で冷却する。 

11.5.6 全てのサンプルが,動作していなければならない。 

17 

C 6691:2019  

12 耐さび性 

12.1 鉄製部分及び鋼製部分は,エナメル,アルミニウム亜鉛めっき,めっき又はその他同等の手段によ

って腐食から保護しなければならない。 

12.2 ステンレス鋼製部分については,防食は必要ない。 

12.3 鉄製部分が一つ又はそれ以上ある温度ヒューズは,それら部分のさびによる悪影響を受けてはなら

ない。 

12.4 適否は,箇条11の温度試験及び9.8に規定する温度湿度サイクル処理後,グループA〜グループC

のサンプルを検査して判定する。試験終了後,サンプルは,適切な温度の大気で乾燥する。鉄製部分には,

この規格が意図する温度ヒューズの性能を劣化させるようなさびの兆候があってはならない。 

13 製造業者による妥当性確認 

13.1 製造業者は,性能の妥当性確認を行うために,13.2及び13.3による生産管理の定期的検査及び試験

を実施する。 

13.2 製造業者は,全ての定格動作温度Tfの温度ヒューズに対して,2年に一度,10.3,11.3及び11.4,更

に10.1及び10.2の規定に従って,それぞれ3個のサンプルを試験する。9.2の前処理は,省略してもよい。 

13.3 10.3の試験は,次の事項について行う。 

a) 最高定格電圧 

b) 最大定格電流 

c) 抵抗負荷又はモータ負荷については直流及び/又は交流でa)とb)との両方,誘導負荷,パイロット負

荷又は放電ランプ負荷については交流でa)とb)との両方 

d) 特殊負荷については製造業者の指定する電流及び回路条件 

a)〜d)のいずれかの試験で不適合がある場合は,箇条5に従って再調査及び繰返し試験を行わなければ

ならない。 

18 

C 6691:2019  

附属書A 

(規定) 

使用ガイドライン 

A.1 温度ヒューズの製造業者の取付指示は,特に温度ヒューズにコーティングを施す場合又は温度ヒュ

ーズを含浸巻線内に用いる場合は,遵守しなければならない。 

A.2 温度ヒューズは,関連機器規格に規定された通常及び故障状態において,絶縁抵抗,耐電圧,沿面

距離及び空間距離の電気的要求事項に適合するものを選択しなければならない。例えば,オーディオ,ビ

デオ及び類似の電子機器については,JIS C 6065:2019を参照する。 

A.3 温度ヒューズは,機器内の故障状態で発生する熱オーバシュートにおいて,その取付位置での電気

的及び熱的絶縁が劣化しないものを選択しなければならない。 

A.4 溶融片又は溶融線の形になっている温度ヒューズには,それらのたるみ又は溶融金属の飛まつ(沫)

が,有害な影響を起こさないように防護枠を準備しなければならない。 

A.5 このような溶融線が,ねじ,リベット又は端子の下に挟まれたり,押し付けられたりした場合,機

械的クリープ現象によって不安定な電気的接続が生じないよう確認しなければならない。 

手持形及び可搬形機器については,機器の姿勢にかかわらず,この箇条を適用する。 

注記 (対応国際規格の注記は,規定であるため,本文に移した。) 

A.6 電気的接続は,機器内でさらされる温度範囲において,設計したとおり安定して機能しなければな

らない。 

A.7 コネクタ及び端子は,振動,衝撃,熱サイクルなどで簡単に緩んではならない。 

A.8 はんだ付け用端子の接続は,機械的な堅固さをはんだ合金にだけ依存してはならない。端子の穴に

線を曲げ通して固定するような,機械的固定方法も備えなければならない。 

A.9 温度ヒューズを取り付けるためのハードウエアの機械的強度及び堅固さは,十分なものでなければ

ならない。温度ヒューズ取付けのときに,使用されるブラケット,クランプ及びねじは,機器の通常運転

中に生じる押し力,引張力,トルク,振動及び周期的温度変化に耐えられるものでなければならない。 

A.10 取り付けられた温度ヒューズは,機器内の液体漏れによって被害を受けないようにカバーなどで十

分に保護しなければならない。 

A.11 温度ヒューズの損傷を避けるために,最終用途でシーリングイン又は洗浄溶剤の使用が必要な場合

は,製造業者に相談することが望ましい。 

19 

C 6691:2019  

附属書B 

(規定) 

電気アイロンに用いる保持温度Thが250 ℃を超える 

温度ヒューズの代替エージング試験 

B.1 

電気アイロンを通常の状態で用いた場合に250 ℃以上となる部分に取り付けられる動作温度が

300 ℃以上の温度ヒューズであって,故障時に温度が急激に300 ℃以上に上昇する電気アイロンを保護す

る温度ヒューズには,11.5に規定するエージング試験を行う必要はない。 

B.2 

代替エージング試験は,製造業者の指定によって実施する。 

B.3 

さらに,11.3の温度許容差は,−10 ℃ではなく−20 ℃まで許容する。 

B.4 

この規格に適合するためには,この附属書以外の全ての要求事項に適合しなければならない。 

20 

C 6691:2019  

附属書C 
(規定) 

伝導熱エージング試験 

注記 米国の場合,この附属書を適用する必要がある。その他の全ての国々(我が国を含む。)の場合,

製造業者が指定するときに,この附属書を適用できる。 

C.1 伝導熱エージング試験 

定格動作温度が175 ℃以上の温度ヒューズは,この附属書の伝導熱エージング試験を実施する。定格動

作温度Tfが175 ℃未満の温度ヒューズは,この試験は任意とする。 

温度ヒューズが共晶タイプで接点がない構造の場合,伝導熱エージング試験を省略できる。 

C.2 試験方法 

C.2.1 一般事項 

30個のサンプルで試験を行う。10個の温度ヒューズサンプルからなる三つのグループを,それぞれ試験

ジグに固定し,C.6に従って構成した換気しない電気加熱試験用オーブン内に置き,C.2.2〜C.4に規定す

る試験を行う。図C.2に示す試験用オーブンのカバーは,図C.1に示す試験ジグに交換する。図C.2に示

すアルミニウム製の試験ボックス部分及びセラミック製のオーブンライナ部分を試験用オーブンから取り

除く。 

C.2.2 代表的な試験ジグ 

図C.1に示すように,代表的な試験ジグは,寸法が228.6 mm×228.6 mm,厚さが6.4 mmのアルミニウ

ム製の板で構成し,その上に10本の熱固定クリップをプレートの外周に取り付け,プレートの表面に温度

ヒューズを固定する。厚さが0.075 mmのポリアミドフィルム二層からなる公称厚さが0.15 mmの電気絶

縁体を各温度ヒューズの周りに配置して,アルミニウム製の板から電気的に絶縁する。隣接する各温度ヒ

ューズのリード線は,溶接して直列回路を形成する。温度ヒューズを電気負荷に接続するためのワイヤの

寸法,ワイヤの種類,又は終端方法は,負荷を接続した温度ヒューズの温度に大きく影響を与えてはなら

ない。30個の試験サンプル全てを一つの試験ジグで試験することができるように,試験ジグを変更して用

いてもよい。サンプルを複数のグループに分割して,複数の試験ジグを用いてもよい。 

C.2.3 温度設定 

試験ジグは,カバーとして,試験用オーブンの上に置き,温度ヒューズは,アルミニウム製の板の表面

の外側に配置する。試験用オーブンは,定格電流を10 Aで,定格電圧(交流)を120 Vとする。 

C.2.4 温度動作 

アルミニウム製の板上及び温度ヒューズの温度は,試験用オーブンの“オン”時間によって制御する。

“オン”の間に,温度ヒューズ及び直列に接続した試験用オーブンの発熱体から,交流で120 V,10 Aの

負荷電流を導通させることによって,温度ヒューズも加熱する。 

温度ヒューズの定格が10 A未満の場合は,温度ヒューズの定格電流の外部負荷を設定した別の回路を温

度ヒューズに接続する。負荷電流は,試験用オーブンの発熱体と同時に通電する。温度ヒューズが動作す

るたびに,試験用オーブンの発熱体は,温度ヒューズを取り外し,温度ヒューズの位置がバイパスされる

まで,“オフ”状態を維持する。 

21 

C 6691:2019  

C.2.5 温度監視 

各温度ヒューズの温度は,温度ヒューズ本体の最上部に溶接した熱電対によって監視する。最も高い温

度を示す温度ヒューズは,オーブンの“オン”期間の長さを制御するために用いる。試験開始から24時間

後に,温度ヒューズ本体の温度の安定性を確認する。このとき,10個中8個(80 %)の温度ヒューズは,

最高監視温度値の12 ℃以内でなければならない。 

C.3 エージング 

C.3.1 一般事項 

温度ヒューズは,次のステップで示すように,合計8週間と1日又は全ての温度ヒューズが動作するま

でエージングを行う。 

ステップA:Tf−35 ℃で336時間(2週間) 

ステップB:Tf−25 ℃で336時間(2週間) 

ステップC:Tf−20 ℃で168時間(1週間) 

ステップD:Tf−15 ℃で168時間(1週間) 

ステップE:Tf−10 ℃で168時間(1週間) 

ステップF:Tf−5 ℃で168時間(1週間) 

ステップG:Tf+5 ℃で24時間(1日),30個全ての温度ヒューズにこのステップを適用する。 

Tfは,温度ヒューズの定格動作温度である。それぞれのステップで,試験用オーブンを“オン”及び“オ

フ”に制御するために

60

−℃の許容差を用いる。 

試験用オーブンによる負荷電流の“オン”時間は, 製造業者が指定するように,5秒以上,10秒以下と

する。これらの値は,オーブンの“オン”時間を制御するための最高温度の温度ヒューズが,必要な段階

のエージング温度(許容差

60

−℃のステップA〜ステップG)に到達していない場合,温度上昇期間中に“オ

ン”時間は10秒を超えてもよい。温度上昇期間中は,温度ヒューズに通電してもしなくてもよい。 

C.3.2 冷却操作 

週に2回,試験用オーブンの電源を切って,試験ジグを室温まで冷却する。冷却期間は,毎週3日目及

び5日目に12時間とする。各ステップの総エージング時間には,冷却期間,又は温度ヒューズの動作によ

って試験用オーブンが“オフ”になっている時間を含めない。 

C.3.3 早期操作 

全エージング期間が完了する前に温度ヒューズが動作する場合,温度ヒューズは直列回路の導通を保持

するためにバイパスする。再接続の過程で,残りの温度ヒューズに支障があってはならない。適切な寸法

及び形式の追加のリード線を使用する。 

C.4 結果 

試験の結果,各温度ヒューズは意図したとおりに動作し,電気的に遮断しなければならず,C.5に規定

する試験の結果,絶縁破壊が生じてはならない。 

C.5 耐電圧試験 

試験に続いてC.4を参照して,各温度ヒューズは,室温に戻された後に,動作後の温度ヒューズのリー

ド線又は端子間に,10.1に規定する耐電圧試験を行う。 

background image

22 

C 6691:2019  

単位 mm 

図C.1−代表的な試験ジグ 

C.6 試験用オーブン 

試験装置は,換気しない電気加熱試験用オーブンで構成する。そのようなオーブンの代表的な例を図C.2

に示す。オーブンは通風がない部屋に設置し,試験中周囲温度は適度に一定に保つ。 

図C.2に示すオーブンは,非金属製のオーブンライナ及び金属製の試験ボックスの二つの部分で主に構

成する。 

図C.2に示すオーブンの内面は,ふく(輻)射熱を遮蔽し,熱損失を低減する耐火レンガ又は同様の種

類の表面からなる。継ぎ目及び接合部は隙間がないようにする。 

図C.2に示すオーブンの内部の金属製の試験ボックスは,厚さが6.4 mmの壁をもつ。試験ボックスは,

無機質のブロック上に置き,ふく(輻)射熱から遮蔽する。温度ヒューズの周囲温度は,金属製の試験ボ

ックスの内側にある熱電対によって監視する。 

試験用オーブンの温度調節システムは,試験場所での空気の温度を0.5 ℃以内に維持する。 

試験用オーブン 

アルミニウム製の
ボックス 

熱固定クリップ 

温度ヒューズ 

平面図 

228.6 

2

2

8

.6

76.2 

38.1 

3

8

.1

5

0

.8

4

4

.4

background image

23 

C 6691:2019  

記号 
1 試験サンプルチャンバ 
2 温度監視及び記録用熱電対 
3 四つのセラミックボタン上に設置されるアルミニウム製の試験ボックス 
4 低密度の耐火レンガオーブン 
5 セラミック製のオーブンライナ 
6 試験ボックスとオーブンライナとの間のオーブンの底部に挿入された温度制御熱電対 
7 オーブンの内面に設置された加熱コイル 
8 電流調整用抵抗として使用するオーブンヒータと直列に接続した発熱体 
A オーブンカバー:16 cm×29 cm×29 cm 
B 寸法が6.35 cm×22.86 cm×22.86 cmで,開口が8.25 cm×8.25 cm 

図C.2−代表的な温度ヒューズの試験用オーブン 

24 

C 6691:2019  

附属書D 
(参考) 

長期保持温度評価 

(対応国際規格のこの附属書は,適用しない。) 

25 

C 6691:2019  

附属書E 

(規定) 

シールエージング試験 

注記 対応国際規格には,“米国の場合,この附属書を適用する必要がある。その他の全ての国々(我

が国を含む。)の場合,製造業者が指定するときに,この附属書を適用できる。”との注記があ

るが,この規格では削除した。 

E.1 

この試験は,H.9.5.104において要求される場合,シール及び充塡剤に適用する。E.2に規定すると

おりに処理した後,重要な電気的及び機械的特性値を決定するためにサンプルを試験する。処理されたサ

ンプルの各特性の平均値は,未処理のサンプルで求めた平均値の50 %以上でなければならない。 

注記 対応国際規格には,“シール及び充塡剤は,既に関連するUL規格に準拠している場合,試験す

る必要はない。”との記載があるが削除した。 

E.2 

評価する各特性については,図E.1の耐熱プロファイルから求めたオーブン温度で,10個のサンプ

ルを1 000時間処理する。温度指数は,測定した温度ヒューズ取付部の通常動作温度又は保持温度Thで,

60 ℃以上とする。その後,サンプルを室温に戻す。 

製造業者及び使用者の両方が合意する場合,図E.1に示す同一の耐熱プロファイル線上で,より高い又

はより低いオーブンの温度で,より短い又はより長い時間を採用してもよい。ただし,300時間以上を用

いる。 

background image

26 

C 6691:2019  

h

300 280 260 240 220 200 180  160 

140 

120 

100 

80 

60 

40 

オーブン温度(℃) 

図E.1−推奨温度指数における処理時間対オーブン温度 

温度指数線 

100 000

10 000

1 000

100

10

240 ℃ 220 ℃ 200 ℃ 180 ℃ 

155 ℃ 

130 ℃ 

105 ℃ 

90 ℃ 

75 ℃ 

60 ℃ 

27 

C 6691:2019  

附属書F 

(規定) 

識別要求事項 

(対応国際規格のこの附属書は,規定しない。) 

background image

28 

C 6691:2019  

附属書G 
(規定) 

表示の耐久性試験方法 

箇条7の表示の耐久性の要求事項に対する適否は,図G.1に示す耐久性試験機器を用いて判定する。主

要部分は,直径が65 mm,厚さが7.5 mmの硬くて白い研磨用フェルト製の円板で構成する。この円板が

回転しないように固定し,円板が2.5 Nの測定荷重で試験する面を往復して20 mmのストロークで移動さ

せる。標準試験は,12ストローク(例えば,偏芯の回転数)とし,約15秒間かける。 

試験中,研磨用円板の該当する部分は,起毛して毛あしをそろえた柔らかい表面を外側にして,白い吸

水性リントの一層で覆う。 

単位 mm 

注記 図G.1は,JIS C 9730-1:2019の図8参照。 

図G.1−表示の耐久性試験機器 

48回転/分 

29 

C 6691:2019  

附属書H 
(規定) 

温度ヒューズパッケージ組立品の要求事項 

この附属書は,この規格の対応する箇条に追加して適用する。 

H.3 用語及び定義 

用語及び定義は,本体の箇条3によるほか,次による。 

追加 

H.3.101 

温度ヒューズパッケージ組立品(thermal-link package) 

金属製又は非金属製のケースに入り,リード,タブ,エポキシ剤などの構成物で加工した温度ヒューズ。 

H.4 一般要求事項 

一般要求事項は,本体の箇条4によるほか,次による。 

追加 

H.4.101 温度ヒューズパッケージ組立品は,この附属書の要求事項を別に評価する。 

H.9.9及びH.11.2の適用可能な試験ごとに,温度ヒューズパッケージ組立品の3個の新しいサンプルを

試験する。 

H.5 試験についての留意事項 

試験についての留意事項は,本体の箇条5によるほか,次による。 

追加 

H.5.6.2.101 この附属書での試験に加えて,温度ヒューズパッケージ組立品のサンプルは,グループF及

びグループGの試験手順で行う。 

H.9 構造要求事項 

構造要求事項は,本体の箇条9によるほか,次による。 

追加 

H.9.5 絶縁材料 

H.9.5.101 温度ヒューズパッケージ組立品のケースに用いられる高分子材料は,関連規格に従って,規定

された厚さで,a)〜e)の事項に適合しなければならない。 

a) JIS C 60695-11-10:2015による燃焼性分類:V-0又はV-1 

b) JIS C 60695-2-12:2013によるグローワイヤ燃焼性指数(GWFI):850 ℃,又はJIS C 60695-2-13:2013

によるグローワイヤ着火温度指数(GWIT):850 ℃ 

c) JIS C 2143-5:2013による相対熱的耐久性指数(RTE):最高使用温度又は保持温度Th以上 

d) JIS C 2134による保証トラッキング指数(PTI):175以上 

e) JIS C 60695-10-2:2018によるボールプレッシャー温度(BPT):最高使用温度又は保持温度Thより,

20 ℃高い温度 

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30 

C 6691:2019  

H.9.5.101.1 H.9.5.101 c)で,相対熱的耐久性指数(RTE)が不明な場合は,代わりに相対温度指数(RTI)

を用いてもよい。 

H.9.5.102 充塡剤又はエポキシ剤は,使用温度に適していなければならない。 

H.9.5.103 温度ヒューズパッケージ組立品の最高使用温度又は保持温度Thが,充塡剤又はエポキシ剤の定

格温度のいずれか低い温度よりも低い場合,その材料を用いることができる。 

H.9.5.104 温度ヒューズパッケージ組立品の最高使用温度又は保持温度Thが,充塡剤又はエポキシ剤の定

格温度よりも高い場合,いずれか高い温度の材料で,附属書Eのシールエージング試験を実施する。 

H.9.9 端子及び端子加工 

追加 

H.9.9.101 温度ヒューズパッケージ組立品にこの規格への適合性を損なうような損傷を与えずに,端子を

挿入又は引抜きができる十分な強度をもたなければならない。 

H.9.9.102 適否は,表H.1に規定する力と同じ力を軸方向に徐々にかけることによって判定する。タブに

著しい変形が生じてはならない。また,温度ヒューズ全体に損傷が生じてはならない。 

通電部及びケース間で,10.1の耐電圧試験を行ったときにフラッシオーバ又は絶縁破壊が生じてはなら

ない。 

表H.1−押し力及び引張力 

タブの寸法 

mm 

(JIS C 2809:2014を参照) 

押し力a) 

引張力a) 

2.8 

50 

40 

4.8 

60 

50 

6.3 

80 

70 

9.5 

100 

100 

注a) この表の値は,タブへの接続端子の挿入及び引抜きに許容される最大値である。 

H.9.9.103 温度ヒューズパッケージ組立品の一つの部分であるタブは,適切な接続端子への取付けが可能

なように,適切な間隔を確保しなければならない。 

H.9.9.104 適否は,それぞれのタブに適切な接続端子を取り付けることによって判定する。 

取付け中に,タブ又は接続端子に近接する部分にひずみ又は変形が生じてはならない。沿面距離及び空

間距離が,表3に規定する値未満になってはならない。 

H.9.9.105 温度ヒューズパッケージ組立品の一つの部分であるリード線は,表H.2に規定する断面積以上

でなければならない。また,軸方向の力を接続部に伝えないように機械的に固定しなければならない。 

background image

31 

C 6691:2019  

表H.2−導体の最小公称断面積 

リード線に流れる電流 

導体の最小公称断面積 

mm2 

3以下 

b) 

3を超え  6以下a) 

0.75 

6を超え 10以下 

10を超え 16以下 

1.5 

16を超え 25以下 

2.5 

25を超え 32以下 

32を超え 40以下 

40を超え 63以下 

10 

注a) (米国に関する記述のため,削除) 

b) 最小公称断面積は規定していない。製造業者が試験用に導体の寸法を指定する。 

H.9.9.106 適否は,それぞれのリード線に20 Nの引張力を1分間徐々に加えて判定する。リード線に著し

い変形が生じてはならない。また,温度ヒューズパッケージ組立品に損傷が生じてはならない。 

通電部及びケース間で,10.1の耐電圧試験を行ったときに,フラッシオーバ又は絶縁破壊が生じてはな

らない。 

H.11 温度試験 

温度試験は,本体の箇条11によるほか,次による。 

H.11.2 保持温度(Th) 

追加 

H.11.2.3.101 温度ヒューズパッケージ組立品は,抵抗負荷回路に接続し,製造業者によって指定された周

囲温度で回路に定格電流Irを通電する。 

H.11.2.3.102 温度ヒューズパッケージ組立品が取り付けられている媒体の周囲温度は,温度ヒューズパッ

ケージ組立品から約50 mmの位置で,サンプルを取り付けた範囲の中心にできる限り近い位置で測定する。 

H.11.2.3.103 ケースの材料,タブ,リード線,エポキシ剤その他の温度は,細線の熱電対(0.081 mm2)

又は同等の方法で測定する。熱電対は,試験中に部位の温度への影響が最小になるように選択し取り付け

る。 

H.11.2.3.104 回路は,7時間,通電状態を維持する。 

H.11.2.3.105 試験後,温度ヒューズパッケージ組立品は,未だ熱をもっている状態で10.1の耐電圧試験を

行う。 

H.11.2.3.106 適否は,ケースの材料,端子,リード線,エポキシ剤その他の測定温度が,これらの部品に

用いられる材料の最高許容温度を超えないことを確認することによって判定する。また,温度ヒューズパ

ッケージ組立品は,10.1の耐電圧試験に耐えなければならない。 

32 

C 6691:2019  

附属書JA 

(規定) 

製造業者が動作温度の中心値を定格動作温度Tfとして指定する場合 

製造業者が動作温度の中心値を定格動作温度Tfとして指定する場合は,本体の箇条を次のとおり置き換

え適用する。 

表示 

表示は,本体の箇条7によるほか,次による。 

7.1 

追加(最終段落の後に,次を追加し適用する。) 

製造業者が動作温度の中心値を定格動作温度Tfとして指定する場合,それが識別できるように,温度ヒ

ューズには,Tfの数値の後に,“±”を追加して表示する。 

7.4 

追加(第1段落の後に,次を追加し適用する。) 

包装容器への定格動作温度Tfの表示は,動作温度の許容差を追加して表示する。許容差は,定格動作温

度Tfが250 ℃未満の場合は±7 ℃,Tfが250 ℃以上の場合は±10 ℃とする。 

11 温度試験 

温度試験は,本体の箇条11によるほか,次による。 

11.3.4 置換(この細分箇条を,次に置き換え適用する。) 

定格動作温度Tfが250 ℃未満の温度ヒューズの場合,動作温度は,Tfから7 ℃減じた温度を下回るも

のであってはならない。 

11.3.5 置換(この細分箇条を,次に置き換え適用する。) 

定格動作温度Tfが250 ℃以上の温度ヒューズの場合,動作温度は,Tfから10 ℃減じた温度を下回るも

のであってはならない。 

11.3.6 置換(この細分箇条を,次に置き換え適用する。) 

定格動作温度Tfが250 ℃未満の温度ヒューズの場合,動作温度は,定格動作温度Tfに7 ℃を加えた温

度を上回ってはならない。また,定格動作温度Tfが250 ℃以上の温度ヒューズの場合,動作温度は,定格

動作温度Tfに10 ℃を加えた温度を上回ってはならない。 

注記 11.3の試験に推奨される機器は,C.6に示されている。 

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33 

C 6691:2019  

附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 6691:2019 温度ヒューズ−要求事項及び適用の指針 

IEC 60691:2015,Thermal-links−Requirements and application guide及びAmendment 
1:2019 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 この規格の適用範

囲を規定 

JISとほぼ同じ 

追加 

附属書Bの引用文を追加した。 

対応国際規格で附属書Bが引用さ
れていなかったため,追加した。
IECへの提案を検討する。 

5試験につ
いての留意
事項 

5.6.1 表1 試験手順
を規定 

5.6.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

対応国際規格で引用している,
“10.3.2.3,10.3.2.4及び10.3.2.5”
を“10.3.2.4,10.3.2.6及び10.3.2.7”
に変更した。 

電力及び電流条件を規定している
のは,“10.3.2.4,10.3.2.6及び
10.3.2.7”であり,対応国際規格の
明らかな誤記である。 
IECへの提案を検討する。 

6 分類 

6.2 温度ヒューズが
用いられる熱条件
の分類 

6.2 

JISとほぼ同じ 

変更 

国際規格では,熱条件として“Th-100” 
を分類しているが,削除した。 

この規格で附属書D(長期保持温
度評価)を適用しないため,熱条
件の分類の“Th-100”を削除した。 

7 表示 

7.1 温度ヒューズへ
の表示を規定 

7.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

製造日を追加した。 

我が国では,製造日を表示する事
例があるため。 

7.3 本体表示及び包
装容器の表示並び
に表示の判読のし
やすさについて規
定 

7.3 

JISとほぼ同じ 

追加 

“同等の手による試験”を追加し
た。 

我が国では,軽く摩擦することに
よる判定試験も行われている。 

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C

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2

0

1

9

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34 

C 6691:2019  

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

10 電気的
要求事項 

10.3.2.1 遮断試験に
おける金属部の接
地 

10.3.2.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

対応国際規格では,“thermal 
assembly”としているが,“試験サ
ンプル”とした。 

“thermal assembly”がどのような
ものなのかが明確でないため,意
訳した。IECへ調査中。 

10.3.2.1 表5 

10.3.2.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

表5の注a)の試験電流が指定されて
いない場合は,“製造業者の指定に
よる。”とした。 

表5の注a)は“交流回転子拘束電
流”となっているが,試験電流の
“全負荷電流”との関係が不明な
ため,“製造業者の指定による。”
とした。IECへ調査中。 

10.5 規定なし 

10.5 

限定的短絡試験 

削除 

国際規格の内容を記載していない。 この試験は,指定された定格電流

のヒューズ及び温度ヒューズを直
列に接続して行う遮断試験である
が,我が国ではこの試験に適合し
た温度ヒューズの使用を義務付け
ている製品規格は存在しない。 

附属書D 
(参考) 

規定なし 

附属書D  長期保持温度評価 

削除 

国際規格の内容を適用しない。 

この試験に適合した温度ヒューズ
の使用を義務付けている製品規格
は,我が国では存在しないなどの
理由によって,当面適用しないこ
ととした。 

附属書F 
(規定) 

規定なし 

附属書F 

識別要求事項 

削除 

附属書Dと同じ。 

附属書Dと同じ。 

附属書H 
(規定) 

温度ヒューズパッ
ケージ組立品の要
求事項 

H.9.5.102 JISとほぼ同じ 

削除 

附属書Fに関する記述を削除した。 この規格では,附属書Fを適用し

ていないため。 

附属書JA 
(規定) 

製造業者が動作温
度の中心値を定格
動作温度Tfとして
指定する場合 

− 

規定なし 

追加 

製造業者が動作温度の中心値をTf
として指定する場合の,識別表示及
び温度試験の判定基準を明確にし
た。 

電気用品の技術上の基準を定める
省令の解釈別表第三に規定する動
作温度特性のものを許容できる規
定を追加した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(IEC 60691:2015,Amd.1:2019,MOD) 

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C

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1

2

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9

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35 

C 6691:2019  

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

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