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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 6436-1995 

電子機器用小形電源変圧器 

Power transformer for electronic equipment 

1. 適用範囲 この規格は,主として電子機器に使用する出力1kVA以下,周波数50Hz及び60Hzの鉄心

入単相電源変圧器(以下,変圧器という。)について規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 0010 環境試験方法−電気・電子−通則 

JIS C 0040 環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法 

JIS C 6435 低周波変成器及びコイル試験方法 

2. 形名 

2.1 

形名の構成 形名の構成は,次のような配列による。 

2.2 

記号 

2.2.1 

電源変圧器 電源変圧器を表す記号は,TPとする。 

2.2.2 

単相50Hz又は60Hz 単相50Hz又は60Hzを表す記号は,1とする。 

2.2.3 

構造 

(1) 形状 形状を表す記号は,表1のとおりとする。 

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C 6436-1995  

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表1 

記号 

形状 

参考 

金属ケースと磁器又はガラス端子などを用い

て,完全密閉構造になっているもの。 

金属ケース入りであるが,完全密閉構造ではな

いもの。 

開放形で取付面に対し,鉄心の面が平行である

もの。 

開放形で取付面に対し,鉄心の面が直角なもの。 

開放形で締金具にチャンネルフレームを用いた

もの。 

合成樹脂のケースを用いるか,合成樹脂で注型

されたり,コーティングされているもの。 

1〜6の形状に属さないもの。 

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C 6436-1995  

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(2) 取付方法 取付方法を表す記号は,表2のとおりとする。 

表2 

記号 

取付構造 

参考 

リードなどによって取り付けるもの。主として

印刷配線用。 

スタットによって取り付けるもの。 

ねじ穴によって取り付けるもの。 

丸穴,長穴,かけ穴によって取り付けるもの。 

つめによって,取り付けるもの。 

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C 6436-1995  

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(3) 取付位置と端子との関係 取付位置と端子との関係を表す記号は,表3のとおりとする。 

表3 

記号 

取付位置と端子との関係 

参考 

上部配線形 
(取付面と反対の側で配線を行うもの。) 

下部配線形 
(取付面と同じ側で配線を行うもの。) 

横配線形 
(取付面と直角の側で配線を行うもの。) 

上下配線形 
(取付面と同一及び反対の両側で配線を行うも
の。) 

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C 6436-1995  

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(4) 端子の種類 端子の種類を表す記号は,表4のとおりとする。 

表4 

記号 

端子の種類 

構造 

参考 

ねじ 

絶縁物にねじ止め又は埋め込まれたねじ

によって,配線を締め付け固定するもの。 

棒 

絶縁物に埋め込まれた金属の棒,板又は

管に配線をはんだ付けして固定するもの。 

ラグ 

絶縁物に取り付けたラグに配線をはんだ

付けして固定するもの(角形又は扁平丸形
を含む。)。 

リード 

すずめっき軟銅線などのリードが引き出

されており,印刷配線板などにはんだ付け
可能なもの。 

絶縁リード 

フレキシブルな絶縁より線などを変圧器

の外部に引き出したもの。 

その他 

1〜5に属さないもの。 

2.2.4 

定格出力 変圧器の定格出力の分類とそれを表す記号は,表5のとおりとする。 

表5 

単位VA 

記号 

定格出力の分類 

10以下 

10を超え 

16以下 

16を超え 

25以下 

25を超え 

40以下 

40を超え 

63以下 

63を超え 

100以下 

100を超え 

160以下 

160を超え 

250以下 

250を超え 

400以下 

400を超え 

630以下 

630を超え 

1 000以下 

3. 使用温度範囲 変圧器の使用温度範囲は,次のとおりとする。 

(1) −10〜+40℃ 

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(2) −10〜+55℃ 

(3) −25〜+70℃ 

4. 等級 変圧器は,耐熱性の環境適用性能の違いによって,表6のX級及びY級に分類する。 

表6 

等級 

適用箇条 

温度 記号 周囲最高温度 

℃ 

温度上昇の限度 

℃ 

試験温度 

℃ 

記号 周囲最高温度 

℃ 

温度上昇の限度 

℃ 

試験温度 

℃ 

1X 

40 

60 

110 

1Y 

55 

50 

110 

3. 

2X 

55 

60 

125 

2Y 

70 

50 

125 

5.1.7 

3X 

70 

50 

155 

5.3.1 

5. 性能 

5.1 

電気的性能 

5.1.1 

絶縁抵抗 負荷前において,各巻線間及び巻線と鉄心(ケース,金具)間の絶縁抵抗は,直流500V

又は1 000Vの絶縁抵抗計で測定し,その値が100MΩ以上なければならない。 

5.1.2 

耐電圧 各巻線間及び巻線と鉄心(ケース,金具)間に,50Hz又は60Hzの正弦波に近い交流電圧

を徐々に試験電圧まで加えたとき,1分間破壊することなく耐えなければならない。 

試験電圧は,原則として表7による。 

表7 

最高使用電圧 V 

試験電圧 V 

30以下 

500 

30を超え 115以下 

1 000 

115を超え 250以下 

1 500 

250を超えるもの 

最高使用電圧×2+1000 

なお,静電遮へいをしてあるものでは,シールドを鉄心(ケース,金具)に接続して試験を行う。 

また,全波整流用の巻線で,中性点を接地して使用するものの最高使用電圧は,中性点から巻線端に至

る電圧をいう。 

5.1.3 

層間耐電圧 二次巻線のすべてを開放し,使用時に接地する端子を鉄心(ケース,金具)に接続し

て,一次巻線に定格周波数 (F) の2倍以上の試験周波数 (f) で定格入力電圧の2倍の電圧を120×fF秒加

えた場合,破壊することなく耐えなければならない。 

なお,この試験時間は最高60秒間,最短15秒間とする。 

5.1.4 

無負荷損失 二次巻線のすべてを開放し,一次巻線に定格入力電圧を加えて,電力 (W) を測定し

たとき,図1の値以下でなければならない。 

ただし,定格出力10VA未満のものについては規定しない。 

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C 6436-1995  

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図1 

5.1.5 

電圧偏差 一次巻線に定格入力電圧を加え,二次巻線のすべてに無誘導負荷を接続して,定格出力

電流を流したとき(以下,定格動作状態という。),各電圧と定格電圧との許容差は,±5%以下でなければ
ならない。ただし,定格電圧2.5V以下のものに対しては,許容差は105

+%以下とする。 

5.1.6 

電圧不平衡度 5.1.5の定格動作状態で,巻線の中性点と両端子間との電圧 (e1,e2) を測定し,次

の式によって求めた電圧不平衡度δが,2%以下でなければならない。 

100

(%)

2

1

2

1

×

+

=

e

e

e

e〜

δ

5.1.7 

温度上昇 5.1.5の定格動作状態で連続動作させ,温度が一定になったときの各巻線及び鉄心(ケ

ース,金具)の温度上昇は,表8の値以下でなければならない。 

表8 

単位℃ 

等級の記号 

3X 
1Y, 2Y, 

1X, 2X 

巻線 

50 

60 

鉄心(ケース・金具) 

50 

60 

ただし,巻線は抵抗法,鉄心(ケース,金具)は温度計法による。 

なお,温度上昇及び周囲温度の決定方法は,それぞれJIS C 6435の5.25.2(測定方法)(3)(巻線の温度

上昇の決定方法),(4)(鉄心又はケースの温度上昇の決定方法),(5)(周囲温度の決定方法)による。 

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5.1.8 

電圧変動率 二次巻線のすべてを開放し,一次巻線に定格入力電圧を加えて二次無負荷電圧 (E0) 

を測定し,次に定格動作状態で定格出力電圧 (E2) を測定し,次の式によって求めた電圧変動率εが,表9

の値以下でなければならない。 

ε (%) =

2

2

0

E

E

E−

×100 

表9 

定格出力 VA 

3を超え10以下 10を超え20以下 20を超え60以下 60を超えるもの 

電圧変動率 % 

40 

30 

20 

10 

なお,定格出力3VA以下のものについては規定しない。 

5.1.9 

過負荷 規定された周囲最高温度で,5.1.5の定格動作状態のまま入力電圧を定格電圧の110%に上

昇させて,6時間放置する。その後,10分以内に(槽内で試験したものは槽から取り出す。)耐電圧を試験

し,絶縁抵抗を測定する。この場合,耐電圧は5.1.2の規定に適合し,また,絶縁抵抗は,10MΩ以上でな

ければならない。 

また,ひび割れの機械的損傷,充てん物の漏えいなどの異常があってはならない。 

5.2 

機械的性能 

5.2.1 

端子強度 端子の引張強さは,変圧器本体を固定し,リード線端子では軸方向に,その他の端子で

は端子の方向に,表10に示す荷重を徐々に規定値まで加え,そのまま規定時間保持したとき,緩み,切断,

その他の破損があってはならない。ただし,荷重は,端子1本ごとに加える。 

表10 

質量 kg 

荷重 N 

保持時間 s 

0.2を超え 

0.5以下 

10 

30±5 

0.5を超え 

2以下 

15 

2を超えるもの 

25 

なお,質量0.2kg以下のものに対しては,自重の5倍の静荷重とする。 

5.2.2 

振動 正規の使用状態に変圧器を取り付け,JIS C 0040の推奨試験条件(振動数範囲10〜55Hz,

全振幅1.5mm,掃引の割合10-55-10Hz約1分間,掃引の方法は対数掃引又は一様掃引,試験時間6時間)

によって試験した場合,断線,短絡,ひび割れなどの異常があってはならない。 

5.3 

耐候性 

5.3.1 

耐熱性 変圧器を試験槽に入れ,表6に規定する試験温度まで徐々に上げ,規定の温度に達した後,

その温度にX級では16時間,Y級では8時間放置する。この間,槽内の温度は,±3℃に保つ。 

その後,槽から取り出し,10分以内に耐電圧を試験し,絶縁抵抗を測定する。この場合,耐電圧は,5.1.2

の規定に適合し,また,絶縁抵抗は,10MΩ以上でなければならない。 

5.3.2 

耐寒性 変圧器を試験槽に入れ,3.に規定された最低使用温度まで徐々に下げ,規定の温度に達し

た後,その温度に2時間放置する。この間,槽内の温度は,±3℃に保つ。その後,槽から取り出し,水滴

が付着したときは,これを十分に取り除いた後,10分以内に耐電圧を試験し,絶縁抵抗を測定する。この

場合,耐電圧は5.1.2の規定に適合し,また,絶縁抵抗は,10MΩ以上でなければならない。 

5.3.3 

耐湿性 

(1) 完全密閉形 変圧器を温度40±2℃,相対湿度90〜95%の周囲状況に96時間放置する。 

この場合,試験槽に入れた直後及び放置中,供試品にできるだけ露が結ばないようにする。その後,

槽から取り出し,水滴などが付着したときは,これを十分に取り徐いた後,10分以内こ耐電圧を試験

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

し,絶縁抵抗を測定する。この場合,耐電圧は5.1.2の規定に適合し,また,絶縁抵抗は5MΩ以上で

なければならない。 

(2) 完全密閉形以外のもの 変圧器を温度40±2℃,相対湿度90〜95%の周囲状況に6時間放置する。 

この場合,試験槽に入れた直後及び放置中,供試品にできるだけ露が結ばないようにする。その後,

槽から取り出し,水滴などが付着したときは,これを十分に取り徐いた後,30分間常温常湿に放置し

た後,耐電圧を試験し,絶縁抵抗を測定する。この場合,耐電圧は5.1.2の規定に適合し,また,絶縁

抵抗は5MΩ以上でなければならない。 

6. 試験 

6.1 

試験状態 試験は,特に指定がない限り,常温常湿で行う。ただし,判定に疑義がある場合は,JIS 

C 0010の判定状態の広い許容差の温度 (20±2℃),相対湿度 (60〜70%) の下で行う。 

6.2 

試験の種類 変圧器の試験は,次の2種類とする。 

(1) 一般試験 

(2) 特殊試験 

6.2.1 

一般試験 一般試験とは,非破壊であり,しかも,試験に要する時間が短く,比較的容易に行える

試験であって,その試験項目は,表11のとおりとする。 

表11 

試験項目 

適用箇条 

外形寸法及び表示 

− 

絶縁抵抗 

5.1.1 

耐電圧 

5.1.2 

層間耐電圧 

5.1.3 

無負荷損失 

5.1.4 

電圧偏差 

5.1.5 

電圧不平衡度 

5.1.6 

電圧変動率 

5.1.8 

6.2.2 

特殊試験 特殊試験とは,破壊試験又は試験に比較的長時間を要する試験であって,その試験項目

は,表12のとおりとする。 

表12 

試験項目 

適用箇条 

端子強度 

5.2.1 

温度上昇 

5.1.7 

耐熱性 

5.3.1 

耐寒性 

5.3.2 

耐湿性 

5.3.3 

振動 

5.2.2 

過負荷 

5.1.9 

7. 表示 変圧器には,原則として本体の適当な所に,次の事項を表示する。 

(1) 形名,等級又はその略号 

(2) 製造業者名又はその略号 

(3) 製造年月又はその略号(ロット番号でもよい。) 

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10 

C 6436-1995  

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(4) その他必要事項 

定格周波数 

定格電圧 ACを記し,DCは併記してもよい。 

定格電流 ACを記し,DCは併記してもよい。 

表示例(形名,等級) 

電子部会 低周波変成器専門委員会 構成表(昭和45年3月1日改正のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

武 田 秋 津 

日本電信電話公社武蔵野電気通信研究所 

根 橋 正 人 

通商産業省重工業局 

中 川   隆 

工業技術院標準部 

石 井   実 

三立電機株式会社 

久 本 博 規 

松下電器産業株式会社部品事業本部 

木 村 十 郎 

株式会社タムラ製作所 

今 本   正 

社団法人日本電子機械工業会 

古 山 茂 雄 

東京芝浦電気株式会社小向工場 

安 藤 直 大 

池上通信機株式会社 

本 郷   馨 

日本電気株式会社玉川工場 

守 屋   宏 

安藤電気株式会社 

早 川   栄 

株式会社日立製作所戸塚工場 

内 山 友 和 

日本電信電話公社技術局 

(事務局) 

田 中 成 雄 

工業技術院標準部電気規格課 

中 谷 節 勇 

工業技術院標準部電気規格課 

(事務局) 

加 藤 忠 雄 

工業技術院標準部電気規格課(昭和51年12月1日改正のとき) 

安 藤   勉 

工業技術院標準部電気規格課(昭和51年12月1日改正のとき) 

高 橋 和 敬 

工業技術院標準部電気規格課(昭和51年12月1日改正のとき) 

(事務局) 

市 村   修 

工業技術院標準部電気規格課(平成7年11月1日改正のとき) 

三 野 英 樹 

工業技術院標準部電気規格課(平成7年11月1日改正のとき)