C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
(1)
目 次
ページ
序文
1
1 適用範囲
1
2 引用規格
1
3 用語及び定義
2
4 校正試験要求事項
6
4.1 準備
6
4.2 基準試験条件
6
4.3 トレーサビリティ
6
5 分解能バンド幅(スペクトル分解能)試験
7
5.1 概要
7
5.2 分解能バンド幅(スペクトル分解能)試験
7
6 表示光パワーレベルの校正
9
6.1 概要
9
6.2 基準条件での表示光パワーレベルの校正
9
6.3 動作条件での表示光パワーレベルの校正
11
6.4 表示光パワーレベルの拡張不確かさの算出
16
7 光波長校正
17
7.1 概要
17
7.2 基準条件での光波長校正
17
7.3 動作条件での光波長校正
19
7.4 光波長の拡張不確かさの算出
21
8 書類
21
8.1 測定データ及び不確かさ
21
8.2 測定条件
21
附属書 A(規定)校正不確かさの算出の数学的根拠
22
附属書 B(参考)校正不確かさの算出例
26
附属書 C(参考)校正結果の用い方
33
附属書 D(参考)光波長基準
38
附属書 E(参考)光波長目盛校正のための解釈及び基準
43
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及び財
団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工
業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
日本工業規格
JIS
C
6192
:2008
(IEC 62129
:2006
)
光スペクトラムアナライザ校正方法
Calibration of optical spectrum analyzers
序文
この規格は,2006 年に第 1 版として発行された IEC 62129 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成
を変更することなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,光スペクトルのパワー分布を測定するために設計された光スペクトラムアナライザを校正
する手順について規定する。ただし,この規格の対象となる光スペクトラムアナライザは,光ファイバコ
ネクタ用入力端子を備えたものに限定する。
光スペクトラムアナライザは,少なくとも次の仕様を備えていなければならない。
a) 光波長の絶対値に対する光スペクトルを表示する機能。
b) スペクトル表示上の一点での光パワー及び光波長を表示するマーカ又はカーソル。
注記 1 この規格は,光ファイバ通信用として開発された光スペクトラムアナライザに適用するもの
である。光ファイバからの光スペクトル出力を直接測定できる機器に限定して適用する。そ
の光ファイバは,光スペクトラムアナライザに取り付けられた光ファイバコネクタ入力端子
を介して接続される。
注記 2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 62129:2006,Calibration of optical spectrum analyzers (IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示
す。
この規格を適用する光スペクトラムアナライザは,試験光を光波長の絶対値としてスペクトルパワー分
布を測定でき,その測定結果を表示できるものである。中心光波長だけを測定する光波長計,ファブリー・
ペロー干渉計及び表示画面をもたないモノクロメータは,含まない。
この規格に規定する手順は,主として光スペクトラムアナライザの使用者が実施することを考慮して作
成している。したがって,この規格には,校正結果を用いた補正は,含まない。補正手順は,
附属書 C に
示す。もちろん,この規格は,校正機関においても,また,光スペクトラムアナライザの製造業者にとっ
ても役立つものである。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。
)
には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
2
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
JIS C 1005 電気・電子計測器の性能表示
注記 対応国際規格:IEC 60359:2001,Electrical and electronic measurement equipment−Expression of
performance (IDT)
JIS C 6802 レーザ製品の安全基準
注記 対応国際規格:IEC 60825-1:2001,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification,
requirements and user's guide (IDT)
JIS C 6803 レーザ製品の安全−光ファイバ通信システムの安全
注記 対応国際規格:IEC 60825-2:2004,Safety of laser products−Part 2: Safety of optical fibre
communication systems (OFCS) (IDT)
JIS C 6830 光ファイバコード
注記 対応国際規格:IEC 60794-2:1992,Optical fibre cables−Part 2: Product specifications (MOD)
JIS C 6831 光ファイバ心線
注記 対応国際規格:IEC 60793-2:1998,Optical fibres−Part 2: Product specifications 及び IEC CDV
60794-3:2000,Optical fibre cables−Part 3: External optical fibre cables−Sectional specification
(全体評価:MOD)
JIS C 6835 石英系シングルモード光ファイバ素線
注記 対応国際規格:IEC 60793-2:2003,Optical fibres−Part 2: Product specifications−General 及び
IEC 60793-2-50:2002,Optical fibres−Part 2-50: Product specifications−Sectional specification for
class B single-mode fibres(全体評価:MOD)
IEC 60050-731,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Chapter 731: Optical fibre communication
IEC 61290-3-1,Optical amplifiers−Test methods−Part 3-1: Noise figure parameters−Optical spectrum
analyzer method
BIPM, IEC, IFCC, ISO, IUPAC, IUPAP and OIML:1993 International vocabulary of basic terms in
metrology(VIM と呼ぶ。)
BIPM, IEC, IFCC, ISO, IUPAC, IUPAP and OIML: Guide to the Expression of Uncertainty in
Measurement(GUM と呼ぶ。)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,IEC 60050-731 によるほか,次による。
3.1
校正 (calibration)
規定条件のもとで,測定器によって示した値とそれに対応するその量の真値との関係を明らかにする一
連の作業。VIM:1993 の 6.11 を参照。
3.2
基準条件での校正 (calibration under reference conditions)
基準条件(定義 3.17)での被試験器の不確かさ評価を含める校正。
3.3
動作条件での校正 (calibration for operating conditions)
被試験器の動作中の不確かさ評価を含む光スペクトラムアナライザ(3.16)の動作条件での校正。
3
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
3.4
中心光波長,記号
λ
center
(center wavelength, symbol
λ
center
)
真空中での光源の光パワーの重み付きの平均光波長(単位は nm)
。
連続スペクトルの場合,中心光波長は,式(1)によって定義する。
( )
ò
÷÷ø
ö
ççè
æ
=
λ
λ
λ
ρ
λ
d
P
total
center
1
(1)
離散スペクトルの場合,中心光波長は,式(2)によって定義する。
å
å
=
i
i
i
i
i
P
P
λ
λ
center
(2)
ここに,
ρ
(
λ
): 光源のスペクトルパワー密度(単位は,例えば,W/nm)
λ
i
:
i 番目の離散光線の光波長
P
i
:
λ
i
でのパワー(単位は,例えば,W)
P
total
:
総合パワー
ΣP
i
(単位は,例えば,W)
注記 前記の積分及び加算は,光源の全スペクトルにわたって適用する。
3.5
信頼水準 (confidence level)
測定したパラメータの真の値が指定する範囲内にあるという確率の推定(3.11 を参照)
。
3.6
包含係数,記号 k (coverage factor, symbol k)
包含係数 k は,標準不確かさ(3.21)
σ
から拡張不確かさ(3.11)U を求めるのに用いる係数。
3.7
表示光パワーレベル (displayed power level)
指定する光波長分解能設定値において,校正(3.1)される光スペクトラムアナライザ(3.16)が示す光
パワーレベル。
注記 光スペクトラムアナライザによって,設定した分解能について光パワーレベルが測定され,表
示される。DPL と略記する。
3.8
表示光パワーレベル偏差,記号
∆P (displayed power level deviation, symbol ∆P)
被試験器によって測定された表示光パワーレベル(P
OSA
)とそれに対応する基準パワー(P
ref
)との差を
基準パワーで除したもの。
1
∆
ref
OSA
ref
ref
OSA
−
=
−
=
P
P
P
P
P
P
(3)
3.9
表示光パワーレベルの不確かさ,記号
σ
∆P
(
displayed power level uncertainty, symbol
σ
∆P
)
表示光パワーレベル偏差の標準不確かさ(定義 3.21)
。
÷÷ø
ö
ççè
æ
=
1
ref
OSA
∆
−
P
P
P
σ
σ
(4)
注記
式
(4)
において,
σ
は,標準不確かさ(3.21)である。
4
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
3.10
表示光波長範囲
(
displayed wavelength range
)
個々の測定器の条件(3.12)で光スペクトラムアナライザ(定義 3.16)に表示される実効的な光波長範
囲。
3.11
拡張不確かさ,記号 U
(
expanded uncertainty, symbol U
)
規定の信頼水準(3.5)で,測定した量の真の値が収まる不確かさの範囲(信頼区間ともいう。
)
。これは,
標準不確かさ(3.21)
σ
に包含係数(3.6)
k
を乗じて求める。
σ
k
U=
(5)
注記
不確かさの分布が正規分布であると仮定し,多数の測定を行う場合,
68.3
%,
95.5
%及び
99.7
%の信頼水準(3.5)は,それぞれ k 値
1
,
2
及び
3
に対応する。
光スペクトラムアナライザ(3.16)の測定の不確かさは,拡張不確かさ U の形で明示することが望まし
い。
3.12
測定器の条件
(
instrument state
)
校正作業中の光スペクトラムアナライザ(3.16)の測定条件・状態の完全な規定。
注記
測定器設定の代表的なパラメータは,使用中の表示光波長範囲(定義 3.10)
,分解能バンド幅(ス
ペクトル分解能)
(3.18)
,表示モード(
W
又は
dBm
)
,ウォームアップ時間,その他の測定器
設定である。
3.13
測定結果
(
measurement result
)
取扱説明書に示すすべての操作(例えば,ウォームアップ)が完了した後に得られる光スペクトラムア
ナライザ(3.16)の表示出力又は電気出力で,光波長(単位は,
nm
又は
µm
)及び光パワーレベル(単位
は,
mW
又は
dBm
)によって示すもの。
3.14
測定光波長範囲
(
measurement wavelength range
)
光スペクトラムアナライザ(3.16)の性能を規定する入射光の波長範囲。
3.15
動作条件
(
operating conditions
)
測定に影響を与えるような品質事項,及び光スペクトラムアナライザ(3.16)が VIM
:1993
の定義 5.5 の
修正条件による拡張不確かさ(3.11)を満たすための他の重要な要求事項。
3.16
光スペクトラムアナライザ
(
optical spectrum analyzer
)
光波長(又は光周波数)に対する光スペクトルの光パワー分布を測定する光学測定器。
注記 光ファイバコネクタ用の入力端子を備えており,光スペクトルは入力端子に入射した光から得
られる。また,この測定器は,画面表示機能をもつ。
OSA
と略記する。
3.17
基準条件
(
reference conditions
)
JIS C 1005 の(3.3.10)の修正条件による基準条件の不確かさを明確にするため,適切な一連の影響を及
ぼすパラメータ,それらの呼び値及びそれらの許容値の規定。
5
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
注記
各許容値は,条件の起こり得る不確かさと条件測定の不確かさの両方を含むことに注意する。
基準条件は,通常,基準日,基準温度,基準湿度,基準大気圧,基準光源,基準表示光パワー
レベル(3.7)
,基準光ファイバ,基準コネクタとアダプタとの組合せ,基準光波長,基準(ス
ペクトル)バンド幅及び設定された分解能バンド幅(スペクトル分解能)
(3.18)などのパラメ
ータ並びに必要に応じてそれらの許容値を含む。
3.18
分解能バンド幅(スペクトル分解能),記号 R [resolution bandwidth
(
Spectral resolution
)
, symbol R]
測定のために設定される分解能バンド幅より極めて狭いスペクトルバンド幅(3.20)を有する光源を用
いた場合,被試験器によって得られる表示スペクトルの半値全幅(
FWHM
)
。
3.19
サイドモードサプレッション比
(
side-mode suppression ratio
)
DFB-
半導体レーザなど,シングルモード半導体レーザでの主モードスペクトルと最大サイドモードスペ
クトルとのピークパワー比。
注記
SMSR
と略記し,通常
dB
で表す。
3.20
スペクトルバンド幅,記号 B
(
spectral bandwidth, symbol B
)
光源のスペクトル幅の
FWHM
。
光源が連続スペクトルを示すならば,スペクトルバンド幅 B は,スペクトルの
FWHM
でなければなら
ない。光源が,多重モードスペクトルを示す半導体レーザの場合は,
FWHM
スペクトルバンド幅 B は,
2.35
倍(光源がガウスエンベロープをもつものと仮定して)した
RMS
スペクトルバンド幅でなければならな
い。
2
1
2
center
2
total
1
35
.
2
ïþ
ï
ý
ü
ïî
ï
í
ì
−
ú
û
ù
ê
ë
é
÷÷ø
ö
ççè
æ
×
÷÷ø
ö
ççè
æ
=
å
λ
λ
i
i
i
P
P
B
(6)
ここに,
λ
center
: 半導体レーザの中心光波長(定義 3.4)
(単位は,
nm
)
P
total
:
総合パワー
ΣP
i
(単位は,
W
)
P
i
:
i
番目の縦モードの光パワー(単位は,
W
)
λ
i
:
i
番目の縦モードの光波長(単位は,
nm
)
3.21
標準不確かさ,記号
σ
(
standard uncertainty, symbol
σ)
標準偏差として表した測定結果の不確かさ。詳細については,
附属書 A 及び GUM
:1995
を参照。
3.22
不確かさタイプ A
(
uncertainty type A
)
測定の何らかの変量効果を評価するときのように一連の観察の統計分析から得られる不確かさの種類。
詳細については,GUM
:1995
を参照。
3.23
不確かさタイプ B
(
uncertainty type B
)
一連の観察の統計分析以外の手段,例えば,測定の系統だった効果を評価するときのように,不確かさ
のあり得る原因の評価などから得られる不確かさの種類。詳細については,GUM
:1995
を参照。
注記
統計分析以外の手段としては,以前の測定データ,当該材料及び測定器の作用及び特性に係る
6
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
経験又は一般知識,製造業者の仕様書,校正に係るデータ,他の証明書,便覧から得る基準デ
ータに基づいて割り当てられた不確かさなどであってもよい。
3.24
光波長偏差,記号
∆
λ
(
wavelength deviation, symbol
∆
λ)
被試験器によって測定された中心光波長(3.4)
λ
OSA
と基準光波長
λ
ref
との差(単位は,
nm
又は
µm
)
。
ref
OSA
∆
λ
λ
λ
−
=
(7)
3.25
光波長の不確かさ,記号
σ
∆λ
(
wavelength uncertainty, symbol
σ
∆λ
)
光波長偏差(3.24)の標準不確かさ(3.21)
(単位は,
nm
又は
µm
)
。
4
校正試験要求事項
4.1
準備
次の各項を適用するのが望ましい。
校正は,組織の他の機能から分離された施設において実施する。この分離には実験室の設備及び測定機
器を含める。校正を校正室で行う場合,その校正室では,実施する測定の範囲に適した品質管理システム
を運用していることが望ましい(例えば,ISO 9000)
。測定結果,中間で求めた結果及び校正証明書の作成
に関し,独立した精査があることが望ましい。環境条件は,校正に必要な不確かさの度合いに相応したも
のでなければならない。
a
)
環境は清潔でなければならない。
b
)
温度を監視・制御しなければならない。
c
)
レーザ光源は,安全でなければならない(JIS C 6802 を参照)
。
他に規定がない限り,すべての試験は,室温
23
±
3
℃,相対湿度(
50
±
20
)%において実施する。試験
装置は,環境に対し平衡条件になるように,試験前
2
時間以上放置する。光スペクトラムアナライザには,
製造業者の操作説明書に記載の時間ウォームアップを行う。
4.2
基準試験条件
基準試験条件には,温度,相対湿度,表示光パワーレベル,光波長,光源,光ファイバ,コネクタとア
ダプタの組合せ,
(スペクトル)バンド幅及び設定された分解能バンド幅(スペクトル分解能)がある。必
要ならば,それらの許容値も条件に含める。合わせて日付も記録する。他に規定がない限り,長さ
2 m
以
上の,JIS C 6830,JIS C 6831 及び JIS C 6835 に規定するシングルモード光ファイバを用いる。光スペク
トラムアナライザは,製造業者の仕様書及び操作手順書に従って操作する。実施可能なときは,試験され
る光スペクトラムアナライザの実地動作条件を再現する,試験条件範囲及びパラメータを選択する。それ
らのパラメータは,製造業者の操作手順書の指示どおりに,光スペクトラムアナライザの精度及び分解能
機能を最適化するように選択する。条件は,箇条 8 の規定に従って文書に表す。
校正結果は,
校正過程において使用された試験条件にだけ有効である。
危険な放射の可能性があるため,
必ず,レーザの安全性に係る条件を明らかにし,維持しなければならない(JIS C 6802 及び JIS C 6803 を
参照)
。
4.3
トレーサビリティ
校正結果に有意な影響を及ぼす試験装置は,すべて,適切な国家標準又は固有物理定数に従って,系統
的に校正されていることを確認する。依頼があれば,この試験装置及びその校正方法を指定する。再校正
7
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
の時期を定め,文書に表さなければならない。
5
分解能バンド幅(スペクトル分解能)試験
5.1
概要
被試験器の分解能バンド幅(スペクトル分解能)は,表示光パワーレベル及び光波長の校正に影響を及
ぼすため,それらの校正より先に試験することが望ましい。この試験は,基準校正条件のもとで実施する。
光波長は,真空中の値で示す。光帯域幅の校正は,IEC 61290-3-1 に規定されている。
注記
ここに規定する分解能バンド幅(スペクトル分解能)試験の結果を,光増幅器の雑音指数測定
の光帯域幅(光波長の単位で表したもの)として採用することが望ましい。
5.2
分解能バンド幅(スペクトル分解能)試験
選択可能なスペクトル分解能の試験系を
図 1,図 2 及び図 3 に示す。図 1 の試験系では,光源として,
光波長が既知のガスレーザを使用する。
図 2 には,広帯域光源を,光波長が既知の(トレーサビリティが
明確である。
)透過又は吸収特性をもつ波長弁別装置と組み合わせて用いる装置を示す。
図 3 には,光源と
して,光波長が未知の半導体レーザ(以下,
LD
という。
)を用いる装置を示す。
これらの試験系は,次の用途に適用できる。
a
)
分解能バンド幅試験
b
)
基準条件での光波長の校正
c
)
光波長不確かさの光波長依存特性の解明
図 1−光波長が既知のガスレーザを用いる試験系
図 2−広帯域光源を波長弁別装置とともに用いる試験系
図 3−光波長が未知の LD を用いる試験系
光ファイバ
光源
被試験器
光ファイバ
光ファイバ
広帯域光源
波長弁別装置
被試験器
光ファイバ
光源
光波長計
被試験器
8
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
5.2.1
分解能バンド幅(スペクトル分解能)試験用機器
a
)
光源 被試験器に校正用光源が規定されている場合には,その光源を用いる。光源が規定されていな
い場合には,被試験器の最小分解能バンド幅の仕様に対し,十分狭いスペクトルバンド幅と十分な光
波長安定性をもった光源を用いなければならない。推奨光源には,
表 1 に示すような各種レーザ,被
試験器の分解能バンド幅よりも極めて狭いスペクトルバンド幅をもつ半導体レーザ(
LD
)
,又は(チ
ューナブルな)その他のレーザがある。また,広帯域光源は,光波長が既知の(トレーサビリティが
明確な)透過又は吸収特性をもつ波長弁別装置と組み合わせて用いる。波長弁別装置としては,例え
ば,
1
セットの固定狭帯域フィルタ,気体媒体の吸収線,又はファブリー・ペロ干渉計が用いられる。
附属書 D に,幾つかの安定した光波長基準を示す。使用する基準は,分解能バンド幅試験に対し十分
な光波長安定性,スペクトルバンド幅及びパワー安定性をもつことが望ましい。
表 1−推奨光源
単位 nm
光源
光波長(真空中)
488.122
アルゴンレーザ
514.673
632.991
1 152.590
ヘリウム-ネオンレーザ
1 523.488
b
)
光波長計 光源の光波長を測定する測定器。その精度は,光波長試験に要求される精度を十分に上回
るものでなければならない。光波長が未知の半導体レーザ(
LD
)を光源として使用する場合は,この
測定器を用いる。
c
)
光ファイバ JIS C 6830,JIS C 6831 及び JIS C 6835 に規定するシングルモード光ファイバ。
5.2.2
分解能バンド幅(スペクトル分解能)試験手順
図 1,図 2 又は図 3 に示す試験系で,被試験器の光波長測定範囲を,光源の光波長が含まれるように設
定する。
a
)
被試験器の分解能バンド幅を指定値に設定する。この指定値を
R
set
とする。
b
)
表示されたスペクトルバンド幅の分解能,すなわち,ピーク値より
3 dB
低い光パワーレベルの光波長
間隔を,
R
OSAi
として測定する。この測定を少なくとも
10
回繰り返し,平均分解能を,式
(8)
で求める。
m
R
R
m
i
i
å
=
=
1
OSA
OSA
(8)
ここに,
m: 測定回数
c
)
式
(9)
を用い,分解能バンド幅設定値に対する
OSA
での測定値の差の比率を求める。
1
∆
set
OSA
diff
−
R
R
r
=
(9)
d
) 必要に応じて,この手順を異なる分解能バンド幅設定値について繰り返す。
注記 1
被試験器に光波長スパンの直線性誤差がある場合,その光波長での真の分解能バンド幅の
正確な測定値を得るには,表示された 3 dB バンド幅の測定を多数回実施しながら,直線性
の誤差が大きいと推定される光波長付近において,光源をわずかに調整することが必要と
9
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
なる。必要な調整範囲は±1 nm の範囲とし,この測定は,温度制御された DFB 半導体レ
ーザ,外部キャビティレーザ又はチューナブルファイバレーザを用いて行う。分解能バン
ド幅の数回の読み値を平均すれば,真の分解能バンド幅のより正確な測定値を得ることが
できる。
注記 2
分解能バンド幅を校正結果に基づいて補正しなければならない場合,その補正は,一般的
に,測定器に対してソフトウェア補正をするか,結果に対して数学的補正をするか又は測
定器のハードウェア補正をすることによって行う。調整が終わった後,試験を繰り返し,
補正を正しく行ったことを確認するとよい(
附属書 C
参照)
。
6
表示光パワーレベルの校正
6.1
概要
被試験器の表示光パワーレベルの不確かさの要因には,次の事項がある。
a
) 基準条件での試験で見いだされる被試験器固有の不確かさ
b
) 動作条件での試験で見いだされる光波長依存特性,偏光依存特性,直線性及び温度依存特性による部
分的不確かさ
被試験器が基準条件を超えて使用される場合,部分的不確かさを得ることが必要となる。基準条件での
固有不確かさは,
6.2
に規定する校正手順によって得ることができる。部分的不確かさは,個別要因,すな
わち,光波長,偏光,直線性及び温度について,
6.3.1
〜
6.3.4
に規定する校正手順によって得ることができ
る。被試験器を基準条件だけで使用する場合,
6.3
に規定する校正手順は,必ずしも必要としない。すなわ
ち,それらは強制的なものではない。
注記 1
測定値に対して一般的に使用する単位 dBm は,不確かさの累積には適さないため,線形単位
(mW 又は
µ
W)を用いる。この累積の結果は,必要なとき全体的不確かさを表すために dB
に変換し直すことができる。
注記 2
新しい光波長の光源を用いるたびに光源の光パワーを確認するために,光パワーメータ又は
標準光パワーメータが必要となる。
注記 3
偏光の条件は,オプションである偏光制御器で制御している場合を除き,校正中に変更しな
いことが望ましい。
6.2
基準条件での表示光パワーレベルの校正
図 4
に表示光パワーレベルの不確かさを求めるための試験系を示す。この試験は,基準校正条件で実施
する。
注記
表示光パワーレベルの校正に使用する光源は,無偏光状態にされるか,偏光制御器を使用すべ
きである。これにより,偏光による変化の中間値で被試験器が校正される。
10
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
図 4
−
基準条件での表示光パワーレベルの校正用試験系
6.2.1
基準条件での表示光パワーレベル校正用機器
a
)
光源
出力が 0.1 mW (−10 dBm)〜1 mW (0 dBm)の安定した光を光ファイバから放出でき,また,そ
のスペクトルバンド幅の外側にあるサイドモード及び光ノイズを強く抑制した(被試験器の分解能バ
ンド幅と同じ分解能バンド幅で測定したとき,40 dB を超えるもの)光源を用いる。光源のスペクト
ルバンド幅は,被試験器の分解能の仕様より極めて狭いことが望ましい。
表 1
に示す光源,半導体レ
ーザ(LD)
(SMSR>40 dB:定義
3.19
参照)又はファイバレーザ(これも SMSR>40 dB のもの)が
望ましい。
注記
半導体レーザ(LD)又はファイバレーザを用いる場合は,光波長計を用いて光源の光波長を
事前に測定しておくことが望ましい。
b
)
可変光減衰器
試験に用いる光パワー範囲にわたって調整できる可変光減衰器を用いる。
c
)
標準光パワーメータ
標準光パワーメータは,基準校正条件のもとで動作する次のいずれかとする。
1
) 指定の不確かさで校正する公認機関によって校正した光パワーメータ。
2
)
1
)の公認機関によって規定する規格に従って,指定の不確かさで校正した光パワーメータ。
すなわち,標準光パワーメータの不確かさ
σ
PPM
は,既に分かっており,証明書に記述されているもの。
d
)
偏光制御器
(
オプション
) 消光比が 20 dB 以上の光ファイバ出力を得るために,入射光の偏光状態
を制御する偏光制御器を用いる。偏光状態を変えたときのレベル変化は,被試験器の偏光依存特性よ
りも極めて小さいことが望ましい。偏光制御器には,偏光子,1/2 光波長板及び 1/4 光波長板を組み合
わせたもの,二つの光ファイバループを回転させるものなどがある。
6.2.2
基準条件での表示光パワーレベル校正の試験手順
図 4
に示す試験系で,被試験器の分解能を光源のスペクトルバンド幅よりも極めて大きく設定する。可
変光減衰器を,被試験器への出射光の光パワーレベルが最適になるように調整する。光源の光波長が未知
である場合,それを光波長計によって測定することが望ましい。測定手順は,次による。
a
) 標準光パワーメータを用いて,光ファイバ出射光の値
P
REF,i
を測定する。偏光制御器を用いる場合,異
なる偏光状態において多数回測定し,それらの値を平均する。
b
) この後,光ファイバ出射光を被試験器に接続し,被試験器によって測定された光パワーレベルのピー
ク値を
P
OSAi
として読み取る。値の読み取りには,線形目盛(単位は,mW 又は
µ
W)を用いる。偏光
制御器を用いる場合,異なる偏光状態において多数回測定し,それらの値を平均する。
c
) 光パワーメータ測定値に対する OSA 測定値の差の比率を,式(10)で求める。
光ファイバ
光ファイバ
光ファイバ
光源
可変光減衰器
偏光制御器
(オプション)
被試験器
標準光パワーメータ
11
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
1
∆
REF,
OSA
diff,
−
i
i
i
P
P
P
=
(10)
d
) この測定を少なくとも 10 回は繰り返す。
6.2.3
基準条件での表示光パワーレベル不確かさの算出
差の比率の平均及び標準偏差を,式(11)及び式(12)から求める。
m
P
P
m
i
i
å
=
=
1
diff,
diff
∆
∆
(11)
(
)
2
1
1
2
diff
diff,
diff
∆
1
∆
∆
ú
ú
ú
ú
ú
û
ù
ê
ê
ê
ê
ê
ë
é
−
−
=
å
=
m
P
P
m
i
i
P
σ
(12)
ここに,
m: 実施した測定回数
基準校正条件のもとで使用した被試験器の表示光パワーレベルに関する不確かさ
σ
∆Pref
を,式(13)で求め
る。
(
)
2
1
2
diff
∆
2
PM
ref
∆
P
P
P
σ
σ
σ
+
=
(13)
ここに,
σ
PPM
:
標準光パワーメータの証明書に記載した標準光パワーメー
タの不確かさ
σ
∆Pdiff
:
試験中に測定した値の標準偏差
表示光パワーレベル偏差
∆P
ref
は,式(14)で表す。これは差の比率の平均値と同じになる。
diff
ref
∆
∆
P
P
=
(14)
6.3
動作条件での表示光パワーレベルの校正
6.3 に規定する校正は,強制的なものではない。被試験器を基準校正の範囲を超えて使用するときは,こ
の校正手順を実施する。動作条件に対する表示光パワーレベルの不確かさの個別要因には,次の項目があ
る。
a
) 光波長依存特性
b
) 偏光依存特性
c
) 直線性
d
) 温度依存特性
6.3.1
光波長依存特性
図 5 に光波長依存特性を求めるための試験系を示す。この試験は,光波長以外は基準校正条件で実施す
る。
12
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
図 5−表示光パワーレベルの不確かさの光波長依存特性を求めるための試験系
6.3.1.1
表示光パワーレベル光波長依存特性を求める装置
a
) 光源 チューナブルレーザなどの波長可変光源を用いる。この光源は,被試験器の試験波長範囲内に
おいて必要な光量を安定して供給することが望ましく,そのスペクトルバンド幅は,被試験器の指定
する分解能バンド幅より極めて狭いことが望ましい。
b
) 光波長計 波長可変光源の光波長を測定するために用いる。光源が校正されている場合は,不要であ
る。
c
) 光パワーメータ 波長依存特性のない光パワーメータ又は光波長依存特性が校正されている光パワー
メータを用いる。
d
) 偏光制御器(オプション) 消光比が 20 dB 以上の光ファイバ出力を得るために,入射光の偏光状態
を制御する偏光制御器を用いる。偏光状態を変えたときのレベル変化は,被試験器の偏光依存特性よ
り極めて小さいことが望ましい。偏光制御器には,偏光子,1/2 光波長板及び 1/4 光波長板を組み合わ
せたもの,二つの光ファイバループを回転させるものなどがある。
6.3.1.2
表示光パワーレベル光波長依存特性を求める試験手順
図 5 に示す試験系を用いる。試験手順は,次による。
a
) 環境温度が完全に安定した後,光波長測定のために光源からの光を光波長計に入れる。光波長計で得
られる読み値を
λ
j
とする。
b
) 光パワーメータを用いて,光源の光パワーを測定する。光パワーメータで得られる読み値を P
REF, j
と
する。偏光制御器を用いる場合,異なる偏光条件において多数回測定し,それらの値を平均する。
c
) 光源からの光を被試験器に入れる。被試験器の分解能バンド幅(スペクトル分解能)は,入射光のス
ペクトルバンド幅より広くなるように事前に設定しておくことが望ましい。被試験器によって測定し
た光パワーレベルのピーク値を P
OSAj
とする。偏光制御器を用いる場合,異なる偏光状態において多数
回測定し,それらの値を平均する。光波長
λ
j
での偏差誤差
∆P(
λ
j
)を,式(15)で求める。
( )
1
∆
REF,
OSA
−
j
j
j
P
P
P
=
λ
(15)
d
) 異なる波長設定値に対してこの手順を繰り返す(
λ
j
を変える)
。
e
)
∆P
λ,MAX
及び
∆P
λ,MIN
をそれぞれ,得られた
∆P(
λ
j
)の最大値及び最小値とする。
6.3.1.3
光波長依存特性による表示光パワーレベル不確かさの算出
光ファイバ
光ファイバ
波長可変
光源
偏光
制御器
(オプション)
被試験器
光パワー
メータ
光波長計
13
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
光波長に依存する測定値の偏差
∆P
λ
を,式(16)で求める。
2
∆
∆
∆
MIN
,
MAX
,
λ
λ
λ
P
P
P
+
=
(16)
光波長依存特性による標準不確かさ
σ
∆P
λ
を,式(17)で求める。
3
2
∆
∆
MIN
,
MAX
,
∆
λ
λ
λ
σ
P
P
P
−
=
(17)
6.3.2
偏光依存特性
図 6 に偏光依存特性を求めるための試験系を示す。この試験は,偏光以外は基準校正条件のもとで実施
する。
注記 1 使用する光源は基準光波長のものでなければならない。しかし,偏光依存特性は光波長によ
って異なることもあるため,この試験は,被試験器が使用される幾つかの光波長において実
施することが望ましい。
注記 2 試験系の偏光制御器からの出力の消光比は,光ファイバの出力ポートにおいて 20 dB である
ものと仮定する。消光比は,偏光依存特性試験結果の精度に影響する。具体的には測定精度
を 20 dB で約 2 %下げる。
図 6−表示光パワーレベルの不確かさの偏光依存特性を求めるための試験系
6.3.2.1
表示光パワーレベル偏光依存特性を求める装置
a
) 光源 被試験器の分解能の仕様に対し,極めて狭いスペクトルバンド幅をもつ出力が,0.1 mW(−10
dBm)〜1 mW (0 dBm)である光ファイバ出力の安定化光源を用いなければならない。表 1 に示す光源,
半導体レーザ(LD)
(SMSR>40 dB:3.19 参照)又はファイバレーザ(SMSR>40 dB のもの)が望ま
しい。
b
) 偏光制御器 消光比が 20 dB 以上の光ファイバ出力を得るために,入射光の偏光状態を制御する偏光
制御器を用いる。偏光状態を変えたときのレベル変化は,被試験器の偏光依存特性よりも極めて小さ
いことが望ましい。偏光制御器には,偏光子,1/2 光波長板及び 1/4 光波長板を組み合わせたものも,
二つの光ファイバループを回転させるものなどがある。
c
) 光ファイバ JIS C 6830,JIS C 6831 及び JIS C 6835 に規定するシングルモード光ファイバで,長さ
が 1〜2 m のもの。偏光制御器への入力光ファイバは,偏波保持光ファイバが望ましい。
6.3.2.2
表示光パワーレベル偏光依存特性を求める試験手順
図 6 に示す試験系で,被試験器の分解能バンド幅を光源のスペクトルバンド幅より極めて大きく設定す
る。光ファイバ内の偏光状態は光ファイバの動きによって変化することがあるため,光ファイバを動かな
いように所定の位置に固定する。多数の光波長で実施される試験手順は,次による。
a
) 光源から出力された光を光ファイバ 1 を通して偏光制御器に入れ,制御器からの出力を光ファイバ 2
を通して被試験器に入力する。
光ファイバ 1
光ファイバ 2
被試験器
光源
偏光
制御器
14
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
b
) 偏光制御器を調整して,実質的にポアンカレ球全体に及ぶ多数の偏光状態を作り出すようにする。偏
光状態を変えることによって起こる表示光パワーレベル変化のピーク-ピーク値を観察する。最大及び
最小読み値をそれぞれ P
MAX
(
λ
j
)及び P
MIN
(
λ
j
)として記録する。
c
) 光波長
λ
j
での偏光による光パワーレベルの変動
∆P
UL
(
λ
j
)及び
∆P
LL
(
λ
j
)を,式(18)及び式(19)から求める。
( )
( )
( )
1
∆
AVE
MAX
UL
−
j
j
j
P
P
P
λ
λ
λ
=
(18)
( )
( )
( )
1
∆
AVE
MIN
LL
−
j
j
j
P
P
P
λ
λ
λ
=
(19)
ここで,P
AVE
(
λ
j
)は,光波長
λ
j
での偏光による光パワーレベルの平均変動で,式(20)で求める。
( )
( )
( )
2
MIN
MAX
AVE
j
j
j
P
P
P
λ
λ
λ
+
=
(20)
d
) 異なる波長設定値に対して,この手順を繰り返す(
λ
j
を変える)
。
e
)
∆P
POL,MAX
を
∆P
UL
(
λ
j
)の最大値,
∆P
POL,MIN
を
∆P
LL
(
λ
j
)の最小値とする。
6.3.2.3
偏光依存特性による不確かさの算出
偏光及び光波長に依存する測定値の偏差
∆P
POL
を,式(21)で求める。
2
∆
∆
∆
MIN
POL,
MAX
POL,
POL
P
P
P
+
=
(21)
偏光による光パワーレベル変動の不確かさ σ
∆PPOL
を,式(22)で求める。
3
2
∆
∆
MIN
POL,
MAX
POL,
POL
∆
P
P
P
−
=
σ
(22)
6.3.3
直線性
図 7 に直線性試験の試験系を示す。この試験は,光パワーレベル以外は基準校正条件のもとで実施する。
注記 使用する光源は,基準光波長でなければならない。二つ以上の基準光波長があり,被試験器の
検出器に光波長依存特性がある場合,各基準光波長において直線性試験を実施することが望ま
しい。
図 7−表示光パワーレベルの不確かさの直線性誤差を試験するための試験系
6.3.3.1
表示光パワーレベル直線性誤差を求める試験系
a
) 光源 被試験器の分解能の仕様に対し,極めて狭いスペクトルバンド幅をもつ出力が,0.1 mW(−10
dBm)〜1 mW (0 dBm)である光ファイバ出力の安定化光源を用いなければならない。表 1 に示す光源,
半導体レーザ(LD)
(SMSR>40 dB:3.19 参照)又はファイバレーザ(SMSR>40 dB のもの)が望ま
光源
可変光
減衰器
被試験器
光パワー
メータ
15
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
しい。
b
) 可変光減衰器 試験する光パワー範囲全般にわたって調整できる可変光減衰器を用いる。
c
) 光パワーメータ 試験する光パワー範囲,光波長範囲及び温度範囲にわたって正確に測定できる光パ
ワーメータを用いる。
6.3.3.2
表示光パワーレベル直線性誤差を求める試験手順
a
) 図 7 に示す試験系で,被試験器の分解能バンド幅を測定に用いる光源のスペクトルバンド幅より極め
て大きくなるように設定する。可変光減衰器で,被試験器に入力する光パワーレベルを基準条件での
光パワーレベル校正試験に用いる光パワーレベルと同じになるように調整する。そのときの被試験器
及び光パワーメータからの読み値をそれぞれ P
OSA
及び P
REF
とし,それらの比を P
LIN,ref
とする。
REF
OSA
ref
LIN,
P
P
P
=
(23)
b
) その後,可変光減衰器を用いて,被試験器に入力する光パワーレベルを変える。そのときの光パワー
レベルを P
j
とする。被試験器及び光パワーメータからの読み値をそれぞれ P
OSAj
及び P
REF, j
とし,それ
らの比を P
LIN, j
とする。
j
j
j
P
P
P
REF,
OSA
LIN,
=
(24)
光パワーレベル P
j
での直線性誤差
∆P
LIN
,(P
j
)を,式(25)で求める。
( )
1
,
∆
ref
LIN,
LIN,
LIN
−
P
P
P
P
j
j
=
(25)
c
) 異なる光パワーレベル(P
j
を変える。
)に対して,被試験器に規定されている入力光パワーレベル範囲
内の少なくとも 5 点についてこの手順を繰り返す。
d
)
∆P
LIN,MAX
を得られた
∆P
LIN
,(P
j
)の最大値とし,
∆P
LIN,MIN
を最小値とする。
6.3.3.3
表示光パワーレベル直線性誤差による不確かさの算出
光パワーレベルに依存する測定値の偏差
∆P
LIN
を,式(26)で求める。
2
∆
∆
∆
MIN
LIN,
MAX
LIN,
LIN
P
P
P
+
=
(26)
直線性の不確かさ
σ
∆PLIN
を,式(27)で求める。
3
2
∆
∆
MIN
LIN,
MAX
LIN,
LIN
∆
P
P
P
−
=
σ
(27)
6.3.4
温度依存特性
図 8 に温度依存特性の試験系を示す。この試験は,温度以外は基準校正条件で実施する。
注記 使用する光源は,基準光波長でなければならない。二つ以上の基準光波長があり,被試験器の
検出器に光波長依存及び温度依存特性がある可能性がある場合,各基準光波長において直線性
試験を実施することが望ましい。
16
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
図 8−表示光パワーレベルの不確かさの温度依存特性を求めるための試験系
6.3.4.1
表示光パワーレベル温度依存特性を求める機器
a
) 光源 被試験器の分解能の仕様に対し,極めて狭いスペクトルバンド幅をもつ出力が,0.1 mW(−10
dBm)〜1 mW (0 dBm)である光ファイバ出力の安定化光源を用いなければならない。表 1 に示す光源,
半導体レーザ(LD)
(SMSR>40 dB:3.19 参照)又はファイバレーザ(SMSR>40 dB のもの)が望ま
しい。
b
) 可変光減衰器 試験する光パワー範囲にわたって調整できる可変光減衰器を用いる。
6.3.4.2
表示光パワーレベル温度依存特性を求める試験手順
a
) 図 8 に示す試験系で,被試験器の分解能バンド幅を測定に用いる光源のスペクトルバンド幅より極め
て大きくなるように設定する。被試験器の温度が基準試験条件のもとで指定どおりに安定した後,可
変光減衰器で,被試験器に入力する光パワーレベルを基準条件での校正に用いる光パワーレベルと同
じになるように調整する。そのときの被試験器による読み値を P
OSA,Tref
とする。
b
) その後,恒温槽の温度を変える。各使用温度において校正される OSA が熱平衡条件に達するまで十分
な時間(例えば,2 時間)待たなければならない。新しい温度を T
j
とし,被試験器の読み値を P
OSAj
とする。温度 T
j
での感度誤差
∆P(T
j
)を,式(28)で求める。
( )
1
∆
ref
OSA,
OSA
−
T
j
j
P
P
T
P
=
(28)
c
) 異なる温度設定値に対して,この手順を繰り返す(T
j
を変える)
。
d
)
∆P
TMP,MAX
を得られた
∆P,(T
j
)の最大値とし,
∆P
TMP,MIN
を最小値とする。
6.3.4.3
表示光パワーレベル温度依存特性による不確かさの算出
温度に依存する測定値の偏差
∆P
TMP
を,式(29)で求める。
2
∆
∆
∆
MIN
TMP,
MAX
TMP,
TMP
P
P
P
+
=
(29)
温度依存特性による不確かさ
σ
∆PTMP
を,式(30)で求める。
3
2
∆
∆
MIN
TMP,
MAX
TMP,
TMP
∆
P
P
P
−
=
σ
(30)
6.4
表示光パワーレベルの拡張不確かさの算出
被試験器を基準条件だけで使用する場合には,拡張不確かさ U
Pref
を包含係数 k を用いて,式(31)で求め
る。
ref
∆
ref
P
P
k
U
σ
±
=
(31)
被試験器が基準条件を超えて用いる場合に,校正手順のすべてを動作条件のもとで実施するとき,被試
光源
可変光
減衰器
被試験器
光ファイバ
光ファイバ
恒温槽
17
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
験器の累積光パワーレベル不確かさ
σ
∆Pcu
は,式(13),式(17),式(22),式(27)及び式(30)の結果に基づく式
(32)を用いて求めることが望ましい。
(
)
2
1
2
TMP
∆
2
LIN
∆
2
POL
∆
2
∆
2
ref
∆
cu
∆
P
P
P
P
P
P
σ
σ
σ
σ
σ
σ
λ
+
+
+
+
=
(32)
ここに,
σ
∆Pref
:
基準条件での被試験器の不確かさ
σ
∆P
λ
:
光波長依存特性による不確かさ
σ
∆PPOL
:
偏光依存特性による不確かさ
σ
∆PLIN
:
直線性による不確かさ
σ
∆PTMP
: 温度依存特性による不確かさ
包含係数 k を用いた拡張不確かさ U
Pcu
を,式(33)で求める。
cu
∆
cu
P
P
k
U
σ
±
=
(33)
累積表示光パワーレベル偏差
∆
P
cu
は,式(14),式(16),式(21),式(26)及び式(29)の結果を用いて,式(34)
で求める。
TMP
LIN
POL
ref
cu
∆
∆
∆
∆
∆
∆
P
P
P
P
P
P
+
+
+
+
=
λ
(34)
P (mW)で示した表示光パワーレベルにおいて,表示光パワーレベルの偏差
∆
P,不確かさ
σ
P
及び拡張不
確かさ U
P
は,絶対パワー単位でこれらの値を得るには,次の式で求める。
( )
mW
∆
∆
cu
P
P
P
=
(35)
( )
mW
cu
∆
P
P
P
σ
σ =
(36)
( )
mW
cu
P
U
U
P
P
=
(37)
偏差又は不確かさを dB 単位で表さなければならない場合,式(38)を用いて dB 単位に変換する。
(
)
X
+
1
log
10
10
(dB) (38)
ここに, X=∆P
cu
又は σ
∆Pcu
注記 この表示光パワーレベルを校正結果に基づいて補正する場合,その補正は一般的に,測定器に
対してソフトウェアで補正をするか,結果に対して数学的補正をするか又は測定器のハードウ
ェアで補正をする。調整が終わった後,試験を繰り返し,補正を正しく行ったかどうかを確認
するとよい(
附属書 C 参照)。
7
光波長校正
7.1
概要
被試験器の光波長の不確かさの要因には,次の事項がある。
a
) 基準条件での試験で見いだされる被試験器固有の不確かさ
b
) 動作条件での試験で見いだされる光波長依存特性及び温度依存特性による部分的不確かさ
基準条件での固有不確かさを得るためには,7.2 に規定する基準条件での校正手順が,必須条件となる。
しかし,7.3 に規定する動作条件での校正は,強制的なものではない。被試験器が基準条件を超えて使用す
るときは,被試験器は,この動作条件の範囲で校正されなければならない。光波長は,真空中の値である。
7.2
基準条件での光波長校正
基準条件での校正に選択可能な試験系を
図 1,図 2 及び図 3 に示す。図 1 の試験系では,光源として,
光波長が既知のガスレーザを使用する。
図 2 は,広帯域光源を,光波長が既知の(トレーサビリティが明
確である。
)透過又は,吸収特性をもつ波長弁別装置と組み合わせて用いる場合の試験系を示す。
図 3 は,
光源として,光波長が未知の半導体レーザ(LD)を用いる場合の試験系を示す。この試験は,基準校正条
18
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
件のもとで実施する。
7.2.1
基準条件での光波長校正用機器
a
) 光源 被試験器に校正用光源が規定されている場合には,その光源を用いる。光源が規定されていな
い場合には,被試験器の光波長不確かさの仕様に対し,十分狭いスペクトルバンド幅及び十分な光波
長安定性をもった光源を用いなければならない。推奨光源には,
表 1 に示すような各種レーザ,半導
体レーザ(LD)又はシングルモードスペクトルをもつ(チューナブルな)その他のレーザがある。ま
た,広帯域光源は,光波長が既知の(トレーサビリティが明確である。
)透過又は吸収特性をもつ波長
弁別装置と組み合わせて用いる。波長弁別装置としては,例えば,1 セットの固定狭帯域フィルタ,
気体媒体の吸収線又はファブリー・ペロ干渉計が用いられる。
附属書 D に,幾つかの安定した光波長
基準を示す。使用する基準は,被試験器に対して要求される光波長不確かさに対し,十分な光波長安
定性,十分狭いスペクトルバンド幅及びパワー安定性をもつことが望ましい。
b
) 光波長計 光源の光波長を測定する測定器。その精度は,光波長試験に要求する精度を十分に上回る
ものでなければならない。光波長が未知の半導体レーザ(LD)を光源として使用する場合は,この測
定器を用いる(
図 3 参照)。
7.2.2
基準条件での光波長校正の試験手順
a
) 図 1,図 2 又は図 3 に示す試験系を用い,被試験器の表示光波長範囲を,光源の光波長が表示の中心
付近に含まれるように設定する。さらに,被試験器の光波長分解能を,式(39)を満足し,また,試験
する光波長不確かさより,よくなるように設定する。
N
S
R
×
> 10
set
(39)
ここに,
R
set
:
試験中の光スペクトラムアナライザ設定分解能バンド幅
(スペクトル分解能)
S
:
表示光波長範囲
N
:
表示点の数
図 1 又は図 2 に示す試験系を用いる場合は,光源又は波長弁別装置の既知の光波長の値を
λ
REF
とし,
図 3 に示す試験系を用いる場合は,
λ
REF
は光波長計によって測定した光源の光波長を示す。光源の
λ
REF
について,被試験器によって測定した中心光波長を
λ
OSAi
とする。
b
)
この測定を少なくとも
10
回繰り返し,平均光波長を,式
(40)
で求める。
m
m
i
i
å
=
=
1
OSA
OSA
AV
λ
λ
(40)
ここに,
m
:
繰り返した測定回数
7.2.3
基準条件での光波長不確かさの算出
測定値から偏差
∆
λ
ref
を,式
(41)
で求める。
ref
OSA
ref
AV
∆
λ
λ
λ
−
=
(41)
測定した
λ
OSAi
の値の標準不確かさ
σ
λOSA
を,式
(42)
で求める。
(
)
2
1
1
2
OSA
OSA
OSA
1
AV
ú
ú
ú
ú
ú
û
ù
ê
ê
ê
ê
ê
ë
é
−
−
−
=
å
=
m
m
i
i
λ
λ
σ
λ
(42)
19
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
基準校正条件での光波長についての被試験器の不確かさ
σ
∆
λref
を,式
(43)
で求める。
(
)
2
1
2
OSA
2
REF
ref
∆
λ
λ
λ
σ
σ
σ
+
=
(43)
ここに,
σ
λ
REF
:
光源の光波長の不確かさ
σ
λ
OSA
:
試験中に測定した値の標準不確かさ
注記
光源としてレーザ又は光波長が安定している弁別デバイスを用い,その性能が被試験器の光波
長不確かさより十分に良好である場合,光源光波長の不確かさ
σ
λ
REF
は,無視することができる。
光源として半導体レーザ(
LD
)を用いる場合,光波長計によって光波長を数回測定し,光源の
不確かさを光源の標準偏差
σ
λ
REF
とする。
7.3
動作条件での光波長校正
ここで規定する校正は,強制的なものではない。基準校正条件を超えて使用するときは,この校正手順
を実施する。動作条件に対する光波長の不確かさの個別要因には,次の項目がある。
a
)
光波長依存特性
b
)
温度依存特性
7.3.1
光波長依存特性
図 1,図 2 及び図 3 は,光波長依存特性を求める試験系を示す。これらは基準条件での校正に用いるも
のと同じである。この試験は,光源光波長以外は基準校正条件のもとで実施する。
7.3.1.1
光波長依存特性を求める装置
a
)
光源 次の性能をもった光源を用いる。
1
)
被試験器の分解能バンド幅(スペクトル分解能)より十分に狭いスペクトルバンド幅
2
)
被試験器に規定される光波長不確かさに対して十分な,光波長及びパワーの安定性
推奨光源には,
表 1 に示す各種レーザ及びシングルモードスペクトルをもつ半導体レーザ(
LD
)
(例えば,チューナブル半導体レーザ光源)などがある。また,広帯域光源を,光波長が既知の(ト
レーサビリティが明確である。
)透過,又は吸収特性をもつ波長弁別装置と組み合わせて用いてもよ
い。波長弁別装置としては,例えば,
1
セットの固定狭帯域フィルタ,気体媒体の吸収線,又はフ
ァブリー・ペロ干渉計が用いられる。
附属書 D に,幾つかの安定した光波長基準を示す。使用する
基準は,被試験器に要求される光波長の不確かさにとって十分な光波長安定性並びにスペクトルバ
ンド幅及びパワー安定性をもつことが望ましい。
b
)
光波長計 光源の光波長を測定する測定器。その精度は,光波長試験で要求される精度を十分に上回
るものでなければならない。光波長が未知の半導体レーザ(
LD
)を光源として使用する場合は,この
測定器を用いる(
図 3)。
7.3.1.2
光波長依存特性を求める試験手順
図 1 又は図 2 に示す試験系を用いる場合は,光源又は波長弁別装置の既知の光波長値を
λ
REF, j
とし,
図 3
に示す試験系を用いる場合は,
λ
REF, j
は光波長計によって測定した光源の光波長を示す。
a
)
光源からの光を被試験器に入れ,示された値
λ
OSAj
を読み取る。その後,次の式を用いて,
λ
REF, j
に関
する光波長偏差
∆
λ
λj
を求める。
j
j
j
,
REF
OSA
∆
λ
λ
λ
λ
−
=
(44)
b
)
次に,光源の光波長を変え,同じ試験を実施し,再び式
(44)
を用いて偏差を求める。
c
)
∆
λ
λ,MAX
を得られた偏差値の最大値とし,
∆
λ
λ,MIN
を最小値とする。
7.3.1.3
光波長依存特性による光波長不確かさの算出
20
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
幾つかの光波長の測定値の偏差を用い,次の式によって,光波長依存特性による偏差
∆
λ
λ
及び不確かさ
σ
∆
λλ
をそれぞれ求める。
2
∆
∆
∆
MIN
,
MAX
,
λ
λ
λ
λ
λ
λ
+
=
(45)
3
2
∆
∆
MIN
,
MAX
,
∆
λ
λ
λλ
λ
λ
σ
−
=
(46)
7.3.2
温度依存特性
図 9 に光波長不確かさの温度依存特性を求めるための試験系を示す。この試験は,温度以外は基準校正
条件のもとで実施する。
図 9−光波長不確かさの温度依存特性を求める試験系
7.3.2.1
温度依存特性を求める装置
a
)
光源 被試験器に校正用光源が規定されている場合には,その光源を用いる。光源が規定されていな
い場合には,被試験器の光波長不確かさの仕様に対し,十分狭いスペクトルバンド幅及び十分な光波
長安定性をもった光源を用いなければならない。推奨光源には,
表 1 に示すようなガスレーザ,半導
体レーザ(
LD
)若しくはシングルモードスペクトルをもつレーザ又は波長弁別装置と組み合わせた広
帯域光源がある。
附属書 D に,幾つかの安定した光波長基準を示す。
7.3.2.2
温度依存特性を求める試験手順
基準校正条件のもと,被試験器に対して規定する温度範囲内において,光源から入力する光の光波長を
5
点以上の温度(
T
j
)で測定する。試験手順は,次による。
a
)
入力光の光波長を
λ
REF
,被試験器の表示値を
λ
OSAj
とし,次の式で光波長の偏差を求める。
REF
OSA
T
∆
λ
λ
λ
−
=
j
j
(47)
b
)
次に温度を変え,試験及び偏差算出を繰り返す。各使用温度において校正される
OSA
が熱平衡条件に
達するまで十分な時間(例えば,
2
時間)待たなければならない。
c
)
∆
λ
T,MAX
を得られた
∆
λ
Tj
の最大値とし,
∆
λ
T,MIN
を最小値とする。
7.3.2.3
温度依存特性による光波長不確かさの算出
幾つかの温度についての測定値の偏差を用い,次の式
(48)
,
(49)
で温度依存特性による偏差
∆
λ
T
及び不確
かさ
σ
∆
λT
をそれぞれ求める。
2
∆
∆
∆
MIN
T,
MAX
T,
T
λ
λ
λ
+
=
(48)
光源
光ファイバ
被試験器
恒温槽
21
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
3
2
∆
∆
MIN
T,
MAX
T,
T
∆
λ
λ
σ
λ
−
=
(49)
7.4
光波長の拡張不確かさの算出
被試験器を基準条件のみで使用する場合,拡張不確かさ
U
λ
ref
は包含係数
k
を用いて,式
(50)
で求める。
ref
∆
ref
λ
λ
σ
k
U
±
=
(50)
全体の光波長不確かさは,被試験器が基準条件を超えて使用するときは,基準校正条件での不確かさ,
並びに光波長依存特性及び温度依存特性の個々の不確かさ試験によって求められる動作条件での不確かさ
を用いて求める。
累積光波長偏差
∆
λ
cu
は,式
(41)
,式
(45)
及び式
(48)
の結果を用いて,式
(51)
で求める。
T
ref
cu
∆
∆
∆
∆
λ
λ
λ
λ
λ
+
+
=
(51)
累積光波長不確かさ
σ
∆
λcu
は,式
(43)
,式
(46)
及び式
(49)
の結果を用いて,累積分散による式
(52)
で求める。
(
)
2
1
2
T
∆
2
∆
2
ref
∆
cu
∆
λ
λλ
λ
λ
σ
σ
σ
σ
+
+
=
(52)
包含係数
k
を用いた拡張不確かさ
U
λ
cu
は,式
(53)
で求める。
cu
cu
λ
∆
λ
σ
k
U
±
=
(53)
注記
光波長を校正結果に基づいて補正する場合,その補正は一般的に,測定器に対してソフトウェ
アで補正をするか,結果に対して数学的に補正をするか,又は測定器のハードウェアで補正を
することによって行う。幾つかのパラメータに対する補正の評価及び算出の例を,
附属書 C に
示す。調整後,試験を繰り返し,補正が正しく行われたことを確認するとよい。
8
書類
8.1
測定データ及び不確かさ
この規格に基づく校正証明書には,次のデータ及びそれらの不確かさを記載しなければならず,また,
それらの不確かさは,当該標準偏差に±
k
を乗じることによって推定信頼区間の形で記述しなければなら
ない。
a
)
測定している場合,分解能バンド幅(スペクトル分解能)試験の結果。例えば,差の比率
∆R
diff
。光
波長は,真空中の波長とする。箇条 5 での詳細要求事項を参照。
b
)
表示光パワーレベル偏差
∆P
cu
及びその不確かさ±
k
σ
∆Pcu
(例えば,単位は,
mW
又は
dB
)
。箇条 6 で
の詳細要求事項を参照。
c
)
真空中の光波長偏差
∆
λ
cu
及びその不確かさ±
k
σ
∆
λcu
(例えば,単位は,
nm
)
。箇条 7 での詳細要求事項
を参照。
8.2
測定条件
校正方法及び測定結果を得る方法を記述しなければならない。各仕様とともに測定器条件及びそれらが
適用される測定条件も記述することが望ましい。最も重要なパラメータは,校正日,表示光パワーレベル,
水平及び垂直表示分解能,温度,湿度,大気圧並びに表示光波長範囲である。
注記
校正結果は,校正過程において使用した試験条件にだけ有効である。
22
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
附属書 A
(
規定)
校正不確かさの算出の数学的根拠
序文
校正作業の主な部分は,不確かさの評価である。ここでは,不確かさの報告及び累積のための標準形式
を規定する。次に示す内容は,GUM に基づくものである。この規格では,実際の測定結果と測定された
量の 真 の値との間に生じる
3
種類の偏差(A.1 参照)を区別する。
3
種類の偏差とは,一つ目は,既知
の偏差で,これは,補正することができるものであり,二つ目は,不確かさタイプ
A
で,これは,同じ測
定量について行った一連の設定値から得られるものであり,三つ目は,不確かさタイプ
B
で,これは,そ
の他の知識から得られるものである。これらはそれぞれ,影響をもつ多数の量によって引き起こされるこ
とがある。ここでは,これらの要因を評価,累積し報告する標準の様式を規定する。
A.1
偏差
偏差は,測定結果の既知の誤差を特徴付ける。 誤差 という用語は 偏差 と同等であることを意味す
る。線形形式で表された測定結果,例えば,光波長又はパーセントで表された光パワーなどの測定結果と,
対数形式で表された測定結果,例えば,
dBm
で表された光パワーなどの測定結果とを区別することは,有
用なことである。どちらの場合においても,偏差又は誤差
∆y
は,測定された量の実際の測定結果
y
actual
と
真
の値
y
ref
との差を定量化するものである。
ref
actual
∆
y
y
y
−
=
(A.1)
測定結果から偏差を差し引くことによって,この偏差を補正できる。
A.2
不確かさタイプ A
ランダムに変化する測定結果は,不確かさタイプ
A
によって特徴付けることが望ましい。測定サンプル
の分布は,通常,正規分布(ガウス分布)として仮定する。この不確かさは,数多くの測定サンプルにつ
いて得られた結果を平均することによって,できるだけ小さく抑えることが望ましい。一連の測定値から
一つの測定器を校正する時間を節約するために,各ランダムな(タイプ
A
)不確かさを
2
段階の手順によ
って評価することが望ましい。
最初の段階で,数多くの測定
m
から,一つの特有な測定状態の実験に基づく標準偏差
S
typeA
を求める。
分布の中心はゼロ,すなわち,基準標準値に一致すると仮定する。不確かさタイプ
A
を特性付ける実験に
基づく標準偏差は,次の式で近似する。
(
)
2
1
2
mean
typeA
1
ú
ú
û
ù
ê
ê
ë
é
−
−
=
å
m
y
y
S
i
(A.2)
ここに,
y
i
:
一連の測定サンプル
y
mean
:
データの平均値
m
:
標準偏差を求めるときに,特徴付け測定の数。
m
は大きい数,
例えば,
30
を超える数であると仮定する。
第
2
段階として,少ない数の測定
n
から,個別の場合の不確かさ
σ
typeA
を求める。測定時間を節約する
23
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
ために,よく
n
=
1
とする。この結果は,標準不確かさタイプ
A
である。
2
1
typeA
typeA
n
S
=
σ
(A.3)
σ
type A
は,平均の不確かさを表し,これは
n
個の測定サンプルについて得られた結果を平均したものとし
ている。
m
=
n
とすることによって,
二つの段階を単一段階にまとめることもできるから,
その旨考慮する。
追加の統計手法(例えば,
t-
統計)が要求されることもある。
不確かさタイプ
A
は,線形形式,例えば,%で表すか,又は対数形式,例えば,
dB
で表すことができ
る。不確かさが小さい限り,それら
2
形式とも,その数学的取扱いは同一である。
A.3
不確かさタイプ B
不確かさタイプ
B
は,通常,測定結果と測定された量の 真
の値との間で未知の固定されたオフセッ
ト量を定量化するものである。これらの不確かさは,
図 A.1 に示すように,不確かさ帯の幅によって表す
ことができる。測定結果は,一様に(方形に)分布しているものと仮定する。
図 A.1−偏差及び不確かさタイプ並びに適切にもっと大きな
不確かさによってそれらを置き換える方法
この規格では,相対不確かさ帯の半幅
U
typeB
を指定することが望ましい。不確かさ帯は,影響を及ぼす
条件(例えば,温度)の許容差帯に,測定器のその条件への最悪の場合の依存特性を乗じることによって
求められる。これは,既知の物理的関係,製造業者の仕様,校正証明書に記載されたデータ,又は同じ形
式の測定器の十分に多くの回数にわたる特性付け測定に基づいて行うことが望ましい。これらの測定にお
いて,不確かさタイプ
A
は,例えば,平均化などによって,できるだけ小さく保つ。
図 A.1 に示すように,
もっと広い対称な不確かさ帯を指定することによって偏差を省くことができる。拡張不確かさ帯は,同等
の標準不確かさ
σ
typeB
によって表せる。
不確かさタイプ
B
(半幅)
U
typeB
=条件の許容差帯の半幅×測定器の感度
(A.4)
標準不確かさタイプ
B
(算出)
24
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
2
1
typeB
typeB
3
U
=
σ
(A.5)
不確かさタイプ
B
は,線形形式,例えば,%で表すか,又は対数形式,例えば,
dB
で表すことができ
る。不確かさが小さい限り,それら
2
形式とも,その数学的取扱いは同一である。
A.4
不確かさの累積
組合せ標準不確かさ
は,数多くの(
i
個の)個別不確かさを集めて一つの数にするために使用され
る。組合せ標準不確かさは,個別不確かさからの統計的独立に基づいている。これは,それらの標準偏差
の二乗和平方根である。GUM に従って,次の式によって累積偏差,組合せ標準不確かさ及び拡張不確か
さを求める。
累積偏差(誤差)
å
=
i
y
y
∆
∆
*
(A.6)
組合せ標準不確かさ
2
1
2
typeA,
2
typeB,
std
÷
÷
ø
ö
ç
ç
è
æ
+
=
å
å
=
=
n
i
l
j
j
i
σ
σ
σ
(A.7)
ここに,
i: 現在の個別要因の数
σ
typeB, i
: 系統的(タイプ B)不確かさを表す(算出)された標準不確
かさ[式(A.5)参照]
σ
typeA, j
: ランダム(タイプ A)不確かさを特徴付けている標準不確か
さ[式(A.3)参照]
n: 不確かさタイプ B の数
l: 不確かさタイプ A の数
注記 式(A.7)の最初の部分は,不確かさタイプ B をすべて集めたものであり,2 番目の部分は不確か
さタイプ A のすべてを集めたものである。この式に対する最も大きな要因の 1/10 より小さい不
確かさ要因は,無視してもよい。なぜならば,それら小さな要因を平方すれば,それらの意義
は,最大要因の 1/100 になるからである。
上記の量を更に行われる不確かさの算出の基として使用する場合は,組合せ標準偏差
σ
std
を式(A.6)及び
式(A.7)に再挿入できる。部分的にタイプ A が元になっている場合でも,
σ
std
は,タイプ B の不確かさも記
述することが望ましい。組合せ標準不確かさは,不確かさタイプ A 及び不確かさタイプ B と同様に,線形
形式又は対数形式で表すことができ,数学的取扱いに何ら相違はない(A.2 参照)
。
拡張不確かさ
std
exp
σ
k
U
±
=
(A.8)
ここに,
k: 包含係数
不確かさタイプ A を求めるために行った測定の回数が大きく,また,概算信頼水準として 95 %を選択
(デフォルト)している場合,k=2 である。概算信頼水準として 99 %を選択している(このことは,特
に明記することが望ましい。
)場合,k=3 である。不確かさタイプ A を求めるために行った測定の回数が
小さいとき,例えば,10 未満のときは,更に大きな包含係数を用いる(GUM 参照)
。
25
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
A.5
報告
校正報告書及び技術データシートには,組合せ標準不確かさを拡張不確かさの形で,適用信頼水準とと
もに記載する。デフォルト信頼水準は,95 %である。
必要ならば,偏差を明記する。
偏差:
*
∆
∆
y
y
=
(A.9)
26
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
附属書 B
(
参考)
校正不確かさの算出例
序文
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
表示光パワーレベル及び光波長に関する校正不確かさの算出例を次に示す。
B.1
表示光パワーレベルの校正
B.1.1
基準条件での不確かさ:
σ
∆Pref
基準校正条件のもとで使用した被試験器の表示光パワーレベルに関する不確かさ
σ
∆Pref
は,式(13)を用い
て求める。
(
)
2
1
2
diff
∆
2
PM
ref
∆
P
P
P
σ
σ
σ
+
=
ここに,
σ
P
PM
:
標準光パワーメータの不確かさ
σ
∆Pdiff
:
試験中に測定された値の標準偏差
ここで,標準光パワーメータの不確かさは,その証明書に 2.0 %として与えられている。そのときは,
02
.
0
PM
=
P
σ
(B.1)
標準光パワーメータ及び被試験器によって,測定した次の十組の
P
ref,i
及び
P
OSAi
を用いて,被試験器の
不確かさを求められる。
P
ref1
=0.200 mW
P
OSA1
=0.210 mW
P
ref2
=0.202 mW
P
OSA2
=0.205 mW
P
ref3
=0.201 mW
P
OSA3
=0.203 mW
P
ref4
=0.200 mW
P
OSA4
=0.215 mW
P
ref5
=0.199 mW
P
OSA5
=0.195 mW
P
ref6
=0.199 mW
P
OSA6
=0.190 mW
P
ref7
=0.200 mW
P
OSA7
=0.197 mW
P
ref8
=0.201 mW
P
OSA8
=0.213 mW
P
ref9
=0.201 mW
P
OSA9
=0.215 mW
P
ref10
=0.202 mW
P
OSA10
=0.220 mW
被試験器の結果と標準光パワーメータ結果との差の比率は,式(10)を用いて求める。
∆
P
diff1
=0.05
∆
P
diff2
=0.015
∆
P
diff3
=0.010
∆
P
diff4
=0.075
∆
P
diff5
=−0.02
∆
P
diff6
=−0.045
∆
P
diff7
=−0.015
∆
P
diff8
=0.06
∆
P
diff9
=0.07
∆
P
diff10
=0.089
差の比率の平均及び標準偏差は,式(11)及び式(12)を用いて求める。
9
028
.
0
10
289
.
0
∆
∆
1
diff,
diff
=
=
=
å
=
m
P
P
m
i
i
(B.2)
27
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
(
)
(
)
2
046
.
0
9
/
17
019
.
0
1
∆
∆
2
1
2
1
1
2
diff
diff,
diff
∆
=
=
ú
ú
ú
ú
û
ù
ê
ê
ê
ê
ë
é
−
−
=
å
=
m
P
P
m
i
i
P
σ
(B.3)
差の標準偏差(
σ
∆Pdiff
=0.046 2)は,標準光パワーメータの不確かさ(
σ
P
PM
=0.02)より大きい。このこ
とは,この偏差を被試験器の不確かさタイプ A とみなすことが望ましいことを意味している。
式(13)を用いて,不確かさ
σ
∆Pref
は
(
)
(
)
3
050
.
0
2
046
.
0
02
.
0
2
1
2
2
2
1
2
diff
∆
2
PM
ref
∆
=
+
=
+
=
P
P
P
σ
σ
σ
(B.4)
表示光パワーレベルの偏差は,式
(14)
を用いて求める。
9
028
.
0
∆
∆
diff
ref
=
=
P
P
(B.5)
B.1.2
動作条件での不確かさ
次の例は,校正が光波長,偏光,直線性及び温度という四つの要因について,それぞれ実施した場合の
不確かさの計算例である。
B.1.2.1
光波長依存特性
光波長依存特性は,次に示す光波長に対する被試験器の表示ピーク光パワーレベル(
P
OSAj
)及び標準光
パワーメータの基準値(
P
REF, j
)から求める。
λ
1
=
488 nm
P
OSA1
=
0.122 5
µ
W
P
REF1
=
0.120 2
µ
W
λ
2
=
632.8 nm
P
OSA2
=
0.130 7
µ
W
P
REF2
=
0.120 5
µ
W
λ
3
=
780 nm
P
OSA3
=
0.131 0
µ
W
P
REF3
=
0.123 0
µ
W
λ
4
=
850 nm
P
OSA4
=
0.153 2
µ
W
P
REF4
=
0.147 0
µ
W
λ
5
=
1 500 nm
P
OSA5
=
0.160 5
µ
W
P
REF5
=
0.175 8
µ
W
λ
6
=
1 550 nm
P
OSA6
=
0.152 0
µ
W
P
REF6
=
0.162 0
µ
W
λ
7
=
1 600 nm
P
OSA7
=
0.120 7
µ
W
P
REF7
=
0.115 5
µ
W
式
(15)
を用いて
∆
P(
λ
1
)
=
P
OSA1
/
P
REF1
−
1
=
0.122 5/0.120 2
−
1
=
0.019 13
∆
P(
λ
2
)
=
P
OSA2
/
P
REF2
−
1
=
0.130 7/0.120 5
−
1
=
0.084 65
∆
P(
λ
3
)
=
P
OSA3
/
P
REF3
−
1
=
0.131 0/0.123 0
−
1
=
0.065 04
∆
P(
λ
4
)
=
P
OSA4
/
P
REF4
−
1
=
0.153 2/0.147 0
−
1
=
0.042 18
∆
P(
λ
5
)
=
P
OSA5
/
P
REF5
−
1
=
0.160 5/0.175 8
−
1
=−
0.087 03
∆
P(
λ
6
)
=
P
OSA6
/
P
REF6
−
1
=
0.152 0/0.162 0
−
1
=−
0.061 73
∆
P(
λ
7
)
=
P
OSA7
/
P
REF7
−
1
=
0.120 7/0.115 5
−
1
=
0.045 02
これらの値から
( )
65
084
.
0
∆
∆
2
MAX
,
=
=
λ
λ
P
P
( )
03
087
.
0
∆
∆
5
MIN
,
−
=
=
λ
λ
P
P
式
(16)
を用いて
2
001
.
0
2
03
087
.
0
65
084
.
0
2
∆
∆
∆
MIN
,
MAX
,
−
=
−
=
+
=
λ
λ
λ
P
P
P
(B.6)
光波長依存特性による標準偏差
σ
∆P
λ
は,式
(17)
を用いて求める。
28
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
6
049
.
0
3
2
6
171
.
0
3
2
∆
∆
MIN
,
MAX
,
∆
=
=
−
=
λ
λ
λ
σ
P
P
P
(B.7)
B.1.2.2
偏光依存特性
偏光依存特性は,
1/2
光波長板を回転させて,光源の偏光面を
0
℃から
180
℃まで動かして測定した,
P
MAX
(
λ
j
)
及び
P
MIN
(
λ
j
)
の値を用いて求める。
λ
1
=
850 nm
P
MAX
(
λ
1
)
=
0.310 mW
P
MIN
(
λ
1
)
=
0.292 mW
λ
2
=
1 310 nm
P
MAX
(
λ
2
)
=
0.204 mW
P
MIN
(
λ
1
)
=
0.194 mW
λ
3
=
1 550 nm
P
MAX
(
λ
3
)
=
0.206 mW
P
MIN
(
λ
3
)
=
0.193 mW
光波長
λ
j
での偏光による光パワーレベルの変動
∆
P
UL
(
λ
j
)
及び
∆
P
LL
(
λ
j
)
並びに平均変動
P
AVE
(
λ
j
)
は,式
(18)
〜式
(20)
を用いて求める。
( )
301
.
0
1
AVE
=
λ
P
( )
9
029
.
0
1
301
.
0
310
.
0
∆
1
UL
=
−
=
λ
P
( )
9
029
.
0
1
301
.
0
292
.
0
∆
1
LL
−
=
−
=
λ
P
( )
199
.
0
2
AVE
=
λ
P
( )
1
025
.
0
1
199
.
0
204
.
0
∆
2
UL
=
−
=
λ
P
( )
1
025
.
0
1
199
.
0
194
.
0
∆
2
LL
−
=
−
=
λ
P
( )
5
199
.
0
3
AVE
=
λ
P
( )
6
032
.
0
1
5
199
.
0
206
.
0
∆
3
UL
=
−
=
λ
P
( )
6
032
.
0
1
5
199
.
0
193
.
0
∆
3
LL
−
=
−
=
λ
P
これらの値から
∆
P
POL,MAX
=
∆
P
UL
(
λ
3
)
=
0.032 6
∆
P
POL,MIN
=
∆
P
LL
(
λ
3
)
=−
0.032 6
偏光及び光波長に依存する測定値の偏差
∆
P
POL
は,式
(21)
を用いて求める。
2
6
032
.
0
6
032
.
0
2
∆
∆
∆
MIN
POL,
MAX
POL,
POL
−
=
+
=
P
P
P
(B.8)
偏光による光パワーレベル変動の不確かさ
σ
∆PPOL
は,式
(22)
を用いて求める。
8
018
.
0
3
2
6
032
.
0
6
032
.
0
3
2
∆
∆
MIN
POL,
MAX
POL,
POL
∆
=
+
=
−
=
P
P
P
σ
(B.9)
B.1.2.3
直線性
直線性は,被試験器による測定値と標準光パワーメータから得られる値との比
P
LIN,ref
及び可変光減衰器
を用いて光パワーレベルを変えたとき,被試験器による測定値と標準光パワーメータから得られる値との
比
P
LIN,j
を表す次の値を用いて求める。光パワーレベル
P
j
での直線性誤差
∆
P
LIN
(
P
j
)
は,式
(25)
を用いて求め
る。
P
LIN,ref
=
1.025
P
LIN1
=
0.998
∆
P
LIN
(P
1
)
=−
0.026 34
P
LIN2
=
0.985
∆
P
LIN
(P
2
)
=−
0.039 02
P
LIN3
=
1.011
∆
P
LIN
(P
3
)
=−
0.013 66
29
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
P
LIN4
=
1.009
∆
P
LIN
(P
4
)
=−
0.015 61
P
LIN5
=
1.055
∆
P
LIN
(P
5
)
=
0.029 27
これらの値から
P
LIN,MAX
=
0.029 27
P
LIN,MIN
=−
0.039 02
測定値の偏差
∆
P
LIN
は,式
(26)
を用いて求める。
9
004
.
0
2
02
039
.
0
27
029
.
0
2
∆
∆
∆
MIN
LIN,
MAX
LIN,
LIN
−
=
−
=
+
=
P
P
P
(B.10)
直線性の不確かさ
σ
∆PLIN
は,式
(27)
を用いて求める。
7
019
.
0
3
2
02
039
.
0
27
029
.
0
3
2
∆
∆
MIN
LIN,
MAX
LIN,
LIN
∆
=
+
=
−
=
P
P
P
σ
(B.11)
B.1.2.4
温度依存特性
温度依存特性は,次の値から求める。これは,入力光パワーが
0.200 mW
(基準条件での試験に用いた値)
で
λ
=
1 310 nm
の半導体レーザからの光入力に対する,基準校正条件として指定された温度での被試験器
の基準値
P
OSA,Tref
,及び種々の温度において被試験器によって測定された光パワーレベル値
P
OSAj
である。
温度
T
j
での感度誤差
∆
P(T
j
)
は,式
(28)
を用いて求める。
P
OSA,Tref
=
0.200
T1
=
10
℃
P
OSA1
=
0.202
∆
P (T
1
)
=
0.010
T2
=
15
℃
P
OSA2
=
0.204
∆
P (T
2
)
=
0.020
T 3
=
20
℃
P
OSA3
=
0.199
∆
P (T
3
)
=−
0.005
T 4
=
25
℃
P
OSA4
=
0.197
∆
P (T
4
)
=−
0.015
T 5
=
30
℃
P
OSA5
=
0.200
∆
P (T
5
)
=
0.0
T 6
=
35
℃
P
OSA6
=
0.207
∆
P (T
6
)
=
0.035
これらの値から
∆
P
TMP,MAX
=
0.035
∆
P
TMP,MIN
=−
0.015
測定値の偏差
∆
P
TMP
は,式
(29)
を用いて求める。
010
.
0
2
015
.
0
035
.
0
2
∆
∆
∆
MIN
TMP,
MAX
TMP,
TMP
=
−
=
+
=
P
P
P
(B.12)
温度依存特性による不確かさ
σ
∆PTMP
は,式
(30)
を用いて求める。
4
014
.
0
3
2
015
.
0
035
.
0
3
2
∆
∆
MIN
TMP,
MAX
TMP,
TMP
∆
=
+
=
−
=
P
P
P
σ
(B.13)
B.1.3
拡張不確かさの算出
次の例は,校正が動作条件のもとで実施された場合の拡張不確かさの計算例である。累積表示光パワー
レベル偏差は,式
(34)
を用いて求める。
∆
P
cu
=
∆
P
ref
+
∆
P
λ
+
∆
P
POL
+
∆
P
LIN
+
∆
P
TMP
=
0.028 9
−
0.001 2
+
0
−
0.004 9
+
0.010
=
0.032 8 (B.14)
表示光パワーレベルの不確かさは,式
(32)
を用いて求める。
30
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
(
)
2
1
2
TMP
∆
2
LIN
∆
2
POL
∆
2
∆
2
ref
∆
cu
∆
P
P
P
P
P
P
σ
σ
σ
σ
σ
σ
λ
+
+
+
+
=
(
)
2
1
2
2
2
2
2
4
014
.
0
7
019
.
0
8
018
.
0
6
049
.
0
3
050
.
0
+
+
+
+
=
(
)
1
077
.
0
94
005
.
0
2
1
=
=
(B.15)
したがって,
P
=
0.2 mW
に対する測定値の偏差及び不確かさ
∆
P
及び
σ
P
は,式
(35)
及び式
(36)
を用いて
求められる。
6
006
.
0
2
.
0
8
032
.
0
∆
∆
cu
=
×
=
=
P
P
P
(mW)(B.16)
4
015
.
0
2
.
0
1
077
.
0
cu
∆
=
×
=
=
P
P
P
σ
σ
(mW) (B.17)
信頼水準
95.5
%に対する包含係数
k
=
2
による拡張不確かさ
U
P
は,式
(37)
を用いて求める。
8
030
.
0
4
015
.
0
2
cu
∆
cu
±
=
×
±
=
±
=
=
P
k
P
U
U
P
P
P
σ
(mW) (B.18)
dB
単位で表した
∆
P
及び
σ
P
は,式
(38)
を用いて求める。
( )
(
)
140
.
0
8
032
.
0
1
log
10
dB
∆
10
=
+
=
P
(dB) (B.19)
( )
(
)
32
.
0
1
077
.
0
1
log
10
dB
10
cu
∆
=
+
=
P
σ
(dB) (B.20)
B.2
光波長校正
B.2.1
基準条件での不確かさ:
σ
∆λref
被試験器の基準条件での光波長の不確かさ
σ
∆λref
は,式
(43)
を用いて求める。
(
)
2
1
2
OSA
2
REF
ref
∆
λ
λ
λ
σ
σ
σ
+
=
ここに,
σ
λ
REF
:
光源光波長の不確かさ
σ
λ
OSA
:
試験中に測定された値の標準不確かさ
λ
REF
=
633.0
の光波長をもつヘリウム
-
ネオンレーザに対し,被試験器によって測定した中心光波長
λ
OSAi
の次の
10
個の値を用い,不確かさを求められる。
λ
OSA1
=
632.9 nm
λ
OSA6
=
633.0 nm
λ
OSA2
=
633.0 nm
λ
OSA7
=
632.8 nm
λ
OSA3
=
632.8 nm
λ
OSA8
=
632.7 nm
λ
OSA4
=
632.8 nm
λ
OSA9
=
632.8 nm
λ
OSA5
=
632.9 nm
λ
OSA10
=
632.7 nm
測定された
λ
OSAi
の値の標準不確かさ
σ
λOSA
は,式
(42)
を用いて求める。
(
)
2
1
1
2
OSA
OSA
OSA
1
AV
ú
ú
ú
ú
ú
û
ù
ê
ê
ê
ê
ê
ë
é
−
−
=
å
=
m
m
i
i
λ
λ
σ
λ
(
) (
)
(
)
2
1
2
2
2
1
10
84
.
632
7
.
632
84
.
632
0
.
633
84
.
632
9
.
632
ú
û
ù
ê
ë
é
−
−
+
⋅⋅
⋅⋅
+
−
+
−
=
107
.
0
=
(nm) (B.21)
31
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
光源の光波長不確かさは,
σ
λ
REF
=
10
−
5
〜
10
−
6
であり,近似
σ
λ
REF
=
0
の使用が十分に許される。したがっ
て,被試験器の基準条件での不確かさ
σ
λ
REF
は,式
(43)
を用いて求める。
(
)
(
)
107
.
0
107
.
0
0
.
0
2
1
2
2
1
2
OSA
2
REF
ref
∆
=
+
=
+
=
λ
λ
λ
σ
σ
σ
(B.22)
測定値の平均値
λ
OSA
AV
は,式
(40)
を用いて求める。
84
.
632
10
4
.
328
6
1
OSA
OSA
AV
=
=
=
å
=
m
m
i
i
λ
λ
(nm) (B.23)
測定値の偏差
∆
λ
ref
は,式
(41)
を用いて求める。
16
.
0
0
.
633
84
.
632
∆
REF
OSA
ref
AV
−
=
−
=
−
=
λ
λ
λ
(B.24)
B.2.2
動作条件での不確かさ
次の例は,光波長及び温度依存特性について校正するときの不確かさの算出例である。
B.2.2.1
光波長依存特性
光波長依存特性は,
λ
ref
以外の光波長をもつ五つの光源に対して測定した次の中心光波長を用いて求める。
λ
OSA1
=
650.4 nm
λ
REF1
=
650.6 nm
λ
OSA2
=
780.5 nm
λ
REF2
=
780.3 nm
λ
OSA3
=
850.2 nm
λ
REF3
=
850.1 nm
λ
OSA4
=
1 310.5 nm
λ
REF4
=
1 310.7 nm
λ
OSA5
=
1 552.1 nm
λ
REF5
=
1 552.0 nm
各光源に対する測定値の偏差は,各光波長について式
(44)
を用いて求める。
∆
λ
λ1
=
650.4
−
650.6
=−
0.2 (nm)
∆
λ
λ2
=
780.5
−
780.3
=
0.2 (nm)
∆
λ
λ3
=
850.2
−
850.1
=
0.1 (nm)
∆
λ
λ4
=
1 310.5
−
1 310.7
=−
0.2 (nm)
∆
λ
λ5
=
1 552.1
−
1 552.0
=
0.1 (nm)
これらの値から
∆
λ
λ,MAX
=
0.2 nm
∆
λ
λ,MIN
=−
0.2 nm
光波長依存特性誤差の不確かさ
σ
∆
λλ
は,式
(46)
を用いて求める。
115
.
0
3
2
4
.
0
3
2
∆
∆
MIN
,
MAX
,
∆
=
=
−
=
λ
λ
λλ
λ
λ
σ
(B.25)
また,光波長依存特性による偏差は,式
(45)
を用いて求める。
0
2
∆
∆
∆
MIN
,
MAX
,
=
+
=
λ
λ
λ
λ
λ
λ
(B.26)
B.2.2.2
温度依存特性
ヘリウム
-
ネオンレーザ
λ
REF
=
633.0 nm
を用いて種々の温度について測定した次の中心光波長は,温度依
存特性を示すために用いる。
T1
=
10
℃
λ
OSA1
=
632.8 nm
T2
=
15
℃
λ
OSA2
=
632.7 nm
T3
=
20
℃
λ
OSA3
=
632.8 nm
32
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
T4
=
25
℃
λ
OSA4
=
632.9 nm
T5
=
30
℃
λ
OSA5
=
633.1 nm
T6
=
35
℃
λ
OSA6
=
633.2 nm
∆
λ
T1
=
632.8
−
633.0
=−
0.2
∆
λ
T2
=
632.7
−
633.0
=−
0.3
∆
λ
T3
=
632.8
−
633.0
=−
0.2
∆
λ
T4
=
632.9
−
633.0
=−
0.1
∆
λ
T5
=
633.1
−
633.0
=
0.1
∆
λ
T6
=
633.2
−
633.0
=
0.2
式
(49)
及び式
(48)
を用いて
144
.
0
3
2
3
.
0
2
.
0
3
2
∆
∆
MIN
T,
MAX
T,
T
∆
=
+
=
−
=
λ
λ
σ
λ
(nm) (B.27)
05
.
0
2
3
.
0
2
.
0
2
∆
∆
∆
MIN
T,
MAX
T,
T
−
=
−
=
+
=
λ
λ
λ
(nm)(B.28)
B.2.3
拡張不確かさの算出
次の例は,校正が動作条件のもとで実施する場合の拡張不確かさの計算例を示す。累積不確かさは,式
(52)
を用いて求める。
(
)
2
1
2
T
∆
2
∆
2
ref
∆
cu
∆
λ
λλ
λ
λ
σ
σ
σ
σ
+
+
=
(
)
2
1
2
2
2
144
.
0
115
.
0
107
.
0
+
+
=
(
)
213
.
0
045
.
0
2
1
=
=
(nm)(B.29)
光波長偏差は,式
(51)
を用いて求める。
21
.
0
05
.
0
0
.
0
16
.
0
∆
∆
∆
∆
T
ref
cu
−
=
−
+
−
=
+
+
=
λ
λ
λ
λ
λ
(nm)(B.30)
したがって,信頼水準
95.5
%に対して,包含係数
k
=
2
を用いた拡張不確かさ
U
λ
cu
を求める。
43
.
0
213
.
0
2
cu
∆
cu
±
=
×
±
=
±
=
λ
λ
σ
k
U
(B.31)
33
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
附属書 C
(
参考)
校正結果の用い方
序文
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
C.1
一般
C.1.1
適用範囲
校正された測定値は,その測定器が校正された条件とは異なる条件に対して要求されることもある。例
えば,二つの光波長校正点間の光波長での光源の測定が要求されることもある。したがって,この附属書
に記述する補間技術を用いる必要がある。校正結果の補間は,限られたパラメータについてだけ有効であ
り,補間が有効な範囲についても種々の制限事項を適用する。
C.1.2
パラメータ
この附属書に記述する方法は,次のパラメータに適用することができる。
a
)
真空光波長の関数としての光波長目盛補正の校正
b
)
真空光波長の関数としての測定器分解能バンド幅の校正
c
)
真空光波長の関数としての測定器表示光パワーレベルの校正
d
)
真空光波長の関数としての測定器パワー直線性の校正
この附属書に記述する方法は,次のパラメータに適用することはできない。
e
)
偏光依存特性
C.1.3
制限事項
この附属書に記述する補間方法は,次の制限を受ける。
a
)
使用者は,補間モデルが有効であることを確認するのに十分で,確実な校正点を得るようにしなけれ
ばならない。
b
)
校正点の範囲外のパラメータについての校正補正の予測(外挿)は,許されない。
c
) OSA
設計によっては,光波長を選択するのに回折光学素子を用いるものがあり,測定器の光波長範囲
全体を扱うのに異なる検出器を用いることもある。その様な測定器の状態の違いをまたがって校正補
正の補間を行うことは,許されない。
d
)
多項式近似モデルを用いる場合,多項式の次数は校正点の数より著しく小さいことが望ましい。
e
)
補間関数の有効範囲は,常に明示しなければならない。
f
)
校正点の分布が一様でない場合,補間モデルを適用するとき校正値に重みを付ける必要があることも
ある。統計専門家又は他の有資格者が,重みを付ける値の選択が適正であることを証明することが望
ましい。
C.2
加法的補正
C.2.1
パラメータ
ここでの例及び記号のすべては,線形近似を用いる
OSA
の光波長目盛の校正にかかわるものである。
34
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
C.2.2
校正基準光波長に近い測定
OSA
を校正において使用した基準光波長の一つに十分に近い光波長を測定するのに用いる場合,測定し
た光波長を補正して,式
(44)
を次のように書き直して,真空光波長
λ
c
の近似値を得ることができる。
j
λ
λ
λ
λ
∆
OSA
c
−
=
(C.1)
ここに,
λ
OSA
:
被試験器によって測定した光波長
∆
λ
λj
:
校正結果から得た光波長偏差
補正した光波長の不確かさ
σ
λ
c
は,測定及び補正要因を加算することで求める。
(
)
2
1
2
OSA
2
∆
c
λ
λλ
λ
σ
σ
σ
+
=
(C.2)
ここに,
σ
∆λλ
:
光波長依存特性による被試験器の不確かさ
σ
λ
OSA
:
校正中に測定した値の標準不確かさ
C.2.3
他の光波長での測定
一般に,広い光波長範囲に散在する数個の基準光波長だけが使われていることもある。この場合,光波
長偏差は,次の式によって記述することが適切であることもある。
(
)
o
OSA
OSA
OSA
∆
∆
∆
λ
λ
λ
λ
λ
+
=
S
(C.3)
ここに,
∆
S
λ
は理想的にはゼロである目盛係数であり,
∆
λ
o
は理想的にはやはりゼロであるオフセットで
ある。測定した光波長と真の真空光波長との関係は,次の式で求める。
(
)
(
) (
)
OSA
OSA
OSA
OSA
OSA
VAC
∆
λ
ε
λ
λ
λ
λ
λ
+
+
=
(C.4)
ここに,
λ
VAC
(
λ
OSA
)
は,真空光波長である。
ε (λ
OSA
)
は,式の形式が個々の測定器によって決まる追加の
誤差を表す。例えば,サインバー機構を用いる測定器においては,この項は周期的サインバー誤差を表す
ことがある。この項は,不確かさタイプ
A
(ランダム)要因も含む。式
(C.3)
に最小二乗法を用いて校正結
果を近似すると
∆
S
λ
及び
∆
λ
o
が得られる。
注記 1
十分な数の基準光波長を用いる場合には,光波長の差を高い次数の式にて近似することがで
きる。
ε(λ)
の系統的又は関数的特徴は,高次の項として現され,測定した光波長を補正する
のに用いることができる。
ε(λ)
の特性及び使用する基準光波長の数に適した近似式を選ぶに
は,適切な注意を払わなければならない。
不完全な近似による
RMS
誤差
σ
ε
を,基準値での残留誤差から求める。
(
)
[
]
2
1
1
2
OSA,
OSA
,
2
∆
∆
ï
ï
þ
ï
ï
ý
ü
ï
ï
î
ï
ï
í
ì
−
−
=
å
=
n
n
i
i
i
λ
λ
λ
σ
λ
ελ
(C.5)
注記 2
データ点数は,
n
−
2
である。これは,二つのパラメータ,すなわち,近似した傾き及び切片
から生じる。
OSA
によって測定した光波長は,
λ
OSA
から
∆
λ(λ
OSA
)
を差し引くことによって補正することができる。
(
)
OSA
OSA
c
∆
∆
λ
λ
λ
λ
−
=
(C.6)
求めた光波長誤差又は補正の不確かさ
σ
∆
λ
を,次の式で求める。
(
)
2
1
2
2
REF
2
OSA
∆
ελ
λ
λ
λ
σ
σ
σ
σ
+
+
=
(C.7)
ここに,
σ
λREF
は,校正に用いた基準光波長の不確かさである。幾つかの光波長を使用するため,
σ
λREF
2
35
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
は校正に用いた
(
σ
λREF,i
)
2
の平均と考えてもよい。校正にレーザ又はガス輝線を使用する場合,この項は無
視できる。
C.3
乗法的補正
C.3.1
パラメータ
ここでの例及び記号のすべては,
光波長の関数として
OSA
の表示光パワー目盛の校正にかかわるもので
ある。
C.3.2
校正基準光波長に近い測定
OSA
をパワー校正において使用した基準光波長の一つに近い光波長でパワーを測定する場合,測定した
パワーを補正して,真のパワー
P
c
の近似値を得ることができる。式
(10)
を,次のように書き直すことがで
きる。
diff
OSA
c
∆
1
P
P
P
+
=
(C.8)
補正したパワーの不確かさ
σ
P
c
を,測定したパワー及び表示パワー校正の不確かさを組み合わせること
で求める。
注記 測定し,校正したパワーの不確かさは加法的であるが,表示パワーの不確かさは乗法的である
から,注意しなければならない。
2
1
2
OSA
2
OSA
2
diff
∆
c
c
÷÷ø
ö
ççè
æ
+
=
P
P
P
P
P
σ
σ
σ
(C.9)
C.3.3
他の光波長での測定
一般に,広い光波長範囲に散在する数個の基準光波長だけが使われていることもある。この場合,校正
誤差は,次の式によって記述することが適切である。
(
)
o
OSA
OSA
diff
∆
∆
∆
P
S
P
P
+
=
λ
λ
(C.10)
ここに,
∆S
P
は理想的にはゼロである目盛係数であり,
∆P
o
は理想的にはやはりゼロであるオフセットで
ある。測定したパワーと真のパワーの関係は,次の式で求める。
(
)
(
)
(
)
OSA
OSA
diff
OSA
OSA
true
∆
1
λ
ε
λ
λ
P
P
P
P
+
+
=
(C.11)
ε
P
(
λ
OSA
)
は,その式の形式が個々の測定器によって決まる追加の誤差を表す。例えば,冷却された光検出
器を用いる測定器においては,この項は検出器応答の導関数を表すこともある。この項は,不確かさタイ
プ
A
(無作為)要因も含む。
最小二乗法を用いて式
(C.10)
に校正結果を用いて近似すると
∆S
P
及び
∆P
o
が得られる。
不完全な近似による
PMS
誤差を,基準値での残留誤差から求める。
( )
[
]
2
1
1
2
diff
diff,
εp
2
∆
∆
∆
ï
ï
þ
ï
ï
ý
ü
ï
ï
î
ï
ï
í
ì
−
−
=
å
=
n
P
P
n
i
i
i
λ
σ
λ
(C.12)
注記
データ点の数は,二つのパラメータ,
すなわち,
近似した傾き及び切片から生じる
n
−
2
である。
OSA
によって測定したパワーは,次のように補正できる。
36
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
(
)
(
)
OSA
diff
OSA
OSA
c
∆
1
P
P
P
P
+
=
λ
(C.13)
算出したパワー補正の不確かさは,近似誤差
σ
εp
に関する追加の項をもつ式
(C.9)
に似ている。
(
)
(
)
(
)
2
1
2
OSA
OSA
2
OSA
2
εp
2
diff
∆
OSA
c
OSA
c
ú
û
ù
ê
ë
é
+
+
=
λ
σ
σ
σ
λ
λ
σ
P
P
P
P
P
(C.14)
C.4
OSA 校正結果(加法的補正)
次の例において,C.2 に記載した手順は,
OSA
の光波長目盛を校正するのに使用する。基準光波長は,
クリプトンガス輝線である(
附属書 D 参照)。
表 C.1−OSA 校正結果
λ
REF
(nm)
λ
OSA
(nm)
λ
OSA
-
λ
REF
(pm)
λ
C
-
λ
REF
(pm)
σ
∆
λ
C
(pm)
1 182.261
1 181.721
−540
−0.8
±15
1 318.102
1 317.532
−570
−7.0
±15
1 363.795
1 363.231
−564
7.0
±15
1 443.074
1 442.495
−579
5.9
±15
1 473.846
1 473.251
−595
−4.7
±15
1 524.378
1 523.786
−592
7.1
±15
1 533.915
1 533.308
−607
−6.2
±15
1 678.971
1 678.343
−628
−1.8
±15
<−584.4>
88 pk-pk
<−0.08>
14.2 pk-pk
表 C.2−OSA 校正パラメータの要約
パラメータ
記号
値
単位
最小光波長
λ
MIN
1
183 nm
最大光波長
λ
MAX
1
678 nm
傾き
∆S
−1.753×10
−
4
−
切片
∆
λ
0
−332 pm
光波長補正
σ
ε
±6.4 pm
光波長オフセット
λ
λ
−584.4
pm
光波長
σ
∆
λλ
±27.3 pm
注記
表 C.1 の
4
列目は,
λ
C
-
λ
REF
は,
σ
ε
からの寄与に支配される。
37
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
図 C.1−クリプトン輝線を用いた OSA 光波長目盛の校正 95 %信頼区間を示す
38
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
附属書 D
(
参考)
光波長基準
序文
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
この附属書には,
OSA
校正のための光波長基準点を得るのに十分な精度をもつものとして知られている,
レーザ及びランプ輝線並びに吸収特性及びオプトガルバニック遷移を示す。これらの表には遷移が顕著な
真空光波長だけを示す。
ガスレーザ線は,強く(
1 mW
以上)明りょうな光波長(周波数)源である。ランプ輝線は低強度特性
を示し,
一般的には数ナノワットをシングルモード光ファイバ内に放出できる。
低いガス圧力においては,
吸収及びオプトガルバニック遷移は,狭い特性を示し,一般的にその幅は数百メガヘルツである。これら
の遷移は,通常,半導体レーザの光波長を安定させ有効な基準を得るために用いられる。高い圧力では,
吸収遷移は,広くなっており,ランプ又は発光ダイオードを光源として用いて,
OSA
によって直接見るこ
とができる。より高い圧力では,コリジョンによって,すべての基準線がわずかにずれることがある。こ
の
圧力シフト
特性について,附属書に挙げられた基準すべてに対しては示されていない。アセチレン
12
C
2
H
2
の(
v
1
+
v
3
)帯及びシアン化水素
H
13
C
14
N[1,2]
の
2v
3
帯に対して,測定方法が,
NIST
(米国連邦標準
技術研究所)で行われた。これらの測定は,圧力シフトが,
13 kPa
(約
100 Torr
)の圧力で,シアン化水素
ガスに対しては
2 pm
ほどであることを示している。アセチレンの圧力シフトは小さいが,高い圧力では,
1 pm
を超える。
表 D.1 に示した基準線の中心は,低い圧力領域で測定された。これらの基準線の中心の幾
つかは,高い正確さで測定されているが,表は,このレベルにおける基準線の中心のばらつきを考慮して,
精度
1 pm
で光波長値を記載している。
D.1
ガスレーザ線
表 D.1−選択されたガスレーザ線の真空光波長
(
nm
)
488.122
632.991
514.673 1
152.590
アルゴンレーザ
ヘリウム-ネオンレーザ
1 523.488
D.2
希ガス基準線
希ガスである
He
,
Ne
,
Kr
,
Ar
及び
Xe
は,よく知られた遷移線をもち,光波長基準点として用いるこ
とができる。
表 D.2 に,多数の強力な線を示す。
*
を付けたものは,オプトガルバニック効果を用いて既に
観測されているものである。
39
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
表 D.2−希ガス透過線の真空光波長
(
nm
)
Kr
810.659
Ne
1 114.607
Kr
*1 298.884
Kr
*1 496.598
Kr
811.513
Ne
1 118.059
Ar
*1 301.182
Kr
*1 500.941
Kr
819.231
Ne
1 139.355
Kr
*1 318.102
Kr
*1 501.914
Kr
826.551
Ne
1 141.226
Ne
*1 321.761
Ar
*1 505.062
Kr
830.039
Ne
1 152.590
Ne
*1 322.286
Ar
*1 517.694
Kr
851.121
Ne
1 152.818
Ar
1 323.172
Kr
*1 521.368
Kr
877.916
Ne
1 153.950
Ar
1 327.627
Ne
*1 523.488
Kr
893.114
Ne
1 161.726
Ar
1 331.685
Kr
*1 524.378
Ar
912.547
Ne
1 177.001
Ar
1 337.077
Kr
*1 533.067
Ar
922.703
Ne
1 179.227
Ar
1 350.788
Ar
*1 533.353
Ar
935.679
Kr
1 182.261
Kr
1 362.614
Kr
*1 533.915
Ar
966.044
Ne
1 198.819
Ar
1 362.638
Kr
*1 537.624
Ne
966.807
Ne
1 206.964
Kr
1 363.795
Xe
1 542.261
Kr
975.443
Ne
1 246.280
Xe
1 366.079
Kr
*1 543.795
Ar
978.719
Ar
*1 249.108
Kr
1 366.213
Kr
*1 547.825
Xe
980.239
Xe
1 262.684
Ar
1 372.233
Kr
*1 563.978
Xe
992.591
Ne
1 269.267
Kr
1 374.261
Kr
*1 568.533
Kr
1 022.426
Ar
*1 270.576
Kr
1 404.950
Kr
*1 577.614
Ne
1 029.824
Ar
*1 273.690
Xe
1 414.631
Kr
*1 582.441
Ar
1 047.792
Ar
*1 274.972
Xe
1 424.485
Xe
1 605.767
Ne
1 056.530
Ar
*1 280.624
Kr
1 443.074
Xe
1 673.272
Ne
1 080.103
Kr
*1 286.541
Xe
1 473.680
Kr
1 678.971
He
1 083.322
Ne
*1 291.555
Kr
*1 473.846
Kr
1 685.809
He
1 083.331
Ar
*1 293.673
Kr
*1 476.671
Kr
1 690.137
Ne
1 084.745
Ar
*1 296.020
Kr
*1 476.951
Kr
1 694.043
Xe
1
733.050
D.3
分子吸収線
表 D.3,表 D.4 及び表 D.5 に,通信波長域内の,
1 510
〜
1 565 nm
の波長範囲における光波長校正に使用
する分子吸収線を示す。
表 D.3−アセチレン(
12
C
2
H
2
)
吸収線の(
ν
1
+
ν
3
)
バンドに対する真空光波長
(
nm
)
R27
1 512.452
R13
1 518.213
P1
1 525.760
P15
1 534.099
R26
1 512.823
R12
1 518.672
P2
1 526.314
P16
1 534.742
R25
1 513.200
R11
1 519.137
P3
1 526.874
P17
1 535.393
R24
1 513.583
R10
1 519.608
P4
1 527.441
P18
1 536.049
R23
1 513.972
R9
1 520.086
P5
1 528.014
P19
1 536.713
R22
1 514.368
R8
1 520.570
P6
1 528.594
P20
1 527.382
R21
1 514.770
R7
1 521.060
P7
1 529.180
P21
1 538.058
R20
1 515.178
R6
1 521.557
P8
1 529.772
P22
1 538.741
R19
1 515.593
R5
1 522.060
P9
1 530.371
P23
1 539.430
R18
1 516.014
R4
1 522.570
P10
1 530.976
P24
1 540.125
R17
1 516.441
R3
1 523.085
P11
1 531.588
P25
1 540.827
R16
1 516.875
R2
1 523.608
P12
1 532.206
P26
1 541.536
R15
1 517.314
R1
1 524.136
P13
1 532.830
P27
1 542.251
R14
1 517.760
R0
1 524.671
P14
1 533.461
注記 奇数番の線は,強力な線である。
40
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
図 D.1−アセチレン(
12
C
2
H
2
)
による LED 光の吸収
表 D.4−アセチレン 13(
13
C
2
H
2
)
吸収線の(v
1
+v
3
)
バンドに対する真空光波長
(
nm
)
R23
1 522.332
R9
1 528.326
P1
1 533.818
P15
1 541.772
R22
1 522.723
R8
1 528.797
P2
1 534.350
P16
1 542.384
R21
1 523.119
R7
1 529.274
P3
1 534.887
P17
1 543.001
R20
1 523.521
R6
1 529.757
P4
1 535.430
P18
1 543.624
R19
1 523.929
R5
1 550.245
P5
1 535.978
P19
1 544.253
R18
1 524.343
R4
1 530.739
P6
1 536.532
P20
1 544.887
R17
1 524.763
R3
1 531.238
P7
1 537.091
P21
1 545.528
R16
1 525.188
R2
1 531.744
P8
1 537.656
P22
1 546.174
R15
1 525.619
R1
1 532.254
P9
1 538.227
P23
1 546.827
R14
1 526.056
R0
1 532.770
P10
1 538.803
P24
1 547.485
R13
1 526.498
P11
1 539.385
P25
1 548.149
R12
1 526.947
P12
1 539.974
P26
1 548.819
R11 1
527.401
P13 1
540.567 P27 1
549.495
R10
1 527.860
P14
1 541.167
P28
1 550.178
注記 偶数番の線は,強力な線である。
表 D.5−選択されたシアン化水素(H
13
C
14
N)吸収線の真空光波長
(
nm
)
R25
1 528.054
R12
1 534.415
P1
1 543.114
P14
1 552.931
R24
1 528.485
R11
1 534.972
P2
1 543.809
P15
1 553.756
R23
1 528.926
R10
1 535.540
P3
1 544.515
P16
1 554.591
R22
1 529.376
R9
1 536.117
P4
1 545.230
P17
1 555.436
R21
1 529.836
R8
1 536.704
P5
1 545.955
P18
1 556.292
R20
1 530.306
R7
1 537.300
P6
1 546.690
P19
1 557.157
R19
1 530.786
R6
1 537.907
P7
1 547.435
P20
1 558.033
R18
1 531.275
R5
1 538.523
P8
1 548.190
P21
1 558.919
R17
1 531.774
R4
1 539.149
P9
1 548.955
P22
1 559.814
R16
1 532.283
R3
1 539.786
P10
1 549.731
P23
1 560.720
R15
1 532.801
R2
1 540.431
P11
1 550.516
P24
1 561.636
R14
1 533.329
R1
1 541.087
P12
1 551.311
P25
1 562.563
R13
1 533.867
R0
1 541.753
P13
1 552.116
P26
1 563.499
41
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
図 D.2−シアン化水素(H
13
C
14
N)による LED 光の吸収
D.4
参考文献
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) GILBERT, SL. and SWANN, WC. Standard Reference Materials: Acetylene
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C
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1510-1540 nm Wavelength Calibration. SRM 2517. NIST Spec. Publ. 260-133 (1998)
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) GILBERT, SL., SWANN, WC and WANG, CM, Standard Reference Materials: Hydrogen Cyanide H
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C
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N
Absorption Reference for 1530-1560 nm Wavelength Calibration. SRM 251. NIST Spec. Publ. 260-137, 1998
3
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Symposium on Optical Fiber Measurements, NIST Spec. Publ. 905, 1996, pp. 97-100
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pp.179-182
9
) HUMPHREYS, DA., CAMPBELL, C., BERNARD, F., and PATEL, P. Recent developments of excited-state
optical frequency standards for telecommunications’, in Technical Digest
−
Symposium on Optical Fiber
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10
) GILBERT, SL., DRAPELA, TJ. and FRANZEN, DL. Moderate-Accuracy Wavelength Standards for Optical
Communications, in Technical Digest. Symposium on Optical Fiber Measurements, NIST Spec. Publ. 839, 1992,
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:2008 (IEC 62129:2006)
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3535-3547
43
C 6192
:2008 (IEC 62129:2006)
附属書 E
(
参考)
光波長目盛校正のための解釈及び基準
序文
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
高高度における
OSA
の動作は,光波長の正確さに影響する。この影響は,ある種類の
OSA
においては
無視できるかもしれないが,ある種類の
OSA
では,かなり影響する。このことは,空気の屈折率が圧力,
湿度及び温度に依存するからである。この主題に関しては,次のレポートがよい参考となる。
1
) Edlen, B. The refractive Index of air. Metrologia, Vol 2, 1966
2
) PECK, E.R. and REEDER, K. Dispersion of Air. JOSA, Vol. 62, No.8, 1972