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C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

2

4  校正に向けた準備

7

4.1  校正実施機関に対する留意事項

7

4.2  トレーサビリティ

8

4.3  校正実施の準備

8

4.4  校正条件に関する留意事項

8

4.5  文書として記録する事項

8

5  距離の校正の一般事項

8

5.1  はじめに

8

5.2  位置偏差モデル

9

5.3  校正結果の使用

10

5.4  光ファイバ長の測定

11

6  距離の校正方法

11

6.1  はじめに

11

6.2  外部光源法

11

6.3  連鎖光ファイバ法

16

6.4  ループ遅延線法

20

7  損失の校正の一般事項

23

7.1  はじめに

23

7.2  表示パワーレベル の求め方

23

7.3  適切な基準損失 A

ref

の選択

24

7.4  試験計画の立て方

25

7.5  偏光依存性

26

7.6  校正結果の算出

28

7.7  校正結果の使用

28

8  損失の校正方法

28

8.1  はじめに

28

8.2  基準光ファイバによる損失の校正法

28

8.3  外部光源法

32

8.4  スプライスシミュレータ法

35

8.5  パワー減衰法

40

9  反射率の校正

43


C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)  目次

(2)

ページ

9.1  目的

43

9.2  反射率の測定

43

9.3  後方散乱パラメータ の活用

44

9.4  反射率測定の範囲

45

9.5  試験計画の立て方

46

9.6  装置

47

9.7  測定手順

47

附属書 A(規定)距離校正用のループ遅延線

49

附属書 B(規定)損失校正用の基準光ファイバ

52

附属書 C(規定)損失校正用の標準スプライスシミュレータ

56

附属書 D(規定)数学的根拠

60

附属書 E(規定)反射率基準

63

附属書 F(規定)簡易な反射率基準

69

附属書 G(参考)OTDR の基礎:後方散乱の理論−OTDR を用いた反射率測定−

    光ファイバにおける後方散乱パラメータの決定

73


C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産

業技術振興協会(OITDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。これによって,JIS C 6185-2:2007 は改正され,この規格に置き換えられた。また,JIS C 6185-2

の一部を分割して JIS C 6185-3 として制定された。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 6185 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

6185-2  第 2 部:校正方法−シングルモード光ファイバ用 OTDR

JIS

C

6185-3  第 3 部:校正方法−マルチモード光ファイバ用 OTDR


日本工業規格

JIS

 C

6185-2

:2014

(IEC 61746-1

:2009

)

オプティカルタイムドメインリフレクトメータ

(OTDR)

−第 2 部:校正方法−

シングルモード光ファイバ用 OTDR

Optical time-domain reflectometers (OTDR)-

Part 2: Calibration of OTDR for single mode fibers

序文

この規格は,2009 年に第 1 版として発行された IEC 61746-1 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

この規格を用いて校正するオプティカルタイムドメインリフレクトメータは,少なくとも次の仕様を備

えているものを対象とする。

a)  群屈折率又はそれと同等なパラメータが,設定できる。

b)  対数目盛で表示した光パワーと,等分目盛で表示した距離との関係を示す波形を表示できる。 
c)  表示波形上の任意の 2 点間の損失及び距離を表示する二つのマーカ又はカーソルが設定できる。 
d)  オプティカルタイムドメインリフレクトメータの距離基準点からの絶対距離(位置)が測定できる。

e)  基準レベル(例えば,クリッピングレベル)に対する表示パワーレベルが測定できる。 
f)  反射事象の反射率を評価できる。

1

適用範囲

この規格は,シングルモード光ファイバ用オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(以下,オプ

ティカルタイムドメインリフレクトメータを OTDR という。

)の校正方法について規定する。その適用範

囲は,OTDR の測定誤差及び測定の不確かさだけとし,OTDR 応答の補正に関しては規定しない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61746-1:2009,Calibration of optical time-domain reflectometers (OTDR)−Part 1: OTDR for

single mode fibres(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。


2

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

JIS C 6823  光ファイバ損失試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60793-1-40,Optical fibres−Part 1-40: Measurement methods and test

procedures−Attenuation(MOD)

JIS C 6835  石英系シングルモード光ファイバ素線

注記  対応国際規格:IEC 60793-2-50,Optical fibres−Part 2-50: Product specifications−Sectional

specification for class B single-mode fibres(MOD)

JIS C 6851  光ファイバケーブル特性試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60794-1-2:2003,Optical fibre cables−Part 1-2: Generic specification−Basic

optical cable test procedures(MOD)

JIS C 61300-3-2  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 3-2 部:シン

グルモード光デバイスの光損失の偏光依存性

注記  対応国際規格:IEC 61300-3-2,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic

test and measurement procedures − Part 3-2: Examination and measurements − Polarization 
dependent loss in a single-mode fibre optic device(MOD)

JIS Q 17025  試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項

注記  対応国際規格:ISO/IEC 17025,General requirements for the competence of testing and calibration

laboratories(IDT)

ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM:1995)

ITU-T Recommendation G.650.1:2002,Definitions and test methods for linear, deterministic attributes of

single-mode fibre and cable

ITU-T Recommendation G.650.2:2002,Definitions and test methods for statistical and non-linear related

attributes of single-mode fibre and cable

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

注記  更に詳細な定義は,IEC 60050-731 を参照することが望ましい。

3.1

減衰量,損失,A(attenuation)

デシベル(dB)で表した光パワーの減少。ある光ファイバの一方の端に入った光パワーを P

in

(W)

,他

端から出た光パワーを P

out

(W)とするとき,この光ファイバの減衰量を式(1)で表す(IEC 60050-731 の IEV

731-01-48 参照)。



=

out

in

10

log

10

P

P

A

dB

  (1)

3.2

減衰定数,α

attenuation coefficient

光ファイバの単位長さ当たりの減衰量(3.1 及び IEC 60050-731 

IEV 731-03-42

参照)

3.3

損失測定デッドゾーン(

attenuation dead-zone


3

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

反射又は減衰が生じている後方領域に対して表示した波形が,反射又は減衰の影響がない状態の後方散

乱波形から,規定した垂直距離

Δ

F

を超えてずれている領域。

注記

損失測定デッドゾーン(

図 参照)は,反射率,損失,表示パワーレベル,位置などのパラメ

ータによって異なっている。また,反射又は減衰領域の手前の光ファイバ部品にも依存してい

る。

図 1−損失測定デッドゾーンの定義

3.4

後方散乱パラメータ,K

backscatter parameter

光ファイバによって決まる単位入射エネルギー当たりに後方散乱して伝搬するパワー(

附属書 参照)。

K

は,式

(2)

で与えられる。

2

s

ν

α

S

Κ

=

(s

1

)  (2)

ここに,

α

s

散乱係数(例えば,m

1

S: 後方散乱光捕捉係数。シングルモード光ファイバ内のモ

ードフィールド径のような他の標準光ファイバパラメ
ータに依存する。

v: 単位時間当たりの長さにおける群速度(m/s)。を真空

中の光の速度,を光ファイバの群屈折率とした場合,
c/で表す。

3.5

後方散乱係数,C(backscatter coefficient)

光ファイバ端に入力したパルス光のパワーと後方散乱した光のパワーとの比。これは,与えられたパル

ス幅に対する後方散乱パラメータを表す。

注記 1  後方散乱係数は,後方散乱パラメータ(3.4 参照)から,式(3)を用いて定義できる。

T

K

T

C

Δ

)

Δ

(

=

  (3)

ここに,

ΔT

パルス幅(例えば,秒)

通常,後方散乱係数はパルス幅

ΔT

に依存し,

dB

で表現する。

( )

(

)

T

K

T

C

Δ

log

10

Δ

10

dB

=

  (4)


4

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

注記 2

パルス幅

ΔT

は,

C(

ΔT)

を標準化するために用いる。通常

ΔT

の値は,

1 ns

又は

1 μs

である(

属書 参照)。

3.6

校正(

calibration

規定条件の下で,測定装置が示した値とそれに対応するその量の既知の値との関係を明らかにする一連

の作業(ISO/IEC Guide 99 参照)

3.7

中心光波長,λ

avg

centroidal wavelength

光源の光パワーで重み付けした真空中での平均光波長(JIS C 61280-1-3 参照)

3.8

表示パワーレベル,F

displayed power level

OTDR

に表示したパワーレベル。

注記 1

その他に規定がない場合,

F

はクリッピングレベルとの関係から定義している(

図 参照)。

注記 2

通常,

OTDR

の目盛は,受信パワーの対数の

5

倍に定数のオフセットを加えたものである。

3.9

距離,D

distance

二つの目標の間隔(通常,

m

3.10

距離サンプリング誤差,

Δ

L

sample

distance sampling error

サンプル点が離散的に配置することによって生じる距離(3.9 参照)の量子化誤差の最大値(通常,

m

注記

距離サンプリング誤差は,

一般に周期的であるから,この誤差を定量化する一つの方法として,

その振幅を用いることができる。

3.11

距離スケール偏差,

Δ

S

L

distance scale deviation

距離(3.9 参照)の平均誤差,すなわち,距離の平均指示値〈

D

otdr

〉とそれに対応する基準距離(3.27 

照)

D

ref

との差を基準距離で除したもの(通常,

mm

ΔS

L

は,式

(5)

を用いて算出する。

1

Δ

ref

otdr

ref

ref

otdr

L

=

=

D

D

D

D

D

S

  (5)

ここに,

D

otdr

〉:

一つ以上のサンプル間隔にわたって平均化した,

1

本の

光ファイバにおける二つの事象間の表示距離。

3.12

距離スケール係数,S

L

distance scale factor

表示された距離(3.9 参照)の平均値を,対応する基準距離(3.27 参照)で除したもの。

S

L

は,式

(6)

用いて算出する。

ref

otdr

L

D

D

S

=

  (6)

ここに,

D

otdr

〉:

一つ以上のサンプル間隔にわたって平均化した,

1

本の

光ファイバにおける二つの事象間の表示距離。

3.13

距離スケールの不確かさ,u

ΔSL

distance scale uncertainty


5

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

距離スケール偏差(3.11 参照)の不確かさ(通常,

mm

u

ΔSL

は,式

(7)

を用いて算出する。



=



=

ref

otdr

ref

otdr

SL

Δ

1

D

D

u

D

D

u

u

  (7)

注記

  式(7)において,

u

( )は,括弧内の標準不確かさを表している。

3.14

98 %ダイナミックレンジ

片道

[dynamic range at 98 %(one-way)

後方散乱信号レベルと 98 %雑音レベル(

3.24

参照)とが等しくなる光ファイバ減衰量(

3.1

参照)

。石英

系シングルモード光ファイバ(

JIS C 6835

参照)を用いたときの,後方散乱波形の延長線とパワー軸との

切片と雑音レベル(dB)との差によって表す。

3.15

群屈折率,N

(group index)

真空中における光速度と光ファイバ内の光パルス伝搬速度との比。

3.16

位置,L

(location)

OTDR 装置のフロントパネル(入出力コネクタ面)と光ファイバにおけるある目標との間の間隔(通常,

m)。

3.17

位置偏差,

Δ

L

(location deviation)

目標を表示した位置(

3.16

参照)

L

otdr

から基準位置(

3.28

参照)

L

ref

を引いたもの(通常,m)

注記

  この偏差は位置の関数である。

3.18

位置オフセット,

Δ

L

0

(location offset)

この規格で用いる位置偏差(

3.17

参照)モデルにおける定数項の部分。測定器の距離表示における OTDR

前面コネクタの位置とほぼ等しい(通常,m)

注記

  完全な OTDR である場合,位置オフセットはゼロである。

3.19

位置オフセットの不確かさ,u

ΔL0

(location offset uncertainty)

位置オフセット(

3.18

参照)の不確かさ。

3.20

位置読取りの不確かさ,u

Lreadout

(location readout uncertainty)

距離サンプリング誤差(

3.10

参照)と測定サンプルのタイプ A の不確かさとの両方が原因となって起こ

る位置(

3.16

参照)の測定値の不確かさ。

3.21

損失偏差,ΔA

(loss deviation)

光ファイバ部品の損失指示値

A

otdr

とその基準損失(

3.29

参照)

A

ref

との差(dB)

。Δ

A

は,式(8)を用いて

算出する。

ref

otdr

Δ

A

A

A

=

  (8)

注記

  損失偏差は,通常,表示パワーレベル

F

に依存している。


6

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

3.22

損失の不確かさ,u

ΔA

(loss uncertainty)

損失偏差(

3.21

参照)の不確かさ(dB)

3.23

損失スケール偏差,

Δ

S

A

(loss scale deviation)

光ファイバ部品の損失指示値

A

otdr

とその基準損失

3.29

参照)

A

ref

との差を基準損失で除したもの

(dB/dB)

Δ

S

A

は,式(9)を用いて算出する。

ref

ref

otdr

A

Δ

A

A

A

S

=

(9)

注記

詳細は

7.1

を参照。

3.24

98 %雑音レベル

noise level at 98 %

全雑音データ点の

98 %

以上を含む範囲の上限。

3.25

非線形性,NL

loss

non-linearity

規定パワー領域における,損失偏差

ΔA

の最大値と最小値との差(

dB

注記

非線形性は,損失偏差の一要因であり,通常,表示したパワーレベル及び位置に依存している。

3.26

受信

パワーレベル,P

power level

OTDR

の光端子によって受信したパワー。

3.27

基準距離,D

ref

reference distance

国際標準又は国家標準に対しトレーサビリティをとって校正した測定装置によって精密に決定した距離

3.9

参照)

(通常,

m

3.28

基準位置,L

ref

reference location

国際標準又は国家標準に対しトレーサビリティをとって校正した測定装置によって精密に決定した位置

3.16

参照)

(通常,

m

3.29

基準損失,A

ref

reference loss

国際標準又は国家標準に対しトレーサビリティをとって校正した測定装置によって精密に決定した光部

品の損失。

3.30

反射率,R

reflectance

光ファイバ部品内の特定位置の一つにおける,反射したパワー(

W

)の入射パワー(

W

)に対する比率。

R

は,式

(10)

を用いて算出する。



=

inc

refl

10

log

10

P

P

R

   (10)

ここに,

P

refl

反射したパワー(W)


7

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

P

inc

入射パワー(W)

注記 1

  この規格では,反射率の単位は,dB である。

注記 2

  反射値は負値である。

注記 3

  反射率 ρ は,式(11)のように線形の値として定義している。

inc

refl

P

P

=

ρ

(11)

3.31

反射率偏差,ΔR

(reflectance deviation)

光ファイバ部品の反射率(

3.30

参照)R

otdr

とその基準反射率 R

ref

との差。その関係を式(12)に示す(dB)

ref

otdr

Δ

R

R

R

=

   (12)

3.32

rms ダイナミックレンジ

片道

[rms dynamic range(one-way)

後方散乱信号レベルと rms 雑音レベル(

3.33

参照)とが等しくなる光ファイバ減衰量(

3.1

参照)

注記

  雑音分布が正規分布と仮定すると,rms ダイナミックレンジは片道(98 %)ダイナミックレン

ジに 1.56 dB を加えた値に等しくなる。rms 雑音レベルの項目を参照。

3.33

rms 雑音レベル

(rms noise level)

雑音の二乗平均レベル。

注記 1

  一般的には,rms 雑音レベルは,OTDR の波形データから読み取ったり抽出したりすること

はできない。これは,光パワーレベルの波形を対数変換して dB 単位で表示するときに負の

値を示す雑音信号の部分を取り除いてしまうためである。

注記 2

  雑音分布が正規分布と仮定する場合,98 %雑音レベルと rms 雑音レベルとの関係は,式(13)

を用いて算出する。

(

)

dB

56

.

1

75

053

.

2

log

5

10

rms

98

=

=

− Noise

Noise

   (13)

ここに,

Noise

98

98 %雑音レベル(dB)

Noise

rms

rms 雑音レベル(dB)

 2.053

75: 正規分布の 98 %に対応する偏差の値

3.34

サンプル間隔

(sample spacing)

OTDR によってデジタル化した二つの隣り合うデータ点間の距離(通常,m)。

注記

  サンプル間隔は,測定器の設定情報から得ることもある。サンプル間隔は,測定スパン及び

OTDR 測定器のその他の設定値に依存することもある。

3.35

スペクトル幅,Δλ

FWHM

(spectral width)

光源スペクトルの半値全幅(FWHM)

JIS C 61280-1-3

参照。

4

校正に向けた準備

4.1

校正実施機関に対する留意事項

校正機関は,

JIS Q 17025

の要求事項を満たすことが望ましい。各校正のステップごとの作業指示及び用

いる装置を文書化した測定手順書をもつことが望ましい。


8

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

4.2

トレーサビリティ

トレーサビリティは,

JIS Q 17025

の要求事項を満たすことが望ましい。

校正手順で用いる全ての標準器は,あらかじめ,国立標準機関又は認定された校正機関によってトレー

サビリティを保証した手順書に従って校正する。校正手順の各々の階層ごとに,それぞれ複数の標準器を

準備することが望ましい。それらの標準器の準備によって,標準器の性能を同一水準での比較によって確

認することができる。

校正結果に少なからず影響を及ぼす試験装置は,

全て校正済みであることを確認する必要がある。

また,

要求に応じてこれらの試験装置のトレーサビリティの連鎖及び校正の頻度(校正間隔)を規定し文書化し

なければならない。

4.3

校正実施の準備

その他に規定がない場合,全ての校正は,室温 23±3  ℃の環境において実施する。校正のための試験装

置は,校正前 2 時間以上放置し,試験環境に対し平衡状態になるようにする。OTDR は,製造業者の説明

書に指示する時間にわたって暖機運転を行う。

4.4

校正条件に関する留意事項

校正条件には,通常,OTDR 外部条件として,日付,温度,光ファイバの種類,コネクタとアダプタと

の組合せ及び入力用光ファイバの使用を含む。

校正は,製造業者の仕様書及び操作手順書に従って実施する。実施する場合,校正を受ける OTDR の実

地運転条件と対応するように,

適切な範囲の校正条件及びパラメータを選択する。

それらのパラメータは,

製造業者の操作手順書の指示に従い,OTDR の精度及び分解能(例えば,ビューウィンドウ,ズーム機能

など)を最適化するように選択する。

校正条件には,通常,OTDR パラメータとして,平均化時間,パルス幅,サンプル間隔及び中心光波長

を含む。その他の規定がない場合,OTDR の群屈折率は,正確に 1.46 に設定する。

注記 1

  校正結果は,校正過程において用いた校正条件に限り有効である。

注記 2

  危険な放射の可能性があるため,レーザの安全性に関わる条件を必ず設定し維持している

JIS C 6802

及び

JIS C 6803

参照)

4.5

文書として記録する事項

校正証明書には,次のデータ及び不確かさを記述する。

a

)  位置オフセット ΔL

0

及びその不確かさ±2u

ΔL0

並びに距離スケール偏差 ΔS

L

及びその不確かさ±2u

ΔSL

又は位置偏差 ΔL

i

及びその不確かさ±2u

ΔLi

b

)  損失偏差 Δ及びその不確かさ±2u

ΔA

,又は損失スケール偏差 ΔS

A

及びその不確かさ±2u

ΔSA

c

)  校正時の装置条件(パルス幅,設定距離,波長,平均化時間など)

d

)  その他の校正結果及び

JIS Q 17025

で要求する校正証明書類

5

距離の校正の一般事項

5.1

はじめに

距離校正の目的は,光ファイバ上の異なる点の間の距離について,測定値の真値に対する偏差(誤差)

を求め,これら偏差の不確かさを定式化することである。OTDR は,光パルスが測定対象点に到達し,E/O

変換器から O/E 変換器まで戻る往復時間 を測定することによって,光ファイバが測定器に接続している

点を基準とした測定対象点の位置 を測定する。は,真空における光速度 c(2.997 924 58×10

8

 m/s),光

ファイバの群屈折率 及び を用いて,式(14)によって算出する。


9

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

N

cT

L

2

=

   (14)

の測定誤差は,OTDR のスケール誤差,時間軸のオフセット及び時間軸に対する測定対象点の位置測

定誤差に起因する。位置測定のためのマーカの設置は手動で行ってもよいし,測定器によって自動的に行

ってもよい。一般的に,誤差はマーカ設置方法及び測定対象点の種類(例えば,局在する損失又は受信機

が飽和する大きな反射若しくは受信機が飽和しない小さな反射)の両方に依存する。の測定における更

に大きな誤差は,光ファイバの群屈折率 の不確かさによって生じる。の求め方は,この規格の適用範

囲外である。したがって,次の校正手順では,を正しく測定する OTDR の能力についてだけ規定する。

この規格の目的のために,デフォルト値 N=1.46 を用い,の不確かさはゼロとみなす。

注記

  測定対象となる光ファイバの群屈折率の不確かさが既知の場合,光速度 の有効数字桁数は,

群屈折率の不確かさに対して十分高い精度を保つ範囲で打ち切ってもよい。

5.2

位置偏差モデル

ほとんどの OTDR の動作を表現するモデルを仮定し,位置偏差を次のように定式化する。OTDR のフロ

ントパネルコネクタに対する測定対象点の基準位置を L

ref

とし,表示した位置を L

otdr

とする。雑音を除去

するために OTDR の平均化を用いた表示位置 L

otdr

は,式(15)のように基準位置 L

ref

によって決まるものと

仮定する。

)

(

Δ

ref

0

ref

L

otdr

L

f

L

L

S

L

+

+

=

   (15)

ここに,

S

L

距離スケール係数。理想的には 1 である。

ΔL

0

位置オフセット,理想的にはゼロである。

f (L

ref

): 距離サンプリング誤差,理想的にはゼロである。距離サ

ンプリング誤差は,平均がゼロで,周期は,OTDR 上の
サンプル点間の距離間隔に等しい周期関数である。一例
として,信号の増大を示す最初のデータ点にマーカを置
くことによって,大きな反射が起こった位置を測定し
て,その反射の位置が僅かずつ遠方に移動している場
合,f (L

ref

)  は,周期的傾斜波形のような形になる。

式(15)は,位置測定の既知の誤差を定式化することを意図したものであるが,更にタイプ A の不確かさ

が加わることもある。これは,距離の測定値及び精度の両方に影響を及ぼす。この精度は,誤差を表すパ

ラメータとともに,次の手順によって決定する。まず,L

ref

の異なる値に対する L

otdr

を測定し,その後,最

小二乗法によって測定結果に適合する直線を求め,この直線から S

L

及び

ΔL

0

を決定する。S

L

及び

ΔL

0

は,

それぞれ,傾き及び切片である。同様に,位置誤差関数,すなわち,L

otdr

と L

ref

との差分に適合する直線か

ら,

ΔS

L

及び

ΔL

0

を,式(16)を用いて算出してもよい。

)

(

Δ

Δ

Δ

ref

0

ref

L

ref

otdr

L

f

L

L

S

L

L

L

+

+

=

=

   (16)

ここに,

ΔS

L

傾き

ΔL

0

切片(

図 2

参照)

線形近似を求めた後,距離サンプリング誤差 f  (L

ref

),具体的には,その半値幅

ΔL

readout

は,L

ref

の異なる

値に対して,直線からのずれを測定して求めてもよい。距離サンプリング誤差振幅

ΔL

sample

は,f (L

ref

)  の半

値幅とする。この規格では,距離サンプリング誤差振幅

ΔL

sample

は,タイプ A の位置読取りの不確かさの

一部として取り扱う。したがって,ここに述べた不確かさの結果は,サンプリング誤差の反復性を無視す

るものである。すなわち,サンプリング誤差及びタイプ A の不確かさの相対的寄与は区別しない。


10

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

図 2

位置誤差

Δ

L

(

L

)

  の表現

したがって,距離校正の結果は,次に示すパラメータによって表す。

ΔS

L

u

ΔSL

:距離スケール偏差及びその不確かさ

ΔL

0

u

ΔL0

:位置オフセット及びその不確かさ

−  u

Lreadout

:位置読取りの不確かさ,すなわち,距離サンプリング誤差と測定サンプルのタイプ A の不確

かさとの組合せによる,標準偏差の形で表す不確かさ。

附属書 D

の数学的根拠に従って,

最小二乗法によって得る最大偏位を 3 の平方根で除し,

u

Lreadout

を表す。

不確かさは,距離,表示パワーレベル及び測定器の設定によって異なるため注意を要する。

注記

  距離サンプリング誤差 ΔL

sample

は,装置自体のサンプリング誤差を表している。この誤差は,表

示誤差及び距離計算時の誤差を含んだ u

Lreadout

から読み取ることができる。

5.3

校正結果の使用

測定対象点の位置誤差

ΔLL

otdr

L

ref

は,校正結果を用いて,式(17)で算出する。

L

ref

0

Δ

Δ

S

L

L

L

+

=

(17)

Δの不確かさは,式(17a)を用いて算出する。式(17a)では,推奨信頼水準 95 %を用いる。

(

)

2

1

2

Lreadout

2

SL

2

ref

2

L0

L

2

2

u

u

L

u

u

+

+

±

=

±

Δ

Δ

Δ

  (17a)

式(17a)において,基準位置 L

ref

の代わりに表示位置 L

otdr

を用いてもよく,その場合の影響は無視できる。

同様に,2 点間の距離の誤差

Δは,式(18)を用いて算出する。

L

ref

Δ

Δ

S

D

D

=

  (18)

Δの不確かさは,式(18a)を用いて算出する。式(18a)では,推奨信頼水準 95 %を用いる。

(

)

2

1

2

Lreadout

2

SL

2

ref

D

2

2

2

u

u

D

u

+

±

=

±

Δ

Δ

  (18a)

式(18a)において,基準距離 D

ref

の代わりに表示距離 D

otdr

を用いてもよい。

注記

  式(18a)の u

Lreadout

2

の前の 2 は,相関関係がない二つの不確かさを組み合わせるためのものであ

る。

測定対象点における信号波形のタイプが校正に用いたものと異なる場合,追加の不確かさを考慮する必

要もある。校正結果の一部として,測定対象点における信号波形のタイプを明記する。


11

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

5.4

光ファイバ長の測定

OTDR 距離校正の方法の一つは,既知の長さの光ファイバを OTDR で測定することである。この規格に

おける幾つかの例では,光ファイバ長を,機械的な長さ測定ではなく,光ファイバの伝搬時間を用いて求

める。この方法は,OTDR 自体の測定原理と同一である。さらに,伝搬時間は,特に光ファイバが長いと

きに,機械的に長さを測定するときよりも高い精度で測定することができる。したがって,この規格では,

精度が重要な場合は,光ファイバの長さの代わりに,その伝搬時間を用いることが望ましい。光ファイバ

の伝搬時間 T

transit

は,例えば,パルス発生器,トリガ可能なレーザ光源,光電変換器(O/E 変換器)及びタ

イムインターバルカウンタを用いて測定する。この場合,レーザ光源は,試験 OTDR とほぼ同じ中心光波

λ

avg

をもつことが重要である。波長が異なる場合,光ファイバの波長分散のために伝搬時間が異なるか

らである。光パルスを生成するのに,レーザ光源に代わるものは,OTDR 自体を用いることである。この

場合,中心光波長は自動的に一致する。レーザ光源と O/E 変換器との間に光ファイバを挿入する場合又は

挿入しない場合の到着時間の相違として,伝搬時間を記録する。この光ファイバを,OTDR 距離校正に用

いる場合,基準距離 D

ref

は,式(19)を用いて算出する。

N

cT

D

transit

ref

=

(m)   (19)

式(19)では,OTDR の群屈折率設定と同一の群屈折率 を用いる。時間測定原理によれば,D

ref

を基準距

離として用いることが可能である。

6

距離の校正方法

6.1

はじめに

ここで説明する選択可能な

6.2

6.4

に規定する三つの校正方法は,いずれも必要な校正結果の全て(位

置オフセット,距離スケール偏差及びそれらの不確かさ)を求めることができる。

6.2

外部光源法

6.2.1

要点

利点

この方法では,

光ファイバ又は校正済みのデジタルディレイ発生器による反射及び散乱の信号を用いて,

光ファイバ内の時間遅延が模擬的に発生するために光源を用いている。この方法は,コンピュータ制御に

よって自動化された研究室での試験によく適している。簡略化のため,この規格では,反射の測定対象点

についてだけ規定する。反射以外の測定対象点について OTDR を校正するためには,次に規定する光パル

スを発生する E/O 変換器を,適切な測定対象点を模擬的に発生する光源に置き換えることが望ましい。

6.2.2

装置

OTDR に加え,測定装置には,

図 3

に示す次のものを含む。

a

)  光カプラ

b

) O/E 変換器

c

)  パルス機能をもったデジタルディレイ発生器

d

) E/O 変換器

e

)  可変光減衰器(パルス振幅をクリッピングレベル以下まで調整するため)


12

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

F1,F2,F3,F4,F5:光ファイバ 
E1,E2:電気ケーブル 
E/O:E/O 変換器 
O/E:O/E 変換器 
A1:可変光減衰器 
C1:O/E 変換器 
C2:E/O 変換器

図 3

距離スケールの校正用装置:外部光源法

OTDR 信号は,光カプラを介して O/E 変換器(光検出器)に導かれる。光検出器の出力信号によって,

デジタルディレイ発生器で設定した時間が経過した後,E/O 変換器から光パルスが発生する。このパルス

は,光カプラを介して OTDR に戻す。E/O 変換器は,模擬的な反射光を発生するためのものであり,単純

なパルスレーザであってもよい。反射の測定対象点に対して距離スケールを校正するには,強度及び時間

幅が一定の光パルスが適切と考える。一方,可変光減衰器を用いる場合,光ファイバの減衰によって引き

起こす反射光パルス強度の低下を模擬的に発生することが可能となり,パルス強度を OTDR のフロントパ

ネルからの反射の距離に従って調整することが可能になる。装置の校正を正確にするためには,光ファイ

バ F1 及び F5 は,長さが同じであることが望ましい(

6.2.3

参照)

。ここで,光ファイバ F5 は,反射光を吸

収するよう無反射終端する。

6.2.3

装置の校正

使用前に,

“外部光源”装置及びデジタルディレイ発生器は,正しく校正しておく。測定データから位置

オフセット

ΔL

0

を算出するためには,機器の挿入遅延 T

delay

を求めることも必要である。このことは,

図 4

に示すように,装置にパルス発生器及び校正済みタイムインターバルカウンタを追加することによって達

成できる。


13

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

F1,F2,F3,F4,F5:光ファイバ 
E1,E2,E3,E4:電気ケーブル 
C2:E/O 変換器 
C1:O/E 変換器 
A1:可変光減衰器

図 4

システム挿入遅延の校正のための構成

挿入遅延 T

delay

の校正は,次のように行う。

パルス発生器を方形波に設定し,繰返し周期を,測定する遅延時間の 2 倍よりも長く設定する。パルス

発生器の出力パルスを,タイムインターバルカウンタのスタートパルス及びデジタルディレイ発生器の外

部トリガパルスとして用いる。デジタルディレイ発生器を外部トリガに設定し,ゼロ遅延を,パルス信号

の前縁に合わせる。デジタルディレイ発生器及びカウンタのトリガレベルを設定する。その後,外部光源

が,光方形波を発生し,その方形波は,電気パルスに再変換された後,タイムインターバルカウンタを停

止する。不確かさをできるだけ少なくするために,電気ケーブル E3 及び E4 は,長さが等しいことが望ま

しい。光ファイバ F1 及び F5 も長さが等しいことが望ましい。それは,

図 3

及び

図 4

において,ケーブル

番号が同一である場合,物理的なケーブルが同一であることを意味している。可変光減衰器は,タイムイ

ンターバルカウンタを最良の状態でトリガがかかるように調整する。表示した時間間隔(スタート及びス

トップ)を挿入遅延 T

delay

として記録する。

6.2.4

測定手順

6.2.4.1

手順

OTDR における位置測定の方法(自動又は手動)を選択する。希望のパルス振幅が発生するように,可

変光減衰器を設定する。デジタルディレイ発生器上においてパルス幅を,例えば,1

μs に選択する。デジ

タルディレイ発生器の時間設定値 T

i

を,広い距離範囲にわたってある程度ランダムに分布し,OTDR の距

離サンプリング間隔にわたって平均化できるように選択する。最初の時間設定は,パルスが OTDR の光フ

ァイバ入射端に近く,しかし,口元デッドゾーンの十分外側に現れ,測定が良好にできるように選択する

ことが望ましい。校正機関が別の距離サンプリングの方法を決定し,分析によってそれを正当化できない

場合,次の二つの方法の一つを選択する。

a

) 1 番目の方法では,サンプル間隔 D

sample

を,例えば,OTDR 波形を拡大表示することによって(OTDR

の測定器設定が適切であるかを確認した上で)評価する。その後,式(20)を用いて,デジタルディレ

イ発生器の対応する遅延差 T

sample

を算出する。


14

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

c

ND

T

sample

sample

2

(20)

ここに,

N: OTDR の群屈折率設定値

c: 真空中における光速度

その後,個のデジタルディレイ発生器の設定値全部を,個の設定値からなる 個のクラスタにグ

ループ分けして(ikn)算出する。このとき,各クラスタは,一様に一つのサンプル間隔を扱い,式

(21)に示す形式をもっていなければならない。

( )

n

T

n

T

n

T

T

n

T

T

T

/

....

,

/

2

,

/

,

sample

1

k

sample

k

sample

k

k

+

+

+

   (21)

ここで,各クラスタ内の設定値の個数 は,4 以上であり,全てのクラスタについて同一とする。

クラスタの中心間隔は,口元デッドゾーンの直後から測定器の校正範囲を含む大きな距離のところま

で,等間隔になっている。クラスタの個数 は,2 という少ない数であってもよい。

b

) 2 番目の方法では,クラスタはなく,更にサンプル間隔 D

sample

は,概略が分かっていればよく,それ

以上のことを知る必要はない。式(20)によって T

sample

を算出する。時間設定値を,それらが口元デッド

ゾーンと大きな距離との間で等間隔になり,更に各設定値には任意の時間間隔が追加できるように選

択する。任意の間隔は,間隔−T

1

T

1

において,一様な確率密度をもつことが望ましい。ここで,T

1

は,20T

sample

以上とし,全ての試験について最長遅延の 10 %未満とする。測定数 i(すなわち,異なる

設定値の個数)は,20 以上であることが望ましい。

これらに代わって,タイプ A の不確かさの振幅及び測定における許容不確かさについての予備知識によ

って,校正機関が上記のものとは異なる系統的又は無作為の距離サンプリング方法を選択することになっ

てもよい。

6.2.4.2

測定結果の取得

T

i

の最初の時間設定値 T

1

を上記のように選択する。デジタルディレイ発生器の時間 T

1

及び OTDR 上の

測定対象点の測定した位置 L

otdr, 1

を記録する。時間設定を,

6.2.4.1

で選択したように変更し,測定を実行

する。このとき,時間 T

i

及び測定した位置 L

otdr,  i

を記録する。この操作を全ての時間設定が終了するまで

続ける。

6.2.5

計算及び結果

箇条

5

の考え方によって,時間設定値を用い 個の基準位置 L

ref, i

は,式(22)を用いて算出する。

N

T

T

c

L

i

i

2

)

(

delay

ref,

+

=

   (22)

ここに,

N: OTDR の群屈折率設定値

T

i

6.2.3

で定義した時間設定値

T

delay

試験装置の校正済みの挿入遅延(

6.2.3

参照)

その後,基準位置及び表示位置 L

otdr, i

を用い,一連の 個の位置誤差

ΔL

i

は,式(23)を用いて算出する。

i

i

i

L

L

L

ref,

otdr,

Δ

=

  (23)

位置オフセット

ΔL

0

及び距離スケール偏差

ΔS

L

を求めるには,位置偏差データを,簡略化した位置偏差

モデル(このモデルでは,距離サンプリング誤差は一時的に無視する。

)に当てはめ,式(24)のように示す。

0

ref,

L

model

,

Δ

Δ

Δ

L

L

S

L

i

i

+

=

   (24)

特に,モデル及びデータ間の差を,最小二乗法を用いてできるだけ小さくする。すなわち,式(25)で示


15

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

す和が最小になるように

ΔS

L

及び

ΔL

0

を選択する。

2

0

ref,

L

)

Δ

Δ

Δ

(

L

L

S

L

i

i

i

   (25)

近似によって得られた

ΔL

0

及び

ΔS

L

を記録する。

図 2

に示すように,線形近似の傾きは,距離スケール偏差

ΔS

L

を表す。縦軸上の切片は,位置オフセッ

ΔL

0

を表す。算出で得た

ΔS

L

及び

ΔL

0

を記録する。

6.2.6

不確かさ

6.2.6.1

一般事項

距離の不確かさについての一般的な規定は,箇条

5

に規定するとおりである。

6.2.6.2

6.2.6.4

に規定す

る不確かさの要因が全てを網羅しているとは限らず,測定のシステム構成及び手順によっては,追加の要

因を考慮する。不確かさを算出し,規定する場合,

附属書 D

の数学的根拠を用いることが望ましい。

6.2.6.2

距離スケールの不確かさ

6.2.5

に規定する最小二乗法近似では,測定サンプル間の表示距離を効果的に用いて,距離スケール偏差

を算出する。L=0 の近くの測定サンプル及び最も遠い位置 LL

max

の近くの測定サンプルは,範囲の中央

のサンプルが,距離誤差モデルの傾きに全く影響を及ぼさないために,距離スケール偏差に最も大きな影

響を与える。誤差の広がりについての標準式を式(7)に当てはめると,距離スケールの不確かさ u

ΔSL

を式(26)

を用いて算出することができる。ここでは,

D

otdr

≅ D

ref

が用いられている。

2

1

2

ref

Dref

2

otdr

Dotdr

ΔSL







+





D

u

D

u

u

(m/km)   (26)

ここに,

D

otdr

D

ref

≈ L

ref

(ここに規定する長い距離の場合)

u

Dotdr

距離サンプルの不確かさを表現する標準偏差(位
置サンプルを基に)

u

Dotdr

/〈D

otdr

不正確な距離読取りによる傾きの不確かさ。これ
は,マーカ設置の不確かさ及び距離サンプリング
誤差を含む式(16)の傾き

ΔS

L

の標準偏差と同等で

ある。u

Dotdr

を求めるために,

ΔS

L

の算出に用い

る最小二乗法アルゴリズムを用いることができ
る。可能な場合,

ΔL

i

は対応するサンプリング間隔

にわたって平均化してもよい。

u

Dref

基準距離の不確かさ

u

Dref

/D

ref

デジタルディレイ発生器が原因となって起きる傾
きの不確かさであり,デジタルディレイ発生器の
タイミングの不確かさに等しい。

6.2.6.3

位置オフセットの不確かさ

位置オフセット

ΔL

0

は,最小二乗法近似の縦軸上の切片に等しい。この切片は,ほとんどの場合,最初

の数個のサンプル,すなわち,位置 L=0 に最も近い数個のサンプルによって決まり,挿入遅延 T

delay

の精

度によって異なる。位置オフセットの不確かさ u

ΔL0

は,誤差の広がりについての標準式を用いて,式(27)

によって算出することができる。

2

1

2

delay

T

2

ΔL

2

L0

2

+

=

Δ

u

N

c

u

u

   (27)

ここに,

u

ΔL

ΔL

i

と L=0 の近くの最小二乗法近似との差の不確かさ。こ


16

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

れは,マーカ設置の不確かさ及び距離サンプリング誤差を
含む。また,L=0 の近くにおける  (

ΔL

i

ΔL

i, model

)  の標準

偏差と等価である。可能な場合,

ΔL

i

は対応するサンプリ

ング間隔にわたって平均化してもよい。u

ΔL

を算出するた

めに,ΔL

0

の算出に用いる最小二乗法アルゴリズムを用い

ることができる。

u

Tdelay

システム挿入遅延の不確かさ。最初の時間設定は非常に短
いか又はゼロであり,デジタルディレイ発生器の不確かさ
は,挿入遅延だけの不確かさに限定することが前提とな
る。

6.2.6.4

位置読取りの不確かさ

箇条

5

で規定したように,位置偏差サンプル ΔL

i

と L=0 の近くにおける最小二乗法近似との間の最大差

を求める。その後,その最大差を 3 の平方根で除すことによって,位置読取りの不確かさ u

Lreadout

(これに

は,距離サンプリング誤差を含む。

)を算出する。この方法に代わって,ΔS

L

及び ΔL

0

の算出に用いる最小

二乗法アルゴリズムを用いるか,又は式(28)を用いるか,いずれかの方法で u

Lreadout

を算出してもよい。

(

)

2

1

1

2

model

,

Leadout

Δ

Δ

1

1

=

=

n

i

i

i

L

L

n

u

  (28)

6.3

連鎖光ファイバ法

6.3.1

要点

利点

この方法では,試験下の OTDR の波長において伝搬時間を精密に測定した校正済みの光ファイバを用い

て距離スケールの校正を行う。この方法は,種々の長さのコネクタ付き光ファイバを用いるため,低価格

で,かつ,

6.2

に規定する装置を用いることができない場所での試験に適している。この方法は,測定対象

点の位置が変化するために短い長さの光ファイバを幾回にもわたって接続替えする必要があるため,手動

試験方法とみえる場合もあるが,必要に応じて光スイッチを用いることによって,自動化することもでき

る。

6.3.2

装置

OTDR に加え,測定装置には,

図 5

に示す次のものを含む。

a

)  位置オフセットを求めるための光ファイバ A

b

)  距離スケール偏差を求めるための光ファイバ B

c

)  距離サンプリング誤差を求めるための長さ調整用光ファイバ 1 セット

C1,C2,C3:光コネクタ

図 5

距離スケールの校正に用いる連鎖光ファイバ


17

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

通常,これらの光ファイバは,ケーブル化,ケースへの収納などの方法で保護し,更に接続及び取外し

が容易にできるようにコネクタを装備する。それに代わって,これらの光ファイバを,コネクタの代わり

に光ファイバ切替え機を用いて,光ファイバの接続を切り替えてもよい。

これらの光ファイバについての要求事項を,次に示す。

a

)  光ファイバ A は,端面反射をもつ普通の光ファイバ,又は内部反射及び融着点がある光ファイバでよ

い。後方散乱波形上で,測定の対象点が OTDR ポートの近くにおいて発生する口元反射によって実質

的に乱れることがない場合,光ファイバの長さはそれほど重要ではない。光ファイバ A は,上記のよ

うに短い“ジャンパ”光ファイバとある長さのものとに分けて,それぞれの端部にコネクタを付けた

ものとしてもよい。このように,OTDR の前面には何ら操作を加えないで,長さ調整用光ファイバ[

c

)

を参照]を,光ファイバ A の 1 番目の部分の後ろに挿入することができる。近端のコネクタからの反

射は,光ファイバ A の端部における反射による波形が,OTDR のデッドゾーン内に入らないように十

分小さくする。この方法は,自動化システムにおいては重要である。光ファイバ A は,光ファイバ B

を用いて距離スケール偏差を測定するための入力用光ファイバとしても用いることができる。

b

)  光ファイバ B は,例えば,コネクタ端面からの反射を用いるなどの方法によって,反射端をもたなけ

ればならない。この光ファイバを長くすることによって,不確かさを少なくすることができるため,

光ファイバ B の長さは,2 km 以上あることが望ましい。この光ファイバを校正するには,光の伝搬時

間 T

b

を,箇条

5

に従って測定する。

注記

  正しい距離校正を行うためには,光ファイバの両端(コネクタ C2 及び C3)からの反射は,

おおむね等しいことが望ましい。例えば,光ファイバの一端が OTDR を飽和させるような反

射を生じ,他端がそのような反射を生じない場合,波形の相違によって距離測定が不正確に

なる。ただし,光ファイバが長い場合,測定した距離スケール偏差に及ぼすこの相違の影響

は小さくなる。

c

)  サンプリング間隔が正確に分からず,かつ,かなり大きい値と考える場合は,長い光ファイバ B の二

つの反射の位置を,OTDR のサンプリング間隔よりも小さい量だけ変化させるために,長さ調整用光

ファイバのセットを用いる。これらの光ファイバの長さは,サンプリング間隔にわたって,四つ以上

の等間隔の距離が作り出せるように選択することが望ましい。一つの例として,サンプリング間隔が

10 m である場合,長さが 2.5 m 及び 5 m の 2 本の光ファイバを用いることによって達成できる。これ

らの光ファイバを個々又は組み合わせて用い,ゼロ[0(いずれも用いない。

,2.5 m,5 m 及び 7.5 m

(両方とも用いる。

)の距離増分を作り出すことができる。一般的には,このような光ファイバは,式

(29)に示す長さ増分を作り出すことが望ましい。

1)

(

..

.

2

0

X

X

X

D

n

D

D

   (29)

式(29)において,

n≧4 であり,更に n D

X

は試験する条件の下で OTDR のサンプリング間隔に等しい。

例外的な場合を除けば,箇条

5

に従って行うこれらの光ファイバの伝搬時間の校正は不必要である。

その代わり,これらの光ファイバの長さを物理的に測定することが望ましい。真の群屈折率と OTDR

の群屈折率設定値との差は,このような短い光ファイバについては無視できる。

6.3.3

測定手順

6.3.3.1

一般事項

不規則雑音が位置偏差に及ぼす影響は,表示パワーレベルが,測定器の雑音限界に近づく場合を除き通

常は小さい。不規則雑音が大きい場合は,OTDR 平均化回数を多くすることが望ましい。

6.3.3.2

準備


18

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

位置オフセットを測定する(光ファイバ A の内部又は端面)反射のタイプを選択し,更にそれに従って

光ファイバを決める。また,光ファイバ A 内の反射及び光ファイバ B の反射端にマーカを設置するための

方法(自動又は手動)を選択する。光ファイバの遠端又はその近くの測定対象点が,OTDR で見ることが

できるように光ファイバ A を OTDR に接続する。光ファイバ B の両端からの反射が OTDR で見ることが

できるように,光ファイバ B を光ファイバ A の遠端に接続する。

6.3.3.3

測定

OTDR で,光ファイバ A 内の測定対象点の位置を測定する。この最初の測定位置を L

otdr, 1

として記録す

る。光ファイバ B によって生成した二つの反射を用いて,OTDR で,光ファイバ B の長さを測定する。こ

の最初の測定距離を D

otdr, 1

として記録する。

長さ調整用光ファイバの一番短いものを OTDR と光ファイバ A の近端との間へ挿入する。位置 L

otdr, 2

び距離 D

otdr, 2

を測定する。光ファイバ A が,

6.3.2

に規定するような分割光ファイバの場合,長さ調整用光

ファイバは,OTDR 及び光ファイバ A の近端間ではなく,分割部に挿入してもよい。

長さ調整用光ファイバを,徐々に長さが増大するように組み合わせて挿入しながら,位置 L

otdr, i

及び距離

D

otdr, i

を測定する。その操作を,i及び長さ調整用光ファイバの長さの合計が  (n−1) D

X

となるまで繰り

返す。

6.3.4

計算及び結果

6.3.4.1

距離スケール偏差

距離〈D

otdr

(光ファイバ B の長さ)を,D

otdr,  i

の 個の値の平均として算出する。その後,距離スケー

ル偏差を,式(30)を用いて算出する。

1

1

Δ

b

otdr

ref

otdr

L

=

=

cT

D

N

D

D

S

  (30)

ここに,

D

ref

基準距離

N: OTDR の群屈折率の設定値

T

b

箇条

5

に従って測定した光ファイバ B の片道伝搬時間

6.3.4.2

位置オフセット

L

otdr, i

の 個の値の平均を〈L

otdr

〉とする。式(31)に基づき位置オフセットを,式(31)及び展開式を用いて

算出する。

(

)

+

=

ref

L

otdr

0

Δ

1

Δ

L

S

L

L

(31)

(

)

(

)

+

+

=

2

1

Δ

1

Δ

X

a

L

otdr

0

D

n

N

cT

S

L

L

ここに,

L

ref

〉:

最初の反射に対応する平均基準位置。長さ調整用光ファ
イバの平均長さを用いて算出する。

N: OTDR の群屈折率の設定値

T

a

箇条

5

に従って測定する光ファイバ A の片道伝搬時間

ΔS

L

式(30)を用いて求める距離スケール偏差。光ファイバ A
が十分短い場合,

ΔS

L

の項は無視できる。

6.3.5

不確かさ

6.3.5.1

一般事項

距離の不確かさについての一般的な規定は,箇条

5

に規定するとおりである。

6.3.5.2

6.3.5.4

に規定す

る不確かさの要因が全てを網羅しているとは限らず,測定のシステム構成及び手順によっては,追加の不

確かさ要因を考慮しなければならない。不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 D

の数学的根拠を用い

ることが望ましい。


19

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

6.3.5.2

距離スケールの不確かさ

距離スケールの不確かさ u

ΔSL

は,式(30)から導き出した式(32)を用いて算出することが望ましい。

2

1

2

b

b

T

2

otdr

otdr

D

L

S

Δ





+



=

T

u

D

u

u

(m/km)   (32)

ここに,

u

Dotdr

光ファイバ B の表示長さの不確かさ。例えば,マーカ設
置の不確かさ及び距離サンプリング誤差が原因となっ
て起こる。

u

Tb

光ファイバ B の伝搬時間の不確かさ

ここで,u

Tb

は,次の要因の二乗和平方根を求める方法によって算出することが

望ましい。 

u

Tb, counter

タイムインターバルカウンタに起因する光ファイバ B
の伝搬時間の不確かさ

u

Tb, λ

伝搬時間を求めるときに使用した波長と OTDR の波長
との間の差異に起因する光ファイバ B の伝搬時間の不
確かさ

u

Tb, θ

温度係数に起因する光ファイバ B の伝搬時間の不確か
さ。代表的な値は 1 cm/(km℃)。

6.3.5.3

位置オフセットの不確かさ

位置オフセットの不確かさ u

ΔL0

は,式(31)から

ΔS

L

及び  (n−1)  D

x

/2 を無視して導かれる式(33)を用いて

算出することが望ましい。

2

1

2

a

T

2

2

otdr

L

0

L

Δ

+

=

u

N

c

u

u

  (33)

ここに,

u

Lotdr

光ファイバ A の端面(又は内部)における測定対象点の
位置測定の不確かさ,すなわち,主としてマーカ位置の
不確かさである。距離サンプリング誤差は,一つのサン
プリング間隔にわたって平均化することによって効果
的に除去されるものと仮定する。

u

Ta

光ファイバ A の伝搬時間の不確かさ

ここで,u

Ta

は,次の要因の二乗和平方根を求める方法によって算出することが

望ましい。 

u

Ta, counter

タイムインターバルカウンタに起因する光ファイバ A
の伝搬時間の不確かさ

u

Ta, λ

伝搬時間を求めるときに用いた波長と OTDR の波長と
の間の差異に起因する光ファイバ A の伝搬時間の不確
かさ

u

Ta, θ

温度係数に起因する光ファイバ A の伝搬時間の不確か
さ。代表的な値は 1 cm/(km℃)。

6.3.5.4

位置読取りの不確かさ

6.3.3

で得た測定サンプルを用いて,次に示す二組のデータ,つまり,一組の位置誤差は,式(34)を用い

て,もう一組の距離誤差のデータは,式(35)を用いて算出する。

+

=

X

a

otdr,

ref,

otdr,

iD

N

cT

L

L

L

i

i

i

  i=0∼n−1  (34)

N

cT

D

D

D

i

i

i

b

otdr,

ref,

otdr,

=

  i=0∼n−1   (35)


20

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

位置読取りの不確かさ u

Lreadout

を算出するためには,

L”セット又は“D”セットのいずれか大きい方の

セットの最大値及び最小値の差の半分を 3 の平方根で除すことが望ましい。

6.4

ループ遅延線法

6.4.1

要点

利点

ループ遅延線法は,周期的な反射を得るために,光カプラ及び反射部で構成した校正済みの光ファイバ

ループを用いる方法である。この方法は,連鎖光ファイバ法と類似している。つまり,光ファイバ部品を

用いて,電子装置を必要としない。この部品によって,連続する校正した距離基準を得る。これによって,

距離スケール偏差に影響を及ぼすタイプ A の不確かさを小さくできる可能性がある。位置オフセットの測

定は,ループ遅延線によって作り出す反射点から発生する光信号波形の形状によって制限する。

6.4.2

装置

OTDR 以外で必要な測定装置は,

図 6

に示すように,

附属書 A

に従って製造した校正済みのループ遅延

線だけである。

F:ループ内の光ファイバ 
C:4 端子光カプラ 
R:反射部

図 6

ループ遅延線による距離校正

ループ遅延線は,

図 7

に示すように OTDR ディスプレイ上に数多くの反射点を表示する。最初の反射点

は,反射部まで直接伝搬し,その後 OTDR に直接戻る光パルスから得る。2 番目の反射点は,一度ループ

を通ってから反射部に伝搬し,その後 OTDR に直接戻る光パルスによって生成する(このパルスは,直接

反射部まで伝搬し,その後ループを通って OTDR に戻るパルスと同時に戻る。

。3 番目のパルスは,ルー

プを 2 回通過する。以降,同様に反射点が生成される。

したがって,理想的な表示位置は,式(36)のようになる。

+

=

+

=

=

    など  

b

a

2

otdr,

b

a

1

otdr,

a

0

otdr,

2

/

L

L

L

L

L

L

L

L

   (36)

ここに,

L

a

入力用光ファイバの長さ

L

b

光ファイバループの長さ


21

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

図 7

ループ遅延線によって発生する OTDR 波形

測定システム構成に,

6.3.2

に規定するように 1 本以上の長さ調整用光ファイバを用いてもよい。遅延線

からの多重反射は,距離サンプリング間隔にわたり平均的に発生するので,増加分光ファイバは少なくし

てもよい。また,この平均化効果を管理していないため,系統的な処理を行った方がよい。

6.3.2

の表記を

用い,n=2 とすれば十分である。その場合,長さ調整用光ファイバは,その長さが距離サンプリング間隔

の半分に等しいものを 1 本だけ用いればよい。

6.4.3

測定手順

6.4.3.1

一般事項

ここで規定する手順では,長さ調整用光ファイバは用いないことを想定している。長さ調整用光ファイ

バを用いる場合は,記録する距離サンプルの数を単純に増やせばよく,表記及び計算は,それに合わせて

単純に修正することが望ましい。そのとき,この方法は,入力用光ファイバが光ファイバ A に等しく,ル

ープの長さが光ファイバ B に等しい場合の,

6.3

に規定する方法と非常に類似したものになる。

6.4.3.2

準備

ループ遅延線からの各反射点の各前縁に製造業者が指示する方法に従ってマーカを設置

(自動又は手動)

できるように準備しておく。ループ遅延線を OTDR に直接接続し,反射点が OTDR 上で観測できるように

する。

6.4.3.3

測定結果

ループ遅延線からの連続的な反射の位置を,OTDR を用いて測定する。これらの測定結果を L

otdr, i

として

記録する。ここで,添え字 は 0∼まで変化し,ループの通過回数を表す。が大きな数の場合,おそら

く結果の精度が増すことになるが,この数は,損失及び OTDR のノイズフロアで制限を受ける。

6.4.4

計算及び結果

ループ遅延線の校正データ T

a

及び T

b

を用いて,一連の基準位置を,次の式で表す。

(

)

(

)



+

=

+

=

など

 

:

2

2

/

:

1

b

a

2

ref,

b

a

1

ref,

N

T

T

c

L

i

N

T

T

c

L

i


22

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

N

iT

T

c

L

i

i

 +

=

=

2

:

i

b

a

ref,

ここに,

N: OTDR の群屈折率の設定値

次に,表示位置 L

otdr, i

及び基準位置を用い,一連の位置偏差

ΔL

i

は,式(37)を用いて算出する。

( )

i

i

i

i

i

L

f

L

L

S

L

L

L

ref,

0

ref,

L

ref,

otdr,

Δ

Δ

Δ

Δ

+

+

=

=

   (37)

位置オフセット

ΔL

0

及び距離スケール偏差

ΔS

L

を求めるために,位置偏差データを単純化した位置偏差

モデル(ここでは,位置読取りの不確かさは一時的に無視する。

)に当てはめる。

0

ref,

L

model

,

Δ

Δ

Δ

L

L

S

L

i

i

+

=

   (38)

ここで注意することは,モデル及びデータ間の差を,最小二乗法を用いてできるだけ小さくする。すな

わち,式(39)で示す和が最小になるように

ΔS

L

及び

ΔL

0

を選択する。

(

)

i

i

i

L

L

S

L

2

0

ref,

L

Δ

Δ

Δ

  (39)

近似によって得た

ΔL

0

及び

ΔS

L

を記録する。

6.4.5

不確かさ

6.4.5.1  一般事項

距離の不確かさについての一般的な規定は,箇条 に規定するとおりである。6.4.5.26.4.5.4 に規定す

る不確かさの要因が全てを網羅しているとは限らず,測定のシステム構成及び手順によっては,追加の不

確かさ要因を考慮する。不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 の数学的根拠を用いることが望まし

い。

6.4.5.2  距離スケールの不確かさ

6.4.4 で規定した最小二乗法近似では,測定サンプル間の表示距離を有効に用いて,距離スケール偏差を

算出する。L=0 の近くの測定サンプルのグループ及び最も遠い位置 LL

max

の近くの測定サンプルのグル

ープは,距離スケール偏差に最も大きな影響を及ぼすものと考えられる。これは,範囲の中央のサンプル

は距離誤差モデルの傾きに全く影響を及ぼさないからである。誤差の広がりについての標準式を式(7)に当

てはめると,距離スケールの不確かさ u

ΔSL

を式(40)を用いて算出できる。ここでは,

D

otdr

≅ D

ref

を用いる。

2

1

2

ref

ref

D

2

otdr

otdr

D

ΔSL





+



D

u

D

u

u

(m/km)   (40)

ここに,

D

otdr

〉:

D

ref

L

ref

(ここに規定する長い距離の場合)

u

Dotdr

距離サンプルの不確かさを表現する標準偏差(距離サン
プルを基に)

。これは式(16)の傾き

ΔS

L

の標準偏差に等し

い。これには,マーカ設置の不確かさ及び距離サンプリ
ング誤差を含む。

u

Dotdr

を求めるために,

ΔS

L

を求める

ときに用いる最小二乗法アルゴリズムを用いることが
できる。長さ調整用光ファイバを用いる場合は,

ΔL

i

対応するサンプリング間隔にわたって平均化してもよ
い。

u

Dref

基準距離の不確かさ。これは,式

u

Dref

/

D

ref

u

Tb

/

T

b

によっ

て算出することができる。この式において,

u

Tb

はループ

遅延線の校正証明書に明記するループ伝搬時間の不確
かさである(

附属書 参照)。


23

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

6.4.5.3  位置オフセットの不確かさ

位置オフセット

ΔL

0

は,最小二乗法近似の縦軸上の切片に等しい。この切片はほとんどの場合,最初の

数個のサンプル,すなわち,位置

L

=0 に最も近い数個のサンプル及び伝搬時間

T

a

の精度に依存する。位

置オフセットの不確かさ

u

ΔL0

は,誤差の伝搬についての標準式を式(38)に当てはめることによって算出で

きる。

2

1

2

a

T

2

2

ΔL

0

ΔL

+

=

u

N

c

u

u

   (41)

ここに,

u

ΔL

ΔL

i

L

=0 の近くの最小二乗法近似との差の不確かさで

あり,これには,マーカ設置の不確かさ及び距離サンプ
リング誤差を含む。これは,

L

=0 の近くにおける  (

ΔL

i

ΔL

i, model

)  の標準偏差と等価である。

u

ΔL

を求めるため

に,

ΔL

0

の算出に最小二乗法アルゴリズムを用いること

ができる。長さ調整用光ファイバを用いる場合は,

ΔL

i

は対応するサンプリング間隔にわたって平均化しても
よい。

u

Ta

ループ遅延線の入力用光ファイバの遅延時間の文書化
した不確かさ(

附属書 参照)。

u

Ta, θ

温度係数に起因する,ループ遅延線の入力用光ファイバ
の遅延時間の不確かさ。代表的な値は 1 cm/(km℃)。

6.4.5.4  位置読取りの不確かさ

位置読取りの不確かさの求め方の原理を,

図 に示す。ループ遅延線を用いると,測定サンプルの反復

性を示す十分なデータが得られない可能性もあるが,そのような場合でも位置偏差

ΔL

i

(

L

ref

)とその最小二

乗法による近似値との間の最大差を求め,その後,この差を 3 の平方根で除すことによって,位置読取り

の不確かさ

u

Lreadout

(これには距離サンプリング誤差が含む。

)を得る。

7

損失の校正の一般事項

7.1

はじめに

損失校正の目的は,OTDR の後方散乱持続時間内におけるパワーレベル

F

についての損失偏差

ΔA

を求

め,更に測定の不確かさを評価することである。

ΔA

は,表示パワーレベル

F

の関数であり,これは,表

示された損失の不正確さ及び OTDR のパワースケールの非線形性の両方を含む。

校正の結果は,損失偏差の代わりに損失スケール偏差 Δ

S

A

で表示すこともできる。この表示方法は,測

定誤差が損失の大きさに依存するような以前の OTDR 装置に対しては特に有用である。ただし,1 dB より

小さな基準損失に対してこのパラメータを適用する場合,公式で求める値よりも大きな不確かさが発生す

る場合があるため,注意が必要である。

この校正は,

“基準光ファイバ”

“外部光源”

“スプライスシミュレータ”及び“パワー減衰”という四

つの方法のいずれかによって実施できる。この箇条では損失校正の原理について概要を述べる。

7.2

表示パワーレベル の求め方

測定された各損失について,表示パワーレベル又はそれと等価のパラメータを求める。そのパラメータ

は,測定サンプルの垂直位置を再現できるものである。このレベルを記号

F

で表す。その他の規定がない

場合,

F

を求めるための(デフォルトの)基準点として OTDR 装置のフロントパネルのコネクタ位置にお

けるクリッピングレベルを用い,その点を

F

ref

=0 dB とする。

F

の値は,この基準点の相対値で規定する


24

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

例  表示パワーレベルがクリッピングレベルより

x

 dB 低い場合,

F

=−

x

 dB となる。)。クリッピングレ

ベルは,

図 に示すように,十分に大きい反射を 1 本の光ファイバ内に発生させることによって見つける

ことができる。

図 8−基準レベル及び表示パワーレベルの求め方

別な方法としては,OTDR が表示パワーを dB 単位で読み出す機能を備えている場合,

F

の値を,固定値

に対して相対的な dB 単位で表してもよい。また,指定したタイプの光ファイバに指定された幅のパルス

光を入射したときの後方散乱光波形の先頭レベルを,基準レベルとして用いてもよい。後者の場合,基準

レベルの再現性は,通常 OTDR への接続再現性に影響を受けるため,注意が必要である。

7.3

適切な基準損失 A

ref

の選択

損失校正の原理は,既知の(基準)損失

A

ref

を示す装置を OTDR に接続し,表示した損失

A

otdr, i

を,

図 9

に示すように,表示パワーレベル

F

i

の関数として測定することである。

F

i

の値は,

A

otdr, i

の高い方の端のパ

ワーを表している。理論的見地からは,

A

ref

の値は非常に微小であることが望ましい。しかし,実際には,

A

ref

の値が小さすぎると,OTDR の雑音のために新たな測定不確かさが生じる。一方,

A

ref

の値が大きいと

細部が曖昧になる傾向がある。したがって,校正に用いる具体的な

A

ref

の値は,文書に記載する。

A

ref

の推

奨範囲は,0.5∼2 dB である。


25

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

図 9OTDR の損失サンプルの測定

基準損失は,実際の光ファイバ構成部品又はシミュレーションによる光ファイバ構成部品のいずれであ

ってもよい。光ファイバ構成部品には,通常,波長依存損失が存在する。したがって,OTDR の中心光波

長における基準損失を得ることが必要である。また,基準損失に小さな偏光依存性が含まれることにも注

意が必要である。

7.4

試験計画の立て方

損失サンプルは,パワーレベルばかりでなく,距離及び測定点の手前側の信号履歴(すなわち,光ファ

イバの OTDR 表示の形)に依存することもある。特に,検出器及び電子回路は,レーザ光の最初の照射又

は光ファイバ内における散乱若しくは反射信号からの回復によって影響を受けることもある。校正は,そ

れを行う対象である距離及び信号状態だけに適用する。

この規格では,信号履歴の特定の条件は要求しない。パワーレベル及び距離を規定するときの助けとし

て,この規格では OTDR の表示領域 A を,ユーザが通常測定を行う領域の近似領域として定義する。この

規格の目的のために,領域 A は,

図 10 に示すような四つの量によって定義する。四つの量とは,用いる

特定パルス幅に対する後方散乱光波形の外挿始点

F

0

表 に規定する最小及び最大減衰並びに両側におけ

る 3 dB のマージンである。

表 1−領域 を定義する減衰定数

波長

光ファイバ減衰定数

最小(

α

min

最大(

α

max

1 310 nm

0.33 dB/km

0.43 dB/km

1 550 nm

0.18 dB/km

0.28 dB/km

同様に,代表的なシングルモード光ファイバを表すために,その他の波長に対する減衰定数の値を選ん

でもよい。領域 A の解析的記述を式(42)に示す。

( )

( )

dB)

(

3

dB)

(

3

max

0

min

min

0

max

=

+

=

L

F

L

F

L

F

L

F

α

α

   (42)


26

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

OTDR の製造業者によるその他の指定がない場合,

F

max

は,クリッピングレベルよりも 1 dB 低いレベル

を超えないことが望ましい。損失の校正点

F

は,領域 A の内部にあることが望ましい。領域 B 及び領域 C

における校正データを記載してもよい。領域 B は,光ファイバ線路に大きな損失の構成部品を含む場合に

適用する。領域 C は,光ファイバ線路に強い反射の構成部品が含まれる場合に適用する。

図 10−損失測定サンプルの推奨領域 A

7.57.7 に規定する方法のそれぞれについて,サンプル設定の試験計画を立てる。各サンプル設定は,

位置及び表示パワーレベルの組合せとする。目標は,垂直サンプル 0.5∼1 dB,基準損失

A

ref

以下とする。

サンプルは,

F

0

から雑音レベルまでの減衰範囲で,領域 A 内で均一に分布するように選択する。また,

11 に示すように同じ表示パワーレベルで,位置の異なる測定サンプルをオーバーラップして選択すること

が望ましい。

図 11−領域 内のサンプル点の望ましい配置

7.5

偏光依存性

偏光依存性(PDL)試験は,パワーレベルが一定で,偏光状態が可変な偏光した外部信号を OTDR に供


27

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

給することによって可能である(JIS C 61300-3-2 参照)

。考える一つの方法は,1 台の光減衰器及び偏光コ

ントローラを設置することによって,8.3 に規定する外部光源法に PDL 試験を含めることである。その一

例を,

図 12 に示す。偏光コントローラは,出力パワー及び偏光度を実質的に変化することなく,あらゆる

偏光状態を作り出すことができる方法であることが望ましい。

F1,F2,F3,F4:光ファイバ 
C1:O/E 変換器 
C2:E/O 変換器 
A1:可変光減衰器 
PC:偏光コントローラ

図 12OTDR の偏光依存性を試験するための外部光源法

偏光依存性試験の考えられるもう一つの方法は,光ファイバ端面などからの反射信号を用いることであ

る(

図 13 参照)。

A1:可変光減衰器 
PC:偏光コントローラ

図 13OTDR の偏光依存性を試験するための反射法

偏光コントローラの損失は,その設定によって異なることもあるので注意する(回転依存性)

。外部光源

法に用いる光カプラもまた偏光依存性を示すことがある。これらの依存性は,OTDR の偏光依存性よりも

小さくする。両方とも,測定の不確かさを生じることになる。この不確かさについて,次の方法でシステ

ムを試験することが望ましい。

a)  外部光源法の場合,E/O 変換器を連続光動作に設定し,OTDR を偏光無依存光パワーメータで置き換

えることによって,不確かさを評価する。反射法の場合は,可能な場合,OTDR を連続光モードに設

定して不確かさを評価する。それが可能でない場合,OTDR を連続光(偏光した)レーザ光源と置き

換える。光ファイバ端を偏光無依存光パワーメータに接続する。


28

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

b)  偏光コントローラを,実質的にポアンカレ球全体に及ぶ数多くの偏光状態ができるように調整する。

偏光状態の変化による表示パワーレベルの変化幅

ΔA

pdl, set-up

を観測する。この値は,光パワーメータの

偏光依存性も含むことになる。

附属書 の数学的根拠に従って,PDL 測定システムについての不確か

u

pdl, set-up

の形式で結果を記録する。

3

2

up

-

set

pdl,

up

-

set

pdl,

A

u

Δ

=

   (43)

OTDR の偏光依存性を試験するには,表示面の中央に光パルスを設定し,光減衰器の設定を適切に行う

ことによって,表示パワーレベルが OTDR のクリッピングレベル近くにならないようにする。偏光コント

ローラを,数多くの偏光状態が作り出されるように調整し,偏光状態を変えることによる表示パワーレベ

ルの変化を観測する。これを,パルス強度の変化±

ΔA

pdl, otdr

として記録する。この PDL 測定の結果を文書

に含める。PDL 試験を実施しなかった場合は,その旨を文書に特に記述する。

7.6

校正結果の算出

測定値

A

otdr, i

から,損失偏差

ΔA

i

は,式(44)を用いて算出する。

ref

otdr,

A

A

A

i

i

=

Δ

(dB)  (44)

損失の不確かさ

u

ΔA

は,個別の校正方法の解説とともに検討する。

7.7

校正結果の使用

OTDR で測定した損失値の誤差

ΔY

i

は,推奨する 95 %の信頼水準を適用した場合,損失偏差

ΔA

i

及びそ

の不確かさの校正結果を用いて,式(45)によって算出する。

i

A

i

i

u

A

Y

,

2

Δ

±

Δ

=

Δ

(dB)   (45)

この誤差は,厳密には,

ΔA

i

が記録された表示パワーレベル及び表示位置で測定した損失にだけ適用す

ることに注意が必要である。

8

損失の校正方法

8.1

はじめに

全ての損失校正方法において,OTDR の外部に基準損失を用意し,その基準損失に対する OTDR の応答

を試験する。基準損失を等しい偏光状態の二つの信号間の差とする場合(8.3 及び 8.5 参照)

,損失の校正

結果は,OTDR の偏光依存性によって影響を受けることはない。基準損失を潜在的に異なる偏光状態の二

つの信号間の差とする場合(8.2 及び 8.4 参照)

,OTDR の偏光依存性の影響を平均化できるように,OTDR

と基準損失装置の間に偏光コントローラを加えることが望ましい。一般的に,損失の校正結果は,OTDR

の偏光依存性によって影響を受けないことが望ましい。

8.2

基準光ファイバによる損失の校正法

8.2.1

要点及び利点

基準光ファイバ法では,OTDR のパワースケールを,その損失が精密に求めた基準光ファイバを用いて

校正する(

附属書 を参照)。この基準損失を用いて

A

otdr, i

を求める。この方法は,OTDR によって光ファ

イバの減衰量を測定するときの条件を綿密に反映した校正法である。この方法は,

図 10 に示す領域 A の

校正に特に適している。

8.2.2

装置

8.2.2.1  一般事項

OTDR に加え,測定装置には次のものを含む。


29

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

a)  附属書 に規定する基準光ファイバ 
b)  一組の入力用光ファイバ。これらは,JIS C 6835 に規定するタイプ B シングルモード光ファイバとす

る。

c)  可変光減衰器 
d)  オプションとして,偏光コントローラ

光減衰器及び入力用光ファイバは,OTDR 表示の領域 A(箇条 参照)内の数多くの異なる位置に基準

光ファイバによる波形を表示するために用いる。

例  表示パワーレベルは,減衰値が 2,4,8 及び 16 dB の 4 本の入力用光ファイバを適切に組み合わ

せることによって,30 dB の範囲内で 2 dB ずつ変化させることができる。

これらの光ファイバは,低反射率コネクタを用いて接続することが望ましい。減衰量には,代表的なコ

ネクタの損失値を含む。推奨する(精細な)サンプル間隔 0.5 dB を得るためには,光減衰器は 0.5 dB ずつ,

0∼1.5 dB の間で変える。推奨する 0.5 dB ずつの変化が数多くの入力用光ファイバによって作り出す場合,

光減衰器は不要である。オプションの偏光コントローラの使用目的は,OTDR の偏光依存性の影響を小さ

くすることである(

図 14 参照)。

A1:可変光減衰器 
PC:偏光コントローラ(オプション)

図 14−基準光ファイバによる損失の校正

反射は,損失測定結果に影響するため,光減衰器及び偏光コントローラは,両方とも低反射のものでな

ければならない。

8.2.2.2  基準損失の校正

長さ測定についての OTDR のマニュアルに従って,基準光ファイバの全長

D

2

を測定する。OTDR マー

カを用い,基準光ファイバの長さ

D

1

の区間を選択する。このとき,基準光ファイバの近端のコネクタによ

る損失測定デッドゾーンを外して選択する(

図 15 参照)。この区間の開始点は,実際の後方散乱光波形と

その直線近似線間との差

ΔF

max

が十分に小さくなるように選択する(この条件を達成するには,1 本の入

力用光ファイバが必要な場合がある。

)区間

D

1

の長さを測定する。


30

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

図 15−損失測定デッドゾーンを外して D

1

区間の最も早い開始点を配置する方法

長さ

D

1

は,約 0.5 dB の基準損失に相当する長さが望ましい。基準光ファイバの遠端からの後方反射が

生じると,先行する後方散乱光波形に影響することがあるため,後方反射が生じないように十分な注意が

必要である。基準光ファイバは長手方向に一様であり,その後方散乱光損失の方向依存性はないため,マ

ーカ位置における基準損失

A

ref

は,高確度で,式(46)によって算出する。

( )

2

1

avg

std

ref

D

D

A

A

λ

=

(dB)   (46)

ここに,

A

std

 (

λ

avg

): OTDR の中心光波長

λ

avg

における基準光ファイバの校正

済み損失(

附属書 参照)

D

1

区間の最も早い開始点

D

2

区間の開始点

A

ref

は,一連の測定中一定でなければならない。すなわち,マーカ位置間の距離は固定しておく。計算で

は,群屈折率の影響を除去している。

8.2.3

測定手順

8.2.3.1  準備

最初に,垂直軸方向のサンプル間隔がおおむね 0.5 dB になり,全ての測定サンプルが OTDR 表示の領域

A 内に入るように光ファイバ及び光減衰器の試験計画を立てる。その一例を,8.2.2 に規定している。同じ

表示パワーレベルで位置の異なるオーバーラップした測定サンプルが望ましい。ダイナミックレンジのう

ち,光減衰器(両コネクタを含む。

)の挿入損失のために測定が難しい部分は,最も短い入力用光ファイバ

を OTDR に直接接続し,入力用光ファイバを曲げて挿入損失を変化することによって,扱ってもよい。

8.2.3.2  測定結果

各表示パワーレベル

F

i

について,損失値

A

otdr,  i

を測定する。不確かさを小さくするために,単一パワー

レベルを用いる代わりに,マーカの周り又は長さ

D

1

全体にわたって平均化することが望ましい。タイプ A


31

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

の不確かさを小さくするためには,低い表示パワーレベルにおいてできるだけ OTDR の平均化を行う。こ

の場合,平均化回数は,全て記録しておくことが望ましい。また,全ての

A

otdr,  i

,表示パワーレベル

F

i

び位置

L

i

を記録する。

測定結果は,OTDR の偏光依存性(PDL)による影響が予想できる。これは,区間

D

1

の近端及び遠端か

らの信号は,偏光状態が異なることもある。PDL の影響を小さくする一つの方法は,

図 14 に示すように

偏光コントローラを挿入し,

偏光コントローラの異なる位置において,

A

otdr, i

n

個のサンプルを測定する。

最後に,

A

otdr, i

n

個のサンプルを平均することで,PDL の影響は小さくなる。

8.2.4

計算及び結果

式(47)を用いて,損失偏差

ΔA

i

を算出する,又は,これに代えて,式(48)を用いて損失スケール偏差

ΔS

A, i

を算出し記録する。

ref

otdr,

Δ

A

A

A

i

i

=

(dB)  (47)

ref

ref

otdr,

A,

Δ

A

A

A

S

i

i

=

(dB/dB)   (48)

8.2.5

不確かさ

次に挙げる不確かさの要因が全てを網羅しているとは限らない。測定のシステム構成及び手順によって

は,追加の要因を考慮する。不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 の数学的根拠のガイドラインを

用いることが望ましい。個別の

ΔA

の損失不確かさの標準偏差

u

ΔA

は,誤差の伝搬についての標準式を用

いて,式(47)によって算出できる。

A

otdr

A

ref

という近似を用い,式(49)のように表すことができる。

(

)

2

1

2

Aotdr

2

Aref

A

u

u

u

+

=

Δ

(dB)   (49)

ここに,

u

Aref

基準損失の不確かさ,すなわち,基準光ファイバの不確
かさ

u

Aotdr

OTDR 測定サンプルの不確かさ

不確かさ u

Aref

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによって求め

られる。 

u

A, std

附属書 に従って文書に規定した基準光ファイバの損
失不確かさ(dB)

u

A, distance

基準光ファイバの全長を用いないことに起因する損失
不確かさ(dB)

。長さの関係 D

1

/D

2

を求めるときの不確

かさ[式(46)参照]及び長手方向の減衰量の一様性によ
る不確かさ(

附属書 参照)の各要因の二乗和平方根を

算出することによって求められる。

不確かさ u

Aotdr

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによって求め

られる。 

u

A,

λ

OTDR の中心光波長の不確かさ u

λ

によって発生する損

失不確かさ(dB)

注記  1 550 nm 近くの波長においては,光ファイバ損失の波長依存性が小さいために,この不確かさ

はそれらの波長において無視できる。損失が主としてレイリー散乱によって起こる波長領域,

例えば,1 300 nm などにおいては,不確かさは,式(50)で表すことができる。

λ

λ

λ

u

A

u

ref

A,

4

=

  (50)

ここに,

u

A, deadzone

コネクタ後方の損失測定デッドゾーンに起因する損失
不確かさ(dB)


32

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

u

A, attenuator

後方散乱光が偏光している場合の,光減衰器の偏光依存
性に起因する損失不確かさ

u

A, pdl

OTDR の偏光依存性による損失不確かさ。後方散乱光が
異なる偏光状態を示すという事実のために起こる。この
不確かさは小さくすることができる(8.2.3.2 参照)

u

A, typeA

実験的に求めるタイプ A の損失不確かさ(dB)

。これは,

表示パワーレベル及び OTDR の平均化回数によって異
なる。

測定のシステム構成及び手順によっては,追加の要因を考慮する。

8.3

外部光源法

8.3.1

要点・利点

図 16 に示すように,この方法では,光ファイバによる遅延を擬似的に生じさせるための校正済み遅延発

生器及び光パルス振幅の既知の変化を作り出すための光源を用いる。装置は,6.2 に規定する距離校正用の

“外部光源”法に用いる装置とほぼ同じであるが,その装置に比べ,光強度の制御を追加する点が異なる。

遅延量及びパルス強度を組み合わせることによって,距離依存性も含め,OTDR のパワースケールの完全

な定式化が可能になる。この方法は,コンピュータ制御による全自動試験に非常に適している。この方法

では,

図 10 に示す領域 A,領域 B 及び領域 C の全てを校正することができる。単純化のためにここでは,

信号履歴に後方散乱光が全くない領域 A におけるパルス信号源生成点だけについて規定する。その他の条

件について OTDR を校正するためには,次に示すパルス光源を,適切な信号を発生する光源で置き換える

ことが望ましい。

8.3.2

装置

OTDR に加え,測定装置には次のものを含む。

a)  システムを接続する光ファイバカプラ 
b) O/E 変換器

c)  遅延,パルス幅及びパルス振幅をそれぞれ変えることができるディレイ発生器 
d) OTDR の中心光波長にほぼ等しい中心光波長をもち,できれば,連続光(基準損失の校正用)を生成

する機能をもつ E/O 変換器

e)  可変光減衰器(光減衰器 No.1) 
f)  特定の減衰量(推奨値は,1∼4 dB)の切替えを良好に繰り返すことができる光減衰器(光減衰器 No.2) 
g)  システムを接続するための光ファイバジャンパケーブル

h)  光パワーメータ


33

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

F1,F2,F3,F4:光ファイバ 
C2:E/O 変換器 
C1:O/E 変換器 
A1,A2:可変光減衰器 
PC:偏光コントローラ

図 16−外部光源法による損失校正

可変光減衰器 No.1 及び可変ディレイ発生器の組合せによって,光パルス(又はシミュレーションによる

後方散乱光波形)のピークを,OTDR 表示の 2 次元空間のどの位置にも表示することができる。光減衰器

No.2 は,光パルス振幅が既知の量だけ変化するように,固定した減衰幅を切り替えるために用いる。OTDR

の往復補正のために,基準損失 A

ref

は,この減衰幅の半分に等しい。基準損失を得るために用いる二つの

光減衰器及び光パワーメータの偏光依存性の影響を減らすために,偏光コントローラを用いる。可能な場

合,8.2.3.2 に規定するように,幾つかの偏光状態での平均を取り,基準損失の校正及び実際に測定する場

合の両方で用いることが望ましい。

8.3.3

基準損失の校正

基準損失として適切な値 A

ref

を選択する。推奨する値は,0.5∼2 dB である。この値は,1∼4 dB の減衰

幅に等しい。E/O 変換器を連続光動作に設定する。光パワーメータを光ファイバ F1 の OTDR 端に接続す

る。光パワーメータの波長補正を E/O 変換器の波長に設定する。光減衰器 No.2 の減衰幅を多数回測定し,

A

ref

及びそのタイプ A の不確かさ,u

A, step

を求める。測定システム内の反射によって,又は光源のスペクト

ル幅が狭いことによって起こる光干渉は,測定結果の望ましくない変動の原因となることもある。減衰幅

の平均値を 2 で除して基準損失を求める。

8.3.4

測定手順

8.3.4.1  準備

測定サンプルが 0.5∼1 dB の間隔で,

図 10 に示す領域 A の全長にわたって均等に分布するように,パル

ス振幅及び遅延設定値の適切な組合せを選択する。同じ表示パワーレベルでオーバーラップした,互いに

位置の異なる測定サンプルが望ましい。領域 A の外側の測定サンプルを任意で採用してもよい。表示する

パルスの頭が平らになるように,E/O 変換器の光パルス幅を,例えば,1

μs に設定する。このとき,OTDR

の光パルスの近端反射光が E/O 変換器の光パルスと重ならないようにするため,そのパルス幅は,信号が

帰還径路の通過に要する時間よりも短くする。上記で設定した測定サンプルに従って,光減衰器 No.1 及び

No.2 並びにディレイ発生器をプログラムする。また,別の方法として,パルスの始点の位置を L=0 に設

定し,パルス幅を変えることによってパルスの遠端位置を決め,その遠端位置での減衰幅を求める方法も


34

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

適用できる。光減衰器 No.2 を切り替えることによるパワーレベルの変化を測定するために OTDR を用い

る方法を決める。例えば,測定位置の近傍における数多くの点を平均する方法が考えられる。また,表示

パワーレベル(箇条 参照。表示パワーレベルは,問題となる二つのレベルのうち上の方のレベルとして

定義する。

)を測定する方法を決める。全ての装置のスイッチを入れる。特に注意することは,パルス振幅

が安定するまで E/O 変換器のウォームアップ時間を十分長くとることである。光減衰器 No.2 を 2∼3 回切

り替えて,表示パワーレベルの安定性及び OTDR の減衰幅 A

otdr

の安定性を確認する。

8.3.4.2  測定結果

0 dB 基準レベルを箇条 に規定するように決める。光減衰器 No.1 の設定値及びディレイ発生器の設定

値の前もって設定済みの組合せのそれぞれについて,

次のように手順を進める。

パルス上の測定位置 L

i

を,

例えば,パルス幅の中央として決める。不確かさを小さくするために,この位置における一連の測定中は

L

i

を変更しない。

図 17−外部光源法の位置及び測定

前もって決めた設定値間で,光減衰器 No.2 を切り替え,

図 17 に示す表示パワーレベル F

i

(問題となる

二つのうち上方のレベル)及び表示パワーレベルの変化 A

otdr,  i

を記録する。A

otdr,  i

の測定は数回繰り返し,

それらのサンプルの平均を記録することが望ましい。また,各位置につき,光減衰器 No.1 でパルスパワー

を調整することによって,異なる表示パワーレベルで,複数のサンプルを生成してもよい。デジタルディ

レイ発生器を設定して次の位置に進む。

8.3.5

計算及び結果

各測定サンプルについて,損失偏差を,式(51)を用いて算出する,又はこれに代えて式(52)を用いて損失

スケール偏差

ΔS

A, i

を算出し記録する。

ref

otdr,

Δ

A

A

A

i

i

=

(dB)  (51)


35

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

ref

ref

otdr,

A,

Δ

A

A

A

S

i

i

=

(dB/dB)   (52)

表示パワーレベル F

i

及び位置 L

i

を,各損失偏差値とともに記録する。損失偏差値を表示パワーレベル

F

i

の関数としてプロットするとよい。

8.3.6

不確かさ

次に挙げる不確かさの要因が全てを網羅しているとは限らない。測定のシステム構成及び手順によって

は,追加の要因を考慮する。不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 の数学的根拠を用いることが望

ましい。損失不確かさの標準偏差は,誤差の伝搬についての標準式,式(51)及び式(53)を用いて算出する。

(

)

2

1

2

Aotdr

2

Aref

A

u

u

u

+

=

Δ

(dB)   (53)

ここに,

u

Aref

基準損失の不確かさ

u

Aotdr

OTDR 測定サンプルの不確かさ

基準損失の不確かさ u

Aref

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することに

よって求める。 

u

A, pm

光パワーメータを用いて基準損失を校正することに起
因する不確かさ(dB)

。光パワーメータの非線形性,偏

光依存性,空間的不均一性,雑音などがその要因である。
この不確かさ自体も,各要因の二乗和平方根値の算出に
よって求めることが望ましい。

u

A, refl

システムの反射特性の差に起因する不確かさ。光パワー
メータの反射損失は,カプラ・OTDR 組合せの反射損失
と同じにはならない。これは,基準損失の振幅に影響す
ることもある。

u

A, step

減衰のステップ幅の不安定さに起因する損失不確かさ
(dB)

。例えば,外部光源の不安定さ,光干渉又は偏光

状態の不安定さと結びついたカプラの偏光依存性によ
る。

OTDR 測定サンプルの不確かさ u

Aotdr

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出

することによって求める。 

u

A,

λ

OTDR の中心光波長と校正に用いられる光源の中心光波
長との相違に起因する不確かさ(dB)

u

A, pdl

減衰量のステップ切替えで偏光状態が変わることに起
因する不確かさ(dB)

u

A, typeA

減衰幅測定値の変動に起因する不確かさ(dB)である。
例えば,有限の読出し分解能,及び雑音限界に近づいた
ときの表示パワーレベルによる。この不確かさは,u

A, step

とともに求めることができる。

注記  偏光依存性による不確かさは,偏光コントローラで小さくするか,又はなくすことができる。

8.4

スプライスシミュレータ法

8.4.1

要点・利点

この方法では,OTDR のパワースケールを校正するためにスプライスシミュレータを用いる。スプライ

スシミュレータは,約 1.5 dB の固定基準損失を示すものである。この方法は,OTDR を用いて融着減衰を

測定するときの条件を綿密に反映する。校正のために電子機器は必要ない。この方法は,

図 10 に示す領域

A 及び領域 B の校正に適している。

8.4.2

装置

OTDR に加え,測定装置には次のものを含む。


36

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

a)  附属書 に規定するスプライスシミュレータ 
b)  一組の入力用光ファイバ。入力用光ファイバは,JIS C 6835 に規定する石英系シングルモード光ファ

イバとする。

c)  可変光減衰器(必要がある場合) 
d)  オプションとして,偏光コントローラ

試験の構成を,

図 18 に示す。

F0,F1,F2:光ファイバ 
A1:可変光減衰器 
PC:偏光コントローラ(オプション)

図 18−スプライスシミュレータによる損失校正のための構成

附属書 に規定するように,校正した基準損失(約 1.5 dB)は,光ファイバ F1 の遠端に現れる。入力

用光ファイバの使用目的は,測定データを領域 A 内に生成することである(箇条 及び

図 19 を参照)。

スプライスシミュレータによって生じる損失は,次の信号 a)  と b)  との差である。

a)  光ファイバ F1 及び F2 からの後方散乱信号の合計 
b)  光ファイバ F2 からの後方散乱信号

これら二つの信号 a)  及び b)  は,通常,異なる偏光状態を示す。したがって,偏光コントローラを用い

て信号 a)  及び b)  の異なる偏光状態を多数作りだし,OTDR の偏光依存性を平均によって取り除くことが

望ましい。光減衰器及び偏光コントローラからの反射は校正結果に影響を与えることから,それらはでき

るだけ低反射のものが望ましい。


37

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

注記  小さい円は,基準損失に対する OTDR の応答を表している。

図 19−スプライスシミュレータによる OTDR 表示

8.4.3

測定手順

8.4.3.1  準備

垂直サンプル間隔が 0.5∼1 dB になり,全ての測定サンプルが OTDR 表示の領域 A 内に入るように入力

用光ファイバと光減衰器設定値との適切な組合せを選択する。同じ表示パワーレベルで位置の異なるオー

バーラップした測定サンプルが望ましい。可変光減衰器は,異なる表示パワーレベル の数を増すために

用いることができる。

図 18 に示すように,スプライスシミュレータを OTDR に接続する。

8.4.3.2  融着損失の測定

図 20 に示すように,融着損失 A

otdr

は,減衰定数を表す 2 本の直線間の垂直距離として定義する。二つ

のカーソル(2 点法)又は最小二乗法近似(LSA 法)による融着損失の測定は,次の手順による。五つの

カーソル法,自動測定など,その他の方法も用いることができる。いずれの場合も,用いた方法は明記す

る。


38

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

図 20−融着損失の測定

偏光コントローラを用いる場合,偏光コントローラの異なる偏光状態について,次の手順を 回繰り返

す。個のサンプルの全てを平均して A

otdr, i

を得るようにする場合,PDL の影響は小さくなる。入力用光フ

ァイバと光減衰器設定値との各組合せは,次の手順による。

a)  融着点近傍の,後方散乱光波形の直線領域の左端に点 X

1b

を定義する。

b)  X

1b

の左側の 500 m 以上離れた位置に点 X

1a

を定義する。二つの点は,真っすぐな後方散乱光波形によ

って結ばれていることが望ましい。2 点間の距離 D

s1

を記録する。

注記  2 点間の後方散乱損失は,少なくとも 0.1 dB の位まで表すことが必須であるため,X

1a

と X

1b

との 2 点間の距離を 500 m 以上としている。

c) 2 点法又は最小二乗法近似(LSA)法の用いる方式によって,それぞれ次による。

1) 2 点法を用いる場合は,二つのパワーレベル F

1a

及び F

1b

を記録し,表示した光ファイバの減衰定数

は式(54)を用いて算出する。

s1

1b

1a

1

D

F

F

=

α

   (54)

OTDR によって得た減衰定数を用いてもよい。

2) LSA 法を用いる場合,最もよく当てはまる直線を算出し,傾き

α

1

及び縦軸との切片 F

10

を求める。

X

1a

と X

1b

との間の全ての点を用いることが望ましい。

α

1

及び F

10

を記録する。

d)  融着点近傍の,後方散乱光波形の直線領域の右端に,点 X

2a

を定義する。

e)  X

2a

の右側,500 m 以上離れた位置に点 X

2b

を定義する。二つの点は,真っすぐな,後方散乱光波形に

よって結ばれていることが望ましい。2 点間の距離 D

s2

を記録する。

f) 2 点法又は最小二乗法近似(LSA)法の用いる方式によって,それぞれ次による。

1) 2 点法を用いる場合は,二つのパワーレベル F

2a

及び F

2b

を記録し,表示した光ファイバの減衰定数

は式(55)を用いて算出する。

s2

2b

2a

2

D

F

F

=

α

  (55)


39

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

OTDR によって得た減衰定数を用いてもよい。

2) LSA 法を用いる場合,最もよく当てはまる直線を算出し,傾き

α

2

及び縦軸との切片 F

20

を求める。

X

2a

と X

2b

との間の全ての点を用いることが望ましい。

α

2

及び F

20

を記録する。

g)  融着位置 L

S, i

を後方散乱光波形の変曲点として定義する。

h)  点 X

1b

と融着位置との距離 D

1

を算出する。さらに,融着位置と点 X

2a

との距離 D

2

を算出する。

8.4.4

計算及び結果

計算及び結果は,次による。

a)  次のとおり,2 点法又は最小二乗法近似(LSA)法の用いる方式によって,算出する。

1) 2 点法を用いる場合は,融着損失 A

otdr,  i

及び対応パワーレベル F

i

(添え字 は 番目の融着損失を示

す。

)は,式(56)を用いて算出する。

(

) (

)

1

1

1b

2

2

2a

1

1

1b

otdr,

D

F

F

D

F

D

F

A

i

i

α

α

α

+

=

   (56)

2) LSA 法を用いる場合は,融着損失 A

otdr, i

及び対応パワーレベル F

i

は,式(57)を用いて算出する。

(

)

1

1

1b

2

1

,

S

20

10

otdr,

D

F

F

α

α

L

F

F

A

i

i

i

α

=

   (57)

b)  損失値 A

otdr, i

から,損失偏差

Δは式(58)を用いて算出する。

ref

otdr,

Δ

A

A

A

i

i

=

(dB)  (58)

損失偏差,表示パワーレベル及び融着位置を記録する。融着損失分析に用いた方法(例えば,2 点法又

は最小二乗法近似)を明記する。

上記の方法に代えて,式(59)を用いて損失スケール偏差

ΔS

A, i

を算出し記録する。

ref

ref

otdr,

A,

Δ

A

A

A

S

i

i

=

(dB/dB)   (59)

8.4.5

不確かさ

次に挙げる不確かさの要因が全てを網羅しているとは限らない。測定のシステム構成及び手順によって

は,追加の要因を考慮する。不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 の数学的根拠を用いることが望

ましい。個別の

Δの損失不確かさを表す標準偏差 u

ΔA

は,誤差の伝搬についての標準式を用いて,式(60)

で算出できる。

(

)

2

1

2

Aotdr

2

Aref

A

u

u

u

+

=

Δ

(dB) (60)

ここに,

u

Aref

基準損失の不確かさ

u

Aotdr

OTDR 測定サンプルの不確かさ

基準損失の不確かさ u

Aref

は,スプライスシミュレータの校正証明書から引用す

る(

附属書 参照)。不確かさ u

Aotdr

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出す

ることによって求められる。 

u

A,

λ

スプライスシミュレータの校正に用いた中心光波長と
OTDR の中心光波長との差によって発生する融着の損失
不確かさ(dB)

u

A, pdl

OTDR の偏光依存性によって引き起こされる融着の損失
不確かさ。入力用光ファイバ若しくは減衰幅又はその両
方によって信号の偏光状態が変わるという可能性に起
因するもの(偏光コントローラを用いる場合,この不確
かさは小さくなる。

)である。


40

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

u

A, pos

融着位置の不確かさ u

L

によって発生する融着の損失不

確かさ(dB)

。この値を他のどこからも得ることができ

ない場合,OTDR のパルス幅(m)の半値を用いる。こ
れらの不確かさ間の関係は,式(61)を用いて算出する。

L

u

u

2

1

pos

A,

α

α

=

  (61)

u

 A,slope

傾き測定の不確かさ

u

s

によって発生する融着の損失不

確かさ。これらの不確かさ間の関係は,式(62)を用いて
算出する。

(

) (

)

2

2

2

2

1

1

slope

A,

α

α

u

D

u

D

u

+

=

  (62)

8.5

パワー減衰法

8.5.1

要点・利点

この方法では,既知の光信号の変化を用いて OTDR のパワースケールを校正する。対応する表示パワー

レベルの変化は,損失偏差の尺度である。次に示す三つの方法は,8.5.2.18.5.2.3 に規定する方法で行う。

a)  光ファイバ端法:この方法では,パワーステップが反射振幅の変化として記録する。 
b)  多重反射法:この方法では,パワーステップが作り出す全ての反射振幅の変化として記録する。 
c)  長尺光ファイバ法:この方法では,パワーステップが光ファイバの長さ方向の後方散乱信号の変化と

して記録される。

装置には,表示パワーレベルの変化を作り出すために,二つの減衰設定値間で切替え可能な光減衰器を

含んでいる。この装置は軽くて安価である。光ファイバ端法の利点は,A,B 及び C の全ての領域を測定

できることである。パワー及び距離の 2 次元空間に測定サンプルを配置するために,長尺光ファイバ法の

装置に加え,端面処理した光ファイバ又は研磨したコネクタ,2 番目の光減衰器及び複数の入力用光ファ

イバが必要である。多重反射法でもまた,A,B 及び C の全ての領域を測定することができる。

“単一”光

ファイバ端反射を上回る利点は,

校正中に入力用光ファイバも光ファイバの再接続も必要ないことである。

多重反射法は,半透明ミラーを備えた光共振器によって発生することができる。この方法は,完全自動校

正に適している。長尺光ファイバ法の利点は,この方法が OTDR による光ファイバ損失の測定によく似て

いることと,測定サンプルが自動的に領域 A 内に入ることである。測定サンプルを領域 C 内及び領域 A

の上部に置くことは不可能である。校正中に光ファイバの再接続は不要である。この方法も,完全自動校

正に適している。減衰幅を切り替えることによって,OTDR に戻る光の偏光状態が変わることがなく,す

なわち,OTDR の偏光依存性による不確かさが生じることなく,OTDR の損失を校正する。これを達成す

るためには,光減衰器の適切な偏光特性が必要である。減衰幅を切り替える間に光ファイバの位置を変え

ないように注意が必要である。光ファイバの位置が変わった場合,測定結果が OTDR の偏光依存性によっ

て影響を受ける。基準光ファイバ法,スプライスシミュレータ法などにおいて用いるオプションの偏光コ

ントローラは,ここでは必要ない。その理由として,各損失測定結果は,本質的には同じ偏光状態をもつ

二つのサンプルの差であるからである。

8.5.2

装置

8.5.2.1  光ファイバ端法

測定装置には,

図 21 に示すものを含んでいる。その説明を次に示す。

a)  JIS C 6835 に規定する一組の石英系シングルモード光ファイバ:その端には端面処理した光ファイバ

又は研磨したコネクタを備えており,組になった光ファイバのうち,一番短い光ファイバは,初期パ

ルスが戻った後に反射パルスが到着するのに十分な長さとする。


41

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

b)  分解能が 0.1 dB 以下の可変光減衰器(光減衰器 No.1):表示パワーレベルを設定するためのもの。 
c)  特定の減衰量(推奨値は 0.5∼2 dB)の切替えを良好に繰り返すことができる光減衰器(光減衰器

No.2):この光減衰器は,二つの減衰設定値を切り替えるときの再現性が高い(0.05 dB 未満)もので

あることが望ましい。また,切替え操作によって偏光状態の変化があってはならない。反射率は,主

反射の振幅変化を避けられるように十分小さくする。

d)  システムを接続するための光ケーブル 
e)  光パワーメータ

A1,A2:光減衰器

図 21−パワー減衰法の光ファイバ端法による損失校正

8.5.2.2  多重反射法

光ファイバ端末法の一組の光ファイバ及び端面処理した光ファイバを光共振器で置き換える。光共振器

は,例えば,ある長さの光ファイバを間に挿入した二つの半透明ミラーで構成する。この意図は,挿入光

ファイバの長さに対応した距離だけ互いの間隔を保った一連の反射光パルスを作り出すことである。

8.5.2.3  長尺光ファイバ法

この方法では,

図 22 に示すように,光減衰器 No.2 は不要である。その代わり,1 本の長い光ファイバ

及び光ファイバ端反射をその影響がなくなるまで減衰処理ができる装置(無反射終端,例えば,光ファイ

バ結節)が必要となる。この長尺光ファイバの総減衰量は,OTDR 測定範囲に対応したものであることが

望ましい。

A1:光減衰器

図 22−パワー減衰法の長尺光ファイバ法による損失校正

8.5.2.4  基準損失の校正

光減衰器の減衰幅は,基準損失

A

ref

を表す。

A

ref

として適切な値(推奨値は 0.5∼2 dB)を定める。OTDR

は,可能な場合,連続光モードに切り替え,切り替えることができない場合,中心光波長が OTDR の中心

光波長にできるだけ近い連続光のレーザ光源を用いる。2 番目の光減衰器は光源の一部と考えることがで

きる。光源を光減衰器の入力側に接続し,光減衰器の出力側を光パワーメータに接続する。光パワーメー

タの波長補正を設定する。減衰幅を多数回測定し,基準損失を平均減衰幅として算出する。

8.5.3

測定手順


42

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

8.5.3.1  準備

光ファイバ端法及び多重反射法の場合,0 dB 基準レベル,例えば,OTDR のクリッピングレベルを,箇

条 に規定するように決める。クリッピングレベルは,両光減衰器をそれぞれの最低減衰量に設定するこ

とによって求める。光パルスが,表示面の中央に表示するように一組の光ファイバを選択する。パルス幅

を,表示パルスの頭が平らになるように,例えば,10

μ

s に定める。光減衰器 No.1 を,生成する光パルス

のピークがクリッピングレベルのすぐ下(1 dB 以内)になるように調整する。箇条 に規定するガイドラ

インに従って,光減衰器 No.1 の設定値及び組になった光ファイバからの種々の光ファイバ組合せを基に,

サンプル設定の試験計画を立てる。長尺光ファイバ法の場合は,0 dB 基準レベル,例えば,後方散乱信号

の開始を(光減衰器なし)

,箇条 に規定するように決める。パルス幅を,例えば,10

μ

s に定める。光減

衰器を挿入していない場合に比べて表示パワーが著しく減少しないように,光減衰器はできるだけ小さな

減衰量に設定する。箇条 に規定するガイドラインに従って,選択した減衰幅及び接続した光ファイバの

長さを基に,サンプル設定の試験計画を立てる。

8.5.3.2  測定

反射又は後方散乱信号の高さの変化を測定する方法を見つける。一つの技法は,一つのカーソルを,初

期 OTDR パルスなど安定しているパワーレベルに置き,2 番目のカーソルを反射又は後方散乱信号のパル

ス頭部に置くことである。距離の不確かさを小さくするためには,特定の位置における一連の測定の間に

いずれのマーカの位置も変えてはならない。測定方法は,8.3 に規定するものとほぼ同じであり,次によっ

て行う。

a)  試験計画に従って最初のサンプル設定を行う。 
b)  光減衰器を,前もって決めた設定値間で切り替える。

c)  表示パワーレベル

F

i

,パワーレベルの変化

A

otdr, i

及び対応する位置

L

i

を記録する。

A

otdr, i

の測定は数回

繰り返し,それらのサンプルの平均を記録するとよい。

d)  試験計画に従って次のサンプル設定を行い,手順 b)  に戻る。試験計画が終了するまでこれらの手順

を繰り返す。

8.5.4

計算及び結果

各測定サンプルについて,損失偏差は,式(63)を用いて算出する。

ref

otdr,

Δ

A

A

A

i

i

=

(dB)  (63)

表示パワーレベル

F

i

及び位置

L

i

を,各損失偏差とともに記録する。損失偏差値は,表示パワーレベル

F

i

の関数としてプロットすることが望ましい。

上記の方法に代えて,式(64)を用いて損失スケール偏差

ΔS

A, i

を算出し記録する。

ref

ref

otdr,

A,

Δ

A

A

A

S

i

i

=

(dB/dB)   (64)

8.5.5

不確かさ

次に挙げる不確かさの要因が全てを網羅しているとは限らない。測定のシステム構成及び手順によって

は,追加の要因を考慮する。不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 の数学的根拠を用いることが望

ましい。損失不確かさを表す標準偏差は誤差の伝搬についての標準式を用いて,式(63)から式(65)に置き換

えて算出できる。

(

)

2

1

2

Aotdr

2

Aref

A

u

u

u

+

=

Δ

(dB) (65)


43

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

ここに,

u

Aref

基準損失の不確かさ

u

Aotdr

OTDR 測定サンプルの不確かさ

ここで,

u

Aref

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによって求め

る。 

u

A, pm

光パワーメータを用いて基準損失を校正することによ
る不確かさ(dB)

。光パワーメータの非線形性,偏光依

存性,空間的不均一性,雑音などがその要因である。こ
の不確かさ自体も,各要因の二乗和平方根値の算出によ
って求めることが望ましい。

u

A, refl

システムの反射特性の変化による不確かさ(dB)

。例え

ば,光パワーメータによって測定したパワーステップ
は,光パワーメータからの反射のために,接続された試
験装置によるパワーステップからずれることもある。

u

A,

λ

OTDR の中心光波長と基準損失の校正に用いる光源の中
心光波長との差によって引き起こす不確かさ(dB)

u

A, deadzone

減衰幅が光減衰器反射からの回復(損失測定デッドゾー
ン)によって影響される可能性に伴う損失不確かさ(dB)

u

A, step

減衰幅の不安定さによって発生するタイプ A の不確か
さ(dB)

u

Aotdr

は,次の要因を含んでいる。

u

A, pdl

減衰幅の切替えで偏光状態が変わることによる不確か
さ(dB)

u

A, typeA

減衰幅測定値の変動によって発生するタイプ A の不確
かさ(dB)

。例えば,有限の読出し分解能,

“光ファイバ

端法”及び“多重反射法”の場合の傾いたパルスの頭及
び雑音限界に近づいたときの表示パワーレベルが,その
原因となる。

9

反射率の校正

9.1

目的

反射率の校正の目的は,測定した反射率と実際の反射率との間の反射率偏差 Δ

S

R

を決めることであり,

その不確かさを評価することである。

9.2

反射率の測定

OTDR は,図 23 に示すように後方散乱波形上に現れる反射光パルスの振幅 Δ

F

を用いて,光ファイバ部

品の反射率

R

otdr

を測定する。反射率

R

otdr

は,式(66)の関数で表現する。

(

)

d

otdr

,

,

T

K

F

f

R

Δ

Δ

  (66)

ここに,

K

光ファイバの後方散乱パラメータ

Δ

F

反射率の振幅

Δ

T

d

表示した OTDR のパルス幅


44

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

注記 1  表示された OTDR のパルス幅は,次のような表示したパルス幅に影響を及ぼし

ている全てのパラメータを含んでいる。

−  実際のパルス幅

−  フォトダイオード応答

−  増幅回路の帯域幅

注記 2  例えば,反射率の最上部が,クリップレベル以下であること,そのパルスの前

の後方散乱波形の雑音は,パルス振幅に対してして非常に小さいことなど,表

示されたパルス振幅には,不安定要素がないものと仮定している。

注記 3  その他のパラメータ(例:表示パワーレベル,反射の発生位置,付随的な減衰

量,平均化回数)が反射率測定に影響を及ぼすことがある。これらのパラメー

タは,校正手順に含めることが望ましい。

図 23−反射率の測定に含まれるパラメータ

9.3

後方散乱パラメータ の活用

一般的に,OTDR の縦軸目盛は,絶対光パワー測定による校正は行わない。

図 24 に示すように,OTDR

を反射率測定に用いるとき,

後方散乱パラメータ

K

は,

縦軸目盛のための基準レベルとして有効に作用し,

K

の変化に対して反射値の表示が直接変化する。これについては,

附属書 で詳細に記述しており,その

結果は,式(67)及び式(68)に示すとおりである。

( )

+

=

1

Δ

log

5

Δ

10

dB

T

K

R

L

F

   (67)

( )

( )

( )



+

+

=

1

10

log

10

Δ

log

10

log

10

5

dB

Δ

10

10

10

dB

L

F

T

K

R

   (68)


45

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

図 24−後方散乱パラメータの異なった値をもつ三つの光ファイバの

終端における同じ反射率は,異なったパルス振幅を示す

後方散乱パラメータは,試験用光ファイバに関係している。これは,次の結果を導き出す。

a) OTDR の校正結果は,被測定部品の後方散乱パラメータと同じ後方散乱パラメータを用いて校正した

場合にだけ有効である。そのようでない場合,校正結果の適用をするときに,例えば,式(68)を用い

て後方散乱パラメータの値の差異による影響を考慮する。反射率基準のドキュメントの規定と同じ後

方散乱パラメータを用いる場合,

K

の不確かさは,効果的に校正結果から取り除く。

b)  ファイバの後方散乱パラメータ

K

の不確かさは,OTDR を用いた反射率測定のときに生じる付加誤差

の原因になる。

K

の決定は,このドキュメントの適用範囲の域を超えている。したがって,次に示す

校正手順は,Δ

F

を測定し,正しく

R

otdr

を計算するための OTDR の能力を検討するだけである。反射

率測定の場合には,主に,不確かさを減らすためにファイバ後方散乱パラメータの値が必要となるた

め,

K

を求めるための方法を,

附属書 に示している。

9.4

反射率測定の範囲

得た OTDR 設定に対し,全ての反射率値を測定することはできない可能性がある。測定の有効範囲の分

析は,試験計画を作成するのに役立つ。得た OTDR 設定に対し,パルス振幅 Δ

F

は反射率の関数となる。

パルス振幅の測定範囲(最小から最大値)は,直接,反射率の有効な測定範囲に関係する。測定可能なパ

ルス振幅の最小値は,ゼロとするのが望ましいが,一般的には小さな値,例えば,3 dB が適用する。これ

は,Δ

F

が小さな値になると,この量の小さな誤差が式(G.10)のように

R

dB

の大きな誤差を生じるからであ

る。Δ

F

の最小値を 3 dB とすることで,測定できる最小反射率は 1 μs パルスに対して−45 dB 程度,10 ns

パルスに対して−65 dB 程度となる。測定可能なパルス振幅の最大値は,クリップレベル

F

c

によって決ま

る上限と,ノイズフロアに向かって減少していく後方散乱光波形のレベル

F

によって決まる下限とで制限

を受ける。

F

は反射位置前方のファイバの減衰量に依存するので,パルス振幅の最大値はパルスの位置に

依存する(

図 25 参照)。式(G.9)から,Δ

F

はパルス幅を最長にしたときに最小となることが分かる。


46

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

図 25−パルス振幅 Δに関する最大・最小値

注記  幾つかの OTDR は,内部で後方散乱パワーを減衰させることができる。この場合,パルス振幅

の最大値は,内部減衰量に依存している。

反射率測定のレンジは,

図 26 に示す領域によって図解することができる。領域の下限は,パルス振幅の

最小値によって決まる。また,パルス振幅の最大値は,反射率測定レンジの上限を得る。

注記  反射率は,負である。

図 26−反射率測定のレンジ

9.5

試験計画の立て方

反射率の校正の原則は,得た OTDR 設定で,互いに異なる位置及びパワーレベルにおいて既知(又は基

準)の反射率のセット

R

ref,  j

を OTDR に適用し,そのときに表示する反射率

R

otdr,  j

を測定することである。

R

ref, j

には,反射率測定のレンジ内で一定のサンプリング間隔をとった反射率値のセットを選択するのが望

ましい。しかし,これの実行には非常に多数の測定が必要となる。測定の量を減らすために,この規格で

は,位置,表示パワーレベル及び反射率のサンプリング間隔の既定値を定義する。この目的のため,位置

L

d

及び表示パワーレベル

F

d

の既定値は,

図 27 に図解するようにダイナミックレンジに留意して定義して

いる。


47

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

図 27−初期設定表示パワーレベル及び初期設定位置の決定

表示パワーレベルのための既定値

F

d

は,雑音レベルよりも上方にあるダイナミックレンジの半値として

定義する。位置

L

d

は,7.4 に定義する領域 A の中央にできるだけ近づいた反射率位置を保つように定義す

る。基準反射率のサンプリング間隔の既定値は,2 dB とする。このように定義した既定値を用い,適切な

基準反射率

R

ref

を選定して試験計画を立てる。また,位置,表示パワーレベル及び基準反射率のサンプリ

ング間隔の値を変更した場合の校正データを合わせて取得してもよい。

9.6

装置

OTDR に加え,測定装置には次のものを含む。

a)  附属書 又は附属書 に規定している反射率基準 
b)  一組の入力用光ファイバ。入力用ファイバは,JIS C 6835 に規定する SSMA 又は SSMA・U とする。 
c)  可変減衰器(追加する必要がある場合)

d)  偏光制御器(追加する必要がある場合)

試験設定を,

図 28 に示す。

A1:光減衰器 
PC:偏光コントローラ

図 28−反射率校正のための設定

入力用光ファイバ(及び光減衰器)の目的は,前もって規定したパワーレベル及び位置に反射率基準を

表示することにある。偏光制御器の目的は,OTDR の偏光依存性の影響をできるだけ減らすことにある。

9.7

測定手順

9.7.1

準備

試験計画のとおりに反射率基準の表示を設定するために,入力用光ファイバ及び減衰器を適切に設定す


48

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

る。後方散乱パラメータを反射率基準の文書に規定した値に設定する。機器の設定が,適切であることを

確認する。表示パワーレベル

F

d

(又は初期設定値を用いていない場合

F

,表示位置

L

d

(又は初期設定値

を用いていない場合

L

,用いた後方散乱係数

C

及び他の OTDR 設定パラメータを記録する。

9.7.2

反射率の測定

R

ref, j

の各値に対して,OTDR の製造業者の取扱説明書,又は事前に規定された反射率の測定手順に従っ

て反射率基準の反射率測定を行う。

附属書 は,この手順を準備するために役立つ。反射率測定が,製造

業者の取扱説明書を用いて実行しない場合,そのとき用いた手順を文書に加えなければならない。

R

ref, j

各値に対する

R

otdr, j

の値を記録する。

9.7.3

計算及び結果

反射率偏差 Δ

S

R, j

は,式(69)を用いて算出する。

j

j

j

R

R

S

ref,

otdr,

R,

=

Δ

(dB)   (69)

9.7.4

不確かさ

次に挙げる不確かさの要因が全てを網羅しているとは限らない。測定のシステム構成及び手順によって

は,追加要因を考慮に入れなければならない。個々の Δ

S

R

の不確かさ

u

ΔSR

を表す標準偏差は,誤差の伝搬

についての標準式を用いて,式(70)によって算出することができる。

(

)

2

1

2

Rotdr

2

Rref

ref

SR

1

u

u

R

u

+

Δ

(dB/dB)   (70)

ここに,

u

Rref

反射率基準の不確かさ

u

Rotdr

不確かさ

不確かさ

u

Rref

は,反射率基準の校正証書から引用することができる(

附属書 E

参照)

。不確かさ

u

Rotdr

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによっ

て求められる。 

u

R, typeA

実験的に決めた反射率のタイプ A の不確かさ(dB)

。表

示したパワーレベル及び OTDR の平均化回数に依存す
る。

u

R, I

反射位置の不確かさによって生じる反射率の不確かさ。
例えば,Δ

F

を測定したカーソルの位置の不確かさによ

って生じる。

u

R, λ

OTDR と反射率基準の校正で用いた光源との中心光波長
が異なることによって生じる不確かさ(dB)

u

R, pdl

反射率基準で反射した光の偏光状態が変わることによ
って生じる不確かさ(dB)

u

R, attenuator

偏光した後方散乱信号が,偏光依存性損失をもった光減
衰器を通過する可能性によって生じる光減衰器の損失
の不確かさ


49

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

附属書 A

規定)

距離校正用のループ遅延線

A.0  一般事項

この附属書では,OTDR の距離校正のための部品として用いる,光ファイバ形ループ遅延線について規

定する。

A.1  構造

装置は,

図 A.1 に示すように,次のものから構成する。

a)  端子光カプラ:  結合比が波長無依存であり,かつ,一対の入出力端間に長尺光ファイバ(長さは

校正する距離範囲による。

)が融着接続しているもの。

b)  入力光ファイバ:  4 端子光カプラの第 2 入力端子に融着接続し,入力側がコネクタ付きの入力光フ

ァイバ(代表的な長さは,約 1 km)

c)  出力光ファイバ:  4 端子光カプラの第 2 出力端子に融着接続し,終端に平面反射コネクタを備えた 1

本の出力光ファイバ。この光ファイバの長さは,例えば,1 m 未満など,短く抑える。平面コネクタ

からの反射である場合,正確な位置を得るために十分である。

光パルス入力用光ファイバの長さは,図の入力光ファイバ,出力光ファイバ,及び光カプラの一つの分

岐枝によって決定する。ループの長さは,a)  に規定する長尺光ファイバ及び光カプラの別のもう一つの分

岐枝によって決定する。光ファイバは全て,JIS C 6835 に規定する石英系シングルモード光ファイバとす

る。

図 A.1−ループ遅延線

A.1.1  手順 
A.1.1.1  ループ伝搬時間の測定

ループ伝搬時間を求めるためのシステム構成を,

図 A.2 に示す。パルス発生器を適切な幅のパルスを発

生するように設定し,光減衰器を E/O 変換器に対し適切な振幅を発生するように設定する。パルスの繰返

し周波数(kHz)を 200/

L

b

に設定する。ここで,

L

b

はループ内の光ファイバのおおよその長さ(km)であ


50

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

る。O/E 変換器からの出力パルスをオシロスコープで見て,次に規定する二つのパルスが,オシロスコー

プの波形上で重なるようにパルスの繰返し周波数を調整する。二つのパルスのうち,一つは,E/O 変換器

から,ループを回らずに直接 O/E 変換器に伝達した光パルスであり,もう一つは,ループを一度走行して

きた進行光パルスの一部分であり,一緒に検出できる。デジタルカウンタによって繰返し周波数を記録す

る。これが,ループ伝搬時間

T

b

である。繰返し周波数に小さな変化を与えることによって不確かさ

u

Tb

概算する。

A1:光減衰器 
C1:O/E 変換器 
C2:E/O 変換器

図 A.2−ループ伝搬時間 T

b

の測定システム構成

A.1.1.2  光パルス入力用光ファイバ伝搬時間の測定

光パルス入力用光ファイバの伝搬時間を校正するためのシステム構成を,

図 A.3 に示す。パルス発生器

のパルス幅,振幅及び繰返し周波数(推奨値は,約 1 kHz)を適切な値に調整し,デジタルカウンタにト

リガ信号を与える。カウンタによっては,開始トリガと停止トリガとの間にトリガに応答しない時間をも

つものがあるため,このトリガパルスに対し,E/O 変換器への出力パルスが遅延することが必要な場合が

ある。タイムインターバルカウンタのチャネル B のトリガレベルを,カウンタが O/E 変換器の信号出力を

受けたときにだけトリガするように調整する。これは,カウンタが,ループを 1 回以上回ってきた減衰し

たパルスによってトリガすることを防止するためである。カウンタによって表示した伝搬時間

T

1

を記録す

る。O/E 変換器の出力を一時的にカウンタから外し,オシロスコープに接続し,直接伝達したパルスを見

て,それらの振幅を書き留める。次に,ループ遅延線を取り除き,O/E 変換器を直接光減衰器に接続する。

オシロスコープで再びパルスを観測し,光減衰器を前と同じ振幅のパルスを発生するように調整する。O/E

変換器出力を再びカウンタに接続し,伝搬時間

T

2

を測定する。以上の測定から,光パルス入力用光ファイ

バの伝搬時間

T

a

は,式(A.1)を用いて算出する。

2

1

a

T

T

T

=

   (A.1)


51

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

A1:光減衰器 
C1:O/E 変換器 
C2:E/O 変換器

図 A.3−光パルス入力用光ファイバ伝搬時間 T

a

の校正システム構成

A.2  不確かさ

不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 の数学的根拠のガイドラインを用いることが望ましい。ル

ープ伝搬時間の不確かさ

u

Tb

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによって求める。

u

Tb, counter

:  クロック周波数の不確かさ及び時間間隔分解能によるデジタルカウンタの時間の

不確かさ(s)

u

Tb, adjust

:  オシロスコープを用いて繰返し周期を調整することによる時間の不確かさ(s)

u

Tb, λ

: E/O 変換器の中心光波長の不確かさによる時間の不確かさ(s)

。これは,波長の不

確かさに光ファイバの長さ

L

b

及び波長分散を乗じることによって算出できる。

u

Tb, θ

:  光ファイバの温度係数による時間の不確かさ。代表値は,許容温度範囲内で 1

cm/(km℃)。

入力用光ファイバ伝搬時間の不確かさ

u

Ta

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによって

求める。

u

Ta, counter

:  クロック周波数の不確かさ,時間間隔分解能及びトリガ振幅の設定によるデジタル

カウンタの時間の不確かさ(s)

u

Ta, typeA

:  例えば,タイミングジッタによる時間のタイプ A の不確かさ(s)

。これは,一連

の継続的なカウンタの読取り値から得ることができる。

u

Ta, λ

: E/O 変換器の中心光波長の不確かさによる時間の不確かさ(s)

。これは,波長の不

確かさに光ファイバの長さ

L

a

及び波長分散を乗じることによって算出できる。

u

Ta, θ

:  光ファイバの温度係数による時間の不確かさ。代表値は,許容温度範囲内で 1

cm/(km℃)。

測定のシステム構成及び手順によっては,追加の要因を考慮に入れる。

A.3  文書化

ループ遅延線には,次の事項を記述した文書を添付する。

a)  光パルス入力用光ファイバ及びループのおおよその長さ

b)  光パルス入力用光ファイバ及びループの測定された伝搬時間 
c) E/O 変換器の中心光波長 
d)  A.2 に従って算出した時間の不確かさ,±2

u

Ta

及び±2

u

Tb


52

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

附属書 B

規定)

損失校正用の基準光ファイバ

B.0  一般事項

この附属書では,基準光ファイバ法による OTDR の損失校正のための,光ファイバ式校正基準を定義す

る。

B.1  光ファイバ要求事項

光ファイバは,JIS C 6835 の規定並びに ITU-T Recommendation G.650.1 及び ITU-T Recommendation 

G.650.2 に従う石英系シングルモード光ファイバで,次の追加要求事項を満たすものとする。

−  1 310 nm における減衰定数

α

1 310

  ≦ 0.40 dB/km

− OH 基ピーク(1 385 nm)における減衰定数

α

1 385

  ≦ 1.00 dB/km

−  1 550 nm における減衰定数

α

1 550

  ≦ 0.25 dB/km

−  直径が 60 mm のマンドレルに 100 回巻き付けた

ΔA

bend

  ≦ 0.20 dB

1 550 nm における曲率損失

−  光ファイバの全長

L

≧ 3 km

B.2  光ファイバの適合性の確認 
B.2.1  一般事項

基準光ファイバ用の適切な光ファイバの選択については,B.2.2 及び B.2.3 に規定する。ここに規定する

試験は,光ファイバの後方散乱光波形が,次の規定に適合することの確認である。

a)  光ファイバの後方散乱光波形が,信号の伝達方向に無関係であること。このことによって,後方散乱

光波形を減衰の尺度として適用可能であることが確認できる。

b)  光ファイバの後方散乱光波形が線形であること。このことによって,後方散乱光損失は,光ファイバ

の長さとともに直線的に変化することが確認できる。a) と併せて考えれば減衰も,光ファイバの長さ

とともに直線的に変化することが確認できる。

これらの試験は,

パワーレベルの線形領域が十分に長い,

選定した OTDR を用いて実施するものである。

線形性試験は,B.2.2 に規定する。

B.2.2  OTDR のパワースケールの線形性試験

基準光ファイバの長手方向の一様性を確認するためには,基準光ファイバを試験するときに用いる

OTDR のパワースケールの範囲が十分に線形であることを確認する。この高度に線形である範囲は,次の

方法によって決める。

a)  基準光ファイバよりも十分に長いシングルモード光ファイバの OTDR 波形(図 B.1 に示す波形 1)を

測定する。この光ファイバに関しては,特別な要求事項を満たす必要はない。

b)  入力パワーを小さくして(例えば,0.5 dB),同じ光ファイバを再び測定する。例えば,このことは,

可変光減衰器を用いて減衰幅を増すことによって達成できる(

図 B.1 に示す波形 2)。

c)  波形 1 から波形 2 を引いて,波形 3 を得る(図 B.1 参照)。 
d)  波形 3 上において,傾きができるだけ小さく,かつ,基準光ファイバに求める長さを満足する領域を


53

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

探し出す。

e)  高度に線形であるパワー範囲は,図 B.1 に示す

L

1

L

2

間の距離によって,また,それに対応する波形

1 の表示パワーレベル

F

1

及び

F

2

によって定義する。

注記 OTDR の偏光依存性が,高度に線形であるパワー範囲の決定に全く影響しないことが望ましい。可

変光減衰器によって小さな減衰幅を加えることによって,偏光状態が変わらない場合,OTDR の偏
光依存性によって,波形 1 及び波形 2 の両方に同じ揺らぎが発生し,波形 3 には全く揺らぎは起き

ないことになる。

図 B.1−高度に線形であるパワー範囲の求め方

B.2.3  後方散乱光損失の方向依存性

光ファイバの全長を,OTDR に接続する。十分に多数のデータ点をとり,適切な SN 比を得るように,

OTDR のパルス幅を,例えば,1

μ

s に調整する。OTDR の偏光依存性の影響を平均化するために,OTDR

の測定条件を変化することで,

光ファイバの両端からの後方散乱光波形を求める。

さらに好ましいことは,

OTDR と光ファイバとの間に偏光コントローラを挿入することである。これによって,OTDR の偏光依存

性は,8.1 に規定するように,より系統的な方法によって削除することができる。A 及び B の各方向に対

し,平均後方散乱光波形

F

A

(

L

)  及び

F

B

(

L

)  を算出する。位置が一致するように,二つの後方散乱光波形を

加える。

( )

( )

(

)

L

L

F

L

F

L

A

+

=

total

B

A

AB

Δ

  (B.1)

光ファイバの両端からの影響を避けるために,中央の 2∼3 km の部分だけを分析に用いる。

ΔA

AB

(

L

)  の

最大及び最小間の差を明示する。これによって,上記のように後方散乱光波形が減衰量の尺度として用い

ることができることが確実となる。この試験の精度は,B.2.2 に規定する線形性測定結果によって決まる。


54

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

B.2.4  光ファイバの長手方向減衰量の一様性

この試験は,片側だけから実施することが望ましい。OTDR のパルス幅を,B.2.3 で用いたパルス幅,例

えば,1

μ

s に調整する。後方散乱光波形が,B.2.2 において,例えば,適切な長さの入力用光ファイバを用

いて決めた,高度に線形のパワー範囲に納まることを確認する。最善の精度を得るためには,偏光コント

ローラを挿入し,幾つかの偏光状態における後方散乱光を測定し,それによって得た波形を平均し,平均

化した波形から回帰線を求める(

図 B.2 参照)。この回帰線からの平均化した波形の偏差

ΔA

reg

を算出する。

また,この測定におけるタイプ A の不確かさは,

ΔA

reg

の値には有意な影響を及ぼさないことを確認する。

長手方向減衰量の一様性の試験には,通常,両端からの後方散乱光波形を測定し,平均化した後方散乱光

波形を算出することが必要となるが,B.2.3 に規定する試験によって,後方散乱光波形が確認されているの

で,ここでは,その必要がない。

図 B.2−基準光ファイバの長手方向後方散乱光の一様性試験

回帰線からの波形のピーク偏差

ΔA

reg

を,長手方向減衰量の一様性の概算として記録する。これによって,

上記のように,減衰量は,光ファイバの長さに直線的に依存することが確実となる。

B.3  基準光ファイバの準備及び校正

基準光ファイバを使用,輸送及び保管のために準備するには,次の手順に従う。

a)  光ファイバの全長から,中央の長さ 2∼3 km の部分を切り取る。 
b)  切り取った光ファイバを,輸送及び取扱いに対して適切に保護する(例えば,緩いチューブ,2 次コ

ーティング又はケーブルによる。

c)  巻く操作及び輸送によって損失が増加しないように,光ファイバを緩く巻く。

基準光ファイバが移動校正ツールとして用いるためのものであり,

頻繁な輸送の考慮が必要である場合,

温度変動に対する減衰量の安定性について,JIS C 6851 の 23.(温度サイクル)に従って試験することが望

ましい。測定結果は,測定精度の限界内で,初期値と一致しなければならない。初期値と一致しない場合,

23  ℃において減衰量の変化が全く観測できなくなるまで,ヒートサイクルを繰り返すことが望ましい。そ


55

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

の後,B.2 に規定する手順を繰り返し,その光ファイバがまだ適切なものであるかを確認することが望ま

しい。JIS C 6823 に規定するカットバック法に従い,1 285∼1 330 nm 及び 1 530∼1 570 nm のスペクトル

範囲内で,例えば,フィルタ付き白色光源を用いて,光ファイバ減衰量

A

(

λ)  を 2 nm 間隔で求める。それ

よりも高いモードの伝搬を避けるために,

r

=30 mm の一つの光ファイバループが基準光ファイバに組み入

れる。測定中,温度は 23±3  ℃に安定していなければならない。光源のスペクトル幅

Δ

λ

FWHM

を記録する。

光ファイバの両端にシングルモードコネクタを取り付ける。コネクタの代わりに,それぞれ最大 5 m まで

のピグテールを融着してもよい。

B.4  基準光ファイバの再校正

基準光ファイバからシングルモードコネクタ又はピグテールを取り除く。再校正のために,B.3 に規定

する減衰量測定手順を用いる。減衰量再校正結果は,最初の校正結果に対し,B.5 に規定する

u

A, std

の±4

倍(これはエージングを含む。

)よりも大きく異なってはならない。

B.5  基準光ファイバの不確かさ

不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 の数学的根拠のガイドラインを用いることが望ましい。基

準光ファイバの不確かさ

u

A, std

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによって求める。

u

Acutback

  :カットバック測定の繰返し性による損失の不確かさ

u

Aλ

  :減衰量測定に用いる光源の中心光波長の不確かさによる損失の不確かさ

u

Ameter

  :カットバック測定に用いるパワーメータの非線形性による損失の不確かさ

u

  :許容温度範囲における温度依存性による損失の不確かさ(dB)

基準測定のシステム構成及び手順によっては,追加の要因を考慮に入れる。

B.6  文書化

基準光ファイバには,次の事項を記述した文書を添付する。

a)  光ファイバのおおよその長さ 
b) 1

285∼1 330 nm 及び 1 530∼1 570 nm のスペクトル範囲に対する 2 nm 間隔ごとの光ファイバ減衰量

c)  測定に用いた光源のスペクトル幅 
d)  許容温度範囲(23±3  ℃) 
e)  B.5 に従って算出する,拡張した±2

u

A, std

の形の減衰量の不確かさ

f)  B.2.4 に規定する,

ΔA

reg

の形の長手方向減衰量の不確かさ

g)  B.2.3 に規定する,

ΔA

AB

の形の後方散乱光損失の光パルス伝搬方向依存性の不確かさ


56

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

附属書 C 

規定)

損失校正用の標準スプライスシミュレータ

C.1  構造 
C.1.1  説明

シミュレータは,長さがそれぞれ

D

0

D

1

及び

D

2

の 3 本の光ファイバ F0,F1 及び F2 によって構成する。

それらは,波長依存性のない分岐装置 C で接続する。シミュレータ及びその理論的後方散乱表示は,

C.1 に示すとおりである。光ファイバ F1 及び F2 の遠端における小さな円は,無反射終端を表す。

L

0

L

1

間の後方散乱信号は,二つの光ファイバ F1 及び F2 によるものである。

L

1

の後は,光ファイバ F2 からの

後方散乱信号だけを表示する。OTDR 校正に用いる標準融着損失は,

A

ref

である。この融着は,位置

L

1

おいて,光ファイバ F1 の遠端に現れる。

F0,F1,F2  :光ファイバ 
D

0

D

1

D

2

  :各光ファイバ長

L

0

L

1

L

2

  :各光ファイバの終端位置

C

:光カプラ

A

1

A

2

  :光カプラの各分岐による損失

A

0

A

ref

    :光カプラの過剰損失及び基準損失

図 C.1−スプライスシミュレータ及び理想化した OTDR 表示

C.1.2  融着損失分析

光ファイバは全て同じ性質をもち,分岐装置の減衰は,両方向で同じであると仮定した場合,分岐装置

の理論的規定は,式(C.1)及び式(C.2)によって示すことができる。


57

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

1

10

1

log

10

X

A

=

10

1

1

10

A

X

=

   (C.1)

2

10

2

log

10

X

A

=

10

2

2

10

A

X

=

   (C.2)

ここに,

A

1

F0 から F1 への分岐装置の減衰(F1 から F0 への分岐装
置の減衰と同等)

A

2

F0 から F2 への分岐装置の減衰(F2 から F0 への分岐装
置の減衰と同等)

X

1

及び

X

2

それぞれの結合比

過剰損失

A

0

及び基準損失

A

ref

は,それぞれ次の式(C.3)及び式(C.4)によって算出する。OTDR の往復補正

のために,対数変換には係数として 10 ではなく 5 を用いる。

(

)

2

2

2

1

10

0

log

5

X

X

A

+

=

  (C.3)



+

=



+

=

2

2

2

1

10

2

2

2

1

2

2

10

ref

1

log

5

log

5

X

X

X

X

X

A

  (C.4)

A

ref

は,

A

1

及び

A

2

を用いて,式

(C.5)

で表すことができる。



+

=

5

1

2

10

ref

10

1

log

5

A

A

A

  (C.5)

この式は,基準損失を定義するものである。

C.2

標準スプライスシミュレータの準備

標準スプライスシミュレータの準備は,次による。

a

)

JIS C 6835 に規定する一巻きの石英系シングルモード光ファイバを選択する。

b

)

この一巻きの光ファイバから,長さがそれぞれ

D

0

D

1

及び

D

2

,具体的には,例えば,約

1 000 m

2 000

m

及び

4 000 m

の光ファイバ

F0

F1

及び

F2

を切り取る。

c

)

これらの光ファイバを異なるスプールに緩く巻く。

d

)

シングルモード光ファイバピグテールが付き,波長依存性及び偏光依存性が小さい,

1

×

2

無色分岐装

置を

1

台選択する。代表的な要求事項は,次のものである。

1

)  1 290 nm

1 330 nm

及び

1 530 nm

1 570 nm

において結合比は,

50 %

±

1.5 %

2

)

結合比の偏光依存性は,±

0.5 %

未満

e

) 3

本の光ファイバを分岐装置に融着する。

f

)

スプライスシミュレータの入力側にコネクタを付ける。

g

)

衝撃及び振動からこの標準を保護するために,

3

本の光ファイバをそれぞれに巻いた,スプール及び

分岐装置を,頑丈な輸送ケースに入れて固定する。

h

)

スプライスシミュレータを移動校正ツールとして用い,頻繁に輸送を行う場合,温度変動に対する融

着損失安定性について,JIS C 6851 の 23.(温度サイクル)に従って試験することが望ましい。測定結

果は,測定精度の限界内で,初期値と一致しなければならない。初期値と一致しない場合,

23

℃にお

いて減衰の変化が観測できなくなるまで,ヒートサイクルを繰り返す。


58

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

C.3

校正手順

校正には,

1

台の

OTDR

を用いる。校正する値

A

ref

は,分岐装置の結合比だけに依存する。結合比が

50/50

であるとき,各分岐枝(

F1

及び

F2

)による後方散乱信号は等しい。この現象は,適切な装置を用い光フ

ァイバを曲げることによって一つの分岐枝を除外し,次に他方の分岐枝を除外することによって実証する

ことができる(

図 C.2 参照)。

F0,F1,F2  :光ファイバ 
X1,X2

:光カプラの分岐の後側に設置された位置

A

1

A

2

:光カプラの各分岐による損失

図 C.2−基準損失 A

ref

の求め方

スプライスシミュレータを校正するためには,次の手順に従う。

a

)

X2

において,適切な装置を用い,光ファイバを曲げることによって分岐枝

F2

を除外する。必要な

曲げ度合いは,最大減衰

A

1

を探すことによって,求めることができる。

b

) OTDR

を用いて減衰

A

1

を測定する。

c

)

X1

において,適切な装置を用い,光ファイバを曲げることによって分岐枝

F1

を除外する。

d

) OTDR

を用いて減衰

A

2

を測定する。二つの減衰測定は同一条件の下で実施する(例えば,

RMS

傾き

測定は,同一開始及び停止点,同一表示パワーレベルにおいて実施する。

基準損失は,式

(C.5)

によって算出する。



+

=

5

1

2

10

ref

10

1

log

5

A

A

A

  (C.5)

この計算の結果は,

A

1

及び

A

2

間の微少な差を正確に測定する

OTDR

の能力だけによって決まるため,

OTDR

のパワースケールの精度に関わる特別な要求事項は何もない。理想的なカプラの場合は,

A

1

A

2

A

ref

1.505 dB

である。

C.4

不確かさ

不確かさを計算し,規定する場合,

附属書 の数学的根拠のガイドラインを用いることが望ましい。式

(C.6)

及び式

(C.7)

を用いて不確かさを算出する。校正の時点においては,損失

A

1

及び損失

A

2

はほぼ同じで

ある。


59

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

ε

+

=

1

2

A

A

  (C.6)

(

)

5

/

10

ref

10

1

log

5

ε

+

=

A

   (C.7)

ε がゼロに近いとき,式

(C.8)

及び式

(C.9)

を用いて算出する。

ε

2

1

ref

A

  (C.8)

(

)

1

2

1

ref

2

2

2

1

A

A

A

A

+

=

  (C.9)

注記

  A

1

A

2

は相関があるので,

(二乗加算ではなく)そのまま加算する。その結果,式

(C.10)

に示す

ように基準損失の不確かさは分岐損失の不確かさに等しいことになる。

A1

Aref

u

u

=

  (C.10)

不確かさ

u

A1

は,次に示す各要因の二乗和平方根を算出することによって求める。

u

A

λ

OTDR

の中心光波長の不確かさに起因する損失の不確かさ(

dB

u

AL

A

1

及び

A

2

を測定する

OTDR

の非直線性に起因する直線性の不確かさ(

dB

u

A

θ

:許容温度範囲における温度依存性に起因する損失の不確かさ(

dB

u

Acoupler pdl

:カプラの偏光依存性(

PDL

)及び入射波が,偏光しているという事実に起因する損失の不確

かさ(

dB

JIS C 61300-3-2 には,

PDL

測定について規定している。

u

Aotdr pdl

OTDR

の偏光依存性(

PDL

)及び後方散乱信号が,偏光しているという事実に起因する

A

1

(又

A

2

)の不確かさ(

dB

。この不確かさは,

OTDR

とスプライスシミュレータとの間に偏光

コントローラを挿入し,異なる偏光状態において

A

1

及び

A

2

を測定し,その結果を平均する

ことによって小さくできる。

u

Auni

:光ファイバの不均一性に起因する分岐損失の不確かさ

C.5

文書化

スプライスシミュレータには,次の事項を記述した文書を添付する。

a

)

光ファイバのおおよその長さ

D

0

D

1

及び

D

2

b

)

スプライスシミュレータの入力コネクタから基準損失までの,おおよその距離

D

0

D

1

。この距離は,

融着の位置として用いる。

c

)

基準損失

A

ref

d

)

校正に用いた中心光波長

e

)

許容温度範囲

f

)

C.4 に従って計算した基準損失の不確かさ


60

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

附属書 D 

規定)

数学的根拠

D.0

一般事項

この附属書では,測定の不確かさの要約及び評価を集積して報告する形態を示す。これは,ISO/IEC 

Guide 98-3

:2008

の“計測における不確かさの表現の指針”に基づくが,この附属書は,この指針に記載さ

れている詳細内容を十分には反映していない。

標準として,測定の不確かさの評価方法について二つのタイプを規定する。タイプ

A

は,同じ測定に対

する一連の繰返し測定を統計的に分析し,不確かさを評価する方法である。タイプ

B

は,その他の知識に

基づいて,不確かさを評価する方法である。

D.1

タイプ 評価の不確かさ

タイプ

A

評価の標準不確かさは,同じ測定条件の下で,個別の独立した測定の場合に適用できる。

X

について,

n

回の独立な測定で得られた

X

k

に対しての算術平均は,式

(D.1)

を用いて算出する。

=

=

n

k

X

n

X

1

k

1

   (D.1)

この平均は,その量の推定値とされる。つまり,

X

x

=

とする。測定に基づいて実験の標準偏差は,式

(D.2)

を用いて算出する。

( )

(

)

2

1

1

2

k

1

1

=

=

n

k

X

X

n

X

s

  (D.2)

ここに,

測定した値の算術平均

X

k

一連の測定の測定サンプル

n

測定の回数で,例えば,

n

10

のような大きな数字を想定する。

推定値を

x

とするとき,タイプ

A

の標準不確かさ

u

typeA

(x)

は,式

(D.3)

を用いて算出し,実験の平均値に

おける標準偏差で表す。

( )

( )

( )

n

X

s

X

s

x

u

=

=

typeA

   (D.3)

D.2

タイプ 評価の不確かさ

タイプ

B

評価の標準不確かさは,一連の測定の統計的な分析以外によって不確かさを評価する方法であ

る。ここでは,数値の変動に関して得たあらゆる情報に基づいた科学的な判断によって評価する。

X

の推定値

x

が,製造業者の仕様,校正証明書,ハンドブック又はその他の情報源から得て,その引

用した不確かさ

U(x)

が,標準偏差の

k

倍ある場合,標準不確かさ

u(x)

は,単に,式

(D.4)

となる。

( ) ( )

k

x

U

x

u

/

=

   (D.4)

X

について,上限値

X

max

及び下限値

X

min

が評価できる場合(例えば,製造業者の仕様又は温度範囲の

ような)

,長方形状の確率分布を推定して,推定値

x

は,式

(D.5)

を用いて算出する。


61

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

(

)

min

max

2

1

X

X

x

+

=

  (D.5)

標準不確かさは,式

(D.6)

を用いて算出する。

( )

(

)

min

max

3

2

1

X

X

x

u

=

   (D.6)

出力推定値

y

及び関連する標準不確かさへの寄与で,入力推定値

x

及び関連する標準的不確かさが要因

となって生じるものは,次の式

(D.7)

による。

( )

( )

x

u

c

y

u

×

=

   (D.7)

ここに,

c

は,入力推定値

x

及び関連する感度係数であって,これは,モデル関数

y(x)

の入力推定値

x

に関する偏導関数であり,その関係を式

(D.8)

に示す。

x

y

c

=

   (D.8)

感度係数

c

は,出力推定値

y

が,入力推定値

x

の変化によってどの程度影響を受けるかを示す。感度係

c

は,出力推定値

y

の変化分であって,それは,入力推定値

x

の変化からモデル関数

y(x)

によって算出

できる。また,式

(D.8)

又は数値計算でも算出できる。

x

の変化によって生じる出力推定値

y

の変化は,実

験で求めることが適切なこともある。

D.3

標準不確かさの合成

合成標準不確かさとは,個々の不確かさを集めて一つの量にまとめたものである。

標準不確かさは,個々の不確かさが統計上互いに独立であるとして,タイプ

A

及びタイプ

B

によって見

積もった全ての不確かさの二乗和平方根をとって,式

(D.9)

のように合成する。

( )

( )

=

n

i

i

y

u

y

u

1

2

c

  (D.9)

ここに,

i

個々の要因の数

u

i

(y)

それぞれの標準不確かさ

n

不確かさの数

注記

この式では,最大の不確かさ(ばらつき量)の

1/10

以下の不確かさは,二乗すると

1/100

以下

となるので無視してもよい。

上記の量を基に,さらに,詳細に不確かさを計算する場合は,合成標準不確かさ

u

c

を基準として,式

(D.9)

に再投入すればよい。ここに,

u

c

は,部分的にはタイプ

A

の性格を帯びているが,タイプ

B

の不確かさを

示している。

D.4

報告

校正報告書及び技術的なデータシートから集計した標準不確かさは,適用できる信頼水準とともに拡張

不確かさの形で報告する。それぞれの補正係数又は偏差も報告する。拡張不確かさ

U

は,標準不確かさ

u

c

(y)

に包含係数

k

を乗じることによって式

(D.10)

のように得る。

( )

y

u

k

U

c

×

=

  (D.10)

95 %

の信頼水準を推定値(デフォルト)として選択する場合,

k

2

となる。約

99 %

の信頼水準を選


62

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

択する場合,

k

3

となる。これらの

k

の値は,特定の信頼水準に対してだけ用いることができる(ISO/IEC 

Guide 98-3

:2008

参照)

。したがって,より厳しい信頼水準に対しては,より大きな包含係数を用いる。


63

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

附属書 E

規定)

反射率基準

E.1

説明

反射率基準は,

4

ポート光カプラ,同様の光特性をもった長さ

D

1

及び

D

2

2

本の光ファイバ

F1

及び

F2

,及び可変減衰器から構成する(

図 E.1 参照)。光ファイバ

F1

は高反射率,光ファイバ

F2

は低反射率

で終端している。

D

1

及び

D

2

の典型的な光ファイバ長は,

1 km

又は

2 km

である。光カプラは,分岐比が,

90

10

であり,低い波長依存性及び低い偏光依存性のものを用いる。光カプラは,光ファイバ

F2

90 %

の結合比を与えるために接続している。また,このような反射率基準によって発生した

OTDR

波形を,

図 E.1 に示す。

F0,F1,F2  :光ファイバ 
D

0

D

1

D

2

:各光ファイバ長

L

0

L

1

L

2

  :各光ファイバの終端位置

AB

:光カプラの各分岐による損失

注記  基準反射での減衰が必要な場合,光ファイバ F2 の位置 L

1

に無反射減衰器を追加する。

図 E.1−反射率基準の説明及び波形

E.2

反射率の解析

注記

次の解析は,種々のパラメータの線形式,対数式を含む。解析は,種々のパラメータの線形式,

対数式を含む点に注意して次の式を用いる。これらの解析は,参考文献の

[2]

を参照。

光カプラに対する

CW

入力パワーを

P

0

とする。その場合,入力光カプラポートに戻る後方散乱パワー

P

bs

は,式

(E.1)

を用いて算出する。


64

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

(

)

(

)





+

=

1

2

2

2

0

bs

1

1

D

D

e

v

BK

e

v

AK

P

P

α

α

α

α

W

   (E.1)

ここに,

α

光ファイバの減衰量(

m

1

v

光ファイバの中の光速度

A

90 %

ポートにおける光カプラの往復の透過率

B

10 %

ポートにおける光カプラと減衰器との往復の透過

K

光ファイバの後方散乱パラメータ

B

は,二つの部分からなっていて,式

(E.2)

を用いて算出する。

5

/

0

10

AT

B

B

=

dB

   (E.2)

ここに,

B

0

は,減衰器が

0 dB

にセットされる場合の光カプラ及び減衰器の往復損失であり,減衰器の

規定値(

dB

)である(

AT

は正の値)

反射率

ρ

で,ある高反射端から反射されたパワー

P

ρ

は,式

(E.3)

を用いて算出する。

1

2

0

D

Be

P

P

α

ρ

ρ

=

W

  (E.3)

パルス入力条件において方形パルスを想定し,反射率ピーク前の後方散乱パワー

P

bs, D

1

は,式

(E.4)

を用い

て算出する。

(

)

(

)

B

A

e

e

v

K

P

P

T

v

D

D

+

=

1

Δ

1

2

0

1

bs,

α

α

α

W

   (E.4)

ここに,

ΔT

は,

OTDR

のパルス幅である。パワーのピーク値である

P

P

は,反射と後方散乱との和であ

り,式

(E.5)

を用いて算出する。

1

bs,

1

2

0

D

D

P

P

Be

P

P

+

=

α

ρ

  (E.5)

それゆえ,後方散乱から飛び出るピークの高さ

ΔF

は,式

(E.6)

を用いて算出する。

(

)

(

)

(

)

(

)

+

+

=





+

+

=

+

+

A

B

e

K

v

A

B

e

B

A

K

v

B

F

T

v

T

v

/

1

1

1

log

5

1

1

log

5

Δ

1

Δ

1

Δ

α

α

α

ρ

α

ρ

 ····  (E.6)

(

)

(

)

+

+

=

+

1

/

1

Δ

Δ

1

log

5

Δ

T

v

e

A

B

T

AK

T

v

B

α

α

ρ

dB

  (E.6a)

1

1

lim

0

=





x

e

x

x

として,

1

Δ

<<

T

v

α

のとき,

(

)

+

+

=

A

B

T

AK

B

F

/

1

Δ

1

log

5

Δ

ρ

dB

  (E.6b)

注記

誤差は,

ΔT

1 μs

α

0.35 dB/km

において

0.04 dB

以下である。

光カプラ,減衰器及び反射器は,

ρB/[A(1

B/A)]

[式

(G.9)

参照]の反射率をもった反射事象として

OTDR

に表れる。したがって,反射率

R

は,式

(E.7)

を用いて算出する。

+

A

B

AT

A

B

R

1

log

10

2

log

10

0

ρ

dB

   (E.7)

ここに,

B/A

0.01

であるので,式

(E.7)

の最後の項は,通常,無視でき(誤差は,

0.04 dB

以下である。


65

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

反射率

R

を算出する式は,式

(E.8)

となる。

( )

(dB)

2

log

10

(dB)

2

log

10

ref

0

AT

R

AT

A

B

R

ρ

ρ

  (E.8)

(E.1)

及び式

(E.3)

から,減衰器が

0 dB

にセットされている場合の

CW

後方散乱パワーへの反射比は,

(E.9)

を用いて算出する。

(

) (

)

[

]

1

2

0

2

2

0

1

2

0

0

bs,0

0

,

1

1

D

D

D

e

B

e

A

v

K

P

e

B

P

P

P

α

α

α

ρ

α

ρ

+

=

(

) (

)

[

]

A

e

B

e

e

K

v

A

B

D

D

D

/

1

1

1

2

0

2

2

1

2

0

α

α

α

α

ρ

+

=

   (E.9)

10 %

ポートから

90 %

ポートへの後方散乱パワーの比

P

B/A, 0

は,式

(E.10)

を用いて算出する。

(

)

(

)

2

2

1

2

0

B/A,0

1

1

D

D

e

A

e

B

P

α

α

=

(dB)  (E.10)

したがって,式(E.11)に変換できる。

(

)

(

)

1

2

2

2

B/A,0

0

1

1

D

D

e

e

P

A

B

α

α

=

(dB)   (E.11)

式(E.8)の B

0

/を置き換え,式(E.11)を用いて算出する。

(

)

(

)

B/A,0

2

2

1

2

bs,0

0

,

0

1

1

P

e

e

v

P

K

P

A

B

D

D

+

=

α

α

ρ

α

ρ

dB

  (E.12)

(E.12)

の右辺の全ての数量は,測定可能である。すなわち,

α

D

1

及び

D

2

は,

OTDR

を用いて十分な

精度で測定可能である。

K

及び

v

は,

OTDR

に入力するか又は

OTDR

のソフトウェアで初期値として存在

するパラメータであるので,

実際にはそれらを決めるのは必須ではない。

ただし,

K

及び

v

の初期値を,

ρB

0

/A

の計算のために用いる場合,同じ値を反射校正の実行前に,

OTDR

に入力する。

E.3

反射率基準の準備及び校正

反射率基準の準備及び校正は,次による。

a

)

長手方向の減衰定数変化が,±

0.01 dB/km

以下の,JIS C 6835 に規定する

SSMA

又は

SSMA

U

の石

英系シングルモード光ファイバのスプールを選択する。

b

)

この光ファイバの減衰定数を測定する。

c

)

スプールから,長さ

D

1

及び

D

2

の二つの光ファイバをカットする。そして,

D

2

2D

1

となるように,

別のスプール上に巻く。

D

1

及び

D

2

に対する典型的な長さは,

1 000 m

及び

2 000 m

である。

d

)

必要な場合,後方散乱パラメータ

K

を測定する。

e

)

光ファイバ

D

1

及び

D

2

の長さを測定する。必要に応じて時間をかけた場合,これらは通常

OTDR

を用

いて十分に精密に行うことができる。

f

)

シングルモード光ファイバのピグテールが付いた波長依存性又は偏光依存性が低い

2

×

2

光カプラを

選択する。結合比は,約

90 %

10 %

とする。


66

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

g

)

偏波依存性が低く標準的な特性が,−

50 dB

よりも低い反射特性をもつ可変減衰器を選択する。

h

)

減衰器を融着接続又は−

50 dB

以下の低い反射特性のコネクタのいずれかで,分岐器の

10 %

出力へ接

続する。

i

)

長さ

D

1

及び

D

2

の光ファイバを,それぞれ減衰器及び分岐器

90 %

の出力ポートに,融着接続又は低い

反射のコネクタで接続する。

j

)

光ファイバ

F1

の終端に,高反射器を融着接続する。その反射率は,

0.8

以上とするのが望ましい。

k

)

光ファイバ

F2

の終端を切断し,末端の反射を−

30 dB

よりも低くするために屈折率整合液を用いる。

代わりに,終端を斜めに切断してもよい。

l

)

光カプラの入力ポートへ融着接続する光ファイバ

F0

の長さは,

特に重要ではなく

100 m

程度でよい。

m

) 50 %

50 %

の結合比をもった

2

×

2

光カプラの出力ポートを,光ファイバ

F0

の末端へ融着接続する。

その他の出力ポートを,低い反射で終端する。

n

) 50

50

光カプラの入力ポートの一つを,偏光状態制御器を介して波長可変レーザへ接続する。

注記

減衰器の往復損失の校正を求めない場合,o

)

r

)

の段階は,省略することができる。

o

) 90

10

光カプラのその他の入力ポートを,パワーメータに接続する。

p

)

この光カプラの

90 %

ポートを,後方散乱及び反射信号を取り除くため,結び目を

Q

点として配置す

る。以降において,添え字は,例えば,

P

QS

のようにその点がどの場所にあるかを示している。基準

点位置(

Q

S

T

及び

U

)を,

図 E.2 に示す。

F0,F1,F2  :光ファイバ 
Q,S,T,U :各基準点位置

図 E.2−校正設定及び校正のための基準点

q

)

減衰器を,

0 dB

に設定する。そして,

F1

以降の後方散乱及び反射パワーを取り除くために,減衰器の

後に結び目

S

点を配置する。このときの信号レベルを,

P

QS, 0

としてパワーメータで記録する。その他

の減衰器の設定の

P

QS, AT

を得るためにこれを繰り返す。これは,減衰器設定の関数として,その系の

背景反射信号を示している。全てのパワー測定は,線形単位で行う必要がある。

r

)

パワーメータで反射器から信号を得るために

S

での結び目を取り除く。要求するダイナミックレンジ

及び波長レンジにわたる範囲で減衰器を校正する。それぞれの減衰器設定におけるパワーメータの指

示値は,観測したパワー

P

QA, T

から背景信号

P

QS, AT

を引くことによって,それぞれの背景信号に対して

も補正する。減衰器のための補正係数を計算するためにこのデータを用いる。

s

)

入力ポートからパワーメータを取り外し,低反射率(<−

50 dB

)を達成するために,光カプラファイ

バピグテールの終端を切断する。

t

)

パワーメータを

50

50

光カプラの用いていない入力ポートへ接続する。


67

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

u

)

減衰器の損失を

0 dB

に設定する。

Q

及び

S

に結び目を配置して,新しいバックグランド

P

Q

を測定す

る。

v

) S

の結び目を取り外し,光ファイバ

F1

における

T

点,

F2

における

Q

点に結び目を配置する。そのと

きのパワーメータに戻ったパワーを測定する。

10 %

ポートから後方散乱パワーを

P

QT

P

QS

として算出

する。

w

) T

の結び目を取り外し,後方散乱に反射パワーを加えた

P

Q

を記録する。

P

Q

P

QT

として,反射

P

ρ0

算出する。

x

)

光ファイバ

F1

における

S

及び

F2

における

U

に結び目を配置する(

Q

の結び目は取り外す。

。そのと

きにパワーメータに戻ったパワーを

P

SU

として記録する。

P

SU

P

QS

の式から,

90 %

ポートから戻った

パワーを算出する。

y

) (P

QT

P

Q

)/(P

SU

P

QS

)

の式から,

P

B/A, 0

を算出し,式

(E.11)

から

B

0

/A

を算出する。

z

) T

及び

U

に結び目を配置し,後方散乱パワー

P

TU

を記録する。

P

TU

P

QS

の式から,後方散乱パワー

P

bs, 0

を算出する。

aa

)

w

)

y

)

及び z

)

から得られる

P

ρ0

P

B/A, 0

及び

P

bs, 0

の値を用いて

ρB

0

/A

を算出するために,式

(E.12)

を用いる。

ab

)

異なる減衰値に対して

R

ref

を計算するために,式

(E.7)

及び式

(E.2)

を用いる。

E.4

不確かさ

基準反射率

R

ref

の不確かさは,基本的に,三つの部分[式

(E.7)

参照]

,すなわち,

ρB

0

/A

及び

u

ρ

での不確

かさ,減衰器

ρ

AT

に起因する不確かさ並びに量

B/A

及び

u

BA

での不確かさから成る。最後の項は,ごく僅

かであり,無視できる。減衰器の不確かさは,次の要因から成り立っている。

u

A1

減衰器の設定値の再現性

u

A2

減衰器の特性を求めるために用いるパワーメータの直線性

u

A3

減衰器の偏光依存性

u

A4

 OTDR

の実波長の不確かさに結びついた減衰器の波長依存性

OTDR

の中心光波長が分かる場合,無視できる。

上記の要因全ての二乗和をとることによって,

u

AT

が得られる。

ρB

0

/A

での不確かさは,

P

ρ0

P

bs, 0

,光ファイバ減衰係数及び長さに影響を受け,式

(E.13)

及び式

(E.14)

示すことができる。また,

P

BA

での誤差は,無視できる。

(

)

2

2

1

2

,0

s

b

0

,

0

ref

1

D

D

e

e

v

P

K

P

A

B

α

α

ρ

α

ρ

ρ

=

dB

  (E.13)

(

) ( )

2

1

bs,0

0

,

2

2

1

D

D

v

P

K

P

α

ρ

+

  (E.14)

これから,

D

1

D

2

によって

ρ

ref

における不確かさの要因を,式

(E.15)

∼式

(E.19)

によって得ることができ

る。

(

)

1

1

ref

1

,

2

1

2

D

D

u

D

u

α

α

ρ

ρ

+

=

  (E.15)

2

2

ref

2

,

1

D

D

u

D

u

ρ

ρ

=

  (E.16)


68

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

(

)

α

α

ρ

α

ρ

u

D

D

u

1

1

ref

,

2

1

2

+

=

  (E.17)

0

,

0

,

ref

0

,

,

1

ρ

ρ

ρ

ρ

ρ

P

P

u

P

u

=

  (E.18)

bs,0

bs,0

ref

bs,0

,

1

P

P

u

P

u

ρ

ρ

=

  (E.19)

P

ρ, 0

及び

P

bs, 0

の誤差は,それらを構成するパワー測定での誤差から成り立っている。各パワー測定にお

いて,検出器及び光源の雑音又は検出器の直線性が要因となる。これらの二乗和をとることによって,

P

ρ, 0

及び

P

bs, 0

の不確かさである

u

ρ, 0

及び

u

bs, 0

を得る。最後に,これらの不確かさと,

D

1

D

2

などに対する不

確かさとの二乗和をとることによって,

ρ

ref

の全誤差を得る。この結果は,反射率

R

の不確かさを算出する

ために用いる。

E.5

文書化

校正を行った反射率基準には,次の校正結果を添付する。

a

)

光ファイバのおおよその長さ:

D

0

D

1

及び

D

2

b

)

反射率基準の入力コネクタから反射点までのほぼ正確な距離

D

0

D

1

:この距離は,反射位置として用

いる。

c

)

光ファイバの後方散乱パラメータ(両波長に対する)

d

)

減衰器設定の各値に対する基準反射率

R

ref

e

)

校正に用いた後方散乱パラメータ

f

)

校正に用いた中心光波長

g

)

E.4 に従って算出した反射率の不確かさ


69

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

附属書 F

規定)

簡易な反射率基準

F.1

説明

簡易な反射率基準は,適切な

OTDR

パルス幅で,高い反射(−

20 dB

∼−

35 dB

)に対して用いることが

できる。簡易な反射率基準は,光ファイバ

F1

,可変光減衰器及び光ファイバ

F2

で構成する(

図 F.1 参照)。

光ファイバ

F1

は,

2 km

又はそれ以上のもの,可変光減衰器は,低い波長依存性及び低い偏光依存性のも

のを用いる。光ファイバ

F2

は,

2 m

以下とし,

1 m

が望ましい。減衰器の両端コネクタの反射率は,−

50

dB

以下が必要であり,

APC

形コネクタが望ましい。高い反射を得るために,遠端には

APC

コネクタを用

いる。

F1,F2  :光ファイバ 
DD

2

  :光ファイバ長

L

1

L

2

  :光ファイバ F1,F2 の終端位置

図 F.1−反射率基準の説明及び波形

F.2

反射率の解析

D>>D

2

L

L

2

)と仮定する。反射率

ρ

の高い反射終端からの反射パワー

P

ρ

は,式

(F.1)

を用いて算出する。

D

ρ

Ee

P

P

α

ρ

2

0

=

W

  (F.1)

ここに,

E

は,減衰器の往復減衰定数である。

E

は,二つの部分から成る。これらの関係は,式

(F.2)

ようになる。

5

/

0

10

AT

E

E

=

dB

  (F.2)

ここに,

E

0

は,減衰器が

0 dB

に設定されるときの,減衰器損失の往復減衰定数であり,

AT

は,

dB

で設

定される減衰値である(

AT

は,正である。

。パルス入力条件として,長方形パルスを仮定すると,反射ピ


70

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

ーク直前の後方散乱パワー

P

bs, D

は,式

(F.3)

を用いて算出できる。

(

)

1

Δ

2

0

bs,

=

T

v

D

D

e

e

v

K

P

P

α

α

α

W

  (F.3)

ここに,

α

m

1

で表現される光ファイバ減衰量

v

光ファイバにおける光の速度(

c/N

に等しい)

K

光ファイバ後方散乱パラメータ

ΔT

OTDR

パルス幅

反射ピークにおけるパワー

P

ρ

は,反射及び後方散乱パワーの和であり,式

(F.4)

を用いて算出する。

D

D

ρ

P

Ee

P

P

bs,

2

0

+

=

α

ρ

W

  (F.4)

後方散乱から飛び出る反射ピークの高さ

ΔF

は,式

(F.5)

を用いて算出する。

(

)

1

Δ

1

1

log

5

Δ

+

+

=

T

v

e

K

v

E

F

α

α

ρ

dB

  (F.5)

それゆえ,減衰器/反射端は,反射率

ρE

をもった反射事象として,

OTDR

で観測する。

したがって,反射率

R

は,次の式を変換した,式

(F.6)

を用いて算出する。

( )

E

R

ρ

log

10

=

(

)

(

)

AT

AT

E

R

2

log

10

2

log

10

ref

0

=

=

ρ

ρ

dB

  (F.6)

(F.1)

から,減衰器を

0 dB

に設定した場合の

CW

後方散乱パワーに対する反射パワーの比率は,次の式

となる。

(

)

D

D

e

v

K

P

e

E

P

P

P

α

α

α

ρ

2

0

2

0

0

bs,0

0

,

ρ

1

=

したがって,式

(F.7)

に変換できる。

(

)

1

2

bs,0

0

,

ρ

0

ref

=

=

D

e

v

P

K

P

E

α

α

ρ

ρ

(F.7)

(F.7)

の右側の全ての数量は,測ることができる。

α

は,

OTDR

を用いて,十分正確に測定することが

できる。

K

及び

v

は,

OTDR

に入力するか,

OTDR

のソフトウェアで初期値として存在するパラメータで

あるので,実際にはそれらを決めるのは必須ではない。

F.3

反射率基準シミュレータの準備及び校正

反射率基準シミュレータの準備及び校正は,次による。

a

)

長手方向の減衰定数変化が,±

0.01 dB/km

以下の,JIS C 6835 に適合する石英系シングルモード光フ

ァイバのスプールを選択する。

b

)

この光ファイバの減衰定数を測定する。

c

)

低偏光依存性及び高いリターンロス(通常,

50 dB

以上)をもつ可変光減衰器を選択する。

d

)

可変光減衰器を光ファイバ

F1

へ接続し,可変光減衰器の後ろに光ファイバ

F2

を接続する。可変光減

衰器を

0 dB

に設定する。

e

)

光ファイバ

F1

のリードの入射端に対して,

50 %

50 %

の結合比で波長依存性のない

2

×

2

光カプラの

出力ポートを融着する。

f

) 50

50

光カプラの入力ポートの一つを,偏光状態制御器を通して波長可変レーザへ接続する。


71

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

g

) 50

50

光カプラのもう一方の入力ポートに,パワーメータを接続する。

h

)

減衰器の手前の

S

点に結び目を作り,

F1

以降の後方散乱及び反射パワーを取り除く。パワーメータ上

のこのときの信号

P

bs, 0

を記録する。これは,システムの背景反射信号を表している。全てのパワー測

定は,線形単位で行う必要がある。基準点位置(

S

)を,

図 F.2 に示す。

i

)

パワーメータ上で反射端からの信号,

P

Q, AT

を得るために,

S

点の結び目をほどく。要求するダイナミ

ックレンジ及び波長範囲で減衰器を校正する。それぞれの減衰器設定におけるパワーメータの指示値

は,観測したパワー

P

QA, T

から背景信号

P

bs, 0

を減じることによって補正する。減衰器のための補正係

数を算出するために,このデータを用いる。

j

)

減衰器を

0 dB

に設定する。

P

Q, 0

を記録する。

k

)

反射パワー

P

ρ, 0

を,

P

Q, 0

P

bs, 0

として算出する。

l

)

k

)

及び h

)

による,

P

ρ, 0

及び

P

bs, 0

の値を用いて,式

(F.7)

から

ρ

ref

を算出する。

m

)

減衰器の異なった値に対し,

R

ref

を算出するために,式

(F.6)

及び

(F.2)

を用いる。

F1,F2:光ファイバ 
S:基準点位置 
T:終端

図 F.2−校正設定及び校正のための基準点

F.4

不確かさ

基準反射率

R

ref

の不確かさは,主に二つの部分,つまり,減衰器に起因する不確かさ

u

AT

及び遠端反射に

起因する不確かさ

u

R

から成る。減衰器の不確かさは,次の項目から成る。

減衰器の再現性からの

u

A1

減衰器を特性付けるために用いたパワーメータの線形性からの

u

A2

減衰器の偏光依存性からの

u

A3

実際の

OTDR

波長の不確かさに結びついた減衰器の波長依存性からの

u

A4

OTDR

波長が分かってい

る場合,無視する。

内部反射からの

u

A5

  K

の決定からの

u

K

F.5

文書化

校正を行った反射率基準には,次の校正結果を添付する。

a

)  L

1

及び

L

2

のおおよその長さ

b

)

光ファイバの後方散乱パラメータ(各波長に対して)

c

)

各減衰器の設定に対する基準反射値

R

ref

d

)

校正に対して用いた後方散乱レベル


72

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

e

)

校正に対して用いた中心光波長

f

)

(F.6)

に基づいて算出した反射率の不確かさ


73

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

附属書 G 

参考)

OTDR

の基礎:後方散乱の理論−OTDR を用いた

反射率測定−光ファイバにおける後方散乱パラメータの決定

G.0

一般事項

OTDR

での反射率測定において,反射点における後方散乱パワーを知る必要がある。この附属書では,

連続波(

CW

)光源による後方散乱パラメータの測定について述べる。

注記

解析は,参考文献の

[2]

を参考としている。

G.1

後方散乱理論

光ファイバの入力ポートにおける後方散乱パワーは,式

(G.1)

を用いて算出する。

( )

Z

e

ZP

S

Z

P

α

α

2

0

S

bs

Δ

=

   (G.1)

ここに,

P

0

パルス入力パワー

S

散乱光に対する後方散乱成分の割合

α

S

散乱係数,例えば,

m

1

α

m

1

単位の減衰量。

α

α

dB

0.000 23

α

dB

dB/km

単位の減衰量

Z

後方散乱パワーを引き起こす距離

ΔZ

各時刻における後方散乱パワーに寄与する光ファイバ長
(パルス幅設定による:

ΔZ

vΔT/2

一方,後方散乱パワーは,時間関数:

P

bs

(t)

として定義することができ,式

(G.2)

を用いて示すことがで

きる。

( )

vt

0

S

bs

Δ

2

2

α

α

=

=

e

TP

v

S

t

P

vt

Z

   (G.2)

ここに,

v

群速度。例えば,単位時間当たりの長さ(

m/s

)であり,

c

を真空中の光の速度,

N

を光ファイバの群屈折率とし

た場合,

c/N

で表す。

ΔT

パルス幅,例えば,

s

光ファイバの入力側のパワーに対するパルス入力パワーの後方散乱の比を,後方散乱係数

C

として定義

することは有効である。式

(G.1)

は,この比を決定するために用いることができる(パルス幅に依存)

( )

(

)

T

v

S

P

t

P

T

C

Δ

2

0

Δ

S

0

bs

α

=

=

=

   (G.3)

シングルモード光ファイバのための標準的な値は,次による。

α

S

1 300 nm

  α

0.000 08 m

1

,すなわち,

0.35 dB/km

0.000 23

α

S

1 550 nm

  α

0.000 046 m

1

,すなわち,

0.2 dB/km

0.000 23

S

(NA/n)

2

/4

0.001 2

:参考文献の

[1]

を参考としている。

モードフィールド径に基づいて,次の関係がある。

(

)

2

2

2

/

π

2

2

3

λ

w

n

S

パルス幅

1 ns

において,

C

dB

は,次の近似値となる(ただし,正確な値は,知る必要がある。


74

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

(

)

dB

4

.

78

ns

1

nm,

300

1

dB

=−

C

(

)

dB

5

.

81

ns

1

nm,

550

1

dB

=−

C

光ファイバパラメータだけに依存する値をもつ後方散乱パラメータ

K

は,式

(G.4)

で定義する。

( )

2

Δ

Δ

S

v

S

T

T

C

K

α

(s

1

)  (G.4)

これは,次の近似値を導き出す。

K(1 300 nm)=14.4(s

1

K(1 550 nm)=7.1(s

1

G.2

OTDR を用いた反射率測定

光コンポーネントの反射率は,式(G.5)に示すように入射パワーに対する反射比で定義する。

inc

refl

OTDR

P

P

ρ

   (G.5)

OTDR での反射率測定において,反射されたパワーだけが直接測定することができる。入射パワーは,

後方散乱信号を通して,間接的に測定しなければならない。

図 G.1

は,該当する OTDR 波形を示している。

図 G.1

反射率を判定するために用いる OTDR 波形

距離 において,反射したパワーは,式(G.6)によって算出できる。

( )

( )

L

P

L

P

inc

OTDR

refl

ρ

  (G.6)

距離 における後方散乱パワーは,式(G.1)及び式(G.2)から変換した式(G.7)を用いて算出できる。

( )

( )

L

TP

K

L

P

inc

bs

Δ

   (G.7)

反射以前のパルスの基準は,

(位置 において)後方散乱パワーレベル P

bs

(L)  に相当する。反射におけ

るピークは,反射率及び後方散乱パワーレベル P

refl

(L)+P

bs

(L)  に相当する。OTDR は,これらの信号を dB

で表示し,縦軸は 1/2 のスケールになるため,パルス振幅は,式(G.8)のように表現できる。

( )

( )

( )

[

]

( )

[

]

L

P

L

P

L

P

L

F

bs

10

bs

refl

10

log

5

log

5

Δ

+

  (G.8)

式(G.8)に,式(G.6)及び式(G.7)を組み合わせると,次の式を変換して,式(G.9)を用いて算出できる。


75

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

( )

( )

( )

( )

+

L

TP

K

L

TP

K

L

P

L

F

inc

inc

inc

10

Δ

Δ

log

5

Δ

ρ

( )

+1

Δ

log

5

Δ

10

T

K

L

F

ρ

   (G.9)

したがって,式(G.10)及び式(G.11)に変換できる。

( )

( )

( )

+

+

1

10

log

10

Δ

log

10

log

10

5

Δ

10

10

10

L

F

T

K

R

  (G.10)

( )

( )

+

1

10

log

10

Δ

5

Δ

10

L

F

T

C

R

  (G.11)

Δの高い値,例えば,8 dB 以上のために,式(G.12)の近似値を用いる。

( )

( )

( )

L

F

T

K

R

Δ

2

Δ

log

10

log

10

10

10

+

+

  (G.12)

注記 1

  式(G.12)での誤差は,ΔF=8 dB において−0.11 dB,ΔF=9 dB において−0.07 dB である。

要約すれば,試験物の反射率は,測定したパワー差 Δ及び既知の後方散乱係数 の基準値で算出する

ことができる(

図 G.1

を参照)

注記 2

  上記の計算は,表示したパルス幅に影響する全てのパラメータを含んだ同等の OTDR のパル

ス幅 Δを用いて行う必要がある。関連する減衰量のようなその他のパラメータは,重要で

はない。

G.3

後方散乱パラメータの決定

後方散乱係数 を決めるために,連続波光源を用いることが有効である。連続光源から全後方散乱パワ

ーを算出するために,式(G.1)は,光ファイバの全長 全体を積算しなければならない。その結果,P

bs, cw

は式(G.13)のようになる。

(

)

L

e

P

S

P

α

α

α

2

cw

S

cw

bs,

1

2

=

  (G.13)

短尺な光ファイバの後方散乱光は,測定系に寄生する反射に影響されるため,測定には,長尺な(例え

ば,1 000 m∼5 000 m)光ファイバを用いることが重要である。連続光に対する後方散乱光 P

bs, cw

及び全伝

送損失 αL を測定したと仮定した場合,式(G.13)は,式(G.14)のように変換される。

L

A

P

P

e

L

LP

P

S

L

cw

cw

bs,

2

cw

cw

bs,

S

1

2

=

=

α

α

α

   (G.14)

ここに,は,式(G.15)に示すように往復の伝送損失を表す無次元のパラメータである。

L

e

L

A

α

α

2

1

2

=

  (G.15)

式(G.4)及び式(G.14)を組み合わせて,後方散乱係数を,式(G.16)を用いて算出する。

T

A

P

P

L

Av

P

P

K

2

2

cw

bs,cw

cw

bs,cw

=

=

  (G.16)

これは,後方散乱係数が,次の測定した基準値において算出できることを意味する。


76

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

a

)  試験光ファイバへの連続光入力パワーP

cw

b

)  光ファイバの全伝送損失 αL(損失測定で求められる。)

c

)  光ファイバからの後方散乱パワーP

bs, cw

d

)  試験光ファイバを光が通過するのに要する伝達時間 T

図 G.2

は,後方散乱パラメータ を決めるための設定系を示している。それは,OTDR,CW レーザ光

源,O/E コンバータ,オシロスコープ,パワーメータ,光カプラ(例えば,3 dB 光カプラ)及び 1 000 m

以上の長さをもった(推奨値は,5 000 m)長尺な試験光ファイバで構成する。もう一つの方法として,パ

ルス及び連続光モードを切り替えることができる OTDR は,通常の OTDR 及び連続光レーザ光源を置き換

えて用いることができる。

A,B,C,D,E:参照点 
C2:E/O 変換器 
C1:O/E 変換器 
T2:光カプラの透過率

図 G.2

後方散乱係数測定のための設定系

測定の手順は,次による。

a

) CW レーザ光源にジャンパ光ファイバを接続する。ジャンパ光ファイバは,光源に接続したままであ

り,ジャンパ光ファイバからの連続光パワーは,次の測定の間,不変であることを前提としている。

b

)  透過率 T2 を決めるために,B 点に光源用ジャンパ光ファイバをつなぎ合わせ,C 点におけるパワー

P

C

を測定する。

c

) B 点からジャンパ光ファイバを外し,A 点におけるジャンパ光ファイバ P

A

の出力パワーを測定する。

d

)  光カプラの透過率 T2=P

C

/P

A

を算出する。

e

) A 点にジャンパ光ファイバをつなぎ合わせ,B 点における入射パワーP

cw

P

B

を測定する。

f

) B 点及び E 点が無反射で終端処理していることを確認する。試験光ファイバなしで,C ポートにおけ

る,後方散乱パワーP

bs, C1

を測定する。

g

) B 点に試験光ファイバをつなぎ,D 点が無反射で終端処理していることを確認する。C ポートにおけ

る後方散乱パワーP

bs, C2

を測定する。

h

) B 点における後方散乱パワーP

bs, cw

は,式(G.17)を用いて算出する。


77

C 6185-2

:2014 (IEC 61746-1:2009)

T2

C1

bs,

C2

bs,

cw

bs,

P

P

P

=

  (G.17)

i

) B 点及び E 点の無反射終端処理を解除する。

j

) D 点において,試験光ファイバ出力端での連続光出力パワーP

D

を測定する。

k

)  光ファイバの全伝送損失は,式(G.18)を用いて算出する。




=

B

D

ln

P

P

L

α

  (G.18)

l

)

式(G.14)の右辺にあるパラメータ の値を算出する。

m

) OTDR に,光源のジャンパ光ファイバを接続する。OTDR を,パルス幅=1  μs のパルスモードにセッ

トする。試験ファイバを挿入した状態と挿入していない状態の両方に対し,O/E 変換器及びオシロス

コープを用いて,パルス到達時間を測定し,試験光ファイバを通した伝送時間 を測定する。

n

)  式(G.16)によって,後方散乱パラメータを算出する。

比 P

bs, cw

/P

cw

は,十分に校正した連続光反射減衰量測定器によって測定することができる。この場合には,

試験光ファイバの全伝送損失及び伝達時間を測定し,後方散乱係数を求める。

参考文献

[1]  DANIELSON, DL. Backscatter measurements on optical fibers, NBS Technical Note 1034, US Department of

Commerce, 1981

[2]  KAPRON, FP. et al. Fiber-optic reflection measurements using OCWR and OTDR techniques, Journal of

Lightwave Technology, Vol. 7, No. 8, August 1989

[3]

JIS C 6802

  レーザ製品の安全基準

注記

  対応国際規格:

IEC 60825-1

,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and

requirements(IDT)

[4]

JIS C 6803

  レーザ製品の安全−光ファイバ通信システムの安全

注記

  対応国際規格:

IEC 60825-2

,Safety of laser products−Part 2: Safety of optical fibre communication

systems (OFCS)(IDT)

[5]

JIS C 61280-1-3

  光ファイバ通信サブシステム試験方法−中心波長及びスペクトル幅測定

注記

  対応国際規格:

IEC 61280-1-3

:1998,Fibre optic communication subsystem basic test procedures

−Part 1-3: Test procedures for general communication subsystems−Central wavelength and spectral

width measurement(IDT)

[6]

JIS C 61300-3-6

  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 3-6 部:反射

減衰量測定

注記

  対応国際規格:

IEC 61300-3-6

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic

test and measurement procedures−Part 3-6: Examinations and measurements−Return loss(MOD)

[7]

ISO/IEC Guide 99

,International vocabulary of metrology−Basic and general concepts and associated terms

(VIM)

[8]

IEC 60050-731

,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Chapter 731: Optical fibre communication

[9]

IEC/TR 61930

:1998,Fibre optic graphical symbology

[10]

IEC/TR 61931

:1998,Fibre optic−Terminology