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C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61340-2-1:2002,Electrostatics−Part

2-1: Measurement methods

−Ability of materials and products to dissipate static electric charge を基礎として用い

た。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS C 61340-2-1

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)試験方法及び手順


C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  電荷減衰測定方法

2

4.1

  原理

2

4.2

  環境条件

2

4.3

  コロナ帯電を使用する装置

3

4.4

  帯電金属プレートを使用する装置

4

5.

  サンプリング

6

附属書 A(規定)試験方法及び手順

7

 


日本工業規格     

JIS

 C

61340-2-1

:2006

(IEC 61340-2-1

:2002

)

静電気−測定方法−

材料及び製品の静電気電荷拡散性能の測定方法

Electrostatics

−Part 2-1: Measurement methods−

Ability of materials and products to dissipate static electric charge

序文  この規格は,2002 年に第 1 版として発行された IEC 61340-2-1,Electrostatics−Part 2-1: Measurement

methods

−Ability of materials and products to dissipate static electric charge を翻訳し,技術的内容及び規格票の

様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある

参考

は,原国際規格にはない事項である。

静電気電荷の拡散性能の測定は,静電気の分野で極めて重要な測定技術に属する。均質な導電性材料に

おいて,この特性は,抵抗又は抵抗率パラメータを測定することによって評価することができる。拡散性

又は絶縁性の材料及び特に導電性繊維を混入した高抵抗材料(例えば,金属繊維が格子状に混入した織物)

において,抵抗測定では十分な信頼性がないか,又は十分な情報が得られない可能性がある。そして,静

電気電荷の拡散性能を測定する必要がある。プラスチックなどの多くの非金属の材料において,電荷の移

動は測定中に印加される電界強度に依存する。例えば,抵抗測定では,印加する試験電圧に対して非線形

依存が表れることが予想される。接触電極を使用する測定方法での材料の不均質性もまた問題である。こ

れらの点は,電荷の拡散性能の測定によって補うことができる。

1.

適用範囲  この規格は,絶縁性及び静電気拡散性の材料及び静電気電荷の拡散性能の測定方法につい

て規定する。この規格は,試験方法の一般的な規定とともに,具体的な適用に関する試験手順の詳細につ

いて規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61340-2-1:2002

,Electrostatics−Part 2-1: Measurement methods− Ability of materials and

products to dissipate static electric charge (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格で引用することによって,この規格の規定の一部を構成する。

これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規

定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS Z 9015-0:1999

  計数値検査に対する抜取検査手順−第 0 部:JIS Z 9015 抜取検査システム序論

備考  ISO 2859-0:1995,Sampling procedures for inspection by attributes−Part 0: Introduction to the ISO

2859 attribute sampling system

が,この規格と一致している。

IEC 61340-5-1:1998

  Electrostatics−Part 5-1: Protection of electronic devices from electrostatic phenomena


2

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

−General requirements

備考  TR C 0027-1:2002,静電気現象からの電子デバイスの保護―第 1 部:一般要求事項(

1

)

が,こ

の国際規格と一致している。

注(

1

)

この標準情報の解釈には,TR C 0027-2(静電気現象からの電子デバイスの保護−第 2

部:  使用者のための指針)に記載されている参考文献を見るのがよい。

ISO/TR 13425:1995

  Guide for the selection of statistical methods in standardization and specification

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

電荷減衰 (charge decay)  帯電領域の電荷密度又は表面電位の減衰を起こさせる材料の表面又は内

部における電荷の移動。

3.2

電荷減衰時定数 (charge decay time constant)  局部的電荷密度又は表面電位がその初期値の 1/に降

下するのに要する時間(は自然対数の底 2.718 3)

3.3

帯電プレートモニタ  [charged plate monitor (CPM)]  製品又は材料の(電荷拡散/中和)特性を測定

するために,特定の静電容量及び形状の放電用帯電金属板を使用している装置。

3.4

コロナ (corona)  高電界による正又は負イオンの発生。

3.5

拡散性材料 (dissipative material)  電荷を発生するまでの時間又はその電荷が静電気問題を起こすま

での時間とを比較して短い時間内に,表面及び/又は内部を通って電荷が移動する材料。

3.6

絶縁体 (insulator)  非常に低い電荷移動度をもち,表面上の電荷が長時間とどまる材料。

4.

電荷減衰測定方法 

4.1

原理  二つの方法を示す。

第一の方法では,コロナ放電によって帯電させた材料の表面電荷の拡散を測定する。

表面電位の減少は,

電界計又はその他の等価な装置を用いて観測する。この方法は表面及び材料の電荷拡散の測定に適用でき

る。

第二の方法では,金属製帯電プレートに電圧を印加し,その後電圧源を切り離し,試験品が触れたとき

の帯電プレートの電圧の減少を電界計又はその他の等価な装置を用いて観察することによって,試験品を

介する帯電プレートの電荷拡散を測定する。この方法は,指サック,手袋及び手持ち形工具などの製品を

介する電荷拡散の測定に適用できる。

備考  ここに規定する帯電方法以外に,材料を帯電させる方法(例えば,摩擦帯電又は誘導帯電)が

ある。

4.2

環境条件  材料の電気的特性は,温度及び水分の吸着によって変化する。前処理及び試験の雰囲気

は,23  ℃±2  ℃及び相対湿度 (12±3)%とする。試験前の処理時間は少なくとも 48 h とするか,又は他で

合意した時間とする。

実地での測定の場合は,周囲温度及び相対湿度を記録する。

実験室測定の場合は,製造業者の説明書に従って材料をクリーニングする。クリーニングに用いた材料

及び方法は報告する。

実地又は導入後状態の測定の場合は,いかなる 特別 なクリーニングも行うことなく材料を試験する。

例えば,衣類の洗濯など,クリーニングが工程の一部である場合は,クリーニングの前後に実際の使用場

所で測定を実施することが望ましい。クリーニングに用いた材料及び方法は報告する。


3

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

4.3

コロナ帯電を使用する装置 

4.3.1

物理的設計の特徴  試験装置の一般的な構成及び関連寸法を図 に示す。同様な結果が得られれば

他の装置を用いてもよい。

                                                  単位  mm

記号説明

1

  直径 10 mm の円周状に配置されたコロナ放電点。

4

  接地金属ケース(試験器)

2

  電界計の検知開口部

5

  試料

3

  可動板:

−  絶縁性板(下部)

:コロナ放電点を取り付ける。

−  接地金属板(上部)

:電界計をシールドする。

6

  開放シールド背面

7

  接地背面

備考

寸法は,すべて公称値である。

参考

上図は開放シールド背面測定,下図は接地背面測定を表す。

  1  コロナ帯電を用いた電荷拡散測定のための構成例

帯電及び帯電電荷測定のための試験開口部は,直径 50 mm の円又は同じ面積をもつほぼ正方形の開口部

とする。すべてのコロナ放電点(先端)は,試験開口部の中心から 10 mm 上の直径 10 mm の円周

に配

置するように可動板に取り付ける。電界計の検知開口部の位置は,試験面の中央上部 25 mm とする。コロ

ナ放電点を取り付けた可動板を完全に取り去ったとき,試験面と電界計の検知開口部との間には遮るもの


4

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

がないようにする。

4.3.2

試験材料の固定  据付け材料の場合は,試験器底板の試験開口部を材料の表面にじかに置く。

シート又はフレキシブル材料は,次のように支持する。

a)

開放シールド背面の試験材料の場合は,試験開口部と等しい開口部であり,その開口部から少なくと

も 5 mm 幅の張り出しをもつ接地した試験器底板に対して材料を置く。試験面と逆側のシールド板は,

接地し,試験面全体から少なくとも 25 mm 離す。

b)

接地背面の試験材料の場合は,試験器底板と平らな接地金属板との間に材料を固定する。

備考  電荷が材料の表面よりも内部を通って移動しやすい場合,接地金属板を試験面の後ろにじかに

置くと,電荷拡散速度を速める可能性がある。他方,電荷が試料表面を移動しやすい場合,接

地金属板を使用すると,静電容量を増加させ,電荷拡散速度が低減する可能性がある。試験材

料の電荷拡散を完全に把握するには,試験面の背面に接地金属板がある場合及びない場合の両

方について測定することが望ましい。

  実用上,接地背面測定は,接地表面と密着状態の材料の測定と同様である。例えば,着衣者

の身体に密接した衣類,金属ベンチ上面の作業表面などである。開放背面測定は,接地表面か

ら大きく離れている材料の測定と同様である。例えば,着衣者の身体から垂れ下がっているコ

ート又は上着のすその端などである。

4.3.3

コロナ帯電  コロナ帯電は,試験面の中央上部 10 mm で,直径 10 mm の円周状の多数の放電点に

よって行う。材料上の正確な帯電の広がり及び分布は,特に導電性の高い表面について,十分には特定で

きないが,その配置によって一貫性のあるパターンの帯電及び減衰時間の測定ができる。

備考1.  コロナ帯電装置の代表的な電圧は,5  〜10 kV である。

コロナ帯電時間は,測定に適した初期ピーク電位を得るため少なくとも 20 ms とする。過度に長い帯電

時間(数秒以上)は,材料を損傷させる可能性がある。

試料は,正極性及び負極性で試験すべきである。

帯電装置は,20 ms 未満に電界計観測範囲外へ完全に移動させる。

備考 2.  7〜8 kV のコロナ電圧の場合,絶縁性が比較的に高い材料の初期表面電位は,約 3 kV まで達

することが予想される。減衰速度が速い材料の場合,初期電位は非常に低くなる可能性があ

り,例えば,わずか 50 V〜100 V 程度である。

4.3.4

電界計  電界計は,40 V 未満において±5 V の精度,応答速度(10〜90%) 10 ms 未満で表面電位の

測定が可能なフィールドミル形とする。ゼロ点の安定性は,最長の減衰時間の測定にわたって,この精度

で表面電位を測定できる性能のものでなければならない。

コロナ帯電中及び減衰時間測定中,電界計の検知開口部は,コロナ高電圧電源の接続部又は表面から十

分に遮へいする。電界の測定中は,電界計と試験開口部との間の周辺領域に絶縁性材料を置かないように

する。

残存しているイオンの影響は,表面電位の測定において,10 V 未満になるようにしなければならない(過

剰イオンは,例えば,通気遮断壁の使用によって除去できる可能性がある。

。これについては,十分に導

電性の高い試験表面上における測定によって試験してもよい。

4.4

帯電金属プレートを使用する装置 

4.4.1

物理的設計の特徴  試験装置の基本構成を,図 に示す。

試験品の電荷拡散の測定には,帯電プレートモニタを用いる(

図 参照)。導電プレートは,大きさ 150

mm

×150 mm で,試験装置に装着したときの静電容量は 20 pF±2 pF とする。スイッチとプレートとの結


5

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

線はできる限り短くする。

記号説明 
1

  グラウンド

4

  プローブ

7

  高電圧源(電流制限付)

2

  グラウンドされた表面

5

  絶縁体(対地抵抗>10

14

Ω)

8

  電界計又は等価な装置

3

  導電プレート

6

  スイッチ

9

  放電タイマ

注(

2

)

各部品が一つの装置に集積されると,帯電プレートモニタ(CPM)という。

  2  帯電プレートモニタの構成(

2

)

図 に示すように,導電プレート付近において,寸法 未満に,支持用絶縁体又は導電プレート用接触

電極以外,グラウンドされた物体又は他の物体がないようにしなければならない。絶縁体の大地に対する

抵抗は 10

14

Ωより大とする。寸法 は,所定の静電容量を得るように選択する。絶縁された導電プレート

は,所定の試験電圧に帯電させた後,5 分未満に試験電圧の 10%を超える放電を起こさないものとする。   

モニタリング装置の応答時間は,帯電プレート電圧を精度よく測定するのに十分なものとする。 

備考  プレート及び結線の静電容量は,附属書 の A.5 によって求める。

記号説明 
1

  グラウンド

3

  150 mm  × 150 mm の導電プレート

2

  グラウンドされた表面

4

  絶縁体

  3  帯電プレートの詳細


6

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

4.4.2

電荷減衰時間測定(t

sd

)  電荷減衰時間は,帯電プレートの電圧が初期電圧 U

1

から規定電圧 U

2

でに減少する時間であり,例えば,正又は負の極性で 1 000 V から 100 V までの減衰時間を測定する(

図 4

参照)

備考  減衰カーブは,0 V まで下がる場合又は下がらない場合がある。 

  4  電荷減衰時間(t

sd

及びオフセット電圧(U

0

5.

サンプリング  サンプリングは,JIS Z 9015-0 又は具体的な適用に規定されたその他の抜取方式に従

って実施する。


7

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

附属書 A(規定)試験方法及び手順

この附属書に規定した試験方法及び手順は,基本的に IEC 61340-5-1 とともに用いることを意図してい

る。基本原理は,他の応用と関連する可能性がある。

A.1

 

織物材料の電荷減衰試験  織物材料の電荷減衰試験には,コロナ帯電法を用いる。

A.1.1

 

試験表面の準備  試験には,試験器具を完全に覆うに十分な大きさをもち,清浄でかつじんあい(塵

埃)の付着がない試料を供する。

じんあいは軽くブラシ掛けするか,又は清浄な乾燥空気を吹き付け取り除く。もし表面が明らかに汚染

されている場合は,試料の他の面について試験するか,汚染された状態で測定し,試験条件として

供試

状態

と報告する。

試験室での測定では,試料は製造業者の説明書に従ってクリーニングする。クリーニングに用いた材料

及びその方法は報告する。

実地又は導入後状態の測定において,試料はいかなる 特別な クリーニングも行うことなく試験する。

例えば,衣服の洗濯などのプロセスの一部である場合は,その前後で測定を行うことが望ましい。クリ

ーニングに用いた材料及び方法は報告する。

試料の汚染を避けるため,ピンセットを使用するか,又は手袋を着用して試料を取り扱う。

A.1.2

 

試験  試験器開口部を試料表面上に置き,適切な帯電条件に整えたうえ,必要な回数の電荷減衰試

験を行う。試験器は,各測定中試験表面上に安定かつ乱されないように維持する。

備考  試料表面上で試験器を移動させると,摩擦帯電によって測定に影響を及ぼす。

測定は,正負両極性について行う。

シート及びフィルム材料の測定は,開放シールド背面及び接地背面の両方について行う。

測定は,各試料につき各試験条件で最低 3 回行う。各測定間には,表面電位が初期電位の 5%未満まで

低下する時間を空ける。

全 3 回の測定は,異なる部位で行う。

A.1.3

 

結果  表面電位が,初期電位から規定の値まで降下する時間を,電荷減衰時間とする。電荷減衰時

間は,減衰時間が最長となる試験条件で測定した測定値の平均値を採用する。

少なくとも 7 kV のコロナ電圧において,必要とされる初期電位を達成できない場合は,そのことを実際

に到達できた表面電位とともに記録する。

A.1.4

 

試験報告書  試験報告書には,少なくとも次の事項を記載する。

−  試験結果(すべての電荷減衰測定値及び A.1.3 による電荷減衰時間)

−  試験試料数

−  測定日時

−  試験材料の概要及び/又は識別

−  帯電条件(例えば,極性,コロナ電圧,帯電時間,電極寸法及び試験間の空き時間)

−  開放シールド背面又は接地背面の区別

−  標準的な実験室測定における測定中及び前処理中の温度及び相対湿度

−  使用装置の識別並びに最新及び次回校正日


8

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

A.2

 

手袋及び指サックの電荷減衰試験  手袋及び指サックの電荷減衰試験には,IEC 61340-5-1 による帯

電プレートモニタ(CPM)及びリストストラップを使用する。次の手順について,すべての技術的数値を

10

%未満の精度又は当事者間で合意した条件で測定する。

A.2.1

 

着用した指サックの電荷減衰特性の試験手順 

1)

リストストラップを着用し,これをグラウンドに接続する。

2)  A.4

に規定するナル(又はゼロ)試験を実施する。

3) CPM

の導電プレートを 1 000 V まで帯電させる。

4)

(リストストラップを着用し)指サックを着用しない指で導電プレートに触り,2 秒後に指を上げ,

再び下ろさない。

  参照試験として 1 000 V から 100 V までの減衰時間を測定する。

5)  4)

の指に試験指サックを着用する。

6) CPM

の導電プレートを 1 000 V まで帯電させる。

7)

(リストストラップを着用し)指サックを着用した指で導電プレートに触り,2 秒後に指を上げ,再

び下ろさない。

8) 100

V

までの減衰時間を測定する。

9)

さらに,手順 6)〜8)を 2 回繰り返し,三つの試験結果を得る。

備考  指を上げた後の読取値がナル試験結果より著しく高い場合は,導電プレートの真の放電が起こ

っていない。その場合は,指と導電プレートとの間の静電容量が減少するので,その分電圧が

上昇する。

参考  指を上げる時点でまだ導電プレートに電荷が残っていると,指の上げに伴って導電プレートの

静電容量が減少するため,電圧が上昇し,これがナル試験の結果(摩擦帯電電圧)より著しく

大きくなる。

A.2.2

 

着用した手袋の電荷減衰特性の試験手順 

1)

リストストラップを着用し,これをグラウンドに接続する。

2)  A.4

に規定するナル試験を実施する。

3) CPM

の導電プレートを 1 000 V まで帯電させる。

4)

(リストストラップを着用し)手袋を着用しない手のひらで帯電プレートに触り,2 秒後に手を上げ,

再び下ろさない。

  参照試験として 1 000 V から 100 V までの減衰時間を測定する。

5)

試験手袋を着用する。

6) CPM

の導電プレートを  1 000 V まで帯電させる。

7)

(リストストラップを着用し)手袋を着用した手のひらで導電プレートに触り,2 秒後に手を上げ,

再び下ろさない。

8) 100

V

までの減衰時間を測定する。

9)

さらに手順 6)〜8)を 2 回繰り返し,三つの試験結果を得る。

備考  手を上げた後の読取値がナル試験結果より著しく高い場合は,導電プレートの真の放電が起こ

っていない。この場合は,手と導電プレートとの間の静電容量が減少するので,その分電圧が

上昇する。

参考  手を上げる時点でまだ導電プレートに電荷が残っていると,手の上げに伴って導電プレートの

静電容量が減少するため,電圧が上昇し,これがナル試験の結果(摩擦帯電電圧)より著しく


9

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

大きくなる。

A.2.3

 

試験報告書  試験報告書には,少なくとも次の事項を記載する。

−  試験結果(3 回の結果を個別に)

−  測定日時

−  試験材料の概要及び/又は識別

−  帯電条件(例えば,極性,電圧及び試験間の空き時間)

−  標準的な実験室測定における測定中及び前処理中の温度及び相対湿度

−  使用装置の識別

A.3

 

工具の電荷減衰試験  工具(例えば,ドライバ又はプライア)の電荷減衰試験には,IEC 61340-5-1

による帯電プレートモニタ及びリストストラップを使用する。次の手順について,すべての技術的数値は

10

%未満の精度又は当事者間で合意した条件で測定する。

A.3.1

 

工具の電荷減衰特性の試験手順 

1)

リストストラップを着用し,これをグラウンドに接続する。

2)  A.4

に規定するナル試験を実施する。

3) CPM

の導電プレートを 1 000 V まで帯電させる。

4)

(リストストラップを着用し)工具を持たずに手で導電プレートに触り,2 秒後に手を上げ,再び下

ろさない。

参照試験として 1 000 V から 100 V までの減衰時間を測定する。

5)

試験工具を手にもつ。

6) CPM

の導電プレートを 1 000 V まで帯電させる。

7)

(リストストラップを着用し)手で持った工具で導電プレートに触り,2 秒後に工具を上げ,再び下

ろさない。

8) 100

V

までの減衰時間を測定する。

9)

さらに,手順 6)〜8)を 2 回繰り返し,三つの試験結果を得る。

備考  工具を上げた後の読取値がナル試験結果より著しく高い場合は,導電プレートの真の放電が起

こっていない。工具と導電プレート間の静電容量が減少するので,その分電圧が上昇する。

参考  工具を上げる時点でまだ導電プレートに電荷が残っていると,工具の上げに伴って導電プレー

トの静電容量が減少するため,電圧が上昇し,これがナル試験の結果(摩擦帯電電圧)より著

しく大きくなる。

A.3.2

 

試験報告書  試験報告書には,少なくとも次の事項を記載する。

−  試験結果(3 回の結果を個別に)

−  測定日時

−  試験工具の概要及び/又は識別

−  帯電条件(例えば,極性,電圧及び試験間の空き時間)

−  標準的な実験室測定における測定中及び前処理中の温度及び相対湿度

−  使用装置の識別

A.4

  CPM

のナル試験 

1) CPM

の導電プレートをグラウンドし電圧をゼロにする。


10

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

2)

本試験と同じ方法で試験されたアイテムで CPM の導電プレートに触れる。CPM の導電プレートに触

れるだけとしアイテムでこすらないように注意する。

3)

導電プレートを絶縁する。

4)

試験アイテムを導電プレートから上げる。

5)

導電プレートの電圧を読む。

6)

この電圧は,試験アイテムを導電プレートから離すときに発生する。これを最終報告書に記録する。

備考  電圧の読取値は,摩擦帯電の影響を受ける可能性がある。この手順によって,摩擦帯電が電圧

値に著しく影響するか否かが決定できると予想される。ナル試験の電圧は,試験データととも

に報告することが望ましい。

A.5

 

絶縁された導電プレートの静電容量を検証する方法  絶縁された導電プレートの静電容量は,適切な

静電容量計を使用するか,導電プレートの電荷を測定するか,又は電荷分配法によって測定する。

A.5.1

 

電荷の測定  絶縁された導電プレート(ワイヤを含む。)の静電容量を 5%未満の精度で測定する方

法では,電圧源及びクーロンメータが必要である。プレートの静電容量は,次の式で決定する。

V

Q

C

/

=

(A.1)

ここに,

Q

:  導電プレートの電荷(C)

V

:  導電プレートの電圧(V)

C

:  導電プレートの静電容量(F)

導電プレートの電圧は既知の電圧 で帯電させることによって決定でき,導電プレートの電荷 はクー

ロンメータに放電させることで測定できる。この二つの測定値の比によって式(A.1)から絶縁された導電

プレートの静電容量が得られる。

静電容量が 20 pF±2 pF の範囲であれば の値として 100 V を用いるのが便利である。静電容量が 20 pF

の導電プレートでは,電圧が 100 V のときの電荷量は 2 nC である。

A.5.1.1

 

装置 

− 100

µA

の電流制限付きで,精度±2%,出力 100 V±20%の直流電源

−  適切な目盛(例えば,フルスケール 3 nC)で 0.02 nC の分解能をもつクーロンメータ

A.5.1.2

 

手順  電圧源のプローブを少しの間接触することによって,導電プレート(本体図 参照)を V

に帯電させる。導電プレートにクーロンメータのプローブを接触することによって電荷をクーロンメータ

に移動させ,電荷量の読み値を記録する。10 回実験を繰り返し,平均値及び標準偏差を決定する。標準偏

差は,0.5 pF 未満であることが望ましい。

A.5.2

 

電荷分配法による静電容量の測定  CPM の導電プレートの静電容量を測定する電荷分配法の原理

は,既知の電圧の導電プレートを,CPM の導電プレートの静電容量の予想値よりもかなり大きな静電容量

をもつ参照コンデンサに接続することである(

図 A.1 参照)。電荷は,参照コンデンサ及び CPM の導電プ

レートにそれぞれの静電容量と同じ比率で分配される。CPM の導電プレートの静電容量が 20 pF で参照コ

ンデンサの静電容量が 2 nF の場合,全電荷の 0.99%が CPM の導電プレートに残り,99.01%が参照コンデ

ンサに移動する。

  実用的には,参照コンデンサが導電プレートの少なくとも 100 倍以上の静電容量をもつ場合,全電荷が

参照コンデンサに移動すると想定できる。参照コンデンサの電位差を測定することによって電荷量を決定

できる。この結果及び CPM の導電プレートを最初に帯電させた既知の電圧から導電プレートの静電容量

は,次のように容易に算出される。


11

C 61340-2-1

:2006 (IEC 61340-2-1:2002)

 A.1  電荷分配法の原理

全電荷 は,導電プレートに最初に蓄えられていた電荷で,次の式で表される。

CPM

0

C

V

Q

×

=

(A.2)

電荷の一部が参照コンデンサ C

R

に移行した場合は,次の式のようになる。

(

) (

)

(

)

CPM

R

1

CPM

1

R

1

C

C

V

C

V

C

V

Q

+

×

×

×

+

×

=

(A.3)

全電荷は等しいから,次の式のようになる。

(

)

(

)

R

CPM

R

1

CPM

R

1

CPM

0

/

1

C

C

C

V

C

C

V

C

V

+

×

=

+

×

=

×

(A.4)

C

R

C

CPM

の場合,C

CPM

/C

R

は 1 に比べて無視できる。したがって,導電プレートの静電容量は次の式か

ら計算できる。

R

0

1

CPM

/

C

V

V

C

×

=

(A.5)

  参考文献

  TR C 0027-2:2002  静電気現象からの電子デバイスの保護−第 2 部:使用者のための指針