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C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  概要 

1

1.1

  適用範囲  

1

1.2

  引用規格  

1

2

  測定方法の概要  

2

2.1

  方法 1  自動干渉法  

2

2.2

  方法 2  手動干渉法  

3

2.3

  方法 3  表面粗さ計法  

4

2.4

  方法 4  反射光法  

4

3

  装置 

5

3.1

  方法 1  自動干渉法  

5

3.2

  方法 2  手動干渉法  

6

3.3

  方法 3  表面粗さ計法  

6

3.4

  方法 4  反射光法  

7

4

  手順 

7

4.1

  方法 1  自動干渉法  

7

4.2

  方法 2  手動干渉法  

8

4.3

  方法 3  表面粗さ計法  

8

4.4

  方法 4  反射光法  

11

5

  個別に規定する事項  

11

5.1

  方法 1  自動干渉法  

11

5.2

  方法 2  手動干渉法  

11

5.3

  方法 3  表面粗さ計法  

11

5.4

  方法 4  反射光法  

12


C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61300

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

61300-1

  第 1 部:通則

JIS

C

61300-2-1

  第 2-1 部:正弦波振動試験

JIS

C

61300-2-2

  第 2-2 部:繰返しかん合試験

JIS

C

61300-2-5

  第 2-5 部:光ファイバクランプ強度試験(ねじり)

JIS

C

61300-2-9

  第 2-9 部:衝撃試験

JIS

C

61300-2-12

  第 2-12 部:落下衝撃試験

JIS

C

61300-2-14

  第 2-14 部:光パワー損傷のしきい値試験

JIS

C

61300-2-15

  第 2-15 部:結合部ねじり試験

JIS

C

61300-2-17

  第 2-17 部:低温試験

JIS

C

61300-2-18

  第 2-18 部:高温試験

JIS

C

61300-2-19

  第 2-19 部:高温高湿試験(定常状態)

JIS

C

61300-2-21

  第 2-21 部:混合温湿度サイクル試験

JIS

C

61300-2-22

  第 2-22 部:温度サイクル試験

JIS

C

61300-2-26

  第 2-26 部:塩水噴霧試験

JIS

C

61300-2-45

  第 2-45 部:浸水試験

JIS

C

61300-2-46

  第 2-46 部:湿熱サイクル試験

JIS

C

61300-2-47

  第 2-47 部:熱衝撃試験

JIS

C

61300-2-48

  第 2-48 部:温湿度サイクル試験

JIS

C

61300-3-1

  第 3-1 部:外観検査及び機械的検査

JIS

C

61300-3-2

  第 3-2 部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性

JIS

C

61300-3-3

  第 3-3 部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法

JIS

C

61300-3-4

  第 3-4 部:損失測定

JIS

C

61300-3-6

  第 3-6 部:反射減衰量測定

JIS

C

61300-3-7

  第 3-7 部:シングルモード光部品の光損失及び反射減衰量の波長依存性測定

JIS

C

61300-3-11

  第 3-11 部:結合力及び離脱力測定

JIS

C

61300-3-15

  第 3-15 部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の頂点偏心量測定

JIS

C

61300-3-16

  第 3-16 部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の曲率半径測定

JIS

C

61300-3-17

  第 3-17 部:斜め研磨光ファイバコネクタのフェルールの端面角度測定


C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

(3)

JIS

C

61300-3-20

  第 3-20 部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定

JIS

C

61300-3-23

  第 3-23 部:フェルール端面からの光ファイバ引込み量測定

JIS

C

61300-3-24

  第 3-24 部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタのキー位置精度測定

JIS

C

61300-3-26

  第 3-26 部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定

JIS

C

61300-3-27

  第 3-27 部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定

JIS

C

61300-3-28

  第 3-28 部:過渡損失測定

JIS

C

61300-3-30

  第 3-30 部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置

測定

JIS

C

61300-3-31

  第 3-31 部:光ファイバ光源の結合パワー比測定

JIS

C

61300-3-32

  第 3-32 部:光受動部品の偏波モード分散測定

JIS

C

61300-3-34

  第 3-34 部:ランダム接続時の挿入損失

JIS

C

61300-3-36

  第 3-36 部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定

JIS

C

61300-3-43

  第 3-43 部:光ファイバ光源のモードトランスファファンクション測定


日本工業規格

JIS

 C

61300-3-17

:2013

(IEC 61300-3-17

:1999

)

光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−

基本試験及び測定手順−

第 3-17 部:斜め研磨光ファイバコネクタの

フェルールの端面角度測定

Fiber optic interconnecting devices and passive components-

Basic test and measurement procedures-

Part 3-17: Examinations and measurements-

Endface angle of angle-polished ferrules

序文 

この規格は,1999 年に第 2 版として発行された IEC 61300-3-17 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

概要 

1.1 

適用範囲 

この規格は,平面又は球面に斜め研磨した光ファイバコネクタのフェルール端面角度を測定する試験方

法について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61300-3-17:1999

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and

measurement procedures − Part 3-17: Examinations and measurements − Endface angle of 
angle-polished ferrules(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

1.2 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0615

  製品の幾何特性仕様(GPS)−プリズムの角度及びこう配の基準値

注記  対応国際規格:ISO 2538:1998,Geometrical Product Specifications (GPS)−Series of angles and

slopes on prisms(IDT)


2

C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

ンズ

角度調整微動台

測定方法の概要 

斜め球面研磨光ファイバコネクタのフェルール(以下,斜め球面研磨光フェルールという。

)の研磨角度

θ は,フェルール中心軸上で球面に接する平面とフェルール中心軸に対して直交する平面との角度として

定義する。斜め平面研磨光ファイバコネクタのフェルール(以下,斜め平面研磨光フェルールという。

)の

研磨角度 θ は,フェルール端面の平面とフェルール中心軸に対して直交する平面との角度として定義する

図 参照)。

 a)

  斜め球面研磨角度 b)  斜め平面研磨角度 

図 1−斜め平面研磨及び斜め球面研磨のフェルール端面角度の定義 

この規格には,フェルール端面角度の測定方法として,次の四つの方法について規定する。

−  方法 1:自動干渉法(基準となる測定方法)

−  方法 2:手動干渉法

−  方法 3:表面粗さ計法

−  方法 4:反射光法

2.1 

方法 1  自動干渉法 

この方法は,測定精度が高く,基準となる測定法である。

この方法では,フェルール端面を,干渉顕微鏡の角度調整微動台上に固定する(

図 参照)。

注記  僅かな角度ずれの可能性があるホルダを用いる場合は,その他の方法で角度が分かっている基

準プラグを使用している。

図 2−干渉顕微鏡を用いた角度測定系の例 

参照光とフェルール端面からの反射光との位相差によって干渉しま(縞)が生じる。

光 フ ァ イ バ 中 心 軸 に 対
して直交する平面

フェルール

フェルール

光ファイバ 
中心軸

光ファイバ 
中心軸

光 フ ァ イ バ 中 心 軸 に 対
して直交する平面

フェルール端面の平面

球面に接する平面

干渉顕微鏡の対物レンズ


3

C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

フェルールを,規定の角度 θ

0

に傾ける。斜め球面研磨光フェルールの曲率半径 及び斜め研磨角度方向

の頂点ずれの成分 E

x

は,干渉しま(縞)の解析から測定する(

図 参照)。その角度は,及び E

x

から求

める。

図 3−斜め球面研磨光フェルールの干渉しま(縞)の例 

斜め平面研磨光フェルールの端面角度は,角度方向における干渉しま(縞)の周波数(1/Λ)から求める

図 参照)。

図 4−斜め平面研磨光フェルールの干渉しま(縞)の例 

2.2 

方法 2  手動干渉法 

方法 1 と同様に,フェルール端面を干渉顕微鏡下の角度調整微動台に固定する。次に,フェルール端面

が干渉計の光軸に対し垂直になるまで角度を調整する。斜め球面研磨光フェルール端面の場合,干渉リン

グと光ファイバとが回転軸に対称のとき垂直の状態となる(

図 参照)。

斜め平面研磨光フェルールの端面の場合は,干渉しま(縞)が見えなくなるか,又は干渉しま(縞)の

数が最小であるときに垂直の状態となる。

光ファイバ中心軸

光ファイバ

干渉しま(縞)中心

(球面研磨の頂点)

干渉しま(縞)


4

C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

図 5−方法 で調整された斜め球面研磨光フェルールの干渉しま(縞)の例 

フェルールの端面角度は,角度調整微動台の角度目盛から読み取る。

2.3 

方法 3  表面粗さ計法 

フェルール端面角度は,フェルール端面の表面形状を測定することによって求める。フェルールを表面

粗さ計の触針の下に設置した固定ホルダに取り付ける。フェルール中心軸は,触針軸と平行に取り付け,

触針の走査方向とフェルールの研磨方向とを一致させるように固定する。フェルールの端面角度は,測定

で得た表面形状から求める。

2.4 

方法 4  反射光法 

フェルール中心軸に平行な He-Ne レーザをフェルール端面に照射して,反射したスポットパターンをス

クリーン上に投影して測定する。スクリーンはフェルール中心軸に対して垂直とする(

図 参照)。

注記  対応国際規格では,方法 4(反射光法)に用いる光源として He-Ne レーザを記載しているが,

その他の可視レーザを用いてもよい。

a)

  斜め球面研磨光フェルールは,距離 を 20 cm∼50 cm の範囲に設定し,測定する。

図 6−フェルール斜め研磨端面角度の測定系の例 

斜め平面研磨光フェルールの場合,スポットパターンは,僅かにレーザの散乱を伴う小さな均一の照射

円となる。斜め球面研磨光フェルールの場合,スポットパターンは,元のレーザ光線が散乱した大きなリ

ング,及びその中心に小さなリング(エアリーディスク)になる(

図 参照)。エアリーディスクは,光

ファイバを含む斜め球面研磨光フェルールの端面又は中央の光ファイバ挿入穴から反射した He-Ne レーザ

のフランホーファ回折によって現れる。

光ファイバ軸

光ファイバ

干渉しま(縞)中心

干渉しま(縞)

回転軸

V 溝又は高精度スリーブ

L

a)

He-Ne レーザ

スポットパターン

スクリーン

フェルール

光ファイバ

中心軸


5

C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

図 7−代表的なスポットパターン 

斜め研磨角度 θ は,フェルールをその中心軸の周りで回転させたときの円形の輝点又はリングの中心と

He-Ne レーザとの角度とする。

フェルール端面の表面仕上がりは反射光に影響する。この表面は,He-Ne レーザが鏡面反射するように

十分に研磨する。

この方法は,斜め平面研磨光フェルールだけに適用する。

装置 

3.1 

方法 1  自動干渉法 

測定系を構成する装置を,

図 に示す。

図 8−方法 による角度測定の測定系装置の例 

装置の概要は,次による。

a) 

干渉顕微鏡  画像を取り込むためのビデオカメラを備えていなければならない。

円形の輝点

エアリーディスク

円形の輝点

リング

斜め平面研磨光フェルール

斜め球面研磨光フェルール

モニタ

角度調整微動台

フェルール

干渉顕微鏡

画像解析装置

フェルールホルダ

/プラグホルダ


6

C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

b) 

角度調整微動台  0.01°よりも高い測定精度をもたなければならない。

c) 

フェルールホルダ  指定の位置にフェルールを固定するための,V 溝又は高精度のスリーブなどの適

切な保持具とする。

d) 

プラグホルダ  規定の角度に対し,正確な位置に適切なキーを備えている保持具とする。

e) 

画像解析装置  干渉しま(縞)から,曲率半径及び斜め研磨角度方向の頂点ずれの成分を求める。こ

れらの値及び式(1)によって端面角度を計算できる装置とする。モニタは,干渉しま(縞)及び測定端

面を表示できなければならない。

3.2 

方法 2  手動干渉法 

測定系の構成は,方法 1 の

図 に示すものを用いる。装置の概要は,次による。

a) 

干渉顕微鏡  画像を取り込むためのビデオカメラを備えていなければならない。

b) 

角度調整微動台  0.01°よりも高い測定精度をもたなければならない。

c) 

フェルールホルダ  指定の位置にフェルールを固定するための,V 溝又は高精度スリーブなどの適切

な保持具とする。

d) 

プラグホルダ  規定の角度に対し,正確な位置に適切なキーを備えている保持具とする。

e) 

画像解析装置  干渉しま(縞)から,曲率半径及び斜め研磨角度方向の頂点ずれの成分を求める。こ

れらの値及び式(1)によって端面角度を計算できる装置とする。モニタは,干渉しま(縞)及び測定端

面を表示できなければならない。

3.3 

方法 3  表面粗さ計法 

測定系を構成する装置を,

図 に示す。

注記  “        ”は,動く方向を示す。

図 9−表面粗さ計法によるフェルール端面角度の測定系 

装置の概要は,次による。

a) 

フェルールホルダ  指定の位置にフェルールを固定するための,V 溝又は高精度のスリーブなどの適

切な保持具とする。

b) 

プラグホルダ  規定の角度に対し,正確な位置に適切なキーを備えている保持具とする。

モニタ

インタフェース

回路部

駆動部

プローブ部

プローブ先端部

フェルールホルダ

/プラグホルダ

微動台

表面粗さ計

フェルール

表面形状データ処理部


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C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

c) 

微動台  フェルールホルダを確実に固定し,適切な位置に微調整が可能な微動台とする。

d) 

二次元形状測定装置  フェルール端面の表面形状を,数ナノメートルの精度で二次元測定することが

できる形状測定装置とする。この装置は,表面粗さ計,表面形状データ処理部及びモニタによって構

成する。

表面粗さ計は,

フェルール中心軸に対して垂直にトレースできるくさび形のプローブ先端部,

駆動部及び電気的インタフェース回路部を備えたものとする。電気的インタフェース回路部は,駆動

命令又は表面形状データなどの入出力信号によって,測定部とデータ処理部(適切なソフトウェアを

もつコンピュータなど)とを接続する。表面形状データ処理部は,適切なアルゴリズムによって表面

形状データを処理し,端面角度を算出する。モニタは,測定値を表示する。

3.4 

方法 4  反射光法 

測定系を構成する装置の概要は,次による。

a) 

フェルールホルダ  V 溝又は高精度スリーブなどの適切な保持具とする。V 溝の推奨角度は,108°と

する(JIS B 0615 参照)

b) 

スクリーン  スクリーンは,V 溝又は高精度スリーブの軸に対して垂直とする。

c) He-Ne

レーザ  V 溝又は高精度スリーブの軸と He-Ne レーザの光軸とを一致させて,フェルール端面

に照射する。

手順 

4.1 

方法 1  自動干渉法 

手順は,次による。

a)

角度調整微動台に取り付けたホルダに,基準フェルール(斜め研磨ではない)を固定する。基準フェ

ルールの研磨による球面頂点偏心量は,5 μm 以下とする。基準フェルールの曲率半径は,25 mm 以上

とする。

b)

干渉顕微鏡の下に,角度調整微動台を設置する。基準フェルールの軸は,顕微鏡の光軸と平行にする。

c)

干渉しま(縞)及び(基準フェルールの)光ファイバ端面が回転軸に対して対称になるまで角度調整

微動台を調整する。

d)

角度調整微動台の角度目盛を読み取る。この角度を基準値とする。

e)

角度調整微動台に取り付けたホルダに供試品を固定する。

f)

角度調整微動台を d)  で得た基準位置から,公称端面角度 θ

0

だけ調整する。

g)

干渉しま(縞)及びフェルール端面の像を用いて,次の手順によってフェルール端面角度を求める。

1)

斜め球面研磨光フェルールの場合

フィッティング処理によって,端面の曲率半径 の値を求める。フィッティング領域は,フェル

ールの軸を中心とする外径 と内径 とで囲む領域によって定義する(

図 10 参照)。外径 及び

内径 は,個別規格に規定する。

直径 125  μm 標準光ファイバで,斜め球面研磨光フェルール端面の曲率半径が 5 mm∼12 mm の

APC コネクタの場合は,外径 が 250 μm,内径 が 140 μm であることが望ましい。

画像解析によって,干渉しま(縞)中心とフェルール中心との距離の斜め研磨角度方向成分 E

x

を測定する(

図 参照)。

フェルール端面の角度 θ は,式(1)によって求める。

0

x

arctan

θ

R

E

θ

+

=

  (1)


8

C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

ここに,

θ: フェルール端面の角度

E

x

干渉しま(縞)中心とフェルール中心との距離の斜め研
磨角度方向成分

R: 端面の曲率半径

θ

0

公称端面角度

2)

斜め平面研磨光フェルールの場合

画像解析によって,角度方向における干渉しま(縞)の周波数を用いて求める(

図 参照)。単位

長さ当たりの波数(1/Λ)を用いて求めることができる。

フェルールの端面角度 θ は,式(2)によって求める。

0

2

arctan

θ

Λ

λ

θ

+

×

=

  (2)

ここに,

θ: フェルール端面の角度

λ: フェルールに照射した光の波長

1/Λ: 波数

θ

0

公称端面角度

4.2 

方法 2  手動干渉法 

手順は,次による。

a)

角度調整微動台に取り付けたホルダに,基準フェルール(斜め研磨ではない。

)を固定する。基準フェ

ルールの研磨による球面頂点偏心量は,5 μm 以下とする。基準フェルールの曲率半径は,25 mm 以上

とする。

b)

干渉顕微鏡の下に角度調整微動台を設置する。基準フェルールの軸は,顕微鏡の光軸と平行にする。

c)

干渉しま(縞)及び(基準フェルールの)光ファイバが,回転軸に対して対称になるまで,角度調整

微動台を調整する。

d)

角度調整微動台の角度目盛を読み取る。この角度を基準値とする。

e)

角度調整微動台に取り付けたホルダに供試品を固定する。

f)

角度調整微動台を,フェルールの端面と顕微鏡の光軸とが垂直になるように調整する。

g)

端面画像の干渉しま(縞)を観察し,角度調整微動台を,次の手順で調整する。

1)

斜め球面研磨光フェルールの場合

干渉しま(縞)及び光ファイバ端面が回転軸に対して対称になるまで調整する。

2)

斜め平面研磨光フェルールの場合

干渉しま(縞)が消失し,顕微鏡画像が均一な明るさになるまで調整する。

h)

角度調整微動台の角度目盛を読み取る。

i)

光ファイバ端面の角度は,h)  で測定した値と d)  で測定した値との差から求める。

4.3 

方法 3  表面粗さ計法 

手順は,次による。

a)

フェルール端面に最も近い部分を保持するフェルールホルダ及びプラグホルダに,コネクタプラグを

取り付ける。フェルールホルダがフェルールを保持している長さは,フェルールの直径の 2 倍以上と

する。

b)

プローブ先端部がフェルール軸に垂直な接触荷重がかかるように,表面粗さ計の触針の高さを調整す

る。

c)

表面粗さ計は,光ファイバ中心とトレース開始点との距離をあらかじめ校正し,光ファイバ中心を設

定する。この校正によって,光ファイバ中心位置は常に決まる。


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C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

d)

表面粗さ計の触針を測定開始点に置き,フェルール軸を横切るように微動台を調整する。

e)

フェルール軸付近で約 500  μm の距離を横切るように,フェルールの端面を表面粗さ計で走査する。

データ処理部に表面形状データを記録する。

f)

斜め球面研磨光フェルールの場合

1)

測定した表面形状データからフィッティング領域の表面形状データを記録する。フェルール端面の

フィッティング領域は,フェルール軸付近を中心とする外径 と内径 とで囲む領域によって決ま

る(

図 10 参照)。この領域は,フェルール端面の接触部を含んでいる。関連する外径 及び内径 E

は個別規格に規定する。

直径 125  μm 標準光ファイバで,斜め球面研磨光フェルール端面の曲率半径が 5 mm∼12 mm の

APC コネクタの場合は,外径 が 250 μm,内径 が 150 μm であることが望ましい。

図 10−測定領域でのフェルール端面 

2)

最小二乗法又はその他の方法で求めたフィッティング領域に近似した仮想の円を算出する。フィッ

ティング仮想円を用いて半径 R,光ファイバ中心 CDX 及び DZ を求める(

図 11 参照)。

フィッティング領域

フェルール

光ファイバ軸

光 フ ァ イ バ

中心軸


10

C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

図 11−測定手法の概念図 

3)

角度の値は,式(3)によって求める。

=

=

DZ

DX

R

DX

arctan

arcsin

θ

  (3)

ここに,

θ: フェルール端面の角度

DXDZ: フィッティング仮想円の中心から光ファイバ中心までの

距離

R: フィッティング仮想円の半径

g)

斜め平面研磨光フェルールの場合

1)

測定した表面形状データからフィッティング領域の表面形状データを記録する。フェルール端面の

フィッティング領域は,フェルール軸付近を中心とする外径 と内径 とで囲む領域によって決ま

る。

2)

最小二乗法又はその他の方法で得たフィッティング領域を近似した仮想直線を算出する。角度の値

は,式(4)によって求める。

θ=arctan(S)   (4)

ここに,

θ: フェルール端面の角度

S: フィッティングで求めた仮想直線の傾き

注記  測定精度は,表面粗さ計の触針とフェルール軸との平行度に影響する。平行度の確認方法とし

て,端面角度が分かっている斜め平面研磨光フェルールを用いて,参照角と測定角との差を検

証する方法がある。その他には,測定角と 180°フェルールを回転した後に同じ測定を繰り返

した結果との差を検証する方法がある。この場合,その差は,プローブ部の機械的な誤差の校

θ 

θ 

測定角度

C(光ファイバ中心)

光ファイバコアに対する接線

フィッティング仮想円

フィッティング仮想円の中心

DZ 

DX 


11

C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

正として考慮する必要がある。

4.4 

方法 4  反射光法 

手順は,次による。

a)

V 溝又は高精度スリーブにフェルールを固定する。

b) He-Ne

レーザをフェルール端面に照射する。

c)

スクリーン上のスポットパターンを観察して,干渉しま(縞)が最も明瞭に見えるようにフェルール

の位置を調整する(

図 参照)。

d)  V

溝又は高精度スリーブ上でフェルールを 360°回転し,スポットパターンがスクリーン上の指標円

に沿って同心円の軌跡になることを確認する。

e)

スポットパターンの輪郭の直径 を測定する(

図 参照)。

f)

フェルール端面の角度 θ は,直径 及びスクリーンからフェルール端面までの距離 を用いて算出す

る。フェルール端面の角度 θ は,次の式によって算出する。

×

=

L

F

2

arctan

2

1

θ

  (5)

個別に規定する事項 

5.1 

方法 1  自動干渉法 

必要に応じて,次の事項を製品規格などに規定する。

a)

フェルール端面角度の許容値

b)

基準フェルールの曲率半径

c)

用いる対物レンズの倍率

d)

基準フェルール研磨による球面頂点偏心量

e)

フィッティング領域の外径 及び内径 E

f)

角度調整微動台に取り付けたホルダのフェルール位置の回転精度

5.2 

方法 2  手動干渉法 

必要に応じて,次の事項を製品規格などに規定する。

a)

フェルール端面角度の許容値

b)

基準フェルールの曲率半径

c)

用いる対物レンズの倍率

d)

基準フェルール研磨による球面頂点偏心量

e)

フィッティング領域の外径 及び内径 E

f)

角度調整微動台に取り付けたホルダのフェルール位置の回転精度

5.3 

方法 3  表面粗さ計法 

必要に応じて,次の事項を製品規格などに規定する。

a)

プローブの種類:形状及び測定時の接触荷重

b)

フェルールホルダの仕様

c)

プラグホルダの仕様

d)

ホルダ内のフェルール位置精度

e)

フィッティング領域の外径 及び内径 E

f)

DXDZ 及びフィッティング領域の算出方法


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C 61300-3-17

:2013 (IEC 61300-3-17:1999)

g)

フェルール端面角度の許容値

5.4 

方法 4  反射光法 

必要に応じて,次の事項を製品規格などに規定する。

a)

フェルール端面の表面粗さ

b)

距離 L

c)

フェルール端面角度の許容値