C 61300-3-15
:2012 (IEC 61300-3-15:2006)
(1)
目 次
ページ
序文
1
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
概要
1
3.1
頂点偏心量
1
3.2
干渉法
2
4
装置
2
5
手順
2
6
個別規格に規定する事項
5
C 61300-3-15
:2012 (IEC 61300-3-15:2006)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 61300
の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS
C
61300-1
第 1 部:通則
JIS
C
61300-2-2
第 2-2 部:繰返しかん合試験
JIS
C
61300-2-12
第 2-12 部:落下衝撃試験
JIS
C
61300-2-14
第 2-14 部:光パワー損傷のしきい値試験
JIS
C
61300-2-15
第 2-15 部:結合部ねじり試験
JIS
C
61300-2-17
第 2-17 部:低温試験
JIS
C
61300-2-18
第 2-18 部:高温試験
JIS
C
61300-2-19
第 2-19 部:高温高湿試験(定常状態)
JIS
C
61300-2-22
第 2-22 部:温度サイクル試験
JIS
C
61300-2-45
第 2-45 部:浸水試験
JIS
C
61300-2-46
第 2-46 部:湿熱サイクル試験
JIS
C
61300-2-47
第 2-47 部:熱衝撃試験
JIS
C
61300-2-48
第 2-48 部:温湿度サイクル試験
JIS
C
61300-3-2
第 3-2 部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性
JIS
C
61300-3-3
第 3-3 部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
JIS
C
61300-3-4
第 3-4 部:損失測定
JIS
C
61300-3-6
第 3-6 部:反射減衰量測定
JIS
C
61300-3-15
第 3-15 部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の頂点偏心量測定
JIS
C
61300-3-16
第 3-16 部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の曲率半径測定
JIS
C
61300-3-20
第 3-20 部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定
JIS
C
61300-3-26
第 3-26 部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定
JIS
C
61300-3-27
第 3-27 部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定
JIS
C
61300-3-28
第 3-28 部:過渡損失測定
JIS
C
61300-3-30
第 3-30 部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置
測定
JIS
C
61300-3-31
第 3-31 部:光ファイバ光源の結合パワー比測定
JIS
C
61300-3-36
第 3-36 部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定
日本工業規格
JIS
C
61300-3-15
:2012
(IEC 61300-3-15
:2006
)
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−
基本試験及び測定手順−
第 3-15 部:球面研磨光ファイバコネクタの
フェルール端面の頂点偏心量測定
Fiber optic interconnecting devices and passive components-Basic test
and measurement procedures-Part 3-15: Examinations and
measurements-Dome eccentricity of a convex polished ferrule endface
序文
この規格は,2006 年に第 2 版として発行された IEC 61300-3-15 を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,球面研磨及び斜め球面研磨した光ファイバコネクタのフェルールの頂点偏心量を,干渉法
によって測定する方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61300-3-15:2006
,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and
measurement procedures
−Part 3-15: Examinations and measurements−Dome eccentricity of a
convex polished ferrule endface
(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,
“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS B 0615
製品の幾何特性仕様(GPS)−プリズムの角度及びこう配の基準値
注記 対応国際規格:ISO 2538,Geometrical Product Specifications (GPS)−Series of angles and slopes
on prisms
(IDT)
3
概要
3.1
頂点偏心量
頂点偏心量(X)は,フェルール中心軸と,球面研磨フェルールの頂点又は最高点とを通り,フェルー
2
C 61300-3-15
:2012 (IEC 61300-3-15:2006)
ル中心軸と平行な線との距離で規定する(
図 1 参照)。
図 1−頂点偏心量の定義
頂点偏心量は,光ファイバ又はファイバ挿入穴の中心と干渉しま(縞)の中心との距離として直接測定
する。この場合,頂点偏心量の測定は,測定系の位置ずれ,特にフェルール中心軸と干渉しま(縞)の中
心軸との角度ずれの影響を受ける。斜め球面研磨されたフェルール頂点偏心量は,キーの位置ずれによっ
て生じたオフセット量で更に影響を受ける。
測定系の位置精度は,厳密に点検し調整する。
測定系の位置ずれによる誤差は,フェルール中心軸の周りに,フェルールを回転させて,干渉しま(縞)
の中心の最大移動距離を観測することによって低減できる。頂点偏心量は,最大移動距離の 1/2 である。
3.2
干渉法
この測定法は,干渉計とカメラ付顕微鏡とを用いる。
干渉は,参照光とフェルール端面からの反射光との間で発生し,その干渉しま(縞)を観測する。フェ
ルールをフェルール中心軸の周りに回転させて,干渉しま(縞)の中心の最大移動距離を観測する。頂点
偏心量は,最大移動距離の 1/2 である。
4
装置
装置は,次による。
− 微動台に取り付けた V 溝又は精密スリーブ[V 溝の推奨角度は 108 度とする(JIS B 0615 参照)
。
]
− 干渉計
− カメラ付顕微鏡
− モニタ
− 光源
5
手順
手順は,次による。
a)
フェルールを V 溝又は精密スリーブに固定する。
3
C 61300-3-15
:2012 (IEC 61300-3-15:2006)
b)
微動操作器を調整して,モニタ画面にフェルール端面を映す。
c)
干渉しま(縞)を観測し,しま(縞)の中心位置を記録する(
図 3 参照)。
d)
フェルールを 180°回転後,二つ目の干渉しま(縞)の中心位置を記録する。
e)
回転前後の干渉しま(縞)の中心位置の移動距離 2X を記録する。頂点偏心量は,この最大移動距離
の 1/2 である(
図 2 参照)。
フェルールを回転して,干渉中心位置を 3 点以上記録し,最小 2 乗法で円の半径を計算することで頂点
偏心量を求める。斜め球面研磨フェルール測定の場合は,フェルールをフェルール中心軸の周りに回転し
ても測定が困難なため,測定前に調整装置を用い,校正保証した基準に置き換えて,研磨角度補正を行う。
O
1
回転前の干渉しま(縞)中心
O
2
180°回転後の干渉しま(縞)中心
a)
測定系に角度ずれがない場合の理想的な測定
図 2−フェルール回転による干渉しま(縞)中心の移動距離の一例
4
C 61300-3-15
:2012 (IEC 61300-3-15:2006)
O
1
回転前の干渉しま(縞)中心
O
2
180°回転後の干渉しま(縞)中心
b)
測定系に角度ずれを含む場合の実際の測定
図 2−フェルール回転による干渉しま(縞)中心の移動距離の一例(続き)
5
C 61300-3-15
:2012 (IEC 61300-3-15:2006)
図 3−頂点偏心量測定系の構成例
6
個別規格に規定する事項
必要がある場合,個別規格には,次の事項を規定する。
–
測定系の最大許容再現性
–
頂点偏心量の許容値