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C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 2 

3 用語,定義及び略語  2 

3.1 用語及び定義  2 

3.2 略語  3 

4 装置 4 

4.1 測定系  4 

4.2 測定機器の性能  4 

5 供試品 5 

6 手順 5 

6.1 測定準備  5 

6.2 測定条件  5 

7 データ分析  6 

8 測定結果 7 

8.1 測定設定  7 

8.2 測定データ  7 

附属書A(参考)単一波長EDFAにおけるパワー過渡事象の概要  8 

附属書B(参考)単一波長EDFAにおける出力過渡現象に関する背景  12 

附属書C(参考)過渡利得応答に対するスルーレートの影響 18 

参考文献  19 

 

 


 

C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 6122の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 6122-1-1 第1-1部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−光スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-1-2 第1-2部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−電気スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-1-3 第1-3部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−光パワーメータ法 

JIS C 6122-3 第3部:雑音指数パラメータ 

JIS C 6122-3-1 第3-1部:雑音指数パラメータ−光スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-3-2 第3-2部:雑音指数パラメータ−電気スペクトラムアナライザ試験方法 

JIS C 6122-3-3 第3-3部:雑音指数パラメータ−信号対総ASEパワー比 

JIS C 6122-4-1 第4-1部:過渡パラメータ−二波長法を用いた利得パラメータ測定 

JIS C 6122-4-2 第4-2部:過渡パラメータ−広帯域光源法を用いた利得パラメータ測定 

JIS C 6122-4-3 第4-3部:過渡パラメータ−パワー制御単一チャネル光増幅器のパワーパラメータ測

定 

JIS C 6122-5-1 第5-1部:光反射率パラメータ測定方法−光スペクトラムアナライザを用いた測定方

法 

JIS C 6122-6 第6部:漏れ励起光パラメータ測定方法 

JIS C 6122-7 第7部:波長帯域外挿入損失測定方法 

JIS C 6122-10-1 第10-1部:マルチチャネルパラメータ−光スイッチ及び光スペクトラムアナライザ

を用いたパルス法 

JIS C 6122-10-2 第10-2部:マルチチャネルパラメータ−ゲート付き光スペクトラムアナライザを用

いたパルス法 

JIS C 6122-10-3 第10-3部:マルチチャネルパラメータ−プローブ法 

JIS C 6122-10-4 第10-4部:マルチチャネルパラメータ−光スペクトラムアナライザを用いた補間法 

JIS C 6122-10-5 第10-5部:マルチチャネルパラメータ−分布ラマン増幅器の利得及び雑音指数 

JIS C 6122-11-1 第11-1部:偏波モード分散パラメータ−ジョーンズマトリクス固有値解析(JME)

法 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

C 6122-4-3:2018 

 

(IEC 61290-4-3:2015) 

光増幅器−測定方法− 

第4-3部:過渡パラメータ− 

パワー制御単一チャネル光増幅器の 

パワーパラメータ測定 

Optical amplifiers-Test methods-Part 4-3: Power transient parameters- 

Single channel optical amplifiers in output power control 

 

序文 

この規格は,2015年に第1版として発行されたIEC 61290-4-3を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

 

適用範囲 

この規格は,出力パワーを制御する光増幅器(OA)を含む光サブシステムに適用する。この規格は,JIS 

C 6121に示される,希土類のドーパントを含むアクティブ光ファイバを用いた,現在商用化されている光

ファイバ増幅器(OFA)のほか,単一チャネル出力光パワー制御で用いる別の光増幅器,例えば,半導体

光増幅器(SOA)にも適用する。 

この規格は,OAの出力光パワーの過渡特性の一般的な背景情報及びその測定方法を提供すると共に,

次の過渡パラメータについて,正確かつ信頼性のある標準的な測定方法について規定する。 

a) 過渡パワー応答 

b) 過渡パワー過補償応答 

c) 定常状態パワーオフセット 

d) 過渡パワー応答時間 

 

この規格で考慮する入力パワーの変動及びそれに対する応答特性は,次を含む。 

e) チャネルパワーがステップ状に増加した場合の応答(ステップ過渡応答) 

f) 

チャネルパワーがステップ状に減少した場合の応答(逆ステップ過渡応答) 

g) チャネルパワーが三角パルス状に増加,減少した場合の応答(パルス過渡応答) 

h) チャネルパワーが三角パルス状に減少,増加した場合の応答(逆パルス過渡応答) 

i) 

チャネルパワーが三角波状に増加減少後,増加した場合の応答(ライトニングボルト過渡応答) 

j) 

チャネルパワーが三角波状に減少増加後,減少した場合の応答(逆ライトニングボルト過渡応答) 

 


C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

これらのパラメータは,出力光パワー制御で動作するOAの過渡特性を詳細に説明するために用いる。

一方,この文書の附属書Aでは,OFAの物理性能を中心に記載しており,OFAの動作を詳細に提供する

ものである。したがって,他のOAに同様の説明を与えるものではない。また,附属書Bでは単一波長EDFA

における出力過渡現象に関する背景情報を記載している。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61290-4-3:2015,Optical amplifiers−Test methods−Part 4-3: Power transient parameters−Single 

channel optical amplifiers in output power control(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 6121 光増幅器−通則 

注記 対応国際規格:IEC 61291-1:2012,Optical amplifiers−Part 1: Generic specification(MOD) 

 

用語,定義及び略語 

3.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1.1 

入力信号(input signal) 

OAに入力される光信号。 

3.1.2 

入力パワー変動(input power excursion) 

OAの過渡パワー変動を引き起こす入力パワー変動及びその前後における相対パワー差(単位:dB)。 

3.1.3 

入力パワー立ち上がり時間(input power rise time) 

パワー増加変動中に,入力光信号が初期と最終信号レベルとの差の10 %から90 %まで上昇するのにか

かる時間(図A.2を参照)。 

3.1.4 

入力パワー立ち下がり時間(input power fall time) 

パワー減少変動中に,入力光信号が初期と最終信号レベルとの差の10 %から90 %まで下降するのにか

かる時間(図A.2を参照)。 

3.1.5 

スルーレート(slew rate) 

パワー変動中の入力光信号の最大時間変化率(附属書C参照)。 

3.1.6 

過渡パワー応答(transient power response) 

入力チャネルパワー変動によって誘発されるOAの目標パワーと観測パワーとの変動の差(図2を参照)

(単位:dB)(オーバシュート又はアンダシュート)。 


C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

注記 増幅されたチャネルの出力パワーが目標とするパワーから外れた場合,OAの制御回路は,パ

ワー差又は過渡パワー応答を補償するように動作し,OAの出力パワーを本来の目標値へ引き

戻そうとする。 

3.1.7 

過渡パワー整定時間(transient power settling time) 

OAの出力パワーを,目標パワー値に近い安定したパワー値へ戻すまでにかかる時間。 

注記 このパラメータは,OAの出力パワー応答が規格値以内に安定するまでに生じるパワーの揺ら

ぎ時間から測定される。 

3.1.8 

過渡パワー過補償応答(transient power overcompensation response) 

増幅器の目標とする出力パワーと,制御回路の不安定さに起因するパワーとの間の最大偏差(単位:dB)。 

注記1 過渡パワー過補償応答は,OAの制御回路がパワーを目標値へ戻そうとする場合に生じる,

パワー変動から発生する。制御回路の処理は繰り返され,最終的に所望の目標パワー値に到

達するまで,パワー変動を過補償する。 

注記2 過渡パワー過補償応答パラメータは,一般に過渡パワー応答よりも小さく逆符号である。 

3.1.9 

定常状態パワーオフセット(steady state power offset) 

パワー変動事象発生前後のOA出力パワーの差(単位:dB)。 

注記 通常,パワー変動後の定常状態パワー値は,入力パワー変動前のOAパワーとは異なる。過渡

制御器は,フィードバック回路を用いてこのオフセットを解消する。 

3.2 

略語 

この規格で用いる主な略語は,JIS C 6121によるほか,次による。 

AFF 

ASE平たん(坦)化フィルタ (ASE flattening filter) 

AGC 

自動利得制御器 

(automatic gain controller) 

APC 

自動パワー制御 

(automatic power control) 

ASEP 

増幅された自然放出パワー 

(amplified spontaneous emission power) 

DFB 

分布帰還形(レーザ) 

[distributed feedback (laser)] 

DWDM 高密度波長分割多重 

(dense wavelength division multiplexing) 

EDF 

エルビウム添加光ファイバ 

(Erbium doped fiber) 

GFF 

利得等化フィルタ 

(gain flattening filter) 

NEM 

ネットワーク機器製造業者 

(network equipment manufacturer) 

NSP 

ネットワークサービス業者 

(network service provider) 

OSNR 

光信号対雑音比 

(optical signal-to-noise ratio) 

PDs 

フォトダイオード 

(photodiodes) 

PID 

比例積分微分 

(proportional integral derivative) 

SAR 

信号対光増幅自然放出比 

(signal-to-ASE ratio) 

VOA 

可変光減衰器 

(variable optical attenuator) 

WDM 

波長分割多重 

(wavelength division multiplexing) 

 


C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

装置 

4.1 

測定系 

図1は,出力光パワー制御単一チャネルOAの過渡応答特性を測定する一般的な系を示している。 

 

 

図1−パワー過渡測定系 

 

4.2 

測定機器の性能 

測定機器及びその要求性能は,次による。 

a) レーザ光源 OA入力信号用レーザ光源の要求性能は,次による。 

− 供試OAを測定するため,信号の全波長範囲に対応できる。これは例えば,波長可変レーザ又は複

数のDFBレーザによって実現が可能である。 

− レーザ光源と供試OAとの間の測定機器の損失も含めて,供試OAへの最大規定入力パワーよりも

大きな平均出力パワーが出力可能でなければならない。 

b) 偏波制御器 レーザ光源の入力偏波状態をランダム化する,又は決められた偏波状態へ制御するため

の偏波制御器。偏光制御器の使用は任意である。 

c) VOA VOAは,供試OAを測定するために必要な信号レベル範囲を実現するために,十分な可変減

衰量範囲をもたなければならない。 

注記 レーザ光源の出力パワーが,求めるダイナミックレンジ以上に変化できる場合,VOAは不要

である。ただし,求めるダイナミックレンジが大きい場合,レーザ光源の出力パワーを大き

く変化させる場合,レーザ光源によってはSN比が劣化し,測定結果の精度を劣化させるお

それがあるのでこのことを認識して注意することが望ましい。 

d) OA入力信号を規定するパワー変動に増減するための光変調器 この光変調器の要求性能は,次によ

る。 

− 供試OAを測定するため,オン・オフ消光比が,最大低下値よりも高い。 

− 供試OAを測定するための,応答周波数が,最速スルーレートを実現できるよう十分に高速である。 

e) 帯域通過フィルタ 帯域通過フィルタは,次に示す性能をもつ,信号波長を区別するよう設計された

光フィルタとする。帯域通過フィルタの使用は任意である。 

− 供試OAを測定するため,信号波長の波長範囲で動作可能とする。これは例えば,波長可変フィル

タ,又は別個の通過帯域の異なる一群の光フィルタによって実現が可能である。 

− 信号波長中心周辺に±20 GHz以内で1 dBのパスバンドが存在しなければならない。 

− 供試OAの特定伝送帯域全体に対して,最小挿入損失から20 dBよりも大きな減衰率をもたなけれ

ばならない。ただし,信号波長±100 GHzの範囲内を除く。 

f) 

光検出器 フィルタを通った供試OAの出力を測定する光検出器は,次の性能をもつ, 


C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

− 供試OAを測定するため,最速スルーレートを実現できる十分広い光・電気帯域をもつ。 

− 供試OAを測定するため,全ての信号出力範囲±5 dB以内の範囲で線形応答できる。 

g) オシロスコープ オシロスコープは,供試OAの光フィルタ出力の過渡応答を捕らえ,測定するもの

で,供試OAを測定するための最速スルーレートに対して十分広い電気帯域をもつ。 

h) 信号発生器 信号発生器は,入力パワー過渡波形を生成するため,光変調器を駆動する信号を発生さ

せるもので,供試OAを測定するための最速スルーレートに対応できる,十分短い電気パルス幅及び

十分高い電気スルーレートをもつ。 

 

供試品 

供試OAは標準条件で動作させる。供試OAが不要な反射でレーザ発振を引き起こし得る場合は,供試

OAと分離するために光アイソレータを用いることもできる。これによって,信号の不安定性を最小限と

し,測定の不確かさを改善できる。 

 

手順 

6.1 

測定準備 

図1に示す測定系において,供試OAに入射される入力光信号パワーは,安定化レーザ光源から生成す

る。光パワーは,信号の偏波状態をランダム化又は制御するための任意の偏波スクランブラを通過した後,

VOAで所望の光入力パワー値に調節する。信号はその後光変調器を通過し,光変調器は,過渡入力パワー

変動を起こすために必要な入力パワー測定波形を生成する信号発生器によって駆動する。信号はその後,

供試OAに入射する。帯域通過フィルタ(測定に関係するチャネル波長だけを選択するために,可変光フ

ィルタ,固定光フィルタ又は類似した部品を用いる。)の後に光−電気変換器が続き,増幅器の出力をオシ

ロスコープで取得する。任意のチャネル帯域通過フィルタで選択した出力チャネル及びその過渡応答は,

光−電気変換器及びオシロスコープで観測する。図2に示したものに類似した波形は,オシロスコープで

取り込んだ後,コンピュータ処理で表示する。 

過渡応答の測定前に,入力パワー波形を記録した方がよい。図1の系を用いるが,この系では供試OA

は用いない。光変調器からの入力光コネクタは,チャネル通過フィルタに接続する。 

供試OAの入力パワー変動を引き起こすため,レーザ光源の供試OAへの入力パワーは典型的なパワー

値に設定する。信号発生器の波形は,規定の測定条件となるようなパワー変動及びスルーレートで,供試

OAへの入力パワーを増加又は減少させるように選択する。例えば,光受信器の場合に典型的な数値とし

て,供試OAへの入力パワーは50 μsで7 dB増加させ,パワー増加過渡応答(ステップ過渡)状態を引き

起こすように,このパワー値を維持する[図A.1 a)参照]。その他の過渡制御測定に対しては,信号発生器

の波形は適切に制御し,VOAはそれに応じて調節する。 

6.2 

測定条件 

連続過渡制御測定の幾つかは,供試OAの特定の動作状態に応じて実行する。パワー変動事象の例を表

1に示す。これらの測定は,一般に広範囲の入力パワー値で実行する。 

 

表1−過渡制御測定の測定条件の例 

事象 

パワー変動 

スルーレート 

入力パワーステップ過渡増加又は減少 

3 dB,7 dB 

500 s,200 s,50 s 

入力パワーパルス過渡 

3 dB,7 dB 

500 s,200 s,50 s 

入力パワーライトニング過渡 

±3 dB,±7 dB 

500 s,200 s,50 s 


C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

データ分析 

過渡パラメータは,次の基準を用いて図2に示す増幅器出力パワー過渡波形を処理することで計算する。 

− 過渡パワー応答(dB):B−A 

− 過渡パワー過補償応答(dB):G−A 

− 定常状態パワーオフセット(dB):E−A 

− 過渡パワー応答時間(μs):D−C 

 

 

a) チャネル入力パワー増加時(オーバシュート) 

 

 

b) チャネル入力パワー減少時(アンダシュート) 

図2−OA出力パワー過渡応答 

 

ー(

d

B

m

) 

時間(s) 

ー(

d

B

m

 

時間(s) 


C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

測定結果 

8.1 

測定設定 

次の測定設定条件を記録する。 

a) 測定系の配置 

b) 各測定器の詳細(製造業者及び形式) 

c) 各測定器の設定条件(例 偏波制御器の動作速度,OSAの分解能帯域幅) 

d) 供試品の実装方法 

e) 供試品に対する環境条件 

f) 

入力光波長λin 

8.2 

測定データ 

次の測定データを記録する。 

a) 入力光パワーPin波形 

b) 出力光パワーPout波形 

c) 変動前後での稼働条件におけるSAR 

d) 変動前後でのOFA励起レーザ出力 

e) 入力変動前後にOAで記録(観測)された入力パワー(可能な場合) 

f) 

入力変動前後にOAで記録(観測)された出力パワー(可能な場合) 

g) OFAが報告する内部温度(可能な場合) 

h) 各測定装置の測定精度 

i) 

供試品の温度 

j) 

過渡パワー応答 

k) 過渡パワーの過補償(応答) 

l) 

安定状態出力オフセット 

m) 過渡パワー応答時間 

 


C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

附属書A 

(参考) 

単一波長EDFAにおけるパワー過渡事象の概要 

 

A.1 背景 

端局OFAは,通常,ネットワーク全体におけるチャネルパワー変動に対応するため,入力パワーに対し

広いダイナミックレンジをもつ単一波長EDFAである。入力信号は,伝送チャネルに対する不完全なEDFA

の連結による過渡オーバシュート又はアンダシュートの連続によって生じる速いパワー変動を蓄積する。

たとえ各EDFAが最先端の利得過渡抑圧の状態(実力として各々のEDFAからの利得オーバシュート又は

アンダシュートが±1dB未満)で利得一定に動作していたとしても,ネットワーク全体のチャネル増減設

の結果としてそれらのよく知られた利得過渡現象は発生する。それらの過渡現象の一時的な急勾配及びオ

ーバシュート又はアンダシュートの大きさは通過したEDFAの数で蓄積され,最終的に,相当な出力変動

をもつ過渡事象は端局EDFAの入力に到達する。この単一チャネルパワーの過渡変動の形状は多中継伝送

システムにおける,1スパン前のEDFAの過渡パワー変動の形状に直接的に依存する。 

 

A.2 特徴的な入力パワーの振る舞い 

前の増幅器連結の中で増減設事象の結果としての単一チャネル端局OFAの特有の入力パワーの振る舞

いを図A.1に示す。図A.1は特に入力パワー変化の時間依存性のタイミングに関する例を示す。ステップ

形,パルス形及びライトニングボルト形の過渡パワー応答並びにパワーオフセット応答は,チャネル受信

器が直ちに端局OAに続く場合には,通信事業者及びNEMにとっては特に重大となる。最適に設計した

OAは,これらの過渡パラメータに対して小さな値をもつ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

a) ステップ 

 

 

 

b) パルス 

 

 

c) ライトニングボルト 

 

注記 受信器への入力波形の例,数字は一例 

 

図A.1−チャネル受信器が直ちに続く場合のOA入力パワー変動の例 

 

ライトニングボルト事象の入力パワー変化測定パラメータを図A.2に示す。 

 

時間(μs) 

時間(μs) 

時間(μs) 

時間(μs) 

時間(μs) 

時間(μs) 


10 

C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

時間(s)

パワー増加

変化量の10%

変化量の90%

立ち上がり時間

立ち下がり時間

変化量の10%

変化量の90%

 

a) 入力パワー増加 

 

 

b) 入力パワー減少 

 

注記 入力パワーの変動については表1又は図A.1で示すように,デシベルで規定することが一般的であるが,

立ち上がり時間及び立ち下がり時間については,線形で定義することが望ましい。 

 

図A.2−入力パワー測定パラメータ 

 

受信器の隣に配置された単一チャネルOAでこれらの入力パワーの過渡現象を抑圧するためにはAPCモ

ードで動作させることが重要である。これは出力光パワー制御動作と呼ばれる。受信器に対する穏やかな

過渡パワー変動は,受信器のダイナミックレンジ及び受信器のAGCに依存しているので扱いやすい。一


11 

C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

方,受信器に対する過度の光パワー変動は,情報の読み誤りによる望まないビット誤りの可能性又は受信

器を永久的に破損する可能性がある。 

 

A.3 過渡的な振る舞いを特徴付けるパラメータ 

チャネルのステップ状の増加又は減少に対して出力制御したOAの過渡的な振る舞いを特徴付けるため

に一般的に使用するパラメータを図2に定義する。図2 a)は特に入力パワーが急激に増加した場合のOA

出力パワーの時間依存性,図2 b)は入力パワーが急激に減少した場合の過渡的な出力の振る舞いを示す。 

重要な過渡パラメータは,過渡パワーオーバシュート又はアンダシュート,過渡パワー応答整定時間,

及び定常状態パワーオフセットである。出力光一定制御OAにおいて,入力パワーの減少は光出力のアン

ダシュートとなり,入力パワーの増加が光出力のオーバシュートとなる。これは入力パワーの減少が利得

オーバシュートとなり,入力パワーの増加が利得アンダシュートとなる利得制御増幅器とは対照的である。 

 


12 

C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

附属書B 

(参考) 

単一波長EDFAにおける出力過渡現象に関する背景 

 

B.1 

光ネットワークにおける増幅器の連鎖 

一般に,光ネットワークはファイバ損失のほかに,分散補償,チャネル増減設といった機能を付加する

光部品によって発生した損失を管理するために,一連のOAを組み込んでいる。このネットワークがメッ

シュ構造に発展していくにつれ,チャネル信号は,多くの異なる光経路を通過する過程において,ネット

ワーク部品におけるチャネル増減設時の補償,とりわけインラインOAの過渡制御によって,突発的なパ

ワー変動の影響を受けて受信器に到達する可能性がある。このような突発的な光パワー変動に対する受信

器の対応能力が光ネットワークを正常に機能させるための重要なポイントとなっている。 

既存の10 Gbit/sシステムにおいて,WDMリンクにおける最終ラインアンプがDWDM信号を一括で増

幅するプリアンプであることが一般的である。それにもかかわらず,それぞれのチャネルに対し受信器の

手前でその光信号を更にプリアンプするOAの必要性が増加している。この単一波長OFAは,近年の変調

方式による厳しいOSNRの要求を満たし,かつ,受信器につながる光弁別器,復調器,偏波分波器,可変

分散補償器及び波長可変フィルタといった特殊な光部品の損失を改善するのを助けるために挿入する。こ

の単一波長OFAの総出力パワーは,信号(光)パワー及び自然放出光(ASE)雑音からなる。その信号出

力及びASEパワーは,OFAの下流にある光バンドパスフィルタ,分波器又は特殊な部品ではフィルタさ

れず,かつ,減衰しないことがある。このことは特に広い波長帯域にわたって特性が波長に依存しないカ

ラーレス受信器が該当する。 

 

B.2 

典型的な光増幅器の設計 

光増幅する受信器の典型的な設計は,チャネルセレクタ,OFA,光子検出器,制限増幅器及び電気的低

域通過フィルタからなる。プリアンプOFAは,その動作が(受信器)光子検出器の感度を向上させること

から光受信器の集積部品の一部になってきている。一方,プリアンプEDFAにおいて励起したエルビウム

イオンの自然脱励起の結果,雑音が発生する。そのイオンは有限な励起状態寿命をもつため,幾つかは誘

導放出によって発生した光子とは対照的に,入力する光信号に対し非干渉性な光子を放出して自然に基底

状態に戻る。この暗雑音は増幅自然放出光(ASE)として知られており,プリアンプEDFAにおける主要

な雑音成分である。 

光出力の過渡(変動)はネットワーク中のパワーレベルにしてサブミリ秒で変動し,計画的又は偶発的

なチャネル配備の変化,受動(部品)損失変動又はネットワーク保護スイッチのような事象によって起こ

る。動的なネットワーク環境において,OAは潜在するサービス品質の劣化を防ぐため,これらの出力変

動を補償し得ることが必要とされる。例えば,ネットワークを再構築する状況において,DWDMチャネ

ル数がOFAの入力部において突然減少し,マイクロ秒のうちに利得の増加に相当する増幅器の反転分布の

増大が起きる可能性がある。この利得の変動はチャネル出力のオーバシュートとなり,NSPが最適化した

利得レベルにおいて動作させることができず,潜在的にサービス品質に影響するといった弊害をもたらす。

出力変動はシステムにおけるそれぞれのOFAに蓄積し,そのまま放置される場合,受信器の上流にある単

一波長OFAに入力し増幅され,受信器へ入力する過渡(変動)を引き起こす。このことは受信器において

累積した過渡オーバシュート又はアンダシュートをもたらし,受信器のダイナミックレンジを超えるほど


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に成長し得る。その後のビット誤り率(BER)の増加は,サービス品質の劣化又はある状況下では過度の

光パワーの結果,受信器の損傷すら引き起こし得る。 

伝送システム中の光中継器におけるラインOFAは通常利得制御モードで動作する。利得制御で動作する

OFAは,その出力において,入力されるチャネルパワーの過渡変動を再現かつ増幅する,それは増幅受信

器における単一波長(光)増幅器にとって弊害となる。 

受信器に隣接する単一波長OFAは,過渡変動を抑圧するため出力光パワー制御で動作することが必須で

ある。このことを出力パワー過渡応答制御動作という。受信器において適度に過渡的な出力パワー変動は

受信器のダイナミックレンジ及び受信器のAGCの帯域に応じて管理できるが,過剰に大きい出力変動は,

次のとおりである。 

a) 受信器の絶対最大光出力定格を超過し,潜在的に光学損傷につながり得る(特に出力オーバシュート

の結果)。 

b) 受信器の絶対最大光出力定格を超過し,機能停止となる,アイ開口劣化及びバースト符号誤りにつな

がり得る(特に出力オーバシュート波形の結果)。 

c) 受信器の最小光出力定格未満に低下し,機能停止となる,アイ開口劣化及びバースト符号誤りにつな

がり得る(特に出力アンダシュート波形の結果)。 

d) 機能停止を引き起こすb)とc)との事象間を急速に揺らぎ得る。 

 

データを伝える光チャネルを増幅することに加え,OFAはASE雑音を生成し,伝送する。光データ信

号は典型的に国際電気通信連合(ITU)によって標準化されたチャネルに対応する一つ以上の波長を中心

とする。その一方,通常,ASEはより広域な波長範囲,例えばOFAの実質的な利得帯域範囲およそ40 nm

にわたり生成される。ASEの強度は光信号チャネル利得に依存し,EDF全体の反転分布及び温度に依存す

る。さらには,OFAが生成するASEの強度は,OFAを構成するその他光部品の損失変動によっても変動

し得る。このことは,受動損失がOFAにおける目標利得を実現するためにEDFに必要とされる利得に影

響することによる。 

単一波長受信器に入射する総ASEパワーに対する出力信号パワーの比はSARと定義し,これは次のと

おり算出する。 

ASEP

SigP

SAR

 

ここに, 

SAR: 信号対光増幅自然放出比 

 

SigP: OFAが出力する信号パワー 

 

ASEP: OFAが出力する総ASEパワー 

理想的には,OFAが出力する信号パワーはASEパワーの総和よりも大きいので,増幅器のSARは常に

正である。より高いSARを実現することが信号データにおける低いビット誤り率の実現に有効であるため,

動作条件がASE量に影響し,SARを操作可能であることから,単一波長プリアンプOFAをSARが最大に

なるように設計することが望ましい。 

OFAが単一波長増幅器として用いられることから,OFAの波長に対して利得形状が利得平たん(坦)で

あることもあるし,そうでないこともある。理想的な利得平たん(坦)であっても,EDFの利得は入力チ

ャネル波長によって変動する。そのため,OFAが生成するASEは動作条件によって幅広く変動する。OFA

が制御に用いるPDは信号チャネルパワーとASEとを区別することができず,かつ,OFAがITU波長の

範囲において動作が適応することを保証する程度に,理想的には比較的波長に非感応であることから,OFA


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は信号波長識別機能を本質的に組み込んでいない。OFAへの入力パワー又はチャネル波長の変動の結果に

よる予測できないASE量の存在が,過渡的な出力利得オフセット誤差につながり,OFAの出力チャネル

パワーが受信器において理想的なレベルとならず,結果として関連する光ネットワークにおける検出誤差

の増加となり得る。 

 

B.3 

検出誤差に対処するための手段 

検出誤差に対処するため多くの手段が知られている。一つはDWDM用OFAにおいて用いられるよく知

られている動作条件に対しASE量を校正を介して推定する方法がある。信号利得,温度,EDFの反転分

布及びチャネル波長の全てがASE量に影響するため,正確な推定を実現した校正作業は測定時間及び費用

の点で法外となる。もう一つの方法として固定単一波長OAがあり,ある固定波長を識別するフィルタを

OFAに挿入し,光データ信号の帯域幅上下に数ナノメートルの波長を超えるASEを抑圧することが知ら

れている。一方,この方法は,OFAがある固定されたフィルタによって信号波長が限定され,フィルタと

一致する固定した指定チャネル波長にだけ適用が可能で,異なるそれぞれの信号チャネル波長に対して製

造された異なるOFAが要求されるため柔軟性がなく,実用性がない。ある固定の波長とASEとを識別す

るフィルタは製品寿命にわたり一つ以上のチャネルを取り扱うシステム,例えば,波長可変レーザ光源を

用いた送信器からなる光ネットワークにおけるOFAに適用できない。利得平たん(坦)化フィルタ(GFF)

と似た,ASE平たん(坦)化フィルタ(AFF)の使用は最適化されたある信号利得及び温度においてだけ

ではあるが,ASEの波長依存性を低減し得ることから,OFAのSARを増加できる。そのため,ASE校正

の必要性を取り除くことはできない。さらに,AFFの使用はOFAに費用を追加する。OFAに(波長)可

変光フィルタを挿入することは要求される柔軟性をもち,ASE抑制を与え得る。要求される光学性能を満

たす(波長)可変光フィルタは,実用可能であるが,それらは物理的に大きく,費用がかかり,追加の制

御が必要なので,費用又はサイズを主要項目とする利用において展開するには適さない。 

波長固定フィルタの制限,並びに波長可変フィルタの費用及び大きさの結果,多くの単一波長OFAは利

得平たん(坦)化フィルタ及び波長可変フィルタなしで適用されている。そのため,OFAの制御器は,出

力PDsが増幅信号波長及びASEパワー双方からなる総出力パワーにさらされるものの,出力制御信号パ

ラメータとして出力PDsにおける総光出力パワーだけが利用できる。 

四つの因子として,入力光パワー,入力光チャネル波長,光励起パワー及びOAの反転分布レベルが,

単一波長エルビウム添加光ファイバ増幅器のパワー出力を決定する。OFAの反転レベルは入力光信号に対

し,エネルギーの供給が可能なエルビウム原子の比として示され,結果的に光利得となる。一般に反転レ

ベルは,光励起パワーの増大に伴い増加し入力光パワーの増大に伴い減少する。そのため,OFA入力部に

おいてチャネルパワーが増加する場合,一定出力を維持するために励起レーザの出力パワーを増加させる

必要がある。同様に,OFA入力部においてチャネルパワーが低下する場合,一定出力に維持するために励

起光を即時に減少させる必要がある。 

OFAの出力パワーは,励起電流の調整によって励起レーザ出力を制御することで設定し得る。励起制御

の基本的な仕組みは,信号分岐及び検出用PDsによるOFAの入出力パワーの測定,検出信号からの誤差

信号の算出,並びにフィードフォワード及びフィードバックなどの制御を用いた高速PID制御器による励

起光パワーの駆動を含んでいる。 

過渡後の出力パワーの誤差には安定状態出力オフセット誤差が知られており,過渡後のASEレベル,チ

ャネル波長及び温度に関連している。過渡パワー整定時間は,励起光制御器が応答する時間で決められ,

EDFへの励起速度は励起制御器応答,検出応答,制御器の帯域,アルゴリズム遅延,エルビウムの反転分


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布回復及びエルビウムの反転分布飽和の時定数に依存する。過渡パワー整定時間はこれらのパラメータの

総和で出力パワー,チャネル波長及びEDF温度に依存する。一般により高い出力の増幅器は,より短い過

渡パワー整定時間をもつ。EDFの温度の上昇及びチャネル波長の短波長化も,過渡パワー整定時間を短く

する。 

OFAの入力過渡変動に対応する特有の能力がEDFに関連する二つの時定数に依存する。一つはエルビ

ウムの反転分布回復時定数で,これは励起光パワーがEDF中の反転分布レベルを変化させるのに要する時

間である。もう一つの時定数はエルビウムの反転分布飽和時定数で,エルビウムの反転分布レベル減衰期

間である。これらの両時定数は反転分布の増加とともに減少する一方で,運用状態のOFAにおいて飽和速

度はエルビウムの回復期間よりも十分に早い。回復及び飽和両時定数は波長及び温度に依存し,長チャネ

ル波長かつ低温度EDFが最も長い飽和時定数となる。 

入力パワー過渡変動を抑制するように設計された単一波長OFAは自身の制御時定数で動作する出力過

渡応答抑圧制御アルゴリズムを備えた出力パワー一定モードで動作する制御器を用いなければならない。

単一チャネル入力パワーの過渡変動がOFAに入った場合,制御器は出力パワーレベルを適正な状態に設定

するように励起光パワーを変動させなければならない。 

励起光パワー制御を行わない場合,すなわち,制御器が無効化された状態での,OFAの出力過渡応答を

考慮する。逆ステップ状の入力パワー過渡変動[入力パワー減少,図B.1 a)]がOFAに入力された場合,

非制御状態のOFAの利得は瞬間的に一定に維持し,出力パワーは入力パワーの低下に応じて減少する[図

B.1 b)]。入力パワーが時間t0で低下した後,新たな低入力パワーにおける増幅飽和条件の変化の結果,利

得は増加し始め,出力パワーは上昇する。最終的には出力パワーは,時間tSにおいて新たな入力パワーレ

ベルと対応する利得に応じた新たな値に収束する。過渡後利得は大きいが,過渡後の出力パワーは過渡変

動による出力低下前よりも低く,安定状態出力オフセット偏差が生じる。出力オフセットの程度は,階段

状変動の前後の入力パワー,温度,ASEレベル及びそれらの条件におけるOAの相対飽和状態に依存する。 

 


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c) 制御有効時出力パワー 

図B.1−入力パワー低下(逆ステップ過渡現象)に対する過渡応答 

 

ここで,制御器が有効な状態におけるOFAの過渡応答を考える[図B.1 c)]。ここで励起制御は出力パ

ワーの変化に応答し,同じ総出力パワー目標を維持するよう動作する(出力SigPとASEPとが識別できな

いため。)。入力パワー逆ステップ過渡変動が時間t0において入力パワーを瞬間的に減少させた場合,OFA

の瞬間的な利得は一定を維持し,出力パワーが低下する。制御器が応答する前の出力パワーの変動レベル

は出力パワー過渡アンダシュートと呼ぶ。一方,OFA制御器は,出力パワーが低下したことを認識しEDF

の反転レベルを増加するように励起パワーを変更する。エルビウムの反転分布回復時間tRの間,反転レベ

ルは大きく変化しないため,利得はゆっくり上昇する。時間tRの後,制御器は出力パワーに作用し,利得

は非制御時よりも早く上昇する。過渡後の出力パワーは,非制御時に比べ,小さい安定状態出力オフセッ

ト誤差で過渡現象前のレベルに近い強度に戻り,より早い時間tCにおいて収束する。制御が十分に鎮静化

できない場合,出力パワーは図B.1 c)に示すように補正値に収束する前に出力パワーが過剰補償となり得

る。 

同様に,OFAへの入力パワーが増加する状況での励起光パワー制御がない状況,つまり,制御が無効状

態での過渡応答を考慮してみる。OFAへの入力パワーがステップ状増加[図B.2 a)参照]となる場合,非

制御のOFAの利得は直後に起きる過渡現象に先立ち一定となるため,出力パワーは即時に図B.2 b)に示す

a) 入力パワー 

b) 制御無効時出力パワー 

整定時間tS 

整定時間tS 

パワーオフセット

パワーオフセット

時間 

 

 

 


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ように入力パワーの増加に応じて増加する。入力パワー過渡変動に即時に従い,利得飽和の進展によって

利得は減少し始める。最終的に出力パワーは時間tSにおいて新たな入力パワーレベルに対応する新たな強

度に収束する。過渡変動後の利得は低いが,過渡現象後の出力パワーは,入力パワー過渡変動の前よりも

高く,利得オフセット誤差が生じている。利得オフセット誤差の大きさは,入力パワー条件及びそれに対

応する利得飽和レベルに依存する。 

 

 

c) 制御有効時出力パワー 

図B.2−入力パワー増加(ステップ過渡現象)に対する過渡応答 

 

さらに,制御が有効な状況でのOFAの過渡応答について考察する[図B.2 c)参照]。ここで,励起制御

器は出力パワーの変動に応答し,同じ総出力パワー目標を維持するよう動作する(出力SigPとASEPとが

識別できないため)。時間t0において入力パワー過渡変動(ステップ過渡)が制御されたOFAに入力され

た場合,OFAの瞬間的な利得は一定を維持し,出力パワーは増加する。制御器が応答する前の出力パワー

の変動の大きさを出力パワー過渡オーバシュートと呼ぶ。OFA制御器は,出力パワーを減らすように振る

舞い,エルビウムの反転分布飽和回復時間,tRの後,減少したEDFの反転状態によって,出力パワーは直

ちに降下する。ここで利得及び励起パワーの低下は,非制御時よりも早く,過渡現象後の出力パワーは非

制御時に比べ,小さい安定状態出力オフセット誤差で過渡現象前のレベルに近い強度に戻り,より早い時

間tCにおいて収束する。制御が十分に鎮静化できない場合,的確な値に収束する前に出力パワーが過剰補

償となり得る。 

a) 入力パワー 

b) 制御無効時出力パワー 

整定時間tS 

パワーオフセット 

パワーオフセット 

時間 

 

 

整定時間tS 

 


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附属書C 
(参考) 

過渡利得応答に対するスルーレートの影響 

 

C.1 入力パワーの立ち上がり時間及び立ち下がり時間の重要性 

チャネルパワーが増加又は減少するとき,入力パワー過渡現象速度は過渡性能を測定する場合に考慮さ

れなければならない。OFAのパワー過渡制御は,一般的に入出力レベルの監視及び励起レーザ駆動電流の

調整によって実現される。附属書Aに示すように,光学系設計,監視,制御帯域及び制御アルゴリズムが

過渡応答に影響する。一方,入力パワーの過渡スルーレートもOFA性能に影響を与える可能性がある。こ

の入力過渡波形のスルーレートの変化は,ネットワークで蓄積された過渡事象の速度又は測定機器で用い

た切替速度に由来する。 

OFAへの入力パワー変化がゆっくりである場合,パワー制御システムは過渡オーバシュート又はアンダ

シュートを最小化するために励起パワーを調整することで過渡現象を十分に補償することができ得る。 

OFAへの入力パワー変化が急激(速いスルーレート又は切替速度)でる場合,OFAの制御メカニズムが

急激な入力パワー変化に追従して補償するには十分に速くないため,パワー制御システムは十分にオーバ

シュート又はアンダシュートを最小化することができないことがある。結果としてOFAの応答は低下する。 

 


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C 6122-4-3:2018 (IEC 61290-4-3:2015) 

 

参考文献 

 

JIS C 6122-3-3 光増幅器−測定方法−第3-3部:雑音指数パラメータ−信号対総ASEパワー比 

注記 対応国際規格:IEC 61290-3-3,Optical amplifiers−Test methods−Part 3-3: Noise figure parameters

−Signal power to total ASE power ratio(IDT) 

JIS C 6122-4-1 光増幅器−測定方法−第4-1部:過渡パラメータ−二波長を用いた利得パラメータ測定 

注記 対応国際規格:IEC 61290-4-1,Optical amplifiers−Test methods−Part 4-1: Gain transient parameters

−Two-wavelength method(IDT) 

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