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C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)/財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61290-3-2:2003,Optical

amplifiers-Part 3-2:-Test methods for noise figure parameters-Electrical spectrum analyzer method を基礎として用

いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS C 6122-3-2

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)記号及び略語リスト

JIS C 6122

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

6122-1

第 1 部:利得パラメータ測定方法

JIS

C

6122-2

第 2 部:パワーパラメータ測定方法

JIS

C

6122-3

第 3 部:雑音指数パラメータ測定方法

JIS

C

6122-3-2

第 3-2 部:雑音指数パラメータ−電気スペクトラムアナライザ試験方法

JIS

C

6122-5-1

第 5-1 部:光反射率パラメータ測定方法−光スペクトラムアナライザを用いた測定方法

JIS

C

6122-6

第 6 部:漏れ励起光パラメータ測定方法

JIS

C

6122-7

第 7 部:波長帯域外挿入損失測定方法

 


C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  装置

2

4.

  試料

4

5.

  手順

4

5.1

  周波数掃引法 

4

5.2

  固定周波数法 

6

5.3

  測定精度の制約

7

6.

  計算

7

6.1

  校正結果の計算

7

6.2

  周波数掃引法における試験結果の計算 

8

6.3

  固定周波数法における試験結果の計算 

9

7.

  試験結果

9

附属書1(参考)記号及び略語リスト

11

 
 


日本工業規格

JIS

 C

6122-3-2

:2006

(IEC 61290-3-2

:2003

)

光増幅器−測定方法−

第 3-2 部:雑音指数パラメータ−

電気スペクトラムアナライザ試験方法

Optical amplifiers

Test methods

Part 3-2:Noise figure parameters

Electrical spectrum analyzer method

序文  この規格は,2003 年に第 1 版として発行された IEC 61290-3-2,Optical amplifiers−Part 3-2:Test

methods for noise figure parameters−Electrical spectrum analyzer method を翻訳し,技術的内容及び規格票の様

式を変更することなく作成した日本工業規格である。

この規格は,光増幅器に関するものである。光増幅器技術は依然急速に進歩しているため,この規格に

関し改正及び新規版が発行されることがある。

この規格で用いられる各記号及び略語は,一般に,それらが最初に現れる本文の中で説明する。しかし,

本文全体の理解を容易にするために用いる“記号及び略語”のすべてを

附属書1に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,現在商用化されている希土類が添加されたアクティブ光ファイバを使用した

光ファイバ増幅器(OFA)の雑音指数パラメータによる電気スペクトラムアナライザ試験方法について規

定する。

この規格の目的は,JIS C 6121 の 3.に定義する雑音指数について,電気スペクトラムアナライザ(ESA)

法を用いて,正確,かつ,信頼性のある測定を行うために必要な一定の条件を確立することにある。

この試験方法は,電気雑音の直接的測定に基づいており,すべての雑音成分を含む雑音の定義に直接関

係している。異なる雑音パラメータ(信号光と増幅された自然放出光(ASE)との間の雑音係数など)を

求める場合には,光スペクトラムアナライザを用いた別の試験方法を用いることもできるが,その方法は

この規格には含まれない。

備考1.  (*)を付したすべての数値は,暫定値とする。

2. 

この規格の試験方法では,平均雑音係数に対し±20  % (*),すなわち±1 dB の測定精度が得

られることが望ましい(6.参照)

3. 

雑音指数試験方法の一般事項については,JIS C 6122-3 で規定する。

4. 

この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61290-3-2:2003

,Optical amplifiers−Part3-2:Test methods for noise figure parameters−Electrical

spectrum analyzer method (IDT)


2

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付記していない引

用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 6121

  光ファイバ増幅器通則

JIS C 6122-3

  光ファイバ増幅器−測定方法−第 3 部:雑音指数パラメータ測定方法

IEC 60728-6:2001

  Cabled distribution systems for television and sound signals  −  Part 6: Optical equipment

IEC/TR 61292-2

  Optical amplifier technical reports − Part 2: Theoretical background for noise figure

evaluation using the electrical spectrum analyzer

3. 

装置  測定系の構成を図 に示す。必要な測定機器及びその所要性能は,次のとおりとする。

a)

光源モジュール  構成要素は,次のとおりとする。

1)

単一スペクトルレーザ光源  例えば,分布帰還形(DFB)レーザダイオード。レーザ光源は,光源

のスペクトル線幅より十分に高い単一周波数で正弦波振幅変調されなければならない。変調周波数

としては,スペクトル線幅より少なくとも 3 倍高い周波数が望ましい。相対変調振幅 m(RMS 光パ

ワー変調振幅と平均光パワーとの比)は,線形動作を保証するよう十分小さくなければならない。

の値は 2  %∼10  % (*)が適切であると考えられる。直接変調を用いても外部変調を用いてもよい。

平均出力パワーは,0 dBm 以上であって,OFA の飽和動作を実現できるものであることが望まし

い。

変調時のスペクトル線幅(半値全幅)は,20 MHz (*)∼100 MHz (*)の範囲内でなければならない。

これは,通常 OFA と組み合わせて用いられる DFB レーザの典型的なスペクトル線幅をよく反映し

ているため,多重光路干渉による雑音成分を正確に求めるために最善の範囲であると考えられる。

OFA 内部反射点間の最小間隔 7.5 m に対して,スペクトル線幅は 20 MHz 以上であればよい。これ

より狭いスペクトル線幅を用いると,OFA 内部の反射がコヒーレント状態で干渉し,かなり異なる

雑音指数の測定結果が得られることになる。また,スペクトル線幅が 100 MHz より広くなると,ESA

の帯域を超える高い周波数での OFA 雑音成分を引き起こすことになる。

レーザ光源の相対強度雑音(RIN)は,問題となる周波数範囲(例えば 10 MHz∼2 GHz)内にお

いて−150 dB/Hz (*)未満でなければならない。

自然放出光による ASE 間雑音成分が大きくなるのを避けるために,光源の自然放出光パワーは,

信号パワーに対し,−40 dB/nm (*)未満でなければならない。

2)

光アイソレータ  内蔵又は外付けのいずれでもよい。これによって,外部からの反射はレーザスペ

クトル及びレーザ相対強度雑音に影響を与えない。光学的アイソレーションは,60 dB (*)以上でな

ければならない。アイソレータの出力ポートにおける反射率は−50 dB (*)未満でなければならない。

3)

入力光可変減衰器  可変減衰量が 40 dB を超え,線形性が±0.05 dB (*)以内で,外部/内部反射率が

−50 dB (*)未満のものとする。光源のスペクトル,相対強度雑音(RIN)又は偏波状態を変えるこ

となく,光源の出力パワーを調節するために用いる。この光減衰器の目的は,校正中,入力パワー

を調節して,ショット雑音を他の雑音成分から区別できるようにする。

備考  損失変化を電気スペクトラムアナライザで測定する場合は,線形性を問わないもっと簡単な光

減衰器を用いてもよい。

4)

偏波制御器  任意の入力偏波状態から,すべての偏波状態を生成できなければならない。光パワー


3

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

の出力偏波依存性は±0.01 dB (*)未満であり,反射率が−50 dB (*)未満でなければならない。

  1  測定系の構成図

b)

変調信号源(信号発生器)  上記の変調周波数及び変調振幅を実現できなければならない。

c)

光パワーメータ  光源モジュールの出力コネクタ(又は裸ファイバ)からの総放射パワーを測定する

ことができなければならない。測定精度は,OFA の動作波長帯域内において,偏波状態によらず,±

0.2 dB 以内でなければならない。最低パワーレベルは,可変光減衰器を 0 dB に設定した場合の光源パ

ワーである。最高パワーレベルは,最高入力パワー時の OFA 出力パワーとする。

OFA 出力パワーを直接測定する代わりに出力光減衰器を介して測定すれば,高出力パワー測定の必

要性が軽減されるから,出力光減衰器の出力ポートで光パワーを測定できる構成にしておくとよい。

d)

受信モジュール  換算雑音電力(光電力換算 W/Hz)は,入力光減衰器の設定が 0 dB の場合の光源モ

ジュール出力における RIN 関連雑音より大きくない (*)こととする。受信モジュールは,次の機器に

よって構成しなければならない。

1)

出力光可変減衰器  可変減衰量が 40 dB より大きく,線形性が±0.05 dB (*)以内で,最大偏波依存変

動幅が 0.05 dB (*)より小さく,波長依存性が実質的に平たんであり,外部/内部反射率が−50 dB (*)

未満,  最大 OFA 出力パワーまで入力可能なもの。この光減衰器の目的は,光検出器への入力光に

正確な減衰を与えることである。

2)  O/E

変換器  反射率が−30 dB (*)未満で,最大偏波依存変動幅が 0.05 dB (*)より小さい光検出器と,

高入力インピーダンス(低熱雑音のため)の電気増幅器とを組み合わせたものが望ましい。

3)

電気スペクトラムアナライザ(ESA)  雑音指数における多重光路干渉(MPI)の寄与分が無視で

きるレベルまで減衰する程度に十分高い周波数まで測定できることが望ましい。普通,10 MHz∼2

GHz (*)の周波数範囲がこの要件を満たす。ESA のノイズフロアは,光源モジュールを接続し入力光

可変減衰器の設定を 0 dB とした場合の電気増幅器出力におけるノイズフロア(この場合,電気増幅

器のノイズフロアは,光源 RIN,検出器ショット雑音及び電気増幅器の熱雑音を含む。

)より低いこ

とが望ましい。

e)

光ファイバコード  光ファイバのモードフィールド径は,OFA の入力及び出力ポートに用いられる光

ファイバのモードフィールド径にできるだけ近くなければならない。

f)

光コネクタ  被測定 OFA の光入力ポートとして用いられる光コネクタと勘合可能で,接続損失の再現

性が±0.1 dB 以内のものとする。反射率は−50 dB (*)未満でなければならない。光コネクタの代わり

光ファイバコード

アイソレータ

付き DFB レ

ーザ

変調信号源

偏波制御器

光検出器

電気スペク

トラムアナラ

イザ

光パワー

メータ

dB

dB

入力光可
変減衰器

被 測 定 光
ファイバ増
幅器

OA

出力光可
変減衰器

光フィルタ

(オプション)

電気

増幅器

光源モジュール

分割可能

受信モジュール


4

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

に,OFA を測定系に接続する方法として,融着接続を用いることもできる(この方法が最も正確な方

法と考えられる。

g)

光フィルタ(オプション)  測定結果から ASE 間雑音成分を低減又は除去するために用いる。フィル

タの特性として,フィルタの帯域幅は,ASE 間雑音を低減させるのに十分狭く,入力及び出力反射率

が−50 dB (*)未満であり,最大偏波依存変動幅が 0.05 dB (*)未満であって,阻止帯域における減衰量

が 30 dB 以上でなければならない。

4. 

試料  OFA は,公称動作条件において動作させなければならない。OFA 又は試験装置が測定系におい

て光干渉性の問題を起こす可能性がある場合は,被測定 OFA の入力側及び出力側に光アイソレータを配置

することが望ましい。こうすれば,信号の不安定性及び測定の不確かさが最小限に抑えられる。

OFA の光入出力ポートは,光コネクタ又は裸ファイバピグテールでよい。

測定中,入力光の偏波状態を一定に維持するように注意することが望ましい。偏波状態が変化すると,

光入力パワーが変化したり,多重光路干渉による雑音が変化したりする可能性がある。したがって,雑音

指数が最大になるように入力偏波状態を調整する必要がある。

5. 

手順  電気スペクトラムアナライザによる信号及び雑音測定値の単位はすべてワットである。すべて

の雑音測定結果は,周波数の関数であって,

(おそらく周波数依存性のある。

)熱雑音を差し引いた後のも

のとして理解しなければならない(5.1.1 のステップ を参照。

周波数掃引法と固定周波数法の 2 通りの手法がある。OFA で発生する雑音の周波数依存性が分かってい

ないか,又は単調でないときは,周波数掃引法を用いるのが望ましい。総雑音パワーN

1

(ƒ)(OFA が挿入さ

れた状態で熱雑音を除外したもの)がほぼ周波数に無依存であるとき(すなわち,多重光路干渉による雑

音成分が無視できるとき)

,又は周波数とともに単調に減衰するとき(すなわち,多重光路干渉による雑音

成分が実質的にインコヒーレントであるとき)は,固定周波数法を用いてもよい。

5.1 

周波数掃引法

5.1.1 

校正  この手順では,周波数に依存するショット雑音及びレーザ強度雑音を,別々に求めなければ

ならない。この目的を達成するには,これら 2 種類の雑音を区別するために,異なる光パワーレベルにお

いて雑音を測定しなければならない。この手順では,光電流及び出力光減衰器の出力を測定する必要はな

い。光減衰器は線形である,すなわち,減衰量を 3 dB に設定すればパワーレベルは 3 dB 減少するものと

仮定する。

偏波制御器の設定が校正結果に及ぼす影響は無視できるほど小さいと期待される。

次に規定するすべての雑音測定は,詳細仕様書に指定する周波数範囲内で,ベースバンド周波数の関数

として行わなければならない。変調周波数における雑音値は,内挿法によって求めることが望ましい。

校正は,次の手順による。

a) ESA

の場合,適切なベースバンド周波数範囲を選択し,その範囲内で適切な測定ステップを選択する

(例えば,範囲を 10 MHz∼2 GHz,ステップを 5 MHz とする。

備考  ベースバンド周波数範囲は,光源の FWHM スペクトル線幅

∆ν

(変調状態での値)の少なくと

も 30 (*)倍でなければならない。

b)

適切なレーザバイアス条件を設定する。校正又は測定中にこれらの条件を変えてはならない。

c)

入出力光減衰器を 0 dB に設定する(最善の測定精度を得るため)


5

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

d)

光源の変調周波数及び変調振幅を設定する(例えば,それぞれ 200 MHz 及び 5  %程度)

。この変調周

波数は,RIN 及び MPI が小さいように選択することが望ましい。

変調周波数は,光源のスペクトル線幅の少なくとも 3 倍にすることが望ましい。それに合わせて変

調信号源を調節する。変調は,校正及び測定中,常に一定でなければならない。

e)

パワーメータを用い,OFA の時間平均入力パワーP

in

0

を測定する。

f)

相対変調振幅をできる限り正確に測定する。これには,受信モジュールの伝達関数 H(ƒ)が既知かどう

かによって,2 通りの方法がある。H(ƒ)が既知ならば,時間平均入力パワーP

in

0

及び信号光パワーS

0

を電気スペクトラムアナライザによって測定する。その後,式(1)を用いて を算出する。

( )

ƒ

H

S

P

m

0

0

in,

1

=

 (1)

ここで,

( )

2

rms

in,

0

∆P

S

ƒ

H

=

rms

in,

P

 = 受信モジュールの入力における RMS 光パワー変調振幅

H(ƒ)が未知ならば,はオシロスコープで測定することができる。その場合,変調をかけたレーザ光源

を,広帯域光検出器,負荷抵抗及び十分に広帯域なオシロスコープを組み合わせた受信系に接続する。こ

の測定において,光検出器及びオシロスコープの周波数応答は,変調周波数に至るまで平たんであるもの

と仮定する。光パワー変調振幅及び平均光パワーをオシロスコープで測定する。

式(2)を用い,を算出する。

0

in,

rms

in,

P

P

m

=

 (2)

ここで,

rms

in,

P

= RMS 光パワー変調振幅

0

in,

P

= OFA の入力における時間平均光パワー

備考  光検出器は必ずしも平たんな周波数応答をもつとは限らない。光検出器の中には,検出器の寄

生静電容量で決まる周波数よりもはるかに低い周波数で,周波数応答の低下を示すものがある。

g)

光源のスペクトル線幅

∆ν

を測定する。スペクトル線幅の測定には,次の 2 通りの方法が一般的に用い

られる。

ヘテロダイン法  この方法では,光源スペクトルは,可変波長レーザのスペクトルと混合され,

光検出器でビートスペクトルが生成される。これを電気スペクトラムアナライザで分析する。

自己ヘテロダイン法  この方法では,光源スペクトルは,長さが十分に異なる二つのアームをも

つマッハ・ツェンダー干渉計を通して送られる。その後,光検出器で光源スペクトルとその遅延

スペクトルとを混合する。ビートスペクトルは,電気スペクトラムアナライザで分析することが

できる。

自己ヘテロダイン法を用いた測定に関するより詳細な説明は,IEC 60728-6 の 4.8 に規定されて

いる。

h) ESA

の(校正された,雑音等価の)電気帯域幅 B

e

を記録する。


6

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

電気帯域幅の求め方及び校正方法については,この規格の測定器の取扱説明書を参照する。

i)

光入力パワーがないときの熱雑音 N

thermal

(ƒ)を ESA で測定する。その後のすべての雑音測定値から

N

thermal

(ƒ)を差し引く。ここで,不確定性を避けるには,熱雑音が十分に小さい必要があることに注意

しなければならない(5.3 参照)

j)

変調信号の電気パワーS

0

を測定する。

k)

周波数に依存する雑音 N

0

(ƒ)を測定する(この数値にはショット雑音及び RIN 雑音が含まれ,熱雑音

は既に差し引かれている。

l)

入力光減衰器を用い,光入力パワーを 50  %(3 dB)低減する。これは,電気信号パワーを 6 dB 低減

することに相当する。

周波数に依存する雑音レベル N

0

’(ƒ)を測定する。

代替法として,入力パワーの低減率を変えてもよい。3 dB の減衰では ESA の熱雑音が大きすぎる

場合に,この方法を用いることが望ましい。

光パワー低減率 を記録する(通常は k = 0.5)

周波数に依存する雑音レベル N

0

’(ƒ)を測定する。

受信モジュールにおいて光電流の測定ができるならば,代替法として,ステップ k)及び l)を次のス

テップで置き換えることができる。

k

’)  それまでどおり受信モジュールの入力に光入力パワーP

in

0

を加えた状態で,光電流 I

pd

0

を測定する。

l

’)  周波数に依存する雑音レベル N

0

(ƒ)(熱雑音を差し引いたもの)を測定する。

5.1.2 

測定  測定は,次による。

a)

入力光減衰器を適当に調節して,入力パワーを設定する。5.1.1 と同じレーザ動作条件及び変調信号を

用いる。

光減衰器の透過率 T

in

(線形値)を記録する。

代替方法として,実際の入力パワーP

in

を光パワーメータで測定する。

b) OFA

を挿入する。

c) OFA

出力における総光パワーP

out

を光パワーメータで測定する。OFA の出力ポートを直接光パワーメ

ータに接続できない場合は,光ファイバコードが必要である。その場合,真の OFA 出力パワーを得る

ためには,追加した光コネクタの挿入損失を推定し,測定されたパワーに加算しなければならない。

出力光減衰器の出力ポートにおける測定が可能ならば,

光減衰器を通過した出力パワーを測定してもよ

い。

d) ESA

によって信号光パワーを最善の精度で測定できるように,出力光減衰器を調節する。光減衰器の

透過率 T

out

を記録する。

e)

総雑音パワーN

1

(ƒ)が最大になるよう入力偏波状態を調節する。総雑音パワーN

1

(ƒ)を ESA で測定し記

録する。5.1.1 における校正で用いられたものと同じベースバンド周波数を用いる。

f)

信号光パワーS

1

を記録する。

5.2 

固定周波数法  校正及び測定は,次による。

なお,N

1

(ƒ)がほぼ周波数に無依存である場合は,手順 a)c)に従わなければならない。

a)

適切な周波数 ƒ

1

(例えば,100 MHz)を選択する。

b) 5.1.1

のステップ b)l)に従い,すべての周波数依存雑音測定を ƒ

1

においてだけ実施する。

c) 5.1.2

のステップ a)f)に従い,すべての周波数依存雑音測定を ƒ

1

においてだけ実施する。

N

1

(ƒ)が周波数に対して単調に減衰する場合は,手順 a

’)d’)に従わなければならない。


7

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

a

’)  第一の周波数 ƒ

1

を選択する。その周波数において,総雑音パワーN

1

(ƒ)は周波数範囲の上限における総

雑音パワーより十分に大きくなければならない。この値は,

(非コヒーレント)多重光路干渉によって

影響されているものと仮定する。

b

’)  第二の周波数 ƒ

2

を選択する。その周波数において,総雑音パワーN

1

(ƒ)は定常状態のレベルにまで減衰

していなければならない。この値は,多重光路干渉の寄与分がない雑音を表すものと仮定する。

c

’) 5.1.1 のステップ b)l)に従い,すべての周波数依存雑音測定を ƒ

1

及び ƒ

2

においてだけ実施する。

d

’) 5.1.2 のステップ a)f)に従い,すべての周波数依存雑音測定を ƒ

1

及び ƒ

2

においてだけ実施する。

5.3 

測定精度の制約  校正手順において,良好な測定精度が期待されるのは,光入力パワーがない場合

に ESA で測定される受信モジュールの熱雑音が,光検出器のショット雑音より少なくても 3 dB (*)小さい

場合である。

dB

N

N

3

0

shot,

thermal

  (3)

OFA の雑音測定において,最も強い測定精度上の制約は,光源の RIN によって生じる雑音によるものと

予想される。これは,この雑音パワー成分が信号出力パワーの 2 乗に比例して生じるのに対し,ショット

雑音及び OFA の雑音は,通常,信号出力パワー依存性がはるかに小さいことによる。

OFA 測定において良好な精度が期待されるのは,光源の RIN による雑音成分が,少なくとも,OFA 入

力パワーが最大(例えば 0 dBm)の場合の光検出器からのショット雑音成分に比べ,小さい場合である。

なお,これは,測定の際,OFA の高い出力パワーを光減衰器の調節によって適切なレベルにまで減衰さ

せている,との仮定に基づく。

0

shot,

0

rin,

N

N

 (4)

実際の測定条件において関係式(3)及び式(4)が成り立っていることを確認することが望ましい。

6. 

計算  すべての雑音測定結果は,周波数の関数として理解すること。6.16.3 におけるすべての式は,

デシベル表記ではなく,線形で表記されている。

備考  計算の背景については,IEC/TR 61292-2 に記載されている。

6.1 

校正結果の計算  ESA による 2 通りの雑音パワー測定結果を用いて,ショット雑音成分と RIN 成分

を分離する。

a) ESA

雑音パワーのうちショット雑音の寄与分(この数値は周波数に依存しないことが望ましい。

)を,

式(5)で算出する。

( )

( )

f

N

f

N

N

0

'

0

0

shot,

4

=

 (5)

k = 0.5 以外の光パワー低減率を用いた場合は,式(6)を用いる。

( )

( )

(

)

k

k

f

N

k

f

N

N

=

1

0

2

'

0

0

shot,

  (6)

b) ESA

雑音パワーのうち(周波数に依存する)光源相対強度雑音(RIN)の寄与分を,式(7)で算出する。

( )

( )

( )

f

N

f

N

f

N

'

0

0

0

rin,

4

2

=

  (7)


8

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

k = 0.5 以外の光パワー低減率を用いた場合は,式(8)を用いる。

( )

( )

( )

(

)

k

k

f

N

f

kN

f

N

=

1

'

0

0

0

rin,

  (8)

b

’)  代替方法として光検出器電流を測定した場合は,式(9)から光検出器の実効受光感度(減衰量設定値 0

dB における出力光減衰器の挿入損失を含む。)を算出する。

0

in,

0

pd,

0

P

I

r

=

  (9)

さらに,式(10)を用いてショット雑音の寄与分及び RIN の寄与分を,算出する。

0

in,

2

0

e

0

0

shot,

P

S

B

r

2e

N

=

  (10)

( )

( )

0

shot,

0

0

rin,

N

f

N

f

N

=

 (11)

c)

(周波数に依存する)光源 RIN を,式(12)から算出する(さらに,それが−150 dB/Hz (*)よりも小さ

いことを確認する)

( )

( )

0

shot,

o

rin,

0

in,

0

source

P

r

2

N

f

N

e

f

RIN

=

  [1/Hz]   (12)

( )

( )

[

]

f

RIN

f

RIN

source

log

source

log

10

=

  [dB/Hz]  (13)

この手順の目的のためには,RIN の概算値が分かれば十分である。この数値は,試験結果の計算に

は必要ない。したがって,式(12)における r

0

の値を推定すれば十分であると思われる。

6.2 

周波数掃引法における試験結果の計算  この手順の式(14)∼(16)では,次に示す上述の方法で算出さ

れた校正結果と測定結果とを用いる。

−  校正により得られた結果:P

in

o

m

∆ν,N

thermal

(ƒ),S

0

N

shot

0

N

rin

0

(ƒ),B

e

−  測定により得られた結果:T

in

T

out

P

out

S

1

N

1

(ƒ)

a)

(周波数に依存する)雑音係数及び雑音指数を,式(14)から算出する。

( )

( )

1

1

OFA,

e

in

2

in

2

out

2

S

f

N

hvB

P

m

P

G

P

f

F

+

=

  (14)

( )

( )

f

F

f

NF

log

10

=

 (14)’

ここで,

( )

( )

( )

0

in,

out

out

1

0

shot,

0

0

rin,

1

1

1

1

OFA,

P

P

T

S

N

S

f

N

S

f

N

S

f

N

=

0

1

out

in

1

S

S

T

T

G

=


9

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

0

,

in

in

in

P

T

P

=

b)

雑音指数の周波数依存性が小さい場合は,雑音係数の周波数平均値を用いて雑音指数を算出する。

c) OFA

が多重光路干渉(MPI)雑音を発生する場合,雑音係数は,周波数とともに低減し,高い周波数

において安定値に到達することが予想される(JIS C 6122-3 を参照)

。したがって,雑音指数は,十分

大きいベースバンド周波数において算出する。

d)

代替手法として,雑音指数がベースバンド周波数とともに単調に減少する場合には,算出された(周

波数に依存する)雑音係数及び測定された光源のスペクトル線幅を,次の雑音指数モデルに最小自乗

近似でフィッティングすることによって,MPI 性能指数 I

mpi

及び総雑音係数のうち周波数に依存しな

い成分 F

non-mpi

を算出する。

( )

ú

û

ù

ê

ë

é

+

+

=

2

2

mpi

mpi

non

2

log

10

ν

f

ν

π

I

F

f

NF

  (15)

備考  F

non-mpi

は,MPI による雑音成分が無視し得るレベルまで減衰する高い周波数における雑音係数

として算出することができる。

e)

代替手法として,雑音指数の ASE 間雑音成分が,光フィルタによって除去されているか,又は無視で

きることが分かっている場合は,信号光-ASE 間雑音指数を(既に求められている F

non-mpi

及び から)

式(16)を用いて算出する。

úû

ù

êë

é

=

G

1

log

10

mpi

non

sp

sig

F

NF

  (16)

6.3 

固定周波数法における試験結果の計算  実質的に雑音指数が周波数に依存しない場合は,平均雑音

係数を算出したのち,6.2 に従って雑音指数を算出する。

雑音指数がベースバンド周波数とともに単調に減少する場合は,6.2 に従って,二つの周波数 ƒ

1

及び ƒ

2

における雑音係数 F

1

及び F

2

だけを算出する。次に,MPI 性能指数 I

mpi

及び総雑音係数のうち,周波数に依

存しない成分 F

non-mpi

を式(17)から算出する。

2

mpi

non

F

F

=

  (17)

(

)

ú

û

ù

ê

ë

é

+

=

ν

ν

f

π

F

F

I

2

2

2

1

2

1

mpi

  (18)

最後にベースバンド周波数 ƒ における(又は別の周波数における)雑音指数を,式(19)から算出する。

( )

ú

û

ù

ê

ë

é

+

+

=

2

2

mpi

mpi

non

2

log

10

ν

f

ν

π

I

F

f

NF

  (19)

7. 

試験結果  次に示す項目について,詳細を記載しなければならない。

a)

測定系の構成及び測定方法

b)

測定波長

c)

光源のスペクトル線幅(半値全幅)

d)

光源の RIN


10

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

e)

光源の変調振幅及び周波数

f)

励起光パワー(適用可能で,かつ,要求があれば)

g)

周囲温度(要求があれば)

h)

入力信号光パワー

i)

電気スペクトラムアナライザの分解能帯域幅

j)

雑音指数 NF 及び対応するベースバンド周波数又は周波数依存雑音指数

k)

雑音係数の周波数に依存しない成分 F

non-mpi

及び MPI 性能指数 I

mpi

(要求があれば)

l)

信号光-ASE 間雑音指数(要求があれば)


11

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

附属書 A(参考)記号及び略語リスト

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B

e

校正された,雑音等価 ESA 電気帯域幅(必ずしも分解能帯域幅ではない。

c

真空中における光速

e

電子の電荷

ƒ

ベースバンド周波数

F

(総)雑音係数

F

non-mpi

総雑音係数の周波数非依存成分

F

mpi

多重光路干渉雑音(OFA 内部反射)による雑音係数成分

G OFA 光信号利得

h

プランク定数

k

光パワー低減率(初期値 k=0.5)

:電力低減率の平方根で与えられる。

ν

光周波数=c/

λ

∆ν

変調状態での光源の FWHM スペクトル線幅

H

0

H

0

(ƒ)  S

ESA

 /

P

in

2

    =  受信機の伝達関数(単位:1/W)

I

mpi

多重光路干渉性能指数,

ベースバンド周波数(0∼無限)全域で積分された多重光路干渉による雑音係数成分

I

pd

光検出器電流

λ

真空中における波長

m

相対変調振幅(平均光パワーに対する RMS 光パワー変調振幅の割合)

NF(ƒ)

(総)雑音指数

NF

sig-sp

信号光-ASE 間雑音指数

N

rin

0

(ƒ)

校正条件における,レーザ相対強度雑音による(周波数依存)ESA 雑音成分

N

rin

1

 ESA で測定された,レーザ相対強度雑音に起因する(周波数依存)雑音

N

shot

0

 ESA で測定された,校正条件における,光入力パワーに起因する(周波数非依存)ショット雑

N

thermal

 ESA で測定された熱雑音レベル(受信モジュールの光入力なし)

N

0

(ƒ)

被測定 OFA なしで入出力光減衰器を 0 dB に設定した状態において ESA で測定された,熱雑音

レベルを差し引いた,

(周波数依存)雑音パワー

N

0

'(ƒ)

被測定 OFA なしで入力光減衰器を 3 dB(初期値)に設定し,出力光減衰器を 0 dB に設定した

状態において ESA で測定された,熱雑音レベルを差し引いた,

(周波数依存)雑音パワー

N

1

(ƒ)

被測定 OFA を挿入した状態において ESA で測定された,熱雑音レベルを差し引いた,周波数

依存雑音パワー

P

in

時間平均光入力パワー= T

in

 P

in

0

(変調状態で)

入力光ファイバコードの端から放射される光パワー

P

in

0

入力光減衰器を 0 dB に設定したときの時間平均光入力パワー(変調状態で)

P

in

 rms

 RMS 光パワー振幅


12

C 6122-3-2

:2006 (IEC 61290-3-2:2003)

P

out

 OFA の出力ポートから放射される,ASE を含む総光パワー

r

0

r

0

(ƒ)  出力光減衰器の設定が 0 dB の場合の実効的な光検出器の受光感度

RIN

source

(ƒ)   光源の相対強度雑音

一般に, RMS 光パワー変動の平方を(ベースバンド)帯域幅と CW パワーとの平方で除したも

S

o

 OFA が挿入されない状態で,T

in

 = 1 の場合の,ESA で測定された変調信号電力

S

1

 OFA が挿入された状態で,ESA で測定された変調信号電力

T

in

 0

dB 設定を基準にした入力光減衰器の透過率(線形表記)

T

out

 0

dB 設定を基準とした出力光減衰器の透過率(線形表記)

T

x

光検出器出力と ESA 入力との間の電圧増幅度で,これは,通常,ベースバンド周波数に依存

ASE(Amplified spontaneous emission)

増幅された自然放出光

CW(Continuous wave)

連続波

DFB(Distributed feedback)

分布帰還形

ESA(Electrical spectrum analyzer)

電気スペクトラムアナライザ

FWHM(Full width half maximum)

半値全幅

MPI(Multiple path interference)

多重光路干渉

OFA(Optical fibre amplifier)

光ファイバ増幅器

RIN(Relative intensity noise of the source)光源の相対強度雑音(単位は 1/Hz)

RMS(Root mean square)

平方自乗平均

関連規格  IEC 60793-1(all parts)  Optical fibres - Part 1: Generic

IEC 60825

  Safety of laser products - Part 1:Equipment classification, requirements and user's guide

IEC 60825-2

  Safety of laser products - Part 2:safety of optical fibre communication systems

IEC 60874-1

  Connectors for optical fibres and cables - Part 1 Generic

IEC/TR 61931

  Fibre optic - Terminology