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C 6122-3-1:2011 (IEC 61290-3-1:2003) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 略語······························································································································· 2 

4 装置······························································································································· 2 

5 試料······························································································································· 4 

6 手順······························································································································· 4 

6.1 校正 ···························································································································· 4 

6.2 測定 ···························································································································· 6 

7 計算······························································································································· 7 

8 測定結果························································································································· 8 

附属書A(規定)SSEによる補間法の限界 ················································································ 9 

C 6122-3-1:2011 (IEC 61290-3-1:2003) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。 

− 氏名:Lucent 

− 住所:Murray Hill, NJ 07974, USA 

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。 

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。 

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。 

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。 

JIS C 6122の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 6122-1 第1部:利得パラメータ測定方法 

JIS C 6122-1-1 第1-1部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−光スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-1-2 第1-2部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−電気スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-1-3 第1-3部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−光パワーメータ法 

JIS C 6122-3 第3部:雑音指数パラメータ 

JIS C 6122-3-1 第3-1部:雑音指数パラメータ−光スペクトラムアナライザ法 

JIS C 6122-3-2 第3-2部:雑音指数パラメータ−電気スペクトラムアナライザ試験方法 

JIS C 6122-5-1 第5-1部:光反射率パラメータ測定方法−光スペクトラムアナライザを用いた測定方

法 

JIS C 6122-6 第6部:漏れ励起光パラメータ測定方法 

JIS C 6122-7 第7部:波長帯域外挿入損失測定方法 

JIS C 6122-10-1 第10-1部:マルチチャネルパラメータ−光スイッチ及び光スペクトラムアナライザ

を用いたパルス法 

JIS C 6122-10-2 第10-2部:マルチチャネルパラメータ−ゲート付き光スペクトラムアナライザを用

いたパルス法 

JIS C 6122-10-3 第10-3部:マルチチャネルパラメータ−プローブ法(予定) 

JIS C 6122-11-1 第11-1部:偏波モード分散パラメータ−ジョーンズマトリクス固有値解析(JME)

法 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

JIS 

C 6122-3-1:2011 

(IEC 61290-3-1:2003) 

光増幅器−測定方法−第3-1部:雑音指数 

パラメータ−光スペクトラムアナライザ法 

Optical amplifiers-Test methods- 

Part 3-1: Noise figure parameters-Optical spectrum analyzer method 

序文 

この規格は,2003年に第1版として発行されたIEC 61290-3-1を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,光スペクトラムアナライザを用いて行う,光増幅器(OA)の雑音指数パラメータの測定方

法について規定する。 

この規格は,商用化されているOAに適用する。ここでいうOAには,光ファイバ増幅器(OFA),半導

体光増幅器(SOA)及び平面導波路形光増幅器(POWA)を含む。 

この規格の目的は,光スペクトラムアナライザ法を用いて行う,光増幅器(OA)の雑音指数パラメータ

の測定に対して,必要条件を明確にすること,及びJIS C 6121の箇条3(用語,定義及び略語)で定義す

るOAの次のパラメータについて,正確かつ信頼性のある測定を行うための測定方法を示すことである。 

a) 信号光−ASE間雑音指数 

b) 順方向ASEパワーレベル 

この規格で規定する方法は,OAが単一チャネルで動作する場合だけに適用する。 

信号光−ASE間ビート雑音指数の測定には,ASEを直接補間する方法[以下,補間法という(DI法と

もいう。)。]及び偏波消光とASE補間とを併用する方法[以下,偏波消光法という(PN法ともいう。)。]

がある。ASE抑圧のため狭帯域フィルタを内蔵したOAのように,出力されるASEスペクトルの傾斜が波

長によって大きく変化する場合には,補間法は不適切である。 

入力信号光パワーレベルが高い場合,光源からの自然放出光雑音によって補間法の精度は劣化する。入

力光パワーが高い場合の補間法の限界に関する指標を,附属書Aに示す。 

注記1 (*)を付けた全ての数値は,測定を確かなものとするための推奨値である。他の値を用いるこ

とも可能であるが,確認することが望ましい。 

注記2 雑音指数測定法に関する一般的事項は,JIS C 6122-3による。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61290-3-1:2003,Optical amplifiers−Test methods−Part 3-1: Noise figure parameters−Optical 

spectrum analyzer method(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

C 6122-3-1:2011 (IEC 61290-3-1:2003) 

  

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ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 6121 光増幅器−通則 

注記 対応国際規格:IEC 61291-1,Optical fibre amplifiers−Part 1: Generic Specification(IDT) 

JIS C 6122-1-1 光増幅器−測定方法−第1-1部:パワーパラメータ及び利得パラメータ−光スペクト

ラムアナライザ法 

注記 対応国際規格:IEC 61290-1-1,Optical fibre amplifiers−Basic specification−Part 1-1: Test 

methods for gain parameters−Optical spectrum analyzer(IDT) 

略語 

ASE 

増幅された自然放出光 

(Amplified spontaneous emission) 

DBR 

分布ブラッグ反射形(半導体レーザ) 

(Distributed Bragg reflector) 

DFB 

分布帰還形(半導体レーザ) 

(Distributed feedback laser) 

DI 

補間(法) 

[Direct interpolation (technique)] 

ECL 

外部共振器形半導体レーザ(ダイオード) [External cavity laser (diode)] 

LED 

発光ダイオード 

(Light emitting diode) 

OA 

光増幅器 

(Optical amplifier) 

OFA 

光ファイバ増幅器 

(Optical fiber amplifier) 

OSA 

光スペクトラムアナライザ 

(Optical spectrum analyzer) 

PN 

偏波消光法(補間併用法) 

[Polarization nulling (with interpolation technique)] 

POWA 平面導波路形光増幅器 

(Planer optical waveguide amplifier) 

SOA 

半導体光増幅器 

(Semicomductor optical amplifier) 

SSE 

光源の自然放出光 

(Source spontaneous emission) 

装置 

補間法及び偏波消光法の測定系の構成を,図1に示す。 

必要な測定機器及びその所要性能は,次のとおりである。 

a) 狭帯域光源 光源は,次の波長固定又は波長可変とする。 

− 波長固定光源 この光源は,個別規格で規定する波長及び光パワーの光を発生する。別途規定がな

い限り,光源はスペクトル半値全幅が1 nm(*)以下の連続波を出力する。例えば,DFBレーザ,DBR

レーザ,ECL及び狭帯域光フィルタ付きLEDが適用できる。DFBレーザ,DBRレーザ又はECL

のサイドモード抑圧比は30 dB(*)以上とする。出力光パワー変動は,0.05 dB(*)以下とするが,これ

は光源の出力側に光アイソレータを接続すれば容易に達成できる。レーザ光源の場合,発振スペク

トルの裾野の広がりは最小限であることが望ましい。 

− 波長可変光源 この光源は,個別規格で規定する波長範囲及び光パワーの光を波長可変で発生する。

別途規定がない限り,光源はスペクトル半値全幅が1 nm(*)以下の連続波を出力する。例えば,ECL

又は狭帯域光フィルタ付きLEDが適用できる。ECLのサイドモード抑圧比は,30 dB(*)以上とする。

background image

C 6122-3-1:2011 (IEC 61290-3-1:2003) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

出力光パワー変動は,0.05 dB(*)以下とするが,これは光源の出力側に光アイソレータを接続すれば

容易に達成できる。ECLの発振スペクトルの裾野の広がりは,最小限であることが望ましい。 

a) 補間法 

b) 偏波消光法 

図1−光スペクトラムアナライザによる雑音指数測定系の二つの構成 

b) 偏波制御器 この装置は,信号光の任意の偏波状態を他の任意の偏波状態に変更することができるも

のとする。偏波制御器は,光ファイバだけで構成する場合,又は90°以上回転可能な四分の一波長板

及び180°以上回転可能な二分の一波長板から構成する場合がある。この装置の各端子からみた反射

率は−50 dB(*)以下,挿入損失変動は0.2 dB(*)以下とする。 

c) 偏光子 偏光子の消光比は30 dB(*)以上,各端子からみた反射率は−50 dB(*)以下であることが望まし

い。入力信号パワーを最大化するためには,偏光角度の回転機能をもつことが望ましい。 

d) 可変光減衰器 可変光減衰器の減衰範囲及び安定性は,それぞれ40 dB(*)以上及び0.1 dB(*)以下,各

端子からみた反射率は−50 dB(*)以下とする。 

e) 光スペクトラムアナライザ 光スペクトラムアナライザ(OSA)のスペクトルパワー測定の偏波依存

性及び安定性は,共に0.1 dB(*)以内,波長測定確度は0.05 nm(*)以内とする。スペクトルパワー測定

の直線性は,測定ダイナミックレンジ内において0.2 dB(*)以内であることが望ましい。入射端からみ

た反射率は,−50 dB(*)以下とする。 

f) 

光パワーメータ 光パワーメータの測定確度は,OAの動作波長帯域内のパワー範囲−40 dBmから 

+20 dBm(*)までにおいて,入力光の偏波状態によることなく,0.2 dB(*)以内とする。 

注記 光パワーメータは,校正の目的だけに用いる。 

g) 広帯域光源 広帯域光源は,OAの動作波長帯域全域にわたる広帯域光を出力する(例えば,1 530 nm

から1 565 nmまで)。出力スペクトルの平たん性は,測定波長範囲内(通常は10 nm)において,0.1 dB(*)

以内とする。例えば,光を入力しない状態で動作させたOAから出力されるASEを使用することがで

きる。 

h) 光コネクタ 光コネクタの接続損失再現性は,0.1 dB(*)以内とする。反射減衰量は,50 dB(*)以上とす

る。 

i) 

光ファイバコード 装置間を接続する光ファイバコードのモードフィールド径は,OAの入出力端子

狭帯域 

光源 

偏光子 

光スペクトラム 
アナライザ 

dB 

可変 

光減衰器 

偏波 

制御器 

被測定OA 

OA 

光源モジュール 

可変 

光減衰器 

偏波 

制御器 

偏波 

制御器 

被測定OA 

dB 

偏波消光系 

OA 

狭帯域 
光源 

偏光子 

光スペクトラム 
アナライザ 

光源モジュール 

偏光子 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

の光ファイバのモードフィールド径にできるだけ一致させる。両端に設けた光コネクタの反射減衰量

は,50 dB(*)以上とする。光ファイバコード長はなるべく短くする(2 m未満)。測定する場合,被測

定OAに入力する光の偏波状態の変化が最小となるように,光源と被測定OAとの間に使用する光フ

ァイバコードには,測定中はじょう(擾)乱を与えないのがよい。 

狭帯域光源,偏光子,可変光減衰器及び入力用偏波制御器を組み合わせた系を,光源モジュールという。

光源モジュールの偏波制御器は,偏波依存性をもつ特性を測定する場合に使用し,その他の測定では使用

する必要はない。 

出力用偏波制御器及び偏光子を組み合わせた系を,偏波消光系という。偏波消光系は,偏波消光法を適

用する場合にだけ使用し,補間法を適用する場合は使用する必要はない。 

試料 

OAは,公称動作条件で動作させる。OAが不要な反射によるレーザ発振を引き起こす可能性がある場合

は,OAの前後に光アイソレータを使用することが望ましい。これによって信号不安定性及び測定の不確

かさを最小化できる。 

測定の間,入力光の偏波状態は一定に維持しなければならない。入力光の偏波状態が変化すると,測定

系に使用する光部品のもつ僅かな偏波依存性によって被測定OAへの入力光パワーが変動し,測定誤差の

原因となる。 

手順 

次に示すパラメータを測定することによって,雑音指数パラメータを求める。 

− 被測定OAの出力におけるASEパワー 

− OSAの光帯域幅 

補間法又は偏波消光法と補間法とを組み合わせた偏波消光法によって信号光波長におけるASEパワー

の測定ができる。補間法は,素早く容易に行うことができる。しかし,信号光スペクトルの裾野の広がり

による誤差によって正確に測定することができない場合がある。一方,偏波消光法は,一般に時間がかか

るが,誤差が最小に近いという利点がある。偏波消光法の原理は,光増幅器によるASEの偏波状態がラン

ダムであるのに対し,信号光の偏波状態はある一定の状態にあることを活用している。信号光と直交する

直線偏波状態に設定することで,信号光の影響による誤差を含まないASEの測定が可能となる。ASEは

ランダムに偏光しているので,この方法ではASEの半分だけを測定する。 

いずれの方法もASEパワー測定結果から不要なSSE成分を除くために用いる。補間法は,SSEのASE

パワーへの影響を個別に測定し,補正する。偏波消光法は,SSEの影響を直接取り除くため,補正量は少

ない。波長帯域の校正はOSAを用いて行う。この規格では,補間法及び偏波消光法による測定手順を規定

する。 

6.1 

校正 

6.1.1 

光帯域幅の校正 

光帯域幅BOは,OSAの分解能帯域幅(RBW)で決定する。次に規定する,狭帯域光源を用いる方法,

又は広帯域光源を用いる方法のいずれか一方を用いて校正する。両校正法とも補間法及び偏波消光法に適

用可能である。 

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a) 狭帯域光源を用いる校正 手順を次に示す。 

1) 狭帯域光源

(ECL又はDFBレーザ)の出力をOSAへ直接接続する。 

2) OSAの中心波長を校正した信号波長,λSに設定する。 

3) OSAのスパンを0に設定する。 

4) OSAのRBWを所望の値に設定する。 

5) 狭帯域光源波長λiをλi=λS±(RBW+δ)となるように設定する。ただし,δは測定波長範囲の幅がOSA

のフィルタ帯域よりも十分広くなるように選ぶ。 

6) OSAで測定した信号パワーP(λi)を線形表記で記録する。 

7) 狭帯域光源の波長を波長範囲内で変化させて5)及び6)を繰り返す。 

8) 式(1)によって波長帯域 ΔλBW(λS)を決定する。 

i

S

i

S

BW

)

(

)

(

)

(

Δ

λ

λ

λ

λ

λ

d

P

P∫

=

 ································································· (1) 

この測定の確度は,狭帯域光源の可変間隔(Δλi)及び波長範囲内でのパワー平たん性に依存してい

る。可変間隔は,0.1 nm以下であることが望ましい。光パワーの変動幅は,波長範囲内で0.4 dBpp未

満であることが望ましい。 

b) 広帯域光源を用いる校正 この方法では,RBWを最大値に設定したときに帯域制限フィルタが長方

形状の透過特性をもつOSAが必要である。手順を次に示す。 

1) 狭帯域光源(ECL又はDFBレーザ)の出力をOSAに直接接続する。調整可能ならば(例えば,ECL

の場合),狭帯域光源の波長を特定の波長λSに設定する。 

2) OSAのRBWを最大値に設定する。このとき,RBWを10 nmを超えない値に設定することが望ま

しい。 

3) OSAを使用し,狭帯域光源からの出力信号の半値全幅Δλを測定する。 

4) 広帯域光源の出力をOSAに直接接続する。 

5) RBWを最大値に保つ。 

6) OSAを使用し,設定波長λSにおける出力パワーPRBWmax(W)を測定する。 

7) RBWを所望の値に設定する。 

8) OSAを使用し,設定波長λSにおける出力パワーPRBW(W)を測定する。 

9) 式(2)によって波長帯域 ΔλBW(λS)を決定する。 

)

(

)

(

Δ

S

max

RBW

RBW

S

BW

λ

λ

λ

λ

=PP

 ··························································· (2) 

いずれの校正方法においても,近似式(3)を用いると,光帯域を波長領域ΔλBW(λS)から周波数領域

BO(λS)へ変換できる。 

+

=

1

S

BW

S

1

S

BW

S

S

O

2

)

(

2

)

(

)

(

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

c

B

 ···························· (3) 

ここに, 

c: 真空中の光の速度 

光帯域幅を校正した後は,全てのOSA測定において同じRBW設定を用いる。OAに光フィルタが

含まれている場合には,そのフィルタ帯域も考慮して校正する。 

狭帯域の光フィルタがOAに含まれている場合には,光源とOSAとの間にOAを挿入した上で

BO(λS)を校正することが望ましい。OSAのRBWの設定は,OA内の光フィルタの帯域幅よりも小さ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

くしなければならない。 

RBWを最大値とした場合のΔλの測定は,±5 %以内の確度をもつことを前提とする。 

6.1.2 

偏波消光系の挿入損失の校正 

偏波消光法を用いる場合,次の手順によって,偏波消光系の挿入損失を校正する。偏波消光系の挿入損

失は,ASEパワーを測定する前又は後のいずれかにおいて校正する。ASEパワー測定の後にこの校正を行

うと,測定精度が良くなる可能性がある。 

a) OSAに光源モジュールの光出力を直接接続する。光源モジュールの波長を受渡当事者間で合意した詳

細仕様書で規定する波長λSに設定する。所望の入力信号レベルになるように減衰量を調整する。光源

モジュールの偏波制御器を調整して,入力信号の偏波状態を所望の状態に設定する(オプション)。

OSAで入力信号レベル値PS(dBm)を測定する。 

b) 次に偏波消光系の入力に光源モジュール出力を直接接続し,OSAに偏波消光系の出力を直接接続する。 

c) 偏波消光系の偏波制御器及び偏光子を信号パワーが最小になるように調整する。 

d) 偏波消光系の偏光子を手順c)において決定した位置のままにし,信号パワーが最大になるように偏波

制御器を調節する。 

e) OSAを用いて信号パワーPpol(dBm)を測定する。 

f) 

偏波消光系の損失L(dB)を式(4)によって決定する。 

L(λS)=PS−Ppol  ········································································· (4) 

6.1.3 

OSAパワー補正係数の校正 

OSAパワー補正係数(PCF)の決定は,次の手順に従う。PCFは,絶対パワーに対してOSAを校正す

る。この方法は補間法及び偏波消光法の両方に適用する。 

a) 光源モジュールを信号波長λSに調整する。光源モジュールの出力を光パワーメータの入力に直接接続

し,光パワーメータを用いて信号パワー(dBm)を測定する。このときの測定値をPPWRMTRとする。 

b) 光パワーメータから光源モジュールの出力を外し,光源モジュールの出力をOSAに接続し,OSAを

用いて信号パワー(dBm)を測定する。このときの測定値をPOSAとする。 

c) 式(5)によってパワー補正係数PCF(λS)(dB)を決定する。 

PCF(λS)=PPWRMTR−POSA  ····························································· (5) 

6.2 

測定 

図1に示した測定系を参照しながら,OAのASE雑音レベルを信号光波長及び入力信号光パワーの関数

として測定するための手順を,補間法及び偏波消光法それぞれの場合について,次に示す。補間法では,

SSEの影響を除去するための校正が必要である。一方,偏波消光法においては,SSEの影響は自動的に除

去される。 

6.2.1 

補間法 

補間法を用いた測定手順は,次による。 

a) OSAのRBWを校正した値に設定する。雑音レベルの測定が完了するまで設定を変更してはならない。 

b) 信号光波長を詳細仕様書で規定する波長に設定する。 

c) 信号光レベルが最大になるように,光源モジュールの偏光子を調整する。 

d) 光源モジュールの偏波制御器を調節して,入力光信号の偏波状態を詳細仕様書で規定する状態に設定

する(オプション)。 

e) 光源モジュールの可変光減衰器を用いて,信号光パワーを詳細仕様書で規定する値に調整する。 

f) 

光源モジュールの出力をOSAに直接接続する。 

C 6122-3-1:2011 (IEC 61290-3-1:2003) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) 波長の関数としてSSEスペクトルPSSE(λ)(dBm)を測定する。式(6)によって,SSEトータルパワーレ

ベル

total

SSE

P

(λ)(dBm)を波長の関数として求める。 

PCF

P

P

+

=

)

(

)

(

SSE

total

SSE

λ

λ

 ······························································ (6) 

h) 光源モジュールの出力をOSAから切り離し,図1 a)に示すようにOAを接続する。 

i) 

増幅した信号光の近傍において,順方向ASEパワーレベルを測定する。適切な多項式によるフィッテ

ィングを用いて,信号光波長付近での校正前の順方向ASEパワーレベルPSE(λ)(dBm)を求める。 

j) 

式(7)によって,校正前の順方向ASEトータルパワーレベル

total

SE

P

(λ)(dBm)を波長の関数として求め

る。 

PCF

P

P

+

=

)

(

)

(

SE

total

SE

λ

λ

 ······························································· (7) 

k) JIS C 6122-1-1に規定する方法を用いて,OAの利得G(線形表示)を測定する。 

l) 

式(8)によって,校正前の順方向ASEパワーレベルからSSEパワーレベルを差し引くことによって,

信号光波長における光増幅器の順方向ASEトータルパワーレベルへの寄与分

amp

ASE

P

(λS)(dBm)を,波

長の関数として求める。 

×

=

10

)

(

10

)

(

10

S

amp

ASE

S

total

SSE

S

total

SE

10

10

log

10

)

(

λ

λ

λ

P

P

G

P

 ······································ (8) 

6.2.2 

偏波消光法 

偏波消光法を用いた測定手順は,次による。 

a) OSAのRBWを校正した値に設定する。雑音レベルの測定が完了するまで設定を変更してはならない。 

b) 信号光波長を詳細仕様書で規定する波長に設定する。 

c) 信号光レベルが最大となるように,光源モジュールの偏光子を調整する。 

d) 光源モジュールの偏波制御器を調節して,入力光信号の偏波状態を詳細仕様書で規定する状態に設定

する(オプション)。 

e) 光源モジュールの可変光減衰器を用いて,信号光パワーを詳細仕様書で規定する値に調整する。 

f) 

図1 b)に示すようにOAを接続する。 

g) 偏波消光系の偏波制御器及び偏光子を調節して,信号光出力が最大となるようにする。 

h) 偏光子は手順g)の設定のまま動かさずに,偏波消光系の偏波制御器だけを調節して,OAの信号光出

力が最小となるようにする。 

i) 

増幅した信号光の近傍において,順方向ASEパワーレベルを測定する。適切な多項式によるフィッテ

ィングを用いて,信号光波長付近での校正前の順方向ASEパワーレベルPSE(λS)(dBm)を求める。 

j) 

式(9)によって,OAの順方向ASEトータルパワーレベル

amp

ASE

P

(λS)(dBm)を求める。 

3

)

(

)

(

S

SE

S

amp

ASE

+

+

+

=

PCF

L

P

P

λ

λ

 ···················································· (9) 

k) JIS C 6122-1-1に規定する方法を用いて,OAの利得G(線形表示)を測定する。 

計算 

順方向ASEパワーレベルは,測定手順の中で直接求める。信号光−ASE間雑音指数NFsig-spの算出方法

を,次に示す。 

信号光−ASE間雑音指数NFsig-sp(dB)は,OAの順方向ASEトータルパワーレベル

amp

ASE

P

(λS)(dBm),利

得G(線形表示),及び光帯域幅BO(λS)(周波数表示)の測定値を用いて,入力信号光パワーPin及び信号

光波長λSの関数として,式(10)で求める。 

C 6122-3-1:2011 (IEC 61290-3-1:2003) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

[

])

(

log

10

)

(

)

,

(

S

O

10

S

amp

ASE

S

in

sp

sig

λ

GhvB

λ

P

λ

P

NF

=

 ································· (10) 

ここに, 

h: プランク定数 

v: 光信号周波数 

注記 この測定法の測定精度は,光コネクタの接続損失再現性及びOSAの偏波依存性に強く依存す 

る。 

測定結果 

試験報告書には,次の事項を記載しなければならない。 

a) 測定系(箇条4の規定と異なる場合) 

b) 測定法:単一チャネルの補間法又は偏波消光法 

c) 測定波長範囲 

d) 光源の種類 

e) 入力波長λS 

f) 

光帯域幅BO 

g) 励起光パワー(測定可能な場合) 

h) 周囲温度(必要な場合) 

i) 

入力信号光パワーPin 

j) 

利得G(線形表示) 

k) 順方向ASEトータルパワーレベル

amp

ASE

P

l) 

信号光−ASE間雑音指数NFsig-sp 

m) 補間法の場合,SSE減算による誤差(附属書Aによる。) 

C 6122-3-1:2011 (IEC 61290-3-1:2003) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

SSEによる補間法の限界 

補間法では,OSAで測定されるトータルの雑音から増幅されたSSEを差し引く必要がある。この計算は,

6.2.1の手順l)に示している。 

×

=

10

)

(

10

)

(

10

S

amp

ASE

S

total

SSE

S

total

SE

10

10

log

10

)

(

λ

λ

λ

P

P

G

P

 ·································· (A.1) 

ある条件の下では,括弧の中の二つの項は非常に近い値となる可能性がある。その場合,いずれかの値

の僅かな測定誤差は差分を計算することによって拡大する。その誤差は,入力パワーが高い条件で小さな

雑音指数を測定する場合に最大となる。 

この誤差の大きさは,測定する雑音指数,SSEレベル及び雑音レベル測定の不確定性から計算される。

OAへの入力に換算した雑音パワーレベルを,式(A.2)及び式(A.3)に示す。 

(

)

O

sp

-

sig

amp

ASE

log

10

hvB

NF

P

+

=

 ······················································ (A.2) 

(

)

10

/

amp

ASE

amp

ASE

10

linear

P

P

=

······························································· (A.3) 

測定した校正前のトータルの雑音の線形表示は,次の式で求める。 

(

)

10

/

amp

SE

SE

10

linear

P

P

=

 ······························································· (A.4) 

SSEの線形表記は,次の式で求める。 

(

)

10

/

SSE

SSE

10

linear

P

P

=

 ······························································· (A.5) 

トータル雑音及びSSEの測定にα dBの不確定性がある場合,増幅器雑音の誤差は式(A.6)及び式(A.7)で

計算する。 

dB

)

linear

(

)

linear

(

10

)

linear

(

10

log

10

error

amp

ASE

SSE

10

/

total

SE

10

/

P

P

P

α

α

=

+

 ···················· (A.6) 

dB

)

linear

(

)

linear

(

10

)

linear

(

10

log

10

error

amp

ASE

SSE

10

/

total

SE

10

/

P

P

P

α

α

=

 ···················· (A.7) 

αが典型的な値として0.05 dBであるとき,図A.1に示すプロットは,SSEレベルに対する減算誤差の大

きさを示す。ある特定の試験条件において,どのように減算誤差が計算するかを次の二つの例に示す。 

例 

実験系 : 図1 a)に示す単一チャネル光源 

SSEレベルと信号パワーとの比 : −35 dB/nm 

ケース1 可変光減衰器によってOAへの入力信号パワーを−10 dBmに設定。 

SSE=−10 dBm−35 dB/nm=−45 dBm/nm 

図A.1から,誤差=±0.11 dB 

ケース2 可変光減衰器によってOAへの入力信号パワーを0 dBmに設定。 

SSE=0 dBm−35 dB/nm=−35 dBm/nm 

図A.1から,誤差=+0.63 dB,−0.74 dB 

background image

10 

C 6122-3-1:2011 (IEC 61290-3-1:2003) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 この計算では,雑音指数を5 dBと仮定している。 

(d

B

)

0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1

0

-0.1
-0.2
-0.3
-0.4
-0.5
-0.6
-0.7
-0.8

SSEパワー(dBm/nm) 

図A.1−SSEレベルによる補間法での減算誤差 

参考文献 JIS C 6122-3 光増幅器−測定方法−第3部:雑音指数パラメータ 

注記 対応国際規格:IEC 61290-3,Optical fibre amplifiers−Basic specification−Part 3: Test 

methods for noise figure parameters(IDT) 

JIS C 6802 レーザ製品の安全基準 

注記 対応国際規格:IEC 60825-1,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification, 

requirements and user's guide(IDT) 

JIS C 6803 レーザ製品の安全−光ファイバ通信システムの安全 

注記 対応国際規格:IEC 60825-2,Safety of laser products−Part 2: Safety of optical fibre 

communication systems(IDT) 

JIS C 6823 光ファイバ損失試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60793-1-1,Optical fibres−Part 1-1: Measurement methods and test 

procedures−General and guidance(MOD) 

IEC 60874-1,Connectors for optical fibres and cables−Part 1: Generic specification 

IEC 61931,Fibre optic−Terminology 

IEC/TR 61292-3,Optical amplifiers−Part 3: Classification, characteristics and applications 

d

B