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C 6102-2 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日本

工業規格である。

今回の制定では無線音声受信機に関する IEC 規格 60315 シリーズのうち,次に示す規格に基づいて

AM/FM

放送受信機の試験方法に関連する規格を作成した。

IEC 60315-1

:1988, Methods of measurement on radio receivers for various classes of emission−Part 1:General

considerations and methods of measurement, including audio-frequency measurements.

IEC 60315-3

:1989, Methods of measurement on radio receivers for various classes of emission−Part 3:

Receivers for amplitude-modulated sound-broadcasting emissions.

IEC 60315-3 Amendment 1 (CDV)

IEC 60315-4

:1997, Methods of measurement on radio receivers for various classes of emission−Part 4:

Receivers for frequency-modulated sound-broadcasting emissions.

JIS C 6102-1

は IEC 60315-1 に,JIS C 6102-2 は IEC 60315-3 に,JIS C 6102-3 は IEC 60315-4 に基づい

て作成したものである。

これらによって,

JIS C 6102-1988

及び JIS C 6104-1993 は廃止され,

JIS C 6102-1988

は JIS C 6102-2 に,JIS C 6104-1993 は JIS C 6102-3 にそれぞれ置き換えられる。また,JIS C 6102-1 は全

体の共通規格である。

部編成規格  この規格の部編成規格は,次による。

JIS

C

6102

群  AM/FM 放送受信機試験方法

JIS

C

6102-1

  第 部:一般的事項及び可聴周波測定を含む試験

JIS

C

6102-2

  第 部:AM 放送受信機

JIS

C

6102-3

  第 部:FM 放送受信機


C 6102-2 : 1998

(1) 

目次

ページ

序文

1

第 1 章  一般

1

1.

  適用範囲

1

2.

  測定条件

2

2.1

  標準測定条件

2

2.2

  同調及び自動周波数制御

2

2.3

  注意事項

3

第 2 章  感度と内部雑音

3

3.

  入力対出力特性

3

3.1

  はじめに

3

3.2

  測定方法

3

3.3

  結果の表示

4

3.4

  入力対出力及び入力対雑音出力特性に関連する特性

4

第 3 章  選択度と妨害排除能力

5

4.

  用語の説明

5

4.1

  選択度

5

4.2

  妨害排除能力

5

4.3

  1 信号法

5

4.4

  2 信号法

5

4.5

  可聴周波 (a.f.) 信号対妨害比

5

4.6

  可聴周波 (a.f.) 保護比

5

4.7

  無線周波 (r.f.) 希望信号対不要信号比

6

4.8

  無線周波 (r.f.) 保護比

6

4.9

  感度抑圧(ブロッキング)

6

4.10

  混変調

6

4.11

  相互変調

6

4.12

  隣接チャネル選択度

6

4.13

  イメージ除去比

6

4.14

  中間周波除去比

6

4.15

  スプリアスレスポンス除去比

6

4.16

  通過帯域又は XdB 帯域幅

7

4.17

  減衰傾斜

7

5.1

  1 信号選択度

7

5.1

  はじめに

7

5.2

  測定方法

7


C 6102-2 : 1998

目次

(2) 

ページ

5.3

  結果の表示

7

6.

  正弦波変調された不要信号を使用したときの 2 信号選択度

7

6.1

  はじめに

7

6.2

  測定方法

7

6.3

  結果の表示

8

7.

  雑音変調を使用した 2 信号選択度

8

7.1

  はじめに

8

7.2

  出力の測定

8

7.3

  信号発生器を変調する雑音信号

8

7.4

  測定の配置

9

7.5

  信号発生器の変調の深さ

9

7.6

  信号源間の周波数間隔

9

7.7

  可聴周波信号対妨害比

9

7.8

  測定

9

7.9

  結果の表示

9

7.10

  信号発生器の非直線ひずみの影響

10

7.11

  精度

10

8.

  感度抑圧(ブロッキング

10

8.1

  測定方法

10

8.2

  結果の表示

10

9.

  相互変

10

9.1

  はじめに

10

9.2

  測定方法

11

9.3

  結果の表示

11

9.4

  注意事項

11

10.

  アンテナから入る不要信号の除去

12

10.1

  はじめに

12

10.2

  1 信号測定法

13

10.3

  結果の表示

13

10.4

  2 信号測定法

13

10.5

  結果の表示

13

11.

  総合可聴周波数レスポンス

13

11.1

  はじめに

13

11.2

  測定方法

13

11.3

  結果の表示

14

12.

  通過帯域と減衰傾斜

14

12.1

  はじめに

14

12.2

  変調周波数と変調率

14

12.3

  測定方法

14


C 6102-2 : 1998

目次

(3) 

ページ

12.4

  結果の表示

14

13.

  選択度調節

14

14.

  妨害排除能力

14

第 4 章  内部信号源による妨害

14

15.1

  信号ビート音

14

15.1

  はじめに

15

15.2

  測定方法

15

15.3

  結果の表示

16

16.

  音響的効果

16

17.

  不要発振

16

18.

  電源周波数及びその高調波での妨害(ハム)

16

18.1

  はじめに

16

18.2

  測定方法

16

18.3

  結果の表示

17

第 5 章  ひずみ

17

19.

  はじめに

17

20.

  総合高調波ひずみ,ひずみ制限可聴周波出力及びひずみ制限入力レベル

17

20.1

  測定方法

17

20.2

  結果の表示

17

21.

  同調の不正確さによるひずみ

17

21.1

  測定方法

17

第 6 章  その他

18

22.

  同調及び自動周波数制御特性

18

22.1

  はじめに

18

22.2

  測定方法

18

22.3

  結果の表示

18

19


日本工業規格

JIS

 C

6102-2

: 1998

AM/FM

放送受信機試験方法

第 2 部:AM 放送受信機

Methods of measurement on receivers for

AM and FM sound-broadcasting emissions

Part 2

:Receivers for AM sound broadcasting emissions

序文  この規格は 1989 年に発行された IEC 60315-3, Methods of measurement on radio receivers for various

classes of emission

−Part 3: Receivers for amplitude-modulated sound broadcasting emissions 及び IEC 60315-3

Amendment 1 (CDV)

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で

ある。ただし,Amendment は編集し一体とした。

この規格に記載の IEC 規格番号は,1997 年 1 月 1 日から実施の IEC 規格新番号体系によるものである。

これより前に発行された規格については,規格票に記載された規格番号に 60000 を加えた番号に切り替え

る。これは,番号だけの切替えであり内容は同一である。

第 1 章  全般

1.

適用範囲  この規格(第 2 部)は,AM 音声放送を受信する無線受信機に適用する。この規格では主

として受信機のアンテナ入力端子に加えられる無線周波信号又は磁気アンテナに誘起する無線周波信号を

使用する測定を取り扱う。

JIS C 6102-1

と併せて使用されることを前提としている。

妨害排除能力については CISPR 規格との相互参照の説明以外は対象としない。受信機からの放射につい

ては CISPR 13 による。

備考1.  音量調節器を備えていない受信機又は音声電力出力段のない受信機(チューナ)も含む。

2.

単側帯波及び独立側帯波送信方式用受信機は含んでいない。また,ステレオ送信方式用受信

機もエンコーダシステムに関する特性は含んでいない。

3.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部

を構成する。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記

載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用

しない。発効年(又は発行年)を付記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を

適用する。

JIS C 6102-1: 1998, AM/FM

放送受信機試験方法:第 1 部  一般的事項及び可聴周波数を含む試験

備考  IEC 60315-1:1988, Methods of measurement on radio receivers for various classes of emission−

Part 1

: General considerations and methods of measurement, including audio-frequency

measurements

とこの規格が一致している。


2

C 6102-2 : 1998

IEC 60268-2

:Sound system equipment−Part 2:Explanation of general terms and calculation methods

IEC 60268-3

:Sound system equipment−Part 3:Amplifiers

CTSPR 13

:1975, Limits and methods of measurement of radio interference characteristics of radio and

television receivers

CISPR 20

:1996, Limits and methods of measurement of immunity characteristics of sound and television

broadcast receivers and associated equipment

2.

測定条件

2.1

標準測定条件  受信機は,次のような標準測定条件で動作させる。

a)

電源電圧と周波数は定格値に等しくする。

b)

標準無線周波入力信号は,適切な擬似アンテナ回路網を介して受信機のアンテナ端子に印加するか

(第

1

部の

表 III 及び図 参照),又は標準磁界発生器で信号を受信機の磁気アンテナに誘起させることに

よって印加する。

c)

ラウドスピーカを接続するための可聴周波出力端子があり,この端子で測定する場合には,その他の

可聴周波出力端子と同様に可聴周波擬似負荷を接続する。

d)

受信機は,2.2 に従って入力信号に同調させる。

e)

音量調節器があるときは,主可聴周波出力端子の出力電圧を定格ひずみ制限出力電圧よりも 10dB 低

い値,又は望ましい基準値(第 1 部 15.1 参照)に対応する値に調節する。

f)

環境条件は,定格範囲内とする。

g)

ステレオ受信機では,バランス調節器又はこれと同等のものがあれば二つのチャネルの出力電圧が等

しくなるように調節する。

h)

音質調節器があるときは,できるだけ平たんな可聴周波数特性(例えば,100Hz, 1kHz 及び 10kHz で

等しいレスポンス)が得られるように調節する。この調節には,もし,可聴周波入力端子がある場合

にはそれを使用する。この端子がなければ 10kHz を 2kHz に減らす。

i)

自動周波数制御は,使用者調節器による操作が可能なら,非動作とする。

備考  自動周波数制御の使用者調節器を備えているときは,測定は一般に自動周波数制御なし(結果

の分析が容易になる。

)と自動周波数制御あり(通常の受信機の使用状態を表す。

)の両方で行

う。この二つの結果は明確に区別する。

もし,自動周波数制御が使用者の調節では非動作にできないときも,ある測定では自動周波

数制御を非動作にすることが必要,又は望ましいことがある。この場合,自動周波数制御は受

信機の回路を一時的に変更することによって非動作とする。この操作は結果に詳しく記載する

2.2 参照)

j)

ミューティングがあるときはミューティングオフの位置に置く。

2.2

同調及び自動周波数制御

2.2.1

望ましい同調方法  もし,製造業者が同調指示器の使用など同調方法についての指示を出している

ときは,その指示に従う。指示又は同調指示器がない場合,受信機は 2.1 の条件で主可聴周波端子で最大

の出力電圧が得られるように同調する。このとき,受信機の可聴周波部が過負荷にならないように注意す

る。

2.2.2

自動周波数制御の効果  すべての同調操作は,可能ならば自動周波数制御が非動作の状態で行う。

ただし,自動周波数制御の性能を調査するときは除く。


3

C 6102-2 : 1998

もし,使用者が自動周波数制御を非動作にできる機能があれば,測定は自動周波数制御の動作及び非動

作の両方の条件で行うことができる。このときは結果に自動周波数制御の有無を明確に示す(第 6 章も参

照)

2.3

注意事項  この部に規定の多くの測定は妨害となる放射及び無線周波雑音の影響を受けやすい。通

常,これらの測定を行うための遮へい(蔽)室又は遮へい容器が得られることが必要である。また,試験

機器その他のもの,又は受信機のスプリアスレスポンスによる不要信号の妨害及び寄生出力信号を検知す

るため,スピーカ及び/又はヘッドホンで連続的に監視することが望ましい。

測定の精度は不十分な信号対雑音比でも影響を受ける。雑音出力が変調率に無関係な場合(いつもそう

とは限らないが)

,変調が零のときの出力を調べ,もし,それが変調があるときの出力に比べ−10dB より

大きいときは(この部の中で特記しない限り)その結果は除き,測定は可聴周波帯域フィルタを使って精

度を確保するために十分な信号対雑音比に改善してから行う。

第 2 章  感度と内部雑音

3.

入力対出力特性

3.1

はじめに  すべての市販 AM 音声放送用受信機は,実質的に何らかの自動利得制御  (A. G. C. )  を使

用している。そのような受信機の感度と雑音特性を調べるには,一定の変調率での可聴周波出力と変調率

が零のときの雑音出力を無線周波入力信号レベルの関数として測定し,同じ図上に曲線で示すことが有用

である。

そのような図の例を

図 に示す。この図では,これらの曲線又は測定結果の表から決定される特性も示

している。

3.2

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させる(2.1 参照)

。可聴周波電圧計(真実効値計が望ましい。

)と雑音評

価フィルタ及び準ピーク値計(第 1 部の 6.2.2 参照)を測定する可聴周波出力端子の擬似負荷に接続す

る。

備考1.  広帯域フィルタを使用するウエイティングなしの雑音測定又は A ウエイティング雑音測定は

必要があれば追加して行ってもよい(第1部6.参照)

。これらの方法では,雑音は実効値計(で

きれば真実効値計)で測定する。使用した方法は,測定結果に明記する。

2.

可聴周波出力電圧に可聴周波電圧計の帯域内の超音波成分が存在するときは,その電圧計に

第 1 部の 6.1 に従う帯域制限フィルタを前置する。

b)

可聴周波電圧計で可聴周波出力電圧を測定する。次に変調率を零にし雑音計で雑音出力電圧を測定す

る。

c)

この測定を無線周波入力信号レベルの異なる値について繰り返す。測定は非常に低い信号対雑音比に

なるのに十分なほど低いレベルから,可能ならば受信機の無線周波部の過負荷を調べるのに十分なほ

ど高いレベルまで行う(20.参照)

もし,高い無線周波入力信号レベルで受信機の可聴周波部の過負荷が起きるときは,その過負荷を

除くように音量調節器の減衰を一定量増加させてから測定を続行する。減衰の増加量は結果の表示の

とき考慮する。もし,音量調節器を備えていないときは,可聴周波の過負荷の発生を無線周波入力信

号レベルの許容限度とし,測定を中止する。

d)

特に高い入力信号レベルでは,受信機の同調はそれぞれの結果を記録する前に信号源の搬送波周波数

を調節して検査する。受信機の同調がずれるかもしれないからである。この測定の間の各入力信号レ


4

C 6102-2 : 1998

ベルでの同調のずれは周波数を用いて記録する。この結果は無線周波入力信号レベルによる動作周波

数の変動の測定に役立つからである(第 1 部 23.参照)

備考  入力対出力特性の結果を記録するのに再同調するか否かを決定する。同調の変動が大きくない

限り,同調の再調整なしで得られた結果を記録するのが普通である。もし,同調の再調整を行

ったときは,その旨を結果に記述する。

e)

測定は 80%などその他の変調率でも繰り返してよい(第 1 部の 17.

表 III 参照)。

3.3

結果の表示  入力対出力特性及び入力対雑音出力特性の測定結果は表にしてもよいが,通常は dB

(fW)

又は dB (

µV/m)  で表した入力信号レベルを横軸に,ある基準[通常は定格(ひずみ制限)出力電圧]

に対する出力又は雑音出力レベルを dB で縦軸にとった図で表示する。その例を

図 に示す。

3.4

入力対出力及び入力対雑音出力特性に関連する特性

3.4.1

増幅余裕度  増幅余裕度は高い無線周波信号レベル,すなわち,特記しない限り 90dB (fW) 又は

94dB (

µV/m)  で測定した可聴周波出力レベルと定格(ひずみ制限)可聴周波出力レベルとの差よりも 10.5dB

大きい値である。この余裕度は可聴周波での過負荷を避けるため音量調節器によって確保しなければなら

ない減衰量である。無線周波入力信号はレベルを除いては標準入力信号とする。

備考  係数 10.5dB は標準入力信号の変調率を 30%とするため導入した。したがって,増幅余裕度は

100%

変調に関連している。

3.4.2

利得制限感度  利得制限感度は,すべての音量調節を最大利得に設定したとき,定格可聴周波出力

に等しい可聴周波出力が得られる無線周波入力信号レベルである。

無線周波入力信号は,レベルを除いては標準入力信号とする。

3.4.3

雑音制限感度  雑音制限感度は,30%変調の信号に対し規定の信号対雑音比,特記しない限り 26dB,

が得られる無線周波入力信号レベルである(100%変調に対しては 36.5dB)

。無線周波入力信号はレベルを

除いては標準入力信号とする。したがって,信号対雑音比を計算する際の信号レベルは 30%変調で発生す

るものである。受信機の雑音出力は,特記しない限り,雑音評価用回路網(雑音評価フィルタ)と準ピー

ク値計で測定する(第 1 部の 6.2.2 とこの規格の 3.4.8 参照)

備考  必要があればウエイティングなしの雑音測定を使用してもよい。使用した方法は,結果に明示

する。

3.4.4

雑音指数  受信機の雑音指数は,規定の条件での雑音出力電圧と信号源インピーダンスの抵抗分の

熱雑音で発生する雑音出力電圧との比である。

後者の雑音出力は理論的にも計算可能であるが,実用的には出力レベルを雑音指数のデシベル値で直接

校正した雑音発生器を使用するのがより簡単で正確である。これを行うには,受信機を雑音指数の測定で

要求される条件で動作させ,雑音発生器を適切な擬似アンテナ回路網を通してアンテナ端子に接続する。

雑音発生器の出力を零にし,広帯域フィルタと真実効値計で雑音出力を測定する(第 1 部の 6.1 参照)

。次

に雑音発生器の出力を受信機の雑音出力レベルが 3dB 上昇するまで増加させる。雑音指数はこのときの雑

音発生器の出力指示から読むことができる。

3.4.5

A. G. C. 

の性能指数  自動利得制御の性能は,入力対出力特性の曲線で詳細に表すことができる。

しかし,仕様化の目的には一つの性能指数で表すことが有用である。A. G. C.  の性能指数は可聴周波出力

レベルが 10dB 変化する無線周波入力信号レベルの範囲で表し,その範囲の上限の無線入力信号レベルも

付記する[例えば,100dB (fW)  に対し 65dB の A. G. C. 性能指数]

。この上限レベルはその他の値を使う

のに十分な理由がない限り 100dB (fW)  又は 104dB (

µV/m)  とする。

備考  以前の定義では受信機の種類によって異なる入力信号レベルの上限値を指定していた。しかし,


5

C 6102-2 : 1998

多くの種類があり,また,その各々でも異なる性能をもつ受信機に対し適切な値を指定するこ

とは困難なので,製造業者にこのレベルを指定するように要求する方がより論理的と考えられ

る。

3.4.6

ダイナミックレンジ(無線周波入力信号レベルの)  無線周波入力信号レベルのダイナミックレン

ジは,ひずみ制限入力信号レベル(20.1 参照)と,規定の信号対雑音比(特記しない限り 26dB とする。

を得るレベルか,又は定格(ひずみ制限)出力電圧を得るレベルか,どちらか大きい方とのレベル差をい

う。

3.4.7

ひずみ  入力対出力特性の測定とひずみの測定を組み合わせることが便利な場合が多い(20.1 及び

図 参照)。

3.4.8

SINAD

(信号対雑音とひずみ)  SINAD 測定は,ひずみ及び雑音をともに出力信号の劣化として

扱う[20.1 の b)4)参照]

第 3 章  選択度と妨害排除能力

4.

用語の説明

4.1

選択度  受信機の選択度は,受信機が同調している希望信号とアンテナ回路を通して入る不要信号

とを弁別する能力の尺度である。

選択度は,幾つかの方法で測定できる。しかし,次のような模擬的な妨害を使うやや複雑な方法が受信

機の使用時の性能との相関がよい。

選択度の概念には二つの観点が含まれている。その一つは周波数が希望信号の周波数に近い信号に対す

る弁別であり,無線周波と中間周波の同調回路又はこれと同等のものの性能で制御されている。これに対

し,その他のものはその周波数がスプリアスレスポンスを発生させるような信号,例えば,スーパーヘテ

ロダイン受信機のイメージ周波数,に対する弁別である。

4.2

妨害排除能力  受信機の妨害排除能力は正常なアンテナ回路以外を通して(例えば,電源又はその

他の周波数範囲用のアンテナを通して)入る不要信号の除去能力の尺度である。

4.3

1

信号法  1 信号法は希望信号が存在しないときの不要信号に対する受信機のレスポンスを測定する

方法である。このような測定の結果は,受信機が測定中と測定結果を適用するという条件の両方で直線モ

ードで動作するときにだけ意味がある。

4.4

2

信号法  2 信号法は希望信号が存在するとき一つの不要信号に対する受信機のレスポンスを測定す

る方法である。結果を一つの強い不要信号だけがあるという条件で適用するときには,受信機の動作モー

ドが非直線でもよい。

正弦波変調の不要信号を使用する 2 信号測定は,かなり簡単に実行できる。しかし,受信機の使用時の

性能との相関はよくない。

模擬の妨害を使用する 2 信号測定は受信機の実際の性能を表すよい尺度となる結果が得られる。

三つの信号を使用する測定もある目的では要求される(9.2 参照)

4.5

可聴周波 (a.f.) 信号対妨害比  可聴周波 (a.f.) 信号対妨害比は,受信機の可聴周波出力での規定の

条件で測定した希望信号電圧と妨害電圧との比で,デシベルで表す。

この比は,希望プログラムと妨害との音圧レベル差によく対応している。

4.6

可聴周波 (a.f.) 保護比  可聴周波 (a.f.) 保護比は,主観的に定義された受信品質を達成するため必

要と考えられる最小可聴周波信号対妨害比である。

この比は希望するサービスの種類によって異なる値をもっている。


6

C 6102-2 : 1998

4.7

無線周波 (r.f.) 希望信号対不要信号比  無線周波 (r.f.) 希望信号対不要信号比は,適当な値の無線周

波電圧又は電力の希望信号と不要信号との比で,デシベルで表し,受信機の入力で規定の条件によって測

定する。

例えば,振幅変調された希望信号と妨害信号の伝送(両側波帯)の場合,適切な値は希望及び不要搬送

波の有効電力又は起電力である。

4.8

無線周波 (r.f.) 保護比  無線周波 (r.f.) 保護比は,規定の条件の受信機の出力で可聴周波保護比が得

られるときの無線周波希望信号対不要信号比である。

規定の条件は広範なパラメータを含んでいる。これには,受信機の性能(選択度,混変調など)のほか

に希望搬送波と不要搬送波との間隔,送信特性(変調の種類,変調率)

,可聴周波信号の特性(帯域幅,動

的圧縮など)

,受信機の入力レベルなどがある。

4.9

感度抑圧(ブロッキング)  感度抑圧(ブロッキング)は,近傍の周波数の不要な無変調信号によ

って,規定のレベルの希望の変調された無線周波入力信号で得られた受信機の可聴周波出力が変化(一般

的には減少)する効果をいう(8.参照)

。可聴周波出力の変化は,その他の値を採用するのに十分な理由が

ない限り 3dB の減少とする。

4.10

混変調  混変調は,受信機の検波器以前の回路がもつ非直線性によって,規定のレベルの無変調希

望信号を受信しているとき,近傍の周波数の不要信号の変調によって受信機に可聴周波出力が発生する効

果をいう。これは隣接信号の選択度に影響する一つの要素である(次を参照)

4.11

相互変調  相互変調は,受信機が規定の無線周波入力レベルの無変調希望信号を受信しているとき

二つの同時に存在する規定の周波数の無変調不要信号によって可聴周波出力が発生する効果をいう(9.

照)

4.12

隣接チャネル選択度  隣接チャネル選択度は,規則的なチャネル割り当ての送信に対して使用する

受信機については,この部で示した方法の一つを使用し,不要信号周波数が希望信号周波数と 1 チャネル

分の間隔で離れているとき測定した選択度をいう。隣隣接チャネル選択度はこの部で示した方法の一つを

使用し,

不要信号周波数が希望信号周波数と 2 チャネル分の間隔で離れているとき測定した選択度をいう。

4.13

イメージ除去比  イメージ除去比(スーパーヘテロダイン受信機の)は,イメージ周波数で受信機

に規定のレベルの可聴周波出力を発生させるのに必要な無線周波入力信号レベルと,これと同じ可聴周波

出力を発生させるために必要な希望信号の無線周波入力レベルとの比をいう。

備考1.  イメージ周波数は,希望信号周波数と中間周波数の2倍との和又は差で,周波数変換発振器の

周波数が希望信号周波数よりも高いか低いかによって和か差かが決まる。

もし,受信機が複数の周波数変換器をもっているときは,複数のイメージ周波数があり,

それぞれに対するイメージ除去比がある。

2.

自動周波数制御は,イメージ周波数の入力信号では正しく動作しない。

4.14

中間周波除去比  中間周波除去比は,受信機の無線周波入力端子に受信機が使用している中間周波

数の信号を加えたとき規定のレベルの可聴周波出力を発生するような入力レベルと,これと同じ出力レベ

ルを発生させるために必要な希望信号の入力レベルとの比をいう。

4.15

スプリアスレスポンス除去比  スプリアスレスポンス除去比は,受信機に規定の可聴周波出力を発

生させる妨害周波数の無線周波信号の入力レベルと,これと同じ出力を発生させるために必要な希望信号

の入力レベルとの比をいう。

備考  局部発振器の周波数を f

o

,中間周波数を f

i

を整数とするとき,スプリアスレスポンスは次の

ような周波数の不要信号で発生する。


7

C 6102-2 : 1998

f

f

0

±f

i

/2

又は fnf

0

±f

i

ここに,  は正の整数である。

4.16

通過帯域又は XdB 帯域幅  通過帯域又は XdB 帯域幅は,規定の低い変調周波数と変調率をもつ入

力信号で受信機の可聴周波出力レベルが動作周波数での可聴周波出力レベルに対し−XdB を超える入力

信号の周波数範囲をいう(2.2 参照)

帯域幅又は通過帯域はその他のレスポンス変化値でも規定できる。この部では特記しない限り X は 6 と

する。

4.17

減衰傾斜  減衰傾斜は,規定の低い変調周波数と変調率をもつ入力信号で測定した動作周波数から

の周波数差を関数とする可聴周波出力レベルの図の傾斜をいう。

5.1

1

信号選択度

5.1

はじめに  1 信号選択度とは動作周波数からの差が規定された周波数で,基準可聴周波出力レベルを

発生させるため必要な無線周波入力信号レベルと,同じ出力レベルを発生させるため必要な動作周波数で

の無線周波入力信号レベルとの比をいう。受信機はこれ以外は標準測定条件とする。

特記しない限り,基準出力レベルは定格ひずみ制限出力電圧よりも 10dB 低い値とし,動作周波数での

無線周波入力信号レベルは標準入力信号レベルとする。

その他の入力信号レベルとその他の動作周波数で補足的な測定を行ってもよい。

5.2

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させる。

b)

無線周波入力信号を一定値だけ離調させ,可聴周波出力レベルが a)での値を回復するように入力信号

レベルを増加させる。

c)

無線周波入力信号レベルと離調量を記録する。

d)

その他の離調量で測定を繰り返す。

e)

測定は,その他の初期無線周波入力信号レベルと動作周波数で繰り返してもよい。

5.3

結果の表示  結果は表にするか図で示す。隣接チャネル及び隣隣接チャネルでの選択度の値は明示

する。例を

図 に示す。

6.

正弦波変調された不要信号を使用したときの 信号選択度

6.1

はじめに  正弦波変調された不要信号を使用したときの 2 信号選択度とは,標準無線周波入力信号

レベルに対する不要信号の無線周波入力信号レベルの比をいう。不要信号は,動作周波数からの差が規定

された周波数にある変調された信号である。不要信号のレベルは,動作周波数で無変調の無線周波入力信

号が標準レベルで存在するとき,標準測定条件で得られる可聴周波出力レベルよりも(その他の値が示さ

れない限り)26dB 低い出力レベル(これは定格出力電圧よりも 36dB 低い)を発生させるための必要な変

調無線周波入力信号レベルである。

6.2

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させる。

b)

入力配置を適切な結合回路網と第 2 の信号源を含むように変更し,その信号源の出力を零とする。

c)

第 1 の信号源の無線周波入力レベルは結合回路網の挿入損失を補うように調節する。

d)

次に,変調を切り,標準変調周波数で 30%変調した第 2 の信号源を所要の測定周波数に合わせる。第

2

の信号源の入力レベルを,可聴周波出力レベルが希望信号を変調し不要信号は無変調で加えたとき

得られる出力レベルよりも 26dB 低いレベルが得られるまで調節する(8.も参照)

。第 2 の信号源の入


8

C 6102-2 : 1998

力レベルを結果として記録する。

備考  この方法は音量調節を行わないように設定した。したがって音量調節器がない装置にも適用で

きる。

e)

次に両信号源の変調を切る。もし,可聴周波出力の低下が 10dB 以内のときは,結果は雑音又はビー

ト音の影響を受けているので棄却する。もし,標準変調周波数を通過させる狭帯域のフィルタを可聴

周波出力端子と可聴周波電圧計との間に接続すれば,測定は続行できる。ただし,これは雑音(ビー

ト音よりも)が広帯域測定で影響したときにだけ可能である。

f)

測定は,その他の第 2 信号源周波数でもビート音を発生させるような周波数は除いて繰り返す。

g)

測定は,その他の規定値の第 1 の信号源のレベルと周波数,又はその他の規定値の可聴周波出力レベ

ル差で繰り返してもよい。

6.3

結果の表示  結果は表又は図で示す。隣接チャネル及び隣隣接チャネルでの選択度は明示する。例

図 に示す。

7.

雑音変調を使用した 信号選択度

備考  この項の内容は技術的には ITU勧告 559-1 と合致している。この勧告ではこの方法以外に,

これと結果が一致するその他の二つの選択度測定法の詳細も規定している。

7.1

はじめに  この方法は,希望信号と妨害信号を特別な評価用雑音信号(カラードノイズ)で規定の

変調の深さに交互に変調する 2 信号法である。この変調信号のスペクトル振幅分布は,現代ダンス音楽プ

ログラムに対応している。

妨害効果は,受信機の可聴周波出力で標準化された計測器(7.2 参照)によって測定する。可聴周波信号

対妨害比を定義するための基準値は,希望信号を評価用雑音で変調し不要信号は切ったときの同じ計器で

測定した受信機の可聴周波出力値とする。

7.2

出力の測定  希望信号と妨害信号を受信機の出力で測定するには特別なメータを使用する。これは

いろいろな妨害周波数の主観的な妨害効果を第 1 部 6.2.2 に従って重み付けする回路網

(雑音評価フィルタ)

を含んでいる。

備考  第 1 部の 6.で示す準せん頭値計よりも実効値を使用する方が,より近い周波数間隔の顕著なビ

ート音やその他の効果をより正確に求めることができる。この結論は客観的 2 信号法とすべて

の周波数間隔について行った主観聴取試験のどちらで求めた無線周波保護比もよく一致するこ

とから得られた。

7.3

信号発生器を変調する雑音信号  現代ダンス音楽を模擬する標準信号は,次の二つの条件を満たし

ている。

−  そのスペクトル構成が代表的な放送プログラムの構成に対応している。

−  そのダイナミックレンジは小さく,メータ上ではっきりとした一定の読みが得られる。

現代ダンス音楽はかなりの割合で高い可聴周波数成分をもつプログラムの一種であるから,その振

幅分布を基本とした。しかし,この種のプログラムのダイナミックレンジは非常に広く,そのため,

上記の第 2 の条件を満たさない。この目的に適切な信号は評価用雑音信号(カラードノイズ)である。

そのスペクトル振幅分布はかなり現代ダンス音楽のものに近い(

図 の曲線 A 参照。これは 1/3 オク

ターブフィルタで測定したものである。

この評価用雑音信号は“白色雑音”発生器に

図 に示す受動フィルタを使用して得ることができる。こ

のフィルタの周波数レスポンス特性を

図 の曲線 B に示す(図 の曲線 A と曲線 B との差は曲線 A が周


9

C 6102-2 : 1998

波数とともに帯域幅が増加し,より大きなエネルギーを通過させる特性をもつ 1/3 オクターブフィルタを

使用して測定したものであるからである。

評価雑音信号の中の所要帯域を超えるスペクトル成分は変調信号の帯域が送信の標準帯域幅のほぼ半分

に等しい遮断周波数と傾斜をもつ低域フィルタで制限する(

備考参照)。信号発生器の変調段の可聴周波振

幅周波数特性は低域フィルタの遮断周波数まで 2dB 以上変化しないこととする。

備考  チャネル間隔が nkHz の送信に対して使用する受信機は,その帯域幅を n/2kHz にとる(ITUR

勧告 637 及び 7.7 

備考参照)。

7.4

測定の配置  図 に測定の配置の系統図を示す。この中で基本的に重要な機器は濃い外枠で示して

いる。その他の素子は調査の実行,又はそれを容易にするために必要な測定器及び制御器である。

7.5

信号発生器の変調の深さ  希望信号及び妨害信号の変調の深さは次の手順で決定する。信号発生器

は,まず,発生器 A からの 1kHz の正弦波音で 50%変調する。変調の深さは減衰器 B で調節し,変調器 H

又は変調器 L の無線周波出力をオシロスコープ S で検証する。必要な可聴周波電圧は,変調器入力(スイ

ッチ U)で計測器 R によって測定する。同じ計測器 R で測定した雑音信号 (C+D)  の振幅を正弦波信号で

得られた値よりも 6dB 低い値に調節する(減衰器 E で)

。ただし,計測器は 200ms の時定数をもつものと

する。これは準ピーク値指示のプログラムメータで測定した 50%変調に相当する。より深い変調は適切で

ない。雑音はダイナミックレンジが非常に小さいため,実際のプログラムよりも妨害効果が大きいからで

ある。

7.6

信号源間の周波数間隔  不要信号の周波数は希望信号の周波数から±1kHz,±2kHz,±3kHz,±4kHz,

±5kHz,±6kHz,±8kHz,±9kHz 及び±10kHz 離れた周波数,隣接チャネル及び隣隣接チャネルの周波

数とする。

7.7

可聴周波信号対妨害比  信号発生器(希望信号) (G+H+J)  は標準無線周波入力レベルになるよう

に調節し,7.3 及び 7.5 に従った雑音で変調する。これは試験する受信機 Q の可聴周波出力に計測器 R で

測定して基準可聴周波レベル (0dB) となる信号を発生させる。次にスイッチ U で信号発生器(希望信号)

の変調器 H の可聴周波入力から信号発生器(妨害信号)の変調器 L の可聴周波入力に雑音の変調を切り替

える。妨害信号の搬送波周波数は最初,希望信号の搬送波周波数よりも 1kHz 上に設定する。希望信号の

変調は零とし,妨害信号発生器 (K+L+M)  の無線周波レベルを可聴周波出力レベルが基準レベルよりも

所要の可聴周波信号対妨害比だけ低い値(その他の値をとるのに十分な理由がない限り 26dB)になるよう

に調節する。使用した値は明示する。

備考  得られる信号対妨害比と変調信号の帯域幅との間にはある関係がある。したがって,26dB より

も高い値を採用するときは帯域幅の縮小が不可欠かもしれない(ITU-R 勧告 639 参照)

7.8

測定  希望信号及び不要信号の無線周波出力レベルは結果に記録し,測定は受信機が直線モードで

動作するような低いレベル,及び混変調が発生するような高いレベルを含むその他の値の希望信号レベル

でも繰り返す。低いレベルでは,両方の信号が無変調のときの可聴周波出力レベルも測定する。もし,こ

れが変調された不要信号で得られる値よりも 3dB 低いレベルを超えるとき,測定結果は受信機の雑音の影

響を受けているので棄却する。

7.9

結果の表示  結果は周波数間隔を等分目盛で横軸に,デシベルで表した不要信号対希望信号比を等

分目盛で縦軸にとり,希望信号のレベルをパラメータとした図で表示する。隣接チャネル及び隣隣接チャ

ネルでの選択度の値は,明示する。


10

C 6102-2 : 1998

7.10

信号発生器の非直線ひずみの影響  信号発生器の変調過程で生じる非直線ひずみは,無線周波スペ

クトルを広げる成分をもっており,隣接チャネル及び隣隣接チャネルの領域での無線周波希望信号対妨害

信号比を増加させる。

したがって,信号発生器の変調器の非直線ひずみは 2%を超えてはならない。

7.11

精度  この客観的測定方法の結果を対応する主観評価試験の結果と比較する。これらの試験から客

観的測定では主観的方法で得られる結果の第 1 近似が得られることが分かった。希望のプログラムが特に

妨害の影響を受けやすい場合(例えば,無音時間の長いスピーチ)には客観的測定と主観試験との差が 5dB

より大きいことがある。

8.

感度抑圧(ブロッキング)(4.参照)

8.1

測定方法  ブロッキングは,6.に示した方法による 2 信号選択度測定の際に測定することができる。

6.2

の段階 d)によって,標準測定条件での希望信号(変調された)の可聴周波出力を 3dB 低下させるのに

必要な不要信号(無変調)の入力レベルを測定する。この測定では,周波数を選択度測定で必要な間隔よ

りも大きい間隔にまで拡張することが望ましい。

8.2

結果の表示  ブロッキングは,希望信号と不要信号との周波数差を関数とした不要信号の入力レベ

ルの図として表示できる。例を

図 に示す。

9.

相互変調(4.参照)

9.1

はじめに  相互変調は,受信機の可聴周波出力で希望信号を標準の基準周波数で 30%変調したとき

の出力よりも 26dB 低い出力を生じる二つの不要信号の無線周波入力レベルで表す。希望信号は規定の無

線周波入力レベルとし,特記しない限り標準レベルとする。

相互変調は,二つ(又はそれ以上)の入力信号に対する受信機の非直線性によって生じる。この非直線

性はひずみ成分の周波数 nf

1

±mf

2

を発生させる。ここで と は正の整数,f

1

と f

2

は入力信号の周波数で

ある。和  (nm)  は,非直線ひずみ又はひずみ成分の次数と呼ばれている。

受信機は,非常に大きな数の入力信号周波数の組合せに対するスプリアスレスポンスを発生させるよう

な高次の非直線性を示すこともある。しかし,よく設計された受信機では 2 次及び 3 次のひずみ成分によ

るスプリアスレスポンスを考慮すれば十分である。

動作周波数,イメージ又は中間周波数で上記のような効果による信号が発生するために適切な入力信号

周波数は,次による。

a)

和が中間周波数にほぼ等しい周波数  (f

1

f

1

f

2

)

,ここで不要信号は中間周波数の半分に近いが等しく

はないもの。

b)

差が中間周波数にほぼ等しい周波数  (f

1

f

1

f

2

)

,ここで二つの周波数のうち低い方の不要信号は希望

信号に近い周波数,例えば,隣接チャネルの周波数をもつもの。

c)

和が希望信号の周波数にほぼ等しい周波数  (f

d

f

1

f

2

)

,ここで不要信号は希望信号の周波数の半分に

近いが等しくないもの。

d)

差が希望信号の周波数にほぼ等しい周波数  (f

d

f

1

f

2

)

,ここで二つの周波数のうち低い方の不要信号

は希望信号の周波数に近い周波数,例えば,隣接チャネルの周波数をもつもの。

e)

和がイメージ周波数にほぼ等しい周波数  (f

m

f

1

f

2

)

,ここで不要信号は関連のイメージ周波数の半分

に近いが等しくない周波数をもつもの。

f)

差が希望信号と近い方の不要信号との差にほぼ等しい周波数  (f

d

≒2f

1

f

2

)

,ここで近い方の不要信号は


11

C 6102-2 : 1998

希望信号の周波数に近い周波数,例えば,隣接チャネルの周波数。

備考  a)から e)までは,2 次の相互変調によるもの,f)は 3 次の相互変調によるものである。

9.2

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させ,入力配置は信号源間の相互変調を防ぐように十分に分離できる 3

信号源用の結合回路網(第 1 部の 20.参照)

を含むように変更する。

二つの不要信号源は出力を零とし,

希望信号源のレベルは結合回路網の挿入損失を補うように調節する。

b)

周波数が f

1

と f

2

でレベルが等しい二つの無変調不要信号を希望信号と同時に加える。周波数は次の表

からとる。ここで a)から f)は 9.1 の a)から f)に対応する。

すべての場合,一つだけの不要信号を加えて変調したときは,受信機の可聴周波出力が無視できる

ような周波数を選択する。

三つの信号は無変調とし,不要信号の一つの周波数は受信機の可聴周波出力が標準基準周波数 f

r

なるようわずかに調節する。

符号

基本式(備考 1. 

スペクトル順序

差周波数(備考 2. 

a)

f

1

f

2

f

1

+1kHz

f

1

f

1

/2

f

2

f

1

f

2

=9kHz

b)

f

1

f

2

f

1

+1kHz

f

1

f

2

|f

2

f

d

|

=9kHz

c)

f

1

f

2

f

d

+1kHz

f

1

f

d

/2

f

2

f

1

f

2

=9kHz

d)

f

1

f

2

f

d

+1kHz

f

1

f

2

|f

2

f

d

|

=9kHz

e)

f

1

f

2

f

m

+1kHz

f

1

f

m

/2

f

2

|f

2

f

m

|

=9kHz

f) 2f

1

f

2

f

d

+1kHz

|f

1

f

d

|

=9kHz

備考1.  もし,標準の基準周波数(希望信号の変調周波数)が1kHz でないときは,使った値に入れ替

え,結果とともに示す。

2.

受信機が設計の対象とした送信の周波数間隔が 9kHz でないときは適切な値に入れ替える。

この周波数差は正確な値というよりもむしろ下限とみなせる。しかし,この値は結果に影響

するので明示する必要がある。

3.

三つの信号を無変調で同時に加える。希望信号の入力レベルは一定とし,二つの不要信号(等

レベルに保つ)のレベルをそれらによる可聴周波出力レベルが,希望信号を 30%変調し一方

の不要信号をビート音が出力測定に影響がない程度まで十分に減少するよう数 kHz 離調した

ときの出力よりも 26dB 低い出力となるように調節する。不要信号のレベルは結果に付記す

る。

備考  この方法は音量調節を行わないように設定した。したがって音量調節器がない装置に

も適用できる。

測定は,その他の希望信号レベルで繰り返す。また,その他の希望信号周波数で繰

り返してもよい。

9.3

結果の表示  結果は表又は希望信号のレベルを関数として表した不要信号レベルの図で表示する。

9.4

注意事項  結果が信号発生器の相互変調によって影響されないように注意する。これは結合回路網

と試験する受信機の間に適切な付加減衰器を挿入して調べることができる。

もし,信号発生器間の相互変調がなければ,減衰を 1dB ずつ付加したとき付加減衰器がないときと同じ

結果を得るためには,三つの信号のそれぞれのレベルを 1dB ずつ増加させる必要がある。

もし,信号発生器の間に相互変調があれば,減衰を 1dB 付加し希望信号のレベルを 1dB 増加したとき,

相互変調による可聴周波出力レベルを回復するため必要な不要信号レベルの増加は 1dB よりも少なくなる。


12

C 6102-2 : 1998

これは信号発生器間の相互変調成分の増加によるものである。

10.

アンテナから入る不要信号の除去

10.1

はじめに  動作周波数に近い周波数の信号に対するレスポンスに加えて,スーパーヘテロダイン又

はこれと類似の受信機は,中間周波数(2 重又は多重スーパーの場合は複数の中間周波数)

,イメージ周波

数(又は複数のイメージ周波数)並びに信号周波数の高調波及び局部発振器の周波数(又は複数の局部発

振周波数)の高調波に関連するその他の周波数にも応答する。

これらのレスポンスは,1 信号又は 2 信号法で測定できるが,両者は測定条件及び得られる結果に重要

な違いがある。したがって,どちらの測定での結果か明確に区別することが不可欠である。

1

信号の中間周波数除去比は,可聴周波出力電圧又は電力が等しくなるときの中間周波数での入力信号

レベルと,動作周波数での入力信号レベルとの比で,デシベルで表す。同調周波数での入力信号レベルは

受信機の雑音制限感度(3.4.3 参照)とし,可聴周波出力は信号対雑音比が低いときは選択的に測定する。

2

信号の中間周波数除去比は中間周波数の妨害信号レベルと,動作周波数での無線周波信号レベルとの

デシベルで表した比で,次の条件を満たす。

a)

妨害信号の周波数とレベルは,相互変調による不要可聴周波信号の周波数が 1kHz で,その出力レベ

ルが標準無線周波入力信号による出力よりも 26dB 低くなるように設定する。

b)

希望信号のレベルは,不要信号がないときの可聴周波信号対雑音比が少なくとも 26dB となるように

設定する。

特記しない限り,希望信号のレベルは,標準無線周波入力信号レベルとする。

もし,受信機が平衡入力回路をもっているときは,上述の特性の各々について二つの値を測定すること

ができる。その一つは中間周波数信号を不平衡モードで加えたとき,その他は中間周波数信号を平衡モー

ドで加えたときである。前者は受信機がその他の受信機とは共用していないアンテナに直接接続されてい

るとき実際上より重要である。

1

信号のイメージ除去比は,可聴周波出力電圧又は電力が等しくなるときのイメージ周波数での入力信

号レベルと,動作周波数での入力信号レベルとの比で,デシベルで表す。同調周波数での入力信号レベル

は受信機の雑音制限感度(3.4.3 参照)とし,可聴周波出力は信号対雑音比が低いときは選択的に測定する。

2

信号のイメージ除去比は 26dB の信号対妨害比を発生するときのイメージ周波数での入力信号レベル

と同調周波数での入力信号レベルとの比である。すなわち,1kHz のビート音で動作周波数の信号による可

聴周波出力よりも 26dB 低い妨害である。動作周波数での入力信号レベルは雑音制限感度に等しくする

3.4.3 参照)

スプリアスレスポンス周波数は,これを f

s

とすると発振器周波数 f

0

及び中間周波数 f

i

との間には,次の

式で示すような関係がある。

n

f

f

f

1

0

3

±

=

 (1)

ここに,  は 1 より大きい整数である。

備考  通常,2 よりも大きい値に対するレスポンスは問題にならない。

f

s

f

0

 (2)

備考  このレスポンスは 2 信号法だけでしか測定できない(10.4 参照)。

f

s

nf

0

±f

i

 (3)

ここに,  は零か 1 より大きい整数である。


13

C 6102-2 : 1998

10.2  1

信号測定法

a)

測定は 5.2 の方法に従うが,その段階 a)の完了後,入力信号レベルを雑音制限感度まで減少させて可

聴周波出力レベルを記録する点が異なる。

b)

段階 b)では入力信号周波数を所要の中間周波,

イメージ,

又はスプリアスレスポンス周波数に設定し,

最大の可聴周波出力レベルが得られるようわずかに調節する。

c)

次に入力レベルを上記 a)で記録した値と同じ可聴周波出力レベルが得られるように調節し,このレベ

ルと希望信号の入力レベルとの差を結果として記録する。

d)

測定は,その他の希望信号レベル及びその他の動作周波数で繰り返してもよい。

10.3

結果の表示  結果は表にするか,希望信号のレベル又は周波数を関数とした不要信号レベルと希望

信号レベルとのデシベル差の図で表示する。1 信号測定であることは明示する。例を

図 7,図 及び図 9

に示す。

10.4  2

信号測定法

a)

測定は 6.2 の方法に従うが,その段階 c)の完了後,希望信号の入力レベルを雑音制限感度まで減少さ

せる点が異なる。

b)

標準の基準周波数(通常 1kHz)を通過させる帯域フィルタ(1/3 オクターブフィルタのような)を可

聴周波擬似負荷と出力計との間に接続する。フィルタの挿入損失があればこれを考慮して可聴周波出

力レベルを記録する。

c)

両方の信号を無変調とし,第 2 の信号源の周波数を所要の中間周波,イメージ,又はスプリアスレス

ポンス周波数に調節する。次にそのレベルを増加させ,その周波数を最大の可聴周波出力レベルが得

られるようわずかに変化させる。次に第 2 の信号源による入力レベルを可聴周波出力レベルが段階 b)

で得られたレベルよりも 26dB 低いレベルになるように調節し,第 2 の信号源による入力レベルと希

望信号の入力レベルとの差を記録する。

d)

測定は,その他の希望信号レベル及びその他の動作周波数で繰り返してもよい。

10.5

結果の表示  結果は上記 10.3 と同じように提示する。2 信号測定であることは明示する。例を図 10

に示す。

11.

総合可聴周波数レスポンス

11.1

はじめに  総合可聴周波数レスポンスは,ある周波数で変調したときの可聴周波出力レベル及び標

準の基準周波数で変調したときの可聴周波出力レベルとのデシベル差の変調周波数による変動である

11.2

測定方法

a)

受信機を標準試験条件で動作させ基準可聴周波出力電圧を記録する。次に変調周波数を変化させて各

周波数での出力電圧を記録し,基準電圧との相対デシベルとして表す。

変調率は受信機がプリエンファシスをもつ送信の受信用に設計されたものでない限り 30%で一定に

保つ。プリエンファシスがある場合は,各周波数の変調の深さをプリエンファシス特性に従って調節

することが望ましい。ある周波数での過変調を防ぐため,その他の周波数では 30%よりも低い変調率

を使用する必要があるかもしれない。

b)

もし,受信機の可聴周波部で過負荷が起きるときは,音量調節器の減衰を増加させるか,変調率を下

げる。このときの変調率は,結果に示す。

c)

測定はその他の値の無線周波入力信号レベルと周波数で繰り返してもよい。


14

C 6102-2 : 1998

11.3

結果の表示  結果は変調周波数を対数的に横軸にとり出力レベルをデシベルで縦軸にとった図で表

示する。

例を

図 11 に示す。

プリエンファシスを使用した放送を受信するように設計された受信機の場合には,受信機のディエンフ

ァシス特性を同じ図上に第 2 の図の縦軸で示す。

12.

通過帯域と減衰傾斜(4.16 及び 4.17 参照)

12.1

はじめに  これらの特性を測定する最も簡単な方法には,低い周波数及び低い変調率で変調された

無線周波入力信号を使用する。変調周波数及び変調率には特に低い無線周波入力信号レベルで適切な信号

対雑音比を維持する必要性から限度を設定する。これは出力に可聴周波帯域フィルタを使用すればより容

易に行える。

12.2

変調周波数と変調率  変調周波数は,低周波(可聴周波)レスポンスが限定された小形の携帯用受

信機のためには,通常 125Hz で十分である。高音質の受信機のためには,22.4Hz のような,低い周波数で,

しかも電源周波数及びその高調波からの妨害の可能性を避けることができる周波数を使用すると,精度が

増し減衰傾斜の影響による変調のひずみを減らすことができる。

変調の深さは,通常 10%で十分である。変調のひずみとなる減衰傾斜の影響はこの深さでは更に減らす

ことができるからである。

12.3

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させ,次に変調周波数を適切な低い周波数(12.2 参照)に変調率は 10%

に変更する。

b)

可聴周波帯域フィルタ(1/3 オクターブフィルタのような)を可聴周波擬似負荷と可聴周波電圧計と

の間に挿入し,フィルタがある場合には,その損失を考慮して可聴周波出力レベルを記録する(

備考

2.

参照)

c)

信号(搬送波)周波数を動作周波数から各方向に規定の間隔ずつ変え,各間隔で可聴周波出力レベル

を記録する。このレベルと段階 b)で得られたレベルとの差を結果として記録する。もし,可能であれ

ば,レベル差が 6dB となる信号周波数を決定する。

d)

測定は,その他の無線周波入力レベルと周波数で繰り返してもよい。

備考1.  A. G. C. の動作が始まるレベル以下の無線周波入力信号レベルで測定を繰り返すことは特に

有用である。

2.

フィルタ入力にオシロスコープを接続して変調の波形,雑音の影響又は妨害の可能性を観察

することは有用である。

12.4

結果の表示  結果は周波数差を関数としレベル差を dB で表した等分目盛で表した図で表示する。こ

の図から通過帯域と減衰傾斜が決定でき,表にもできる。

13.

選択度調節  選択度調節器の作用は,その調節のいろいろな位置でこの節で示した適切な測定を行う

ことで決定できる。通常,通過帯域の測定が最も適している。

14.

妨害排除能力  この課題については,CISPR 20 による。

第 4 章  内部信号源による妨害

15.1

信号ビート音


15

C 6102-2 : 1998

15.1

はじめに  不要信号は,受信機の中の幾つかの過程で発生することがある。そのような信号は中間

周波数や内部発振器の高調波を含んでおり,これらの周波数並びに希望信号及び不要信号に対する受信機

の非直線性の作用で発生する周波数も含んでいる。ディジタル技術を使用した受信機では,クロック周波

数 f

c

だけでなく f

c

の低調波及びその発振器の周波数の低調波が発生することがある。

これら不要信号の相対的な重要性は,受信機の設計と利用に依存している。これには受信機を使用する

実際の場所で受信できる特定周波数の電波も含んでいる。しかし,一般的にこれらの不要信号のうちの次

に示す幾つかが重要である。

a)

中間周波数の高調波と低調波:mf

i

/

n

,ここで,と は正の整数,f

i

は中間周波数である。これらは

f

d

pf

i

のとき可聴周波のビート音(ホイッスル)を発生する。ここで,f

d

は動作周波数であり,は,

例えば,次の値となる:1/3,2/3,4/3,5/3,2,3,4,5。普通に設計された中波受信機では,これら

のうち p=2 と p=3 が重要である。

b)

内部クロック又は発振器周波数の高調波と低調波:mf

c

/

n

,ここで,と は正の整数,f

c

はクロック

周波数である。これらの信号は次の条件で可聴周波ビート音を発生する。

c

d

f

n

m

f

=

c)

局部発振周波数の高調波と内部クロック又は発振器周波数の高調波や低調波との相互変調積:|mf

c

/

n

l (f

d

f

i

) |

,ここで,mnは正の整数である。これらの信号は次の条件で可聴周波ビート音(ホイッス

ル)を発生する。

1

1

f

l

l

f

l

n

m

f

c

d

±

=

ビート音を発生する lmのすべての組合せを受信機が設計されたどの周波数帯でも検査する。

規定の無線周波入力信号レベルに対するビート音の強さは,無変調信号(入力信号周波数はビート音の

周波数が標準の基準周波数と等しくなるように調節する。

で生じたビート音による可聴周波出力レベルと,

標準の基準信号で 100%変調された同じ周波数の信号で発生する可聴周波出力レベル(これは 30%変調さ

れた信号による出力よりも 10.5dB 大きい。

)との差で表される。この強さはビート音と同じ出力レベルを

生じる変調率で表してもよい。

備考  ビート音の強さを 100%変調信号による出力と関連づけることによって,レベル差の値はパー

セント変調率で表した値に直接関連づけることができる。

15.2

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させる。信号入力なしで,可聴周波出力を聴取しながら受信機の同調を

同調範囲内でゆっくり動かし,可聴ホイッスルが発生する周波数を記録する。中間周波数の高調波及

びクロック周波数(同調用周波数シンセサイザなどの)のうち同調範囲内に落ちるものに近い周波数

については特に注意する。

b)

雑音制限感度に相当するレベルの無変調無線信号を入力し,可聴周波出力を聴取しながら受信機の同

調を同調範囲内でゆっくり動かす。もし,可聴周波ホイッスルが認められたときには,入力信号周波

数を零ビートになるように(すなわち,できるだけ低い可聴周波数になるように)調節して,その入

力周波数を記録する。

c)

これらの周波数のそれぞれについて,無変調のまま,信号周波数をビート音の周波数が標準基準周波

数に等しくなるようにわずかに調節する。複数のビート音が存在するときには最も強いものを選ぶ。

可聴周波出力レベルが低いとき,音量調節器を備えていればこれを調節することが望ましい。必要が


16

C 6102-2 : 1998

あれば可聴周波帯域フィルタを使用してもよい。そして可聴周波出力レベルを記録する。

d)

入力信号周波数を近傍でビートがない周波数に変え,受信機をこの周波数に同調させる。次に標準基

準周波数で 30%の変調を加えて,そのときの可聴周波出力レベルを記録する。

e)

標準基準周波数の出力レベルと c)で得られた出力レベルとの差を結果として記録する。結果は差の代

わりに次の式で示す変調率で表してもよい。

m

=antilog [(L

5

L

4

−10.5) /20]  ×100%

ここに,L

4

は d)で得られた可聴周波出力レベル,L

5

は c)で得られた可聴周波出力レベルである。

f)

測定は a)と b)で記録したその他の周波数でも繰り返す。

15.3

結果の表示  結果は表又はレベル差若しくは変調率を縦軸にとり,周波数を横軸にとったスペクト

ル図で表示する。

測定は与えられた周波数の信号のその他の入力レベルで繰り返してもよく,結果はレベル差又は変調率

を縦軸にとり,入力信号レベルを横軸にとった図で表示する。例を

図 12 に示す。

16.

音響的効果  スピーカと受信機の無線周波部の部品との間で音響的帰還が起きることがある。この効

果の測定には第 1 部の 16.で示されている方法を使用する。ただし,動作周波数の無変調無線周波入力信号

を追加し,この信号のレベルと周波数の適切な値,特により大きな効果を生じやすい高いレベルで測定を

繰り返す。

それぞれの結果を得た条件は,結果に明記する。

備考  無線周波信号源への音響的帰還を避けるよう注意する必要がある。

17.

不要発振  受信機を不要な自己発振が起こりやすいいろいろな条件で動作させる。これには同調,音

量調節,音質調節の極端な設定,信号の有無,アンテナの有無(アンテナが受信機の一部,又は使用者が

取り外せないときを除く。

,信号の接地の有無(安全のための接地は外さない。

)及び外部装置の接続の有

無がある。ホイッスル,雑音又はひずみなどの異常な出力は発振を示していることがあるので,さらに調

査する。

18.

電源周波数及びその高調波での妨害(ハム)

18.1

はじめに  全般的な概論と規定する特性のリストについては IEC 60268-3 の 24.ハムによる。

受信機の無線周波段,特に混合段は,主電源その他の電源からの低(可聴)周波電圧(電界又は磁界に

よる場合もある)による信号への振幅若しくは周波数変調で,ハムが発生しやすい。特に自動周波数制御

回路は,局部発振器の周波数変調によるハムの原因となる。

測定は定格供給電圧と適切な過電圧及び減電圧で行う(第 1 部 13.4 及び

表 II 参照)。

18.2

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させ,変調周波数を 80Hz に変えて信号とハムを比較する際に可聴周波

段の周波数レスポンスの影響を受けないようにする。

b)

次に変調を除き,ハム出力を波形分析器で分離したスペクトル成分として測定するか,又は真実効値

計で全ハム出力を測定する。

c)

測定は適切な過電圧及び減電圧で繰り返す(第 1 部の 13.4 及び

表 11 参照)。

d)

測定は,その他の入力信号レベルで,また,自動周波数制御を動作させて繰り返してもよい。

備考  入力信号は,ハム変調が十分に少ないように注意する。これは,例えば,信号源と受信機のど


17

C 6102-2 : 1998

ちらか,又は両方を電池で動作させて調べることができる。

18.3

結果の表示  結果は表にするか,スペクトル図で表示する。

第 5 章  ひずみ

19.

はじめに  受信機の可聴周波出力に存在するひずみは幾つかの異なる方法で表すことができる(IEC 

60268-2

及び IEC 60268-3 参照)

。通常,受信機の可聴周波部のひずみ特性を可聴周波入力信号で詳細に測

定し,総合特性は高調波ひずみ特性に限定しても十分である。復調器のひずみ(受信機の可聴周波部のひ

ずみよりも高い。

)の有効な検査には高い変調周波数及び変調率を使用する必要があるが,受信機の設計が

対応している送信の最高変調周波数を超えることはできない。ひずみは A. G. C.  の作用でも起きることが

あるので,低い変調周波数での測定も重要である。信号源の変調器のひずみは結果に影響がない程度に低

いように注意する。各変調器のひずみ成分と受信機によるひずみ成分との差が 10dB あれば十分である。

20.

総合高調波ひずみ,ひずみ制限可聴周波出力及びひずみ制限入力レベル

20.1

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させ,可聴周波出力の高調波成分を IEC 60268-3 の 3.に示されている方

法で測定する。

b)

測定は,次の条件で繰り返すことができる。

1)

音量調節器を備えている場合には,定格全高調波ひずみが発生するように調節して,ひずみ制限可

聴周波出力レベル,電圧及び電力又はそのどれかを記録する。音量調節器がないときは,変調の深

さを定格全高調波ひずみが発生するまで増加する。

2)

音量調節器を備えている場合には標準測定条件に対応する位置におき,変調率が 80%の入力信号で

80%

変調での全高調波ひずみを測定する。

3)

音量調節器を備えている場合には標準測定条件に対応する位置におき,変調率が 30%又はその他の

明示値の入力信号で,そのレベルを定格全高調波ひずみが発生するまで増加する。このレベルが規

定値の変調率と定格全高調波ひずみでのひずみ制限入力レベルである。

4)

その他の規定変調率及び変調周波数又は無線周波入力信号レベルで。

備考  高調波測定は,変調周波数の主な高調波が受信機の復調器を含む可聴周波部の帯域内に存在す

るときだけに有効である。これが成立する最高周波数は,高いレベルの無線周波入力信号で測

定した総合周波数レスポンス及び低い変調周波数で測定した主な高調波の最高次数からほぼ導

き出せる。

低いレベルの無線周波入力信号では,受信機の雑音出力が変調周波数による高調波の出力と同等か,そ

れより大きくなる。もし,ひずみをひずみ率計で測定すると結果には雑音の影響を含む。これは SINAD(信

号対雑音及びひずみ)測定と名付けられており,信号対雑音比の代わりに指定できる。ひずみの単独測定

には波形分析器又はスペクトル分析器が使用でき,可聴周波出力信号の全高調波ひずみは個別高調波の振

幅の実効値和で与えられる。

20.2

結果の表示  結果は表にするか,又は上記 4)の場合には図で表示する(図 参照)。例を図 15 に示

す。

21.

同調の不正確さによるひずみ

21.1

測定方法


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C 6102-2 : 1998

a)

上記の 20.1 に示した方法を使用する。測定は,受信機の動作周波数に近く通過帯域の限界内の幾つか

の入力信号周波数で行う(4.16 参照)

b)

結果は入力信号周波数と動作周波数との差を関数として表したひずみの図で表示する。例を

図 15 に示

す。

第 6 章  その他

22.

同調及び自動周波数制御特性

22.1

はじめに  受信機の同調特性は,信号周波数を動作周波数の各側に変化させたときの可聴周波出力

電圧と信号周波数との間の関係を示す。

同調特性は,自動周波数制御の働きで修正される。自動周波数制御を動作させて測定した特性は引き込

み,及び保持範囲を示す。

22.2

測定方法

a)

受信機を標準測定条件で動作させる。

b)

入力信号周波数を元の周波数の各側で段階的に変化させ,各段階での可聴周波出力レベルを測定し,

結果として記録する。

c)

測定は,その他の入力信号レベルで繰り返してもよい。

d)

自動周波数制御を備えているときは,それを動作させて測定を繰り返す。入力信号周波数は最初,元

の周波数から可聴周波出力の突然な低下が起きるまで段階的に遠ざけ,次に元の周波数の方へ近づけ,

そして元の周波数を超えて再び出力の突然な低下が起きるまで段階的に遠ざける。それから入力信号

を再び元の周波数の方へ戻す。これらの測定から自動周波数制御の“保持”及び“引き込み”範囲を

決定できる。

e)

別法として,可聴周波出力レベルを監視する代わりに,周波数カウンタで各入力周波数での局部発振

器の周波数を測定してもよい。

備考  自動周波数制御は,引込み範囲が広いと満足に動作しないことがある。近くに強い信号がある

とき弱い信号では離調するからである。これに対し,非常に広い保持範囲と狭い引込み範囲を

もつ自動周波数制御は強い信号でも影響を受けにくい。このように非常に多様な効果が起きる

ので,測定方法を標準化することは困難であるが,8.  に基づく方法が適していることが多い。

不要な搬送波を加えたときの可聴周波出力の変化を A. F. C.  が非動作のときのブロッキングに

よる出力と比べて A. F. C.  が動作しているときの方が変化が大きいときは,それが A. F. C.  動

作に対する不要搬送波妨害の尺度となる。

22.3

結果の表示  結果は,可聴周波出力レベルをデシベルで等分目盛で縦軸にとり,入力信号周波数と

動作周波数との差(離調)を等分目盛で横軸にとった図か,又は局部発振周波数を等分目盛で縦軸にとり,

周波数差を等分目盛で横軸にとった図で表す。例を

図 16 に示す。


19

C

 6102-

2 : 1

998

図 1  AM 放送受信機の入力対出力,入力対雑音出力及び選択的に測定した入力対全高調波ひずみ率特性


20

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図 2  模擬妨害を使用した 信号選択度の測定装置の系統図(7.参照)


21

C 6102-2 : 1998

図 3  妨害を模擬する評価用雑音(カラードノイズ)を発生するフィルタ回路並びに周波数及び 

スペクトルのレスポンス(7.参照)


22

C 6102-2 : 1998

図 4  信号選択度(5.参照)


23

C 6102-2 : 1998

図 5  信号選択度(6.参照)


24

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図 6  ブロッキング(8.参照)


25

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図 7  信号中間周波除去比(10.参照)

図 8  信号イメージ除去比(10.参照)


26

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図 9  信号スプリアスレスポンス(10.参照)


27

C 6102-2 : 1998

図 10  信号スプリアスレスポンス(10.参照)

図 11  総合可聴周波レスポンス(11.参照)


28

C 6102-2 : 1998

図 12  入力信号レベル対 信号ビート音レベル(15.参照)

図 13  変調周波数対全高調波ひずみ(20.参照)


29

C 6102-2 : 1998

図 14  変調率対全高調波ひずみ(20.参照)

図 15  離調周波数対全高調波ひずみ(21.参照)


30

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図 16  離調周波数対可聴周波出力(22.参照)


31

C 6102-2 : 1998

受信機器関係 JIS 原案作成委員会

氏名

所属

(委員長)

高  木  幹  雄

東京理科大学基礎工学部

(副委員長)

河  口  範  夫

松下電器産業株式会社 AVC 社テレビ事業部技術部

(幹事)

島      寿  一

三菱電機株式会社 AV 総括事業部テレビ統括部技術部

(幹事)

竹  内      修

亜細亜画像研究所

(委員)

古  澤      健

日本放送協会営業総局受信技術センター

井  口  政  昭

郵政省通信総合研究所総合研究部

加  藤      昇

社団法人映像情報メディア学会

井  上  英  彦

社団法人電波産業会

伊  東  孝  司

日本テレビ放送網株式会社技術局技術部

東  條  喜  義

社団法人日本電子工業振興協会

伊  藤  文  一

財団法人日本消費者協会

鎌  田      環

国民生活センター

堀  越  保  博

財団法人日本品質保証機構

宮  崎  幸  夫

財団法人電波技術協会

平  野  淳  一

ソニー株式会社ディスプレイカンパニー品質保証部

山  口  浩  保

株式会社東芝マルチメディア技術研究所

正  田  和  夫

株式会社東芝深谷工場

相  良  正  治

日本アンテナ株式会社電子機器技術部

本  多  秀  雄

日本ビクター株式会社渉外部

山  下  正  行

シャープ株式会社東京支社

貴  田  富  雄

松下電器産業株式会社技術品質本部

伊  藤      章

通商産業省機械情報産業局

今  川  拓  郎

郵政省放送行政局

橋  爪  邦  隆

通商産業省工業技術院標準部

畠  山      孝

通商産業省工業技術院標準部

(事務局)

小  嶋  正  男

社団法人日本電子機械工業会

受信機器標準化委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)(96 年
度)

竹  内      修

ソニー株式会社技術渉外部

(委員長)(97 年
度)

河  口  範  夫

松下電器産業株式会社 AVC 社テレビ事業部技術部

ラジオ関係 IEC−JIS 整合化 WG 委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

竹  内      修

亜細亜画像研究所

(副主査)

伊  吹  多喜矩

アイワ株式会社 AV 技術本部システムオーディオ部

(委員)

古  澤      健

日本放送協会営業総局受信技術センター

沼  口  安  隆 IEC/SC100A 幹事国会議委員

山  影  陽  一

株式会社ケンウッドホームオーディオ事業部

小  川  元  章

三洋電機株式会社

神  林  宏  次

ソニー株式会社技術渉外部

飯  田  広  志

ソニー株式会社 PAV GA 部門 GA5 部

田  中  良  明

日本ビクター株式会社オーディオ事業部商品技術部

羽  鳥  友  康

パイオニア株式会社川越工場

井  上      修

松下電器産業株式会社オーディオ事業部技術部

畠  山      孝

通商産業省工業技術院標準部


32

C 6102-2 : 1998

氏名

所属

(事務局)

鈴  木  仁  志

社団法人日本電子機械工業会