C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気学会 (IEEJ)/財団法人日本規
格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61000-4-17 : 1999,Electromagnetic
compatibility (EMC)
−Part 4 : Testing and measurement techniques−Section 17 : Ripple on d.c. input power port
immunity test
を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS C 61000-4-17
には,次に示す附属書がある。
附属書 A(参考)現象に関する説明
JIS C 61000-4
群は 前付き部−主題部 を 電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術 とした次の各節
によって構成する。
JIS C 61000-4-2
静電気放電イミュニティ試験
JIS C 61000-4-3
放射無線周波電磁界イミュニティ試験
JIS C 61000-4-4
電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
JIS C 61000-4-5
サージイミュニティ試験
JIS C 61000-4-6
無線周波電磁界によって誘導された伝導妨害に対するイミュニティ
JIS C 61000-4-7
電力供給システム及びこれに接続する機器のための高調波及び次数間高調波測定方法
及び計装に関する指針
JIS C 61000-4-8
電源周波数磁界イミュニティ試験
JIS C 61000-4-11
電圧ディップ,短時間停電及び電圧変化に対するイミュニティ試験
JIS C 61000-4-14
電圧変動イミュニティ試験
JIS C 61000-4-17
直流入力電源端子におけるリプルに対するイミュニティ試験
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
(2)
目 次
ページ
序文
1
1.
適用範囲
1
2.
引用規格
2
3.
一般事項
2
4.
定義
2
4.1
リプル
2
4.2
EUT:供試機器
3
5.
試験レベル及び波形
3
6.
試験電圧発生器
4
6.1
試験電圧発生器の特性及び性能
4
6.2
試験電圧発生器の特性確認
5
7.
試験配置
5
8.
試験手順
5
8.1
試験室の基準条件
5
8.2
試験の実施
6
9.
試験結果及び試験報告書
6
附属書 A(参考)現象に関する説明
8
日本工業規格
JIS
C
61000-4-17
:2004
(IEC 61000-4-17
:1999
)
電磁両立性−
第 4 部:試験及び測定技術−
第 17 節:直流入力電源端子における
リプルに対するイミュニティ試験
Electromagnetic compatibility (EMC)
Part 4 : Testing and measurement techniques
Section 17 : Ripple on d.c. input power port immunity test
序文 この規格は,1999 年に第 1 版として発行された IEC 61000-4-17 : 1999,Electromagnetic compatibility
(EMC)
−Part 4 : Testing and measurement techniques−Section 17 : Ripple on d.c. input power port immunity test
を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
1.
適用範囲 この規格は,電気機器及び電子機器の直流入力電圧に含まれるリプルに対するイミュニテ
ィ試験方法について規定する。
この規格は,外部の整流装置又は充電中の蓄電池から給電される低圧直流電源端子に適用する。
この規格は,整流装置及び/又は蓄電池の充電器によって発生するリプル電圧を受ける電気・電子機器
を試験するため,試験室における共通の再現性がある試験方法の基準を確立することを目的としている。
この規格では,次の内容を規定している。
−試験電圧波形
−試験レベルの範囲
−試験電圧発生器
−試験回路
−試験手順
次に規定する試験は,電気機器及び電子機器並びにシステムの両方に適用する。また,供試機器(EUT)
の定格電力が 6.による試験電圧発生器の容量を超過する場合には,それらを構成しているモジュール又は
サブシステムにも適用する。
この規格に定める試験は,スイッチモード変換方式の充電装置(バッテリチャージャシステム)に接続
する機器には適用しない。
この規格は,特定の機器又はシステムに適用する試験を規定するものではない。主たる目的は,製品委
員会に一般的な基準を提供することである。製品委員会(又は機器使用者若しくは機器製造業者)は,自
らの製品に適した試験項目及び試験レベルを自らの責任で選択しなければならない。
2
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
ここに規定する試験手順は,特定の電気機器及び電子機器の分野(例えば,通信センタの直流電力網に
接続される機器)で現在,国際的に適用されている。関連する製品委員会は,この基本規格に規定する試
験手順との関連性及び試験手順の適用可能性を評価することが望ましい。
備考1. この規格は,電気機器及び電子機器の直流入力電圧に含まれるリプルに対するイミュニティ
試験方法を規定する規格であるが,製品委員会が自らの製品に適した試験項目及び試験レベ
ルを自らの責任で選択するための基本的で一般的な基準を提供することを目的としている。
2.
この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)
,MOD
(修正している)
,NEQ(同等でない)とする。
IEC 61000-4-17 : 1999
,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4 : Testing and measurement
techniques
−Section 17 : Ripple on d.c. input power port immunity test (IDT)
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS C 60068-1
環境試験方法−電気・電子−通則
備考 IEC
60068-1
: 1988, Environmental testing
−Part1:General and guidance が,この規格と一致して
いる。
JIS C 60050-161
EMC に関する IEV 用語
備考 IEC 60050-161 : 1990, International Electrotechnical Vocabulary (IEV) − Chapter 161
Electromagneteic compatibility
が,この規格と一致している。
JIS C 61000-4-11
電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 11 節:電圧ディップ,短時間停電及
び電圧変化に対するイミュニティ試験
備考 IEC
61000-4-11:1994, Electromagnetic compatibility (EMC)
−Part 4-11 : Testing and measuring
techniques
−Voltage dips, short interruptions and voltage variations immunity tests からの引用事項
は,この規格の該当事項と同等である。
3.
一般事項 直流電源中に含まれるリプルは,産業プラント,家庭用及び商業目的で使用される機器並
びにシステムに対しても運転信頼度に影響を及ぼす可能性がある。
リプルは,脈動量から直流成分を除いた電圧によって表現される。
主たるリプル妨害の発生源は,機器の外部の直流電力網に使用されている整流装置及び充電器である。
したがって,リプルはこのような直流電源には連続して存在する現象であり,交流電力が復電した後に
蓄電池を再充電する場合に顕著となることがある。
リプルは脈動電流を入力する装置によっても生じる可能性があるが,その場合はこの規格の適用範囲外
である。
4.
定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 60050-161 によるほか,次による。
4.1
リプル(ripple content , alternating component) 脈動量から直流成分を除くことによって得られる変
動量(
図 1 参照)。
3
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
(JIS C 60050-161 の 161-02-25)
a)
単相整流器
b)
三相整流器
図 1 リプルを含んだ電圧波形の例
4.2
EUT (equipment undre test)
供試機器 あ
5.
試験レベル及び波形 装置の直流電源入力端子に適用する試験レベルを,表 1 に示す。
リプル
電 圧
時 間
リプル
電 圧
時 間
4
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
表 1 試験レベル
クラス
公称直流電圧に対する
百分率
1
2
3
4
x
2
5
10
15
x
備考 クラス x は,製品規格において設定できる。試験継続
時間は,8.2 参照。
試験レベルは,公称直流電圧 U
d.c
に対する百分率で表したリプル電圧のピーク値間電圧とする。
リプル電圧の大きさは,
図 1 の(U
max
-U
min
)によって表す。
リプルの周波数は,電源周波数又はその 2 倍,3 倍,若しくは 6 倍とし,製品委員会で明記するか,供
試機器の製品仕様書によるか,又は整流装置の特性による(
附属書 A の A.2 参照)。
このリプル電圧波形は,試験電圧発生器の出力端において正弦波−直線特性とする。
正弦波−直線特性は,正弦波形の部分と,整流波形の減少側に接し次の正弦半波波形の立上りに交差す
る直線の部分とで表現できる。正弦波形のピーク値と次の正弦半波波形の交点との間の電圧差が,リプル
電圧である(
図 1 参照)。減少している電圧は,定電流負荷の下では直線波形と仮定できる。定抵抗負荷又
は定電力負荷の場合における電圧との差は非常に小さく,試験の目的には十分であると考えられる。
供試機器のインピーダンスによって生じる定義波形からの偏差は,試験中は許容できる。
なお,原波形からの偏差が,試験電圧発生器の能力の限界によって引き起こされたものではないことを
評価するための留意が必要である。さらに,ピーク値間電圧及びリプルの周波数は,試験の過酷度を維持
するため,調整によって保持しなければならない。
単相ブリッジ及び三相ブリッジ整流器の代表的な波形を
図 1 に示す。(U
max
-U
min
)の公称直流電圧に対す
る百分率が,選択された試験レベルに相当する。
備考 現象及び試験レベルの選定に関する情報を,附属書 A の A.1 及び A.2 に記述する。
6.
試験電圧発生器 あ
6.1
試験電圧発生器の特性及び性能 試験電圧発生器は,次の仕様で連続動作可能でなければならない。
− 出力電圧範囲
360
V
まで
− 負荷時の出力電圧変化
5
%
未満
(0 から定格電流間)
− 出力電圧波形
直流電圧に電源周波数又はその整数倍周波数の正弦波−
直線特性のリプルを重畳する
− 出力電圧の許容誤差
±10 %
− 出力電流(定常状態)
25
A
まで
− ピーク出力電流の能力
定常状態電流の+2.5 倍/−0.5 倍
(最大許容継続時間 5 ms)
− リプル周波数の許容誤差
±1 %
備考 出力電圧値 360 V は,300 V 直流供給電圧にクラス 4 の試験レベルに相当する 15 %のリプルを
重畳した試験条件を満足する値である。
5
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
他の仕様(波形,負荷時の変化,ピーク出力電流/定常状態電流比率など)を設けるのであれば,電圧
又は電流の能力が上記より高い,又は低い電圧発生器を使用してもよい。試験電圧発生器の出力電力及び
出力電流の能力は,少なくとも供試機器の電力及び定格電流よりも 20 %大きくなければならない。
電圧発生器は,正の電圧出力時に正のピーク電流を出力できるとともに,負のピーク電流も流せなくて
はならない。
電圧発生器の例を,
附属書 A の A.3 に示す。
整流装置による電圧発生器の概略結線図を,
附属書 A の図 A.1 に示す。また,コントローラを用いたプ
ログラマブル電源による電圧発生器の概略結線図を,
附属書 A の図 A.2 に示す。
6.2
試験電圧発生器の特性確認 試験結果を比較するために,電圧発生器の次の特性を確認しなければ
ならない。
− 最大出力電圧において出力に 60 Ωの抵抗負荷を接続したとき,リプル信号の正弦波−直線特性を
維持しなければならない。
− 出力に電流が最大(25 A)となる抵抗負荷を接続(例えば,出力電圧 60 V において 2.4 Ω)したと
きに,リプル信号の正弦波−直線特性を維持しなければならない。
− リプル周波数
− 発生器出力を 0 V から 60 V に切り換えて,少なくとも 1 700
µF の無充電コンデンサを充電する場
合に,ピーク出力電流は 6.1 の要件を満たさなければならない(IEC 61000-4-11 参照)
。
電圧又は電流の能力が 6.1 の仕様を下回る発生器は,定格電圧及び定格電流を反映した負荷条件で確認
しなければならない。
測定器(例えば,低周波オシロスコープ,直流電圧計及び交流ピーク値間電圧計の併用)の測定の不確
かさは,2 %以下でなければならない。
7.
試験配置 試験は,供試機器を製造業者によって定められた最短の電源ケーブルで試験電圧発生器に
接続して行われなければならない。
ケーブルの長さが定められていない場合には,供試機器を実用的に接続できる最短の長さにする。
8.
試験手順 試験手順には,次のことを含まなければならない。
− 試験室の基準条件の確認
− 機器の正常動作の事前確認
− 試験の実施
− 試験結果の評価
8.1
試験室の基準条件 試験結果に対する環境要因の影響を極力少なくするために,試験は 8.1.1 及び
8.1.2
に基準として定められた気候条件及び電磁的条件で行う。
8.1.1
気候条件 試験は,JIS C 60068-1 に従って標準気候条件下で行う。
− 周囲温度:15 ℃〜35 ℃
− 相対湿度:25 %〜75 %
− 気圧:86 kPa〜106 kPa
備考 他の値を,製品規格で規定してもよい。
供試機器は,それが意図している気候条件内で動作させる。
6
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
8.1.2
電磁的条件 試験室の電磁的条件は,供試機器の正常動作を保証し,試験結果に影響を与えないも
のでなければならない。
8.2
試験の実施 供試機器は,その正常動作条件に設定する。試験は,次の内容を規定した試験計画に
従って実施する。
− 試験レベル
− 試験の継続時間
− 供試機器の代表的な動作条件
− 補助機器
電源,信号,その他の機能的な電気量を,それらの定格範囲内で適用する。
なお,信号,その他の機能的な電気量は,他の等価なもので適用してもよい。
試験電圧を印加する前に,試験配置完了後,供試機器の事前動作確認を行うことを推奨する。
選択したクラスに対応した試験電圧を,供試機器の直流入力端子に印加する。直流電圧及びリプル(ピ
ーク値間)の値は供試機器の端子で測定し,選択したクラスの試験レベルを維持するために調整しなけれ
ばならない。
測定器の測定の不確かさは,2 % 以下でなければならない。
リプルが重畳した直流電圧波形の平均値 U
d.c.
を,供試機器の定格電圧値に等しくする(
図 1 参照)。
続いて,供試機器の定格電圧範囲の下限値に等しい U
d.c.
で試験を繰り返す。
追加的な試験電圧(例えば,供試機器の定格電圧範囲の上限値)は,製品委員会で決めてもよい。
備考 電圧範囲の下限値における試験は,一般的に最も厳しい条件をカバーしている。
試験電圧は,供試機器の動作性能の完全な確認ができるように,最低 10 分間又は必要な期間,
印加し続ける。
リプル電圧の波形を記録し,試験報告書に記載する。
9.
試験結果及び試験報告書 この項では,この規格に関連した試験結果の評価及び試験報告書の指針を
示す。
供試機器及び供試システムが多種多様なため,供試機器及び供試システムに与えるこの試験の影響を確
定することが困難になっている。
この試験結果は,製品委員会又は製品規格で別の仕様を規定していない限り,供試機器の動作条件及び
機能仕様に基づいて,次のように分類しなければならない。
a)
仕様範囲内における正常な性能
b)
自己復帰可能な,機能又は性能の,一時的な低下又は喪失
c)
操作者の介在又はシステムリセットを必要とする,機能又は性能の,一時的な低下又は喪失
d)
機器(部品)又はソフトウェアの損壊による復帰不可能な機能の低下又は喪失,若しくは回復不可能
なデータの喪失
機器は,この規格で規定された試験を適用した結果,供試機器が危険又は不安全な状態になってはなら
ない。
合否判定試験の場合,試験計画及び試験結果の判定を,個別製品規格に明記しなければならない。
一般的に,機器が試験の全適用期間を通してそのイミュニティを示し,また,試験終了時点で技術仕様
書に記述した機能的要件を満たす場合,試験は合格とする。
技術仕様書には,供試機器が受けた影響のうち,重要ではなく許容できると考えられる内容を記述して
7
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
もよい。
これらの各条件に対し,当該供試機器が試験の終了時点において機器自体で動作能力を回復できること
を確認しなければならない。したがって,当該供試機器が機能的能力を喪失した時間を記録しなければな
らない。これらの確認は,試験結果の最終的な評価につながるものである。
試験報告書には,試験条件及び試験結果を記載しなければならない。
8
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
附属書 A(参考)現象に関する説明
A.1
現象の説明 この妨害の主な源は,充電器の動作中に生じる直流給電システムの直流電圧に重畳する
交流電圧成分である。
充電器は種々の異なる整流方式を用いている。最も一般的なものは,単相ブリッジ,三相半波,三相ブ
リッジ,及び六相星形の各接続である。
設計レベルで検討される整流回路の特性は,
− 直流出力電圧の入力実効値電圧に対する比
− 整流ユニットの直流電流
− 直流電圧に重畳する交流成分(リプル)の振幅及び周波数
リプルの振幅は,整流ユニットの数に関係している。整流ユニットの数が多くなればリプル電圧は減少
し,リプル周波数は上昇する(
1
)
。
リプル電圧の典型的な波形は,線形負荷で容量性フィルタがある場合に,本体
図 1 に示すようなものと
なる。非線形負荷(例えば,直流変換装置)の場合には,異なる状況を示すであろう。
負荷が非線形負荷の場合,例えば,直流変換装置がリプルの大きな直流電源から供給を受けているので
あれば,負の電流,すなわち,負荷から電源へ向かって電流が流れる可能性がある。
注(
1
)
複数の整流ユニットを用いる場合,整流システムの多パルス化を前提として考えている。
A.2
試験レベルの選択 試験レベルの選択は,整流装置の特性及び/又は蓄電池のライフサイクル(通常の
寿命,消耗までの期間)において考えられる動作条件を考慮することが望ましい。
本体
表 1 に示した試験レベルは,周波数によらず一定としている。しかし,低い試験レベルは一般的に
整流ユニットの数が多く,したがって,高い周波数のリプルをもつ整流装置を意味している(
1
)
。
例えば,六相星形接続整流装置は,純抵抗負荷の場合に,14 %のリプル電圧を発生する。蓄電池を接続
したときには,リプルはもっと低くなる。
整流器の形式及び関連する動作条件が不明な場合,誤差に対する適切な余裕を見込んで試験レベルを選
択することが望ましい。
A.3
試験電圧発生器について リプル電圧を発生するには様々な方法がある。これらの例として,二つの
簡単な回路図を示す。
最も単純な回路は,
図 A.1 に示すように電圧調整変圧器,平滑コンデンサをもつ整流装置,及び放電抵
抗器を備えたものである。出力回路は,ピーク出力電流能力の確認時に用いるスイッチを備えている。
整流装置は,試験で求められるリプル周波数に合ったものを選ぶことが望ましい。
9
C 61000-4-17
:2004 (IEC 61000-4-17:1999)
図 A.1 整流装置を基にした試験電圧発生器の例
第二の例は,
図 A.2 に示すもので,コントローラをもつプログラマブル電源であり,正の電圧,並びに
正及び負の出力電流を発生するものである。
図 A.2 プログラマブルな電源を基にした試験電圧発生器の例
試験電圧発生器
電圧計/オシロスコープ
整流装置
絶縁変圧器
平滑コンデンサ
スイッチ
電圧調整変圧器
放電抵抗器
供試機器
試験電圧発生器
コントローラ
(必要な場合)
電圧計/オシロスコープ
プログラマブル電源
供試機器