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C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲及び目的 ············································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 一般事項························································································································· 2 

5 環境パラメータ及びその厳しさの分類 ·················································································· 3 

5.1 一般 ···························································································································· 3 

5.2 気象条件K ··················································································································· 3 

5.3 生物的条件B ················································································································· 5 

5.4 化学的活性物質C ·········································································································· 5 

5.5 機械的に影響を及ぼす物質S ···························································································· 6 

5.6 機械的条件M ················································································································ 7 

附属書A(参考)化学的活性物質 ··························································································· 10 

参考文献 ···························································································································· 11 

C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人

日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS C 

60721-3-2:2001は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 60721-3の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 60721-3-0 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 通則 

JIS C 60721-3-1 第3-1部:環境パラメータ及びその厳しさのグループ別分類−保管条件 

JIS C 60721-3-2 第3-2部:環境パラメータ及びその厳しさのグループ別分類−輸送条件及び取扱い 

JIS C 60721-3-3 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 屋内固定使用の条件 

JIS C 60721-3-4 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 屋外固定使用の条件 

JIS C 60721-3-5 第3-5部:環境パラメータとその厳しさのグループ別分類−車載機器の条件 

JIS C 60721-3-6 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類−第3-6部:船舶搭載機器の条件 

JIS C 60721-3-7 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 携帯及び移動使用の条件 

JIS C 60721-3-9 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 製品内部の環境条件 

  

日本産業規格          JIS 

C 60721-3-2:2020 

(IEC 60721-3-2:2018) 

環境条件の分類− 

第3-2部:環境パラメータ及びその厳しさの 

グループ別分類−輸送条件及び取扱い 

Classification of environmental conditions- 

Part 3-2: Classification of groups of environmental parameters  

and their severities-Transportation and handling 

序文 

この規格は,2018年に第3版として発行されたIEC 60721-3-2を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲及び目的 

この規格は,輸送及び取扱い中に電気製品・電子製品(以下,製品という。)がさらされる環境パラメー

タ並びにその厳しさの分類について規定する。 

最も一般的に使われる輸送及び取扱い手段として,次のものを考慮する。 

− 路上輸送:自動車,トラック 

− 鉄道輸送:列車,路面電車 

− 水運,内陸水運及び海運:船 

− 空輸:航空機,ジェット機,プロペラ機,ヘリコプター 

− 製品の移動:クレーン,運送リフト,空中ケーブル,人 

− コンベヤ搬送 

− 手押し車搬送 

この規格で定める環境条件は,輸送及び取扱い中にさらされる製品に適用する。製品が包装[こん(梱)

包]されている場合,環境条件は製品を含む包装物(こん包物)に適用する。製品がこん包されていない

場合,環境条件は製品に適用する。 

保管及び使用の条件は,JIS C 60721-3-1に規定されている。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60721-3-2:2018,Classification of environmental conditions−Part 3-2: Classification of groups of 

environmental parameters and their severities−Transportation and handling(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

  

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 60721-1 環境条件の分類−第1部:環境パラメータ及びその厳しさ 

注記 対応国際規格:IEC 60721-1,Classification of environmental conditions−Part 1: Environmental 

parameters and their severities 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60721-1によるほか,次による。 

3.1 

屋内(weather-protected) 

気象の影響を受けない環境。 

3.2 

屋外(non-weather-protected) 

気象の影響を受ける環境。 

一般事項 

製品は,その製品寿命の間に,様々な環境条件にさらされる。これらの環境条件は,JIS C 60721-3-0に

記載する厳しさ別に分類されている。また,これらの環境条件の分類は,製品に短期間に生じる最大の環

境ストレスとして取り扱われる。製品が長期間又は製品寿命の間にさらされる可能性がある環境ストレス

に関する情報は,この規格では規定していない。これは,この規格だけでは,製品の信頼性又は製品寿命

の評価はできないことを意味する。実環境下における更なる情報が必要な場合は,JIS C 60721-2規格群及

び適切な技術報告書(IEC TR 62131-2,IEC TR 62131-3,IEC TR 62131-4及びIEC TR 62131-5)を参照す

るとよい。 

製品は,幾つかの環境パラメータに同時にさらされることがある。日射及び温度,温度及び湿度,又は

振動及び温度変化が例として挙げられる。環境パラメータが組み合わされた場合,製品に及ぼすストレス

の影響が増大することがある。そのため,製品の設計及び評価を行う場合は,環境条件の組合せを検討す

るのがよい。 

製品は,異なる環境下でも運用に耐えるよう設計する必要がある。基本的に製品は,次の二つの環境の

影響を受ける。 

− 故障を直接引き起こす又は製品を破壊する可能性がある短期間の極端な環境条件の影響 

− 製品を緩やかに劣化させ,最終的に製品故障又は破壊を引き起こす長期間にわたる極端でない環境ス

トレスの影響 

短期間に受ける極端な環境条件は,製品寿命の間でいつでも起こる可能性がある。製品が新しい間は,

極端な環境条件でも影響を受けないこともあるが,製品が長期にわたり使用され,経年劣化した状態で同

じ環境条件を受けた場合は,故障する可能性もある。環境条件を与える順番は,評価の結果に影響を与え

る場合があるため,重要である。 

JIS C 60721-3規格群の適用分類を参照する場合,各分類に規定された環境条件にさらしたとき,製品に

動作可能な状態を求めるのか,又は恒久的な損傷がないように存続することを求めるのかが,製品仕様に

C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

とって重要である。 

環境分類は,故障結果と関連して,設計及び試験の厳しさの選択の基礎として用いる。JIS C 60721-3規

格群に含まれる情報は,使用,保管,輸送などの環境で予想される要求条件,及び関連規格の作成に役立

つ手段として使用する。試験に使用するために選択した厳しさは,実環境と同じ影響を生成することがで

きるかを試すことが望ましい。例1として高温試験の考え方の例,例2として機械的衝撃の考え方の例を

示す。 

例1 熱を吸収する製品に対する高温試験は,製品をその用途に応じて高い気温,日射,及びその他

の考えられる熱源の条件を製品に与え,熱的な効果をシミュレーションするよう設計されてい

る。 

例2 機械的衝撃試験において,製品は単純なパルス形状(例えば,正弦波半波)の衝撃波で試験す

るが,実環境はこのような単純なパルスではない。 

極限又は特別な環境条件が存在する可能性があり,この規格では規定していないが考慮する。 

環境パラメータ及びその厳しさの分類 

5.1 

一般 

気象条件(K),生物的条件(B),化学的活性物質(C),機械的に影響を及ぼす物質(S)及び機械的条

件(M)に関する多くの分類を規定する。 

この分類では,保管されている場所にかかわらず,製品がさらされる環境条件の多くの組合せがある。

これは,ローカルな屋外の気象の影響などによる世界中の保管条件に関する現実的な状況を示している。

特定の環境パラメータについては,定量的な厳しさの規定はない。 

特定の場所又は製品については,次の例のように5.2〜5.6に定義した各分類の組合せとするのがよい。 

例 2K13/2B3/2C2/2S6/2M5 

5.2 

気象条件K 

適切な分類を選択する場合,輸送容器の置かれた室内で保護された気象条件は,室外の条件,特に気温

及び日射量,並びに輸送容器の種類に依存する可能性があることに留意する。 

次の条件を,表1に規定する。 

・ 2K10 完全に空調された密閉式輸送に適用する。気温及び湿度を連続的に制御して要求条件を維持す

る。 

・ 2K11 制限温度制御及び非湿度制御での屋内輸送に適用する。 

・ 2K12 乾燥,温暖,熱帯及び寒冷な気候で,換気していない密閉内で温度及び湿度の制御を行わない

屋内輸送に適用する。極寒の気象は除く。製品は,加熱・加圧された飛行機の貨物室での輸送に適用

してもよい。 

・ 2K13 温暖,熱帯及び寒冷な気象での屋外輸送に適用する。乾燥地帯及び極地の輸送は除く。 

・ 2K14 世界中の屋外輸送に適用する(乾燥地帯及び極地を含む。)。これには,加圧していない航空機

の貨物室の輸送を含む。船舶の甲板上で輸送した場合,製品は波にさらされることがある。 

注記 JIS C 60721-3-2:2001で定義した分類は,気象条件に関する情報収集の結果に基づき,新しい分

類に置き換えた。これらの結果は,この規格で参照する技術報告書(TR)に示す。 

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C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

  

表1−気象条件の分類 

環境パラメータ 

単位 

分類 

屋内 

屋外 

2K10 

2K11 

2K12 

2K13 

2K14 

a) 低温 

℃ 

+20 f) 

+5 

−45 

−45 

−50 

b) 高温 

℃ 

+25 f) 

+40 

+70 

+45 i) 

+50 i) 

c) 低相対湿度a) 

20 

d) 高相対湿度a) 

75 

85 

100 

100 

100 

e) 低絶対湿度a) 

g/m3 

0.5 

0.02 

0.003 

f) 高絶対湿度a) 

g/m3 

15 

25 

29 

35 

35 

g) 温度変化率b) 

℃/分 

0.1 

0.5 

1.0 

1.0 

1.0 

h) 低気圧c) 

kPa 

70 

70 

70 

70 

30 

i) 高気圧c) 

kPa 

106 

106 

106 

106 

106 

j) 日射 

W/m2 

なし 

なし 

h) 

1 090 

1 090 

k) 熱放射 

指定なし 

なし 

なし 

なし 

なし 

なし 

l) 周囲空気の動きd) 

m/s 

0.5 

1.0 

1.0 

g) 

g) 

m) 結露 

指定なし 

なし 

なし 

有り 

有り 

有り 

n) 降水量[雨,雪,ひょう
(雹)など] 

指定なし 

なし 

なし 

なし 

有り 

有り 

o) 降雨強度 

mm/min 

なし 

なし 

なし 

3.3 

3.3 

p) 横降りの雨 

m/s 

なし 

なし 

なし 

g) 

g) 

q) 積雪量 

kg/m2 

なし 

なし 

なし 

100 

100 

r) 低い雨の温度e) 

℃ 

なし 

なし 

なし 

+5 

+5 

s) 雨以外の水 

指定なし 

なし 

なし 

滴下水 

j) 

j) 

t) 氷及び霜の形成(凍結融
解を含む。) 

指定なし 

なし 

なし 

有り 

有り 

有り 

u) 温度衝撃 

指定なし 

なし 

なし 

有り 

有り 

有り 

注a) 相対湿度レベルの高低は,絶対湿度の高低によって制限し,例えば,環境パラメー

タa) 及びc),並びにb) 及びd) について,この表に示す厳しさは同時には生じない。 

b) 5分間の平均を取る。 

c) 70 kPaの値は,通常は標高3 000 mの屋外条件の限界を表す。地域によっては,よ

り標高の高いところで屋外条件が発生する可能性がある。鉱山の条件は考慮されて
いない。 

d) 非アシスト対流に基づく冷却システムは,周囲の空気の不利な動きによって妨害さ

れる可能性がある。 

e) この雨の温度は,高温b) と日射J) とを一緒に考慮する。 

製品の表面温度に関連して雨による冷却効果を考慮する。 

f) これらは,規定の温度値の±2 ℃で空調された場所である。 

g) 該当する場合は,予想される輸送モード(例えば,トラック,船舶のオープンデッ

キ)に基づいて特別な値を選択する。 

h) 日射の熱影響が温度に含まれる。 

i) 日射の熱影響は温度に含まれない。 

j) 雨以外の水源は土砂降りの雨に含まれている。 

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C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

5.3 

生物的条件B 

次の条件を示す表2のパラメータには,定量的な厳しさを指定しておらず,一般的ではあるが完全でな

い可能性がある。 

・ 2B1 かびの成長及び動物の攻撃によるリスクのない地域での輸送に適用する。 

・ 2B2 かびの増殖及びシロアリを除く動物による攻撃の可能性のある地域での輸送に適用する。 

・ 2B3 シロアリによる攻撃が更に発生する可能性のある地域の輸送に適用する。 

表2−生物的条件の分類 

環境パラメータ 

分類 

2B1 

2B2 

2B3 

なし 

なし 

かび,菌など,げっ歯動物及びその他

の製品に有害な動物 

シロアリを除く。 シロアリを含む。 

5.4 

化学的活性物質C 

自然環境の汚染は,主に産業活動,自動車,及び暖房システムから排出される化学物質によって生じる。

化学的影響は,更に海塩及び道路用塩のエアロゾルによって生じる。汚染は,製品の機能及び材料に影響

を与えるおそれがある。次の条件を示す表3のパラメータは,公表時に利用可能な情報に基づく見積もり

である。要件を設定するときは,地方固有又は地域固有の情報を参照するとよい。 

追加情報については,附属書Aを参照。 

・ 2C1 工業活動が盛んではなく,中程度の交通量のある地方及び一部の都市部,並びに塩霧が発生し

ていないか又は塩霧から製品の保護がなされている地域での輸送及び取扱いに適用する。これは屋内

での取扱いにも適用する。 

・ 2C2 都市部で経験する通常のレベルの汚染物質が存在する地域での輸送及び取扱いに適用する。コ

ンテナの海上輸送を含む塩霧が存在する地域での輸送を含むが,船舶のオープンデッキでの輸送は含

まない。 

・ 2C3 化学物質を排出する工場などのすぐ近くの地域での輸送及び取扱い,並びに船舶のオープンデ

ッキでの輸送に適用する。 

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C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

  

表3−化学的活性物質の分類 

環境パラメータ 

単位a) 

分類 

2C1 

2C2 

2C3 

最大値 

平均値 

最大値b) 

平均値 

最大値b) 

a) 海塩及び道路用塩
が含まれている塩霧 

なし 

なし 

あり 

あり 

b) 海水 

なし 

なし 

なし 

あり 

c) 二酸化硫黄 

mg/m3 

0.1 

0.3 

1.0 

5.0 

10 

cm3/m3 

0.037 

0.11 

0.37 

1.85 

3.7 

d) 硫化水素 

mg/m3 

0.01 

0.1 

0.5 

3.0 

10 

cm3/m3 

0.007 1 

0.071 

0.36 

2.1 

7.1 

e) 塩化水素 

mg/m3 

0.1 

0.1 

0.5 

1.0 

5.0 

cm3/m3 

0.066 

0.066 

0.33 

0.66 

3.3 

f) ふっ化水素 

mg/m3 

0.003 

0.01 

0.03 

0.1 

2.0 

cm3/m3 

0.003 6 

0.012 

0.036 

0.12 

2.4 

g) アンモニア 

mg/m3 

0.3 

1.0 

3.0 

10 

35 

cm3/m3 

0.42 

1.4 

4.2 

14 

49 

h) オゾン 

mg/m3 

0.01 

0.05 

0.1 

0.1 

0.3 

cm3/m3 

0.005 

0.025 

0.05 

0.05 

0.15 

i) 窒素酸化物(二酸
化窒素の当量値で表
示) 

mg/m3 

0.1 

0.5 

1.0 

3.0 

9.0 

cm3/m3 

0.052 

0.26 

0.52 

1.56 

4.68 

注a) 単位cm3/m3の数値は,単位mg/m3の数値から温度20 ℃,圧力101.3 kPaにおいて,

計算によって求めたもの。数値は概略値である。 

b) 平均値は長期間における期待値。最大値はその1日を通して発生した限界値又はピー

ク値であり,1日のうちで30分以下の発生のデータを用いる。 

5.5 

機械的に影響を及ぼす物質S 

ちり(塵)及び砂は,これらの環境条件によって引き起こす影響が類似しているため,一緒に分類する。 

次の条件を表4に示す。 

・ 2S1 ちり及び砂の存在を最小限に抑えることに注意が払われている輸送及び取扱いに適用する。 

・ 2S5 密閉した輸送のようなちり及び砂の存在を最小限に抑えるための予防措置を講じている。 

・ 2S6 密閉していない輸送及びちりの近くの輸送に適用する。ちり及び砂の存在を最小限にする。 

・ 2S7 ちり及び砂が飛散する場所での輸送及び取扱いに適用する。 

注記 JIS C 60721-3-2:2001で定義した分類は,近年の機械的に影響を及ぼす物質に関する情報収集の

結果に基づき,新しい分類に置き換えた。 

表4−機械的に影響を及ぼす物質の分類 

環境パラメータ 

単位 

分類 

2S1 

2S5 

2S6 

2S7 a) 

a) 空気中の砂 

mg/m3 

なし 

30 

300 

1 000 

b) 空気中のちり 

mg/m3 

なし 

0.2 

5.0 

15 

c) ちり(沈殿) 

mg/(m2h) 

なし 

15 

40 

80 

注a) 該当する場合は,予想される輸送モードに基づいて特別な値を選択する。 

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C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

5.6 

機械的条件M 

この規格で規定する条件には,輸送中及び取扱い中に存在する可能性のある条件を含めている。条件は,

試験の厳しさを表してはいない。振動及び機械的衝撃の環境をそれぞれ図1及び図2に示し,これらの次

の条件を表5に示す。 

・ 2M4 鉄道,河川,海,空(ジェット機だけ)及び整備された道路を利用しての輸送などでの取扱い

及び輸送に適用する。この分類には,JIS Z 1614に規定する国際貨物コンテナ内の製品の輸送が含ま

れる。 

・ 2M5 サスペンションのないトロリーを使用した取扱いと同様に,防振性の低い車及び整備されてい

ない道路を利用した道路輸送並びに2M4に規定する条件を含む。 

・ 2M6 2M4及び2M5に規定する条件に加えて,プロペラ機及びヘリコプターでの空輸を含む。 

注記 JIS C 60721-3-2:2001で定義した分類は,近年の機械的条件に関する情報収集の結果に基づき,

新しい分類に置き換えた。これらの結果は,この規格で参照される技術報告書(TR)に示す。 

表5−機械的条件の分類 

環境パラメータ 

単位 

分類 

2M4 

2M5 

2M6 

a) 定常振動,ラン
ダム 

加速度スペクトル
密度 

(m/s2)2/

Hz 

10 b) 

1.0 

0.5 

30 

3.0 

10 

振動数範囲a) 

Hz 

2〜3 

10〜20 

50〜2 000 

2〜3 

10〜20 

500〜2 000 

5〜200 

500〜2 000 

b) 非定常振動及び
衝撃を含むc) 

衝撃 1 d) 

図2の曲線4 

(100 m/s2の半正弦波パルス

で11 msの持続時間に等し
い) 

図2の曲線3 

(300 m/s2の半正弦波パルス

で11 msの持続時間に等し
い) 

図2の曲線3 

(300 m/s2の半正弦波

パルスで11 msの持続
時間に等しい) 

衝撃 2 d) 

図2の曲線2 

(300 m/s2の半正弦波パルス

で6 msの持続時間に等しい) 

図2の曲線1 

(1 000 m/s2の半正弦波パル

スで6 msの持続時間に等し
い) 

図2の曲線1 

(1 000 m/s2の半正弦

波パルスで6 msの持
続時間に等しい) 

c) 自由落下高さ 

質量20 kg未満 

0.25 

1.2 

1.5 

質量20〜100 kg 

0.25 

1.0 

1.2 

質量100 kg以上 

0.1 

0.25 

0.5 

d) 転倒 

質量20 kg未満 

なし 

どの辺でも倒れる 

どの辺でも倒れる 

どの辺でも倒れる 

質量20〜100 kg 

なし 

どの辺でも倒れる 

どの辺でも倒れる 

質量100 kg以上 

なし 

なし 

どの辺でも倒れる 

e) 横揺れ,縦揺れ 

角度e) 

° 

なし 

±35 

±35 

周期 

なし 

f) 定常状態加速度 

m/s2 

20 

20 

20 

g) 静荷重 

kPa 

10 

10 

background image

C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

  

表5−機械的条件の分類(続き) 

注a) 振動数範囲は,鉄道,川,海上及び道路による輸送では,500 Hz以上の周波数において敏感でない製品に対

して上限周波数を500 Hzまで下げてよい。 

b) 定常ランダム振動の振動数は,輸送車両のサスペンションの影響で上昇する。この成分は設計には含むが,

通常,振動試験の仕様には含まない。 

c) 陸上車両の場合,これらの衝撃は定常ランダム振動と同時に発生する。 

d) 2種類の衝撃は,通常,各衝撃環境の包絡として使用する。 

e) 35°の角度は一時的にしか生じないが,22.5°までの角度は長期間では起こり得る。 

図1−振動条件の種類 

(m

/s

2

)

2

 /

H

z

100

10

1

0.1

定常振動,ランダム 

10 

100 

1 000 

10 000 

振動数 (Hz) 

2M6 

2M5 

2M4 

background image

C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

図2−機械的振動の種類 

(m

/s

2

10 000

1 000

100

10

10 

100 

1 000 

10 000 

100 000 

共振振動数 (Hz) 

衝撃応答スペクトラム 

Q=10 

衝撃を含む非定常振動 

速度変化 (m/s) 

0.5 

0.2 0.1 

 2M5 / 2M6(曲線1) 

 2M4(曲線2) 
 2M5 / 2M6(曲線3) 

 2M4(曲線4) 

(m

/s

2

10 000

1 000

100

10

衝撃応答スペクトラム 

Q=10 

衝撃を含む非定常振動 

10 

100 

1 000 

10 000 

100 000 

共振振動数 (Hz) 

 2M5 / 2M6(曲線1) 

 2M4(曲線2) 
 2M5 / 2M6(曲線3) 

 2M4(曲線4) 

10 

C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

  

附属書A 

(参考) 

化学的活性物質 

この分類で規定した値は,数年にわたる調査から得られたものである。通常,短期間の高濃度の直接的

な影響については,再生不可能な損傷を物質に与えるため,最大値を規定した。長期間の影響については,

製品の内部部品に対して重要な影響を与える平均値を追加的に規定した。 

実際には,この規格で分類している全ての汚染物質(パラメータ)が同時に存在することはない。実際

にこれら汚染物質が集中して存在し,同時かつ同質で増加する可能性は更に低い。地域の状況によって,

ある汚染状態だけがより高いレベルで存在することがよくある。分類2C1に示す値は,通常,田園地域及

び工業活動が活発でない地域で,分類2C2は都市部で経験する値である。このため,これら二つの分類の

それぞれの厳しさは,規定した全てのパラメータが結合したときの影響に対する必要条件とみなければな

らない。しかし,経済的でない過剰な設計を避けるため,分類2C3の厳しさについては,規定した全ての

パラメータが結合したときの影響に対する必要条件として組み合わせることはできない。この分類に関し

ては,適用する場合に関連する可能性のある単一のパラメータの厳しさだけを選択してもよい。ある場所

の化学的活性物質の状態を表すため,分類2C3に示す単一のパラメータを選択した場合,分類2C2の厳し

さは,特に明示していない他の全てのパラメータについて有効である。 

この規格では,海塩又は陸塩以外の化学的に活性な液体及び固体については考慮していない。 

11 

C 60721-3-2:2020 (IEC 60721-3-2:2018) 

参考文献 

JIS C 60721-2(規格群) 環境条件の分類 自然環境の条件 

JIS C 60721-2-1 環境条件の分類−第2-1部:自然環境の条件−温度及び湿度 

JIS C 60721-2-2 環境条件の分類 自然環境の条件−降水及び風 

JIS C 60721-2-3 環境条件の分類 自然環境の条件−気圧 

JIS C 60721-2-4 環境条件の分類−自然環境の条件−日射及び温度 

JIS C 60721-2-5 環境条件の分類−第2-5部:自然環境の条件−じんあい,砂及び塩霧 

JIS C 60721-2-9 環境条件の分類−第2-9部:自然環境の条件−測定した衝撃及び振動のデータによ

る環境条件の規定:保存,輸送及び使用中の条件 

JIS C 60721-3(規格群) 環境条件の分類 環境パラメータ及びその厳しさのグループ別分類 

JIS C 60721-3-0 環境条件の分類 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 通則 

JIS C 60721-3-1 環境条件の分類−第3-1部:環境パラメータ及びその厳しさのグループ別分類−保

管条件 

JIS Z 1614 国際貨物コンテナ−外のり寸法及び最大総質量 

注記 対応国際規格:ISO 668:2013,Series 1 freight containers−Classification, dimensions and ratings 

IEC TR 62130,Climatic field data including validation 

IEC TR 62131-2,Environmental conditions−Vibration and shock of electrotechnical equipment−Part 2: 

Equipment transported in fixed wing jet aircraft 

IEC TR 62131-3,Environmental conditions−Vibration and shock of electrotechnical equipment−Part 3: 

Equipment transported in rail vehicles 

IEC TR 62131-4,Environmental conditions−Vibration and shock of electrotechnical equipment−Part 4: 

Equipment transported in road vehicles 

IEC TR 62131-5,Environmental conditions−Vibration and shock of electrotechnical equipment−Part 5: 

Equipment during storage and handling