>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

C 0113-1996 (IEC 721-2-2 : 1988)

(1) 

目次

ページ

1.

  適用範囲

2

2.

  目的

2

3.

  一般事項

2

3.1

  降水

2

3.2

  風

3

4.

  特性

3

4.1

  降雨

3

4.2

  ひょう

4

4.3

  雪

4

4.4

  風

5

5.

  分類

5

5.1

  通常の雨

5

5.2

  風雨

5

5.3

  結氷

5

5.4

  ひょう

6

5.5

  雪圧

6

5.6

  低い地吹雪

6

5.7

  風圧

6


日本工業規格

JIS

 C

0113

-1996

 (IEC 721-2-2

: 1988

)

環境条件の分類

自然環境の条件−降水及び風

Classification of environmental conditions

Part 2 : Environmental conditions appearing in nature.

Precipitation and wind

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1988 年第 1 版として発行された IEC 721-2-2 Classification of environmental conditions Part 2 :

Environmental conditions appearing in nature. Precipitation and wind

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を

変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある事項は,原国際規格にない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,電気製品・電子製品(以下,製品という。)に対する降水及び風に関する環境

条件の基本的な性質,定量的な特性及びその分類を規定する。

製品の使用場所に応じて,降水及び風の適切な厳しさを選定する場合の基礎的な情報を示してある。こ

の場合,厳しさの値は,JIS C 0110-1995[環境条件の分類  環境パラメータとその厳しさの分類]に規定

する値を使用する。

参考  JIS C 0110-1995 は,IEC 721-1-1990    Classification of environmental conditions Part 1 :

Environmental parameters and their severities

と一致している。

2.

目的  製品が輸送,保管及び使用中にさらされる降水及び風の厳しさに関する特性を規定する。

3.

一般事項  地球の大気は,常に運動しており,局部的に暖められたり,冷やされたり又は湿気を帯び

たりする。その密度のこう(勾)配が,高気圧部分や低気圧部分を発生させる。圧力の差を均一にするた

めに風が吹くが,高気圧部分から低気圧部分に直接吹くのではなく,地球の回転によるコリオリの力によ

って曲げられる。

大気の水平方向の連続的な動きは,広い範囲でゆっくりした上向きの動きを引き起こす。

地球表面の加熱は,更に局部的な上昇気流を発生させる。もし,空気の圧力又は温度が十分に低下する

と,空気中に含まれる水分を水蒸気の形で保つことができず,降水をもたらす。例えば,20℃の空気は,

17.3g/m

3

の水分を水蒸気の形で含むことができるが,0℃では最大 4.8g/m

3

の水分しか含むことができない。

3.1

降水  降水の形態は,雨,ひょう又は雪であり,雲の中で複雑な過程の結果である。雲の中の温度

は,垂直方向に変化する。雲の温度が 0℃である高度を凍結レベルという。凍結レベル以上の高度では 0℃

以下であり,凍結レベル以下の高度では 0℃以上である。

凍結レベル以上の高度の雲の中では,一般に 0℃から−13℃までの過冷却の水分が存在する。例外的に


2

C 0113-1996 (IEC 721-2-2 : 1988)

は,−50℃で過冷却の水分が存在することがある。

水滴又は氷の結晶の形成は,各種の条件,例えば,垂直方向の空気の流れや温度分布に依存し,雲の中

で発生する。

もし,水滴又は氷が降下中に温度がプラスの層に入り,かつ,プラスに維持されている層を通過すると,

それらは降下中に雨滴に変化し,地上に雨として降る。これらは,条件によって連続して発生することが

ある。雨滴の降下速度は,雨滴の大きさとともに増加する(

図 参照)。雨滴の大きさが 5mm から 6mm

までで速度 9m/s では,雨滴は小さな粒に分解する。しかし,降下中再度成長することがある。この結果,

雨滴の大きさの分布は,最大値が 5mm から 6mm までとなる。

雨滴が,再度 0℃以下に温度が逆転した層を通過する場合がある。このとき,雨滴はひょうになり地上

に降る。一方,雨滴が過冷却の状態のままで降下し,ひょうの表面にぶつかると凍結するので,ひょうは,

更に成長することがある。ひょうのもう一つの発生過程は,雨滴が上昇気流で 0℃以下の層に上昇し凍結

することである。これらのひょうは,その表面に霜を形成し,更に成長する。凍結と融解過程が連続的に

発生し,ひょうはかなりの大きさになることがある。ひょうの寸法の最大記録は,140mm である(Coffeyville,

Kansas

,1970 年 9 月 3 日)

。しかし,このような大きさは極めて例外である。

もし,降下中の温度が 0℃以下で,氷の結晶状態が保たれていれば,地上に雪として降る。雪の結晶は,

条件によって非常に多くの種類に成長するが,通常の形状で,かつ,雪片 (snowflakes) となる。これらは

直径 1cm になることもあるが,非常に軽い。

3.2

風  地球上の風の発生機構は,赤道付近の高温と極地の低温との作用であり,地球の自転の影響と

も関係している。輸送,保管及び使用中の製品に関係があるのは,地面に近い部分の風である。一方,あ

る種の使用条件では,地面よりもかなり上の風の状態を考慮しなければならないこともある。大気の下層

部分の風は,太陽光線による局部的な熱と建物やその他の障害物からなる地表面の形状に依存する。

これらの局地的な状態の影響は,風の摩擦と分流によって,熱的な渦流と機械的な渦流を発生する。日

中の地表近辺の空気の流れは,この二つの組合せであるが,夜間は主に機械的な渦流だけが存在する。

地表面でこれらの渦が衝突すると突風が発生する。これらの突風の周期はランダムであるが,一般に 2

秒間から 3 秒間までの間隔で発生する。

風速は,ハリケーンや竜巻など嵐のときには非常に強い。熱帯や亜熱帯地域のハリケーンでは,80m/s

以上の突風が地表で観測されている。

竜巻では,可能性は少ないが,125m/s の風速となることもある。

4.

特性

4.1

降雨  降雨の特性は,次の物理的なパラメータで決められる。

− mm/h で測定される雨の強さ(排水しないで,水平な地面にたまる水の高さ)

−  雨滴の粒径分布

−  降雨速度

−  雨滴の温度

大気汚染によって,降雨に溶解している不純物,海の塩分などの成分については,製品に重大な影響を

及ぼす可能性があるが,ここでは考慮しない。

雨の種類及びその特性パラメータを,

表 に示す。


3

C 0113-1996 (IEC 721-2-2 : 1988)

表 I  雨の種類(長時間の平均)(

1

)

種類

降雨量の上限

(mm/h)

雨滴の直径

(mm)

降雨速度

(m/s)

かなり軽い雨

(Very light rain)

微量(

2

) 0.01

∼0.1

<0.25

軽い雨 (Light

rain)

1.0  0.1

∼0.5 0.25∼1

普通の雨 (Moderate

rain)

4.0

0.5

∼1.0 1∼2

激しい雨 (Intense

rain)

15

1.0

∼2.0 2∼4

大量の雨 (Heavy

rain)

40

2.0

∼5.0 4∼7

豪雨 (Cloudburst)

>100

>3.0

>6

(

1

)

降雨量の上限は,IEC 721-3で規定する短期間の最高の強さを示す。

  (

2

)

微量とは,1mm/h 以下の降雨量を示す気象用語である。

参考  IEC 721-3 で規定する期間とは,JIS C 0112-1995(環境条件の分類  環境パラメータとその厳

しさのグループ別分類通則)IEC 721-3-0-1984 Classification of environmental condition Part 3 :

Classification of groups of environmental parameters and their severities Introduction

の本体 6.及び

属書 に示されている。

雨滴の温度は,通常,通風式の乾湿温度計の湿球の温度と同じであるが,氷の結晶からできた雨や,降

り始めの雨では,この値と差がある。

4.2

ひょう  ひょうの特性は,次の物理的パラメータで示される。

−  直径

−  密度

−  落下速度

−  衝撃力

ここでは,製品に損害を与える大きな直径のひょうだけを考慮する。しかし,小さい直径のひょうの方

が頻繁に見られる。ひょうの密度は,おおよそ 900kg/m

3

である。落下速度は,次の式で求められる。

d

V

16

.

5

ここに:

V  =落下速度 (m/s)

d  =ひょうの直径 (mm)

衝撃力は,その質量(直径,密度)から計算できる,直径 20mm 以上のひょうの特性を

表 II に示す。

表 II  ひょうの特性

直径

(mm)

質量

(g)

落下速度

(m/s)

衝撃

(J)

20 4

23 1

50 59 36 39

60 102  40  81

70 162  43 151

80 241  46 257

90 344  49 411

100 471  52 627

数値は,丸めた値である。

4.3

雪  雪は,直径数 mm で,低密度の薄片として発生する。しかし,もし,強風に吹かれると雪の結

晶は壊され,平均直径 80

µm のものが 20µm ぐらいまで小さくなる。地上に落ちた雪の密度は様々である。

降ったばかりの雪の密度は,

70kg/m

3

から 150kg/m

3

までであるが,

降ってしばらくした雪の密度は,

200kg/m

3

から 400kg/m

3

までである。


4

C 0113-1996 (IEC 721-2-2 : 1988)

4.4

風  風速は,局所的な地形や高度にかなり影響される。地表面の凸凹が大きいほど,地表面での風

は弱まる。したがって,地表付近の風速と,より高いところでの風速とは,かなり違いがある。

表 III は,

このような影響の例である。

表 III  地上からの高度及び地上面の形状が風速へ及ぼす影響

相対風速  (%)

地上からの高度

(m)

町の中心,高層ビル

郊外地域,森林地帯

平地,海

500 100 100 100

300 82 92

100

100 53 68 86

30 32 48 71

10 21 36 60

3 13 25 49

5.

分類  雨,ひょう,雪及び風は,それぞれが単独で,又はそれらの組合せで,若しくは他の環境パラ

メータとの組合せで,製品に種々の影響を及ぼす。

単独パラメータ及びパラメータの組合せの例の幾つかを,次に示す。

5.1

通常の雨  雨の強さは,緯度,気候地域及び季節によって大きく変化する。一般に単位時間当たり

の最大雨量は,熱帯地域の雷雨及び台風形の嵐でみられる。

雨の強さの世界記録は,1 分間に 30mm である。このような強い降雨は,通常短時間であり,例えば,

雷雨が 30 分を超えて続くことはめったにない。

通常の雨は,種々の大きさと落下速度をもつ雨滴が混じっている。雨滴の特性は,主に大気の温度と水

蒸気含有量に依存する。これらの大気の状態によって,落下中の雨滴が一部蒸発したり,又は完全に蒸発

する。一般に,雨滴の大きさの中央値は,地表温度と相対湿度が高いほど大きくなる。したがって,一般

的に熱帯地域の雨滴の大きさは,例えば,北ヨーロッパの雨滴より大きい(

図 参照)。

5.2

風雨  風雨は,雨と風の組合せである。風は,雨滴の落下速度に水平方向の速度成分を与え,製品

のケース内を減圧することがある。

また,低温の雨による冷却もケース内を減圧することがある。

熱帯地域での 1 時間平均の最大値は,雨量 130m/h の雨と,風速 30m/s の風の組合せになることもある。

1

分間雨量の最大値は,上記の 1 時間平均値の最大値に比べてかなり大きく,熱帯地域では 20mm に,熱

帯以外の地域では 10mm に達することがある。

5.3

結氷  結氷は,雨にぬれた表面が 0℃以下に冷やされる(例えば,夜間の放射冷却による。)こと,

及び過冷却状態の雨滴が衝突で凍結することによって生じる。アンテナ塔や同様の高い建造物では,ガラ

ス状の氷の厚さが 75mm に達することがある。

5.3.1

霜  霜は,0℃以下に冷やされた表面に,湿気を帯びた空気が触れて凝結することによって生じ,

通常は風が弱いときにできる針状結晶であり,表面との接着は弱い。

5.3.2

霧氷  霧氷は,風で運ばれた過冷却状態の水滴が,物体に当たって凍結することを繰り返すことに

よってできる。物体に着いている面積が小さく,風上に向かって成長するため,えび(海老)のしっぽ状

の非常に特徴がある外観をもっている。白色で粒状の構造をもつ。山岳地域では,物体の上に成長速度

30mm/h,

又は一晩で 30cm 成長することもある。霧氷は,降雪と一緒に生じることがあり,適切な物体の上

に大量の積雪を引き起こす。霧氷の厚さは,地上付近で 150mm,高度とともに直線的に増加し,地上 100m

では 500mm に達することがある。


5

C 0113-1996 (IEC 721-2-2 : 1988)

この着氷層の密度は,おおよそ 200kg/m

3

である。

5.3.3

雨氷  過冷却の雨滴のその表面が雨氷になる。雨氷は,固くて不透明か又は透明であり,内部に小

さな空気の泡を含み,不透明な層と透明な層が積み重ねられたようになっている。雨氷には,特別な構造

は見られない。引き締まって密度が大きく,かつ,付着力が大きい。雨氷は,温度が低く風速の大きいと

き作られる。

5.3.4

ガラス状の氷  ガラス状の氷は,過冷却の雨滴が表面に落下し,水の膜ができてから凍るときに作

られる。密度と付着力はともに大きく,空気の泡は含んでいない。

5.3.5

氷の付着過程  氷の付着過程は,次の条件による。

−  空気の温度

−  風速

−  過冷却の水滴の直径

−  含水量

図 及び図 に,氷の種類と水滴の直径,風速及び温度との関係を示す。

円筒状の表面へ氷が付着する条件は,次による。

−  円筒の半径

−  風速

−  雨滴の大きさ

風速と雨滴の半径に対して,氷が付着する円筒状の半径には限界があり,それ以上の半径では,氷は付

着しないか,又は非常に小さい氷が付着する(

図 参照)。

5.4

ひょう  世界のほとんどの地域で直径 20mm のひょうが発生するが,直径 50mm 以上のひょうが発

生する確率は低い。

5.5

雪圧  一般に,寒冷地域の南の地域で積雪量が最大になる(これは北半球の場合で南半球ではこの

逆になる。

。特に,これらの地域では海洋性気候が支配的である。2kPa の雪圧は,新雪で 2m の深さに対

応しているが,古い雪では,0.7m に対応する。山岳地帯では,雪圧がこの 10 倍になることがある。

5.6

低い地吹雪  地吹雪は,雪と風の組合せである。この状況下では,製品の小さなスロット及び継ぎ

目を貫通するような小さな雪の粒子を含むことがある。水平方向の流量は地表から高くなると急速に低減

する。その最大値の予測値を

表 IV に示す。

表 IV  雪の水平方向最大流量

地表からの距離

(m)

水平方向の流量

[g/ (m

2

・s)]

10

310

 1

 560

  0.5

 800

  0.1

3 000

5.7

風圧  風が構造物に対して及ぼす力は,平均風速及び構造物の大きさと形との関数である。風向に

直角な平板に対する力は,次の式で与えられる。

F

=0.65 

2

A

ここに,

F  =力 (N)

V  =平均風速 (m/s)

A  =板面積 (m

2

)

突風では,短時間の衝撃力が生じる。この衝撃力は,ある場合には周期的であり,また,構造物の固有


6

C 0113-1996 (IEC 721-2-2 : 1988)

振動数と共振するときは,大きな振動振幅を生じる。この突風の繰返し振動数は,1Hz よりも低い。

特殊な現象として,風向に垂直な円筒の後方に,輪状の二列の渦流が発生することである。この現象に

よって,円筒に周期的な力が作用する。この力の振動数は,次の式で与えられる。

d

V

f

195

.

0

ここに,

f  =振動数 (Hz)

V  =風速 (m/s)

d  =円筒の直径 (m)

図 1  大気条件 (101.3kPa, 20

での静止空気中の雨滴の最終速度

図 2  落下する水滴寸法の高度 

及び相対湿度依存性

図 3  氷の形成(種類)と温度及び 

落下雨滴の直径との関係

図 4  氷の形成(種類)と温度 

及び風速との関係


7

C 0113-1996 (IEC 721-2-2 : 1988)

図 5  氷が付着しないか,又は非常に小さな氷が付着する円筒の限界半径  (R

L

)  


8

C 0113-1996 (IEC 721-2-2 : 1988)

原案作成委員会  構成表

(順不同)

氏名

所属

(委員長)

高  久      清

工業技術院電子技術総合研究所

(幹事)

井  下  芳  雄

エミック株式会社

(幹事補)

穴  山      汎

財団法人日本電子部品信頼性センター

古  市  政  敏

工業技術院

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

栗  原  正  英

社団法人日本プリント回路工業会

後  藤  恒  人

財団法人日本品質保証機構

小  林      茂

東京都立工業技術センター

山  添  哲  郎

通信機械工業会

篠  崎  輝  夫

財団法人日本ガス機器検査協会

清  水  英  範

社団法人日本電機工業会

鈴  木  俊  雄

財団法人日本電気用品試験所

立  川      明

社団法人日本電子機械工業会

東  條  喜  義

社団法人日本電子工業振興協会

冨  嶋  茂  樹

社団法人関西電子工業振興センター

中  島  一  郎

通商産業省機械情報産業局

中  西  忠  雄

防衛庁

中  村  國  臣

工業技術院電子技術総合研究所

福  島      彰

財団法人日本船舶標準協会

宮  田  昭  博

日本電気計器検定所

岩  田      武

元東京特殊印刷工業株式会社

伊  藤  隆  庸

工業技術院

岡  本  英  男

沖エンジニアリング株式会社

三  上  和  正

東京都立工業技術センター

森  川  貞  重

財団法人日本電子部品信頼性センター

山  田  宜  人

ソニー株式会社

山  本  敏  男

タバイエスペック株式会社

横  井  康  夫

株式会社山崎精機研究所

渡  辺      博

株式会社東芝

(事務局)

鳴  神  長  昭

財団法人日本電子部品信頼性センター