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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人 日本電機工業会(JEMA)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60079-11:1999,Electrical apparatus 

for explosive gas atmospheres − Part 11:Intrinsic safetyを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS C 60079-11には,次に示す附属書がある。 

附属書A(規定)本安回路の評価 

附属書B(規定)本安回路用火花点火試験装置 

附属書C(参考)沿面距離,空間距離及び充てん物と固体絶縁物を通しての離隔距離の測定 

附属書D(規定)樹脂充てん 

JIS C 60079の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 60079-0 爆発性雰囲気で用いる電気機械器具−第0部:一般要件 

JIS C 60079-1 爆発性雰囲気で用いる電気機械器具−第1部:耐圧防爆構造“d”(検討中) 

JIS C 60079-2 爆発性雰囲気で用いる電気機械器具−第2部:内圧防爆構造“p”(検討中) 

JIS C 60079-6 爆発性雰囲気で用いる電気機械器具−第6部:油入防爆構造“o” 

JIS C 60079-7 爆発性雰囲気で用いる電気機械器具−第7部:安全増防爆構造“e”(検討中) 

JIS C 60079-11 爆発性雰囲気で用いる電気機械器具−第11部:本質安全防爆構造“i” 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 2 

3. 定義 ······························································································································ 3 

4. 本安機器及び本安関連機器の分類並びに温度等級 ·································································· 5 

5. 電気機器の区分 ··············································································································· 5 

6. 機器の構造 ····················································································································· 7 

7. 安全保持部品 ················································································································· 22 

8. 故障を生じないとみなす部品,故障を生じないとみなす集成体,及び故障を生じないとみなす接続部

 ········································································································································ 27 

9. ダイオード形安全保持器 ·································································································· 32 

10. 形式検証及び形式試験 ··································································································· 32 

11. ルーチン検証及び試験 ···································································································· 39 

12. 表示 ··························································································································· 40 

13. 書類 ··························································································································· 41 

附属書A(規定)本安回路の評価 ··························································································· 42 

附属書B(規定)本安回路用火花点火試験装置 ·········································································· 65 

附属書C(参考)沿面距離,空間距離及び充てん物と固体絶縁物を通しての離隔距離の測定 ·············· 74 

附属書D(規定)樹脂充てん ································································································· 77 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 60079-11:2004 

(IEC 60079-11:1999) 

爆発性雰囲気で使用する電気機械器具− 

第11部:本質安全防爆構造“i” 

Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 11 :  

Intrinsic safety “i” 

序文 この規格は,1999年に第4版として発行されたIEC 60079-11:1999,Electrical apparatus for explosive 

gas atmospheres−Part 11:Intrinsic safety “i”を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成

した日本工業規格である。 

1. 適用範囲  

1.1 

この規格は,爆発性雰囲気で用いる本安機器及びそのような雰囲気で用いる本安回路への接続を意

図している本安関連機器についての構造及び試験について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。 

IEC 60079-11:1999,Electrical apparatus for explosive gas atmospheres − Part 11:Intrinsic safety 

“i”(IDT) 

1.2 

この規格は,本安機器及び本安関連機器について,JIS C 60079-0を補完する。次のリストに記され

たJIS C 60079-0の箇条は,“適用しない”もの以外すべて本安機器及び本安関連機器にも適用される。 

本安関連機器がJIS C 60079-0に示されたほかの防爆構造によって保護されている場合には,その防爆構

造の要件はJIS C 60079-0の関係部分と共に本安関連機器に適用する。 

次の除外条項のリストは,非爆発性雰囲気で用いる本安関連機器にそのまま適用するが,爆発性雰囲気

で用いる本安関連機器には,ほかの防爆構造の要件と組み合わせて適用しなければならない。 

JIS C 60079-0の箇条 

この規格での扱い 

本安機器 

本安関連機器 

3.1  

電気機器 

適用しない 

適用しない 

4.2.2  

最高表面温度の表示  

適用する 

適用しない 

5.1  

最高表面温度 

適用する 

適用しない 

5.3  

表面温度及び発火温度 

適用する 

適用しない 

6.2  

(容器開放に対する警告) 

適用しない 

適用しない 

7.1.1  

プラスチック材料の定義 

適用する 

適用しない 

7. 1.2  

プラスチック材料の要件 

適用しない 

適用しない 

7. 1.3  

プラスチック材料の検証証明 

適用する 

適用しない 

7.2  

耐熱特性 

適用しない 

適用しない 

7.3  

プラスチック製の容器又は容器の部品における静電気帯電 

適用する 

適用しない 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 60079-0の箇条 

この規格での扱い 

本安機器 

本安関連機器 

7.3.1  

グループⅠの防爆電気機器(備考1.及び2.だけ) 

適用しない 

適用しない 

7.3.2 

グループⅡの防爆電気機器(備考1.及び2.だけ) 

適用しない 

適用しない 

7.4  

プラスチックのねじ穴 

適用しない 

適用しない 

8.1  

軽金属製容器の材料 

適用する 

適用しない 

8.2  

軽金属のねじ穴 

適用しない 

適用しない 

9. 

ねじ締付け部 

適用しない 

適用しない 

10. 

インタロック装置 

適用しない 

適用しない 

11. 

ブッシング 

適用しない 

適用しない 

12. 

固着用材料 

適用しない 

適用しない 

14. 

接続端子部,端子箱など 

適用しない 

適用しない 

15. 

接地用(電線)又は等電位結合用電線の接続端子部 

適用しない 

適用しない 

16. 

ケーブル又は電線管引込部 

適用しない 

適用しない 

17. 〜 22. 

特定電気機器の補足要件 

適用しない 

適用しない 

23.4.3.1 

衝撃試験 

適用しない 

適用しない 

23.4.3.2 

落下試験(事前の衝撃試験は不要) 

適用する 

適用しない 

23.4.3.3 

結果の判定 

適用する 

適用しない 

23.4.5 

ブッシングなどのトルク試験 

適用しない 

適用しない 

23.4.6.1 

温度測定 

適用する 

適用しない 

23.4.6.2 

熱衝撃試験 

適用しない 

適用しない 

23.4.7.1 〜 
23.4.7.7 

非金属容器の試験 

適用しない 

適用しない 

23.4.7.8 

プラスチック製容器の部分の絶縁抵抗試験 

適用する 

適用しない 

27.7 

機器の表示の例 

適用しない 

適用しない 

附属書B 

Ex ケーブル引込部 

適用しない 

適用しない 

1.3 

この規格は,電気機器の中の回路自身が,爆発性雰囲気の環境で爆発を起こす能力がない電気機器

に適用できる。 

1.4 

爆発性雰囲気にある電気回路の本質安全性が,爆発性雰囲気の外に位置するか又はJIS C 60079-0に

規定するほかの防爆構造によって保護された電気機器又は電気機器の部分の設計及び構造に依存する場合

には,その電気機器又は電気機器の部分にもこの規格を適用する。爆発性雰囲気にさらされている電気回

路は,この規格を適用して,そのような雰囲気での使用が評価される。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの

規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付

記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 

備考 IEC 60529:1989 Degree of protection provided by enclosure (IP Code)及びAmendment1(1999)が

この規格と一致している。 

JIS C 0934 電気機器の安全増防爆構造 

備考 IEC 60079-7:1990 Electrical apparatus for explosive gas atmospheres−Part 7: Increased safety 

“e” からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS C 2134 湿潤状態での固体電気絶縁材料の比較トラッキング指数及び保証トラッキング指数を決

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

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定する試験方法 

備考 IEC 60112:1979 Method for determining the comparative and the proof tracking indices of solid 

insulating materials under moist conditionsが,この規格と一致している。 

JIS C 4003 電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価 

備考 IEC 60085:1984 Thermal evaluation and classification of electrical insulationが,この規格と一致

している。 

JIS C 60079-0 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具−第0部 一般要件 

備考 IEC 60079-0:1988 Electrical apparatus for explosive atmospheres−Part 0: General requirements

が,この規格と一致している。 

JIS C 6575-1 ミニチュアヒューズ − 第1部:ミニチュアヒューズのための定義及びミニチュアヒ

ューズリンクのための一般要求事項 

備考 IEC 60127-1: 1988, Miniature fuses - Part 1: Definitions for miniature fuses and general 

requirements for miniature fuse-linksからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS C 6575-2 ミニチュアヒューズ − 第2部:管形ヒューズリンク 

備考 IEC 60127-2: 1989, Miniature fuses - Part 2: Cartridge fuse-linksからの引用事項は,この規格の

該当事項と同等である。 

JIS C 6575-3 ミニチュアヒューズ − 第3部:サブミニチュアヒューズリンク(その他の包装ヒュ

ーズ) 

備考 IEC 60127-3: 1988, Miniature fuses - Part 3: Sub-miniature fuse-linksからの引用事項は,この規

格の該当事項と同等である。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 60079-0の3.(定義)よるほか,次による。 

3.1 

本安回路(intrinsically safe circuit) 正常状態及び特定の故障状態において,この規格で規定する条

件で発生する火花又は熱が,対象の爆発性ガス雰囲気に点火を生じない回路。 

3.2 

電気機器(electrical apparatus) 電気部品,電気回路,又は電気回路部分の集成体。通常は,一つの

容器に収納されている。 

備考1. “通常”とは,機器が二つ以上の容器となることもあることを示す。例えば,電話,ハンド

マイクを備えたトランシーバ。 

2. この定義は,JIS C 60079-0に含まれている定義をより明確にしたものである。  

3.3 

本安機器(intrinsically safe apparatus) すべての内部回路が本安回路である電気機器。 

3.4 

本安関連機器(associated apparatus) 本安回路と非本安回路の両方を含む機器で,非本安回路が本

安回路に影響を及ぼすおそれがないようにした電気機器。 

備考 本安関連機器は,次のいずれかによる。  

a) 適切な爆発性ガスの雰囲気中で用いるためにJIS C 60079-0に規定するほかの防爆構造と組

み合わせた電気機器。 

b) ほかの防爆構造で保護されていない電気機器で,爆発性ガス雰囲気では使用できないもの。

例えば,記録計で,記録計自身は爆発性ガス雰囲気に置かれていないが,爆発性雰囲気の中

に置かれている熱電対に接続する入力回路が本安回路となっているもの。 

3.5 

正常状態(normal operation) 本安機器又は本安関連機器が,電気的及び機械的に製造業者の設計仕

様を満足する状態。 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

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3.6 

故障(fault) 回路の本質安全防爆性が依存する部品,離隔,絶縁,又は部品間の接続の欠陥のうち,

この規格で故障を生じないと定義されないもの。 

3.7 

カウント可能な故障(countable fault) この規格の構造要件に適合している電気機器の部品及び部

分に起こる故障。 

3.8 

カウント不可能な故障(non-countable fault) この規格の構造要件に適合していない電気機器の部

品及び部分に起こる故障。 

3.9 

故障を生じないとみなす部品及び集成体(infallible component or infallible assembly of components) 

この規格で規定される故障モードの適用を受けないとみなされる部品又は集成体。運転中又は保管中のそ

れらの故障モードの確率は考慮しなくてよいほど低いとみなされる。 

3.10 故障を生じないとみなす離隔及び絶縁(infallible separation or insulation) 短絡を生じないとみなさ

れる電気的導電部間の離隔及び絶縁。運転中又は保管中のそれらの故障モードの確率は,考慮しなくてよ

いほど低いとみなされる。 

3.11 単純機器(simple apparatus) 明確な電気的パラメータをもつ単純な構造の電気部品又は電気部品

の組合せで,それらが用いられる回路の本安性を損なうことがないもの。 

3.12 内部配線(internal wiring) 製造業者が機器内部に行った配線及び電気的接続。 

3.13 最小点火電流(MIC)[minimum igniting current (MIC)] 附属書Bによる火花点火試験装置で試験

ガスに点火し得る抵抗性回路又は誘導性回路の最小電流。 

3.14 最小点火電圧(minimum igniting voltage) 附属書Bによる火花点火試験装置で試験ガスに点火し得

る容量性回路の最小電圧。 

3.15 最大電圧(交流又は直流実効値)(Um)(maximum r.m.s. a.c. or d.c. voltage) 本質安全性を損なうこと

なく本安関連機器の非本安接続端子部に印加できる最大電圧。 

備考 Um値は,接続端子部の違いによって異なってもよい。その値は,交流又は直流によって異なっ

てもよい。 

3.16 最大入力電圧(Ui)(maximum input voltage) 本質安全性を損なうことなく本安回路の接続端子部に

印加できる最大電圧(交流又は直流ピーク値)。 

3.17 最大出力電圧(Uo)(maximum output voltage)  Um及びUiを含む最大の印加電圧にて機器の接続端

子部に開放状態で生じる本安回路の最大出力電圧(交流又は直流ピーク値)。 

備考 複数の印加電圧では,最大出力電圧は印加電圧の最も厳しい組合せで生じる。 

3.18 最大入力電流(Ii)(maximum input current) 本質安全性を損なうことなく本安回路の接続端子部に

印加できる最大電流(交流又は直流ピーク値)。 

3.19 最大出力電流(Io)(maximum output current) 機器の接続端子部から得られる本安回路の最大電流

(交流又は直流ピーク値)。 

3.20 最大入力電力(Pi)(maximum input power) 外部電源に接続されているとき,本質安全性を損なうこ

となく機器内で消費できる本安回路での最大入力電力。 

3.21 最大出力電力(Po)(maximum output power) 機器から得られる本安回路の最大電力。 

3.22 最大外部キャパシタンス(Co)(maximum external capacitance) 本質安全性を損なうことなく機器

の接続端子部に接続できる本安回路の最大キャパシタンス。 

3.23 最大内部キャパシタンス(Ci)(maximum internal capacitance) 機器の接続端子部に現れるとみなさ

れる機器の合計した等価内部キャパシタンス。 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.24 最大外部インダクタンス(Lo)(maximum external inductance) 本質安全性を損なうことなく機器の

接続端子部に接続できる本安回路のインダクタンスの最大値。 

3.25 最大内部インダクタンス(Li)(maximum internal inductance) 機器の接続端子部に現れるとみなさ

れる機器の合計した等価内部インダクタンス。 

3.26 外部インダクタンスと抵抗との比の最大値(Lo/Ro)(maximum external inductance to resistance ratio) 

本質安全性を損なうことなく電気機器の接続端子部に接続できる外部回路のインダクタンス(Lo)と抵抗

(Ro)との比の最大値。 

3.27 内部インダクタンスと抵抗との比の最大値(Li/Ri)(maximum internal inductance to resistance ratio) 

電気機器の外部接続端子部に現れるとみなされるインダクタンス(Li)と抵抗(Ri)との比の最大値。 

3.28 空間距離(clearance) 二つの導電部間の空気中の最短距離。 

備考 この空間距離は,絶縁物又は充てん(填)物で覆われた導電部ではなく,周囲の雰囲気にさらさ

れる導電部だけに適用する。 

3.29 充てん物離隔距離(distance through casting compound) 二つの導電部間の充てん物を通しての最短

距離。 

3.30 固体離隔距離(distance through solid insulation) 二つの導電部間の固体絶縁物を通しての最短距離。 

3.31 空気中の沿面距離(creepage distance in air) 二つの導電部間の空気中の絶縁物の表面に沿った最短

距離。 

3.32 コーティング下の沿面距離(creepage distance under coating) 二つの導電部間の絶縁コーティング

で覆われた絶縁物の表面に沿った最短距離。 

3.33 ヒューズ定格(In)(fuse rating)  JIC C 6575によるか又は製造業者の仕様書による定格電流。 

3.34 ガス封止形セル及び電池(sealed gas tight cell or battery) 製造業者によって規定された充電及び温

度の限界内で動作するとき,密封状態を維持して,ガス又は液体の放出がないセル及び電池。 

備考 このようなセル及び電池は,危険な内部の高い圧力を防止する安全装置を備えていてもよい。

セル及び電池は電解液の補充の必要がなく,しかも寿命の期間にわたって元のシール状態で動

作するように設計されている。  

3.35 シール形制御弁付セル及び電池(sealed valve-regulated cell or battery) 正常状態で閉鎖されており,

内部圧力が規定値を超える場合はガスを逃がせるようになっているセル及び電池。セル及び電池は,通常

電解液を補充できない。 

3.36 ダイオード形安全保持器(diode safety barrier) 大きい機器の一部としてよりむしろ個別機器とし

て製造され,ヒューズ又は抵抗器若しくはその組合せで保護されたシャントダイオード又は直列接続した

ダイオード(ツェナーダイオードを含めて)を含む集成体。 

4. 本安機器並びに本安関連機器の分類及び温度等級 本安機器及び本安関連機器は,JIS C 60079-0の4. 

及び5. に従い,分類と温度等級とに分ける。 

5. 電気機器の区分  

5.1 

一般 本安機器及び本安関連機器の本安部分は,“ia”又は“ib”に区分する。この規格の要件は,

特に規定がない限り両方の区分に適用する。 

“ia”又は“ib”の区分の決定に当たっては,部品及び接続の故障は,7.6に従って考慮しなければなら

ない。 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 機器は,“ia”及び“ib”の両方を指定してもよい。さらに,各区分によって異なるパラメータ

をもってもよい。  

5.2 

区分“ia” Um及びUiを印加した場合,区分“ia”の電気機器の本安回路は,次の各々の状態で点

火してはならない。 

a) 正常状態及び,最悪条件となるような,カウント不可能な故障の任意の組合せを適用した状態。 

b) 正常状態及び,最悪条件となるような,一つのカウント可能な故障及びカウント不可能な故障の任意

の組合せを適用した状態。 

c) 正常状態及び,最悪条件となるような,二つのカウント可能な故障及びカウント不可能な故障の任意

の組合せを適用した状態。 

上述のカウント不可能な故障の組合せは,a),b),c)のそれぞれで異なってもよい。  

上述のa),b),c)を仮定した本安回路の火花点火について,試験又は評価を行うときには,安全率は10.4.2

によって次の値を適用する。 

− a)とb)との両方に対して 

1.5 

− c)に対して 

1.0 

温度等級の決定に際しては,印加する電圧又は電流の安全率は,常に1.0 とする。 

カウント可能な故障が一つしか起こらない場合,“ia”の試験要件を満足する場合,b) の要件が区分“ia”

とみなされる。もしカウント可能な故障が全く起こらない場合, “ia”の試験要件を満足する場合,a) の

要件が区分“ia”とみなされる。 

5.3 

区分“ib” Um及びUiを印加した場合,区分“ib”の電気機器の本安回路は,次の各々の状態で点

火してはならない。 

a) 正常状態及び,最悪条件となるような,カウント不可能な故障の任意の組合せを適用した状態。 

b) 正常状態及び,最悪条件となるような,一つのカウント可能な故障とカウント不可能な故障の任意の

組合せを適用した状態。 

上述のカウント不可能な故障の組合せは,a),b)のそれぞれで異なってもよい。 

上述のa),b)を仮定した本安回路の火花点火について,試験又は評価を行うときには,1.5の安全率は

10.4.2によって適用する。表面温度等級の決定に際しては,印加する電圧又は電流の安全率は,常に1.0

とする。もし,カウント可能な故障が全く起こらない場合,“ib”の試験要件を満足する場合,a)の要件が

区分“ib”とみなされる。 

備考 火花点火についての本安回路の評価方法は,附属書Aに規定する。火花点火試験装置の詳細は,

附属書Bに規定する。 

5.4 

単純機器 次の機器は,単純機器になり得るとみなす。 

a) 受動部品。例えば,スイッチ,接続箱,抵抗器及び単純な半導体部品。 

b) 明確なパラメータをもつエネルギー蓄積源。例えばキャパシタ又はインダクタで,それらのパラメー

タの値は,システムの全体的な安全性を決めるときに考慮しなければならない。 

c) エネルギー発生源。例えば熱電対とフォトセルで,それらのエネルギー発生源は,1.5 V,100 mA及

び25 mWを超えないもの。エネルギー発生源の中に存在するインダクタンス及びキャパシタンスは,

b)のように考慮しなければならない。 

単純機器は,認証される必要はなく12. に従う必要もないが,この規格の中の関連するすべての要

件に従うべきである。特に次の事項は常に考慮しなければならない。 

1) 単純機器は,電圧及び/又は電流制限及び/又は抑制素子を含むことによって本質安全性を達成して

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

はならない。 

2) 単純機器は,利用可能な電圧又は電流を増やす手段を含んではならない。例えば,補助的な電源供

給回路。 

3) 単純機器は,本安回路の接地から完全に絶縁されていることが必要な場合には,6.4.12に従い,対

地間の耐電圧試験に耐えなければならない。さらに,端子は,6.3.1に従わなければならない。 

4) 危険場所に設置される非金属容器及び軽金属を含む容器は,JIS C 60079-0の7.3及び8.1による。 

5) 危険場所に設置される単純機器は,温度等級によって分類しなければならない。通常の定格の範囲

内で,かつ,最高周囲温度40 ℃において本安回路に用いる場合,スイッチ,プラグ,ソケット及び

端子はグループⅡでは温度等級T6,グループⅠでは,最高表面温度85 ℃とみなす。ほかのタイプ

の単純機器は,この規格の4. 及び6. に従って温度等級を決めなければならない。 

単純機器がほかの電気回路を含む機器の一部を構成する場合は,機器全体が認証されなければならない。 

備考 触媒反応又はほかの電気化学メカニズムを利用するセンサは,通常単純機器ではない。これら

の応用のためには,専門家のアドバイスが必要である。 

6. 機器の構造  

備考 この項で規定した要件は,関連する条項に異なる規定がない限り,本質安全防爆構造の実現に

寄与している本安機器及び本安関連機器の構成にだけ適用する。さらに,この項で規定する要

件は,1.2で除外されなかったJIS C 60079-0の一般要件に付加する。 

例えば,充てん物による樹脂充てんの要件は,樹脂充てんすることが6.4.4又は6.7を満足す

るために必要である場合に限って適用される。 

6.1 

容器 原則として,本安機器及び本安関連機器は,防爆手法が回路自身に含まれるので,容器を必

要としない。ただし,導電部に触れることによって本質安全性が阻害される場合には,JIS C 0920に従っ

てIP 20以上の容器が,試験を行う機器の一部として用いなければならない。本質安全性が阻害される場

合とは,例えば,回路間が故障を生じないとみなす空気中の沿面距離を含む場合。 

必要とする保護等級は,使用目的によって異なる。例えば,グループIの機器では,JIS C 0920に従っ

た保護等級IP 54が一般に要求される。 

“容器”は,充電部への接触保護のためのものと,固形異物及び液体の侵入防止のためのものとは物理

的に同じものでなくてもよい。 

容器の境界を形成する機器の表面を明確に指定することは,製造業者の責任であって,規定の書類(13.

参照)に記載されていなければならない。 

6.2 

配線及び小形部品の温度  

6.2.1 

グループⅠ機器の粉じん層 T4及びグループⅠについて言及する場合,6. の目的に沿うためには,

グループIの機器の内部は,注目する部品の取付場所又は部品の上に炭じん(塵)が層状にたい(堆)積しな

い構造でなければならない。 

6.2.2 

機器内配線 自己発熱による電線の最高温度に対応する最大許容電流は,銅線用の表1の値を採用

するか,又は一般金属用の次の式で計算する。 

background image

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2

1

f

)

1(

)

1(

at

aT

T

t

I

I

ここに, 

a: 電線の材料の抵抗温度係数(銅では0.004265 K−1) 

I: 最大許容電流 実効値(A) 

If: 周囲温度40 ℃での電線が融ける電流(A) 

T: 電線の材料が融ける温度(℃) (銅では1 083 ℃) 

t: 周囲温度及び自己発熱の結果としての電線の温度(℃) 

絶縁されている配線に流す最大電流は,電線の製造業者が指定した電線の定格を超えてはならない。 

表 1 銅線による配線の温度等級(最高周囲温度40 ℃) 

直径 

(備考4. 参照) 

mm 

断面積 

(備考4. 参照) 

mm 

温度等級に対する最大許容電流 

T1〜T4及び 

グループⅠ 

T5 

T6 

0.035 

0.000962 

0.53 

0.48 

0.43 

0.05 

0.0196 

1.04 

0.93 

0.84 

0.1 

0.00785 

2.1 

1.9 

1.7 

0.2 

0.0314 

3.7 

3.3 

3.0 

0.35 

0.0962 

6.4 

5.6 

5.0 

0.5 

0.196 

7.7 

6.9 

6.7 

備考1. 表1中に示されている最大許容電流の値は,交流又は直流実効値である。 

2. より線では,断面積は,より線の合計面積とする。 
3. 表1は,リボンケーブルのようなフレキシブルフラット導体にも適用する。しかし,プリン

ト回路には,6.2.3を適用する。  

4. 直径及び断面積は,電線の製造業者によって規定される公称寸法とする。 
5. 最大入力電力Piが1.3 Wを超えなければ,配線は温度等級T4とすることができるし,グル

ープⅠとしても受け入れられる。  

6.2.3 

プリント回路の配線 最小厚さ35 μmの導体パターンが片面又は両面に施してある最小厚さ

0.5 mmのプリント基板において,最小導体幅が0.3 mm及びパターンの連続電流が0.518 Aを超えない場

合,そのプリントパターンは温度等級T4 又はグループⅠに区分される。同様に,温度等級T4では,最小

パターン幅0.5 mm,1.0 mm,2.0 mmに対してそれぞれ最大電流0.814 A,1.388 A,及び2.222 Aを許容す

る。10 mm以下のパターン長は,温度等級を適用しない。 

ほかの適用では,プリント基板の銅配線の温度等級は,表2に従い決定する。 

製造上の許容差は,この項で規定された値の10 %又は1 mmの小さい方の値までとする。 

最大入力電力Piが1.3 W以下の場合,プリント配線は,温度等級T4又はグループⅠに区分される。 

background image

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

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表 2 プリント配線の温度等級(最高周囲温度40 ℃) 

最小導体幅 

温度等級に対する最大許容電流 

mm 

T1〜T4及び 

グループⅠ 

T5 

T6 

0.15 

1.2 

1.0 

0.9 

0.2 

1.8 

1.45 

1.3 

0.3 

2.8 

2.25 

1.95 

0.4 

3.6 

2.9 

2.5 

0.5 

4.4 

3.5 

3.0 

0.7 

5.7 

4.6 

4.1 

1.0 

7.5 

6.05 

5.4 

1.5 

9.8 

8.1 

6.9 

2.0 

12.0 

9.7 

8.4 

3.0 

16.1 

13.1 

11.5 

4.0 

19.5 

16.1 

14.3 

5.0 

22.7 

18.9 

16.6 

6.0 

25.8 

21.8 

18.9 

備考1. 表2中の最大許容電流の値は,交流又は直流実効値とする。 

2. 表2は,銅はく(箔)厚さ35 μmの片面で厚さ1.6 mm以上のプリント基板に適用する。 
3. 厚さが0.5 mm〜1.6 mmの間の基板では,この最大電流を1.2で除する。 
4. 両面に導体パターンがある基板では,この最大電流を1.5で除する。 
5. 多層基板のパターン層では,この最大電流を2で除する。 
6. 銅はく厚さ18 μmでは,この最大電流を1.5で除する。 
7. 銅はく厚さ70 μmでは,この最大電流に1.3を乗じる。 
8. 正常状態又は故障状態において,0.25 W以上消費する部品の下を通るパターンは,この最大

電流を1.5で除する。 

9. 正常状態又は故障状態において0.25 W以上消費する部品の末端において,その導体に沿って

1 mmの間は,パターン幅に3を乗じるか,又はこの許容電流を2で割る。パターンがその部
品の下を通るなら,追加して備考8. に規定された係数を適用する。 

6.2.4 

小形部品 トランジスタ又は抵抗器のような小形部品は,次のいずれかを満足する場合において,

その温度等級の許容温度を超える温度が許容される。 

a) 10.7に従って試験した場合,小形部品によって可燃性ガスに点火しない。かつ,温度等級を超える温

度によって発生する変形又は劣化が防爆構造に影響を及ぼさない。 

b) 温度等級T4及びグループⅠにおいて小形部品が,表3に適合する。 

c) 温度等級T5において,表面積(リード線を除く。)が10 cm2未満の部品の表面温度が150 ℃を超えな

い。 

表 3 部品の大きさ及び周囲温度に従った温度等級T4に用いる評価の要件 

リード線を除く全表面積 

T4及びグループⅠに分類できる要件 

20 mm2未満 

表面温度 275 ℃ 以下 

20 mm2以上 

消費電力 1.3 W 以下 (1) 

20 mm2以上10 cm2未満 

表面温度 200 ℃ 以下 

注(1) 周囲温度が60 ℃の場合は1.2 W,80 ℃の場合は1.0 Wに減じる。 

ポテンショメータで考慮すべき表面は,部品の外部の表面ではなく,抵抗体の表面とする。ポテンショ

メータの取付方法及びその全体的な構造による放熱及び冷却効果を試験中に考慮しなければならない。温

10 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

度は,“ib”又は“ia”の条件で電流が流れている被摺動体上で測定する。温度が被摺動体の抵抗値の10 %

未満の抵抗値で得られる場合,被摺動体の抵抗値の10 %に設定して測定する。 

6.3 

外部回路接続部  

6.3.1 

端子 表4の要件に加えて,本安回路用端子は,非本安回路用端子からa)又はb)で与えられる方

法の一つ以上によって離隔しなければならない。 

これらの離隔方法は,外部配線が端子から外れたときに導体又は部品に接触して,本質安全性を損なう

場合にも適用しなければならない。 

備考 本安機器及び本安関連機器への外部回路の接続端子は,接続するとき部品が損傷しないように

配置しなければならない。 

a) 離隔が端子間の距離によって達成されるとき,端子間の空間距離は50 mm 以上とする。配線が移動

した場合でも回路間の接触が起こらないように端子配置及び配線方法に注意する。  

b) 別々の容器に本安回路及び非本安回路を収納して端子間を離隔する場合,若しくは共通のカバーをも

つ端子間を絶縁隔壁又は接地金属隔壁によって離隔する場合には,次を適用する。 

1) 端子間を離隔するための隔壁と容器壁面との間隔を1.5 mm以下とするか,又は隔壁の周囲のあら

ゆる方向で測定した接続端子間の距離を50 mm以上にする。 

2) 金属隔壁は接地され,外部配線の接続時に損傷を受けないような十分な強度及び剛性をもつもので

なければならない。金属隔壁の厚さは0.45 mm以上とするか,又はそれより薄い場合は10.10.2を

満足するものでなければならない。さらに,金属隔壁は,故障状態において接地接続部分に損傷及

び断線が生じない十分な電流容量をもたなければならない。 

3) 非金属絶縁隔壁は,十分な厚さであって,かつ,その目的を損なうような変形が容易に生じないよ

うに支持しなければならない。このような隔壁は,厚さを少なくとも0.9 mmにするか,又はそれ

より薄い場合は10.10.2による。 

異なる本安回路の端子の裸導電部間の空間距離は,表4の値以上とする。さらに,端子間の空間距離は,

接続された外部導体の裸導電部間の空間距離が図1によって測定して6 mm以上となるようにする。強固

に固定されていない金属部の起こり得る移動も考慮する。  

端子に接続された外部導体の裸導電部と接地された金属又はほかの導電部間との空間距離は,3 mm以

上とする。ただし,安全性の解析を行い,起こり得る混触に対する安全性が既に確認されている場合を除

く。 

background image

11 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 4 空間距離,沿面距離及び離隔距離 

1 電圧(ピーク値) 

10 

30 

60 

90 

190 

375 

550 

750 1 000 1 300 1 575 3.3 k 4.7 k 9.5 k 15.6 k 

2 空間距離 

mm 

1.5 

2.0 

3.0 

4.0 

5.0 

6.0 

7.0 

8.0 

10.0 14.0 16.0 

3 成形物を通しての

離隔距離 
mm 

0.5 

0.7 

1.0 

1.3 

1.7 

2.0 

2.4 

2.7 

3.3 

4.6 

5.3 

9.0 

12.0 20.0 33.0 

4 固体絶縁物を通し

ての離隔距離 
mm 

0.5 

0.5 

0.5 

0.7 

0.8 

1.0 

1.2 

1.4 

1.7 

2.3 

2.7 

4.5 

6.0 

10.0 16.5 

5 空気中の沿面距離 

mm 

1.5 

2.0 

3.0 

4.0 

8.0 

10.0 15.0 18.0 25.0 36.0 49.0 

6 コーティング下の

沿面距離 
mm 

0.5 

0.7 

1.0 

1.3 

2.6 

3.3 

5.0 

6.0 

8.3 

12.0 16.3 

7 比較トラッキ 

ia 

100 

100 

100 

175 

175 

275 

275 

275 

275 

275 

 ング指数 

(CTI) 

ib 

100 

100 

100 

175 

175 

175 

175 

175 

175 

175 

備考1. 離隔距離以外は,1 575 Vより高い電圧の値は,現在のところ提案されていない。 

2. 10 V以下の電圧においては,絶縁材料のCTIは要求されない。 

6.3.2 

プラグ及びソケット 外部の本安回路との接続に用いるプラグ及びソケットは,非本安回路用のも

のから独立し,かつ,それらと差替え不可能なものとしなければならない。 

本安機器又は本安関連機器が外部接続用プラグとソケットを複数備えている場合,及び差替えが防爆構

造に影響する場合は,このようなプラグ及びソケットに対し,次のいずれかの処置を施さなければならな

い。 

例えば,キー溝などをつけ,差替えできないようにする。又は,対となるプラグ及びソケットが識別で

きなければならない。例えば,差替えが明らかに判るようにマーキング又は色分けをする。 

プラグ又はソケットに電線があらかじめ取り付けられていない場合,その接続部は6.3.1による。しかし,

接続に特別な工具を必要とするとき,例えば,電線の素線がはみ出すことなくまとめられるように圧着す

る場合には,外部配線接続部は表4に従うだけでよい。 

コネクタの接続が接地回路を含み,防爆構造がその接地の接続に依存する場合,コネクタは6.6に従い

構成しなければならない。  

6.3.3 

抵抗で制限された電源の外部インダクタンスと抵抗との比の最大値(Lo/Ro)の決定 抵抗で制限さ

れた電源に接続できる外部インダクタンスと抵抗との比の最大値(Lo/Ro)は,次の式によって計算する。こ

の式は,電流の安全率1.5を含んでいる。さらにこの式は,機器の出力端子からみたCiが,Coの1 %を超

える場合には用いてはならない。 

12 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

H/Ω

5.4

)

72

64

(

8

2

o

2

1

i

2

o

2i

2

i

o

o

U

eL

U

R

e

eR

R

L

ここに, 

e: 火花点火試験装置による最小点火エネルギー(J) 

 グループⅠの機器 

: 525  μJ 

グループⅡAの機器 : 320  μJ 
グループⅡBの機器 : 160  μJ 
グループⅡCの機器 :  40  μJ 

Ri: 電源の最小出力抵抗(Ω) 

Uo: 最大開放電圧(V) 

Li: 電源端子に現れる最大インダクタンス(H) 

ここで,Li=0 のとき, 

H/Ω

9

32

2

o

i

o

o

U

eR

R

L=

安全率を1とする場合,Lo/Roの値に,2.25を乗じる。 

備考 Lo/Ro比の通常の適用は,分布定数のパラメータ(例えば,ケーブル)についてである。インダク

タンス及び抵抗が集中定数の場合,特別な考慮を必要とする。 

background image

13 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

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6.3.4 

恒久的に接続されたケーブル 恒久的に接続されたケーブルで構成された機器は,10.13による。 

単位 mm 

 図中の記号 

① :導電性のカバー 

T :表4に従った空間距離及び沿面距離 

d :6.3.1に従った空間距離及び沿面距離 

備考 図示寸法は,上に示されるように絶縁物の回りの空間距離及び沿面距離で,絶縁物の厚さではない。 

図 1 異なる本安回路の端子間の空間距離及び沿面距離の要件 

14 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

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6.4 

離隔距離  

6.4.1 

導電部の離隔 導電部の離隔は,次のいずれかによる。 

− 本安回路と非本安回路との間 

− 異なる本安回路間 

− 一つの回路と,接地又は絶縁された金属部との間 

防爆構造が離隔に依存する場合は,次による。 

離隔距離は,導体又は導電部品の起こり得る動きを考慮して測定するか又は評価する。製造上の許容差

は,この項で規定された値の10 %又は1 mmの小さい方の値までとする。 

離隔が表4による場合,絶縁抵抗が低下する故障は起きないものとみなす。 

離隔距離が表4で規定された値より小さく,かつ,その値の1/3以上の場合は,カウント可能な故障(短

絡)が起きるものとみなす。 

離隔距離が表4で規定される値の1/3未満の場合は,その部分の短絡が本質安全性を損なう場合,カウ

ント不可能な故障(短絡)が起きるものとみなす。 

離隔要件は,接地した金属,例えばプリント板の配線又は隔壁が本安回路をほかの回路から離隔してい

る場合には,適用しない。ただし,地絡が防爆構造に悪影響を与えることがなく,かつ,接地導体が故障

時の最大電流に耐え得ることが条件である。 

備考1. 例えば,電流制限抵抗器が,回路と接地又は絶縁金属部との間に生じる短絡によってバイパ

スされ得る場合,防爆構造は接地又は絶縁金属部に対する離隔に依存することになる。 

接地金属隔壁は,損傷が起こり得ないように十分な強度と剛性をもち,かつ,故障状態においても接地

回路の焼損又は断線を防止するだけの十分な厚さと十分な電流容量をもたなければならない。壁隔は,厚

さ0.45 mm以上で,機器の頑丈な接地金属部に取り付けられていなければならない。又は,それ未満の厚

さの場合は10.10.2による。 

適切なCTIをもっている非金属の絶縁隔壁が導電部間に設置される場合は,空間距離,沿面距離及びほ

かの離隔距離は,隔壁が厚さ0.9 mm以上なら隔壁を廻って測定しなければならない。又は,それ未満の

厚さの場合は10.10.2による。 

備考2. 評価方法は,附属書Cによる。  

6.4.2 

導体部間の電圧 表4を用いるときに考慮する電圧は,離隔が回路の防爆構造に影響を与える任意

の二つの導体部間の電圧とする。例えば,本安回路と次に示す回路との間の電圧とする(図3参照)。 

− 同一回路内の非本安回路部分 

− 非本安回路 

− ほかの本安回路 

考慮する電圧値は,次のいずれかを適用する。  

a) 機器内で電気的に分離された回路では,回路間の考慮すべき電圧値は,任意の一点で二つの回路が接

続されたときに離隔間に発生し得る最高電圧であり,次に示すいずれかから求める。 

− 回路の定格電圧 

− 回路に安全に供給できると製造業者が規定した最大電圧 

− 同一の機器内で発生する任意の電圧 

一方の電圧が他方の電圧の20 %よりも小さい場合は,その電圧は無視する。主電源電圧には,規格

で定められている電圧変動を含めない。このような正弦波電圧のピーク電圧は,次の値とする。 

2×定格電圧の実効値 

background image

15 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

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b) 一つ回路内の二つの部分間:回路のいずれか一方の部分で発生し得る最大ピーク電圧値。この電圧は,

回路に接続される異なった電源の電圧の合計となる場合もあり得る。一方の電圧が他方の電圧の20 %

よりも小さい場合は,その電圧は無視できる。 

いずれの場合でも,最大電圧を求めるためには,5. の故障状態で生じる複数の電圧が適用可能な場

合,その電圧を用いなければならない。 

外部電圧は,接続端子部に明示したUm又はUi 値をもっていると仮定する。ヒューズのような保護素子

が回路を切り離す前に発生するような過渡電圧は,沿面距離の評価では考慮しない。しかし,空間距離の

評価では考慮しなければならない。 

6.4.3 

空間距離 導電部間の空間距離の測定又は評価に際して絶縁隔壁は,厚さ0.9 mm未満又は10.10.2

によらない場合には無視する。ほかの絶縁部は,表4の4行目(項目)による。 

1 575 V(ピーク値)より高い電圧においては,絶縁隔壁又は接地金属隔壁を間に設けなければならない。

いずれの場合もその隔壁は6.4による。 

図2a 三つの独立した接続要素の例 

図2b 独立していない三つの接続要素の例 

図 2 独立した接続要素及び独立していない接続要素の例 

6.4.4 

充てん物を通しての離隔距離及び充てん物の要件 充てん物は,次による。 

a) 充てん物又は機器の製造業者が指定した定格温度をもたなければならない。その定格温度は,樹脂充

てんされた状態で部品が到達する最高温度以上とする。ただし,防爆構造に悪影響を及ぼすような充

てん物の損傷の要因とならなければ充てん物の定格温度を超える温度でも許容される。 

b) 裸導電部が充てん物から露出している場合は,充てん物の表面は少なくとも表4に示すCTI値をもた

なければならない。 

16 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

エポキシ樹脂のように硬い材料に限って,表面を露出又は無保護としてもよい。このような場合,

容器(図D.1参照)を形成する部分とみなす。この場合は10.10.1による。 

c) 充てん(填)物によって全体的に覆う場合を除いて,すべての導電部,部品,基板に対して付着性をも

たなければならない。 

d) 充てん(填)物の製造業者による材料名称及び形式が指定されていなければならない。 

本安機器では,樹脂充てんされた導電部及び/又は部品及び/又は充てん物から露出した裸導電部に接続

されるすべての回路は,本質安全でなければならない。充てん物内部における故障状態は評価するが,火

花点火の可能性は考慮しない。 

樹脂充てんされた導電部及び/又は部品及び/又は充てん物から露出した裸導電部に接続される回路が本

質安全でない場合は,それらの回路はJIS C 60079-0に規定された他の防爆構造で保護しなければならない。 

樹脂充てんされた導電部及び部品と充てん物の外部表面との間の最小離隔距離は,表4の3行目に示さ

れた値の少なくとも1/2でなければならない。その最小隔離距離は1 mmとする。充てん(填)物が表4の

4行目による絶縁材料の容器に直接接触しているとき,ほかの離隔を必要としない(図D.1参照)。 

樹脂充てんされた回路の絶縁は,6.4.12による。 

半導体のような樹脂充てん又はハーメチックシールされた部品が7.1によって用いられていれば,内部

の空間距離と充てん物を通しての離隔距離が明確でなくとも,この部品の故障は一つのカウント可能な故

障とみなす。 

上記によるほか,附属書Dの要件によらなければならない。 

6.4.5 

固体絶縁物を通しての離隔距離 ここでいう固体絶縁物とは注入によるものではなく,押出又は成

形された絶縁物である。離隔距離が表4によるとき,固体絶縁物は6.4.12による耐電圧をもたなければな

らない。 

備考1. 絶縁体が強固に張り合わされた二つ又はそれ以上の電気絶縁材料片で組み立てられている場

合,この複合物は固体とみなしてよい。 

2. この規格では,前もって成形されているものを固体絶縁物という。例えば,シート,スリー

ブ又は配線材の弾性材料で作られた絶縁物。 

3. ワニス及び類似のコーティングは,固体絶縁物とはみなさない。 

6.4.6 

組み合わされたものの離隔 離隔が,例えば空気と絶縁物のように組み合わされたものから構成さ

れる場合,合計の離隔距離は基本的にすべての離隔について表4の各行を参照して計算する(附属書C参

照)。例えば60 Vにおいては, 

空間距離(2行目)=6×固体絶縁物を通しての離隔(4行目) 

空間距離(2行目)=3×充てん物を通しての離隔(3行目) 

等価空間距離=実際の空間距離+[3×充てん物を通しての追加離隔]+(6×固体絶縁物を通しての追加

離隔) 

故障を生じないとみなすためには,上記の結果は,表4で規定された空間距離の値以上でなければなら

ない。 

表4で規定された値の1/3未満の空間距離又は離隔は,この計算では無視される。 

6.4.7 

空気中の沿面距離 表4の5行目に規定された空気中の沿面距離に関しては,絶縁材料はJIS C 

2134によって測定された最小比較トラッキング指数(CTI)を規定する表4の7行目による。距離の測定又

は評価方法は,図4による。 

接合部が固着されている場合は,固着材の絶縁特性は相手の絶縁材料と同等でなければならない。 

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17 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例えば,間に導電部が挿入される場合のように,沿面距離が規定に満たない距離の加算から構成される

場合,表4の5行目の値の1/3未満の距離は,除外しなければならない。1 575 V(ピーク値)より高い電圧

においては,絶縁隔壁又は接地金属隔壁を間に設けなければならない。いずれの場合も隔壁は,6.4.1によ

る。 

図中の記号 
1:シャーシ 

4:本質安全ではないが本安回路の一部 

2:負荷 

5:本安回路 

3:Umで定義される非本安回路 

6:*印は,表4が適用される寸法 

図 3 導電部間の離隔 

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18 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図中の記号 
f :沿面距離 

①:固着接合部 

M:金属 

②:中央の金属は電気的に接続されてない。 

I :絶縁材料 

③:非固着接合部,隔壁の露出高さ > D 

図 4 (空気中の)沿面距離の決め方 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図5a 部分的にコーティングされた基板 

 コーティングで封止されない抵抗器のリード,したがって6.4.3及び6.4.7をマークしたすべての部分の寸法に適用

する。 

図5b はんだ付けされたリードが露出している基板 

図5c 折り曲げるかカットしたリードをはんだ付けした基板 

備考 コーティング厚さは,実寸法ではない。 

図 5 プリント基板上の沿面距離及び空間距離 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.4.8 

コーティング下の沿面距離 コーティングは,湿気の浸入及び汚染に対して問題となる導体間の沿

面経路をシールし,かつ,効果的で永続的な壊れないシールをしなければならない。それは導電部及び絶

縁材料に接着していなければならない。コーティングがスプレーによる場合,2層のコートが用いなけれ

ばならない。はんだマスクはそれだけでは,コーティングとみなさない。しかし,はんだマスクは,はん

だマスク以外のもう一つのコーティングがスプレによる場合,2層のコートの一つとして認められる。た

だし,はんだマスクは,はんだ付け中に損傷を受けてはならない。このほかに1層のコートだけでよい方

法もある。例えば,ディップコート,刷毛塗り,真空含浸。 

基板のコーティング方法は,認証書類に記載されていなければならない。コーティングは,導電性の部

分(例えば,はんだ接合部及びはんだ付けされた部品のリード)が突き出ることを十分に防止できるような

コーティングが施されている場合には,このことが認証書類の中で説明されると共に,試験によって確認

されていなければならない。 

裸導電部又は導電部がコーティングから露出する場合には,表4の7行目の比較トラッキング指数(CTI)

を絶縁物とコーティングの両方に適用する。 

備考 コーティング状態での沿面距離の考え方は,平らな表面,例えばフレキシブルでない(通常の)

プリント基板に対して適用されてきた。この形態から根本的に異なる場合には,特別な考慮を

必要とする。 

6.4.9 実装されたプリント基板の要件 空間距離及び沿面距離が,機器の本質安全性に影響を与える場合,

プリント回路は次による(図5参照)。 

a) プリント回路が6.4.8に適合したコーティングによって覆われている場合,6.4.3及び6.4.7の要件は,

次の例を含め,コーティングの外部にある導電部にだけ適用される。 

− コーティングから出ているパターン。 

− 片面だけにコーティングされたプリント回路のほかの面。 

− コーティングから突き出る可能性がある部品の裸部分。 

b) 6.4.8の要件は,コーティングが接続ピン,はんだ接合部及び部品の導電部を覆うとき,回路又は回路

の一部及び取り付けられた部品に適用される。 

6.4.10 接地されたスクリーンによる離隔 回路間又は回路の一部の間の離隔が金属製スクリーンによる

場合,スクリーンとそれへのすべての接続部は,5. に基づいて連続的に生じ得る最大電流に耐える電流容

量をもたなければならない。 

接続がコネクタを介している場合,コネクタは6.6の構造によらなければならない。 

6.4.11 内部配線 内部配線の導体を覆う絶縁物は,ワニス及びそれと類似のコーティングを除き,固体絶

縁物とみなす(6.4.5参照)。 

導体間の離隔は,押出しによって造られた絶縁被覆の半径方向厚さの合計とする。ただし,電線の配置

は,複数の独立した電線として並んでいるか,ケーブル状に束ねられているか,又は,ケーブルそのもの

の中に並んでいるものとする。 

本安回路の任意の心線と非本安回路の任意の心線との導体間距離は,次のいずれかに該当するときを除

いて,6.4.6の要件を考慮して表4の4行目による。 

− 本安又は非本安回路のいずれかの心線が接地スクリーンに囲まれているか,又は 

− 区分“ib”の電気機器では,本安回路心線の絶縁物は交流実効値2 000 Vの試験電圧に耐える。 

備考 この試験電圧に耐える絶縁を達成する一つの方法は,心線を覆う絶縁スリーブを追加すること

である。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.4.12 耐電圧試験 本安回路と,接地される可能性がある電気機器のフレーム又は部分との間の絶縁は,

本安回路電圧の2倍又は500 Vのいずれか大きい交流試験電圧(実効値)に,正常状態において耐えなけれ

ばならない。 

試験中に流れる電流は,回路設計から想定された以上に増加せずに,常に実効値で5 mAを超えてはな

らない。又はこの回路が要件を満足しない場合は,この機器には記号Xを表示する。 

本安回路と非本安回路との間の絶縁は,本安回路と非本安回路の電圧(実効値)の合計をUとし,2U+ 

1 000 V,又は最小1 500 Vのいずれか大きい交流試験電圧(実効値)に耐えなければならない。 

別々の本安回路間の絶縁破壊によって安全性を損なうような状況が発生する場合,これらの回路間の絶

縁は,対象とする回路の電圧(実効値)の合計をUとし,2U又は最小500 Vのいずれか大きい交流試験電

圧(実効値)に耐えなければならない。 

上記の試験で用いられる試験方法は,10.6による。 

6.4.13 リレー リレーのコイルが本安回路に接続されている場合には,正常状態での接点は,製造業者の

定格を超えず,かつ,実効値5 A,実効値250 V又は100 VAを超えて開閉してはならない。接点による開

閉時の値がこれらの値を超えるときで,10 A又は500 VAを超えない場合には,表4の該当する電圧に対

する沿面距離・空間距離の値を2倍する。 

さらに大きい電流,電圧又はVA値の場合,本安回路及び非本安回路は,6.4.1による接地金属障壁又は

絶縁障壁によって離隔される場合に限り,同一のリレーに接続できる。このような絶縁障壁の寸法は,リ

レーの操作によって生じるイオン化を考慮して,一般に表4で与えられるより大きな沿面距離及び空間距

離を必要とする。一つのリレーが本安回路と非本安回路の両方に接点をもつ場合は,本安回路及び非本安

回路の接点は,表4に加えて6.4.1による接地金属障壁又は絶縁障壁によって離隔されなければならない。

リレーは,破損又は損傷のときにも,接点が外れて本安回路と非本安回路との間の離隔を損ねることがな

いように接点が配置された設計とする。 

6.5 

逆極性接続に対する保護 機器への電源供給又は電池のセル間の逆極性接続によって防爆構造が損

なわれる場合には,本安機器内に保護する手段を備えなければならない。1個のダイオードでこの目的を

満足できる。 

6.6 

接地用導体,接続及び端子 容器,導体,金属スクリーン,プリント基板の導体,プラグインコネ

クタの分離接点及びダイオード形安全保持器のような,接地が防爆構造を維持するために必要な場合には,

この目的のために使われる任意の導体,コネクタ及び端子は5. に規定された条件下で連続的に生じ得る最

大電流を流すことができるような断面積をもっていなければならない。 部品は,7. にもよらなければな

らない。 

一つのコネクタを介して接地する回路に防爆構造が依存している場合には,コネクタは“ia”回路では

少なくとも三つ,及び“ib”回路では少なくとも二つの独立した接続素子で構成しなければならない(図2

参照)。これらの素子は並列に接続する。コネクタが斜めに外せる場合には,コネクタの各々の端又はその

近くに一つの接続を設ける。 

端子は,勝手に緩む可能性がないように取付部にて固定し,かつ,導体が意図された場所からすべって

外れないような構造とする。さらに,直接心線を締め付けるように意図される端子でより線が使われると

しても,導体を劣化させることなく適正な接触がされることが保証されなければならない。端子によって

形成される接触は,正常な使われ方において温度変化によって,検知できるほどに損なわれてはならない。

より線を締め付けるように意図される端子は,弾性がある部品を介在させなければならない。4 mmまで

の断面の導体用の端子は,より小さい断面の導体も有効に接続できなければならない。JIS C 0934の要件

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

による端子は,これらの要件を満足するとみなされる。 

次に示すようなものは,用いてはならない。 

a) 導体に損傷を与えるおそれがある,鋭いエッジがある端子。 

b) 正常な締付けによって,回ったり,ねじれたり又は永久変形を起こすような端子。 

c) 端子の接触圧を逃がしてしまうような絶縁材料。 

6.7 

爆発性雰囲気から隔離するための樹脂充てん 例えば,ヒューズ,抑制部品をもつ圧電素子,抑制

部品をもつエネルギー蓄積素子のような部品及び本安回路を爆発性雰囲気から隔離するために充てん物が

用いられる場合には,6.4.4による。 

加えて,例えば,ダイオード類又は抵抗器類のような高温部品の点火能力を引き下げるように充てん物

を用いる場合には,充てん物の量及び厚さは充てん物の最高表面温度を要求される値まで下げるものでな

ければならない。 

7. 安全保持部品  

7.1 

部品の定格 変圧器,ヒューズ,サーマルリレー,リレー及びスイッチのような部品を除いた防爆

構造を維持するのに必要な部品は,正常状態及び5. で与えられた故障条件下の両方において,部品の定格,

取付条件及び指定された温度範囲と関連する最大電流,最大電圧,最大電力の3分の2を超過して動作さ

せてはならない。これらの最大定格値は,部品の製造業者の指定した公称定格とする。 

備考 変圧器,ヒューズ,サーマルリレー,リレー及びスイッチは,正しく機能させるために,公称

定格で用いてよい。 

電圧及び電流のように安全率が適用されているパラメータを決定するために,部品及び集成体の詳細な

試験並びに解析を行う必要はない。その理由は,5.2及び5.3に規定する安全率が,詳細な試験及び解析の

必要性を除外しているからである。例えば,40 ℃で10 V+10 %と製造業者によって明記されたツェナーダ

イオードは,温度上昇による電圧上昇のような効果を考慮しないで最大11 Vとする。 

部品の取付条件及び機器の製造業者とJIS C 60079-0の5.2によって規定された周囲温度範囲の影響につ

いて考慮しなければならない。例えば,半導体の場合,消費電力は,特定の取付条件下で接合温度が最高

となるとなる消費電力の3分の2を超えてはならない。 

7.2 

内部接続用コネクタ,プラグインカード用コネクタ及び部品用コネクタ これらのコネクタは,同

一の電気機内で誤接続又はほかのコネクタとの差し間違え接続が不可能なように設計しなければならない。

ただし,誤接続又は差し間違え接続が安全性を損なうことがないか,若しくは誤接続したことが分かるよ

うにコネクタが識別されている場合を除く。 

防爆構造が接続に依存する場合では,接触部の高抵抗又は開放に至る故障は,5. に規定するカウント可

能な故障とみなす。 

コネクタが接地回路を構成し,かつ,防爆構造がその接地接続に依存している場合,コネクタは6.6に

適合する構造でなければならない。 

7.3 

ヒューズ ヒューズがほかの部品を保護するために使われる場合には,1.7Inが連続的に流れると仮

定する。ヒューズの時間−電流特性は,保護される部品の過渡定格を超えないことを保証しなければなら

ない。ヒューズの時間−電流特性製造業者のデータから得られない場合は,少なくとも10個のサンプルに

ついて,10.12による形式試験が行わなければならない。この試験は,そのサンプルに,Umがヒューズを

通して供給されるときに生じる過渡値の1.5倍に耐える能力があることを示すものである。爆発性雰囲気

に設置されるヒューズは,6.7によって保護しなければならない。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ヒューズが樹脂充てんされる場合には,充てん物がヒューズ内に侵入してはならない。この要件は,サ

ンプルテストによるか,又は樹脂充てんが容認できることを裏付けるヒューズの製造業者の宣言書によっ

て満たされなければならない。そうでない場合は,樹脂充てんする前にヒューズにシールを施さなければ

ならない。 

部品を保護するために用いるヒューズは,機器の容器を開かなければ交換できないものとする。形式及

びヒューズ定格In又は本質安全性にとって重要な特性は,ヒューズの近くに表示する。 

ヒューズは,必ずしも表4を適用しなくてもよいが,少なくともUm(又は本安機器及び回路のUi)の定

格電圧はもたなければならない。ヒューズ及びヒューズホルダの構造については,一般の工業規格を適用

する。 

なお,ヒューズ及びホルダは,それら自身の離隔,沿面距離及び空間距離を減らさないように取り付け

なければならない。 

備考1. JIS C 6575によるミニチュアヒューズは,使用可能である。 

ヒューズは,取り付けられる回路の予測される最大電流を遮断できなければならない。交流250 Vを超

えない主電源系統では,予測される電流は,通常,交流1 500 Aになるとみなさなければならない。ヒュ

ーズの遮断容量は,JIS C 6575又は同等の規格によって決定される。 

備考2. 例えば,より高い電圧の場合には,もっと大きな予測される最大電流が流れる場合もある。 

予測される最大電流をヒューズの定格遮断容量以下に制限するために電流制限素子が必要な場合,この

素子は,7. に適合した故障を生じないとみなされるものでなければならない。定格値は,次に示す値以上

でなければならない。 

− 定格電流  1.5×1.7×In; 

− 定格電圧  Um又はUi;  

− 定格電力  1.5×(1.7×In)2×制限素子の抵抗値。 

7.4 

一次及び二次セル並びに電池  

7.4.1 

一般 セル及び電池の幾つかのタイプ,例えば,ある種のリチウムタイプは,短絡するか又は逆充

電すると爆発する可能性がある。上記の爆発が本質安全性に悪影響を与える可能性がある場合には,その

ようなセル及び電池は,5.2又は5.3を適用したとしても,ある特定の本安機器又は本安関連機器では安全

に用いることはできるが,それらについては製造業者の確認を必要とする。守るべき安全な予防手段につ

いて書類に記載する。さらに可能な場合は,機器に表示する。 

備考 セル及び電池の製造業者が,従業員の安全性のために,しばしば予防策を規定しているという

事実は注目に値する。 

7.4.2 

電解液の漏れ セル及び電池は,電解液の流出があり得ないタイプであるか,又は安全保持部品へ

の電解液による損傷を防止するように囲われるかのいずれかでなければならない。製造業者がシール形(ガ

スタイト),又はシール形(制御弁式)と公表しているセル及び電池(7.4.9参照)は,この要件に満足するも

のとみなす。その他のセル及び電池は,10.9.2によって試験するか,又は製品が10.9.2に適合しているこ

との確認書類をセル/電池の製造業者から取得しなければならない。電解液が漏れるようなセル及び電池が

6.7によって樹脂充てんされる場合,樹脂充てんされた後で10.9.2によって試験しなければならない。機器

内に収納された状態で充電されるセル及び電池を含んでいる区画は,機器の外部に直接換気ができなけれ

ばならない。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.4.3 

セル及び電池の電圧 評価及び試験に際しては,セル/電池の電圧は,表5に規定された新しい一

次セル/電池,又は,満充電直後の二次セル及び電池のいずれかから到達可能な最大開路電圧とする。表5

に示されていないセル又は電池の場合は,最大開路電圧を決定するために10.9によって試験し,公称電圧

は,セル又は電池の製造業者の決めた電圧としなければならない。 

表 5 セルの電圧 

IECタイプ 

セルの種類 

火花点火の危険性評価用の 

最大開路電圧 

部品の表面温度 

評価用の公称電圧 

ニッケル−カドミウム 

1.5 

1.3 

− 

鉛−酸(乾式) 

2.35 

2.2 

− 

鉛−酸(湿式) 

2.67 

2.2 

アルカリ−マンガン 

1.65 

1.5 

水銀−亜鉛 

1.37 

1.35 

水銀−二酸化マンガン−亜鉛 

1.6 

1.4 

− 

銀−亜鉛 

1.63 

1.55 

亜鉛−空気 

1.55 

1.4 

リチウム−二酸化マンガン 

3.7 

3.0 

亜鉛−二酸化マンガン 
(亜鉛−炭素ルクランシェ) 

1.725 

1.5 

− 

ニッケル−水素化物 

1.6 

1.3 

7.4.4 

セル及び電池の内部抵抗 セル又は電池の内部抵抗は,10.9.3によって決定しなければならない。 

7.4.5 

本安関連機器内の電池用電流制限素子 本安関連機器内部の電池の収納場所又は電池の取付方法

は,機器の本質安全性に悪影響を及ぼすことなく電池の取付け及び交換ができるような構造としなければ

ならない。 

備考 電池の出力の安全性を保証するために電流制限素子が必要な場合であっても,電池の中に電流

制限素子を組み込む必要はない。 

7.4.6 

電池を爆発性雰囲気の中で使用及び交換する場合の電流制限素子 電池自身の安全性を保証する

ために電流制限素子を必要とし,危険雰囲気で使用及び交換を意図している場合には,電池は電流制限素

子とともに,完全な交換可能ユニットを構成していなければならない。ユニットは,本安出力端子と適切

に保護された充電用の本安端子(ただし,充電用端子付の場合)だけが露出するように,樹脂充てんされる

か,囲われていなければならない。 

7.4.7 

電池を爆発性雰囲気の中で用いるが交換しない場合の電流制限素子 電池自身の安全性を保証す

るために電流制限素子を必要とするセル又は電池が,危険場所で交換することを意図しない場合には,7.4.6

によって保護されているか,又は,例えば,JIS C 60079-0によって規定された特殊締付けねじをもった区

画に収容されていることとする。セル又は電池は,次の要件についても適合しなければならない。 

a) セル若しくは電池の収納場所又は取付方法は,機器の本質安全性を損なうことなくセル又は電池の取

付け及び交換ができるように配置しなければならない。 

b) 携帯用電気機器又は使用者がもち運んで,いつでも用いることができる機器,例えばラジオ及びトラ

ンシーバのような機器は,JIS C 60079-0の23.4.3.2による落下試験を行う。ただし,落下試験の前に

行うことになっている衝撃試験は省略する。試験の結果,セルが機器から脱落又は分離して,機器又

は電池の本安性を無効にすることがない場合,機器の構造は適切であるとみなされる。 

25 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 機器には,潜在的爆発性の雰囲気での電池の交換に対して警告ラベルを付けなければならない。例え

ば,“潜在的爆発性の雰囲気で電池を外すな”など。 

7.4.8 

充電式電池の外部接触子 外部充電接触子をもつセル又は電池の集成体は,短絡を防ぐか,又は接

触子対が偶然に短絡した場合に,セル及び電池が接触子へ点火可能なエネルギーの供給を防ぐ手段を備え

ていなければならない。これは次の方法の一つで達成される。 

a) ブロッキングダイオード又は故障しないとみなす直列抵抗器を充電回路に設ける。区分“ib”には二

つのダイオード及び区分,“ia”には三つのダイオードを用いる。電池の充電器が本安関連機器である

か,又はそのダイオード若しくは抵抗器が適切な定格のヒューズで保護されるかのいずれかとする。 

ヒューズを用いた充電回路を5. の要件に従って評価するとき,爆発性雰囲気では,ヒューズは封止

されているか,ヒューズに全く電流が流れていないようになっていなければならない。 

b) グループⅡの電気機器では,適切に保護された充電回路のために少なくとも保護等級IP20を満足する

容器,及び潜在的爆発性の雰囲気での充電を禁止する警告銘板を,備えなければならない。 

機器の本質安全性を損なわないで接続端子部に印加できる最大入力電圧Umを,機器に表示し,かつ,

認証文書に記載しなければならない。 

7.4.9 

電池の構造 セル及び電池の火花点火能力及び表面温度は,10.9.3によって,試験及び評価しなけ

ればならない。セル及び電池の構造は,次のうちの一つのタイプとする。 

a) シール形(ガスタイト)セル又は電池 

b) シール形(制御弁式)セル又は電池 

c) a)及びb)に類似のシール構造であるが,減圧装置のついていないもの。そのようなセル及び電池は,

寿命期間中,電解液の補充を必要とせず,次の条件に適合するシールされた金属又はプラスチックの

容器でなければならない。 

1) 継ぎ目又は接合部がないもの。例えば,引抜き,スピニング(絞り)加工又はモールド。接合は,溶

解,共融法,溶接又は接着による。ただし,接着の場合は,容器の構造によって維持され,ワッシ

ャ及び“O”リングのように恒久的に圧縮状態を保持するシール部品を用いてシールしなければな

らない。シール部品は,弾性材かプラスチックのものとする。 

2) 上記以外の,容器の一部をスエージング,しわ寄せ,焼きばめ又は折曲げ加工して接合する構造若

しくは,例えば,紙を基材とする材料のようにガスを透過できる材料を用いた構造はシールされて

いるとはみなさない。 

3) 端子のまわりのシールは,上記の構造か,又は熱硬化性若しくは熱可塑性樹脂を注いだシールのい

ずれかとする。 

d) 用いる電解液に適し,かつ,6.7の要件に適合したものとして充てん物の製造業者によって定められて

いる充てん物を用いて封止されたセル又は電池。 

a)又はb)の適合宣言書は,セル又は電池の製造業者から入手し,また,試験機関による検査を受け

なくてもよい。c)又はd)の適合は,セル又は電池の実物の審査及び必要な場合,構造図の審査によっ

て決定しなければならない。 

7.5 

半導体部品  

7.5.1 

過渡現象 本安関連機器では,半導体素子は,故障しないとみなされる直列抵抗で制限された交流

ピーク電圧及び最大直流電圧に耐えることができなければならない。 

本安機器では,機器の内部及び電源で発生する過渡現象は,無視すべきである。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.5.2 

シャント電圧制限部品 半導体部品は,次の要件に適合し,かつ,必要な過渡条件が考慮されるな

らシャント電圧制限素子として使用できる。 

半導体部品は,短絡モードで故障した場合に,取付箇所に流れる電流の1.5倍を断線せずに流せなけれ

ばならない。次の場合には,製造業者のデータによってこのことを確認しなくてはならない。 

a) ダイオード,ダイオード接続トランジスタ,サイリスタ及びそれらと同等な半導体素子では,短絡故

障を起こしたときに流れる最大電流の1.5倍以上の順方向電流の定格をもつもの。 

b) ツェナーダイオードでは,次の定格をもつもの。 

1) ツェナー方向においてはツェナーモードで消費される電力の1.5 倍,及び 

2) 順方向においては短絡した場合に流れる最大電流の1.5 倍。 

区分“ia”用には,制御可能な半導体部品,例えば,トランジスタ,サイリスタ,電圧/電流レギュレー

タなどをシャント電圧制限素子として用いることが条件付きで許される。すなわち,入力回路及び出力回

路の両方が本安回路である場合,又は制御可能な半導体部品が電源回路経由の過渡現象にさらされないこ

とが明らかな場合に限る。これに従った回路では,二つの素子が一つの故障を生じない集成体とみなされ

る。区分“ia”用には,7.5.1の過渡条件が満たされる場合,三つのサイリスタを本安関連機器で用いても

よい。シャントサイリスタを用いる回路は,10.4.3.3に従う試験も行わなければならない。 

7.5.3 

直列電流制限部品 区分“ia”の回路で三つの直列ブロッキングダイオードの使用が認められるが,

ほかの半導体及び制御可能な半導体素子は,区分“ib”機器だけで直列電流制限素子として用いることが

できる。 

備考 半導体及び制御可能な半導体素子を電流制限素子として用いることは,“ia”機器用には許容さ

れない。その理由は,連続的又は頻繁に爆発性雰囲気が出現する場所で用いた場合,将来的に

は爆発性雰囲気の出現と短時間の点火可能な過渡現象の発生が重なって起こることが考えられ

るからである。 

7.6 

部品及び接続部の故障 5.2及び5.3の適用は,次を含む。 

a) 部品が7.1に適合しない場合,その故障はカウント不可能な故障とする。部品が7.1に適合する場合,

その故障はカウント可能な故障とする。 

b) 一つの故障が一つの故障又は複数の故障を引き起こす場合,最初の故障とそれによって引き起こされ

る複数の故障は,一つの故障とする。 

c) 抵抗器の故障は,断線と短絡との間のあらゆる抵抗値について考慮しなければならない(ただし,8.4

参照)。 

d) 半導体素子は,故障によって短絡又は断線に至ると考えなければならないし,また,ほかの部品の故

障によってそれらの素子が動作させられる状態も考えなければいけない。表面温度等級に対して,任

意の半導体素子の故障として,最大電力を消費する状態を考慮しなければならない。集積回路の故障

は,外部接続部(リード又はピンなど)それぞれの間で短絡及び断線の任意の組合せが得られるように

起こり得る。任意の組合せを仮定することが可能であっても,いったん,ある組合せを一つの故障に

した場合,その組合せは変えてはならない。例えば,第2の故障を仮定することによって第1の故障

を変えてはならない。この故障状態下で素子に接続される任意のキャパシタンス及びインダクタンス

は,仮定される故障の結果として最悪となる接続を考慮しなければならない。 

e) 接続部は,故障によって断線に至ると考えなければならないし,自由に動ける場合,動ける範囲の中

で回路の任意箇所に接続され得ることを考慮しなければならない。最初の断線は,一つのカウント可

能な故障であり,再接続は二つ目のカウント可能な故障である(ただし,8.7参照)。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

空間距離,沿面距離及び離隔距離は,6.4によって考慮しなければならない。 

g) コンデンサの故障は,断線,短絡及び仕様の最大値未満の任意の値について考慮しなくてはならない

(ただし,8.5参照)。 

h) インダクタの故障は,開放の場合及び,公称抵抗値と短絡との間の任意の値について考慮しなければ

ならない。ただし,インダクタンスと抵抗の比については,インダクタの仕様書から得られる値より

小さい場合だけを故障として考慮しなければならない。 

i) 

電線又はプリント板の回路パターンの断線故障は,その接続部での断線故障を含めて,一つのカウン

ト可能な故障とみなす。 

断線,短絡又は地絡故障を発生させるための火花点火試験装置の挿入は,カウント可能な故障とみなさ

ず,正常状態での試験と考えなければならない。 

8. に適合する故障を生じないとみなす接続及び離隔は,故障を引き起こすとはみなさない。火花点火試

験装置は,そのような接続部へ直列に,又はそのような離隔をまた(跨)いで挿入してはならない。しかし,

次の場合には,故障を生じないとみなす接続及び離隔に火花点火試験装置を挿入する。すなわち,故障を

生じないとみなす接続及び離隔が,6. に適合する樹脂充てんがされていないか,コーティング処理をされ

ていない場合,又は外部接続端子部が露出していて,故障を生じないとみなす接続及び離隔が,IP20以上

の容器によって保護されていない場合には,火花点火試験装置を挿入しなくてはならない。 

7.7 

圧電素子 圧電素子は,10.11によって試験しなければならない。 

8. 故障を生じないとみなす部品,故障を生じないとみなす集成体,及び故障を生じないとみなす接続部 

8.1 

主電源変圧器  

8.1.1 

巻線故障 故障を生じないとみなす主電源変圧器は,本安回路に電力を供給する任意の巻線とほか

の任意の巻線間の短絡故障は起こさないとみなす。巻線内の短絡及び巻線の断線は,起こるとみなす。結

果的に出力電圧が増加するような故障の組合せは,考慮しなくてもよい。 

8.1.2 

保護方法 本安回路に電力を供給することを意図した主電源変圧器の入力回路は,7.3によるヒュ

ーズ又は適切な定格のサーキットブレーカのいずれかで保護しなければならない。 

入力巻線及び出力巻線が,接地金属スクリーン[8.1.3のタイプ2のb)参照]で離隔されているなら,非接

地の各入力線は,ヒューズ又はサーキットブレーカによって保護しなければならない。 

ヒューズ又はブレーカに加えて,変圧器に組み込まれた温度ヒューズ又はほかのサーマルデバイスが変

圧器の過熱保護のために用いられる場合には,一つの素子で十分である。 

ヒューズ,ヒューズホルダ,サーキットブレーカ及びサーマルデバイスは,適切な公認規格に適合しな

ければならない。規格への適合は,認証機関によって検証される必要はない。 

8.1.3 

変圧器の構造 本安回路に電力を供給するすべての巻線は,次のタイプの構造の一つによってほか

のすべての巻線から隔離しなければならない。 

タイプ1の構造では,複数の巻線が,次のいずれかの位置関係にあるものとする。 

a) 鉄心の一つの脚に,並ぶもの,又は 

b) 鉄心の別の脚にあるもの。 

これらの場合は,巻線間は,表4によって離隔されなければならない。 

タイプ2の構造では,巻線は,重ねて巻かれ,次のいずれかとする。 

a) 巻線間に表4による固体絶縁物を設ける,又は 

b) 巻線間に接地されたスクリーン(銅はく製)又は等価な巻線(電線によるスクリーン,編組など)を設け

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。銅はくの厚さ又は電線によるスクリーンは,表6による。 

備考 これによって,任意の巻線とそのスクリーンとの間に短絡が生じたとき,そのスクリーンは,

溶断しないでヒューズ又はサーキットブレーカが機能するまでに流れる電流に耐えることが保

証される。 

製造上の許容差は,表6で与えられた値の10 %又は0.1 mmの小さい方の値までとする。 

表 6 スクリーンの最小はく厚さ又は電線の最小素線径とヒューズの定格電流との関係 

ヒューズの定格 

0.1 

0.5 

スクリーンの最小はく厚さ 

mm 

0.05 

0.05 

0.075 

0.15 

0.25 

0.3 

スクリーンの最小素線径 

mm 

0.2 

0.45 

0.63 

0.9 

1.12 

1.4 

はくスクリーンは,接地接続に2本の機械的に分離されたリードを設けなければならない。それらの各々

は,ヒューズ又はサーキットブレーカが動作するまでに流れ得る最大連続電流(例えば,ヒューズの場合は

1.7In ),を流せる定格でなければならない。 

電線によるスクリーンは,少なくとも二つの電気的に独立した層とし,各々の層は,ヒューズ又はサー

キットブレーカが動作するまでに流れ得る最大連続電流を流せるような接地接続を設けなければならない。

層間の絶縁の唯一の要件は,10.6によって,500 Vの耐電圧試験に耐えなければならないことである。 

すべての主電源変圧器の鉄心は,防爆構造上接地が要求されないとき(例えば,絶縁された鉄心をもつ変

圧器を用いる場合)を除いて,接地接続を設けなければならない。 

変圧器の巻線は例えば,含浸又は充てんなどによって,固められていなければならない。 

8.1.4 

変圧器の形式試験 主電源変圧器は,組み合わされている素子,例えば,変圧器の巻線末端に接続

されているヒューズ,サーキットブレーカ,サーマルデバイス及び抵抗器と共に,たとえ出力巻線の一つ

が短絡し,ほかのすべての巻線が最大定格負荷状態にあったとしても,供給電源と本安回路との間の安全

な電気的分離を保持していなければならない。 

直列抵抗器が変圧器の中に組み込まれる場合,又は変圧器と直列抵抗器との間に裸充電部が存在しない

ように直列抵抗器が変圧器と共に樹脂充てんされている場合,又は表4に適合する沿面距離及び絶縁空間

距離が得られるように直列抵抗器を取り付ける場合には,5. を適用しても直列抵抗器が回路内で機能を維

持している場合,変圧器の出力巻線は直列抵抗を介さずに短絡することはない。 

変圧器が次の形式試験に合格し,かつ,本安回路に電源力を供給する任意の巻線とほかのすべての巻線

との間で,2Un+1 000 V(Unは試験されている任意の巻線の最大定格電圧),又は1 500 Vの大きい方の試

験電圧(10.6参照)に耐える場合は,安全な電気的分離の要件を満足しているものとみなす。 

入力電流は,1.7In,又はサーキットブレーカが動作しない最大連続電流に調整しなければならない。試

験中は,この電流値の±10 %の範囲以内に維持しなければならない。変圧器の定格電圧までの間で入力電

圧を変えることによって,電流の調整を行う。この限界値が得られたところで,試験はその入力電圧にて

進める。 

試験は,少なくとも6時間,又は非リセット形サーマルトリップが動作するまで継続しなければならな

い。自己リセット形サーマルトリップが使われるとき,試験時間は少なくとも12時間に延長しなければな

らない。 

タイプ1及びタイプ2のa)の変圧器では,変圧器の巻線温度は,JIS C 4003で規定する電気絶縁の耐熱

クラスの許容値を超えてはならない。巻線温度は,10.5によって測定する。 

タイプ2のb)の変圧器で,本安回路に用いられる巻線の接地からの絶縁が必要な場合,接地に対する絶

縁の要件は,上記による。しかし,接地からの絶縁が必要でない場合,変圧器は,試験中に発火しなけれ

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ば,許容される。 

8.1.5 

主電源変圧器のルーチン試験 各主電源変圧器の試験は,11.2による。 

8.2 

主電源変圧器以外の変圧器 変圧器の故障しないとみなす要件,及び故障モードは,8.1による。 

備考 ここでいう変圧器とは,信号回路に用いられるような結合変成器又はほかの目的に使われる変

圧器,例えばインバータ電源ユニットなどに用いられるものなどである。 

最大負荷状態で試験しなければいけない項目を除き,変圧器の構造及び試験は,8.1による。変圧器を交

流で動作させることができない場合には,8.1.4の形式試験において各巻線に1.7Inの直流電流を流さなけ

ればならない。ただし,11.2によるルーチン試験では,入力巻線と出力巻線との間に2Un+1 000 V実効値),

又は1 500 Vのいずれか大きい方の電圧(主電源変圧器の場合よりも低い電圧)を用いる。 

主電源変圧器以外の変圧器が,主電源から供給を受けている非本安回路に接続される場合には,不特定

の電力が,故障を生じないとみなす変圧器の沿面距離及び空間距離を損なうことがないように,8.1.2によ

る保護手段,又はヒューズ及びツェナーダイオードのいずれかが,8.8に従って電源接続部に含まれていな

ければならない。8.1.4の定格入力電圧は,ツェナーダイオードの定格電圧とする。 

8.3 

ダンピング巻線(制動巻線) インダクタンスの影響を最小にするために短絡巻線として用いるダン

ピング(制動)巻線は,信頼できる機械的構造,例えば,継目がない金属管又ははんだ付けして連続的に短

絡した裸電線の巻線であるなら,断線故障を考慮しなくてよい。 

8.4 

電流制限抵抗器 電流制限抵抗器は,次のタイプの一つとする。 

a) 皮膜タイプ 

b) 断線したとき,電線がほどけないように保護された巻線タイプ。 

c) 6.4.8に適合するコーティングで覆われているか,又は6.4.4に従って樹脂充てんされているハイブリ

ッド回路及び類似の回路に使われる印刷抵抗器。 

故障を生じないとみなす電流制限抵抗器は,断線状態だけの故障を生じるとみなされる。その故障は,

一つのカウント可能な故障とみなす。 

電流制限抵抗器は,7.1の要件に従う定格のものでなければならない。すなわち,5.で定義された正常動

作及び故障状態において現れる最大電圧の少なくとも1.5倍に耐え,同じく最大電力の少なくとも1.5倍を

消費できるものでなければならない。コーティングされた巻線をもつ適正な定格の巻線抵抗器の巻線間の

故障は,考慮しなくてよい。巻線のコーティングは,製造業者が定めた定格電圧にて表4によって要求さ

れるCTI値に従っているものとみなす。 

8.5 

ブロッキングコンデンサ 2個の直列のコンデンサは,ブロッキングコンデンサとして故障を仮定し

ない配置になっていても,いずれか一方は,短絡又は断線故障の可能性があるとみなされる。その集成体

のキャパシタンスは,いずれかのコンデンサの最も厳しい値とし,また,安全率1.5倍が集成体のすべて

の応用に用いられる。 

ブロッキングコンデンサは,信頼性の高い固体誘電タイプとする。電解コンデンサ又はタンタルコンデ

ンサは用いてはならない。集成体の外部接続(リード)は,6.4による。しかし,これらの離隔に関する要件

は,ブロッキングコンデンサの内部には適用しない。  

それぞれのコンデンサの絶縁は,6.4.12の耐電圧試験に適合しなければならない。本安回路と非本安回

路との間にブロッキングコンデンサが用いられる場合,起こり得るすべての過渡現象を考慮しなければな

らない。 

8.8にも適合するような集成体の場合,直流に対して故障を生じない分離(ガルバニックセパレーション)

とみなす。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

機器のフレームと本安回路との間に接続されるコンデンサは,6.4.12に適合しなければならない。その

故障が,回路の本質安全性を保持している部品をバイパスする場合には,それらのコンデンサはブロッキ

ングコンデンサのための要件にも適合しなければならない。 

備考 フレームと回路との間に接続されるコンデンサの通常の目的は,高周波成分の除去である。 

8.6 

シャント安全集成体  

8.6.1 

一般 部品の集成体は,幾つかのシャント部品の使用によって,回路の本質安全性を確保するとき,

シャント安全集成体とみなされる。 

ダイオード又はツェナーダイオードが,故障を生じないとみなすシャント安全集成体において,シャン

ト部品として用いられる場合は,シャント部品は少なくとも二つのダイオードの並列経路を形成しなけれ

ばならない。ダイオードは,短絡モードで故障したときにその取付場所で流れる電流を流せる定格でなけ

ればならない。 

シャント部品の接続部は,8.7によるか,又は,シャント経路のいずれかの接続部が外れたときには,保

護されている回路又は部品も同時に切り離されるように配置しなければならない。 

備考1. 接続部が外れたときの火花点火を防止するために,6.4.4による樹脂充てんが必要になる場合

がある。 

2. 集成体に用いられるシャント部品は,正常状態で導通していてもよい。  

シャント安全集成体が,Umの値だけで規定される電源の故障を受ける場合には,それらを形成する部品

は,7.1に従う定格をもっていなければならない。部品がヒューズによって保護される場合には,ヒューズ

は7.3に従い,部品はヒューズの1.7Inの電流を連続的に流すものと仮定しなければならない。シャント部

品の過渡現象に耐える能力は,10.12によって試験を行うか,又はヒューズの電流−時間特性とシャント部

品の性能特性との比較によって決定するかのいずれかとする。 

シャント安全集成体が,大きい装置の一部としてではなく,むしろ個別の機器として製造される場合に

は,集成体の構造は9.2によらなければならない。 

シャント安全集成体及び故障しないとみなされる集成体の利用を考える場合には,次のことを考慮する。 

a) 集成体の二つのシャントのいずれか一方は,断線故障になるとみなす。 

b) 集成体の電圧は,シャントの中の電圧の最も高い電圧とする。 

c) いずれかのシャントの短絡に至る故障は,カウント可能な一つの故障とみなす。 

d) 5.2及び5.3のすべてのカウント可能な故障の適用において,1.5の安全率を用いる。 

e) シャントサイリスタを用いる回路は,10.4.3.3によって試験する。 

8.6.2 

安全シャント 本安機器の特定のコンポーネント又はそれらの部分の電気的パラメータが本質安

全性を損なわない値に制御されていることをシャント安全集成体が保証しているとき,その集成体は一つ

の安全シャントとみなす。 

安全シャントは,次のように使われる場合を除き,Umだけで定義されている電源に接続されるときには,

8.6.1によって必要な過渡現象の解析を行わなければならない。 

a) 例えば,インダクタ又は圧電素子のようなエネルギーを蓄積する素子からの放電制限用。 

b) 例えば,コンデンサのようなエネルギーを蓄積する素子への電圧制限用。 

適切な定格のブリッジ接続されたダイオードの集成体は,故障を生じない安全シャントとみなす。 

8.6.3 

シャント電圧制限器 本安回路にある決まった大きさの電圧が加えられることをシャント安全集

成体が保証しているとき,シャント安全集成体は,シャント電圧制限器とみなす。 

シャント電圧制限器は,次のいずれか一つから電力を供給される場合を除き,Umだけで定義されている

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

電源に接続されるときには,8.6.1によって必要な過渡現象の解析を行わなければならない。 

a) 8.1による故障を生じないとみなす変圧器。 

b) 9. によるダイオード形安全保持器。 

c) 7.4による電池。 

d) 8.6による故障を生じないとみなすシャント安全集成体。 

8.7 

配線及び接続部 機器の一部を形成する接続部を含めて,配線は,次に示す場合断線故障に対して

故障を生じないとみなす。 

a) 電線の場合  

1) 2本の電線が並列になっている場合,又は 

2) 1本の電線が直径0.5 mm以上で,かつ,支持されていない長さが50 mm未満か又は接続箇所の直

近で機械的に固定されている場合,又は 

3) 1本の電線が,より線又はフレキシブルなリボンタイプ構造で,断面積が0.125 mm2以上(直径

0.4 mm),使用中に曲がることなく,かつ,長さ50 mm未満か,又は接続箇所の直近で固定されて

いる場合。 

b) プリント基板パターンの場合  

1) 最小幅1 mmの二つパターンが並行である場合,又は 

2) 一つのパターンが2 mm以上の幅か,又はその長さの1 %の幅か,いずれか大きい方の場合,かつ, 

3) 上記1),2)の各々のパターンが公称厚さ35 μm以上の銅はく(箔)である場合。 

c) 接続部の場合(プラグ,ソケットと端子を除く。)  

1) 並列に二つの接続部がある場合,又は 

2) はんだ付けされた一つの結合部で,電線がプリント板を貫通して(スルーホールメッキを含む。)は

んだ付け前に折り曲げるか,折り曲げないで機械はんだ付けされた場合。又は,電線が圧着接続さ

れているか,硬ろう付け又は溶接されている場合,又は 

3) ねじ又はボルト締めされた一つの接続部で,6.6による場合。 

8.8 

分離(ガルバニックセパレーション)するための部品 次の場合に合致する,故障を生じないとみな

す絶縁部品は,故障しないとみなす離隔をまたがって短絡故障を起こすとは考えない。 

変圧器及びリレー以外の絶縁部品(例えば,フォトカプラ)は,次の要件を満足する場合,異なる本安回

路間での,故障を生じないとみなす隔離を備えていると考える。 

a) 部品の定格は,7.1による。 

b) Um及びUiを適用する前に,6.4.12による耐電圧試験に耐えなければならない。試験される部品の故障

を生じないとみなす離隔部分に与えられた製造業者が定めた定格絶縁電圧は,6.4.12で規定される試

験電圧以上でなければならない。 

本安回路と非本安回路との間を離隔する場合,絶縁部品にも表4の要件は適用しなければならない。た

だし,シールされたデバイス(例えば,フォトカプラ)の内部では,表4の5,6及び7行目は適用しない。

非本安回路端子は,これらの端子に接続する回路が絶縁部品の本質安全性を損なわないことを示すことが

できないなら,7.1による部品の定格を超えさせないようにするための保護手段を備えていなければならな

い。代表的には,電源からの予想されるピーク電流を遮断することができる適切な定格のヒューズで保護

された一つのシャントツェナーダイオードが含まれている場合,保護は十分であるとみなす。この目的の

ためのヒューズ及びツェナーダイオードには,表4を適用しない。ツェナーダイオードの定格電力は,少

なくとも,1.7Inとダイオードの最大ツェナー電圧との積以上でなければならない。構造に関する一般工業

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

規格は,ヒューズに対しては十分であるとみなす。取付方法によって(例えば,ヒューズホルダ内で),ヒ

ューズ自身がもつ空間距離及び沿面距離を減じてはならない。 

フォトカプラの外部の保護素子が5. ,6. 及び7. を満足する場合,フォトカプラの発光部と受光部との

導電部間の内部距離に対しての要求はない。この場合,正常動作中又は本安回路及び非本安回路に故障を

生じている状態で,フォトカプラの内部の部品は,製造業者が規定する最大許容電力の2/3を超えて動作

しない場合に限る。 

分離(ガルバニックセパレーション)したリレーは,6.4.13による。また,巻線は接続されている電源の

最大電力を消費できなければならない。 

備考 リレー巻線の7.1に適合するディレーティングは,要求されない。 

9. ダイオード形安全保持器  

9.1 

一般 ダイオード形安全保持器内部のダイオードは,本安回路に印加される電圧を制限する。さら

にそれに続く故障を生じないとみなされる電流制限抵抗器は,本安回路に流れ込む電流を制限する。これ

らの集成体は,本安回路と非本安回路との間のインタフェースとしての使用を意図し,また,11.1のルー

チン試験が適用される。 

過渡現象による故障に耐える安全保持器の能力は,10.12によって試験する。 

2個のダイオード又は直列接続されたダイオードだけからなるia機器用の安全保持器は,8.6に従う故障

を生じない集成体として認められる。ただし,それらのダイオードは11.1.2に規定されたルーチン試験に

合格していることが前提である。 

区分“ia”の2個のダイオードからなる安全保持器においては,1個のダイオードの故障だけを5. の適

用のときに考慮すればよい。 

9.2 

構造  

9.2.1 

取付け 安全保持器がグループで一緒に取り付けられるときは,例えば,形状又は色を非対称とす

ることによっていかなる誤った取付けも明白であるような構造とする。 

9.2.2 

接地接続端子部 接地電位になり得る外部接続端子部に加え,安全保持器は追加の接地接続用とし

て,少なくとももう一つの接続端子部をもつか,又は断面積4 mm2以上の絶縁電線が取り付けられていな

ければならない。 

9.2.3 

部品の保護 安全保持器の集成体は,安全を保持している部品の修理又は交換を防止するために,

6.4.4による樹脂充てん又は修復不可能な容器によって,手を加えないように保護しなければならない。安

全保持器全体は,一つの独立した実体を形成しなければならない。 

10. 形式検証及び形式試験  

10.1 火花点火試験  

10.1.1 一般 火花点火試験が要求されるすべての回路は,機器の適切な区分に対して5. で規定された条

件のもとで点火源となり得ないことを確認するために,試験を行う。 

試験においては,正常及び故障状態を模擬しなければならない。安全率は,附属書Aに記述されている

ように考慮する。火花点火試験装置は,試験する回路内の,断線,短絡,又は地絡故障が起こると仮定さ

れる,個々のポイントに挿入する。火花点火試験装置は,10.3による校正によって決定され,10.2で規定

された限界以内で,最も点火しやすい試験ガスと空気との混合気体を満たしたチャンバで動作させなけれ

ばならない。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

回路の構成及びその電気的パラメータが十分に明らかにされており,附属書Aに記述されている方法に

よって図A.1〜図A.6の参考曲線,又は,表A.1及び表A.2から当該回路の安全性が推定できる場合,当

該回路は,火花点火試験装置を用いた形式試験を省略してもよい。 

電圧及び電流に特定の許容差が規定されていない場合は,許容差は±1 %とする。 

備考 参考曲線及び表を用い評価された回路は,火花点火試験装置を用いて試験を行ったとき,点火

を生じることがある。火花点火試験装置の感度は変動しており,参考曲線及び表は,多数の試

験から得られたものである。参考曲線及び表に基づいた評価は,より一貫性があり,実験の結

果より優先する。 

10.1.2 火花点火試験装置 火花点火試験装置は,附属書Bに記述されているものでなければならない。

ただし,附属書Bで使用が適切でないと指摘している場合は用いることはできない。このような場合,等

価な感度の代替えの試験器を用いて,その妥当性を決定図書に明記しなければならない。 

次に示す箇所での,短絡,断線及び地絡の故障を生じさせる火花点火試験装置の使用は,正常状態の試

験であって,カウント不可能な故障である。 

− 接続端子部 

− 内部の接続部,又は,表4によらない沿面距離,空間距離,充てん物及び固体絶縁物を通した距離の

部分間。 

次の箇所では,火花点火試験装置を用いる必要がない。 

− 故障を生じないとみなす離隔をもっている部分間,又は故障を生じないとみなす接続部。 

− 表4による沿面距離,空間距離,充てん物及び固体絶縁物を通しての距離をもっている部分間。 

− 本安回路の端子を除く本安関連機器の内部。 

− 異なる回路の,6.3.1による端子間。ただし,7.6のi)に規定する例外を除く。 

10.2 試験ガス 試験される機器のグループによって,次の試験ガスを用いる。 

グループ Ⅰ 

空気中のメタン濃度 

8.0 〜 8.6 vol/% 

グループ ⅡA 

空気中のプロパン濃度 

5.0 〜 5.5 vol/% 

グループ ⅡB 

空気中のエチレン濃度 

7.3 〜 8.3 vol/% 

グループ ⅡC 

空気中の水素濃度 

19  〜 23 vol/% 

特別な場合,特定のガス又は蒸気の中で用いるために,試験を行い,表示されることになっている機器

は,特定のガス又は蒸気の最も点火しやすい濃度で試験する。 

安全率を達成するため,更に厳しい試験ガスが用いられる場合は,その組成は10.4.2による。 

備考 市販のガスの純度は,通常これらの試験に対して十分である。しかし,95 %以下の純度のもの

は用いてはならない。試験室の気圧及び温度の通常の変化による影響,及び試験ガス中の空気

の湿度の影響は少ないと考えられる。これらの変化で重大な影響があれば,それは火花点火試

験装置の日常の校正の中で明らかとなる。 

10.3 火花点火試験装置の校正 火花点火試験装置の感度は,10.4に従って行われる一連の試験の前に点

検しなければならない。この目的のために,試験装置は,0.09〜0.1 Hの空心コイルを含むDC24 Vの回路

で動作させなければならない。この回路の電流は,適用する機器のグループに対して表7による値に,又

はより容易に点火するガスを用いるときには安全率で除した値に設定する。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

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表 7 校正回路の電流 

機器のグループ 

電流 

mA 

Ⅰ 

110−111 

ⅡA 

100−101 

ⅡB 

65−66 

ⅡC 

30−30.5 

火花点火試験装置は,ワイヤホルダをもつ接点保持器を正極にして400〜440回運転させる。試験ガスが

少なくとも1回点火すれば,その感度は満足しているとみなす。 

10.4 火花点火試験装置による試験  

10.4.1 回路試験 試験される回路は,主電源電圧の10 %の変動を考慮し,かつ,7. による許容差,及び

起こり得る最も点火しやすい回路を基本としなければならない。 

火花点火試験装置は,試験される回路において断線又は短絡が起こり得ると考えられる各ポイントに挿

入しなければならない。試験は,正常状態,5. による電気機器の区分に適用される一つ又は二つの故障,

及び設計された機器の最大外部キャパシタンス(Co)及び最大外部インダクタンス(Lo),又は外部インダク

タンスと抵抗との比の最大値(Lo/Ro)をもつ回路で行う。 

各々の回路は,次の回転数にて試験する。その許容差は,火花点火試験装置のワイヤホルダの回転数で

100

+ %とする。 

a) 直流回路には,400回転(5分),各々の極性にて200回転。 

b) 交流回路には,1 000回転(12.5分)。 

c) 容量性回路には,400回転(5分),各々の極性にて200回転。 

コンデンサは再充電するための十分な時間(少なくとも時定数の3倍)を確保するように注意する。

通常の再充電時間は,約20 msである。それが不適当である場合には,火花点火試験装置の回転速度

を遅くするか,又はワイヤの1本以上を取り外すことによって,再充電時間を増加する。ワイヤを取

り外す場合には,火花の数を維持するためには回転数を増加させる。 

a),b)又はc)による各々の試験の後に,火花点火試験装置の校正を繰り返す。校正の結果が10.3に適合

しない場合には,その回路での点火試験は,無効とみなす。 

10.4.2 安全率  

参考 安全率を適用する目的は,形式試験又は形式評価が,オリジナルの回路より点火を起こしやす

い回路で行われるか,又はオリジナルの回路がより点火しやすい試験ガスで試験されるかを保

証するためである。一般的に,規定された安全率を達成する方法には幾つかあるが,それらの

異なった方法を厳密に等価にすることはできない。しかし,次の方法は,許容できる選択肢の

一つである。 

1.5の安全率は,次の方法の一つによって得られる。 

a) 主電源(電源供給システム)は,その許容変動に対応するため,公称値の110 %に増加するか,又はほ

かの電圧では,例えば,電池,電源及び電圧制限素子などを7. に規定する最大値,に設定する。そし

て, 

1) 誘導性及び抵抗性回路では,制限抵抗値を減少させ,故障電流の1.5倍まで電流を増加する。1.5の

ファクタが得られない場合,更に,電圧を増加する。 

2) 容量性回路では,故障電圧の1.5倍に電圧を増加する。コンデンサに,故障を生じないとみなす電

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流制限抵抗器が用いられている場合は,コンデンサは電池,回路は抵抗性とみなす。 

評価のために,表A.1及び表A.2又は図A.1〜図A.6の特性を用いる場合には,同じ方法を用い

る。 

b) 表8に従って,10.2の試験ガスよりも点火しやすい試験ガスを用いる。試験ガスを測定し,表8の規

定値の±0.5 Vol %以内であることを確認する。 

表 8 1.5の安全率と等価な試験ガスの組成 

グループ 

試験ガスの組成 

Vol % 

酸素−水素−空気の試験ガス 

酸素−水素の試験ガス 

水素 

空気 

酸素 

水素 

酸素 

Ⅰ 

52 

48 

− 

85 

15 

ⅡA 

48 

52 

− 

81 

19 

ⅡB 

38 

62 

− 

75 

25 

ⅡC 

30 

53 

17 

60 

40 

10.4.3 試験の留意事項  

10.4.3.1 一般 火花点火試験は,最も点火しやすい条件を与えるように準備された回路で行わなければな

らない。図A.1〜図A.6の曲線が適用されるような単純な形の回路にとっては,短絡の試験が最も厳しい。

より複雑な回路では,条件は一様でなく,短絡の試験が最も厳しい条件ではないかもしれない。例えば,

電流制限付の定電圧電源にとって最も厳しい条件は,通常,電源の出力側に抵抗器を直列に接続し,電圧

を減少させずに最大電流に制限したときに発生する。 

10.4.3.2 インダクタンス及びキャパシタンスの両方をもつ回路 キャパシタンス及びインダクタンスの

両方に蓄積エネルギーを含んでいる回路では,図A.1〜図A.6の曲線からこのような回路を評価すること

は難しいと考えられる。例えば,容量性蓄積エネルギーは,インダクタへの供給電源を補強することもあ

る。そのような回路についてはキャパシタンスとインダクタンスとを組み合わせて試験しなければならな

い。 

10.4.3.3 シャント短絡(クローバ)保護をもつ回路 出力電圧が安定した後に,この回路は,5. の機器の区

分に応じた条件において,点火を起こす能力があってはならない。さらに,防爆性能が,回路のほかの部

分の故障に起因する“クローバ回路”の動作によって保たれている場合には,クローバ回路を通過するエ

ネルギーは,機器グループに応じた次の値を超えてはならない。 

− グループ ⅡCの機器 

20 μJ 

− グループ ⅡBの機器 

80 μJ 

− グループ ⅡAの機器 

160 μJ 

− グループ Ⅰの機器 

260 μJ 

火花点火試験装置での点火試験は,クローバを通過するエネルギーの試験には適切でないので,この通

過するエネルギーは,例えば,オシロスコープなどでの測定によって評価すべきである。 

10.4.4 火花点火試験の結果 選択された試験箇所でいかなる試験でも点火が生じてはならない。 

10.5 温度試験 すべての温度データは,基準周囲温度(40 ℃)又は機器に表示された最大周囲温度に基づ

くものでなければならない。基準周囲温度に基づく試験は,20 ℃と基準周囲温度との間の任意の周囲温度

で行わなければならない。したがって,試験を行った周囲温度と基準周囲温度との差を,測定した温度に

加える。ただし,熱特性が非線形であるもの,例えば電池は除く。温度上昇が基準周囲温度で測定される

場合,その値を,温度等級の決定に用いる。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

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温度は,簡便な方法で測定する。測定素子が,実質的に測定温度を下げるようなことがあってはならな

い。巻線の温度上昇の決定に用いる方法は,次による。 

− 記録された周囲温度で巻線の抵抗を測定する。 

− 試験電流を流して巻線の最大抵抗を測定し,測定時の周囲温度を記録する。 

− 次の方程式から温度上昇を計算する。 

)

(

)

(

2

1

t

k

t

k

r

R

t

ここに, 

t: 温度上昇(K) 

r: 周囲温度tlにおける巻線の抵抗(Ω) 

R: 試験電流を流したときの巻線の最大抵抗(Ω) 

tl: rを測定したときの周囲温度(℃) 

t2: Rを測定したときの周囲温度(℃) 

k: 0 ℃における巻線の抵抗温度係数の逆数,銅では234.5 K 

10.6 耐電圧試験 耐電圧試験は,該当するIEC規格又はJISによる。 

該当する規格がない場合には,次の試験方法を用いる。試験は,48 Hz〜62 Hzの間の電源周波数におけ

る正弦波に近い交流電圧,又は規定された交流電圧の1.4倍のレベルにおいて,ピーク−ピークのリップ

ルが3 %の直流電圧のいずれかで行う。 

電源は予想される漏れ電流を考慮し,試験電圧を維持するために十分な容量がなれればならない。 

電圧は,規定された値に10 s以上をかけて徐々に増加させ,60 s以上維持する。 

印加電圧は,試験の間,一定に維持し,かつ,電流は5 mA(実効値)を超えてはならない。 

10.7 小形部品の点火試験 6.2.4のa)によって可燃性ガスの点火を起こさないことを実証するために試験

される小形部品は,次のように試験をする。冷炎の出現は,点火とみなす。点火の検知は,目視によるか,

又は温度測定(例えば,熱電対)によるかのいずれかとする。 

部品は,5. に従って正常状態又は故障状態において試験しなければならないが,そのときの表面温度が

最高になるものとする。試験は,部品及び部品のまわりの部分が熱平衡に到達するまで,又は部品の温度

が下がるまで続ける。部品の故障で温度が下がる場合には,試験は5個の追加のサンプルを使って5回繰

り返す。5. に従う正常状態又は故障状態で,二つ以上の部品が機器の温度等級を超える場合,小形部品の

点火試験は,すべての部品を最高温度にして実施しなければならない。 

試験部品は,正規の状態で機器に取り付けられ,試験ガスに触れていることを事前に確認する。それに

代わる方法として,代表的な結果が確実に得られるモデルについて試験を実施する。このようなシミュレ

ーションでは,試験されている部品の近くにある機器のほかの部分の影響を考慮しなければならない。近

くにあるほかの部分は,換気及び熱的効果の結果として,試験ガスの温度及び試験される部品の周りの試

験ガスの流れに影響を与える。 

JIS C 60079-0の5.3による安全マージンは,次のいずれかの方法によって達成しなければならない。す

なわち,試験を行う周囲温度を要求されるマージンだけ上昇させるか,又は可能な場合,試験される部品

とほかの関係する隣接する部分の温度を要求されるマージンだけ上昇させて行う。 

温度等級T4の試験ガスは,次のいずれかとする。 

a) 22.5〜23.5 vol %のジエチルエーテルと空気からなる均一な試験ガス。 

b) 点火試験の実施中に試験槽の中で少量のジエチルエーテルを蒸発させることによって得られるジエチ

ルエーテルと空気の試験ガス。 

ほかの温度等級の適切な試験ガスの選択は,試験機関の判断による。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

点火が試験の間に起こらない場合,可燃性試験ガスの存在は,ほかの手段によって試験ガスに点火する

ことで実証する。 

10.8 仕様が明確でない部品のパラメータの決定 一つの供給源又は複数の供給源から,10個の未使用の

サンプルを入手し,該当するパラメータを測定しなければならない。通常,試験は規定された最高周囲温

度(例えば,40 ℃)で実施するか又は最高周囲温度を参考にして実施する。しかし,必要な場合,温度に敏

感な部品(例えば,ニッケルカドミウムのセル/電池)は,最悪条件を得るために,最高周囲温度より低い温

度で実施しなければならない。 

10個のサンプルを試験して得られる各パラメータの最悪値は,必ずしも同一のサンプルのものではない

が,その部品を代表するパラメータとする。 

10.9 セル及び電池の試験  

10.9.1 一般 充電式セル又は電池は,試験を行う前に満充電及び放電を少なくとも2回行う。2回目の放

電のとき,又は必要に応じて3回目の放電のとき,セル又は電池の容量がセル又は電池の製造業者の仕様

の範囲内にあることを確認しなければならない。これによって,製造業者の指定する満充電においてセル

又は電池の試験が可能であることが保証される。 

試験のために短絡が要求されるとき,短絡用リンクの抵抗値は接続部を除き3 mΩ以下,電圧降下は

200 mV以下又はセルのe.m.f.(起電力)の15 %以下とする。短絡は,できるだけセル又は電池の端子の近

くで行う。 

10.9.2 セル及び電池の電解液漏れ試験 試験サンプルは,いかなる場合でもケースの繋ぎ目(例えば,シ

ール部)を下向きにするか,又は部品の製造業者の指定した方向で吸取紙の上で配置しなければならない。

10 個の試験のサンプルは,次のうちの最も厳しい条件で行う。 

a) 放電が完了するまで,回路を短絡する。 

b) 製造業者の推奨する範囲の入力又は充電電流を印加する。 

c) 1個のセルを,完全に放電させるか又は逆極性にした状態で,製造業者の推奨する範囲内で電池を充

電する。 

上の条件は,5.2及び5.3の適用から生じる条件による逆充電も含む。これらにはセル及び電池の製造業

者が推奨する充電時間率を超える外部の充電回路の使用を含んではならない。 

サンプルが冷えたとき,吸取紙上に又は試験サンプルの外面上に目に見える電解液の形跡があってはな

らない。7.4.9に適合するために樹脂充てんを行っている場合は,試験終了時のセルの検査で,7.4.9への適

合を無効にするような損傷があってはならない。 

10.9.3 セル及び電池の火花点火並びに表面温度 一つの電池が多くの個別のセル又は小さな電池の組合

せによって構成され,この規格の離隔とその他の要件に適合する構造になっている場合,一つの電池を構

成する個々のエレメントは,試験の目的上独立の部品と考える。セル間の短絡が起き得ないことが示され

る特別な構造のセル以外の各々のエレメントの故障は,一つの故障とみなす。十分定義されていない状況

では,電池は,電池の外部端子間で短絡故障を起こすものと考えなければならない。 

7.4.9によるセル及び電池は,次のように試験するか,又は評価する。 

a) 火花点火の評価又は試験は,セル又は電池の外部端子で実施する。ただし,電流制限素子が含まれ,

かつ,その素子とセル又は電池の接合部が6.7に従っている場合は,この限りではない。そのときの

評価又は試験には,電流制限素子を含める。 

セル又は電池の内部抵抗を本質安全性の評価に含める場合は,その最小抵抗値を試験機関が入手で

きるようにしなければならない。セル/電池の製造業者が内部抵抗の最小値を確認できない場合,7.4.3

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によるセル/電池の最大開路電圧とともにセル/電池の10個のサンプルの試験から短絡電流の最も厳

しい値を用いて内部抵抗を決定しなければならない。 

b) 最高表面温度は,次のように決定する。セル又は電池の外部のすべての電流制限素子は,試験のため

に短絡する。実際のセルの容器の一部を構成しない外部シース(例えば紙,金属など)は,試験では取

り除かれる。温度は,各々のセル又は電池の外側の容器で決定し,最大値を採用する。試験は,回路

中の電流制限素子を付けた状態及びその素子を短絡した状態の両方で,各々の場合に10個のセルを用

いて行う。組み込まれた電流制限素子を短絡させた10 個のサンプルは,セル/電池の製造業者から入

手する。そのとき,サンプルの安全な使用方法及び試験に必要な特別の取扱説明書又は注意書があれ

ば一緒に入手する。 

備考 ほとんどの電池の表面温度を決定するとき,組み込まれた保護素子(例えば,ヒューズ又はPTC

抵抗器)の影響は考慮しない。その理由は,組み込まれた保護素子の影響は,無視が一つの起こ

り得る内部故障(例えば,電池の離隔板の故障)として評価しているからである。 

10.10 機械的試験  

10.10.1 充てん物 端部が平らな直径6 mmの金属棒を使って10秒間,30 Nの力を充てん物の表面に直角

に加える。 

充てん物の損傷,永久変形又は1 mmを超えるずれが起きてはならない。 

充てん物に露出面がある場合には,充てん物が固いがもろくないことを保証するために,充てん物の露

出面について,次の衝撃試験の一つを行わなければならない。ただし,試験温度は20±10 ℃とし,衝撃試

験器は,JIS C 60079-0の附属書Dに記述されているものを用いる。 

a) グループⅠの機器に対しては,充てん物が外部容器の一部を形成し,爆発性雰囲気から隔離するため

に用いられている場合,最小20 Jの衝撃エネルギーを与えなければならない。 

b) ほかのすべての用途には,最小2 Jの衝撃エネルギーを用いる。 

充てん物は,損傷がなく,永久変形を生じてはならない。ただし,小さな表面のクラックは,無視する。 

10.10.2 隔壁 隔壁は,直径6 mmの硬い試験棒によって加えられる少なくとも30 Nの力に耐えなければ

ならない。力は隔壁のほぼ中心付近に少なくとも10秒間加える。隔壁にはその目的を果たせなくなるよう

な変形を生じてはならない。 

10.11 圧電素子を含む機器の試験 使用中に接近し得る機器の部分に対して衝撃試験を行うときには,圧

電素子のキャパシタンスと発生する電圧の両方を測定する。同一サンプルで2回試験を行い,高い方の電

圧を採用する。ただし,このときの衝撃試験は,JIS C 60079-0の附属書Dの衝撃試験器を用いて20±10 ℃

の温度で行い,衝撃エネルギーはJIS C 60079-0の表4の“高”欄に従う。 

圧電素子を含む機器が物理的衝撃を防ぐガードをもっている場合,衝撃試験は,そのガード及び機器の

両方を製造業者が意図したように取り付けた状態でガードに対して行う。 

最大測定電圧でその結晶のキャパシタンスに蓄積された最大エネルギーは,次の値を超えてはならない。 

− グループ Ⅰ 機器: 1 500 μJ 

− グループ ⅡA 機器: 

950 μJ 

− グループ ⅡB 機器: 250 μJ  

− グループ ⅡC 機器: 

50 μJ 

圧電素子の電気的出力が保護部品(ガードを含めて)によって制限されている場合,これらの部品は衝撃

によって防爆構造が損なわれてはならない。 

衝撃エネルギーが規定された値を超えるのを防ぐため,外部の物理的衝撃から機器を保護する必要があ

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る場合は,その要件の詳細を安全に用いる特別な条件として規定し,機器には記号Xを明示しなければな

らない。 

10.12 ダイオード形安全保持器及び安全なシャントの形式試験 次の試験は,安全保持器又は安全なシャ

ントが過渡現象に耐えることを立証するために行う。 

故障しないとみなされる定格をもった抵抗器は,規定された電源に予想されるいかなる過渡現象にも耐

えることができるとみなす。 

ダイオードは,ヒューズの抵抗値(20 ℃)とヒューズに直列に入っている故障を生じないとみなす抵抗値

の和でUmのピーク値を除した値に耐えなければならない。それはダイオードの製造業者の仕様書によっ

て確認されるか,又は次の試験を行うことによって確認しなければならない。 

各形式のダイオードは,利用する方向(ツェナーダイオードでは,ツェナー方向)に従って持続時間50 μs,

周期20 msの矩形波電流パルスを5波加える。パルスの振幅は,Umのピーク値を20 ℃におけるヒューズ

の“コールド”抵抗値(回路中の故障を生じないとみなされる直列抵抗を加えて)で除した値とする。製造

業者のデータで,この電流におけるヒューズの溶断時間が50 μsを超える場合には,パルス幅を変更して

実際の溶断時間にする。入手可能な製造業者のデータから溶断時間が得られない場合には,10個のヒュー

ズについて上記の方法で計算した電流を加え,その溶断時間を測定する。この値が,50 μsより大きいなら,

それを用いる。 

この試験の前後に,部品の製造業者の試験電流を流してダイオードの電圧を測定する。測定された電圧

は5 %を超える変化を生じてはならない(この5 %には,試験機器の不確かさが含まれる。)。電流パルス

試験によって測定された最大の電圧上昇は,半導体電流制限素子に対しても,一連のパルスが上記と類似

の方法で加えられることによって生じたピーク値として採用しなければならない。試験後,これらの素子

は,部品製造業者の仕様に適合するか,再び確認する。特定の製造業者の同種類のツェナーダイオードを

用いる場合,同一の範囲全体の使用が可能であるためには,特定の電圧の代表サンプル1 個を試験すれば

よい。 

10.13 ケーブル引張試験 外部接続用のケーブルが組み込まれた機器は,機器内部のケーブル端末部の破

損が本安性を無効にする場合,例えば,ケーブル内に二つ以上の本安回路があってケーブル端末部の破損

が不安全な相互接続に至る場合は,ケーブルの引張試験を行わなければならない。試験は,次のように行

う。 

− 機器のケーブル引出し口の方向に沿って,ケーブルに30 N以上の引張力を少なくとも1時間加える。 

− ケーブルの被覆が動く場合でも,ケーブル端末の目に見える移動が観察されてはならない。   

− この試験は,恒久的に接続され,ケーブルの一部を構成していない個別の電線には,適用しない。 

11. ルーチン検証及び試験  

11.1 ダイオード形安全保持器のルーチン試験  

11.1.1 完成された安全保持器 ルーチン試験は,それぞれ完成された安全保持器において各々の構成部品

が正しく動作していること及びヒューズの抵抗値を確認する。この試験をするために取外し可能なリンク

を用いてもよいが,その場合には,リンクを取り外した状態で本質安全性を保持しなければならない。 

11.1.2 2個のダイオードからなる“ia”安全保持器用ダイオード ダイオードの端子間電圧は,製造業者

が指定したように測定する。その測定は,周囲温度において次の試験の前後に行う。 

a) 150 ℃の温度に各々のダイオードを2時間保持する。 

b) 10.12によるパルス電流試験を各々のダイオードについて行う。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

11.2 主電源変圧器のルーチン試験 ルーチン試験における主電源変圧器に印加される電圧は,表9に示

す値による。ここでUnは,試験される任意の巻線の最も高い定格電圧とする。 

試験中に,巻線間若しくは任意の巻線と鉄心又はスクリーンとの間に絶縁破壊があってはならない。 

表 9 主電源変圧器のルーチン試験電圧 

適用箇所 

試験電圧(実効値) 

入力巻線と出力巻線との間 

4 Un又は2 500 Vのいずれか大きい方 

すべての巻線と鉄心又はスクリーンとの間 

2 Un又は1 000 Vのいずれか大きい方 

本安回路に電力を供給する各々の巻線とほか
の出力巻線との間 

2 Un+1 000 V又は1 500 Vのいずれか大きい方 

12. 表示  

12.1 一般 本安機器及び本安関連機器は,少なくともJIS C 60079-0で規定された最低限の表示を行わな

ければならない。シリアル番号の表示は,品質管理目的のためのトレーサビリティを保証するのに十分な

日付又はロット番号を用いることによって達成される。 

備考1. シリアル番号の表示は,ほかの表示と分けてもよい。 

本安関連機器の場合,記号Ex ia又はEx ib(又はExが既に表示されている場合は,ia又はib)を,角括

弧で囲む。  

可能な場合,例えば,Um,Li,Ci,Lo,Coなど,すべての該当するパラメータを表示する。 

備考2. 表示及び書類のための標準記号は,3.による。 

実際のことを考えると,イタリック体又はサブスクリプト体(下付文字)の使用に制限があるか使用でき

ない場合もあるので,単純化した表現(例えば,UoではなくUo)を用いてもよい。 

12.2 接続端子部の表示 本安機器及び本安関連機器の接続部,端子箱,プラグ及びソケットは,明確に

表示され,及び明確に識別できなければならない。この目的のために色が用いられる場合には,明青色と

する。 

機器の部分間又は異なる機器間が,プラグ及びソケットを使って相互に接続される場合には,これらの

プラグ及びソケットは,本安回路だけを含むものとして識別しなければならない。この目的のために色が

用いられる場合には,明青色とする。 

さらに,全体の本質安全性を維持するための正しい接続を保証するために,十分,かつ,適切な表示を

備えなければならない。 

備考 これを達成するために,例えば,プラグ及びソケットに直接又は近傍に追加のラベルを付ける

必要がある場合がある。目的が確実に維持されるのであれば,機器ラベルだけでも十分である。 

次は表示の例である。 

a) 単独の本安機器 

C TOME LTD 
PAGING RECEIVER TYPE 3 
Ex ia IIC T4 
-25 ℃ ≦ Ta ≦ +50 ℃ 
ACB Ex95 **** 
Serial No. XXXX 

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41 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) ほかの機器に接続されるように設計された本安機器  

M HULOT 
TRANSDUCTEUR TYPE 12 
Ex ib IIB T4 
ACB Ex98 **** 
Li:10 H 

Ci:1 200 pF 

Ui:28 V 

Ii:250 mA 

Pi:1.3 W 

c) 本安関連機器  

J SCHMIDT A.G. 
STROMVERSORGUNG TYP 4 
[Ex ib] I 
ACB No:Ex98 *.*** 
Um:250 V 

Po:0.9 W 

Io:150 mA 

Ii:24 V 

Lo:20 mH 

Co:5.5 F 

d) 耐圧防爆容器で保護されている本安関連機器  

PIZZA ELECT. SpA 
Ex d [ia] IIB T6 
ACB No: Ex98 **** 
Um:250 V 

Po:0.9 W 

Uo:36 V 

Io:100 mA 

Co:0.31 F 

Lo:15 mH 

Serial No. XXXX 

ここでは,ACBは認証機関のイニシャル例を表す。 

13. 書類 JIS C 60079-0の23.2によって要求される説明用書類は,次の情報を含まなければならない。 

a) 機器のための電気的パラメータ。 

1) 給電側:Uo,Io,Poなどの出力データ,及び該当する場合は,Co,Lo及び/又は,許容Lo/Ro比。 

2) 受電側:Ui,Ii,Pi,Ci,Li及びLi/Ri比のような入力データ。 

b) 設置及び使用のための特別な要件。 

c) 非本安回路の端子,又は本安関連機器の端子に印加してもよい最大電圧Um。 

d) 防爆構造を決定するときに前提とした特別条件。例えば,電圧が保護変圧器,又はダイオード形安全

保持器を通して供給されることになっているという条件。 

e) 6.4.12に対する適合又は不適合。 

f) 

容器が本質安全性に関係する環境だけにおいて必要とする容器の表面の指定。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(規定)本安回路の評価 

A.1 基本要件 本安回路は,次の三つの基本要件を満足しなければならない。 

a) 本安回路は,ほかの回路から適切に離隔されていなければならない。 

b) 本安機器の温度等級の分類は,高温表面が原因となって点火が起きないように6.2及びJIS C 60079-0

の5. に従って行わなければならない。ただし,この温度等級は,本安関連機器には適用しない。 

c) 本安回路は,電気機器を規定する分類(4. 参照)及び区分(5. 参照)に応じて,10.の要件によって試験

又は評価を行ったとき,火花点火が生じてはならない。 

備考1. a)は,8.に適合する部品を用い,適切な沿面距離及び空間距離を設けて,満足できる場合が

ある。例えば,変圧器及び電流制限抵抗器。 

2. b)は,部品の熱的な特性及び,適切な故障条件のもとで部品に加えられる最大電力を知るこ

とから,部品の最高表面温度を算定することで満足できる場合がある。 

3. c)は,評価によって満足できる場合がある。点火限界での電圧,電流,キャパシタンス及び

インダクタンスのような回路パラメータに関する情報が必要である。以上の情報があれば回

路は火花点火について本質的に安全であると評価できる。 

A.2 点火曲線及び表を用いた評価 点火能力を評価する回路が,点火曲線が得られる単純な回路に近似し

ている場合には,図A.1〜図A.6又は表A.1及び表A.2を用いなければならない。5. による故障条件及び

10.4.2による安全率も考慮する。 

一般的に次の手順による。 

− 部品の許容差,供給電圧の変動,絶縁の故障及び部品の故障を考慮して,最悪の状態を決定する。 

− 次に,評価する回路を得るために適切な安全率を適用する。その安全率は,回路のタイプ(10.4.2参照)

及び電気機器の区分(5. 参照)に依存する。 

− 次に,結果として得られた回路のパラメータが,図A.1〜図A.6の点火曲線,又は表A.1及び表A.2

によって,容認できることを確認する。 

試験の方が評価よりも望ましい場合は,評価目的のために得られた回路は,火花点火試験装置を用いて

試験してもよい。 

備考 図A.1〜図A.6の曲線,又は表A.1及び表A.2によって与えられる情報は,単純な回路だけに

関するものである。ときには実際の回路の設計にこの情報を適用することが難しい事例もあり

得る。例えば,電源の多くは非線形な出力特性をもっていて,点火曲線では評価できない。そ

の理由は,回路がセル又は電池と直列電流制限抵抗器だけによって表わされる場合にだけ,図

A.1は使用できるからである。前文と同じ理由によって,例えば,定電流回路のような非線形

回路は,開放電圧及び短絡電流に基づいて図A.1から予測される電流よりも低い値で点火をお

こす。幾つかのタイプの非線形回路では最大許容電流が点火曲線から予測した電流値のわずか

5分の1の場合もある。従って,実際には,検討中の回路が,必要な情報をもっている単純な

回路によって表される場合に限って,評価が行われるよう十二分の注意が必要である。利用で

きる情報は限られており,本安回路を設計する上で発生するすべての詳細な問題をカバーする

ことはできない。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.3 単純な回路の例  

a) 単純な誘導性回路 手順をより詳細に示すために,グループⅡC用回路として,電源が20 Vの電池に

300 Ωの故障を生じない電流制限抵抗器が取り付けられ,図A.7に示されるような1 100 Ω,100 mH

のインダクタに供給される例を考察する。 

300 Ω及び1 100 Ωは最小値であり,100 mHは最大値である。 

次のように,二つの別々の評価がなされ,一つは電源それ自身が本質安全であることを確かめるこ

とであり,もう一つは接続された負荷の影響を考慮することである。 

1) 電源 評価の手順は,次による。 

i) 

電流制限抵抗器の値は最小300 Ωとする。これはその抵抗に関して,最悪の状態を表している。

電流制限抵抗器が故障を生じない要件(8.4を参照)に適合しない場合,一つの故障を適用(5. を参

照)すると,抵抗が短絡された状態を仮定した回路が得られる。そのような故障があれば,電源は

本質安全ではない。 

7.4.3によって,電池電圧の最大値を決定する必要がある。得られた最大電池電圧は,22 Vと仮

定する。 

ii) 最大短絡電流は,22/300=73.3 mA。 

抵抗回路であるため,5.及び10.4.2の要件を適用すると,短絡電流が1.5×73.3=110 mAに増加

した回路となる。 

iii) 表A.1から,グループⅡCに対しては,抵抗回路に対する最少点火電流は22 Vにおいて337 mA

である。それによって電源は,火花点火に関しては本質安全であると評価できる。 

2) 負荷の接続 評価の手順は,次による。 

i) 

最大電池電圧は22 Vである。300 Ω及び1 100 Ωは最小値であるから,負荷に流れる最大電流は,

22/(300+1100)=15.7 mAである。300 Ωの抵抗は故障を生じない部品であることから,故障を適

用する必要はなく,インダクタの短絡故障は上記で考察した回路となる。 

ii) 5.及び10.4.2の要件を適用すると,1.5の安全率に対して,回路の電流は1.5×15.7=23.6 mAに増

加する。 

iii) グループⅡCに対応した図A.4を参照すると,100 mHのインダクタに対して最小点火電流は,24 V

の電圧に対しては28 mAである。したがって,回路は,グループⅡCに対する火花点火に関して

本質安全であると評価される。 

備考1. 開放電圧が24 Vより大幅に低い場合は,図A.6が用いられる。 

2. 上記の評価は,インダクタが空心であると仮定している。インダクタが空心ではない場合は,

評価は近似に過ぎないとみなされ,本質安全性を確かめるために火花点火試験装置(附属書

B)を用いた試験が必要となる。評価が測定されたインダクタンスの値に基づく場合,実際の

最小点火電流は,常にではないが,通常,評価値よりも大きい。 

b) 単純な容量性回路 グループⅠを適用する目的で図A.8の回路を考察する。これは,30 Vの電池と接

続する10 μFのキャパシタと適切に配置された故障を生じないとみなす10 kΩの抵抗で構成されてい

る。この例では,30 V及び10 μFは最大値であり,10 kΩは最小値である。 

二つの別々の評価がなされ,一つは電源それ自身が本質安全であることを確かめることでもあり,

もう一つはキャパシタの存在を考慮することである。 

1) 電源 手順はa) 1)とほとんど同一であるので,詳細は省略する。電源回路だけでは,火花点火の安

全率が100を超えることから,容易に本質安全であると評価できる。 

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C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) キャパシタ 評価の手順は,次による。 

i) 

最大電池電圧は30 Vである。10 μFは最大容量値である。10 kΩの抵抗は故障を生じないとみな

す抵抗であり,キャパシタの短絡及び開放もa) 1)で考察した回路と同じになるから,故障は適用

されない。 

ii) 5.及び10.4.2の要件を適用すると,1.5の安全率に対して,電圧は1.5×30=45 Vに増加する。 

iii) グループⅠに対応した図A.2を参照すると,45 Vでの点火を生じるキャパシタンスの最小値は

3 μFであり,30 Vでは8 μF である,よって回路は本質安全であると評価できない。 

備考3. 本質安全であると評価できるような回路に変更するためには,幾つかの可能な方法がある。

回路電圧,又はキャパシタンスを減少させるか,若しくは故障を生じない抵抗を10 μFのキ

ャパシタに直列に挿入する。図A.2を参照すると,10 μFに対する最小点火電圧は26 Vであ

り,10 μFを維持するのであれば,電池電圧を26/1.5=17.3 Vに減らす必要がある。その代わ

りにキャパシタンスを3 μFに減少させるか,又はキャパシタと直列に最小値5.6 Ωの故障を

生じない抵抗を挿入することによって,10 μF+5.6 Ωでは最小点火電圧は48 Vであることか

ら,グループⅠに対する火花点火に関しては本質安全である回路を構成できる。 

上記の検討の中で無視されている一つの問題は,厳密にいうと,図A.2及び図A.3における容量性回路

の最小点火電圧曲線が,電源に直接接続されない充電されたキャパシタについてのものであるということ

にある。実際,上の例のように電源自体が大きな安全率をもつのであれば,曲線は適用できる。しかし,

電源自身が最小の安全率しかもたないのであれば,キャパシタとの相互結合は,図A.2及び図A.3によっ

て回路の本質安全性が推測されたとしても,回路が本質安全ではない状態を導くこととなる。一般に,そ

のような回路は上記のような方法では確実に評価することができない。火花点火試験装置(附属書B参照)

による試験が必要となる。 

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45 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

①最小点火電流I (A) 

②電源電圧U (V) 

図A.1 抵抗性回路 

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46 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

①キャパシタンス C (μF) 

②最小点火電圧 U (V)  

備考 各曲線は,示された電流制限抵抗器の値と対応する。 

図A.2 グループⅠの容量性回路 

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47 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

①キャパシタンス C (μF) 

②最小点火電圧 U (V) 

図A.3 グループⅡの容量性回路 

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48 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

①インダクタンス L (H) 

②最小点火電流 I (A) 

備考1. 回路試験電圧は,24 Vである。 

2. ( )内に示されているエネルギーレベルは,曲線のエネルギー一定部分を表している。 

図A.4 グループⅡの誘導性回路 

② 

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49 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

①インダクタンス L (mH) 

②最小点火電流 I (A) 

備考1. 曲線は,示された回路電圧Uoの値と対応する。 

2. 525 μJのエネルギーレベルは,曲線のエネルギー一定部分を表している。 

図A.5 グループⅠの誘導性回路 

② 

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50 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

①インダクタンス L (mH) 

②最小点火電流 I (A) 

備考1. 曲線は,示された回路電圧Uoの値と対応する。 

2. 40 μJのエネルギーレベルは,曲線のエネルギー一定部分を表している。 

図A.6 グループⅡの誘導性回路 

② 

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51 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図A.7 単純な誘導性回路 

図A.8 単純な容量性回路 

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52 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.1 電圧及び機器グループに対応する許容短絡電流 

電圧 

許容短絡電流 

A又はmA 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

12.0 

12.1 

5.00 

3.33 

12.2 

4.72 

3.15 

12.3 

4.46 

2.97 

12.4 

4.21 

2.81 

12.5 

3.98 

2.65 

12.6 

3.77 

2.51 

12.7 

3.56 

2.37 

12.8 

3.37 

2.25 

12.9 

3.19 

2.13 

13.0 

3.02 

2.02 

13.1 

2.87 

1.91 

13.2 

2.72 

1.81 

13.3 

2.58 

1.72 

13.4 

2.45 

1.63 

13.5 

2.32 

1.55 

5.00 

3.33 

13.6 

2.21 

1.47 

4.86 

3.24 

13.7 

2.09 

1.40 

4.72 

3.14 

13.8 

1.99 

1.33 

4.58 

3.05 

13.9 

1.89 

1.26 

4.45 

2.97 

14.0 

1.80 

1.20 

4.33 

2.88 

14.1 

1.75 

1.16 

4.21 

2.80 

14.2 

1.70 

1.13 

4.09 

2.73 

14.3 

1.65 

1.10 

3.98 

2.65 

14.4 

1.60 

1.07 

3.87 

2.58 

14.5 

1.55 

1.04 

3.76 

2.51 

14.6 

1.51 

1.01 

3.66 

2.44 

14.7 

1.47 

0.98 

3.56 

2.38 

14.8 

1.43 

0.95 

3.47 

2.31 

5.00 

3.33 

14.9 

1.39 

0.93 

3.38 

2.25 

4.86 

3.24 

15.0 

1.35 

0.900 

3.29 

2.19 

4.73 

3.15 

15.1 

1.31 

0.875 

3.20 

2.14 

4.60 

3.07 

15.2 

1.28 

0.851 

3.12 

2.08 

4.48 

2.99 

15.3 

1.24 

0.828 

3.04 

2.03 

4.36 

2.91 

15.4 

1.21 

0.806 

2.96 

1.98 

4.25 

2.83 

15.5 

1.18 

0.784 

2.89 

1.92 

4.14 

2.76 

15.6 

1.15 

0.769 

2.81 

1.88 

4.03 

2.69 

15.7 

1.12 

0.744 

2.74 

1.83 

3.92 

2.62 

15.8 

1.09 

0.724 

2.68 

1.78 

3.82 

2.55 

15.9 

1.06 

0.705 

2.61 

1.74 

3.72 

2.48 

16.0 

1.03 

0.687 

2.55 

1.70 

3.63 

2.42 

16.1 

1.00 

0.699 

2.48 

1.66 

3.54 

2.36 

16.2 

0.98 

0.652 

2.42 

1.61 

3.45 

2.30 

16.3 

0.95 

0.636 

2.36 

1.57 

3.36 

2.24 

16.4 

0.93 

0.620 

2.31 

1.54 

3.28 

2.19 

16.5 

0.91 

0.604 

2.25 

1.50 

3.20 

2.13 

16.6 

0.88 

0.589 

2.20 

1.47 

3.12 

2.08 

16.7 

0.86 

0.575 

2.15 

1.43 

3.04 

2.03 

16.8 

0.84 

0.560 

2.10 

1.40 

2.97 

1.98 

16.9 

0.82 

0.547 

2.05 

1.37 

2.90 

1.93 

17.0 

0.80 

0.533 

2.00 

1.34 

2.83 

1.89 

17.1 

0.78 

0.523 

1.96 

1.31 

2.76 

1.84 

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53 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.1 電圧及び機器グループに対応する許容短絡電流(続き) 

電圧 

許容短絡電流 

A又はmA 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

17.2 

0.77 

0.513 

1.93 

1.28 

2.70 

1.80 

17.3 

0.75 

0.503 

1.89 

1.26 

2.63 

1.76 

17.4 

0.74 

0.493 

1.85 

1.24 

2.57 

1.72 

17.5 

0.73 

0.484 

1.82 

1.21 

2.51 

1.68 

17.6 

0.71 

0.475 

1.79 

1.19 

2.45 

1.64 

17.7 

0.70 

0.466 

1.75 

1.17 

2.40 

1.60 

17.8 

0.69 

0.457 

1.72 

1.15 

2.34 

1.56 

17.9 

0.67 

0.448 

1.69 

1.13 

2.29 

1.53 

18.0 

0.66 

0.440 

1.66 

1.11 

2.24 

1.49 

mA 

mA 

mA 

mA 

mA 

mA 

18.1 

648 

432 

1630 

1087 

2188 

1459 

18.2 

636 

424 

1601 

1068 

2139 

1426 

18.3 

625 

417 

1573 

1049 

2091 

1394 

18.4 

613 

409 

1545 

1030 

2045 

1363 

18.5 

602 

402 

1518 

1012 

2000 

1333 

18.6 

592 

394 

1491 

995 

1967 

1311 

18.7 

581 

387 

1466 

977 

1935 

1290 

18.8 

571 

380 

1441 

960 

1903 

1269 

18.9 

561 

374 

1416 

944 

1872 

1248 

19.0 

551 

367 

1392 

928 

1842 

1228 

19.1 

541 

361 

1368 

912 

1812 

1208 

19.2 

532 

355 

1345 

897 

1784 

1189 

19.3 

523 

348 

1323 

882 

1755 

1170 

19.4 

514 

342 

1301 

867 

1727 

1152 

19.5 

505 

337 

1279 

853 

1700 

1134 

19.6 

496 

331 

1258 

839 

1673 

1116 

19.7 

448 

325 

1237 

825 

1648 

1098 

19.8 

480 

320 

1217 

811 

1622 

1081 

19.9 

472 

314 

1197 

798 

1597 

1065 

20.0 

464 

309 

1177 

785 

1572 

1048 

20.1 

456 

304 

1158 

772 

1549 

1032 

20.2 

448 

299 

1140 

760 

1525 

1016 

20.3 

441 

294 

1122 

748 

1502 

1001 

20.4 

434 

289 

1104 

736 

1479 

986 

20.5 

427 

285 

1087 

724 

1457 

971 

20.6 

420 

280 

1069 

713 

1435 

957 

20.7 

413 

275 

1053 

702 

1414 

943 

20.8 

406 

271 

1036 

691 

1393 

929 

20.9 

400 

267 

1020 

680 

1373 

915 

21.0 

394 

262 

1004 

670 

1353 

902 

21.1 

387 

258 

989 

659 

1333 

889 

21.2 

381 

254 

974 

649 

1314 

876 

21.3 

375 

250 

959 

639 

1295 

863 

21.4 

369 

246 

945 

630 

1276 

851 

21.5 

364 

243 

930 

620 

1258 

839 

21.6 

358 

239 

916 

611 

1240 

827 

21.7 

353 

235 

903 

602 

1222 

815 

21.8 

347 

231 

889 

593 

1205 

804 

21.9 

342 

228 

876 

584 

1189 

792 

22.0 

337 

224 

863 

575 

1172 

781 

22.1 

332 

221 

851 

567 

1156 

770 

22.2 

327 

218 

838 

559 

1140 

760 

background image

54 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.1 電圧及び機器グループに対応する許容短絡電流(続き) 

電圧 

許容短絡電流 

A又はmA 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

mA 

mA 

mA 

mA 

mA 

mA 

22.3 

322 

215 

826 

551 

1124 

749 

22.4 

317 

211 

814 

543 

1109 

739 

22.5 

312 

208 

802 

535 

1093 

729 

22.6 

308 

205 

791 

527 

1078 

719 

22.7 

303 

202 

779 

520 

1064 

709 

22.8 

299 

199 

768 

512 

1050 

700 

22.9 

294 

196 

757 

505 

1036 

690 

23.0 

290 

193 

747 

498 

1022 

681 

23.1 

287 

191 

736 

491 

1008 

672 

23.2 

284 

189 

726 

484 

995 

663 

23.3 

281 

187 

716 

477 

982 

655 

23.4 

278 

185 

706 

471 

969 

646 

23.5 

275 

183 

696 

464 

956 

638 

23.6 

272 

182 

687 

458 

944 

629 

23.7 

270 

180 

677 

452 

932 

621 

23.8 

267 

178 

668 

445 

920 

613 

23.9 

264 

176 

659 

439 

908 

605 

24.0 

261 

174 

650 

433 

896 

597 

24.1 

259 

173 

644 

429 

885 

590 

24.2 

256 

171 

637 

425 

873 

582 

24.3 

253 

169 

631 

421 

862 

575 

24.4 

251 

167 

625 

416 

852 

568 

24.5 

248 

166 

618 

412 

841 

561 

24.6 

246 

164 

612 

408 

830 

554 

24.7 

244 

163 

606 

404 

820 

547 

24.8 

241 

161 

601 

400 

810 

540 

24.9 

239 

159 

595 

396 

800 

533 

25.0 

237 

158 

589 

393 

790 

527 

25.1 

234 

156 

583 

389 

780 

520 

25.2 

232 

155 

578 

385 

771 

514 

25.3 

230 

153 

572 

381 

762 

508 

25.4 

228 

152 

567 

378 

752 

502 

25.5 

226 

150 

561 

374 

743 

496 

25.6 

223 

149 

556 

371 

734 

490 

25.7 

221 

148 

551 

367 

726 

484 

25.8 

219 

146 

546 

364 

717 

478 

25.9 

217 

145 

541 

360 

708 

472 

26.0 

215 

143 

536 

357 

700 

467 

26.1 

213 

142 

531 

354 

694 

463 

26.2 

211 

141 

526 

350 

688 

459 

26.3 

209 

139 

521 

347 

683 

455 

26.4 

207 

138 

516 

344 

677 

451 

26.5 

205 

137 

512 

341 

671 

447 

26.6 

203 

136 

507 

338 

666 

444 

26.7 

202 

134 

502 

335 

660 

440 

26.8 

200 

133 

498 

332 

655 

437 

26.9 

198 

132 

493 

329 

649 

433 

27.0 

196 

131 

489 

326 

644 

429 

27.1 

194 

130 

485 

323 

639 

426 

27.2 

193 

128 

480 

320 

364 

422 

27.3 

191 

127 

476 

317 

629 

419 

27.4 

189 

126 

472 

315 

624 

416 

background image

55 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.1 電圧及び機器グループに対応する許容短絡電流(続き) 

電圧 

許容短絡電流 

A又はmA 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

mA 

mA 

mA 

mA 

mA 

mA 

27.5 

188 

125 

468 

312 

619 

412 

27.6 

186 

124 

464 

309 

614 

409 

27.7 

184 

123 

460 

306 

609 

406 

27.8 

183 

122 

456 

304 

604 

403 

27.9 

181 

121 

452 

301 

599 

399 

28.0 

180 

120 

448 

299 

594 

396 

28.1 

178 

119 

444 

296 

590 

393 

28.2 

176 

118 

440 

293 

585 

390 

28.3 

175 

117 

436 

291 

581 

387 

28.4 

173 

116 

433 

288 

576 

384 

28.5 

172 

115 

429 

286 

572 

381 

28.6 

170 

114 

425 

284 

567 

378 

28.7 

169 

113 

422 

281 

563 

375 

28.8 

168 

112 

418 

279 

559 

372 

28.9 

166 

111 

415 

277 

554 

370 

29.0 

165 

110 

411 

274 

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367 

29.1 

163 

109 

408 

272 

546 

364 

29.2 

162 

108 

405 

270 

542 

361 

29.3 

161 

107 

401 

268 

538 

358 

29.4 

159 

106 

398 

265 

534 

356 

29.5 

158 

105 

395 

263 

530 

353 

29.6 

157 

105 

392 

261 

526 

351 

29.7 

155 

104 

388 

259 

522 

348 

29.8 

154 

103 

385 

257 

518 

345 

29.9 

153 

102 

382 

255 

514 

343 

30.0 

152 

101 

379 

253 

510 

340 

30.2 

149 

99.5 

373 

249 

503 

335 

30.4 

147 

97.9 

367 

245 

496 

330 

30.6 

145 

96.3 

362 

241 

489 

326 

30.8 

142 

94.8 

356 

237 

482 

321 

31.0 

140 

93.3 

350 

233 

475 

317 

31.2 

138 

92.2 

345 

230 

468 

312 

31.4 

137 

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339 

226 

462 

308 

31.6 

135 

89.9 

334 

223 

455 

303 

31.8 

133 

88.8 

329 

219 

449 

299 

32.0 

132 

87.8 

324 

216 

442 

295 

32.2 

130 

86.7 

319 

213 

436 

291 

32.4 

129 

85.7 

315 

210 

431 

287 

32.6 

127 

84.7 

310 

207 

425 

283 

32.8 

126 

83.7 

305 

204 

419 

279 

33.0 

124 

82.7 

301 

201 

414 

276 

33.2 

123 

81.7 

297 

198 

408 

272 

33.4 

121 

80.8 

292 

195 

403 

268 

33.6 

120 

79.8 

288 

192 

398 

265 

33.8 

118 

78.9 

284 

189 

393 

262 

34.0 

117 

78.0 

280 

187 

389 

259 

34.2 

116 

77.2 

277 

185 

384 

256 

34.4 

114 

76.3 

274 

183 

380 

253 

34.6 

113 

75.4 

271 

181 

376 

251 

34.8 

112 

74.6 

269 

179 

372 

248 

35.0 

111 

73.8 

266 

177 

368 

245 

35.2 

109 

73.0 

263 

175 

364 

242 

background image

56 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.1 電圧及び機器グループに対応する許容短絡電流(続き) 

電圧 

許容短絡電流 

A又はmA 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

mA 

mA 

mA 

mA 

mA 

mA 

35.4 

108 

72.2 

260 

174 

360 

240 

35.6 

107 

71.4 

258 

172 

356 

237 

35.8 

106 

70.6 

255 

170 

352 

235 

36.0 

105 

69.9 

253 

168 

348 

232 

36.2 

104 

69.1 

250 

167 

345 

230 

36.4 

103 

68.4 

248 

165 

341 

227 

36.6 

102 

67.7 

245 

164 

337 

225 

36.8 

100 

66.9 

243 

162 

334 

223 

37.0 

99.4 

66.2 

241 

160 

330 

220 

37.2 

98.3 

65.6 

238 

159 

327 

218 

37.4 

97.3 

64.9 

236 

157 

324 

216 

37.6 

96.3 

64.2 

234 

156 

320 

214 

37.8 

95.3 

63.6 

231 

154 

317 

211 

38.0 

94.4 

62.9 

229 

153 

314 

109 

38.2 

93.4 

62.3 

227 

151 

311 

207 

38.4 

92.5 

61.6 

225 

150 

308 

205 

38.6 

91.5 

61.0 

223 

149 

304 

203 

38.8 

90.6 

60.4 

221 

147 

301 

201 

39.0 

89.7 

59.8 

219 

146 

298 

199 

39.2 

88.8 

59.2 

217 

145 

296 

197 

39.4 

88.0 

58.6 

215 

143 

293 

195 

39.6 

87.1 

58.1 

213 

142 

290 

193 

39.8 

86.3 

57.5 

211 

141 

287 

191 

40.0 

85.4 

57.0 

209 

139 

284 

190 

40.5 

83.4 

55.6 

205 

136 

278 

185 

41.0 

81.4 

54.3 

200 

133 

271 

181 

41.5 

79.6 

53.0 

196 

131 

265 

177 

42.0 

77.7 

51.8 

192 

128 

259 

173 

42.5 

76.0 

50.6 

188 

125 

253 

169 

43.0 

74.3 

49.5 

184 

122 

247 

165 

43.5 

72.6 

48.4 

180 

120 

242 

161 

44.0 

71.0 

47.4 

176 

117 

237 

158 

44.5 

69.5 

46.3 

173 

115 

231 

154 

45.0 

68.0 

45.3 

169 

113 

227 

151 

background image

57 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2 電圧及び機器グループに対応する許容キャパシタンス 

電圧 

許容キャパシタンス 

μF又はnF 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

μF 

μF 

μF 

μF 

μF 

μF 

5.0 

100 

5.1 

88 

5.2 

79 

5.3 

71 

5.4 

65 

5.5 

58 

5.6 

1000 

54 

5.7 

860 

50 

5.8 

750 

46 

5.9 

670 

43 

6.0 

600 

40 

1000 

6.1 

535 

37 

880 

6.2 

475 

34 

790 

6.3 

420 

31 

720 

6.4 

370 

28 

650 

6.5 

325 

25 

570 

6.6 

285 

22 

500 

6.7 

250 

19.6 

430 

6.8 

220 

17.9 

380 

6.9 

200 

16.8 

335 

7.0 

175 

15.7 

300 

7.1 

155 

14.6 

268 

7.2 

136 

13.5 

240 

7.3 

120 

12.7 

216 

7.4 

110 

11.9 

195 

7.5 

100 

11.1 

174 

7.6 

92 

10.4 

160 

7.7 

85 

9.8 

145 

7.8 

79 

9.3 

130 

7.9 

74 

8.8 

115 

8.0 

69 

8.4 

100 

8.1 

65 

8.0 

90 

8.2 

61 

7.6 

81 

8.3 

56 

7.2 

73 

8.4 

54 

6.8 

66 

8.5 

51 

6.5 

60 

8.6 

49 

6.2 

55 

8.7 

47 

5.9 

50 

1000 

8.8 

45 

5.5 

46 

730 

8.9 

42 

5.2 

43 

590 

9.0 

40 

4.9 

1000 

40 

500 

9.1 

38 

4.6 

920 

37 

446 

9.2 

36 

4.3 

850 

34 

390 

9.3 

34 

4.1 

790 

31 

345 

9.4 

32 

3.9 

750 

29 

300 

9.5 

30 

3.7 

700 

27 

255 

9.6 

28 

3.6 

650 

26 

210 

9.7 

26 

3.5 

600 

24 

170 

9.8 

24 

3.3 

550 

23 

135 

9.9 

22 

3.2 

500 

22 

115 

10.0 

20.0 

3.0 

450 

20.0 

100 

background image

58 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2 電圧及び機器グループに対応する許容キャパシタンス(続き) 

電圧 

許容キャパシタンス 

μF又はnF 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

μF 

μF 

μF 

μF 

μF 

μF 

10.1 

18.7 

2.87 

410 

19.4 

93 

10.2 

17.8 

2.75 

380 

18.7 

88 

10.3 

17.1 

2.63 

350 

18.0 

83 

10.4 

16.4 

2.52 

325 

17.4 

79 

10.5 

15.7 

2.41 

300 

16.8 

75 

10.6 

15.0 

2.32 

280 

16.2 

72 

10.7 

14.2 

2.23 

260 

15.6 

69 

10.8 

13.5 

2.14 

240 

15.0 

66 

10.9 

13.0 

2.05 

225 

14.4 

63 

11.0 

12.5 

1.97 

210 

13.8 

60 

11.1 

11.9 

1.90 

195 

13.2 

57.0 

11.2 

11.4 

1.84 

180 

12.6 

54.0 

11.3 

10.9 

1.79 

170 

12.1 

51.0 

11.4 

10.4 

1.71 

160 

11.7 

48.0 

11.5 

10.0 

1.64 

150 

11.2 

46.0 

11.6 

9.6 

1.59 

140 

10.8 

43.0 

11.7 

9.3 

1.54 

130 

10.3 

41.0 

11.8 

9.0 

1.50 

120 

9.9 

39.0 

11.9 

8.7 

1.45 

110 

9.4 

37.0 

12.0 

8.4 

1.41 

100 

9.0 

36.0 

12.1 

8.1 

1.37 

93 

8.7 

34.0 

12.2 

7.9 

1.32 

87 

8.4 

33.0 

12.3 

7.6 

1.28 

81 

8.1 

31.0 

12.4 

7.2 

1.24 

75 

7.9 

30.0 

12.5 

7.0 

1.20 

70 

7.7 

28.0 

12.6 

6.8 

1.15 

66 

7.4 

27.0 

12.7 

6.6 

1.10 

62 

7.1 

25.4 

12.8 

6.4 

1.06 

58 

6.8 

24.2 

12.9 

6.2 

1.03 

55 

6.5 

23.2 

13.0 

6.0 

1.00 

52 

6.2 

1000 

22.5 

13.1 

5.7 

0.97 

49 

6.0 

850 

21.7 

13.2 

5.4 

0.94 

46 

5.8 

730 

21.0 

13.3 

5.3 

0.91 

44 

5.6 

630 

20.2 

13.4 

5.1 

0.88 

42 

5.5 

560 

19.5 

13.5 

4.9 

0.85 

40 

5.3 

500 

19.0 

13.6 

4.6 

0.82 

38 

5.2 

450 

18.6 

13.7 

4.4 

0.79 

36 

5.0 

420 

18.1 

13.8 

4.2 

0.76 

34 

4.9 

390 

17.7 

13.9 

4.1 

0.74 

32 

4.7 

360 

17.3 

14.0 

4.0 

0.73 

30 

4.60 

330 

17.0 

14.1 

3.9 

0.71 

29 

4.49 

300 

16.7 

14.2 

3.8 

0.70 

28 

4.39 

270 

16.4 

14.3 

3.7 

0.68 

27 

4.28 

240 

16.1 

14.4 

3.6 

0.67 

26 

4.18 

210 

15.8 

14.5 

3.5 

0.65 

25 

4.07 

185 

15.5 

14.6 

3.4 

0.64 

24 

3.97 

160 

15.2 

14.7 

3.3 

0.62 

23 

3.86 

135 

14.9 

14.8 

3.2 

0.61 

22 

3.76 

120 

14.6 

14.9 

3.1 

0.59 

21 

3.65 

110 

14.3 

15.0 

3.0 

0.58 

20.2 

3.55 

100 

14.0 

background image

59 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2 電圧及び機器グループに対応する許容キャパシタンス(続き) 

電圧 

許容キャパシタンス 

μF又はnF 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

μF 

μF 

μF 

μF 

μF 

μF 

15.1 

2.90 

0.57 

19.7 

3.46 

95 

13.7 

15.2 

2.82 

0.55 

19.2 

3.37 

91 

13.4 

15.3 

2.76 

0.53 

18.7 

3.28 

88 

13.1 

15.4 

2.68 

0.521 

18.2 

3.19 

85 

12.8 

15.5 

2.60 

0.508 

17.8 

3.11 

82 

12.5 

15.6 

2.52 

0.497 

17.4 

3.03 

79 

12.2 

15.7 

2.45 

0.487 

17.0 

2.95 

77 

11.9 

15.8 

2.38 

0.478 

16.6 

2.88 

74 

11.6 

15.9 

2.32 

0.469 

16.2 

2.81 

72 

11.3 

16.0 

2.26 

0.460 

15.8 

2.75 

70 

11.0 

16.1 

2.20 

0.451 

15.4 

2.69 

68 

10.7 

μF 

nF 

μF 

μF 

μF 

μF 

16.2 

2.14 

442 

15.0 

2.63 

66 

10.5 

16.3 

2.08 

433 

14.6 

2.57 

64 

10.2 

16.4 

2.02 

424 

14.2 

2.51 

62 

10.0 

16.5 

1.97 

415 

13.8 

2.45 

60 

9.8 

16.6 

1.92 

406 

13.4 

2.40 

58 

9.6 

16.7 

1.88 

398 

13.0 

2.34 

56 

9.4 

16.8 

1.84 

390 

12.6 

2.29 

54 

9.3 

16.9 

1.80 

382 

12.3 

2.24 

52 

9.1 

17.0 

1.76 

375 

12.0 

2.20 

50 

9.0 

17.1 

1.71 

367 

11.7 

2.15 

48 

8.8 

17.2 

1.66 

360 

11.4 

2.11 

47 

8.7 

17.3 

1.62 

353 

11.1 

2.06 

45 

8.5 

17.4 

1.59 

346 

10.8 

2.02 

44 

8.4 

17.5 

1.56 

339 

10.5 

1.97 

42 

8.2 

17.6 

1.53 

333 

10.2 

1.93 

40 

8.1 

17.7 

1.50 

327 

9.9 

1.88 

39 

8.0 

17.8 

1.47 

321 

9.6 

1.84 

38 

7.9 

17.9 

1.44 

315 

9.3 

1.80 

37 

7.7 

18.0 

1.41 

309 

9.0 

1.78 

36 

7.6 

18.1 

1.38 

303 

8.8 

1.75 

35 

7.45 

18.2 

1.35 

297 

8.6 

1.72 

34 

7.31 

18.3 

1.32 

291 

8.4 

1.70 

33 

7.15 

18.4 

1.29 

285 

8.2 

1.69 

32 

7.00 

18.5 

1.27 

280 

8.0 

1.67 

31 

6.85 

18.6 

1.24 

275 

7.9 

1.66 

30 

6.70 

18.7 

1.21 

270 

7.8 

1.64 

29 

6.59 

18.8 

1.18 

266 

7.6 

1.62 

28 

6.48 

18.9 

1.15 

262 

7.4 

1.60 

27 

6.39 

19.0 

1.12 

258 

7.2 

1.58 

26 

6.30 

19.1 

1.09 

252 

7.0 

1.56 

25.0 

6.21 

19.2 

1.06 

251 

6.8 

1.55 

24.2 

6.12 

19.3 

1.04 

248 

6.6 

1.52 

23.6 

6.03 

19.4 

1.02 

244 

6.4 

1.51 

23.0 

5.95 

19.5 

1.00 

240 

6.2 

1.49 

22.5 

5.87 

19.6 

0.98 

235 

6.0 

1.47 

22.0 

5.80 

19.7 

0.96 

231 

5.9 

1.45 

21.5 

5.72 

19.8 

0.94 

227 

5.8 

1.44 

21.0 

5.65 

19.9 

0.92 

223 

5.7 

1.42 

20.5 

5.57 

20.0 

0.90 

220 

5.6 

1.41 

20.0 

5.50 

background image

60 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2 電圧及び機器グループに対応する許容キャパシタンス(続き) 

電圧 

許容キャパシタンス 

μF又はnF 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

μF 

nF 

μF 

μF 

μF 

μF 

20.1 

0.88 

217 

5.5 

1.39 

19.5 

5.42 

20.2 

0.86 

213 

5.4 

1.38 

19.2 

5.35 

20.3 

0.84 

209 

5.3 

1.36 

18.9 

5.27 

20.4 

0.82 

206 

5.2 

1.35 

18.6 

5.20 

20.5 

0.80 

203 

5.1 

1.33 

18.3 

5.12 

20.6 

0.78 

200 

5.0 

1.32 

18.0 

5.05 

20.7 

0.76 

197 

4.9 

1.31 

17.7 

4.97 

20.8 

0.75 

194 

4.8 

1.30 

17.4 

4.90 

20.9 

0.74 

191 

4.7 

1.28 

17.2 

4.84 

21.0 

0.73 

188 

4.6 

1.27 

17.0 

4.78 

21.1 

0.72 

185 

4.52 

1.25 

16.8 

4.73 

21.2 

0.71 

183 

4.45 

1.24 

16.6 

4.68 

21.3 

0.70 

181 

4.39 

1.23 

16.4 

4.62 

21.4 

0.69 

179 

4.32 

1.22 

16.2 

4.56 

21.5 

0.68 

176 

4.25 

1.20 

16.0 

4.50 

21.6 

0.67 

174 

4.18 

1.19 

15.8 

4.44 

21.7 

0.66 

172 

4.11 

1.17 

15.6 

4.38 

21.8 

0.65 

169 

4.04 

1.16 

15.4 

4.32 

nF 

nF 

μF 

μF 

μF 

μF 

21.9 

640 

167 

3.97 

1.15 

15.2 

4.26 

22.0 

630 

165 

3.90 

1.14 

15.0 

4.20 

22.1 

620 

163 

3.83 

1.12 

14.8 

4.14 

22.2 

610 

160 

3.76 

1.11 

14.6 

4.08 

22.3 

600 

158 

3.69 

1.10 

14.4 

4.03 

22.4 

590 

156 

3.62 

1.09 

14.2 

3.98 

22.5 

580 

154 

3.55 

1.08 

14.0 

3.93 

22.6 

570 

152 

3.49 

1.07 

13.8 

3.88 

22.7 

560 

149 

3.43 

1.06 

13.6 

3.83 

22.8 

550 

147 

3.37 

1.05 

13.4 

3.79 

22.9 

540 

145 

3.31 

1.04 

13.2 

3.75 

23.0 

530 

143 

3.25 

1.03 

13.0 

3.71 

23.1 

521 

140 

3.19 

1.02 

12.8 

3.67 

23.2 

513 

138 

3.13 

1.01 

12.6 

3.64 

23.3 

505 

136 

3.08 

1.00 

12.4 

3.60 

23.4 

497 

134 

3.03 

0.99 

12.2 

3.57 

23.5 

490 

132 

2.98 

0.98 

12.0 

3.53 

23.6 

484 

130 

2.93 

0.97 

11.8 

3.50 

23.7 

478 

128 

2.88 

0.96 

11.6 

3.46 

23.8 

472 

127 

2.83 

0.95 

11.4 

3.42 

23.9 

466 

126 

2.78 

0.94 

11.2 

3.38 

24.0 

460 

125 

2.75 

0.93 

11.0 

3.35 

24.1 

454 

124 

2.71 

0.92 

10.8 

3.31 

24.2 

448 

122 

2.67 

0.91 

10.7 

3.27 

24.3 

442 

120 

2.63 

0.90 

10.5 

3.23 

24.4 

436 

119 

2.59 

0.89 

10.3 

3.20 

24.5 

430 

118 

2.55 

0.88 

10.2 

3.16 

24.6 

424 

116 

2.51 

0.87 

10.0 

3.12 

24.7 

418 

115 

2.49 

0.87 

9.9 

3.08 

24.8 

412 

113 

2.44 

0.86 

9.8 

3.05 

24.9 

406 

112 

2.40 

0.85 

9.6 

3.01 

25.0 

400 

110 

2.36 

0.84 

9.5 

2.97 

background image

61 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2 電圧及び機器グループに対応する許容キャパシタンス(続き) 

電圧 

許容キャパシタンス 

μF又はnF 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

nF 

nF 

μF 

μF 

μF 

μF 

25.1 

395 

108 

2.32 

0.83 

9.4 

2.93 

25.2 

390 

107 

2.29 

0.82 

9.3 

2.90 

25.3 

385 

106 

2.26 

0.82 

9.2 

2.86 

25.4 

380 

105 

2.23 

0.81 

9.1 

2.82 

25.5 

375 

104 

2.20 

0.80 

9.0 

2.78 

25.6 

370 

103 

2.17 

0.80 

8.9 

2.75 

25.7 

365 

102 

2.14 

0.79 

8.8 

2.71 

25.8 

360 

101 

2.11 

0.78 

8.7 

2.67 

25.9 

355 

100 

2.08 

0.77 

8.6 

2.63 

26.0 

350 

99 

2.05 

0.77 

8.5 

2.60 

26.1 

345 

98 

2.02 

0.76 

8.4 

2.57 

26.2 

341 

97 

1.99 

0.75 

8.3 

2.54 

26.3 

337 

97 

1.96 

0.74 

8.2 

2.51 

26.4 

333 

96 

1.93 

0.74 

8.1 

2.48 

26.5 

329 

95 

1.90 

0.73 

8.0 

2.45 

26.6 

325 

94 

1.87 

0.73 

8.0 

2.42 

26.7 

321 

93 

1.84 

0.72 

7.9 

2.39 

26.8 

317 

92 

1.82 

0.72 

7.8 

2.37 

26.9 

313 

91 

1.80 

0.71 

7.7 

2.35 

27.0 

309 

90 

1.78 

0.705 

7.60 

2.33 

27.1 

305 

89 

1.76 

0.697 

7.50 

2.31 

27.2 

301 

89 

1.74 

0.690 

7.42 

2.30 

27.3 

297 

88 

1.72 

0.683 

7.31 

2.28 

27.4 

293 

87 

1.71 

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7.21 

2.26 

27.5 

289 

86 

1.70 

0.672 

7.10 

2.24 

nF 

nF 

μF 

nF 

μF 

μF 

27.6 

285 

86 

1.69 

688 

7.00 

2.22 

27.7 

281 

85 

1.68 

663 

6.90 

2.20 

27.8 

278 

84 

1.67 

659 

6.80 

2.18 

27.9 

275 

84 

1.66 

654 

6.70 

2.16 

28.0 

272 

83 

1.65 

650 

6.60 

2.15 

28.1 

269 

82 

1.63 

645 

6.54 

2.13 

28.2 

266 

81 

1.62 

641 

6.48 

2.11 

28.3 

263 

80 

1.60 

636 

6.42 

2.09 

28.4 

260 

79 

1.59 

632 

6.36 

2.07 

28.5 

257 

78 

1.58 

627 

6.30 

2.05 

28.6 

255 

77 

1.57 

623 

6.24 

2.03 

28.7 

253 

77 

1.56 

618 

6.18 

2.01 

28.8 

251 

76 

1.55 

614 

6.12 

2.00 

28.9 

249 

75 

1.54 

609 

6.06 

1.98 

29.0 

247 

74 

1.53 

605 

6.00 

1.97 

29.1 

244 

74 

1.51 

600 

5.95 

1.95 

29.2 

241 

73 

1.49 

596 

5.90 

1.94 

29.3 

238 

72 

1.48 

591 

5.85 

1.92 

29.4 

235 

71 

1.47 

587 

5.80 

1.91 

29.5 

232 

71 

1.46 

582 

5.75 

1.89 

29.6 

229 

70 

1.45 

578 

5.70 

1.88 

29.7 

226 

69 

1.44 

573 

5.65 

1.86 

29.8 

224 

68 

1.43 

569 

5.60 

1.85 

29.9 

222 

67 

1.42 

564 

5.55 

1.83 

30.0 

220 

66 

1.41 

560 

5.50 

1.82 

background image

62 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2 電圧及び機器グループに対応する許容キャパシタンス(続き) 

電圧 

許容キャパシタンス 

μF又はnF 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

nF 

nF 

μF 

nF 

μF 

μF 

30.2 

215 

65 

1.39 

551 

5.40 

1.79 

30.4 

210 

64 

1.37 

542 

5.30 

1.76 

30.6 

206 

62.6 

1.35 

533 

5.20 

1.73 

30.8 

202 

61.6 

1.33 

524 

5.10 

1.70 

31.0 

198 

60.5 

1.32 

515 

5.00 

1.67 

31.2 

194 

59.6 

1.30 

506 

4.90 

1.65 

31.4 

190 

58.7 

1.28 

497 

4.82 

1.62 

31.6 

186 

57.8 

1.26 

489 

4.74 

1.60 

31.8 

183 

56.9 

1.24 

482 

4.68 

1.58 

32.0 

180 

56.0 

1.23 

475 

4.60 

1.56 

32.2 

177 

55.1 

1.21 

467 

4.52 

1.54 

32.4 

174 

54.2 

1.19 

460 

4.44 

1.52 

32.6 

171 

53.3 

1.17 

452 

4.36 

1.50 

32.8 

168 

52.4 

1.15 

444 

4.28 

1.48 

33.0 

165 

51.5 

1.14 

437 

4.20 

1.46 

33.2 

162 

50.6 

1.12 

430 

4.12 

1.44 

33.4 

159 

49.8 

1.10 

424 

4.05 

1.42 

33.6 

156 

49.2 

1.09 

418 

3.98 

1.41 

33.8 

153 

48.6 

1.08 

412 

3.91 

1.39 

34.0 

150 

48.0 

1.07 

406 

3.85 

1.37 

34.2 

147 

47.4 

1.05 

401 

3.79 

1.35 

34.4 

144 

46.8 

1.04 

397 

3.74 

1.33 

34.6 

141 

46.2 

1.02 

393 

3.69 

1.31 

34.8 

138 

45.6 

1.01 

390 

3.64 

1.30 

35.0 

135 

45.0 

1.00 

387 

3.60 

1.28 

35.2 

133 

44.4 

0.99 

383 

3.55 

1.26 

35.4 

131 

43.8 

0.97 

380 

3.50 

1.24 

35.6 

129 

43.2 

0.95 

376 

3.45 

1.23 

35.8 

127 

42.6 

0.94 

373 

3.40 

1.21 

36.0 

125 

42.0 

0.93 

370 

3.35 

1.20 

36.2 

123 

41.4 

0.91 

366 

3.30 

1.18 

36.4 

121 

40.8 

0.90 

363 

3.25 

1.17 

nF 

nF 

nF 

nF 

μF 

nF 

36.6 

119 

40.2 

890 

359 

3.20 

1150 

36.8 

117 

39.6 

880 

356 

3.15 

1130 

37.0 

115 

39.0 

870 

353 

3.10 

1120 

37.2 

113 

38.4 

860 

347 

3.05 

1100 

37.4 

111 

37.9 

850 

344 

3.00 

1090 

37.6 

109 

37.4 

840 

340 

2.95 

1080 

37.8 

107 

36.9 

830 

339 

2.90 

1070 

38.0 

105 

36.4 

820 

336 

2.85 

1060 

38.2 

103 

35.9 

810 

332 

2.80 

1040 

38.4 

102 

35.4 

800 

329 

2.75 

1030 

38.6 

101 

35.0 

790 

326 

2.70 

1020 

38.8 

100 

34.6 

780 

323 

2.65 

1010 

39.0 

99 

34.2 

770 

320 

2.60 

1000 

39.2 

98 

33.8 

760 

317 

2.56 

980 

39.4 

97 

33.4 

750 

314 

2.52 

970 

39.6 

96 

33.1 

750 

311 

2.48 

960 

39.8 

95 

32.8 

740 

308 

2.44 

950 

background image

63 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2 電圧及び機器グループに対応する許容キャパシタンス(続き) 

電圧 

許容キャパシタンス 

μF又はnF 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

nF 

nF 

nF 

nF 

μF 

nF 

40.0 

94 

32.5 

730 

305 

2.40 

940 

40.2 

92 

32.2 

720 

302 

2.37 

930 

40.4 

91 

31.9 

710 

299 

2.35 

920 

40.6 

90 

31.6 

700 

296 

2.32 

910 

40.8 

89 

31.3 

690 

293 

2.30 

900 

41.0 

88 

31.0 

680 

290 

2.27 

890 

41.2 

87 

30.7 

674 

287 

2.25 

882 

41.4 

86 

30.4 

668 

284 

2.22 

874 

41.6 

85 

30.1 

662 

281 

2.20 

866 

41.8 

84 

29.9 

656 

278 

2.17 

858 

42.0 

83 

29.7 

650 

275 

2.15 

850 

42.2 

82 

29.4 

644 

272 

2.12 

842 

42.4 

81 

29.2 

638 

269 

2.10 

834 

42.6 

79 

28.9 

632 

266 

2.07 

826 

42.8 

78 

28.6 

626 

264 

2.05 

818 

43.0 

77 

28.4 

620 

262 

2.02 

810 

43.2 

76 

28.1 

614 

259 

2.00 

802 

43.4 

75 

27.9 

608 

257 

1.98 

794 

43.6 

74 

27.6 

602 

254 

1.96 

786 

43.8 

73 

27.3 

596 

252 

1.94 

778 

44.0 

72 

27.1 

590 

250 

1.92 

770 

44.2 

71 

26.8 

584 

248 

1.90 

762 

44.4 

70 

26.6 

578 

246 

1.88 

754 

44.6 

69 

26.3 

572 

244 

1.86 

746 

44.8 

68 

26.1 

566 

242 

1.84 

738 

45.0 

67 

25.9 

560 

240 

1.82 

730 

45.2 

66 

25.7 

554 

238 

1.80 

722 

45.4 

65 

25.4 

548 

236 

1.78 

714 

45.6 

64 

25.1 

542 

234 

1.76 

706 

45.8 

63 

24.9 

536 

232 

1.74 

698 

46.0 

62.3 

24.7 

530 

230 

1.72 

690 

46.2 

61.6 

24.4 

524 

228 

1.70 

682 

46.4 

60.9 

24.2 

518 

226 

1.68 

674 

46.6 

60.2 

23.9 

512 

224 

1.67 

666 

46.8 

59.6 

23.7 

506 

222 

1.65 

658 

47.0 

59.0 

23.5 

500 

220 

1.63 

650 

47.2 

58.4 

23.2 

495 

218 

1.61 

644 

47.4 

57.8 

22.9 

490 

216 

1.60 

638 

47.6 

57.2 

22.7 

485 

214 

1.59 

632 

47.8 

56.6 

22.5 

480 

212 

1.57 

626 

48.0 

56.0 

22.3 

475 

210 

1.56 

620 

48.2 

55.4 

22.0 

470 

208 

1.54 

614 

48.4 

54.8 

21.8 

465 

206 

1.53 

609 

48.6 

54.2 

21.5 

460 

205 

1.52 

604 

48.8 

53.6 

21.3 

455 

203 

1.50 

599 

49.0 

53.0 

21.1 

450 

201 

1.49 

594 

49.2 

52.4 

20.8 

445 

198 

1.48 

589 

49.4 

51.8 

20.6 

440 

197 

1.46 

584 

49.6 

51.2 

20.4 

435 

196 

1.45 

579 

49.8 

50.6 

20.2 

430 

194 

1.44 

574 

background image

64 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2 電圧及び機器グループに対応する許容キャパシタンス(続き) 

電圧 

許容キャパシタンス 

μF又はnF 

グループⅡC機器 

グループⅡB機器 

グループⅡA機器 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

安全率1 

安全率1.5 

nF 

nF 

nF 

nF 

μF 

nF 

50.0 

50.0 

20.0 

425 

193 

1.43 

570 

50.5 

49.0 

19.4 

420 

190 

1.40 

558 

51.0 

48.0 

19.0 

415 

187 

1.37 

547 

51.5 

47.0 

18.6 

407 

184 

1.34 

535 

52.0 

46.0 

18.3 

400 

181 

1.31 

524 

52.5 

45.0 

17.8 

392 

178 

1.28 

512 

53.0 

44.0 

17.4 

385 

175 

1.25 

501 

53.5 

43.0 

17.0 

380 

172 

1.22 

490 

54.0 

42.0 

16.8 

375 

170 

1.20 

479 

54.5 

41 

16.6 

367 

168 

1.18 

468 

55.0 

40 

16.5 

360 

166 

1.16 

457 

65 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B(規定)本安回路用火花点火試験装置 

B.1 火花点火のための試験方法 

B.1.1 原理 試験する回路は,試験ガスで満たされた爆発試験チャンバ内にある火花点火試験装置の接点

に接続する。 

試験回路のパラメータは,規定された安全率を達成するために調整し,接点システムを規定の回数動作

させ,試験ガスが点火するか否か確認する。 

ほかに規定されていない場合は,機械的寸法の許容差は±0.5 %であり,電圧及び電流は±1 %である。 

B.1.2 火花点火試験装置 装置は,少なくとも250 cm3の容積をもつ爆発試験チャンバ内に配置された電

極から構成され,定められた試験ガスの中でメイク−スパーク及びブレーク−スパークを発生させるよう

になっている。 

備考1. 実際の試験装置の設計例を図B.4に示す(電極の配置に関しては,図B.1及び図B.3参照)。 

二つの接点電極の一つは,図B.2のような二つの溝をもつ回転するカドミウム円板とする。 

備考2. 鋳造カドミウム円板として電気めっき用カドミウムを使用できる。 

もう一方の接点電極は,電極ホルダ[図B.3のような真ちゅう(鍮)又は適切な材質で製作されたもの]に

直径50 mmの円周上でクランプされた直径0.2 mmの4本のタングステンワイヤからなる。 

備考3. クランプされたワイヤが電極ホルダの尖ったエッジで短期間に破損することを避けるために,

ワイヤがクランプされた電極ホルダの尖ったエッジのコーナをわずかに丸めることは有効で

ある。 

電極は,図B.1に示すように配置して取り付ける。タングステン電極ワイヤが溝のあるカドミウム円板

上をしゅう(摺)動するように,電極ホルダは回転する。電極ホルダとカドミウム円板との距離は10 mm,

電極ワイヤの自由長は11 mmである。ワイヤは,まっすぐであり,円板に接触していないときは,カドミ

ウム円板の表面に垂直となるように取り付ける。 

カドミウム円板と電極ホルダの駆動軸との距離は,31 mmであり,互いに電気的に絶縁され,かつ,装

置の基台から絶縁されている。電流は,軸上のしゅう動する接点を通じて流れ,軸はギア比50:12の非電

導ギアで互いにかみ合わさっている。 

電極ホルダは,電気モータによって必要な場合,適切な減速ギアで減速させ,80 min−1で回転する。カ

ドミウム円板は,反対方向に更に低速で回転する。 

ガスフローシステムが採用されていなければ,基台にガス封止軸受が必要である。 

備え付けられたカウンタによってモータ駆動電極ホルダの回転した数を記録するか,又はタイマを使っ

て試験時間を決め,その試験時間から電極ホルダの回転した数を計算することができる。 

備考4. 試験ガスが点火した後に,例えば,フォトセル又は圧力スイッチによって,自動的に駆動モ

ータ,又は,少なくともカウンタを停止させるとよい(図B.5及び図B.6参照)。 

試験チャンバは,少なくとも1 500 kPaの爆発圧力に耐えられなければならない。ただし,爆発圧力を逃

がす用意がある場合は,この限りではない。 

電極装置の端子において,試験装置の自己キャパシタンスは,接点が開放状態で30 pFを超えてはなら

ない。抵抗は,直流1 Aで0.15 Ωを超えてはならない。自己インダクタンスは,接点が閉じた状態で3 μH

を超えてはならない。 

background image

66 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.1.3 火花点火試験装置の校正 火花点火試験装置の感度は,各々の一連の試験の前後に10.3によって点

検する。 

感度が仕様を満たしていない場合は,要求される感度に達するまで,次の手順を続ける。 

a) 校正回路のパラメータを点検する。 

b) 試験ガスの組成を確認する。 

c) タングステンワイヤをきれいにする。 

d) タングステンワイヤを交換する。 

e) 10.3で規定された95 mH/24 V/100 mAの回路に端子を接続し,空気中で電極ホルダが最低20 000回

転するように試験装置を動作させる。 

f) 

カドミウム円板を交換し,10.3によって装置を校正する。 

B.1.4 タングステンワイヤの交換及び清掃 タングステンは,非常にもろい素材であり,タングステンワ

イヤは比較的短い運転でワイヤの端面が割れてしまう傾向がある。 

この問題を解決するためには,次の方法がある。 

a) 図B.7に示すように簡単な装置でタングステンワイヤの端を固定し,タングステンを溶断する。これ

は,各々のワイヤにピンセットでわずかに圧力をかけるだけで取り外せる小さな球を形成する。 

この方法を用いたとき,平均的に,四つの接点ワイヤのうち1本を約50 000回の火花の後に交換す

るだけでよい。 

b) 例えば,よく切れる工業用ハサミでタングステンワイヤをせん断する。 

ワイヤは,0番のサンドペーパ又は同等品によってワイヤの端を含めた表面を擦って清掃し,接点

ホルダに取り付ける。 

備考1. ワイヤを清掃するとき,装置から接点ホルダを取り外すとよい。 

2. 粒をふるいにかけて決定した0番のサンドペーパの仕様は,次による。 

要求事項 

ふるいの穴サイズ 

μm 

すべての粒が通過 

106 

24 %以下の粒が留まる。 

75 

少なくとも40 %が留まる。 

53 

10 %以下が通過する。 

45 

経験的には,使用中の感度の安定度を高めるには,定期的にワイヤを清掃し,まっすぐにするのが有効

である。その間隔は,ワイヤに形成される付着物の量に依存する。この頻度は,試験される回路ごとによ

って異なる。ワイヤは,その端面が割れたり,真っすぐにできなくなったら交換する。 

B.1.5 新しいカドミウム円板の調整 火花点火試験装置の感度を安定させるために新しいカドミウム円

板の調整として,次の手順を推奨する。 

a) 新しい円板を火花点火試験装置に取り付ける。 

b) 端子に10.3に規定された95 mH/24 V/100 mAの回路を接続し,接点を空気中に保持し,試験装置を

動作させ,電極ホルダを最低20 000回転させる。 

c) B.1.4によって用意したきれいな新しいタングステンワイヤを取り付け,試験装置に2 kΩの抵抗器を

通して充電される2 μFの非電解コンデンサを取り付ける。 

d) 10.2によってグループⅡA(又はグループⅠ)の試験ガスを用い,70 V(グループⅠでは95 V)を容量性

回路に加え,電極ホルダを400回転するまで運転する,又は,点火が発生するまで火花点火試験装置

を運転する。最低400回転で,点火が発生しなくなるまで電圧を5 %ずつ低下させて,繰り返す。 

67 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) d)で与えられた手順を繰り返すが,開始電圧を60 V(グループⅠでは80 V)とする。 

50 V(グループⅠでは70 V)で点火が発生しなければ,d)を繰り返す。 

f) 

e)で与えられた手順を繰り返すが,開始電圧を50 V(グループⅠでは70 V)とする。 

40 V(グループⅠでは55 V)で点火が発生しなければ,d)を繰り返す。 

B.1.6 機器の制限 火花点火試験装置は,通常,次の制限内で本安回路を試験するために用いる。 

a) 試験電流は,3 Aを超えない。 

b) 抵抗性又は容量性回路の動作電圧は,300 Vを超えない。 

c) 誘導性回路のインダクタンスは,1 Hを超えない。 

d) 1.5 MHzまでの回路。 

機器は,これらの制限を超える回路に問題なく適用できるが,感度の変動が発生するかもしれない。 

備考1. 試験電流が3 Aを超える場合,タングステンワイヤの温度上昇によって試験結果を無効にす

るような点火に及ぼす付加的効果を与える場合がある。 

2. 誘導性回路では,自己インダクタンスと回路の時定数が結果に対して悪影響を及ぼさないよ

うに注意しなければならない。 

3. 大きな時定数をもつ容量性回路及び誘導性回路は,例えば,火花点火試験装置の速度を低下

させて試験してもよい。容量性回路は,2本又は3本のタングステンワイヤを取り除いて試

験してもよい。火花点火試験装置の速度低下は,その感度を変える可能性があるので注意し

なければならない。 

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68 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

 ① 試験される回路の接続 

図B.1 本安回路用火花点火試験装置 

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69 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.2 カドミウム円板 

単位 mm 

① Xの詳細,尺度(10:1) 

図B.3 接点ホルダ 

φ3.2 

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70 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

① 絶縁板 

⑩ 押さえ板 

② ブラシ(電流接続子) 

⑪ クランプ 

③ 絶縁ボルト 

⑫ チャンバ 

④ 絶縁ベアリング 

⑬ カドミウム円板 

⑤ ガス排気口 

⑭ ゴムシール 

⑥ 基台 

⑮ ガス吸気口 

⑦ 接点ワイヤ 

⑯ 歯車機構 50:12 

⑧ 接点ホルダ 

⑰ 絶縁カップリング 

⑨ クランプねじ 

⑱ 減速歯車(回転速度80 min−1)付き駆動モータ 

図B.4 火花点火試験装置の設計の実例 

② 
① 

③ 

④ 

⑤ 

⑥ 

⑦ 

⑧ 

⑪ 

⑫ 

⑩ 

⑨ 

⑬ 

⑭ 

⑮ 

⑯ 

⑰ 

② 

③ 

④ 

⑱ 

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71 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

  

① 金属製ピストン 

② ゴムダイアフラム 

③ ばね接点 

図B.5 爆発検知用圧力スイッチの例 

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72 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

① メインスイッチ 

⑥ 自己保持接点 

② サーキットブレーカ 

⑦ リレー 

③ 抵抗器 

⑧ 爆発検知用圧力スイッチ 

④ リセットボタン 

⑨ 信号表示灯 

⑤ 駆動モータ 

 備考 この回路図は,爆発の危険防止に必要と考えられる予防措置を考慮していない。 

図B.6 爆発検知用圧力スイッチを用いた自動停止装置の例 

  

① 電流フィーダ 

③ タングステンワイヤ(直径 0.2 mm) 

② 銅ブロック 

④ 絶縁板 

備考 ピンセットで溶融滴を取り除く。 

図B.7 タングステンワイヤを溶断するための構成 

① 

② 

③ 

④ 

⑦ 

⑥ 

⑤ 

⑧ 

⑨ 

① 

② 

③ 

④ 

① 

③ 

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73 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

① 断面積19cm2のコア 

② タングステンワイヤ 

③ 銅ブロック 

図B.8 タングステンワイヤを溶断するための回路図 

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74 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書C(参考)沿面距離,空間距離及び充てん物と固体絶縁物を通しての

離隔距離の測定 

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。 

C.1 空間距離,充てん物及び固体絶縁物を通しての離隔距離 用いる電圧は,6.4.2によって決定しなけ

ればならない。 

空間距離は,二つの導電部間の空間の最短距離であり,導電部間の絶縁部,例えば,障壁がある場合に

は,その距離は,図C.1に示されるようにぴんと張った糸でつなげるような経路に沿って測定する。 

  

① 導体 

② 空間距離 

③ 障壁 

図C.1 空間距離の測定 

導電部間の距離が,ある部分は空間距離,ある部分は充てん物及び/又は固体絶縁物を通しての離隔距離

である場合には,等価な空間距離,又は充てん物を通しての離隔距離は,次の方法で計算できる。その値

を,表4の該当する行の値と比較する。 

図C.2において,Aは空間距離,Bは充てん物を通しての離隔距離,及びCは固体絶縁物を通しての離

隔距離とする。 

  

① 導体 

図C.2 組み合わされたものの距離の測定 

① 

② 

① 

① 

① 

② 

③ 

① 

① 

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75 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

Aが表4の規定値より少ない場合,次の表の一つを利用できる。表4に決められた該当する値の3分の

1を下回る空間距離,又は離隔距離は,これらの計算に加算してはならない。 

これらの計算の結果を加算し,表4の適切な値と比較する。 

表4の2行目を用いる場合,次の係数を測定値に乗じる。 

電位差 

U<10 V 

10 V≦U<30 V 

U≧30 V 

表4の3行目を用いる場合,次の係数を測定値に乗じる。 

電位差 

U<10 V 

10 V≦U<30 V 

U≧30 V 

0.33 

0.33 

0.33 

1.33 

表4の4行目を用いる場合,次の係数を測定値に乗じる。 

電位差 

U<10 V 

10 V≦U<30 V 

U≧30 V 

0.33 

0.33 

0.33 

0.75 

0.55 

C.2 沿面距離 用いる電圧は,6.4.2によって決定しなければならない。 

沿面距離は,絶縁材の表面に沿って測定しなければならない。したがって,次の図に示されるように測

定する。 

  

① 基台 

② 溝 

③ 障壁 

④ セメント 

図C.3 沿面距離の測定 

図C.3に示された次の点を考慮しなければならない。 

a) 沿面距離は,溝の幅が3 mm以上の場合,表面上のすべての意図する溝に沿って測定する。 

b) 6.4.1による絶縁隔壁,又は障壁が挿入されているが固着されていない場合,沿面距離は隔壁の上下両

方向について測定し,いずれか小さい方の値を沿面距離とする。 

c) b)に記載された隔壁が固着されている場合,沿面距離は常に隔壁の上側を測定する。 

③ 

④ 

② 

① 

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76 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

  

① ワニス 

② 導体 

③ 基台 

図C.4 組み合わされたものの沿面距離の測定 

要求される沿面距離を減少させるためにワニスを用いる場合で,図に示されるように沿面距離の一部だ

けにワニスを塗布する場合は,合計の有効な沿面距離は,次の計算によって表4の5行目,又は6行目を

適用する。表4の5行目を適用する場合には,Bを1倍,Aを3倍し,表4の6行目を適用する場合には,

Bを0.33倍,Aを1倍し計算結果を合計する。 

備考 導体は,ワニスで覆っても覆わなくてもよい。 

① 

② 

② 

③ 

77 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書D(規定)樹脂充てん 

備考 図D.1は,充てん物による樹脂充てんの適用例を示す。図D.2は,容器を用いない場合の樹脂

充てんの適用例を示す。 

D.1 接着  

備考 回路のいかなる部分が樹脂充てんから現れていても,シール性は維持しなければならない。同

時に充てん物は回路が露出する境界部において接着していなければならない。 

充てん物で樹脂充てんされる部品を沿面距離の要件から除外するということは,汚染の可能性が除去さ

れていることに基づいている。CTIの測定は,実際には導電部間の分離がブレークダウンを引き起こすの

に必要な汚染の程度の一つの測定値を求めることである。次の推測は,この基本的な考察から導かれる。 

− すべての電気的な部分及びその取付部が全体的に囲まれている場合,すなわち,樹脂充てん部から何

も現れていなければ,汚染の危険性はなく,汚染によるブレークダウンは発生しない。 

− 回路のいかなる部分,例えば,むき出し,又は絶縁された導体,部品若しくはプリント基板の基材が

樹脂充てんから出ている場合,充てん物が境界部に接着されていなければ,境界部から汚染物が侵入

しブレークダウンを引き起こす。 

D.2 温度 充てん物は,6.4.4による温度定格をもっていなければならない。 

備考 すべての充てん物は最高温度をもっており,その温度を超えると規定された諸特性が失われる

か変化することがある。充てん物の劣化は,爆発性雰囲気にさらされている充てん物の表面温

度よりも高い内部部品表面に生じる可能性がある割れ又は変質の原因になり得る。 

樹脂充てんされた部品は,充てん物の熱伝導度によって,空気中よりも,より熱くなるか,又はより冷

たくなることに,注意しなければならない。 

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78 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図D.1a 囲いがない場合 

図D.1b 完全に囲われた容器 

図D.1c 開口部をもつ容器 

図D.1d カバーがある容器 

① 外部表面 

② 樹脂充てん材 

− 表4の3行目の1/2(最小1 mm) 

③ コンポーネント 

− 樹脂充てん材の浸透が不要 

④ 樹脂充てん材 

− 厚さの規定なし 

⑤ 金属又は絶縁物による容器 

  − 金属製の容器のため厚さは規定されないが,6.4参照。 

  − 絶縁物の厚さは,表4の4行目による。 

図D.1 6.4.4及び6.7に適合する樹脂充てんされた組立品の例 

③ 

③ 

② 

① 

④ 

⑤ 

③ 

③ 

⑤ 

⑤ 

④ 

② 

⑤ 

① 

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79 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

外部表面までの厚さ:最小1 mm 

図D.2a 機械的 

厚さは,外部表面温度によって決定する。 

図D.2b 温度対策 

*印:表4の3行目を適用する。 

外部表面までの厚さ:最小1 mm 

図D.2c 回路の離隔 

図D.2 囲いがない場合の樹脂充てんの適用 

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80 

C 60079-11:2004 (IEC 60079-11:1999) 

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

外部表面までの厚さ:最小1 mm 

図D.2d 本安回路におけるヒューズの保護 

外部表面までの厚さ:最小1 mm 

図D.2e ガスの排除 

図D.2 囲いがない場合の樹脂充てんの適用(続き)