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C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 試験······························································································································· 2 

3.1 一般事項 ······················································································································ 2 

3.2 温度に関する事項 ·········································································································· 3 

3.3 動的試験に関する事項 ···································································································· 3 

3.4 初期測定及び性能確認試験 ······························································································ 4 

3.5 供試品の動作状態 ·········································································································· 4 

3.6 供試品の動的試験 ·········································································································· 4 

4 最終測定························································································································· 4 

5 製品規格に規定する事項 ···································································································· 4 

6 試験報告書に記載する事項 ································································································· 5 

附属書A(参考)試験手順の例 ······························································································· 6 

附属書B(参考)耐候性と動的との複合試験の指針 ···································································· 10 

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本

電子部品信頼性センター(RCJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本

工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。 

これによって,JIS C 60068-2-53:1997は改正されこの規格に置き換えられ,また,JIS C 60068-2-50:1997

及びJIS C 60068-2-51:1997は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 60068の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 60068-1 通則 

JIS C 60068-2-1 第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A) 

JIS C 60068-2-2 第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B) 

JIS C 60068-2-6 第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc) 

JIS C 60068-2-7 加速度(定常)試験方法 

JIS C 60068-2-11 塩水噴霧試験方法 

JIS C 60068-2-13 減圧試験方法 

JIS C 60068-2-14 第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N) 

JIS C 60068-2-17 封止(気密性)試験方法 

JIS C 60068-2-18 第2-18部:耐水性試験及び指針 

JIS C 60068-2-20 第2-20部:試験−試験T−端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法 

JIS C 60068-2-21 第2-21部:試験−試験U:端子強度試験方法 

JIS C 60068-2-27 第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea) 

JIS C 60068-2-30 第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db) 

JIS C 60068-2-31 第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec) 

JIS C 60068-2-38 第2-38部:温湿度組合せ(サイクル)試験方法(試験記号:Z/AD) 

JIS C 60068-2-39 第2-39部:低温,減圧及び高温高湿一連複合試験 

JIS C 60068-2-40 低温・減圧複合試験方法 

JIS C 60068-2-41 高温・減圧複合試験方法 

JIS C 60068-2-42 接点及び接続部の二酸化硫黄試験方法 

JIS C 60068-2-43 接点及び接続部の硫化水素試験方法 

JIS C 60068-2-45 耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法 

JIS C 60068-2-46 接点及び接続部の硫化水素試験−指針 

JIS C 60068-2-47 第2-47部:動的試験での供試品の取付方法 

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

(3) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 60068-2-48 第2-48部:保存の影響をシミュレートするために,環境試験方法に関するJIS規格

群の試験を適用する場合の指針 

JIS C 60068-2-49 接点及び接続部の二酸化硫黄試験−指針 

JIS C 60068-2-52 塩水噴霧(サイクル)試験方法(塩化ナトリウム水溶液) 

JIS C 60068-2-53 第2-53部:耐候性(温度・湿度)と動的(振動・衝撃)との複合試験及び指針 

JIS C 60068-2-54 はんだ付け性試験方法(平衡法) 

JIS C 60068-2-55 第2-55部:ルーズカーゴに対するバウンス試験及び指針(試験記号:Ee) 

JIS C 60068-2-57 時刻歴振動試験方法 

JIS C 60068-2-58 表面実装部品(SMD)のはんだ付け性,電極の耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性

試験方法 

JIS C 60068-2-59 サインビート振動試験方法 

JIS C 60068-2-60 混合ガス流腐食試験 

JIS C 60068-2-61 一連耐候性試験 

JIS C 60068-2-64 第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh) 

JIS C 60068-2-65 第2-65部:音響振動 

JIS C 60068-2-66 高温高湿,定常(不飽和加圧水蒸気) 

JIS C 60068-2-67 基本的に構成部品を対象とした高温高湿,定常状態の促進試験 

JIS C 60068-2-68 砂じん(塵)試験 

JIS C 60068-2-69 第2-69部:試験−試験Te:表面実装部品(SMD)のはんだ付け性試験方法(平衡

法) 

JIS C 60068-2-70 第2-70部:指及び手の擦れによる印字の摩滅試験 

JIS C 60068-2-75 第2-75部:ハンマ試験 

JIS C 60068-2-77 表面実装部品(SMD)の本体強度及び耐衝撃性試験方法 

JIS C 60068-2-78 第2-78部:高温高湿(定常)試験方法 

JIS C 60068-2-80 第2-80部:混合モード振動試験方法(試験記号:Fi) 

JIS C 60068-2-81 第2-81部:衝撃応答スペクトル合成による衝撃試験方法 

JIS C 60068-2-82 第2-82部:試験−試験XW1:電気・電子部品のウィスカ試験方法 

JIS C 60068-3-1 低温試験及び高温試験を理解するための必す(須)情報 

JIS C 60068-3-2 第3-2部:温度/減圧複合試験を理解するための必す(須)情報 

JIS C 60068-3-3 機器の耐震試験方法の指針 

JIS C 60068-3-4 第3-4部:高温高湿試験の指針 

JIS C 60068-3-5 第3-5部:温度試験槽の性能確認の指針 

JIS C 60068-3-6 第3-6部:支援文書及び指針−温湿度試験槽の性能確認の指針 

JIS C 60068-3-7 第3-7部:支援文書及び指針−負荷がある場合の低温試験(試験A)及び高温試験

(試験B)の試験槽の温度測定のための指針 

JIS C 60068-3-8 第3-8部:振動試験方法の選択の指針 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 60068-2-53:2014 

(IEC 60068-2-53:2010) 

環境試験方法−電気・電子−第2-53部: 

耐候性(温度・湿度)と動的(振動・衝撃)との 

複合試験及び指針 

Environmental testing-Part 2-53: Tests and guidance-Combined climatic 

(temperature/humidity) and dynamic (vibration/shock) tests 

序文 

この規格は,2010年に第2版として発行されたIEC 60068-2-53を基に,技術的内容を変更することなく

作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。 

適用範囲 

この規格は,温度・湿度と振動・衝撃とを組み合わせた条件で実施する,装置又は部品に対する複合試

験方法及びその指針について規定する。 

この複合試験の目的は,装置又は部品が,複合試験環境によってどの程度影響を受けるかを調査するこ

とを目的とする。 

複合試験によって,電気的,機械的又はその他の物理的な変化を検出することができる。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60068-2-53:2010,Environmental testing−Part 2-53: Tests and guidance−Combined climatic 

(temperature/humidity) and dynamic (vibration/shock) tests(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−通則 

注記 対応国際規格:IEC 60068-1,Environmental testing−Part 1: General and guidance(IDT) 

JIS C 60068-2-1 環境試験方法−電気・電子−第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-1,Environmental testing−Part 2-1: Tests−Test A: Cold(IDT) 

JIS C 60068-2-2 環境試験方法−電気・電子−第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-2,Environmental testing−Part 2-2: Tests−Test B: Dry heat(IDT) 

JIS C 60068-2-6 環境試験方法−電気・電子−第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc) 

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-6,Environmental testing−Part 2-6: Tests−Test Fc: Vibration 

(sinusoidal)(IDT) 

JIS C 60068-2-14 環境試験方法−電気・電子−第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-14,Environmental testing−Part 2-14: Tests−Test N: Change of 

temperature(IDT) 

JIS C 60068-2-27 環境試験方法−電気・電子−第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-27,Environmental testing−Part 2-27: Tests−Test Ea and guidance: 

Shock(IDT) 

JIS C 60068-2-30 環境試験方法−電気・電子−第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)

試験方法(試験記号:Db) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-30,Environmental testing−Part 2-30: Tests−Test Db: Damp heat, 

cyclic (12h+12h cycle)(IDT) 

JIS C 60068-2-47 環境試験方法−電気・電子−第2-47部:動的試験での供試品の取付方法 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-47,Environmental testing−Part 2-47: Tests−Mounting of specimens 

for vibration, impact and similar dynamic tests(IDT) 

JIS C 60068-2-64 環境試験方法−電気・電子−第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試

験記号:Fh) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-64,Environmental testing−Part 2-64: Tests−Test Fh: Vibration, 

broadband random and guidance(IDT) 

JIS C 60068-2-78 環境試験方法−電気・電子−第2-78部:高温高湿(定常)試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-78,Environmental testing−Part 2-78: Tests−Test Cab: Damp heat, 

steady state(MOD) 

JIS C 60068-2-80 環境試験方法−電気・電子−第2-80部:混合モード振動試験方法(試験記号:Fi) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-80,Environmental testing−Part 2-80: Tests−Test Fi: Vibration−

Mixed mode(MOD) 

試験 

3.1 

一般事項 

温度,低温,高温,温度変化,振動の種類,温度変化にさらす時間,振動を加える時間,衝撃の回数,

衝撃の継続時間,衝撃又は振動を加える軸,動作状態などの全てのパラメータは,JIS C 60068-2の規格群

又は関連規格の中から選択する。 

保管,輸送及び運転状態において,供試品が電気的及び機械的に満足に機能することを考慮し,環境条

件の組合せを選択する。表1に示す試験のうち,幾つかの組合せは,実際的ではない可能性がある。 

実際的ではない複合試験の組合せ例を,次に示す。 

− 温度変化又は温度サイクル中に,正弦波振動の全規定掃引を完結する。 

− 動的に非線形なシステムを温度安定状態にする。例えば,温度変化又は温度サイクル中に,振動する

ときの防振マウント。 

− 温度変化又は温度サイクル中に,全規定サイクルの混合モード振動試験を実施する。 

この試験に関する基礎的な指針を,附属書Bに示す。 

background image

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−許容できるJISとの組合せ 

耐候性試験 

動的試験 

衝撃 

振動 

(正弦波) 

振動 

(広帯域ランダム) 

振動 

(混合モード) 

  

JIS C 60068-2-27 

JIS C 60068-2-6 

JIS C 60068-2-64 

JIS C 60068-2-80 

低温 
JIS C 60068-2-1 

高温 
JIS C 60068-2-2 

温度変化 
JIS C 60068-2-14 

温湿度サイクル 
JIS C 60068-2-30 

高温高湿(定常) 
JIS C 60068-2-78 

注記 X印は,該当する組合せを示している。 

製品規格に規定がある場合,JIS C 60068-1に規定する温湿度条件[5.3(測定及び試験のための標準大気

条件)]で,衝撃又は振動を加えるために供試品を製品規格の規定に基づき,取付けを修正することがある。

この場合に,取付け終了後に継続する動的試験の規定する温度及び湿度状態に達したときから,動的試験

を継続する。 

3.2 

温度に関する事項 

低温又は高温試験を実施する場合,供試品の全ての部分の温度が,有効空間の温度に対して 3 K 以内の

温度差になるまでは,さらし時間を開始してはならない。また,発熱供試品の場合,安定した有効空間の

温度に対して供試品の1時間の温度変化が 1 K以内になるまでは,さらし時間を開始してはならない。試

験開始前の安定化時間の最後の1時間は,さらし時間の最初の1時間とみなす。 

高温高湿(定常)試験を実施する場合,試験槽の有効空間において,供試品の全ての部分の温度差が 3 K 

以内の温度差で,かつ,相対湿度が3 % の湿度差になるまでは,さらし時間を開始してはならない。また,

発熱供試品の場合,安定した有効空間の温度に対して供試品の1時間の温度変化が, 1 K以内になるまで

は,さらし時間を開始してはならない。試験開始前の安定化時間の最後の1時間は,さらし時間の最初の

1時間とみなす。 

緩やかな温度変化試験又は温湿度サイクル試験を実施する場合,供試品が温度変化した時点をさらし時

間の開始とする。 

供試品を衝撃吸収装置に取り付けた場合,衝撃吸収装置の温度が安定した時点をさらし時間の開始とす

る。 

3.3 

動的試験に関する事項 

製品規格には動的試験に関する事項を規定する。動的試験に関する事項は,次による(箇条5参照)。 

a) 動的試験の種類(正弦波振動,ランダム振動,混合モード振動又は衝撃) 

b) 動的ストレスの厳しさ 

c) 動的ストレスの角度及び方向 

d) 動的ストレスの継続時間及びタイミング(附属書A参照) 

e) JIS C 60068-2-47 に規定する供試品の取付け方法 

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

関連規格に規定があるその他の詳細事項 

3.4 

初期測定及び性能確認試験 

供試品について,製品規格に規定する外観検査,寸法測定,機能試験及びその他の確認を実施する。 

3.5 

供試品の動作状態 

通電する供試品の場合,電源をオン・オフする回数,及びそれぞれの温度サイクルにおける電源電圧を

製品規格に規定する。 

このほか,冷却,加熱及び各種負荷のオン・オフなどの回数は,製品規格に規定するか,又は特別な試

験装置で制御しなければならない。 

3.6 

供試品の動的試験 

各サイクルごとの動的試験は,高温期間又は低温期間の最後の時間,すなわち,次のサイクルの温度に

変更する前に実施するか,又は製品規格に規定するその他の組合せ時に実施する。製品規格の規定によっ

て試験中に通電することが必要な供試品の場合,動的試験を実施するタイミングは,動的試験の継続時間

にも関係する。 

最終測定 

供試品について,製品規格に規定する外観検査,寸法測定,機能試験及びその他の確認を実施する。 

製品規格には,供試品の合否判定基準を規定する。 

製品規格に規定する事項 

製品規格に規定する場合,できるだけ次の事項を規定する。 

a) 温度さらし時間 

b) 試験槽の温度変化速度 

c) 試験温度 

d) 温度サイクルの回数 

e) 複合試験スケジュール 

f) 

振動の厳しさ 

g) 温湿度サイクル試験におけるサイクル数 

h) 衝撃の厳しさ 

i) 

衝撃及び/又は振動の,角度及び方向 

j) 

動作状態 

k) 供試品の数量 

l) 

複合試験を実施する場合の湿度 

m) 前処理 

n) 初期測定の種類及び目的 

o) 動作時間 

p) 中間測定の種類及び目的 

q) 後処理 

r) 最終測定の種類及び目的 

s) 

判定基準 

t) 

試験報告書の形式及び目的 

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験報告書に記載する事項 

その試験報告書には次の事項を可能な限り記載する。 

a) 顧客  

(名称及び所在地) 

b) 試験所 

[名称,所在地及び認定状況(ある場合)] 

c) 試験日 

(試験の実施日) 

d) 試験の種類 

[振動又は衝撃の種類,低温又は高温,緩やかな温度変化,

    

 温湿度サイクル及び高温高湿(定常)] 

e) 試験条件 

(温度,湿度,加速度,振動数範囲など) 

f) 

試験の目的 

(開発試験,認定試験など) 

g) 試験規格及び発行年 

(JIS C 60068-2-53及び発行年) 

h) 試験所の試験手順書 

(手順書番号及び版) 

i) 

供試品の詳細  

(図面,写真,数量など) 

j) 

試験槽及び振動システム 

(製造元,型番,製造番号など) 

k) 試験装置の性能 

(温度制御設定値,エアフローなど) 

l) 

風速及び向き  

(供試品に当たる風の風速及び向き) 

m) 測定系の不確かさ 

(使用した測定器の不確かさのデータ及び変換器の温度 

    

 安定性を含む) 

n) 校正日 

(前回の校正日及び次回の校正時期) 

o) 初期測定,中間測定及び最終測定 

p) 要求する厳しさ 

(製品規格の規定による) 

q) 実施した試験の厳しさ  

(測定点,データなど) 

r) 供試品の性能  

(機能試験の結果など) 

s) 

試験中の観察事項及び行った処置 

t) 

試験の要約 

u) 配付先 

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C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

試験手順の例 

耐候性(温度・湿度),動的(振動・衝撃)及び電気的負荷条件をそれぞれ組み合わせた試験手順の例を,

図A.1〜図A.4に示す。 

 
 

t1

t2

t3

t4

t5

t6

t7

t8

t9

t10

t11

t12

t13

Temperature

T

Vibration or shock

Load

on

off

off

on

 t

 t

 t

温度

振動又は衝撃

負荷 

オン 

オフ 

オン 

オフ 

t1 

t2 

t3 

t4 

t5 

t6 

t7 

t8 

t9 

t10 

t11 

t12 

t13 

 記号 

規定温度 

t1 

温度が安定していない期間 

t2〜t13   

温度が安定している期間 

t2〜t6,t8〜t10及びt12 

振動又は衝撃を加える期間 

t3,t5,t7,t9及び t11 

電気的負荷を加える期間及び/又は機能試験を実施する期間 

図A.1−低温又は高温試験の試験手順の例 

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C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 記号 

T1 

下側の規定温度 

T2 

上側の規定温度 

t1 

温度が安定していない期間 

t2 

T1〜T2に変化する期間 

t3及びt4  

上側の規定温度で安定している期間 

t5 

T2〜T1に変化する期間 

t6及びt7  

下側の規定温度で安定している期間 

t8 

T1〜T2に変化する期間 

t9及びt10 

上側の規定温度で安定している期間 

t11 

T2〜T1に変化する期間 

t12及びt13 

下側の規定温度で安定している期間 

t2〜t6,t8〜t10及び t12 

振動又は衝撃を加える期間 

t3,t5,t7,t9及び t11 

電気的負荷を加える期間及び/又は機能試験を実施する期間 

図A.2−緩やかな温度変化試験の試験手順の例 

t1

t2

t3

t4

t5

t6

t7

t8

t9

t10

t11

t12

t13

 t

 t

 t

Temperature

T2

Load

on

off

off

on

T1

温度

負荷 

オン 

オフ 

オン 

オフ 

t1 

t2 

t3 

t4 

t5 

t6 

t7 

t8 

t9 

t10 

t11 

t12 

t13 

T1 

T2 

振動又は衝撃

background image

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 記号 

rh 

規定の相対湿度 

T1 

下側の規定温度 

T2 

上側の規定温度 

t1 

温湿度が安定していない期間 

t2及びt3  

T1〜T2に変化する期間 

t4〜t7 

上側の規定温度で安定している期間 

t8及びt9  

T2〜T1に変化する期間 

t10〜t13  

下側の規定温度で安定している期間 

t3,t4,t7〜t9及び t11 

振動又は衝撃を加える期間 

t3,t5,t7,t9及び t11 

電気的負荷を加える期間及び/又は機能試験を実施する期間 

注記 温度が変化している間は,湿度は安定しない。次のステップに移行中,相対湿度が規定値の 3 % 以内に再

安定することが望ましい。 

図A.3−温湿度サイクル試験の試験手順の例 

t1

t2

t3

t4

t5

t6

t7

t8

t9

t10

t11

t12

t13

 t

 t

 t

 t

Temperature

T2

Vibration or shock

Load

on

off

off

on

Humidity

rh.

T1

 
 

温度

振動又は衝撃

負荷 

オン 

オフ 

オン 

オフ 

t1 

t2 

t3 

t4 

t5 

t6 

t7 

t8 

t9 

t10 

t11 

t12  t13 

T2 

T1 

相対湿度

rh. 

rh 

background image

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 記号 

rh 

規定の相対湿度 

規定温度 

t1 

温湿度が安定していない期間 

t2〜t3,t7〜t8及び t11〜t12 

振動又は衝撃を加える期間 

t3,t5,t7,t9及び t11 

電気的負荷を加える期間及び/又は機能試験を実施する期間 

図A.4−高温高湿(定常)試験の試験手順の例 

Temperature

t1

t2

t3

t4

t5

t6

t7

t8

t9

t10

t11

t12

t13

 t

 t

 t

T

Vibration or shock

Load

on

off

off

on

Humidity

rh

 t

温度 

振動又は衝撃

負荷

オン 

オフ 

オン 

オフ 

t1 

t2 

t3 

t4 

t5 

t6 

t7 

t8 

t9 

t10 

t11 

t12 

t13 

相対湿度

rh. 

  

rh 

10 

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

耐候性と動的との複合試験の指針 

B.1 

一般事項 

この附属書では,JIS C 60068の規格群の異なるパートに属する耐候性試験(温度・湿度)と動的試験(振

動・衝撃)との複合試験を実施するための基礎的な指針について示す。 

複合試験を実施する際には,JIS C 60068-2の規格群(第2部:試験)に規定する関連のある推奨値とと

もに,JIS C 60068-1(通則)も併せて参照する。 

B.2 

試験手順に関して 

複合試験は,次の理由によって強制空気循環の実施が必要である。 

a) 振動発生機からの熱の除去。 

b) 振動発生機があることによって,供試品周辺の空気の流れが悪くなることがある。 

B.3 

環境条件 

低温,高温及び振動が材料に及ぼす影響を,記載する。 

a) 低温及び高温の両方の温度でも,材料の性質が変化する。さらに振動によってダメージのリスクが高

まる。多くの異種材料を用いた装置,又は粘着性でゴム状の装置は,温度,湿度及び振動の影響を特

に受けやすい。 

b) 極端な温度では,固有振動数が変化することがあり,振動の影響を強調することがある。このことは,

例えば,低温下でのゴム製の防振装置の供試品の場合に重要である。 

B.4 

試験装置 

低温,高温及び振動の複合試験は,様々な配置の試験装置によって実施することができる。代表的な例

として,振動発生機の上に配置した試験槽を用いる方法(図B.1参照),試験槽の内部に振動発生機を取り

付ける方法がある。 

振動発生機の上に配置した試験槽を用いる場合,振動発生機からの熱が試験槽及び振動台に伝わらない

ようにしなければならない。断熱材は容認できない振動が発生することがあるため,供試品と振動台との

間には用いることができない。試験槽が破損することがあるため,振動発生機と試験槽との間を機械的に

接続してはならない。 

B.5 

環境条件の測定 

B.5.1 温度測定 

温度測定装置は,大きな加速度によってストレスを受けることがある。したがって,温度センサはしっ

かりと固定する。また,供試品の動的なふるまいを変えてはならない。 

B.5.2 加速度測定 

ケーブル及び加速度計は,試験温度及び湿度に耐えられるものを用いる。加速度計は温度で感度が変わ

ることがあるため,全ての必要な温度で校正しなければならない。感度が一定でない場合,適用する振動

background image

11 

C 60068-2-53:2014 (IEC 60068-2-53:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

又は衝撃の規格に従い,振動振幅の許容差を計算するときに考慮する。加速度計の感度が温度によって変

化する場合,適切な補正式を用いて補正することが望ましい。補正しなかった場合,適用する振動試験規

格に規定する加速度の許容差を満足できない可能性がある。 

なお,試験報告書には適切に補正したことを記載する。 

加速度計を固定する材料は,全ての必要な試験温度及び湿度において物理的性質が変化しない材料を用

いる。 

供試品 

振動発生機 

槽壁 

断熱構造 

フレキシブル

シール 

図B.1−試験装置の代表的配置の例