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C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 一般事項························································································································· 2 

3.1 試験の概要 ··················································································································· 2 

3.2 試験の適用 ··················································································································· 2 

4 試験槽···························································································································· 2 

4.1 湿度槽 ························································································································· 2 

4.2 低温槽 ························································································································· 3 

5 厳しさ···························································································································· 3 

6 試験方法························································································································· 3 

6.1 前処理 ························································································································· 3 

6.2 初期測定 ······················································································································ 4 

6.3 試験条件 ······················································································································ 4 

6.4 試験サイクル ················································································································ 8 

6.5 最終測定 ······················································································································ 9 

7 製品規格に規定する事項 ··································································································· 10 

8 試験報告書に記載する事項 ································································································ 10 

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本

電子部品信頼性センター(RCJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本

工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。 

これによって,JIS C 60068-2-38:1988は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 60068の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 60068-1 通則 

JIS C 60068-2-1 第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)  

JIS C 60068-2-2 第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B) 

JIS C 60068-2-6 第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc) 

JIS C 60068-2-7 加速度(定常)試験方法 

JIS C 60068-2-11 塩水噴霧試験方法 

JIS C 60068-2-13 減圧試験方法 

JIS C 60068-2-14 第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N) 

JIS C 60068-2-17 封止(気密性)試験方法 

JIS C 60068-2-18 第2-18部:耐水性試験及び指針 

JIS C 60068-2-20 第2-20部:試験−試験T−端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法 

JIS C 60068-2-21 第2-21部:試験−試験U:端子強度試験方法 

JIS C 60068-2-27 第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea) 

JIS C 60068-2-30 第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db) 

JIS C 60068-2-31 第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec) 

JIS C 60068-2-38 第2-38部:温湿度組合せ(サイクル)試験方法(試験記号:Z/AD) 

JIS C 60068-2-39 第2-39部:低温,減圧及び高温高湿一連複合試験 

JIS C 60068-2-40 低温・減圧複合試験方法 

JIS C 60068-2-41 高温・減圧複合試験方法 

JIS C 60068-2-42 接点及び接続部の二酸化硫黄試験方法 

JIS C 60068-2-43 接点及び接続部の硫化水素試験方法 

JIS C 60068-2-45 耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法 

JIS C 60068-2-46 接点及び接続部の硫化水素試験−指針 

JIS C 60068-2-47 第2-47部:動的試験での供試品の取付方法 

JIS C 60068-2-48 第2-48部:保存の影響をシミュレートするために,環境試験方法に関するJIS規格

群の試験を適用する場合の指針 

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

(3) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 60068-2-49 接点及び接続部の二酸化硫黄試験−指針 

JIS C 60068-2-50 発熱供試品及び非発熱供試品に対する低温/振動(正弦波)複合試験 

JIS C 60068-2-51 発熱供試品及び非発熱供試品に対する高温/振動(正弦波)複合試験 

JIS C 60068-2-52 塩水噴霧(サイクル)試験方法(塩化ナトリウム水溶液) 

JIS C 60068-2-53 発熱供試品及び非発熱供試品に対する低温・高温/振動(正弦波)複合試験の指針 

JIS C 60068-2-54 はんだ付け性試験方法(平衡法) 

JIS C 60068-2-57 時刻歴振動試験方法 

JIS C 60068-2-58 表面実装部品(SMD)のはんだ付け性,電極の耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性

試験方法 

JIS C 60068-2-59 サインビート振動試験方法 

JIS C 60068-2-60 混合ガス流腐食試験 

JIS C 60068-2-61 一連耐候性試験 

JIS C 60068-2-64 第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh) 

JIS C 60068-2-65 第2-65部:音響振動 

JIS C 60068-2-66 高温高湿,定常(不飽和加圧水蒸気) 

JIS C 60068-2-67 基本的に構成部品を対象とした高温高湿,定常状態の促進試験 

JIS C 60068-2-68 砂じん(塵)試験 

JIS C 60068-2-69 第2-69部:試験−試験Te:表面実装部品(SMD)のはんだ付け性試験方法(平衡

法) 

JIS C 60068-2-70 第2-70部:指及び手の擦れによる印字の摩滅試験 

JIS C 60068-2-75 第2-75部:ハンマ試験 

JIS C 60068-2-77 表面実装部品(SMD)の本体強度及び耐衝撃性試験方法 

JIS C 60068-2-78 第2-78部:高温高湿(定常)試験方法 

JIS C 60068-2-80 第2-80部:混合モード振動試験方法(試験記号:Fi) 

JIS C 60068-2-81 第2-81部:衝撃応答スペクトル合成による衝撃試験方法 

JIS C 60068-2-82 第2-82部:試験−試験XW1:電気・電子部品のウィスカ試験方法 

JIS C 60068-2-83 第2-83部−試験Tf−ソルダペーストを用いた平衡法による表面実装部品(SMD)

のはんだ付け性試験方法(予定) 

JIS C 60068-3-1 低温試験及び高温試験を理解するための必す(須)情報 

JIS C 60068-3-2 第3-2部:温度/減圧複合試験を理解するための必す(須)情報 

JIS C 60068-3-3 機器の耐震試験方法の指針 

JIS C 60068-3-4 第3-4部:高温高湿試験の指針 

JIS C 60068-3-5 第3-5部:温度試験槽の性能確認の指針 

JIS C 60068-3-6 第3-6部:支援文書及び指針−温湿度試験槽の性能確認の指針 

JIS C 60068-3-7 第3-7部:支援文書及び指針−負荷がある場合の低温試験(試験A)及び高温試験

(試験B)の試験槽の温度測定のための指針 

JIS C 60068-3-8 第3-8部:振動試験方法の選択の指針 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

C 60068-2-38:2013 

(IEC 60068-2-38:2009) 

環境試験方法−電気・電子− 

第2-38部:温湿度組合せ(サイクル)試験方法 

(試験記号:Z/AD) 

Environmental testing- 

Part 2-38: Tests-Test Z/AD: 

 Composite temperature/humidity cyclic test 

序文 

この規格は,2009年に第2版として発行されたIEC 60068-2-38を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,高温高湿及び低温条件で,主として電気・電子部品の劣化を加速した方法で判定する温湿

度組合せ(サイクル)試験について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60068-2-38:2009,Environmental testing−Part 2-38: Tests−Test Z/AD: Composite temperature 

/humidity cyclic test(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 60068-1 環境試験方法−電気・電子−通則 

注記 対応国際規格:IEC 60068-1,Environmental testing. Part 1: General and guidance(IDT) 

JIS C 60068-2-30 環境試験方法−電気・電子−第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)

試験方法(試験記号:Db) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-30,Environmental testing−Part 2-30: Tests−Test Db : Damp heat, 

cyclic (12 h+12 h cycle)(IDT) 

JIS C 60068-2-78 環境試験方法−電気・電子−第2-78部:高温高湿(定常)試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-78,Environmental testing−Part 2-78: Tests−Test Cab : Damp heat, 

steady state(IDT) 

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

一般事項 

3.1 

試験の概要 

この試験は,供試品の欠陥を水分の吸収によって発生させるのではなく,“呼吸作用1)”によって発生さ

せることを目的とした温湿度サイクル試験方法である。 

この試験は,他の温湿度サイクル試験方法とは異なり,次のa)〜d)のように厳しさを強めている。 

a) 規定時間内での温度上下の回数が多い。 

b) 温度変化の範囲が広い。 

c) 温度変化の速度が速い。 

d) 0 ℃以下の温度にするサイクルを含んでいる。 

この試験方法は,加速した呼吸作用の影響,並びに割れ目及び裂け目の中に浸入した水の氷結作用の影

響を検証することを,本質的な特徴としている。 

一般に氷結作用の影響は,封止材と金属アセンブリとの界面,又は封止材とリード線端子との界面に,

凝縮した水が浸入できる程度の大きさの裂け目がある場合に現れる。 

水分の凝縮の程度は,主として供試品表面の熱時定数の大きさによって異なり,熱時定数の非常に小さ

い供試品では無視できるくらい小さいが,熱時定数の大きな供試品では大きい。 

同様に,呼吸作用は,空気又はガスの入った比較的大きな隙間がある供試品の場合に明らかとなるが,

試験の厳しさは,供試品の熱的特性などにある程度,依存する。 

注1) ここでいう“呼吸作用”とは,周囲温度の変化によって供試品内の空気が膨張・収縮し,水分

を含んだ空気が出入りする現象をいう。 

3.2 

試験の適用 

この試験は,湿度試験に氷結条件を組み合わせることによって,“呼吸作用”が発生する構造をもつ部品,

かつ,熱的特性がこの試験の温度変化に追従できる部品に限定して,適用することが望ましい。 

中空でない構造の供試品(例えば,小さな細かい割れ目があるようなプラスチックで外装した部品,又

は多孔質材料)は,吸収又は拡散作用が顕著であるため,これらの影響を検証するには,JIS C 60068-2-78

に規定する試験を適用することが望ましい。 

大形の供試品の場合,又は各サイクルの段階中に熱安定状態を確保することが必要な部品の場合,JIS C 

60068-2-30に規定する試験Dbを適用することが望ましい。ただし,この場合,規定する期間中のサイク

ル数が減少するため,加速の程度はそれほど大きくはならない。そのため,試験Dbは,JIS C 60068-1の

7.(一連耐候性試験)に規定する試験の順序の一部に組み入れることが望ましい。 

その他の湿度試験のように,電圧又は電気的負荷を供試品に加えてもよい。電気的負荷を加える場合は,

それによる供試品の温度上昇が,試験槽内の条件に過度な影響を与えないようにしなければならない。 

上記のことから,この試験は,その他の湿度試験(定常状態又はサイクル)と組み換えたり,その他の

試験で代用したりすることができない。ただし,試験方法の選択は,供試品の物理的特性及び熱的特性,

並びにそれぞれの場合に重要な故障メカニズムを考慮して行うことが望ましい。 

試験槽 

湿度試験の後に,供試品を低温状態にさらす試験には,一つの槽又は二つの槽を用いる。 

4.1 

湿度槽 

湿度試験に用いる湿度槽は,次のa)〜f)の条件を満たさなければならない。 

a) 槽内の温度を,設定温度25 ℃±2 ℃から65 ℃±2 ℃まで,1.5時間〜2.5時間で変えることができる。 

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 温度の一定期間中及び上昇期間中は,相対湿度を(93±3)%に保つことができる。また,温度の下降

期間中は,相対湿度を80 %〜96 %の間に保つことができる。 

c) 槽内の温湿度条件は,有効空間中のいずれの点でも,この規格で規定した温湿度条件の許容値以内に

あり,かつ,適切な位置に取り付けた検出器のごく近傍の条件に,できるだけ近い条件でなければな

らない。 

この条件を満たすために,槽内の空気を連続的に一定の速さでかくはんできなければならない。 

d) 供試品は,槽の温度制御用装置からの放射熱を直接受けないようにする。 

e) 槽内の湿度を維持するために用いる水の電気抵抗率は,500 Ωm以上(導電率は,20 μS/cm以下)と

する。 

f) 

凝縮した水は,連続的に槽外に排出できなければならない。ただし,浄化した水は,再使用してもよ

い。 

槽内の壁面及び天井の結露水が,供試品の上に落ちないように防止しなければならない。 

4.2 

低温槽 

供試品を低温状態にさらすための低温槽は,次のa)及びb)の条件を満たさなければならない。 

a) 槽内の温度は,−10 ℃±2 ℃に保つことができる。 

b) 槽内の温湿度条件は,有効空間中のいかなる点でも均一であり,かつ,適切な位置に取り付けた検出

器のごく近傍の条件に,できるだけ近い条件でなければならない。 

この条件を満たすために,槽内の空気を連続的に一定の速さでかくはんできなければならない。また,

供試品の熱容量が,試験条件に影響を与えないように注意する。 

湿度槽を低温槽として用いる場合,4.1に規定する条件のほか,更に次の1)〜3)の条件を満たさなければ

ならない。 

1) 槽内の温度を,設定温度25 ℃±2 ℃から−10 ℃±2 ℃まで,30分間以内に下げることができる。 

2) 供試品を−10 ℃±2 ℃に3時間以上保つことができる。 

3) 槽内の温度を,設定温度−10 ℃±2 ℃から25 ℃±2 ℃まで,90分間以内に上げることができる。 

厳しさ 

試験は,特に規定がない場合,24時間サイクルを10回行う。10回以外の場合には,製品規格に,その

回数を規定する。 

試験方法 

6.1 

前処理 

供試品は,特に規定がない場合,湿度試験の最初のサイクルの開始前に包装を解き,動作が可能な状態

にしてスイッチを切り,JIS C 60068-1の5.5(標準予備乾燥条件)に規定する標準予備乾燥条件(55 ℃±

2 ℃,相対湿度20 %以下)に24時間放置する。初期測定の前に,供試品を標準条件又は製品規格で規定

する条件で,熱的に安定させる(図1参照)。 

background image

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

  

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100 

90 

80 

70 

60 

50 

40 

30 

20 

10 

12 

24 

時間   h 

相対湿度は 

20 %以下 

60 

57 

53 

50 

40 

30 

20 

10 

12 

24 

時間   h 

対湿

  

 %

  

 ℃

前処理期間 

乾燥期間 

安定化期間 

初期測定 

温度の下降速度は
規定しない 

図1−前処理 

6.2 

初期測定 

製品規格の規定に基づき,供試品の外観を目視によって調べ,その後電気的測定及び機械的点検を行う。 

6.3 

試験条件 

この規格で規定する±2 ℃の温度許容差は,計測の誤差,緩やかな時間的な温度変動及び空間内の温度

分布による誤差を考慮している。この規格で規定する許容差内で相対湿度を維持するためには,常に有効

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

空間内の任意の2点間の温度差をより小さくなるように維持する必要がある。温度差が1 ℃を超えた場合

には,必要な湿度条件を達成することができないときがある。このため,短時間での温度変動を±0.5 ℃

に維持することが望ましい。 

供試品は,包装を解き,動作が可能な状態にしてスイッチを切るか,又は製品規格に規定する状態で,1

サイクル24時間の温湿度サイクルを10サイクル行う。 

第1サイクル〜第9サイクルの中の任意の5サイクルは,温湿度サブサイクル(図2のa〜f参照)を行

った後,低温サブサイクルを実施する。ただし,低温サブサイクルを行う時期を製品規格に規定すること

が望ましい。 

background image

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100 

湿

  

 %

96 
93 
90 

80 

70 

60 

10 

10 

12 

14 

16 

18 

20 

22 

24 

70 

60 

50 

40 

30 

20 

10 

‒10 

1.5 

2.5 

1.5 

2.5 

1.5 

2.5 

1.5 

2.5 

時間   h 

時間   h 

10 

12 

14 

16 

18 

20 

22 

24 

推奨限界 

許容限界 
(6.4.2参照) 

推奨限界 
許容限界 
(6.4.2参照) 

  

 ℃

相対湿度の
制御なし 

注*) 

この時点での時間の許容差は,±5分とする。 

図2−低温サブサイクルを含む24時間サイクル 

低温サブサイクルを実施するためには,同じ槽の温度を変える,又は他の槽を用いて供試品を規定する

温度の低温槽に移し換える。他の槽を用いる場合,移し換えによる熱衝撃ストレスが供試品に影響を与え

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ないことが分かっている場合を除き,熱衝撃ストレスを与えないことが望ましい。 

二つの槽を用いて発生する熱衝撃ストレスによって,供試品に重大な損傷が生じた場合,別の供試品を

用いて緩やかな温度変化による再試験を行う。 

第1サイクル〜第9サイクルの残りの4サイクル及び最終サイクルは,低温状態にさらしてはならない

(6.4.3及び図3参照)。 

なお,全ての場合で,湿度サイクルは同じとする。 

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C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100 

対湿

  

 %

96 
93 
90 

80 

70 

60 

10 

10 

12 

14 

16 

18 

20 

22 

24 

70 

60 

50 

40 

30 

20 

10 

‒10 

1.5 

2.5 

1.5 

2.5 

1.5 

2.5 

1.5 

2.5 

時間   h 

時間   h 

10 

12 

14 

16 

18 

20 

22 

24 

  

 ℃

図3−低温サブサイクルを含まない24時間サイクル 

6.4 

試験サイクル 

6.4.1 

温湿度サブサイクル 

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

次のa)〜g)に示す温湿度サブサイクルの条件は,全てのサイクルに適用する(図2及び図3のa〜f参照)。 

各々の24時間のサイクルの最初は,槽内の温度25 ℃±2 ℃及び相対湿度(93±3)%に調節する。 

a) 槽内の温度を,1.5時間〜2.5時間で65 ℃±2 ℃まで連続的に上げる。この間,相対湿度を(93±3)%

に維持する。 

b) 槽内の温度65 ℃±2 ℃及び相対湿度(93±3)%を,サイクルの開始後5.5時間まで,維持する。 

c) 槽内の温度を,1.5時間〜2.5時間のうちに25 ℃±2 ℃に下げる。この間,相対湿度は80 %〜96 %に

維持する。 

d) サイクル開始後8時間経過してから,再び1.5時間〜2.5時間のうちに連続的に,槽内の温度を65 ℃

±2 ℃まで上げ,その後安定化させる。この間,相対湿度を(93±3)%に維持する。 

e) サイクル開始後13.5時間まで,槽内の温度65 ℃±2 ℃及び相対湿度(93±3)%に維持する。 

f) 

1.5時間〜2.5時間のうちに,槽内の温度を25 ℃±2 ℃に下げる。この間,相対湿度を80 %〜96 %に

維持する。 

g) それに引き続いて,低温サブサイクルの開始まで又は24時間の終了まで,槽内の温度を25 ℃±2 ℃,

相対湿度(93±3)%に維持する。 

6.4.2 

低温サブサイクル 

次のa)〜e)に示す条件は,第1サイクル〜第9サイクルの任意の5サイクルに適用する(図2参照)。 

a) 温湿度サブサイクルの終了後,槽内の温度25 ℃±2 ℃及び相対湿度(93±3)%に,1時間〜2時間

維持する。 

b) 槽内の温度を下げるか,又は供試品をその他の槽に移し,供試品を規定する低温状態にさらす。 

供試品を他の槽に移し換える場合,移し換える時間は,5分間以内とすることが望ましい。サイク

ル開始後17.5時間経過後,槽内の温度を下降させ,サイクル開始後18時間までに−10 ℃±2 ℃にす

る。 

c) サイクル開始18時間経過後,槽内の温度を−10 ℃±2 ℃に3時間維持する。 

低温サブサイクル中の湿度は,規定しない。 

d) サイクル開始21時間経過後,槽内の温度を上昇させ,サイクル開始22.5時間後までに25 ℃±2 ℃に

する。 

供試品を他の槽に移し換える場合,移し換える時間は,10分間〜15分間とする。 

e) 槽内の温度は,25 ℃±2 ℃に24時間のサイクルが終了するまで維持する。この期間中の相対湿度は,

(93±3)%に維持する。 

6.4.3 

低温サブサイクルを含まない24時間サイクル 

次の条件は,第1サイクル〜第9サイクルの残りの4サイクルに適用する(図3参照)。 

温湿度サブサイクルは,6.4.1による。ただし,図3のgでは,槽内の温度25 ℃±2 ℃,相対湿度(93

±3)%に24時間サイクルが終了するまで維持する。 

6.4.4 

最終サイクル 

最終サイクルでは,温湿度サブサイクルの終了(図3のf終了時,すなわち16時間経過時)後,槽内の

温度25 ℃±2 ℃及び相対湿度(93±3)%に3.5時間維持する(最終サイクルは19.5時間で終了)。 

6.5 

最終測定 

6.5.1 

一般事項 

次のa)〜d)のいずれかの時点で電気的測定及び機械的点検を行う。 

a) 高湿度中 

10 

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 試験槽から取り出した直後 

c) 一定の乾燥期間の後 

d) 製品規格で規定する時点 

高湿条件で実施する各種測定は,初期測定又は槽から取り出した後に行った測定とは直接比較できない

ことに注意しなければならない。 

6.5.2 

高湿度中で行う測定 

高湿度中で行う測定は,6.4.4で規定する3.5時間のうち,最後の2時間の間で実施する。 

製品規格には,高湿度中で測定を行う場合に必要な注意事項(例えば,表面の水分を除去する方法など)

を規定する。 

供試品は,全ての測定が終了してから槽外に取り出す。 

6.5.3 

試験槽から取り出した直後に行う測定 

最終サイクル終了後,供試品を槽から取り出し,標準条件に置く。 

初期測定条件が標準条件と異なる場合には,最終測定条件も初期測定条件と同じ条件にする。 

槽から供試品を取り出した後,1時間〜2時間の間に,電気的測定及び機械的点検を行う。 

測定で不合格となった供試品は,一度だけ再測定してもよい。 

6.5.4 

乾燥後に行う最終測定 

最終サイクル終了後,供試品を槽から取り出し,24時間標準条件に放置した後,製品規格に規定する最

終測定を実施する。 

初期測定条件が標準条件と異なる場合は,最終測定条件も初期測定条件と同じ条件にする。 

なお,最終測定は,上記の24時間の標準条件放置時間内に行ってもよいが,不合格の供試品は,24時

間放置時点で再度測定して合否の判定をする。 

製品規格に規定する事項 

製品規格にこの試験を規定する場合,できるだけ次の事項を規定する。 

a) 試験の種類(サブサイクル) 

b) 前処理方法 

c) 初期測定条件 

d) 取付方法及び支持材 

e) サイクル数 

f) 

低温サブサイクルの時期 

g) 試験中の電気的測定及び/又は機械的点検 

h) 後処理条件 

i) 

最終測定 

j) 

顧客との間で合意した通常と異なる手順 

試験報告書に記載する事項 

試験報告書には,次の事項を記載しなければならない。 

a) 顧客 

b) 試験所 

c) 試験日 

(名称及び所在地) 

[名称及び所在地,認定状況(ある場合)] 

11 

C 60068-2-38:2013 (IEC 60068-2-38:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 試験の種類 

e) 試験の目的 

f) 

試験規格及び発行年 

g) 試験所の試験手順書 

h) 供試品の詳細 

i) 

試験槽の詳細 

j) 

試験装置の性能 

k) 風速及び向き  

l) 

測定系の不確かさ 

m) 校正日 

n) 初期測定,中間測定及び最終測定 

o) 要求する厳しさ 

p) 実施した試験の厳しさ 

q) 供試品の性能 

r) 試験中の観察事項及び行った処置 

s) 

試験の要約 

t) 

配付先 

(試験記号:Z/AD) 

(開発試験,認証試験など) 

(JIS C 60068-2-38及び2013年) 

(手順書番号及び版) 

(図面,写真,数量など) 

(製造元,型番,製造番号など) 

(温度制御設定値,エアフローなど) 

(供試品に当たる風の風速及び向き) 

(使用した測定器の不確かさのデータ) 

(前回の校正日及び次回の校正時期) 

(製品規格による) 

(測定点,データなど) 

(機能試験の結果など) 

注記 試験報告書に上記の事項を記載できるように,試験記録を残すことが望ましい。