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C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 2 

3 試験の概要 ······················································································································ 2 

4 初期測定 ························································································································· 4 

5 試験······························································································································· 4 

5.1 落下及び転倒 ················································································································ 4 

5.2 自然落下試験−方法1 ····································································································· 5 

5.3 自然落下試験−方法2(繰返し) ······················································································ 5 

6 最終測定 ························································································································· 6 

7 製品規格に規定する事項 ···································································································· 6 

7.1 落下及び転倒試験 ·········································································································· 6 

7.2 自然落下試験 ················································································································ 6 

8 試験報告書に記載する情報 ································································································· 6 

附属書A(規定)自然落下試験−方法2(繰返し)の試験装置 ······················································ 8 

附属書B(参考)自然落下試験の厳しさの選定指針 ···································································· 10 

C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本

電子部品信頼性センター(RCJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本

工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。 

これによって,JIS C 60068-2-31:1995は改正されこの規格に置き換えられ,また,JIS C 60068-2-32:1995

は廃止され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 60068の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 60068-1 通則 

JIS C 60068-2-1 第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)  

JIS C 60068-2-2 第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B) 

JIS C 60068-2-6 第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc) 

JIS C 60068-2-7 加速度(定常)試験方法 

JIS C 60068-2-11 塩水噴霧試験方法 

JIS C 60068-2-13 減圧試験方法 

JIS C 60068-2-14 第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N) 

JIS C 60068-2-17 封止(気密性)試験方法 

JIS C 60068-2-18 第2-18部:耐水性試験及び指針 

JIS C 60068-2-20 第2-20部:試験−試験T−端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法 

JIS C 60068-2-21 第2-21部:試験−試験U:端子強度試験方法 

JIS C 60068-2-27 第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea) 

JIS C 60068-2-30 第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db) 

JIS C 60068-2-31 第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec) 

JIS C 60068-2-38 第2-38部:温湿度組合せ(サイクル)試験方法(試験記号:Z/AD) 

JIS C 60068-2-39 第2-39部:低温,減圧及び高温高湿一連複合試験 

JIS C 60068-2-40 低温・減圧複合試験方法 

JIS C 60068-2-41 高温・減圧複合試験方法 

JIS C 60068-2-42 接点及び接続部の二酸化硫黄試験方法 

JIS C 60068-2-43 接点及び接続部の硫化水素試験方法 

JIS C 60068-2-45 耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法 

JIS C 60068-2-46 接点及び接続部の硫化水素試験−指針 

JIS C 60068-2-47 第2-47部:動的試験での供試品の取付方法 

C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

(3) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 60068-2-48 第2-48部:保存の影響をシミュレートするために,環境試験方法に関するJIS規格

群の試験を適用する場合の指針 

JIS C 60068-2-49 接点及び接続部の二酸化硫黄試験−指針 

JIS C 60068-2-50 発熱供試品及び非発熱供試品に対する低温/振動(正弦波)複合試験 

JIS C 60068-2-51 発熱供試品及び非発熱供試品に対する高温/振動(正弦波)複合試験 

JIS C 60068-2-52 塩水噴霧(サイクル)試験方法(塩化ナトリウム水溶液) 

JIS C 60068-2-53 発熱供試品及び非発熱供試品に対する低温・高温/振動(正弦波)複合試験の指針 

JIS C 60068-2-54 はんだ付け性試験方法(平衡法) 

JIS C 60068-2-57 時刻歴振動試験方法 

JIS C 60068-2-58 表面実装部品(SMD)のはんだ付け性,電極の耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性

試験方法 

JIS C 60068-2-59 サインビート振動試験方法 

JIS C 60068-2-60 混合ガス流腐食試験 

JIS C 60068-2-61 一連耐候性試験 

JIS C 60068-2-64 第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh) 

JIS C 60068-2-65 第2-65部:音響振動 

JIS C 60068-2-66 高温高湿,定常(不飽和加圧水蒸気) 

JIS C 60068-2-67 基本的に構成部品を対象とした高温高湿,定常状態の促進試験 

JIS C 60068-2-68 砂じん(塵)試験 

JIS C 60068-2-69 第2-69部:試験−試験Te:表面実装部品(SMD)のはんだ付け性試験方法(平衡

法) 

JIS C 60068-2-70 第2-70部:指及び手の擦れによる印字の摩滅試験 

JIS C 60068-2-75 第2-75部:ハンマ試験 

JIS C 60068-2-77 表面実装部品(SMD)の本体強度及び耐衝撃性試験方法 

JIS C 60068-2-78 第2-78部:高温高湿(定常)試験方法 

JIS C 60068-2-80 第2-80部:混合モード振動試験方法(試験記号:Fi) 

JIS C 60068-2-81 第2-81部:衝撃応答スペクトル合成による衝撃試験方法 

JIS C 60068-2-82 第2-82部:試験−試験XW1:電気・電子部品のウィスカ試験方法 

JIS C 60068-2-83 第2-83部−試験Tf−ソルダペーストを用いた平衡法による表面実装部品(SMD)

のはんだ付け性試験方法(予定) 

JIS C 60068-3-1 低温試験及び高温試験を理解するための必す(須)情報 

JIS C 60068-3-2 第3-2部:温度/減圧複合試験を理解するための必す(須)情報 

JIS C 60068-3-3 機器の耐震試験方法の指針 

JIS C 60068-3-4 第3-4部:高温高湿試験の指針 

JIS C 60068-3-5 第3-5部:温度試験槽の性能確認の指針 

JIS C 60068-3-6 第3-6部:支援文書及び指針−温湿度試験槽の性能確認の指針 

JIS C 60068-3-7 第3-7部:支援文書及び指針−負荷がある場合の低温試験(試験A)及び高温試験

(試験B)の試験槽の温度測定のための指針 

JIS C 60068-3-8 第3-8部:振動試験方法の選択の指針 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

C 60068-2-31:2013 

(IEC 60068-2-31:2008) 

環境試験方法−電気・電子−第2-31部: 

落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec) 

Environmental testing-Part 2-31: Tests-Test Ec: Rough handling shocks, 

primarily for equipment-type specimens 

序文 

この規格は,2008年に第2版として発行されたIEC 60068-2-31を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。対応国際規格IEC 60068-2-31は,IEC Guide 104に基づく基本安

全規格(BASIC SAFETY PUBLICATION)と位置付けられている。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,使用中又は修理作業中に粗雑な取扱いで発生するような打撃,急激な動揺及び落下によっ

て,機器及びその附属品ユニット(以下,機器等という。)が受ける影響を再現する試験方法について規定

する。 

この試験方法は,荷台に拘束しない貨物が輸送中に受ける衝撃の影響の評価には,適用しない。このよ

うな拘束のない貨物が受ける影響の評価は,IEC 60068-2-55に規定するバウンス試験を用いる。また,こ

の試験方法は,設置した機器が受ける衝撃の影響の評価には,適用しない。このような設置した機器が受

ける衝撃の影響の評価には,JIS C 60068-2-27に規定する衝撃試験を用いる。 

この試験方法は,例えば,小形から中形までの大きさの機器等で,粗雑な取扱いを受けやすいものだけ

に対してそれらの製品規格で規定し,また,このような取扱いを受けるおそれがある機器等の面及び角だ

けに適用することが望ましい。一般に持ち運んで現場で使用する機器は,このような取扱いを受けること

が考えられる。一方,恒久的に据え付ける機器は,このような取扱いは考えられないので,この試験を行

う必要はない。 

この試験は,保護がなく,壊れやすい機器又は取扱いにくい形をした装置(例えば,航空機の機首レー

ダ)で,取付部分から外す場合に作業枠又はジグに取り付けるようなこれらの機器及び装置には適用でき

ない場合がある。ただし,これらの機器及び装置を輸送用ケース又は作業枠若しくはジグに取り付けてい

る場合には,この試験を適用できる場合がある。 

ただ一つの面(例えば,通常の底面)だけで立っている機器に対する試験は,一般にその面だけに適用

する。 

衝撃試験は,機器等を試験装置に固定して実施するのに対し,面落下,角落下,転倒,自然落下,繰返

し自然落下及びバウンス試験は,機器等を固定しないで実施する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

IEC 60068-2-31:2008,Environmental testing−Part 2-31: Tests−Test Ec: Rough handling shocks, 

primarily for equipment-type specimens(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 60068-2-27 環境試験方法−電気・電子−第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-27,Environmental testing−Part 2-27: Tests−Test Ea and guidance : 

Shock(IDT)  

JIS Z 0200 包装貨物−性能試験方法一般通則 

注記 対応国際規格:ISO 4180-2:1980,Complete, filled transport packages−General rules for the 

compilation of performance test schedules−Part 2: Quantitative data(MOD) 

ISO 48:2007,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of hardness (hardness between 10 IRHD 

and 100 IRHD) 

注記 ISO 48は,対応規格としてJIS K 6253: 2006(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方)

が制定されているが,1994年版に1999年のAmendment 1を基にしており2007年度に対応

したJISは制定されていない。 

IEC 60068-2-55:1987,Environmental testing. Part 2: Tests. Test Ee and guidance: Bounce 

試験の概要 

取扱い中に発生する衝撃の影響は,次の一つ以上の試験によって評価する。 

a) 落下及び転倒試験 主として機器を作業台で,修理作業中又は取扱い中に発生するような打撃及び動

揺の影響を評価する試験。 

b) 自然落下試験−方法1 取扱い中に発生するような落下衝撃の影響を評価する試験。 

c) 自然落下試験−方法2(繰返し) あるタイプの部品の取扱中に受ける可能性がある,繰り返しのあ

る落下衝撃の影響を評価する試験。 

転倒試験は,操作中に供試品が安定する底面積をもっている場合,適用する必要はない(c-g比及び高

さ比参照)。 

落下及び転倒の動きを,図1〜図3に示す。 

a)の落下及び転倒試験は,次の三つの方法とする。 

1) 面落下(5.1.3.1参照) 

2) 角落下(5.1.3.2参照) 

3) 転倒(5.1.3.3参照) 

1)〜3)の試験の目的は,本質的に同じであるが,それぞれ異なった試験方法として規定する。 

1)〜3)の試験は,高い再現性を意図しておらず,高さの許容範囲は±10 %とする。 

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C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

転倒試験を適用する供試品では,次の二つの寸法比率が重要である。 

− 底面から重心までの高さを底面の最も短い辺の長さで除した値(以下,c-g比という。)。 

− 供試品の高さを底面の最も短い辺の長さで除した値(以下,高さ比という。)。 

例えば,c-g比が小さい場合(例えば0.25未満),供試品は,急に横に移動してもほとんど倒れることは

ない。また,高さ比が小さい場合(例えば0.5未満),供試品は,上部への横からの急激な力又は打撃が加

わってもほとんど倒れることはない。製品規格を作成する場合には,転倒試験を適用するかどうかを検討

することが望ましい。 

 h:供試品の辺と落下床面との距離 

α:供試品の底面と落下床面との角度 

図1−面落下 

 h:供試品の辺と落下床面との距離 

α:供試品の底面と落下床面との角度 

図2−角落下 

図3−転倒 

C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

初期測定 

初期測定は,製品規格に規定する供試品の目視,寸法,機能検査及びその他の検査を実施する。 

試験 

5.1 

落下及び転倒 

5.1.1 

試験実施上の留意事項 

面落下及び角落下の試験方法では,供試品が,意図する試験面に落下しないで隣接する面落下及び転倒

する可能性があるので,これを適切な方法で防ぐ。 

いかなる場合でも,供試品が,隣接する辺りょう(稜)を軸として回転を続けてはならない。底面に四

つを超える辺がある場合でも,落下及び転倒の回数は,4回までとし,製品規格に試験する辺を規定する。 

製品規格には,供試品の通常の使用中及び修理中の取扱方法を考慮して,試験方法及び供試品にカバー,

コードなどを取り付けるかどうかを規定する。また,供試品を動作させるかどうかも規定する。 

5.1.2 

試験装置 

落下床面(例えば,コンクリート製又は鋼製)は,滑らかで,硬く,剛性があり,かつ,水平でなけれ

ばならない。コンクリート面に凹凸がある場合には,くぼみを取り除くために,鋼板をコンクリート面に

埋め込んでおくか,又はコンクリート面と結合させておく。鋼板の厚さは,25 mm以上とする。 

なお,供試品の質量が500 kgを超える場合,鋼板は厚さ40 mm以上,水平傾斜2 度以内,ブリネル硬

度90〜300とする。 

試験装置の防振基礎の質量は,供試品質量の20倍以上とする。 

5.1.3 

試験方法 

5.1.3.1 

面落下(図1 参照) 

供試品を通常の使用姿勢の状態で置き,供試品の底面の一辺を軸として傾け,落下床面に落下させる。

製品規格には,落下の距離(h)を25 mm,50 mm又は100 mmの中から一つ選んで規定する。 

試験の厳しさは,製品規格に規定された落下の距離又は供試品と落下床面との角度(α)が30度のうち,

いずれか厳しさの小さい方とする。 

供試品を底面の四つの辺ごとに各1回落下させる。 

5.1.3.2 

角落下(図2 参照) 

供試品を通常の使用姿勢の状態で置き,底面の一つの角の下に高さ10 mmの木片を置き,かつ,隣接す

る一つの角の下に20 mmの木片を置いて,落下床面から上げる。次に供試品を二つの木片に接する辺を軸

とし,10 mmの木片に隣接する他の角を,製品規格の規定によって,落下床面からの高さ(h)が25 mm,

50 mm若しくは100 mm,又は供試品と落下床面との角度(α)が30度の,いずれか厳しさの小さい方ま

で上げる。 

その後,落下床面に落下させる。 

供試品の四つの底辺(円形又は円形に近い場合,底面のX軸とY軸に当たる4点を考える。)に順次適

用し,四つの底角について各1回落下させる。 

5.1.3.3 

転倒(図3 参照) 

供試品を通常の使用姿勢の状態で置き,不安定な姿勢に達するまで一つの辺を軸として傾ける。 

その後,隣接する面にこの姿勢から転倒させる。 

供試品の四つの底辺について,これを軸として各1回転倒させる。 

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C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2 

自然落下試験−方法1 

5.2.1 

試験条件 

製品規格に規定する運搬又は使用中の正常な姿勢で,供試品を自然落下させる。 

製品規格に落下の回数の規定がない場合は,供試品を規定の姿勢で2回落下させる。 

5.2.2 

試験装置 

方法1の自然落下に使用する試験装置は,5.1.2に規定するものと同等とする。 

5.2.3 

厳しさ 

試験の厳しさは,落下の高さによって規定する。供試品の運搬中及び使用中の実環境が分からない場合

又は特に規定がない場合,落下の高さは,供試品の質量によって表1から選択する。 

表1−落下の高さ 

供試品の質量 

kg 

落下の高さa),b) 

mm 

10以上50未満 

25 

1以上10未満 

50,100,250,500 

1未満 

750,1 000,1 500 

注記 供試品の質量が50 kg以上の場合は,附属書Bを参照する。 
注a) 太字で示した高さを推奨する。 

b) 輸送用のケースに入った供試品又は包装した供試品の場合

は,JIS Z 0200に規定する落下の高さを用いる。 

5.2.4 

試験方法 

製品規格に従い,5.2.3で選択した高さから,供試品を5.2.2の試験装置の表面に落下させる。 

供試品を落下させる前につり上げた状態で,落下床面から最も近い供試品の部分までの高さを測定する。 

供試品の落下方法は,落下の瞬間時の揺れを最小にするようにして,つり上げた位置からの自然落下と

する。 

さらに,別の落下面及び落下の角度を製品規格に規定してもよい。 

5.3 

自然落下試験−方法2(繰返し) 

5.3.1 

試験条件 

供試品を試験装置に置き,規定の回数落下させる。供試品にケーブルが附属する場合は,製品規格に使

用するケーブルを規定する。供試品にケーブルが附属する場合,製品規格に規定がない限り,取り付ける

ケーブルの長さは,100 mmとする。 

5.3.2 

試験装置 

適切な試験装置は,附属書Aによる。 

供試品を,滑らかで,硬く,かつ,剛性がある床面に落下させる。製品規格に規定がない場合,落下床

面は,厚さ3 mmの鋼板とし,厚さ10〜19 mmの木板で裏打ちする。 

注記 附属書Aに規定する試験装置は,質量の大きい供試品,又は供試品の形によっては,適切でな

い場合がある。 

5.3.3 

厳しさ 

落下の回数は,次の値から選択し,製品規格に規定する。 

50,100,200,500,1 000(回) 

落下の高さは,500 mm又は1 000 mmとする。 

C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 落下の高さは,供試品の使い方に応じて決定するのが望ましい。 

5.3.4 

試験方法 

供試品が複数個ある場合は,個別に試験を実施する。供試品の取扱状態を再現するために,供試品に規

定の長さのケーブル(5.3.1 参照)を取り付けて,規定の高さから硬い表面に規定の回数を落下させる。試

験が,供試品の機械的性能及び電気的性能に影響する場合,その変化を記録する。 

試験装置は,5.3.3に規定する高さ及び供試品の製品規格に規定する高さから,規定の回数落下させるこ

とができる装置とする。落下の回数は,供試品の取扱方法に応じて決定するのがよい。 

落下の頻度は,毎分約10 回とする。 

回転する箱を用いた試験装置を,附属書Aに示す。 

最終測定 

最終測定は,製品規格に規定した基準に従い,外観,電気的性能及び機械的性能を調べる。 

製品規格に規定する事項 

7.1 

落下及び転倒試験 

製品規格では,落下及び転倒試験について,次の事項を規定する。 

a) 初期測定 

箇条4 

b) 試験手順 

5.1.1 

c) ケーブル,カバーなどの取付け 

5.1.1 

d) 試験中供試品を動作させるかどうか 

5.1.1 

e) 試験を適用する辺(底部に四つ以上の辺がある場合) 

5.1.1 

f) 

面落下の距離 

5.1.3.1 

g) 角落下の高さ 

5.1.3.2 

h) 最終測定 

箇条6 

7.2 

自然落下試験 

製品規格では,自然落下及び繰返し自然落下試験について,次の事項を規定する。 

a) 初期測定 

箇条4 

b) 落下床面(コンクリート面又は鋼板以外の場合) 

5.1.2 

c) 落下の高さ 

表1,5.3.4 

d) 供試品を落下させる姿勢 

5.2.1 

e) 落下の回数(2 回以外の場合) 

5.2.1 

f) 

最終測定 

箇条6 

g) 取り付けるケーブルの種類 

5.3.1 

試験報告書に記載する情報 

試験報告書には,少なくとも,次の事項を記載する。 

a) 顧客 

b) 試験所 

c) 試験報告書の識別 

d) 試験日 

(名称及び所在地) 

(名称及び所在地) 

(発行日及び識別番号) 

C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) 試験の種類 

f) 

試験の目的 

g) 試験規格及び発行年 

h) 供試品の詳細 

i) 

供試品の取付け 

j) 

試験装置の性能 

k) 初期測定及び最終測定 

l) 

要求する厳しさ 

m) 実施した試験の厳しさ 

n) 試験結果 

o) 試験中の観察事項及び行った処置 

p) 試験の要約 

q) 試験管理者 

r) 配付先 

(自然落下,落下及び転倒) 

(開発試験,認定試験など) 

(関連試験手順) 

(初期状態,識別番号,数量,図面,写真など) 

(取付具の識別,図面,写真など) 

(落下床面の説明及び質量) 

(試験仕様) 

(供試品の最終状態) 

(氏名及び署名) 

(報告書の受領者リスト) 

注記1 試験を文書に記録する場合は,試験実施記録(例えば,試験パラメータを併記した時系列の

試験実施リスト,試験中の観察事項及び実施処置並びに測定データシート)を作成するのが

よい。この試験実施記録を,試験報告書に添付してもよい。 

注記2 JIS Q 17025の5.10(結果の報告)を参照。 

C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

自然落下試験−方法2(繰返し)の試験装置 

自然落下試験−方法2(繰返し)(5.3.4参照)の適切な試験装置は,回転しながら,供試品のころがりと

自然落下とを組み合わせた運動を繰り返す箱を基本としている。多数の供試品を同時に試験する場合には,

箱を仕切って,一つの仕切り内に一つの供試品を置く。 

仕切りの幅(W)は,供試品の大きさで決まるので一つの値を規定しないが,200〜300 mmの範囲であ

ることが望ましい。 

箱の寸法は,図A.1による。落下床面は,厚さ3 mmの平たんな固定した鋼板とし,厚さ10〜19 mmの

木板で裏打ちする。 

落下と落下との間で,供試品を留める各々の部分には,ISO 48に規定するIRHD1)が80±20のくさび形

のゴムを付ける。箱内の滑落面は,滑らかで硬いプラスチックの板で作る。 

試験装置は,内部に軸が突き出ない構造とする。 

試験装置には透明なアクリルの蓋がついた窓を取り付ける。 

注1) IRHDとは,国際ゴム強度(International rubber hardness degrees)である。 

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C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

注記1 a)部は,積層プラスチックシート製の回転箱の胴体を表し,その厚さは1.5 mmである。 
注記2 Wは,200〜300 mmを推奨する。 

図A.1−回転式繰返し落下試験装置 

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10 

C 60068-2-31:2013 (IEC 60068-2-31:2008) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

自然落下試験の厳しさの選定指針 

B.1 

一般事項 

自然落下試験は,輸送中,取扱い中又は修理中で落としやすい供試品に適用する。この試験は,例えば,

大形変圧器のような非常に重い大形の供試品には適用しない。 

B.2 

試験の厳しさの選定 

製品規格にこの試験を適用する場合には,箇条7に規定する全ての条件を製品規格に規定するのが望ま

しい。 

供試品に適用する試験の厳しさは,可能な限り供試品の取扱条件及び輸送条件を考慮して規定すること

が望ましい。ただし,例えば,航空機荷役装置(ハイリフトローダー)又は起重機からの落下のような,

取扱中に誤って起こる最も厳しい条件に,全ての供試品が耐えると想定することは,非現実的で経済的で

ない。耐環境性を実証する試験のため,供試品の落下の高さは,落下が起きる可能性及び許容できる損害

の程度並びに使用,輸送及び貯蔵中の条件を考慮して選ぶことが望ましい。 

適切な厳しさは,供試品の大きさ,取扱い及び輸送の方法を考慮して,5.2.3及び5.3.3から選ぶことが

望ましい。 

さらに,この試験は,構成品,部品及び非携帯機器のような包装しない供試品に対して行うのか又は完

全な輸送用ケースに入れて行うのかを考慮して,選ぶことが望ましい。 

適確な情報が得られない場合の適切な厳しさは,各種の輸送及び取扱条件に相当する厳しさの例を示し

ている表B.1から選ぶのが望ましい。 

この表は,代表的な厳しさを示したもので,規定値を示すものではない。取扱い中に遭遇する現実の厳

しさと表に示した厳しさとは,異なる場合もある。 

表B.1−代表的な厳しさの例 

落下の 

高さ 

mm 

供試品の質量 

kg 

包装なしの例 

取扱いの例 

包装なし 

輸送用 
ケース 

25 

50 以上 

500 超 

キュービクル 

フォークリフトa) 

50 

10 超 

50 未満 200 以下 

キャビネット 

フォークリフトa) 

100 

10 超 

50 未満 100 以下 

配電盤 

起重機a) 

250 

10 超 

50 未満 75 以下 

可搬形ケース付機器 

貯蔵,積重ね 

500 

10 未満 

40 以下 

可搬形機器 

コンベアベルトからの落下 

1 000 

1 以下 

15 以下 

部品 

小さい構成品 

机,作業台又はトラックの 

後部扉からの落下 

注a) これは,フォークリフト又は起重機によって,荷積み高さに下ろすときの衝撃を再現するこ

とに限定しており,トラックの荷台からの落下又は起重機の振り投げは,対象としていない。 

 
 

参考文献 JIS Q 17025:2005 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項