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C 5943:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 装置······························································································································· 1 

5 電気的及び光学的特性の測定方法 ························································································ 2 

5.1 順電流(If)·················································································································· 2 

5.2 順電圧(Vf) ················································································································· 3 

5.3 逆電圧(Vr) ················································································································ 4 

5.4 光出力(Po)················································································································· 5 

5.5 しきい値電流(Ith)········································································································ 5 

5.6 しきい値光出力(Pth) ···································································································· 6 

5.7 スロープ効率(ηd) ········································································································ 7 

5.8 ピーク発振波長(λp),中心発振波長(λc)及びスペクトル幅(Δλw) ······································· 7 

5.9 近視野像幅(W⊥及びW//) ····························································································· 10 

5.10 ビーム広がり角(θ⊥及びθ//) ························································································ 10 

5.11 上昇時間(tr)及び下降時間(tf) ··················································································· 11 

5.12 遮断周波数(fc) ········································································································· 13 

5.13 相対強度雑音(RIN) ··································································································· 14 

5.14 偏光比(P1) ·············································································································· 15 

5.15 干渉パターン強度比(α) ····························································································· 16 

5.16 非点隔差(As) ··········································································································· 17 

5.17 遠視野像リプル(R1) ·································································································· 18 

5.18 放射光軸ずれ角(Δθ⊥及びΔθ//)····················································································· 19 

5.19 キャリア対雑音強度比(C/N) ······················································································· 21 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 23 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人光産業技

術振興協会(OITDA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。これによって,JIS C 5943:1997は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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再生用及び記録用半導体レーザ測定方法 

Measuring methods of laser diodes used for recording and playback 

序文 

この規格は,2006年に第1版として発行されたIEC 60747-5-4を基に作成した日本工業規格であるが,

適用範囲を再生用及び記録用半導体レーザと限定したために,技術的内容を追加,変更及び削除して作成

した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,光源として使用する再生用及び記録用半導体レーザ(電子回路内蔵形及び光学素子内蔵形

を除く。以下,半導体レーザという。)の電気的及び光学的特性の測定方法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60747-5-4:2006,Semiconductor devices−Discrete devices−Part 5-4: Optoelectronic devices−

Semiconductor lasers(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1102-1 直動式指示電気計器−第1部:定義及び共通する要求事項 

JIS C 5942 再生用及び記録用半導体レーザ通則 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5942による。 

装置 

4.1 

電源 

直流電源は,リプル含有率3 %以下,交流電源は高調波含有率5 %以下とする。ただし,商用電源を用

いる場合は,高調波含有率10 %以下とする。 

なお,特に交流出力を測定する試験では,直流電源のリプル含有率,交流電源の高調波含有率及び交流

の流れる直流電源回路の交流インピーダンスは,測定に影響を与えないように小さい値とする。また,サ

ージの侵入に対する十分な防護措置を施さなければならない。 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

計器 

他に規定がない限り,計器はJIS C 1102-1に規定する階級指数0.5以上の確度をもち,入力インピーダ

ンスは測定系への影響を無視できる値とする。 

注記 標準品として階級指数0.5以上の計器がない場合は,4.2の規定を適用しなくてもよい。 

4.3 

光パワーメータ 

測定に使用する光パワーメータは,該当する波長で光強度が校正され,かつ,受光面感度分布が十分に

平たんでなければならない。 

4.4 

光スペクトラムアナライザ 

測定に使用する光スペクトラムアナライザは,該当する波長で,十分なダイナミックレンジ(十分低い

迷光),横(波長)軸及び縦(レベル)軸の確度並びに発振スペクトルを分離するのに十分な分解能をもた

なければならない。 

電気的及び光学的特性の測定方法 

5.1 

順電流(If) 

5.1.1 

目的 

指定した状態での順電流を測定することを目的とする。 

5.1.2 

測定回路 

順電流の測定回路は,図1による。図1は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,

電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.1.3 

測定方法 

半導体レーザに指定の順電圧Vfを印加して指定の光出力Poを発生させ,そのときの順電流Ifを測定す

る。この測定は,1 kHz以下の交流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描く方法に

よってもよい。 

半導体レーザで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大きな影響を与える

場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。 

a) 直流を用い,熱的平衡に達した後,測定する。ただし,熱的平衡に達しない場合は,指定の電圧を印

加し始めた後,指定の時間に測定する。 

b) パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。パルスを用いるとき

は,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件を明記する。 

5.1.4 

測定上の注意 

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(図2参照)を用いてもよい。順電圧の印加によって半導体レーザからの光出力Po

が絶対最大定格値を超えないようにする。 

5.1.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電圧Vf又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

直流電圧計の内部抵抗は,半導体レーザの抵抗値に比べ測定値に影響を与えない程度に十分大きくなければならない。 

図1−順電流,順電圧,光出力,しきい値電流,しきい値光出力及びスロープ効率の測定 

直流電圧計の内部抵抗は,半導体レーザの抵抗値に比べ測定値に影響を与えない程度に十分大きくなければならない。 
測定デバイス及びアパーチャは,積分球の表面積に比べて十分小さくなければならない。また,積分球の内側の表面
及び遮へい板は,一定の拡散反射率(0.8以上)をもつ塗料でコーティングしなければならない。 

図2−積分球を用いた順電流,順電圧,光出力,しきい値電流,しきい値光出力及びスロープ効率の測定 

5.2 

順電圧(Vf) 

5.2.1 

目的 

指定した状態での順電圧を測定することを目的とする。 

5.2.2 

測定回路 

順電圧の測定回路は,図1による。図1は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,

電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.2.3 

測定方法 

半導体レーザに指定の順電流Ifを印加して指定の光出力Poを発生させ,そのときの順電圧Vfを測定す

る。この測定は,1 kHz以下の交流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描く方法に

よってもよい。 

半導体レーザで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大きな影響を与える

場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 直流を用い,熱的平衡に達した後,測定する。ただし,熱的平衡に達しない場合は,指定の光出力を

発生し始めた後,指定の時間に測定する。 

b) パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。パルスを用いるとき

は,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件を明記する。 

5.2.4 

測定上の注意 

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(図2参照)を用いてもよい。順電流の印加によって半導体レーザからの光出力Po

が絶対最大定格値を超えないようにする。 

5.2.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

5.3 

逆電圧(Vr) 

5.3.1 

目的 

指定した状態での逆電圧を測定することを目的とする。 

5.3.2 

測定回路 

逆電圧の測定回路は,図3による。図3は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,

電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.3.3 

測定方法 

半導体レーザに指定の逆電流Irを流し,そのときの逆電圧Vrを測定する。この測定は,1 kHz以下の交

流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描く方法によってもよい。 

半導体レーザで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大きな影響を与える

場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。 

a) 直流を用い,熱的平衡に達した後,測定する。ただし,熱的平衡に達しない場合は,指定の電流を流

し始めた後,指定の時間に測定する。 

b) パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。パルスを用いるとき

は,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件を明記する。 

5.3.4 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 逆電流Ir 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

直流電圧計の内部抵抗は,半導体レーザの抵抗値に比べ測定値に影響を与えない程度に十分大きくなければならない。 

図3−逆電圧の測定 

5.4 

光出力(Po) 

5.4.1 

目的 

指定した状態での光出力を測定することを目的とする。 

5.4.2 

測定回路 

光出力の測定回路は,図1による。図1は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,

電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.4.3 

測定方法 

半導体レーザに指定の順電流Ifを流し,光出力Poを測定する。光出力は1端面からの出力とする。 

5.4.4 

測定上の注意  

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(図2参照)を用いてもよい。絶対最大定格以上の光出力を出さないように注意する。 

5.4.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

5.5 

しきい値電流(Ith) 

5.5.1 

目的 

指定した状態でのしきい値電流を測定することを目的とする。 

5.5.2 

測定回路 

しきい値電流の測定回路は,図1による。図1は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作

の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.5.3 

測定方法 

半導体レーザに流す順電流Ifを変化させながら,If及び光出力PoをX-Yレコーダ,オシロスコープなど

の記録装置で記録し,次のa)〜c)のいずれかの方法を用いてしきい値電流を算出する。 

なお,算出に用いた方法を明記する。 

a) 方法1 If -Po曲線の記録から,図4に示すように2本の直線部を延長してその交点の電流を求め,し

きい値電流Ithとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 方法2 しきい値近傍でIf -Po曲線の変化が緩やかでa)の方法の適用が困難な場合は,図5に示すよう

にレーザ発振出力に相当する部分の直線を延長し,X軸との交点の電流を求め,しきい値電流Ithとす

る。 

c) 方法3 If -Po曲線の2次微分を求め,図6に示すように2次微分のピークに相当する電流で最小のも

のをしきい値電流Ithとする。 

 
 

図4−If -Po曲線(方法1)

図5−If -Po曲線(方法2) 

図6−If -Po曲線(方法3) 

5.5.4 

測定上の注意 

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(図2参照)を用いてもよい。絶対最大定格以上の光出力を出さないように注意する。 

5.5.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

5.6 

しきい値光出力(Pth) 

5.6.1 

目的 

指定した状態でのしきい値光出力を測定することを目的とする。 

5.6.2 

測定回路 

しきい値光出力の測定回路は,図1による。図1は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動

作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.6.3 

測定方法 

半導体レーザに指定のしきい値電流Ithに等しい順電流Ifを流し,光出力Poを測定する。光出力の測定

は,5.4.3に規定する方法を用いる。 

5.6.4 

測定上の注意  

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(図2参照)を用いてもよい。絶対最大定格以上の光出力を出さないように注意する。 

5.6.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) しきい値電流Ith 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

5.7 

スロープ効率(ηd) 

5.7.1 

目的 

指定した状態でのスロープ効率を測定することを目的とする。 

5.7.2 

測定回路 

スロープ効率の測定回路は,図1による。図1は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作

の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.7.3 

測定方法 

半導体レーザに流す順電流Ifを変化させながら,If及び光出力PoをX-Yレコーダ,オシロスコープなど

で記録し,しきい値電流Ith(5.5による。),しきい値光出力Pth(5.6による。),指定の順電流If又は指定の

光出力を得る順電流If及びIfを流したときの光出力Poを測定し,式(1)によって求める。 

th

f

th

o

d

I

I

P

P

=

η

 ············································································ (1) 

ここに, 

ηd: スロープ効率 

Ith: しきい値電流 

If: 指定の順電流(又は指定の光出力を得る順電流) 

Pth: Ithを流したときのしきい値光出力 

Po: Ifを流したときの光出力(又は指定の光出力) 

“しきい値電流”の代わりに“しきい値電流よりも高く,かつ,動作電流よりも十分低い電流”として

もよい。 

なお,そのときは,“しきい値光出力”の代わりに“しきい値電流よりも高く,かつ,動作電流よりも十

分低い電流における光出力”を用いる。 

5.7.4 

測定上の注意  

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。また,光パワーメータの代

わりに積分球を用いた測定系(図2参照)を用いてもよい。 

5.7.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

5.8 

ピーク発振波長(λp),中心発振波長(λc)及びスペクトル幅(Δλw) 

5.8.1 

目的 

指定した状態でのピーク発振波長,中心発振波長及びスペクトル幅を測定することを目的とする。 

5.8.2 

測定回路 

ピーク発振波長,中心発振波長及びスペクトル幅の測定回路は,図7による。図7は直流動作の場合を

示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.8.3 

測定方法 

半導体レーザを指定の光出力の状態で駆動し,放出された光を光スペクトラムアナライザを用い,ピー

ク発振波長を測定し(図8参照),中心発振波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅を包絡線法(図9

参照),N-dB法(図10参照)又はRMS法(図11参照)のいずれかによって求める。光スペクトラムア

ナライザの代わりに分光器を用いてもよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.8.4 

測定上の注意 

測定系から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。 

5.8.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

図7−ピーク発振波長,中心発振波長及びスペクトル幅の測定 

図8−ピーク発振波長の測定 

図9−中心発振波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅の測定(包絡線法) 

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図10−中心発振波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅の測定(N-dB法) 

N-dB法では,縦モードの相対パワーをデシベル(dB)で表し,その最大ピークに対し指定の値(スペ

クトル半値幅を求めるときは,最大のピークに対し−3 dBの値)以上で発振する縦モードのうち,最も長

波長側の波長と最も短波長側の波長との差をスペクトル幅とし,両者の中心に位置する波長を中心波長と

する。 

図11−中心発振波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅の測定(RMS法) 

RMS法による中心発振波長は式(2)によって,スペクトル幅は式(3)によって算出する。 

n

n

n

A

A

×

=

λ

λc

 ··········································································· (2) 

(

)

n

n

n

A

A

k

×

×

=

2

c

w

Δ

λ

λ

λ

 ·························································· (3) 

ここに, 

λc: 中心発振波長(nm) 

Δλw: スペクトル幅(nm) 

An: n番目の縦モードの光出力 

λn: n番目の縦モードの発振波長 

k: 定数(1,2,2.35又は3) 

kは目的に応じて1,2,2.35又は3から選択し,明示する(2.35を選択した場合,スペクトル形状をガ

ウス分布とみなしたときのスペクトル半値幅に相当する。)。 

 
 

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10 

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5.9 

近視野像幅(W⊥及びW//) 

5.9.1 

目的 

指定した状態での近視野像幅を測定することを目的とする。 

5.9.2 

測定回路 

近視野像幅の測定回路は,図12による。図12は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作

の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.9.3 

測定方法 

図12に示す構成で,半導体レーザに指定の光出力を得る順電流Ifを流し,受光素子に直流バイアス電圧

Vbを与える。半導体レーザの端面発光部分の像を十分拡大できるレンズを用いて半導体レーザの近視野像

を十分大きく拡大する。このときの像拡大率をMとする。結像面上を,発振領域の中心を通ってpn接合

面に垂直な方向及び平行な方向に受光素子をそれぞれ走査し,出力電圧Voutを記録し,光パワー分布を求

める。ピーク値の50 %になる出力電圧を示す2点間の距離(半値全幅)を垂直方向及び平行方向のそれぞ

れで測定し,それらをW'⊥及びW'//とする。W'⊥/M及びW'///Mを計算し,垂直方向及び平行方向の近視野

像幅W⊥及びW//を求める。 

垂直方向又は平行方向のいずれか一方の測定を終了した後,半導体レーザを90°回転させることによっ

て,他方の測定ができる。受光素子については,受光面の幅は拡大された近視野像幅より十分小さく,か

つ,出力電圧Voutが受光素子への入射光パワーに比例するように負荷抵抗器RLを調整する。 

なお,上記のような方法のほかに結像面上における2次元の光強度分布を観測画面上に表示できる装置

を用い,pn接合面に垂直な方向及び平行な方向に,ピーク値の50 %になる距離及び像の拡大率Mを用い

てそれぞれ垂直方向及び平行方向の近視野像幅W'⊥/M及びW'///Mを計算し,垂直方向及び平行方向の近視

野像幅W⊥及びW//を求めてもよい。 

5.9.4 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

図12−近視野像幅の測定 

5.10 ビーム広がり角(θ⊥及びθ//) 

5.10.1 目的  

指定した状態でのビーム広がり角を測定することを目的とする。 

background image

11 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.10.2 測定回路  

ビーム広がり角の測定回路は,図13による。図13は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調

動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.10.3 測定方法  

図13に示す構成で,半導体レーザに指定の光出力を得る順電流Ifを流し,受光素子に直流バイアス電圧

Vbを与える。半導体レーザの発振領域の中心を通って円弧上にpn接合面に垂直な方向及び平行な方向に

受光素子をそれぞれ走査し,出力電圧Voutを記録し,光パワー分布,すなわち,遠視野像を求める。ピー

ク値の50 %になる出力電圧を示す2点間の角度(半値全角)を垂直方向及び平行方向のそれぞれで測定し,

ビーム広がり角(θ⊥及びθ//)を求める。 

なお,受光素子を走査する代わりに半導体レーザを回転させてもよい。この場合,垂直方向又は平行方

向のいずれか一方の測定をした後,半導体レーザを90°回転させることによって,他方の測定ができる。 

5.10.4 測定上の注意  

受光素子の受光面の幅及び受光面と半導体レーザとの距離は,十分な分解能が確保できるようにする。 

5.10.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

図13−ビーム広がり角の測定 

5.11 上昇時間(tr)及び下降時間(tf) 

5.11.1 目的  

指定した状態での上昇時間及び下降時間を測定することを目的とする。 

5.11.2 測定回路  

上昇時間及び下降時間の測定回路は,図14による。図14は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含

む変調動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.11.3 測定方法  

半導体レーザに指定の順電流If又は指定の光出力を得る順電流Ifを流し,指定の振幅,パルス幅及び繰

返し周波数の方形電流パルスを,パルス発振器を用い重畳する。半導体レーザから放出された光を受光素

子に入力し,電気信号に変換する。この電気信号をオシロスコープなどの測定器で測定し,上昇時間及び

下降時間を求める。 

background image

12 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.11.4 測定上の注意  

方形電流パルス発生器及び光パルス測定系の上昇時間及び下降時間は,半導体レーザの上昇時間及び下

降時間よりも十分小さくする。また,半導体レーザから出た光パルスが反射して半導体レーザに戻って測

定に影響するのを防ぐため,半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。緩和振動が存在する場合に

は緩和振動後の定常値を基準として,図15の位置で測定する。 

なお,駆動パルス波形,レーザ駆動回路,受光素子周辺回路,配置などが測定結果に影響する場合があ

るので,必要に応じ,これらを明示することが望ましい。また,結合光学系は,光ファイバを用いた系と

してもよい。 

5.11.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

図14−上昇時間及び下降時間の測定 

 
 

図15−上昇時間及び下降時間 

background image

13 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.12 遮断周波数(fc) 

5.12.1 目的  

指定した状態での遮断周波数を測定することを目的とする。 

5.12.2 測定回路  

遮断周波数の測定回路は,図16による。図16は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作

の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.12.3 測定方法 

半導体レーザに指定の順電流If又は指定の光出力を得る順電流Ifを流し,更に,小信号交流電流(is)を

重畳する。半導体レーザから放射された光を受光素子に入射して電気信号に変換し,その交流成分を取り

出して,選択レベルメータ,スペクトラムアナライザなどの測定器によって変調光に対応した交流電流を

測定する。遮断周波数fcは,変調光出力が基準とする低周波(fo≦fc/100)重畳時よりも3 dB低下する周波

数とし,式(4)によって求める。 

()
()

o

p

c

p

10

log

10

dB

3

f

i

f

i

=

·································································· (4) 

ここに, 

ip (fo): 基準周波数foのときの交流電流 

ip (fc): 遮断周波数fcのときの交流電流 

5.12.4 測定上の注意  

受光素子は半導体レーザよりも十分高い遮断周波数をもつものを使用し,ケーブルなどを含めた受光系

の周波数特性を校正する。さらに,交流信号源出力の周波数変動は十分小さいものを用いる。また,測定系

から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。結合光学系は,光ファイバを用いた系としてもよい。 

なお,レーザ駆動回路又は受光素子周辺回路の特性が測定結果に影響する場合があるので,必要に応じ,

測定回路などを明示することが望ましい。 

5.12.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

       

図16−遮断周波数の測定 

14 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.13 相対強度雑音(RIN) 

5.13.1 目的 

指定した状態での相対強度雑音を測定することを目的とする。 

5.13.2 測定回路 

相対強度雑音の測定回路は,図17による。図17は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動

作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.13.3 測定方法 

半導体レーザに指定の順電流If又は指定の光出力を得る順電流Ifを流す。半導体レーザから放射された

光を指定の開口数NAをもつコリメータレンズを通して指定の距離Lexに置いた反射ミラーで反射させ,戻

り光として半導体レーザ端面に入射させる。次に,指定の戻り光率KとなるようNDフィルタを調整し,

指定のノイズ中心周波数fnで指定のノイズ帯域幅Δfnにおける電力Ntを測定器(パワーメータなど)で測

定するとともに,雑音測定用受光素子に流れる直流逆電流Irも同時に測定する。 

さらに,測定系の雑音を算出するために,半導体レーザをランダムな雑音を発生すると考えられる十分

広いスペクトル半値幅をもつ非干渉性光源(例えば,平面発光形ダイオードなど)に置き換え,測定した

受光素子の逆電流Irと同じ値が得られるように光源の出力を調整する。この状態で電力Ndを測定器で測定

し,相対強度雑音を式(5)によって計算し,これを半導体レーザの雑音とする。 

2

r

L

d

t

10

Δ

log

10

I

f

G

R

N

N

RIN

×

×

=

 ······················································ (5) 

ここに, RIN: 相対強度雑音 
 

Δfn: ノイズ帯域幅 

Nt: Δfnにおける電力 

Ir: 受光素子の逆電流 

Nd: Irと同じ値が得られるときの電力 

RL: 負荷抵抗 

G: 増幅器の利得 

戻り光率Kは,半導体レーザへの戻り光パワーの半導体レーザから放射される光パワーに対する比で表

す。 

5.13.4 測定上の注意  

増幅器は,必要な帯域で十分平たんな周波数特性をもたなければならない。また,測定系には,可能な

限り低雑音のものを使用し,戻り光率モニタ用受光素子で受光される以外の戻り光量は極力小さくする。 

なお,反射光,測定系の雑音などが測定結果に影響する場合があるので,必要に応じ測定条件,測定回

路などを明示することが望ましい。 

5.13.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) 開口数NA,距離Lex,戻り光率K,ノイズ中心周波数fn及びノイズ帯域幅Δfn 

d) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

background image

15 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図17−相対強度雑音の測定 

5.14 偏光比(P1) 

5.14.1 目的 

指定した状態での偏光比を測定することを目的とする。 

5.14.2 測定回路 

偏光比の測定回路は,図18による。図18は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場

合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.14.3 測定方法 

半導体レーザに指定の順電流If又は指定の光出力を得る順電流Ifを流す。放射された光を指定の開口数

NAをもつコリメータレンズを用いて平行ビームとしたのち,集光レンズを通して受光素子に入射する。

光軸に垂直な面内で偏光子を回転し,受光素子の出力電圧の最大値及び最小値を求め,最大値の最小値に

対する比を偏光比とする。 

5.14.4 測定上の注意 

測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。 

なお,偏光子は半導体レーザの偏光比より十分高い消光比をもち,かつ,受光素子の感度は入射光の偏

光に対して依存性が十分小さくなければならない。 

5.14.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) 開口数NA 

d) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

background image

16 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図18−偏光比の測定 

5.15 干渉パターン強度比(α) 

5.15.1 目的 

指定した状態での干渉パターン強度比を測定することを目的とする。 

5.15.2 測定回路 

干渉パターン強度比の測定回路は,図19による。図19は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む

変調動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.15.3 測定方法 

半導体レーザに指定の光出力を得る順電流Ifを流す。放射された光をコリメータレンズを用いて平行ビ

ームとした後2波に分け,一方の光は位置を固定したミラーで,他方の光は光軸に沿って位置が可変なミ

ラーでそれぞれ反射させた後合成して干渉させ,集光レンズ及びピンホールを通して受光素子に入射させ

る。2波に分けた光の光路差及び受光素子の出力をX-Yレコーダ,オシロスコープなどの測定器で記録し,

図20に示すような干渉強度分布及びその包絡線を求める。 

包絡線上の第2のピーク値(IB)の最大ピーク値(IA)に対する比(IB/IA)を計算し,それを干渉パター

ン強度比αとする。 

なお,可動ミラーの移動距離は,光路差ΔLがゼロのところを含み十分な範囲とする。 

5.15.4 測定上の注意 

測定系には可能な限り低雑音のものを使用し,測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑え

る。また,ピンホール径は,集光レンズによって集めた光を十分取り込める径とする。 

5.15.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

background image

17 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図19−干渉パターン強度比の測定 

図20−干渉強度分布 

5.16 非点隔差(As) 

5.16.1 目的 

指定した状態での非点隔差を測定することを目的とする。 

5.16.2 測定回路 

非点隔差の測定回路は,図21による。図21は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の

場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.16.3 測定方法 

半導体レーザに指定の光出力を得る順電流Ifを流し,5.9に規定する方法を用いて,半導体レーザのpn

接合面に垂直な方向の近視野像幅W⊥が最小となる見かけ上の発光点の位置を求める。次に,半導体レー

ザを光軸に沿って移動し,pn接合面に平行な方向の近視野像幅W//が最小となる見かけ上の発光点の位置

を求め,移動した距離を非点隔差とする。 

5.16.4 測定上の注意 

測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。 

5.16.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

background image

18 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

図21−非点隔差の測定 

5.17 遠視野像リプル(R1) 

5.17.1 目的 

指定した状態での遠視野像リプルを測定することを目的とする。 

5.17.2 測定回路  

遠視野像リプルの測定回路は,図22による。図22は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調

動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.17.3 測定方法  

半導体レーザから指定の距離l離れた位置に指定の径dのピンホールを設置し,受光素子をその直後に

配置する。半導体レーザに指定の光出力を得る順電流Ifを流し,受光素子に直流バイアス電圧Vbを与える。

5.10.3に規定する方法によって遠視野像を求める(図23参照)。個別仕様に指定がない限り,ピーク値の

25 %以上の出力電圧を示す範囲において,遠視野像に現れる光パワーの最大変動幅ΔIpのピーク値Ipに対

する比(ΔIp/Ip)を計算し,遠視野像リプルR1とする。 

5.17.4 測定上の注意  

測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。 

5.17.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) 距離l及び径d 

d) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

background image

19 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図22−遠視野像リプルの測定 

図23−遠視野像リプル 

5.18 放射光軸ずれ角(Δθ⊥及びΔθ//) 

5.18.1 目的 

指定した状態での放射光軸ずれ角(図24参照)を測定することを目的とする。 

5.18.2 測定回路 

放射光軸ずれ角の測定回路は,図25による。図25は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調

動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.18.3 測定方法 

半導体レーザに指定の光出力を得る順電流Ifを流し,受光素子に直流バイアス電圧Vbを与え,半導体レ

ーザから放射される光を受光素子に入射する。 

半導体レーザの発光領域を中心とした円弧状にpn接合面に垂直な方向及び平行な方向に受光素子をそ

れぞれ走査し,出力電圧Voutを記録する。出力電圧Voutのピーク値に相当する角度,すなわち,半導体レ

ーザの光軸方向と取付け方向軸との間の角度をpn接合面に垂直方向及び平行方向のそれぞれで測定し,放

射光軸ずれ角(Δθ⊥及びΔθ//)を求める。 

background image

20 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.18.4 測定上の注意 

測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。 

なお,受光素子の受光面の幅及び受光面と半導体レーザとの距離は,十分な分解能が確保できるように

する。 

5.18.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

図24−放射光軸ずれ角 

図25−放射光軸ずれ角の測定 

21 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.19 キャリア対雑音強度比(C/N) 

5.19.1 目的 

指定した状態でのキャリア対雑音強度比を測定することを目的とする。 

5.19.2 測定回路 

キャリア対雑音強度比の測定回路は,図26による。図26は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含

む変調動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。 

5.19.3 測定方法 

半導体レーザに指定の順電流If又は指定の光出力を得る順電流Ifを流し,指定の周波数(f1〜fn)で指定

の振幅の交流電流(I1〜In)を同時に重畳する。半導体レーザから放出された光を受光素子に入射し,電気

信号に変換する(図27参照)。この電気信号の基本波出力P及び雑音強度Nを測定し,キャリア対雑音強

度比を式(6)によって計算する。 

C /N=P−(N+K1+K2+K3) ·························································· (6) 

ここに, 

C /N: キャリア対雑音強度比(dBc) 

P: 電気信号の基本波出力 

N: 雑音強度 

K1: 帯域変換係数(

B

Bs

log

10

) 

 Bs :信号帯域 

B :雑音帯域(12×RBW) 

  RBW:スペクトラムアナライザの分解能帯域幅 

K2: 実効値変換係数(1.05 dB) 

K3: スペクトラムアナライザのログアンプの補正係数 

(通常1.45 dB) 

5.19.4 測定上の注意 

受光素子は,半導体レーザの雑音よりも十分低い雑音の素子を用いる。また,受光素子,結合光学系な

どから半導体レーザへの反射光量は極力小さくし,半導体レーザ,受光素子及びスペクトラムアナライザ

は,変調する周波数範囲において平たんな変換特性及び応答特性をもつようにする。さらに,各々の周波

数において変調光出力が等しくなるように交流信号源(I1,…,In)の出力を調整する。また,結合光学系

には,光ファイバを用いた系としてもよい。 

5.19.5 測定条件 

次に示す測定条件を指定する。 

a) 動作温度(Tamb又はTcase) 

b) 順電流If又は光出力Po 

c) 入力交流信号の変調度 

d) チャンネル数及び変調周波数 

e) スペクトラムアナライザの分解能帯域幅(RBW) 

f) 

信号帯域Bs 

g) 半導体レーザと受光素子との間の光減衰量及びその測定方法 

h) パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件 

background image

22 

C 5943:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図26−キャリア対雑音強度比の測定(測定回路) 

図27−キャリア対雑音強度比の測定(スペクトラムアナライザ表示) 

参考文献 IEC 60747-5-2,Discrete semiconductor devices and integrated circuits−Part5-2: Optoelectronic 

devices−Essential ratings and characteristics 

IEC 60747-5-3,Discrete semiconductor devices and integrated circuits−Part5-3: Optoelectronic 

devices−Measuring methods 

IEC 62007-2,Semiconductor optoelectronic devices for fibre optic system applications−Part 2: 

Measuring methods 

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 5943:2010 再生用及び記録用半導体レーザ測定方法 

IEC 60747-5-4:2006,Semiconductor devices−Discrete devices−Part 5-4: 
Optoelectronic devices−Semiconductor lasers 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条
番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

再生用及び記録用
半導体レーザの電
気的及び光学的特
性の測定方法につ
いて規定。 

伝送用を除く半導体レーザ
及び光能動部品の用語,分
類,最大定格,性能,測定方
法などの一般的な共通事項
を規定。 

変更 

IEC規格では複数の光能動部
品に対する規定となっている
ため,再生用及び記録用半導
体レーザ及びそれに内蔵され
るモニタ用フォトダイオード
以外の製品を適用範囲から削
除した。 

用途を限定したJISとしたため。
今後も必要に応じて,IEC規格及
びJISの体系見直しに合わせて,
国際規格との整合を図っていく。 

2 引用規
格 

3 用語及
び定義 

内容は同じ。 

一致 

− 

− 

4装置 

電源,計器,光パワ
ーメータ及び光ス
ペクトラムアナラ
イザについて記載。 

− 

− 

追加 

JISでは,この規格で使用する
装置を明示した。 

国内外で一般的に広く使用されて
おり,商習慣上必要。IECに提案
を行う。 

 
 
 
 
 
 
 
 

2

C

 5

9

4

3

2

0

1

0

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条
番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5 電気的
及び光学
的特性の
測定方法 

5.6 しきい値光出力 
5.14 偏光比 
5.15 干渉パターン
強度比 
5.16 非点隔差 
5.17 遠視野像リプ
ル 

− 

− 

追加 

偏光比は関連するISO規格を
参考に記入。 

国内外で一般的に広く使用されて
おり,商習慣上必要。IECに提案
を行う。 

− 

中心波長,発散角,1/e2−強
度での発散角幅,1/e2−強度
での近視野像幅,レーザの容
量,レーザのインダクタンス
及びS11パラメータ並びにモ
ニタ用フォトダイオードの
スイッチング時間 

削除 

JISでは,左記の項目の測定方
法を削除した。 

この用途では一般的に使用されて
いない,又は選択肢として一般的
に使用されている他のものがあ
る。 
 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60747-5-4:2006,MOD 
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 一致……………… 技術的差異がない。 
  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

C

 5

9

4

3

2

0

1

0