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C 5943

:2010

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  用語及び定義  

1

4  装置 

1

5  電気的及び光学的特性の測定方法  

2

5.1  順電流(I

f

 

2

5.2  順電圧(V

f

  

3

5.3  逆電圧(V

r

  

4

5.4  光出力(P

o

 

5

5.5  しきい値電流(I

th

  

5

5.6  しきい値光出力(P

th

  

6

5.7  スロープ効率(η

d

  

7

5.8  ピーク発振波長(λ

p

),中心発振波長(λ

c

)及びスペクトル幅(Δλ

w

  

7

5.9  近視野像幅(W

及び W

//

  

10

5.10  ビーム広がり角(θ

及び θ

//

  

10

5.11  上昇時間(t

r

)及び下降時間(t

f

  

11

5.12  遮断周波数(f

c

  

13

5.13  相対強度雑音(RIN  

14

5.14  偏光比(P

1

  

15

5.15  干渉パターン強度比(α  

16

5.16  非点隔差(A

s

  

17

5.17  遠視野像リプル(R

1

  

18

5.18  放射光軸ずれ角(Δθ

及び Δθ

//

  

19

5.19  キャリア対雑音強度比(C/N  

21

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

23

 


C 5943

:2010

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技

術振興協会(OITDA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。これによって,JIS C 5943:1997 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

5943

:2010

再生用及び記録用半導体レーザ測定方法

Measuring methods of laser diodes used for recording and playback

序文 

この規格は,2006 年に第 1 版として発行された IEC 60747-5-4 を基に作成した日本工業規格であるが,

適用範囲を再生用及び記録用半導体レーザと限定したために,技術的内容を追加,変更及び削除して作成

した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,光源として使用する再生用及び記録用半導体レーザ(電子回路内蔵形及び光学素子内蔵形

を除く。以下,半導体レーザという。

)の電気的及び光学的特性の測定方法について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60747-5-4:2006,Semiconductor devices−Discrete devices−Part 5-4: Optoelectronic devices−

Semiconductor lasers(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1102-1  直動式指示電気計器−第 1 部:定義及び共通する要求事項

JIS C 5942  再生用及び記録用半導体レーザ通則

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5942 による。

装置 

4.1 

電源 

直流電源は,リプル含有率 3 %以下,交流電源は高調波含有率 5 %以下とする。ただし,商用電源を用

いる場合は,高調波含有率 10 %以下とする。

なお,特に交流出力を測定する試験では,直流電源のリプル含有率,交流電源の高調波含有率及び交流

の流れる直流電源回路の交流インピーダンスは,測定に影響を与えないように小さい値とする。また,サ

ージの侵入に対する十分な防護措置を施さなければならない。


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C 5943

:2010

4.2 

計器 

他に規定がない限り,計器は JIS C 1102-1 に規定する階級指数 0.5 以上の確度をもち,入力インピーダ

ンスは測定系への影響を無視できる値とする。

注記  標準品として階級指数 0.5 以上の計器がない場合は,4.2 の規定を適用しなくてもよい。

4.3 

光パワーメータ 

測定に使用する光パワーメータは,該当する波長で光強度が校正され,かつ,受光面感度分布が十分に

平たんでなければならない。

4.4 

光スペクトラムアナライザ 

測定に使用する光スペクトラムアナライザは,該当する波長で,十分なダイナミックレンジ(十分低い

迷光)

,横(波長)軸及び縦(レベル)軸の確度並びに発振スペクトルを分離するのに十分な分解能をもた

なければならない。

電気的及び光学的特性の測定方法 

5.1 

順電流(I

f

 

5.1.1 

目的 

指定した状態での順電流を測定することを目的とする。

5.1.2 

測定回路 

順電流の測定回路は,

図 による。図 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,

電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.1.3 

測定方法 

半導体レーザに指定の順電圧 V

f

を印加して指定の光出力 P

o

を発生させ,そのときの順電流 I

f

を測定す

る。この測定は,1 kHz 以下の交流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描く方法に

よってもよい。

半導体レーザで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大きな影響を与える

場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。

a)  直流を用い,熱的平衡に達した後,測定する。ただし,熱的平衡に達しない場合は,指定の電圧を印

加し始めた後,指定の時間に測定する。

b)  パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。パルスを用いるとき

は,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件を明記する。

5.1.4 

測定上の注意 

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(

図 参照)を用いてもよい。順電圧の印加によって半導体レーザからの光出力 P

o

が絶対最大定格値を超えないようにする。

5.1.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)  動作温度(T

amb

又は T

case

b)  順電圧 V

f

又は光出力 P

o

c)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件


3

C 5943

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直流電圧計の内部抵抗は,半導体レーザの抵抗値に比べ測定値に影響を与えない程度に十分大きくなければならない。

図 1−順電流,順電圧,光出力,しきい値電流,しきい値光出力及びスロープ効率の測定 

直流電圧計の内部抵抗は,半導体レーザの抵抗値に比べ測定値に影響を与えない程度に十分大きくなければならない。
測定デバイス及びアパーチャは,積分球の表面積に比べて十分小さくなければならない。また,積分球の内側の表面
及び遮へい板は,一定の拡散反射率(0.8 以上)をもつ塗料でコーティングしなければならない。

図 2−積分球を用いた順電流,順電圧,光出力,しきい値電流,しきい値光出力及びスロープ効率の測定 

5.2 

順電圧(V

f

 

5.2.1 

目的 

指定した状態での順電圧を測定することを目的とする。

5.2.2 

測定回路 

順電圧の測定回路は,

図 による。図 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,

電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.2.3 

測定方法 

半導体レーザに指定の順電流 I

f

を印加して指定の光出力 P

o

を発生させ,そのときの順電圧 V

f

を測定す

る。この測定は,1 kHz 以下の交流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描く方法に

よってもよい。

半導体レーザで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大きな影響を与える

場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。


4

C 5943

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a)  直流を用い,熱的平衡に達した後,測定する。ただし,熱的平衡に達しない場合は,指定の光出力を

発生し始めた後,指定の時間に測定する。

b)  パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。パルスを用いるとき

は,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件を明記する。

5.2.4 

測定上の注意 

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(

図 参照)を用いてもよい。順電流の印加によって半導体レーザからの光出力 P

o

が絶対最大定格値を超えないようにする。

5.2.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)  動作温度(T

amb

又は T

case

b)  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

5.3 

逆電圧(V

r

 

5.3.1

目的 

指定した状態での逆電圧を測定することを目的とする。

5.3.2 

測定回路 

逆電圧の測定回路は,

図 による。図 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,

電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.3.3 

測定方法 

半導体レーザに指定の逆電流 I

r

を流し,そのときの逆電圧 V

r

を測定する。この測定は,1 kHz 以下の交

流電源を用いてオシロスコープの画面上に電流−電圧波形を描く方法によってもよい。

半導体レーザで相当程度の電力消費があり,それに伴う接合部温度上昇が測定値に大きな影響を与える

場合には,次のいずれかの方法によって行い,その方法を明記する。

a)  直流を用い,熱的平衡に達した後,測定する。ただし,熱的平衡に達しない場合は,指定の電流を流

し始めた後,指定の時間に測定する。

b)  パルスを用いるか又は接合部温度上昇が無視できるような短い時間で測定する。パルスを用いるとき

は,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件を明記する。

5.3.4 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)  動作温度(T

amb

又は T

case

b)  逆電流 I

r

c)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件


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C 5943

:2010

直流電圧計の内部抵抗は,半導体レーザの抵抗値に比べ測定値に影響を与えない程度に十分大きくなければならない。

図 3−逆電圧の測定 

5.4 

光出力(P

o

 

5.4.1 

目的 

指定した状態での光出力を測定することを目的とする。

5.4.2 

測定回路 

光出力の測定回路は,

図 による。図 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,

電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.4.3 

測定方法 

半導体レーザに指定の順電流 I

f

を流し,光出力 P

o

を測定する。光出力は 1 端面からの出力とする。

5.4.4

測定上の注意

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(

図 参照)を用いてもよい。絶対最大定格以上の光出力を出さないように注意する。

5.4.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)  動作温度(T

amb

又は T

case

b)  順電流 I

f

c)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

5.5 

しきい値電流(I

th

 

5.5.1 

目的 

指定した状態でのしきい値電流を測定することを目的とする。

5.5.2 

測定回路 

しきい値電流の測定回路は,

図 による。図 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作

の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.5.3

測定方法

半導体レーザに流す順電流 I

f

を変化させながら,I

f

及び光出力 P

o

を X-Y レコーダ,オシロスコープなど

の記録装置で記録し,次の a)c)のいずれかの方法を用いてしきい値電流を算出する。

なお,算出に用いた方法を明記する。

a)  方法 1  I

f

-P

o

曲線の記録から,

図 に示すように 2 本の直線部を延長してその交点の電流を求め,し

きい値電流 I

th

とする。


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C 5943

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b)  方法 2  しきい値近傍で I

f

 -P

o

曲線の変化が緩やかで a)の方法の適用が困難な場合は,

図 に示すよう

にレーザ発振出力に相当する部分の直線を延長し,X 軸との交点の電流を求め,しきい値電流 I

th

とす

る。

c)  方法 3  I

f

-P

o

曲線の 2 次微分を求め,

図 に示すように 2 次微分のピークに相当する電流で最小のも

のをしきい値電流 I

th

とする。

 

図 4I

f

 -P

o

曲線(方法 1

図 5I

f

 -P

o

曲線(方法 2

図 6I

f

 -P

o

曲線(方法 3

5.5.4

測定上の注意

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(

図 参照)を用いてもよい。絶対最大定格以上の光出力を出さないように注意する。

5.5.5

測定条件

次に示す測定条件を指定する。

a)  動作温度(T

amb

又は T

case

b)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

5.6 

しきい値光出力(P

th

 

5.6.1 

目的 

指定した状態でのしきい値光出力を測定することを目的とする。

5.6.2 

測定回路 

しきい値光出力の測定回路は,

図 による。図 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動

作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.6.3 

測定方法 

半導体レーザに指定のしきい値電流 I

th

に等しい順電流 I

f

を流し,光出力 P

o

を測定する。光出力の測定

は,5.4.3 に規定する方法を用いる。

5.6.4 

測定上の注意   

光パワーメータの受光面は,放射される全光量を十分に受けられる大きさでなければならない。また,

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。光パワーメータの代わりに積

分球を用いた測定系(

図 参照)を用いてもよい。絶対最大定格以上の光出力を出さないように注意する。

5.6.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)  動作温度(T

amb

又は T

case

b)  しきい値電流 I

th


7

C 5943

:2010

c)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

5.7

スロープ効率(η

d

5.7.1 

目的 

指定した状態でのスロープ効率を測定することを目的とする。

5.7.2 

測定回路 

スロープ効率の測定回路は,

図 による。図 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作

の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.7.3 

測定方法 

半導体レーザに流す順電流 I

f

を変化させながら,I

f

及び光出力 P

o

を X-Y レコーダ,オシロスコープなど

で記録し,しきい値電流 I

th

5.5 による。

,しきい値光出力 P

th

5.6 による。

,指定の順電流 I

f

又は指定の

光出力を得る順電流 I

f

及び I

f

を流したときの光出力 P

o

を測定し,式(1)によって求める。

th

f

th

o

d

I

I

P

P

=

η

  (1)

ここに,

η

d

:  スロープ効率

I

th

:  しきい値電流

I

f

:  指定の順電流(又は指定の光出力を得る順電流)

P

th

:  I

th

を流したときのしきい値光出力

P

o

:  I

f

を流したときの光出力(又は指定の光出力)

“しきい値電流”の代わりに“しきい値電流よりも高く,かつ,動作電流よりも十分低い電流”として

もよい。

なお,そのときは,

“しきい値光出力”の代わりに“しきい値電流よりも高く,かつ,動作電流よりも十

分低い電流における光出力”を用いる。

5.7.4 

測定上の注意   

光パワーメータの受光部から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。また,光パワーメータの代

わりに積分球を用いた測定系(

図 参照)を用いてもよい。

5.7.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)  動作温度(T

amb

又は T

case

b)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

5.8 

ピーク発振波長(λ

p

),中心発振波長(λ

c

)及びスペクトル幅(Δλ

w

 

5.8.1 

目的 

指定した状態でのピーク発振波長,中心発振波長及びスペクトル幅を測定することを目的とする。

5.8.2 

測定回路 

ピーク発振波長,中心発振波長及びスペクトル幅の測定回路は,

図 による。図 は直流動作の場合を

示すが,パルス動作を含む変調動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.8.3 

測定方法 

半導体レーザを指定の光出力の状態で駆動し,放出された光を光スペクトラムアナライザを用い,ピー

ク発振波長を測定し(

図 参照),中心発振波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅を包絡線法(図 9

参照)

,N-dB 法(

図 10 参照)又は RMS 法(図 11 参照)のいずれかによって求める。光スペクトラムア

ナライザの代わりに分光器を用いてもよい。


8

C 5943

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5.8.4 

測定上の注意 

測定系から半導体レーザへの反射光は十分小さく抑える。

5.8.5 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)  動作温度(T

amb

又は T

case

b)  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

図 7−ピーク発振波長,中心発振波長及びスペクトル幅の測定 

図 8−ピーク発振波長の測定 

図 9−中心発振波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅の測定(包絡線法) 


9

C 5943

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図 10−中心発振波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅の測定(N-dB 法) 

N-dB 法では,縦モードの相対パワーをデシベル(dB)で表し,その最大ピークに対し指定の値(スペ

クトル半値幅を求めるときは,最大のピークに対し−3 dB の値)以上で発振する縦モードのうち,最も長

波長側の波長と最も短波長側の波長との差をスペクトル幅とし,両者の中心に位置する波長を中心波長と

する。

図 11−中心発振波長,スペクトル幅及びスペクトル半値幅の測定(RMS 法)

RMS 法による中心発振波長は式(2)によって,スペクトル幅は式(3)によって算出する。

n

n

n

A

A

×

=

λ

λ

c

  (2)

(

)

n

n

n

A

A

k

×

×

=

2

c

w

Δ

λ

λ

λ

  (3)

ここに,

λ

c

中心発振波長(

nm

Δ

λ

w

スペクトル幅(

nm

A

n

n

番目の縦モードの光出力

λ

n

n

番目の縦モードの発振波長

k

定数(

1

2

2.35

又は

3

k

は目的に応じて

1

2

2.35

又は

3

から選択し,明示する(

2.35

を選択した場合,スペクトル形状をガ

ウス分布とみなしたときのスペクトル半値幅に相当する。

 


10

C 5943

:2010

5.9 

近視野像幅(W

及び W

//

 

5.9.1 

目的 

指定した状態での近視野像幅を測定することを目的とする。

5.9.2

測定回路

近視野像幅の測定回路は,

図 12 による。図 12 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作

の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.9.3

測定方法

図 12 に示す構成で,半導体レーザに指定の光出力を得る順電流

I

f

を流し,受光素子に直流バイアス電圧

V

b

を与える。半導体レーザの端面発光部分の像を十分拡大できるレンズを用いて半導体レーザの近視野像

を十分大きく拡大する。このときの像拡大率を

M

とする。結像面上を,発振領域の中心を通って

pn

接合

面に垂直な方向及び平行な方向に受光素子をそれぞれ走査し,出力電圧

V

out

を記録し,光パワー分布を求

める。ピーク値の

50 %

になる出力電圧を示す

2

点間の距離(半値全幅)を垂直方向及び平行方向のそれぞ

れで測定し,それらを

W'

及び

W'

//

とする。

W'

/M

及び

W'

//

/M

を計算し,垂直方向及び平行方向の近視野

像幅

W

及び

W

//

を求める。

垂直方向又は平行方向のいずれか一方の測定を終了した後,半導体レーザを

90

°回転させることによっ

て,他方の測定ができる。受光素子については,受光面の幅は拡大された近視野像幅より十分小さく,か

つ,出力電圧

V

out

が受光素子への入射光パワーに比例するように負荷抵抗器

R

L

を調整する。

なお,上記のような方法のほかに結像面上における

2

次元の光強度分布を観測画面上に表示できる装置

を用い,

pn

接合面に垂直な方向及び平行な方向に,ピーク値の

50 %

になる距離及び像の拡大率

M

を用い

てそれぞれ垂直方向及び平行方向の近視野像幅

W'

/M

及び

W'

//

/M

を計算し,垂直方向及び平行方向の近視

野像幅

W

及び

W

//

を求めてもよい。

5.9.4 

測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)

動作温度(

T

amb

又は

T

case

b)

順電流

I

f

又は光出力

P

o

c)

パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

図 12−近視野像幅の測定 

5.10  ビーム広がり角(θ

及び θ

//

 

5.10.1  目的   

指定した状態でのビーム広がり角を測定することを目的とする。


11

C 5943

:2010

5.10.2  測定回路   

ビーム広がり角の測定回路は,

図 13 による。図 13 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調

動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.10.3  測定方法   

図 13 に示す構成で,半導体レーザに指定の光出力を得る順電流

I

f

を流し,受光素子に直流バイアス電圧

V

b

を与える。半導体レーザの発振領域の中心を通って円弧上に

pn

接合面に垂直な方向及び平行な方向に

受光素子をそれぞれ走査し,出力電圧

V

out

を記録し,光パワー分布,すなわち,遠視野像を求める。ピー

ク値の

50 %

になる出力電圧を示す

2

点間の角度

(半値全角)

を垂直方向及び平行方向のそれぞれで測定し,

ビーム広がり角(

θ

及び

θ

//

)を求める。

なお,受光素子を走査する代わりに半導体レーザを回転させてもよい。この場合,垂直方向又は平行方

向のいずれか一方の測定をした後,半導体レーザを

90

°回転させることによって,他方の測定ができる。

5.10.4

測定上の注意

受光素子の受光面の幅及び受光面と半導体レーザとの距離は,十分な分解能が確保できるようにする。

5.10.5

測定条件

次に示す測定条件を指定する。

a)

動作温度(

T

amb

又は

T

case

b)

順電流

I

f

又は光出力

P

o

c)

パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

図 13−ビーム広がり角の測定 

5.11  上昇時間(t

r

)及び下降時間(t

f

 

5.11.1  目的   

指定した状態での上昇時間及び下降時間を測定することを目的とする。

5.11.2  測定回路   

上昇時間及び下降時間の測定回路は,

図 14 による。図 14 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含

む変調動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.11.3

測定方法

半導体レーザに指定の順電流

I

f

又は指定の光出力を得る順電流

I

f

を流し,指定の振幅,パルス幅及び繰

返し周波数の方形電流パルスを,パルス発振器を用い重畳する。半導体レーザから放出された光を受光素

子に入力し,電気信号に変換する。この電気信号をオシロスコープなどの測定器で測定し,上昇時間及び

下降時間を求める。


12

C 5943

:2010

5.11.4

測定上の注意

方形電流パルス発生器及び光パルス測定系の上昇時間及び下降時間は,半導体レーザの上昇時間及び下

降時間よりも十分小さくする。また,半導体レーザから出た光パルスが反射して半導体レーザに戻って測

定に影響するのを防ぐため,半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。緩和振動が存在する場合に

は緩和振動後の定常値を基準として,

図 15 の位置で測定する。

なお,駆動パルス波形,レーザ駆動回路,受光素子周辺回路,配置などが測定結果に影響する場合があ

るので,必要に応じ,これらを明示することが望ましい。また,結合光学系は,光ファイバを用いた系と

してもよい。

5.11.5  測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)

動作温度(

T

amb

又は

T

case

b)

順電流

I

f

又は光出力

P

o

c)

パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

図 14−上昇時間及び下降時間の測定 

 

図 15−上昇時間及び下降時間 


13

C 5943

:2010

5.12  遮断周波数(f

c

 

5.12.1  目的   

指定した状態での遮断周波数を測定することを目的とする。

5.12.2

測定回路

遮断周波数の測定回路は,

図 16 による。図 16 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作

の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.12.3  測定方法 

半導体レーザに指定の順電流

I

f

又は指定の光出力を得る順電流

I

f

を流し,更に,小信号交流電流(

i

s

)を

重畳する。半導体レーザから放射された光を受光素子に入射して電気信号に変換し,その交流成分を取り

出して,選択レベルメータ,スペクトラムアナライザなどの測定器によって変調光に対応した交流電流を

測定する。遮断周波数

f

c

は,変調光出力が基準とする低周波(

f

o

f

c

/100

)重畳時よりも

3 dB

低下する周波

数とし,式

(4)

によって求める。

( )

( )

o

p

c

p

10

log

10

dB

3

f

i

f

i

=

   (4)

ここに,

i

p

 (f

o

): 基準周波数 f

o

のときの交流電流

i

p

 (f

c

): 遮断周波数 f

c

のときの交流電流

5.12.4

  測定上の注意

受光素子は半導体レーザよりも十分高い遮断周波数をもつものを使用し,ケーブルなどを含めた受光系

の周波数特性を校正する。さらに,交流信号源出力の周波数変動は十分小さいものを用いる。また,測定系

から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。結合光学系は,光ファイバを用いた系としてもよい。

なお,

レーザ駆動回路又は受光素子周辺回路の特性が測定結果に影響する場合があるので,

必要に応じ,

測定回路などを明示することが望ましい。

5.12.5

  測定条件

次に示す測定条件を指定する。

a)

  動作温度(T

amb

又は T

case

b)

  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)

  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

図 16−遮断周波数の測定


14

C 5943

:2010

5.13  相対強度雑音(RIN 
5.13.1  
目的 

指定した状態での相対強度雑音を測定することを目的とする。

5.13.2  測定回路 

相対強度雑音の測定回路は,

図 17 による。図 17 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動

作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.13.3  測定方法 

半導体レーザに指定の順電流 I

f

又は指定の光出力を得る順電流 I

f

を流す。半導体レーザから放射された

光を指定の開口数 NA をもつコリメータレンズを通して指定の距離 L

ex

に置いた反射ミラーで反射させ,戻

り光として半導体レーザ端面に入射させる。次に,指定の戻り光率 となるよう ND フィルタを調整し,

指定のノイズ中心周波数 f

n

で指定のノイズ帯域幅 Δf

n

における電力 N

t

を測定器(パワーメータなど)で測

定するとともに,雑音測定用受光素子に流れる直流逆電流 I

r

も同時に測定する。

さらに,測定系の雑音を算出するために,半導体レーザをランダムな雑音を発生すると考えられる十分

広いスペクトル半値幅をもつ非干渉性光源(例えば,平面発光形ダイオードなど)に置き換え,測定した

受光素子の逆電流 I

r

と同じ値が得られるように光源の出力を調整する。この状態で電力 N

d

を測定器で測定

し,相対強度雑音を式(5)によって計算し,これを半導体レーザの雑音とする。

2

r

L

d

t

10

Δ

log

10

I

f

G

R

N

N

RIN

n

×

×

×

=

  (5)

ここに,  RIN

相対強度雑音

Δf

n

ノイズ帯域幅

N

t

Δf

n

における電力

I

r

受光素子の逆電流

N

d

I

r

と同じ値が得られるときの電力

R

L

負荷抵抗

G: 増幅器の利得

戻り光率 は,半導体レーザへの戻り光パワーの半導体レーザから放射される光パワーに対する比で表

す。

5.13.4

  測定上の注意

増幅器は,必要な帯域で十分平たんな周波数特性をもたなければならない。また,測定系には,可能な

限り低雑音のものを使用し,戻り光率モニタ用受光素子で受光される以外の戻り光量は極力小さくする。

なお,反射光,測定系の雑音などが測定結果に影響する場合があるので,必要に応じ測定条件,測定回

路などを明示することが望ましい。

5.13.5

  測定条件

次に示す測定条件を指定する。

a)

  動作温度(T

amb

又は T

case

b)

  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)

  開口数 NA,距離 L

ex

,戻り光率 K,ノイズ中心周波数 f

n

及びノイズ帯域幅 Δf

n

d)

  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件


15

C 5943

:2010

図 17−相対強度雑音の測定 

5.14  偏光比(P

1

 

5.14.1  目的 

指定した状態での偏光比を測定することを目的とする。

5.14.2  測定回路 

偏光比の測定回路は,

図 18 による。図 18 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の場

合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.14.3  測定方法 

半導体レーザに指定の順電流 I

f

又は指定の光出力を得る順電流 I

f

を流す。放射された光を指定の開口数

NA をもつコリメータレンズを用いて平行ビームとしたのち,集光レンズを通して受光素子に入射する。

光軸に垂直な面内で偏光子を回転し,受光素子の出力電圧の最大値及び最小値を求め,最大値の最小値に

対する比を偏光比とする。

5.14.4  測定上の注意 

測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。

なお,偏光子は半導体レーザの偏光比より十分高い消光比をもち,かつ,受光素子の感度は入射光の偏

光に対して依存性が十分小さくなければならない。

5.14.5  測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)

  動作温度(T

amb

又は T

case

b)

  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)

  開口数 NA

d)

  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件


16

C 5943

:2010

図 18−偏光比の測定 

5.15  干渉パターン強度比(α 
5.15.1  
目的 

指定した状態での干渉パターン強度比を測定することを目的とする。

5.15.2  測定回路 

干渉パターン強度比の測定回路は,

図 19 による。図 19 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む

変調動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.15.3  測定方法 

半導体レーザに指定の光出力を得る順電流 I

f

を流す。放射された光をコリメータレンズを用いて平行ビ

ームとした後 2 波に分け,一方の光は位置を固定したミラーで,他方の光は光軸に沿って位置が可変なミ

ラーでそれぞれ反射させた後合成して干渉させ,集光レンズ及びピンホールを通して受光素子に入射させ

る。2 波に分けた光の光路差及び受光素子の出力を X-Y レコーダ,オシロスコープなどの測定器で記録し,

図 20 に示すような干渉強度分布及びその包絡線を求める。

包絡線上の第 2 のピーク値(I

B

)の最大ピーク値(I

A

)に対する比(I

B

/I

A

)を計算し,それを干渉パター

ン強度比

α

とする。

なお,可動ミラーの移動距離は,光路差 Δがゼロのところを含み十分な範囲とする。

5.15.4  測定上の注意 

測定系には可能な限り低雑音のものを使用し,測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑え

る。また,ピンホール径は,集光レンズによって集めた光を十分取り込める径とする。

5.15.5  測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)

  動作温度(T

amb

又は T

case

b)

  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)

  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件


17

C 5943

:2010

図 19−干渉パターン強度比の測定 

図 20−干渉強度分布

5.16  非点隔差(A

s

 

5.16.1  目的 

指定した状態での非点隔差を測定することを目的とする。

5.16.2  測定回路 

非点隔差の測定回路は,

図 21 による。図 21 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調動作の

場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.16.3  測定方法 

半導体レーザに指定の光出力を得る順電流 I

f

を流し,5.9 に規定する方法を用いて,半導体レーザの pn

接合面に垂直な方向の近視野像幅 W

が最小となる見かけ上の発光点の位置を求める。次に,半導体レー

ザを光軸に沿って移動し,pn 接合面に平行な方向の近視野像幅 W

//

が最小となる見かけ上の発光点の位置

を求め,移動した距離を非点隔差とする。

5.16.4  測定上の注意 

測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。

5.16.5  測定条件 

次に示す測定条件を指定する。


18

C 5943

:2010

a)

  動作温度(T

amb

又は T

case

b)

  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)

  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

図 21−非点隔差の測定 

5.17  遠視野像リプル(R

1

 

5.17.1  目的 

指定した状態での遠視野像リプルを測定することを目的とする。

5.17.2  測定回路   

遠視野像リプルの測定回路は,

図 22 による。図 22 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調

動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.17.3  測定方法   

半導体レーザから指定の距離 離れた位置に指定の径 のピンホールを設置し,受光素子をその直後に

配置する。

半導体レーザに指定の光出力を得る順電流 I

f

を流し,

受光素子に直流バイアス電圧 V

b

を与える。

5.10.3 に規定する方法によって遠視野像を求める(図 23 参照)。個別仕様に指定がない限り,ピーク値の
25 %以上の出力電圧を示す範囲において,遠視野像に現れる光パワーの最大変動幅 ΔI

p

のピーク値 I

p

に対

する比(ΔI

p

/I

p

)を計算し,遠視野像リプル R

1

とする。

5.17.4  測定上の注意   

測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。

5.17.5  測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)

  動作温度(T

amb

又は T

case

b)

  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)

  距離 及び径 d

d)  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件


19

C 5943

:2010

図 22−遠視野像リプルの測定 

図 23−遠視野像リプル

5.18  放射光軸ずれ角(Δθ

及び Δθ

//

 

5.18.1  目的 

指定した状態での放射光軸ずれ角(

図 24 参照)を測定することを目的とする。

5.18.2  測定回路 

放射光軸ずれ角の測定回路は,

図 25 による。図 25 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含む変調

動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.18.3  測定方法 

半導体レーザに指定の光出力を得る順電流 I

f

を流し,受光素子に直流バイアス電圧 V

b

を与え,半導体レ

ーザから放射される光を受光素子に入射する。

半導体レーザの発光領域を中心とした円弧状に pn 接合面に垂直な方向及び平行な方向に受光素子をそ

れぞれ走査し,出力電圧 V

out

を記録する。出力電圧 V

out

のピーク値に相当する角度,すなわち,半導体レ

ーザの光軸方向と取付け方向軸との間の角度を pn 接合面に垂直方向及び平行方向のそれぞれで測定し,

射光軸ずれ角(Δθ

及び Δθ

//

)を求める。


20

C 5943

:2010

5.18.4  測定上の注意 

測定系から半導体レーザへの戻り光量は十分小さく抑える。

なお,受光素子の受光面の幅及び受光面と半導体レーザとの距離は,十分な分解能が確保できるように

する。

5.18.5  測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)

  動作温度(T

amb

又は T

case

b)

  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)

  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件

図 24−放射光軸ずれ角 

図 25−放射光軸ずれ角の測定 


21

C 5943

:2010

5.19  キャリア対雑音強度比(C/N 
5.19.1  
目的 

指定した状態でのキャリア対雑音強度比を測定することを目的とする。

5.19.2  測定回路 

キャリア対雑音強度比の測定回路は,

図 26 による。図 26 は直流動作の場合を示すが,パルス動作を含

む変調動作の場合,電源及び測定機器は,それに対応したものを用意する。

5.19.3  測定方法 

半導体レーザに指定の順電流 I

f

又は指定の光出力を得る順電流 I

f

を流し,指定の周波数(f

1

f

n

)で指定

の振幅の交流電流(I

1

I

n

)を同時に重畳する。半導体レーザから放出された光を受光素子に入射し,電気

信号に変換する(

図 27 参照)。この電気信号の基本波出力 及び雑音強度 を測定し,キャリア対雑音強

度比を式(6)によって計算する。

C /NP−(NK

1

K

2

K

3

)  (6)

ここに,

C

 /N: キャリア対雑音強度比(dBc)

P: 電気信号の基本波出力

N: 雑音強度

K

1

帯域変換係数(

B

B

s

log

10

B

s

:信号帯域

B  :雑音帯域(12×RBW) 
    RBW:スペクトラムアナライザの分解能帯域幅

K

2

実効値変換係数(1.05 dB)

K

3

スペクトラムアナライザのログアンプの補正係数 
(通常 1.45 dB)

5.19.4  測定上の注意 

受光素子は,半導体レーザの雑音よりも十分低い雑音の素子を用いる。また,受光素子,結合光学系な

どから半導体レーザへの反射光量は極力小さくし,半導体レーザ,受光素子及びスペクトラムアナライザ

は,変調する周波数範囲において平たんな変換特性及び応答特性をもつようにする。さらに,各々の周波

数において変調光出力が等しくなるように交流信号源(I

1

,…,I

n

)の出力を調整する。また,結合光学系

には,光ファイバを用いた系としてもよい。

5.19.5  測定条件 

次に示す測定条件を指定する。

a)

  動作温度(T

amb

又は T

case

b)

  順電流 I

f

又は光出力 P

o

c)

  入力交流信号の変調度

d)

  チャンネル数及び変調周波数

e)

  スペクトラムアナライザの分解能帯域幅(RBW

f)

  信号帯域 B

s

g)

  半導体レーザと受光素子との間の光減衰量及びその測定方法

h)

  パルス動作のときは,パルス幅,デューティサイクル及びバイアス条件


22

C 5943

:2010

図 26−キャリア対雑音強度比の測定(測定回路) 

図 27−キャリア対雑音強度比の測定(スペクトラムアナライザ表示) 

参考文献 IEC 60747-5-2,Discrete semiconductor devices and integrated circuits−Part5-2: Optoelectronic

devices−Essential ratings and characteristics 

IEC 60747-5-3,Discrete semiconductor devices and integrated circuits−Part5-3: Optoelectronic

devices−Measuring methods

IEC 62007-2,Semiconductor optoelectronic devices for fibre optic system applications−Part 2:

Measuring methods


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 5943:2010  再生用及び記録用半導体レーザ測定方法

IEC 60747-5-4:2006 , Semiconductor devices − Discrete devices − Part 5-4: 
Optoelectronic devices−Semiconductor lasers 

(I)JIS の規定

(II)

国 際 規 格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号
及び題名

内容

箇条
番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

1  適 用 範

再 生 用 及 び 記 録 用
半 導 体 レ ー ザ の 電

気 的 及 び 光 学 的 特
性 の 測 定 方 法 に つ
いて規定。

 1

伝送用を除く半導体レーザ
及び光能動部品の用語,分

類,最大定格,性能,測定方
法などの一般的な共通事項
を規定。

変更

IEC 規格では複数の光能動部
品に対する規定となっている

ため,再生用及び記録用半導
体レーザ及びそれに内蔵され
るモニタ用フォトダイオード

以外の製品を適用範囲から削
除した。

用途を限定した JIS としたため。
今後も必要に応じて,IEC 規格及

び JIS の体系見直しに合わせて,
国際規格との整合を図っていく。

2  引 用 規

3  用 語 及
び定義

3

内容は同じ。

一致

4 装置

電源,計器,光パワ
ー メ ー タ 及 び 光 ス

ペ ク ト ラ ム ア ナ ラ
イザについて記載。

追加

JIS では,この規格で使用する
装置を明示した。

国内外で一般的に広く使用されて
おり,商習慣上必要。IEC に提案

を行う。

 
 
 
 
 
 
 

23

C

 594

3


2

010


(I)JIS の規定

(II) 
国 際 規 格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号
及び題名

内容

箇条
番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

5  電 気 的
及 び 光 学
的 特 性 の
測定方法

5.6  しきい値光出力 
5.14  偏光比 
5.15  干 渉 パ タ ー ン
強度比 
5.16  非点隔差 
5.17  遠 視 野 像 リ プ

追加

偏光比は関連する ISO 規格を

参考に記入。

国内外で一般的に広く使用されて

おり,商習慣上必要。IEC に提案
を行う。

中心波長,発散角,1/e

2

−強

度での発散角幅,1/e

2

−強度

での近視野像幅,レーザの容
量,レーザのインダクタンス
及び S

11

パラメータ並びにモ

ニタ用フォトダイオードの
スイッチング時間

削除

JIS では,左記の項目の測定方
法を削除した。

この用途では一般的に使用されて
いない,又は選択肢として一般的

に 使 用 さ れ て い る 他 の も の が あ
る。 

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60747-5-4:2006,MOD 
注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

24

C

 594

3


2

010