C 5915
:2009
(1)
目 次
ページ
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
用語及び定義
1
4
定格
2
5
光学特性
2
6
環境及び耐久性特性
3
7
試料
6
8
試験報告書
6
9
表示
6
10
包装
7
11
安全
7
C 5915
:2009
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
日本工業規格
JIS
C
5915
:2009
シングルモード光ファイバピッグテール型
光サーキュレータ
Single-mode fiber, pigtailed-style optical circulators
1
適用範囲
この規格は,屋内環境条件で光ファイバを用いた光伝送に使用するシングルモード光ファイバピッグテ
ール型光サーキュレータの定格,光学特性,環境及び耐久性特性について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS C 5901
光伝送用受動部品試験方法
JIS C 5914
光サーキュレータ通則
JIS C 61300-2-17
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 2-17 部:低
温試験
JIS C 61300-2-18
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 2-18 部:高
温試験
JIS C 61300-2-19
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 2-19 部:高
温高湿試験(定常状態)
IEC 60793-2-50
,Optical fibres−Part 2-50: Product specifications−Sectional specification for class B
single-mode fibres
IEC 61300-2-42
,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement
procedures
−Part 2-42: Tests−Static side load for connectors
IEC 61300-2-44
,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement
procedures
−Part 2-44: Tests−Flexing of the strain relief of fibre optic devices
IEC 61300-3-5
,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement
procedures
−Part 3-5: Examinations and measurements−Wavelength dependence of attenuation
IEC 61300-3-32
,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement
procedures
−Part 3-32: Examinations and measurements−Polarization mode dispersion measurement for
passive optical components
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 5914 による。
2
C 5915
:2009
4
定格
シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータの定格は,
表 1 による。
表 1−シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータの定格
項目
記号
条件
最大定格値
単位
使用温度範囲
T
a
−
0
〜60
℃
保存温度範囲
T
stg
−
−40〜85
℃
使用波長範囲
λ
band
− 1
310
±20 又は 1 550±20 nm
最大入射光パワー
P
max
1
310
nm
,
1 550 nm
20 dBm
5
光学特性
シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータの光学特性の試験方法,試験条件及び要求
性能は,
表 2 による。各項目の性能値は,すべての偏光状態の入射光及び表 1 の定格で規定する使用温度
範囲,使用波長範囲に対する最小及び最大値とする。
表 2−シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータの光学特性
項目
試験方法
試験条件
要求性能
最小値
標準値
最大値
挿入損失
減衰量の波
長依存性測
定 ( IEC
61300-3-5
)
方法:光パワーメータ
供試品の光ファイバ長は,1.5 m 以上とす
る。
測定時間内で,動作波長における光源の光
出力安定性は,±0.05 dB 以内とする。ま
た,波長は光ファイバの遮断波長より長
く,かつ,無偏光とする。波長範囲は,公
称波長
λ
c
±20 nm とする。
検出器は,光源の波長範囲において十分な
波長感度をもち,かつ,挿入損失の測定に
十分なダイナミックレンジをもたなけれ
ばならない。直線性は,±0.05 dB 以内と
する。
−
− 1.0
dB
(標準アイ
ソ レ ー シ ョ ン タ
イプ)
1.2 dB
(高アイソ
レ ー シ ョ ン タ イ
プ)
ア イ ソ レ
ーション
光損失(JIS
C 5901
の
6.2
)
方法 1:カットバック法 15
dB
(標準アイ
ソレーションタ
イプ)
35 dB
(高アイソ
レーションタイ
プ)
−
−
減衰量の波
長依存性測
定 ( IEC
61300-3-5
)
方法:光パワーメータ又は光スペクトラム
アナライザ
その他の試験条件は,挿入損失と同様とす
る。
3
C 5915
:2009
表 2−シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータの光学特性(続き)
項目
試験方法
試験条件
要求性能
最小値
標準値
最大値
反 射 減 衰
量
(RL)
反射減衰量
( JIS C
5901
の 6.5)
方法 1 又は方法 2
光源の中心波長は,1 310 nm±20 nm 又は
1 550 nm
±20 nm とする。
スペクトル幅は,20 nm 以下とする。
OTDR
パルス幅は,50 ns 以下とする(方法
2
の場合)
。
動作波長における光源の光出力安定性は,
測定時間内で±0.05 dB 以内とする。
検出器の最低受光感度は−80 dBm 以下と
し,かつ,直線性は±0.05 dB 以内とする。
35 dB
(グレード
T
)
40 dB
(グレード
R
)
50 dB
(グレード
U
)
60 dB
(グレード
V
)
−
−
偏 光 依 存
性損失
(PDL)
光損失の偏
光依存性
( JIS C
5901
の 6.3)
方法 1,オプション 1
波長範囲は,公称波長
λ
c
±20 nm とする。
その他の試験条件は,挿入損失と同様とす
る。
−
− 0.1
dB
(標準アイ
ソ レ ー シ ョ ン タ
イプ)
0.2 dB
(高アイソ
レ ー シ ョ ン タ イ
プ)
偏 光 モ ー
ド分散
(PMD)
モード分散
測定(IEC
61300-3-32
)
波長範囲は,公称波長
λ
c
±20 nm とする。
その他の試験条件は,挿入損失と同様とす
る。
−
− 0.1
ps
(PMD 補償
タイプ)
0.8 ps
(PMD 補償
なしタイプ)
光 パ ワ ー
損 傷 し き
い値
最大入力光
パワー(JIS
C 5901
の
8.8
)
最大入力光パワー:20 dBm
光パワー増加量:5 dBm
光パワー保持時間:30 分
その他の試験条件は,挿入損失,アイソレ
ーション及び反射減衰量と同様とする。
挿入損失の測定は,10 分以下の間隔で行
う。アイソレーション及び反射減衰量の測
定は,試験前後に実施する。
試験中及び試験前後の挿入損失は,
表 2 に示す
最大値以下とし,かつ,試験前後のアイソレー
ションは,
表 2 に示す最小値以上とする。さら
に,試験中及び試験後の挿入損失並びに試験後
のアイソレーションは,周囲条件下でそれぞれ
初期値の±0.3 dB 以内及び±2 dB 以内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示す
該当するグレードの最小値以上とする。
6
環境及び耐久性特性
屋内環境条件で使用するための環境及び耐久性特性の試験方法,
試験条件及び要求性能は,
表 3 による。
4
C 5915
:2009
表 3−シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータの環境及び耐久性特性
項目
試験方法
試験条件
要求性能
耐寒性
低温試験(JIS C
61300-2-17
)
温度:0 ℃±2 ℃
暴露時間:96 時間
挿入損失の測定は,試験前後及び試験
中は 1 時間以下の間隔で実施する。ア
イソレーション及び反射減衰量の測定
は,試験前後に実施する。
試験中及び試験前後の挿入損失は,
表 2 に示
す最大値以下とし,かつ,試験前後のアイソ
レーションは,
表 2 に示す最小値以上とする。
さらに,試験中及び試験後の挿入損失並びに
試験後のアイソレーションは,周囲条件下で
それぞれ初期値の±0.3 dB 以内及び±2 dB 以
内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
耐熱性
高温試験(JIS C
61300-2-18
)
温度:60 ℃±2 ℃
暴露時間:96 時間
挿入損失の測定は,試験前後及び試験
中は 1 時間以下の間隔で実施する。ア
イソレーション及び反射減衰量の測定
は,試験前後に実施する。
試験中及び試験前後の挿入損失は,
表 2 に示
す最大値以下とし,かつ,試験前後のアイソ
レーションは,
表 2 に示す最小値以上とする。
さらに,試験中及び試験後の挿入損失は,周
囲条件下で初期値の±0.3 dB 以内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
耐湿性
( 定 常 状
態)
高温高湿試験
(JIS C
61300-2-19
)
温度:30 ℃±2 ℃
相対湿度:(85±2) %
温度:60 ℃±2 ℃
相対湿度:(20±2) %
a)
暴露時間:96 時間
挿入損失の測定は,試験前後及び試験
中は 1 時間以下の間隔で実施する。ア
イソレーション及び反射減衰量の測定
は,試験前後に実施する。
試験中及び試験前後の挿入損失は,
表 2 に示
す最大値以下とし,かつ,試験前後のアイソ
レーションは,
表 2 に示す最小値以上とする。
さらに,試験中及び試験後の挿入損失は,周
囲条件下で初期値の±0.3 dB 以内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
温 度 サ イ
クル
温度サイクル試
験(JIS C 5901
の 8.2)
高温:60 ℃±2 ℃
低温:0 ℃±2 ℃
放置時間:1 時間以上
温度変化の割合:1 ℃/min
サイクル数:5
挿入損失の測定は,試験前後及び試験
中は 10 分以下の間隔で実施する。アイ
ソレーション及び反射減衰量の測定
は,試験前後に実施する。
前処理:試験前,供試品は室温環境中
に 2 時間放置する。
後処理:試験後,供試品は室温中に 2
時間放置する。
試験中及び試験前後の挿入損失は,
表 2 に示
す最大値以下とし,かつ,試験前後のアイソ
レーションは,
表 2 に示す最小値以上とする。
さらに,試験中及び試験後の挿入損失は,周
囲条件下で初期値の±0.3 dB 以内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
5
C 5915
:2009
表 3−シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータの環境及び耐久性特性(続き)
項目
試験方法
試験条件
要求性能
耐振性
耐 振 性 ( JIS C
5901
の 7.1)
振動範囲:10 Hz〜55 Hz
試験時間:1 オクターブ/分
振動軸:直交 3 軸
掃引サイクル数(10 Hz−55 Hz−10
Hz
)
:15
振動振幅:0.75 mm
挿入損失の測定は,試験前後及び試験
中は 10 分以下の間隔で実施する。アイ
ソレーション及び反射減衰量の測定
は,試験前後に実施する。
取付方法:供試品は,アセンブリング
カセット又はオーガナイザで取付具と
強固に固定する。
試験中及び試験前後の挿入損失は,
表 2 に示
す最大値以下とし,かつ,試験前後のアイソ
レーションは,
表 2 に示す最小値以上とする。
さらに,試験中及び試験後の挿入損失は,周
囲条件下で初期値の±0.3 dB 以内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
光 フ ァ イ
バ ク ラ ン
プ 強 度
( 軸 方 向
引張り)
光ファイバコー
ドクランプ強度
( 軸 方 向 引 張
り)
(JIS C 5901
の 7.5)
引張力:強化ケーブルに対して 5 N/s
の変化率で 10 N±1 N
セカンダリ光ファイバに対して 0.5 N/s
の変化率で 5 N±0.5 N
プライマリ光ファイバに対して 0.5 N/s
の変化率で 2 N±0.2 N
引張力を加える位置:供試品の端から
0.3 m
引張力持続時間:10 N の場合 120 秒,
5 N
及び 2 N の場合 60 秒
サンプリングレート(測定頻度)
:挿入
損失の測定は,負荷が最大に達してか
ら 30 秒以下の間隔で実施する。
挿入損失の測定は,試験前後及び試験
中に実施する。アイソレーション及び
反射減衰量の測定は,試験前後に実施
する。
試験中及び試験前後の挿入損失は,
表 2 に示
す最大値以下とし,かつ,試験前後のアイソ
レーションは,
表 2 に示す最小値以上とする。
さらに,試験中及び試験後の挿入損失並びに
試験後のアイソレーションは,周囲条件下で
それぞれ初期値の±0.3 dB 以内及び±2 dB 以
内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
耐衝撃性
耐衝撃性(JIS C
5901
の 7.2)
ピーク加速度:4 900 m/s
2
(500 G)
パルス作用時間:1 ms,正弦半波
軸数:3 軸各 2 方向
衝撃回数:2 衝撃/軸,総数 12
挿入損失の測定は,試験前後及び各軸
方向に衝撃を加える前後に実施する。
アイソレーション及び反射減衰量の測
定は,試験前後に実施する。
試験中及び試験前後の挿入損失は,
表 2 に示
す最大値以下とし,かつ,試験前後のアイソ
レーションは,
表 2 に示す最小値以上とする。
さらに,試験中及び試験後の挿入損失並びに
試験後のアイソレーションは,周囲条件下で
それぞれ初期値の±0.3 dB 以内及び±2 dB 以
内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
コ ネ ク タ
の横荷重
コネクタの横荷
重試験
(IEC 61300-2-42)
荷重力及び保持時間:強化ケーブルに
対して 1 N で 1 時間
セカンダリ光ファイバに対して 0.2 N
で 5 分間
荷重方向:互いに直行する 2 方向
挿入損失,アイソレーション及び反射
減衰量の測定は,試験前後に実施する。
試験前後の挿入損失は,
表 2 に示す最大値以
下とし,かつ,試験前後のアイソレーション
は,
表 2 に示す最小値以上とする。さらに,
試験後の挿入損失及びアイソレーションは,
周囲条件下でそれぞれ初期値の±0.3 dB 以内
及び±2 dB 以内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
6
C 5915
:2009
表 3−シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータの環境及び耐久性特性(続き)
項目
試験方法
試験条件
要求性能
ス ト レ イ
ン リ リ ー
フ強度
光ファイバデバ
イスのストレイ
ンリリーフ曲げ
試験
(IEC 61300-2-44)
荷重力:強化ケーブルに対して 2 N
曲げ角度:±90°
サイクル数:30
挿入損失,アイソレーション及び反射
減衰量の測定は,試験前後に実施する。
試験前後の挿入損失は,
表 2 に示す最大値以
下とし,かつ,試験前後のアイソレーション
は,
表 2 に示す最小値以上とする。さらに,
試験後の挿入損失及びアイソレーションは,
周囲条件下でそれぞれ初期値の±0.3 dB 以内
及び±2 dB 以内とする。
反射減衰量は,試験前後において,
表 2 に示
す該当するグレードの最小値以上とする。
注
a)
温度 30 ℃〜60 ℃の相対湿度は,
図 1 の一定水蒸気量曲線で囲まれる範囲とすることが望ましい。
0
10
20
0
40
50
60
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
相対湿度
%
乾球温度 ℃
一定水蒸気量
図 1−温度及び湿度を考慮した環境条件
7
試料
試料は,IEC 60793-2-50 のタイプ B1.1 に基づく被覆光ファイバ(プライマリ及びセカンダリ)又は強化
ケーブルで,シングルモード光ファイバに接続できなければならない。
8
試験報告書
試験報告書及びそれを裏付ける証拠を提供しなければならない。また,この試験報告書及びそれを裏付
ける証拠は,実施した試験に適合した証拠として検査に利用する。
試験報告書には,
光学特性については試験条件及び性能値を,
環境及び耐久性特性については試験条件,
試料数及び合格判定数を記載する。
9
表示
シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータには,
次の項目を表示しなければならない。
ただし,個々の光サーキュレータに表示することが困難な場合は,包装に表示してもよい。
a)
形名(製造業者の指定による)
b)
製造業者名又はその略号
c)
製造年月若しくは製造ロット番号又はそれらの略号
7
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10
包装
包装は,輸送中及び保管中に,振動,衝撃などによる製品の破損又は品質の低下のおそれがないように
行う。また,短期間に劣化するおそれがある材料を含む場合には,安全管理,保管環境条件に関する注意
及び要求事項とともに,有効期限を包装に表示する。
11
安全
光伝送システム又は装置に用いる場合,人体へ影響を及ぼす出射端子からの光の放射があり得る。その
ため,製造業者は,システム設計者及び使用者に対して,安全性に関する十分な情報及び確実な使用方法
を明示しなければならない。