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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 5564-1991 

(IEC 94-3 : 1979) 

磁気テープ録音再生システム 

第3部 磁気テープ録音再生機器の 

特性測定方法 

Magnetic tape sound recording and reproducing systems 

Part 3:Methods of measuring the characteristics of recording 

and reproducing equipment for sound on magnetic tape 

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1979年第1版として発行されたIEC 94-3 (Magnetic tape sound recording and reproducing systems.  

Part3:Methods of measuring the characteristics of recording and reproducing equipment for sound on magnetic tape) 

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

第1章 序文 

1. 適用範囲 この規格は,業務用及び民生用の磁気テープ録音再生機器(リール・ツー・リール,カセ

ット及びカートリッジ)(以下,“機器”という。)に適用する。 

この規格は,高速デュプリケータ,人工残響付加装置,又はリール・ツー・リール,カセット及びカー

トリッジなどの方式によらないディクテーションマシンなどのような特殊目的の装置には適用しない。 

磁気テープについては,JIS C 5565(磁気テープ録音再生システム第4部磁気テープの機械的特性)JIS 

C 5566(磁気テープ録音再生システム第5部磁気テープの電気的特性)による。 

参考 JIS C 5565はIEC 94-4 (Magnetic tape sound recording and reproducing systems. Part 4:Mechanical 

magnetic tape properties) と,JIS C 5566はIEC 94-5 (Magnetic tape sound recording and reproducing 

systems. Part5:Electrical magnetic tape properties) との一致規格である。 

2. 制定目的 この規格の目的は,磁気テープへの録音及び再生の性能に係わる項目を列挙,定義し,こ

れら項目の測定条件及び統一測定方法を確立することにある。 

第2章 測定に関する一般事項 

3. 製造業者が提供すべき情報 必要な情報を本章に列記する。情報は2種類に大別される。 

機器に明示する必す(須)情報:これは各ページ右側の “A” で示した。 

別に用意する任意情報:例えば,当該機器に添付される取扱説明書など。 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この規格で要求される以外の必す情報(例えば,安全に関する要求事項など)も所定の場所に明記され

なければならない。 

4. 機器に関する表示 

製造業者名又は納入業者名 

製造国 

形式又は形番 

5. 機器の調整 この規格において,“調整可能”な制御機構とは,機器使用時に使用者が操作できる部分

をいい,機器の組替えや部品の分解を伴ってはならない。 

6. 機械的特性 

6.1 

機器作動時の占有空間及び支持条件 

単位 

最小高さ 

mm 

最小幅 

mm 

最小奥行き 

mm 

作動姿勢 

水平,垂直,その他 

総質量 

kg 

6.2 

テープ 

単位 

テープキャリヤの形式 

(例:カセット,カートリッジ,リール・ツー・リール) 

リール形式 

使用可能最大リール径 

mm 

テープ幅 

mm 

6.3 

テープ送り機構 

単位 

定格速さ 

cm/s   A 

備考 複数のテープ速さをもつ機器では,定格速さを最初の2けた数字で指示してもよい。例

えば,9.53cm/sは “9.5” でよい。単一速さのカセット及びカートリッジ機器については

テープ速さを機器上に明示する必要はなく,取扱説明書に記述しなければならない。 

可変テープ速さ 

録音及び再生 

早送り 

巻戻し 

可変テープテンション 

両キャプスタン間 

供給リール側 

巻取りリール側 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

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モータ数 

キャプスタンの形式(例:単一又はマルチキャプスタン) 

リバース駆動(録音及び再生) 

キャプスタン駆動モータの形式 

特殊機能 

オートストップ 

オートリバース 

リモートスタート 

リモートストップ 

キューポーズ(一時停止) 

リモート早送り 

リモート巻戻し 

可変テープ走行経路 

電源周波数同期キャプスタン駆動モータ 

6.4 

ヘッド 

複合又は独立消去,録音及び再生ヘッド 

複合又は独立バイアスヘッド 

アジマス可変 

左右可変 

高さ可変 

トラック数 

テープ上の最大トラック数 

磁気ヘッド材料 

7. 電気的特性 

7.1 

再生系データ 

最大同時再生チャネル数 

再生チャネル数 

再生等化特性 

可変利得 

可変バランス(チャネル間レベル) 

可変等化 

ノイズリダクションの形式 

自動利得調整 

7.2 

録音系データ 

最大同時録音チャネル数 

録音チャネル数 

可変利得 

可変バランス(チャネル間レベル) 

可変等化 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ノイズリダクションの形式 

自動利得調整 

可変バイアス電流 

8. 規定条件 測定又は確認のためテープレコーダの設定条件を規定するのに便利なために,測定を行う

条件を定義する。更に,規定条件のあるものは,当該キャリブレーションテープ又はリファレンステープ

に関連して規定する。 

次の定格は,この規格の測定方法の基礎となる。 

環境条件 

電源 

録音レベル 

負荷インピーダンス 

信号源インピーダンス 

信号源起電力 (e. m. f.) 

出力電圧 

規定バイアス 

正しい測定条件を確保するために,上記定格は製造業者の指定による。これらの定格は,測定対象では

なく他の特性を測定する際の基礎である。 

製造業者間の機器の互換性を最大限可能にするため,及び検査機関の作業を簡易化するために,できる

限り規定条件を標準化することが望ましい。 

製造業者の参考として,次の各項目のうち望ましい値又は範囲を括弧内に示す。 

8.1 

環境条件 

単位 

周囲温度 

[20

5

15

−+] 

℃ 

相対湿度 

[60±15] 

気圧 

[96±10] 

kPa 

規定周囲温度における装置の最小安定化時間 

8.2 

電源 

単位 

電源の種類(例:交流) 

定格電圧 

定格周波数 

Hz 

8.3 

互換性に関するデータ 

単位 

規定キャリブレーションテープ 

リファレンステープ 

カセット及びカートリッジの細目の表示 

(カセット及びカートリッジ用機器に限る。) 

リファレンステープの規定バイアス 

規定負荷インピーダンス Ro* 

Ω 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

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録音レベル 

dB 

製造業者指定の録音レベル 

dB 

当該キャリブレーションテープのレベル区分のレベルより高いか低いかをデシベ

ルで指示する。 

規定出力電圧 Uo* 

規定録音レベルで録音したテープを再生したとき,規定インピーダンスの両端に表

れる実効値 (rms) 出力電圧。この場合は,可変再生利得調整の設定条件を明記する。 

信号源インピーダンス Ri* 

Ω 

信号源起電力 Ui* 

mV 

信号源インピーダンスに直列の実効値 (rms) 信号源起電力は,リファレンステープに

規定バイアスで録音したとき,規定録音レベルに相当する磁束を得る。この場合は,

可変録音利得調整の設定条件を明記する。 

備考 *推奨値については,IEC268-15 (Sound system equipment. Part15:Prferred matching values for 

the interconnection of sound system components) を参照のこと。 

9. 性能 性能は,8.の規定条件下で作動中の機器に基づくものとする。9.1又は9.2で特に記載がない限

り(例えば,最大値又は最小値),各特性値に許容範囲を設けなければならない。 

製造業者が定格電源電圧に±10%を超える許容範囲を定義したい場合は,その許容範囲の上限及び下限

で測定した各特性値も併せて表記する。 

定格電源の周波数変動が特性値に重大な影響を及ぼす場合には,製造業者の指定する周波数許容範囲の

上限及び下限で測定した各特性値も併せて表記する。 

交流電源の高調波又は直流電源のリプルが特性値に重大な影響を及ぼす場合には,製造業者の指定する

高調波又はリプルの許容範囲の上限で測定した各特性値も併せて表記する。 

9.1 機械的性能 

単位 

測定方法 

参照項目 

標準再生テープ速さからの平均偏差 

11.1.1 

再生テープ速さ偏差 

11.1.2 

再生テープ速さ変動(ワウ・フラッタ) 

11.1.3 

聴感補正最大値 

定常状態でのテープテンション 

11.2 

録音再生速さでの最大及び最小テープテンション 

早送り及び巻戻し速さでの最大及び最小テープテンション 

録音再生テープ速さに至る立上り時間の最大値 

11.3.1 

録音再生テープ速さからの停止時間の最大値 

11.3.2 

最大早巻きテープ速さからの停止時間の最大値 

11.3.3 

最大テープ長での早巻き時間の最大値 

11.3.4 

マルチトラックヘッドの寸法 

mm 

11.4 

磁気テープ上のトラックの寸法 

mm 

11.5 

関連する記録情報の平均位相差 

(°) 

11.6.1 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

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関連する記録情報の動的位相差 

(°) 

11.6.2 

(ダイナミックスキュー,最大位相ジッタ) 

9.2 

電気的性能 

9.2.1 

一般性能 

単位 

測定方法 

参照項目 

最大消費電力 

VA又はW 12.1  A 

9.2.2 

再生系性能  

単位 

(表示法) 

測定方法 

参照項目 

当該キャリブレーションテープを再生したときの指定周波数範囲

における平たん再生特性からの最大偏差 

グラフ又は (dB) 

12.2.1 

SN比(電気的雑音) 

12.2.2 

聴感補正なし 

dB 

聴感補正あり 

dB 

オクターブフィルタ使用 

グラフ 

3

1オクターブフィルタ使用 

グラフ 

規定全高調波ひずみ率(望ましくは1%及び5%)における出力電

圧レベル 

dB 

12.2.3 

出力不平衡度(平衡形出力についてだけ) 

dB 

12.2.4 

出力インピーダンス(全出力について個別に) 

Ω 

12.2.5 

規定全高調波ひずみ率(望ましくは1%及び5%)における内蔵電

力増幅器での出力電力レベル 

dB 

12.2.6 

再生チャネル間偏差 

dB 

12.2.7 

9.2.3 

総合性能 

単位 

(表示法) 

測定方法 

参照項目 

当該キャリブレーションテープ及びリファレンステープを使用し

たときの指定周波数範囲における平たん総合特性からの最大偏差 

グラフ又は (dB) 

12.3.1 

SN比 

12.3.2 

聴感補正なし 

dB 

聴感補正あり 

dB 

オクターブフィルタ使用 

グラフ 

3

1オクターブフィルタ使用 

グラフ 

隣接トラック間セパレーション 

グラフ又は (dB) 

12.3.3 

消去 

dB 

12.3.4 

総合チャネル間偏差 

dB 

12.3.5 

第三高調波ひずみ率 

dB 

12.3.6 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9.2.4 

録音系性能 

単位 

(表示法) 

測定方法 

参照項目 

指定周波数範囲における平たん録音特性からの最大偏差(計算値) グラフ又は (dB) 

12.4.1 

最小入力レベル 

dB又はV 

12.4.2 

最大入力レベル 

dB又はV 

12.4.3 

入力不平衡度(平衡形入力についてだけ) 

dB 

12.4.4 

入力インピーダンス(全入力について個別に) 

Ω 

12.4.5 

第3章 測定時の注意事項 

10. 測定条件 

10.1 測定方法に特に記載のない限り,8.の規定条件を厳密に適用する。 

10.2 恒久的に接続されているものでない限り,ノイズリダクション及び自動利得調整回路は非作動状態

とする。 

10.3 機器の性能特性値は,次のいずれかで測る。 

(a) 製造業者から受理したままの状態。 

(b) 5.に列挙した可変調整機構類を,9.に列挙した要求項目にできるだけ近い性能になるように調整した後

の状態。 

10.4 試験時の注意事項 

(a) 測定前にどの可変調整機構を設定調整したかを記録する。 

(b) 測定前の機器に施した変更や修理を記録する。 

(c) 8.に指定された規定条件との差異を記録する。 

(d) 測定前に測定装置は,次の状態であることを確認する。 

1) 安定状態に達していること。 

2) 測定結果に影響する装置が負荷されていないこと。 

3) 周波数に依存することなく十分な感度をもつこと。 

4) 測定に必要な精度の少なくとも10倍の精度をもつこと。 

(e) 測定前の機器は,直接テープに触れる部分又はその近傍に汚れがなく,かつ消磁されていることを確

認する。 

(f) 測定の前後で機器に何らの変化もないこと。 

10.5 グラフは,ヘルツ表示の周波数を対数目盛で横軸に,デシベル表示の出力を等分目盛で縦軸に表す

ものとする。 

第4章 測定方法 

特に記載がないかぎり,10.に指定した条件に従うこと。 

11. 機械的特性の測定 

11.1 録音及び再生テープ速さ 録音時と再生時のテープ速さは同一と仮定する。このため,測定は再生

時においてだけ行う。 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

標準録音再生テープ速さは,JIS C 5562(磁気テープ録音再生システム第1部一般条件及び要求事項)

に記載されている。 

参考 JIS C 5562はIEC 94-1 (Magnetic tape sound recording and reproducing systems. Part1:General 

conditions and requirements) との一致規格である。 

11.1.1 標準再生テープ速さからの平均偏差 この項は,製造時の試験用を除き,録音再生時のテープ速さ

調整機構をもたない機器にだけ適用する。供給及び巻取りリールともに,テープがおよそ半分ほど巻かれ

た状態とする。 

定義 

()

100

%

o

=

v

v

v

v

m

ここに, 

△ν: 標準再生テープ速さからの平均偏差 

νm: 測定再生テープ速さ 

νo: 標準再生テープ速さ 

方法A 機器の再生時に,ある長さ (lcm) のテープが,ある一点を通過するのに要する時間(t秒)

を時間計で計測する。 

結果 次の式によって求める。 

()

100

/

%

o

=

v

v

t

l

v

方法B 標準テープ速さでの再生周波数foHzが得られる正弦波信号録音テープを,供試機器で再

生する。 

この場合fo=3150Hzであることが望ましい。このときの再生周波数fmHzを,周波数カウンタによ

って測定する。 

結果 次の式によって求める。 

()

100

%

o

=

f

f

f

v

m

方法C テープ長さ方向に対して垂直に一定間隔 (dcm) でマークを有するテープを供試機器で走

行させ,毎秒n回点滅する光を当てる。1秒間にある1点を通過するマークの数 (N) を数える。も

しマークがテープ走行方向に流れて見えれば,Nは正の数であり,もし反対方向に流れて見えれば,

Nは負の数となる。 

実際のマークの間隔 (d) は,テープが標準速さで送られるとき,マークが止まって見えるよう

に設定されているものとする。更に,観察しやすいように,目に見えるマークの間隔は0.3cmより

も大きいことが望ましい。 

係数Kはあるテープ速さに対してn及びdの値に依存する。 

次の表においては,n及びdは係数Kが単一になるよう設定されている。n, dに他の値(n'及び

d')が使われるとすれば,それはn及びdの整数倍又は約数でなければならない。 

また,その値はKと次のような関係にある。 

d

n

d

n

K

×′

×

=

マークの間隔と係数Kは反比例する。 

background image

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

Vo 

cm/s 

50Hz電源 

60Hz電源 

点滅回数/秒 

cm 

点滅回数/秒 

cm 

76.2 

200 

0.381 0 

240 

0.317 5 

38.1 

100 

0.381 0 

120 

0.317 5 

19.05 

50 

0.381 0 

60 

0.317 5 

9.53 

25 

0.381 0 

30 

0.317 5 

41.76 

12.5 

0.381 0 

15 

0.317 5 

結果 次の式によって求める。 

()

100

%

×

=

n

N

K

V

11.1.2 再生テープ速さ偏差 

定義 再生時に供給及び巻取りリールのテープ巻取り径が変化することによる速さ変化のことで

ある。 

方法 リール・ツー・リール機器の測定には,装着可能な最大径リールを使用する。いっぱいにテ

ープを巻いたリールは供給側リール軸に,空リールは巻取り側リール軸に装着する。最初に正弦波

信号を全幅に録音したテープを再生し,その再生周波数f1Hzを測定する。 

次に,供給側と巻取り側のリールを入れ替え,再び正弦波を再生し,その再生周波数をf2Hzと

する。この場合に正弦波信号の周波数は,標準速さで再生したとき3 150Hzであることが望ましい。 

結果 次の式によって求める。 

(

)100

2

2

1

2

1

×

+

f

f

f

f

(%) 

参考 この特性値を測定するには,11.1.1の方法A,方法B及び方法Cも適用できる。 

11.1.3 再生テープ速さ変動(ワウ・フラッタ) 速さ変動は,JIS C 5569(録音再生機器における速さ変

動の測定方法)に基づいて測定し,表示する。 

参考 JIS C 5569はIEC 386 (Method of measurement of speed fluctuations in sound recording and 

reproducing equipment) との一致規格である。 

11.2 定常状態でのテープテンション(リール・ツー・リール機器に適用) 測定は供給リールにテープ

をいっぱいに巻いた状態で,テープ巻初め,中央及び巻終わり部において行う。測定は,供給リールとキ

ャプスタンとの間,キャプスタンと巻取りリールとの間,マルチキャプスタン方式の場合には二つのキャ

プスタンとの間においても行う。再生テープ速さ及び最大早巻きテープ速さにおけるこれら6個,又は9

個の最大及び最小測定値を記録する。 

定義 テープが定常状態の速さで走行するときのテープテンションをいう。 

方法 それぞれの測定位置で張力計のアイドラローラを介して測定する。 

結果 張力計の読み値をテープテンションとする。最大及び最小のテープテンションは,再生テー

プ速さ及び早巻きテープ速さについて求める。 

11.3 立上り時間の最大値及び停止時間の最大値 リール・ツー・リール式の機器については供試機器に

適用する最大径のリールを使用する。カートリッジ及びカセット装置については,カートリッジ及びカセ

ットの種類及びテープの種類を明記する。 

11.3.1 録音再生テープ速さに至る立上り時間の最大値 

10 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

定義 始動操作をしてから,テープが規定速さに達するまでに要する経過時間の最大値をいう。 

方法 周波数3 150Hzを全幅に録音したテープを,供給リールにいっぱいに巻き,テープ巻初め,

中央及び巻終わり部を再生する。再生信号を,中心周波数3 150Hzの周波数弁別器に入力し,その

出力を記録計で記録する。始動操作をしてから記録計が一定値を示すまでの時間を測定する。 

結果 経過時間の最大値で表す。 

11.3.2 録音再生テープ速さからの停止時間の最大値 

定義 規定テープ速さにおいて停止操作をしてからテープが停止するまでに要する経過時間の最

大値をいう。 

方法 規定テープ速さで再生中,停止装置を操作してからテープが停止するまでの時間を測定す

る。測定は供給リールにテープをいっぱいに巻き,テープ巻初め,中央部及び巻終わりにおいて行

う。 

結果 経過時間の最大値で表す。 

11.3.3 最大早巻きテープ速さからの停止時間の最大値 

定義 最大早巻きテープ速さにおいて,停止操作をしてからテープが停止するまでに要する経過時

間の最大値をいう。 

方法 最大早巻きテープ速さで早巻き中,停止装置を操作する。停止操作をしてからテープが停止

するまでに要する時間を測定する。測定は供給リールにテープをいっぱいに巻き,テープ巻初め,

中央及び巻終わり部において行う。テープ両走行方向について測定する。 

結果 測定値のうち,最大の時間で表す。 

11.3.4 最大テープ長での早巻き時間の最大値 

定義 指定最大径のリールにテープを規定の長さだけ巻き,早巻きするのに要する時間の最大値を

いう。 

方法 この測定には,最大径リールのテープを使用する。早巻き操作をしてからテープの全長が一

方のリールから他方のリールに巻きとられるのに要する時間を,テープ両走行方向について測定す

る。 

結果 測定値のうち最大の時間で表す。 

11.4 マルチトラックヘッドの寸法 

定義 JIS C 5567(磁気テープ録音再生システム第6部リール・ツー・リールシステム),JIS C 5568

(磁気テープ録音再生システム第7部テープレコード用及び民生用カセット)及びIEC 94-8 

(Magnetic tape sound recording and reproducing systems. Part8: Eight track magnetic tape cartridge for 

commercial tape records and domestic use) で規定するトラック構成で録音したテープを再生するのに

必要な正しい寸法をいう。 

参考 JIS C 5567はIEC 94-6 (Magnetic tape sound recording and reproducing systems. Part6:

Reel-to-reel systems) と,JIS C 5568はIEC 94-7(Magnetic tape sound recording and 

reproducing systems. Part7:Cassette for commercial tape records and domestic use) との一致規

格である。また,IEC 94-8-1987はJIS S 8603(カートリッジテープレコード)とその内

容は同等である。 

方法 テープ幅方向のヘッドギャップの相対的な位置を顕微鏡で測定する。この測定をするために

供試機器からヘッドを外してもよい。 

結果 ヘッドギャップの相対的な位置をJIS C 5567,JIS C 5568及びIEC 94-8の規定と比較,確認

11 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

する。 

11.5 磁気テープ上のトラックの寸法 

定義 供試機器を用いて磁気テープに録音したトラックの位置寸法をいう。 

方法 中間の周波数の正弦波で十分に高いレベルの信号を供試機器のすべてのチャネルを使って同

時に録音する。液体中に懸濁した鉄粉を磁気テープの記録面に塗布しトラックが見えるようにする。

トラックの寸法を顕微鏡で測定する。 

備考 測定精度は,録音波長に依存するので,周波数選定に注意すること。 

結果 測定したトラック位置寸法は,JIS C 5567,JIS C 5568及びIEC94 8で規定したトラック位置

寸法からの偏差として表す。 

参考 いったん録音トラックを正確な位置に設定すれば,再生ヘッドの位置寸法は,一般的に

最大出力法によって正しく調整できる。 

11.6 関連する記録情報の位相差 

11.6.1 関連する記録情報の平均位相差 

定義 関連する記録情報(例えば,ステレオ)の二つのチャネル間の位相差のうち,キャリブレー

ションテープの精度に対して,再生系の不正確な設定によって生じる位相差をいう。 

方法 供試機器でテープの巻取り及び巻戻しを行った後,キャリブレーションテープのアジマス区

分を二つの関連した(例えば,ステレオ)チャネルで再生し,二現象オシロスコープで観測する。

一つのチャネルを時間軸同期信号として用いる。同期がかかっていない表示波形の平均的な位置

を,同期がかけられて安定している表示波形と比べる。 

備考 位相差が360°以下であることを確認すること。これはキャリブレーションテープの低

周波部分を再生することで確認できる。 

結果 差を角度で表す。 

11.6.2 関連する記録情報の動的位相差(ダイナミックスキュー,最大位相ジッタ) 

定義 関連する記録情報(例えば,ステレオ)の二つのチャネル間の位相差のうち,磁気ギャップ

の垂直性に対して,テープ走行変動によって生じる位相差をいう。 

方法(A) 供試機器で巻取り及び巻戻しを行った後,キャリブレーションテープのアジマス区分を

二つの関連した(例えば,ステレオ)チャネルで再生し,二現象オシロスコープで観測する。一つ

のチャネルを時間軸同期信号として用いる。同期のかかっていない表示波形の最大時間変動量を測

定する。 

方法(B) 供試機器で未録音テープを巻取り及び巻戻しを行った後,10kHzの正弦波を二つの関連

した(例えばステレオ)チャネルで録音再生する。二つの関連するチャネルからの信号はそれぞれ

二現象オシロスコープで観測する。一つのチャネルを時間軸同期信号として用いる。同期がかかっ

ていない表示波形の最大時間変動量を測定する。 

結果 最大時間変動量を角度で表し,その半分の値に±の符号を付けて表示する。 

12. 電気的特性の測定 

12.1 最大消費電力 

定義 最大負荷条件で作動している機器が消費する電力をいう。 

方法 最大電圧,最大負荷条件で作動している機器が消費する電流値を,±3%の精度をもつ電流計

で測定する。 

12 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

結果 最大消費電力=電流値×最大電圧 

 交流電源についてはボルトアンペア (VA) で,直流電源についてはワット (W) で表す。この測定

を行ったときの機器の作動状態(例えば,早巻き)を明記しなければならない。 

12.2 再生系特性 再生利得が調整できる場合には,基準録音レベルを再生したときに規定の出力が得ら

れるように設定する。 

再生等化が調整できる場合には,当該キャリブレーションテープの周波数特性区分を再生し,その録音

特性を補正するため規定再生特性とほゞ近似な特性となるよう設定する。 

12.2.1 当該キャリブレーションテープを再生したときの指定周波数範囲における平たん再生特性からの

最大偏差 

方法 当該キャリブレーションテープの周波数特性区分を再生し,出力レベルの変動(デシベル)

を指定周波数範囲の平たん特性からの最大偏差値として記録する。それぞれのチャネルで各テープ

速さごとに測定する。 

結果 それぞれのチャネルで各テープ速さごとにグラフで表す(10.5参照)。ただし指定周波数範

囲内の平たん特性からの正負の最大偏差値をデシベルで表してもよい。 

12.2.2 SN比(電気的雑音) 次の全項目の測定に当たり,利得及び等化が調整できる場合には,12.2に

よって設定する。 

定義 規定録音レベルで録音されたテープを再生したときの出力電圧と,無録音テープを規定のフ

ィルタを通して再生したときの雑音出力電圧との比をいう。 

方法 規定録音レベルで録音されたテープを再生し,その出力電圧を測定しUoとする。 

次に,帯電防止された非磁性テープを再生し,次に定めるフィルタを通した出力電圧Uを測定

する。 

(a) 聴感補正なしSN比 IEC 268-1 (Sound system equipment. Part1:General) の第7章に規定さ

れた広帯域フィルタを使用する。 

参考 このフィルタの内容は,JIS C 6102(AM放送受信機試験方法)の2.(試験について

の一般規定)と同等である。 

(b) 聴感補正ありSN比 IEC 651 (Sound level meters) に規定されたA特性フィルタを使用する。 

参考 このフィルタの内容は,JIS C 1505(精密騒音計)の4.4(周波数補正回路)と同等

である。 

必要があれば,CCIR聴感補正を用いたSN比の値を追加する。 

(c) オクターブフィルタ使用のSN比 IEC 225 (Octave, half-octave and third-octave band filters 

intended for the analysis of sounds and vibrations) に規定されたオクターブフィルタを使用す

る。 
参考 このフィルタの内容は,JIS C 1513(オクターブ及び31オクターブバンド分析器)と

同等である。 

(d) 

3

1オクターブフィルタ使用のSN比 IEC 225に規定された31オクターブフィルタを使用す

る。 

参考 このフィルタの内容は,JIS C 1513と同等である。 

結果 次の式によって求める。 

U

Uo

0

1

log

0

2

 (dB) 

13 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(a) 聴感補正なしSN比 デシベルで表す。 

(b) 聴感補正ありSN比 デシベルで表す。必要があればCCIR聴感補正を用いたSN比の値を

追加する。 

(c) オクターブフィルタ使用のSN比 グラフで示す(10.5参照)。 

(d) 

3

1オクターブフィルタ使用のSN比 グラフで示す(10.5参照)。 

12.2.3 規定全高調波ひずみ率における出力電圧レベル 

定義 当該キャリブレーションテープのレベル区分の周波数と同一の周波数信号を入力し,規定負

荷インピーダンスRoを接続した出力端で測定したとき,規定全高調波ひずみ(望ましくは1%及び

5%)が生じる出力電圧UMと定格出力電圧Uoとの比をいう。 

方法 当該キャリブレーションテープのレベル区分の周波数と同一の周波数信号を再生ヘッドの

コイルに入力し,規定全高調波ひずみ(望ましくは1%及び5%)が生じる出力電圧UMを求める。 

結果 次の式によって求める。 

o

10

log

20

U

UM (dB) 

12.2.4 出力不平衡度(平衡形出力についてだけ) この特性の測定についてはIEC 268-3 (Sound system 

equipment. Part3:Amplifiers) による。測定は当該キャリブレーションテープのレベル区分の周波数で行う。 

12.2.5 出力インピーダンス この特性の測定についてはIEC 268-3による。 

12.2.6 規定全高調波ひずみ率における内蔵電力増幅器での出力電力レベル 

定義 当該キャリブレーションテープのレベル区分の周波数と同一と周波数信号を入力し,規定負

荷インピーダンスRoを接続した出力端で測定したとき,規定全高調波ひずみ(望ましくは1%及び

5%)が生じる出力電力PMと定格出力電圧Poの比をいう。 

方法 電力増幅器の利得調整器を最大に設定し,当該キャリブレーションテープのレベル区分の周

波数と同一の周波数信号を,再生ヘッドのコイルに入力し,規定全高調波ひずみ(望ましくは1%

及び5%)が生じる出力電圧UMを求める。 

結果 次の式によって求める。 

o

o

2

10

o

10

log

10

log

10

R

P

U

P

P

M

M=

 (dB) 

12.2.7 再生チャネル間偏差 

定義 二つ以上のチャネル間の出力レベルの差をいう。 

方法 各チャネルにおいて当該キャリブレーションテープのレベル区分を再生し,その出力レベル

を測定する。 

結果 差をデシベルで表す。 

12.3 総合特性 機器に再生系の調整機構がある場合には,それらは12.2によって設定する。録音利得の

調整機構がある場合には,リファレンステープに録音した信号の磁束が規定録音レベルと等しくなるよう

に設定する。 

録音等化の調整機構がある場合には,当該キャリブレーションテープの周波数特性区分に相当する周波

数を,定振幅信号で録音したリファレンステープを再生したときに,平たん特性とほぼ近似な特性となる

ように調整する。 

12.3.1 当該キャリブレーションテープ及びリファレンステープを使用したときの指定周波数範囲におけ

る平たん総合特性からの最大偏差 

background image

14 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

方法 当該キャリブレーションテープの周波数特性区分に相当する周波数を定振幅信号でリファ

レンステープに録音する。 

録音レベルは周波数特性区分の基準信号にほぼ等しいレベルが得られるように調整する。 

録音されたリファレンステープを再生し,出力レベルの変動(デシベル)を指定周波数範囲の平

たん特性からの最大偏差値として記録する。それぞれのチャネルで各テープ速さごとに測定する。 

結果 それぞれのチャネルで各テープ速さごとにグラフで表す(10.5参照)。ただし,指定周波数

範囲の平たん特性からの正負の最大偏差値をデシベルで表してもよい。 

12.3.2 信号対雑音比 この項のすべての測定に当たり,再生利得及び再生等化調整がある場合は12.2に

よって設定し,録音利得及び録音等化調整がある場合には12.3によって設定する。 

定義 規定録音レベルで録音されたリファレンステープを再生したときに得られる出力電圧と,無

信号で録音されたリファレンステープを再生したときに得られる出力電圧との比をいう。 

方法 規定録音レベルで録音されたリファレンステープを再生し,その出力電圧をUoとする。録

音入力端子を規定入力インピーダンスで終端し,リファレンステープに無信号録音して再生し,下

記に指定するフィルタを通して出力電圧を測定しUとする。 

(a) 聴感補正なしSN比 IEC 268-1の第7章に規定された広帯域フィルタを使用する。 

参考 このフィルタの内容は,JIS C 6102の2.と同等である。 

(b) 聴感補正ありSN比 IEC 651 (Sound level meters) に規定されたA特性フィルタを使用する。 

参考 このフィルタの内容は,JIS C 1505の4.4と同等である。必要があればCCIR聴感補

正を用いたSN比の値を追加する。 

(c) オクターブフィルタ使用のSN比 IEC 225に規定されたオクターブフィルタを使用する。 

参考 このフィルタの内容は,JIS C 1513と同等である。 

(d) 

3

1オクターブフィルタ使用のSN比 IEC 225に規定された31オクターブフィルタを使用す

る。 

参考 このフィルタの内容は,JIS C 1513と同等である。 

結果 次の式によって求める。 

U

Uo

10

log

20

 (dB) 

(a) 聴感補正なしSN比 デシベルで表す。 

(b) 聴感補正ありSN比 デシベルで表す。 

参考 必要があれば,CCIR聴感補正を用いたSN比の値を追加する。 

(c) オクターブフィルタ使用のSN比 グラフで表す(10.5参照)。 

(d) 

3

1オクターブフィルタ使用のSN比 グラフで表す(10.5参照)。 

12.3.3 隣接トラック間セパレーション この項の全ての測定に当たり,可変再生利得及び再生等化調整が

ある場合には,12.2によって設定し,録音利得及び録音等化調整がある場合には,12.3によって設定する。 

定義 チャネルA(又はB)内の主信号レベルと,チャネルB(又はA)内の主信号によって発生

するチャネルA(又はB)内の不要信号との比をいう。 

方法 当該キャリブレーションテープの周波数特性区分に相当する周波数をチャネルAに入力し,

定振幅信号でリファレンステープに録音する。録音レベルは,周波数特性区分の基準信号レベルに

ほぼ等しい録音レベルが得られるように調整する。 

同時に隣接チャネルBをステレオ録音の場合と同様な状態とし,入力を規定入力インピーダン

15 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

スで終端して無信号録音する。 

録音されたリファレンステープを再生し,31オクターブフィルタを通して出力を測定する。それ

ぞれの周波数についてチャネルAの出力電圧UAと,チャネルBからの再生信号の出力電圧UB'を

測定する。 

同様にチャネルAとチャネルBの動作を交代してUB及びUA'を測定する。 

結果 次の式によって求める。 

A

A

U

U

10

log

20

 (dB) 及び 

B

B

U

U

10

log

20

 (dB) 

12.3.4 消去 この項の測定に当たり,可変再生利得調整がある場合には12.2によって設定する。 

定義 当該キャリブレーションテープのレベル区分と同一周波数,同一レベルとなるよう供試機器

で録音されたリファレンステープを再生したときの出力電圧と,供試機器でリファレンステープの

同部分を消去した後再生したときの出力電圧との比をデシベルで表したもの。 

方法 当該キャリブレーションテープのレベル区分と同一の周波数信号を規定録音レベルでリフ

ァレンステープに録音し,それを再生したときの出力電圧をUoとする5分間経過後,供試機器の

録音利得調整を最小の位置に設定し,無信号録音を行って録音部分を消去する。テープの消去した

部分を直ちに再生し,雑音による誤差を防ぐため狭帯域フィルタを通して残留出力電圧Uを測定

する。フィルタの帯域幅はテープ速さの変化によって誤差が生じない範囲で設定する。 

結果 次の式によって求める。 

U

Uo

10

log

20

 (dB) 

12.3.5 総合チャネル間偏差 

定義 録音再生したときの,二つ以上のチャネル間出力レベルの差をいう。 

方法 当該キャリブレーションテープのレベル区分の周波数と同一の周波数信号を,リファレンス

テープに録音再生し各チャネルの出力レベルを測定する。 

結果 差をデシベルで表す。 

12.3.6 第三高調波ひずみ率 この項の測定に当たり,再生利得及び再生等化調整がある場合には12.2に

したがって設定し,録音利得及び録音等化調整がある場合には12.3によって設定する。 

定義 当該キャリブレーションテープのレベル区分と同一周波数,同一レベルとなるよう録音され

たリファレンステープを再生したときの出力電圧に対する第三高調波成分との百分率をいう。 

方法 当該キャリブレーションテープのレベル区分と同一の周波数信号を規定録音レベルでリフ

ァレンステープに録音し,それを再生したときの出力電圧をUoとする。出力電圧Uoに含まれる第

三高調波成分に相当する電圧Uを,狭帯域フィルタを通して測定する。フィルタの帯域幅はテー

プ速さの変化によって誤差が生じない範囲で設定する。 

結果 次の式によって求める。 

100

o

×

U

U

 (%) 

12.4 録音系特性 

12.4.1 指定周波数範囲における平たん録音特性からの最大偏差(計算値) 

方法 録音特性の最大偏差は,総合周波数特性(12.3.1で規定)と再生周波数特性(12.2.1で規定)

との差として計算で求める。 

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C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

結果 それぞれのチャネルで各テープ速さごとにグラフで表す(10.5参照)。ただし,指定周波数

範囲の平たん特性からの正負の最大偏差値をデシベルで表してもよい。 

12.4.2 最小入力レベル(録音入力調整器をもつ装置についてだけ) 

定義 入力調整器を利得最大にしてリファレンステープに録音したとき,規定録音レベルと同一の

磁束レベルが得られる入力レベルをいう。 

方法 当該キャリブレーションテープのレベル区分を再生し,その出力電圧を測定する。録音入力

調整器を利得最大にし,録音したリファレンステープの再生出力レベルがその値と等しくなるよう

信号源起電力を調整し,このときの入力レベルを測定する。測定は,各テープ速さごとに各チャネ

ルについてそれぞれ行う。 

結果 各テープ速さごとに,それぞれのチャネルについてデシベル又は電圧で表す。 

12.4.3 最大入力レベル(録音入力調整器をもつ装置についてだけ) 

定義 録音入力調整器を最大にして規定録音レベルより6dB低くなるように録音したときの全高

調波ひずみに対して,全高調波ひずみが2倍となるときの入力レベルをいう。 

方法 録音入力調整器を利得最大に設定し,キャリブレーションテープのレベル区分と同じ周波数

信号を,規定録音レベルより6dB低いレベルでリファレンステープに録音した後再生し,出力電

圧及び全高調波ひずみを求める。次に信号源起電力を増加させ,一方録音入力調整器を調整して録

音した後再生し,再生出力電圧が上記の値と等しくなり,かつ全高調波ひずみが上記の値の2倍と

なるときの入力レベルを測定する。 

この手順を各テープ速さごとにそれぞれのチャネルについて行う。 

結果 テープ速さごとに,それぞれのチャネルについてデシベル又は電圧で表す。 

12.4.4 入力不平衡度(平衡形入力についてだけ) この特性値の測定については,IEC 268-3による。 

12.4.5 入力インピーダンス(全入力について個別に) この特性値の測定については,IEC 268-3による。 

17 

C 5564-1991 (IEC 94-3 : 1979) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

新規原案調査作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

吉 川 昭吉郎 

神奈川工科大学 

岩 下 隆 二 

パイオニア株式会社 

竹ヶ原 俊 幸 

日本放送協会 

工 藤 俊一郎 

社団法人日本民間放送連盟 

郷 木   昇 

財団法人電波技術会 

狩 野 政 男 

社団法人日本電子機械工業会 

臼 田 元 大 

社団法人日本レコード協会 

小 林 一 磨 

株式会社ポニーキャニオン 

菊 田 俊 雄 

キングレコード株式会社 

満 間   猛 

社団法人日本磁気メディア工業会 

伊 藤 福 蔵 

TDK株式会社 

渡 辺 史 郎 

日立マクセル株式会社 

富 田   保 

株式会社東京放送 

高 須 大八郎 

ティアック株式会社 

高 慶   昭 

松下電器産業株式会社 

柴 田 明 一 

ソニー株式会社 

井 上 政 弘 

株式会社東芝 

西 島   勉 

日本ビクター株式会社 

松 本 賢 治 

アイワ株式会社 

神 内 愁 二 

三洋電機株式会社 

牧 野 征 男 

通商産業省機械情報産業局 

鈴 木 紀 男 

工業技術院標準部 

(事務局) 

皿 井 宏 明 

社団法人日本電子機械工業会 

設 楽   哲 

社団法人日本電子機械工業会