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C 4901

:2013

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  使用状態  

5

4.1

  標準使用状態  

5

4.2

  特殊使用状態  

5

5

  過負荷使用条件  

5

6

  種類 

6

7

  定格 

6

7.1

  定格周波数  

6

7.2

  相数  

6

7.3

  定格電圧  

6

7.4

  定格静電容量  

7

7.5

  定格容量  

7

7.6

  定格電流  

7

8

  性能 

8

8.1

  端子相互間の耐電圧  

8

8.2

  端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧  

8

8.3

  静電容量又は容量  

8

8.4

  損失率  

9

8.5

  放電性  

9

8.6

  密閉性  

9

8.7

  熱安定性  

9

8.8

  高温損失率  

9

8.9

  耐湿性  

9

8.10

  短絡放電性  

9

8.11

  耐用性  

10

8.12

  自己回復性  

10

8.13

  保安性  

10

9

  構造 

11

9.1

  構造一般  

11

9.2

  コンデンサ本体  

11

9.3

  素子  

11

9.4

  ケース  

11


C 4901

:2013  目次

(2)

ページ

9.5

  含浸剤  

12

9.6

  充塡剤及び非金属外装材  

12

9.7

  引出端子  

12

9.8

  接続端子  

12

9.9

  口出線  

12

9.10

  ブッシング  

12

9.11

  接地端子  

12

9.12

  端子カバー  

12

9.13

  取付具  

12

9.14

  ケース外装  

12

9.15

  放電抵抗器  

13

10

  試験  

13

10.1

  試験状態  

13

10.2

  構造試験  

13

10.3

  端子相互間の耐電圧試験  

13

10.4

  端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧試験  

13

10.5

  静電容量又は容量試験  

13

10.6

  損失率試験  

13

10.7

  放電性試験  

14

10.8

  密閉性試験  

15

10.9

  熱安定性試験  

15

10.10

  高温損失率試験  

15

10.11

  耐湿性試験 

16

10.12

  短絡放電性試験  

16

10.13

  耐用性試験  

16

10.14

  自己回復性試験  

17

10.15

  保安性試験  

17

11

  検査  

19

11.1

  形式検査  

19

11.2

  受渡検査  

19

12

  製品の呼び方  

20

13

  表示  

20

附属書 JA(参考)低圧進相コンデンサ用直列リアクトル  

22

附属書 JB(参考)コンデンサ使用上の指針  

25

附属書 JC(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

28


C 4901

:2013

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

電機工業会(JEMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。これによって,JIS C 4901:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 26 年 6 月 19 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS マ

ーク表示認証において,JIS C 4901:2000 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

4901

:2013

低圧進相コンデンサ(屋内用)

Low-voltage power capacitors

序文 

この規格は,2002 年に第 2.1 版として発行された IEC 60831-1 及び 1995 年に第 2 版として発行された

IEC 60831-2

を基とし,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JC に示す。

適用範囲 

この規格は,力率改善の目的で,商用周波数の交流 600 V 以下の回路に負荷と並列に接続して,屋内で

用いる進相用の蒸着電極コンデンサ(以下,コンデンサという。

)について規定する。

受電設備用として用いるコンデンサ(kvar 品)に用いる直列リアクトルについて,参考として

附属書 JA

に示す。

コンデンサの設置及び保守・運転に関する指針について,参考として

附属書 JB に示す。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60831-1:2002

,Shunt power capacitors of the self-healing type for a.c. systems having a rated

voltage up to and including 1 000 V−Part 1: General−Performance, testing and rating−Safety 
requirements−Guide for installation and operation

IEC 60831-2:1995

,Shunt power capacitors of the self-healing type for a.c. systems having a rated

voltage up to and including 1 000 V−Part 2: Ageing test, self-healing test and destruction test(全

体評価:MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 2318

  電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム

JIS C 2320

  電気絶縁油

JIS C 2330

  コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム

JIS C 3307

  600 V ビニル絶縁電線(IV)

JIS C 3316

  電気機器用ビニル絶縁電線

JIS C 3342

  600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル(VV)

JIS G 3303

  ぶりき及びぶりき原板


2

C 4901

:2013

JIS Z 8304

  銘版の設計基準

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

自己回復(self-healing) 

誘電体の一部が絶縁破壊した場合,破壊点に隣接する電極の微小面積が消滅することによって,瞬間的

にコンデンサとしての機能を復元すること。

3.2 

蒸着電極コンデンサ(self-healing capacitor) 

蒸着金属を電極として,自己回復することができるコンデンサ。

3.3 

コンデンサ素子,素子[capacitor element(or element)] 

電極部分及びこれらを絶縁する誘電体によって構成されたコンデンサの最小構成単位。

3.4 

ケース 

コンデンサ素子を収める容器。

3.5 

ケース外装 

樹脂又はその他の絶縁材料でケースを覆った外装。

3.6 

引出端子(line terminal) 

コンデンサ素子からケースの外部に導線を引き出すための端子。

3.7 

接続端子 

配線を引出端子に接続するための端子。

3.8 

口出線 

コンデンサの引出端子又は接続端子に取り付けた配線用のリード線。

3.9 

放電装置(discharge device of a capacitor) 

コンデンサの引出端子間,母線間又はコンデンサ内部の素子間に接続する装置で,電源からコンデンサ

を単独に切り離した場合に残留電荷を放電させるための装置。

3.10 

放電抵抗器(discharge resistor) 

コンデンサの端子間に接続する抵抗器で,電源からコンデンサを単独に切り離した場合に残留電荷を放

電させるための抵抗器。

3.11 

保安装置内蔵コンデンサ(capacitor with a built-in safety device) 

蒸着電極コンデンサの安全性を高めるため,コンデンサの内部に異常が生じた場合,コンデンサを電源


3

C 4901

:2013

から切り離しできる装置を組み込んだコンデンサ。

3.12 

保安機構付きコンデンサ(capacitor with safety mechanism) 

蒸着電極コンデンサの安全性を高めるため,コンデンサの内部に異常が生じた場合,異常部を電源から

切離しができる機能を素子にもたせたコンデンサ。

3.13 

保護接点付きコンデンサ 

コンデンサの安全性を高めるため,コンデンサの内部に異常が生じた場合,これを検知して動作する接

点を取り付けたコンデンサ。

3.14 

定格電圧,U

N

(rated voltage of a capacitor) 

コンデンサの端子間に連続印加できる正弦波電圧の実効値。

3.15 

回路電圧,U 

コンデンサと直列リアクトルとを組み合わせた設備を接続する回路の線間電圧であって,コンデンサの

定格電圧及び定格容量の算出基準となる電圧。

3.16 

定格周波数,f

N

(rated frequency of a capacitor) 

コンデンサの仕様上決められた周波数。

3.17 

定格静電容量,C

N

(rated capacitance of a capacitor)

20 ℃におけるコンデンサの全静電容量の設計静電容量。

3.18 

定格容量,Q

N

(rated output of a capacitor) 

定格静電容量に定格周波数の定格電圧を印加したときの無効電力。次の式によって求める。

Q

N

=2πf

N

C

N

U

N

2

×10

9

ここに,

Q

N

定格容量(kvar)

f

N

定格周波数(Hz)

C

N

定格静電容量(μF)

U

N

定格電圧(V)

3.19 

定格設備容量,Q 

コンデンサと直列リアクトルとを組み合わせた設備の,

定格電圧及び定格周波数における設計無効電力。

3.20 

定格電流,I

N

(rated current of a capacitor)

定格静電容量又は定格容量に定格周波数の定格電圧を印加したときの電流の実効値。7.6 の式によって

表す。

3.21 

周囲温度(ambient air temperature) 

コンデンサを設置する場所の空気温度。


4

C 4901

:2013

3.22 

最高周囲温度 

コンデンサを支障なく用いることができる周囲温度の高温側の限度。

3.23 

最低周囲温度 

コンデンサを支障なく用いることができる周囲温度の低温側の限度。

3.24 

冷却空気温度(cooling air temperature) 

コンデンサ容器からほぼ 0.1 m 離れて,底から高さ 2/3 の点で測定した運転中の空気温度。ただし,コ

ンデンサを間隔 0.2 m 以下で並置している場合には,コンデンサ間の中央で測定した運転中の空気温度。

3.25 

最高許容電圧(maximum permissible a.c. voltage of a capacitor) 

コンデンサの端子間に連続印加しても実用上支障を生じない定格周波数の過電圧限度。瞬間的過電圧は

含まないが,電源電圧の変動による過電圧を含む。

注記  “実用上支障を生じない”とは,寿命を著しく短縮するほどに至らないことをいい,性能など

は,必ずしも定格状態における規定値と合致しなくてもよい。

3.26 

%

リアクタンス 

コンデンサリアクタンスに対するリアクトルリアクタンスの比を百分率(%)で表したもの。

3.27 

最大許容電流(maximum permissible a.c. current of a capacitor)

コンデンサの端子間に連続して流しても実用上支障を生じない合成電流の実効値の限度。

最大許容電流には,次のような電流が含まれる。

−  回路の高調波電流によって増加する電流。

−  最高許容電圧以下の一時的な過電圧によって増加する電流。

−  定格静電容量に対するプラス側許容差に起因して増加する電流。

3.28 

相間不平衡率 

三相コンデンサの端子間最小静電容量(μF)に対する端子間最大静電容量(μF)の比率。次の式によっ

て求める。

100

S

L

×

C

C

α

ここに,

α: 相間不平衡率(%)

C

S

端子間最小静電容量(μF)

C

L

端子間最大静電容量(μF)

3.29 

損失率(capacitor losses) 

コンデンサの容量値(kvar)に対するコンデンサ損失(kW)の比率。

3.30 

受電設備 


5

C 4901

:2013

受電のために施設する電気工作物。

3.31 

受渡検査(routine tests) 

出荷前に全てのコンデンサに対して行う検査。

3.32 

形式検査(type tests) 

代表するコンデンサが,規定する要求事項に合致していることを証明するために行う検査。

3.33 

使用者(purcharser) 

コンデンサの使用者,発注者,購入者又はそれらの総称。

使用状態 

4.1 

標準使用状態 

標準使用状態は次のとおりとし,特に指定がない場合,コンデンサはこの状態で用いる。

a)

最高周囲温度  最高周囲温度は,45 ℃とする。ただし,24 時間の平均温度は 35  ℃以下で,1 年間の

平均温度は 25  ℃以下とする。

注記  コンデンサを設置すると周囲温度に影響を与える場合には,その冷却空気温度は,これらの

温度よりも 5  ℃以下となるようにすることが望ましい。

b)

最低周囲温度  最低周囲温度は,−25 ℃又は−5 ℃とする。

c) 

相対湿度  相対湿度は,85 %以下とする。

d) 

標高  標高は,2 000 m 以下とする。

4.2 

特殊使用状態 

特殊使用状態とは,4.1 に規定する標準使用状態以外,及び次のいずれかの状態をいう。コンデンサをこ

の特殊使用状態で用いる場合,その使用条件は,使用者と製造業者との協議による。

a)

急激な温度変化を受ける頻度の高い場所で用いる場合。

b)

著しい潮風を受ける場所で用いる場合。

c)

著しい湿潤な場所で用いる場合。

d)

過度のじんあいがある場所で用いる場合。

e)

爆発性,可燃性,腐食性,及びその他有害ガスのある場所又は同ガスの襲来のおそれがある場所で用

いる場合。

f)

異常な振動又は衝撃を受ける場所で用いる場合。

g)

水蒸気又は油蒸気中で用いる場合。

h)

その他の特殊な条件下で用いる場合。

過負荷使用条件 

過負荷使用条件は,次による。

a)

最高許容電圧  最高許容電圧は,表 による。ただし,定格電圧の 1.15 倍を超える電圧の印加は,コ

ンデンサの寿命を通じて 200 回を超えてはならない。


6

C 4901

:2013

表 1−最高許容電圧及び許容時間 

定格電圧倍数

許容印加時間

1.10 24 時間のうち 8 時間以内 
1.15 24 時間のうち 30 分以内 
1.20 5 分以内 
1.30 1 分以内

b)

最大許容電流  最大許容電流は,定格電流の 1.3 倍とする。ただし,静電容量の実測値が許容差の範

囲内でプラス側のものは,その分だけ更に電流の増加を認める。

種類 

種類は,絶縁構造,密閉構造,保安構造,放電抵抗器内蔵及び相数によって分け,

表 による。

表 2−種類 

素子

構造

蒸着電極コンデンサ

記号 SH

絶縁構造の別

a)

E 形,N1 形,N2 形

密閉構造の別

構造

密閉(1)

b)

密閉(2)

c)

記号 SH(1) SH(2)

保安構造の別

保安装置内蔵,保安機構付き,保護接点付き

放電抵抗器内蔵の別

放電抵抗器内蔵,放電抵抗器内蔵なし

相数の別

単相,三相,単相・三相両用

a)

  箇条 を参照。

b)

  密閉(1)とは,ケースによって密閉し,コンデンサ素子を外気から保護したものをいう。

c)

  密閉(2)とは,開口部があるケースと充塡剤とによって密閉したもの,及びケースを省略し樹脂

による包囲又はモールドすることによって,コンデンサ素子を外気から保護したものをいう。

定格 

7.1 

定格周波数 

定格周波数は,50 Hz,60 Hz 又は 50 Hz/60 Hz 共用とする。

7.2 

相数 

相数は,単相,三相及び単相・三相両用とする。

7.3 

定格電圧 

定格電圧は,200 V,234 V,400 V 及び 468 V とする。

なお,200 V 及び 400 V は,負荷となる主要電気機械器具に直結して用いるものに適用し,234 V 及び

468 V は主として受電設備用に適用する。

受電設備に用いるコンデンサは,直列リアクトル 6 %を接続することを標準とし,その定格電圧は,直

列リアクトルによる電圧上昇を考慮して,次の式によって求める。

100

/

1

N

L

U

U

=

ここに,

U

N

定格電圧(V)

U: 回路電圧(220 V 又は 440 V)

L: 組み合わせて用いる直列リアクトルの%リア

クタンスであり,L=6 とする。


7

C 4901

:2013

7.4 

定格静電容量 

定格静電容量は,マイクロファラッド(μF)で表し,

表 による。

なお,定格電圧が 200 V 及び 400 V の場合に適用し,定格周波数は 50 Hz/60 Hz 共用とする。

表 3−定格静電容量 

定格電圧

定格周波数

相数

定格静電容量

a)

V Hz

μF

200 50/60 共用

単相 10  15  20  30  40  50  75  100

三相 10  15  20  30  40  50  75  100

600  700  750  800  900  1 000

単相・三相両用 150  200  250  300  400  500

400

単相

5  7.5  10  15  20  25  30  40  50

三相 75  100  125  150  200  250

単相・三相両用

a)

  定格静電容量の値及び相数は,受渡当事者間の協定によって,任意の組合せを選択してもよい。

7.5 

定格容量 

定格容量は,キロバール(kvar)で表し,次の式によって求め,

表 による。

なお,定格電圧が 234 V 及び 468 V の場合に適用し,相数は三相とする。

100

/

1

N

L

Q

Q

=

ここに,

Q

N

定格容量(kvar)

Q: 定格設備容量(kvar)

L: 組み合わせて用いる直列リアクトルの%リアクタ

ンスであり,L=6 とする。

表 4−定格容量 

回路電圧  定格電圧  定格周波数  相数

定格設備容量及び定格容量

a)

V V  Hz

kvar

220 234

50/60 共用

三相  定格設備容量

10/12 15/18 20/24 25/30 30/36

定格容量 10.6/12.8

16.0/19.1

21.3/25.5 26.6/31.9 31.9/38.3

50 又は 60

定格設備容量

50

定格容量 53.2

440 468

50/60 共用

定格設備容量

10/12 15/18 20/24 25/30 30/36

定格容量 10.6/12.8

16.0/19.1

21.3/25.5 26.6/31.9 31.9/38.3

50 又は 60

定格設備容量

50 75 100 150 −

定格容量 53.2

79.8

106

160 −

a)

  定格設備容量及び定格容量の 10.6/12.8 などは,10.6 kvar(50 Hz)/12.8 kvar(60 Hz)のように 50 Hz 及び 60 Hz

の定格を表す。

7.6 

定格電流 

定格電流は,次の式によって求める。

a)

定格静電容量で表したコンデンサの場合

単相  I

N

=2πf

N

C

N

U

N

×10

6


8

C 4901

:2013

三相  I

N

3

f

N

C

N

U

N

×10

6

b)

定格容量で表したコンデンサの場合

三相  I

N

N

N

3U

Q

×

10

3

又は

U

Q

3

×

10

3

ここに,

I

N

定格電流(

A

f

N

定格周波数(

Hz

C

N

定格静電容量(

μF

U

回路電圧(

V

220 V

又は

440 V

U

N

定格電圧(

V

Q

N

定格容量(

kvar

Q

定格設備容量(

kvar

性能 

8.1 

端子相互間の耐電圧 

端子相互間の耐電圧は,10.3 の試験方法で,

表 に規定する試験電圧を規定時間印加したとき,これに

耐えなければならない。

なお,端子相互間に試験電圧を印加中,間欠的な瞬時放電の自己回復があってもよい。

表 5−端子相互間の耐電圧試験条件 

項目

受渡検査

形式検査

試験電圧

V

定格電圧の 2.15 倍

印加時間

s

2 以上 10

8.2 

端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧 

端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧は,10.4 の試験方法で,

表 に規定する試験電圧を規

定時間印加したとき,これに耐えなければならない。ただし,コンデンサの保護接点には適用しない。

表 6−端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧試験条件 

絶縁構造の別

試験箇所

受渡検査

a)

形式検査

b)

試験電圧

V

印加時間

s

試験電圧

V

印加時間

s

E 形

端子一括とケースとの間

2U

N

+2 000

又は

3 000 V

の最も高い電圧

10 2U

N

+2 000

又は

3 000 V

の最も高い電圧

60

N1 形

端子一括とケースとの間

端子一括とケース外装との間

N2 形

端子一括とケースとの間

a)

  試験電圧が規定値の 1.2 倍の場合,印加時間は 2 秒間(最低)でよい。

b)

  保安性試験後の試験電圧は,表 13 による。

8.3 

静電容量又は容量 

定格静電容量又は定格容量に対する許容差及び相間不平衡率は,10.5 の試験方法で測定したとき,

表 7

による。

単相・三相両用のコンデンサは,単相及び三相結線のいずれの場合も,それぞれ

表 による。


9

C 4901

:2013

表 7−定格静電容量又は定格容量の許容差及び相間不平衡率 

単位  %

定格静電容量の許容差

−5∼+10

定格容量の許容差

−5∼+10(定格容量  106 kvar 以下) 
−5∼+5(定格容量  106 kvar 超過)

相間不平衡率 108 以下

(三相及び単相・三相両用のコンデンサにだけ適用する。

8.4 

損失率 

損失率は,10.6 の試験方法で測定したとき,受渡当事者間の協定値以下でなければならない。

8.5 

放電性 

放電装置として放電抵抗器を内蔵したコンデンサの放電性は,10.7 に従って試験を行ったとき,残留電

圧は,

3

分で

75 V

以下でなければならない。

8.6 

密閉性 

密閉性は,密閉(

1

)のコンデンサに適用し,10.8 に従って試験を行ったとき,漏れがあってはならない。

8.7 

熱安定性 

熱安定性は,10.9 に従って試験を行ったとき,

表 による。

表 8−熱安定性試験後の性能 

試験項目

性能

静電容量

初期値に対する変化率が±2 %

損失率

初期値からの増加値が 2×10

4

以下

高温損失率

8.8

の規定による。

8.8 

高温損失率 

高温損失率は,10.10 の試験方法で測定したとき,製造業者が定めた値又は受渡当事者間の協定値以下で

なければならない。

8.9 

耐湿性 

耐湿性は,密閉(

2

)のコンデンサに適用し,10.11 に従って試験を行ったとき,

表 による。

表 9−耐湿性試験後の性能 

試験項目

性能

端子相互間の耐電圧

8.1

による。

外観

著しい異常がない。

静電容量

初期値に対する変化率が±4 %

損失率

初期値からの増加値が 5×10

4

以下

8.10 

短絡放電性 

短絡放電性は,10.12 に従って試験を行ったとき,

表 10 による。


10

C 4901

:2013

表 10−短絡放電性試験後の性能 

試験項目

性能

端子相互間の耐電圧

8.1

による。

静電容量

保安装置内蔵

保護接点付き

初期値に対する変化率が±2 %

保安機構付き

初期値に対する変化率が±7 %

8.11 

耐用性 

耐用性は,10.13 に従って試験を行ったとき,

表 11 による。

表 11−耐用性試験後の性能 

試験項目

性能

試験中の状態

永久破壊,断線及びフラッシオーバがない。

端子一括とケースとの間の耐電圧

a)

  2U

N

+2 000 又は 3 000 V の最も高い電圧で 10 秒間耐える。

静電容量

保安装置内蔵

保護接点付き

初期値に対する変化率は,相平均で±3 %,一相で±5 %

保安機構付き

初期値に対する変化率は,相平均で±5 %,一相で±7 %

密閉性[密閉(1)のコンデンサ]

8.6

による。

a)

 N1 形のケース外装との間の場合及び N2 形の場合,2U

N

+2 000 又は 3 000 V の最も高い電圧で

60 秒間耐える。

8.12 

自己回復性 

自己回復性は,10.14 に従って試験を行ったとき,

表 12 による。

表 12−自己回復性試験後の性能 

試験項目

性能

静電容量

著しい変化がない。

8.13 

保安性 

保安性は,10.15 に従って試験を行ったとき,

表 13 による。

表 13−保安性試験後の性能 

試験項目

性能

外観

目視による外観の判定は,次による。 
a)  含浸剤による表面のぬれはよいが,滴下する程度の漏れはない。
b)  ケースの変形及び損傷(クラックなど)はよいが,破壊しない。
c)  試験中に炎又は燃焼物が開口部から放出しない。 
  なお,この確認は開口部をガーゼ(チーズクロス)で覆ったとき,

そのガーゼが燃焼又は焼け焦げた場合は不適合とする。

電流又は接点

保護接点付き

保護接点が動作する。

保安装置内蔵

コンデンサに流れる電流がゼロになる。

保安機構付き

コンデンサに流れる電流がほぼゼロになる。

端子一括とケース又はケース外装との
間の耐電圧

保護接点一括とケース又はケース外装

との間の耐電圧

試験電圧 1 500 V に 10 秒間耐える。


11

C 4901

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構造 

9.1 

構造一般 

コンデンサは,保安装置内蔵,保安機構付き又は保護接点付きで,かつ,機械的に十分な強度をもたな

ければならない。

E

形は,充電部に人体が触れるおそれがなく,ケースの材料に金属を用いた構造とする。

N1

形及び

N2

形は,充電部及び非充電金属部に人が容易に触れるおそれがないように,樹脂又はその他適

切な絶縁材料を用いて充電部及び非充電金属部を覆った構造とする。ただし,樹脂又はその他適切な絶縁

材料によって絶縁されている取付具,端子カバー及び銘板は,金属製でもよい。

適合性は,10.2 の試験によって確認する。

9.2 

コンデンサ本体 

コンデンサは,数個の素子をケースに収め,絶縁構造の別によって

表 14,密閉構造の別によって表 15

のとおり区分する。ただし,

E

形で,接地した金属製枠,接地した金属製箱又はほかの機器に組み込んで

用いる場合は,接地端子を省略してもよい。また,引出端子,接続端子,端子カバー及び取付具は,これ

に代わる適切方法を実施する場合は,その一部又は全部を省略してもよい。

表 14−コンデンサの絶縁構造 

絶縁構造の別

ケースの材料の構成

ケース外装

接地端子

E 形

全部又は一部に金属を用いたもの。

不要

N1 形

全部又は一部に金属を用いたもの。

不要

N2 形

樹脂又はその他適切な絶縁材料を用いたもの及び樹脂による包

囲又はモールドでコンデンサ素子を保護したもの。

不要

不要

表 15−コンデンサの密閉構造 

密閉構造の別

ケース

密閉方式

誘電体

含浸剤

密閉(1)

開口部をもたないケース

はんだ,

パッキン,

接着, 
溶着

コンデンサ紙及びプラスチックフィルム,

プラスチックフィルム,

コンデンサ紙

液体含浸剤,

固体含浸剤,

非含浸剤

密閉(2)

開口部をもつケース

樹脂充塡

プラスチックフィルム

樹脂による包囲又はモールド

9.3 

素子 

素子は,コンデンサ金属化紙,コンデンサ金属化フィルムなどによって構成する。さらに,これらと

JIS C 2318

に規定する電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム,JIS C 2330 に規定するコン

デンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどとによって構成する場合もある。

9.4 

ケース 

ケースは,JIS G 3303 に規定するぶりき又はその他の適切な材料で作り,素子を保護するのに十分な強

さをもち,さびが発生するおそれがある場合には,塗装又はその他の適切な方法で,さび止めの処理を施

さなければならない。

非金属材料を用いる場合のケース厚さは,

0.8 mm

以上でなければならない。ただし,密閉(

2

)の密閉

構造のものは,ケースを省略し,樹脂による包囲又は樹脂でモールドすることによって素子の外被として

もよい。この場合の外被の厚さは,

0.8 mm

1)

以上でなければならない。

1)

コンデンサの使用場所が人体に触れるおそれがなく,外傷を受けるおそれがない場合で,かつ,


12

C 4901

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受渡当事者間の合意がある場合には,これによらなくてもよい。

9.5 

含浸剤 

含浸剤を用いる場合は,JIS C 2320 に規定する電気絶縁油,ワックス類又はこれらと同等以上の性能を

もつものでなければならない。

9.6 

充塡剤及び非金属外装材 

充塡剤及び非金属外装材は,ポリエステル,エポキシ,ポリスチレンなどの樹脂又はこれらと同等以上

の性能をもつものでなければならない。

9.7 

引出端子 

引出端子は,銅,銅合金又はこれらと実用上同等で電流密度を十分考慮した材質とする。

なお,さびが発生するおそれがあるものは,めっき又はその他の適切な方法でさび止めの処理を施す。

また,口出線を取り付けた場合,口出線が引出端子の機能をもち,かつ,配線の接続のために密閉性を損

傷するおそれがないときは,引出端子を付けなくてよい。

9.8 

接続端子 

接続端子は,銅,銅合金又はこれらと実用上同等で電流密度を十分考慮した材質で,配線を確実に接続

できなければならない。ただし,配線の接続のために引出端子が密閉性を損傷するおそれがない場合,及

び引出端子が接続端子の機能をもっている場合,接続端子は引出端子を兼ねることがある。また,口出線

を取り付けた場合,接続端子を付けなくてよい。

9.9 

口出線 

口出線を取り付ける場合,JIS C 3342 に規定する

600 V

ビニル絶縁ビニルシースケーブル(

VV

),

JIS C 3307

に規定する

600 V

ビニル絶縁電線

IV

JIS C 3316

に規定する電気機器用ビニル絶縁電線

KIV

又はこれらと同等以上の電線を用いなければならない。

9.10 

ブッシング 

ブッシングは,磁器又はその他の適切な材料で作り,コンデンサを組み立てた場合に,確実な密閉性,

耐電圧性及び絶縁性をもった構造とする。ただし,

N1

形及び

N2

形では,ケース又はケースの蓋の部分と

一体成形されたものでもよい。

9.11 

接地端子 

接地端子は,銅,銅合金又はこれらと実用上同等の材質を用い,接地線を確実に接続できなければなら

ない。さびが発生するおそれがあるものは,めっき又はその他の適切な方法でさび止めの処理を施す。

9.12 

端子カバー 

端子カバーは,JIS G 3303 に規定するぶりき,樹脂又はその他の適切な材料で作り,電気的に安全で,

十分な機械的強度をもち,配線の接続に便利な構造で,かつ,容易に取外しができない構造とする。また,

さびが発生するおそれがあるものは,塗装又はその他の適切な方法でさび止めの処理を施す。ただし,閉

鎖分電盤内など,人体が容易に触れるおそれがない場所で用いる場合は,端子カバーを省略してもよい。

9.13 

取付具 

取付具は,JIS G 3303 に規定するぶりき,軟銅板,合成樹脂又はその他の適切な材料で作り,耐候性が

よく,十分な機械的強度をもち,また,さびが生じやすい金属は,さび止めの処理を施す。ただし,

N1

形及び

N2

形の取付具は,ケース外装,ケース又は端子カバーと一体成形されたものでもよい。

9.14 

ケース外装 

ケース外装は,

樹脂又はその他の適切な絶縁材料で作り,

電気的にケースを安全に絶縁外装する構造で,

かつ,耐候性がよく,十分な機械的強度をもち,ケースから容易に取外しができないように固定する。


13

C 4901

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9.15 

放電抵抗器 

電源からコンデンサを単独に切り離した場合に,残留電荷を放電させるための抵抗器で,放電の通電電

流に対して十分な熱耐力をもたなければならない。

10 

試験 

10.1 

試験状態 

試験は,温度(

20

±

15

℃(常温)及び相対湿度(

65

±

20

 %

(常湿)の状態で行う。

疑義がある場合は,温度(

20

±

2

℃及び相対湿度(

65

±

5

 %

の状態で行う。

10.2 

構造試験 

コンデンサの外観について,箇条 及び箇条 13 を満足しているかどうかを目視によって調べる。

10.3 

端子相互間の耐電圧試験 

端子相互間の耐電圧試験は,

50 Hz

又は

60 Hz

の正弦波に近い波形で,

表 に規定する試験電圧を規定

時間印加し,絶縁破壊又はフラッシオーバが発生しないかを試験する。自己回復による瞬時破壊は,許容

する。

試験電圧の印加は,過渡電圧による過電圧発生のおそれがないようにして,次のいずれかによる。

a)

規定する試験電圧を規定時間印加する。

b)

試験電圧の

1/2

以下の電圧を加え,電圧を徐々に上昇させ

10

秒以内に規定する試験電圧に到達させた

後,規定時間印加する。

10.4 

端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧試験 

端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧試験は,

50 Hz

又は

60 Hz

の正弦波に近い波形で,

表 6

に規定する試験箇所に,規定する試験電圧を規定時間印加し,絶縁破壊又はフラッシオーバが発生しない

かを試験する。

過渡電圧による過電圧発生のおそれがないようにして,次のいずれかによる。

a)

規定する試験電圧を規定時間印加する。

b)

試験電圧の

1/2

以下の電圧を加え,電圧を徐々に上昇させ

10

秒以内に規定する試験電圧に到達させた

後,規定時間印加する。

なお,

N1

形のケース外装及び

N2

形のケースの電圧印加箇所は,絶縁ケースの表面に金属はくを巻き付

け,これと端子を一括したものとの間で試験する。また,口出線を取り付けるものは,取り付けた後に行

う。

10.5 

静電容量又は容量試験 

静電容量試験は,製造業者が指定する電圧・周波数でコンデンサの静電容量を測定する。容量は,静電

容量によって求める。

なお,被試験品は,10.3 の耐電圧試験実施後のものとする。

三相コンデンサは,各相間不平衡率を 3.28 によって求める。

10.6 

損失率試験 

損失率試験は,シェーリングブリッジ法又はその他適切な方法で,

50 Hz

若しくは

60 Hz

の正弦波に近

い波形の定格電圧を印加するか,又は製造業者が決めた周波数・電圧を印加し,コンデンサの損失率を測

定する。

なお,被試験品は,10.3 の耐電圧試験実施後のものとする。


14

C 4901

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10.7 

放電性試験 

放電性試験は,放電抵抗器内蔵のコンデンサに適用し,次の a)又は b)のいずれかの方法で行う。

なお,被試験品は,10.3 の耐電圧試験実施後のものとする。

a)

放電抵抗器の抵抗値測定による試験  放電抵抗器の抵抗値測定による試験は,適切な抵抗計を用いて,

一相当たりの放電抵抗器の抵抗値を測定し,その残留電圧を次の式によって求める。

KCR

t

e

U

U

×

=

N

R

2

ここに,

U

R

残留電圧(

V

U

N

定格電圧(

V

e

自然対数の底

t

放電抵抗器を通して放電する時間(

180

秒)

K

図 において,抵抗器及びコンデンサの結線ごとの
定数

C

図 における一相当たりの定格静電容量(

μF

R

図 における一相当たりの抵抗値(

MΩ

図 1−コンデンサ及び抵抗器の結線 

b) 

残留電圧測定による試験  残留電圧測定による試験は,図 に示す試験回路でコンデンサの端子間に

定格電圧の 2 倍の直流電圧を印加した後,切換開閉器を操作して 3 分間放電させ,その直後の残留

電圧を直流電圧計で測定する。


15

C 4901

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a)

  三相の場合                            b)  単相の場合 

図 2−残留電圧測定回路 

10.8 

密閉性試験 

密閉性試験は,製造業者が指定する方法で行う。

製造業者が指定しない場合は,次の方法を適用する。

最高周囲温度よりも 20 ℃以上高い温度になるまで加熱して,2 時間以上保持し,密閉性が損なわれない

構造であるかどうかを調べる。

10.9 

熱安定性試験 

熱安定性試験は,同一定格のコンデンサ 3 台を,空気循環のない恒温槽に製造業者が指定する通常の設

置間隔と同等又はそれ以下になるようにして並べて置き,最高周囲温度±2 ℃に保温する。

被試験品は,中央の 1 台とし,定格容量の 1.44 倍の容量(kvar)になるような 50 Hz 又は 60 Hz の正弦

波に近い波形の電圧を,端子間に 48 時間以上連続印加する。

なお,被試験品以外は,抵抗が入ったダミーコンデンサを用いて,被試験品に向かい合った面のケース

上部の温度が被試験品コンデンサの温度以上になるようにダミーコンデンサの抵抗の発熱量を調整しても

よい。

試験の最後の 6 時間中にコンデンサ容器の最高温度部の温度を 4 回以上測定したとき,

温度の増加は 1 ℃

以下でなければならない。1 ℃を超えるときは,更に 6 時間延長して 4 回測定し,温度の増加が 1 ℃以下

になるまで続ける(このときの最高温度部の温度上昇値を熱安定性温度上昇値という。

次に,10.10 の高温損失率試験を行う。その後,熱安定性試験の続きとして,コンデンサを槽外に取り出

して常温に放置し,試験前の静電容量及び損失率を測定したときの温度とコンデンサ自体との温度差が

5 ℃以下になってから,静電容量を 10.5 に従って測定し,引き続いて損失率を 10.6 に従って測定する。た

だし,静電容量及び損失率の測定条件は,定格電圧の 0.9∼1.1 倍,定格周波数の 0.8∼1.2 倍とする。

注記  10.5 及び 10.6 において,10.3 の耐電圧試験実施後の被試験品を用いると規定しているが,ここ

ではその必要はない。 

10.10

  高温損失率試験 

高温損失率試験は,10.9 の試験の中で実施するが,10.9 に規定する電圧を 48 時間以上連続印加しコンデ

ンサの温度増加が 1 ℃以下になったとき,10.6 に従って損失率を測定する。

V

V

V


16

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注記  10.6 において,10.3 の耐電圧試験実施後の被試験品を用いると規定しているが,ここではその

必要はない。 

10.11

  耐湿性試験 

耐湿性試験は,密閉(2)のコンデンサに適用し,製造業者が指定する方法で行う。

なお,製造業者が指定しない場合は,次の方法を適用する。

コンデンサを温度 40±2 ℃,相対湿度 90∼95 %の恒温及び恒湿槽内に 500±12 時間放置する。

次に,常温常湿に 1 時間以上で温度安定までの時間放置し,直ちに 10.3 に規定する端子相互間の耐電圧

試験を行い,続いて外観を調べ,静電容量及び損失率を 10.5 及び 10.6 に従って測定する。

10.12

  短絡放電性試験 

短絡放電性試験は,定格電圧の 2 倍の直流電圧を印加し,端子間にギャップを置き,そのギャップを通

して 10 分間に 5 回の放電を行う。

なお,単相・三相両用コンデンサは,単相コンデンサとして試験を行う。三相コンデンサの場合は二相

についてだけ試験を行う。Δ 結線のコンデンサの場合は 2 端子一括とほかの端子との間に直流電圧を印加

し,Y 結線のコンデンサの場合は任意の 2 端子間に定格電圧の

3

/

4

倍の直流電圧を印加する。

放電電流のピーク値が定格電流の 200 倍を超える場合は,限流用コイルを追加し 200 倍以下としてもよ

い。

コンデンサは,その後 5 分以内に 10.3 の端子相互間の耐電圧試験を行い,静電容量を 10.5 で測定する。

10.13

  耐用性試験 

耐用性試験は,次による。

a)

試験槽は,強制冷却できる恒温槽又は恒温油槽とする。

b)

コンデンサを槽内に置き,電圧印加前に槽温度を 35 ℃(24 時間平均温度の最高値)に熱安定性温度

上昇値を加えた温度の±2 ℃以内にし,コンデンサの温度安定までの時間放置する。

なお,コンデンサを複数個同時に試験する場合,コンデンサ間隔は,試験中各コンデンサの温度が

等しくなるよう,十分に間隔を空ける。

c)

コンデンサは,次の試験を行う。

コンデンサのケース表面温度は,35 ℃(24 時間平均温度の最高値)に熱安定性温度上昇値を加えた

温度から 2 ℃を下回ってはならない。また,コンデンサのケース表面温度測定位置は,ケース側面の

端子面に向かって 3/4 の箇所に固定する。

1) 

段階 1  コンデンサは,定格電圧の 1.25 倍で定格周波数の交流電圧を 750

24

0

時間印加する。

なお,単相・三相両用コンデンサは,単相・三相のいずれで試験してもよい。

2) 

段階 2  コンデンサに定格電圧の 2 倍の直流電圧を充電し,次の式に該当するインダクタンス(

L

を通して放電する。

充電してから放電するまでの 1 サイクルの時間は 30∼40 秒とし,1 000 サイクル行う。

20

000

1

±

=

C

L

%

ここに,

L

試験用インダクタンス(μH)

C

充放電端子間の静電容量(μF)

なお,単相・三相両用コンデンサは,単相コンデンサとして試験を行う。三相コンデンサの場合

は二相についてだけ行い,Δ 結線のコンデンサは 2 端子一括とほかの端子との間に直流電圧を印加

するが,Y 結線のコンデンサは任意の 2 端子間に定格電圧の

3

/

4

倍の直流電圧を印加する。


17

C 4901

:2013

3)

段階 3  1)の段階 1 を再度行う。

d)

コンデンサは,c)の試験終了後,常温に戻し,次の試験を行う。ただし,静電容量の測定条件は,定

格電圧の 0.9∼1.1 倍,定格周波数の 0.8∼1.2 倍とする。

1)

端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧試験(10.4

2)

静電容量試験又は容量試験(10.5

3)

密閉性試験[密閉(1)のコンデンサに適用する。

10.8

10.14

  自己回復性試験 

自己回復性試験は,コンデンサに定格電圧の 2.15 倍の交流電圧を 10 秒間印加し,自己回復の回数を調

べる。自己回復が 5 回以上の場合は,試験を終える。自己回復が 5 回未満の場合は,電圧を徐々に上げ,

自己回復が 5 回発生するか,又は定格電圧の 3.5 倍の電圧に到達するまで上げる。ただし,自己回復が 5

回発生するまで試験を続けるか,又はその他の試料で行ってもよい。その選択は製造業者が行う。

試験終了後,静電容量を 10.5 に従って測定する。ただし,静電容量の測定条件は,定格電圧の 0.9∼1.1

倍,定格周波数の 0.8∼1.2 倍とする。

注記  この試料には,耐電圧試験を行っていないものを用いる。

10.15

  保安性試験 

10.15.1

  保安装置内蔵コンデンサの保安性試験 

保安装置内蔵コンデンサの保安性試験は,コンデンサを最高周囲温度の強制冷却ができる恒温槽内に入

れ,コンデンサが最高周囲温度±2 ℃になってから,

図 に示す回路を用い,a)e)の手順で行う。ただし,

三相 Δ 結線のコンデンサは 2 端子一括とほかの端子との間で行い,三相 Y 結線コンデンサは任意の 2 端子

間で行う。また,三相 Y 結線コンデンサのそれぞれ a)及び b)に規定する電圧の

3

/

2

倍とする。

a)

切換開閉器 H 及び K をそれぞれ 1 及び a に置き,交流電流を定格電圧の 1.3 倍に調整する。

b)

直流電圧を定格電圧の 10 倍に固定し,

切替開閉器 H を 2 に置いて,

可変抵抗器 R で短絡電流が 300 mA

になるようにする。

c)

切替開閉器 H は 3 に,K は b に投入して,コンデンサに直流電圧を印加し,電圧計の指示が 3∼5 秒

間でほぼゼロになるまでその位置を維持する。

d)

次に,切替開閉器 K を a に投入して交流電圧を 3 分間印加する。

e)

交流電圧印加のとき,電流がゼロになるまで a)d)を繰り返す。電流がゼロになった後,常温に冷却

し,8.13 の全ての性能を満足することを確認する。

なお,交流電源の短絡電流はコンデンサ端子部で 2 000 A 以上とする。


18

C 4901

:2013

図 3−保安装置内蔵コンデンサ保安性試験回路 

10.15.2

  保護接点付きコンデンサの保安性試験 

保護接点付きコンデンサの保安性試験は,製造業者が指定する方法で行う。

なお,製造業者が指定しない場合は,次の方法を適用する。

保安装置内蔵コンデンサの保安性試験(10.15.1)に規定の試験を行い,10.15.1 の a)d)を保護接点が動

作するまで繰り返す。

保護接点が動作した後,常温に冷却し,8.13 の全ての性能を満足することを確認する。

10.15.3

  保安機構付きコンデンサの保安性試験 

保安機構付きコンデンサの保安性試験は,コンデンサを最高周囲温度の強制冷却ができる恒温槽内に入

れ,コンデンサが最高周囲温度±2 ℃になってから,

図 に示す回路を用い,a)f)の手順で行う。ただし,

三相 Δ 結線のコンデンサは 2 端子一括とほかの端子との間で行い,三相 Y 結線コンデンサは任意の 2 端子

間で行う。また,三相 Y 結線コンデンサの a)及び b)の試験電圧は,a)及び b)に規定する電圧の

3

/

2

倍と

する。

a)

切替開閉器 K を開放の位置に置き,コンデンサ C

x

に定格電圧の 1.3 倍の交流電圧を印加する。

b)

次に,K を b に投入し,放電用コンデンサ C

o

に C

x

の定格電圧の 7 倍を最大とする直流電圧を印加す

る。このとき,C

o

の静電容量は,C

x

の静電容量の 2 倍を最大とする。

c)

C

o

が直流電圧の設定値に到達した後,K を a に投入し,C

o

の充電電荷を定格電圧の 1.3 倍の交流電圧

が印加されている C

x

に放電する。

d)

放電後,再び K を b に戻し,その後も同じ操作を繰り返す。このとき放電の頻度は,15 秒間に 1 回と

する。

e)

電流計 A で電流値を記録し,C

x

に流れる電流がほぼゼロになったとき,この試験を終了する。

f)

電流がほぼゼロになった後,常温に冷却し,8.13 の全ての性能を満足することを確認する。

V

V

A

A

  :交流電源

  :直流電源


19

C 4901

:2013

                  :ヒューズ

図 4−保安機構付きコンデンサの保安性試験回路 

11 

検査 

11.1 

形式検査 

形式検査は,箇条 10 に規定する試験に従って,次の検査を行った場合,箇条 8,箇条 及び箇条 13 

規定を満足しなければならない。試料は,h)及び i)は同一試料とし,a)g)及び j)n)は各々別試料として

もよい。

a)

構造

b)

端子相互間の耐電圧

c)

端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧

d)

静電容量又は容量

e)

損失率

f)

放電性(放電抵抗器内蔵のコンデンサに適用する。

g)

密閉性[密閉(1)のコンデンサに適用する。

h)

熱安定性

i)

高温損失率(熱安定性の高温の最後で測定する。

j)

耐湿性[密閉(2)のコンデンサに適用する。

k)

短絡放電性

l)

耐用性[密閉(1)のコンデンサは,試験終了後密閉性の検査を行う。

m)

自己回復性

n)

保安性

11.2 

受渡検査 

受渡検査は,箇条 10 に規定する試験に従って次の検査を行った場合,箇条 8,箇条 及び箇条 13 の規

定を満足しなければならない。ただし,受渡当事者間の協定で検査の一部を省略してもよい。

a)

構造

b)

端子相互間の耐電圧

V

V

  :交流電源

  :直流電源

C

o

K

C

x


20

C 4901

:2013

c)

端子一括とケース又はケース外装との間の耐電圧(N1 形の端子一括とケース外装との間及び N2 形は

除く。

d)

静電容量又は容量

e)

損失率

f)

放電性(放電抵抗器内蔵のコンデンサに適用する。

g)

密閉性[密閉(1)のコンデンサに適用する。

12 

製品の呼び方 

製品の呼び方は,名称,種類,定格電圧及び定格静電容量(又は定格容量及び定格周波数)による(一

部,省略してもよい。

例 1  進相コンデンサ,単相・三相両用,200 V,500 μF

例 2  進相コンデンサ,三相,234 V,10.6/12.8 kvar,50/60 Hz

例 3  進相コンデンサ,N2 形,保安装置内蔵,放電抵抗器内蔵,三相,200 V,30 μF

13 

表示 

コンデンサには,

明瞭かつ容易に消えない方法で,

次の事項を見やすい場所に表示しなければならない。

単相・三相両用のコンデンサは,単相及び三相の定格電流を表示し,それぞれの結線方法を適切な箇所

に表示する。

表示の方法については,JIS Z 8304 を参照することが望ましい。

a)

名称[進相コンデンサ(屋内用)と表示する。

b)

種類

1)

最低周囲温度の別(−25  ℃の場合は,省略してもよい。

2)

素子(SH)

(省略してもよい。

3)

絶縁構造の別(E 形の場合は,省略してもよい。

4)

密閉構造の別(省略してもよい。

5)

保安構造の別(脱着可能な保護接点付きの場合は除く。

6)

相数の別

c)

定格電圧(V)

2)

d)

定格容量(kvar)

2) 3)

又は定格静電容量(μF)

e)

定格周波数(Hz)

3)

f)

定格電流(A)

2) 3)

g)

製造業者名又はその略号

h)

製造番号又はロット番号

i)

製造年又はその略号

j)

内部結線の別(単相及び三相 Δ 結線の場合は,省略してもよい。

k)

放電抵抗器の有無(内蔵の場合だけ表示する。

2)

  回路電圧から定格電圧を求めるか又は定格静電容量から定格容量(kvar)を求める場合,及

び定格電流を求める場合は,有効数字 4 桁目を四捨五入して 3 桁表示とする。ただし,1.0

未満の数値になる場合は,有効数字 3 桁目を四捨五入して 2 桁表示としてもよい(例えば,

0.653 A の場合は 0.65 A とする。)。


21

C 4901

:2013

3)

 50

Hz 及び 60 Hz 共用品の定格周波数は 50/60 Hz,定格容量は 10.6/12.8 kvar,定格電流は

26.2/31.5 A と表示してもよい。


22

C 4901

:2013

附属書 JA

(参考)

低圧進相コンデンサ用直列リアクトル

JA.1

  一般 

この附属書は,力率改善の目的で交流 600 V 以下の回路に用い,本体に規定する低圧進相コンデンサ(コ

ンデンサ群を含む。

)に直列に挿入して回路電圧波形のひずみを軽減させ,かつ,コンデンサ投入時の突入

電流を抑制する目的に用いる直列リアクトル(以下,リアクトルという。

)について記載する。

JA.2

  用語及び定義 

JIS C 4902-2

の箇条 3(用語及び定義)による。ただし,回路電圧については,箇条 による。

JA.3

  使用状態 

使用状態は,箇条 による。

JA.4

  過負荷使用条件 

JIS C 4902-2

の箇条 5(過負荷使用条件)による。ただし,最大許容電流については,JIS C 4902-2 

2

(最大許容電流)の,主として許容電流種別 II を適用する。

JA.5

  定格 

JA.5.1

  定格電圧 

三相回路に用いるリアクトルの定格電圧は,コンデンサ定格電圧の 1/

3

6 %

とし,

表 JA.1 の値とす

る。

表 JA.1−三相回路に用いるリアクトルの定格電圧 

回路電圧

V

定格電圧

V

220 8.11 
440 16.2

JA.5.2

  絶縁強度 

対地試験電圧値は,回路電圧に対応する

表 JA.2 のとおりとする。

表 JA.2−試験電圧値 

回路電圧

V

商用周波耐電圧試験(実効値)

V

220 3

000

440 3

000

JA.5.3

  相数 

相数は,単相又は三相とする。


23

C 4901

:2013

JA.5.4

  定格周波数 

定格周波数は,

50 Hz

専用又は

60 Hz

専用とする。

JA.5.5

  定格電流 

JIS C 4902-2

の 7.5(定格電流)による。

JA.5.6

  定格容量 

定格容量は,コンデンサの定格容量の

6 %

とし,

表 JA.3∼表 JA.6 による。

表 JA.3−直列リアクトルの定格容量の標準値(220 V の 50 Hz 又は 60 Hz による異容量品) 

回路電圧 V

220

定格周波数

Hz

50 60 50 60 50 60 50 60 50 60

定格設備容量

kvar

10 12 15 18 20 24 25 30 30 36

コンデンサ定格容量 kvar

10.6 12.8

16.0

19.1

21.3

25.5

26.6

31.9 31.9 38.3

リアクトル定格容量 kvar

0.638

0.766

0.957

1.15

1.28

1.53

1.60

1.91 1.91 2.30

表 JA.4−直列リアクトルの定格容量の標準値(220 V の 50 Hz 又は 60 Hz による同容量品) 

回路電圧 V

220

定格周波数 Hz

50,60

定格設備容量 kvar

50

75

100

150

コンデンサ定格容量 kvar

53.2  79.8

 a)

106

 a)

 160

 a)

リアクトル定格容量

kvar

3.19 4.79 6.38 9.57

a)

  コンデンサを複数台で構成する。

表 JA.5−直列リアクトルの定格容量の標準値(440 V の 50 Hz 又は 60 Hz による異容量品) 

回路電圧 V

440

定格周波数

Hz

50 60 50 60 50 60 50 60 50 60

定格設備容量

kvar

10 12 15 18 20 24 25 30 30 36

コンデンサ定格容量 kvar

10.6 12.8

16.0

19.1

21.3

25.5

26.6

31.9 31.9 38.3

リアクトル定格容量 kvar

0.638 0.766

0.957

1.15

1.28

1.53

1.60

1.91 1.91 2.30

表 JA.6−直列リアクトルの定格容量の標準値(440 V の 50 Hz 又は 60 Hz による同容量品) 

回路電圧 V

440

定格周波数 Hz

50,60

定格設備容量

kvar

50  75  100 150 200 250 300

コンデンサ定格容量 kvar 53.2  79.8  106  160  213

 a)

 266

 a)

 319

 a)

リアクトル定格容量 kvar 3.19  4.79  6.38  9.57 12.8 16.0 19.1

a)

  コンデンサを複数台で構成する。

JA.6

  性能 

性能は,JIS C 4902-2 の箇条 8(性能)による。ただし,温度上昇の値は,JIS C 4902-2 の 8.6(温度上

昇)に規定する値から

5

℃を差し引いた値とする。

JA.7

  構造 

JIS C 4902-2

の箇条 9(構造)による。


24

C 4901

:2013

JA.8

  試験方法 

JIS C 4902-2

の箇条 10(試験方法)による。ただし,雷インパルス耐電圧試験は適用しない。

JA.9

  検査 

JIS C 4902-2

の箇条 11(検査)による。

JA.10

  製品の呼び方 

JIS C 4902-2

の箇条 12(製品の呼び方)による。

JA.11

  表示 

JIS C 4902-2

の箇条 13(表示)による。ただし,絶縁強度及び温度種別の表示は適用しない。

参考文献

JIS C 4902

(規格群)  高圧及び特別高圧進相コンデンサ並びに附属機器 

JIS C 4908

  電気機器用コンデンサ


25

C 4901

:2013

附属書 JB

(参考)

コンデンサ使用上の指針

JB.1

  一般 

低圧進相コンデンサは,その他の電気機器と異なった性能をもっているため,電力系統との関連,コン

デンサ設備を構成する直列リアクトルと放電コイルとの組合せ,定格事項の選択などの進相コンデンサ設

備としての設置上の注意事項,運転上の注意事項などを記載する。また,コンデンサ使用上の指針として,

設置計画時などの参考にするとともに,設備運転中のトラブル未然防止に役立てたい。

なお,更に詳細な事項は,電気設備技術基準などの各種関連規定に従うとともに,製造業者が指定する

方法によって取り扱わなければならない。

JB.2

  使用条件及び周囲温度 

ここでは,屋内用の低圧進相コンデンサについて取り扱う。また,次の設置上の注意が必要である。

a)

直射日光の当たらない場所である。

b)

雨,水滴などがかからない場所である。

上記の a)及び b)が使用場所の条件で,4.1 に規定する環境で用いることが前提であり,4.2 に規定する特

殊使用状態での使用は避けなければならない。このような場所で用いる場合は,事前に製造業者と相談す

る必要がある。

コンデンサ運転時の温度は,コンデンサの寿命に大きく影響するので注意が必要である。

コンデンサの最高周囲温度は,

45

℃以下(ただし,

24

時間の平均温度は

35

℃以下,

1

年間の平均温度

25

℃以下とする。

)と規定しているので,これを満足するように設置条件を設定する必要がある。特に

コンデンサを集合してキュービクルなどに収納している場合,又はその他の機器と併置してキュービクル

などに内蔵している場合は,コンデンサの周囲温度が

45

℃を超えることがあり,通風及び換気に十分考

慮しなければならない。したがって,コンデンサを集合して設置する場合は,コンデンサ相互の間隔を製

造業者の指定する間隔以上に離して設置し,空気の流通をよくする必要がある。ただし,比較的小容量の

コンデンサでは,密着設置してもよいものが生産されている。

また,変圧器及びその他の発熱機器による影響も考慮する必要があり,進相コンデンサから

200 mm

上隔離して取り付ける。また,変圧器,リアクトルなどの下段に設置することがキュービクル式受電設備

の一つの条件になっている。上段に設置した場合,その発熱の影響を受け,周囲温度を超えることが予想

される。

コンデンサは,床上又は壁面に端子を上部にして取り付けるのが一般的であり,倒立した取付けは避け

なければならない。

なお,床上に端子を横にして取り付けることは一部の小容量品では許される場合もあるが,一般的には

放熱上の問題又は保安装置動作特性に悪影響を及ぼすこともあり,そのような使用方法については製造業

者と相談する必要がある。

また,最低周囲温度は−

25

℃及び−

5

℃である。これ以下の温度で使用した場合,内部の誘電体が部分

放電を発生して損傷するおそれがある。

周囲温度範囲を超えて用いる場合は,事前に製造業者と相談する必要がある。


26

C 4901

:2013

JB.3

  定格電圧の選定及び過電圧 

コンデンサの定格電圧を選定する場合は,次のことを十分に考慮しなければならない。

a)

進相コンデンサは,一般の電気機器と異なり,運転中は常に全負荷運転状態となっている。

b)

コンデンサを設置し,運転すると設置点の電圧が上昇する。

c)

回路の公称電圧と実際の電圧との差異

d)

使用電圧が定格電圧よりも低い場合は,電圧の二乗に比例して進相容量が低下するが,その他は実用

上の支障はないので,標準品を用いることが望ましい。

e)

直列リアクトルを設置したコンデンサは,その直列リアクトルのコンデンサに対する比率に応じてコ

ンデンサの端子電圧が上昇する(リアクタンス

6 %

の場合は約

106 %

,リアクタンス

13 %

の場合は約

115 %

。受電設備用に使用するコンデンサ(

kvar

品)は,直列リアクトル(リアクタンス

6 %

)によ

る電圧上昇を考慮してコンデンサの定格電圧を定めている。ただし,負荷と直結して使用されるコン

デンサ(

μF

品)又は

1993

年版以前の規格のコンデンサでは,直列リアクトルによる電圧上昇を考慮

した定格電圧になっていないため,注意が必要である。このような場合,直列リアクトルによる電圧

上昇分も最高許容電圧に含まれることになるので,電圧変動分などを含めて最高許容電圧以下の運転

ができるように考慮が必要である。

f)

軽負荷時にコンデンサが接続され,過進相となっている場合が多い。著しく進み力率となっている場

合には,過電圧になるおそれがあるので,コンデンサを自動で力率制御するか又は開放する必要があ

る。

g)

コンデンサと誘導電動機とが並列接続され,共通の開閉器で開放する場合は,自己励磁現象で電圧が

上昇することがある。コンデンサの電流が電動機の無負荷電流以下になるようにコンデンサ容量を選

定すれば,自己励磁現象を避けることができる。

なお,箇条 の a)の最高許容電圧を超えることが予想される場合は,コンデンサの定格電圧を標準より

も高い電圧に選ぶなどの対策が必要である。最高許容電圧は,系統の電圧変動などで生じ得る過電圧とし

て定格電圧の

1.1

倍が

24

時間のうち

8

時間以内,

1.15

倍が

24

時間のうち

30

分以内と規定し,また,異常

な負荷条件などで発生する過電圧として定格電圧の

1.2

倍が

5

分以内,

1.3

倍が

1

分以内でコンデンサの寿

命を通じて

200

回を超えないことにしている。この最高許容電圧は,規定の時間内で“連続印加しても実

使用上支障を生じない電圧限度”であり,この限度内であれば“寿命を著しく短縮するほどには至らない”

ことを意味するものである。

JB.4

  過電流 

コンデンサの過電流は,過電圧と高調波との両方の原因で生じる。

軽負荷時は進み力率となり,電圧が上昇して変圧器の鉄心飽和によって高調波が発生し,コンデンサに

過電流が流れることがあるが,このような場合はコンデンサを開放すればよい。

近年,インバータなどの半導体応用機器の普及に伴い,これらから発生する高調波電流が増大して,配

電系統の電圧ひずみを増大させ,機器の過熱,焼損,騒音増大,誤動作などの障害を引き起こしている。

進相コンデンサは,その特性上,高調波電流が流れ込みやすく,電源リアクタンスとの共振現象によっ

て高調波の拡大を生じることがある。

通常は第

5

調波以上の高調波が多く,第

5

調波以上の高調波に対してコンデンサ回路を誘導性にして第

5

調波以上の高調波を拡大させないためにコンデンサ回路のリアクタンスを

6 %

にしている。

一般に,第

3

調波の高調波電流は,負荷から発生しても三相平衡していれば変圧器のΔ結線の中で循環


27

C 4901

:2013

して打ち消されるため,現れることは少ない。ただし,特殊な例として,三相の不平衡による第

3

調波の

流出などによって第

3

調波が無視できない場合には,

L

13 %

又は

15 %

のものを選定する必要がある。

低圧進相コンデンサ設備を高調波発生機器と同一変圧器に設置する場合は,変圧器インピーダンスの限

流作用によって高調波電流が低圧進相コンデンサに流入しやすくなり,電源への高調波電流流出を抑制す

ることができる。また,変圧器の一次側に存在する高調波ひずみの影響は,変圧器のインピーダンスによ

って限流され,一次側にコンデンサ設備を設置するよりも高調波電流が流入しにくくなる。

すなわち,低圧進相コンデンサ設備(

L

6 %

)は高圧側の高調波ひずみの影響を受けにくく,かつ,低

圧側にある高調波発生機器から発生する高調波を吸収して電源側への高調波電流流出を抑制する効果をも

っている。このような効果を期待して,低圧側へコンデンサ設備を設置する場合には,次の点に注意が必

要である。

a)

変圧器容量に対して大きな進相コンデンサ設備(

L

6 %

)を使用した場合は,第

3

調波に対しては容

量性であるため,変圧器のインピーダンスと共振を起こして第

3

調波を異常に拡大する場合がある。

b)

一般的にインバータが接続されている回路においては,インバータから高調波を発生する場合が多い

ので,インバータ入力回路側に力率改善のためコンデンサを取り付ける場合は,高調波の分流計算を

行い,耐量に注意してフィルタ設置又は直列リアクトル付きコンデンサを選択する必要がある。コン

デンサ単独の設置は,インバータの機種によっては高調波の拡大,過大電流の流入などを招く可能性

があるので,注意が必要である。インバータ回路の出力側には,大量の高調波成分を含んだ電流が流

れるので,コンデンサを設置してはならない。

c)

高調波発生機器から流入する高調波と高圧側の高調波ひずみによる高調波とが流入することになるた

め,高調波耐量の大きな許容電流種別

II

I5

55 %

許容品)の直列リアクトルを適用する必要がある。

なお,高調波耐量が不足する場合には,フィルタの設置又は

L

13 %

の直列リアクトルの設置を検

討する必要があるが,

L=13 %

の直列リアクトルを設置した場合,高調波が電源側に流出することにな

るので注意が必要である。

大容量の高調波発生源がある場合は,コンデンサ設置の前後に回路の特性及び電圧波形について十分検

討する必要がある。

並列にコンデンサがある場合,コンデンサの投入時に発生する大きな過渡電流(突入電流)は,コンデ

ンサ及びその他の器具の許容できる値に低減する必要があり,このためにも直列リアクトルを挿入する必

要がある。

コンデンサとしては,投入時の過渡電流は,そのピーク値の最大を定格電流実効値の

100

倍以下とする

ことが望ましい。直列リアクトルが附属されている場合,突入電流は,定常値の

5

倍程度まで抑制するこ

とができる。

JB.5

  開閉装置の選定 

コンデンサの開閉装置(外部ヒューズを含む。

)は,コンデンサの最大許容電流[

μF

品及び

106 kvar

下品の場合:定格電流の

1.3

×

1.1(

1.43)

倍,又は

106 kvar

超過品の場合:

1.3

×

1.05(

1.365)

倍]の電流に

耐え,投入時に発生する大きな突入電流に耐えなければならない。また,高調波電流によって過熱するお

それがあるのでこれにも十分耐え,更に投入時の大きな過渡電流による電磁機械力及び発熱にも耐えるも

のでなければならない。


28

C 4901

:2013

附属書 JC

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 4901:2013

  低圧進相コンデンサ(屋内用)

IEC 60831-1:2002

  Shunt power capacitors of the self-healing type for a.c. systems

having a rated voltage up to and including 1 000 V−Part 1: General−Performance, 
testing and rating−Safety requirements−Guide for installation and operation 
IEC 60831-2:1995

  Shunt power capacitors of the self-healing type for a.c. systems

having a rated voltage up to and including 1 000 V−Part 2: Ageing test, self-healing 
test and destruction test

(I)JIS の規定

(II)

国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用 範

交流 600 V 以下の回
路に使用

IEC 

60831-1

1

交流 1 000 V 以下の回路
に使用

変更

我 が 国 の 低 圧 配 電 系 統 と 電 圧
が異なる。

我が国の実状を加味し,JIS C 4902
規格群との連続性を考慮した。

3  用語及
び定義

定格電圧,定格静電

容量,回路電圧,定

格設備容量,損失率,
受電設備など

3

定格電圧,定格静電容量,

損失など

追加

変更

JIS

では,回路電圧,定格設備

容量,受電設備などについて規

定している。

諸外国では直列リアクトルを使う

ケースが少なく,我が国の実状を

加味し,用語を規定した。

4.1  標 準
使用状態

相対湿度,標高,周

囲温度

 4  標高,周囲温度

追加

IEC

規格では相対湿度の規定が

ない。

我が国の気候など実状に合わせ,

相対湿度を規定した。

4.2  特 殊
使用状態

4.1 以外の使用状態

IEC 

60831-1

4.2

4.1 以外の使用状態は,受
渡 当 事 者 間 の 協 定 に よ
る。

追加

IEC

規格では特殊使用状態の具

体 的 な 内 容 は 規 定 し て い な い
が,JIS では規定している。

我が国の気候及び実態を加味して

変更した。受渡当事者間の協定に
よることに違いはない。

6  種類

素子,構造,保安構

造など

規定なし

追加

IEC

規格では構造による種類の

規定がない。

諸外国に比べて,我が国ではコン

デ ン サ の 種 類 が 多 彩 と な っ て お

り,構造による種類を規定した。

28

C

 490

1


2

013


29

C 4901

:2013

(I)JIS の規定

(II) 
国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

7  定格

相数,定格周波数,

定格電圧,定格容量
など

規定なし

追加

JIS

では各定格について標準値

を規定している。

我が国の実状を加味し,相数,定

格周波数を規定した。 
諸外国では直列リアクトルを使う

ケースが少なく,直列リアクトル

取付けによる電圧上昇を考慮した
定 格 電 圧 及 び 定 格 容 量 を 規 定 し

た。

8  性能

耐電圧,静電容量,

損失率,耐湿性,短
絡放電性など

IEC 

60831-1

9∼19 

耐電圧,静電容量,損失

率,短絡放電性など

追加

IEC

規格では耐湿性の規定がな

い。

我が国の気候など実状に合わせ,

耐湿性を規定した。

IEC 

60831-2

17∼19

また,我が国で一般的なコンデンサ
の種類に応じた性能を追加した。

9  構造

素子,ケース,含浸

剤など

規定なし

追加

IEC

規格では素子,ケース,含

浸剤の規定がない。

我が国の実状を加味し,素子,ケ

ース,含浸剤を規定した。

10  試験

耐電圧,静電容量,

損失率,耐湿性,短
絡放電性など

IEC 

60831-1

9∼19

耐電圧,静電容量,損失

率,短絡放電性など

追加

IEC

規格では構造及び耐湿性の

規定がない。

我が国の気候など実状に合わせ,

構造及び耐湿性を規定した。

IEC 

60831-2

17∼19

また,我が国で一般的なコンデンサ
の種類に応じた試験を追加した。

11  検査 11.1

形式検査

構造,耐電圧,耐湿

性,静電容量,損失
率,密閉性,保安性

など

IEC 

60831-1

6.2

構造,耐電圧,静電容量,

損失率,密閉性,保安性

など

追加

IEC

規格では構造及び耐湿性の

規定がない。

我が国の実状及び気候などに合わ

せ,構造及び耐湿性を規定した。

 11.2

受渡検査

構造,耐電圧,静電
容量,損失率など

6.1

耐電圧,静電容量,損失

率など

追加

IEC

規格では構造についての規

定がない。

我が国の実状に合わせ,構造を規

定した。

12  製 品
の呼び方

名称,種類など

規定なし

追加

IEC

規格では名称,種類につい

ての規定がない。

諸外国に比べて,我が国ではコン

デ ン サ の 種 類 が 多 彩 と な っ て お

り,例を示して呼び方を規定した。

29

C

 490

1


2

013


30

C 4901

:2013

(I)JIS の規定

(II) 
国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

13  表示

製造業者,定格,構

造,結線など

IEC 

60831-1

26

製造業者,定格,結線な

追加

IEC

規格では構造などの規定が

ない。

我が国の実状に合わせ,構造を規

定した。

追加

表示の方法として,JIS Z 8304
を参照することを推奨した。

設備使用中に表示内容が確認でき
るように,銘板の設計基準を指針

として示した。

附属書 JA

(参考)

附属書 JB
(参考)

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:

IEC 60831-1:2002

IEC 60831-2:1995,MOD)

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

30

C

 490

1


2

013