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C 4604:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 一般事項 1 

1.1 適用範囲  1 

1.2 引用規格  1 

2 標準及び特殊使用状態  2 

2.1 標準使用状態  2 

2.2 その他の使用状態  3 

2.3 特殊使用状態  3 

2.4 外部環境への影響  3 

3 用語及び定義  3 

3.1 一般  3 

3.2 ヒューズ及びヒューズの構成部品 5 

3.3 追加の用語  7 

4 定格及び特性  8 

4.1 一般  8 

4.2 定格電圧(Ur)  9 

4.3 ヒューズホルダの定格耐電圧  9 

4.4 定格周波数  10 

4.5 ヒューズホルダの定格電流  10 

4.6 ヒューズリンクの定格電流(Ir)  10 

4.7 温度上昇限度  10 

4.8 遮断電流  11 

4.9 動作過電圧  12 

4.10 定格過渡回復電圧  12 

4.11 溶断時間−電流特性  14 

4.12 限流特性  15 

4.13 I2t特性  15 

4.13A 許容時間−電流特性  15 

4.13B 繰返し過電流特性  15 

4.14 ストライカの機械的特性  15 

4.15 IEC 62271-105に基づく開閉器とヒューズとの組合せ用バックアップヒューズの特別要求事項 ···· 16 

5 設計,構造及び性能  16 

5.1 ヒューズの動作に関する一般要求事項 16 

5.2 識別表示  17 

5.3 寸法  18 


 

C 4604:2017 目次 

(2) 

ページ 

6 形式試験 18 

6.1 試験実施条件  18 

6.2 形式試験一覧  19 

6.3 共通事項  19 

6.4 耐電圧試験  19 

6.5 温度上昇試験及びワット損測定  20 

6.6 遮断試験  22 

6.7 溶断特性試験  34 

6.8 ストライカ試験  36 

6.9 電磁両立性(EMC)  38 

7 特殊試験 38 

7.1 一般  38 

7.2 特殊試験のリスト  38 

7.3 熱衝撃試験  39 

7.4 容器内で使用することを意図していないヒューズに対するワット損試験  39 

7.5 防水試験(水分の浸入)  39 

7.6 IEC 62271-105に規定するヒューズ付スイッチコンビネーションに使用するバックアップヒューズ 

  に対する試験  39 

7.7 絶縁用液体に対する密閉試験  39 

8 ルーチン試験  39 

9 適用指針 39 

附属書A(規定)回路の固有過渡回復電圧の仮想包絡線の作図及び規約パラメータの決定方法  40 

附属書B(参考)試験系列1,2及び3に関する過渡回復電圧特性の選択理由  42 

附属書C(参考)開閉装置用油密性ヒューズの温度上昇試験に関する推奨配置  44 

附属書D(参考)既存の各国規格で規定する限流ヒューズリンクの形状及び寸法  44 

附属書E(規定)40 ℃を超える周囲温度で使用するための特定のタイプのヒューズリンクに関する 

  要求事項  45 

附属書F(参考)限流ヒューズの温度低減に関する指針  49 

附属書G(参考)It試験の有効性判定の基準  50 

附属書JA(参考)I2tの求め方  51 

附属書JB(参考)繰返し過電流特性  56 

附属書JC(参考)発弧瞬時電流の求め方  57 

附属書JD(参考)投入位相角の決定方法  58 

附属書JE(参考)波形の狂い率決定方法  59 

附属書JF(参考)短絡力率の決定方法  61 

附属書JG(参考)JISと対応国際規格との対比表  64 

 

 


 

C 4604:2017  

(3) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

電機工業会(JEMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS C 4604:1988は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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高圧限流ヒューズ 

High voltage current-limiting fuses 

 

序文 

この規格は,2009年に第7版として発行されたIEC 60282-1及びAmendment 1:2014を基とし,国内の

配電系統,国内固有の製品形態などを考慮して,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。た

だし,追補(amendment)については,編集し,一体とした。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格から追加又は変更している事

項である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JGに示す。 

 

一般事項 

1.1 

適用範囲 

この規格は,交流の回路で公称電圧3.3 kV又は6.6 kV,周波数50 Hz又は60 Hzの電路の各極に使用す

る,気中かつ屋外用又は屋内用の高圧限流ヒューズ(以下,ヒューズという。)について規定する。 

ヒューズは,表示器又はストライカを組み込んだヒューズリンクとともに提供されることがある。これ

らのヒューズも,この規格の対象とする。ただし,開閉器の引外し機構との組合せに関するストライカの

正常動作は,この規格の対象外とする(JIS C 4611参照)。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60282-1:2009,High-voltage fuses−Part 1: Current-limiting fuses及びAmendment 1:2014(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

1.2 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7722 シャルピー振子式衝撃試験−試験機の検証 

注記 対応国際規格:ISO 148-2,Metallic materials−Charpy pendulum impact test−Part 2: Verification 

of testing machines 

JIS C 4003 電気絶縁−熱的耐久性評価及び呼び方 

注記 対応国際規格:IEC 60085:2007,Electrical insulation−Thermal evaluation and designation 

JIS K 7111(全ての部) プラスチック−シャルピー衝撃特性の求め方 

注記 対応国際規格:ISO 179 (all parts),Plastics−Determination of Charpy impact properties 

IEC 60060-1:1989,High-voltage test techniques. Part 1: General definitions and test requirements 

 


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標準及び特殊使用状態 

2.1 

標準使用状態 

ヒューズは,次の状態で使用する。 

a) 周囲温度は40 ℃以下とし,かつ,24 h測定したときの周囲温度の平均値が35 ℃以下とする。 

最低気温は,−25 ℃とする。 

注記1 ヒューズの時間−電流特性は,最低及び最高気温によって変化する。 

b) 標高は,1 000 m以下とする。 

注記2 この規格で規定する定格電圧及び絶縁レベルは,標高1 000 m以下で使用するヒューズに

適用する。標高1 000 mを超える場所で用いるために外部絶縁を必要とする場合,次の手

順の一つ以上を採用することが望ましい。 

1) 気中の絶縁部分に対する試験電圧は,表1の列(2)に規定する適切な補正係数を,表4

に規定する試験電圧に乗じることによって決定することが望ましい。 

2) 表1の列(3)に規定する適切な補正係数を乗じたヒューズの定格電圧は,配電電圧の最

高値以上であってもよい。 

標高1 000 m〜1 500 m及び1 500 m〜3 000 mの場合,補正係数は,表1の値から線形補間で得られ

る。 

 

表1−標高補正係数:試験電圧及び定格電圧 

標高の最高値 

 

海抜に対する試験電圧の補正係数 

 

(2) 

定格電圧の補正係数 

 

(3) 

1 000 

1.0 

1.0 

1 500 

1.05 

0.95 

3 000 

1.25 

0.80 

 

標高によって耐電圧特性が変わらない場合,特別な注意は,必要としない。 

注記3 標高1 000 mを超える場合,この規格で規定する定格電流及び温度上昇は,表2の適切な

係数を用いて補正できる。補正係数は,列(2)又は(3)のいずれかを用い,両方は用いない。 

標高1 000 m〜1 500 m及び1 500 m〜3 000 mの場合,補正係数は,表2の値から線形補間で得られ

る。 

 

表2−標高補正係数:試験電流及び温度上昇 

標高の最高値 

 

定格電流の補正係数 

 

(2) 

温度上昇の補正係数 

 

(3) 

1 000 

1.0 

1.0 

1 500 

0.99 

0.98 

3 000 

0.96 

0.92 

 

c) 大気には,じんあい,煙,腐食性ガス,可燃性ガス,蒸気又は塩分による,過度又は異常な汚損がな

い。 

d) 屋内設置の場合の湿度条件は,次を指針として使用できる。 


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・ 24 h測定したときの相対湿度の平均値が95 %以下。 

・ 24 h測定したときの水蒸気圧の平均値が22 hPa以下。 

・ 1か月間測定したときの相対湿度の平均値が90 %以下。 

・ 1か月間測定したときの水蒸気圧の平均値が18 hPa以下。 

これらの条件では,結露が発生することがある。 

注記4 高湿状態での急激な温度変化によって,結露が発生することがある。 

注記5 絶縁破壊又は金属部の腐食のような,高湿及びまれに発生する結露の影響に耐えるため,

このような環境用に設計・試験した屋内用ヒューズ,又は屋外用ヒューズを用いてもよい。 

注記6 結露は,ビルなどの特殊な設計,盤の適切な換気及びヒーティング,又は除湿器の設置に

よって,防止できる場合がある。 

e) 外部から発生するヒューズへの振動,又は地震による振動は,無視できる。 

屋外用に設置する場合,次の事項も含む。 

f) 

結露の発生又は雨滴,及び急な温度変化を考慮することが望ましい。 

g) 風圧は,700 Pa以下(風速34 m/sに相当)。 

h) 日射は,1.1 kW/m2以下。 

2.2 

その他の使用状態 

周囲温度が40 ℃を超える場所で使用するヒューズリンクは,附属書Eによる。 

2.3 

特殊使用状態 

製造業者と使用者との協定によって,ヒューズは,2.1で規定する標準使用状態と異なる使用状態で用い

てもよい。特殊使用状態については,製造業者に確認する。 

2.4 

外部環境への影響 

この規格で規定するヒューズは,通常使用状態において,静止機器である。充塡物の外部への重大な放

出がないことが,5.1.3の要求事項である。したがって,ヒューズは,通常使用状態では,ヒューズの外部

に対して安全な機器とみなす。 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

一般 

3.1.1 

定格値(rated value) 

構成部分,装置,設備などの指定する動作条件のために,一般に製造業者が選定した数値。 

3.1.2 

定格(rating) 

定格値と動作条件との組合せ。 

3.1.3 

固有電流(prospective current) 

無視できるほど小さいインピーダンスの導体でヒューズを置き換えたとき,その回路に流れる電流。 


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3.1.4 

固有電流波高値(prospective peak current) 

流れ始めに続き過渡期間中における固有電流の最大波高値。 

3.1.5 

固有遮断電流(prospective breaking current) 

遮断過程の始まる瞬時に対応する時間において求められる固有電流。 

3.1.6 

遮断電流(breaking capacity,breaking current) 

ヒューズが規定の条件の下で,ある指定の電圧において遮断できる固有電流値。 

3.1.7 

限流値(cut-off current) 

ヒューズの限流作用によって抑制された電流の最大到達値(瞬時値)。 

3.1.8 

溶断時間(pre-arcing time) 

溶断電流が流れ始めてから,ヒューズエレメントが溶断してアークが発生するまでの時間。 

3.1.9 

アーク時間(arcing time) 

ヒューズエレメントが溶断してアークが発生してから,アークが消滅(消弧)するまでの時間。 

3.1.10 

動作時間(operating time) 

溶断時間とアーク時間との和。 

3.1.11 

ジュール積分,I2t(Joule integral) 

ヒューズに流れる電流瞬時値iの2乗のある時間tに対する積分値。 

注記1 溶断I2tは,ヒューズの溶断時間の積分値である。 

注記2 動作I2tは,ヒューズの動作時間の積分値である。 

注記3 ヒューズによって保護される回路の抵抗1 Ω当たりの消費エネルギー(単位:J)は,動作I2t

(単位:A2s)と等しい。 

3.1.12 

バーチャル時間(virtual time) 

ジュール積分を固有電流の2乗で除して得られる時間。 

3.1.13 

時間−電流特性(time-current characteristic) 

規定の条件の下で電流を流したときの,ヒューズの許容時間,溶断時間又は動作時間と固有電流との関

係を表す曲線。 

3.1.14 

限流特性[cut-off(current)characteristic] 

規定の条件の下で,限流値と固有電流との関係を表す曲線。 

3.1.15 

回復電圧(recovery voltage) 


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ヒューズの端子間に電流遮断後に現れる電圧。 

3.1.16 

過渡回復電圧(transient recovery voltage) 

ヒューズの動作直後の過渡期に,その端子間に現れる回復電圧。 

3.1.17 

商用周波回復電圧(power-frequency recovery voltage) 

過渡回復電圧に引き続き現れる商用周波の回復電圧。 

3.1.18 

固有過渡回復電圧(prospective transient recovery voltage) 

理想的な開閉装置によって,固有対象電流を遮断したときに発生する過渡回復電圧。 

3.1.19 

動作過電圧(switching voltage) 

ヒューズの動作中又は動作直後に,ヒューズの端子間に発生する電圧の最大瞬時値。 

3.1.20 

最小遮断電流(minimum breaking current) 

規定の条件の下で,ヒューズが遮断できる固有遮断電流の下限値。 

3.1.21 

ワット損(power dissipation) 

規定の条件の下で,ヒューズリンクに指定する電流を通電して,温度が飽和温度に到達したとみなされ

るとき,このヒューズリンクに発生する電力損をワット数で表示したもの。 

3.1.22 

定格遮断電流(maximum breaking current,rated breaking current) 

規定の条件の下で,規定の標準使用条件かつ標準挙動条件で遮断することができる固有遮断電流の限度。 

3.2 

ヒューズ及びヒューズの構成部品 

3.2.1 

ヒューズ(fuse) 

ある値を超える電流が,ある時間流れたとき,その可溶部分が溶断することによって電流を遮断し,回

路を開放する装置。 

ヒューズは,装置を構成する全ての部品を含む。 

3.2.2 

端子(terminal) 

ヒューズを外部回路と電気的に接続するために設けた導電部。 

3.2.3 

ヒューズホルダ(fuse-base, fuse-mount) 

外部回路へ接続するための端子を備えたヒューズの固定部分。ヒューズホルダには,絶縁に必要な全て

の部分が含まれる。 

注記 ヒューズホルダは,絶縁に必要な全ての部分で構成されている(図1参照)。 

 


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図1−ヒューズの構成例 

 

3.2.4 

ヒューズホルダ接触部(fuse-base contact) 

ヒューズリンクと電気的に接触するヒューズホルダの部分(図1参照)。 

3.2.5 

ヒューズリンク(fuse-link) 

ヒューズエレメントを包含し,ヒューズが動作した後,再び通電可能にするために取替えができるヒュ

ーズの部分(図1参照)。 

3.2.6 

ヒューズリンク接触部(fuse-link contact) 

ヒューズホルダと電気的に接触するヒューズリンクの部分(図1参照)。 

3.2.7 

ヒューズエレメント,可溶体(fuse-element) 

過電流が流れることによって,それ自身の発生熱で溶断するように設けたヒューズの可溶部分(図1参

照)。 

3.2.8 

表示器(indicating device) 

ヒューズが動作したことを表示するためにヒューズに設けた部分(図1参照)。 


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3.2.9 

ストライカ(striker) 

ヒューズの動作時に,他の機器若しくは表示器を動作させるか,又は連動させるために,指定するエネ

ルギーを放出するヒューズリンクの一部を形成する機械装置部。 

3.3 

追加の用語 

3.3.1 

限流ヒューズ(current-limiting fuse) 

指定の電流範囲において,その動作によって動作中の電流を固有電流の波高値より十分低い値に抑制す

るヒューズ。 

3.3.2 

クラス(classes) 

遮断可能な電流の範囲内で使用できる区分。次の三つのクラスを定義する。 

・ バックアップヒューズ 

・ ジェネラルパーパスヒューズ 

・ フルレンジヒューズ 

3.3.3 

バックアップヒューズ(back-up fuse) 

規定の条件の下で,定格遮断電流から定格最小遮断電流までの全電流を遮断できる限流ヒューズ。 

3.3.4 

ジェネラルパーパスヒューズ(general-purpose fuse) 

規定の条件の下で,定格遮断電流からヒューズエレメントが1 hで溶断する電流値までの全電流を遮断

できる限流ヒューズ。 

3.3.5 

フルレンジヒューズ(full-range fuse) 

規定の条件の下で,ヒューズエレメントが溶断する要因となる,定格遮断電流以下の全電流を遮断でき

る限流ヒューズ。 

3.3.6 

(ヒューズホルダに対する)断路距離[isolating distance(for a fuse-base)] 

ヒューズホルダ接触部と,開放時において対極に接続する関連機器の導電部との間の最短の絶縁距離。 

3.3.7 

(ヒューズリンクの)同形シリーズ[homogeneous series(of fuse-links)] 

同形ヒューズリンクで構成される一つの系列。 

3.3.8 

外部絶縁(external insulation) 

絶縁ストレス,大気,汚損,湿度,及び害虫などの他の外部条件の影響にさらされる,大気中,及び装

置の固体絶縁の大気と接触する表面の絶縁。 

3.3.9 

自己回復絶縁(self-restoring insulation) 

破壊放電の後,完全に絶縁特性が完全に回復する絶縁。 


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3.3.10 

有機ヒューズリンク(organic fuse-link) 

ヒューズの動作後に過度の漏れ電流の原因となる有機物(炭素含有物)をかなりの割合で含むヒューズ

リンク。有機材料又はそれ以外の材料の位置及び量が,動作後の過度な漏れ電流及び絶縁破壊を導く可能

性がある設計と製造業者が判断した場合,その製造業者は,そのヒューズリンクを“有機ヒューズ”と明

示する。 

3.3.11 

周囲温度(surrounding temperature) 

ヒューズの周囲の絶縁性の気体の温度。 

3.3.11A 

(ヒューズの)種類 

ヒューズリンクの二次側に接続される負荷の特性を考慮し,溶断特性及び繰返し過電流特性に基づいた

ヒューズの分類。 

3.3.11B 

種類G(のヒューズ) 

一般用ヒューズであって,規定の条件の下で,規定の溶断特性を満足するもの(表10A参照)。 

3.3.11C 

種類T(のヒューズ) 

変圧器用ヒューズであって,規定の条件の下で,規定の溶断特性及び規定の繰返し過電流特性を満足す

るもの(表10A及び表10B参照)。 

3.3.11D 

種類M(のヒューズ) 

電動機用ヒューズであって,規定の条件の下で,規定の溶断特性及び規定の繰返し過電流特性を満足す

るもの(表10A及び表10B参照)。 

3.3.11E 

種類C(のヒューズ) 

リアクトルなしコンデンサ用ヒューズであって,規定の条件の下で,規定の溶断特性及び規定の繰返し

過電流特性を満足するもの(表10A及び表10B参照)。 

3.3.11F 

種類LC(のヒューズ) 

リアクトル付きコンデンサ用ヒューズであって,規定の条件の下で,規定の溶断特性及び規定の繰返し

過電流特性を満足するもの(表10A及び表10B参照)。 

3.3.11G 

断路形ヒューズ(fuse disconnector) 

断路器のブレードのように,ヒューズリンクが開閉でき,断路距離をとることができる構造のヒューズ。 

 

定格及び特性 

4.1 

一般 

この規格で規定する定格及び特性は,次による。 

a) ヒューズホルダの定格 


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1) 定格電圧(4.2) 

2) 定格電流(4.5) 

3) 定格耐電圧[商用周波耐電圧(乾燥),商用周波耐電圧(注水),雷インパルス耐電圧](4.3) 

b) ヒューズリンクの定格 

1) 定格電圧(4.2) 

2) 定格電流(4.6) 

3) 定格遮断電流(4.8.1) 

4) 定格周波数(4.4) 

5) バックアップヒューズの定格最小遮断電流(4.8.2) 

6) 定格過度回復電圧(4.10) 

c) ヒューズの特性 

1) 温度上昇限度(4.7) 

d) ヒューズリンクの特性 

1) クラス(3.3.2及び4.8.2) 

2) 動作過電圧(4.9) 

3) 溶断時間−電流特性(4.11) 

4) 限流特性(4.12) 

5) I2t特性(4.13) 

6) ストライカの機械的特性(4.14) 

7) 最大適用温度(附属書E参照) 

4.2 

定格電圧(Ur) 

ヒューズホルダ又はヒューズリンクの想定使用電圧で,試験条件を決定する。 

注記 この定格電圧は,装置の最高電圧を代表している。 

ヒューズの定格電圧は,表3の電圧から選定する。 

 

表3−定格電圧 

単位 kV 

3.6 

7.2 

 

4.3 

ヒューズホルダの定格耐電圧 

ヒューズホルダの定格耐電圧は,表4による。標高1 000 mを超える場所で用いるヒューズの耐電圧を

通常の標高の場所で試験する場合は,2.1 b)による。 

 


10 

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表4−ヒューズホルダの定格耐電圧 

単位 kV 

定格電圧 

各相主回路端子間及び主回路端子と大地との

間の耐電圧値 

同相主回路端子間の耐電圧値a) 

 

雷インパルス 
(標準波形) 

乾燥 

商用周波b) 

乾燥(1 min) 

注水(10 s) 

雷インパルス 
(標準波形) 

乾燥 

商用周波b) 

乾燥(1 min) 

注水(10 s) 

3.6 

45 

16 

52 

19 

7.2 

60 

22 

70 

25 

注a) 同相主回路端子間の耐電圧値は,断路形ヒューズに適用する。 

b) 屋内用は乾燥状態だけ,屋外用は乾燥・注水の両方の状態を適用する。 

 

表5−ヒューズホルダの定格耐電圧−シリーズ2 

(適用範囲外のため,対応国際規格の規定を不採用とした。) 

 

4.4 

定格周波数 

定格周波数は,50 Hz,60 Hz又は50 Hz/60 Hz共用とする。 

4.5 

ヒューズホルダの定格電流 

ヒューズホルダの定格電流は,規定の断面積及び長さの導体で回路に接続したヒューズホルダにヒュー

ズリンクを装着し,40 ℃以下の周囲温度で,規定の温度上昇を超えずに連続通電できる電流とする。 

ヒューズホルダの定格電流は,表5Aによることが望ましい。表5Aにない定格電流は,R10シリーズか

ら選択してもよい。 

 

表5A−定格電流 

単位 A 

定格電流 

1 1.5 3 5 7.5 10 15 20 30 40 50 60 75 100 150 200 250 300 400 

 

注記 R10シリーズは,1,1.25,1.6,2,2.5,3.15,4,5,6.3,8及びそれらの10の倍数で構成され

る。 

4.6 

ヒューズリンクの定格電流(Ir) 

ヒューズリンクの定格電流は,規定の断面積及び長さの導体で回路に接続したヒューズホルダに装着し

たヒューズリンクが,40 ℃以下の周囲温度で,規定の温度上昇を超えずに連続通電できる電流とする。 

ヒューズリンクの定格電流は,表5Aによることが望ましい。表5Aにない定格電流は,R10シリーズか

ら選択してもよい。中間値が必要な特別な場合,ヒューズリンクの定格電流を追加的にR20シリーズから

選択してもよい。 

注記 R20シリーズは,1,1.12,1.25,1.40,1.6,2,2.24,2.5,2.8,3.15,4,4.5,5,5.6,6.3,7.1,

8,9及びそれらの10の倍数で構成される。 

4.7 

温度上昇限度 

ヒューズリンク及びヒューズホルダは,劣化することなく,かつ,表6に規定する温度上昇限度を超え

ることなく,定格電流を連続的に通電できなければならない。 

組み合わせる接触面が異なった種類のめっきの場合,最高許容温度及び温度上昇限度は,次による。 


11 

C 4604:2017  

 

a) ボルト締め接点及び端子については,表6で許容する最高値を適用する。 

b) ばね加圧接点については,表6で許容する最低値を適用する。 

 

表6−部品及び材質に対する温度及び温度上昇の限度 

部品又は材質 

限度値 

最高許容温度 

℃ 

温度上昇限度 

A 空気中での
接触 

1 ばね加圧接点 
(銅又は銅合金) 

裸 

 75 

 35 

銀又はニッケルめっき 

105 

 65 

すずめっき 

 95 

 55 

その他のめっき 

a) 

a) 

2 ボルト締め接点又は
同等品(銅,銅合金及び
アルミニウム合金) 

裸 

 90 

 50 

銀又はニッケルめっき 

115 

 75 

すずめっき 

105 

 65 

その他のめっきa) 

a) 

a) 

B 油中での接触(銅又は銅合金)(適用範囲外のため不採用とした。) 

 

 

C 空気中のボルト締め端子 

裸 

 90 

 50 

銀又はニッケルめっき 

105 

 65 

その他のめっき 

a) 

a) 

D ばねとして機能する金属部 

b) 

b) 

E 絶縁物として用いる材料及び右記のク
ラスc)の絶縁物と接触する金属部 

 90 

 50 

100 

 60 

120 

 80 

130 

 90 

155 

115 

エナメル 

オイルベース 

100 

 60 

合成 

120 

 80 

180 

140 

その他のクラスd) 

− 

− 

F (適用範囲外のため不採用とした。) 

 

 

G (適用範囲外のため不採用とした。) 

 

 

注a) 製造業者がこの表に規定しないめっきを使用する場合は,それらの材料の特性を考慮することが望ましい。 

b) 温度又は温度上昇は,金属の弾性が失われるような値に達しないことが望ましい。 

c) JIS C 4003に従ったクラスの指定文字。 

d) 周囲の部品に損傷を与えない場合に限られる。 

 

4.8 

遮断電流 

4.8.1 

定格遮断電流(I1) 

ヒューズリンクの最大定格遮断電流(単位:kA)は,R10シリーズから選定することが望ましい。 

注記 R10シリーズは,1,1.25,1.6,2,2.5,3.15,4,5,6.3,8及びそれらの10の倍数で構成され

る。 

4.8.2 

最小遮断電流 

製造業者は,クラス(3.3.2参照)を表示する。バックアップヒューズの場合,定格最小遮断電流も表示

する。ジェネラルパーパスヒューズの場合,最小遮断電流を表示してもよい。 


12 

C 4604:2017  

 

4.9 

動作過電圧 

全ての試験系列でのヒューズの動作中の動作過電圧は,表7及び表8で規定する値を超えてはならない。 

要求に応じて,製造業者は,遮断試験(6.6参照)で決まる動作過電圧の最大値を表示する。 

 

表7−動作過電圧 

単位 kV 

定格電圧 

動作過電圧 

3.6 

12 

7.2 

23 

 

表8−定格電流3.2 A以下のヒューズリンクの動作過電圧 

単位 kV 

定格電圧 

動作過電圧a) 

3.6 

26 

7.2 

36 

注a) 動作過電圧は,200 μsを超えない範囲においては表7

に規定する値を超えてもよい。ただし,表8に規定す
る値を超えてはならない(図2参照)。 

 

 

 a:動作電圧カーブ 

b:表7の動作過電圧 
c:表8の動作過電圧 

d:200 μs以内 

 

図2−定格電流3.2 A以下のヒューズリンクでの動作過電圧(表8) 

 

4.10 定格過渡回復電圧 

4.10.1 一般 

定格遮断電流(4.8.1参照)に関連する定格過渡回復電圧は,ヒューズが短絡時に遮断できる回路の固有

過渡回復電圧の上限を規定している。 

定格過渡回復電圧の標準値は,表9による。これらの値は,ヒューズの定格遮断電流に適用する。 

 


13 

C 4604:2017  

 

表9−定格過渡回復電圧の標準値 

定格電圧 

基本パラメータ 

導出値 

 

Ur 

kV 

ピーク電圧 

uc 

kV 

時間協調 

t3 

μs 

遅延時間 

td 

μs 

上昇率 

uc/t3 

kV/μs 

3.6 

 6.2 

39 

0.16 

7.2 

12.3 

39 

0.32 

 

表10−定格過渡回復電圧の標準値−シリーズ2 

(適用範囲外のため,対応国際規格の規定を不採用とした。) 

 

表9の値は,指定値であり,回復電圧の低下に注意を必要とする。単相システムの場合,又はヒューズ

をより厳しい条件に取り付ける場合,定格過渡回復電圧の値は,製造業者と使用者との協定による。 

定格遮断電流に対応する定格過渡回復電圧は,6.6.1.2.2に示す,許容差をもつ定格値に等しい遮断電流

での試験に用いる。 

定格値よりも低い遮断電流で試験する場合は,ほかの過渡回復電圧の値を指定する(6.6.1.2.3参照)。 

4.10.2 過渡回復電圧の表現 

過渡回復電圧の波形は,実際の回路構成によって異なる。 

この規格が対象とするヒューズの過渡回復電圧は,減衰性の単周波振動に近い。この波形は,二つのパ

ラメータ(基準線)の間で定義された2本の線分から成る包絡線によって,適切に表現する(附属書A参

照)。 

ヒューズより電源側にある局部的な静電容量の影響は,過渡回復電圧の最初の数マイクロ秒間のより緩

やかな電圧上昇率をもたらす。これは,時間遅延を引き起こすためと考えられる。 

この現象は,遅延線及び基準線の二つのパラメータによって表現する,ほかの過渡回復電圧及び定格電

圧にも適用する。 

4.10.3 定格過渡回復電圧の表現 

次のパラメータは,定格過渡回復電圧(図3参照)の表現に用いる。 

uc:過渡回復電圧波高値(kV) 

t3:電圧ucまでの時間(μs) 

遅れ線は,定格遅れ時間tdにおいて時間軸上を出発し,基準線の最初の区間に平行に走り,規定電圧u'

(時間協調t')で終わる。 

 

 

図3−基準線及び遅れ線の二つのパラメータによって表現した過渡回復電圧の表現 


14 

C 4604:2017  

 

4.11 溶断時間−電流特性 

ヒューズリンクの溶断時間−電流特性は,6.5.1.2に規定する電線サイズ及び電線長さの試験回路に接続

し,製造業者が指定するヒューズホルダに取り付けた,未使用のヒューズリンクに電流を通電して行うこ

とを基本とする。 

特に指定がない限り,溶断時間−電流特性は,周囲温度20 ℃の条件の特性とする。 

製造業者は,6.7.2に規定する溶断時間−電流特性試験で得られるデータから,特性曲線を作成する。 

溶断時間−電流特性は,電流を横軸に,時間を縦軸にして表す。 

グラフは,両対数目盛を用いる。 

曲線には,次の内容を表示する。 

・ バーチャル時間と固有電流との関係 

・ 平均電流又は最小電流。平均電流の場合,許容値は,製造業者が明示する特性曲線に対して,電流座

標で±20 %の範囲を超えず,かつ,表10Aの規定を満足しなければならない。最小電流の場合,許容

値は,+50 %を超えてはならない。 

・ 特性曲線を適用するヒューズの形式及び定格。 

・ 6.7.2.2に規定する時間範囲。バックアップヒューズで最小遮断電流の動作時間が600 s未満の場合,

最小遮断電流から600 sまでを点線でプロットする。 

ヒューズどうし,又はヒューズと他の保護装置との保護協調には,0.1 sまでの,関連する時間−電流特

性を用いてもよい。 

溶断時間が0.1 s以下の場合,関連する溶断I2t及び動作I2t(3.1.11の注記1及び注記2参照)を用いて

もよい。 

 

表10A−溶断特性 

ヒューズの 

種類 

溶断特性 

不溶断電流 

If7200/Ir 

If60/Ir 

If10/Ir 

If0.1/Ir 

(一般用) 

定格電流の1.3倍の電
流で2 h以内に溶断し
ない。 

If7200/Ir

≦2 

− 

2≦If10/Ir≦5 

25

.0

r

100

7

I

≦If0.1/Ir≦

25

.0

r

100

20

I

 

(変圧器用) 

− 

− 

2.5≦If10/Ir
≦10 

12≦If0.1/Ir≦25 

(電動機用) 

− 

− 

6≦If10/Ir≦
10 

12≦If0.1/Ir≦25 

(リアクトルなし

コンデンサ用) 

定格電流の2倍の電流
で2 h以内に溶断しな
い。 

− 

If60/Ir≦

10 

− 

− 

LC 

(リアクトル付き

コンデンサ用) 

− 

If60/Ir≦

10 

− 

− 

If7200/Ir:2 h溶断電流(平均値) 
If60/Ir:60 s溶断電流(平均値) 
If10/Ir:10 s溶断電流(平均値) 
If0.1/Ir:0.1 s溶断電流(平均値) 

 


15 

C 4604:2017  

 

4.12 限流特性 

6.6に規定する遮断試験の一部として,製造業者は,規定の条件でヒューズの定格遮断電流までの固有遮

断電流値それぞれに対する限流特性の上限値を示さなければならない。 

その上限値は,50 Hz又は60 Hzについて示す。 

4.13 I2t特性 

製造業者は,ヒューズの限流特性を示すような固有電流に対する動作I2t及び溶断I2tを表示する。 

動作I2tの表示値は,実使用時に発生する最大値を表示する。その値は,この規格の試験条件(例えば,

電圧,周波数及び力率)を参考に決める(附属書JAも参照)。 

溶断I2tの表示値は,実使用時に発生すると思われる最も低い値を表示する。 

I2t値は,簡単な表形式若しくは図表(例えば,棒グラフ)で提示してもよく,又は横軸に固有電流,縦

軸にI2t,及び両方の目盛を両対数座標とした図で提示してもよい。 

6.6で規定する遮断試験の一部で得られた動作I2t値及び溶断I2t値は,製造業者が指定する動作I2t特性

より大きくてはならず,かつ,溶断I2t特性より小さくてはならない。 

4.13A 許容時間−電流特性 

6.7Aによって試験を行ったとき,a)及びb)でなければならない。 

なお,許容時間−電流特性は,許容時間の最小値を明示する。 

a) 許容時間−電流特性上の60 sに対応する電流を60 s通電し,これを3回繰り返した後,60 s溶断電流

における溶断時間が溶断特性の電流座標で±20 %の範囲内とする。 

b) 許容時間−電流特性上の60 sに対応する電流を60 s通電し,これを100回繰り返しても溶断しない。 

4.13B 繰返し過電流特性 

一般用以外のヒューズは,6.7Bによって試験を行ったとき,ヒューズの種類ごとに表10Bの繰返し過電

流特性とならなければならない。表10Bに規定した以上の繰返し回数が必要な場合は,製造業者と使用者

との協定による(附属書JB参照)。 

 

表10B−繰返し過電流特性 

ヒューズの種類 

繰返し過電流特性 

(一般用) 

− 

(変圧器用) 

定格電流の10倍の電流を0.1 s通電し,
これを100回繰り返しても溶断しない。 

(電動機用) 

定格電流の5倍の電流を10 s通電し,こ
れを10 000回繰り返しても溶断しない。 

(リアクトルなしコンデンサ用) 

定格電流の70倍の電流を0.002 s通電し,
これを100回繰り返しても溶断しない。 

LC 

(リアクトル付きコンデンサ用) 

定格電流の5倍の電流を0.1 s通電し,こ
れを100回繰り返しても溶断しない。 

 

4.14 ストライカの機械的特性 

ストライカは,図4のA点からB点に移動する間に開閉装置又は表示装置に放出できるエネルギーの総

量及び最小押出力によって分類する場合もある。ストライカの押出し力は,ストライカ動作後に,静的外

力によって最小許容移動距離OB未満にストライカが戻ることを阻止する特性である。 

ストライカを放出するエネルギーで分類する場合のストライカの機械的特性は,表11による。 


16 

C 4604:2017  

 

 

 

OA:自由移動距離−エネルギー出力なし 

AB:指定するエネルギーを放出するための移動距離 

OB:最小許容移動距離 

OC:最大許容移動距離 

CB:最小押出し力に等しい静的外力での最大許容戻り距離 

 

図4−ストライカの移動位置 

 

表11−ストライカの機械的特性 

種類 

エネルギー 

機械的特性 

自由移動 
距離の値 

(OA)a) 

エネルギー伝
達のための移

動距離の値 

(AB)a) 

実移動距離 

の最小値 

(OB)a) 

実移動距離

の最大値 

(OC)a) 

最小押出力 

(B点における) 

最長移動 

時間b) 

 

mm 

mm 

mm 

mm 

ms 

軽 

0.3±0.25 

 8 

10 

30 

適用外 

50 

中 

1±0.5 

16 

20 

40 

20 

50 

重 

2±1 

 6 

10 

16 

40 

50 

注a) 図4参照。 

b) 移動時間は,アーク発生から距離OBを移動するまでの時間と定義する。 

 

4.15 IEC 62271-105に基づく開閉器とヒューズとの組合せ用バックアップヒューズの特別要求事項 

(IEC 62271-105は我が国では製造実績がないため,対応国際規格の規定を不採用とする。) 

 

設計,構造及び性能 

5.1 

ヒューズの動作に関する一般要求事項 

5.1.1 

一般 

ヒューズは,定格遮断電流以下の回路で使用し,ヒューズ動作時に動作過電圧が発生するために定格電

圧に適合した回路電圧で使用する。 

ヒューズは,電気的及び機械的に十分な耐久性をもち,保守点検が安全かつ容易にできる構造でなけれ

ばならない。 

なお,断路形ヒューズは,開閉時の衝撃が少なく,円滑かつ確実に操作できなければならない。 

5.1.2 

標準使用条件 

この規格で規定する試験は,次の条件で使用するヒューズの妥当性を実証することを目的とする。 

・ 電流の交流分は,定格遮断電流以下である。 

・ ヒューズが遮断する電流の交流分は,次の電流以上である。 

− バックアップヒューズ:最小遮断電流 

− ジェネラルパーパスヒューズ:1 h溶断電流 


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C 4604:2017  

 

− フルレンジヒューズ:定格電流 

・ (低電流制限のない)最高適用温度(MAT)を指定するフルレンジヒューズでは,周囲温度はMAT

以下である。 

・ 配電電圧の最高値は,ヒューズの定格電圧以下である。 

・ 固有過渡回復電圧は,6.6.1.2に規定する試験ごとに規定する限度値以内である。 

・ 周波数は,48 Hz〜62 Hzである。 

・ 力率は,表13に規定する範囲の値である。 

・ 遅れ線を通過するが再交差はしない場合の固有過渡回復電圧の波形は,6.6.1.2に規定するパラメータ

で基準線を超えない。 

注記 固有過渡回復電圧に関しては,アーク電圧の最大値がアーク発生直後に生じる場合を除き,波

高時間t3は重要な意味をもたない(6.6.1.2.2参照)。 

上記の条件を満たした場合,直流分の大小にかかわらず,電流を適正に遮断できるものとみなす。 

5.1.3 

標準挙動条件 

5.1.2に規定する使用条件に従い,ヒューズの挙動は,次による。 

a) 粉末物質を充塡したヒューズリンクは,火炎及び粉末物質を排出しない。ただし,絶縁破壊又は接地

への有意な漏電の原因とならない場合には,ストライカ及び指示器から微小な火炎が排出してもよい。 

b) ヒューズの動作後は,ヒューズリンクを損傷なく除去することが可能でなければならない。 

c) ヒューズリンクが表示器又はストライカを備えている場合,次による。 

1) 表示器は,特定の要求事項によらず,視覚的に動作したことが確認できるように動作する。 

2) ストライカの動作は,4.14による。 

ストライカを放出エネルギーで分類するのではなく,専用の機器若しくは表示器を動作させるか,

又は連動させるために設計・製造したものである場合は,その機器若しくは表示器での動作若しく

は連動を確認したとき,4.14の規定による必要はない。 

d) 動作によって,4.9に規定する値を超える動作過電圧が発生しない。 

e) 固有遮断電流の各値に相応する限流値は,製造業者が指定する限流特性に相応する値を超えない。 

f) 

動作後,ヒューズは,端子全体で商用周波数回復電圧に耐えることができる。 

5.2 

識別表示 

ヒューズリンク及びヒューズホルダ表面への永久的な表示が求められる識別表示は,次による。 

注記 ヒューズリンクの物理的な寸法が小さく,次に示す内容を表示することが不可能な場合には,

代替方法を採用できる。 

いずれの場合も,定格を表す数値には,その後ろに単位記号を記載する。 

a) ヒューズホルダ 

・ 製造業者名又はその略号 

・ 定格電圧(kV又はV) 

・ 定格電流(A) 


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C 4604:2017  

 

次に示す事項は,通常,表示する。 

・ 名称 

・ 形式 

・ 屋内用又は屋外用の別 

・ 定格耐電圧。記載値は,各相主回路端子間及び主回路端子と大地との間の雷インパルス耐電圧値と

する。 

・ 製造年 

b) ヒューズリンク 

・ 製造業者名又はその略号 

・ 形式 

・ 定格電圧(kV又はV) 

・ 定格電流(A) 

・ 定格遮断電流(kA) 

・ クラス(バックアップ,ジェネラルパーパス又はフルレンジ) 

・ 最小遮断電流(附属書Eに従って試験を実施した,周囲温度40 ℃以上での使用向けヒューズリン

クの場合) 

・ ストライカの種類(軽荷重,中荷重又は重荷重)(適用する場合) 

・ ストライカの場所(適用する場合) 

 

次に示す事項は,通常,表示する。 

・ 種類を示す記号(G,T,M,C又はLC) 

・ 製造年又はその略号 

5.3 

寸法 

(海外のヒューズに関する情報のため,対応国際規格の記載を不採用とした。) 

 

形式試験 

6.1 

試験実施条件 

形式試験を実施し,ヒューズの形式又は特定の設計が,通常の挙動条件又は特に指定する条件下で,規

定の特性及び機能を十分満足しているか確認する。形式試験は,サンプルに対して実施し,同形式の全て

のヒューズに規定する特性について確認する。 

性能が変更されるような設計変更を行った場合に限り,同じ試験を反復する。 

ストライカを装備するヒューズリンクで実施する試験は,ストライカなしのヒューズリンクにも有効と

する。 

試験実施の便宜上,製造業者に事前に同意を得た上で,試験の指定値,特に公差については,試験条件

をより厳格にする目的で変更できる。公差を指定していない場合,上限については製造業者に事前に同意

を得て,指定値と同等以上の厳格な値で形式試験を実施する。 

通常,この規格で規定する試験は形式試験であり,ルーチン試験のサンプリング方法は,規定しない。 

使用者がルーチン試験を実施したい場合には,製造業者と使用者との間の協定によって,形式試験から

試験を選択する。 

形式試験報告書が既に承認されているヒューズで試験を実施する場合,使用者への製造業者の責任は,


19 

C 4604:2017  

 

指定値のうち最も負担の少ない値に限定され,形式試験で得た値には,責任を負わない。 

例えば,遮断試験を商用周波数回復電圧の指定値の103 %で実施した場合でも,製造業者は,商用周波

回復電圧の指定値の100 %を超える性能については,責任を負わない。 

6.2 

形式試験一覧 

設計完了時又は性能に影響する変更後に実施する形式試験は,次による。 

・ 耐電圧試験(ヒューズホルダに適用) 

・ 温度上昇試験及びワット損測定 

・ 遮断試験 

・ 時間−電流試験 

・ ストライカ試験(ストライカ機能をもつヒューズと組み合わせる機器が明確になっていない場合) 

6.3 

共通事項 

6.3.1 

一般 

全ての形式試験の結果は,この規格を満足していることを立証するために必要な,データを含む形式試

験報告書に記録する。 

別途,指定がある場合を除き,6.3.2及び6.3.3を共通の試験事項とする。 

6.3.2 

供試品の条件 

供試品は,清浄され,良好な状態でなければならない。耐電圧試験を除き,各ヒューズリンクの抵抗は,

定格電流の10 %を超えない電流で測定する。抵抗値は,測定を実施したときの周囲温度とともに記録する。 

6.3.3 

ヒューズ取付け 

供試品は,接地し剛性に優れた専用の金属構造物に通常使用状態で取り付ける。 

別途,指定がない限り,通常の離間距離が減じられないよう,各接続の配置を行う。 

6.4 

耐電圧試験 

6.4.1 

一般事項 

耐電圧試験時の条件は,6.3の規定に加え,6.4.1.1及び6.4.1.2による。 

注記 ヒューズリンクは,原形状態又は動作状態のいずれでも,単体装置として試験を実施できない。 

6.4.1.1 

取付け 

ヒューズの多極配置,及び極間の距離が構造的に固定されていない場合は,試験実施上,製造業者が指

定する極間の最小距離を確保する。 

6.4.1.2 

電気接続 

電気的な接続は,それぞれの端子に接続した裸導体による。これらの導体は,少なくとも端子からヒュ

ーズ接触部間と同じ距離内では,ヒューズリンクと平行若しくは平行に近い状態となるように直線状に配

置し,支持物に固定してはならない。 

6.4.2 

インパルス耐電圧試験及び商用周波耐電圧試験の試験電圧の印加 

出力端子の一端が接地されたインパルス発生器の出力端子のもう一端,及び一端が接地された商用周波

数電源のもう一端と接地電極とを使用し,試験下の供試品に表4に規定する試験電圧を印加する。 

電圧印加部分及びヒューズの状態は,表11Aによる。 

 


20 

C 4604:2017  

 

表11A−電圧印加部分及びヒューズの状態 

電圧印加部分 

ヒューズの状態 

異相主回路間 

ヒューズ3極を製造業者が指示する最小相間寸法に取り付け,閉路状態で行う。 

主回路と大地との間 

閉路状態で行う。断路形ヒューズは,開路状態でも行う。 

同相主回路端子間 

断路形ヒューズについて,開路状態でヒューズリンクを装着して行う。 

 

耐電圧試験の印加箇所は,次による。 

・ 主回路と大地との間は,全ての端子(電極)を電気的に接続し,これと接地金属部との間に印加する。 

・ 異相主回路間は,電圧を印加する端子(電極)以外の端子(電極)は,全て接地金属部と接続するこ

とで接地電位とし,電圧を印加する端子とこの接地電位部との間に印加する。 

6.4.3 

試験中の大気条件 

試験は,IEC 60060-1の11.1に規定する標準条件にできる限り近づけた大気条件で実施する。 

改めて情報があるまでは,IEC 60060-1の11.2.1及び11.2.2に規定する空気密度及び空気湿度の補正係数

を使用してもよい。 

6.4.4 

雷インパルス耐電圧試験 

波形は,1.2/50 μsとする。波形の裕度は,波頭長で±30 %,波尾長で±20 %とする。 

表4に規定する定格雷インパルス耐電圧で試験する。試験回数は,正負極それぞれ各3回とする。 

ヒューズは,陽極及び陰極の両方の電圧で,規定の試験に合格しなければならない。 

6.4.5 

商用周波耐電圧試験(乾燥) 

ヒューズは,IEC 60060-1に従って,1 minの商用周波耐電圧試験(乾燥)を行う。 

試験回路(電圧調整装置付き変圧器)は,0.2 A以上の短絡電流をもっていなければならない。規定電圧

の約1/10の電流の大きさで確認してもよい。 

1 minの商用周波耐電圧試験(乾燥)の値は,表4による。 

フラッシオーバ又は絶縁破壊が生じた場合,ヒューズは,試験に不合格とする。 

6.4.6 

商用周波耐電圧試験(注水) 

屋外用ヒューズの場合,6.4.5と同じ条件で,商用周波数耐電圧試験(注水)を行う。ただし,試験時間

は,10 sとする。自復形絶縁で火花放電又は破壊放電が発生した場合,この試験を同様の条件で再度行い,

それ以上の火花放電又は破壊放電が発生しないときには,ヒューズは,試験に合格とする。 

この試験の間,試験品のほぼ中央部で垂直方向に対して45度の方向から垂直成分が3±0.3 mm/minとな

る人工雨の下に試験品を置く。雨は噴水口から噴射させ,水滴は細かく,かつ,一様で,試験品を十分に

包含できる広さであり,水の抵抗率は(100±10) Ωm,水の温度は周囲温度±15 ℃とする。 

6.5 

温度上昇試験及びワット損測定 

6.5.1 

試験慣例 

温度上昇試験及びワット損測定は,1台のヒューズで6.3,6.5.1.1及び6.5.1.2に従って行う。 

6.5.1.1 

試験サンプル 

ヒューズホルダは,試験対象ヒューズリンク製造業者の指定に従ったものを用いる。 

ヒューズリンクは,ヒューズホルダで使用する最大定格電流をもつものを用いる。 

6.5.1.2 

機器の配置 

試験は,試験実施装置から流出する空気を除き,空気の流れがないように考慮した密閉空間で行う。 

大気中のヒューズは,製造業者が指定する範囲内で,最も不利な位置に取り付け,次のとおり裸銅導体


21 

C 4604:2017  

 

で試験回路に接続する。各導体は,長さ約1 mとし,ヒューズの取付面と平行な面に取り付ける。ただし,

この面上では,いずれの方向に取り付けてもよい。導体サイズは,表12による。 

 

表12−試験回路への電気接続−導体サイズ 

ヒューズリンクの定格電流a) 

接続導体断面積 

mm2 

 

 25以下 

 

 20〜  30 

 

 25を超え 

 63以下 

 

 40〜  60 

 

 63を超え 

 200以下 

 

120〜 160 

 

200を超え 

 400以下 

 

250〜 350 

 

400を超え 

 630以下 

 

500〜 600 

 

630を超え 1 000以下 

 

800〜1 000 

注a) ヒューズリンクを並列に使用する場合,定格電流の合

計値は,製造業者が指定する。 

 

通常の離隔距離をとる必要はない。 

試験は,ヒューズリンクの定格電流で,48 Hz〜62 Hzの周波数で行う。各試験は,上昇温度が一定値に

到達するのに十分な時間にわたって行い,温度上昇が1 K/h以下の増加になったときに,この条件が得ら

れたものとする。各部の温度上昇は,4.7の規定値を超えてはならない。 

6.5.2 

温度の測定 

6.5.2.1 

ヒューズ部の温度 

上限値に規定がある各部の温度は,熱電対,温度計,接触素子などの装置を最も高温で接触可能な地点

で良好な熱伝導が得られるように配置及び固定して測定する。熱時定数の計算が必要となる場合,試験を

通して定期的間隔で温度上昇を記録する。 

温度計又は熱電対での測定時には,次を満足しなければならない。 

a) 温度計又は熱電対のバルブは,外側からの冷却に対して保護されている(乾燥かつ清潔なウールなど)。

ただし,保護面積は,試験時の装置の冷却面積と比較してごく僅かである。 

b) 温度計又は熱電対と,試験中の当該部の表面との間について,良好な熱伝導が確保される。 

c) 磁界の変動が生じる箇所で球温度計を用いる場合,水銀温度計よりもアルコール温度計を用いること

が望ましい。これは,水銀温度計が同条件下での影響を受けやすいためである。 

6.5.2.2 

周囲温度 

周囲温度は,ヒューズ周囲の空気の平均温度とする。包装ヒューズの場合は,密閉容器の外側の空気と

する。3台以上の温度計,熱電対又は温度検出装置を,ヒューズから1 mの距離で通電部の平均高さにヒ

ューズ周辺に均等に配置し,試験期間のうち,最終の1/4の期間に測定する。温度計又は熱電対は,空気

の流れ,及び過度の熱の影響から保護する。 

急激な温度変化による表示エラーを避けるため,温度計又は熱電対を,約0.5 Lの油を含有する小形ボ

トル内に入れてもよい。 

試験期間のうち最終の1/4の期間,周囲温度の変化は,1 hで1 Kを超えてはならない。ただし,試験室

の温度条件が悪く,これが不可能である場合,同様の条件下で電流が流れていない状態の同一ヒューズの

温度で代用できる。この追加のヒューズは,過度の熱の影響を受けてはならない。試験中の周囲温度は,

+10 ℃〜+40 ℃とする。 

この範囲内の周囲温度では,温度上昇値を調整してはならない。 


22 

C 4604:2017  

 

6.5.3 

ワット損の測定 

ワット損試験は,温度試験と同一条件の下で,定格電流の50 %及び100 %の電流を通電し,最終温度に

達した後,ヒューズリンク両端間のワット損を測定する。 

6.6 

遮断試験 

6.6.1 

試験の実施 

遮断試験は,6.3及び6.6.1〜6.6.6Aによる。 

6.6.1.1 

試験の種類 

試験は,表13に従って実施し,動作電流範囲にわたり最も厳しい遮断条件を与える3試験系列以上を行

う。 

試験系列1:定格遮断電流I1での動作検証 

試験系列2:高レベルのエネルギーが回路のインダクタンスに蓄積されるときに電流の限流が発生する

固有電流I2での動作の検証 

試験系列3:電流I3での動作の検証 

・ バックアップヒューズの場合,I3は定格最小遮断電流 

・ ジェネラルパーパスヒューズの場合,I3は1 h以上で溶断する電流 

・ フルレンジヒューズの場合,I3はヒューズリンクの定格電流に等しい。最小溶断電流値をヒューズの

定格電流近くまで下げる厳しい低減の可能性を考慮するためである。 

It試験:クロスオーバ電流を表すヒューズリンクの場合(6.6.1.3参照) 

物理的に同じ筒内に異なったアーク消弧方式(例えば,直列に限流エレメントと放出エレメントとがあ

る場合)を組み込んだヒューズの場合,上記の試験系列1,2及び3では,電流遮断責務が一方の電流遮断

機構からもう一方の機構に移る電流領域Itでの正しい動作を立証するために,追加試験を行う。ヒューズ

の設計は,広く異なっているため,全ての設計に適用できる,厳密な試験の要求を指定することは不可能

である。遮断方式が移行電流領域以内で適切な電流遮断を達成するための正常動作をIt遮断試験で確認す

ることは,ヒューズ製造業者の責任で行う。この要求事項に応じた評価で使用する典型的な評価基準は,

附属書G参照。 

周囲温度40 ℃以上での使用を想定するヒューズリンクのための追加の遮断試験の要求事項は,附属書

Eによる。 

I1,I2,I3及びItの値は,電流の交流分の実効値である。 

試験系列2に従って試験する場合,試験系列1の要求が1回又はそれ以上の試験で完全に満たしている

場合,試験系列1の試験として繰り返し実施する必要はない。 

非常に例外的な場合,電流I2は,定格遮断電流I1よりも大きくてもよい。試験系列1及び2は,それぞ

れの投入角ができる限り電気角30°間隔で配分された定格遮断電流での6回の試験で置き換えられる。使

用するパラメータは,アーク発生時の瞬時値及び投入角を除いて,試験系列2のパラメータである(表13

参照)。 

試験系列1で許容できる最も早い角度で投入しても,電圧ゼロ後65°付近でアークを発生させることが

不可能な場合,電圧ゼロ後40°〜60°でアークを発生させる試験の要求事項は,電圧ゼロ後65°〜90°で

アークを発生させる追加の試験(合計3回)で置き換えられる。 

同形シリーズの全ての電流定格のヒューズリンクについて遮断試験を行う必要はない。要求事項及び試

験は,6.6.4参照。 

同形シリーズは,関連した同形シリーズのより高い定格電圧,及びより低い定格電圧のヒューズリンク


23 

C 4604:2017  

 

の試験結果の補間によって,遮断試験なしに合格とする。要求事項は,6.6.5参照。 

注記 指針として,この要求事項に応じるために必要な電流I2の値は,次のいずれかで決定してもよ

い。 

a) 次の式から,電流定格の150倍以上の電流での試験が試験系列1の対称故障発生で行う場

合。 

1

1

1

2

I

i

i

I

 

ここに, 

I2: 試験系列2の固有電流 

 

i1: 試験系列1における発弧瞬時の電流瞬時値(附属書JC参照) 

 

I1: 試験系列1の固有電流 

b) 溶断時間−電流特性の半サイクルの溶断時間に一致する電流の3〜4倍の値をとる(6.7及

び4.11参照)。溶断時間−電流特性カーブが半サイクルより短いバーチャル時間が存在す

る場合,通常の半サイクルの0.08倍の時間に一致する溶断時間−電流特性の電流を使用し

てもよい。 

 

表13−遮断試験条件 

試験条件 

試験系列 

1a) 

商用周波回復電圧 

(定格電圧×0.87)05

定格電圧05

固有過渡回復電圧 

6.6.1.2参照 

指定なし 

力率 

0.07〜0.15b) 

0.4〜0.6 

固有電流 

I105

I2 

I305

発弧時電流波高値 

− 

0.85I2〜1.06 I2 

− 

投入位相角(附属書JD参照) 電圧ゼロ以前は

認められない 

電圧ゼロ後0°
〜20° 

任意のタイミング 

発弧位相角 

1回:40°〜65° 
2回:65°〜90° 

− 

− 

回復電圧の継続時間 

15 s以上 

60 s又は5 minを下回らないd) 

試験回数 

回 

注a) 動作条件はヒューズに幅広いストレスの変化を作り出すので,遮断試験は,通常,

電流値に対してアークエネルギー並びに熱的及び機械的ストレスによる最も厳し
い条件を作り出すことを意図している。規定している三つの試験を行うとき,これ
らの条件は実際に少なくとも1回は得られるものとなる。 

b) 製造業者が同意する場合,下限値は適用しない。 

c) 試験設備の制限によって一定電流を維持することができない場合,発弧瞬時の電流

が試験系列3用に規定した許容範囲以内のときは,合計の溶断時間の20 %を超え
ない期間は,電流の許容範囲を超えてもよい。 

d) 有機ヒューズリンクの場合,遮断後,電圧を印加した期間は,次の特別の場合に対

して5 minを下回ってはならない。 

試験系列2:バックアップ,ジェネラルパーパス及びフルレンジタイプ 
試験系列3:ジェネラルパーパス及びフルレンジタイプ 
これらの電圧を印加するより長い期間は,同形シリーズの最も大きい電流定格に

ついてだけ適用し,ストライカトリップの開閉器とヒューズとの組合せだけの使用
を想定しているヒューズには,適用しない。 

 


24 

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6.6.1.2 

試験回路の特性 

6.6.1.2.1 

概要 

遮断試験は1個のヒューズによって単相交流電流で行う。 

試験所の制限によって回復電圧の最大値を指定時間維持することが難しい場合,試験回路を補助電源に

切り換えてもよい。ただし,電流遮断から10 s経過するまでは,補助電源の切換えを行ってはならない。

切換えに必要な時間は,0.2 sを超えてはならない。補助電源は,1 A以上を供給でき,かつ,規定の時間

の残りの間,規定の回復電圧を維持できなければならない。電圧印加期間のヒューズのいかなるブレーク

ダウン(すなわち,ヒューズを通って1 A以上の漏れ電流の増加)も,ヒューズの遮断失敗とみなす。電

流のモニタリングは,どのような方法でもよい。許容できる方法の一つは,補助電源を保護するために使

用する遮断器をトリップさせる方法がある。 

電流及び力率を制御するために使用する回路エレメントは,図7及び図8に示すとおり,ヒューズと直

列にする。飽和の可能性があるリアクトルは,使用してはならない。 

試験周波数は,48 Hz〜62 Hzとする。 

オシログラムの確認によってすぐに見付けられる商用周波回復電圧のひずみ(狂い)(附属書JE参照)

がないことが望ましい。ひずみが避けられない場合,回路の開路時の電圧は,6.6.1.1に規定する試験系列

1及び2の必要な回復電圧に等しい電圧の107 %より大きい必要はない。 

試験系列1,2及びItにおける動作過電圧測定には,適切な周波数応答特性をもつ計測システムを適用す

る。試験系列3の場合,この測定システムは,球ギャップ又は同等の応答の装置で置き換えてもよい。 

保護機器を通った並列の経路は,ヒューズの責務を減じるため,試験回路で使用する動作過電圧保護機

器は,ヒューズの通常の遮断動作中に放電が起こらないようにする。 

試験回路の固有過渡回復電圧波形は,次の二つの要求事項に従わなければならない。 

a) 包絡線は,規定の基準線を下回ってはならない。 

注記 製造業者の同意がある場合,包絡線が規定する基準線を超えてもよい。 

b) 初期部分は,規定する遅れ線と交差してはならない。 

これらの要求事項を,図5に図示する。 

種々の試験系列に対して規定した基準線と遅れ線の標準値は,6.6.1.2.2〜6.6.1.2.4による。 

 

 


25 

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図5−形式試験の条件に応じる過渡回復電圧のための2パラメータ基準線の例 

 

6.6.1.2.2 試験系列1の過渡回復電圧 

通常,4.10で規定する過渡回復電圧の標準値で試験する。ただし,附属書Bに規定するように,アーク

電圧の最大値がアーク発生直後に生じる場合を除き,限流ヒューズは,過渡回復電圧の特性に敏感ではな

い。したがって,試験の便利さの面から,試験は,次のとおりに行ってもよい。 

最初の試験は,電圧ゼロ後65°〜90°でアークを発生させ,便利な固有過渡回復電圧で行う。この試験

中,アーク電圧の最大波高値がアーク発生後2t3以内に発生しない場合,この試験は有効で,試験系列1

は,同じ回路で全てを行う。そうでない場合,4.10に規定する基準線を下回らない包絡線,規定する遅れ

線と交差しない初期部分をもった過渡回復電圧を提供するために,回路を変更する。試験系列1の全ての

試験は,この新しい回路で行う。 

6.6.1.2.3 

試験系列2の過渡回復電圧 

表14に規定する固有過渡回復電圧の値で試験を行う(附属書B参照)。 

試験回路の固有過渡回復電圧波形は,次の要求事項に従わなければならない。 

a) 最大波高値は,規定するパラメータuc以下である。 

b) 包絡線の上昇線分は,t3の許容範囲によって指定する二つの線の間に入る。 

注記1 過渡回復電圧波形の初期部分は,ヒューズの挙動に重要ではないため,遅れ線は指定しない

(附属書B参照)。 

注記2 試験電流I2が特に小さいヒューズの場合,指定した時間協調を達成することは難しい場合が

ある。このような場合,製造業者が合意したときは,t3より大きい値は許容され,試験報告

書に記載することが望ましい。 

 


26 

C 4604:2017  

 

表14−試験系列2の過渡回復電圧−シリーズI 

定格電圧 

基準パラメータ 

上昇率 

波高値a) 

波高時間 

Ur 

uc 

t3 

uc/t3 

kV 

kV 

μs 

kV/μs 

3.6 
7.2 

 6.6 
13.2 

120〜160 
156〜208 

0.055〜0.041 
0.084〜0.063 

注a) 

r

c

3

2

5.1

5.1

U

u

 

 

表15−試験系列2の過渡回復電圧−シリーズII 

(適用範囲外のため,対応国際規格の規定を不採用とした。) 

 

6.6.1.2.4 

試験系列3の過渡回復電圧 

過渡回復電圧の特性は,指定しない。回路のリアクタンス(変圧器のリアクタンス,又は変圧器及びリ

アクトルのリアクタンス)は,リアクタンスの約40倍の値に等しい値の抵抗Rpで分流する。ただし,こ

の値は,結果として臨界減衰とならない場合,抵抗Rは,臨界減衰を達成するために小さくする(附属書

B参照)。 

臨界減衰は,次のときに得られる。 

X

f

f

R

N

0

2

1

 

ここに, 

f0: 追加のダンピングなしの回路の周波数 

 

fN: 商用周波数 

 

X: 商用周波での回路のリアクタンス 

6.6.1.3 

It試験(クロスオーバ電流を表すヒューズリンクの場合) 

一般的に,二つの試験の最小は,次の値で行う。 

It1=1.2 It (±0.05 It) 

It2=0.8 It (±0.05 It) 

ここに, 

It: 製造業者が提供するクロスオーバ電流値 

これらの値のヒューズの設計に対し,最も過酷な条件を表していないことが分かる場合,製造業者は,

他のIt1及びIt2の値を指定してもよい。 

クロスオーバ電流Itの値に依存するが,試験を実施するときに用いるパラメータは,次による。 

短絡(電流限流)範囲時のIt :試験電流として適切なものとして表13に規定する全ての試験条件 

小さい過電流範囲時,すなわち,定格電流の12倍以下でのIt :試験系列3に対して指定する力率及び

商用周波回復電圧 

中間の電流範囲時のIt 

・ 商用周波回復電圧:定格電圧05

・ 力率 

クロスオーバ電流Itが定格電流Irの12〜25倍の場合は,遅れ0.3〜0.4 

クロスオーバ電流Itが定格電流の25倍とI2との間の場合は,遅れ0.2〜0.3 

過渡回復電圧:ヒューズリンク製造業者が指定し,ヒューズリンクの使用が適していると想定

される回路の典型的な値を表すために,必要な試験電流を基本にしている。過渡回復電圧の適


27 

C 4604:2017  

 

切な値としての指針は,同様な環境で使用しようとしている他の開閉装置の試験規格から得て

もよい。 

遮断方式がもう一つの遮断方式に切り換わる遮断責務が,急に又は徐々に切り換わる電流範囲で,試験

を行うことが望ましい。試験電流は,製造業者が指定する。この要求事項に従った評価で使用する典型的

な基準を附属書Gに示す。 

6.6.1.4 

試験サンプル 

ヒューズリンク製造業者が指定するヒューズホルダにヒューズリンクを据え付けて試験する。 

6.6.1.5 

装置の配置 

6.6.1.5.1 

気中での使用を想定したヒューズ 

試験系列1及び2の場合,使用中に起こってもよい電磁力を再現するために,導体は,図6に示すよう

に配置する。ヒューズホルダに過度の機械的ストレスを発生する導体のいかなる動きも防ぐために,導体

は,高さが0.5 mを超える場合はがいしの高さに等しい距離で,がいしの高さが0.5 mを超えない場合は

0.5 mで固定する。曲げ部は,支持点直後に配置する。試験系列3については,配置は規定しない。水平

配置がより厳しい場合は,水平で試験するが,水平配置が厳しいことが既知でない場合は,垂直配置で試

験する。 

 

 

図6−遮断試験−装置の配置 

 

6.6.1.5.2 

油が封入された容器内での使用を想定したヒューズ 

(適用範囲外のため,対応国際規格の規定を不採用とした。) 

6.6.2 

試験手順 

6.6.2.1 

試験回路の校正 

試験中のヒューズ又はヒューズリンクは,図7及び図8に示すようにインピーダンスが無視できる接続

体で置き換える。 

回路は,指定する固有電流を与えるために調整する。これは,適切な周波数応答特性をもった計測シス


28 

C 4604:2017  

 

テムで検証する。 

注記 試験系列3の直接試験の場合,試験回路の校正は行わなくてもよい。ただし,校正する場合は,

電流は適切な周波数応答特性をもった計測システムの記録に替わるものとして,指示電流計で

測ってもよい。 

 

 

図7−短絡試験:試験系列1及び2の代表的な試験回路 

 

 

 図7及び図8の記号 

 

A: 

回路校正のための模擬リンク 

O3: 

基準電圧測定 

B: 

供試ヒューズ 

T1,T2: 

変圧器の設置位置 

D: 

バックアップ遮断器 

Z: 

電流調整用インピーダンス 

E: 

投入器 

RP: 

並列抵抗 

O1: 

電流測定 

RS: 

直列抵抗 

O2: 

回復電圧測定 

 

 

図8−短絡試験:試験系列3の代表的な試験回路 

 

6.6.2.2 

試験方法 

模擬リンクAは取り外し,試験中のヒューズ又はヒューズリンクBに置き換える。 

投入器Eは,表13で規定する条件を満たすように閉路する。 

試験系列1,2及び3並びにItは,動作過電圧を計測する。試験系列1及び2の場合,限流値を決定する。 

試験系列3では,電流は,適切な周波数応答特性をもった計測システムの代替又は追加的に電流計を使

用してもよい。 

ヒューズが動作した後,回復電圧は,表13に規定する期間ヒューズの端子間に印加する。最初の数サイ

クルは,適切な周波数応答特性をもった計測システムで記録し,残りの期間は,電圧計で観察してもよい。 


29 

C 4604:2017  

 

この期間,商用周波数は,規定する最小値を下回ってもよい。 

6.6.2.3 

適切な周波数応答特性をもった計測システムの説明 

試験系列1及び2の場合,固有遮断電流は,電流の交流成分の実効値で,校正試験の短絡後1/2サイク

ルで計測された値である(図9及び図10参照)。 

試験系列3及びIt試験の場合,遮断電流は遮断試験で発弧瞬時の対称分電流実効値とする(図11参照)。 

商用周波回復電圧の値は,2番目の影響を受けていない半波のピークと,直前のピークから直後のピー

クまでの間を結んだ直線との間で算出する(図9,図10及び図11参照)。 

 

 

 O1:電流測定 

O2:回復電圧測定 
O3:基準電圧測定 
 

規約遮断電流の交流成分の実効値電流:

2

2

A

I

 

回復電圧:

2

2

B

V

 

注記 図9,図10及び図11はイラストである。電流は同じスケールではない。 

図9−遮断試験:試験系列1のオシログラム例 

 


30 

C 4604:2017  

 

 

 O1:電流測定 

O2:回復電圧測定 
O3:基準電圧測定 
 

図10−遮断試験:試験系列2のオシログラム例 

[図9のとおりに回路校正を実施] 

 

 

 O1:電流測定 

O2:回復電圧測定 
O3:基準電圧測定 
 

図11−遮断試験:試験系列3のオシログラム例 

 

6.6.2.4 

試験で使用するパラメータ 

試験時に使用するパラメータは,表13による。 

試験を規定する条件より厳しい条件で行い,試験に合格した場合,この試験は有効とする。 

6.6.3 

試験系列3の代替試験法 

試験系列3は,試験中,試験系列1及び2のように,一つの単相高電圧電源を用いて行ってもよい。 

ただし,溶断時間が長い,及び/又は試験設備に制限がある場合,試験系列3は,二つの部分に分けて


31 

C 4604:2017  

 

試験してもよい。試験期間中の最初の部分は,電流は低電圧電源から供給する。2番目の部分は,ヒュー

ズによる遮断を含んでおり,電流は,高電圧電源から供給する。 

二つの部分に分けた試験の場合,溶断期間中の力率は,小さい値の高電圧電源を用いて行ってもよい。

この場合,正しい力率への切換えは,アーク発生前に行う。 

6.6.3.1 

回路の必要条件 

回路の必要条件は,次による。 

a) 試験中,ヒューズを通して規定の電流を流せる低電圧の電源。試験中,電流を一定に保てなければな

らない。 

b) 6.6.1.2に規定する高電圧電源。 

高電圧の電流値は,6.6.1.1に規定する電流I3とする。 

c) 試験中に必要な,低電圧電源から高電圧電源への瞬時の手動又は自動での切換え。 

電流が遮断される時間は,0.2 sを超えてはならない。高電圧電源へ切り換えた瞬時に流れる電流は,

非対称電流であってはならない。 

一般的に,切換えはヒューズエレメント1個が電流を通電している間に行うことが望ましい。マル

チエレメントヒューズの場合,ヒューズの電圧にステップ状の増加が見られるように,ヒューズエレ

メントが順次溶断している期間である。 

d) 製造業者が同意する場合,切換えを全てのヒューズエレメント(ストライカ線ではない。)が溶断する

まで延ばしてもよい。c)で規定する他の全てのパラメータは,引き続き適用する。 

この手順は,エレメントの溶断開始を検出するのが困難である場合,又は溶断電流が試験系列3電

流の選択した値より非常に大きくなければならない場合に有用である(6.6.3.2参照)。 

ただし,この方法は,c)よりもヒューズをより過酷にするため,失敗した場合,後者の方が実際の

使用条件に近いため,c)の方法を用いて試験系列3を再度行ってもよい。 

6.6.3.2 

試験系列3の溶断試験電流値 

値は,次による。 

a) バックアップヒューズの場合,溶断時間は1 h未満とし,低電圧電源の電流はI3に設定し,試験中,

この値を維持することが望ましい。 

b) ジェネラルパーパスヒューズの場合,溶断する最小時間は1 hを要求するが,低電圧電源の電流はI3

に設定し,1 h経過後は,溶断を誘発するためにI3の15 %まで増加させてもよい。 

c) フルレンジヒューズの場合,ヒューズの定格電流に等しいI3値に対してであり,結果として,溶断時

間が1 h未満でないときには,不必要に長い試験時間を避けるために,試験の低電圧部分をI3より大

きい値に設定してもよい。ただし,低電圧電流は,この溶断期間中,I3は42 %を超えてはならない。

1 h経過後,低電圧電流は,溶断を誘発するために,更に15 %まで増加させてもよい。この増加させ

た値でも長い試験時間となる場合,溶断時間が1 h以上得られるときは,冷却を制限した容器にヒュ

ーズリンクを設置してもよい。このような容器の使用が,適切な時間で溶断を生じさせるのに不十分

である場合,附属書Eに規定する試験法を使用してもよい。 

6.6.4 

同形シリーズのヒューズリンクの遮断試験 

6.6.4.1 

同形シリーズのヒューズリンクの特性 

ヒューズリンクはそれらの特性が次に一致する場合,同形シリーズを形成しているものとする。 

a) 定格電圧,最大遮断電流及び周波数が等しい。 

b) 充塡材及びその粒子の配分を含み,全ての材料が同じである。 


32 

C 4604:2017  

 

c) d)〜h)に示すように,ヒューズエレメントのサイズ及び本数を除き,ヒューズリンクのサイズが同じ

である。 

d) いかなるヒューズリンクにおいても,全てのヒューズエレメントが同じである。 

e) 個々のヒューズエレメントの長さに沿った断面積の変化の法則が同じである。 

f) 

厚さ,幅及び数の変化は,定格電流に関して単調1)である。ただし,ヒューズエレメントの本数を減

らして,断面積を増加させてバランスさせる,及びその逆は行ってはならない。 

注1) 単調な機能:変数が一定の方向に同じ方向に常に変化する機能。 

g) 距離の変化がある場合,個々のヒューズエレメント間の距離,ヒューズエレメントとヒューズ筒との

間の距離は,定格電流に関して単調である。 

h) 表示器又はストライカ用に使用する特殊なヒューズエレメントは,e)及びf)は除外されるが,全ての

ヒューズリンクに対し共通である。 

6.6.4.2 

試験の要求 

同形シリーズのヒューズリンクでは,遮断試験は,表16にだけ従って実施する。 

 

表16−同形ヒューズリンクの遮断試験の要求事項 

試験系列 

試験するヒューズリンク(X印が行う試験を示す) 

− 

2 a) 

X c) 

− 

3 b) 

X d) 

X d) 

注a) ヒューズリンクA及びCに対する試験電流I2は,A及びCの定格

電流に応じて選定する。 

b) ヒューズリンクの最小定格電流は,ストライカを動作させるための

エレメントに加えて,主エレメントを2本以上もつ。 

c) この試験は,それぞれエレメントの断面積が,ヒューズリンクCよ

り小さい場合に適用する。 

d) この試験は,ヒューズリンクA及びBのI3/sの比がヒューズリンク

Cの比より小さい場合に適用する。この場合,最も小さいI3/sの比
の試験系列3のために選定する。 

 

表16の記号は,次の意味で使用する。 

A:最小の電流定格のヒューズリンク 

B:AとCとの間の電流定格のヒューズリンク 

C:最大の電流定格のヒューズリンク 

s:それぞれのヒューズエレメントの断面積 

6.6.4.3 

遮断試験の説明 

表16に従って実施した試験の結果が5.1.3の要求を満たす場合,同形シリーズ内のいかなる電流定格の

ヒューズリンクも,この仕様の遮断要求に一致しているものとする。 

ヒューズリンクが一つ以上の試験で5.1.3を満足できない場合,そのヒューズリンクは,同形シリーズと

しては扱わない。ただし,他の電流定格品は,同形シリーズとして扱う。 

製造業者は,同形シリーズの有効な電流定格のヒューズリンクに対して,最小遮断電流の有効な値を指

定する。これらの値は,シリーズのヒューズリンクCの試験系列3の遮断試験を基にする。同じ同形シリ


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C 4604:2017  

 

ーズの他の電流定格に対する最小遮断電流値は,計算で決めてもよい。主のヒューズエレメントの電流密

度は,ヒューズリンクCの電流密度と同等以上とする。 

6.6.5 

同形ヒューズリンクの展開による受入れ 

定格電圧がUx及びUzの異なる二つの同形シリーズX及びZの試験が成功する場合,両者の中間の定格

電圧の第三の同形シリーズYは,次の条件に該当したとき,通常,試験を行う必要はない。 

a) 定格電圧Uzは,2Uxを超えない。 

b) Yの定格電流は,X及びYで既に試験した共通の定格電流の範囲外でない。 

c) 定格電圧がUx及びUzで定格遮断電流が同じ,又はそれらが異なっていた場合は,低い値をUyに適用

する。 

d) 定格電圧Ux及びUzで同じ定格電流のヒューズリンクの最小遮断電流が同じ,又は異なった場合は,

高い値をUyに適用する。 

e) 定格周波数が同じである。 

f) 

全ての材料が同じである。 

g) ヒューズリンク及びヒューズエレメントの長さを除く全ての寸法が同じである。 

h) 各定格電流で,個々のヒューズエレメントの数及び断面積が同じで,中間電圧のヒューズエレメント

の長さを変える場合は,単位長さ当たりの変化量として示す断面積の変化の法則が一定である。 

i) 

ヒューズエレメントの長さは,既に試験した定格電圧のヒューズエレメントの長さから線形に変わる。 

6.6.6 

長さが異なる同形ヒューズリンクへの受入れ 

ヒューズスイッチ又はヒューズホルダの異なるタイプの固定されたサイズを供給するために,二つ以上

の異なる円筒長さに有効なヒューズリンクの設計をもつ必要がある。通常,最も短い円筒長さで全ての試

験を実施した場合,次の要求事項に従うときは,指定したものより長い円筒長さを実施する必要はない。 

次の基準が一致する場合,指定する同形シリーズについて6.6.2及び6.6.4に従って実施した試験を基に

して宣言した遮断特性及び定格は,円筒の長さが長い他の同形シリーズに対して有効である。 

a) 試験していない同形シリーズのヒューズのそれぞれの円筒長さは,同じ定格電圧で試験した同形シリ

ーズの円筒長さの1.6倍を超えない。主のヒューズエレメントの巻きピッチは長くなってもよいが,

それらの長さは,そのシリーズの試験したヒューズの長さと同じである。 

b) 試験していない範囲は,円筒長さを除いて6.6.4.1の全ての項目で一致する。 

c) 試験していない範囲の最大定格電流は,試験した範囲の最大定格電流以下で,かつ,試験していない

範囲の最小定格電流は,試験した範囲の最小定格電流以上である。 

6.6.6A コンデンサの遮断試験 

種類Cヒューズの組合せ遮断試験は,次の各項によって行う。 

a) 供試品の組合せ ヒューズの定格電流に対応した最大適用容量のコンデンサと組み合わせる。 

b) 試験回路 組合せ遮断試験は,図11Aに示す三相回路でその都度3個のヒューズを用いて行う。ただ

し,動作しない相のヒューズは,あらかじめ導体で短絡しておいてもよい。 

c) 固有電流 固有電流は,供試ヒューズを無視し得る程度の低いインピーダンスの導体に置き換え,図

11AのRS相間を短絡して測定した電流から求める。 

 

 


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C 4604:2017  

 

 

 

a) 三角結線の場合 

b) 星形結線の場合 

 

A:バックアップ遮断器 

C:コンデンサ 

 

B:供試ヒューズ 

S:投入器 

図11A−遮断試験開路 

 

d) 遮断試験条件 遮断試験条件は,次による。 

1) 試験系列 ヒューズの遮断試験は,表16Aに規定する試験系列4及び5について行う。 

 

表16A−組合せ遮断試験系列 

試験系列 

試験目的 

固有電流I4が定格遮断電流に等しい場合の遮断性能検証 

発弧時電流波高値が固有電流(交流分実効値)の85 %〜106 %
となる固有電流I5における遮断性能の検証 

 

2) 試験条件 組合せ遮断試験は,表16Bに規定する条件によって行う。 

 

表16B−組合せ遮断試験条件 

試験条件 

試験系列 

商用周波回復電圧 

定格電圧以上 

固有過渡回復電圧 

表9による。 

表14による。 

短絡力率(遅れ) 

0.07〜0.1a) 

固有電流 

I4 

I5 

発弧時電流波高値 

− 

0.85I5〜1.06I5 

投入位相角 

− 

電圧ゼロ後0°〜20° 

発弧位相角b) 

30°〜90° 

− 

回復電圧の継続時間 

15 s以上 

60 s以上 

試験回数 

回 

注a) 短絡力率は,使用者と製造業者との協定によって0.07以下としてもよい。附属書JF

も参照。 

b) 投入及び発弧位相角は,電圧ゼロ点から測定する。 

 

6.7 

溶断特性試験 

6.7.1 

試験の実施 

溶断特性試験は,6.3,6.7.1.1及び6.7.1.2の条件下で実施する。 

6.7.1.1 周囲温度 

溶断特性は,15 ℃〜40 ℃のいずれかの周囲温度で確認する。 

それぞれの試験を開始するときには,ヒューズは,ほぼ周囲温度になっていなければならない。 

6.7.1.2 

装置の配置 

遮断試験(6.6.1.5参照)とは別にこの試験を行う場合は,温度上昇試験を行うときと同一に装置を配置


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C 4604:2017  

 

する(6.5.1.2参照)。 

6.7.2 

試験方法 

溶断特性試験は,6.7.2.1〜6.7.2.4のとおり実施する。 

6.7.2.1 

溶断時間−電流試験 

ヒューズに流れる電流が実質的に一定に保たれるように回路を構成している場合,溶断特性試験の回路

電圧は,規定しない。 

遮断試験から得られた時間−電流データを使用してもよい。 

6.7.2.2 

時間範囲,試験電流及び試験回数 

クラスに応じて,次の時間範囲で試験を実施する。 

・ バックアップヒューズ:0.01 s〜600 s 

・ ジェネラルパーパスヒューズ及びフルレンジヒューズ: 0.01 s〜1 h。フルレンジヒューズの場合,1 h

より拡張することが望ましい。 

 

さらに,ヒューズの種類を指定する場合は,ヒューズの種類に応じ,表16Cに規定する試験を行う。試

験のために通じる電流は,次の値とし,試験回数は,各項目ごとに各1回とする。 

 

表16C−試験電流 

G(一般用) 

T(変圧器用) 

M(電動機用) 

C(リアクトルなし 

コンデンサ用) 

LC(リアクトル 

付きコンデンサ用) 

不溶断電流a) 
定格電流×2.0 
 
10 s溶断電流 
0.1 s溶断電流 
0.01 s溶断電流 

不溶断電流a) 
最小遮断電流b) 
600 s溶断電流 
10 s溶断電流 
0.1 s溶断電流 
0.01 s溶断電流 

不溶断電流a) 
 
600 s溶断電流 
10 s溶断電流 
0.1 s溶断電流 
0.01 s溶断電流 

不溶断電流a) 
定格電流×10 
600 s溶断電流 
10 s溶断電流 
0.1 s溶断電流 
0.01 s溶断電流 

不溶断電流a) 
定格電流×10 
600 s溶断電流 
10 s溶断電流 
0.1 s溶断電流 
0.01 s溶断電流 

この表中,溶断電流は,溶断特性曲線上の指定時間に対する電流値とし,実際の通電電流は,その値±10 %とする。 
注a) 不溶断電流は,表10Aによる。 

b) 最小遮断電流における溶断時間が600 sを超える場合にだけ実施する。 

 

6.7.2.3 

電流の測定 

溶断特性試験中のヒューズに流れる電流は,電流計,適切な周波数応答特性をもった計測システム,又

は他の適切な計器によって測定する。 

6.7.2.4 

時間の決定 

適切な周波数応答特性をもった計測システムによって時間を記録した場合,溶断時間は,バーチャル時

間又は実時間とし,いずれを選択したかを明示する。 

6.7A 許容時間−電流特性試験 

許容時間−電流特性試験は,許容時間−電流特性(4.13A参照)を確かめるために行う。 

許容時間−電流特性試験は,通風の影響がない場所で,あらかじめ通電・加熱しないヒューズについて,

次の各項によって行う。 

a) 周囲温度 特に指定がない限り常温で行い,40 ℃を超えない。 

b) 試験品の取付け及び個数 温度上昇試験と同じ状態に取り付けて行う。接続導体は,表12による。試

験品の個数は,試験の種類ごとに各3台とし,直列に接続して行ってもよい。 

c) 試験電圧,周波数及び電流波形 試験電圧は,定格電圧以下でもよい。試験周波数は,48 Hz〜62 Hz


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C 4604:2017  

 

とし,電流波形は,正弦波とする。 

d) 通電時間 通電時間は,60 sとする。 

e) 通電電流 通電電流は,許容時間−電流特性上の60 sに対応する電流とする。 

f) 

通電間隔 通電間隔は,30 min間隔又はそれ以下とする。 

g) 通電回数 通電回数は,次による。 

1) 試験の種類 A 繰り返し3回通電した後,60 s溶断電流によって溶断特性試験を行う。 

2) 試験の種類 B 繰り返し100回通電し,溶断の有無を調べる。 

6.7B 繰返し過電流特性試験 

繰返し過電流特性試験は,繰返し過電流特性(4.13B参照)を確かめるために行う。 

繰返し過電流特性試験は,通風の影響がない場所で,あらかじめ通電・加熱しないヒューズについて,

次の各項によって行う。 

a) 周囲温度 特に指定がない限り常温で行い,40 ℃を超えない。 

b) 試験品の取付け及び個数 温度上昇試験と同じ状態に取り付けて行う。接続導体は,表12による。試

験品の個数は,試験の種類ごとに各3台とし,直列に接続して行ってもよい。 

c) 試験電圧,周波数及び電流波形 試験電圧は,定格電圧以下でもよい。試験周波数は,48 Hz〜62 Hz

とし,電流波形は,なるべく正弦波とする。 

d) 通電時間 通電時間は,ヒューズの種類によって表16Dに規定する時間とする。 

e) 通電電流 通電電流は,ヒューズの種類によって表16Dに規定する電流とする。 

f) 

通電間隔 通電間隔は,30 min間隔又はそれ以下とする。 

g) 通電回数 通電回数は,ヒューズの種類によって表16Dに規定する回数とする。 

 

表16D−繰返し過電流特性試験の条件 

ヒューズの種類 

通電時間 

通電電流 

通電回数 

回 

(変圧器用) 

0.1 

ヒューズ定格電流の10倍 

100 

(電動機用) 

10 

ヒューズ定格電流の5倍 

10 000 

(リアクトルなし 

コンデンサ用) 

0.002 

ヒューズ定格電流の70倍 

100 

LC 

(リアクトル付き 

コンデンサ用) 

0.1 

ヒューズ定格電流の5倍 

100 

 

なお,表16Dに規定する通電時間及び通電電流による試験が困難な場合は,熱的に等価と考えられる可

能な限り短い通電時間及びそれに対応する通電電流を選んで試験してもよい。 

 

6.8 

ストライカ試験 

6.8.1 

一般 

ストライカ試験は,5.1.3 c)で4.14を満足することが要求される場合にだけ実施する。 

これらの試験は,電流又は電圧が低い値となることもある使用状態でもストライカが表11に規定するエ


37 

C 4604:2017  

 

ネルギーを伝達できるかどうか確認することを意図している。6.8.3の試験は,ストライカ引外し式のヒュ

ーズコンビネーションユニットが確実に正しく動作するほどストライカの動作が十分に速いかどうか実演

することも意図している。 

ばねによって蓄積したストライカのエネルギーは,動作試験中に振子による方法で確認するか,又は動

作試験後に力−移動距離特性から測定してもよい(6.8.4.1参照)。 

中荷重及び大荷重(表11参照)のストライカの押出し力は,動作試験後に試験する。 

6.8.2 

供試ストライカ 

ストライカ試験に使用するヒューズリンクは,ある与えられたタイプのストライカシステムを使用する

ヒューズリンクの範囲における最大定格電流及び/又は最大のワット損のものとする。 

ストライカと直列抵抗線とからなるストライカシステムが,ある与えられたヒューズの範囲で共通2)の

場合,その範囲全体でそのストライカの動作を実証するため,ある定格電圧の一つのヒューズリンクにだ

け試験する。その結果を,抵抗線の長さが定格電圧にほぼ比例すると仮定して,同一のストライカシステ

ムを使用する他の定格電圧のヒューズリンクに適用する。 

注2) 抵抗線の材質及び断面積が全ての場合で同一であり,抵抗線の長さだけ異なるストライカシス

テムである場合,共通のストライカシステムとする。 

6.8.3 

動作試験 

ストライカ試験に使用するヒューズリンクをまず低電圧回路に挿入し,主可溶体が溶断するように通電

する。電圧は,ヒューズのストライカ回路が損傷しないように十分低い電圧とする。試験電流の値は,溶

断時間が20 min以上となるような値とする。 

注記 規定する動作試験の最初の部分は,追加熱リレーを備えるストライカには適切でないことがあ

る。早すぎる熱的トリップは,規定どおりの試験の適切な継続を妨害することがある。この場

合の適切な試験の要求事項は,規定していない。 

主可溶体が溶断したヒューズリンクで,不必要な時間をかけないようにして,次の試験a)及びb)を実施

する。 

試験a):試験電流:10 A以下 

試験電圧:規定しない。 

試験b):試験電圧:ヒューズリンクの定格電圧の0.075倍以下 

試験電流:規定しない。 

試験回路の力率は,規定しない。 

試験a)及び試験b)に従って,それぞれ3本のサンプルについて試験を行う。 

試験a)及び試験b)の両方の条件を満足するように試験することが可能な場合,合計で3本のサンプルの

試験を行えばよい。 

6.8.4 

試験の実施 

6.8.4.1 

一般 

6.8.3の試験a)及び試験b)において,ストライカの移動距離,実際に移動したときのエネルギー出力及び

押出し力は,表11の規定値内でなければならない。 

6.8.3の試験b)では,ストライカの移動時間を測定し,表11の規定値を超えてはならない。 

6.8.4.2 

エネルギー試験 

エネルギーを力−移動距離特性から測定する場合,この測定は,動作試験後,次のとおり実施する。図

4に示すストライカの移動ABの最初及び最後の位置におけるスプリングの力FA及びFBをそれぞれあるサ


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C 4604:2017  

 

ンプルで測定した場合,そのエネルギーは,次の式で表す。 

エネルギー(J):

000

2

AB

)

(

B

A

F

 

ここで,FA及びFBはニュートン(N),ABはミリメートル(mm)単位で表す。 

エネルギーを振子の方法で測定する場合,測定は,次のとおり6.8.3の試験a)の最中に実施する。 

JIS K 7111規格群に規定する,より小さな衝撃エネルギー及び衝撃速度で,JIS B 7722に規定する振子

を使用することが望ましい。特に,中形及び大形のストライカに対する試験機は4 Jタイプ,小形のスト

ライカに対する試験機は0.5 Jタイプとすることが望ましい。 

試験機のハンマは,ストライカの移動方向と直角な十分な大きさの最低ビッカーズ硬さHV235のスチー

ル製の平らな表面をもたなければならない。 

ストライカは,力を必要としない規定の移動後に,静止してつり下げられたハンマの平らな面を打撃す

る。ストライカの移動は,試験機の打撃中心の方向とし,この打撃中心と振子の振動の軸によって定まる

面に対して垂直方向とする。 

6.8.4.3 

押出し力の試験 

中形及び大形のストライカでは,6.8.3の試験a)及び試験b)が終了した後,3台のサンプルで最小押出し

力を試験する。この試験では,定格最小押出し力と等しい力をストライカの軸方向に徐々に加え,ストラ

イカの最終移動距離が規定する最小移動距離OB(図4参照)より長いことを確認する。 

6.9 

電磁両立性(EMC) 

この規格の適用範囲のヒューズは,電磁妨害に敏感ではなく,いかなるイミュニティ試験も実施する必

要がない。ヒューズに起因する電磁妨害の発生は,ヒューズが動作した瞬時に限定される。形式試験にお

ける動作過電圧が,この規格の表7及び表8で規定する値を超えない限り,EMCに関する試験は,必要な

い。 

 

特殊試験 

7.1 

一般 

特殊試験は,あるタイプ又は特定のデザインのヒューズが規定する特性を満足し,特別に規定する条件

下で満足に動作するかを確認するために行う。同じタイプの全てのヒューズに規定した特性を確認するた

め,サンプルで特殊試験を実施する。 

ヒューズの動作を変える可能性がある構造の変更を行った場合にだけ,これらの試験を繰り返し実施す

る。 

製造業者の事前承諾がある場合,試験の利便性のため,試験に関して指定した値,特に許容誤差は,試

験条件がより厳しくなるように変更できる。 

別の規定がない限り,試験は,6.3に規定する試験条件及び7.2〜7.6に従って実施する。 

7.2 

特殊試験のリスト 

あるタイプのヒューズ又は特殊用途に対してヒューズの製造業者と使用者との協定に基づいて,次の試

験を実施する。 

・ 熱衝撃試験(屋外で使用することを意図したヒューズ) 

・ 容器内で使用することを意図していないヒューズに対するワット損試験(他のヒューズは,形式試験

の一部で試験する。) 

・ 屋外で使用することを意図したヒューズの防水試験(水分の浸入) 


39 

C 4604:2017  

 

全ての試験結果は,この規格を満足することを立証するために必要なデータを含む試験報告書に記録す

る。 

7.3 

熱衝撃試験 

7.3.1 

試験サンプル 

ヒューズホルダは,試験するヒューズリンク製造業者が指定する。 

注記 ヒューズエレメントだけが異なる複数の定格電流が含まれている場合,ワット損が最大となる

ヒューズリンクだけ試験すれば十分である。 

7.3.2 

装置の配置 

ヒューズは,製造業者の指定に基づいて装着し,表12に規定する寸法の裸銅導体で試験回路に接続する。 

7.3.3 

試験方法 

定格電流を超えない製造業者と使用者との間で合意された電流をヒューズに1 h通電する。その後,室

温を超えない温度の人工雨を約45°の方向から降水量が約3 mm/minの割合となるようにヒューズに降ら

す。この降雨は,試験電流を流したまま1 min続ける。 

ヒューズの外観に何らかの損傷があってはならない。 

7.4 

容器内で使用することを意図していないヒューズに対するワット損試験 

6.5に規定する条件下で試験を実施する。 

7.5 

防水試験(水分の浸入) 

7.5.1 

試験条件 

防水性(水分の浸入)の確認は,ぬれ促進剤を加えた温水槽に試験サンプルを沈めることによって行う。

温水の量は,試験サンプルの体積の10倍以上とする。 

7.5.2 

試験サンプル 

試験サンプルは,そのタイプを代表するヒューズリンクとする。3台のヒューズリンクを試験する。 

7.5.3 

試験方法 

15 ℃〜35 ℃の室温で,それぞれの試験サンプルを,水温が70 ℃〜80 ℃の温水槽に510

洀椀

蠰脰謰

試験サンプルを最初に沈めたときに発生した気泡が消えた後,試験サンプルの表面から気泡が現れては

ならない。 

7.6 

IEC 62271-105に規定するヒューズ付スイッチコンビネーションに使用するバックアップヒューズ

に対する試験 

(IEC 62271-105は我が国では適用されていないため,対応国際規格の規定を不採用とする。) 

7.7 

絶縁用液体に対する密閉試験 

(適用範囲外のため,対応国際規格の規定を不採用とした。) 

 

ルーチン試験 

コールド抵抗の規定又はヒューズリンクに関するその他の当該ルーチン試験の実施項目は,ヒューズ製

造業者と使用者との協定による。 

 

適用指針 

(要求事項ではないため,対応国際規格の記載を不採用とした。) 


40 

C 4604:2017  

 

附属書A 

(規定) 

回路の固有過渡回復電圧の仮想包絡線の作図及び 

規約パラメータの決定方法 

 

A.1 一般 

過渡回復電圧は,振動性及び非振動性の幾つかの異なる形を呈する。 

過渡回復電圧が単一周波数の減衰振動に近いとき,その包絡線は,二つの連続的な線分で構成される。

包絡線は,できるだけ過渡回復電圧の実際の形を表さなければならない。 

この附属書で規定する方法は,多くの実際の場合において,十分な近似方法として,その目的を達成で

きる。 

注記 提案した構成要求事項で,過渡回復電圧曲線によって立証されるよりも明らかに過酷なパラメ

ータとなる場合もある。その場合は,例外として取り扱うこととし,したがって,製造業者と

使用者又は試験機関との間の協定によることが望ましい。 

 

A.2 包絡線の作図 

次の方法を用いて,固有過渡回復電圧の包絡線を構成する線分を作成する。 

a) 最初の線分は,原点Oを通り,曲線と交差せずに,曲線の接線となる。 

曲線の初期部分が,左側がへこみ方向である場合,最大値付近が線分OAとの接点となる(図A.1

線分OA参照)。 

指数曲線のように,右側がへこみ方向である場合,接点は原点となる(図A.2の線分OA参照)。 

b) 2番目の線分は,波高値で引いた水平方向の接線である(図A.1及び図A.2の線分AC参照)。 

 

これらによって,2パラメータの包絡線O,A及びCを求める。 

 

A.3 パラメータの決定 

代表的なパラメータは,定義によって,包絡線を構成する線分の交点の座標である。 

図A.1及び図A.2に示すように,二つのパラメータuc及びt3は,交点Aの座標から求める。 


41 

C 4604:2017  

 

 

図A.1−初期部が左側にへこみ方向の過渡回復電圧の2パラメータ基準線の例 

 

 

図A.2−指数関数形過渡回復電圧の2パラメータ基準線の例 

 


42 

C 4604:2017  

 

附属書B 

(参考) 

試験系列1,2及び3に関する過渡回復電圧特性の選択理由 

 

高電圧ヒューズは,全ての標準仕様状態において十分動作し,かつ,高すぎる過電圧を生じることなく,

回路を遮断しなければならない。したがって,この規格に規定する遮断試験には,可能な限り,通常使用

時に生じる最も過酷な条件を代表していることが望ましい。ヒューズは,遮断器と同じ回路で使用するた

め,IEC 62271-100で規定する遮断器の過渡回復電圧の値を使うのが合理的であるとみなす場合もある。

ただし,遮断器の回路遮断は,ヒューズと原理が異なるため,遮断器の値がヒューズの試験には適さない

ことを示す詳細な研究もある。 

遮断器のように,ヒューズは,電流がゼロになった後,過電圧が生じることもあるが,過渡回復電圧の

状態によって決まる回路特性に依存して,高いアーク電圧も生じる場合がある。そのため,これらの試験

回路のパラメータによって,二つの基本的に異なる効果を考慮する必要がある。すなわち,アーク電圧に

及ぼす効果,及び過渡回復電圧に及ぼす効果である。 

ヒューズの動作不良は,発弧中の過剰なピーク電圧か,又は消弧後の電圧(すなわち,それ自身過剰で

あるか,又は再発弧を生じさせる。)に起因しているはずである。したがって,試験によって,このいずれ

の動作不良も生じないことを証明することが望ましい。 

表13に示す,試験系列1,2及び3に対応する三つの異なる固有遮断電流I1,I2及びI3で,ヒューズの

試験を行う必要があることが分かる。通常,I3の試験では,小さな過負荷電流しか網羅しないので,固有

短絡電流の範囲を完全に網羅するには,互いの値が大きく異なるI1及びI2を用いる試験が必要となる場合

がある。一般的に,定格電流,定格遮断電流及び特殊ヒューズの設計に依存して,I2の値はI1の値の0.2 %

〜100 %の範囲にある。過渡回復電圧の状態が無限に変化することに関連して,固有遮断電流が広範囲に

あるため,限流ヒューズの挙動に関する経験的な知識を考慮して,二つの試験電流によってだけ,その範

囲を得ることができる。ヒューズ技術についての現在までの知識及び実験的な事実に基づいて,次の事柄

を考慮している。 

発弧時間の間,回路のインダクタンス及びキャパシタンスのため,ヒューズは,過渡電圧振動が一般に

完全に滅衰するほどのエネルギーを吸収する。唯一の例外が溶断後の最初の数ミリ秒に生じ,この期間に

おいてアークが生成しつつある。この期間において,アークは比較的冷たい周辺物の中にあり,エネルギ

ー吸収による減衰作用は小さいはずで,アーク電圧が電源電圧のピークより急激に高くなった場合,高い

ピークの過渡電圧が生じる。 

ただし,現在,市販されているヒューズの多くは,アーク電圧がこのようには増加しないように,かつ,

過剰なアーク電圧が生じないように設計されている。 

さらに,電流がゼロになる直前又は直後に,アーク電圧から回路起電力へのステップ状の変化,又は電

流を裁断することでステップ状の変化がある場合,回復電圧に過渡現象だけが生じる。吹き飛んだヒュー

ズリンクの中の熱いアークの生成物の残留電導によっては,大きな裁断は生じないため,ステップ状の電

圧変化の状態だけを考慮するだけでよい。 

ヒューズは,アーク期間において大量のエネルギーを吸収するため,力率は,元の値から1の方向に移

るとみなすことができる。同じ回路において,アーク電圧がない場合と比べた場合,実際の電流ゼロは,

電圧ゼロにより近い。I1で定義する非常に高い電流では,電流ゼロにおいては,実際に,ステップ状の電


43 

C 4604:2017  

 

圧は生じないので,結果的に,回復電圧の過渡現象は生じない。 

ただし,一般的にI1より低いI2を用いる試験系列2では,力率の変化量は顕著でなく,電流ゼロでの回

路の起電力は,ステップ状の電圧とかなりの過渡現象を誘起させるに十分な値となる。I2の値は,力率の

変化を最小にする状態を実現するように意図的に選択するため,最大のステップ状の電圧では,I1ではな

く,むしろI2で生じる。電流がゼロになった後の最初の数ミリ秒において,熱いアークの生成物は,電気

伝導状態にあり,熱放射は過渡電圧の時定数に比べて遅いため,この電気伝導性は減少する。ヒューズ試

験において,この電気伝導性によって,付加的に回復電圧の過渡現象が減衰する。ただし,減衰量は,次

の式で表す回路の特性インピーダンスに比例する。 

C

L/

=2πf0L 

結果的に,低い固有周波数よりも,高い固有周波数の過渡現象が有効に減衰する。より低い周波数の過

渡現象はより長く持続し,これらは商用周波回復電圧を受けるため,特に商用周波回復電圧の最大まで持

続する場合,切れるヒューズリンクに余分な電圧ストレスを生じさせる。この特別なストレスが再点弧の

原因となり,不具合を引き起こす。試験の規定には,この状況を考慮しなければならない。 

上記の考察は,次のようにまとめられる。 

溶断後の最初の数ミリ秒を除いて,ヒューズのアーク電圧は,回路の過渡回復電圧状態によって大きな

影響を受けない。 

実際の回復電圧において,どの過渡現象も遮断電流の値に依存して生じる。最も大きな過渡現象は,試

験系列2の試験電流I2で予想され,最低の固有周波数での過渡現象がより有害である。試験電流I1がI2に

比べてかなり高い場合,通常,過渡現象は発生しない。 

ヒューズの過渡回復電圧特性と遮断器の過渡回復電圧特性とが同じであることが望ましかったので,

JIS C 4603に規定する標準値を採用することとした。ただし,上記の要素を留意した場合,試験に関して,

次に示す決定を考慮しなければならない。 

試験系列1 過渡現象は,実際の回復電圧には生じないので,固有過渡回復電圧条件は意味をもたず,そ

のため,規定しない。過渡回復電圧条件がアークのピーク電圧に影響し得るような例外的な

場合については,別途,規定する。 

試験系列2 低周波過渡現象はより有害であることが示されたので,代表的な固有低周過渡回復電圧を作

成する適切な値を,IEC 62271-100に規定する回路パラメータから導出した(表14参照)。単

一周波数振動を仮定して,これらの値は,IEC 62271-100における対応する電圧についての最

低周波数の1/4〜1/3となっている。さらに,ピーク電圧の形は,振幅係数が1.5に基づいてい

る。 

試験系列3 この規格には,過渡回復電圧の条件を既定していない。一方,6.6.1.2には,振動性の過渡現

象を完全に抑制するため,抵抗で回路のリアクタンスを短絡することを規定している。ただ

し,抵抗値が規定した値であっても,特に非常に低い固有周波数のとき,抑制できないこと

が経験的に分かっている。したがって,試験回路の固有周波数のいかんにかかわらず,これ

らの値を,少なくとも臨界減衰を得る値に修正してきている。 


44 

C 4604:2017  

 

附属書C 
(参考) 

開閉装置用油密性ヒューズの温度上昇試験に関する推奨配置 

 

(適用範囲外のため,対応国際規格の記載を不採用とした。) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

附属書D 
(参考) 

既存の各国規格で規定する限流ヒューズリンクの形状及び寸法 

 

(海外のヒューズに関する情報のため,対応国際規格の記載を不採用とした。) 

 


45 

C 4604:2017  

 

附属書E 

(規定) 

40 ℃を超える周囲温度で使用するための 

特定のタイプのヒューズリンクに関する要求事項 

 

E.1 

この附属書を適用するヒューズリンクのタイプ 

E.1.1 一般 

この附属書は,特定のタイプのヒューズリンクについてだけ適用する。それ以外のタイプについては,

周囲温度40 ℃を超える用途で使用する場合であっても,構成,用途及び使用実績を考慮することで,この

附属書の要求事項の一部又は全ての適用を除外してもよい。 

E.1.2 適用対象のヒューズリンクのタイプ 

この附属書が対象とするヒューズは,次による。 

a) 3.3.10で定義する有機ヒューズリンクのバックアップヒューズ及びジェネラルパーパスヒューズリン

ク。 

b) 全てのタイプのフルレンジヒューズリンク 

E.1.3 適用外となるヒューズリンク 

次のヒューズは,この附属書の対象外とする。 

a) 有機ヒューズリンクではないバックアップヒューズ及びジェネラルパーパスヒューズリンクは,最大

適用温度(MAT)遮断試験要求事項の適用から除外する。 

b) ストライカ引外し式開閉器にだけ使用する有機ヒューズリンクは,MAT遮断試験要求事項の適用から

除外する。 

c) ヒューズ自体以外に特別な熱源をもたない機器にだけ使用する有機ヒューズリンクのバックアップヒ

ューズリンク(例えば,IEC 62271-105又は同様の規格を適用する開閉器とヒューズとの組合せにお

けるヒューズリンク)は,MAT遮断試験要求事項の適用から除外する。 

 

E.2 

概要 

2.1に規定する通常使用条件では,最大周囲温度は,40 ℃と規定している。ただし,特定のタイプのヒ

ューズリンクは,その上限値を大幅に上回る周囲温度での使用を想定している。例えば,かなりの熱を発

生する変圧器のタンク,及びその他の機器の内部での使用,並びに強い日光が当たったり周囲温度が高か

ったりするような状況での使用がある。この附属書では,関連するヒューズリンクのタイプ及びそのよう

な用途で使用するヒューズに適用する特別な要求事項を規定する。そのような用途で使用するヒューズリ

ンクについてこの附属書に従った試験が必要な場合,ヒューズには,E.3で規定する最大適用温度(MAT)

を適用する。その温度が試験を行う温度となる。特定の用途における最大温度が分かっている場合には,

適切に試験したヒューズ(すなわち,使用時に予想される最大温度と同等以上のMATをもつヒューズ)

を選択できる。 

特定の用途では,MATの温度の状態は,例えば変圧器の過負荷,機器の不具合など,異常がある状態で

だけ起こる可能性があることに留意することが望ましい。そのような場合,ヒューズには適切なMATが

割り当てられていても,表6に規定する最大温度を超えることなく,MATの温度で連続使用することは適

切ではない場合がある。実際に,幾つかの典型的なMATの値は,表6に規定する最大温度よりも高い場


46 

C 4604:2017  

 

合がある。 

この附属書を適用するヒューズは,典型的な使用条件についての定格電流の低減を必要とする可能性が

高い(40 ℃を超える周囲温度でのヒューズの定格電流の低減に関する情報については,IEC/TR 62655:2013

のAnnex Aを参照し,製造業者に相談する。)。 

 

E.3 

定義 

最大適用温度,MAT 

ヒューズリンクに対して製造業者が指定した温度。ヒューズリンクと接する周囲媒質の温度で,ヒュー

ズリンクがその事故電流遮断性能を損なうことなく耐えられることが分かっている最大温度である。MAT

は,40 ℃を超える周囲温度での使用のために設計されたヒューズにだけ用いる。 

 

E.4 

推奨MAT定格 

40 ℃を超える温度で使用するヒューズリンクについて,製造業者は,MATの値についての情報を提供

する。この値は,R20シリーズ(45,50,56,63,71,80,90,112,125又は140)から選択することが

望ましい。推奨値は,71 ℃,112 ℃及び140 ℃とする。 

 

E.5 

使用条件 

この附属書の要求事項は,次の使用条件を網羅することを意図している。 

a) ヒューズリンクの周りに空気の流れがある,屋外に取り付けるヒューズ。ヒューズリンクのMAT定

格は,ヒューズを冷却する空気の温度に基づいている。 

b) ヒューズリンクの周りに比較的自由な空気の流れがあるような,大きな装着容器の内部に取り付ける

ヒューズ。ヒューズリンクのMAT定格は,装着容器内部の,ヒューズを冷却する空気の温度に基づ

いている。 

c) 比較的小さな装着容器の内部に取り付けるヒューズリンク。ヒューズリンクのMAT定格は,小さな

装着容器の外側の,それらを冷却する空気及び液体の温度に基づいていることに留意する。 

注記 空気以外のガスを冷却に用いる場合がある。 

d) ヒューズリンクの周りに比較的自由な液体の流れがあるような,大きな装着容器の内部に取り付ける

ヒューズリンク。ヒューズリンクのMAT定格は,ヒューズを冷却する液体の温度に基づいている。 

 

E.6 

追加の遮断試験要求事項 

E.6.1 試験方法 

遮断試験の方法は,6.3,6.6.1及び次のa)〜c)による。 

この附属書に別途規定がない限り,6.6に規定する試験に加えて,次の試験を行う。 

注記 特定のヒューズの設計の場合,かつ,特定の遮断の状態では,もっと低い温度での試験はより

煩雑となるため,周囲温度40 ℃以下で6.6の試験を行う必要がある。他の設計の場合,かつ,

他の遮断の状態では,高温での試験はより煩雑となるため,高温での試験も必要となる。 

a) 試験系列1 追加試験は不要。 

注記 通常,高温試験での失敗は,構成部品の温度の上昇に関係するため,また,(おおよその最大

アークエネルギーを求めるための)試験系列2の試験は,高温を発生させる傾向にあるため,

試験系列1は不要とみなす。 


47 

C 4604:2017  

 

b) 試験系列2 有機ヒューズリンクのバックアップヒューズ,ジェネラルパーパスヒューズ及びフルレ

ンジヒューズについては,表13の試験に加え,試験系列2の試験を3回,製造業者が指定する最大周

囲温度(MAT)にしてヒューズに対して行う。追加試験は,同一シリーズの中の最大の電流定格にだ

け適用する。 

c) 試験系列3 

1) 有機ヒューズリンクのバックアップヒューズ ある有機ヒューズリンクのバックアップヒューズに

ついて,6.6.1.1に従って40 ℃未満の周囲温度で行う試験系列3の試験において,溶断時間が100 s

を超えた場合,追加で2回,MATの温度で試験系列3の試験を行う。この追加試験は,溶断時間が

100 sを超える同一シリーズの最大電流定格についてだけ適用する。 

2) 全てのジェネラルパーパスヒューズ 追加試験不要。ただし,周囲温度が40 ℃を超える場合,試験

系列3の試験電流では,1 h以内にヒューズが溶断する可能性がある。使用者の要望がある場合,こ

の状態に対処するための時間−電流特性を提示してもよい(IEC/TR 62655:2013の5.1.1.2.8参照)。 

3) 全てのフルレンジヒューズ 表13に規定する試験は,E.6.3に規定する試験に置き換える。 

E.6.2 試験手順 

試験手順は,6.6.2,6.6.3及び次による。 

ほとんどの場合,この附属書に規定する高温試験は,製造業者がヒューズの定格とした温度(MAT)に

設定した恒温槽などで定温環境中に置いたサンプルについて行う。ヒューズ本体の温度が一旦安定した場

合,それ以降の試験中は,空気循環用のファンを止める。 

一般的に,この附属書に従って試験を行う場合,ヒューズリンクは,ヒューズリンクを取り付けて用い

る実際の機器に取り付けられるわけではない(例えば,MAT状態にするために恒温槽を使用する場合)。

このような場合,できるだけ使用状態に近い形でヒューズリンクを取り付けることが望ましいが,そのよ

うな取付状態が全ての面で6.3及び6.6の全要求事項を満たすわけではないことは認識されている。ただ

し,この附属書の試験は,6.6の試験の追加として行うものであるため,このことは許容可能とみなす。 

この附属書に従って試験することが必要なヒューズリンクが,小さな装着容器[E.5 c)を参照]内での使

用を意図したものである場合,使用状態と同等な状態にするために,適切な小さな試験用容器(FEP)内

で試験する。ヒューズリンク又はFEPに割り当てたMATが40 ℃を超える場合,ヒューズ及び装着容器は,

FEPを冷却する周囲媒質(例えば,空気)が割り当てたMATと同等以上の温度にすることができるよう,

炉内又はより大きな容器内に取り付ける。上記のように,補助的加熱装置を用いてもよい。一般的に,FEP

が使用するヒューズリンクと同等又はより厳しい条件で試験する場合は,個々のFEPの試験を行う必要は

ない。 

E.6.3 フルレンジヒューズ:試験系列3の試験 

40 ℃を超える周囲温度での使用を意図しているフルレンジヒューズについては,E.6.2に詳しく規定し

ているように,適用状態と同等な状態になるよう設計した加熱された装着容器内で試験系列3の試験を行

う。 

試験電流I3は,製造業者が指定するMATにおいてヒューズリンクを溶断し得る最も小さい電流として

選択する。I3を決定する試験装置の配置及び方法の詳細は,E.7で規定する。 

その後,2段階の遮断試験を6.6.3.1のc)又はd)に従って行う。高電圧電流I3は,E.7の加熱試験によっ

て決定する。低電圧電源は,不必要に試験時間が長引かないよう,溶断の間中I3より大きい値に設定して

もよい。ただし,その結果として溶断時間が1 h未満にならないようにする。1 h経過した場合,溶断を促

すために低電圧電流を元の値から最大15 %上げてもよい。 


48 

C 4604:2017  

 

E.7 

フルレンジヒューズ:I3電流の決定 

この手順は,製造業者が行ってもよい。 

I3の決定には,3本のサンプルを使用する。各サンプルは,E.6.2に規定する,製造業者がヒューズにつ

いて指定する定格の温度(MAT)に設定した温度の安定した環境に置く。 

ヒューズリンク本体が安定した温度になったとき,ヒューズに電流を流す。その後,再びヒューズリン

ク本体の温度が安定したとき,電流値を上げる。ヒューズが動作するまで,この操作を繰り返す。温度上

昇が1 h当たり2 %又は1 Kを超えていない状態を,温度が安定しているとする。 

電流の増分については規定しないが,通常,5 %〜10 %の範囲とする。 

3本のヒューズが溶断することなく通電した最大電流を調べる。I3は,これらの3本の値のうち最も小

さい電流値の0.9倍とする。製造公差を許容するために0.9とし,これによって,製造業者が指定する定格

最大周囲温度でヒューズリンクを使用したときにヒューズリンクが溶断する最小電流よりも若干低い電流

でI3試験を行うことになる。 


49 

C 4604:2017  

 

附属書F 

(参考) 

限流ヒューズの温度低減に関する指針 

 

IEC/TR 62655:2013のAnnex Aを用いる。 

 


50 

C 4604:2017  

 

附属書G 
(参考) 

It試験の有効性判定の基準 

 

G.1 

一般事項 

It試験を必要とするヒューズは,電流の大きさによって,異なるシリーズのエレメントが電流試験系列

のほとんどを担うようなヒューズである。大電流試験(試験系列1及び2)及び小電流試験(試験系列3)

が,異なるエレメントがそれぞれ遮断する電流の狭間にある領域を網羅していない場合,遮断できない電

流がないことを示すためにIt試験を行い,試験は項目ごと又は組合せで行う。ヒューズの設計には,様々

なものがあるため,そのような試験の有効性を確認できるような簡単な規則はない。この附属書は,実施

されたIt試験が実際に意図した結果を示しているかどうかを検証するための一般的な指針を示す。 

 

G.2 

遮断の動作 

It現象は,限流部(狭あい部)を設けた単一のエレメント,及びそれに直列する放出部(スリーブに入

ったエレメント)をもつヒューズリンクによって,簡単に説明できる。大電流では,狭あい部だけが溶融

及び発弧する(全狭あい部がほぼ同時に溶断する)のに対し,小電流では,放出部だけが溶融及び発弧す

る。そのような設計の場合,これら二つの部分の溶断時間−電流特性(TCC)は,小電流領域と最低一つ

の狭あい部が溶融及び発弧する大電流領域の中間電流との箇所で交わる。交わる箇所の電流値が,ヒュー

ズのIt電流である。このIt電流の少し上及び少し下の二つの電流レベルでの試験によって,ヒューズリン

クが小電流領域の遮断する最大電流を(大電流領域が遮断しないで)遮断し,かつ,大電流領域が遮断す

る最小電流を(小電流領域が遮断しないで)遮断できることになる。 

したがって,大電流領域はItより大きい全ての電流を遮断可能であり,小電流領域はItより小さい全て

の電流を遮断可能と仮定することは,適切である。各試験電流で関連する領域だけが発弧している場合,

この規格を満足できることになる。これは,物理的検査(ヒューズリンクを開く。),X線による検査,又

はそれらと同等の手段によって確認できる。 

上記の簡単な説明は,全てのヒューズに該当する基本的原理である。ただし,多くのヒューズの設計は,

この単純な動作ではない。直列の溶断領域TCCでの交差角度が浅いために一つのIt値に決められず,どの

電流値についてもその±20 %より大きい交差範囲がある場合がある。設計によっては,溶断TCCが全く

交わらない場合もあり,遮断の大部分をある領域が行う場合でも,もう一つの領域が全ての電流値で溶断

を行う可能性がある。多くのエレメントを並列にした設計の場合,大電流領域が溶融及び遮断動作が始ま

る電流値が,異なる領域のTCCカーブの交点に対応する“交差”値よりかなり下になる場合がある。これ

は,任意の電流値において,並列のエレメントが同時ではなく,順番に発弧するためである。これらの事

象全てにおいて,ヒューズ製造業者が規定を満足することを立証する電流値を決定する。また,多くの場

合,製造業者が,特定の試験が望ましい結果かどうかについて判断する。これは,電流遮断を行うことだ

けでは,交差範囲が十分に検証されたことを示す基準にはならないからである。このため,6.6.1.3におい

て,1.2It及び0.8Itが適切でない場合は,これらの値以外の試験電流値を製造業者が指定してもよい。 


51 

C 4604:2017  

 

附属書JA 

(参考) 

I2tの求め方 

 

JA.1 溶断時間が10サイクル以上の場合の溶断I2t 

図JA.1に,電流オシログラムを示す。 

電流の包絡線

'

AA及び

'

BB間の縦線に平行な距離の2等分

'

CCを描き,時間軸上の溶断時間tを10等分

し,次の式によって溶断I2tを求める。 

2

10

2

8

2

6

2

4

2

2

2

9

2

7

2

5

2

3

2

1

2

0

2

2

4

30

I

I

I

I

I

I

I

I

I

I

I

t

t

I

 

2

0

2

0

0

2

Y

X

I

 

2

1

2

1

1

2

Y

X

I

 

2

10

2

10

10

2

Y

X

I

 

0

0

0

E

F

X

 

0

0

0F

Y

 

1

1

1

E

F

X

 

1

11F

Y

 

10

10

10

E

F

X

 

10

10

10F

Y

 

 


52 

C 4604:2017  

 

 

図JA.1−溶断時間が10サイクル以上の場合の電流オシログラム 


53 

C 4604:2017  

 

JA.2 溶断時間が1.5サイクル以上10サイクル未満の場合の溶断I2t 

図JA.2に,電流オシログラムを示す。 

 

 

図JA.2−溶断時間が1.5サイクル以上10サイクル未満の場合の電流オシログラム 

 

各半波について最大値を境とした左右の区間をそれぞれ2等分し,次に式によってI2tを求め,その合計

を溶断I2tとする。 

t1区間 

2

2

2

1

1

1

2

4

6

i

i

t

t

I

 

t2区間 

2

3

2

1

2

2

2

6

i

i

t

t

I

 

 

t10区間 

2

20

2

19

2

18

10

10

2

4

6

i

i

i

t

t

I

 

 

JA.3 溶断時間が1.5サイクル未満の場合の溶断I2t 

図JA.3に,電流オシログラムを示す。 


54 

C 4604:2017  

 

 

図JA.3−電流オシログラム:溶断時間が1.5サイクル未満の場合 

 

各半波について最大値を境とした左右の区間をそれぞれ3等分し,次に式によってI2tを求め,その合計

を溶断I2tとする。 

t1区間 

2

3

2

2

2

1

1

1

2

3

3

8

i

i

i

t

t

I

 

t2区間 

2

5

2

4

2

3

2

2

2

3

3

8

i

i

i

t

t

I

 

 

t4区間 

2

12

2

11

2

10

2

9

4

4

2

3

3

8

i

i

i

i

t

t

I

 

 

ただし,t4区間が短い場合は,この区間を2等分して次の式によって求めてもよい。 

2

12

2

2

9

4

4

2

4

6

i

i

i

t

t

I

 

ここに, 

i: t4区間を2等分したときの電流値 

 

JA.4 動作I2t 

図JA.4に,電流オシログラムを示す。 


55 

C 4604:2017  

 

 

図JA.4−電流オシログラム:動作I2t 

 

溶断I2tの場合,溶断時間t1を3等分し,次の式によって求める。 

2

3

2

2

2

1

1

1

2

3

3

8

i

i

i

t

t

I

 

アーク期間中のI2t場合,電流波形の変曲点を境として2個又は3個の区間に分け,それぞれの区間を3

等分し,次の式によって求め,その合計をアーク期間中のI2tとする。 

t2区間 

2

6

2

5

2

4

2

3

2

2

2

3

3

8

i

i

i

i

t

t

I

 

t3区間 

2

8

2

7

2

6

3

3

2

3

3

8

i

i

i

t

t

I

 

 

JA.5 電流波形が直線で近似できる場合 

JA.5.1 三角波の場合 

図JA.5に,電流オシログラムの一部分を示す。 

 

 

2

1

2

2

3i

t

t

I

 

 

図JA.5−電流オシログラムの一部分:三角波の場合 

 

JA.5.2 台形波の場合 

図JA.6に,電流オシログラムの一部分を示す。 

 

 

2

2

2

1

2

1

1

2

3

i

i

i

i

t

t

I

 

 

図JA.6−電流オシログラム:台形波の場合 


56 

C 4604:2017  

 

附属書JB 

(参考) 

繰返し過電流特性 

 

ヒューズに電動機の始動電流が流れる回数,変圧器の励磁突入電流が流れる回数及びコンデンサの突入

電流が流れる回数は,仕様条件によって大きく異なるが,表10BではMヒューズは10 000回,T及びC

ヒューズは100回と規定した。これは,それぞれ数回/d,数回/yの繰返しを考慮したものである。 

更に多い繰返し回数が必要な場合には,製造業者が指定した図JB.1の例に示すような繰返し回数Nと

係数Sとの関係を示す特性から,適切な大きさの定格電流のヒューズを選定する。 

係数Sは,図JB.2に示すように,溶断特性から,次の式によって求める。 

m

I

I

S

 

ここに, 

I: t秒間通電電流 

 

Im: t秒における溶断電流 

 

 

図JB.1−繰返し回数と係数との関係 

 

 

図JB.2−溶断特性 

 


57 

C 4604:2017  

 

附属書JC 

(参考) 

発弧瞬時電流の求め方 

 

遮断試験の系列1及び2における試験条件では,発弧瞬時の電流値を予測しておくことによって,適切

な周波数応答特性をもった計測システムの感度調整を適切に行うことができる。 

ヒューズエレメントの材質にかかわらず,固有遮断電流と目標とする発弧位相角を決定した場合,図

JC.1から発弧瞬時電流の概略値を求めることができる。 

なお,It/2は,溶断時間が1/2サイクルとなる電流値を表す。 

 

 

図JC.1−発弧瞬時電流の求め方 


58 

C 4604:2017  

 

附属書JD 

(参考) 

投入位相角の決定方法 

 

遮断試験の系列1における試験条件では,発弧位相角を規定している。 

ヒューズエレメントの材質にかかわらず,固有遮断電流に応じて,図JD.1から求められる位相角で投入

することによって,ほぼ目標とする位相で発弧させることができる。 

なお,IT/2は,溶断時間が1/2サイクルとなる電流値を表す。 

 

 

図JD.1−投入位相角の決定方法 


59 

C 4604:2017  

 

附属書JE 

(参考) 

波形の狂い率決定方法 

 

波形の狂い率を求めるには,次に示す直角座標,極座標のいずれを用いてもよい。 

a) 直角座標からの求め方 図JE.1のA曲線を半サイクルの波形とする。波形の横軸をn等分し,その

中間における波形の瞬時値をa1,a2,a3,・・・・・,anとすれば,A曲線の実効値aは,次の式となる。 

n

a

a

a

a

a

n

2

2

3

2

2

2

1

・・・・

 

a

2を最大値とし,半波長DEがA曲線の0nの長さに等しい正弦波Bが等価正弦波である。A曲線

とB曲線との瞬時値の最大差が最小になるように重ね合わせたとき,その最大差をdとした場合,狂

い率(%)は,

100

2a

d

で算出できる。 

 

 

図JE.1−半サイクルの波形 

 

b) 極座標からの求め方 図JE.2を極座標で表した半サイクルの波長とする。 

 

 

図JE.2−半サイクルの波形 

 

この図形の面積Sを求め,等価正弦波の最大値Aを次の式で算出する。 

π

4

A

 


60 

C 4604:2017  

 

Aを直径とした原点Oを通る円を描き,この円と元の半サイクルの波形との最大差(Oを通る直線上で

測る。)が最小になるように重ね合わせたとき,その最大差をdとした場合,狂い率(%)は,

100

A

d

算出できる。 


61 

C 4604:2017  

 

附属書JF 

(参考) 

短絡力率の決定方法 

 

JF.1 直流分から求める方法 

この方法は,短絡率が比較的小さいときの推奨方法で,遮断試験回路の固有電流を記録したオシログラ

ム(図JF.1)において,固有電流の直流分idが次式の時間変をとるものとみなして,その減衰時定数Tか

ら求める。 

T

t

I

i

exp

d

d

 

ここに, 

Id: 直流分idの投入瞬時における値 

このとき,

R

L

T

であるから,試験周波数をfとした場合,短絡力率は,次の式で算出できる。 

2

2

)

π

2(

1

1

)

/

π

2(

1

1

T

f

R

L

f

 

ここに, 

T: 減衰時定数 

減衰時定数Tは,次のようにして求める。 

図JF.1において,固有電流波形の包絡線

'

AA及び

'

BB間の縦軸に平行な距離の2等分線を

'

CCとした場

合,

'

CCは直流分idを示し,その投入瞬時において縦軸との交点をCとした場合,OCは直流分投入瞬時

の値Idである。また,図JF.2において,投入瞬時から適当な時間t1(1/2f〜1/f s程度が便利である。)及び

t1時間の2倍のt2における直流id1及びid2は,次のように算出できる。 

T

t

I

i

1

d

1d

exp

 

T

t

I

i

1

d

2

d

2

exp

 

よって,Tは,次の式で算出できる。 

2

d

1

d

1

1

i

i

n

t

T

 

 

 

 

 

 


62 

C 4604:2017  

 

 

 

'

AA,

'

BB:電流波形の包絡線 

'

CC 

'

AA及び

'

BB間の縦軸に平行な距離の二等分線 

'

MM 

:投入瞬時 

'

QQ 

:遮断瞬時 

:固有電流 

id 

:固有電流の直流分 

Id 

:固有電流の直流分の初期値 

 

図JF.1−固有電流のオシログラム 

 

 

 記号は,図JF.1と同じ。 

 

図JF.2−固有電流のオシログラム 

 

JF.2 回路定数から求める方法 

この方法は,力率が比較的大きい場合に推奨される方法で,インピーダンスZ及び抵抗Rから,短絡力

率は,R/Zで算出できる。 

試験回路の抵抗値Rは,直流を用いて測定する。回路に変圧器が入っている場合は 

2

1

2

/n

R

R

R

 

として算出する。 

ここに, 

R2: 二次側の抵抗値 

 

R1: 一次側の抵抗値 

 

n: 変圧器の変圧比 

インピーダンスZは,図JF.3に示すように,固有電流及び遮断試験時の回復電圧を記録したオシログラ

ムから,次の式で算出する。 


63 

C 4604:2017  

 

1

1

A

b

I

E

Z

 

ここに, 

E: 回復電圧 

 

I: 固有電流 

 

 

図JF.3−固有電流及び回復電圧のオシログラム 

 

JF.3 パイロット発電機による方法 

試験用発電機の軸にパイロット発電機を取り付けた場合,オシログラム上で,パイロット発電機の電圧

と試験用発電機の電圧又は電流との位相を比較して,試験用発電機の電圧及び電流の位相各θを求めるこ

とができるので,短絡力率は,cosθとして算出できる。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献  

JIS C 4603 高圧交流遮断器 

JIS C 4611 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器 

IEC 62271-100,High-voltage switchgear and controlgear−Part 100: Alternating current circuit-breakers 

IEC/TR 62655:2013,Tutorial and application guide for high-voltage fuses 

電気学会 電気専門用語集No.10 ヒューズ 

JEM-TR 134 高圧限流ヒューズの用途別適用基準 


64 

C 4604:2017  

 

附属書JG 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS C 4604:2017 高圧限流ヒューズ 

IEC 60282-1:2009,High-voltage fuses−Part 1: Current-limiting fuses及びAmendment 
1:2014 

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1.1 

適用範囲 

 

1.1 

JISとほぼ同じ 

変更 
追加 
削除 

IEC規格は1 000 Vを超える範囲を
規定。JISは公称電圧3.3 kV又は
6.6 kVに限定。 
JISでは,IEC規格にない単相回路
への適用を追加。 
JISでは気中だけを対象。 

JISでは,従来から国内の高圧配
電系統に適用する限流ヒューズに
限定している。 
国内電力系統で適用する場合の内
容追加。 
我が国の公称電圧3.3 kV又は6.6 
kVの高圧限流ヒューズでは,油中
のものはないため,気中だけを対
象としていることを明確にした。 

用語及び定義 

 

JISとほぼ同じ 

追加 

負荷の特性に基づく種類に関する
用語(3.3.11A〜3.3.11F),及び“断
路形ヒューズ(3.3.11G)”を追加。 

種類については我が国独自の規定
であり,IECへの提案は行わない。 
断路形ヒューズについては,次期
改正作業で追加を提案する。 

4.2 

定格電圧 

 

4.2 

JISとほぼ同じ 

削除 

IEC規格は2系列で72.5 kVまでを
規定。JISは3.6 kV及び7.2 kVだ
けを規定。 

適用範囲に合わせる。 

4.3 

ヒューズホルダの
定格耐電圧 

 

4.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

IEC規格は系列ごとに定格電圧
72.5 kVまでの耐電圧値を規定。JIS
は定格電圧3.6 kV及び7.2 kVに対
する耐電圧値だけを規定し,数値を
変更。 

適用範囲に合わせる。 
耐電圧値は,絶縁協調のため,我
が国の電力系統で用いている値に
変更。 

4.4 

定格周波数 

 

4.4 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,IEC規格にない50 Hz/60 
Hz共用を追加。 

国内に二つの周波数がある我が国
特有の事情による。 

 

2

 

C

 4

6

0

4

2

0

1

7

 

 

 

 

 


65 

C 4604:2017  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4.5 

ヒューズホルダの
定格電流 

 

4.5 

JISとほぼ同じ 

追加 

IEC規格では,R10シリーズの一部
の電流値を規定。JISでは,現状,
実在する定格電流値を網羅するよ
うに規定。 

慣習の違いによるものであり,JIS
はIEC規格を包含している。 

4.6 

ヒューズリンクの
定格電流 

 

4.6 

JISとほぼ同じ 

変更 

IEC規格では,R10シリーズから選
択することを推奨。JISでは,現状,
実在する定格電流値を網羅するよ
うに規定。 

慣習の違いによるものであり,JIS
はIEC規格をほぼ包含している。 

4.10 

定格過渡回復電圧 

 

4.10 

JISとほぼ同じ 

変更 

過渡回復電圧の数値が異なる。 

永年,我が国で使用されてきた規
定であり,他規格との協調が必要。
IECに提案することを検討する。 

4.11 

溶断時間−電流特
性 

 

4.11 

JISとほぼ同じ 

変更 

我が国で普及している用途による
分類に基づいた溶断特性を規定。 
IEC規格では,グラフを作成する用
紙の詳細を規定。 

永年の慣習によって異なる分類に
基づいた特性を規定している。一
本化は困難であり,今後もJIS独
自に規定する。 
用紙については,国内独自のフォ
ーマットがあるため,統一困難。 

4.13A 

許容時間−電流特
性 

 

− 

− 

追加 

我が国で従来から使用されている
特性を規定。 

永年の慣習によって我が国独自に
規定している特性であり,選定時
に必要な特性となっている。IEC
に提案することを検討する。 

4.13B 

繰返し過電流特性 

 

− 

− 

追加 

我が国で普及している用途による
分類に基づいた溶断特性を規定。 

永年の慣習によって異なる分類に
基づいた特性を規定している。一
本化は困難であり,今後もJIS独
自に規定する。 

4.15 

IEC 62271-105に基
づく開閉器とヒュ
ーズとの組合せ用
バックアップヒュ
ーズの特別要求事
項 

 

4.15 

− 

削除 

IEC規格では,IEC 62271-105に基
づく開閉器との組合せについて規
定。 

国内では,IEC 62271-105に基づ
く開閉器は適用されていない。 

 

2

 

C

 4

6

0

4

2

0

1

7

 

 

 

 

 


66 

C 4604:2017  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5.1.2 

標準使用条件 

 

5.1.2 

JISとほぼ同じ 

削除 

IEC規格では,系統の種類ごとに系
統電圧の最高値を規定。また,単相
回路に関しても規定。 

我が国の電力系統,及び適用範囲
を考慮して,JISとして不要な規
定は不採用とした。 

5.1.3 

標準挙動条件 

 

5.1.3 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,ストライカが特定の機器
などと動作するように設計・製造さ
れている場合は,4.14を満足しない
でよいことを追加。 

限流ヒューズ付き負荷開閉器とし
て同一製造業者がヒューズと負荷
開閉器とを組み合わせて製造して
いる場合,ストライカについては
機器の内部構造として製造業者が
独自に仕様を決定すればよいこと
を明確にした。次期改正時にIEC
に提案する。 

5.2 

識別表示 

 

5.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

JISでは,IEC規格にない事項を推
奨として規定。 

JISでは従来から表示している事
項を推奨として追加。次期改正時
にIECに提案する。 

5.3 

寸法 

 

5.3 

(IV)参照 

削除 

IEC規格は,各国のヒューズの形
状・寸法を記載した附属書Dを参
照。 

要求事項がなく,我が国では該当
しない。 

6.2 

形式試験一覧 

 

6.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

IEC規格は限定条件の記載がない。
JISでは,ストライカ機能をもつヒ
ューズと組み合わせる機器が明確
になっていない場合に行うことを
追加。 

規定の対象を明確にした。次期改
正時にIECに提案する。 

6.4.2 

インパルス耐電圧
試験及び商用周波
耐電圧試験の試験
電圧の印加 

 

6.4.2 

JISとほぼ同じ 

変更 

電圧印加部分について,IEC規格で
は文章で規定しているが,JISでは
表に整理している。内容は,同等で
ある。 

次期改正時にIECに提案する。 

6.4.4 

雷インパルス耐電
圧試験 

 

6.4.4 

JISとほぼ同じ 

変更 

試験回数が,IEC規格は連続15回,
JISは正負極でそれぞれ各3回。 

絶縁協調の観点から,従来JISの
規定を採用する。 

6.4.5 

商用周波耐電圧試
験(乾燥) 

 

6.4.5 

JISとほぼ同じ 

削除 

IEC規格では,試験電圧の印加条件
を規定。 

JISでは,6.4.2に耐電圧試験の共
通事項として規定。次期改正時に
IECに提案する。 

 

2

 

C

 4

6

0

4

2

0

1

7

 

 

 

 

 


67 

C 4604:2017  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6.4.6 

商用周波耐電圧試
験(注水) 

 

6.4.6 

6.4.6 

変更 

IEC規格では降雨条件に応じて試
験時間を1 min又は15 minを規定
し,散水ノズルの形状を規定。JIS
では試験時間を10 sとし,ノズル
の条件は規定していない。 

国内で行っている高圧機器の試験
方法に合わせる。ヒューズ以外の
高圧機器全般に関わる事項であ
り,それらの動向を踏まえてIEC
への提案を検討する。 

6.5.3 

ワット損の測定 

 

6.5.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

IEC規格では,国内の高圧限流ヒュ
ーズにはないヒューズを想定した
要求事項を規定。 

我が国特有の製品形態による。 

6.6.6A 

コンデンサの遮断
試験 

 

− 

− 

追加 

JIS独自に規定。 

我が国特有の分類に応じた試験で
あり,旧規格どおり規定する。 

6.7.1.1 

周囲温度 

 

6.7.1.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

周囲温度の上限としてIEC規格は
30 ℃を規定。JISは40 ℃。 

国内の気象条件を考慮した。 

6.7.2.2 

時間範囲,試験電流
及び試験回数 

 

6.7.2.2 

JISとほぼ同じ 

追加 

ヒューズの種類に応じた試験をJIS
独自に規定。 

我が国特有の分類に応じた試験で
あり,旧規格どおり規定する。 

6.7A 

許容時間−電流特
性試験 

 

− 

− 

追加 

我が国で従来から使用されている
特性の試験を規定。 

永年の慣習によって我が国独自に
規定している特性の試験であり,
選定時に必要な特性となってい
る。IECに提案することを検討す
る。 

6.7B 

繰返し過電流特性
試験 

 

− 

− 

追加 

ヒューズの種類に応じた試験をJIS
独自に規定。 

我が国特有の分類に応じた試験で
あり,旧規格どおり規定する。 

6.8.1 

一般 

 

6.8.1 

JISとほぼ同じ 

追加 

ストライカ試験は,5.1.3 c)で4.14
を満足することが要求される場合
にだけ実施することを明記。 

規定の対象を明確にした。次期改
正時にIECに提案する。 

7.2 

特殊試験のリスト 

 

7.2 

JISとほぼ同じ 

削除 

IEC規格では,IEC 62271-105に基
づくバックアップヒューズについ
て規定。 

IEC 62271-105に基づくヒューズ
は,国内では適用されていない。 

 

 

2

 

C

 4

6

0

4

2

0

1

7

 

 

 

 

 


68 

C 4604:2017  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7.6 

IEC 62271-105に規
定するヒューズ付
スイッチコンビネ
ーションに使用す
るバックアップヒ
ューズに対する試
験 

 

7.6.1 

(IV)参照 

削除 

IEC規格では,IEC 62271-105に基
づくバックアップヒューズについ
て規定。 

IEC 62271-105に基づくヒューズ
は,国内では適用されていない。 

7.7 

絶縁用液体に対す
る密閉試験 

 

7.7 

JISとほぼ同じ 

削除 

IEC規格では油中のヒューズを規
定。 

適用範囲外。 

適用指針 

 

(IV)参照 

削除 

IEC/TR 62655:2013の箇条5を参照 要求事項ではなく,参考情報とし

ての参照であるため,JISとして
は不要と判断した。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(IEC 60282-1:2009,Amd.1:2014,MOD) 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

2

 

C

 4

6

0

4

2

0

1

7